【SS】俺とユキハミのあったか暮らし

トレーナー「うぅ、寒みぃなオイ…… 最近一気に気温下がり過ぎだろ…… 買い物行くのも一苦労だわ」ｶﾞﾁｬ

トレーナー「ただいまー」

ユキハミ「ﾐｯ」ﾉﾛﾉﾛ

トレーナー「おーユキハミ、お出迎えとは嬉しいじゃん。ありがとな」ﾋｮｲ

ユキハミ「ﾝﾐ♪」ｽﾘｽﾘ

トレーナー「ははっ、くすぐったいっての。てかそれ以上に冷てぇ」ﾀﾞｷｯ

ユキハミ「……」ｼﾞｨｰ…

トレーナー「お、その目は何か飯くれの時の目だな？ 任せろ、ちゃんと木の実買ってきたぞ。冷凍のやつ」

ユキハミ「ｱｲｽｽ♪」ﾊﾐﾊﾐ

トレーナー「俺のアゴはハミらないでいいっての。よし、手洗って飯にするか」

「なのに俺は…… ずっと能天気に生きてたよ。ただお前といるのが楽しくて、何も考えてなかった……」

ユキハミ「……」

「……俺、お前のこと一番に考えてるつもりだった。だけど…… 逆にお前の方が、俺のこと考えてくれてた」

ユキハミ「……」

「……そんなんじゃダメだ。俺、お前のことが大好きだからさ…… 俺もお前のこと、ちゃんと分かってあげなくちゃダメだったんだ」

ユキハミ「……」




「……だから、決めなくちゃならないんだよな」

ユキハミ「……」ｷﾞｭｯ

「……」

ユキハミ「……」

「……俺さ、いろいろ勉強するよ」

ユキハミ「……」

「そうだな…… 最初は料理だ。少しの量でも楽しめて、お前が満足できるような…… そういう料理を作れるようになる」

ユキハミ「……」

「あとはそう…… バトルも。お前、バトルしたいって言ってたもんな。お前を活躍させられるように、バトルのことも一から勉強する」

ユキハミ「……」ﾘｨｨﾝ…

「……きっと、いろんなことが出来るようになる。俺も、お前も…… 今まで出来なかったこと、たくさん……」

ユキハミ「……」ﾘｨｨｨﾝ…

「だからさ…… 悲しむことなんてないんだよな。悲しむ必要なんてない…… だってさ…… だって俺は───」

ユキハミ「……」ﾘｨｨｨｨﾝ…!






トレーナー「───お前のトレーナーだから！」

───翌日

トレーナー「……ん」

トレーナー「……朝か。今日も今日とてめちゃくちゃ寒みぃな」

トレーナー「……」

トレーナー「お、起きたか」

トレーナー「……」

トレーナー「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

トレーナー「……」




トレーナー「おはよう、モスノウ」

───公園

モスノウ「♪」ｷﾞｭｯ

モスノウ「……♪」ﾌﾜﾌﾜ

お隣さん「ふふっ、楽しそうに遊んでるわね」

トレーナー「えぇ、ホントに」

お隣さん「なんだか、いつもよりもそう見えると思わない？」

トレーナー「そうですね。楽しいって気持ちを、体全部で伝えてくれてる気がします」

お隣さん「……」

トレーナー「……」

お隣さん「……やっぱり、あなたはトレーナーだったのね」

トレーナー「だから言ったじゃないですか。俺は最初からトレーナーでしたよ」

お隣さん「あら、昨日あれだけ弱音を吐いてたのはどこの誰かしら？」

トレーナー「それは忘れてください」

お隣さん「忘れないわよ。これからずっとこのネタで弄ってあげるから」ﾌﾌｯ

トレーナー「ずっとですか」

お隣さん「えぇ、ずっと」

トレーナー「……」

お隣さん「……」

トレーナー「……」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

お隣さん「……昨日は、本当にごめんなさい」

トレーナー「なんでお隣さんが謝るんですか？」

お隣さん「勝手なこと、たくさん言ったもの。あなた達に、答えを急がせてしまったと思う」

トレーナー「全部本当のことで、俺が自分で気付かなくちゃいけないことでしたから。感謝はしても悪いなんて思ってないですよ」

お隣さん「そう言ってもらえると救われるわ。ふふっ、どうやら本当に垢抜けたみたいね。前よりも頼もしく見える」

トレーナー「頼もしいかどうかは分からないですけど、アイツのためにもっと勉強しようと思います。先輩として色々教えてくださいね？」

お隣さん「えぇ、もちろん」

モスノウ「……♪」ﾓﾌｯ!

