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SS

【SS】ガブリアス「や、やっちまった……」

 ▼ 1 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:00:24 ID:wIXUSBUs [1/45] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


とある街のはずれでその事件は起こった……




一匹の若いガブリアスの前に、頭から血を流したフライゴンの死体が転がっている……


ガブリアス「や、やべぇ……お、俺は悪くねぇぞ!!」
 ▼ 2 ルセウス@スピードボール 17/02/23 15:01:03 ID:9nQ4QcB. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
逆転裁判乙
 ▼ 3 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:03:28 ID:wIXUSBUs [2/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


事態は数分前に遡る……



ガブリアスは街のはずれを一匹歩いていた……


ガブリアス「今日は久しぶりにスロットで大勝ちしたな!」


スロットの景品で貰った飴玉を口に放り込むとガブリアスは財布を覗いた……


ガブリアス「今月は少し贅沢が出来そうだ……へへ!」
 ▼ 4 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:07:20 ID:wIXUSBUs [3/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは財布を見ていて前方からやって来るポケモンに全く気づかなかった……


どがっ!


ガブリアス「いてっ!」


ガブリアスは前から歩いて来た誰かに正面からぶつかり尻餅をついた。


ガブリアス「いってぇ……なんだよ……」


ガブリアスがぶつかった相手を見ると……それはフライゴンだった……

 ▼ 5 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:12:10 ID:wIXUSBUs [4/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「いてて……ああっ!? 俺の限定版のnew3DSLLが!!」

ガブリアス「え? なんだ?」


地面にnew3DSLLが転がっている……

フライゴンは急いでそれを拾い上げた。


フライゴン「うわっ!! 限定版に傷が!!」

ガブリアス「なんだ? 見せてみろ」


ガブリアスが見ると……3DSの端に少し削れたような跡がついていた……


ガブリアス「おいおい、この程度の傷で騒ぐなよ……」
 ▼ 6 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:16:46 ID:wIXUSBUs [5/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「うるさい! このnew3DSLLは限定版なんだぞ!! せっかくネットで予約して買ったスーファミ仕様なのに! 弁償しろ!!」

ガブリアス「はぁ!? 確かに俺だって前を見てなかったけど……お前だって前を見てなかったんじゃないのか? どうせその3DSでゲームでもしながら歩いてたんだろ?」


フライゴン「うっ……た、確かにやってたけども! それでも弁償しろ!! それにこれは3DSじゃなくてnew3DSLLだ!!」

 ▼ 7 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:20:36 ID:wIXUSBUs [6/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンがガブリアスの首元を掴んだ。


ガブリアス「な、なんだよ!」

フライゴン「早く弁償しろぉ!!」

ガブリアス「う、うるさい! 離せ!!」


ドカッ!


ガブリアスはフライゴンを突き飛ばした。

すると、フライゴンは近くの鉄製の街灯に強く頭を打ちつけた。


ゴンっ!

フライゴン「ぐぇっ!」


ガブリアス「!!」


 ▼ 8 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:26:40 ID:wIXUSBUs [7/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
フライゴンは頭から血を流しながらゆっくりと倒れた……


ドサ……


ガブリアスの顔から血の気が引いた……


ガブリアス「お、おい……大丈夫か?」

ガブリアスは恐る恐るフライゴンに近寄るとフライゴンの胸に耳を当てた……


何も聞こえない……


ガブリアス「な、なんで……なんでこんなに簡単に死んじまうんだよ……嘘だろ?」


体全体の震えが止まらなくなり……脂汗が垂れ、吐き気までし始めた……


ガブリアス「や、やべぇ……お、俺は悪くねぇぞ!!」



この日、俺の平和な日々がぶち壊された……

そして、これから奇妙で不思議な日々が始まろうとしている事なんて……この時の俺は微塵にも思ってなかっただろう……
 ▼ 9 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:33:14 ID:wIXUSBUs [8/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

第一話 俺×ニート=犯罪者?



ガブリアスは辺りを見渡した……


幸い近くには誰もおらず……民家もなかった……

誰にも今のやり取りを見られてはいなかっただろう……


ガブリアスは急いでフライゴンの荷物を拾い上げ、死体を担いだ。


ガブリアス「と、とりあえず逃げるか……」



ガブリアスは自分の家に向かって走り出した……


 ▼ 10 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:38:30 ID:wIXUSBUs [9/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

なんとかガブリアスはアパートの前についた……


ガブリアス「だ、誰もいない……よな?」


ガブリアスはアパートの住民に見つからないようにこそこそと階段を上がり……そしてなんとか自分の住む201号室の前についた。

カバンから鍵を取り出すと鍵穴に差し込もうとしたが……手が震えてなかなか刺さらない……


ガブリアス「は、早くしないと! 見つかったらおしまいだ!!」


ガチャ!


鍵がなんとか差し込まれた。

ガブリアス「よ、よしっ!!」


ガブリアスは鍵を開けると自分の部屋に飛び込んだ。
 ▼ 11 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:43:21 ID:wIXUSBUs [10/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

201号室……


ガブリアスは部屋にあがるとコタツのある奥の部屋にフライゴンの死体を下ろした。


ドサッ!


その瞬間、安心し、緊張がほぐれてガブリアスはその場にへなへなと座り込んだ……


ガブリアス「と、とりあえずここまで来たら……」


ガブリアスはまじまじと目の前のフライゴンの死体を見つめた……

やはり、フライゴンはピクリとも動かず……触れると、死体はもう冷たくなり始めていた……
 ▼ 12 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:47:07 ID:wIXUSBUs [11/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは頭を抱えた。


ガブリアス「どうしよう……よく考えたら逃げたらもっと罪が重くなるんじゃ……」

?「そうだぞ! お前は今日から犯罪者の仲間入りだ!!」

ガブリアス「そうだ……今日から俺は犯罪者だ……」

?「頭が痛い! 入院費払え! 犯罪者!! あとnew3DSLLも弁償しろ!!」

ガブリアス「ってさっきから誰だ?」


ガブリアスが顔をあげると……目の前にフライゴンが立っていた。


ガブリアス「えっ!? お前生きてたのか!?」

フライゴン「は? お前何言ってるんだ?」

 ▼ 13 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 15:50:56 ID:wIXUSBUs [12/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスはフライゴンの足元を見た……

フライゴンの足元にはフライゴンの死体が転がっている……


フライゴンもつられて足元を見た。


フライゴン「げぇ!? な、なんだよこれ!!」


フライゴンは自分の死体を揺すっている……


ガブリアス「これって……もしかして……」

フライゴン「おい! どう言う事だよこれ!!」


フライゴンがガブリアスを怒鳴りつける……


ガブリアス「……」

ガブリアスは試しにフライゴンに触れようとしたら……手がフライゴンの体をすり抜けた。


ガブリアス「や、やっぱり……」
 ▼ 14 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 16:08:14 ID:wIXUSBUs [13/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「もしかして……俺、死んだのか?」

ガブリアス「そ、そうみたい……だな」


フライゴンは一瞬驚いた表情を見せたが……


フライゴン「なんだか……面白い事になったなぁ……」


フライゴンはニヤリとした。


ガブリアス「お、面白いだって?」

フライゴン「ああ、俺は死んだみたいだが……どうしてだかこうして幽霊として動ける……これでお前に仕返しが出来るって訳だ!!」


ガブリアス「ええーー!? な、なんで俺がこんな目にあうんだよぉ!!」

 ▼ 15 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 16:13:37 ID:wIXUSBUs [14/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時……


ピンポーン


呼び鈴が鳴った……

ガブリアス「な、なんでこのタイミングで……こんな状態でドアを開けたら……」


部屋の中はフライゴンの死体から垂れた血で汚れている……


フライゴン「さっさと出ろよ。話はそれからだ」


フライゴンはニヤニヤしている……


ガブリアス「わ、わかったよ……」

 ▼ 16 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 16:28:03 ID:wIXUSBUs [15/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスはドア越しに呼び鈴を鳴らした『誰か』に話した。

ガブリアス「はい……ど、どなたですか?」


ドアの向こうから声が返ってきた……


?「スイマセン、ガブリアスサンデスカ?」

ガブリアス「そうですが?……なにか?」

?「ワタクシ、ケイサツノモノデス。オハナシガアリマス。アケテクダサイ」


ガブリアス「!!」


ガブリアスは固まった。

フライゴンはガブリアスの後ろで笑い転げている……


フライゴン「ざまぁないな!! もう警察に捕まるとか!! 警察もなかなかやるもんだ!!」
 ▼ 17 イリーフ@ブルーカード 17/02/23 16:45:56 ID:X1s12OM6 NGネーム登録 NGID登録 報告
ジバコさんお疲れ

支援
 ▼ 18 ンフィア@たいようのふえ 17/02/23 16:54:32 ID:3gDaisWM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 19 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 17:22:09 ID:wIXUSBUs [16/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「な、なんで!? 誰にも見つかってないはずなのに!!」

フライゴン「んー……もしかして俺の血がお前の部屋までポツポツと続いてたんじゃないのか?」

ガブリアス「そ、そうか……そこまで気がつかなかった……どうしよう……」


ガブリアスはその場に座り込んだ。


ガブリアス「もうおしまいだぁ……開けたら確実に捕まる……」

フライゴン「諦めて捕まれよ!!」


ガブリアス「な、なんでこんな事に……」


外の警察がドアを強く叩く……


警察「ガブリアスサン! ハヤクアケテクダサイ!」


ガブリアス「うう……仕方ない……」

 ▼ 20 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 17:27:38 ID:wIXUSBUs [17/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスはドアを少しだけ開けた。


ドアの向こうには一匹のジバコイルがいた。


ジバコイル「コンニチハ、ガブリアスサン」

ガブリアス「は、はい……なにか?」

ジバコイル「パトロールヲシテイタラ、アナタノヘヤマデ『チ』のヨウナモノガツヅイテイタノデ……スコシオハナシヨロシイデスカ?」


ガブリアス「は、はい……」

ジバコイル「ガブリアスサン、コノ『チ』ノヨウナモノハナンデスカ?」



ガブリアスは言い訳をひたすら考えたが……やはり、そんな簡単には思いつかなかった……




そして、ガブリアスは完全に諦めた。



 ▼ 21 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 17:33:40 ID:wIXUSBUs [18/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「こ、これはですね……その……えーと……」


その時、ガブリアスの背中に何か冷たい気持ちの悪い感触が……


ガブリアス「ひゃんっ!?」


ガブリアスは飛び上がると急いで背中にある気持ちの悪い『何か』を触った……

何かを触った手を見ると……赤いドロドロとした物が付いた……

ジバコイル「コ、コレハナンデスカ?」

ガブリアス「こ、これはですね……えーっと……」


いきなりフライゴンがケチャップ片手にガブリアスの後ろから顔を覗かせた。


フライゴン「警察さんどうも! 俺達、買い物の帰りにケチャップで遊んでただけですよ!」

ガブリアス「(え?)」
 ▼ 22 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 17:38:10 ID:wIXUSBUs [19/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ジバコイル「チョットシツレイシマスネ……」


ジバコイルはガブリアスの手に着いた赤い何かをすくって舐めた。

ジバコイル「これは……ケチャップですね」

フライゴン「ケチャップで遊びすぎてほら! 家の中もケチャップまみれなんですよ!」


ジバコイルは血まみれの廊下を覗いた……


ジバコイル「コ、コレハヒドイ……」

フライゴン「なんか勘違いさせちゃったみたいですね……すみません……」


ジバコイル「イエイエ、ソレナライインデスガ……アトデマチノケチャップノヨゴレヲフキトッテオイテクダサイネ! ソレト……タベモノデアソンジャダメデスヨ! デハ!」


ジバコイルは去っていった。

 ▼ 23 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 17:51:04 ID:wIXUSBUs [20/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンは警察を見送るとため息をついた。


フライゴン「やっぱり警察って無能だな……まさかこんな簡単に騙されるとは……」

ガブリアス「た、助けてくれたのか?」

フライゴン「勘違いするな。お前が捕まったら俺の計画が台無しになるからな……」


フライゴンは不適な笑みを見せた……


ガブリアス「う……そんな……」

フライゴン「お前は俺の事を殺しておきながら何言ってるんだよ! そんな事よりさっさと街に残った血の汚れを拭きに行くぞ! また別の警察が来たら厄介だからな!」

ガブリアス「お、おう……」


二匹は雑巾片手に街へと血の汚れを落としに出かけた……






 ▼ 24 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 18:01:14 ID:wIXUSBUs [21/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告










街にはかなりの量の血がこびりついており……それを全て落とすのにかなりの時間がかかった……







全ての汚れを落とした頃にはもう夕方になっていた……
 ▼ 25 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 18:11:02 ID:wIXUSBUs [22/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

二匹はヘロヘロで201号室に帰ってきた。


ガブリアス「つ、疲れた……ってこの部屋も血まみれだ……拭かなきゃ……」


ガブリアスは疲労に満ちた顔で廊下にこびり付いた血の汚れを拭き取り始めた。


フライゴン「なーにが『疲れた……』だ! もう俺は手伝わないからな! むしろここまで手伝った事に感謝しろよ!!」

ガブリアス「わかってる……それよりこれからどうしようか……」


フライゴンはソファに寝転がった。


フライゴン「そうだな……まぁ、俺もまだなにも考えてねーけど……とりあえず」


フライゴンは自分の死体に目をやった。


フライゴン「明日にでも俺の死体を処分しないとな……」

ガブリアス「確かにな……このまま置いておくと腐って大変な事に……」


 ▼ 26 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 18:29:26 ID:wIXUSBUs [23/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ガブリアスは部屋の汚れを粗方落とし終えると雑巾を洗面所に投げた。

ガブリアス「ってそれよりお前……本当に死んでるんだよな? さっきの警察にも姿が見えてたみたいだけど……」


ガブリアスがフライゴンに触れようとすると……やはりガブリアスの手がフライゴンの体をすり抜けた……


フライゴン「俺もこんな事は初めてだからよくわからないが……生きてる奴らは俺を見る事は出来ても触れる事は出来なくて……でもその逆、俺からは見る事も触る事も出来るみたいだな……」

フライゴンがガブリアスに触れるとガブリアスは背筋が凍るような感覚に襲われた。


ガブリアス「ひゃあん!?」

フライゴン「どうした?」

ガブリアス「お、お前の手……すげぇ冷たくて……」

フライゴン「……」


フライゴンがガブリアスを連続でつついた。


ガブリアス「ひゃん!? や、やめ! ひゃっ! いい加減にひゃん!!」

フライゴン「こりゃ面白いな!」

ガブリアス「う、うぐぅ……なんで俺がこんな目に……」
 ▼ 27 ゾノクサ@きいろビードロ 17/02/23 18:39:55 ID:I0wL1mvo NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
氷ゴーストタイプのフライゴンか...
 ▼ 28 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 19:01:40 ID:wIXUSBUs [24/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンはソファに寝転がりながらnew3DSLLの電源を入れた。


フライゴン「さーて、続きでもやるか……」

ガブリアス「……お前……そんな年でまだゲームなんてやってるのか? 見た所お前……二十歳位だろ?」

フライゴン「は? うるせぇよ! ゲームやるのに年齢が関係あるか!?」


ガブリアスは3DSの画面を覗いた……


ガブリアス「ふーん……モンハンやってるのか……懐かしいな……って!? お前プレイ時間2000って他にやる事無いのかよ!?」

フライゴン「俺はニートなんだよ! 大学中退したんだ! 悪いか!!」

ガブリアス「い、いや……別に悪くは無いけど……」

フライゴン「そう言うお前は学校とか行ってるのか? 平日の昼間っからフラフラしてたんだからお前もニートなんじゃねぇの?」

ガブリアス「いや、俺は大学生だ……もう就職決めたから暇でな……」
 ▼ 29 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 19:10:47 ID:wIXUSBUs [25/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

いきなりフライゴンは3DSを乱暴にたたんで立ち上がるとガブリアスを睨みつけた。

フライゴン「あぁ!? お前ムカつくなぁ!! やっぱり気にいらねぇ!!」

ガブリアス「そ、そんな事言われても……(僻んでるのか?)」

フライゴン「お前もニート仲間だと思ってたからここまで優しくしてやったのによぉ!! 仲間じゃないならお前の事なんか今すぐにでも警察に突き出してやる!!」


フライゴンがドアに向かって歩き出した。


ガブリアス「や、やめろ!! それだけは!! ってああ!?」

ガブリアスはフライゴンを追い掛けようとして足元の雑誌につまづき、棚に頭をぶつけた。

ガンっ!!

すると棚の上からダンボール箱がガブリアス目掛けて落ちてきた!

どがぁ!!


