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SS

【SS】 夢に向かうサトシへ

 ▼ 1 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:45:23 ID:lxSuDMO6 [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アニポケXY&Z編の最終回、感動しました。
これまで描かれてきたストーリーを考えると、サトシとセレナにとっての、最高の別れ描写だったのではないでしょうか。

このSSは、そんなアニポケ最終回で描かれていなかった部分にスポットを当てた、“半”オリジナルのストーリーです。
最終回のサイドストーリー的なものとして見て頂ければと思います。



毎日更新は出来ませんが、よろしければお付き合いください。




 ▼ 2 ックラー@しんかいのキバ 17/01/16 23:45:39 ID:oUHngm2c NGネーム登録 NGID登録 報告
書き溜めしてからやれ定期
 ▼ 3 リル@GBプレイヤー 17/01/16 23:45:58 ID:hhFEsVnQ NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
臭い前置きはいいから…
 ▼ 4 ータス@こだいのぎんか 17/01/16 23:46:06 ID:TBvePyxM NGネーム登録 NGID登録 報告
何コレ?荒らしてってこと?
 ▼ 5 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:47:00 ID:lxSuDMO6 [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


【 1-1 】


サトシとゲッコウガは、最後に固く抱き合った。

ケロマツの時から一緒で、数々の困難を乗り越えて来て、キズナ現象を生み出して。

サトシと出会うために生まれてきたと言っても過言では無いゲッコウガ。

そんなゲッコウガが、カロスを守るために、サトシの元を離れていく――。


サトシ、泣いてた。

泣きたい気持ちを殺してゲッコウガに語り掛けるサトシの姿は、私にもグッとくるものがあった。

ポケモン好きなサトシだからこそ、別れは本当に辛かったと思う。

でも最後はサトシ、笑っていた。笑顔でゲッコウガを送り出していた。

やっぱり素敵だな、サトシって……。




 ▼ 6 イバニラ@むらさきのミツ 17/01/16 23:47:16 ID:9NyqpeVA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そういうのはあとがきで書いたほうがいいよ
 ▼ 7 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:48:02 ID:lxSuDMO6 [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ユリーカ 「ただいまー」

 シトロン 「ただいま。パパは まだお店みたいですね」

 セレナ 「お邪魔します」

 サトシ 「お邪魔します……ふぅ」


私たちは、今日もシトロンの家に泊めて貰うことになっていた。

街の復興関連でポケモンセンターは混んでるし、それならと、シトロンのお父さんが快く泊めてくれているのだ。


 シトロン 「さて。これで一通り……、こちらでやることは終わってしまいましたね」

 サトシ 「そうだな」

 シトロン 「では……、カントーへの航空券、ネットで手配しますね」

 サトシ 「サンキュー、シトロン」

 シトロン 「セレナのホウエン行きのチケットも一緒に」

 セレナ 「うん。ありがとう」

 ユリーカ 「そっか……、もう終わりなんだよね……」
 ▼ 8 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:49:00 ID:lxSuDMO6 [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシの声が、部屋の中に響いた。

そっか。ずっと空港閉鎖されてたから、飛行機に乗りたい人が殺到してるんだ。これじゃあ私の方も……。


 シトロン 「……ホウエン行きも埋まってますね」

 セレナ 「やっぱり……」

 サトシ 「いつなら空いてるんだ?」

 シトロン 「待ってくださいね……。えっと、カントー行きは、5日後の夕方の便になりますね」

 サトシ 「5日後か……」

 シトロン 「ホウエン行きは……、こちらも5日後で空きが出てます。午後一の便ですね」

 ユリーカ 「じゃあ、もう少しみんなと一緒に居られるんだねっ!」


ユリーカが、ぱぁっと明るい声を上げた。

やっぱり お別れは寂しいもんね。私も、早く旅に出たいって気持ちは勿論あるけど、もっとみんなと一緒に居たいって気持ちもある。

とっても複雑。
 ▼ 9 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:50:00 ID:lxSuDMO6 [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「……あっ」

