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思いつくままにポケモンの恋愛系SSを書いていくスレ

 ▼ 1 ブネーク@マトマのみ 18/01/28 00:19:23 ID:WjjhBx2U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
・『進化』(イーブイ♀×リザードン♂)

イーブイ「うーん・・・やっぱりニンフィアかなぁ」

リザードン「どうしたんだイーブイ、悩み事か?」

イーブイ「あ、リザ君!あのね、私もそろそろ進化の頃合いかなって思って」

リザードン「へぇ、進化の」

イーブイ「うん!で、私たちイーブイって進化先がたくさんあるでしょ?」

リザードン「ああ、色々あって羨ましいぜ」

イーブイ「え、リザ君は今の姿、気にいってないの?」

リザードン「そういうわけじゃないけどよ・・・」

イーブイ「私はリザ君カッコよくて好きだけどなぁ!」

リザードン「そ、そうかよ・・・//」

イーブイ「って、そうじゃなくて、何に進化すればいいか悩んでたの。リザ君は、何になってほしい?」

リザードン「あ?俺に聞くのかよ」

イーブイ「もともと聞こうと思ってたよ?」

リザードン「そうかい。そうだな・・・」
 ▼ 18 ルーグ@ブロムヘキシン 18/01/29 11:40:06 ID:62OtgonU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れさま
 ▼ 19 グレー@スピーダー 18/01/29 12:00:04 ID:Nem0iYxU [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『素直な気持ちで』(ルカリオ♀×エネコロロ♂)

「ねえあれ見て!ルカリオ先輩よ!」

「キャー!今日もカッコイイ!!」

「・・・・・・はぁ」

カッコイイなどと言われても、嬉しくないのだがな。

格闘・鋼タイプで凛々しい顔つき、古くから伝わる英雄譚など、ルカリオという種にあるイメージは華々しいもので、同胞の男たちも女子からよく人気を博すると聞く。

「・・・なのに、どうして私は♀に産まれてしまったのだろうな・・・」

「やっほールカリン!どうしたの?浮かない顔して〜」

「・・・エルフーン。なんだ?その頭の・・・」

「これ?新発売のリボンだよ!可愛いでしょ〜」

「・・・まあ、そうだな」

「ルカリンもアクセサリーとかつけてみたら?」

「・・・リボンを?私がか?」

「リボンとか可愛いのはルカリンには似合わないよ〜!でも、シルバーのネックレスとか〜」

「・・・・・」

本当は、私もエルフーンのつけているような可愛いリボンとかつけてみたいのだが・・・

・・・エルフーンには悪気はないのだが、こうもあっさり似合わないと言われると、傷つくな・・・



「じゃあね〜ルカリン!また明日〜!」

「ああ」

エルフーンは素直でとても可愛らしい、とても女の子っぽい女の子だ。学校の男子からも人気が高い。

「・・・私もあんな風に笑えたら、もっと男子たちの目を引くことができるだろうか・・・」

エルフーンに比べて私はというと、クールで、素っ気無くて、ガードが堅い・・・そもそも恋愛事になど興味がない。そんな風に思われているようで、ルカリオという種に付随するイメージばかりが先行して誰も本当の私など見ようとしてくれない。

私自身も、自分のことを素直に表に出していくことができないのだから、それも仕方ないのだが・・・。ああ、本当は私だって可愛いものに目がない普通の女子なのに!白馬の王子様と出会って恋をして、素敵なデートをしてみたいのに!!

「おいお前どこ向いて歩いてるんだよ!!」

「ご、ごめんなさい・・・」

「なんだお前♂か?♂の癖に随分ナヨナヨしたやつだな!」

「エネコロロの癖に♂とか気持ちわりぃww」

「うぅ・・・」

・・・ん?あれは・・・
 ▼ 20 ャロップ@ソクノのみ 18/01/29 12:20:23 ID:Nem0iYxU [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「おい、やめないか!」

「あぁ!?なんだおま・・・ル、ルカリオ!?」

「なにしゃしゃり出てきてんだオラァ!」

「おい、やめようぜ!こいつ♀の癖にマジで強いって噂なんだよ!」

♀の癖に・・・?

「引かないというなら私が相手してやってもいいのだが・・・」

「ひっ・・・に、逃げるぞ!」

「お、おう!!」

全く、つまらん。少しにらみを聞かせただけで逃げていくなど、肝の据わっていない男ほど醜いものはないな。

・・・私は、それほど怖いのだろうか・・・

「あ、た、助けてくれてありがとうございます・・・」

「別に礼に及ばないさ、これくらい」

「あの・・・僕、エネコロロって言います!」

「・・・ルカリオだ」

「ルカリオさん!何かお礼をさせてくれませんか?」

「別に礼などいらない。それでは失礼するぞ」

「あ、ルカリオさん!!行っちゃった・・・あ、あれ?」

あの卑劣な男たちに絡まれていたエネコロロという男子も、きっと私のことを怖いと思ったのだろうな・・・お礼など、無理をさせてはいけない。それよりも早く家に帰ろう、家にいる間は可愛いものを愛でていても、誰にも見つかる心配がないからな・・・



「ねぇねぇルカリン昨日のドラマ見た〜?」

・・・どうしよう・・・私が毎日こっそり学校に持ってきていた縫いぐるみが無くなっている・・・

「ルカリン?聞いてる?」

「あ、ああ・・・えっと、何の話だったか」

「大丈夫?なんかボォ〜っとしてるけど・・・」

「だ、大丈夫だ・・・何もない」

気づいたのは昨日家に帰ってからだ。恐らく学校で落としたのだろう、職員室に届けられている可能性もあるが・・・仮にそうだとして、なんと言えばいいんだ?私があのファンシーな、お着替えピカチュウの縫いぐるみを持っているなどとしれたら・・・恥ずかしいじゃないか!

「なんか変な汗かいてるけど・・・」

「気のせいだよ、気のせい!」

・・・友達の落とし物を取りに来た、という体で取りに行けば・・・いやしかしそれも・・・

 ▼ 21 ンテイ@きよめのおこう 18/01/29 12:53:54 ID:Nem0iYxU [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ルカリオさん!!」

「ん?」

エネコロロ・・・?いったい何の用だろうか・・・

「誰〜?ルカリンの知り合い?」

「ああ、まぁ・・・どうしたんだ?私に何か用か?」

「どうしても昨日のお礼がしたくて・・・クッキー焼いてきたんです!どうか受け取ってもらえませんか?」

「クッキーを?別にいいと言ったのに・・・いや、折角だし、ありがたく受け取っておこう。ありがとうな」

「お礼〜?ルカリン何かしたの?」

「別になにもないさ」

「あと、これ・・・」

「!?」

お、お着替えピカチュウの縫いぐるみ・・・あの時落としていたのをエネコロロが拾っていたのか!?

「ルカリオさんが落と・・・」

「っ、来い!」

「え、うわっ!?」

「へっ!?ルカリン!?」



お、落としたとこまで見られていたのか・・・学校の生徒に、私が可愛いもの好きだっていうのがバレてしまう・・・!いや、でもこれは、私が殻を破るいい機会なのでは・・・でも・・・

「きゅ、急にどうしたんですか?ルカリオさん・・・」

「そ、それは私のものなのだが・・・」

「は、はい!そうですよね、ルカリオさんが落とされてたので・・・」

「・・・こんななりで、こんな感じで、縫いぐるみとか可愛いものが好きだなんて・・・おかしいだろ?だから、ほんとは周りには秘密にしてて・・・だから、その、すまない・・・」

「あ、僕が教室でこの縫いぐるみを出しちゃったから・・・」

「いや、エネコロロは何も悪くないんだ・・・その、ありがとう。大切なものだから、無くしてどうしようかと思ってたんだ・・・そ、それじゃ!」

「ル、ルカリオさん!」

ああ・・・もう顔が真っ赤だ。恥ずかしすぎてどうにかなってしまいそうだ・・・学校の男子に、こんな、醜態を・・・やはり私には無理だ!エネコロロが他の生徒たちに秘密にしてくれたらいいが・・・

「恥ずかしくなんてないですよ!ルカリオさん!」

「!?」

「全然恥ずかしくないですよ、そんなこと」

「エネコロロ・・・」
 ▼ 22 ジギガス@ゴーストメモリ 18/01/29 14:00:07 ID:Nem0iYxU [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「僕・・・ルカリオさんのこともっと知りたいです。カッコイイ人だなって思ってたけど、可愛いものが好きだとか、ルカリオさんもかわいらしいところがあるんだって思うと、なんだか嬉しいです」

「なっ・・・//」

「ごめんなさい、失礼ですよね。でも、そういうとこって誰にも見せてないんですよね?」

「ま、まあ・・・」

「じゃあ僕だけの秘密だ♪」

「うぅ・・・」

なんだ、この感じは・・・心臓がキュッと掴まれるような・・・不思議な感覚だ。母性本能をくすぐられるというのはこんな感じを言うのだろうか・・・

「お、お前は・・・クッキーを焼いてきたり、そんな風にかわいく笑ったり・・・私より随分女らしいやつだな。私はお前みたいになりたいよ」

「お、女らしいなんて・・・これでも気にしてるんですよ?」

「あ、す、すまない・・・」

今まで何度も男みたいなやつだと言われて、その時の気持ちは私が一番分かってたはずなのに・・・傷つけてしまっただろうか。

「・・・エネコやエネコロロって、♀の方が多い種族なんです。僕の家族も姉や妹ばっかりで、男は僕だけ・・・それにこんな見た目だし、それに僕って弱いから・・・」

「エネコロロ・・・」

「でも、僕だって強くなりたいんです。バトルの練習だってしてるんですよ。いつかは女の子のことを守れるような強い男になれるように!」

「そうなのか・・・」

エネコロロは、自分の弱いところに真正面から向き合って、克服しようとしてるのだな。道は長いかもしれないが、心の芯はとても強い、偉いやつだ!!

「・・・お前は凄い奴だな。私もお前の強さを見習わなくてわな」ポン

「あ、だ、ダメです!ルカリオさん!」

「ん?どうした?」

「・・・だ、大丈夫ですか?なんともないですか?」

「私か?私は別に何とも・・・!」

あ、あれ・・・

「ほっ、それならよかった・・・僕の特性は」

「ちっ、近い!」バッ

「え・・・?」

な、なぜだ、急にエネコロロの顔を見ることが・・・

「も、もしかしてやっぱり・・・」

む、胸が苦しい・・・顔が赤くなるのが分かる・・・心がキュンとして、顔を見るのも、声を聴くのも苦しい・・・でも、求めてしまう!

「お、落ち着いて聞いてください、ルカリオさん。今僕に触れた時に、僕の特性が発動して・・・」

これが・・・恋というやつなのか・・・?
 ▼ 23 テッコツ@いわのジュエル 18/01/29 14:13:08 ID:Nem0iYxU [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「っ・・・き、聞いてくれ!エネコロロ!」バッ

「ル、ルカリオさん!?」

「私のことをもっと知りたいと言ったのはお前だろう!?」

「確かに、そう、言いましたけど・・・でも、今は」

ダメだ、止められない・・・この気持ちの高ぶりは・・・恋というのはこれほどに・・・

「私は、お前に恋してしまったらしいんだ!こんな気持ちは初めてなんだ、どうか、どうか私の気持ちを受け入れてくれないか!!」

「ル、ルカリオさん!」

「私と付き合ってくれないか!?」

「ダメです!ルカリオさん!!」

「ダメッ・・・!」

今・・・私はフられ・・・

これが・・・失恋・・・

「メロメロボディなんです!僕の特性!!ルカリオさんは今、メロメロ状態になってしまって・・・」

「メロメロ・・・ボディ・・・?」



「あああ・・・私は何という醜態を・・・忘れてくれ忘れてくれ!驚かしてしまって悪かった!!」

「いえ、僕がいけないんです・・・何も話さずにルカリオさんに近づいてしまったから・・・」

ああ・・・メロメロ状態のせいとは言え、勢いで・・・あんな・・・いっそ死んでしまいたい・・・

「・・・その、付き合うとか、そういうのかは分かんないですけど・・・僕は、ルカリオさんのこと好きですよ。そうやって恥ずかしがってる姿とか、とてもかわいらしくて」

「か、からかうのはやめてくれないか・・・」

「だからもっと仲良くなりたいです。友達になってくれませんか?」

「友達に・・・」

・・・あんな醜態まで晒してしまって、もう、エネコロロの前でこれ以上に恥ずかしいことなんて、ないのだろうな・・・

「そうだな、友達になろう。これからよろしくな、エネコロロ」

「!!・・・はい!」

それなら、エネコロロの前では、もっと素直な私でいられるだろうか・・・


「聞いてくれエネコロロ!今度お着替えピカチュウのコラボカフェが期間限定でオープンするんだ!!一緒に行かないか!?というか来てくれないか!?」

「ははは・・・ルカリオさんって、ほんとは凄いアクティブな方なんですね・・・」


『素直な気持ちで』・・・おしまい
 ▼ 24 クラビス@ドラゴンメモリ 18/01/29 14:24:15 ID:cmWIeLj. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援!
 ▼ 25 tQb4dKoPUA 18/01/29 22:04:19 ID:WVksYAqk NGネーム登録 NGID登録 報告
オチまで可愛くて和む
支援
 ▼ 26 ガタブンネ@たからぶくろ 18/01/29 22:09:46 ID:qmb1Wmhw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カイリキー×フーディン
 ▼ 27 ブライカ@じゃくてんほけん 18/01/29 22:56:59 ID:dgatYrd2 NGネーム登録 NGID登録 報告
ミミッキュ♀×ジュナイパー♂お願いします
 ▼ 28 ガハッサム@みどりのプレート 18/01/30 01:24:40 ID:vAChFA7Y [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『一生モノの縁』(カイリキー♂×フーディン♀)

ホウエンに、仲の良い少年と少女がいた。

少年と少女はある日、それぞれ同じ日に旅に出た。

旅に出るとき、二人はひとつ約束をした。

今日からちょうど一年後に、お互いのポケモンと一緒にここで集まって、旅の成果を見せよう。

少年は旅の途中、ケーシィを捕まえた。

少女は旅の途中、ワンリキーを捕まえた。

少年は他のポケモン達と同様、ケーシィにも愛を注ぎ、ユンゲラーに進化させた。

少女もまた同じように、ゴーリキーに進化させた。

少年少女は、ユンゲラーが、ゴーリキーが、通信交換にて進化することを知った。

示し合わせたわけではなかったが、二人は旅の始まりから一年経つまで、ユンゲラーを、ゴーリキーを進化させなかった。

そして旅の始まりから一年たった日、二人は再会した。

二人は、ユンゲラーとゴーリキーを交換した。

ユンゲラーはフーディンに進化した。

ゴーリキーはカイリキーに進化した。

二人は、当然元の持ち主の元に好感しなおしてもよかったが、

離れていてもお互いにつながっていることの証として、

どちらからともなく、そのままにして旅を続けようという提案をした。

フーディンは、カイリキーは、それを了承した。

主人たちの思いを託された二匹は、とても誇らしかった。

フーディンは初年を愛していた。

カイリキーは少女を愛していた。

二人は、また一年後にここで会おうと約束した。

少年は、バトルを極めるためにホウエンから飛び出し、世界を巡った。

少女はホウエンに残り、コンテストを極めんとした。

フーディンは少女の愛に触れた。

カイリキーは少年の愛に触れた。

そして、また一年が経った。

少年と少女は再会した。

フーディンとカイリキーは再会した。
 ▼ 29 ガバンギラス@ちからのハチマキ 18/01/30 01:38:25 ID:vAChFA7Y [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「久しぶりね、カイリキー」

「おう!フーディン!お前の主人は元気にしてたか?」

「・・・そうね、大きな病気もなく元気よ」

「そりゃよかった!ま、お前がついてるなら問題ないとはおもってたけどよ!」

「随分買ってくれるのね、私たち会うの二回目じゃなかった?」

「そうだっけか?でも、お前のことならなんでも知ってるぜ!主人が俺の顔を見るたびにお前の話をするからよ!」

「私のご主人様もそうだわ。思い出すのかしらね」

「なんだかんだ寂しいんだろうな!まあ、俺のこともちゃんと信頼してくれてるからいいけどよ」

「そうね、私は今のご主人様の方が好きだわ」

「なんだよ、主人のこと嫌いだったのか?」

「そうは言ってないでしょ、あいつは心配性で慎重すぎるのよ。回復もマメだし、煩わしかったのよ」

「確かに、少しの傷でも心配して回復してくれるな!俺はそういうところ好きだぜ?」

「それに、ご主人様は少し抜けているところがあるでしょ?私が守ってあげないとって思うと、不思議と魅了されていたわ」

「ま、主人はしっかりもんだしな。俺はお前の主人の元にいる時も楽しかったけど、やっぱコンテストよりバトルの方が肌に合ってるぜ」

「ま、あんたみたいなのには難しいでしょうね」

「お前こそどうなんだよ。随分不愛想なイメージだけど、コンテストなんてできんのか?」

「見る?」

「うぉっ、このリボン全部!?」

「そう、コンテストリボンよ。これでも結構やるのよ?私たち」

「こりゃあ、お前の主人にとっちゃ交換は正解だったかもな・・・俺も主人のために戦って、たくさんのバッジの獲得に貢献してきたつもりだけどよ」

「そう。ところで、そのリボンは・・・」

「なんだ、わかんねぇのか?」

「分かるわよ、これでしょ?いわば、ルーキークラスのリボンじゃない」

「俺はこれ一つしか取れなかったからな・・・ふがいない話だけどよ」

「そうね」

「でも、今でも宝物だ」

「・・・・・・」

「今の主人も、前の主人も、俺たちはほんとトレーナーに恵まれたよな」

「まぁ、否定はしないわ」

「素直じゃねぇな〜」
 ▼ 30 ラージェス@カムラのみ 18/01/30 01:48:11 ID:6yQfIVlo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲンガー♂とムウマージ♀でここはひとつ
 ▼ 31 ユルド@エドマのみ 18/01/30 01:51:25 ID:vAChFA7Y [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・なぁ、フーディン」

「なに?」

「いや、奇妙なもんだと思ってよ。進化の瞬間を思い出すたび、俺はお前のことを思い出すんだと思ってな」

「そうね、厄介な進化の仕方をしたものだわ」

「お前の話はたくさん主人から聞いたが、それでもお前本人と会うのはこれで二回目」

「ええ」

「次に会うのも、きっと来年だろう?」

「そうでしょうね」

「お前がコンテストで成績を残して有名になれば、テレビとかで見るかもだけどな」

「あんたたちが行く場所でもホウエンのニュースがやってるのかしらね」

「はー、俺は折角だし、お前のことをもっと知りたいよ」

「別に、一緒に進化したってだけで、そこまで思い入れをもてるもんなの?」

「そうじゃねえのか?」

「私はあんたなんて別にどうでもいいわよ。ご主人様が話すあんたの話も聞き飽きたわ」

「つめてぇもんだな」

「そうでもないわ」

「・・・はぁ、俺はトレーナーには恵まれたと思うけど、恋さえ自由にままならねぇって時だけは野良のやつらを羨ましく思うぜ」

「何それ、さっきから口説いてるつもりなの?随分下手糞ね」

「あ〜、主人から聞く話だともっと魅力的な奴だって想像してたんだけどな〜」

「期待に沿えなくて悪かったわね」

「嘘だよ、聞いてた通りのやつだ。一見冷たく素っ気無いけど、意外と分かりやすくて可愛い奴だってな」

「私のどこをどう見たら可愛いなんて思うのかしら」

「ちょっと前から顔が赤いんだよ」

「・・・・・生意気なやつ」

「ははは、悪い悪い」

「・・・まあ、どうせいずれ、毎日のように顔を合わせるような日が来るわよ」

「あ〜、まあ、そうなればいいな」

「あいつが旅先で女作んないように、精々見張ってなさいよ」

「じゃあお前も、お前の主人に色目使うような男から守ってやってくれよ?」

「そうね・・・悪い男に騙されるくらいなら、あいつと一緒になる方が幾分マシだわ」
 ▼ 32 ャース@フォーカスレンズ 18/01/30 02:00:02 ID:vAChFA7Y [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「じゃあ、そんなときが来たら、俺たちももっとお互いのこと知れるのかもな」

