▼  |  全表示69   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【スワップSS】ピカチュウ「僕の一日」

 ▼ 1 q4A5a/3QIw 17/10/14 19:03:33 ID:iByhUtmQ [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チュンチュン……

ピカチュウ「……ん」パチッ

ピカチュウ「ふわぁ〜」ノビーッ

ピカチュウ「よーし、今日も一日頑張ろう!」


僕はピカチュウ。

この森で、のんびり暮らしてる普通のピカチュウだ。


……お腹がすいた。きのみでも取りに行こう。


トコトコ

ピカチュウ「……よいしょっと」モギッ

ピカチュウ「モグモグ……うん、やっぱりモモンのみはサイコー!」


そう。今日もいつもと変わらない普通の一日。

何の変哲もないただの一日。


……になると思っていた。
 ▼ 2 q4A5a/3QIw 17/10/14 19:05:43 ID:iByhUtmQ [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このSSはスワップSS祭(http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=690223)に参加しています
 ▼ 3 q4A5a/3QIw 17/10/14 19:13:27 ID:iByhUtmQ [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
続きは他の方に書いてもらいます
 ▼ 4 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/22 10:40:38 ID:ySzNxRLw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
抽選の結果自分が書くことになりました
頑張ってまいります
 ▼ 5 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/22 12:38:25 ID:ySzNxRLw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「はぁー、おいしかった」

ピカチュウ「よいしょ……他のきのみももっと探そう」

森の中をのんびりと歩いていく。

ミミロル「あっ、ピカチュウ! おはよー!」

ピカチュウ「おはよう、ミミロル!」

パチリス「おっはよ! きのみあたしにもちょうだい!」

ピカチュウ「ほら! 投げるよっ!」ポイッ

パチリス「わぁーい! ありがとー!!」

森の中には友達がいっぱいだ。 今日もみんなとあいさつを交わす。

ミジュマル「おはよう。 今日も元気だね」

ピカチュウ「あ、ミジュマル! おはよう!」

僕の親友のミジュマルだ?眠そうに目をこすっている。

ミジュマル「きみのこと事だし、いつも通りきのみ探しでしょ?」

ピカチュウ「うん。 よく分かったね」

ミジュマル「いつも見てるしね。 僕も一緒に行っていいかな?」

ピカチュウ「もちろん!」

2匹で森の奥へ歩く。
 ▼ 6 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/22 13:40:10 ID:ubvU0yO6 NGネーム登録 NGID登録 報告
所々に落ちてるきのみを拾い上げ、半分こにして食べる。
森の奥にはきのみがたくさん落ちててみんなのきのみ集めの場になっている所がある。

ピカチュウ「今日はどのくらいポケモンが集まってるかなー?」

ミジュマル「さぁ……でも、ゴンベは絶対いるだろうね」

ピカチュウ「あー……まぁ間違いなくいるよね」

ミジュマル「きのみ全部食べてなきゃいいんだけど……」

くだらない談話をしながら森の奥へ。
こミジュマルと話すのはやっぱり楽しい。
 ▼ 7 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/22 17:50:42 ID:xm7zGtE6 NGネーム登録 NGID登録 報告
そうして話しをしているうちに森の奥についた。
この場所には、不思議な事にあらゆる種類のきのみを実らせる大きな大きな大木がある。

ピカチュウ「わぁ! いつもよりポケモンがたくさん来てるね!」

ミジュマル「早くしないと。 君の大好物が取られちゃうよ」

ピカチュウ「言われなくても!」

そこからはポケモン達ときのみの争奪戦だ。
相手をちょっと弱い電撃で痺れさせたり。
足の素早いポケモンに奪われたり。
今日はミジュマルも手伝ってくれたからか、いつもより多めにきのみをゲットできた。

そして……

ピカチュウ「あっ!あそこに金のズリのみ!」

とっても珍しい金色のきのみをこんなに簡単にゲット……

ヤンチャム・ピカチュウ「「あっ……」」

できなかった。
 ▼ 8 q4A5a/3QIw 17/10/22 23:20:44 ID:ZNRitHLQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です
頑張ってください!
 ▼ 9 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/24 17:44:52 ID:ojAuhBHE [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤンチャム「ピ、ピカチュウ!?」

ピカチュウ「お、おはようヤンチャム」

気まずい。 僕はどうにか作り笑顔でごまかそうとするが、相手はそれどころじゃなさそうだ。

ヤンチャム「お、おいピカチュウ! その手をどけろよ!」

ピカチュウ「や、やだよ。 僕が最初に見つけたんだもん」

ヤンチャム「いーや! オレが最初に見つけたね!」

これじゃラチがあかない。 ヤンチャムも僕も、どうしてもきのみを手に入れたい。

ミジュマル「ピカチュウ、何か見つかっ……あ、ヤンチャムだ」

そこへミジュマルもやってくる。 彼は僕らのポーズと表情から今の状況を察したようだ。
 ▼ 10 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/24 17:55:59 ID:ojAuhBHE [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ミジュマル「えっと……僕はこの場合どういう立場になればいいのかな?」

ヤンチャム「審判しろ! このきのみがどっちの物か、今からバトルで決める!!」

突然のバトル宣言。 今はまだご飯をちゃんと食べていないし、力も出せない。 しかし、断ろうしたら、ヤンチャムの発したバトルという言葉に反応したポケモン達が近寄ってきた。

「お? なんだ、バトルか?」 「あ、あれピカチュウじゃん!」 「今からヤンチャムとバトルすんだと」 「なんで?」 「金のズリのみだ」

ミジュマル「えっ……えっ……ち、ちょっと……この場合もっとどうすればいいんだろ……」

ヤンチャム「この場合でも審判だ!!」

……もうこうなったら交渉の余地は無い。 逃げ場も無くなった今、きのみを手に入れるという決意の元、強い闘志が湧いてきた。

ピカチュウ「いいよ! バトルだ!!」

ヤンチャム「そうこなくっちゃ!!」
 ▼ 11 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/24 18:05:09 ID:ojAuhBHE [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ミジュマル「えっと……ルールは……説明しなくていいよね」