 サトシ 「どうした?」

 セレナ 「私……、旅の準備しなくちゃ」


そうだ。

ホウエンに旅立つ準備をしないと。

今までは皆と一緒だったから、旅の必需品とか、そこまで考えなくても良かったけど、今度の旅は、そうは行かない。

なにせ、全部私一人で やらなくちゃいけないんだから。


 シトロン 「ではセレナ、一旦家に帰らないといけませんね」

 セレナ 「うん。シトロン、ちょっと電話借りてもいい?」

 シトロン 「えぇ。向こうの部屋にありますから、自由に使ってください」

 セレナ 「ありがとう」


準備するものは沢山ある。やっぱり一度家に帰らないといけない。

それになにより、私はまだママに、ホウエンに旅立つことを伝えていない。

ママに会って、ちゃんと直接伝えないと。ちゃんとママと話して、私の気持ち、旅の目標を伝えないと。
 ▼ 10 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:51:00 ID:lxSuDMO6 [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「もしもし……ママ?」

  ― サキ 『セレナ。待ってたわよ』

 セレナ 「えっ?」

  ― サキ 『決めたんでしょ? これからどうするか』

 セレナ 「……うん。ママには お見通しだね」

  ― サキ 『勿論よ。それで、どうするの?』

 セレナ 「私ね、もっともっと、パフォーマーとしての腕を磨きたい。そのために、パフォーマンスの修行をしようと思うの」

  ― サキ 『そう。修行……ってことは、どこか、旅にでるのかしら?』

 セレナ 「なんで……分かったの?」

  ― サキ 『ふふっ。セレナ、これまでの旅で、う〜んと成長したじゃない。そんなセレナの修行となれば、旅に出るしかないわよね?』

 セレナ 「ママ……」

  ― サキ 『セレナの思った通りに行動しなさい。ママ、いつだってセレナのこと応援してるんだから』

 セレナ 「……うん。ありがとうママ。それに、ごめんなさい。こんな急に……、勝手に決めちゃって」

  ― サキ 『なに言ってるのよ。今しか出来ないことは、今やるしかないのよ。旅に出るなんて、若くなきゃ出来ないんだから』
 ▼ 11 メパト@きあいのハチマキ 17/01/16 23:51:40 ID:Ui70wyiM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おっ、クスノキ氏支援!!
 ▼ 12 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:52:00 ID:lxSuDMO6 [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「ママ……、本当にありがとう。それでね、旅の準備があるから、家に帰ろうと思うの」

  ― サキ 『そう。じゃあ待ってるわね、ご馳走作って』

 セレナ 「ふふっ。ママの料理、久々だなっ」

  ― サキ 『そうだ。せっかくだし、時間あるならサトシ君たちも誘ったら?』

 セレナ 「えっ?」

  ― サキ 『セレナがお世話になったんだもん。ママからもお礼したいしね。サトシ君、いつの飛行機で帰っちゃうの?』

 セレナ 「5日後、だけど……」

  ― サキ 『なら招待しても余裕ね』

 セレナ 「うん」

  ― サキ 『じゃあママ、準備があるから、決まったらまた連絡ちょうだいね』

 セレナ 「うん」

  ― サキ 『それじゃあ、待ってるわよー』


そうしてママは、そうそうに電話を切ってしまった。

サトシ達を家に誘う――、か。あの野外ステージで言ったこと、ママ本気だったんだ。

とにかく、まずは皆に確認しないと。話は それからだ。
 ▼ 13 マサラ人3◆etyxjFp636 17/01/16 23:52:15 ID:OL1sOJsQ NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
待ってました!

支援
 ▼ 14 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:53:00 ID:lxSuDMO6 [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リビングに戻ると、サトシたちは、こらからについて話しているようだった。


