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【SS】パルキア『バカヤロー!』

 ▼ 1 タッコ@しめったいわ 21/03/11 19:22:21 ID:m6tsrhyY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺様は神だ。基本的に何でもできるし、気の遠くなるような長い時間生きていても特に苦労した覚えはない。

だからそのとき自分の空間に変な赤い物が入ってきても特に気に留めなかった。

そのときの俺様は数百年片付けをしていない自分の部屋(もとい、空間)の中で偶然見つけたディアルガの黒歴史ノートに夢中だった。

しかし突如、その赤い何か……赤い鎖が俺様の身体を縛りつけてきた。

パルキア「ぱるぱるぅ!」

……今の声は、突然の攻撃にビビって出たわけではない。決して。

赤い鎖から、ユクシー、エムリット、アグノムたちの力を感じる。あいつらの悪ふざけか?

赤い鎖は俺様を引っ張って空間の外に連れ出そうとする。どうやら俺様を捕まえたいらしい。

どうせならこの俺様を捕まえようとした馬鹿者を直々に懲らしめてやろうと思い、鎖に引かれるまま外に出た。
 ▼ 54 キノオー@クリティカット 21/03/13 18:55:49 ID:RduoArsU [1/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキを襲おうとしたアクジキングのいた空間がねじれ、爆発した。

他のアクジキングがいた場所も爆発し、大量のアクジキングが宙を舞う。

空間の秩序が乱れ、俺様たちやアクジキングたちの間の距離が絶えず変化する。

コウキ「パ……ア!」

コウタ「……って!」

コウミ「…や……」

距離が縮んだり開いたりして、あいつらの声が正確に聞き取れない。

気持ち悪い。大量のヒメリのみを戻しそうになった。

コウキ「パルキア!」

俺様が一瞬あいつらに近づいたとき、俺様はまたボールに入る感覚を味わった。

そして俺様は気を失った。
 ▼ 55 ニリュウ@つめたいいわ 21/03/13 23:06:43 ID:RduoArsU [2/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
◆◆◆◆◆


私たちはウルトラビルディングから無事に脱出した。

コウキ「パルキア……」

パルキアはあれ以来目を覚さない。

コウミ「さっきの……何だったの……?」

アクジキングたちを吹き飛ばしたあの力。十中八九パルキアが出したんだろうけど……

コウキに捕まる前はきっとあんなことは簡単にできたんだろう。

それにしても、パルキアのようなポケモンにも制限をかけられるモンスターボールって……?

ソルガレオ「ぴゅい……」

コウタ「疲れたか、よし」

コウタたちがウルトラホールから出られなくなってからもうかなりたつはずだ。ソルガレオも限界が近いのかもしれない。

コウタ「お二人さん、ちっと休憩するぜ〜」

ソルガレオはウルトラホールに突っ込んだ。
 ▼ 56 ブルモ@とけないこおり 21/03/13 23:07:14 ID:RduoArsU [3/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「ここは……ウルトラディープシーね」

コウタ「おっ、ウルトラディープシーは、オレたちの世界とわりと近いはずだぜ?」

コウタ「もうそろそろ帰れるかもな!」

コウキ「ソルガレオはあとどのくらい休ませたほうがよさそう?」

コウタ「そうだな……ウルトラビルディングのときは無理言って出発しちまったからな……」

コウミ「じゃあ、今日はここで仮眠をとってから出発しましょう」

コウタ「だな!」

私たちはまわりにウツロイドがいない場所を探して食事の準備をした。ポケマメときのみばかりだけど、贅沢は言ってられない。

コウキはパルキアをボールから出してそばに寝かせた。パルキアはいびきすらかかない。

コウミ「早く回復させたいならボールに入れといたほうがいいんじゃない?」

コウキ「パルキアって、ボールに入るの嫌いだったからさ……」

パルキア「…………」

パルキアは死んだように動かない。
 ▼ 57 ティアス@でんせつのメモ2 21/03/13 23:07:44 ID:RduoArsU [4/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「そんで、誰から寝る?」

コウキ「僕はウルトラビルディングで休憩したからいいよ」

コウミ「私も」

コウタ「そっか、じゃあおやすみ」

コウタは食事の片付けをするとすぐにいびきをかきはじめた。

コウキ「…………」

コウミ「…………」

コウミ「このままじゃ退屈ね」

コウキ「うん……」

コウミ「これからしばらく一緒にいるかもしれないし、なにか聞きたいこととかある?私たちについて」

コウキ「うーん……じゃあ二人はどうして出会ったの?別世界に住んでいたのに」

コウミ「そうね……」

……あの日のことは、忘れたくても忘れられない。

私はコウタが熟睡しているのを確認して、話し始めた。
 ▼ 58 ラベベ@アブソルナイト 21/03/13 23:08:16 ID:RduoArsU [5/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャース「にゃあ♪」

コウミ「ニャース〜」

私は久々に帰った実家でニャースとじゃれあっていた。

防衛戦やチャンピオンとしての仕事がようやくひと段落ついたので、今日は久々に家に帰ってゆっくりできた。

黄昏時の太陽をぼんやり眺めていたら、突然家の扉が開く音がした。

ククイ博士かしら?あの人、よく勝手に入ってくるから。

「たっだいま〜」

ただいま?今日は私も母も家にいるはず。この家に帰ってくる人なんていない。

それに今のは男の子の声。きっと家を間違えたんだろう。私は玄関に向かった。

そこにいたのは、私と同じくらいの年の男の子。

コウミ「あの……」

「誰だぁ?あんた、うちになんか用か?」

コウミ「えっと、ここはあなたの家じゃなくて……」

「おっ、ニャース!久しぶり〜」

ニャース?久しぶり?
 ▼ 59 ガルデ@バコウのみ 21/03/13 23:08:48 ID:RduoArsU [6/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「ちょっと、」

母「あら、コウミ?どちら様?」

「母さん!久しぶり!」

え?

母「母さんって、……もしかして彼氏?前に連れてきたことあったかしら?」

コウミ「!?!?!?」

「久しぶりに母さんの手料理食べたくなったんだよな〜」

そういうと彼はズカズカと家に入り込んでくる。

コウミ「ちょ、ちょっと、こっち来て!」

私は彼を家の外に連れ出した。

「なんだよ、だいたい、あんた誰だ?」

コウミ「私はコウミ!あなたは?」

「オレはコウタだ!名前似てんな!」

そう言ってコウタと名乗った男の子はダハハと笑う。私は彼のテンションについていけなかった。
 ▼ 60 ーランド@サイコシード 21/03/13 23:09:43 ID:RduoArsU [7/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「何か勘違いしているみたいだけど、ここはあなたの家じゃないの」

コウタ「どういうことだ?」

それは私が聞きたい。

彼の言動を思い出してみると、どうもただ家を間違えただけではなさそう。

本当にここを自分の家だと思い込んでいる。どうして?

コウタ「ったく、今日は変なことばっか起こるな……」

コウタ「日輪の祭壇に行ってみたら急に夕方になっちまうしよ……昼には家に帰るつもりだったのに……」

そう言って今にも沈みそうな太陽を指差す。

日輪の祭壇?月輪の祭壇のこと?

もしそうだとしたら、コウタは祭壇に行くことができる実力のトレーナーだということだ。

あそこの試練を突破したのなら島巡りだって終えている可能性が高い。

でもこんなトレーナー、ポケモンリーグに来た記憶はない。

コウミ「あなた、何者?」

私はただ混乱して、こんなわけのわからない質問をした。
 ▼ 61 アコイル@グラスメモリ 21/03/13 23:10:12 ID:RduoArsU [8/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「オレ?なんだ知らねえのかよ。オレ、アローラの初代チャンピオンだぜ!」

コウミ「え?ちょっとそれってどういう……」

そのとき、太陽が水平線へ姿を消し、同時に彼の存在も消えた。

コウミ「!?」

人が消える。今まで不思議なことはたくさん経験してきたけど、こんなことは初めて。

母「コウミー、何してるのー?」

母「今日は久しぶりに沢山料理したんだから。よかったら彼氏も一緒に……あら?」

コウミ「…………」

私、疲れてて変なものでもみたのかしら……こんなことは忘れて、今日は美味しい料理を食べて、家でゆっくり過ごして……

……ダメだ。気になって仕方がない。私は昔から知らないことを知らないままにしていられない。

コウミ「ごめん、ちょっと出かけてくる」

すぐ帰るような口調で言ったが、多分今日はもう家に帰れないんだろうなと思った。

私はライドギアでリザードンを呼び出し月輪の祭壇に向かった。ヒントがあるなら多分そこだ。
 ▼ 62 ゲキ@アブソルナイト 21/03/13 23:10:42 ID:RduoArsU [9/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アローラの初代……チャンピオン?それはありえない。だってそれは私自身だから。

ポケモンリーグ以外の何かのチャンピオンとか……?でもイマイチピンとこない。

コウミ「ルナアーラ、あなたはどう思う?」

コウミ「祭壇に何があるの?」

ルナアーラ「…………」

ボールの中のルナアーラは答えない。

月輪の祭壇に行くのは、ネクロズマの事件以来だ。

そういえば、彼は祭壇のことを別の名前で呼んでいた。

日輪の祭壇……月輪の祭壇がルナアーラを祀るものだとしたら、日輪の祭壇って……?

色々考えてみても、全く考えがまとまらない。そうこうしているうちに、私は祭壇に着いた。もうすっかり夜中だ。

カプの遺跡とはまた異質な月輪の祭壇に圧倒される。いったい誰が作ったんだろうか。

私はあのときルナアーラが進化した場所に立った。

コウミ「これ……」

そこにあったのは小さな空間の裂け目。よく目を凝らさないと気づかない。

私はその裂け目に触れた。

コウミ「!」
 ▼ 63 エッサン@いんせき 21/03/13 23:11:08 ID:RduoArsU [10/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次の瞬間、光が差してきた。

コウミ「さっきまで……夜だったのに……」

太陽の位置から、もうすぐ昼だろうか。

太陽の位置が変わる……コウタの言葉と一致する。

ここは私がいた世界なのだろうか。だとすると私は別の時代に飛ばされて、コウタはその時代にあの家に住んでいたとか……?

