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フライゴン 「僕は……強くなるっ! (泣)」

 ▼ 1 14/12/03 20:15:55 ID:0Z4D4KKw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕はフライゴン。

激動の時代に、僕は生まれて、進化してしまったものだ。

強くなりたいって思うのは、ポケモン、男たる者、当然の思考だ。そしてそれを追及する権利は、誰にでもある。

たとえ不遇な扱いをされたって……マスダとか言うニンゲンに虐められたって、僕は僕で、強くなる努力をすればいい。

だから僕は努力したんだ。


……けど、僕たち一族には、暗い過去があった。



 プ ク リ ン 1 匹 に 全 滅 さ せ ら れ た



……もう、自尊心も へったくれもない。

その一件のせいで、僕たち一族は自信を失って、群れで行動することは無くなった。

まわりのドラゴンポケモン達は、どんどん新しい力を身に着けている。


そんな時代に生まれちゃったんだよ、僕は……。
 ▼ 21 14/12/04 01:12:55 ID:.KtgE3nE [1/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 子供オス 「“ハイパーボイス”!」

 ニンフィア 「オッケーご主人っ! はいぱー……ぼいすうううぅぅぅっ!」


 赤髪メス 「ソーナンスお願い!」

 ソーナンス 「合点ここは“ミラーコート”!」

 子供オス 「跳ね返ってくる! “でんこうせっか”で避けろ!」

 ニンフィア 「わはっ! 良いねご主人っ!」


ニンフィアも凄いけど、指示を出しているあの子供もなかなかだ。“でんこうせっか”を回避に使うなんて、経験が無ければ出来ないワザだ。

そしてそれを、初めて会ったニンフィアと成し遂げるんなんて……。


攻撃を回避したニンフィアは、素早く子供の前に戻り、次の指示を待っているようだった。その顔は、とても活き活きとしていた。


 赤髪メス 「あのニンフィア……相当マズいわね!」

 青髪オス 「あぁ。野生のくせにバトル慣れしてないか?」


相手方も、ニンフィアと子供の凄さに驚いているようだ。

普段は可愛く振る舞っているニンフィアが……バトルになるとあんなに活き活きした顔になるなんて……ってアレっ!?
 ▼ 22 14/12/04 01:13:55 ID:.KtgE3nE [2/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 子供オス 「凄いぜニンフィア! お前そんなに強……えっ? ニンフィア!?」

 ニンフィア 「うっ……グスッ……ぅぅっ……」


ニンフィアは、泣き出していた。

さっきまでの表情がウソのように、本当に、突然見せた涙だった。

それは、本当に悲しそうに……。


 子供オス 「どうしたんだよニンフィア!?」

 ニンフィア 「ぅっ……ご主人っ……グスッ……」


ニンフィア……さっきから「ご主人」って……あの子供がニンフィアのトレーナーってことなのか!?

そう言えば、はじめニンフィアは、あの子供を守っていたし……いや、子供の方はそんな素振りは見せてない。

……ってことは、別のトレーナーがどこかにいるってことか!?
 ▼ 23 14/12/04 01:14:54 ID:.KtgE3nE [3/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 赤髪メス 「チャ〜ンス! バケッチャ“シャドーボール”!」

 バケッチャ 「今度こそ当てるぞー!」


 子供オス 「マズい……避けろニンフィア!」

 ニンフィア 「うぐっ……グスッ……あっ!? きゃあああぁぁぁっ!?」


 フライゴン 「あぁっ!? ニンフィアっ!」

ニンフィアに何が起きたのかは分からない。

けど、バトル中に泣きだしてしまっては、相手からやられる一方だ。


 青髪オス 「マーイーカ、“イカサマ”だ!」

 赤髪メス 「バケッチャは“やつあたり”!」

 マーイーカ 「泣いてるけど……まいっか。 いかさまぁ!」

 バケッチャ 「うおおおぉぉぉ……いつもいつも夕飯少ないんだよおおおぉぉぉ!」

 子供オス 「あぁっ……ニンフィアっ!?」


泣いてしまった代償は大きかった。“シャドーボール”、“いかさま”、“やつあたり”。

3つのワザを連続で喰らってしまったニンフィアは、力なく、地面に倒れ込んだ。
 ▼ 24 14/12/04 01:15:55 ID:.KtgE3nE [4/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 子供オス 「おいどうしたんだよニンフィア!? 大丈夫か!?」

