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ポケモン

アセロラ「まさかアローラでこんな大事件が起こるなんて思ってもいなかった」

 ▼ 1 ェローチェ@シュカのみ 19/10/29 22:36:10 ID:c7/U1MbM [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
熱帯の強い日差しが、緑葉の隙間から漏れて、アローラの大地へ注いでいる。
晴れ渡った青い海は、静かなうねりを伴って、帽子のように丸い水平線を象っている。


アセロラ「まさかアローラでこんな大事件が起こるなんて思ってもいなかった」

マツリカ「ここは平和な地方だと思っていたのに」

アセロラ「昨日も市場で集団強盗が起きたんだってね。まあその件は解決したみたいだけど、しばらく昨日みたいな混乱が続くかもね」

アセロラはここで口を止めた。絵描きの合間にアセロラと世間話をしているマツリカ。彼女の眼が、やや虚ろに窓外の彩り深い景色へ向いていたのである。

マツリカ「あなたなら知っているでしょう」

アセロラ「何を?」

マツリカ「あの日、あの館で何が起こったのか」

するとアセロラはカップのお茶をひと口飲み、こう言った。

アセロラ「ポケモンスクールの友達から聞いたの。事件は全て解明されてる……でもそれを聞いたときはショックだったよ」






※ミステリー系SSです。トリック等分かってもできるだけネタバレは自重してもらえますでしょうか。
 ▼ 2 ラベベ@ゲンガナイト 19/10/29 22:40:00 ID:c7/U1MbM [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――10日前。

ククイ「今日の課外授業はここでやるぞ!」

マオ「わーお!」

カキ「ずいぶん古い建物だな」

二階建ての、古びた洋館。ポケモンスクールのクラスメイト達の前に現れたその建物は、熱帯の煌びやかな色彩におよそ似つかわしくない、奇怪な様相を呈していた。

サトシ「博士、今日はやけに荷物が多いな! ここで何するつもりなの?」

洋館へかかる吊り橋を渡りながらサトシは訊いた。

ククイ「それは中へ入ってからのとっておきさ」

スイレン「何だか色々ありそう、怖い噂とか」

マーマネ「ええ!? 僕なんだか怖いよ」

リーリエ「大丈夫ですよマーマネ。ポケモン達がついてます」

ハラ「その通り。ポケモンは我々の知り得ない不思議な力を持っている。もっと彼らの力を信じるんですな」

隊列の一番後ろから、島キングの野太い声が響く。

カキ「で、どうしてハラさんが一緒に?」

ククイ「今回は特別な課外授業だ。ハラさんも是非まとわりつきたいと言われてな」

マーマネ「へー」

ハラ「よろしく頼みますぞ、皆さん」

ピカチュウ「ピカピィ」
 ▼ 3 ルーグ@こうらのカセキ 19/10/29 22:43:35 ID:c7/U1MbM [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
真鍮の古ぼけた鍵で、ククイは重厚な玄関扉を開けた。

ククイ「ここは昔、守り神カプ・コケコに肖って造られた洋館だ。当時は今よりもアローラを訪れる観光客が多くてな、この洋館もホテルとして賑わっていたらしい」

マオ「でも、そんな雰囲気じゃ……」

ククイ「そりゃあそうだ。この建物の主人は二十年前、不審死を遂げたんだからな」

マオ「不審死!?」

ククイ「おーっとすまん、これは不意打ちだったな。不審死といっても、その主人はこの館の中にあるカプ・コケコの像の前で倒れていたってだけの話さ。結局、死因は病死だったらしい」

マオ「なあんだ。脅かさないでよ博士」

シェイミ「しぇみ」

ククイ「まあこういう場所ではサプライズもつきものだ。なあサトシ」

サトシ「……え? 俺?」

ククイ「なあんだ聞いてなかったのか?」

リーリエ「サトシらしいですね」

館内は薄紅色のカーペットが敷かれ、二階へと上がる階段の先には、かがやきさまの抽象絵が飾られていた。正面玄関から吹き込む風がホールで渦巻き、洋館に残されたかつてのどこか上品な香気を蘇らせていた。天井の大きなシャンデリアが、五感に入り込むこの昔の名残を演出している。

ククイ「食堂はこの奥にある。みんなの部屋が二階にあるから、準備が出来たらウルトラダッシュアタックで降りてきてくれ。飯の準備だ」

ピカチュウ「チャ〜」
 ▼ 4 ーバーン@まんぷくおこう 19/10/29 22:46:54 ID:c7/U1MbM [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「スープくらいは作れます! 論理的結論として、私がその気になりさえすれば……!」

マオ「そんなに力まなくても大丈夫だよリーリエ」

スイレン「作ろう。美味しい晩ご飯」

女子の三人は、夕飯づくりに情熱を傾けていた。

マオ「二人とも見てよこれ」

リーリエ「何ですか?」

マオ「かまどだよ。一回これでピザを作ってみたかったんだ!」

スイレン「使えるの?」

マオ「埃を流せば使えそうだよ」

スイレン「それならアシレーヌ、バブルこうせん!」

アシレーヌ「しれーぬ」

泡はかまどの中で破裂し、長年使われていなかったであろうその煤けた壁を潤した。

スイレン「カキ、出せる? 炎技」

カキ「ああ。バクガメス!」

バクガメス「がめーす」

バクガメスの吐いた炎で窯の中は明るく照らされた。

マオ「今、サトシとマーマネとククイ博士が外で薪を割ってるよ。バクガメスの炎で着火してピザを焼こ。……あれリーリエ、どこ行くの?」

リーリエ「シロンを部屋で寝かせているので、少し様子を見に行ってきます」
 ▼ 5 ングース@しんかのきせき 19/10/29 22:47:03 ID:LSZ6yAHw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>2
セリフに技の名前入れたいのはわかるが
ハラさんも是非まとわりつきたいと言われてな
は流石に草

支援
 ▼ 6 ーフィ@ヤドランナイト 19/10/29 22:51:45 ID:c7/U1MbM [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夕方ククイの話していたカプ・コケコの像は、食堂に飾られていた。金箔の半分ほど剥げたこの像は豪華絢爛とは言えないものの、守り神たる荘厳さを放ち、暖炉の脇の台座の上で胸を張っていた。

サトシ「美味いな、このピザ」

マーマネ「うん! 最高だよ!」

リーリエ「ポケモン達も手伝ってくれたんですよ」

ナギサ「ブイブイ」

ハラ「うむ。まさに味の宝石箱ですな」

ピカチュウ「チャ〜」

リーリエ「あれ? そういえばマーマネ、トゲデマルは?」

マーマネ「部屋で寝てるよ。ここに来るまでにはしゃぎ疲れちゃったみたいで」

リーリエ「ポケモン達もお食事中ですし、そろそろ連れてきてあげては?」

マーマネ「それもそうだねー」

カキ「…………」

マオ「どうしたの? カキ」

カキ「いや、何でもないんだ」


サトシ「……ところで博士。課外授業って何をするの?」

ククイ「お、電光石火の質問だな」

そう口にするとククイは箸を止めた。
 ▼ 7 ンチュラ@あかいいと 19/10/29 22:56:16 ID:c7/U1MbM [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「実は今、エーテル財団がウルトラホールに関する新しい技術を開発中なのさ。今回はバーネットから道具を泥棒してきた。こいつさ!」

ククイは後ろ手に控えてある幕を引っぺがした。その中には液晶とアンテナの備わった機械が置かれていた。

リーリエ「何ですか?これは」

ククイ「これは人為的にウルトラホールを開けるコンピュータドリルマシンだ。明日はこのマシンを使って実際にウルトラホールを開いてみる」

サトシ「ええ!?」

マオ「そんな! 危ないよ!」

リーリエ「マオの言う通りです。そんなことをしたら、またウルトラビーストたちが現れて」

ククイ「なあに、大丈夫さ。このマシンには特殊なセンサーがついていてな、ホールの中のウルトラビーストたちを探知することができる。つまり、ウルトラビーストのいない領域とアローラ地方とを結びつけることができるのさ。今回はこの実験を見るためにわざわざハラさんが絡みついてくれたってわけだ」

ハラ「うむ。まさに味の宝石箱ですな」

カキ「博士がそう言うならいいが……」

ピカチュウ「ピカピイ」

ククイの発表にクラスメイト達も一度は仰天したが、バーネットが携わっているということもあって、食事の時間は平穏なまま続いた。
事件はその数分後に起ることになる。


スイレン「どうしたの? 一体」
 ▼ 8 ポエラー@チルタリスナイト 19/10/29 22:58:06 ID:c7/U1MbM [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とある森の奥――。


ニャース「今日もドーナツがバカ売れだったニャー!」

ムサシ「資金集めも順調ね。この経済力でアローラの珍しいポケモン達を捕まえて……」

ソーナンス「ソ〜ナンス!」

ニャース「サカキ様に献上すれば、ニャー達の評価も爆上がりなのニャ!」

ミミッキュ「キュ」

ムサシ「あれ? そういえばコジロウは? さっきからいないんだけど」

ニャース「おかしいニャ。市場へ買い出しへ行ってくるって言ったきり、もう夜になってしまったのニャ」

ソーナンス「ソ〜ナンス?」
 ▼ 9 ンテイ@モコシのみ 19/10/29 23:00:27 ID:c7/U1MbM [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
館内の食堂。一同は狼狽した。
突如天井の明かりがぽつりと消え、辺りが真っ暗になったのである。

スイレン「停電!?」

リーリエ「そんな……」

ククイ「そんなバカな!」

マーマネ「うわー! 暗いの怖いよ暗いの怖いよ!」

マオ「マーマネ、落ち着いて!」

マーマネ「うわああああああああ」

リーリエ「!?」

マオ「何! なんの音!?」

ククイ「おいマーマネ、マーマネ! 返事をしろどうしたんだ!」

カキ「ブレーカーを見てくる! スイレン」

スイレン「うん。行こう」

サトシ「ピカチュウ! 10万ボルトで辺りを照らせ!」

ピカチュウ「ピーカチュウウウウウ」

マオ「え? マーマネ?」
 ▼ 10 レビィ@ベリブのみ 19/10/29 23:05:00 ID:c7/U1MbM [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキとスイレンの二人は、玄関横の事務室へ急いだ。

カキ「……ちくしょう、鍵がかかってやがる!」

スイレン「仕方ない」

食堂から漏れる喧騒で、今は緊急事態と見たスイレンは、勢いづいてドアを蹴破った。

スイレン「暗くて何も見えない」

カキ「バクガメス、かえんほうしゃだ!」

バクガメス「がめーす」

バクガメスの吐いた炎で、事務室の中は赤く照らされた。うず高く積まれた書類の手前、漆喰の壁の上方に、白金色の箱のようなものが見える。

カキ「あれか!? もう少し照らしてくれ」

バクガメス「がめーす」

スイレン「燃えちゃう、本が! アシレーヌ!」

アシレーヌ「しれーぬ」

炎と水で部屋は荒れてしまったが、橙色に微かに燃える炎が手伝い、二人はブレーカーを戻すことに成功した。
ポケモン達の活躍もあって、洋館には再び光が戻った。


「きゃああああああああああああああああああああ」

カキ「どうした!?」

スイレン「マオちゃんの声だ!」

けたたましいマオの叫び声を耳にすると、二人は急いで食堂へ戻った。
 ▼ 11 ララッパ@ユキノオナイト 19/10/29 23:07:35 ID:c7/U1MbM [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「これは……!」

明かりが戻ると、目を疑うような光景が一同を襲った。食堂に置かれたカプ・コケコの像が台座から落下し、マーマネがその下敷きになって血を流していたのである。

サトシ「マーマネ! おいマーマネ! しっかりしろ!」

カキ「おいどうしたんだ」

マオ「マーマネが……」

スイレン「こんなことって……」


ハラ「打ちどころが悪かったようですな」

ククイ「ええ。アイアンヘッドの一撃を食らったらしい。もう手遅れだ」

リーリエ「そんな……」

サトシ「マーマネ!!」
 ▼ 12 ーパ@サイコソーダ 19/10/29 23:11:01 ID:c7/U1MbM [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突然の悲報に、その場にいた全員が肩を落とした。

カキ「マーマネ……」

皆が言葉を失った。膝から崩れ落ちたリーリエを、スイレンとマオが抱きかかえ、六つの瞳が透明の涙を零している。


ハラ「……ともかく、こんな事故が起きては課外授業どころではありませんな。すぐに警察を呼びましょう」

カキ「そうですね……」

ピカチュウ「ピカピ!」

サトシ「どうしたんだ、ピカチュウ」

ピカチュウ「ピッカー!」

目を丸くしたピカチュウは、サトシのズボンの裾を掴んで、カプ・コケコの像を注視するように促した。

サトシ「これは……」

ククイ「サトシ」

サトシ「ああ、ククイ博士」


時計の針は7時を指している。
サトシはカプ・コケコの像の足元を見遣って、こう呟いた。

サトシ「ハラさん、至急警察を呼ぼう。これは殺人事件だ」
 ▼ 13 ディアン@アクセサリーいれ 19/10/29 23:18:06 ID:c7/U1MbM [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>5
支援ありがとうございます。


今日はここまでにさせてください。
犯人予想くらいなら自由にしてもらって大丈夫です。
 ▼ 14 リキテル@アクロママシーン 19/10/29 23:28:04 ID:H3lE5/gA NGネーム登録 NGID登録 報告
犯人はスイレン
 ▼ 15 ロッパフ@つきのふえ 19/10/29 23:31:38 ID:brAcBZgs [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエかな?
前に怪盗ジョーカーで似たようなトリックを見た気がする

