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SS

【クリスマスss】イーブイ「プレゼント、何貰おうかな……」

 ▼ 1 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 13:34:33 ID:Vgfx5x/s [1/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





季節は冬……



街中に冷たい風が吹き荒れる、皆があんまり好まないと言える季節……



しかし、この季節には世界中の子ども達が心待ちにしている、ある大きなイベントがある……



そう、そのイベントの名は……




 ▼ 2 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 13:39:00 ID:Vgfx5x/s [2/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



12月1日


とある街の片隅にある、一軒の家にて……





リビングに一匹のイーブイがいた。


イーブイ「今年はサンタさんに何をお願いしよっかな……」


床に寝転がりながら鼻歌を歌う……そんなご機嫌なイーブイとは違い、両親のサンダースとエーフィはテレビを見る振りをしながらイーブイをチラチラ見たり、意味も無く部屋をウロウロしたり……と、落ち着きが無い。

 
 ▼ 3 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 13:45:02 ID:Vgfx5x/s [3/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


サンダース「……」


エーフィ「……」 



二匹は緊迫した表情で聞き耳をたてる……



イーブイ「クリスマスだもん、普段買って貰えないような物がいいよね……」


イーブイはそう小さく呟き、便箋に何かを書き込んだ。


サンダース「……」


サンダースがそーっと無言で近寄って……便箋を覗き込むと……


サンダース「っ!?」



サンダースの顔が歪んだ……



エーフィ「?」


エーフィも何かを察して便箋を覗きに来た……



エーフィ「!?」



やはり、エーフィの顔も歪んだ……


  
イーブイが書いたサンタさん宛ての手紙に書かれていたのは……


 ▼ 4 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 13:49:45 ID:Vgfx5x/s [4/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




さんたさんへ




にんてんどーすいっちが欲しいです。




いーぶい


 ▼ 5 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 13:53:54 ID:Vgfx5x/s [5/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



イーブイは鉛筆を置いた。


イーブイ「これでいいや!」


サンダース「ま、待ちーや! イーブイ!」


イーブイ「何? お父さん」


サンダース「え、えっと……そのー……そんな高い物を頼んだらサンタさん困るんちゃうんかなー……って」


エーフィ「そ、そうよ! イーブイ!」


イーブイ「あ、それなら大丈夫だよ! ほら、これ見て!」


イーブイは手元にあったクリスマスの絵本を開き、あるページを二匹に見せた……
  

サンダース&エーフィ「?」



そのページには……


 ▼ 6 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 13:56:14 ID:Vgfx5x/s [6/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





サンタさんはどんなおもちゃだって一瞬で準備しちゃうんだ!



魔法みたいだね!



だけど、いい子にしてなきゃプレゼントは貰えないから気をつけてね!




 ▼ 7 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 13:59:57 ID:Vgfx5x/s [7/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



イーブイ「ね? この絵本に書いてあるでしょ? サンタさんはどんなおもちゃでも準備できるって! だから大丈夫!」


サンダース「そ、そうか……そうなんか……ははは……(誰や! こんな都合のええ事ばっかり書いてある絵本こうて来たのは!)」


エーフィ「い、イーブイいい子にしてたからきっと大丈夫よね……うふふっ……(誰って去年サンダースがブックオフで買ってきた奴じゃない!)」


サンダース「……(せやった……ごめん、エーフィ)」


エーフィ「……(いいのよ、ただ今だけはこの子が純粋に育った事を恨むわ……)」


 ▼ 8 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 14:04:29 ID:Vgfx5x/s [8/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


イーブイ「ふんふんふーん♪」


イーブイは鼻歌を歌いながら便箋を折りたたんで封筒に入れると、部屋の隅に飾ってあるクリスマスツリーに引っ掛けた。


イーブイ「これで準備OKだね! イーブイいい子だから今日は早く寝よーっと! おやすみ! お父さん! お母さん!」


サンダース「お、おやすみ……」


エーフィ「う、うふふ……おやすみイーブイ……」



イーブイは自室へ走って行った……



 ▼ 9 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 14:11:32 ID:Vgfx5x/s [9/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガチャン!



イーブイの部屋の扉が閉まると、二匹は溜め息をついた。


サンダース「はぁ……どないしよ……」


サンダースはイーブイがツリーに引っ掛けた手紙を開くが……やはりそこには「にんてんどーすいっちがほしい」と書かれている……


サンダースはイーブイの書いたその手紙をクリアファイルに挟み、書類の詰まった本棚に差し込んだ。


エーフィ「そのにんてんどーすいっちって品薄でなかなか手に入らないゲームでしょ? ゲームに疎い私でも聞いた事あるわ……」


エーフィは椅子に座り、二つの湯呑みにお茶を注いだ。


サンダース「せや……なんで今年はこんな高くて手に入りにくい物を欲しがったんや? 去年まではお菓子が沢山欲しいって可愛い事言うとったのに……」

 
サンダースはエーフィの向かいに座り、エーフィの注いだお茶を啜った。  



 ▼ 10 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 14:15:55 ID:Vgfx5x/s [10/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