ヤンチャム「審判なんだからちゃんと言えよ……」

ミジュマル「はいはい。 ルールは、どちらかが降参、もしくは戦闘不能になった時点でバトル終了! アイテムは使ってもいいけど、一個だけだよー」

ヤンチャム「よし!」

ピカチュウ(勝てるかな……)

ヤンチャムは喧嘩っ早い性格で、バトルにはすごく強い。 僕に勝てるのかな……

「頑張れピカチュウ!!」 「やっちゃえヤンチャムー!!」 「ピカチュウなんかに負けるなーー!!」 「ヤンチャムをやっつけちゃえーー!!」

お互いへの声援が飛んでくる。ヤンチャムは余裕そうに手を振っているけど、僕にはそんな余裕無い。

ミジュマル「それじゃーいくよ……」

ミジュマル「バトル……開始っ!」
 ▼ 12 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/24 18:16:47 ID:ojAuhBHE [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ミジュマルがそう言い終わるとほぼ同時に、ヤンチャムが飛びかかってきた!
突然だったのでびっくりしたけど、間一髪で回避できた。

ヤンチャム「えっ……オレの不意打ち攻撃を避けただと……!?」

ピカチュウ「あ、危なかった……!」

ヤンチャムは大体、序盤のうちに自分に有利な戦況を作り出し、反撃のスキを与えずに畳み掛ける。 今のを食らっていたら危なかったかもしれない……
みんなが少し盛り上がりを見せる。

「すげー!」 「あのヤンチャムの特攻をかわすなんて!」 「いじわるヤンチャムやっつけろーー!!」

ヤンチャム「ふ、フン!偶然避けただけだ!」

ヤンチャムはより一層強い顔でこっちを見つめてくる。 その剣幕に、思わず後ずさりしてしまった。
 ▼ 13 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/26 00:11:36 ID:k2nLVEv2 NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤンチャム「うりゃあ!!」バッ

なんと、ヤンチャムは突然飛びかかってきた! スピード全開で容赦なく向かってくる!

ピカチュウ「わ、わあぁ!」ヘナッ

僕は怖さで腰を抜かし、その場に尻もちをついてしまった。 ダメだ! 避けれない……


……と思ったら。

僕が体制を低くしてしまったからか、ヤンチャムは僕の頭上を通り過ぎた。

ヤンチャム「えっ? お、おいっ!? 何避けて……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!ー」ズシャ-

 ▼ 14 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/26 07:40:09 ID:6PFsGDts [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ズザザザザザザザッ!!

痛々しい音とヤンチャムの声にならない叫びが聞こえる。思わず目を瞑ってしまった。

……しばらくして音が消えたのでヤンチャムを見ると、地面にうつ伏せで倒れていた。
ヤンチャムの顔と同じ幅に地面がえぐれている。 どうやら顔面から地面に激突したようだ。
流石にこれには同情した。

周りのポケモンもポカンとしていると、ミジュマルがカウントを始めた。

ミジュマル「いーち、にーぃ、さーん、……」

10までにヤンチャムが起き上がらなかったら僕の勝ち。 ドキドキしながら見守っていると……

「お、おお?」 「すっげーー!! あんなことになっても立ち上がるなんて!!」

ヤンチャムが起き上がった。 そして、ヤンチャムに大丈夫?と呼びかけようとした。が……

彼は凄く怖い顔で睨みつけてきた。
 ▼ 15 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/26 08:00:16 ID:6PFsGDts [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「っ!?」ゾッ

ヤンチャム「こんの野郎……!! よくもオレの攻撃を避けやがったな……!!」

ピカチュウ「そ、そんな事言ったって……」

八つ当たりにも程がある。

ヤンチャム「お前が避けなきゃオレはこんな痛い思いしないですんだんだよ!!」

ピカチュウ「そ、そんな……」

ヤンチャム「絶対ゆるさねぇ……! ボッコボコにしてやる!!」

ヤンチャムの気迫がより一層増した気がする。
 ▼ 16 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/26 23:55:59 ID:6PFsGDts [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
周りから「ダッセーー!!」という声が聞こえてきた。 するとヤンチャムは恐ろしい形相でその方向を睨みつけた。
ヤンチャムを煽っていたポケモン達が黙り込む。

僕がその様子を見つめていると、急にヤンチャムはこちらに向き直り、地面に拳を叩きつけた!

ヤンチャム「さぁっ!!!」ドゴォッ

ピカチュウ「!?」

すると、ヤンチャムが叩いた場所から大きな岩が出現した。 岩は連鎖的に次から次へと現れ、こっちに向かってくる……!

まずい! ストーンエッジだ! 僕が避けようとして横に動くと……

ヤンチャム「隙ありだ! きあいだま!!」シュバッ

ピカチュウ「えっ……うわぁぁっ!!」ドガッ

どうやらストーンエッジはただのおとりだったようだ。ヤンチャムの狙いは最初からきあいだまの方で、僕が避けようとするタイミングを見計らっていたようだ。
 ▼ 17 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/27 00:03:54 ID:6uQWE1fc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「ぁぐっ!!」

モロにきあいだまの直撃を受けた僕は軽く吹き飛び、地面に強く叩きつけられた。

ピカチュウ「い、いててて……」ムケリ

ヤンチャム「……」ギュィィィィ

なんと、僕が起き上がった時には既にもう一度きあいだまを撃つ準備が終わっていた。
まずい、対応出来ない……それに体力ももう……

ヤンチャム「これで……終わりだぁっ!!」ドギュン

ピカチュウ「あ、あわわっ……わぁっ!?」スッテ-ン

何かが足に絡まった……? それに足を取られ、僕は転んでしまった。
ところが幸運なことに、転んで体制が低くなったので、きあいだまはまるでさっきのヤンチャムの様に僕の頭上を通り過ぎていった。

