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SS

【SS】またまたまたまた>>5が書けといったSSを書く

 ▼ 1 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 00:43:15 ID:Hnjc3JhM [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネタはあるのに筆が進まないので
 ▼ 2 ンバドロ@すくすくこやし 17/07/28 00:43:48 ID:vlO1jWBI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
kskst
 ▼ 3 ロベルト@せいなるはい 17/07/28 00:44:07 ID:RrIUNUKY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk
 ▼ 4 エルオー@ガオガエンZ 17/07/28 00:44:18 ID:74HQmprM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アニメSMのメンバーでカラオケ
 ▼ 5 ジュマル@フリーズカセット 17/07/28 00:44:35 ID:3Jra42YQ NGネーム登録 NGID登録 報告
醜いデデンネの子
 ▼ 6 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 00:45:23 ID:Hnjc3JhM [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>5
了解






【SS】醜いデデンネの子
 ▼ 7 ッカニン@ウイのみ 17/07/28 00:47:08 ID:RrIUNUKY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
tktk
 ▼ 8 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 15:08:25 ID:Hnjc3JhM [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

真っ暗なタマゴの中のわたしに、お母さんが繰り返し語りかけてくれたことがある。

世界はたくさんの色で満ちていること。

例えば、見渡す限り広がる空は、青。

風にざわめく森は、緑。

世界を照らす太陽の光は、白。

そして、わたしの体は、オレンジ。

明るくて暖かい色らしい。

もちろん、タマゴの中を塗りつぶしている暗闇しか知らないわたしは、色の名前を聞いても想像のしようがない。

けれど、このすぐ外側にそんな色とりどりの世界が広がっているんだと、わたしは胸を弾ませていた。
 ▼ 9 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 15:09:31 ID:Hnjc3JhM [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


そして、とうとうタマゴが割れる。

殻に開いた穴から最初にわたしの目に飛び込んだのは、白だった。

これが、光?

聞いていた以上の眩しさに、思わず目を細める。

すぐに光を遮って中を覗き込んできたのは、柔らかな暖かさを感じる色……多分、オレンジ。

『あら、あなた……』

この声は、お母さんだ。でもなんだろう、なんだか驚いているような……?

『……黒いのね!』

『えっ?』

わたしは間抜けな産声をあげた。
 ▼ 10 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 15:10:24 ID:Hnjc3JhM [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

殻の残りをパリパリと破ってタマゴの外へ出ると、一足先に生まれたお兄ちゃんが目を丸くしてわたしを見ていた。

『あれ? お母さんと違うー』

お兄ちゃんは、お母さんと同じオレンジ色。

『えっ、えっ?』

そして、わたしは……違う?

下を見ると、何やらタマゴの中の暗闇によく似た色の体がある。

わたしが足を上げると、その体の足も上がった。

『ふふふ、それが黒。夜空と同じ闇の色。……あなた、色違いよ!』

お母さんは、笑って言った。
 ▼ 11 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 15:11:54 ID:Hnjc3JhM [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『へぇー、色違い!』

お兄ちゃんが、わたしの体をまじまじと見つめる。

色違い……。

お母さんと違うのは少し残念だけど、別にいいのかな。

そんなことよりも、わたしの興味はもう他のまだ知らない色に移っていた。

『ねぇ、お母さん。青は? 緑は? 外はいろんな色があるんじゃないの?』

見渡しても、タマゴの中で聞いていたほどの種類の色は見当たらない。

早く見てみたくて、お母さんに色をせがむ。

『そうねぇ、ここは、外じゃないから……』

お母さんは困ったように、そうこぼした。

『外じゃない? でもだって、わたしたちはタマゴの外に……』
 ▼ 12 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 15:12:32 ID:Hnjc3JhM [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

わたしがそう言いかけると、突然バタンという大きな音が空気を引き裂いた。

「おおっ、生まれてる!!」

タマゴの中で聞いたことのある、母とは違う声の持ち主が、ドタドタと駆け寄ってくる。

「あー、生まれる瞬間見逃しちゃったなぁ……ん? なんだこの色」

人間の男の子は、わたしを見て、訝しむように眉をひそめた。

そして。

「気味が悪いな……。まぁ、外に逃がしちゃえばいいか」

まるで起伏のない声音でそう言うと、男の子はわたしを掴み上げた。
 ▼ 13 リンリキ@プロテクター 17/07/28 15:13:01 ID:GToaFPbE NGネーム登録 NGID登録 報告
闇の色?

