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【SS】サトシ「アローラ!最後の思い出づくり」

 ▼ 1 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/10/28 21:52:26 ID:bVMAG1/. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海は広いな 大きいな    月は昇るし 陽が沈む


この物語は アローラの海が アローラの太陽と月が アローラの人が アローラのポケモンが


大好きだった貴方に送る最後のエール



サトシ「前も海、後ろも海。右も海、左も海!全部海だ!」

ピカチュウ「ピカチュウ〜!」

サトシ「そして……海とおんなじぐらい青い空」

サトシ「ピカチュウ、なんかこうしてるとさ」

ピカチュウ「ピカ?」

サトシ「世界中にオレ達しかいないみたいな不思議な気持ちになるなぁ」

ピカチュウ「ピカァ」

サトシ「不思議で……ワクワクする!」



今度の「冒険」は、貴方に何をくれるだろう?


アローラは、貴方に何をくれただろう?


よければそろそろ聞かせてほしい。貴方のこの冒険が、どんなものであったかを。
 ▼ 257 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/07 18:06:29 ID:qCRsvvjc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「ヤシロちゃんはとても強いんだよ?最初は彼女自身ポケモンとしてバトルをするのに不安はあったようだけど、イッシュ地方での激戦の数々を経てどんどん力をつけていったんだ」

ムーマ父「今じゃ僕が連れているポケモン達の中では一番強い……なんて彼女自身はそう思うほどに自信をつけていたし、僕も否定はしてないよ」

ムーマ父「僕達は僕達の『冒険』をしているんだ。君達の家族の事情に首を突っ込もうとはこれっぽっちも思っちゃいない。だけどほんの少しだけヤシロちゃんを、リーリエちゃんと一緒に居させてほしいだけなんだ」

ムーマ父「ただ……その旅の中でどんな困難が来ようとも、君達に迷惑は掛けないと約束できる程の力はあると自負している。そう言いたいんだ」

グラジオ「あんたもそのムウマージも……オレ達の助けが必要ないというのか。本当にあんた達の近くにリーリエが居るだけでいいのか?」

ムーマ父「勿論!ヤシロちゃんは、リーリエちゃんからサトシ君のアローラでの出来事をもっともっと聞きたいだろうしね」

ムーマ「むぅ!」

ムーマ父「ほら、ヤシロちゃんもこう言って……って!いつからそこにいたの?」


リーリエ「お兄様……先程は取り乱してしまいすみませんでした……」

グラジオ「いやいいんだ。オレも色々と慎重になりすぎていたかもしれない」

リーリエ「それであの、ムーマちゃんは……」

グラジオ「仕方ない……あの人達とは一緒に行こう。オレも母さんに掛け合ってみる」

リーリエ「!」パァァ

シロン「こん!こぉぉん!」

リーリエ「やった!やった!ムーマちゃんとまたしばらく一緒に居ることができます!ありがとうございますお兄様!」

ムーマ「むぅむぅむぅ!」

グラジオ「……母さんとの話し合いが済んでからだぞ。どこまで一緒に居られるかも話し合わないといけない」

リーリエ「お母様ならきっと大丈夫です!とにかくありがとうございますお兄様!大好き!おにーちゃん♡」

グラジオ「うっ///」


リーリエ「というわけで!ようこそムーマちゃん!私達家族と一緒に楽しい『冒険』をしましょうね!」

ムーマ「むぅ!」

リーリエ「妹同士、お兄様達の愚痴もタップリ言い合いましょうね」ヒソヒソ

ムーマ「ムヒヒ♪」

ムーマ父「あはは……」

リーリエ「あぁ〜!!またムーマちゃんと一緒に居られるなんて今日はなんて良い日なのでしょう!これからの旅が楽しみで仕方ありません!」

グラジオ「あのな……何度でも言うが遊びじゃないんだぞ。こうしている間にも父さんが何をしているかオレは気が気じゃないんだ」

リーリエ「私はお父様のことを気にしていないなんて一言も言っていません!そんな堅苦しいコト考えないで、どうせ会うならありのままの私達を見せた方がお父様も安心なさるのではないでしょうか?」

ムーマ「( ・з・)むぅむぅ〜〜」

リーリエ「( ・з・)むぅむぅ〜〜」

グラジオ「くっ……全否定できない……」
 ▼ 258 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/09 20:30:55 ID:hWk2Yags [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「シロガネさん!ドンカラス達にも会わせていただけませんか?」

ムーマ父「うん、彼らも頼もしいよ。イッシュリーグの優勝はみんなで勝ち取ったものだからね」

ムーマ「むぅ!」


ドンカラス「ゴァァァァ!!」

ミミロップ「みみぃ!」

レントラー「う゛ぉぉぉっ!」

バシャーモ「シャモ」

フローゼル「ぜるるる……」


リーリエ「わぁぁ……!ドンカラス、久しぶりですね。ムーマちゃんとは仲良くやってますか?」

ドンカラス「ガァ」

ムーマ父「仲が良いどころか……コイツはヤシロちゃんにずっとベッタリだよ。これでもウチのエースなんだ」

リーリエ「ミミロップ!貴方も久しぶりです!私です、リーリエですよ?覚えてますか?」

ミミロップ「んみ♪」

ムーマ父「ミミロップは周りをまとめるのがうまい委員長タイプなんだ。バトルの要がドンカラスとヤシロちゃんなら、生活の要は勿論彼だろうね」

リーリエ「おっと、貴方は初めましてですねレントラー」

レントラー「…………」

ムーマ父「レントラーもミミロップと同じで面倒見がいいんだけど……ちょっとお人好しなところがあるんだよね。彼のお陰でヤシロちゃんのワガママは直らないのかも?」

リーリエ「おぉ、この子がバシャーモ……私もこの眼で見るのは初めてです」

バシャーモ「シュゥゥ」

ムーマ父「だろ?彼女をウチのパーティーに迎え入れるのには苦労したんだ……普段はクールに振る舞ってるけどホントはいいヤツだよ」

リーリエ「フローゼル!海難事故もこの子がいれば安心ですね♪」

フローゼル「ずず?」

ムーマ父「できれば遭いたくないんだけどね。いざという時でもあんまり彼女にばかり無理はさせられないよ」


ムーマ「むぅ♪むぅ♪」

リーリエ「素敵な仲間達ですね♪私もいつか自分だけのパーティーを組みたいものです」

シロン「こんっ」

マギアナ「ピピパピポポ」


グラジオ(リーリエとポケモンの距離があんなに近く……変わったなリーリエも。あそこまで変われたのも、リーリエに「冒険」の楽しさを教えてくれたアイツのお陰か)

グラジオ(……しかし、アイツを思い出す度にやっぱり変な奴だったって思ってしまうな。今頃何をやってるんだろうか)
 ▼ 259 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/09 20:33:43 ID:hWk2Yags [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミロップ「みぃみぃ♪」ムギュ

ムーマ「むぅ!」ギュウギュウ

シロン「こぉん♪」スリスリ

リーリエ「ひあわへ♡」


グラジオ「……なぁあんた、確かイッシュ地方のポケモンリーグで優勝したとか言っていたな」

グラジオ「ここでリーリエやサトシの知り合いであるあんたと出会えたのも何かの縁だと思う。少しだけオレとバトルしてくれないか?」

ムーマ父「うん、いいよ!僕で良ければ」

リーリエ「お兄様!?」

グラジオ「オレもバトルにはそこそこ自信のある方なんでな。アローラを旅立ってから己の腕とポケモン達の技を磨く為にいくらか勝負をやってきたがどうも歯ごたえのある相手が見つからなくてな……あんたとは面白いバトルができる気がする」

ムーマ父「よし……大会が終わってからはあまりバトルはしなかったからね。腕がなまっていなければいいんだけど」

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪
  ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

リーリエ「……」ドキドキ

グラジオ「シロガネ・ダンガ……イッシュ地方での数多のバトルを制したその実力を見せてもらおうか!……出でよ!聖獣シルヴァディ!!」

シルヴァディ「 ル ヴ ァ ァ ァ ァ ! ! 」

ムーマ父「な、なんだあのポケモンは!?」

グラジオ「コイツはシルヴァディ。オレがつけた名をもつ唯一無二のパートナーだ」

シルヴァディ「ヴァル」

ムーマ父「面白いね。ならこっちは……ヤシロちゃん!君の出番だ!!」

ムーマ「むぅ!むむむぅ〜〜!」

リーリエ「ムーマちゃんが!?」


シルヴァディ「クルルルルル……」

VS

ムーマ「むむぅぅ……」


リーリエ「うぅ……ムーマちゃんのポケモンとしてのバトルを見ることができるなんて……すごく興味がありますけどちょっと心配です」

リーリエ「お兄様達も絶対本気でムーマちゃんにぶつかってくる……そういう人ですもの。お兄様は」

ムーマ「むぅ!むぅ〜〜!」

リーリエ「ムーマちゃーーん!がんばれーー!!」

シロン「こぉぉぉん!」

グラジオ「…………」
 ▼ 260 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/09 20:39:35 ID:hWk2Yags [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グラジオ「シルヴァディ!『エアスラッシュ』!!」

シルヴァディ「ルヴ、ヴァァァァ!!」


ムーマ父「空気の刃か……ヤシロちゃん!『マジカルフレイム』!」

ムーマ「むい!」


ボ ォ ォ ォ … … ッ ! ! 