 ニンフィア 「ごっ主人っ………」

 子供オス 「ニンフィア……」


子供に抱きかかえられたニンフィアは、とても嬉しそうだった。……しかし、その嬉しそうな表情は、一瞬で悲しい顔に変わった。

どうしたって言うんだよニンフィア……。普段はあんなにキラキラ輝いてる君が、こんな悲しそうな顔をするなんて……どうしたんだよっ!?


 赤髪メス 「さぁ! そろそろトドメと行こうじゃない! バケッチャ“シャドーボール”!」

 青髪オス 「マーイーカは“サイケこうせん”だ!」


しかしそんな間にも、敵は攻め込んでくるつもりだ。


 子供オス 「くそぉっ!」
 ▼ 25 14/12/04 01:16:55 ID:.KtgE3nE [5/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あの子供……ニンフィアが動かないと悟ったのか、自分を盾にニンフィアを守る気だ!


 バケッチャ 「フィナーレだよぉ! “シャドーボール”!」

 マーイーカ 「直接攻撃は好かないけど……まぁいっか。さいけこうせぇん!」


ニンフィアは……ダメな僕に代わってバトルに挑んで……なぜか泣き出してしまった。

あの子供は……そんなニンフィアを……初対面のニンフィアを、体を張って守ろうとしている。


それなのにっ……僕はっ!?

あんな可憐なニンフィアの前で? あんな立派な子供の前で? 自信無くして落ち込んでる場合か? 


 フライゴン 「僕が……僕が戦わなくちゃいけないんだあああぁぁぁっ!!!」
 ▼ 26 14/12/04 01:26:55 ID:.KtgE3nE [6/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 青髪オス 「なっ……あいつ……!?」

 赤髪メス 「戦意喪失じゃ無かったの!?」


 フライゴン 「自信なんて関係ない! 喰らえ! “りゅうのはどう”だぁぁぁっ!」


 バケッチャ 「ぐはっ……」

 マーイーカ 「よくなぁぁぁいぃぃ!!!」


 赤髪メス 「バケッチャ!?」

 青髪オス 「“りゅうのはどう”じゃないか今の!?」


そうさ! 僕の渾身の“りゅうのはどう”だ!

今までのバトルじゃ弱くて誰にも効果なかったけど! 本気を出せばワザは進化するんだっ!


 赤髪メス 「えぇっ! あんな強力なの!?」

 ニャース 「あれを受けたら ひとたまりも無いニャ」
 ▼ 27 14/12/04 01:27:55 ID:.KtgE3nE [7/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今の一撃で、バケッチャとマーイーカはダウンしていた。

僕は……僕はとうとう手に入れたんだ! 特訓の成果を! 相手を蹴散らす強力なワザを!


 子供オス 「すげぇ……すげぇよフライゴン!」

 ニンフィア 「フライゴン君……」


 フライゴン 「もう1発! 今度はお前らだあああぁぁぁ!」


 青髪オス・ニャース 「わわわわわわあああああああぁぁぁぁぁぁ」

 赤髪メス 「ソーナンス! お願いっ!」

 ソーナンス 「御意! こんな“りゅうのはどう”喰らったら一撃ですわぁやばいですわぁ!」


ソーナンスの奴……跳ね返しやがった!

僕は上空に進んで跳ね返りを回避。あいつを何とかしないと……。

 子供オス 「くそっ……ソーナンスを何とかしないとっ!」

子供も同じ考えか。“ミラーコート”対策……何か……何かないのかっ!?
 ▼ 28 14/12/04 01:28:55 ID:.KtgE3nE [8/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「よいしょっ……」


その時、ニンフィアがゆっくりと立ち上がり、敵の方へ向かって歩き出した。


 子供オス 「……えっ!? おいニンフィア!?」

 フライゴン 「ちょっ……何してるのニンフィア!?」

何を思ってニンフィアは……あんな無防備で……しかも、攻撃するような素振りじゃない。話し合おうって言うのか!?


