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SS

【クロスSS-FINAL】劇場版ポケットモンスター ソード・シールド 天空大決戦

 ▼ 1 N9Xja27O2I 25/08/18 22:25:44 ID:0SRMkA8c [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※「ポケットモンスターソード・シールド」×「ひろがるスカイ!プリキュア」のクロスオーバー
※オリキャラあり
※ポケモン側キャラの手持ちに一部技変更、追加メンバーあり


 ここは、ガラル地方。田園や雪山、都市などの様々な風景、広大な大地に移り変わる気候が特徴の、様々な表情を持つ島国。
 人とポケモンが手を取り合い、時にはポケモン同士で競い合う。そうして、ポケモンと共に暮らす人々を「ポケモントレーナー」と呼ぶ。

 これは、そんな世界で起きた、もう一つの物語である。


― 劇場版ポケットモンスターソード・シールド 天空大決戦 ―




開幕
 ▼ 2 N9Xja27O2I 25/08/18 22:27:15 ID:0SRMkA8c [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ブラッシータウン・ポケモン研究所〜
ガチャッ

ホップ「戻ったぞ!」

ソニア「ホップ、お疲れ様!」

ユウリ「ホップー!こっちこっちー!」

 小さな町・ブラッシータウン。そこには、現在ソニアが博士を務めているポケモン研究所があり、今日は他の面々も勢ぞろいであった。

ユウリ「調査お疲れ様!こっちでソニアさんが焼いたクッキー食べようよー!」

 無邪気に笑う少女・ユウリ。ブラッシータウンの隣町であるハロンタウン出身。ホップとは同郷の幼馴染である。かつて無敗のスーパースターとも呼ばれたチャンピオン・ダンデを負かした、現ポケモンリーグチャンピオンである。

マサル「おいおい、ホップは調査から帰って来たばかりなんだ。まずは調査結果をソニアさんに報告だろう?」

 落ち着いた雰囲気で話す少年・マサル。彼もまたハロンタウン出身で、ユウリ、ホップの2人とは旧知の仲だ。

マリィ「そんな慌てなくてもクッキーは逃げんよ」

 宥める様に言った少女はスパイクタウン出身のマリィ。現在は兄・ネズの跡を継いでジムリーダーを務めている。

ビート「それで、今日はどうだったんです?」

 冷静に、それでいて気になる様にホップに尋ねた少年・ビート。アラベスクタウンのジムリーダーであり、前ジムリーダーから強制的に後任として選ばれたものの、なんだかんだうまくやっている。

 彼等5人は少し前まで、ポケモンリーグのチャンピオンを目指し、切磋琢磨し合った。今でも彼等はお互いライバルであり、友達である。
 ▼ 3 N9Xja27O2I 25/08/18 22:28:20 ID:0SRMkA8c [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「…やっぱり、今日もだぞ」

ソニア「そっか…手がかりも見つからないんだ?」

 ソニアはやっぱりか、と言った風にため息をつき、ホップに続けて問うが、ホップが首を横に振ったことで察した。「お疲れさん」と言いながらホップからレポートを受け取る。

ソニア「今日ぐらいは取りまとめは私がやっておくから、ホップはあっちでユウリ達とお茶してなさいな」

 その言葉の裏には、先程から今日の調査結果が気になっている彼女達にも教えてあげて、という趣旨も含まれている。それを察したホップは促されつつ、ユウリに手を引かれるがまま、テーブルの方へと誘われていった。

ユウリ「ほらこっちのクッキー!美味しいよ!あとこっちも!」

ホップ「ははは、そんな慌てると詰まるぞ?1つずつ食べるからさ…ん、やっぱうまいぞ!」

ユウリ「でしょでしょ〜♪」

マリィ「なんでユウリが誇らしげなん…」

ホップ「…それで、調査結果だが、聞こえてたと思うけど収穫なしだぞ」

マサル「そうか…」

 ホップがここ最近調べているのは、ポケモンの生態系の減少だ。1週間程前から、ワイルドエリアの野生ポケモンの数が、明らかに減っているのである。
 元々あの地には多くの野生ポケモンが過ごしている為、1匹2匹減っただけでは気づくのは困難である。それが、ここ最近は1周すればわかるぐらいには静かであり、ポケモンもあまり出てこなくなっている。更に最近では、まだ少数だがワイルドエリア以外の地域からも少しずつ個体数が減少している。
 ▼ 4 N9Xja27O2I 25/08/18 22:28:56 ID:0SRMkA8c [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビート「不気味極まりない…それに、行方も分からなければ、人的被害の痕跡すらないのでしょう?」

ホップ「ああ。これだけの数を一気に連れ去れる輩がいるとも思えないぞ」

 なぜポケモンが消えつつあるのか、そしてそのポケモン達はどこへ消えたのか…何もかもが謎であり、ただ個体数の減少と言う事実だけが不気味に残っている。

 結局、この日も何もまとまることなく、お茶会を終えた面々は解散。ホップ、そして自主的に手伝おうとしたユウリはソニアと共に夜まで議論を交わしていた。

翌日……
〜ハロンタウン〜
マサル「……昨日、君らがタウンマップ上につけてくれた目印、今日はここを重点的に調査する、ということか」

 故郷であるハロンタウンで、ホップ宅の庭の前に集合していたマサル、ユウリ、ホップ。そして昨日呼んでおいたのであろう、マリィとビートも朝早くから集合していた。
 ソニアとホップ、ユウリは人気の少ない場所や、ワイルドエリアでまだ細かく目を通していない箇所まで目を配らせることを決め、今回その調査にマサル、マリィ、ビートも同行することになったのだ。

ホップ「すまないな、今日もみんなに手伝ってもらって」

マサル「別に。流石に他人事じゃないし、何より友達が困ってるんだからさ」

マリィ「ん。そいじゃさ、手分けして探さない?」

 マリィの提案に、全員が頷いた。

ビート「その方が効率的でしょうね」

ユウリ「よーし決まり!じゃあ、またここに集合ね!」

ビート「何であなたが仕切ってるんですか」

ホップ「おう!そうしよう!」

ビート「そして彼は彼でユウリさんに甘いんですから…」
 ▼ 5 N9Xja27O2I 25/08/18 22:29:24 ID:0SRMkA8c [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 5人はガラル各地へと散り散りになり、怪しいところを探す。建物の隙間や、北方にある雪山、何気ない自然の風景の隅々、くまなく目を凝らしていく。
 マサルはワイルドエリアを駆け回り、調査していく。肌で感じられる程野生のポケモンは日に日に減っていくが、その分探しやすくはあった。

マサル「……ん?」

 見張り塔跡地にある巨大な塔から、奇妙な光を発見した。ダイマックスポケモンが潜む巣穴でも、一時期出現していたキョダイマックス・アーマーガアでもない。
 マサルはその場でスマホロトムを取り出し、他の4人にメッセージを送った。それからしばらくして、それぞれが気になる場所の調査を終えた順にマサルのもとに集まっていき、最後に到着したのはホップ……と、彼にべったりくっついていたユウリの2人であった。

ビート「結局、言い出しっぺが他の人にくっついていたら意味ないでしょうに」

ユウリ「でへへ〜」

ホップ「これがマサルが言っていた怪しい場所か…確かにこの光方は妙だぞ」

 ダイマックスのような赤色でもキョダイマックスのような紫色の光でもなく、淡いプリズムのような光。そもそもこの塔は過去に巣穴になったきり、一切の変化がなかったため、既にこの塔に異常事態が起きているのは確かだ。

ビート「…一度この様子はリーグに報告すべきでしょう」

ユウリ「えー、帰っちゃうのー?」
 ▼ 6 N9Xja27O2I 25/08/18 22:29:46 ID:0SRMkA8c [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「ビートの言う通りだ。入ってみる価値はあるとは思うが、何があるかわからないし危険だからな…」

ユウリ「むー…はーい…」

 ユウリを宥めつつ帰ろうとする一行。

ズルッ

マリィ「あっ―――」

 だがその時、偶然塔の穴に一番近いところにいたマリィが、振り向きざまに足を滑らせてしまった。

ビート「マリィさん!?ちっ!」

 ビートは危険を顧みずすぐにマリィの手を掴む。他3人を含めほっとし、ビートがマリィを引き上げようとした。
 だがその時だった。

ビート「ぐっ!?な、なんだ…これ…!」

マリィ「ビ、ビート!?ちょ、なんであんたまでこっちへ…きゃあっ!」

マサル「ひ、引っ張られてる!?みんな、2人を引き上げるぞ!」

ユウリ「う、うん!」
ホップ「おう!」
 ▼ 7 N9Xja27O2I 25/08/18 22:30:12 ID:0SRMkA8c [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ユウリ達3人も更にビートを掴む。だが、その瞬間わかったことがある。

 この穴周辺に、不思議な引力が発生し、ビートの意思とは裏腹に引きずり込まれていたのだ、

5人「うわぁーーーー!!」

恐らくマリィが足を滑らせたのも、この引力のせいではないか?そう考えを張り巡らせる間もなく、マサル達の奮闘も虚しく、結局5人とも塔の中へと吸い込まれてしまった。

     o .。
      。
     o O

      。
      o
 ▼ 8 ンシカイオーガ@オレンのみ 25/08/18 23:42:51 ID:H0IcGn8E NGネーム登録 NGID登録 報告
この手のssに出るマサルが不安でしょうがない
どっかで裏切りそう
 ▼ 9 ョジオーン@いいキズぐすり 25/08/18 23:43:13 ID:6auYHvRk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 10 N9Xja27O2I 25/08/19 06:31:57 ID:WNsYZkQw [1/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜???〜
ユウリ「ん……」

 見張り塔跡地に現れた不思議な光に吸い込まれ、辿り着いた…というより、落ちてきた場所にてユウリが一番い目を覚ます。周りには倒れている他の4人。

ユウリ「ここは…どこ?…って!ホップ!みんな!起きて起きて!しっかりして!」

 一番最初にホップを揺すり、ホップの身体がピクリと動く。程なくして起き上がり、ユウリはほっとした。

ホップ「ユウリ…無事か…ってか、オレも生きてるのか!?」

ユウリ「ホップ〜!よかったよ〜!」

 ホップに泣きつくユウリをよしよしと撫でる。すぐに2人は他3人を起こし、全員の無事を確認した。

マリィ「みんな、ごめん!あたしが気ぃ抜いちゃったばかりに!」

ビート「…起きてしまったことは仕方ありません。それに、引き上げられなかった僕にも落ち度はあります」

マサル「まさか吸い込まれるなんてな…早く元の場所に帰ろうぜ」

 そう言って辺りや空を見渡すが、帰れそうなところも、見張り塔の穴に生じていたような異空間もない。
 だがそれより、すぐにこの空間のとある違和感に気付いたことがある。

ユウリ「な、ななな…

何ここ!?大陸が!空に!浮いてるー!!」
 ▼ 11 N9Xja27O2I 25/08/19 06:32:35 ID:WNsYZkQw [2/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ユウリ達が落ちてきたその場所は、島の崖近くであった。1歩間違えば真っ逆さまに落ちてしまう。
 ユウリ達がいるこの大陸…もとい、島だけではない。その周囲や下にも、いくつかの島が浮いていた。まるで本の世界にて描写されるような、ファンタジーの世界の様である。

 全く常識外れなこの世界に困惑しつつ、とにかく早く元いたワイルドエリアに戻らねば、と5人は散策を開始する。すると、5人がいる島の恐らく中央だろうか、大きな塀、その塀越しに大きな城の屋根のようなものが見えた。

ユウリ「あれは…城?」

ビート「塀で囲われている…あの中にあの城…いや、恐らく町もあるのでしょうか」

マサル「ひとまずあそこを目指してみようぜ」

 5人が歩みを始めた、その時だった。

???「止まりなさい!」

 不意に横から聞こえた声。高く響いた声の主は、ダチョウのような生き物に乗った少女。その後ろには同じくダチョウのような生き物に乗った数人の人物。鎧を纏っている近衛兵のような姿であった。
 ▼ 12 N9Xja27O2I 25/08/19 06:32:53 ID:WNsYZkQw [3/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 声の主である少女は青い服を身に纏っており、青くぱっちりした目、青い髪をしており、見た目はユウリ達と同じくらいの年代だろうか。少女は乗っていた生き物から降り、ユウリ達に近づく。

???「あなた達、この辺では見かけない方ですが、旅の者ですか?」

ビート「いきなり失礼ですね。まずはあなたから名乗るべきでは?」

マリィ「ちょっとビート、いきなりそんな喧嘩腰、よくない」

???「む…確かにその通りですね。失礼しました」

マサル「いや、別にこっちこそ申し訳ない」

 ビートに邪険に扱われたことに目くじらを立てず、一礼したうえで名乗った。

ソラ・ハレワタール「私はソラ。ソラ・ハレワタールです。今はちょうどこの周辺の見回りをしておりました!」
 ▼ 13 N9Xja27O2I 25/08/19 06:33:11 ID:WNsYZkQw [4/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 明るくハキハキと答えるソラ。5人もそれに応じる。

ユウリ「あたしはユウリだよ!ここにいるみんな、友達同士なんだ!」

ホップ「オレはホップだぞ。よろしくな、ソラ!」

マサル「俺はマサル」

マリィ「あたしはマリィ。よろしく」

ビート「……ビートです」

 自己紹介が終わったところで、ソラはユウリ達から事情を聴取する。

ユウリ(と、言っても、そんなファンタジーみたいな話、信じてもらえるかなぁ?)

 話を聞いた後、ソラは少しだけ考え込んだ後、後ろの衛兵にも話す。少し話したかと思えば、またユウリ達の方に振り返る。

ソラ・ハレワタール「事情は分かりました!でしたら、あなた達を、あちらに見える王都へ案内します!」

ユウリ「えっ、いいの!?」

ソラ・ハレワタール「はい!……今、王都の外の見回りもまだ終わってないので、旅の方をそのまま置いて行くのは危ないですからね!」

ホップ「助かるぞ!サンキューな、ソラ!」

ソラ・ハレワタール「いえいえ!」

 お互い明るい笑顔で握手を交わし、ソラ達はユウリ達をこの島―――スカイランドの中央部にある王都へと案内する。
 ▼ 14 N9Xja27O2I 25/08/19 06:34:09 ID:WNsYZkQw [5/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド 王都〜
ホップ「ス……」

5人「スッゲーーーッ!!!」

 ソラ率いる青の護衛隊・三番隊に保護され、王都へ案内されたホップ達。彼らが目にした光景は目を疑うようなものばかりであった。自分達の元いた世界と同じような文化が確立されており、町の雰囲気は自分達がいたガラル地方でも似たような町があったが、それが当たり前のような世界。
 人――スカイランド人だけでなく鳥も共に暮らしており、人々が通貨として使っているのは青く立派な宝石。
 そして奥に見えるのは大きくて立派な城。今いる王都が、自分達のいた世界では考えられない、それこそ歴史の研究や物語などでしか見ない城下町であることを認識させられる。

 まるで小説などで描かれるような、ファンタジーの世界が目の前に現実として広がっているのだ。

ビート「これは夢か…?こんな世界が実在していたなんて…!?」

マリィ「こんなでっかい町が、空に浮かんでるってのも相当なもんだよね」

 王都へと案内しながら、この世界・スカイランドについて語るソラ。同時に、ホップ達の世界の事についても、興味津々に聞いていた。

ソラ・ハレワタール「なるほど…あなた達がいたという、『ポケモン』の世界も実に興味深いです!何だかスカイランドと似る部分もあるみたいですし!」

マサル「最初、この世界で見た鳥も新種のポケモンかと思ったけど、どうやら違うみたいだしね。この世界も興味があるよ」

ホップ「そういえば、その、スカイジュエルだっけか?ソラ達がぶら下げているそのペンダントもそうなのか?」

 ホップが指摘したのは、ソラや衛兵、そして国民たちが首からぶら下げているペンダント。そこに取り付けられている、紫色の石。スカイジュエルとは違うようにも見えるその石に、「ああ、これですか」とソラは取り出し、見せながら説明する。

ソラ・ハレワタール「実は、私達もまだこの石が何なのかわからないんです。ある日国民全員に配られたもので、綺麗な石なものですから、皆さん付けちゃってるんです!」

ユウリ「へえー…それでお城の人達もつけてるんだぁ」

ソラ・ハレワタール「はい!」

衛兵「ソラ隊長、そろそろ到着ですぞ」

ソラ・ハレワタール「わかりました。皆さん、ここまでの旅路、お疲れ様です!」
 ▼ 15 N9Xja27O2I 25/08/19 06:34:33 ID:WNsYZkQw [6/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 王城の門前に着き、門番に事情を話して門を開けてもらい、ソラはホップ達を城内へと案内する。

ソラ・ハレワタール「こちらです!」

 ソラに連れられ、廊下を歩いているホップ達。何度も兵士達や研究者達とすれ違う。しばらく歩いていると、目の前から歩いてきた人物を前に、ソラが足を止め、敬礼をした。

???「ソラ、見回りは終わったようだな」

ソラ・ハレワタール「はい!シャララ隊長!」

 ソラが敬意を表した相手は大人の女性。話の脈絡から、ソラより目上の者だと推測される。彼女もまた、ソラ達がぶら下げているものと同じペンダントを身につけていた。

ビート「ソラさん、この方はあなたの上司か何かですか?」

ソラ・ハレワタール「紹介しますね!私が所属する、『青の護衛隊』を統括している、シャララ隊長です!シャララ隊長、こちらの方達は…」

 ソラはシャララにホップ達を紹介し、一通り話を聞き終えたシャララ。一瞬、やや険しい表情をしたが、すぐに和らぎ、ホップ達に一礼する。

シャララ隊長「旅の者達、皆の事情は大体わかった。君達がいう元の世界へ帰る手段は、我々が誠意をもって探させてもらうよ」

マリィ「え、よかとですか?」

ユウリ「わーい!ありがとうございまーす!」

ホップ「ありがとうございます!」

ビート「……」

マサル(ビート…まさか君も気づいたのか…)

 和気あいあいとした雰囲気の中、ビートとマサルだけは平静を装いつつも、先程のシャララの一瞬の表情の変化を見逃さなかった。

 それから客室に案内される。男女別にはならず、5人同じ部屋だ。各々、荷物を置き、くつろいでいた。

ホップ「親切な人達でよかったぞ!」
 ▼ 16 N9Xja27O2I 25/08/19 06:34:54 ID:WNsYZkQw [7/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ベッドでごろごろするユウリ、「布団くしゃくしゃになるよ?」と宥めつつも微笑むマリィ、ここに来る前に調べていたポケモン現象の異変をまとめたレポートを振り返るホップ。
 そんな3人とは対照的に、部屋の隅でマサルとビートは何かを話していた。

ビート「……マサル君、どうせあなたも気づいていたんじゃないかい?」

マサル「まぁな。随分と手厚くもてなしてくれているみたいだが…一瞬でもあの表情になった理由が、どうも気になる」

ビート「ええ。確かあのシャララという人が表情を変えたのは…」

 どのタイミングかを言おうとしたタイミングで、ドアがノックされる。入ってきたのは、赤い髪をした、ソラと同じくらいの少女であった。

ベリィベリー「青の護衛隊のベリィベリーだ。客人たちと言うのは君達だね?」

ユウリ「はーい!そうでーす!」

 一番に返事したユウリに、ベリィベリーと名乗る少女は笑みを浮かべつつ、少し困った表情でその場の5人に伝える。

ベリィベリー「申し訳ない。夕飯の準備をしていたコックからだが、材料が少し不足していて、その買い出しで少し遅くなりそうなんだ。しばらく待っていただけると助かる」

ユウリ「えー!?うーん…」

マリィ「仕方なかよユウリ。えっと、ベリィベリーさん…ね。教えてくれてありがと」

 ユウリを宥めるマリィであったが、すかさずユウリは何かを思いついたようにベリィベリーに返事した。

ユウリ「はいはーい!じゃああたしも手伝う!」

ベリィベリー「えっ?」

ホップ「じゃあオレも行くぞ!」

ベリィベリー「ちょ、ちょっと!?」
 ▼ 17 N9Xja27O2I 25/08/19 06:35:11 ID:WNsYZkQw [8/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 突然の提案にベリィベリーが呆気にとられている間に、2人は颯爽と駆け出して行った。部屋の隅にいたビートはマサルと何かを目配せし、ため息を吐きながらベリィベリーに近づく。

ビート「すみませんね。少々やんちゃな旅人達で」

ベリィベリー「あはは…ま、まぁ…ご厚意はありがたいが、益々申し訳ないな」

ビート「…流石にお目付け役が必要でしょう。あの2人は僕が面倒見ますよ」

ベリィベリー「う〜ん…じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」

 こうして、駆け出して行った2人を追ってビートは部屋を出ていった。

〜スカイランド王都 商店街〜
ホップ「おっ、ビートじゃないか!」

ユウリ「ビートもお買い物の手伝い?えらいえらい!」

 ソラ、ホップ、ユウリの3人に追いついたビート。2人の呑気さに呆れつつ返事だけはする。

ビート「バカなことを。あなた達がやんちゃして人様に迷惑かけないか見張りに来ただけですよ」

ユウリ「何をー!迷惑なんてかけませんー!」

ホップ「ははは…手厳しいな…」

ビート「すみませんね、ソラさん。この2人が騒がしくて」

ソラ・ハレワタール「いえいえ!にぎやかな方が楽しいですから!むしろ、手伝ってもらっちゃってごめんなさいね」

ビート「2人の好意の押し売りですがね…この僕が2人の面倒を見ますので」

 苦笑いしつつも気を取り直したソラは、3人と共に材料の買い出しに向かう。実際に買い物ができるのはスカイジュエルを持たされたソラだけであり、ホップとユウリは荷物持ちのつもりである。最初の店に着き、ソラが品物を選び始める。
 ▼ 18 N9Xja27O2I 25/08/19 06:35:26 ID:WNsYZkQw [9/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ホップ達もついていこうとしたが、途中でビートに手を引かれ、ホップとユウリは止まった。

ユウリ「どうしたの?ビート」

ビート「僕がついてきたのには、もう1つ理由がある」

ホップ「そ、そうなのか?」

 ビート曰く、先程のシャララの表情が頭から離れず、町の様子を見に来たから、とのことだ。軽く説明したうえで、2人に、小声で釘を刺す。

ビート「…念のためですが、この世界の人が見慣れないポケモンを出して、目立つ行動は控えた方が良い」

ホップ「お、おう…」

ユウリ「ビートったら心配性ー」

ビート「…これが何事もなければ良い。だけど、僕にはとてもそうは思えなくてね。ちなみに、マサル君も同じ考えだよ」

ホップ「へぇ、そうなのか。まぁ何か考えがあるんだな。わかったぞ」

ユウリ「はーい」

 渋々と返事をするユウリに対し、ホップは理解を示すように了承する。「よろしい」と締め、ビートは2人と共にソラの元へ向かう。
 ▼ 19 N9Xja27O2I 25/08/19 06:35:41 ID:WNsYZkQw [10/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜王城 客室〜
 荷物持ちから帰った3人は、再び客室に戻り、休んでいた。ビートはマサルに町での出来事を話す。

マサル「…そんなことがあったのか」

ビート「まぁね。……これがどのぐらい、関連しているかは謎ですが」

 買い物の帰り道、ソラ、ホップ、ユウリは仲睦まじく会話をしていた。ビートは、時々話を振られた時は最低限の返事だけはし、帰りながら町の様子を見たり、聞こえてくる会話に耳を傾けていた。

マサル「うーん…さっきのシャララ隊長が怪訝な顔したのも、そのせいじゃないかな?」

ビート「まぁそうでしょうね。となると、次の問題はそれ、この町の人達の会話内容です」

 曰く、聞いた話では、多くの人達は「青の護衛隊は最近特に忙しい」「王都の外への見回りが増えた」といった内容で、何人かの民は「以前より規律や警備が厳しい。平和なのはいいけど、少し堅苦しい」「深夜でも電気がついていることが多い」とのことだった。

マサル「そういえば、ソラ達も出会った時は王都の外を見回りしていたもんな」

ビート「そして急ぐように僕らを王都の中へと誘導した…つまり、最近王都の外で何かがあったとか」

マサル「それに、ここに来たときは確か見張り塔跡地にできた不思議な光を通って来たしな…まさかあれがこの世界につながるトンネルか何かで、ポケモンが減った異変とも…?」

ビート「考えすぎ、とも言っていられないかもね」
 ▼ 20 N9Xja27O2I 25/08/19 06:38:11 ID:WNsYZkQw [11/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 やがて、客室のドアが再び叩かれる。現れたのはシャララ、ベリィベリー、そしてもう1人大柄な男性であった。

アリリ副隊長「青の護衛隊のアリリだ。食事の前に、このスカイランドを統べる王様にご挨拶へ向かうぞ」

ホップ「王様に挨拶か…緊張するぞ…!」

ベリィベリー「ないとは思うが、くれぐれも厳粛にな」

シャララ隊長「まぁまぁ、そこまで堅くすることもないだろう。準備ができたら、声をかけてくれ」

 5人はすぐに身だしなみを整え、シャララ達に連れられ、玉座の前まで案内される。

王「よく来てくれた。旅の者達よ」

王妃「今宵は是非ごゆっくりなさってくださいね」

 ▼ 21 N9Xja27O2I 25/08/19 06:38:51 ID:WNsYZkQw [12/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「こ、こちらこそこのようなもてなしをいただいてありがとうございます!」

 ホップが先陣を切ってお礼を返し、後の面々も続く。その後ろには、シャララ達がいる。
 ホップ達の一例が終わった後、後ろの扉が開く。入ってきたのは、ソラ、そして少年と少女であった。

王「おお、プリンセス。そして賢者ツバサ殿」

プリンセス・エル「パパ、ママ!お客さんって、この人達?」

夕凪ツバサ「初めまして」

ユウリ「また誰か来た!」

ソラ・ハレワタール「こちらは、私の友人のツバサ君、そして、この国のお姫様のエルちゃんです!」

マリィ「姫…!?こりゃまた大物が…」

マサル「それに、さっき、王はあっちの少年…ツバサのことを賢者と…?」

エル「ツバサは色々研究したり、私に色々…えっと…ていおーがく?とかも教えてくれるし、こーくーりきがくも勉強してるのよ!」

マリィ「頭よさそう…」

夕凪ツバサ「ソラさんから話は聞いてます。皆さんを元の世界に戻す方法探し、僕らも手伝いますからね!」

ユウリ「ありがとうー!」
 ▼ 22 N9Xja27O2I 25/08/19 06:39:34 ID:WNsYZkQw [13/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 その日は、先程の買い出しで購入した食材をふんだんに使った豪華な夕食で、優雅なひと時を過ごしたホップ達。ソラ、ツバサ、エルともすっかり打ち解け、談笑する。
 楽しい時間はあっという間に過ぎ、消灯時間。明日は、青の護衛隊やツバサ達に任せっきりというわけにもいかず、自分達でも、元の世界に戻るための手掛かりを探さねばらなないのだ。
 …もっとも、マサルとビートは、ガラルで起きているポケモン減少がこちらとも何か関係があるのではないか、と言う僅かな可能性も疑い、視野に入れての調査のつもりであるが。

 夜中、誰もが寝静まったと普通なら思うであろう時間。1人もぞもぞと布団から抜け出し、起きる人影。

ユウリ「ふわ〜あ…トイレどこかなぁ…」

 1人で広い城の中を歩き回り、トイレを探すユウリ。やがて無事に見つけ、外へ出て部屋へ戻ろうとした時、声が聞こえた。

ユウリ「ふぇ……?みんな、まだ起きてるのかなぁ…」

 半覚醒状態のまま、ふらふらと声のする方へ向かう。向かった先は会議室であり、扉越しに聞こえる声を聞く。

シャララ隊長「今日も遅くに集まってもらって済まない。此度は、我々が最近より追っているあの問題について、進展があったことによる召集だ」

ユウリ(あの問題…?)
 ▼ 23 N9Xja27O2I 25/08/19 06:39:54 ID:WNsYZkQw [14/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャララ隊長「このスカイランドで、我々はおろか王夫妻でさえその存在を知らなかった、古い伝記の下巻が見つかったのだ」

ソラ・ハレワタール「上巻の内容は、はるか古代、まだスカイランド人と鳥の融和が進んでおらず、文明も発展していなかった頃の話、ですよね」

シャララ隊長「そうだ。破壊の限りを尽くし、当時の人々を苦しめてきた怨霊の存在が描かれている。だが上巻だけでは、その怨霊が何なのか、そしてその怨霊は現在どうなっているのかが長らく不明であった」

ベリィベリー「では、下巻にはそれらが記されていると?」

夕凪ツバサ「ええ。あのお方が見つけてくださったんです」

 そう言いながらツバサが取り出したのは、1冊の文献。ベリィベリーが指していた、ある文献の下巻である。

シャララ隊長「その通りだ。そしてそれだけではなく、あの方が独自に調査した結果、恐るべき未来が推測される。そのことも踏まえて、この会議で決断を下す」

シャララ隊長「既に皆が知っている通り、あの方が先に発見していた上巻で記されていたその怨霊、現在、王都の外に跋扈し、現代のスカイランド人や、プニバード族をはじめとする鳥族にも恐怖を与えている」

ユウリ(へぇ〜…だから見回りしていたんだ〜…)

 ついつい聞き入ってしまう部外者のユウリ。だが、次に聞いた言葉には、耳を疑ってしまう。

シャララ隊長「…その種族の名は、『ポケモン』というそうだ」

ソラ・ハレワタール「ポケモンって…!?」

ユウリ(……えっ!?)
 ▼ 24 N9Xja27O2I 25/08/19 06:40:11 ID:WNsYZkQw [15/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エル「それって、今日城に招き入れた、ユウリ達が持ってるって言う…!」

夕凪ツバサ「不覚でしたね…あの人達は、そんなものを持ち込んできていたなんて…!」

ソラ・ハレワタール「シャララ隊長、皆さん、ごめんなさい。まさか例の怪物の正体がポケモンと知らず、そのポケモンを知っているであろう客人を招いてしまいました」

王「構わない。我々も、今の今まで知らなかった。無理もない」

王妃「あの人の文献こそが、真実だったのですね。だからこそ、今、王都の外に住んでいた方は、王都へと避難しているのですから…」

シャララ隊長「更に、ポケモンはスカイランドだけではない。ここと繋がっている、全く異なる時空の世界にも存在している。彼等は非常に危険な魔物だ。放っておけば、いずれこのスカイランドにいる以上の数のポケモンが、攻め込んでくる。あの方はそう予測している」

シャララ隊長「そこで、当方の進言、王の承認を得た今、近いうちに先手を打つ。我々の方からポケモンの存在する時空へ進軍し、討伐へ向かう。皆々、よろしいな?」

ユウリ(嘘…嘘だよね…?ポケモンが魔物で…駆除…!?)

 自分達の世界では、人々と共生している不思議な生き物・ポケモン。しかしこの世界では怨霊、魔物と呼ばれている。ユウリはただただ恐怖する。だが次に聞こえた声が、ユウリの心には刺さってしまう。

ソラ・ハレワタール「……ええ、そうですね。あの人達が持ち込んできた個体も含め、ポケモンは見つけ次第、倒しましょう!」

ユウリ(ソラちゃん…嘘だよね…!?違うよ、ポケモンは魔物なんかじゃないよ…!)

