【ポケダン超SS】発売一周年の記念日に

9月16日　発売一周年、前日

デンリュウ「遠足に行きましょう」

ピカチュウ「今なんて言いました？」

デンリュウ「遠足に――」

ピカチュウ「その前の」

デンリュウ「え？　特に何かを言った覚えはありませんが」

ピカチュウ「いや言ってた！　一周年がどうのこうの言ってた！」

ナエトル「ピカチュウ」

ピカチュウ「え？」

ナエトル「そこだけはツッコんじゃダメ。わかった？」

ピカチュウ「……え？」

デンリュウ「とにかく、遠足に行く事になりました。場所は海中洞窟です」

ブイゼル「海中洞窟？　あのオーベムたちがいた？」

デンリュウ「はい」

クチート「ほうほう……。私としては興味深いな。あそこの文字列も、まだ全て解読出来た訳ではないし」

ホルビー「だけどなぁ……。やっぱりオイラとしては、あそこはトラウマだなぁ……」

デンリュウ「いいじゃないですか。トラウマ克服と行きましょう！」

ペロッパフ「まあ、あまり深く考えなくて大丈夫だと思いますよー。それよりも、お弁当！」

デデンネ「……つまみ食いだけはしないでよ」

ペロッパフ「わかってますよ！　最近は量も減ってますし！」

アーケン「量、ね」

ペロッパフ「わーわーわー！」

ジラーチ「うーん、残念だけど、僕はパス。天体観測は、中断すると影響が大きいし」

デンリュウ「そうですか。まあ、仕方ないですね」

デデンネ「私もですね。連絡とって、こっちから何か情報が必要になるかもしれませんし」

デンリュウ「ですね。お願いします」

デデンネ「了解！」

ナエトル（でも、なんでよりにもよってそんなとこへ行こうと？）

ナエトル（海中洞窟と言えば、古代遺跡に通ずる場所で、そこは確か――）

ナエトル（うーん、ダンチョーの考える事は、さすがに読めないな）

ピカチュウ「遠足楽しみ……なんだけど、前の楽しいはずの遠足は……ちょっとね」

ナエトル（スカーフの超進化が初めて発動したのも、あの時だったよね）

ピカチュウ「また、なんか地雷臭がする」

ナエトル「うん」

ピカチュウ「ダンチョー、狙いはなんですか？」

デンリュウ「狙い？　いえいえ、あったとしても言ってしまえば台無しです」

ナエトル「あるんだ」

デンリュウ「あっ、いやそのぉ……」

ナエトル「でも、自分たちに言ったら、台無しになる。……わかりました」

ピカチュウ「わかっていいの？！」

ナエトル「仕方ないよ。ダンチョーの事だもん。なんかしら考えはあるはず」

ピカチュウ「うーん、まあそうだけど」

アーケン「ま、あんまり気にし過ぎるなよ。お前たちは、充分強いんだから」

ピカチュウ「……まあ、それもそうか」

デンリュウ「それではみなさん、気を取り直して……」

今日も頑張って行きましょう！

おー！！！

9月17日　祝、発売一周年！

ピカチュウ「昨日はダメだったね」

ナエトル「うん……。ホント、どこまで隠れてるのやら」

ピカチュウ「カラマネロ……。7月から、ずっと捜してるってのに、どうして見付からないんだろうね」（7月に関するうらるは完結後に掲載します）

ナエトル「……まあ、気にしちゃ負けだよ。今日ぐらいは、全部忘れて、楽しもう！

　　　　　　その方が、ダンチョーの作戦にとっても有利だろうし」

ピカチュウ「ふえ？」

ナエトル「言わないって事は……つまりそういう事でしょ。自分たちは知らない方が、作戦が上手く運ぶ」

ピカチュウ「まあ、それもそうか。よし、じゃあ、行こう！」

デンリュウ「それでは、行きましょう！　海中遺跡へ！」

デデンネ・ジラーチ「行ってらっしゃーい！」

みんな「行って来まーす！」

ラプラス「……ツッコミませんよ」

デンリュウ「本当に、ご迷惑をおかけします」

ラプラス「はいはい。それでは、向かいますよ、海中洞窟」

――

ピカチュウ「うっぷ、また嵐……。何？　調査団の遠足って呪われてるの？！」

アーケン「大丈夫か？　ピカチュウ」

ピカチュウ「き、気分が悪い……」

ラプラス「も、もう少し……です」

――

ラプラス「つ、着いた……はぁ、はぁ……」

デンリュウ「ありがとうございました」

ラプラス「い、いえ、大丈夫です」

デンリュウ「さて、行きますか。危険かもしれないので、全員で固まって行きましょう」