いや、違う。彼は母やニャースを知っていた。ということは……

私は自分の家に向かった。

コウミ「ここでもライドギアは使えるのね」

もしかしたらポケモンセンターのパソコンも使えるかもしれない。

私はしばらくしてメレメレ島に着いた。

ここは……私の家……じゃないかもしれない……

ガチャ

コウタ「おっ、なにしてんだ?」

コウミ「ひゃあっ!」

突然家のドアが空いて、コウタが出てきた。
 ▼ 64 ゲキ@プレシャスボール 21/03/13 23:11:43 ID:RduoArsU [11/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「おっと、ここはオレの家だからな」

やっぱりそうだ。

コウタ「そういや、昨日は突然どこに行ったんだ?」

コウミ「どこかに行ったのはあなたよ」

コウタ「え?」

コウミ「私がいなくなって、また太陽が登ったでしょ?」

コウタ「そうだな、今日はやけに太陽が元気だな〜って思ってた」

ええ……

コウミ「あなたは私がいた世界から半日ずれたこの世界にもどったの」

コウタ「ふーん」

コウミ「多分私の世界とあなたの世界はほとんど同じで」

コウミ「どうしてかわからないけど祭壇から行き来ができる」

コウタ「はあー」

コウミ「そして多分……あなたはこの世界の私」

コウタ「ほえー」

コウミ「ちゃんと聞いてる?」

コウタ「まあ、だいたいは」

イラッ。なんでこんな人と私が同一人物なのよ!
 ▼ 65 ニータ@ヘラクロスナイト 21/03/13 23:12:13 ID:RduoArsU [12/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「そうだ、オレ、これからポケモンリーグ行くから!じゃあな!」

そう言うと彼はすぐにリザードンに乗って飛び立って行った。

コウミ「ちょっと!」

彼のテンションについて行けない。

私はまだまだ知りたいことがある。ここで逃げられるわけにはいかない。

私は彼の後を追った。

ポケモンリーグはいつもと同じなのに、新鮮だった。

ここでの私はチャンピオンじゃない。一人のチャレンジャーでしかない。

それに違和感を抱くと同時に、いつも感じる重圧から解放されたような気分にもなる。

私だってたまにはチャンピオンじゃなくて……一人のトレーナーでいたい。

危なげなく四天王を突破してチャンピオンの部屋に向かう。

私はあの部屋がとても好きだ。景色がとても綺麗で、特別なトレーナーしか入れない場としての雰囲気がある。

私は階段を登った。
 ▼ 66 ーマンダ@ライボルトナイト 21/03/13 23:12:41 ID:RduoArsU [13/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「おっ、また会ったな」

ハウ「だれー」

グラジオ「知り合いか?」

コウミ「え……」

私は驚いた。この部屋に二人以上の人が居ることなんて滅多にない。

コウミ「なにしてるの……?」

ハウ「もしかしてコウタの彼女ー?」

コウタ「ちょっと違うけど、まあ彼女でいいや」

コウミ「よくない!」
 ▼ 67 ナギラス@キズぐすり 21/03/13 23:13:11 ID:RduoArsU [14/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グラジオ「こいつに彼女がいただと?ありえない。この何考えてるかわからない馬鹿にか?こいつに彼女がいるならこいつよりイケメンで家柄もいいオレにどうして彼女がいない……?そんなはずはない。どうしてオレには彼女がいない?なにかオレに悪いことがあるのか?それなら一つずつミスを潰すだけ……オレにはシルヴァディがいるからな……」

ハウ「グラジオが壊れちゃった」

グラジオ「フッ……なにしてやがる、オレ……」

ハウ「まあいいや、マラサダ食べよー」

ハウとグラジオは平常運転……かな?

コウタ「そんで、何しに来たんだ?リーグに挑戦?」

コウミ「あのね、あなた、私の話を聞いて何も思わなかったの?」

コウタ「うーん、まあ、別に」

イラッ。どんな頭をしてたらこんな適当なことを言えるのよ!

コウタ「確かに昨日はビビっちまったけどよぉ……って、あれは昨日なのか?それとも今日?」

コウミ「そんなことどうでもいいでしょ!」

ハウ「昨日って、なにがあったのー」

グラジオ「おい、教えろ!」

ハウ「この人コウタが彼女持ちだったからってキレてるよー」

この世界のハウとグラジオは私のことを知らない。それはわかっているんだけど、知り合いに他人のように扱われるのは結構こたえる。

コウタは二人に説明した。だけど全く説明になっていなかったから、ほとんど私が説明するハメになった。
 ▼ 68 メイル@プテラナイト 21/03/13 23:13:39 ID:RduoArsU [15/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハウ「へえーそうなんだ」

グラジオ「彼女ではなかったのか」

もしかしてこの状況を重く見てるのって私だけ?

グラジオ「しかしこいつと同一人物という割には……いつもの馬鹿さを感じないな」

ハウ「性格も全然違うねー、バカっぽくないし」

コウタ「お前らひっでえな」

よかった。コウタのことをおかしいと思っているのは私だけじゃなかった。

コウミ「それで、あなたたち三人はどうしてここに?」

コウタ「ほら、この部屋で一人でいても暇だろ?」

コウミ「そうかしら?景色を見るなり、ここでしかできないこともあるから私は退屈しないけど」

コウタ「変なの」

イラッ
 ▼ 69 ラキオン@タマゴけん 21/03/13 23:14:11 ID:RduoArsU [16/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「とにかく、オレは暇だ。だからここによく三人であつまってんの」

ハウ「今日はねー、バトルした後三人でトランプしてた」

グラジオ「フッ……ここで孤独を埋めるのも悪くない」

チャンピオンの間が三馬鹿の遊び場になってるなんて……ククイ博士が知ったらどうなることやら……

コウタ「なんならここで暇でも潰す?ほら、いろいろあるぜ」

コウタはチャンピオンの玉座の後ろからおもちゃばこ(?)を持ってきた。

沢山のボードゲームにカードゲーム、テレビゲームまで色々ある。ククイ博士にチクってしまおうかしら。

コウミ「あのねぇ、私は……」

コウタ「まあまあ、そうカッカすんなって、お互いのことを知るためにもさ?」

コウミ「…………」

私はコウタに従った。
 ▼ 70 ュカイン@ソニアのほん 21/03/13 23:14:36 ID:RduoArsU [17/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こんなに遊んだのは久しぶりな気がする。

いつもの大変な日々から抜け出してたまにはこんなことをするのも……悪くないかな。

時間はあっという間に過ぎて、夕方になった。

コウタ「はい解散解散!」

ハウ「じゃあねー」

ハウは今日会ったばかりの私にも手を振ってくれた。どこの世界でも、ハウはハウだ。

グラジオ「フッ……また来る」

グラジオもいつものポーズをとって帰っていった。

コウタ「……で、どうするんだ?祭壇行くなら送っていこっか?」

コウミ「大丈夫。多分、時間が来たら勝手にもとの世界に戻されると思う。」

私は昨日のことを思い出した。日が沈むと同時にコウタは私の目の前から姿を消した。

コウタ「そっか、じゃ、また気が向いたらそっちに行くぜ!」

コウミ「え?」
 ▼ 71 ャスパー@つめたいいわ 21/03/13 23:15:02 ID:RduoArsU [18/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「あんた、面白いからな」

コウタ「こんどはバトルもしようぜ!」

コウミ「え、ええ……」

彼と私が戦ったらどっちが強いんだろうか。手持ちまでみんな同じなのだろうか?

コウミ「そろそろね」

太陽はすでに沈みかけていた。

コウタ「じゃあな。そっちのハウたちにもよろしく」

コウタが手を振った。私も咄嗟に振り返す。

次の瞬間、私は元の世界に戻った。

朝日が登り始めている。

コウミ「これって、三回連続昼ね……」

そう思って初めて、私はとても眠いということに気づいた。
 ▼ 72 リーパー@プレミアボール 21/03/13 23:15:25 ID:RduoArsU [19/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今まで神聖な場所だと思ってどんなに疲れていてもここでは眠っていなかったが、コウタたちに会って吹っ切れたのか、私は玉座に身体を預けてすぐに眠りについた。

それから私たちの奇妙な交流は続いた。あるときはアローラで、あるときはウルトラスペースで。

異世界に移動するウルトラワープライドでは、どちらの世界から飛んでも同じところに行くことができるらしい。

彼と私の手持ちポケモンは違った。ただ、ポケモンバトルの実力は拮抗していた。私が勝つことも、彼が勝つこともあった。

彼がこっちに来る時は必ず私のところに来る。そして私が向こうに行く時は会うつもりはなくてもよく彼に出会う。

彼がこっちに来る目的は謎だ。

私は沢山の仕事から解放されたいときに……チャンピオンとしての振る舞いに疲れた時によく彼の世界に行く。彼も同じなのだろうか。

よく会うにも関わらず、彼のことはわからないことも多い。

いつしか、どうしてこんな現象が起こっているか疑問を持つことさえなくなっていった。
 ▼ 73 ャワーズ@サトピカZ 21/03/13 23:15:45 ID:RduoArsU [20/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「まさかパルキアのせいだったなんてね」

コウキ「…………グウ」

流石に話し過ぎたかしら。この場で起きているのは私だけになった。

コウタのバカっぷりに慣れたのか、私はちょっとやそっとのことでは怒らなくなった。喜ぶべきなのだろうか。

本当にアローラに帰れるのかしら。不安はどうしても無くならない。

それでもコウタの顔を見ると、彼のポジティブさ思い出して、なんだか大丈夫な気がしてくるから不思議だ。

私も眠くなってきた。

コウタの身体をゆする。

コウタ「なんだぁ?」

コウミ「疲れた。交代」

コウタ「へいへい」
 ▼ 74 ーミラー@しずくプレート 21/03/14 21:35:17 ID:PqtMjIlA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シエンネ
 ▼ 75 ルズキン@もののけプレート 21/03/14 22:19:49 ID:waRQd5bY [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
○○○○○


《聞こえるか?パルキア》

パルキア『あん?』

《私は今お前の夢に直接私の思考を送っている》

パルキア『お前……ダークライか?』

ダークライ《ああ、悪いが時間がない。しっかり聞いてくれ》

パルキア『おい、俺様たちは結局どうなったんだ?逃げられたのか?』

ダークライ《お前たちは無事だ。お前はまもなくアローラ地方へ着く》

パルキア『あのとき力が使えたのはなんでだ?ディアルガか?アルセウスか?』

ダークライ《お前に力を貸したのはギラティナだ》

ダークライ《お前にもともと宿る空間を司る力をお前を通してギラティナが使った》

ダークライ《今のお前にはかなり負担をかけたようだが》

パルキア『バカな……野郎が現実世界に手出しできるのは俺様とディアルガが世界の均衡を崩したときだけだ』

ダークライ《今やギラティナを縛る存在は力を失いつつある。シェィミに意思を伝えたのち沈黙した》

ダークライ《それでギラティナもお前を通して力を使うくらいはできるようになった》

パルキア『それってアルセウスが……』

ダークライ《そうだ。そのことでお前に伝えなければならないことがある》
 ▼ 76 リーラ@すっぱいりんご 21/03/14 22:20:25 ID:waRQd5bY [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダークライ《エーテルパラダイスに向かえ》