ヤンチャム「くそっ……オレの攻撃が二度も同じ避けられ方されるなんて……」

ピカチュウ「……両方とも偶然だけどね」

ヤンチャム「……何が偶然だぁっ!!」

余計に怒り始めた……
 ▼ 18 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/27 00:19:55 ID:6uQWE1fc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
「うわぁっ! 流れ弾が来るぞっ!」「逃げろ逃げろー!」 「わ、わあぁ!」

僕らを取り囲んで観戦していたポケモン達が散り散りに逃げる。 きあいだまが飛んでいく方向にぽっかり穴が空いたみたいだ。

そしてその穴を通ってきあいだまは飛んでいき……

ピカチュウ「あっ! カビゴン! 危ない、避けてっ!!」

きあいだまは大木にもたれかかる様にして眠るカビゴンに向かっている。
四六時中あそこで眠っていたため、全くいることに気づかなかった……

……が。
このカビゴン、実は大きさが普通のカビゴンよりも一回り大きいのである。 その分……他のカビゴンより太っている。 だから他のカビゴンより柔らかいわけで……

カビゴン「……」ポヨン

なんと、カビゴンのお腹に当たったきあいだまは、物凄い勢いで跳ね返り再びこっちに飛んできた。

……撃った本人に向かって。
 ▼ 19 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/27 17:58:42 ID:k7j8PeKI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「!?」

きあいだまが再び僕の頭上を通過し、ヤンチャムに向かって飛んでいく。

ヤンチャム「えっ、ちょっ……え?」

ダァン!!

きあいだまに直撃し吹っ飛ぶヤンチャム。
僕は起き上がるのも忘れてその様子を見ていた。
そしてそのまま吹っ飛んだヤンチャムは……

なんと、自身が先程ストーンエッジで隆起させた岩に激突した。

ヤンチャム「っ〜〜〜〜〜〜!!!」

声にならない叫び声をあげながら地面に落ちるヤンチャム。
僕も含めて、誰もが困惑していた。
こんな事ってあるんだ……
 ▼ 20 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/27 18:10:46 ID:k7j8PeKI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ミジュマル「いーち、にーぃ、さーん……」

と、ミジュマルがカウントを始めた。 その声にハッとして、僕は立ち上がろうとする。

ピカチュウ「……ん?何か絡まって……?」

足元を見ると、草のツルが2つ結ばれていて、その間に足が引っかかっていた。

くさむすびだ。これに足を取られたんだな……
でも、誰がいつ作ったものなんだろ……

 ▼ 21 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/27 21:07:07 ID:XPbgMuYE [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ミジュマル「しー、ごー、ろーく、……」

ふとヤンチャムの方を見てみると

ヤンチャム「」

……完全にのびている。

ミジュマル「なーな、はーち、きゅーう……」

ミジュマル「じゅう!」

僕の勝利が確定した。
 ▼ 22 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/27 21:15:53 ID:XPbgMuYE [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「………………」

流石にこの勝負にはギャラリーも納得がいっていないようだ。
だってヤンチャムが一方的に攻撃を続けてその中で自滅しただけで、僕自身は攻撃をかわしていただけで、一切攻撃していないしね。
こんな運勝ち、ありえるんだろうか……

つまらなかったわけでも、凄く盛り上がったわけでもない。 かといって、どういうコメントを残せばいいか分からない。そんなバトルだったので、みんな微妙な面持ちでその場を去っていってしまった。
名バトルとかが繰り広げられた後はポケモン達が気持ちがわりのきのみを置いていく時があるけれど、今回はそんなもの無かった。
……たった1つを除いて。

エモンガ「おーい! ピカチュウ!」タッタッタッ
 ▼ 23 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/27 21:20:05 ID:XPbgMuYE [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「あ! エモンガ!」

彼女はエモンガ。 僕やミジュマルの友達の1匹だ。

エモンガ「なんていうか、凄く変なバトルだったけど、とにかくお疲れ様! はいきのみ!」

そう言って彼女が渡してくれたのはモモンのみ。 僕の大好物の!

ピカチュウ「わぁ……! ありがとうエモンガ!!」

エモンガ「いーのいーの! むしろバトルを見せてもらった身だもの! このきのみはほんの気持ちよ!」

ミジュマル「あー、エモンガだー。 やっほ〜」

エモンガ「やっほー、ミジュマル!」
 ▼ 24 ブネーク@スーパーボール 17/10/27 22:51:57 ID:mrtJx.Mw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
エモンガ「それにしても……」チラッ

ヤンチャム「」

ヤンチャムは相変わらず倒れたままだ。 エモンガは呆れた口調で言う。

エモンガ「自分から喧嘩喧嘩ふっかけておいて、あんな負け方するなんてね」

ミジュマル「まー、仕方ないよー。 運が悪い日なんて誰にでもあるって」

エモンガ「運が悪いどころじゃないと思うけど……ね? ピカチュウもそう思うでしょ?」

ピカチュウ「うん……確かに不自然なくらいヤンチャムが自分の攻撃を食らってた気がする……」

そもそも、さっきのバトルにはおかしなところが多かった。 きあいだまで吹っ飛んだヤンチャムがストーンエッジにぶつかる可能性なんて、相当低いはず。 それにいつのまにか僕の足元にくさむすびが出現していたり……
 ▼ 25 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/27 23:03:58 ID:mrtJx.Mw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
僕がさっきのバトルについて考えていると、ミジュマルがはっと思い出したように言った。

ミジュマル「あーっ、そういえば、ピカチュウが勝ったから、きんのズリのみはピカチュウの物になるんだよね?」

エモンガ「あっ! すっかり忘れてた!」

ピカチュウ「あ、そういえば……でも、どこにあるの?」

ミジュマル「そこに置いて置いたんだー。 ほら」

ミジュマルが指差す方向に光る物が。 まさしく金色に輝くきのみだ。

ピカチュウ「ぼ、僕実はきんのズリのみは初めて食べるんだ……」

エモンガ「いいなー! わたしはまだ食べたことすらないよー!」

ミジュマル「食べた感想教えてねー」

ピカチュウ「う、うん。 いただきます……」
 ▼ 26 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/27 23:37:43 ID:mrtJx.Mw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
遠慮なくきんのズリのみにかぶりつく。
……ん!?