「そんなに私のこと知りたいわけ?」

「知りてぇさ。俺は結構、お前とのこと運命だって思ってんだぜ?こんな縁そうそうねえからな」

「縁だけで恋できたら楽なもんよ。折角色んな地方回るんだから、もっとマシな♀探したら?」

「それもいいかもな!」

「・・・・・」

「どうした?なんか不機嫌か?」

「単純馬鹿に振り回されるのは気持ちのいいものではないわね」

「ん?なんて?」

「なんでもないわよ」

「なんだよ、気難しい奴」

「・・・まあ、とりあえず一年後のあんたとの再会は、楽しみにしといてあげる」

「へへっ、俺も楽しみだ」

「・・・じゃあ、あいつのこと、頼んだわよ?あんまり無理はしないように見ててちょうだい」

「おう!任せとけ!お前も、自分の主人のことは引き続き守ってやってくれな」

「当然よ」



一年に一度の逢瀬を繰り返し、二匹はより深くお互いのことを知っていく。

二人のトレーナーはいずれそれぞれの夢描いた世界で光り輝く存在となる。

二匹は、二人の主力の一匹としてその名を記録の殿堂に残していくこととなる。

交わった二匹の運命が、一つとなるその瞬間はゆっくりと近づいている。


『一生モノの縁』・・・おしまい
 ▼ 33 イナン@かなめいし 18/01/30 05:09:32 ID:HFjWOn5U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン×ラティアスお願いします(:D)| ̄|_
 ▼ 34 ワライド@ネコブのみ 18/01/30 10:08:01 ID:BdGhDOcw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エンニュート×ルージュラはどうかな
 ▼ 35 ックラー@こうてつプレート 18/01/30 12:39:36 ID:LGpfZjHY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 36 ュゴン@ネコブのみ 18/01/30 12:42:28 ID:1gLiPdfA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白い
しえん
 ▼ 37 ースター@ブロムヘキシン 18/01/30 13:20:54 ID:vAChFA7Y [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『仮面』(ジュナイパー♂×ミミッキュ♀)

野良ポケモンのジュナイパーにとって、アローラの「島巡り」」という風習は関係のないものであったが、その過程の中にある「試練」というものは興味深いものであった。

「あれ、試練リタイアしちゃうの?」

「ア、アセロラちゃん!ここの試練なんかヤバいよ!!」

「アハハ、ゴーストタイプのポケモンは苦手かな?」

「いや、そういうことじゃなくて・・・ぬしポケモンを探してたら、で、出たんだよ!!」

「え〜?出たって〜?」

キャプテンと呼ばれる存在が島巡りのトレーナーに試練を行う。その試練の最後には、どうやら「ぬしポケモン」と呼ばれる存在が立ちはだかり、それはかなりの難敵であるとのこと。

そして、ここスーパーメガやすのあとちでも、その試練は行われているらしい。己の鍛錬のために、またその成果を示すためにもジュナイパーはぬしポケモンと一度、手合わせしてみたかったのだ。

「しかし、ここか・・・」

自身もゴーストタイプであるジュナイパーだが、当然かつてはモクローであった。そのころ、一度このメガやす跡地で迷子になったことがある。

優しいポケモンに出会い、一緒に遊んで友達になった気がしたのだが、何か怖いことがあって気を失い、気が付けば一人メガやすのあとちで目を覚ました。

「・・・しかし、よく思い出せないな・・・」

自身が小さかったこともあり、曖昧な記憶だ。仲良くなったポケモンの種族も思い出せない。モクローだった自分は、そのポケモンに再び会いたい気持ちもあったが、それよりかすかに覚えていた恐ろしい体験が足を引っ張り、自然とメガやすから距離を置いていた。

「・・・ま、今更恐れるものなどないのだがな」

進化に進化を重ね、鍛錬に鍛錬を重ね、今のジュナイパーはとても強くなった。目標は、ただ一匹の♂として強くなること、それのみである。今、彼が怖いものなどない。

「では、ぬしポケモンとやらに会いに行くか・・・」

かくしてジュナイパーはぬしポケモンとの対峙を己の試練として、メガやすあとちに足を踏み入れた。
 ▼ 38 ドイデ@スーパーボール 18/01/30 13:30:10 ID:vAChFA7Y [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ぬしポケモンは戦闘に際し特異なオーラを放つという。更に、その姿は通常の個体より大きいと聞いた。

「大きい姿を見れば、ぬしポケモンか否か、一目で分かるだろうな」

意気揚々と進んでいくジュナイパー、戦闘を前に気合いが入っているからか、メガやすに住み着いたゴーストやゴースはジュナイパーを一目見て逃げていってしまう。

「・・・しかし・・・」

かくして最深部までたどり着いたジュナイパー。だが、ぬしポケモンとらしき姿は確認できなかった。

「・・・おや?」

辺りを見回すと、一度見逃していたのか、一つ空けていない扉があったことに気づいた。他に探していない場所もないので、意を決してジュナイパーは扉を開いた。

「頼もう!!」

扉を開け、歩みを進める。中は小部屋、隠れるような場所も見当たらない。前方にポケモンの姿は確認できない。ジュナイパーはそこでも注意深く辺りを見回した。

上、左、右、後ろ――

「!!」

「・・・やぁ」

「き、君は・・・」


これが、ジュナイパーとミミッキュの出会いだった。
 ▼ 39 コガシラ@いかりまんじゅう 18/01/30 13:49:41 ID:vAChFA7Y [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「でも、よくここまでたどり着いたね〜、この部屋への扉は普段見えないようにしてるんだけどね」

「見えないように?どうやって・・・」

「僕の不思議な力でね。アセロラちゃんに稽古つけてもらうときはこの部屋から出るんだけど、トレーナーさんを待つ時はこの部屋にこもってるの」

「な、なんのために・・・」

「アセロラちゃんはこの部屋の存在を知らないでしょ?だからアセロラちゃんは、奥にこんな部屋はないってトレーナーさんに言うの」

「は、はぁ・・・」

「その時のトレーナーさんの顔ったら!!」

「・・・・・」

随分といたずら好きなようであるこのミミッキュは、ジュナイパーが理解している通常のサイズのミミッキュと比べ確かに大きかった。

アセロラとはキャプテンの少女の名前、キャプテンに稽古をつけてもらっているということからも、このミミッキュはぬしポケモンに違いなかった。

だがミミッキュの方はジュナイパーを単にお客さんであると認識したのか、嬉しそうに話しを始めてしまい、ジュナイパーの方もいざミミッキュと戦闘を開始しようという気が起きていなかった。

このミミッキュが♀だったから、というのはその要因の一つだろうか。

「しかし、こんな部屋で一匹暮らしているのか、寂しくないのか?」

「寂しいよ〜、ゲンガーたちは僕の相手をしてくれるけど、それでもやっぱりね・・・」

「わざわざこんな奥の部屋に、扉を見えないようにしてまで閉じこもってる理由はなんだ?」

「んーとね、人前に出るのが恥ずかしくって・・・苦手なんだよね」

「なるほど・・・とてもそのようには見えないが・・・俺のことは平気なのか?」

「うん、平気!なんでだろね、同じゴーストタイプだから?なんか懐かしい気がするんだよね〜、来てくれて嬉しいよ!」

話を聞いているとかなり明るい娘のようで、シャイだというのも疑わしい。わざわざこんなところに閉じこもっておきながら、メガやすから出てきたトレーナーとキャプテンが話をするその瞬間はわざわざ外にでていることも不思議であった。

「嬉しいと言ってくれるのであれば、時々ここに通ってもいいか?」

「え?また来てくれるの!?嬉しい!!じゃあ、ジュナイパー君が来てくれた時は、ちゃんと扉が見えるようにしておくね!!あ、でも今日入ってこれたんだし、その必要もないのかな?」

「一応見えるようにしておいてくれると助かる」

既にジュナイパーはこの可愛いぬしポケモンに打ち勝つという思考は捨て去っていたが、それでもミミッキュにまたここへ来ることを約束した。
 ▼ 40 ビット@どくバリ 18/01/30 14:03:09 ID:vAChFA7Y [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本人の弁と違い、人懐っこい性格のようであるミミッキュは、ジュナイパーのことも気に入り、彼がメガやすあとちの最後の部屋を訪れるたびに二匹の仲は深くなっていった。

何度も来訪を重ねたある日、ジュナイパーがいつものようにミミッキュの元へ訪れようと扉を開けると、

「う、うう・・・」

「・・・・・・・」

「あ、あれが・・・」

「うわぁぁぁぁぁ!!!」

まさに試練真っ最中であったためか、オーラを纏いトレーナーのポケモンを圧倒するミミッキュの姿があった。

「あ、ジュナイパー君!来てくれたんだ!!」

「お、おう・・・」


「ぬしポケモンであることは聞いてたが、あれほど強いとはな」

「えへへ、驚いた?」

試練から逃げ出したトレーナーの様子を外に出て観察することがミミッキュは好きであったが、ジュナイパーが訪れたことを知ると二人で話している方が楽しいからと部屋にとどまった。随分と好かれているものだなと思ったジュナイパーの方は最後に見たシャドークローの威力の凄まじさに少しばかりの恐れをなしていた。

「トレーナーが青ざめた顔で駆け出して行ったからな・・・」

「ジュナイパー君も、一回僕と手合わしてみる?」

「俺がか?」

「だって、最初はそのつもりだったんでしょ?」

トレーナーに対する同情の念を抱いていたら、予想外の提案を受け面くらう。まさか今更になって初めてここへ来た目的をぶり返されるとは思っていなかったからだ。

恐れを抱いたと言っても、ジュナイパーはミミッキュに負けるとは思っていなかった。自分が戦う側となると、むしろ高揚感に包まれる感じさえした。強者を前に震えるこの感じは、今のジュナイパーにはなかなか味わえないとても心地のいい緊張だ。

「・・・最初から、バレていたのか」

「だって、たのもー!って入ってきたじゃん」

「そうだったか?」

だが、ジュナイパーは今更戦う気などなかった。ここでミミッキュを一目見た時から、たとえ相手が強くとも、彼女を傷つけるような行為に抵抗を持っていた。

「・・・やめておくよ。女の子を傷つけるのは紳士じゃない」

「ふーん、それは残念」
 ▼ 41 ソハチ@かるいし 18/01/30 14:17:38 ID:vAChFA7Y [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・違うな、ただ、俺は君に手を挙げるようなことはできないだけだ」

「それは、♀だからってわけじゃなくて?」

「ああ・・・なあ、ミミッキュ。その布の下を、見してくれないか?」

「っ!!」

「俺たち随分仲良くなったろう。でも、俺は君の顔を見たことがない。どうか、見してくれないか・・・」

ジュナイパーは、ミミッキュという種の特性をよく理解していた。ピカチュウの恰好をして他の人たちと仲良くするため、なんて図鑑に載ってるような理由は、あくまでミミッキュが今の姿でよくみられるようになった起源を表しているだけで・・・

「・・・意地悪だね、君賢いから・・・知ってるでしょ?」

「ああ、だが、俺は弱くないさ。怖いものなど何もない」

ミミッキュの素顔を見た研究者がショック死したというエピソードはあまりにも有名で、この人懐っこいミミッキュがこのような場所で人に見つかりにくいように暮らしている理由は、そこにしか見いだせなかった。

「君は少しいたずら好きなところもあるが、とても優しい娘だ。その布一つ覆っただけの姿で外に出るのが怖かったのだろう。いつ、素顔を見られて誰かを不幸にするか、分かったものじゃなかったから」

「やっぱり、分かってるんじゃない」

「俺は、君の全てを知りたいよ。どれだけ仲良くなれたって、君と俺の間には二枚の分厚い壁がある」

そう言うと、ジュナイパーは自らの頭部を覆うフードを捨て去った。

「・・・へぇ、カッコいいね、そんな風になってたんだ。顔、よく見えなかったから、なんか、変な感じだな」

「ミミッキュ、俺を信じてくれないか」

「もう・・・強情だな」

その行為をジュナイパーの覚悟だと認めたミミッキュは、遂に諦めた様に言った。

「もう、どうなっても知らないからね!」

そういってミミッキュは、自身の体を覆う布を投げ捨てた。
 ▼ 42 ネズミ@カイスのみ 18/01/30 14:40:15 ID:vAChFA7Y [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュナイパーは、現れたミミッキュの本体をジッと見据える。一時も目を逸らさない。

しっかりと、目が合うのがわかる。ミミッキュは少し照れ臭くなってキョロキョロと目を動かしたが、影縫いで縫い付けられたかのように結局はジュナイパーの視線に応えた。

ゴーストタイプのミミッキュには影縫いなんてものから逃げるのはたやすいが、それでも今その技を使われると、永遠にジュナイパーの元から逃げられない、そんな気さえした。

ジュナイパーはその目を見据えたまま、ゆっくりとミミッキュに近づくと、優しく抱き上げる。

「可愛いよ、ミミッキュ」

「・・・バカ言わないでよ」

「俺は、今の方がよほどいい」

「・・・・・もう」

「遅くなって、悪かったな」


ジュナイパーになって初めてメガやすあとちに入り、ミミッキュと出会った。

その瞬間には、それが「再会」であったことにジュナイパーは気づいていた。

かつてモクローだったころ、ここに迷い込み、それを見かねたミミッキュに助けてもらったこと。その時に見えない扉が見えるようになった出来事も、かすかに覚えていたから、再びここに来た時も扉を見つけることができたのかもしれない。

やんちゃだったモクローは、ミミッキュとすぐに意気投合し、一緒に遊んだ。その過程で、幼かった少年の心には確かに恋が芽生えていた。

だが、少年は好奇心から、嫌がるミミッキュの布の中を見てしまった。ジュナイパーは、小さな子供をひどく怖がらせ気を失わせてしまった経験が、ミミッキュに大きな影を落としていると推測したのだ。

姿を見るのは二度目だから、

あの時より強くなったから。

ミミッキュのことをよく知ることができたから、

だから、もう、怖くない。

「・・・き、君があの時のモクロー・・・君なの?」

「ああ、一目見て全て思い出せたよ。君の方は全く思い出せなかったみたいだけど」

「なんだよ、もう・・・すっかりカッコよくなっちゃってさ。思い出してたのなら、さっさと言ってくれたらよかったのに」

恥ずかしさに打ちひしがれる思いのミミッキュは、すぐに布を着なおした。

「着てしまうのか?」

「他の誰かに見られたら、その人は平気じゃないからね」

また布に身を隠してしまうのは少し残念だったが、なかなか首がたたないミミッキュの姿をほほえましく思い、ジュナイパーはそれを手伝ってやった。

「ミミッキュ、好きだ。あの時からずっと、他の誰かを思ったことなんてないんだ」

「もう、調子いいんだから・・・」

 ▼ 43 ウカザル@エレキシード 18/01/30 14:49:14 ID:vAChFA7Y [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから二匹は、時々デートに出かけた。

ミミッキュを背に乗せ、海を越えアーカラ島やメレメレ島などにも行った。

ミミッキュは今まで見たことのない世界の広さを知った。

それに感動するミミッキュの姿を見るのが、ジュナイパーは好きだった。

二人はたくさん話をし、時々はお互いを覆うものを捨て去って見つめあった。

いずれ、住処を共にし、いつ何時も二匹は一緒になった。

ミミッキュはもう、寂しくなんてなかった。

愛に満たされ、朝から晩まで幸せに続いた日々は、これからも続いていくのだろう。


「帰ったぞ、ミミッキュ・・・あれ、どこだ?」

「ワッ!!」

「!?あっ、ちょ、うわっ!!!」

ドンガラガッシャーン

「ハハハハ!!普段クールなくせに驚かした時の反応すっごい面白いから、ジュナイパー君を驚かすのはやめられないね!」

「・・・不意の事態に弱いのだけは、どれだけ精神を鍛えても直らないんだよ・・・」


『仮面』・・・おしまい
 ▼ 44 ブンネ@メガバングル 18/01/30 17:13:18 ID:uM/19kaA NGネーム登録 NGID登録 報告
ミミッキュ×ジュナイパーをリクエストした者です
ありがとうございます!
 ▼ 45 ッキー@なぞのすいしょう 18/01/30 18:42:43 ID:Evs6dXL2 NGネーム登録 NGID登録 報告
デンリュウ×ライチュウとか見てみたい
 ▼ 46 ンベ@ビアーのみ 18/01/30 18:59:45 ID:vEwMCvlU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン×グレイシア 

ピカチュウ×ミミロル


格好いい男子(女子)が女子(男子)に振り回せれるのっていいな
>>43
 ▼ 47 ュバルゴ@デボンボンベ 18/01/30 20:46:42 ID:vAChFA7Y [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『Please abduct me』(ゲンガー♂×ムウマージ♀)

チャーレム「暗夜城に潜入ですって?」

ゲンガー「おう!お宝そんでお宝をゴッソリいただくという算段よ!」

アーボ「暗夜城っていうと、ここ一体では一番の金持ちの貴族の城だよな!?」

ゲンガー「だからこそ狙う価値があるってもんよ!」

チャーレム「冗談じゃないわ、危険よ!」

アーボ「警備だって半端ねぇに決まってるぜ!引く気はないのか?」

ゲンガー「あたぼうよ!」

チャーレム「あんたはゴーストだからどうとでもなるでしょうけど・・・アタシは降りるからね!」

アーボ「俺もだ、流石についていけねぇ!」

ゲンガー「はぁ!?・・・っち、なんだよ・・・しゃあねえ、俺だけでやってやるぜ!」


サマヨール「お嬢様、御勉学の方は順調でございますか?」

ムウマージ「ええ、ボチボチよ」

サマヨール「ディナーの後は妖術の鍛錬の時間でございます。予習のほど、ぬかりなきよう・・・」

ムウマージ「分かっているわよ」

サマヨール「では、失礼します・・・」ガチャ

ムウマージ(・・・全く、毎日勉強、勉強、勉強!退屈でつまらないわ・・・私もお外に出て、お友達を作って遊んだりしたいのに・・・)

ガサッ

ムウマージ「!!・・・誰かいるの?」

ゲンガー「ちっ、気づかれたか・・・」

ムウマージ「あなたは・・・?」

ゲンガー「手ごろな窓から潜入したはいいけどよ、気づかれてちゃ世話ねぇな。ま、丁度いい・・・お前、この城のお嬢様だろ?」

ムウマージ「ええ、そうよ。この家に拾われた、仮初の御姫様」

ゲンガー「ん?ま、まあなんでもいいけどよ。この城のお宝の在り処を教えてくれよ。おっと、もし誰かを呼んだりしたら・・・」

ムウマージ「つまりは、強盗さんってことね?心配しないで、別に誰も呼ばないわ」

ゲンガー「おお、物分かりがいいお嬢様じゃねーか」

ムウマージ「でもお宝の在り処なんてものは、教えられないわね」

ゲンガー「なに?」

ムウマージ「そんなもの教えたって、きっと警備の人に見つかって、あなた捕まっちゃうわよ?」
 ▼ 48 スゴドラ@どくのジュエル 18/01/30 21:06:58 ID:vAChFA7Y [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲンガー「馬鹿言えよ、俺様がここに潜入できたのはなんでだと思う?」

ムウマージ「見たところ、種はゲンガーでしょうし、影に潜んできたのかしら?」

ゲンガー「そんなとこだ。だから見つかったりなんて」

ムウマージ「ゲンガーならうちにもいるわよ。あなたが見つからずにお宝を持ち去れるなら、宝物庫の警備をしている彼ならいくらでも宝を持ち去れるわね」

ゲンガー「ちっ・・・まあ簡単じゃないことはわかったけどよ」

ムウマージ「はいっ、あげる」

ゲンガー「お、おう・・・なんだ、これ」

ムウマージ「ダイヤのリングよ。これだけでもきっと、相当の値が付くわ」

ゲンガー「これで手打ちにしろってか?そんな勝手なことしていいのかよ」

ムウマージ「私がもらったものだからいいのよ。それに、私はそんなものいらないわ・・・これ、あげるかわりに少しお話しましょ?強盗さん?」

ゲンガー「はぁ?」


ムウマージ「お義母さまは貴族の当主であった男の人と結婚なされたのだけど、若いうちにその旦那様を亡くされてしまって。子供もいなかったわ」

ゲンガー「おう」

ムウマージ「でもお義母さまは再婚を拒んで、一人で旦那様の業務をすべて受け継ぎ、この家の当主になった。跡継ぎとして捨てられ子の幼かった私を拾ったと聞いてるわ」

ゲンガー「なるほどね、それで仮初の御姫様だなんて言ったのか」

ムウマージ「お義母さまはとても優しい方で、私も野垂れ死なずにすんだし、裕福な生活をできている。感謝してるのよ?でも、少し過保護すぎるのよ」

ゲンガー「ま、こんな名家の一人娘じゃあなぁ」

ムウマ―ジ「ここでの生活は私には窮屈だし、色々な勉学はとても退屈だわ。ルビーの赤もサファイアの青も私にはくすんで見える。ありふれたお宝に価値なんて見いだせないの」