エーフィ「今年からイーブイも小学校に行ってるじゃない? きっと学校の友達と話してて欲しくなったのよ」


サンダース「なるほどな……小学校恐るべしやで……わいが子どもの頃なんてスーパーカー消しゴムとか安いおもちゃで盛り上がれとったのにな……」



エーフィは熱いお茶を一気に飲み干した。



エーフィ「ふぅ、泣き言言ってても何にも始まらないし、明日からにんてんどーすいっちを探すわよ!」


サンダース「せやな……とりあえずお金用意せな……」


 

夜の闇に包まれた一軒の家、二匹は決意を固めた……


 ▼ 11 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 17:03:10 ID:Vgfx5x/s [11/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



次の日の早朝……



いつもは少し遅く起きるイーブイが部屋から飛び出してきた。


イーブイ「お母さんお父さんおはよー!」


エーフィ「おはよ、イーブイ」


サンダース「お! イーブイ今日は早起きやな!」



イーブイはそのまま部屋の隅のクリスマスツリーまでかけて行った。



イーブイ「!」



昨日イーブイが掛けておいた手紙が無くなっている……(サンダースが回収したため当然だが)



イーブイ「手紙無くなってる! お母さん! お父さん! サンタさん手紙持って行ってくれたみたい!」

 
サンダース「そ、そうか! よかったな!(受け取ってもうた以上、もう後戻りはでけへんな……)」
   

サンダースは朝食のトーストをかじった。



 ▼ 12 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 17:16:00 ID:Vgfx5x/s [12/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


イーブイもサンダースの隣に座り、テーブルに用意されていたトーストをかじった。


イーブイ「お父さん、お母さん、もしかして昨日サンタさんに会った?」


エーフィ「え? あ、うん。会ったわよ?」


イーブイ「ほんと!? サンタさん何か言ってた?」


サンダース「イーブイがちゃんとええ子にしてたらおもちゃ持ってくるって言っとったでー」


イーブイ「そっか! じゃあ今日からもっといい子にしなきゃねっ!!」



イーブイはトーストを食べ終えると、教科書の入ったカバンを咥えて玄関へ走り出した。



イーブイ「私いい子だから今日は早く学校行ってくる!」


サンダース「そ、そんなはよ行かんでも……」


イーブイ「次サンタさんに会ったらイーブイいい子にしてたって言っておいてね! じゃあ、いってきまーす!」



バタン!



玄関が閉まる音がすると、二匹は顔を見合わせた……



エーフィ「どうする? イーブイ去年以上に張り切ってるわよ?」
 


サンダースはトーストを食べ終えるとコーヒーを啜った。


サンダース「とりあえず手分けして探そか……まずは見つけへんと始まらへんからな……」     



 ▼ 13 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 17:26:52 ID:Vgfx5x/s [13/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダースも立ち上がり、仕事の書類の詰まったカバンを咥えて玄関へ向かった。



サンダース「今日はおもちゃ屋さん寄ってくるから多分帰るの遅れるわ」


エーフィ「うん、私も後でnAmazunとかオークションサイトで検索かけてみるね」


サンダース「頼んだで! ほな、行ってくるわ!」


エーフィ「いってらっしゃーい!」



バタン!



玄関が勢いよく閉まると、エーフィは二匹が机の上に残した皿を食洗機に突っ込んだ。



エーフィ「さてと……」

 

エーフィはイスに座りメガネをかけると、テーブルの上にリンゴマークが可愛らしい愛用のノートパソコンを立ち上げる。   

 

エーフィ「今年のサンタさんは忙しくなりそうね……」

  

エーフィは撫でるようなキーボードタッチ……ではなく、モニターとキーボードを交互に見ながらぎこちない手つきで文字を打ち始めた……



 ▼ 14 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 19:08:20 ID:Vgfx5x/s [14/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告






そうして、なんたかんだで時は流れ……もうお昼時……





エーフィはうんざりした顔で溜め息をついた……


エーフィ「はぁ……」


エーフィは箸をとり、インスタントのうどんを啜る……


エーフィ「やっぱりクリスマスだから転売屋さんも張り切ってるわね……」


パソコンのスクリーンにはオークションサイトが表示されており、定価以上の値段がつけられたswitchが沢山……


エーフィ「……」


エーフィはズルズルうどんを啜りながらどんどんページをめくる……


 ▼ 15 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 19:33:29 ID:Vgfx5x/s [15/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告






40000円……



70000円……



50000円……



30000円……



65000円……



56000円……





 ▼ 16 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 19:38:52 ID:Vgfx5x/s [16/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



エーフィ「っ!? 30000円っ!?」


エーフィはスクロールした画面を戻した。


エーフィ「え? 見間違い……じゃないわよね?」



何度見ても、そのswitchの写真の下には30000円即決と書いてある。


しかも、まだ誰も入札していないようだ。



エーフィ「や、やった! 見つけたっ! これで今年のクリスマスもなんとかなった!!」


エーフィは迷う事無く30000円のそのswitchの下にある落札ボタンを押した。


 ▼ 17 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 19:45:31 ID:Vgfx5x/s [17/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



そした、手続きを済ませ……




エーフィ「12月24日昼到着予定……落札完了!」


エーフィは手続き完了の画面の写真を撮り、サンダースにメールで送った。



すぐにサンダースから返信が来た。




さすがエーフィやな! これで安心して寝られるわ! ありがとさん!




