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【SS】アシレーヌ「ポケモンサーカス団エクリプス!」

 ▼ 1 1◆J44kAZeDOM 17/03/28 06:26:17 ID:cWAt11WY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告







――太陽と月が交わる時、新たな光が産み落とされると言う。






 ▼ 218 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 20:47:45 ID:ahuEvCG. [1/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告







――ポケモンサーカス団エクリプス!






 ▼ 219 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 20:48:45 ID:ahuEvCG. [2/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュナイパー「それでは、ご覧くださりありがとうございまし――」


不意に、力が抜けて行く。あっ、と自覚した時にはもう、仰向けに倒れていた。


――――――

――――

――
 ▼ 220 ガフーディン@クサZ 17/04/10 21:55:10 ID:F2LgM7Yc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 221 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:32:47 ID:ahuEvCG. [3/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――

――――

――――――

「……イパー! 起きてよ! しっかりしてよ!」


アママイコの声だ。


「早く……どうしちゃったのジュナイパー?!」


アシレーヌの泣き声も聞こえる。

どうやら、気絶していたらしい。うめき声を漏らして目を開けると、2匹の心配そうな顔が真っ先に飛び込んで来た。

アママイコが、頭部から突き出た突起を振りかざし、僕をはたき続けている。タイプ相性の暴力で無効化してはいるけれど、驚いた。


ジュナイパー「う……がぁ……」
 ▼ 222 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:34:55 ID:ahuEvCG. [4/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アママイコ「……なんで、なんでこんななるまで頑張ってたのよ! バクガメスさん、言ってたよ?!

      ジュナイパー、司令塔だったんでしょ? ほとんど休まず、ここまでぶっ通しで!

      疲れ果てるのも当然だって! ねえ、なんでよ……あなたの苦しみ、あたしに分けてよ……。

      楽しい事、分けてるんだから……」


彼女は、強引に、僕に接吻した。アシレーヌがいるにも関わらず。

しばらくそれを味わった後、そっと唇を離して、問うた。


ジュナイパー「公演は、どうなった?」

アシレーヌ「あれから、気絶したジュナイパーをエクリプスの何匹かで運んだの。

      ウルトラビーストはしばらく話し合って、どうするか決めるって。

      盗賊団のみんなはこれからの事を考えるらしくって、自分のテントに待機してる。

      探検隊の2匹はやる事がないってうろついてるらしいよ。

      公演は、もちろん大成功……だと思うんだけど、ドタバタがね……」

ジュナイパー「……ごめん。ありがと」
 ▼ 223 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:36:43 ID:ahuEvCG. [5/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
と、ガオガエンが隅にいるのに気が付いた。

彼女は、腕組みしてもたれかかっている。


ガオガエン「まあ、起きたばっかだし、あんまり喋らせるのもよくない。しばらく、ゆっくりしなよ」


僕は、けれどじっとしているのも違和感で、何か、気付いたら話し始めていた。


ジュナイパー「今でも、たまに夢に見るんだ。

       もし、僕らが出会ったのが、サーカスじゃなかったとしたら、どうだったんだろって」

アママイコ「その中に、あたしは?」

ジュナイパー「夢で見なくても、君はすぐ傍にいてくれたから」

アママイコ「むぅ、なんか焼いちゃうな」
 ▼ 224 1◆FvXQeTACDA 17/04/10 22:37:28 ID:ahuEvCG. [6/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュナイパー「僕と、アシレーヌと、ガオガエン。

       僕ら3匹が、まだ進化してない頃に、サーカス以外の何かで出会ってたらって。

       例えば――」

アシ・ガオ「物語の評価。え?」

ジュナイパー「え?」


僕は、唖然として2匹を見詰める。2匹も僕と同じような反応だった。


アシレーヌ「ポケモンだけじゃない、ニンゲンも出て来たリ、時にはポケモンがまったく出て来ない話に関して3匹でワイワイ言い合って……」

ガオガエン「めっちゃポケモンが出て来ない奴、酷評したよね。」

ジュナイパー「同族が出てくる話について言い合ったり……」

アシレーヌ「うん。なんだか、自分がホントは知らないような事まで知ってたり……え?」

ジュナイパー「……夢ってのが、外からやって来るって説がある。ダークライのナイトメアとか考えても、あながち間違いじゃないと思う。

       もしかしたら、僕ら3匹とも、何か凄い力で、同じ夢を見るよう仕向けられてたのかもね」
 ▼ 225 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:39:32 ID:ahuEvCG. [7/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
子どもっぽい笑い声を聞いた気がした。

――さっすが、鋭いねー。ずっと1匹で、ヒマだったしさー。

誰だかわからないけれど、ありがとう。

――お礼言われる事でもないよー。それじゃあ!