リーリエ「初撃をうまくいなせました!」

グラジオ「どこまで防げるか試してみようじゃないか!シルヴァディ、連続『エアスラッシュ』!!」

ムーマ父「かわせヤシロちゃん!」

グラジオ「何……っ」


ムーマ「むぅ♪むぅぅ……っ」スススイ

シルヴァディ「ムッ……」


リーリエ「『エアスラッシュ』を全弾かわしてる!すごい身のこなしです!あれがゴーストタイプの本領……」

ムーマ父「ヤシロちゃん!そのまま『10まんボルト』だ!!」

グラジオ「守りは上出来のようだな。なら攻めはどうだ!サトシの妹!!」


ムーマ「むぅぅぅ…… ま ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! 」


              ズ
               ド
              ド
             ド
              ド

             ! ! 


シルヴァディ「ガァァァ……ッ!!」


グラジオ「ぐっ!?これほどとは……」

リーリエ「大ダメージです!あのシルヴァディ相手にムーマちゃんが!」

グラジオ「まだだ!シルヴァディ、『アイアンヘッド』!」

ムーマ父「『シャドーボール』だ!ヤシロちゃん!」


シルヴァディ「ルヴォッ!」グォォ

ムーマ「まぁあっ!」ボッ
 ▼ 261 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/09 20:40:34 ID:hWk2Yags [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「ヤシロちゃん!もう一度『シャドーボール』だ!」

グラジオ「シルヴァディ、ストップだ」

シルヴァディ「!」


ムーマ「むぅぅぅまぁぁ!!」ボッ

ド ォ ォ ゥ ゥ ゥ … … ン ! !


ムーマ父「よし、また決まった!」

グラジオ「……どうかな?」

ムーマ父「っ!?」

グラジオ「『つるぎのまい』」


シルヴァディ「ルヴヴヴ……」キン! キン! キン!

ムーマ「むぇぇ!」

ムーマ父「微動だにしていない……効かなかったのか!?となるとシルヴァディはノーマルタイプ!」

グラジオ「ご名答だ。シルヴァディ、続けて『アイアンヘッド』!」

ムーマ父「ヤシロちゃん!回避だ!」


シルヴァディ「ヴァァァウ!」ブォン

ムーマ「むぃぃ!」


グラジオ「そこだシルヴァディ!『エアスラッシュ』!」

ムーマ父「くっ……『サイコキネシス』だ!それで空気の刃を食い止めるんだ!」

ムーマ「むっ!?」

ムーマ父「ダメだ!速すぎて間に合わない!」


ズバァァァッ……!


ムーマ「む゛ぇっ」


ムーマ父「ヤシロちゃん!」

グラジオ「今だシルヴァディ!『アイアンヘッド』!!」


シルヴァディ「ヴォォォォオ!!」


ムーマ父「『エアスラッシュ』よりは遅い……今度は確実に止めるんだ!『サイコキネシス』!」
 ▼ 262 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/09 20:45:15 ID:hWk2Yags [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「んむぅぅぅ〜〜〜!!」ギギギギ

シルヴァディ「っ!?」ガクン


グラジオ「動きが遅くなった!?……いやまだだ!突っ込めシルヴァディ!」

ムーマ父「もう少しだ!頑張れヤシロちゃん!」


ムーマ「むまぁぁぁっ!!」

シルヴァディ「!!」ピタッ


リーリエ「ピクリとも動かなくなった!」

ムーマ父「よしっ……そのまま念力で吹き飛ばせ!!」

グラジオ「しまった、シルヴァディ!!」


ムーマ「むぅぅぅ が あ あ あ あ あ ! ! ! 」

シルヴァディ「ル゛……」


ド ガ シ ャ ァ ァ ァ ア ア ア ン ! !   ガランガランゴロォォ……ン


グラジオ「…………!」

ムーマ父「よしっ……どうだ!」

ムーマ「むぅぅ……めぇぇ……」ゼェゼェ


グラジオ「まさかここまでとはな……気に入ったぜ。よし、シルヴァディ!」

シルヴァディ「ルヴァッ!」

リーリエ「あれは……ゴーストメモリ!」


グラジオ「シルヴァディ!ゴーストメモリを受け入れ、闇夜の霊獣となりて命を燃やせ!」

シルヴァディ「ル゛ーーーーヴァァァァーーー!!!」


ムーマ父「何だ?何が起こったんだ!?」

リーリエ「シロガネさん!シルヴァディは……

ブラッキー「ぶぅ!!」

リーリエ「あっ……ごめんなさい」


グラジオ「闇に墜とされんようにな。シルヴァディ!『マルチアタック』!!」

ムーマ父「来るぞヤシロちゃん!『マジカルフレイム』!!」
 ▼ 263 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/09 20:56:46 ID:hWk2Yags [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ズ ガ ァ ァ ア ッ ! !


ムーマ「むぐっ……!」ズキッ

グラジオ「フフ……」

ムーマ父「それで終わりか!ヤシロちゃん、『10まんボルト』!!」

グラジオ「かわせシルヴァディ!」


ムーマ「むまぁぁぁっ!!」

シルヴァディ「ヴァルッ」


ズ ド ド ド ド ド ド ド … … ッ ! ! 


リーリエ「……すごいですムーマちゃん。お兄様のシルヴァディと互角の勝負をするなんて」

リーリエ「あれがあの……ムーマちゃんなんですね。いつも元気で、そして明るくて、可愛くて、みんなを笑顔にしてくれたあのムーマちゃん」

リーリエ「……」ホロリ

シロン「こん?」

リーリエ「えへへ……あの頃のことを思い出してつい……私はサトシほどあの子に何かしてやれたわけではなかったけど、あの子と一緒にいた日々は何物にも代えることができない大事な思い出だから」

リーリエ「サトシに連れられてスクールにやってきた時のことは今でも鮮明に覚えています。それから色々な出来事があって……たった一ヶ月の間に本当に色々なことが」

リーリエ「プールで遊ばせるために我が家に招いたり、スイレンの家では『妹会』なるものが開かれたり、ロイヤルアベニューではサトシとムーマちゃんのデートも企画しました。私達は怪人のコスプレなんかもしましたねぇ……」

シロン「こぉん……」シミジミ

リーリエ「だけど良いことばかりではありませんでした。スクール裏の森でムーマちゃんが迷子になった時はカキとマオが喧嘩してクラスがバラバラになってしまわないかと不安になりましたし、それに……」

リーリエ「ムーマちゃんのお母様の一件……あの人のせいでムーマちゃんは……ムーマちゃんの夢は……」

ドンカラス「…………」

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https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=641568
>>341 >>348

ムーマ母「まったく……勝てないからってトレーナーに直接攻撃を仕掛けるのはルール違反でしょ?それとも、次は貴方が自分でこのドンカラスの相手になるっていうのかしら?」

ドンカラス「ガラガラガラ……」


ムーマ父「やめろドンカラス!僕だ!君のトレーナーだ!攻撃をやめろ!……今お前は、とんでもない事に手を貸してるんだ!」

ドンカラス「ドッ……!?」ピタッ

-------------------------------------------------------

ドンカラス「……クゥ」

リーリエ「……だけど、だけどムーマちゃんは乗り越えました。乗り越えて強くなりました!サトシやみんなと一緒に悲しみを振り切って、今もこうして続けられているんです。ムーマちゃん自身の『冒険』を」
 ▼ 264 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/10 19:26:01 ID:0ShwfwGg [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グラジオ「『マルチアタック』!!」

ムーマ父「『シャドーボール』だ!!」


ド ゥ ゥ … … ゥ  ゥ ゥ ! ! !