エーフィはその返信を読んで微笑むと、うどんの汁を飲み干した。



エーフィ「あとはクリスマスを待つばかり……ね!」




 ▼ 18 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 19:58:50 ID:Vgfx5x/s [18/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




そして、夕方になった……



switchが手に入る事も確定したため、サンダースも予定を変更。まっすぐに帰宅し、三匹で食卓を囲む事が出来た。



今日の夕飯はキムチ鍋だ。



サンダース「エーフィの作る料理はほんま美味しいなぁ!」


安心したためか、サンダースはいつもよりも沢山食べ、いつもよりも多めにビールを飲んでいる。

 
エーフィ「もう、サンダースったら! ……あら? イーブイ、どうかした?」



イーブイは先程からずっと俯いてばかりで元気が無い……


 ▼ 19 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 20:13:51 ID:Vgfx5x/s [19/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ほろ酔い気分のサンダースがイーブイを小突いた。



サンダース「イーブイ、学校でなんかあったんか? お父ちゃんに言ってみ?」



イーブイはサンダースを一瞬見つめて……そして、また俯くと小さな声で語り出した。



イーブイ「……今日学校でね? ブイゼル君とアチャモ君がサンタさんはいないって……」


サンダース「ぶっ!?」


サンダースは飲んでいたビールを正面に座っていたエーフィの顔に盛大に吹きかけた。



サンダース「あっ!? エーフィごめん!! (そいつらイーブイになんて事を言うんや!!)」


エーフィ「き、きにしないで! サンダース! (それより落ち着いて!)」


エーフィはティッシュで顔にかかったビールを拭いた。



 ▼ 20 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 20:24:49 ID:Vgfx5x/s [20/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



イーブイは涙で潤んだ瞳でサンダースとエーフィを見つめた……



イーブイ「お父さん! お母さん! サンタさんいるよね!? 絶対プレゼントくれるよね!?」



サンダース「……」


サンダースはイーブイを見つめ返すと微笑んだ。



サンダース「大丈夫や! サンタさんはおる! きっと今年もイーブイに素敵なプレゼントくれるから!」



エーフィ「だから安心して! イーブイ! (その子達のご両親さん……お子さんの前でやらかしたのかしら?)」



サンダースとエーフィのその言葉にイーブイはホッとした。



イーブイ「よかった! やっぱりサンタさんいるんだね! お父さんが言うなら間違いないや!」


サンダース「(ほんま、クリスマスって大変やわ……)」


サンダースは小さく溜め息をつくと、またビールを飲んだ。


 ▼ 21 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 20:30:07 ID:Vgfx5x/s [21/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告






こうして……三万円の出費は痛かったけど、今年のクリスマスもなんとか迎える事が出来た……






    













はずやったんや……





 ▼ 22 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 20:33:10 ID:Vgfx5x/s [22/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


そうして時は流れ……


12月24日 午後3時……





リビングにて……


二匹は宅配で届いた大きな箱を覗いていた……



サンダース「……なんやこれ」


エーフィ「……それは私が聞きたいわ?」



家に届いた大きな箱の中には……なんと、switchの空箱が入っていた……

 ▼ 23 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 20:35:05 ID:Vgfx5x/s [23/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



何度見ても空箱……



中には何にも入っていない……



そう、すなわち空箱……



どこをどう見ても空箱……



やはり空箱……



空箱なのである……

 
 ▼ 24 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 20:42:16 ID:Vgfx5x/s [24/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


エーフィはその場に崩れ落ちた。


エーフィ「なんで!? なんで中身が入ってないの!?」


サンダース「あっ! もしかすると……」



サンダースはエーフィのパソコンを立ち上げ、履歴からエーフィの落札したswitchのページを表示した。



サンダース「やっぱり! エーフィ、ここ見てみ?」


エーフィ「?」



エーフィが商品説明をよく読むと……そこには……



 ▼ 25 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 20:43:22 ID:Vgfx5x/s [25/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



今流行りのニンテンドーswitch



















































の、空箱です! (返品不可!)

 ▼ 26 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 20:49:23 ID:Vgfx5x/s [26/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


サンダース「ぐぬぬ……これが最近流行してる手法か……ちゃんと空箱って書いてあるから詐欺にならへんのがたち悪いな……」



出品者のアカウントも既に削除されている……



エーフィ「ごめんね、サンダース……私がよく見てなかったから……」


しょげるエーフィの背をサンダースが優しく撫でた。


サンダース「エーフィはなんも悪くない! それより、もう時間が無いな……」



時計は3時過ぎをさしている……



その時、玄関が勢いよく開く音がした。



ガチャン!