うんこの色だr






 ▼ 14 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 15:13:03 ID:Hnjc3JhM [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『え?』

お母さんとお兄ちゃんが遠ざかっていく。

『待って……待ってーーー!』

お母さんが、わたしに向かって叫んでいる。

お兄ちゃんは、わたしとお母さんをキョロキョロと見て、どうすればいいか分からないような顔をしている。

キミガワルイ? ソトニニガス?

『……あ』

その言葉の意味を理解したわけではない。

それでも、これから何が起こるのかだけは、分かってしまった。
 ▼ 15 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 15:14:17 ID:Hnjc3JhM [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

見えない壁のようなものが男の子に引っ張られてガラリと開くと、そこから流れ込んだ冷たい空気が頬を撫でた。

きっとこの先が、お母さんの言っていた外なんだ。

そして多分、一度出されたらもう永遠に戻れない。

『お母さん! 助けて……お母さん!』

『今助けるわ! でんきショック!! ……え!?』

お母さんの頬から火花が1つ弾け、それはすぐに宙に溶けて消えた。
 ▼ 16 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 15:15:05 ID:Hnjc3JhM [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『嘘……電気が……!』

「うわっ、今放電しようとした!? 危ないな……アンテナに絶縁処理しといて正解だった」

男の子は音に少し驚いてお母さんの方を振り向いたようだったが、すぐに外の方に向き直る。

「……じゃあな」

そしてわたしと初めて目を合わせて、冷たく何やら言い捨てて。

直後に、わたしをさっと外へ放った。

『お母さーーーーん!!』

『絶対、迎えに行くから! だから……い』

お母さんの言葉は、ぴしゃりと閉じられた見えない壁に遮られた。
 ▼ 17 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 15:15:28 ID:Hnjc3JhM [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

わたしは、見えない壁の前で何度もお母さんを呼んだ。

お母さんもしきりにわたしに何か伝えようとしていたけれど、音はもう届かない。

そうしているうちに太陽は落ちて、夜になってしまった。
 ▼ 18 うにんこぞう◆SxCy/NIFN. 17/07/28 15:17:55 ID:Hnjc3JhM [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


薄く靄がかかった、暗闇の空。

わたしの体と同じ、黒。

普通のデデンネとは違う色。

それはとても醜い色で、だからわたしは捨てられた。

ただそれだけの理由で、わたしは家族と切り離された。

『うぅっ……うっ……』

涙が溢れてくる。

寂しさなのか、悔しさなのか、それともお腹が空いたからなのか。

苦しみがぐるぐる混ざったようなもので心が溢れて、いつまでも涙は止まらなかった。
 ▼ 19 SxCy/NIFN. 17/08/02 03:58:28 ID:wu3fOY5k [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




『……ん』

目を開くと、朝日が差していた。

身を切る冷たい風にぶるりと体を震わせて、起き上がる。

どうやら、いつの間にか泣き疲れて眠っていたらしい。
 ▼ 20 SxCy/NIFN. 17/08/02 03:59:04 ID:wu3fOY5k [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

見えない壁の向こうを覗き込む。

壁のそばで、お母さんとお兄ちゃんがくっついて寝ていた。

手を伸ばせば届きそうな距離。

それなのに、向こう側には触れられない。

見えない壁の冷たく硬い感触があるだけだ。
 ▼ 21 SxCy/NIFN. 17/08/02 04:00:07 ID:wu3fOY5k [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ふと、お腹から弱々しい音が聞こえてきた。

そういえば生まれてからまだ何も食べていない。

『何か、食べもの……』

辺りを見渡す。

周囲を狭く取り囲む灰色の壁。

その外側にところどころ生えている、同じく灰色の棒と、棒同士を結ぶこれまた灰色の線。

地面にはところどころ枯れた短い草が茂っているだけで、食べられそうなものは見当たらない。

『お腹すいた……お母さん……』

わたしは、冷たい壁に寄りかかって座り込んだ。
 ▼ 22 SxCy/NIFN. 17/08/02 04:01:21 ID:wu3fOY5k [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『おい、そこの嬢ちゃん』

