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SS

【SS】新たな出発 〜Brand new STARTING〜

 ▼ 1 イムラー◆eBf168T742 18/02/28 22:43:32 ID:ZDImCFTA [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=664333&p=2
の続編です。
当初は前回で完結させるつもりだったのですがその後の展開とか続きが書きたくなったので勝手ながらこのような形で続編を書かせて頂きます。
相変わらずSS上手くないですが頑張ります。
つまらなかったり読みづらかったりしたらごめんなさい。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

朝〜

「それじゃドンさん!ヤミカラス!行ってくるぜ!」

ドンカラス「おう、行ってこい」

ヤミカラス「おいサボったりすんなよ!」

ヤミカラスが俺のことをからかった。

思わず俺もそれに乗っかる。

「ちょっとヤミカラス!そもそも俺仕事サボったことあるか?」

ヤミカラス「俺らのいないとこでサボったりしてねぇか?」

「してないよ!サボってたらお金入って来ないでしょ!」

ヤミカラス「さぁて、それはどうかな?」
 ▼ 2 イムラー◆eBf168T742 18/02/28 22:56:51 ID:ZDImCFTA [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「大体ドンさんとヤミカラスを養ってる俺にサボってる余裕なんてないからね!」

ドンカラス「フン!言っとくがワシはキサマに養ってもらってる覚えはないからな!あくまでキサマと暮らしてるだけだからな!」

「もう、ドンさんこんな時に強がんなくていいから・・・」

ドンカラス「大体キサマこんな事してる時間あんのか?」

「え?」

腕時計を見て現在時刻に驚く

「うわやば!もうこんな時間じゃん!」

ドンカラス「全く・・・」
 ▼ 3 イムラー◆eBf168T742 18/02/28 23:05:52 ID:ZDImCFTA [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「おいお前遅れんなよ!」

「分かってるよ!そもそもヤミカラスが余計な事言うからだよ!」

ヤミカラス「ちぇっ、俺のせいかよ」

「他に誰がいる!」

ヤミカラス「お前が反応するからだろ!」

「何それ!?」

ドンカラス「とにかくさっさと行ってこい!」

「もう・・・、とにかく行くからね!それじゃ!」

 ▼ 4 イムラー◆eBf168T742 18/02/28 23:17:19 ID:ZDImCFTA [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タッタッタッタッタッタッタッ・・・

俺は駆け足で家を後にした。

ドンカラス「まったく朝からせわしない奴だ」

ヤミカラス「ほんとですよ、朝っぱらからうるさくて」

ドンカラス「人間共はああも落ち着きがないものなのか?」

ヤミカラス「少なくともあいつはそうですね」

ドンカラス「だろうな」

ヤミカラス「ところでボス、今日は何を?」
 ▼ 5 イムラー◆eBf168T742 18/02/28 23:27:36 ID:ZDImCFTA [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「そうだな、よし!今日はもう少し高度な技を教えてやろう!」

ヤミカラス「本当ですか!?」

ドンカラス「ああ」

ヤミカラス「でも、俺にできますかね?」

ドンカラス「大丈夫だ。ワシがたっぷりしごいてやる」

ヤミカラス「ボス、お手柔らかにお願いしますよ」

ドンカラス「何を甘ったれたことを言ってる!」

ヤミカラス「ひっ!す、すみません!」
 ▼ 6 イムラー◆eBf168T742 18/02/28 23:41:13 ID:ZDImCFTA [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「そんなんじゃいつまで経っても一人前になれんぞ!」

ヤミカラス「はい、すみません・・・」

ドンカラス「おい!早くやるぞ!」

ヤミカラス「はい!ですが何を?」

ドンカラス「ワシが新しい技を教えてやるんだ!さっきも言っただろ!」

ヤミカラス「そうでしたね!すみません!」

ドンカラス「そうと分かったらやるぞ!」

ヤミカラス「はいボス!」


 ▼ 7 イムラー◆eBf168T742 18/02/28 23:50:21 ID:ZDImCFTA [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・とまぁ朝は毎回こんな調子だ。

ヤミカラスとドンさんと暮らし始めてはや2週間・・・

仕事も以前のように再び軌道に乗り始め、不安定ではあるが収入も得られるようになり、経済的にも少し余裕が生まれた。

(ドンさんとヤミカラスの為にも頑張ろう)

そんな感じで仕事に対するモチベーションも上がった。

そして今日は前から何度か取引があり馴染のあるルイ博士に研究資料を売るべく彼の研究センターに出向いた。
 ▼ 8 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 00:07:56 ID:uoizxNDE [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士もまた、ポケモン研究が専門だ。

いわゆる俺と同業者だが彼の方が30ほど年上でキャリアも全然長かった。

だが俺は彼とは違う視点で研究をし、彼とは違う新事実を導くのが得意な為、彼は俺の研究資料を欲しがった。

早速行くと研究センターの前で博士が出迎えてくれていた。

ルイ博士「やぁナルディ君おはよう」

「博士、おはようございます」

ルイ博士「いやぁこんな朝早くにご苦労さんね」

「いえこちらこそ、こんな朝早くにすみません」
 ▼ 9 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 20:39:07 ID:uoizxNDE [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「それで今回はどんな研究資料を持ってきてくれたのかな?」

「はい。今回はポケモンのDNAに関する研究資料を持ってきました」

ルイ博士「ほうポケモンのDNAかぁ、それまた興味深いねぇ」

「自分で独自に調べました」

ルイ博士「何!?一人ででかい!?」

「はい」

ルイ博士「いやぁすごいな君は。そんなことまで調べられるなんて」

「恐れ入ります」
 ▼ 10 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 20:49:45 ID:uoizxNDE [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「これは楽しみだな」

「ほとんど地味な研究の積み重ねでデスクにへばりつくことも多かったです」

ルイ博士「まぁ研究なんてそんなもんさ。地味な研究の積み重ねでようやく成果が実るってわけさ」

「そうですね」

ルイ博士「いやぁ私も長い研究生活のほどんどは地味なモンばっかりだったよ。毎日レポート書いてPCとにらめっこしてね」

「え?博士もそうだったんですか!?」

ルイ博士「そりゃあそうさ。研究に没頭しすぎて昼夜逆転して煙草と酒におぼれそうになったり、ストレスで不眠になって睡眠薬漬けになったこともあったさ」

「大変だったんですね・・・」

 ▼ 11 ーランド@バコウのみ 18/03/01 20:50:18 ID:n5Fd2cmU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 12 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 21:00:29 ID:uoizxNDE [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「それにここだけの話、研究のためにポケモンを何回か死なせちゃった時もあるんだ」

「ええ!?」

ちょっとショッキングだった。

ルイ博士「いや、正しくは死なせちゃったんじゃなくて・・・殺しちゃったんだけどね」

「・・・何があったのですか?」

ちょっと恐る恐る聞いてみる。

ルイ博士「昔の話なんだがある時私はペニシリンやペプシドなど数種類の成分を合成させてポケモン向けの抗生剤を作ったんだ」

「博士そういうものも作ってたんですね」
 ▼ 13 ニラン@ドラゴンのホネ 18/03/01 21:03:27 ID:n5Fd2cmU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 14 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 21:20:20 ID:uoizxNDE [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「ああ。ほら、今は便利な時代で色んな種類のポケモン用の薬があるだろ?」

「そうですね。各タイプのポケモンごとに作られた抗生剤とか毒状態になった時用の解毒剤とか眠り状態になった時用の眠り止め薬とかいろいろありますよね」

ルイ博士「ほう、詳しいね!」

「いえいえ。そんなわけで最近は色んな薬があるおかげで薬草とかから薬を作ることも滅多になくなりましたよね」

ルイ博士!「まさかそこまで知ってるとは、さすがナルディ君!」

「恐れ入ります」

昔死んだオヤジとポケモンセンターを経営し、オヤジから様々なノウハウも学んだこともあってこの手の話にも詳しかった。

ルイ博士「だが昔は当然そんな便利な薬なんてなかった。薬は皆薬草とかから手作りするもんだったんだよ」
 ▼ 15 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 21:30:23 ID:uoizxNDE [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「大変ですね。一つ一つが手作りだなんて」

ルイ博士「でもな、手作りならではの利点もあった」

「何ですかそれは?」

ルイ博士「それはそのポケモン一匹一匹の個体に合わせて薬を調合して作ることができたんだ。だから薬が合わないなんてことはまずなかった」

「確かにそうですね。ポケモンにも個体差がありますよね」

ルイ博士「そう。だから今の量産された薬だと”このポケモンに合わない”なんて事態も起きてしまうんだ」

「では市販の薬より手作りの薬の方がいいですね」

ルイ博士「いや、手作りの薬の方がいいかというと実際はそうでもないんだ」
 ▼ 16 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 21:43:21 ID:uoizxNDE [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何故ですか?」

ルイ博士「手作りの薬は作るのに時間がかかるし一度に作れる量にも限りがあるからどうしても大量生産ができない。だから医療の現場でも大きなポケモンセンターとか大量に必要な場所ではまず無理だ」

「・・・言われてみればそうですね」

ルイ博士「それに何より作るには専門知識が必要なんだよ。ちょっとでも調合を間違えたりするとまともな薬が作れない。だが皆が皆そんな専門知識を持ってるわけじゃない」

「ましては最近は量産された薬が出回ったおかげでその専門知識を持ってる人もめっきり少なくなりましたからね」

ルイ博士「そうなんだよ。時代の流れってやつだ」

「手作りの薬にもこんな大きな問題があるんですね」

ルイ博士「だから私は便利な薬などない昔から人工的に合成できて量産も可能な薬の開発に挑んだんだ。それである時研究が実って試作品がついに完成したんだ」
 ▼ 17 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 21:52:31 ID:uoizxNDE [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「それでどうなったんですか?」

ルイ博士「それで早速あるポケモンにその試作品を投与したんだ」

「そしたら?」

ルイ博士「そしたら・・・そのポケモンはしばらくもがき苦しんだのち、コロッと死んだよ」

「えぇ!?何故そんな・・・」

ルイ博士「どうやら成分を誤って調合してしまったんだ。私としたことが・・・」

「ちなみに・・・そのポケモンは何ですか?」

ちょっと聞きづらかったがその”あるポケモン”が何なのか気になり聞いてみた。
 ▼ 18 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 22:01:17 ID:uoizxNDE [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると

ルイ博士「聞かないでくれ・・・今でも思い出すと心が痛む・・・」

「ですよね、すみません・・・」

結局そのポケモンが何なのか答えてくれなかったがこれ以上は聞かないことにした。

ポケモンを愛する者にとって間違いでもポケモンを殺してしまったショックと悲しみは計り知れない。

博士の気持ちは俺にも痛いほど分かる。

ルイ博士「ポケモンたちの為にとやったことがまさかこんな結果になるなんてな・・・ポケモン研究なんかやめようとまで思ってしまったよ・・・」

「・・・・」
 ▼ 19 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 22:12:39 ID:uoizxNDE [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この時ばかりは俺も博士にどんな声を掛けたらいいか分からなかった。

ルイ博士「この時ばかりは本当に落ち込んでなかなか立ち直れなかったよ。一か月ほど研究にも全く身が入らず酒浸りになってしまった」

博士のこの話はとにかく重かった。

「そうですか・・・」

この話に俺はそう返事することしかできなかった。

ルイ博士「その後もこんな感じで研究に失敗してポケモンを何回か殺してしまった。何回も挫折を味わって私はダメだと自己嫌悪に陥り何度もやめようと思った」

「・・・・」

ルイ博士「でもな、何故そんな私が今もポケモン研究を続けてるか分かるかな?」
 ▼ 20 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 22:21:25 ID:uoizxNDE [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何故ですか?」

ルイ博士「理由は二つある」

「何ですか?」

ルイ博士「一つはポケモンたちの為に、もう一つは失敗以上に大きな成果があったからだ。ポケモンって進化するだろ?」

「はい」

ルイ博士「実はポケモンが進化するメカニズムを初めて解明したのが私なんだ!※」

「ええっ!!?博士がですか!?」

これまた衝撃的な事実だった。



※もちろんあくまでフィクションです。
 ▼ 21 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 22:31:30 ID:uoizxNDE [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「もちろん証拠はあるよ。ちょっと待ってて」

そう言うと博士は一旦自身の研究センターに戻っていった。

間もなくして博士は一枚の紙をもって出てきた。

どうやら何かの賞状のようだ。

ルイ博士「お待たせ。読んでごらん。前に私が学会で表彰された時のものだ」

博士はその賞状を俺に手渡した。

「はい」

博士に促されるがまま賞状を読んでみると
 ▼ 22 イムラー◆eBf168T742 18/03/01 22:43:52 ID:uoizxNDE [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ルイ博士殿。あなたは世界で初めて独自のポケモン進化論を唱えたとしてそれを称え、これをここに賞します!?」

博士の言ったことは紛れもない事実だった。

「博士、これ・・・」

ルイ博士「そう!物事に失敗はつきもの。でも失敗してもめげずに続ければ必ずや成果は実る!私だってめげずに続けたからようやくこの成果を出せたんだ。失敗は成功の元!失敗を恐れていては何もできないよ!」

「そうですね博士!」

ルイ博士の言うことはとても説得力があった。

ルイ博士「ところで最近の子供たちに人気の将来の夢って何だかわかるかな?」

「ジョーイさんとかジューイさんになることですか?」
 ▼ 23 イムラー◆eBf168T742 18/03/02 23:29:39 ID:2vlD3FxM [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「いや、ポケモン博士だ」

「あれ?以前はポケモンマスターでは?」

ルイ博士「確かに以前はそうだった。だが最近ポケモン博士の人気が急上昇してな、ポケモン博士が子供たちの夢一位にランクインし、ポケモンマスターは二位に転落した」

「そうなんですか。でも何故最近?」

ルイ博士「それは最近テレビとかで活躍するポケモン博士が出てきたからだ。だからそれのお陰でよりポケモン博士に憧れる子供たちが増えたんだ。だから今の子たちは”将来の夢は”って聞かれると口をそろえて言うよ、ポケモン博士!ってね」

「でも俺らにとっては嬉しいことですよね。子どもたちの憧れの的で」

ルイ博士「まぁな、でもね・・・」

「・・・何ですか?」
 ▼ 24 イムラー◆eBf168T742 18/03/02 23:37:45 ID:2vlD3FxM [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「・・・いい事ばかりじゃないよ」

博士は少し曇った表情で言った。

俺にはピンと来なかった。

「と、言いますと?」

ルイ博士「子供たちに”何でポケモン博士になりたいの”って聞くと子供たちは”ポケモンたちと触れ合えるから”とか”ポケモンのことをいっぱい調べたいから”とか口々に言うんだ」

「無邪気でいいじゃないですか。それが何か問題でも?」

ルイ博士「いや、そう言うわけじゃないんだ。無邪気なのはいい事だよ。ただ・・・」

何だか煮え切らない様子の博士。

 ▼ 25 イムラー◆eBf168T742 18/03/02 23:48:46 ID:2vlD3FxM [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「博士、はっきり言ってみて下さい」

ルイ博士「これだけは子供たちにも分かって欲しいんだ。ポケモン博士は決してそんな楽しい仕事じゃないってね」

「何を言うんですか博士。子どもたちの夢を壊すつもりですか?」

ルイ博士「いや、そんなわけじゃないよ。私だって子供たちの夢は壊したくないよ」

「では何故そんなことを?」

ルイ博士「ただね、ポケモン博士って言うのは実際は毎日が地味な研究の繰り返しだよ。そして成果を出せなければ今までの研究は水の泡。成果を出せなければ金にもならない。むしろ研究費で赤字。毎日が孤独な戦いで結局結果と金が全てだよ・・・」

博士は博士の実情をこれまで以上に生々しく語る。

「ちょ、博士・・・」
 ▼ 26 イムラー◆eBf168T742 18/03/02 23:54:50 ID:2vlD3FxM [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「こんなんじゃノイローゼや不眠症にもなるし酒や煙草にも溺れるよ。中には麻薬に手を出した人も」

「博士!!」

ルイ博士「おおっと!」

思わず博士を止めた。

「博士、もうそんな暗い話はやめましょうよ。聞いてるだけで気持ちが重くなります」

ルイ博士「そうだったな、すまない。私としたことがつい・・・」

「それにこの話、子供たちにも話せますか?」

ルイ博士「いや、それはさすがにできないな」



 ▼ 27 イムラー◆eBf168T742 18/03/03 00:04:56 ID:H6oNyQ.s [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ですよね」

ルイ博士「ただ私はポケモン博士は覚悟と忍耐、そしてポケモンを愛する気持ちが無いと決してなれない!これだけは子供たちに伝えたいね」

「私も同感です!」

ルイ博士「さて、と・・・」

博士は自分の右腕に付けた腕時計を確認するなり

ルイ博士「あっ!もうこんな時間か!すまないね。つい長く話し込んでしまって・・・」

「いえいえ、私も夢中になって話してましたから」

ルイ博士「まぁこんなとこにいるのもアレだから中でゆっくりしていってくれ」
 ▼ 28 イムラー◆eBf168T742 18/03/03 00:16:24 ID:H6oNyQ.s [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ありがとうございます。では失礼します」

博士は俺を自身の研究センターの中に招き入れた。

俺は博士の後をついて歩いた。

カッ・カッ・カッ・カッ・カッ・・・・

博士と俺の足音だけが静かにこだまする。

研究センターの中はガラス張りの部屋がいくつもあり、白とシルバーの2色の清潔で無機質な空間が広がってた。

そんな空間を蛍光灯が白く冷たく照らしている。

部屋の一つ一つをよく見るとフラスコや試験管といった科学実験でお馴染みの用具や何かの機械が無造作に置かれており、棚には薬品の瓶が大量に並べられていた。
 ▼ 29 イムラー◆eBf168T742 18/03/03 00:25:45 ID:H6oNyQ.s [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
色鮮やかさとか暖かさとかそんなのは微塵も感じさせられない。

最も研究所にそんな要素は必要ないか。

娯楽施設じゃあるまいし。

でも見渡す限りあたり一面、白い内装とガラス張りの無機質な研究室・・・

何だか病院というか製薬会社というか・・・そんなものを強く連想させられる。

何だかここにいると心まで無になる気がした。

やがて一つの扉の前にたどり着く。

ルイ博士「ここが私のオフィスだ。普段デスクワークはいつもこの部屋でやるんだよ」




 ▼ 30 イムラー◆eBf168T742 18/03/04 23:52:33 ID:kBQKXqwQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうですか」

ルイ博士「まぁ入ってくれ」

「はい。では失礼します」

ギィ

博士に促されるまま中に入ると10畳ほどのフローリングに絨毯がひかれており、大きな本棚の前にソファーと小さなテーブル、奥の壁際に書斎と金庫という具合だった。

さらに窓際には小さな観葉植物があり、所々砂時計やガリレオ温度計などの置物も置いてある。

全体的にブラウン系を基調としたカラーでシックでシンプルで落ち着きのあるインテリアだ。

それでいながらパソコンやプリンターなどの仕事用具もそのインテリアに溶け込むようにきちんと配置されている。

 ▼ 31 イムラー◆eBf168T742 18/03/05 00:00:55 ID:rwZrZOGw [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
センスのない俺にはマネできないほどの見事なインテリアだった。

ルイ博士「あんまり綺麗な部屋じゃないけどね」

「いえいえそんなことないですよ。とてもシックな味わいの見事なお部屋です」

ルイ博士「そうかな?そう言ってくれると嬉しいよ。」

実は俺自身博士のオフィスに入るのは初めてだった。

今までの取引のやり取りはほとんど研究室の一室で行っていたからだ。

ルイ博士「もはやオフィスってより自分の城みたいなモンだけどね」

「そうですか。なんか分かります」
 ▼ 32 イムラー◆eBf168T742 18/03/05 00:06:53 ID:rwZrZOGw [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更に目を凝らすとポケモンの小さなマスコット人形がさり気なくあちこちに飾っており、本棚はほとんどポケモン関連の本で埋め尽くされている。

博士のポケモン愛まで強く伝わってきた気がした。

ルイ博士「どうぞ腰掛けて」

「はい。では失礼します」

俺は博士のソファーに静かに腰掛ける。

ルイ博士「まぁそんなに堅苦しくしないで。もっとくつろいでくれ」

「はい」

ルイ博士「何か飲むかい?」
 ▼ 33 イムラー◆eBf168T742 18/03/05 00:12:39 ID:rwZrZOGw [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あ、いえ。お構いなく」

ルイ博士「まぁそう遠慮しないで。コーヒーなんかどうだ?」

「ではコーヒーを」

ルイ博士「コーヒーね。じゃ今とっておきのを出すからね」

バタン・・・

そう言うと博士は部屋を後にした。

リラックスしてくれとは言ってくれたが、適度な緊張で深くリラックスすることはできない。

これも仕事だから。
 ▼ 34 イムラー◆eBf168T742 18/03/05 00:16:44 ID:rwZrZOGw [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

(・・・まだか?)

やけに戻って来るのが遅い。

たかがコーヒー入れるくらいで・・・

30分後〜

ギィ

ルイ博士「やぁすまないすまない!待たせたね!」
 ▼ 35 イムラー◆eBf168T742 18/03/05 00:24:51 ID:rwZrZOGw [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いえ」

ようやく博士が戻ってきた。

ルイ博士「いやぁ君の為にコーヒーを豆から挽いてドリップしてたらすっかり遅くなっちゃってね」

遅くなった理由はこれだった。

「博士。何も俺のここまでして頂かなくても」

ルイ博士「いやいいんだよ。さっきとっておきのを入れるっていったしさ」

「はぁ」

ルイ博士「まぁどうぞ飲んでくれ」
 ▼ 36 イムラー◆eBf168T742 18/03/05 00:31:24 ID:rwZrZOGw [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ありがとうございます」

博士は俺にコーヒーを差し出し、俺の前に向かう合うように腰掛けた。

確かに蒸せるほどの強く上品なコーヒーの香りが漂ってくる。

ルイ博士「それで、今回君は何の用で来たんだっけ?」

「え?忘れたんですか!?」

ルイ博士「すまない、ついね」

「俺は新しい研究資料が完成したので、博士に見て頂きたくてその研究資料を持って来たんですよ」

ルイ博士「ああ、そうだったね!」
 ▼ 37 ガディアンシー@きいろのはなびら 18/03/05 01:00:39 ID:3aFwRJH2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 38 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 00:22:41 ID:0ASHl/Vo [1/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「頼みますよ博士」

博士は時々物忘れすることがあった。

ただ今回みたいに肝心なことも忘れる時があるからちょっと困らせられる。

ルイ博士「すまないすまない、どうもこの歳になるとねぇ」

そんな時博士は大体こんな感じでごまかす。

まぁごまかすだと言い方が悪いけど。

「この歳って、博士まだまだ現役じゃないですか」

ルイ博士「そうかな?」
 ▼ 39 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 00:30:00 ID:0ASHl/Vo [2/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから博士はよくこんな感じでわざとらしくおどけたりもする。

まぁそこがまた博士らしくていいけどね。

「そうですよ!ですから自信持って下さい!」

ルイ博士「そうだな。よぉし!なんかやる気出てきたぞぉ!」

「博士、その調子ですよ!」

ルイ博士「それじゃナルディ君、君が作った研究資料を見せてくれるかな?」

「もちろんです。どうぞ」

俺は博士に数十ページにも及ぶ研究資料を手渡した。


 ▼ 40 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 00:39:15 ID:0ASHl/Vo [3/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「どれ?」

博士は研究資料を受け取ると早速資料に目を通し始めた。

時折相槌を打ちながら。

資料に目を通している博士はとても真剣な表情だった。

いつものラフな感じとは打って変わって。

まさに”プロの顔”になっていた。

ンゴク・・・・・

思わず唾を飲みこむ。
 ▼ 41 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 00:49:25 ID:0ASHl/Vo [4/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とにかくかたずをのんで見守る。

この資料は俺の努力の結晶!

これを作るのにどれだけ時間と労力を犠牲にしたか・・・

俺ら研究者にとって骨の折れるような苦労を重ねて作成した研究資料は”研究者の命”なんだ!

一瞬何言ってるか分かんないだろうがとにかくそうなんだ!

そして金と今後の生活が掛かってるんだ!

頼む!!

・・・そんな思いを募らせながら・・・
 ▼ 42 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 00:55:35 ID:0ASHl/Vo [5/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・あたり一帯を静寂が包み込む

チッ・チッ・チッ・チッ・・・・

聞こえてくるのは時計の針の秒針と博士の僅かな鼻息の音だけ・・・

その時だ

パキイッ!!

部屋の片隅からラップ音が聞こえた。

「!!?」ビクッ!

 ▼ 43 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 01:05:39 ID:0ASHl/Vo [6/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一瞬口から心臓が出そうになる。

だが博士はそんなラップ音など気にも留めない様子で夢中で資料に目を通している。

完全に自分の世界に入っていて外部をシャットアウトしている様子だった。

もはや憑りつかれているようにさえ見える。

ラップ音の正体は壁や天井に使われている木材が湿度や温度で収縮するときに出る音であることはすぐに分かった。

だがこの音は何の前触れもなく突然鳴ったりする。

ましてなこんな時に鳴ったら死ぬほど驚くに決まってる。

心臓に悪い。



 ▼ 44 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 01:15:55 ID:0ASHl/Vo [7/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
心臓が弱かったら止まってたかもしれん・・・・

良かった、健康体で。

と、俺がそんな余計な事まで考えている間にも博士はひと時も休まず資料に目を通し続けた。

一文字も見落とさずまいと。

パラ・・・・パラ・・・・・

静寂の中、時折資料のページをめくる音がこだまする。

そして正確な時間は分かんないが1時間ほど経った頃〜

パラ・・・


 ▼ 45 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 01:22:19 ID:0ASHl/Vo [8/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士は静かに最後のページを閉じた。

最後まで目を通し終えたのは明白だ。

そして

ルイ博士「・・・っすぅばらしいっ!!」

博士は突然大きな声でそう言った。

言ったというより叫んだの方が正しいか。

「!!!?」

これまた死ぬほどビックリする。
 ▼ 46 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 17:57:36 ID:0ASHl/Vo [9/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「は、博士?・・・」

ルイ博士「あれ、驚かせちゃったかな?」

「はい、ちょっとビックリしました」

ルイ博士「すまない、でも文句なしの研究資料だよ!」

「本当ですか!?」

ルイ博士「ああ!全て私も初めて知る新事実だよ!特に各タイプのポケモンのDNA構造やその違いなんか今まで誰も解明できてなかったのにこんなによく調べられている!本当に素晴らしい!」

博士はベタ褒めした。

ルイ博士「これはポケモン学会を覆す新事実といっても過言じゃないよ!」
 ▼ 47 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 18:09:47 ID:0ASHl/Vo [10/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
興奮が収まらない博士。

自分でも新発見なのは分かってたが、まさかここまでだとは思いもよらなかった。

「は、博士。そんなにですか?」

ルイ博士「当ったり前じゃないか!ポケモン生物学賞を受賞して歴史に名が残るよ!」

博士は時々興奮するとこんな感じで物事を大げさに言ってしまう時があった。

さすがにそこまでのレベルじゃないのは自分でも分かってる。

ルイ博士「どうやってここまで調べることができたんだい?大変だったろう」

「そうですね、ひたすら一匹ずつポケモンからサンプルを採取しては調べ続けるという骨の折れるような作業でした」
 ▼ 48 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 19:02:33 ID:0ASHl/Vo [11/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう、俺は仕事をしていなかったあの時期も陰では暇を見つけては研究を続けていた。

ルイ博士「まぁ研究なんてそういうものさ。それでまさかこれ全部一人で調べたのかい?」

「はい。もちろんです」

ルイ博士「いやはや、一人でここまで調べられるなんて、君は本当に素晴らしい才能の持ち主だよ!」

「いえ。私はまだまだですよ」

ルイ博士「いやそんなことないよ。若いのに尊敬するよ」

「恐れ入ります」

ルイ博士「本当にどうやってこんなDNAとか調べたんだい?」

 ▼ 49 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 19:10:55 ID:0ASHl/Vo [12/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「それは特殊なコンピューターにかけたり、複数の薬品を用いたり、とにかく数え切れないほどの項目で徹底的に調べました」

ルイ博士「ほう、さすがやることが違うね」

「ただ、ポケモンの起源は今だに解明できていません」

ルイ博士「起源?」

「はい。ポケモンがいつどのように誕生したか、何故誕生したのか解明することです」

ルイ博士「でもそれはまだ人類の誰もが解明できてないことだろ?」

「はい。ですからこのポケモンの起源を解明することが俺の目標の一つです」

ルイ博士「さすがナルディ君は言うことが違うね!」

 ▼ 50 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 19:18:05 ID:0ASHl/Vo [13/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。夢はでっかく持ちませんと」

ルイ博士「その通りだね!ところで確か君は遠くの地方から来たんだっけ?」

「はい。アメリカ地方というところから来ました。主要地方からはかなり遠くに離れています」

ルイ博士「そう言えばそうだったね。君本当にこの辺の言葉もすっかり上手くなったね」

「いえ、恐れ入ります」

ルイ博士「最初のころはぎこちないって言うか何て言うか」

「カタコトですか?」

ルイ博士「そうそう!そうだったのに今じゃすっかり違和感なくスラスラ話せるようになって」
 ▼ 51 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 19:22:54 ID:0ASHl/Vo [14/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「この辺の言葉は独学で勉強させて頂きました」

そう、俺は母国語とポケモンの言葉に加え、この辺の言語まで独学で習得していた。

だがあくまで外国人の俺にとって独学で習得するのは当然簡単ではなかったが。

ルイ博士「え!?これも独学でかい!?」

「はい」

ルイ博士「いやいや、君は本当に素晴らしい才能を持ってるよ」

「いえいえ」

ルイ博士「それじゃちょっと待っててね」
 ▼ 52 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 19:36:01 ID:0ASHl/Vo [15/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい」

そう言うと博士は一旦席を離れた。

そして奥の壁際の金庫に向かうと、メモ帳片手に金庫のダイヤルを回し始めた。

メモ帳には金庫の暗証番号が書いてあるのだろう。

やがて

カチッ・・・・・・

ダイヤルの歯がかみ合い、ロックが解除される心地よい金属音がかすかにこだまする。

そして博士は金庫の扉を開け、中から札束を出したのだ。
 ▼ 53 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 19:44:51 ID:0ASHl/Vo [16/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それも結構な厚さの札束だ。

(え!?)

唐突なことに俺は驚きを隠せなかった。

博士はその札束を手にしたまま再び席に戻ると

ルイ博士「それじゃこれ、今回の分ね」

博士はその札束を俺に差し出したのだ。

「え!?博士これは?」

突然のことにこれまた動揺を隠せない。
 ▼ 54 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 19:58:59 ID:0ASHl/Vo [17/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一瞬状況も読めなかった。

ルイ博士「何って、今回私は君の研究資料をこれで買うよ」

「え!?いいんですか博士」

ルイ博士「いいから、早速確認してみてくれるかな?」

「はい!」

俺は札束を受け取ると、博士に促されるまま札束の金額をその場で確認した。

(1、2、3、4、5、6・・・)

そして
 ▼ 55 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 20:32:59 ID:0ASHl/Vo [18/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(嘘だろ!?)

その額の大きさに二度驚かされた。

「博士、本当にこんなに・・・いいんですか!?」

ルイ博士「いいのいいの、遠慮しないでくれ。君はいつも貴重な研究資料を提供してくれるが、今回は特に貴重で素晴らしいものだからね!」

「ルイ博士!本当にありがとうございます!」

俺は頭を下げて礼を言った。

ルイ博士「ナルディ君頭を上げてくれ。何もそんなに堅苦しくしなくていいよ」

「博士・・・」
 ▼ 56 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 21:26:06 ID:0ASHl/Vo [19/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「礼を言いたいのは私の方だ。こんな貴重な研究資料をありがとう!」

「いえ、俺もこのような形で博士のお力になれて光栄です」

ルイ博士「それじゃまた新しい資料が完成したら頼むよ!」

「はい!もちろんです!」

ルイ博士「それじゃまたね」

「はい!新しいのが完成したらすぐにもって来ます!」

ルイ博士「ああ!楽しみにしているよ!」

「はい!それでは失礼します」
 ▼ 57 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 21:35:43 ID:0ASHl/Vo [20/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「ああ!またいつでもおいで!」

俺は軽い足取りで博士の研究センターを後にした。

博士はセンターの外に出て最後まで見送ってくれた。

(Okey!OK!OK!!今回の仕事も上手くいったぜ!)

ルイ博士は毎回俺の研究資料を高く買ってくれたが、今回はよっぽど気に入ってくれたのか今まで以上に特に高く買ってくれた。

一度にこれだけの大金を得られるのは滅多にない。

年に一度・・・いや数年に一度あるかないかだ。

この日は晴天だが、いつも以上に空が青く澄んでいるようだった。
 ▼ 58 イムラー◆eBf168T742 18/03/07 21:46:37 ID:0ASHl/Vo [21/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
心なしか体まで軽い気がする。

いい事があるとこんなにも身も心も軽くなるものか。

これほど嬉しいことは滅多にないせいかこの感覚は忘れかけていた。

だがこの度その感覚が蘇る。

まるで飛行タイプのように飛んでいけそうだ。

博士の研究所から家までは歩きでは結構な距離だが今はそんなのは全く気にならない。

マメパトやムックルが電線でさえずっている。

日常の何気ない光景だがそんな光景までとても生き生きしているようだった。

 ▼ 59 イムラー◆eBf168T742 18/03/16 23:50:20 ID:wyFIJYcM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※ここんとこ残業続きで更新できなくてすみませんでした。



そのまま軽い足取りで自宅に着いた。

家の周りにドンさんとヤミカラスの姿はない。

それもそのはず。

俺が仕事に出かけてる時はドンさんとヤミカラスも外出してるのだから。

ガチャガチャッ、ギィッ・・・

無造作にキーを突っ込んで玄関の鍵を開け、家の中から拡声器を持ってきて

「ドンさん!!ヤミカラス!!帰ったぜッ!!」

ボリュームを最大にして大音量で呼びかけた。


 ▼ 60 イムラー◆eBf168T742 18/03/17 00:03:54 ID:6mcc4SSg [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
仕事から帰ってドンさんとヤミカラスを呼ぶときはいつもこの方法を使ってる。

ヤミカラスとドンさんは家から半径数キロ圏内にいることが多いが、俺ら人間より耳がいいから大体いつもこれで帰って来るのだ。

当然この方法は都会はもちろん大概の場所では使えない。

アッという間に騒音問題に発展し、下手したら警察沙汰になりかねないからだ。

だがここは超が付くほどの田舎。

見渡す限り畑と平原で家はほとんどない。

ここだからこそその方法が使える。

間もなくして〜
 ▼ 61 イムラー◆eBf168T742 18/03/17 00:22:24 ID:6mcc4SSg [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バサッ・バサッ・バサッ・バサッ

いつも通りヤミカラスとドンさんが戻ってきた。

ドンカラス「おう、今帰ったか」

ヤミカラス「今日はちゃんと仕事してきたのか?」

「今日はって、俺はいつもちゃんと仕事してるぜ」

ドンカラス「今日は何だか早いな」

「早いって何が?」

ドンカラス「キサマが帰ってくるのがだ」
 ▼ 62 イムラー◆eBf168T742 18/03/17 00:31:13 ID:6mcc4SSg [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かにこの日は帰って来るのがいつもよりちょっと早かった。

「俺が帰って来るのが早いと何かマズイことでも?」

ドンカラス「そういうわけじゃないが、いつもはもう少し遅いだろ」

「まぁ、今日は珍しく仕事が早く片付いたんだ」

ドンカラス「・・・本当か?」

ドンさんは疑うような目つきで俺を見る。

ドンさんは相変わらず疑り深かったりする。

「本当だってドンさん!だからその目やめてくれ」
 ▼ 63 イムラー◆eBf168T742 18/03/17 00:40:14 ID:6mcc4SSg [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「やっぱりお前サボってたんだな」

「ちょっとヤミカラス、何でそうなるんだよ・・・」

ドンカラス「フン、まぁいい。それにしてもキサマ、今日は何だか嬉しそうだな」

「分かるか?」

ヤミカラス「ああ。お前、俺らを呼んだ時だって今日はいつもより弾むような声だったしな」

微妙な声の変化まで捉えていた。

さすが俺ら人間より耳がいいだけあった。

「・・・何があったか聞きたいか?」
 ▼ 64 マゾウ@サーナイトナイト 18/03/17 05:46:55 ID:.amsTv.E [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 65 メタマ@ウルトラボール 18/03/17 09:52:09 ID:.amsTv.E [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 66 イムラー◆eBf168T742 18/03/20 00:12:35 ID:TSPTmJDU [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は不敵な笑みを浮かべながら言った。

ドンカラス「ああ、話してみろ」

ヤミカラス「聞きてぇからさっさと話せよ」

「・・・やっぱり秘密だな!」

俺はさらにじらしてみせた。

ヤミカラス「何だよそれ!」

ヤミカラスは不満そうな顔して言う。

すると
 ▼ 67 イムラー◆eBf168T742 18/03/20 00:28:24 ID:TSPTmJDU [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「もったいぶらんでさっさと言ったらどうなんだ!」

ドンさんが強い口調で怒鳴った。

その赤い瞳で俺を睨みながら

「わ、悪かったよドンさん!そんな恐い顔しないで・・・」

さすがにちょっと調子に乗り過ぎた。

ドンカラス「フン!ったく・・・・」

その時だ、ヤミカラスがそばに飛んで来て

ヤミカラス「おいあんまボス怒らせんなよ」
 ▼ 68 イムラー◆eBf168T742 18/03/20 00:46:11 ID:TSPTmJDU [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
小声でそう言った。

ヤミカラスは更に小声で続ける

ヤミカラス「ボスが本気で怒ったら洒落になんねぇぞ!お前ボスの本当の恐ろしさ知らねぇだろ?」

いや、ドンさんの恐ろしさは俺にも分かる。

何しろドンさんはあのミュウツーをもしのぐ強さを持ってるのだから。

それに睨みつけた時の殺気と来たら言葉では表せないほどだ。

「恐ろしさって?」

ただ一応聞いてみる。
 ▼ 69 イムラー◆eBf168T742 18/03/20 01:24:21 ID:TSPTmJDU [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「あの時まだ俺らがボスと生き別れになる前だ、ある時逃げ出そうとした子分が一匹いたんだ」

「何で逃げ出そうなんて」

ヤミカラス「多分ボスの厳しさに耐えらんなかったんじゃねぇの。それで逃げようとして案の定ボスにつかまったんだ」

ゴク・・・

「で、どうなったんだ?」

思った以上にシビアな話に思わず唾を飲む

ヤミカラス「とことん追い詰められて処分されたんだ。血も涙もないぜ」

「処分って・・・」
 ▼ 70 イムラー◆eBf168T742 18/03/21 23:32:34 ID:gXeebtYg [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「殺されたに決まってんだろ」

「えぇ・・・」

ドンさんが情け容赦ないのは分かってたが、改めてその恐ろしさを痛感する。

ヤミカラス「お前どうなっても知んねぇかんな」

ドンカラス「おいヤミカラス!キサマ何こそこそ話しとるんだ!」

ヤミカラス「い、いえボス!何でもありません!」

ドンカラス「何でもないわけあるか。正直に話せ」

ヤミカラス「すみません。ナルディに今日何があったか正直に話せと言ってました」
 ▼ 71 イムラー◆eBf168T742 18/03/21 23:41:42 ID:gXeebtYg [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「何だ、そんなことか」

ヤミカラス「はい」

ヤミカラスはちょっとホッとした様子だった。

ドンカラス「おいナルディ、今日何があったかさっさと話してみろ」

「分かってるぜ。実は今日、仕事が上手くいって珍しく大金が手に入ったんだ!」

ドンカラス「何!?本当かそれは」

「ああ、本当だぜ」

ヤミカラス「おいお前嘘つくなよ」
 ▼ 72 イムラー◆eBf168T742 18/03/21 23:55:07 ID:gXeebtYg [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「嘘じゃないって、本当だ」

ヤミカラス「今日は仕事上手くいったって、それじゃいつもは仕事上手くいってないのか?そもそもちゃんと仕事やってんのか?」

またヤミカラスがからかい半分で言ってきた。

どうもヤミカラスはそんな所があるのだ。

「そんなことないぜ。だから仕事はちゃんとやってるって言ってるだろ」

ヤミカラス「それじゃ大金が手に入ったって証拠だけでも見せてみろよ」

ドンカラス「それもそうだな、証拠がないとな」

(ちょっとドンさんまで・・・)
 ▼ 73 イムラー◆eBf168T742 18/03/22 00:14:13 ID:yAzbJGvI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁここまで言われたら引っ込んでられない

「分かってるぜ。ほら!これが証拠だよ!」

俺は懐から博士からもらったあの札束を出し、ドンさんとヤミカラスに札束を見せた。

ドンカラス「ほう!すごい大金だな!」

ヤミカラス「す、すげぇ大金・・・本当に手に入れてきたんだな」

「だから言っただろ?」

ドンカラス「キサマどうしたらそんな大金手に入れられるんだ?」

「俺の研究資料が高く売れたんだよ」
 ▼ 74 イムラー◆eBf168T742 18/03/22 00:33:31 ID:yAzbJGvI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「そんなこと言って、本当はどんな悪さしてきたんだよ」

またからかい半分で言うヤミカラス

「ヤミカラス頼むからそう言うのやめてくれ・・・」

ドンカラス「それで、どのくらいあるんだ?」

「まぁ、木の実が数千個買えるくらいはあるな」

ドンカラス「そんなにか!それまた物凄い金額だな」

ヤミカラス「じゃあこんなにあんなら何かごちそうくらいはしてもらわないとな」

ドンカラス「おいヤミカラス、少し意地汚いぞ」
 ▼ 75 イムラー◆eBf168T742 18/03/25 23:44:06 ID:dk0FZib6 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「すみません、つい」

ドンカラス「まぁでもそれだけの大金が入ったんだ。ワシらにも還元してくれるだろうな?」

「ああ、だからドンさん、ヤミカラス、今夜は何でも好きなものをごちそうするよ!」

ドンカラス「ほう、何でもか。そいつは悪くないな」

ヤミカラス「言ったかんな?本当に何でもごちそうしてくれんだろうな?」

「ああ、何でもごちそうするぜ!」

ヤミカラス「絶対だからな!嘘だったら承知しねぇかんな!」

執拗に念押しするヤミカラス。
 ▼ 76 イムラー◆eBf168T742 18/03/25 23:49:47 ID:dk0FZib6 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分かってるよ。嘘じゃないから安心してくれ」

まぁそんなとこもヤミカラスらしかった。

ドンカラス「おいヤミカラス、食い物ごときで騒ぐな」

ヤミカラス「ボス、すみません・・・」

そしてその後はドンさんに一喝される。

もはやそれがお決まりって言ったところか。

「それで、何がいい?」

ヤミカラス「そうだな、まず肉が食いてぇな」

 ▼ 77 イムラー◆eBf168T742 18/03/26 00:06:56 ID:p2WjoP52 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「肉か、もちろんいいぜ!」

ヤミカラス「おっと飛びきり極上のやつだからな!」

「う・・・」

俺は一瞬言葉が詰まった。

ヤミカラス「そんだけ大金があんだからそんぐらい大丈夫だろ?」

ヤミカラスは軽く圧を掛けてきた。

こんな風に威圧するのはドンさんの影響だろう。

だがこのぐらいじゃ屈する俺ではない。
 ▼ 78 イムラー◆eBf168T742 18/03/26 00:40:23 ID:p2WjoP52 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ああ、もちろん大丈夫だぜ!」

ヤミカラス「間違ってもハムやソーセージなんかでごまかすなよ!」

「分かってるぜ!」

ヤミカラス「しょっしゃあ!今夜は久しぶりの肉だぜ!」

ドンカラス「肉か、そういや最近ワシも肉を食っとらんな」

ヤミカラス「え、ボスもですか?」

ドンカラス「ああ、だからワシも肉がいいな」

「ドンさんもか、分かった!今夜は特別極上のものをごちそうするよ!」

 ▼ 79 スモウム@いんせきのかけら 18/03/26 08:12:56 ID:XIyKPTcE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 80 イムラー◆eBf168T742 18/03/27 23:47:12 ID:Pr0zBe5Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁここでは何の肉かは大人の事情で明かさないでおく。

ドンカラス「おお!そうこなくっちゃな!」

ヤミカラス「さすがお前、こーゆー時は気前いいな」

「ヤミカラス、それ褒めてんのか?」

ヤミカラス「当ったり前だろ」

まぁ嫌味にも聞こえるがこの際そんなことはどうでもいいか。

「今までなかなかお金に余裕がなくて木の実しか食べさせてあげられなかったからさ」

ドンカラス「全くだ。いい加減木の実も飽きてきたからな」
 ▼ 81 イムラー◆eBf168T742 18/03/28 00:03:28 ID:xtv6EQec [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「俺もですよ。木の実だけじゃパワーでませんよね」

ドンカラス「ああ、ワシらはベジタリアンじゃないんだぞ」

考えてみればヤミカラスが来た後も肉など高級なものは買えず、すっと森で採取してきた木の実ばかりだった。

「すまないな。ドンさん、ヤミカラス、なかなか満足にご馳走できなくてな・・・」

ドンカラス「フン、まぁでも住処と食い物を提供してくれてるだけマシだから大目に見てやろう」

ヤミカラス「まぁ、ボスが言うのであれば」

相変わらず上から目線のドンさん。

そしてヤンチャで何かと憎まれ口を叩いたりするヤミカラス。
 ▼ 82 イムラー◆eBf168T742 18/03/28 00:17:32 ID:xtv6EQec [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でも俺は別に悪く思ったりしない。

だってそれが二匹の特徴であり、個性の一つと考えているから。

そして何より家族だから。

何でもマイナスに捉えるよりプラスにとらえた方がいいに決まってる。

家族同士いがみ合ったってどうにもなんないだろ。

まぁ俺のこの考え方を聞いて絶対おかしいとか、甘やかしてるとか

そう感じる人はいるだろう。

無理もない、考え方は人それぞれだから。


 ▼ 83 イムラー◆eBf168T742 18/03/28 00:29:21 ID:xtv6EQec [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
正直俺もこの考え方が正解かどうかなんてわかんない。

でもこれでいいんだ。

俺にとってこれが”幸せ”だから。

「本当にすまない。だからこういう時ぐらいは好きなものを好きなだけご馳走しないとな!」

ドンカラス「ほう、じゃあその飛び切り高級な肉なんかを好きなだけご馳走してくれるってワケだな!」

「もちろんさ!腹いっぱいな!」

ヤミカラス「おお!こいつぁ楽しみだぜ。早く夜になんねぇかな」

それを聞いて舞い上がるように喜ぶヤミカラス。
 ▼ 84 イムラー◆eBf168T742 18/03/28 00:41:16 ID:xtv6EQec [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが疑り深いドンさんは違う。

ドンカラス「キサマ、口では簡単そうに言ってるが本当にご馳走してくれんだろうな?ごまかしは効かんぞ!」

ドンさんはその赤い瞳の鋭い眼光を俺にぶつけた。

要するにまた俺のことを睨みつけて威圧しているのだ。

事あるごとによく圧を掛けてくる。

もはやそれがドンさんだった。

(またかよ・・・頼むからそういうのやめてくれ・・・)

この手のことはドンさんと暮らしてるおかげですっかり慣れた俺。
 ▼ 85 イムラー◆eBf168T742 18/03/28 00:50:21 ID:xtv6EQec [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この程度ではビビったりなどしない。

何しろドンさんと暮らしてるとよくあることなのだから。

本当はよくあってなど欲しくないが。

こんなんでは嫌でも慣れるか。

でも慣れてないと相当ビビるに違いない。

くどいようだがドンさんが睨みつけた時の殺気は半端ないのだ。

俺の経験ではポケモン一かもしれない。

ただ一つだけ言えるのはこういうのは慣れても決して気分のいいものではない。
 ▼ 86 イムラー◆eBf168T742 18/03/28 01:05:30 ID:xtv6EQec [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
誰だって威圧されて心地いいなんて思わないだろう。

まぁ心の中ではそんなことを思いつつ

「だからドンさん!しつこい様だけど本当にご馳走するよ!俺がドンさん相手にごまかしたりするわけないだろ」

ドンカラス「まぁそれもそうだな。大体キサマにそんな度胸などあるように見えんしな」

「もう・・・」

見下すところもやっぱりドンさんだ。

ヤミカラス「そうですねボス。お前、結構お人好しそうだからな」

「だからヤミカラス、それ褒めてんの?」
 ▼ 87 イムラー◆eBf168T742 18/03/28 01:15:19 ID:xtv6EQec [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「当ったり前だろ。まぁそんな恐い目すんなって!」

「全く・・・・」

そしてこんな風にすぐに調子に乗ったりするのもヤミカラスらしかった。

傍から見たら完全に二匹にナメられているようにしか見えないだろう。

ほとんどの人が俺のことを「情けないやつだ」と思うかもしれない。

でもそれでもいい。

ヤミカラス「おっと、言っておくけどボスは食い物には、ちっとうるさいぜ?」

ドンカラス「当たり前だ。ワシは今までこの世のありとあらゆるものを食べてきたからな!」
 ▼ 88 ードリオ@ものしりメガネ 18/03/28 13:24:46 ID:5l4eTTkE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 89 イムラー◆eBf168T742 18/03/30 00:38:10 ID:9Ga.LCeQ [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「この世のあらゆるものを食べてきたって、じゃあ生ゴミなんかも漁って食ったことあるのか?」

俺は少し冗談半分でそんなことを聞いてみた。

まぁ言われっぱなしってのもちょっとナンだからな。

すると

ドンカラス「・・・キサマ、それ本気でワシに聞いとるのか?」

ドンさんが再び俺を睨んだ。

先ほど以上の殺気さえ感じる。

ヤミカラス「おい!お前ボスに何てこと聞いてんだよ!!」
 ▼ 90 イムラー◆eBf168T742 18/03/30 00:49:11 ID:9Ga.LCeQ [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
軽い気持ちで聞いたのがマズかったか・・・

こんな事は慣れてる俺でもちょっと焦った。

「ちょ、ちょっと待ってくれ!これは!」

ヤミカラス「あ〜あ!俺知らねぇぞ!」

「冗談だよ冗談!俺が本気でこんな事聞くわけないだろ!」

ヤミカラス「お前冗談なんかで済むわけねぇだろ!」

大げさなくらいはやし立てるヤミカラス。

相変わらずだった。
 ▼ 91 イムラー◆eBf168T742 18/03/30 01:00:35 ID:9Ga.LCeQ [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「ねぇボス!」

だがドンさんは意外に冷静だった。

ドンカラス「フン、まぁキサマはワシにそんな冗談を言うくらいだから、よっぽど余裕なんだろうな?ワシらを唸らせるほどのモンをご馳走することが?」

ドンさんの一言一言には重みがあり、ちょっとした威圧感さえ感じた。

さすがは大ボスポケモンっていったところか。

だが俺も今更そんなものには動じない。

「ああ!もちろんさ!保証するぜ!」

ドンカラス「ならいい。キサマがさっき言ったくだらん冗談くらい聞き流しといてやる」


 ▼ 92 イムラー◆eBf168T742 18/03/30 01:10:10 ID:9Ga.LCeQ [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だがこれに納得いかない様子のヤミカラス

ヤミカラス「えー?そんな、ボスいいんですか?」

ドンカラス「フン、別にかまわん」

ヤミカラス「だってあいつの言った冗談は明らかにボスをバカにするような内容だったんですよ!」

思ったほどの大事にならなかったのが気に入らないんだろうな。

大事になってあたふたする俺を見て嘲笑するつもりだったんだろう。

まったくヤミカラスらしいっていうか何ていうかな・・・・

まぁそんな感じでヤミカラスの考える事ぐらいはお見通しだった。
 ▼ 93 ノプス@4ごうしつのカギ 18/03/30 01:40:01 ID:vDLgdfmk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 94 イムラー◆eBf168T742 18/03/31 23:32:42 ID:pu8oHizY [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「あんなくだらん冗談いちいち気にするワシではない!」

ヤミカラス「でもそれではボスとして!」

ドンカラス「ボスとして何だ?示しがつかないとでも言いたいのか?」

ヤミカラス「い、いえ、そんなつもりでは・・・」

ドンカラス「だったらキサマさっきから何なんだ?ワシのこと煽っとるのか?」

ヤミカラス「そんな違いますよ!」

ドンカラス「だったら大人しくしてろ!」

ヤミカラス「はい、すみません・・・」
 ▼ 95 イムラー◆eBf168T742 18/03/31 23:43:52 ID:pu8oHizY [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
頭を下げながらもちょっと納得いかない表情のヤミカラス。

それでもボスであるドンさんの前ではきちんと折れているのを見るといかに主従関係で成り立っているのが改めて分かる。

何はともあれこっちとしては大事にならなくて良かった。

だがこれで終わるヤミカラスではなかった。

ヤミカラスは頭を上げるなり俺の方を見て

ヤミカラス「おいナルディ!」

「な、何?」

ヤミカラス「お前良かったなぁ!ボスが大目に見てくれてよ!普通だったらこうじゃ済まねぇぜ!」
 ▼ 96 イムラー◆eBf168T742 18/03/31 23:59:10 ID:pu8oHizY [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(またか・・・)

さっきドンさんに言われたことがまるで分かってないかのようだ。

俺には負け惜しみっていうか、最後の抵抗っていうか、そんなのにも見て取れた。

ドンカラス「おいヤミカラス!騒ぐな!キサマさっきワシが言ったことが分かっとらんのか!」

ヤミカラス「ひっ!」

ドンカラス「まったくキサマというやつは!何かあるとすぐに調子に乗って騒ぎおって!この恥知らずが!」

ヤミカラス「はい、ボス・・・」

ドンカラス「いつかワシがいなくともこの世界を一匹だけで生きてかなきゃいかん時が来んだぞ!キサマそんなんで生きていけんのか!」
 ▼ 97 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 00:06:02 ID:pNtllots [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「はいボス、すいません・・・」

ヤミカラスは涙をにじませながら深く頭を下げた。

(これがヤミカラスとドンカラスの世界か・・・)

改めて”その世界”の厳しさに少し圧倒させられた。

ボスであるドンさん。

厳しさにも決して妥協しない。

だがその厳しさの中にも愛情が垣間見える。

俺がそんな気がする。
 ▼ 98 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 00:18:12 ID:pNtllots [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でもさすがにそんなヤミカラスが少し可哀想に思えた。

俺は少しかばってやるつもりで

「お取込み中の所悪いけど、なぁドンさん」

ドンカラス「何だ?」

「その・・・何もそこまで言わなくてもいいんじゃないかと・・・」

ドンカラス「何だ?ワシが言い過ぎだとでも言いたいのか?」

「そういうわけじゃないよ。たださ、まぁヤミカラスも反省してるわけだしさ・・・」

すると
 ▼ 99 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 00:29:31 ID:pNtllots [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「・・・何だキサマ、ワシを差し引いてコイツの肩を持つ気か?」

いつものようにドンさんが俺にギロリと鋭い眼光を飛ばした。

でもこれには慣れっこの俺。

「だから俺は誰の味方をするとか、誰を悪く言うとかそんなつもりは全くないぜ!」

ドンカラス「じゃあ何だ?そもそも何で関係ないキサマが口を挟む!」

「それは!そのだな・・・」

思わず言葉が詰まった。

さすがに照れくさいとかで”ヤミカラスが可哀想だから!”とは返せなかった。

 ▼ 100 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 00:39:07 ID:pNtllots [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そもそもこんな事ストレートに言ったらドンさんに何されっか・・・

ドンカラス「これはワシとヤミカラスの問題だ。関係ないキサマは口を挟むな!引っ込んでろ!」

「すまない・・・」

ドンさんの言うことはもっともだった。

ヤミカラス「へっ!お前なんかにかばってほしくねぇよ!」

ヤミカラスは俺の方を向いて涙目で吐き捨てるようにそう言った。

こんな憎まれ口を叩く当たり相変わらずといったところか。

別に可哀想に思ってかばってやる必要なかったな。
 ▼ 101 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 16:18:56 ID:pNtllots [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁいいか。

「まぁドンさん、ヤミカラス!聞いてくれ!」

ドンカラス「何だ?」

ヤミカラス「何だよ」

「それで今日はドンさんたちにご馳走する肉とかを町に買いに行こうと思うんだが、一緒に行くか?」

ドンカラス「もちろんだ。ワシが行かんでどうする」

ヤミカラス「そうだ肉だ!俺も行くに決まってんだろ!」

「だろうな。分かった!」

 ▼ 102 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 16:37:12 ID:pNtllots [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「俺らも肉を選びてぇからなぁ。楽しみだぜ」

ヤミカラスはこういうこととなると立ち直りが早かった。

ドンカラス「それにキサマのことを監視しないとな」

「ちょっとドンさん!俺は監視してもらわなくても大丈夫だよ」

ドンカラス「いいや念の為にだ。キサマがなにかやらかさないかだ!」

「やらかさないかって、何を・・・」

ヤミカラス「お前、変なところごまかしたりしそうだからな」

「だからしないって、頼むからそう言うのやめてくれ・・・」
 ▼ 103 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 16:44:58 ID:pNtllots [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっぱり相変わらずの二匹。

ドンカラス「まぁいい。それで、いつごろ行くんだ?」

「ちょっと待ってくれ」

俺は右手に付けた腕時計を確認し

(・・・午後1時45分前か、行くにはまだ早いか)

ドンカラス「おいどうすんだ?」

ヤミカラス「早く行こうぜぇ」

「待ってくれ、まだ午後1時45分だ」

 ▼ 104 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 16:54:58 ID:pNtllots [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「まだそんな時間か」

ヤミカラス「ちっ、夜までまだまだじゃねぇか」

「ああ、行くにはまだ早い。だからもう少し経ってから行こう!」

ドンカラス「そうだな」

ヤミカラス「しょうがねぇ、そうすっか」

「それでドンさん、ヤミカラス!普段俺がいない間外で何してんだ?」

ヤミカラス「何って、ボスと出かけたり、技の特訓したり、バトルしたりしてるぜ」

ドンカラス「ああ。ヤミカラスも段々腕は上げてきたな」
 ▼ 105 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 20:45:21 ID:pNtllots [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「いえ、まだボスには全然かないませんよ」

ドンカラス「当たり前だ。ワシとキサマじゃ経験が全然違うからな」

ヤミカラス「そうですね」

ドンカラス「そうだ!ナルディ!」

「何?」

ドンカラス「まだ買い物に行くまでに時間もあるようだし、キサマにワシとヤミカラスとのバトルを見せてやる」

「おお!ドンさんとヤミカラスとのバトルか、みてみたいね!」

正直ドンさんとヤミカラスのバトルを見るのは初めてだった。
 ▼ 106 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 22:21:10 ID:pNtllots [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「ええっ!?今ですか?」

ドンカラス「何をおじけついとる。今まで何度もワシとバトルしただろ」

ヤミカラス「ですがまだ心の準備が・・・」

ドンカラス「何が心の準備だ!ナルディに自分の力を見せてやりたいと思わんのか?」

ヤミカラス「それは・・・思います!」

ドンカラス「だったら今こそキサマの力を見せてやれ!」

ヤミカラス「はいボス!」

ドンカラス「本気でいくぞ!キサマも遠慮なく掛かってこい!」
 ▼ 107 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 22:29:30 ID:pNtllots [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「はいっ!」バササッ!

ドンカラス「こっちも行くぞッ!」バサッ!

二匹は翼を広げ、大空に舞い上がる。

ドンカラス「見てろッ!」

バササッ!!キューーンッ!!

ドンさんはそう言うと一気に上空100メートル以上まで急上昇した。

そしてある高さまで達した後旋回したかと思えば

キューーーンッ!!
 ▼ 108 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 22:40:05 ID:pNtllots [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今度はヤミカラスに向かって一気に急降下を始めた。

その体はよく見ると青白く光っており、まるで1本の稲妻のようだった。

そう。ゴットバードだ!

当たり一帯を切り裂くような鋭い風切り音がこだまする。

その風切り音がドンさんのゴットバードのすさまじさを物語る。

一体体にはどれほどのGを受けてるだろうか・・・

それでいながら見る限り照準は完璧にヤミカラスに定まっている。

ヤミカラス「くぬっ!!」バサッ!
 ▼ 109 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 22:47:20 ID:pNtllots [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギュンッ!!

だがヤミカラスは間一髪のところで何とかかわした。

たんなのまともに食らってたら”効果は抜群”ぐらいじゃ済まないだろう。

ドンさんはすぐに旋回してヤミカラスのところに行き

ドンカラス「ほう、ようやくここまでかわせるようになったか」

ヤミカラス「はい!俺だっていつまでもやられっぱなしじゃないですよ!」

ドンカラス「だがまだまだのようだな」

ヤミカラス「なら俺からも行きますよ!」バササッ!!
 ▼ 110 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 23:19:00 ID:pNtllots [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラスは一旦ドンさんと距離を開けると

キューンッ!

今度はドンさんに向かって”つばさでうつ”を繰り出した。

ドンさんには及ばないがそれでもなかなかの勢いだ。

照準も上手く定まってる。

だがかわす気配のないドンさん。

(ドンさんなら余裕でかわせるはずなんだが・・・)

そう思ってるうちに

 ▼ 111 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 23:28:14 ID:pNtllots [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドガンッ!!!

ヤミカラスの”つばさでうつ”が見事ドンさんにクリーンヒットした。

その瞬間粉塵が立ち込め、あたり一帯に衝撃音がこだました。

かすかだが衝撃波まで感じた。

なかなかの威力であったことを物語る。

ヤミカラス「はぁ、はぁ・・・あ、当たったぁ!!」

ヤミカラス渾身の一撃だろう。

だが粉塵が晴れると
 ▼ 112 イムラー◆eBf168T742 18/04/01 23:38:06 ID:pNtllots [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

ドンカラス「・・・何だ?この程度か?これで本気を出したつもりか?」

何とドンさんはあれだけの攻撃を受けておきながら何事もなかった様子で構えていたのだ!

ヤミカラス「え!?え!!?ボス!?・・・」

あっけにとられるヤミカラス。

無理もない。

ドンカラス「キサマがどこまで上達したか確かめる為にワザとキサマの技を受けてみたんだ!だがまだまだだな!ワシには効かんぞ!」
 ▼ 113 ェリンボ@うみなりのスズ 18/04/02 12:43:44 ID:SW3gaHa. NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 114 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 12:49:42 ID:1xR5auqE [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「そんな・・・」

ドンカラス「ワシは今まで数え切れないほどの強い奴らを相手に何度も命がけの戦いをしてきたからな!」

ヤミカラス「・・・さすがボス!違いますね!」

ドンカラス「フン、何を今更当然のことを」

さすが百戦錬磨のドンさん、子分のヤミカラスぐらいではビクともしない。

ヤミカラス「ならこれならどうですかっ!!」

バササッ!!ギューーンッ!!

負けじと今度はドリルくちばしを繰り出すヤミカラス

 ▼ 115 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 13:04:02 ID:1xR5auqE [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「遠慮なく来い!!」バササッ!!

ビュゴォォォォォ!!

ドンさんもそれにブレイブバードで答える。

ギューーンッ!!

ドリルくちばしを繰り出すヤミカラス。

ビュゴォォォォォ!!

ブレイブバードを繰り出すドンさん。

見る限りでは両者の勢いは互角だ。
 ▼ 116 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 13:17:21 ID:1xR5auqE [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
閃光の如く二匹はそのままの勢いで互いに向かって行った。

青空に二筋の光跡が刻まれ、二つの異なる風切り音が重なり合い、あたり一帯にこだまする。

それらが二匹のすさまじさを物語る。

大会以外でこれだけ迫力のあるバトルを見ることはなかなかないだろう。

そして



ドガアアアアアアアン!!!



二匹は正面衝突し、あたり一帯にヤミカラスの時以上の爆発音が響き渡る。
 ▼ 117 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 13:29:30 ID:1xR5auqE [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一体どれだけの爆薬を爆発させればこれほどの音を出せるだろうか・・・

思わずそんなことを思ってしまう。

一瞬耳が聞こえなくなり、鼓膜が破れたと錯覚までしまった。

いや!一歩間違えたら破れてもおかしくない!

無理もないだろう。

あれほどの二つのエネルギーが衝突したのだから。

(一体どれほどの質量が・・・)

研究家という職業柄、すぐに数字で捉えようとする俺だが、これは数字では表しようもない。

 ▼ 118 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 13:39:56 ID:1xR5auqE [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁ普通の街中ではテロや爆発事故だと間違えられて警察沙汰になって大パニックになってもおかしくないかもしれない。

衝撃波まで全身の肌で強く感じた。

俺の前だからといつも以上にバトルに力を入れてるのが分かる。

だが衝突の直後

ヤミカラス「ぐあああああ!!」ピューーッ!


・・・そんな悲鳴と共に粉塵の中からヤミカラスがはじき飛ばされたのが目に入ってきた。

ドサッ!!・・・

ヤミカラスはそのまま地面に叩き付けられた。
 ▼ 119 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 21:38:57 ID:1xR5auqE [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何でこうなったかは明らかだ。

間もなく粉塵が晴れると

ドンカラス「何だ?もうこの程度でダウンか?」

やはりドンさんは何事もなかった様子で構えている。

ヤミカラス「うぅ・・・くっ・・・」

地面にうつ伏せになりながらも翼で必死に起き上がろうとするヤミカラス。

すでに結構なダメージを受けてる様子だった。

だがドンさんは
 ▼ 120 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 21:54:26 ID:1xR5auqE [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「どうした!まだキサマの力は残ってるはずだぞ!立てヤミカラス!」

決して手を抜いたりなどしない。

ヤミカラス「お、俺はこの程度じゃやられませんッ!」バサッ!

ヤミカラスは力を振り絞って翼を広げ、立ち上がった。

だがやはり先ほどのダメージは決して小さいものではなく、それはややボサボサになった翼からもみて伺えた。

それでもヤミカラスの表情は真剣そのものだ。

決して負けないと言わんばかりに。

ドンカラス「よぉし言ったな!ワシを倒すつもりで来い!!」
 ▼ 121 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 22:04:36 ID:1xR5auqE [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「はいっ!」

ドンカラス(つばさでうつ!!)

ヤミカラス(あくのはどう!!)

ドンカラス(くろいきり!!)

ヤミカラス(ふいうち!!)

その後も互いに様々な技を繰り出すドンさんとヤミカラス。

技を仕掛けたり受けたりかわしたり・・・

かくして俺の前で白熱したバトルが展開され続けた。

 ▼ 122 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 22:21:21 ID:1xR5auqE [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
白熱したバトルはいつ見ても飽きない。

迫力、力強さ、躍動感・・・全てにおいて申し分ない。

思わず俺は見とれてしまった。

生でバトルを観戦するのは当然リスクも大きい。

いつ自分が巻き込まれたり、技を食らってしまったりしてもおかしくなどない。

だがそれを差し引いても生で見る価値は大いにある!

また飛行タイプ同士の空中でのバトルは地上や水中でのバトルとはまた一味も二味も違う。

ちなみにバトルには大きく分けて通常の地上バトル、水中バトル、空中バトル(スカイバトル)の三種類があり、舞台が違えばバトルの様子も全く異なってくる。


 ▼ 123 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 22:30:16 ID:1xR5auqE [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それぞれに違った魅力があるのだ。

(あ!そうだ!)

ここで俺はあのドローン※でこの二匹のバトルの様子を撮影しようと思いつく。

(このバトルは絶対記録に残さなくては!)

そんな衝動に駆られた。

と、同時に

(それに動画共有サイトに載せれば再生回数も跳ね上がって広告料だってガッポリ入って来るに違いない!!)

そんな欲も湧いてきた。
 ▼ 124 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 22:38:40 ID:1xR5auqE [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
傍から見たらちょっと汚い欲かもしれない。

(生活するにはとにかく金が要る!)

でもそこはそう自分なりに正当化した。

更には

(少しドローンで二匹を脅かしてみるか)

・・・正直言うとまぁそんな思惑も少しある。

それに今は二匹はバトルで夢中になっている。

あれだけ夢中になっていれば周りは見えてないはず!



※前作(自然に我が身を寄せて)の序盤に出てきたドローンです。


 ▼ 125 イムラー◆eBf168T742 18/04/04 22:51:48 ID:1xR5auqE [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これならドローンで撮っても気づかれないはずだ!

まぁ気づかれてもその反応が楽しみだからいい!

どっちにしろ今がチャンスだ!!


タタタタタタタタッ! ドカッ!!

俺は急いで家に向かい、玄関の扉を蹴破るように乱暴に開けた。

ダッダッダッダッダッ!!・・・

間髪入れずそのまま土足のまま家に入り、俺の部屋の物置に向かう。

今は足跡で汚れたって構わないッ!!
 ▼ 126 イムラー◆eBf168T742 18/04/06 23:35:52 ID:Xw0ozBYQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今はそんなの気にしてられるか!

ドガッ!!ガラッ!!

自分の部屋のドアを蹴破り、物置の扉も乱暴に開けると

(確かこの中に・・・あったぜ!!)

中からあのドローンを引っ張りだした。

更にそばの机の引き出しからタブレット端末機も引っ張り出すと

ダダダダダダッ!!

ドローンとタブレット端末機を抱え、一目散に廊下を駆け抜け、家を飛び出す。
 ▼ 127 イムラー◆eBf168T742 18/04/06 23:46:51 ID:Xw0ozBYQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はぁ・・・はぁ・・・Okey!」

ひと息ついて見上げるとドンさんとヤミカラスのバトルは続いている。

さっき土足で駆け抜けた家の中がどれだけ悲惨なことになってるかは今は考えないでおこう。

早速チェックしてみるとタブレット端末機もドローンも充電は満タン!もちろん問題なく動く!

俺自慢の6000ドルもした特注のドローン。

コンディションは文句なしだ。

全く何か月ぶりだろうか。

早速ドローンの電源を入れ、タブレット画面越しにドローンを操作する。

 ▼ 128 イムラー◆eBf168T742 18/04/07 00:10:35 ID:BBmkl67s [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プルルルルル・・・・

ドローンは心地よい風切り音を刻みながら順調に上昇していった。

操作するのは数か月ぶりだが操作方法は体が覚えていた。

ドローンに搭載されたカメラとマイクがとらえた映像が手元のタブレット画面に表示される。

しかもカメラもマイクも伊達じゃない。

カメラは肉眼に近い4Kの映像を捉え、マイクは人の耳よりも鮮明に音を捉える。

それらがリアルタイムで無線で送られ、このタブレット端末機に映される仕組みだ。

俺は二匹がバトルしてる場所から少し離れた所でドローンを操作した。
 ▼ 129 ーマルド@アイテムドロップ 18/04/07 00:15:59 ID:SWA6nrvU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です
 ▼ 130 イムラー◆eBf168T742 18/04/07 00:16:06 ID:BBmkl67s [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バトルに夢中になっている二匹はこちらには全く気づいていない様子だ。

プルルルルルル・・・

さらに接近を試みる。

ドローン気づかれるくらいならまだいい!