二匹「!?」


サンダースは急いで空箱を自分の部屋にぶん投げた。


 ▼ 27 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 20:54:40 ID:Vgfx5x/s [27/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ついで玄関からイーブイが勢いよくかけてくる。



イーブイ「ただいまっ! お父さん! お母さん!」


サンダース「お、おう! おかえり!」


エーフィ「と、友達と遊んでるんじゃなかったの?」


イーブイ「うん! でももうみんな帰っちゃったから! それより今日はクリスマスだよ! 街中クリスマスの飾り付けがしてあってすっごい綺麗だよ!」


イーブイは目をきらきらと輝かせている……


 ▼ 28 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 21:00:44 ID:Vgfx5x/s [28/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダース「そ、そうか……あっ! わいらも街を見に行こかなー……な? エーフィ?」


エーフィ「?」



サンダースがエーフィの耳元で囁いた……



サンダース「(まだ終わってへん! 今からでもswitchを探すんや!)」


エーフィ「!」



エーフィは顔を上げると静かに頷いた。



サンダース「ほな、わいらはちょっとお出かけしてくるし、イーブイ留守番頼んだで」


イーブイ「うん! いってらっしゃーい!」


 ▼ 29 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 21:02:30 ID:Vgfx5x/s [29/30] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



家を出ると、二匹は顔を見合わせた……



サンダース「よし、手分けして探そか……」


エーフィ「うん!」




二匹は二手に別れて街へと駆け出した……




 ▼ 30 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/13 21:03:50 ID:Vgfx5x/s [30/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
前編終わり

とりあえず今日はここまで

明日完結させる予定です。
 ▼ 31 pope◆29thbc/0F6 17/12/13 21:17:32 ID:O8g3aoNU NGネーム登録 NGID登録 報告


泣けてきた

でも、サンダースがスパカ消しゴム世代なのが疑問

イーブイはまだ幼いからサンダースもそこそこ若いだろうし、スーファミ、あわよくばゲームボーイ世代位の筈
 ▼ 32 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 10:36:56 ID:g1kwl7dM [1/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


それから二時間ほどたった……



エーフィは一匹街中を走っていた。


エーフィ「はぁ……はぁ……」



クリスマスの街は、並んで歩くカップルや家族がいつもよりも多く、それをよけて走るのはなかなかに疲れるものだ。



エーフィ「も、もうだめ……」


エーフィは息を切らせて立ち止まった……


エーフィ「ブックオフもゲオも行ったし……街角の小さなおもちゃ屋さんもダメ……あとは……」



エーフィが顔を上げると……そこには一軒のリサイクルショップ……



エーフィ「あとはここくらいね……」



エーフィは店の中に入っていった……



 ▼ 33 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 10:41:22 ID:g1kwl7dM [2/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


リサイクルショップ店内……



エーフィ「えっと……」



エーフィは迷う事無く、家電コーナーのおもちゃやゲームが置いてある場所目指して歩く……



エーフィ「この辺かな?」


エーフィが辺りを見渡すと……近くのガラスケースに目当ての物を見つけた。


エーフィ「あっ!!」



ガラスケースの中にはswitchが……


値札には、プレミア価格40000円と書かれている……



エーフィは持ってきた財布を覗いた……


財布には35000円しか入っていなかった……



 ▼ 34 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 10:45:26 ID:g1kwl7dM [3/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



エーフィ「た、足りない……せっかく見つけたのに……」


エーフィはその場にへたり込んだ……


エーフィ「あと少しくらいお金持って来ればよかった……お金……お金?」


エーフィは立ち上がった。


エーフィ「そうだ! お金がないなら……」



エーフィはレジに向かって駆け出すと、首にかけていた煌びやかなネックレスを店員に突き出した。



エーフィ「これ! 買い取って下さい!!」




 ▼ 35 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 10:50:13 ID:g1kwl7dM [4/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





夕焼け空も、既に星が見え始めるほどに暗くなり始めている……



そんな空の下、サンダースは呟いた……


サンダース「どこにもあらへんな……」



サンダースは一匹、ポケモン達の通りの殆ど無い街はずれを歩いていた……



サンダース「はぁ……お金さえあれば、ネットとかで高い値段突きつけられても簡単に買えるのになぁ……」



サンダースが溜め息をついた……その時、どこからか声がした……



お金が欲しいんか?



 ▼ 36 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 10:54:21 ID:g1kwl7dM [5/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



サンダース「!?」



サンダースは辺りを見渡したが……誰もいない……



サンダース「……気のせいか?」



こっちや! こっちやで!