 シトロン 「いくらジムを再開出来たと言え、まだ細かな片付けがありますし、シトロイドの調整も不十分ですからね」

 ユリーカ 「私も手伝う!」

 サトシ 「やっぱジムリーダーって大変だな。オレも手伝うぜ?」

 シトロン 「いえ。片付け自体は少ないですし、ほとんどはシトロイドの調整なので大丈夫ですよ。サトシには最後までカロスを満喫して貰いたいですしね」

 サトシ 「そうか?」

 ユリーカ 「……あ、セレナおかえり」

 シトロン 「どうなりましたか?」

 セレナ 「うん。家に帰るのは明日にするけど、あのね、ママが、みんなを家に招待したいって」

 サトシ 「セレナの家に?」

 ユリーカ 「わぁ!」

 セレナ 「うん。皆には、旅で色々お世話になったから、そのお礼ってことで。どうかな?」

 サトシ 「オレ行きたい! サキさんにも挨拶しなきゃって思ってたし」

 ユリーカ 「………」
 ▼ 15 ルーグ@サファイア 17/01/16 23:53:06 ID:Wu/S3KTo NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
前置きはただただ臭いだけだ…
 ▼ 16 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:54:00 ID:lxSuDMO6 [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 シトロン 「すみません。僕はジムを再開させてしまった手前、遠慮しておきます。シトロイドの調整も ありますしね」

 セレナ 「そっか。シトロン大変ね」

 シトロン 「いえ。ジムリーダーとして当然ですよ。ミアレジム再開が、ミアレシティの復興に繋がればとも思いますし」

 サトシ 「流石だなシトロン」

 セレナ 「それじゃあ、サトシとユリーカで……」

 ユリーカ 「ううん。私も お兄ちゃんを手伝う!」

 セレナ 「えっ?」

 シトロン 「僕のことは気にしなくていいよユリーカ。せっかくだしセレナの家に……」

 ユリーカ 「ううん。私だって、いま出来ることをやりたい! プニちゃんを迎えに行けるようなポケモントレーナーになるために、お兄ちゃんのジム戦を いっぱい見ておきたい! だから私、今回はジムに残る」

 シトロン 「そっか。偉いよユリーカ。兄として嬉しいよ」

 ユリーカ 「えへへっ」

 サトシ 「やっぱユリーカはシトロンに似て しっかりしてるな。じゃあ、セレナの家に行くのはオレ1人か」

 セレナ 「あっ……」 ドキッ

  ユリーカ 「(セレナぁ、頑張れ)」 ヒソヒソ

  セレナ 「(ふぇっ……ユリーカもしかして……///)」

  ユリーカ 「(ふふ〜ん)」 ニヤニヤ
 ▼ 17 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:55:00 ID:lxSuDMO6 [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユリーカ……。

サトシのこと好きだってバレてるのは知ってたけど、こんなところまで私とサトシを2人っきりにしようと仕組むなんて。

有難いには有難いけど、なんて言うか……、戻って来た時に感想聞かれそうで怖いな……。


  セレナ 「(でも……ありがとう)」

  ユリーカ 「(頑張れセレナっ)」


ユリーカとしては、もっとみんなで一緒にいたいはずだ。さっきの顔色を見てもそれは明らか。

けど、ユリーカは私のために、ジムに残ると言ってくれた。

私とサトシを、2人きりにさせてくれた。それは純粋に感謝しないとな。


 サトシ 「セレナの家って確かアサメタウンだったよな?」

 セレナ 「うん。田舎の町だけど、自然は綺麗だし、すっごく景色が良い所もあるの」

 サトシ 「へぇ〜。楽しみだなピカチュウ」

 ピカチュウ 「ぴっか!」

 セレナ 「ふふっ」

 ▼ 18 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:56:00 ID:lxSuDMO6 [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


それから私たちは、シトロンの作った夕飯をみんなで囲んだ。

私も手伝おうとしたけど、“もう僕の手料理も最後だから”って、シトロンが全部作ってくれた。ユリーカも手伝って。

旅の途中は、私とシトロンが交互に料理してたけど、シトロンの料理の方が出来が良いのは、私でもなんとなく感じていたし、それがあって、私は料理の腕を磨こうと思った。

おかげで私は、旅の中で料理の腕が上がったみたい。この前ママも驚いてたし、私、こんなところでも成長できてたんだな。



順番にシャワーを浴びて、私たちは寝室に入った。

私はユリーカの部屋で、ユリーカと一緒のベッド。こうやってユリーカと一緒に寝れるのも、もうあと僅かなんだよね。


 ユリーカ 「ねぇセレナ」

 セレナ 「なぁに?」

 ユリーカ 「セレナと一緒に寝れるのも、もうあとちょっとだからさ……」

 セレナ 「うん……」



 ユリーカ 「セレナ、サトシのことどう思ってるの?」 ワクワク
 ▼ 19 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:57:00 ID:lxSuDMO6 [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「えっ……」