ムーマ「むぐっ……!」

シルヴァディ「ゴォォォ……!?」

グラジオ「『シャドーボール』……どうやら気付かれたようだな」

ムーマ父「さっきまでとは明らかに違う雰囲気、それに『マルチアタック』を撃ってくる時の身の毛のよだつようなシルヴァディのオーラ……シルヴァディは戦術によってタイプを変化させるポケモンと見た!」

グラジオ「さすがだ……だがわかったところで簡単に敗けるシルヴァディじゃない!闇夜の霊獣よ!もっと吠えろ!もっと恐怖を煽れ!」

ムーマ父「僕らだって今更そんな恐怖には屈しないさ!さぁいくぞ、ラストスパートだ!」

シルヴァディ「ヴルルルル……」

ムーマ「むぅぅ〜〜!むまむまむがぁぁぁぁ!!」


リーリエ「ゴースト同士の衝突、なんて気迫……油断していると圧倒されてチビってしまいそうです」

シロン(おい)

リーリエ「さぁシロン、マギアナ!それにみんなも一緒に、彼らをゼンリョクで応援しましょう!」

マギアナ「パピプピ」

ブラッキー「ぶぅ!」

ミミロップ「みぃみぃ!」


グラジオ「シルヴァディ!『エアスラッシュ』!!」

ムーマ父「今更そんなものには当たらないよ!かわせヤシロちゃん!その次は『シャドーボール』で反撃だ!!」


シルヴァディ「シルルルルル……ルヴァゥヴァァァ!!!」


リーリエ「お兄様ーっ!ファイトです! あっ、そこだー!やれーっ!」

ブラッキー「ぶぅ!ぶららぁっ!!」


グラジオ「来るか……ならソイツをかわして『マルチアタック』だ!」

ムーマ父「それを待ってたんだ!『サイコキネシス』!!」


ムーマ「むぁぁ!むまぁぁ!!むぐぁぁぁぁぁっ!!!」


ドンガラス「ガァ!ゴァァァア!!」

レントラー「ア゛オォォォッ!!」
 ▼ 265 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/10 19:27:17 ID:0ShwfwGg [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シルヴァディ「カーッ……ハァーッ……」

ムーマ「むぅ……むぇ……」


ムーマ父「ダメージが蓄積してる。そろそろ勝負を決めないと!ヤシロちゃん、『シャドーボール』だ!」

グラジオ「シルヴァディ、もう一度『つるぎのまい』だ。霊獣と夢魔が織りなす宵闇の宴もそろそろお開きにしよう」

リーリエ「まだ昼ですよ」


ムーマ「んむむむむむぅ……」ズゴゴゴゴゴ

シルヴァディ「ルヴッ」キィン! キィン! キィン! キィン!


ムーマ父「ヤシロちゃん!ファンタジーの力フルスロットルだ!十六夜の『シャドーボール』!!」

グラジオ「!?」


ムーマ「むぁぁぁぁぁ……っ!!」ボボボボボボボボボボボボボボボボ!!


リーリエ「『シャドーボール』が16個に分裂したっ!?あれではどれだけ素早いポケモンでも逃れようがありません!」

ムーマ父「これが今のヤシロちゃんのゼンリョクだ!!さぁどうするグラジオ君、こいつを避けてみせるか、それとも……」

グラジオ「シルヴァディのパワーを侮るなよ。極限まで研ぎ澄まされた銀の鎧は漆黒の雲海を裂き、勝利の日の出を祝福するだろう!」

ムーマ父「上等だ……ヤシロちゃん!『シャドーボール』発射準備!」

グラジオ「シルヴァディ!もう一度『つるぎのまい』だ!!」


ムーマ「むむむ……」

シルヴァディ「ルヴァッ!」キンキンキンキンキンキンキンキンキン……



ムーマ父「発射!!『サイコキネシス』でスピードとパワーを上乗せするんだ!!」


グラジオ「機は熟した。『マルチアタック』!!!」



マギアナ「ピピピピピピ」

ブラッキー「! ぶぅ……!」

リーリエ「危ない!みんな離れて!!」



                    ズ


                    ド
 ▼ 266 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/10 19:30:53 ID:0ShwfwGg [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
                    オ

                     ォ

                   ォ

                    ォ

                     ォ

                      ォ


                     ・

                     ・

                     ・


♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪
  ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

-------10分後-------


リーリエ「みなさーん!デザート買ってきましたよーー!」

グラジオ「おぉ!」

ムーマ父「ありがとうリーリエちゃん!」

リーリエ「はい、お兄様とシロガネさんにはコーヒーアイスクリームです」

ムーマ「むぅ!むぅむぅ!」

リーリエ「はいはい、ムーマちゃんとシルヴァディにはタピオカ入りレモネードです。熱いバトルの後には冷たいものが欲しくなりますものね♪」

リーリエ「さぁさぁ集まって!みんなにもおやつを用意してありますよ!」

シロン「こぉん!」

ドンカラス「ガア!」


リーリエ「それにしても……さっきのバトルすごかったです!二人ともカッコよかったですよ!」

ムーマ父「あはは……///」

リーリエ「ね?ムーマちゃん、シルヴァディ!」

ムーマ「むふぅ!」ドヤァ

シルヴァディ「ヴルル」

グラジオ「…………」


グラジオ「このバトルであんたとポケモン達に興味をもてた……ムウマージ以外のポケモンの実力も気になることだし、旅の件は絶対に母さんを説得させてやるさ。安心しな」

ムーマ父「ありがとう!よかったねヤシロちゃん」
 ▼ 267 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/10 20:04:31 ID:0ShwfwGg [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「まむまむ」ズズズズ

リーリエ「うふふ♪おいしい?」

ムーマ「むぅま!」

グラジオ「……フフ、まぁリーリエの言う通り母さんへの説得はそう難しくないかな。そのムウマージ……ムーマって子がリーリエにとって大事な存在だってコトさえ言えばな。あの人はそういう人だ」

ムーマ父「本当にありがとう。僕らも早いウチに次の目標を見つけられるように頑張るから」

リーリエ「そんなに急ぐ必要ないですよ。ねームーマちゃん?」

ムーマ「むー♪」

ムーマ父「こらこらヤシロちゃん、僕らの目的は違うところにあるだろ。サトシ君の見た世界を見るコト、そして色んな世界のポケモンとより仲良くなるコト……それが君の『冒険』の目的だろ」

ムーマ父「それに僕だって色々と考えてるんだ。イッシュ地方でポケモンリーグを制覇した今、ポケモントレーナーとして次に何をするのか……僕という人間として何をするべきなのか……ってね」

ムーマ「むぅ……」

リーリエ「まぁまぁシロガネさん!いいじゃないですか!ムーマちゃんの『冒険』は何も急ぐものではないのでしょう?だったら気楽に行きましょうよ。ね?」

ムーマ父「う〜〜〜〜ん……だけど……」

リーリエ「それに私達と一緒にいても『冒険』はできますよ!見たこともない場所にもたくさん行きますし、そこには新しい発見もあります。絶対にムーマちゃんを退屈させません!」

グラジオ「胡散臭いセールスみたいな言い回しだな」

リーリエ「ね?シロガネさん!いかがでしょうか?」

ムーマ父「……そうだね。それなら悪くないかな」

リーリエ「やった!」

ムーマ「むぅむ!」


ピクシー「ぴっくしー!」ドスドス

グラジオ「! 母さんのピクシーだ」

リーリエ「お母様のお買い物が済んだようですね。行きましょうシロガネさん!」

ムーマ父「よし、あとはお母さんの許しのみか」

ムーマ「むぅ」ドキドキ

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪
  ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

リーリエ「……というわけで、シロガネさんを連れて行ってもよろしいでしょうか」

ルザミーネ「いいわよ♪」

リーリエ「やったぜ。」

グラジオ「早っ」

ムーマ父「ありがとうございます!!」

ムーマ「あむまむごまーま!!」
 ▼ 268 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/11 19:53:13 ID:Pwqc.8cA [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------その夜-------


