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【SS】パルキア『バカヤロー!』

 ▼ 1 タッコ@しめったいわ 21/03/11 19:22:21 ID:m6tsrhyY [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺様は神だ。基本的に何でもできるし、気の遠くなるような長い時間生きていても特に苦労した覚えはない。

だからそのとき自分の空間に変な赤い物が入ってきても特に気に留めなかった。

そのときの俺様は数百年片付けをしていない自分の部屋(もとい、空間)の中で偶然見つけたディアルガの黒歴史ノートに夢中だった。

しかし突如、その赤い何か……赤い鎖が俺様の身体を縛りつけてきた。

パルキア「ぱるぱるぅ!」

……今の声は、突然の攻撃にビビって出たわけではない。決して。

赤い鎖から、ユクシー、エムリット、アグノムたちの力を感じる。あいつらの悪ふざけか?

赤い鎖は俺様を引っ張って空間の外に連れ出そうとする。どうやら俺様を捕まえたいらしい。

どうせならこの俺様を捕まえようとした馬鹿者を直々に懲らしめてやろうと思い、鎖に引かれるまま外に出た。
 ▼ 2 ルミル@プレシャスボール 21/03/11 19:23:08 ID:m6tsrhyY [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア「ガギャギャァッ!」

よし、鎖に縛られている以外は完璧な登場。

出た場所は、テンガン山のやりのはしら。目の前には数人の人間。ユクシーたちは見当たらない。

人間の一人はまさに神を見るような目で俺様を見つめていた。そいつに似たファッションの奴らもだいたい同じ感じ。

だがその場に一人だけ場違いなガキがいた。おおかた他の奴らが俺様を呼んだ場面に遭遇した運の悪いガキだろう。こいつだけは俺様のプレッシャーを感じていないように落ち着いている。ムカつく。

いつだって神に手を出して失敗するのは人間だ。面倒くさいんだよな、このあとアルセウスに報告書書くの。人間の考えはいつだって理解不能だ。

とにかく、全員の注目がこっちに集まったみたいだし、そろそろ……

ガシャン!

おかしい。鎖を断ち切れない。

俺様は最大限の力を振り絞って暴れた。だが全く効果がない。
 ▼ 3 ネコ@もりのヨウカン 21/03/11 19:23:53 ID:m6tsrhyY [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺様は神らしからぬ醜態をさらした……鎖を切ろうと地面をごろごろ転げ回った。ディアルガの野郎は今頃自分の空間からこの光景を見て大笑いしているだろう。

ここで人間に動きがあった。明らかにその場の雰囲気から浮いていたあのガキがボールからポケモンを出した。

6匹のポケモンが出てくる。そのうち4匹は他の人間を向き、2匹は俺様に向かってきた。

「サーナイト、サイコキネシス!ヌオー、だくりゅう!」

俺様は惨めだった。突然神としての最強の自分を失い、人間のガキに一方的に攻撃される。

しばらくして、ガキのポケモンたちは他の人間の大人たちを倒したらしい。ガキは4匹をボールに戻した。

そういえば、俺様は神であると同時にポケモンでもある。技を使うという行為をしばらくしていなかったため忘れかけていたが、相手のポケモンを攻撃しない手はない。

パルキア「ガギャギャギャギャギャ!」

「サーナイト!ヌオー!」

俺様のハイドロポンプが炸裂し、ガキのポケモンたちが吹き飛ぶ。ガキはポケモンをボールに戻した。パルキア様最強!
 ▼ 4 ズマオウ@こうかくレンズ 21/03/11 19:24:31 ID:m6tsrhyY [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どうやら鎖があっても技は使えるようだ。ならばこの技でこの場にいる人間どもを全て消しとばしてやろう。

パルキア「ガギャギャアッ!」

俺様が自分の専用技を放つのとガキがボールを投げたのは同時だった。

俺様はこの日何度目かの惨めな自分を味わった。あくうせつだんとは名ばかりで、ちょっと強いポケモンの技のレベルにまで落ちている。

ガキや他の人間どもは簡単に技をかわした。しかしその技の影響で、空間が歪み真っ暗な穴が地面に姿を表した。

人間どもがその空間に飲まれて行く。ただ一人残った例のガキはバランスを崩し、ガキの持っていたモンスターボールは全て黒い空間に吸い込まれていった。ガキが何か叫ぶ。

次の瞬間、俺様はボールに吸い込まれた。
 ▼ 5 イキング@きょうせいギプス 21/03/11 20:26:57 ID:m6tsrhyY [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……キ…、パ…キ…、

起きて!

俺様はガキの声で目を覚ました。……うそだろ、ここはボールの中だ。

ガキはボールを投げた。ボールが開き、俺様は外に出た。

俺様は人間に捕らえられたという現実を受け入れられなかった。ガキを無視して空に向かって叫ぶ。

パルキア『父上、どうしてこんなことが許されているのですか?あれほどモンスターボールは危険だと言ったじゃないですか!』

たとえ神と崇められる存在であっても、ボールに入ればその力は制限される。今の俺様は1匹のポケモンに成り下がってしまった。

パルキア『アルセウスのバカヤロー!』

アルセウスは自分の悪口に対しては厳しい。俺様は今にも怒ったアルセウスが俺様を連れ戻すのではないかと期待した。

ちょっとアルセウスに叱られて、ディアルガに笑われて、それでおしまい。この世界とは永遠におさらば。

そうなればどんなによかっただろうか。

「ねえ、」

パルキア『この際ディアルガでも何でもいい、今すぐ俺様を解放してくれ!』

俺様はなりふりかまってられなかった。
 ▼ 6 ウドウ@ギネマのみ 21/03/11 20:28:02 ID:m6tsrhyY [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「パルキア!」