 ユリーカ 「私、セレナのこと大好き。だから応援したいの。サトシって鈍いから」

 セレナ 「えっ……ユリーカ……そのっ、やっぱり……?」

 ユリーカ 「うん。セレナ分かりやすいもん」

 セレナ 「あぁぁぁ……///」

 ユリーカ 「恥ずかしがることないよ。サトシ格好良いもんねっ。バトルも強いし、誰にでも優しいし、ポケモンのこと大事にしてるし」

 セレナ 「……うん。すっごく素敵」

 ユリーカ 「それにサトシは、小さいセレナを助けてくれたんだもんねっ」

 セレナ 「うん。覚えてたのね」

 ユリーカ 「えへへっ」

 セレナ 「私、サトシに色んなモノを貰って……。恩返し、まだ出来てないのになぁ」

 ユリーカ 「すればいいんだよセレナ。せっかくこれから2人きりになるんだから」

 セレナ 「もぉ〜簡単に言わないでよぉ。どうすればサトシが喜んでくれるか、けっこう難しいんだから」

 ユリーカ 「考えすぎだよ。セレナのお礼なら、きっとサトシ、どんなことでも喜ぶと思うけどな」

 セレナ 「う〜ん……」
 ▼ 20 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/16 23:58:00 ID:lxSuDMO6 [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ユリーカ 「それに、女の子から男の子へのお礼と言ったら一つだよ?」

 セレナ 「えっ?」

 ユリーカ 「……チューだよ?」 ニコッ

 セレナ 「ちゅっ……キス!? ムリムリムリムリ ///」 カァァ

 ユリーカ 「えーだってセレナ、サトシのこと好きなんでしょ?」

 セレナ 「そうだけどそれだからって……あ」

 ユリーカ 「やっぱりセレナ、サトシのこと好きなんだ〜」 ニヤニヤ

 セレナ 「あっ……ぅっ、ユリーカぁ!」

 ユリーカ 「ふふ〜ん」 ニヤニヤ

 セレナ 「もぉ〜! おやすみなさいっ!」

 ユリーカ 「おやすみセレナ。ユリーカ、セレナのこと応援してるから、頑張ってね!」

 セレナ 「……うん」


もぉ〜。相変わらずユリーカは ちゃっかりしてると言うか隙が無いと言うか。

でも……、そうだよね。もうサトシと一緒に居られる時間は少ないし……、何かしら、行動に移さないとなぁ。


 ▼ 22 Mホイホイ 17/01/17 01:00:37 ID:v7h8D0FE NGネーム登録 NGID登録 報告
楽しみしてました!!
 ▼ 23 ーパ@レベルボール 17/01/17 06:49:28 ID:kLKeYDEk NGネーム登録 NGID登録 報告
サトセレの神、甲州街道さんの新作だと!?
これは…支援!
 ▼ 24 オスバメ@ダートじてんしゃ 17/01/17 07:04:50 ID:eWzh6zzg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おおいいね
続きも楽しみ

支援
 ▼ 25 リゴン2@リニアパス 17/01/17 07:09:11 ID:2MKVGQDM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
待ってたよ〜
支援
 ▼ 26 ッキング@エレキシード 17/01/17 19:11:26 ID:DNEhXpdA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 27 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:11:00 ID:f7kwrx9E [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


【 1-2 】


翌日。


 サトシ 「それじゃあ行ってくるよ。シトロン、ユリーカ、ジムの調整がんばれよ」

 シトロン 「はい。サキさんによろしくお伝えください」

 セレナ 「なんだか悪いわね、私たちだけで」

 ユリーカ 「そんなこと無いって! セレナ、頑張ってね〜」 ニヤニヤ

 セレナ 「ユリーカ……もぉ」

 サトシ 「ん? 何を頑張るんだ?」

 セレナ 「なっ、なんでもないの!」

 サトシ 「そうか?」

 ピカチュウ 「ぴかぴ……」

 ユリーカ 「」 ニヤニヤ
 ▼ 28 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:11:31 ID:f7kwrx9E [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな感じで、私はサトシと一緒に、アサメタウンに向けて出発した。