攻撃の流れ弾を食らったりしたらそれこそ一大事だ!

ここは慎重に慎重を重ねる。

ドッ・・・ドッ・・・ドッ・・・

静かに自分の中で鼓動がこだまし、ドローンを捜査する手に汗がにじむ。
 ▼ 131 イムラー◆eBf168T742 18/04/07 22:22:01 ID:BBmkl67s [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴク・・・・・

思わず唾を飲んだ。

程なくしてタブレット画面に二匹の白熱したバトルの様子が映し出される。

ひとまず上手く接近できた証拠だ。

だがここで油断してはいけない。

ドンカラス「フン!その程度か!」バサッ!

ヤミカラス「まだまだですよ!!」バササッ!

ドンカラス「あくのはどう!!」

 ▼ 132 イムラー◆eBf168T742 18/04/07 22:28:45 ID:BBmkl67s [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「ブレイブバード!!」

繰り出される技の数々。

「くそっ!・・・あぶねぇっ!!・・・くぬっ!!」

俺は時折こちらに飛んでくる技の流れ弾を巧みな操縦テクニックでかわしながらドローンを操作した。

命がけなのはドンさんとヤミカラスだけじゃない!

俺だってそうだ!

6000ドルのドローンの運命がこの手にかかってるんだからな!

・・・・とまぁちょっと俺なりにカッコつけてみる。
 ▼ 133 イムラー◆eBf168T742 18/04/07 22:40:23 ID:BBmkl67s [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな中でもドローンのカメラはバトルの様子を鮮明に捉え続ける。

やっぱり4Kカメラと人の耳よりも幅広い音を拾う事ができる高性能集音マイクの組み合わせは鬼に金棒だ!

表示されるのはタブレット端末の小さな画面でも迫力は嫌というほど伝わってくる。

(今だ!!)ポチッ!

俺は一瞬の隙を見計らいタブレット画面のRECボタンをタップし、タブレット端末の内蔵メモリーに映像を記録し始めた。

(俺がこの映像を見逃すわけないだろ)

その後も展開され続けるバトル。

ドンさんが相手というだけあって終始押され気味のヤミカラス。



 ▼ 134 イムラー◆eBf168T742 18/04/07 22:47:24 ID:BBmkl67s [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だがヤミカラスも必死に食らいつく。

おのずとドローンを操作する手にどんどん汗が湧いてくる。

気がつけば俺はタブレット画面を食い入るようにバトルを見つめていた。

手に汗握るほど夢中になるとはこのことか。

かたずをのんで見ていたがやがて・・・


ヤミカラス「あっ!!!」


ヤミカラスがふいにこちらを向いた瞬間、驚いた様子でそんな声を発した。

気づかれたのだ。
 ▼ 135 イムラー◆eBf168T742 18/04/07 22:55:02 ID:BBmkl67s [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(まずい!・・・・)

俺は一瞬冷汗をかいたが、良く考えたら気づかれる事ぐらいは想定内だ。

そもそもドローンの正体には気づかないだろう。

(・・・・少し反応を見てみるか)

俺は様子を伺うことにした。

内心ちょっとワクワクしながら

ヤミカラス「ボスぅ!!ボースぅ!!」

大声でドンさんを呼ぶヤミカラス
 ▼ 136 イムラー◆eBf168T742 18/04/07 23:07:21 ID:BBmkl67s [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「何だ!まだバトルの最中だぞ!」

ヤミカラス「あれ見て下さいよ!」

ヤミカラスは翼でこちらの方を指さした。

まぁ指さしたってはちょっとおかしいかもしれないが表現としてはそれに近い。

ドンカラス「あれって何だ」

ドンさんはヤミカラスに促されるがままこちらの方を向くと

ドンカラス「な、なんだあれは!?」

ひどく驚いた様子でそう言った。
 ▼ 137 ケンカニ@しろいビードロ 18/04/26 07:42:35 ID:96QXlah6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 138 ティアス@フライングメモリ 18/04/28 02:53:19 ID:/QMEvFrM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 139 イムラー◆eBf168T742 18/05/17 23:34:10 ID:.MDGGAeE [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここんとこ全然更新できなくてすみませんでした。



ヤミカラス「分かんないですけど、俺らの周りを飛んでいるんですよ!」

ドンカラス「新種の飛行タイプのポケモンか?」

ヤミカラス「それにしては随分外見が機械じみてます」

ドンカラス「それじゃ鋼タイプか何かか?ギアルのような」

ヤミカラス「多分ポケモンじゃないと思いますよ。ポケモンにしては何か小さなプロペラなんかも付いてて不自然ですし」

ドンカラス「じゃあ飛行機の一種か?」

ヤミカラス「あんなに小さい飛行機はないかと」

ドンカラス「じゃあ一体何なんだ!」

 ▼ 140 イムラー◆eBf168T742 18/05/17 23:39:54 ID:.MDGGAeE [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンさんは少しイライラしている感じだった。

ヤミカラス「それが俺にも分かりません」

ドンカラス「何?分からんだと?」

ドンさんはヤミカラスをギロリと睨んだ。

ヤミカラス「ひっ!す、すいません」

ドンカラス「フン!全く散々ワシの言うこと否定しおって!分からんクセに分かったような口叩くな!」

ヤミカラス「すいません・・・」

ドンさんに威圧されて萎縮してしまった様子のヤミカラス。

 ▼ 141 イムラー◆eBf168T742 18/05/17 23:49:29 ID:.MDGGAeE [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっと悪いことしてしまったか・・・

いやいいや。続けよう。

俺は引き続きタブレット画面越しに見守りながらドローンのリモコンを握った。

ドンカラス「それにしても一体何なんだあの物体は!ワシらの周りをうろつきおって!」

ヤミカラス「そうですね・・・」

戸惑っている様子のヤミカラスとドンさん。

まぁ無理もないか。

こんな地域にドローンなんて言うハイテクなラジコン飛行機などあるわけもなく、2匹は初めて見たのだから。
 ▼ 142 イムラー◆eBf168T742 18/05/17 23:54:21 ID:.MDGGAeE [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時だ。

ドンカラス「分かったぞ!!」

ドンさんが不意にそう言い放った。

ヤミカラス「分かったって何がですか?」

ドンカラス「あれはおそらく無人の偵察機だな」

ヤミカラス「ええっ!?て、偵察機って、俺らを狙ってるんですか!?」

ドンカラス「そんなの分かるかっ!」

ヤミカラス「だ、だとしたらどこのどいつが?」
 ▼ 143 イムラー◆eBf168T742 18/05/18 00:03:26 ID:2eE8rS2I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「ヤミカラスいいからおちつけ!」

ヤミカラス「す、すいません。つい」

ドンカラス「まぁワシらの周りを飛んでいる以上偵察機の可能性はある」

ヤミカラス「ではやっぱり俺らを監視しているんですか?」

ドンカラス「まぁ厳密にはワシのことを狙っているのかもな。ワシは今まで色んな奴らと戦ってきたからな。その中の奴らがワシを恨んで」

ヤミカラス「ええ!?それじゃボスを狙っている敵の偵察機じゃないですかぁ!」

ドンカラス「おい!あんまり騒ぐな!」

「焦ってるぜ焦ってるぜ」

 ▼ 144 イムラー◆eBf168T742 18/05/20 00:22:38 ID:XES3VM6o [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺はそんな二匹をおもしろ半分で見守った。

ドンカラス「下手に騒いで奴を刺激したらどうすんだ!!」

ヤミカラス「すいません」

ドンカラス「まぁ。奴もこっちの動きを見計らってるに違いない」

ヤミカラス「でももし本当に敵の偵察機で俺らのことを狙っていたらどうしたら!」

ドンカラス「だからキサマさわぐな!まだ偵察機と決まったわけではないだろう!」

ヤミカラス「じゅああれは一体何なんですか!」

ドンカラス「こっちが知りたいぞ!全くキサマと言う奴はすぐパニックになって騒ぎおってぇ!恥をしれ!」
 ▼ 145 イムラー◆eBf168T742 18/05/20 00:30:25 ID:XES3VM6o [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「すいませんボス・・・つい」

「ドローン一つでこんなになるとは思わなかったぜw」

その後もそんな調子でタブレットの画面越しに二匹を見守る俺。

だが次の瞬間!

ドンカラス「フン、まぁいい。偵察機だかポケモンの一種だか正体は分からんがワシらを狙う怪しい飛行物体には違いないだろう」

ヤミカラス「・・・そうですね!」

ドンカラス「・・・撃ち落とすぞ!」


・・・俺は一瞬我が耳を疑った。
 ▼ 146 イムラー◆eBf168T742 18/05/20 00:37:26 ID:XES3VM6o [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何しろこのドローンを撃ち落とすと言ったのだから。

ヤミカラス「ええ!?そ、そんな!撃ち落として平気ねんですか!」

ドンカラス「やるほかないだろう!他に何がある!」

ヤミカラス「もう少し様子を見た方が・・・」

ドンカラス「そんなヒマあるか!奴だって何をしてくるか分からんのだぞ!」

ヤミカラス「でも見た目はそんな武器を装備しているようには」

ドンカラス「見た目だけで判断するな!毒ガス、重火器、爆弾・・・何を隠し持っててもおかしくないんだぞ!」

ヤミカラス「ですがボス・・・」
 ▼ 147 ュペッタ@まんぷくおこう 18/06/10 08:02:37 ID:xNsM5oa6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 148 ルミーゼ@ネストボール 18/06/11 22:39:44 ID:PSEEdGLg NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 149 クロズマ@おおきなねっこ 18/07/05 07:50:18 ID:wRbcgnh2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 150 リデプス@マグマスーツ 18/07/10 00:23:29 ID:ukn.OVug NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 151 イムラー◆eBf168T742 18/07/20 23:42:01 ID:ApEUBE7I [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
長く更新怠ってしまいすみませんでした。


ドンカラス「キサマ怖気づとる場合か!」

ヤミカラス「すっすいません!」

ドンカラス「フン!全くつくづく情けん奴め!あんな物体ごときで!」

ヤミカラス「すいません」

ドンカラス「もういいキサマじゃラチが開かん!ワシが撃ち落としてやるからよく見てろ!」

「oh,my gad!!」

俺は居ても立っても居られず止めに行った。

「NO!NO!NOOOOh!Stop'in now!!」(ダメだ!ダメだ!ダメだああ!止めろ!!)
 ▼ 152 イムラー◆eBf168T742 18/07/20 23:53:15 ID:ApEUBE7I [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「何だキサマ!今取り込み中だ!後にしろ!」

ヤミカラス「今ボスと怪しい奴を倒してるとこなんだ!邪魔すんな!」

「Hi!listen to me!That's my radio control plane!It's not a suspicious thing!」(いいか聞け!それは俺のラジコン飛行機なんだ!怪しいモンじゃない!)

ドンカラス「またか!キサマ何言っとるのかさっぱり分からんぞ!ワシらの言葉で話せ!」

ヤミカラス「ボス、こいつどこの言葉で話してるんですか?」

ドンカラス「ワシもよく知らんがコイツの故郷の言葉らしい」

ヤミカラス「何でいきなりそんな言葉使うんですかね?」

ドンカラス「つい故郷の言葉使ってしまうくらい焦ってんだろう。おいナルディいい加減普通に話せ!」
 ▼ 153 イムラー◆eBf168T742 18/07/20 23:59:51 ID:ApEUBE7I [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あぁ、まただ。すまない、つい」

またもや焦るとつい母国語で話してしまうという悪いクセが出てしまった。

ドンカラス「フン!全く訳分からん故郷の言葉で話しおって!」

ヤミカラス「そんな言葉で話されたって俺らが分かるわけねぇだろ」

「すまない」

こうことがあるとつい”言葉の壁”というものを感じてしまう。

ドンカラス「それでそんなに顔色変えて焦って一体何の用だ?」

「・・・ドンさんとヤミカラスは今空飛ぶ怪しい物体と格闘してるだろ?」
 ▼ 154 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 00:07:09 ID:dx2El6sI [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「ああ、そうだが」

「その怪しい物体は俺のラジコン飛行機なんだ。俺が飛ばしたんだ。敵の偵察機なんかじゃない」

ドンカラス「何だキサマの仕業か!」

ヤミカラス「物騒なの飛ばしやがって!」

ドンカラス「一体何のつもりだ?ワシらを脅かすつもりか?」

まぁドンさんの言うことは半分当たってる。だが

「いや決してそんなつもりじゃないんだ!ただドンさんとヤミカラスのバトルがあまりにも迫力満点だったから、その様子を撮影しようとカメラをつけて飛ばしただけなんだ」

ドンカラス「フン!全く紛らわしいマネしおって!」
 ▼ 155 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 00:13:38 ID:dx2El6sI [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「俺本当に焦ったぜ!まったく!」

「すまない」

ドンカラス「でも待てよ、ということはキサマ、ワシらのバトルの様子をずっと撮影してたということか?」

「そうだ」

ドンカラス「・・・少し見せてもらおうか」

「な、何を?」

ドンカラス「キサマがワシらのバトルを撮影したビデオに決まってるだろう!」

「ああ、そうだったな!」
 ▼ 156 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 00:22:17 ID:dx2El6sI [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「ワシも自分のバトルの様子は見たことないからな。少しは今後のバトルの参考になるだろう」

ヤミカラス「そんなら俺にも見せてくれよ!」

「ああ、もちろんいいぜ」

そうすると俺はタブレット端末を取り出し、ドンさんとヤミカラスに撮影した映像を見せた。

ドンカラス「ほう、このタイミングじゃ爪が甘かったか・・・」

ヤミカラス「なるほど、もう数秒早く・・」

ドンカラス「おいキサマもっと上手く撮れなかったのか!」

ヤミカラス「何だよこれ、ブレてて見づらいぜ」
 ▼ 157 ブトプス@ブレイズカセット 18/07/21 00:23:12 ID:l.3Ma.dE NGネーム登録 NGID登録 報告
更新がんば。しえん
 ▼ 158 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 00:29:21 ID:dx2El6sI [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「すまない、これが限界なんだ。ドンさんたちのバトルもなかなか激しくてな」

ドンカラス「フン、そうやってすぐワシらのせいにしおって」

「いやそういうわけでは」

ヤミカラス「まぁまぁボス、このぐらいは見逃しましょうよ」

ドンカラス「そうだな。まぁいい。このぐらいは大目に見てやるか」

ヤミカラス「その代わりお前次はもっときれいに撮れよ」

「ああ、もちろんさ」

憎まれ口を叩くあたり相変わらずといったところか。
 ▼ 159 ミラミ@プレミアボール 18/07/21 02:07:40 ID:XaIQH8jQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 160 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 23:02:22 ID:dx2El6sI [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「やはりここは合わせ技が良かったか・・・」

ヤミカラス「ええと、次のバトルじゃ・・・」

その後も二匹は釘いるようにビデオを見続けた。

十数分後、動画が終わると

ドンカラス「まぁ、キサマも少しは腕を上げてきたな」

ヤミカラス「え?本当ですかボス」

ドンカラス「だがワシには遠く及ばんな」

ヤミカラス「そりゃあボスにはかないませんよ。だってあの時俺は本気で”つばさでうつ”をおみまいしたにも関わらず、全然ボス効いてるように見えませんでしたよ」
 ▼ 161 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 23:09:54 ID:dx2El6sI [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「見えるんじゃなく実際に効いてなかったんだがな。あの程度の攻撃、ワシには痛くもないぞ」

ヤミカラス「さすがボス!」

ドンカラス「フン、何を今更。だがこうやって自分のバトルの様子を見れるのは悪くないな」

ヤミカラス「そうですね。俺もバトルの修行にはうってつけですよ。どこが悪いか一発で分かりますし」

ドンカラス「そういうわけでナルディ、またワシらのバトルの様子を撮影してくれるか?」

ヤミカラス「お前ボスが直々に頼んでんだぞ」

「分かってる。もちろんいいぜ」

ドンカラス「ようし。これでワシのバトルの腕ももっと上がるな」

ヤミカラス「
 ▼ 162 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 23:15:19 ID:dx2El6sI [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
途中送信すいません


ヤミカラス「俺もこれでバトルの腕が上がりますよ」

ドンカラス「フン、キサマの場合はどうかな?」

ヤミカラス「そんな、ボスそれはないですよ」

そしてふと腕時計を見ると、時計の針は午後4時過ぎを指していた。

(もうこんな時間か・・・・)

油断すると時間はあっという間に過ぎてしまうから恐ろしい。

「それじゃドンさん、ヤミカラス、そろそろ行くか?」

ドンカラス「行くってどこにだ?」

 ▼ 163 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 23:21:33 ID:dx2El6sI [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「市場に今夜の晩飯買いにいくんだよ。ほら、何でも好きなものごちそうするって言っただろ?」

ドンカラス「おお、そう言えばそうだったな。確かキサマ研究資料が高く売れたんだってな?」

「そうだ。それで珍しく金が入ったんだ」

ドンカラス「言っておくがワシは飛び切り高級な肉がいい。肉だぞ。間違ってもハムなんかでごまかすなよ」

ヤミカラス「俺もボスと同じだ」

「ああ、肉でもなんでもいいぜ!」

ドンカラス「それで市場までどのくらいかかんだ?」

「歩きだと1時間以上はかかるな」
 ▼ 164 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 23:46:44 ID:dx2El6sI [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「何!?そんなにかかるのか!?」

「ああ。この辺は田舎だからな。どうする?行くか?」

ドンカラス「もちろんだ」

ヤミカラス「このぐらいで屈する俺たちじゃないぜ」

「よし。それなら行こう」

早速徒歩で向かう俺とドンさんたち。

だが歩き始めて早速・・・

ドンカラス、ヤミカラス「はぁ、はぁ」トットットッ・・・
 ▼ 165 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 23:52:12 ID:dx2El6sI [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・・」

俺とドンさんたちの間は数十メートルも間隔が空いてしまった。

2匹も歩いて俺の後をついてきてるのだが、歩くスピードが遅い。

それもそのはず、ドンさんとヤミカラスはあくまで鳥ポケモン。

飛ぶのは得意でも、俺たち人間みたいに速く歩くのは得意ではない。

結果、これだけ距離が空いてしまう。

「・・・いくら何でもちょっと遅くないか?」

ドンカラス「キサマが速すぎるんだ!」
 ▼ 166 イムラー◆eBf168T742 18/07/21 23:56:03 ID:dx2El6sI [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「もっとゆっくり歩けよ!はぁ・・・はぁ・・・」

「これ以上ゆっくり歩いたら遅くなっちゃうぜ。飛んだらどうだ?」

ドンカラス「キサマの歩く速さに合わせてか?」

「ああ。そうだ」

ドンカラス「フン!いちいちキサマの速さなんかに合わせて飛んでられるか!」

「何故だよドンさん」

ヤミカラス「お前、飛ぶだけでもとれだけ体力使うか知らないだろ!」

「分かるかそんなこと・・・」
 ▼ 167 イムラー◆eBf168T742 18/07/24 00:10:56 ID:L4rIUk/o [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
空を飛べない人間の俺にそんなこと分かるわけがない。

ヤミカラス「あっそうか!お前飛べないんだったなぁ!」

いつもの調子で嘲笑するヤミカラス。

ドンカラス「キサマに合わせて飛んでも疲れるだけだ!」

「じゃあドンさんたちは先に市場まで飛んでいったらどうだ?」

ドンカラス「何ィ?」

「時速100km以上で飛べるドンさんたちならあっという間だろ?それに俺は後から行くから大丈夫だ」

すると
 ▼ 168 イムラー◆eBf168T742 18/07/24 00:18:40 ID:L4rIUk/o [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「市場がどこにあるかキサマしか知らんだろ!だからこうしてしょうがなくキサマについてってるんだ!」

ヤミカラス「場所知ってたらお前なんかとっくに置いてってるよ!」

今更ながらどこまでわがままというか・・・

「・・・分かったよ!」

やがて日は西に傾き、夕日があたりをオレンジ色に染める。

ぽつんぽつんと点在する水銀灯の街灯も光を帯び、その無機質な白い光が道を冷たく照らす。

ドンカラス、ヤミカラス「はぁ・・・はぁ・・・」トッ、トッ、トッ

「・・・・」
 ▼ 169 イムラー◆eBf168T742 18/07/24 00:24:32 ID:L4rIUk/o [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
相変わらずちょっと歩いただけでこれだけ間隔が空いてしまう。

その度にこうして2匹を待つしかない。

「・・・置いてっちゃうぞ!」

ドンカラス「はぁ、はぁ、キサマワシらを置いてったらどうなるかわかるだろうな!」

その赤い瞳で睨み、脅しをかける。

「はぁ・・・・」

結局この調子で向かうしかないようだ。

それでもしばらく行くと道沿いに一軒の小さな食料品店があった。
 ▼ 170 イムラー◆eBf168T742 18/07/24 00:32:05 ID:L4rIUk/o [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何か店があるぜ!」

ヤミカラス「こ、これは!」

ドンカラス「間違いないな・・・」

「え?この店が何か?」

するとドンさんはこちらを向き、鋭い目つきで話し始める。

ドンカラス「前にキサマに話しただろ?ワシらは一人の男に銃で撃たれてワシは大ケガし、ヤミカラスたちとも別れなければならなくなってしまったと」

「ああ、そういえばそうだったな」

ドンカラス「ワシらに向かって銃を乱射した男、これがその男の店だ」
 ▼ 171 イムラー◆eBf168T742 18/07/24 00:38:56 ID:L4rIUk/o [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ええ!?こ、これが!」

ドンカラス「間違いない」

ヤミカラス「俺たちの運命をめちゃくちゃにしやがったあの男、絶対忘れねぇぜ」

話を聞く限り相当血の気の多い危ない人間に違いない。

そいつの店が今目の前にあるのだ。

気配を殺しながらそおっと中の様子を覗いてみる。

ドンカラス「おいキサマやめろ!」

ヤミカラス「いたらどうすんだよ!」
 ▼ 172 イムラー◆eBf168T742 18/07/24 00:44:16 ID:L4rIUk/o [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「大丈夫だ」

ドンカラス「フン、どうなっても知らんぞ」

だが店の中は不気味なほどの静寂に包まれており、人の気配すらない。

もぬけの殻って言ったとこか・・・

「・・・誰もいないぞ?」

ドンカラス「おかしいな。そんなはずは」

ヤミカラス「留守じゃないのか?」

だがよく見渡すと扉に小さく張り紙があった。
 ▼ 173 イムラー◆eBf168T742 18/07/25 23:39:30 ID:Hl8scd8o [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何か貼ってあるぜ」

ヤミカラス「本当だ」

ドンカラス「ちょっと読んでみろ」

「ああ。・・・経営が成り立たなくなった為閉店します。私は故郷に帰ります。店主」

張り紙には小さく手書きでそう書かれていた。

ドンカラス「・・・つぶれたか」

「だな」

ドンカラス「フン、ワシらにあんなことをするからバチが当たったんだな」
 ▼ 174 イムラー◆eBf168T742 18/07/25 23:43:07 ID:Hl8scd8o [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「そうですね。いい気味ですよまったく」

ドンさんとヤミカラスはざまぁ見ろと言わんばかりにそう言った。

十数分後〜

ドンカラス「・・・・・」

ドンさんは無言で夕日の方を見ていた。

「・・・ドンさん行こうぜ」

ヤミカラス「ボス、遅くなっちゃいますよ」

ドンカラス「・・・・・」
 ▼ 175 イムラー◆eBf168T742 18/07/25 23:49:31 ID:Hl8scd8o [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
呼びかけるが返事がない。

ヤミカラス「どうしちゃったんだろボス・・・」

どうやらすっかり自分の世界に入ってしまっているようだ。

夕日を見て感傷的になっているのだろうか・・・

すると突然口を開くドンさん。

ドンカラス「・・・あの時ワシさえ撃たれなければ・・・」

ヤミカラス「え?」

ドンカラス「ワシさえ撃たれなければこうはならんかっただろう・・・ヤミカラス、キサマらには辛い思いをさせちまったな・・・」
 ▼ 176 イムラー◆eBf168T742 18/07/26 00:05:43 ID:.uioj9F. [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ドンさん・・・・」

ヤミカラス「ボス・・・」

ドンカラス「すまんかった・・・・」

ドンさんは夕日の方を見ながらそう言った。

ヤミカラス「そんな、ボスのせいなんかじゃないですよ」

ドンカラス「フン、今更そんなフォローなどいらん」

「ドンさん、今更そんなこと言うことないぜ。そんな過去はもう忘れて先進もうぜ。今夜はごちそうだし」

ドンカラス「何だキサマ、ワシを慰めてるつもりか?」
 ▼ 177 イムラー◆eBf168T742 18/07/26 00:12:44 ID:.uioj9F. [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いや、慰めてるというか何というか、その・・・」

俺は照れくさくてはっきりとは言えなかった。

ドンカラス「フン、キサマなんかに慰められる筋合いはない」

「ドンさん・・・」

でも俺にははっきり分かる。

ドンさんは強がっているのが。

ドンカラス「まぁいい。早いとこ市場に行くぞ」

「ああ」
 ▼ 178 イムラー◆eBf168T742 18/07/26 00:23:07 ID:.uioj9F. [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「はい」

今度は俺たちのことを仕切るドンさん。

だが何だかんだ言っても子分のヤミカラスを思いやっているのが強く伝わってきた。

そして俺にはもう一つ分かっている。

なぜドンさんは俺たちの方を見ずに夕日の方を見ながら話したか・・・

それは普段決して涙を流さないドンさんが、必死に涙をこらえていたからだ。

「決して涙を見せるものか!」・・・そんなドンさんの気持ちでだろう。

でも一瞬見えたドンさんの濡れた赤い瞳で俺には分かった。

 ▼ 179 イムラー◆eBf168T742 18/07/26 00:30:35 ID:.uioj9F. [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後も俺たちは相変わらずの調子で市場に向かった。

必死に歩いてついてくるドンさんとヤミカラスはいじらしくも見えた。

1時間後〜

ようやく市場についた。

「よぉし。やっと着いたなぁ」

ドンカラス「はぁ、はぁ、まったくやっと着いたか」

ヤミカラス「はぁ、バトルより疲れるぜ!」

「そりゃああれだけの距離を歩けばな。ドンさんたち大丈夫か?」
 ▼ 180 イムラー◆eBf168T742 18/07/26 00:39:16 ID:.uioj9F. [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン、余計なお世話だ。このくらい平気だ」

ヤミカラス「お前なんかに心配されんでも大丈夫だよ」

「なら良かった」

相変わらずの憎まれ口を叩くのを見る限り大丈夫そうか。

ドンカラス「それにしてもここは人間が多いな」

ドンカラス「これだけ人間共が多いと息が詰まりそうだぜ」

「まぁみんな夕食の買い物に来てるんだよ」

時計を見ると針は6時前を指している。
 ▼ 181 イムラー◆eBf168T742 18/07/27 23:09:12 ID:0sdIEDUk [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かに市場は買い物をする人でいっぱいだ。

時間が時間だから仕方ないところか。

「俺は逆に賑やかでいいと思うがな」

まぁこんな田舎でこれだけ賑やかなのはここぐらいだろう。

ヤミカラス「へっ、ちっともよくねぇよ」

ドンカラス「まぁいい。早いところ買って帰ろうじゃないか」

ヤミカラス「そうですね」

俺たちはまず精肉市場コーナーに向かう。
 ▼ 182 イムラー◆eBf168T742 18/07/27 23:15:48 ID:0sdIEDUk [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ディスプレイには色鮮やかな赤いブロック肉の数々が所狭しと並べられていた。

もうこれだけで宝の山に感じるのは俺だけじゃないはずだ。

店主「さァ!今日は新鮮なのがいっぱいあるよォ!出血大サービスだァ!」

客の購買欲をかきたてる耳障りなくらい威勢の良い店主の声。

そんな声などもろともせずに俺たちは肉を吟味する。

「・・・これなんてどうだ?」

ドンカラス「いらん!脂身が少なくて固そうだ」

「じゃあこれは?」
 ▼ 183 イムラー◆eBf168T742 18/07/27 23:21:17 ID:0sdIEDUk [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「色が良くないな。どうせ安いやつだろう」

「それじゃこれなんかどうだ?」

ドンカラス「そんなのは問題外だ」

「はぁ・・・」

なかなか食い物に関してはここぞとばかりにうるさいドンさん。

ヤミカラス「おいお前わざと安いの選んでるだろ?」

「いやそんなつもりじゃないぜ」

挙句の果てにヤミカラスに言いがかりをつけられる始末だ。
 ▼ 184 イムラー◆eBf168T742 18/07/27 23:26:23 ID:0sdIEDUk [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今更慣れっこだからいいが。

「それじゃあドンさんたちは何がいいんだ?」

ドンカラス「これがいいな。色が鮮やかで適度に脂ものっとる。この店の中じゃ一番マシだろう」

ヤミカラス「俺もそれがいいです」

さすがドンさん、今までいろいろ食べてきただけあってなかなかグルメだ。

確かにその肉は色ツヤ、脂ののり具合共にほぼ完璧といえる。

だが値札を見た瞬間、あまりの高額な値段に一瞬血の気が引いた。

「こ、こんなに!・・・」
 ▼ 185 イムラー◆eBf168T742 18/07/27 23:30:47 ID:0sdIEDUk [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この精肉市場で一番高級なのに違いない。

俺もこんな高級な肉は産まれて初めてだった。

ドンカラス「何だ?何でもごちそうしてくれるんじゃなかったのか?」

ヤミカラス「お前散々言ってただろ」

「あ、ああ!もちろん!好きなだけいいぜ!」

そして

店主「へいまいど!ありがとね!」

結局その高級な肉を何キロも買ってしまった。
 ▼ 186 イムラー◆eBf168T742 18/07/27 23:38:13 ID:0sdIEDUk [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁ正確には半分買わされたってほうが正しいか・・・

その足で次は成果市場コーナーに向かった。

するとヤミカラスが何かを見つける。

ヤミカラス「お、何だあの木の実は」

見ると他の木の実が無造作にディスプレイに並べられてる中、その綺麗なオレンジ色の木の実だけは化粧箱に入れられ丁寧に飾られていた。

明らかに別格で一目で高級なものと分かる。

しかもその木の実は他の木の実よりも明らかに甘い香りが強く濃厚だ。

「すごい香りだな」
 ▼ 187 イムラー◆eBf168T742 18/07/27 23:54:37 ID:0sdIEDUk [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「こんなに香りが強いのは間違いなく美味いな」

ドンカラス「ああ、ワシもこんな美味そうな木の実は初めてだ」

だがやはり見た目が立派なら値段も立派だった。

「やっぱりな・・・」

だが俺は

「よし!こうなったらその木の実も好きなだけいいぜ!」

もはや半分やけくそ状態ってとこか。

ドンカラス「ほう、キサマ今日は随分景気いいな」
 ▼ 188 イムラー◆eBf168T742 18/07/28 00:02:13 ID:uLF2Jzh. [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「やっぱり金もってる奴はちがうなぁ」

「まぁな」

ガチャン!

店主「お買い上げありがとうございます!いやぁお客さんいい買い物なさいましたよ。この木の実は年に限られた数しかできない幻の木の実です。品種改良に改良を重ねてようやく完成しました。味、香り、見た目、どれをとっても極上ですよ」

「はぁ、そうですか」

どうりでこんなに高いわけか、まぁ美味しければいいか・・・

結局この木の実も買いこんでしまった。

ヤミカラス「ボス、次は何がいいですか?」
 ▼ 189 イムラー◆eBf168T742 18/07/28 00:25:10 ID:uLF2Jzh. [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「そうだな、ミツハニーの蜜なんかどうだ?」

ヤミカラス「いいですね。俺一度食べてみたかったんですよ」

ドンカラス「相当濃厚ですばらしい味らしいな」

ヤミカラス「決めた!それにしましょうよボス!」

ドンカラス「そうだな!」

「それもなかなか手に入らなくて高級だが・・・この際だからいいぜ!」

その後も半分ドンさんたちに促されるがまま高級な食料を買いまくった。

市場は夜になっても露店とかのライトで明るく照らされ、多くの人で活気づいていた。

 ▼ 190 イムラー◆eBf168T742 18/07/28 23:35:39 ID:uLF2Jzh. [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして帰り道〜

時計の針はすでに7時過ぎを示している。

「買ったなぁ、ドンさん」

ドンカラス「ああ、全くこんなに美味そうなもんは初めてだ」

ヤミカラス「帰ってからが楽しみだぜ」

「だが、ちょっとマズイかな・・・」

今回買った領収書の束を見て少し後悔の念に走った。

ドンカラス「何だキサマ、今更金のことなんか気にしてんのか?」
 ▼ 191 イムラー◆eBf168T742 18/07/28 23:40:09 ID:uLF2Jzh. [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いや、そんなことないぜ」

ヤミカラス「いいじゃないか今夜ぐらいはよ」

「ああ、分かってる」

まぁ今更気にしたって後の祭りだ。先のことを楽しもう。

ドンカラス「それじゃあワシら先に帰ってるからな」バサッ

ヤミカラス「じゃあな」バサッ

そう言うとドンさんたちは俺を置いて飛び去ろうとした。

「ちょ!ちょっと待ってくれ!」

 ▼ 192 イムラー◆eBf168T742 18/07/28 23:44:25 ID:uLF2Jzh. [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もちろん俺はあわてて止める。

ドンカラス「何だ?」

ヤミカラス「まだ何かあんのかよ」

「・・・俺を置いてくのか?」

ドンカラス「それがどうした?キサマ自分の家の帰り道ぐらい分かるだろ」

「まぁそうだが・・・」

ヤミカラス「俺たちはさっさと帰りたいんだよ」

「そもそも帰り道分かるのか?」
 ▼ 193 イムラー◆eBf168T742 18/07/28 23:50:51 ID:uLF2Jzh. [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン、バカにすんのもいい加減にしろ。市場に向かうまでの間に家までの道ぐらい覚えたぞ」

ヤミカラス「俺たちはココ(頭)が違うからな」

ドンカラス「それにワシらはキサマら人間と違って夜の暗闇でも目が効くぞ」

ヤミカラス「夜は大の得意だぜ」

さすが夜行性のポケモンというだけある。

「ならいいが、少し荷物持ってくれないか?」

ドンカラス「断る。飛ぶだけでもどれだけ体力がいると思ってるんだ」

ヤミカラス「市場に行く途中も言ったはずだろ?そんなの持って飛んでられっかよ」
 ▼ 194 イムラー◆eBf168T742 18/07/28 23:56:06 ID:uLF2Jzh. [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「それじゃあ先帰ってるからな」

ヤミカラス「じゃあな」

バサッバサッバサッバサッバサッ・・・・

そう言うと二匹は飛び去り、夜の暗闇へと消えていった。

結局俺は夜の田舎道に一人残された。

薄情なとこも相変わらずか・・・

「やっぱりこうなるか・・・」

まぁこうなることも薄々分かっていた。
 ▼ 195 イムラー◆eBf168T742 18/07/29 00:03:24 ID:Y9lEw3X6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それにしても市場から少しでも外れるとあたり一面はほぼ漆黒の闇。

ぽつんぽつんと時折点在する水銀灯の街灯が道路を薄暗く冷たく照らしてる程度だ。

時折何かのポケモンの鳴き声も聞こえてくる。

俺はとっくにこの夜の風景は慣れたが、都会育ちとかの慣れない人には恐怖かもしれない。

「しゃあない・・・」

俺はそんな暗闇の中を荷物を担ぎながらやや駆け足気味で家に向かった。

夜道には慣れた俺でもさすがにこんな夜に一人だと何が起きるか分からない。

すこし気を引き締めながら帰路につく。
 ▼ 196 イムラー◆eBf168T742 18/07/29 00:10:56 ID:Y9lEw3X6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
約50分後〜

ようやく自宅が見えてきた。

玄関の灯りを見てホッと少し一安心する。

「んん?」

よく見るとその玄関の前でドンさんとヤミカラスが、地に足をつけてこちらの方を見ながらじっと待っていた。

玄関の灯りに照らされるその姿は夜のポケモンそのものだ。

ちなみに玄関の灯りは夜になるとセンサーで自動的につくようになっている。

俺はそのまま玄関に向かう。
 ▼ 197 イムラー◆eBf168T742 18/07/29 00:19:15 ID:Y9lEw3X6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると待ってましたと言わんばかりに

ドンカラス「やっと来たか。キサマ随分遅かったな」

ヤミカラス「どれだけ待ったと思ってるんだよ」

「そんなこと言われたって、ドンさんたちが早すぎるんだよ」

ドンカラス「何だ?キサマ、行きの時はワシらに歩くの遅いと散々いっておきながら」

ヤミカラス「俺たちなんて10分ちょっとで着いちゃったぜ!」

そりゃあ何の障害物もない空をあれだけの速さで飛べば当然だ。

ヤミカラス「お前こそ遅いじゃないか」
 ▼ 198 イムラー◆eBf168T742 18/07/30 00:03:07 ID:PxecMWII [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「仕方ないだろ。これだけの荷物運んできたんだから。これだって急いだ方だ。普通だったら1時間以上かかってるぜ」

ドンカラス「フン、まぁいい。言い訳はいいからさっさとドアを開けろ」

ヤミカラス「お前が来ないと家入れないんだぞ!」

「ああ、分かってる」

ガチャッ

ドンカラス「とりあえずこれでひと段落だな」

ヤミカラス「それにしても腹減ったぜ」

「ああ、ちょっと待っててくれ」
 ▼ 199 イムラー◆eBf168T742 18/07/30 00:07:13 ID:PxecMWII [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は買ってきた食材をひと通り台所に並べる。

ドンカラス「ほう。こう見るとなかなか圧巻だな」

ヤミカラス「まさに宝の山ですね」

ドンカラス「少なくとも自然界では手に入らんものばかりだからな」

ヤミカラス「お前間違っても下手な料理作んなよ」

ドンカラス「せっかくこれだけの食材なんだからな」

「ああもちろんだぜ。じゃあ料理作るから待っててくれ」

ドンカラス「ああ、なるべく早くしてくれ」
 ▼ 200 イムラー◆eBf168T742 18/07/30 00:12:36 ID:PxecMWII [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は買ってきた高級食材の数々でステーキ、フルーツ盛り、コンポート、スープなどの料理をさっと作った。

まぁ料理には少しばかり自信がある。

早速料理の数々をテーブルに運ぶ。

「よぉし!できたぜ!」

ドンカラス「ほう、今夜はいつにも増してごうせいだな」

「当たり前だろ。あれだけの高級食材を使ったんだ」

ヤミカラス「へへ、こんな豪華な料理久しぶりだぜ」

早速食べ始めるドンさんとヤミカラス
 ▼ 201 イムラー◆eBf168T742 18/07/30 00:17:55 ID:PxecMWII [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・どうだ?」

ヤミカラス「ま、まぁお前にしては悪くないんじゃないか」

ドンカラス「フン、いつものよりかはマシか」

「ドンさんたち相変わらず素直じゃないな」

ヤミカラス「う、うるせっ」

ドンカラス「フン、ほっとけ」

照れ隠しのつもりだろうか。

その後も俺の料理を食べてくれてるヤミカラスとドンさん。
 ▼ 202 イムラー◆eBf168T742 18/07/30 00:27:23 ID:PxecMWII [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
決して美味しいとか言ってるわけじゃない。

でも食べてるということはその料理が美味しいからなのだ。

俺はそんな二匹の姿を見れるだけでも嬉しかった。

ポケモンにこんな贅沢は勿体ないと思う人もいるだろうが俺は別に構わないと思ってる。

お互いに幸せならそれでいいじゃないか。

ちなみに自分でも食べてみたが、さすが高級食材を使っただけあって我ながら最高の料理だった。

そんな感じでその夜は楽しいひと時を過ごすことができた。

やっぱりドンさんたちと一緒の方がいいぜ。
 ▼ 203 イムラー◆eBf168T742 18/07/30 00:30:44 ID:PxecMWII [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次の日の朝〜

「それじゃあ行ってくるぜ」

ドンカラス「ああ」

ヤミカラス「お前ちゃんと仕事してこいよ」

「言われなくても分かってるぜ」

俺はいつも通り家を出て、ルイ博士に研究資料を売りに行った。

ルイ博士の研究所〜

ルイ博士「やぁおはようナルディ君!」
 ▼ 204 イムラー◆eBf168T742 18/07/30 00:35:32 ID:PxecMWII [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ルイ博士、おはようございます」

ルイ博士「またいい資料ができたんだね」

「ええ、とっておきのができましたので今日もこうして持ってきました」

ルイ博士「ほう、それは楽しみだ。ぜひ中でゆっくり見せてくれ」

「はい。もちろんです」

数時間後〜

ルイ博士「いやぁ今回のも素晴らしかったよ」

「ありがとうございます」
 ▼ 205 イムラー◆eBf168T742 18/07/30 00:44:19 ID:PxecMWII [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「またいいのができたらぜひ来てね」

「はい。もちろんです」

今回の取引も問題なく上手くいった。

もうルイ博士は俺のお得意さんでもある。

だがつくづくこうして徒歩で移動してるととつい不便さを感じてしまう。

今のこの帰り道だってそうだ。

それもそのはず、俺はもう30代で決して若くないのだ。

若いころみたいにいつでも体が素直に言うことを聞くとは限らない。
 ▼ 206 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 18:47:01 ID:ZU0E4oZA [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日は少し早めに更新します。


「こんな時に車があれば・・・」

少しお金にも余裕が出たとこだ。どこかに安く車が売ってないだろうか・・・

そう考えながらあたりを見回すがここは田舎。

見えるのは畑ばかり・・・

「そう都合よくあるわけないか」

そう諦め、しばらく行った時だった。

「・・・いつの間にこんなところに」
 ▼ 207 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 18:55:55 ID:ZU0E4oZA [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
道沿いに一つの小さなスクラップ場があったのだ。

無造作に高々と積まれた鉄くずの数々。

周りの景観に似つかないその様はまるで人類が築いた文明の”影”の部分を示してるかのようだ。

「いつこんなものが。そもそもこんな場所で経営が成り立つだろうか」

ふと見渡すとスクラップ場の片隅に黒塗りの車が置いてあった。

ただその車も全体的にボロボロで、鉄くず同然だ。

スクラップにされるに違いない。

置いてあるというより放置してあるという表現の方が正しいだろう。

 ▼ 208 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 19:04:18 ID:ZU0E4oZA [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ただ俺はそのボロボロの車に惹きつけられた。

というのもその黒塗りのセダンは死んだオヤジの車によく似ており、まるでオヤジの車そのものだったのだ。

角ばったそのデカいボディに丸い形のヘッドライト、間違いない、完全に古いアメ車そのものだ。

ちなみにアメ車とは俺の故郷アメリカの車の総称である。

吸い込まれるように見ていると

?「・・・お前さんもその車好きかい?」

「え?」

スクラップ場から一人のおじいさんが出てきた。
 ▼ 209 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 19:09:40 ID:ZU0E4oZA [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ah・・・who are you、じゃなかった!あの、あなたは?」

オーナー「ああ私か、私はこのスクラップ場の持ち主だ」

「じゃあすなわちここのオーナーですね」

オーナー「ああ。どうだ?その車なかなかいいだろう?」

「ええ。ついみとれてしまいました」

オーナー「その車は私が若いころにアメリカという地方で買ったんだ。アメリカに旅行に行った記念にとね」

「そうだったんですか」

やっぱり思った通りアメ車だった。
 ▼ 210 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 19:17:47 ID:ZU0E4oZA [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アメ車の特徴くらいは嫌というほど分かる。

オーナー「ところでお前さん、先ほど英語で話そうとしていたが、さてはアメリカ育ちだね」

「ええ仰る通りで、数年前にここに移り住んだんです」

オーナー「そうか。ここもなかなか悪くない場所だろ」

「はい。とても素敵な場所で」

オーナー「それは良かった。で、先ほどの車なんだが、もう長いこと乗ってたんだがついにある時エンジンがかからなくなってしまったんだ。もう寿命だったのかもしれん」

「そうですか、それでスクラップに」

オーナー「ああ、本当に気に入ってた車だけに残念だったよ」
 ▼ 211 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 19:25:22 ID:ZU0E4oZA [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうですよね・・・・」

オーナー「・・・お前さん、その車が気に入ったようだね」

「ええ、古いですけどそれが逆にいい味を出してて」

オーナー「良かったらその車、持ってくかい?」

「え!?」

俺は一瞬我が耳を疑った。

それもそうだ。あの車をくれると言ってくれたのだから。

傍から見ればただのガラクタかもしれんが、俺から見ればオヤジのような大切なものだ。

 ▼ 212 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 19:33:24 ID:ZU0E4oZA [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いいんですか!?」

オーナー「ああ。寿命かもしれんが、根気よく直せばひょっとしたらまだ生き返るかもしれん。それにスクラップなんかよりお前さんにもらってもらったほうがあの車も喜ぶだろう」

「ありがとうございます!」

オーナー「エンジンすらかからないから手で押していくようになるが、それでもいいかい?」

「ええ!大丈夫ですよ!」

オーナー「すまないな。できたらトラックとかで運んであげたいとこだが、うちもなかなか余裕はなくて、トラックなんて立派なモンはなくてね・・・」

「いえいえ、ところでこの鉄くずたちはどこから?」

オーナー「ああ、これは遠くの町から別のスクラップ屋が持ってきてくれるんだ。それで何とかワシも食っていけてるんだ」
 ▼ 213 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 19:38:15 ID:ZU0E4oZA [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうですか、大変なんですね」

オーナー「まぁね。できたらその車を直して使ってやってくれ」

「もちろんです」

オーナー「お前さんもいろいろ大変だろうが頑張ってな」

「はい。ありがとうございました!」

こうして俺はスクラップ場のおじいさんから一台の車を貰った。

おじいさんの心の温かさに触れながら。

ボロボロだがおじいさんの思いが詰まった一台の車を。
 ▼ 214 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 19:49:16 ID:ZU0E4oZA [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はぁ・・・はぁ・・・oh,my god・・・」

だがやっぱり車を手で押して帰るのは楽じゃなかった。

それでも約一時間後、ようやく家に着く。

「今帰ったぜ!」

いつも通りに呼びかけるとドンさんとヤミカラスが戻ってきた。

ヤミカラス「よぉ、今日も早いな」

「まぁ、今日も仕事が早く終わったからな」

ヤミカラス「うわ、というか何だよそのボロイ車」
 ▼ 215 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 23:31:43 ID:ZU0E4oZA [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「そんなものどこのゴミ捨て場で拾ってきたんだんだ?」

「いや拾ってきたんじゃないんだ。スクラップ場の人からもらったんだ」

まぁ拾ってきたというのもあらがち間違ってないが。

ヤミカラス「へっそれじゃ拾ったのと大して変わらないじゃないか」

ドンカラス「随分キサマも意地汚いやつだな」

「いいだろ。俺が何しようが」

ドンカラス「どうするんだそんなもの」

「もちろん直して乗るんだ。ちょうど車が欲しいと思ってたとこだからね」
 ▼ 216 メハダー@くっつきバリ 18/07/31 23:34:55 ID:Blp2ysIE NGネーム登録 NGID登録 報告
見てるで、支援
 ▼ 217 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 23:37:30 ID:ZU0E4oZA [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「お前直せんのかよ」

「大丈夫だ」

ドンカラス「できないくせに無謀なやつだな」

「あんまりそういうこと言うと車直っても乗せないぞ」

ドンカラス「キサマの直した車など危なくて乗れるか!」

ヤミカラス「走ってる途中でバラバラになるかもな!」

ドンカラス「まったくだ」

「まったく相変わらず好き放題言って、今に見てろ」
 ▼ 218 イムラー◆eBf168T742 18/07/31 23:53:53 ID:ZU0E4oZA [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は早速修理に取り掛かる。

昔オヤジが生きていた頃、よくオヤジの車を直していた。

お金に余裕がなくて修理に出せないオヤジの為に直してあげてたのだ。

だから整備工ではないが車を直すのはかなり得意だ。

ちなみに「ポケモンセンターを経営してるのだから金ぐらいあるだろ」と思われがちだが現実はそう甘くなかった。

維持費だけでも相当かかり、オヤジとのポケモンセンターはなかなか余裕がなかったのだ。

まぁそんな昔のことはもう置いといて、

「う〜ん、まずいな・・・」
 ▼ 219 イムラー◆eBf168T742 18/08/01 00:04:36 ID:73.kqjRE [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スクラップ場のおじいさんが「寿命だろう」と言っていただけあって車の状態は深刻だった。

ボディは所々塗装が剥げて錆びだらけ、エンジンやギヤ、ブレーキ、ハンドルといった主要な部分もボロボロだ。

途方もないくらいの部品を交換しなければならなかった。

さすがに心が折れそうになるが、「この車はオヤジでもあるんだ。直さねば!」
 
そう言って自らを奮い立てる。

そして先ほどのスクラップ場まで全速力で向かった。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

オーナー「ほう、これはこれは先ほどの」
 ▼ 220 イムラー◆eBf168T742 18/08/01 00:13:17 ID:73.kqjRE [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スクラップ場につくと早速さっきのオーナーのおじいさんが出てきた。

オーナー「おやおやどうしたんだい?ひどく形相変えて」

「あの、さっき頂いた車直してるんですが」

オーナー「ほう、早速直してくれてるとは、私も嬉しいよ」

「部品を交換しないといけないんですが部品がないんです。部品がないと直らないんです」

オーナー「ほう、それはそれは」

「なのでこのスクラップ場で使える部品を探してもいいでしょうか?」

オーナー「もちろんいいよ。お安い御用さ」
 ▼ 221 イムラー◆eBf168T742 18/08/01 00:18:40 ID:73.kqjRE [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「本当ですか?」

オーナー「ああ。お前さんが一生懸命直してくれてるのがよく分かる」

「ありがとうございます!」

オーナーのおじいさんは快く快諾してくれた。

オーナー「それじゃちょっと来てくれ。いいのがあるよ」

「はい」

おじいさんに導かれてスクラップ場の中を進むと

オーナー「ほらこれだ」

 ▼ 222 イムラー◆eBf168T742 18/08/01 00:28:09 ID:73.kqjRE [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「おおぉ!」

目の前にはたくさんのボロボロの車がうず高く山積みにされていた。

普通に見たらガラクタの山、ちょっと格好いい言い方をしても「文明が生んだ負の産物」と言ったとこだろう。

だが今の俺には宝の山と言える。

オーナー「全部スクラップ予定の車だ。この中から好きなだけ使えそうな部品を探して持っていくといい」

「ありがとうございます」

オーナー「だだし間違ってもケガのないよう気を付けてな」

「はい」
 ▼ 223 イムラー◆eBf168T742 18/08/01 00:38:43 ID:73.kqjRE [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
かくして俺は使えそうな部品を片っ端から探し、調達した。

数mmの小さなネジ一本に至るまで、それらすべてをリュックに詰めた・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「無事こうして部品の数々を見つけることができました。ありがとうございます」

オーナー「いやいや、こちらこそ力になれて嬉しいよ」

「おかげで車を直せそうです!」

オーナー「そうか、それは良かった。ぜひ生き返らせてくれ」

「はい。もちろんです!ありがとうございました!」

俺はそれらの挨拶を済ませると急いでスクラップ場を後にした。

 ▼ 224 イムラー◆eBf168T742 18/08/02 00:10:48 ID:04uYw0pw [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして家に着くと

ドンカラス「何だキサマ、どこ行ってたんだ?」

ヤミカラス「急に飛び出してどっか行ってたよな?」

「どこって、この車の部品調達しに行ってたんだよ」

ドンカラス「まだ諦めとらんのか。キサマも随分諦めが悪いやつだな」

「あいにく俺はこのぐらいじゃ諦められない性根なんでね」

ヤミカラス「てっきりお前諦めて逃げたのかと思ったぜ」

「・・・・このぐらいで俺が逃げるとでも思うか?」
 ▼ 225 イムラー◆eBf168T742 18/08/02 00:19:07 ID:04uYw0pw [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「うぅ・・・」

「悪いが、引き続き車の修理するから邪魔しないでくれ」

ヤミカラス「へっ、何だよ偉そうな口ききやがって」

偉そうな口をきいてるのはどっちなんだか・・・・

ヤミカラス「ボス、あっちの方でバトルしてましょう」

ドンカラス「そうだな。フン、まぁ気が済むまで無駄な努力をしてるがいい」

バサッバサッバサッ・・・・

そう言うとドンさんとヤミカラスは飛び去っていった。
 ▼ 226 イムラー◆eBf168T742 18/08/02 00:29:08 ID:04uYw0pw [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「まったくドンさんたちときたら・・・」

そう思いながらも早速修理の続きに取り掛かる。

必要な部品は全て揃ってる。

だがエンジンやギヤ、ボディを何度もバラしたり、組み立てたり、修理は難航を極めた。

両手だって油にまみれ、切り傷や擦り傷もいくつかつくった。

それでも数時間後〜

ギュルルンッ!ヴォォンッ!

何とエンジンがかかったのだ!

 ▼ 227 イムラー◆eBf168T742 18/08/02 00:35:14 ID:04uYw0pw [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
鉄くず同然だったあの状態からは自分でも考えられない。

「YES!YES!YES!かかったぜ!よっしゃあ!」

嬉しさから思わず一人でガッツポーズをした。

早速乗りこみ、クラッチを切ってギアを入れ、少しずつクラッチを繋ぎながらアクセルを吹かす。

すると

ヴオオオオオ・・・・

車は低い唸り声を上げながらゆっくり走り出したのだ。

「YES!YES!いいぞ!」
 ▼ 228 イムラー◆eBf168T742 18/08/02 00:45:12 ID:04uYw0pw [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さらにギアを一段、二段と上げながらアクセルを吹かすと車は軽快に走り出した。

ヴォォオオオオオオオオ!

「やった!やった!大成功だ!」

思わず無邪気な子供のように喜んだ。

すなわち俺はオヤジの化身とも言えるこの車を完全に復活させることができたのだ。

今はこうして家の近くの田舎道を時速50kmほどで走ってる程度だが、高速道路とかで100km以上で走ったらどれだけ爽快だろうか。

もう考えただけでワクワクする。

だがそんな速度で走ったらドンさんたちの言う通りバラバラになってしまうかもしれないな・・・いや!そんなことは考えないでおこう。
 ▼ 229 イムラー◆eBf168T742 18/08/02 00:54:01 ID:04uYw0pw [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キイッ!

ひと通り走った後、車を家の前の元の場所に止める。

そして仕上げに錆びだらけのボディを塗料で黒く塗り直した。

すると車はすっかり新車のようにピカピカによみがえった。

いや新車まではいかなくても、俺の中ではそれに近いくらいの最高のできだ。

「黒塗りの高級感漂うセダンのクラシックカー」

そんな言葉が似合う一台だ。

「おーい!ドンさん!ヤミカラス!」

 ▼ 230 イムラー◆eBf168T742 18/08/02 23:43:39 ID:04uYw0pw [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
早速ドンさんたちを呼ぶ。

ドンカラス、ヤミカラス「何だ?」バサバサッ

「見てくれ。車はこの通りすっかり直ったぜ!」

ヤミカラス「うわ!随分ピカピカの高そうな車じゃねぇか。あの鉄くずがこんなになったのか?」

「そうだ。あの鉄くずから直したんだ」

ドンカラス「うまいこと言ってキサマ、本当は盗んで来たんじゃないのか?」

「おいおいドンさん、俺がそんなことするわけないだろ。そんなことしてたら今頃警察署だぜ」

ドンカラス「おおそうだったか。まぁ大体キサマのようなお人好しがそんなことできるわけないだろうな」
 ▼ 231 イムラー◆eBf168T742 18/08/02 23:52:23 ID:04uYw0pw [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「大体お前のような奴がこんな高そうな車買えるわけもないか」

「何だよそれ・・・」

ヤミカラス「でもそれ、動くのかよ」

ドンカラス「見かけだけ良くても動かなかったら何の意味もないぞ」

ヤミカラス「へっ、それだったら単なる見掛け倒しだな」

また始まったか・・・いつもの減らず口。だがそんなの気にせず

「もちろん動くぜ。見ててくれ」

ギュルルンッ!ヴォォンッ!
 ▼ 232 イムラー◆eBf168T742 18/08/02 23:57:21 ID:04uYw0pw [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まずはエンジンを掛けてみせた。

ヤミカラス「おお!エンジンがかかったぞ!」

ドンカラス「まさかあの鉄くずのエンジンがかかるとはな」

嫌味混じりのリアクションってとこか。まぁいい

次に俺は乗りこみ、家の前の道を軽快に走って見せた。

ヴォォオオオオオオオオ!

黒い排気ガスをまき散らしながらではあるが、なかなか好調だ。

ヤミカラス「おお!あの鉄くずが走ってるぜ!」
 ▼ 233 イムラー◆eBf168T742 18/08/03 00:07:24 ID:G3h.phbE [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「これは驚いたな。まさかこんな奴がこんなにも直せるとはな」

そしてしばらく走った後、Uターンして元の場所に戻った。

キイッ!

「どうだ?なかなかいい車だろ?」

ドンカラス「ああ。まさかキサマに車を直せる能力があるなんてな」

ヤミカラス「悔しいけど、ちょっと羨ましいぜ」

「まぁ、よく死んだオヤジの車直してたからね」

ドンカラス「それにしてもこんな車。全くキサマにはもったいないくらいだ」
 ▼ 234 イムラー◆eBf168T742 18/08/03 00:19:24 ID:G3h.phbE [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「まぁ、ね」

ドンカラス「ワシが欲しいくらいだ」

ヤミカラス「それいいですね!こういう黒塗りの高そうな車、ボスにはお似合いですよ!」

ドンカラス「ほう、そうか!」

ヤミカラス「もちろんですよ!やっぱりボスじゃないと!」

ヤミカラスに持ち上げられたドンさんは「カァーッカッカッカッ」とご機嫌そうに甲高い声で鳴いた。

こんなにご機嫌なドンさんは久しぶりだ。

だが俺は痛い所を突いてみせた。





 ▼ 235 イムラー◆eBf168T742 18/08/03 00:28:30 ID:G3h.phbE [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「でもドンさん、車運転できるのか?」

ドンカラス「う・・・・」

俺がそう聞いた瞬間先ほどまでの甲高い鳴き声はピタリと止んだ。

もちろん鳥ポケモンのドンさんに車の運転は無理なのぐらい知ってる。

だが俺はあえて聞いてみる。

「・・・車の運転の仕方、分かるのか?」

ドンカラス「フン!車の運転ぐらい!ワシだってやろうと思えば朝飯前だ!」

相変わらず強がりのドンさん。
 ▼ 236 イムラー◆eBf168T742 18/08/03 00:41:09 ID:G3h.phbE [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・本当か?」

ドンカラス「当たり前だ。ワシを甘く見るなよ」

ヤミカラス「言っとくけどな!ボスにできないことはないんだぞ!」

「・・・悪いけど、俺はドンさんには無理だと思うな」

ドンカラス「何だと?」

「何故なら車の運転にはペダルとハンドルの操作が必要だが、まずドンさんの短い足じゃあペダルには到底届きそうもない。それにドンさんの翼は俺たち人間でいう腕の部分に当たるが、空を飛ぶには使えても人間ほど手先が器用だとは思えない。だから総じて鳥ポケモンのドンさんには無理だと思う。悪いが」

すると

ドンカラス「キサマ黙ってればさっきからワシを鳥だとバカにしおって!!」
 ▼ 237 イムラー◆eBf168T742 18/08/04 00:08:11 ID:eALYFTnc [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンさんは翼を広げ、俺に襲い掛かってこようとした。

ヤミカラス「おいお前ボスに何てこと言うんだよ!」

「お、おい待ってくれ!決してそんなつもりじゃないんだ!」

ドンカラス「黙れ!」

「ドンさんすまない!俺が悪かった!確かに言い方が悪かった!すまない!」

ドンカラス「フン!人のことナメおって!」

ドンさんは機嫌を損ねてしまった。

とりあえず何とかしなきゃな。
 ▼ 238 イムラー◆eBf168T742 18/08/04 00:16:49 ID:eALYFTnc [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あっそうだ!この道をずっと行くと海岸があるだろ?」

そう。遠いがこの田舎には海岸もあるのだ。

ただ歩きではさすがに遠くてまだまともに行ったことはない。

ドンカラス「・・・それがどうした?」

まだ半ば不機嫌そうなドンさん。

ヤミカラス「ああ、確かにあるぜ。それが?」

「せっかく天気も良いしこうして車もある。海岸までドライブに行ってみないか?」

ドンカラス「ドライブって、キサマの車でか?」
 ▼ 239 イムラー◆eBf168T742 18/08/04 00:21:19 ID:eALYFTnc [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうだ」

ドンカラス「断る!」

ヤミカラス「俺もやだな!」

「何故だよ。気分も晴れるぜ?」

ドンカラス「走ってる途中でバラバラになったら、かなわんからな」

「そんな大丈夫だぜ。俺が直したんだから」

ヤミカラス「お前が直したから信用できねぇんだよ」

「また・・・何だよそれ・・・」
 ▼ 240 イムラー◆eBf168T742 18/08/04 00:30:03 ID:eALYFTnc [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「それともその海岸までワシらとキサマの車で勝負するのはどうだ?」

「勝負って」

ヤミカラス「どっちが早いかの競争に決まってるだろ」

「それって時速100km以上のスピードでか?」

ヤミカラス「決まってるだろ。お前も疎いな」

ドンカラス「まぁ200km以上は出るかもな」

「いやいやそれはやめておこうぜ。いくらここは田舎で人も車も警察もいないとはいえ、危険すぎる」

この田舎道は都会の道路と違ってきちんと舗装されているわけでもなく道幅もさほど広くない。
 ▼ 241 イムラー◆eBf168T742 18/08/04 00:37:33 ID:eALYFTnc [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな道で100km以上出すなんて正直考えられない。

クラッシュしたら命の保証はないだろう。

それにドンさんたちの言う通り、この車だって走行中にバラバラになる危険だってあるかもしれない・・・

障害物の少ない空を飛ぶドンさんたちよりも断然こっちの方が不利だし危険だ。

「命の保証もないし何かあってからじゃ遅い」

すると

ドンカラス「何だ?キサマ怖いのか?」

ヤミカラス「お前結構臆病なんだな」
 ▼ 242 イムラー◆eBf168T742 18/08/04 00:44:16 ID:eALYFTnc [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっぱりドンさんたちは挑発してきた。

流石にそこまでされて黙ってる俺ではない。

「よぉし分かった!海岸まで競争しようじゃないか」

俺の中でリスクよりプライドが勝った。

ヤミカラス「そうこなくっちゃな!」

ドンカラス「よし早速行くぞ!」

バササッ!バサッバサッ!・・・ドギューンッ!!

ドンさんたちは一呼吸整えると、ロケットスタートの如く猛烈な速さで飛び去った。

 ▼ 243 イムラー◆eBf168T742 18/08/04 00:55:42 ID:eALYFTnc [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴッドバードや辻斬りといった複数の空中技を応用してうまく滑空するのに取り入れてるのだろう。

いつ見ても見事だ。

だが俺だって負けてられない。

ギュルルンッ!キイイイッ!!

車に飛び乗り、エンジンを掛け一気にアクセルを吹かしてタイヤを鳴らしながらロケットスタートを決めた。

一瞬タイヤのゴムの焼けた臭いが鼻をつく。

ゴオオオオオオオオオオォ!!

さらにギアを上げながらアクセルを吹かす。
 ▼ 244 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/04 20:24:59 ID:eALYFTnc [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっと酉変えました。


スピードメーターを見るとすでに時速100kmを超えていた。

高速道路でもないこの道でこのスピードを出すのはなかなかの恐怖だ。

頼む!持ちこたえてくれ!