ガブリアス「いってぇ!!」

 ▼ 30 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 20:22:19 ID:wIXUSBUs [26/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「ざまぁ! じゃ、俺はこれで……ん?」


フライゴンが倒れているガブリアスに近寄って来た……


ガブリアス「な、なんだよ?」

フライゴンはガブリアスの隣に転がっているダンボール箱を開けた……

中からWiiとゲームソフトが数本出てきた。


フライゴン「おっ! なんだよ! ゲームあるじゃん!」


フライゴンは箱を持ってテレビに向かった。


ガブリアス「え、えっと……助かった……のか?」
 ▼ 31 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 20:27:15 ID:wIXUSBUs [27/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンはテレビの前でダンボール箱のゲームを漁りながらニヤニヤしている……


フライゴン「プレミアソフトはねぇな……出来ればメガドラとかやりたかったけど……ま、こんだけあれば文句はないな……」

ガブリアス「また懐かしい物を出してきたな……」

フライゴン「よし、こいつをやろうか」


フライゴンはダンボール箱から一本のソフトを取り出した。


ガブリアス「なんだ? スマブラか……懐かしいな……」


 ▼ 32 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 20:32:03 ID:wIXUSBUs [28/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンは手際よくWiiをテレビに接続して電源をつけた。


フライゴン「ほら、お前もやれよ」


フライゴンはコントローラーをガブリアスに投げて渡した。


ガブリアス「え? 俺もやるのか? 俺弱いぞ?」

フライゴン「え? お前ダンボール箱にコントローラー4つもストックしといて何が初心者だよ? 冗談はよせ」

ガブリアス「え? 何のことだ?」

フライゴン「かなり練習してるから予備を買い溜めしてるんだろ? コントローラーは消耗品って言うしな」

ガブリアス「いや、昔遊んでた友達が置いてったコントローラーだ……それ」

 ▼ 33 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 20:36:37 ID:wIXUSBUs [29/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その言葉を聞いたフライゴンの動きが止まった。


フライゴン「友達って……ま、まさか……お前、リア充か!?」

ガブリアス「な、なんだよいきなり……」

フライゴン「お前……まさか四匹対戦なんてやってたんじゃないだろうな……?」

ガブリアス「え……や、やってた……けど」


フライゴン「やっぱりお前はリア充か!! 許さねぇ!! 俺はリア充が大嫌いなんだよ!! こうなったらスマブラでけちょんけちょんにしてやる!! 覚悟しやがれぇ!!!」


ガブリアス「な、なんでそんなに怒るんだよ……」

 ▼ 34 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 20:42:21 ID:wIXUSBUs [30/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

そんな話をしているうちにキャラ選択画面になっていた……


ガブリアス「久しぶりだなー……キャラはランダムでいいか……」

フライゴン「俺はスネークを使わせてもらうからな! 絶対にお前をぶっ殺してやる!!」

ガブリアス「はぁ……もう好きにしろよ……」


フライゴンはストックを3に設定し、ステージを勝手に終点に決めた。


ガブリアス「し、終点って……もっと面白いステージ選ばないのか?」

フライゴン「スマブラは終点一択だ!!」


 ▼ 35 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 20:53:06 ID:wIXUSBUs [31/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

二匹の操るキャラがステージに降り立った……


ガブリアス「おっ! 俺のキャラはネスか!」

フライゴン「……」


そして、試合が始まった……


開始と共に二匹の操るキャラが走り出し……そして、攻撃がぶつかり合おうとしたその時、いきなりフライゴンがポーズをかけた。

ガブリアス「え? なんだよ?」


フライゴンは無言で画面を指さした……

ガブリアスの操るネスの後ろにモンスターボールが転がっている……


ガブリアス「ん? あ! モンスターボールじゃん! 教えてくれてありがとな!」

フライゴン「『ありがとな!』じゃねーよ!! なんでアイテム出るんだよ! アイテム無しに設定しとけよ!!」

ガブリアス「な……そんな事言われても……」
 ▼ 36 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 20:56:17 ID:wIXUSBUs [32/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンはコントローラーを乱暴に置くとソファに寝転がった。


フライゴン「やめだ! やめやめ!! もう今日はやる気無くなった!」


ガブリアス「……(面倒な奴だな……)」


ガブリアスは一匹でWiiを片付けた……



 ▼ 37 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 21:01:47 ID:wIXUSBUs [33/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンはまたソファで寝転がって3DSをいじっている……


ガブリアス「なぁ、もう一度聞くけど……お前はこれからどうするんだ?」

フライゴン「あ? だから別になにも考えてねぇよ……俺も死んだばっかりで結構頭の中がこんがらがっててな……」

ガブリアス「そうだよな……本当にごめんな、俺のせいで……」

フライゴン「謝るな……それに謝る暇があるなら俺のnew3DSLLを修理に出せ」

ガブリアス「そ、それは……またいつかな」

フライゴン「なんでだよ……まぁ、今修理に出されたらやる事がなくなるから別にいいけど……」




 ▼ 38 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 21:07:37 ID:wIXUSBUs [34/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、ガブリアスの腹が鳴った。

ぐうぅぅぅ……


ガブリアス「腹減ったな……そろそろ飯にするか……お前も何か食べる? って言うか幽霊って飯食べるの?」

フライゴン「……どうなんだろうな……腹は減ってない気がするけどとりあえず食べる」

ガブリアス「わかった」


ガブリアスはキッチン周りを漁ったが……食べ物はカップ麺位しか見つからなかった。

ガブリアス「んー……カップ麺しか無いけどそれでいいか?」

フライゴン「食えたらなんでもいい」

ガブリアス「味噌と豚骨、どっちがいい?」

フライゴン「塩」


ガブリアスはため息をついた……


ガブリアス「ひねくれた性格してるな、お前」

フライゴン「うるさい」
 ▼ 39 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 21:14:30 ID:wIXUSBUs [35/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ガブリアスはやかんを火にかけると近くの壁にもたれかかった。


ガブリアス「そう言えば……お前って家族いるのか?」


フライゴンはその言葉を聞いて一瞬動きが止まった。

フライゴン「なっ……なんでいきなりそんな事聞くんだよ! お前のせいでミスったじゃねぇか!!」


ガブリアス「あ……ごめん」

フライゴン「謝るな……で? なんでそんな事聞いたんだよ」

ガブリアス「いや……もしお前に家族がいたら……ここでお前が死んだ事を隠しててもすぐに警察に通報されて捕まるかもって思って……」
 ▼ 40 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 21:17:25 ID:wIXUSBUs [36/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
フライゴンは3DSをたたんだ。


フライゴン「あー……それなら大丈夫だ。両親はいない。俺は一匹で暮らしてたからな……」


ガブリアス「一匹でニート……訳ありか?」


フライゴン「あんまり詮索はするもんじゃねぇぞ」


ガブリアス「あ……そうだな……ごめん」

フライゴン「だから謝るな! なんかこっちが悪いみたいじゃねぇか!!」


その時……


ピーーーーーっ!!


二匹の会話をやかんの甲高い音が遮った。

どうやらお湯が沸いたようだ……


 ▼ 41 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 21:25:36 ID:wIXUSBUs [37/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは沸いたお湯をカップ麺に注いでタイマーをかけた。


フライゴン「なぁ」


ガブリアス「え?なんだ?」


フライゴン「そう言うお前には家族いるのかよ」


ガブリアス「家族……か……いるっちゃいるけど、俺はもう実家を出てほぼ独立状態だな」


フライゴン「そうか……なんかムカつくな、お前」


ガブリアス「な、なんでムカつかれなきゃなんないんだよ……」


フライゴン「成功してる奴を見てるとムカつく。当たり前だろ?」


ガブリアス「……(やっぱりひねくれてるな)」


 ▼ 42 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 21:30:09 ID:wIXUSBUs [38/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンは大きなため息をついたあと、小さくつぶやいた……

フライゴン「やり直してぇな……なにもかも……」


ガブリアス「やり直したい? 何かあったのか?」

フライゴン「なんでもねーよ。独り言を聞いてんじゃねぇよバカ」

ガブリアス「ば、バカって……」


その時……


ピピピピピピピピピ!!


今度はタイマーの音が二匹の会話を遮った。



 ▼ 43 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 21:38:09 ID:wIXUSBUs [39/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
   
ガブリアス「おっ、出来たか」


ガブリアスはタイマーを止めると二つのカップ麺をコタツに運んだ。


フライゴン「やっと出来たか……じゃあ俺豚骨貰うから」

ガブリアス「そうか、じゃあ俺は味噌でいいや」


二匹はカップ麺の蓋を開けると割り箸で麺をすすった。


ガブリアス「うん、久しぶりに食べたけどやっぱりうまいな! ところでどうだ? 幽霊でもカップ麺は食えるのか?」


ガブリアスがフライゴンを見ると……フライゴンは俯いたまま黙り込んでいた……
 ▼ 44 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 21:42:08 ID:wIXUSBUs [40/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「……」

ガブリアス「ん? おい、どうした?」


フライゴン「っ! な、なんでもねぇよ!!」


フライゴンは勢いよく麺をすすって……むせた。


フライゴン「ごはっ!! ぶへっ!!」

ガブリアス「そんなに急いで食べなくても……」

フライゴン「けほっ……けほっ……」


フライゴンは終始俯いたままカップ麺を食べ……食べ終えるとその場に寝転がった。


フライゴン「もう寝るから……起こすなよ」

ガブリアス「は、はぁ……」
 ▼ 45 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 21:46:12 ID:wIXUSBUs [41/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスが遅れてカップ麺を食べ終えると……部屋は静寂に包まれた……


ガブリアス「(なんか……気まずいな……)」


ガブリアスが掛け時計に目をやると……時計は7時をさしている。


ガブリアス「(まだこんな時間か……)」


ガブリアスはテレビのリモコンに手を伸ばして……やめた。


ガブリアス「(テレビをつけたらこいつが起きちゃうか……)」


ガブリアスは立ち上がると食べ終えたカップ麺のカップをキッチンに持って行った……




 ▼ 46 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 22:01:14 ID:wIXUSBUs [42/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

部屋が静かになると……先程まで聞こえてこなかった様々な音が聞こえてきた……

外からは風の音や車の走る音……酔っ払いの話し声……救急車のサイレンの音も聞こえる……

隣の部屋からは微かに笑い声が聞こえてきた……バラエティー番組でも見ているのだろうか?


ガブリアス「(仕方ない、音楽でも聞くか……)」


ガブリアスがコタツの上に出しっぱなしのウォークマンに手を伸ばしたその時……どこからか変な音が聞こえた……


ずす……ぁ……っぐ……


ガブリアス「(……? 何の音だ?)」
 ▼ 47 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 22:05:53 ID:wIXUSBUs [43/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは微かに聞こえる音の方に目をやった……


音はフライゴンから聞こえている……

よく見るとフライゴンの肩が震えているのがわかった。


ガブリアス「(泣いてるのか……?)」


フライゴンの顔を恐る恐る覗きこむと……フライゴンは涙を流しながら眠っていた……


ガブリアス「(……なんで泣いてるんだ?……まぁ、今俺に出来るのは……)」


ガブリアスはコタツから出ているフライゴンの体にそっと毛布をかけた……


ガブリアス「(幽霊でも風邪引くかもしれないからな……)」

 ▼ 48 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 22:09:28 ID:wIXUSBUs [44/45] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは再びコタツに入るとウォークマンの電源を入れてヘッドホンを頭にかけた。


ヘッドホンからお気に入りの曲が流れ始める……


ガブリアス「これからどうなるんだろうな……」

ガブリアスはそう呟くと近くのダンボール箱からオレンの実を一つ取り出して食べ始めた……



しんと静かな部屋に……フライゴンのすすり泣く声とガブリアスがオレンの実を食べる音だけがしていた……



続く

 ▼ 49 1◆v1GnTfaqxg 17/02/23 22:11:53 ID:wIXUSBUs [45/45] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一話おわり

とりあえず書きためてはあるんですが……これから用事が沢山あるので更新は遅くなりそうです……

では
 ▼ 50 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 11:33:16 ID:ffLTWaLA [1/70] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

第二話 わがまま×過ち=ニート



……ぃ…………おい!




フライゴン「起きろ!!」

ガブリアス「……んぁ?」


ガブリアスはフライゴンに揺すられて目を覚ました……

どうやら自分はコタツで音楽を聴いたまま寝ていたようだ……


フライゴン「俺が触っても起きないって……お前熟睡しすぎだろ!」

ガブリアス「ご、ごめん……」
 ▼ 51 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 11:37:02 ID:ffLTWaLA [2/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスはヘッドホンを外して時計を見た。


ガブリアス「えーっと……あれ? まだ朝の5時?」

フライゴン「早く俺の死体を埋めに行くぞ! 朝早くじゃないと誰かに見られるだろ!」


フライゴンは自分の死体を持ち上げた。


ガブリアス「あ……そうか……」


ガブリアスは寝起きでぼーっとしている頭に鞭打ってなんとか立ち上がった。


フライゴン「おい、そっち持て!」

ガブリアス「わかった」


二匹はフライゴンの死体を持ち上げると部屋の外に向かった……

 ▼ 52 ッシブーン@やみのいし 17/02/24 11:41:27 ID:B5HUOqas NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 53 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 11:42:55 ID:ffLTWaLA [3/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

201号室前 廊下


外に出ると、まだ真っ暗な冬空に星が輝いていた……

突然氷のように冷たい風が二匹を襲った。


フライゴン「うぐぅ!! さ、寒い!!」

ガブリアス「寒さのおかげで一発で目が覚めた……とりあえずどこに埋めようか……」

フライゴン「どどどどどこでもいいから!! そうだ! 近所にももも森があっただろ! そこでいいから早く行くぞ! 凍え死ぬっ!!」


ガタガタと震えているフライゴンを見てガブリアスは201号室に戻っていった。


 ▼ 54 ンニュート@フラットコール 17/02/24 11:44:54 ID:ACGS3kY. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しぇーん
 ▼ 55 ムスター@カプZ 17/02/24 11:46:12 ID:Dk86g7aU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うまく言えんけど地の文の雰囲気がすこ
 ▼ 56 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 11:50:23 ID:ffLTWaLA [4/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
フライゴン「お、おい!! 俺を置いてどこに行くんだよ!! 殺すぞ!!」


フライゴンがドンドンと扉を叩いていると……すぐに扉が開いてガブリアスが出てきた。


ガブリアス「これ使えよ。俺のサイズだからピッタリとはいかないだろうけど……」


ガブリアスはコートとマフラーを差し出した。


フライゴン「!……な、なんだよ……お前はいいのか?」

ガブリアス「俺は……どっちかって言うと暑がりだし……動いてるうちにあったまるからいいんだ」


フライゴン「……」

フライゴンはガブリアスから受け取った防寒具を身につけた。


ガブリアス「おっ、なかなか似合ってる」

フライゴン「う、うるさい! そんな事より早く行くぞ!」

ガブリアス「おう」


二匹は暗闇の中、フライゴンの死体を持ち上げて近所の森に向かって走り出した……
 ▼ 57 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 11:58:29 ID:ffLTWaLA [5/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

二匹はまだポケモンの通りの少ない真っ暗な街をこそこそと進み……なんとか街外れの森までやってきた。


先程まで輝いていた星が消えて……空は少しずつ明るくなり始めている……




街外れの森……



フライゴン「やっとここまで来たか……」

ガブリアス「だ、誰にも見つかってない……よな?」

フライゴン「多分な……って別に俺は何も悪くないのになんで俺までこそこそと……そもそもお前が全部……」


ガブリアス「……ご、ごめん」

フライゴン「謝ってる暇があるならさっさと穴を掘って死体を埋めろ!!」


ガブリアス「わ、わかってる」



ガブリアスは近くの大木の下に両手を使って深く穴を掘り始めた……
 ▼ 58 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 12:03:15 ID:ffLTWaLA [6/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


数分後……



ガブリアス「よしっ! これくらいでいいか?」

フライゴン「まぁ……こんなもんだろ」


二匹はガブリアスの掘った深い穴の中にフライゴンの死体を落とした。


ドサッ


フライゴン「……なんか変な気分だな……俺が俺自身を埋葬するって……」

ガブリアス「とりあえずこれで心配事は一つ減ったな……」


二匹はフライゴンの死体に土をかぶせた。


 ▼ 59 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 12:08:43 ID:ffLTWaLA [7/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「……」


土をかぶせ終えると……フライゴンは自分を埋めた場所をじっと見つめた……
  

ガブリアス「誰かに見つからないといいけど……」

フライゴン「ま、大丈夫だろ。それよりこれからの話だが……」


ガブリアス「……これからの事、決まったのか?」

フライゴン「まだ具体的には決まってないんだが……まずはこれから俺の家について来て欲しい」

ガブリアス「お前の家に?」

フライゴン「ああ、暇潰しにやるゲームをお前の家に持ってくから……お前も運ぶのを手伝え」


フライゴンは歩き出した。


ガブリアス「あんまり広い部屋じゃないから沢山持ってくのは勘弁してくれよ……」


ガブリアスもフライゴンの後について行った。
 ▼ 60 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 12:15:58 ID:ffLTWaLA [8/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ポケモンの通りがほとんどない街外れの小さな家の前でフライゴンが立ち止まった。


フライゴン「……ここだ」

ガブリアス「ここがお前の家か? 一匹で暮らしてるにしてはいい家だな……手入れはしてないみたいだけど」


フライゴンの家は小さいながらもそれなりにしっかりとした家だったが……庭には草がぼうぼうとはえていて……家の外壁には蔦が這っていた……


フライゴン「細かい事は気にするな。行くぞ」


フライゴンは鍵を開けて家の中に入った。


ガブリアスもフライゴンの後に続いた……
 ▼ 61 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 12:24:45 ID:ffLTWaLA [9/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴンの家



家の中は埃が酷かった……


ガブリアス「げほっ! げほっ!……掃除とかしないのか? 埃っぽくてくしゃみが……」

フライゴン「いちいちうるさいな……」


ガブリアス「それよりトイレ貸してくれないか? 朝起きてからトイレ行ってないし……」

フライゴン「えっと……トイレはだな……」

ガブリアス「ここか?」


ガブリアスは適当な扉に手をかけた。


フライゴン「っ!! そ、そこは開けるな!!」

ガブリアス「え?」


フライゴンが呼び止めた時には……もう既にガブリアスは扉を開けていた……
 ▼ 62 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 12:29:15 ID:ffLTWaLA [10/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「っ!! ……な、なんだよ……これ……」


ガブリアスはその部屋の中を見て言葉を失った……

ガブリアスの開けた部屋には……



天井から伸びた一本のロープと……椅子が一つ、近くに転がっていた……



ガブリアス「こ、これって……自……」

フライゴン「この事は忘れろ……トイレはこっちだ」


フライゴンはその冷たい手でトイレまでガブリアスを押していった……


ガブリアス「え、……あ、うん」


フライゴンはトイレの扉を開けるとガブリアスを中に押し込んだ。
 ▼ 63 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 12:35:59 ID:ffLTWaLA [11/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

廊下は再び静けさを取り戻した……

フライゴンは呼吸を整えると再び先程の部屋を覗いた……



部屋の中からは埃っぽい匂いと……微かに腐臭がした……



フライゴン「……」

フライゴンは黙って扉を閉めた。


その時、ガブリアスがトイレから出てきた。


ガブリアス「え、えっと……」

フライゴン「こい、こっちだ」

フライゴンは二階へと続く階段を登っていった……


ガブリアス「……」


ガブリアスも恐る恐るフライゴンについて行った……
 ▼ 64 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 12:46:23 ID:ffLTWaLA [12/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

二階へと続く階段を上り……廊下の突き当たりでフライゴンは立ち止まった……


フライゴン「ここが俺の部屋だ」


フライゴンが扉を開けると……その部屋の床には空き缶やペットボトル、お菓子の袋が散乱していて……大きな棚には数え切れない程のゲームソフトの箱がぎっしりと詰まっていた……


モニターからは沢山のケーブルが延びていて……それらは全てゲーム機に繋がっている……


ガブリアス「な、なんだ? この部屋は……」

 ▼ 65 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 12:51:04 ID:ffLTWaLA [13/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンは床に散乱しているゴミやケーブルを器用によけて歩き、薄汚れたベッドの上に座った……


フライゴン「……よし、じゃあ持ってくゲームを選ぶか……」

ガブリアス「ちょ、ちょっと待ってくれ」


フライゴン「……なんだ?」

ガブリアス「さ、さっきの部屋の事なんだけど……」


フライゴンがガブリアスを鋭く睨んだ……


フライゴン「その話はするな」

ガブリアス「だけど……」


バスっ!!