突然、上から声がした。

咄嗟に見上げると、灰色棒の先端に小さな影が座っている。

逆光でその姿ははっきりとは見えない。

『…………?』

どうするべきかわからずに固まっていると、影はふらりと棒から身を乗り出し、ほとんど音も立てずにわたしの目の前に着地した。

『ひっ!』

突然肉薄された恐怖に、思わず悲鳴を漏らす。
 ▼ 23 SxCy/NIFN. 17/08/02 04:02:03 ID:wu3fOY5k [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『なんて面してんだ全く……。安心しろ、俺は草食だ』

その言葉からは敵意は感じ取れない。

どうやら、わたしを食べるためにここに来たわけではないらしい。

『あ……。……あなたは?』

『俺はコラッタ。この街で暮らす野良ポケモンだ。お前と同じ、な』

野良ポケモン?

『わたしと、同じ……?』

『ああ、そうだ。親もいなけりゃ群れのある野山にも帰れねぇ、そういうポケモンだ』
 ▼ 24 SxCy/NIFN. 17/08/02 04:02:32 ID:wu3fOY5k [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

そうか、そういうポケモンを野良ポケモンというのか。

なら、このポケモンは勘違いをしているんだ。わたしは野良ポケモンではない。だって……

『わたしには、お母さんがいるよ?』

『ああ、そうだな。多分その窓の向こうにいる奴のことだよな、お母さんってのは』

窓と言うのか。見えない壁の先に視線をやりながら、コラッタは言った。

『うん。だから、わたしは野良ポケモンじゃ……』

『でもな』

コラッタは、説明するわたしの言葉を遮って。

『その壁の向こうにはもうどうやったって行けねぇんだぜ?』

受け入れがたい現実をわたしに突きつけた。
 ▼ 25 SxCy/NIFN. 17/08/02 04:03:22 ID:wu3fOY5k [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

言葉を失ったわたしに、コラッタは続ける。

『いいか? お前さんは昨日人間に捨てられた』

『あ……』

『そんでお前さんの親は引き続き人間に飼われてるから、どうやってもお前さんの面倒を見ることはできねぇ』

『嫌……やめ……』

『目をそらすな』

わたしは頭を引っ掴まれて、無理くりコラッタと向き合わされた。

『……っ!?』

強烈な威圧感を秘めた瞳に、体がこわばる。

『分かるまで何度でも言ってやるよ。お前の親はもうこっち側にはいねぇ。……だからお前さんは、1匹で生きてくしかねぇ』

そう言って、黙ってわたしの目を睨むコラッタ。

重たい静けさに、息が止まる。
 ▼ 26 SxCy/NIFN. 17/08/02 04:04:11 ID:wu3fOY5k [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

しばらくすると、コラッタはふっと息を吐き出して、わたしの頭から手を離した。

辺りを包んでいた緊張がふわりと緩み、わたしはようやく空気を吸い込んだ。

『まぁ、とりあえずそんだけだ。お前さん、このままほっとくと死ぬまでそうしてそうだったからな。

まず塀の外に出ろ。んで、飯は探せばある。寝るとこもな。とにかく、生きようと思ってれば何とかなるようになってる』

コラッタは頭を書きながら、早口に言った。

だけど、言っていることがあまりに突飛に聞こえて、どうにもすんなりとうなづけそうにない。

『でも……』

『でももだってもねぇよ。……ってもまぁ、昨日の今日で分かれって言う方が無理か』

コラッタはそうこぼして、肩をすくめた。
 ▼ 27 SxCy/NIFN. 17/08/02 04:04:57 ID:wu3fOY5k [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『とにかく! 俺は言うべきことは言ったからな。生きるか死ぬか、後は全部お前さん次第だ。俺にはもう関係ない』