パルキア『なんじゃそりゃ?』

ダークライ《共にいる人間たちに聞けばわかる》

パルキア『……しっかしなんだって俺様が』

パルキア『他に暇してる伝説ポケモンはいないのか?』

パルキア『俺様はさっさと小僧のポケモン集めて……』

ダークライ《パルキアよ、これは最優先事項だ。お前がやらなくてはならない》

パルキア『なんでだよ!何か問題があるってんなら、ディアルガあたりがやりゃあいいだろ?』

パルキア『いまの俺様がアルセウスをどうこうした連中に立ち向かえると思うか?』

ダークライ《残念ながら殆どの伝説ポケモンはいま行動できない》

パルキア『なんだ?……まさかそいつらもみんなエーテルパラダイスってとこで何かあったとか?』

ダークライ《そのまさかだ》

ダークライ《お前はアルセウスがギリギリのところで残した切り札》

ダークライ《この問題を解決することこそが、お前が今そこにいる理由だ》

パルキア『おい、全然意味がわからんぞ』

パルキア『自分で言うのもなんだが、俺様はここ最近ずっとサボってきた。』

パルキア『そんな俺様がアルセウスの切り札だと?』

ダークライ《お前が適任だったからだ》

パルキア『どうして俺様が?』

ダークライ《……残念だがそろそろ時間だ。お前が失敗すると最悪宇宙が滅ぶ。健闘を祈る》

パルキア『おい!』

俺様は目を覚ました。
 ▼ 77 ヒドイデ@リゾチウム 21/03/14 22:20:51 ID:waRQd5bY [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そこには青空がひろがっていた。

コウタ「おっ、起きたか〜」

パルキア『どこだ、ここは?』

コウタ「アローラ地方!オレがいた世界だ!」

パルキア『…………』

ダークライが夢で言ってたように、本当にアローラ地方に着いたみたいだ。

コウミ「あなた、三日間もずっと眠っていたのよ」

パルキア『まじか……』

そのわりには夢を見ていた時間は短かったような。

パルキア『そういや、俺様なんでボールの外に?』

コウキ「君はボールに入るのを嫌がるだろ?それに……」

コウキ「全然目を覚さなくて、心配だったし」

パルキア『……悪かったな』

コウタ「パルキアも起きたことだし、これからどうするんだ?」

そうだ。俺様にはやることがある。

パルキア『小僧、悪いがなぞのばしょの件は後回しだ』

パルキア『お前ら、エーテルパラダイスって、知ってるか?』
 ▼ 78 マザラシ@おすすめメール 21/03/14 22:21:37 ID:waRQd5bY [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
◆◆◆◆◆


私たちはパルキアの話を聞いて驚いた。

コウタ「エーテル財団は確かにヤバいことしてたけど、今さらそんなことする連中じゃねえと思うんだがなぁ」

コウミ「そうね。にわかには信じがたいけど」

コウキ「でも、行ったほうがいいんじゃないかな?」

私たちはパルキアの夢を何者かによってエーテルパラダイスに伝説のポケモンたちが捕らえられていると解釈した。

私はレインボーロケット団の事件を思い出した。

コウミ「宇宙が滅ぶ……なんて」

パルキア『無理な話じゃ無いな。俺様だって全盛期なら星の一つや二つ簡単にブッ壊せた』

パルキア『伝説ポケモンが大量に集まれば、できないこともない』

他ならぬパルキアが言うのだから、信憑性は高い。

コウタ「もしかして、ソルガレオやルナアーラもそこに?」

コウミ「可能性はありそうね」

コウタ「じゃあ、いっちょ行ってみっか!」

パルキア『待て』

パルキアが私たちを引き止めた。神しか知らない何か大事な情報があるのかもしれない。それとも夢について何か思い出したのかも。

パルキア『腹が減った』
 ▼ 79 リボーグ@ガラナツのえだ 21/03/14 22:22:21 ID:waRQd5bY [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私たちは海の民の村で簡単に食事を済ませた。

パルキア『人間たちの飯もなかなかいけるな』

コウキ「呑気なこと言ってる場合なの?」

コウタ「まあ、まだ何か起こったって決まったわけじゃねえしな!」

コウミ「どうしてそう楽観的にとらえられるのよ……」

コウタ「宇宙が滅ぶか〜、スケールがデカすぎてよくわかんねえな」

コウミ「とにかく、準備は怠らないことね。あとでポケモンセンターに寄りましょう」

コウタ「コウキはどうすんだ?手持ち、パルキアしかいねえだろ?」

コウキ「僕は……パルキアだけでいく」

パルキア『正気か?俺様ばっか働かせるのかよ』

コウタ「そっか、じゃあ、これ持ってけよ」

そう言ってコウタは自分の持つZパワーリングとZクリスタルをコウキに渡した。

さすがに私は驚いた。

コウミ「あなた、カプに貰ったものを人に渡すなんて、馬鹿じゃないの?」

コウタ「そのダークライ?ってやつによると、パルキアが大事なんだろ?」

コウタ「オレが持ってるより、コウキに預けたほうがいいと思った」

コウキとパルキアはZパワーリングを不思議そうに見つめてる。

コウタはZパワーリングの使い方を簡単に説明した。

コウキ「ありがとう、きっと役立てるよ」 
 ▼ 80 レイシア@タウンマップ 21/03/14 22:22:51 ID:waRQd5bY [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「そうそう、大事なことを言ってなかった。それはパートナーとの絆がミソなんだ」

パルキア『絆ぁ?』

パルキアはコウキとコウタの顔を交互に見つめる。

パルキア『俺様と、こいつが?』

コウタ「だな。パルキアもいつまでも意地張ってないで、いいかげんコウキのこと信用したらどうだ?」

コウミ「強いトレーナーほどポケモンとの絆は強いものよ」

コウタ「そうそう。いくら強いポケモンでも、トレーナーとの絆がなければ最大限の力は発揮できねえな」

パルキア『…………』

コウキ「よろしく、パルキア」

パルキア『ケッ!わぁったよ!』

パルキアってもしかしてツンデレ?
 ▼ 81 ルキア@プロテクター 21/03/14 22:23:14 ID:waRQd5bY [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『どうせ何かくれるんだったらしらたまがありゃよかったのに……』

コウミ「しらたま?」

パルキア『簡単に言うと、真珠みたいな石だ』

コウタ「しらたまはねえが、これならあるぜ!」

そう言ってコウタはおだんごしんじゅを差し出す。

パルキア『…………』

……どうやらパルキアも私と同じことを考えているらしい。

コウミ「それじゃあそろそろ行きましょう」

コウタ「そうだな!」
 ▼ 82 リバード@がんせきプレート 21/03/14 22:23:46 ID:waRQd5bY [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エーテルパラダイス

コウミ「これって……」

そこにあったのは、まさに私が一ヵ月前に見た、レインボーロケット団の城。

リーリエ「コウタさん!」

コウタ「おっ、リーリエ、ひっさしぶり〜」

リーリエ「今まで何してたんですか?」

コウタ「なにってちょっと迷子に……」

コウミ「あなた、どのくらい長くウルトラスペースで迷ってたの?」

コウタ「……ざっと三ヵ月くらい?」

私の世界でレインボーロケット団が現れたのは一ヵ月ほど前。その間コウタはウルトラスペースにいたため、まだこの事件はこっちでは解決していなかったということだろう。

リーリエ「兄さまやハウさん、グズマさんも、あそこに行ったきり帰って来てません……」

コウタ「…………」

リーリエ「でもコウタさんなら……皆さんを……母さまを助けられるかも……」

リーリエ「いいえ、助けられるに決まってます!」

リーリエの目は期待で溢れていた。この世界でコウタは何度もリーリエを救ってきたのだから、当然だ。

コウタ「……おう、行ってくる!」

コウミ「待って、私、これ知ってる」

コウタ「これぇ?」

私はレインボーロケット団の情報を話した。
 ▼ 83 シャーモ@ホロキャスター 21/03/14 22:24:26 ID:waRQd5bY [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『どいつもこいつも人間なんかに捕まりやがって……情けねえ』

伝説ポケモンたちの話をしたらパルキアが言った。

コウキ「とにかく、ヤバいことになる前に行こう」

私たちはレインボーロケット団の城にむかって歩き出した。

コウミ「でも、どうしてパルキアが来る必要があったのかしら?」

私はつい独り言を言った。

自分の世界で起きた事件は別世界の人間やポケモンの力を借りずに解決できたし、それと同じ事件だとしたらパルキアがいる必要は薄い。

それに、「アルセウス」という存在と私は会っていない。

一ヵ月たつうちに、事件の規模は大きくなったのかしら?
 ▼ 84 ーシィ@どくバリ 21/03/14 22:24:57 ID:waRQd5bY [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「おっじゃましま〜す!」

コウミ「バカ!」

逃げも隠れもせず、コウタが堂々と乗り込む。

したっぱ「侵入者だ!」

コウタのボールが弾けた。

ボールから出てきた影が一瞬でしたっぱを拘束する。

したっぱ「ひっ!」

コウタ「よくやった、ミミッキュ」

コウタ「ハウたちはどこだ?」

したっぱ「ひぃっ!おっ、おれはっ、たたただのしたっぱで……」

「騒がしいと思ったら、侵入者ですか」

突然、奥のワープパネルから人が出てきた。

コウミ「ゲーチス!」

ゲーチス「おや、私のことを知っているのですか」

ゲーチス「作戦は最終段階です。何人たりとも邪魔をしてはなりません」
 ▼ 85 ッチール@PPかいふくポン 21/03/14 22:25:28 ID:waRQd5bY [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲーチス「……サカキのいいなりなのは癪ですが、仕方ありません」

ゲーチス「皆さん、出てきてください」

ゲーチスの声が合図のように、マツブサ、アオギリ、アカギ、フラダリが登場する。

コウミ「あれ……?」

マツブサとアオギリは前会ったときと若干見た目がちがうような……なんか派手になってる。

コウキ「アカギ……!」

アカギ「?……誰だ貴様は?」

コウキ「………!」

コウミ「彼はあなたの世界のアカギじゃないわ!」

コウタ「たしかこいつらみんな伝説ポケモンもってるんだっけ?」

フラダリ「正確には持ってた、だ。我々は美しい世界のため伝説ポケモンをサカキに預けた」

コウミ「伝説ポケモンがいなくても、彼らは強敵よ!気をつけて!」
 ▼ 86 スブレロ@きぼりのかんむり 21/03/14 22:25:48 ID:waRQd5bY [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『おい、あのゲーチスってやつが出てきたところから、ディアルガの野郎を感じる』

コウキ「あいつらの会話から想像すると、他の伝説ポケモンもそこにいそうだね」

私たちはお互いの顔を見合わせた。

コウタ「二人は先に行け!こいつらはオレたちがなんとかする!」

コウキたちの反応は早かった。ワープパネルに向かって一目散に駆け出した。

ゲーチス「簡単に行かせると思いますか?」

ゲーチスがボールを投げようとした。

私はジュナイパーのボールを投げた。

コウミ「かげぬい!」

ゲーチスたち全員の影に矢が突き刺さり、動きが止まる。

その隙に私たちはワープパネルを背に立った。

ゲーチス「フッ、お子様二人で何をするつもりですか」

コウタ「……アローラチャンピオンを」

コウミ「なめないでよ!」
 ▼ 87 ーラオス@やんちゃミント 21/03/15 21:49:52 ID:8JFk41hg [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
○○○○○


俺様は自分の勘を頼りに先へ進んだ。

コウキ「大丈夫かな、二人とも……」

パルキア『心配してる暇はないぞ。こっちだってやることがある』

パルキア『お前に合わせると遅い。乗れ!』

コウキ「……!」

コウキ「わかった」

俺様はコウキを乗せて飛んだ。奴の心臓の鼓動を感じる。

パルキア『ここだな』

目の前の巨大な扉から、ものすごい力を感じる。ディアルガたちはこの奥にいるだろう。

パルキア『うーん、どうするかなぁ』

コウキ「普通に入らないの?」

パルキア『さすがにこの先にいる奴らはヤバい。簡単には突破できねえ』

何かないか?いい作戦は?