フライゴンはベッドを殴りつけた。


フライゴン「その話はするなって言ってるだろ!!」
 ▼ 66 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 12:55:27 ID:ffLTWaLA [14/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「!!……ご、ごめん……でも」


フライゴンはガブリアスを少しの間見つめると……すぐに目をそらした……


フライゴン「わかったよ……話せばいいんだろ?」


フライゴンはベッドに寝転がると呟いた……



フライゴン「……あの部屋でかーちゃんが自殺した」



ガブリアス「!!」


フライゴン「昨日も言っただろ? 俺には家族はいないって……」

ガブリアス「……」
 ▼ 67 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:02:11 ID:ffLTWaLA [15/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンは寝転がったまま、部屋の天井を見ながら……ぽつり……ぽつりと語り出した……
 


フライゴン「俺は……生まれてからずっとこの家で、かーちゃんと二匹で暮らしてきた……」


フライゴン「とーちゃんは俺が物心ついた時にはいなかった……俺が生まれてすぐにかーちゃんと喧嘩して出て行ったんだって聞いた……」


フライゴン「俺の家は……貧乏だったから、ゲームが欲しくてもなかなか買って貰えなくて……それで学校でもゲームを持ってない事を理由に仲間外れにされた……」


フライゴン「それから俺は……ずーっと友達のいない……いわゆる『ぼっち』って奴だった……」

 ▼ 68 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:07:18 ID:ffLTWaLA [16/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「学校に行くのが嫌で嫌で……それでもなんだかんだで普通の大学まで行ったんだが……途中で我慢出来なくなって家に引きこもるようになった……」


フライゴン「かーちゃんは毎日俺の部屋の前で泣きながら出て来いだの何だの言ってドアを叩いてたっけな……俺はそんなかーちゃんに毎日怒鳴り散らしてた……」


フライゴン「そんな日が一年くらい続いたある日だ……かーちゃんの声がパタリと聞こえなくなった……」


フライゴン「最初は静かになって喜んでたけど……急に不安になって家の中を探したら……さっきの部屋でかーちゃんが首を吊っていたって訳だ」
 ▼ 69 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:13:43 ID:ffLTWaLA [17/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「かーちゃんの足元には通帳が落ちてた……中にはそれ程な金は入ってなかったけど……それでも俺からしたら十分遊べる金額だった……」


フライゴン「俺はその金でゲームを買い漁った……ガキの頃に買って貰えなかった分をな……」



フライゴンは机の上にのっていた通帳を手に取り、ガブリアスに投げて渡した。


ガブリアスが通帳を見ると……その通帳にはかつて、数十万円が入っていた履歴があったが……既に残高は全て無くなっていた……


ガブリアス「お前……これでよかったのか?」


フライゴン「後悔はしてねぇよ……むしろかーちゃんに腹が立つくらいだ……こんなに金があるならガキの頃、俺にゲームを買ってくれたら俺はこんな目に……」
 ▼ 70 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:23:19 ID:ffLTWaLA [18/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは暫く通帳を見つめていたが……


ガブリアス「……俺はどうもお前には同意出来ないな」

フライゴン「あぁ? リア充のお前に何がわかるんだよ!!」


ガブリアス「なんでお前は……お前の母さんの優しさに気づけないんだよ……」

フライゴン「あ? 優しさだ? 俺を『ぼっち』にする事が優しさだって言うのか!?」

ガブリアス「違う、そんな事じゃない」

フライゴン「じゃあ何だってんだよ!!」


ガブリアス「今の話じゃ……お前の母さんは一匹でお前を養ってくれてたみたいだな……誰かを養うってのはすごく金がかかる事だ。だからギリギリの生活になっても仕方ない……」

フライゴン「俺が悪いってのかよ!!」


バスっ!!


フライゴンがまたベッドを殴りつけて埃が宙を舞った……


 ▼ 71 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:29:14 ID:ffLTWaLA [19/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「お前はゲームを持ってない事を理由に仲間外れにされたって言ったけど……本当にそうなのか?」


フライゴンはその言葉に少し動揺した……


フライゴン「ほ、本当に決まってるだろ!」

ガブリアス「お前と出会ってまだ2日だけど……俺はこう思う。お前は……ゲームなんかじゃなくて、その性格がもとで仲間外れにされていただけじゃないのか? それをゲームや母さんのせいにしているだけじゃないのか?」


フライゴン「!!」



その言葉を聞いたフライゴンは呼吸がだんだんと荒くなり……胸を右手でえぐるように握りしめた……


そして、ベッドに勢い良く頭を叩きつけると布団をかぶった。



フライゴン「あああああああああああああ!!!!」




フライゴンの頭にいつかの記憶が蘇った……
 ▼ 72 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:32:24 ID:ffLTWaLA [20/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ナックラー「おい! お前ら俺と遊ぼうぜ!」


マネネ「えー……やだよ、ナックラー君わがままだし……」

ナックラー「はぁ? わがままだって!? 遊んでくれないお前の方がわがままだろ!!」


ナックラーはマネネの腕に噛みついた。


マネネ「痛い! 痛いよぉ!!」

コリンク「た、大変だ! 誰か先生呼んできて!!」



 ▼ 73 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:33:10 ID:ffLTWaLA [21/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告











あの日、あんな事をしたばっかりに……全てが狂いだした……








 ▼ 74 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:35:17 ID:ffLTWaLA [22/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




あの子と関わらない方がいいよ? わがままだし……



何あいつ……一匹で弁当食ってる……きっも……



なんであいつ学校に来てるの? 友達もいないくせに……



あいつって本当ゴミみたいだよね……これからフライゴミって呼ぶ?





 ▼ 75 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:41:55 ID:ffLTWaLA [23/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



布団から消えてしまいそうな程小さな声がした……



フライゴン「俺は……確かにわがままだ……認めたくないけど……俺が一番よく知ってる……」


ガブリアス「……」


フライゴン「だけど、この世界はあまりにも理不尽だった……周りのポケモンは友達がいないってだけで俺の事をみんなしていじめた……俺は……俺はただ、みんなと仲良くしたかっただけなのに……」


フライゴン「家に帰るたびにかーちゃんは『今日は楽しかった?』とか聞いてきて……俺はいつもカッコつけて、いもしない友達と遊んだって話してた……友達がいないなんて……学校で虐められてるなんて言えなかった……」


ガブリアス「……」


フライゴン「そんな日がずっと続いて……俺は我慢できなくなった……大学に入ってもすぐに辞めて家にこもった……」


フライゴン「それからはさっき言った通りだ……」


ガブリアス「……そうか」
 ▼ 76 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:47:12 ID:ffLTWaLA [24/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは足元のケーブルにつまずきながら、ゆっくりとフライゴンのもとに近寄った……


ガブリアス「お前は……母さんからの最後のメッセージに気づいてなかったのか……?」


フライゴン「最後の……メッセージ?」


布団から顔を出したフライゴンにガブリアスは通帳を突きつけた。


フライゴン「通帳がどうかしたのか? そいつの中身はもう空っぽ……」

ガブリアス「中身じゃなくて……こっちだ」


ガブリアスは通帳の裏表紙を見せた。


フライゴン「!!」


そこには……フライゴンの母からの手書きのメッセージが書き記してあった……

 ▼ 77 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:52:55 ID:ffLTWaLA [25/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴンへ



まずはごめんね……こんな事になって……


お母さんがお父さんと離婚なんてしなかったら……きっとこんな事にはならなかったのにね……お金にも困らなかったのにね……


実は……ずっと隠してたんだけど……私は癌で先は長くはありませんでした。


治療をしてもお金がかかるだけ……今より生活が苦しくなるなら……あなたのために私は……


この通帳の中のお金はあなたが生まれてからずっとあなたの将来の為に少しずつ貯金していたものです。


自由に使ってください。


最後の最後に顔を合わせる事もなく、あなたにこんな文章だけで全てを伝えた事を許して下さい。


私は……向こうに行ってもあなたを愛しています。

母より
 ▼ 78 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 13:58:41 ID:ffLTWaLA [26/70] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

フライゴンは震える手で通帳を受け取った……


フライゴン「ぁぁ……お、俺は……俺は何てことをしてしまったんだ……」


フライゴンの目から涙が溢れて通帳に落ちた……


フライゴン「俺は……なんてクズなんだ……」


ガブリアス「お前の母さんからのメッセージは……ちゃんとお前の心に届いたか?」


フライゴン「ああ……だけど今は……もう少し時間をくれ……」


ベッドに横たわり、残高の残っていない通帳をぎゅっと抱きしめているフライゴンの隣にガブリアスが座った……


ガブリアス「時間なんていくらでもある……泣きたいだけ泣けばいいさ……」


ガブリアスのその言葉にフライゴンの感情が爆発した……

布団に顔をめり込ませて大声で泣くその姿は……まるで、生まれたての赤ん坊のようだった……

続く
 ▼ 79 ッタイシ@きんのはっぱ 17/02/24 14:35:31 ID:vGjsejxU NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援。
 ▼ 80 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 16:16:18 ID:ffLTWaLA [27/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

第三話 成仏×覚悟+優しさ





太陽が空高く昇って街外れを優しく照らし始めた頃……

二匹はフライゴンの家を後にし、肩を並べて街外れを歩いていた……



フライゴンは少し赤く腫れた目をこすった。


フライゴン「……目が痛い」

ガブリアス「まぁ、あれだけ泣いたからな……それより良かったのか? ゲームを持ってくために家に寄ったのに……」

フライゴン「かーちゃんに申し訳なくて遊べねーよ……」
 ▼ 81 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 16:18:05 ID:ffLTWaLA [28/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、フライゴンが急に立ち止まった。


フライゴン「……なぁ」

ガブリアス「ん? どうした?」

フライゴン「俺……かーちゃんに謝りたい」


ガブリアスは微笑んだ……


ガブリアス「うん……それでいいんじゃないか?」



 ▼ 82 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 16:24:50 ID:ffLTWaLA [29/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「……あれ? そういえば……俺って本当に死んでるんだよな?」


ガブリアス「え? そうじゃないのか?」


フライゴン「死んだら天国とか地獄とかに行くんじゃないのか?」


ガブリアス「あ……確かに」


フライゴン「なんで俺は……この世界にまだいるんだ?」


ガブリアス「えっと……それを俺に聞かれてもだな……」


その時、どこからか声が聞こえた……


?「おい、そこの若者達よ……」


ガブリアス「え? 誰だ?」


二匹が辺りを見渡すと……すぐそばのビルとビルの隙間で壁にもたれて座る、薄汚い赤い体のポケモンがいた……
 ▼ 83 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 16:32:05 ID:ffLTWaLA [30/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「……何かようか?」

?「ああ……」


その赤い体の老いたポケモンはワンカップ酒を啜った……


?「わしはハッサム……そこの緑のあんちゃんに話がある……」

フライゴン「え? 俺?」


ハッサム「先程の話は聞かせてもらった……あんちゃん、あんた死者なんだってな……」


二匹「!?」

 ▼ 84 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 16:38:09 ID:ffLTWaLA [31/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「ヤバい!! 聞かれてた!!」

フライゴン「まて、このおっさんは酒を飲んでる……ただの酔っ払いだ。大丈夫、すぐに忘れるだろ」

ガブリアス「!……そ、そうだな」


ハッサムは遠い目を空に向けた……


ハッサム「いや、意識ははっきりしてるさ……死んだポケモンには酒の味なんざわからないからな……」

ガブリアス「え? 死んだポケモン?」

ハッサム「そうだ……わしもあんちゃんと同じで死んでるんだ……」


二匹「!?」

 ▼ 85 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 16:46:18 ID:ffLTWaLA [32/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「し、死んでる……?」


ガブリアスがハッサムに触れようとすると……腕がハッサムの体をすり抜けた……


ハッサム「ああ、二十年近く前にちょっとあってな……それよりさっきの話……あんちゃん、あんた成仏したいのか?」


フライゴン「……成仏?」


ハッサム「死んだ後、いわゆる天国って所に行く事さ……」

フライゴン「!……おっさんは知ってるのか? その……成仏する方法を……」


ハッサム「知ってるさ……死んで長いからな……」

 ▼ 86 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 16:54:32 ID:ffLTWaLA [33/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「お、教えてくれ!! どうすれば成仏できるんだよ!!」


ハッサムはまた、ワンカップ酒を啜った……


ハッサム「普通に死んだポケモンなら……あんちゃんやわしみたいに現世にいつまでもいる事はないんだ……」

ガブリアス「じゃあ、なんでこいつは?」


ハッサム「現世でやり残した事があるんだ……そのやり残した事を達成出来た時、あんちゃんは晴れて成仏出来るって訳だ」


フライゴン「やり残した……事……?」


ハッサム「そうだ。この世をさまよう魂は皆、成仏するために自分のやり残した事を達成しようとする……だが……」

ガブリアス「だが?」

ハッサム「ほとんどのポケモンが達成出来ずにいつまでもこの世をさまよい続ける事になる……わしもその一匹だ……」



 ▼ 87 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 17:09:47 ID:ffLTWaLA [34/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「おじさんも?」


ハッサム「ああ……そして、いつまでも成仏出来ない者は……生きているのか死んでいるのか……だんだんとわからなくなって……そして、最後は気が狂い醜い化け物になってしまうと言われている……」

フライゴン「!!……お、俺もいずれ化け物に……!?」

ガブリアス「それよりおじさんは大丈夫なのか!? さっき二十年前に死んだって言ってたけど!?」


ハッサム「……所詮噂だからな……まぁ、もしかすると……もう化け物になっているのかもしれないがな……」


フライゴンはその場に崩れ落ちた……

フライゴン「嫌だ!! 俺は化け物になんかなりたくない!! かーちゃんに謝れないなんて嫌だ!!」

 ▼ 88 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 17:17:04 ID:ffLTWaLA [35/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「……どうにかならないかな……おじさん」


ハッサムは哀れむような目でフライゴンを見つめた……


ハッサム「あんた、助けたいのか? このあんちゃんを……」


ガブリアスは静かに頷いた……


ハッサム「なら、手伝ってやれ……あんちゃんの夢を……願いを叶えてやれ……」

ガブリアス「夢を……叶える……」

ハッサム「そうだ、生きているあんたが手伝ってやれば……簡単ではないが、夢の1つや2つくらい叶えてやれる」


ガブリアスはしばらく黙っていたが……やがて覚悟を決めたように拳を握りしめた……


ガブリアス「……わかった。俺が手伝ってやる」


 ▼ 89 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 17:22:09 ID:ffLTWaLA [36/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンが顔を上げた。


フライゴン「い、いいのか?」


顔を上げたフライゴンにガブリアスが笑いかけた。


ガブリアス「何言ってるんだ? そもそも俺のせいでこんな事になってるんだから……当たり前だろ?」


フライゴンはガブリアスから目をそらすと小さくつぶやいた。


フライゴン「……お前、リア充だけどいい奴なんだな」

ガブリアス「そりゃどうも。それより今日はもう帰ろうか……やる事は終わったし……」

 ▼ 90 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 17:28:48 ID:ffLTWaLA [37/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「おじさん、情報ありがとう」


フライゴン「おっさん……その……あんたも成仏出来るといいな」

フライゴンは立ち上がるとハッサムに背を向けてボソッと言った……


ハッサムは空になったカップ酒のビンを置くと手を振った。


ハッサム「またな、若者よ……頑張れよ」


二匹は歩き出した……


ガブリアス「腹減ったな……昼飯は牛丼とかでいいか?」

フライゴン「お前の奢りなら何でもいいぞ」

ガブリアス「なんだよそれ!」


だんだん遠くなる二匹の背を見ながらハッサムはつぶやいた……


ハッサム「あの二匹なら出来る気がする……安心しろ、きっと成仏出来るさ……あんちゃん」
 ▼ 91 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 17:36:13 ID:ffLTWaLA [38/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


眩しい太陽が空のてっぺんに昇った頃……



二匹は吉野家の前で呆然としていた……


フライゴン「おいおい……まじかよ……」


二匹の目の前には……吉野家から伸びる長蛇の列……


ガブリアス「まぁ、仕方ないよな……こんな日もあるさ……別の店を探そうぜ? えーっと……」


ガブリアスが辺りを見渡すと……吉野家の向かいに汚いラーメン屋があった。

 ▼ 92 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 17:42:27 ID:ffLTWaLA [39/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「あそこはどうだ?」