ブイゼル「多いな……」

ピカチュウ「まあ、虚無の世界でもこんな感じだったし」

ナエトル（……おかしいな、ペロッパフが、いやに静かだ。お弁当お弁当って騒ぐはずなのに）

ナエトル（ダンチョーの作戦は、自分とピカチュウだけが知らない、って事かな……。ペロッパフは、知ってる可能性が高い）

ナエトル（まあ、とりあえずは、自分の胸の内に）

クチート「こっちだな。行こう」

>>8
海底遺跡スレ思い出した

そういえば最近見ないなぁ

支援

ピカチュウ「でも、なんでわざわざ海中洞窟？」

デンリュウ「ん？　いえ、理由は特にありませんよ」

ピカチュウ「いや、なおさら怪しいんだけど。普通こんなとこ選ばないよ……」

デンリュウ「まあ、ですね」

アーケン「おらよっと！　ふぅ、敵も結構強いし、だりぃな」

クチート「そういやアーケンとペロッパフは初めてだったな、ここに来るの」

ペロッパフ「はい」

アーケン「俺はテンケイ山に行ってたし、ペロッパフも留守番だったしな」

デンリュウ「さてと、少し休憩しましょうか」

ナエトル（あれ？　おかしい……数が合わない。1、2、3、4……）

ナエトル「ホルビー！」

ピカチュウ「え？　……って、ホルビーがいない？！」

デンリュウ「えっ、本当ですか？！」

アーケン「マジかよ！」

ブイゼル「ホルビー！」

ペロッパフ「ど、どこにいるんですかー？！」

クチート「……返事はないみたいだな。みんな、一旦落ち着こう。ホルビーは、最後尾にいた。私たちは、いなくなる瞬間を、誰も見ていない」

ピカチュウ「マズイじゃないですかそれ？！」

クチート「ああ。ワープスイッチを踏んだのかもしれないな……。とりあえず、先に進まないか？　ホルビーもホルビーで、中継地点まで進むと思うんだ」

ピカチュウ「……うん。あっ、でもその前に、デデンネに連絡を入れよう！」

――おーい、デデンネ、聞こえる？

――ピカチュウ、どうしたの？

――ホルビーが、いないの！

――えっ？！

――ホルビーと連絡を取ってもらえる？

――わかった！

――もし連絡が付いたら、私たちは中継地点で待ってるって連絡して。

――了解。

ピカチュウ「デデンネも電波で伝えてくれるって。中継地点で合流だって」

デンリュウ「そうですか。よし、それでは行きましょう！」

ナエトル（……これが、自分たちの知らない何か……。だとすると、何が狙いだ？）

ピカチュウ「ナエトル、大丈夫よ、そんな怖い顔しなくても。ここは虚無の世界でもなんでもない。いなくなったからって、もう会えない訳じゃないんだよ」

ナエトル「え、ああ、うん」

ナエトル（そりゃ、会えない訳じゃない。……けど）

ナエトル（予想通りと言うかなんと言うか、少し目を離した隙に、また消えた。今度は、ペロッパフが）

ナエトル（ピカチュウの慌て方は酷いけど、他のみんなは、どうにも、少し冷静な気がする）

ナエトル（色眼鏡のせいかもしれないけど）

ピカチュウ「ナエトル、どうしよう！　そして誰もいなくなった、みたいになっちゃうかもしれないよ！！」

ナエトル「落ち着いて。慌ててもダメ。6匹全員で、お互いを監視してないと」

ピカチュウ「うん」

ナエトル（ダンチョー、何が狙いなんだ？）

ナエトル（クチートは、十中八九知ってる。ブイゼルと、アーケンはどうだろう……。知ってるんじゃないかな）

ナエトル（訳がわからない。……こんな悪戯じみた事して、何になるんだ？）

支援！

ピカチュウ「えっ、ちょっと！　またぁ？！」

ナエトル（おっどろいた。まさか、見張り合いながら進んでも、消えるだなんて。ホントにいきなりだ）

ナエトル（……こっそり隠れるなんて次元じゃない。これは、ほぼ間違いないかな……）

ナエトル（ワープ系のアイテムを使ってる。完全に、仕組まれた話だ）

クチート「……何が起きているんだ？」

デンリュウ「さあ……」

アーケン「……ったく、どうしてこう……」

ピカチュウ「ホルビー！　ブイゼルー！　ペロッパフー！」

ナエトル（デデンネもグルだとしたら、電波での捜索もあてにならない。

　　　　　　ピカチュウもあんな調子だし、ここは、自分が理由を考えないと……）

ピカチュウ「消える……何が、どうなってるの？　ダンチョー、なんでわざわざ海中洞窟なんかで遠足をしたの？！」