パルキア『なんだ?』

「なんだはこっちの台詞だよ。さっきの真っ黒なあれはなに?」

俺様を捕らえたとはいえ人間、ましてや子供であるのに神に対するこの態度はいただけない。どう言い返そうかと考えていると、違和感に気付いた。

パルキア『お前、俺様の言葉がわかるのか?』

「……普通にわかるけど」

俺様は自分が人間対応の言語能力を持っていたか思い出そうとしたが、結局よくわからなかった。

ボールに入れられた影響で神の無限の容量をもつ記憶力でさえどこかにいってしまったのかもしれない。

「パルキア、質問に答えて」

パルキア『その前に、教えてくれ。 どうして俺様がここにいるのか、さっきの人間たちはなんなのか、etc……』

「……教えるから、君も僕がきいたことは全て正直に答えてよ」

パルキア『チッ、しょうがねえ』

ガキは一から全て説明した。名前はコウキというらしい。ダサい。

さっきの大人たちはギンガ団といって新しい宇宙をつくるため俺様を捕らえようとしていたとかなんとか。(詳しくはポケットモンスターパールをプレイしろ。ダイヤモンドじゃないぞ。パールだ)

まったく……身の程知らずにも程がある。(プラチナでもないぞ。パールを買え)
 ▼ 7 タチ@イワZ 21/03/11 20:28:41 ID:m6tsrhyY [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺様が一通りコウキのものすごく短い人生について理解したあとは、逆に俺様が質問を受けた。

コウキ「それで、さっきの真っ黒な空間は何?」

俺様は適当な嘘をついてもよかったが、たかが人間の小僧に対して神が約束を破るなんてことがあっては、神に戻ったあとに笑われるだけだと思ったから、正直に話すことにした。

パルキア『あれはな、たしか「なぞのばしょ」っていって俺様が千年かそこらか前にアルセウスに片付けとけって言われてた……』

そこで気づいた。

パルキア『まさか、あのオヤジ、俺様が仕事をしないからってこんな仕打ちを!?』

残念ながらここ数千年の俺様の働きは酷いものだった。

アルセウスに言われた仕事にはほとんど手をつけず、空間の歪みはそのまんま。なぞのばしょはそのひとつだ。

しまいには自分の空間でさえ大量のガラクタで溢れるようになった。だから赤い鎖が自分の空間に入ってきてもいつもの通りただのガラクタが紛れ込んできただけだと思っていた。
 ▼ 8 ャタピー@ゴスのみ 21/03/11 20:29:26 ID:m6tsrhyY [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「なぞのばしょ?」

パルキア『まあ、ずっと前にこのシンオウの裏側に突然できた空間だ』

パルキア『たいした使い道がなかったもんだから俺様たち神のゴミ箱みたいなもんになっていたんだが』

パルキア『この世界からの干渉ができるようになったとかでアルセウスが俺様に片付けとけって言ってきたな』

パルキア『まあ俺様は面倒だったからなにもしてないんだけど』

コウキは怒ったようにこっちを見る。俺様のせいでポケモンたちを失ったと思っているのだろう。

コウキ「またあの技を使ったら入れる?」

パルキア『あそこに行くつもりか?やめといたほうがいいぞ』

パルキア『アルセウスでさえ問題視した厄介な場所だ。人間にはどうすることもできない』

パルキア『……俺様がボールから解放されて本来の力を取り戻せたら、あんな空間の中からポケモンを6匹見つけ出すことなど簡単なんだがなぁ』
 ▼ 9 コザル@ピッピにんぎょう 21/03/11 20:30:07 ID:m6tsrhyY [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「……君を信用して、解放しろと?」

パルキア『ああ』

コウキ「いやだ」

パルキア『なんでだよ!俺様にとってもお前にとってもなんも悪いことはないだろ!』

コウキ「もし君が僕を裏切ったら、僕にはもうみんなを取り戻す手段はない」

コウキ「だから、君を解放するのは最終手段だ」

パルキア『なんでそのポケモンたちにこだわるんだ?ポケモンなんてそこら中にいくらでもいるだろ?』

するとコウキは怒ったように俺様を見上げた。

コウキ「いいから、なぞのばしょへの入口を開けて!」

パルキア『ったく……仕方ねえ』

とにかく、ポケモンたちを見つけるまでこいつは絶対に俺様を解放しないだろう。協力するしかなかった。

俺様はあくうせつだんを使った。しかし特に何も起こらなかった。一時的に歪んだ空間は、次の瞬間には元どおり。
 ▼ 10 リキザン@スーパーボール 21/03/11 20:31:02 ID:m6tsrhyY [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「もう一度!」

パルキア『まあ待て……そうだな、そこらへんに「しらたま」が落ちてないか?』

パルキア『あれは、俺様の力を増幅させる石だ……ボールに捕まっている今の俺様でも、神の力を少しは解放することができるようになる』

パルキア『それがあれば、なんとかなるかもしれん』

コウキは半信半疑の様子だったが、すぐにやりのはしらのボロボロの遺跡の中を探し回った。

俺様はその間にどうしたら一刻も早く自分が解放されるだろうかとずっと考えていた。

人間と共に生きることを好む伝説のポケモンはそれなりにいる。物好きのレシラムやゼクロムなんかがそうだ。

だが、俺様やディアルガの野郎は、基本的に人間はおろかポケモンたちとの関わりも好まない。

人間に捕獲されるなんて、力は弱くなるわ、自由を失うわ、最悪だ。

五百年前くらいにレシラムに「人間といることで得られるものもあります」とか言われたが、まったく意味がわからない。

それにこんな形で捕獲されるなんて、最悪だ。一生笑われる。さらに面倒なことに、俺様たちの一生は永遠を表す。

……そういえば、今でも俺様の命は無限なのか?下手したらこのまま死ぬなんてこともあり得るのか?
 ▼ 11 クティニ@ジガルデキューブ 21/03/11 20:31:44 ID:m6tsrhyY [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「パルキア、こんなものはあったけど」