フライゴン「え? マジで言ってるのか?……こんな時間に誰も客がいないって……明らかな地雷だろ……」


確かに、そのラーメン屋には見た所誰もお客は入っていないようだ……


ガブリアス「でも……他の店もこの時間ならどうせ混んでるだろ? 朝飯食べてないから俺もう腹ペコでさ……それに、俺の奢りならなんでもいいって言ったじゃん」

フライゴン「……わかった……でも、どうなっても知らないからな?」

 ▼ 93 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 17:50:47 ID:ffLTWaLA [40/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


二匹が汚いラーメン屋ののれんをあげて店に足を踏み入れると……店の奥から店主と見られるポケモンの声がした……


ガオガエン「……らっしゃい」


店主は店の奥で足を組んで椅子に座り、タバコを吸いながら新聞を読んでいる……


フライゴンが小声で言った。

フライゴン「お、おい……やっぱりやめとこうぜ? 気まずすぎる……」


ガブリアス「もう食えたらどこだっていいだろ?」

 ▼ 94 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 18:53:32 ID:ffLTWaLA [41/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは適当なカウンター席に座った。


フライゴン「……」


フライゴンも隣の席に座った。

すると、先程まで読んでいた新聞をゴミ箱に投げ捨てて店主が寄ってきた……


ガオガエン「……何にするんだ?」

ガブリアス「あ……えーっと……メニューは」


ガオガエンは顎で壁に掛かっている木製の札を見るよう促した。


ガブリアス「あ……そんな所に……じゃあ俺は醤油ラーメンで」

フライゴン「俺は昨日食えなかった塩ラーメン」


注文を聞き終えるとガオガエンは黙って調理場に向かった……


フライゴン「(無愛想だな……)」
 ▼ 95 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:00:05 ID:ffLTWaLA [42/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



注文をしてから二分程たった……まだラーメンは来ない……




二匹は何をするでもなく、辺りをキョロキョロと見渡している……


フライゴンは小声ガブリアスに話しかけた。


フライゴン「気まずすぎる……こんな事ならコンビニ飯が良かったんだが……」


ガブリアス「まぁそんな事言うなって」







 ▼ 96 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:09:25 ID:ffLTWaLA [43/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



そして、更に五分ほどたって……

やっと店主がどんぶりを二つ持ってきた……


ガオガエン「……おまち」


二匹の前にそれぞれが注文したラーメンが置かれた。

ガブリアスは割り箸を二つ取って一つフライゴンに渡した。


ガブリアス「ほら、割り箸……ん? どうした?」


フライゴンはラーメンを前にすすり泣いていた……


フライゴン「っぐ……ずす……」

ガブリアス「……昨日も泣いてたよな……何かあったのか?」
 ▼ 97 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:14:52 ID:ffLTWaLA [44/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンの涙がラーメンのどんぶりに落ちた……


フライゴン「実は……最後にかーちゃんと一緒に食べた飯が……ラーメンだったんだ……」

ガブリアス「そうだったのか……」

フライゴン「その日以来、俺はずっと一匹だったから……誰かと……お前とこうして一緒に飯を食ってるだけで何故か涙が出てくるんだよ……情けない話だけどよ……」


ガブリアスはため息をつくと割り箸を置いた。


ガブリアス「……情けなくなんかない」


フライゴン「……同情してくれるってのか?」


ガブリアス「同情って言うか……むしろ、羨ましい……かな」


 ▼ 98 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:19:19 ID:ffLTWaLA [45/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「羨ましい……?」


ガブリアス「……俺は誰かと一緒に飯を食べる事なんて当たり前だと思ってた……でも、お前にとってはそれが当たり前なんかじゃなくて……だけどさ、そんな風に皆が当たり前に思ってる様な事を幸せに感じるのってすごく羨ましくてさ……」


フライゴンはガブリアスを見ると涙を拭った。


フライゴン「なんだよ……リア充の分際で……」

ガブリアス「まぁ、これからは俺が一緒に飯を食ってやるからさ」

フライゴン「お前……」

 ▼ 99 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:26:36 ID:ffLTWaLA [46/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、フライゴンのどんぶりに麺がもう一玉入れられた……


フライゴン「え?」


二匹の前で店主のガオガエンが涙していた。


ガオガエン「いい友達じゃあねぇか……久しぶりに感動しちまった……そいつはサービスだ!」

フライゴン「おっさん……」


店主の優しさに触れ、またフライゴンの目に涙が浮かんだ……


ガブリアス「よかったな!」

ガオガエン「そんな事より早く食べないと麺が伸びちまうぞ!」

ガブリアス「そうだな。よし、食べようぜ!」

 ▼ 100 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:32:14 ID:ffLTWaLA [47/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンは勢いよく麺を啜った。

ガブリアスとガオガエンはその様子を見て微笑んだ……


フライゴン「ぶほぉっ!!」


フライゴンは、また昨日のようにむせている……鼻水と涙で顔がぐちゃぐちゃだ……


ガブリアス「そんなに急がなくてもいいぞ?……ん?」


ガブリアスはフライゴンの異変に気づいた。

フライゴンはむせながらもガブリアスに目を向けている……まるで何かを訴えかけているように……


ガブリアス「(な、なんだ……?)」

ガオガエン「ほら、にいちゃんもさっさと食べな!」

ガブリアス「え、ああ……」
 ▼ 101 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:34:08 ID:ffLTWaLA [48/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアスは割り箸で麺をすすった……

すると、なんとも言えない味が口の中いっぱいに広がった……



油の味しかしないスープ……


こしのないベチャベチャの麺……


不味い! 不味すぎる!!





 ▼ 102 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:39:31 ID:ffLTWaLA [49/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアスは再びフライゴンを見た……

フライゴンは死にそうな顔をして麺をがっついている……


ガブリアス「(あ、あいつ……まさかこれを全部食べる気か!?)」


ガブリアスは店内を見渡したが……やはり、他には客はおらず……店主も二匹の前から動こうとしない……


ガオガエン「どうだ? うまいか?」

フライゴン「う、うまい……れす」

フライゴンは鼻水やよだれを垂らしながらそう言っているが……明らかにあのラーメンも不味いのだろうとガブリアスはすぐにわかった……


ガブリアス「(こ、こんな事ならコンビニ飯にしとけばよかった……)」


深く後悔しながら逃げられないと覚悟を決めるとガブリアスは箸をとった……
 ▼ 103 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:43:34 ID:ffLTWaLA [50/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


数十分後……





二匹はのれんをあげてラーメン屋から出た。


ガオガエン「また来てくれよ!」


二匹は振り返ると店主に黙って笑顔を返してそのまま逃げ帰るように走り出した。

 ▼ 104 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:47:54 ID:ffLTWaLA [51/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

近くの曲がり角を曲がると二匹はその場に崩れ落ちた。


ガブリアス「うぇ……まだ口の中に味が残ってる……」


フライゴン「だ、だからコンビニ飯でいいっていっただろ……っぷ」


ガブリアスは塀に手を突きながらフライゴンを見た……


ガブリアス「ご、ごめん……それにしてもお前……よくあんな量食べれたな……不味いのに……おぇ……」


フライゴン「お、俺だってびっくりしてる……でも、あんなに優しくしてもらったんじゃ……食べるしかないだろ? おえっぷ……」

 ▼ 105 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 19:51:00 ID:ffLTWaLA [52/70] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ガブリアス「本当すげぇな……この件についてはお前を尊敬する……ぐぇ」


フライゴン「そ、そうか……もう今日は帰ろうぜ……夜はコンビニ飯でいいから……うぷ」


ガブリアス「ああ……やっぱりコンビニが一番だ……」


二匹はヨロヨロと歩き出した……




そのラーメン屋は二匹が来店してから数日後……潰れ……る事はなく、激まずラーメン屋としてブレイクしたと言うのはまた、別のお話……



続く






 ▼ 106 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 22:07:30 ID:ffLTWaLA [53/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

第四話 夢=現状−プライド



コンビニで夕食を買った二匹は201号室に帰ってきた。


ガブリアス「やっと帰ってきたな……うっぷ……まだ口の中に味が残ってる……」


フライゴン「本当……全部お前のせいで……」

ガブリアス「だから悪かったって!」


フライゴンは部屋にあがるとコタツに入った。


フライゴン「あー……寒い……なんでコタツの電源切ってったんだよ……」

ガブリアス「そりゃ家を出る時は切るだろ」


ガブリアスはコタツに入って電源を入れると、近くのダンボール箱からオレンの実を二つ取り出して一つをフライゴンに投げて渡した。


ガブリアス「ほら、口直しにでも」

フライゴン「おう」
 ▼ 107 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 22:11:40 ID:ffLTWaLA [54/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

二匹はオレンの実を食べ出した……


フライゴン「……なぁ」

ガブリアス「……なんだよ?」


フライゴン「俺、あれからずっと考えてたんだけど……」

ガブリアス「何の事だ?」


ガブリアスはオレンの皮をむいてひょいひょいと口の中に放り込む……


フライゴン「あのおっさんに教えてもらった成仏ってやつ」

ガブリアス「あー……あの話な……お前の夢を叶えればいいんだよな?」


フライゴン「……らしいな」


ガブリアス「で? お前の夢って何なんだ? まずは教えてくれよ」
 ▼ 108 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 22:15:41 ID:ffLTWaLA [55/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンはオレンの実を食べ終えると俯いてオレンの皮をいじりだした……


フライゴン「え、えっと……」

ガブリアス「なんだよ……早く言えよ」


フライゴン「……わ、笑うなよ……絶対笑うなよ……」

ガブリアス「誰が笑うんだよ……笑ったらお前起こるじゃん」


フライゴンはそれでもオレンの皮をいじってしばらくうじうじしていたが……やがて覚悟を決めると重い口を開いた……


フライゴン「俺をリア充にしてくれ!!」


ガブリアス「り、リア充!?」

 

 ▼ 109 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 22:20:05 ID:ffLTWaLA [56/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



部屋の中に妙な空気が流れた……



フライゴン「だから馬鹿にするなって言っただろ!!」


フライゴンはコタツの中にこもってしまった……


ガブリアス「だ、誰も馬鹿になんてしてないって……でも……」


フライゴン「でもなんだよ!!」


ガブリアス「俺だって自分の事はリア充って思ってないし……そもそもリア充ってどんなのかよくわかってないんだけど……」


コタツがガタガタと動いた……コタツの中のフライゴンが暴れているらしい……


フライゴン「お前はどう見てもリア充なんだよ!! 俺なんかと違って充実した生活しやがって!!」


ガブリアス「はぁ……」
 ▼ 110 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 22:38:50 ID:ffLTWaLA [57/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

しばらくコタツはガタガタと動いていたが……やがて動きも止まって静かになった……

ガブリアスは小さくため息をつくとコタツを覗いた。


コタツの中からフライゴンがこちらを睨んでいる……


ガブリアス「そんなに怒るなよ……わかったから。俺、お前を……その……リア充にしてやるから」


フライゴン「!」


ガブリアス「でも、期待するなよ? 俺だってリア充ってのがどんなのかよくわかってないから……出来る範囲で手伝ってやる」


フライゴンはガブリアスから目をそらして小さく呟くように言った……


フライゴン「……頼んだぞ」


 ▼ 111 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 22:41:29 ID:ffLTWaLA [58/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「はいはい……そんな事より早くコタツから出てこいよ。リア充はコタツになんかこもらないぞ?」


フライゴン「!!」


フライゴンはすぐにコタツから出てきた。


ガブリアス「(結構素直なんだな……こいつ)」

 ▼ 112 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 22:46:35 ID:ffLTWaLA [59/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

二匹は再びコタツに向かい合って入った……


ガブリアス「で? リア充についてだが……まずは何をすればいいんだ?」

フライゴン「そうだな……いざ言われ見るとなかなかわからないな……」

ガブリアス「まぁ、ゆっくり考えて行けばいいじゃん」


ガブリアスはリモコンを手に取るとテレビの電源を入れた。


テレビから映像が流れ始める……それはどこかの遊園地のCMだった……


フライゴンがコタツを叩いて立ち上がった。


フライゴン「これだ!!」



 ▼ 113 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 22:52:22 ID:ffLTWaLA [60/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「な、なんだよいきなり……」

フライゴン「俺、遊園地に行きたい!!」

ガブリアス「遊園地?」


ガブリアスが再びテレビに目をやると……子ども連れの家族がジェットコースターに乗っている……


フライゴン「これだよ! これ!! 俺が目指してたのはこれ!!」

ガブリアス「そっか……じゃあこの辺りなら……あそこだ。そんなに大きくない遊園地だけど『バンギランド』って所が近くにある……」 

フライゴン「この際どこでもいいから! 明日行こうぜ!!」


フライゴンはまるで子どものように目を輝かせている……

 ▼ 114 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 22:56:27 ID:ffLTWaLA [61/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「明日か……じゃあ明日の朝一で行こうか」


フライゴン「よしっ! そうと決まったら今日は早く寝るぞ!!」


ガブリアス「えー……今日は見たいドラマが……」


フライゴン「そんなの録画すればいいだろ!」


ガブリアス「わかったよ……」


ガブリアスは渋々DVDのリモコンを取り出した……

 ▼ 115 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 23:00:18 ID:ffLTWaLA [62/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


そんなこんなで夕食を食べて風呂に入り……時間は午後八時頃……


フライゴン「じゃあ明日に備えてもう寝るぞ!!」

ガブリアス「えぇ……まだ眠くないんだけど……」


フライゴンが明かりを消して部屋は真っ暗になった……


ガブリアス「マジで言ってるのか……くそー……ドラマの続きが気になる……」


ガブリアスは渋々コタツに横になった……


フライゴン「明日は早く起きろよ……」


フライゴンもコタツに入って横になった……

 ▼ 116 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 23:04:34 ID:ffLTWaLA [63/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアス「(遊園地か……何年ぶりかな……そう言えば昔、遊園地で迷子になって母さんに怒られたっけ……)」


ガブリアスは遠い昔を思い出して微笑んだ……


ガブリアス「(ってなんだ……俺までワクワクしてきた……明日、楽しみだな……俺も早く寝なきゃ)」


ガブリアスは近くにあった雑誌を重ねて枕を作ると目を閉じた……


 ▼ 117 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 23:07:51 ID:ffLTWaLA [64/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「……」


暗闇の中で目をつむると様々な音が聞こえてくる……ガブリアスはそんな音を聞くのが好きだった……


風の音……風に揺れる窓の音……そして……カチカチ……カチカチと……何の音だろう?


ガブリアスは目を開いた……


ガブリアス「(何の音だ?)」


カチカチ……カチカチ……


一定のリズムを刻むようにカチカチ……カチカチと不思議な音が聞こえる……



 ▼ 118 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 23:10:16 ID:ffLTWaLA [65/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは辺りを見渡した……

真っ暗な部屋の一部がぼうっと明るくなっている……


ガブリアス「!!」

明かりの正体はフライゴンの3DSだった!


ガブリアス「おい!」


ガブリアスは立ち上がると電気をつけた。


フライゴン「げっ! 起きてやがった!!」




 ▼ 119 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 23:13:35 ID:ffLTWaLA [66/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスはフライゴンから3DSを取り上げた。


フライゴン「ま、待ってくれよ!! あと少しだけ……」

ガブリアス「だめだ! ってか早く寝ろよ! お前が言い出したんだろ!」

フライゴン「寝れなかったんだから仕方ないだろ!」

ガブリアス「うるさい! 早く寝ろ! 俺だって遊園地楽しみなんだよ!!」


その時、隣の部屋から鈍い音が聞こえた……


ドンドン! ドンドン!!


 ▼ 120 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 23:16:09 ID:ffLTWaLA [67/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「あ……お、お前のせいで隣に住んでる奴が怒ってるだろ!」

フライゴン「俺のせいじゃねーよ!!」


また鈍い音が聞こえた……


ドンドン!!!