ゲンガー「そういうもんかね・・・」

ムウマージ「貧しくたって、正しい道を踏み外したって、逞しく生きているあなたの人生の方がよほど楽しいと思うわよ?」

ゲンガー「金持ちの嬢ちゃんも大変なんだな」

プルリル「お嬢様、失礼します」ガチャ

ゲンガー「なっ!?」

ムウマージ「あっ」

プルリル「ゲ、ゲンガー!?うちのものではないようですね、お嬢様から離れなさい!」

ゴルーグ「どうしたプルリル!賊か!?」

ゲンガー「ちっ・・・あばよお嬢様!!」

ムウマージ「ゲンガー!!」

ゴルーグ「あれは・・・お嬢様のリング!おのれ賊め・・・」
 ▼ 49 ャース@あおぞらプレート 18/01/30 21:22:11 ID:vAChFA7Y [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムウマージ(言ってしまわれたわ・・・)

プルリル「お嬢様、大丈夫ですか!?」

ムウマージ「・・・ええ、大丈夫よ」

ゴルーグ「くっ、総員に告ぐ。お嬢様の部屋に賊が出た!それぞれ警護を固め、怪しいものがいれば直ちに確保せよ!」

ムウマージ(・・・大丈夫かしら、ゲンガー・・・)


サマヨール「それでは、お休みなさい、お嬢様」

ムウマージ「ええ、お休みなさい」

ガチャ

ムウマージ「・・・起きて、勉強と食事を繰り返して、そして寝る・・・毎日同じことばかり、お嬢様の暮らしなんて刺激の足りない退屈な毎日よ」

ムウマージ「・・・この前、ゲンガーが来てくれたみたいに、なにか珍しいことが起きればいいのに・・・」

ゲンガー「俺様を呼んだか?」

ムウマージ「!!・・・ゲ、ゲンガー・・・?」

ゲンガー「数日ぶりだな、お嬢様。お前の影を踏んだ、もう逃がさないぜ?」

ムウマージ「その姿は・・・メガシンカ?」

ゲンガー「おう!警護を固めたって聞いたが、この姿になれば楽勝だったぜ!」

ムウマージ「もう・・・前あげたリングじゃ足りなかったの?」

ゲンガー「リング?これのことか?」

ムウマージ「売ってなかったの?お金が欲しいんじゃなかったっけ」

ゲンガー「どうでもいいだろ、そんなこと。今日はお前を攫いに来たんだ」

ムウマージ「攫いに・・・?」

ゲンガー「ついて来てもらうぜ、ムウマージ」

ムウマージ「・・・仕方ないわね、攫われてあげる!」


ジュペッタ「うう・・・ぐぅ・・・」

ヨノワール「くっ・・・この私が・・・」

ムウマージ「・・・あれ、あなたがやったの?」

ゲンガー「ちっ、もう目を覚ましてやがるのか」

ムウマージ「驚いたわ!あなたって、思ってたよりずっと強いのね!」

ゲンガー「あたぼうよ。しかし・・・これじゃあ外に出れねぇな。もう一度痛い目を見てもらうか・・・?」

ムウマージ「それは可哀そうよ、私に任せて」
 ▼ 50 レザード@うつしかがみ 18/01/30 21:42:26 ID:vAChFA7Y [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲンガー「・・・ほんとに気づかれなかったが、何をしたんだ?」

ムウマージ「私たちがここにいないっていう、幻を見せてあげたのよ。ムウマージなら誰でもできるわ」

ゲンガー「ほんとかよそれ・・・」

ムウマージ「で、どうしたの?私を攫うだなんて。あなたはお宝にしか興味がないんじゃなかったの?あ、身代金でも要求するつもりかしら」

ゲンガー「俺も何がしたいのかわかんねぇよ。一通り遊んだ後は城の奴らに金を要求するのも無駄がなくていいかもな」

ムウマージ「ふふっ、変な人。こんなことして、いつかバレたらあなた大変なことになるかもよ?」

ゲンガー「そうなったらその時に考えるさ。さぁ、ついてこいよ、お嬢様!」


プルリル「ひどい・・・誰がこんなことを・・・」

パンプジン「急いで治療をしないと!!」

ユキメノコ「どうしたの、何の騒ぎ?」

プルリル「代表様!城の警護班が襲撃にあったらしく・・・」

ゴルーグ「だめだ!応答がないので強行突破したが、部屋にお嬢様がいない!」

サマヨール「城内のどこにも、お嬢様の姿はございません!」

ユキメノコ「まぁ・・・なんてこと。急いで探しましょう!!フワライド?外の捜索を頼めますか?」

フワライド「分かりました。私の部下も総出で探し出して見せましょう」

ユキメノコ「ヨノワール達を倒してしまうなんて、襲撃者は相当の手慣れと見えます。みんな、注意して捜索にあたってくださいね」

プルリル「・・・もし、もしお嬢様の身に何かあれば・・・」

ユキメノコ「大丈夫よ、プルリル。あの娘は強い子だから」

プルリル「代表様・・・」

ユキメノコ(ムウマージ・・・まさか、家出ではないわよね・・・)


ムウマージ「こんな時間だっていうのに、お外はとても明るいのね。こうしてゆっくり佇んでいるだけでもワクワクするわ」

ゲンガー「だろうなぁ、お前みたいな世間知らずのお嬢様は、こうして外に出るだけでも楽しいと思ったぜ」

ムウマージ「私の知っている世界なんて、ほんとちっぽけなものだったのね・・・」

ゲンガー「世界だ・・・?俺だってそんなでっけぇもんの片りんすらつかめていねぇよ」

ムウマージ「そういうものなの・・・!?ゲンガー、隠れて!」

ゲンガー「あっ?」

フワンテ「ダメですフワライド様・・・確かにこちらから強い霊気を感じたのですが・・・」

フワライド「くっ・・・襲撃者はつい先日お嬢様の部屋に侵入したゲンガーであると考えるのが妥当・・・それならさきほどの霊気を追えば見つかると思ったのですが・・・引き続き捜索を続けなさい!」

フワンテ「はい!」
 ▼ 51 シャマリ@ヒレのカセキ 18/01/30 21:55:38 ID:vAChFA7Y [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムウマージ「・・・見つかるのも、時間の問題ね」

ゲンガー「・・・っち、夜はまだまだこれからだってのによ。まだ少し歩いただけじゃねぇか」

ムウマージ「・・・ありがとね、ゲンガー。私は十分楽しかったっわ」

ゲンガー「は?」

ムウマージ「あなたが見つかると、あいつらただじゃ済まさないわ。私が帰れば済むことだから・・・」

ゲンガー「でも、お前・・・」

ムウマージ「それに、あの城での生活が嫌いだってわけじゃないのよ?確かに退屈だけど、こうしてあなたが来てくれて・・・今日みたいな刺激的な思い出があれば、またうまくやっていけるわ」

ゲンガー「なんだそれ、気に食わねぇな」

ムウマージ「・・・ねぇ、そろそろちゃんと教えてよ。どうしてこんなマネを?」

ゲンガー「・・・前にお前の部屋から逃げる時、ひどく寂しい目をしてたろ」

ムウマージ「寂しい?私が?」

ゲンガー「退屈な毎日に飽き飽きしてる、裕福だけど恵まれない、そんな毎日からお前を解き放ってやれば、どんな顔をするのか、見て見たかったんだよ」

ムウマージ「・・・ゲンガーっていう種は、獲物として狙った相手との間にしかキズナは芽生えないなんて聞いたことがあるわ」

ゲンガー「なんだそれ、めちゃくちゃだな」

ムウマ―ジ「本当ね。ねぇ、ゲンガー。もう二度と、私の城なんかに来ちゃダメよ」

ゲンガー「っ、おい!」

ムウマージ「そして、どうか忘れないでね・・・私のこと」

ゲンガー「ムウマージ!!」

フワンテ「!!あれは・・・」

ムウマージ「あなたが私を連れ出してくれて、短い時間だったけど、夢みたいな時間だった」

フワライド「お嬢様!!ご無事でし・・・」

ゲンガー「・・・っち、ハァァァア!!」

フワライド「グッ!?」

フワンテ「フワライド様!!」

ムウマージ「ゲ、ゲンガー!?」

フワライド「お前は・・・以前お嬢様の部屋に侵入したという・・・!」

フワンテ「なんて威力のシャドーボールなんだ・・・フワライド様!こいつはメガシンカしています!危険です!」

フワライド「くっ、援軍要請!援軍要請!!」

ゲンガー「今のうちだ!逃げるぞ、ムウマージ!!」

ムウマージ「ゲンガー・・・」
 ▼ 52 クロズマ@ボーマンダナイト 18/01/30 22:08:21 ID:vAChFA7Y [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムウマージ「っ、どうして!もう顔も見られて、援軍もすぐに来るわ。いくらあなたが強くたって、多数の精鋭に囲まれたら、無事じゃすまないわよ!?」

ゲンガー「名家のお嬢様の手を離すのが、惜しくなっちまってな」

ムウマージ「もう・・・!」

ギルガルド「これより先へ行かせはせんぞ!」

ヒトツキ「せんぞー!」

ゲンガー「ちっ・・・こいつもか」

ムウマージ「ギルガルド・・・」

ヨノワール「先ほどはよくもやってくれたな・・・」

ジュペッタ「もう逃がさねえぜ」

ゲンガー「てめえら・・・もうここまで!」

ムウマージ「ジュペッタはメガシンカまで・・・」

ジュペッタ「覚悟!!」

ムウマージ「やめて!!」

ゲンガー「!!」

ヨノワール「お嬢様・・・?」

ムウマージ「魔が差しちゃって・・・少しだけと思ってお城を抜け出したの。この人は関係ないから・・・私、もう帰るから、もう手を出さないで」

ジュペッタ「それは、本当なのですか・・・お嬢様」

ゲンガー「ム、ムウマージ・・・!?」

ギルガルド「これは・・・くろいきり!?」

ムウマージ(・・・ありがとう、ゲンガー・・・私、とても楽しかったわ。短い時間だったけど、本当に、ありがとう・・・)


チャーレム「大丈夫かい!?ゲンガー!!」

ゲンガー「な、なんだったんだ・・・?」

アーボ「なんだったんだじゃねーよ!名家のお嬢様を誘拐なんて、何考えてんだおめー!」

ゲンガー「アーボ・・・今のはお前が・・・」

アーボ「俺がくろいきりで目くらましして、チャーレムがお前を運んだんだよ。随分長い間メガシンカしてたろ、体力がかなり落ちてんぞ!」

チャーレム「ひとまず休みなさい、全くもう・・・あんたってやつは・・・」

ゲンガー「おう・・・助けてくれたのか、ありがとな」

アーボ「はっ!?ま、そりゃ・・・当然だろ」

チャーレム「あたしたちは3人で仲間なんだからね・・・」
 ▼ 53 クティニ@メタグロスナイト 18/01/30 22:19:08 ID:vAChFA7Y [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムウマージ「心配かけてごめんなさい、お義母さま・・・」

ユキメノコ「もう・・・どうしてあんなマネをしたの!?」

ムウマージ「私・・・」

ユキメノコ「なんて、本当は分かってるの。あなたのこと、必要以上に縛りすぎたって」

ムウマージ「え・・・」

ユキメノコ「本当はね、私と旦那様の間には一人の娘がいたのよ」

ムウマージ「お義母様の子どもが・・・?」

ユキメノコ「生まれた時にはすでに旦那様は亡くなってて、私は娘により一層の愛を注いだわ・・・色々なところに連れ回って、たくさん遊んだ」

プルリル「代表様・・・」

ユキメノコ「でも、公園で遊んでいた最中に、突如公園に突っ込んできたトラックに轢かれて・・・」

ムウマージ「そ、そんなことが・・・」

ユキメノコ「・・・きっと、あなたのことを亡くなった娘の代わりとして大事にするあまり、あなたの気持ちに寄り添えなかったのね。城の中に閉じこもりっぱなしでは、あなたも窮屈なのは当たり前なのに・・・」

ムウマージ「・・・ごめんなさい、お義母さま・・・私、そんなこと何も知らずに・・・!」

ユキメノコ「・・・私こそ、ごめんなさい、ムウマージ・・・娘の気持ちを分かってあげられない私は、母親失格ね・・・」

ムウマージ「お義母さま・・・お義母さま!」ギュッ

プルリル「・・・・・失礼します」ガチャ

ゴルーグ「どうだった、プルリル」

プルリル「もう大丈夫です、きっと仲直りされますよ」

ゴルーグ「それは良かった」
 ▼ 54 ャラドス@トポのみ 18/01/30 22:30:44 ID:vAChFA7Y [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アーボ「ふぅ、バイト疲れたぜ・・・」

ゲンガー「まあまあ、働いて食う飯は旨いっていうだろ?」

チャーレム「まさか今更真面目に働くはめになるなんてねぇ〜」

ゲンガー「嫌なら降りていいんだぜ?」

チャーレム「馬鹿ね、アタシたちはあんたについていくだけよ。もう二度とアンタを捨てたりしないわ」

アーボ「傍で見てねぇと、どんな無茶するかわかったもんじゃねぇからな」

ゲンガー「へっ、よく言うぜ」

アーボ「しかし、一体なんで急に更生なんて言い出したんだよ」

ゲンガー「あ?まあ・・・気が向いただけだよ」

ムウマージ「!!ゲンガー!!」

ゲンガー「あ?・・・お前!」

アーボ「おい・・・あれ、あの城のお嬢様じゃ・・・!」

ムウマージ「久しぶりね、ゲンガー。元気してた?」

ゲンガー「おいおい・・・なんだってこんな時間に一人で」

ムウマージ「私ももう子供じゃないからね。一週間で少しの時間だけだけど、お義母様が外出を許可してくれたの」

ゲンガー「そいつはよかったじゃねーか!」

ムウマージ「そうね、折角会えたんだから、前の続きをしましょ!」

アーボ「おいおい、ゲンガー・・・これはどういうことだ?」

チャーレム「なんでこのお嬢とアンタが、そんな仲良さげに・・・」

ゲンガー「しゃあねぇな・・・じゃ、着いて来いムウマージ!とっておきの場所へ連れてってやる!」

ムウマージ「ええ!!」

アーボ「おい、待てよゲンガー!」

ゲンガー「お前らもついて来いよ!!」


『Please abduct me』・・・おしまい
 ▼ 55 ィグダ@ちかのカギ 18/01/30 23:22:23 ID:6yQfIVlo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっぱりゲンガーはカッコよくて可愛いな
 ▼ 56 ガアブソル@あおいバンダナ 18/01/31 00:59:11 ID:JYsrMp9I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カイリキーとフーディンをリクエストしたものです。
まさかのトレーナー絡みで新鮮でした。
ありがとうございます!
 ▼ 57 ンリュウ@なぞのすいしょう 18/01/31 11:46:07 ID:G3C5hbXw [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『コンプレックス』(フライゴン♂×ラティアス♀)

ラティオス「よし・・・忘れ物はないよな・・・」

ラティアス「あれ、お兄様。もう出られるのですか?」

ラティオス「ああそろそろ約束の時間で・・・」

ラティアス「それなら私も急いで準備を・・・」ピーンポーン

ハクリュー「ラティオス先輩!私です!」

ラティオス「わざわざ迎えに来てくれたのか!?ハクリュー」

ハクリュー「だって、少しでも早く先輩に会いたかったから・・・」

ラティアス「・・・ん?」

ラティオス「じゃあ、先に行くな。ラティアス、戸締りは頼んだぞ?」

ラティアス「え、お、お兄様!?」


ラティアス(ズーン・・・)

ガブリアス「おいおい・・・ありゃ、一体何があったんだ?」

チルタリス「凄く落ち込んでるわね・・・」

サザンドラ「目の前であんな沈まれると、飯にも誘い辛いな・・・」

ボーマンダ「おい、フライゴン!ちょっと聞いてきてやれよ!」

フライゴン「な、なんで僕が!」

ボーマンダ「なんでって、馬鹿だな・・・折角気を利かせてお前に頼んでやってんだろ?」

フライゴン「うう・・・」


フライゴン「ど、どうしたの?ラティアス。なんだか元気がないみたいだけど・・・」

ラティアス「フライゴン・・・聞いてくれる?」

フライゴン「う、うん・・・」

ラティアス「実は・・・」

フライゴン「実は・・・?」

ラティアス「お兄様に、こ、恋人ができたのぉぉぉぉぉぉおおお!!!」

フライゴン「おに・・・会長にかい?そりゃ、あの人は強くて優しくて賢くて、それにカッコイイこの学校一の人気者だから・・・」

ラティアス「う、うわぁぁぁぁぁぁん!!!!!」

フライゴン「そんなに泣かないでよ!!!」

ガブリアス「おいなんかあいつラティアスのこと泣かせてるぞ」
 ▼ 58 ッギョ@ルビー 18/01/31 11:58:25 ID:G3C5hbXw [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボーマンダ「・・・そんなことで沈んでやがったのか、相変わらず・・・」

ラティアス「そんなことじゃない!!」ギロッ

ボーマンダ「ウォッ!」

サザンドラ「・・・相変わらず拗らせてんな・・・」

チルタリス「相手はどんな方だったの?」

ラティアス「隣のクラスのハクリューさん」

ボーマンダ「うぉっ!マジで!?俺ひそかに狙ってたのによぉ・・・」

チルタリス「・・・最低」

ボーマンダ「はっ!?なんでだよ、別に何も悪い事言って無くねーか?」

フライゴン「ま、まぁまぁ・・・会長に彼女がいるってことは、まあ当然っちゃ当然の話だし・・・」

ラティアス「今朝もその子と一緒に登校なんかしちゃって・・・お兄様の隣は私の特等席なのに・・・!」

ガブリアス「あーはいはい、辛かったな」

ラティアス「お弁当だっていつも私が作ってあげてたのに、ハクリューに作ってもらうからいいよなんて・・・!!」

チルタリス「・・・ご愁傷様ね・・・」

ラティアス「きっともう私のことなんてどうでもいいんだわ・・・素敵な彼女さんと二人で生きていけばいいのよ!」

ガブリアス「お、落ち着けって・・・」

ラティアス「でもお兄様のいない生活なんて耐えられない!」バーン

サザンドラ「・・・今まで見た中で一番荒れてんな・・・」

フライゴン「・・・そうだね」


ジジーロン「はい、じゃあこの問題を・・・そうだなぁ、ラティアス!」

ラティアス「・・・・・・」

ジジーロン「ラティアス?」

フライゴン「ラティアス、!呼ばれてるよ!」

ラティアス「!!」

ジジーロン「どうしたー、具合悪いのか?」

ラティアス「え、えーと・・・いや、大丈夫です」

ジジーロン「そーかー、じゃあ問題の答えを黒板に書きに来てくれ」

ラティアス「はい・・・痛っ!?」

フライゴン(大丈夫かな・・・)
 ▼ 59 ドシシ@こおりのいし 18/01/31 12:12:54 ID:G3C5hbXw [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジャラランガ「それでは教科書の34ページの8行目から、ラティアス」

フライゴン「ラティアス、ここから音読だって」

ラティアス「う、うん・・・ありがと。えーと」

ガブリアス(あいつ今日ずっとボーッとしてやがるな・・・)

チルタリス(少し心配です・・・)