 ▼ 16 ボツボ@にじいろのはね 19/10/29 23:41:27 ID:IqDYT06c NGネーム登録 NGID登録 報告
やっぱりクワガノンが犯人やろ
 ▼ 17 ブライカ@いのちのたま 19/10/29 23:43:02 ID:brAcBZgs [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドロドロ…ビチャッ(トリックが思いついたので確認したくてたまらない者の図)

支援
 ▼ 18 ガミュウツーX@じてんしゃ 19/10/30 22:56:48 ID:vlhEUKT2 [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「!?」

ハラ「何ですと!?」

マオ「さ、殺人!?」

サトシ「そうだ。カプ・コケコの像の根元にピアノ線が結わえてある……ピアノ線のもう片方を戸棚の底に結び付けておいて、ここを通った人間が引っかかると、自動的に像が落下するようにしたんだ」

スイレン「誰がそんなことを……許せない」

ククイ「とにかく、今は神速で警察へ連絡だ! 階段の横に電話があったろう」

マオ「私、行ってくる!」

カキ「俺も!」

シェイミ「しぇみ」

ククイ「俺もバーネットへ無線をつなぐ。すぐにマーマネの両親へ連絡するんだ。リーリエ、手伝ってくれ」

リーリエ「は、はい」

シロン「こーん」
 ▼ 19 タシラガ@びっくりこやし 19/10/30 22:59:50 ID:mRKw1Hzk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>15
>>17
間違ってて落ち込んでる

支援
 ▼ 20 ロッパフ@アクアカセット 19/10/30 23:04:52 ID:vlhEUKT2 [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「ダメだよ! 電話が繋がらない!」

ハラ「何ですと!?」

カキ「線が切られてるらしい」

ククイ「なら電光石火で町へ戻ろう!」

スイレン「ダメ、それも」

マオ「スイレン?」

サトシ「今スイレンと外を見てきたんだ。そしたら、吊り橋が切られてた。退路を断たれたのさ」

ハラ「何ですと!?」

カキ「くっ」

この瞬間、皆が頭を抱えた。
 ▼ 21 ンタロス@ふしぎなアメ 19/10/30 23:08:32 ID:vlhEUKT2 [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「まだ殺人犯がそこらをうろついてるかもしれない。今バーネットに無線を繋いでるが、それも絶望的なようだ……カキ、リザードンは?」

カキ「アーカラに返しちまった。今日はバクガメスしか連れてきていない」

マオ「私の手持ちはアマージョとシェイミだよ」

スイレン「私はナギサとアシレーヌ」

リーリエ「私は、シロンだけです」

サトシ「俺もピカチュウ以外は留守番させてきた」

ハラ「私はポケモンを持ってきていませんぞ」

ククイ「ちくしょう……俺もウォーグルを置いてきちまった。一体どうすれば」
 ▼ 22 マガル@たてのカセキ 19/10/30 23:12:19 ID:vlhEUKT2 [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
脈なきマーマネを空き部屋へと移送し、一同は再び食堂に集まった。

カキ「まず状況を整理しよう。俺たちが食事をしている最中、急に停電が起こって、暗所恐怖症のマーマネが取り乱した。マーマネの悲鳴が聞こえたのは明かりが消えて30秒ほど後のことだったよな? そこで俺とスイレンが明かりをつけるために事務室へ向かった」

スイレン「うん。合ってる。」

ナギサ「ブイブイ」

ククイ「事務室の状況は?」

カキ「そういえば、鍵がかかっていた」

スイレン「だからドアを壊した。我も忘れて」

ククイ「事務室の鍵はカプ・コケコの台座の傍らに吊るしてある、あの鍵束のうちのひとつだけだ」

ククイは落ち着いた声の調子で、台座の横、食堂の白い壁のフックに吊るされているマスター・キーを指差した。

ククイ「俺たちは明かりがつくまでの間、互いに声を掛け合っていた」

サトシ「ああ。時間は2分くらいだったぜ」

ククイ「大事なのは、犯人がカプ・コケコの仕掛けを作ったのが十中八九停電の最中だったってことだ。像がフリーフォールするまでに、俺たちのうちの何人かが確実にあそこを通っている……けれども仕掛けはなかった」

サトシ「となると全容はこうだ。犯人は予め鍵を盗んでおき、まず事務室で停電を起こした。鍵をかけた後で食堂へ向かい、仕掛けを作ってマーマネを嵌め、鍵を戻した後でこの食堂から逃げた……そうだな、食堂と事務室の距離の近さを考えると、予め仕掛けを用意していれば不可能じゃないはずだぜ」
 ▼ 23 イボルト@むしよせコロン 19/10/30 23:14:43 ID:vlhEUKT2 [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「本当だったんだ、あの噂」

スイレンは皆に背を向け、食堂のドアへ手をあてて、ぽつりと呟いた。

リーリエ「ウワサ?」

スイレン「ククイ博士の言ってた、あの」

ククイ「大丈夫だスイレン。この洋館の主人は病死だった。関係ない」

マオ「で、でも、不審死ってことは」

サトシ「博士、まだ話してないことがあるんだろ?」

マオ「博士!!」

ククイ「……そうだ」
 ▼ 24 ッピ@むげんのチケット 19/10/30 23:15:22 ID:vlhEUKT2 [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
雲の間、カーテンの隙間から月の光が漏れて、床の色を微かに白く変えていた。
ククイは居住まいを正してキャップを被り直し、こう説明した。

ククイ「月のない夜だったそうだ。その日、この洋館では海外の映画スターを集めたフェザーダンス・パーティーが開かれていた。宴のムードが最高潮に達した時、事件は起こる。酒に酔った一人の男が、カプ・コケコの像にワインボトルを投げつけたのさ。たとえ偶像だとしてもアローラの人たちにとっては守り神、その行為に腹を立てたアローラ地方の参加者たちは男に殴りかかった……と、ここまではそう不思議じゃない話だ」

静かに目を瞑ってククイは続ける。

ククイ「喧嘩を止めに入ったのがこの洋館の主人だった。おかげで騒動は一旦は沈静化したように見えた……けれども、この直後に謎の停電が起きてしまう。やっと明かりが戻った時には、奇妙なことに主人が床に臥せていて、既に亡くなっていたと」


マオ「…………」

サトシ「でも、博士は病死って言ったよね?」

ククイ「そう片づけられたってだけの話さ。実際はどうだか分からない。その証拠に」

ふと、ククイは口を止めた。食堂の脇では、未だ何が起きたか把握のできないポケモン達が、不安げな表情を燻らせている。

ククイ「まあ、この話はここまでにしよう。ひとまず今日はこの館内で夜を明かすしかない。そのために、怪しい奴がいないかみんなで見て回ろうぜ」
 ▼ 25 オー@おこづかいポン 19/10/30 23:22:18 ID:vlhEUKT2 [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシとククイ、スイレンの三人が二階を捜索することになった。

ククイ「なら、吊り橋は完全にハサミギロチンされていたんだな」

サトシ「ああ。もう対岸へ行く方法がないんだ」

ククイ「となると俺たちは完全に孤立してしまった。都合の悪いことに、課外授業は明後日の夕方までの予定だった。我々の境遇が発覚するのは早くとも明後日の夜だろう……すまない」

ククイは目を俯かせて謝罪の意を示した。

スイレン「ところで、さっきの話の続き」

ククイ「さっきの話?」

サトシ「そうだよ博士! あの噂の話さ。その証拠にって言いかけただろ?」

ククイ「…………」
 ▼ 26 ガプテラ@アッキのみ 19/10/30 23:23:37 ID:vlhEUKT2 [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ところどころポケモンの油絵の並ぶ廊下は真直ぐで、しんとした館内に人影は見当たらない。

ククイ「事件はあれで終わらなかったのさ。主人が謎の死を遂げた後、この洋館では続けざまに宿泊者たちの不審死が起こった。それを機にこの館は気味悪がられ、客足も遠のき、やがて世間の人々から忘れられるようになったってわけだ」

サトシ「なるほど、連続不審死事件か」

スイレン「連続……」

ここで、突然とある部屋のドアが開き、金属の緩い音が響いて、サトシたちを驚かせた。

サトシ「何だ!?」

ピカチュウ「ピカピーカ!」

トゲデマル「マリュリュウ!」

サトシ「トゲデマル!!」

トゲデマル「マーリューリュー!!」

ククイ「そういえば部屋にいたのか」

トゲデマル「マリュリュリュリュ!」

夕方は疲れ果てていたトゲデマルも、今は普段通りピカチュウに懐いている。
ただ、ピカチュウは気の毒げに耳を垂らしていた。その顔元を見出すと、トゲデマルは今度は三人を見渡して、自分を見舞うような眼差しを不思議がった。

スイレン「トゲデマル……」

この時、サトシがゆっくりしゃがみ込んで、トゲデマルの頭へ手を当てた。

サトシ「マーマネなんだけどさ、急に用事があるって遠くへ行っちゃったんだ。でも大丈夫。マーマネはトゲデマルのこと、いつも忘れないって言ってたぜ」

トゲデマル「マリュリュ!」
 ▼ 27 ラルバ@インドメタシン 19/10/30 23:24:37 ID:vlhEUKT2 [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「じゃあ誰もいなかったんだな」

カキ「ああ。クローゼットの中や階段の下、隅々まで探した」

リーリエ「ですが、どなたも見当たりませんでした」

スイレン「なら、逃げたの? この洋館の外に」

ククイ「そのようだな。なぜマーマネを狙ったのかは全く分からない」

トゲデマル「マリュリュ?」

サトシの足元から、目を丸くしたトゲデマルが飛び出した。

マオ「トゲデマル……」

ククイ「さっき、部屋から出てきたんだ。驚いたぜ」

ハラ「マーマネ君のポケモンですな。残念ながら、君のご主人は先ごろ事件に巻き込まれて帰らぬ人になってしまいましたぞ」


怪しい人影はこの洋館のどこにもなかった。
再び食堂に集まった一同は押し黙り、椅子へ腰かけてひどく俯いている者や、目を細めてポケモンを撫でている者もある。皆、この大事態に不意を突かれ、犯人の心当たりも動機も見えない奇怪な事件に憔悴していた。
 ▼ 28 ノヤコマ@むしのジュエル 19/10/30 23:25:15 ID:vlhEUKT2 [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「ピッピカチュウ!」

ナギサ「ぶいぶーい」

トゲデマル「マリュリュ?」

アマージョ「あーじょ、じょじょ」

ピカチュウ「ピーカピカ、ピーッカチュウ」

シロン「こん」

アシレーヌ「しれーぬぅ」

トゲデマル「マリュ……」

ナギサ「ぶい、ぶいぶーい」

アマージョ「あっじょ」

シェイミ「しぇみ」

トゲデマル「マリュ?」

バクガメス「がめーす!」

シロン「こーん!」

ピカチュウ「ピカピーカ、ピッピカチュウ!」

トゲデマル「マーーーリューーーリューーーーウ!!」
 ▼ 29 リテヤマ@リーフのいし 19/10/30 23:35:16 ID:vlhEUKT2 [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「誰かがこの惨状に気づいてくれればいいんだけどな」

マオ「そうだね」

庭先を見つめて独り言のように呟くサトシ。
マオは壁に縋って、返さなくてもいいようなその言葉へ空返事をした。

マオ「…………」

サトシ「どうした? マオ」

ピカチュウ「ピカー?」

マオ「……ねえサトシ、ちょっといい?」

サトシ「だからどうしたんだよ……っておい」

マオはサトシの袖を引っ張り、そのまま扉を開け、部屋の外に出た。
 ▼ 30 ガイドス@しんかいのウロコ 19/10/30 23:36:13 ID:vlhEUKT2 [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
玄関ホールでため息をつくと、かがやきさまの絵の見つめる先、階段の中央にマオは座り込んだ。

サトシ「何なんだよ急に」

マオ「どうしよう」

サトシ「へ?」

マオ「私、小さい頃にお母さんを亡くしたんだ。それから人の死が怖くて、恐ろしくて……もうあんな悲しいことなんて見たくなかった」

ピカチュウ「ピカ」

マオ「でも、マーマネが、マーマネは、死んじゃった……」

マオは涙をこらえきれず、両手を顔で覆った。
 ▼ 31 ィオネ@ズリのみ 19/10/30 23:38:46 ID:vlhEUKT2 [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオはしばらく泣き止まない。
玄関扉の小窓にはアローラの大きな月が浮かんでいて、空に放射している優雅な薄明りは、どこか夜の静かな海を連想させた。


サトシ「マオ」

しばらくしてサトシは口にした。

サトシ「辛かったんだな」

マオ「うん……」

サトシ「俺も親父がいないんだ。ポケモンを捕まえに行くと家を出たきり一度も帰ってこない。だから、マオの思ってることが分かるとは言えないけど、でも、気持ちは分け合えると思うんだ」

ピカチュウ「ピカピイ」

マオ「サトシ」

サトシ「正直、マーマネがいなくなっちゃったなんて全然信じられないよ。今でも目の前でプラグラム完全マッチだなんて言ってそうだもんな」

マオ「マーマネ……」


サトシは帽子で顔を隠した。
この熱帯地方に来てから起こったことのない震えが、全身に感じられた。

サトシ「無事に帰ろう。そしてまた元気にポケモンスクールへ通うんだ。マオの元気な笑顔が見たい」


サトシがそう言うと、マオは顔を覆っていた手で最後に涙を拭き、「そうだね」と告げた。
階段から立ち上がると、二人は食堂へ戻った。
 ▼ 32 ズマオウ@タブンネナイト 19/10/30 23:39:56 ID:vlhEUKT2 [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とある森の奥――