ピカチュウ「……」

エモンガ「……どうしたの?」

ミジュマル「固まっちゃった……」

ピカチュウ「お……」

エモンガ・ミジュマル「お?」

ピカチュウ「おいしぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
 ▼ 27 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 00:40:54 ID:Y2fYiox6 [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
びっくりするほどおいしい! こんなの食べたこと無い!!

エモンガ「うぅ……羨ましいなぁ」

ミジュマル「ホント、もう一個落ちてないかなぁ……」

ピカチュウ「あはは、そうそう落ちてるものじゃないし、1日に2個もはそうそうないよ」

僕達3匹は気づいていなかった。
そこに倒れていたヤンチャムがいつのまにかいなくなっていた事に。
そして……僕の真後ろにいた事に。

ピカチュウ「あはは!」モグモグ

ミジュマル「でも、僕はやっぱりオレンのみが好きだなぁ」モグモグ

エモンガ「オレンのみが好きなんて変わってるわね。 あれは結構好き嫌いが分かれるきのみなのに」

ヤンチャム「隙ありだぁっ!!」ドスッ

ピカチュウ「うぎゃっ……!?」パタッ
 ▼ 28 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 00:45:19 ID:Y2fYiox6 [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
肩に鋭い痛みを感じた。急な痛みに、思考が停止する

エモンガ「ぴ、ピカチュウ!?」

ミジュマル「ち、ちょっとちょっと! 不意打ちは卑怯だよ!?」

うぅ……ヤンチャムが……

ヤンチャム「うるせぇ!! オレを負かしやがって! しかもよりによってあんな結果で!」

エモンガ「ピカチュウに非はないよ!!ピカチュウはきんのズリのみがほしくて戦っただけ!!」 

ミジュマル「それに……あれはただ自分の運が悪かっただけでしょ?」

ヤンチャム「……」

ミジュマル「……」

エモンガ「……」

ヤンチャム「……う、うるせぇっ!!!」

ヤンチャムはまくしたてるように大声で怒鳴る。

ミジュマル「う、わぁっ!」

ヤンチャム「この……! 運なんて知ったこったゃねぇよ!」

 ▼ 29 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 00:49:23 ID:Y2fYiox6 [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤンチャム「ふん……まぁいいさ」

ヤンチャム「オレの狙いはこのきんのズリのみだもんな」ハハハハ

ピカチュウ「ぁっ……」

ヤンチャムが僕からきんのズリのみを取り上げようとして手を握ってきた。 そしてその後しばらくきのみを探すように手を動かしている。
少しして彼は手をかけて離してくれた。

ヤンチャム「おい……! きんのズリのみ持ってたんじゃねぇのかよ!?」

ピカチュウ「ご、ごめんね……ヤンチャムが襲ってきた瞬間、もう全部食べきっちゃってたんだ」

ヤンチャム「……」
 ▼ 30 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 01:02:28 ID:Y2fYiox6 [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤンチャムは案の定大激怒。
しばらく僕達3匹でなだめるハメになった。

ヤンチャム「この野郎!! 絶対許さないからな!! お前の弱みを握ってやる!! おれの家来にしてやるからな!!」

エモンガ「そんな事言ってると誰もバトルしてくれなくなっちゃうよ!!」

ミジュマル「お、落ち着いてヤンチャムー!」デンデン

ヤンチャム「……なんだそりゃ」

ミジュマル「でんでんだいこだよー。 気持ちが落ち着くでしょ?」

エモンガ「み、ミジュマル!? ヤンチャムにでんでんだいこはヤンチャムには逆効果よー

ミジュマル「えーっ!? そんなぁ!!」

ピカチュウ「また今度勝負しようよ! ね? 今度は正々堂々と!」

なんとか功を奏し(?)なんとなくヤンチャムは大人しくなった。でも……

ヤンチャム「……」ブツブツブツブツ
 ▼ 31 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 01:07:48 ID:Y2fYiox6 [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
エモンガ「やっぱり……ヤンチャム、凄く根に持ってるみたい」

ミジュマル「どうしよう……ヤンチャムは僕らと和解するつもりないみたいだよ……」

怒鳴ったりはしなくなったものの、鬱憤を晴らしたいのかカビゴンに向かって何かぶつぶつ呟き続けている。
なんとなく見ていると不安になりそゔだ……

ヤンチャム「お前が、お前がここにいなけりゃ……オレは負けなかったってのに……」

カビゴン「……」

寝ていただけのカビゴンにきあいだまが飛んでいったわけだからカビゴンの は何も悪くない。
とばっちりもいいところである。
 ▼ 32 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 01:13:02 ID:Y2fYiox6 [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤンチャム「……」

カビゴン「……」

ヤンチャム「……ええい、おきろカビゴン!」ユサユサ

カビゴン「……」

ヤンチャム「起きろって!」ユサユサ

カビゴン「……」

ヤンチャム「いい加減に……」ユサユサ

カビゴン「……」

ヤンチャム「……ああもう!!」

ヤンチャム「いい加減に……起きやがれ!!」ドゴォッ!!