『そんなぁ……』

吐き捨てるように言うコラッタ。

そこまで言うなら食べ物の1つでもくれたっていいのに。

緊張が解けたからか空腹が再燃しつつあるわたしは、がっくりと肩を落とす。

『ま、その黒い体は断然こっちの世界向きだろ。じゃあな嬢ちゃん、また会ったらきのみぐらいは奢ってやるよ』

コラッタはそう言い残して、一飛びに塀の向こうへ消えていった。
 ▼ 28 踪しません◆SxCy/NIFN. 17/08/22 00:32:49 ID:tvAeFbTY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





コラッタに言われるままに塀の外へ出て、しばらく進むと、そこは大きな通りだった

『わあ……』

様々な感覚が一斉に飛び込んで来る。

右に左に行き交う人やポケモンの足音。

幾多に重なり合って一つのざわめきを生む話し声。

灰色の街を彩るのは目に痛いほどにくっきりと主張する色の数々。

埃っぽい風に乗って鼻を刺激する匂いはあまりにゴチャゴチャで、少し頭が痛くなる。

 ▼ 29 ュレム@メガストーン 17/08/22 00:36:11 ID:iuqxilT2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援やで
 ▼ 30 ュウコン@じめじめこやし 17/08/22 00:42:39 ID:uetSaYAc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シエンネ
 ▼ 31 ガエルレイド@ミミロップナイト 17/08/22 00:53:36 ID:VVAAI9yw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 32 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:14:07 ID:TwVvfxck [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『食べ物は探せばあるって言ってたけど……』


見渡しても、人とポケモンの壁に遮られてよく分からない。

なんとか見通せないかと精一杯背伸びしてみたけれど、焼け石に水だ。
 ▼ 33 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:14:39 ID:TwVvfxck [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『探し方なんて……わっ!』


軽い衝撃に弾かれ、尻餅をついた。

目の前の注意が大分おろそかになっていたらしい。


『おっと、大丈夫か?』


小さな──といってもわたしの倍以上はある──黒いポケモンが、数歩たたらを踏んで立ち止まり、わたしを振り返った。

その口には、食欲を刺激する何かが咥えられている。

初めて見るけれど、何となく分かる。

タマゴの中で母に教えてもらった、きのみというやつだ。
 ▼ 34 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:15:08 ID:TwVvfxck [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『あの……そのきのみ……』


黒く薄汚れた体にはえらく浮いて見える黄色いそれを指差して、わたしは恐る恐る尋ねようとした。


『急いでるんだ、悪い。大丈夫みたいだし、それじゃ!』

『ええ!?』


けれどそのポケモンは、早口にまくしたてて、名前も言わずに人混みの中に消えていった。


『どこで採ったの……』


質問の続きが口からこぼれたけれど、これじゃただの独り言だ。
 ▼ 35 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:15:38 ID:TwVvfxck [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『はぁ……』


場所を聞けなかったのは痛い。

けれど、一応の手がかりは掴んだ。

あのポケモンは右からきのみを咥えて走って来たのだから、そっちの方にあるはずだ。


『とりあえず……行ってみよう』
 ▼ 36 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:16:07 ID:TwVvfxck [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


雑踏に揉まれながら、ざわめきの中を流され流されよろよろと歩く。

フラつきながら通りを進んでいくと、ごった返す匂いの中に好ましい香りが顔をのぞかせ始めた。


『あ……』


食べ物が近づいている。

体のどこからか力が湧いてくるような気がして、自然に早足になる。
 ▼ 37 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:16:54 ID:TwVvfxck [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


徐々に強まる香りを辿ると、その源は案外すぐに姿を現した。


『わあ……!』


低い屋根の下の木の台に、さっきの黒いポケモンが咥えていたのと同じきのみが山積みになっていた。

探せばある、どころの話ではない。

まさかこんなに分かりやすく置いてあるとは。
 ▼ 38 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:17:31 ID:TwVvfxck [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

台によじ登り、光を受けて鮮やかに光るきのみを一つ手に取った──

──その瞬間。


「ゴルァ! ウチのきのみに何してやがるッ!!」


台の奥にいた大柄の男の人が、天地がひっくり返るような怒鳴り声をあげた。


『えっ!? あ、あ……!』


しどろもどろになりながらも、置かれた状況をどうにか飲み込む。

山盛りのきのみは全てこの人のものだったようだ。
 ▼ 39 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:18:01 ID:TwVvfxck [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「クソッタレが、今度は取っ捕まえてやる!」


こっちに向かって大きな手が伸びてくる。

ああ、どうしよう、ダメ、早く返さなきゃ……!