ムサシ「ねえ、コジロウはまだ帰ってこないの?」

ニャース「おかしいのニャ。市場の店もとっくに閉まってる時間なのニャ」

ムサシ「さすがにちょっと心配じゃない?」

ニャース「にゃ、にゃんと……ムサシが真面目にコジロウの心配をするにゃんて」

ソーナンス「ソ〜ナンス……」

ムサシ「そりゃそうよ。私たちこれでも息の長いコンビなんだから」

ニャース「まあそれもそうなのニャ」

ムサシ「でも、だいたいこういう時は決まってんのよ。私たちを心配させておいて、後でひょっこり帰って来る。可愛いポケモンを見つけたとかなんとかでさ。だからわざと身を案じてんの」

ニャース「なるほどニャース」

ソーナンス「ソ〜ナンス?」
 ▼ 33 ンニュート@チョークいし 19/10/30 23:50:29 ID:vlhEUKT2 [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでにします。

>>19
ご支援ありがとうございます。
 ▼ 34 ギア@ずがいのカセキ 19/10/30 23:54:45 ID:lWvUHNAE NGネーム登録 NGID登録 報告
ひとり無能な島キングがいませんかね……?
 ▼ 35 ーボック@ひかりのねんど 19/10/31 00:08:11 ID:vVOc.emA NGネーム登録 NGID登録 報告
マーマネで終わりじゃないんやな
 ▼ 36 ルタリス@ギネマのみ 19/10/31 02:04:40 ID:yI/ogAl. NGネーム登録 NGID登録 報告
誰が犯人か全くわからねえ……
支援
 ▼ 37 ャランゴ@パークボール 19/10/31 08:23:37 ID:2u/wFew. NGネーム登録 NGID登録 報告
ポケモンが犯人パターンもあるんか
 ▼ 38 ダツボミ@おしえテレビ 19/10/31 21:17:02 ID:ZkEwQ.0Y [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「紅茶でも淹れよう」

マオ「私、手伝います」

シェイミ「しぇみ」


時刻は夜の九時。
食堂は静まり返って、ククイとマオの足音がこの広い空間へ繰り返し響いた。

リーリエ「確か足元の戸棚に角砂糖があるはずですよ」

カキ「あと、小さいスプーンがなかったから、オーブンの手前にあるそいつを使ってくれ」

カキが実家のソフトクリーム販売で使用しているという、プラ製のスプーンを持ち出すように促した。

スイレン「手伝う、私も」

サトシ「みんなのマグカップは俺が出すよ。さっき洗っておいたからさ」

ククイ「おいおい、そんなに手助けしなくても紅茶くらい」

そう口にしながら、ククイは皆の行動を止めなかった。
朝から夕方、時には夜まであったクラスメイト達の日常。それと同じ光景が炊事場で立ち動いている。この風景にマーマネだけがいなかった。


手際の良いマオは、やかんの水を火に乗っけて、沸騰しかけた水でガラス製のポットを温めた。

マオ「あとはお湯を捨てて茶葉をいれればおっけーだよ。私、ちょっとお手洗いに出るね」

スイレン「マオちゃん、ひとりじゃ危ない。私も行く」
 ▼ 39 ガボスゴドラ@みどりのバンダナ 19/10/31 21:21:21 ID:ZkEwQ.0Y [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ピカピカ〜」

リーフティーが出来上がると、サトシとカキとリーリエの3人が各イスの前へ配っていく。


ククイ「さあ、こいつを飲んだら今日は眠ろう。明日の朝までにここから脱出する方法は考えておく……事件が起こった以上、悠長に警察の捜索を待つわけにもいかないからな」

ハラ「うむ。それがいいでしょうな」

カキ「そういえば博士。鍵束はどうしたんだ? カプ・コケコの横に吊るしてあったやつだ」

ククイ「鍵なら俺が持ってる。夜のうちにまた犯人が侵入してきて、こいつを泥棒されたら終わりだからな」

金属の互いにぶつかる音を響かせ、ククイは白衣のポケットから鍵束を見せた。

ククイ「マスターキーはこれだけだ。鍵をかけて眠れば今日のところは大丈夫だろう……ひとまずお茶を飲んで落ち着こう」

トゲデマル「マリュリュ〜」

ククイ「トゲデマル、お前も飲みたいのか?」

トゲデマル「マリュリュ〜」

ククイはマグカップの中を見せたが、トゲデマルが興味なさげな顔を見せると、「そりゃそうか」と苦笑して、ゆっくり紅茶を飲み干した。
 ▼ 40 キジカ@ヤミラミナイト 19/10/31 21:23:55 ID:ZkEwQ.0Y [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「さすがマオ監修の紅茶はひと味違うぜ」

リーリエ「ええ、そうですね」

ハラ「うむ。まさにドリンク界の政権交代ですな゛っ……っうっ、がばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!」

カキ「!?」

ククイ「ハラさん!!」

リーリエ「島キング!」

ハラ「ぐばあ゛あ゛あ゛、ぐお゛お゛お、なっ、ばお゛お゛お゛お゛お゛」

サトシ「!?」

カキ「ハラさん!!」

ククイ「島キング!」

ハラ「お゛お゛お゛お゛お゛、げぼほお゛お゛お゛お゛お゛おお゛お゛お゛……お゛ろ゛ろ゛ろ゛」

リーリエ「!?」

サトシ「ハラさん!!」

カキ「島キング!」

ハラ「げろ゛ろ゛ろ゛ろ゛……お゛お゛お゛お゛お゛おあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」


リーリエ「きゃあーーーーーーーっ!!」
 ▼ 41 ゲハント@オニゴーリナイト 19/10/31 21:26:51 ID:YCfIvfPM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デブの扱いが悪すぎる
 ▼ 42 ポポタス@マグマのしるし 19/10/31 21:28:06 ID:ZkEwQ.0Y [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「リーリエの声だ!」

スイレン「戻ろう、早く!」

二人がリーリエの叫び声を耳にしたのは、洗面所で手を拭いている時のことだった。

マオ「どうしたの!?」

カキ「ハラさんが……!!」

スイレン「そんな」

サトシ「くっ」


イスから転げ落ち、仰向けに倒れているハラ。
その脇にはハラの持参したミミロップのマグカップが転がっている。
ククイが口元を結んで島キングの傍らにしゃがみ、脈拍を確認した。

ククイ「ダメだ……クロスポイズンの一撃を食らっている」

カキ「バカな」

リーリエ「こんなことって……」

ククイ「みんな落ち着くんだ! とにかく何にも食べちゃいけない、ポケモン達もだ!」

アシレーヌ「しれーぬ?」

スイレン「アシレーヌ、ポケモンフーズもダメだよ」


マオ「一体誰がこんなことを」

ククイ「……分からん」
 ▼ 43 ャンデラ@クオのみ 19/10/31 21:35:44 ID:ZkEwQ.0Y [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ、カキ、ククイの3人で、ハラの遺体を外に出した。
先ほどよりも月が高くのぼって、洋館の煉瓦の外壁がおぼろに影をつくっていた。


ククイ「今の状況を思い出そう」

テーブルの上に置かれたマグカップ。口のつけられていないそれには、憔悴したククイの顔が映っていた。

カキ「ハラさんが叫びをあげたのは紅茶を飲んで少し後だった。この紅茶に毒が仕込まれたのは間違いない……でも一体どのタイミングで? 仕込みから完成まで、ずっと俺たちが行ったはずだ」

リーリエ「それに私やサトシ、ククイ博士は同じ紅茶を飲みました。なのに今何ともない」

カキとリーリエは俯き、それきり何も口には出さなかった。
部屋の隅でポケモン達が、この様子を神妙な面持ちで眺めている。

数秒の沈黙の後、サトシが静かにこう言った。

サトシ「ハラさんのマグカップに直接毒を仕込んだ」

リーリエ「!?」

カキ「サトシ」

ククイ「……くっ」

マオ「サトシ! それってまさか」

サトシ「みんなも薄々はそう思っているだろ。……犯人は俺たちの中にいるってことだ」

ピカチュウ「ピカピ」
 ▼ 44 リーラ@じしゃく 19/10/31 21:39:17 ID:ZkEwQ.0Y [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「ちょっと、そんなわけないでしょ! 一体どうして! そうよ、さっきの停電の時に犯人がハラさんのマグカップに毒を塗ったのよ!」

カキ「いやそれはない」

カキが言った。

カキ「あの時、ハラさんも俺たちも自分のマグカップを使っていた。もし夕食の時に塗られていたとしても、マグカップは全て食事の後に洗ったはずだ。このタイミングで毒に侵されることはありえない」

サトシ「それに最初の犯行。犯人はマーマネが暗所恐怖症だってことを知っていた。よく考えれば、身内以外にそのことを知っているのは俺たちくらいだ」

スイレン「待って。なら説明できない、停電を起こした方法が……あのとき私たちは全員食堂の中にいた」

マオ「そうだよ! ここにはエスパータイプのポケモンなんていない。私たちの誰かが犯人なら、一体どうやって停電させたっていうの!?」

サトシ「それは……」

マオ「私たちなわけないんだよ! だって、ほら、だってさ……」

言い終わらぬまま、マオはその場で涙を流した。
他の者たちはそれを機に押し黙り、暗く俯くばかりだった。
 ▼ 45 ールナー@ゴツゴツメット 19/10/31 21:46:18 ID:ZkEwQ.0Y [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とある森の奥――


ニャース「コジロウ、こんなところで何してるのニャ!」

コジロウ「おームサシにニャース」

ムサシ「おー じゃないでしょ! ずいぶん探したのよ!」

コジロウ「いやあ、すまない。我も忘れて新型メカの開発をしてたんだ」

ムサシ「新型メカ?」

コジロウ「そうさ! これぞロケット団の誇る超完璧なピカチュウ捕獲マシン、メカギャラドス3号だ!」

ニャース「ニャ?」

ソーナンス「ソーナンス?」

コジロウ「こいつさえあれば今度こそあのピカチュウを捕まえられるぜ」

ムサシ「なるほど」

コジロウ「そして俺たちは……」

ニャース「サカキ様に認められて、一気にロケット団幹部まで上り詰めるのニャ!」

ソーナンス「ソーナンス!!」
 ▼ 46 メンカ@パワーアンクル 19/10/31 21:52:10 ID:ZkEwQ.0Y [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「やかんに水を入れて沸騰させ、ポットを温めるまでをマオがやった。湯を捨てて茶葉をポットに入れ、再びお湯を入れたのはリーリエだった」

リーリエ「ええ。角砂糖も私が出してテーブルへ置きました」

カキ「俺はプラスチックのスプーンを包装から出して人数分をグラスに入れた」

サトシ「紅茶が出来上がった後、俺はみんなのマグカップに注いだ。ハラさんに紅茶を持って行ったのも俺だ」

スイレン「私はテーブルを拭いて、その後はマオちゃんと一緒にウンコへ行った」

カキ「一応訊いておくが、何か変わったことは?」

スイレン「何もなかった」

ナギサ「ブイブイ」


カキは「うーん」と唸って頭を抱えた。

カキ「どの時点で毒が盛られたか分からん。正直、この中の誰にも仕込むチャンスはあったはずだ。犯人が最初からハラさんを狙っていたかどうかすら何とも言えないしな」


サトシ「なあ、博士はどう思う」

サトシが訊いた。
帽子を深くかぶっていたククイは、拳を握ると、目元を柔らかくしてこう言った。

ククイ「……なあみんな、犯人探しなんてよさないか? ポケモンスクールの仲間だろ? きっとこの中に殺人犯がいるなんて勘違いさ。それより、今日はもう眠らないか」

リーリエ「博士……」

ククイ「俺はもう、疲れちまったんだ」

ピカチュウ「ピカピイ」
 ▼ 47 ウマ@ともだちてちょう 19/10/31 21:56:55 ID:ZkEwQ.0Y [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっと短いですが今日はここまでにします。
 ▼ 48 ネッコ@じゅうでんち 19/10/31 22:00:55 ID:8fOcLb0M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
是非完結させて欲しい
 ▼ 49 レフワン@やすうりポン 19/10/31 22:13:01 ID:ZkEwQ.0Y [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>48
支援ありがとうございます。
原稿の下書きは最後まで書いてありますので、未完の心配はありません。
 ▼ 50 カマル@みどりのはなびら 19/10/31 22:17:46 ID:nRrwdWXM NGネーム登録 NGID登録 報告
>>46
スイレンw
 ▼ 51 ブリー@おおきなマラサダ 19/11/01 03:32:56 ID:mNOY8hMA NGネーム登録 NGID登録 報告
ウンコでワロタww
支援
 ▼ 52 ガヤドラン@パワフルハーブ 19/11/01 08:01:43 ID:idzIfYXs NGネーム登録 NGID登録 報告
ククイ死亡フラグ
 ▼ 53 ゲキ@こないれ 19/11/01 19:21:28 ID:XZtUKlFk NGネーム登録 NGID登録 報告
あとハラ汚い
 ▼ 54 ムリット@しんじゅ 19/11/02 20:31:07 ID:rLmwf1Qg [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイの言葉が余程深刻だったのか、一同はお互いに疑心暗鬼の胸中を残したまま寝静まることにした。

ククイ「明日は7時に起床だ。みんな、鍵をかけて寝るように。マスターキーは俺が持っておくぞ」

そう口走ったきり、ククイは死んだような目をして自室へ籠ってしまった。


マオ「ねえ、今日は3人同じ部屋で寝ない? みんなが一緒なら怖くないでしょ」

スイレン「賛成。ナギサもアシレーヌも安心する」

マオ「いいでしょ、リーリエ……リーリエ?」

マオが目を遣ると、リーリエは自室の前で立ちすくんでいた。
足元ではシロンが困惑した表情でリーリエの顔元を窺っている。

マオ「ねえリーリエ」

リーリエ「ごめんなさい。わたくしは1人で眠ることにします」

マオ「そう……」

シロン「こーん」
 ▼ 55 イオーガ@ナナのみ 19/11/02 20:31:43 ID:rLmwf1Qg [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオとスイレンは顔を見合わせた。今までの経緯を辿れば、この洋館にいる誰もが犯人でない確証はない。
二人が狼狽していると、様子を見ていたカキがこう口にした。