そう祈りながらハンドルを握る。

だが前方を飛ぶドンさんたちとの距離は100メートル近くあった。

ヤミカラス「ボス!来ましたよ!」

ドンカラス「来たか。フン、だがこのぐらい想定内だ。行くぞ!」

ヤミカラス「はい!」
 ▼ 245 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/04 23:55:40 ID:eALYFTnc [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてドンさんたちはさらにスピードを上げ、俺との距離を広げていき、最終的には視界から見えなくなってしまった。

「やっぱりドンさんたちにはかなわないか・・・」

俺は競争するのをあきらめ、スピードを50km以下に落とした。

かなわないと分かった以上、張りあっても仕方ない。

俺は自分のペースで行くことにした。

「まぁドンさんたちは先に行っているだろう」

だがしばらく走っていると

「んん?」
 ▼ 246 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/05 00:01:37 ID:GlgA6kHc [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
前方に何やら物体が2つあった。

「何だあれ・・・」

さらに速度を落としてゆっくり近づいてみるとそれはドンさんたちだった。

先に海岸に着いてると思っていたドンさんたちが道の真ん中で羽を広げながら休んでいたのだ。

「何故こんなとこに・・・」

ドンカラス、ヤミカラス「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

それにしても呼吸が荒い。

キイッ!
 ▼ 247 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/05 01:02:18 ID:GlgA6kHc [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何かあったに違いないな」

俺は車を止めるとドンさんたちに駆けよった。

「おいドンさんたち大丈夫か!どうしたんだ!」

ドンカラス「はぁ、はぁ、何だ、キサマか。何の用だ」

「何って、ドンさんたちが道の真ん中で苦しそうにしてるのを見たから様子を見にきたんだ」

ドンカラス「何だそんなことか・・・フン、なぁに、ちょっと疲れただけだ」

ヤミカラス「俺もだ。ちょっと飛ばしすぎたな」

疲れただけと知り、ちょっとホッとした。
 ▼ 248 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/05 01:08:16 ID:GlgA6kHc [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何だ。良かった・・・」

ドンカラス「キサマ、良かったとは何だ!」

ヤミカラス「ちっともいいわけないだろ」

「いや、すまない。そういうわけじゃないんだ」

ドンカラス「じゃあ何だ」

「苦しそうに休んでるドンさんたちの姿をみて何かあったと本当に心配になったんだ。だから」

ドンカラス「フン、余計なお世話だ」

ヤミカラス「お前に心配されなくたって平気だよ」
 ▼ 249 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/05 01:15:52 ID:GlgA6kHc [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いつものように憎まれ口を叩くあたり大丈夫そうか。

それにしてもあれだけ序盤から飛ばせば疲れるのは当然だろう。

「そうか。でもあまり無理しないほうがいいぜ。飛ぶのは結構体力がいるんだろ?」

ドンカラス「フン、このぐらい平気だ」

ヤミカラス「このぐらいじゃ俺たちはへこたれねぇよ」

いつものように強がるドンさんたち。

「でも海まではまだまだあるぜ。そこまで飛んでいける体力あるか?」

ドンカラス、ヤミカラス「うぅ・・・」
 ▼ 250 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/06 00:22:42 ID:db3MYjOs [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンさんたちは言葉に詰まった。

本気で空を飛んで体力を使い果たしたのは明らかだ。

「・・・完全に体力使い果たしたんだろう?違うか?」

ヤミカラス「うるさい!」

ドンカラス「おいキサマあんまり勝手なこというと!」

「俺の車に乗りなよ。その状態じゃまともに飛ぶのは無理だろ」

ドンカラス「フン、キサマの世話になる筋合いはないぞ」

ヤミカラス「誰がお前なんかの」
 ▼ 251 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/06 00:28:33 ID:db3MYjOs [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
意地を張るドンさんたち。

「・・・分かった。じゃあ俺は車で先に行ってるから」

俺はあえて冷たくあしらってみた。

すると

ドンカラス「・・・キサマ、ワシらを置き去りにする気か?」

「だってさっき世話にはならないと」

ドンカラス「だがワシらを置いて先に行っていいとは言っとらんぞ」

ヤミカラス「お前この状況見て分からねぇのかよ」
 ▼ 252 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/06 00:39:59 ID:db3MYjOs [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「キサマワシらを置いて先に行ってみろ。後でどうなっても知らんぞ?」

またドンさんは俺を睨み、脅しをかけてきた。

(じゃあどうして欲しいんだ・・・)

世話にならないとか意地張ってるやっぱり乗せてって欲しいのかもしれない。

相変わらず素直じゃないドンさんたち。

「じゃあ分かったこうしよう。これだけの距離を飛んで移動するのは大変だ。だが俺が行きも帰りもドンさんたちを乗せてく。その方がドンさんたちも楽だろ?」

ドンカラス、ヤミカラス「・・・・」

「それに海に着くまでの間体力を温存して、海に着いたら海岸で潮風に当たりながらバトルの練習をしたりするのはどうだ?いつもとはまた違って気分が晴れていいと思うぜ」
 ▼ 253 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/06 00:49:13 ID:db3MYjOs [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「まぁ、違った環境でバトルするのも悪くないか」

ヤミカラス「そうですね。いろんな環境でのバトルに慣れた方が」

「それにヘトヘトになっても帰りは俺の車に揺られながら帰れる。どうだ?総じて悪くない話だと思うんだが」

ドンカラス「だがキサマの運転なんかで大丈夫なのか?」

「その点は大丈夫だ。俺は昔から運転も得意だ」

ヤミカラス「お前の運転が大丈夫でも車の方が大丈夫なのかよ」

「車だって大丈夫だ。現にこうして猛スピードで走ったって平気なんだから」

ヤミカラス「なるほど。まぁお前の言うことも一理あるか」
 ▼ 254 グマッグ@メトロノーム 18/08/07 17:36:48 ID:GYxshrSs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 255 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 00:59:55 ID:kPqEdPUA [1/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「そうだな。たまにはキサマの世話になるのも悪くないか」

「そうだろ」

ヤミカラス「その代わりお前、安全運転で行けよ」

ドンカラス「間違っても下手な運転はするなよ。キサマはワシらの命を運ぶんだからな」

「もちろん分かってるぜ!それじゃ乗ってくれ」

ヤミカラス「ボスお先にどうぞ」

ドンカラス「おお、そうか」

ドンさんたちを車に乗せると海に向かって車を走らせた。
 ▼ 256 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 01:04:31 ID:kPqEdPUA [2/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
道中〜

「どうだ?暑くないか?」

ドンカラス「ちょうどいいとこだ」

ヤミカラス「俺もだ」

「窓開けるか?いい風が入って来るぜ」

ドンカラス「そうだな」

窓を開けると車の中になかなk心地いい風が入ってきた。

「・・・どうだ?俺の車は」
 ▼ 257 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 01:13:56 ID:kPqEdPUA [3/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「まぁ乗り心地は思ったほど悪くないな」

ヤミカラス「確かにクッションはなかなかいいな」

「そうか。なら良かった」

ちなみにドンさんは助手席、ヤミカラスは後部座席という配置にいる。

「なぁドンさんたち、シートベルトした方がいいぜ。万が一の時危ないぜ」

ドンカラス「フン、シートベルトなんて窮屈なモンしてられるか!」

ヤミカラス「全くですよ。あんな身動きがとれないもの」

まぁ、ドンさんたちはモンスターボールでさえ「窮屈だ」と入りたがらないくらいだからな・・・
 ▼ 258 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 01:21:21 ID:kPqEdPUA [4/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「事故った時どうなっても知らないぜ」

するとこれにすかさずドンさんが反応する。

ドンカラス「おいキサマ、今のは聞き捨てならんぞ」

「え?」

ドンカラス「キサマさっきも言ったはずだぞ!下手な運転はするなと。ワシらの命を運んでるんだからな!」

ヤミカラス「俺も安全運転で行けって言っただろ」

出た・・・ちょっと言うとすぐこれだ。

「すまない俺が悪かったぜ。絶対に事故らないように運転するからさ」
 ▼ 259 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 01:30:18 ID:kPqEdPUA [5/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「間違っても気を抜くなよ」

ヤミカラス「お前には俺たち二匹の命がかかってるんだからな。忘れるんじゃないぞ」

ドンカラス「まぁキサマはどうなっても構わんが、間違ってもワシらが巻き込まれるのは御免だからな!」

「ああ分かってるぜ」

全く相変わらず言ってくれるぜ・・・

だがこんなのはもう慣れた。

どっちにしろこれがドンさんたちの特徴でもあるからな・・・

「でも、俺結構楽しいぜ。こうやってドンさんたちとドライブできてさ」
 ▼ 260 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 01:42:35 ID:kPqEdPUA [6/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「そうか。キサマは楽しいか」

「ドンさんもなかなか楽しいだろ?こうやって地上を風を切って走るのもさ」

ドンカラス「フン、まぁ・・・楽しいわけじゃないが、たまにはこうして地上を疾走するのも悪くないか」

ドンさんは俺と目を合わせず、どこか照れくさそうにそう言った。

強がってるというか、素直じゃないというか、そんなとこも相変わらずか。

「ヤミカラスはどうだ?」

ヤミカラス「まぁ俺にとっては地上を駆け抜けるのは新鮮でこれまたスリルだな」

こうして見るとドンさんよりヤミカラスの方がちょっと素直かもしれないな。
 ▼ 261 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 20:30:43 ID:kPqEdPUA [7/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「まぁキサマは車に乗るのは初めてだろうな」

ヤミカラス「ボスは初めてじゃないんですか?」

ドンカラス「ああ。ワシは何度か走っているトラックの荷台に飛び乗ったことがあるからな」

ヤミカラス「それってそのトラックが食い物を積んでたからですか?」

ドンカラス「そうだ。食い物は手に入れられる時に手に入れんとな。ほかになにがある」

ヤミカラス「さすがボス。俺はまだそこまでできませんよ」

ドンカラス「フン、キサマとは経験が違うからな。言っとくがこれもなかなか命がけだ」

ヤミカラス「そりゃあそうですよ。相手は何十キロもののスピードで走ってるんですから」

 ▼ 262 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 20:40:53 ID:kPqEdPUA [8/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「ところでキサマ、あとどのぐらいで着きそうだ?」

「この分だと早くても1時間はかかりそうだな」

ヤミカラス「まだそんなにかかんのかよ」

ドンカラス「おいキサマもっとスピード上げろ」

「無茶言わないでくれ。こんな道でこれ以上出したら危ないぜ」

すると後部座席のヤミカラスがスピードメーターを覗きこみ

ヤミカラス「何だよ!まだ60キロぐらいしか出てないじゃねぇか!もっと出せよ!」

「だから安全運転してるからこれ以上スピード出せないんだ!大体安全運転で行けって言ったのはドンさんたちだろ!」
 ▼ 263 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 20:55:38 ID:kPqEdPUA [9/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「何だキサマ、口答えする気か?」

「もう・・・・」

下手な運転するなとか言っておきながら、ドンさんたちはめちゃくちゃだった。

ヤミカラス「確かに安全運転でって言ったけどよ、もう少しスピード出せるだろ?」

「だからその安全運転で行くにはこれ以上スピード出すわけにいかないんだよ。死にたくないだろ?ドンさん、ヤミカラス」

ヤミカラス「な、何だよ今度は脅しかよ」

ドンカラス「ほう、貴様ワシらを脅すとはいい度胸だな」

「だから違うんだ。急いだって事故起こしちゃったら何にもなんないだろ。俺は車を運転する立場として一緒に乗ってるドンさんたちを危険な目に合わすわけにいかないんだ。ドンさんだって言ったじゃないか。俺はドンさんたちの命を預かってると」
 ▼ 264 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 21:03:13 ID:kPqEdPUA [10/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「ま、まぁ、そんなことも言ったような」

「だから頼む。分かってくれ・・・」

ドンカラス「・・・フン、まぁいい。焦ったらが休まらんからな」

ヤミカラス「・・・そうですね。まだ時間もあるし。おい、運転はお前に任せたぞ。ちゃんと運転しろよ」

「ああ、分かってるぜ」

口ではそんなことを言ってるが俺にはちゃんと分かっている。

ドンさんたちがさっき俺が言ったことを理解してくれたことを。

約1時間後〜
 ▼ 265 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 21:26:40 ID:kPqEdPUA [11/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ようやく海に着いた。

照りつける太陽、焼けた砂浜、爽やかな潮風、やっぱり海はいつ来てもいい。

空では数匹のキャモメが鳴きながら飛び交っている。

「着いたぜドンさんたち」

俺は早速ドンさんたちを降ろす。

ドンカラス「ほう、なかなか海も悪くないな」

ヤミカラス「思ったより風も心地いいぜ」

「そうだろ。それでどうだ?体力は回復したか?」
 ▼ 266 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 22:01:26 ID:kPqEdPUA [12/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン、そんなのとっくに回復したに決まってるだろ」

ヤミカラス「俺もバッチリだぜ」

「なら良かった」

ヤミカラス「ボス、早速バトルしませんか?」

ドンカラス「ほう、キサマからバトルを挑んでくるとはな」

ヤミカラス「ええ、いつまでもボスに負けてられませんよ!」

ドンカラス「よし!なら来い!」

ヤミカラス「はい!」
 ▼ 267 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 22:08:01 ID:kPqEdPUA [13/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バサッバサッバサッバサッ

ドンさんたちは飛び立ち

ドンカラス「行くぞ!ゴッドバード!」ゴオオオッ!

ヤミカラス「つじぎり!」ゴオオオッ!

砂浜の上空で白熱した空中バトルが展開された。

響き渡る風切り音がそれを物語る。

ドンカラス「どうした!その程度か!」

ヤミカラス「いえ!まだまだ!」

 ▼ 268 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 22:19:55 ID:kPqEdPUA [14/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は潮風に当たりながらそのバトルを見守り続けた。

やっぱり海越しに見るドンさんたちのバトルはいつもとひと味もふた味も違う。

その後も白熱したバトルは続いた。

数時間後〜

すっかり夕方になり、夕日は海の水平線の彼方に沈みかけている。

ドンカラス「よし、今日はここまでにするか」

ヤミカラス「そう、ですね・・・はぁ、はぁ」

ドンさんはつかれた素振りなど見せず余裕の表情だが、ヤミカラスはすっかり疲れ切っている様子だった。
 ▼ 269 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 22:33:10 ID:kPqEdPUA [15/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これが実力の差といったとこか。

それにしても海の夕日をバックにドンさんたちの影がこれまた映える。

写真に収めたいとこだがカメラを家に置いてきてしまったのが残念だ。

「お〜い!ドンさんたち!そろそろ帰ろうぜ!」

いつもの感じでドンさんたちを呼ぶ。

ドンカラス「おお、もうこんな時間か」

ヤミカラス「そう・・・ですね・・・はぁ、はぁ」

ドンカラス「何だ?キサマこのぐらいでへたばるのか?」
 ▼ 270 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 22:37:46 ID:kPqEdPUA [16/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「もう・・・限界ですよボス」

ドンカラス「フン、まったく情けん奴だな。このぐらいで根を上げるとは」

ヤミカラス「すいません・・・でもボスは平気なんですか?」

ドンカラス「当たり前だ。ワシを何だと思っとる」

ヤミカラス「さすがボス、違いますね」

ドンカラス「フン、何を今更。帰るぞ!」

ヤミカラス「はい」

バサッバサッバサッバサッ
 ▼ 271 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 22:49:04 ID:kPqEdPUA [17/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少ししてドンさんたちは俺の呼びかけに応じて飛んできた。

だが車のそばまで飛んで来ると何故かじっとしていた。

ドンカラス、ヤミカラス「・・・・」

(・・・何でじっとしてるんだ?車に乗らないのか?帰りたくないのか?)

少し不思議に思い、聞いてみる。

「・・・ドンさんたち、どうしたんだ?」

すると

ドンカラス「・・・おいキサマ、早くドアを開けろ!」
 ▼ 272 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 23:12:24 ID:kPqEdPUA [18/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「何ボーっとしてんだよ!乗れないだろ!」

「え?」

俺は思わずあっけに取られた。

「ドアの開け方、知らないのか?」

ヤミカラス「へっ!そんなの俺でも知ってるに決まってるだろ!」

ドンカラス「貴様ワシらを何だと思ってるんだ!」

「じゃあ、どうして?」

ヤミカラス「本当だったら自分でドア開けて乗り降りしたいとこだぜ」
 ▼ 273 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 23:20:53 ID:kPqEdPUA [19/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「だがワシらはキサマら人間ほど手先が器用ではない!だからうまくドアを開けられないんだ!」

「そ、そうか」

そう。さっきじっとしていたのは自分じゃドアを開けられないから俺に開けてもらうのを待っていたからなのだ。

ドンカラス「フン、まったくワシにこんな事言わせおって!」

ヤミカラス「お前ちょっと考えりゃ分かんだろ」

ドンカラス「キサマはこんな事も分からんのか」

考えてみりゃそりゃそうか。

行きと着いた時は俺がドアを開け閉めしてたから気づかなかった。
 ▼ 274 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 23:29:20 ID:kPqEdPUA [20/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「すまない」

ヤミカラス「お前、俺らが開けられないの知っててわざと開けなかったんだろ?」

ドンカラス「もしそうだとしたら。キサマ分かってるな?」

「いやそういうわけじゃないんだ!本当に知らなかったんだ!すまない!」

ドンカラス「フン、まぁいい。今回は勘弁してやるか」

ヤミカラス「そうですね。おいお前、次こういう事があったらただじゃ済まないぞ」

「ああ」

もはや濡れ衣か・・・まぁいい。
 ▼ 275 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 23:37:33 ID:kPqEdPUA [21/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「いいから早く開けろ」

「ああ。すまない」

俺はドアを開け、ドンさんたちを乗せると帰路につくべく車を走らせた。

ちなみにドンさんたちは車に乗る時は羽ばたかずにジャンプして飛び乗る。

ちょっとした段差ならジャンプして乗り越えられるのだ。

それに羽を広げるとヤミカラスは1m近くあり、ドンさんに至っては2mほどある。

そもそも羽ばたいて車に乗るのは無理か。

道中〜
 ▼ 276 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/08 23:50:05 ID:kPqEdPUA [22/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>270
訂正:ドンカラス「フン、まったく情けん奴だな。このぐらいで音を上げるとは」


ヤミカラス「いいよなお前ら人間は。手先が器用でよ」

ドンカラス「全く、ワシももう少し手先が器用ならばな」

「仕方ないだろ。俺たち人間は指が5本あってそれぞれ自由に動かせるが、ドンさんたちの翼はそうもいかないんだからさ」

こればかりは種族が異なる以上仕方ない。

バサッ!

ドンさんは右の翼を広げた。

そして自分の右の翼を見つめながら

ドンカラス「全く、ワシのこの自慢の翼も、手先の器用さではキサマら人間にはかなわないとはな・・・」
 ▼ 277 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/09 00:02:44 ID:lg22NhPA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ドンさん・・・・」

ドンさんのその姿は俺にはどこか少し悲しそうにも見えた。

「まぁ気持ちは分かるけどさ・・・」

ドンカラス「フン、別にキサマに同情など求めとらん」

「いや、そういうわけじゃなくて、こればかりはどうしようもないぜ。俺とドンさんたちじゃ種族も全く違うんだからさ」

ドンカラス「そんなのは言われんでも分かってる」

逆に俺にはドンさんの美しくて大きくてたくましい翼が羨ましいと思う時さえあった。

そのえんじ色と紺色のコントラストはいつ見ても見事だ。
 ▼ 278 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/11 00:43:02 ID:5jGQX8qk [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「でもな、ドンさんたちは空を自由に飛べるし強力な技だって持ってる。その点俺は飛べないし強力な技だって持ってない。だが俺はこうしてドンさんたちポケモンの言葉が分かる」

ドンカラス「・・・キサマ何が言いたい?」

「種族は違っても皆必ず得意不得意は持ってるんだ。皆違って皆いい。俺はそれでいいと思うぜ」

ドンカラス「ほう・・・まぁキサマの言うことも一理あるかもな」

ヤミカラス「お前にしては珍しくまともなこと言うじゃないか」

「俺だって言う時は言うぜ。だからドンさん、もっと自信もってさ。いつものドンさんらしくないぜ」

ヤミカラス「そうですよボス」

ドンカラス「フン、ほっとけ。余計なお世話だ。ワシはいつだって自信に満ち溢れとるぞ!」
 ▼ 279 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/11 00:51:06 ID:5jGQX8qk [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それを聞いていつも通りのドンさんだと少し安心した。

「ああそうだったな。それでこそいつものドンさんだぜ」

ドンカラス「フン・・・」

俺がそう言うとドンさんはそっぽを向いた。

何だかんだ言っても俺はいつも通りのドンさんたちがいいぜ・・・

そのまま俺たちは車から海の彼方に沈む夕日を眺めながら海沿いの道を走り、帰路についた。

その後も〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・「今日もなかなかいい天気だぜ。どこか行かないか?」
 ▼ 280 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/11 00:58:15 ID:5jGQX8qk [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「そうだな、前回は海に行ったから今日は山の高原でバトルするのはどうだ?」

ヤミカラス「えぇ、山はちょっと・・・・」

ドンカラス「何だ?ワシの言うことに不満か?」

ヤミカラス「い、いえそんな!全然ないです!はい!」

ドンカラス「ならいい」

ヤミカラス「でも山まで行くのはちょっと遠くないですか?」

「ヤミカラス、忘れたのかな?」

俺は少し不敵な笑みを浮かべながら言う。
 ▼ 281 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/11 01:04:46 ID:5jGQX8qk [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「な、何だよお前、何を忘れたってんだよ」

「車のことを」

ヤミカラス「んん?ああそうだ!お前車持ってんだったな!」

ドンカラス「何だキサマ、そんなことも忘れてたのか?」

ヤミカラス「すいません。車乗るなんて前に海に行った時以来なので」

「ヤミカラスって意外と忘れっぽい部分もあんだな」

ヤミカラス「うるせぇ!お前なんかに言われたくねぇよ」

「ああすまない。俺が悪かった。まぁそう怒んないでくれ」
 ▼ 282 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/11 01:12:02 ID:5jGQX8qk [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「フンッ!」

「俺の車で行けば山なんてあっという間だぜ。それに山の高原はここより涼しいぜ。涼しい中バトルするのも悪くないと思うぜ」

ドンカラス「それにいつも同じ環境じゃバトルは強くなれんぞ」

ヤミカラス「・・・それもそうですね!山なら緑もいっぱいあるし」

ドンカラス「よし!そうと決まったら早速行くぞ!」

ヤミカラス「はい!」

「ああ!」

ドンカラス「キサマ分かってるな?」
 ▼ 283 ーダイル@けむりだま 18/08/11 04:49:42 ID:qZjoGuWE NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 284 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/12 00:53:23 ID:v1tUcDXA [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ああ。車の方は任せてくれ!」

ドンカラス「ようし。そうと決まったら早速山まで乗せていけ」

ヤミカラス「お前安全運転だからな」

「もちろん分かってるぜ!」・・・・・

そしてまたある時は・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・キイッ!

「ルイ博士、おはようございます」

ルイ博士「やぁナルディ君おはよう。おや!なかなかいい車じゃないか〜」
 ▼ 285 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/12 01:03:54 ID:v1tUcDXA [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いえ、恐れ入ります」

ルイ博士「どうしたんだい?」

「ちょっとクラシックカーのお店で買いました」

ルイ博士「そうか!いやぁなかなか高級感溢れるクラシックカーだね。またこの黒塗りのボディがいい味出してて。私も若いころこのような車に憧れたのだよ」

「そう言って頂けて光栄です」

ルイ博士「高かったろう?」

「いえ、もう車自体も古いからということで安く買えました」

まぁ本当はスクラップ場で拾ってきたよいうなもんなんだが、そんなことは言えるはずもない。
 ▼ 286 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/12 01:11:28 ID:v1tUcDXA [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「そうか。いやぁこれだけのクラシックカーが安く買えたというのは奇跡だよ。これから先プレミアが付いて高くなるに違いないからね」

「本当ですか?」

ルイ博士「間違いない。今マニアの間ではクラシックカーは高く取引されてるくらいだからね。是非私が欲しいぐらいだ。大切に乗ってくれナルディ君」

「はい。もちろんです」

ルイ博士「それで今回も新しい資料かい?」

「はい。とっておきのものを持ってきました」

ルイ博士「どのような内容だい?」

「はい。今度のはポケモンの起源を紐解くヒントになるかもしれない内容です」

 ▼ 287 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/12 01:18:58 ID:v1tUcDXA [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「ほう!それまたすごいな!」

「ええ。車のおかげでより行動範囲も広がって研究もはかどりましたので」

ルイ博士「なるほど。まぁこの田舎じゃ都会と違ってバスもタクシーもないから自分の足だけじゃ限界があるからね」

「はい」

ルイ博士「いずれにせよとても興味深い。是非中でゆっくり見せてくれ」

「はい。もちろんです」

数時間後〜

ルイ博士「いやぁ素晴らしい資料だ!大発見だよナルディ君!」
 ▼ 288 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/12 01:30:13 ID:v1tUcDXA [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「本当ですか!?」

ルイ博士「ああ!私も全く知らなかった新事実だからね。これはポケモン学会も驚くよ!こんな貴重な資料を持ってきてくれるなんて。ナルディ君には感謝の気持ちでいっぱいだよ」

「いえいえ、こちらこそ博士にお喜び頂いた上に、こんなに高く買って頂けるなんて」

ルイ博士「すまないねぇ。本当はもっとあげたいところだが今は私も研究費がかさんで余裕がなくてね」

「いえいえ私には十分すぎるくらいです。ありがとうございます!」

ルイ博士「そうか。そう言ってくれると私も嬉しいよ。それじゃまた新しい資料ができたら是非持ってきてくれ!」

「はいもちろんです。真っ先に博士のところに持ってきますよ!」

ルイ博士「楽しみにしているよ」
 ▼ 289 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 01:16:54 ID:9C6.ntmM [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい!ありがとうございました!・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

とまぁ車でドンさんたちと出かけたり、博士のところに資料を売りに行ったり、今まで遠くて行けなかったところに研究調査に出向いたりと平凡ながら充実した日々を送った。

だがある日の朝〜

ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!

突如けたたましいアラーム音が家いっぱいに鳴り響く。

「What the hell!?What happened!?」(何だ!?何が起きたんだ!?)
 ▼ 290 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 01:31:31 ID:9C6.ntmM [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
普段は目覚まし時計の音でも起きない俺だが、さすがにその大音量には驚き思わず飛び起きる。

あまりに焦って今となってはなかなか話すことのない母国語(英語)まで出てしまった。

(何だよこの音は・・・)

見渡すとその音は机の上のタブレット端末機から鳴っていた。

すなわちインターネットのテレビ電話の着信音だ。

更に見るとそのタブレット端末機はステレオスピーカーとケーブルで繋がっている。

(あっそうか、昨夜音楽を聞こうとステレオに繋いでそのままだったんだ・・・)

それが結果このような大音量を生んでしまった。
 ▼ 291 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 01:40:45 ID:9C6.ntmM [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(まずこの音何とかしないと!)

急いでステレオのケーブルを抜くと音は元のタブレット端末機の小さめの音になった。

(よし。これでOK。でも誰からだ?)

ビーッ、ビーッ、ビーッ

音は小さくなったものの相変わらず着信音は鳴っている。

確認するとルイ博士からだ。

(博士?一体どんな・・・)

俺がテレビ電話に出ようとしたその時だ。
 ▼ 292 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 01:48:25 ID:9C6.ntmM [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「おい何なんだよさっきのすごい音はよぉ!!」

ドンカラス「まったく朝から一体何事だ!」

ドンさんたちがそう言いながら部屋に飛びこんで来た。

ドンさんたちも俺と同じくさっきの音に起こされたんだろう。

俺も一瞬火災警報器か何かが鳴ったと思ってしまったくらいだ。

「ああすまない!ちょっと目覚まし時計をセットしたからな」

本当は目覚まし時計ではないが、ここは適当に言い訳しとこう。

ビーッ、ビー・・・・・
 ▼ 293 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 01:59:58 ID:9C6.ntmM [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうしている間に博士からの着信は止んでしまった。

ヤミカラス「うそつけ!目覚まし時計があんなすごい音するわけねぇだろ!」

ドンカラス「キサマ本当は何したんだ?言ってみろ」

「本当に目覚まし時計なんだ。実は普通の目覚まし時計の音じゃ起きられなくて、目覚まし時計をステレオのスピーカーにつないだんだ。そしたらああなってな」

まぁ目覚まし時計は嘘でもスピーカーに繋いだのは事実だ。

適当に言い訳するつもりが半分以上本当のことを話してしまった。

ヤミカラス「それであんなすごい音がしたのかよ!」

ドンカラス「キサマどういうつもりだ!人がせっかく眠っていたのにそんなので起こしおって!」
 ▼ 294 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 02:08:17 ID:9C6.ntmM [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「普通目覚まし時計をスピーカーなんかに繋ぐかよ!」

ドンカラス「まったく朝からこれだからな!」

「本当にすまない」

ドンカラス「次こんなマネしてみろ!キサマどうなるか分かるだろうな!」

ヤミカラス「お前のせいでせっかくの朝が台無しだぜ!」

ドンさんたちはそう口々に言いながら部屋を後にした。

確かにこれだけの大音量、都会だったら近所迷惑どころか通報されていたかもしれない。

(それはそうと、さっきの着信は一体何なんだ?博士の身に何か起きたんだろうか・・・)

 ▼ 295 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 02:18:15 ID:9C6.ntmM [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士はよほどのことでもない限り、滅多に電話はしてこないのだ。

ましてや今回のようにテレビ電話でかけてくるなんて初めてのこと。

やっぱり何か起きたか・・・まさか何か非常事態!?

いや!博士に限ってそんなことは!だが・・・

だんだん胸騒ぎがしてきた。

急いで博士にかけ直す。

ピリリリリ・・・ピリリリリ・・・パッ!

博士は数コールで出た。
 ▼ 296 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 02:27:22 ID:9C6.ntmM [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
早速博士の姿がタブレット画面に映し出される。

ルイ博士「やぁナルディ君おはよう!私だ!」

「ルイ博士。おはようございます!」

一見いつもの感じのルイ博士だが、俺にはどこか切羽詰まってるようにも見える。

博士とはこの田舎に来てからずっとの付き合いだ。

俺には何となくだが分かる。

ルイ博士「いやぁ君の方からすぐにかけてきてくれて良かったよ。さっき私からかけて出なかった時はどうしようかと思ったが」

「先ほどは気づかず出れなくてすみませんでした」
 ▼ 297 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 12:13:32 ID:9C6.ntmM [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「いやいいんだ。私の方もこんな朝早くにかけてしまってね」

博士からの着信履歴の時間を確認すると朝の5時47分43秒。

まぁ確かに結構早い時間ではある。

いつもだったら余裕で寝てる時間だ。

ルイ博士「起こさせてしまったようで、すまなかったね」

「寝起きってどうして分かったのですか?」

ルイ博士「いやぁ君の表情を見れば大体分かるさ」

こういうのはテレビ電話ならではだ。
 ▼ 298 クティニ@トレジャーメール 18/08/13 12:15:46 ID:fE9INnG2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 299 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 12:22:47 ID:9C6.ntmM [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それにしても博士の観察力の鋭さには毎回驚かされる。

「そうですか。それで今回はどうなさったんですか?わざわざテレビ電話でかけてこられるなんて」

すると博士はより深刻な表情で

ルイ博士「大変なことになったんだ・・・マズいよナルディ君」

「え!?大変なことって、何があったんですか!?」

ルイ博士「とにかく非常事態だ。ポケモンと私たち人間の危機かもしれない」

「危機ってどういう事なんですか!?説明して頂けますか?」

ルイ博士「すまない、今はちょっと・・・」
 ▼ 300 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 12:37:15 ID:9C6.ntmM [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
言葉を濁してはっきりと説明してくれない博士。

(そんな!いきなり人間とポケモンの危機だって言われたって!)

俺だってどうしたらいいか分かるわけがない。

「博士お願いします!話して下さい!でないと私もどうしたら」

ルイ博士「すまない。ちょっとこのテレビ電話越しでは詳しいことは話せない」

「何故ですか?」

ルイ博士「万が一私と君とのテレビ電話の通信を誰かにジャックされて盗聴されたりでもしたら、良くないことになる」

「といいますと?」
 ▼ 301 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 12:48:00 ID:9C6.ntmM [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「この情報が漏れたら更にパニックは広がってしまう。これ以上パニックを広げたくないんだ」

何が何なのか分からないがとにかく機密情報で人に聞かれるとマズイのは確からしい。

「なので博士は私と二人きりで話し合いたいと?」

ルイ博士「そうだ。だから今すぐ私の研究所に来てくれないか?詳しいことはその時話す」

「い、今すぐですか?」

ルイ博士「ああ、急で申し訳ないが時間はないんだ」

いつもは陽気なルイ博士が今回はかなり真剣だ。

それが今回の事の重大さを物語っている。
 ▼ 302 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 12:57:18 ID:9C6.ntmM [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・分かりました!すぐに向かいます!」

ルイ博士「君は本当に頼りになる。待っているよ!」

パッ!

そう言うと博士からの通信は途絶えた。

(こうしちゃいられん!)

俺は急いで身支度に入る。

するとやっぱり何事かと言わんばかりにドンさんたちがやってきた。

ヤミカラス「おい何だよお前バタバタと!随分せわしねぇな!」
 ▼ 303 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 13:08:03 ID:9C6.ntmM [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「騒がしいかと思えば今度はこれか!一体何なんだキサマは!」

ヤミカラス「いつにも増して今日は様子が変だな!何があったんだよ!」

「すまない!今は構ってるヒマはないんだ!」

ヤミカラス「ちぇっ!何だよそれ!」

ドンカラス「ほう、ワシらにそんな態度をとるとは。キサマ随分いい度胸じゃないか」

「はぁ・・・ちょっと急な用事が入って急いで出かけらければならないんだ。だから、すまない」

ヤミカラス「何だよその急な用事って」

ドンカラス「だからキサマあんな目覚まし時計を鳴らしたりしたのか?」
 ▼ 304 ェイミ@エレクトロメモリ 18/08/13 13:11:58 ID:YFNAtdGs NGネーム登録 NGID登録 報告
ガンバ〜
 ▼ 305 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 13:17:16 ID:9C6.ntmM [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「すまない、とにかく時間がないんだ。後にしてくれ」

俺は再度急いで身支度を始める。

ヤミカラス「何だよ感じ悪ィな」

ドンカラス「フン、まったくだ」

俺はひと通り身支度を済ませると、いつも通りドンさんたちを呼ぶ。

「お〜い!出かけるから来てくれ!」

外出中はいつも家の外でドンさんたちに過ごしてもらうのだ。

狭い家の中よりは広い外の方がいいだろうという、まぁ俺なりの配慮だ。
 ▼ 306 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 13:26:28 ID:9C6.ntmM [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
現にドンさんたちだって基本は広い外の方がいいと思っている。

ヤミカラス「ああ今行くぜ!」

ドンカラス「待ってろ」

バサッバサッバサッバサッ

だからこうして呼ぶと素直にやってくるのだ。

ドンさんたちと外に出ると

「・・・ドンさん、ヤミカラス、ちょっと聞いてくれ」

ヤミカラス「何だよお前かしこまって」
 ▼ 307 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/13 13:38:55 ID:9C6.ntmM [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「いつものキサマらしくないな」

「今回はかなり重要な用事なんだ。だから、正直言うといつ帰れるか分からないんだ」

俺はすぐには帰れないだろうと覚悟してそうドンさんたちに告げた。

すると

ヤミカラス「何だよそれ!」

ドンカラス「何だと!」

ひどく驚くドンさんたち。

まぁ無理もないだろう。誰だっていきなりこんなこと言われれば・・・

ドンカラス「キサマ出かける直前になってそんなこと言いおって!どういうつもりだ!」
 ▼ 308 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/14 00:53:03 ID:7Gk6OjRk [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「すまない。バタバタしてて言いだせなくてな」

ヤミカラス「でもいつごろ帰れそうとか分かんないのかよ」

「今日中に帰れればいいが、まだいつ帰れるかまでは」

ヤミカラス「何だよそれ!無責任じゃねぇか!」

ドンカラス「その間ワシらにどうしろというんだ!」

「すまない。俺が帰って来るまでは自然に帰ったつもりでうまく過ごしてくれ。頼む。過酷を生きてきたドンさんたちならできるはずだ」

ドンカラス「・・・フン、まぁたまにはキサマなんかといないでワシらだけでいるのも悪くないか」

ヤミカラス「そうですね」
 ▼ 309 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/14 01:04:02 ID:7Gk6OjRk [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「よし!場所変えてバトルやるぞ」

ヤミカラス「はいボス!」

バサッバサッバサッバサッ・・・

そう言うとドンさんたちは飛び去っていった。

(ドンさん、ヤミカラス、すまない・・・)

口ではあんなことを言ってるドンさんたちだが、何だかんだ言っても内心は俺と居たいんだろうな・・・

俺はそう感じた。

(よし!俺も行くか!)
 ▼ 310 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/14 01:29:14 ID:7Gk6OjRk [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギュルルンッ!ヴォオオオオオン!

俺は急いで車を走らせ、ルイ博士の研究所に向かった。

(博士、待っててください!今行きますから・・・)

その思いでひたすら一本道を走る。

ヴォオオオオオン!・・・・

約30分後、無事ルイ博士の研究所に着いた。

さすが車だと早い、当然だが徒歩の時とは大違いだ。

ルイ博士「やぁナルディ君!早く来てくれて助かるよ!」
 ▼ 311 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/14 01:38:50 ID:7Gk6OjRk [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
待ってましたと言わんばかりに博士が出てきた。

「博士おはようございます。ちょっと遅くなりましてすみません」

ルイ博士「いやいや全然そんなことないよ」

「恐れ入ります。やはりこのような緊急時には車があると違います」

ルイ博士「確かにそうだね。それじゃテレビ電話でも話した通り話があるから来てくれ」

「はい」

俺は早速博士に連れられ、研究所の奥の博士の書斎に向かった。

ルイ博士「ここが私の書斎だ」

「はい。前にもお邪魔させて頂きましたので覚えています」
 ▼ 312 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/14 17:29:16 ID:7Gk6OjRk [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「そうえいばそうだったね。どうぞ入ってくれ」

「失礼します」

ギィッ・・・

博士に促されるがまま書斎に入る。

中は前と変わらずシックなインテリアで互いに向き合うように配置された2つの小さなソファーとその間に小さなテーブルが置かれていた。

ルイ博士「遠慮なくゆっくり腰掛けてくれ」

「恐れ入ります」

博士と俺は腰掛けると
 ▼ 313 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/14 17:43:54 ID:7Gk6OjRk [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「本当なら今回も手作りのコーヒーとクッキーで君をもてなしたいとこだが何しろ時間がないのでね」

「いえいえそんな、どうかお気遣いなく」

博士はいつもお手製のコーヒーとお菓子でもてなしてくれるのだ。

ルイ博士「すまないね。それじゃ早速本題だが、まずはこれを見てくれ」

博士はそう言いながら俺にノートパソコンを開いて見せた。

画面には何かのニュース映像の静止画と真ん中に三角の再生ボタンのアイコンが表示されている。

ルイ博士「これは昨夜シンオウ地方でのみ放送されたコトブキテレビ局のニュース映像だ。私が独自に入手した」

博士はそう言って再生ボタンをクリックすると映像が始まった。
 ▼ 314 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/14 17:59:47 ID:7Gk6OjRk [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『・・・速報です!本日未明、コトブキシティのロック市長が所有する研究所から21体のキラーリザードンが脱走しました!

キラーリザードンは通常のリザードンの何倍ものの強さと凶暴さを持っており、大変危険です!

コトブキシティでは早くもキラーリザードンたちの襲撃による被害も続出しており・・・』

画面にはにはキラーリザードンがコトブキシティを襲撃する様子も映し出された。

空を飛びながら炎や何かの光線みたいなものを吐くキラーリザードン・・・

悲鳴を上げながら逃げ惑う人々・・・

燃え盛る建物・・・

しかも一瞬写ったキラーリザードンは通常のリザードンより大きくガタイも良いように見える。
 ▼ 315 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/14 18:15:55 ID:7Gk6OjRk [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(何て言うことだ・・・)

その映像を見て呆然としてしまった。

最初アナウンサーの言葉を聞いた時は一瞬嘘だと思ったが、キラーリザードンの映像を見て本当のことだと信じるほかなかった。

そして同時に確信する。

キラーリザードンというはロック市長がリザードンを兵器にしたてあげたものだと。

『なおコトブキシティでは死者こそ出ていないものの多数の負傷者が出ております!

今のところコトブキシティ以外での被害は報告されていませんが、今後脱走したキラーリザードンたちがどのような動きを見せるのか全く見当がつかないところであります!

どうか皆様、地下室や体育館などの安全な場所に避難し、不用意な外出は決してなさらないで下さい!
 ▼ 316 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/14 18:33:51 ID:7Gk6OjRk [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてキラーリザードンを見かけたという方は速やかに対策本部または警察署までお知らせ下さい!

なお対策本部と警察署の電話番号は○○▽×○□・・・

本局もできる限り続報が入り次第皆様にお知らせしていく次第であります!』

・・・とここで映像は終わる。

ルイ博士「・・・と、言うわけなんだ」

「そもそもキラーリザードンというのはロック市長がリザードンを生物兵器に仕立て上げたもの。そして今回はそれが逃げ出した。というわけですね?」

ルイ博士「そうなんだ。早速そこまで分かるとは、さすがナルディ君。話が早い」

「恐れいります。ですが何故市長はこんな事を?」
 ▼ 317 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/14 18:45:13 ID:7Gk6OjRk [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「そもそも、実は私とロック市長は知り合いなんだ」

「ええ!?そうなんですか!?」

まさか博士が市長という大物と知り合いだとは・・・思いもよらなかった。

ルイ博士「ああ。前にポケモン学会のパーティーがあってな、そこで偶然知り合ってポケモンの研究について話しているうちに意気投合したんだ」

「そうなんですか。それじゃ市長もポケモンについて詳しいんですね」

ルイ博士「ああ、彼も一流のポケモン大学を出ているからね。すごく頭がいいんだ」

「驚きました。市長を務めてる上にそこまで高学歴の持ち主とは」

ルイ博士「私も顔負けだよ。それで彼は新たな可能性を求めてポケモンを使った生物兵器の開発に乗り出したんだ」
 ▼ 318 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/15 00:42:02 ID:Wyb.zhTo [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「新たな可能性と言いますのは?」

ルイ博士「彼は元々市長としてコトブキシティを、更にはシンオウ全体を守りたいという気持ちが強かったんだ」

「正義感が強い方なんですね」

ルイ博士「そうなんだ。だから防衛のための軍事力強化に励んでたんだ。だが彼曰く戦車などの科学兵器にはどうしても限界がある。だからより強い軍事力を求めて豊富な数のポケモンたちを兵器にしよう。と決めたらしいんだ」

俺はその話を聞いて更に愕然とする。

「そんな・・・確かに守りたいという気持ちは素晴らしいですが、だからとポケモンたちを兵器に利用しようだなんて、絶対に間違ってますよ。人のすることじゃないです」

ルイ博士「さすがに私もそう思ってな、私も止めたんだ・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ▼ 319 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/15 01:01:05 ID:Wyb.zhTo [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「ロック市長!いくらなんでもポケモンを兵器にするなんて、そんなのはとんでもないことです。この開発はやめるべきです」

ロック市長「・・・私もそう思いました。確かにポケモンを兵器に利用するなんて非人道的でしょう。ただ、いつまでもこの平和が守られる保証はありません。いつ戦争が起きたり悪の組織が攻めて来たりしてもおかしくないのです。現代の科学兵器なんかよりポケモンたちの方がはるかに大きな力を持っています。万が一の事態に備える為にこうするしかないのです。どうか、ご理解下さい・・・・」

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・・・・・・・・・・・・・

ルイ博士「だが彼の決意は揺るぎなかった。市民の中にも当然反対する者は居たんだが、博大な費用を投じて研究所を作り、多数の優秀な研究員を雇ってポケモンを使った生物兵器の開発を強行したんだ」

「何と・・・・・」

俺は完全に言葉を失ってしまった。

ルイ博士「しかもよりによってそれらの費用に市民の税金を使ってしまったからさあ大変だ。連日怒った市民たちによるデモが起きたんだ」
 ▼ 320 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/15 01:14:04 ID:Wyb.zhTo [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうなって当然だろう。

ポケモンを兵器に仕立て上げ、さらにその費用として大切な税金を使ったのだから。

怒る気持ちもよく分かる。

俺もその市長がだんだん悪者に見えてきた。

「そうですか・・・博士は市長のことどう思いますか?申し訳ないですが私には市長が悪者に見えてしまいます」

ルイ博士「まぁ、その気持ちは分かる。誰だってこの話を聞けばそう思ってしまうだろう。ただな、彼は根は決して悪い人じゃないんだ。むしろいい人だ。真面目で思いやりもあって正義感も強くてな。常に市民たちのことを考えて一生懸命だった。今回だって市民を、町を守りたい。そんな一心でその開発を始めたんだ」

「そう・・・ですか」

何だかもう分からない。
 ▼ 321 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/15 01:26:06 ID:Wyb.zhTo [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士はいい人なのか悪い人なのか・・・

ルイ博士「ただな、今回ばかりは市民を守りたいという気持ちに執着しすぎて正義感が暴走してしまった。その結果ポケモンたちの命を冒涜し、市民の税金まで使いこむというあるまじき行為を犯してしまった。私はそう思う」

「ポケモンたちのことまで考える余裕がなかった、というわけですね?」

ルイ博士「かもしれんな」

確かにその市長がやってしまったことは重大だ。

だが市長は純粋に悪い人かと言うとそうでもなさそう。

何だか複雑だ・・・

「何だか・・・もう何て言ったらいいか私にはわかりません」
 ▼ 322 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/15 01:40:48 ID:Wyb.zhTo [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
かける言葉が見つからない。

ルイ博士「・・・私も同じだよ。そして今回脱走という事態が起きてしまった。ちなみにキラーリザードンはまだ完成したばかりでステータスもまともに把握してないそうだ」

「それじゃ、キラーリザードンがどれだけの強さか、具体的には未知数なんですね?」

ルイ博士「そうだ。開発を指揮した市長本人ですら知らない。ステータスを調べようとしていた矢先に脱走してしまったのだから」

「そうですか」

ルイ博士「だが桁外れに強いのは確かだろう」

「そうですね。でも何故脱走してしまったのですか?」

ルイ博士「檻に入れていたが檻を破壊してしまったんだ。もちろん檻は頑丈に作っていたんだが」
 ▼ 323 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 18:17:54 ID:E/poy3zY [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「想定外の強さだったんですね・・・」

ルイ博士「だろう」

「でも、何故リザードンを選んだんですか?」

ルイ博士「リザードンは数あるポケモンの中でも安定した強さを誇ってるんだ」

「昔からドラゴンタイプを代表するポケモンですからね」

ルイ博士「それに飛行タイプも兼ねていて陸上はもちろん空でも強い。だからリザードンを選んだんだ」

「そうでしたか。それにしても博士、随分詳しいですね」

「私は今回の事件を彼からの第一報で知ったんだ。今朝早くに彼から電子メールが送られてきた・・・」
 ▼ 324 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 18:26:17 ID:E/poy3zY [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・ロック市長:”ロイ博士、どうか助けて下さい!非常事態になりました!”

ルイ博士:”市長!どうされたんですか?何があったんですか?”

ロック市長:”キラーリザードンが研究所から逃げたんです”

ルイ博士:”何ですと・・・ケガ人はいないですか?市長は?”

ロック市長:”我々は幸い無事です。ただ・・・街の方が”
 ▼ 325 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 18:36:40 ID:E/poy3zY [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士:”緊急警報や避難指示は出したんですか?”

ロック市長:”はい。何とかできることはしたんですが・・・”

ルイ博士:”そうですか。ですが何故私なのでしょうか?私なんて市長のお力になれるか・・・”

ロック市長:”ポケモンに一番詳しいあなたが頼りなのです。どうかお願いします!”

ルイ博士:”分かりました。何が起きたか詳しくお話頂けますか?話せる範囲で大丈夫ですので”

ロック市長:”はい。昨日、キラーリザードンが完成間近という時に・・・”

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 ▼ 326 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 18:47:42 ID:E/poy3zY [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「・・それで市長から詳しいことを聞いたんだ。さっき君に話した内容をな」

「そうですか。それでは最初私に見せたニュース映像は」

ルイ博士「ああ。博士がメールで送ってきたものだ」

博士はそう言いながら俺に市長とのメールのやり取りの履歴を見せてくれた。

文面からは緊迫した様子が伝わってくる。

自分で散々勝手なことしておいて助けてなんて虫が良すぎだ!

・・・そう感じる人もいるだろう。

だが俺はそうは思わない。
 ▼ 327 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 18:56:52 ID:E/poy3zY [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かに税金を使ってしまったり、反対を押し切って強行してしまったのはマズイが市長だって自分なりに一生懸命だったのだから。

皆を、町全体を守りたいと。

もちろん悪意などあるわけなく、いわば今回は事件じゃなくて不幸な事故だ。

それに周りの圧に屈せず自分の信念を貫くなんて・・・すごいじゃないか!

簡単そうでなかなかできないことだ!

俺はそう思う。

だがこの事故は放っておけない!

何とかせねば!
 ▼ 328 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 19:09:11 ID:E/poy3zY [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「博士!市長と電話はつながりますか?」

ルイ博士「いやダメだ。試してみたんだが全くつながらなかったよ。おそらく電話回線とかも破壊されてしまったんだろう」

「そうですか。それなら無線インターネットを使ったテレビ電話ならどうですか?」

ルイ博士「それもダメだ」

「何故ですか?」

ルイ博士「セキュリティなどの関係上市長はテレビ電話はやらないんだ」

「そうですか・・・」

ルイ博士「まぁそう言うわけでだいぶ長くなってしまったが、君を呼んだのは他でもない」

 ▼ 329 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 19:21:32 ID:E/poy3zY [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分かっています。もちろん私も協力致します。ポケモンと人間の危機を黙ってみてるわけにいきませんから!」

ルイ博士「良かった!そう言ってくれて嬉しいよ!やっぱり君は頼りになる!」

「恐れ入ります。市長と連絡を取れる手段は今のところ電子メールだけですね」

ルイ博士「そうだな」

「・・・ここからコトブキシティまで車でどのくらいかかるか分かりますか?」

ルイ博士「私は車を持っとらんし、コトブキシティまで行ったこともないから分からないな」

「そうですか。ではちょっと博士のパソコンを借りてもよろしいでしょうか?」

ルイ博士「かまわないが、何をするんだ?」
 ▼ 330 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 19:31:26 ID:E/poy3zY [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「博士のパソコンにはGPS連動のデジタル地図ソフトは入っていますか?」

ルイ博士「ああ、入っているよ」

「それでコトブキシティまでの距離や道のりを確認するんです」

ルイ博士「確認って、まさかコトブキシティまで行くのか?」

「はい。市長と直接話しあったほうが」

ルイ博士「いやそれはダメだ」

「何故ですか?」

ルイ博士「コトブキシティまでは遠いし、ここは電車もバスもタクシーもない。私も車を持っていない。なのにどうやって」
 ▼ 331 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 21:25:31 ID:E/poy3zY [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「私が車持ってるじゃないですか」

ルイ博士「ああ!そうだったね」

こういう時に博士の忘れっぽい部分が出てしまうとは

「博士お願いします」

ルイ博士「すまない。それで、車だとどのくらいで行けそうかな?」

「それを今から地図で調べますのでパソコン貸して頂けますか?」

ルイ博士「ああそれもそうだったね。頼むよ」

「分かりました」
 ▼ 332 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 21:32:18 ID:E/poy3zY [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は博士からパソコンを借りると地図ソフトを立ち上げ、距離や道のりを調べた。

さらにそこからおおよその時間を割り出す。

ルイ博士「・・・どうだ?」

「そうですね。時速100kmで飛ばして1時間半前後くらいです」

ルイ博士「1時間半か・・・」

「博士も一緒に来て頂けますか?」

ルイ博士「ああもちろんだ。ただ今からお伺いしてもいいか市長に聞いてからのほうがいいな」

「そうですね」
 ▼ 333 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 21:40:20 ID:E/poy3zY [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「今からメールで聞いてみるからちょっと待っててくれ」

「はい。ただすぐに返事頂けるでしょうか?」

ルイ博士「今朝メールした時はすぐに返事が来た。大丈夫だろう」

「だといいですね」

数分後〜

ピリリリリンッ!

博士のパソコンが鳴った。

「ッこの音は?」
 ▼ 334 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 21:49:08 ID:E/poy3zY [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「間違いない!」

博士がパソコンを開いて確認する。

ルイ博士「やった。市長から返事が来てるよ!」

「本当ですか?」

ルイ博士「ああ。返事は”OK”だ」

「見せてください!」

俺は急いで画面を確認すると

ロック市長:”もちろん大丈夫です。お待ちしております。貴方方のご協力に感謝いたします。どうかキラーリザードンにはお気を付けていらして下さい。”
 ▼ 335 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 21:58:45 ID:E/poy3zY [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう、さっきの音は市長からのメールを知らせる通知音だったのだ。

「本当だ。快諾して頂けて良かったです」

ルイ博士「ああ。これで市長と直接会って話せるな」

「はい!」

一気に光が射しこんで来た。

だがここでちょっとした問題に気付く。

「ですが、博士は市長の家がどこにあるか分かりますか?」

ルイ博士「すまない。それは私も分からない」
 ▼ 336 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 22:08:18 ID:E/poy3zY [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうですか」

ルイ博士「君も分からないのかい?」

「すみません」

ルイ博士「さっき地図ソフトで調べてたから大体分かるはずじゃ?」

「さっきのはコトブキシティまでの大まかな道のりだったので市長の家という細かいとこまでは」

ルイ博士「それだったら今度は直接市長の家を調べてみたらどうだい?」

「あっそうですね!すみません。私としたことが・・・」

俺としたことがそこまで気がつかなかった。
 ▼ 337 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 22:15:34 ID:E/poy3zY [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「いやいいんだ。すぐ調べてくれ」

「はい」

俺は再度博士のパソコンで市長の家の道のりなどを調べた。

「博士分かりました」

ルイ博士「どうだ?」

「同じく車で1時間半ほどです。ただコトブキシティの中でも少し外れの方にあります」

ルイ博士「なるほど」

「博士、このノートパソコンは携帯する場合バッテリーはどのくらい持ちますか?」
 ▼ 338 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 22:28:40 ID:E/poy3zY [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「そうだな。今フル充電だから8時間ぐらいは大丈夫だろう」

「そうですか」

(よし!これなら大丈夫だ)

ルイ博士「だが何故そんなことを?」

「このパソコンを車に持ち込んで地図ソフトを活用しながら向かおうと思いまして。本当はカーナビがあれば一番いいんですがカーナビがありませんので」

ルイ博士「つまりこのデジタル地図を見ながら向かおうってわけだね」

「そうです。紙の地図よりこの地図の方が見やすいですし」

ルイ博士「なるほど。それなら万が一電池が切れた時も携帯バッテリーがあるから大丈夫だ」

 ▼ 339 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/16 22:45:43 ID:E/poy3zY [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分かりました。では車の方は私に任せてください!」

ルイ博士「分かった!」

「なので博士はこの地図を見ながら案内して頂けますか?」

ルイ博士「もちろんさ!任せてくれ!」

「ありがとうございます!」

俺は早速車を用意する。

ヴオオオオオォォン・・・

「博士!乗って下さい!」
 ▼ 340 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/17 22:08:23 ID:H4lkfmzo [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「すまないね」

「いえ。ちょっと飛ばしますがよろしいですか?」

ルイ博士「ああ。時間もないから頼むよ」

「分かりました。博士つかまっててください」

そして博士を助手席に乗せると車を飛ばした。

道中〜

ルイ博士「このまましばらく道なりを行ってくれ」

「分かりました」
 ▼ 341 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/17 22:17:22 ID:H4lkfmzo [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴオオオオオオオ・・・

メーターを見るとすでに時速100kmを超えている。

「博士乗り物酔いとか大丈夫ですか?」

ルイ博士「私は大丈夫だ。それよりこんなに飛ばして大丈夫なのか?」

「大丈夫です。この辺は警察はいないですし私も運転には自信があります」

ルイ博士「そうか。まぁ時間もないからね」

「はい」

ルイ博士「そうだ。それと車の方は大丈夫なのか?随分古いクラシックカーだが」

 ▼ 342 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/17 22:23:20 ID:H4lkfmzo [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「車の方も大丈夫です。私がきちんとメンテナンスしてますので」

ルイ博士「なら良かった。引き続き気を付けて運転してくれ」

「はい」

ふと見上げると薄暗い曇り空・・・

これがまたより不安を煽る。

「さっきまで天気良かったんですけどね・・・」

ルイ博士「そうだな・・・」

何だか悪い予感を象徴するかのようだ。
 ▼ 343 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/17 22:30:34 ID:H4lkfmzo [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あたり一帯を不気味な静寂が包み込む。

ゴオオオオオオオオオオオン・・・・

車を飛ばすこと約1時間30分、シンオウのコトブキシティに着いた。

ルイ博士「よし着いたぞ。ここがコトブキシティだ」

「間違いないですね」

だが街の様子を見た俺と博士は言葉を失う。

「嘘だろ・・・・」

ルイ博士「何ということだ・・・・」
 ▼ 344 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/17 22:39:45 ID:H4lkfmzo [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そこは俺たちの知るコトブキシティではなかった。

思わず俺と博士は車を降りて街の様子を見て回った。

見渡す限り

半壊したビル群・・・

あたり一面に散乱した瓦礫・・・

壊れたアスファルトの道路・・・

随所に火災の痕、焼けた車や店・・・・

所々炎がくすぶってるのか白煙も上がっている。
 ▼ 345 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/17 22:52:34 ID:H4lkfmzo [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
人はおろかポケモン一匹の気配もなく静寂に包まれている。

もちろん子供たちの声や人々の話し声、車の行きかう音などそんなものは聞こえるはずもない。

しかも見上げればいつも青空が広がってるはずが今回は不気味な曇り空・・・

常に賑い活気に満ち溢れ、シンオウの心臓部とも呼ばれるコトブキシティはとこに行ってしまったのだろうか・・・

「街のみんなはどこ行ってしまったんでしょうか?・・・」

ルイ博士「どこかに避難してるよ。皆大丈夫さ」

「そうですか。ですが市長は」

ルイ博士「市長だって無事さ。現に今朝だってメール来たじゃないか」

「それもそうですね」
 ▼ 346 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/17 23:00:43 ID:H4lkfmzo [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今は悪いことは考えないでおこう・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・その時だ!!

?「グヴォオオオオオオオン!!」ゴオオオッ

突如一匹の巨大なポケモンが地響きのような鳴き声を上げながら飛んできた。

(あの姿!!)

間違いない!キラーリザードンだ!

「博士危ない!隠れましょう!」

ルイ博士「な、何だ!」
 ▼ 347 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/17 23:06:37 ID:H4lkfmzo [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は博士ととっさに物陰に隠れた。

キラーリザードン「ヴォオオオオオン」ゴオオオ・・・

(・・・よし行ったな!)

何とか気づかずに済んだ。

ルイ博士「い、一体どうしたというんだ」

未だにキラーリザードンの存在に気づいていない博士。

「キラーリザードンですよ博士。あれ見て下さい」

ルイ博士「え?」
 ▼ 348 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/18 22:49:58 ID:OmfEpGZI [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は去っていくキラーリザードンの後姿を指さしながら言った。

ルイ博士「何と!・・・」

あっけにとられる博士。

生で見ると迫力も桁違いだ。

こんなものに襲われたらと思うと恐怖さえ感じる。

ルイ博士「まさかあんなとは・・・ポケモンというよりもはや化け物じゃないか」

「私も驚きですよ博士。とにかくここは危ないです。車に戻りましょう」

ルイ博士「ああ。そうだな」

 ▼ 349 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/18 23:03:11 ID:OmfEpGZI [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺と博士は車に戻った。

今のコトブキシティは一言で言うなら”世紀末の世界”って言ったとこか。

ルイ博士「はぁ、はぁ、それにしてもさっきは君がとっさに物陰に隠してくれなければどうなってたことか・・・ありがとう」

「いえ。でも一つ情報が欲しいとこです。博士のパソコンはテレビは観れますか?」

ルイ博士「ああ。チャンネルと周波数を合わせて後は電波が入ればな」

「なら都合がいいです。確かコトブキシティにはテレビ局があるとおっしゃってましたよね?」

ルイ博士「ああ」

「局がやられてなければ緊急放送でニュースをやってるはずです。そこで情報が手に入るかもしれないです。それにここなら電波は十分入ります」
 ▼ 350 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/18 23:13:35 ID:OmfEpGZI [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「なるほど。確かに情報は欲しいとこだ」

博士はそう言ってパソコンの周波数やチャンネルを調整した。

すると

”ジジジ・・・こちら、コトブキテレビの報道フロアから中継です・・・ジジ”

ややノイズ混じりだったがテレビが映った。

ルイ博士「良かった。どうやらテレビ局は無事のようだな」

「ええ。そうですね」

”引き続き避難勧告が出たまま、事態の方は進展しておりません。避難してる方たちからも不安の声が上がっています。以上また新しい情報が入り次第・・・”
 ▼ 351 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/18 23:18:57 ID:OmfEpGZI [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピッ・・・・

博士は静かにパソコンのテレビを切った。

「少しでも新しい情報はと思ったんですけど・・・」

ルイ博士「まぁな。だが局や街の皆が無事なのを知っただけでも安心したよ」

「確かにそうですね。では早いとこ市長のところに行きましょうか」

ルイ博士「そうだな。えっと、地図ではこのコトブキシティを少し外れたとこだな」

「分かりました」

俺は再度車を走らせ、市長の自宅に向かった。
 ▼ 352 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/18 23:27:34 ID:OmfEpGZI [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「間違ってもキラーリザードンには見つからないようにな」

「分かっています」

車を走らせ十数分後、ようやく市長の家に着く。

ルイ博士「よし着いたぞ。地図ではここのはずだ」

「そうですね」

見るとなかなかの豪邸だ。家の前には大きな門まである。

ルイ博士「こりゃ驚いたな」

「すごい家ですね。そう言えば博士は市長の家は初めてでしたよね」
 ▼ 353 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/18 23:34:23 ID:OmfEpGZI [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「ああ。まさかこんなに豪華だとは・・・」

「ロックという表札があります。ここで間違いないですね」

ルイ博士「本当だ。紛れもなくここは彼の家だな」

さすが市長というだけはある。

さらによく見ると自宅の隣に半壊した研究所と思しき建物があった。

「博士、あの建物見て下さい」

ルイ博士「んん?」

「あれはキラーリザードンが逃げた研究所でしょうか?」
 ▼ 354 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/18 23:41:30 ID:OmfEpGZI [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「かもしれんな。それじゃ私ちょっと行ってくるよ」

「お願いします」

博士は車から降り、門に備え付けられたインターホンを押す。

ピ〜ンポ〜ン!

すると

『これはこれはルイ博士。この度はわざわざお越し頂いて。お待ちしておりました』

インターホンのスピーカーからそんな声が聞こえてきた。

良く見るとインターホンには小さなカメラのレンズもついている。
 ▼ 355 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 00:00:47 ID:So962EvE [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そういうことか」

つまりカメラが付いており、誰かがインターホンを押すと同時にカメラが作動して誰がインターホンを押したか分かる仕組みなのだ。

さすがセキュリティに関しても抜け目ない。

ルイ博士「お久しぶりですロック市長。ポケモン博士のルイです」

ロック市長『話は今朝のメールで伺っておりますよ』

ルイ博士「あと実は私の知り合いも一緒に来ております。今回の件でぜひお力になりたいからと」

ロック市長『そうですか。それは嬉しい限りです』

 ▼ 356 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 00:10:26 ID:So962EvE [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「では少々お待ちを・・・ナルディ君来てくれ」

小声で手招きをしながら呼ぶ博士。

「はい」

ルイ博士「ご紹介します。私の知り合いのナルディ君です」

「初めまして、ナルディです。博士と同じくポケモンの研究をしています」

ロック市長『こちらこそ初めましてナルディさん。コトブキシティの市長のロックです』

「今回は非常事態と聞きまして少しでもお力になりたいと思いやってまいりました。大体の話は博士から伺っています。よろしくお願いします」

ロック市長『こちらこそよろしくお願いします。ナルディさん、あなたのような方と会えて私も嬉しいです。』
 ▼ 357 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 00:17:00 ID:So962EvE [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いえ、恐れ入ります」

ルイ博士「ナルディ君は本当に真面目で優秀で、私の右腕のような存在です」

「いえ・・・」

ロック市長『そうでしょうな。この度はお二人ともおこし頂いてありがとうございます。それではお入り下さい』

ギギギギ・・・・

そう言うと大きな門がきしむような音を立てながら開いた。

おそらくボタン一つで開け閉めできるんだろう。

すごい仕組みだ。
 ▼ 358 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 00:22:37 ID:So962EvE [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「すごいな。まるで昔の城の門みたいだ」

「そうですね」

終始圧倒される俺と博士。

ガチャン・・・・・

やがて門は開ききった。

ルイ博士「それじゃ入ろうか」

「はい」

歩み入れると中の庭もまだ見事だった。

 ▼ 359 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 00:30:49 ID:So962EvE [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
噴水にポケモンの形に剪定された庭木、色とりどりの花畑、レンガの小道、蔓のトンネル・・・

もはや庭全体が芸術だ。

まず普通の家じゃ考えられない。

ルイ博士「ここもすごいな・・・まるで城の庭だ」

「ええ」

やっぱり(お金を)持ってる人は違うか。

そんな広い庭を進むと

ロック市長「ルイ博士!ナルディさん!こちらです!」
 ▼ 360 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 00:41:03 ID:So962EvE [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>359
訂正:??「ルイ博士!ナルディさん!こちらです!」


家の玄関の前に一人の白髪混じりの男の人がそう言いながら手を振っていた。

(なるほど。この人が市長だな)

直感でそう思う。

見た感じは博士よりやや年上といったとこか。

ルイ博士「あっこれはこれはロック市長!すみません!わざわざお出迎え頂いて」

(やっぱり)

思った通りだ。

ロック市長「いえいえ。まぁそうあまり堅苦しくなさらないで大丈夫ですよ」
 ▼ 361 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 00:51:57 ID:So962EvE [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士、俺「恐れ入ります」

こうして見ると思ったよりおおらかで物腰が柔らかそうな方だ。

ロック市長「それでは改めまして。コトブキシティの市長をしています、ロックと申します」

ルイ博士「ポケモンの調査研究をしています、博士のルイと申します」

「ナルディと申します。博士と同じくポケモンの調査をしております。博士にはまだ遠く及ばないですが一生懸命やらせて頂いております」

ルイ博士「いやいや、ナルディ君は私を超えるくらいの実力を十分持ってるよ」

「いえ、私はまだまだですよ博士」

ロック市長「お二人ともとても仲睦まじい限りで。見ていてこちらまで暖かい気持ちになります」
 ▼ 362 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 23:21:24 ID:So962EvE [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士、俺「いえ」

ロック市長「どうぞ中へお入り下さい」

ルイ博士、俺「失礼します」

俺と博士は家の中に案内された。

家の中もこれまた豪華だ。

グランドピアノやら高級家具やらアンティークのポケモン絵画やら高そうな物で溢れている。

やがて客室に通される。

ロック市長「どうぞおかけください」
 ▼ 363 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 23:28:30 ID:So962EvE [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士、俺「失礼します」

俺と博士はこれまた高級そうなソファに腰掛ける。

さすが座り心地が違う。

ロック市長「コーヒーと紅茶どちらがよろしいですか?」

ルイ博士「あ、どうぞお気遣いなく」

ロック市長「まぁそうおっしゃらずに、遠慮なさらないで下さい」

ルイ博士「そうですか。では私はコーヒーで」

ロック市長「ナルディさん、あなたは?」
 ▼ 364 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 23:35:15 ID:So962EvE [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「では私も同じくコーヒーでお願いします」

ロック市長「分かりました。今淹れてきますので少々お待ちください」

ギィッ、バタン・・・・

そう言うと市長は部屋を出て行った。

俺は小声で博士に話しかける。

「・・・まいりましたね。本当はコーヒーを頂いている時間なんてないんですけどね。ご厚意はうれしいのですが」

ルイ博士「まぁそうだが、せっかくの市長のご厚意なんだ。受けといた方がいいだろう」

「そうですね」
 ▼ 365 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 23:41:56 ID:So962EvE [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギィッ・・・・・

間もなく市長がコーヒーを片手に戻ってきた。

ロック市長「お待たせしてすみません。どうぞ」

ルイ博士「これはすみません」

「恐れ入ります」

市長は俺と博士にコーヒーを出すと間もなく腰を掛けた。

さすがコーヒーまで違う。

こう言ってはなんだが博士の出してくれるコーヒーの倍は香りが強い。

 ▼ 366 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 23:49:51 ID:So962EvE [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「それでは本題に入りますか」

ルイ博士、俺「はい」

ルイ博士「ではまず今回起こったことについて詳しくお話頂けますか?」

早速博士が切り出す。

ロック市長「はい。それは昨日の午前10時23分のことでした・・・」

ここで早速正確な時間が判明する。

これはメディアでも出回っていない新事実だ。

ニュース番組では正確な時間が判明しておらず”未明”と言っていたのだから。
 ▼ 367 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/20 23:57:06 ID:So962EvE [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「私がいつも通り書斎で仕事をしていると・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドグォオオオオオンッ!!

「うわっ!な、何事だ!?」

突如地響きを伴う爆発音のようなすごい音がしたのです。

ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!

それと同時に緊急アラームがけたたましく鳴り響きました。

もう何が起きたか分かりませんでしたが、緊急事態であることだけはすぐに察しがつきました。
 ▼ 368 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/21 00:05:25 ID:4hoMXCyM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バタンッ!!

研究員A「ロック市長!大変です!緊急事態です!」

間もなく部下の研究員の一人が部屋に飛びこんできました。

「何だ!一体何が起きたんだ!」

研究員A「・・・奴に逃げられました!」

「何だと!?」

そうです。キラーリザードンが研究所から逃げたのです。

研究員A「我々一同も見張っていたのですが」
 ▼ 369 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/21 00:17:17 ID:4hoMXCyM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もちろん奴は強固な檻に入れていました。

鋼の何十倍も頑丈な特殊合金の格子と最新のセキュリティ技術を駆使した鍵の組み合わせの強固な檻です。

難攻不落と言っても過言ではありません。

ただ、奴らはその檻を破ったのです。

さっきした爆発音の正体はまさにこれでした。

完全に想定外です。

「何てことだ、大変なことになったぞ・・・・」

研究員A「市長!私たちは!」
 ▼ 370 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/21 00:31:08 ID:4hoMXCyM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「確か奴らの体内にはGPS発信機が埋め込んであるだろ」

研究員A「はい!」

私たちは万が一の事態に備えてキラーリザードンの体内に小型のGPS発信機を埋め込んでいたのです。

この発信機は奴らの体温で駆動するので電池切れの心配がなく、半永久的に電波を発信し続けることができます。

その発信機から奴らの位置情報がリアルタイムで送られてくる仕組みです。

ただその万が一の事態が現実のものになるとは・・・思ってもみませんでした。

「その発信機を頼りに奴らの行動を監視して追跡するんだ!」

研究員A「分かりました!」

「私は特別警報を出して市民たちに呼びかけるから頼んだぞ!」
 ▼ 371 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 00:00:57 ID:KCKEd6Yk [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「はい!」

私は直ちに街に特別警報を出しました。

すると間もなく自宅にコトブキテレビ局がやってきました。

ピ〜ンポ〜ン!

「はい」

記者A「コトブキテレビの者ですが、ただ今取材の方はよろしいでしょうか?」

「はい大丈夫ですよ。どうぞお入り下さい」

記者A「それでは失礼します」
 ▼ 372 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 00:09:06 ID:KCKEd6Yk [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
記者たちを中に招き入れると

記者A「それでは早速よろしいですか?」

「はい。どうぞ」

記者A「この度特別警報を出されましたが、具体的にどのようなことが起きたのかご説明頂けますでしょうか?噂では凶悪な生物が逃げ出したとも言われていますが」

「・・・分かりました」

私はキラーリザードンが逃げたことを包み隠さず話し、街の皆さんに避難を呼びかけました。

もちろん市長としてこのような事態を招いてしまったことも謝罪しました。

ただ、もはや手遅れでした。
 ▼ 373 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 00:16:45 ID:KCKEd6Yk [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コトブキテレビの記者たちが帰って少し経ってから何気なくテレビをつけました。

すると

リポーター「速報です。何とロック市長の研究所から逃げ出したキラーリザードンたちが次々とコトブキシティを襲撃しています!何ということでしょうか!」

私は目を疑いました。

キラーリザードンたちが街を襲撃している様子がニュース映像として流れていたのです。

奴らはすでに牙をむいていました。

さらにニュースでは私に対してデモ抗議をしている人たちの様子まで映し出されました。

そして知り合いであるルイ博士に助けを求めたと言うわけです・・・・
 ▼ 374 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 00:20:58 ID:KCKEd6Yk [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ロック市長「市長として情けないですが、私だけではもうどうにもできないのです」

ルイ博士「そうでしたか」

「あの市長、いくつかご質問させて頂いてもよろしいでしょうか?」

ロック市長「はい。大丈夫ですよ」

「キラーリザードンたちは檻に入れていたということですが、モンスターボールに入れておくことはできなかったのでしょうか?」

ロック市長「それは無理でした」
 ▼ 375 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 00:29:41 ID:KCKEd6Yk [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何故でしょうか?ポケモンの一種であれば可能なはずですが」

ロック市長「私もそう思いまして通常のボールとマスターボールで試みました。ですが全くダメでした。そもそもボールがポケモンとして認識しなかったのです」

「そうですか。ポケモンとして認識しないのではボールに入れておくことは不可能ですよね」

ロック市長「はい」

ルイ博士「元々はポケモンでも人の手が加えられたことによって全く別の生き物になってしまったのかもしれませんね。キラーリザードンたちは」

ロック市長「確かにそうかもしれませんね」

「あと確か陸でも空中でも安定した強さを誇っているということでベースとしてリザードンを使ったと博士から聞いたのですが?」

ロック市長「その通りです。リザードンは昔からポピュラーで強いポケモンとして知られていますから使いました」
 ▼ 376 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 00:39:30 ID:KCKEd6Yk [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「今となっては他にも強いポケモンはたくさんいると思うのですが?」

ロック市長「確かにそうですが、リザードンが数いるポケモンの中でも強いのは科学的に証明されています」

「そうですか。科学兵器では限界があるので今回新たな可能性を求めて今回このような生物兵器を作ったとも聞きましたが?」

ロック市長「はい。科学兵器の発展は確かにめざましいが生物にはまだ及ばない。私はそう考えました」

「やはりここまで兵器にこだわる理由は町を皆を守るためですか?」

ロック市長「もちろんです。私が守らなくて誰が守るのです。今の時代、いつ敵の襲撃や戦争が起きてもおかしくありません!」

「はぁ・・・」

俺は市長の言うことに少し圧倒された。
 ▼ 377 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 15:32:49 ID:KCKEd6Yk [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日は仕事休みなので早めに更新します。



「ではどのようにしてキラーリザードンを作られたのでしょうか?」

ロック市長「まずヒトカゲの卵の段階からDNAを組み換えました」

「それはどのようにして組みかえましたか?」

ロック市長「ヒトカゲの卵から独自の方法で一旦DNAを採取し、そのDNAを組みかえてまた卵に戻しました」

「そうですか」

ルイ博士「これまた高度な技術ですね」

普通の人じゃなかなか難しい説明だろうが俺と博士には大体分かる。
 ▼ 378 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 15:45:41 ID:KCKEd6Yk [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「はい。そして生まれてからは兵器としてふさわしい様にバイオテクノロジーや薬物を駆使して徹底的に強く凶暴に仕上げました。リザードンにまで進化した時は最後の段階として体内にマイクロコンピューターを埋め込み、コンピューター制御で奴らの行動や思考を制御したのです。結果奴らは通常のリザードンの倍以上大きくなり、パワーも桁外れになりました」

市長が話したその過程は生々しささえ感じた。

ロック市長「そして完成間近という時に今回の事が起きたのです」

ルイ博士「つまりは遺伝子工学とコンピュータ工学の二つの技術を駆使して作ったのですね」

ロック市長「はい」

「ということはキラーリザードンはサイボーグとミュータントの両方の要素を持っていますね?」

ロック市長「それに近いです」

「ボールはダメ、檻も脱走してしまう・・・何かいい方法はないのですか?」
 ▼ 379 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 19:31:38 ID:KCKEd6Yk [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「こうなる以上・・・奴らを殺すしかもう方法はありません!」

「殺すって、キラーリザードンたちをですか!?」

ロック市長「はい・・・」

ルイ博士「何と・・・」

「・・・彼らだって元々は普通のポケモンとして生まれるはずだったのですよ。なのに」

ロック市長「私も気持ちは同じです。ただ奴らは一度暴れ出すと誰も手が負えません。自身の身が朽ちるまで破壊、殺戮を続けるのです」

「何とか捕獲して元に戻すことはできないのですか?遺伝子工学の力で」

ルイ博士「元に戻すことは無理でも大人しい性質に変えることはできませんか?」
 ▼ 380 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 19:38:25 ID:KCKEd6Yk [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「無理です・・・一度根本のDNAから変えてしまっているのはもう変えることはできません」

「市長たちのハイテク技術を駆使しても無理ですか?」

ロック市長「はい・・・・」

「そうですか・・・・」

俺はもはや憤りしか感じなかった。

博士も同じだろう。

ロック市長「このままだと私たち人間だけでなくポケモンたちまで危ないです。奴らは今のところはコトブキシティ内にいますが、いつ他の地域に行くか・・・・」

「・・・・誠にお言葉ですが市長、あなたはご自身がどのようなことをなさったかお分かりですか?」
 ▼ 381 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 19:46:34 ID:KCKEd6Yk [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「はい・・・」

「あなたはポケモンを殺す以上に酷いことをなさったのです。ポケモンを生物兵器に仕立て上げておいて最終的には殺す。これほど残酷で自分勝手なことは他にございますか?」

ロック市長「・・・・」

ルイ博士「ちょ、ちょっとナルディ君」

「お言葉が過ぎましたね。申し訳ございません」

ロック市長「いえいいのです。悪いのは私ですから・・・」

ルイ博士「・・・申し訳ございませんが市長、私もナルディ君の言う通りだと思います」

ロック市長「私は街を守りたいという気持ちが強すぎるあまり、市民の税金まで使いこんでこのようなものを作ってしまったのです。私はすっかり周りが見えなくなっていました・・・」
 ▼ 382 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/22 23:57:55 ID:KCKEd6Yk [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「市長・・・・」

ロック市長「挙句の果てにこのような事態を招いて市民たちを危険にさらしてしまって、私は市長としてとんでもないことをしてしまいました。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいですがいくら謝罪を重ねても、いくら償おうとしても、決して許されることではありません」

かみしめながらそう語る市長。

いかに深く反省してるのか見ただけで分かる。

ロック市長「私はもう死んで償おうとも考えました」

ルイ博士「市長、何もそこまでなさらなくても」

「そうですよ」
 ▼ 383 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/23 00:07:07 ID:4OJwS7fs [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「いいえ。私はそれだけのことをしたのです・・・ただ、死んでも何の償いにもならない。むしろあの世に逃げるだけ。そう考え直しました。そして決めたのです。市長としてこの責任を背負い償いながら生きていこうと!」

その時だ。

ギィッ

??「ロック市長!失礼致します!」

突如10人近くの男の人が入ってきた。

ロック市長「おお!君たち!」

??「市長!この度本件で市長の知り合いの方が来てくださると聞いたので様子を見に来ました」

「あの市長、こちらの方たちは?」

 ▼ 384 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/23 00:15:49 ID:4OJwS7fs [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「ああ、こちらの人たちは私の研究所の研究員たちです」

研究員A「あなた方が市長のお知り合いのルイ博士とナルディさんでしょうか?」

ルイ博士「はい」

「そうです」

研究員A「この度はわざわざお越し頂きありがとうございます。市長から聞いております」

「初めまして、私はポケモン研究をしているナルディです。こちらはポケモン博士のルイ博士です」

ルイ博士「どうも、初めまして。ルイです」

研究員A「こちらこそ初めまして。市長の専属研究員のAです」

 ▼ 385 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/23 00:27:27 ID:4OJwS7fs [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「と言うことは残りの方たちも市長の専属の研究員ですね?」

研究員A「はい」

研究員一同「初めまして。私たち一同専属でやらせて頂いております」

ルイ博士「でもこれだけ頼りがいのある研究員たちもいれば私たちなどいなくても」

ロック市長「いいえ、私たちだけではダメなのです。助けが必要なのです。ルイ博士、ナルディさん、どうか力を貸して下さい!コトブキシティだけでなく我々人間やポケモンたちを守るためにも!お願いします!」

研究員A「あなた方のお力が必要なのです!どうかお願いします!」

研究員一同「お願いします!」

市長と研究員たちはそう言って頭を下げた。
 ▼ 386 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/23 00:36:01 ID:4OJwS7fs [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
必死さが嫌でも伝わってくる。

ましてや一市長がこんなに頭を下げるなど滅多にないことだ。

何だかヒーローにでもなったみたいだ!