シャララ隊長「よく言ったぞ、ソラ!皆もそれで良いな!」

 ユウリは、恐ろしい会議の内容を聞き、急いで部屋に戻る。仲間達に、ここにいるのは危険だと伝えるために。

 一方、会議室では、シャララより下された決断に、誰一人として異を唱える者はいなかった。全員の首にぶら下がっているペンダントからは、淡く、深い紫色の光が輝いていた。
 ▼ 25 N9Xja27O2I 25/08/19 06:45:21 ID:WNsYZkQw [16/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜王城 客室〜
ユウリ「みんな!起きて起きて!」

 ユウリは部屋に戻るや否や、熟睡していたメンバー達を起こす。眠い目をこすり、重い瞼を開けていたメンバーだったが、血相を変えたユウリの話を聞き、すぐに覚醒した。

ホップ「ウソだろ…あんなに優しくしてくれた、あの人たちが…!?」

ビート「やはりきな臭いのは気のせいじゃなかったか…!」

マリィ「あたし達がポケモントレーナーなのは、もうみんな知っている…ということは…!」

マサル「ああ…間違いなく俺達が狙われる。急いで出よう!」

 だが既に遅かった。ノックもなく客室の扉がバァン!と開かれる。既に寝る前までの和やかな雰囲気は消え失せ、一触即発だ。

シャララ隊長「客人諸君。大変残念だが、君達が持っているというポケモンを我々に引き渡してもらう」

ホップ「遅かったか…!おい、どういうことだ!」

マリィ「そうだよ!ポケモンが怨霊だなんて、何かの誤解やけん!」

ソラ・ハレワタール「そこまで聞かれていましたか…」

 ソラが前に出て、ペンのようなアイテム・ミラージュペンを構えた。
 ▼ 26 N9Xja27O2I 25/08/19 06:46:06 ID:WNsYZkQw [17/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「なら、その魔物を連れているというあなた達の身柄も拘束させていただきます!ひろがるチェンジ・スカイ!」

 ソラの全身が青い光に包まれ、姿を変える。戦士然としたその姿はキュアスカイ。スカイランドに伝わる英雄『プリキュア』の1人である。
 もっとも、今この状況において、その『英雄』は著しい誤解のもと、自分達に牙を剥く『敵』と言う他なかった。

キュアスカイ「残念ですが、ご覚悟を!」

ホップ「な、なんだ!?姿が変わった!?」
マリィ「何がどうなっとるね!?」
ビート「…何が何だかわかりませんが、考えるのは後です!」
マサル「来るぞ!」
ユウリ「お願い、リザードン!」
リザードン「ばぎゅあ!」

ベリィベリー「あれは何だ!?」

シャララ隊長「『モンスターボール』…ポケモンを連れている人間を『ポケモントレーナー』と呼ぶが、そのポケモントレーナーがポケモンを携行する為のカプセル。そう聞いている」

アリリ副隊長「そこまで準備していたとはな!やはりお前たちの狙いはスカイランドの破壊か!」

ユウリ「いい加減にして!そんなわけないでしょ!?」

マリィ「ユウリから全部聞いたよ!その文献自体でたらめやけん!ポケモンはあんたらの世界と関係なか!」

キュアスカイ「あの方の教えが、間違う訳がありません!ヒーローとして、真実を教えてくださったのです!否定するならば許しませんよ!」

ビート「何を言っても平行線か…ユウリさん!」

ユウリ「ソラちゃん…くっ…!リザードン、羽ばたいて!」
 ▼ 27 N9Xja27O2I 25/08/19 06:46:29 ID:WNsYZkQw [18/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ユウリの指示を受け、リザードンは一対の大きな翼を羽ばたかせ、強風でキュアスカイを押し返し、更にその後ろのシャララ達の進撃も阻む。
 風が止んだ頃、既にホップ達はユウリのリザードンに乗り、窓から抜け出していた。

シャララ隊長「町全体に厳戒態勢を!」

夕凪ツバサ「僕らはソラさんと連携し、あの者達を追い詰めます!」

エル「私も、スカイランドの為に戦うわ!」

王「皆…どうかお気をつけて…!」

〜スカイランド王都 上空〜
ユウリ「ソラちゃん…どうして…」

ホップ「せっかく友達になれたと思ったのに、こんなことってあるかよ…!」

 王城から逃げ出した5人を乗せ、空を飛ぶリザードン。ユウリは、受け入れがたい現実に泣いていた。

ビート「この世界…初めて来た時からポケモンがいない…どう見ても無関係な世界なのに、何故奴らはポケモンを知っていて、あまつさえ怨霊などと戯言を…!?」
 ▼ 28 N9Xja27O2I 25/08/19 06:47:32 ID:WNsYZkQw [19/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリィ「…!?みんな!後ろ見て!」

 何かに気付いたマリィの声に合わせ、全員が振り向く。先程襲ってきたキュアスカイのような、それでいて橙色のコスチュームを身に纏った少年が、ポケモンの力なしに空を飛び、ユウリ達を追跡して来ていた。

キュアウィング「逃がしません!」

マサル「その声に姿…ツバサか!?お前まで…!」

 変身していた夕凪ツバサ―――キュアウィングは空中飛行が可能なプリキュア。彼もまた、キュアスカイや青の護衛隊と共に、ポケモンと、ポケモントレーナーを襲う。

キュアウィング「スカイランドを守るために、お前達は討伐する!」

 速度を上げ、背後からリザードンとの距離を詰めてくる。

ユウリ「避けて!リザードン!」

 指示を受け、旋回してキュアウィングの拳を回避するリザードン。正面を切って、キュアウィングと対峙した。

ユウリ「やめて!ツバサ君!あたし達はスカイランドから元の世界に帰りたいの!」

キュアウィング「残念ですよ、ユウリさん。あなた達が怨霊を連れ込んでくるような人でなければ、その言葉を信じたかった。だが今はもう、話は別だ!はああっ!」

マサル「何を言っても無駄なようだな…いけっ、ファイアロー!」

ファイアロー「ふぃぃぃぃああぁぁっ!」

キュアウィング「またポケモンを…!」
 ▼ 29 N9Xja27O2I 25/08/19 06:48:19 ID:WNsYZkQw [20/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 マサルはリザードンの上からモンスターボールを展開、ファイアローを繰り出す。高速飛行と炎の攻撃を得意とするポケモンで、キュアウィングの空中戦に対抗するためだ。

ユウリ「マサル!?まさかツバサ君を攻撃するの!?」

マサル「お前の気持ちもわからなくもない…だが今はそれどころじゃない!ファイアロー、だいもんじだ!」

 ファイアローの口元に炎が集まり、キュアウィングに向けて放つ。放たれた火球は大の字を展開し、キュアウィングを包み込む。

キュアウィング「炎の攻撃!?うわああああ!!」

 咄嗟の反撃を回避できず、キュアウィングは墜落していく。

ビート「やむを得ない攻撃でしたね…そもそも向こうは既に僕らを侵略者とみなしている。どちらにしても狙われるのは変わらない」

ユウリ「ツバサ君…!」

 だが安心するのはまだ早い。奥の方から、ウォーグルよりも一回り大きい鳥と、それに乗っているシャララの姿が見える。

シャララ隊長「おとなしく投降してもらう、と言いたいところだったが、まだ他にもポケモンを持っていたならば、容赦はしない!いくぞワシオーン!」
ワシオーン「任せろ!」

マリィ「鳥が喋った…!?」

 シャララが駆る従者の鳥・ワシオーンが、ユウリ達を追跡してきた。その身体の上にはシャララだけでなく、先程撃ち落としたキュアウィングの姿もあった。
 ▼ 30 N9Xja27O2I 25/08/19 06:48:45 ID:WNsYZkQw [21/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャララ隊長「ツバサ君、大丈夫か?」

キュアウィング「ええ、ありがとうございます。シャララ隊長」

マサル「くっ…空も駄目か…」

シャララ隊長「突撃!」

 シャララの合図と共に、護衛隊の空中部隊が一斉に突撃。

ホップ「やるしかない…アーマーガア!アイアンヘッドだ!」

アーマーガア「クワァァァーー!」

 ホップもポケモンを繰り出す。アーマーガアは頭をより硬質化させ、ワシオーンと撃ち合う。その硬さは強靭な武器も強固な守りにもなり、ワシオーンの強襲に対応する。

ホップ「よし!」

シャララ隊長「よくも…はあっ!」

ホップ「!?」

 咄嗟にワシオーンの上から抜刀、剣を突き出す。反射的に避けたホップは直撃はしなかったが、左頬に浅い切り傷を負う。

ユウリ「いやああ!ホップーー!!」

ホップ「痛って〜…!オイ!いきなり人に刃物を向けやがったな!?」
 ▼ 31 N9Xja27O2I 25/08/19 06:49:09 ID:WNsYZkQw [22/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 すぐにアーマーガアは後退、シャララとワシオーンと距離を取る。

シャララ隊長「侵略者が相手ならば容赦はしない」

ホップ「さっきから侵略者っていい加減にしろよ!オマエらは人殺しすら厭わない悪党じゃないか!」

シャララ隊長「我々の正義を愚弄するか…やれ!」

キュアウィング「覚悟っ!」

 ワシオーンが再度突撃する。先程のようにシャララ本人と合わせた二段攻撃、更にワシオーンの背中から飛び立ったキュアウィングが迫る。

ホップ「くそっ…!」

 だがその攻撃は、横から阻まれた。

シャララ隊長「うわっ…!?」

ワシオーン「ぐあああっ…!」

 飛んできたのはマサルのファイアローだった。

マサル「ギリギリセーフだな」

ホップ「マサル!」

マリィ「隙ができたよ、今のうちに逃げんと!」

マサル「そうだな」
 ▼ 32 N9Xja27O2I 25/08/19 06:49:26 ID:WNsYZkQw [23/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャララ隊長「おのれ…!」

キュアウィング「僕だけでも追いかけます!」

 敵前逃亡するユウリ達を追跡しようと、キュアウィングは力を振り絞り再度突撃しようとするが、シャララに止められる。

シャララ隊長「いや…既に我々も負傷している。無念だが、一度退いて体勢を立て直すぞ」

キュアウィング「しかし…いえ…わかりました…」

〜王都の空の上→スカイランド市街地〜
 敵の追跡を振り切り、飛びっぱなしのリザードンを休ませるべく、人の少ないところに降り立ったユウリ達一行。ポケモンの回復や、ホップの頬の傷の手当てをする。

ユウリ「ホップ、大丈夫!?」

ホップ「平気さ。結構危なかったけどな…」

マリィ「このまま元の姿に戻る手段が見つからなかったら…!」

ビート「ここは相手からすれば庭。そして僕らは鳥かごの中に閉じ込められた鳥ということか…訳もわからぬままここに骨を埋めるなどあってなるものか…!」
 ▼ 33 N9Xja27O2I 25/08/19 06:50:13 ID:WNsYZkQw [24/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 少しずつ休息は取れているものの、精神的な不安は拭えない。そして、それを嘲笑うかのように、再び敵襲が来た。

エル「見つけたよ!ポケモン達!」

ソラ・ハレワタール「今度は逃がしません!」

ホップ「もう追いついた!?」

ソラ・ハレワタール「ひろがるチェンジ!キュアスカイ!」
エル「ひろがるチェンジ!キュアマジェスティ!」

マリィ「しつこ!流石のマリィももう怒ったけん!あんたらこそ魔物ばい!いくよオーロンゲ、ドクロッグ!」
オーロンゲ「オーロン!」
ドクロッグ「キシシ!」

ホップ「いくぞ!エースバーン、ザマゼンタ!」
エースバーン「ふぁいにー!」
ザマゼンタ「ウルォード!」

ビート「悪いが僕らも元の世界に帰るためだ!ブリムオン、ギャロップ!」
ブリムオン「むぅぅん!」
ガラルギャロップ「ヒヒーン!」

マサル「ゴリランダー、ヨクバリス、いけ!」
ゴリランダー「ぐらりらー!」
ヨクバリス「バリ!」
 ▼ 34 N9Xja27O2I 25/08/19 06:50:33 ID:WNsYZkQw [25/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「みんな……」

 ホップ達も臨戦態勢に入る中、ユウリだけは、この現状を前に戦意を出せず、ただ泣いていた。

ユウリ(ソラちゃん…どうして…)

キュアスカイ「いきますよ!マジェスティ!」
キュアマジェスティ「ええ!スカイ!」

 現在出ているホップ達のポケモンの数は合計8匹。残らず殲滅せんとキュアスカイ、キュアマジェスティは動く。
 変身前からぶら下げているペンダントが、その紫色の光を強めながら。
 ▼ 35 N9Xja27O2I 25/08/19 18:56:44 ID:WNsYZkQw [26/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜地上の世界 ソラシド市〜
虹ヶ丘ましろ「ソラちゃん…遅いなあ」

 ユウリ達がスカイランドでキュアスカイ達に追われている頃、そのスカイランドと隣の時空でつながっている地上の世界・ソラシド市。
 この町に住む少女、虹ヶ丘ましろは、ソラの事を待っていた。元々はプリキュアとして共に戦っていた彼女達。今は別々の世界に暮らしながらも、時々ソラ達はソラシド市にも訪れている。今日はソラが来る約束をしていたのだが、いまだに来ないことに少し不安を覚えている。

聖あげは「青の護衛隊、忙しいもんねぇ」

 ましろの家の庭で洗濯物を一緒に取り込んでいた女性・聖あげは。彼女もまたプリキュアとして共に戦った仲間である。ちなみに彼女だけ成人だ。
 ソラ達が青の護衛隊の仕事で立て込んでいることは2人とも理解しており、遅れることは珍しくない。とは言え、ソラ本人も大切な親友・ましろに会うことは毎回楽しみにしている為、約束がある日に仕事がぶつかっても大急ぎで終わらせて飛んでくることが殆どであった。

 だが、今日に限らずここ最近は、来れない日が続いている。今日久し振りに来てくれると思っていたが、今日もまだ来ない。そのことに、2人はいつもと違うような妙な胸騒ぎがしていた。

虹ヶ丘ましろ「最近、すごく忙しいってソラちゃんからも聞いてるけど…こんなに続くのは不安だよぉ。私も何か手伝えないかな?」

聖あげは「すごくわかるなぁ、その気持ち。あーあ、私も行きたいなぁ。少年やエルちゃんさえ、ここ最近ご無沙汰だしね」
 ▼ 36 N9Xja27O2I 25/08/19 18:57:25 ID:WNsYZkQw [27/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 2人がそうぼやいていると、庭に光が出現。スカイランドとソラシド市を行き来する光のトンネルやワームホールのような、『ポータル』である。

虹ヶ丘ましろ「ソラちゃんっ!?」

 待ち人がようやく来たのか、ましろは先程まで沈みかけていた気持ちが再び踊る。だが目の前に現れた人物は、2人の予想とは全く異なる見知らぬ人物であった。

???「初めまして。虹ヶ丘ましろさん、聖あげはさん」

虹ヶ丘ましろ「えっ?だ、誰!?」

聖あげは「初対面なのに、どうして私達のこと知ってるの?てかここ、人ん家ですけど!?」

 不審に思う2人。対面するのは黒いローブを纏った人物。声質からして女性だろうか。

???「突然の訪問、失礼しました。私はMs.ダスピアと申します。この度、何卒あなた達の助けを借りたく存じます」

虹ヶ丘ましろ「ダスピアさん…?」
 ▼ 37 N9Xja27O2I 25/08/19 18:57:49 ID:WNsYZkQw [28/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「ちょっとちょっと!突然押しかけて何を助けろっての?」

Ms.ダスピア「今、スカイランドで大変な事態が起きています」

2人「!?」

Ms.ダスピア「…来て、いただけますでしょうか」

虹ヶ丘ましろ「スカイランドが…ということはソラちゃん達にも何かあるんじゃないか心配だよぉ、あげはちゃん!」

聖あげは「正直この人の事は胡散臭いけど、スカイランドに行こ!私も皆が心配だし!」

Ms.ダスピア「感謝しますよ。本当に…」

 Ms.ダスピアはポータルから2人を送り込み、自身もその後を追う。そして2人は、ダスピアから今のスカイランドで起きている出来事を聞かされるのであった…。
 ▼ 38 N9Xja27O2I 25/08/19 18:58:11 ID:WNsYZkQw [29/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 市街地〜
キュアマジェスティ「はああっ!」

オーロンゲ「オロッ…!」
ドグロッグ「ドクク…!」

マリィ「オーロンゲ!ドグロッグ!」

ビート「明らかに力が人間離れしている…お前達は一体何者だ!」

キュアスカイ「私達は、ヒーローです!たああっ!!」

ビート「ギャロップ、サイコカッター!」
ガラルギャロップ「ブルルッ!」

 多数のポケモン達を相手に、強靭な腕力、脚力による徒手空拳と驚異的な身体能力で襲い掛かるキュアスカイ、キュアマジェスティ。

マサル「これだけの数を持っても抑えるのが精いっぱいだなんて…ホップ!油断するなよ!」

ホップ「マサルこそ!いけっ、エースバーン!」

マサル「ゴリランダー!」

 ホップ達も、それぞれの相棒や切り札で応戦。人間離れした戦闘力で直接ポケモンに襲い掛かる2人に対し、数で抑え込む。

 …ただ1人を除いては、だが。
 ▼ 39 N9Xja27O2I 25/08/19 18:59:10 ID:WNsYZkQw [30/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「ソラちゃん…ツバサ君…エルちゃん…みんな…どうしてこんなことに…!」

 いまだに受け入れがたい現実に、戦いに参加できないユウリ。彼女だけでなく他のメンバーも、このことへのショックこそあれど、彼女だけはまだ立ち直れていない。

キュアスカイ「ヒーローガールスカイパンチ!」

 キュアスカイが右手に力を集中。その場から動けないユウリを狙う。

マサル「何っ…!?」

 その凶拳がユウリを捉える。だが、その攻撃は彼女には届かなかった。

ザマゼンタ「ウルル…!」

キュアスカイ「硬い…このポケモンの硬さ…まるで強固な盾です!」

 不屈の盾を構える英雄のポケモン・ザマゼンタ。その強固な守りで、ユウリをキュアスカイの拳から守り抜く。
 そこに、その主であるホップが駆け付ける。

ホップ「間一髪だったぞ…ユウリ、大丈夫か!?」

ユウリ「ホ、ホップ……」

マサル「くそっ、ダメだ。ユウリのヤツ、ここまでされてまだ戦えないのか…!」

 ガラルポケモンリーグで、無敵のダンデを下し、最強のチャンピオンとなったユウリ。ポケモンバトルは積極的に参加し、何より心から楽しんでいた彼女。
 一時期、ガラル地方がブラックナイトの危機にさらされても、臆することなく立ち向かっていた。しかし、新しくできた友達、そう思っていた人物からの突然の裏切りや、ポケモンに対するあらぬ罵詈雑言。彼女が負った心の傷はそれだけ深いのだろう。

 4人は、そんなユウリの実力も、そして心情も理解し、無理に戦わせないよう自分達だけで奮戦している。だがプリキュアがとうとうポケモントレーナーを直接攻撃するようになったことで、綻びが出始める。
 ▼ 40 N9Xja27O2I 25/08/19 18:59:55 ID:WNsYZkQw [31/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ザマゼンタ「ウルォード!」

キュアスカイ「くっ…!」

 咆哮と共に、ザマゼンタはキュアスカイを押し返す。キュアスカイは跳躍、後退してザマゼンタとの距離を取った。

ホップ「……」

 再び交戦するポケモンとプリキュア。だがホップは、ある思考を張り巡らせていた。

ホップ(アイツら…ソラやエルが変身した姿…。その顔以外、髪も、衣装も、全部が別人のように変わった…けど)

ホップ(あの、時々光っているペンダント…あれはそのまま身についている…?)

エースバーン「ふぁいにー!」
ゴリランダー「ぐらりらー!」

キュアスカイ「があっ…!」

キュアマジェスティ「スカイ!大丈夫!?」

キュアスカイ「はい…大丈夫です…このポケモン達…強い!」

キュアマジェスティ「今度は私が行くよ!ひろがる・マジックアワーズエンド!!」

ホップ「!」
 ▼ 41 N9Xja27O2I 25/08/19 19:00:20 ID:WNsYZkQw [32/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 キュアマジェスティが右手に光剣を宿し、ポケモンに向かって斬りかかる。
 プリキュアの戦いを見て、その観察力からある点に気が付いたホップは、マジェスティが必殺技を繰り出すその瞬間にも、ある変化が生じていたのを見逃さなかった。

ホップ(まただ…!)

キュアマジェスティ「たああああっ!!!」

ユウリ「ホップ!!」

ビート「そうは…!」
マリィ「いかんとよ!」

キュアマジェスティ「!?」

 間一髪、ブリムオンのあくのはどうでマジェスティの光剣は阻まれ、その横からオーロンゲのDDラリアットによる追撃。

キュアマジェスティ「ああっ…!」

 不意の攻撃に反応できず、マジェスティも距離を取る。

キュアスカイ「マジェスティ、大丈夫ですか!?」

キュアマジェスティ「ええ、平気よ」

マリィ「ドクロッグ、いやなおと!」

ドクロッグ「ドクキシャアー!」

キュアスカイ「きゃああ…!何なんです、この音は…!」

キュアマジェスティ「頭が…痛い…!」
 ▼ 42 N9Xja27O2I 25/08/19 19:01:06 ID:WNsYZkQw [33/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 聴覚を突き刺すような嫌な音に思わず耳を塞ぐ2人。音が止んだ頃にやっと顔を上げるが、標的のポケモン達とポケモントレーナー達は既に姿を消していた。今の攻撃の隙を突いて撤退したのだろう。

 スカイは、ポケモンを仕留め損なうばかりか見失ったことに歯を食いしばる。そこに、青の護衛隊の内、ソラ・ハレワタール―――キュアスカイが指揮を執っている三番隊が遅れて駆け付けた。

隊員「ソラ隊長!プリンセス!ご無事でしたか!」

キュアスカイ「はい、こちらは無事です。しかし、ポケモン達は取り逃がしてしまいました…」

隊員「くそっ、あのポケモントレーナー達め…隊長やツバサ殿だけでなくお二方までも…!」

キュアマジェスティ「えっ!?ツバサとシャララが!?」

隊員「ええ、上空から追跡されていたのですが、反撃されてしまい、現在城に一時撤退中です!」

キュアスカイ「許せない…あの二人まで傷つけるだなんて!」

 キュアスカイはそのまま背を向け、告げた。

キュアスカイ「…エルちゃん、大事をとって回復、そしてツバサ君達のことを頼みます」

 プリキュアの名ではなくいつもの呼び方に戻るキュアスカイ。

キュアマジェスティ「ソラは!?」

キュアスカイ「私はまだダメージもあまりないです。私だけでも、あの者達を追います。そちらは任せましたよ!」

キュアマジェスティ「あっ!?待って、ソラ!」

隊員「ソラ隊長!」
 ▼ 43 N9Xja27O2I 25/08/20 23:18:11 ID:JN6krevI [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 市街地〜
 先程の戦地から離れたホップ一行。キュアスカイとキュアマジェスティをまいたは良いものの、王都の脱出、またはガラル地方へ帰る手段のアテもない中、彷徨うことしかできていない。

ホップ(……あのペンダント)

『実は、私達もまだこの石が何なのかわからないんです。ある日国民全員に配られたもので、綺麗な石なものですから、皆さん付けちゃってるんです!』

ホップ(ただのペンダントって最初はそんなに気に留めなかったけど…ある日に配られたとして、それがなぜ配られたのかがよくわかってないのも考えてみれば不思議だ…それに)

『ヒーローガールスカイパンチ!』
『今度は私が行くよ!ひろがる・マジックアワーズエンド!!』

ホップ(あれは多分、当たったらヤバいなんかじゃ済まされないような技…あれを使う時、確かにあのペンダントは光った……けど、だとしたらあのペンダントは何だ?ただ力を増幅するだけなのか?)

ホップ(だとしたら、変身していないときも身につけているのには、何の意味が…?)

 今はまた、青の護衛隊並びにプリキュアがいないことを確認し、静かな場所で消耗したポケモンの回復を行なっている。
 当然この世界にポケモンセンターもなければ、フレンドリィショップもない。つまり、彼等はこの世界に来る前の時点で持っている限られた物資だけでやりくりするしかないのだ。

 ホップは、戦闘中に見られた、プリキュアおよびスカイランド勢力が漏れなく身につけていたペンダントについて思案する。しかし、確証にはまだ早いのか、何も言えずにいる。
 ▼ 44 N9Xja27O2I 25/08/20 23:19:00 ID:JN6krevI [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「ソラちゃん……みんな……」

 ユウリはまだ傷心しており、いまだにキュアスカイ達と戦う決心がつかない。また、積極的に反撃しているマサル、マリィ、ビートはともかく、戦闘に参加しているホップも、基本的に防戦一方であった。

ビート「…ホップ君」

ホップ「何だ?」

ビート「君も、そろそろ本気を出してもらいたいのですが」

ホップ「何だと?」

ビート「ここにいるのは、皆、ガラルではチャンピオンの座を賭けて、しのぎを削り合ってきたトレーナー達。君もその1人の筈だ」

ホップ「…何が言いたい」

ビート「君の立ち回りを見ていると、ただ戦いに参加しているかしていないかの違いこそあれど、まだ彼女達に反撃する決意が固まっていないようにしか見えなくてね」

ホップ「……気づいていたか」

ビート「だから君は甘いんですよ。最早今はためらう理由なんてない筈だ」

 ホップは、言い返さなかった。とは言え、かつてジムチャレンジの頃に心を折られた時とは違い、「やっぱお見通しか」といった様子であった。

ユウリ「ちょっとやめてよ、そういう言い方!」
 ▼ 45 N9Xja27O2I 25/08/20 23:19:58 ID:JN6krevI [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「まぁまぁ落ち着け。ビートの言い分は俺もわかる…だがな、ホップが考えなしに防いでるだけな訳はない。俺はそう信じてる」

マリィ「信じてるって…けど一体何を」

「おーい!」

 言い合いの最中、遠くから聞き慣れない、女性の声が聞こえる。周囲に自分達以外に人はおらず、呼ばれているのは自分達だと認識したホップ一行は声のする方へ振り向く。声の主の女性が走ってきた。

???「こんちゃ☆」

 狐の影絵をするように指を向け、ウインクしながら気さくに挨拶してきたその女性は聖あげは。突然の来訪に戸惑いつつも、ホップが口を開く。

ホップ「えっと…どちら様なんだ?」

聖あげは「はいはーい!私は聖あげは、18歳☆初めましての少年達に少女達!お困りのようだね?」

ユウリ「う、うーん…困ってると言えば困ってるけど…」

 現在の状況を話して、呑み込んでもらえるだろうか、迷いつつも話そうとした一行だったが、それより先にあげはが続ける。
 ▼ 46 N9Xja27O2I 25/08/20 23:20:21 ID:JN6krevI [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「うんうん、そっかぁ。いやね、実は知り合いからさ、ここの国が今ピンチって聞いててね?私もよくは知らないんだけど、ちょーっと前に君達を見かけたのよ」

マリィ「この国が…危ない…?」

マサル(何者だ…この女……それに、この国が危ない…?)

聖あげは「こっちなら人通り少ないし、こっちから逃げながら話聞くよ☆」

 そう言ってあげはが指を指した場所は、いわゆる裏路地のようなところ。ビル風も吹いており、通路が続いている様だ。

マリィ「わぁお…ここなら何とかなりそう…?」

ホップ「けど信じて良いのか…?」

マサル「さぁな…」

ビート「ちっ……いつまでも開けた場所にいても、また追手が来るだけか…」

ユウリ「ありがとう!」

 あげはは5人を連れて裏路地に入り、奥へと進む。青の護衛隊やプリキュアの声が外から聞こえており、躱せているのだろう。
 ▼ 47 N9Xja27O2I 25/08/20 23:21:21 ID:JN6krevI [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「なるほどねぇ、君達のいた世界で、そのポケモンっていう生き物が減ってて、それの原因を調べたらこっちに落ちてきちゃったと」

聖あげは「で、突然無実の罪で追われる身に、ねぇ…」

聖あげは「ということは、まずはこの王都から抜け出せれば良いってことだ☆」

ユウリ「抜け道とか、知ってるの?」

聖あげは「まぁね。それじゃ、目的地も決まったし、あげはさんについてきなさい☆」

 「アゲてこアゲてこ〜!」と小声ながらもハイテンションなあげは。一行は誘われるがままについていく。

ビート「……」

 初めて会う相手にしては、随分と話がスムーズに進む。疑問を抱くビートは、あげはに話しかけた。

ビート「一ついいですか」

聖あげは「おっ、何かな何かな?」
 ▼ 48 N9Xja27O2I 25/08/21 21:16:26 ID:gdxI5ako [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビート「僕らを迎えてきた人の殆どは、紫色の石のペンダントを首からぶら下げていました。しかし、身につけている当人達でさえ知らないそうです」

聖あげは「…ほほーう」

ビート「あなたも、ここに来る途中で、見かけませんでしたか?」

聖あげは「あー……うんうん、知ってる知ってる」

ホップ「ほ、本当か!?」

 何か有益な情報が聞けるか?と期待した一同。
 ▼ 49 N9Xja27O2I 25/08/21 21:16:59 ID:gdxI5ako [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「ほんとほんと。それってさ……

こーゆーヤツ?」

5人「!?」

 あげはは、自分の懐からあるものを取り出す。それは、紛れもなくキュアスカイやシャララなどが身につけていたペンダントそのものであった。

ホップ「なっ……!?」

ビート「…ちっ!」

聖あげは「ふふ、ちょーーーっと、気が付くのが遅かったかな?



おばかさん」

ザッ!
 ▼ 50 N9Xja27O2I 25/08/21 21:18:27 ID:gdxI5ako [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 手がかりを聞けるかという期待は無慈悲にも打ち砕かれ、突然裏切られた、否、嵌められた事実に衝撃を受ける一同。状況は一変して再び危機に陥った。
 気が付いた時にはもう既に遅し。細い路地裏故に逃げ道は狭く、更にその上、建物の屋根には、既に弓を構えた青の護衛隊、そして…。

虹ヶ丘ましろ「誘い込みありがとう、あげはちゃん!」

青の護衛隊「見つけたぞ!ポケモントレーナー!」

マサル「まんまとしてやられたってことか…」

マリィ「あんたら!ほんっとに悪どいヤツ!」

聖あげは「アッハハハハ!ポケモンなんて連れてくるヤツが悪いのよ。ましろん、皆、やっちゃうよ!」

虹ヶ丘ましろ「ひろがるチェンジ・プリズム!」
聖あげは「ひろがるチェンジ・バタフライ!」

 屋根の上のましろ、路地裏のあげははそれぞれキュアプリズム、キュアバタフライへと変身する。

ユウリ「そ、そんな、こんなのってないよぉ!」

ホップ「コイツらも変身するのか…!」

キュアプリズム「さぁ、今度こそ追い詰めるよ!」

キュアバタフライ「おっけー☆アゲアゲで倒しちゃうよ!」

 キュアバタフライは跳躍、屋根の上に上がる。護衛隊は一斉にホップ達に弓を構え、プリズムはペンダントを光らせながら、掌に光の球を生成する。
 ▼ 51 N9Xja27O2I 25/08/21 21:19:11 ID:gdxI5ako [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアプリズム「撃てぇーー!!」

 合図と共に、矢、そして光弾がホップ達に降り注いだ。

ホップ「!」

 ありったけの数の弾幕がシャワーのように浴びせられ、路地裏は煙に包まれる。

キュアプリズム「これで…どう!?」

キュアバタフライ「……!?いや、まだみたいね」

 煙が晴れそこには、バリアのようなものに守られていたホップ達であった。
 ホップのアーマーガアがひかりのかべを、ビートのサーナイトがリフレクターを展開しており、それぞれキュアプリズムの光弾と護衛隊の弓矢から全員を守っていた。

青の護衛隊「防がれただと!?」

キュアバタフライ「でもまだまだ!これだけ狭いところなら逃げられないよ!」

 キュアバタフライは跳躍、ペンダントが光りだし、同時に空中にいる彼女の足元に、蝶の形をした巨大な光が現れる。

キュアバタフライ「これで潰れちゃえ!ひろがる・バタフライプレス!」

 バタフライは光の蝶を踏みつける様に急降下キックを繰り出し、リフレクターに打撃を与える。上からの圧力で強引に潰すつもりのようだ。
 ▼ 52 カドッグ@アマカジのあせ 25/08/21 21:19:16 ID:Z0lcqPWg NGネーム登録 NGID登録 報告
結局こいつも敵じゃねーか!
 ▼ 53 N9Xja27O2I 25/08/21 21:21:06 ID:gdxI5ako [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「きゃあああ!」

ビート「迎撃するまでだ!サーナイト、マジカルシャイン!」

サーナイト「サーナッ!」

キュアバタフライ「うっ!」

キュアプリズム「ま、眩しい…!」

 眩い光の範囲攻撃。だがまだバタフライプレスを押し返すには足りなかった。

ビート「今だ!」

キュアプリズム「!?」
キュアバタフライ「うっそ!?」

 光の中、ミミッキュを乗せたレパルダスが、身のこなしを活かして跳んでおり、そこから更にミミッキュが跳んだ。
 ▼ 54 N9Xja27O2I 25/08/21 21:21:47 ID:gdxI5ako [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリィ「マサル!」

マサル「ああ!ミミッキュ、でんじはだ!」

ミミッキュ「みっきゅー!!」

キュアバタフライ「ああああっ!!」バチバチ

キュアプリズム「バタフライ!」

 バタフライプレスは対地火力が高く、そのまま圧し潰す技だが、発動中は隙だらけであった。元々どうにかして上にいる敵の動きを封じようと考えた彼等だったが、違う形で一矢報いることに成功する。

ドサッ!

キュアバタフライ「くう……!身体が痺れる…!」

キュアプリズム「よくもバタフライを!」

 プリズムが屋根から飛び降り、体術で襲い掛かる。

マリィ「レパルダス、バークアウト!」

マサル「ミミッキュ、でんじは!」

 2人がそれぞれ攻撃指示。マサルは屋根の上に残っている護衛隊が矢を装填している隙を突きでんじはで動きを拘束。レパルダスは既に路地裏に着地しており、プリズムの死角から騒音を飛ばして怯ませる。

キュアプリズム「くっ…!これしき…!」
 ▼ 55 N9Xja27O2I 25/08/21 21:22:26 ID:gdxI5ako [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 再びプリズムのペンダントが光り、今度は両手にエネルギーを集中し、大きな光球を生み出していた。

キュアプリズム「この力で、ポケモン達を倒すよ!ヒーローガール・プリズムショット!」

 しかし、チャージしている間にホップ達は既にフリーになっていた為、すぐに次の手を打っていた。

ビート「ニンフィア、ひかりのかべです!」
ホップ「アーマーガアも頼む!」

 サーナイトに続き新たにニンフィアを繰り出したビート。ホップのアーマーガアと連携し、二重にひかりのかべを展開。強力なプリズムショットをギリギリ防ぎ切る。

キュアプリズム「まだまだぁーー!!」

 しかしその壁を強引に破ろうと、今度は小型の光弾を連射する。

パキパキ…!