ふっと答えが脳裏に現れた。思考もクソもない。ただ、そこに答えができた。創造神アルセウス。

いや、さすがにないだろう。こんな無邪気な創造神が、いてたまるか。


彼は、何年も前のとある事件の最中、この時代にいる事をやめたという。

そんな事を、僕は後から知るのだけれど、だからと言ってそれが何になるというのだろう。

ただの退屈しのぎ。残留思念のクセに、やる事がいちいち大袈裟だ。
 ▼ 226 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:40:09 ID:ahuEvCG. [8/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アママイコ「ほんっと、嫉妬しちゃうよ」

ジュナイパー「だからー、そういう事じゃなくてさぁ」

アママイコ「なーんて、冗談よ。わかってる。恋愛してるのは、あたしだけ。でしょ?」


僕は、しっかり頷いた。

たぶん、これで本当におしまいなのだ。もうたぶん、あの夢を見る事もない。


アシレーヌ「まあ、やれる事はやったよね。ウルトラビーストのみんな、楽しんでくれたかな」

ガオガエン「まあ、祈るしかないね。あたしたちの想いが、届いた事を」
 ▼ 227 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:40:43 ID:ahuEvCG. [9/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュナイパー「あ、そうだ」


ふと思い立ち、ガオガエンを見詰める。

彼女は不思議そうにこちらを見返して来た。僕は問いかける。


ジュナイパー「なんで進化したの、ガオガエン。かわらずのいしを捨ててまで、わざわざ公演中に」

ガオガエン「あー、知りたい?」

ジュナイパー「いや、ちょっと待って。考えさせて」

アシレーヌ「えー! 教えてくれるんだから、聞けばいいじゃん!」

アママイコ「ふふ、アシレーヌ。あなた、全然わかってない。これがジュナイパーよ」

アシレーヌ「そうだけどさぁ……気絶したばっかなんだよ?」

アママイコ「それでも、ジュナイパーは考える。息を吸うのと同じだからね」

アシレーヌ「うーん、やっぱり?」

アママイコ「やっぱり。考えるのが好きなのよ」

アシレーヌ「いよいよ重症化したみたいだね。

      でも首回さず考えてるジュナイパーなんて新鮮だなぁ」
 ▼ 228 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:41:14 ID:ahuEvCG. [10/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アママイコ「あたしは新鮮じゃないもーん」

ガオガエン「つまんない事で張り合わないの。妻と親友じゃ求める役割は違うでしょ」

アシ・アマ「う……」

ガオガエン「ほら、本当にジュナイパーのためを思うなら黙ってあげて」


僕は、思考の世界に潜って行く。

ガオガエンが頑なに進化を拒んだのは、体格の変化を恐れたから。

体格の変化は、モロに空中ブランコに影響がでる。

それを受け入れたという事はつまり、もう飛ばないという事。そのぐらいは考えるまでもなくわかる。

なぜ、この段階でそう決意したのか。

自意識過剰ではない。こうとしか考えられない。僕が、また彼女の……彼女たちの公演を見たからだ。

ガオガエンは、でも僕に拘泥する理由はないはず。拘泥しているのはむしろ、アシレーヌだ。

しかし、彼女はアシレーヌと強く結ばれている。彼女の決意は、そこのラインに影響されたと考えるのが妥当だろう。

彼女は言っていた。「飛ぶ事があたしの命。飛ぶのをやめる時、少なくとも新たな命が始まる」。

彼女は、新たな一生を始めるのだ。サーカスを除いて彼女が愛しているもの。恐らくは……。
 ▼ 229 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:41:49 ID:ahuEvCG. [11/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告















ジュナイパー「アシレーヌ。幸せにしてあげないと駄目だよ。結婚するからには」
 ▼ 230 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:42:20 ID:ahuEvCG. [12/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アシレーヌ「ふえ?!」