しびれを切らし、かつヤケになっているであろうヤンチャムはカビゴンにストーンエッジをお見舞いし、無理矢理起こそうとした。
……が。

カビゴン「」、パァン!

ヤンチャム「……え?」

なんと、カビゴンの体が急に破裂したのだ。
それも爆発したかのようにこっぱみじんに。

その場にいた4匹「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 ▼ 33 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 01:21:09 ID:Y2fYiox6 [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「ぁぁぁぁぁぁ………………あれ?」

よく見ると、破裂したカビゴンから何かがひらひら舞い降りている。

ピカチュウ「これは……ゴム?」

明らかにポケモンの皮膚のものではない。

しかも何故かカビゴンの中から紙吹雪やらカラフルなテープやらが飛び出してきてひらひらとそこらを舞っている。

エモンガ「えっ?ちょっとどういう事?」

ヤンチャム「……」

当のヤンチャムは放心状態だ。

ミジュマル「つまり……あのカビゴンは偽物で、誰かがここに置いていたって事かなー?」

ピカチュウ「でも、なんのために……?」

エモンガ「あっ!? み、みんな!! 木に!! 木に穴があいてる!!」
 ▼ 34 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 01:29:06 ID:Y2fYiox6 [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
あの大木を見ると、さっきまでカビゴンの偽物がもたれていた部分に大きな穴があいていた。

ピカチュウ「え? ええっ……??」

ヤンチャム「……カビゴンがいた所に、穴……?」

ミジュマル「あのカビゴンはこの穴を隠すためにいたのかな……?」

エモンガ「な、中をのぞいてみようよ!」

4匹で中を少しのぞいてみた。
なんと、穴の中には上り階段があり、大木の上の方につながっていた。

ピカチュウ「……みんな」

ミジュマル「……うん。 やる事は1つだね」

エモンガ「何が言いたいか……よく分かるわ。 同じ気持ちだもの」

ヤンチャム「へへへ……こんなの、ワクワクしていてもたってもられないっての」

やはり誰もが好奇心を掻き立てられ、奥に進もうとしていた。

ピカチュウ「よし! みんな! 木の中を探検だぁ!!」

4匹「おーーー!!」
 ▼ 35 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 23:22:12 ID:MAvuSJYM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワクワクで弾む足取り。
僕達は軽やかに階段を駆け上っていく。

ヤンチャム「不思議な大木の秘密がついに分かるのかな? くぅ〜! もっと急ごうぜ!」

エモンガ「不思議ね……木の中のはずなのに、中はなんだか整備されてるみたい……」

ミジュマル「そうなの? 僕には壁は木にしか見えないけど……」

ピカチュウ「あ! 見て!なんかあそこに光が見える!」

ミジュマル「なんだろ? 光る石でもあるのかな??」

ヤンチャム「気になりすぎるぜ! 早く登るんだー!!」ドタドタ
 ▼ 36 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 23:38:04 ID:MAvuSJYM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
階段を登った先には、驚く光景が広がっていた。

ピカチュウ「……」ボ-ゼン

エモンガ「ね、ねぇ……ここ、木の中なんだよね……?」

ミジュマル「うん……多分……」

ヤンチャム「すげぇ……なんじゃこりゃ……」

そこには、まるで外の様な空間が広がっていた。

綺麗に整えられた草原、空間を演出する様に佇む岩、みんなで登りたくなるような穏やかな丘、そのてっぺんに日陰を作るように生えている木(!?)
挙げ句の果てに、向こうの方に淡く黄色に光る太陽のような物まである。

ピカチュウ「……どうなってるの……?」
 ▼ 37 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/28 23:51:31 ID:MAvuSJYM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤンチャム「これが不思議な大木の中なのか……」

ミジュマル「すごい……幻想的……!」

エモンガ「ね、ねぇ! もっと探検してみようよ!」

ピカチュウ「うん! ひょっとしたらもっと進めばもっと不思議な物が見れるかも!!」

この幻想的な原っぱで追いかけっこもして見たいけど、それよりもっとこの大木の上に登って見ることにした。
次は何が待っているのかな?
そう考えると、この先が早く見たくて、自然と足早になっていく。
 ▼ 38 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 00:36:01 ID:bPtH3aOM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
……でも、先へ進むための階段はどこにあるのだろう。
さっき登っていた階段とは別にどこかにあるはず。

ピカチュウ「まずもっと上に行くための階段を探さなきゃね」

ミジュマル「あっ……そういえばそうだね……」

ヤンチャム「あ、そうだ。 階段がないと先に進めねぇな」

おいおい……

エモンガ「それで? 階段はどこにあるの?」

ピカチュウ「分からないよ。 だから探さなきゃ」
 ▼ 39 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 00:49:05 ID:bPtH3aOM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
それから僕らはしばらくこの幻想的な原っぱを探索した。
茂み、何故かある街灯、木の中にもかかわらず何故か生えている木。
色んな場所を見て回った。

ピカチュウ「すごいなぁ……まるで夢の中の世界みたいだ……」

エモンガ「ホント……凄く素敵な原っぱ……」

ミジュマル「お昼寝したくなるねー……」

ヤンチャム「おおい! 何言ってるんだ3匹とも! オレらの目的は階段を見つけて、先に進むことだろ!?」

ピカチュウ「うーん……たしかにそうだけど……」

ヤンチャム「はぁ……これだけ探して見たからねぇんだ。 手分けして探すぞ」
 ▼ 40 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 20:24:25 ID:6GJaxalo NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「あっ、待って! あそこ!」