ホップ「まずい…!」
 ▼ 56 N9Xja27O2I 25/08/21 21:23:59 ID:gdxI5ako [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビート「マサル君!」

マサル「ストリンダー!」

キュアプリズム「しまった…!」

マサル「オーバードライブ!」

 電気を纏った大音量の音波。ストリンダーの特性『パンクロック』で、その音響、威力は更にブーストされ、プリズムの光弾を掻き消した。

キュアプリズム「ぐうう……きゃああっ!」

 プリズムは吹っ飛ばされ、その隙にホップ達の逃走をまたしても許した。

青の護衛隊「おのれ…ポケモン共め…!」ビリビリ

キュアバタフライ「こんなに強いなんて…見くびったね。せっかく誘い込んだのに、逃げられちゃうなんて」

キュアプリズム「こんなに強い相手…ソラちゃんやみんなは大丈夫かな…」

キュアバタフライ「確かに心配だねぇ…護衛隊の皆さん、ツバサ君達のところに一度案内してくれる?」

 2人は青の護衛隊と共に、治療を兼ねて王城へと向かった。
 ▼ 57 ケニン@あおいバンダナ 25/08/22 18:28:18 ID:ePAwyyTM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここのホップは観察力、マサルはその場の判断が特に優れてて、ビートはどちらかといえばマサル寄りっぽいな
 ▼ 58 N9Xja27O2I 25/08/22 19:32:17 ID:Zw/gUATI [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 広場〜
ホップ「はぁ…はぁ…クソッ、オレ達みたく迷い込んだ一般人かと思ったら、アイツも敵だったなんて…!」

マサル「しかも、変身する人間が、これで5人も…もうあいつらの方が悪魔や怪人の類いじゃないか!」

 聖あげはの騙し討ちに遭い、袋のネズミにされていたホップ達。しかしポケモン達との協力で辛くも抜け出すことに成功。

ユウリ「やだよ…怖い…怖いよ…」

ホップ「ユウリ……」

 ただでさえ友好的だった人物の豹変から始まり、ここまで追われ続けてる中、また更に裏切り。ユウリも、皆も、少しずつ精神を削がれていく。

ビート「チャンピオンとあろう者が機能不全…」

ホップ「そりゃな。オレがこんなこと言うのもなんだけど、チャンピオンって、万能なんかじゃない。極端な話、ただポケモンバトルが強いだけ、なんだよ」

ビート「チャンピオンという肩書をそう呼ぶなんて、珍しいですね。まぁその通りではありますが」

マリィ「ホップは、何が言いたか?」

マサル「……ユウリは、チャンピオンであることを除けば、ただの女の子に過ぎない、ということさ。そうだろ?ホップ」

マリィ「?」
 ▼ 59 N9Xja27O2I 25/08/22 19:34:14 ID:Zw/gUATI [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 マサルの補足に、ホップは無言で、力強く頷く。マサルは続けた。

マサル「チャンピオンとか、そういう称号を得たからって、その人の性格がいきなり変わるなんて、そんな魔法みたいなこと、ある訳ないだろ?まぁ、中には力に溺れて傲慢になっちまう奴もいるかもだけどよ…」

ホップ「ユウリは、競争とかそういうのは嫌いじゃないし、むしろ楽しんでやるようなヤツだけど、戦争だとか、楽しくない勝負は本当に嫌いなんだ。ましてや、こんな裏切りにあっちゃあなぁ…」

マリィ「うわ……その話聞いたらさ、たとえこの世界を抜け出せても、ユウリは…」

ホップ「…当分は、ゆっくり休んだ方が良いかもな」

マサル「何にせよ、まずは生きてここを出ないとな」

「見つけましたよ!」

 キュアスカイが現れる。たった1人でホップ達を倒さんと、市街地の屋根の上を、そして地上を疾走してきたのだ。

キュアスカイ「今度こそ、ここでポケモン達を倒す!はあああっ!!」

マリィ「しつこい…!いけっ、レパルダス!」
ビート「なら僕らも、今度こそあなたを倒させてもらう!クチート、頼みます!」
マサル「…やるしかないな。行くぞジャラランガ!」

レパルダス「ニャーオ!」
クチート「ちーと」
ジャラランガ「ジャランジャランラ!」
 ▼ 60 N9Xja27O2I 25/08/22 19:34:54 ID:Zw/gUATI [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「また違うポケモンを…ならばポケモントレーナーのあなた達から倒せば良い!」

 キュアスカイは先程までと打って変わり、ポケモンを掻い潜りながらマサル達を直接狙う。

マサル「卑怯もらっきょうもないって奴か…だが俺達は屈しない!ジャラランガ、がんせきふうじだ!」

ジャラランガ「ジャララ!」

 駆け抜けてくるキュアスカイの行く手を阻むよう岩を投げるジャラランガ。だが…。

キュアスカイ「こんなものごときでは止まりません!」

マサル「ダメか…!」

 キュアスカイの拳は岩をも容易く砕き、更に距離を詰める。

ビート「クチート、ほのおのキバ!」
マリィ「レパルダス、くさむすび!」

キュアスカイ「きゃああっ、熱いっ…!」

 岩を砕いた直後、炎を纏ったクチートの牙が拳に喰らいつく。そこを更に足元の草が絡みつき、動きを封じた。

キュアスカイ「くっ…!」

マリィ「バークアウト!」

レパルダス「フシャッ!」

キュアスカイ「ぐあっ…!」

 直撃。吹っ飛んで地面に転がされるがすぐ立ち上がる。
 ▼ 61 N9Xja27O2I 25/08/22 19:40:10 ID:Zw/gUATI [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「タフな奴だ…けど負けない!インファイト!」

 追撃指示を出すマサル。高速の拳の連打を叩きこまんと、ジャラランガはキュアスカイの懐に突撃する。

キュアスカイ「はっ!」

 スカイは素早く回し蹴り。人間離れした脚力で、体格の大きいジャラランガをマサルの方へと蹴り飛ばす。

マサル「ぐあっ!?」

ホップ「マサル!?」

マサル「くそっ…ほんとになんて力だよ…」

キュアスカイ「まずは、あなたからです!」

 キュアスカイは、マサルが後ろへ吹っ飛んだことで、正面にホップを捉える。彼はまだポケモンを出していない。高速で突っ込む。

ビート「クチート、アイアンヘッド!」
マリィ「レパルダス、バークアウト!」

 だが2匹の攻撃は急加速しているキュアスカイには当たらず虚空を切る。

ビート「ホップ君!」
マリィ「ホップ!」
マサル「まずい…!」
 ▼ 62 N9Xja27O2I 25/08/22 19:44:58 ID:Zw/gUATI [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「………

今だ、ザマゼンタ!」

4人「!?」

 咄嗟にボールからザマゼンタを繰り出す。その盾でキュアスカイの拳を防ぐ。

ザマゼンタ「ウルォ…!」

ホップ「………ソラ、ごめんな」

キュアスカイ「何を今更……、…!?」

ホップ「ザマゼンタ、メタルバーストだ!!」

キュアスカイ「なっ……」

 距離を取ろうとするキュアスカイ。だがもう遅い。

キュアスカイ「がはっ……!」

 ポケモンを殺めようと迫ってくる程の力。それを反射されれば、当然大きなダメージとなる。
 ホップは、最初から引き付けてザマゼンタのメタルバーストで、受けた力を反射することを狙っていたのだ。

 吹き飛ばされたキュアスカイは壁に打ち付けられ、気を失う。変身が解け、ソラ・ハレワタールの姿に戻ったのだ。

マリィ「まさか、今の『ごめん』って、ソラに攻撃するつもりで…!?」

ビート「どういう風の吹き回しかな……ちょっと、ホップ君?」
 ▼ 63 N9Xja27O2I 25/08/22 19:47:05 ID:Zw/gUATI [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ホップは、倒れているソラに駆け寄り、何かを確認していた。そして、持ち前の人間用の救急用具で応急手当のみ行う。元々彼はガラルでよくフィールドワークに出ていた分、怪我をすることは珍しくない。こうした道具も備えていたのだ。

マサル「おいホップ、一体何をしている」

マリィ「ちょっと!?なしてそげな貴重品を敵に使っとー!?」

ホップ「これでよし、と…スマンみんな!遅くなった!」

ユウリ「それって、普段ホップが持ち歩いているガーゼとか消毒薬!?ソラちゃんに使ってあげたの!?」

 この状況下、敵に塩を送るにも等しく見せるその行為。誰もが困惑していた。

マサル「…とりあえずここを離れよう。話はその途中で聞くよ」
 ▼ 64 N9Xja27O2I 25/08/22 19:47:21 ID:Zw/gUATI [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド 王城〜
虹ヶ丘ましろ「ソラちゃん!みんな!」

夕凪ツバサ「あっ、ましろさん!?それに、あげはさんも!?」

エル「ましろー!あげはー!久しぶりー!」

聖あげは「少年!エルちゃん!無事だったのね!?それに、シャララさんも!」

シャララ隊長「ましろ殿にあげは殿…来てくれたのか。だがせっかくご足労いただいて申し訳ないが、ソラだけはまだ…」

虹ヶ丘ましろ「えっ…う、うそ…そんな…」

「ええ、残念ながらまだここには戻ってきていません」

 仲間の身を案じ、ましろとあげはは王城で、医療室に案内された。そこには、治療中の隊員や、ツバサ、エル、シャララの姿こそあれど、単身ポケモンを追跡しているソラはいない。
 2人の後ろから、彼女達をスカイランドに連れてきたダスピアが姿を現す。
 ▼ 65 N9Xja27O2I 25/08/22 19:48:10 ID:Zw/gUATI [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Ms.ダスピア「報告によれば、ポケモン達との戦闘でツバサ君とシャララ隊長は負傷、エルちゃんも軽傷を負いました。ソラさんは、エルちゃんをツバサ君達のお見舞いへと向かわせ、1人でポケモントレーナー達の追撃に向かった…これが最後に聞いた情報です」

虹ヶ丘ましろ「そんな…あんなに強い相手を1人で!?無茶だよ…!」

聖あげは「こうしちゃいられないわね…けど、ぶっちゃけ私達もちょーっとやられたっつーか…すぐに動きたくても動けないわね」

虹ヶ丘ましろ「私は行くよ!このぐらいの怪我ならまだ…!」

シャララ隊長「奴らを甘く見ない方が良い…万全の状態でないまま行けば、私達の二の舞になる」

Ms.ダスピア「その通りです。あなたの気持ちもわかりますが、今動ける隊員たちがソラさんを捜索してくださっています。彼等に任せましょう」

虹ヶ丘ましろ「うう…でも…」

エル「ましろ、ソラの事が心配なのは、私達も同じだよ」

夕凪ツバサ「大丈夫です。ソラさんは、そんな簡単にやられません。ヒーローですから」

虹ヶ丘ましろ「……うん」

 ましろ、あげはは戦闘で負ったダメージの回復に努めつつ、城の下の方では、既に回復を終えた部隊が再び出撃していた。
 ▼ 66 N9Xja27O2I 25/08/22 19:51:51 ID:Zw/gUATI [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 商店街〜
 キュアスカイを撃破した一行は商店街に出る。昼間は賑わっていたここも、夜は静まっている。

マサル「ホップ、説明してもらうぞ。なぜあの時、倒したソラをわざわざ手当てしたのか」

ホップ「……アイツらが言っていた、ポケモンが悪霊なんて主張は勿論あり得ない。ポケモンの事は、ずっと過ごしてきたオレ達の方が知っているからな。ただそれより、主張そのものは置いといて、アイツ自身は、本来悪いヤツじゃない。そんな気がしたんだ」

ビート「気がした、って…そんな曖昧な理由で!?」

ホップ「もちろん、ただ気がしただけじゃないんだ。みんな、このスカイランドに来て、みんなが身につけていたっていうあのペンダントを覚えているか?」

ユウリ「ソラちゃんも言ってたけど、ある日配られて、みんなつけてるっていう、あの紫の石?」

マリィ「それがどうかしたん?」

ホップ「あれが、変身した後もずっとついていたのと、『あるタイミング』で光りだしたんだ。最初は気のせいかと思ったんだけど…ソラやエルだけでなく、さっきオレ達を騙したあの女とその仲間もそうだったのを見て確信した」

マサル「…そんなところまで見ていたなんてな。まさかただ防いでいただけじゃなくて、それを見極めるために…?」

ホップ「いやぁ、最初はほんとにまだ戦うのに躊躇いはあったさ。でも、ふと目に留まって、怪しいと思ってさ。それからは、戦わなきゃって思ったんだ」
 ▼ 67 N9Xja27O2I 25/08/22 19:52:41 ID:Zw/gUATI [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「…ははっ、お前って昔から、観察力すごいよな」

ユウリ「そっかぁ…ね、ねぇ!それじゃあもしかしてソラちゃん達は!」

ホップ「ああ。もしかしたらだが、正気じゃない可能性もある」

ビート「なるほどね。君の言い分は分かった。だけど、さっき僕らはあの女達に騙し討ちに遭った。察するにあいつらも、ソラ達の仲間。信用できるかな?」

ホップ「それは……確かにビートの言うこともわかる。だから、それも確かめないとな」

「いたぞ!ポケモントレーナーだ!」

マサル「…また追手が来たな。みんな、いけるか?」

ホップ「…ああ!」

 次に現れたのは青の護衛隊。その中でも強力な隊員であるベリィベリーと、副隊長のアリリ。その後ろには武装した数人の護衛隊員もいる。

マリィ「やっぱりあいつらもあのペンダントをしとーね」

ビート「なんだって良い。迎え撃つべき敵なのは変わりません!」

ホップ「ユウリ、オマエは無理しなくて良いからな」
 ▼ 68 N9Xja27O2I 25/08/22 19:53:19 ID:Zw/gUATI [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アリリ副隊長「お前達の事だ。ポケモンによる国家転覆を狙っているのだろうが、そうはさせんぞ!」

ベリィベリー「よくも数々の仲間を傷つけてくれたな!」

マサル「ふん!お前らから一方的に決めつけて攻撃して来ておいてよく言うぜ」

ビート「それに、君達はこの後僕らの世界を侵略しに来るのでしょう。国家転覆だの侵略だのなんて、どの口が言えたことかな!」

アリリ副隊長「黙れ!蛮族共!お前らを倒すことこそが平和と正義につながるのだ!皆、やれ!」

 アリリ副隊長の号令に応じ、護衛隊員が進軍。続けてアリリとベリィベリーも動く。

ホップ「みんな、行くぞ!」

マサル「おう!」
マリィ「やったるけん!」
ビート「言われるまでもない!」

 ホップに続き、マサル達も動く。ユウリを守りながら、青の護衛隊の強襲を迎え撃つべく、各々カビゴン、ミミッキュ、ガラルギャロップ、ズルズキンを繰り出した。

「んん…?なんだぁ……え、ええぇ!?」「何!?何なの!?」
 ▼ 69 N9Xja27O2I 25/08/22 19:53:56 ID:Zw/gUATI [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 商店街付近に住んでいた住民が目を覚ます。とうとう居住地付近での戦闘となったことで、流石にスカイランドの国民も事態に気が付いたようだ。

青の護衛隊「この一帯は、ポケモンの襲撃により危険地帯となっております!住民の皆様は速やかに避難してください!」

 突然の呼びかけに、何が何だか分らぬまま、住民達は飛び起き、一斉に逃げ出す。

マリィ「しぇからしか…!騒ぎを大きくしとるのはどっちなのさ!」

ビート「どこまでも卑劣な輩め…!」

アリリ副隊長「黙れ!侵略者共!我々を欺き、ポケモンを持ち込むお前達の戯言など信用ならん!」

ベリィベリー「お前達が手段を択ばないのなら、こちらも手段は選ばない!お前達を倒す為ならな!」

 一部の護衛隊員が住民達を誘導。当然ホップ達は彼等を狙わない。あくまでも、自分達に襲い来る不条理のみを相手しているのだから。
 ▼ 70 N9Xja27O2I 25/08/23 16:40:28 ID:CMjs6w3g [1/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 広場〜
ソラ・ハレワタール「……ぅ」パチッ

 先程まで、キュアスカイ―――現在のソラ・ハレワタールがホップ達相手に1人で戦っていた広場。彼等を相手に敗北し、プリキュアの変身も解け、気を失っていた彼女は、1人目を覚ます。

ソラ・ハレワタール「ここは……広場…痛っ…!そうだ…私、ホップさん達と戦って…!あ、あれ………何で、戦ってたんでしたっけ…」

 頭が痛む。ゆっくり、ゆっくりと思い出すソラ。

ソラ・ハレワタール「……そう言えば…私は、皆さんと一緒に、ホップさん達を追いかけていた…でもなんで、いや、そもそもどうしてこんなことに…?」

 困惑しつつもその場から足を引きずって離れるソラ。ひとまずどこかに隠れ、ホップによって巻かれた包帯、いつの間にか手に握っていた人間用の傷薬を使い、自らの傷を手当てする。




 彼女のいた場所には、先程まで身につけていたペンダントの残骸が地に散乱していた。紐は千切れ、紫色の石は砕け散り、光を失い黒ずんでいたが、ソラは気づくことなく、その場を後にしたのだった。
 ▼ 71 N9Xja27O2I 25/08/23 16:42:55 ID:CMjs6w3g [2/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 商店街〜
隊員「申し訳ありません…副隊長…!」

アリリ副隊長「この蛮族共め、なんて強さだ…!」

ベリィベリー「我が隊の精鋭達が…くっ、うおおおお!!」

 ベリィベリーが嵌めているグローブは、この世界のエネルギー源・スカイジュエルを応用した武器であり、打撃に電撃を乗せることができる他、放電攻撃も可能である。

ホップ「おっと危ない!」

 流石にスカイランドの勢力が人間を直接狙ってくることにも慣れたのか、ポケモンへの回避指示だけでなく自分達も避ける。

ホップ「カビゴン、ヘビーボンバー!」

カビゴン「カァ〜〜ビィィ〜〜…」

 指示と共に巨体を起こして飛び上がり、電撃を躱しながらベリィベリー目掛けて急降下するカビゴン。

ベリィベリー「ふっ、そんなノロマの攻撃など!」
 ▼ 72 N9Xja27O2I 25/08/23 16:45:25 ID:CMjs6w3g [3/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「ミミッキュ、でんじはだ!」

ベリィベリー「何ぃっ!?ぐあああっ!」

アリリ副隊長「ベリィベリー!」

マリィ「ズルズキン、れいとうパンチ!」

アリリ副隊長「しまったっ…!無念…!」

 ベリィベリーは身体が麻痺して動きを封じられ、アリリは自身の得物を凍らされる。
 刹那、ズシィィン…と鈍い音が響く。

ベリィベリー「があああああ!?」

アリリ副隊長「ベリィベリーーーッ!」

ビート「ギャロップ、スマートホーン!」

アリリ副隊長「ぐはっ…」

 カビゴンの巨体にのしかかられ、隙を突いてアリリはギャロップの角に突かれ、吹き飛ぶ。
 2人は、そのまま気を失った。

ホップ「……一応、手加減するようには指示しておいたからな」

ビート「彼のような人でなきゃ、今頃あなた達は本当に倒されていた。感謝するんですね。…って、言ってももう聞こえていないだろうけど」
 ▼ 73 N9Xja27O2I 25/08/23 16:46:05 ID:CMjs6w3g [4/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ホップ達は追っ手を撃破し、再びこの場を去る。

 いつ終わるかわからないこの逃避行。それでも、生きるためには走るしかないのだ。

〜スカイランド王都 商店街の外れ〜
「ソラ三番隊隊長はいたか!?」

「いや、こっちにもいない!」

「城の上からの目撃情報を頼りにしても、既に隊長はおられなかった!今頃どこへ…」

「急げ!あのポケモントレーナー共に捕虜にされていたら最悪だ!」

ザッザッザッザッ…



「……」
 ▼ 74 N9Xja27O2I 25/08/23 16:46:58 ID:CMjs6w3g [5/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「ふう……もう行きましたか」

ソラ・ハレワタール「ごめんなさい、皆さん。でも、何だかスカイランドの様子がおかしいんです」

ソラ・ハレワタール「…私にもわかりませんが、今は、何となく、出て行かない方が、良い気がしていて…」

 自分を捜索する青の護衛隊の足音と声が遠ざかるのを確認し、ソラは物陰からひょこっと顔を出す。既に隠れながら自分で手当てをある程度済ませているが、それでもまだ万全とは言えない。

ソラ・ハレワタール「ん……?あれは……あの人達は…!」
 ▼ 75 N9Xja27O2I 25/08/23 16:49:33 ID:CMjs6w3g [6/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 住宅街〜
ホップ「よし、これでポケモン達の回復も終わったな」

 持ち合わせの回復道具で、連戦を戦い抜いたポケモン達を一旦回復させるホップ達。またいつ敵襲が来るかわからない中、次の脅威に備えていた。
 昼間は賑わっていた住宅街も、先程の商店街での護衛隊の呼びかけが響き、もう人の気配もなく静寂に包まれている。

ビート「しかしどうするんです。いつまでも鬼ごっこをしている訳にもいかないでしょうに」

マサル「ああ……急なことで逃げ出しちまったあの城…もしかしたら戻らないといけないかもな」

 一方で回復しつつも、この逃避行を終わらせようと話を進める者も現れる。実際のところ、現状逃げているだけで解決の糸口もつかめる気配がないのも事実である。

マリィ「あのソラって奴を倒すのにもあんなに手こずったし、結局あたしら、逃げてばっかだしね」

ユウリ「……あたしも行く!」

ホップ「ユウリ?」
 ▼ 76 N9Xja27O2I 25/08/23 16:52:25 ID:CMjs6w3g [7/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「ホップだって言ってた!ソラちゃんが本当は悪い人じゃないのかもしれないって!だったら、怖いけどあの城に戻れば、助ける手がかりもあるかも!」

ホップ「……そうだな!」

マサル「決まりだな」

 一転攻勢に転じ、逃げていた今までと違い、今度は突入を決したホップ達は奮起した。

 そこに…。

ザッ!

マサル「!」

ビート「また追手か!?」

ホップ「オ、オマエは…!」

 再び敵襲かと身構え、足音の方へ振り向く5人。そこにいたのは…。

ソラ・ハレワタール「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

 腕や足に包帯を巻きながらも、息を切らしながらここまで走ってきた、ソラ・ハレワタールであった。

ビート「ソラ…!」

マリィ「またあんた…!」
 ▼ 77 N9Xja27O2I 25/08/23 16:52:51 ID:CMjs6w3g [8/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 先程の仕返しに来たのかと、2人はすぐにソラを睨みつけ、それに応えるかのように回復を終えたばかりのモルペコが前に出た。

モルペコ「うらら!」

ソラ・ハレワタール「っ…!」

ホップ「お、おい!」

 モルペコは主人であるマリィを守ろうと、先制でタネマシンガンを放つ。ソラは抵抗することもなくよろけた。

ソラ・ハレワタール「くっ……」

ビート「…なぜ反撃してこない」

ソラ・ハレワタール「うう……!」

マリィ「どうせ、さっきのピンクの女みたいに、騙し討ちでもする気ばい!」

ソラ・ハレワタール「!? い、今……なんて……!?」

マリィ「はっ、白々しい!」

ビート「あのピンクの女…確か聖あげはと言いましたか。どうせあなたの仲間なのでしょう」
 ▼ 78 N9Xja27O2I 25/08/23 16:56:21 ID:CMjs6w3g [9/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「あげはさんが…来てるんですか…!?それに、騙し討ち!?どうして……!」

 その表情は、先程までの敵対的なものと打って変わって、ホップ達への敵意はなく、それどころか自分の仲間が卑劣な手段を講じたことに対する衝撃と悲しみであった。

ビート「イライラしてくる…そろそろトドメを…!」

ホップ「待てビート、マリィ!」

 2人を制止したのはホップであった。2人の間を縫ってソラへと歩み寄る。

マリィ「ちょ、ホップ!?」

ビート「あなた、あまりにも不用心ですよ!」

 止めようとするビートの肩をマサルがつかみ、首を横に振る。

マサル「ホップを信じよう。最悪、もしもの時は俺が引き金を引く」

 マサルの制止に、ビートとマリィは退く。

モルペコ「うら!?」ヒョイッ

マリィ「…ちょいと待ってみよ。モルペコ」

モルペコ「うらら…」

 威嚇していたモルペコを抱き上げ、ホップを見守る。

マサル(頼むぞ…お前が観察したという、あれが正しいのなら、きっと…!)

ユウリ「ホップ……」
 ▼ 79 N9Xja27O2I 25/08/23 16:57:09 ID:CMjs6w3g [10/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ザッ

ホップ「……」

ソラ・ハレワタール「ホップ…さん……」

 片膝をつきながら、ホップを見上げるソラ。そのソラの眼前で止まり、真剣な表情で見下ろすホップ。

ソラ・ハレワタール(先程まで、私は彼等に危害を加え続けていた…攻撃されるのも無理もない…きっと、ホップさんも…)

 ソラは、きっとホップからも責められるだろうと考えていた。だが次の瞬間、その予想を裏切り、ホップはソラの目線の高さまでかがんだのだ。

ホップ「………何があったか、覚えている限りで良い。話してもらえるか、ソラ」

ソラ・ハレワタール「……!」

 今のソラから敵意を感じないホップは、彼女との対話を試みた。

ソラ・ハレワタール「……わかりました。お話しします」
 ▼ 80 N9Xja27O2I 25/08/23 16:58:36 ID:CMjs6w3g [11/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜語り手:ソラ・ハレワタール〜
 ここから先の話ですが、ごめんなさい。実を言うと、私も記憶が朧気なのです。

 かつて私達は、このスカイランドに伝わるヒーロー『プリキュア』として、ある時はここで、またある時は、地上のソラシド市で、そしてまたある時は、地底のアンダーグ帝国で、人々の為に戦ってきました。

 ヒーローとして、泣いている子供や困っている人々を守るために、他に4人のプリキュアの皆さんや、シャララ隊長率いる青の護衛隊をはじめ、関わるすべての方々と共に勤めていました。

 やがて、アンダーグ帝国を牛耳っていた支配者に勝ち、国同士が和解して、平和に過ごしていました。

 …そんなある日のことだったんです。スカイランドに、とある人がやってきました。名前は、Ms.ダスピアさん。

 その人は何者で、どこから、何故スカイランドに来たのか、今でもわかりません。
 そして彼女は、とある文献と、ペンダントを持ってきました。私達に、『友好の証』として送ってきたそのペンダントをぶら下げて……。

 …それからというものの、ダスピアさんが読み上げた文献の内容は、うまく言えませんが、不思議と頭に入っていき、私達はそれを受け入れていました。
 正しいとは何か、常に考え続けなければならないヒーローが、皆、誰も、何も疑うことなく…。

 それから程なくして、1週間前、ポケモンと呼ばれる生物がスカイランドに現れました。そして、気が付けば私達は、ダスピアさんの言葉を何も疑うことなく信じ、王都の外へとポケモンを追い出していました。
 ▼ 81 N9Xja27O2I 25/08/23 17:18:51 ID:CMjs6w3g [12/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 住宅街〜
ソラ・ハレワタール「……あの日を境に、護衛隊はより訓練がより激しく、規律も厳しくなりました。スカイランドには、ここ王都以外にも住宅はあるのですが、王都の外に住まうことを許さなくなったり、夜遅くの会議も増えたりしました」

マサル「なるほど……昨夜、ホップ達がお前と食材の買い出しに行ったときに聞こえていた住民の会話と一致しているな」

ビート「フン、どうせそんなの、また騙し討ちに…」

マサル「気持ちはわかるが今はよせ、ビート」

ホップ「受け入れていた…にわかには信じがたいが……ん?ペンダント……?お、おい、ソラ」

ソラ・ハレワタール「どうしましたか?」

ホップ「オマエ…ずっとつけていた、その、ペンダントはどうした?」

ソラ・ハレワタール「えっ……?……ああっ!?」

 今になってペンダントを失っていることに慌てるソラ。

ホップ「落ち着け!…ペンダントを持っている時と持っていない時で、オマエの精神状態…っていうの?何か違う気がするな」

マサル「なら、ホップが見たって言う、戦いの最中に要所要所で光るというあのペンダント、ただのアクセサリーなんかじゃない、厄介な代物かもしれないな」

ホップ「そして今の話を信じるなら、ソラ達がいきなり襲ってきて、ポケモンを殺そうとしているのは、そのダスピアって人が怪しいのかもな」

ソラ・ハレワタール「そんな!あの人は…友好の証だってあのペンダントを送ってくださったのに…!」

マリィ「けど状況的に、そいつも十分怪しいよ。まだ決まった訳じゃないかもしれんけど」
 ▼ 82 N9Xja27O2I 25/08/23 17:19:42 ID:CMjs6w3g [13/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビート「仮に、今回ソラさん達が襲ってきたことについてダスピアという人物が1枚嚙んでいるとして、その目的は何でしょうね?」

マサル「そうだな。そこがわからん…なぜそこまで恨む程ポケモンに執着しているのかもわからない…少なくとも俺の知る限り、あいつと縁がありそうな人なんていないしな」

ユウリ「あたしも、聞いたことない人だなぁ…」

 ユウリ達に、誰もダスピアという人物を知る者はおらず、頭を抱えていた。

ホップ「…猶更、行く必要がありそうだな」

ソラ・ハレワタール「どちらへ?」

ホップ「決まってんだろ。スカイランドの…あの城だ」

ソラ・ハレワタール「えっ!?」

 ソラが来る前まで話していた本題に戻す。

ホップ「ソラの話を聞く限り、もしかしたらソラ、それどころかこの国の人は本来あんな性格じゃなかったのかもしれない!あのペンダント…そしてそれを送ってソラ達をそそのかしたあのダスピアってヤツも怪しい。手がかりを得る為にも、一転攻勢でいくべきだ!」

ソラ・ハレワタール「なんて無茶な…私以外のプリキュアに、スカイランド最強のヒーロー集団である青の護衛隊全てと戦うってことですか!?」
 ▼ 83 N9Xja27O2I 25/08/23 17:20:31 ID:CMjs6w3g [14/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「ああ!どっちにしろやらなきゃいつかはオレ達がやられちまうしな」

マサル「ホップの言うことには一理あるな。ソラ達が俺達を襲ってきたのが、ダスピアのせいなのかどうかはともかく、このまま帰れたとしてもいつかは俺達の世界も危ない」

ユウリ「ホップ!みんな!やっぱり、あたしも戦う!」

ホップ「ユウリ、オマエもう怖くないのか!?」

ユウリ「怖いよ、今でも。でも…このままでいるのはもっと怖いし、ソラちゃんみたいに、他の人達もペンダントのせいでおかしくなってるかもしれないなら、助けたい!」

ビート「…覚悟は決まったようですね」

マリィ「決まりね」

ソラ・ハレワタール「皆さん……」

 意気消沈していたソラは、先程まで自分達が追い回していた相手が、今度は反撃に出ようと奮起している姿を見て、自分の胸に手を当てる。

ソラ・ハレワタール(相手がどんなに強くても、正しいことを最後までやり抜く……でも、今の自分達はどうなんだ。

本当に、彼等を倒すのは正しいのでしょうか…あっ)

 そこで、ソラはようやくハッとする。ペンダントを身につけていた時には、封じられていた感情がよみがえったことに。

ソラ・ハレワタール(……そうだ。普段なら常に意識していたのに、さっきまでは一切考えなていなかった…正しいとは何か、ヒーローは常に考え続けなければいけない……今は、考えられる…!)
 ▼ 84 N9Xja27O2I 25/08/23 17:22:17 ID:CMjs6w3g [15/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「見つけましたよ、ポケモントレーナー達」

ソラ・ハレワタール「その声は…!」

 ホップ達5人、そしてソラは声のする方へ振り向くと、空から回復したキュアウィングとが舞い降りた。

「今度こそ追い詰めたわ!」

 更に別の方角からは、青の護衛隊を率いたキュアマジェスティが疾走してきた。

キュアウィング「まさかソラさんを倒し、それどころか捕虜にまでするとは、どこまでも卑劣な輩だ…!許しておけない!」

ソラ・ハレワタール「ま、待ってください!私は別に捕虜になってされてな」

キュアマジェスティ「全軍、突撃ー!」

 ソラの話を聞くこともなく、マジェスティの号令と共に青の護衛隊が突撃する。

ホップ「懲りないヤツらだ。みんな、準備はいいか!?」

 ホップの声に応じ、全員がモンスターボールを構える。今度は、覚悟を決めたユウリも立っていた。

ユウリ「これ以上、ソラちゃんやその友達に、ひどいことをさせたくない!いくよ!インテレオン!」
インテレオン「うぉれん!」

 一斉に相棒のポケモン達を繰り出し、護衛隊、そしてマジェスティと交戦を開始した。その頃、ソラはキュアウィングの前に立ち塞がっていた。
 ▼ 85 N9Xja27O2I 25/08/23 17:23:12 ID:CMjs6w3g [16/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「ツバサ君!待ってください!もう一度よく考えて!私達がしようとしてきたことは、正しいのかどうか!」

キュアウィング「ソラさん…捕虜にされている間に、何をそそのかされたかは知りませんが、僕らの正義は揺るぎません!」

ソラ・ハレワタール(やっぱりダメです…考えようとしてくれない…!やっぱりあのペンダントが…!)