そう思った時には、もう──


『え……!?』


──わたしの体は台から飛び降りていた。

両腕で、大きな黄色いきのみを抱えたまま。
 ▼ 40 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:18:42 ID:TwVvfxck [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


戻らなきゃ! 返さなきゃ!

これはあの人のもの!

わたしが食べるためのものじゃない!


『違うのに……違うのに……!』


何度言い聞かせても、走るわたしの体は止まらない。

無数の足をすり抜けすり抜け、きのみが置いてあった場所はどんどん遠ざかる。


『どうして……!』


ちぐはぐな心と体に振り回されて、頭が割れそうだった。
 ▼ 41 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:19:27 ID:TwVvfxck [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



足がようやく止まったのは、どこともしれない、暗く細い路地の中。


『ここなら……もう……』


安堵した。


『……っ!』


そして、少し遅れて、嫌になった。

だって、これじゃあ、まるで……


『……わたしが、きのみを奪って逃げたみたいじゃない……』
 ▼ 42 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:20:07 ID:TwVvfxck [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『……あ』


口から一人でに漏れたその言葉が耳に入り、ようやく気づく。

まさにその通りだということに。

だって、あの人のきのみが今この腕に抱えられている。

わたしが持っていてはいけないものがここにある。


『そっか……』


全身から力が抜けて、わたしはぺたんと冷たい床に座り込んだ。
 ▼ 43 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:24:07 ID:TwVvfxck [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


『…………』

きのみを見つめる。


食べたくない。

確かにそう思っている。

けれど、またも体は言うことを聞かない。

薄暗い路地に不相応に輝くきのみが、口に近づいてくる。

唇にその冷たく瑞々しい表面が触れる。

前歯が果肉を裂く。

口の中ですりつぶす。

飲み込む。

空っぽのお腹の中に落ちていく。
 ▼ 44 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:24:41 ID:TwVvfxck [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『あぁ、あああ……』


盗んだものだ。

悪いことだ。

汚いことだ。

醜いことだ。

自分を咎める言葉が矢継ぎ早に浮かんでくる。

それなのに。


『おいしい……おいしいよう……』


肝心の感情は結局のところ、この有様だった。
 ▼ 45 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:25:18 ID:TwVvfxck [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



『うっ……うう……』


芯だけになったきのみを舐っていると、胸の奥がぐるぐるしてきた。

泣き出してしまったらしい。

自分が何を考えているのか、何を思って泣いているのか、自分でも説明ができない。

ただ、とてつもなく気持ち悪かった。
 ▼ 46 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:26:25 ID:TwVvfxck [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『嬢ちゃん。おかわり、いるか?』


不意に、上から声がした。


『……いらない』


うつむいたまま、答える。


『そうか……。また会ったら奢るって、言ったんだがなぁ……』


上から返ってきたのは、困ったような声。






声の主はその日、いつまでもいつまでも、わたしに話しかけてきた。
 ▼ 47 SxCy/NIFN. 17/08/22 12:28:07 ID:TwVvfxck [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一旦ここまで
 ▼ 48 フォクシー@ゴールドスプレー 17/08/22 12:41:32 ID:4Npk8ZmY NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ファンタスティック!
支援
 ▼ 49 ーイーカ@デンリュウナイト 17/08/22 20:39:36 ID:t13lFBfw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イッチ天才か
 ▼ 50 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:24:30 ID:Q2gJXizw [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




きのみを盗んで、暗い路地裏で食べて、夜は側溝に隠れて眠る。

そんな生活が、わたしの日常になった。

日常といっても、すぐに慣れるなんていうことはない。

消えてしまいたいような気分になって、泣いてしまうこともあった。

けれど、そういう時は決まってコラッタが現れて、膝を抱えるわたしに一晩中話しかけてくるのだ。

困ったような早口で、少し遠くから。
 ▼ 51 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:25:07 ID:Q2gJXizw [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コラッタのする話は、大抵が『街の中でどう生きるか』という内容だった。