いつの間にかコウキが俺様の目の前にいた。俺様はコウキの持っている石を受け取った。

パルキア『これは……こんごうだまじゃねえか、チクショー!』

ここで俺様は天を見上げた。今にも怒ったディアルガが空から降りてくるのではと思ったが、何も起こらない。

ディアルガは俺様に自分の持ち物を触られるのをとても嫌う。やつの空間に入っただけでもキレる。

だがやつにはそんなことよりも今の惨めな俺様を見ることの方が大事らしかった。

パルキア『しかたねえな、これは持っとけ』

コウキ「じゃあ、なぞのばしょへはどうやって行けば……」

パルキア『まあ、裏道がないこともない。』

パルキア『お前がポケモンたちを取り戻したら俺様を解放すると約束してくれるなら、俺様は全面的に協力するぜ』
 ▼ 12 ブリアス@とくせいカプセル 21/03/11 20:32:14 ID:m6tsrhyY [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「……ポケモンたちだけじゃない、ギンガ団の人たちも探す」

こいつは何を言っているんだ?

パルキア『馬鹿かお前は?あいつらがしたことを忘れたのか?』

コウキ「……どんな人でも、死んでいいとは思えない」

パルキア『はあ?』

どうしたものか。俺様はできればあいつらにはそのままなぞのばしょで腐ってもらいたい。

コウキ「僕は全員助けるまで君を解放するつもりはない」

パルキア『…………』

コウキ「…………」

パルキア『チッ、契約成立だ!』

パルキア『行こうぜ、ポケモンリーグへ』
 ▼ 13 ツドン@ブーカのみ 21/03/11 21:30:16 ID:JQaQjtiQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シエンネ
 ▼ 14 ゾノクサ@さざなみのおこう 21/03/11 22:22:49 ID:m6tsrhyY [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺様はコウキと数日かけてポケモンリーグに向かった。とくに語ることもないから、ダイジェストで。

コウキ「ねえ、ボールに入ってよ……」

パルキア『やなこった!別に困ることもないだろ』

コウキ「でもほら……目立っちゃうし……」

パルキア『結構じゃねえか。僕は伝説ポケモンを捕まえましたーすごいでしょーとか言っとけ』

コウキ「ええ……」

ナギサジム

デンジ「こいつが おれの きりふだ!」

オクタン「電気タイプです」

コウキ「あくうせつ……」

パルキア『オラっ!』ザシュ!

オクタン「」

チャンピオンロード

パルキア『道を開けろ! 石ころども!』ザブーン!

イワーク・ゴローン「四倍弱点やめろ」

コウキ「ねえ、なみのりは陸上でするものじゃないんだけど」

パルキア『知るか、こっちのほうが速い』
 ▼ 15 ャノビー@ガラナツのえだ 21/03/11 22:23:29 ID:m6tsrhyY [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この数日でわかったことがいくつかある。

1.弱体化したとはいえ、ほかの有象無象のポケモンと比べれば、やはり俺様はずっと強い。

2.人間は思ってたよりずっと弱い。すぐ疲れるし、その辺の雑魚ポケモン相手に戦おうともしない

3.ポケモンセンター最高!帰ったら自分の空間用にひとつ頂戴しよう。

なにはともあれ、俺様たちは無事にポケモンリーグに着いた。(九割俺様のおかげだ。ここ重要。)
 ▼ 16 シレーヌ@とくせいカプセル 21/03/11 22:23:50 ID:m6tsrhyY [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「ここに向かってなみのりすればいいんだよね?」

俺様たちはポケモンリーグの扉の前に立っている。

パルキア『ああ、一度入ればどうなるかわからない、どこに繋がってるかもわからない、最悪帰って来れないが、それでもいいか?』

コウキ「もちろん。このために、この数日で出来るだけの準備はした」

コウキの奴はいつ帰れるかわからないため、ありったけの食べ物や飲み物、その他いろいろな物を、持ち金をほとんど使い果たして揃えた。

あの小さなバッグによく全部入ったと空間の神であっても思う。ちなみに俺様は、こんごうだまはバッグの一番奥底に押し込むべきだとアドバイスをした。

コウキ「なみのり!」

パルキア『あいよ』

俺様たちは次元の狭間に飛び込んだ。
 ▼ 17 ラーチ@にじいろのはな 21/03/11 22:29:35 ID:M7pEKKzI NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 18 ィアルガ 21/03/11 22:37:21 ID:pztQDp0g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
頑張れ兄弟よ
 ▼ 19 トシゲッコウガ@じしゃく 21/03/11 22:57:59 ID:82d2O53M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 20 クガメス@まんぷくおこう 21/03/12 19:40:28 ID:0C4Ma.Yc [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「あくうせつだん」

パルキア『…………』ザシュ!