ソラ・ハレワタール「お願いです、ツバサ君!そのペンダントは、きっとただのペンダントではありません!何か変です!今すぐ取り外してください!」

 ソラは仲間であるツバサに必死に訴えかけるが、ツバサ―――もといキュアウィングから放たれた言葉は衝撃的な内容であった。

キュアウィング「それはなりません」

 拒否の意思を表明するとともに、そのペンダントを持ち上げて目の前に掲げてながらキュアウィングは続けた。
 ▼ 86 N9Xja27O2I 25/08/23 17:24:05 ID:CMjs6w3g [17/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「僕らプリキュアの力は、本来、かつての戦いでアンダーグ・エナジーに取りつかれたものを浄化する力。だが、新たな敵・ポケモンにはその力が通じるかは未知数。いえ、ここまで強い敵ですし、恐らく通じない。ですが…」

キュアウィング「このペンダントは、ダスピアさんから与えられた、新たな力なのです。たとえアンダーグ・エナジーではない敵であっても、立ち向かい、倒せるようなヒーローの更なる力…!」

ソラ・ハレワタール「そんな……じゃあ、やっぱりあのペンダントは…!」

ホップ「やっぱり、あのペンダントが原因か…!」

 戦いの最中、ウィングの声が聞こえていたホップ達。これで彼等の仮説は、限りなく真実に近づいた。
 ソラは、かつて友好的に接し、その証としてペンダントを贈呈してきたダスピアに対し、悲しみに包まれた。自分達は騙されていたのだと。そして、そうまでして自分達にさせようとしていた、「ポケモンの掃討」、これがどれ程ヒーローとしてあるまじき行為であったかを思い知らされた。
 ホップ達は侵略者などと決めつけていた。だが実際はこの世界の事を何も知らず、不慮の事故で落ちてきた。初めて出会った時に彼等から聞いた言葉が正しかった。
 ▼ 87 N9Xja27O2I 25/08/23 17:25:20 ID:CMjs6w3g [18/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※画像はとある作品に出て来たアイテムです。今回のSSに出てくるペンダントはこちらをイメージしています(当該作品は、ポケモンともプリキュアともまた別の作品です)
 ▼ 88 N9Xja27O2I 25/08/23 17:27:34 ID:CMjs6w3g [19/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「ソラさん、あなたはあのペンダントをなくしたようですね。でも心配ありません。城に戻れば、またダスピアさんが施してくださいます」

 キュアウィングはソラの下へゆっくり歩きながら近づき、手を差し出す。

キュアウィング「さぁ、手を取って、僕らと共に戦いましょう」

 ソラの目の前に差し出された、友の手。しかしその友は、再び凶行へと自信を誘おうとしていた。
 そんな友の手に、ソラは自身の手を伸ばし…。

キュアウィング「…ふふっ。さぁ、行きましょう、ソラさん」

ソラ・ハレワタール「………っ!!」

パシンッ!!

キュアウィング「……なっ…?」

 その手を、力いっぱい振り払った。
 ▼ 89 N9Xja27O2I 25/08/23 17:28:14 ID:CMjs6w3g [20/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「……ツバサ君、いえ、キュアウィング。私達は、ヒーローの筈です。どんなに強い敵が相手でも、正しいことをするために、人々を守るために…

でも今の皆さんは違う!!!」

ソラ・ハレワタール「今の皆さんは、正しいことは何か考えることをやめ、そのペンダント一つなんかで、心を支配されている!私だって、そうだったけど!」

ソラ・ハレワタール「私はもう、そんなものに負けない!本当に正しいことは何か、その真実を確かめなければいけません!」

キュアウィング「……残念です。ソラさん、いえ、キュアスカイ。血迷ってしまったなんて、友として僕は悲しいですよ」

ソラ・ハレワタール「これでもまだ、話を聞いて下さらないのならば…本当にホップさん達やポケモン達が無実かどうか見極めようとしないのがヒーローだというのならば…!

そんなヒーローになんて、私はなりたくない!」
 ▼ 90 N9Xja27O2I 25/08/23 17:29:23 ID:CMjs6w3g [21/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ソラは立ち上がり、ミラージュペンを手に取る。

ソラ・ハレワタール「私達は確かめなければならない!本当に正しいことは何か!だからここで、立ち止まっていられない!たとえ、力に魅入られてしまった、友達が相手でも!」

ソラ・ハレワタール「ひろがるチェンジ・スカイ!」

 ソラは、キュアウィングと正面を切り、キュアスカイに変身する。先程までホップ達の大きな脅威として振るわれていたその力、今度は友を助けるために使われる。

キュアウィング「ポケモン達に絆され、あまつさえ彼等を守ろうとするとは……スカイ。あなたの意思はよくわかった。だから…!


この手で、あなたを倒し、無理やりにでも連れ戻す!」

 ホップ達がキュアマジェスティ、青の護衛隊と戦う一方で、キュアスカイとキュアウィングの一騎打ちが始まった。
 お互いの「正義」を賭けて…。

―――
 ▼ 91 ッソン@とつげきチョッキ 25/08/23 23:05:44 ID:FgPIaz9s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これホップいなかったら気付かずソラにトドメ刺してたか、そもそもあの戦闘も勝てなかっただろうしいずれ全滅してたまである
 ▼ 92 パルダス@みかづきのはね 25/08/23 23:12:18 ID:VpLg7G8Q [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>87
イナズマイレブンのエイリア石じゃねーか!
やっぱ全員正気じゃなかったやんけ!
 ▼ 93 ニリッチ@ハンサムチケット 25/08/23 23:14:20 ID:VpLg7G8Q [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
流石だぞ!ホップはあれだけの猛攻を搔い潜りながらこれを見抜いたってわけか!
実質的な主役!
 ▼ 94 N9Xja27O2I 25/08/24 10:41:53 ID:4N2UtrQU [1/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「インテレオン、アクアジェット!」

青の護衛隊「この小娘もポケモンを!?」
青の護衛隊「くそっ、さっきまでと、動きが違う!」

 ユウリの指示を受け、高速で駆け抜けたインテレオンは、青の護衛隊の頭上にまで達していた。

ユウリ「シャドーボール!」

 空中から、インテレオンは両手の指先を銃のように構え、黒い影の球を生成、護衛隊の頭上から二丁拳銃のように乱射した。

青の護衛隊「ぐあああっ!」

ホップ「流石ユウリだぞ!エースバーン、オレ達も負けてられないな!」
エースバーン「ふぁいにー!」

ホップ「かえんボール!」

 小石をサッカーのリフティングのように蹴り上げ、炎のボールへと変え、強烈なボレーシュートを叩きこむ。

ホップ「いくぞユウリ!」
ユウリ「うん!」

 ホップとユウリは、キュアマジェスティと対峙する。その後ろから、護衛隊の残党が襲ってくる。

青の護衛隊「プリンセスには手を出させん!」

ホップ「くっ…!」
 ▼ 95 N9Xja27O2I 25/08/24 10:44:19 ID:4N2UtrQU [2/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「させるかよ!ゴリランダー、ドラムアタック!」
ゴリランダー「ぐらりらー!」

 ゴリランダーのドラミングと共に現れる蔦が護衛隊の行く手を阻む。更にマリィ、ビートも加わった。

マリィ「モルペコ、オーラぐるま!」
ビート「ブリムオン、マジカルシャイン!」

 追撃に怯んだ青の護衛隊、マジェスティと睨み合うホップ、ユウリの間に割って入るマサル、マリィ、ビート、そのポケモン達。これで戦力は分断された。

マリィ「こいつらはあたし達が止める!」
ビート「このエリートがあなた達が戦いに集中できるようお膳立てするのです。無様に負けたら許しませんよ」
マサル「こっちは任せておきな。行け、ホップ!ユウリ!」

ホップ「マサル…オマエら…!」
ユウリ「みんなも気を付けてね!」

キュアマジェスティ「ソラは、返してもらうわ!そして、スカイランドの為に、あなた達を倒す!」

ホップ「負けてたまるか!オレ達は元の世界に帰る!でもその前に、オマエ達がいつかオレ達の世界へと攻め込んでくるというなら!」
ユウリ「そんなことはさせない!そして、あなた達も元に戻してみせる!最初に出会った時みたいな、優しいあなた達へ!」

 ユウリとホップは、インテレオン、エースバーンと共にキュアマジェスティへと向かっていった。

―――
 ▼ 96 N9Xja27O2I 25/08/24 10:44:48 ID:4N2UtrQU [3/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「はああっ!」

キュアウィング「…フッ!」

 キュアスカイは、キュアウィングと格闘戦を繰り広げていた。空中戦が可能と言うアドバンテージを活かし、空からも地上からも攻めるキュアウィングに対し、キュアスカイは地上の機動力と高い跳躍力で応戦し、互角に戦う。

キュアスカイ「思い出してください!ウィング!私達プリキュアの使命を!ソラシド市で、お友達になってくださったあの日の事を!!」

キュアウィング「僕らプリキュアの使命は、ヒーローです!それを教えてくれたのはあなただ!」
キュアウィング「そして僕とあなたがましろさんの家で初めて会った日、あなたは僕のかつての夢をかっこいいと褒めてくれて、友達になってくださいとまで言ってきた!僕は、友としてあなたを目覚めさせる!」

キュアスカイ「今のあなたは、ヒーローなんかじゃない!考えることをやめ、一方的に相手を否定するなんて、いつものあなたらしくありません!……あなただけじゃないですけど!」

キュアウィング「ヒーローであることを忘れ、あまつさえ僕らのなそうとしていることも否定し、『なりたくない』なんて言い出すとは…あなたこそ、いつものあなたはどこへ行ったんですか!」

 お互いが、お互いの信じる正義、あるいは思わされている正義をぶつけ合いながら拳を交える。
 やがて、変化が表れ始める。先程まで互角の戦闘だったが、少しずつキュアスカイが押され始める。

キュアスカイ「くうっ…!」

キュアウィング「ダスピアさんから与えられたこの力、それを今もあなたがなくしていなければ、まだ僕とは張り合えたでしょうね…!」

キュアスカイ(あのペンダント…恐ろしい力です…!それを、こんなことに使っているなんて…!)

キュアウィング「はあっ!」

キュアスカイ「きゃっ…!」

 ウィングの回し蹴りがスカイを吹き飛ばす。スカイは両腕を交差させて凌ぐが、後退してしまい、怯む。
 ▼ 97 N9Xja27O2I 25/08/24 10:46:44 ID:4N2UtrQU [4/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「決めさせてもらう!」

キュアスカイ「くっ…」

 回避が間に合わない。その時だった。

マリィ「モルペコ、エレキネット!」
モルペコ「うららー!」

キュアウィング「何!?」

 突如、横から網目状の電撃が飛び、キュアウィングは咄嗟に後退して回避。更に…。

ビート「クチート、アイアンヘッド!」
クチート「くちーとっ!」

キュアウィング「ぐあっ…!」

 立て続けにクチート渾身のアイアンヘッドで怯んだ。キュアスカイの近くには、マリィとビートが駆け付けた。

ビート「勘違いしないでくださいね。あの兵隊達をおとなしくさせて、暇を持て余していたのでね」

マリィ「あんた、大丈夫?こっからはあたし達も加勢するよ」

キュアスカイ「ビートさん…マリィさん…!ありがとうございます!」

キュアウィング「まさか、護衛隊が倒されただと…!?」

 ウィングが見渡すと、3人のポケモントレーナーを相手していた青の護衛隊は全員倒されていた。現在、ビートとマリィの他の手持ちポケモンが出てきており、倒れた兵士からペンダントを取り上げ、破壊している最中である。

キュアウィング「よくも…!」

 ウィングはビートとマリィ、それぞれのポケモンを睨みつけ再び攻勢に移る。
 ▼ 98 N9Xja27O2I 25/08/24 10:47:13 ID:4N2UtrQU [5/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「やはりお前達は危険だ!お前達から先に倒し、スカイを連れて帰らせてもらう!」

キュアスカイ「そうは、させません!」

 今度はスカイが2人と2匹より前に出て、ウィングと1対1になった。

キュアスカイ「一度やると心に決めたことは絶対にあきらめない!だから、私は戦う!たとえ友達が相手でも、その友達を助ける為なら!」


―――

ユウリ「くぅ…強い…インテレオン、大丈夫!?」
インテレオン「うぉれ…」

ホップ「エースバーン、まだ戦えそうか!?」
エースバーン「ふぁい…!」

 マジェスティはインテレオン、エースバーンの2匹を相手していた。水流の弾丸も、火のボールも、体術も捌き、カウンターを叩き込み続ける。少しずつ息が上がっているものの、まだ体力を残していた。

キュアマジェスティ「まずは、あなた達からよ!」

 手刀から光剣を生成し、対象を切り裂く技である、ひろがる・マジックアワーズエンド。かつて300年前の伝説のプリキュアから時空を超えて継承した浄化の技も、今となってはペンダントの影響で、対象の生命を奪う凶刃となっている。

キュアマジェスティ「はあああっ!」

 光剣を構え、2匹と2人に突撃していくマジェスティ。
 ▼ 99 N9Xja27O2I 25/08/24 10:48:20 ID:4N2UtrQU [6/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「ドラムアタック!」

キュアマジェスティ「くっ!?」

 地面から蔦が現れ、マジェスティの行く手を阻んだ。急停止したマジェスティだが、回避が遅れ、蔦に叩き付けられる。

キュアマジェスティ「ああっ…!このぉ!」

 だが少し怯んだマジェスティは、すぐに剣を振るい、蔦を斬る。斬られた蔦は紫色の粒子となって消滅していった。

ホップ&ユウリ「マサル!」

マサル「あっちは片付いたぜ…あとはそれぞれの中ボスだけか」

キュアマジェスティ「邪魔をしないで!」

 マジェスティは徒手空拳でマサルとゴリランダーに襲い掛かる。だがそこに隙が生まれた。

マサル「今だ!」

 マサルの合図に、ホップとユウリはお互いを見て頷く。そして次の指示を相棒達に繰り出した。

ユウリ「インテレオン、ねらいうち!」
ホップ「エースバーン、インテレオンに続くぞ!かえんボールだ!」

インテレオン「うぉれ……」スチャッ

 片目で狙いを定め、かがんで指先を銃口のように構える。標的は、光剣と共に突っ込んでくるキュアマジェスティだ。

ユウリ「エルちゃん、ごめんね…今助けるから!」
ユウリ「発射ぁっ!」
 ▼ 100 N9Xja27O2I 25/08/24 10:50:57 ID:4N2UtrQU [7/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 刹那、インテレオンの指先から水の弾丸が飛ぶ。だがキュアマジェスティの反応は早かった。

キュアマジェスティ「おばかさんね!そんなものに反応できないと思った!?」

 キュアマジェスティはマジックアワーズエンドを振りかぶり、水の弾丸を斬ろうとした。しかしユウリの表情は曇らなかった。

ユウリ「ううん!むしろ絶対に見切ると思ったわ!そして…!」

キンッ!

キュアマジェスティ「なっ!?」

ユウリあたしのインテレオンのスピードなら、回避じゃ間に合わないから、ねらいうちを斬ろうとしていたこともね!」

 水の弾丸を斬ろうとマジックアワーズエンドを振るったマジェスティだったが、結果高水圧に勝てず光剣だけが弾け飛び、マジェスティは停止させられ大きくのけぞった。そして…。
 ▼ 101 N9Xja27O2I 25/08/24 10:52:40 ID:4N2UtrQU [8/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エースバーン「ニッ」

キュアマジェスティ「…!」

 眼前には、インテレオンの攻撃の後ろから走り込み、火のボールを生成していたエースバーンだ。

ホップ「決めろエースバーン!かえんボールだ!」

エースバーン「ふぁいにっ…にばーー!!」

キュアマジェスティ「ぐはぁっ……!?」

 かえんボールはマジェスティの胸部―――にあるペンダントに直撃。石は焼け焦げて砕け散り、マジェスティの変身も解ける。

エル「うっ…」ドサッ

ホップ「ペンダントは壊れた!サンキューだぞ!ユウリ、マサル!」
ユウリ「ホップこそありがとう!それに、マサルもね!」
マサル「お前達2人の勝利だ。ありがとう」

 ハロンタウンの3人組は勝利を讃え合い、その後すぐに気を失っているエルを抱えて安全な場所に移す。

ホップ「そっちも頼んだぞ…ソラ」

―――
 ▼ 102 N9Xja27O2I 25/08/24 10:53:51 ID:4N2UtrQU [9/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「はぁ…はぁ…あり得ない、石をなくしたあなたのどこにそんな力が…!」

 マリィとビートから先に始末しようと考えたキュアウィングは、割って入ったキュアスカイに防がれていた。先程は自身が押していたのと打って変わり、今度はスカイ単身に押されていたことに彼は困惑していた。

キュアスカイ「正しいことを最後までやり切る、それがヒーローです!確かに、ダスピアさんから与えられた力は強力です。私自身も、知らなかったとはいえ使っていたからわかります。でも!」

 キュアスカイの鉄拳に、キュアウィングは後ずさった。

キュアスカイ「プリキュアの力も、その使い方も、使命も大きく外れるような、与えられた力なんかじゃ意味がありません!大事なのは…正しい心なのですから!」

 キュアスカイの右手に、青い光となってエネルギーが集中する。それを見たキュアウィングも力を溜め始めた。彼のコスチュームの色を象徴する橙色の光、そして呼応するようにペンダントは紫色に光輝く。

キュアスカイ「ヒーローガール・スカイパンチ!」
キュアウィング「ひろがる・ウィングアタック!」

 それぞれの持ち技の撃ち合い。ストレートパンチに、拳上の青い光を纏わせるキュアスカイと、低空飛行からエネルギーを纏って突撃するキュアウィング。
 そして、2人が交差した。
 ▼ 103 N9Xja27O2I 25/08/24 10:56:07 ID:4N2UtrQU [10/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「……」

キュアウィング「……」

 技発動が完了し、お互い通過した2人は黙って立っていた。
 少しして、音が響く。結晶のようなものが割れる音だ。

キュアウィング「………うっ」

 倒れたのはキュアウィング―――変身が解けた夕凪ツバサだ。その付近には、たった今のキュアスカイの攻撃で破壊されたペンダントの残骸が散っていた。

キュアスカイ「ツバサ君!」

 キュアスカイはすぐに倒れたツバサの元に駆け寄り、抱える。それから、起きるまで声をかけ続けた。

キュアスカイ「ツバサ君!目を覚ましてください!ツバサ君!」

 揺すりながら、涙声で訴えるソラ。近くに、ビートとマリィも寄る。

ビート「ホップ君の話が本当なら…ソラさんと同じく彼も…」

マリィ「これで元に戻るはずばい」

夕凪ツバサ「………


……ん………?」

ビート「目を覚ましましたね」
キュアスカイ「ツバサ君!」

夕凪ツバサ「ソラ………さん………僕は……」

キュアスカイ「わかりますか!?私のことが!!」
 ▼ 104 N9Xja27O2I 25/08/24 10:57:19 ID:4N2UtrQU [11/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 キュアスカイは必死に訴える。目を覚ましたツバサは、先程までの敵対的な表情ではなく、穏やかに微笑んでいた。

夕凪ツバサ「……聞こえましたよ、あなたの声が………ソラさん」

キュアスカイ「ツバサ君…!よかったぁ…!」

夕凪ツバサ「わわっ…もう、苦しいですよ、ソラさん」

 抱えていたツバサを思わず抱き締めるキュアスカイ。ハッとしてすぐに離れた。

キュアスカイ「わわっ…ご、ごめんなさい!」

マリィ「大丈夫…っぽいね」

夕凪ツバサ「えっと……マリィさんに、ビートさん……ありがとうございました」

 今のソラ同様、敵意が消えたと判断したマリィ、一応その後ろからついてきたビートの2人は、キュアスカイとツバサの元に近づく。

エル「ツバサー!」

 声のする方を、キュアスカイ、ツバサ、ビート、マリィも振り向く。ユウリとホップに肩を借り、目を覚ましているエルだ。

キュアスカイ「エルちゃん!」
夕凪ツバサ「プリンセス…あなたもよくぞご無事で…」

マサル「そっちも終わったみたいだな」

ビート「当然です。エリートですから」
 ▼ 105 N9Xja27O2I 25/08/24 10:59:25 ID:4N2UtrQU [12/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 住宅街〜
夕凪ツバサ「そんなことがあったのですね……」

 ツバサとエル、そして同じく目が覚めた青の護衛隊隊員は、ソラから事の次第を聞いた。といっても、操られている間に自我や意識こそあったものの、やはりソラと同様、考えることを封じられていた為、気づく事すらなかったのだ。

ソラ・ハレワタール「皆さん。改めて申し訳ございませんでした。あらぬ冤罪をかけて、あなた達をここまで追い詰めてしまって!」

 ソラの謝罪に続き、ツバサ、エル、青の護衛隊員も頭を下げ、謝罪の言葉を口々にした。

ホップ「気にしないでくれ。やっと正気に戻ってくれたんだ」

ユウリ「そうだよ。みんなも被害者なんだから。あたし達は…何とか全員無事だしね」

ホップ「それで、どうなんだ?2人は、あのペンダントをぶら下げられる前のことについて、何か覚えていないか?」

 ホップの問いかけに、2人は少し考えこみ、先に口を開いたのはエルだった。

エル「……あっ!そうだ、思い出した!ダスピアが来たあの日、パパとママに何か本を持ってきてたわ!もしかしたら、それがあの文献なのかも!」

 エルはスカイランド国王と王妃の養子である。ゆえに、2人の元に来訪者が来た際、殆どの場合5人の中で一番最初にその来訪者と接触するのはエルだ。

ホップ「ということは、その本だろうな。ユウリが聞いたって言う、ポケモンを化け物のように書いていた文献ってのは」

夕凪ツバサ「えっ!?ユウリさん、聞いていたんですか!?」

ユウリ「うん。泊めてもらった日、夜中にトイレに行ってて、その帰りに…」
 ▼ 106 N9Xja27O2I 25/08/24 11:00:43 ID:4N2UtrQU [13/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夕凪ツバサ「そ、そうだったんですね……それで話を戻しますが、きっとそうでしょうね。僕らにその話が回ってきたのは、プリンセスや王様より後ですから」

ソラ・ハレワタール「確かにそうでした。私達は誰も、1週間前に現れたポケモンについて、知らなかったんです」

ホップ「1週間前…さっきソラも言っていた時期だな。…妙な偶然だな」

ユウリ「そうだね…ガラル地方でポケモンの数が減り始めた時期と重なってる」

エル「何ですって…!?」

ビート「……聞いてもいいですか」

夕凪ツバサ「はい、何でしょうか」

 彼等の話を聞いていて、ふと何かを思いついたようにビートが問う。

ビート「ユウリさんが聞いた話と、あなた方が会議で話していた内容を総合すると、その文献とやらは遥か昔のスカイランドで、ポケモンが暴れていたという記載があったのですよね?」

夕凪ツバサ「そうですね」

ビート「そして、ソラさん含めそのポケモンの事は誰も知らなく、スカイランド内で一番最初に知ったのは王族、しかも出所はダスピアと言う人物だ……何か変ではありませんか?」

マリィ「変って…?」

ソラ・ハレワタール「どういうことでしょうか?」
 ▼ 107 N9Xja27O2I 25/08/24 11:01:45 ID:4N2UtrQU [14/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビート「遥か昔のスカイランドの歴史なら、少なくとも王族の誰かは知っていた、或いは継承されていた筈だ。それを何故誰も知らないのか?もっと言うならば……


100歩譲ってスカイランドの誰もが知らなかったのは良いとして、何故来訪者であるダスピアだけがその情報を持っていたのですか?」

全員「!!」

 核心を突いた疑問であった。ここでようやく、ソラ、ツバサ、エルははっとする。自分達が信じていた―――否、ペンダントの力で信じ込まされていた文献に、何かあると。

ソラ・ハレワタール「確かに…!ダスピアさんは元々この国に住んでいた人じゃありません!もしそうなら、私や誰かが知っていた筈ですし、何よりダスピアさん自身がそう名乗っていました!」

夕凪ツバサ「その文献を何故、そんなダスピアさんだけが知っていたのか……そもそもあの文献はどこから…?」

エル「パパやママも、シャララ達でも知らないことを、なんでスカイランドの人じゃないダスピアが知ってるの…?」

マサル「……そして1週間前に俺達の世界からポケモンが減り、同時期にスカイランドにポケモンが出現……どうも偶然とは思えないな」

夕凪ツバサ「……真実を確かめなければいけませんね…僕らにこのペンダントをつけて従わせてまで推し進めようとしたポケモンの駆除…ダスピアさんの狙いは一体…!?」

ソラ・ハレワタール「行きましょう、ダスピアさんの元に!」

ユウリ「ソラちゃん…」
 ▼ 108 N9Xja27O2I 25/08/24 11:03:04 ID:4N2UtrQU [15/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ツバサ達が襲ってくる少し前まで、5人での突撃を無謀と捉えていたソラ。だが今は、彼女も、ツバサも、エルも目的は同じだ。

エル「私も行く!本当の事を知りたい!」

夕凪ツバサ「ええ、僕もです!それに……この様子なら、きっと今もましろさんとあげはさんはあのペンダントをつけられている…!」

ソラ・ハレワタール「やっぱり、ましろさんもこっちに来ていたのですね…それに…あのペンダントに操られて…!」

 大切な親友が手駒にされている。あげはがこの世界に来ていることをビートから知らされたことで薄々察していたことが確信に変わり、ショックを受ける。

青の護衛隊員「なんということだ…国家転覆を企んでいたのはあなた達ではなかったようだ…本当に申し訳なかった!」
青の護衛隊隊員「ということは、あのダスピア氏に問い詰める必要があるようだ!」
青の護衛隊員「我々もお供します!」

ユウリ「みんな、行きましょう!スカイランドの王城へ!」

 彼女の号令に、その場にいた全員が頷く。覚悟を決めたのだ。

 一行は、数少ない、正気に戻った青の護衛隊隊員に守られながら、スカイランド王城へと向かっていった。
 ▼ 109 N9Xja27O2I 25/08/24 11:06:24 ID:4N2UtrQU [16/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王城 王室〜
衛兵「大変です!シャララ隊長!ダスピア様!」

シャララ隊長「どうした」

Ms.ダスピア「……」

 王室のドアを勢いよく入ってきたのは、衛兵の1人であった。その手には双眼鏡が握られていた。

衛兵「ポケモン達の迎撃に向かったツバサ殿、プリンセス、そしてつけていた兵隊が全滅しました!」

シャララ隊長「何だと…?」

衛兵「しかもそれだけではありません!敵の捕虜となっていたソラ三番隊隊長、そしてツバサ殿達はポケモン側に寝返ったようです!彼等と共に、こちらに向かっています!」

シャララ隊長「ポケモン達め…我々がこれ程の戦力を投下しても、倒せないばかりか、むしろ戦力を減らされるとは…敵ながら天晴だな」

 ポケモンとポケモントレーナーの思いもよらぬ底力に、シャララは畏敬の念を抱く。しかしすぐに真剣な表情へ変わった。

シャララ隊長「現在のこちらの戦力状況は?」

衛兵「はい!全員、回復しております!これよりすぐにでも迎撃に…」

Ms.ダスピア「いえ、構いません。全員待機です」

衛兵「なっ!?」
 ▼ 110 N9Xja27O2I 25/08/24 11:07:59 ID:4N2UtrQU [17/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャララ隊長「ふむ。確かにその方が良いですね」

衛兵「隊長まで!?」

 衛兵は想定していなかった指令に驚きを隠せないが、シャララはダスピアの意思を汲み取ったのか、続けた。

シャララ隊長「考えてもみろ。多くの兵士どころか、アリリ副隊長やベリィベリー、プリキュアまで全てをつぎ込んでも悉く撃ち損じている。その上、彼等の元には今、プリキュアが3人もいるのだ」
シャララ隊長「そんな状況でまた戦力を分散して迎撃させても、結果は見えているだろう?」

衛兵「し、しかし…」

シャララ隊長「無論、このまま屈するわけにはいかない。彼等が攻勢に転じてこちらに向かってくるなら好都合だ。今こそ、全ての戦力を集中させ、奴らを迎撃および捕虜の救出に尽力するぞ」

Ms.ダスピア「ええ、それが賢明でしょう」

衛兵「確かに…かしこまりました!すぐにアリリ副隊長に事の次第を報告し、手を打ちます!」

「隊長さん!」

 続けて入ってきたのは、虹ヶ丘ましろと聖あげはだった。
 ▼ 111 N9Xja27O2I 25/08/24 11:10:12 ID:4N2UtrQU [18/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「ソラちゃん達がポケモン達と一緒に攻めてくるって、聞きましたよ!」
虹ヶ丘ましろ「私達にもお手伝いさせてください!}

シャララ隊長「もちろんだ。君達のこと、頼りにしている」

聖あげは「私達は王室前最後の砦!やるよ、ましろん!」

虹ヶ丘ましろ「うん!」

 ましろとあげは、そして現在城にいる兵士は全て召集され、その後持ち場についていく。
 王室に残ったのは、シャララとMs.ダスピアだ。

シャララ隊長「いよいよ、正念場ですね」

Ms.ダスピア「ええ。もしもの時の為に、王と王妃は避難させています。それに、街の皆さんも、既にこの城の中の安全な場所に避難が完了している。あとは…」

シャララ隊長「今度こそ、ポケモン達を倒す。この国の為に…


ソラ…ツバサ…プリンセス…ヒーローとしての誇りを忘れていないのならば、捕虜と言う立場に甘んじるなよ…」

シャララ隊長(だが、もし、万が一のことがあれば…その時は…)

 自らの得物の剣に目をやり、再び顔を上げたシャララも、持ち場へと急いだ。
 ダスピアの意のままに、ポケモン達を殲滅するために。
 ▼ 112 N9Xja27O2I 25/08/24 21:23:21 ID:4N2UtrQU [19/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 王城付近〜
 リザードン、アーマーガア、ファイアロー、ガラルギャロップを駆り、移動するホップ達とソラ達、青の護衛隊。城へと移動している間も奇襲を警戒していたが、先程とは打って変わり一切敵の気配がなかった。彼等は知る由もないが、既にスカイランド中にいた護衛隊の内、ダスピアの息がかかった兵士達は王城へと召集されている。

ビート「言っておきますが、少なくとも僕は君たちを完全に信用した訳ではない。もしまた気でも狂おうものなら、次は容赦なく倒し切る」

マリィ「ちょっと、ビート!」

ソラ・ハレワタール「いいんです。マリィさん。当然ですよ。さっきまで私達はあなたを殺そうとしていたんですから…だから、相応以上の働きで応えてみせます!」

 ビートも本当はわかってはいる。ツバサ、エルとの戦闘でツバサの発言、ホップの観察、ソラの態度の変化から誰もが信用せざるを得なく、それはビートも例外ではない。だが、元来の挑発的な面やそれまでにされたことから口に出てしまう。
 それに異を唱えるでも反駁するでもなく、ソラ達は受け入れつつ、何としても汚名返上をし、何より真実を突き止めてやると意気込んでいる。

 やがて、城の前に着く。警備の者すらおらず、素通りはできたものの罠に警戒しながら奥へと進んでいく。

ホップ「ここだな…みんな、準備はいいか?」

 先頭に立ち、振り返って仲間に最後の意思確認。全員が頷くのを確認し、ホップは再び前を向いた。

ホップ「よし……泣いても笑ってもこれが最後だ…行くぞ!」

「おう!」「はい!」「ええ!」
 ▼ 113 N9Xja27O2I 25/08/24 21:25:48 ID:4N2UtrQU [20/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王城 廊下〜
 警備がおらずすんなり侵入できた一行。道中に罠でも仕掛けられているのかと思えばそれもない。流石に不審に思う面々も出始めている。

マサル「流石に侵入者撃退用の罠でもあるのかと思ったが…ここまでないとなると、むしろ誘い込むのが目的か?」

夕凪ツバサ「妙ですよね…誘い込むとしても、何のために…?」

「来たな!蛮族共!」

ユウリ「来たよ!」

敵側の護衛隊兵士「ポケモントレーナー達よ、今度こそお前達を掃討する!」「捕虜のソラ三番隊隊長、ツバサ殿、プリンセスを返してもらう!」

ソラ・ハレワタール「待ってください!私達は捕虜なんかじゃありません!」

夕凪ツバサ「そうですよ!今この国は異常事態です!すぐにそのペンダントを取ってください!」

エル「私達は騙されていたのよ!みんなお願い!」

敵側の兵士「脅されてああ言わされてるとは…卑劣な奴らめ!」

夕凪ツバサ「やはり何を言っても駄目か…!」

青の護衛隊員「ソラ三番隊隊長、ここは我々が引き受けます!」「皆様は先へお進みください!」

ユウリ「大丈夫なの!?」
 ▼ 114 N9Xja27O2I 25/08/24 21:26:06 ID:4N2UtrQU [21/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王城 廊下〜
 警備がおらずすんなり侵入できた一行。道中に罠でも仕掛けられているのかと思えばそれもない。流石に不審に思う面々も出始めている。

マサル「流石に侵入者撃退用の罠でもあるのかと思ったが…ここまでないとなると、むしろ誘い込むのが目的か?」

夕凪ツバサ「妙ですよね…誘い込むとしても、何のために…?」

「来たな!蛮族共!」

ユウリ「来たよ!」

敵側の護衛隊兵士「ポケモントレーナー達よ、今度こそお前達を掃討する!」「捕虜のソラ三番隊隊長、ツバサ殿、プリンセスを返してもらう!」

ソラ・ハレワタール「待ってください!私達は捕虜なんかじゃありません!」

夕凪ツバサ「そうですよ!今この国は異常事態です!すぐにそのペンダントを取ってください!」

エル「私達は騙されていたのよ!みんなお願い!」

敵側の兵士「脅されてああ言わされてるとは…卑劣な奴らめ!」

夕凪ツバサ「やはり何を言っても駄目か…!」

青の護衛隊員「ソラ三番隊隊長、ここは我々が引き受けます!」「皆様は先へお進みください!」

ユウリ「大丈夫なの!?」
 ▼ 115 N9Xja27O2I 25/08/24 21:26:48 ID:4N2UtrQU [22/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
青の護衛隊員「心配はいらん。我々だって、有事に備えた訓練は怠っていないからな。君達がこの先へ進むための時間稼ぎはできるさ」

ユウリ「でも…!」

ソラ・ハレワタール「……この場は任せます。皆さん、どうか無事でいてくださいね」

ホップ「みんなの思いは無駄にしないぞ!」

青の護衛隊員「全軍、突撃だ!」
敵側の兵士「なっ!貴様ら、裏切ったのか!うわっ!」

 護衛隊の突撃に混乱する衛兵。隙を突き、ホップ達とソラ達は先を急いだ。

〜スカイランド王城 屋外訓練場〜
 廊下を突き進む一行。途中、何か大きな扉が横で開いていた。

ソラ・ハレワタール「皆さん、止まってください!」

 ソラの指示で急停止。そしてこっそりと扉の陰から外の様子を伺う。

ソラ・ハレワタール「……っ!!」

 殺気を感じ、すぐに後退したソラ。その視線の先には、扉の陰から電撃を纏った拳で不意打ちを狙ったベリィベリーであった。
 ▼ 116 N9Xja27O2I 25/08/24 21:27:26 ID:4N2UtrQU [23/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「ベリィベリーさん…!」

エル「やっぱりペンダントを…それをとって!」

ベリィベリー「ソラ、最初は、お前が仲間と共に捕虜になっていると聞いていたが…どうやら違うみたいだな。……失望したぞっ!」

ソラ・ハレワタール「くっ…!」パシッ!