サンダース「ん?」



また、辺りを見渡すと……近くの薄暗い路地裏にサンタの格好をした二匹のポケモンがいた……



ザングース「にいちゃんこっちや!」


ズルズキン「こっちっすよ!」


サンダース「なんや?」



サンダースは二匹に手招きされて、路地裏に足を踏み入れた……



 ▼ 37 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 10:59:12 ID:g1kwl7dM [6/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



路地裏にて……




少しジメジメしたビルとビルの隙間……三匹の他には誰もいない……


サンダース「なんや? わいに何かようか?」


ザングース「にいちゃん、何かよーわからんけど、どうやら金が欲しいみたいやな……」


サンダース「……そうなんや……このままじゃ娘のプレゼント買ってあげられへんのや……」



サンタ服のザングースはその言葉にニヤリとした……



ザングース「そうか……なら、大金が一瞬で稼げる方法、教えたろか?」


ズルズキン「教えたろかー?」


 ▼ 38 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 11:06:03 ID:g1kwl7dM [7/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


サンダース「え!? ほんまか!?」


ザングース「まじやで? おおまじや!」


ズルズキン「おおまじやー!」


サンダース「そんで、どうすればええんや!? 教えて教えて!!」



ザングースはサンダースの耳元でそっと囁いた……





ザングース「簡単な事や……にいちゃんの身体の一部を売り払えばええ……」

   



サンダース「!?」



ザングースはサンダースに顔をぬっと近づけた……



サンダース「目ん玉なんかはかたっぽだけでも十分生きてけるで? 一つだけでもそこそこお金は入る……他にも腎臓とか肝臓とか……どっとまとまった金が手に入るでー?」


サンダース「あ、あわわ……」


 ▼ 39 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 11:15:31 ID:g1kwl7dM [8/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ザングース「手術代はうちのボスが出すって言っとるわ……どや? にいちゃん……」


ザングースがそう言った次の瞬間、サンダースは光のような速さで逃げ出してしまった……



サンダース「ひぇぇぇええええええええ!!!??!」



サンタ姿の二匹は顔を見合わせた。


ザングース「うーん……なかなかカモが見つからんなぁ……このままやとボスに怒られてまうで……」


ズルズキン「あ、兄貴ぃ……やっぱりもっとソフトにした方がいいっすよぉ……ただでさえ兄貴は強面なんすから……」


ザングース「そうか? このサンタ帽とかで可愛らしさの演出は出来てると思うけどなぁ……」



ザングースはサンタ帽をかぶりなおした……



ズルズキン「にしても、兄貴はサンタの格好が似合うっすね! やっぱりお腹が出てるから様になってるって言うか……」


ザングース「うるさいわ! 太っとる言うな! どあほ!! 少しは気にしとるんや!」



その時、二匹の間に冷たい風が吹き抜けた……



ザングース「さ、さむっ! ……あ、そう言えばそろそろあっちの電気屋で例のあれの抽選販売があるらしいな」


ズルズキン「え? そうなんすか?」


ザングース「あれ、転売するとええ小遣い稼ぎになるねんなぁ……よし、買いに行こか!」


ズルズキン「へい! 兄貴!」



二匹は走り出した……

 ▼ 40 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 11:25:38 ID:g1kwl7dM [9/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その頃、リサイクルショップにいるエーフィは……



先程から店員であるゴーリキーがエーフィが買取に出したネックレスを小型のルーペでじっくり観察していた……


エーフィ「(も、もし買取価格が安かったらどうしよう……多分これが最後のチャンス……)」



エーフィがソワソワしながらゴーリキーを見つめていると、ゴーリキーがルーペを置いた……



ゴーリキー「はい、ではこちら15000円買取になりますがよろしいですか?」


その買取価格にエーフィの顔が明るくなった。


エーフィ「は、はい!! お願いします!!」



エーフィはゴーリキーから15000円受け取った……



エーフィ「やった! あわせて五万円! これでイーブイのプレゼントが……」


エーフィが先程のガラスケースに向かおうとすると……その方角から一組の家族と店員がやってきた……
 


ジャノビー「よかったね! 欲しかったおもちゃ買えて!」


ツタージャ「うん! お母さん!」


店員の手には、あのswitchの箱が……


 ▼ 41 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 11:47:28 ID:g1kwl7dM [10/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


エーフィの目の前をその家族とswitchが通って行った……



エーフィはまた、その場に力無くへたり込んだ……


エーフィ「そ、そんな……」



エーフィがしょげていると、突然エーフィのカバンの中のスマホが鳴った。



エーフィ「?」


エーフィが電話に出ると、非常に興奮したサンダースの声が……


サンダース「エーフィ!! 今丁度switchが入荷したお店を見つけたんや!!」


エーフィ「え!? 本当!?」


サンダース「抽選販売やからエーフィもはよ来て!! 場所は……」












エーフィ「うん! わかった! すぐ行く!」


エーフィはスマホをカバンにしまうとすぐに走り出した……


 ▼ 42 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 12:00:16 ID:g1kwl7dM [11/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