フライゴン「うぐぐ……仕方ない……寝るか……」


ガブリアス「そうだ、それでいい」



 ▼ 121 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 23:19:18 ID:ffLTWaLA [68/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは再び明かりを消してコタツに横になった……

今度こそ眠ろうと目を閉じた時、フライゴンの声が聞こえた……


フライゴン「なぁ……」


ガブリアス「なんだ?」


フライゴン「明日、何に乗るんだ?」


ガブリアス「この間スロットで大勝ちしたから好きなのに乗っていいぞ……」


フライゴン「マジで!? やった!」


ガブリアス「わかったからさっさと寝ろよ……」


フライゴン「おう!」


 ▼ 122 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 23:21:08 ID:ffLTWaLA [69/70] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その会話を最後にフライゴンは静かになった……


ガブリアス「(本当に……あいつは子どもかよ……まぁ、ワクワクして寝れない俺も俺か……)」


ガブリアスは大きなあくびをすると目を閉じた……




続く


 ▼ 123 1◆v1GnTfaqxg 17/02/24 23:23:16 ID:ffLTWaLA [70/70] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第二話〜第四話 おしまい

明日から時間が無くなりそうだったので一気に書かせていただきました。

と、言うわけで明日明後日は更新できるかわかりません。


では
 ▼ 124 ポポタス@きいろいバンダナ 17/02/25 07:56:34 ID:j.O1sKlo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケットモンスター グギュグバァッ!!!
ポケットモンスター ぱるぱるぅ!!!
 ▼ 125 ードラ@ヨプのみ 17/02/25 07:57:20 ID:j.O1sKlo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>124
すまん。スレ違いです
 ▼ 126 ーマンダ@あおぞらプレート 17/02/25 08:54:04 ID:azskYkTA NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
>>124
不覚にもワロタ
 ▼ 127 ゲキッス@シルバースプレー 17/02/25 09:00:45 ID:OiAajsyw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 128 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 21:29:12 ID:oySraKLo [1/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


第五話 遊園地×エンジョイ=リア充



朝……二匹はバンギランドと呼ばれるテーマパークの入場口の前に立っていた……


ガブリアス「……ついに来たな」

フライゴン「ああ……」


ガブリアスの腕時計が10時を指すとともにテーマパークの中から従業員と思われるポケモンが現れて、入場口に掛かった鎖を外した。


ガブリアス「行くぞ!」

フライゴン「おう!」


二匹は入場口へ駆けて行った……

 ▼ 129 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 21:33:53 ID:oySraKLo [2/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


入場口でガブリアスが二匹分の入場料を払うと、二匹はバンギランドへと足を踏み入れた……


冬休みも終わった平日の午前中なので他の客は殆どいなかった。



フライゴン「来た……ついに来たんだ……」

ガブリアス「おう、来たぜ……」


フライゴンは深く息を吸い……両腕を大きく広げて叫んだ。


フライゴン「俺はリア充だぁーーーーっ!!」



 ▼ 130 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 21:38:57 ID:oySraKLo [3/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「ってまだ来たばっかだぞ? アトラクションに乗る前に成仏する気か?」

フライゴン「っ!……そうだった……あぶねぇー……じゃあまず何乗る?」

ガブリアス「んー……そうだな……」


ガブリアスは園内を見渡した……


ガブリアス「じゃあまずは……景気づけにフリーフォール行くか!」

フライゴン「フリーフォール? なんだそれ?」

ガブリアス「……あれだ」


ガブリアスが指差す先に……空まで届きそうな鉄の塔が見える……

 ▼ 131 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 21:42:12 ID:oySraKLo [4/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「あれは……どんなアトラクションなんだ?」


ガブリアス「登って……落ちる……それだけだ」


フライゴン「登って落ちる? よくわからないな……」


ガブリアス「とりあえず行こうぜ!」


ガブリアスは鉄の塔に向かって走り出した。


フライゴン「お、おい! 待てよ!!」
 ▼ 132 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 21:47:19 ID:oySraKLo [5/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



フリーフォールの前には……やはり、行列などなく……すんなりと乗る事が出来た。


ガブリアスとフライゴンは席に座ると、上の方から下りてきたバーを持った。


ガブリアス「久しぶりだなー……これ大好きなんだ!」


ニヤニヤしているガブリアスの隣でフライゴンは怯えた様な表情をしている……


フライゴン「な、なぁ……なんか嫌な予感が……」


他の客も座り終えると、従業員がバーのロックを手際よく確認した。

 ▼ 133 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 21:51:18 ID:oySraKLo [6/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

スピーカーからカウントダウンが聞こえてくる……


スピーカー「3……」


フライゴン「ちょ! ちょっと待ってくれ!」

ガブリアス「なんだよ、もう逃げられないぞ?」


スピーカー「2……」


もちろん叫ぼうが暴れようがカウントダウンは止まらない……


スピーカー「1……」


ガブリアス「来るぞ! 歯を食いしばれ!!」

 ▼ 134 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 21:55:07 ID:oySraKLo [7/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


スピーカー「fire!!」


その瞬間、二匹や他の客を乗せた座席が勢いよく打ち上げられた!


バシュウウウウウウウ!!!


他のどの客よりも大きなフライゴンの叫び声がバンギランド中に響いた。


フライゴン「ぎゃあああああああああああ!!!!」

ガブリアス「きたーー! これだ! これこれ!!」


座席は一番てっぺんに着くまで数秒とかからなかった……


てっぺんまで来ると座席はピタッと止まった……


 ▼ 135 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 21:59:18 ID:oySraKLo [8/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンは死にそうな顔でガブリアスを見た……


フライゴン「お、終わりか? 終わったのか?」


ガブリアスはニヤリとした……


ガブリアス「まだ折り返しだぞ?……これからが本番だ……」


フライゴンはその言葉に絶望的な表情を浮かべた……


フライゴン「そ、そんな……ひゃんっ!?」


次の瞬間、座席は重量に任せるがままに落下した。


 ▼ 136 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 22:01:25 ID:oySraKLo [9/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「あああああああああ!!!!」


座席はガタガタと音をたてながら落ちたり止まったりを繰り返す……


フライゴン「あああああああああ!!!!」


座席が落ちたり……止まったりを繰り返す度に、フライゴンの叫びが園内に響き渡るのであった……


 ▼ 137 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 22:04:59 ID:oySraKLo [10/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴンの初フリーフォールは終わった……



フライゴンは座席から降りると、すぐにその場に倒れ込んだ……


ガブリアス「お、おい……大丈夫か?」


フライゴンは体全体を震わせている……


フライゴン「な、なぁ……俺死んでないか? ちゃんと生きてる?」

ガブリアス「うっ……えーっと……死んでる……」

フライゴン「ああ!! 俺は死んだ!! 死んだんだああああ!!」


フライゴンは床に寝そべってジタバタしている……


 ▼ 138 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 22:08:57 ID:oySraKLo [11/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ガブリアス「本当ごめんって……まさかこんなにビビりだとは思わなくて……」


フライゴンはいじけて地面をカリカリと引っ掻いている……


ガブリアス「(えーっと……こう言う時はっと……)」


ガブリアスはフライゴンを置いて歩き出した……


ガブリアス「リア充なら遊園地でいじけたりしないよなぁ」

フライゴン「……!」

フライゴンはすぐに立ち上がるとガブリアスについて来た。

ガブリアス「(なんだかんだで単純な奴だな……)」


フライゴン「つ、次はもっと緩い奴頼む……もう絶叫系は嫌だからな……」


ガブリアス「はいはい」

 ▼ 139 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 22:49:45 ID:oySraKLo [12/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


二匹はベンチに腰掛け、園内の地図を見ていた……



ガブリアス「空中ブランコは?」

フライゴン「ダメだ」

ガブリアス「ジェットコースターは?」

フライゴン「もちろんダメだ」

ガブリアス「じゃあ……お化け屋敷は?」

フライゴン「ダメに決まってるだろ!」


ガブリアスはため息をついた……


ガブリアス「じゃあ何ならいいんだよ……そもそもお前お化けじゃん……ってあれ!?」

先程まで隣に座っていたフライゴンの姿がない……
 ▼ 140 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 22:53:49 ID:oySraKLo [13/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「あれ!? あいつどこ行った!?」


その時……


フライゴン「おーい! こっちこーい!!」


遠くからフライゴンの声が聞こえる……


ガブリアス「なんだなんだ?」


ガブリアスもベンチを立つと声のした方に向かって歩き出した……

 ▼ 141 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 22:59:35 ID:oySraKLo [14/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアス「おいおいなんだよ……ってなんだぁ!?」


フライゴンの隣に変な怪獣の着ぐるみがいる……


フライゴン「こいつ、ここのキャラのバンギ君って言うんだってよ! カメラあるだろ? 写真撮ってくれよ!」

ガブリアス「もー……本当子どもだな……」


ガブリアスはスマホを取り出すと、フライゴンと着ぐるみに向けてカメラを向けた……


フライゴン「馬鹿か! お前も写れよ!!」

ガブリアス「は? マジかよ!」

フライゴン「大マジだよ!」


笑いながらガブリアスはフライゴンとともに着ぐるみを挟むように並んでスマホの内カメラで写真を撮った。


パシッ!!
 ▼ 142 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:03:55 ID:oySraKLo [15/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「うまく撮れたか?」

ガブリアス「うん、まぁまぁだな……えーっと……バンギ君だっけ?ありがとな!」

バンギ君「おう! バンギランドを思いっきり楽しんでってくれよな!!」

フライゴン「言われなくてもわかってるって! 行こうぜ!」


フライゴンは走り出した……


ガブリアス「あ! おい、待てよ!(着ぐるみってしゃべっていいのか?)」


ガブリアスもフライゴンの後を追った……

 ▼ 143 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:06:54 ID:oySraKLo [16/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「よし、これ乗るぞ」


二匹の前にはコーヒーカップが回っている……


ガブリアス「んー……仕方ないな……絶叫系が良かったんだけど……」

フライゴン「絶叫系の話はするなっ!!」

ガブリアス「わかったわかった! じゃあさっさと乗るぞ!」


二匹はコーヒーカップの入場口に向かった……

 ▼ 144 ガルデ@ほしのかけら 17/02/25 23:08:45 ID:BG3CPIOg NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
(写真にフライゴン写っているのか...?)
 ▼ 145 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:09:00 ID:oySraKLo [17/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



あちらこちらでコーヒーカップがくるくる回る……


くるくる……くるくると…… 

  

そのカップの一つにガブリアスとフライゴンが乗っていた……


ガブリアス「……」

フライゴン「……」


二匹の他には誰もコーヒーカップには乗っていない……

 ▼ 146 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:12:23 ID:oySraKLo [18/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


盛り上がりに欠ける二匹とは裏腹に、軽快な音楽だけが大音量で流れ続ける……


ガブリアス「……なあ」

フライゴン「なんだよ」

ガブリアス「なんか……微妙じゃね?」

フライゴン「思ってたよりも面白くないな」


沢山のカップがくるくると回る……


 ▼ 147 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:16:22 ID:oySraKLo [19/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「さっさと終わらないかな……」

フライゴン「なんでこんなのに乗ったんだよ……」

ガブリアス「お前が絶叫系に乗りたくないって言ったからだろ!」

フライゴン「だって怖いから仕方ないだろ!!」


クスクス……クスクス……


フライゴン「!?」


フライゴンが辺りを見回すと……コーヒーカップの周りにいた他の客が笑っていた……


フライゴン「なんだよこれ! 公開処刑じゃねぇか!!」

ガブリアス「なんか……俺の方が恥ずかしくなってきた……」



それでもカップは回り続けるのであった……
 ▼ 148 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:20:50 ID:oySraKLo [20/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


二匹はコーヒーカップを降りた……


ガブリアス「お前のせいで恥かいた……」

フライゴン「うるせぇ!! それより……あそこ行こうぜ!」

ガブリアス「なんだ?」


フライゴンの指差す先には……ゲームセンターがあった。


ガブリアス「なんだ? こんな所に来てもゲームか?」

フライゴン「いいんだよ! 行こうぜ!!」


フライゴンは走って行った……


ガブリアス「ま、待てよ!……これじゃあリア充とは程遠い気が……」


ガブリアスはとぼとぼとフライゴンについていった……

 ▼ 149 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:24:48 ID:oySraKLo [21/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「おい、金」

ガブリアス「はいはい……」


ガブリアスは財布から千円札を出すと両替機に突っ込んだ……

千円札が吸い込まれて百円玉が出てきた。


フライゴン「今日は何やろっかなー」


フライゴンは手の中でジャラジャラと百円玉を振って音をたてながら、上機嫌でゲームセンター内を歩き回る……

ガブリアスも浮かない顔でついて行く……



 ▼ 150 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:29:45 ID:oySraKLo [22/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「それにしても……UFOキャッチャーばっかりだな、ここの店」

フライゴン「そうだよな! ゲーセン名乗って弍寺とかギルティとか置いてねぇのは本当ムカつくよな!」

ガブリアス「え? 弍寺? ギルティ? なんだそれ?」

フライゴン「知らないなら別にいいんだけど……お、これとかどうだ?」


フライゴンはとあるUFOキャッチャーの前で立ち止まった。


ガブリアス「なんだ?」


その台にはお菓子が大量に詰まった袋が山積みになっている……


ガブリアス「おー……なかなか良さそうだな……取ってくれよ」



 ▼ 151 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:36:58 ID:oySraKLo [23/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンはその台を様々な方向から見た後に軽く揺すった……


フライゴン「ダメだな、こりゃ取れない」

ガブリアス「何でわかるんだよ?」

フライゴン「ここ、見ろよ……」


フライゴンがまた台を軽く揺すると……アームの先がグラグラと動いた……


フライゴン「アームの先がグラグラ動くって事は……掴む力が無いって事が殆どだからな……」

ガブリアス「なる程……お前すげぇな……」


フライゴンはニヤリとした……


フライゴン「そりゃな……ゲーセンは俺のホームグラウンドたからな!」

ガブリアス「かっこいいのか悪いのかよくわからないな……それ」



 ▼ 152 マワル@きいろビードロ 17/02/25 23:40:56 ID:m0VaDpUk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 153 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:41:35 ID:oySraKLo [24/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
そんな会話をしていると……どこからか、二匹とは別の誰かの声がした……


?「うー……取れない……」

ガブリアス「?」


二匹が振り返ると……二匹の後ろの台で一匹のメスのポケモンがUFOキャッチャーで遊んでいた……


ヌメルゴン「何で取れないの……?」

フライゴン「……」


フライゴンはそのポケモンのプレイをじっと見つめた……


どうやらそのポケモンはバンギ君の大きなぬいぐるみを取ろうとしているようだ……


 ▼ 154 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:45:46 ID:oySraKLo [25/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

アームがその大きなぬいぐるみを掴もうとするが……持ち上がらずにその場に落ちてしまう……


ヌメルゴン「あー……まただ……」

フライゴン「……」

ヌメルゴン「あっ……百円無くなっちゃった……」


そのポケモンは両替機へと歩いて行った……


ガブリアス「なんか可哀想だな……あの子」

フライゴン「あの台……アームの掴む力はさておき、アームが上から押す力は結構強そうだな……」

ガブリアス「そんな所までわかるのか?」

フライゴン「まぁ、任せろよ」


フライゴンはその台に百円玉を入れた……

 ▼ 155 ャラランガ@エレキシード 17/02/25 23:48:57 ID:m0VaDpUk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
フライゴン好きの俺にはたまらないssだ支援
 ▼ 156 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:50:03 ID:oySraKLo [26/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、先程のポケモンが帰ってきた。


ヌメルゴン「あっ!!」


フライゴンは慎重にアームの位置を調整する……と、思いきや、適当にぽちぽちとボタンを押した。


ガブリアス「雑だな……」


アームが下がってくると……アームの先がぬいぐるみの大きなお腹のど真ん中にぶち当たった。


ヌメルゴン「よ、よかった……」

ガブリアス「おいおい……口だけかよ、カッコ悪……」


ヌメルゴンは安堵の表情……ガブリアスは呆れた表情を浮かべた……

 ▼ 157 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:53:09 ID:oySraKLo [27/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


しかし次の瞬間、アームの上から押さえつける力に耐えられなくなったぬいぐるみが穴の方へと弾け飛んだ!


ヌメルゴン「ええっ!?」

ガブリアス「マジか!?」


フライゴン「これが俺のやり方だ……」


フライゴンはドヤ顔を決めると、取り出し口からぬいぐるみを取り出した……


 ▼ 158 1◆v1GnTfaqxg 17/02/25 23:56:33 ID:oySraKLo [28/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ヌメルゴン「……残念……」

フライゴン「……」


しょげるヌメルゴンにフライゴンはぬいぐるみを差し出した。


ヌメルゴン「!!」

フライゴン「欲しいならやるよ。俺はぬいぐるみなんかに興味は無いからな……」


ぬいぐるみを受け取ると、ヌメルゴンは満面の笑みを返した……


ヌメルゴン「ありがとうっ!!」

フライゴン「っ!!///」

ガブリアス「(なかなか可愛い子だな……)」

 ▼ 159 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:00:29 ID:/ttxgjZE [1/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、どこからかまた、別のポケモンの声が聞こえた……


?「ヌメ子ー! 次、コーヒーカップ行くよー!」

ヌメルゴン「うん! ちょっと待ってー!」


ヌメルゴンはその声に返事をすると、またフライゴンの方に向き直った。


ヌメルゴン「本当にありがと!」


ヌメルゴンはフライゴンの手を握るとぴょんぴょんと跳ねた。


フライゴン「え……あ、ああ」

ヌメルゴン「じゃあね!」


ヌメルゴンは何処かへ走っていった……


 ▼ 160 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:04:59 ID:/ttxgjZE [2/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンは少しの間唖然としていた……


ガブリアス「なんだよ、なかなかリア充みたいな事してるじゃん」

フライゴン「え? 俺、リア充みたいだったか?」

ガブリアス「おう、なかなかかっこよかったぞ」

フライゴン「かっこよかった……か……へへっ!」


フライゴンは少し照れくさそうな顔をした……


ガブリアス「まぁ、俺の金で遊んでるって所が残念だけどな……」

フライゴン「なんだよ! もう少しくらい余韻に浸らせろよ!!」


 ▼ 161 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:08:42 ID:/ttxgjZE [3/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


二匹はゲームセンターを後にして、フラフラと園内を歩いていた……


ガブリアス「次、どこ行く?」

フライゴン「絶叫系以外で乗りたいのは特に……あっ! あれだ! あれに乗ってない!!」

ガブリアス「あれ?」

フライゴン「観覧車だよ! あのリア充の象徴みたいなの!」

ガブリアス「リア充の象徴は言い過ぎだろ……」

フライゴン「とりあえず行くぞ!」

ガブリアス「はいはい……」


二匹は遠くに見える大きな観覧車に向かって歩き出した……


 ▼ 162 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:11:55 ID:/ttxgjZE [4/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


観覧車前……



フライゴン「で、でけぇ……」


二匹の前には……ゆっくりゆっくりと回る、大きな観覧車がそびえ立っている……


ガブリアス「なんだかんだで遊園地と言えば昔っからこれのイメージだよな……」

フライゴン「早く乗ろうぜ!」

ガブリアス「おう!」


ガブリアスは従業員に二匹分の料金を支払って観覧車に乗り込んだ……
 ▼ 163 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:16:49 ID:/ttxgjZE [5/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

二匹の乗った真っ赤な丸いゴンドラは……ゆっくりと上へ上へと登って行く……

フライゴンは窓の外を見て興奮気味だ。


フライゴン「す、すげぇ! すげぇぞ!!」

ガブリアス「はしゃぎすぎだろ!」


ガブリアスは笑いながらスマホのカメラを向けてフライゴンの写真を撮った……


フライゴン「なっ!? 何勝手に写真撮ってんだよ!」

ガブリアス「いいだろ? 思い出は多い方がいいし、リア充っぽくないか?」

フライゴン「っ! そ、そうか! もっと撮ってくれていいんだぞ!?」

ガブリアス「言われなくても撮ってるぞ」



 ▼ 164 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:21:26 ID:/ttxgjZE [6/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「そうだ! スマホ貸せよ! お前も撮ってやるから!」

ガブリアス「じゃあ一枚頼む」


フライゴンはガブリアスからスマホを受け取ると、ガブリアスにカメラを向けた……


パシッ!