と、言いたいとこだがやっぱり不安だ。

俺なんかにこんな大それたことできるだろうか・・・・

「・・・すみません。数分だけ時間を頂けますか?」

ルイ博士「ナルディ君?」

ロック市長「はい。もちろん大丈夫ですよ」
 ▼ 387 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/23 23:54:56 ID:4OJwS7fs [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ありがとうございます」

ロック市長「とても即答できます内容ではありませんので」

「恐れ入ります。少し博士と話してきます」

ロック市長「分かりました」

「博士、よろしいですか?」

ルイ博士「あ、ああ」

バタン・・・・

俺は博士を連れて部屋の外に出た。
 ▼ 388 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/24 00:01:56 ID:DpLM7xOs [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「ナルディ君どうしたんだい?話とは?」

「・・・博士・・・やはり私にはできません・・・」

ルイ博士「ちょっとナルディ君!今更何を言ってるんだい」

「いくら生物兵器の凶暴なキラーリザードンとはいえポケモンであることには変わりありません」

ルイ博士「だがもはやモンスターボールも認識しないぐらい原型をとどめていないじゃないか」

「それでもポケモンには変わりないですよ・・・それを殺すなんて・・・私にはできません・・・可愛がってきたポケモンを」

ルイ博士「・・・・・」

博士は少しの間黙ってしまった。
 ▼ 389 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/24 00:08:48 ID:DpLM7xOs [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが

ルイ博士「・・・・私だって同じだよ。ナルディ君・・・」

博士は涙をにじませながらそう言った。

「博士・・・」

ルイ博士「私だってポケモンを愛してるんだ。君の言う通り奴らだってポケモンだ。だから私だって殺すなんてことはしたくないよ・・・」

「博士、でしたら」

ルイ博士「でもね、殺すしかないんだ。じゃないと私たち人間やポケモンたちが奴らに殺されてしまう・・・奴らは人類にとって危険な存在であることは間違いないんだ・・・」

「・・・・」
 ▼ 390 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/24 00:15:19 ID:DpLM7xOs [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
言葉が見つからなかった。

俺にだって博士や市長の言いたいことは痛いほど分かる!

分かるんだよ!!

でも・・・・・・

ルイ博士「もちろんポケモンたちにとってもね。世の中どうにもならないことだってあるんだよ・・・・・」

俺にはこの瞬間分かった。

博士の頬を一筋の涙がつたったのを・・・

博士だって辛いのか・・・・

 ▼ 391 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/24 00:21:37 ID:DpLM7xOs [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺だってポケモンとは生まれた時からずっと一緒だ。

だが同時に罪なきポケモンたちの死も目の当たりにしてきた。

俺のオヤジの場合もそうだった。

だからもう誰かが傷ついたりするのは見たくない・・・

その為に故郷アメリカまで抜け出した・・・

ましてやこの手で殺すなんてどんでもない!

だがこうしないと人やポケモンたちが殺されてしまう。

そんなのはもっと御免だぜ!!
 ▼ 392 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/24 00:27:23 ID:DpLM7xOs [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺はキラーリザードンたちはポケモンじゃない、敵だと思うことにした。

そして決めた。

「・・・・分かりました!やりましょう!」

ルイ博士「ナルディ君!その気になってくれたのか?」

「はい。我々人間とポケモンたちの為に今が戦う時ですから!」

ルイ博士「ありがとう。分かってくれて」

「いえ!黙ってみているわけにはいきませんよ」

ルイ博士「その意気だよナルディ君!」
 ▼ 393 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/24 00:32:03 ID:DpLM7xOs [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。ただ、一つだけ市長に条件を提示したのですが」

ルイ博士「何だい?条件というのは」

「それは・・・・・・・・・・です」

俺は博士の耳元で小声で言った。

ルイ博士「・・・なるほど!それはいいね」

「ええ。こうすればより今回のような惨事を繰り返さないで済みます!」

ルイ博士「それじゃ行こうかナルディ君!」

「はい!」
 ▼ 394 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/24 00:38:48 ID:DpLM7xOs [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガチャッ ギィ・・・・

俺と博士は扉を開け

ルイ博士「お待たせしました」

ロック市長「おお、今か今かとお待ちしてましたよ」

「遅くなりまして申し訳ございません」

ロック市長「あの、それでご返事の方は?」

ルイ博士「ぜひご協力させて下さい!」

「私も今回のような事態を黙って見ているわけにいきません!」
 ▼ 395 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/25 00:26:50 ID:eVWQcB1Q [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「本当ですか!ありがとうございます!」

研究員一同「ありがとうございます!」

ロック市長「あなた方のご協力に感謝いたします」

「いえ。ただ、恐れ入りますが一つだけ条件を提示させて頂いてもよろしいでしょうか?」

ロック市長「条件といいますと?」

ルイ博士「今すぐキラーリザードンに関するデータを破棄して頂けますか?」

ロック市長「・・・それは全部でしょうか?」

「はい。全てです」
 ▼ 396 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/25 00:34:31 ID:eVWQcB1Q [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「・・・・・」

市長は迷っている様子だった。

気持ちは分からないでもない。

ロック市長「・・・いくら何でも、いきなりデータのすべてを消しますのは」

研究員B「このデータの数々は私たちの努力の結晶でもあります・・・・」

ルイ博士「お気持ちは痛いほど分かります」

「ただ、キラーリザードンをやっつけてもそのデータが残っていては今後何者かが悪用する恐れもあります」

ロック市長「データでしたら強固なセキュリティで厳重に保護しております。」
 ▼ 397 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/25 00:45:57 ID:eVWQcB1Q [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「私たち以外は決して触れることも」

「いくら厳重なセキュリティでもそれが破られてデータを盗まれてしまう可能性はゼロではありません。インターネット社会の今、世界中に優秀なハッカーはいます。常に奴らは狙っているのです」

ルイ博士「このデータが盗まれれば戦争やテロといったことに悪用される可能性は十分にあります」

「キラーリザードンをやっつけるだけではダメです。そのデータまで消す必要があります」

ルイ博士「・・・今回のような惨劇は二度と起こしてはいけません」

「どうか、お願いします!」

ロック市長「・・・分かりました!今すぐやりましょう!」

研究員一同「はい市長!」
 ▼ 398 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/26 00:23:06 ID:JfG.yijY [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「本当ですか!?皆さん!」

ロック市長「はい」

研究員B「真の平和の為にやるしかありません」

「ありがとうございます!」

ロック市長「それじゃ君たちは早速研究室に向かってくれ!」

研究員一同「はい!」

ダッダッダッダッダッ

研究員たちは駆け足で研究室に向かった。
 ▼ 399 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/26 00:29:15 ID:JfG.yijY [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「・・・ナルディさん、ルイ博士、あなた方もご協力して頂けますか?」

ルイ博士「もちろんです市長!」

「そもそも私たちがご提案したことですので」

ロック市長「ありがとうございます。それでは研究室はこちらです」

ルイ博士、俺「はい」

こうして俺たちは市長と共に研究室に向かった。

道中〜

「市長、お聞きしたいことがあるのですが」
 ▼ 400 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/26 00:35:24 ID:JfG.yijY [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「はい。何でしょうか?」

「市長のご自宅の隣に半壊した建物があるのですが、あれがキラーリザードンが逃げ出した研究室でしょうか?」

ロック市長「はい。まさしくその通りです」

やっぱり思った通りだ。

それにしてもあの半壊した研究所はいつ思い返しても生々しさを感じる。

「壊れた部分は直さないのでしょうか?」

ロック市長「直したいのですが、今はそれどころではありませんので」

「そう、ですよね」
 ▼ 401 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/26 00:43:16 ID:JfG.yijY [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かにもっともだ。

「これからその半壊した研究室に向かうのですか?」

ロック市長「いいえ、地下にあるもう一つの研究室に向かいます」

「え?もう一つ研究室があるのですか?」

ロック市長「はい。研究室はいくつかあった方が利便性がよろしいので」

これまた驚きだ。

外からじゃ分からなかったが二つも研究室を持っていたとは。

ルイ博士「何故あのキラーリザードンが逃げ出した研究室ではないのですか?」
 ▼ 402 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/26 00:49:38 ID:JfG.yijY [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「大切なデータは全て地下の研究室に厳重に保管しているからです」

ルイ博士「ではあの研究室は?」

ロック市長「あそこは研究に必要な機器や装置があるだけでデータなどは一切保管しておりません」

「何故わざわざ地下の方に?」

ロック市長「地上では戦争や敵の襲撃など万が一の事態になった時に破壊されて大切なデータを失ってしまいかねません」

まさかここまで考えているとは・・・・

ちょっとオーバーとも感じたが、いつ何が起るか分からない今宵はこのぐらい用心深くてもいいかもしれない

「あとは地上だと目に付きやすく、何者かに侵入されてデータを盗まれる恐れもありますね」
 ▼ 403 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/27 00:33:26 ID:IldoVWN2 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「ええ。その恐れもあります」

そしてやがて薄暗い地下通路の前に着いた。

ロック市長「この地下通路の先にあります」

「他に通路はないのでしょうか?」

ロック市長「はい。ここだけです。出入り口は一つに絞った方が万が一侵入されるリスクも少ないのです」

ルイ博士「確かにおっしゃる通りですね」

ロック市長「では行きましょう」

ルイ博士、俺「はい」
 ▼ 404 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/27 00:38:50 ID:IldoVWN2 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カッカッカッカッカッ・・・・

足音だけがこだまする。

ロック市長「研究員たちは先に研究室についているはずです。少し急ぎましょう」

ルイ博士、俺「はい」

地下通路はひんやりしていて湿っぽい感じだった。

また薄暗く、時折点在する蛍光灯の光が冷たく照らしてるだけ。

やがて研究室の扉に着いた。

ロック市長「着きました。ここです」
 ▼ 405 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/27 00:47:06 ID:IldoVWN2 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その扉は分厚い鋼鉄製で何者の侵入も拒むようだった。

ロック市長「それでは今開けますので」

市長は指紋認証、顔認証、暗証番号などを得て扉の電子ロックを解除して開けた。

ゴーーー・・・・

中に入ると研究員たちが出迎えてくれた。

研究員A「市長!お待ちしてましたよ!」

ロック市長「やあ、遅くなってすまない」

中を見渡すと思ったよりも広く、数百インチはあろう巨大モニターや見慣れない機械の数々があった。


 ▼ 406 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/27 00:57:59 ID:IldoVWN2 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更には十数台のパソコンと数台のスーパーコンピューターまである。

研究員B「セキュリティコードを解除してデータにアクセスできるようにしておきました!」

ロック市長「そうか、ご苦労。ぞれじゃ早速取り掛かってくれ」

研究員一同「はい!」

研究員C「大変です!4番コードエラーです!このデータフォルダにアクセスできません!」

研究員A「ええ!?誰かシステムコード変えまたんですか?」

研究員B「このパーソナル認証ではどうですか!」

研究員C「ありがとうございます!これでいけそうです」
 ▼ 407 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/28 01:21:18 ID:YbaAtPQA [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員D「今度はこっちのロックが解除できません」

研究員E「ではそういう時は!」

研究員たちはあわただしく動き回り、それぞれデータの削除に取り掛かった。

ルイ博士「あの市長、私たちは?」

ロック市長「そうですね。ではルイ博士とナルディさんは2番メインコンピューターの方をよろしいですか?」

ルイ博士、俺「分かりました」

ロック市長「ロックの解除とアクセス方法は・・・・」

俺と博士は市長からパスワードやアクセス方法を聞き、取り掛かった。
 ▼ 408 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/28 01:30:05 ID:YbaAtPQA [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「博士。コンピューターにすごく詳しいんですね」

ルイ博士「まぁ研究で色んなコンピューターに触れてきたからね。嫌でも上達するよ」

「やはりそうですか。私も同じです」

ルイ博士「君もそうか。あ、この暗号化されたやつはどうすればいいかな?」

「ここはですね・・・」

俺と博士もまた、コンピューター関連には詳しかった。

だが

ルイ博士「このコンピューター言語が何か分かるか?」
 ▼ 409 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/28 01:35:59 ID:YbaAtPQA [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「すみません。これは私も分からないですね」

ルイ博士「君も分からないのか・・・・」

「ええ、C言語だけで数千通りはあります。それらの中から特定しないと」

ルイ博士「そんなにあるのか・・・・」

研究員B「あの、ここは別の言語を組みかえてみてはどうでしょうか?例えばこのような具合に」

「確かにこれなら分かりやすいですね」

ルイ博士「忙しいのにすまないね」

研究員B「いえ、分からないことがありましたらお聞きください」
 ▼ 410 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/28 01:43:30 ID:YbaAtPQA [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
普段触れるコンピューターとは規模が違うだけあって手間取ってしまう部分も多かった。

それでも研究員の人がアドバイスをくれたりして何とかやってのけることができた。

そして

研究員B「市長、我々の方は全て無事片付きました」

ロック市長「そうか。それは良かった」

「市長、私たちの方も無事に全て終わりました」

ルイ博士「一文字も残らず片付けました」

ロック市長「本当ですか!ありがとうございます」
 ▼ 411 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/28 01:54:53 ID:YbaAtPQA [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「最後に絶対にデータを復活させられないようにサーバー全体に独自のセキュリティもプログラムしておきました」

ロック市長「まさかそこまでして頂けるとは、申し訳ないです」

ルイ博士「いえ、私たちはやる時は徹底的にやらせて頂きます」

研究員C「あとキラーリザードンに関する書類はこれだけになります」

研究室の真ん中に書類が山のように積まれた。

ロック市長「よし。それじゃこの書類は私の家のリビングの暖炉で燃やして来てくれ」

研究員一同「はい」

ロック市長「機密情報も乗っているからな。一枚残らず燃やしてくれ」
 ▼ 412 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/28 23:33:08 ID:YbaAtPQA [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員一同「分かりました!」

そう言うと数人の研究員たちが書類を担いで出て行った。

数十分後、研究員が戻ってくる。

研究員一同「無事、書類の処分終わりました」

ロック市長「ご苦労さん」

「あとはキラーリザードンたちを倒すだけですね」

まぁ殺すというより倒すという言い方の方がまだいいか。

ロック市長「ええ。ただそのキラーリザードンたちをどう倒すのかがまた問題なのです」
 ▼ 413 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/28 23:40:17 ID:YbaAtPQA [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・といいますと?」

研究員A「奴らの肉体はまた強靭です。麻酔銃やちょっとしたライフル銃ぐらいじゃ効きません」

研究員B「最低限でも機関銃などの銃火器でないと」

「そうですか・・・ここにはそれらの銃はないんですか?」

ロック市長「はい。ポケモン用の麻酔銃しかありません」

研究室C「我々も麻酔銃しか扱ったことはありません・・・・」

「・・・分かりました。キラーリザードンたちを倒すのは私にやらせて下さい!」

ロック市長「ナルディさん!あなたがですか!?」
 ▼ 414 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/28 23:50:48 ID:YbaAtPQA [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。私は銃の使い方も入手の仕方も知っています。それに射撃もやっていましたので」

研究室D「相手はもはや化け物ですよ!」

ルイ博士「あまりにも危険だよナルディ君」

「分かっています!ただ私はアメリカ出身で、アメリカで何度も危険なことは乗り越えてきました。今回の事ぐらい任せてください!」

そう。俺はアメリカで銃によって危険な目にあってきた。

そしてオヤジだって殺された・・・・

一同「ええ!?」

研究員F「アメリカ地方ってあの銃社会と呼ばれているとこですか!?」
 ▼ 415 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/29 00:18:13 ID:3FlIBm2U [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうです。私はその銃社会が嫌になってこちらの方に移住してきました」

ルイ博士「ナルディ君は銃の腕前は確かです」

ロック市長「・・・そうでしたか。ぜひお願いします!」

ルイ博士「私の方からも頼むよ。君ならできる」

「はい!では皆さんも後方支援の方よろしいですか?」

一同「もちろんです!」

この時、家にドローンがあることを思い出した。

「あと私の家のにはドローンというラジコン飛行機があります。これにはカメラが付いており、これを使えば安全にキラーリザードンたちの様子を伺うことができます」
 ▼ 416 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/29 00:26:00 ID:3FlIBm2U [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一同「おお」

ロック市長「それは確かに便利ですね」

「まず私がアメリカに武器の銃を買いに行きますので、その時についでにドローンも持ってきます」

ロック市長「分かりました!」

ルイ博士「でもわざわざアメリカまで買いに行くよりインターネットで買ったほうが早いんじゃないのかい?」

「機関銃などの強力な銃は規制がかかっていてインターネットでは買うことができません」

ルイ博士「そうか・・・」

ロック市長「飛行機でアメリカに向かうのですか?」
 ▼ 417 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/29 00:41:14 ID:3FlIBm2U [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いいえ、車で向かいます」

ロック市長「何故ですか?飛行機の方が早いですよ」

「確かに飛行機の方が早いですが、空港の税関で止められる恐れがあります。道路にしてもアメリカ地方の境界線には検問所がありますが、実は細い裏道には検問所がなく警備が手薄なことが多いです。そこを通れば大丈夫です」

ロック市長「なるほど。それで車で向かうのですね」

「はい。飛行機と比べると時間はかかりますが一番確実です」

ルイ博士「さすが詳しいねナルディ君」

「ただ、武器の密輸という犯罪を犯してしまうことになりますが、人とポケモンたちの為には」

ロック市長「致し方ありません。その点は我々も分かっています」
 ▼ 418 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/29 21:44:55 ID:3FlIBm2U [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルイ博士「どうしても多少のリスクはつきものだよ」

「はい。こればかりは」

ロック市長「ただ・・・今日はもう遅いので休みませんか?」

時計を見るとすでに針は夜の10時を回っている。

「そうですね」

ルイ博士「体力は温存しておく必要がありますし」

ロック市長「よし!君たち今日はもう遅いから上がってくれ。また明日頼むよ」

研究員一同「はい!」
 ▼ 419 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/29 21:52:37 ID:3FlIBm2U [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長はそう言うと研究員たちは研究室を後にしていった。

ロック市長「それではお二人方も、寝床などはこちらでご用意しておりますので今日のところは」

「そうですね。ありがとうございます」

ルイ博士「お言葉に甘えてそうさせて頂きます」

「では明日の朝、銃火器の確保に行ってきます」

ロック市長「お願いします!」

その日の夜、ロック市長は俺たちにわざわざベットを用意してくれた。

もちろん寝心地は文句なしだ。
 ▼ 420 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/29 21:58:06 ID:3FlIBm2U [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次の日の朝〜

俺と市長と博士と研究員たちは再び地下の研究室に集まった。

「・・・それではアメリカまで行ってきます!どんなに遅くても明日までには戻ります!」

ロック市長「どうかお気を付けて行ってきてください」

研究員A「私たちは作戦会議などの準備を進めておりますので」

ルイ博士「一刻も早く帰って来るのを待ってるよ」

「分かりました」

そう言うと俺は研究室を後にした。
 ▼ 421 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/29 22:05:50 ID:3FlIBm2U [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幸い銃火器を買うための金は十分ある。

(よし!バッチリだ!)

昨日の朝、家を出るときに念の為にと多めに持ってきたのだった。

アメリカでないと強力な武器は手に入らない・・・

ヴォォン、ゴオオオオオオオ!

俺は車を出すと一本道をひたすら飛ばした。

まさか何の前触れもなくこんな事態になるなんてな・・・・

誰が考えただろうか・・・
 ▼ 422 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/29 22:14:47 ID:3FlIBm2U [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが今更後戻りはできない!

車を飛ばすこと実に数時間、ようやくアメリカの境界線とその検問所が見えてきた。

"WARNING:The Check Point is just Ahead!" (警告:この先すぐに検問所あり!)

と赤文字で書かれた看板も立っている。

(・・・想定内だ)

俺は検問所のない警備が手薄な裏道を何とか探し、そこからこっそり侵入した。

だがよく考えればこれは不法侵入だ。

でも後戻りはもうできない。
 ▼ 423 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/29 22:32:22 ID:3FlIBm2U [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まずはアメリカの街中を散策する。

toy store、workshop、Beauty parlor、cafeteria・・・

様々な店やオフィスが立ち並び、それぞれ凝った看板でアピールしている。

所々に

"Do not use guns in POKEMON battle !" (ポケモンバトルで銃を使ってはいけない!)

"Do not point guns to people and POKEMON!" (人とポケモンに銃口を向けるな!)

といった注意書きの看板が目立つ。

これを見ると嫌でもアメリカが抱える銃社会の闇を感じずにはいられない。
 ▼ 424 ストダス@はつでんしょキー 18/08/30 13:18:26 ID:Da8YaL8k NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 425 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/31 00:11:46 ID:fmkQppa2 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
時代と共に街並みは変わったが根本的なことは何も変わっていないように感じる。

「hum・・・It's stupid city As usual・・・」(へっ・・・相変わらず愚かな街だぜ・・・)

思わずそう捨て台詞を呟いてしまった。

ここで一軒の銃砲店の看板が目に入ってきた。

"FUNNY TECHNO-GUNSHOP"

木製の看板に白いペンキで手書きしたような書体でそう書いている。

まるで西部劇風のデザインだ。

だがはっきり言って今どき古臭く街の景観ともマッチしていない。
 ▼ 426 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/31 00:23:21 ID:fmkQppa2 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
案の定店の方に目をやるとやっぱり西部劇風の木造の造りだ。

いや何も西部劇が悪いわけでなない。

それはそれでヴィンテージ調で味があっていい。

ただ、何度見ても周りの近代的な景観に似つかわしくなく浮いていて、ここだけ時が止まってるかのようだ。

(それにFUNNYって、何か可笑しいんだ・・・まぁいい、ここにするか)

俺は適当な駐車場に車を停めるとその店に入った。

ギィッ、カランカラ〜ン

扉を開けるとベルが鳴り響く。
 ▼ 427 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/31 00:36:30 ID:fmkQppa2 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「Hello」

そう挨拶しながら入ると

店主「Hello!Wellcome to my funny techno gunshop!HA HA HA!」(ハロー!我が楽しいテクノ銃砲店へようこそ〜!ハハハ!)

早速無駄にテンションの高い店主が迎えてくれた。

「aah・・・well・・・」(あぁ・・・えっと・・・)

こう言うのはリアクションに困る。

店主「Hey! What's the matter Mr!You're low-tension!HA HA HA!」(ヘイ!どうしたんだいお客さん!テンション低いね!ハハハ)

別にテンションが低いわけではない。
 ▼ 428 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/31 00:48:10 ID:fmkQppa2 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それにしても何がそんなにおかしいのだろう・・・

逆にこっちが聞きたいぐらいだ。

何故あんたはそんなにテンションが高いのか、と

「Excuse me mr storekeeper?」(店主さんちょっと良いですか?)

店主「Yeah, What's?」(ああ、何かな?)

「Why are you tensioned high?」(何故そんなにテンションが高いのですか?)

店主「HA HA HA!Because I'm cheerful!and If someone laughs everyone will smiles」(私は陽気だからね。それに誰かが笑えば皆笑顔になるだろ)
 ▼ 429 クタン@はつでんしょキー 18/08/31 01:02:45 ID:P0z2DYOM NGネーム登録 NGID登録 報告
頑張って!
支援
 ▼ 430 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/31 22:58:27 ID:fmkQppa2 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※今さらですが英文は翻訳サイトを併用しながらなので、かなり不自然な英文かもしれません。


「That makes sense」(なるほど)

少なくとも悪い人ではないのは確かか。

「But the, very good your shop. great looking this western style design!」(それにしても素晴らしい店ですね。西部劇風のデザインがまたイカしてますよ!)

店主「Really!?」(本当かい!?)

「Of course!Mr storekeeper」(当然じゃないですか!店主さん)

店主「HA HA HA!I'm so glad to hear that!」(ハハハ!嬉しいね!)

店主のオヤジはより満面の笑みを浮かべながらそう言った。

ちょっと言い方は悪いが適当に相手を持ち上げておけば間違いない。
 ▼ 431 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/31 23:26:13 ID:fmkQppa2 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さてそろそろ本題に入るか。

「By the way, is there the great guns in here?」(ところで、ここにすごい銃はありますか?)

店主「Yeah!Ah,okey! maybe you come here because wanted to guns?」(もちろんさ!ああ、分かった!銃が欲しくてここに来たんだね?)

「Yes men, It's very cool guns」(はい。とてもイカした銃を)

店主「What kind of guns do you want?」(どんなのがいいかな?)

「aah・・・For example, machinegun, Large diameter rifle, Launcher・・・It's greatest please!」(えっと・・・例えば機関銃、大口径ライフル、大砲・・・とにかくすごいやつをお願いしますよ!)

店主「Okey!Leave it to me!」(OK!任せてちょうだい!)

店主のオヤジはそう言うと奥に行き、数々の銃火器を持ってきてみせた。
 ▼ 432 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/08/31 23:50:10 ID:fmkQppa2 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
店主「Here you go!」(どうぞ!)

フルオートマチックの自動小銃、大口径のライフル銃、小型のグレネードランチャーなどどれもすごい物ばかりだ。

さすがアメリカといったとこか。

他ではまずこれだけのものは手に入らないだろう。

「ooh, HA HA, It's very nice」(ハハ、素晴らしいですね)

店主「HA HA HA!see!」(ハハハ!そうでしょう!)

思わず笑みがこぼれる。

店主「uh oh!do you have a gun possession permit?」(おっといけない!銃所持許可証は持っているかな?)


 ▼ 433 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/01 00:00:27 ID:/DdY8/2. [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう、さすがのアメリカでもこれがないと銃は買えない。

だがもちろん俺はとうの昔に取得済みだ。

「Of course mr storekeeper!here」(もちろんですよ店主さん!どうぞ)

俺は懐から許可証を出し、店主に渡す。

店主「Uh, Okey, no problem」(うんOK、問題なしだね)

「Yeah」(ああ)

俺もアメリカ育ちというたちのせいか、銃を見た瞬間少し血が騒いでしまった。

(ダメだダメだ俺!これは人とポケモンたちを救う為なんだ!)
 ▼ 434 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/01 00:15:07 ID:/DdY8/2. [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
自分にそう言い聞かす。

※だが許可証自体は一定の条件を満たして申請料さえ払えば誰でも取れてしまう。

しかも一度取得すれば後は定期的に更新さえすれば一生持てる。

これが銃社会アメリカの問題点の一つと言えよう。

まぁもちろん前科持ちの者などは取得できないし、何かしらの違反や犯罪を犯せばこの許可証は剥奪されるわけだが、それだけではまだ甘いかもしれない。

この許可証に関する規制をもっと強めなければ銃社会解消への糸口は見つからないだろう。

「So, How much is it ?」(それで、いくらですか?)

店主「It all is ○○ dollars」(全部で○○ドルだ)


※もちろんSSのフィクションです。
 ▼ 435 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/01 00:26:17 ID:/DdY8/2. [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「Okey, here you go」(はいどうぞ)

店主「Thanks!Please come here again!」(確かに!それじゃまた来てね!)

「yeah!see you again」(はい。それじゃまた)

ギィッ、カランカラ〜ン

俺は店主に金を払うと買った銃火器を片手に店を出た。

まぁ、正直に言うと・・・銃は買いたくなかった。

あの時ドンさんとも約束した。

「決して銃火器に関わることはしない」と。
 ▼ 436 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/01 00:36:15 ID:/DdY8/2. [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なのに俺はこうして銃火器を買ってしまった。

ドンさんを傷つけ、ヤミカラスたちとの絆まで奪ってしまった銃火器を・・・・

だが、こうするしかないのだ。

「sorry・・・murkrow, honchkrow・・・I'm sorry・・・Please forgive me・・・」(すまない・・・ヤミカラス、ドンさん・・・本当にすまない・・・許してくれ・・・)

バタッ、ドスッドスツ・・・

俺はそう思いながら買った銃火器の数々を車のトランクに放り込んだ。

(・・・腹減ったな・・・・)

ふと腕時計を見ると時計の針はとっくに午後の2時を過ぎている。
 ▼ 437 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/02 00:29:34 ID:9/asntF2 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>436
訂正:ふと腕時計を見ると針はとっくに午後の2時過ぎを示している。


(もうこんな時間か・・・)

バタン、ギュルルンッ

俺は車を出すと適当なレストランやカフェを探すことにした。

許可証さえ持っていれば今回のようにマシンガンなどの強力な銃も買えてしまう。

また銃砲店の営業許可証を持っていれば売ることもできる。

これはいかに恐ろしいことか・・・・

犯罪予備軍など危ない人が手に入れたらどうなるか、考えただけでゾッとする。

これでは銃社会の闇にも落ちてしまうか。
 ▼ 438 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/02 00:42:56 ID:9/asntF2 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここでは人だけでなくたくさんのポケモンが銃で犠牲になってるのは確かだ。

まぁ俺が今住んでいる田舎でもあのドンさんの事件があったように銃を持っている人は確かにいる。

だがそれは本当にごく僅かだ。

最もマシンガンなどの強力な銃はアメリカ以外じゃ買えないから、ドンさんたちを撃ったあの男の場合密輸したのだろう。

だがそれと比べてもアメリカの銃保有率は世界的にもトップクラスだ。

闇の背景にはその現実がある。

俺はもうそんな現実は御免だ。

できることなら銃に関する法律を変えたい。


 ▼ 439 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/02 00:52:16 ID:9/asntF2 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もう人とポケモンが銃で犠牲になるのなんか見たくない。

でも俺に法律を変える力なんてあるはずない。

「銃の反対派は少なからずいるはずだ。頼む、法律が変わる日が来てくれ・・・」

俺にはそう祈るしかない・・・

でも俺は今回平和のためとは言えキラーリザードンというポケモンを殺すためにこうして銃を買った。

俺だって人のこと言えないじゃないか。

もう何て言ったらいいか・・・

ちなみに周りはキラーリザードンを化け物のように呼ぶが俺はポケモンと呼ぶことにしている。
 ▼ 440 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/02 01:10:13 ID:9/asntF2 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かに銃はいざという時は遠くからでも安全に攻撃できる便利な武器だろう。

だが同時に遠くからでも簡単に人やポケモンを殺せてしまう卑怯な凶器でもあることを忘れてはいけない。

・・・これ以上考えるのはよそう。

キリがない。

そんなことを思い詰めながら走っていると

"HOPE DISHES CAFE"

そんな看板を掲げる一軒のカフェが目に入ってきた。

まぁ希望に満ち溢れた店という意味を込めてそう名付けたのだろう。
 ▼ 441 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/04 00:10:07 ID:PqWMV2wA [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何ともベターな店名だ。

「まぁ、ここにするか」

とにかく腹が減っては何もできない。

俺はその店の駐車場に車を停め、入店した。

ギィッ

ウェイトレス「hello. Wellcome to the HOPE DISHES CAFE」(こんにちは。希望の料理のカフェへようこそ)

扉を開けると早速ウェイトレスの女性が笑顔で出迎えた。

ウェイトレス「What would you like?」(何になさいますか?)
 ▼ 442 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/04 00:32:37 ID:PqWMV2wA [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「AAh・・・So, bacon sandwich and coffee and mashpotato please」(えっと・・・じゃあ、ベーコンサンドイッチとコーヒーとマッシュポテトをお願いします)

とりあえずメニュー表を見ながらそれらをオーダーする。

ウェイトレス「Sure」(かしこまりました)

適当な席について十数分後、先ほどのウェイトレスの女性が料理を運んでくる。

ウェイトレス「Thank you for waiting. Here you go」(お待たせしました。どうぞ)

「Thanks」(どうも)

サンドイッチ片手に店内のテレビに目をやると午後のニュース番組がやっていた。

『Next breaking news. Today the robbery with a gun brought in to the Pokemon Center. Robbery shot the gun, many people and Pokemon were injured.The opinion of the police authorities・・・』
(次のニュース速報です。本日、ポケモンセンターに銃を持った強盗が押し入りました。強盗は銃を乱射し、多数の人やポケモンが負傷しました。警察当局の見解では・・・)
 ▼ 443 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/04 00:52:14 ID:PqWMV2wA [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「Hum, It's as usual・・・」(フン、相変わらずだな・・・)

はっきり言ってこういう事件はアメリカでは珍しくない。

それでも昔よりは少なくなったとは言うがどうだか。

俺はそのニュースを冷めた目で見ながらサンドイッチやマッシュポテトをつまみ、コーヒーをすすった。

食事を済ませると

「Excuse me, Can I have my bill please?」(すいません、会計お願いできますか?)

ウェイトレス「Sure, It all is ○○ dollars」(かしこまりました。全部で○○ドルになります)

「here」(はい)
 ▼ 444 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/04 01:03:35 ID:PqWMV2wA [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウェイトレス「「Thank you very much.Please come here again.」(ありがとうございました。またいらしてくださいね)

「Yeah」(はい)

ギィッ

さっさと代金を払って店を後にした。

時計を見るともう午後の4時前だ。

(こんな時間か・・・そろそろ行くか)

ギュルルッ、ヴォオオオ・・・・

車を出すとアメリカを出るべく検問所に向かう。

 ▼ 445 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/04 01:16:11 ID:PqWMV2wA [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁこの際は脱出って言ったほうがいいかもな。

しばらく走り、街を抜けると検問所が見えてきた。

"WARNING:The Check Point is just Ahead!" (警告:この先すぐに検問所あり!)

例のこの看板も立っている。

だがそこは相変わらずの厳戒態勢だ。

”Security staff”と書かれたユニフォームをまとった警備員が何人も見張っている。

でもこんなのは全然想定内。

「Hum!It's a piece of cake!It's no problem too!」(へっ!楽勝だぜ!問題なしだ!)

 ▼ 446 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/04 23:56:54 ID:PqWMV2wA [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は行きの時と同じく警備が手薄な裏道を探し、何とかそこからうまく抜け出した。

どんなに完璧に見えても僅かながら必ず盲点はあるのだ。

かくしてアメリカから無事脱出することができた。

結局、「不法侵入」と「武器の密輸」という二つの犯罪を犯してしまった。

・・・キラーリザードンを倒さなければ俺たちが奴らに殺されてしまう。

キラーリザードンを倒すには強力な武器が必要だ。

だが強力な武器は輸出入が禁止されており、現地アメリカでしか手に入らない。

その為には今回の方法をやるしかない。
 ▼ 447 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/05 00:09:46 ID:zQUk6e2I [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっぱりどう考えてもこれらの犯罪に手を染めるしかない運命だったか。

見つかって逮捕されれば起訴されて陪審員にかけられて有罪になるのは確実だろう。

まぁなるべく俺なりに足がつかないようにしたから大丈夫だとは思うが。

ただこれだけは言える。

法を取るか、人類とポケモンの平和を取るか、どっちを取るべきかそんなのは明確だろう。

また内心は「一発アメリカに食らわしてやった」という気持ちがないわけでもない。

アメリカと検問所が離れて小さくなっていくのが分かる。

「See you again〜」
 ▼ 448 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/05 00:21:32 ID:zQUk6e2I [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺はその様子をドアミラー越しに眺めた。

さてここから家までがまた長い道のりだ。

半日以上は確実にかかるだろう。

地平線まで続かんばかりの一本道。

目の前に広がるのは荒野や畑で時折森やちょっとした町がある程度だ。

スマートフォンを見ると圏外で電子地図アプリにもアクセスできない。

だが行きの家からアメリカ地方までの過程で大体道のりは把握した。

どうやって家まで帰るか見当はつく。
 ▼ 449 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/05 00:34:20 ID:zQUk6e2I [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そもそもこの一本道を行けば大丈夫なのは確かだろう。

ヴォオオオオオオ

俺は更にギアを上げ、アクセルを踏んでスピードを上げた。

こんな車通りも滅多にない道、わざわざ警察も交通の取り締まりなんてしないだろう。

スピードメーターを見るとすでに100kmを超えている。

どっちかというとスピード違反より車の方が心配か・・・

だがこんな一本道を駆け抜ける爽快さはいつ味わってもたまらない。

またわざわざ家まで行くのは何もドローンを取りに行くためだけではない。
 ▼ 450 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/05 00:45:21 ID:zQUk6e2I [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンさんたちのことも気がかりだからだ。

むしろドンさんたち目的と言えよう。

数時間後、赤い太陽が地平線に沈みかけ、あたり一帯を夕焼け色に染めている。

地平線で見る夕日もこれまた見事だ。

その夕日をバックに何かの鳥ポケモンが飛んでいる。

そのシルエットがより夕日を引きたて、息を飲むほどの光景を醸し出す。

「きれいだな・・・よし」

カシャッ・・・・
 ▼ 451 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/05 00:54:47 ID:zQUk6e2I [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
運転中だったが思わずスマートフォンを出して写真を撮った。

海で見る夕日とは一味も二味も違う。

この時ばかりはつかの間の安らぎを感じた。

さらに数時間後、すっかり日は落ち夜になった。

相変わらず車通りはない。

いや、よく考えたら今まで1台の車ともすれ違ってないんじゃないのか・・・

しかも街灯もないから本当にあたり一帯は漆黒の闇だ。

今は車のヘッドライトだけが頼りだ。
 ▼ 452 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/05 01:03:26 ID:zQUk6e2I [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こんな時にヘッドライトの球が切れたら命取りだろう。

完全に一寸先は闇・・・

先の見えない道、終わりの見えない道・・・

と、言いたいとこだが”俺の中の道”は見通せている。

それが救いといったとこか。

自分の道まで先が見えない状態だったらどうしようもないだろう。

「・・・ちょっと眠くなってきたな」

時計を見るとすでに夜の10時を過ぎている。
 ▼ 453 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/05 01:13:52 ID:zQUk6e2I [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
昨日と今日はかつてないほどの激動の二日間だった。

それもそのはず、信じがたい現実を目の当たりにし、気持ちの整理がつかぬまま行動に出たのだから。

そんな時間と余裕などなかった。

まさか何の前触れもなくこうして平和が脅かされるとは・・・・

未だに信じられない。

さすがにそんなこんなで疲れがたまっている。

夕食は食べてないから普通だったらとっくに腹が減ってる頃だが今は疲れてそれどころじゃない。

キイイイィッ
 ▼ 454 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/06 00:26:54 ID:36ao5GXM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は少し道を外れ、適当な所に車を停めるとそのまま車内で眠りについた。

暗くて気味悪いとかそんなのは気にならなかった・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

「んん・・・・」

目が覚めるとあたりはすっかり明るくなっている。

時計を見ると朝の5時前・・・

 ▼ 455 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/06 00:34:47 ID:36ao5GXM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「朝か・・・いてて、くそっ・・・」

体のあちこちが痛む。

普段慣れない場所で寝るとこういうことになる。

だがこの際贅沢など言ってられない。

市長たちには今日までに戻ると言ってあるから大丈夫だ。

「・・・行くか」

ヴォオオオオオ・・・・・

再度車を走らせる。
 ▼ 456 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/06 00:47:00 ID:36ao5GXM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
思い返してみれば母国語(英語)はこの土地に越してからは滅多に使っておらず、自分でも忘れかけていた。

だが昨日アメリカに行った時は自分でも無意識のうちに自然と違和感なく話していた。

さすが生まれた時から触れてきて体に染みついているだけある。

またキラーリザードンを倒すのが恐くないのかと聞かれれば答えはノーだ。

逆に返り討ちに合って殺される恐れだってある。

走ること1時間後、俺が住んでいる田舎町に入った。

見慣れた景色を見て少しホッとする。

すると腹が減ってきた。
 ▼ 457 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/08 00:28:54 ID:gQ0Qfj6Q [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「昨夜から何も食ってないからな・・・」

レストランなどがないか探してみるが見つからない。

まぁ、こんな田舎町にそうあるわけないか・・・

そう諦めかけたその時、道沿いに自動販売機が何台も並んでいるのが目に入ってきた。

この町にはもう何年も住んでるがこんな自販機を見たのは初めてだ。

「いつこんなのできたんだ?」

最近設置されたんだろうか、あるいは前からあったが単に俺が気づかなかっただけか、

まぁどっちだっていい。
 ▼ 458 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/08 00:37:46 ID:gQ0Qfj6Q [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キイイッ

自販機の前に車を横付けし、自販機一台一台によく目を凝らした。

食べ物の自動販売機がないか淡い期待を抱きながら。

都会ではよく見かけるがこんな田舎ではどうだろうか。

違う、これも違う、やっぱりないのか?

またもや諦めかけた時

「おお!?」

ほとんどがが飲み物や煙草の自動販売機の中、一台だけがホットドッグの自動販売機だったのだ。
 ▼ 459 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/08 00:44:05 ID:gQ0Qfj6Q [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「よし、ツイてるぜ」

俺は早速ホットドッグを買い、腹を満たすことができた。

冷凍のホットドッグを自動販売機内部のオーブンで解凍しただけのものだったが、とても美味く感じた。

すきっ腹には特に美味しく感じる。

車を出し、更に走るとついに自宅が見えてきた。

(2日ぶりの家だ!)

たかが2日と思うだろうが、この時ばかりは久しぶりに感じた。

やっぱり家を見ると安心する。

 ▼ 460 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/08 00:51:08 ID:gQ0Qfj6Q [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キイイイッ

早速近くに車を停め、軽い足取りで家に向かう。

だが家のそばにはドンさんたちの姿がない。

辺りを見回すがやっぱりドンさんたちの気配がない。

「ドンさん!ヤミカラス!帰ったぜ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・大声で呼びかけても反応がない。

まあ朝からどこかに出かけてるんだろう。
 ▼ 461 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/09 00:28:05 ID:4F.kwTB2 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっぱり自分の家が一番落ち着く。

このまましばらく家で休みたい。

そんな時間などないのは分かってるが・・・

「・・・俺がいない時ドンさんたちはどんな様子だろうか」

ふとそう気になった俺はまず車を近くの茂みの中に隠した。

ヴオオオオ、ガサガサガサッ

「こんなもんでいいか」

茂みに隠したというより突っ込んだという言い方の方が正しいか。
 ▼ 462 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/09 00:36:42 ID:4F.kwTB2 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まるで茂みに捨てられた廃車にも見える。

「まぁ、大丈夫だろう」

そして俺も家の近くの茂みに身を潜め、ドンさんたちの様子を伺うことにした。

しばらくすると何かが飛んでくる音が聞こえてきた。

バサッバサッバサッバサッバサッ

バサバサバサバサッ

異なる二つの音。

一つは大きな翼がゆっくりと風を切る音で、もう一つは小さい翼が小刻みに風を切る音だ。
 ▼ 463 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/09 00:45:22 ID:4F.kwTB2 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・間違いないな」

俺にはその音の正体がすぐに分かった。

そう、ドンさんたちが家の方に帰ってきたのだ。

間もなく視界に二匹の姿を捉える。

ヤミカラス「ボス〜、朝からこのバトルはキツイですよ〜」

ドンカラス「何を言っとる!この程度で弱音を吐くとは!この腰抜けめ!」

ヤミカラス「そんな、やっぱりボスにはかないませんよ」

ドンカラス「フン!そんなのはキサマが軟弱だからだぞ!」
 ▼ 464 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/09 00:56:28 ID:4F.kwTB2 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(相変わらず厳しいな・・・・)

絶対甘やかさない。

そしてしごく時は徹底的にしごき、決してミスや失敗は許さない。

やはり大ボスポケモンというだけある。

ドンカラス「まったく少し腕が上がったと思えばすぐこれだ!恥を知れ!」

ヤミカラス「すいません・・・」

これだけ主従関係を重んじるポケモンは他にいるだろうか。

まぁ間違っても俺たち人間が干渉してはいけない部分なのは確かだ。
 ▼ 465 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/09 01:08:24 ID:4F.kwTB2 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「まぁまぁ。何もそんなに」と仲介に入りたくなるとこだがそれももちろんNGだ。

過去俺はやったことがあるが。

ドンカラス「今度ワシの前でそんな弱音を吐いてみろ。どうなるか分かってるな?」

ヤミカラス「はいボス」ペコッ

そう言ってドンさんにお辞儀をするヤミカラス。

俺には何かと憎まれ口を叩くヤミカラスだが、さすがにドンさんの前じゃ礼儀をわきまえてるか・・・

ドンカラス「フン、まぁいい。それにしてもナルディがいなければいないで悪くないな」

ヤミカラス「そうですね。アイツに口うるさく言われなくて済むし」

 ▼ 466 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/10 00:27:32 ID:OsPwSSLA [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「全くだ。アイツはこのワシにも噛みついてくるときがあるからな」

ヤミカラス「ボスに歯向かうなんていい度胸ですよ」

ドンカラス「アイツだからまだ大目に見てる部分もあるんだが、普通の人間共だったらただじゃ済ませんとこだ」

ヤミカラス「まったくですよ」

口うるさく言わせてるのはどっちなんだか。

ヤミカラス「そう考えるとたまには人間共の世話にならずに、こうして自然に身を任せるのもいいですよね」

ドンカラス「ああ。ただ食い物とかも自分で調達しなきゃいかんのはちょっと面倒だな」

ヤミカラス「そうですね。アイツの世話になってれば黙ってても美味い食い物が出てきますけどね」
 ▼ 467 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/10 00:40:41 ID:OsPwSSLA [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もう少し人のありがたみも分かってくれたらいいんだが。

ヤミカラス「アイツが出かけるときに家のドアを開けっ放しにしていってくれれば良かったんですけどね」

ドンカラス「全くだな。そうすれば家の中の食い物にもありつけるんだがな」

ヤミカラス「ただアイツ、玄関も窓も全部鍵閉めていきやがりましたね」

当たり前だ。

何日家を空けるかもわからないのに鍵を掛けないなんて不用心なマネができるか。

ドンカラス「フン、つくづく用心深い奴だ」

ヤミカラス「俺たちが家を自由に出入りできるように開けていこうとか思わなかったんですかね」
 ▼ 468 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/10 00:52:20 ID:OsPwSSLA [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
誰が思うかそんなこと。

大体家の中を食い荒らされてたまるか。

まぁ何はともあれ俺がいなくても上手くやってることは分かった。

ヤミカラス「ボス、アイツがいなくなってからずっと木の実ですが、やっぱりたまには美味いもの食いたいですよ」

ドンカラス「そうだな。ワシも木の実には飽きてきてた頃だ」

ヤミカラス「やっぱり木の実じゃ味気ないですよね」

ドンカラス「ああ。人間共の食い物の方が美味いのは確かだからな」

一度人間の食べ物の味を覚えたポケモンは自然復帰は難しいと言うがそうかもしれない。
 ▼ 469 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/10 00:59:41 ID:OsPwSSLA [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それに食べ物欲しさに人里にやってきて何をするかもわからない。

人間を襲ったりするかもしれない。

今更遅いがドンさんたちに料理を振る舞ったのはマズかっただろうか・・・

まぁもうやってしまったことは仕方ないか。

それにドンさんたちはすでに人間の食べ物の味は覚えていただろうから。

そう自分に言い聞かせる。

だがその時

ドンカラス「・・・おそらく家の食料庫には美味いものが入ってるに違いないな」
 ▼ 470 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/10 01:11:34 ID:OsPwSSLA [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「そうですよ。絶対美味い缶詰とか何かありますよ」

ドンカラス「ワシも何度かアイツが食料庫から食い物を持って来るのを見てるからな」

ヤミカラス「・・・間違いないですね!」

ドンカラス「よし!ヤミカラス、キサマこのドアを破れるか?」

ヤミカラス「やってみます!」

(おいおい、嘘だろ。やめてくれ・・・)

俺は耳を疑った。

何しろドンさんたちが食べ物欲しさに家のドアを破壊しようとしてるのだから。
 ▼ 471 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/10 01:24:01 ID:OsPwSSLA [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっぱり人間の食べ物の味を覚えさせるとロクなことがないと痛感した。

(ん?でも待てよ、ヤミカラスぐらいだったら大丈夫か)

だがこの時家は補強してあることを思い出す。

ドアは鋼板や鉄筋を仕込んで補強しており、普通のポケモンの体当たりやタックルぐらいなら耐えられるはずだ。

それに窓も全部強化ガラスにしてある。

無論俺が防犯目的でやったことだ。

(破壊できるものなら破壊してみろ)

俺は余裕の表情で見守る。

 ▼ 472 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/10 23:50:30 ID:OsPwSSLA [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バサバサバサッ

ある程度の高さまで飛んで定位置につくヤミカラス

ヤミカラス「行きますよ!」

ドンカラス「おう!やれ!」

ヤミカラス「ブレイブバード!!」ビュゴオオオ!!

一気に急降下し、ブレイブバードを繰り出すヤミカラス。

そして

ズガァアアアアン!!・・・
 ▼ 473 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/10 23:59:33 ID:OsPwSSLA [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブレイブバードはドアにクリーンヒットした。

だが

ヤミカラス「うわあああっ!」ピューッ

ヤミカラスははじき飛ばされた。

ヤミカラスの渾身の一撃も虚しくドアはやや凹んだだけだった。

俺の補強したドアが頑丈であることが証明された。

(良かった・・・どんなもんだ)

とりあえず一安心だ。
 ▼ 474 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/11 00:09:04 ID:Cascr/vU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラスは少しフラフラになりながら

ヤミカラス「はぁ、はぁ、何だよこれ・・・」

ドンカラス「何だキサマ!ドア一枚も満足に破れんのか!」

間髪入れずドンさんが圧を掛ける。

ヤミカラス「ち、違うんですよボス!」

ドンカラス「何が違うんだ!さてはキサマ手を抜いたな!」

ヤミカラス「そんな、手を抜くなんてとんでもない!本気でやりましたよ!」

ドンカラス「本気でやってそんな木のドア一枚も破れんのかキサマは!キサマの力はその程度か!今まで何のためにワシと特訓してきたんだ!」
 ▼ 475 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/11 00:43:34 ID:Cascr/vU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一見ただの木のドアだが中に鋼板や鉄筋を仕込んである。

なかなか見た目ではわからないから無理もない。

ヤミカラス「そんなこと言われましても、だってこの扉すごい頑丈なんですよ!」

ドンカラス「何だと?」

玄関のドアのそばに行くドンさん。

ドンカラス「・・・・どこからどう見ても普通の木のドアだろう」

ヤミカラス「ですが現にこうして俺のブレイブバードも効かないじゃないですか。凹んだだけで」

ドンカラス「キサマの技が貧弱だからだ!」
 ▼ 476 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/12 00:57:57 ID:p0WQ.1nA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「そんな・・・」

だがヤミカラスで安心したのもつかの間。

ドンカラス「まったくキサマじゃラチが開かん!こんな扉ごときで手こずりおって!」

ヤミカラス「すいません・・」

ドンカラス「引っ込んでろ。こんなのワシのゴッドバードで吹っ飛ばしてやる!」

(嘘だろ!!?)

ドンさんのゴッドバードは桁外れの威力だ。

もちろんヤミカラスのとは比較にならない。
 ▼ 477 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/12 01:15:56 ID:p0WQ.1nA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いくら補強してあるとはいえドンさんではひとたまりもないのは明白だ。

バサッ!!

見るとドンさんはすでにゴッドバードを繰り出すべく飛び立とうとしていた。

もうこうやってこっそり見てる場合ではない!

「NOOh!ドンさん待て!やめてくれッ!」ダッダッダッダッ

俺は急いで駆け寄り止めに入る。

ヤミカラス「うわあっ!何だよお前居たのかよ!」

ドンカラス「キサマいつ帰ってきたんだ!」
 ▼ 478 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/13 00:14:13 ID:nc7U6Dqc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「今朝帰ったばかりだ。そしたらドンさんたちがいたから物陰から様子を見てたんだ」

ドンカラス「何だ?ワシらのことをこっそり監視してたのか?」

「まぁ、そう言うことになるな」

ドンカラス「フン、まったくコソコソとナメたマネしおって!」

ヤミカラス「俺たちを監視するなんて随分生意気だなお前」

「すまない。それに関しては謝る。ただな・・・」

ドンカラス「何だ?」

「玄関のドアを吹っ飛ばすとか家を壊すなんてことはやめてくれ!」
 ▼ 479 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/13 00:31:33 ID:nc7U6Dqc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン!そんなのキサマが家の扉を開けておけばワシらだって吹き飛ばすようなマネはしなかったぞ!」

ヤミカラス「言っておくが俺たちはお前が出かけてからずっと味気ない木の実なんだぞ!」

「ずっと木の実って、まだ2日じゃないか!」

ヤミカラス「へっ!たかが2日でも体力勝負の俺たちにとっては木の実だけじゃもたねぇんだよ!」

ドンカラス「全くだ!木の実だけじゃ体力がつかんからな!」

ヤミカラス「扉の鍵さえ開いてりゃ俺たちだって大人しく入ってちょっと家の中の食い物を頂戴してたくらいだぜ」

「無茶苦茶言わないでくれ。鍵を開けっ放しで出かけるなんて物騒なことできるわけないだろ!強盗が入ったりしたらどうすんだ!」

ヤミカラス「へっ!そんなの俺たちがやっつけてやるから大丈夫だ!」
 ▼ 480 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/14 00:39:41 ID:Lb9EgRcw [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・悪いがあいにくそれだけじゃ不安なんでね」

もっとも家の食い物を荒らされるは御免だ。

ドンカラス「何だ?キサマワシらを信用できんのか?」

「だからそういうわけじゃなくて」

ドンカラス「それじゃ何だ?」

ヤミカラス「ボス、いちいち相手することないですよ。こいつの場合用心深すぎなんですよ」

ドンカラス「フン、まったくだ」

ドンさんたちとはいつもこんな調子だ。

 ▼ 481 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/14 00:50:02 ID:Lb9EgRcw [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
用心深すぎるというより普通だと思うが・・・まぁいい。

いつものことだからもはや気にならない。

ヤミカラス「ところでお前この玄関のドア何なんだよ。嫌に頑丈だぞ」

ドンカラス「ワシには普通のドアにしか見えんがな」

「ああ、これは中に鉄筋や鋼板を仕込んで強化してあるんだ。防犯とか万が一の為にな」

俺はドンさんたちに扉を補強してあることを説明した。

ヤミカラス「何だよそれ!どうりで俺の技も効かないくらい頑丈なわけだ!」

ドンカラス「まさかそんなマネをしてるとはな」
 ▼ 482 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/14 01:00:18 ID:Lb9EgRcw [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「ボス!だから言ったじゃないですか!それなのにひどいですよ」

ドンカラス「フン!・・・・」

ヤミカラス「大体お前も何で言わねぇんだよ!こんな姑息なマネしやがって!知らずに俺アタックしてひどい目にあったんだぞ!」

「家を壊そうとするからそういうことになるんだぞ」

ヤミカラス「何だよ!俺が悪いのかよ!」

実際そうなのだが。

憎まれ口を叩くのは相変わらずといったとこか。

「ああすまない。俺が悪かったよ」

 ▼ 483 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/14 01:09:14 ID:Lb9EgRcw [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「ったく!お前のせいで散々だ」

結局は俺の方が折れるのだった。

そうやって下手(したて)に出るから相手が付け上がってナメられるんだ。

そう思う人もいるかもしれない。

まぁ実際そうかもしれない。

だが俺は別に構わない、今更慣れっこだ。

防犯以外にドンさんたちに壊されないようにと家を補強したというのもあった。

だが正直ドンさんのパワーには想定外だった。
 ▼ 484 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/15 00:08:35 ID:5bx.iOzY [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「だがワシが扉を壊そうとした時はキサマ止めただろ。どういうつもりだ?」

「ああ、いくら補強してあるとはいえドンさんじゃひとたまりもないからな。正直想定外だったんだ」

ドンカラス「フン、そうか」

ヤミカラス「ところでお前車どこやったんだよ」

ドンカラス「そもそも二日間もキサマどこに何しに行ってたんだ?」

「ああ待ってくれ、準を追って話そう。まず車だがちょっと別の場所に停めてきたんだ。あるとドンさんたちに俺が帰ってきたことがバレちゃうからな」

ヤミカラス「なあんだ」

「そういうわけだから車持ってくるからちょっと待っててくれ」
 ▼ 485 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/15 00:16:05 ID:5bx.iOzY [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タッタッタッタッ

俺は駆け足で車を隠した茂みに向かった。

(・・・・無事に出せるかこれ)

あの時焦っていたとはいえ改めてこうして見ると茂みに無造作に突っ込んである。

傍から見たら事故を起こした車に見える。

(いいや、早いとこ出そう)

ギュルルルルンッ

俺はエンジンを掛けてバックギアに入れ、アクセルを吹かす。

ヴォオオオオオン
 ▼ 486 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/15 00:24:46 ID:5bx.iOzY [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが車は唸り声を上げるだけでビクとも動かない。

「What the hell?」(一体何だ?)

よく見ると車に植物の蔓やら何やらがいろいろと絡まっていた。

これでは出れるはずもない。

「クソッ、何てこった」

何とか車に絡みついた蔓などをほどいていると

?「何だよお前の車そんなとこにあんのかよ!事故って茂みに突っ込んだのか?」

「んん!?」
 ▼ 487 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/15 00:32:22 ID:5bx.iOzY [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突如そんな声が聞こえた。

一瞬誰かと思ったがやっぱりだった。

「・・・ヤミカラス何しに来たんだ?」

ヤミカラス「お前が車をどこに停めたか気になったから後をつけてきたんだよ。何だよこれ。茂みに突っ込んだまま抜け出せないのかよ」

「抜け出せないのは事実だが事故って突っ込んだんじゃなくてわざとこんな風に停めたんだ」

ヤミカラス「へっ!嘘つくなよ!」

「本当だ!」

ヤミカラス「まぁいいや、ボスにも言ってやろうっと」バサバサバサッ
 ▼ 488 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/15 00:40:40 ID:5bx.iOzY [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「全く・・・・」

ヤミカラスは嘲笑気味に言うと飛び去っていった。

俺はさっさと絡まった植物をほどくと何とか車を出すことができた。

我ながらちょっとやってしまったとこだ。

まぁ事故ったというのもあながち間違ってないかもしれない。

自宅前〜

ヴォオオオオ・・・・

「ドンさんたちすまない。待たせたな」
 ▼ 489 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/15 00:50:50 ID:5bx.iOzY [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「おお。ヤミカラスから聞いたぞ。キサマ事故って車ごと茂みに突っ込んでたんだってな」

やっぱりヤミカラスはドンさんに半分デタラメなことを言っていた。

だがもう面倒だ、そう言うことにしとこう。

「ああ。そうだ。ドンさんたちに見つかるから車を別の場所に停めてきたとか言ったが、本当はそういうわけでここまで歩いてきたんだ。こっそりドンさんたちの様子を見てたのは本当だが」

ヤミカラス「最初からそう言えばいいのによ」

ドンカラス「フン、まったく見え透いた嘘などつきおって」

「すまない」

ドンカラス「だがキサマの車、事故を起こした割には随分無傷だな」
 ▼ 490 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/15 01:03:53 ID:5bx.iOzY [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それもそのはず、実際にはただ茂みの中にゆっくりと停車しただけなのだから。

だが俺は

「まぁ茂みがいい具合にクッションなったし、この車は意外と丈夫だからね。そういうわけで幸い俺もこの通り無事だ。ヤミカラスの事だから大惨事でも期待してただろうが、あいにく、その期待には添えられなくてすまないね」

ヤミカラスにそう返した。

もちろん中身は真っ赤な嘘だが。

ヤミカラス「へっ!何だよ嫌味な奴だな!」

悪いがこちらもずっと受け身というわけにはいかない。

ドンカラス「そろそろ二日間どこで何をしてきたか話してもらおうか」
 ▼ 491 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/17 00:01:47 ID:roBIeYTs [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ああ。ただちょっと長くなるぜ」

ドンカラス「長くなるか、なら何か食わせろ」

ヤミカラス「ここんとこ木の実で飽き飽きだぜ全く」

「分かった。いいぜ」

俺はドンさんたちを家の中に招き、適当に料理を振る舞うことにした。

ドンカラス「おいまだできんのか!」

ヤミカラス「早くしろ!」

「今できるから待ってくれ」
 ▼ 492 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/17 00:05:22 ID:roBIeYTs [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
食後〜

ドンカラス「フン、相変わらずまあまあだな」

ヤミカラス「まぁ木の実よりかはマシか」

相変わらず可愛くないな。

そう言いたいとこだが

「・・・そろそろいいか?」

ドンカラス「何がだ」

「何ってこの二日間何があったかだ」
 ▼ 493 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/17 00:16:19 ID:roBIeYTs [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「おうそうだったな。話してみろ」

「・・・非常にマズイことが起きたんだ。本当はこんなゆっくりしてる時間なんてないんだがな」

ドンカラス「おいマズイことって何なんだ!」

ヤミカラス「何が起きたんだよ!」

「まぁ、俺たち人類やポケモンの危機かもしれない」

ヤミカラス「え!?俺たちも?」

ドンカラス「危機だけじゃ分からんだろ!はっきり話せ」

「ああ」
 ▼ 494 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/17 00:29:50 ID:roBIeYTs [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺はあの日の朝、知り合いの博士に緊急事態だから手を貸して欲しいと呼ばれたこと。

そして緊急事態の内容はコトブキシティで市長の研究所からキラーリザードンが脱走し、街を襲撃していることであること。

キラーリザードンは市長が開発したものであること。

キラーリザードンの正体、開発の経緯。

市長たちと平和の為にキラーリザードンを倒すことになったこと。

など今まであったことをひと通り話した。

ヤミカラス「嘘だろ・・・・」

ドンカラス「何てことだ」

 ▼ 495 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/17 01:03:47 ID:roBIeYTs [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更にコトブキシティに行った際に荒廃と化した様子の写真も撮っていた。

その写真も見せながら

「これがコトブキシティの現状だ」

ドンカラス「何もかも滅茶苦茶じゃないか・・・」

ヤミカラス「これはひどいな。人間共が作った文明もこの有様かよ」

「このままだとコトブキシティだけじゃなくシンオウ地方、いや他の地方も危ない」

ヤミカラス「そういえばシンオウ地方はボスの故郷でもありますよね?」

ドンカラス「ああ、まさかワシの生まれ育ったとこがこんな事態になるなんてな」
 ▼ 496 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/17 22:57:59 ID:roBIeYTs [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「そもそも市長がキラーリザードンなんて作るからこんなことになるんだぜ」

ドンカラス「全くだ。ポケモンを兵器に仕立て上げるなんてとんでもない人間がいたもんだな」

「まぁ気持ちは分かるが、市長だって町の平和を守りたいっていう一心で」

ドンカラス「だまれっ!」

ドンさんは突如大声で怒鳴った。

ドンカラス「ポケモンを兵器に利用し、こんな事態まで招いておいて何が平和だ!ふざけるのも大概にしろ!」

「ドンさん、悪いが俺に言われても・・・・それに市長だって本当に深く反省しているんだ。死んで詫びようとも」

ドンカラス「何だキサマ、そいつの肩を持つ気か?」

 ▼ 497 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/17 23:08:40 ID:roBIeYTs [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そういうわけじゃないぜ!」

ドンカラス「じゃあどういうつもりだ!キサマら人間共はポケモンを利用するだけ利用し、都合悪くなったらそうやって殺すのか!」

「今回ばかりは仕方ないんだッ!!」

思わず俺は大声で言った。

ドンカラス「ッ!?」

やや圧倒気味のドンさん。

「すまない、つい大声で」

ドンカラス「フン・・・」
 ▼ 498 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/17 23:18:46 ID:roBIeYTs [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ただな、今回のはいくつものの悪条件が重なった結果起きてしまった事故なんだ。まぁ事故って片づけるのは良くないがな。さっきも話したがキラーリザードンは遺伝子工学とコンピューター工学が生んだ生物兵器だ。ミュータントとサイボーグの両方の要素を合わせ持つな」

ドンカラス、ヤミカラス「・・・・・」

ドンさんたちは何も言わずに聞いている。

「だがそんなキラーリザードンだって元々は普通のリザードンとして生きていくはずだった。どんな形であれそれを一人の人間が自分の都合で台無しにしてしまったのは事実だ」

ドンカラス、ヤミカラス「・・・・」

「元は普通のポケモン、俺だって本当は殺すなんてマネはしたくない。自分の都合のいいようにやっておいて都合悪くなったから殺すなんてあまりにも酷すぎるじゃないか。そう思うだろ?」

ドンカラス「フン、きれいごとばかり並べおって!口ではいくらでも言えるだろ!」
 ▼ 499 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/17 23:27:31 ID:roBIeYTs [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・そう思っても無理ないよな・・・全部分かってくれとは言わない。ただな、これだけは分かってくれ、俺は間違ってもポケモンを殺すなんてしたくない。そんなの見たくもない。キラーリザードンだって何とか生かしておけないか方法だって探した!ただ・・・殺すしか方法がなかった。こうしないと俺たち人間だけじゃなくポケモンまで奴らにやられてしまうんだ・・・本当にすまない・・・・」

ドンカラス「・・・・それでキサマはそのキラーリザードンって奴を倒しに行くんだな?」

「ああ。市長が全面協力してくれることになってな」

ドンカラス「いつ行くんだ?」

「今からだ。ドンさん、分かってくれたのか?」

ドンカラス「フン、別にキサマら人間の弁解など聞く耳も持たん」

「そうだよな・・・・」

ドンカラス「ただな、ポケモンやワシの故郷のシンオウシンオウのことはちょっと気がかりだからな。聞いてみただけだ」
 ▼ 500 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/20 23:41:47 ID:QqoQGsec [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・やっぱり気になるのか」

ドンカラス「フン、決まってるだろ。大体キサマなんかにそんな化け物倒せるのか?」

「やってみないと分からない。市長たちみんなも協力してくれるが保証はできない」

ドンカラス「まぁキサマら人間どもには無理だろうな。ワシらみたいに技を使ったりできんからな」

「確かに俺たち人間はポケモンと違ってなかなか強力な技とかは持ってない。だが俺たちにもポケモンには負けないものがあるぜ」

ドンカラス「・・・何だそれは」

「科学技術だ。俺たち人間はそれを駆使し発展させてきた。たまには今回のようにそれが悲劇を招く時もあったが」

ドンカラス「フン、まぁそれも一理あるか」
 ▼ 501 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/20 23:48:36 ID:QqoQGsec [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「俺たちはドンさんたちのように技とかは使えない。ただ俺たちには科学技術という強力な武器を持ってる。そこの違いかな。おかげでこんなに文明を築くこともできた」

ドンカラス「何だ?キサマら人間の方が上とでも言いたいのか?」

「いや決してそういうわけじゃないんだ。すまない言い方が悪かったね」

ドンカラス「フン・・・」

「それで今回俺もその科学技術を武器にして戦う。ちょっと来てくれ。見せたいものがあるんだ」

ドンカラス「何だ?見せたいものって」

「見れば分かる」

ヤミカラス「おい俺もか?」
 ▼ 502 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/21 00:00:13 ID:j8SAXids [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ああ」

俺はドンさんたちを車のほうに連れて行き、トランクの中からアメリカで買ってきた銃火器の数々を出して見せた。

ドンカラス「・・・どういうつもりだこれは」

するとドンさんは睨みながらそう言った。

「見ての通りだ。アメリカで買ってきたんだ」

ドンカラス「答えになっとらんぞ!どういうつもりだと言っとるんだ!こんなもの買ってワシに見せおって!」

「すまない・・・キラーリザードンは本当に強いんだ。強靭な皮膚に守られていて下手な技は効かない。銃火器じゃないと倒せないんだ。だから」

ドンカラス「何故そんなことが分かる」
 ▼ 503 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/21 00:08:20 ID:j8SAXids [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「市長やその専属の研究員たちも言っていた。それに俺も自慢じゃないが伊達にポケモンの研究やってるわけではない」

ドンカラス「言われなくても大体分かるとでも言いたいのか?」

「まぁ、そんなとこか」

ドンカラス「フン、偉そうにしおって」

「すまない」

ドンカラス「・・・大体キサマ、ワシの言ったことを忘れたのか?」

「何だ?言ったことって」

今一ピンとこない。
 ▼ 504 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/26 23:09:02 ID:4bxc3hYc [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「前にワシらの前では銃に関することはもちろん、話も一切するなと言ったはずだ!知らんとは言わせんぞ!」

(ああ。あの時交したその約束のことか)

この瞬間ピンと来た。

「そう言えばそうだったな。前にそんな約束もしたな。すまない・・・」

ドンカラス「なのにこれはどういうつもりだ!」

「すまない・・・俺だってその約束は破りたくなかった。ただ今回はキラーリザードンを倒すためにはその約束を破るしかなかったんだ・・・すまない」

ドンカラス「フン!”すまない”で済むとでも思ってるのか!」

「本当にすまない・・・・俺はドンさんたちと違って強くないし技も使えない、だからこうして銃に頼るしかないんだ・・・キラーリザードンを倒し平和のためには・・・・許してくれ・・・」
 ▼ 505 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/26 23:15:52 ID:4bxc3hYc [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると

ドンカラス「・・・フン、勝手にしろ。全く強情な奴め」

ドンさんはぶっきらぼうにそう返事した。

口ではそんなことを言うドンさんだが、心の中ではちゃんと分かってくれた証だった。

俺にはもちろん分かってる。

「ドンさん・・・ありがとう」

ドンカラス「その代わり次こんなマネしてみろ!ただじゃ済まんぞ!」

「ああ。分かってる」
 ▼ 506 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/26 23:33:19 ID:4bxc3hYc [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンさんはいつものように睨みながら釘を刺した。

「・・・それじゃそろそろ行くぜ。ドンさん、ヤミカラス、いつ帰れるか分からないが頼むぜ」

ドンカラス「おい、いつ帰れるか分からないって何だ!」

ヤミカラス「また留守番かよ」

「そうだ。すまない。最悪は生きて帰れないかもしれない。だがそれも覚悟の上だ。その時は・・・頼むぜ。ドンさんたちなら大丈夫だ」

後戻りはできない。死ぬ覚悟だってできている。

だが

ドンカラス「待て!ということはこのワシも置いてキサマ一人で行くというのか!?」
 ▼ 507 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/26 23:44:17 ID:4bxc3hYc [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンさんが止めに入る。

上手く自然の流れで去ろうとしたところだったが。

「ああ。まさか一緒に来るつもりだったのか?」

ドンカラス「当然だ!この非常事態を黙って見過ごせるか!キサマ一人じゃ行かせんぞ!」

何とドンさんも行くつもりだったのだ。

ヤミカラス「・・・・」

だがヤミカラスは何も言いだせずドンさんの陰でじっとしている。

やっぱりドンさんほど度胸がないのだろうか。
 ▼ 508 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/26 23:54:51 ID:4bxc3hYc [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうか。気持ちは嬉しいが」

ドンカラス「ワシも行くぞ!」

「すまないドンさん。それはできない」

ドンカラス「何故だ!故郷のシンオウ地方だけじゃなくワシらポケモンまで危機に瀕しているというのにそれを黙って見ていろと言うのか!」

「そういうわけじゃないんだ!ドンさんたちをこれ以上危険な目に会わせたくないんだ!」

ドンカラス「フン!何が危険な目に会わせたくないだ!キサマら人間共はいつだってそうだ!都合よくきれいごとばかり並べおって!」

「きれいごととかそうじゃない!ドンさんたちはあの時一度死にかけてるんだぞ!忘れたのか!」

ドンカラス「初めて子分共との絆を引き裂かれた瞬間だ!死んでも忘れるはずないだろ!」
 ▼ 509 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/27 00:15:07 ID:DZD2zlL. [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうだろ!俺はもうドンさんたちが傷つくとかそんなのは見たくないんだ!俺は銃で溢れるアメリカで何度も危険な目に合ってきた!オヤジが殺されたあの日だってそうだ!だから今回の事ぐらい・・・俺一人で十分だ!!」

ドンカラス「黙って聞いてりゃ好き放題言いおって!貴様ワシを甘く見るのもいい加減にしろ!!」

「ドンさんまだ分かんないのか!」

ドンカラス「言っておくがワシも子分共を束ねるボスとしてあの時以外も何度も危険な目に会ってきたんだ!キサマなんかよりもな!それと比べれば今回の事ぐらい!」

「頼むから分かってくれ!」

ドンカラス「分かっとらんはキサマの方だ!強情張りおって!」

「何も犠牲にしたくないんだ!犠牲になるとしたら俺だけで十分なんだ!だから!」

ドンカラス「何だ!今度はヒーロー気取りのつもりか!自分がカッコいいとでも思っとるのか!酔いしれるのも大概にしろ!」

 ▼ 510 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/27 22:59:27 ID:DZD2zlL. [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「だからそういうのじゃないんだ!」

その時、ヤミカラスが口を開く

ヤミカラス「あの・・・お言葉ですがボス」

ドンカラス「何だ?」

ヤミカラス「やはりここはコイツに任せた方がいいと思います」

ドンカラス「何だと?キサマまでコイツの肩を持つのか!?」

ヤミカラス「いえ!そういうわけじゃなくてボスの身に何かあったら!」

ドンカラス「フン!余計なお世話だ!」
 ▼ 511 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/27 23:14:19 ID:DZD2zlL. [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「そんな、俺はボスのことが心配で」

ドンカラス「キサマなんかに心配される筋合いはないぞ!引っ込んでろッ!」

ヤミカラス「すいません・・・・」

せっかくヤミカラスが心配しているのにそれを踏みにじっているようだった。

そこまでしてまで全く聞く耳を持とうとしないドンさん。

「ドンさん、何故そこまでしてまで一緒に来ようとするんだ?俺が心配だからか?」

ドンカラス「フン!キサマなんか心配ではない。眼中にもないな」

(やっぱり)
 ▼ 512 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/27 23:29:19 ID:DZD2zlL. [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「人間共がどうなろうがワシの知ったことではない。だがな。ワシらポケモンやその故郷が危機に瀕していると聞いたからには黙ってられんだろ。キサマら人間だってそうだろう」

「ああ、もちろんだ」

ドンカラス「それと同じだ!こういう時こそ他の奴らのためにも立ち上がるもんだろ!」

ドンさんはいざという時は正義感にあふれていることが思い知らされた。

言っていることも筋が通っている。

ヤミカラス「さすがボス!言うことが違いますね!」

ドンカラス「フン、何を今更。当然のことだ」

ドンさんの言うことは正しい。
 ▼ 513 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/27 23:51:39 ID:DZD2zlL. [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
皆が皆そう思うかどうか分かんないが俺はそう確信する。

痛いほど分かる。

でもな・・・・やっぱりこれ以上ポケモンが傷つくのは見たくないんだよ・・・

ポケモンが傷つくのを見るのはバトルの時だけで十分だ。

特にドンさん。あんた達は・・・

ダメだ。ラチが開かない。

「すまないドンさん!許してくれ!」ダッ

ドンカラス「ああっ!キサマ!!」
 ▼ 514 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/09/28 00:01:58 ID:pSnUxvls NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は駆け足でその場を後にした。

ドンさんを振り切る思いで。

そしてそのままの勢いで車に飛び乗るとエンジンをかけ、アクセルを吹かして急発進させた。

ヴォオオオンッ!キイイイイッ!

