【SS】ボーマンダ「こんな生活……」:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】ボーマンダ「こんな生活……」:ポケモンBBS

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【SS】ボーマンダ「こんな生活……」

 ▼ 1 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:20:27 ID:y2RzWaGQ [1/50] NGネーム登録 NGID登録 報告


季節は夏……

生暖かい風が吹く、深い深い夜……

とある町の片隅に、寂れたコンビニがあった……





深夜にもかかわらず、店の自動ドアが開き、大学生と思われるポケモン達が数匹入ってきた……


ボーマンダ「いらっしゃいませー」


深夜バイトのボーマンダはレジ周りの掃除をしながらいつも通り、機械のように気持ちのこもっていない挨拶をする……

 ▼ 2 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:24:44 ID:y2RzWaGQ [2/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


店に来たそのポケモン達は雑誌が並ぶ棚の前に座りこむと、今日発売の漫画雑誌を手にとって読み始めた……



グランブル「なんだよ……今週は休載だってよ……ガンピース」

アリゲイツ「えぇ……また休載か? ま、俺は読んでないからいいけど」

ヤルキモノ「やっぱチーゴ100%は最高だわ!」


ボーマンダは不機嫌そうな顔で大きな溜め息をつくと、レジを出て三匹の学生のもとに歩み寄った。
 ▼ 3 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:27:49 ID:y2RzWaGQ [3/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダ「すみませんお客様……立ち読みはご遠慮お願いします」


グランブル「あ? 俺達座って読んでるから座り読みだぜ?」

ヤルキモノ「ぎゃはは! 本当それだわ!」


ボーマンダ「っ……」


ボーマンダは顔をひきつらせた……


ボーマンダ「ほ、他のお客様の迷惑になりますので……」


グランブル「他に客なんていねぇからいいじゃねぇかよ!」


確かに深夜と言う事もあり、他に客など一匹もいない……

 ▼ 4 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:31:10 ID:y2RzWaGQ [4/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダ「……はぁ……」


ボーマンダは小さく溜め息をつくと、レジに戻った……


また、学生達の笑い声が聞こえる……


ヤルキモノ「ぎゃはは!」

グランブル「あー……こんな所でおしまいかよ……続きが気になるー!」


ボーマンダ「(あー……うるせぇ……ただでさえこっちは夜勤で頭が痛いのによぉ……)」


ボーマンダは頬杖をつき、また溜め息をついた。


ボーマンダ「(ほんと、なんで俺だけがこんな……)」

 ▼ 5 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:36:04 ID:y2RzWaGQ [5/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


数分後……


学生達は漫画雑誌を読み終えると、何も買う事は無く、また騒ぎながらコンビニを出て行った……


ボーマンダはまた、機械の様に気持ちのこもっていない挨拶をした。


ボーマンダ「ありがとうございましたー」



三匹の学生が出て行くと、再びコンビニは静けさを取り戻した……


他にはバイトもおらず、客もいない……


ボーマンダは虚ろな目で天井を見つめた……


ボーマンダ「くそ……あのアホ共め……大学舐めるなよ? 絶対後で死ぬほど後悔するからな?」


 ▼ 6 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:41:08 ID:y2RzWaGQ [6/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告







俺はボーマンダ


数年前に大学を卒業したんだが……就活に見事に失敗して、なんだかんだでフリーターだ……


安定しない収入……


夜勤続き、やりたい事は山ほどあるのに遊ぶ暇の無い毎日……


そうして溜まっていくストレスや将来に対する不安……


正直、俺はこんな生活に嫌気がさしてる……


これは、そんな平凡な……いや、平凡以下の俺のもとに舞い降りた、小さな奇跡……





 ▼ 7 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:42:12 ID:y2RzWaGQ [7/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告









一、悪魔の囁き×俺の嘆き








 ▼ 8 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:45:52 ID:y2RzWaGQ [8/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告



バイトを終えたボーマンダはコンビニの裏口からヨロヨロと姿を現した……


ボーマンダ「まぶし……」


この季節になると、朝の5時でも既に太陽は昇り始め、辺りは明るくなってきている……


ボーマンダは遠くに見える眩しい朝日に目をショボショボさせながら町を歩き始めた……


ボーマンダ「ふぁあ……眠い……早く帰ろ……」


 ▼ 9 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:49:39 ID:y2RzWaGQ [9/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


酷く疲れた顔をしたボーマンダは、ポケモンの通りの少ない静かな朝の町を歩き続ける……


ボーマンダ「ほんと、こんな生活でいいのか? 俺……」


ボーマンダはそう呟くと俯き、自分の真っ黒な影を見つめながら歩く……


そんな時立った……
 ▼ 10 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:50:30 ID:y2RzWaGQ [10/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告










?「げへへ……変えたいのかぁ? 今の生活を……げへへ、げへげへ……」








 ▼ 11 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:52:55 ID:y2RzWaGQ [11/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダ「っ!?」


ボーマンダは突然聞こえた不気味な声に辺りを見渡したが……誰もいない……


ボーマンダはコツンと頭を叩いた。


ボーマンダ「幻聴か……早く帰らねえと……」


ボーマンダは再び歩き出そうとしたが……

 ▼ 12 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:53:28 ID:y2RzWaGQ [12/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告










?「幻聴なんかじゃないぜぇ! げへへ!」








 ▼ 13 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:55:42 ID:y2RzWaGQ [13/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

突然、ボーマンダの足元の影がグニャグニャと形を変え始めた!