街の中心にある、大きな電気屋にて……




エーフィ「なにこれ!?」



エーフィの目の前には長蛇の列……



そこにサンダースがやってきた。


サンダース「エーフィ! 来てくれたんか!」


エーフィ「サンダース、なんなの!? この列!!」


サンダース「これはswitchを買う権利を求めての争奪戦やで! 後で発表される番号と今渡される整理券の番号が一致したポケモンだけがswitch買えるんやで!」


エーフィ「と、とりあえず並んでくるわね!」


サンダース「おう! 並んできー!」



サンダースはエーフィを見送ると、近くのベンチに座った。



遠くに見える掛け時計は午後の7時をさそうとしている……


サンダース「もうこんな時間か……」



近くの張り紙には「抽選発表は午後8時から」と書いてある……



サンダース「あと一時間か……ドキドキしてきたなぁ……」

 ▼ 43 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 12:03:01 ID:g1kwl7dM [12/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告









まぁ、そんなこんなで一時間たった……









 ▼ 44 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 12:12:06 ID:g1kwl7dM [13/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


店員が持ってきた当選番号の書かれた貼り紙にたくさんのポケモン達が群がっていた……



当選したポケモンはぴょんぴょんと飛び跳ねて喜んだり小さくガッツポーズしたり……


抽選にはずれたポケモンはすぐに帰るポケモンから店員に文句を言いつけるポケモンまで……


集まったポケモン達がどんどん帰って行く中、二匹は貼り紙を見て驚きを隠せずにいた……



エーフィ「わ、私当たってる……」


サンダース「わ、わいもや……」



二匹は顔を見合わせ……そして……



二匹「やったぁぁぁああああああ!!!」



二匹は抱き合って喜んだ。


サンダース「これで今度こそクリスマスを迎えられるんや!!」


エーフィ「よかった……イーブイに嘘をつく事にならなくて本当によかった……」


サンダース「……安心したらトイレ行きたくなってきたわ! エーフィ、ちょっと待っててな」


エーフィ「あ、うん!」



サンダースはトイレに向かって走っていった……



 ▼ 45 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 12:43:57 ID:g1kwl7dM [14/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



サンダース「ほんま良かったわー! これで安心やわー!」


サンダースがスキップしながらトイレに向かっていると……近くで大声で泣いている子どもを見つけた。



ピチュー「うぇぇえええん! 欲しかったよぉー!!」


ライチュウ「また今度買ってあげるから……」


サンダース「ん? あんたらどないしたんや?」


ライチュウ「うち抽選はずれちゃって……それでこの子が泣き出しちゃったんですよ……ほら、もう帰るよ? ピチュー」


ピチュー「嫌だー!! ゲームしたいー!!」


サンダース「せや! わいら夫婦で抽選当たったんやけど一台あればええし、この当選したわいの整理券あげよか?」


ライチュウ「え!? いいんですか!?」


サンダース「困っとるポケモンおったらほっとけへんからな!」



ライチュウはサンダースから整理券を受け取った。



ライチュウ「あ、ありがとうございます! ほら! ピチューもおじさんにお礼言いなさい!」


ピチュー「あ、ありがとー! サンタのおじさん!」


サンダース「サンタやなくてサンダースやでー! ほな、クリスマス楽しむんやでー!」



サンダースはかけて行った……



ライチュウ「本当にサンタさんみたいな……よかったね! ピチュー!」


ピチュー「うん!」


 ▼ 46 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 12:47:15 ID:g1kwl7dM [15/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



その頃、エーフィは……




エーフィ「サンダースまだかしら?」


エーフィがぼーっとしていると……近くにいたポケモン達の会話が聞こえた……


エーフィ「……?」


エーフィはその会話に耳を立てた……





ボーマンダ「いや、ぜってーおかしいって! これ!」



ガブリアス「まぁ……あからさまって言うか……」



カイリュー「こんなのお店がしていい事じゃないだよ!」


 ▼ 47 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 12:51:50 ID:g1kwl7dM [16/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


エーフィはその三匹に声をかけた……



エーフィ「ごめんなさいね? ちょっとお話聞いちゃったんだけど……何があったの?」


ボーマンダ「あ? 俺達三匹連続で抽選並んでたんだけどよぉ……ほら、これ見ろよ」


エーフィ「?」



ボーマンダが見せてくれたのは……52、53……ときて、何故か一つ飛ばして55の番号が書かれた整理券……



ガブリアス「どうしてか、一つ番号が飛んでたんだ……」


カイリュー「そしたら、その抜け落ちてた番号が当たってただよ……」



貼り紙を見れば、確かに抜け落ちていた54番が当選していた……


 ▼ 48 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 12:57:44 ID:g1kwl7dM [17/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ボーマンダはギリギリと歯を食いしばった……