スキール音がこだまし、わずかにタイヤの焦げた臭いが鼻をつく。

「本当にすまない・・・悪く思わないでくれ・・・」

だがその直後。

バササッ!!


 ▼ 515 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/02 21:00:02 ID:KTrAGpsY [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今夜は少し早めに更新します。



真横を矢の如く横切るドンさんの姿が一瞬目に入ってきた。

かと思えば。

バサッ!!

「ッ!!?」

何とドンさんが前方わずか30メートルほど先に降り立ち、翼を広げて立ちふさがったのだ。

「Oh my gao!!」

キイイイイッ!

とっさに急ブレーキを踏む。


 ▼ 516 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/02 21:19:24 ID:KTrAGpsY [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幸い発進したばかりでさほどスピードも乗っていなかったのもあり、寸でのところで止まることができた。

俺はすぐさま車を降り

「おいドンさん!一体何のつもりだ!」

ドンカラス「フン!それはこっちのセリフだ!キサマこそ何のマネだ!いきなり車で逃げようとしおって!」

「逃げようとかそんなんじゃないんだ!ドンさんが分かってくれないから・・・・こうするしかないんだ!分かってくれさえいれば」

ドンカラス「黙れ!貴様ワシに歯向かう気か!」

「・・・こっちは危うくドンさんのことを轢き殺すとこだったんだぞ!分かってるのか?」

ドンカラス「フン!こっちも本気だ!キサマに轢かれるぐらいの覚悟はあるぞ!」



 ▼ 517 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/02 21:32:37 ID:KTrAGpsY [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バサッバサッバサッバサッ

間もなくヤミカラスもやってきて

ヤミカラス「ボス何やってるんですか!やめて下さい!死んじゃいますよ!」

ドンカラス「キサマには関係ないことだ!引っ込んでろ!」

ヤミカラス「いえ俺にも関係あります!もしボスに何かあったら」

ドンカラス「何だ?貴様ワシに文句あるのか?」

ヤミカラス「いえ・・・ありません・・・」

ドンカラス「なら首を突っ込むな!」
 ▼ 518 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/02 22:49:29 ID:KTrAGpsY [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「すいません・・・」

「ドンさん、ヤミカラスだってドンさんのこと心配しているのにその言い方はないんじゃないのか?さっきから聞いているが」

ドンカラス「何だ?キサマまで歯向かう気か?」

「そうじゃない。とにかくこれ以上こんなマネは止してくれ」

ドンカラス「キサマがワシの言う通りにすればな」

「だからそれはできないんだ。何もドンさんたちまで傷つくことないだろ?違うか?」

ドンカラス「フン、そんなのはキサマら人間共のエゴに過ぎんだろ」

「エゴって・・・なぁドンさん、どうしても俺一人じゃ行かせない気か?」
 ▼ 519 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/02 23:01:55 ID:KTrAGpsY [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「決まってるだろ!」

「そうか・・・・」

俺は腰から護身用に隠し持っていた拳銃を出すとドンさんに向けた。

「・・・頼む。一人で行かせてくれ」

大概銃を向けられた相手は動揺する。

だがドンさんは違った。

ドンカラス「ほう、キサマ今度はそうやってワシに銃を向けるのか」

全く動じず堂々と構えている。
 ▼ 520 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/02 23:11:46 ID:KTrAGpsY [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それどころかその赤い瞳でより一層俺を睨みつける。

それを見ていたヤミカラスは

ヤミカラス「ああっボス!!おいナルディ!お前ボスに何てことを!」

ドンカラス「キサマは出る幕じゃないぞ!引っ込んでろ!」

ヤミカラス「はっはいボス!」

ドンさんが一喝する。

「・・・本気なんだ。頼む。どかないと・・・・」

ドンカラス「どかないと何だ?撃つ気か?おもしろい!撃てるものなら撃ってみろ!」
 ▼ 521 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/02 23:25:55 ID:KTrAGpsY [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
引き金を握る手から汗がにじむのが分かる。

俺もドンさんも互いに構えたまま微動だにしない。

ヤミカラスも見守ることしかできない。

そんなこう着状態が数分間続いた後。

「ッ!!!」

俺は銃口を空に向け、引き金を引いた。

ズガンッ!!!・・・

静寂の中、発砲音だけが波紋のようにこだまする。

 ▼ 522 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/03 00:05:34 ID:xLGA/Qak [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ッ!・・・・」

俺は崩れるように空に向けた銃口を下げた。

ちょっとした街中なら通報されて警察沙汰だろう。

「はぁ・・・はぁ・・・」

ドンカラス「・・・キサマ何のつもりだ」

「・・・ダメだ。俺にはできない・・・」

ドンカラス「フン!腰抜けめ!所詮キサマの覚悟はその程度か」

そもそも最初からドンさんを撃つつもりなんてない。
 ▼ 523 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/03 00:15:09 ID:xLGA/Qak [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ただ脅かそうと

「だがな・・・今回ばかりは俺一人で」

ドンカラス「まだ言うかキサマ、しぶとい奴め」

「ああ。これは譲れない」

ドンカラス「よおし分かった。そこまで言うならこのワシを振り切ってから行け!」

「え?」

まさにこのワシを倒してから行けという意味だった。

ドンカラス「ただワシも本気だ。キサマを殺してしまうかもしれんぞ。それでもいいならかかって来い!」バサッ!
 ▼ 524 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/12 00:10:24 ID:7Rx2vCIg [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンさんはそう言ってさらに大きく翼を広げた。

ここまで本気のドンさんは初めてだ。

逆立った羽、2メートル以上広がった翼、赤く鋭い眼光・・・

それらを見ても明白だ。

自分の命を犠牲にすることさえ覚悟している。

「ドンさん・・・・・」

俺はその様子に心を強く打たれた。

「・・・ドンさん俺が悪かった。ドンさんの気持ちも知らずに自分の事ばかり・・・本当にすまない」
 ▼ 525 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/12 00:25:06 ID:7Rx2vCIg [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
するとドンさんは静かに翼をたたみ

ドンカラス「・・・フン、ようやく自分の愚かさに気づいたか」

「ああ、目が覚めたぜ。ドンさん・・・一緒に戦ってくれるか?」

ドンカラス「キサマに言われんでも最初からそうするとこだ。もっともキサマの手助けなどはせんけどな!」

「それでいいんだ。ありがとう。ドンさん」

ドンカラス「フン、ワシはワシらの世界を守るために戦うまでだ。ところで、おいヤミカラス!」

ヤミカラス「はっはいっ!」

ドンカラス「キサマはどうするんだ?」
 ▼ 526 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/12 00:40:12 ID:7Rx2vCIg [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「・・・・俺も行きます!ボスが行くのに、行かないわけないじゃないですか!」

ヤミカラスはそう返事した。

もはやいつものヤミカラスとは思えなかった。

ドンカラス「よおし!それでこそワシの子分だ」

ヤミカラス「はい」

「ヤミカラスもありがとう。それじゃ約束してくれるか?」

ドンカラス「何だ」

ヤミカラス「何をだよ」
 ▼ 527 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/14 00:15:50 ID:yrdclxQE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「絶対に生きて帰ると!」

ヤミカラス「もちろんだぜ」

ドンカラス「決まってるだろう。そんなこと」

「・・・よし行こう!」

俺はドンさんたちを車に乗せると市長の家に向かった。

道中〜

ドンカラス「もちろん市長も戦うんだろうな?」

「まぁ、戦うというよりは後方支援という形で手助けをしてくれるんだ」
 ▼ 528 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/14 00:27:59 ID:yrdclxQE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「直接戦うわけじゃないのか・・・まぁいい、この際だ。市長がどんな奴かも見てやろう」

この時ドンさんが市長たちに何かやらないか少し気がかりだった。

(・・・まぁ、大丈夫だろう)

「市長だけでなくその部下の人たちや知り合いの博士も手助けしてくれることになっている。結構頼もしいガードだぜ」

ドンカラス「フン、人間共の助けなどいらん」

「まぁドンさんそう言わないでくれ」

走ること数時間、コトブキシティの荒廃した街並みが見えてきた。

何度見ても空虚感だけが漂う。
 ▼ 529 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/15 00:12:37 ID:Chc2dMwo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「何だよこれ、めちゃめちゃじゃんか」

ドンカラス「何ということだ・・・・」

ドンさんたちは窓ごしにコトブキシティを見つめ呆然としていた。

「・・・全部キラーリザードンの仕業だ」

ドンカラス、ヤミカラス「・・・・・」

俺はもう嫌というほどこの光景は目に焼き付けている。

慣れたという言い方はおかしいがそんな感じだ。

だが初めて見るドンさんたちにはなかなかショッキングだろう。
 ▼ 530 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/15 00:19:46 ID:Chc2dMwo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「このままじゃ俺たちまで」

ドンカラス「フン、なぁに。奴め、何が何でも倒してやる。まだ着かんのか?」

「もう少しだ」

ドンカラス「さっさと急げ」

「ああ」

そのままコトブキシティを抜け、少し行くとようやく市長の家に着いた。

時間を確認すると午前11時を過ぎたところ。

今日の午前中には戻ると言っていたが何とか間に合った。
 ▼ 531 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/15 00:25:41 ID:Chc2dMwo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キイッ!

「よし着いたぜ」

ヤミカラス「やっとかよ。全く遠かったぜ」

ドンカラス「ここか?市長の家は」

「ああ、そうだ」

ヤミカラス「随分豪華な家じゃねぇか。ちょっとした城みたいだな」

ドンカラス「全くだ。さすが市長というだけあって金は持ってるな。少なくともキサマの家とは大違いだな」

「ほっといてくれ」
 ▼ 532 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/17 23:50:01 ID:R0BEBWNE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「ところで肝心の市長共はどこにいるんだよ」

「この家の地下の研究所だ」

ドンカラス「何だ。地下室まであるのか」

「ああ」

ヤミカラス「それにしてもこれまたデカい門だな」

門の扉は固くしまっている。

ドンカラス「これじゃ入れんだろ。どうするんだ?」

「ちょっと待っててくれ」
 ▼ 533 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/18 00:02:36 ID:Is0QInqU [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は一旦車を降りると門の電子キーにパーソナル暗証番号を打ち込んでロックを解除した。

ギイイイイ・・・・

門が重い音を立てながらゆっくりと開く。

前もって市長から家の扉などのロック解除のためのパーソナル暗証番号を聞いていた。

誰にも教えないという条件で俺にだけ教えてくれたのだ。

ヤミカラス「す、すごい開いたぞ!」

ドンカラス「キサマどうやったんだ」

「それは秘密だ。ドンさんたち、行こうぜ」
 ▼ 534 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/18 00:15:59 ID:Is0QInqU [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス、ヤミカラス「あ、ああ」

俺はトランクから数種類の銃火器を取り出して身につけるとドンさんたちと共に家の方に向かった。

何だか傍から見たら武装した強盗みたいだ。

誰かに見られたら誤解は免れないだろう・・・まぁいい。

門を抜け、広い庭の小道を通る。

間もなく俺は玄関に着いたがドンさんたちはまだ道の途中にいた。

(やっぱりな・・・)

こうなることは大体想像ついたが。
 ▼ 535 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/18 00:35:25 ID:Is0QInqU [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「お〜い!ドンさんたち遅いぜ!」

ドンカラス「キサマの歩くのが早すぎるんだ!」

ヤミカラス「もっとゆっくり歩けよ!」

「飛んだらどうだ?」

ドンカラス「フン!いちいちこんな距離飛んでいられるか!」

ヤミカラス「バカらしいぜ」

(全く・・・)

いつものことだからもう今となっとは慣れた。
 ▼ 536 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/23 14:53:49 ID:V3qo6EcM [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
間もなくドンさんたちも玄関に着いた。

俺は市長から教わった暗証番号で玄関のロックも解除し、家の中に入る。

ギィ・・・

「よし入ろう」

ドンカラス、ヤミカラス「ああ」

そして研究室へと続く地下の廊下を通る。

コッ・・コッ・・・コッ

薄暗くて湿っぽい廊下に足音だけがこだまする。
 ▼ 537 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/23 15:09:01 ID:V3qo6EcM [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
蛍光灯の冷たい光が薄暗く照らしている。

ヤミカラス「何だよ、薄気味悪いな・・・」

ドンカラス「何だ?キサマ怖いのか?この程度ごときで」

ヤミカラス「い、いや全然怖くないですよボス」

ドンカラス「おい、キサマもワシらとペースを合わせろよ」

「分かってる」

やがて研究室の扉の前につく。

ヤミカラス「うわ、デカい扉だな」
 ▼ 538 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/23 22:05:50 ID:V3qo6EcM [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「ここが研究室か」

「ああ」

俺は扉の前にあるマイクに近づき

「・・・ナルディ・ハンスです。今戻りました」

市長「おおナルディさん!御無事で何よりです」

スピーカー越しに聞こえる市長の声。

ドンカラス「おい、今のは誰の声だ」

「シッ!ちょっとドンさん静かにしててくれ」

 ▼ 539 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/23 22:15:05 ID:V3qo6EcM [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「どうかなさいましたか?」

「いえ大丈夫です。遅くなってすみません」

市長「いえいえ。それでは今扉を開けますね」

ギイイイイ・・・

扉が重い音を立てながら開く。

扉の向こうには市長、博士、研究員たちの皆が総出で出迎えていた。

博士「やぁ待ってたよナルディ君、無事に帰って来てくれて良かった」

市長「私もホッと胸をなでおろしています」
 ▼ 540 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/23 22:31:10 ID:V3qo6EcM [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ご心配かけてすみません」

市長「それで、対キラーリザードン用の武器の方はいかがですか?」

「ええ。この通り、無事に調達できました。ランチャーや自動小銃まであります」

博士「おお!これは心強い!」

「あとは麻酔銃の補助が欲しいところです」

研究員A「それならご安心下さい。私たちは銃火器は扱ったことはありませんが、麻酔銃なら扱えます。お力になれるか分かりませんが精いっぱい麻酔銃でアシストさせて頂きます」

「ありがとうございます。それから市長」

市長「はい」

 ▼ 541 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/23 22:44:00 ID:V3qo6EcM [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いくらキラーリザードンを倒すためとは言え今回私は武器の違法密輸と不法侵入という二つの犯罪を犯してしまいました。その件については・・・」

市長「ナルディさん。あなたはそのことは気にしなくて大丈夫です。平和のためには時に法を破らければいけない時もあります。まさに今がその時です。万が一の時は私が責任を取りますので」

「市長、ありがとうございます。それでここ二日のキラーリザードンの様子は?」

研究員B「はい。奴らから出る発信機の信号を元に奴らの動きを監視していますが、このところはずっとコトブキシティ内に潜伏しています」

(行きや帰りに奴らを見かけなかったが、まさか隠れているとは・・・)

「具体的にどのような所に潜伏しているか分かりますか?」

研究員C「発信機の位置情報などからビルや木の影だとは思いますが、具体的には分かりません」

研究員D「何しろ奴らからの信号が不安定なので」
 ▼ 542 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/23 23:03:46 ID:V3qo6EcM [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうですか・・・」

市長「ところでナルディさん」

「はい」

市長「そちらにいるドンカラスとヤミカラスは?」

「ああ、すみません忘れてました」

ドンカラス「おい貴様!ワシらを忘れるとはどういうつもりだ!」

「すまないドンさん!」

市長「ナルディさん大丈夫ですか?」
 ▼ 543 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/24 01:20:56 ID:lQkMH1L. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい、大丈夫です。すみません。ドンカラスとヤミカラスは私のポケモンです。偵察用のドローンを家に取りに行った時に彼たちにも協力してもらおうと一緒に連れて来たんです」

市長「そうなんですか。それは心強いです」

ドンカラス「おい!言っとくがワシはキサマらに協力する気はないからな!」

「ちょ、ちょっとドンさん」

市長「あの、何か?」

「いえ、あの何でもないんです」

博士「ん、そう言えばナルディ君、君はポケモンの言葉が分かるんだったね。ドンカラスと話していたのかい?」

「はい。ちょっと横からうるさかったので」
 ▼ 544 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/24 01:50:03 ID:lQkMH1L. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「ポケモンの言葉が分かるのですか。すごいじゃないですか」

「恐れ入ります」

ヤミカラス「さっきから俺たちのこと待たせやがって、これからどうすんだよ」

「すまない。もう少しだけ待っててくれ」

ドンカラス「だいだいそいつらは誰なんだ」

「ああそうだ。紹介がまだだったね」

市長「何て言っているのですか?」

「この人たちは誰だとか言っています」
 ▼ 545 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/25 23:46:02 ID:m.0cya5Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「そうですか。それでは私のことを紹介してくれませんか?」

博士「私のことも頼むよ」

「はい。それじゃ紹介するよドンさん」

博士「ん?ドンさんって呼んでるのかい?」

「そうです。ドンカラスのドンさん」

博士「ほう。なるほど」

「まずこちらが俺の師匠のルイ博士だ」

博士「まぁ師匠というほどのものじゃないけど、よろしくね」

 ▼ 546 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/26 00:00:37 ID:yfv2qGgY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「こちらがコトブキシティの市長のロック市長だ」

市長「どうも。よろしく頼みますよ」

ドンカラス「・・・・」

ドンさんは険しい顔つきのまま黙っていた。

「それからロック市長の専属の研究員の皆さんだ」

研究員一同「よろしくお願いします」

ドンカラス「そいつか・・・」

「え?」
 ▼ 547 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/26 23:49:42 ID:yfv2qGgY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンさんはそうつぶやいたと思えば

バサッ!!ガッ!!

市長「うぐぐぐ!・・・・」

「ドンさんッ!」

研究員一同「市長ッ!!」

突如市長に襲い掛かり、市長が倒れこんだところを背後から羽交い締めにしたのだ。

ドンカラス「よくもとんでもないものつくってくれたな!こうなったのも全部キサマのせいだぞ!何が町の平和のためだ!キサマら人間どもは自分たちの平和のためなら何をしても許されると思ってるのか!」

ヤミカラス「ボ、ボス!いくらなんでもまずいですよ!」
 ▼ 548 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/27 00:00:51 ID:0MVM/A8Y [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「うるさいッ!キサマは引っ込んでろッ!」

ヤミカラス「ひっ!・・・」

ドンカラス「どうだ!苦しいか!キサマがやってきたことの代償を思い知らせてやる!」

市長「ぐぐ・・・」

ドンさんはなおも市長の首を右の翼で羽交い締めにしている。

その翼に力が込められていくのが分かる。

完全に市長を殺そうとしていた。

「ドンさん何考えてんだよ!止めろッ!」
 ▼ 549 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/27 00:36:58 ID:0MVM/A8Y [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「何だ!キサマまでこいつの味方か!」

「味方とかそういう問題じゃないんだ!」

その時

研究員D「マズイ、このままじゃ・・・」

一人の研究員が麻酔銃を構えようとしていた。

無論ドンさんに撃つつもりだろう。

「そ、それは待って下さい!」

研究員D「で、ですが」
 ▼ 550 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/28 00:06:25 ID:uxW281H6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「私が何とかします。ですから麻酔銃だけは・・・お願いします」

研究員D「・・・分かりました」

博士「ナ、ナルディ君」

「分かっています」

俺はなるべく冷静を保った。

ドンカラス「何だ!今度はそうやってワシを撃つ気か!?おもしろい!撃てるなら撃ってみろ!大体キサマら人間どもはいつだって!」

「やめてくれッ!!」

俺は大声でそう叫んだ。
 ▼ 551 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/28 00:25:41 ID:uxW281H6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ほんの一瞬だがあたりを静寂がつつむ。

「頼むからやめてくれドンさん・・・これ以上ポケモンと人間が互いに傷つきあったって何にもなんないだろ・・・違うか?・・・大体人一人殺して、ドンさんに何かメリットはあるのか?」

ドンカラス「・・・・」

「それに市長がいなくなったらコトブキシティはどうなる!今回だって、市長の助けがあるから戦うことができるんだぞ」

ドンカラス「・・・・」

「ドンさんの気持ちは痛いほど分かるぜ。だがな、今は互いに憎み合うんじゃなくて共に立ち上がる時だ。憎悪からは何も生まれない。だから放してくれ、その翼を・・・」

俺は自分なりに懸命に説得した。

すると
 ▼ 552 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/10/28 01:10:02 ID:uxW281H6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドサッ!

ドンさんは市長を乱暴に放した。

ドンカラス「・・・フン、まぁキサマの言うことも一理あるな。殺すのはたやすいがこんな奴殺したところでどうにもならんのは確かだな。勝手にしろ!」

市長「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

そして市長に向かって

ドンカラス「キサマ!今回は命だけは助けてやる!ありがたく思うんだな!だだし次こんなマネしてみろ!今回のようにはいかんぞ!」

市長「はぁ、はぁ・・・??」

ただ市長にはドンさんの言葉は通じてないようだった。
 ▼ 553 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/01 00:40:43 ID:BYdIvAYs [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そもそもポケモンの言葉が分かるのは俺だけか。

ドンカラス「フン、行くぞヤミカラス!」

ヤミカラス「はっはい!」

「お、おい。行くってどこ行くんだよ」

ドンカラス「決まってるだろ。先にワシらだけでキラーリザードン共を倒しに行くんだ」

「ドンさんそれは困るぜ。一緒に戦うって」

ドンカラス「何もキサマら人間共と協力するとは言っとらんぞ」

ヤミカラス「まぁ俺たちには俺たちのやり方ってもんがあるからな」
 ▼ 554 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/01 00:51:04 ID:BYdIvAYs [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「そういうことだ。後はキサマらで勝手に来い!」

「そんな・・・」

そう言うとドンさんたちは研究室を去っていった。

自分勝手というか何というか。

突然の事態に俺は呆然として引き止めることもままならなかった。

いや無理にでも引き止めた方が良かったのか・・・

博士「ナルディ君、これは一体・・・協力してくれるんじゃなかったのかい?」

「気が変わって自分たちだけで先に行くと・・・彼らも自分勝手なところがありまして」
 ▼ 555 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/01 01:06:44 ID:BYdIvAYs [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「そうか・・・」

研究員B「大丈夫ですか市長!」

研究員C「お怪我の方は?」

数人の研究員が市長の元に駆けよる。

ロック市長「んん・・・ああ、私は何とか大丈夫だ」

研究員A「・・・ナルディさん困ります!危うく市長が殺されるとこだったのですよ!ご自身のポケモンの面倒は常に見て頂けませんと!」

俺は彼にそう言われた。

「すみません。私の管理が至らないばかりに」
 ▼ 556 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/01 01:12:52 ID:BYdIvAYs [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「まあ君、そうナルディさんのことは責めないでくれ」

研究員A「ですが」

ロック市長「ナルディさんだってこういう事態になるとは思わなかったんだよ。そうですよねナルディさん」

「はぁ・・・」

ロック市長「だから誰かを責めるとかそう言うことはしないくでくれ。頼むよ」

研究員A「・・・分かりました」

そして彼は俺の方を向いて

研究員A「・・・失礼しました」
 ▼ 557 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/01 01:18:32 ID:BYdIvAYs [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう言って軽く頭を下げた。

「いえこちらこそ。すみません」

俺もそう言って軽く頭を下げる。

そして俺も市長の元に行き

「市長、本当に大丈夫ですか?お体の方は何ともないですか?」

ロック市長「はい。私は平気です」

「市長、本当に申し訳ありませんでした。私のポケモンがとんでもないことを。私がもっと気を付けて見張っていればこうは・・・」

すると
 ▼ 558 ルガモス@ツメのカセキ 18/11/03 22:16:25 ID:4/0wmaXA NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 559 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/09 00:06:14 ID:ss4gDhRE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロック市長「・・・頭を上げて下さいナルディさん」

「え?」

ロック市長「すべて私が悪いのです。彼らだってそんな私を憎んであのようなことをやったに違いありません。当然でしょう・・・私はそれだけのことをやったのですから。自分の街さえ良ければという愚かな思いで・・・彼らは決して悪くありません。私だって逆の立場だったら殺したくなるでしょう・・・」

「市長・・・」

ロック市長「それにあなたはそんな私たちのためにここまで協力して下さってるのです。なのになぜそのあなたが謝る必要があるのですか?」

俺は強く心を打たれた。

その市長のいざぎよさ、寛大さ、心の広さに。

それと同時に確信する。
 ▼ 560 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/09 00:36:23 ID:ss4gDhRE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やはり市長は決して悪い人じゃないと。

「市長。今回のようなことがあったにも関わらず・・・ありがとうございます」

ロック市長「いいえ、私は当たり前のことを言ったまでです」

「ですがもう時間はありません。私たちだけでも作戦に出ませんか?」

ロック市長「ですがあなたのドンカラスとヤミカラスは?」

「彼らのことは放っておきます。あそこまで自分勝手とは思いませんでした」

ロック市長「そうですか・・・」

(あれだけ一緒に戦うと言っておきながら・・・)
 ▼ 561 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/12 00:47:46 ID:.IYMl6b2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
全くドンさんたちの自分勝手さには恐れ入る。

市長「・・・心配ではないのですか?」

「心配する気はありません。といったら嘘ですが・・・彼らが決めたことですから。それに、心配したところで今はどうにもならないでしょう」

とりあえずドンさんたちのことは考えないようにする。

「勝手にすればいい!」という突き放したい気持ちが勝ってるが「やっぱり心配だ」という気持ちも少なからず抜けきらない。

それらを押し殺す。

市長「・・・・確かに今は気にしていても始まりませんよね」

「はい。何事も想定外はつきものです。それに屈していては」
 ▼ 562 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/12 00:59:39 ID:.IYMl6b2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「そうですね。私たちだけでもやりましょう!ナルディさん!皆さん!」

一同「はい!」

「それから自宅に帰った際にこのようなものも持ってきました」

俺は皆の前でリュックサックからドローンを取り出す。

「偵察用のラジコン飛行機のドローンです」

市長「ほお、こちらがそうですね」

「はい。特注で作ってもらいました」

博士「これはすごいな!110倍光学ズームレンズ付き4Kカメラに高性能集音マイク、GPSやありとあらゆるセンサーまで付いている!」

 ▼ 563 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/12 01:13:42 ID:.IYMl6b2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「さすが博士、よくご存知で」

研究員A「それはすごいラジコンですね!」

研究員B「ラジコンというより空飛ぶコンピューターですよこれは」

研究員C「しかも見て下さい。最新のCPUやら集積回路やら半導体やらメモリやら、何から何まで搭載しています」

研究員D「おそらく1法則あたりの演算処理能力は100テラFLOPSのコンピューターにも引けを取らないかと」

研究員たちが次々とドローンの周りに集まってきてた。

俺でもよく分からない専門用語が飛び交う。

「あの、そろそろよろしいですか?」
 ▼ 564 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/14 23:26:18 ID:DXuUmHHs [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員B「ああ、すみません。つい見とれてしまいました」

研究員C「これほど高性能なラジコンは初めてでしたので、失礼しました」

「このカメラがとらえた映像は無線で送信され、手元のコンピューターにリアルタイムで表示されます。このような具合にです」

プルルルル・・・

俺はドローンを飛ばし、ドローンからの映像が手元のタブレット端末機に表示されている様子を実演してみせた。

一同「おおぉ」

博士「これはすごいな」

市長「映像もすごく鮮明ですね」
 ▼ 565 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/14 23:39:07 ID:DXuUmHHs [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員D「これがあればどんな場所でも捜索できますね」

「しかも数キロ以上離れていても電波を送受信できドローンを操ることができます。これで遠くからでもキラーリザードンの様子を安全に伺うことができます」

市長「これで今回の作戦にも大いに貢献してくれること間違いありませんね」

研究員C「ですが万が一電波が届かない場所に落ちて行方不明になってしまった場合は?」

「心配ご無用です。バッテリーがある限りGPS信号を発信し続けるのでどこにあるかすぐ分かります」

研究員D「ですがこのドローンはこの研究所のコンピューターは対応しているでしょうか?」

「大丈夫です。早速設定しますのでちょっとコンピューターを拝見してもよろしいですか?」

市長「はいどうぞ」
 ▼ 566 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/14 23:54:25 ID:DXuUmHHs [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カタカタカタッカチ・・・・

早速研究所のコンピューターに電波の信号、チャンネル、周波数などのコードを入力し、プログラム、調整などひと通りの作業を終える。

するとドローンからの映像が研究所のコンピューターのありとあらゆるモニターに表示された。

「これでドローンからの映像がこのコンピューター画面に表示されます。」

一同「おおぉ!」

市長「現場からの生中継ですね!」

「それに近いです」

博士「これで私たちも現場の様子を詳細に知ることができるな」

 ▼ 567 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/15 00:08:21 ID:HIag/JYo [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員E「あの、ナルディさんはコンピューター学校などに通っていたのですか?」

「いいえ。コンピューター関連はいじっている内に自然と覚えました」

そう、俺は様々なコンピューターをいじっている内に自然とここまで詳しくなったのだ。

最も俺にコンピューター学校に通うだけの金と時間なんてあるわけなかった。

研究員E「独学でこれほどお詳しいとは・・・驚きです」

「いえ、それでは私は現地に出向いてキラーリザードンたちを倒します!」

市長「それでは私は博士と司令塔としてここに残ります。私も現地で戦いたいのですが、もうこの歳で体がなかなか言うことを聞きませんので、申し訳ありません」

博士「私もだ。すまないナルディくん」
 ▼ 568 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/15 00:23:03 ID:HIag/JYo [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いえいえ!市長と博士が現地で戦うなんてとんでもないです!万が一博士と市長の身に何かあったら・・・ですので現場は任せてください!」

市長「ナルディさん・・・ありがとうございます。司令塔としてできる限りの支援をさせて頂きます」

博士「すまないね。ここは私たちに任せてくれ」

「ありがとうございます」

研究員A「あの、私たち一同も現地で戦います!」

研究員B「ぜひナルディさんのお力になりたいです」

研究員C「麻酔銃や催涙ガス銃しか扱えませんが、できる限りのご支援はいたしますので」

研究員一同「どうかお願いします!」
 ▼ 569 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/15 00:37:54 ID:HIag/JYo [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員たちもキラーリザードンと戦うと申し出てきた。

「皆さん・・・ありがとうございます」

市長「よし!それじゃ君たちも出向いてくれ!ナルディさんの援護をしっかり頼んだぞ!」

一同「分かりました!」

研究員A「ナルディさん、お役に立てるかどうか分かりませんが精いっぱいやらせて頂きます!」

研究員B「申し訳ありません。私ども麻酔銃と催涙ガス銃しか扱えなくて」

「いえ、お気になさらないで下さい。それでもとどめを刺したり、動きを封じたりするには十分です」

研究員B「そうですか。頑張ります!」
 ▼ 570 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/15 23:43:43 ID:HIag/JYo [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ご協力感謝します」

研究員B「それじゃ皆さん準備に取り掛かってください」

一同「はい!」

そう言うと研究員たちは忙しそうに防護服に着替えたり、麻酔銃などを用意したりし始めた。

研究員C「ナルディさんも着た方がよろしいですよ!」

一人の研究員がそう言って防護服を差し出してきた。

だが

「いえ、私はこのままで大丈夫です」
 ▼ 571 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/15 23:55:37 ID:HIag/JYo [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「え?ですが着ないと万が一の時に」

「大丈夫です。私はこの通り・・・服の下に防弾チョッキを着ていますので」

俺は服をまくって防弾チョッキを着ているのを見せた。

そう、俺は常日頃からこれを着ている。

銃社会アメリカにいた頃は常に銃の危険があったためこれを着ていた。

その習慣がここに移り住んでも染みついていた。

またこの防弾チョッキも特注で宇宙船にも使われる特殊合金やカーボンを組み合わせて作られており、鋼の何十倍も頑丈だ。

それなのに軽量だから来ていても全く身軽だ。
 ▼ 572 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/16 00:02:45 ID:/6rQ8.hU [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
せっかくで悪いがそんな防護服なんて着ようとは思わない。

研究員C「さすがナルディさん!ご準備がよろしいですね!」

「いえ」

そして

研究員一同「市長!私たちも準備万端です!」

市長「よし!君たち忘れ物はないな!」

研究員一同「はい!」

市長「無線機も各自持ってるか!」
 ▼ 573 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/16 00:09:54 ID:/6rQ8.hU [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員一同「はい!」

「あの市長!」

市長「どうしましたかナルディさん」

「無線機と言いますのは?」

市長「ああ!これはナルディさんに渡すのを忘れてしまいました!失礼しました!」

博士「お願いしますよ市長・・・・」

市長「すみません。つい、こちらが無線機です」

市長はそう言って俺に無線機を手渡した。
 ▼ 574 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/16 00:23:15 ID:/6rQ8.hU [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「彼らや私たちと連絡を取り合う際にお使い下さい。これにそれぞれの無線のチャンネル、周波数が書いてあります。これを合わせればそれぞれの無線につながります」

そう言ってメモ紙も手渡された。

「ありがとうございます」

ちなみにメモには・・・


1号:A、756.7MHz、VGL

2号:B、548.1MHz、HGA


・・・といった具合に簡素に箇条書きされていた。

無論、何号というのは無線機の識別、AやBはその無線の使用者、何とかMHzは周波数、その後の3つのアルファベットはチャンネルのことを指す。
 ▼ 575 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/16 00:33:23 ID:/6rQ8.hU [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「それでは市長、博士、行ってまいります!」

市長「どうか、お気を付けて下さい。御無事に戻って来ることを信じています」

博士「健闘を祈るよナルディ君」

「はい!ありがとうございます。」

市長「それじゃ!君たちも頼んだぞ!」

研究員一同「はい!行ってまいります!」

「では、これで失礼します」

研究員F「ナルディさん!早くこちらです!」
 ▼ 576 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/16 23:42:31 ID:/6rQ8.hU [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい!」

こうして俺はドローンを担ぎ、複数の銃火器を身にまといながら研究員たちと共に研究所を後にした。

地下廊下〜

タッタッタッタッ!・・・

研究員B「ナルディさんよくそれだけの重い武器を持ちながら走れますね!」

「アメリカにいた頃よく色んな銃を扱ってましたので」

研究員C「軍かどこかに所属していたのですか?」

「いえ、そう言うわけではありませんが、アメリカ自体が銃社会ですので」
 ▼ 577 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/16 23:53:19 ID:/6rQ8.hU [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それもあるが、どちらかというと俺は体力にも人一倍自信がある。

研究員C「そうですか。でもすごい力持ちですね」

研究員D「私にはとてもそんな重い武器を持ちながら走るなんてできませんよ」

研究員E「羨ましいです」

「いえ、それほどでもありません」

タッタッタッタッタッ・・・

研究員たちと共に地下廊下を抜け、裏口から外に出た。

俺とドンさんたちは最初正面玄関から入ったがここはちょうどそこから真裏にあたる。
 ▼ 578 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/17 00:33:59 ID:v32Ywy0Y [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
見ると目の前の駐車場に一台のバンが停まっている。

研究員A「私たちはこの車で向かいますがナルディさんも乗りますか?」

彼はそのバンを指さしながらそう言った。

「いえ、私は自分の車で向かいます」

研究員A「何故ですか?」

研究員B「そうご遠慮なさらなくても大丈夫ですよ」

「いえ、あまりまとまって行動すると奴らに見つかった時一網打尽にされる恐れがあります」

研究員A「・・・確かにそうですね」

 ▼ 579 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/17 00:44:00 ID:v32Ywy0Y [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。ですのでここは一旦二手に分かれた方がいいです」

研究員A「確かにそのほうがよろしいですね」

研究員B「分かりました。では私たちは先に行きます」

研究員C「現地で会いましょう、ナルディさん!」

「はい。皆さんどうかお気を付けて」

研究員D「ナルディさんもどうかお気を付けて下さい。それでは」

ヴォオオンッ、ゴオオオオオ・・・・

そう言うと研究員たちはバンに乗りこみ、走り去っていった。
 ▼ 580 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/18 00:41:17 ID:eyR6u4Dk [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(・・・いよいよだな!行くか!)

俺も現地に行くべく正面玄関にまわり、広い庭を抜け、門の外に停めた車に向かった。

だが車の方をみたその時だった。

「ん!?」

遠目に車の屋根の上に二つの影が確認できる。

「まさか・・」

そう思いさらに近づき目を凝らすと

「やっぱり・・・」
 ▼ 581 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/18 00:52:18 ID:eyR6u4Dk [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やはりその影はドンさんたちだった。

その鋭い眼光を見れば一目瞭然だ。

(何でここに・・・!?先に戦場に向かったんじゃないのか!?)

タッタッタッタッ・・・

とにかく急いで駆け寄る。

「ド、ドンさん・・・!」

ドンカラス「・・・やっと来たか」

驚きと同時に何故か安堵感も混じって複雑な感じだ。
 ▼ 582 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/18 22:47:08 ID:eyR6u4Dk [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「来たって・・・俺を待っていたのか?」

ドンカラス「決まっているだろ。他に何がある」

「何故俺のことを・・・ドンさんたちだけで先に行くんじゃなかったのか?」

ドンカラス「まぁそのつもりだったがやはり考えてみたらキサマのそばについてる方が何かと都合がいいからな」

「・・・俺をあてにする気か?」

ドンカラス「フン!誰がキサマのような弱い人間共などあてにするか!」

「ああ!確かに俺はドンさんたちみたいに強くないぜ!だからこうやって武器とか何かに頼るしかない!」

ドンカラス「・・・・」
 ▼ 583 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/18 23:00:25 ID:eyR6u4Dk [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・そんな当てにならない弱い俺についていて、何故都合がいいといえる」

大体見当はつくが聞いてみる。

ドンカラス「・・・キサマは豊富な武器を持っていてなおかつ使いこなせる。武力だけは相当高いのは確かだ」

ヤミカラス「別にお前なんかいなくたってボスだけで十分だけど、いることに越したことはねぇからな」

ドンカラス「こういう時はキサマについていたほうが有利なのはそう言うことだ。誰だって有利な選択をするに決まっているだろう」

やっぱり、思った通りだ。

一体どこまで自分勝手で自己中心的といったらいいのか・・・

最もこうやってドンさんたちに振り回されるのはよくあることだ。
 ▼ 584 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/19 00:51:30 ID:WxbwIoNo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本当はよくあってなど欲しくないが、これがドンさんたちなのだ。

今更もう慣れたから特に気になるわけでもない。

まぁ慣れたという言い方は少し変かもしれないが。

ドンさんたちがどんな考えを持とうが構わない。

どんな形でさえドンさんたちが一緒に戦ってくれることには違いないのだ。

俺はそれだけで嬉しかった。

「だが俺たちと戦ってくれることには違いないだろ。俺はそれだけでもうれしいぜ。ありがとな」

ドンカラス「フン!別にキサマに感謝される筋合いなどない」
 ▼ 585 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/21 00:36:33 ID:GPagN2Ac [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「何も俺たちはお前ら人間どものために戦うわけじゃないからな」

「それでもいい。ちょっと待っててくれ」

俺は一旦車に乗り、市長から渡された無線機のメモ紙を広げる。

「えっと、市長の研究所の無線のチャンネルは・・・」

そのメモ紙を見ながら無線のスイッチを入れ、チャンネルを合わせる。

そして

「博士!市長!聞こえますか!私です!ナルディです!」

市長「おお!ナルディさん!」
 ▼ 586 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/21 00:51:16 ID:GPagN2Ac [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「もちろん聞こえているよ」

市長「それで、どうかされましたか?」

「それが、今ドンカラスとヤミカラスと一緒にいます」

市長「本当ですか!?」

「はい」

博士「それって君の手持ちかい?あの時研究所にも連れてきた」

「もちろんそうです」

博士「一緒にいるってどういう事だい?あの時彼ら自分たちだけで戦うと研究所を飛び出してそれっきりのはずじゃ」



 ▼ 587 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/21 01:05:08 ID:GPagN2Ac [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。私もそれっきり行方不明になったと思っていたのですが」

博士「一体何があったのか話してくれるかい?彼らと一体何が!」

「わ、分かりました!博士!少し落ち着いて下さい!」

博士「あぁ、すまない」

「戦いに向かおうと自分の車の所に行ったら、そこにいたのです。いたというより私を待ち伏せしていました。どうやらやはり私たちと一緒に戦ったほうが都合が良いと考えたみたいです」

博士「そうか。そんなことが」

「全く、調子が良いというか・・・自分勝手なポケモンです」

博士「〜〜〜〜・・・」
 ▼ 588 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/21 01:17:27 ID:GPagN2Ac [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
言葉にならない唸り声でうなだれる博士。

市長「ですが、彼らなりに考え直してくれたのでしょう」

「そういうもんでしょうか・・・」

市長には悪いが俺にはそうは思えない。

市長「はい。ですから私としては良かったと安堵しています。何だかんだ言ってもこうやって協力してくれるのは嬉しい限りです」

博士「今はとにかく戦力が必要な時ですからね」

市長「全くその通りです」

「そうですか」
 ▼ 589 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/21 01:26:37 ID:GPagN2Ac [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本当に市長は寛大で心が広くていい人だといえる。

いや、むしろ人が良すぎるくらいだ。

だがあまり人が良すぎるのも心配だ。

相手が相手ならそれが裏目に出て悪用されてしまう恐れだってあるからだ。

まぁ別に今回はそう言うわけじゃないが。

市長「それで、今の状況はどうですか?」

「まだ市長の自宅の前ですが、すぐにでも現地に向かうつもりです!」

市長「そうですか。それで研究員のみんなは?」
 ▼ 590 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/21 01:39:51 ID:GPagN2Ac [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「彼らは一足早く現地に向かいました。本当は私も彼らと同時に向かうつもりだったのですが、ドンカラスたちと遭遇してこのように少し足止めを食らってしまったのです。申し訳ありません」

市長「いえいえ。分かっておりますよ。そんなお気になさらなくて大丈夫ですよ」

「すみません。ありがとうございます」

市長「ですが、皆とは一緒の車で向かわなかったのですか?」

「はい。私は自分の車で向かいます」

市長「それは何故ですか?」

「あまり一緒にまとまって行動すると奴らに見つかった時に一網打尽にされてしまいます」

市長「確かにそうですね」
 ▼ 591 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/21 23:44:43 ID:GPagN2Ac [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ですので私たちは一度散りまして別々に向かい、現地で落ち合うということにしました」

市長「なるほど。それはすばらしい考えですね」

「恐れ入ります。私もすぐに彼らの後を追います」

市長「分かりました。健闘を祈ります」

博士「どうか頑張ってくれ」

「ありがとうございます。それでは」

ブチッ

ここでひとまず通信を終える。
 ▼ 592 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/21 23:50:44 ID:GPagN2Ac [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(・・・やはり覚えといた方がいいな)

再度市長からもらったメモ紙を開き、研究員たちの無線のチャンネルもひと通り暗記した。

そして

「ドンさんたちすまない、待たせたな」

ドンカラス「遅いぞ!」

ヤミカラス「車の中で何してたんだよ」

「市長たちに今の状況を報告していたんだ」

ドンカラス「今の状況ってどんなことだ」
 ▼ 593 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/22 00:00:41 ID:FEJA7vUw [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「今どこにいるかとか、仲間の様子とかそう言うことだ」

ドンカラス「フン、そんなの伝えなくたっていいだろう」

「いや、そうもいかないぜ。それより行くぞ!早く乗ってくれ!」

ドンカラス「乗るってキサマの車にか?」

「決まってるだろ。この車で一緒に行くんだ」

ドンカラス「フン!何もそこまでキサマの世話になろうなど思わん!ワシらはワシらで行くからな!」

ヤミカラス「そうだ!いちいちお前なんかに世話してもらう筋合いないぜ!」

「頼むからこういう時まで意地張るのはやめてくれ」
 ▼ 594 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/22 00:34:19 ID:FEJA7vUw [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン!別に意地など張っとらん!」

「・・・今回は過酷な戦いになる!だからできるだけ体力を温存しておく必要があるんだ!間違っても体力が尽きるなんて冗談じゃないだろ?」

ドンカラス、ヤミカラス「ぬぅ・・・・・」

「飛ばないで車で一緒に向かえばその分無駄な体力を消耗しなくてすむ!小さなことの積み重ねが勝利への道を切り開くんだ!だから、頼む!」

すると

ドンカラス「・・・まあ、キサマの言うことも一理あるか」

ヤミカラス「お前にしては珍しく筋が通ってるな」

ドンカラス「ようしわかった。早く案内しろ」
 ▼ 595 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/22 23:09:05 ID:FEJA7vUw [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうこなくっちゃな!」

ヤミカラス「お前分かってるだろうが安全運転だからな!」

「もちろん分かってるぜ!乗ってくれ!」

ドンカラス、ヤミカラス「・・・・」

ところがどういうわけか、ドンさんたちはじっとしたまま乗ろうとしない。

「・・・どうしたんだ!早く乗ってくれ!」

ドンカラス「キサマがドアを開けなきゃ乗れんだろ!」

「ああっそうだった!すまない!」
 ▼ 596 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/22 23:25:54 ID:FEJA7vUw [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう、ドンさんたちだけではドアを開けて乗ることはできない。

すっかり忘れていた。

ヤミカラス「お前、わざとだろ?」

「いやそんなつもりはないんだ、すまない」

ドンカラス「フン!まったく!」

バタッバタッ、ギュルンッ!ヴォオオオオ!!

俺はドンさんたちを乗せると車を出した。

ゴオオオオオ

 ▼ 597 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/22 23:33:57 ID:FEJA7vUw [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とにかく一刻も早く行かねば!

その思いでトップギアでアクセルを吹かす。

スピードメーターを見るとゆうに時速60マイル(約100km)は超えている。

ヤミカラス「おいお前安全運転で行けって言ってるだろ!」

ドンカラス「もっと慎重に運転できんのか!」

「ああ!すまないが今はそれはできない」

ドンカラス「キサマはどうなっても構わんがワシらの身に何かあってみろ!どうなるか分かってるな!」

「・・・・」
 ▼ 598 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/22 23:41:36 ID:FEJA7vUw [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
毎回ドンさんたちと車に乗るとこんな調子だ。

できるだけ早く行け!でも絶対安全運転だ!

その両立なんてなかなか難しいぜ。

プロドライバーなら分からんが少なくとも俺にとっては。

大体車の運転などしたことのないドンさんたちにこの大変さなど分かんないだろう。

その時

ザザッ、ガガアーガガッ・・・

無線機にノイズの雑音が走った。
 ▼ 599 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/22 23:58:17 ID:FEJA7vUw [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
無線機が何かしらの信号を受信した証だ。

「ザザ・・・もしもしこちらAです!ナルディさん聞こえますか!」

ノイズが止むとそんな声が聞こえてくる。

その信号は紛れもなく研究員のAさんからだった。

研究員A「応答願います!ナルディさん聞こえますか!」

「はいこちらナルディです!聞こえています!」

運転しながら何とか応答する。

すると
 ▼ 600 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/23 00:07:38 ID:G3KwOq4Y [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「おいキサマ誰と話してるんだ!」

ドンさんが運転席の方に乗り出してきた。

こっちは運転しながら無線で通信するだけで精いっぱいだ。

なのにこれ以上のことなど対応できるわけがない。

「ド、ドンさんあとにしてくれ!」

ドンカラス「さてはキサマ言わない気だな!」

「いまはこれだけで精いっぱいなんだ!後で話すから待っててくれ!」

ドンカラス「そう言って逃げる気だな!」
 ▼ 601 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/23 00:15:24 ID:G3KwOq4Y [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「逃げるなんてそんなつもりはないぜ!」

ドンカラス「じゃあ誰と何の話してる!コソコソしおって!」

ヤミカラス「お前、正直に言わないと後でひどいぜ?」

挙句の果てにヤミカラスまで脅してきた。

「・・・・市長の研究員と無線で戦況や今後の作戦について話してるんだ」

ヤミカラス「なんだ、そんなことかよ」

ドンカラス「どんな怪しい奴と話してるかと思えば、あいつの手下どもとか」

無論ドンさんの言う”あいつ”とは市長のことだ。
 ▼ 602 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/23 00:22:55 ID:G3KwOq4Y [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「どうしたんですかナルディさん!今言い争うような声が聞こえましたが」

そうだ、まだ通信中だった。

「いえ、手持ちのドンカラスとヤミカラスとちょっと争ってました」

研究員A「そうですか」

驚くかと思ったが意外と冷静な反応だ。

何しろ行方不明になったはずのドンさんたちと一緒にいるわけなのだから。

「話せば少し長くなりますが」

研究員A「いえ、それは大丈夫です」
 ▼ 603 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/24 00:09:52 ID:UghwSjp6 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・と、言いますと?」

研究員A「ドンカラスとヤミカラスがナルディさんのことを待ち伏せしていたというのを市長たちから無線で聞きました。何でもやはり私たちと一緒の方が戦う時も都合が良いと考えたらしいですね」

思ったり情報が伝わるのが早い。

これも市長と研究員たちの連携といったとこか。

「ええ、そうなんです。それで今一緒にいるんです。行方不明になったかと思えばこれです」

研究員A「ナルディさんも大変ですね」

「いえ。もう慣れました。それに一緒に戦ってくれるだけでもありがたいです」

研究員A「そうですね」
 ▼ 604 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/24 00:18:42 ID:UghwSjp6 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ところで今Aさんたちはどこにいますか?」

研究員A「先ほどコトブキシティに着きました」

「詳しい場所は分かりますか?」

研究員A「○号線のメイン通りを西に5kmほど行ったとこです」

「分かりました!今の状況はどうですか?」

研究員A「今のところ奴らの姿は見えませんが、奴らはこの町の中に必ずいます。奴らから出る発信機の信号で分かります」

研究員B「すいません。私にもいいですか?」

研究員A「どうぞ」
 ▼ 605 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/24 00:27:10 ID:UghwSjp6 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員B「ナルディさん無線代わりました。こちらBです」

「はいこちらナルディです。どうぞ」

研究員B「コトブキシティの住民たちは皆避難しており、街は無人と化しています。今のところ大きなパニックは確認できません」

「それは良かったです」

研究員B「ただいつ奴らが現れるか、予断を許さない状況です。姿は見えなくとも奴らの地響きのような鳴き声が聞こえてきます。奴らの発信機の信号だけが頼りです」

無線越しに現地の緊迫感がひしひしと伝わってくる。

「そうですか。奴らには絶対見つからないで下さい。見つかったら最後です」

研究員B「分かっています。奴らは生物兵器、見境なしに殺戮や破壊を繰り返しますから」
 ▼ 606 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/24 00:31:50 ID:UghwSjp6 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「すいません。私にもいいですか?」

研究員B「どうぞ」

研究員C「無線代わりました。こちらCです」

「こちらナルディです。どうぞ」

研究員C「強力な麻酔銃や催涙銃など私たちだけでもできる限りの武器を用意しましたが、やはりこれだけでは心もとない部分もあります。やはり実弾も欲しい所です」

「やはりそうですか・・・」

どんな麻酔銃や催涙銃も実弾にはかなわない。

それはアメリカで育った俺だからよくわかる。
 ▼ 607 バゴーラ@ライドギア 18/11/24 00:38:31 ID:93a6cLVA NGネーム登録 NGID登録 報告
がんば!
しえん
 ▼ 608 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/27 01:40:36 ID:q122czqU [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「奴らだっていつどんな行動に出るか全く見当がつきません。今はここコトブキシティ内にとどまっていますが、他の街に移動したりしたら・・・」

「大惨事が繰り返されるのは必至ですね」

研究員C「はい。最悪は世界滅亡というシナリオもあり得ます」

「いいえ、もうそのシナリオへのカウントダウンは迫っていると思ったほうがいいです」

研究員C「そうですね!」

「私が着くまでの間、何とかCさんたちで少しでも奴らを食い止めることはできませんか?」

研究員C「私たちだけではとても手に負えません・・・」

申し訳ないがそれはもっともだった。
 ▼ 609 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/27 02:01:52 ID:q122czqU [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
麻酔銃と催涙銃だけで奴らにどう対抗しろというのだ。

どう考えても無理な注文なのは明白だ。

完全な自殺行為。

無謀の一言に尽きる。

「そうですか。すみません。無理言ってしまって」

研究員C「こちらこそ、お役に立てなくてすみません」

「いえ!そんなことないですよ!皆さんのお陰で今回の作戦も実行できるのです!」

研究員C「そう、でしょうか?」
 ▼ 610 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/27 02:11:33 ID:q122czqU [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「当たり前じゃないですか!私だけだったら今回の作戦は上手くいきません!」

研究員C「ナルディさん・・・」

「ですからそう卑屈にならないで、もっと自信を持って下さい!」

研究員C「・・・ありがとうございます!」

「いえ、当然のことを言ったまでです」

研究員C「ですがやはり私たちにとっては一刻も早くナルディさんが必要です!今どこですか?」

「今○号線を東北東に直進中です!もう少しで着きます!」

研究員C「分かりました!一刻も早く来てください!」
 ▼ 611 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/27 22:55:02 ID:q122czqU [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「もちろんです!」

ガガッ・・・

ようやく通信が終わる。

ヤミカラス「やっと終わったか」

ドンカラス「随分長い通信だな。もっと手短に済ますことできんのか」

「いや、そうもいかないぜ。重要なことだからな」

ドンカラス「それで何だ。その手下どもは先に着いてるのか?」

「ああ。というかドンさん、手下とかそういう呼び方は良くないぜ?」
 ▼ 612 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/27 23:02:42 ID:q122czqU [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン、ワシが何て呼ぼうが勝手だろう」

ヤミカラス「実際、市長の手下であることには変わりないですしね」

ドンカラス「全くだ」

「まぁそう言われればそうかもしれないが・・・・」

ドンカラス「大体あんな奴の手下どもなんか奴に立つのか」

ヤミカラス「ちゃんと使いものになるかが問題だな」

「・・・・」

挙句の果てに物扱い・・・・
 ▼ 613 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/27 23:16:23 ID:q122czqU [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
平気で見下すあたりも相変わらずだ。

かける言葉すら見当たらない・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・しばらくすると広い道路に差し掛かり、ビルの数も増えてきた。

コトブキシティに入ったのだ。

だがそこにコトブキシティの本来の姿はない。

半壊した建物の数々・・・・

瓦礫が散乱し、亀裂だらけで時折陥没している道路・・・・
 ▼ 614 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/27 23:32:58 ID:q122czqU [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
壊れた水道管や消火栓から噴水の如く吹きだす水・・・

まだ炎がくすぶってるのか所々から煙も立ち込めている。

もちろん人やポケモンの気配はない。

「人類滅亡後の荒廃した都市」「世紀末」「終末」・・・・

はたまた「戦争によって奪われた世界」

大げさかもしれないがまさにそんな感じだ。

だがそれとは対照的に空には青空が広がり、太陽が照りつけている。

普通こういう時の空は暗雲立ち込める曇り空の方が似つかわしいのだが。
 ▼ 615 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/27 23:47:34 ID:q122czqU [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが当然似つかわしいからといって曇り空のほうがいいはずはない。

むしろこの青空がせめてもの救いだろう。

誰だって曇り空より青空の方がいいに決まってる。

これで曇り空だったらモチベーションは上がらないかもしれない。

まぁこんなんでモチベーションを左右するわけにいかないが。

だがこの光景はあの時市長の家に向かう前に博士と一緒に嫌というほど目に焼き付けている。

今更特別驚くわけでもない。

早い話が慣れた。
 ▼ 616 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/27 23:59:30 ID:q122czqU [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁ慣れたという言い方はあまり良くないか。

だがこんなわけだから当然道は良いはずもなく

ガタガタ、ゴト、ガタン、ゴトガタ、ダダン・・・

「クソ、一気に道が悪くなったな・・・」

ほとんど山道の悪路状態だ。

いやむしろ山道の方がマシか・・・

とにかく時速10マイル(約16km)前後でゆっくり進むしかない。

それでも揺れはひどい。
 ▼ 617 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/29 00:31:35 ID:hHDw9eZo [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「うわっ!わっ!何だよひでぇな!」

ドンカラス「おいキサマどんな運転の仕方してんだ!もっと慎重に運転しろ!」

「これでもしてるぜ!仕方ないだろ。道が悪いんだから」

ドンカラス「仕方ないで済むか!こんな道通りおって!」

「こんな道しかないんだよ。どの道も奴らのせいでめちゃくちゃなんだから」

ドンカラス「他にもっとマシな道なかったのか!」

「ああ。他は瓦礫の山にふさがれたり、陥没したりして通れない道ばかりだからな」

ドンカラス「・・・そう言ってキサマ、本当はわざとこんな道を通ったんだろう?」


 ▼ 618 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/29 00:50:37 ID:hHDw9eZo [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「え?」

ドンカラス「ワシらをこんな目に合わすためにな!それを見て心の中で嘲笑ってるんだろ!」

「そんな滅相もないぜ!急に何言ってるんだよドンさん!」

ドンカラス「キサマはいつも何かしら企んでるからな!」

「俺がいつ何を企んだというんだよ!俺は間違ってもいかがわしいことは考えてないぜ!それに大体好きでこんな道通るわけないだろ!」

ドンカラス「フン!信用できるか!」

「何だよそれ!いきなりこんな言いがかりつけて、何のつもりだよ!」

ドンカラス「キサマは今までだってそうだ!ある時はワシらをラジコン飛行機で脅かしたりな!」
 ▼ 619 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/29 22:46:34 ID:hHDw9eZo [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「その時は俺が悪かったが、何もそんな過ぎたことを今更引っ張り出さなくてもいいんじゃないか?」

ドンカラス「今更もくそもあるか!」

また始まった・・・・

ドンさんの言いがかり。

自分の気に入らないことがあると毎回こうだ。

「頼むからこんな時にやめてくれ。争いは何も生まないぜ!今まで過酷な自然下で生きてきたドンさんならよく分かるだろ?」

ドンカラス「フン!・・・」

あげくの果てにそっぽを向いてしまった。
 ▼ 620 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/29 23:05:50 ID:hHDw9eZo [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「ボ、ボス〜、俺もうこの揺れで酔いそうですよ・・・」

ドンカラス「何だ貴様この程度で!軟弱物が!」

ヤミカラス「そんな・・・・」

(やけに物静かだと思ったらそういうわけか)

ヤミカラスには悪いがこのほうがこっちにとっては都合が良い。

ドンさんだけでもこの有様なのにヤミカラスにまで騒がれたらたまったものではない。

ドンさんは何かと自分勝手で横暴で威張って偉そうにしている。

今更だがおおボスポケモンと呼ばれるのも納得だ。
 ▼ 621 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/29 23:21:31 ID:hHDw9eZo [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おまけに失敗や裏切りは決して許さず、とことん追い詰め処分する冷酷非情な部分もある。

でも俺はそんなドンさんを受け入れているし、とやかく言うつもりもない。

それがドンさんなのだから。

これだけ聞くとただの暴君だが、決してそうではない。

ドンさんは正義感や責任感が強く、決して表に出さないが情に厚い一面もある。

事実何だかんだ言っても子分の面倒はみているし、いざという時は助けてあげたりしている。

ドンさんは悪いポケモンであるが同時にいいポケモンでもある。

ちょっとややこしいが何となく分かるだろうか?
 ▼ 622 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/11/30 00:11:21 ID:F3e.nSAk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少なくとも俺には分かっている。

改めて全員生きて帰り、共に一緒に生きていこうと思う。

だがしばらく走っていると

バンッ!

突如何かの破裂音がして同時にその衝撃がハンドルごしに両手に伝わってきた。

「Oh!damn it!」(うわっ!クソッ!)

これに思わず母国語が出てしまう。

ドンカラス「おい今のは何だ!」
 ▼ 623 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/01 00:18:37 ID:3GjMdAWc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分からない!ちょっと見てくるぜ!」

キイッ!

とりあえず車を停め、降りて確認する。

(一体何なんだ今のは?・・・・)

そして前輪のタイヤを見た瞬間、言葉を失った。

「Oh my god・・・嘘だろこんな時に・・・・」

左前輪のタイヤがパンクしてぺちゃんこになっていたのだ。

薄々嫌な予感はしていたがそれが的中するとは。



 ▼ 624 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/01 00:36:17 ID:3GjMdAWc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パンクごときで大げさだろうと思うだろうが、誰だってこの状況に陥れば焦ったり落胆したりはするだろう。

ましてやこの非常事態時にこの場所でだ。

当然レスキューなども来てくれるはずもない。

運命のいたずらか何か知らないが、こういう時に限って不測の事態が起きたりする。

いずれにせよ瓦礫の破片を踏んだのが原因だろう。

最もこんな道を走ればパンクしてもおかしくなどないが。

「全くこれからって時にな・・・」

そんな感じでパンクしたタイヤを見つめたまま思いふけていると
 ▼ 625 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/04 00:00:44 ID:zYJ2FTWQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「おいキサマいつまでかかってるんだ!いい加減何が起きたか説明しろ!」

業を煮やしたドンさんが運転席のドアから出てきた。

この時運転席のドアは開けっ放しだったのだ。

「ああすまない。見てくれこの通りだ」

ドンカラス「何だこりゃ!タイヤがパンクしてるじゃないか!これじゃ走れないだろ!」

「まぁな・・・」

ドンカラス「全くこんな道走るからこうなるんだぞ!」

「だからこればかりは仕方ないんだ。頼むからこれ以上掘り返さないでくれ」
 ▼ 626 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/04 00:35:03 ID:zYJ2FTWQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン、キサマはいつも何かあると”仕方ない、仕方ない”だ!」

「そう言われたって・・・」

ドンカラス「それでどうするんだ!これ!」

「どうするってもちろん直すぜ」

ドンカラス「じゃあ早くやれ!」

(はぁ・・・全く・・・)

いずれにせよこのままじゃラチが開かない。

まず俺はトランクから油圧ジャッキと工具類を出した。
 ▼ 627 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/08 00:06:19 ID:oTCgzuPM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして手早くジャッキアップし、パンクの状態を確認する。

するとパンクは思った以上に深刻だった。

タイヤに大きなガラス片が刺さっていたのだ。

「はぁ・・・・」

パンク修理で済ませようと思ったがこれでは無理だ。

そもそもパンク修理は数ミリ以下の小さな穴のパンクしか直せない。

「頼む・・・・もうこれしか」

一縷の望みをかけ、トランクの奥を漁る。
 ▼ 628 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/08 00:17:21 ID:oTCgzuPM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると1本のスペアタイヤが出てきた。

「良かった!・・・」

ホッと安堵する。

これでスペアタイヤがなかったらどうなってたことか。

あの時スクラップ場でもらった後自分で直すときも細部までは詳しく見なかったからスペアタイヤの存在には気づかなかった。

その為トランク内にパンク修理関係の工具を常備していたのだ。

何はともあれ早速スペアタイヤに交換し

「よし終わったぜ!予備のタイヤに交換したから大丈夫だ!」

 ▼ 629 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/08 00:37:19 ID:oTCgzuPM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン、やっと終わったか。早く行くぞ」

「ああ、分かってるぜ」

ヤミカラス「大体お前の運転が下手だからこうなんだぜ」

「だから道が悪いからしょうがないだろ。それからさっきあれほど車酔いしてたが大丈夫なのか?」

ヤミカラス「へっ!お前に言われなくたってあれくらい平気だぜ!」

「ならいいが」

ヤミカラス「そもそも俺が酔ったのもお前の運転のせいだぜ」

「はぁ・・・俺が悪かったよ」
 ▼ 630 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/09 00:34:10 ID:vLVwqL6U [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どうやら俺がパンクで悪戦苦闘してる間に休んですっかり酔いは治ったらしかった。

まぁ可哀想だが今はこっちとしてはグッタリしてくれてた方が静かで都合が良い。

ドンカラス「何ぐずぐずしてるんだ!早く出せ」

「ああ」

ヴォオオオオオ・・・・

再度出発する。

とにかく急がねば。

それはそうとドンさんたちの人のせいにする癖は治りそうにないか。
 ▼ 631 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/09 00:45:12 ID:vLVwqL6U [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが走り出してしばらくした頃

ザザザッ・・・

突如タイヤが何かにとられたのか動けなくなってしまった。

「な、何だよ今度は、damn it!」

ヴォオオオン、ガラガラガラッ!!