ボーマンダ「!?」


影は伸びて……縮んで……形を変え続ける……


ボーマンダ「え……な、なんだこれ!?」


 ▼ 14 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:59:05 ID:y2RzWaGQ [14/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダから伸びた影から黒い何かが飛び出し、ボーマンダの前に降り立った……


ボーマンダ「!!」


ボーマンダは突然の出来事に、口をぽかんと開けていた……


?「よぉ……」


黒い影から現れた影の様に真っ暗なそいつはニヤニヤと不気味な笑顔を見せた……


 ▼ 15 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:01:44 ID:y2RzWaGQ [15/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダは目をこすった……


しかし、何度目をこすっても、目の前には影の塊の様な何かが……


ボーマンダ「……だ、だめだ……早く寝ないと……今度は幻まで……」


?「幻じゃねぇよ……俺は」


ボーマンダ「……」


ボーマンダは黙って歩き出した。


?「っておい! 無視するなっ!!」

 ▼ 16 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:04:41 ID:y2RzWaGQ [16/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


とあるマンションの三階……




ボーマンダは鍵を差し込み、自分の部屋のドアを開けた。


ボーマンダ「ただいまーっと……」


ボーマンダは部屋に入ると呼吸を整え……そして、ドアを少しだけ開けて外を見た……



あの黒い影の塊が息をきらせながら短い足でこちらへ走ってくる……



?「ま、待てよ! 待てって言ってるだろ!」



ボーマンダ「……」


ボーマンダはドアを閉め、鍵をかけた。
 ▼ 17 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:08:59 ID:y2RzWaGQ [17/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダ「はぁ……精神的にもかなりきてるのかもな……早く寝よ……」


ボーマンダは寝室に入るとベッドに飛び乗り、頭から布団を被った。


ボーマンダ「……」


するとその時、黒い影の塊が壁をすり抜けて寝室に走り込んで来た。


?「はぁ……はぁ……お前いい加減にしろよ!!」


ボーマンダ「うわっ!? さっきから何なんだよ!! 幻ならさっさと消えてくれよぉ!!」




 ▼ 18 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:14:13 ID:y2RzWaGQ [18/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダは再び布団を被った。


?「はぁ……はぁ……だから言ってるだろ……俺は幻なんかじゃ……ない……」


ボーマンダ「だったらなんなんだよぉ!」


影の塊はニヤリと笑った……


?「俺は……俺の名前はゲンガーだ……いわゆる悪魔って奴だ……」


ボーマンダ「悪魔……?」


ゲンガー「そうだ、この世界では一般的にそう呼ばれている……」



 ▼ 19 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:19:22 ID:y2RzWaGQ [19/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

悪魔と名乗るそいつはボーマンダの被っていた布団を取っ払った。


ボーマンダ「あっそうか……悪魔が来たって事は、俺はもう死ぬのか……ま、最近夜勤続きで体調崩してたからな……仕方ないか……」
 

ゲンガー「おいおい、俺は悪魔だぜぇ? 死神と勘違いしてないかぁ?」


ボーマンダ「ん……そうだな……じゃあ、悪魔がなんで俺の所に?」


ゲンガーは不気味に笑った……


ゲンガー「お前……こんな生活に満足してるのかぁ?」


ボーマンダ「!」


ゲンガー「どうなんだぁ?」


ゲンガーは何かを期待するかの様にニヤニヤしている……


ボーマンダはしばらく黙っていたが……

 
ボーマンダ「……俺は……昔はもっといい未来が待ってるって思ってた……」
 ▼ 20 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:23:40 ID:y2RzWaGQ [20/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告






学生の頃はそこそこ勉強も出来て、それなりにメスにもモテた……



友達も結構いたし、こんな事自分で言うのもあれだけどよ……人気者だった……



いわゆるリア充って奴だった……はずだった……



でも、就活を失敗してから俺は狂い始める……



友達はどんどん就職を決めていくのに……俺だけとり残されて……



必死になればなるほど空回り……



気がつくと、俺は大学を卒業してフリーターになっていた……






 ▼ 21 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:28:04 ID:y2RzWaGQ [21/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告