フライゴン「あ……目つぶってる……」

ガブリアス「えっ! マジかよ! 撮り直してくれよ!」

フライゴン「いや、これはこれで……」

ガブリアス「ちょっ! ふざけんなよ!!」




そんな事をしている内に、どんどんゴンドラは上へ上へと登って行った……


 ▼ 165 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:26:58 ID:/ttxgjZE [7/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


あと少しで二匹の乗る真っ赤なゴンドラは一番てっぺんにつく……


その頃には二匹ははしゃぎすぎて座って休憩していた……


ガブリアス「や、やべぇ……暴れすぎて汗かいてきた……」

フライゴン「何やってんだよ……お前」


そう言うフライゴンも汗をかいている……


ガブリアス「お前もだろ!」


二匹が顔を見合わせ笑ったその時だった……

フライゴンの体から白い光の玉が現れて……消えた……


 ▼ 166 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:31:00 ID:/ttxgjZE [8/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「っ!!……お、お前……体から変なのが出てるぞ!!」

フライゴン「げぇっ!? なんだこれ!?」


ガブリアスは直感でわかった……


ガブリアス「も、もしかして……お前……成仏しそうなのか……?」


フライゴンはしばらく驚いていたが……やがて窓の外を見ながら微笑んだ。


フライゴン「……どうやらそうみたいだな」





 ▼ 167 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:35:41 ID:/ttxgjZE [9/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ガブリアス「そ、そんな……急すぎだろ……」


フライゴンの体から次々と白い光の玉が現れては消える……


フライゴン「なんだ……俺は殺された事、new3DSLLの件は許してないけど……それなりに感謝はしてるから……」

ガブリアス「……そうか」




観覧車はもうすぐ一番てっぺんに着こうとしている……



 ▼ 168 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:40:36 ID:/ttxgjZE [10/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「これでやっとかーちゃんに謝れる……かーちゃん、今行くからな……」


ガブリアスは少し寂しそうな顔をした……


ガブリアス「まぁ、仕方ないよな……最後はお別れになる事くらいわかってたし……」


フライゴンは窓の外を見ながら呟いた……


フライゴン「こんな事、言いたくないけどよ……楽しかったぜ」


ガブリアス「俺も、なんだかんだで楽しかった……」


 ▼ 169 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:43:54 ID:/ttxgjZE [11/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



じゃあな




ガブリアスの口からその言葉が出た時、二匹の乗るゴンドラは観覧車のてっぺん……このテーマパークの中で一番空に近いであろう場所に来た……


ガブリアスはそっと目を閉じた……






そして、目を開くと……もうそこにフライゴンの姿は……










あった
 ▼ 170 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:48:40 ID:/ttxgjZE [12/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ガブリアス「え」

フライゴン「え」


確かに目の前にはフライゴンが座っている……


ガブリアス「は、はぁ!? なんで成仏してないんだよ!!」

フライゴン「そりゃこっちのセリフだ!!」

ガブリアス「今のノリは成仏する所だろ!!」

フライゴン「俺に言われても困るって!!」


ガブリアスは腕を組んだ……


ガブリアス「どう言う事だ?……確かにリア充には近づけたかもだけど……まだまだって事なのか?」

フライゴン「そうなのか……だいぶいい所まで来たと思ったんだけどな……」

ガブリアス「ま、いっか! まだ昼だし、もう少し遊園地を楽しもうぜ!!」

フライゴン「……そうだな!」
 ▼ 171 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:54:34 ID:/ttxgjZE [13/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ゴンドラはどんどん降りていく……


ガブリアスは窓の外に広がる街並みを見た……


ガブリアス「(成仏させようとしてたってのに……何を安心してるんだよ……俺は)」


そんな自分に対する苛立ちと安堵とがごちゃ混ぜになった……


ガブリアス「(訳わかんないな……俺)」


そんなガブリアスの心と違って、どこまでも続く美しい青空に輝く太陽が彼らの乗る真っ赤なゴンドラを優しく照らしていた……


続く


 ▼ 172 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 00:55:14 ID:/ttxgjZE [14/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第五話終わり


明日からの更新が不安でなりません……

では
 ▼ 173 ンドラー@バトルレコーダー 17/02/26 01:04:58 ID:fH1wVBLE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れ様です面白いです

支援
 ▼ 174 ールル@フエンせんべい 17/02/26 01:19:29 ID:2IiMkxvA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 175 ゲハント@がんせきおこう 17/02/26 01:48:02 ID:Qt7CB2Wg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
登場人物はドラゴンで固めるかんじ?
 ▼ 176 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 07:03:14 ID:/ttxgjZE [15/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
みんな支援コメありがとね。

>>175
まぁ……ドラゴン以外も少しはいるけど……そうなるかな……
 ▼ 177 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 07:07:10 ID:/ttxgjZE [16/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

第六話 オス×メス=合コン



沢山のポケモンが行き交う夜の街……


カップル……酔っ払い……会社帰りのサラリーマン……


そんなポケモン達の会話が飛び交う騒がしい街中で、ガブリアスとフライゴンはとある飲み屋の前で待ち合わせをしていた……


 ▼ 178 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 07:12:34 ID:/ttxgjZE [17/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「……まだなのか? 寒くなってきたし……うぅ……」


フライゴンの口から白い息が出ては消えていく……


ガブリアス「まぁ、あいつらの事だから遅れるとはわかってたけど……」


ガブリアスは腕時計を見た……

時計はもう集合時間の9時を過ぎている……



ガブリアス「にしても……なんでこんな事に……」




二匹が待ち合わせをしている理由……それは合コンに参加するためである……

なぜこんな事になったのだろうか……



それは、昨日の夜の事である……

 ▼ 179 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 07:15:46 ID:/ttxgjZE [18/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


昨日の夜、201号室……


バンギランドから帰ってきた二匹は向かい合ってコタツに入っていた……



ガブリアス「楽しかったか?」

フライゴン「もちろんだ!」


ガブリアス「でもお前は?」

フライゴン「成仏してない……」


ガブリアス「どう言う事だ?」

フライゴン「俺に聞くな!」

 ▼ 180 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 07:18:05 ID:/ttxgjZE [19/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアスはため息を一つつくと、段ボール箱からオレンの実を2つ取り出して、一つをフライゴンに投げて渡した。


ガブリアス「とりあえずオレンの実でも食おうぜ」

フライゴン「おう」


二匹はオレンの皮をむいて食べだした……

 ▼ 181 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 07:23:06 ID:/ttxgjZE [20/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「今日の俺達は……お前の描いてたリア充のイメージとは違ったって事なのか?」

フライゴン「いや、確かにイメージ通り……いや、イメージ以上に楽しめたと思う……」

ガブリアス「じゃあ、なんで成仏しないんだ?」


フライゴンはその言葉にしばらく黙っていたが……


フライゴン「あのゲーセンの件……覚えてるか?」

ガブリアス「あー……あの可愛い子の話な……ってお前……もしかして……」

フライゴン「そのもしかしてだ……彼女が欲しい……」


ガブリアスがコタツを叩きつけた!

バンっ!!


ガブリアス「俺だって彼女欲しいわ!!」

フライゴン「ま、まぁ落ち着けよ……」

ガブリアス「っ!……す、すまない……」
 ▼ 182 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 07:29:46 ID:/ttxgjZE [21/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「そこで、提案なんだが……合コンをしないか?」

ガブリアス「ご、合コン!?」

フライゴン「そうだ……お前の友達呼んで合コン → 俺の彼女が出来る → もしかするとお前の彼女が出来る……かも → 俺、成仏」


ガブリアス「……そんなにうまくいくのか? ……本当に、今度こそ成仏するんだな?」


フライゴン「次こそは絶対成仏出来るから! 頼む!」


フライゴンは深く頭を下げてコタツに額を叩きつけた。



ガブリアス「……仕方ないな……」

 ▼ 183 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 07:44:23 ID:/ttxgjZE [22/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアス「にしても……意外とあっさり集まるもんだな……オスもメスも……」


その時、懐かしい声が聞こえた……


?「おーい! ガブ! お待たせだぜー!」

ガブリアス「おっ! 来たか!」


声の主はガブリアスの大学の友達であるボーマンダだった。

少し遅れてカイリューもボーマンダの後を追って走ってきた……

カイリュー「お、お待たせだよー」

ガブリアス「二匹とも久しぶりだな!」





 ▼ 184 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 07:50:14 ID:/ttxgjZE [23/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダ「お前が珍しく合コンやりたいなんて言ったからソッコーで飛んで来たぜ!」


ガブリアス「でも遅刻してるじゃん……」


カイリュー「その件はおらが悪いんだぁ……おら、ついさっきまで寝てて……ボーちゃんが家まで起こしに来てくれたんだべ」


ガブリアス「やっぱりカイリューが原因か……」

 ▼ 185 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 08:08:27 ID:/ttxgjZE [24/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダがフライゴンの存在に気づいた。


ボーマンダ「ん? こいつがガブの言ってた連れだな?」

フライゴン「え、あ……はい、よろしくお願いします」


フライゴンは頭を下げた。


カイリュー「そんなかしこまらなくてもいいだよ、おらカイリュー! よろしくなぁ」

ボーマンダ「俺はボーマンダ!  別名『合コンの帝王』だ! よろしくなっ!」

フライゴン「あ、俺はフライゴン……って言います」

カイリュー「よろしくなー! フラちゃん!」

ボーマンダ「よし! こんな所で立ち話もあれだし……店に入ろうぜ!」

ガブリアス「そうだな……これ以上外にいると凍え死ぬ……」


四匹は飲み屋に入っていった……
 ▼ 186 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 08:13:27 ID:/ttxgjZE [25/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


店内……


沢山の会社帰りと思われるポケモンが酒やつまみを食べて盛り上がっている……


店員のゴーリキーに誘導されて四匹は座敷に座った。


ゴーリキー「それでは、皆様お揃いになりましたらご注文の方を伺いに参ります! では、失礼します!」


ゴーリキーは走って行った……


カイリュー「忙しそうな店員さんだなー」

 ▼ 187 ネボー@しんかいのウロコ 17/02/26 08:15:12 ID:Moof4AHQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>124
ならポケットモンスター ビシャーン!!! もアリだな
 ▼ 188 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 08:20:07 ID:/ttxgjZE [26/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「それはそうと……女の子はまだなのか?」

ボーマンダ「くー! わかってねぇなぁガブは! そんなんだからいつまでたっても彼女無しなんだよ!」


ガブリアスはムッとした……


ガブリアス「なんかムカつく言い方だな……」

ボーマンダ「どうせカイリューが寝坊すると思って女の子達には9時半に集合って言っといたんだよ! 女の子達を待たせる訳にはいかないからな!」

ガブリアス「!!……なる程……」


 ▼ 189 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 08:26:19 ID:/ttxgjZE [27/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスが腕時計を見ると……丁度9時半になろうとしていた……


ガブリアス「お、お前すげぇな……さすが合コンの帝王……」

ボーマンダ「ふふふ……もっと誉めてくれ……」

カイリュー「でも、ボーちゃんはおなごと付き合っても長い事もたないべ?」

ボーマンダ「カイリューうるせーぞ!」

 ▼ 190 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 08:36:20 ID:/ttxgjZE [28/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダとカイリューはもめている……


ガブリアス「そういやフライゴン、さっきから静かだな……」


ガブリアスが隣に座っているフライゴンを見ると……フライゴンがダラダラと汗をかいていた。


ガブリアス「おい! お前大丈夫か!?」

フライゴン「や、ヤバい……緊張しすぎて汗が止まらない……」

ボーマンダ「おいおい! 緊張しすぎだぜ? もっと肩の力抜けよ!」

カイリュー「そうだべ? まだおなごも来てないだよ?」

 ▼ 191 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 08:44:06 ID:/ttxgjZE [29/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その時……


ゴーリキー「いらっしゃいませー! 何名様ですか?」


?「あのー……この店で待ち合わせって聞いたんだけどぉ」


ゴーリキー「あっ! かしこまりました! こちらになります!」


遠くからそんなやり取りが聞こえた……

 ▼ 192 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 08:47:46 ID:/ttxgjZE [30/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダ「おっ! 女の子達が来たみたいだぜ!」


フライゴンの汗がボタボタと机に落ちる……


ガブリアス「おいおい……本当に大丈夫か?」

フライゴン「あ、頭がくらくらしてきた……」


カイリュー「フラちゃん! 深呼吸だよ!」

フライゴン「ああ……わかってるけど……ダメだ……」


どんどん足音が近づいてくる……


ボーマンダ「さぁ! 女の子達の登場だぜっ!!」

 ▼ 193 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 08:56:37 ID:/ttxgjZE [31/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ゴーリキー「では、こちらになります!」

?「はぁい」

カイリュー「くるだよ……」

ガブリアス「どんな子達だろ……」

フライゴン「……」


店員の後に続き……三匹のメスのポケモンが座敷に上がった……


クリムガン「はぁい! おまたー!」

オノノクス「遅れてごめんねー!」

ジャラランガ「うわー! イケメン君がいっぱーい! ジャラ美嬉しいー!」

四匹は凍りついた……

ボーマンダ「!?」

カイリュー「う、うわぁ……」

ガブリアス「え……」

フライゴン「……」
 ▼ 194 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 08:59:43 ID:/ttxgjZE [32/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスが小声で言った。


ガブリアス「(お、おい! ボーマンダ! どう言う事だよ! 可愛い子をつれてくるって言っただろ!?)」

ボーマンダ「(な、なんでだ!? ハクリューちゃんとその友達を呼んだはずなのに……!)」


その時、ボーマンダのスマホが鳴った……


ボーマンダ「なんだ?」


ボーマンダがスマホを見ると……メールが来ていた……


 ▼ 195 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 09:02:11 ID:/ttxgjZE [33/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



マンダっちへ


マンダっちごめん! 私達、合コン行けなくなっちゃった……

代わりに別の友達が行きたいって言ってたからその子達が向かってるはず!

また今度誘ってね!

ハクリュー




 ▼ 196 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 09:03:53 ID:/ttxgjZE [34/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「(ま、マジか……)」


ガブリアス「(そ、そんな……このメンバーでやるのか?)」


カイリュー「(ぶっさいくなおなご達だなぁ……おらぁやだよ……)」


フライゴン「(……)」
 ▼ 197 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 09:09:43 ID:/ttxgjZE [35/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス達がこそこそと話していると……クリムガンが彼らにぬっと顔を近づけた。


クリムガン「やだぁ! 何内緒話してるのー? あたしもいれてぇ?」


ガブリアス「っ! な、なんでもないよ!」

オノノクス「なんかこの青い子可愛いー!」

カイリュー「よかったべな……可愛いってよ、ガブちゃん」

ガブリアス「(くっ! カイリューの奴……!)」


 ▼ 198 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 09:15:50 ID:/ttxgjZE [36/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

カイリューがガブリアスを小突いた……すると……


ジャラランガ「やだぁ! 今の聞いた? このオレンジの子、『よかったべな……』だってぇ! 可愛いー!」

カイリュー「(あいたー! しまったべ!)」


頭を抱えるカイリューの隣でガブリアスが笑いをこらえてプルプルと震えている……


ガブリアス「(カイリュー、すまないな……お前が犠牲になってくれ……)」


ボーマンダ「じゃ、じゃあさ! まずは自己紹介からいこうか!」

メス三匹「さんせー!」


ガブリアス「(なんだか頭が痛くなってきた…)」

フライゴン「……」



彼氏を求めるブサイク三匹とオス四匹の壮絶な戦いが幕を上げた……

 ▼ 199 クライ@グラスメモリ 17/02/26 09:47:51 ID:GKlfVEHw NGネーム登録 NGID登録 報告
なんでや!クリムガンもオノノクスもジャラランガも
みんな可愛いやんけ!!