カキ「ならリーリエ。こいつと一緒にいてくれないか」

トゲデマル「マリュリュ〜」

リーリエ「トゲデマル」

カキ「トゲデマルも寂しそうだ。それに、ポケモンならリーリエも安心だろ」

するとリーリエは「そうですね」と言って、カキの気遣いに束の間の安堵を覚えたのか、未だ事態の大きさを理解していない様子のトゲデマルをそっと呼び寄せた。
 ▼ 56 ナップ@オボンのみ 19/11/02 20:33:37 ID:rLmwf1Qg [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この夜は全員が別の部屋で床に就くことになった。


サトシ「リーリエ、少しいいか」

風呂に入った後、サトシはリーリエの部屋のドアをノックした。

リーリエ「どうしたんですか?」

サトシ「大したことじゃないんだ……ただ、何だかリーリエの元気がないような気がしてさ。何か考え事があるんだったら、話してみてくれないかと思って」

ピカチュウ「ピカピーカ」

リーリエ「…………」


寸刻の沈黙の後、ドア越しにリーリエは呟いた。

リーリエ「ごめんなさい」

サトシ「どうしたんだよ。俺たちスクールの仲間じゃないか」

リーリエ「気にしないで下さい。今日のことで気が動転しまって……サトシの言葉は本当にありがたいのですが、今はひとりで考えに耽りたいんです……ごめんなさい」

サトシ「リーリエ」
 ▼ 57 アル@はつでんしょキー 19/11/02 20:51:58 ID:rLmwf1Qg [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
森は寝静まっていた。
木の影がおどろおどろしく風景を支配し、閑寂とした空気が流れる夜半。

洋館に突如として大きな物音がしたのは、クラスメイト達が深い眠りについている時のことだった。

ピカチュウ「ピカピ!」

サトシ「何の音だ!?」

何かが爆発するような音で、サトシはベッドから飛び起きた。

サトシ「どうしたんだ!?」

サトシと同時にカキも部屋から飛び出してきた。

カキ「サトシ! 何が起きたんだ」

サトシ「分からない……リーリエ!」

リーリエ「一体……」

廊下の隅、ククイの部屋の前にはリーリエが立ちすくんでいた。

リーリエ「今の音は何なのでしょう!?」

シロン「こーん」

トゲデマル「マリュリュ?」

カキ「爆発音だったよな」


「きゃああああああああああああああ!!」

サトシ「!? マオの声だ!!」
 ▼ 58 ンドパン@プレミアボール 19/11/02 20:53:15 ID:rLmwf1Qg [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオの金切り声で、サトシとカキはひとまず階段の方へ急いだ。


カキ「今度はどうしたんだ!」

マオ「スイレンが……」

カキ「バカな」

階段の踊り場で、スイレンがうつ伏せに倒れていた。
サトシは階段を駆け下りてスイレンの名を呼んだ。

サトシ「スイレン!!」
 ▼ 59 ルキア@おとしもの 19/11/02 20:54:35 ID:rLmwf1Qg [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「サ、サトシ……」

サトシ「スイレン……大丈夫だ、生きてるよ」

意識が朦朧としているものの、肩に触れるとスイレンは呼びかけに応じ、それが分かるとカキもマオも胸を撫で下ろした。


マオ「一体どうしたの?」

スイレン「誰かに、階段から落とされた」

カキ「じゃあさっきの物音は」

サトシ「いや……」

サトシは首を横に振った。

サトシ「そんな音じゃなかった。もっと、何かが破裂するような」

ピカチュウ「ピカピ」


スイレンは頭を打ち付けたらしく、左の腕も折れているらしかった。
頭を抱えながらスイレンが立ち上がった矢先、俄かにリーリエが口を開いた。

リーリエ「皆さん、大変です」
 ▼ 60 ココ@するどいキバ 19/11/02 20:55:47 ID:rLmwf1Qg [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「リーリエ」

リーリエ「聞いてください。ククイ博士が部屋から出てこないんです」

マオ「!?」

サトシ「何だって!?」

一同は仰天してククイの部屋の前へと走った。


カキ「博士! おい博士! 寝てるのか!?」

マオ「ククイ博士! 大変なのスイレンが!」

カキ「ちくしょう、マスターキーは博士が持ってるんだった」

ドアノブを繰り返し上下させるカキ。

スイレン「任せて…… ヤーーー!!」

致し方なくスイレンがドアを蹴破る。
だが意識の戻ったばかりのスイレンは、「うっ……」と唸りその場にしゃがみ込んだ。

マオ「ダメだよスイレン、その状態で」

スイレン「ごめん、マオちゃん」


サトシ「ククイ博士!!」
 ▼ 61 ーテリー@シルバースプレー 19/11/02 20:57:30 ID:rLmwf1Qg [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その光景を目の当たりにした瞬間、クラスメイト達は目を疑うことになる。
ククイがベッドの脇で仰向けに倒れていたのだった。


サトシ「博士……」

サトシがゆっくりとククイの脈を探った。
首は横に振られた。

リーリエ「ククイ、博士……」

スイレン「博士まで」

マオ「一体、どうして」


皆が顔を青くした。
今度はポケモン達も事態を飲み込んでいるようで、シロンやシェイミ、ナギサも眉を落として困惑した表情を見せている。
 ▼ 62 メルゴン@けむりだま 19/11/02 20:58:49 ID:rLmwf1Qg [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「ちくしょう!! 誰がこんなことをしたってんだ!!」

シロン「こーん」

トゲデマル「マリュウ」

マオ「そうよ……みんなのうちの誰かなんでしょ……白状してよ! ねえ!」

シェイミ「しぇみ」

ナギサ「ブイ……」

マオが皆に目を向けた。全員が力なく目線を落としたままだった。

サトシ「みんな落ち着こうよ、このままじゃ」

マオ「落ち着いてなんかいられないよ! ククイ博士までこんなになっちゃって!!」

スイレン「マオちゃん!」

マオ「……何よ!」

スイレン「サトシの言う通りだよ。落ち着こう、今こそ」

マオ「スイレン」


窓越しでは空が僅かに藍色がかって、明るんできているのが見える。
クラスメイト達は一旦サトシの部屋へ向かった。
 ▼ 63 ルキー@ていこうのハネ 19/11/02 21:00:37 ID:rLmwf1Qg [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再び意識の朦朧としてきたスイレンをベッドで寝かせ、サトシは話を始めた。

サトシ「博士の肩の辺りに火傷の跡があった」

リーリエ「死因は何なのですか?」

サトシ「血も出てなかったし、絞殺されたような跡もなかった。恐らくあの火傷が関係しているのは間違いない」

カキ「俺たちの聞いた爆発音と関係がありそうだな」

サトシ「ああ」

カキ「ならもう一度博士の部屋を調べよう」

マオ「…………」


ピカチュウ「ピカア」

サトシ「ピカチュウ……そうだな」

カキ「どうしたんだ」

サトシ「さっき、部屋から出る時にピカチュウがドアを指して鳴いたんだ。その時にようやく気付いたことがあって……皆に言っておきたい」

リーリエ「ドア」

サトシ「そうだ。初めククイ博士の部屋には鍵が掛かっていた。加えて部屋の鍵もマスターキーもククイ博士のポケットの中にあった」

リーリエ「それってまさか」

サトシ「ああ。これは……」

カキ「密室殺人か」
 ▼ 64 ンタロス@ドラゴンジュエル 19/11/02 21:02:14 ID:DATU0iyo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
コナンやんけ!笑い
 ▼ 65 クリン@アイスメモリ 19/11/02 21:05:13 ID:rLmwf1Qg [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「密室……」

サトシ「そう。窓はきちんと閉まっていたし、スイレンが壊すまでドアにも鍵がかかっていた」

マオ「ちょっと待ってよ! それって不可能犯罪ってことでしょ!? そんなの、この中の誰にもできっこないじゃん」

シェイミ「しぇみ」

シロン「こーん」

カキ「確かにマオの言う通りだ」

マオ「やっぱりこの建物の中に犯人が潜んでるんだよ。それで、ゴーストポケモンか何かを使ってククイ博士を。そしたら、最初の停電も説明がつくじゃない!」


サトシ「…………」

ピカチュウ「ピカピ」

カキ「腑に落ちない表情だな」

サトシ「ああ。何だか違和感があってさ」

マオ「考えすぎだよサトシ」

サトシ「それにもうひとつの事件。スイレンが階段から落とされたことも調べなくちゃいけない」
 ▼ 66 レブー@おおきなねっこ 19/11/02 21:06:16 ID:rLmwf1Qg [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「話すよ。気絶するまでのこと」

遥か平らに生い茂った森の奥、山の端から温かい太陽の弧が昇り始めている。
まるでその光によって蘇生したように、ベッドに横たわるスイレンが口を開いた。

サトシ「体は大丈夫か」

スイレン「うん。だいぶ意識がはっきりしてきた」

ナギサ「ぶいぶい」

サトシ「どうして踊り場で倒れていたんだ?」

スイレン「夜に目が覚めた。窓の外が光ったから」

リーリエ「光?」

スイレンは四人の方を見て、ゆっくりと首を縦に振った。
 ▼ 67 ルダック@だいだいはなびら 19/11/02 21:07:00 ID:rLmwf1Qg [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「ククイ博士の部屋の方からだった。カメラのフラッシュみたいな強い光が何度かあって、気になって博士の部屋の前まで行こうとした」

廊下を境にククイと同じ方角にあるのはスイレンの部屋とマーマネの部屋だけだった。

マオ「そこで誰かに突き落とされたってこと?」

スイレン「うん」

カキ「犯人の顔は見なかったのか?」

スイレン「何も見えなかった。廊下を歩いてる時に、電気を消されたから……どのくらい気絶してたのかも」

ナギサ「ぶい」

カキ「とにかくその光が重要な鍵を握ってるのは間違いない。犯人は恐らく口封じのためにスイレンを階段から落としたんだろう」

サトシ「…………」
 ▼ 68 ブカス@ギネマのみ 19/11/02 21:07:58 ID:rLmwf1Qg [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「そういえばリーリエ」

リーリエ「は、はい」

サトシ「俺とカキが部屋から出たとき、リーリエは既に博士の部屋の前に立っていた。あの音がする前に、もう目が覚めてたってことか?」

リーリエ「それは……」

サトシ「一体何があったんだ」

リーリエ「…………」

カキ「そうだな。そのことは俺も気になっていた。説明してほしい」

マオ「……リーリエ?」


リーリエは前髪で目元を陰らせ、しばらく沈黙した。
やがて痺れを切らしたようにシロンが「こん」と鳴くと、リーリエは拳を握って事の次第を語り始めた。

リーリエ「ククイ博士に呼ばれたんです」
 ▼ 69 ウカザル@むらさきはなびら 19/11/02 21:17:27 ID:rLmwf1Qg [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「どういうことだ?」

リーリエ「博士から手紙をもらったんです。3時に部屋をノックしてくれ。話さなければならないことがある……と」

サトシ「話さなくちゃいけないこと、心当たりはあったのか? リーリエ」

リーリエ「それは」

カキ「事件のことなのか!?」

マオ「教えてよリーリエ」

リーリエ「それは……」

サトシ「リーリエ!」

リーリエ「そんなこと……わたくしにだって分かりませんよ」


いつもよりやや荒い口調でリーリエは告げ、そのままゆっくり立ち上がったかと思うと、シロンと一緒に部屋へ閉じ籠ってしまった。


マオ「リーリエ! 悪かったよリーリエ! ねえ開けて!」

親友の決死の呼びかけにもリーリエは応じず、たまに「ごめんなさい」などと囁きが聞こえたかと思うと、またドアの向こうは静まってしまった。
 ▼ 70 イル@フォトアルバム 19/11/02 21:35:09 ID:rLmwf1Qg [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一旦更新停滞します。

深夜から捜査編・解決編スタートさせますので
よろしくお願いします。
 ▼ 71 マズン@ファイトメモリ 19/11/02 21:54:41 ID:DATU0iyo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
途中で怪我する奴って怪しいよな
 ▼ 72 ィオネ@アップグレード 19/11/03 00:45:41 ID:tpc2gDas [1/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
長かった夜が終わり、洋館の白い壁に黄色味のかかった斑模様の朝陽が映っている。
連続殺人事件の舞台とは思えない、牧歌的な様相が館の中に溢れていた。


サトシ「ピカチュウ。もう一度3つの事件を洗い直すぞ」

ピカチュウ「チャア〜」


暗闇でマーマネの殺された第一の事件。
ティータイムにハラが毒殺された第二の事件。
ククイが密室で殺害された第三の事件。
この忌まわしき三つの事件の真相を暴くべく、サトシは洋館の中を探り始めた。


サトシ「まずはどうやって停電を起こしたかを探らないとな」

サトシは埃の臭いの燻る事務室へ足を踏み入れた。
「ゴーストポケモンの仕業」とマオは言っていたが、サトシはそう思っていなかった。
そんなポケモンを使えるならば、もっと簡単な犯行の方法があるはずだった。


サトシ「変なものがないかピカチュウも探してくれないか」

ピカチュウ「ピッカ〜」

至る所に古い冊子や帳簿の類が積み上げられている。
洋館中にある書類の一式が、全てこの部屋に集められていると見えた。


玄関ホールから事務室に入って来る人影があった。

スイレン「何してるの? サトシ」
 ▼ 73 ャンデラ@あおいバンダナ 19/11/03 00:47:28 ID:tpc2gDas [2/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「スイレン! 駄目だぜ寝てなきゃ!」