ボーマンダ「現実ってのはそんなに甘くなかった……今更だけど、俺は少し調子にのりすぎていたみたいだ……」


ゲンガーはニヤニヤしながらベッドに飛び乗った。


ゲンガー「そんな事知ってるぜぇ! なんせ俺はずーっとお前の影の中からお前を見てきたからなぁ!」


ボーマンダ「!!」


ゲンガー「確かに、就活はお前を少しは狂わせたかもしれねぇ……けどよ、お前を狂わせた本当の原因は就活の失敗なんかじゃあないぜぇ? お前だって心のどこかではわかってるんだろぉ?」


ボーマンダ「……」




 ▼ 22 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:32:55 ID:y2RzWaGQ [22/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告





お前は小学生の頃からそこそこ賢くて、勉強せずともなかなかの成績だった。


それに運動も出来た……


確かに、クラスの人気者だったな……



中学生の時、親友のハクリュー、ガバイトと同じ学校に行きたい事を理由に、お前はエリート高校の受験を放棄した……


親友二匹と同じ、一般レベルの学校を受験し難なく合格。なかなか充実した高校生活を送った……

 ▼ 23 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:38:31 ID:y2RzWaGQ [23/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


大学も同じ理由で良くも悪くも普通の大学を受験……


また、同じ様に大学で充実した生活を送るはずだった……



でも、お前は勉強を怠りすぎた……



努力を知らないお前は……大学も同じ様にいくと思ってたろ?


違ったんだよなぁ……世界はそんなに甘くねぇよ……げへへ……



遊び呆けていたお前は単位をお落とし続ける事になる……


それでも遊び癖は抜けなかった……


旅行に合コン、ゲーセン……他にも色々……



いざ、就職活動を始める頃には……何の取り柄もない、平凡以下のポケモンに成り下がっていたなぁ! げへへへへへ!!





 ▼ 24 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:45:43 ID:y2RzWaGQ [24/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダ「……本当に全部見てたんだな……」


ゲンガー「そうだぁ! だって俺はお前の専属の悪魔だからなぁ! げへへ!」


ボーマンダ「専属?」


ゲンガー「悪魔ってのは俺だけじゃねぇ。この世界に住むどんなポケモンにも必ず専属の悪魔がいるんだ! お前の場合は俺が専属の悪魔って事だ!」


ボーマンダ「で? その専属の悪魔が俺なんかに何の用だ?」


ゲンガーはニヤリとした……


ゲンガー「お前にチャンスをやろうと思ってな……げへへ……」


ボーマンダ「チャンス?」


ゲンガー「そうだぁ……お前のこれからを変えるチャンスだぁ……」


ゲンガーは短い腕を高くあげると……何もなかったはずの空間からペンと紙を掴み取った。


ボーマンダ「なんだそれ?」


ゲンガー「こいつは契約書だぁ……まずは黙ってこいつにサインしろぉ……」


ボーマンダはゲンガーから契約書を受け取った。



 ▼ 25 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:47:57 ID:y2RzWaGQ [25/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告





契約書



悪魔との契約をここに認める。



闇より出でし、悪魔の力を解き放つ……



なお、全ての責任は、この契約書に名を記した者が持つ。






 ▼ 26 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:53:34 ID:y2RzWaGQ [26/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告



ボーマンダ「……なんだ……これ」


ゲンガー「さぁ、さっさとサインしなぁ……」


ゲンガーはペンを差し出した。


ボーマンダの心拍数が急激に上がった……


ボーマンダ「(さっきからこいつは壁をすり抜けたり……何も無い所から紙やペンを取り出したり……きっと本当の悪魔だ……いいのか? 俺……何が起こるかわからないんだぞ!?)」


汗がダラダラと流れ落ちる……


ペンを受け取ろうとするボーマンダの前脚が震えた……


ゲンガーはそれを見るとまた、ニヤニヤした……


ゲンガー「げへへ……さっさと名を書けよぉ……ここでチャンスを逃せば、ずーっとお前は夜勤のバイトを死ぬまでやって、一匹で暮らす……そんな残念なポケモンのまま、死んでいくんだぜぇ?」


ボーマンダ「っ!」
 ▼ 27 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:55:38 ID:y2RzWaGQ [27/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告







そうだ……よくわからないけど、何かが変わるなら……!



ここで逃せば……きっとこんなチャンスはもう来ない!!