探し方について議論しようとした矢先、僕はおかしなものを見つけた。
なんと、そこではどういうわけか木の板らしきものが宙に浮かんでいた。

ヤンチャム「すげえ!! ハンジュウリョクってやつか!?」

ミジュマル「さぁ……僕、ポケモン以外に浮いてるものなんて雲しか見たことなかったよ……」

そして、その板がたくさん浮かんでいて、一つ一つ微妙に高低差があって、段のように連なっていた。
どうやらこれが階段のようだ。
 ▼ 41 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 21:58:33 ID:1mWtfPso [1/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
試しにその板の上に飛び乗ってみる。
そして、その上の段差へ。

エモンガ「ぴ、ピカチュウ……」ドキドキ

ミジュマル「お、落ちないようにね……」ハラハラ 

ヤンチャム「こ、怖くねぇよな!?」シンゾウバクバク

ピカチュウ「幸い、段差どうしがそんなに離れているわけでもないので、足を踏み外したりしない限り落ちなさそう。
でも……

ピカチュウ「っ……」ヨロッ

下を見たら思わず怖くなった。少し体がよろめく。
 ▼ 42 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 22:05:14 ID:1mWtfPso [2/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>41
ピカチュウ「幸い〜
ってところミスですすいません
 ▼ 43 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 22:11:40 ID:1mWtfPso [3/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
ミジュマル「わ、わあぁ!!」オロオロ

エモンガ「ピカチュウ!! 気をつけて!!」アワワワワワ

ヤンチャム「こ、怖くねぇよな!! 全然怖くねぇよな!?!?」ガタガタガタガタガタガタ

ピカチュウ「よいしょ……ふぅ。 下は見ない方がいいな……ん?」

ふと上を見上げると、まるで空にぽっかり穴があるかのようになっている場所があった。
ひょっとしたらあの先が……
 ▼ 44 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 22:13:54 ID:1mWtfPso [4/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「おーい、みんな!! 上の方に次の場所みたいなところがあるよ!!」

3匹「ホント!?」

ピカチュウ「うん! みんなも登ってきてよ!!」

ミジュマル「分かった!」

エモンガ「よーし! 行くよー!」

ヤンチャム「えっ!? えっえっ!? マジで行くのか!?」

エモンガ「当たり前よ! じゃなきゃ先に進めないでしょ?」

ヤンチャム「ぅっ……」
 ▼ 45 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 22:27:19 ID:1mWtfPso [5/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
なんとなくどういう風に動けば登りやすいかのコツが掴めてきた。
慣れてしまえば軽い軽い!どんどん上へ上がっていく。

ミジュマル「ピカチュウすごいなぁ……あんなにぴょんぴょん飛んでっちゃうなんて」

ヤンチャム「あ、あのくらいオレの方がもっと余裕だし!!」

エモンガ「体震えてるわよ……」

でも、慣れたからって油断してしまってはいけなかった。

ピカチュウ「へへへ! これならあっという間に1番上まで行けそう!」
 ▼ 46 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 22:35:13 ID:1mWtfPso [6/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
グラ……

ピカチュウ「えっ? っ!?」グラッ

足を滑らせてしまい、思わずつまづきそうになった。
その拍子に板がグラグラ揺れ始める……

ピカチュウ「わ、わあぁ!」グラグラ

バランスを取ってなんとか踏ん張ろうとする。 でも、その時恐怖心と焦りが災いを呼んでしまって……

ついに僕は板から落ちてしまった。
 ▼ 47 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 22:39:29 ID:1mWtfPso [7/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

3匹「ピカチュウ!?」

どんどん地面が迫ってくる!
もうダメだ! 目を瞑り、ただただ助かる事を祈った。

そして、僕の体は地面に思いきり叩きつけられ

______バッ!

ずに済んだ。
 ▼ 48 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 23:06:18 ID:1mWtfPso [8/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「っ……」メツブリ

ピカチュウ「……あれ? なんともない……」

「全くもう。 カビゴンが破裂させられたと思ったら……君達だったんだね」

僕は謎のポケモンに抱き抱えられていた。
そのポケモンは小さな羽をパタパタさせながら空を飛んでいる。

「ボクが見つけなかったら君は今頃地面にドーン!だ。 感謝してよね」

ピカチュウ「あ、ありがとうございます……あ、あの……あなたは……?」

セレビィ「あー、そういえばまだ名乗ってなかったね。 僕はセレビィ。 よろしくね」
 ▼ 49 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 23:34:07 ID:1mWtfPso [9/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレビィは僕を3匹のいるところに下ろしてくれた。

セレビィは3匹にも自己紹介をした。

エモンガ「せ、セレビィ!?」

ミジュマル「知ってるの?」

エモンガ「聞いたことあるわ……! 森の神様と呼ばれるくらい凄いポケモンでしょ!」

ヤンチャム「神!? そんなポケモンがどうしてここに!!?」

セレビィ「んー。 何かおかしいかな?」

セレビィ「だってここ、ボクの家だし」
 ▼ 50 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/29 23:55:33 ID:1mWtfPso [10/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
僕達4匹はびっくり仰天!

4匹「い、家?!?」

セレビィ「うん。 ボク、この木に住んでるんだ。それで、この木にエネルギーを送って木をボクの好きなようにしてるんだ。 だから木の中なのにこんな外みたいな景色が広がってるってわけ」

ヤンチャム「じゃ、じゃあ、この木からいろんなきのみがなるのも……」

セレビィ「そ。 ボクのパワー。 凄いでしょ?」

ヤンチャム「……神様ー!!」

ヤンチャムがセレビィに向かってひざまずいた。 確かに、こんな恵みをもたらしてくれているなんて。

セレビィ「あはは……なんか照れるな……」
 ▼ 51 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/30 00:02:14 ID:IFkaCFiQ [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「あ、そういえば……まだ僕達の名前も言ってなかったよね? 僕は……」