久しぶりのアサメタウン。家に帰るの、もうどれくらいぶりだろう。


 サトシ 「アサメタウンまでどれくらいかかるんだ?」

 セレナ 「えっと、バスで3時間くらいだったような……」

 サトシ 「うお……けっこう距離あるんだな」

 セレナ 「うん。ハクダンシティとメイスイタウンを挟むからね」

 サトシ 「飛行機は5日後だし……あ、今日入れると4日後か。ちょっとギリギリだなぁ」

 セレナ 「それじゃあ、ハクダンシティまではバスで行かない?」

 サトシ 「そっか。ミアレからハクダンは1回通ってるもんな」

 セレナ 「うん。ハクダンからアサメなら、メイスイタウンで1泊しても午前中には着くと思うし、やっぱり最後も、旅っぽくしたいもんね」

 サトシ 「そうだな。じゃあ、まずはハクダン行きのバスだな」

 セレナ 「うん!」


ミアレのバスセンターで、私たちはハクダン行きのバスに乗り込んだ。

ママが乗ったアサメ行きのバスも出てるけど、やっぱり“旅”の感覚を最後まで楽しみたい。

それに……、サトシとは、少しでも長い時間、2人きりになりたいもん。家に着いちゃうとママの目があるし、2人っきりの旅を、ちゃんと堪能しないとな。
 ▼ 29 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:12:20 ID:f7kwrx9E [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうしてバスは、ハクダンシティに到着した。

混んでたせいで、あんまりサトシと会話できなかったのが残念だけど、隣同士の席に座って、一緒に車窓を眺めるだけでも、私の心は満たされた。

まだまだ お昼前。歩きとバスで、これだけ時間に差が出るんだと、改めて実感してしまう。


 セレナ 「じゃあ……、ここから旅の始まりだね」

 サトシ 「あぁ。セレナと2人きりってのは、レンタルマンムー以来だよな」

 セレナ 「うん」


考えてみると、これまでの旅の中で、サトシと2人きりになれた時間は、思った以上に少なかった。

ヒヨクシティでプレゼントを買いに行く時と、レンタルマンムーで薬草を探しに行った時……、くらいだったっけ。


 サトシ 「……あ、そうだ。ハクダンジムに寄って行こうぜ」

 セレナ 「ジムに?」

 サトシ 「あぁ。せっかくハクダンに来たんだから、ビオラさんに挨拶して行かないとな」

 セレナ 「そっか、うん、そうしよ」


そうだよね。サトシはカントーに帰っちゃうから、ビオラさんと会えるのは これが最後。

私だってホウエンに旅立っちゃえば、しばらく会うことは出来ない。私も挨拶して行かないとな。
 ▼ 30 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:13:00 ID:f7kwrx9E [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「お、見えてきた。ハクダンジム」

 セレナ 「私がサトシに追いついた所……、懐かしいな」

 サトシ 「そっか。セレナ、オレのジム戦 見ててくれたんだっけ」

 セレナ 「うん」

 サトシ 「あの時は負けちゃって、恥ずかしいとこ見せちゃったな」

 セレナ 「そんなことないよ。私、サトシがポケモンのこと大事にしてるんだって、その時のサトシを見て思ったもん」

 サトシ 「そうか? サンキューな」 ニカッ


確かにサトシは最初、ビオラさんに負けちゃったけど、あの時のサトシの姿、ピカチュウとヤヤコマを思い遣る姿は、私にはグッとくるものがあった。

リュックを忘れてポケモンセンターに走るサトシは、2匹のこと、本当に心配して、大切にしてるんだなって。

サマーキャンプで助けてくれた時の、記憶の中の私のサトシが、鮮やかに色付き始めた瞬間でもあった。


  セレナ (恥ずかしくなんかないよ。素敵だったよ、あの時のサトシ)


本当は そう言いたかったけど、恥ずかしくて、私の口は動いてくれなかった。

 ▼ 31 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:13:40 ID:f7kwrx9E [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「……あ、ビオラさん!」


サトシが声を上げた。

見ると、ビオラさんはジムの外に出て、上を――、ジムの屋根の方を見上げていた。


 ビオラ 「サトシ君? セレナちゃんも?」

 サトシ 「こんにちは!」

 セレナ 「近くまで来たので」

 ビオラ 「あっ、うん! ようこそハクダンジムへ……」

 サトシ 「ビオラさん、何してたんですか?」

 セレナ 「屋根に何か……」

 ビオラ 「あっ、大したことじゃないって言うかその……」


何故かアタフタするビオラさん。

ビオラさんが見つめていた方向を確認してみると……。
 ▼ 32 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:14:20 ID:f7kwrx9E [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ザクロ 「……おっ。やぁサトシ君! セレナちゃん!」

 ビオラ 「あっ……ダメだよザクロ君そこで手を振っちゃ!」

 ザクロ 「あ……」


  ― ドスン!