 ▼ 28 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 02:58:20 ID:y2RzWaGQ [28/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告



ボーマンダは無意識のうちに、ペンを取り……気がつくと、契約書のど真ん中にでかでかと汚い字で自分の名を書いていた……



ゲンガー「げへへ……契約完了だぁ……」


ゲンガーは契約書をボーマンダから乱暴に奪い取り、宙に投げた……


すると、契約書は空中で突然青白い炎に飲み込まれ、燃え尽きてしまった……




 ▼ 29 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 03:01:25 ID:y2RzWaGQ [29/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告



ゲンガー「げへへ……力が……力がみなぎるぜぇ……げへ、げへへ……」


ゲンガーの体をを不気味な青白いオーラが包んでいる……


ボーマンダ「な、何が起こってんだぁ!?」


部屋の中に強い風が吹き、雑誌や紙屑が宙を舞う……



 ▼ 30 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 03:04:24 ID:y2RzWaGQ [30/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


しばらくすると、ゲンガーの体を包むオーラはゲンガーの体の中に吸い込まれ……そして、部屋に吹き荒れる風も止んだ。


次の瞬間、ゲンガーの不気味に輝く瞳がボーマンダを捉えた……


ボーマンダ「っ!」


ゲンガー「さぁ……これから始まるのはお前の生涯をかけたゲームだぁ……せいぜい楽しませてくれよぉ……げへへ……げへへへへ……」








げへへへへへへへへぇ!!!! 





 ▼ 31 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 03:08:08 ID:y2RzWaGQ [31/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告



悪魔の不気味な笑い声が響く部屋の中、俺は突然起こった様々な出来事に少し混乱しつつも……これからの日々に妙な期待と恐怖を覚えていた……




その時……




ドンドンドン!!



どうやら隣の部屋のポケモンが壁を叩いたらしい……




ボーマンダ「あ……まだ朝方だからもう少し静かめで頼む……このマンション壁が薄いんだよ……」

   
ゲンガー「すまんすまん! げへへ!」







俺と悪魔の共同生活がこの日、始まったんだ。




続く
 ▼ 32 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 03:11:08 ID:y2RzWaGQ [32/50] NGネーム登録 NGID登録 報告
第一話おしまい

とりあえず完結が9月以降になるとこちらの都合で非常にまずいので、遅くても8月以内に完結させます。

できる限り1日一話更新を目標にしたいと思ってますのでよろしくお願いします。

では
 ▼ 33 黒の災い◆N/pP1Xva6I 17/08/20 06:44:24 ID:.vnNNasE NGネーム登録 NGID登録 報告
続きが気になる。支援です!
 ▼ 34 チルゼル@かくとうジュエル 17/08/20 07:22:21 ID:SuFmmnaw NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 35 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 08:47:08 ID:y2RzWaGQ [33/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


朝日がカーテンの隙間から差し込み、ゲンガーの不気味な顔を照らす……




ボーマンダ「で? チャンスってなんだ? 本当に今の生活を変えられるのか?」


ゲンガー「げへへ……変えられるぜぇ……今より良くも……そして悪くもなぁ!! げへへ!!」


ゲンガーは不気味に笑う……


ボーマンダ「おい! 悪くもなるのかよ! そんなの聞いてねぇよ!! 今の契約取り消せ!!」


ゲンガー「契約書に書いてあっただろ? 全ての責任はこの契約書に名を書いたポケモンが持つってなぁ! げへへ!!」


ボーマンダ「はぁ!? 詐欺だ!! こんなの詐欺だ!!」


ボーマンダはゲンガー目掛けて枕をぶん投げたが……枕はゲンガーの体をすり抜けた。


ゲンガー「詐欺師じゃねぇよ! 俺は悪魔だぁ! げへへ!」


ボーマンダ「もー! なんだってんだよぉ!!」

 ▼ 36 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 08:54:44 ID:y2RzWaGQ [34/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

ボーマンダは再びベッドに飛び乗ると布団を被った。


ボーマンダ「これは夢だぁ……お願いだから夢って言ってくれぇ……」


ゲンガー「おいおい、落胆するのはまだ早いぜぇ?」


ゲンガーはベッドに飛び乗ると、ボーマンダの被る布団を取っ払った。


ボーマンダ「うぅ……」


ゲンガー「さぁ、お前にこれをやろう……」




ゲンガーが再び短い手を高くあげると……何も無かった空間から、また一枚紙切れを取り出して、それをボーマンダの顔の前に突きつけた。


ゲンガー「ほらよ」


ボーマンダ「契約書はもう書かねぇぞ!!」


ゲンガーは呆れた顔でボーマンダを見た。


ゲンガー「契約書じゃねぇよ、よく読め」


ボーマンダ「?」


その紙には、見たことのないよくわからない文字で何かが書いてある……


ボーマンダ「読めねーよっ! どうせどっかの国の言葉で書いた別の契約書だろ!!」


ゲンガーは溜め息をついた。


ゲンガー「だから違うって言ってるだろ? これはな……お前のこれからを決める運命の片道切符だぜ?」


ボーマンダ「?」




 ▼ 37 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 08:55:55 ID:y2RzWaGQ [35/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告










二、残念な俺×不思議な紙切れ








 ▼ 38 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:00:35 ID:y2RzWaGQ [36/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告