パルキア『おい、バックの中身を見せろ』

コウキはバックを開いた。

パルキア『……おっ、これならいけそうだ』

俺様はコウキに作戦を説明した。
 ▼ 88 メモース@きょうせいギプス 21/03/15 21:50:31 ID:8JFk41hg [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺様はドアを蹴破った。

「……まさか君の方から来てくれるとはな」

「空間を司る神、パルキアよ」

パルキア『神を前にその余裕。慣れてきたがやっぱ気に入らねえな!』

そこにいたのは一人の男。

男の後ろには拘束されたアルセウスがいて、その周りは謎の液体に満たされたガラス張りの機械に入った伝説ポケモンたちが円を描くように囲っている。誰も動かない。

謎の機械から伸びるコードは中央のアルセウスの真下につながっており、そこには結晶のような何かがある。

空いている機械は一つ。ディアルガの正面の機械だ。どうやら最後のパーツは俺様らしい。

「会話ができるポケモンとは珍しい」

「いっしょにいた人間たちはどうした?」

パルキア『あんたのお友達と遊んでるよ!』
 ▼ 89 イレーツ@こだいのぎんか 21/03/15 21:51:05 ID:8JFk41hg [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『で、お前は何者だ?』

「私はレインボーロケット団のボス、サカキだ」

サカキ「君が見ているそれはカロス地方にあった最終兵器を改造したもの」

サカキ「見ての通り君が最後の部品だ、パルキア」

パルキア『俺様をあいつらと一緒にすんなよ?』

サカキ「無論、簡単に従えられるとは微塵も思っていない」

サカキ「そこで君と取引したい」

パルキア『なんだと?』

サカキは一つの宝玉を掲げた。

パルキア『なっ……!』

サカキ「そう、これはまさしく君の力の結晶であるしらたまだ」

しらたまはこいつが持っていたのか。でも、それなら何で俺様はこんなに近くにいてもしらたまの存在を感じなかったんだ?
 ▼ 90 ガクチート@ヒールボール 21/03/15 21:51:40 ID:8JFk41hg [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『そいつをどうするんだ?』

サカキは最終兵器の方を向いた。

サカキ「この最終兵器は、文字通り宇宙を終わらせる力を持つ……が」

サカキ「私はそんなことに興味はない」

サカキ「私はただこの最終兵器の圧倒的な力で世界を支配したいだけだ。君たち神にとってはちっぽけなこの世界を」

サカキ「私はアカギやフラダリなんかのように滅びをもたらしたいのではない」

パルキア『何が言いたい?』

サカキ「君は少しあそこの機械に入ってくれるだけでいい」

サカキ「あの最終兵器が発動可能になり次第、君を解放し、しらたまを贈ろう」

サカキ「私は君に一切危害を加えないと約束する」

サカキ「そして君は今後一切この世界に干渉しない。無限にある次元の一つを私が支配するというだけだ」

サカキ「ほかの伝説ポケモンが私のもとにいる今、君は全ての頂点に立つこともできる」

サカキ「君に不利益はないだろう」
 ▼ 91 ーダル@オボンのみ 21/03/15 21:52:07 ID:8JFk41hg [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『もし断ったら?』

サカキ「そのときは実力で君を我が物にする」

サカキ「出来ないと思うか?ならそこにいるポケモンたちはなんだ?」

俺様は眠ったように動かないアルセウスたちを見た。

サカキ「……彼らは一度私がボールに入れている」

サカキ「解放したところで君に協力するとは考えないことだな」

パルキア『……カイオーガ、グラードン、ディアルガ、ゼクロム、レシラム 、ゼルネアス、イベルタル、ソルガレオ、ルナアーラ、そしてアルセウス……』

パルキア『まったく情けねぇな、こんな野郎に捕まるとは……』

俺様は視線をサカキに戻す。

パルキア『残念ながら答えはノーだ』

パルキア『どうやら俺様は、利益よりも自分の心に従いたいらしい』

パルキア『俺様にはあいつらを裏切るマネはできねえ』
 ▼ 92 ンナ@いのちのたま 21/03/15 21:52:35 ID:8JFk41hg [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「残念だ」

サカキはそう言うとボールを投げた。中から出てきたのは、ミュウツー。

それもただのミュウツーじゃない。とてつもない力を感じる。

パルキア『まさかミュウのパチモンで俺様に敵うとでも?』

完全に虚勢だ。今の俺様はどうあがいてもこのミュウツーに敵わない。

サカキ「このミュウツーにはそれだけのスペックがある」

完全に普通のミュウツーとは違う何かを感じる。なんだ……?こいつは……

パルキア『メガシンカとやらでもするのか?』

とにかく質問を続けよう。時間を稼がないことには始まらない。
 ▼ 93 クシー@ヒレのカセキ 21/03/15 21:53:00 ID:8JFk41hg [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「そんなもの無用。いまのミュウツーには最終兵器のエネルギーが満ちている」

パルキア『なんじゃそりゃ?』

サカキ「さっき説明しただろう、ばかめ」

サカキは若干イライラしているようだが、説明する。完全に勝った気でいる。

サカキ「今のミュウツーは宇宙を終わらせるほどの力を持つ」

パルキア『もし最終兵器がぶっ壊れたら?』

サカキ「フッ、そんなことはありえない」

パルキア『……ありえたりして』

パルキア『後ろを見てみな』
 ▼ 94 グロコ@イバンのみ 21/03/15 21:53:34 ID:8JFk41hg [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキは後ろを見た。ちょうどコウキがディアルガにこんごうだまを近づけるところだった。

サカキ「なっ!いつのまに?」

俺様たちはサカキの部屋に入る前に、この作戦を計画した。

パルキア『俺様を……信じてくれ』

パルキア『今までの行いを見て何をほざくと思うだろうが、これしか俺様は思いつかない』

俺様は頭を下げた。俺様のちっぽけなプライドなどどうでもよかった。

コウキ「顔を上げてよ」

コウキ「……僕は、もうとっくに君を信用してるよ」

パルキア『…………!』

俺様たちは正面とは別にサカキの部屋への入り口を探した。

結果コウキは窓から侵入することになった。最終兵器は高熱を発するために、サカキは窓を閉めるわけにはいかなかったのだろう。

俺様が時間稼ぎをしたおかげでやつは無事ディアルガのもとまでたどり着いた。こっからは賭けだ。
 ▼ 95 ノココ@ハートスイーツ 21/03/15 21:54:00 ID:8JFk41hg [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「なにをするつもりだ!」

パルキア『寝起きドッキリ!なんちって!』

コウキ「なんか違うと思う……」

ディアルガの胸の宝石とこんごうだまがどんどん輝きを増す。そして

パリーン!

コウキ「うわっ!」

ディアルガの入っていた機械が破裂し、コウキは派手にぶっ飛ぶ。こんごうだまはどこかに吹っ飛んでいった。

ディアルガとこんごうだまが共鳴していた時間はわずか2秒ほどだったが、大丈夫だろうか?
 ▼ 96 ーナノ@ニニクのみ 21/03/15 21:54:43 ID:8JFk41hg [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「クソガキが!」

サカキが最終兵器の制御盤に向かう。

俺様は吹き飛ばされたコウキの元へ向かった。

パルキア『おい!無事か?』

コウキ「大丈夫、それより作戦は?」

パルキア『うまくいったみたいだぜ!』

俺様はニヤリと笑って足元を示す。そこには今までのような床はなく、深い闇が広がっていた。

……ビシャーンッ!

反転世界の王はその姿を闇の中から現した。
 ▼ 97 ターミー@ひかりのいし 21/03/15 23:42:04 ID:aeB26Voo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 98 ッパ@おおきなマラサダ 21/03/16 20:24:15 ID:/lT2nYX6 [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『よっしゃ!愛してるぜ!ティナ公!』

弱体化した俺様と一瞬こんごうだまと共鳴しただけのディアルガの力ではこいつを呼ぶことができるか不安だったが、縛りが弱まっているおかげか、うまくいったようだ。

ギラティナ《……キモい》

パルキア『つれないなぁ、あっちは頼むぜ!』

俺様は最終兵器を指さす。

ギラティナ《お前は?》

パルキア『ミュウツーを倒す』

まだ最終兵器は完全に壊れてはいない。ってことはまだまだ激ヤバのミュウツーだろう。だが。
 ▼ 99 イオウドウ@タウリン 21/03/16 20:24:50 ID:/lT2nYX6 [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「パルキア、いくよ!」

パルキア『おっしゃあ!』

コウキ「Zワザ!」

パルキア『ぶちかますぜ!』

純粋な伝説ポケモンの本来の力。それに対抗できるものは、同じ神の力だけではない。

Zパワーを感じながら、レシラムやゼクロムなんかが人間と関わる理由が少しわかってきた。

人やポケモン、それぞれの繋がりは時に、圧倒的な力をも凌駕する!

コウキ・パルキア「『アルティメットドラゴンバーン!!!』」
 ▼ 100 イケンキ@きいろのはなびら 21/03/16 20:25:19 ID:/lT2nYX6 [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
◆◆◆◆◆


意外とあっさり勝負はついた。私たちはあっという間に五人を倒した。

コウタ「はいはーい、オッサンたち、おとなしくしてねー」

私とコウタはとりあえず五人を拘束する。

コウタ「オレたち、結構いいコンビなんじゃね?」

コウミ「そうかもね」

確かに、今まで一緒に戦った誰よりも、戦いやすかった。結局同じ存在なのだから、お互いの考えがよくわかるのかもしれない。(普段は何考えてるか全然わかんないけど……)
 ▼ 101 クラビス@アクZ 21/03/16 20:25:51 ID:/lT2nYX6 [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「ひとつ聞いていいか?」

コウタが言った。

コウタ「あんたら、なんで世界を壊そうとするんだ?」

五人は微妙な反応をした。

マツブサ「何?私は世界を壊そうとは思ってないが」

ゲーチス「そうですとも!そんなことをして何になるのです?」

ん?