ジュナイパー「あっ……」


行き過ぎた。アシレーヌの前で、こんな答えを提示して、いいはずがない。

恐る恐るガオガエンを振り向くと、彼女は呆れたような顔で笑っていた。


ガオガエン「ったく、そこまで察するのか。鋭いってもんじゃない。……ねえ、アシレーヌ」

アシレーヌ「あ、いやその……」

ガオガエン「あたし、ずっとあなたの事……」

アシレーヌ「待って! そっから先は、オイラに言わせて」

アママイコ「あたしたち、席外そうか?」

アシレーヌ「いや、いて。ジュナイパーと、ジュナイパーが愛したポケモンに、いて欲しい。

      オイラたちの事、見届けるのは、2匹以外いないよ」

アママイコ「……そっか。わかった」
 ▼ 231 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:42:51 ID:ahuEvCG. [13/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アシレーヌは、覚悟を決めた。僕には、確かにそれを見届ける義務がある。


アシレーヌ「オイラ、ガオガエンの事――」
 ▼ 232 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:43:32 ID:ahuEvCG. [14/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フーディン「おーい! 起きたかジュナイパー! ん? あ、あれ?」


僕らは、全員でずっこけていた。アママイコがむくれたようになじる。


アママイコ「もー、空気読んでよダンチョー!」

フーディン「ど、どうかしたのか?」

アシレーヌ「は、ハハ……どうしたの、ダンチョー」

フーディン「ああ。エクリプスを待つまでもない。ウルトラビーストが、答えを出したんだ。

      共存だってよ」


共存。その言葉が、ここまで快く聞こえた事があっただろうか。

できる事なら、もっと気合いを入れて聞きたかった。こんなずっこけた状態ではなくて。


アシレーヌ「やった……みたいだね」

フーディン「ん? 嬉しくなさそうだが」

アシレーヌ「いや嬉しいんだけど……話してた話が話だったから」

フーディン「ん? なんかすまない。思う存分続けてくれ」
 ▼ 233 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:44:02 ID:ahuEvCG. [15/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フーディンは出て行った。

僕らは、座り込んで、笑った。誰からともなく、笑った。

ひとしきり笑った後、アシレーヌが言った。


アシレーヌ「大好きだよ、ガオガエン」

ガオガエン「あたしも。アシレーヌ、あなたの事が好きだった」


2匹はまっすぐ見詰め合い、それから照れたように視線を背ける。
 ▼ 234 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:45:17 ID:ahuEvCG. [16/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アママイコ「えー、では誓いのキスを」

ジュナイパー「なっ……」

アママイコ「いいでしょ別に。ほら、2匹とも」

アシレーヌ「ふえっ?!」

ガオガエン「あんたバカなの?」

アママイコ「あー! 今のちょっとグサッて来たよグサッて!」

ガオガエン「ったく……ま、いいや。とりあえず今は、喜ぼう。全部終わった事をね」


僕らは皆、それぞれに頷いた。


そう。これで終わりだ。エクリプス事件はこれで終わり。空中ブランコ乗りのニャビーの物語も終わり。
 ▼ 235 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:45:54 ID:ahuEvCG. [17/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アシレーヌ「でも……終わらないものもあるよ。例えば、オイラたちの絆とかね」

ジュナイパー「ハハ! 恥ずかしい事言わないでよ!」

ガオガエン「ま、間違っちゃいない。言葉にすると冷めるけど」

アママイコ「でも、言葉に出すのも大事だよ」

アシレーヌ「だよね! ……でも、寂しくなるな。また、ジュナイパーは行っちゃうんでしょ?」

ジュナイパー「うん。……そういや、2匹、子ども産めるじゃん。どうするの? やっぱサーカス?」

ガオガエン「うーん、あたしは、サーカスしかできない訳だから、むしろ子どもにはサーカス以外の道を示してあげたい」

アシレーヌ「オイラも賛成」

ジュナイパー「それなら、うちに預けてみない? 少なくとも一か所に定住してるから、普通の子どもと同じ暮らしをさせてあげられるよ」

アシレーヌ「そっか。それも楽しそう。どう?」

ガオガエン「まあ、考えとくよ」


そう、と僕は微笑んだ。
 ▼ 236 1◆J44kAZeDOM 17/04/10 22:46:31 ID:ahuEvCG. [18/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
きっと、これからも、それぞれに道を進んで行く。それぞれの幸せを目指して。

アシレーヌたちは、サーカスに留まる。

僕たちはサーカスから離れる。それぞれに違う。けれど。けれど、きっと。


ジュナイパー「ま、とりあえず、そろそろ起きたい。そんで、風に当たって来るよ」


みんな、描く未来がある。そこに向かって、進んで行くんだ。
 ▼ 237 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:00:47 ID:MWtBCePY [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告