ボーマンダ「片道切符って……電車にでも乗るのか?」


ゲンガー「ちげぇよ、この紙をよく見ろ……真ん中に空欄が五個あるだろ?」



ボーマンダがその紙切れを見ると、中央に五つの長四角の空欄があった……



ボーマンダ「ああ、なんかそれっぽいのがあるな」


ゲンガー「この紙の空欄に書いた願いが叶うんだぜぇ? どうだ? すげぇだろぉ?」


ドヤ顔を決めたゲンガーとは違い、ボーマンダは驚くほどに冷めた目をしていた……


ボーマンダ「……嘘くせーな」

 ▼ 39 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:04:33 ID:y2RzWaGQ [37/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ゲンガー「嘘かどうかは試してみればいいだろぉ? ほら、このペンもセットでくれてやるよぉ」


ゲンガーは契約の時に使ったペンを差し出した……


ボーマンダはしばらく躊躇っていたが……


ボーマンダ「……そういや、腹減ったなぁ……」


ボーマンダは腹をさするとペンを手にとり、何かを書き出した……






ラーメンが食べたい







ゲンガー「げぇっ!? そんな願いでいいのかぁ!?」


ボーマンダ「どうせ冗談だろ? こんな事で願いが叶ったら苦労しねぇよ……」
 ▼ 40 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:07:01 ID:y2RzWaGQ [38/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


その時……


ピンポーン……


ボーマンダ「ん? こんな朝っぱらから誰だ?」


ボーマンダはだるそうに玄関まで歩き、そしてドアを開けると……そこには岡持を持ったポケモンが立っていた。


ガオガエン「ラーメンおまち!」


ボーマンダ「はぁ!?」
 
 ▼ 41 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:10:40 ID:y2RzWaGQ [39/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ガオガエン「あれ? 出前の連絡しなかったか?」


ボーマンダ「してないけど……」


ラーメン屋の親父はポケットから紙切れを取り出した。


ガオガエン「げっ!? 届け先を間違ってただと!?」


ボーマンダ「おいおい……しっかりしろよ、おっさん……」


ガオガエンは岡持からラーメンを取り出し、ボーマンダに渡した。


ガオガエン「こっちの手違いで悪かったな! ここままじゃ麺が伸びちまうし、せっかくだから兄ちゃん食ってくれ!」


ボーマンダ「あ、ありがとう……」


ガオガエン「じゃあな!」


ガオガエンは走って帰って行った……


 ▼ 42 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:14:32 ID:y2RzWaGQ [40/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダ「……嘘……だろ?」


ボーマンダはドアを閉め、ラーメンを机の上に置いた。


ゲンガーはあの紙切れを見つめてニヤニヤしている……


ゲンガー「だから言っただろぉ? もったいねぇなぁ……せっかくのチャンスを棒に振る気かぁ?」


ボーマンダ「っ!」


ボーマンダはゲンガーの持っていた紙切れを奪い取った。



紙切れの空欄はあと4つ……


もちろん、擦っても先程書き込んだ文字は消えることは無い……
 ▼ 43 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:18:34 ID:y2RzWaGQ [41/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダ「おい! これ取り消せないのか!?」


ゲンガー「消せるわけないだろぉ? あ、願いを無かった事にはできるぞ?」


ボーマンダ「無かった事?」


ゲンガー「今の願いを無かった事にする。この場合、ラーメンが消えるって事だな! 別に願いの残り回数が戻る訳じゃねぇけどよ! げへへ!」


ボーマンダ「や、やめろ!! せめてラーメンは食わせろ!!」


ゲンガー「げへへ! ま、あと4つの願い、大事に使えよぉ! げへへ!!」


ボーマンダ「えええええっ!! マジかよぉ……」

 ▼ 44 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:20:56 ID:y2RzWaGQ [42/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ゲンガー「それより、さっさとそのラーメンを食っちまいなぁ! 麺が伸びちまうぜぇ?」


ボーマンダ「わかってる……いちいちうるせーな……」


ボーマンダは割り箸を取り、勢い良く麺をすすった……


すると、なんとも言えない味が口の中いっぱいに広がった……

 ▼ 45 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:21:53 ID:y2RzWaGQ [43/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告







油の味しかしないスープ……



こしのないベチャベチャの麺……



まずい、まずすぎる……!