ザクロさんが落ちてきた。


 サトシ 「ザクロさん?」

 ザクロ 「はははっ、またやってしまった。サトシ君、フレア団の時は お疲れ様」

 サトシ 「はい。ところで、どうしてザクロさんがハクダンジムに?」

 ビオラ 「あっ、それは……」

 ザクロ 「いやぁ、ビオラが食事に誘ってくれてね。そこでちょっと、ハクダンジムの壁を登っていたんだ」

 サトシ 「そうだったんですか」


“ビオラさんが食事に誘う → ジムの壁を登る” の繋がりがイマイチ分からないけど、そっか、ビオラさんから。

そう言えばザクロさんもビオラさんも、普段よりお洒落な格好をしている。バトルシャトーの時よりもだ。
 ▼ 33 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:15:00 ID:f7kwrx9E [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ビオラ 「あの……ほら! ザクロ君には、あのフレア団の巨石の塊と戦った時に助けて貰ったし……、そのお礼よ!」

 セレナ 「あ、そっか。私たちも見てました。ザクロさん、ビオラさんを抱きとめてましたもんね!」

 ザクロ 「あぁ。ビオラとは長い付き合いだからね。体が勝手に動いてしまったんだ」

 ビオラ 「そっそれより! 今日はサトシ君とセレナちゃん2人だけなの?」

 サトシ 「はい。実はオレ、カントーに帰ることになって」

 ザクロ 「カントーに……そうか。ジム戦も終わったし、カロスの平和も守られたからね」

 セレナ 「私は、パフォーマンスの修行をするために、ホウエンに旅立つことにしたんです」

 ビオラ 「ホウエン……確かポケモンコンテストがある地方よね」

 セレナ 「はい」

 サトシ 「それで、サキさん……あ、セレナのママに挨拶することになって、いまアサメタウンに向かってるところなんです」

 セレナ 「ちょうどハクダンシティを通るので、ビオラさんにも ご挨拶をって思ったんですけど」

 サトシ 「まさかザクロさんにも会えるとは思ってませんでした」

 ザクロ 「ははっ。僕を呼んでくれたビオラに感謝だね」

 ビオラ 「あはは……」
 ▼ 34 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:16:00 ID:f7kwrx9E [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビオラさんって……、こんなに照れる人だったんだ。

ビオラさんとザクロさん、普通の友人って関係だと思ってたけど、進展あったみたいだね。


 セレナ 「じゃあ私たち、長居しちゃ お邪魔なので、そろそろ失礼します」

 サトシ 「そうだな」

 ビオラ 「お邪魔って……そんなこと無いってば!」

 ザクロ 「ははっ、お気遣いありがとうセレナちゃん。でもそれは、僕らからも言えることだよね?」

 セレナ 「えっ?」

 ザクロ 「サトシ君とセレナちゃん、2人きりでセレナちゃんの お母さんに挨拶だなんて、“そう言う意味”で捉えられても おかしく無いんじゃないかな?」 ニヤッ

 セレナ 「ぁっ……ちちち違います! サトシには旅の中でお世話になったから! 私のママの方からお礼したいってことになって……!」

 ビオラ 「ふ〜ん。セレナちゃんも隅に置けないわね〜」 ニヤニヤ

 セレナ 「そんなんじゃ……」

 サトシ 「なぁ、なんのことだ?」

 セレナ 「なんでもない! なんでもないから!」

 ザクロ 「これはこれは。なかなか苦労してるようだね」

 ビオラ 「ふふっ、セレナちゃんも頑張れ!」
 ▼ 35 ルフーン@ナナのみ 17/01/18 06:12:00 ID:xEKMJWqs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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