ラティアス「幸せに生きるために必要な二つ目のことは、恋をすること。若いうちから沢山恋をしなさい・・・誰かを愛すると、いう、ことは・・・とて、も、しあ・・・グスッ、幸せな・・・こと・・・」

ジャラランガ「ラ、ラティアス!?大丈夫か!?」

フライゴン「ラティアス!?泣いてるの!?」

ラティアス「せ、せい、しゅんの・・・グスッ、いちぺ・・・え・・・じを・・・グスッ、こい・・・び・・・うぅ、ううっ・・・」

フライゴン「先生!ラティアスさんが体調不良みたいなので保健室に連れていってもいいですか!?」

ジャラランガ「お、おう・・・頼んだ!」


フライゴン「どうしちゃったの、ラティアス・・・突然授業中に泣き出すなんて」

ラティアス「恋なんて・・・お兄様が恋に落ちたせいで私はこんなにも不幸せな気持ちなのに!!」

フライゴン「た、確かにルージュラの詩のあの部分が今のラティアスに当たるのは嫌な偶然だったけど!そんな、泣くほどかい?」

ラティアス「うぅ・・・」

フライゴン「今日一日、ずーっと上の空だし、授業もちゃんと聞けてないでしょ」

ラティアス「だってぇ・・・」

フライゴン「・・・ダメだよ、ラティアス。今のままだと会長にも迷惑かけちゃうよ。お兄さん離れしないと」

ラティアス「なんでそんなこと言うの!?」

フライゴン「いや、別にお兄さん離れって、物理的に離れるとかそういうことじゃなくて、ほら、子供の親離れ・・・みたいな。そういう感じの、心理的離別っていうのかな」

ラティアス「うう・・・だって、私・・・」

フライゴン「僕も手伝うから!頑張ろう?ラティアス」

ラティアス「・・・・・うん・・・」


チルタリス「結局授業が終わるまでに戻ってこなかったね・・・」

サザンドラ「フライゴンもフライゴンで、こなかったねあんな重度のブラコンのどこがいいのか、サッパリだぜ」

ボーマンダ「顔はいいんだけどなぁ!」

チルタリス「・・・・・・」

ガブリアス(チ、チルタリスの顔が怖い・・・)

チルタリス「けど、心配だわ・・・」
 ▼ 60 クフーン@チイラのみ 18/01/31 12:34:38 ID:G3C5hbXw [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリアス「心配?確かにあそこまで落ち込んでるのは見たことねぇけどよ」

チルタリス「それもそうだけど、今日は生徒会役員会議の日なの。会長とラティアスの間に変な空気が流れてなければいいけど・・・」

ボーマンダ「そっか、お前とフライゴンとラティアスは生徒会に入ってたな」

サザンドラ「お勤めご苦労なこった」

フライゴン「ただいまー」

ガブリアス「おっ、帰ってきたか」

ラティアス「ご心配おかけしました・・・」

チルタリス「ラティアス、ちょっとは落ち着いた?」

ラティアス「うん、もう大丈夫だよ」

チルタリス「会議の方も、出られる?」

ラティアス「うん・・・」


ラティオス「ラティアス、来週の生徒集会の件だけど・・・」

ラティアス「はい!おに・・・」

フライゴン『言霊思想ってのは馬鹿にならないよ。呼び方を変えるだけでも依存度を軽減できるかもしれない。会議の間は会長、それ以外ではお兄さんって呼んでみるのはどうかな』

ラティアス「コホンッ、はい、会長。準備はつつがなく進行しています」

ラティオス「・・・了解、ありがとう、ラティアス」

フライゴン『褒められたりしてもクールな態度を崩さずに。いつも見たいにデレデレしすぎないほうがいいよ』

ラティアス「いえ。ところでキングドラ先輩、オーケストラコンクールの各クラスの希望演奏曲ですが・・・」

キングドラ「うん・・・結構被っちゃってるのよね・・・どうしましょうか」

ラティオス「・・・?」

オノノクス「おい、ラティオス・・・お前、妹となんかあったのか?」

ラティオス「・・・いや、特に何も」

オノノクス「なんかお前に対する態度がいつもと違くねえか・・・」

ラティオス「別に、気にするほどのことでもないよ」

フライゴン(うん、うん、いい感じだよラティアス。何事もまずは形から、そういった態度で接していればいずれ会長に依存する気持ちの方も薄れてくるはず・・・!)

チルタリス(心配してたけど、大丈夫みたいね・・・フライゴンがうまくやったのかしら、凄いしたり顔ね・・・)

ヌメルゴン「おっくれました〜!」

ラティオス「ヌメルゴン・・・随分遅かったじゃないか」

ヌメルゴン「ごめんなさい〜ちょっとクラスの方で用事があってね!」

 ▼ 61 ロバレル@めざめいし 18/01/31 12:54:44 ID:G3C5hbXw [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヌメルゴン「それよりラティオス〜!後輩の彼女ができたって本当!?」

ラティアス「!?」

フライゴン「なっ!」

チルタリス(!!ラ、ラティアスは・・・)チラッ

ラティオス「・・・ヌメルゴン、今は」

ラティアス「今はもう業務の時間ですよ先輩」

ヌメルゴン「へ?」

ラティアス「先輩も遅れて来たなら来たでさっさと準備をすませて作業に移ってください」ゴゴゴゴゴ

ヌメルゴン「ひっ、こ、怖いよラティアスちゃん・・・」

フライゴン「あ、せ、先輩!丁度今週末の全校集会の賞状授与の打ち合わせを・・・」

ヌメルゴン「あー、そんなのあったわね・・・」

チルタリス(・・・大丈夫、なのかしら・・・)

ラティオス(ラティアス・・・?)


ヌメルゴン「ふぅー今日の業務はおしまい!」

キングドラ「遅れて来たくせに随分仕事しました感を出すのね」

フライゴン「ま、まあまあ、来てからはちゃんと真面目にされてましたから」

ヌメルゴン「そうそう、だから疲れちゃった〜。そうだ、この後カラオケ行く人!!」

オノノクス「唐突だな・・・」

ヌメルゴン「せっかく頑張ったんだからぁ、御褒美が必要よ!」

チルタリス「でもいいですね、カラオケ!私も行きたいです!」

オノノクス「ちっ、仕方ねーな・・・」

フライゴン「嫌々言いながらも来るんですね・・・」

ヌメルゴン「ラティオスも来る〜?」

ラティオス「いや、僕は遠慮しておくよ」

ヌメルゴン「む、もしかして先約が・・・」

ラティアス(!?)

フライゴン「会長はいつも終わったらそのまま帰られますもんね!」

キングドラ「あなたも会長なんだし、もう少し付き合い良くてもいいと思うけど。別に放課後遊びに行くのが悪いことだなんて思わないわよ?」

チルタリス「まあまあ・・・」
 ▼ 62 ガユキノオー@あまいミツ 18/01/31 13:09:14 ID:G3C5hbXw [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン「ラティアスも、来る?」

ラティアス「わ、私は・・・」

フライゴン『会議が終わった後もいつも会長と二人で帰ってたけど、たまにはみんなに混じって遊びにいくのもいいと思うよ。会長といない時間を作って、そういうのに慣れていかないと』

ラティアス「・・・うん、私も行く」

ヌメルゴン「ラティアスちゃん来るの!?珍しい、私嬉しいな〜!」

ラティオス「行くのか?ラティアス」

ラティアス「はい、兄さんは先に帰っていてください。遅くなりすぎないようにします」

オノノクス「ま、そこらへんは俺ら全員いるし、心配すんな」

ラティオス「・・・分かった。楽しんでくるといい」



ヌメルゴン「今日は楽しかったね〜!」

オノノクス「おう!またみんなで行きたいな!!」

キングドラ「あんた最初は嫌がってなかった?」

オノノクス「嫌がってねぇよ!唐突だと思っただけでよぉ!!」

チルタリス「ははは・・・皆さん元気ですね」

ラティアス「あ、それじゃあ私、家こっちなんで」

フライゴン「あっ、僕もここで」

ラティアス「え?フライゴン・・・」

ヌメルゴン「えっ、フライゴン君のお家って・・・」

チルタリス「・・・!あっ、今朝話してた参考書?本屋さんそっちだもんね!」

フライゴン「う、うん!そうなんだ。それでは、お疲れ様でした!!」


ヌメルゴン「・・・もしかして、あの二人も付き合ってるの?」

チルタリス「ま、まさか!たまたま帰り道と本屋の方向が一緒なだけですよ〜」

オノノクス「いや、ありゃフライゴンのやつがラティアスに惚れてるから送ってってやるってところだろ!」

キングドラ「まあ、あの子あんな草食系っぽい感じなのに、意外と積極的なのね」

ヌメルゴン「あ〜!片思い系か!フライゴン君がラティアスちゃんのこと好きなのは分かってたんだけどね〜」

チルタリス「み、皆さん気づいて・・・」

キングドラ「案外分かりやすいからね、あの子。もしかしたら本人も気づいてるかもよ?」

チルタリス「あちゃ・・・もう、頑張ってとしか言えない・・・」
 ▼ 63 ルネロス@ゴーストジュエル 18/01/31 13:26:35 ID:G3C5hbXw [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ラティアス「・・・本屋に行くって、ほんと?」

フライゴン「・・・嘘、送っていこうと思って。もう外も暗いし」

ラティアス「やっぱり・・・」

フライゴン「嫌だった?」

ラティアス「ううん?嫌じゃないよ。今日一日色々迷惑かけたし、そのお礼も言いたかったから」

フライゴン「お礼?」

ラティアス「保健室に連れてってくれたのも、相談に乗ってくれたのもそうだけど、色々気にかけてくれてたんだよね・・・ヌメルゴン先輩の発言とか」

フライゴン「ああ・・・まあ、会長の前で泣かれても困るし」

ラティアス「ええ〜?何それ・・・」

フライゴン「・・・突然色々変えるように言っちゃったから、お兄さんも困惑してるかもね」

ラティアス「そうだね、でも、それで何か聞いてくれたら、その時はちゃんと正面から向き合って話そうと思ってるんだ」

フライゴン「ラティアス・・・」

ラティアス「・・・お兄さまに彼女ができて、寂しかったってこと。一緒に登下校をしたいし、お弁当は私が作ったものを食べてほしいし、正直彼女さんには嫉妬してるし・・・」

フライゴン「うん・・・」

ラティアス「きっと、あの後お兄様たちもこうして二人で帰ってたんだろうなぁ」

フライゴン「なっ//」

ラティアス「いつもなら勉強がしたいとか、バイトがどうだとか、明確な理由を言ってお誘いを断るのに、今日は理由言わなかったし」

フライゴン「・・・まあ、そうだろうね、付き合いたてみたいだし」

ラティアス「私昔からお兄様のことが一番好きで、今まで他の男の人とどうこうなんて考えたこともなかった。多分、お兄様も同じだと思ってたのね・・・そんなわけないのに」

フライゴン「・・・・・」

ラティアス「・・・私が誰かと恋に落ちたら、その時の気持ちは今のお兄様に対するそれと、ちゃんと違う物なのかな・・・」

フライゴン(・・・もうすぐ彼女の家に着いてしまう。もし、今思いを告げたら・・・もしかしたら、僕たちは付き合・・・)

ラティアス「・・・着いちゃった。今日は、色々、ありがとうね!フライゴン!」

フライゴン「!!」

ラティアス「じゃあ、また明日」

フライゴン「ラ、ラティアス!!」

ラティアス「・・・なぁに?」

フライゴン「・・・焦る必要はないよ。きっと、君もいつか、他の誰かを愛おしく思う時が来るから」

ラティアス「ふふっ、そうだといいな・・・」

フライゴン「・・・じゃあ」
 ▼ 64 ラップ@ミックスオレ 18/01/31 13:35:05 ID:G3C5hbXw [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン(・・・結局、言えなかった・・・でも、僕だって・・・焦る必要はないよね・・・)


ラティアス(・・・あー、ビックリした・・・告白されるのかと思った)

ラティオス「お帰り、ラティアス」

ラティアス「ただいま、えっと・・・お兄さま!」

ラティオス「!・・・カラオケは楽しかったか?」

ラティアス「はい、とても!お兄さまも一緒だったらもっと楽しかったのに」

ラティオス「それは、済まないな。そうもああいうたぐいのものは苦手で・・・」

ラティアス「彼女さんとかと、いつか行くでしょう?だからそれまでに、一度私と行きましょう!うまく歌えなかったら笑われてしまいますよ?」

ラティオス「・・・それは、弱ったな」

ラティアス「・・・ねぇ、お兄さま。お兄さまは、ハクリューさんの、どこが好きなのですか?」

ラティオス「どうしたんだ?急に」

ラティアス「私には恋が分からないから、色々な話を聞きたいのです。どうか、聞かせてくれませんか?」

ラティオス「・・・全く、仕方ない妹だ」

ラティアス(もし、フライゴンが私のことを好きだとして、あの場で告白されてたら・・・私は、OKを出したのかな・・・)

ラティオス「どうした?ラティアス」

ラティアス「いいえ、なんでもありません、お兄さま」


 ▼ 65 クガメス@エレベータのカギ 18/01/31 14:03:05 ID:G3C5hbXw [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チルタリス「それで、告白せずに終わってしまったの!?」

ガブリアス「ま、全くもうお前ってやつは!!」

サザンドラ「どれだけヘタレれば気が済むんだ!!」

フライゴン「う、うるさい!もう・・・ほら、もうすぐラティアスが来るかもしれないだろ!」

ボーマンダ「大丈夫だよ、まだ来てねぇから・・・あ、今廊下に見えたぜ」

フライゴン「あ、危ないなもう・・・」

ラティアス「みんなおはよう!」

ガブリアス「おう!もう元気みたいだな」

ラティアス「うっ、昨日はお騒がせしました・・・そうだ、フライゴン!これ!」

フライゴン「えっ?」

ラティアス「チョコレート!昨日のささやかなお礼です!」

サザンドラ「おいおい、バレンタインはまだ当分先だぜ?」

ラティアス「バレンタインは関係ないの!チョコだけど。頑張って作ったから、きっと美味しいわよ?だから大事に食べてね♪」

フライゴン「う、うん!!ありがとう!大事にするよ!!」

チルタリス「いや食べなさいよ!!」


ガブリアス「・・・なんだかんだ、脈ありそうな感じだよな」

ボーマンダ「ああ、ラティアスの方からフライゴンへのアプローチが増えたっていうか・・・」

サザンドラ「案外うまくやったのかもしんねぇな」

チルタリス「それでも、最後の一押しはフライゴンからできればいいのだけど・・・」

ガブリアス「難しいと思うぜ?あのヘタレには・・・」


ラティアス(今、フライゴンに抱いてるこの気持ちが恋かどうかは自分じゃわかんないけど・・・)

ラティアス(それでも、一緒にいたいなって思うこの気持ちは、お兄さま以外の他の誰にも抱かない、特別な気持ちだな・・・)

ラティアス「・・・明日から、朝一緒に登校しない?一人で登校、慣れてなくて寂しいの」

フライゴン「ええ!?・・・家、逆なんだけど」

ラティアス「えー・・・ダメ?」

フライゴン「・・・もう、仕方ないな!」

ラティアス「ほんと!やった!!」

フライゴン(・・・これは・・・間違いなく、脈アリ・・・だよな?)


『コンプレックス』・・・おしまい
 ▼ 66 ワンテ@トウガのみ 18/01/31 21:11:25 ID:G3C5hbXw [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『ハツユキソウ』(ルージュラ♀・エンニュート♀)

「へぇ・・・あんたが遂にねぇ」

「まあねぇ、いつまでもヤンチャしてるわけにもいかないしね」

エンニュートと言えば多数のオスのヤトウモリをはべらせて暮らすことで有名なポケモンであるが、ルージュラの親友である彼女も昔から男癖が悪かった。

学生時代は何人ものオスをとっかえひっかえ、同時期に複数の男と付き合っていたことだってあっただろう。

そんな彼女のことを、男に縁のなかったルージュラは羨ましくも思っていたが、一匹のポケモンとして魅力にあふれたエンニュートのことを、ルージュラは良き友として愛していた。

「わざわざあんたが身を固めるなんて、夢にも思わなかったわ」

「何よ、人を浮気魔みたいに」

「そうは言ってないけど、自覚あるんじゃないの」

「まあね」

そんなエンニュートから、今度結婚するとの報告を受け、多忙の身ながら一日時間を作って、こうして会いに来たのだ。

「仕事の方は順調そうね、ルージュラ」

「おかげさまでね」

ルージュラ、職業は物書き。小説や詩などを書き、中には国指定の教科書に採用されるような作品も持つ、売れっ子執筆家である。

特に恋愛小説は高い人気を誇り、女子高生のカリスマとまで呼ばれる存在であるが、

「あんたも、フィクションの恋物語ばっかり書いてる場合じゃないと思うけどね」

「言わないでよ・・・」

一方で、現在に至るまで彼氏の一人もできたことがない。エンニュートに言わせれば「こいつの書く恋愛小説が売れる理由が分からん」というほどで、恋愛経験などろくになかった。

「ま、お互いこれから都合がつく日も少なくなるだろうし、今日は思いっきり楽しみましょ?今日は一日遊べるんでしょ?」

「ええ。そうね」

対照的な二匹であったが、その付き合いは学生時代から今に至るまで付き合いは途切れたことがなく、こうして二匹で遊べる日の前日は今でも気分が高揚する。

二匹はいわば親友であった。
 ▼ 67 ンターン@カゴのみ 18/01/31 21:29:03 ID:G3C5hbXw [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あ〜〜〜気持ちよかった・・・」

「ほんと、前から一度行って見たかったのよね・・・岩盤浴」

ショッピングにレジャーにグルメ、娯楽の髄を楽しみつくさんとばかりの二匹。

しゃれた雰囲気のカフェで一息ついたあたりで、お互いの近況の話になる。

「で、実際のところ、あんたはどうなの?」

「何がよ・・・」

「最近、出会いとかは・・・」

「ないわよ、ないない」

今まで幾度もエンニュートからこの質問を投げかけられたが、ルージュラは一度たりともYesと答えたことはなかった。

事実、最近は作業部屋に閉じこもり、原稿とにらめっこの毎日。確かにまだ見ぬ男性との出会いなどないに等しかったが、

「それにもし出会ったところでね・・・」

「そんな卑屈でどうすんのよ」

長年にわたり男と縁のない暮らしをしてきたルージュラは、もはや女としての幸せを望まないようになっていた。

そのきらいは数年前からみられており、話を聞いていく中で浮かび上がってくるずぼらな生活の実態も併せて、エンニュートは彼女の生活が心配だった。

「そうねぇ・・・お見合いパーティとか、出ないの?」

「嫌よ、めんどくさい」

「めんどいって、あんたね・・・」

「案外一人でなんとかなるもんよ。って、これから結婚するあなたに対して話すようなことじゃないわね」

「もう・・・」

ルージュラの方はエンニュートのこの手の話を耳にタコができるほど聞いており、もはや痛くもないほどであった。

二匹はそもそも性格からして違うし、初対面の相手にも積極的に話していけるエンニュートのようなタイプのアドバイスなど、ルージュラにはとても実践できる代物ではなかったのだ。

「ま、いずれ寂しくなったら、本気出すんじゃない?」

「いつまでも若いわけじゃないのよ?楽しまなきゃ」

「今は仕事が恋人ってことで」

だからこうしてエンニュートをあしらう。

エンニュートの方もこれ以上は余計なお世話だと思い引き下がるが、すると今度はルージュラの方から話が振られるのだ。
 ▼ 68 ュウツー@ボスゴドラナイト 18/01/31 21:42:54 ID:G3C5hbXw [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あんたの方は、ほんとにちゃんと落ち着けるのかねぇ」