ボーマンダ「ほんっとにありえねぇ……せっかく二時間も並んだってのに……っ!」


カイリュー「仕方ないだよボーちゃん……また今度別のお店で探せばいいだ……」


ガブリアス「他の店もこんな事やってなきゃいいんだけどな……」



三匹はとぼとぼと歩き出した……



エーフィ「ま、待って!」


ボーマンダ「ん? なんだよ」


エーフィ「私達夫婦で当たったんだけど、一台あればいいから……この整理券あなた達にあげる!」


ガブリアス「えっ!?」


ボーマンダ「い、いいのか!? そんな……」


エーフィ「いいわよ! せっかくのクリスマスなんだから、お友達同士仲良く遊んで!」
 

カイリュー「ありがとだ! おねーさん!」


エーフィ「まぁ、お姉さんなんて……///」


 ▼ 49 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 12:59:54 ID:g1kwl7dM [18/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダはエーフィから整理券を受け取ると、レジに向かって走り出した……



ボーマンダ「ほんとありがとな!! あんたのおかげでいいクリスマスになりそうだぜ!!」


ガブリアス「ありがとうな!」


カイリュー「おねーさんもクリスマス楽しむだよー!」




三匹はレジ周りに溢れるポケモン達の中に見えなくなった……



 ▼ 50 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:07:32 ID:g1kwl7dM [19/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



そこにサンダースが帰ってきた。



サンダース「ごめんな! お待たせやで!」


エーフィ「うふふ! 私いい事しちゃった!」


サンダース「ん? 何したんや?」


エーフィ「抽選はずれちゃった子に整理券あげたの! 二枚あっても仕方ないから!」



その言葉に、サンダースの顔が真っ青になった……



サンダース「……え?」
 

エーフィ「あの子達の喜んでる姿見てたら私も嬉しくなっちゃった! それに、私の事お姉さんって……うふふ!」


サンダース「な、なぁ……エーフィ? わいも今、ええ事してきたばっかりなんやけど……意味分かる?」


エーフィ「?……………………っ!?」



エーフィは察したようだ……


 ▼ 51 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:11:01 ID:g1kwl7dM [20/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


サンダース「あああああああああああああああああ!!!!!!」



店内にサンダースの悲痛な叫びが響く……



エーフィ「そんな……せっかく当たったのに……」



二匹はその場に崩れ落ちた……



サンダース「あかん……今度こそもうおしまいや……ごめん、イーブイ……」



サンダースが呟いた……その時



ドサッ!



二匹「?」



二匹の目の前に大きな紙袋が置かれた……


中にはswitchが……


 ▼ 52 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:14:24 ID:g1kwl7dM [21/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


サンダース「へ?」


サンダースが顔を上げると……そこにいたのは先程出会ったサンタ姿のザングース達だった……



ザングース「あーあ! 買ったはええけど重いわー! これ!」


ズルズキン「重いわー!」


ザングース「こんなに重いなら、わいswitchいらへんなぁ!」


ズルズキン「いらへんなー!」


サンダース「さ、さっきの……」



ザングースがサンダースに顔をぬっと近づけた……



ザングース「誰か、貰ってくれへんかなーーーーー?」

 ▼ 53 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:19:04 ID:g1kwl7dM [22/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


サンダース「え、えっと……ええの? これ……」


ザングース「さっきあんたらもしとったやろ? 見てたで? だからわいも同じ事してるだけや」


ズルズキン「してるだけやー!」



サンダースは目に涙を浮かべた……



サンダース「お、おおきに! ほなこれ貰ってくで!!」


エーフィ「ありがとうございます!!」


ザングース「礼はええねん! それより、誰かを待たせとるんと違うか?」


ズルズキン「違うかー?」


サンダース「あ! せや!」



サンダースは紙袋の持ち手を咥えると走り出した!



サンダース「ほんまおおきにやで! おっちゃーん!」


エーフィ「いつかお礼するからねー!」




二匹は店の自動ドアの向こうに消えた……



 ▼ 54 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:22:34 ID:g1kwl7dM [23/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


二匹を見送ると、ザングースは大きく伸びをした……



ザングース「はぁー! ええ事すると気持ちええわー!」


ズルズキン「それよりよかったんすか? 転売用の商品なのに……」


ザングース「ええねん! それにこれは、ただのええ事なんかやないんや!」


ズルズキン「へ?」



ザングースは二匹の消えた自動ドアの向こう……きらきらと光り輝く夜の街を見つめた……



ザングース「これは……わいから神さんへの一つの償いや……」


ズルズキン「?」




 ▼ 55 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:26:34 ID:g1kwl7dM [24/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



二匹はイルミネーションで飾り付けられた光り輝く街を、北風のように走り抜ける……



サンダース「はよ帰らな!」


エーフィ「ま、待って! サンダース!」



二匹は街を駆け抜け……そして、とうとう自分達の家の前に辿り着いた……


家の明かりはもう消えている……



サンダース「イーブイもう寝てもうたみたいやな!」


エーフィ「そうね、じゃあ後は……いつも通り、イーブイのベッドにプレゼントを置くだけね!」



二匹は顔を見合わせて笑うと、玄関を開けた……



 ▼ 56 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:30:53 ID:g1kwl7dM [25/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


すると突然、家の明かりがついた!