 青髪オス 「なっ……なんだぁ?」

 赤髪メス 「正面突破……攻撃するような雰囲気じゃないし……」

 ニャース 「分からんニャ」


ニンフィアは、ソーナンスの前で止まった。


 ソーナンス 「えっ……お嬢さん、ボクに何かご用で?」

 ニンフィア 「……ふふっ♪」


するとニンフィアは、突然、ソーナンスにキスをした。
 ▼ 29 メルゴン◆CnVgY8sVXo 14/12/04 01:29:29 ID:gRvfLzLM NGネーム登録 NGID登録 報告
はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!はいsageええ!!!!
 ▼ 30 14/12/04 01:29:55 ID:.KtgE3nE [9/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 赤髪・青髪・ニャース 「えええええぇぇぇぇぇぇ!?」

 フライゴン 「えええぇっぇええっぇぇぇええぇぇ!?」

 子供オス 「ニンフィア……?」


 ニャース 「うっ……羨ましいニャ……」

 赤髪メス 「あはぁぁぁソーナンス! アンタもモテるじゃなぁい! なにその子ぉ! ソーナンスに惚れちゃったって言うのぉ〜?」

 青髪オス 「ポケモンの世界は深い……敵同士で見つめ合ううちに始まる恋もあるってもんさなぁ……」


うっ……嘘だ。

ニンフィアが……キス……僕がっ……僕が狙ってたのに……えっ……えぇぇ……ニンフィアって……あんなのがタイプだったの……うそぉぉぉ……なんでっ……っ……ぐはっ!
 ▼ 31 14/12/04 01:30:55 ID:.KtgE3nE [10/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ソーナンス 「あのっ……お嬢さんっ……んな積極的な……って……あれっ……」


 赤髪メス 「あれー? でもでもー? ソーナンスの力が抜けていくようなー? ソーナンスしっかりしなさーい! 男でしょー! カッコいいとこ見せるのよー!」

 ソーナンス 「いやっ……力が……」

 青髪オス 「……なぁ、アレって“ドレインキッス”じゃ……」

 赤髪メス 「えっ?」


 ソーナンス 「ここでっ……散る……」バタッ

ソーナンスは倒れた。

 青髪オス 「“ドレインキッス”。フェアリータイプのワザで、相手の体力を吸い取る攻撃……」

 赤髪メス 「うっそぉぉぉぉぉ!?」


なっ……“ドレインキッス”って……ワザじゃん! 僕も喰らったワザじゃん!

うわぁ〜良かったぁ〜アレがニンフィアの好みかと思った〜心配して損した〜。


小走りで戻って来たニンフィアは、いたずらっ子のような顔をしていた。

あれだけ平然とワザを出されると、逆に反撃されないのか……。それまで考えてニンフィアが行動してたと言うのなら、恐ろしく頭良いな、ニンフィアって……。
 ▼ 32 14/12/04 01:31:55 ID:.KtgE3nE [11/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……よしっ。


 フライゴン 「これが最後……突破口を作ってくれたニンフィアのためにも……最後は僕が決めるっ!」


今なら出来る気がする。何度も練習したけど全然成功しなくて、諦めかけていたワザ。

ニンフィアと、……あの子供にも、僕の勇姿を見て欲しい。ドラゴンタイプ最強のワザ……他のドラゴンポケモンから仲間はずれにされたって、僕だって使いこなせるんだ!


 フライゴン 「行くぞおおおおぉぉぉぉ! 秘儀! “りゅうせいぐん”!!!」


大空に向けて、僕はエネルギーを爆発させた。

放物線を描き、オレンジ色の光線と化して落下してくる隕石はまさに“りゅうせいぐん”。

扱うことの難しい、ドラゴンタイプの最強ワザ。発射角度、エネルギーの調整、隕石を操る精神力、落下予測位置……。これら全てを完璧に操って、初めて出せるワザ。それが“りゅうせいぐん”。


 赤髪・青髪・ニャース 「うぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」


直撃。轟音。爆発。爆風。砂埃。


成功だ!