デンリュウ「お、落ち着いてください！　互いに見張っていないと、誰かがまた消えるかもしれませんよ！」

ピカチュウ「なんでよ！　何よ！　ダンチョー、みんなが心配じゃないの？！

　　　　　　　ここは、現実なんだよ？！　捜せば、見付かるかもしれないんだよ？！」

クチート「ああ。だが、確実なのは、捜索よりも、合流だ。それと、ピカチュウ」

ピカチュウ「え？」

ナエトル「アーケンも、いない」

ピカチュウ「……もう、もう嫌だっ！　こんな遠足、もう嫌だっ！」

ナエトル「……落ち着こう。クチートたちが言ってる事は、正しいよ」

ピカチュウ「……ナエトルが言うのなら……」

ナエトル「出来る事は、進むだけだ」

ピカチュウ「うん……」

ナエトル（何かが……何かが足りない。思い出せ、ナエトル。前回の遠足は、何のために行っていた？）

ナエトル（エンテイが石化の犯人じゃないかと疑って、それで調査したんだ）

ナエトル（目下調査団の一番の問題ごとは？）

ナエトル（……間違いなく、カラマネロだ）

ナエトル（カラマネロを潰すために、ここに来たのなら）

ナエトル（ここの性質を考えよう。ここの一番奥、古代遺跡の最奥部で石化されたら、奈落の底に落とされるんだっけ）

ナエトル（それだけ、虚無の世界と関わりが深い）

ナエトル（で、どうしても見付からないカラマネロに、ダークマターが絡んでいるかもしれないと言っていた）

ナエトル（だとすると……誘き出すため？　カラマネロを、誘き出すため？）

ナエトル（別の事に目を向けさせれば、カラマネロへの注意力は散漫になる。それで、わざわざこんな面倒な方法を取った？）

ナエトル（普段は、何をしてても心のどこかでカラマネロの事を気に掛けていた。だから、来なかった）

ナエトル（だけど、カラマネロは、自分たちを襲うだろう。ジラーチに願うのでなければ、きっと、世界を壊す時に最大の障壁になるのが自分とピカチュウ）

ナエトル（それを、気付かれない内に、潰したい……？）

ナエトル（襲って来たカラマネロを、全員で……）

ナエトル「クチート、ちょっといい？」

クチート「どうした？」

――

クチート「……さすがだな」

ナエトル「気付いたら、意味ないですけどね」

クチート「ああ。……とりあえず、ナエトル。予備のワープのタネだ。ナエトルがいると、カラマネロも襲い掛かって来ない可能性が高い」

ナエトル「はい」

クチート「離脱したら、本当に中継地点の物陰に隠れるんだ」

ナエトル「わかりました」

ピカチュウ「……まだ、みんないるね。ナエトル、そろそろリーダー変わろう」

ナエトル「うん」

ナエトル（ピカチュウ、ホントにごめん）

ピカチュウ「……ダンチョーもいなくなっちゃった……」

クチート「……大丈夫だ。きっと、みんな、中継地点を目指してる」

ピカチュウ「うん……」

ナエトル「ピカチュウ、安心して。絶対合流出来るから。気を強くもって」

ピカチュウ「……」

ナエトル（辛いだろうな……。だけど、言う訳にはいかない）

クチート「ピカチュウ、しっかりするんだ」

ピカチュウ「だけど……だけど、これじゃ……虚無の世界と同じだよ……。

　　　　　　　みんな、みんないなくなっちゃって、私と、ナエトルと、クチートだけが残されて……」

クチート「もしかしたら、三聖獣が助けに来るかもな」

ピカチュウ「冗談言わないで！　私……私……」

ナエトル「ピカチュウ……。うん。今は、泣いていいよ」

ピカチュウ「うっ、うわわわわーーーーん！」

ナエトル（……ん？　クチート、今？）

ナエトル（あっ、食べた。……酷い、最悪のタイミングだ）

ピカチュウ「わーーーーーん！」

ナエトル（……自分は、ピカチュウに気を取られて、気付かなかった、うん）

ピカチュウ「……2匹っきりだね、もう」

ナエトル（……自分も、そろそろ消えないとマズいんだけど……）

ピカチュウ「絶対、絶対離さないから。ナエトル、一緒にいてね」

ナエトル「う、うん……」

ナエトル（参ったな、逃げるタイミング、0だよ……）

ピカチュウ「放電！　草結び、エレキボール！」

ナエトル（オーバーキルもいいとこだ……）

ピカチュウ「中継地点まで、後何フロアだっけ？」

ナエトル「そろそろだと思うよ」

ピカチュウ「みんなが……待ってる、よね！　急ごう！」