アクセルを吹かすがタイヤは空回りするばかりだ。

(パンクの次はスタックかよ・・・・)

ドンカラス「おい何こんな所で止まってるんだ!」
 ▼ 632 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/09 00:56:37 ID:vLVwqL6U [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「またパンクか?」

「いやちょっと動けなくなっちゃったんだ。タイヤがはまっちゃってな」

ドンカラス「フン!パンクの次はこのザマか!全くキサマと一緒だとロクなことがないな!」

(だから俺だけのせいじゃないぜ・・・)

ヤミカラス「ボスと二匹だけで来れば良かったですね」

ドンカラス「全くだ。そうすればこんな目に合わずに済んだのにな」

(散々人を振り回しておいて今更何を言うか・・・・)

そんなことを思いながらも車から降りて確認する。



 ▼ 633 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/09 01:07:52 ID:vLVwqL6U [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると後輪は完全に地面の大きなくぼみにはまっていた。

オフロード車ならともかくこの車では自力で抜け出せそうにない。

ドンカラス「それで、どうなんだ?」

「マズイぜ。タイヤが大きなくぼみにはまってしまった。これじゃ抜け出せそうにないぜ」

ドンカラス「何だと!」

ヤミカラス「じゃレスキュー隊呼べよ!」

「レスキュー隊がここまで来てくれるはずないだろ」

ドンカラス「それじゃどうすんだ!」
 ▼ 634 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/12 22:57:56 ID:4CN2C8Fw [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「どうするって、俺たちだけで車を動かして脱出するしかないぜ」

ドンカラス「何だ?ワシらもやるのか?」

「ああ。俺だけじゃとてもじゃないが無理だ」

ヤミカラス「何で俺たちまでやんなきゃならねぇんだよ!」

「まぁそう言わないでくれ」

ヤミカラス「そもそもこんな道通るからだ!」

「ああ分かった!分かったからそれ以上言わないでくれ」

ドンカラス「まぁ元はといえばこうなったのは全てキサマの責任だな」
 ▼ 635 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/12 23:06:24 ID:4CN2C8Fw [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(また始まったぜ・・・)

一体どれだけ掘り返せば気が済むのだろうか。

ドンカラス「だからキサマ一人で何とかしろ」

ヤミカラス「そうだ。何も俺たちまで手を貸すことないからな」

その時だ!

グヴォオオオオオオン・・・・

地響きのような鳴き声が響き渡った。

奴に違いない!
 ▼ 636 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/12 23:15:23 ID:4CN2C8Fw [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「おい今の鳴き声は何だ!」

「奴だ!キラーリザードンだ!」

ドンカラス「何だと!?」

ヤミカラス「もうこんな近くにいるのかよ!」

「マズいぞ!隠れろ!」

ドンカラス「隠れろってどこにだ!」

「いいから早く!」

俺とドンさんたちはとっさに車の中で隠れ、身を潜めた。
 ▼ 637 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/12 23:22:58 ID:4CN2C8Fw [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その十数秒後〜

バサッ・・・・バサッ・・・

巨大な翼が風を切る音が聞こえてきた。

そして

「グヴォオオオオオオオ!!」ゴオオオオオオ!

一体のキラーリザードンが上空をかすめた。

俺たちは隠れながらその様子を確認する。

「オオオオォ・・・・・」バサッ・・・バサッ
 ▼ 638 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/12 23:36:27 ID:4CN2C8Fw [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
奴はそのまま通り過ぎ、鳴き声が小さくなっていくのが分かった。

幸い気づかれずに済んだ。

今まで奴と遭遇しなかったのもあって忘れかけていたがここは奴らの巣窟だ。

奴の姿をこうして見るのは前回博士とここを訪れたとき以来だ。

間近で見るとさすがに恐怖を感じざるを得ない。

こんなのは決して慣れるものではない。

いや、慣れてはいけない。

ヤミカラス「何だよあれ・・・」
 ▼ 639 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/12 23:48:38 ID:4CN2C8Fw [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「何て奴だ、思ったより手ごわそうだな・・・・」

ドンさんたちでもこれほど間近で見るのは初めてだろう。

さすがのドンさんたちもあっけにとられている。

(・・・待てよ?)

考えてみたらこの状況をうまく利用しない手はない。

「ドンさん、ヤミカラス、手伝わないんだったら俺を置いて先行ってていいぜ?」

ドンカラス、ヤミカラス「何だと?」

「そのかわり俺は一切手出ししないが」
 ▼ 640 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/13 00:01:29 ID:GbfEjQsI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス、ヤミカラス「くっ・・・・」

そう、この状況を使って軽く脅しをかけてみる。

脅しという言い方は少し悪いが。

「先に行ってドンさんたちだけで戦うか、一緒に手伝って一緒に戦うか、どっちにする?」

ドンカラス「くそ、よりによってあんなもの見せつけられた後に・・・キサマ!」

ヤミカラス「汚ねぇぞ!」

ドンさんたちだって俺がいた方が有利な事ぐらい分かっている。

「どうするかはドンさんたち次第だぜ」
 ▼ 641 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/14 00:52:08 ID:5MRYcmgE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「・・・フン!この際仕方ない!特別に手を貸してやろう!」

「・・・そういってくれると信じてたぜ」

ドンカラス「フン!調子いいことぬかすな!」

ヤミカラス「え?ボス、何も手を貸すことないですよ。俺たちだけで」

ドンカラス「いいからキサマも協力しろ!」

ヤミカラス「はっはい!」

ドンカラス「・・・しゃくだがコイツがいるといないじゃ大違いだ。少しでも有利な方を選ぶのも生きる術だと教えたはずだぞ」

ヤミカラス「分かりました。ボスが言うのであれば・・・」

 ▼ 642 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/16 00:04:59 ID:F4M.8pnE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「その代わりキサマにはワシらの援護もしてもらうからな」

「今更言われなくても分かってるぜ」

ヤミカラス「ボスがお前のことを頼りにしている証だぞ。ありがたく思えよ」

ドンカラス「フン!ワシは別にこいつを頼りになどしとらんぞ!」

ヤミカラス「すいません・・・」

ドンカラス「まぁいい、それで何したらいいんだ」

「ちょっと待っててくれ」

俺は車に頑丈なロープをくくりつけ
 ▼ 643 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/16 01:11:07 ID:F4M.8pnE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「よし、ドンさんたちはこのロープを引いてくれ!俺は後ろから押す!これで車を動かしてくぼみから抜け出すんだ!」

ドンカラス「ようし!やるぞ!」

ヤミカラス「はいボス!」

こうしてドンさんたちはロープをくわえて飛びながらロープを引っ張り、俺は裏から車を押すことにした。

だが

「ぬううう・・・・」

ドンカラス「くっ、くそ・・・・」バサッバサッ

ヤミカラス「何だよこれ・・・」バサバサバサッ
 ▼ 644 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/17 00:38:35 ID:6du68mfg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
車は少しは動くものの、一筋縄ではいかない。

ヤミカラス「ボス〜これ全然ダメですよ〜」

ドンカラス「何を言っとる!この程度で情けん奴め!いいから黙ってやれ!」

ヤミカラス「はい・・・・」

ドンカラス「おいナルディ!キサマちゃんと押しとるのか!」

「もちろん押してるぜ!はぁ・・はぁ・・・」

ドンカラス「まさか手を抜いたりしとらんだろうな!」

「そんなことするはずないだろ。これが手を抜いてるように見えるか?」
 ▼ 645 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/17 00:47:19 ID:6du68mfg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いつ奴らが現れるかもわからない。

そんな状況で手を抜く余裕などあるわけない。

「・・・ドンさんたちまさかこそ手を抜いたりしてないだろうな?」

ヤミカラス「何だと!?」

ドンカラス「キサマふざけたこと言うのもいい加減にしろ!いつワシらが手を抜いたというんだ!」

「そ、そうだよな・・・すまなかった!」

ドンカラス「フン!キサマ次そんな言いがかりつけてみろ!どうなるか分かってるだろうな!」

そう言うとドンさんは俺をひと睨みした。
 ▼ 646 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/18 01:13:55 ID:JB1U9grw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この車は2トン近くある。

そんな車をこの深いくぼみから救出するのはドンさんたちの力を借りても簡単ではないのだろうか。

「・・・・ドンさん」

ドンカラス「何だ」

「サイコキネシスで車を動かしたりできないか?」

ダメ元で聞いてみる。

ドンカラス「エスパーでもないワシがそんなことできるわけないだろ!バカも休み休み言え!」

そりゃそうか。
 ▼ 647 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/18 01:52:51 ID:JB1U9grw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうだよな。すまない・・・だがあれだけ強いドンさんたちならこの車も簡単に引っ張れると思ったんだが」

ドンカラス「キサマ簡単に言うようだが飛びながらこんな重いものを引っ張るのは本当に重労働なんだぞ!」

ヤミカラス「空も飛べないお前には分かんないだろうがな!」

ドンカラス「それに何の感触もない空中じゃ踏ん張るのだって一苦労だ!」

ヤミカラス「お前はまだいい方だな!足で地面を蹴るように踏ん張れるからな!」

「だったらドンさんたちだってそうすれば」

ドンカラス「フン!それができたらこんな苦労しないぞ!」

ヤミカラス「お前ワザと聞いてるな!」

 ▼ 648 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/18 02:11:01 ID:JB1U9grw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いやそういうわけじゃないが、すまない」

ドンカラス「フン!いいからさっさとやるぞ!」

最もドンさんたちは飛ぶことに特化している都合上俺たち人間と比べて脚の筋力には乏しい。

現にその様子は今までドンさんたちと歩いている時にも垣間見えている。

ドンさんたちは歩くのはゆっくりで、しかも長距離は無理だ。

だから俺が普通に歩いてるだけでも距離が空いてしまう。

その度に「速すぎだ」とか「ワシらに合わせろ」とかあれこれ言われるのがお決まりだ。

地上で足で踏ん張って引っ張るなど到底無理か。
 ▼ 649 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 00:22:30 ID:/qx.7nU2 [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが一刻も早く抜け出さねば。

グォオオオオ・・・・

時折聞こえてくる奴らの鳴き声。

「早くしないとマズいぜ!奴らに見つかったら!」

ドンカラス「そんなことキサマに言われんでも分かってるぞ!」

ヤミカラス「だからこうやってやってんじゃねぇか!」

とにかく俺は車を押し、ドンさんたちはロープをくわえて引っ張る。

そして格闘すること銃数分〜
 ▼ 650 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 00:31:40 ID:/qx.7nU2 [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんとかくぼみから車を救出することができた。

「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・やったぜ・・・」

本当は電動ウインチでもあればこんな苦労などしなかったが、あいにくそんな立派なものは持っていない。

それに俺はもう30代・・・

この歳になるとこんな重労働はなかなか体にこたえる。

若いころは平気だったのだが。

無理とは分かっているが、できることなら若いころに戻りたい・・・・

何かとそう考えてしまう。
 ▼ 651 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 00:43:14 ID:/qx.7nU2 [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
全く時の流れは残酷だぜ。

ドンカラス「何だキサマ。この程度でへたばりおって!」

「そんなこと言われたって仕方ないだろ・・・はぁ、はぁ・・・・この歳になるとなかなかこたえるんだぜ?」

ドンカラス「フン、都合悪いと歳のせいにしおって!情けん奴め!」

「ドンさんは平気なのか?」

ドンカラス「当たり前だ!この程度ごとき!ワシはこの歳になってもキサマとは日頃の鍛練が違うからな!」

「さすがだぜドンさん」

ドンカラス「最もヤミカラスもこのザマだがな」
 ▼ 652 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 00:48:21 ID:/qx.7nU2 [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「はぁ、はぁ、はぁ、もうダメだ・・・・」

ヤミカラスも俺同様ダウンしていた。

「なるほどな・・・」

つくづくドンさんとヤミカラスの力の差を感じる。

「ところで、ドンさん」

ドンカラス「何だ?」

「・・・ドンさんの歳はいくつなんだ?」

ドンカラス「何だキサマいきなり」
 ▼ 653 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 01:04:07 ID:/qx.7nU2 [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「まあ、ちょっと気になってな」

よく考えたらドンさんが何歳なのか考えたこともない。

ドンカラス「まぁ、キサマら人間共の年齢の基準がどのくらいか知らんが、ワシはヤミカラスから進化してから数十年は経っているな」

「数十年か・・・明確な年数は?」

ドンカラス「そんなものは知らん!ワシはキサマら人間みたいに時間に縛られて生きとらんからな」

「なるほどな」

ドンカラス「ワシらから見れば細かい時間に縛られながら生きているキサマら人間共は愚かとしか言えんな。ワシはそんなのはもっぱら御免だ」

「確かにそうかもしれないな。何だかドンさんたちが羨ましいぜ」
 ▼ 654 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 16:58:16 ID:/qx.7nU2 [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン!気楽なこと言うな!時間に縛られなくとも自然の中で生きていくのは命がけなんだぞ!」

「それもそうだったな。すまない」

ドンカラス「むしろワシはキサマら人間共が羨ましいな」

「それは何故だ?」

ドンカラス「キサマらは便利なものに囲まれ、命をかけて苦労しなくとも住む所や食い物には不自由しないからな」

「それは違うぜドンさん」

ドンカラス「何がだ」

ドンカラス「俺たちだって住む所や食い物を手に入れるには金がいる。その金を手に入れるのは命がけまでとはいかなくても大変なんだぜ」
 ▼ 655 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 17:06:55 ID:/qx.7nU2 [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「そういうものか?」

「ああ。俺を見ていれば分かるはずだ。確かに便利なものに囲まれて気楽に生きているように見えるかもしれないが、その陰では大変な思いをしてるんだぜ。ドンさんたちにはかなわないかもしれないが」

ドンカラス「そうか・・・」

その時だ。

「ガガッ・・・ザザザ・・・ガザザザッ」

車内に置いておいた無線機から特有の雑音が鳴り響いた。

無線機が一本の無線の電波を捉えた証拠だ。

やがて雑音が収まると
 ▼ 656 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 17:15:45 ID:/qx.7nU2 [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ガガ・・・こちらAです!ナルディさん!今どこですか!応答願います!ナルディさん!」

研究員Aからだった。

ドンカラス「おい今のは何だ?」

「研究員たちからだ!」

ドンカラス「ああ、あいつらか」

「ちょっと待っててくれ!」

ドンカラス「待ってろって、ワシらは」

「いいから!」
 ▼ 657 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 17:24:21 ID:/qx.7nU2 [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
早速無線機を手にし

「はいこちらナルディです!どうぞ!」

研究員A「ナルディさん!良かった。なかなか来ないのでナルディさんに何かあったのかと心配になりましたよ!」

「ご心配かけてすみません」

研究員A「いえ。それで今どこですか?」

「コトブキシティの○号線センター通り付近です」

全てが破壊されてしまった今、明確な場所は分からないがとにかくおおよその現在位置を伝える。

研究員A「分かりました!コトブキシティ内ですね!それならもう少しですね!」
 ▼ 658 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 17:32:46 ID:/qx.7nU2 [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい!」

研究員A「ですが前回の無線からもう2時間近く経っていますよ。お言葉ですがあまりに遅いです!」

「すみません。ちょっと予想外のトラブルに巻き込まれてしまいまして」

研究員A「トラブルですか。一体何があったのですか?」

「大したことではないのですが着いてからお話します。今はあまり長く話している時間はありませんので」

所々ドンさんたちと話しこんでしまったのもあり、それもあってこのままではさすがにまずい。

研究員A「・・・・分かりました。ナルディさんが御無事で何よりです!」

「恐れ入ります。それで今そちらの状況は?」
 ▼ 659 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 17:42:26 ID:/qx.7nU2 [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「相変わらずです。時折奴らの姿を垣間見たり鳴き声が聞こえて来たりします」

「そうですか」

研究員A「ですが幸いまだ奴らには見つかっていません」

「それは何よりです。この状況で奴らに見つかったらひとたまりもありませんので」

研究員A「仰る通りです。何とか奴らに見つからないよう、私たちだけでもできる限り作戦会議の方を進めています」

「作戦会議はどの辺まで進んでいますか?」

研究員A「ではBに代わります」

ここで無線は研究員Bに引き継ながれる。
 ▼ 660 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 17:50:30 ID:/qx.7nU2 [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員B「代わりました!こちらBです!どうぞ!」

「こちらナルディです!どうぞ!」

研究員B「奴らの発信機から出る信号を頼りに奴らの居場所をリアルタイムで特定するまでには至りました。後は今後どうするかを話し合っています!」

「分かりました」

研究員B「ナルディさん!早く来てください!待っています!」

「分かっています!早急に向かいます!」

ガガッ

ここで無線は終わる。



 ▼ 661 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 17:58:09 ID:/qx.7nU2 [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「・・・・それで、何だったんだ?」

「今どこですか?早く来てください!という趣旨の無線だ」

ドンカラス「フン、催促の無線か」

ヤミカラス「まったくお前が鈍くさいからだぜ」

「何だヤミカラス、さっきあれほどダウンしてたが大丈夫なのか?」

ヤミカラス「へっ、あんなのはもうへっちゃらだぜ!」

見る限りすっかり復活している様子だ。

「なら良かった。早いとこ行こう!」
 ▼ 662 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 18:05:06 ID:/qx.7nU2 [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス、ヤミカラス「ああ」

ギュルルンッ!ヴォオオオオオオ・・・・

こうして再び研究員たちの元に向かって車を走らせる。

より細心の注意を払いながら。

またスタックやパンクで動けなくなるのは御免だ。

だがその道中〜

「ガガガ、ガザガザザザ・・・」

再び無線機からあの特有の雑音−−−−−
 ▼ 663 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 18:11:05 ID:/qx.7nU2 [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが今度は先ほどとは周波数が違う。

(・・・誰からだ?)

ドンカラス「何だ、またあいつらからか?」

「いや、違う」

間もなく雑音は晴れ

「ザザ・・・・こちら私、市長のロックとルイ博士です。ナルディさん聞こえますか?」

研究室にいる市長と博士からだった。

「はいこちらナルディです。聞こえています!どうぞ!」
 ▼ 664 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/19 18:24:41 ID:/qx.7nU2 [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「ナルディさん。先ほど部下の研究員たちから・・・」

ドンカラス「フン!何だ、市長のクズどもか」

「シーッ!ドンさんちょっと!」

市長「ん?どうかしましたか?」

「いえ大丈夫です!」

市長「そうですか」

「市長、それで何かあったのですか?」

市長「いえ。先ほど部下の研究員たちからナルディさんがまだ現地に着いていないと無線がありましたので。何でもトラブルに遭われたと」
 ▼ 665 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/21 00:11:00 ID:acmQ86sY [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「一体何があったんだい?」

「・・・大したことはないのですがタイヤがパンクしてしまいまして」

市長「それはそれは」

「その他にもいろいろありまして遅くなってしまったのです。すみません」

市長「いえいえ、ナルディさんが御無事でホッとしています」

博士「最初君がトラブルに遭ってまだ着いていないと聞いた時はどうなるかと思ったよ」

「恐れ入ります」

市長「それで今はどちらに?」
 ▼ 666 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/21 00:18:18 ID:acmQ86sY [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「コトブキシティの○号線を東北東に進んでいます。じき研究員の皆さんと合流できます」

博士「良かった。それを聞いて安心したよ」

市長「運命はナルディさん、あなたたちに賭かっています。どうか、お願いします」

「分かっています。皆さんと落ち合えた後また報告します」

市長「分かりました!」

ガガッ・・・

ドンカラス「・・・今度はどんな内容だ」

「さっきの研究員たちと同じだ」
 ▼ 667 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/21 00:23:05 ID:acmQ86sY [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン、また催促か。うるさい奴らだな」

「まぁ催促というほどのものじゃないが」

そして間もなく、前方に一台のバンが見えてきた。

紛れもなく研究員たちのものだ。

ヤミカラス「あの車は何だ?」

「あれが研究員たちの車だ」

ドンカラス「やっとか。無駄に長い道のりだったな」

「まったくですよ」
 ▼ 668 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/21 00:29:47 ID:acmQ86sY [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「乗せてきてもらうより普通に飛んで来た方が早かったな」

ヤミカラス「そうですね。何か逆に無駄足踏んじゃいましたよ」

また始まった・・・・

「何もそんな言い方ないだろ・・・ここまで乗せてきたのに」

ドンカラス「フン、恩着せがましい言い方するな」

「別にそう言うわけでは」

ヤミカラス「何も俺たちは頼んだわけじゃないぜ?お前が乗せていくっていうから」

「まぁそうだが・・・・」
 ▼ 669 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/21 00:36:44 ID:acmQ86sY [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「まぁもういいだろう、そんな過ぎたこと。今更どうこういっても何もならんぞ」

ヤミカラス「そうですね・・・」

「はぁ・・・・・」

(全くこっちの苦労も知らずに・・・相変わらずだぜ・・・)

まぁ確かにドンさんたちの言うことも一部当たってる。

そもそも車で向かったのは体力温存や時間短縮が目的だ。

だが実際は逆に無駄な時間と体力を消費してしまったのは確かだ。

パンクやスタックにさえ見舞われなければこうはならなかったのだが。
 ▼ 670 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 00:26:24 ID:u4gADryc [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして

キイッ!

何はともあれやっと着いた。

「よし、着いたぜ」

ヤミカラス「やっとか。いよいよだぜ」

ドンカラス「ん?あいつらはどこにいるんだ?」

「え?」

見ると一台のバンがあるだけで研究員たちの姿がない。
 ▼ 671 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 00:33:42 ID:u4gADryc [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「・・・食われたんじゃねぇのか?」

「ちょっとヤミカラス、縁起でもないこと言わないでくれ」

ドンカラス「まぁどこかに隠れているんだろう」

「・・・かもしれないな。ちょっと見てくるぜ」

ドンカラス「おいワシらも行くぞ」

「ドンさんたちは車で待っててくれ」

ドンカラス「何でだ!」

「外は危険だ。あまり複数で出歩かないほうがいい。まず俺が様子を見てくる」
 ▼ 672 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 00:40:52 ID:u4gADryc [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「ボス。ここはまずコイツに任せた方が」

ドンカラス「・・・フン、いいだろう。早く済ませて来いよ」

「ああ、分かってる」

バタン・・・

そう言って一旦車を後にした。

まず奴らに気を付けながらあたりをざっくり散策する。

だが研究員たちの気配はない。

(・・・ひとまず報告するか)
 ▼ 673 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 22:12:31 ID:u4gADryc [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
現状を市長と博士に報告すべく無線機を取り出す。

そして市長から渡された無線のチャンネルのメモ紙を見ながら市長たちの無線に周波数を合わせ発信した。

「こちらナルディです。ただ今研究員たちの元に着きました。応答願います」

ところが

「ザザザ、ガガガザ・・・・」

雑音がするだけで通じない。

(What the hell?おかしいな・・・)

チャンネルは確かに合っているのだが。
 ▼ 674 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 22:20:00 ID:u4gADryc [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(もしや・・・)

そう思い今度はさっき市長たちからかかって来たあのチャンネルに合わせてみる。

メモ紙にも書いておらず、一瞬誰からの無線か分からなかったあの謎の周波数のチャンネルだ。

「こちらナルディです。ただ今研究員たちの元に到着しました」

すると

市長「ガガ・・・はいこちら市長のロックです。無事到着したんですねナルディさん!」

無事つながった。

明らかにメモ紙に書いてあるものとチャンネルが変わっている。
 ▼ 675 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 22:25:06 ID:u4gADryc [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何故わざわざチャンネルを変えるようなことを?

いや市長たちが使っている型の無線機は個体ごとにチャンネルが決まっていてチャンネルを変更することはできないはず。

だとしたら別の個体のものに変えたのか。

でも何故そんなことを?

何かあったのだろうか?

何だか胸騒ぎがする。

ここは聞いてみるか。

「あのロック市長、ひとつお聞きしますが」
 ▼ 676 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 22:37:55 ID:u4gADryc [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「はい、何でしょうか?」

「市長たちの無線のチャンネルがメモ紙に書かれているものと異なるんですがこれは一体何故でしょうか?最初はメモ紙通りだったのですが、途中からチャンネルが変わりましたので」

市長「ああ、それなんですが実は博士が・・・」

市長がそう言いかけた時

博士「市長、少し変わってもいいですか?」

無線の向こう側から博士の声が聞こえた。

市長「はい。どうぞ博士」

博士「やぁナルディ君。無事現地に着いたんだってね」

 ▼ 677 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 22:51:40 ID:u4gADryc [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい博士。何とか到着しました」

博士「いやぁそれで実は私は自分だけで無線機を使ってナルディ君たちと通信してみたかったのだよ」

「あれ?ということは博士、今までの無線の操作は全て市長がやっていたのですか?」

博士「その通りさ。どうも私はこの手の機械には弱くてね」

「では博士自身がこの無線を操作するのは初めてだったんですね?」

博士「ああ。だから使い方なんてちんぷんかんぷんさ」

「そうですか」

博士「ただ情けないことに自分で操作してみたいという好奇心に駆られてしまってね、使い方も分からないのに市長の無線機を勝手にいじって壊してしまったのだよ」
 ▼ 678 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 23:06:22 ID:u4gADryc [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「それはそれは・・・・ということは無線のチャンネルが変わったのは?」

博士「私が元の無線機を壊してしまい、別の無線機に変えたからだよ」

なるほどそういうことか。

何も深く考えることなかったな・・・・・

胸騒ぎまでして損した気だ。

市長「博士、分からないことがありましたら遠慮なさらないで私に聞いて下さい。今回のようなことは困ります」

博士「はい。本当にすいません市長」

市長「幸い今回は予備がありましたが、そうでなかったら彼らと連絡を取る手段がなくなって大変なことですよ」
 ▼ 679 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 23:17:41 ID:u4gADryc [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「はい・・・」

無線の向こうで博士が市長からお叱りを受けていた。

無線のマイクはその様子を一言も逃さず克明に捉える。

市長「ただ、やってしまったことは仕方ありません。今後気を付けて頂ければ大丈夫ですよ。博士、あまり今回のことは気になさらないで下さい」

博士「分かりました。以後気を付けます」

(まさかあの博士が?)

俺には少し意外だった。

また改めて市長の心の広さ、寛大さには感心させられる。
 ▼ 680 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/22 23:31:50 ID:u4gADryc [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
自分の大切な無線機を壊されたにも関わらずこれだけの対応ができるのはさすがとしか言えない。

ましてやあれほどの本格的な無線機だ。

何十万、いや何百万するかも分からない。

俺だったらいくら博士とはいえこうはいかなかったかもしれない。

まぁ最も市長の場合経済的に余裕があるのも要因だろうが。

いやそんな水を差すようなことは言ってはダメだな。

それにしても博士のその好奇心、俺にも分かる気がした。

俺だって見たこともないコンピュータとかを目にするといじりたくなる時がある。

 ▼ 681 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/24 01:10:58 ID:MVZc9wPo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「ナルディさん、お見苦しい所を聞かせてしまってすみません」

博士「すまないねナルディ君、私がみっともないマネをしたばかりに」

「いえいえ、どうかお気になさらないで下さい」

市長「ありがとうございます。それで、今の状況はどうですか?」

「それが、あたりを見回しても研究員の皆さんの姿がないんです。車はあったのですが」

市長「それでしたら彼らから先ほど車の中で会議をしていると無線がありましたよ」

「そうですか」

(そうか!車の中があったか!)
 ▼ 682 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/24 01:22:03 ID:MVZc9wPo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっと考えればすぐわかるようなことだが、あの時は少し焦っていたのもありそこまで頭が回らなかった。

一瞬奴らに食われてしまったとまで考えてしまった。

もう少し冷静にならねば。

「分かりました。ありがとうございます」

市長「何かありましたらいつでも無線をください」

「はい!」

ガガッ・・・・

早速通信を終えた後、研究員たちのバンに近づいてみた。
 ▼ 683 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/24 01:31:20 ID:MVZc9wPo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてよく耳を澄ますと

「・・・ここは押さえた方が・・・」

「いえ、私は・・・・」

「・・・た方がいいと思います・・・」

「では今後の展望はどのように・・・・」

断片的ですべては聞き取れないが、何かを話し合うよな声がかすかに車から聞こえてくる。

聞く限りでは研究員たちの声で間違いなさそうだ。

(いやでも待てよ。万が一研究員たちではなく何か怪しい奴らだったら)
 ▼ 684 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/27 00:42:09 ID:IpcYpG0s [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼らに限ってそんなことないだろうが可能性はゼロではない。

窓にはスモークが張ってあり、中の様子を伺うことはできない。

だが何もしなければ始まらない。

(何やってんだ俺!こんなことで!)

自分にそう言い聞かせ、意を決して

ゴン、ゴン

「ナルディ・ハンスです!今到着しました!」

ドアをノックしながらそう言った。
 ▼ 685 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/27 00:45:42 ID:IpcYpG0s [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると

「あっ!ナルディさん!?」

中からそんな声がはっきり聞こえた。

間違いない!研究員Aだ!

間もなく

ガラララッ

研究員A「ナルディさん!待ってましたよ!」

後部のスライドドアが開いて研究員Aが出てきた。
 ▼ 686 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/28 00:42:40 ID:US4AkSIM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
中にはみんなもいる。

とりあえずホッとした。

研究員B「やっと来て頂けて良かったです」

研究員C「今か今かと待ってましたよ」

「お待たせしてすみません。最初は皆さんどこにいるのか分からなかったです。市長に無線で聞いたら車の中にいると。てっきり一瞬何かあったのかと思ってしまいました」

研究員A「そうでしたか。車の中にいると無線を送れば良かったですね。すみません」

「いえ」

研究員B「あの、他の二匹はどうなさったのですか?」

 ▼ 687 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/28 00:49:29 ID:US4AkSIM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「二匹と言いますと?」

研究員B「ナルディさんのドンカラスとヤミカラスです」

「ああ、それでしたら車の中にいます」

研究員B「そうですか。全員無事で良かったです」

「いえ」

研究員C「市長たちからも無線で聞いたのですが、ここに来るまでの間にいろいろトラブルに巻き込まれたそうで」

「ええ。そうなんです」

研究員A「一体何があったのですか?」
 ▼ 688 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/28 01:00:22 ID:US4AkSIM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「まず瓦礫を踏んでタイヤがパンクしてしまいました」

研究員A「それはそれは・・・」

研究員B「どうされたんですか?ここはレスキューもいないですが」

「幸いトランクにジャッキと予備のタイヤがありましたのでその場で交換して事なきを得ました」

研究員A「そうでしたか・・・」

「そしてようやく走り出してしばらくしたら今度は地面の大きなくぼみにタイヤが埋まって動けなくなったのです。パンクの次はスタックでした」

研究員A「それは災難でしたね・・・」

研究員C「ナルディさんの車は四駆ではないんですか?」
 ▼ 689 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/29 20:12:09 ID:6MhUKZkk [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。普通の車なので」

研究員C「そうですか。それだとこの道はやはり厳しいかもしれませんね」

ここ一帯は見渡す限り瓦礫と凹凸だらけだ。

オフロードカーならともなくこの来るまでは無謀だったのか。

「皆さんは大丈夫だったのですか?」

研究員A「はい。このバンは四駆で険しい道も走れるようにオフロードタイヤを履いていますので何とか大丈夫でした」

よく見るとこのバンはゴツゴツした大きめのタイヤを履いている。

半分オフロード車だ。
 ▼ 690 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/29 22:38:22 ID:6MhUKZkk [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
街乗りの俺の車とは訳が違う。

走れない道はないだろう。

見ただけでそう直感する。

「そうでしたか・・・皆さんと一緒に行けば良かったでしょうか?」

研究員A「いえ、でも私は別々で向かうという考えは合っていると思いますよ」

研究員B「やはりあまりまとまって行動すると奴らに見つかった時それだけリスクはありますので」

「何かすみません。気を使わせてしまって」

研究員A「いえそんなことないですよ」
 ▼ 691 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/29 22:50:27 ID:6MhUKZkk [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員B「それで、どうやって脱出したのですか?」

「ドンカラスたちと一緒に車を押したり引いたりして何とか脱出することができました。彼らが手伝ってくれたおかげです」

研究員A「そのようなことが。頼もしいポケモンをお持ちで羨ましいです」

「いえ、それほどでもありません」

まぁ実際は頼もしいとか単純なものではないが。

「そのようなことが道中あって遅くなってしまったのです。すみません」

研究員C「いえいえ、まさかそのようなことがあるとは思いもしませんでしたので」

研究員D「ですがそのような時に何故私たちに一声かけて頂かなかったのですか?」

 ▼ 692 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/30 00:32:30 ID:0ntc5Hi6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「一声かけて頂ければ私たちもすぐ駆けつけたのですが」

「それは、皆さんに迷惑を掛けたくなかったからです」

研究員A「お気持ちは嬉しいですが、何かあった時は助け合うのも大切です」

研究員B「ですから何かあったら遠慮なく言って下さい」

「皆さん、ありがとうございます」

研究員E「何はともわれ、ナルディさんたちが来てくれて本当に良かったです」

研究員A「ナルディさん、それでは実戦に向けた作戦会議をしませんか?もちろんドンカラスとヤミカラスもご一緒に」

研究員C「彼らも仲間ですので」
 ▼ 693 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/31 16:17:18 ID:4uB2fFYo [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうですね!」

研究員C「ただここだと奴らに見つかる危険が高いですし、かと言って車の中だとこれ以上の人数は狭いです」

研究員A「確かにそうですね・・・どこか安全な場所に身を潜めながら会議をやったほうがいいですね」

研究員B「ですがどこか良さそうなところは・・・」

周りを見渡しても殆ど瓦礫と半壊した建物ばかりだ。

だがその中にヒビ割れだらけでガラスも割れていて多少のダメージは受けているものの、かろうじで崩壊を免れた大きな建物があった。

しかもよくみると「地下P→」の看板が。

地下駐車場まで完備してある。
 ▼ 694 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/31 16:28:38 ID:4uB2fFYo [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あの建物はどうでしょうか?」

研究員B「コトブキ商業センターですね」

「何なんですかそれは?」

研究員B「カフェやレストラン、映画館、デパート、ポケモンジムなどいろいろな店が入っているコトブキシティ最大の副業施設です」

「そうだったんですか」

看板など外装は破壊されている為分からなかった。

研究員C「市長が皆の為に多額の税金をかけて作ったものです。コトブキシティ市民の憩いの場だったのですが今となってはこんな姿に・・・・」

「以前は皆さんの笑顔や笑い声で溢れかえっていたんですね」
 ▼ 695 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/31 16:34:15 ID:4uB2fFYo [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C[はい・・・」

みているだけで悲しさや虚しさがこみ上げてくるようだ。

ただ今はそんな感情に浸っていられない。

「ただ、ここなら地下駐車場もあります。そこなら安全かと」

研究員A「確かにそうですね。広いし奴らに見つかる危険も低いです」

研究員B「ただ崩壊を免れたとはいえ全体的にダメージを受けています」

研究員C「外壁はヒビ割れだらけですね・・・」

研究員D「崩れたりしないでしょうか?そうなったら私たちはひとたまりもありませんよ」
 ▼ 696 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/31 17:11:26 ID:4uB2fFYo [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「大丈夫です。この建物は市長が市民の安全の為にと最新の免震技術を投じて建てたものです。震度7以上の地震にも耐えられます。」

研究員B「それなら大丈夫ですね!」

研究員A「はい。身を隠すのにうってつけです」

研究員D「ここが私たちの最後の砦というわけですね」

研究員A「まさしくその通りです」

研究員E「ここは奴らの襲撃にもこの通り耐えたんです。私たちのことも守ってくれるに違いありません」

「・・・では決まりですね?」

研究員A「はい!私たちは先に地下駐車場に行っています!ナルディさんもドンカラスたちと一緒に来てください!」
 ▼ 697 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/31 18:03:14 ID:4uB2fFYo [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分かりました!すぐ行きます!」

そう言うと研究員たちはバンに乗り、商業センターの地下駐車場に消えていった。

俺もすぐに車に戻り

タッタッタッタッ!

「ドンさんたちすなまい!待たせたな!」

ドンカラス「遅いぞ!何してたんだ!」

「すまない」

ヤミカラス「それで、あいつらいたのかよ」

 ▼ 698 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/31 18:12:04 ID:4uB2fFYo [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ああ、奴らに見つからないよう車で中に息を潜めていたぜ」

ドンカラス「そうか。それで姿が見当たらなかったのか」

「俺も最初は車の中にいるとは思わなかったぜ。ただ車の中から話し声が聞こえたから分かったんだ」

ドンカラス「それで、これからどうするんだ」

「これからあのデパートの地下駐車場で実戦に向けた会議をするぜ」

俺は商業センターの建物を指さしながら言う。

ヤミカラス「何でそんなとこでやるんだ?」

「そこなら奴らに見つかりにくくて安全だからな」
 ▼ 699 イムラー◆zcCRlWbLiA 18/12/31 18:18:05 ID:4uB2fFYo [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「なるほどな」

ドンカラス「ワシらも一緒に話し合うのか?」

「もちろんだぜ」

ドンカラス「よし!いよいよだな」

ヤミカラス「そうですね」

ドンカラス「だがキサマはいいがあいつらはワシらの言葉分かるのか?」

「いや、俺以外の人間はドンさんたちの言葉は分かんないな」

ドンカラス「それじゃワシらが行っても何にもなんないだろ」
 ▼ 700 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/01 00:33:42 ID:DlQMUWbA [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※ちょっとSSとは関係ないですが2019年明けましておめでとうございます。
今年もSSの修行頑張りますのでよろしくお願いします。



「そこは大丈夫だ。必要に応じて俺が訳したりする。何よりドンさんたちがいないとな」

ドンカラス「確かにそうだな。いいだろう」

ヤミカラス「俺たちにも意見を言う権利はあるからな」

「よし決まったな」

ギュルルルルンッ、ヴォオオオオオ・・・・ガタガタガタ・・・

車を出し、俺たちも地下駐車場に向かった。

 ▼ 701 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/01 00:45:45 ID:DlQMUWbA [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コトブキ商業センター地下駐車場〜

ここは昼間でも薄暗かった。

天井にはいくつものの蛍光灯が連なっており、以前は灯りが灯っていたのが伺える。

灯りがついていればそれだけでも違うのだが。

でも電気などのライフラインはすでに寸断されている為、そうはいかない。

薄暗い地下駐車場内をゆっくり進む。

ヤミカラス「何だよここ、昼間なのに薄気味悪いな」

ドンカラス「もっとマシな場所なかったのか?」
 ▼ 702 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/01 00:56:32 ID:DlQMUWbA [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「仕方ないだろこの際。奴らに見つからない為には。それに非常用のライトとかもあるから」

ヴォオオオオオ・・・・・

車のエンジン音だけがこだまする。

不気味な静寂さがより薄気味悪さを倍増させる。

ヘッドライトをつけないと満足に進めないくらいだ。

「・・・・これだと何か出てきてもおかしくないな・・・」

ふとそんな一言をこぼしたところ

ドンカラス「おいキサマ!いきなりおかしなこと言うな!」
 ▼ 703 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/01 01:07:21 ID:DlQMUWbA [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「出るって何が出るんだよ!」

すかさず過剰に反応するドンさんたち。

「おいドンさん、ヤミカラス、冗談だぜ冗談!ちょっと言ってみただけだぜ!」

ドンカラス「キサマ冗談にもほどがあるだろ!」

ヤミカラス「お前俺たちを脅かすためにわざといったんだろ!」

「いや、何もそんなつもりじゃないぜ・・・」

ドンカラス「じゃあ何のつもりだ!こんな時にガラでもないこと言いおって!」

「ほんの出来心だぜ。俺が悪かったよ。何もそんな怒ることないだろ・・・」
 ▼ 704 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 01:11:06 ID:uyUw7YQU [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン!何が出来心だ!」

ヤミカラス「まったく・・・」

何故ほんの一言言っただけでこんなに言われなければならないのだろうか。

まぁ今に始まったことではないが。

ドンカラス「・・・・おいそれにしてもこの建物大丈夫だろうな!ヒビ割れだらけだが」

ヤミカラス「崩れないだろな!」

「この建物は大地震でも倒れないように作られてるから大丈夫だ」

ドンカラス「ならいいが」

 ▼ 705 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 01:19:34 ID:uyUw7YQU [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いくら地震に強いとはいえ過信は禁物かもしれない。

また天井にはスプリンクラーも点在していた。

地下駐車場での車両火災に備えて設置されたのだろう。

だが電気が来ていなければ水道も来ていない。

万が一火事が起きても当然作動するわけもない。

まぁ、とにかくその万が一のこととか、悪いことは考えないでおこう・・・・

(・・・それにしてもどこにいるんだ・・)

そのまま地下駐車場内を動き回っていると
 ▼ 706 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 01:25:09 ID:uyUw7YQU [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「おい!あの車がそうじゃないのか!」

「ああ、そうだな」

間もなく研究員たちのバンが目に入ってきた。

そのそばに彼らもいる。

キイイッ

彼らの隣に車を停め

「よし降りるぞ」

ドンカラス、ヤミカラス「ああ」
 ▼ 707 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 17:44:08 ID:uyUw7YQU [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
車を降り、ドンさんたちと共に彼らの元に行く

「皆さんお待たせしました」

研究員A「来ましたかナルディさん」

「この通り私のポケモンたちも一緒です」

ドンカラス「フン!何が私のポケモンだ!ワシはキサマの手下じゃないぞ!」

「ドンさんあまり今は細かいことは気にしないでくれ」

研究員B「君たちも、一緒に戦う同志としてお願いしますよ」

そう研究員Bがドンさんたちに挨拶すると
 ▼ 708 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 17:51:05 ID:uyUw7YQU [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン、キサマ気安く話しかけるな!」

ヤミカラス「あいつらの手下のくせに!これだから人間共はいやだぜ!」

そう強く反発した。

「ちょっとドンさん、ヤミカラス」

研究員B「・・・何かあったのですか?不機嫌そうですが」

ドンさんたちの言葉が通じないのが幸いといったとこか。

「いえいつもこんな感です。気にしないで下さい」

研究員B「はぁ・・・・」
 ▼ 709 ローン@ムーンボール 19/01/05 17:54:12 ID:rkVs0pLU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 710 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 18:04:02 ID:uyUw7YQU [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・何もあんな言い方することないだろ。あいさつしているのに」

ドンカラス「あいつが馴れ馴れしいからだ!」

ヤミカラス「大体君たちとか言い方が上から目線だぜ!」

ドンカラス「何様のつもりだ全く!」

「・・・そんなこと気にしていたらキリがないぜ」

ドンカラス「フン・・・・」

相変わらず俺たち人間のことを見下しているドンさんたち。

まぁそれがドンさんたちだからって言われたらそれまでだが。

少し先が思いやられる。


 ▼ 711 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 18:24:31 ID:uyUw7YQU [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員B「あの、大丈夫ですか?」

「はい。それで今奴らの動向などは?」

研究員B「ちょっと待っててください」

だがここでひとつ問題が起きた。

研究員B「マズイです・・・」

「どうしたんですか?」

研究員B「ここは地下で電波が遮られてしまうので、奴らの発信機の信号も捉えることができません」

研究員A「じゃあ奴らが今どこにいるかもわからないんですか?」
 ▼ 712 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 18:35:31 ID:uyUw7YQU [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員B「はい・・・」

研究員C「それだけじゃありません。ここじゃ無線も使えないので市長たちなど外部との通信も無理です」

研究員D「電波を伴う機器が全く使えないのは基地として致命的ですよ・・・・」

「ここではマズかったでしょうか・・・・」

研究員A「いえ、かといって外は危険です。これ以上安全な場所はこの辺にはありません」

研究員E「電波の問題さえ解決できれば・・・」

ドンカラス「おい何があったんだ」

「ドンさん、実はな、ここは地下だから電波が使えないんだ」
 ▼ 713 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 18:46:29 ID:uyUw7YQU [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「何で地下だと電波が使えないんだよ」

「地面に遮られるからだ。電波は壁とか何か遮るものがあるとすり抜けられずに跳ね返ってきちゃうんだ。だから電波の送受信ができない」

ドンカラス「それができないと何かマズイのか?」

「かなりマズイぜ。特に今の状況ではな」

ドンカラス「何がどうマズイんだ」

「だから、もう・・・ドンさんたち鈍いな。ここまで話してるのに分かんないかな」

ドンカラス「知るか!そんな専門的なことキサマらしか分からんだろ!」

ヤミカラス「俺たちどう分かれっていうんだよ!」
 ▼ 714 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 22:34:05 ID:uyUw7YQU [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「だいたいキサマの説明がまどろっこしくてわかりづらいからだぞ!」

ヤミカラス「もっと分かりやすく言えよ!」

「分かった。悪かったぜ。そんなに怒鳴ることないだろ・・・・」

ドンカラス「キサマが的外れなことからだ!」

ドンさんたちと話すといつもこんな調子だ。

威張っていて何かあるとすぐ怒鳴りつける。

俺はもう慣れたからいいが普通だったらまいってしまうだろう。

「つまり、電波が使えないと無線を使った通信もできないし奴らの動きも知ることもできないんだ」
 ▼ 715 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 22:45:18 ID:uyUw7YQU [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「なんだ、それぐらい使えなくたってどうにかなるだろ」

「いやダメだ。奴らがどこにいるかもわからない今の状況では電波は生命線なんだ。ないと命に関わるぐらい大事なものだ」

ヤミカラス「へっ、いちいち大げさなんだよ」

「いや、決して大げさなんかじゃないぜ」

最も戦いで電波を駆使するのは俺たち人間ぐらいだからドンさんたちポケモンには分からないかもしれない。

ドンカラス「それだったら外でやればいいだろう。外だったらいくらでも電波は入るんだろ?」

「外で堂々とできたら苦労しないぜ。外には奴らがうろついているのにできるか」

ドンカラス「なんだ、キサマらは電波がないと満足に戦えんのか?情けん奴らめ!」
 ▼ 716 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 22:56:43 ID:uyUw7YQU [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「俺たちは先が読めない状況でも電波なんかなくたって戦えるぜ」

ドンカラス「何かに頼らなくては戦えないとは。所詮は愚かな人間共だな」

またドンさんたちは嘲罵の数々を並べてきた。

彼らが聞いたら何て言うだろうか。

俺はいつの感じで受け流し

「あいにく人間には人間のやり方があるんでね。悪いけど俺たちの”愚かな人間の戦い方”にも付き合ってくれるか?」

当然人間とポケモンでは戦い方も全く異なる。

俺たち人間は決して何かに頼らないと何もできないわけではない。
 ▼ 717 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 23:05:56 ID:uyUw7YQU [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
人間にしかできないハイテク技術なども駆使して有利に戦う。

これが俺たち人間の特権でもある。

間違ってもポケモンなど人間以外にはマネできないワザだ。

ドンカラス「まぁ今回はキサマらの協力なしに有利な戦いはできないからな。別にかまわんぞ」

ヤミカラス「俺も付き合ってやってもいいぜ」

ドンカラス「一応キサマらにはキサマらなりのやり方もあるだろうからな」

「・・・そう言ってくれると思ったぜ」

そうドンさんたちと話していると
 ▼ 718 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 23:16:00 ID:uyUw7YQU [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「ナルディさん何しているのですか?ゆっくりしている時間はありませんよ!」

「そうでしたね。すみません」

研究員B「電波も使えないのでは・・・・何かいい考えはありませんか?」

と、ここで俺は一ついいことを思いつく。

「そうだ!ちょっと待っててください!」

研究員A「はい」

そう言うと俺はおもむろに車に駆けていき、トランクの中を漁った。

(確かこの中に・・・あった!)
 ▼ 719 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 23:25:13 ID:uyUw7YQU [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてトランクから組み立て式の小型のパラボラアンテナを取り出した。

高さは1mほどだが畳めば片手カバンにも入るほどのコンパクトなものだ。

研究員B「ナルディさん、何かいい方法でも思いついたのですか?」

「はい。これですよ!」

そう言って皆にアンテナを見せる。

研究員A「アンテナじゃないですか!」

研究員C「どうしたんですかこれ?」

「いつどこでもインターネットができるように常に持ち歩いているんです」
 ▼ 720 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 23:35:45 ID:uyUw7YQU [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は職業柄、ポケモンの観察の為に外出することも多い。

そんな外出先でも常にインターネットができるようにと車の中に忍ばせていたのだ。

たかがインターネットのために大げさだろうと思うだろう。

確かにこれよりも小型の無線アンテナなんていくらでもある。

だが大体それらは携帯性を重視してその分性能を削っているせいか、電波の入りが弱いものが殆どだ。

性能が良いに越したことはない。

研究員C「ですがここは地下で全く電波が使えませんよ。そのようなアンテナを使っても」

「その点は心配無用です。これはどんなに微弱な電波も捉え、どんなものもすり抜けられる特殊な周波数の電波を出すことができます。つまりどんなに深い地下でも電波を送受信することができるのです」
 ▼ 721 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/05 23:45:04 ID:uyUw7YQU [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「それはすごいですね!これで電波の問題は解決ですよ!」

「ただ、その分値段も値段でしたが・・・・」

研究員B「それは、そうでしょうね・・・」

ヤミカラス「なんだよお前、電波の為にそんなの持ってたのかよ」

ドンカラス「やはり人間共のやることは分からんな」

研究員C「ですが何故そこまでしてまでインターネットを?」

「私はポケモン観察の為に森や山奥などインターネットが通じづらい場所に出かけることもあります。そこでもインターネットが使える為にです」

研究員D「インターネットで何をするのですか?」
 ▼ 722 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/06 00:29:35 ID:C4Sw1two [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「その場でノートパソコンでポケモンに関するレポートを作成し、そのままインターネットを使ってあらゆる研究機関などに送るのです。帰ってからよりもその場での方がよりよいレポートを作ることができるのです。分からないこともインターネットがあればその場で調べることができます」

研究員C「なるほど。これまたハイテクですね」

「私が学生の頃はインターネットなどなかったので電話回線を用いた電子メールでレポートを作成して学校に送ったりしていました。ただ電子メールだと文字しか送れない上に、容量が大きいと送るのに数十秒はかかったり、最悪送れなかったりします。その点インターネットは写真や動画も添付でき、容量がどんなに大きくても1秒あれば送れます」

研究員D「そうでしたか。時代の流れですね」

研究員A「確かに私もインターネットがないころは電子メールはよく使っていました」

研究員B「あのころはプログラム言語全盛期ですべて通信は電話回線でまかなっていましたからね」

ドンカラス「プログラム?デンワカイセン?何だかワシにはさっぱりだな」

ヤミカラス「俺もですよ。人間のやることにはついてけませんよ全く」
 ▼ 723 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/06 23:57:58 ID:C4Sw1two [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
最もこの手の話はドンさんたちには難しいか。

研究員C「それはそうと早いとこ設置してみませんか?」

「そうですね。パソコンや無線機をアンテナに接続しますのでお借りしてもいいですか?」

研究員D「はい。どうぞ」

まずレーダーやパソコンなどの電波機器を借りて無線でこのアンテナに接続することにした。

ケーブルを使って有線で接続することもできるが無線の方が持ち運びもできたりして都合が良い。

研究員B「無線で接続するのですか?」

「はい。このほうがケーブルがいらないので機器を持ち運ぶこともできます」

 ▼ 724 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/07 00:11:10 ID:IwF6U6u6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「そうですが、有線の方がより安定して電波を送受信できるかと思うのですが?」

「確かに無線より有線の方が電波障害を受けにくく、電波の遅延も僅かに少ないのはあります。ただ無線の方がはるかに利便性が上です」

研究員C「言われてれば確かにそうですよね。いざという時にこのアンテナまで持ち運ばなければならないのは少し不便ですね」

「分かって頂けて良かったです」

研究員C「いえ」

「それでこのレーダー機器の電波情報は分かりますか?パソコンの方はWi-Fiなので簡単に接続できたのですが」

研究員C「このレーダーはちょっと難しいかもしれないですね。これは電波型式がFB、周波数34.57NHZ、チャンネルDです」

「分かりました。念の為にこのアンテナに接続する電波はすべて暗号化しておきますね」
 ▼ 725 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/07 00:19:30 ID:IwF6U6u6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「そうすると何か意味があるのですか?」

「暗号化することで盗聴や電波ジャックされにくくなります。電波が読まれなくなりますので」

研究員C「それはいいですね!」

研究員B「万が一ということもありますので是非お願いします!」

「分かりました」

その後俺は市長から渡されたあの無線機のチャンネルのメモ紙を見ながら皆の無線機も接続した。

もちろん家から持ってきたあのドローンもアンテナに接続した。

「これで機器も皆さんの無線も全てアンテナに接続しました」
 ▼ 726 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/07 00:48:50 ID:IwF6U6u6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「ありがとうございます」

研究員B「ただ私たちの無線まで繋ぐ必要はあったでしょうか?」

研究員C「それまでも普通に使えてましたが」

「これに繋いだ方がより安定した無線通信もできます。これに越したことはありません」

研究員A「確かにそうですね!」

研究員B「早速試してみますね!」

ドンカラス「おいさっきから聞いていたが、プログラムとか何とかナノヘルツとかチャンネルとか何なんだこれらは?」

ヤミカラス「お前ら一体何の話してたんだよ」
 ▼ 727 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/08 02:05:56 ID:rAVsPFNU [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ああ、ドンさんたちは気にしなくていいぜ」

ドンカラス「何だ、隠すことないだろう」

ヤミカラス「聞かれたらマズイ話か?」

「いやそういうわけじゃないが、専門的な話で難しくてドンさんたちには分からないぜ」

ドンカラス「フン!バカにするな!ワシだって少しぐらいは分かるぞ」

「そう言われてもな・・・・」

どう考えてもドンさんたちには分からないだろう。

そもそも専門的な話は分からないって言ったのはドンさんたちじゃないか。
 ▼ 728 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/08 02:16:55 ID:rAVsPFNU [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「分からないとか勝手に決めつけるなよ!」

ドンカラス「もったいぶらんで少し話してみろ」

ドンさんたちは一度言いだすときかない。

「わかったぜ。まず電波には型式、チャンネル、周波数の三要素があるんだ。単側波帯や全搬送波は型式がHで副搬送波を使用するデジタル信号の単一チャネルを持っているんだ。あと周波数が長ければ長いほど
 ▼ 729 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/08 02:22:48 ID:rAVsPFNU [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>728
途中送信してしまいました。
すみません。


ヤミカラス「分からないとか勝手に決めつけるなよ!」

ドンカラス「もったいぶらんで少し話してみろ」

ドンさんたちは一度言いだすときかない。

「わかったぜ。まず電波には型式、チャンネル、周波数の三要素があるんだ。単側波帯や全搬送波は型式がHで副搬送波を使用するデジタル信号の単一チャネルを持っているんだ。あと周波数が大きければ大きいほど情報伝達量が増えるが・・・・・」

俺は電波など工学に関する知識をさらっと話してみた。

「・・・という感じだな。分かったか?」

ドンカラス「キサマの説明が分かりづらいからさっぱりだ!」

ヤミカラス「お前本当に話すの下手くそだな」
 ▼ 730 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/08 02:32:43 ID:rAVsPFNU [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺の中ではこれ以上ないくらい丁寧に話したつもりなのだが。

本当は難しすぎてさっぱりわからなかったんだろう。

ドンカラス「まぁ最もワシはこの手の専門分野には詳しくないのもあるがな」

ヤミカラス「でも俺たちにはこんな専門知識は必要ないですよ」

ドンカラス「そうだな。こんなの知ったところで生きていくのに何の役にも立たんからな」

ヤミカラス「こんなの知っているのは人間共だけですよ」

人間でも全員が全員知っているわけではない。

ドンカラス「まったく人間共はよくこんな無駄な知識を持ったもんだな」
 ▼ 731 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/08 02:44:25 ID:rAVsPFNU [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「人間共にとってこんなのが生きていく上で役に立つんですかね?」

役に立つから大変な思いをして習得するのだ。

現に俺だってそうだった。

まぁドンさんたちにとっては縁のないものなのは確かだが。

逆にポケモンたちがこんな高度な知識を持っていたら恐ろしい。

世界はポケモンたちに支配されてしまうだろう。

「俺たち人間は学ぶのが好きだからな。学ぶことに生きがいを感じるぜ」

ドンカラス「学ぶことに生きがいか、ワシには今一理解できんな」
 ▼ 732 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/08 02:57:01 ID:rAVsPFNU [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「俺もですよボス。俺はやっぱり他のポケモンとバトルをすることに生きがいを感じますよ」

ドンカラス「ワシもだ。今までそうやって生きてきたからな」

確かにポケモンにとってはバトルが生きがいだ。

ポケモンに人間の生き方を理解しろというのも無理な話かもしれない。

人間には人間の、ポケモンにはポケモンの生き方がある。

そうして互いに絶妙な均等を保ちながら共存している。

俺はそう考える。

それと同時に、

だから互いに互いを否定し合ってはいけない。

・・・そう悟った。

 ▼ 733 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 01:23:13 ID:yQsg0GTQ [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんなことを思いふけていると

タッタッタッタッ・・・

研究員B「ナルディさん!うまく電波が繋がりましたよ!」

研究員Bがそう言いながら嬉しそうに駆けてきた。

「本当ですか!」

研究員B「バッチリですよ!これを見て下さい!」

彼はレーダー機器に接続されたノートパソコンの画面を指さしながらそう言った。

画面にはコトブキシティのマップが表示されており、その上を赤い点がいくつもうごめいている。
 ▼ 734 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 17:50:48 ID:yQsg0GTQ [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「これは奴らの」

研究員B「はい。赤い点は全てキラーリザードンです。奴らから出る発信機の電波を全て捉えました」

見ると全てコトブキシティ内に集中している。

「一体残らず全てコトブキシティ内に集中していますね」

研究員B「はい。奴らは全員ここにいます」

研究員C「私たちは完全に奴らに包囲されているようなものです」

「何故奴らは全員ここに集まっているのですか?」

研究員A「奴らは集団で行動するからです」
 ▼ 735 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 18:00:37 ID:yQsg0GTQ [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員B「これがまた奴らの恐ろしいとこなのです」

「具体的にはどんな感じにですか?」

集団の恐ろしさは何となくわかる。

どんなポケモンだって束になってかかって来ればひとたまりもない。

だが奴らがどのように恐ろしいか細かいことまでは分からない。

研究員A「仮に奴らの中の一体が獲物を見つけたとします。すると奴は特殊な周波数の鳴き声で仲間に知らせ、集団で一気に仕留めるのです。どんな相手にもお構いなしにです」

「弱い強い関係なしですね」

研究員B「はい。血も涙もありません」
 ▼ 736 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 18:11:43 ID:yQsg0GTQ [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「集団でとにかく攻める。思ったよりもシンプルな戦法ですね。これなら対策はできそうですね」

研究員A「ですがそのシンプルさがまた厄介なのです」

研究員B「単独行動なら何とか一体ずつ地道に倒していくことができます」

研究員C「強い相手でもそれならこちらは数で対抗できます。1体10以上で」

研究員D「効率は悪いですが一番確実です」

研究員A「ただ奴らの場合それが通用しません。最悪21体まとめて攻めてきますよ

「そうなったら私たちはとても対抗できそうにありませんね・・・」

研究員F「集団でかかってきても1体1体がそれほど強くなければまだ対抗はできます。ただ、奴らの場合強さも桁外れです」

 ▼ 737 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 18:49:34 ID:yQsg0GTQ [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「どのくらい強いのですか?種族値などは」

研究員A「はっきりとした数値は分かりません。そもそも奴らには種族値などはあてはまりませんので」

「当てはまらないというのは?」

研究員B「奴らは私たちが人工的に作り上げたポケモンです。サイボーグとミュータントのハイブリッドでポケモンの理論は通用しません。ポケモンというより化け物に近いですが」

研究員A「種族値を割り出すにも曖昧で難しい部分が多すぎて割り出せないのです」

「ですが人工的に作られたポケモンでもミュウツーやゲノセクトは種族値がはっきりしていますが」

研究員B「ミュウツーは遺伝子工学、ゲノセクトは機械工学を駆使して創られました」

研究員C「この二匹の場合どのように誕生したか明白ですので種族値なども簡単に割り出せます」
 ▼ 738 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 19:00:12 ID:yQsg0GTQ [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員D「その点キラーリザードンはコンピューター工学、遺伝子工学、その他複数のハイテク技術を駆使して創ったのです」

研究員E「その為いろいろ複雑なのです。口で説明するのは難しいですが」

研究員F「創った私たちですら奴らが誕生した詳しいメカニズムも分かっていません」

「いろいろ難しいのですね」

研究員A「はい。本当に奴らは複数の要素が複雑に絡み合って誕生しましたので」

「私にとってもちょっと難しいですが、とにかく明確な数値を出すことは難しいのですね」

研究員B「はい」

「あとは機械と生物では数値の基準も異なるものあるんですね」
 ▼ 739 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 19:12:43 ID:yQsg0GTQ [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員B「全くその通りです。奴らは両方の要素を兼ね合わせていますのでなおさら難しいです」

俺にとってもこの話は複雑で少し難しい。

だがとにかく生態などの関係で数値は割り出せないことは分かった。

研究員A「ただ私たちの推測ですが、奴らの性能を種族値にあてはめますと攻撃、防御、特攻、特防は共に数千は軽くいっているかと思います」

「そ、そんなにですか?」

俺は呆然としてしまった。

少なくともポケモンに詳しい人なら数千がどれほど桁外れか分かるだろう。

研究員B「先ほども聞いた通りあくまで私たちの推測なのではっきりとした数字は分かりません」
 ▼ 740 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 19:25:12 ID:yQsg0GTQ [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「ただ種族値に換算してそのくらいはいっているのは確実だと思います」

「数千なんて・・・そんな数値ありえませんよ。何かの間違いでは・・・」

研究員A「この数値を導きだしたときは信じられませんでした。我が身を疑いましたよ」

研究員B「私もです。ただその後もスーパーコンピューターも駆使して何度も演算し直しましたがやはりこの数値でした」

研究員C「間違いではないでしょう・・・信じたくありませんが・・・」

研究員D「これがうちのスーパーコンピューターが導き出した奴らの種族値などの強さの結果です」

そう言うとDは俺に一枚の書類を手渡した。

そこには細かい字でびっしりと奴らの強さに関する演算結果が記されていた。
 ▼ 741 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 19:36:26 ID:yQsg0GTQ [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
傍から見ればずらっとひたすらアルファベットや数字や記号が複雑に並んでいるようにしか見えないが、俺にはすぐに分かった。

ようやくすると確かに奴らの攻撃、防御、特攻、特防の4つの項目は数千に及ぶという結果だった。

世界最高峰のCPUを備え、圧倒的な演算処理能力を誇るスーパーコンピューターが出した結果なのだから信憑性は高いと言わざるをえない。

「そんな・・・」

もはや言葉を失った。

研究員一同「・・・・・」

彼らもまた言葉が見つからない様子だ。

お互いを静寂が包み込み、重く絶望的な空気が流れる。
 ▼ 742 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 23:47:03 ID:yQsg0GTQ [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「何だ?どうしたんだキサマら、何黙ってるんだ」

ヤミカラス「何か言ったらどうなんだよ!」

「今彼らから聞いたんだが、奴らは思っていた以上にとんでもない強さなんだ」

ドンカラス「何だ?そんなに強いのか?」

「ああ。ドンさんが今まで戦ってきたポケモンとは比べものにならないくらいにな!全てか桁外れだ」

ドンカラス「ほう、面白い。今まで以上に骨のある奴ということか。これは久しぶりに腕が鳴るな」

ヤミカラス「そいつらにボスの力を見せてやってくださいよ!」

ドンカラス「もちろんだ。今まで口ほどにもない奴らばかり相手にしてきて退屈してたとこだ。楽しめそうだな」
 ▼ 743 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/09 23:56:49 ID:yQsg0GTQ [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンさんたちは余裕そうだった。

だがドンさんたちは奴らの恐ろしさを知らないだろう。

種族値という数字で伝えた所でドンさんたちにはピンとこないかもしれないが・・・

「悪いが、ドンさんたちでも歯が立たないかもしれないぜ」

ドンカラス「何だと?キサマ今のは聞き捨てならんぞ!」

ヤミカラス「ボスがかなわないわけないだろ!デタラメ言うな!」

「いやデタラメなんかじゃない。奴らの種族値は1万以上はあるらしいんだ」

ドンカラス「シュゾクチ?何だそれは」
 ▼ 744 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/10 00:10:23 ID:313gUFOw [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「まぁポケモンの強さみたいなものだ」

ドンカラス「つまりその数字が高ければ高いほど強いのか?」

「そんなところだな」

ドンカラス「だが1万と数だけ言われてもワシにはピンと来んぞ」

やっぱりか。

ヤミカラス「どのくらい強いんだよ」

「ざっくり言うと一番強いポケモンはメガレックウザとメガミュウツーだがそれでも800いかないくらいだ。だからそのポケモンの10倍以上強いんだ」

ドンカラス「まさかそれほどとは。思った以上に手ごわそうだな」
 ▼ 745 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/10 00:25:57 ID:313gUFOw [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「でもそう言えばボス、メガミュウツーを倒したこともあったじゃないですか」

ドンカラス「そういえばそんなこともあったな」

「何!?本当かそれは」

ドンカラス「ああ。ずっと前キサマに6Vのミュウツーを倒したことがあると話しただろ?※」

「ああ、そう言えばな」

ドンカラス「そいつを倒した数日後だ、今度はそいつはメガ進化してワシのところに戦いを挑んで来たんだ。まぁ軽くゴットバードや悪の波導で返り討ちにしてやったがな」

ヤミカラス「ボスにはどんなポケモンも敵いませんからね」

「メガミュウツーも倒したのか。さすがだぜ。ドンさんの種族値は500ぐらいだがドンさんは800種類以上いるポケモンの中で一番強いのは間違いないな」



※前作「自然に我が身を寄せて」序盤100レス付近参照。

注:一番強いのはメガミュウツー、800種類以上いるポケモン、というのはいずれも2019年1月10日現時点でのデータです。今後新しいポケモンが発見されれば更新される可能性は十分あります。
 ▼ 746 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/10 00:38:59 ID:313gUFOw [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン、当たり前だ。ワシ相手には種族値なども通用しないしな」

「だがそうは言っても奴らは桁外れに強いことに変わりはない。何しろ生物兵器だからな。さすがのドンさんでも太刀打ちできるか」

ドンカラス「フン、バカにするな!あのメガミュウツーも簡単にひねりつぶしたんだ。百戦錬磨のワシにかなう相手などいないぞ!いくらでもかかって来いってとこだ!」

ヤミカラス「それでこそボスですよ!」

相変わらず余裕のドンさん。

だが俺には少し強がっているようにも見えた。

やがて研究員Aが重い口を開いた

研究員A「・・・ナルディさん本当にすみません。今さらになってこんなことを切り出してしまって・・・」

それに続くように
 ▼ 747 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/10 00:49:53 ID:313gUFOw [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員B「もっと早く言うべきでしたよね」

研究員C「ですが私たちもこんなことなかなか言いづらくて」

研究員D「せっかくナルディさんもやる気になって下さってるのに、こんなやる気をそがれるようなこと、私たちも言えなくて・・・」

研究員E「本当は怖くてしょうがなかったんですがナルディさんには感づかれたくない思いで余裕のあるふりをしていたのです」

研究員F「決して隠したり騙したりするつもりなどはなかったのですが・・・」

研究員A「切り出そう切り出そうと思っていたのですがズルズル引きずってなかなか切りだせなくて結局こんな土壇場で・・・すみませんでした」

研究員一同「すみませんでした」

そう言って研究員たちは俺に頭を下げた。
 ▼ 748 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/10 01:08:06 ID:313gUFOw [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「おい今度は一体何だ?」

ヤミカラス「こいつら何かやったのか?」

「ドンさんたちは気にしなくていいぜ。すまない後にしてくれ」

ドンカラス「フン、都合悪いとすぐのけ者にしおって!」

ヤミカラス「お前はいつだってそうだよな」

「そういうつもりじゃないぜ。頼むから気を悪くしないでくれ・・・」

何かとへそを曲げるのもドンさんたちの特徴だ。

その度に俺は気を使わなければならない。
 ▼ 749 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/11 00:18:36 ID:Y25QjptI [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(何でいちいちご機嫌取らなきゃいけないんだ)

そう理不尽に思うこともあったがもう今となっては慣れてしまった。

「・・・そんな、皆さん頭を上げて下さい。何もそこまですることないですよ」

研究員A「ですが・・・」

「たしかに最初この話を聞いた時は驚きましたよ。まさかこれほどまでの強さだとは思いませんでしたので。ただ、なかなか言いだせなかった気持ちは私にも痛いほど分かります。事実言いにくいですよね、こんな事実」