リーリエ「あはは♪うふふ♪」キャッキャッ

ムーマ「むぅ!むぅ!むぅ!」キャッキャッ


グラジオ「はぁ……今日は久しぶりにものすごく疲れた日だったよ」

ルザミーネ「ウフフ、これからの旅が賑やかになりそうで私も楽しみだわ♪」

ルザミーネ「貴方も仲良くしてあげなさいよグラジオ。三日後の出発日にシロガネさんと合流するまで、ムーマちゃんは私達の泊まる宿で預かることになってるんだから」

グラジオ「リーリエのワガママにも困ったもんだ。オレ達は少しでも早く父さんに会わなきゃいけないのに……」

ルザミーネ「リーリエが言ってたんでしょ?ありのままの私達をきっとあの人は望んでるハズだ、って。私もなんだかその言葉に納得しちゃったわね」

グラジオ「母さんが?」

ルザミーネ「何かを成し遂げようとしたり叶えようとしたりして頑張ってる貴方達は育ててきた親としてはもちろんカッコイイと思うし、逞しくなったなってしみじみしちゃう。でもね」

ルザミーネ「やっぱり私達の傍で貴方達が元気でいてくれることが一番安心できるかな。貴方達がどれだけ大人になっても、私やモーンにとってはいつまでも大事な子供なんだから」

ルザミーネ「ちょっとワガママを言うくらいが丁度いいのよ。そのワガママが、頑張る貴方達を強く、カッコよくしてくれるのなら尚更ね」

グラジオ「……ワガママがいい、か……」


ルザミーネ「まぁ、心配せずともモーンは寄り道くらいで怒ったりしないわよ。昔はもっと子供のことで散々な目に遭ってたわけだし」

グラジオ「は」

ルザミーネ「覚えてないの?あれはまだリーリエが生まれる一年前の頃、突如として始まった貴方のイヤイヤ期」

ルザミーネ「『あーーー!おとうしゃまかってかって!バンギラしゅのおおきいのかって!そっちちがう!バンギラしゅ!おっきいやつ!!あーーーー!!』」

グラジオ「」ブッ

ルザミーネ「『もうミルクいらん!ジューしゅがいい!あかちゃんじゃないもん!!あかちゃんじゃない!!』『いやだ!おふろいやだ!!たすけて!たすけて!!』」

グラジオ「な、なんてもん物真似してんだ母さん!隣の部屋の人に聞かれたらどうすんだ!!」

ブラッキー「ぶ、ぶぅ……」

ルザミーネ「『いやや!おかあしゃまといっしょにねる!!おとうしゃまはいや!いや!あ゛ぁーーーー!!』」

グラジオ「と、父さんがオレのコトで苦労してたのはよくわかった。だからもうやめてくれ……」ガクッ

ルガルガン「ゲラゲラゲラゲラ」

ゾロアーク(あったあった。そんなコトもあった……)コクコク


ルザミーネ「ゴメンゴメン、モーンもありのままの貴方が大好きだったのよって言おうと思ってたら昔を思い出してヘンな方向に飛躍しちゃった☆」テヘペロ

グラジオ「まったく……」

ルザミーネ「……だからね。そう気張らなくてもいいの。確かに私達の旅は大事な使命ではあるけど、こうして家族みんながいられる時間くらい貴方達には元気に戯れていてほしいのよね」

ルザミーネ「ウフフ、これって私の『ワガママ』なのかしら?」
 ▼ 269 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/11 19:56:45 ID:Pwqc.8cA [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グラジオ「それはワガママじゃないよ……多分」

ルザミーネ「ウフフ♪嬉しい!あの人にもそう言っておくわね」


ムーマ「むーまー!むーまー!」

リーリエ「お母様!お兄様!今からムーマちゃんと外に行ってきてもよろしいでしょうか?」

グラジオ「おいこんな時間に一人でどこに行くんだ?これ以上オレや母さんに心配かけるんじゃない」

リーリエ「宿のお庭に行くだけです!ちょっとムーマちゃんとお話を」

ルザミーネ「外は冷えるから早めに帰ってきなさい?」

リーリエ「はーい!さ、行きましょムーマちゃん!」

ムーマ「むぅ!むぅ!」


グラジオ「はぁ……なぁ母さん、あぁいう生き物なのか?『妹』って」

ルザミーネ「さぁね。なったことないからわからないわ。私にも兄弟がいたら……私も今とは違う性格になっていたのかしらね」

グラジオ「ムーマか……ただでさえ世話の焼ける妹がウチにいるっていうのに、また腕白そうな子供がやってきたものだな」

ルザミーネ「ウフフ♪でも可愛い子じゃない!私のムウマージとも気が合いそう……今後の旅が楽しみになってきたわね」

グラジオ「……やれやれ、どうやらそうするしかなさそうだな」

ルザミーネ「そうするしかないって?」

グラジオ「父さんを捜し求めるこの旅を……『冒険』を楽しむしかないってことさ」

ルザミーネ「そう!その意気よグラジオ!リーリエと一緒にたくさん『冒険』して強くなりなさいな!サトシ君みたいにね」

グラジオ「なっ!?サトシがオレの目標みたいに言うのはやめてくれないか母さん!アイツはオレの……

ルザミーネ「ウフフフ、冗談冗談」

グラジオ「まったく…… さぁオレも考えるか。ムーマとどう接していくかを。リーリエに任せっきりというワケにはいかんしな」

ブラッキー「ぶぅっぶぅ!」

ルガルガン「ガウァ!」

シルヴァディ「ルヴ」

ゾロアーク「フフ……」

グラジオ「よし、これから心機一転。父さんを捜す旅の第二章、みんなでここから始めようじゃないか!」

ルザミーネ「フフ、頼もしいわグラジオ♪」


ルザミーネ(モーン、私達の子供達は元気でやっているわよ。早く大きくなったグラジオとリーリエを貴方に会わせてあげたいわね)

ルザミーネ(今の私は最高の気分よ。だって子供達が私の眼の前でこんなにも元気で明るい顔を見せてくれるのだから)

ルザミーネ(後はこの場に貴方が来るだけよ。それが叶う日が来るまで私達は旅を続けるつもり……絶対に貴方を迎えに行くから。……どうか無事でいてね)
 ▼ 270 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/11 19:58:23 ID:Pwqc.8cA [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「それでね、私がそう言ったらサトシが調子に乗り出して……」

ムーマ「ふむふむ」

リーリエ「その時カキとマーマネったら便乗して……」

ムーマ「むまぁぁ!?」

リーリエ「大変だったのよ……マオとスイレンと三人がかりで全力で止めたの。困った男子達ですよホント」

ムーマ「むまむま」


満点の星空の下、リーリエはムーマにアローラでの「冒険」を語った。自分を変えてくれた大事なコト、何気ないコト、なんでも。彼女自身の思い出をたくさん語った。


リーリエ「あとはそうですね……あ、私が授業で困った時の話をしましょうか」

ムーマ「むぅ!」

リーリエ「それでね、忘れ物をして慌てていたその時マーマネが自分のペンをスッと取り出して……」

ムーマ「むぉぉ……」

リーリエ「ね?ホントはカッコイイのよ♪彼」

ムーマ「むぅむぅ!」


ムーマもリーリエが語るエピソードの一つ一つに笑って、怒って、泣いて、楽しんだ。その姿はまるで、自分が「冒険」をしていた時にいつも傍にいたムーマの「おにーちゃん」達みたいだ、とリーリエは内心思った。


リーリエ「ふぅ……結構話したわね。喉がカラカラ……明日もあることだし、今日はこのへんでいい?」

ムーマ「むま」

リーリエ「ウフフ、今話したのはスクールの仲間達と体験した出来事のほんの一部!まだまだあるから、明日もまた楽しみにしていてね!」

ムーマ「むぅ♪むぅぅ♪」スリスリ

リーリエ「あはは!くすぐったいよムーマちゃん!喜んでいただいて何より」


シロン「こんっ」

リーリエ「あら、シロンとマギアナ。どうかしたの?」

マギアナ「ポピピパピポピ」

リーリエ「あらホットココア!私とムーマちゃんのために持ってきてくれたの?ありがとう!」

ムーマ「むぅむぅ!」

リーリエ「ちょうど今喉が渇いてて……サトシやマオの話をたくさんしていたの。みんな今、何してるのかな……」

シロン「こぉん……」シミジミ

リーリエ「お父様が見つかったら私達はアローラに帰ることができる。その時になったらまた『冒険』ができるんだ。早くしてみたいです。私をスクールに迎え入れてくれた仲間達と一緒に」

リーリエ「……そこにサトシはもういないけど、それでもいい。私達が楽しく『今』を生きていればそれでいいの。きっと彼も同じコトを考えてるだろうし」
 ▼ 271 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/11 20:02:34 ID:Pwqc.8cA [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「ムーマちゃんはこれからもシロガネさんと旅を続けるのでしょう?そのうちサトシにひょっこり会えたらいいわね。」