トレーナー「ぬあっ！」ｶﾞｯ

お隣さん「あら…… その子、体当たりが使えるの？」

トレーナー「いや、そういう訳じゃなくて……」

モスノウ「……♪」ｽﾘｽﾘ

お隣さん「？」

トレーナー「コイツ、嬉しいことがあるとよく俺のこと甘噛みしてたんですよ。特にアゴを。それが出来なくなっちゃったからか、こうして顔に体を擦り付けてくるんですよね」

お隣さん「なるほど、新しい愛情表現ってことね」

トレーナー「だと思います」

モスノウ「……♪」

モスノウ「……」ﾌﾜﾌﾜ

お隣さん「あなたもやってみる？」

モスノウ「……」ﾎﾟｽﾝ

お隣さん「ふふっ、あなたは私の膝の上が好きなのよね？」

モスノウ「……♪」

トレーナー「モスノウってユキハミより体冷たいですし、ずっと膝に乗せてたら寒くないですか？」

お隣さん「そうねー。でもまぁ、この子が嬉しそうにしてるのを見てると…… ね？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

モスノウ「……♪」ﾓﾌﾓﾌ

トレーナー「何だかんだ言って、お隣さんもなかなか過保護ですよね」

お隣さん「別に過保護って程でもないわよ」

トレーナー「いや、過保護じゃなかったら他に何と呼べと？」

お隣さん「んー…… 母性愛かしら？」ｸｽｯ

トレーナー「さいですか」

お隣さん「さて。日も暮れてきたし、そろそろ帰りましょうか」

トレーナー「そうですね」

お隣さん「今日の夕食は決まってるの？」

トレーナー「えぇ、カレーを作ってきました。いろいろレシピを見て、ちょっと手の込んだやつに挑戦してみたんですよ。コイツが満足してくれるように」

モスノウ「……♪」

お隣さん「それは良いわね。私達もお邪魔しちゃおうかしら？ ふふっ、なんて……」

トレーナー「おぉ、ぜひ来てくださいよ。この間看病してもらっちゃいましたし、いつぞやのお礼もまだでしたので」

お隣さん「あら、本当に行っていいの？ 冗談で言ったつもりだったんだけど」

トレーナー「え、冗談で言う必要ありました？」

お隣さん「んー…… 確かにないかもね。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかしら」

トレーナー「うっす」

───夜

トレーナー「ふぅ、カレーなかなか好評だったな。頑張って作った甲斐があるってもんだ」

モスノウ「……」ﾌﾜﾌﾜ

トレーナー「お前も美味かったか？」

モスノウ「……」ｺｸ

トレーナー「そいつは何よりだ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

モスノウ「……♪」

トレーナー「さて。お隣さんも見送ったし、一休みするか」

モスノウ「……」

トレーナー「暖房暑くないか？」

モスノウ「……」ｺｸ

トレーナー「そっか。でも何かあったときはちゃんと言うんだぞ？」

モスノウ「……」ｺｸｺｸ

トレーナー「うむ、よろしい。しかし暖房の効いた部屋で炬燵に入るとはなかなかに贅沢だな。ここら辺じゃ普通のことみたいだけど」

モスノウ「……」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

トレーナー「お、なんだなんだ。抱っこしろってか？ はいよ」

モスノウ「……♪」ﾓﾌﾓﾌ

トレーナー「うおっ、やっぱ体冷たいなお前。そういやその気になれば-180℃の冷気纏えるってお隣さん言ってたっけか。そりゃ冷たい訳だ」

モスノウ「……」

トレーナー「……でもまぁ暖房ついてるし、プラマイゼロかな」ﾀﾞｷｯ

モスノウ「……♪」

トレーナー「……」

モスノウ「……」



トレーナー「……」ﾓﾌﾓﾌ

モスノウ「……♪」



トレーナー「……」

モスノウ「……」ｳﾄｳﾄ



トレーナー「……」

モスノウ「……」



トレーナー「……いや」ｷﾞｭｯ

モスノウ「……？」






トレーナー「やっぱあったけぇわ」

END

乙

乙でしたー！めちゃくちゃ良かった！

以上です
読んでくださった方、支援やコメントくださった方ありがとうございました

乙です

これは良いSSだ

久々の良SS
乙

ユキハミのほのぼのSSかと思ったらトレーナーとの成長物語でもあって面白かった
乙です

Ｚです

おつです
ほんわかしました

乙
なつき進化を上手く活かしてて良かった

乙
とてもとても良かった

乙です
楽しみながら読ませていただきました

>>34
そちらのスレ主さんとは別人です
スレ主さんがユキハミのSSを探しているということが切っ掛けで書き始めた次第です
しかしそちらのスレ主さんも書く予定があるようでしたら先んじて書いてしまった形になってしまい申し訳なかったと思います

乙でした

エロじゃないのにこんなに乙コメが来るものなのか…

>>116
よく見ろ
一人だけＺって書いてるぞ

>>116
エロどころか俗っぽいネタとかギャグもほとんどない
ただただストーリーで印象を与えた感じ

乙でした
とても心暖まる作品でした

R-18以外でこんなに乙が付いてるSS初めて見たわ

>>45
これには作者もニッコリ

てかなんで>>99と>>104消えてるんだ

https://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=1102881
作者ちんハミニキだったのか

>>122
作者です
>>99のレスに関しましては私から管理人さんにお願いしてレス番号80の下に移動していただきました
私としましてはラスト部分ということもあり整然と終わらせたいという思いがあり、非常に身勝手な要望でありましたが管理人さんが私の無理を聞いてくださった形です
とても真摯に対応してくださいました
>>104のレスに関しましては>>99のレスに対する言及ででありましたので管理人さんが削除してくださったものだと思われます

安価とかエロじゃなくてもたくさんレスがつくことを知れて励みになった

前のSSも好きだけどまたこういう作風のSSもかいてくれたら嬉しい

あげハミ〈(•⊃⊂•)〉

やっぱいいなこれ