ナエトル（……今しかない）




ナエトル（……ごめん、ピカチュウ）

ピカチュウ「急ごう！　ナエト……ル……」

ピカチュウ「ウソ、ナエトルも？！」

ピカチュウ「そんな、ウソだよね？！　ナエトル、いなくなっちゃうなんて、ウソだよね？　……お願いよ、ウソって、ウソだって、言ってよ……」

ピカチュウ「私……どうすればいいの？」

ピカチュウ「……いそ……がなきゃ」

ピカチュウ「みんなが……みんなが待ってるはずだから……」

ピカチュウ「……ナエトルが、いるはずだから……」

ピカチュウ「着いた。……まだ、誰もいない。うん。まだ、いないだけなんだ」

ピカチュウ「……みんなぁ……ナエトルぅ……どこに、どこに行っちゃったの……」

「はじめまして、英雄さん」

ピカチュウ「えっ？　誰？」

「あれ、ご存じありませんか？　あなたが今、捜しているポケモンです」

ピカチュウ「……幻覚でも見せてるつもり？　残念ながら、ふみんリングルのお陰で効果はないの」

ピカチュウ「あんたの思い通りになると思ったら、大間違いよ……

　　　　　　　――カラマネロっ！」

カラマネロ「幻覚などではないのですが。、それほどまでに気を取られていたというのですか、私以外の何かに。そりゃ、嫉妬しちゃいますねぇ、あなたと同様に」

ピカチュウ「……何言ってんのよ！　スリーパーを操って、変な願いを掛けさせようとしたでしょ！　許さないんだからっ！　エレキボールっ！」

カラマネロ「うぐあああっ……なぁんて、さすがですが、復活のタネを持ってらっしゃるのは、あなただけではないんですよ」

ピカチュウ「ぐっ……」

ナエトル「待てっ、カラマネロっ！」

ブイゼル「お前の好き勝手には、させない！」

ピカチュウ「み、みんな……！！　いたんだ！！！」

ナエトル「今回のこれは、こいつをおびき寄せるための作戦だったんだ」

ピカチュウ「え？」

カラマネロ「ほう、みすみす騙された、という訳ですか。……ですが、残念ですね。お気づきになられませんか？　ピカチュウさん」

ピカチュウ「……何よ、あんたが今さら……今さら……」

アーケン「どうしたんだ？」

ピカチュウ「……ZZZ」

ブイゼル「えっ、どうしてだ？！　俺たち全員、ふみんリングルを付けてるはずだぞ！」

カラマネロ「すりかえ、ですよ。そして……」

ナエトル「なっ！　……させるかっ！　葉っぱカッターっ！」

カラマネロ「リフレクター。邪魔は、させません」

ナエトル「リフレク撒いても、特殊技なら余裕だ！　大地の力……」

カラマネロ「おおっと。ピカチュウの催眠、完了です」

ナエトル「なっ……」

クチート「ふざけるなっ！　不意打ちっ！」

カラマネロ「無駄ですよ」

ナエトル「いや、無駄じゃないね。近付きさえすれば、こっちのもんだ。

　　　　　　ギガドレインっ！」

カラマネロ「ピカチュウ」

ピカチュウ「エレキボール」

ナエトル「なっ……うぐっ！」

ホルビー「この……ポケモンでなし！」

ペロッパフ「最低です！　妖精の風！」

カラマネロ「光の壁。……ピカチュウさえいれば、もう用はありません。それではっ！」

ナエトル「やめろぉぉおおおおおっ！」

カラマネロ「無駄ですよ。虚無の世界へ行くのですから」

ナエトル「……は、外れた……」

ナエトル「ぴ、ピカチュウが……連れ去られた……」

ナエトル「そんな……そんな事が、あるはずない……」

ナエトル「ピカチュウ……ピカチュウ……」

ナエトル「ど、どうして……」

デンリュウ「ナエトル、落ち着きましょう」

ナエトル「無理ですよっ！　決めたんです。死ぬまで、永遠に一緒にいるって！　ピカチュウは、大切な相棒だからっ！」

ナエトル「……みすみす連れ去られるぐらいなら……こんな事、しなきゃよかった……こんな、こんな作戦、しなけりゃよかったんだ……」

ナエトル「どうしてっ！　どうして僕は、守れなかったんだっ！　う……うわああぁぁ……」

TO　BE　CONTINUED……

超ってそんな最近だったのか
感覚的には2年位経ってるんだがなぁ

当SSの当スレにおける話はこれにて完結です
7月の話はhttp://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=340105になります