ムーマ「むぅっ!」


リーリエ「……ウフフ」

ムーマ「?」

リーリエ「ん?あぁ……ゴメンムーマちゃん。ちょっとね」

ムーマ「??」

リーリエ「ムーマちゃん。今日の星空とっても綺麗でしょ?……私が初めてサトシと一緒にテンカラットヒルへ冒険に行った時もこれくらい綺麗な星空だったんだよ」

リーリエ「これくらい綺麗な星空で……私達は夢を叫んだの。サトシは自分のために、夢が決まっていない私はサトシを応援するために。星空に届くくらい大きな声で……」スゥー

リーリエ「 『 ポ ケ モ ン マ ス タ ー ! ! 』 」

ムーマ「!」ビクッ

リーリエ「……ってね♪」


ムーマ「…………」

ムーマ(星空……わたしがおにーちゃんに、夢をもつコトの面白さを教えてくれた時もこんな綺麗な星空だった)

ムーマ(それにポケモンの姿に戻るのを嫌がってたわたしをおにーちゃんが叱ってくれた時も。このお星様達はずっと見ていてくれてるんだ。わたし達の「冒険」を)

リーリエ「ムーマちゃん?どうかした?」


ムーマ(お星様、どうかいつまでも見守っていてください。わたしとパパの、白いお姉ちゃんとその家族の、おにーちゃんの)

ムーマ(それに……みんなの「冒険」を)


ムーマ「……むぅ」

リーリエ「……ムーマちゃん。きっと貴方が今考えているコト、私も同じだと思う」

ムーマ「むむぅ?」

リーリエ「お星様にお祈りしましょうムーマちゃん!みんなの『冒険』に幸があらんことを」

ムーマ「むぅ!」

リーリエ「…………」

ムーマ「…………」



サトシ、元気にしていますか?私は元気です。今日は旅の途中で、貴方の大事な家族に会うこともできました。貴方を「世界で一番大好きなおにーちゃん」と言っていたあの家族です。

父に会うことができるまでまだ少し時間はかかりそうだけれども、それまで私はアローラで貴方と「冒険」した時間を思い出して、貴方が好きな、ゼンリョクで「今」を楽しむ「冒険」を続けるつもりです。

貴方とその仲間とポケモン達の、出会いと冒険の物語に幸があらんことを。

またねサトシ!貴方に会えてよかった!!
 ▼ 272 マゾウ@きよめのおこう 19/12/11 22:39:48 ID:6NwEvEXA NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
尊い
 ▼ 273 チンキー@ロゼルのみ 19/12/11 23:47:14 ID:ikRI79Gs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
良い
 ▼ 274 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/13 22:11:02 ID:a9TURR5s [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

















-------------------------それからまた時は流れた。世界中のたくさんの人と、たくさんのポケモンと、たくさんの自然と、たくさんの街を乗せて。

サトシがアローラを離れてから、×ヶ月。



-------サクラギ研究所-------


ガララッ

サトシ「博士!ただいまーーっ!!」

ピカチュウ「ピカピカーッ!!」


サクラギ「おぉおかえりサトシ。タマムシのポケモングリーティングイベントはどうだった?」

サトシ「最っ高でした!かわいいポケモンやらカッコイイポケモンやら見るからにやべぇのやらとにかくいっぱい!」

ピカチュウ「ピカピカッチュ!」

サクラギ「そうかい。有意義に休日を過ごせたようで何よりだ。子供は風の子、大人は火の子。サトシくらいの年頃なら外で遊んでなんぼだよね。ねぇゴウ?」


サトシ「ゴウ!ただいま!」

ゴウ「おけぇり。普段の待ち合わせにはよく遅刻するクセに、夕飯の時間にはちゃんと遅れずに戻ってくんのな」

サトシ「それはゴウだってそうだろ?……ていうか、オレが出て行く前もデスクに座ってたけどひょっとして今日一回も外出てないの?」

ゴウ「だったら何か?」

サトシ「ホントに?ホントに外出てないの?今日は終日快晴だって天気予報でやってたのに?最高気温20℃だってやってたのに?」

ゴウ「……この前の調査、いくらか疑問に残ったことがあったから調べ直してたんだよ。オレが見たことのないポケモンもいっぱいいたし……ソイツらの生態や覚える技なんかを暗記してたら一日経っちまった」

サトシ「 あ ほ く さ 」

ゴウ「あほくさいのはそっちだ!普段リサーチフェローの仕事で忙しくて中々自分でポケモンのことを学ぶ機会なんて設けられないだろ?自分に足りないものを考えてそれを補うのに時間を費やすか、遊び呆けて時間を浪費するかどっちが有意義かよく考えろ」

ヒバニー「ヒャバ」

ゴウ「お前もポケモン好きを自称するならもっと知識を身につけておくべきだと思うぜ」
 ▼ 275 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/13 22:18:09 ID:a9TURR5s [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「オレ達の今日の時間が無駄だって言いたいのかよ?」

ゴウ「そうさ。サクラギ博士からリサーチフェローに任命されたことの重大さがわかってないな。与えられた課題だけじゃなくて、もっと仕事に貢献できるよう自分から何かしらしようとか思わないのか?」

サトシ「思ってるよ!薄々!そんなコトよりオレはゴウが今日のオレ達の時間が無駄だって言ってるのに怒ってんの!オレの夢は『ポケモンマスター』!それになる為にはどんなことだってやる。無駄なことなんて何一つないんだよ!」

ゴウ「じゃあ今日だって一日自習してりゃよかったじゃねぇか。やるコトなすコト生産性のないお前が言っても説得力皆無っしょぶっちゃけ」

サトシ「ゴウだって勝手にやってるだけだろ。どんどんポケモンに詳しくなって博士に褒められりゃいいじゃんか。そんなに勉強が好きならこんなとこで油売ってないでもっと勉学に集中しろよガリ勉」

ゴウ「んだとコラ頬っぺたの『〜←コレ』増やすぞこの野郎」

サトシ「んだとコラアホ毛刈り取るぞこの野郎」

ゴウ「上等だ表出ろ」

サトシ「表ってどっちだよ?」

ゴウ「研究所の裏庭に決まってんだろわかったら表出ろや」

サトシ「裏庭があるならそりゃ表じゃなくて裏じゃねぇのか」

ゴウ「裏じゃダメなのかよ(?)」

サトシ「ダメなんだよ(??)」

サクラギ(また始まったか……)

ピカチュウ「ピカピィ……」

ワンパチ「! ワン、ワン!」


コハル「そこまでっ!」

ボカッ!    ボコッ!

サトシ「ごぶにゅ」

ゴウ「おぐまっ」

コハル「まったく……玄関開けて早々不良の喧嘩ごっこを見させられるこっちの身にもなってよ」

ゴウ「ごっこじゃねぇ。こちとらガチで喧嘩してたんだガチで!お前が止めなきゃあと数秒でオレ達殴り合いになってたんだぞ」

コハル「救世主じゃないのよ私。じゃあ感謝しなさいよ」

ゴウ「……夕飯のカレーの牛肉3片でいいか?」

コハル「ありがとうございますでいいの!みみっちぃことすんな!」

ゴウ「ふぇーいありがたやーす」

コハル「ハァ……そこのあなたも、いちいちゴウのペースに突っかかってたらキリがないしみっともないからやめなさい。……えーっと?」

サトシ「サトシ」

コハル「そうそうそれ!サトシくん」

ゴウ「いい加減覚えろよなお前も」
 ▼ 276 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/13 22:26:09 ID:a9TURR5s [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サクラギ「まぁまぁ、しょっちゅう喧嘩するもんで鬱陶しい気持ちもわかるが彼らも本心から言い合ってるわけじゃないからそっとしておいてくれないか」

サクラギ「あんな二人だけどリサーチフェローとしての仕事はしっかりやってくれるし、案外いいコンビかもしれない……私の見込みが正しければ、今後はもっと大きな発見をしてくれるかもね」

コハル「ポケモンの調査よりあの二人の調査の方がやりがいありそう」

サクラギ「ハハハ、興味があったらレポートを書いてぜひ私に提出したまえよ」

コハル「その時はレポート1文字につき1円お小遣いちょうだい」

ワンパチ「ワウ」

ゴウ「……ふぅ、まぁ今日のところはこのくらいにしといてやるか。明日の調査ではオレの足引っ張るんじゃねぇぞ」

サトシ「へいへい、ゴウも歩きスマホには気をつけろよ」

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪
  ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