わたしがどれだけ沈んでいようと御構い無しに、ただただ生きるための方策の話に終始するのだ。

一度、コラッタの話が聞きたいとねだったことがある。

けれど、その時は『俺がしたい話を黙って聞いてろ』と一蹴されてしまった。

それはつまり、自分の話はしたくない、ということなのか。

それはわたしには分からない。
 ▼ 52 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:25:54 ID:Q2gJXizw [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

月日は流れ、小さな事件が起きた。


それは、朝起きて自然にきのみの店に足が向かうようになった頃。

盗んだきのみを食べても、気持ち悪くならなくなった頃。

街の全体像も社会の仕組みも、大体理解できるようになった頃。

そして、例のコラッタが現れなくなってからしばらく経った頃のことだった。
 ▼ 53 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:27:13 ID:Q2gJXizw [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


真夜中、いつも通り側溝で眠っていたわたしは、物音に目をさました。

目の前にいたのは、長い体をうねらせる一匹のポケモン──たしか、種族はアーボ。

月明かりに濡れたドス黒い紫が、妖しく揺れていた。


『おう、起きちまったか。まぁ、アレだ。悪く思うなよ』

『……あ』


どうしよう、殺される。

つま先から頭まで一直線に射抜かれるような恐怖に、体が凍った。

動けないでいるわたしに、アーボが続ける。


『俺は、飢え死になんざしたくねぇんだ』
 ▼ 54 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:27:55 ID:Q2gJXizw [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

死にたくない。

その言葉を聞くと、全身に張っていた恐怖の氷は途端に砕け散った。

そうだ、このポケモンが持っているのは殺意なんかじゃない。

わたしを殺しに来たんじゃないんだ。

そこにあるのは、ただ単に死への恐怖。

つまり──
 ▼ 55 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:28:32 ID:Q2gJXizw [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『よかった、わたしも同じだよ』

『は……?』


首を傾げるアーボに──


『死にたくないの』


──わたしは、電撃を浴びせた。
 ▼ 56 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:29:15 ID:Q2gJXizw [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『ぐが……何、を……』


まだアーボは動いていたので、もう一度でんきショックを放つ。


『あがぁあああああ!! が……っぐ」


もう一度。


『がぁああああ!!」


もう一度。


『が…………』


もう一度。

もう一度。

もう──
 ▼ 57 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:30:08 ID:Q2gJXizw [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『やめろ』

『っ!?』


髭のアンテナを引っ張られて、溜めていた電気が霧散した。


『……もう、死んでるだろ』


ため息まじりにそう言ったのは、コラッタだった。


『あ……』


目の前では、もはや生き物だったとは思えないほどに変わり果てたアーボが、黒い煙を上げていた。
 ▼ 58 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:32:24 ID:Q2gJXizw [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『……どうして来たの。わたし、ちゃんとやってるよ?』


コラッタは、わたしが泣いている時ぐらいしか顔を出さない。

だから最近はもう合うこともないと思っていたのに、どうして。


『バカ言え、俺はいつだって通りすがりだよ。それに……』


コラッタはまた一つため息をついてから、言葉を続ける。


『ちゃんとやってるなんて、そんな顔で言うな』

『……?』


何を言われているのか、分からなかった。

足元のアスファルトにどうして雫が落ちているのかも、分からなかった。
 ▼ 59 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:33:10 ID:Q2gJXizw [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


死にたくないから、盗む。

死にたくないから、殺す。

わたしの体は闇の色。

日向に輝く明るい色とは違う。

こっちの世界に潜む色。

汚れて醜く生きる色。
 ▼ 60 SxCy/NIFN. 17/08/22 21:33:29 ID:Q2gJXizw [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一旦ここまで
 ▼ 61 ータクン@ふっかつそう 17/08/22 22:05:08 ID:v7Mr.HYU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 62 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:08:08 ID:jUTMCSKo [1/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



『……片付けねぇとな、それ』


コラッタが、真っ黒な残骸を前歯で指して言った。


『うん……あれ?』


死骸に向かって一歩踏み出した途端、よろめいた。

地面の感覚が遠い。

どうやら、足に力が入っていないらしかった。
 ▼ 63 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:08:38 ID:jUTMCSKo [2/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『あーあー、無茶すっから……』