スイレン「大丈夫。右腕は痛むけど、頭の方は少し良くなった」

サトシ「そうか」

スイレンは左手を包帯で固定している。
この事務室で先ごろマオが薬箱を見つけたのだという。


サトシ「なあスイレン。停電が起きた時、何かおかしなこととかなかったか? 些細なことでもいいんだ」

スイレン「あの時は私も決死だったから……」

ナギサ「ぶいぶい」

スイレン「確かドアを破った後、暗くて中が見えないから、カキのバクガメスが炎を吐いて中を照らした……でも本に引火したから、アシレーヌの水で消した」

サトシは足元を見回した。
すると、端っこの焼け焦げている冊子がいくら見受けられた。

サトシ「確かにこの辺りの床に濡れた跡があるな。ブレーカーはこの真上か」


スイレン「……ところでサトシ」

サトシ「どうした?」
 ▼ 74 リヤード@どくけし 19/11/03 00:54:41 ID:tpc2gDas [3/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「昇ったね、朝陽」

サトシ「ああ」

朝の始まりを告げるように柔らかい日差しが窓から入ってくる。
つられてサトシも窓越しを眺めた。

サトシ「夢があるんだろ。バルーンに入って世界中の海を旅するって」

スイレン「うん」

光量が増して、見続けられないほど太陽の形が朧になったとき。スイレンはサトシの方を見た。

スイレン「マオちゃんやリーリエみたいなしっかりした夢は私にはない。ないけど、さ、スクールでみんなと一緒に学んでいるうちに気づいた。私はひとつの未来へ向かうより、海のような大きい場所の中で自然と対話する方が合ってるのかもって」


スイレンはいつになく柔らかい口調で話した。
何か遠くのものを見つめているような目をしていた。
 ▼ 75 ルノリ@エレキシード 19/11/03 00:55:33 ID:tpc2gDas [4/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「今、何を考えてるの」

サトシ「お腹がすいた」

スイレン「言うと思った」

サトシ「スイレンこそ浮かない表情に見えるぜ」

するとスイレンはカーテンを開けて、切り落とされた吊り橋の方を見た。


スイレン「どうしてこんなことになっちゃったんだろうって」

サトシ「正直俺も信じられない。もうマーマネやククイ博士と話すことができないなんて」

スイレン「うん」

窓外に顔を向けたまま、スイレンは俯いていた。


サトシ「……必ず抜け出そう。俺たちならきっとそれができる」
 ▼ 76 イクン@シーヤのみ 19/11/03 00:56:12 ID:tpc2gDas [5/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ピカピ!」

サトシ「どうしたピカチュウ?」

ピカチュウ「ピカピ!ピカピカ!」

尻尾の先端を床に向けるピカチュウ。
その先には何やら細い糸のようなものがあった。

サトシ「これは……テグス?」

スイレン「それ、私の釣り糸。そういえば昨日の夕方あげたの、ククイ博士に」

サトシ「何だって!? どうして釣り糸を?」

スイレン「分からない。その時は博士に後で分かるって言われた」

ピカチュウ「ピカ?」

サトシ「どうしてそれがこんな場所に……?」

スイレン「あたたた……」

サトシ「スイレン! やっぱり寝てなって」

スイレン「ごめん……邪魔しちゃって」

ナギサ「ぶいぶい」


頭を抱えるスイレンを支えて、サトシは事務室から出た。
 ▼ 77 シャーナ@マチスのサイン 19/11/03 00:59:56 ID:tpc2gDas [6/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシは食堂へ赴いた。

サトシ「停電の折、ここでマーマネがパニックになってピアノ線に引っかかり、犯人の魔の手にかかった……」

ピカチュウ「ピカピカ」

サトシ「そこで手分けしてこの洋館の中を探したが怪しい奴なんて潜んでいなかった。気を落ち着けるために紅茶を飲んでいると、今度はハラさんが毒にやられて倒れた」

ピカチュウ「ピカピカ〜?」

サトシ「……ピカチュウも何か腑に落ちないことがあるか」

ピカチュウ「ピカア」


食堂は整然としていた。
毒殺に使用されたであろう食器類は現場保存のためにと昨日のままにしてある。
カプ・コケコの像も無残に倒されたままであった。


ピカチュウ「ピカピーカ、ピカピカチュウ、ピーカ、ピ、ピッカー」

静かな面持ちのままピカチュウはサトシへ何かを語りかける。

ピカチュウ「ピカピ、ピーカピカ、ピカ、ピーカチュウ」

サトシ「ごめん、何言ってるか全然分かんないや」

ピカチュウ「ピカ〜!」

サトシ「ピカチュウ。ひとまずククイ博士の部屋へ行ってみよう」
 ▼ 78 ォッコ@ノーマルZ 19/11/03 01:02:28 ID:tpc2gDas [7/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシは再度ククイの部屋を訪れた。


サトシ「カキも調べものか」

カキ「まあな。これで被害者は3人目だ。俺の手で真相を暴き出して、こんなことをした犯人へ何としても罪を償わせる」

カキは真剣な眼差しでククイの遺体に見入っていた。

サトシ「あっちの方は大丈夫なのか?」

カキ「マオとスイレンは同じ部屋にいる。それにアマージョとアシレーヌに今はバクガメスもついてる。ポケモン達がいればひとまず安心だろう」

サトシ「……リーリエは?」

カキ「相変わらずだ。部屋から出てこない」

サトシ「そうか」

そう口にすると、サトシもククイの遺体に目を移した。


サトシ「死因が分からない」

カキ「ああ」

ククイには肩から脇腹にかけて黒い火傷の跡があった。
あったが、この異様な形式の火傷が、どんな方法・攻撃でついたものかは理解し難い。

ピカチュウ「ピカピ!」

サトシ「ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピカア。ピーカチュウウウ」

ピカチュウは頬袋をやや膨らませて、10万ボルトを出す寸前の、電気の糸を走らせた。
 ▼ 79 ラブ@パークボール 19/11/03 01:10:53 ID:tpc2gDas [8/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「なあカキ」

カキ「ああ」

サトシとカキは互いに目を見合わせた。

カキ「サトシ。確かあの破裂音を聞いた後、俺たちはほぼ同時に部屋から出てきたよな?」

サトシ「うん。それは間違いない」

ピカチュウ「チャ〜」

サトシ「スイレンは強い光を見たと言っていた」

ピカチュウ「ピ〜カ〜」

サトシとカキは自ずと部屋の中を見回した。

カキ「サトシ。こういうことを言うのは不謹慎かもしれないが、先に事件の全貌を暴くのは俺だ。3人を弔うために俺は全力を賭ける」

サトシ「カキ……」

ピカチュウ「ピカ」

サトシ「なるほど。それなら、俺たちも全力を見せようぜピカチュウ」

ピカチュウ「ピカピ!」
 ▼ 80 ォーグル@カビチュウ 19/11/03 01:15:26 ID:tpc2gDas [9/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシは一度自室へ戻った。
大方の犯人の目星がつき、威勢よく全力を出すと言った。言ったものの、3つの事件の全容を導くには、どうしても大きな軸、動脈のようなものが足りないような気がしていた。


サトシ「……だけど、どうして」

マーマネ、ハラ、ククイ。
この課外授業の最中、なぜ自分の身近にいるアローラの仲間たちが、立て続けに殺されねばならなかったのか。
このとき、サトシの中にあったのは真相解明への信念よりも、遥かに大きな怒りと悲哀だった。

ピカチュウ「ピカ?」


サトシはベッドに横たわった。
普段ククイの家で眠るときよりも天井が高い。息のしやすいような光景はかえってサトシを酔わせるような感覚に陥れた。

マーマネもハラもククイも、二度と帰っては来ない。
事件の凄惨さに遅れをとっていた悲しみが、スクールでの生活とともに沸き上がり、サトシの胸へ大波のように押し寄せた。
 ▼ 81 ルキモノ@フシギバナイト 19/11/03 01:23:22 ID:tpc2gDas [10/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「犯人は」

ピカチュウ「ピカ?」

サトシ「ピカチュウ」

ピカチュウ「ピカピ、ピーッカー、ピイ、ピカチュピ、ピカピィ」

サトシ「そうか……」

黄色い鼠を抱きかかえ、サトシはベッドから跳ね起きた。


サトシ「ピカチュウ! 俺はとんでもない勘違いをしてたんだ! となると犯人は……」

ピカチュウ「ピカ?」

サトシ「あとは確証がほしい! 行くぜピカチュウ!」

ピカチュウ「チャ〜」
 ▼ 82 ノノクス@わすれもの 19/11/03 01:36:22 ID:9HyQDuMo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 83 マタナ@びっくりこやし 19/11/03 01:36:39 ID:tpc2gDas [11/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次回から解決編に進みます。

明日更新できるか分かりませんが、いずれにせよ夜以降になるかと思います。
 ▼ 84 テトプス@トロピカルメール 19/11/03 01:53:23 ID:DmxUZGxQ NGネーム登録 NGID登録 報告
実はマーマネが生きてて暗躍してた、とか
 ▼ 85 ェローチェ@ドラゴンZ 19/11/03 01:59:27 ID:tpc2gDas [12/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>82
>>84
支援ありがとうございます。

次から解決編なので、もうトリック予想とかしてもらっても構いません。
 ▼ 86 プ・テテフ@どくけし 19/11/03 02:22:05 ID:A3yY5/1o NGネーム登録 NGID登録 報告
なら

マーマネーマネとククイが共犯で、死んだと思われたマーマネが暗躍して結局ククイも殺したとか?
 ▼ 87 ャビー@バーゲンチケット 19/11/03 09:36:14 ID:n8sQFYh. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 88 リゴン2@トウガのみ 19/11/03 17:56:39 ID:KmP2Vzb6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 89 ンムー@もののけプレート 19/11/03 21:02:12 ID:q5UE56hU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 90 マコブシ@ラムのみ 19/11/03 21:34:48 ID:tpc2gDas [13/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
異様に静かな朝だった。
風になびいて木の葉の掠れる音はひとつもなく、まるで凪の浜辺にいるようであった。


サトシはスイレンの部屋に全員を集めた。

マオ「出てきて大丈夫だったの? リーリエ」

リーリエ「……はい」

カキ「どういうことだサトシ? なぜ俺たちを呼んだ」

トゲデマル「マリュウ」

シロン「こーん」

サトシ「分かったからさ。この事件の全容と、三人を殺した犯人が誰なのかが」

カキ「何だって!?」

スイレン「犯人が……?」

カキ、マオ、スイレン、リーリエの4人は疑心暗鬼に顔を見合わせた。
なおもサトシは自信のこもった表情を崩さない。


カキ「聞こうじゃないかサトシ」

サトシ「ああ」

ピカチュウ「ピカピイ」


咳払いをひとつして、サトシは語り始めた。

サトシ「犯人はこの中にいる」
 ▼ 91 ココ@ミックスオレ 19/11/03 21:40:30 ID:tpc2gDas [14/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「そんな」

スイレン「この中に」

ベッドの上で横たわっているスイレンが呟く。

サトシ「その通りだ。マーマネが暗闇で罠にかかった第一の事件。ハラさんが毒殺された第二の事件。そしてククイ博士が密室で殺害された第三の事件。この三つの事件を思い起こすと、どうしても大きな謎が二つ残る。一つはマーマネの事件の前に起った停電だ。当時、俺たちは間違いなく全員食堂の中にいた。つまり全員にアリバイが成立していたことになる」

ナギサ「ぶい」

サトシ「そしてもうひとつはククイ博士の事件。博士が倒れているのを発見した時、部屋の鍵もマスターキーも全て博士のポケットの中に入っていた。つまりククイ博士は完全な密室で殺害されたってことだ」

マオ「だから言ったじゃないサトシ。ゴーストポケモンだよ。壁をすり抜けられたら、密室もアリバイも関係ないじゃない」

シェイミ「しぇみ」

サトシ「そう、確かにマオの言う通りだ。でも、だったらなぜ犯人はわざわざ暗所恐怖症を利用してマーマネを殺害したんだ? 他に方法はあったはずだ」

マオ「それは……」

マオは目を細めて俯いた。途端アマージョがボールから出てきて、慰めようとしているのかマオの足元へ身を寄せている。


カキ「ならサトシ。教えてもらおうか。この中にいる犯人が一体どうやってあの停電を起こしたのかを」

サトシ「そうだな」

サトシは居住まいを正した。

サトシ「とある方法を使って昨夜の停電を起こした犯人は……」
 ▼ 92 ナップ@ルカリオナイト 19/11/03 21:47:17 ID:tpc2gDas [15/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「犯人はリーリエだ」

マオ「!?」

スイレン「リーリエ……」

リーリエ「…………」


マオ「サトシ! いい加減にして! リーリエがそんなことするわけないでしょ!」

サトシ「悪いけどマオ、感情論は抜きにしようぜ。とある方法を使えば食堂にいながら停電を起こすことはできるんだ……ポケモンの技を使って」

カキ「技だと?」

シロン「こーん……」

怒りを露わにしているマオ。その場でふさぎ込むリーリエ。
奇妙な沈黙が一瞬、この部屋にあった。サトシは沈黙を嫌悪するように推理を続けた。


サトシ「事務室にこの焼けた釣り糸が落ちていた。恐らくトリックに使われたものだ。リーリエはこの釣り糸の先端を結んで輪っかをつくり、ブレーカーに引っかけた。そしてもう一方の先端に事務室の本を括り付け、本が落下すると自動的にブレーカーが落ちるように仕組んだんだ」