サンダース「ふぇっ!?」



ついでクラッカーの音が響く!



パンッ! パンッ!



エーフィ「な、なにこれ!?」



間髪入れずに物陰からイーブイが飛び出した!



イーブイ「お父さんお母さんおかえりーっ!!……あれ?」



サンダースの足元を見たイーブイの動きがぴたりと止まった……





 ▼ 57 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:34:22 ID:g1kwl7dM [26/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダース「(あっ!)」



サンダースが足元を見れば、今の驚きでいつの間にか紙袋を落としてしまっていた……


そして、紙袋からswitchの箱がちらりと見えている……



サンダース「(し、しまったぁぁぁああ!!)」


エーフィ「(み、見つかっちゃった……)」




三匹の間に沈黙が流れる……




イーブイはしばらく驚いていたが……やがて、いつものようにニッコリと笑った。



イーブイ「ようこそ! サンタさん!」



二匹「!!」

 ▼ 58 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:38:22 ID:g1kwl7dM [27/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


イーブイ「プレゼントちゃんと持ってきてくれたんだ! 嬉しいな!」



二匹はしばらく呆然としていたが……やがて、顔を見合わせ笑った。


サンダース「へへ!」


エーフィ「うふふ!」



その時、サンダースのおなかが鳴った……

 

ぐぅぅぅ……



サンダース「あ、あかん……安心したらお腹が……」


エーフィ「それじゃ、サンタさんが美味しいご飯作ってあげるわね! 冷蔵庫にもケーキが買ってあるし、みんなで食べよっか!」


イーブイ「うん!」


サンダース「エーフィサンタさんのご飯、楽しみやわー!」


エーフィ「もー! サンダースったら!」





 ▼ 59 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:39:10 ID:g1kwl7dM [28/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告









これは……とある街の片隅であった、二匹のサンタクロースの物語……









 ▼ 60 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:42:33 ID:g1kwl7dM [29/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





その頃、街のどこか……


とあるアパートの一室にて……





ザングースとズルズキンが肩を並べswitchで遊んでいた……



ザングース「ポッ拳楽しいなぁ」


ズルズキン「そっすね! 兄貴ぃ!」



二匹の間に、しばらく沈黙が流れる……



ズルズキン「それで、さっきの話なんすけど……償いって何の話なんすか?」


ザングース「あー、あの話か」



ザングースは机の上にコントローラーを置いた。


 ▼ 61 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:47:53 ID:g1kwl7dM [30/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ザングースは机の上に出してあったポテチを頬張る……



ザングース「この間、ちょいと詐欺まがいの事に手ぇ出してもうてな……」


ズルズキン「詐欺っすか?」


ザングース「せや、今遊んどるこのswitchの空箱をオークションで三万円くらいで売り飛ばしたんや」


ズルズキン「ひぇぇ! 兄貴やりますね!」


ザングース「今日、この街のどこかに届いたはずや……きっと買ったポケモンは誰かへのプレゼントのつもりやったんやろなぁ……ほんま、悪い事したで……」



ザングースはコーラを飲み干すと、またコントローラーを手にとりニヤリとした……



ザングース「ま、悪い事したけど……同じくらい良い事したからトントンやろ!」


ズルズキン「そっすね! 兄貴!」



ザングース「はぁー……それにしても、ポッ拳おもろいなぁ!」






おしまい


 ▼ 62 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/14 13:57:34 ID:g1kwl7dM [31/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


これで完結です。


クリスマス前後に時間がなかったので早急にストーリーを考えて早急に書き上げる事になりました。

クリスマスに完結あわせられなくてすみません。


そろそろ自分も家族へのプレゼント用意せんとね……



とりあえず読んでくれた方々ありがとねー!


あと、全国のサンタさんがんばってー!



ではでは





>>31
確かに、年齢的にちょいと無理があったかな……
急ぎで作った物なのでミスが目立ちますね……すみません

最初の設定ではスーパーカー消しゴムでなく、レトロゲームとswitch比較するセリフを入れる予定でした。 

後の展開もサンダースがNEOGEO本体とROMを売り払ってswitch買いに行くって設定でした……(没理由はここの板の人達はNEOGEOあまり知らなそうだから)

長文失礼しました。
 ▼ 63 ケニン@きりのはこ 17/12/14 21:44:53 ID:rkP/Q3Rg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


外伝の人すよね?
 ▼ 64 1◆8ZUvHSL4yA 17/12/15 08:17:57 ID:j89lv17Q NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>63
なんかバレとるみたいね。
ちょっと今回訳ありで酉変えてます。

一応自分が昔書いた奴を読んでくださった方向けに書いておくと、このssはこれまで書いたssと世界観の共有は一切ありません。パラレルくらいで考えてね。
 ▼ 65 ックラー@リザードナイトX 17/12/27 00:56:02 ID:D3j25ztU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
素晴らしい
面白かったです
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https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=733145
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