支援
 ▼ 200 ーギラス@うしおのおこう 17/02/26 10:34:33 ID:aHb57sJE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シエン
 ▼ 201 ライオン@あかいバンダナ 17/02/26 10:50:09 ID:S3nCnfCs [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 202 マナッツ@グラウンドメモリ 17/02/26 11:13:05 ID:S3nCnfCs [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 203 ノンド@メガバングル 17/02/26 11:55:45 ID:JoS/YCjY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本来ならハクリューチルタリスサザンドラって感じか
 ▼ 204 びぐろす◆m4VTgVW/Po 17/02/26 13:08:52 ID:gpQvBiYc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 205 ワムラー@ライブスーツ 17/02/26 13:17:37 ID:S3nCnfCs [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>203
ヌメルゴンは?
 ▼ 206 ュゴン@もうどくプレート 17/02/26 13:21:51 ID:/Tnfnb6M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>74
このころナックラーっだったのでは...
 ▼ 207 ロストロトム@グッズケース 17/02/26 17:34:44 ID:S3nCnfCs [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 208 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 20:41:28 ID:/ttxgjZE [37/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>206
そこのセリフは自分の中では中学〜高校生の女子のセリフのイメージで書いてたんですが……読み返すと描写不足ですね……すみません……
 ▼ 209 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 20:45:17 ID:/ttxgjZE [38/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


オスとメス、それぞれ向かい合うように座敷に座った……



ボーマンダ「まずはオスから自己紹介いくぜ! 俺はボーマンダ! 別名『合コンの帝王』だっ! よろしくなっ!(今回の合コンはハズレだなぁ……)」

クリムガン「よろしくねぇ! ボーマンダ君っ!」


ボーマンダは顔を引きつらせた……

ボーマンダ「お、おう! よろしくな!……じゃあ次、カイリューな」


 ▼ 210 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 20:49:39 ID:/ttxgjZE [39/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

カイリュー「お、おらはカイリュー。田舎もんだけんどよろしくなー(早く帰りたいなぁ……)」


ジャラランガ「カイリュー君って言うんだー! 私、もうカイリュー君にぞっこんかもー!」

オノノクス「ちょっとジャラ美! カイリュー君は私のものよっ!!」


睨み合う二匹を尻目にカイリューは頭を抱えている……


カイリュー「(や、やめてくんろー……おら、こんなぶっさいくは嫌だぁ……)」

 ▼ 211 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 20:55:22 ID:/ttxgjZE [40/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「じゃ、じゃあ次……ガブリアス! どうぞ!」


ガブリアスは小さくため息をつくと、そっぽを向きながら小さな声でボソボソと喋り出した……


ガブリアス「えっと……俺はガブリアス……特に言うことは無いかな……(変に喋り過ぎると絡まれそうだからな……ここは適当に済まそう……)」

クリムガン「ガブリアス君って言うんだ……なんか無口な感じが私好きかも!」

ガブリアス「(なぁっ!? 何故そうなるっ!?)」

クリムガン「ガブリアス君! 私と付き合ってぇ!!」

ガブリアス「ま、待てよ! まだ合コンは始まったばっかりだしさ!(うげぇ! 誰がこんなメスと!!)」
 ▼ 212 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 21:00:07 ID:/ttxgjZE [41/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「じゃあ次! えっと……フライゴンだっけ? どうぞ!」


メス達の視線が一気にフライゴンに集まる……


フライゴン「あ……えっと……その……」

ガブリアス「(が、頑張れっ! とりあえず何か言え!……言った所でブサイクしかいないけど……)」


ガブリアスはフライゴンに目でエールを送るが……フライゴンは緊張しすぎてそんな事には全く気づかない……


フライゴン「え、えっと……」


 ▼ 213 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 21:08:21 ID:/ttxgjZE [42/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その時だった……


店の入り口付近から店員の声がした……


ゴーリキー「いらっしゃいませー! 何名様ですか?」

?「えっと……合コンって聞いて……」



クリムガン「あっ! もう一匹来たみたい! 君、自己紹介ちょっと待ってくれる?」

フライゴン「え? あ、あぁ……」


ボーマンダ「もう一匹メスがいるのか?」

オノノクス「うん! でもあの子マイペースだから……今日も遅刻しちゃったみたい……許してあげてねー!」

ガブリアス「いや、遅刻なんて全然気にしないんだけどさ……(ブサイクが増えるのは勘弁だぞ……)」

 ▼ 214 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 21:18:06 ID:/ttxgjZE [43/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


店員が現れた……

ゴーリキー「こちらになります!」


店員に誘導され……座敷にあがってきたポケモンの姿を見て、ガブリアスとフライゴンは驚いた。


ガブリアス「あっ!!」

フライゴン「!!」


ヌメルゴン「あっ!! あの時の!」


ボーマンダ「おいおい! ガブリアスにフライゴン! 知り合いか!?(やっと可愛い子が来たぜ!!)」

カイリュー「とりあえずそこに座るだよ(あらー……めんこいなぁ……)」
 ▼ 215 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 21:45:09 ID:/ttxgjZE [44/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

クリムガン「ちょっと! ヌメ子! 遅刻よっ!!」

ヌメルゴン「ごめんねぇ……道に迷っちゃって……」


ヌメルゴンはフライゴンの前に座った。


フライゴン「……」

戸惑いを隠せないフライゴンにヌメルゴンが軽く会釈した。


フライゴン「あ……どうも……」

ボーマンダ「よしっ! 全員揃った所でもう一回最初から自己紹介いくぞっ!」

カイリュー「だべ」
 ▼ 216 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 22:02:18 ID:/ttxgjZE [45/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「はいっ! まず俺から! 俺はボーマンダ! 合コンの帝王って呼ばれてまーすっ!」


ヌメルゴン「合コンの帝王ー? よくわからないけどすごいねー!」


ジャラランガ「ボーちゃんカッコいい!」


ボーマンダ「っ!(げぇっ! お前は黙ってろぶっさいく!)」



ボーマンダは胸に手を当てなんとか怒りをこらえた……
 ▼ 217 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 22:06:09 ID:/ttxgjZE [46/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


カイリュー「次はおらだな! おらはカイリューだ! おら、のんびり屋だからマイペースなヌメルゴンちゃんとは気があいそうだよ」


ヌメルゴン「そうかなー……えへへ」


オノノクス「私ものんびり屋よ? カイリュー君どうかしら?」


カイリュー「あは……は……(よくそんなに積極的になれるべな……鏡見てきた方がいいべ……)」

 ▼ 218 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 22:14:02 ID:/ttxgjZE [47/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「次は俺か……俺はガブリアス。よろしくな」


ヌメルゴン「よろしくねー」


クリムガンがうっとりした目でガブリアスを見ている……


クリムガン「やっぱりガブリアス君のそのさっぱりした感じ……好みだわ……」


ガブリアス「は、はは……(マジで勘弁してくれよ……)」
 ▼ 219 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 22:19:23 ID:/ttxgjZE [48/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは横目でフライゴンを見た……


ガブリアス「(今度こそ行けるか……?)」


フライゴンは小さく深呼吸をすると……口を開いた……

フライゴン「お、俺は……フライゴン……えっと……その……」

ヌメルゴン「フライゴン君って言うんだー! この間は本当にありがと!」

フライゴン「あ……ま、まぁ……どうも」


ガブリアス「(な、なんとか引っ張ってくれたか……助かったな)」



 ▼ 220 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 22:29:44 ID:/ttxgjZE [49/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダ「じゃ、女の子達も自己紹介どうぞー!(はぁ……ヌメ子ちゃん以外は興味ないけど一応ね……)」


クリムガン「まずあたしからね! あたしはクリムガン! ガン子って呼んでね!」

ボーマンダ「(が、ガン子……? 酷いニックネームだな……)」


オノノクス「私はオノノクスよ! このメスの中では一番のお姉さんよ! もし、お姉さん好きな男の子がいるなら……お姉さん大歓迎よ!」

ガブリアス「(げっ……よく見るとお姉さんってかババアじゃねぇか……化粧濃すぎだろ……)」


ジャラランガ「私はジャラランガ! ジャラ美って呼んでねー! ちなみにこの中ではカイリュー君が好みでーすっ!」

カイリュー「(や、やめてくんろー! おらぁもう嫌だぁ!!)」


ヌメルゴン「じゃあ最後は私だねー。私はヌメルゴンって言うの。よろしくねー!」


フライゴン「(ヌメルゴンちゃん……か……)」

 ▼ 221 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 22:54:23 ID:/ttxgjZE [50/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダ「じゃあ、全員自己紹介が終わったところで注文するか!……とりあえず生八匹分と適当なつまみでいいか?」


ジャラランガ「私達はそれでいいよ!」

ガブリアス「別に俺もそれでいいけど……お前は?」

フライゴン「えっと……まぁそれでいいや」


ヌメルゴン「あ……ボーマンダ君……」

ボーマンダ「何だ? ヌメ子ちゃん」

ヌメルゴン「私、お酒飲めないから……烏龍茶にして?」 
ボーマンダ「おう、わかった! おーい! 店員さーん! 注文お願いしまーす!」


 ▼ 222 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 23:02:54 ID:/ttxgjZE [51/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

しばらくして店員のゴーリキーがやって来ると、ボーマンダが注文を始めた……


ボーマンダ「えっと……これとこれと……」

クリムガン「あ! これ食べたい!!」

ボーマンダ「はいはい……んじゃ、それも……」



そこそこに盛り上がっているボーマンダ達とは違い、ガブリアスはフライゴンの事が気になって仕方ない……


ガブリアス「(……このメンツなら……きっとボーマンダもカイリューもヌメルゴンちゃんを狙ってくるはず……ってか、そうとしか考えられない……)」


フライゴンはヌメルゴンの前でまだモジモジしている……


ガブリアス「(俺がうまい事やってやるしかないか……)」

 ▼ 223 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 23:10:15 ID:/ttxgjZE [52/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

そして、しばらくして……


ゴーリキー「お待たせしました! お先に生7つと烏龍茶です! 料理も今お持ちしますので少々お待ち下さい!」

店員からそれぞれの飲み物を受け取った……


ボーマンダ「では! これより合コンを始めたいと思いまぁす!!」

ジャラランガ「いえぇい!!」

クリムガン「きゃっほーっ!」

オノノクス「待ってましたぁ!!」


ガブリアス「(はぁ……嫌になってきた……)」

カイリュー「(おら、早く帰りたいだぁ……)」

ボーマンダ「(さっさとヌメ子ちゃんのメルアド聞いて帰るか……)」

フライゴン「……(本当に酒の味がしない……あのおっさんが言った通りだ……)」


 ▼ 224 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 23:21:15 ID:/ttxgjZE [53/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
合コンがついに始まった……


メス三匹とボーマンダ、カイリューがそれなりに盛り上がっている中……フライゴンとヌメルゴンは先程からお互いずっと下を向いて目をそらして話そうとしない……


そしてガブリアスは騒がしいグループ、静かなグループの二つに挟まれている……


ガブリアス「……(なんか……俺の居場所がないな……)」


その時、クリムガンの声がした。


クリムガン「それじゃあー……王様ゲームしない?」

 ▼ 225 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 23:43:05 ID:/ttxgjZE [54/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダ「え? 王様ゲーム?……少し早い気もするけど……まぁいいか(さっさとやる事やって帰ろ……)」


ボーマンダはカバンから割り箸を取り出した。


ジャラランガ「さっすが合コンの帝王ね! 準備万端って感じ?」

ボーマンダ「まぁな……それよりルールはわかってるよな?」

メス三匹「はーい!」

カイリュー「(嫌な予感がするだ……)」


ガブリアス「おい、王様ゲームやるってさ」

フライゴン「っ!……あ、ああ……」

 ▼ 226 1◆v1GnTfaqxg 17/02/26 23:53:44 ID:/ttxgjZE [55/55] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダは割り箸を握って皆にそれぞれ一本ずつ選ばせた…… 



クリムガン「きゃー! 楽しみー!」

ジャラランガ「私が王様だったらどうしよー!」

オノノクス「絶対に王様引いちゃうんだから!!」


ガブリアス「(どうなる事やら……あんまりいい予感はしないけどな……)」


ボーマンダ「じゃ、全員選んだか?……それじゃ、割り箸の先が赤い奴を引いたポケモンが王様な……せーのっ!」



全員がボーマンダの手から割り箸を一本ずつ引いた。


 ▼ 227 ットロトム@リンドのみ 17/02/27 00:00:01 ID:XYzC1I0w [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
これはなんか起きそうだ
 ▼ 228 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:00:35 ID:T45YuLZQ [1/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアスの予感は的中した……


ジャラランガ「きゃー! 私が王様よ!!」


ジャラランガの掲げた右手には、先の赤く塗られた割り箸が握られている……


クリムガン「えぇー! いいなぁ……」

オノノクス「きぃーーっ!」

ヌメルゴン「おめでとー!」


オス達の顔から血の気が引いた……


ガブリアス「(いきなりマズい事になったぞ……!!)」

カイリュー「(あぁ……もうおしまいだぁ……)」

ボーマンダ「お、おう! じゃあ王様! 指示をどうぞ!(お願いだから変な事言わないでくれよぉ!!)」


 ▼ 229 ルディオ@はかせのふくめん 17/02/27 00:01:40 ID:XYzC1I0w [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
これはなんか起きそうだ
支援
 ▼ 230 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:04:52 ID:T45YuLZQ [2/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ジャラランガ「んーとねー……」




オス達に緊張が走る……



ジャラランガ「じゃあ……四番のポケモンは王様とメルアド交換をするっ!!」



オス達「!!」


クリムガン「あたし五番だよ?」

ヌメルゴン「私、二番だ……」

オノノクス「私は一番だから……」
 

オス達は互いに顔を見合わせた……


いきなりこの中の誰かに被害が出てしまったのである……

 ▼ 231 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:09:12 ID:T45YuLZQ [3/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

オス達は覚悟を決めて割り箸に書いてある番号を確認した……



ガブリアス「(七番……違った……良かった……)」


安心したガブリアスは隣のフライゴンを見た……

フライゴンの手には三番の割り箸が握られている……


ガブリアス「(お前もなんとか免れたか……じゃあ……)」


ガブリアスはカイリューとボーマンダを見た……


カイリューの額から尋常ではない量の汗が出ている……



ガブリアス「(あっ……)」

 ▼ 232 ドラン♀@バトルレコーダー 17/02/27 00:12:49 ID:XYzC1I0w [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
あっ(察し)
 ▼ 233 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:13:08 ID:T45YuLZQ [4/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダがカイリューの背を撫でながら耳元で囁いた……


ボーマンダ「ごめんなカイリュー……お前の犠牲は無駄にはしないぜ……」


クリムガン「で? 誰なの? 四番のポケモンは……」

ボーマンダ「こいつだ……カイリューだ」


ジャラランガが飛び上がった。


ジャラランガ「やったあああ!! やっぱり二匹は結ばれる運命にあったのね!!」


放心状態のカイリューにはその声は届かない……


 ▼ 234 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:19:15 ID:T45YuLZQ [5/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ジャラランガは放心状態のカイリューの手からスマホを奪い取ると……慣れた手付きで勝手にメルアドを交換した……


ジャラランガ「はい! 交換完了っ! カイリュー君これからよろしくねっ!!」


カイリュー「……」


カイリューはそのままふらりと座敷に横になった……


クリムガン「何はともあれカップル一組成立って感じ? おめでとー!」

オノノクス「じゃあ二回戦行ってみよー!!」

ボーマンダ「えっ!……ま、まだやるのか?(こ、これ以上に犠牲を増やす訳には……)」

クリムガン「もう一回! もう一回だけ!! 今度こそ私が王様になるのっ!!」


クリムガンに泣きつかれてボーマンダは折れてしまった……


ボーマンダ「う、うぅ……わかったよ……じゃあ、これが最後で……」


ガブリアス「(おいおい……まじかよ……)」
 ▼ 235 ャラドス@ファイヤーメモリ 17/02/27 00:20:55 ID:VELsnx6Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 236 ーホー@スキルコール 17/02/27 00:21:31 ID:XYzC1I0w [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
ここまで1回も出てこないチルタリスww
 ▼ 237 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:22:53 ID:T45YuLZQ [6/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダは割り箸を回収した……


そして、地獄の二回戦が今始まる……


ダウンしているカイリュー以外のポケモンは、再びボーマンダの握る割り箸を選んで掴む……そして



ボーマンダ「せーのっ!」

一斉に割り箸を引き抜いた!



 ▼ 238 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:28:21 ID:T45YuLZQ [7/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


クリムガン「ええーっ!? なんでまた王様じゃないのぉ!? ボーマンダ君八百長疑惑ー!」

ボーマンダ「や、八百長なんてしてないって!」

ジャラランガ「で? だれなの? 次の王様……」


ガブリアス「お、俺だ……」


ガブリアスの手に先の赤い割り箸が握られていた……


ボーマンダ「お! ガブリアスか!!(ふー……よく考えりゃオスが王様になれば被害は小さいだろ……)」

オノノクス「王様、指示をどうぞ!」



ガブリアス「(ま、まさか俺が当てるとは……何も考えてなかった……)」

 ▼ 239 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:32:59 ID:T45YuLZQ [8/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「えーっと……えーっと……」


ガブリアスはふとヌメルゴンを見た……

すると、ヌメルゴンの手に握られた割り箸の数字が見えている事に気づいた!


ガブリアス「あ、あれは……四番!!」


そして、フライゴンを見ると……フライゴンの持つ割り箸の数字も微かに見えた……


ガブリアス「あれは……二番か?……なら……」

ボーマンダ「おいガブ! 早くしろ!!」


ガブリアス「うるさいな、わかってる」

 ▼ 240 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:38:50 ID:T45YuLZQ [9/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは呼吸を整えると……口を開いた……


ガブリアス「じゃあ四番のポケモンは……二番のポケモンに……えっと……き、キスしろ!!」


ボーマンダ「えっ!?」

フライゴン「!!」

オノノクス「私、二番でも四番でもない……つまんないな……」

クリムガン「私もー……」

ヌメルゴン「わ、私……四番だ……」


ヌメルゴンが立ち上がる……


ガブリアス「(計画通り……これであいつ、成仏できる……かな?)」


そう思った次の瞬間、ボーマンダが立ち上がった


ボーマンダ「お、俺だ! 二番俺だ!!」
 ▼ 241 ヤッキー@くろぼんぐり 17/02/27 00:40:37 ID:XYzC1I0w [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
クズが誕生したww
 ▼ 242 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:46:26 ID:T45YuLZQ [10/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアス「は?」

ガブリアスは再びフライゴンの握る割り箸を見た……


フライゴンの手でよく見えていなかったが……確かによく見るとその割り箸は2でなく3であった……

ガブリアス「(しまった! もっとよく確認すれば……)」


ボーマンダ「お、王様が言うなら仕方ないな……ほら、ヌメ子ちゃん! こっちこっち!」

ヌメルゴン「あ……うん……」


ヌメルゴンはあまり乗り気ではなさそうだが、ボーマンダの方へと一歩ずつ歩き出した……


ガブリアス「(くそっ! 俺のバカバカバカ!!)」

クリムガン「カップル成立かなー? おめでとー!」

オノノクス「いいなぁ!」
 ▼ 243 ボミー@マグマブースター 17/02/27 00:46:48 ID:1NP3xpIs [1/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
何故すぐにバレる嘘をつくのか...
 ▼ 244 ルミル@ピーピーマックス 17/02/27 00:47:25 ID:1NP3xpIs [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>243
あ、何でもないです...
 ▼ 245 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:53:38 ID:T45YuLZQ [11/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ヌメルゴンがどんどんボーマンダに近づいていく……


ガブリアス「(ああ……俺はなんて事を……)」


ガブリアスが諦めかけたその時……


フライゴンが急に立ち上がり、ヌメルゴンの手を握って店の外へと走り出した!