なぞのばしょに入ってから数時間、気分は最悪。

一歩進むごとに道ができたり、なくなったり。ギラティナの野郎の破れた世界を思い出す。

まあ俺様は普段あそこに行くことを禁じられているから、ほとんど覚えてはいないが。

時々全く進めなくなったらあくうせつだんで空間を破壊して強引に道をつくる。それの繰り返し。

それに真っ暗。代わり映えしない風景に飽きてきた。

コウキ「あくうせつだん」

パルキア『もうPPねえぞ』

コウキ「はい、ヒメリのみ」

パルキア『この味もう飽きたんだがな……』

なにより酷いのは、俺様はPP回復のために永遠にヒメリのみを食わされ続けるということ。

幸か不幸か出費を抑えるため俺様たちが飯として用意したのは大量のきのみだった。まだまだPP切れの心配はないようだ。
 ▼ 21 ドシシ@クサZ 21/03/12 19:40:50 ID:0C4Ma.Yc [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『お……らァ!』ザシュ!

あくうせつだんにストレスをこめるが、全くスッキリしない。

コウキ「ん?」

パルキア『なんだ?』

あくうせつだんで切り裂いた空間の先にあったのは花畑。

俺様たちは戸惑いながらも先に進んだ。すると先には1匹のポケモンがいた

シェイミ《パルキアのバカヤローでしゅー》

パルキア『……元気そうだな、クソガキ』

コウキは図鑑を開いた。

コウキ「かんしゃポケモン、シェイミ……」

パルキア『こいつのどーこが感謝なんだか』

パルキア『お前はどうしてここにいるんだ?』

シェイミ《それはこっちのセリフでしゅー》

コウキ「パルキア、シェイミの言葉がわかるの?」

ん……?
 ▼ 22 ルフォン@めざめいし 21/03/12 19:41:44 ID:0C4Ma.Yc [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『なんだ、お前にはわからないのか?』

そういえばずっと不思議だった。なんで俺様の言葉はこいつに伝わる?

シェイミ《ミーに感謝するでしゅー》

パルキア『なんでだよ』

シェイミ《お前は感謝をしなさすぎでしゅー。アルセウスもおこってたでしゅー》

パルキア『なに!?』

パルキア『アルセウスは何をしている?どうして俺様がこんな目にあわなきゃならないんだ!』

シェイミ《知らないでしゅー。どうでもいいでしゅー》

こいつ……何か知ってるな。

シェイミ《アルセウスからの伝言でしゅー》

シェイミ《感謝するでしゅー》

パルキア『ふざけんな!アルセウスは今何をしてんだ!』

シェイミ《やれやれでしゅー。やっぱりパルキアはバカヤローでしゅー》
 ▼ 23 ブライカ@イナズマカセット 21/03/12 19:42:10 ID:0C4Ma.Yc [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シェイミ《アルセウスが来られないからかわりにミーが伝言をするんでしゅー》

シェイミ《ミーだってパルキアなんかにかまっている暇なんてないでしゅー》

パルキア『おい小僧、あくうせつだんの指示をくれ』

コウキ「…………」

無視かよ!

シェイミ《冗談はここら辺にしといて……》

シェイミ《とりあえずお前はその人間と旅を続けるでしゅー》

シェイミ《それがお前の役割でしゅー》

パルキア『なんだと?』

シェイミ《きっとお前が今までサボってきたツケが回ってきたんでしゅー》

やっぱりアルセウスは俺様がサボってきたからこんな仕打ちをしたのだろう。あのクソ親父の教育方針は間違っている。

シェイミ《そして一番大事なことは》

パルキア『大事なことは……?』

シェイミ《感謝することでしゅー》

パルキア『バカにするのもいい加減にしろ!』
 ▼ 24 ッチムシ@ていきけん 21/03/12 19:42:42 ID:0C4Ma.Yc [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺様はシェイミにつかみかかろうとした。

シェイミ《ではさらばでしゅー》

シェイミは花畑とともに消え、俺様の手は空振りした。俺様たちはまた真っ暗な空間の中に取り残された。

パルキア『クソッ!』

コウキ「シェイミはなんて?」

パルキア『……感謝しろってさ』

俺様が言うとコウキは少し考え込んだ。

コウキ「何か意味があるのかな……わざわざこんなところに来てくれたんだし」

パルキア『どうせ俺様をからかいに来ただけだろ』

コウキ「…………」

パルキア『なあ、お前本当にポケモンやギンガ団の連中みんな見つけるつもりか?』

コウキ「もしかして、帰りたくなった?」

パルキア『ケッ!』

コウキ「たしかに、ここは最悪だね。どっかの誰かさんがちゃんと整理してくれてたらよかったのになぁ……」

パルキア『悪かったな』
 ▼ 25 バニア@ねがいのかたまり 21/03/12 20:36:38 ID:0C4Ma.Yc [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なぞのばしょに入ってから一週間がたっても、俺様たちは何も見つけていなかった。

コウキ「しりとり」

パルキア『りんご』

コウキ「ゴース」

パルキア『寿司』

コウキ「シェイミ」

パルキア『ああああああああっ!』

パルキア『イライラする!』

俺様は限界だった。主にシェイミとヒメリのみのせいだった。

コウキ「あくうせつだん」

パルキア『ああああああああっ!』ザシュ!

コウキ「……あのさ、静かにしてくれない?」

パルキア『どうしてだ!このままじゃ確実におかしくなる!』

コウキ「お腹が空くだけだよ」

そう、俺様はこの世界に来てから腹が減るようになった。神であるときは食事の有無なんて気にしてなかったというのに。
 ▼ 26 サイハナ@キャンプセット 21/03/12 20:37:08 ID:0C4Ma.Yc [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『神に戻ったら絶対に見返してやる……』

コウキ「……感謝しろ、だったっけ?」

パルキア『ああああああああっ!』

パルキア『お前はどうして平気なんだ?』

パルキア『一週間たっても何も見つからないんだぞ!』

コウキ「僕だって平気じゃないよ」

コウキ「でも僕までおかしくなったら、おしまいだろ?」

俺様はショックを受けた。まさか俺様が人間に気を遣わせるとは。

コウキ「それに今はパルキアといっしょだからね」

コウキ「一人だったらもうとっくに諦めてたかも」

パルキア『…………』
 ▼ 27 マクロー@シルフスコープ 21/03/12 20:37:47 ID:0C4Ma.Yc [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そのとき俺様たちはまた壁にぶつかった。

コウキ「あくうせつだん」

パルキア『はあッ!』ザシュ!