コラッタがこちらを振り返り、駆け寄ってくる。


『おかしい、な……』

『電撃使ったの初めてなんだろ? それであんだけ連発すりゃそうなる。いいからそこで待ってろ』
 ▼ 64 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:09:30 ID:jUTMCSKo [3/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コラッタは早口にそう言った。

わたしの代わりに死体を処理するのが当然であるかのような言い方が、引っかかる。


『……動けるようになったら、わたしがやるよ。コラッタには、関係ないもの』

『…………っ』


黙り込むコラッタ。


『……んなこと、ねぇよ』


ようやく、コラッタはそう呟いた。

その顔はどこか苦しそうだった。
 ▼ 65 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:10:11 ID:jUTMCSKo [4/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

思えばずっとおかしかった。

最初に会った日に、関係ないって自分から言ったのに……。


『ねぇ、コラッタ。あなたは一体……』


コラッタは自分の話をしない。

けれど、何か知るべきことがあるような気がした。


『…………』


また、沈黙。

それに合わせるかのように、月が隠れ、風が凪いだ。
 ▼ 66 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:10:48 ID:jUTMCSKo [5/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


『そこに、いるの?』


長い沈黙を破ったのは、わたしでも、コラッタでもなかった。


『え……?』


わたしはこの声を知っている。

でもそれはあり得ない。

だって、この声はあの日以来聞けなくなったはずの声。

お母さんの、声だったのだから。
 ▼ 67 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:11:37 ID:jUTMCSKo [6/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『ごめんね、遅くなって……!』

『あ……ああ……』


言葉が出ない。

数え切れないほどの感情がないまぜになって、喉の奥につっかえる。


『壁を壊して、抜け出したの。それから、ずっと探して、今、急に、あなたの電気を感じて。……やっと、見つけた……!』


途切れ途切れに、お母さんが言葉をつなぐ。

大事そうに、少しずつ、近づいてくる。

ああ、やっと。

やっと会えるんだ。
 ▼ 68 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:11:58 ID:jUTMCSKo [7/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

寂しかった。

ずっとずっと、会いたかった。

ぎゅっと抱きしめて欲しかった。


──でも。
 ▼ 69 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:12:23 ID:jUTMCSKo [8/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『さ、お兄ちゃんもすぐそこで待ってるわ。一緒に……』

『来ないでッ!』


拒絶した。

しなければならなかった。

もう、何もかも遅いから。
 ▼ 70 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:13:07 ID:jUTMCSKo [9/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『何を、言ってるの? お母さん、絶対迎えに行くって……』


お母さんは、戸惑いながらもまた一歩近づき、わたしに向かって手を伸ばす。


『来ないでって、言ってるのよ!!』


今度ははっきり伝わるように、足元に電気を飛ばした。

瞬間、頭痛によろめくが、歯を食いしばって踏みとどまる。

来てはいけない。

わたしにはもう、温もりに触れる資格がない。
 ▼ 71 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:13:33 ID:jUTMCSKo [10/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ようやく立ち止まったお母さんが、わたしを見つめて口を開く。


『……どうして』


温もりに満ちた優しい声を──


『わたしは!』


──急いで遮った。
 ▼ 72 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:14:07 ID:jUTMCSKo [11/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『……わたしは、醜いデデンネの子』


かつて、体が醜くて棄てられた。


『奪って生きた。食べ物も、命も』


そして、心も醜く染まった。


『これからもそうやって生きるの』


醜い者として、醜く生きる。

今更日向には戻れない。
 ▼ 73 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:15:08 ID:jUTMCSKo [12/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『盗んだきのみ、すごくおいしかったよ』

『見て、そこの死体。わたしがやったの。電撃を何度も浴びせて』

『分かるでしょ、お母さん。わたしは、わたしは……!』


どうしようもなく醜くなってしまったから、そちら側には戻れない。

そう、伝えようとした。

そのとき。


『ありがとう……っ』


温もりに包まれた。
 ▼ 74 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:16:00 ID:jUTMCSKo [13/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

腕の中でもがく。

けれど、お母さんはわたしを抱きしめて離さない、


『どうしてよ……。どうして、こんなに醜いのに、なんで……!』


お母さんは、わたしの問いには答えない。

その代わりに、さらにぎゅっとわたしを包んだ。


『ありがとう』


そしてまた、そう言った。


『あの時の約束、よく守ってくれたわ。ありがとう、ありがとう……!』
 ▼ 75 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:16:37 ID:jUTMCSKo [14/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『約、束……?』

あの時の……?