これが、“りゅうせいぐん”の威力だっ!
 ▼ 33 14/12/04 01:32:55 ID:.KtgE3nE [12/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 赤髪メス 「途中までうまく行ってたのにぃぃぃっ! 野生ポケモンに妨害されるなんてぇぇぇっ!」

 青髪オス 「だから言ったんだ。ポケモン虐待をネタに使って、ロクなこと起きないって……」

 ニャース 「あぁニンフィアちゃん……たとえ攻撃でも、ソーナンスが羨ましいニャァ……」

 赤髪メス 「くやしいいいいぃぃぃぃぃっ!!!」

 青髪メス 「悪かったなぁぁぁぁジャリボオオォォォイ!」

 赤髪・青髪・ニャース 「やな感じいいいいいいぃぃぃぃぃ!!!」


僕の“りゅうせいぐん”で弾き飛ばされた敵3人は、空の彼方へ消えていった。

大丈夫だったかな。ニンゲンをあんな思いっきり飛ばしちゃって。

……まぁ、怪我しないことを祈るか。
 ▼ 34 14/12/04 21:51:55 ID:.KtgE3nE [13/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 子供オス 「この威力……すげぇよフライゴン! あんな強力な“りゅうせ

いぐん”、シロナさんのガブリアス並だぜ!」

 ニンフィア「ほんと! フライゴン君すごかったよ!」

 フライゴン 「いゃぁ……ニンフィアの頑張る姿を見たら、僕もやらなきゃ

! って思ってさ」


子供が言った“シロナ”という人は知らないけど、ニンフィアに褒められたこ

とが、何よりう嬉しかった。



 「サトシ―!」

 「大丈夫サトシー!」


誰か来た。

 子供オス 「セレナ! ユリーカ!」

その子供の仲間かな。子供のメスと、小さい子供が駆け寄って来たけど、もう

事件は解決したぜ。
 ▼ 35 イドン@おいしいみず 14/12/04 21:52:40 ID:YbqXMLvQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴンが爆音派覚えたのって本当ですか!?
 ▼ 36 14/12/04 22:02:55 ID:Ijb8YYrQ [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>35
いや、私はその辺のことは詳しくないので分かりません。
 ▼ 37 14/12/04 22:03:55 ID:Ijb8YYrQ [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 子供メス 「大丈夫サトシ!? 怪我とか無い!?」

 子供オス 「あぁ。ロケット団も退治したしな……こいつらと一緒に!」

 子供メス 「そっか……良かった……本当に良かったっ……」

 小さい子 「わぁ〜ニンフィアとフライゴンだ〜! 可愛いぃぃぃ!」

うんうん。ニンフィアは可愛いよな。分かってるじゃないか、この小さい子。

ニンフィアを撫でた後、小さい子は僕の背中によじ登って来た。まぁ悪い気はしない。乗せたまま飛んであげてもいいけど、もし落ちたら危ないから辞めておこう。


 子供オス 「あとはあの檻を壊さないと」

 子供メス 「えぇ。……良かった。みんなも無事みたいね」

 子供オス 「頑丈な檻だから、ピカチュウ達も衝撃から守られたんだな。……ニンフィア、フライゴン。あの檻を壊してくれないか?」

子供は僕たちの方を向き直して言った。

 ニンフィア 「うん、良いよっ」

 フライゴン 「よっしゃ任せろ!」

僕は“りゅうのはどう”を、ニンフィアは“サイコショック”を繰り出して、同時に檻にぶつけた。頑丈とか言ってた割に、1発で破壊できてしまった。

 子供オス 「サンキュー2人とも!」
 ▼ 38 14/12/04 22:12:55 ID:Ijb8YYrQ [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 「はぁっ……はぁっ……はぁっ……サトシぃぃぃ大丈夫でしたかぁぁぁ!?」