スイレン「本、自動的……」

サトシ「スイレンも見たろう。事務室の床が濡れているのを」

スイレン「まさか」

サトシ「ああ。リーリエは氷を使ったんだ。予め用意した仕掛けの土台にシロンの技で作った氷を置き、氷が溶けるとひとりでに本が落下し停電が起きるようにしたのさ」

カキ「……なるほど。シロンの持ち主であるリーリエなら造作もない仕掛けというわけか。確かに、昨晩夕飯を作っている時、リーリエはシロンを見てくると言って炊事場を離れていた」

サトシ「恐らく仕掛けを作ったのはその時だろう」
 ▼ 93 ルッグ@モモンのみ 19/11/03 21:48:31 ID:tpc2gDas [16/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「…………」

マオ「リーリエ? ねえ嘘だよねリーリエ?」

ナギサ「ぶい?」

アマージョ「あーじょ?」

シロン「こーん……」

リーリエ「マオ……」


時計の秒針が静かに脈打つように一秒を知らせる。
リーリエに触れようと弱々しい力で手を伸ばそうとするマオ。だがリーリエは拳を握って、それに答えようとはしなかった。


この時間を破るように、サトシは付言する。

サトシ「そしてもうひとつは密室殺人の謎だ。実はさっきカキと一緒に博士の部屋を調べているときに気づいた。博士の死因は他でもない、感電死だった」

カキ「…………」

スイレン「感電? それなら、あの時見たのは」

サトシ「博士の肩から一直線に黒く焦げた跡があった。恐らく通電によってできた痕跡だ……電気技ならドアの下の隙間を使えば攻撃できる。スイレンが見たのは電気技で発生する閃光だった……そうだろ」

トゲデマル「マリュリュ?」

サトシはトゲデマルを見た。とても無垢な表情であった。


カキ「なるほど。だからあの時、リーリエは博士の部屋の前にいた」

マオ「リーリエ……トゲデマル……」
 ▼ 94 ガメタグロス@いいつりざお 19/11/03 21:49:25 ID:tpc2gDas [17/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「…………」

マオ「リーリエ!!」

その時、マオが宙ぶらりんになっていた手に力を込め、リーリエの頬を平手打ちした。

マオ「何でこんなことしたのよ! マーマネも、ククイ博士も、大事なポケモンスクールの仲間じゃないの! なのにどうして!!」

スイレン「マオちゃん!!」

カキ「…………」

シェイミ「しぇみ」

リーリエ「…………」

マオ「あんただって私の大事な親友なのよ! なのに、あんたは、どうして……」

マオは顔を両手で拭っていた。



サトシ「マオ」

マオ「何よ……!」


サトシ「リーリエは三人を殺した犯人じゃないよ」
 ▼ 95 ミロップ@いわのジュエル 19/11/03 21:53:34 ID:q5UE56hU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
何だと
 ▼ 96 リアドス@じてんしゃ 19/11/03 21:57:00 ID:tpc2gDas [18/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「え?」

一同はサトシの言葉に驚愕した。


カキ「どういうことだサトシ!? 今の方法なら、どう考えたって」

サトシ「最初は俺もリーリエが犯人だと思っていたんだ。でも、何か違和感を覚えて……ピカチュウに教えられた気がしたんだ。俺は真犯人の仕組んだ罠に嵌められていたんだって」

シロン「こーん?」

トゲデマル「マリュリュ?」

ピカチュウ「ピカピイ!」

マオ「罠?」

サトシ「ああ。鍵はハラさんの殺された第二の事件にある。みんな考えてみてくれ、もしリーリエが密室を装ってまでククイ博士を殺害したなら、どうしてハラさんをあんな形で毒殺したんだ? あの事件から俺たちは犯人が内部にいることを察し始めた。それにマーマネの暗所恐怖症を利用した件も同じだ。こんなの、自分にかけられる嫌疑をわざわざ強めているようなものじゃないか。外部犯に見せかけることはできたはずなのに」

シェイミ「しぇみ」

サトシ「その理由はひとつしかない。三人を殺害した犯人は、容疑者を内部の人間に限定し、そしてまんまとリーリエに罪を着せようとしたのさ」

マオ「!?」

アマージョ「アージョ?」

ピカチュウ「ピカピ!」



サトシ「マーマネ、ハラさん、ククイ博士の3人を殺した真犯人は……」


 ▼ 97 ングドラ@ヤミラミナイト 19/11/03 22:06:18 ID:tpc2gDas [19/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「3人を殺した犯人はカキ! お前だ!」

カキ「な!?」

マオ「カキが犯人!?」

ナギサ「ぶい?」

スイレン「リーリエに罪を着せた……?」


カキ「おいおい、何いきなり滅茶苦茶なこと言ってるんだサトシ! 今までの話ならどう考えても犯人はリーリエだろ」

サトシ「就寝前にリーリエにトゲデマルを預けていたのはカキだ。リーリエをククイ博士の部屋の前までおびき出し、電撃のトリックを使ってあたかもリーリエが犯行を行ったように見せたんだろう」

カキ「馬鹿げた妄想だ! だいたい俺がやったってんなら、さっきの停電の話はどうなる!? 氷を作ったのはリーリエなんだろ? それに俺だってあのとき食堂にいたんだぞ」

スイレン「繋がらない。サトシの話」

ピカチュウ「ピカピーカ」

サトシ「そう。確かに停電のトリックを使ったのはリーリエだ。けど、それを利用してマーマネを殺したのはカキ、お前だ。リーリエは停電の前にマーマネにトゲデマルを連れてくるように言っていた。犯人がそんなことを口にするはずはない」

カキ「何だと!?」

マオ「どうして停電なんて? リーリエ」

リーリエ「……訳を話します」
 ▼ 98 リープ@ダウジングマシン 19/11/03 22:07:01 ID:tpc2gDas [20/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「夕飯作りの途中、わたくしは一時抜け出し、シロンと一緒に先ほどの方法でブレーカーを落とす仕掛けを作りました」

スイレン「どうして」

リーリエはしばし俯き、シロンと目を見合わせた。
シロンはリーリエのあらゆる発言を赦すかのように微笑んだ。


リーリエ「昨日……昨日は、サトシの誕生日だったんです。だからククイ博士と話し合って、サトシのアローラサプライズパーティをやることにしました。電気を消して、少しばかりみんなを驚かせた後、外で花火を打ち上げようと」

サトシ「リーリエ」

スイレン「そういえば、誕生日の話してた。昨日まで」

リーリエ「良かれと思ってサトシや皆さんには内緒にしていました。暗いのが苦手なマーマネには、トゲデマルと一緒にいるように課外授業の前に伝えていたのですが……」

マオ「でも停電になったとき、リーリエもククイ博士もびっくりしてたよね?」

リーリエ「はい、驚きました。氷の大きさや室内の温度を計算して、時間を調整するようにしていましたから……家でも何度か実験をしました。でも、実際は予定よりかなり早くに電気が落ちてしまい……マーマネがトゲデマルを連れてくる前に……」

シロン「こーん」

ピカチュウ「ピカピカ!」


スイレン「まさか」

サトシ「そう。氷の溶ける時間はリーリエの知らない間に操作されていたのさ」

リーリエ「!?」

カキ「…………」
 ▼ 99 ンキー@フライングメモリ 19/11/03 22:30:05 ID:tpc2gDas [21/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「カキ。お前はリーリエとククイ博士が停電を起こすという情報を仕入れ、利用しようと考えた。そこでリーリエが仕掛けを作った後で鍵をもって密かに事務室へ侵入し、バクガメスの炎で氷を小さくした。停電が起きると今度は食堂でピアノ線の仕掛けを用意し、マーマネを嵌めた後で事務室へ向かった。スイレンを随行させたのは、バクガメスの炎とアシレーヌの水技で氷の痕跡を消すためだ」

マオ「待って! さっきサトシはリーリエに罪を着せるためって言ったよね? ならどうして仕掛けの跡が分からなくなるようにしたの?」

サトシ「それもカキの作戦のひとつさ。もしトリックを公にしたら、自分が氷を溶かしたことがバレてしまう可能性がある。……そしてククイ博士もこの仕掛けのことは最後まで話さなかった。俺たちの中に犯人がいると分かったときも肩を落としていたし、きっと生徒として俺たちのことを誰よりも気にかけていたんだろう」

リーリエ「はい。最初のマーマネの事件の後、無線を繋ごうとしている時に、ククイ博士はわたくしのせいじゃないと頻りに言ってくれました……それにサプライズのことを話せば、わたくしやそしてサトシがきっと酷く落ち込む、犯人は自分が捕まえるから、その時まで仕掛けのことは黙っていてくれと、そう言われました。もしかしたら、内部犯であることをあの時既に考えていたのかもしれません」


それきり、リーリエは声を震わせ、「ごめんなさい」と何度も口にした。

サトシはリーリエの頭に手を置いた。

サトシ「ありがとうな、リーリエ。俺の誕生日のためにそこまで考えてくれてたんだからさ」

リーリエ「サトシ……」

サトシ「それにリーリエなら自分が利用されていることに気づいていたはずだ。だから部屋に閉じ籠ってたんだな……辛かったろ」

ピカチュウ「ピカピ!」


サトシ「カキ。お前は博士を殺すことまでを画策して、リーリエを追い詰めていった」
 ▼ 100 ュカイン@ていこうのハネ 19/11/03 22:30:43 ID:tpc2gDas [22/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「おいおい、さっきから聞いていれば全部憶測の推理ごっこじゃないか。感心させてくれるのはいいが、なら俺は一体どうやってククイ博士を殺したんだ? 感電させたにしても、俺は電気タイプのポケモンなんか持ってないんだぞ?」

スイレン「確かに、それは最大の謎。密室トリックが破れない」

ナギサ「ぶいぶい」

サトシ「そう。悪いけど、密室トリックの謎は一旦振り出しだ。電撃でドアの下から攻撃したなんてやり方は到底ありえない」

マオ「……どういうこと?」

シェイミ「しぇみ」


サトシ「考えてみてくれ。そんな方法で電撃を使ったなら、ドアの下にいくらか焦げた跡が残るはずだ。さっき確かめてみたけど、そんな痕跡はどこにも見当たらなかった」

アマージョ「ジョ?」

トゲデマル「マリュリュ」

スイレン「サトシ、謎。何を言ってるのか」

サトシ「悪いな。けど、ある方法を使えばこの密室トリックは実現できるんだ」

ピカチュウ「ピカピカー!」


サトシ「その方法は」


 ▼ 101 ンフィア@はかせのふくめん 19/11/03 22:33:03 ID:tpc2gDas [23/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「方法は簡単だ。カキは博士の部屋にウルトラビーストを呼び寄せたのさ」

リーリエ「ウルトラビーストって、サトシ、もしかして」

シロン「こーん」

サトシ「リーリエの思っている通りだ。昨日の食事の時、博士がみんなに見せていたドリルマシン。あれを使ったのさ。カキはハラさんのマグカップに毒を入れた時、同時にククイ博士のそれにも睡眠薬をまぜておいた。そして博士が寝静まった後、ドリルマシンを使って博士の部屋にウルトラホールを開き、探知しておいたウルトラビーストを呼び寄せ、電撃で博士を殺害したのさ。確かデンジュモクってポケモンがいただろう」

リーリエ「なるほど、わたくし本で読んだことがあります。デンジュモクの特攻種族値は173……トゲデマルやピカチュウと比べても遥かに高い数値です」

カキ「…………」

スイレン「あり得る。デンジュモクの電気技なら……あの強い光」

サトシ「スイレンを階段から落としたのもカキだ。リーリエを呼び出した時間には既に博士は殺された後だったんだろう。でも犯行時に騒がれれば、リーリエを呼び出した意味がなくなってしまう、だからスイレンを気絶させ、しばらく経った後で爆音を鳴らした。あれは花火の音だ。バクガメスの火炎放射で、昨晩使うはずだった花火を部屋にいながら鳴らしたんだろ」



カキ「いい加減にしろ! さっきから空論ばかりで何の物証もないじゃないか! このやり方なら他のみんなにだってできるはずだ!」

カキは強い口調で主張した。

サトシ「……ならリーリエ、あれを出してくれ」
 ▼ 102 ロストロトム@なつきポン 19/11/03 22:34:14 ID:tpc2gDas [24/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「はい」


するとリーリエはポケットを探った。親指と人差し指で何か細いものを抓んでいる。

リーリエ「ククイ博士からもらった便箋の間に挟まってました。赤い髪の毛です」

カキ「何だと!?」

サトシ「長さや色合いからして、どうやらカキの前髪と酷似している。平たく考えれば、これを書いた犯人の髪の毛が挟まってしまったんだろう」

カキ「そんなものは捏造だ! 俺を陥れるための策略だ!」

サトシ「どうしてそう言える? 俺は事実を並べたつもりだ」

カキ「俺は何度もこの洋館の通路を通っている。床に落ちていたのが偶然挟まったものかもしれないじゃないか! 何の証拠にもならん!」


サトシ「…………」

その時、部屋は水を打ったように静かになった。

リーリエ「……カキ」

カキ「何だよ」

リーリエ「私はその便箋を部屋のドアの足元で見つけました。でも見つけた場所までは誰にも話していません。どうして床に落ちていたことを知っているのですか」

カキ「それは……」
 ▼ 103 ンプジン@ポケじゃらし 19/11/03 22:35:37 ID:tpc2gDas [25/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