 矢継ぎ早にラッシュを仕掛け、全て捌く。

夕凪ツバサ「あれは…!」

 扉の先には、開けた訓練場があり、ベリィベリーの後ろから、アリリ副隊長、集結した衛兵達が徐々に押し寄せてくる。

マリィ「ビート、マサル、行けそう?」

ビート「戦力差はざっと100対3…フン。僕を誰だと思っている」

マサル「先を急げ。ホップ、ユウリ。そしてプリキュアさん達よ」

ソラ・ハレワタール「マサルさん!?そんな、無茶です!」

ホップ「そ、そうだぞ!せめてオレ達も!」

マサル「行け!…あの中に、プリキュアと、空から俺達を襲ってきた隊長格はいない。いるとしたらこの先だ。だから少しでも戦力をそっちに回したい」

マリィ「ここは任しといて!戦力フル投入してやんよ!」

 3人は、持っていたモンスターボールを一斉に放り投げ、ポケモン達を召喚する。
 ▼ 117 N9Xja27O2I 25/08/24 21:27:49 ID:4N2UtrQU [24/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ベリィベリー「なっ…!」

アリリ副隊長「こんなにいるとは…!」

 更に、まだ5匹しか出していなかったマリィとビート。モルペコやオーロンゲ、ブリムオンといった相棒やエースポケモンは既に出ている。6個目のモンスターボールが手に握られた。

マリィ「これがあたし達のとっておき!」
ビート「思い知るが良い、僕らの本気を!」

ガラルファイヤー「ギェエエエエエ!」
ガラルフリーザー「フオオオオオオ!」

ベリィベリー「な、なんだこの大型の鳥は!?」

ホップ「あれって、ファイヤーにフリーザー!?……のリージョンフォーム!?オマエら、いつの間に!?」

アリリ副隊長「くっ…怯むな!かかれぇ!」

 兵隊の大軍団が押し寄せるが、物怖じせず2人が先陣を切った。

マリィ「ファイヤー、もえあがるいかり!卑劣な輩に怒りをぶつけるよ!」

ビート「フリーザーはいてつくしせん!恐怖に陥れようとする不届き者には恐怖をお返ししてあげなさい!」

 2人の指示に応え、ファイヤーは烈火の如く暗黒のオーラを迸らせ、向かってくる兵士達を包み込む。小部隊いくつかの戦意を削ぐことに成功した。

敵側の兵士「ぐああ……なんだ、この…倦怠感…は…」

 フリーザーはサイコパワーを凝縮し、両目からビームを放つ。冷気にも似た特殊な超能力が、被弾した兵士の細胞を凍らせるかのように停止させ、動きを止めた。

敵側の兵士「あ…が、が……」
 ▼ 118 N9Xja27O2I 25/08/24 21:28:14 ID:4N2UtrQU [25/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「こっちのことは心配ない!お前らはこの先にいる悪の親玉を叩け!」

ユウリ「わ、わかった!」

夕凪ツバサ「皆さん、どうかご無事で!」

マサル「それと……ホップ!」

 3人の想いを背に、ツバサ、エル、ユウリ、ソラは先を急ぐ。ホップも行こうとしたが、マサルの一声に呼び止められた。

マサル「……ユウリのこと、頼んだぜ」

ホップ「…おう!」

 ホップもまた、ソラ達の後に続き、去って行った。

ベリィベリー「貴様ら…そこをどけ!」

マサル「やなこったね。さぁ、最初に倒されたいのはどいつだ?」

ビート「僕に倒されたい者から前に出ろ!」

マリィ「あたし達がいつまでもやられてばっかだと思うなよ!」

 3人は、総勢18匹のポケモン達と共に、手駒と化したアリリ副隊長率いる部隊、そしてベリィベリーと交戦する。
 ▼ 119 N9Xja27O2I 25/08/24 21:28:52 ID:4N2UtrQU [26/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王城 王室前〜
夕凪ツバサ「この先が王室です!」

ホップ「そこにダスピアもきっといるな…よし…!」

ユウリ「みんなの為にも、絶対に真実を暴かなきゃ!」

 走り抜けたホップ、ユウリ、ソラ、ツバサ、エル。やがて王室の扉が見えたが、そこに見覚えのある人影が3人並んでいた。

ソラ・ハレワタール「シャララ隊長…!ましろさん、あげはさんまで!」

ホップ「アイツらは…!」

 王城から一度逃げ出した際に、剣を突きつけてきたシャララ、騙し討ちで狭い路地裏に誘い込み、袋叩きにしようとしたあげは、同じくそれに加勢したましろ。王室には行かせまいと立ち塞がった。

シャララ隊長「ソラ、残念だが私の悪い予想は当たってしまったようだな」

ソラ・ハレワタール「シャララ隊長…!目を覚ましてください!今この国は!」

シャララ隊長「問答無用ッ!国を脅かす悪魔を庇う理由などない!」

 かつての忌まわしい事件の時のような幻影ではない。操られた、しかしそれでいて本物のシャララ隊長が、抜刀し斬りかかる。

ソラ・ハレワタール「シャララ隊長…っ!」

エル「ひろがるチェンジ・マジェスティ!」

 シャララの剣先はソラに届く前に防がれる。咄嗟にキュアマジェスティへとチェンジしたエルが光剣・マジックアワーズエンドを生成し、ソラを救った。
 ▼ 120 N9Xja27O2I 25/08/24 21:29:14 ID:4N2UtrQU [27/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「残念だよ、少年。捕虜になったり脅されたりしたんじゃないかって心配してたけど、まさかスカイランドを裏切ってポケモン側につくなんてさ」

夕凪ツバサ「あげはさん達は騙されています!今すぐそのペンダントを捨ててください!」

虹ヶ丘ましろ「騙されてる?それはないんじゃないかな?」

キュアマジェスティ「ましろ…!」

 ツバサの必死の訴えを嘲笑うようにましろが口をはさむ。

虹ヶ丘ましろ「このペンダントは、ポケモンを倒してスカイランドを平和にするためのシンボルなんだよ?」

聖あげは「そうそう。ランボーグやキョーボーグ、それどころかダイジャークにも打ち勝ってきた私達でも、簡単には勝てないぐらい、ポケモンは強大な悪なの」

虹ヶ丘ましろ「それに対抗できるヒーローの力を馬鹿にするのは、流石にツバサ君やエルちゃんでも、めっ、だよ?」

ソラ・ハレワタール「ましろさんまで…!こんなの、間違っています!正しいことは何か、ヒーローは考え続けないといけません!頭ごなしに決めつけて、暴力を振るうなんて、いつもの皆さんらしくありません!」

シャララ隊長「黙れ!」

ソラ・ハレワタール「くっ…!」

 よりにもよって最大の親友であるましろにさえ、ソラの想いは届かず、シャララの一喝に怯む。

シャララ隊長「ポケモンなどに情けを持ち、これ以上戯言を吐くならばソラ、たとえお前でも容赦はしない!」

ソラ・ハレワタール「シャララ隊長…みなさん…どうしてこんなことに…!」
 ▼ 121 N9Xja27O2I 25/08/24 21:30:01 ID:4N2UtrQU [28/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「何を言っても無駄なようだな」

ユウリ「ソラちゃん、みんな。悲しいけど、だからこそ終わらせないといけないわ。今の3人は敵よ。倒さないと、真実を突き止められないし、スカイランドも助けられない!」

夕凪ツバサ「…覚悟を決めるしかありません。必ずあなた達を救ってみせる!ひろがるチェンジ・ウィング!」

 敵意を露にした3人を前に、ツバサも意を決してキュアウィングにチェンジ。ホップとユウリもモンスターボールを構える。

ホップ「頼むぞ、サンダー!」
ガラルサンダー「キョエエエーーー!!」

ユウリ「力を貸して!ウーラオス!」
ウーラオス(れんげき)「べあっ!」

ソラ・ハレワタール「ましろさん…あげはさん…シャララ隊長…今、助けます!」

虹ヶ丘ましろ「ごめんねぇ、本当は戦いたくないんだけど、しょうがないよね。やろう、あげはちゃん」
聖あげは「そうだね。ちょいと本気出しちゃおっか、ましろん」

 ソラがミラージュペンを構え、対峙するましろ、あげはもミラージュペンを構える。ましろとあげはのミラージュペンに呼応するように、ペンダントも紫色に光り輝く。
 ▼ 122 N9Xja27O2I 25/08/24 21:30:29 ID:4N2UtrQU [29/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「ひろがるチェンジ・スカイ!」

虹ヶ丘ましろ「ひろがるチェンジ・プリズム!」
聖あげは「ひろがるチェンジ・バタフライ!」

 キュアスカイ、キュアプリズムとキュアバタフライへのチェンジが完了し、これでこの場の全員が臨戦態勢となった。

ホップ「いくぞ!みんな!」
ユウリ「うん!」
キュアスカイ&ウィング&マジェスティ「はい!」「ええ!」

シャララ隊長「ポケモンに寝返り、スカイランドへの反逆するなど許してはならん!必ずポケモンを倒し、ソラ達を捕らえるぞ!」
キュアプリズム「はいっ!」
キュアバタフライ「アゲアゲでやっちゃうよー!」

 戦闘が開始される。先制で動いたのはシャララ。スカイランド最強のヒーロー集団・青の護衛隊の総司令を務める隊長。その剣でこれまでスカイランドの防衛に貢献してきた彼女も、今はただ凶刃を振り回し敵を倒すだけの戦闘マシーン。
 マジェスティがひろがる・マジックアワーズエンドを発動、あくまでもシャララの剣を防ぐだけだ。

シャララ隊長「プリンセス…!そこをどいてもらう!」

キュアマジェスティ「いや!絶対にどかない!」

シャララ隊長「このぉ……我ら青の護衛隊をなめるなぁ!」

 シャララのペンダントが一層輝きを増す。同時に、マジェスティの剣が少しずつ押されていく。
 ▼ 123 N9Xja27O2I 25/08/24 21:31:18 ID:4N2UtrQU [30/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「させないわ!ウーラオス、つばめがえし!」

ウーラオス(れんげき)「べああ!」

シャララ隊長「ぐっ…!」

 不意の攻撃に気付くも対処が間に合わず、辛うじて急所から逸らして退避した。ウーラオスの俊足のごとき蹴りが、刀で瞬時に敵を斬り払うようにシャララに一矢報いる。

ユウリ「大丈夫!?」

キュアマジェスティ「ありがとう、ユウリ!」

ホップ「コイツらはとびっきり強いぞ…!ユウリ、3人を助けながらやるぞ!」

ユウリ「うん!」

ホップ「サンダー、はがねのつばさ!」
ユウリ「ウーラオス、アクアジェット!」

シャララ隊長「邪魔なポケモン達め…!」

 キュアマジェスティに加勢する2匹のポケモン。シャララは臆せず、突っ込んでいった。

―――
 ▼ 124 詫び◆N9Xja27O2I 25/08/24 21:32:22 ID:4N2UtrQU [31/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
システム不具合とこちらの確認不足につき、>>113>>114に同じ内容が連投されてしまいました。
申し訳ございません。

本編の続きは明日以降となります
 ▼ 125 N9Xja27O2I 25/08/25 19:17:12 ID:DWlwyfIE [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「目を覚ましてください!プリズム!」

キュアプリズム「ソラちゃん、ちょっと見ない間に悪い子になっちゃって、悲しいなあ!」

 キュアスカイは、大切な親友・虹ヶ丘ましろ―――もといキュアプリズムと格闘戦を繰り広げる。もっとも、スカイはあくまでプリズムの攻撃を捌くだけで、未だに反撃には至っていない。

キュアプリズム「ポケモンは、スカイランドで破壊の限りを尽くし、人々を苦しめた怨霊なんだよ?だから、私達ヒーローが、やらなきゃいけないの」

キュアスカイ「そんなの、ヒーローなんかじゃありません!そもそも、仮にそれが本当の歴史だったというなら、ダスピアさんだけが知っていたなんておかしな話です!」

キュアプリズム「何もおかしくないよぉ。ポケモンは悪い怨霊、これが真実なんだから」

 キュアスカイの呼びかけに応じず、ただ眼前へと拳を振るい、脚を振り上げる。ペンダントを輝かせながら戦うプリズムに、迷いは一切なかった。

キュアスカイ(ましろさんっ…!)

 心を痛めているキュアスカイの心情など、まるで理解しようともせずに。

―――
 ▼ 126 N9Xja27O2I 25/08/25 19:18:20 ID:DWlwyfIE [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアバタフライ「ひろがる・バタフライプレス!」

キュアウィング「ひろがる・ウィングアタック!」

 お互いの得意とする持ち技を撃ち合うウィングとバタフライ。プリキュアとしてコンビで戦うことが多かった2人が今、雌雄を決して戦い合っている。どちらも本来ならば、アンダーグエナジーを浄化してキラキラエナジーにする為の技の筈が、片方はペンダントの力で対象を傷つけるだけである。

キュアバタフライ「私達、絶対いいコンビ!そう信じていたのに!あの勉強熱心で賢いツバサ君が判断を間違うなんて、お姉さんはもう気分サゲ〜だよっ!」

キュアウィング「バタフライ!あなたはいつだって年長者として、僕らを引っ張ってくれていた!それなのに妄信のまま僕らをどこへ導くつもりなんだ!」

キュアバタフライ「もちろん平和、だよっ!ポケモンを倒してね!」

キュアウィング「そんなのは平和なんかじゃない!ただの支配です!かつてのアンダーグ帝国がやっていたような、いえ、それよりも惨い暴力での支配です!」

キュアバタフライ「運命って残酷だね…ポケモンなんかのせいでツバサ君も、ソラちゃんもエルちゃんもおかしくなっちゃうし!私だってみんなと戦いたくなんてないのにさっ!」

キュアウィング「ならもうやめてください!仲間同士が戦ったって、お互い何も得られない!何も守れない!」

 ウィングも、バタフライに必死に訴える。バタフライも感情を高ぶらせ、攻撃の激しさを増す。ペンダントの輝きも、比例するように強まっていく。

―――
 ▼ 127 N9Xja27O2I 25/08/25 19:18:50 ID:DWlwyfIE [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャララ隊長「くっ!」

ウーラオス(れんげき)「べあ!」

ユウリ「すいりゅうれんだ!」

 修行を経て心得た、水の流れのような体術と手数を活かした連撃。シャララは剣での連続斬りで応戦するが、遂に剣は折れる。

シャララ隊長「しまった…!」

ユウリ「ホップ!」

ホップ「少し痛いけど我慢しろよ!サンダー、らいめいげりだ!」

ガラルサンダー「キェェエエエッ!」

シャララ隊長「がはっ……」

 飛び上がり、地に落ちる稲妻のように急降下したサンダーの健脚から繰り出されるキック。シャララの鳩尾を捉え、王室へと吹っ飛ばす。その勢いは、そのまま扉をも破壊する程であった。

キュアプリズム「隊長さん!」

キュアバタフライ「よくもやってくれたね!容赦しないよ!」

キュアスカイ「まだこんな戦いを続けるんですか!ましろさん!あげはさん!」

キュアプリズム「もちろんだよぉ。ソラちゃん達がポケモンの方に味方しちゃうから、私達だって不本意なんだよ?」
 ▼ 128 N9Xja27O2I 25/08/25 19:19:28 ID:DWlwyfIE [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「えぇ、誠にその通り。実に残念です」

 突如、扉の奥から聞こえた女性の声。プリズムとバタフライは振り向き、希望に満ちた表情へと変わる。

ホップ「オマエは誰だ!?」

キュアスカイ「……あれが、ダスピアさんです」

ユウリ「なんですって!?」

 キュアスカイがダスピアと呼んだその女性。黒いローブを脱ぎ捨て、騎士のような淡い青色の装束を纏っている。手には、紫色の水晶が埋め込まれた文献を持っていた。

ホップ「…ツバサから聞いたぜ。ソラ達に配ったって言う紫色の石のペンダント!あれを配ったのはオマエだな!?」

Ms.ダスピア「おや、ご存知でしたか。その通り、あの石は、ヒーローの為に、より強大な敵と戦うための力を与えるのです」

ユウリ「冗談じゃないわ!あの石、ソラちゃん達を強くする代わりにあなたの言いなりにする石じゃない!」

 声を荒げて抗議の声をあげるホップとユウリ。しかしダスピアは意に介さない。

Ms.ダスピア「人聞きの悪い。ヒーローとしての使命を強く刻むあの石こそ、必要なものなのです。お前達のような、ポケモンや、ポケモンを庇うような人間を倒すために」

キュアスカイ「………ふざけないでください」

Ms.ダスピア「おや?」

 拳を振るわせながら、キュアスカイが声を上げ、反論する。
 ▼ 129 N9Xja27O2I 25/08/25 19:20:18 ID:DWlwyfIE [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「私達の意思を無視して、封じ込めてまでやることが、一方的な暴力なんですか!?」

キュアスカイ「そんな石を使わなくても、今やろうとしていることが本当に正しいかどうかを考えるのがヒーローなんじゃないですか!?倒すべきかどうかもわからないのに、そんな石なんかで決めつけるのなんて、ヒーローなんかじゃない!ただの支配です!」

キュアウィング「ソラさんの言う通りですよ!そのせいで…この人達も傷つけて、しまいには僕らを同士討ちまでさせた!あなたは何がしたいんだ!?何故そこまでして、彼等を滅ぼしたがる!?」

キュアマジェスティ「今すぐみんなからペンダントを外しなさい!おかしくなったみんなを元に戻して!」

 元々自分の傘下にいた3人からも反論され、ダスピアは少し間を置いたと思えば、すぐにため息を吐いた。

Ms.ダスピア「…ヒーローが創り上げる、自由で平和な世界。そこに、プリキュア以外は必要ない。むしろ、邪魔。それだけですよ」

キュアプリズム「ソラちゃん達はおかしいことを言うよねえ。ポケモン達を倒すのは正しいって、わかり切ってることなのに、それ以上何を考える必要があるの?」

キュアスカイ「ましろさん…そのペンダントは、こんなにもその人の心すらも歪めてしまうんですか…っ!」

 石の影響とはいえ、友から放たれる冷徹な言葉は、ソラの心を抉るのには十分だった。
 ▼ 130 N9Xja27O2I 25/08/25 19:21:36 ID:DWlwyfIE [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Ms.ダスピア「さて、よくぞここまで抵抗してくれたものですね。その強さに敬意を表し、私も動くとしましょう…」

 そう言ってダスピアが懐から出したものには、キュアスカイ達はもちろん、今なお石を持っているキュアプリズム、キュアバタフライも衝撃を受けた。

キュアスカイ「そんな…それは…!?」

キュアウィング「あり得ない…何故それをあなたが…!?」

ホップ「あれって…確かソラ達も使っていた…!」

キュアマジェスティ「ええ……ミラージュペンよ…ということは…!」

キュアバタフライ「マジ!?ダスピアさんも、持ってるの!?てか使えるの!?」

キュアプリズム「び、びっくりしたよぉ…!でも、これなら!」

 ミラージュペン。ソラ達が、スカイランドに伝わる英雄「プリキュア」に変身するためのペン型アイテム。本来ならばプリキュアに適正のある正しい心を持つ者の身体から現れ、エルがスカイトーンという石を授けることで使用できる、適性者専用の一対のアイテム。
 それを、よりにもよって石の力でスカイランド勢力を操り、ポケモンの抹殺を企てていたダスピアが所持し、しかも既にスカイトーンも装着済であった。

Ms.ダスピア「さぁ、ヒーローの出番です」

キュアスカイ「っ!」

 自身を奮い立たせるヒーローの名言が、今まさに暴力を振るう為に使われ、キュアスカイはキッとダスピアを睨む。
 ▼ 131 N9Xja27O2I 25/08/25 19:38:09 ID:DWlwyfIE [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Ms.ダスピア「ひろがるチェンジ・ディスペア」

 静かに言い放った謳い文句と共に、ダスピアの身体は石が放っていたような紫色の光に包まれる。マジェスティのような煌めく鮮やかな紫ではなく、むしろ闇に近い。

「これが、私がここに来るまでに会得した新たなプリキュア…絶望を祓う、キュアディスペアとでも名乗っておきましょう」

ユウリ「キュア……ディスペア……!?」

キュアスカイ「そんなプリキュアが…存在するなんて…!?」

キュアディスペア「さぁ…ヒーローの力を見せてあげましょう」

キュアバタフライ「ん〜〜これはアツい!そんじゃ、アゲアゲでやっちゃうよ!」

キュアプリズム「隊長さんの分まで、戦うんだから!」

 王室の奥で気を失っているシャララを背に、キュアディスペアを加えたプリズム、バタフライが反撃に転じた。

キュアスカイ「皆さん、来ます!」

 ダスピアがチェンジした、謎の戦士・キュアディスペア。状況を呑み込む猶予も与えない彼女達の襲撃に、キュアスカイ達とホップ、ユウリ、彼等のポケモン達は備えた。
 ▼ 132 ローン@ほかくポケット 25/08/25 19:38:27 ID:f0gk9Iss NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 133 N9Xja27O2I 25/08/25 19:39:21 ID:DWlwyfIE [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王城 屋外訓練場〜
マサル「ったく、流石に骨が折れたぜ…」

マリィ「数だけ多くてほんと厄介なんだから…!」

アリリ副隊長「ぐぬぬ…ベリィベリーよ…すまない…」

ベリィベリー「アリリ副隊長!…お前達、絶対に許さない!はあああっ!」

ビート「君達が言っていた言葉、そっくりお返ししますよ。この『蛮族』め!僕らの前から消え失せろ!」

ガラルフリーザー「フオオオオッ!」
ガラルファイヤー「ギェェェアアアアッ!」

ベリィベリー「たああっ!」

 激戦が繰り広げられていた訓練場。既に他の隊員は周りで倒れ伏しており、アリリ副隊長も限界を迎えて意識を手放す。
 残されたベリィベリーが単騎で立ち向かい、掌のグローブから電撃を放つが、フリーザーとファイヤーはそれぞれ得意とするビームとオーラを放ち、応戦する。

ベリィベリー「なぜだ……!なぜ……こんなやつらに…押されるんだ…!」

マサル「さぁな。けど、少なくともこれだけは言えるな」

ベリィベリー「何…?」

 徐々に押されるベリィベリーが、自身の敗北を受け入れない。マサルは、言い放った。
 ▼ 134 N9Xja27O2I 25/08/25 19:40:03 ID:DWlwyfIE [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「俺達は、お前達操り人形に負けている場合じゃないんだよ!」

ベリィベリー「ぐっ…ああああああ!!!」

 訓練場に待ち構えていた部隊をようやく全滅させたマサル、マリィ、ビートの3人。既に回復道具も残りわずか、手持ちのポケモンも全員が手負い。それ程大軍団を相手に大立ち回りをしていたということになる。

マリィ「急ごう、ユウリ達やソラ達が心配やけん」

 3人は急ぎ、王室へと向かった。
 ▼ 135 N9Xja27O2I 25/08/25 19:41:19 ID:DWlwyfIE [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王城 王室〜
 これで殆どの戦力を倒した為、何の妨害もなく進み、彼等はあっという間に王室までついた。扉は破壊され、シャララも倒れている。

マサル「なっ…!?」

ビート「くっ……」

マリィ「そんな…!?」

 現場に合流した彼等が見た光景は想像を絶するものだった。

キュアバタフライ「ふふっ。やっぱり、遅かったみたいね。おばかさん達♪」

キュアプリズム「あとは君達だけだよぉ」

マリィ「み、みんな!しっかり!!」

 目の前には、気を失っているホップとユウリ。そしてボロボロでひんし状態にされたガラルサンダーとウーラオス。
 更に、ソラ、ツバサ、エルも既にプリキュアの姿を維持できず、こちらもボロボロの状態で倒れ伏していた。
 ▼ 136 N9Xja27O2I 25/08/25 19:43:02 ID:DWlwyfIE [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜回想〜
 時は、Ms.ダスピアが謎の戦士・キュアディスペアに変身し、戦闘再開したところまで遡る。

キュアスカイ「皆さん、私達で突破口を開きましょう!」
キュアウィング「はい!」
キュアマジェスティ「わかったわ!」

キュアスカイ「ヒーローガールスカイパンチ!」
キュアウィング「ひろがる・ウィングアタック!」
キュアマジェスティ「ひろがる・マジックアワーズエンド!」

 3人がそれぞれの持ち技を一斉に発動し、ディスペアを狙う。だが、割って入る様にバタフライが前に出たのだ。

キュアウィング「なっ…!?」

キュアバタフライ「バタフライバリア!」

キュアスカイ&キュアマジェスティ「きゃあああっ!?」
キュアウィング「そんな…!?」

 3人の強力な一斉攻撃は、キュアバタフライたった1人が生成した蝶型の光の壁に、いとも容易く防がれ、それどころか弾き飛ばされてしまった。あまりの出来事に、スカイ達は戦慄した。
 ▼ 137 N9Xja27O2I 25/08/25 19:44:01 ID:DWlwyfIE [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「こんなことって…!」

キュアマジェスティ「バタフライのあのバリア、あんなに硬くなかったはず…!私達3人の攻撃同時に当ててもダメなんて…!?」

キュアウィング「まさか…これもあの石…いや、ディスペア!お前の力か!」

キュアバタフライ「アハハハハ!そういうこと☆ましろん、やっちゃえ!」

キュアプリズム「任せて!ヒーローガール〜〜〜…!」

キュアスカイ「やめてください!プリズムッ!ましろさんっ!!」

キュアプリズム「プリズムショットッッ!!」

 スカイの制止も聞き入れず、無慈悲に放たれる巨大な光球。

ユウリ「ウーラオス!インファイト!」
ホップ「サンダー、らいめいげり!」

 2人のポケモンが、それぞれの最大打点となる技を放つが…。

キュアディスペア「させません」

 2人が指示を出した頃には既に2匹の眼前に立っていたディスペア。すかさずラリアットを繰り出し、2匹の攻撃を阻んだ。

ウーラオス(れんげき)「べあああ!?」
ガラルサンダー「キョエエ!?」

キュアスカイ「そんな…!?」
 ▼ 138 N9Xja27O2I 25/08/25 19:45:23 ID:DWlwyfIE [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアマジェスティ「マジェスティック・ベール!」

 マジェスティが全力を以て光のバリアを張る。だが…。

キュアマジェスティ「そ、そんな…きゃああああ!?」

キュアスカイ&キュアウィング「うわあああああ!」

 マジェスティック・ベールは、ディスペアの影響だろうか、強化されたヒーローガール・プリズムショットの前には無力。瞬時に砕かれ、3人を吹き飛ばす。あまりの大ダメージに、3人はとうとうプリキュアの姿を維持できなくなってしまった。

ユウリ「ソラ!みんな!」

キュアプリズム「おっとぉ、あなた達なんかにソラちゃんを呼んでほしくないなぁ」

ドスッ!

ホップ「かはっ…!」

ユウリ「ホ、ホップ!」

キュアバタフライ「ソラちゃん達をたぶらかした泥棒猫は、お仕置き☆」

ズンッ!