パルキア『……ん?』

そこの雰囲気はなんだか今までと違っていた。

真っ暗な空間なのは変わらない。けれど、何かを感じる。身体中の細胞が危険を知らせる。ここに来てはいけない。

パルキア『おい、これはまさか……』

コウキ「アルセウス……?」

俺様たちの目の前にいたのはアルセウスに違いなかった。

アルセウスに会ったら言いたいことはたくさんあったはずなのに、どれも出てこない。それほどまでに圧倒的なオーラを放っていた

パルキア『おっ、親父……』

コウキ「パルキア!なんか様子が変!」

パルキア『なんだと?』

言われてみれば。何かおかしい。

アルセウスは常にレベル100で登場するが、目の前のアルセウスのレベルは80ほどだろう。

それに、目の前のアルセウスは動く気配もなかった。
 ▼ 28 リキザン@おだやかミント 21/03/12 20:38:36 ID:0C4Ma.Yc [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『まさか、偽物?』

ここで思い出した。ここは神のゴミ箱。おおかた誰かがアルセウスの偽物を作って捨てたのが残っていたのだろう。

パルキア『全く、脅かすなよ……』

俺様はアルセウスの頭を軽く叩いた。アルセウスの目が光った。

アルセウス「ササササバキヲ……ククククダス……!」

パルキア『!?!?!?』

どうやら今のはコウキにも聞こえたらしい。俺様たちは全力で逃げた。

コウキ「バカ、なんで触るんだよ!」

パルキア『まさか動くとは思わないだろ!』

俺様たちはすぐに行き止まりに出た。

アルセウス「サササササバキ……!」

コウキ「あくうせつだん!」

パルキア『言われなくたってしてやらぁ!』

俺様は空間を切り裂いた。そこには久々に見る光があった。

俺様たちは真下に落下した。
 ▼ 29 テルグマ@カゴのみ 21/03/12 21:18:41 ID:Yd.Y3/Qo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
見てるよ
 ▼ 30 ピアー@ぐんぐんこやし 21/03/12 21:24:08 ID:2JeQMMEc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 31 ツベイ@やすうりポン 21/03/12 22:16:41 ID:dbV6XI5s NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 32 ォーグル@カセキのトリ 21/03/12 22:18:54 ID:aCGIObxs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 33 カシャモ@ながねぎ 21/03/13 11:15:27 ID:RduoArsU [1/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺様たちが落ちた場所は、水辺らしい場所だった。とても浅く、人間でも足首までしか水に浸からない。

コウキ「アルセウスは、追ってこないみたいだね」

パルキア『だが、もう帰れなくなった』

俺様は自分たち落ちてきた穴を指した。やりのはしらのときと同様に、開いた穴はすでに塞がっていた。

運がいいのか悪いのか、俺様たちはここに出たことであのアルセウスから逃げられた。そして、帰る術を失った。

コウキ「とりあえず、ここがどこか確かめよう」

俺様は周りを見渡した。人間が住んでいた形跡はない。ただの水辺だろうか。

パルキア『待て、誰かいる』

コウキ「え?」

俺様は足元を示す。

パルキア『この波を見ろ。俺様たちのほかにも何かいることがわかるだろ?』

コウキ「…………わかんない」

パルキア『俺様はわかる。出てこい!そこのやつ!』

俺様は遠くの岩陰に向かって叫んだ。しばらくして、一人の人間が出てきた。

出てきたのはコウキと同じくらいの歳の少女。残念ながら俺様の姿を見てもまったくビビってない。
 ▼ 34 ガボスゴドラ@ちいさなはなたば 21/03/13 11:15:55 ID:RduoArsU [2/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「残念、うまく隠れたと思っていたのに」

「ジュナイパー!」

少女がそう叫ぶと、どこからか飛んできた矢が俺様たちの影に突き刺さった。俺様たちは動けなくなった。

パルキア『おい人間、放せ!』

俺様はハイドロポンプを放った。

コウキ「パルキア!」

ハイドロポンプが少女に当たる前に1匹の緑色のポケモンが割り込んできた。さっき矢を放ったポケモンだろう。

そのポケモンはリーフブレードでハイドロポンプを防いだ。今の動きでも、相当鍛えられたポケモンだとわかった。今まで会ったやつらとは格が違う。

「おとなしくしてたら手荒な真似はしないと約束するから」

パルキア『なんだと……!』

コウキ「パルキア、落ち着いて」

パルキア『ぐぬぬぬぬぬ……』
 ▼ 35 クケイル@つかまえポン 21/03/13 11:16:25 ID:RduoArsU [3/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あなたは?」

コウキ「……僕はコウキ。シンオウ地方のポケモントレーナーだ」

どうしてこいつはこんなに落ち着いている?それとも落ち着いたふりか?

パルキア『俺様は……』

「私はコウミ。アローラのポケモントレーナーよ」

なんだこいつ。俺様が何者か知りたくないのか?