サトシ「だはーっ♡食った食った」

ピカチュウ「ペカー」

ゴウ「グレンタウンにある火山の火山灰で育った新鮮な野菜をじっくり堪能できたな……夕飯は朝飯と違って急いで食わなくていいから楽でいいな」

サトシ「よしピカチュウ、部屋いくぞ部屋」

ピカチュウ「ピカッチュウ!」

サクラギ「あぁサトシ、ちょっと待って」

サトシ「何すか?」

サクラギ「この手紙……『郵便受けに入ってた』ってさっきコハルから受け取ったんだが、これは君宛ての手紙じゃないかな?」

サトシ「え?手紙?……あ!ママからだ」

ゴウ「何が書いてあるんだ?封筒開けて見てみろよ」

サトシ「えぇ?ここでか?部屋行ってから……

ゴウ「見ないんならオレから見るぞ」パシッ

サトシ「あ!なんでだよこの野郎!」


ゴウ「!」

サクラギ「どうしたんだゴウ」

ゴウ「……も、もう一枚封筒が入っとる」

サトシ「えぇ?」

ゴウ「手紙の他に封筒がもう一枚入ってるんだよ。ほら見てみろって」

サクラギ「ふむ……それはきっと他の誰かがサトシ宛てに書いた手紙だね。サトシの実家にその誰かからの手紙が届いたから、サトシのお母さんがこちらに送ってきたのだろう」

ゴウ「転送メールのアナログ版みたいなことすんのなお前の母さん」

サトシ「……///」
 ▼ 277 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/13 22:29:53 ID:a9TURR5s [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------翌日-------


サトシ「博士っ!いってきます!!今回も調査ガッツリ頑張ってきます!!」

ゴウ「い……いってきます!」

サクラギ「うん。今回も良い報告を期待しているよ!いってらっしゃい!」

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪
  ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

サトシ「よっしゃ!早速空港に行くぞピカチュウ!今日もゼンリョクでレッツゴーだ!」

ピカチュウ「ピカッチュウ!」

ゴウ「ま、待ってくれよサトシ!」

サトシ「遅いよゴウ!早く行かないと飛行機出発しちゃうよ!」

ゴウ「離陸まであと2時間以上あるから大丈夫だよ……ホントどうしたんだお前。昨日あの手紙を見てからテンション上がりっぱなしじゃないか」

ゴウ「珍しくオレより身支度が早かったし……そんなにお前にとって大事なのかよ?その……」


ゴウ「『シロガネ・ダンガ』って人は」


昨日、サトシの許に届けられた一通の手紙。

白地の封筒を開くと、お節介な母親からのメッセージが書かれた便箋が一枚と、どこか親しみを感じる暖かな南国の風景がプリントされた封筒が一封。

今度はその封筒を開けると、様々な色と筆遣いで書かれたメッセージがひしめき合っている便箋が一枚。そして、見慣れない風景がプリントされた封筒が一封。

最後にその封筒を開けると……大きくてぐにゃぐにゃした「おにーちゃんへ」の文字が目を引く便箋が一枚。


CA『大変お待たせ致しました。当機、カントー航空・・行はまもなく出発致します。シートベルトをお忘れのないよう……』

サトシ「ピッカチュ♪ピッカチュ♪ピッカッチュウ♪」

ピカチュウ「ピッカチュ♪ピッカチュ♪ピッカッチュウ♪」

ゴウ「ウッキウキだなお前ら」

ヒバニー「ヒャバ……」

サトシ「そらそうだよ!だってこんなことってある!?今からオレ達が調査に行く地方は……!!」

ゴウ「わかったわかった……でも、そういうのって運命感じちゃうよな。人はそれを『偶然』って言うけれど、オレはこう言いたいね。……『奇跡』って」

サトシ「ホント奇跡みたいなモンだよ!早く会いたいなぁムーマ!!」ワクワク

ゴウ「あぁっと……空港での話からしてサトシの妹?みたいな認識でいいのか」

サトシ「みたいじゃなくてホントに妹なんだ!オレの妹で!ポケモンで!アローラ地方で一緒に暮らしてて!その時は人間の姿で!人間にしたのはカプ・コケコで!」

ゴウ「情報の『いじげんラッシュ』やめろ」

ヒバニー「バニ……」グルグル
 ▼ 278 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/14 20:46:43 ID:jTygQNtw [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 279 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/14 20:51:23 ID:jTygQNtw [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
                この世界で起きた奇跡 その数は星の数すらとうに超える



-------メレメレ島 アイナ食堂-------


スイレン「……」モグモグ

マオ「ど、どうスイレン。あたしとヌカちゃんの共同製作『角切りパイルたっぷり米粉マフィン』は?」

スイレン「……う゛っ」カラン

マオ「!?」

スイレン「……う゛……う゛う゛……う゛う゛う゛う゛」

マオ「だ、大丈夫スイレン!? アマージョ!ちょっとお兄ちゃんかお父さん呼んできて!!」

アマージョ「マジョッ!」

スイレン「う……うそ。おいしい」グッ

マオ「いい加減にしないと本当にそうなった時助けてやんないよ?」

スイレン「やれるもんならやってみ。マオちゃんは優しいから私を放っておくなんてできっこない。でも私はそんなマオちゃんが好き」

マオ「……ぅぅ///」

アシレーヌ「レヌゥ」ヤレヤレ


スイレン「そういえばさマオちゃん、今度のスクールのクラス対抗ポケモンバトル大会『みんなでバトルをやろう、モクロー、ヌマクロー』の練習は順調?」

マオ「もちろん!アマージョとの連携もバッチリだよ!新しい技も覚えたから楽しみにしててね」

アマージョ「マッジョ!」

ウル「アローラ・ポケモンリーグのお陰でオーキド校長がバトルに熱心になってからというもの、スクールじゃ最近その手の催しが多いな」

マオ「お兄ちゃん!」

ウル「最初は調理実習のコマが少なくなったって嘆いてたけど、お前もすっかりポケモントレーナーだなぁマオ」

マオ「えへへ♪スイレンにも色々と手とり足とり教えてもらって」

ウル「フフ、今後ともマオのことはよろしく頼むよスイレンちゃん」

スイレン「もちろんですお義兄さん」

マオ「ちょっと表記!」

スイレン「でも!今度の大会まではライバルやらせてもらいます!驚かせてやりたいんです!私、アシレーヌとの特訓の成果!」

アシレーヌ「レヌ!」

マオ「へぇ……敗けないよ!あたしだってもう遠慮なんてしないんだから!」



                  それもそのはず この世は奇跡で出来ているから
 ▼ 280 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/14 20:53:32 ID:jTygQNtw [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
                         不運も 幸運も



-------アーカラ島 カキんち-------


ガラガラ「ガラララララ…… ガ ラ ァ ! ! 」ズドン

クワガノン「ピギッ」

マーマネ「あっ!クワガノン!!」

カキ「『フレアドライブ』が決まった!これで勝負ありだな」

マーマネ「うぅ……悔いなし。ありがとうクワガノン、トゲデマル」

トゲデマル「までゅでゅでゅ……」


マーマネ「はぁぁぁ〜〜……また勝てなかったか。僕らが強くなってもカキもドンドン強くなってくからなぁ。さすが今度の大会で優勝候補と言われてるだけあるよ」

カキ「だがここまでやれるお前もさすがだぞ。こうしてバトルをする度にトゲデマルもクワガノンも確実に強くなっていると感じる……お前自身もな」

マーマネ「あはは、そう言ってもらえると助かるよ」

カキ「何もお世辞を言ってるんじゃない。お前達の成長は本物だぞ。今のお前の実力なら、もしじいちゃんが生きてたらお前のことを認めるやもしれん」

マーマネ「それを言うならカキもね。もうアーカラじゃカキに敵う人なんて殆どいないんでしょ?」

カキ「そうらしいな。だが……オレはアローラを照らす『炎』になる男。炎ってのは明るいだけじゃなく、触れたものを焦がしたり燃やしたり、強く激しいものでもあるんだ」

マーマネ「えぇっと……何が言いたいの?」

カキ「どれだけ強くなろうと心の中の火を冷ますことなく、いつまでも貪欲に強さを追い求める心の激しさを忘れちゃいかんということだ。アーカラだけじゃない、いつかはアローラ全土、いや世界すらもオレの炎の熱さで引きつけることができたらいいと思ってる」

マーマネ「世界……それってサトシやグラジオも?」

カキ「そうだな……あいつらもアローラを離れて久しいが、いつまたオレ達のところに姿を見せるのかわからない。その時になったらいつでもいいバトルができるようにしなくちゃな」