 子供オス 「おっ、シトロン! 大丈夫だぜ〜!」

 ユリーカ 「もぉ〜! お兄ちゃんってば遅い!」


また1人増えた。メガネをかけたオスの子供だ。……こう、見るからにドン臭そうな格好をしている。

 メガネ 「はぁっ……はぁっ……すみませんっ……あっ、もう片付いたんですね」

 子供オス 「あぁ。ニンフィアとフライゴンのお陰でな!」

 子供メス 「みんなのポケモンも無事だしね。戻って、フォッコ、ヤンチャム」

 メガネ 「……みんな、まだ寝てるんですね。僕も戻しておきます。……あ、ありがとうございました。フライゴン、ニンフィア」

 子供オス 「……さて。このモンスターボールの山も、ポケモンセンターに届けようぜ。みんな心配してるはずだしな」

 子供メス 「そうね」


子供たちは、檻に入っていた大量のモンスターボールを、バッグに詰めはじめた。

いまいち状況がつかめなかったけど、要するに、さっき ぶっ飛ばした奴は悪者で、このモンスターボールを盗んで来たってところかな。

まったく……。どうしょもないニンゲンもいるんだな。
 ▼ 39 14/12/04 22:22:55 ID:Ijb8YYrQ [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニンフィアは、子供たちの動きを無言で見つめていた。何となく、寂しそうな、悲しそうな顔をして。

 フライゴン 「どうしたのニンフィア? さっきから何か……悲しそうだぞ?」

 ニンフィア 「うん……」


子供たちがボールをバッグに詰め終わり、いざ出発と言ったタイミングで、ニンフィアが立ち上がった。何かを決心した……そんな表情で。


 ニンフィア 「楽しかったよ♪」

そう言いながら、ニンフィアはオスの子供をリボンで包み込みながら、足元に擦り寄った。

“楽しかった”って……どう言うことだ?


 子供オス 「おっ……ニンフィア……ありがとなっ」


子供が撫で返すと、ニンフィアは目を瞑って、嬉しそうな表情を見せた。……けど、すぐに悲しげな表情に変わった。

ニンフィア……君は……実はこのニンゲンのことを知ってたりするの? だからバトルの息がぴったりで、お別れがそんなに悲しいのか?


 子供メス 「ふふっ。ニンフィア、サトシのこと気に入ったのかな?」

 小さい子 「そうだよ! ねぇねぇ! ニンフィアも私たちと一緒に行こうよ! ね!?」

 子供オス 「……一緒に来るか? ニンフィア?」
 ▼ 40 14/12/04 22:32:56 ID:Ijb8YYrQ [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっと待ってぇ!? 僕とニンフィアを引き離さないでぇ!?


……けど、ニンフィアはそれを拒んで、ひとまず安心した。


 子供オス 「……そっか。ありがとなニンフィア。オレ達を助けてくれて。それに、お前と組んだバトル、楽しかったぜ」

 ニンフィア 「私もっ……すっごく楽しかった……ありがとう……」


 小さい子 「なんだ残念……」

 メガネ 「ユリーカ。ポケモンにはポケモンの人生があるんだよ」

 小さい子 「……うん。バイバイ、ニンフィア! フライゴン!」

 子供オス 「フライゴンもありがとな! 助かったぜ!」

 フライゴン「いや、僕の方こそ。きみにも勇気を貰ったからね!」

 子供メス 「さよなら。2人とも、本当にありがとう」

 メガネ 「ありがとうございました。……それでは、失礼します」


子供たちは、森の出口へと歩いて行った。

そんな彼らの姿が見えなくなるまで、ニンフィアは、無言で見つめていた。
 ▼ 41 ンリュウ@リピートボール 14/12/04 23:16:41 ID:GNECNAYI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あのSSの別視点だったのか
 ▼ 42 ゲオヤジ◆3zNBOPkseQ 14/12/04 23:27:33 ID:QelgHYbg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんだこれ
 ▼ 43 ティアス 心の雫 14/12/04 23:41:26 ID:nSCr4tVc NGネーム登録 NGID登録 報告
クスノキサン
 ▼ 44 14/12/05 01:26:55 ID:.KtgE3nE [14/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「行っちゃった……」

ニンフィアが、小さく呟いた。

 フライゴン 「……ねぇニンフィア。何かあったの? バトル中に急に泣いたり、今だって、あの子供に未練があるように見えたけど……」

 ニンフィア 「うん……。何だか……思い出しちゃって……」

 フライゴン 「えっ?」


ニンフィアは、一呼吸置いて、遠くを見つめながら言った。

 ニンフィア 「私ね……捨てられたんだ……」

 フライゴン 「捨てられた……!?」


思いがけない言葉が、ニンフィアの口から飛び出した。捨てられたって……もとはニンゲンに飼われてたってことで……捨てられた!?