エピローグ サーカス団の未来






 ▼ 238 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:02:12 ID:MWtBCePY [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクガメス「なぁ、ひとつ聞かせてくれ。お前も、察してたんだろ? 自分が暴れないと、俺たちが助からないって」

ネクロズマ「何の事ですか? 僕、さっぱりなんですけど。ただ、進化して、力が暴走して、苦しかった。それだけです」


ずっと寝ていて、外の空気に当たりにたまたま外に出たら、とんでもないシーンに出くわした。

バクガメスの顔は険しく、ネクロズマもまた、真剣な面持ちだ。

この期に及んで何をそんな緊迫した雰囲気の中で話す必要があるのだろうか。


バクガメス「の割には、街の被害が無さ過ぎる。お前が、まだ自我を保ってた証拠じゃねぇのか?

      ハッキリ言うぜ。俺はお前が暴れる事も考慮していた。

      それでも、留置所を壊して、俺たちを助け出すぐらいかと思ったんだ。

      暴れてるのを俺たちが止めれば、それで充分だった。

      まさかあんな遠くに行くとは思わなかったし、自我を保てるとも思ってなかった」

ネクロズマ「……なるほど、全部織り込み済みですか。怖いよバクガメス」
 ▼ 239 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:03:26 ID:MWtBCePY [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクガメス「ウルトラビーストも、フラワーズのメンバーも、この世界も。全部救うには、それが一番だと思った。

      留置所からなら声を届けてもらえるし、説明も盗賊を隠さなくていいから容易。

      お前が暴れて死ぬようなヤワい奴らでもないし、それに改心の様子を知らしめれば世論の誘導も容易。

      いい事ずくめだったんだ」

ネクロズマ「……まあ実際、僕も力は制御しきれませんでした。声は聞こえました。

      だけど、途中から、おかしかった」

バクガメス「まあ、それは気付いたさ。本当に、イワンコたちを狙った辺りだろ?」

ネクロズマ「うん。そんなつもりはなかったんだけど、気付いたら攻撃してました。

      まったく、強過ぎる力って厄介だね」

バクガメス「まあな。制御しきれず孤独を招いた奴を、俺も1匹知ってるよ」

ネクロズマ「……とりあえず、正解。お互い様ですよ、でも。

      お互いが、お互いのため、隠し事をしていた。

      でも、なんでわざわざ問い詰めたの? 気付いてるなら、そのままでよかったのに」

バクガメス「まあ……本質は、俺も知りたがりなんだ。だから警察になんかなった。

      ま、結局、小回りの利かなさに限界感じてやめたんだがな」

ネクロズマ「……なるほどね。この事は、僕とバクガメスしか知らない、か」
 ▼ 240 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:04:23 ID:MWtBCePY [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さすがに、これ以上黙っているのも限界だ。

2匹だけの秘密。それを僕まで知っている。そんな事黙っていられない。申し訳なさ過ぎて。


ジュナイパー「すいません、そこに僕も入れてくれません?」


沈黙。驚いたような顔を浮かべる2匹。

気配を感じなかったとしたら、無理もない。ゴーストタイプであり、かつ探偵でもともとその術に長けている。


ジュナイパー「聞くつもりは……最初はありませんでした。ただ、僕も知りたがりなもんで」

バクガメス「ったぁ、俺も衰えたな。盗み聞きに気付けないだなんて」


盗み聞きなんてそんな、と言おうとして、紛れもなく盗み聞きだと言葉を詰まらせた。

照れたような笑いを浮かべると、バクガメスはニヤリと笑う。


バクガメス「ま、しゃーねぇ。黙っててくれるよな?」

ジュナイパー「はい」

ネクロズマ「うーん、ジュナイパーと共有しても嬉しくないというかなぁ……あんまり接点なかったし。コスモウムの時話してくれたけど」
 ▼ 241 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:05:01 ID:MWtBCePY [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュナイパー「まあ、聞いてたんだよね」