コウタ「ふーん、じゃあなんでオッサンたちはオレたちの邪魔をしたんだ?」

アオギリ「そりゃあ、サカキの野郎がカイオーガ貸してくれたら海を広げるいい方法があるとか言うから……」

マツブサ「なに?サカキは陸を広げるためにグラードンを貸してくれと……」

フラダリ「サカキはイベルタルとゼルネアスの力で最終兵器を発動させると言っていたが」

アカギ「…………」

ゲーチス「……どうやらワタクシたち、騙されていたようですね」
 ▼ 102 ヤシガメ@グランドコート 21/03/16 20:26:21 ID:/lT2nYX6 [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲーチス「……どうやらワタクシたち、騙されていたようですね」

コウタ「ダハハ、馬鹿だなオッサンたち」

ゲーチス「なんですと!?」

私の世界で彼らに会ったときも、あまり連携が取れていないと思ったが、ここでもそうだったらしい。

フラダリ「では伝説ポケモンを集めてサカキは何をするのだというのか?」

フラダリ「私は実際にサカキに最終兵器をわたしてしまったが」

アオギリ「なんで渡すんだよそんなヤベえもん」

コウミ「とにかく、何かよくないことが起こりそうなのは確かね」

コウタ「そうだな、じゃ、行くか?」
 ▼ 103 ローゼル@ヤミラミナイト 21/03/16 20:27:13 ID:/lT2nYX6 [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マツブサ「まさか、我々の出番はもう終わりか?」

アオギリ「うっそだろお?バトルシーンすら無しだぜ?」

アカギ「そもそもここまでまともなバトルシーンなどなかった」

ゲーチス「ひどいです!ひどすぎます!」

フラダリ「残念ですがさようなら」

五人は未練があるようだったが、これ以上かまってもいられない。私たちは先に進んだ。
 ▼ 104 ドゼルガ@しんぴのしずく 21/03/16 20:28:28 ID:/lT2nYX6 [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
○○○○○


ミュウツー「」

コウキ「はぁ、はぁ……」

Zワザは大成功。しかし、強力すぎるせいか、反動がとても大きい。

ギラティナ「ビシャーン……!」

ギラティナはサカキの操る伝説ポケモンたち相手に善戦している。やっぱりボールの縛りのあるなしは大きい。

アルセウス以外の伝説ポケモン全員相手に全く引けを取っていない。

サカキはアルセウスだけは戦いに参加させていない。奴にはアルセウスは操れないのか?
 ▼ 105 ンパチ@レッドカード 21/03/16 20:28:53 ID:/lT2nYX6 [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「僕たちもギラティナの手伝いをしよう」

パルキア 『ああ……』

そのとき、サカキの足元の地面が盛り上がった。

ダグトリオ「デタヨー」

サカキ「よくやった」

ダグトリオはサカキにこんごうだまを渡した。どうやらサカキはダグトリオに飛んでいったこんごうだまを探させていたらしい。

サカキ「お前たちが持ってきたこんごうだま……利用させてもらう」

パルキア 『まずい、ギラティナ!』

サカキ「やれい!ディアルガ!」

サカキがこんごうだまを掲げる。するとそれに反応してディアルガの胸のダイヤモンドも光り輝く。

ディアルガ「グギュグバァッ!!!」
 ▼ 106 ゼリア@ハガネZ 21/03/16 20:29:24 ID:/lT2nYX6 [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ディアルガの時の咆哮がギラティナに炸裂する。

ギラティナ《くっ……まさか……そんな……》

ギラティナは地面に空いた穴から破れた世界に落ちていった。

パルキア『ギラティナー!』

サカキは俺様たちの方を向くと、余裕の笑みを見せた。

サカキ「Zワザを使えるのは一回きり。今のお前たちにはもうどうすることもできない!」

パルキア『チッ……しかたねえ……』

パルキア『珠を出せ!』

コウキ「オッケー!」

コウキがしらたまを掲げる。
 ▼ 107 ギルダー@やけどなおし 21/03/16 20:29:47 ID:/lT2nYX6 [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「なっ……しらたまはここに……」

サカキ「って、おだんごしんじゅ!?」

コウキ「どさくさに紛れて取り替えておいたよ」

サカキ「………フッ」

すると突然サカキが笑い出した。

サカキ「それに最後の望みを託したようだが、残念ながらもう使えない」

パルキア『なに?』

よく見るとしらたまには大きくヒビが入っていた。

サカキ「私は敵を強化する物を持ってその敵と対面するほど馬鹿ではない」

サカキ「お前が来る前にそれは壊しておいた」
 ▼ 108 アルヒー@ハガネZ 21/03/16 20:30:13 ID:/lT2nYX6 [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「これで終わりだッ!パルキア!」

どうする?本格的にマズい。この状況を打開する手段は……

コウキ「……パルキア、君を解放する」

パルキア 『なに……?お前はそれでいいのか?』

コウキ「もう他に方法が無い……」

コウキ「あとは頼んだよ……!」

コウキはボールを俺様の方へ投げた。

コウキ「……あくうせつだん!」

俺様はボールを破壊した。

俺様は全てを手に入れた。そして、何かを失った。
 ▼ 109 マコブシ@ヨロギのみ 21/03/16 22:05:11 ID:/lT2nYX6 [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺様の両肩の真珠が発光する。とてつもない力を感じる。

パルキア 『亜空切断ッ!』

俺様は伝説ポケモンたちを捕らえていたボールを破壊した。そして彼等が本来いるべき世界に飛ばした。

ついでにコウタたちが倒した人間たちも元の世界に戻した。

この場に残っているのはソルガレオとルナアーラ、ディアルガ、そしてアルセウスだ。

コウタ「お待たせー!」

コウミ「サカキ……!」

コウキ「ちょうど良かった!二人ならソルガレオとルナアーラを鎮められる」

二匹はまだ混乱しているらしい。俺様の味方になるかはわからない。

パルキア 『任せていいか?』

コウミ「もちろん」

コウキ「そうだ、Zパワーリング、返すよ」

コウタ「役に立ったか?」

コウキ「もちろん!」

俺様は二人と二匹を外に飛ばした。出来るだけ人やポケモンのいない場所に。
 ▼ 110 ギギシリ@むしよけスプレー 21/03/16 22:05:37 ID:/lT2nYX6 [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「くっ……ディアルガ!」

ディアルガは動かない。

パルキア 『病み上がりのディアルガく〜ん、時の咆哮の反動食らってんな?』

パルキア『そんじゃこっちからやらせてもらうぜ!』

俺様は異次元の扉を開いた。

サカキ「どこだ?ここは?」

パルキア 『俺様の作り出した空間だ。ここなら俺様の思い通りだからな』

これは嘘。俺様は別の空間に俺様たちを飛ばしただけだ。だが、こう言ったほうが相手に与える心理的ダメージは大きい。

サカキ「あの子供はどこだ?」

パルキア 『俺様手加減できねえんでな、間違って巻き込む訳にもいかねえし、外にいる』

この言葉。裏を返せばサカキなら巻き込んでもいいということを意味する。奴をビビらすのには十分だ。

サカキ「クッ……ここで負けるものか!ディアルガ!」

ディアルガ「グギュ……グバァァァ!」
 ▼ 111 クマ@オボンのみ 21/03/16 22:05:57 ID:/lT2nYX6 [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ディアルガは必死に抵抗しているようだった。

というのもここはディアルガ自身の空間。奴が正気を取り戻すならきっとここだ。

この空間に俺様がいるだけで奴は怒る。しかも今回は人間までセットだ。奴のサカキへの怒りはマックスだろう。俺様への怒りもかもしれんが。

パルキア 『知ってるか?いくら強いポケモンでも、絆がなけりゃ雑魚らしいぜ?』

俺様はディアルガをざーこ!と煽りたいのをグッとこらえた。

サカキ「ほざけ……!」

パルキア 『おっ、やるか?』

サカキ「時の咆哮!!!」

パルキア 『亜空切断!!!』
 ▼ 112 ブト@ポイントカード 21/03/16 22:06:23 ID:/lT2nYX6 [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
自己申告したが、俺様が使ったのは亜空切断なのかわからない。神の力ばかり使っていると技というものがよくわからなくなる。とにかく俺様は神の力を解放した。

俺様は空間を操り思いつく限りの恐怖をサカキに与えた。(ついでにディアルガにも)

パルキア 『どうだ……?』

サカキ「…………」

サカキは動かなかった。

ディアルガも操られていた影響か、しばらく動けそうにないが……こっちは放っておいても大丈夫だろう。

パルキア 『これがお前が支配しようとした力だ』

パルキア 『お前ら人間はちっぽけな星でイキっとくくらいがちょうどいいんだよ』

サカキ「…………」
 ▼ 113 ッコウガ@げんきのかけら 21/03/16 22:06:56 ID:/lT2nYX6 [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『……なあ』

パルキア『世界を支配した先に何があるんだ?』

パルキア『俺様は神だ。ずっと人やポケモンから畏れられてきた』

俺様は思い出した。かつての自分を。神だったころの自分を。

仕事もせず、誰とも関わらず、永遠に何も変わらない。はっきり言って……退屈だ。

そして俺様はほんのちょっとしか生きられない人間たちを見下し、憐れだと思っていた。自分が彼らより長く生きられるだけで。

パルキア『だけどな……』

パルキア『あいつらと過ごして、俺様はあいつらが心底羨ましいと思ったんだぜ』

パルキア『神だって持ってないものはあるんだな……』
 ▼ 114 ーバー@きのみ 21/03/16 22:07:19 ID:/lT2nYX6 [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「…………」

パルキア『さて……』

パルキア 『残念ながら俺様はお前を殺すことはできない。人を殺したらどっかのバカが怒るからな』

サカキ「…………」

パルキア 『じゃあな、これに懲りたらもうこんなことすんなよ』

俺様はサカキを奴がいるべき世界に返した。

パルキア『しっかしディアルガのやつ……つまらないとこに住んでんな』

パルキア『これじゃ俺様の空間より退屈しそうだ』

ディアルガの空間にはほとんど何も無かった。完璧に整理された空間は俺様の空間と対照的だった。

ディアルガは眠っている。しばらくは起きないだろう。ちょっと悪戯したくなった。

俺様はディアルガの空間を破れた世界風にリフォームしてやった。奴が起きたときにどんな顔をするのだろうか。

パルキア『そろそろ戻るか』

俺様は元の世界にワープした。
 ▼ 115 ンリキー@マーシャドーZ 21/03/17 15:01:34 ID:7fhg6.lM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 116 ルガルド@むげんのふえ 21/03/17 22:23:58 ID:E3WMnF4o [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「パルキア!」

パルキア『お久ー』

パルキア『うーん、あとは最終兵器とアルセウスをどうのこうのすりゃあいいか』

コウキは首を振った。

コウキ「それだけじゃない、見て」

コウキが地面を示した。

パルキア『これは……破れた世界の入り口か!?』

ギラティナが登場したときの破れた世界の入り口の穴が、どんどん広がっている。

パルキア『ギラティナの奴がやられちまったからな……』

コウキ「もしかして、このままじゃ……」

パルキア『ああ、この世界全体を飲み込んじまうかもな』

パルキア『でも安心しろ!俺様が破れた世界に行って奴を叩き起こす!それで大丈夫なはずだ』

パルキア『それよりも今は……』

俺様は最終兵器の方を向いた。

パルキア『あれをどうにかしないとな』
 ▼ 117 ラブ@アロライZ 21/03/17 22:24:34 ID:E3WMnF4o [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺様たちはまずアルセウスを解放した。ちょっと手間取ったがなんとか上手く行った。

アルセウスも今は動けないらしい。まああのクソ親父はすぐ起きるだろうから心配ない。

パルキア『次はこいつだな……』

俺様は最終兵器に触れた。

パルキア『なに!?』

コウキ「どうしたの?」

パルキア『マズいな……もうすぐ爆発するぞ、これ……』

俺様いつになく深刻な顔をしていたのか、コウキも深刻そうな顔をした。

コウキ「爆発したら……どうなるの?」

パルキア『この世界は文字通り消滅する』

最終兵器は伝説ポケモンの力に満ちている。一つの宇宙を消滅させるくらいのパワーはありそうだ。

パルキア『今更爆発は止められねえ……ってことはどっか別の世界に飛ばすしか……』

しかし、なにも生き物がいない、爆発しても大丈夫なちょうどいいところなんてあるか?
 ▼ 118 ニューラ@するどいキバ 21/03/17 22:25:02 ID:E3WMnF4o [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『せめてそこにいる奴らをワープさせてもいい場所があれば……』

そうすれば何もない空間ができる。そこに最終兵器を飛ばせば……

パルキア『チッ……いったいどうすりゃ……』

コウキ「……そうだ!なぞのばしょはどう?あそこなら」

パルキア『……!そうか!』

あそこはゴミ箱同然の場所。いける!