マーマネ「確かに!あの二人のことだからきっともっと強くなってるよね!」

カキ「よーしそういうことだ」

マーマネ「どういうことだ?」

カキ「バトルでお前のポケモン達の今の力がどれほどのものか理解できた。今度はお前自身の力を見せてもらおう!今からこの牧場の外周(約2km)を10周だ!」

マーマネ「なんでじゃ!?」

ホシ「お兄ちゃん!マーマネさん!アイスクリームの差し入れだよ!」

カキ「よし変更だ!ウチのモーモーミルクアイスMサイズ(150g)を1ダースだ!」

マーマネ「やったあ得意分野!!」

トゲデマル「までゅでゅでゅい!!」



                         別れも 出逢いも
 ▼ 281 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/14 20:58:12 ID:jTygQNtw [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
                     奇跡はいつでも 僕らを形づくる



バーネット「うっ!痛たたたた……」ズキッ

ククイ「! 大変だみんな!!緊急事態だ!!バーネットガーディアンズ出動!!」

サトシのポケモン「「「「!!」」」」

ククイ「全員直ちに行動に移れ!!ガオガエンは手を温めてバーネットの体の隅々までマッサージ!メルメタルはスペース広めのベッドの用意!ルガルガンはもしもの時の着替えを!モクローはクッション!オレは応援!うおおおお!!頑張れぇぇぇ!!」

バーネット「うるさいよ」

ククイ「だ……だって君の為でも子供の為でも……」

バーネット「心配してくれてありがとう。でも人並みでいいのよ?あんまり騒がれるとストレスで疲れちゃうわ。私も赤ちゃんも」


バーネット「……あのね、夕べ夢を見たの。とってもいい夢を」

ククイ「夢?一体どんな夢を見たっていうんだ?」

バーネット「この子が大きくなって私達と一緒に暮らす夢よ。この子が私やククイ君と一緒に遊んだり、お喋りしたり、ご飯を食べたり……楽しかったなぁ」

ククイ「……そうか。実は僕もなんだ」

バーネット「あら、ククイ君も?」

ククイ「そうさ。その子はとても元気な子で、ルガルガンやガオガエンと遊んでいるのをオレは近くで見ていた。そしてその子はとても可愛くて、モクローやメルメタルと一緒に昼寝をしている時の寝顔を、僕達夫婦が覗いているんだ」

バーネット「へぇ〜素敵な夢!だけどそれって……」

ククイ「ハハ、その子を中心にオレ達が回っているって意味では結局今と変わらないな!」

ルガルガン「わぶぅ!」

バーネット「フフ、まるで太陽ね。……そう、まるで太陽」

ガオガエン「…………」

バーネット「……ねぇ、ククイ君」

ククイ「あぁ。シロガネさんからの手紙はちゃんとサトシの実家に渡したよ。アイツのことだ。すぐに返事を送ってきてくれるさ」

バーネット「楽しみねぇ……あの子、今度はどこで誰とどんな『冒険』をしているのかしら」

ククイ「フフ、さぁな……」

バーネット「ねぇククイ君!私、今度またあの子の夢をみたいわ!今度はサトシも一緒にいる夢!」

ククイ「いいな!アイツがオレ達の子を眼の前にしてどんな反応をするのか楽しみで仕方ないぜ!」

メルメタル「ヴヴヴヴ」

モクロー「もふふ♪」



                   マッサラな僕らを 何色にでも染め上げる
 ▼ 282 ルキモノ@きれいなハネ 19/12/14 21:37:08 ID:JI2k7IQc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
読み手に読んでて楽しめる工夫がしてあるからいい。
 ▼ 283 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/14 21:39:28 ID:jTygQNtw [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------とある地方 繁華街-------


ワイワイワイワイ……   ガヤガヤガヤ……


ゴウ「ふぅ……着いた。ここがオレ達の今回の調査の拠点だぞ、サトシ」

サトシ「この街のどこかにムーマがいるんだ……」

ピカチュウ「ピカピカー……!」キラキラ

ゴウ「いや、それはどうかわからんぞサトシ。お前は本当にそのムーマって子の居場所がわかってるのか?」

サトシ「だから言ってるだろ?この街のどこかにいるって!早く会いに行こうよ!」

ゴウ「街のどこかじゃわからん。お前はどこまで把握してるんだ?住んでる地域は?番地は?部屋の番号は?」

サトシ「え゛っ……し、知らなくてもなんとかなるだろ!調査の時間はいっぱいあるし片っ端から探せば……

ゴウ「広さ20.48平方キロ、世帯数13万1072、住民数が人とポケモン合わせて52万4288のこの大都会を片っ端から探せと?お前は?オレ達は一体何しにきたんだ?国勢調査か?ポケモンの謎を調査するんだろうが!」

サトシ「うぅ……」

ゴウ「それに……シロガネさんとかいう人が送ってきた手紙の日付はもう3週間半も前だ。あの人も旅人なんだろ?この街にはいない可能性だって十二分に考えられるわな」

サトシ「えっ!そんな!じゃあムーマもパパさんもこの街にはいないの……!?」

ゴウ「わからねぇけど、その可能性は高いな」

ヒバニー「ヒッバ」

サトシ「そんな……せっかくムーマに会えると思ったのに……」ガクッ

ピカチュウ「ピカピィ……」ナデナデ

ゴウ「…………」

サトシ「……まぁ、いっか!」

ゴウ「え?もう立ち直るか」

サトシ「ここにいないってことはムーマもパパさんと一緒にどこか別の場所で冒険してるんだろ?オレはそれでも嬉しいよ!ムーマが元気でいてくれてくれればそれでさ!」

サトシ「ムーマのやつ……今日もどこかで面白い体験をいっぱいして、好きな人、好きなポケモン、好きなコトをたくさん見つけるために今『冒険』を精一杯楽しんでるんだ」

ゴウ「サトシ……」

サトシ「今日会えなかったのは残念だけどまたいつか会えたらいいよな!また手紙を貰ってさ。な、ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピィッカ!」

ゴウ「…………」

ヒバニー「バニ?」

サトシ「ん?どうしたんだよゴウ?」

ゴウ「……驚いたよ。お前がそういうこと言うなんてさ」

ゴウ「よくわかったよ、お前がそのムーマって子を本当の妹のように大事に思ってるってコト。それにお前の好きな『冒険』をムーマも好きなことが、お前にとってすごく嬉しいんだってコト」
 ▼ 284 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/14 22:03:53 ID:jTygQNtw [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ゴウ…… ……っていうか!ようにじゃなくてホントに妹だって言ってるだろ!」

ゴウ「アハハ、そうだったな。……それにしても意外だよな!お前が『おにーちゃん』だってコト」

サトシ「むぅ、どういう意味だよ?」

ゴウ「さぁな。……よしわかった!調査期間はまだまだあるし、オレも一肌脱いでやるとするかな。いいだろヒバニー」

ヒバニー「ヒバァ!」

ゴウ「サトシ!確かお前シロガネさんからの手紙は持ってきてたよな。見せてくれるか?」

サトシ「あるけど……何をするつもりなんだ?」

ゴウ「封筒に住所が書いてあるハズだ。3週間半前の情報だが住んでいた場所はそれでわかる!あとは近くの住民に聞き込みして行方を探る……と。運が良ければまだそこにいるかもな」

サトシ「ゴウ……」

ゴウ「まだ納得いってない部分もあるけどさ、お前の家族のことだって言うんならオレもこれくらいしてやらないとな。同じリサーチフェローで頑張るお前のバディとしては」キリッ

ヒバニー「ヒャバ!」キラキラ

ゴウ「フフン、オレが輝いて見えるかヒバニー。さぁお前はどうするサトシ?」

サトシ「ゴウ……やっぱり最高だよお前は!!!」ギュッ

ピカチュウ「ピカッピィ!!」ギュッ

ゴウ「どわっ!何だお前ら離れろ!こんな街中で抱きついてくるな!!」

ザワザワ……   ドヨドヨ……

ゴウ「……あっ、すいません誤解です!!あの、あのあのホントにそういうんじゃないです!!はい!ちょっ、そこのおじさんあんま見ないで!そこのお姉さんはカメラ仕舞って!ああもう!!///」

サトシ「おにーちゃんって呼んでいい?///」

ゴウ「なんでじゃ!!」

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪
  ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