 ▼ 46 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:24:39 ID:y2RzWaGQ [44/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダはあまりの不味さにむせて、麺を吹き出した。


ボーマンダ「げほぉっ!! まっず!! ぶほぉ!!」


ゲンガー「げへへ! なんだぁ? そのラーメン、そんなに不味いのかぁ?」


ボーマンダは涙を流しながらゲンガーの足にしがみついた。


ボーマンダ「お、おい! 悪魔! ラーメンを無かった事にしてくれぇ!! 頼む!! 不味すぎて死んじまうっ!!」


 ▼ 47 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:27:44 ID:y2RzWaGQ [45/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ゲンガー「げへへ、しょうがねぇなぁ……ほらよ」


ゲンガーが手をポンと叩くと、机の上のラーメンはどんぶりごと消えて……ついで、ボーマンダの口の中で暴れまわるその不味さも綺麗さっぱり無くなった。


ボーマンダ「はぁ……はぁ……助かった……」


ボーマンダはフローリングの上に倒れた。


ゲンガー「ま、これで俺の力が本物ってわかったよなぁ?」


ボーマンダ「あ、あぁ……さすがにもう信じた……」


 ▼ 48 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:31:27 ID:y2RzWaGQ [46/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ゲンガーはニヤニヤしながら紙切れを見つめた。


ゲンガー「この紙切れは運命を大きく変えるんだぜぇ……さっきも言ったが、使い方次第で勝ち組にもなれるし負け組にもなれる……この町にもこんな紙切れ一枚で負け組に転落した奴がいたなぁ……」


ボーマンダ「負け組……? そいつはいったいどうなったんだ?」


ゲンガーはその言葉ににやーっとした……




ゲンガー「幸せだった家庭は崩壊、一夜にして借金まみれになったって話しだ……」



ボーマンダ「!!」


 ▼ 49 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:35:23 ID:y2RzWaGQ [47/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ゲンガー「知り合いの悪魔から聞いた話だが……結局そいつは借金から逃れる為に自分の子どもに借金を全額押し付けて逃げ出したんだとよぉ……なかなか面白い話だろぉ?」


ゲンガーはボーマンダにぬっと顔を近づけた……


ゲンガー「ま、肩の力抜いて気楽にやろうぜぇ? げへへ!」


ボーマンダ「そ、そんな話聞いたら気楽になんてなれるかっ!! ……ふぁぁ……だ、ダメだ……眠くなってきた……」


ボーマンダは大きくあくびをすると、フローリングに横になり、そのままゆっくりと目を閉じて眠ってしまった……

 ▼ 50 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:38:48 ID:y2RzWaGQ [48/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告



ボーマンダ「ぐごぉぉぉ……」


ゲンガー「……夜勤明けじゃあ仕方ねぇかぁ……」


ゲンガーは机の上に紙切れとペンを置くと、死んだようにぐっすり眠るボーマンダの頬を撫でた……


ゲンガー「ま、せいぜい足掻けよ……そして、楽しませてくれ……げへ……げへへへへ……」






げへへへへへへへへへへへへぇえええ!!!





不気味な声が部屋中に響く……


すると、隣の部屋のポケモンが壁を叩いた。



ドンドンドン!!



ゲンガー「あ……げ、げへへ……」

 ▼ 51 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:40:17 ID:y2RzWaGQ [49/50] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告





突然俺に舞い降りたこのチャンス……


どうでもいい事で一つ使っちまったのは惜しいけど……でも、あと四つもあるんだ!


これをうまく使えば……きっと俺は……!!






続く


 ▼ 52 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 09:41:11 ID:y2RzWaGQ [50/50] NGネーム登録 NGID登録 報告
第二話おしまい


とりあえず続きはまた明日です。


では
 ▼ 53 ルチャイ@ちかのカギ 17/08/20 12:07:31 ID:CWcvDbGk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 54 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 10:35:46 ID:3FD9NsoE [1/17] NGネーム登録 NGID登録 報告

あれから数時間後……


カーテンの隙間から見える空は既に暗くなり始めている……



ボーマンダ「うぅ……」


ボーマンダは冷たいフローリングの上で目を覚ました。


ボーマンダ「あれ? あの悪魔は……?」


ボーマンダは体を起こして部屋を見渡したが……どこにも悪魔の姿は無く、いつも通りの部屋だった。

 ▼ 55 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 10:41:20 ID:3FD9NsoE [2/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

ボーマンダ「……そうか、やっぱ夢か! 当たり前だよな! 悪魔なんていないんだよ! ははっ!」


すると突然、ボーマンダの影からゲンガーが顔をのぞかせた。


ゲンガー「夢じゃねぇよ! げへへ!」


ボーマンダ「ぎゃあっ!? 脅かすなっ!!」


ビビるボーマンダを見てゲンガーはニヤニヤしながら影から飛び出した。


ゲンガー「さて、一眠りしてスッキリしただろ? そろそろ二つ目の願いを決めようぜぇ」


ボーマンダ「うっ……突然願いって言われてもだな……金だろ? 酒だろ? 可愛いメスだろ?」


ゲンガー「げへへ……欲深くていいじゃねぇか!」


ボーマンダ「う、うるせーな……とりあえずは……うん! 金だな! 金はどれだけあっても困らねぇからな!」


ボーマンダはあのペンで机の上の紙切れに文字を書き込んだ。




大金持ちになりたい





 ▼ 56 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 10:42:02 ID:3FD9NsoE [3/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告