ユウリ「うっ…!?けほっ……ぁ」

 プリズムとバタフライは瞬時にホップとユウリの背後に回り、素早く鳩尾へとそれぞれ拳と膝を叩き込み、昏倒させた。

キュアディスペア「ソラさん達を操った彼等の罪は重い。さて、プリズム、バタフライ。まだ侵略者は残っています。全員捕らえたら、最後の仕上げです」

キュアプリズム「うんっ!」
キュアバタフライ「あと少しだね!ラストスパート、アゲてこっ☆プリズム、ディスペア!」
 ▼ 139 N9Xja27O2I 25/08/26 19:34:34 ID:OdxMt4vU [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王城 王室〜
マサル「よくも…みんなを…!」

ビート「あなたが…ソラさん達にあのペンダントを与えておかしくした、ダスピアか…!」

マリィ「何なん、その姿。それじゃあまるで…プリキュアじゃ…!?」

キュアディスペア「我らの完全勝利も目前です。お二人とも、残った彼等も倒してしまいましょう」

キュアプリズム「はい!」
キュアバタフライ「りょーかいっ☆」

マサル「来る…!行けっ、ゴリラン…」

キュアディスペア「させません」

トンッ

マサル「だっ……」

ビート「マサル君!?」

マリィ「こいつ、いつの間にこんな近くに!?」
 ▼ 140 N9Xja27O2I 25/08/26 19:35:21 ID:OdxMt4vU [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアプリズム「よそ見してる場合じゃない、よっ!」

キュアバタフライ「隙ありっ!」

ビート&マリィ「がはっ…!?」

 ディスペアが素早くマサルの背後を取り、手刀で彼を失神させたところに続き、プリズムとバタフライは驚いているビートとマリィを直接攻撃して気絶させる。2人の腹には、拳がめり込んでいた。

 そして引きずられるように、倒れたホップ達は、城内の訓練場へと引きずられるように連れていかれる。

―――
 ▼ 141 N9Xja27O2I 25/08/26 19:37:21 ID:OdxMt4vU [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王城 屋外訓練場〜
ホップ「……ん……っ」

王「おお、見てくださいまし。ダスピア殿。この者達が目を覚ましましたぞ」

ホップ「くっ…!」

 5人は手足を縛られ、1箇所に集められていた。それを指さし、嘲笑うようにダスピアへ告げたのは、かつて自分達を温かく迎え入れてくれたスカイランド国王である。

ユウリ「ホップ!よかった、目が覚めた…!」

マサル「ああ。……状況は最悪だけどな」

 ホップでようやく目を覚ましたのは最後であり、それを確認したダスピアは、彼等の近くに立つ。片手には、妖しい水晶を埋め込んだ文献があった。

Ms.ダスピア「皆様のご活躍により、ポケモンと、ポケモンを操る人間共は無事に捕らえることができました。彼等を完全に倒すには、英雄たるプリキュア達の力が不可欠です」

 演説を始めるダスピア。先程までキュアディスペアと言う戦士となり、ホップ達を倒した彼女は、今まさに彼等の命を奪おうとしていた。

Ms.ダスピア「……しかし悲しいことに、彼等に負けてしまったソラ・ハレワタール殿、夕凪ツバサ殿、プリンセス・エル殿の3名は、彼等の強大な力に圧倒され、あまつさえ捕虜にされるばかりか彼等に協力するようになってしまった」

ビート「貴様…!」

 言いがかりに憤慨する一行。あたかもホップ達が、プリキュアの3人を強引に協力させたような物言いである。当の3人のプリキュアはと言うと、ホップ達の一から見え、離れたところで拘束されていた。近くには、虹ヶ丘ましろと聖あげはもいる。
 ▼ 142 N9Xja27O2I 25/08/26 19:37:48 ID:OdxMt4vU [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Ms.ダスピア「これでは、プリキュア5人の力を一つにして発動できる究極奥義『マジェスティックハレーション』が使えず、ポケモン達を完全に倒すことはできないのです」

 ダスピアが口にしたのは、プリキュア達の能力の一つ『プリキュア・マジェスティックハレーション』。エル、もといキュアマジェスティが所持する魔導書型のアイテム『マジェスティクルニクルン』から放たれる究極の浄化技。しかし発動には、スカイ、プリズム、ウィング、バタフライ、マジェスティの5人が『心』を1つにしなければ、マジェスティクルニクルンは反応せず、発動できないのだ。
 本来であれば、かつてのアンダーグ・エナジーのような強大な闇に囚われた対象を『浄化』する能力であるのだが、もしもこれがダスピアのペンダントによる影響を受けたうえで発動できたとしたら、もはやそれは恐らく『浄化』を大きく逸脱した、生命の『抹消』に他ならないだろう。

王妃「ではダスピア様。ソラ様達はどう致せばよいのでしょう…!?」

 こちらも、初めはホップ達を歓迎していたスカイランドの王妃。今は完全にホップ達への敵意をむき出しにする一方で、ソラ達の処遇についてダスピアに尋ねる。

Ms.ダスピア「心配には及びません。彼等には、正気を取り戻していただきます」

 ダスピアは懐から、3つのペンダントを取り出す。先の戦闘で、ソラ達はこれと同じペンダントを失い、以降は思考力や記憶がクリアになり、ダスピアの強硬策にも疑問を持つようになった。いわばこのペンダントは、先程のプリズムやバタフライのように、戦闘能力を劇的に高める一方で、どんな残酷な行いにも疑問を持つことなく実行させる、ある種の洗脳の力を持っている代物と言える。
 ダスピアはソラ達が自分達に敵対したことを、さもポケモン側に何かされたからかのように語るが、実際のところは逆であり、これは現にソラや、洗脳前後のツバサの証言、王城での戦闘で目の当たりにした光景などから極めて真実に近いものと言えよう。

マリィ「まさか…またソラ達にあのペンダントをさげて、操るつもり…!?」

ホップ「やめろ!アイツらの意思を奪うな!」

王「黙らんか!国家を揺るがす悪人め!」

ユウリ「王様!王妃様も目を覚ましてください!」

王妃「彼等の戯言など聞くに値しません。ダスピア様、お願いします」
 ▼ 143 N9Xja27O2I 25/08/26 19:39:14 ID:OdxMt4vU [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「ダスピア……!」

 ダスピアの支配下にあった時から、ダスピアの凶行を目の当たりにしたその時までは敬称で彼女を呼んでいたソラだが、今はもう敵と認識し、呼び捨てて睨む。だがそれを意に介さないダスピアは彼女達の眼前に立つ。

 虹ヶ丘ましろが前に出て、拘束されているソラの頬を撫でた。

虹ヶ丘ましろ「辛かったよねぇ、ソラちゃん。さっきはちょっと乱暴しちゃってごめんね?でもわかってほしいな」

 普段なら心地よい親友の手の感触も、今のソラにとっては恐怖でしかない。ダスピアが持つペンダントがまた目の前にあるということは、また先程までみたく思考を奪われ、ポケモンを倒すための戦闘マシーンに成り下がろうとしている、また現に今もその状態の親友と同じにされてしまうことへの恐怖だ。

聖あげは「少年、エルちゃん、ポケモンの恐ろしさ、わかったでしょう?3人でも倒されてしまうぐらい、強くて悪いやつらなの。でも大丈夫。少年たちにできなかったポケモンの討伐は、今度こそできるよ☆」

夕凪ツバサ「あげはさん…!あなたはそんな残酷なことを笑いながら言うようなふざけた人じゃない筈だ!元に戻ってください!」

エル「そうだよ!恐ろしいのは、私達を変なペンダントで操ってまでこんなことをさせようとしたダスピアだよ!目を覚まして!」

 ツバサとエルの訴えも、やはり届かず、ましろとあげはは笑うばかり。

虹ヶ丘ましろ「おかしなこと言うよねぇ。これはヒーローとして正しいことなんだから、疑う理由がわからないよ?」

聖あげは「ま、すぐに3人もわかるからさ。ダスピア、やっちゃって!」

 無慈悲にも友から告げられたその言葉に、3人は身の毛がよだつ。ダスピアはペンダントを取り出し、ましろ、あげはにも手渡す。3人で、それぞれソラ、ツバサ、エルの首へと近づける。
 ▼ 144 N9Xja27O2I 25/08/26 19:39:49 ID:OdxMt4vU [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「やめてください!ましろさん!あげはさん!」

ホップ「まさかアイツ…!またソラ達を操るつもりか!?」

ユウリ「やめろー!ソラちゃん達に手を出すなぁぁーー!!」

 ホップ達からも見える、紫色の妖しい光。ソラ達に何をしようとしていたかは、もうホップ達にも察しがついている。だがその声は届くことなく、とうとうダスピア達のペンダントが、拘束されたソラ達の頭の上から首元へとぶら下げられた。

ソラ&ツバサ&エル「うわああああああーーーーー!!!!!」

 途端、ペンダントが光を強める。ダスピアが持つ文献の水晶も、共鳴するように光りだした。その光と同時に、拘束されているソラ達は悶え苦しみ始める。

ホップ「そんな…!」

マリィ「このままじゃ、またソラ達はあたし達を襲いに来る…!」

ビート「いや…ダスピアのあの演説通りなら、今度こそ殺される…!」

ユウリ「いやだいやだ!ソラちゃん!みんな!ダメー!」

マサル「ここまでかよ…!」

 5人も絶望の表情に変わる。ポケモンも取り上げられ、身動きができない中で再びソラ達が敵になろうものなら、今度こそ本気で殺されてしまう。

 一方でましろとあげはは恍惚としており、ダスピアはほくそ笑みながら、水晶の光を3人に向ける。
 ▼ 145 ルネロス@ハーバーメール 25/08/27 12:31:05 ID:qf6kRSsA NGネーム登録 NGID登録 報告
😭
 ▼ 146 N9Xja27O2I 25/08/27 19:40:29 ID:o4hs9/tk [1/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 …だがしばらくして、ダスピアの表情が曇った。

Ms.ダスピア「……む……何故だ…?」

虹ヶ丘ましろ「えっ?」

Ms.ダスピア「なぜ……まだ彼女達は目を覚まさない?」

聖あげは「何ですって…!?」

 先程までの満面の笑みから一転、驚きの表情に変わるましろとあげは。そう、ソラ達はペンダントと水晶の光を現在進行形で浴びているにもかかわらず、まだ自我を保っているのだ。
 ▼ 147 N9Xja27O2I 25/08/27 19:43:03 ID:o4hs9/tk [2/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「私…負けません…!」

虹ヶ丘ましろ「ソ、ソラちゃん…?なんで…!?」

 洗脳されまいと気持ちを強く持ち、抵抗するソラに、困惑するましろ。ツバサとエルもソラに続く。

夕凪ツバサ「もう…お前の言いなりになんか………ならない…!」

エル「絶対に取り戻してみせる……!本当の……スカイランドを……みんなを……!!」

 一度は石の力に魅入られ、何の疑問を抱くことなくホップ達や彼等のポケモン達を攻撃していたソラ。再びその石の力、更にその持ち主であるダスピアの力に、彼女達は己の意思で必死に抗っていたのだ。

Ms.ダスピア「何故だ…何故受け入れない…!?」

夕凪ツバサ「それは……お前にはないものが………あるからだ……!」

聖あげは「な…何を言っているの、少年…?」
 ▼ 148 N9Xja27O2I 25/08/27 19:45:18 ID:o4hs9/tk [3/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エル「私達ヒーローには…プリキュアには…心があるんだ…!正しいとは何か考え、正しいことを最後までやり抜く……心が……!だから……!」

ソラ・ハレワタール「思い出してください!ましろさんっ、あげはさんっ!はあああああっ!!」

 遂に、ソラはその拘束を自力で破り、ミラージュペンを構えてキュアスカイにチェンジ、ダスピアに向かって一直線。
 突然の出来事に、ダスピアも、ましろも、あげはも反応が間に合わない。もう、止められないのだ。

ホップ「ソラ…アイツ…!」

キュアスカイ「立ち止まるなっ!ヒーローガールッッッ!!」

Ms.ダスピア「ぐっ…おおおおお!!」

 渾身のヒーローガール・スカイパンチ。ダスピアは直撃を回避した―――否、最初からソラ、もといキュアスカイの狙いはダスピア本人ではない。

キュアスカイ「こんなものの支配に、負けないでください!!」

 スカイの放った、青い光を纏う拳は流星のように、ダスピアが持っていた文献、そしてそこに埋め込まれていた紫色の水晶に一直線。文献は燃え尽きるように消えていき、水晶も粉々に砕かれた。

 瞬間、王、王妃、ましろ、あげはの方から、何かガラスのようなものが割れる音がした。その矢先に、城内各地からも同様の音が聞こえ始める。
 ▼ 149 スイウインディ@そらのシズメダマ 25/08/27 19:46:21 ID:2bx6F/Ho [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
おっ!?
 ▼ 150 N9Xja27O2I 25/08/27 19:46:32 ID:o4hs9/tk [4/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
虹ヶ丘ましろ「うっ……」

聖あげは「あっ……」

 フラッと来た2人、続けて王と王妃も頭を抱えながらゆっくりと地に伏し、意識を手放す。

ホップ「何が…起こったんだ…?」

ビート「この音は…何かが割れている…?」

マサル「……よく見ろ!そこで倒れている王と王妃が身につけていた、ペンダントが砕けてるぞ!」

 近くで倒れていた王と王妃を見つけ、マサルがすぐに気づく。そこで、先程一斉に発生した音が、ペンダントの自壊であると一行は確信した。

 キュアスカイがダスピアの持っていた文献諸共、水晶を破壊したことを皮切りに、ペンダントをぶら下げられたキュアスカイ、ツバサ、エル。この場に居合わせていたましろ、あげは。そして、城内で倒れている青の護衛隊の首元にあるペンダントが一斉に割れたのだ。

 やがて、ツバサとエルも拘束を解いて脱出。ミラージュペンを構えた。

夕凪ツバサ「ひろがるチェンジ・ウィング!」
エル「ひろがるチェンジ・マジェスティ!」

 2人もプリキュアに変身。キュアスカイと共にダスピアと対峙する。

キュアスカイ「ウィング、マジェスティ!ホップさん達の救出と、ましろさんとあげはさん達の避難をお願いします!」

キュアウィング「はい!」

キュアマジェスティ「スカイは、ダスピアをお願い!」
 ▼ 151 N9Xja27O2I 25/08/27 19:46:58 ID:o4hs9/tk [5/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ウィングはホップ達の拘束を解き、没収されたモンスターボールの解放を、マジェスティはまず優先的に近くで倒れているましろとあげはを、ホップ達の近くで倒れている王と王妃のもとへ運ぶ。
 スカイは、その2人を守る様にダスピアの目の前に立ち塞がった。

Ms.ダスピア「……残念ですよ、キュアスカイ。




…ヒーロー失格だ。ひろがるチェンジ・ダスピア」

 対峙するダスピアは、スカイに敵意を向け、キュアディスペアへチェンジ。スカイと一対一になる。

キュアスカイ「あなたがどうしてこんなことをして、何を考えているのかはわかりませんが、それでも…!こんな…誰も幸せにならない戦いなんて、終わらせてみせます!」

 スカイはディスペアに突進、拳や脚を振るう。ディスペアはその攻撃を的確に捌き、躱していく。

キュアディスペア「甘い」

キュアスカイ「きゃあっ…!」

 カウンターに手痛い一撃を貰い、後退させられるスカイ。

「スカイ!」     「ソラちゃん!」

キュアスカイ「はっ…!」

 後ろを振り返ると、キュアウィングとキュアマジェスティ、更に救出されたユウリ達がポケモンを繰り出し、揃い踏みだ。
 ▼ 152 N9Xja27O2I 25/08/27 19:47:34 ID:o4hs9/tk [6/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「やっぱりあなたが元凶だったのね!」

ホップ「だがもうオマエの手駒はいない!観念しろ!」

キュアウィング「僕らだけでなく、ましろさんやあげはさんまで巻き込んで、あなたの片棒を担がせたことも、許しませんよ!」

キュアディスペア「ちっ…!」

マリィ「ズルズキン、ドレインパンチ!」
マサル「ヨクバリス、のしかかりだ!」
ホップ「バイウールー、すてみタックル!」

 3匹のポケモンが、ディスペアとの距離を詰める。ディスペアは回避し、カウンターの蹴りの体勢に入る。

キュアディスペア「下等生物ごときに…!」
 ▼ 153 N9Xja27O2I 25/08/27 19:48:25 ID:o4hs9/tk [7/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビート「ニンフィア、ムーンフォース!」
ユウリ「リザードン、だいもんじ!」

 ディスペアの追撃は、2匹のポケモンの遠距離攻撃により阻まれ、バックジャンプで避ける。そこにはスカイ達が接近していた。

キュアスカイ「たああっ!」
キュアウィング「はあっ!」
キュアマジェスティ「えいっ!」

キュアディスペア「くっ…!」

 流石にこの波状攻撃は捌き切れず、ディスペアは吹き飛ぶ。立ち上がるディスペアを見て、全員は反撃に備える。

キュアディスペア「このままで…済むと思うな…!」

キュアスカイ「待ちなさい!」

 ディスペアは跳躍し、どこかへと飛び去る。スカイは追いかけるが、跳ばれたことで逃がしてしまった。
 ▼ 154 N9Xja27O2I 25/08/27 19:48:45 ID:o4hs9/tk [8/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「逃がしたか…けど」

 振り返ると、倒れていたましろとあげは、王と王妃が意識を取り戻した。

キュアウィング「皆さんを取り返せたのは、本当によかったです…!」

聖あげは「あれ……私…いつの間に寝てたんだろ…」

キュアスカイ「ましろさん!あげはさん!」

虹ヶ丘ましろ「ソ、ソラ…ちゃん……ソラちゃん!?」

聖あげは「ソラちゃん!それに…ツバサ君にエルちゃん!」

キュアマジェスティ「ましろー!あげはー!良かったー!」

王「むぅぅ……はっ!エル!」

王妃「皆さん!」

エル「パパ!ママ!」

 意識を取り戻した一行とようやく再会できたことを喜び合うスカイ達。その様子を、遠目からユウリ達は眺めていた。

ユウリ「よかった。本当に…!」

ホップ「ああ…!まだ、アイツを止められたわけじゃないが、みんなを元に戻せたし、それだけでアイツの戦力を大きく削ぐことができた!希望は見えて来たぞ!」

―――
 ▼ 155 N9Xja27O2I 25/08/27 19:50:07 ID:o4hs9/tk [9/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
王「ホップ君、皆様…この度は誠に申し訳なかった…!我々が、あのダスピアという女に隙を見せたばかりに…!」

マサル「あんたらも被害者だろ。それに、あいつはまだ何か企んでる以上、安心できない」

聖あげは「やっぱり、あいつ不審者だったわ…いや、むしろもう最低最悪の悪者じゃん!」

虹ヶ丘ましろ「みんな、本当にごめん!もう本当にひどいことしちゃって!」

ソラ・ハレワタール「私達もです…ホップさん、皆さん、ごめんなさい!」

ホップ「オイオイ、みんなだって被害者なんだろ!?悪いのは全部ダスピアってヤツに決まってる!」

 話によれば、ましろとあげははスカイランドに到着した際、「より強い未知の敵に立ち向かうためのお守り」と称して、例のペンダントを渡された。案の定、身につけた瞬間から力は増幅したが、生命をも消す程の力を得ると共に、「ポケモンを倒す」ことに何の疑問も抱かなくなったのだ。

マサル「…」

ビート「どうしたのですか、マサル君」

 1人考え事をしていたマサルに気付いたビートが声をかける。

マサル「とりあえず、ソラ達が突然凶暴になった原因は、案の定ダスピアの野郎で決まった。だが、あいつとの戦いが終わった訳じゃない。何より、まだ謎がある」

マリィ「謎…?」

 マサルの言葉に、全員の注目が集まった。
 ▼ 156 N9Xja27O2I 25/08/27 19:51:35 ID:o4hs9/tk [10/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「あいつが、ソラ達全員を操ってまでやろうとしたことは、俺達やポケモンの抹殺、そして俺達の世界への侵攻。言うなれば、ポケモンと言う種族そのものを絶滅させようしていた、と考えられるな」

マサル「…だがその動機がわからん。しかも、そのユウリが盗み聞きしていた会話の内容から察するに、ポケモンという種族をそこで初めて知ったが、その存在は昔からこの国にいたことになっている…その真相がまだわからん」

 マサルの鋭い洞察力に、誰もが頷き、また「確かに」と同調する者ばかり。

夕凪ツバサ「それに、ここに来る前に話していた、謎の文献の存在…王様達でさえ誰も知らなかった文献を、何故突然現れたダスピアだけが知っていたのか……」

マサル「……ここまで来ると、ツバサが言うその件から、一番きな臭い匂いがするな。無関係とも思えない。とにかく、奴が逃げた先は…多分、あの塀を越えた先だ。どっちみちあいつをこのまま逃がす訳にはいかない。追いかけようぜ」

キュアスカイ「そうですね!彼女を放ってはおけませんし、何より真実を暴く為です!…そして、今回の事件の責任でもあります」

 誰も異を唱える者はいなかった。先程までダスピアの支配下にあったましろやあげは、王や王妃も同じだ。

ホップ「戦えるヤツは、一緒に王都の外へヤツを追いかけるぞ!今度こそ決着をつけるんだ!」

「おお!」

エル「パパ、ママ。私、行ってくる!」

王「どうかお気をつけて…!」

王妃「護衛隊や、国の事は任せてください。もう、負けません!」

 5人のポケモントレーナー、5人のプリキュアが遂に集結。彼等は、最後の戦いの為に、王都の外へと飛び出していった。
 ▼ 157 N9Xja27O2I 25/08/27 19:51:55 ID:o4hs9/tk [11/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド 王城〜
シャララ隊長「…………ん……」

 ホップ達が城の外へ逃げ、王都の外へ向かっているであろうダスピアの追跡を開始した頃、城の中で力尽きていたシャララが意識を取り戻す。先程のソラの活躍により、城中でペンダントは割れ、消え去っていた。それは、離れたところで力尽きていたシャララ達も例外ではなかった。

シャララ隊長「なんだ……今まで、私達は、なぜ戦っていた……!」

 石の力で、何の疑問も持たず、ただポケモンを殲滅することしか考えていなかったシャララも、ソラ達同様、そのペンダントを失えば、それまで封じられていた「思考」が解放され、脳がクリアになる。
 そこで、ようやく悟る。自分達は自我を持っていたようで、ただの傀儡にされていたのだと。

シャララ隊長「ダスピアめ……警戒すべきだったか…!しかし、あの文献は一体…?」

 シャララも、ダスピアと初めて城内で見かけた時のことや、その時持っていた、スカイランドの誰も知らなかった文献のことを思い出す。そして今のホップ達やソラ達と同じ疑問の1つに、シャララも辿り着いた。
 ▼ 158 N9Xja27O2I 25/08/27 19:52:23 ID:o4hs9/tk [12/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「シャララ隊長!」

 ふと声がする方を振り向くと、負傷した青の護衛隊隊員たちの数人、そしてマサル、ビート、マリィに倒されたアリリ副隊長とベリィベリーがいた。やはり彼等も意識と自我を取り戻したようだ。

シャララ隊長「みんな…無事だったか!?」

アリリ副隊長「はい。我々はつい先程起きました。それに、我々の意識が奪われていたとはいえ、我々と戦っていたあのポケモントレーナー達は、どうも我々の命を奪うことまではしなかったようです」

シャララ隊長「…だろうな。それもその筈…そもそも本来ならば、まず彼等は本当に侵略者だったのか…もっと言うなら、あのダスピアが持ち掛けてきた話が真実かどうか、まずはそこから考える必要があったのだ」

ベリィベリー「本当に侵略者なら、すぐにでも我々を殺すべきだったのに、しなかった。それに…戦っている間は何故か考えられませんでしたが、彼等は途中まで、我々に恐怖していた。どうも侵略者の考えることとは程遠い…」
 ▼ 159 N9Xja27O2I 25/08/27 19:53:21 ID:o4hs9/tk [13/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 アリリ達も、やはりホップ達についてダスピアに騙されていたのだと理解し始めていた。シャララはアリリ達に背を向け、身体に鞭打つように歩き出す。

アリリ副隊長「隊長!どこへ行かれるのですか?」

シャララ隊長「……全ての責任を、負いに行く。我々がしてしまった過ち、そのけじめをつけに行く」

ベリィベリー「そ、それなら私達だって…!うっ!」

アリリ副隊長「ベリィベリー!」

シャララ隊長「…殺されなかったとはいえ、相当やられたようだな…君も」

シャララ隊長「君達は、有事の際に備え、療養に専念してくれ」

ベリィベリー「ぐ…私は、まだ…!」

シャララ隊長「行くぞ、ワシオーン」

バサッ

ワシオーン「お呼びとあらば!」

ベリィベリー「隊長ーっ!」

 ベリィベリーとアリリに回復するよう命令だけ言い残し、シャララはワシオーンに跨り、空へ飛び立つ。目指す先はダスピアの元だ。

シャララ隊長「ソラ……ホップ殿……みんな……!」
 ▼ 160 N9Xja27O2I 25/08/27 19:55:10 ID:o4hs9/tk [14/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド 王都外〜
ホップ「見つけたぞ!」

Ms.ダスピア「…やはりここまでも来ましたか」

マリィ「…!?みんな、あいつの後ろ見て!」

 マリィの指差しに反応して、ダスピアの後ろを見る。そこには、ホップ達が見覚えのある光と、見覚えのあるポケモン達であった。

ホップ「あの光は……!見張り塔跡地でオレ達が落ちた時と同じ…!いや、それよりも!」

ユウリ「ワイルドエリアにいた、ポケモン達…!バンギラスに、マルヤクデ…セキタンザンに、キテルグマまで…!」

虹ヶ丘ましろ「ど、どういうことなの??」

 困惑するプリキュア達。だが、最早見間違いのないこの光景を前に、ホップ達は絶句していた。
 だが、ここまで集まった情報、そこから得た仮説や推論、そして、今目の前の光景。ダスピアだけが何故ポケモンに関する文献を知っており、そしてその文献ではポケモンが怪物と書かれていたか、そして、プリキュア達を操ってまでそのポケモンを抹殺させようとしたのか…。冷静さを取り戻した彼等は、ようやく確信に至った。
 ▼ 161 N9Xja27O2I 25/08/27 19:56:07 ID:o4hs9/tk [15/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「…通りで、1週間前からガラル地方のポケモンの数が減っていたわけだぞ」

夕凪ツバサ「そうですね…しかもその頃に、このスカイランドにポケモンが現れ始めた…いや……


連れて来られた、ということですね」

ソラ・ハレワタール「…!?」

虹ヶ丘ましろ「連れて来られたって…!?」

聖あげは「本来の生息地から引き離されて、持ち込まれた…!?」

Ms.ダスピア「…」

 ホップとツバサの推理、指摘を前に冷静に沈黙するダスピア。ホップ達は続けた。
 ▼ 162 N9Xja27O2I 25/08/27 19:57:08 ID:o4hs9/tk [16/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「……どうやってガラル地方とスカイランドを繋げてこんなことをしたかは知らないが、間違いなくこのポケモン達は、いなくなる前に最後に見たポケモン達だ」

ユウリ「ホップなんて毎日言ってるし、あたしだってあのポケモン達は見たもん!」

Ms.ダスピア「…くだらない。同じ種族が何匹もいるポケモンごときで、そんなピンポイントで分かる訳」

マサル「お前にはわからないだろうな。ポケモンを見下し、あまつさえこんな回りくどいやり方してまで殺そうとしたお前なんかに!」

ビート「……そうか…!」

マリィ「ビート?」

ビート「わざわざポケモンを連れてきて、その上でソラさん達を洗脳した……そんなことせずとも、際所からソラさん達だけを洗脳し、水面下で準備して攻め込む方が滅ぼすにも早い筈。それなのに、何故わざわざ連れてきたか…」

エル「た、確かに、それは変かも!」

ホップ「…ビート、言いたいことが分かったぞ」

虹ヶ丘ましろ「一体どういうことなのぉ!?」

 ビートの更なる推理に、ホップも同調する。マサルも頷いていた。そしてホップは言い放つ。

ホップ「…あえてこの世界に本来存在しないポケモンを連れてきて、本当に危険な怪物であるかのように、見せかけたかった。それがオマエの狙いか!」

ソラ・ハレワタール「なっ…!?」

ユウリ「そんなことって…!?」

 驚くソラとユウリ。周りも何人かは同じだ。だがその中でも冷静な面々だけが、更に続けた。
 ▼ 163 N9Xja27O2I 25/08/27 19:59:02 ID:o4hs9/tk [17/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「ってことは、わざわざ用意したって言う、あんたしか知らないっていうその文献も、そもそも真っ赤な嘘!…そう考えれば全ての辻褄が合うわ」

夕凪ツバサ「ええ。あのペンダントは、僕らを操る為だけでなく、そうした真実に絶対に辿り着かせないようにするため。そうでなければ、少し考えればおかしいとわかることでしたよ!古代スカイランドの記述があるような文献を、誰も知らないのにあなただけが知っているだなんてね!」

ビート「全ては、貴様が仕組んだ茶番だったという訳か…!」

 これまでの数々の不審な言動・行動、不可解な現象の数々、謎に包まれていた古代の文献。その全ての真実が明るみに出たことに、考察組はキッと睨みつけ、真実を聞かされ知った面々は愕然とし、張本人のMs.ダスピアは無表情で、それでいて一切の動揺を見せることなく、沈黙を見せていた。

エル「なんてことなの……!」

ソラ・ハレワタール「こんなことの為に…私達は…!」

ユウリ「許せない…!ポケモン達だけでなく、ソラちゃん達の国まで滅茶苦茶にしたのもあんただったなんて!」

マリィ「…生まれて初めてばい。ここまで胸糞悪いヤツに会ったなんて…!」

ビート「フン。我ながら、ラテラルタウンの遺跡の件の方がまだマシですよ。百ある選択肢の中でも最悪のチョイス、いいや、選択肢にすらない外道の極みですね」

マリィ「あ、一応あれの自覚…ってか反省はあったんだ」


ビート「あなたは僕を何だと思ってるんだ…まぁそのことは良い。とにかく、もうこれで貴様に逃げ場はなくなったね」

ホップ「ああ、今度こそ観念してもらうぞ!」

Ms.ダスピア「……」
 ▼ 164 N9Xja27O2I 25/08/27 20:00:13 ID:o4hs9/tk [18/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
虹ヶ丘ましろ「許せない!ソラちゃん達の…プリキュアのことですら弄んでまで、私達に取り返しのつかないことをさせようとしてたなんて!」

エル「もう本当に怒った!パパとママのためにも、スカイランドの為にも、そしてポケモン達やみんなの為にもあなたをここで倒す!」

ソラ・ハレワタール「あなたが…何のためにポケモンさんやポケモントレーナーの皆さんをそこまで恨むかは、私にもわかりません。でも1つだけわかるのは…!