セレビィ「知ってるよ。 ピカチュウ、ミジュマル、エモンガ、そしてヤンチャム。 でしょ?」

ヤンチャム「すげぇ!! なんで分かるんだ!?」

セレビィ「毎朝みんながきのみを取りにくるのを見てるからね。 そのうちこの森のポケモン達が大体誰が誰か分かるようになっちゃったんだ」

セレビィ「だから、君達のバトルももちろん見てたよ」ニヤッ

セレビィは分かりやすくニヤついて見せた。 あのバトルを見られてたとなると、少し恥ずかしいな……

ヤンチャム「あのバトルを……神様の前でやったのか……」

……ヤンチャムはもっとショック受けてた。
 ▼ 52 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/30 00:10:47 ID:IFkaCFiQ [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレビィ「あー……」

すると彼は、少し気まずそうに目をそらしながら言った。

セレビィ「実はさ、あのバトル、ボクがちょっといじってたんだよね」

ピカチュウ・ヤンチャム「!?」

セレビィ「ほら、気づいてたでしょ?足元にくさむすびがあったり、きあいだまがまっすぐヤンチャムにとんでいったり」

なるほど。 ヤンチャムが不自然なほど悪運だったのはそういう事だったのか。
一方、ヤンチャムはというと……

ヤンチャム「良かった……オレ、神様にあんな風にされてただけなんだ……! あれがなければ、ピカチュウには負けてなかったんだな……」

あれ? ちょっと嬉しそう?
ひょっとして、誰かに運を操られていたなら、敗因は自分じゃない……そういう事?
 ▼ 53 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/30 00:16:41 ID:IFkaCFiQ [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレビィ「でもさ……君達はボクの家に勝手に上がり込んできたワケだよね?」

ピカチュウ「うっ……」

ミジュマル「そ、それは……その……」

セレビィ「特にヤンチャム」

ヤンチャム「えっ!? オレ!?」

セレビィ「ボクが入り口を隠すために置いていたカビゴンの風船を壊しちゃうなんて! 信じられないよ!」

ヤンチャム「うぅ……ご、ごめんなさい……」
 ▼ 54 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/30 00:24:09 ID:IFkaCFiQ [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレビィ「……ま、いいんだけどね」

4匹「いいの!?」

思わずみんな揃って突っ込んでしまった。不法侵入について言っていたのにサラッと水に流しちゃうなんて!

セレビィ「だって、大人のポケモンならどうなるか分からないからボクについての記憶を消しちゃうんだけどね。 君達は悪いことはしなさそうだ」

ピカチュウ「そ、そうなんだ……」

セレビィ「それに僕自身、遊び相手がほしくて悩んでたところなんだ」

ヤンチャム「そ、それってつまり……?」

セレビィ「うん! この木の中を案内してあげる!」
 ▼ 55 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/30 00:38:23 ID:IFkaCFiQ [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
そこからはセレビィについていった。 すっごく不思議な場所がたくさんあった。
比較的暗い場所では星みたいなものを数えたり、変なところに変な物が置いていたりした。

大方案内してもらったら、みんなでおもいきり遊んだ。
もちろんセレビィもみんなも一緒にだ。

ヤンチャム「うおおおお!! 負けるかぁっ!!」ドドドド

ピカチュウ「それ!電撃!!」バチッ

ヤンチャム「うぎゃ! し、シビレビレ……

ピカチュウ「おっさきー!」

ヤンチャム「こ、このー! まちやがれーー!」

セレビィ「こちもお先にー」スッ

ヤンチャム「くそおー!一度のみならずむ二匹もおい抜かれるなんて!」
 ▼ 56 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/30 18:09:48 ID:raM.S04k NGネーム登録 NGID登録 報告
追いかけっこが終わると、次はかくれんぼが始まった。

ピカチュウ「さーて……みんなはどこにいるのかな……」

ピカチュウ「うーん……この、月のオブジェみたいなのとか怪しいなぁ……」

ピカチュウ「あっ! エモンガみっ……け?」

エモンガ?「」

ピカチュウ「うーん……こ、これもしかして……みがわり?」

ピカチュウ「まいったなぁ……誰も見つからないよ……あれ?」

ピカチュウ「向こうにあるのって……」タタタタ

ミジュマル「すぅ……すぅ……」スヤスヤ

ピカチュウ「ミジュマルみーっけ!」

ミジュマル「むにゃむにゃ……んん? あっ!!」

ピカチュウ「あはは……かくれんぼ中に寝ちゃダメだよ……」

ミジュマル「ご、ごめん……」

こんな幻想的な場所をかくれんぼに使えるなんて、とっても贅沢だ。
 ▼ 57 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/30 23:36:28 ID:kan9nIMU [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
でも、楽しい時間はあっという間。

ピカチュウ「よし!ヤンチャムもみっけ!!」

ヤンチャム「うぅ……見つかったかぁ……」

セレビィ「ふぅ……そろそろ夜が来るね」

エモンガ「えっ?」キョロキョロ

セレビィ「今外がどんな感じか知りたい? それ!」シュッ

セレビィが手を振ると、そこに不思議な窓のようなものが出現し、外の景色を映し出した。
夕焼けが大木に向けて射し込んでいる。 周りはすっかり紅に染まっている。
 ▼ 58 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/30 23:40:04 ID:kan9nIMU [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
エモンガ「た、たいへん! もうこんな時間なんだ!」

ミジュマル「もう帰らなきゃだね……」

ヤンチャム「そんなぁ……もっと遊んでたいぜ……」

ピカチュウ「でも、お母さん達も心配するよ……」

ヤンチャム「うっ……母ちゃん……」

ヤンチャム「……わかった。 帰るよ」

セレビィ「それじゃ、名残惜しいけど……」

ピカチュウ「うん。 ここでサヨナラ、だね」

セレビィ「また、遊びに来てね」

ヤンチャム「モチロンだぜ!!」

エモンガ「また、大木の中を案内してね!」

セレビィ「お安い御用さ!」
 ▼ 59 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/30 23:42:54 ID:kan9nIMU [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「それじゃ、またねセレビィ!!」