俺様はなぞのばしょに神経を集中させた。

パルキア『ほらよ』

俺様はコウキの手持ちをこの世界をワープさせた。ギンガ団の奴らはあの世界の刑務所にぶち込んでおいた。

コウキ「……!みんな……!」

コウキは六つのボールを投げた。名前も知らない六匹のポケモンが現れる。

パルキア『あとは最終兵器をブッ飛ばしてギラティナの野郎を叩き起こして一件落着だな……』
 ▼ 119 ジュマル@きれいなハネ 21/03/17 22:25:36 ID:E3WMnF4o [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「アハハ、ヌオー、僕も嬉しいけど、ちょっと、ジメジメしてるっていうか……」

コウキ「ゴウカザル、熱いよ」

コウキは手持ちたちに囲まれて幸せそうだ。

なんだこの気持ちは……コウキは手持ちたちと会えてよかった。それなのに、俺様は、素直に喜べていない……?

俺様はコウキたちを見つめてしばらくボーっとしていた。それがいけなかった。

パルキア『!、まずい!』

最終兵器が爆発する!俺様はとっさにそう感じた。俺様は全神経を集中させて最終兵器を神の力で押さえ込んだ。

パルキア『はあっ、はあっ……』

コウキ「大丈夫?パルキア?」

パルキア『なんとかな……だがいつまでもつか……』

せいぜい五分が限界か?大量の伝説ポケモンの力をそう長く抑えてはいられない。

時間の大切さをこんな形で実感するとは。やっぱりディアルガの野郎は最低だ。

コウキ「じゃあ今すぐなぞのばしょに……」

俺様は全神経を集中させた。

パルキア『……無理だ。この状態だと転送しようとした瞬間爆発する』

俺様が神の力を別のことに使おうとした瞬間、最終兵器を抑える力は緩み、爆発するだろう。
 ▼ 120 ゲデマル@ねっこのカセキ 21/03/17 22:26:07 ID:E3WMnF4o [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
せめてここにディアルガがいたら……でも奴が起きていたとしても今は俺様が改造した自分の空間を元に戻すのに忙しいだろう。

もう残された方法は一つだけだ。頭ではわかっているが、認めたくなかった。

怖い。嫌だ。やりたくない。俺様だけ逃げることだってできる。でも。

……覚悟の決めどきだ。

パルキア『……なあ、ひとつ頼んでいいか?』

コウキ「なに?僕に出来ることならなんでもやるよ!」

パルキア『なら……破れた世界に行ってギラティナの野郎を起こしてやってくれ。時間はかかると思うが、お前の持っている大量のきのみを奴の口にぶち込めばなんとかなるだろう』

パルキア『そうすれば破れた世界の入り口も閉じる』

コウキ「わかった」

パルキア『……もし行ったらお前がまた帰ってこれる保証はないが……それでもいいのか?』

コウキ「……うん、大丈夫」

コウキ「それより、パルキアは?」

俺様をあてにしている顔。無力な人間が神に見せる顔。……お前のそんな顔は見たくなかった。
 ▼ 121 ガヘラクロス@スピードボール 21/03/17 22:26:43 ID:E3WMnF4o [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『俺様か?……こうだ』

俺様は最終兵器を小さく圧縮した。暴発しないよう慎重に……

コウキ「それをどうするの?」

俺様は小さくした最終兵器を自分の口に放り込み……飲み込んだ。

コウキ「パルキア!」

さすがのこいつでも驚いたようだ。そりゃそうか。俺様はアクジキングじゃない。

パルキア『俺様はこれから出来るだけ高く飛ぶ。最終兵器が爆発しそうになったら俺様の周りに沢山の空間のバリアを張る』

パルキア『俺様の体とバリアで、この世界の破壊は防げるはずだ』

コウキ「でも……」

パルキア『おいおい、そんなに信用ならないか?神の体だぜ?こんなしょぼい爆弾から世界一つ守るくらい簡単だ』

俺様は自分の胸をドンと叩く。

コウキ「でも……そしたら……パルキアは……」

そう。俺様は生きては帰れない。

パルキア『……元はと言えばこの件は俺様のせいだ』

パルキア『伝説ポケモンが集結するなんて、俺様がちゃんと空間を管理しておけばこんなことにはならなかった』

パルキア『そのツケが回ってきたんだな』

パルキア『今までバカやりすぎたな……』

コウキの野郎はいつの間にか涙を流している。

こんな俺様のために。
 ▼ 122 ナッキー@ぎんいろのはね 21/03/17 22:27:13 ID:E3WMnF4o [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『じゃあ、そろそろ行くぜ』

コウキ「……ちょっと待って」

パルキア『なんだあ?』

コウキ「今まで……」

コウキ「…………」

コウキ「ありがとう」

パルキア『………!』

ありがとうなんて、最後に聞いたのはいつだろうか。

あれ?俺様の目からも涙が。ボールに入れられてまーた神から遠ざかってしまったか?

いや、今の俺様は神そのもの。ってことは……?いや、考えるのはよそう。

パルキア『なんだよ、らしくねえな』

パルキア『そうだ、コウタとコウミにもよろしくな』

コウキ「らしくないのはパルキアだよ……自分を犠牲にして世界を救うなんて……君だけ逃げることも出来るんだろ?」

パルキア『うっ、うるせえ!お前のせいだ!』

せっかくの覚悟が揺らいでくる。もしかしたら俺様とこいつだけはギリギリ逃げられるかもしれない。

いや、ダメだ。そんなことをしたら、こいつは俺様を許さない。

……どうして俺様はこいつに許されるかどうかを気にしている?

そんなことはどうでもいいと思う一方で、それは何より大切な物に思えてきた。
 ▼ 123 イナン@スピーダー 21/03/17 22:27:40 ID:E3WMnF4o [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『さて、残念だがお別れの時間だ』

パルキア『………コウキ、』

パルキア『俺様の分も生きろよ!』

コウキ「さすがに神様ほど長生きじゃないよ……でも」

コウキは涙を拭い、俺様にとびきりの笑顔を見せた。

コウキ「君の分まで、僕は精一杯生きる!」

俺様は離陸準備をした。翼を大きく広げる。両肩の真珠が発光する。

俺様の体の熱で涙は蒸発したか?だが蒸発してもすぐに溢れてくる。困ったもんだ。

コウキが何か言ったがよく聞こえなかった。スカルタンクトップ?別れ際にそんなことを言うか?

だが俺様に聞き返す時間はなかった。

パルキア《じゃあな……ギラティナのこと、頼むぜ》

もっと言いたいことはあったはずだ。だけど言えなかった。

コウキ「パルキアぁぁぁ……!」

俺様は最高速度で飛び立った。
 ▼ 124 リル@ピーピーマックス 21/03/17 22:28:10 ID:E3WMnF4o [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どんどん地面から離れていく途中で、コウキの奴が手持ちをボールに戻して破れた世界に飛び込むのが見えた。これで最悪俺様が失敗しても奴は無事だろう。

涙は止まらなかった。ここなら誰も見ていない。俺様は思う存分泣いた。

俺様は心を知った。感謝を知った。死ぬ前にあのシェイミのガキのことを思い出すなんて。

腹の中が熱くなっててきた。そろそろ時間だ。俺様は止まって自分の周りに沢山の空間のバリアを張った。

俺様の体があるおかげで最終兵器の威力はかなり抑えられるはずだ。バリアを張れば地球への影響はほとんどない……そう願う。

パルキア《あーあ、せっかく……》

パルキア《せっかく楽しくなってきたってのに……》

パルキア《もう終わりか……》

パルキア《最後は派手にぶっ飛んでやるぜ》

俺様は眼下に広がる地球を見つめた。もっとあそこに居たかった。

パルキア《俺様のほうこそ……ありがとよ》

最終兵器が爆発した。
 ▼ 125 ースバーン@ピカチュウZ 21/03/18 13:06:29 ID:oric0GSY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 126 リーセン@むしよけスプレー 21/03/18 22:46:04 ID:PWqEbkZE [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
◆◆◆◆◆


私たちは無事にソルガレオとルナアーラを鎮めることに成功した。

まだ二匹は苦しそうだったから、私たちは二匹をウルトラ調査隊の皆さんに預けることにした。

コウタ「それにしても戦っている最中にパルキアが飛んでいったみたいだったけど、ありゃなんだったんだ?」

コウミ「それより、急ぎましょう!」

コウタ「そうだな」

私たちは走り出そうとした。

ソルガレオ「ラリオ!」

コウタ「どした?」

私とコウタが足を止めると、ソルガレオたちがウルトラホールを開いた。

コウミ「自分たちで行けるってことかしら?」

コウタ「そっか……なら」

コウミ「戻りましょう」

私たちはもう一度エーテルパラダイスに戻った。ゲーチスたちは居なくなっていた。まさか……
 ▼ 127 ンリュウ@ミアレガレット 21/03/18 22:46:47 ID:PWqEbkZE [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私たちはコウキとパルキアがいた部屋に戻った。