 ニンフィア 「ドリョクチ? みたいなのを間違えたんだって。それで、本当に突然……捨てられちゃったんだ……」

 フライゴン 「ニンフィア……」
 ▼ 45 14/12/05 01:29:55 ID:.KtgE3nE [15/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうか。ニンフィアには、元はトレーナーがいたんだ。だからさっきのバトル、あんなに凄かったのか。

考えていれば、あれは野生ポケモンが簡単に手に入れられるスキルじゃない。トレーナーに鍛えられてたって考えるのが、自然だったんだ。


 ニンフィア 「さっきの男の子とバトルしたことだけどね……」

 フライゴン 「うん……」

 ニンフィア 「思い出しちゃったんだ……ご主人とのバトル。ワザの出す方向とか、回避のタイミングとか、しっかり指示してくれてたんだ、ご主人。あの男の子……ご主人のバトルスタイルにそっくりだったの……」

 フライゴン 「……だから、あんなに活き活きバトルしてたんだね」

 ニンフィア 「うん。途中でね、本当にご主人とバトルしてるように思えちゃって……でも、あの子は違う、これはご主人じゃ無いんだって思ったら……急に悲しくなっちゃって……」


そうか……。だからニンフィア、突然泣き出しちゃったんだ……。ご主人とのバトルが、懐かしくて……。


 ニンフィア 「私が攻撃されたあと、あの子が抱きかかえてれたけど……ご主人の面影を見たんだ、あの時。すっごい嬉しかったけど……すぐ気付いたよ。この子は違うんだって……」

 フライゴン 「そっか……」

 ニンフィア 「でもでも、バトルには勝たなきゃって思って、あのソーナンスに“ドレインキッス”したんだ。フライゴン君、うまく締めてくれたねっ♪」


ニンフィアは、無理に笑顔を作っているように見える。

トレーナーに捨てられたこと……傷ついてるんだろうな、すっごく。
 ▼ 46 ンリュウ@どくどくだま 14/12/05 01:29:57 ID:JFMVqATA NGネーム登録 NGID登録 報告
ORASのサーチの件といい、オマエラーが
逃がしたポケモン大杉だろwww
 ▼ 47 14/12/05 01:32:55 ID:.KtgE3nE [16/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 フライゴン 「ニンフィアは……その……またご主人に会いたいの?」

 ニンフィア 「……ううん。もぉいいんだ」

 フライゴン 「えっ?」

 ニンフィア 「あの子と一緒のバトル……久々にトレーナーと組んでバトルして、私、すっごい楽しかったの。あの子がご主人みたいで……。でも、さっきやっと理解したんだ。あの子と別れるとき……これが、トレーナーと組む、最後のバトルだったんだ、ってね」

 フライゴン 「ニンフィア……」

 ニンフィア 「そう思ったら、何だか寂しくて……あの子に思いっきり甘えちゃったな。ちょっと迷惑だったかも? ふふっ」


ニンフィアの輝いていない笑顔が、とても痛ましかった。

トレーナーに捨てられて、その当時のことを思い出して、あの子供と一緒にバトルして……。それが最後だと自分に言い聞かせて……。

こんな悲しい話、あっていいのかよっ!?


 ニンフィア 「私はこれから、野生として生きていくの。もう、ご主人の未練は……さっきのでキッパリ断ち切ったつもり。私はこれから、新しい人生を始まるんだ……」


そう、ニンフィアは弱々しく言った。……けど、瞳からは、一種の覚悟が感じられた。

そうだ、その意気だよニンフィア。君なら大丈夫さ!
 ▼ 48 14/12/05 01:35:54 ID:.KtgE3nE [17/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 フライゴン 「ニンフィアなら大丈夫さ! 辛いかもしれないけど! 野生は色々なことがあるけど! ニンフィアならやって行けるって! 絶対!」