ネクロズマ「うん。全部聞いてた。聞いてた上で、いろいろ考えた結果、あんな事やったんだ」

ジュナイパー「なるほどね。ところでバクガメスさん、ひとついいですか?」

バクガメス「なんだ、脅しか?」

ジュナイパー「いえ、提案です」


さっきの話を聞いて、ふと閃いた。

そもそも、もう盗賊団フラワーズは維持できない。

一度逮捕された盗賊団を再結成なんてしていたら、さすがの彼でも普通に逮捕だろう。

もう言い逃れはできない。

となると、新たな仕事を考えなければならないのだ。

そして、彼ならば。


ジュナイパー「知りたがりで、小回りが利く職業がいいあなたに、ピッタリの仕事があるんです」
 ▼ 242 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:06:09 ID:MWtBCePY [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクガメス「ああ。探偵だろ?」


バクガメスはお見通しだと言わんばかりに頷く。

それを見て確信する。彼は、知能が極めて高い。

僕のポケモン選定眼は、間違っていないとハッキリわかった。


ジュナイパー「その通り。一緒に来ませんか?」

バクガメス「ふん……始めからそのつもりだったよ。むしろこっちから頼む手間が省けたぐらいだ」


了承か。よかった。

フラワーズを裏から動かし、この事件の真相にいち早く気付き、大半を手玉に取ったバクガメス。

彼の明晰な頭脳と警察とのコネクションが加われば、百匹力だ。


ジュナイパー「ありがとうございます」

バクガメス「なぜ礼を言う。むしろ、こっちが言うべきだ。ありがとう」

ジュナイパー「いえいえ」
 ▼ 243 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:06:48 ID:MWtBCePY [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネクロズマ「よかったですね! バクガメスさん!」

バクガメス「ああ」

ジュナイパー「それでは、この件は、僕たちだけの秘密、ですね」

ネクロズマ「お願いね」


僕は、共犯者の笑みで、彼らに別れを告げた。
 ▼ 244 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:07:22 ID:MWtBCePY [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アシレーヌ「どうかした?」

ジュナイパー「スカウト完了。バクガメスが、同僚になってくれるって」

アママイコ「へぇ。賑やかになる……かなぁ? イメージあんまよくないけど……」

ジュナイパー「まあ、探偵業的に有能だから」

アママイコ「へぇ。なるほどねぇ」


僕は少し考えを巡らせる。

これから、バクガメスを加えて、僕たちの探偵事務所はさらに発展していくだろう。

そして、サーカス団エクリプスも、2度も世界を救ったサーカス団として、さらに名をあげて行くに違いない。

いい、凄くいい。
 ▼ 245 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:08:06 ID:MWtBCePY [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュナイパー「明日になったら、帰ろうと思う。アシレーヌ、凄いの見せてくれて、ありがとう」

アシレーヌ「こっちこそ、ありがとうね」

ガオガエン「一件落着、ってとこね」

アママイコ「だね。そっか、明日か。よし、お母さんと話して来る!」


アママイコが立ち上がって、席を離れた。

残された僕ら3匹は、また話し始める。


ガオガエン「それにしても、明日からどうしようかな……」

アシレーヌ「まあ、進化しちゃったしね」

ガオガエン「他に何もできないってのが致命傷」

ジュナイパー「それならさ、サーカスから離れなくてもいいじゃん。これからのために――」

ヒドイデ「すいませーん」

サニーゴ「フーディンさんどこですかー?」


アママイコと入れ替わりで入って来たのは、フラワーズの2匹だった。

彼らは、団長を捜しているらしい。
 ▼ 246 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:08:38 ID:MWtBCePY [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アシレーヌ「ダンチョー? その辺にいると思うけど……どうして?」

サニーゴ「私たち、エクリプスに入ろうかな、と思って」

アシレーヌ「ホント?!」

ガオガエン「……思い付きでサーカスがしたいなんて言われても困るけど。見たの、初めてでしょ?」

サニーゴ「……はい。だけど、今日のパフォーマンス、感動しました。私も、ああなりたいって、本気で……」

ガオガエン「ま、いいや。本気かどうかはすぐわかる。なんたって、あたしが教えるんだから。そういう事でしょジュナイパー」

ジュナイパー「まあね。後進の育成。今の君でも、できるでしょ?」

ガオガエン「うん。よし、とりあえず団長捜しますか。行って来るね」


そう言って、ガオガエンは2匹を引き連れて去って行く。

後には、僕とアシレーヌ。親友2匹で残された。
 ▼ 247 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:09:58 ID:MWtBCePY [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アシレーヌ「ジュナイパー。なんだろ、これで本当に終わっちゃうんだって感じ」