コウタ「ありゃ?コウキもパルキアもいねえ」

コウミ「最終兵器も……どこに行ったのかしら?」

アルセウス「人間よ」

上から声がした。

コウミ「!」

コウタ「なんだあ?」

アルセウスが私たちを見下ろしていた。

コウタ「おい、あんた!コウキは……パルキアはどこ行った?」

コウミ「ちょっと、アルセウス相手にその言葉遣いはちょっと……」

今のアルセウスからはとてつもないオーラを感じる。逆らわないのが身のためだ。

アルセウス「よいのだ人間。お前たちも私の馬鹿息子に協力してくれたのだろう。感謝している」

コウミ「はあ……」

アルセウス「人間と話すのは久しぶりだ。少し話がしたい」

コウタ「……なら教えてくれよ、何があったのか」

コウミ「そうね、この事件……まだわからないことが多すぎる」

アルセウス「……いいだろう」

アルセウスは語り出した。
 ▼ 128 オガエン@フェスチケット 21/03/18 22:47:22 ID:PWqEbkZE [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
始まりはやりのはしら。その頂上にあったはずのしらたま。

サカキはそれに目を付けた。

空間を司るパルキアの力の一端のしらたまとウルトラホールの力を手にしたサカキはパルキアのせいで弱くなった別世界への扉を開いた。

サカキは別世界の伝説ポケモンを手にした人間を集める時に、アルセウスにも手を出した。

しらたまの存在でパルキアが訪ねてきたと勘違いさせ、ミュウツーの力でアルセウスを拘束し、最終兵器の力とした。

そしてアルセウスの力で伝説ポケモンに関する情報を集め、伝説ポケモンを持つ人間たちだけでなくソルガレオやルナアーラといった人間に捕らえられていないポケモンにも手を出した。

コウミ「……!」

コウタ「なんだ今の!」

アルセウスが話しているように感じたが、実際のところはどうかわからなかった。

アルセウスが語ると同時に情報が一瞬で脳内を駆け巡る。私たちは全てを理解した。

コウタ「それで、どうしてあんたはパルキアを選んだんだ?」

コウミ「そうね。パルキアの話だとパルキアはアルセウスの残した切り札って……」

パルキアのあの性格じゃあ、私がアルセウスなら当てにしないけど……

アルセウス「パルキアを選んだのは……」

アルセウスが再び語り出す。情報が脳内を駆け巡る。
 ▼ 129 ルトス@ぎんのパイルのみ 21/03/18 22:47:55 ID:PWqEbkZE [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
怠け者のパルキア。パルキアの空間の中には沢山のガラクタがあった。

そのなかには、人間世界から流れたものも。

パルキアはそのうちの一つを知らないうちに使ってしまった。

それは……とくせいパッチ。

パルキアの特性はプレッシャーからテレパシーに変化した。そしてパルキアは人間にテレパシーを送ることが可能になった。

サカキの手から逃れるためには別の人間の手に渡ることが一番簡単だ。

ならば人間と意思の共有ができるパルキアが最適だとアルセウスは判断した。

そうしてパルキアはやりのはしらでコウキに捕らえられた。

コウミ「そうか……だからパルキアは……」

コウタ「オレたちと会話が出来たってのか」

アルセウス「満足か?人間?」

コウミ「ちょっと待って!」

コウタ「コウキもパルキアもどこに行っちまったんだ?」

コウミ「そうよ、二人はどうなったの……ここでなにがあったの?」

アルセウス「…………」
 ▼ 130 ロンチ@コインケース 21/03/18 22:48:23 ID:PWqEbkZE [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウスは私たちにことの顛末を見せた。

サカキとの決戦。

最終兵器と破れた世界。

死を覚悟して飛び立つパルキア。

私たちは事実を受け入れられなかった。

コウタ「うそだろ……」

コウミ「コウキは破れた世界に行って……パルキアは……パルキアは……」

コウタ「おいあんた!息子が死んだってのによく平気で居られるな!」

コウタがアルセウスに詰め寄った。よくそんなことが出来るなと思った。私は……恐怖で動けない

アルセウス「……そのことだが、パルキアは死んではいない」

えっ……?
 ▼ 131 ーブル@にじいろのはね 21/03/18 22:48:44 ID:PWqEbkZE [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「上を見てみろ」

私たちは上を見た。

何かが落ちてくる。

コウタ「あれって……」

コウミ「パルキア!?」

パルキアが真っ直ぐここに落ちてくる。

アルセウス「ふんッ!」

アルセウスが落下するパルキアの体を止めた。

アルセウス「スキルスワップ……か、考えたな」

コウミ「どうしてパルキアは無事なの?」
 ▼ 132 ガデンリュウ@ふっかつそう 21/03/18 22:49:07 ID:PWqEbkZE [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「パルキアを連れていた人間はパルキアの特性を『しめりけ』にした」

コウタ「そうか……だから最終兵器は爆発しなくて」

コウミ「パルキアは無事なのね」

コウタ「よかった……」

アルセウスの見せてくれた映像にはサーナイトとヌオーがいた。サーナイトのスキルスワップでヌオーのしめりけをパルキアに与えたのだろう。

コウタ「だけどよ、ヌオーのしめりけがあるならパルキアが爆弾持って飛んでいかなくても良かったんじゃねえの?」

コウミ「きっと一か八かの賭けだったのよ。あんな強力な兵器にポケモンの特性が効果あるかなんてわからないじゃない」

コウタ「それもそうかぁ……」

アルセウス「……して、人間たちよ」

コウタ「ん?」
 ▼ 133 ジャンボ@そうこのかぎ 21/03/18 22:49:30 ID:PWqEbkZE [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「この事件の発端は?最大の原因はどこにあると思う?」

いきなり何だろう?

私たちは少し考えた。

コウタ「パルキアがサボってたことか?」

たしかに。パルキアも今回の件は自分のせいだと言っていた。

アルセウス「そのとおりだ」

アルセウスは頷いた。

アルセウス「決して交わることのない並行世界……その境界が曖昧になったことで大きな力が集まることとなったのだ」

アルセウス「私はパルキアが回復したらパルキアと共に世界のバランスを元に戻そうと思う」

アルセウス「世界間の通行を禁じ、同じような世界は一つに統合する」

何が言いたいのだろう?
 ▼ 134 ンメン@きよめのおふだ 21/03/18 22:50:03 ID:PWqEbkZE [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「お前たちには非常に感謝している」

次の言葉を言うとき、アルセウスの眼光が私たちを貫いた。私たちは何もできなくなった。

アルセウス「……だが、お前たちは同時に存在してはいけない」

アルセウス「世界を統合するときに同一人物は一つにまとめられるが、お前たちはそうもいかない」

アルセウス「お前たちは同じでありながら、対極の存在なのだ」

アルセウス「どちらか片方には……その世界とともに消えてもらう」

アルセウス「悪く思わないで欲しい。これも平和のためなのだ」

アルセウス「お前たちの感謝のしるしとして、お前たちには特別にどちらが消えるか選ばせてやろう」

アルセウス「ソルガレオとルナアーラは私の空間への道を知っている」

アルセウス「決まったら明日までに伝えに来て欲しい」

アルセウス「時間までに現れなかったら……私の方で選ばせてもらう」

アルセウス「では私は帰らせてもらう。サカキに捕らえられている間の仕事が山積みなのだ」

アルセウスは消えた。パルキアもその場から消えた。アルセウスが連れて行ったのだろうか。

私たちはしばらく何もできなかった。
 ▼ 135 ニーゴ@ロメのみ 21/03/19 01:25:31 ID:XA1wi01s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 136 ラティナ@グラシデアのはな 21/03/19 11:11:45 ID:tzxQ4n7c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 137 キワラシ@じゃくてんほけん 21/03/19 21:36:31 ID:yhqcpeuk [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハウオリビーチ

私は砂浜に座ってコウタがナマコブシを投げているのを見ていた。

夕陽で海がオレンジに染まっている。

コウタ「うん、全部投げたかな?」

コウタがこちらを振り返る。

コウタ「まだいたのか?」

コウタは呆れるほどいつも通りだ。私は気持ちの整理ができていない。できるはずがない。

コウミ「何よ、帰ってほしいの?」

コウタ「いや、そうじゃねえけど……向こうの世界の人たちに会いに行かなくていいのか?」

コウタ「ほら、もしかしたら……」

消えてしまうかもしれない。から?

コウミ「あなただってここでナマコブシ投げしているじゃない」

コウタ「そりゃそうだけどよ……」

コウミ「それに、あと1時間もしないうちに日が沈む」

私がそう言うと、コウタは私に背を向けて夕陽の方向を向いた。

コウミ「私は勝手に元の世界に帰るのよ」

コウタ「そっか」

しばらくの沈黙。

無理もない。アルセウスにあんなことを言われた後に会話が弾むはずがない。
 ▼ 138 ルリル@ハバンのみ 21/03/19 21:36:59 ID:yhqcpeuk [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「もう、会えないんだよな……」

コウミ「……そうね」

こちらに背を向けているコウタの表情はわからない。

でも、彼が考えていることはわかる……これからどうするかも……わかる。わかりたくないのに。

コウミ「……ねえ」

コウミ「私が元の世界に帰ったら……アルセウスのところに行くつもりでしょ?」

コウタ「…………」

コウミ「きっと、消えるのは自分がいいとでも言うつもりね」

コウタ「…………」

しばらく、波の音しか聞こえなかった。しばらくして、コウタは彼らしくない小さな声で答えた。

コウタ「ああ、そうだ」

やっぱり。

コウタ「どうしてわかった?」

コウタの口調はいつもと変わらない。こちらに背を向けているから表情はわからないけれど、どうせいつもと同じなんだろう。

コウミ「……あなたはバカね」

コウミ「私とあなたはおんなじなのよ。わかりたくなくてももわかってしまうのよ」

これは半分本当だ。アルセウスが言ったように彼と私は同じであり、また、あらゆる面で反対だ。
 ▼ 139 ルスワン@グラスメモリ 21/03/19 21:37:29 ID:yhqcpeuk [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう、私と彼は真逆の存在。

私はこんな時でも、死にたくないと……そう思ってしまう。一方で彼は……私一人を生かすために、自分の命を捨ててもいいと思っている。

彼の生き方は輝いている。まさに太陽だ。夕陽と重なって彼の姿も輝いて見える。

醜い心を持つ私にその輝きはない。私には無いその輝きが欲しい。

コウタ「出来れば知られずに行きたかったんだけどなぁ」

コウミ「まだ行くつもりなのね……」

彼の背中がどんどん遠ざかるように見える。私は右手を伸ばして彼の服を後ろから掴んだ。

コウタ「……オレが自分が助かるためにアルセウスのところに行くつもりだって言ったらどうする?」

コウミ「信じない。そんなの」

コウミ「だってあなたは……どうしようも無いバカヤローだもの」

コウタ「そっか」

コウミ「それに……それに……」

私は言いたくなかった。それでも、言ってしまった。言わないといけないと思った。

コウミ「私はこんな状況でも自分だけ生きたいとも思い始めている……」

コウミ「私と真逆のあなたは、考えも真逆のはず」

コウミ「だったらあなたは……自分だけ消えようとする……」
 ▼ 140 リーパー@ひかりごけ 21/03/19 21:37:59 ID:yhqcpeuk [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「…………」