 ニンフィア 「……ふふっ。ありがとう、フライゴン君。フライゴン君も、これから大丈夫だよねっ。あんなに凄い“りゅうのはどう”と“りゅうせいぐん”を使いこなせるんだもん!」

 フライゴン 「勿論さ! ……よ〜し! 明日からはリベンジだ! 今まで負けた、グランブルやペロリーム、フラエッテやトゲピーに……僕の完成した“りゅうのはどうを”……」


 ニンフィア 「それは無理だと思うよ?」

 フライゴン 「えっ!?」

 ニンフィア 「だって……みんなフェアリータイプだもん」

 フライゴン 「えぇっ……?」

 ニンフィア 「えっ? ドラゴンタイプのワザは、フェアリータイプには効かないけど……あれっ?」


フェアリータイプに、ドラゴンワザは効かない……?


 フライゴン 「……早く言ってぇぇぇぇ!? そう言う大事なことは早く言ってよぉニンフィアぁぁぁ!?」

 ニンフィア 「あ……っと、ごめんねフライゴン君! てっきり、あえてフェアリーポケモンとバトルしてるんだと思って……」


なんだ……道理であれだけ“りゅうのはどう”を特訓しても、効果が無かった訳だ!

うわああぁぁぁってことは、もっと別のポケモンとバトルしてれば、僕は落ち込むことも無かったのかぁ……。

って言うかフェアリータイプなんて初めて聞いたよぉ……僕が無知なだけだったの? 常識なのこれ……?
 ▼ 49 14/12/05 01:38:55 ID:.KtgE3nE [18/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「えっと……ほらっ! フライゴン君は、本当は強いってことだよっ! ねっ!」


けど、ニンフィアが笑顔でそう言ってくれたお陰で、僕の心は救われた。

……そうさ。さっきのバトルで証明できたじゃないか。僕は強くなってるんだ、しっかりと!


 フライゴン 「ありがとニンフィア! 自信出てきたよ!」

 ニンフィア 「ふふっ」



……僕は、ある決心をしていた。

僕が強くなったら、ニンフィアに、きちんと告白しようと。

1か月も僕の特訓に付き合ってくれたニンフィアに、僕の想いを伝えようと。


言うなら今しかない。

ずっと惚れてたニンフィアに、僕は勇気を振り絞って、声を出した。


 フライゴン 「あっ……あの……」
 ▼ 50 14/12/05 01:41:56 ID:.KtgE3nE [19/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「あのね、フライゴン君」


僕が口を開いたのと同時に、ニンフィアも喋りはじめた。


 フライゴン 「ん? どうしたのニンフィア?」


何かを決心したような、凛々しい顔。

普段は可愛いニンフィアが、こんなに良い顔をするなんて。


 ニンフィア 「私、野生で生きて行こうって決めて……その……決心したんだ……」


えっ……なにを?


 ニンフィア 「私ね……好きな人がいるの」


……んんっ!?
 ▼ 51 14/12/05 01:44:55 ID:.KtgE3nE [20/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「その人はね、とっても頑張り屋さんで……」


頑張り屋さん……もしかして……僕のこと!?

“りゅうのはどう”を熱心に特訓してた……僕のこと!?


 ニンフィア 「ハンデを背負っていても、一生懸命で……」


他のドラゴンタイプからハブられて、メガ進化できないって言うハンデを背負ってる……これ僕のことじゃ!?


 ニンフィア 「一緒に食べたオレンの実の味が、忘れられないんだ……」


ニンフィアはいつも僕にオレンの実をくれて……一緒に食べてたよね。そんなに真剣な想いで、僕とオレンの実を食べてたなんて……!


 ニンフィア 「ご主人に捨てられた私に、優しくしてくれて……色んなことを話してくれて……」


そっか。ニンフィア、最初から僕のことを……。

一緒に特訓してる時の何気ない会話が、ニンフィアの心を癒してたんだ……。
 ▼ 52 14/12/05 01:47:56 ID:.KtgE3nE [21/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「私、自分の気持ちに、素直になろうと思うの」

 フライゴン 「うん……うん……!」


まさか……相思相愛だったなんて……。

神様は、僕を見捨ててはいなかったんだ。

僕だけメガ進化できないとかショックだったけど、それも一つの試練だったんだ……。


 ニンフィア 「私を助けてくれて、親身になってくれた……ブースター君……」


 フライゴン 「うん……僕もニンフィアのことが……はぃっ!?」
 ▼ 53 14/12/05 01:50:55 ID:.KtgE3nE [22/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「ここから西に行った森にね、私を助けてくれた、ブースター君がいるんだ」


えっ……この流れ……僕じゃないの……?