1時間前――


サトシ「リーリエ! リーリエ! 頼むよドアを開けてくれ!」

リーリエ「無理です。そっとしておいて下さい」

サトシ「それどころじゃないんだ! 分かったんだよ事件のことが」

リーリエ「いくらサトシでも、今は会いたくないんです」


サトシ「なら仕方ない、最後の手段だ。 ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカピカア!」

リーリエ「え?」

サトシ「ドアの隙間から10万ボルトだ!!」

ピカチュウ「ピイカチューーーーーーーーウ!!」

リーリエ「あややややややややややややややややや!! ……ビリビリ」



そうして根負けしたリーリエは、しぶしぶ自室のドアを開けたのだった。

ピカチュウ「ピカピ」

サトシ「ピカチュウ……これは、ドアの下とフローリングに焦げた跡が残っている……? やはり密室を作ったのはこのトリックじゃなかったってことか」
 ▼ 104 ニシズクモ@アクロママシーン 19/11/03 22:37:55 ID:tpc2gDas [26/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「真犯人が分かったんだ。同時にリーリエが犯人じゃないってこともね」

リーリエ「サトシ……! ビリビリ」

サトシ「閉じ籠ってたのは、自分が犯人にされそうだったからか」

リーリエ「はい」

サトシ「悪かったよ。俺だってリーリエを信じてあげられなかった」

リーリエ「いいんです! 疑惑が晴れたなら」

シロン「こーん」

このとき、リーリエの眼が少しだけ日常の光を取り戻したような気がした。


サトシはリーリエの部屋を見回した。
犯人の目星はついているが、物的証拠をつけることができない。
となれば、何らかの方法で口を割らせるのが得策である。


サトシ「なあ、ククイ博士から呼ばれたって言ってたよな? 手紙をもらったんだろ?」

リーリエ「はい……これです。これがドアの下に落ちていました」

この時、サトシの頭にはとある作戦が浮かんでいた。
確実ではないが、犯人の秘密を暴露させる最も手早い方法だった。


サトシ「リーリエ。頼みがあるんだ。この手紙の間に髪の毛が挟まっていたことにする。だから……」
 ▼ 105 リゲイツ@ドリームボール 19/11/03 22:39:12 ID:tpc2gDas [27/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「そういうことだカキ。リーリエ以外に知っている人間がいるとすれば、それは犯人以外にありえない。まだ弁明はあるか知らないが、バーネット博士にマシンの使用履歴を解析してもらえば、いずれ犯行の全容は分かるだろう」

マオ「カキ……本当なの?」

スイレン「どうしてこんな……」

シェイミ「しぇみ」


すると、カキは拳を強く握ってこう口走った。

カキ「どうしてこんなだって!? ハハッ、知りたいか!?」

ピカチュウ「ピカー?」

サトシ「…………」

カキ「スクールでの毎日! ポケモンのことを学んだり、時に課外授業や遠足をしたり……それは楽しい毎日だったさ! だが俺はいつもいつでも満足はしていなかった!! 何故なら俺は……リーリエ! お前のことを深く愛していたからだ!!」

マオ「そんな」

リーリエ「……カキ!?」

シロン「こーん」

カキ「その顔が証拠だ! お前はそんなことをつゆも知らなかっただろう!!」
 ▼ 106 ガヘラクロス@かざんのおきいし 19/11/03 22:40:59 ID:tpc2gDas [28/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「お前がスクールにやってきた時からだ! 俺はお前の麗しさにひと目で惚れてしまった!! だが俺は一向に気持ちを打ち明けられないでいた……! 分かるだろう、俺はクラスの中では硬派な男だった! それを崩すまでには時間が必要だったんだ。でもそうしている内にお前はどんどんマーマネとの仲を深めて行った」

マオ「そんなの逆恨みじゃない! こんなことまでするなんて」

カキ「マオ、お前には分からないだろうな。バトルに情熱を燃やし、日々鍛錬し、それでも報われなかった俺の気持ちは……決定打はアローラポケモンリーグだ。準決勝の時、少しだけ観客席の方に目を遣った。リーリエはグラジオを応援していた」

サトシ「カキ……」

カキ「グラジオに敗けた後に決意したのさ。哀れな、惨めな俺の魂を救うための今回の犯行をな……ククイ博士は、バトルやスポーツでやたらリーリエとマーマネをペアにするからムカついて殺した。島キングはリーリエのZ技を推し量っているときに、色目を遣っていたから気持ち悪くて殺した。あとは全ての罪をリーリエに着せ、俺はこのスクールでの生活の全てから切り替わるはずだった」

リーリエ「そんな……」

カキ「だがこんなに早くにバレちまうとはな! ヴェラ火山も泣いてるだろうぜ……! アッハハハハハハハハハハ」

マオ「マーマネたちをこんな目に! 許せない!」

スイレン「うん!」

カキ「やるってのか? なら」


カキは部屋を飛び出した。
 ▼ 107 カリオ@ふねのチケット 19/11/03 22:42:03 ID:tpc2gDas [29/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「待て! カキ」

マオ「みんなで追いかけよう!」

リーリエ「はい!」

スイレン「うん!」


四人は部屋を出て階段を駆け下りるカキを追った。カキは食堂の方へ向かった。


カキ「お前ら! いずれ警察が調べに来るであろうこの洋館を、俺がこのままにしておくと思ったか!?」

カキはドリルマシンに手をかけ、ガラスケースで密閉されていた中央のボタンを勢いよく押した。

マオ「何をする気!?」

リーリエ「まさか……!」

カキ「そうさ! ウルトラビーストを呼び寄せてここを破壊する!! お前らの命もろともな!! 既に準備はしていた」


玄関の外からベニヤ板を切断するときのような音がする。
サトシとピカチュウは食堂から出た。


サトシ「ウルトラホールが開いた……!!」

ピカチュウ「ピカピイ」

カキ「ハハハハハハ! あーっははははははははははははははははァァッ!!」
 ▼ 108 タチマル@にじいろのはね 19/11/03 22:42:36 ID:tpc2gDas [30/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウツロイド「うっつー」

フェローチェ「ふーん」

デンジュモク「ビンビンビン」

ホールから飛び出したのは3体のウルトラビーストである。

カキ「お前たち! 好き放題この建物を破壊しろ! こいつらともどもな!」

デンジュモク「ビンビンビン」

サトシ「させるか! ピカチュウ、アイアンテールだ!」

ピカチュウ「チャ〜」


スイレン「おいで! アシレーヌ!」

アシレーヌ「しれーぬ」

ナギサ「ぶいぶい」

スイレン「ナギサも! 戦おう、一緒に……くっ」

その時、再びスイレンを激しい頭痛が襲った。
これを見たウルトラビーストの一体がスイレンへ攻撃を仕掛ける。

フェローチェ「ふーん」

スイレン「まずい……」
 ▼ 109 ガバシャーモ@こだいのどうか 19/11/03 22:43:13 ID:tpc2gDas [31/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「アマージョ、マジカルリーフ!」

アマージョ「あーじょ」

間一髪、アマージョの緑葉がスイレンへの攻撃を防いだ。

スイレン「ありがとう、マオちゃん」

マオ「無理しちゃダメだよスイレン」

スイレン「うん」

マオ「ここは私が……」



リーリエ「シロン、こなゆき!」

シロン「こーん」

リーリエ「あのウルトラビーストはお母様の……」

ウツロイド「うっつー」

リーリエ「いいえ、今はトラウマなんて言っている場合ではありません……私はマーマネ達の仇をとるのですから!」
 ▼ 110 ニーゴ@ハッサムナイト 19/11/03 22:43:57 ID:5ecgHIT. NGネーム登録 NGID登録 報告
なんかすごい壮大な展開で草
 ▼ 111 ガボーマンダ@いしょうトランク 19/11/03 22:45:07 ID:tpc2gDas [32/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「3対4か……もう少し絶望を見せてやろう。バクガメス」

バクガメス「がめーす」

カキ「証拠を焼き尽くすのはお前の役目だ……でもその前にこいつらを始末しろ」


フェローチェ「ふーん」

アマージョ「じょ……」

マオ「アマージョ!! しっかりして!!」


フェローチェ「ふーんふーん」

ナギサ「ぶーい!!」

アシレーヌ「れっぬ」

スイレン「アシレーヌ……ナ、ギサ」


フェローチェの圧倒的なスピードを前に二人は為す術がない。
複数で以てしても状況を打開できないでいた。


マオ「シェイミ、みんなを癒して」

フェローチェ「ふーん」

シェイミ「しぇみ」

マオ「シェ、シェイミ!!」
 ▼ 112 パー@ブレイズカセット 19/11/03 22:45:37 ID:uGW2wBc. NGネーム登録 NGID登録 報告
カキがUB共を操るとは…
 ▼ 113 マズン@ボイスチェッカー 19/11/03 22:48:14 ID:tpc2gDas [33/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「もうダメ……何もかも終わりだよ……みんなここで死ぬ運命なんだよ」

スイレン「マオ、ちゃん……」

マオ「アマージョ、シェイミ……今まで本当にありがとね……頼りない私で本当にごめんね」


瞼を閉じて地面へ膝をつくマオ。
しかしその時、マオに詰め寄る人影があった。
リーリエがマオに強く平手打ちをしたのだった。


マオ「いたっ……リーリエ?」

リーリエ「こなゆき!」

シロンのこなゆきがフェローチェの足元を凍り付かせ、その速度を抑えている。


リーリエ「先ほどのお返しです。よくもわたくしにビンタをしてくれましたね」

マオ「ごめん」

リーリエ「謝るのはそこじゃありません! 論理的結論として、マオがその気になりさえすれば、勝てるはずじゃないですか! こんなところで気持ちを折ってしまうなんて、ククイ博士の墓前で何と言うつもりですか!?」

マオ「リーリエ」
 ▼ 114 ラルバ@アクアカセット 19/11/03 22:51:35 ID:tpc2gDas [34/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フェローチェ「ふーん」

シロン「こーん」

リーリエ「シロン!!」


健闘空しくシロンはフェローチェの攻撃に吹き飛ばされてしまった。
壁に体を打ち付け、気絶してしまっている。


マオ「リーリエ! 私戦うよ!!」
 ▼ 115 ココ@もりのヨウカン 19/11/03 22:52:55 ID:tpc2gDas [35/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオはZ技の構えを見せた。

マオ「行くよアマージョ!!」

アマージョ「あーじょ」


マオ「感じて……草木の芽吹きと森の息吹……ブルームシャインエクストラ!!」



ブ ル ー ム シ ャ イ ン エ ク ス ト ラ



フェローチェ「ふーーーん……!!」

渾身の一撃を受けてフェローチェはその場へ倒伏した。


マオ「私たちやったよアマージョ!」

アマージョ「あーじょっ」



スイレン「マオ、ちゃん……危ない」
 ▼ 116 ンペルト@おとしもの 19/11/03 22:53:41 ID:tpc2gDas [36/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アマージョ「じょ……!」

ウツロイド「うっつー」

今度はウツロイドの毒を受けたアマージョが倒れ、そのままうつ伏せて動かなくなってしまった。

マオ「アマージョ!!」


このウルトラビーストは次にリーリエの方を向いた。
シロンを抱えたリーリエはその場で固まっていた。


リーリエ「嫌」

ウツロイド「うっつっつー」

リーリエ「お母様……」


ウツロイドが毒の砲弾を放った時、何者かの背中がリーリエを守った。


リーリエ「あなたは……」
 ▼ 117 ルンゲル@せいれいプレート 19/11/03 22:54:46 ID:qy5AOwX6 NGネーム登録 NGID登録 報告
いつの間にか大戦争になってて草
 ▼ 118 ザード@マグマスーツ 19/11/03 22:57:14 ID:qE.oTD3E NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 119 ウオウ@あおのはなびら 19/11/03 23:04:37 ID:tpc2gDas [37/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクガメス「がめーす」

リーリエ「バクガメス? どうして?」

カキ「くそ! バクガメスのやつ裏切りやがったか……!!」

リーリエ「わたくしと戦ってくれるのですか!?」

バクガメス「がめーす」

両手を掲げて吠えるバクガメス。その眼にはスクールの生活で日々ともに戦ってきた、仲間としての覚悟が覗える。クラスメイト達への慈愛が、闇に支配されてしまった主人への忠誠を押し殺しているようだった。

サトシ「リーリエ! そういうことならこれを使ってくれ!!」


デンジュモクと対峙していたサトシがリーリエに向けて何か光る物体を投げた。

サトシ「今なら使えるはずだ!!」

リーリエ「これは……炎Z? バクガメスでZワザを放つということですか?」

バクガメス「がめーす!!」

リーリエ「わたくしとともに全力を出してくれるのですね!」

バクガメスの眼を見つめて、リーリエは頷いた。


リーリエ「わたくしの全身、全霊、全力!! 全てのZよ、アーカラの山の如く、熱き炎となって燃えよ! ダイナミックフルフレイム!!」



ダ イ ナ ミ ッ ク フ ル フ レ イ ム

 ▼ 120 ュバルゴ@サーナイトナイト 19/11/03 23:06:15 ID:tpc2gDas [38/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウツロイド「うっつー」

巨大な炎を受けたウツロイドは、寸刻の間ゆらゆらと空中を漂った。
だが、やがて触手の動きが弱るとそのまま地上へ落ちて動かなくなった。

バクガメス「がめーす」

リーリエ「バクガメス、やりましたね!」


カキ「情けないポケモンめ」


地団駄を踏むカキ。
ふとその肌に飛行ポケモンが空へ飛び出したかのような影が走った。


スイレン「スーパーアクアトルネード!!」

カキ「ぐはあっ!!」

スイレンから竜巻旋風脚を見舞われたカキは、洋館の壁に激突して、そのまま気絶してしまった。
 ▼ 121 ルミル@あおいかけら 19/11/03 23:11:52 ID:c/ywarT2 NGネーム登録 NGID登録 報告
カキの詠唱がパクられてて草
 ▼ 122 パー@マーシャドーZ 19/11/03 23:15:49 ID:tpc2gDas [39/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デンジュモク「ビンビンビン」