ゴウ「ふぅ……ヒドイ目に遭った」

サトシ「ゴメン……ムーマに会えるって思ったら嬉しくてつい」

ゴウ「わかったわかった。そんだけ妹のために情緒『フレアドライブ』できるならオレからはもう何も言うことねぇよおにーちゃん」ナデナデ

サトシ「えへへ///」

ゴウ「さて……じゃあ捜しに行きますか!サトシの妹・ムーマちゃんを!」

サトシ「おぉーー!!」

ピカチュウ「ピカー!!」


ムーマの行方を突き止めるべく、サトシとゴウはシロガネ・ダンガの手紙に書かれていた住所にあるマンションへ向かった。

しかしそこには……いや、この地にはもうムーマの姿はなかった。ダンガ達がこの地を立ったのはつい昨日のことだったという。

ガックリと膝を折るサトシ。ピカチュウとゴウは項垂れた様子のサトシの肩に黙って手を置くと、ほんの少しだけ小刻みに震えているのを感じた。
 ▼ 285 ゴジムシ@ポケモンボックス 19/12/15 04:00:23 ID:dtyMHyYE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハーゲンさんはこれからもSSを書きますか?
 ▼ 286 ビゴン@ゼニガメじょうろ 19/12/16 20:19:19 ID:Uz1gK29w NGネーム登録 NGID登録 報告
楽しみにしてますー
シエンネ
 ▼ 287 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/16 22:13:52 ID:MnFsPJX6 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------一週間後 サクラギ研究所-------


バリヤード「バリ!バリリィ」

サクラギ「おぉバリヤード、掃除お疲れ様。いつもすまないね」

バリヤード「バリリリ」

サクラギ「今日はサトシとゴウの帰ってくる日。今度も中々難しい調査を頼むつもりだから、今日くらいは豪華な食事でも用意してもてなしてあげようね」


ガチャッ

ワンパチ「! ワンワン!」

コハル「ただーいまー」

サクラギ「おぉ帰ったかコハル、おかえり」

ドサッ

コハル「ハァ~……ァ」

サクラギ「こらこら寝転ぶなら自分の部屋に入ってからにしなさい。お客さんに見られたらどうする」

コハル「え!?何!?お客さん来てるの!?嘘!?何しに!?」ガバッ

サクラギ「実は今日、レンジのやつが通勤中にスリに遭ったらしくてね」

コハル「スリ……朝のバスは常に満員だからね」

サクラギ「研究所に来てから気づいて大慌てだったけど、ある人がスられたレンジの財布を取り戻して研究所まで届けにきてくれたんだ」

コハル「なるほど、それで応接室かどっかでおもてなし中ってわけ」

サクラギ「そういうことさ。コハルからもお礼を言っときなよ?」

コハル「私関係ないし……」パカッ

サクラギ「ん?いい匂いだな、また買い食いしてきたのか?」

コハル「今週のトレンド、『第十一パン』のコロッケサンド!最近は下校中にコレを買わないウチの生徒は殆どいないんだから」

サクラギ「ははぁ、買わないと話題についていけなくてハブられるからな。コハルはそんなコトしてないよね」

コハル「してないし!ホントは買ってすぐ食べるのが一番だけど私は家で落ち着いて食べる方がいいや。いただきまー……


サッ


コハル「……あ?」チョイチョイ

コハル「 無 い ! ?  今確かにこの手で持ったハズのコロッケサンドが無いよ!?」

サクラギ「おやおや……」

ワンパチ「ガルルルルル……!!」

コハル「気を付けてワンパチ!この部屋に何かいる……!」
 ▼ 288 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/16 22:18:53 ID:MnFsPJX6 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サクラギ「ほぅ……やんちゃな子だとは聞いたがまさかここまでとはね」

コハル「はぁ!?」

サクラギ「コハル、どうか許してやってくれないか。彼女は今日来ているお客さんのポケモンなんだ」


サクラギ「それにこの子は……ウチのリサーチフェローの、大事な『家族』でもある」


コハル「……は?」

サクラギ「この世界に星の数よりもある奇跡。この世は奇跡でできているなんて誰かが詩っていたけれど……まさにその通りかもしれないね」

コハル「ねぇ、何のこと?『家族』って?」

サクラギ「フフ……君も『冒険』してみればわかるかもね。何てことのない日常を彩る『冒険』を」

コハル「またそういうこと言う……あれらと違って私はそういうの興味ないんだってば」

サクラギ「うんうん。それもキミの『冒険』だね」

コハル「わけがわからない……わかるように教えてくれない?」

サクラギ「今にわかるさ」

バリヤード「バリリバリィ」


ガチャッ

サトシ「ただいまーーーっ!!」

ピカチュウ「ピカピィーー!!」

ゴウ「ただいま」

サクラギ「おぉ帰ってきたかゴウ。おかえり」

ゴウ「・・地方の『午前0時に暴れ狂うミカルゲ』の謎、バッチリ解明してきました!」

サクラギ「そうか。またしっかりとレポートを見せてもらおうね」

サトシ「お腹減った……」ドテッ

ピカチュウ「ピピカー……」

サトシ「ん?コロッケの匂い!ズルイよ、さっきまで誰か食べてたの?」


サクラギ「……サトシ」

サトシ「ん?」

サクラギ「君は『奇跡』を信じるかな?」

サトシ「よくわかんないけど……オレは信じてますよ!いつも!オレの……ううん、オレ達の『冒険』はいつだって普通じゃ考えられない面白いコトばっかりだから! な?ピカチュウ」

ピカチュウ「ピカッ!」

サクラギ「……そうか。なら、君の後ろを見てみるといい」
 ▼ 289 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/16 22:20:23 ID:MnFsPJX6 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
言われるがままに、サトシは振り向いた。



……誰もいない。



自分の入ってきた出入り口のドアを見つめてそう呟き、もう一度正面を向こうとした時、



一匹の黒いポケモンが影から飛び出すようにしてサトシの視界に現れた。



驚いて尻餅をつくサトシの眼の前でポケモンが微笑む。サトシは丸い瞳でそのポケモンを見つめなおした。



その姿が鮮明に見えると、頭と心の片隅にあったあの頃の思い出、そのポケモンに抱えていた感情、それらがサトシの中で零れだしそうになる。



だけどサトシはグッと堪えて、そのポケモンに微笑み返した。



みんなが大好きな、太陽みたいな笑顔で。








                  -----fin-----






 ▼ 290 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/16 22:21:25 ID:MnFsPJX6 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これにておしまいです。読んでいただきありがとうございました。

サトシとムーマちゃんの出会いから読んでくださった皆様も、本当にありがとうございました。

2年前、「続編の予定はない」とかほざいておきながら後日談を書き続けて結局現在まで手放すことができなかったムーマちゃん。しかし、あの時言っていた「いつか」を自分で書いてスッキリした気持ちでもあります。


最終回を迎えたのも記憶に新しい「サン&ムーン」。サトシが大きな声でアローラに「大好き」を叫んだように、アローラという小さな世界で日常・非日常を生きる人やポケモンの姿に「大好き」と叫びたくなるような物語でした。

配信勢ながらも毎週欠かさずチェックして楽しんだその世界にいるサトシ達とはちょっと違った(具体的には私自身が感じたキャラの好きなポイントを肥大化させたような)サトシ達、

さらにムーマちゃん、シロガネ夫婦、「F-13」、ロケット団員達、ヌカちゃん、ムラシ店長、コメットちゃん、RHRC社員達、そしてマリエマンと、

私自身も様々なキャラを作ってアローラに放り込んでは好き勝手暴れさせました。そんな物語でも、最後まで楽しんでいただけたなら感無量です。


改めてありがとうございました。
 ▼ 291 ェルダー@リュガのみ 19/12/16 22:22:57 ID:cN0oZin2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!
面白かった!ずっと期待していて良かった!
 ▼ 292 ゴーム@みどりのかけら 19/12/16 22:40:38 ID:HQscWPVo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

あなたのssは私にとってはもうひとつの本編でした、いいssを書いてくれてありがとうございます。
 ▼ 293 ヌギダマ@ムーンボール 19/12/16 22:46:35 ID:11aA6UF2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

もはやこれが生きがい
 ▼ 294 ーゲン◆O4/zV1DaK6 19/12/16 22:52:43 ID:MnFsPJX6 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>285
今のところ予定はありませんがいつかは……!
 ▼ 295 ッウ@さざなみのおこう 19/12/17 02:09:42 ID:l3Ow1iE6 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
お疲れさまでした!
傑作
 ▼ 296 ワンコ@わすれもの 19/12/20 07:17:20 ID:Yps.NR0g NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
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