三、貧乏な俺×成金物語







 ▼ 57 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 10:46:22 ID:3FD9NsoE [4/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ゲンガー「げへへ! まるで子どもみたいにシンプルな願いだなぁ! まぁ、嫌いじゃないぜぇ!」


ボーマンダ「いちいちうるせーんだよ! これで俺は勝ち組! 大金持ちなんだよ!」


ボーマンダは大きく息を吸って……









ボーマンダ「さぁ、カモン! お金ちゃんっ!!」













しかし何も起こらない。
 ▼ 58 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 10:49:05 ID:3FD9NsoE [5/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダはゲンガーを睨んだ。


ボーマンダ「お、おい! どう言う事だよ! 金は!? 金はどこだよ!!」


ゲンガー「げへへ! 言い忘れてたけど、その紙切れに書いた事は絶対叶う訳じゃないぜぇ?」


ボーマンダ「はぁ?」


ゲンガー「あくまでその願いを叶えるためのチャンスが与えられるだけだぁ…… 」


ボーマンダ「えっと……どう言う事だ?」



 ▼ 59 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 10:58:17 ID:3FD9NsoE [6/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

ゲンガー「さっきのラーメンの話で例えるとだなぁ……あれは本来誰かが注文したはずのラーメンで、ここに来る事なんて、絶対に起こるはずは無かった」


ゲンガー「でも、お前がそこに『ラーメンが食べたい』と書き込んだせいで、運命が書き換えられた。あの親父が間違ってここにラーメンを持ってくるって運命に……これが、お前に与えられたチャンスだ……」


ボーマンダ「え、ああ」


ゲンガー「例えばあの時、お前が居留守すれば、ラーメンは手に入らなかっただろ? お前がラーメン屋の親父と直接話した事でお詫びとして貰えた。」


ゲンガー「要するに、お前がそのチャンスに対してどうアクションを取るか? が大事になってくるんだぁ……」


ボーマンダ「なる程な」

 ▼ 60 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 11:05:16 ID:3FD9NsoE [7/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

ゲンガー「だから金も……どこかできっとチャンスがあるだろうから、絶対に見逃すんじゃねぇぞぉ?」


ボーマンダ「わかった」


ゲンガー「さぁて、それじゃあ俺はしばらく影から様子を見させてもらうぜぇ! げへへへへ!」


ゲンガーは不気味に笑うと、ボーマンダの陰の中に溶け込んだ。


ボーマンダ「本当、何なんだよ……あいつはよぉ……」


悪魔と話しているだけでなんだかどっと疲れが溜まった気がした。


ボーマンダ「……」


ボーマンダがしばらくぼーっとしていた……その時、視界に掛け時計が飛び込んできた。


もう午後の7時をさしている。


ボーマンダ「ってやべっ!! そろそろバイトに行かねぇと!!」



ボーマンダは近くのレジ袋から菓子パンを一つ取り出すと、それを咥えて家を飛び出した……
 ▼ 61 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 11:20:23 ID:3FD9NsoE [8/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


午後8時……コンビニにて……



ボーマンダはいつも通り、レジに立った……


ボーマンダは大体いつも、夜の8時から朝の4時位までバイトをしている。


ボーマンダ「はぁ……あの悪魔のせいで疲れがまだとれてねぇよ……」


ボーマンダは首を鳴らすと店内を見渡した……


店の中には何匹かのポケモンが買い物をしている……

 ▼ 62 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 11:27:38 ID:3FD9NsoE [9/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダ「……」


ふと気になってボーマンダは足元の自分の影を見つめた……

すると、一瞬影がグニャリと形を変えた……


ボーマンダ「やっぱり……夢じゃないんだよな……」



ちょっと! 店員さん?



ボーマンダ「!」


気が付くと、レジの前に何匹かポケモンが並んでいた。


ミミロップ「早くしてよねっ! あたし急いでるんだからっ!」


ミミロップは菓子パンと千円札を乱暴に突き出した。


ボーマンダ「あっ、す、すみません!」


更にその後ろに並ぶポケモンが怒鳴った。


エモンガ「俺だって暇じゃねーんだよ! バイトはバイトらしく機械みたいに働け!」


ボーマンダ「すみません! すみません!!」



ボーマンダはひたすら謝りながら素早くレジをうった……


 ▼ 63 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 11:34:16 ID:3FD9NsoE [10/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

そうして列を作っていたポケモン達はどんどん帰って行った……


ボーマンダ「大変お待たせいたしました! 次のお客様……ってお前は!!」


列の最後に並んでいたのは、ボーマンダと長いつきあいの親友、カイリューだった。


カイリュー「ボーちゃん、久しぶりー!」


ボーマンダはカイリューから商品を受け取り、レジを打ちだした。


ボーマンダ「久しぶりだな! カイリュー! なんで今日はこんなコンビニに?」


カイリュー「いやぁ、ちょっとお腹がすいたからお菓子が欲しかっただけだよ」


 ▼ 64 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 11:39:49 ID:3FD9NsoE [11/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