 ニンフィア 「事故で右足が動かないんだけど、皆のためにできることを探して、一生懸命……誠実に生きてるの」


嘘だ……1か月も一緒に居てくれて……僕じゃないの!? 一緒に居た理由って……ホントに単なる罪滅ぼしだったの!?


 ニンフィア 「私、ブースター君の役に立ちたい。私を勇気づけてくれたブースター君に……今度は私が何かしてあげたい。だから……」


 フライゴン 「いっ……良い事だと思うよ、ニンフィア。行ってあげなよ、そっそのブースターのっ所に」 プルプル……

 ニンフィア 「……うん。ありがとう、フライゴン君っ」


そう言うと、ニンフィアは僕の両手を、リボンで優しく包み込んだ。


 ニンフィア 「フライゴン君、フライゴン君は、本当はすっごく強いんだよ。だからこれからも頑張って……立派なドラゴンポケモンになってね! 応援してるからねっ!」

 フライゴン 「あっ……あぁ、ありがとうニンフィア。ニンフィアもっ……そのっ……幸せになっ」 プルプル……

 ニンフィア 「ふふっ。ありがとう。それと……お世話になりましたっ」


ニンフィアは元気に言うと、西の方角へ、走り出した。
 ▼ 54 14/12/05 02:00:55 ID:Ijb8YYrQ [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少しして振り向いて、最後に笑顔を見せてくれた。

 ニンフィア 「ばいばーいっ!」


 フライゴン 「あっ……あぁ! じゃあなぁ〜!」



 フライゴン 「えっと……」

 フライゴン 「えっと……」 ウルッ


 フライゴン 「とっ……とにかく、僕の“りゅうのはどう”は完璧なものになったし……」

 フライゴン 「世の中には“フェアリータイプ”っていう、ドラゴンに強いポケモンがいることが分かったし……」

 フライゴン 「ニンフィアは自分の生きる道を見つけたみたいだし……」

 フライゴン 「僕は……これから……」 グスッ



 フライゴン 「僕は……強くなるっ! (泣)」


うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!


  ――― 完 ―――
 ▼ 55 ルチャイ@プラスパワー 14/12/05 03:38:45 ID:bxlr/smY NGネーム登録 NGID登録 報告
クスノキさん乙♪
どの話も面白いですよ。(*´∀`)
 ▼ 56 ンキー@ブルーカード 14/12/05 19:19:18 ID:zyl03Cdo NGネーム登録 NGID登録 報告
おつかれ!
 ▼ 57 14/12/06 00:40:00 ID:0Z4D4KKw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【 あとがき 】


 この度は当SSを最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 皆様のご支援、ご感想に、心より感謝致します。


 もう気付かれた方はいらっしゃると思いますが、当SSは、

  ブースター 「フレアドライブなんてできない……」
  【http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=28062

 ……の ≪ 後日談 ≫ の続編であり、


  セレナ「なに……このポスター!?」
  【http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=37968

 ……と同時進行、別視点SSでもあります。


 全て共通設定で進めていますので、よろしければご覧ください。
 ▼ 58 ランセル@ぼうけんノート 14/12/19 16:07:15 ID:mUVF3nSY NGネーム登録 NGID登録 報告
乙でした!

ニンフィアが健気で可愛かった!
 ▼ 59 ンシフリャイゴン 14/12/21 12:18:29 ID:PS6omqNc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ぼく(名前欄)はちょっと強くなりすぎたふりゃ
 ▼ 60 ば。◆B3yArQfdHk 14/12/29 02:24:51 ID:plCo32Ho NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>33
最後から二番目の青髪がメスになってましたよ
このページは検索エンジン向けの機能制限版の旧ページです。
下URLから閲覧下さい。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=39344
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