コウミ「まさかこんなところで人に会うなんてね……」

ここがどんな秘境であろうと、小僧1匹に会うより俺様みたいな神に会う方が驚くはずだが、この小娘はあまり俺様の存在には驚いていないみたいだ。

コウミ「でも、伝説のポケモンを連れているなんてあなた何者?」

パルキア『ちょっと待った。俺様が伝説ポケモンだと知っておいてなぜそこまで冷静でいられる?』

コウミは少し考え込んだようだが答えた。

コウミ「ここはウルトラスペースゼロ。私もよくわからないけど、ここではときどき伝説のポケモンとも会えるのよ」

コウミ「それに、あなたのことは空間研究所の資料にあったから知っているし……」

パルキア『てことは、他の伝説ポケモンとも会ったことがあるのか?』

コウミ「ええ。といっても、まだここでは伝説ポケモンを捕まえたことはないけど」

「ここでは」という表現が気になった。ここ以外のどこかでは捕まえたことがあるのだろうか。
 ▼ 36 ンバドロ@メガリング 21/03/13 11:17:01 ID:RduoArsU [4/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「それに、あなたみたいに完璧に意思の疎通ができるケースは初めて」

コウミ「それで、あなたたちはどうしてここに?」

俺様たちはこれまでの出来事をだいたい話した。(ほとんど俺様が喋ったが)

パルキア『満足か?さっさとこの矢をどけてくれ』

コウミ「わかったわ。ジュナイパー」

ジュナイパーはリーフブレードで二本の矢を切った。俺様たちは自由になった。

パルキア『次はお前が喋る番だ』

パルキア『ここはどこだ?まったく人間の気配が感じられないが』

コウミ「そうね、ここに人間がいるはずないもの」

コウミ「ここは私が住む世界から5000光年以上離れた場所にあるの」

パルキア『じゃあどうやってここに来た?』

空間移動は俺様の専売特許。人間ごときが出来るとは思わないが。

コウミ「伝説のポケモン、ソルガレオの力を借りたの」

思い出した。ソルガレオは何光年も離れた場所や、異空間でさえも行き来できる伝説のポケモン。つまりは俺様の劣化。

コウキ「君はソルガレオを捕まえたの?」

コウミ「いいえ。私はウルトラ調査隊という人たちとソルガレオをシェアしているの」

コウミ「ソルガレオの対のポケモン、ルナアーラなら持っているけど」

ルナアーラもソルガレオ同様…………つまりは俺様の劣化。
 ▼ 37 ノアラシ@つめたいにんじん 21/03/13 11:17:26 ID:RduoArsU [5/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『それで、ここからはどうやって帰れる?』

コウミ「私の知る限りでは、ソルガレオかルナアーラの力が必要」

コウミ「どうせ私も自分の世界に帰るから、ついでに乗せてあげてもいいけど」

コウキ「本当に!?」

コウミ「困っている人を放ってはおけないもの」

困っている神は?とききたかったがやめた。帰れるのならそれでいい。こんなところで道草食ってる場合じゃない。

パルキア『ほかにもウルトラホールを移動したり伝説ポケモンと戦ったりする人間たちがいるのか?』

コウミ「そうね。さっき言った調査隊の人たちを初め、ウルトラホール間を移動できる人たちは存在するけど」

コウミ「伝説ポケモンと戦える強さを持っているのは、私が知る限りは私を含めて二人だけね」

人間とポケモンが力を合わせても伝説ポケモンと戦えるようになるとは考えにくいが、嘘をついているとは思えない。俺様への態度がその証拠だ。

もしかするとこの空間にいると伝説ポケモンは今の俺様のようなちょっと強いポケモンレベルにまで戦闘力がダウンするのだろうか。

俺様はこの空間の存在を知らなかった。考えたくないが俺様がサボっている間にできたものなのかもしれない。
 ▼ 38 メルゴン@アッキのみ 21/03/13 11:18:03 ID:RduoArsU [6/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「そのもう1人ってどんな人?」

コウミ「……ただの、バカよ」

そのとき、遠くから人間の声がした。

パルキア『なんだ?』

コウミ「……そのバカが来たみたい」

俺様たちは水辺から出て声のしたところに向かった。

そこにいたのは、またまた同じくらいの歳の子供と、ソルガレオ。

ソルガレオ「ぴゅいww」

パルキア『なんだと!この鉄製カエンジシが!』

コウキ「どうしたんだよ、パルキア」

パルキア『この野郎、俺様をみて「高級パールルさんじゃありませんかww」とかぬかしやがった!』

コウキ「鉄製カエンジシも似たようなものじゃないかな……」
 ▼ 39 チゴラス@おおきなしんじゅ 21/03/13 11:18:32 ID:RduoArsU [7/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あれ?なんか今日はやけに多いな」

ソルガレオのトレーナーであろう少年が言った。

コウミ「……久しぶりね、コウタ」

コウタ「おう、ひさしぶりー!」

俺様相手にまったく動じなかったコウミが、このコウタとよばれた少年相手には若干態度が変だと感じた。

コウタ「どうしたんだよ?元気出せよ!」

コウミ「苦手なのよ、あなたのテンション」

コウタ「そっか、で、そっちのお二人さんは?」

俺様はコウミにしたのと同じ説明をコウタにもした。この先初対面の相手に自分たちの境遇を話す必要があるなら、録音していつでも聞けるようにしたいくらいだ。

コウタ「なかなか苦労してんだなー、ドンマイ!」

俺様はコウミがコウタのことを苦手だと言った理由がわかった気がした。
 ▼ 40 ジッチュ@けいけんポン 21/03/13 11:18:57 ID:RduoArsU [8/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「あなた、いつから手持ちのソルガレオに乗るようになったの?」