ボーマンダ「ふーん……じゃ、合計850円な」


カイリューはお金を払い、商品を受け取ると……じっとボーマンダを見つめた……


カイリュー「……」


ボーマンダ「な、なんだよ?」


カイリュー「ボーちゃん、最近どう?」


ボーマンダ「どうって……別に何も? いつも通り、夜勤のバイトを頑張ってるだけだぜ?」


カイリュー「ボーちゃん、すごく疲れて見えるだよ? たまには休んだら……」


ボーマンダはため息をついた。


ボーマンダ「休みたいのは山々だけどよ……奨学金の返済とか、家賃とか……働かねぇと生きる事もままならねぇからな……本当、生きてるのが嫌になるぜ……」


カイリュー「そっかぁ……」

 ▼ 65 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 11:45:17 ID:3FD9NsoE [12/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


カイリューはまた、ボーマンダを見つめた……


ボーマンダ「な、なんだよ……そんなに見つめるな! なんか照れるだろ!」






カイリュー「ボーちゃん、変わったな」






ボーマンダ「へ?」


カイリューはレジ袋から先程買った紅茶を取り出して一口飲んだ。


カイリュー「昔の……あの頃のボーちゃんは……」


カイリューはどこか遠くを見つめ、目を細めた……


ボーマンダ「あの頃の俺は……?」


カイリュー「……いや、何でもないだ!」


カイリューは照れくさそうに笑った。


 ▼ 66 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 11:47:43 ID:3FD9NsoE [13/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダ「な、なんだよ! そこまで言われると気になるじゃねぇか!」


カイリューは歩き出した……


カイリュー「本当になんでもないだよ。今日はボーちゃんに会えて良かっただ! ボーちゃん、バイト頑張るだよ!」


ボーマンダ「お、おう……」



カイリューは手を振りながら、自動ドアの向こうの暗闇に消えた……



 ▼ 67 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 12:47:38 ID:3FD9NsoE [14/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


自分以外に誰もいなくなったコンビニでボーマンダは呟いた……


ボーマンダ「あの時の……俺……」


足元に広がる影からゲンガーが飛び出した。


ゲンガー「げへへ! 変わったか……あいつ、ぼーっとしてるくせになかなか面白い事を言うな!」


ボーマンダ「な、なんだよっ! 突然出てくるなっ!!」


ゲンガー「確かに、お前は昔とは色々と変わっちまったなぁ……」


ボーマンダ「お前まで……一体何がどう変わったって言うんだよ……」


ゲンガー「さぁな! そんな事より願いの事、忘れてねぇかぁ?」


ボーマンダ「あっ、忘れてた」


ゲンガー「おいおい、しっかりしろよ……ん? 客が来たみたいだぜ?」


ボーマンダ「え?」



ゲンガーはボーマンダの影の中に飛び込んだ。
 ▼ 68 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 12:52:29 ID:3FD9NsoE [15/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

自動ドアが開き、一匹のポケモンが入ってくる……


ボーマンダ「いらっしゃ……」


ボーマンダがそう言い終わるより速く、そのポケモンはボーマンダに駆け寄るとナイフを突きつけた。


ボーマンダ「っ!」


ワルビル「かっ金を出せ……!」


突然の出来事と恐怖のあまり、ボーマンダはその場にへたり込んだ。


ボーマンダ「ちょ、ちょっと待て! 落ち着け! まずはナイフを下げろ!」


ワルビル「うるさいっ! 早くしろ! 黙って金を出せぇ!!」


ワルビルの目は血走っている……


ボーマンダ「ま、マジかよ……なんで俺がこんな目に……」


 ▼ 69 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 12:56:43 ID:3FD9NsoE [16/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダの額からだらだらと汗が流れ落ちる……


もうだめだ……と思ったその時、影の中からゲンガーの声が聞こえた……



安心しろ……お前が残りの願いを叶えるまではお前を死なせはしない……



ボーマンダ「(っ! お前……)」



俺に任せろ……とりあえず立ち上がれ……



ボーマンダ「……」



 ▼ 70 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:00:26 ID:3FD9NsoE [17/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ボーマンダは黙ってコクリと頷くと、ゆっくりとふるえる脚で立ち上がった……


ワルビルのナイフが再びボーマンダの首もとに素早く突きつけられた。


ワルビル「は、早くしろ!! さ、刺すぞ!!」


突きつけられたナイフの影と、ボーマンダの影……二つの影が重なったその瞬間、ボーマンダの影からゲンガーが相手の影に乗り移った!

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