『ええ、そうよ。あなたが外へ放り出された時に、お母さん、言ったでしょう?』


──────────────────

『絶対、迎えに行くから! だから──』

──────────────────


そうだ。

あの時、窓の向こうに掻き消えた言葉があった。

それは──。


『生きて、って』
 ▼ 76 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:17:27 ID:jUTMCSKo [15/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『あ……』


たったそれだけの、ちっぽけな言葉。


『死ねば綺麗かもしれないわ。生きるのは醜いのかもしれない。けれど──』

『──お母さんは、あなたに生きていて欲しいのよ』


それが、わたしの全てを許してしまった。


『あ、ああ……うわああああああん!!』





温もりの中で、声をあげて泣き喚いた。

お母さんはわたしを撫でながら、何度も、ありがとうと繰り返した。
 ▼ 77 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:17:46 ID:jUTMCSKo [16/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


──
────
──────
 ▼ 78 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:18:13 ID:jUTMCSKo [17/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


夜が明けて、わたしとお兄ちゃんとお母さんは、『町の外』へ向かって歩いていた。

わたしがずっと外だと思っていたここにも、さらに外側があるらしい。

お母さんは昔そこに住んでいたんだとか。
 ▼ 79 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:18:52 ID:jUTMCSKo [18/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



『それにしても……あなた、よく一匹で生きていけたわね』

『そーだよね。食べ物とか、待ってても出てこないんでしょ?』


お母さんとお兄ちゃんが、不思議そうな顔でわたしに言う。

確かに、一匹でいきなり放り出されて生きているのはかなり奇跡だ。

けれど……。
 ▼ 80 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:19:18 ID:jUTMCSKo [19/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『一匹じゃなかったよ。……まぁ、二匹っていうわけでもないんだけど』

『あら、誰かにお世話になったのね? お礼とかしに行くべきかしら』

『うーん……。でもどこ行っちゃったんだろう、コラッタ』

『コラッタ?』

『うん、コラッタ』
 ▼ 81 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:19:45 ID:jUTMCSKo [20/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


あのコラッタは、またもいつの間にかいなくなっていた。

お母さんは何も見ていない様子なので、お母さんがわたしを見つけた時にはもうは消えていたことになる。

結局、あのコラッタが何者だったのかは分からずじまいだ。
 ▼ 82 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:20:24 ID:jUTMCSKo [21/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


『コラッタ、かぁ。……あの人、元気にしてるのかしら……』


お母さんが、ぼんやりと空を見上げて言った。


『どうしたの?』

『ううん、こっちの話よ』


わたしが呼びかけると、安らかな顔でこともなげに首を振るお母さん。


『さ、急ぎましょ。森はもうすぐそこよ!』

『あ、待ってよう!』


昨日よりも明るい太陽が、わたしたちを照らしていた。





     醜いデデンネの子

         ────終わり
 ▼ 83 SxCy/NIFN. 17/08/24 14:24:37 ID:jUTMCSKo [22/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援感想、ありがとうございました

>>5に感謝。

スレタイの『また』の数が一個多くて若干萎えてます
あと、3週間ほど放置しててごめんなさい



【かつて>>5が書けと言ったSS】
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=601897
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=617595
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=637825
 ▼ 84 チコール@ジュナイパーZ 17/08/24 14:28:19 ID:g7XNxKO6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
泣いた。ありがとうイッチ。
 ▼ 85 イリュー@あおぼんぐり 17/08/24 14:37:37 ID:bT2kcawc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
神作お疲れ様です!涙腺崩壊した……
 ▼ 86 ガレックウザ@うすもものミツ 17/08/24 14:47:56 ID:aXyKMJqM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 87 ゲデマル@ゴーストメモリ 17/08/24 14:58:10 ID:EqQoYf6A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

未完の作品でこういうスレタイのあったよな
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