あなたがやろうとしていることは、絶対に止めなくてはならないことです!今度こそ、ヒーローとして!」

 ここに来て残りの面々の決意も固まり、全員の心が1つになった。ダスピアにもう味方、否、手駒はいなくなったのだ。

 形勢逆転されたようにも見えるダスピアはと言うと、全く同様もしておらず、むしろ不敵な笑みを浮かべた。

Ms.ダスピア「……ふ…ふふふ…!」

ホップ「何がおかしい!」
 ▼ 165 N9Xja27O2I 25/08/27 20:01:02 ID:o4hs9/tk [19/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Ms.ダスピア「まさか、プリキュアの皆さんまで逆に味方につけてしまうとは思いませんでしたよ…ですが…


私がこの程度で負けるとでも?」

 ミラージュペンらしきアイテムを取り再び構える。対峙するソラ達もミラージュペンを構える。一方のホップ達はと言うと、モンスターボールを構えるが、既に手持ちの多くが満身創痍で、回復の道具も尽きかけていた。

虹ヶ丘ましろ「ミラージュペン…!」

聖あげは「みんな、やるよ!今度こそ!」

「はい!」「うん!」「ええ!」

ソラ・ハレワタール「今度こそ、ヒーローの出番です!」
 ▼ 166 N9Xja27O2I 25/08/27 20:01:36 ID:o4hs9/tk [20/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
5人「ひろがるチェンジ!」

 5人が一斉にチェンジ。ダスピアの眼前には、5人のプリキュアが集結していた。

キュアスカイ「無限にひろがる青い空・キュアスカイ!」
キュアプリズム「ふわりひろがる優しい光・キュアプリズム!」
キュアウィング「天高くひろがる勇気・キュアウィング!」
キュアバタフライ「アゲてひろがるワンダホー・キュアバタフライ!」
キュアマジェスティ「降り立つ気高き神秘・キュアマジェスティ!」

5人「Ready GO!ひろがるスカイ!プリキュア!」

ホップ「す、すげえ……これが、本来のプリキュア全員集合か…!」

Ms.ダスピア「ひろがるチェンジ・ディスペア」
キュアディスペア「敵にひろがる絶望を・キュアディスペア…!」

 ダスピアもまた、プリキュアのような姿へチェンジ。先程まで手駒と化していた5人、そしてホップ達と相対する。

ユウリ「来るよ、みんな!あたし達も、ソラちゃん達に続くよ!」

マサル「とは言え…もう俺達のポケモンは…」
 ▼ 167 N9Xja27O2I 25/08/27 20:06:10 ID:o4hs9/tk [21/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアバタフライ「なら、私に任せて☆」

 そう言いながらキュアバタフライは絵の具のパレットのようなアイテムを取り出し、指でなぞった。

キュアバタフライ「ミックスパレット!癒しの力、アゲてこっ☆」

 ミックスパレットの光を吸収した筆型のアイテムから光が降り注ぎ、ホップ達や、彼等が所持しているモンスターボールを包み込む。

ホップ「これは…!?」

 すると、ホップ達自身が負った怪我が癒えていき、更にポケモンのステータスを確認すると、体力、PPなどが全て回復していた。バタフライが用いたアイテム・ミックスパレットは、敵や味方に様々なバフやデバフを発動できる。ヒーラーを担うことも可能なのだ。

ビート「信じられない…ポケモン達が回復している…これもプリキュアの力なのか…!?」

 驚く一行にウインクで返し、背を向けてディスペアに向かっていく。
 ホップ達は再度ボールを構え、今度こそ臨戦態勢だ。

ホップ「…行くぞ、みんな!」
「おう!」「うん!」

 各々ポケモンを出し、ディスペアへ向かっていった。
 ▼ 168 ルンゲル@プロテクター 25/08/27 20:08:12 ID:2bx6F/Ho [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
アツい逆転劇キタコレ
てか、ぶっちゃけどこかで裏切ってユウリに執着すると思ってたマサルも、ここまで来て尚ちゃんと味方のまま…!?まさか本当にここのマサルはガチのいい人路線なら更にアツい
 ▼ 169 N9Xja27O2I 25/08/28 20:25:40 ID:91P.lqMs [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ&キュアプリズム「はあああっ!」

キュアディスペア「ふっ…!」

 2人の拳を両腕で軽く防ぐディスペア。そのまま腕をつかみ、投げ飛ばした。

キュアスカイ「きゃあっ…!」
キュアプリズム「すごい力…!もうあの石はなくなったのに…!」

キュアウィング「そこだあっ!」
キュアマジェスティ「外さないわ!」

 背後からウィングの蹴りとマジェスティの光剣が来るも、ディスペアは反応して振り向き、回避する。

キュアバタフライ「すばしっこいわね!ならこれでどう!?」

 逃げた先に待ち構えていたバタフライの回し蹴り。今度こそ直撃―――

キュアディスペア「甘いですね、元ヒーロー」

キュアバタフライ「!? ああっ!」

 ――に至らず、逆に蹴り返されてしまった。
 ▼ 170 N9Xja27O2I 25/08/28 20:26:07 ID:91P.lqMs [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアディスペア「たとえあの石の力がなくとも、私はヒーローなのですから。堕ちた元ヒーロー共に負けはしません」

キュアスカイ「なっ…!」

キュアウィング「ふざけるな…!お前の言いなりになるようなヒーローがいるものか…!」

ホップ「その通りだぞ!」

キュアプリズム「! みんな…!」

 駆け付けたホップ達が、5人より前に出て、ディスペアの眼前に、ポケモンと共に立つ。
 ▼ 171 N9Xja27O2I 25/08/28 20:27:02 ID:91P.lqMs [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「あたし達だって、戦えるんだから!」

マサル「全ての真実が暴かれた以上、もう遠慮はしない。心置きなく、元凶のお前を倒してやるよ。チャンピオンと、そしてそのチャンピオンと張り合ってきた俺達がな!」

 3人の掛け声とともに、全員がポケモンに指示を出す。

ユウリ「イオルブ、サイコキネシス!」
イオルブ「イオオオオ!」

キュアディスペア「ぐっ…!」

ホップ「バイウールー、すてみタックル!」
マサル「ジャラランガ、インファイト!」
マリィ「モルペコ、オーラぐるま!」

バイウールー「メェェェェ!」
ジャラランガ「ジャランラァ!」
モルペコ「うららー!」

キュアディスペア「ちっ…!」

 対プリキュア戦ではフリーな状態から5人の攻撃を捌いたディスペアも、身動きが取れなければ被弾する以外にない。3匹の物理攻撃をまともに受け、吹き飛んだ。そこに次はビートとユウリのポケモンが追撃する。

ビート「ニンフィア、ムーンフォース!」
ユウリ「イオルブ、もう一度サイコキネシス!」

ニンフィア「ふぃあああー!」
イオルブ「イオオ!」

キュアディスペア「ぐおっ…!」

 月のパワーから生成された光弾と、先程とは違い拘束ではなく念動力の塊の同時攻撃も直撃した。
 ▼ 172 N9Xja27O2I 25/08/28 20:28:35 ID:91P.lqMs [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「これが…ポケモンさん…そしてホップさん達の力…!」

キュアバタフライ「チャンピオンとか言ってたけど、やっぱすんごい強いんだ…!」

キュアウィング「僕らもまだまだやれます!彼等を援護しましょう!」

 ユウリ達の見事な連携を目の当たりにし、再び闘志を奮い立たせて立ち上がったプリキュア達。再度攻撃に参加した。

 プリズムは光弾を連射した。だがディスペアは余裕の構えを取る。

キュアディスペア「そんなもの…全て撃ち落とす!」

 己の拳だけで光弾を撃ち落とし続ける。だが、すぐにこの光弾の意図をディスペアは気づくことになる。

キュアスカイ「ただの正面突破ではありません!たああっ!」

キュアディスペア「何っ…!」

 一部の光弾の上を体術で足場代わりに伝っていたスカイが上から跳び蹴りで奇襲。後退しようとするディスペアであったが…。

キュアマジェスティ「今度は逃がさない!」

キュアディスペア「このっ…!」

 背後から光剣で斬りかかったマジェスティに阻まれ、今度は2人分の攻撃がクリーンヒット。

キュアバタフライ「いくよ、ウィング!」
キュアウィング「はい!」
 ▼ 173 N9Xja27O2I 25/08/28 20:29:02 ID:91P.lqMs [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアバタフライ「全ての色を一つに!ミックスパレット!」

 先程は味方の回復に使用したミックスパレットを取り出すバタフライ。レッド、イエロー、ブルー、ホワイトの色素に1つずつ筆を着色させていく。

キュアバタフライ「まぜまぜカラーチャージ!」

 4色を纏ったペンからは虹色の光が発現、ミックスパレットにエネルギーを溜めていく。

 その光はキュアウィングに降り注ぎ、巨大な火の鳥のような姿に変身した。

ユウリ「これもプリキュアの力!?」

マリィ「こんな力も持ってたなんて…!?」

ホップ「操られている間に使われてたらと思うとゾッとするぞ…」
 ▼ 174 N9Xja27O2I 25/08/28 20:30:04 ID:91P.lqMs [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 羽ばたく火の鳥の上に、バタフライが乗り、やがて火の鳥は虹色の光を放ちながら上昇していく。

キュアバタフライ「プリキュア・タイタニック・レインボー!」

 高度が最高潮に達し、火の鳥の姿が変化。虹色に輝き、巨大な姿になる。その姿は、先程の凛々しい火の鳥から打って変わって、マスコットのような姿だ。
 キュアウィング、もとい夕凪ツバサは人間の姿とは別に、プニバードと呼ばれるスカイランド特有の鳥類の姿を持つ。たった今変化したのは、そのプニバードの巨大化した姿だ。

キュアバタフライ「アターック!」

 バタフライの掛け声とともに、ディスペアの頭上から巨大プニバードが全体重を乗せて急降下。
 ▼ 175 N9Xja27O2I 25/08/28 20:32:12 ID:91P.lqMs [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアディスペア「ぐあっ…!」

 回避行動をとっていた為か直撃とはならずとも、衝撃で吹き飛ばされるだけでも十分なダメージとなり、地面に転がされたディスペア。負傷した身体に鞭打つ様に立ち上がるその様、ポケモン達とプリキュア達に向けた険しい視線は、最早執念と呼ぶべきものであった。

キュアディスペア「おのれ…!」

マサル「ったく、タフな野郎だぜ」

 応じる様に、マサル達も臨戦態勢を継続。だがそこで、キュアスカイが前に出て、キュアディスペアの目の前に立った。

キュアスカイ「ダスピアさん!もう降参してください!これ以上戦っても、何も意味がありません!」

キュアディスペア「何…?」

ユウリ「ソラちゃん…?」

マリィ「一体、なんで…?」

ホップ「……アイツの中では、ヒーローはただ戦うだけの存在じゃないんだろ。…うまく言えないけどさ」

 ポケモントレーナー陣営の多くが困惑する中、ホップはその意図を汲み取ろうとしていた。キュアスカイは、ディスペアに対し停戦を呼びかけ、そして続けた。
 ▼ 176 N9Xja27O2I 25/08/28 20:33:56 ID:91P.lqMs [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「あなたが何故、私達やスカイランドを操ってまでポケモンさん達を倒そうとしたのか、そもそもあなたが何者なのか、私達にはわからないことばかりです。ですが!」

キュアスカイ「仮にもあなたもプリキュアなら…本当に平和を願っているのなら、戦うだけじゃダメなんです!……私達だって、好きであなたと戦っている訳じゃない!ちゃんと、対話をしてください!」

 スカイの提言に、他のメンバーも頷き、様子を見守る。ディスペアはと言うと、沈黙していた。

キュアスカイ「なぜ、こんなことをしたのですか…なぜ、そこまでポケモンさん達を狙うんですか!?」

 これだけ国を混乱に陥れた相手でさえ、キュアスカイは手を差し伸べようと、寄り添おうとする。だが次のキュアディスペアの返答により、その望みは打ち砕かれることとなる。

キュアディスペア「……邪魔…なんだよ…」

キュアスカイ「…!?」

ホップ「危ない!」

 ディスペアは、近づいてきたソラに攻撃する。ホップが咄嗟にザマゼンタを繰り出し、強固な盾で防御したことで、キュアスカイは事なきを得た。

キュアスカイ「…助かりました、ありがとうございます!ホップさん!…と、そのポケモンさん!」

ザマゼンタ「ウルォ」

キュアバタフライ「あいつ…!」

ビート「ソラさんの心遣いすら無駄とはね」

 よろよろと立ち上がったキュアディスペアは、憎悪に満ちた表情を向けながら、続けた。
 ▼ 177 N9Xja27O2I 25/08/28 20:35:06 ID:91P.lqMs [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアディスペア「私は…ようやくプリキュアになった!そしてあなた達をも仲間にした!はずだった!その力で勝ち取る平和な世界に、プリキュア以外は必要ない!いるだけ邪魔なのだ!」

 最早自分勝手な都合での激昂。

キュアウィング「ふざけるな……!そんな理由で、僕らや国を混乱に陥れ、挙句の果てには何の罪もない人や生命を僕らに奪わせようとしたのか!お前は!」

 ヒーローたる戦士の力を持つ者にあるまじき力の使い方。当然、声を荒げたウィングを筆頭に、皆、ディスペアの返答をよしとする者はいない。

キュアディスペア「ヒーローは、プリキュアだけで良い……!……オオオオオオオ!!!」

 その時、突如咆哮をあげたキュアディスペア。その身体から、黒い霧のようなものが流れ出してきた。
 プリキュア達は、彼女達にとって見覚えのあるその光景に絶句していた。

キュアプリズム「あっ…あれは!?」

キュアバタフライ「ちょっと、冗談でしょ…!?」

キュアマジェスティ「どうして…!?それって…!」

キュアスカイ「アンダーグ・エナジー!?」

 無機物を媒体とし、怪物である「ランボーグ」や「キョーボーグ」に変えてしまうエネルギー。人間に注ぎ込むのは本来無理がある話であり、以前にも一度だけ人体がランボーグ化された際、そのランボーグは戦闘中に不調が発生することもあった。
 だが先程までプリキュアに変身していた筈のダスピアは、何故かアンダーグ・エナジーを用いており、しかも自身の身体から発生し、自信を取り込んでいる。いわば、自ら媒体になったのである。

 つまり、ダスピア、もといキュアディスペアが媒体となりランボーグ、あるいは上位互換のキョーボーグが生み出されるのだろうと、キュアスカイ達は身構える。だが、実際に起きた光景は、その想像を絶する現象であった。

ホップ「な、何だ…!?うわっ!」

ユウリ「きゃあああ!?」
 ▼ 178 N9Xja27O2I 25/08/28 20:35:39 ID:91P.lqMs [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 キュアディスペアの身体から、アンダーグ・エナジーが溢れ出し、周囲に解き放たれる。その闇は、王都の外で傷つき、動けないポケモン達をも巻き込んでいく。

マサル「…!?お、おい!見ろ!ポケモン達が!」

キュアプリズム「一体、何が起こってるのぉ!?」

キュアスカイ「あ、あれは…!?」

 闇に包まれたポケモン達が苦しみだしたかと思えば、程なくしてぐったりする。次々に気を失っていくポケモン達。
 そしてポケモン達に纏わりついた闇は、再びキュアディスペアの元へと戻っていく。

キュアディスペア「オオオオ……アアアアア!!!」

 戻ってきた闇に包まれ、キュアディスペアは巨大化していくが、姿もまた変わっていく。闇のように深い紫色でありながらヒーロー然としたコスチュームの面影を残しているものの、その頭部や腕、脚などの特徴には、プリキュア達にとって見覚えのあるものだった。
 ▼ 179 N9Xja27O2I 25/08/28 20:36:21 ID:91P.lqMs [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「そんな…!?あれは…!?」

ユウリ「な、何あれー!?」

「ゼツボォォォーーーーグ!!!」

キュアプリズム「ゼツボーグ…!?そんなものがいたなんて…!?」

キュアバタフライ「あいつ…アンダーグ帝国の…!?それに、ゼツボーグですって…!?」

キュアウィング「ランボーグでも、キョーボーグでもない…!?いや、もっと禍々しい…!」

キュアマジェスティ「でもどういうことなの!?もうダークヘッドもいなくなって、アンダーグ帝国との戦いは終わったはずよ!?」

 ランボーグやキョーボーグのような面影が新たに発現。先程消失した文献を携えた杖が新たに装備されていた。
 ▼ 180 N9Xja27O2I 25/08/28 20:37:15 ID:91P.lqMs [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「な、何なんだよ!?これじゃまるで化け物だぞ!?」

ユウリ「し、しかも大き過ぎるよ!?」

マサル「お、おい!あそこにいるポケモン達、意識がないぞ!?」

キュアスカイ「まさか…さっきのアンダーグ・エナジーが…!?ポケモンさん達に何をしたんですか!ダスピア!」

 様子のおかしいポケモン達を見て、怒りながらゼツボーグに問いかけるスカイ。だがゼツボーグはそれに答えることなく、杖を構えた。

ゼツボーグ「ポケモン……倒ス……!」
ゼツボーグ「ゼツボォォォーーーーグ!!!」

 巨大な杖を大きく振りかぶったゼツボーグ。

ホップ「危ない!」

キュアスカイ「皆さん!逃げてーーー!!!」

 全員が一斉に退避。杖が振り下ろされ、大地を叩き割る。打ち付けられたところにはクレーターができていた。
 ▼ 181 N9Xja27O2I 25/08/28 20:39:23 ID:91P.lqMs [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリィ「何なのさあれ!あんなの反則じゃん!」

キュアスカイ「恐ろしい力…でも負けるわけにはいきません!相手がどんなに強くても!」

キュアプリズム「正しいことを最後までやり抜く!それがヒーロー!」

マサル「ここで負けたら、スカイランドどころか俺達の世界まで潰されちまう!退く訳にはいかない!」

 巨大な怪物・ゼツボーグと、それを止めるために立ち上がったプリキュア、そしてポケモントレーナー達。
 スカイランドを取り戻すため、そしてガラル地方をはじめとしたポケモンの世界への侵攻を食い止めるため、世界の運命は、彼等、彼女等に託された。
 ▼ 182 N9Xja27O2I 25/08/29 19:57:35 ID:/Hyg6f7I [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「これが最後の戦いだ!頼むぞザマゼンタ!」
ユウリ「お願い、ザシアン!」

ザマゼンタ「ウルォード!」
ザシアン「ウルゥード!」

マサル「俺達も行くぞ!いけっ、ジャラランガ!」
マリィ「ファイヤー!」   ビート「フリーザー!」

ジャラランガ「ジャララララ!」
ガラルファイヤー「ギェエエエエエ!」
ガラルフリーザー「フオオオオオオ!」

ゼツボーグ「ゼツボォォォーーーーグ!!!」

 杖を振り回し、暴れるゼツボーグ。ホップ達はポケモンに回避指示を出し、隙を見つけて攻撃指示を繰り出す。

ホップ「ザマゼンタ、インファイトだ!」
ザマゼンタ「ウルオオオ!!!」

 ザマゼンタ渾身の突撃。大振りな攻撃を回避し、がら空きとなった懐に突撃する。
 だがザマゼンタが触れようとした瞬間、突如弾かれ、ザマゼンタが吹き飛ばされてしまう。

ザマゼンタ「ウルァ…ッ!?」

ホップ「ザ、ザマゼンタ!?大丈夫か!?」
 ▼ 183 N9Xja27O2I 25/08/29 19:58:17 ID:/Hyg6f7I [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「何が起こったんだ…!?くそっ、ジャラランガ、スケイルノイズ!」
マリィ「ファイヤー、エアスラッシュ!」
ビート「フリーザー、ぼうふう!」

 異変を感じつつも、今度は遠距離技で一斉攻撃を仕掛ける。だがいずれもゼツボーグには届かず、アンダーグ・エナジーにより打ち消されてしまう。

マリィ「ウソ…!?」
ビート「どういうことだ…!?」

キュアウィング「今度は僕たちだ!ひろがる・ウィングアターック!」
キュアマジェスティ「ひろがる・マジックアワーズエンド!」
キュアバタフライ「ひろがる・バタフライプレス!」

 正面、背後、頭上の三方向からの攻撃、更に…。
 ▼ 184 N9Xja27O2I 25/08/29 19:59:10 ID:/Hyg6f7I [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「ヒーローガール・スカイパーンチッ!」
キュアプリズム「ヒーローガール・プリズムショットッ!」

 追撃に左右からもパンチと光弾。5人分の力ならと全員が一斉にゼツボーグへの攻撃を試みる。

キュアスカイ「きゃああっ!?」

キュアウィング「そんなっ…ぐあっ!」
キュアバタフライ&キュアマジェスティ「あああっ!!」

キュアプリズム「跳ね返ってきたあああ!?ひゃああ!!」

 無情にも彼女達の力でさえ弾き返してしまい、近接戦を試みた4人は地面に打ち付けられ、放たれた光弾は反射されてしまう。
 ▼ 185 N9Xja27O2I 25/08/29 19:59:41 ID:/Hyg6f7I [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリィ「ど、どうなっとー!?」
ビート「攻撃が効かない…!?まさか、さっきの闇がポケモン達を包んだのは…!?」
キュアウィング「まさか…ポケモン達の生命力を奪って…!?」
キュアマジェスティ「なんてひどいことを…!」

マサル「まだだ!まだユウリがいる!ホップ!」

ホップ「おう!行くぞユウリ!」
ユウリ「うん!ザシアン、きょじゅうざん!」
ホップ「ザマゼンタはきょじゅうだんだ!」

 伝説の英雄が、各々の得物である剣と盾。力を溜めて、剣は光に包まれ巨大な光剣と化し、盾は展開され、シールドバッシュ体勢となる。

ユウリ&ホップ「いっけーーーー!!!」

 合図と共に、ザシアン、ザマゼンタ渾身の同時攻撃。ゼツボーグの巨体を捉えた。

ザシアン「ウルウアアアアア!」
ザマゼンタ「ウルオオオオ!」
 ▼ 186 N9Xja27O2I 25/08/29 20:01:25 ID:/Hyg6f7I [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 しかし、無情にも妖精王の剣も、格闘王の盾も全く通らず、2匹は地面へと吹き飛ばされてしまった。

ユウリ「そんな…!」

ホップ「ここまでやってもダメなのかよ…!」

 キュアディスペアが自らゼツボーグへと変貌するその様子を目の当たりにした全員が、薄々感づき始める。先程までは自分達の攻撃が通っていたのに、今は全く通らないのだ。

ゼツボーグ「ゼツボォォォーーーーグ!!」

 ゼツボーグが杖を振り、落雷が落ちる。バタフライとマジェスティは既に体勢を立て直しており、防御態勢に入る。
 ▼ 187 ミッチュ@プラスパワー 25/08/29 20:02:05 ID:NfTMXW3s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ネ
 ▼ 188 N9Xja27O2I 25/08/29 20:02:12 ID:/Hyg6f7I [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアバタフライ「バタフライシールド!」
キュアマジェスティ「マジェスティックベール!」

 2人がかりで強固な守りを築き、防壁の展開も間に合った。しかし…。

キュアバタフライ「ちょっ、やばっ…!」
キュアマジェスティ「そんな…!」

キュアバタフライ&キュアマジェスティ「きゃああああ!!!」

 落雷はいとも容易く彼女達の守りをも打ち砕く。相手の攻撃は苛烈のあまり防げず、こちらの攻撃は無力化される。まさに変貌前と変貌後がその名に冠する通りの「絶望」であった。
 強力なアンダーグ・エナジー、そして守るべきであったポケモン達の生命力が、今、世界を滅ぼさんとする怪物によって、、ポケモンとポケモントレーナーを殲滅し、プリキュアの力すらも我がものにするために使われようとしていた。

マサル「こんなの…無茶苦茶が過ぎる…!」
キュアスカイ「どうすれば良いんですか…!?」

ホップ「そう言えばアイツの杖…!」

 ホップの思い出したような言葉に、全員の注目が集まる。先程スカイランド中を操っていた、水晶の埋まっていた文献と同じ形をしている。

キュアプリズム「まさか…あれのせい!?」

ホップ「確証はない…けど化け物になる前はあれがアイツの力の源だった!だからもしかしたら今も…!」

マサル「…迷ってる暇はないな。それに賭けようぜ」

 ホップの作戦にいの一番に乗ったマサル。それに続くように皆も頷く。
 だがゼツボーグの攻撃は苛烈。防御がダメなら避けるしかなく、杖のぶん回しや落雷などが絶え間なく襲ってくる中、誰もが徐々に疲弊していった。
 ▼ 189 N9Xja27O2I 25/08/29 20:03:26 ID:/Hyg6f7I [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「ぜぇ…ぜぇ……なんて凶暴なんですか…!」

ユウリ「攻め入る隙が無い…!このままじゃ…!」

ザシアン「ウルル…!」

ザマゼンタ「ウロロ…!」

 再びゼツボーグが杖を振りかぶる。今度は雷を纏っている様だ。狙いは、疲れ果てているザマゼンタに駆け寄っているホップだ。

ゼツボーグ「ポケモン……倒ス……!ゼツボォォォーーーーグ!!」

キュアスカイ「ホップさん!危ない!」

マサル「くそっ、間に合わない!逃げろホップーー!!」

ホップ「しまった…!」

 気づいたもののもう遅い。ザマゼンタを抱えて逃げることすら間に合わない。無慈悲にも杖を持つ腕は重力に従って動き始めた。

ユウリ「いやああああああ!!」

「……・はあっ!」

キンッ!

ビート「あ、あれは…!?」

 突如、横から何者かの乱入。巨大な鳥と、その上には衛兵用の剣を持った者が乗っており、ゼツボーグの腕に突撃した。
 ▼ 190 N9Xja27O2I 25/08/29 20:03:55 ID:/Hyg6f7I [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「シャ、シャララ隊長!?ご無事だったんですか!?」

シャララ隊長「誤った判断と操られた我等の未熟さ…今こそその責任を果たす時だ!」
ワシオーン「客人のポケモントレーナー達よ!先程までの非礼を詫びさせてもらう!この身を以て!」

 不意打ちに対処できず、ゼツボーグはよろけ、杖を落とした。

ホップ「よし!」

 だが転ばずに持ちこたえたゼツボーグはすぐに腕を振り回し、ワシオーンとシャララを吹き飛ばした。

シャララ隊長「がはっ…!」
ワシオーン「ぬおお…無念……!」

「シャララ隊長!」「シャララ!」「隊長さん!」

 捨て身の一撃で一矢報いるも反撃され、負傷したシャララに駆け寄るプリキュア達。後にホップ達も続いた。
 ▼ 191 N9Xja27O2I 25/08/29 20:04:21 ID:/Hyg6f7I [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「お前…何て無茶を…」

シャララ隊長「良いんだ……これは…私の責任だ……あのような者に、付け入る隙を与え…あまつさえ君達には惨いことをさせ…君達には命の危機にまで追い詰めてしまった…」

 共にポケモン殲滅に加担させてしまったキュアスカイ達と、自分達は追いつめてしまっていたホップ達。それぞれへ詫びる様に、声を振り絞ってまで思い詰めていたことを吐露する。キュアスカイ達は、自分達もまたシャララと同じで、操られてしまったとはいえこのような事態を招いたことへの責任を感じているため、シャララの気持ちは痛い程共感できるのだ。

ホップ「もう良い…無茶をするな!安全なところで休んでいてくれ…!」

シャララ隊長「けど…!」

マサル「この様子だと、あんた達も正気に戻ったみたいだな。落とし前をつけようとした気概は買うぜ。……そもそも、あんたらも被害者なんだけどな」

キュアスカイ「シャララ隊長…!私達も全力で、責務を全うします!たとえヒーローとしてやり直せなくても!」

シャララ隊長「皆……ぐふっ……」
 ▼ 192 N9Xja27O2I 25/08/29 20:05:05 ID:/Hyg6f7I [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 咳き込むシャララを抱えるキュアスカイとキュアプリズム。ゼツボーグはそんな彼女達を追撃せんと拳を振るう。

ホップ「また来る…!」

ザマゼンタ「ウルォ―ド!!」

 そこに、ザマゼンタが割って入り、その盾で拳を受け止める。

ホップ「ザマゼンタッ!! ……!?」

ゼツボーグ「ゼツボォォォーーーーグ…!?」

 だが先程のような、守りすら破壊する程の無双ぶりから一変、ザマゼンタの盾で、その拳を受けきれているのだ。

ホップ「…やっぱりそうだ!シャララのあの攻撃のお陰だな!」

 地面に落ち、真っ二つに折れた杖。ホップ達の仮説はまたも当たり、ようやく希望が見えてきたのだ。
 ▼ 193 N9Xja27O2I 25/08/29 20:05:24 ID:/Hyg6f7I [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「よーし!そのまま跳ね返せ!メタルバーストだ!」

 受けた力を増大させたうえで反射するメタルバースト。ガラルにいた時も鍛え上げて窮地をひっくり返し、ここスカイランドでも逆転の糸目を掴んできた裏の切り札だ。

ユウリ「ザシアン、あたし達も続くよ!せいなるつるぎ!」

ザシアン「ウルゥード!」

 キョダイマックスポケモンさえ一刀のもとに斬り捨てる剣。聖なる力を宿し、怯んだゼツボーグに追撃した。

ゼツボーグ「ゼツボォォォ…!?」

 大きな力を立て続けに受け、遂によろけたゼツボーグ。キュアスカイ達も見逃さなかった。
 ▼ 194 N9Xja27O2I 25/08/29 20:06:20 ID:/Hyg6f7I [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアバタフライ「すっご…攻撃が通っている…!?」

シャララ隊長「皆…頼むぞ…!」

キュアスカイ「ありがとうございます、シャララ隊長!あとは、任せてください!」

キュアバタフライ「ミックスパレット!」

 不思議な光で、メンバー全員を回復させるバタフライ。それだけではなかった。

シャララ隊長「みんな!これを!」

 シャララが何かを投げ、キュアスカイがキャッチした。その手には、青い石の欠片が握られていた。

キュアスカイ「これは…スカイジュエル!?」

シャララ隊長「もしもの時の為に…訓練用の武器と一緒に持ち出せた僅かな欠片だ…!」

キュアスカイ「ありがとうございます!よし…!ホップさん!」

 何かを思いついたように、キュアスカイはその石をホップ達へと渡した。
 その瞬間、スカイジュエルが強い光を放ったと思えば、すぐに輝きを失った。

ホップ「こ、これは…!?」

ユウリ「見て、みんな!」
 ▼ 195 N9Xja27O2I 25/08/29 20:28:51 ID:/Hyg6f7I [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 同時に、ホップ達5人の右腕に装着されているダイマックスバンドが反応。ガラルとは全く異なる次元でありながら、このバンドが光り輝くということは、ガラル地方のポケモントレーナーの切り札・ダイマックスが使えるということだ。

ホップ「ダイマックスバンド……今のスカイジュエルのお陰か!?サンキュー、ソラ!」

キュアスカイ「は、はい!…よくわかりませんが、皆さんのお役に立てたのなら!」

ホップ「みんな、行くぞ!」

「おう!」「はい!」「うん!」

 全員がザシアン、ザマゼンタ、ジャラランガ、フリーザー、ファイヤーをボールに戻し、それぞれ別のモンスターボール、スーパーボール、ダークボールを構える。彼等5人のダイマックスバンドが輝き、各々のボールを変化させ、巨大化させていく。

キュアウィング「皆さんのボールが…大きくなっていく!?」

キュアバタフライ「巨大化には巨大化ってこと!?アガっていくぅ〜!」

キュアマジェスティ「いっけー!みんなー!」

ホップ「行くぞ!インテレオン!」
ユウリ「エースバーン!」
マサル「ゴリランダー!」
ビート「ブリムオン!」
マリィ「オーロンゲ!」
 ▼ 196 N9Xja27O2I 25/08/29 20:29:39 ID:/Hyg6f7I [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ&ユウリ&マサル&ビート&マリィ「キョダイマックス!!!」

 放り投げられたダイマックスボールから、各々のエースポケモン達が姿を現す。ポケモンが巨大化するガラル地方特有の現象・ダイマックス。その中でも限られたポケモンだけが有する特別にして強力な姿。それがキョダイマックスだ。

キョダイマックス・インテレオン「ウォォォレオオオォォン…!」
キョダイマックス・エースバーン「ファァァイニイイィィィ…!」
キョダイマックス・ゴリランダー「グラァァァリラアアァァァ…!」
キョダイマックス・ブリムオン「ムウウウゥゥゥオオオォォォン…!」
キョダイマックス・オーロンゲ「オロロロォォォォン…!」

 空がダイマックスの雲に覆われ、キョダイマックスしたポケモン達が降臨する。大きさは、ゼツボーグと互角だ。
 大きくパワーアップした彼等に、トレーナー達が一斉攻撃の指示を仕掛ける。
 ▼ 197 N9Xja27O2I 25/08/29 20:30:48 ID:/Hyg6f7I [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「狙い撃てインテレオン!キョダイソゲキ!」
 水のスナイパーライフルから高圧縮の水流弾丸を放つ、キョダイソゲキ。

ユウリ「最大火力で蹴っ飛ばしていけー!キョダイカキュウ!」
 意思を持つ足元の巨大な炎のボールを、その右脚でキックしシュートする、キョダイカキュウ。

マサル「この一撃でどんな敵にも勝つ!キョダイコランダ!」
 巨大な樹木の太鼓をドラミングし、キョダイマックス前より巨大な樹木を生やして叩き付ける、キョダイコランダ。

ビート「大いなるピンクの裁きを与えよ!キョダイテンバツ!」
 妖精の力を敵への天罰に変え、静寂を妨げる者へ混乱をもたらす稲妻を落とす、キョダイテンバツ。

マリィ「あんたみたいなヤツはずっとねんねしてな!キョダイスイマ!」
 悪のオーラに巨大な睡魔を乗せ、眠気へと誘う、キョダイスイマ。

 キョダイマックス専用の特別な技が、一斉にゼツボーグに降り注ぎ、その装甲に少しずつヒビが割れる。
 ▼ 198 N9Xja27O2I 25/08/29 20:31:31 ID:/Hyg6f7I [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゼツボーグ「ゼツボ…オオオ…ポケモン…タオス…!」

マサル「ったく、タフな野郎だぜ」

マリィ「あいつ、不死身…!?」

ホップ「でも確かに効いているぞ!今度はオマエ達だ!ソラ!」

キュアスカイ「はい!」

 アンダーグ・エナジーが生み出したランボーグやキョーボーグは、ただ倒すだけではその場にアンダーグ・エナジーが残留し、また新たな彼等を生み出してしまう。それは恐らく、ゼツボーグであっても同じだろう。
 だからこそ、完全にその破壊活動を止めるには、プリキュア達の力・キラキラエナジーが必要なのだ。

キュアスカイ「今こそ、5人の心を一つに!」

 5人は天高く跳び上がった。

キュアスカイ「ヒーローガール…!」

スカイ&プリズム&ウィング&バタフライ&マジェスティ「せかいパーーーンチ!!」

 5人がそれぞれの光となり、一つになって巨大な虹色の光の拳になり、ゼツボーグへと突っ込んでいった。

ゼツボーグ「ゼツボォォ…!?」
 ▼ 199 N9Xja27O2I 25/08/29 20:32:47 ID:/Hyg6f7I [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアプリズム「あなたは、ポケモンへの憎しみで、こんなひどいことをしてきた…でも私達は!もうそんなあなたの言いなりになんてならない!」

キュアウィング「僕らは負けない!ただ憎い相手を力づくで消そうとする、お前なんかに!」

キュアバタフライ「あんたみたいなヤツの身勝手に、付き合う人はもういない!気に入らないからってその人や生き物を消そうとして、世界を狭めるあんたなんかに!」

キュアマジェスティ「私達は必ず勝つ!そして、スカイランドを取り戻して、ホップ達も、ポケモン達も助けるんだ!」

キュアスカイ「どんな絶望が押し寄せて来たって、超えて、強くなってみせます!それが私達、ヒーローだから…!ひろがるスカイ・プリキュアだからっ!」

 拳を打ち込まれたゼツボーグの身体の装甲が、少しずつ光となって澄み切っていく。やがて完全に消え、中からはキュアディスペアが姿を現した。
 目の前の敵を打ち倒したことで、キョダイマックスが解けたユウリ達の切り札は、モンスターボールへと戻っていく。
 ▼ 200 N9Xja27O2I 25/08/29 20:34:07 ID:/Hyg6f7I [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「これであなたの負けです。ダスピアさん!いえ……ダスピア!」

キュアディスペア「あり得ない……!ここまでやって、私が負けるなんて…!」

 強く全員を睨みつけるキュアディスペア。もう彼女には、再びゼツボーグとなるだけのアンダーグ・エナジーは残っていない。

キュアディスペア「許さない…許さない許さない許さない!せめて!ポケモン!お前達だけはああああ!!!」

 最後の足掻きと言わんばかりに、ポケモントレーナー達を直接狙おうと走り出すキュアディスペア。

 だが、そこにユウリが前に出る。そして、これまで出していなかった6個目のモンスターボールを構えた。

ユウリ「…ここからは、チャンピオンタイムだっ!」

 そして、ボールを放り投げた。ボールから光に包まれ、出て来たポケモンがキュアディスペアの前に降り立つ。そのポケモンは…。
 ▼ 201 N9Xja27O2I 25/08/29 20:38:15 ID:/Hyg6f7I [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※作者より
続きは明日と明後日になります。
ここまでユウリ以外は6匹全てを使ってきましたが、ユウリは5匹しか使っていませんでした。

果たしてユウリの6匹目は如何に?よかったら是非予想してみてください
 ▼ 202 ロデスナ@くろいにんじん 25/08/29 20:41:14 ID:VQAMac.s NGネーム登録 NGID登録 報告
絶望を越えて、私たちは強くなる