「どういうこと?」

「不倫して別れるとか、そういう未来ばっかり見えるんだけど」

「はぁ?」

ルージュラはエンニュートの男癖の悪さは嫌ってほど分かっている。

カッコいい♂が見えるとすぐに話しかける。遊びだけの相手、などというルージュラからしたらどだい理解不能な存在も多数あったようで、

「あんたが一人の男の元に落ち着けるなんて、今でも正直信じられないわ」

というのは、まぎれもないルージュラの本音だった。

「まあ、そりゃ・・・私だって褒められたような遍歴じゃないけどさ」

「うん」

エンニュートはしみじみと語り始める。

「旦那さんは、もう私と知り合って長い人だし、男にだらしない私のこともよく知ってくれている人なのよ」

「そうなんだ」

「それでも、そんな私のことを好きだって言ってくれたの。一生俺だけを見ててくれってね」

「・・・ふ〜ん」

「私とのこと、そんな真剣に考えてくれた人なんて一人もいなかったのよ?だから私はその人に決めたの」

「・・・素敵な話ね」

今まで見ていたエンニュートのイメージがまるっきり変わってしまうような、真剣な雰囲気のエンニュートの言葉に、ルージュラは思わず言葉を失うような気分だった。

・・・自分が今まで書いてきたのは、先代のいくつもの恋物語を模して混ぜて出来たような紛い物の恋話のはでしかないが、

真剣に誰かと恋に落ちた者の言葉というのは、これほどまでに、胸に刺さる。

「・・・それで浮気なんてしたら、笑い話にもならないわよ?」

「わかってるわよ!信用ないわね〜」

「今までのあなたのどこを信頼しろっていうのよ」

「ひっどい、それでも私の友達なの?」

軽口でごまかしながらも、ほんの数分前にも変わることがないと確認した自分の気持ちが揺らいでいることに気づいたルージュラは、そそくさと話題を変えてしまうのだった。

 ▼ 69 マズン@はかせのふくめん 18/01/31 21:54:55 ID:G3C5hbXw [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・今日はわざわざありがとね」

「お互い様よ。私も楽しかったわ」

夜も深くなり、それぞれ家路につく。

次に会えるのはいつになるだろうか、考えると少し寂しくも思う。

二人の愛の巣へと帰っていくエンニュートと違い、ルージュラは明日からも静かで慌ただしい仕事にもまれる毎日に帰っていく。

エンニュートのことを羨ましいと思わなくなったのは、いつからだっただろうか。

彼女のことを羨ましいと思ったのは、いつ以来の話だろうか。

私は彼女になれないと気付いたのは。

彼女のようになりたいと思ったのは。

彼女に嫉妬して、彼女を傷つけたのは。

彼女に嫉妬して、自分を傷つけたのは。

そして、誰も傷つかないために、自衛手段の様に嫉妬という感情を投げた幼い自分がいて・・・

「全く、妬けるわね」

「何よ、一人でも平気なんじゃなかったの?」

「平気よ、でも、二人の方が楽しいのかもね」

彼女に嫉妬しても、心の底から彼女の幸せを願えるほど、自分が大人になったのは。

「これ、あげるわ」

「何?これ・・・きれいなお花のペンダント?」

「その花の白の様に、清く、美しく生きなさい、エンニュート。そうすれば、あなたはずっと幸せに生きていけるはずよ」

「・・・フフ、肝に銘じるわ」

花に託した思いは『祝福』。

きっとそんなことに、気づく術もないエンニュートを背に、ルージュラは寂しくとも誇らしい気持ちでいっぱいだった。

「こんな私と友達でいてくれてありがとうね、エンニュート」

『ハツユキソウ』・・・おしまい
 ▼ 70 ーイーカ@ポロックケース 18/01/31 22:47:28 ID:WcvSFtbA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
神スレあげ
 ▼ 71 ルネアス@バクーダナイト 18/01/31 23:30:36 ID:xbOxSTEQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エンニュート&ルージュラありがとうございます!
イチャイチャ?っていうのを予想してたのですが、
まさかの日常SSで…でもこれはこれで面白かったです!
エンニュートさん末永くお幸せに…!


次は、コイキング×ヨワシでお願いします!
 ▼ 72 バルドン@クチートナイト 18/01/31 23:44:24 ID:NRWEQ0oA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 73 日ゴロゴロンダ◆XTk1MeLTks 18/01/31 23:58:46 ID:WYtwC7E2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 74 ードリオ@4ごうしつのカギ 18/02/01 01:36:09 ID:lMqStbIU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クチート×フライゴンお願いします!
 ▼ 75 トーボー@こだわりハチマキ 18/02/01 12:03:51 ID:64afyfuo [1/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『カフェオレが飲みたいの』(デンリュウ♂×ライチュウ♀)

「えーと・・・神成荘ってここ・・・だよな?」

春からの新生活に向け一人下宿生活を始めることになった僕は、今日からこの神成荘でお世話になる。「カミナリ」だなんて、電気タイプの僕にピッタリだけど、建物の外見は別段特別な様子もなく、いたって普通の下宿先だ。

前の住人が退去された場所に運よく入ることができたので、両隣の部屋にもすでに住人がいるらしい。どんな人だろう、挨拶周りとかもしなきゃな・・・いい人だといいな。


自分の部屋につき、荷物の整理も終えた僕は、早速まだ見ぬ隣人の部屋へ向かい、インターフォンのボタンを押した。ピンポーンと音が鳴り・・・

「ハイハーイ、ただいまー!」

陽気な声と共に出てきたのは・・・見慣れない、ライチュウ・・・?」

「ハロー!よく来たね〜待ってたよ!さ、さ、あがって!」

「え、いや、別に・・・」

「立ち話もなんだから〜あがれあがれ〜!」

プカプカと浮いている見た目通りフワフワした雰囲気の彼女に強引に部屋に招かれ、僕も思わずそのまま彼女の部屋に入ってしまったが・・・

「・・・ところで〜、君、誰?」

「ですよね!」


「デンリュウです。今日から隣の部屋でお世話になる・・・」

「なるほど〜、私はライチュウ!よろしくね〜」

話を聞くと、彼女は留学生で僕が入るスクールの一つ先輩。見慣れない姿をしているのは、リージョンフォームというやつだろうか。

「そっか〜、後輩か〜、なんか嬉しいな〜!私のことお姉さんって呼んでいいよ!」

「なんでお姉さん・・・」

故郷のお国柄か、かなりフランクな感じの人だ。悪い人ではなさそうだし、歓迎してくれてるみたいだしで、とりあえず隣人がこの人でよかった・・・のかな。

「そうだ!お向かいさんにはもう挨拶した?」

「いえ、まだです」

「じゃあ私と一緒に行こう!驚くよ〜、なんてったって・・・フフフ♪」

「な、なんなんですか・・・」

「さー行こう行こう!」

ライチュウさんの反対側のお隣さんには、何か秘密があるのか、やたら僕を合わせたがるライチュウさんはまたも強引に僕の手をひっぱり連れ出した。

「ピーンポーンっと!」

とても楽しそうにその部屋のインターホンを押し、ニコニコが止まらない。

一体なんだって彼女はそんなに僕と隣人さんを合わせたいんだ?

驚くような隣人って・・・まさか有名人とか・・・?
 ▼ 76 ノヤコマ@みずたまリボン 18/02/01 12:17:45 ID:64afyfuo [2/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はーい・・・」

ガチャっと部屋を開けて出てきたのは・・・

「紹介します!ライチュウです!」

「え、な、なに・・・?」

「あ・・・ども・・・??」

僕もよく知ってる姿をしたライチュウさんであった。

「すっごいでしょ!?君の左も!右も!ライチュウ!!」

「ね、ねぇ、彼は・・・」

「誰か隣に入ってきたら絶対これやろうと思ってたんだ〜!いやぁ、君みたいな若い子でよかったよ!!」

少し驚いている僕、突然のことで置いてけぼりを喰らっているライチュウさん・・・えーと、よく見慣れた姿のライチュウさんをしり目にリージョンフォームのライチュウさんのテンションはとどまるところを知らない。

「あ、ライちゃん、彼、隣の部屋に越してきたデンリュウ君。君の同級生だよ、仲良くしてあげてね!」

「あ、よ、よろしくお願いします」

「う、うん・・・よろしくね」

「じゃ私の部屋に戻ろっかデンリュウ!」

「え、ちょ、ま」

「ま、待ちなさい!!」

驚くべき隣人の秘密をあかしたところで満足したのか、リージョンフォルムのライチュウさんは僕を連れて部屋に戻ろうとする。知ってる姿のライチュウさんはそれを制止するが無視して部屋まで戻ろうとし・・・


「も、もう・・・全く、初対面の男子を部屋にあげるなんて・・・不用心です」

「ライちゃんは堅いな〜」

「・・・・・・」

最終的にはリージョンフォルムのライチュウさんの部屋で、3人で机を囲むような恰好になった。

「・・・えっと、ライチュウさんは」

「なに〜?」

「どうしたの?」

「・・・どう、呼べばいいでしょうか」

二人とも名はライチュウ。同種の知り合いが複数いると、こういう時に困るのだ。現に僕も、リージョンフォルムのライチュウさんと知ってる姿のライチュウさんという、長ったらしい区別のつけ方をするはめになっている。頭の中でするはめになっている。

「そうだな〜やっぱり私のことはお姉ちゃんって」

「呼びませんって!」

「何呼ばせようとしてるんですか!!」
 ▼ 77 ゲキ@ホイップポップ 18/02/01 12:48:27 ID:64afyfuo [3/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
結局は「ライチュウ先輩」と「ライチュウさん」に落ち着き、「引っ越してきてばかりでやることも多いだろうから」と気遣ってくれたライチュウさんの気遣いで僕は先輩の部屋から解放された。

「あんな人だからちょっと大変だと思うけど、困ったことがあったら私になんでも相談してね」

「あ、ありがとうございます」

「同級生なんだし、タメ口でいいよ!春から、学校でもよろしくね?」

「う、うん・・・よろしく」

フランクの度が過ぎる先輩に比べてライチュウさんは落ち着いた人でとても頼りになりそうな感じだった。

同じ学校の同級生というのも頼もしく、不安だらけの新生活も彼女の存在のおかげでなんとかなりそうだなと思えるほどだった。


さて、神成荘での生活が始まった。アパートの掃除当番、ゴミ出しの日、回覧板、覚えないといけない色々なことは親切な隣人たちが逐一教えてくれたので、生活に困ることもなかった。

「・・・でも、こればっかりはな・・・」

ただ一つ、食事を除いては。

いや、食事も困るというほど困るものでもない。ただインスタントフーズに頼りっぱなしになってる現状は好ましくないだろうな、ということぐらいで。

「でも料理もなぁ・・・覚えるか・・・?」

「あら、デンリュウ君。買い物帰り?」

「ライチュウさん。うん、近くのスーパーで缶詰めの安売りしてたから・・・お金の問題もあるし、一人暮らしって大変だね・・・」

「・・・缶詰め?それ全部?」

「ん?」


「信じられない!!この成長期食べ盛りの男子が毎日缶詰めで過ごしてたの!?」

「だって、料理とかできないし・・・」

うん、缶詰め生活が健康に良くないことは重々承知ではあったけど、それを知ったライチュウさんは目の色を変えて僕に怒り始めて・・・

何もそこまで言わなくてもと引きつる僕のことは目に入っていない様子で食事の大事さを延々と説くその姿はまるでお母さんのよう。

「いい?確かに世の中便利になってきてるし機能性食品というものも優れているとは思うけど、食べる喜びを忘れてしまってはいけないと思うの!」

「は、はい・・・」

遂には健康からも話は脱線し、食事料理のすばらしさを説かれてしまい・・・

「なんだか騒がしいね〜・・・おや?」

「せ、先輩!」

「何してるの〜?ライちゃんにデン君」

「聞いてくださいライさん!実は・・・」

「な〜んだ、そんなこと!それなら私にいい考えがあるよ!」

「「え?」」
 ▼ 78 エトル@フィラのみ 18/02/01 13:35:05 ID:64afyfuo [4/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・お待たせしました」

「ん〜いい匂い!」

「これは・・・」

「惣菜ポフィン。お口に合うといいうけど・・・」

先輩の案というのは、「毎日夜ご飯は3人で食べよう」というもの。

元々は一人分作るのもめんどくさく外食に頼りがちだった先輩が「3人分まとめてだったら手間もそう増えないし仲良くなれて一石二鳥だ」と発案したのだけど、

「美味しい!!」

「ほんと!?よかった♪」

「嬉しそうだね〜、ライちゃん」

「え!?そりゃ、喜んでくれたら嬉しいでしょ」

ライチュウさんも「偉そうに言った手前、自分が作らないわけにはいかない」と引かず、二人が交互に料理を作ってくれることに。いずれは僕も二人から料理を習おうかな・・・

「しかし、男の子の部屋って感じだね〜・・・殺風景といいますか」

「そんなジロジロ見ないでください」

「そうですよ、はしたないですよライさん」

男子を女子の部屋にあげることに抵抗のあるライチュウさんの発案で、僕の部屋で行われることになった小さな晩餐、まだ散らかるほど物もなかったからよかったけど、同世代の女の子を部屋にあげるとなると掃除にはしっかり気を配らないと・・・


「はーい!今日はパンケーキだよ〜!」

「デザートにポロック作ってみたよ」

「私の故郷の名産のね!マラサダって言うんだよ!!」

「今日のご飯はシチューです!」


そんな晩餐会の日々にも慣れ始め、同じ名前の隣人さん達とも随分関係が近くなったように思う。

「デンリュウ君準備できてる?」

「うん、今出るよ!」

「もう〜、女の子を待たせるなんて紳士じゃないな〜」

「ごめんなさい・・・昨日ちょっと夜更かししちゃいいまして」

「夜更かし!?健康的な生活が大事だってあれほど言ってるのに・・・」

「ごめんごめん」

いつからか3人一緒に登校するようになったし、朝起きるのが遅いとモーニングコールがかかってくることも。

まるで二人の姉ができた気分って、そんなこと言ったらほんとに先輩のことを「お姉さん」と呼んでしまいそうだ。

ともかく、神成荘での生活は二人のおかげでとても充実したもので、僕は毎日が楽しかった。
 ▼ 79 ズゴロウ@きよめのおふだ 18/02/01 13:49:24 ID:64afyfuo [5/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「なあデンリュウ、お前毎日二人の女の子と登校してくるじゃん?」

「え?あ〜、うん。下宿のお隣さんなんだ」

「よく見るよく見る、ひとりは隣のクラスのライチュウさんだよね」

そんなある日、クラスメートのエレブーとランターンに二人の話題を出されて、僕はある問題に直面する。

「結局、お前どっちが本命なの?」

「本命?」

「まさか二股かけてるわけじゃねぇだろ?だとしたら、まだ付き合ってないんだろうし、どっちのことが好きなんだよって」

僕はどちらが好きなのか。

満たされた毎日の中で別にそんなことはどうでもいいと、考えることは少なかったけど二人のことを意識したことがないなんて言うとウソなわけで。

「別に、好きとかそんなんじゃないよ」

「とはいっても、ねぇ」

「仲よさそうに登校してくるし、何もないはねぇんじゃないの?」

「じゃあ二人とも好きだよ」

「なんだよそれ!」

ライチュウさんとの仲を先輩にからかわれたりすることはよくあって、それを流すのにもなれたから今更この手の話題でアワアワしたりするようなことはないのだけど・・・

その日の放課後に偶然、

「俺とお付き合いしてくれませんか!?」

「・・・ごめんね!私、君とは付き合えないや」

先輩が男の人に告白されている姿を見かけてしまい、そして何故かモヤモヤしてしまう自分に気づくのだった。


「先輩って結構モテるのかな」

「へ?」

毎日3人顔をそろえて夜ご飯を食べれるなんてことはなく、時々はこうして二人になることもある。そうなると最初の方は少し抵抗のあったライチュウさんもそうなると今では何のよどみもなくいつものように僕と話してくれるのだけど、

「どうしたの・・・急に」

「・・・あんまりこんなこと言うのもよくないけど、今日告白されてる先輩を見たから」

「・・・そっか」

この日、僕がこの話題を口にしてからはなんだか急に余所余所しくなってしまった。

「まあ、可愛いし、明るくて男の子にもグイグイ行くタイプだし、モテるんじゃない?」

「まあ、そりゃそうか」

「デンリュウ君も好きなんでしょ?先輩のこと」
 ▼ 80 ルマッカ@ハガネールナイト 18/02/01 14:13:04 ID:64afyfuo [6/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突然冷たい声になって、どこか棘があるような感じでライチュウさんはそう言い放った。

ナイフを喉元に突き付けられたような感じがして、少し冷や汗をかきながら彼女の方を見ると、少し震えていて。

僕の方から顔を反らしていて、その目を見ることはできなかった。

「・・・そんなこと」

「だって、そうじゃないと聞かないでしょ、そんなこと」

「気になっただけだよ、そういう現場見たから。世間話みたいな感じでさ」

「・・・デリカシーないのね」

隠そうとしているのか、それも分からないほど今のライチュウさんからは怒りのようなものを感じられた。

君が怒るようなことじゃないだろ、どうしたんだよ急に。

そんな言葉がでかかったけど、きっと怒る理由ならあるのだ。正当なものかどうかは別にして、僕にはそれを理解できるはずだった。

僕が彼女を、先輩を意識しているのと同じように、彼女も僕のことをそんな風に見ていたら・・・

僕が好きなのは君だ、と言ってしまえば、彼女は機嫌を直してくれるだろうか。僕の自惚れでしかなくてフられてしまうかもしれないな、それでも多分落ち着いてはくれるのかな。

でも、僕の気持ちはそんなことができるほどクリアじゃなくて、彼女が言う通り先輩のことを好きなのかもしれないと思う自分もいて・・・

「・・・部屋、帰るね。食器はまた、返すから」

「待って!」

気まずくなって、出ていこうとした彼女のことを、僕はつい呼び止めてしまう。

何を言えばいいのか分からなかった。言いたいこともまとまってないのに・・・それでもこのまま彼女を返したら、明日以降、登校も一緒にできなくなるかもしれない。

そう思うと、それが嫌で嫌で仕方なくて。

「あ、あのさ・・・」

「うん・・・」

何を伝えればいい?