コウタ「なら、オレが消えればいい話じゃねえか」

コウミ「!」

コウミ「バカ!バカバカバカバカバカ!」

私は両手で彼の服を後ろから握りしめた。

コウタ「ちょっ、破れる破れる……」

コウミ「このままあなたが消えたら、私は一生、後悔するの!」

コウタが後ろを向こうとした。私は涙を見られたくなくて彼の頭を強引に前に戻す。

コウミ「一生、弱い自分を恨むことになるの!」

ここで彼を行かせてしまったら、私は永遠に彼の輝きを手に入れることはできないだろう。

コウミ「私は……あなたみたいに……強い人に……なりたいのに……」

コウタ「うーん」

コウタ「……オレは言うほど強くないぜ?」

コウタ「オレだってな……死にたくはない」

コウタ「オレはアルセウスのところに行って勝負するつもりだった」

コウタ「勝ったら二人とも生きられるようにしてもらう……負けたらどうせオレが消える……」

違う。コウタはわかっている。どうあがいてもアルセウスには勝てないと。

コウタ「オレだって、誰かがオレのために死んだら、一生後悔する……あんたと一緒だ」

コウタが私の腕を優しくどける。

コウタ「オレみたいになりたい?そいつは無理だな」

コウタが後ろを向いた。

コウタ「だってあんたは、オレ自身だぜ?」

そう言って私に笑顔を見せた。太陽みたいに輝く笑顔だった。
 ▼ 141 ュナイパー@ぼうごパット 21/03/19 21:38:20 ID:yhqcpeuk [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「…………」

コウタ「もうすぐ日が沈むな、これでお別れだ」

コウミ「待って……私も行く」

コウミ「二人で行った方が勝てるかも……」

コウタ「ダメだ」

コウミ「どうして?」

コウタ「…………」

やっぱりさっきのは私のためについた嘘だ。コウタはアルセウスに勝つつもりはない。

コウミ「やっぱり……わかっていたんでしょ……私たち二人で行っても、アルセウスには勝てないって」

コウミ「でも行くの」

コウミ「パルキアたちはZワザで強化されたミュウツーを倒した……私たちだって協力すれば……」

コウタ「そんな次元の相手じゃない」

コウミ「何よ!あなたらしくない!」

コウミ「いつもの前向きなあなたはどこに行ったのよ!」

私の憧れていた……目標だったあなたは……

コウミ「向こうの勝手で私たち殺されそうになってるのよ!苦労して助けたってのに!」

コウミ「あんなバカげた神様、私たちなら勝てるはずよ!」
 ▼ 142 デンネ@オッカのみ 21/03/19 21:38:44 ID:yhqcpeuk [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「…………」

コウタはうつむいて、突然、ニッと笑った

コウタ「よし、これで大丈夫だな!」

コウミ「へ?」

コウタ「うん、オレみたいになれたじゃねえか!」

コウタ「無駄にポジティブ、ヘンテコな理論、まさにオレだ」

コウミ「……もしかして私、あなたに振り回されてる?」

コウタ「そうかもな、ハッハッハ」

私はコウタに軽くパンチをする。

コウミ「……ばか」

コウタ「じゃ、いっちょ行くか、日が暮れる前に」

コウタはボールから手持ちのソルガレオを出した。私とコウタはソルガレオに乗り込む。

コウタ「ルナアーラには乗らねえのか?」

コウミ「行く途中、あなたに言いたい小言が沢山あるの」

コウタ「そっか、じゃあ行くぜ……」
 ▼ 143 ンシグラードン@コオリZ 21/03/19 21:39:11 ID:yhqcpeuk [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突然、空に裂け目が出来た。

コウミ「ソルガレオ?」

コウタ「いや、違うな」

私たちは裂け目を見つめた。そこから出てきたのは……パルキア!

パルキア『いやー、邪魔した?』

パルキア『取り込み中だったみたいで出て来るタイミングが分からなくてよ』

パルキア『出発しそうだったもんで急いで出てきた』

ってことは私たちのやりとりを見ていたのだろう。もしかして最初から見ていた……?

パルキアのニヤニヤした表情から、見ていたんだろうと察する。

あんまり見られたくはなかったけど、私もアルセウスにパルキアの泣き顔を見せてもらったしいいか。

なんだか思考がコウタに寄ってるような……
 ▼ 144 ママイコ@ねっこのカセキ 21/03/19 21:39:35 ID:yhqcpeuk [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「もう大丈夫なの?」

パルキア『まあな』

コウタ「あれ、テレパシーになってる」

パルキア『ああ、あのジメジメ、しばらくしたら元に戻って助かったぜ……』

パルキア『あんの野郎……俺様に黙ってスカルタンクトップしやがって……次会ったらタダじゃおかねえ』

スカルタンクトップ?スキルスワップのこと?

コウミ「何しに来たのよ?」

パルキア『お前ら、アルセウスがバカだと思ってるだろ?』

パルキア『俺様もだ』

そこでパルキアは心配そうに空を見た。アルセウスが聞いてるか不安なのだろう。

パルキア『まあアルセウスにケンカ売りに行くお前らもけっこうバカだがな』

パルキア『だが、いくらなんでもお前らが死ぬのはねえな』

コウミ「元はと言えばあなたのせいじゃない!」

私はもう、何に対して怒ればいいか分からなくなってきた。そもそも怒っているのかもわからない。
 ▼ 145 ャロップ@ボスゴドラナイト 21/03/19 21:40:05 ID:yhqcpeuk [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『そんなカッカすんなって、裏を返せばお前らが会えたのも俺様のおかげだ』

パルキア『……まあ、てなわけで、俺様はこれからアルセウスに文句言ってくる』

パルキア『もともと空間のお片付けすんのは俺様の仕事だしな』

パルキア『さっさと片付けしてコウキの野郎に文句言いに行きてえんだがな』

パルキア『クソ親父は全部の仕事が済むまで俺様を拘束するつもりらしい』

パルキア『まあ、世界を一つにしてもお前らが一緒に生きられるようにはしてやるよ』

パルキア『じゃあな、宇宙最大の親子喧嘩してくるぜ!』

そう言ってパルキアは消えた。

私たちはまたしても動けなかった。

なんだか不思議な感覚だ。安心したよな……それでいて、肩透かしを食らったような……
 ▼ 146 ラセクト@エレベータのキー 21/03/19 21:40:29 ID:yhqcpeuk [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「降りるか?」

コウミ「……うん」

私はソルガレオから降りようとした。そして次の瞬間日が暮れた。

コウミ「あいたっ!」

ソルガレオに乗っていた私は地面に落ちた。下が砂浜で助かった。

コウミ「まさか……パルキアに助けられるなんてね……」

そういえばパルキアだって命をかけて私たちを守ろうとした。

コウタといい、パルキアといい、馬鹿ほどあんなことが出来るのだろうか。

コウミ「お願いね……神様」
 ▼ 147 ピンロトム@アクZ 21/03/20 01:21:35 ID:m5E2B2Y6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 148 ガヘラクロス@マグマスーツ 21/03/20 07:57:56 ID:VnYQRq8k NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 149 パー@バンギラスナイト 21/03/20 22:24:11 ID:l4xoboZk [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
○○○○○


残念ながらアルセウスのところに着くのは一瞬だった。力が強すぎるのも考えものだ。

パルキア『親父!』

アルセウス「なんだ」

パルキア『この際だから言わせてもらうぜ』

やっぱりアルセウスのオーラはすごい。でもここでビビっててもしょうがない。

パルキア『俺様はあんたのせいで人間に捕まった』

パルキア『そしてたくさんのことを知った。たくさんのことを感じた』

アルセウス「それで?」

アルセウスの目は何を考えているかわからない。俺様は続けた。

パルキア『俺様はあいつらを消したくない!世界間の繋がりを断ちたくもない!』
 ▼ 150 ャラコ@メタグロスナイト 21/03/20 22:24:42 ID:l4xoboZk [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「ほう」

アルセウスがなにを考えているかはわからない。

パルキア『今回の件で俺様は思った……』

パルキア『人やポケモン、そして神……その繋がりがあるからこの世界はある!』

パルキア『そしてそれを作ったのはアンタだろ!』

パルキア『それを奪ったらアンタはもう創造神じゃねえ、破壊神に成り下がってしまう』

パルキア『別世界に干渉できたっていいじゃねえか!それがあるから生まれる出会いがある!世界が広がる!』

俺様とコウキ、コウミとコウタ……みんな違う世界の存在だ。

パルキア『俺様はあのとき……ボールを壊したとき、大切なものを失った気がした』

パルキア『繋がりを失うことが、こんなに辛いとは思わなかった』

パルキア『孤独な存在の神にはわからないかもしれないがな』

パルキア『俺様だって今までわからなかった。神にだって……いや、神だからこそわからないことがある!』

パルキア『俺様はあいつらとも繋がっている!それを消すだと?ふざけるな!』
 ▼ 151 リバード@おいしいみず 21/03/20 22:25:00 ID:l4xoboZk [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「……そうか」

アルセウスの目は何を見ているのだろう。万年反抗期の馬鹿息子?それとも……

パルキア『こんなことを言い出すバカは首にするか?』

パルキア『俺様を殺して新しい空間の神を生み出す、アンタにはそれが出来るからな』

パルキア『俺様の言う通りにしてくれるなら、俺様の命なんて安いもんだ!くれてやる!』

パルキア『だがあいつらを消すことは……世界を閉ざすことは……やめてくれ!』

気持ち悪い沈黙が流れる。

アルセウス「矛盾しているな」

パルキア『なんだと?』

予想外の反応だ。
 ▼ 152 ムリット@ジュカインナイト 21/03/20 22:25:29 ID:l4xoboZk [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「私がお前を殺したとしよう」

アルセウス「するとたくさんの繋がりが失われる」

アルセウス「人間たちとお前、ディアルガたちとお前、そして……私と、お前」

アルセウス「お前の命は決して安いものではない」

パルキア『…………』

アルセウス「それに……ボールなどなくても、あのときお前たちは繋がっていた……心で」

アルセウス「そう、お前は心を知った」

アルセウスはさらに続ける。

アルセウス「そうだ。それこそが私がお前に教えたかったことだ」

アルセウス「心は……神であろうと何であろうと全て等しく存在し、等しく尊い」

アルセウス「何者も他者の心を見下すことはできない」

アルセウス「だから私はお前たちを作った後に心を司る三匹を作り出した」
 ▼ 153 リーン@あやしいパッチ 21/03/20 22:25:48 ID:l4xoboZk [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『……何が言いたい?』

アルセウス「やはりお前を人間に仕えさせて正解だった」

アルセウス「お前は心を知った」

アルセウス「ディアルガや以前のお前なら、私の判断に異を唱えることはなかったであろう」

アルセウス「上に立つものがもっとも理解しなくてはならないものは他の何でもない、心なのだ」

アルセウス「よくやった。わたしの馬鹿息子」

アルセウス「お前の気持ちが本物なら、お前一人でやってみろ」

アルセウス「お前の心に従って、より良い世界を作ってくれ」
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