バドレックスかムゲンダイナは有力候補か?
 ▼ 203 ニューラ@りゅうのキバ 25/08/30 18:55:45 ID:cJKAGPQg NGネーム登録 NGID登録 報告
インテレオン、リザードン、ザシアン、ウーラオス、イオルブ
イオルブ以外は既にどれがラスイチでもおかしくないメンツ揃いで、果たしてラスイチ誰が来るのか
 ▼ 204 N9Xja27O2I 25/08/30 19:14:13 ID:tG3I3PO2 [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バイウールー「メェッ!」

キュアディスペア「……は?」

マサル「えっ……ユウリ、お前それは…」

ビート「あの人、何を血迷ったのですか?」

マリィ「そうだよ、最後だからって手を抜いちゃ…」

 バイウールー。ガラル地方で旅に出たトレーナーが、冒険を始めてすぐのところに生息しているようなポケモン・ウールーの進化系。これまで強力なポケモン達で激戦を繰り広げ、それがいよいよ決着しそうというところに繰り出されたのはバイウールー。誰もが困惑していた。

 ただ1人、そのポケモンをよく知る人物を除いて。
 ▼ 205 N9Xja27O2I 25/08/30 19:15:58 ID:tG3I3PO2 [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「…そうか、ユウリ。オマエ、そのバイウールーは!」

ユウリ「そうだよ!ホップと一緒に旅を始めて、メッソンの次に仲間になってくれたウールーだよ!」

ホップ「やっぱりそうか!」

 感心していたホップ。周りの困惑は益々強まる。

キュアバタフライ「さっきまで私達が戦ってた中で、特にそんな強そうに見えないなぁ…お仲間3人困っちゃってんじゃん」

マサル「そうか…思い出のポケモン…けどホップ、いくら何でも」

ホップ「まぁ、そう思うかもしれない。けどな、ユウリのバイウールー、そしてユウリを信じていれば大丈夫だぞ!」

 妙に自信満々なホップ、同じくユウリ。バイウールーと共に、消耗したキュアディスペアへと向く。
 ▼ 206 リン@でかいきんのたま 25/08/30 19:16:06 ID:tEhArLb6 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
!?
 ▼ 207 N9Xja27O2I 25/08/30 19:16:44 ID:tG3I3PO2 [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアディスペア「舐めるなあああ!そんな下等なポケモンなんかにいいいい!!!」

 激昂して襲い掛かるキュアディスペア。大半のアンダーグ・エナジーが消滅したとはいえ、まだ戦える。

ユウリ「ポケモンは…あたしのバイウールーは、あんたが思ってるような下等なんかじゃない!」

ユウリ「バイウールー、コットンガード!」

 ユウリが指示した技はコットンガード。綿をより集め、物理攻撃への耐性を大きく上昇させる技だ。

キュアディスペア「このっ!このおおお!!」

 ディスペアは殴りつけるが、存外硬くなっているバイウールーには響かない。

ユウリ「カウンター!」

 受けた物理攻撃のダメージを2倍にして返す、文字通りのカウンター攻撃。守りを固め、同時に力を失っているキュアディスペアの攻撃なら、バイウールーでも受けられることを利用した反撃だ。

キュアディスペア「ぐうっ…貴様ぁぁぁ!!」

 それでも渾身の一撃はやはりバイウールーにも響き、少しずつダメージが溜まっていく。だがユウリは冷静に、次の指示を出した。

ユウリ「これで3つ目!バイウールー、きしかいせい!」

バイウールー「メエエーーー!!!」

 消耗した体力を力に変え、渾身の力による攻撃・きしかいせい。ここまでで守りを固め、反撃し、それでもなお消耗した体力を逆手に取る反撃で、着実にディスペアを追い詰める。
 ▼ 208 N9Xja27O2I 25/08/30 19:18:05 ID:tG3I3PO2 [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリィ「すっご…思ったよりやるじゃん」

ホップ「みんなさ、ユウリがチャンピオンになってからの試合、見ていて何か気づかなかったか?」

マサル「何かを…?」

ビート「…毎試合、インテレオン以外のメンバーは変わっていましたが…、……!」

ホップ「…気づいたようだな」

ビート「彼女…今まで6匹目を使わずに決めていた…!?」

ホップ「その通りだ!そして、その6匹目は…チャンピオンとしてじゃない、普段のアイツとバトルした人にしか、今まで見せていなかったんだ」

マサル「知らなかった…って、おい!それならお前だけは知ってたのかよ、ホップ!」

ホップ「まあな!」

マリィ「なんか妬けちゃう。って、そんなことより!あと一歩やけん!ユウリー!」

 チャンピオンとしての冷静な判断から的確な反撃。キュアディスペアもそろそろ限界だ。

キュアディスペア「ぐうう……馬鹿な………ポケモン……なんかに……!」

ユウリ「ダスピア、あなたの野望もこれで終わりよ!バイウールー、見せてあげよう!」

ユウリ「これがあたし達の『とっておき』!」

バイウールー「メエエー!!!」
 ▼ 209 N9Xja27O2I 25/08/30 19:19:40 ID:tG3I3PO2 [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 全ての技を繰り出してから使えるようになる、バイウールー4つ目の技・とっておき。全ての力を乗せた一撃が、キュアディスペアに直撃した。

キュアディスペア「私は……私は……ここまで来た……」

キュアディスペア「アンダーグ帝国なんて言う狭い世界を抜け出してまで……世界を周って……プリキュアの力さえ手に入れた……」

Ms.ダスピア「なのに……なぜ……」

 徐々に変身が解け、残ったアンダーグ・エナジーが放出される。彼女が持っていたミラージュペンらしき道具も、光となって灰の様に消え去った。

 奪われていた、ワイルドエリアのポケモン達の生命力も、それぞれ戻っていき、ポケモン達も目を覚ました。

ユウリ「チャンピオンタイム・イズ・オーバー。そして、あなたの野望も、今度こそこれで終わりだよ。ダスピア」

Ms.ダスピア「…なぜだ…なぜ…ここまでしたというのに…私は…」

 完全に抵抗する力さえなくなったダスピア。寄ってきたプリキュア達、ホップ達、シャララに囲まれながら、彼女は語り始めた。
 ▼ 210 N9Xja27O2I 25/08/30 19:20:43 ID:tG3I3PO2 [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜語り手:Ms.ダスピア〜
 あれは数年前のことか。アンダーグ帝国は「力こそ全て」という優生思想の下で、私も暮らしていた。
 だが、狭く闇に覆われ、力での支配を強制するようなその国に、国民でありながら私は辟易としていた。

 そして私はアンダーグ帝国を抜け出した。ポータルを生成し、どこでも良いから違うところに行きたかった。
 そうして何度か様々な世界を行き来している中で、プリキュアという存在を知った。彼女達は、ヒーローとして、日々敵と戦っていた、気高き存在だった。

 だが、ヒーローや英雄と呼ばれる存在は、他の世界にもいた。……プリキュアの気高さと強さに魅入られた私にとって、他のヒーローは邪魔でしかなかった。
 いつか世界が交わる時、プリキュアがヒーローになれない、そう考えた私は、どうすればプリキュアをヒーローにできるか、私なりに考えた。

 私は更に様々な世界を周った。時空を超え、そして大地を超えた。
 やがて、人間が手を出してはならないという禁忌の秘術を見つけた。呪術の類いであるとわかっていても、そこは私もアンダーグ帝国出身。アンダーグ・エナジーであろうとも使い方によっては正しい筈だ。そう考え、その呪術を制御した。
 ▼ 211 N9Xja27O2I 25/08/30 19:24:38 ID:tG3I3PO2 [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 そしてアンダーグ帝国に戻ってみれば、既に争いは終わっていた。前のような支配的な国でもなくなっていた。
 プリキュアが、自分達の国とアンダーグ帝国に平和をもたらしてくれたのだ。

 …だがここまでして得た術を使わないわけにはいかない。ヒーローはプリキュアだけで良いという私の想いは変わらなかった。

 私は、得た秘術を研究した。私はプリキュアに選ばれる素質がなかった。だが素質がなくとも、ないならば独自に生み出せば良いと考え、遂にプリキュアへの変身すらも生み出した。そして他のプリキュアを仲間にするための術も…!

 なのに…私が人生を賭けてまで培ってきた術が、まさかプリキュアだけでなく、他の世界では危機を救った英雄と言われたポケモンとポケモントレーナーなんかにまで…全て崩されてしまうなんて…!
 ▼ 212 N9Xja27O2I 25/08/30 19:25:28 ID:tG3I3PO2 [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド 王都外〜
シャララ隊長「…それが、貴殿が国を揺るがしてまで、ポケモン達を滅ぼそうとした動機か」

Ms.ダスピア「私は…ヒーローと同じ力を手に入れた…ヒーロー達も一度は仲間にした…!負けない筈…だったんだ…」

 ダスピアの話を聞いたうえで、次に口を開いたのはホップだった。

ホップ「オマエ……そりゃあ負けるに決まってるぞ」

Ms.ダスピア「何…?」

ホップ「オマエの話を聞いていると、ヒーロー=どんな相手も倒せる強いヤツ、そう言ってる様にしか聞こえないぞ」

キュアウィング「僕も同意見です。結局あなたは、あなたが否定していた、当時の優生思想のアンダーグ帝国と、同じだったんです」

Ms.ダスピア「同じ…だと…私が…あの時のアンダーグ帝国と…!?」

シャララ隊長「そうだな。君は、ヒーローの本質を見誤っていたんだ」

 続けてキュアウィング、シャララに諭され、ダスピアは動揺した。
 ▼ 213 N9Xja27O2I 25/08/30 19:25:47 ID:tG3I3PO2 [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「ヒーローは、ただ強いだけじゃないんです。ヒーローがなぜ強いのか、それは正しいことは何か常に考え、その正しいことの為に、力を使っているからです。…敵と戦うことだけが全てじゃないんです。あくまで、それは手段の一つでしかありません。戦わなきゃいけない時の為の手段」

ホップ「ソラの言う通りだな。オマエみたいに、得手勝手な理由で力を振り回すのは、ツバサも言っていたけど、暴力での支配でしかない。そんなの、やってることが悪党でしかないぞ」

ホップ「オレ達はプリキュアの事なんてよく知らない。でも、本当はヒーローだったってことは、この一件で皆わかったさ。…ヒーローの力の源、戦う意味、それを考えないで周りを見下した時点で、オマエはもうヒーロー失格だったんだぞ」

Ms.ダスピア「くっ……」

 こうして、国を、異なる時空を巻き込んだ大騒動は幕を下ろした。

〜スカイランド 王城〜
青の護衛隊「Ms.ダスピアを連行してきました!」

アリリ副隊長「よし!その者を収監しろ!…最も厳重なところへな」

 護衛隊に連れて行かれるダスピア。一切の抵抗手段をなくし、抵抗の意思すらも既になく、力なく彼女は引かれていった。

 帰還したソラ達に同行したホップ達は、王、王妃、そして護衛隊面々とソラ達に、王室で向き合っていた。
 ▼ 214 N9Xja27O2I 25/08/30 19:26:36 ID:tG3I3PO2 [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
王「この度は、スカイランドを救ってくれて、多大な感謝を表明する。本当に、ありがとう、ポケモントレーナーの皆さん」

王「……そして、数々の非礼、暴力、あまつさえ命すら奪いかけたこと、大変申し訳ありませんでした」

 スカイランドを代表し、感謝と謝罪を表明する王。周りにいる護衛隊やプリキュア達も揃って頭を下げる。

王「我々を騙し、操ったMs.ダスピアが此度の元凶であることはその通りで、擁護などする気はない。だが、そんな彼女に操られる過程で、我々に重大な落ち度があったのもまた事実だ…!我々の責任は非常に重いと考えている…!」

ホップ「ちょ、ちょっと待ってくれよ!王様の言ってることもわかるけど、それでもみんなも被害者だろ!?」

シャララ隊長「気を使わなくて構わない。王の言う通り、ひとえに我々が未熟ゆえに起きた事態だ。……ここに来るまでの聞き取りで、君達の中に犠牲者が出なかったのも不幸中の幸い、ただの結果論に過ぎない」

ソラ・ハレワタール「到底許されることではないことも重々承知しています。私達は責任をとらなきゃいけないんです。王様やシャララ隊長とも話して、私達はどんな処罰も甘んじて受け入れるつもりです」

聖あげは「私達は何も言い訳しようがない。こっちに来てまで、私達もあんなヤツに加担して…しかも私はその為にあなた達を騙しちゃったりさ。汚い大人だよ」

 誰もが、ホップ達に自分達の処遇を委ねている一方で、ホップ達にそのつもりなど微塵もない。話は平行線になろうとしていた中、一石を投じたのはマサルだった。

マサル「わかった。そこまで言うなら、一つだけあるぞ」

ユウリ「マサル!?」
 ▼ 215 N9Xja27O2I 25/08/30 19:27:56 ID:tG3I3PO2 [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 マサルの一声に、スカイランドの面々は姿勢を再び正す。そして唾をのみながら、彼から告げられる処遇を聞き入れた。

マサル「俺達からお前達への要求はただ1つ」

王「…!」

マサル「………俺達と、そしてあのポケモン達を元の世界に戻してくれないかな」

王「なっ…!?」

 どれ程重い処罰であるか覚悟していた一同は、マサルのこの言葉には驚愕していた。マサルは続ける。

マサル「そもそもだが、確かにあんた達の甘さであいつに操られたという自責の念も一理あるし、俺はあえて否定しない。でも、それを救ったのも正気に戻ったあんた達。落とし前をつけたいって言うなら、それだけで十分じゃねーか」

マサル「それに、俺達は元々、ガラル地方で起きていたポケモンの減少について調査していたら、こっち側の事故でこの世界に来た。結果的にそれでポケモン達の行方も分かったし、全員無事、ついでに俺達の世界すらも侵略しようとしていたヤツを叩けた。なら、これ以上望むものなんてない」

マサル「むしろホップの言う通り、さっきまで操られてて、本心と違う事させられてて、ましてやこっちの被害は結果ゼロだってのに、これ以上あんたらを追い詰める方が余程酷じゃねーか。責任ってのを何でも自罰の類いだと思わない方が良いぜ」

 マサルに諭され、更に告げられた内容は実質的なお咎めなし。王、シャララ、ソラ達は一度身内で話し合う。やがて相談が終わり、ホップ達に向き直った。
 ▼ 216 N9Xja27O2I 25/08/30 19:29:17 ID:tG3I3PO2 [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
王「ほ、本当にそれでよいのか…!?」

マサル「ああ、もちろん。お前らもそうだよな?」

ホップ「当たり前だぞ!」

ユウリ「そうそう!」

ビート「別に僕はどうでもいいです」

マリィ「…ふふっ、マサル、伝え方上手いじゃん。王様、あたし達もみんなそのつもりだよ」

ホップ「まあ…みんな初めからそのつもりだったんだけどな」

 言い出したマサルの独断ではなく、これがホップ達の総意であることを改めて確認し、王は向き直る。

王「皆様の寛大な処置に…感謝してもしきれません…!」
王妃「これが私達の責任なら、国で総力を挙げて、あなた達を必ず、元の世界へと返してみせます!」

シャララ隊長「そして、二度とこのような悲劇が起こらぬよう、国一丸となって、再発防止に尽力致します!」

マサル「…言えたじゃん。そうだよ、あんたら今、良い顔してるぜ」
 ▼ 217 N9Xja27O2I 25/08/30 19:30:08 ID:tG3I3PO2 [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「皆さん、本当にありがとうございます!国を、私達を救ってくださるだけでなく、こんな私達を許して下さるなんて!」

ホップ「全ての真実が分かった以上、責めるべきはソラ達じゃないからな!当然だぞ!」

ユウリ「それじゃあみんな!まずはポケモン達の手当てと保護だよ!」

 その日は、深夜から夜更けまで戦い続けた戦士達の休息、そして次の日からのホップ達、そしてスカイランド全土の行動は早かった。
 戦いで荒れた王都やその外周の復興、これ以上の危険性がないことの確認。まだ保護しきれていないポケモンの捜索、そしてダスピアの所持品の解析から、再びガラル地方へと時空を繋ぐポータル生成。とんとん拍子に進んでいく。
 幸いにもあの戦いのときに全てのポケモンを保護できており、ワイルドエリアをはじめガラル中からいなくなったポケモンの数と一致、無事に全個体の無事を確認した。

 これはポータル再生成の過程の中でわかったことなのだが、ましろ、あげはがいたソラシド市とソラ達がいたスカイランド間はともかく、それらとガラル地方並びにポケモンの世界は、本来決して交わることのない時空。ダスピアのように呪術の類いで強引に繋げようとする行為は、時空を歪ませてしまう為、繰り返していればどのみち双方の世界が危なかったであろう。

 兎にも角にも、ポケモンの時空から迷い込んだ人やポケモン全ての無事を確認でき、帰りのポータルも無事に生成できたのは、あの騒動から1週間程であった。この期間、解析と生成と並行して、国の復興をホップ達も手伝っていた事もあり、スカイランドもまた元の平穏を取り戻した。
 ▼ 218 シボン@ボーマンダナイト 25/08/30 19:32:16 ID:tEhArLb6 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
何で最後がバイウールーなんだと思ったらホップとの思い出のポケモンだった
やはりホプユウ、ホプユウは全てを解決する
 ▼ 219 ブラーバ@まひなおし 25/08/30 20:10:43 ID:HzSkAmJo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
久々の善人マサル
 ▼ 220 N9Xja27O2I 25/08/31 11:22:40 ID:l6DcSTSA [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド 王都外周〜
 ホップ達は、保護された野生のポケモン達を連れ、初めてこのスカイランドに落ちてきた場所まで来ていた。
 ポケモン達は基本的には捕獲せず野生のままであるが、騒動によりまだパニックが残っていると見られる一部のポケモンは、いずれ野生へとリリースする前提で一時的に捕獲している。ワイルドエリアのポケモンは屈強なポケモンが多いため、該当するのはそれ以外の地域に生息していたポケモンが主である。

 ホップ達の後ろには、スカイランドを統べる王夫妻、プリキュアの5人、青の護衛隊からは代表してシャララ、ベリィベリー、アリリが、彼等の見送りに来ていた。

ソラ・ハレワタール「…皆さん、何から何まで、ありがとうございました!」

ホップ「いいってことよ!みんなも、ここまでサンキューな!」

ビート「ちょっと調査していたら、まさか時空転移した挙句波乱万丈でしたね。……ポプ…ばあさん、僕がいなかった間に大変でしょうし、ここから忙しくなりますよ」

マリィ「あたしも、アニキやエール団達に心配かけちょーね。早く帰ろっか」

 やがて、ポータルが開く。ここをくぐれば、ガラル地方に帰ることができる。先に、ポケモン達が少しずつポータルをくぐっていく。大半はワイルドエリアのポケモンの為、くぐればすぐに自分達の生息地だ。
 ▼ 221 N9Xja27O2I 25/08/31 11:23:09 ID:l6DcSTSA [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「…あんたらには、短い間だけど世話になったな」

ユウリ「みんな、本当は優しい人達で、泊めてくれた間は楽しかったよ!」

王妃「そう言っていただけると少し救われます。あなた方には、何とお礼を申したらよいか…」

シャララ隊長「王妃の仰る通り。あなた方がいなければ、スカイランドだけじゃない。他国もどうなっていた事か」

ホップ「しんみりするのは、もういいだろ?」

シャララ隊長「!」

ホップ「オレ達はオレ達のやることをやっただけだぞ!」

シャララ隊長(国を救い、今に至るまでも寛大な心、彼等こそ、ヒーロー…だな…)

ユウリ「ソラちゃん!ましろちゃんに、ツバサ君、あげはさん、エルちゃんも!それにお城の皆さんも、どうかお元気で!」

ソラ・ハレワタール「ユウリさん…!はい!ユウリさん達も、お達者で!」
 ▼ 222 N9Xja27O2I 25/08/31 11:23:35 ID:l6DcSTSA [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 お互い別れの挨拶を済ませた頃、全てのポケモン達がくぐり終えた。あとは、ホップ達だ。
 彼等が背を向け、ゆっくりポータルへ向かって歩き出す。そんな彼等の意に介さぬ間に、ソラは少し俯いていた。

虹ヶ丘ましろ「ソラちゃん…」

シャララ隊長「ソラ…」

ソラ・ハレワタール「……」

 近くにいた2人には、ソラの寂しそうな表情が見える。別れを惜しむ気持ちは、ここにいる誰もが同じであった。
 ▼ 223 N9Xja27O2I 25/08/31 11:26:05 ID:l6DcSTSA [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「ソラ!」

ソラ・ハレワタール「…はっ、はい!」

 ホップの声が聞こえ、ソラは顔を上げる。ホップがこちらを振り向き、無限にひろがる青い空のように、笑顔で告げた。

ホップ「いつかまた、会おうな!」

ソラ・ハレワタール「…!」

 解決したとはいえあれだけの事があったのだ。ソラ、そしてスカイランドの民は、まさか「また会おう」と、向こうから言われるとは思ってもみなかった。

ソラ・ハレワタール「…はい!いつかまた、会いましょう!ホップさん!皆さん!」

 親指を立てたホップ達に、ソラは笑顔に変わり手を振って返事する。その顔には、もう先程までのような曇りは一点もない。ソラ達に応えるよう、ホップ達も手を振った。最後に、彼等もポータルをくぐり、光の中へと消えて行った。彼等は、元の世界へと帰れたのだ。
 ▼ 224 N9Xja27O2I 25/08/31 11:27:15 ID:l6DcSTSA [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「行っちゃったねぇ…」

エル「エルも、またみんなに会いたいな。今度は、今度こそ、平和になったこの国で!ううん、ホップ達のところにも、行ってみたい!」

夕凪ツバサ「そうですね。今度こそ、彼等と友好的な関係を築きたい。正直、もう二度と叶わぬだろうと思っていましたけど」

 やがて、国民たちも解散し、各々の生活へと戻っていく。
 最後に残ったシャララ、ソラ、ましろもまた、王都へと歩いていく。

シャララ隊長「勇敢な救世主達…彼等は、プリキュアではない。にもかかわらず、国を、我々を救ったその活躍は、まさにヒーローだった。君達もそう思うだろう?」

虹ヶ丘ましろ「はい!もちろん!…素敵なヒーローさん、だったね。ソラちゃん」

ソラ・ハレワタール「間違いありません。あの人達は、ヒーローです!そして、ポケモンさんは、そんなヒーローと支え合う、素敵な仲間、尊い生命でした!」

 ソラが持つ『わたしのヒーロー手帳』には、その後、新たな1ページが追加されていた。

『たとえ世界が違っても、ヒーローはいる!』
 ▼ 225 N9Xja27O2I 25/08/31 11:27:44 ID:l6DcSTSA [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜シュートシティ〜

ユウリ「インテレオン、トドメのねらいうち!」
インテレオン「うぉれん!」

審判「決まったー!チャンピオン・ユウリ、今回も王座の防衛に成功しました!」

ユウリ「いい勝負だったね!またいつでも挑戦、受け付けてるよ!」

挑戦者「くっそー。今度こそ勝ちますよ!」

 ガラル地方に帰還してから早3日、いつもの落ち着きを取り戻したシュートシティでは、久しぶりのリーグ戦が開催、いつものような熱狂の中、ユウリは勝ち上がってきた挑戦者を下し、チャンピオンの座を守り切る。

 表彰が終わり、控室へ行こうとするところに、ヒーローインタビューの記者が訪れる。これまでも何度かあったため、ユウリは慣れたように質問に答えていく。
 そして、最後の質問が来る。これもいつものように答えようと思った矢先、ユウリには、咲きのスカイランドでの出来事が頭を過る。スカイランドで起きた件は、流石にソニアやダンデなど、一部の大人には話さざるを得なかったものの、口外禁止の約束がある為、大半の国民はそのことを知らず、ユウリ達は表向きには慰安旅行に行っていたことになっている。
 ▼ 226 N9Xja27O2I 25/08/31 11:40:00 ID:l6DcSTSA [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
記者「それでは、最後に、今のお気持ちをどうぞ!」

 来た。この質問。いつもなら、バトルの感想を熱く語っていたところだが、一呼吸置いたユウリの今日の感想は、後に過去最高の歓声を生むこととなった。

ユウリ「もっともっと、ポケモンの素晴らしさを広めていきたい!バトルだけじゃなく、友に助け合い、過ごすことの楽しさを!どんな国境も越えて、無限にひろがる青い空の下、どこまでも!」





【クロスSS-FINAL】劇場版ポケットモンスター ソード・シールド 天空大決戦
〜fin〜
 ▼ 227 とがき◆N9Xja27O2I 25/08/31 11:42:04 ID:l6DcSTSA [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
本来この作品は、剣盾の節目となる11月投稿の予定だったのですが、急な事態につき、急遽8月投稿とさせていただきました。幸い話の内容は8月時点では既に大半完成していたため、無事間に合わせることができました。



今回のこのお話は、元々ポケモン側はどの地方にするか決めていなかったのですが、恐らくSSをBBSに投稿するのはこれが最後になると思い、最後くらい、まともなマサルを書きたいと考えました。
たとえ逆張りであろうと、真っ当な主人公側らしい彼を書き、救いたい。そこで、眠らせていた草案のポケモンサイドをガラルに設定しました。

SSの主人公はユウリ&ホップ、というのは私の中で揺るぎませんでしたが、終始主人公の仲間として、そして主役ではなくとも彼等にとって欠かせない存在として、バトルの手腕以外にも折衝や参謀などの役割を意識したつもりではあります。そしてポケマスのようなキャラ付けよりも、ちょっと口は悪くても心の熱い男というのが、不思議と自分の中で解釈一致のため今回のようになりました。



このSSを通して、ヒーローとは本来どういうものなのか、ただ強いだけではなく、もっと大切なものがある、それをテーマに、クロスオーバーとさせていただきました。



最後になりますが、改めて少しでもご覧いただいたすべての方に、そして書く機会を与えてくださった管理人様に感謝の意を表明します。

ありがとうございました。そしてさようなら。
 ▼ 228 トライク@うみべのガラス 25/08/31 11:44:41 ID:tmDYCbQA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そもそもまともじゃない方が逆張りだぞ
 ▼ 229 ノクサ@カミナギのふえ 25/08/31 11:49:56 ID:AJ0EwAkA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサルが悪役にされてるのは不快すぎたからな、本来はまともで良いやつなのに
 ▼ 230 ッカネズミ@テラピースほのお 25/08/31 12:05:48 ID:3uUoINtw NGネーム登録 NGID登録 報告
大半のマサルはそあ誰はともかく人の女を寝取るクズばっかだったからしゃーなし
でも本来ならこういうのが順張りな筈だったんだよな

善人でよかった
 ▼ 231 オラント@キズナのタヅナ 25/08/31 12:06:53 ID:qVpMNHjE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサルが善人でよかった、これに尽きる
 ▼ 232 ギガナイト@きらきらミツ 25/08/31 12:47:00 ID:ICDY5bHc [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れさまでした!

ユウリのラスイチがバイウールーなのがほんとに衝撃、そしてホプユウてえてえ
そして俺もぶっちゃけマサルはどこかで裏切ると思ってたけど、最後まで味方でしかも大立ち回りでブチ上がった。実質裏の主役
 ▼ 233 ロンダ@やまぶきのミツ 25/08/31 13:01:08 ID:ICDY5bHc [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリはお姫様から一転して最強のチャンピオンタイムを見せてくれて、
ホップは事件解決の糸口を戦いながらも探り当てたり、中盤の決定打になってくれたりして、
マサルは状況判断や機転などチームの参謀として貢献してくれる

バトル面は全員強いとして、ここのガラル組、スペック高すぎでは???
しかも久々にマサルが終始味方として大活躍したのは本当に嬉しかった。きっともう見られないであろう貴重なSS




プリキュア側も、元に戻ってからはかっこよかった。ありがとうプリキュア、ありがとうポケモン
 ▼ 234 ーバー@おとどけもの 25/08/31 13:04:34 ID:oWNoBrGo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサルが主人公だったらもっとよかったな
 ▼ 235 リトドン@ハンバーグ 25/08/31 13:10:14 ID:ICDY5bHc [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサルが主人公になったSSは、BBSだと大体暴走しちゃうからこのぐらいの立ち位置に落ち着くのがちょうどよいのでは?
それも何かと要所要所でいい活躍してくれてたし、これ以上は望み過ぎってやつよ。

ホップ&ユウリ本当にありがとう
 ▼ 236 リアドス@おうえんポン 25/08/31 14:23:03 ID:oUGUg6R2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れ様でした
マサル……やっと救われた……
 ▼ 237 とがき◆N9Xja27O2I 25/08/31 18:31:52 ID:l6DcSTSA [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
書き忘れてました


一応、今回のオリキャラの設定を載せておきます
動機や思想などは劇中の通りなので、語られていなかった部分中心です



それと今更ながら、ラストでホップとユウリの相棒が入れ替わっていたことをお詫びします
インテレオンがユウリで、エースバーンがホップでした
 ▼ 238 スキッパ@おおきなタケノコ 25/09/01 12:12:58 ID:63NAUNfk NGネーム登録 NGID登録 報告
マサルはこのくらいの立ち位置がええよ
むしろ十分過ぎる程の大活躍。ユウリが主役のパートナーなら、マサルは主役のよき相棒
 ▼ 239 ルボウ@ノーマルジュエル 25/09/01 18:23:19 ID:IoEgkVho NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラましが敵同士になってしまったシーンは辛かったけど、最後は救われてよかった
ガラルのブラックナイトを救ったのはこの世界線だとホプユウだろうけど、5人合わされば異世界すらも救ってしまうなんてまさにヒーロー
ホップ達とソラ達には、本当にいつか平和な世界で再会してほしい

っぱホプユウなら安心して読める
 ▼ 240 ンテール@ネクロズマのおやつ 25/09/04 08:53:24 ID:YLAMDOvg NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
以前はマサルといえば聖人という風潮だったのにな
 ▼ 241 ノココ@ヤレユータンのけ 25/09/04 18:10:57 ID:WBv.hXbg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>240
多分だけどその頃からじゃないかな。そう言う風潮が一見あるように見えて、裏でNTRクズキャラが推され始めたのは
それに目を瞑って一見優しいから聖人と呼ばれてただけだと思ってる
 ▼ 242 ガウツボット@カプZ 25/09/20 20:15:08 ID:X48Eek.Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール並びにキュアスカイ
生誕記念日age
 ▼ 243 スブレロ@マンキーのけ 25/10/10 19:59:06 ID:ZC2ERDMU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今更ながら完結乙
ポケモン側もプリキュア側も活躍が目立ったのでキャラごとに感想書きたい

ユウリ、ホップ
前半は姫と守護騎士、後半は最強ダブル主人公としての貫禄が伝わってくる推しカプ。「オレがユウリのことをよくわかってる!」の原作セリフが一番すこ。弱気になったユウリに寄り添えるのはやはりホップが一番
思い出のポケモンとして2人ともバイウールーを持ち、ラストにユウリがまさかのそれで勝利し、唯一ホップだけは彼女とバイウールーをわかっていた描写がエモくアツい。めっちゃ強く元気なキャラと、そんなキャラを一番理解しているキャラ、頭脳プレーを見せるキャラ全部を盛り込むのはダブル主人公らしい
やはりホプユウ。ホプユウはすべてを解決する!

マサル
バトル面ではサポートが目立つ他、メンバー内唯一全く伝説を使わない代わりに600族を加入、他メンバーにも引けを取らない奮戦ぶり。久しぶりに綺麗でかっこいい善玉マサルが見れてしかも大活躍だったので満足。
個人的にはどちらかというとバトル面より、それ以外の面のほうが印象的で、ビート、ホップ共々考察や判断などのブレインとしての役割や、口が悪いながらも自罰的になっていたスカイランド国民を諭して、皆が望むハッピーエンドの立役者になってくれたのはシビれた。

ビート、マリィ
ジムリーダー同士の連携や、個人の強さも目立ち流石に伊達にハロン組とっ張り合っているわけではない実力はこのSSでももちろん伝わってくるしかっこよかった。
特にビートは何かと頭脳組と気が合う様子が見えるのは、剣盾原作を経て丸くなったからこそだろうか



ソラ・ハレワタール
洗脳が解けてからは「正しいことを最後までやり抜く」ために、今の現状を疑い、真実を確かめることや友を救うことに奮戦。生真面目なヒーローらしさを取り戻してからがかっこよかった。本当はこんなキャラなんだなと興味を持ちました

ツバサ、エル
洗脳が解けた後は記憶を辿り、ビートがスカイランドの異変の核心をつくきっかけとなり、ヒーローとして奮戦。城にいたというアドバンテージをもっとも活かしたキャラだと思う。プリキュア側にも頭脳役がいることで、一方的イにポケモンにリードされずお互い協力できるようにしたバランサーかな?

ましろ、あげは
悲しくも決戦途中まで洗脳されていたせいで、親友や仲間と対立してしまった悲劇のヒロイン達。それでも解けた後は味方の回復や遠隔攻撃などで惜しみなく連携、借りを返したのはさすがだぞ!
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