研究員B「ナルディさん・・・」

「それに私たちが立ち上がらなくて誰が立ち上がるんですか!なにより私たちの平和の為に!今はこんなこと気にしてる場合ではないですよ!」

研究員A「確かにそうですよね!」
 ▼ 750 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/11 00:27:44 ID:Y25QjptI [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員B「ナルディさんの言う通りですよ」

「では皆さん続けましょう!」

研究員一同「はい!」

研究員C「それから奴らは素早さは大体数百から千くらいかと思います」

「先に述べた4項目と比べると低めですね」

研究員C「それでも一番素早さの値が高いポケモンでも200ありませんからね。驚異的な数字ですよ」

「確かに。スピードも相当ですね」

研究員D「はい。最高速度は超音速ステルス戦闘機を上回るかもしれません」

 ▼ 751 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/11 00:42:46 ID:Y25QjptI [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そんなにですか。ちなみに私の故郷アメリカの空軍が使っているF-15イーグルというステルス戦闘機は最高時速3000kmでマッハ3近くのスピードが出せます※」

研究員B「アメリカにはそんなすごい戦闘機があるんですか!」

「はい。アメリカの軍事力は世界最大と言われていますので。※もしや奴らはそれより速いですか?」

研究員A「最大瞬間スピードは下手したらそれを上回るかもしれませんね」

「マッハ3を上回るとは。恐ろしい奴らですね」

研究員B「ただあくまでそのスピードを出せるのはほんの一瞬です。普段はそんなに速くは飛べません」

「それを聞いて少し安心しました。常にマッハ3で飛んでいたらどれだけ恐ろしいか」



※F-15ステルス戦闘機に関する情報です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/F-15_(%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F)
英語版→https://en.wikipedia.org/wiki/McDonnell_Douglas_F-15_Eagle

※2019年1月現在のデータです。
 ▼ 752 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/11 00:49:43 ID:Y25QjptI [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「ただ普段も奴らは驚異的なスピードで飛べることに変わりありません。決して油断はできませんよ」

「そうですね。それから奴らのHPはどうですか?」

研究員D「奴らのHPは・・・測定不能です」

「え?試算でおおよその数値も出せないのですか?」

研究員D「はい。奴らのHPはもはや底なしです」

研究員E「上限が存在しません」

「ということは、不死身ですか?」

研究員F「ほぼそれに近いと言えます」
 ▼ 753 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/11 01:17:06 ID:Y25QjptI [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「奴らは戦闘意欲にあふれ生命力も高いです。皮膚は鋼よりも頑丈でミサイル1発くらいではビクともしません」

研究員B「己の身が朽ちるまで決して殺戮をやめないのです」

「私は今回の為に銃火器をたくさん用意しましたが、それだけでは無理でしょうか?」

研究員C「少なくとも自動小銃くらいでは厳しいかもしれません」

研究員D「それに奴らにはタイプの相性などももちろん通用しません。どんなタイプのポケモンの技も効かないのです」

「銃火器ですら効かないのですからポケモンの技ではなおさらでしょう・・・」

研究員C「あと言い忘れてしまいましたが実は奴らの体内には特殊合金の金属骨格を埋め込んであるのです」

「金属骨格!?そんなものまで・・・・」
 ▼ 754 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/11 16:45:13 ID:Y25QjptI [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「はい。兵器にする為肉体もより強化しようと」

ドンカラス「・・・さっきから聞いていたがしかしとんでもない奴らだな。桁外れの強さと素早さの上に鋼のような肉体と骨格で不死身とはな」

ヤミカラス「俺、こんな奴らの相手できる自信ないですよ、逆に俺たちが殺されますよ・・・」

珍しくヤミカラスが弱音を吐く。

ドンカラス「今更何言っとるんだキサマは!この腰抜けめ!」

ヤミカラス「すいません!」

ドンカラス「危険を顧みず立ち向かうのがワシらだろう!こんな時に弱気になっててどうする!」

ヤミカラス「はいボス!」
 ▼ 755 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/11 17:03:29 ID:Y25QjptI [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう言って活をいれるドンさん。

研究員A「・・・元は私たちがいけないのです。兵器にしようと奴らを極限まで強化してしまった為にこんなことになってしまって」

研究員B「私たちは遺伝子工学やハイテク技術を悪用してポケモンを兵器化するという研究者はもとい人間としてとんでもないことをしてしまったのです」

「悪用なんて、そんなことないですよ。元はコトブキシティの平和を目的に防衛力を高める為にやったことじゃないですか」

研究員C「ですがいくら防衛力を高めるためとは言え、私たちはポケモンを兵器に仕立て上げ、戦争にまで利用しようと考えていたのです。ポケモンたちだって、鉄砲玉のような扱いを受けたくて生まれてきたわけではありません!」

研究員D「私たちの心の底に巣くう汚れた心が原因で、こんな行動に駆り出てしまいました。決して許されることではありません」

研究員E「これだったら普通にポケモンを殺した方がマシです。私たちのやったことはそのくらい残酷なことです」
 ▼ 756 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/11 18:56:21 ID:Y25QjptI [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員F「挙句の果てにこのように人々を危険にさらして街までめちゃくちゃになってしまって」

研究員G「私たちも市長も、後悔してもしきれません」

「そう言えば市長も死んで詫びようと考えたと言っていました」

研究員B「そのことは私たちも市長から聞いています。私たちだけが奴らの餌食になれば良かったですね」

研究員C「まったくです。周りを巻きこまず私たちだけが奴らに殺されれば良かったです」

研究員D「ですから今回の戦いで奴らと相討ちになれば、と思っています。それで皆さんが幸せになれれば・・・」

研究員E「こんな罪を犯した私たちに生きている価値はありません。ナルディさんだけでもどうか、生き延びてください」

「何言ってるんですか!殺されれば良かったとか!生きている価値はないとか!そんなこと言わないで下さい!人が死んで喜ぶ人なんてどこにいるんですか!」
 ▼ 757 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 00:15:33 ID:ZSEo4nxM [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「ですが私たちが奴らに殺されても皆バチが当たったととしか思ってくれないですよ」

研究員B「住民の皆さんは反対していたにも関わらず私たちはこんなとんでもないことを強行してしまったのですから」

「そんなことないですよ!お願いですからそんな卑屈にならないで下さい!」

ヤミカラス「そもそもお前らがこんな化け物を作らなければこうはならなかったんだぜ!」

ドンカラス「まったくだ。本来だったらキサマらは死んで詫びるべきだな!」

ヤミカラス「それか、いっそのこと奴らと道ずれに」

「ドンさんたちもそんなに責めないでくれ!言っていい事と悪いことがあるぜ!彼らだって彼らなりに反省して」

ドンカラス「何だキサマ、こんなやつらの肩を持つのか?」
 ▼ 758 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 00:23:38 ID:ZSEo4nxM [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そういうのじゃないぜ!共に戦う仲間だろ!今更そんないがみ合ったって何もならないぜ!」

ドンカラス「フン!・・・」

研究員A「あのナルディさん。そんなにドンカラスたちを責めることないじゃないですか」

研究員B「そうですよ。私たちの為に喧嘩なんかしないで下さい」

「すみません。ただ彼らが皆さんのことをすごい責めてたので」

やっぱりドンさんたちの言葉が彼らに通じないのは幸いだった。

通じていたらと思うと

研究員C「いいのです。気にしないで下さい」
 ▼ 759 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 00:32:36 ID:ZSEo4nxM [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ですが・・・・」

研究員B「彼らが何て言っているのか私たちには分かりません。ただ、私たちのことを目の仇にしてどのように責めているかくらい見当がつきます」

研究員C「私たちもポケモンと触れ合ってきましたので」

研究員A「ただ責められて当然でしょう。私たちはそれだけのことをしたのですから・・・」

研究員B「ドンカラス、ヤミカラス、君たちにとっても申し訳ないことをしてしまったね。本当にすまない」

そう言ってドンさんたちに頭を下げる研究員B。

だがドンさんたちは。

ドンカラス「キサマ謝ったくらいで済むことか!」
 ▼ 760 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 00:40:19 ID:ZSEo4nxM [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「そうだ!死んで詫びろ!」

「ドンさん!ヤミカラス!やめてくれ!せっかく謝ってるのにそれはないだろ!」

ドンカラス「フン!・・・・」

ヤミカラス「けっ!何だよ!・・・」

ドンさんたちは不機嫌そうにそっぽを向いた。

「・・・すみません。せっかく謝って下さっているのにドンカラスたちが」

研究員B「いえ、ですからいいですよナルディさん。気になさらないで下さい」

「すみません・・・ただ皆さん聞いて下さい」
 ▼ 761 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 00:51:02 ID:ZSEo4nxM [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員一同「はい」

「皆さんには愛する両親や家族がいますよね?」

研究員一同「はい」

研究員B「それはもちろんです」

研究員C「私にも年老いた両親がいます」

「ただ、皆さんが死んだらその家族が、両親が、どれだけ悲しむか・・・考えてみて下さい。突然大切な人を失った悲しみは一生癒えることはありません」

研究員一同「・・・・」

神妙な面持ちで俺の話に耳を傾ける研究員たち。
 ▼ 762 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 23:03:18 ID:ZSEo4nxM [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「実は私は幼い頃に母親を病気で亡くし、それ以降は故郷のアメリカで父と二人でポケモンセンターを経営していました。ただそんなある日、ポケモンセンターに二人の強盗がやってきたのです。そして父は目の前で強盗に銃で撃たれて殺されました。私は父を守ることができませんでした・・・」

研究員A「そんなことがあったのですね・・・」

研究員B「あまりにもひどい話ですね」

研究員C「強盗はどうなったんですか?」

「幸いすぐに逮捕されて裁判にかけられて終身刑が言い渡されました。幸いと言っていいのか分かりませんがこれがせめてもの救いです。殺された父は帰ってきませんが・・・・」

研究員一同「・・・」

「アメリカは銃社会であることは皆さんもご存知かと思います」

研究員一同「はい」
 ▼ 763 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 23:12:33 ID:ZSEo4nxM [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「全国民が1丁以上は拳銃を持っているとも言われているいますよね」

「まさしくです。私はその事件がきっかけで銃社会アメリカに住むのが嫌になり、ここに越してきました」

研究員B「そうだったんですか・・・」

研究員C「市長を通してルイ博士からナルディさんはアメリカから引っ越してきたというのは前もって聞いて降りましたが、そのような訳があったとは・・・・」

研究員D「私たちも思わず言葉を失ってしまいました・・・・」

「私は・・・大切な父を失ったという心の傷は完全に癒えることはありません。時折こうして思い出すだけで涙がこみ上げてきます」

こうしている間も涙がこみ上げてきそうだ。

だがそれを何とか抑えながら話す。
 ▼ 764 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 23:26:11 ID:ZSEo4nxM [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
見ると研究員たちの目にも涙がにじみ出ていた。

「私には大切な人を失った悲しみが痛いほど分かります。現に私がそうですから・・・ですから皆さん、簡単に自分の事を死んだ方がいいとか、生きてる価値がないとか、言わないで下さい!一番辛いのは残された家族です!」

研究員A「まったくその通りですね」

研究員B「自分たちがどんなに愚かなことを考えていたのか気づかされました」

研究員C「ナルディさんのお陰で目が覚めました!」

「いくら悔やんだところで過去を変えることはできません。ですから今私たちにできることを全力でやるのが私たちの使命ではないでしょうか!」

研究員一同「はい!」

「ですから皆さん!共に前を向きましょう!」
 ▼ 765 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 23:33:33 ID:ZSEo4nxM [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員一同「わかりました!」

俺は士気を高め、皆を一つにまとめることができた気がした。

まずモチベーションが下がっていては何もならない。

どの戦いだってそうだ。

みんなの士気が勝敗を分ける。

士気を高めることが勝利への一歩だ。

何だか俺がリーダーみたいになってる感じだが、決して俺は自分がリーダーだとかそんなことは思っていない。

誰が偉いとか、そんなことは関係ない。
 ▼ 766 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 23:43:06 ID:ZSEo4nxM [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ところで、皆さんは奴らの強さは体感していないですか?」

研究員B「体感だなんてとんでもないです。奴らの強さをまともに受けたら一巻の終わりですよ」

研究員C「命の保証などあるわけがありません」

研究員D「奴らの強さを数字とデータで見るだけでも恐ろしいくらいです・・・」

「やはりそうですか・・・」

研究員F「強いて言うなら檻を破壊して脱走したのを見た時ぐらいです。奴らの強さを体感したといえば」

「・・・分かりました。では敵情視察ということで私がこの目で奴らの様子を見てきます!奴らがどれほどの強さかよく目に焼き付けておきたいので!」

研究員C「まさかナルディさん一人でですか!?」
 ▼ 767 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/13 00:24:04 ID:Tyuk4x/Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「もちろんです!皆さんはここで待機していて下さい」

研究員C「そんなやめて下さい!」

研究員A「何を考えているのですか!無謀すぎますよ!」

研究員B「そうですよ!外は奴らの巣窟で完全に無法地帯です!死に行くようなものですよ!」

研究員D「ナルディさん本当は奴らの恐ろしさを分かっていないんじゃないですか?」

「私だって伊達に研究家をやっているわけではありません。奴らの恐ろしさくらい痛いほど分かっています!」

研究員C「でしたらこんなマネは!」

「大丈夫です!奴らには絶対見つからないようにしますので。それに弱点など何か奴らを倒すためのヒントが見つかるかもしれません」
 ▼ 768 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/14 01:14:43 ID:hUmA9vL6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「ですが・・・・」

「私に任せてください!お願いします!」

研究員A「そこまで仰るのであれば・・・分かりました!どうか本当に気を付けて下さい」

研究員B「間違っても奴らには見つからないで下さい」

研究員C「それから決して奴らを刺激するようなことはなさらないよう、お願いしますね」

「もちろん分かっています」

ドンカラス「おいキサマどこ行くんだ」

ヤミカラス「まさか一人で逃げる気か?」
 ▼ 769 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/14 01:27:09 ID:hUmA9vL6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「逃げるなんてとんでもないぜ。まず俺一人で奴らの様子を見てくるんだ」

ドンカラス「何だと!?キサマ一人で奴らの巣窟に飛びこむのか?」

「ああ」

ヤミカラス「お前本気かよ!」

「ああ、俺はいつだって本気だ」

ドンカラス「ワシらならともなく軟弱なキサマなんかが一人行ったところで死んで帰って来るだけだぞ」

「大丈夫だ。俺なりに万全は尽くす。それに奴らを観察すれば何か弱点とかが見つかるかもしれないからな」

ドンカラス「それならワシも行くぞ!奴らがどれほどの化け物が見てやるんだ」
 ▼ 770 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/14 01:37:53 ID:hUmA9vL6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「・・・ボスが行くなら俺も行くぜ」

ドンカラス「それにキサマ一人じゃ心もとないからな!ワシらがいた方がいいだろう」

「・・・悪いがそれはできないぜ!」

ドンカラス「何故だ!」

ヤミカラス「せっかく俺たちがついていってやるというのに」

「人数が増えるとその分奴らに見つかる危険が高くなる。一人の方が安全なんだ。だがらここは俺に任せてドンさんたちもここで待機していてくれ」

ヤミカラス「なるほど、お前の言うことも一理あるかもな」

ドンカラス「フン、もっともらしいこと並べてカッコつけおって!貴様一人ヒーロー気取りのつもりか?」
 ▼ 771 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/15 00:46:58 ID:DNE2aIhE [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ヒーロー気取りだなんて、そんなんじゃないぜ!」

ヤミカラス「ボス、今回ばかりはコイツの言うことも一理ありますよ。だからコイツに任せて」

ドンカラス「フン、キサマが行ったところで何が分かるんだ!」

「ドンさん、俺だって長いこと研究家やってきたんだ。だから」

ドンカラス「何だ?分からないことはないとでも言うのか!」

「いや、まだ多少の分からないことはあるぜ。だがな」

ヤミカラス「ボス。こいつもこう言ってますし、ここは任せて俺たちは待機していた方が。俺たちまで行くのは確かに危険ですよ」

ドンカラス「ヤミカラス!キサマもさっきから何なんだ!口をはさみおって!」

 ▼ 772 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/15 00:59:05 ID:DNE2aIhE [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「すいません!俺はただ」

ドンカラス「何だ?キサマ今度はコイツの肩を持つのか?」

ヤミカラス「いえ!決してそう言うわけではないですよ!ただ」

ドンカラス「まったくどいつもこいつも自分勝手なマネしおって!」

「ドンさん、なにもこんな時まで意地張ることないだろ」

ドンカラス「フン、大体研究家と言っても冴えない研究家のクセに何ができるんだ!」

「そう言わないでくれ。まずはここは俺に任せてくれ。より奴らの実態を知るために。頼むぜ・・・」

ヤミカラス「ボス・・・」
 ▼ 773 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/15 01:13:55 ID:DNE2aIhE [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると

ドンカラス「フン!勝手にしろ!」

ドンさんはそう言ってそっぽを向いてしまった。

「気持ちは分かるが、万が一ドンさんたちまでトラブルに巻き込まれたら・・・だから、すまない・・」

ドンカラス「・・・・」

そう言っても何も返事がない。

俺には一刻も早く奴らと対峙したというドンさんの気持ちはよく分かる。

だがこれはあくまで敵情視察。

 ▼ 774 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/16 01:21:44 ID:w9RYq.p2 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一人でないと奴らに見つかる危険もおのずと高まる。

それにドンさんのことだ。

たまらず奴らに手を出してしまうかもしれない。

よ足な武装もしていないのにそうなったら最後だ。

研究員A「あの、大丈夫ですか?」

研究員B「またドンカラスたちと揉めているようでしたが、何かあったのですか?」

研究員たちが心配そうにそう聞いてきた。

「一緒に行くと言って聞かないのです。一人でないと奴らに見つかる危険が高いからダメだといったのですが」
 ▼ 775 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/16 01:32:16 ID:w9RYq.p2 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「そうですか」

研究員B「でも彼らなりの正義感の強さゆえかもしれませんね」

研究員C「私も彼らの早く敵を倒したいという気持ちは分かる気がします」

「正義感が強いのはいいのですが、彼らの場合少し正義感が強すぎる一面がありまして、それにたびたび悩まされるところです」

研究員A「そうですか・・・」

研究員D「私は彼らと一緒に行ってもいいような気がします」

研究員E「そうですね。せっかくやる気になってくれてますし」

「そうですが、やはり人数が多いとその分目立ってしまって危険です」
 ▼ 776 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/16 01:43:10 ID:w9RYq.p2 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「なるべく目立たないように一緒に行動すれば大丈夫かと思いますが?」

研究員D「そうですよ。そうすれば少し人数が多くても問題ないかと思います」

「そのことですが、少し耳を貸して頂けますか?」

研究員一同「はい」

俺はドンさんたちに聞こえないようにより声のボリュームを落とす。

ドンさんは相変わらずそっぽを向いており、今までの会話も聞いてない様子だったが念には念の為だ。

研究員A「あの、何故小声で話すのですか?」

研究員B「普通に話されても良いと思うのですが」
 ▼ 777 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/16 01:52:11 ID:w9RYq.p2 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「小声でないと何かマズいのでしょうか?」

「はい。あまりドンカラスたちに聞かれたくありませんので」

研究員D「そうですか」

研究員A「聞かれたくないとはどのようなことですか?」

「それは、ドンカラスたちは正義感が強すぎる部分がある故に、奴らを見たときに抑えきれず奴らに手を出してしまう恐れがあるんです」

研究員A「そうだったんですか」

「そうなったら見つかったどころの話では済まされません」

研究員B「確かにそうですね」
 ▼ 778 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/18 00:34:02 ID:DdfcQT6E [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ドンカラスたちも一緒にと一瞬は考えたのですが、正直そのようなどうしても信用できない部分があるんです。それにやはり一人の方が目立たなくて確実に安全です。ですからまずは私一人で行きます」

研究員A「確かに、その方が確実ですね」

研究員B「致し方ありませんね」

「皆さんはこの基地で待機していて下さい。何かあった時は無線を送ります」

研究員C「分かりました」

研究員D「こちらも常に奴らの動向などを監視し、何かありましたら無線を送りますので」

「ありがとうございます」

しかし相変わらずそっぽを向いて機嫌悪そうなドンさん。
 ▼ 779 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/18 00:44:16 ID:DdfcQT6E [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・それじゃドンさん、ヤミカラス、すまないがちょっと行ってくるぜ」

少し気まずいが一応一声かける。

ヤミカラス「ああ」

いつものようにぶっきらぼうに返事するヤミカラス。

そしてドンさんは

ドンカラス「フン!勝手に行け!どうなっても知らんぞ!愚か者め!」

そんな捨て台詞を吐いた。

相変わらずだ。
 ▼ 780 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/18 00:52:26 ID:DdfcQT6E [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると

ヤミカラス「おいお前」

「何?」

ヤミカラスがそばにやってきた。

そして小声で

ヤミカラス「ボスは今機嫌悪いんだよ!」

「ああ、見れば分かるぜ。それが?」

ヤミカラス「だから下手に声かけたりしてボスを刺激するようなことはすんなよ!俺までとばっちり食らうんだからな!」

 ▼ 781 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/18 00:59:47 ID:DdfcQT6E [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「刺激も何も、俺はただ愛想のつもりで一声かけただけだぜ?」

ヤミカラス「だからそれが今のボスにとっては余計なんだよ!気を付けろ!」

「・・・そうか、なら悪かったぜ」

ヤミカラス「まったく、ボスの機嫌取るのも楽じゃないんだぜ。こっちの身にもなってみろってんだ」

まぁドンさんたちといればこんなのは日常茶飯事だ。

些細なことですぐに文句を言われる。

まぁ今更もう気にもとめないが。

「ただ、俺からもいいか?」
 ▼ 782 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/18 01:11:56 ID:DdfcQT6E [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「何だよ?」

「俺がいない間、彼らと揉めたりしないでくれよ」

ヤミカラス「へっ、そんなこと誰がするかよ」

「本当か?」

ヤミカラス「お前も疑り深い奴だな。あいつらとは適当に仲良くしといてやるから大丈夫だ。安心しろ」

相変わらず偉そうなヤミカラス。

まぁこの際いいか。

「なら良かった。じゃ頼んたぜ」

ヤミカラス「ああ。さっさと行って来い」
 ▼ 783 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/19 00:39:57 ID:LpPcJ2XU [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(よし!それじゃ行く前に!)

ガサガサガサ・・・

俺は自分の車からドローンとライフル銃を引っ張り出した。

研究員A「それも持っていくのですか?」

「はい。ドローンは奴らの姿を観察し記録する為に、ライフル銃は護身用です」

研究員B「ライフル銃ぐらいでは奴らには効きませんよ」

「分かっています。ただないよりはマシですので」

研究員C「それとドローンで観察するというのは?」
 ▼ 784 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/19 00:48:10 ID:LpPcJ2XU [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「このドローンはあらかじめこの基地のコンピューターと連動させています。このドローンが捉えた映像はここのパソコンに表示されますので、奴らの動向などを鮮明な映像で皆さんに伝えることができます。それと奴らの様子を映像に残すためです。ですのでドローンも持っていきます」

研究員B「なるほど、リアルタイムで映像が送られてくる方がいいですね」

研究員C「その方がより現場の詳細が分かりますね」

「ただこのドローンもバッテリーが限られています。何より安全のためにも、ここぞという時にのみ使用します」

研究員A「分かりました!」

「それでは!」

研究員B「はい!無理はなさらないで下さいね」
 ▼ 785 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/19 00:59:44 ID:LpPcJ2XU [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分かっています!」

タッ、タッ、タッ、タッ・・・・

こうして俺は無線機とライフル銃を片手にドローンが入ったカバンを背負って基地となる
地下駐車場を後にした。

外は変わらずあたり一帯瓦礫に埋め尽くされ、半壊したビル群が点在するだけだ。

それに似つかわしくない晴天と太陽・・・

腕時計に目をやると針は午後の2時過ぎを指し示している。

本来なら人々や車などの雑踏で賑やかだが、当然そんなものは今はあるはずもない。

不気味な静けさが広がるのみ・・・・
 ▼ 786 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 01:06:48 ID:VYoID5J2 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グォオオオオ・・・・

グギォオオオ・・・・

強いていうなら時折四方から地響きのごとく奴らの鳴き声が聞こえてくるだけだ。

バサッ・・・バササッ・・・

あとは奴らの飛ぶ姿とそれに伴う風を切る音といったとこか。

タッタッタッタッ・・・・タッタッタッタッ・・・・

半壊した建物の壁に身を隠しながら進む。

ある程度進んでは隠れ、少ししたら進むの繰り返しだ。
 ▼ 787 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 01:15:56 ID:VYoID5J2 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タッタッタッ・・・

すると

キラーリザードン「グォオオオオオオ」バササッ!

突如一体の奴が前の半壊したビルの上に降り立った。

「ッ!!」

すかさずそばの物陰に身を隠す。

「はぁ・・・はぁ・・・」

一歩間違っていたら見つかっていたかもしれない。
 ▼ 788 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 01:24:13 ID:VYoID5J2 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
奴との距離は100メートルあるかないかだ。

とにかく今回は身を潜めてやり過ごす。

ここで懐に忍ばせていた双眼鏡を取り出し、奴に向けた。

双眼鏡はポケモンを観察上で欠かせない為、常に肌身離さず持ち歩いているのだ。

ちなみにこの双眼鏡はアメリカ軍も御用達の軍仕様の特注品だ。

当然値段も値段だがものは確かだ。

10倍、20倍と倍率のツマミを上げていく。

すると奴の姿がより鮮明に見て取れる。
 ▼ 789 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 01:35:26 ID:VYoID5J2 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
異様な筋肉質のゴツイ鋼のような体・・・

血管の浮き出た大きな翼・・・

長く鋭くとがった爪と牙と翼爪・・・

赤く充血したような鋭い目つき・・・・

大きさもリザードンの何倍もある。

「何と・・・・」

奴の詳細な姿を見るのはこれが初めてだ。

だがその姿に思わず息を飲んだ。
 ▼ 790 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 23:29:46 ID:VYoID5J2 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
改めて見てもその姿はポケモンとは程遠い。

完全にエイリアンとかその類だ。

「〜〜〜〜!・・・・」

時折文字には言い表せないような唸り声も上げる。

と、しばらく奴を観察しているとあることに気がつく。

キラーリザードン「グォオオオオ!」

「ガガ・・・ガガーッ・・・」

奴が鳴くと同時に無線機に雑音が入ったのだ。
 ▼ 791 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 23:38:53 ID:VYoID5J2 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(何だ?奴の鳴き声で電波が乱れてるのか?)

一瞬そう思ったのだが

「グォオオオオオオ」

「ザザザッ・・・・」

「ウォオオオオ」

「ザーッザッ・・・」

どうやらそうではないみたいだ。

この雑音は無線機が何かしらの電波を感知した時に出る特有のものだ。

 ▼ 792 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/21 00:02:54 ID:AIOYnaRI [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明らかに鳴き声に反応している。

「もしや」

そう思い無線機の電波の感度を上げてみる。

その頃

キラーリザードン2「オオオオオ!」バサッ、バサッ、バサッ

奴の近くにもう一体奴がやってきた。

何をするのかと見ていると

キラーリザードン1「グォオオオオオオ」
 ▼ 793 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/21 00:05:31 ID:AIOYnaRI [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キラーリザードン2「グギャアアアア」

キラーリザードン「ガアアアアア」

二体は交互に鳴き始めた。

コミュニケーションを取っているに違いない。

それに伴い。

キラーリザードン1「グォオオオオオオ」

「ガガガーーッ」

キラーリザードン2「ガアアアアアア」
 ▼ 794 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/21 00:15:46 ID:AIOYnaRI [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ザザザッ、ガザザザーッ」

無線機もより激しく反応する。

間違いない、奴は鳴き声と同時に特有の電波も発しているのだ。

つまり奴らは鳴き声だけでなく互いに電波も送ったり受け取ったりしてコミュニケーションを取ったり、方向感覚をになったりしているわけだ。

鳴き声と電波の両方を駆使している。

今までの経験からピンと来た。

それにしても驚くべきはこの電波の強さだ。

電波でコミュニケーションをとったり方向感覚をになったりするポケモンは確かにいる。
 ▼ 795 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/21 00:27:11 ID:AIOYnaRI [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だがそのほとんどは無線機ではとらえられないほど微弱なものだ。

それに引き換え奴らの場合、100メートルほど離れて居るにも関わらずこれだけ無線機を強く反応させている。

いかに強い電波を発しているか。

さすがコンピューターを内蔵し、サイボーグの要素も入っているだけある。

ここでひとつ気になった。

互いに電波を感知できるということは俺たちの無線など他の電波も感知できるのだろうか。

だとしたら大変だ。

無線などの電波を頼りに奴らに居場所を特定されてしまう。
 ▼ 796 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/22 00:21:31 ID:hrycQtX6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが本当に奴らは他の電波も探知することができるかどうか。

確かめたいところだが本当にそうだとしたらリスクは大きい。

だが今はそうは言ってられない。

これは何としても確かめねば。

今度は無線のツマミを回して電波の出力を最大にしてみる。

すると

キラーリザードン1「グゥ・・・ガガァガ、ググ・・・」

奴は苦しんでいるような混乱しているような素振りを見せた。
 ▼ 797 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/22 00:29:31 ID:hrycQtX6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どうやら他の電波も感知できるが、その電波が何か、どこから出ているかなどは認識することはできないみたいだ。

あくまで認識できるのは自分たちの特定の電波だけ。

要するにまとめると

・鳴き声と電波を使い分けてコミュニケーションを取っている。

・電波は方向感覚を担うのにもひと役買っている。

・ほかの電波も感知はできるが認識まではできない。他の強い電波を受けると方向感覚や認知部分が狂って混乱してしまう。認識できるのは自分たち電波のみ。

といったとこか。

これはなかなかの収穫でもあった。
 ▼ 798 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/22 00:38:05 ID:hrycQtX6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
奴らをおびき寄せたりするには奴らが出す電波に似た周波数、波長の電波を使えば良いし、混乱させるには強い妨害電波などを使えば良い。

その時、一本の無線が入る。

市長「ガガガ・・・・こちらロックです。ナルディさん、ご応答願います。ナルディさん」

博士「ナルディ君聞こえてるか?」

市長と博士からだ。

「はいこちらナルディです。どうぞ」

市長「ああ、ナルディさん。良かったです」

博士「心配したよ」

 ▼ 799 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/24 00:05:56 ID:l6C2rrZ2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・どうかなさったのですか?」

市長「どうしたも何も、ありません。お話は部下の研究員たちから全て無線で聞きました」

博士「コトブキ商業センターを拠点にしていることも、ナルディ君が一人で奴らの偵察に行ったこともね」

市長「最初ナルディさんがたった一人で行ったと聞いた時は心配でたまりませんでしたよ」

「これは、ご心配をおかけしてすみません。ただ私は大丈夫です。奴らにも見つかっていません」

市長「それを聞いてホッとしました」

博士「私もだよナルディ君」

「本当にすみません」
 ▼ 800 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/24 00:14:45 ID:l6C2rrZ2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「でも何故一人でなんて危険なことをなさったのですか?」

博士「そうだよ。行くならみんなと一緒の方が」

「仰りたいことは分かります。ただ、複数だとかえって目立ちやすく危険なのです。ですから私一人で行きました」

市長「なるほどそうですか」

博士「確かに人数が多いと奴らに見つかりやすいというのはあるかもしれないな」

「それにその方が最悪奴らに見つかっても私一人の犠牲で済みます」

博士「ちょっと何てことを言うんだいナルディ君!」

市長「そうですよ。犠牲だなんて、簡単にそのようなこと仰らないで下さい」
 ▼ 801 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/24 00:52:10 ID:l6C2rrZ2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「これは失礼しました。すみません」

市長「それで、奴らの様子はどうですか?」

「相変わらずです。街中を飛び回ったり時折建物を破壊したり」

市長「そうですか・・・」

博士「相変わらずやりたい放題か」

「ただ偵察して分かったことがあります」

市長「何ですかそれは」

博士「何が分かったんだい?」
 ▼ 802 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/26 00:30:56 ID:SGWQAsuI [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「奴らは鳴き声だけでなく互いに電波を出し合ってコミュニケーションを取っています」

博士「まさかそんなことが」

市長「そんな高度な知能があるとは、私も気づきませんでした」

「はい。それから電波を出して跳ね返ってくる電波の反響を感知したりして方向感覚をになったりもしています」

博士「そこまでとは・・・」

市長「ですが何故それが分かったのですか?」

「奴らが鳴き声を上げると同時に無線機に雑音が走るからです。無線機が何かしらの電波を捉えた時に鳴る特有の雑音です。そこから奴らが電波を出してコミュニケーションを取ったり方向感覚をになったりしていることが分かりました」

市長「なるほどそうだったんですか」
 ▼ 803 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/26 00:49:17 ID:SGWQAsuI [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「そこまで分かるとは、さすがナルディ君」

「恐れ入ります」

市長「でも驚きなのはその電波の強さですね」

「はい。確かに電波を出してコミュニケーションを取ったりするポケモンは他にもいます。ただそれらのポケモンの出す電波は無線機ではとらえきれないほどの微弱なものです」

博士「彼の言う通りです。これだけ強い電波を出せるポケモンはまずいませんよ」

市長「やはり奴らの場合体内にコンピューターが内蔵されていますからそれのせいとしか考えられませんね」

「サイボーグとのハイブリッド故ですね」

その時だ。
 ▼ 804 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/26 00:54:39 ID:SGWQAsuI [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キラーリザードン「グゥォオオオオオオ」

奴が地響きのような鳴き声を上げた。

市長「奴らですね・・・」

「はい」

博士「それにしても恐ろしい鳴き声だ・・・」

そしてその直後。

「ガガガ・・・ザザザザーー」

「市長!博士!」
 ▼ 805 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/26 01:01:11 ID:SGWQAsuI [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
雑音が入り、通信が途絶えた。

奴らの電波のせいだ。

だが間もなく雑音は止み

「ザザ・・・・ナルディ君!聞こえるか?ナルディ君!」

「ナルディさん!ナルディさん!一体何が!」

市長と博士の声が聞こえてくる。

「市長!博士!私です!ナルディです!」

博士「ナルディ君!ああ良かった」
 ▼ 806 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/26 01:10:33 ID:SGWQAsuI [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「いきなり通信が途絶えたので焦りましたよ」

博士「何かあったのかい?」

「奴らの鳴き声が聞こえた直後に通信が途絶えたのがお分かりですか?」

市長「そういえばそうですね」

博士「言われてみれば確かに」

「今の通信が切れたのは奴らの電波のせいです。奴が電波を出した証です」

市長「これがそうですか・・・」

博士「まさか私たちの無線通信を妨害するほどまでの強い電波を出すとは」
 ▼ 807 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/27 00:56:45 ID:9XrkN0tM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「これだけ強い電波を出すとインターネットやGPSなどの通信システムにも悪影響を及ばしかねないですね」

「今手元の無線機で奴らの電波の波長や周波数を割り出しました。それらを見るとこの電波はあまり遠くまでは届かないと思われます」

市長「それなら他の町までは電波の被害は及ばないですね」

博士「人工衛星とかまで及んだら大変なことになるからね」

「最もそばに電波塔などがあれば致命的ですが」

市長「ただ良くも悪くも、この街のライフラインなどの都市機能はもう失われていますので受ける影響は少ないです」

博士「悪影響を受けるとするならば私たちの無線通信だね」

「そこが問題でもあります。ただこの習性をうまく利用すればより確実に奴らを倒せるかもしれません」
 ▼ 808 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/27 01:05:59 ID:9XrkN0tM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「本当ですか!?」

「はい。今までの経験から自信はあります」

博士「ただ一つ気になったんだが」

「何ですか博士」

博士「奴らは電波でコミュニケーションを取ったりしているということは自分たちの電波は認識することができるということだろう?」

「はい」

博士「ということは自分たち以外の他の電波も認識することができるのか?例えばこの無線の電波とか」

市長「そうだとしたら奴らに電波を辿ってナルディさんたちの居場所を特定されてしまう危険もありますよ」
 ▼ 809 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/27 01:16:18 ID:9XrkN0tM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「実は私もそれが気になりましたので、市長たちから無線が来る前に確かめてみたのです」

市長「どのような方法で確かめたのですか?」

「手元の無線機の電波の出力を最大にしました」

博士「そんな危険なことを・・・」

市長「もし奴らに電波の発信元を特定されたら一大事ですよ」

「そうですが、時には危険を顧みずやらなければいけないときもあります」

市長「ナルディさん街の為にそこまで」

「今自分にできる限りのことをやるのが私の使命ですので」
 ▼ 810 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/28 00:46:46 ID:es4.1z9I [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「やっぱり君はさすがだよ」

「恐れ入ります」

市長「それで奴らはどうでしたか?」

「出力を大きくした途端うめき声のような鳴き声で苦しんでいるような混乱しているような素振りを見せました。このことから他の電波は感じることはできても認識することはできないことが分かりました。むしろ自分たち以外の電波を感じると混乱してしまう模様です」

市長「そうでしたか。それを聞いて少し安心しました」

「と言いますと?」

市長「他の電波まで認識する能力があったら本当に手の施しようがありませんので」

「そうですね。それは私も思いました」

 ▼ 811 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/28 00:55:16 ID:es4.1z9I [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「それにしてもこの弱点が分かっただけでも大きな収穫だね」

「はい」

博士「待てよ、ということはさっき君はこの習性を利用すればより確実に倒せるかもしれないと言ったね?」

「はい。そうですが」

博士「それは妨害電波でも使うのかい?」

「もちろん奴らの動きを少しでも封じる為に妨害電波は使いますが、他にも方法は考えています」

博士「う〜ん、妨害電波は少し考えようだな」

「何故ですか?」
 ▼ 812 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/28 01:09:47 ID:es4.1z9I [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「妨害電波を使うと他の街のインターネットなどの通信システムまで悪影響を与えてしまう」

市長「それにその電波を出している間は私たちとの無線通信も奴らから出る発信機の信号を捉えることもできなくなります」

博士「それに最悪は軍や空港などの主要な通信システムまで破壊してしまうかもしれないぞ」

「その点は大丈夫です。このコトブキシティ内だけに行き渡るように出力や波長は調整します」

博士「分かった。それなら他の地域へは大丈夫そうだな」

市長「ただ電波を出している間は無線といった機器が使えないのが問題ですね」

「そればかりは仕方ありません。状況に応じて電波を止めたりするしかないです」

市長「分かりました」


 ▼ 813 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/28 01:16:23 ID:es4.1z9I [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時。

キラーリザードン「グゥオオオオオ!!」

「ガガガガ、ザザーーー」

まただ。

奴らは主に鳴き声と同時に電波を出す。

その度にこっちは電波妨害を受ける。

奴の出す電波は妨害電波そのものだ。

市長「ザザ・・・・・ナルディさん聞こえますか?」
 ▼ 814 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 00:48:23 ID:tNcgcx22 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。何とか聞こえます」

博士「今のも奴らの電波のせいだね」

「そうです。早いところかたをつけたいところです」

市長「それからいくつか気になったことがあるのですが」

「何でしょうか?」

市長「ナルディさんが現場に向かっているあの時に通信した時よりも全体的に電波の入りが良くなっているように感じるのですがこれは一体何故でしょうか?」

博士「それは私も思ったんだ。ノイズなんかも入りにくくなっている」

「実は基地に組み立て式の高性能なアンテナを設置したのです。そのアンテナを通していますので前よりも通信がしやすくなったのです」
 ▼ 815 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 01:00:07 ID:tNcgcx22 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「なるほどそうでしたか」

博士「しかし組み立て式のアンテナがあるとはな」

「携帯性にも優れていますので普段から持ち歩いていたものです」

博士「しかし基地は電波が入らない地下駐車場だろう。そこにアンテナを設置しても意味ないんじゃないのか?」

「電波が入りにくいからこそアンテナを設置しました」

博士「ん?というと?」

市長「地下駐車場の中にアンテナを設置しても電波を捉えられないと思うのですが?」

「実はこのアンテナは地下などの遮られた場所でも電波を送受信できる特殊なアンテナなのです。これを設置すれば今回の基地でも電波が使えます」
 ▼ 816 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 01:11:24 ID:tNcgcx22 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「ほう、それはすごいな」

市長「それから今回は電波の入りは良いですが前より通信が途絶えやすくなった気もします」

博士「確かに前回はこんなに途切れなかったな」

「それは前回移動中の際は奴らから離れていて奴らの電波の影響をあまり受けなかったからです。ただ今回は奴らとさほど離れていませんので電波の影響を受けやすいからです」

博士「なるほどそういうわけか」

「先ほどもお話しましたが奴らの電波は遠くまでは飛びませんのである程度の距離を保てば電波の影響は皆無です」

市長「ただひとたび近づくと電波の影響を強く受けてしまうわけですね」

「はい」
 ▼ 817 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 01:22:07 ID:tNcgcx22 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「その高性能アンテナをもってしても妨害電波までは防げないか・・・」

「このアンテナにも限界があります。もっとも軍事施設などの巨大なアンテナであれば話は別かもしれませんが」

博士「まぁそうだろうな」

「それから今手元にドローンがあります」

市長「ドローンというのは最初に研究室で見せて頂いたあのラジコン飛行機ですね」

博士「あのカメラやらいろいろなセンサーが付いているものだね?確か特注の」

「そうです。そのドローンのカメラを使って今の様子をリアルタイム映像でそちらに送りますのでセッティングをして頂けますか?」

市長「どうすればよろしいですか?」
 ▼ 818 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 01:55:54 ID:tNcgcx22 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「コンピューターの外部受信の設定をONにして下さい」

市長「それでONにしましたら?」

「それだけで大丈夫です」

市長「え?これだけでよろしいのですか?」

「はい。最初研究室を訪れた際にあらかじめ根本的な設定は済ませていますので」

市長「分かりました」

博士「あの時だね?」

「何のことでしょうか?」
 ▼ 819 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 23:55:47 ID:tNcgcx22 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「ほら、最初市長の研究室を訪れた時に奴らキラーリザードンに関するデータを皆で消したじゃないか」

「そういえばそうでしたね」

博士「確かその際にドローンの映像を受信できるように設定もしたんだね?」

「はい。そうです」

市長「ONにしました」

「ではあとはコンピューターがドローンの電波を受信すれば映像がモニターに表示されますので」

市長「分かりました」

博士「ちょっと待ってくれ」
 ▼ 820 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/31 00:05:06 ID:z9AwBtnM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何でしょうか博士」

博士「そのドローンは飛ばすのかい?」

「もちろんです。飛ばして空中から撮影します。その為のドローンですので」

博士「飛ばすってどこに飛ばす気かい?まさか奴らの近くにか?」

「はい。今100メートル足らずの所に奴が2体います。ドローンでギリギリまで近づいて奴の姿を鮮明に捉えてみせます」

博士「ナルディ君いくら何でも危ないぞ」

市長「そうですよ。もし気づかれたら」

博士「それにそのドローンだって電波を出すだろ?」
 ▼ 821 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/31 00:56:17 ID:z9AwBtnM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。ラジコン以外にもカメラの信号やGPS信号などいくつかの電波は出しています」

博士「その電波の影響で奴が混乱して想定外の動きでも取ったりしたら」

「そこは大丈夫です。ドローンから出る電波は微弱なものですので奴らに感づかれる心配はないはずです」

博士「それにしたって近づくのは」

「大丈夫です。絶対に気づかれないように細心の注意は払います。任せて下さい」

博士「そこまで言うなら、気を付けるんだよ」

市長「それでは映像が届きましたらまた報告します」

「分かりました」
 ▼ 822 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/31 23:49:46 ID:z9AwBtnM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「ナルディさん、本当に気づかれないで下さいね」

「大丈夫です。それでは」

市長「はい」

「ザザッ・・・・」

一旦ここで無線を切る。

そしてカバンからドローンとタブレット端末機を取り出し、ドローンを飛ばした。

プルルルルル・・・・

タブレットの画面にはドローンのカメラの映像が表示されている。
 ▼ 823 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/01 00:04:51 ID:.2nghZsw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
肉眼とその映像の両方を頼りにドローンを操作する。

ドローン自体が見えない場所にある時はこの映像だけが頼りだ。

だがやはりそれだけではどうしても心もとない時もある。

でも今はドローンの位置も肉眼ではっきり確認できる。

肉眼ではまかなえない部分をカメラ映像で補う。

この二刀流のほうがより細かで巧みな操縦ができるのだ。

プルルルル・・・・

しばらく上昇すると荒廃した街の光景全体が表示され、その中に二体の奴も小さく写っている。
 ▼ 824 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/01 00:18:34 ID:.2nghZsw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
気温26.3℃・・・

湿度57.6%・・・

ドローンのセンサーが温湿度のデータをリアルタイムで捉える。

暑くも寒くもなく、湿っぽくも乾燥もしていない。

可もなく不可もなく至って普通の気候ってとこか。

その他にもドローンに搭載された様々なセンサーによって風速、位置情報、気圧、経緯度、方角などの多彩なデータが常時送られてくる。

正直今はあまり必要ないデータだがまぁいいか。

だがまだカメラの電波出力をONにしていない為映像は届いていない。

 ▼ 825 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/01 00:30:06 ID:.2nghZsw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
映像を送るのはもう少し近づいてからだ。

「何も近づかなくてもズームすればいいじゃないか」

そう感じる人もいるだろう。

確かにこのカメラは4Kで110倍光学ズームを搭載しており、ズームだけでも遠くのものを十分に捉えることができる。

だが実際に近づいた方がより鮮明に確実に捉えられるのは確かだ。

ズームと実際に近づくとでは同フレーム上でも得られる情報量は全く違う。

ズームレンズと実体とをうまく使い分けるのがカギだ。

プルルルルルル・・・・・
 ▼ 826 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/02 00:23:46 ID:s2oIrk3Y [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
高度や速度を微調整しながら少しずつ接近する。

「ゴク・・・・・」

ドローンを操作する手にもおのずと力が入る。

ドッ・・・ドッ・・・ドッ・・・

自分の中で鼓動がいつも以上に反響する。

一瞬のミスが命取り・・・気づかれたら終わりだ。

仮に俺の存在に気づかなくてもこの高価なドローンはひとたまりもないだろう。

画面に映る奴の姿が少しづつ大きくなっていく。

 ▼ 827 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/02 00:39:07 ID:s2oIrk3Y [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが当然それに比例してドローンの姿は小さく見えなくなっていく。

もうすでに自分とドローンとの距離は100メートル近くある。

ただでさえドローンはこの小ささだ。

視界は良好でもこの距離ではドローンはほぼ点にしか見えない。

それに加え地味な色あいのこのドローンは周りの殺伐とした風景に溶け込みやすい。

「あれ?どこいった・・・・・・・あれか」

これでは視力に自信のある俺でも瞬時にドローンの位置を把握するのは簡単ではない。

確実に数秒はロスが生じる。
 ▼ 828 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/02 00:50:38 ID:s2oIrk3Y [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いや下手したら見失う恐れもある。

最悪はカメラ映像だけで賄えなくもないが、今はそれだけじゃ心もとない。

(仕方ない・・・・)

そこで俺は時折双眼鏡を覗いてドローンの位置を確認することにした。

(よしあの位置なら大丈夫だ。後は高度を少し上げて・・・)

その都度カメラ映像を片目に操作したり双眼鏡を覗いたりするのは正直面倒だ。

だが決してどちらもおろそかにするわけにいかない。

とにかくやるしかない。
 ▼ 829 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/03 00:58:06 ID:oHGk01Fo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だがその時だ。

キラーリザードン「グゥオオオオオオ」

またしても奴が鳴き声を発した。

すると

「ザザザザ〜!」

「Hey!What the hell?」(おい!どうした?)カチッ、カチッ

カメラ映像が乱れ、ドローンが操作不能になった。

キラーリザードン「オオォ・・・・・・・・」
 ▼ 830 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/04 00:09:28 ID:IrKEsI7E [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが鳴き声が止むと間もなく

「ザザ・・・・・・」

プルルルルルルル

何事もなかったかのようにカメラ映像は回復しドローンも操作できるようになった。

「・・・やはりな・・・・」

ドローンも奴らの電波の影響をまともに受けた。

だが幸いドローンには特に不具合はなくカメラ映像の他に様々なデータも送信し続ける。

プルルルルルル・・・・
 ▼ 831 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/04 00:21:28 ID:IrKEsI7E [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして何とか建物の上にいる奴らの20メートル圏内まで近づいた。

ビルと同じ高さだけあって少し風は強いが問題ない。

それに奴らの死角になるような位置にいる為今のところ気づかれる様子もない。

だがこれ以上近づくのは危険だ。

完全に”生物凶器”と化した奴らの姿を4Kのカメラが鮮明にとらえる。

ズームするとさらに強靭な皮膚や浮き出た血管などが詳細に伺える。

「よしこの辺でいいな」

余分な時間はない。
 ▼ 832 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/04 00:45:28 ID:IrKEsI7E [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここでタブレット端末機を操作してカメラの電波出力をONにし、映像を市長たちに送る。

すると数秒後、

「ザザ・・・ナルディさん!こちら私ロックとルイ博士です!聞こえますか?」

市長たちから無線が入る。

「はいこちらナルディですどうぞ!」

市長「ナルディさん今映像が来ましたよ!」

「本当ですか」

市長「はい。映像の乱れなどもなく奴らのようすがはっきり映っていますよ!」
 ▼ 833 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/04 00:55:17 ID:IrKEsI7E [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「ああ、さすが4Kだ。細部まで鮮明に見える」

市長「この映像もあの基地のアンテナを介しているんですか?」

「もちろんです」

市長「やはりそうですか。映像の入りも良好ですよ」

博士「それにしてもよくここまで接近できたね」

「はい。奴らの死角になるような位置から慎重に近づきました」

市長「さすがですナルディさん」

博士「まさか君にラジコン操縦の才能もあったとはね」
 ▼ 834 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/05 00:16:18 ID:T4SQCq16 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いえ。改めてご覧になってみていかがですか?」

市長「まさか自分たちがこのような化け物を作ってしまったとは、未だに信じられません」

博士「まったく恐ろしいよ」

「この姿を見て他に弱点などはありそうですか?」

ダメもとで聞いてみる。

市長「そうですね・・・・・」

博士「う〜〜む・・・・」

考え込む市長と博士。
 ▼ 835 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/05 00:24:36 ID:T4SQCq16 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「もう少しズームしてくれるか?」

「はい」

市長「次は少しズームアウトして下さい」

「分かりました」

言われるとおりにカメラを操作する。

市長「博士、何か分かりそうですか?」

博士「そうですね・・・う〜ん」

だが依然手がかりは見つからないようだ。
 ▼ 836 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 01:04:11 ID:Q4iEV2qs [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・見つかりそうにありませんか?」

市長「見てもこれだけの強靭な皮膚です。まず下手な外部からの攻撃は効かないのは明らかです」

博士「確か皮膚は特殊合金よりも頑丈なんですよね?」

市長「はい。全身鎧をまとっているようなものです」

「それでは普通の拳銃の銃弾ではビクともしないですね」

市長「はい。まずピストルの弾ぐらいじゃ無理でしょう」

「他の属性の攻撃はどうですか?」

市長「例えばどのようなものですか?」
 ▼ 837 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 01:13:40 ID:Q4iEV2qs [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「高温、低温、高圧、高電圧、真空などです」

市長「実は奴らを創る段階でそれらを用いて確かめてみたのですが全く効きませんでした」

「それでは毒や放射線に対しては?」

市長「同じでした。奴らは人間だったら致死量にあたる毒や放射線に対しても強い耐性を持っています」

博士「何と・・・・」

「だとすると決定的な弱点は電波くらいですね」

市長「そういうことになるかもしれませんね」

博士「だがどうも分かりませんなぁ・・・」
 ▼ 838 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 01:22:01 ID:Q4iEV2qs [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「どうかなさいましたか博士」

博士「ありとあらゆる耐性を持っているのに、何故自分たち以外の電波には弱いのか、そこか気になりますよ」

「私もそれは気になりました」

市長「確かにそうですね・・・ただ、何故そうなのかは開発した私たちでも分かりません」

博士「謎ですな・・・」

「あの市長、博士、あくまでこれは推測なのですが」

市長「何でしょうか?」

博士「何だね?」
 ▼ 839 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 01:39:43 ID:Q4iEV2qs [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「確か奴らの体内には様々なコンピューターが埋め込まれていて奴らは半分は脳みそ、もう半分はそのコンピューターによって制御されているんですよね?」

市長「そうです」

「それでそのコンピューター制御に伴って電波を送受信し合って互いに通信し合ったりもしている。こういうことになりますね?」

市長「そういうことになります」

博士「それで一つ気になったのですが、いいですか市長」

市長「何でしょうか博士」

博士「今更ですが奴らが電波で通信するのは想定していたのですか?」

市長「いえ全くもって想定外です。まさか奴らがこんなことをするなんて思ってもいませんでした」
 ▼ 840 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 01:54:23 ID:Q4iEV2qs [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「そうなんですか!?」

驚いた様子の博士。

「あの博士、私が最初奴らが電波を使うことを話したとき市長も一緒に驚かれていたじゃないですか」

市長「はい」

博士「ああ、そういえば・・・」

「あらかじめ想定していたならばあんなに驚かないです。市長にとっても想定外のことでしたからあんなに驚かれたのですよ」

博士「そういえば確かにそうだな・・・市長、失礼しました」

市長「いえ、大丈夫ですよ」
 ▼ 841 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:06:40 ID:Q4iEV2qs [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「博士、お願いしますよ」

博士「いやすまない」

またこうして忘れた頃に博士の忘れっぽさが出たりする。

その時だ。

キラーリザードン「グギャアアアアアア!!」

「ザザザザザ〜〜!!!」

またもや奴らが鳴き声を上げ、それによりカメラの映像がノイズで激しく乱れる。

同時にドローンも操縦が効かなくなる。
 ▼ 842 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:14:55 ID:Q4iEV2qs [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「ナルディさ・・ガガガ〜!カメラが!ザザ〜!一体何が!・ザザ」

博士「市長!落ちつい、ガガピーーー!!」

「市長!博士!」

案の定無線もノイズが酷く通信がままならない。

だが数秒後〜

キラーリザードン「アアァ・・・・」

奴らの鳴き声が収まるとやはりカメラ映像、無線も回復し、ドローンも操作できるようになる。

「市長、博士、聞こえますか?」

 ▼ 843 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:22:43 ID:Q4iEV2qs [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「はい大丈夫です。今何が起きたのですか?無線だけでなくカメラ映像も乱れましたが」

博士「これも全て奴らの出した電波のせいです。そうだよねナルディ君」

「はい」

市長「ドローンのカメラまで影響を受けてしまうとは・・・」

「通信機器は全て悪影響を受けます。実は先ほどドローンも操縦不能に陥りました」

市長「そうだったんですか!」

博士「でもよく墜落しなかったね」

「いえ一歩間違えたら墜落していましたよ」
 ▼ 844 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:36:24 ID:Q4iEV2qs [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「それじゃ墜落しなかったのが奇跡だね」

「はい。それにしても何故奴らは電波を使いこなせるようになったのでしょうか?」

市長「サイボーグとのハイブリッド故というのは分かりますが、それも私たちでも詳しいことは分かりません」

「通信用に使われるコンピューターなんかも埋め込みましたか?」

市長「はい。確か奴らから随時様々なデータが送られてくるようにとそんなコンピューターも埋め込みました」

「おそらくそれも原因の一ですね」

市長「かもしれません」

博士「あとは奴らが独自の進化を遂げた、としか考えられませんな」
 ▼ 845 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:50:01 ID:Q4iEV2qs [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そんなことってあるんですか」

市長「これだけの短期間でですか?」

博士「可能性はゼロとは言えませんよ。何しろ奴らは普通の生き物ではありませんので」

「そうですね・・・・」

市長「確かに生物兵器の奴らならあり得ない話ではないですね・・・」

「そういえば何故奴らが自分たち以外の電波を受けると混乱したり苦しんだりするか話しかけでしたのでよろしいですか?」

市長「そういえばそうでしたね」

博士「確かそれは君の推測だね」
 ▼ 846 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:57:44 ID:Q4iEV2qs [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうです」

博士「たしかどこまで話していたんだっけ?」

市長「奴らは半分コンピューターで制御されており、そのコンピューター制御により電波での通信もできる、というところまでです。・・・とこれで合っているでしょうかナルディさん」

「バッチリです市長」

博士「ああ!そうでしたね!ありがとうございます市長」

市長「いえいえ」

「博士、頼みますよ・・・」

博士「いや、度々すまない」
 ▼ 847 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/08 00:07:16 ID:ydUk2.Vc [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
相変わらずの博士。

まぁいい。

「では続けてもよろしいですか?」

市長「はい」

博士「頼むよ」

「ただこのように通信をするコンピューターは特定以外の電波を強く受けるとシステムに異常をきたすことも少なくありません」

博士「確かに」

市長「そうですね」
 ▼ 848 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/08 00:13:34 ID:ydUk2.Vc [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ですので奴らが自分たち以外の電波に弱いのはそれが強く影響しているからだと思います」

市長「なるほど。言われてみますとその可能性は高いですね」

博士「私もそこまでは分からなかったよ。さすがだよ」

「いえ、恐れ入ります」

博士「あとそうだ、ナルディ君」

「何でしょうか?」

博士「その奴らが自分たち以外の電波を受けて混乱しているところを少し見せてくれないか?」

「今ですか?」
 ▼ 849 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/08 00:22:20 ID:ydUk2.Vc [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「ああ、せっかくドローンのカメラもあるからね」

市長「博士、少しそれは危険では」

博士「そうかもしれませんが、何かより弱点などの手がかりが得られるかもしれません」

「分かりました。無線機の電波の出力を最大にしてやってみます」

市長「ナルディさん本当に大丈夫ですか?」

「大丈夫です。どうかご心配なさらないで下さい」

博士「ナルディ君、君なら大丈夫だ。頼むよ」

「任せて下さい」
 ▼ 850 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/08 00:38:15 ID:ydUk2.Vc [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「だが本当に無線機の電波なんか効くのかい?」

市長「確かにいくら出力を最大にしたところで無線機の電波自体はさほど大きいものではありませんからね」

「そこは見ていて下さい」

市長「分かりました」

博士「分かった。それじゃ一旦切るよ」

「はい」

市長「ではまた後程無線を入れますね」

「分かりました。それでは」
 ▼ 851 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/08 00:43:46 ID:ydUk2.Vc [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガガッ

一旦ここで無線通信を終わらせる。

今ドローンは定位置でホバリングさせており、カメラ映像も市長たちの元に常時送っている。

俺は手元の無線機のダイヤルを回し、電波の出力を最大にした。

無線機の電波出力を示す針は完全に振り切っている。

すると間もなく

キラーリザードン1「ググ・・・グガガァ・・・・」

キラーリザードン2「グギャアアアアァ・・・・・」
 ▼ 852 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/09 00:01:27 ID:SRcEtUAg [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再び奴らは混乱しているような苦しんでいるような素振りを見せ始める。

ここで市長たちから無線が入る。

博士「ザザ・・・ナルディ君聞こえるか?」

「はい博士、聞こえます」

博士「今映像を見ているよ。確かに混乱してもがき苦しんでいるようだね」

市長「致命的とまではいきませんがそれなりにダメージは受けていますね」

博士「無線機の電波でこれほどだから、より強い電波ならより大ダメージを与えられるな」

「間違いありませんね」
 ▼ 853 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/09 00:06:15 ID:SRcEtUAg [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「それにしてもまさか手元の無線機の電波でこれほどとは思いませんでしたな」

市長「はい。私も少し驚いています」

「奴らは電波に関しては繊細な一面があるのかもしれませんね」

博士「そうかもな」

市長「今も電波の出力は最大にしていますか?」

「はい」

市長「電波の出力を下げてみて下さい」

「分かりました」
 ▼ 854 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/09 00:14:00 ID:SRcEtUAg [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ツマミを回して無線機の電波の出力を下げる。

キラーリザードン「オオォ・・・・・・」

すると奴らは何事もなかったかのように平静を取り戻す。

市長「やはりこれだけの差ですね」

「はい。電波の影響はかなりのものです」

博士「それにしてもカメラは無線機の電波の悪影響は受けないんだね」

市長「そうですね。無線の電波を最大にしていた際もカメラの映像は全く乱れていませんでしたね」

博士「やはり無線機の電波は強くないからか?」
 ▼ 855 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/09 00:37:04 ID:SRcEtUAg [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。それもありますし、あとは電波の波長や周波数自体もまた異なりますから」

博士「なるほど」

市長「いずれもこの弱点は大きな突破口になりそうですね」

「はい。この弱点を上手く活用して綿密に作戦を練り、早ければ明日にでも戦いを決行したいところです」

市長「分かりました!」

博士「ところでまだ偵察は続けるのかい?」

「はい。もう少し続けてみます」

博士「そうか。くれぐれも油断するんじゃないぞ」
 ▼ 856 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/10 01:14:13 ID:NsEQr8kE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分かっています」

博士「くどいようだが何かあったら遠慮なく無線を入れてくれ」

市長「言葉での手助けしかできませんが全力でサポートしますので」

「ありがとうございます!」

改めて市長と博士の気遣いには感謝の言葉しかない。

博士「私たちの方からも何かあった時はすぐに無線を送るよ」

「分かりました!