きっとウソをついてはいけない。ボロが出てしまって、余計不信感を煽るかもしれない。

正直に、今の僕の気持ちを正直に・・・

「多分、君が言う通り、僕は先輩のことが好きだよ」

「・・・やっぱり、別に隠さなくたっていいのに。いいんじゃない?男の子には先輩みたいな子って人気あるだろうし」

「でも君のことも好きだ!」

「!?」

「同じくらい・・・うん、同じくらい!でもどっちがどうとか、そういうのは決められなくて・・・いやもちろん二人ともと〜なんて考えてるわけじゃないけど・・・なんていうか、その・・・」

「分かったよ!もういい!もういいから・・・」

ライチュウさんの顔が真っ赤になる。自分の顔も同じように赤いのが分かる。僕は今、何を口走った・・・?
 ▼ 81 ーナンス@ロックメモリ 18/02/01 14:27:58 ID:64afyfuo [7/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「さいっていだね・・・二人とも好き、なんて」

「うぅ・・・」

「男らしくないと思うよ、うん、男らしくない!男なら白黒つけなさいよ〜」

「だって・・・そもそも好きって、その、そういうあれじゃないといいますか・・・」

「そういうあれってどういうあれよ」

「・・・・・あー・・・」

「・・・さいってい」

「うぅ・・・」

いたたまれない空気をヒシヒシと感じながらも、ライチュウさんは僕の部屋にとどまってくれた。

僕のことを咎めながらも、その顔は少し明るくて、時々笑って見せてくれた。

「・・・私ね、隣の部屋に同級生の男の子が引っ越してくるって聞いて嬉しかったんだぁ」

「うん・・・・・」

「凄いドキドキしてた。これまで女学院通いだったから、カッコイイ人だったらどうしよう。一緒に学校に通ったりするのかな。ご飯とか作ってあげたり、朝起こしてあげたり・・・こうやって、一つの部屋で隣どうして、お話したりするのかなぁって」

顔を真っ赤にしながらも、ライチュウさんはゆっくりゆっくり、僕に言葉を紡いでくれる。

小刻みに揺れる彼女の耳、首の長い僕のことを上目遣いで見上げては、すぐに反らして、またこちらを見据える彼女の潤んだ眼、二人の間、呼応するように弾ける静電気。

「いざ君が来て、新しい生活が始まって、思ってた以上に想像通りの毎日になって・・・運命なのかなって思ったり、したんだぁ」

「ラ、ライチュウさん・・・」

「・・・カッコよくはないかもしれないけど」

「なっ!?ちょっと!」

「フフフ、ごめん!でも、ほら、同じ電気タイプだし・・・仲良くなれて、よかった」

「・・・僕もだよ」

「でも私二股する人とは付き合えないよ!!」

「だ、だからそうじゃなくて!!二人ともと付き合おうなんて考えてないし!?そもそも付き合うとか、まだ、そういうんじゃないかもしれないし・・・」

「・・・だから、いつかさ」

「・・・うん・・・」

そこで、彼女の口が止まる。

不思議に思い彼女の方を見やると、今までになくしっかりと目が合った。

真剣なまなざしで僕を見やる彼女の目はあまりにも綺麗で。

気を抜いたら、吸い込まれてしまいそうなほどで・・・

永遠に思えた数秒間、僕たちは互いに、一瞬も目を逸らさなかった。
 ▼ 82 ガバンギラス@シルフスコープ 18/02/01 14:41:47 ID:64afyfuo [8/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いつか、私のことを選んでね?」

「!!」

そう告げた彼女の小さな体はあまりに愛おしくて、抱きしめてしまいたい衝動は、理性でかき消せるギリギリで、

まだ彼女を選んでいない僕には、彼女に触れる資格なんてない。

次、先輩と会った時に、自分の気持ちにきっと白と黒をつけられる。

つけられたら、その時は、この衝動に身を任せることを、あなたは許してくれるだろうか。

「・・・また、明日ね」

「また、明日」

明日も会えるということが、これほどまでに嬉しい。

彼女のことを愛おしく思う気持ちが、明日も明後日も変わらずにあればいいのに。

一時の勢いに任せた恋じゃなければいいのに。


この日、僕は眠りにつくのにひどく時間を要した。

彼女の声で起こされたのは言うまでもない。

その、言うまでもない事実までもが、とても嬉しくて仕方がなかった。



「あ、見られてたんだ〜、もう、デン君も趣味悪いな〜」

「たまたま見てただけです!でもなんでフっちゃったんですか?」

「だってー、彼氏いるしね〜」

「え!?」

「ラ、ライさん彼氏いるんですか!?」

「知らなかった〜?地元の方にね〜。遠距離ってやつ」

「・・・そ、そうなんですか・・」チラッ

「だ、ダメだからね!?そういう感じじゃ、私、納得しないから!!」

「わ、分かってるよ!!!」

「???」

「ラ、ライさんも彼氏いるのに男の子と距離感近すぎです!!」

「そうかな〜?」


『カフェオレが飲みたいの』・・・おしまい
 ▼ 83 イドン@ガオガエンZ 18/02/01 15:09:12 ID:Imek2c7c NGネーム登録 NGID登録 報告
デンリュウ×ライチュウをリクエストしたものです
いつかこの2匹が正式に結ばれるといいな…
ありがとうございました!
 ▼ 84 ーディ@HPかいふくポン 18/02/01 15:19:00 ID:R/S2a62g NGネーム登録 NGID登録 報告
バリエーション多くていいね

支援
 ▼ 85 ャスパー@ねっこのカセキ 18/02/01 16:47:09 ID:64afyfuo [9/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『雪に焦がされ』(フライゴン♂×グレイシア♀)

キッサキシティ。

シンオウ最北端の極寒の町。

ジムや神殿があり、多くのトレーナーや観光客がこの町を訪れるが、年中雪降るこの町で見られるポケモンなんてそう多くはない。

だからこそグレイシアは、キッサキシティへ繋がる217番道路に、雪に埋もれてかすかに見えた緑色の翼に違和感を覚えた。

「大丈夫?ねぇ、大丈夫!?」

身体は冷え切り、意識もない。

もう、死んで――

「っ!!」

グレイシアは無我夢中でその体を雪から掘り起こし、小さな体に倒れたポケモンを背負うと、急いでテンガンザンへ向かった。

火事場の馬鹿力とはこのことを言うのか、それなりにあった距離を、雪をかいてなんとか進み、降り続ける雪をしのげるテンガンザンまで倒れたポケモンを運ぶことに成功したが、そこでグレイシアの方も体力の限界を迎え、

「はぁ・・・はぁ・・・」バタンッ

倒れ、眠りについてしまった。


「ん・・・あれ、私・・・」

いつから眠っていたのだろうか、目が覚めると自分が助けたポケモンが変わらぬ姿で眠っていた。

「起きたかい?グレイシア」

「アサナン・・・」

「こんなところでバタって倒れて、あたしゃビックリしたよ。無防備が過ぎるね、襲われても知らないよ?」

「あなたが見ててくれたの?」

「まぁねぇ、知らない中じゃないし」

216番道路の方からアサナンがやってくる。格闘タイプでありながら厳しいこの地で己を高め続ける彼女は、グレイシアの友人の一人であった。

「私、ここに来てからどれくらい寝てたのかな」

「あたしがここであんたを見てから、ざっと3時間くらい経ってるかなぁ」

「そんなに・・・なのに、この人は起きないのね」

「大丈夫、生きてるよ。ピッピに頼んでアロマセラピーもかけてもらったし、じきに起きるわね」

「そう・・・ありがとね」

「なぁに、困ったときはお互い様さね」

アサナンの言葉に安心し、ひとまず落ち着いたグレイシア。

安心したらお腹がすいたのか、蓄えた木の実を食べるために一度住処に戻ることとした。
 ▼ 86 リーパー@ジャポのみ 18/02/01 17:08:49 ID:64afyfuo [10/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「こ、ここは・・・」

「よかった、目が覚めたのね」

「あ、あなたは・・・」

「ほら」

グレイシアが戻ってくると、丁度助けたポケモンが目を覚ました様子だった。

彼もきっとお腹を空かしているだろうと、持ってきていた木の実を分けてやる。

「ありがとうございます・・・」

素直に木の実を受け取った彼は、ここがどこなのか分からないといった様子で、グレイシアにとっても彼のようなポケモンを見たことがなかったので、ひとまず自己紹介をすることにした。

「私はグレイシア、この近くで暮らしてるの。あなたは、そういうわけじゃないんでしょ?」

「・・・フライゴン、ホウエンから来ました」

「ホウエン・・・」

グレイシアはシンオウの外の話に明るいわけではなかったが、ホウエンというと明るい気候で有名な土地だったという認識を持っていた。

「随分遠いところよね?どうしてわざわざ」

「修行です。厳しい所に身を置いて強くなりたくて」

「修行!?」

ドラゴン・地面タイプのフライゴンにとって寒さは大敵であった。

バトルにおいてその実力をより発揮するための武者修行として、遠路はるばるシンオウまで飛び、その中でも最北端のキッサキシティまでたどり着いたはいいが、たまった疲れに寒さがとどめとなって、雪積もる道中に力果ててしまったとのことだった。

「もう・・・バカね!わざわざなんの身寄りもなくこんなところ来て、あなた、死ぬところだったのよ!?」

「う、うん・・・ありがとう、助けてくれて」

「もう・・・シンオウでも南の方に行くと寒さもマシになるでしょう。少し休んで、体調が回復したら南の方へ下りなさい」

「うん・・・そうするよ」

その日、グレイシアはテンガンざん休養するようフライゴンに進め、自身もその傍で一日を過ごした。

話をして、食事をとって、お互いにつかれているからと早めに寝支度をして・・・

寝息を立てるフライゴンの横で、グレイシアは一日暗い表情のままだったフライゴンのことを思った。

彼の目はどこか影を落としている、心の奥底に深い闇を抱えているような・・・

それでもどうせ明日までの縁、気にすることはないと彼のことを意識から逃して、静かに眠りについた。

 ▼ 87 ッサム@ゴッドストーン 18/02/01 17:22:21 ID:64afyfuo [11/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明くる日、北端から発とうとするフライゴンにグレイシアは自身の蓄えの一部を分けてやった。

「何から何までありがとうございます・・・」

「あなたみたいな人って、なんかほっとけないのよ・・・さ、元気でね」

「ご迷惑おかけしました」

何度も何度もお礼を言って、大空へ飛び立つため羽ばたこうとしたフライゴンだが、そこで異変に気付く。

「っ・・・!」

「・・・どうしたの?」

「翼が・・・動かない・・・」

「ええ!?」


「これハ・・・凍傷ですネ。ひどク傷ついていマス・・・当分ハ動かさナイほうガいいでショウ」

「そう、ですか・・・」

「ありがとうドーミラー」

「イエイエ、素人ノすル医者ノ真似事ですガ・・・」

ドーミラーに翼を診てもらい、あらためて長距離の移動は無理だと悟るグレイシアとフライゴン。

「これから・・・どうするの?」

「・・・歩いて、テンガンざんを下ります」

「無茶よ、それに下った先でもどうすることもできないでしょう?」

「安静ニしテいテくだサイ」

「う・・・」

ほおっておくといくらでも無茶をしてしまいそうなフライゴンのことを見やり、グレイシアはフライゴンにここに留まるように諭す。

遂にはフライゴンも納得し、テンガンざん内部に仮居を構えることとしたのだが、相変わらず表情は沈むばかりで・・・

「元気出して、フライゴン。翼のリハビリ、私も手伝うから」

「あ、ありがとうございます」

のりかかった船だと、グレイシアはフライゴンのここでの生活にとことん付き合うことを決めた。
 ▼ 88 ガスピアー@ゴーストメモリ 18/02/01 17:46:57 ID:64afyfuo [12/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「っ・・・」

「まだ痛むみたいね、無理は禁物よ。フライゴン」

「はい・・・」

リハビリの進行は好ましいものではなかった。

地に足をつけ高速で走る分には問題なく、日常生活に支障をきたすものではなかったが、一生空を羽ばたけないような不安に襲われ、眠れない日もあった。

精神的に疲弊しているフライゴンの心の支えはグレイシアであった。

フライゴンは今までに至る経緯の後ろめたさからも彼女の目をまっすぐ見ることができず、心の内をしっかり話せないでいたが、その分グレイシアは自分のことをよくフライゴンに話した。

「私これでもバトルには自信があってね?腕試しにテンガンざんを探検してたら迷ってこの付近に出て、それで襲ってきたトレーナーのポケモンを返り撃ちにした時に進化したの」

「フフ、私のことが見える?フライゴン。特性ゆきがくれ、便利でしょ?これを使っておともだちを驚かすのが好きなの!」

「トレーナーにゲットされて色んなところを回るのもいいけど、私は気ままな野良がいいの。あなたはこの辺では珍しいから、捕まりたくなかったらあまり隠れ住処から出てきたらダメよ?」

「ねえ、フライゴン。あなたと出会ってそれなりに経つけど、あなたが笑ったのって見たことないわ。私の話って、つまらないかしら?」

「フフ、なんてね。困らせちゃうわね、こんなこと。あなたが話してもいいって思えたら、あなたの話も聞かせてね」

(僕のことを・・・か)

フライゴンはグレイシアの優しさがとても嬉しかったが、グレイシアのくれる無償の愛の下で居心地は悪かった。

随分世話焼きな性格なのだろう、でも、自分の存在にそれほどの価値を、フライゴンは見いだせなかった。

(僕は、僕はこんなに優しくしてもらっていいような存在じゃないんだ・・・やはり、夜の間にここを出よう。これ以上、グレイシアに迷惑をかけたくない)

何度もそんなことを考えたが、結局遠くまでは出られずにグレイシアの元へ帰ってきてしまい更に迷惑をかけるような気委がして、結局仮居を出られずにいた。


「そう、ですか・・・いつもすみません」

「イエイエ、是非とモ安静ニ」

ドーミラーに度々翼を診てもらうが、一度もよい診察結果を得られたことはなかった。

「落ち込まないで、フライゴン。何も慌てる必要なんてないわ」

「・・・はい」

グレイシアに励ましてもらっても、フライゴンは落ち込むばかり。

彼がすごすごと帰っていくのを見送った後、ドーミラーはグレイシアに聞いた。

「・・・本当ニ、いいんですカ?彼ノ翼ハもウ直っテいるハズなのニ」

「・・・今はまだここを出したくないの。仮に本当のことを伝えて彼が飛べるようになったって、まだ彼は問題を抱えているような気がして・・・」

ドーミラーが嘘の診断を出した後も、フライゴンはリハビリを続けており、ドーミラーの見立てでは彼は既に飛べるはずであった。

それでも診察通り飛べずにいるのは、彼のメンタルの問題。

グレイシアは、その問題を自分の手で解決したかったのだ。
 ▼ 89 ンシグラードン@ルビー 18/02/01 18:09:47 ID:64afyfuo [13/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「よくやるねぇ・・・そんなに彼のことが気になるのかい?」

「アサナン・・・うん、まあ知らない土地で独りぼっちで可哀相だし・・・そうでなくても孤独って感じがしてさ。癒してあげたいなって思っちゃったのよねぇ」

面倒ごとに首を突っ込む癖があるグレイシアのことをアサナンは毎度呆れて見ているばかりだった。

優しくて、世話焼きで、そしてどこか人を疑うことを知らないところは彼女の美点であると好ましく思いながらも、アサナンは何かあれば助けてやらねば、と思う程度に抑え、過干渉は避けていたのだ。

「しっかし、キッサキシティにはまだ着かないのかよ・・・」

「!?グレイシア、トレーナーだよ!」

雪をかき分け進むトレーナーの存在に気付いたアサナンはグレイシアに呼びかける。

かなり近い、雪のせいもあって随分気づくのが遅れてしまった。

ポケモンの中にはトレーナーに積極的に顔を出し、中には捕まえられることを望む者もいるが、二匹はトレーナーの目をなるだけ避けて生きてきた。

だからアサナンも気づいた瞬間直ちに避難し、グレイシアにも呼び掛けたが・・・

「グレイシア!」

「そうだな〜・・・もっと直接的なスキンシップとか?でも私凍りタイプだし、冷たいしな〜」

考え事に夢中なグレイシアにその声は届かない。

雪がくれと言えど、これでは見つかるのも時間の問題で・・・

「おい・・・グレイシア!?こいつはレアだな!」

「逆に嫌われちゃう・・・!?」

「いけ!スカタンク!!」

気づかれた!その瞬間にグレイシアはテンガンざんの方向へ全速力で走った。

「火炎放射だ!!」

スカタンクの放つ火炎放射が雪を割ってグレイシアに襲い掛かる。

「ううっ・・・キャァァァ!?」

その一撃で運悪く火傷を負ったグレイシア。

その歩みも遅くなり、トレーナーとスカタンクがじわりじわりとグレイシアを追い詰めた。

トレーナーがボールを構える、その時。

「ウォォォォォオオオオ!!!」

「なんだ!?」

スカタンクの足下が割け、凄まじい攻撃が放たれた。

「これは・・・大地の力・・・!?」

「大丈夫・・・ですか?」

直後、グレイシアは目の前に、ゆっくり羽ばたいて着地するフライゴンの姿を見た。
 ▼ 90 カタンク@こうらのカセキ 18/02/01 18:25:46 ID:64afyfuo [14/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「圧巻だね、大地の力も流星群も。まさか君がこんなに強かったとは・・・」

見ていたアサナンも思わず舌を巻く出来事だった。

どうやってグレイシアを助けるか、無謀にも正面から突っ込もうかと考えていた矢先、テンガンざんから猛スピードで駆け付けたフライゴンが敵を蹴散らした。

あの日以来羽ばたいたことなどなかったはずなのに、そのブランクも感じさせない動きで、フライゴンのゲットをも狙ったトレーナーをいともたやすく撃退した。

「終わりましたよ〜」

「ありがとう、ピッピ」

アロマセラピーでやけどを治してもらい、グレイシアはフライゴンと向き合う。

「フライゴンも、ありがとね。なんで助けてくれたの?」

「悲鳴が聞こえたから、無我夢中で」

「それで、文字通り飛んできてくれたのね・・・」

「自分でも驚きました。まさか、飛べるなんて・・・」

「・・・前から思ってたんだけど、敬語って堅くていけないね。最初はタメ口じゃなかったっけ」

「そ、それは・・・」

「ため口でいいよ。ゲットされたくないくせにトレーナーに見つかった間抜けな私を、助けてくれてありがと!フライゴン!」

「・・・お互い様だよ」

その時、初めてフライゴンが笑って見せてくれた気がして、グレイシアも釣られて微笑む。

「笑顔、可愛いじゃん。似合ってるよ」

「・・・それ、君が言うの?」

「それもそうだね、でもフライゴンこんなこと言ってくれないでしょ?」

「・・・可愛い・・・よ、君も」

「え!?も、もう・・・言われてみると案外照れるもんだね//」

少しずつ、フライゴンの心が溶けていくのが分かる。

温かい気持ちに触れて、凍ってしまった冷たい心が、ゆっくり、ゆっくり。

フライゴン自身にも、グレイシアにも分かるほど。

「うーん・・・あたしたちは邪魔さね」

「そうですね、帰りましょうか」

二人で向き合い笑っているグレイシアとフライゴンを残して、アサナンとピッピはその場を去った。
 ▼ 91 ポッコ@エレベータのカギ 18/02/01 18:42:45 ID:64afyfuo [15/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「君が話してくれたこと、ほんとはちゃんと覚えてるよ。優しく僕に寄り添ってくれて、嬉しかった」

「何よ、改まって」

「でも、僕自身のことは何も君に教えてこなかった」

「ホウエン出身だって教えてくれたでしょ?」

「それもそうだね」

フライゴンの仮居で二匹、今まで何度も話をしたが、フライゴンが自ら口を開いてくれることは今までなかった。

「もともと、僕はトレーナーのポケモンだった」

「え・・・」

「ナックラーの頃からとても親切にしてくれて、僕は彼のことが大好きだった」

しみじみと語るフライゴンの声は震えていた。

「大丈夫?無理に話さなくても・・・」

「話したいと思ったから、話してるんだよ。君にも、僕のことを知ってほしいって思ったから」

「フライゴン・・・」

震えていたが、その目はグレイシアをしっかり見据えていた。

一か月近くの短く、濃い生活の中で培った信頼が、そこにはあった。

「流星群は、その証なんだ。トレーナーのことを信頼していないと、この技を覚えられない」

「そんなに信頼していたのに、どうして・・・」

「弱いから、捨てられた」

「えっ・・・」

「彼を満足させられるほど強いポケモンに僕は育たなかっただから捨てられたんだよ」

「・・・そっか。それで強くなるなんて言ってあんな無茶をしたのね」

「今更もう、どうでもいいはずなのにね・・・あの人の元に戻りたいなんて思わないはずなのに。流星群だって、忘れてしまいたいのに、どうしても惜しくて・・・」

気づけば、フライゴンの目から涙がこぼれていた。

グレイシアもまた、そんな彼を思って、泣いた。

「泣かないでよ、グレイシア。君に泣かれると、僕はもっと辛い。

「えへへ・・・ごめんね、そういうのに私弱くて」

「・・・僕、自分に他人から優しくしてもらえる価値なんてないって、あの日からずっと思ってたんだ」

「うん・・・」

「でも、僕の力でも、僕に優しくしてくれたあなたを守れたから、少しだけ、自分のことが好きになれた」

そう言って笑うフライゴンの声は震えなどなくて。グレイシアは今まで自分が彼にしてきたそのすべてが報われた気分になった。
 ▼ 92 ンテール@トライパス 18/02/01 18:55:54 ID:64afyfuo [16/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ねえフライゴン」

「何?グレイシア」

「帰る場所がないなら、ずっとここに居なよ」

「そうだね、それもいいかも。ここの寒さにも十分慣れたし、それに僕なら君からもらった沢山の木の実よりも、もっとたくさんの木の実を取ってきて、みんなに分けてあげられる」