コウミの言葉で、コウタは何かを思い出したような顔をした。

コウタ「そうそう、聞いてくれよ〜!」

コウタ「いつものようにウルトラワープライドしてたら、突然ルナアーラがいなくなったんだよ!」

コウタ「仕方ないから手持ちのソルガレオに乗ってたんだが、こいつ帰る道を覚えてなくてよ〜」

コウタ「ずっとウルトラホールをうろうろしてたら、ここに着いたってわけ」

コウミ「ルナアーラが……?」

コウタ「今までこんなことなかったのによぉ」
 ▼ 41 ッカグヤ@あさせのかいがら 21/03/13 11:19:24 ID:RduoArsU [9/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「そういえば、コウミのソルガレオは?」

コウミ「!」

コウミ「いなく……なってる」

コウタ「あーらま、オレとおんなじだな!」

コウミ「なんでそんなに笑ってられるのよ!どう考えても異常事態じゃない!」

コウミ「私は今ルナアーラを手持ちに入れてないし………」

コウキ「……もしかして、ここから帰れない?」

コウタ「心配すんな!オレのソルガレオになら三人乗れる!」

パルキア『それはひょっとして俺様は乗れないってことか?』

ソルガレオ「ぴゅいww」

無理らしい。俺様はここまで出来る限りボールに入らないようにしてきたというのに。

コウタ「まあ、こんなとこで喋っててもしょうがないし、行こうぜ!」
 ▼ 42 ーゴヨン@ドクZ 21/03/13 11:39:21 ID:XmWQYUws NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 43 レビィ@ウタンのみ 21/03/13 17:24:34 ID:RduoArsU [10/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
◆◆◆◆◆


私たちはコウタのソルガレオに乗ってウルトラホールを移動した。

ソルガレオの背中は暖かく、私の不安を消し去ってくれるようだった。

コウタ「そんでな、オレとコウミはなんていうか、同じなんだけど同じじゃないっていうか……」

コウタはコウキ(とパルキア)に自分たちについて軽く説明している。

コウタ「別世界の同一人物なんだ」

コウキ「えっ?」

驚くのも無理はない。私だっていまだに信じられない。

コウタ「オレたちもよくわからねーんだけど、オレとコウミは別の世界で全くおんなじ出来事を経験してるんだ」

パルキア『空間の神に言わせると、ちょっとずれた世界では一部の要素が違うこと以外は全く同じ世界だって例はよくある』

パルキアはボールの中からも意思を伝えられるらしい。
 ▼ 44 ルップル@こうかくレンズ 21/03/13 17:25:12 ID:RduoArsU [11/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『まあ、俺様がちゃんと働いときゃこんなことにはならないんだがな』

ダハハとパルキアが笑う。最初にパルキアが喋ったときはとても驚いたが、短い間に慣れてしまった。コウタはパルキアが喋っていようと気にしていないみたいだ。

この状況で、人間に意思を伝えられるポケモンがいることは、幸いなのかもしれない。

ただ、コウキの話通りだとするとパルキアは若干頼りない。

ソルガレオ「ぴゅい……」

パルキア『おい、そのカエンジシもどきが疲れたって言ってるぞ』

コウタ「よーし、じゃあちょっと休憩するか」

ソルガレオは近くのウルトラホールに飛び込んだ。

パルキア『なんだここ?』

私たちは廃れた人間界のようなウルトラスペースに着いた。

コウミ「ウルトラビルディング。アクジキングと呼ばれるウルトラビーストがいるところよ」

アクジキングは危険なウルトラビーストだけど、こちらから刺激しなければ大丈夫なはず……
 ▼ 45 レユータン@ウイのみ 21/03/13 17:25:42 ID:RduoArsU [12/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「ちっと気味が悪いとこだが、ソルガレオが回復するまでは我慢してくれよな〜」

相変わらずコウタは気楽そうに言う。

パルキア『小僧、腹が減った。ヒメリ以外を頼む』

コウキ「はいはい……」

あたりはパルキアがきのみを貪る音しか聞こえなくなった。しばらくして沈黙を破ったのはコウキだった。

コウキ「えっと……それで、2人は同じ存在だって言ってたけど……」

コウミ「私の世界とコウタの世界は、パルキアが言うようにほとんど同じ」

コウタ「ただ昼と夜が逆で、持ってる伝説ポケモンも違うな!」

パルキア『そうだ、ちょっと思ったんだが』

パルキアがきのみを頬張りながら話に割り込んでくる。空間の神なら、私とコウタの関係についても何か知っているかもしれない。

パルキア『お前ら三人、名前が似すぎて紛らわしくないか?』

コウタ「たしかに!」

……パルキアに期待するのはやめておこう。
 ▼ 46 フキムシ@ペアチケット 21/03/13 17:26:27 ID:RduoArsU [13/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しばらくして、コウキとパルキアは眠ってしまった。なぞのばしょにいた間はあまり眠れていなかったらしい。

コウミ「ここって、前は人がいたはずなのに……」

コウタ「そうだな、他の人たちが行ったところに行ったんじゃねえか?」

コウミ「そうかしら……」

私は話題を変えた。

コウミ「あとどのくらいで出発できそう?」

コウタ「さあな!ソルガレオ次第だ!」

コウタは曇りのない笑顔で答える。

コウミ「……ときどきあなたの底抜けの明るさがうらやましくなるわ」

コウタ「やっぱり不安か?」

コウミ「不安に決まってるじゃない」

コウタ「だよな、でも、あいつらの方がよっぽど不安なんじゃねえのか?」

たしかに。二人にはここから帰ってもまだやるべきことがある。
 ▼ 47 ブリー@ゼニガメじょうろ 21/03/13 17:26:51 ID:RduoArsU [14/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「オレは帰ってからも出来るだけあいつらのサポートをしたい」

コウミ「そのお人好しも相変わらずね」

コウタ「それはあんたも同じだろ?なんたってオレらはおんなじなんだからな!」

コウミ「そう、かしら……」

本当に私たちが同じ存在なら、私はあなたのポジティブな考え方をどうして持っていないの?