ヤンチャム「またなー!」

ミジュマル「じゃあね〜」

エモンガ「またいつか!」

セレビィ「うん! バイバーイ!!」

……………………

ピカチュウ「……」

ヤンチャム「……」

ミジュマル「……」

エモンガ「……」

セレビィ「あ、あれ? なんで戻って来たの?」

4匹「出口が分からないよぉ……」

セレビィ「あらら……」
 ▼ 60 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/30 23:46:50 ID:kan9nIMU [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレビィ「それなら僕が入り口の所まで送ってあげようか?」

ピカチュウ「いいの?」

セレビィ「モチロンさ! さぁ、そこに並んで!」

ヤンチャム「並ぶ……? 案内してくれるんじゃないのか?」

セレビィ「ううん。 テレポートの方があっという間だよ」

ヤンチャム「テレポート!? そんなことできんのか!?」

セレビィ「モチロン。 さあ並んで並んで!」

エモンガ「並びましたー!」

ミジュマル「テレポート!」

セレビィ「よーし……いくよ……」ミワワワワワ

セレビィ「テレポート!!」ドギュ-ン

ピカチュウ「う、うわっ!?」フワリ

4匹「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ギュルルルルルルルルル
 ▼ 61 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/31 00:15:03 ID:IoUBMAsw [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
…………………………………………
ピカチュウ「……」

ピカチュウ「……あれ?」

ピカチュウ「ここは……?」

僕が目を覚ますと、不思議な大木の真下にいた。
ミジュマルやエモンガ、ヤンチャムも同時に目を覚ます。

エモンガ「えっ……と……」

ミジュマル「確か、テレポートで送ってもらって……」

ヤンチャム「その後、オレ達ずっと寝てたのかな……」
 ▼ 62 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/31 00:25:31 ID:IoUBMAsw [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
コツンッ

ピカチュウ「ん?」

エモンガ「どうしたの?」

ピカチュウ「いや、足元に何か……あっ!」

ミジュマル「こ、これって……」

ヤンチャム「きんのズリのみ!?」

なんと、僕らの周りに4っのきんのズリのみが置かれていたのである。

ピカチュウ「うわぁ……! セレビィがくれたのかな?」

エモンガ「きっとそうよ! すごく嬉しい!!」
 ▼ 63 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/31 00:29:16 ID:IoUBMAsw [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤンチャム「あ、そうだ!! カビゴンの風船!」

僕らが風船を割ってしまったせいで、入り口が丸出しになっているかもしれない!
僕らは木の周りを走った。
走って、入り口を探した。
走って……
走って……

ピカチュウ「はぁ……はぁ……あれ?」

ミジュマル「一周しちゃったね……」

エモンガ「でも、入り口は……?」

ヤンチャム「な、なんだ? どうなってんだ?」

なんと大木には入り口どころかカビゴンの中に入っていた紙吹雪の一片すらも残っていなかった。
あんな大きな穴がこんな短時間で塞ぐわけがない。
ということは……

ヤンチャム「もしかして……夢、だったのかな……」
 ▼ 64 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/31 00:33:24 ID:IoUBMAsw [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
エモンガ「こんなみんなが一度におんなじ夢を見られるわけないでしょ?」

ヤンチャム「それは、そうだけど……」

ピカチュウ「いや、これはきっと夢じゃないよ」

ヤンチャム「でも……そうも言い切れないだろ? 証拠が残ってないのに」

ピカチュウ「あるよ。 ほら」

僕は、右手に持っているものを掲げてみた。
4匹みんな1匹1つ持っているきんのズリのみ。

ピカチュウ「こんな貴重なきのみを4つも手に入れる事ができたんだ。 きっとセレビィのおかげに違いないよ」

ミジュマル「だよねー。 きっと穴はセレビィが塞いじゃって、別のところに穴を開けたんじゃないのかなー?」

ヤンチャム「そうかな……うん、確かにきっとそう……いや、そうに違いないな!」
 ▼ 65 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/31 00:36:52 ID:IoUBMAsw [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
エモンガ「さて。 そろそろ家に帰ろっか」

ピカチュウ「そうだね。 もう親も心配してるだろうし」

ヤンチャム「ははは……早く帰らなきゃメシ抜きにされちまうよ……」

ミジュマル「ふあぁ……僕はもう眠たいや……」

ピカチュウ「あっ! 待って!」

3匹「ん?」

ピカチュウ「帰る前に……ね?」

ヤンチャム「ああ……そっか」

エモンガ「そうね。 ちゃんと言ってあげなきゃ失礼だものね」

ミジュマル「うんうん! きっと喜んでくれるよね!」
 ▼ 66 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/31 00:39:10 ID:IoUBMAsw [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「せーの……」



「ありがとうセレビィ!! また遊ぼうねー!!」



これで、僕の体験した不思議な不思議な1日はおしまい。
え? またセレビィに会えたかだって?
さぁ、どうだろうね。
〜おしまい〜
 ▼ 67 マコブシ化粧品◆aDRuGd/3Lw 17/10/31 00:41:58 ID:IoUBMAsw [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
地の文ありはほとんど書いてなかったのでいろいろ新鮮でした。
ここまでお読みいただきありがとうございました
 ▼ 68 クバード@ミックスオレ 17/10/31 06:55:22 ID:uME43VHE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 69 グレー@ハスボーじょうろ 17/10/31 07:32:05 ID:Zwq0eAy. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です!
このページは検索エンジン向けページです。
閲覧&書き込みは下URLよりお願いします。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=690274
(ブックマークはこちらのページをお願いします)
  ▲  |  全表示69   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!

(消えた画像の復旧依頼は、お問い合わせからお願いします。)
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