「それはいいわね。実のところ、蓄えが無くなってきててどうしようかと思ってたの」

「あはは・・・ごめんね」

軽口を叩きあった後、どちらからともなく二匹は体を寄せ合う。

「ねぇ、グレイシア」

「何?」

「抱きしめても、いい?」

「何?実は肉食系なの?」

「えっと、ほら・・・寒いから暖を取りたくて・・・」

「私を抱きしめても寒くなるだけよ?」

思わず吹き出すグレイシアだが、その後フライゴンに体を委ね、

「馬鹿ね。こういう時は黙って抱きしめるのが筋ってものでしょ」

「あはは、ごめんよ、グレイシア」

そのまま抱きしめあい、眠りへと誘われていった。

「ねぇ、フライゴン。暖かい?」

「うん、おかげさまで。熱いくらいだ」

「嘘つき、体が震えてるわ」

「それは喜びに震えてるだけだよ。幸せだ、グレイシア」

「・・・私もよ」



「これハ凍傷ですネ」

「アロマセラピーしますね!」

「め、面目ない・・・」

「馬鹿な男さね、氷タイプに触れて寝るなんて、オチは見えてたはずなのに」

「熱いっていうか、痛かったのね・・・」


『雪に焦がされて』・・・おしまい
 ▼ 93 ベノム@いましめのツボ 18/02/01 19:33:59 ID:hX2vRI1E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン カッコイイ 
>>91



 ▼ 94 ッキング@ゴーストメモリ 18/02/01 20:10:34 ID:OoIygBPI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミュウ→ドーブル♂←メタモン ってちょっと難しい?
 ▼ 95 シレーヌ@ぼうごパッド 18/02/01 20:52:59 ID:64afyfuo [17/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『旅の終わりに思うこと』(ピカチュウ♂×ミミロル♀)

ピカチュウ「モデルにスカウトか・・・凄いね」

ミミロル「そ、そんなことないよ!」

ピカチュウ「ふふ、そんなことあるよ。可愛いもんね、ミミロル」

ミミロル「ふぇぇ!?」

ピカチュウ「自信持って。応援してる」

ミミロル「・・・うん・・・ありがとう・・・」

ピカチュウ「ん?どうかした?」

ミミロル「なんか、ピカチュウ君のセリフ、お別れの時の言葉みたいだなって思って」

ピカチュウ「ははは、何言ってるんだよ」

ミミロル「・・・・・」

ピカチュウ「お別れの、言葉なんだよ?」

ミミロル「・・・うん、そうだよね」

ピカチュウ「お別れの言葉だからさ、そんなそっぽ向かないで。ちゃんと君に聞いてほしいな」

ミミロル「うん・・・」

ピカチュウ「・・・えへへ、何度目かのお別れなんだけど、僕だって全然慣れないんだよね」

ミミロル「・・・・・」

ピカチュウ「だから、短くまとめられなくて。ごめんね?色々話すけど、聞いてくれるかな」

ミミロル「うん・・・聞くよ。ちゃんと聞く、あなたのどんな言葉も聞き逃したくないから」

ピカチュウ「・・・サトシと旅を始めた時はね、僕って生意気でさ」

ミミロル「ピカチュウ君が?」

ピカチュウ「サトシの言うこと全然聞かなくて、それで大変な目に遭って、死にかけたんだよね」

ミミロル「死にかけたの!?」

ピカチュウ「あれはやばかった〜・・・」

ミミロル「笑い話かな・・・」

ピカチュウ「その一件で流石に懲りて、サトシにサトシと共に旅をすることに決めて」

ミミロル「うん」

ピカチュウ「だからミミロル!ヒカリの言うことはちゃんと聞くんだよ!!」

ミミロル「そ、それが言いたいことなの!?」
 ▼ 96 ドラン♂@メガバングル 18/02/01 21:10:27 ID:64afyfuo [18/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「じゃないと死ぬよ?」

ミミロル「私別にやんちゃしないもん!!」

ピカチュウ「あはは、ごめんね。それで、サトシがゲットした仲間とも、別れたりすることがあったよ」

ミミロル「仲間と?」

ピカチュウ「うん、ほら、エテボースみたいに」

ミミロル「エテボース、元気にしてるかな・・・」

ピカチュウ「とても寂しいよね。でも、そんなときもなるべく元気でいてほしいんだ」

ミミロル「元気で?」

ピカチュウ「もしヒカリが、この先誰かの意志を尊重してその子と別れる決断をしても、その時はなるべく笑顔で、ヒカリの傍にいてあげてほしい」

ミミロル「・・・うん」

ピカチュウ「だって、一番つらいのはその決断をしたトレーナーだからね」

ミミロル「そうだね、分かったよ」

ピカチュウ「その代わり餌の時間を忘れたりポケモンの世話をおざなりにするようなことがあれば本気で怒っていいからね」

ミミロル「う、うん」

ピカチュウ「こっちにしたら死活問題なんだからうっかり忘れてた〜なんて言うようなら10万ボルトをお見舞いしてやればいい」

ミミロル「じ、実体験なの・・・?私10万ボルト使えないよ・・・」

ピカチュウ「あと旅先で出会う優しそうな人には全力で甘えるといいことがありやすいかな」

ミミロル「何の話!?」

ピカチュウ「大切な舞台で失敗した時は励ましてあげればいいけど、大切な舞台で恥かいたときは思いっきり笑ってからかってやればいい」

ミミロル「思いっきり笑うんだ!」

ピカチュウ「形態模写は極めておくと凄い役に立つよ」

ミミロル「確かに上手だもんね、ピカチュウ君」

ピカチュウ「はいソーナンス」

ミミロル「アハハハハ!似てる!似てるよピカチュウ君!」

ピカチュウ「なんだかんだ言ってこれが一番得意かな」

ミミロル「あはは・・・もう、何の話〜?形態模写別に関係ないでしょ?」

ピカチュウ「慣れてないから、みじかくまとめられないんだよ」

ミミロル「もう・・・絶対いらなかったよ今の」

ピカチュウ「そうだな・・・そうだ、一番大事なこと忘れてた」

ミミロル「なに?どうせまた冗談でしょ?」
 ▼ 97 イリュー@リニアパス 18/02/01 21:14:58 ID:64afyfuo [19/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「サヨナラの時は、そんな感じの笑顔でいることが大事だよ、ミミロル」

ミミロル「え?」

ピカチュウ「最後の顔が泣き顔じゃ、いやだもんね」

ミミロル「ピカチュウ君・・・」

ピカチュウ「うん・・・バッチリだ!じゃあ、サトシたちのところにいこうか」

ミミロル「・・・・・もう」

ミミロル(最後の最後はもう一回、真剣に好きだよって伝えたかったのに・・・)

ミミロル(そんな雰囲気じゃなくなっちゃった・・・)

ミミロル(でも、きっと・・・そんなピカチュウ君だから・・・)


ミミロル(ずっと、好きだったんだろうなぁ・・・)


『旅の終わりに思うこと』・・・おしまい
 ▼ 98 ドリーナ@スピーダー 18/02/01 21:34:08 ID:3IlBYTR. NGネーム登録 NGID登録 報告
流石ピカ様当時にして14年の貫禄
 ▼ 99 ァイアロー@でかいきんのたま 18/02/01 21:34:18 ID:64afyfuo [20/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【目次】

リザードン♂×イーブィ♀『進化』 >>1

リーフィア♂×ブースター♀『にほんばれを覚えた理由』 >>7

エルレイド♂×サーナイト♀『俺の特権、私の特権』 >>13

エネコロロ♂×ルカリオ♀『素直な気持ちで』 >>19

カイリキー♂×フーディン♀『一生モノの縁』 >>28

ジュナイパー♂×ミミッキュ♀『仮面』 >>37

ゲンガー♂×ムウマージ♀『Please abduct me』 >>47

フライゴン♂×ラティアス♀『コンプレックス』 >>57

ルージュラ♀・エンニュート♀『ハツユキソウ』 >>66

デンリュウ♂×ライチュウ♀『カフェオレが飲みたいの』 >>75

フライゴン♂×グレイシア♀『雪に焦がされ』 >>85

ピカチュウ♂×ミミロル♀『旅の終わりに思うこと』 >>95
 ▼ 100 バコイル@ポケじゃらし 18/02/01 21:35:59 ID:IU4Pd7kQ NGネーム登録 NGID登録 報告
エモンガ♂とビリジオンお願いします!!
 ▼ 101 ナギラス@まひなおし 18/02/01 21:41:41 ID:9DttcHwk NGネーム登録 NGID登録 報告
よくリクエストからこのストーリー思い付くなあ
神スレあげ
 ▼ 102 ランブル@みどりのかけら 18/02/01 21:54:14 ID:ua1POUD6 NGネーム登録 NGID登録 報告
どの話も面白い、支援
アニメ映画ありならボルケニオン×マギアナみてみたいな
 ▼ 103 ポエラー@スペシャルアップ 18/02/02 11:53:05 ID:PqKMGQJg [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『海の魔物』(コイキング♂×ヨワシ♀)

コイキング、世界で一番情けなくて弱いポケモンとして有名なポケモン。

だが、進化するとギャラドスという、非常に凶暴で強いポケモンとなる。

大抵のギャラドスは、コイキングの時代に晴らすことのできなかった鬱憤やストレスを暴れることで発散し、その力で得た自身の他者に対する優越感に溺れる。

そして、他の大抵のポケモンが持ち合わせるような、自身の進化前の形態に対する保護欲やシンパシーなんてものは、ひとかけらも持ち合わせていない。

寧ろ彼らはコイキングの時代を忘れたいあまり、コイキングを見かけるとイライラを覚え、迫害する傾向まである。

今この時も、

「てめぇ誰の許可得て俺様の前を泳いでんだこらぁぁぁ!!!」

「ひぃぃぃぃぃ!!!お助けをぉぉぉぉぉ!!!」

とあるコイキングがギャラドスの怒りを買い逃げていた。


泳ぐスピードだけはそれなりに速いコイキングだが、それでもギャラドスに敵う道理はなく、

「ちょこまか逃げんじゃねぇ!!ぶっ殺してやる!!」

「助けてぇぇぇぇぇ!!!」

体力のなさも相まって徐々に追い詰められていく。

その時、

「「弱い者いじめとは感心しないな」」

「なっ!?」

コイキングとギャラドスの間に割って入る大きな影。

「「随分と力に自信があるようじゃないか。どれ、私が相手をしてやろう」」

「う、う・・・ウワァァァァアアアア!!!」

その巨躯の持ち主が戦闘態勢を取ると、威圧感に押されたギャラドスは情けなく逃げていった。

コイキングはというと、その様子を見ても今度は助けてくれた相手に恐怖を怯えるばかりで、

「あ、あなたは・・・」

それでもお礼を言うために勇気を出して名前を聞いてみると、

「大丈夫だった?災難だったね〜ギャラドスに目を付けられるなんて」

その巨躯はみるみるうちに形を変え小さくなっていって、

「みんなありがとね?あ、私の名前だっけ」

最後には小さな一匹の魚ポケモンとなった。

「私の名前は、ヨワシ!」
 ▼ 104 ョロボン@きんりょくのハネ 18/02/02 12:08:39 ID:PqKMGQJg [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「私ね、一匹だけだと弱っちいんだけど、ピンチになると光って仲間を呼ぶの」

「仲間を?」

「うん。ヨワシは団体行動が得意だから、さっきみたいにおっきな魚の姿になって、海の魔物なんて呼ばれたりしてるのよ?」

ヨワシの正体が自分と同じ小魚だと知ったコイキングは安心して、社交的で明るい彼女と友達になった。

仲間を呼べるほどうまく瞳を光らせることができるのは、ある程度育ったヨワシだけ。

今のコイキングには、この小さな姿のヨワシにも勝てないのだろうと思っていた。

「でもひどいよね、あのギャラドスだって、君みたいなコイキングの時代があったはずなのに」

「仕方ないよ、進化して性格が変わったり、そもそも記憶が欠落したりなんてこともあるらしいし」

「ふーん、私たちには進化なんてものはないから、よくわかんないな」

「僕だって、いつかは強いギャラドスになりたいんだ!」

コイキングは既にたいあたりの技を覚えていた。

荒波に揉まれ跳ねることしかできず、長年を意味のあるのかないのか分からない特訓に費やしてきたが、この技を覚えたと言うことはギャラドスへの進化の時がすぐ近くまで来ているという証だ。

「でも、あんまり暴れるようだったら、さっきみたいに私たちが痛い目見せてあげるからね?」

「は、はい・・・」

ギャラドスが逃げ出すほどの迫力あるヨワシの群れたすがた、いくら自分が進化して強くなってもあの姿のヨワシとは対峙したくないと思うコイキングであった。


それから、コイキングとヨワシは度々会うようになった。

「はぁぁ!!」

「いっ、なかなかやるね!」

単独の姿のたヨワシに特訓をつけてもらい、コイキングのトレーニングは以前にも増して捗るようになった。多彩な技を使え、コイキングを痛めつけるほどの力を持たない一匹のヨワシはコイキングのコーチ役に最適だったのである。

ボチャン

「!?」

そんなある日、特訓中に大きな水しぶきをあげて何かが落ちてきた音を耳にした。

「あれは・・・!」

見ればポケモンらしき陰が深く沈んでいくのが分かる。

「魚じゃない・・・助けなきゃ!」

ヨワシがひとみを光らせ、むれを作るよりも早く、

「!!」

「コイキングくん!!」

コイキングはその陰の元にたどり着き、ポケモンの救助を試みた。

 ▼ 105 リーザー@ポイントアップ 18/02/02 12:23:22 ID:PqKMGQJg [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はぁ・・・はぁ・・・あとちょっと・・・」

「「手伝うよ!」」

「ヨワシ・・・のみんな!」

群れが完成し、追いついてからは手伝うと言ってもヨワシの群れだけで事足りた。

群れの姿の背に当たる部分にポケモンを乗せて、海の上まで運んでいく。

コイキングは背からポケモンが落ちないように見張ることしかできなかった。


「友達を助けてくれて、ありがとうございます!!」

「ううん、無事でよかったよ!」

海の中に落ちてきたのはプラスル。

マイナンは号泣しながら何度も何度もヨワシに礼を言った。

「私、プラスル君が死んじゃったんじゃないかと思って・・・でも私じゃこんな海の中に入れないし・・・ほんとに、ほんとに!ありがとうございました!!」

「よしよし、怖かったね」

群れた姿を解いてやさしくマイナンをなだめるヨワシの姿を見て、コイキングは物思いにふけていた。

むれになっていると言えど、あの大群のリーダーはこのヨワシで、ヨワシの指示で全体が動く。

強くて優しくて、とても明るくて、そして可愛い。

ギャラドスになって強くなれたら、こんな彼女にも釣り合うのかな・・


「速かったね・・・驚いたよ!」

「僕が?」

ヨワシもヨワシで、コイキングに敬意を表していた。

いの一番に海に落ちてきたプラスルに気づいて、自分よりも速く彼の元にたどり着いて、一生懸命救助を試みる。

この人はとても優しくて、強い人なのだ。でも・・・

「・・・私、誰かのために頑張れる優しい人って好きだな」

「僕もだよ。誰だってそうじゃない?」

「・・・コイキング君が進化しちゃっても、そんな風にあってくれるのかな・・・」

「へ?」

ギャラドスになると、こんな優しいコイキング君も、凶暴になってしまうのだろうか。

ずっとこの姿でいてくれたら・・・そんなことを考えてしまう。

「ダメだね、私は君の夢を応援してあげないと」

そういったヨワシの笑顔のぎこちなさに、コイキングは気づくことができなかった。
 ▼ 106 ンジャラ@あおいビードロ 18/02/02 12:38:28 ID:PqKMGQJg [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「聞いたわよ〜、ヨワシ。海に落ちてきたポケモンを助けたんだって?」

海の奥深くに居を構えるオクタンは、ヨワシの友達の一人であった。

そんな彼女のことを、ヨワシは今日コイキングに紹介しにきたのだ。

「最初に助けたのは彼だよ、オクタン」

「まあ、コイキングが?聞いたときは半信半疑だったけど、あんたの友達だけあって勇敢なところがあるのねぇ」

「い、いえ・・・」

少し表情が読み取りにくく、謎の威圧感をもつオクタンを前にコイキングは緊張していた。

優しくて可愛らしい彼女と、この人が友達なのかと、交友関係は分からないものだなんて考えていたが、

「どうしたの?コイキング君、だいぶ堅いみたいだけど」

「そ、そんなことないよ!」

「別に心配しなくても、ヨワシの友達っていうなら悪くはしないわ。コイキングなんて身柄じゃ、周りの目も大変でしょう」

この日を通じて彼女も優しく接してくれたので、帰る頃には警戒心もなくなっていた。


「お近づきのしるしにこれをあげるわ」

「これは・・・小判?」

「オクタンはね、海の中に眠るお宝を集めるのが趣味なの!色々あって面白いのよ!」

「そうなんだ・・・」

「お守りにでもしなさいな。とてもなんだかありがたそうな見た目をしているでしょ?」

コイキングはありがたく小判をいただき、また来ることを誓ってヨワシと共に彼女の家を出た。

帰る頃には、オクタンに抱くイメージも随分変わっていた。

「いい人だったでしょ?彼女」

「うん、とても親切な人だったよ」

「私赤色って好きなんだ〜。だから、オクタンの近くにいるととても落ち着くの」

さりげなく発せられる言葉にドキドキしてしまう。

自分と友達になってくれたのも、自分の体の色が赤色だったからなのか。

とても恥ずかしくてそんなことは聞けなかったが、

「ほら、私も前オクタンからもらったの。壊れたモンスターボール!」

「そ、そんなものまであるんだ・・・」

いつからかこんなにも彼女の隣にいることで落ち着かない自分がいるのに、彼女は赤い自分の隣にいることで落ち着いていられるのかと思うと、

何故か少し悔しく感じてしまうのだった。
 ▼ 107 ーメイル@こないれ 18/02/02 12:47:49 ID:PqKMGQJg [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あいつか・・・?あんなちっこいのにやられたってのかよ」

「今は小さく見えるけど、ほんとはやべぇんだよあれ!みるみるうちにでっかくなって・・・」

「だから集団で囲んでやっちまおうってか。気は進まねぇな」

「なあ、頼むよ・・・俺が嘗められたまんまだとお前らにとってもよくねぇだろ?」

「ギャラドスの面汚しが・・・まぁいいぜ。やってやる」

ご機嫌に泳ぐ単独のヨワシを囲む不穏な姿。

かつてヨワシの前から逃げていったギャラドスが腹いせにヨワシを襲おうとしていたのだ。

「いくぞ!!」


「キャァァァアアア!?」

悲鳴が聞こえてコイキングは海の異変に気付く。

「ギャラドスの群れ・・・何が起こってるんだ!?」

ギャラドスが数匹で行動を行うことなど珍しかった。

怖い気持ちを抑えて近づいてみると、その中にヨワシの姿が見て取れた。

「ヨワシが襲われている・・・!」


「この前は良くも俺に恥をかかせてくれたな!!」

「一匹だとこんな弱っちい癖に、粋がりやがって!!」

「うう・・・」

ギャラドスに囲まれ、逃げることができないヨワシ。

群れを作る仲間たちも、多数のギャラドスに阻まれてヨワシの元にたどり着けない。

「やめろ!!!」

「うわっ!?」

突如、一匹のギャラドスが態勢を崩す。

コイキングの体当たりだ。

「なんだ・・・?雑魚が俺たちになんのようだ!!」

「ヨワシ逃げて!!」

「うん!!」

態勢を崩したギャラドスの隙から、ヨワシが脱出に成功する。

「おいこらまてクソアマァ!!」

ヨワシを追いかけようとするギャラドスだったが・・・
 ▼ 108 ミカラス@リザードナイトX 18/02/02 12:58:09 ID:PqKMGQJg [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ぼ、僕が相手だ!!」

震えながらもヨワシを守るように構えるコイキングがそれを阻む。

「なんだよ!ヒーロー気取りか!?随分と情けない恰好だな!!」

「うう・・・僕は、僕は逃げないからな!!」

震える身体も怯える心もコイキングに逃げろと叫ぶが、

それでもコイキングはその場を引かなかった。

「ちっ、痛い目見なきゃわからねぇみたいだな!」

ギャラドス達が一斉にコイキングにかかろうとした瞬間、

「「はぁぁぁあああああ!!!」」

「な、なに・・・うわぁぁぁあああ!!」

超高威力のハイドロポンプがギャラドスたちを一掃した。

「ヨワシ・・・」

「「ありがとね、時間稼いでくれて」」

コイキングがヨワシを守っている間に、ヨワシは群れの形成を完了していたのだ。

コイキングは少しホッとしたが、またもヨワシに守られてしまう形となり情けないとも思った。

「てめぇ、なめやがって!!!」

ギャラドス達は再びヨワシに襲い掛かる。

1対1では勝てなくとも、これだけのギャラドスがいれば勝利は堅いと認識していたから。

ヨワシの方も引く気はなかったが。

「お前たちやめないか!!」

「なっ!?」

そこに仲裁が入り、ギャラドスはすごすごと逃げ帰っていった。


「あんなにやる気満々だったのに、あっさり帰っていっちゃったね」

「だって、仲裁に入ってくれたギャラドスさん、凄く強そうだったもの」

ギャラドス達の暴走を止めたのも、ギャラドスであった。

ヨワシの目にも、彼らの目にも、そのギャラドスは自分達とまるで格が違うように映っていた。

それでいて、礼を言うヨワシたちにはとても穏やかな顔を向け、同族の非礼を詫びて帰るのみ。

ヨワシの知っているギャラドスのイメージとは大きく違っていた。

「ギャラドスの中にも、あんなに優しいギャラドスがいるんだね・・・」
 ▼ 109 ディアン@ミュウZ 18/02/02 13:11:27 ID:PqKMGQJg [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「コイキング君も、ああいうギャラドスになってね!強くて優しいギャラドスに!」

「え?僕はギャラドスにならないよ」

「へ?」

「ほら、変わらずの石。オクタンさんに頼んでもらったんだ。これで変な気使わなくても進化の心配はないね!