私はもう、疲れとストレスで限界だ。みんなを不安にしたくなくて平気そうに振る舞っていたけど、ソルガレオを失ったショックは大きい。

コウタ「ちょっと眠ったらどうだ?オレが起きてるからよ!」

もしかして、私が疲れてることが見透かされているのだろうか。それともただの偶然か。

コウミ「そうね、ありがと……」

私はそのまま眠りについた。
 ▼ 48 ルフォン@しつもんメール 21/03/13 18:52:52 ID:RduoArsU [15/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
○○○○○


「やあ、アルセウスを探してるんだって?」

パルキア『誰だお前』

ユウキ「オレはユウキ、ホウエンのトレーナーだ!」

パルキア『まーた似たような名前かよ』

ユウキ「見ろ!アルセウスガチャの賜を!」

色アルセウス「ドドギュウーン!」キラーン!

パルキア『』

ユウキ「通常色ならいっぱいいるから、1匹交換してやってもいいぜ!」

アルセウスたち「「「ドドギュウーン!」」」

パルキア『うわあああああ!』

俺様はそこで目が覚めた。

パルキア『なんだ、夢か……』

なんということだ。俺様はとうとう夢まで見るようになったのか。神からかけ離れていく自分を見るのはやはり辛い。
 ▼ 49 ォクスライ@クチートナイト 21/03/13 18:53:25 ID:RduoArsU [16/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「おっ、起きたか。気分はどうだ?」

パルキア『最悪』

コウキとコウミはまだ寝ている。俺様は立ち上がって体をほぐす。

パルキア『ちっと散歩』

コウタ「おう、30分後には帰ってこいよ〜」

パルキア『へいへい』

俺様はアルセウスにビビってばかりの自分にイライラして気分転換をしたかったが、こんな世界では無理があった。

十分ほど歩くと、何かを貪るような音が聞こえてきた。アクジキングってやつか?

さらに進むとアクジキングの姿が見えてきた。ひたすらゴミを貪るその姿は、異常だと思った。

俺様は、アクジキングにケンカを売りたくなった。ここに神がいるってのに、なぜ気にも止めずに食事を続ける?

だいたい、赤い鎖に捕まってからというもの、俺様のことを神として扱ったやつはいたか?

俺様は手を伸ばした。
 ▼ 50 ルビー@シールぶくろ 21/03/13 18:53:53 ID:RduoArsU [17/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「やめときな」

パルキア『おまっ!いつからいたんだ!?』

コウタ「なーんか様子が変だったから、ついてきた」

コウタ「……あんたの力じゃアクジキングにも勝てるかもしれないけどよ」

コウタ「戦う意味なんてないじゃねえか」

パルキア『うるせえ、ちょっとイライラしてただけだ!』

コウタ「へえ」

コウタ「あんた、神だってのにぜんぜん神っぽくないな」

パルキア『なんだと?』

俺様はこいつに馬鹿にされてるのか?

コウタ「まあ、オレはいいと思うぜ?」
 ▼ 51 ンカラス@フーディナイト 21/03/13 18:54:32 ID:RduoArsU [18/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「そろそろソルガレオも元気になった頃だし、あの2人が起きたら出発しよ……」

「アッーーー!」

コウタ「!」

パルキア『なんだぁ?』

突然アクジキングが食事をやめ、振り返った。コウタがモンスターボールに手をかける。

コウタ「くっ!」

コウタは戦うつもりだ。

パルキア『おい、ここは俺様にやらせろ!』

パルキア『お前はあいつらのところにいけ!』

コウタ「でも……」

パルキア『神様なめんなよっ、おらぁっ!』

あくうせつだんがアクジキングに直撃する。

アクジキング「アッー!」

パルキア『出発の準備をしろ!』

コウタ「わかった、死ぬなよ!」

コウタは走り出した。
 ▼ 52 ガルガン@にじいろのはな 21/03/13 18:54:56 ID:RduoArsU [19/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルキア『ったくよぉ、なんだって急に……』

アクジキング「アッーーーーーッッ!」

「「「アッー!」」」

俺様が攻撃したアクジキングが吠えると、遠くから別の吠え声が聞こえてきた。

パルキア『1匹じゃねえのかよ……くそっ』

アクジキング「アッー!」

パルキア『くらえっ!』

アクジキングが飛び出してきたので、もう一度あくうせつだんを使う。これでPPはなくなった。

アクジキングが怯んだ隙に俺様は逃げ出した。流石に大量のアクジキングの相手はしてられない。

俺様はなんとか捕まらずに元いた場所に戻った。もうそこら中大量のアクジキングだらけだ。
 ▼ 53 ーディン@ちりょくのハネ 21/03/13 18:55:19 ID:RduoArsU [20/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「パルキア、はやく!」

パルキア『小僧!ここに来たら危ないだろ!』

コウキ「ボールに入って!そうすれば君だけでも……」

そのとき、1匹のアクジキングが飛び出してきた。

コウミ「あぶない!」

パルキア『小僧!』

アクジキングがコウキを喰らおうとする。

パルキア「ぱぁるぱぁるぅぅぅううう!」

俺様は叫んだ。

両肩のパールが光った。

そこからの出来事は一瞬だった。
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