サトシ「あとは俺たちだ! いくぞピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカピーカ!」

目の前ではデンジュモクがその得体のしれない体をゆり動かして、攻撃姿勢をとっている。全身には電気の光が渦巻いており、その悪意に満ちた出で立ちは、昨夜ククイを殺めた張本人のものであると察せられた。


サトシ「マーマネは少し頼りないところもあったけど、頭が良くて何よりポケモンを愛するいい奴だった。ハラさんは島キングとして長らくこの島を守ってきた。そしてククイ博士は、先生として、親代わりとして、いつも俺を見ていてくれた」

デンジュモク「ビンビンビン」

サトシ「みんなのために、絶対に決めてやるぜ!」

ピカチュウ「ピカピ!!」


サトシ「これが俺たちの全力だ!! スパークングギガボルト!!」



ス パ ー キ ン グ ギ ガ ボ ル ト


 ▼ 123 ガヤミラミ@あおのはなびら 19/11/03 23:27:58 ID:tpc2gDas [40/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
洋館の外は静まり返っていた。
苔生した異国風の石畳が、太陽に照らされて乾いた光を照り返している。


リーリエ「終わったのですね」

スイレン「うん」

マオ「どうしよう、これから」

サトシ「町へ帰る手立てがないな」


切り落とされた吊り橋の方角を、4人は眺めた。
警察の捜索が入るのは、早くとも明日の夜からである。


スイレン「帰ろう、ウルトラホールを経由して」

マオ「ええ!? 嫌だよそんなの」

スイレン「嘘です」

ナギサ「ぶいぶい」

ピカチュウ「ピカー」


リーリエ「しかし、このまま待つのも何だか不安ですね。ポケモン達も怪我をしてしまったことですし……」
 ▼ 124 ボネア@どくバリ 19/11/03 23:34:32 ID:tpc2gDas [41/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時、木陰で横になって戦いの疲れを解放していたポケモン達を、底引き網のようなものが捕らえた。

サトシ「な、今度は何だ!?」



ムサシ「な、今度は何だ!? と訊かれたら」

コジロウ「聞かせてあげよう我らが名を!!」


おどろおどろしいメカで登場したロケット団。
ギャラドスの姿を模したそれは、熱風を噴射して空を飛行している。


リーリエ「ロケット団!!」

マオ「こんな時に何しに来たの!?」

サトシ「ちょうど良かった!! お前たち!!」

ムサシ「え!?」

マオ「え!?」

サトシ「俺たちここから帰れなくなっちゃったんだ! そのメカに乗せて町まで届けてくれ!!」
 ▼ 125 ッタイシ@タウリン 19/11/03 23:56:14 ID:tpc2gDas [42/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムサシ「何言ってんのよ、疲れたピカチュウ達を捕まえる絶好のチャンスなのに」

コジロウ「そうだそうだ!! このメカを作るためにドーナツの売り上げを全部つぎ込んだぞ!!」

ニャース「この手を逃すわけないのにゃ!」

ソーナンス「ソーナンス!!」


サトシ「なら仕方ない。ピカチュウ! 10万ボルトだ!!」

ピカチュウ「ピーカチュウウウウウウウウ!!」

ロケット団「あばばばばばばばばば」

サトシ「これ以上続けてたっていつもと同じになるだけだぜ」

ニャース「ンニャー!?」

サトシはメカに乗り込んでいるロケット団へ告げた。


サトシ「お願いだ! このままじゃみんな飢え死にしちゃうんだ!」

リーリエ「わたくしからも、お願いします。ロケット団の皆さん」


ムサシ「ジャリン子たち……まあそういうことなら仕方ないわね」
 ▼ 126 ーケン@ヨロギのみ 19/11/04 01:05:41 ID:eMukDlCo [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「これからどうすれば良いのでしょう……? もうスクールは……」

スイレン「私たちだけ、なんだね」

マオ「うん」

トゲデマル「マリュリュ」


メカギャラドスの中で、生き残った4人とポケモン達は輪になり、突き付けられた現実を今一度ひしと感じつつあった。


ピカチュウ「ピカピ」

サトシ「楽しかったなあ、ククイ博士やマーマネのいるスクールライフ。バトルもして、冒険もして、スポーツや劇をやったりして……ウルトラガーディアンズの仕事も、アローラポケモンリーグに出たことも、みんなみんな大事な思い出だからさ」

リーリエ「サトシ……」
 ▼ 127 ニラン@ドラゴンメモリ 19/11/04 01:39:50 ID:eMukDlCo [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「俺も、多分みんなも今はすごく辛いだろう。これから立ち直るのに時間がかかるだろうけどさ、落ち着いたら一度集まろうよ。俺、少し考えてることがあるんだ。ククイ博士の意志を継いで、アローラポケモンリーグを次からももっと最高の大会にしようって」

マオ「リーグ……」

スイレン「サトシ、いい考え」

サトシ「マーマネやハラさんにも、元気なアローラの景色が届けられたらなって」

リーリエ「賛成です。そういうことなら、わたくしにも手伝わせて下さい。今回もいっぱいサトシに助けられちゃいましたから」

ピカチュウ「ピカピカ!」

サトシ「ありがとう、みんな」


サトシは笑顔を見せた。
今、この瞬間からの歩みが、三人への特別な贈り物になる。サトシはそう信じていた。

サトシ「じゃあ今度また会おう! いつがいいかな?」

スイレン「気が早い、サトシ」

マオ「そうだね。集合場所はアイナ食堂にしよ」

リーリエ「はい。また皆さんの元気な姿が見たいです」

サトシ「じゃあ決まりだぜ!!」

ピカチュウ「チャ〜」





『はーい。カットでーす』
 ▼ 128 ピナス@スキルコール 19/11/04 10:36:58 ID:eMukDlCo [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

2週間前――


ククイ「大方の脚本は決まったか?」

ロトム「ビビッ、現在制作中ロト!」

マーマネ「やっぱり、最初は犯人役を決めないとね。スイレンなんか似合うんじゃない? 悪そうな顔してるし」

スイレン「マーマネ、後でシバく」

ロトム「そこは僕にお任せロト!! リーグの活躍度合いから計算して美味しい役を割り振っていくと……被害者は順にマオとリーリエとマーマネ、犯人はスイレンになるロト!」

マオ「えー? 私殺されちゃうの!?」

リーリエ「トーナメントは初戦で負けてしまいましたから、仕方ないですね」

スイレン「私、犯人役……」

カキ「まあ待て。ひとまず役は後からでも割り振れる。それよりストーリーを組み立てないとな。ミステリーならトリックや犯行動機なんかも必要になってくるだろ」

マーマネ「ま、まーね」
 ▼ 129 オキシス@ズリのみ 19/11/04 10:37:53 ID:eMukDlCo [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

カキ「それにしても突然こんな話になるとはな。サトシのリーグ優勝とウルトラガーディアンズとしての活躍が認められて、スクールとエーテル財団の協賛でミニ映画作品を作ることになった。ここまではいいが、なんでミステリーなんだ?」

リーリエ「わたくしはドキュメンタリーがいいと思ったのですが」

ロトム「仕方ないロト! 僕のデータにはミステリーの脚本しか入ってないロト」

マーマネ「当のサトシは何でもいいさって言ってたしね……」


マオ「でもさ、せっかくミステリーをやるならポケモンを使ったトリックがいいよね? ロトム」

ロトム「そういうことは僕にお任せロト。ちゃんとポケモンの要素を融合したトリックを考えるロト」

マオ「後はさ、私たちだけじゃ締まらないから、ククイ博士やリーグに参加した人たちにも出演してもらおうよ!」

スイレン「賛成、マオちゃん」
 ▼ 130 ケニン@エスパーZ 19/11/04 10:40:09 ID:eMukDlCo [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

数日後――


サトシ「結局カキが犯人役を買って出たんだって?」

リーリエ「はい。女子にそういう役を押し付けるのは、いささか躊躇われるからと……被害者役はマーマネとククイ博士が手を挙げられました。何だか申し訳ない気持ちです」

サトシ「気にすんなって! リーリエは自分らしく演技すればいいんだからさ! ……あーでも緊張するなー! 本当に俺が主役でいいの?」

リーリエ「そうしないといけないんですよ。今回はサトシのアローラでの活躍を讃えて、お母様が校長先生にこの企画を持ち寄ってくれたのですから」

サトシ「そう言われると余計緊張しちゃうよー」

ピカチュウ「ピカー」


サトシ「そういえば俺たち以外は誰が出るの?」

リーリエ「プロローグをアセロラさんとマツリカさんにやってもらえるようですよ。あとは最後に洋館から私たちを助けてくれる役をお兄様にお願いしています」

サトシ「面白い作品になりそうだな。ロトムを応援しなくちゃ!」
 ▼ 131 ガエルレイド@おきがえトランク 19/11/04 10:41:28 ID:eMukDlCo [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

撮影前日――


リーリエ「皆さん大変です! お兄様にドタキャンされました!!」

マオ「えー!?」

ロトム「ビビー!?」

リーリエ「すみません。明日から旅に出るらしく、わたくしがその事情を知らなかったので……」



ククイ「み、みんな聞いてくれ……。映画のことなんだが、急遽ハラさんが出演したいと言われて……」

ハラ「せっかくの機会。島キングが出ないわけにはいきませんな」

カキ「は、はあ」

ロトム「ビビー!?」

ククイ「すまんがロトム。明日までに脚本を練り直してもらえないか」

スイレン「大変、ロトム」

マーマネ「明日までに間に合うの?」

ククイ「いきなり困るロト! ……でも僕は世界一のポケモン図鑑、ここで諦めるわけにはいかないロト!」

ピカチュウ「チャ〜」
 ▼ 132 ギルダー@アクアスーツ 19/11/04 10:43:31 ID:eMukDlCo [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「ロトム、間に合いそうか?」

ロトム「今必死に考え中ロト! 今日は徹夜になるロト!!」

サトシ「そっか。頑張ってくれよな」

ロトム「ビビ、グラジオが来れないなら、最後のお助け役はハウに頼むロトか……でも島キングの孫だから気に入らないロト……ならトーナメントに出ていたよく分からないあの男女にお願いしてみるロト」

ピカチュウ「ピカ?」

ロトム「だいたいハラさんは何なんだロト! 急に出演したいなんて困るロト!! これじゃあ間に合わない……ビビ、仕方ないロト、こうなったらハラさんにはいかにも殺されそうな嫌な奴の役を無理やり押し付けてやるロト!!」

ピカチュウ「チャ〜」


思わぬ問題発生で徹夜する羽目になったロトム。
アローラポケモンスクールでの最高の思い出作りのため、夜通し全力の脚本づくりに励んだのであった。










   〜完〜

 ▼ 133 ーブシン@タラプのみ 19/11/04 10:49:08 ID:eMukDlCo [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ごめんなさい昨晩は寝落ちしてしまいました。
一応完結です。

皆さんご支援本当にありがとうございました。
感想やストーリーへの意見・不満・物言いはご自由にどうぞ。
 ▼ 134 タモン@フラットコール 19/11/04 11:26:26 ID:mEWQTfOE NGネーム登録 NGID登録 報告
平和なオチでよかった
おつ
 ▼ 135 ンチャム@メガイカリ 19/11/04 12:42:55 ID:./c2AMeA NGネーム登録 NGID登録 報告
思ったよりだいぶ練られてた
サンムーン終わるの寂しいな
 ▼ 136 ゾノクサ@ザロクのみ 19/11/04 14:00:23 ID:qhT6vHIQ NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
こちらも終わってしまった……
面白かった
でも寂しい
 ▼ 137 コガシラ@ウルトラネクロZ 19/11/04 16:13:57 ID:RLgQQVmU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ちなみにスイレンが犯人だと思ってました
 ▼ 138 ノプス@アイスメモリ 19/11/04 16:24:58 ID:HlV6.Kbc NGネーム登録 NGID登録 報告
面白かったわ。乙
 ▼ 139 ワシ@サイコシード 19/11/04 17:43:48 ID:Fw.oaDS6 NGネーム登録 NGID登録 報告
意外とサトシが犯人だと思ってた
 ▼ 140 ケンカニ@おうえんポン 19/11/04 18:00:17 ID:2U8YACZY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシのポケモンがピカチュウ以外お留守番なのは寂しかったけど、
まあでも名探偵ピカチュウみたいな要素もあって楽しめた
 ▼ 141 ドイデ@きせきのタネ 19/11/04 18:02:34 ID:2U8YACZY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あと停電のトリックは何となくまで分かってた
犯人は予想と違ってたけどw
 ▼ 142 ラージェス@パワーレンズ 19/11/04 20:26:55 ID:NY0obq8A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
使い古しのパンツ履いてるみたいやんけ!
 ▼ 143 ロモリ@ドラゴンZ 19/11/04 22:10:20 ID:26Rg4F7Q NGネーム登録 NGID登録 報告
話題がどんどん7世代に移ってくの辛いわ
アローラのSSもっと見たいな
 ▼ 144 ンリキー@のこされたボール 19/11/04 22:15:12 ID:RLgQQVmU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
間違えた8世代に
 ▼ 145 コン@きよめのおこう 19/11/05 01:20:53 ID:v8UAOIBw NGネーム登録 NGID登録 報告
まあ敢えて不満言うならubがカキの言うこと聞いてるの納得できん
ご都合展開やん
 ▼ 146 ゲキッス@きんのナナのみ 19/11/14 00:28:14 ID:/1JsEKO2 NGネーム登録 NGID登録 報告
あげまんこ
 ▼ 147 ガルガン@りゅうのキバ 19/11/21 22:51:14 ID:Smgc1MfE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アセロラぜんぜん出て来んやんけ!
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