突然のコイキングの告白に、ヨワシは面食らう。

コイキングはギャラドスになるのが夢で、そのために特訓をしていたのではなかったのか・・・

「私が、ギャラドスにならないでほしいなって思ってたから、ギャラドスになるのやめちゃったの?」

「ううん、違うよ」

ヨワシの問いにコイキングは少し照れて、

「ヨワシが、赤色が好きだっていうから。進化したら嫌われちゃうかなって・・・」

顔を逸らしながらこう答えた。

「・・・そ、そんな理由で?」

「それに、ほら、一匹の時の君と話すのは、この姿の方がいいでしょ?」

「ふふ、そうだね」

「それに、コイキングのままでも強くなれるし!ほら、新しい技を覚えたんだよ!じたばた!!」

コイキングが進化して、ギャラドスになって、もし凶暴になってしまっても変わらず友達であり続ける自信をヨワシは持っているつもりだった。だったのだが・・・

「・・・え?ヨワシ、泣いてるの?」

「・・・ううん、泣いてないよ。ちょっと安心しちゃって・・・」

コイキングがコイキングであり続ける理由となったのが自分であるという事実が、ヨワシはとても嬉しかった。

何故かもわからないけど、ただただ、嬉しかった。

「じゃあコイキング君のその決断の責任は私が取らなきゃだね!」

「え?」

「私たち、ずっと友達だよ!ズッ友!これからもよろしくね!」

「と、友達・・・う、うん・・・よろしく」

「あれ?嬉しくないの?」

「嬉しいよ!」

ヨワシとコイキングのお互いを思う気持ちにはまだズレがあるのかもしれない。だが、お互いの存在がかけがえのないものであることは、十二分に分かっていた。

それ以上の関係になれるかどうかは、これからのコイキング次第だ。


『海の魔物』・・・おしまい
 ▼ 110 ーボック@そうこのカギ 18/02/02 14:31:09 ID:PqKMGQJg [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『デザートは甘くないくらいが丁度いい』(フライゴン♂×クチート♀)

クチート「ううん・・・砂塵が強くなってきたな・・・」

バルジーナ「大丈夫かい?今日はそろそろ引き上げるのも手だと思うけどねぇ」

クチート「ダメダメ、今日はなんの戦果も得られていない!引き下がれないね!」

ランクルス「確かにクチートは鋼タイプだから砂嵐によるダメージの心配はないけど、こうも砂嵐が強いと捜索活動もままならないでしょう?」

バルジーナ「喉も乾くし、体力も予想以上に持っていかれる。あんた体も小さいし、後悔してもしらないよ?」

クチート「倒れたらバルジーナが運んでくれるでしょ?」

バルジーナ「アンタねぇ・・・」

クチート「トレジャーハンタークチート様の名に懸けて、この砂漠に眠るという財宝を手にして見せるんだから!!」

ビュオォォォォォォォ

クチート「んんっ!!二人とも大丈夫?」

・・・・・・・・

クチート「・・・へ?」


バルジーナ「まずいねぇ・・・今吹かれたので、クチートを見逃した!」

ランクルス「こ、こんな砂塵の中じゃ探すのは一筋縄にはいきませんよ!!」

バルジーナ「・・・まぁ、アタシたちが死んでもあの子は生きてるとは思うけどさ。経験も長いし、アタシたちの界隈で誰よりも強いし」

ランクルス「神童・クチート。子供の頃から天性のセンスで財宝という財宝を見つけ出した、この世界じゃ名前を知らない者はいない存在」

バルジーナ「そんな彼女が単身、ここイッシュの地に来ると聞いたときは随分驚いたものだね、アタシたちがご一緒できてるなんて、まるで奇跡みたいなもんさ」

ランクルス「ですが、チームを組んでみると、なかなかどうして危なっかしい人なんですよね・・・私たちが弱いだけでしょうか、とてもそうは思えません・・・」

バルジーナ「これで今まで生きて来たってんだから、まあ、そうなんだろうけどさ。見つけるに越したことはない、探すよ!」

ランクルス「はい!」


クチート「・・・ん?これは・・・おいおい、一体なんだ?お城?リゾートデザートにこんなお城があるなんて、聞いたこともなかったけど・・・」

フライゴン「誰だ?」

クチート「ワオ、先客!?」

フライゴン「・・・なんだ、子供じゃないか。まさか一人でここまで来たのか?」

クチート「こ、子供じゃないやい!!見た目で判断すんな!アタシの名前はクチート様だ、この道に入って10数年の大ベテラン様よ!」

フライゴン「この道・・・?」

クチート「こっちでも結構知られてるみたいだったけど、まあ知らない人がいるのも仕方ないわ」

フライゴン「さっきから一体、何の話だ?」
 ▼ 111 ブライカ@プロテクター 18/02/02 14:45:37 ID:PqKMGQJg [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クチート「あんたもトレジャーハンタ―でしょ?リゾートデザートに潜むというまだ見ぬお宝を探しに来たんじゃないの?」

フライゴン「まさか。私はフライゴンという、ここを住処にしているただの一匹のポケモンさ」

クチート「え、こんなところに住んでるの!?」

フライゴン「私は砂漠が好きでね。安住の地を探して世界中を飛び回っていたけど、ここに落ち着いたのさ。静かで、暮しやすくて、いい場所だ」

クチート「へぇ・・・なんだ、そうだったの」

フライゴン「君、仲間は?」

クチート「仲間?」

フライゴン「まさか一人でここまで来たわけじゃあるまい。はぐれたのか?」

クチート「そうね、はぐれちゃった。今頃帰って私を心配しているかもね」

フライゴン「なんだって!?それなら君は早く帰るべきだ。送ってあげよう」

クチート「嫌よ。折角こんな誰もたどり着いたことのなさそうなお城にやってきたのに、アタシはこのお城を探検するわ。そして財宝ゲットよ!」

フライゴン「ここには何もないよ。そもそも私たちが先に住んでいるだろう、誰もたどり着いたことがないわけじゃない」

クチート「そ、それもそうね・・・」

フライゴン「もし君の仲間が君を探していて、道中で倒れていたらどうする?」

クチート「アタシたちはプロよ?道中でのたれ死ぬなんてありえないわ」

バルジーナ「クチート!!」

ランクルス「どこにいるのです!?」

クチート「ほら!」

バルジーナ「!!クチート、こんなところに!!」

ランクルス「心配しましたよ・・・」

フライゴン「保護者の方か」

クチート「保護者じゃなーい!!」

バルジーナ「うん?アンタは・・・」

フライゴン「私はフライゴン、この古代の城で暮らしている」

ランクルス「古代の城?」

クチート「そんな名前あったの!?お宝のにおいがする素敵な名前!」

フライゴン「仮にお宝があったとして、それならばすでに私たちが全てかすめ取っているよ」

クチート「ううっ、そんなのずるくない?」

フライゴン「もとよりここには何もない・・・さあ、仲間と合流したことだし、帰るといい。私がリゾートデザートの外まで送っていくよ」

クチート「むぅ・・・」
 ▼ 112 ックウザ@とくせいカプセル 18/02/02 14:59:18 ID:PqKMGQJg [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クチート「来たわよフライゴン!!」

フライゴン「・・・また君か」

クチート「昨日のとこは大人しく帰ったけど、今日こそはここに眠るお宝を根こそぎゲットよ!!」

フライゴン「だからここには何も・・・」

クチート「それ進め〜!!」

フライゴン「あ、ちょっと、こら待て!」


フライゴン「仲間たちはどうしたんだい?」

クチート「今日は別のところに言ってるわ。私には少しぬる過ぎるところだったから、パスしてこっちにきたの」

フライゴン「昨日も思ったが、君はもう少し自分の体を大事にするべきだ。仲間に心配をかけて、すこし自由奔放すぎるんじゃないか?」

クチート「アタシにしたらこの砂漠くらい、なんでもないのよ。確かに昨日は砂嵐がひどかったけど、あれくらいが歯ごたえ合って丁度いいわ」

フライゴン「そういう話をしているのでは・・・」

クチート「そうは言われても、小さいころからあんなの日常だったし、ちっとも危ないなんて思えないんだもの」

フライゴン「・・・そうか」

デスマス「フライゴンさん、お客さんですか?」

クチート「キャァァァァァ!!!お化け!!!」

フライゴン「ああ、自称トレージャーハンターの・・・何隠れているんだ?」

クチート「じ、自称じゃないし・・・」


デスマス「驚かせて申し訳ございません。ワタクシ、デスマスと申します」

クチート「へぇ・・・デスマスって言うんだ」

フライゴン「クチート、少し離れてくれないか」

クチート「デスマス!この城に眠るお宝の在り処を答えなさい!フライゴンったら、全然口を割らなくて困ってたのよ!」

フライゴン「・・・怖がりながらすごまれてもなぁ」

デスマス「お宝、ですか・・・そうですね」


チラーミィ「フライゴンお兄ちゃん!デスマスお姉ちゃん!お帰りなさい!!」

ゾロア「!!お兄ちゃんの後ろにいる子、誰!?新しい家族!?」

フライゴン「ただいま、みんないい子にしてたか?」

ワルビル「帰ったかフライゴン!!ちょっとヨーテリーあやすの変わってくれ俺じゃあ全然泣き止まん!!」

クチート「・・・え、なにこれ」
 ▼ 113 ートロトム@こううんのおこう 18/02/02 15:14:35 ID:PqKMGQJg [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デスマス「しいて言うなら、これが私たちのお宝ですね」

クチート「お宝・・・?まさか、あんたたちの子ども!?」

デスマス「違いますよ!どうしてデスマスとフライゴンからチラーミィやゾロアが!」

フライゴン「それにデスマスには既に夫がいる」

デスマス「私たちはこの古代の城を用いて、集落のようなものを築いているのです」

フライゴン「古代の城をもともと住処としていた者に加え、砂漠で遭難に遭った子供たちを迎え、共同生活を行う場、それがここだ」

クチート「ふ〜ん、なるほどねぇ」

ゾロア「クチートも一緒にあそぼ!!」

クルミル「遊ぼ遊ぼ〜!」

ゴチム「クチート遊ぼ〜!!」

クチート「え、あ、ちょっと!」

フライゴン「せっかくここまで来たんだ、遊んでやってくれないか」

クチート「う〜、もう、仕方ないなぁ」

モノズ「ドォ〜ン!」

クチート「うわっ!?」

モノズ「鬼ごっこだ〜!クチートが鬼な〜!」

クチート「このっ・・・アタシのことはクチートお姉ちゃんと呼びなさい!!」

クルミル「わ〜!クチートお姉ちゃんが怒った〜!」

ゾロア「逃げろ〜!!」

ワルビル「・・・あのクチートってのは何者なんだ?」

フライゴン「遠くの地方からやってきたらしい。幼いころからトレージャーハントに勤しんでいたとか」

デスカーン「それでこんなところまで・・・リゾートデザートに眠るお宝の噂を聞きつけたんだな?」

デスマス「あなた、お帰りなさい!」

デスカーン「しかし、増えていくばっかだと食料問題も考えなきゃなんねぇな」

フライゴン「うむ・・・」


ゾロア「スー・・・スー・・・」

クルミル「むにゃ・・・お姉ちゃん・・・」

デスマス「遊び疲れて寝ちゃいましたね」

クチート「うん・・・私も疲れちゃった」
 ▼ 114 エルオー@おだんごしんじゅ 18/02/02 15:38:40 ID:PqKMGQJg [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン「ありがとう、クチート。目いっぱい遊ばせてしまって、この子たちも喜んでいたよ」

クチート「ううん、私も楽しかったよ。ここ、いいところだね」

フライゴン「・・・そうかな」

デスマス「始めたのはフライゴンさんなんですよ」

クチート「え、あんたが?」

デスマス「ある日チョロネコを拾ったのがきっかけなのです。フライゴンさんがリゾートデザートにたどり着いて間もないころでしたっけ」

フライゴン「デスマス・・・」

デスマス「息も絶え絶えのチョロネコを拾って、古代の城を見つけたフライゴンさんがその日初めてやってきて、私たちで懸命に看護したんです」

フライゴン「想像していたことだったが、そのチョロネコには親がなくて、若かった私は一人でチョロネコの親代わりになろうとした」

クチート「へぇ・・・」

フライゴン「見かねたここの住人たちが協力してくれるようになったんだ」

デスカーン「そのあともこいつ、調子に乗って次々拾ってくるようになってよ・・・」

フライゴン「仕方ないだろ・・・どうも、ここは捨て子が多いらしく」

デスマス「成長したレパルダスさんを筆頭に、生活の支援をしていただいてるのですが、どうにも・・・」

クチート「・・・私の家ね、代々続くトレージャーハンターの家系でさ」

フライゴン「ああ」

クチート「物心ついたときから私もお父さんたちの仕事について行った。お父さんもお母さんも仕事ばっかりで、私がしんどいよぉって言っても全然聞いてくれなくて」

デスカーン「・・・・・」

クチート「まだ子供だった頃に私は家出したんだ。最初の頃はそんなに遠くないとこ、友達の家とか、親の目の届く範囲。心配してるから帰ったら〜とか、色々言われたんだけど、そんな口先だけの心配なんて気にも留めなくてさ」

デスマス「反抗期ですね・・・」

クチート「そのうち故郷から出て、遠い遠いところでトレジャーハントで生計を立てるようになった。生計有名になったら親から連絡が来たりしたけど、全部無視した」

フライゴン「・・・・・」

クチート「ダメな子だったね、アタシ。たった一人の娘がわがまま言って家出して、遂に手の届かないところまで行っちゃってさ。最期まで、心配じゃないわけ、なかったのにね・・・」

フライゴン「!!」

クチート「バルジーナやランクルスにも悪い事しちゃったなぁ。もう長い間、ずっと一人で生きていけるって信じ込んでたから、誰かに心配されたって、全部きれいごとみたいに思ってたんだよね」

フライゴン「次会ったら、ちゃんと謝ればいいさ」

クチート「うん、そうするね」

フライゴン「リゾートデザートの外まで、送っていくよ」

クチート「ありがとう、フライゴン」

フライゴン「・・・例には及ばない」
 ▼ 115 オー@アッキのみ 18/02/02 16:01:23 ID:PWbAC2tU NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ「カキってなんでいつも上半身裸なの?」

カキ「チクニーのしすぎで、服を着るのがつらくなったんだ」

サトシ「カキは俺のこと、好き?」

カキ「どうした急に…友達として好きだぞ」

サトシ「じゃあここでチクニーしろ」

カキ「フン…くっ…サトシィィ…ぬぅうぁっ………はっ!」

サトシ「友達として、なんて嘘ばっかりだ。普段つかってるオカズの名前、ヴェラの火口から漏れ出ているぜ?」

カキ「おお神よ、はやくいれてくれ」

サトシ「アローラ。大きな声で鳴けよ?」ズブリボン
 ▼ 116 ラルバ@シールいれ 18/02/02 16:07:50 ID:PqKMGQJg [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン「ただいま」

デスマス「お帰りなさい、フライゴンさん、お仕事お疲れ様です」

フライゴン「ああ、今月はファイトマネーも多いから、少しは生活も楽に・・・ん?」

クチート「次はモノズが鬼だぞ〜!そーれ逃げろ〜!」

ゾロア「逃げろ〜!!」

モノズ「ちょ、クチートずるい!早すぎ!!」

ヨーテリー「バルジーナお姉ちゃんの翼ってすっごい大きいね!」

バルジーナ「立派なもんだろ?そうだ、一緒に空飛んでみるかい?」

ランクルス「そうですね・・・モモンの実ですね!」

ゴチム「凄い!どうして考えてること分かるの!?」

フライゴン「・・・また来てたのか」

クチート「ん?あ、フライゴン!お帰り!」


クチート「みんな喜んでくれるからさ〜、嬉しくって。来たらだめだった?」

フライゴン「別にダメってことはないさ」

クチート「そうだ、仕事終わりでしょ?これ、食べる?働いた後のご褒美ってことで」

フライゴン「これは・・・?」

クチート「クチート様お手製のポロック!さ、食べな食べな!」

フライゴン「あぁ・・・」

クチート「おチビたちにはもう少し甘いほうがいいんだろうけど、あんたにはこれくらいかなぁって」

フライゴン「そうだな、美味しいよ」

クチート「でしょ〜?いや〜、クチート様ってば料理も出来ちゃって、やっぱし天才!」

フライゴン「自分で言うのか・・・」

クチート「そうだ、アタシね、今日からここで暮らすことにしたから!」

フライゴン「はっ!?今日から!?」

クチート「お〜、アンタもそんな声出すんだね!面白い!」

フライゴン「・・・あのなぁ」

クチート「生活の助けになれると思うよ。なんてったって超一流のトレジャーハンタ―様だし」

フライゴン「・・・・・だが」

クチート「私家族いないしさ」
 ▼ 117 ナトーン@ウタンのみ 18/02/02 16:20:07 ID:PqKMGQJg [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クチート「決まった家もないから・・・アンタ達と一緒だったら寂しくないかなって」

フライゴン「・・・・・」

クチート「バルジーナ達も時々遊びに来てくれるって言うし・・・ダメ、かな?」

フライゴン「っ、ダメだとは言ってないだろう!」

クチート「そう言ってくれると思ってた!これからよろしくね!フライゴン!!」ニコッ

フライゴン「!・・・勝手にしてくれ・・・」


バルジーナ「じゃあ、達者でね、クチート」

クチート「そんな永遠の別れみたいに、どうせ仕事の時は一緒なんだしさ」

ランクルス「それもそうですね。皆さんも、また遊びに来ますね」

デスマス「ええ、いつでも歓迎します!」

バルジーナ「それじゃ」


ランクルス「・・・なんだか、変わりましたね、クチート」

バルジーナ「ああ、いいことなんじゃない?あのフライゴンの影響かねぇ」

ランクルス「子供たちの影響も大きいかもしれませんね」

バルジーナ「それもそうかねぇ、クチートのやつ、随分フライゴンに懐いてるようだったけど」

ランクルス「私たちのこともより信頼してくれるようになりましたし、無茶をすることも減りましたし、私はこれでよかったと思いますよ」

バルジーナ「はっ、違いねぇや!」


ゾロア「これからは毎日お姉ちゃんと一緒に遊べるんだね!!」

クルミル「お姉ちゃん大好き!!」

クチート「ふふ、嬉しい事言ってくれるじゃない!」

デスカーン「いやぁ、クチートちゃんが来てくれてよかったよなぁ」

デスマス「子供たちも楽しそうですね」

デスカーン「なにより、フライゴンの奴が凄い嬉しそうにしてやがる」

デスマス「結構気にかけてましたからね・・・あれ、本人多分無自覚ですから、あまりちょっかいをかけてはだめですよ?」

デスカーン「分かってるよ、ありゃ良くも悪くも真面目な奴だしな」


『デザートは甘くないくらいが丁度いい』・・・おしまい
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