ジュナイパー「何言ってるのさ。終わらないよ、君たちのサーカスは。

       君が続けてる限り、ずっと。

       ガオガエンという目標も、僕という張り合いも失ってがっくり来てるのはわかるよ。

       でも、忘れちゃ駄目だ。君は最初、ただ「サーカスが好き」なだけだった。

       それだけで、ここまで来られたかはともかくね。

       その気持ちまで終わった訳じゃないでしょ?」

アシレーヌ「……うん」

ジュナイパー「いつまでだって応援するよ。僕は君のファン第一号で、育ての親で、何より……親友だから」

アシレーヌ「だね。オイラも、ジュナイパーの夢、応援してる。もう叶えたかもしれないけどね」

ジュナイパー「いや、まだまだ途中だよ。……道は、遠くて長いけど。もしかしたら、ゴールなんてないのかもしれない」

アシレーヌ「……でも、行くしかない、よね」

ジュナイパー「アシレーヌ……」
 ▼ 248 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:10:44 ID:MWtBCePY [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕は、彼を強く抱きしめた。

♂同士とか、そんな事は気にもならなかった。ただ、アシレーヌといたい。そう思えた。

やっぱり僕は、彼に依存されていて、それはやめられない。だって、それが僕の一部だ。

アシレーヌに依存されている事が、僕を僕たらしめる要素の一部。

でも、だからなんだ。依存を断ち切られたら、なんて心配、しなくてもいいんだ。

だって、親友だから。

アシレーヌの目には、薄く涙が浮かんでいた。たぶん、次別れたら、いつ会えるかもわからないからだ。

気付けば、僕の頬も涙が伝っていた。

僕は、手を外し、そして言った。


ジュナイパー「元気で、アシレーヌ。頑張ってね」

アシレーヌ「こちらこそ」
 ▼ 249 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:11:50 ID:MWtBCePY [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――

ジュナイパー「ありがとう! ごっざいましたー!」

アママイコ「みんな! これからも応援してるよー! こっちに来る事があったら見に行くからねー!」


バクガメスは、フラワーズのメンバーともう少しいるらしい。

彼ら全員がここを離れるまで見届けるのが、彼なりの責任だと言っていた。


アシレーヌ「バイバーイ!」

ガオガエン「元気で!」

ジュナイパー「元気でねー!」


最後に一度、お腹の底から必死に声を張り上げて、そして振り返ると、僕はそのまま前だけを見て歩き出した。

山に、白い雲がかかり、なんとも素晴らしい光景を映し出している。

もちろん、山に登ればそれが牙を剥いて来るのはわかっている。

けれど、それでも構わない。道は、険しい。それでも、登った先にあるのはきっと、絶景だから。
 ▼ 250 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:12:25 ID:MWtBCePY [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アママイコが、少し瞳を潤ませて、言った


アママイコ「……懐かしかったな。ルテーのみんな」

ジュナイパー「だね。でも、仕方ない。これが、僕たちの決めた道だ。

       自分の道を信じて、歩いて行こう」

アママイコ「うんっ! あたし、ジュナイパーとなら、どこまででも行ける気がするよ!」

ジュナイパー「ハハ、ありがとう」


最高の仲間、最高の妻、最高の親友。

きっと僕は、世界一の幸せものだ。


アママイコ「おーいジュナイパー、速く速く!」

ジュナイパー「よし、行こう!」
 ▼ 251 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:13:01 ID:MWtBCePY [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告







【SS】アシレーヌ「ポケモンサーカス団エクリプス!」






 ▼ 252 1◆J44kAZeDOM 17/04/11 21:14:02 ID:MWtBCePY [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
当SSはこれにて完結です
お読み下さりありがとうございました
質問等ございましたらお気軽にどうぞ

エクリプスシリーズ過去編
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=404456(アシマリ)
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=491425(オシャマリ)

その他関連作
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=510686(アローラ御三家のSS評価スレ)
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=563163(盗賊団編)
 ▼ 253 イケンキ@メンタルハーブ 17/04/11 21:14:58 ID:MGbVgRQ2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙ゥ!
 ▼ 254 バゴ@マグマのしるし 17/04/11 21:19:47 ID:o/hSZWQQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アローラ御三家評価スレ貴方だったのか
 ▼ 255 ガカイロス@かいのカセキ 17/04/11 21:42:38 ID:KjvUPSNA NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 256 メハダー@ふしぎなタマゴ 17/04/11 23:13:01 ID:couBzEKw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 257 トシゲッコウガ@デルダマ 17/04/11 23:17:20 ID:Pa7rcyLU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=563304
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