市長「それではどうかお気を付けて下さいね」
 ▼ 857 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/10 01:29:27 ID:NsEQr8kE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「みんなの為にも頑張ってくれ。頼んだぞ」

「はい!分かりました!」

博士「最後に。頼りにしているぞ!」

市長「健闘を祈っていますよ!」

「ありがとうございます!それでは」

ザザッ・・・・・・・

ここで通信は終わった。

俺たちにとってもこうした気遣いや応援の一言が強力な武器になるのだ。
 ▼ 858 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 00:10:35 ID:1ZVkiHeM [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてパワーの源でもある。

それにしてもやや通信が長引いてしまった。

こうしてる今もドローンを操作し、カメラは奴らの様子を克明に捉え続けている。

だが慎重にドローンを飛ばしていることもあり、未だに奴らはドローンの存在に気づく気配はない。

(・・・もう少し大丈夫だな)

そこで俺はもう少し旋回やホバリングをしながら奴らの様子を撮影することにした。

当初は危機感や恐怖から焦りもあったが今は少し余裕だ。

この分ならよっぽどでもない限り気づかれることはないだろう。
 ▼ 859 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 00:19:56 ID:1ZVkiHeM [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁ何事も油断は禁物だが。

それから実はドローンのカメラの映像は全て手元のタブレット端末のメモリーに記録している。

本当はあまりこのような出来事は後から思い返すなどしたくないが

このような出来事は風化させてはいけない__

後世とまではいかなくても残しておかなくては__

そんな思いからあえて映像に記録する。

間違っても動画サイトに乗せて広告料で稼ぐなどやましいつもりは微塵もない。

逆にそんなことができる奴がいたら神経を疑う。
 ▼ 860 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 00:47:35 ID:1ZVkiHeM [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だがこの広いインターネットの世界にはそんな心無い奴もいたりする。

非情だがそれが現実だ。

プルルルルルル・・・・

ドローンを片手に偵察を続けるがここで気になることが浮上する。

それは未だに2体とも建物の上から動こうとしないことだ。

(・・・・眠っているのか?・・・・・)

そう思いドローンを少し接近させ、カメラをズームしてみる。

だが表情や瞳孔の具合などを見ると特に眠っている様子はなく、かと言って活動的でもない。
 ▼ 861 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 22:48:33 ID:1ZVkiHeM [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どうやら単に休んでいるだけのようだ。

これだけドローンに気づかないのはリラックスしていて気配などに対して鈍感になっているせいもあるだろう。

ボーっとしていると周りの気配に対して鈍感になるのは人間やポケモンにだって言えることだ。

もちろん個人差、個体差はあるが。

最も半分サイボーグのあいつらに眠るという概念は当てはまるかは分からない。

まぁそんな調子でドローンを操作していると

「ザザザザッガガッ・・・」

無線機から何かしらの無線を捉えたことを示すあの雑音が鳴り響く

 ▼ 862 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 22:56:22 ID:1ZVkiHeM [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
つまり新たに無線が入ったわけだ。

(基地のみんなからか?・・・)

間もなく雑音が収まると

「ザザ・・・ナルディさん!こちらAです!応答願います!」

研究員のAからだった。

(やはりな)

最も今無線を掛けてくるのは基地のみんなか市長ぐらいしかいないか。

「はいこちらナルディです!どうぞ!」
 ▼ 863 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 23:04:54 ID:1ZVkiHeM [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「ナルディさん、そちらの状況はどうですか?」

「今約100メートルほど先のビルの上に奴が二体います。それを物陰から偵察している状況です」

A「そうですか。特に気づかれたりとかはないですか?」

「今のところそのような様子はありません」

A「それは良かったです」

B「すみません代わっていいですか?」

A「はい」

B「代わりました。こちらBです」
 ▼ 864 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 23:17:16 ID:1ZVkiHeM [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「Bさん、どうぞ」

B「奴らの様子について詳しく教えて頂けませんか?」

「はい。実はカメラを搭載したドローンで接近して詳しくみたところ、表情や瞳孔の具合、その他動作の様子から二体はかなりリラックスして休んでいることが分かりました」

B「え!?ドローンを近づけたのですか!?」

「はい。大体20メートル圏内まで接近しました」

B「マズイですよ!」

A「そうですよ!いくら休んで油断しているとはいえ、一歩間違えたら気づかれますよ!」

「そこは大丈夫です。死角などの見えない位置から接近しましたので。それに休んでいる奴らは周りの気配に対しても鈍感です」
 ▼ 865 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 23:31:25 ID:1ZVkiHeM [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「それならいいですが」

B「あまり無茶はなさらないで下さいね」

「分かっています」

A「ですが休んでいるということはあまり動いている様子はないんですね?」

「はい。時折鳴き声は発するものの、微動だにしないときもありましたので一瞬眠っているのかとも思ってしまいました」

A「そうでしたか。最も奴らは眠るのかは私たちにも何とも言えないところですが」

B「何しろ半分サイボーグみたいなものですからね」

みんなも俺と同じようなことを考えていた。

 ▼ 866 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 23:41:02 ID:1ZVkiHeM [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「研究所の檻にいた頃は眠ったりはしませんでしたか?」

A「私たちが確認した限りではそのような様子は見られなかったです」

「ということはやはり眠ったりはしないんでしょうか?」

A「かとは思いますが・・・」

B「おそらく奴らは眠るようなことはせず、時折休んだりしてスタミナを回復させるのかもしれません。あくまで推測に過ぎませんが」

A「それが有力かもしれませんね」

「そうですね」

奴らに関しては研究員のみんなでさえ分からない部分も少なくないのかもしれない。

 ▼ 867 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 23:57:39 ID:1ZVkiHeM [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「それで他にドローンで近づいてみて分かったことはありますか?」

「あとは翼や皮膚は近づいてみるとより頑丈さが分かりました。また眼を見た感じはその瞳の構造から人間の数倍の視力はあると推測できました」

A「なるほど、さすがですねナルディさん」

B「まさか見ただけでそこまで分かるとは驚きです」

「恐れ入ります」

A「皮膚などの肉体は特殊なタンパク質をはじめとする複数の特殊な成分で形成されている為鋼より頑丈です。また瞳は特殊なレンズ構造で視力に優れています」

「やはりそうですか」

A「はい」
 ▼ 868 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/12 00:04:33 ID:62ZcpgzQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「奴らはそのような精密機械の要素も持っています」

「全くですね」

A「あとそういえば市長と博士もナルディさんのことを心配していましたよ」

「あ、それでしたら先ほど市長から無線がありました」

A「本当ですか?」

「はい」

A「・・・どんな内容でしたか?」

「皆さんから私が一人で偵察に出たと聞いて心配になったから無線を入れたという趣旨です」
 ▼ 869 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/13 23:43:52 ID:NNQ2LStI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「そうですか・・・」

言葉を詰まらせるA。

「あの、どうしましたか?」

B「それなんですが・・・」

Bもまた、言葉を詰まらせる。

「・・・お二人ともどうしたんですか?はっきり話して下さい」

A「実は私たちが市長に無線で勝手に話してしまったんです」

「市長たちから無線があって、市長が皆さんに尋ねたわけではないんですね?」
 ▼ 870 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/13 23:53:08 ID:NNQ2LStI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「はい。私たち自ら市長たちに無線を入れて話しました」

「それで市長と博士は?」

A「お二人とも驚かれていました」

「やはりそうですか」

(なるほど。それであの時俺に無線を入れてきたわけか)

A「どうしてもナルディさんが気がかりでしたので・・・」

B「市長たちにまで心配を掛けたくないので黙っていようと思ったのですが・・・」

「私のことを考えると言わずにはいられなかったのですね?」
 ▼ 871 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/14 00:01:23 ID:XQEA3BI6 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「そうなんです・・・」

B「勝手なことをしてしまってすみません・・・・」

「・・・・言葉を詰まらせていたのでよほど深刻なことかと思いましたよ」

A,B「え?」

「それぐらいのことでそんな気になさらないで下さい」

A「ナルディさん?」

B「怒ってないのですか?」

「何故これで怒るのですか?むしろ伝えて頂けて良かったですよ。市長と博士からアドバイスなどいろいろお言葉も頂けましたし」
 ▼ 872 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/14 00:15:50 ID:XQEA3BI6 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「ナルディさん・・・・」

「本来このことは私自ら伝えるべきでしたね。私の方こそすみませんでした」

A「いえいえナルディさんが謝ることありませんよ」

B「それともし言うとしましたら私たちではなく市長たちに言ったほうがよろしいかと」

「そうでしたね。それと他の皆さんは?」

A「みんなは今レーダーで奴らの監視をしたり、データを整理したりでなかなか手が離せないですね」

B「なので今はちょっと無線には出られない状態です」

「もっとも私たちは無線担当なのでこうしてナルディさんとお話できるんですが」
 ▼ 873 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/14 00:22:42 ID:XQEA3BI6 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうですか。分かりました」

A「他に偵察していて分かったことはありませんか?」

B「どんな些細なことでもいいです」

俺はひそかにこう聞かれるのを待っていた。

「それがありましたよ!」

A「本当ですか!?」

「はい。しかもおそらく一番の収穫かもしれません」

B「それは期待できますね!」
 ▼ 874 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/14 00:54:47 ID:XQEA3BI6 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「それで一体何ですか?」

「奴らは鳴き声以外に電波を互いに出し合ってコミュニケーションを取ったり、電波で方向感覚をになったりしていることです」

A「本当ですかそれは!」

「間違いありません」

A「まさか電波を使うとは・・・驚きです」

B「私たちもそれには気づきませんでした」

A「間違っても檻にいた頃は電波で交信するような様子は確認できませんでした」

「だとしたら電波で交信できるように独自の進化を遂げたのかもしれません」
 ▼ 875 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/14 01:00:05 ID:XQEA3BI6 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「そんな短期間の間にですか?」

B「いえ、ありえない話ではないですよ」

A「何故ですか?」

B「何しろ奴らは普通の生き物ではないですから」

「全て一般常識が通用するとは限りません」

A「・・・そうですね。改めて恐ろしい奴らです」

「それにしてもナルディさん、電波で交信するなんてよく分かりましたね」

「どうやって確かめたんですか?」
 ▼ 876 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/16 00:46:33 ID:KmHg6Aqw [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「今もこうして使っているこの無線機の電波を使って確かめました」

A「電波ですか・・・・」

B「何故無線機の電波で分かったのですか?」

「詳しいことは戻ってからお話します」

A「分かりました」

「それから奴らの弱点も分かりました!」

A「本当ですか!?」

「はい!」
 ▼ 877 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/16 00:59:01 ID:KmHg6Aqw [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「何ですかそれは」

「皮肉にも電波です。自分たちが発する以外の電波には弱いことが分かりました」

B「電波ですか・・・・その電波を受けるとどうなるんですか?」

「私が確かめた限りでは苦しんだり混乱したるする素振りを見せていました」

A「そうですか。それはどうやって確かめたのですか?」

「同じく無線機を使いました」

A「それでは今回は無線機がかなり役に立ったと言うわけですね?」

「はい」
 ▼ 878 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/16 01:05:08 ID:KmHg6Aqw [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「ですが分からないことがあります」

「何ですか?」

B「電波で交信するのに電波が弱点ってどういうわけでしょうか?」

「それも戻ってから皆さんに詳しくお話します」

B「分かりました」

「それからこうしている今も奴らをドローンで撮影していますが、映像をご覧になりますか?」

A「え?今もドローンを飛ばしているのですか?」

「はい」

 ▼ 879 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/16 01:14:25 ID:KmHg6Aqw [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「それでは是非!」

B「見せて頂けますか?」

「分かりました。では今映像を送信していますので、そちらのパソコンで受信して下さい」

A「受信って、どうすればいいですか?」

「外部映像電波の受信設定をONにするだけで大丈夫です。そちらのパソコンも設定は私が済ませていますので」

B「それで後は電波を受信すれば映像が自動的に表示されるんですね?」

「そうです」

B「分かりました。やってみます」
 ▼ 880 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/19 01:01:58 ID:TF0Aeyv2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから数十秒後、間もなくして

A「ザザ・・・ナルディさん、今映像が映りました」

「ご覧になっていかがですか?」

A「驚きです。まさかここまで接近しているとは思いませんでした」

「休んでいる状態ですのでここまで近づくことができます」

B「確かに普段でしたら間違ってもここまでは近づけませんね」

「はい」

A「しかし改めてこう間近で見ると鋼のような皮膚、強靭な肉体、いかに恐ろしい姿をしているかが分かりますね」
 ▼ 881 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/19 01:23:51 ID:TF0Aeyv2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「それにしても本当に落ち着いていますね」

「ただこれがひとたび暴れ出すと大変なことになります」

A「それはこの破壊された街を見ても明白です」

「そうですね・・・それからこの奴らを見て何か弱点などは分かりそうですか?」

市長に聞いた時はダメだったが一応彼らにも聞いてみる。

A「う〜ん、この強靭な肉体は下手な攻撃は寄せ付けませんからね・・・」

B「私たちが見る限りでは・・・・」

「電波以外に弱点は見当たりそうにありませんか?」
 ▼ 882 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/19 01:31:52 ID:TF0Aeyv2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「そうですね・・・・」

(やはり他に弱点はないのか)

そう半ば諦めかけた時、

A「・・・ん、待って下さい!」

B「どうしましたかAさん!」

「何かいい方法が思いついたんですか!」

A「はい。奴らの体内のコンピューターシステムを破壊すれば大ダメージを狙えるかもしれません!」

B「なるほど!奴らにとってコンピューターも頭脳の一部ですからね!」
 ▼ 883 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/22 00:50:43 ID:A6nEJajw [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「それはいい考えですね!」

A「ただ、どうやってコンピューターシステムを破壊するかが問題です」

「コンピューターに直接アクセスはできないですか?」

A「最初はできたのですが今はダメです」

B「何度やってもアクセスエラーです」

「何故できなくなったのですか?」

A「分かりません」

B「おそらく自我に目覚めた奴らがアクセスを拒否しているとしか・・・」
 ▼ 884 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/22 01:03:06 ID:A6nEJajw [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうですか・・・・」

その時、俺はピンと来た。

「・・・奴らのコンピューターのシリアル番号やID、パスワードなどは分かりますか?」

A「何かいい考えがあるのですか?」

「はい。それらのコンピューター情報が分かれば最終的に奴らのコンピューターを破壊できるかもしれません」

A「分かりました。すぐ確認します!少し待っててください!」ザザッ

そう言って一旦無線は切れた。

だが数分後、
 ▼ 885 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/22 01:12:22 ID:A6nEJajw [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「ザザ・・・ナルディさん、今確認したのですが」

「どうでしたか?」

A「ダメです・・・」

無線越しだが明らかにAの声は覇気がないのが分かった。

「え!?・・・・」

A「このデータはすでに削除されていました・・・」

「・・・・どういうことですか?」

A「最初皆さんで奴らに関するデータを破棄したじゃないですか」
 ▼ 886 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/22 01:20:29 ID:A6nEJajw [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「もしかしてその時・・・」

嫌な予感が頭をかすめる。

A「そうです。その際にコンピューターの情報も一緒に破棄してしまったのです」

奇しくもその嫌な予感が的中してしまう。

「そんな、何とか復元できませんか?」

A「完全に削除してしまっていますのでバックアップもできません・・・」

そういえばあの時二度とデータを復元できないように特殊なプログラムによるロックを施したのだった。

今更そんなことを思い出す。
 ▼ 887 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/22 01:26:21 ID:A6nEJajw [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何てことだ・・・」

そもそもコンピューターの識別情報が分からなければどうにもならない。

もはや八方ふさがりなのか・・・・

そう諦めかけた時だ。

?「待って下さい!」

無線機の向こうからそんな声が聞こえた。

A「どうしましたかCさん!」

研究員Cだ。
 ▼ 888 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/22 01:33:25 ID:A6nEJajw [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
C「奴らのコンピューターに関するIDやシリアルナンバーなどのデータは私持っています!」

A「本当ですか!?」

C「はい!万が一の時にと自分のパソコンのファイルに保存していました!」

A「お手柄ですよCさん!」

無線機の向こうからそんなやり取りが聞こえる。

これを聞いて一筋の光が射しこんだようだ。

A「ナルディさん!Cさんがデータを持っていましたよ!」

「それは今のやり取りを聞いて分かりました!Cさんに代わって頂けますか?」
 ▼ 889 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/23 01:10:13 ID:9sdQCHak [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「もちろんです!」

その数秒後、

C「こちら代わりましたCです!」

「こちらナルディです。データは21体のもの全て揃っていますか?」

C「はい。シリアル番号、ID、パスワード全てあります!」

「それは良かったです!ただどうやってそれほどの情報を保存したのですか?」

C「一つ一つ地道にフォルダに入力して保存しました」

「それは大変でしたね」
 ▼ 890 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/23 01:22:21 ID:9sdQCHak [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
C「いえ、ただこうして役に立つときが来て良かったです」

A,B「代わっていいですか?」

C「はい、どうぞ」

A「ですがナルディさん」

「何ですか?」

A「どのようにしてコンピューターを破壊するのですか?」

B「IDやシリアル番号が分かっても直接アクセスは不可能ですが」

「大丈夫です。私に考えがあります。戻り次第お話します」
 ▼ 891 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/23 01:32:49 ID:9sdQCHak [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「分かりました」

B「あとナルディさん」

「はい」

B「もう時間が時間なのでそろそろ切り上げた方がいいですよ」

A「暗くなると視界も奪われて危険です」

そう言われて腕時計に目をやると針はすでに午後5時半過ぎを示していた。

もうあれから3時間もこの2体のキラーリザードンを偵察していたことになる。

半壊したビル群に沈みかけた太陽が空を夕焼け色に染めている。
 ▼ 892 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/27 00:28:12 ID:RMdU3JP6 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてその夕日によって2体のキラーリザードンのシルエットが空に投影される。

過酷の中に美しさを見つけたようだった。

(戦場の夕日か・・・・)

思わず心の中でそう呟いた。

A「・・・ナルディさん!応答して下さい!ナルディさん!」

「あぁすみません。夕日が綺麗でつい見とれてしまいました」

A「そうですね。こちらもドローンのカメラで見ていますが本当に美しい夕日ですね」

B「何だかこの瞬間は戦いのことを忘れられる気がします」
 ▼ 893 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/27 00:37:04 ID:RMdU3JP6 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。荒廃した街と夕日・・・言葉では言い表せない美しさがあります」

A「・・・ですがナルディさん見とれている暇はないですよ!」

B「暗くなったら本当に危険です!奴らの動きも見えませんし」

C「夕日はこの戦いが終わってからゆっくり眺めましょう!」

「それがいいですね。それから最後に、ドンカラスとヤミカラスの様子はどうですか?」

あやうくドンさんたちのことを忘れるとこだった。

A「相変わらずです・・・」

「そうですか・・・」
 ▼ 894 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/27 00:46:07 ID:RMdU3JP6 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「ドンカラスはそっぽを向いたままで、ヤミカラスもどうしたらいいか分からない様子でじっとドンカラスを見守っています」

A「私たちもどう声を掛けたらいいのか分かりませんので、そっとしています」

「それがいいかもしれませんね」

A「そうですね」

それにしてもドンさんの頑固さにはよく悩まされる。

「とにかく遅くならないうちに戻ります」

A「分かりました!くれくれも油断しないで下さいね」

「はい」
 ▼ 895 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/27 00:56:22 ID:RMdU3JP6 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ザザッ・・・・

通信を終えると早速ドローンを操作してこちらに引き返えさせる。

無事に最後までドローンの存在を気づかれずに済んだ。

プルルルルルル・・・・

そして目の前に着陸させて回収した。

見るとドローンの電池残量はもうわずかだった。

高性能リチウム電池と補助発電用のソーラーパネルを備えているとはいえあれだけ飛びっぱなしだったのだから無理もないだろう。

その上様々なシステムを搭載しているのだから。
 ▼ 896 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/27 01:07:11 ID:RMdU3JP6 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ご苦労さん。よく頑張ってくれたな」

そっとそんな一言をかける。

見ると2体のキラーリザードンはまだビルの上で休んでいる。

おそらく今日はあそこでこのまま夜を明かすのだろう。

そして引き上げようと何気なく足元に目をやった時だ。

(Oh!?・・・)

そこに一丁の大きなライフル銃が置いてあったのだ。

(・・・そういえば!)
 ▼ 897 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/27 01:25:43 ID:RMdU3JP6 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう。護身用に持ってきたのだった。

(・・・そんなに奴らの肉体は頑丈なのだろうか)

ふとそう気になった俺はそのライフルを手に取り、素早く物陰からライフルを構えた。

そしてスコープを覗きながらレーザー照準を2体のうちの一体の奴の体に合わせる。

双眼鏡以上の倍率を誇るスコープ、そしてこの照射距離10km以上のレーザー照準だ。

この2つの組み合わせのお陰で遠くのものを狙撃するのもたやすい。

さすがは本国アメリカの銃といったとこか。

確かにその赤い一筋の光線は奴の体を捉えている。
 ▼ 898 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/27 01:38:50 ID:RMdU3JP6 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうなるとアメリカ人としての血が騒ぐ。

本当はこんなことするのはマズいが、確かめてみねば。

そして引き金を引く!

(It's now!Fire!)(今だ!撃つぞ!)カチッ!

ズガァンッ!!ズガァンッ!!ズガァァンッ!!・・・

数発のけたたましい銃声が地響きのように一帯に鳴り響く。

俺は慣れているから平気だが普通の人だったらこんな音を至近距離で聞いたら耳がおかしくなるだろう。

キラーリザードン1「グギャアアアァ!!」
 ▼ 899 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/28 00:41:24 ID:clpUZoTY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それと同時に奴は悲鳴のような鳴き声を上げる。

(やったか!?)

スコープで見る限りでは銃弾は確かに命中した。

だがさらに倍率を上げて確認するとその体には傷一つついていなかった。

(バカな・・・)

このライフル銃は厚さ20cm以上の鉄板ですら貫通するほどの威力がある。

だがこの銃も奴には全く効かなかったわけだ。

受け入れたくないが研究員たちの言う通りだった。
 ▼ 900 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/28 00:48:29 ID:clpUZoTY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キラーリザードン1「グガアアアア!!」

キラーリザードン2「グオオオオオ!!」

先ほどまで大人しかった2体のキラーリザードンは騒がしく飛び始めた。

やはり刺激してしまったようだ。

グギャアアアア!!・・・・・グアアアアアア!!・・・・

それにつられて他の奴らも一気に騒がしくなり、あちこちで鳴き声が響きわたる。

「Oh,my gad!!」(マズイぞ!)

タッタッタッタッタッタッ!・・・・
 ▼ 901 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/02 00:21:49 ID:Dnvc4qH6 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は建物の陰などなるべく死角になりそうなところを選びながら一目散に基地へと駆けだした。

キィ―――ン・・・キュウウウンッ・・・・

何やら戦闘機の風切り音のような音も響き渡る。

空を見上げると奴らが目にも止まらぬ速さで飛び回っていたのだ。

やはり素早さも桁外れなのは確かだった。

その時、再びAたちから無線が入る。

A「ザザ・・・ナルディさん大丈夫ですか!」

「はい!私は何とか大丈夫です!」
 ▼ 902 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/02 00:41:04 ID:Dnvc4qH6 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「こちらも発信信号などで確認していますが、奴ら、かなり騒がしくなっています!一体何があったのですか!」

「私にも分かりません!」

銃を撃ったからこうなったなって言えるはずもない。

グギャアアアア!!・・・・ギヤアアアア!!!

A「ナルディさん!聞こえ・・ザザザザーーーー!!」

「Aさん!Aさん!!」

奴らはより一層けたたましく鳴き始め、大量の電波を出しまくる。

それにより無線にノイズが走り、通信もままならない。
 ▼ 903 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/03 00:27:19 ID:r1O.Rs7M [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タッタッタッタッタッタッ!

それでも何とか逃げながら電波の入る場所を見つけ

A「ナルディさん聞こえますか!」

「大丈夫です!先ほども奴らの電波に通信を邪魔されました」

A「どうやらそのようですね。とにかく外は危険です!早く戻ってきてください!」

「分かっています!」

「はぁ、はぁ、はぁ」タッタッタッタッタッタッ!・・・・

キィ―――ン・・・キュウウウンッ・・・・
 ▼ 904 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/03 00:40:10 ID:r1O.Rs7M [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グギャアアアア!!・・・・ギヤアアアア!!!

奴らの滑空音と鳴き声が入り交じり響き渡る。

正直いつ襲われてもおかしくない。

これまで以上に身の危険を感じる。

それでも建物などを盾にしながらとにかく基地に向かって走った。

総重量20kg以上の装備を抱えながら。

だがその装備の重さの大部分は護身用に持ってきたライフル銃だった。

身軽にしたつもりだったのだが・・・まぁ仕方ない!
 ▼ 905 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/03 00:46:59 ID:r1O.Rs7M [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タッタッタッタッタッタッ!・・・

しばらく走ると100メートルほど先に基地である地下駐車場の入口が見えてきた。

(もう少しだ!)

タッタッタッタッタッ!

そしてそのままの勢いで基地に駆けこんだ。

「はぁ・・・はぁ・・・」

まずはこれで一安心という安堵感に包まれる。

A「あっナルディさん!」
 ▼ 906 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/03 01:12:30 ID:r1O.Rs7M [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「大丈夫ですか!」

C「ケガはありませんか?」

間もなく彼らが駆け寄ってくる。

「大丈夫です。はぁ、はぁ・・・すみません遅くなってしまって」

D「いえいえ無事で何よりですよ」

A「ですが危ないところでしたね」

E「まさか急に奴らが騒ぎ始めるなんて」

「はい。一歩間違えていたら襲われていたかもしれません」
 ▼ 907 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/07 00:44:25 ID:fxCk8BTc [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「でもナルディさんが無事で良かったです」

C「それから奴らが電波でコミュニケーションを取ることや電波が弱点なのも分かったんですよね」

E「その件は私もAさんから少し聞きました。すごいじゃないですか!」

F「なかなか大きな収穫ですよ!」

「いえ。それでドンカラスとヤミカラスは?」

B「あそこです・・・」

そう言って指を指すB。

指指す方を見るとドンさんは相変わらずそっぽを向いていた。
 ▼ 908 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/07 00:54:03 ID:fxCk8BTc [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「ナルディさんが行ってからずっとあんな感じです」

A「ナルディさんが行ったのがよほど気に入らないのかもしれませんね」

「そうですね・・・・」

C「私たちではどう声を掛けたらいいか分かりませんでした・・・」

A「ナルディさんここは・・・お願いします」

「分かりました」

その時だ、ヤミカラスがそばにやってきて

「あ!お前やっと帰ってきたかよ!遅ぇよ!」
 ▼ 909 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/07 01:08:58 ID:fxCk8BTc [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「すまない、遅くなってしまって」

ヤミカラス「ボスだってお前と行く気だったんだぞ!なのにお前がボスを置いていくから見ろ!ずっとああなんだぞ!」

「それは分かるが・・・」

ヤミカラス「お前ボスの気持ちちっともわかってないだろ!」

「いやそんなことはないぜ。ただこればかりは・・・」

ドンカラス「やめろ!!」

ドンさんが突如大声でそう言った。

ドンカラス「・・・ヤミカラス、キサマは少し黙ってろ!」
 ▼ 910 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/08 00:52:16 ID:LUFEGSvg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「ただ俺はボスのことが・・・」

ドンカラス「言い訳などいらん!キサマが出しゃばる幕じゃないぞ!引っ込んでろ!」

ヤミカラス「はいボス、すみません・・・・」

そしてヤミカラスは俺をひと睨みしてこう小声でこぼした。

ヤミカラス「まったくお前のせいで怒られたじゃないか!・・・」

ドンカラス「ん?キサマ何か言ったか?」

ヤミカラス「いえ!ボス、何でもないです!」

ドンカラス「ナルディ、貴様も今更になって戻って来よったか!」
 ▼ 911 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/08 01:04:36 ID:LUFEGSvg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「すまない、遅くなってしまって」

ドンカラス「フン!それにしても奴らに食われたとでも思っとったが、まさか生きて戻ってくるとはな!悪運の強い奴め」

「まぁドンさん、そう言わないでくれ」

ヤミカラス「へっ!食われたら食われたらで勝手に出ていったお前が悪いんだけどな」

ドンカラス「おいキサマさっきも言っただろ!口をはさむな!」

ヤミカラス「すみません・・・」

ヤミカラスの口の悪さは当分直りそうにないかもしれない。

「ドンさんも気持ちも分かるが・・・」
 ▼ 912 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/11 00:41:15 ID:bDQEBNF. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「ワシを危険な目に遭わせるわけにいかなかったからとでも言うんだろ!キサマはいつだってそうだ!このワシを軽く見おって!自分が偉いとでも思っとるのか!」

「だからそういうのじゃないぜドンさん。俺はただ・・」

ドンカラス「キサマの言い訳など聞きたくない!」

「・・・・・」

ドンさんはなかなか頑固だ。

一度曲がるとこんな具合になかなか厄介だ。

俺の思いはそう簡単には伝わらないのだろうか。

A「・・・あの、私たちあっちで会議していますので」
 ▼ 913 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/11 00:54:19 ID:bDQEBNF. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「ナルディさんも後から来てくださいね」

C「急いでませんので、ゆっくり話し合った後で大丈夫ですよ」

B「それから良かったら・・・も」

Bのセリフの”・・・”の間はドンさんたちのことを指し示しているのは明白だった。

「分かりました」

そういうと研究員たちは少し離れた位置に移動し、会議を始めた。

彼らなりに俺たちに気を使ったのだろう。

俺には分かる。
 ▼ 914 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/20 00:38:26 ID:Z/3Qf9jI [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「あいつらだけで話し合い始めたか、フン、ワシらをのけ者にしおって」

ヤミカラス「所詮人間共は薄情だな」

「いやそれは違うぜ」

ドンカラス「どう違うんだ」

「彼らなりに気を使って俺たちのことをそっとしているんだよ」

ヤミカラス「あれで気を使ってるってどういうことだよ」

ドンカラス「全くキサマら人間共の考えることは分からんな」

「少し言葉で説明するのは難しいが、余計な首を突っ込まないようにしているという具合かな。まぁこれが人間なんだ」
 ▼ 915 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/20 00:55:07 ID:Z/3Qf9jI [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「フン、やっぱりワシには分からんな」

ヤミカラス「だけどお前があいつらはのけ者にしているわけじゃないって言いたいのは何となく分かったぜ」

「そうか、それは良かった」

ドンカラス「だがキサマごときが一人偵察に行ったとこで大した手がかりなどつかめんかっただろ」

「いやそれが大きな収穫があったぜ」

ドンカラス「何だと!?」

「新たに奴らの性質や弱点が分かったんだ。倒すヒントになるようなな」

ヤミカラス「お前苦し紛れに嘘つくなよ」
 ▼ 916 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/20 01:05:30 ID:Z/3Qf9jI [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「悪いが嘘じゃないぜ。本当だ」

ドンカラス「だったら話してみろ。新たに分かった性質や弱点って何だ!」

「それはこれから皆の前で詳しく話す。ドンさんたちも一緒に聞いてくれるか?」

ドンカラス「いいだろう。聞いてやる」

ヤミカラス「どんな話が飛び出すか楽しみだぜ」

「ただ、ドンさんたちには少し難しい内容かもしれないがそれでもいいか?」

ドンカラス「フン、キサマはそうやってバカにしおって・・・」

「いやそういうわけじゃないぜ・・・」
 ▼ 917 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/20 01:28:35 ID:Z/3Qf9jI [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺たちは研究員たちのもとに行き

「皆さんすみません、お待たせしました」

A「待ってましたよナルディさん」

B「あ、ドンカラスとヤミカラスも来てくれましたね」

「はい、何とか説得しまして一緒に会議に参加してくれることになりました」

B「それは良かったです」

C「やぁ君たちも協力してくれて嬉しいよ。ありがとう」

Cがドンさんたちにそう声を掛けると

 ▼ 918 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/25 00:06:35 ID:Is3ImhiI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「キサマ誰に向かってその口聞いとるんだ!馴れ馴れしい口を叩くな!」

ヤミカラス「お前ボスの前では言葉選べよ」

ドンカラス「全く人間共はどいつもこいつも!」

またもやドンさんたちはCに向かってそう怒鳴った。

C「え?ちょ、ちょっと何だい?」

困惑するC。

A「よく分かりませんが何か怒っているみたいですね・・・」

C「そんな、私はただ・・・何故こんなに怒ってるんですか?」
 ▼ 919 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/25 00:22:12 ID:Is3ImhiI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あまり人に声を掛けられるのが好きじゃないみたいなのです。元々私たち人間社会とは距離を置いた自然界で生きてきましたから」

C「そうでしたか、孤高というわけですね」

「はい・・・」

俺はそう説明するしかなかった。

こんな具合でドンさんたちのプライドの高さには頭を悩まされる。

C「でしたらあまり馴れ馴れしく声を掛けるのは控えた方がよろしいですね」

「はい。とはいえ私のポケモンがこうして迷惑を掛けてしまい本当にすみません」

C「いえ、そんな気にしないで下さい」
 ▼ 920 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/27 23:53:47 ID:sj6gJt5A [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
D「野生のポケモンは私たち見知らぬ人間に対して警戒心を持ったりするのはごくありふれたことですから」

改めて彼らの心の広さに感心されられる。

「ドンさんたちも気持ちは分かるが、あまり面倒はおこさないでくれ。頼む」

ドンカラス「フン・・・・・」

A「・・・・そろそろ奴らについて詳しくお話頂けますか?」

「分かりました。まず偵察に出向いて奴らの半径100メートル圏内に近づいた時です。奴が鳴き声を上げると同時に手元の無線機にノイズが入ったのです」

A「それは無線機が何かの電波を捉えた時に鳴る特有のノイズですか?」

「そうです。それからこの映像を見て下さい」
 ▼ 921 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/27 23:59:35 ID:sj6gJt5A [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう言うと俺はタブレット端末を取り出し、映像を見せる。

「ドローンのカメラが捉えたものです」

A「あの時私たちのもとに届いたあの映像ですね」

「はい。このタブレットに録画していました」

C「ビルの上にいるのが2体のキラーリザードンですね」

「そうです」

〚グゥオオオオオオオ!!〛

〚ガガガ〜〜〜〜〜!!〛
 ▼ 922 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/28 00:12:01 ID:fd8A.GhI [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
奴らが鳴き声を上げると同時に画面に走るノイズ。

「・・・と、このように鳴き声を上げると映像が乱れ、鳴き声が止むと何事もなかったかのようにノイズも止みます。無線と映像のこの2点から鳴き声と同時に特有の電波を出し、鳴き声と電波の両方でコミュニケーションを取っていることが分かりました」

B「なるほど」

C「超音波みたいなものですね」

「また超音波とは波長などが違いますが、用途は同じでしょう」

ドンカラス「フン、どんなものかと聞いてみれば随分根拠が薄い話だな。たかが機械の雑音で決めつけるなどな」

ヤミカラス「所詮はこの程度か」

相変わらず難癖をつけてくるドンさんたち。
 ▼ 923 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/28 00:53:35 ID:fd8A.GhI [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いいや、今までの長い経験からもこれは間違いはないぜ」

ドンカラス「どんなものか」

C「それで他の電波に弱いという弱点はどのようにして分かったのですか?」

「それは次にこの映像を見て下さい」

タブレット端末を操作し、映像を切り替える。

A「先ほどと同じ映像ですね」

「はい。同じく2体のキラーリザードンです」

B「落ち着いていて特に変わった様子はありませんが?」
 ▼ 924 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/28 01:03:07 ID:fd8A.GhI [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ただここで他の電波にどう反応するか気になり、手元の無線機の電波出力を最大にしてみたところ」

「グ・・・グォオオ・・ググ・・・」

「・・・とこのように明らかに混乱しているような苦しんでいるような素振りを見せたのです」

一同「おおぉ!」

C「確かに苦しんでいますね」

俺は映像を見せながら続ける。

「そして電波を止めると・・・」

キラーリザードン「・・・・」
 ▼ 925 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/03/28 01:10:40 ID:fd8A.GhI [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・このように何事もなかったかのように落ち着きを取り戻したのです」

一同「おおぉ!」

「以上の点から自分たち以外の電波に弱いということが判明しました」

A「なるほど。さすがですねナルディさん」

B「こうやって調べていたのですね!」

C「これは私たちも気づきませんでした」

ドンカラス「まさかここまで分かっていたとはな。まぁキサマにしては上出来だな」

「まぁな」

ヤミカラス「ただどうやってやっつけるかが問題だな」

 ▼ 926 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/04/11 00:34:01 ID:McmgudC. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「確かにそうだな。弱点ばかり分かっても倒せなきゃ意味ないぞ」

「大丈夫だ。ちゃんと考えがあるぜ」

ドンカラス「考えって何だ。話してみろ」

「そうせかさないでくれ、順を追って話す」

A「あとはどう奴らを倒すかですね」

C「この弱点や特性をうまく利用することがカギになりそうですね」

「すでに私に考えがあります」

B「本当ですか!?」
 ▼ 927 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/04/11 00:42:35 ID:McmgudC. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「私にぬかりはありません」

A「そういえば奴らのコンピューターの情報が分かれば奴らに大ダメージを与えられるとかおっしゃってましたね」

「はい」

D「コンピューターの情報でどうダメージを与えられるのですか?」

E「奴らは自ら防衛システムを構築している為、コンピューターへはアクセスもできませんが」

「順を追って説明します。Cさん、確か奴らのコンピューターのシリアル番号やIDなどの情報を持っているとおっしゃってましたね」

C「はい。確かに持っています」

「見せて頂けますか?」
 ▼ 928 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/04/11 00:52:07 ID:McmgudC. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
C「分かりました。ちょっと待っててください」スッ

そう言うとCはおもむろに立ち上がる。

「どこか行くんですか?」

C「車に私のパソコンを取りに行くのです。コンピューターの情報はその中に入っていますので」

(そう言えば無線で話したときパソコンのフォルダに保存しているとか言ってたな・・・)

ふとそんなことを思い出す。

「分かりました」

C「すぐ戻りますので」
 ▼ 929 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/04/25 00:46:25 ID:kVx.8Zoc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タッタッタッタッ

Cは車の方に駆けていき、おもむろに車のドアを開けると中をあさり始めた。

C「えっと・・・確かこの辺に・・・」ガサガサ

どうやら自分のパソコンを探すのに少し苦戦しているようだ。

A「Cさんあまり散らかさないで下さいね」

C「はい!」

数分後、Cが戻ってきた。

タッタッタッタッ
 ▼ 930 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/04/25 00:57:51 ID:kVx.8Zoc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
C「すいません遅くなりました!」

「いえ。それでありましたか?」

C「はい。これです」

Cは俺にノートパソコンを手渡す。

C「自分のパソコンを探すのに手間取ってしまいました」

B「Cさん自分のものくらいは整理整頓しないとダメじゃないですか」

C「そうですね、すいません・・・」

E「探したあと片づけてきましたか?車の中には私たちの重要書類などもありますので」
 ▼ 931 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/04/27 01:24:37 ID:NvMwyxBY [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
C「もちろんそれは片づけてきました」

E「それなら良かったです」

どうやらCはあまり整理整頓が得意な方ではないようだ。

俺もどちらかというと得意な方ではないが。

まぁ今はそんなことはどうでもいい。

「ご協力ありがとうございます」

C「いえ」

「さっそく立ち上げてみます」
 ▼ 932 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/04/27 01:41:28 ID:NvMwyxBY [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
C「はい。どうぞ」

俺は早速Cのノートパソコンの電源を入れる。

するとパソコンは特有の低い唸り声をあげ、黒をバックにロゴ画面が現れた。

ちなみにこの唸り声は決して故障などではなく、内蔵された冷却ファンによるものだ。

特に何ということもない音だが今となってはこんな音でさえいつもより過敏に感じる。

それだけ場が張り詰めているからだろうか。

その後間もなくアイコンがずらりと並んだデスクトップ画面が表示される。

「データはどこにありますか?」
 ▼ 933 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/04/27 01:52:00 ID:NvMwyxBY [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
C「確かエクスプローラ内のC-578ファイルの47番フォルダにあるはずです」

「分かりました」

エクスプローラを散策して間もなくそのフォルダを見つける。

「・・・これですね?」

C「そうです」

カチ・カチ・・・

フォルダをダブルクリックする。

すると何百行にも及ぶアルファベットや数字、記号の行列が表示された。
 ▼ 934 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/03 00:18:10 ID:QMSYovk6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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とまあこんな具合にだ。

実際はこれよりもっと複雑だが。

少なくとも普通の人が見たら何が何だかさっぱりだろう。
 ▼ 935 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/03 00:43:22 ID:QMSYovk6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でも俺にかかればどれがどれか一目で分かる。

「・・・かなりの情報量ですね」

C「ただでさえ1体のコンピューターあたりの情報量が大きいですからね。それが21体分ですので」

「なるほど」

C「パソコンの内蔵メモリには入りきりませんでした」

「それでこの後付けのハードディスクに入っているわけですね」

C「そうです」

だが俺でもこれほどの情報量だとは思わなかった。
 ▼ 936 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/03 00:56:07 ID:QMSYovk6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
正直少し想定外だ。

ここでドンさんがパソコンを覗きこみながら

ドンカラス「何だ?この変な記号みたいなのがたくさん並んでるのは。何かの暗号か?」

「ああ。奴らに関する暗号みたいなものだよ。これが奴らを倒すカギになるんだ。だから悪いが少し静かにしててくれ」

ドンカラス「これをキサマが解くのか?」

「そうだ」

ドンカラス「フン。キサマなんかに解けるのか?」

「それを今からやってみるんだ。だから静かにしててくれ」
 ▼ 937 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/05 00:21:56 ID:5vbMr6fI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「まぁどんなものか見てやろう」

とにかく1行づつ目を通していく。

一文字も見落とさず瞬時に判別しながらだ。

そしてようやく全てに目を通し終える。

「・・・全てチェックしました」

ドンカラス「何だ?もう解けたのか?」

「ああ。まぁな」

A「・・・どうですか?」
 ▼ 938 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/05 00:50:55 ID:5vbMr6fI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「これなら使えます。皆さんよく聞いて下さい」

一同「はい」

「この情報をもとに奴らのコンピューターをハッキングしてシステム内に侵入します。そして奴らのネットワーク回線を介して21体すべてにコンピューターウイルスを感染させシステムそのものを破壊するんです」

ドンカラス「・・・それが解いた答えか?」

「ああ」

ヤミカラス「なんだよ。何が何だかさっぱりだぜ。分かりやすく説明しろよ」

「まぁ簡単な話がコンピューターウイルスっていうウイルスの一種で攻撃するんだ」

ドンカラス「生物兵器か?それは」
 ▼ 939 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/12 00:12:10 ID:qvwMzgKo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いや生物兵器とはまた違う」

ドンカラス「それじゃ何だ?」

「説明するのは難しいがコンピューターを使って攻撃するんだ」

ドンカラス「よく分からんがコンピューターを使ってウイルスってやつで攻撃するわけか?」

「そういうことだ」

ドンカラス「やっぱり人間共のやることはよく分からんな。普通に攻撃すればいいだろうに」

ヤミカラス「全くですよ」

「まぁとにかくここは俺たちに任せてくれ」
 ▼ 940 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/12 00:35:01 ID:qvwMzgKo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「ハッキングとコンピューターウイルスですか・・・」

「あの、何か?」

A「その方法なら確実にシステムを破壊できるかもしれません。ただ、あまり好ましいものとは思えません」

「何故ですか?」

A「リスクが大きいです。ハッキングというコンピュータにとって想定外のことをして何が起るか分かりませんし、何よりウイルスが流出して世界中のネットワーク回線に広がったら取返しがつきませんよ」

B「それにハッキングもウイルスも古くからサイバー犯罪に使われる手口です。いくら何でもこれは・・・」

「それは分かっています。ただアクセスができない以上ハッキングなどで強制的に侵入するしかないんです。それに外部からでの攻撃では決して倒せません。このように内部からも攻撃して弱体化させないと無理です」

一同「・・・・・」
 ▼ 941 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/12 00:53:22 ID:qvwMzgKo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンさんたち二匹を除いてうなだれる一同。

ドンカラス「何だ?キサマら煮え切っとらんな。話し合ってたんじゃないのか?」

「ドンさんは心配しなくても大丈夫だぜ」

C「・・・ハッキングは仕方ないにしても、せめてコンピュータウイルス以外でシステムを破壊する方法はありませんか?」

D「やはりウイルスの使うのは危険ですよ」

「私も研究家として長いこと様々なコンピュータに触れてきましたが、これほど手ごわいシステムは類を見ません。21体のコンピュータすべてが固く連携し、もはや一つの巨大な生き物です。こうなってる以上ウイルスで破壊するしか方法が見当たりません」

A「・・・分かりました。ナルディさんやりましょう!」

B「そうですね。リスクを恐れては何もできません」

 ▼ 942 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/15 21:27:48 ID:xlN2LJSc [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日は少し早めに更新します。




C「ただ、肝心のウイルスはどのように用意しますか?」

「私がここのコンピュータで独自のプログラミング技術を応用して作成します」

D「ナルディさん、何故そんなにハッキングやコンピュータウイルスにも詳しいのですか?」

「今までたくさんのコンピュータに触れてきて、その関係で様々なサイバー犯罪も調べてきたからです。少しでもこの犯罪が減ればとの思いで」

D「そうでしたか。あまりに詳しいのでてっきりサイバー犯罪に関わったことがあるのかと思ってしまいましたよ」

「犯罪に使うなんてそんなとんでもない。私はそんなことは決してしません」

A「そうですよね。それを聞いて安心しました」

「本当は私もハッキングとウイルスはあまり使いたくない方法でした。リスクが高い以前に犯罪に使われる手口ですので」
 ▼ 943 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/15 21:41:09 ID:xlN2LJSc [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「ナルディさんもそうでしたか・・・」

「ただ奴らを倒すにはこれを使うしかない。悩んだあげくそう断定したんです」

C「いわば禁断の切り札ですね」

「はい」

A「それでウイルスで攻撃した後はどうしますか?」

「奴らの苦手な電波で攻撃しながら私たちで直接とどめを刺します」

C「どのように電波で攻撃しますか?」

「同じくコンピュータで電波を作成し、あのアンテナで電波を飛ばして攻撃します」
 ▼ 944 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/15 21:56:11 ID:xlN2LJSc [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「ナルディさんが持ってきたあの組み立て式のパラボラアンテナですね」

「そうです。ご存知かとは思いますがあのアンテナは地下でも電波を送受信できますのでこの地下駐車場からでも電波を使った攻撃ができます」

A「なるほど。目立たないここからなら奴らにアンテナを壊されたりする心配も少ないですね!」

「そうです」

B「ただ、電波で攻撃している時は電波の影響で無線が使えなくらったりしませんか?無線で通信できないともしもの時命取りですよ」

C「それに他の電波塔などの通信システムに悪影響を及ぼす恐れもあります」

「そこは大丈夫です。他の通信電波には影響を与えないように電波の波長、周波数、強さすべてを綿密に計算し調整しますので」

D「それにしてもこの基地のアンテナはこの一つだけです。このアンテナを攻撃用に使ったら無線用のアンテナはどうするんですか?」
 ▼ 945 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/05/15 22:06:19 ID:xlN2LJSc [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
F「言われてみれば確かに通信用のアンテナが別に必要になりますね」

「大丈夫です。このアンテナは一台で複数の電波を送受信できるんです。つまりこれ一台で攻撃用と無線通信用の両方をまかなえます」

B「そうなんですか!すごいアンテナですね!」

C「私たちにも一台欲しいくらいですよ。どこに売っているんですか?」

「残念ですがこれは特注で作ってもらったものなので市販には売っていないんです」

そう、この組み立て式のアンテナはアメリカの精密機器メーカーに直接依頼して作ってもらったものなのだ。

それゆえ値段もなかなかだった。

C「ということは世界に一台しかないんですね」
 ▼ 946 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/05 00:28:03 ID:e8oI7ew. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「世界に一台は大げさかもしれませんが、それに近いです」

A「アンテナはこの一台で大丈夫。それに妨害電波も他の通信システムに影響をあたえにくい・・・ということは電波で攻撃している時も無線で話したり、発信機で奴らの様子を捉えたりできるわけですね!」

「その通りです。特に無線が使えるかで命運を分けます」

B「そうですね。無線ができないと情報を共有することもできませんから」

「作戦をまとめると今夜はウイルスで攻撃して奴らのコンピュータを破壊し、明日は妨害電波で攻撃して満足に身動きが取れなくなったところを私たちで直接攻めます」

一同「はい!」

C「ただ、具体的にどのように攻めたらよいでしょうか?」

D「研究所から逃げたポケモンを捕獲するときに麻酔銃と催涙銃を使ったことはありますが」
 ▼ 947 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/05 00:37:31 ID:e8oI7ew. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
E「本格的な銃火器とか爆弾とかそのようなものは使ったことがありません」

「大丈夫です。私は銃火器片手にドンカラスとヤミカラスと一緒に攻めます。皆さんはその麻酔銃や催涙銃で援護して頂けたらと思います」

A「う〜ん、毒も放射線も効かない奴らにまず催涙銃は無理でしょう」

B「確かにそうですね」

C「んん?・・・皆さん待って下さい!!」

Cが何かを思いついたようにいきなりそう大声で言った。

「どうしたんですかCさん!」

E「何か名案でもありますか?」
 ▼ 948 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/05 00:47:37 ID:e8oI7ew. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
C「麻酔銃ならとっておきのを持ってきてるじゃないですか!」

A「あ、そう言えば!」

B「すっかり忘れていました・・・」

「何ですか?そのとっておきの麻酔銃といいますのは?」

C「今持ってきます」タッ

タッタッタッタッ・・・・

そう言うとCは自分たちの車方に駆けていった。

数秒後、間もなくCが巨大なライフル銃のようなものを抱えて戻ってきた。
 ▼ 949 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/11 23:57:01 ID:h4z.3b7M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タッタッタッタッ・・・

C「はぁ、はぁ・・これです!」

Cは俺にその麻酔銃を見せながら話す。

C「私たちの研究所で最も強力な麻酔銃です。万が一の為にと持ってきたんです」

D「奴らが研究所から逃げ出す前、奴らが檻の中で暴れた時もこの麻酔銃を使って大人しくさせてました」

「これなら奴らにも効きますね」

A「はい。一時的ですがこの麻酔銃を使うと動きを封じさせることができるんです」

「でも奴らは弾丸を跳ね返すほどの鋼の皮膚を持っていて、毒も効かないはずでは?」
 ▼ 950 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/12 00:09:11 ID:EqOgBRmo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「はい。ですがこれは先端に非常に細い特殊な注射針が内蔵されていて、衝撃で飛び出すと奴らの鋼の皮膚にも刺さり麻酔薬が注射されるようにできているんです」

C「中の麻酔薬も奴らに効くように特殊に調合されたものです」

「これは心強いです。それで時間はどのくらい効きますか?」

A「大体数分、もって十数分ほどです」

「もってそのくらいですか・・・でも十分時間稼ぎはできます。皆さん、明日はその麻酔銃で援護をお願いします!」

一同「任せて下さい」

「それにしても随分大きな麻酔銃の弾ですね」

A「何しろ相手が相手ですから」
 ▼ 951 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/12 00:46:37 ID:EqOgBRmo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「これでもなかなか効かないことがあったぐらいです」

麻酔銃そのものの大きさもさることながら何よりその麻酔銃の弾の大きさに驚いた。

対戦車グレネードランチャーの弾ほどの大きさはある。

最も相手が相手なのだからこのぐらいは必要だろう。

「・・・というわけだ。ドンさん、ヤミカラス、作戦の流れは分かったな?」

ドンカラス「ああ、今夜はそのウイルスとやらで攻撃し、明日は奴らの嫌う電波で攻撃しながらワシらで直接とどめを刺すんだろ」

ヤミカラス「俺たちは俺たちのやり方で攻撃すればいいんだな?」

「そうだ。頼むぜ」

 ▼ 952 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/15 00:40:10 ID:cFXMFESA [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「こうして作戦もまとまりましたし、あとはひとまず市長たちに中間報告ですね」

C「でもどなたが報告したほうが・・・」

「私が無線で報告します」

C「分かりました。ナルディさんお願いします」

「はい」

俺はロック市長とルイ博士のもとに無線を入れる。

市長「ザザ・・・はいこちらロックとルイ博士です」

「こちら基地から、ナルディです。どうぞ」
 ▼ 953 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/15 00:53:25 ID:cFXMFESA [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「ナルディさん!どうですか?そちらの様子は」

「今のところ問題ありません」

市長「どうかされたのですか?」

「実は作戦がまとまりましたのでご報告させて頂こうと無線を送りました」

市長「本当ですか!?」

その時、

博士「何!?作戦がまとまったって本当かいナルディ君!?どんな作戦なんだい!」

博士が慌てた様子で無線に出る。
 ▼ 954 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/15 01:03:01 ID:cFXMFESA [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「博士、落ち着いて下さい」

博士をなだめる市長の様子がうかがえる。

博士「いやぁすまない。つい慌ててしまって」

「いえ、大丈夫です」

市長「作戦についてお話頂けますか?」

「分かりました。今回の作戦は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

俺は今夜奴らのシステムをコンピュータウイルスで破壊し、明日電波で攻撃しながら直接攻めるという一連の作戦を事細かく話した。

奴らのコンピュータには防衛システムが働いていて直接アクセスできない為、ハッキングを利用して強制的に侵入すること。
 ▼ 955 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/15 01:12:04 ID:cFXMFESA [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして自分がプログラミングして作ったウイルスを感染させてシステムそのものを破壊すること__

もちろんウイルスには絶対外部に漏れないように細心の注意を払っていること__

他の電波機器や通信システムにはなるべく悪影響を与えないように周波数や強さを調整して作成した妨害電波で攻撃すること__

そして最終的に私たちで強力麻酔銃や銃火器などの武器も用いて直接攻めること__

などだ。

「・・・・・・・・・・以上です」

市長「なるほど分かりました。奴らの特性などをうまく生かした素晴らしい作戦です」

「ありがとうございます」
 ▼ 956 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/19 23:41:35 ID:DaYMoz2Y [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「ウイルスや妨害電波による攻撃は万が一のリスクは大きいがうまくいけば効果は絶大だろう。やらない理由はないね」

「はい。リスクを恐れては道は切り開かれません」

博士「でもナルディ君、そんなハッキングとかコンピュータウイルスとかどこで学んだんだい?」

「過去コンピューターに触れてきてサイバー犯罪に関しても調べているうちに自然と覚えたんです。それがまさかこのような形で役に立つとは私自身も思いませんでした」

博士「そうか。それはよかった」

「何故ですか?」

博士「いやぁ一瞬君が犯罪にでも手を染めたんじゃないかと思ったよ」

「私は間違ってもそのようなことはしません」
 ▼ 957 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/19 23:51:23 ID:DaYMoz2Y [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「そりゃあそうだよね。一瞬でも疑ってしまってすまない」

「いえ気にしないで下さい」

博士「だが一応言っておくよ。間違ってもそれで世界征服とかよからぬことをしないようにね」

博士は冗談交じりながらも本気でそう言った。

「もちろん分かっていますよ博士」

市長「皆さんいよいよこの後から戦いが始まるわけですね」

一同「はい!」

市長「私たちはこの作戦が成功しこの戦いに勝利することを信じています。では私たちはこれで。健闘を祈ります」
 ▼ 958 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/20 00:08:05 ID:Q30EIroU [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ザザッ

市長はその言葉で締めくくり、通信が終わる。

「では今夜のウイルスによる攻撃を第一次作戦、明日の電波及び直接の攻撃を第二時作戦とし、いまから第一次作戦を決行します!」

一同「はい!」

「私がウイルスで攻撃をしている間、皆さんは奴らの動きを監視して下さい!」

一同「分かりました!」

A「では私とBとCはレーダーや奴らから出る発信機の信号を使って監視します」

D「ではA、B、C以外の私たちはこの上のコトブキ商業センタービルで暗視スコープを使って目視で監視します」
 ▼ 959 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/20 00:35:22 ID:Q30EIroU [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
E「このビルの高さなら奴らの様子も見えるかと思います」

F「人の目による監視も必要ですので」

「そうですね。でも暗視スコープなんて持っていたんですね」

D「はい。これも何かの為にと持ってきたんです」

「絶対見つからないで下さい!暗闇でも奴らは目が効きますので!」

D「分かっています!」

「それからこのビルは耐震補強などで頑丈に作られているとはいえ損傷を受けているのは確かです!その点にも過信せず細心の注意を払って下さい!」

D「もちろんです!何か動きがあったらすぐ無線を入れます!」
 ▼ 960 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/20 00:48:28 ID:Q30EIroU [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分かりました!皆さん配置について下さい!」

一同「はい!」タタタタタタッ

かくしてこの瞬間から戦いは始まった。

A「私はレーダーを見ます。BとCさんは奴らから出る発信機の信号を頼みます!」

B,C「はい!」

A,B,Cは基地のレーダー機器の前に身を置き、レーダーや電波を使った監視を始めた。

電波や信号を解析し、周波数や波長、強さなどからも奴らの動きを割り出すのだろう。

D「皆さんこっちです!」タッタッタッタッ
 ▼ 961 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/20 00:59:29 ID:Q30EIroU [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
E,F,Gその他一同「はい!」タッタッタッタッ

E「上へと通じる道はこの非常階段だけですか?」

F「そりゃそうですよ。電気が止まっていてエレベーターもエスカレーターも皆止まっていますから」

G「でも少し階段はキツイですよ・・・」

D「この際仕方ないです!それにエレベーターとかだと万が一閉じ込められる危険もありますからこういう時は階段が一番安全なんです!」

G「言われてみれば確かにそうですね」

D「皆さん時間は限られています!急ぎましょう!」

一同「はい!」
 ▼ 962 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/22 00:59:02 ID:IzPc2f2Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方A,B,C以外のDたちも非常階段を駆け上がり、上の商業ビルに向かう。

そしてしばらくして無線が入る。

D「ザザッ・・・こちらDです。応答願います。どうぞ」

B「こちら基地にてBです。どうぞ」

D「ただ今商業ビル14階フロアに到達。これより監視を始めます。」

B「了解しました。こちらもレーダー機器を用いた監視体制に入っています。」

D「ナルディさんのウイルス攻撃の方はどうですか?」

B「これから始めます」
 ▼ 963 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/26 21:55:14 ID:qcxoNCqs [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
D「了解しました。また無線を送ります」

ザザッ

これにて無線は一旦終了する。

B「今彼らからの無線で14階フロアに到達し、監視体制に入っている模様です」

A、C、俺「分かりました!」

B「ナルディさんウイルスの攻撃の方はどうですか?」

「いつでもスタンバイOKです!」

A「それでしたらこのコンピューターを使って下さい!」
 ▼ 964 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/26 22:08:03 ID:qcxoNCqs [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Aは一台のパソコンを指さしながらそう言った。

この基地でのメインコンピューターにあたる一台だ。

「はい!それからCさん、あなたのノートパソコンもお借りしていいですか?」

C「何に使うんですか?」

「あのパソコンに入っている奴らのコンピューターの情報が必要ですので」

C「そうでしたね!もちろんです!どうぞ!」

俺はCのパソコンを見ながらメインコンピューターにシリアルナンバー、パーソナルIDなどの情報を入力する。

カタカタカタカタ・・・・
 ▼ 965 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/26 22:22:15 ID:qcxoNCqs [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピ・・ピ・・ピ・・ピ・・ピ・・・・・

この薄暗い基地にキーボードの小刻みな音とレーダー機器から発せられる等間隔に波打つような音だけがこだまする。

間もなくメインコンピューターの画面に21体分のコンピューターシステムへのアクセス通路が表示された。

通路といっても

555vf4d5d5v54g5445t4hf4h54
sfhkho4;aljdlkldjlgklylkkb0t,,
dkfjflll5555vf::fgl

こんな具合にアルファベットや記号や数字が乱雑に並んでいるだけのもので一見見ただけでは何が何だか分かりにくい。

だが当然奴らは防護システムを張っていてアクセスを受け付けない為

「error chord:access clenied!」(エラーコード:アクセス拒否)
 ▼ 966 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/27 00:18:11 ID:xYZAnO6c [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
と表示されアクセスなんかできるはずがない。

でもこんなのは全くの想定内。

カタカタカタカタカタカタ・・・

膨大なコンピューター情報やハッキング技術を応用して何とか強行突破を試みる。

カタカタカタカタカタカタ・・・

だが思った以上にガードは鉄壁だった。

少しの隙も許さない。

ガードの固さは政府のネットワーク、いや下手したらそれ以上かもしれない。
 ▼ 967 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/27 00:28:44 ID:xYZAnO6c [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こちらの進攻をことごとく「error chord:access clenied!」とはねのける。

A「ナルディさん大丈夫ですか?すごい汗ですよ」

「ええ、思った以上に奴らのガードがきつくて少しアクセスに手間取っているんです」

A「そんなにコンピューターのガードが強靭でしたか・・・」

「でもこのぐらい大丈夫です」

A「頑張って下さい」

「はい」

しばらくそんな様子を静かに見ていたドンさんたちだったが

 ▼ 968 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/27 00:42:42 ID:xYZAnO6c [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「さっきから黙って見ているがキサマらどういうつもりだ!機械なんかとにらめっこしおって!奴らと戦うんじゃないのか!」

戦ってるようには見えない俺たちにしびれを切らしたのかそう怒鳴った。

一同「・・・・」

だがその時は皆集中していて誰も返事しようとしなかった。

無論俺もだ。

ヤミカラス「おいお前らボスのこと無視するのかよ!」

ドンカラス「おいナルディ!キサマも何か言ったらどうなんだ!」

「ドンさんたち悪いが後にしてくれ!今大切なとこなんだ!」
 ▼ 969 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/27 00:56:16 ID:xYZAnO6c [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「何だと?」

「もう”戦い”は始まってるんだ」

ドンカラス「戦いだと?これがか?」

ヤミカラス「全くそうは見えないけどな!」

「最初はコンピューターを使ってウイルスで攻撃すると言っただろ?今それをやってるんだ」

ドンカラス「ほう、じゃそのウイルスで攻撃って具体的にはどういう事なんだ?」

「簡単に言うとこのコンピューターを使ってあいつらのコンピューターシステムを破壊してるんだ。あいつらは半分はコンピューターでできてるから相当ダメージを与えられるはずだ」

ドンカラス「フン、なるほど。形はどうであれ要するにキサマは奴らと戦ってるわけだな?」
 ▼ 970 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/27 01:05:39 ID:xYZAnO6c [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そういうことだ」

ドンカラス「それじゃ他の奴らは何やってるんだ?」

「一緒に戦ってくれてるぜ。あいつらの監視をしたり、いろいろサポートしてくれたりな」

ドンカラス「なるほど。こう見えてキサマ以外の奴らも戦ってるわけだな」

「ああ」

ドンカラス「それでワシらは何すればいいんだ?」

ヤミカラス「何にもしないのも暇だからな」

「今は何もしなくていいぜ」
 ▼ 971 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/29 01:08:39 ID:KMCs6UMk [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「何だよそれ」

ドンカラス「ワシらじゃ役に立たんというのか?」

「いやそういうわけじゃないぜ。ただこの戦いにはコンピューターが使えないとダメなんだ。ドンさんたちはコンピューターは使えるか?」

ヤミカラス「ぬぅ・・・」

ドンカラス「人間共のコンピューターなどキサマらしか使えんに決まってるだろ」

ヤミカラス「お前知っててわざと聞いたな」

「だろ。だからここは俺たちに任せてくれ」

ドンカラス「それなら奴らの様子でも見てくるか。行くぞヤミカラス」
 ▼ 972 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/29 01:19:48 ID:KMCs6UMk [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「はいボス」バサッ

そう言うとドンさんたちはこの地下駐車場の出口から飛び立とうとした。

「ドンさんヤミカラスそれはダメだ!止めろ!」

もちろん俺は急いで止めた。

A「ナルディさんどうしたんですか!?」

「この二匹が外の様子を見てこようと飛び立とうとしたんです」

B「それはマズイですよナルディさん。危険です」

C「そうですよ。ただでさえ暗くて奴らの様子も見えないのに」
 ▼ 973 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/06/29 01:35:10 ID:KMCs6UMk [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分かってます。今から説得します」

A「頼みますよ」

ヤミカラス「ったく何で行っちゃダメなんだよ!」

ドンカラス「外の様子ぐらい良いだろう!こんな時にじっとしてられるか!」

ヤミカラス「戦いは始まってるというのに何もしないでじっとしてろっていうのかよ!」

ドンさんたちの正義感の強さには時に悩まされる。

「気持ちは分かるが外は危険だ。もうすぐ夜でただでさえ暗闇で視界が遮られるのに」

ドンカラス「フン、そんなのは平気だ。キサマらと違ってワシらは夜でも目がよく効くからな!」
 ▼ 974 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/07/01 23:59:26 ID:XeEI/n6g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「俺たちは主に夜活動するからな!」

ドンさんたちは元々夜行性であるゆえ夜に目が良く効くことぐらい俺でも分かる。

だがそれ以前の問題である。

「だが奴らは21体もいるんだ。それにいくら目が効くとはいえ昼間よりは視界は限られる。その中に飛びこむなんていくらドンさんでも危険すぎる。何かあってからじゃ遅いんだぞ!違うか!?」

ドンカラス、ヤミカラス「ぬぅ・・・」

「偵察だってこうして他のみんながしてくれているんだ。何より直接の戦いは明日だ。今夜のところは俺たちに任せてドンさんたちは明日に備えてゆっくり休んでいてくれ。頼む」

そう説得すると

ドンカラス「フン、まぁキサマの言うことも一理あるか。そこまで言うならそうさせてもらおう」

 ▼ 975 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/07/02 00:10:11 ID:2QSYeDiA [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「そうですね。今夜はこいつらに任せてゆっくり休みましょう。本番は明日ですし」

ドンカラス「そうだな。体力も温存しとかんとな」

そう言ってドンさんたちは基地に戻ってくれた。

ドンカラス「その代わりキサマ今夜はワシらの分までしっかりやるんだな!」

「ああ、分かってるぜ」

何はともあれ分かってくれて一安心だ。

ドンさんたちが飛び出していったら奴らだって何をするか分からない。

A「ナルディさんそろそろ配置に戻ってください!」
 ▼ 976 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/07/02 00:22:19 ID:2QSYeDiA [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい!すみません少し遅くなりまして」

A「いえ。ですがあまり時間もありませんので」

「分かっています!」

俺は再度コンピューターの前につくと奴らのコンピューターシステムの防御を破る戦いに再び入った。

カタカタカタカタカタ・・・

だがハッキングを用いてもなおその鉄壁の防御はなかなか破れない。

依然「error chord:access clenied!」のメッセージではねのける。

(ここまで手ごわいとは、こうなったら・・・)
 ▼ 977 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/07/02 00:43:35 ID:2QSYeDiA [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「このコンピューターを使ってウイルスを作ってもいいですか?」

A「え?ナルディさんウイルスを作ってなかったのですか?」

「ターゲットのコンピューターシステムがどんなものか分からないとそれに合わせたウイルスを作ることができないんです」

A「そうでしたか・・・・」

「ただこうして防御を破る方法を模索している内に奴らのコンピューターシステムの構造や特性などが分かりましたのでウイルスを作ることにしました」

A「分かりました。それでどのようなウイルスを作るんですか?」

「なかなか防御システムが破れないのでまずはそれを破るためのウイルスを作って攻撃します。そして防御が破れたらシステムそのものを破壊するウイルスを作って攻撃します」

A「ウイルスを作る時間はどのくらいかかりそうですか?」
 ▼ 978 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/07/02 00:57:57 ID:2QSYeDiA [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「一つ10分もあれば大丈夫です!」

B「防御を破るためのウイルスに10分とシステム破壊用のウイルスに10分で計20分ほどですね」

「そうです!」

C「ですが2つもウイルスを作って大丈夫でしょうか?ウイルスが2倍だとリスクも2倍ですよ」

B「何回も言うようですが万が一外部に流失したら大変なことになります」

「細心の注意を払いますので大丈夫です!」

A「分かりました!ただ間違ってもウイルスでコンピューターを破壊しないで下さい。コンピューターはこの基地の生命線でもありますので」

「もちろん分かっています!」
 ▼ 979 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/07/02 01:07:10 ID:2QSYeDiA [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「それにしてもナルディさん考えましたね」

「何がですか?」

B「状況や用途に合わせて二段階に分けてウイルスを作るなんて、さすがです」

「いえ、何事も臨機応変ですので」

B「それもそうですね。頑張ってくださいナルディさん」

「ありがとうございます」

ハッキングでも防御が破れない以上ウイルスで破るしかない。

早速この防御システムの構造などを踏まえながらウイルスの作成に取り掛かる。
 ▼ 980 ンベアー@にがいきのみ 19/07/06 00:25:11 ID:ceF.l1kE [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「このシステムにはA言語を使って次はS言語を・・・」

複数のプログラムを絶妙に組み合わせる。

だがコンピュータウイルスはサイバー犯罪に使われるもの。

(こんなものを作っていいのだろうか・・・)

ウイルスの作成に取り掛かっているとそんな感情がつい芽生える。

(だがこれは平和のためだ!平和のためには致し方ないんだ!)

そんな時はそう言い聞かせる。

もちろんウイルスを作るなんて決していいことではない。
 ▼ 981 リン@たいようのふえ 19/07/06 00:36:16 ID:ceF.l1kE [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが今はそういってられないのだ。

そして11分後、システム破壊用のウイルスが完成した。

「防御システムを破るためのウイルスができました!」

A「できましたか!」

「はい!約束の時間より1分ほどかかってしまいましたが」

A「1分ぐらい全然気にすることありませんよ。早速試してみてください」

「もちろんです」

俺はいったんそのウイルスをパソコンのメモリに保存し、ネットワークを介して奴らの防御システムに送り感染させた。
 ▼ 982 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/06 00:54:54 ID:ceF.l1kE [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると防御システムを表している数字、記号、アルファベットの配列が明らかに変わった。

防御システムも

555vf4d5d5v54g5445t4hf4h54
sfhkho4;aljdlkldjlgklylkkb0t,,
dkfjflll5555vf::fgl

といった具合で表示されているため一見見ただけでは分かりずらいが。

ただこの現象は何かしらシステムに変化が起きたことには違いない。

「ひょっとしたら!・・・・」

そんな期待を抱き、改めてアクセスを試みる。

すると画面に「Access authentication succeeded!」(アクセス認証に成功しました!)と表示された。
 ▼ 983 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/06 01:10:36 ID:ceF.l1kE [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
SSとは関係ないですがPC買い替えにつきトリ変更しました。
最初の2レスは操作に慣れず、トリ打ち込むことができませんでした。



「YES!I DID IT!」(よし!やったぜ!)

思わず心の中でそうガッツポーズをした。

すなわちウイルスで防御システムそのものを書き換えたことによってシステム内部にアクセスできるようになったのだ。

書き換えたと少し難しい言い方をしたが、要は防御システムを破壊したわけだ。

「これ見てください!防御システムを破ってシステム内部への直接アクセスに成功しました!」

A「本当だ!やりましたね!」

B「これはなかなか大きな進展ですよ!」
 ▼ 984 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/06 01:23:19 ID:ceF.l1kE [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。ただこれはまだ序章に過ぎません。これからが本番です」

A「そうでしたね」

B「これで喜んではいられませんね」

C「いよいよシステム破壊用のウイルスの出番ですね」

「はい。ただその前に少しシステム内を散策してより詳しくシステムそのものを把握してからウイルスの作成に取り掛かります」

A「それもよりターゲットに合わせたウイルスを作ることができるからですね?」

「その通りです!」

A「流石ですナルディさん。計算していますね」
 ▼ 985 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/08 00:27:49 ID:/ms6oJYM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いえ。より詳細なシステムを把握でき次第、ウイルスの作成、攻撃に入ります」

A「分かりました」

早速システム内部にアクセスする。

するとそこは更に細かい21体の奴らのコンピューターシステムが独自のネットワークで接続され蜘蛛の巣のように複雑に張り巡らされていた。

文字や記号が並んでいるどころの話ではない。

「これほど複雑だとは・・・」

正直想像以上だ。

一歩間違えたら迷子になってしまうかもしれない。
 ▼ 986 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/08 00:35:52 ID:/ms6oJYM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが圧倒されているわけにいかない。

その蜘蛛の巣一つ一つにひたすら目を通していく。

やがで20数分後・・・・

(・・・・なるほど、こういうわけか)

このシステムがどんなものか、どんな作りが把握することができた。

最もシステムの全てとは言えないが。

全てを把握しようものなら少なくとも数時間はかかってしまうだろう。

もちろんそんな時間などない。


 ▼ 987 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/08 00:47:47 ID:/ms6oJYM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
システムの特性がわかったら次はウイルスの作成だ。

また独自に複数のプログラムを組み合わせながら作成する。

それから22分後、本命のシステム本体を破壊するウイルスが完成した。

しかし慎重にウイルスを作ったゆえに作成だけで当初の予定の倍以上の時間がかかってしまった。

それでもこのウイルスには俺の持っている知識全てを詰め込んだ。

自分でいうのもなんだが完璧といえよう。

だが先ほどのウイルスよりも強力ゆえ取り扱いにも注意が必要だ。

一旦慎重にパソコンのメモリに保存する。


 ▼ 988 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/11 21:59:14 ID:qQi.mwBg [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・今ウイルスが完成しました」

B「本当ですか!?」

「はい。これより攻撃に入ろうと思います」

A「分かりました」

「ただ・・・先ほどのウイルスより攻撃力が高いですが危険なのも確かです。私も万全は尽くしますが・・・」

A「分かっています。それも承知の上です」

B「リスクを恐れては何もできません。ナルディさんお願いします」

「分かりました!」


 ▼ 989 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/11 22:38:41 ID:qQi.mwBg [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
システムを介し、21体のコンピューターに一体ずつウイルスを送り感染させていく。

21体一斉にウイルスを送り感染させることもできなくはない。

このほうがすばやくできる。

だがウイルスが流出するなどリスクが大きい。

だから一体ずつ確実に、ウイルスが漏れないように感染させていく。

手間と時間は多少かかるがこのほうが確実だ。

そして21体全てにウイルスを感染させることができた。

奴らのコンピューターシステムを示す文字の配列が変わったのもその証拠の一つだ。
 ▼ 990 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/11 22:48:05 ID:qQi.mwBg [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それだけではない。

文字化けしている個所も見られることからシステムがダメージを受け始めているのも伺える。

「・・・今無事に21体全てにウイルスを感染させることができました」

A「本当ですか!?」

「はい。これを見てください」

俺は奴らのコンピューターシステムが表示されているパソコン画面をA,B,Cの皆に見せる。

勘がいい人はもう分かるだろうがコンピューターシステムが表示されているといっても、

wudoqihdoiql283ue8o
hqoiuo



 ▼ 991 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/11 22:56:09 ID:qQi.mwBg [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
hwqdikjhk8377h..
7377tr823gidkhaiisqhidq

実際はこんな具合で記号、アルファベット、数字のごちゃ混ぜの配列がずらりと表示されているだけだ。

まぁ要するに今までのシステムの表示方法と同じだ。

パッと見ただけでは何がなんだかさっぱりだろう。

ある意味暗号といえるかもしれない。

B「奴らの21体分のコンピューターシステムですね」

「そうです。何か気づくことありませんか?」

A「そうですね・・・」


 ▼ 992 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/11 23:42:28 ID:qQi.mwBg [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「う〜ん・・」

3人は目を凝らしてパソコン画面を見つめる。

すると間もなくその”異変”に気付く。

A「あ、文字の配列が書き換えられていますね!」

B「以前とは明らかに文字が変わっています!」

C「所々文字化けも見られますね!」

「そうです。この現象はウイルスに感染したことによってシステムが書き換えられたり、破壊されたりしたときに起こる特有の現象です」

A「ということは成功したってことですね!」
 ▼ 993 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/12 00:00:50 ID:yo5gjkK2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。間違いないです」

A「やりましたね!ナルディさん!」

「いえ喜ぶのはまだ早いです。あとは効果がどれ程現れるかが問題です」

A「確かにそうですね・・・」

「奴らの様子はどうですか?」

B「今確認してみます」

早速レーダー機器で調べるB。

B「・・・今のところは特に変わった動きは見られません」
 ▼ 994 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/12 00:09:59 ID:yo5gjkK2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ちょっと見せて下さい」

B「はい」

早速レーダーに目を向ける。

すると奴らを表す赤い点はレーダー上でゆっくり動いたり、時折まとまって集団で動いたりしていた。

だがそれは奴らの普通の動きだ。

確かに特に変わった動きではない。

「・・・まだ効果が表れてないようですね」

A「そうですか・・・・」
 ▼ 995 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/12 00:21:29 ID:yo5gjkK2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「果たして効果は現れるでしょうか?」

「こればかりは私にも何とも言えないです」

C「そうですよね・・・」

不安そうにレーダーを見つめる一同。

ところが数分後、レーダーの赤い点が突如一斉に不規則な動きを見せるようになった。

ぐるぐる回ったり、あちこち行ったり今までにない動きだ。

「こ、これは」

A「動きを見る限りでは奴らは悶え苦しんでいるようにも混乱しているようにも見えます」
 ▼ 996 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/13 00:43:56 ID:nNCkvqDI [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B「もしかして効果が表れたのでしょうか?」

「かもしれません。確認してみます!」

B「お願いします!」

俺はパソコンに向かうと奴らのコンピューターシステムから一度抜け、再度アクセスしてみる。

すると奴らのコンピューターシステムは完全に文字化けし、何が何だかさっぱりだった。

そして間もなく「error:unaccessible」(エラー:アクセス不能)とメッセージが表示された。

(・・・間違いない!)

俺は確信した。
 ▼ 997 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/13 00:54:02 ID:nNCkvqDI [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウイルスでシステムは完全に破壊され、それによって奴らは苦しみ混乱していることを。

「やりましたよ!効果はしっかり表れています!」

A「本当ですか!?」

「はい。この奴らのシステムの現状を見てください」

俺は先ほどのパソコンに表示されている文字化けした奴らのシステムを皆に見せた。

A「これは完全にシステムは破壊できましたね!」

C「ご丁寧にエラーメッセージまで出ていますよ」

「そうです。これによって奴らはコンピューターでまかなっている部分は大ダメージを受け、こうして混乱しているのです」
 ▼ 998 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/13 00:59:20 ID:nNCkvqDI [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A「ということはウイルスによる攻撃作戦は大成功ですね!」

「間違いないです!」

B「ひとまずはやりましたね!」

「はい!」

C「ただ、ひとつ気がかりなことがありますが」

「それは何ですかCさん」

C「コンピュータウイルスは大丈夫でしょうか?流出したりなどは」

「それでしたら大丈夫です。今のところ漏れる心配もなく奴らのコンピューター内にとどまっていますので」
 ▼ 999 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/13 01:06:22 ID:nNCkvqDI [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
C「それでしたら良かったです。」

そしてふと耳を澄ますと

グギャアアアアアァ・・・・

グオオオオオオォ・・・・・

奴らの断末魔のような鳴き声が外からこだましているのが分かった。

A「さすがに奴らも苦しんでいるようですね」

「はい。ただ奴らは生命力の強さも一級です。このぐらいでは倒れません」

A「ええ。分かっています」
 ▼ 1000 イムラー◆uaISyXuTis 19/07/13 01:14:11 ID:nNCkvqDI [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(ひとまずこのことをドンさんたちにも伝えるか)

俺はそう思いドンさんたちの元に向かった。

だが

ドンカラス、ヤミカラス「ZZZZZZZZ・・・・」

俺たちが気づかぬうちにドンさんたちはすっかり眠っていた。

(どうりでやけに静かだったわけか・・・)

よほど疲れていたのだろう。

無理もないか、ドンさんたちにとっても気が休まらなかったのは確かなのだから。
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