ヌメルゴン「!?」

ゴーリキー「料理お待たせしました……ってうわっ!?」


ガブリアス「へ!?」

ボーマンダ「は!?」

クリムガン「ちょっ……王様の指示は絶対よ!?」

オノノクス「でも……こんな展開もいいかも……」

ジャラランガ「青春ね……」

 ▼ 246 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 00:58:26 ID:T45YuLZQ [12/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴンは肌寒い冬の街をヌメルゴンの手を握りしめて走り続ける……


沢山のポケモンの波を抜けて……少し開けた所に出た……



フライゴンは息を切らせて立ち止まった……



フライゴン「はぁ……はぁ……」

ヌメルゴン「び、びっくりしたぁ……」

フライゴン「(って……ええっ!? お、俺何してんだよ!!)」


あたふたとしているフライゴンにヌメルゴンが笑いかけた。


ヌメルゴン「フライゴン君って意外と積極的なんだね!」

 ▼ 247 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 01:01:46 ID:T45YuLZQ [13/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「え……あ……その……」


空から雪がちらほらと降り始める……



フライゴンは拳を握りしめた……



フライゴン「(ここまで来たら……やるしかない!!)」


フライゴンは冷たい街の空気を大きく吸った……




フライゴン「お、俺と付き合って下さいっ!!」


 ▼ 248 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 01:05:53 ID:T45YuLZQ [14/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンの言葉が白い息と共に消えた……


ヌメルゴンはその言葉を聞いて……あの日と同じ様な笑顔を返した……


ヌメルゴン「こちらこそ、よろしくお願いします!」


フライゴン「え……」


フライゴンは何が起こったのかわからなくなり……騒がしい街中の筈なのに、まるでこの場に自分とヌメルゴンしかいないのではないか、と錯覚するぐらいに思考が鈍った……


しかし、そんな鈍った思考の中でも……OKの返事が貰えた事だけは理解していた……


 ▼ 249 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 01:09:23 ID:T45YuLZQ [15/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ヌメルゴンがフライゴンに近寄ってきた……


ヌメルゴン「ほら、メルアド交換しよ?」


ヌメルゴンがスマホを差し出した……その時、フライゴンは我に帰った……



フライゴン「あ……俺、スマホ持ってない……」



ヌメルゴン「え?」


 ▼ 250 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 01:13:23 ID:T45YuLZQ [16/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、フライゴンのカバンから着信音が鳴った……


ヌメルゴン「フライゴン君、スマホ鳴ってるよ?」

フライゴン「え? なんで?」



フライゴンがカバンを調べると……見覚えのあるスマホが中から出てきた……


フライゴン「え、えっと……」


フライゴンがとりあえずその電話に出てみると……聞き覚えのある声が聞こえた……



ガブリアス「おい、聞こえるか?」


 ▼ 251 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 01:19:16 ID:T45YuLZQ [17/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「え、あ……えっと……なんで?」


ガブリアス「それは俺のスマホだ。今はカイリューのスマホからお前に電話かけてるんだ。よく考えたらお前ってスマホ持ってない気がして……だから、お前のカバンに俺のスマホを仕込んどいたんだ……安心しろ、ナンバーロックは切ってある……ヌメルゴンちゃんとメルアド交換するなりなんなり……自由に使ってくれよ」


フライゴン「お前……」


ガブリアス「それにしても、まさかお前がそこまで出来るオスだとは俺も思わなかったぜ? 何となくだけどさ……今、すっごくいい雰囲気な気がする……」


フライゴン「ああ……なんとかOK貰えたよ……」


 ▼ 252 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 01:22:40 ID:T45YuLZQ [18/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ガブリアス「えっ!? マジで!? おい!ボーマンダ! カップル成立だってよ!!」


ボーマンダ「おいおい! お前、俺からメスを奪うなんてやるじゃん!! 幸せにな!!」


クリムガン「おめでとー! なかなかお似合いだよー!」


オノノクス「漫画の展開みたいでドキドキしちゃった! おめでと!」


ジャラランガ「私……フライゴン君に惚れちゃったかも……」




フライゴン「みんな……」


 ▼ 253 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 01:26:07 ID:T45YuLZQ [19/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「とりあえず、邪魔者は退散するけど……うまくやれよ! じゃな!」

ブチっ!




フライゴン「……なんだよ」


フライゴンはスマホを見つめて微笑むと……ヌメルゴンにスマホを差し出した……



フライゴン「お待たせ、メルアド交換しようか……」



ヌメルゴン「うん!」





降る雪が街の明かりを反射してキラキラと……


虹色の光が二匹を優しく包んでいった……
 ▼ 254 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 01:30:20 ID:T45YuLZQ [20/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その頃、合コン組は……



クリムガン「二組も決まっちゃった訳だし……残り二組も決めちゃお?」


ガブリアス「へっ!? べ、別に無理に決めなくても……」

ボーマンダ「そ、そうだぜ!! 世界には俺なんかよりもかっこいいオスが沢山……」


オノノクス「ほら、二匹とも恥ずかしがってないで!」


オノノクスとクリムガンがボーマンダとガブリアスにぴったりとくっついて離れない……



ガブリアス「は、恥ずかしがってなんかないって!! マジで!!」


ボーマンダ「もう合コンなんて嫌だぁ!!」



続く
 ▼ 255 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 01:31:56 ID:T45YuLZQ [21/60] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第六話おしまい

長編SSばっかり書いてると指が痛くて仕方ない……時間もないし……

明日の更新も微妙な所です……

では
 ▼ 256 ーギラス@ちかのカギ 17/02/27 01:34:41 ID:XYzC1I0w [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
やめないでください!
 ▼ 257 シャーナ@ポフィンケース 17/02/27 01:35:18 ID:eflhKQOE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 258 ータス@さざなみのおこう 17/02/27 02:52:46 ID:rsJLSsPs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こんなに面白いss
支援するしかないじゃない
 ▼ 259 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 09:31:59 ID:T45YuLZQ [22/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その日の深夜……



ガブリアス「ひ、酷い目にあった……」


ガブリアスがフラフラとアパートに帰ってくると、先にフライゴンが部屋の前の廊下で待っていた……


ガブリアス「おう、どうだった?」


フライゴン「あ、あわわ……ど、どどどどうしよう……」


ガブリアス「どうした? そんなに焦って……」


フライゴン「あ、明日デートする約束しちゃった……」





ガブリアス「えええええええええええ!?」

 ▼ 260 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 09:32:45 ID:T45YuLZQ [23/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告










第七話 あいつ×あの子=デート








 ▼ 261 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 09:37:24 ID:T45YuLZQ [24/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


201号室……


二匹はコタツに向かい合って入った。


フライゴン「どうしようどうしようどうしよう……」


ガブリアス「……明日か……まず、デートの時間は?」


フライゴン「えっと……昼の3時から……」


ガブリアス「どこで?」


フライゴン「と、とりあえず買い物に行きたいんだって……」


ガブリアス「買い物か……メスの買い物は長いって言うし……大変そうだな……」



 ▼ 262 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 10:03:58 ID:T45YuLZQ [25/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「本当にどうしよう……俺、デートなんて初めてだぞ……」

ガブリアス「俺だってデートなんてした事ねーよ……ふぁぁ……だめだ、酒が入ってるせいで眠い……ごめん、寝るわ……」


フライゴン「ええ!?」


ガブリアスはコタツで横になると、そのまま眠ってしまった…… 


ガブリアス「ぐごぉぉぉ……」

フライゴン「ど、どうしよう……」



フライゴンは頭を抱えていたが……やがて睡魔に負けて眠ってしまった……






 ▼ 263 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 10:12:57 ID:T45YuLZQ [26/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告






フライゴン「……うぅ……頭が痛い……」


フライゴンはコタツで目を覚ますと時計を見た……まだ2時である……


フライゴン「なんだよ……まだ夜か……にしては明るいな…………明るい?……っ!!!」


フライゴンは飛び起きた!



フライゴン「ねねねねねね寝坊したぁあああああ!!」





 ▼ 264 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 10:28:49 ID:T45YuLZQ [27/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「なんだよ……うるさいな……」


ガブリアスが頭をさすりながら体を起こした……


ガブリアス「二日酔いってやつかな……頭が……」

フライゴン「そんな事どーだっていいだろ!! どうすんだよ! 寝坊してるんだぞ!!」

ガブリアス「ん? 今日なんか用事あったっけ?」

フライゴン「デートだよ!!」

ガブリアス「デート?…………っ!?」


ガブリアスも事の重大さに気づいた。


ガブリアス「これヤバいだろ!!」
 ▼ 265 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 10:42:52 ID:T45YuLZQ [28/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「ど、どうすんだよ! あと一時間しかない!!」


ガブリアスが慌てふためくフライゴンを押さえつけた。


ガブリアス「まぁ待て……移動の時間とかを考えると……一時間も無いぞ」

フライゴン「あああ!! ヤバいヤバい!!」


ガブリアスは再びフライゴンを押さえつけた。


ガブリアス「落ち着け、三十分あれば間に合う……」

フライゴン「ま、間に合うか?」

ガブリアス「とりあえず身だしなみを整えろ。洗面所行って顔洗ってこい」

フライゴン「わ、わかった……」


フライゴンは洗面所へ向かった……
 ▼ 266 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 11:05:34 ID:T45YuLZQ [29/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


しばらくして……フライゴンが洗面所から戻ってきた。


フライゴン「……顔を洗ったら少し落ち着いた……」

ガブリアス「よし、とりあえずこれを見ろ」

フライゴン「?」


コタツの上にはスケッチブックとマジックペンが置いてある……


フライゴン「なんだこれ?」

ガブリアス「お前はどうにも不安な所があるからな……俺が隠れて見守ってやる」

フライゴン「た、助かる……」

ガブリアス「何かあったらこいつに文字を書いて指示出すから……必ず従えよ」

フライゴン「わかった……」
 ▼ 267 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 11:10:52 ID:T45YuLZQ [30/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

時計を見ると……いつの間にか2時20分になっていた……


ガブリアス「もう時間も時間だから……行くぞ」


ガブリアスはマフラーを巻いてサングラスをかけると、更に帽子を深くかぶった。


ガブリアス「これでよしっと……」

フライゴン「じゃあ……行くか……」



二匹は部屋を出て、早足で街へ向かって歩き出した……

 ▼ 268 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 11:29:30 ID:T45YuLZQ [31/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


2時50分……集合場所、駅前にて……



駅前にはそれ程多くのポケモンの姿は無く、見通しは良かった……


ガブリアス「ここで待ち合わせなんだな?」

フライゴン「……のはずだけど……まだ来てないっぽいな」

ガブリアス「そう言えば昨日も少し遅れて来たっけ……じゃあここから先はお前一匹で行け! 俺は影からサポートするから!」


ガブリアスに背中を押されると……フライゴンはひょこひょこと歩き出し……近くのベンチに座った。


 ▼ 269 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 11:35:26 ID:T45YuLZQ [32/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは遠くのビルの影に隠れた……


フライゴンは一度ガブリアスの方に目をやると……軽く手をあげた……

ガブリアスも手を軽くあげて返す……


ガブリアス「(頑張れよ……)」




 ▼ 270 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 11:40:38 ID:T45YuLZQ [33/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ヌメルゴンはまだ来ない……


フライゴンはしばらく空を見上げていたが……不意に視線を地面に落とした……


ガブリアス「……ん? ま、まさかあいつ……」


ガブリアスがビルの影から身を乗り出してよく見ると……フライゴンの手に3DSが握られていた!


ガブリアス「やっぱり! ってあいつ……いつの間にゲームを持ってってたんだ!?」

ガブリアスはスケッチブックを取り出して、素早く『ゲームをしまえ!』と書いてフライゴンに向けた……


しかし、フライゴンは気づかない……


ガブリアス「あのバカ!! いきなり何やらかしてるんだよ!!」

 ▼ 271 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 11:44:43 ID:T45YuLZQ [34/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、最悪のタイミングでヌメルゴンが歩いてくるのが見えた……


ガブリアス「げっ! ま、まずい……」


ヌメルゴンがフライゴンの前に立つ……

しかし、ゲームに集中しているフライゴンはヌメルゴンに全く気づかない……


ガブリアス「最悪だな……あいつ……」


ガブリアスは頭を抱えた……




 ▼ 272 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 11:49:08 ID:T45YuLZQ [35/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ヌメルゴンはしばらくゲームをしているフライゴンの前で待っていたが……やがて、ヌメルゴンは3DSの画面を覗いた……


ヌメルゴン「何のゲームやってるの?」

フライゴン「っ!?」


フライゴンはヌメルゴンに気づくと勢いよく3DSをたたんだ。

フライゴン「ぬ、ヌメルゴンちゃん! いつの間に!」


ガブリアス「いつの間に……じゃねーよ……」


 ▼ 273 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 11:54:01 ID:T45YuLZQ [36/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ヌメルゴン「フライゴン君ってゲーム好きなんだねー!」

フライゴン「え、あ……うん」

ヌメルゴン「私もゲーム好きなんだー! 今度一緒にやろうね!」

フライゴン「う、うん」


ヌメルゴン「じゃあ……行こっか」


ヌメルゴンはフライゴンの手を握ると歩き出した……

フライゴンは手を引かれるがままに歩いていく……



ガブリアス「本当心配だ……初っ端からやらかしやがって……」


ガブリアスもこそこそとあとを追った……
 ▼ 274 ンギラス@ひみつのカギ 17/02/27 14:35:44 ID:Sg7pO3cs NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
あ...(察し)
 ▼ 275 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 21:32:09 ID:T45YuLZQ [37/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


某百貨店……ファッションフロアー


ヌメルゴンは先ほどからずっと服やアクセサリーの並ぶ同じ様な店をぐるぐると回っている……

フライゴンもヌメルゴンについて店をうろついている……


ガブリアスは遠くの柱の影から見ているだけでわかった……

フライゴンはこの店の雰囲気に飽き飽きしている……と



ガブリアス「まぁ……オスだからこんな店はつまんないよなぁ……わかるぜ? でも……」


ガブリアスはスケッチブックに『耐えろ、今はぐっと我慢だ』と書き込むとフライゴンに向けて振って見せた。


フライゴンはそれに気づくと小さく頷いた。

ガブリアス「耐えてくれよ……頼むぞ……」
 ▼ 276 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 21:40:19 ID:T45YuLZQ [38/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ヌメルゴンが帽子をかぶってフライゴンに体を向けた……


ヌメルゴン「フライゴン君、この帽子どうかな……?」

フライゴン「え……うん、いいと思うよ」


このやり取り、実はもう十回近くはやっている……


ヌメルゴンは不意に思いついた様に幾つかの服やアクセサリーを手に取ると試着室へ向かった……

ヌメルゴン「ちょっと待っててね」
  
フライゴン「う、うん……」


ヌメルゴンは試着室に入るとカーテンを閉めた。



ガブリアス「それにしてもデートって大変そうだな……」


ガブリアスがフライゴンを見ていると……フライゴンの手がゆっくりとカバンに向かっている事に気づく。

 
ガブリアス「!!」
 ▼ 277 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 21:46:48 ID:T45YuLZQ [39/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは走ってフライゴンのもとに向かうとスケッチブックでフライゴンの頭を叩いた。

ばしっ!!

フライゴン「いてっ!!」


ガブリアス「お前はバカか! またゲームしようとしてただろ!! デート中にゲームする奴があるか!」

フライゴン「だ、だって暇だし……」


ガブリアス「これは没収な」


ガブリアスはフライゴンのカバンから3DSを取り出して自分のカバンに突っ込んだ。

 ▼ 278 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 21:50:28 ID:T45YuLZQ [40/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「えぇ……まじかよ……」


試着室からヌメルゴンの声がした。


ヌメルゴン「フライゴン君、何か言った?」

フライゴン「い、いや……別に?」


ガブリアス「じゃ、頑張れよ」


ガブリアスはそう言うと柱の影に走っていった……
 ▼ 279 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 21:55:53 ID:T45YuLZQ [41/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、試着室のカーテンが開いた……


フライゴン「!!」

ヌメルゴン「どうかな……?」


試着室から現れたヌメルゴンの姿は、なんとも可愛らしいもので……フライゴンはその姿にみとれて言葉を漏らした……


フライゴン「か、可愛い……」

ヌメルゴン「ほんとー? じゃあこれ買っちゃおっかな!」


ヌメルゴンはそのままレジに向かった。




ガブリアス「とりあえず買い物はこれで終わりかな……はぁ……見てるこっちがヒヤヒヤする……」


 ▼ 280 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 22:04:14 ID:T45YuLZQ [42/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

買い物を終えた二匹はビルの外へ出た……

外は既に夕焼け空……遠くに見える公園の時計の針は午後の四時半をさしている……


ヌメルゴン「次はどこに行こっか……」

フライゴン「俺は別にどこでも……」

ヌメルゴン「んーと……あっ! あれ!」

フライゴン「?」


ヌメルゴンの視線の先に行列のできている屋台が見えた……


フライゴン「なんだあれ? ヒウンアイス?」

ヌメルゴン「あのアイスすっごい人気なんだ!! 私あれ食べたい!!」


フライゴンはまた、ヌメルゴンに手を引かれるままに歩き出した……


ガブリアス「おいおい……行列に並ぶって……あいつ大丈夫か?」


ガブリアスは近くの木の陰から二匹を見守る事にした……
 ▼ 281 ククラゲ@サイコシード 17/02/27 22:30:43 ID:BM/UL48w NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 282 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 22:38:01 ID:T45YuLZQ [43/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





それからどれだけの時間がたっただろうか……気づけば辺りは暗くなっている……


ガブリアスは木の陰で驚きを隠せずにいた……


ガブリアス「あ、あいつ……なんで」


フライゴンとヌメルゴンは仲良く行列に並んでいる……並び始めてから既に四十分程はたっているはずだ……


ガブリアス「どう言う事だ……?」


 ▼ 283 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 22:43:01 ID:T45YuLZQ [44/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「(この程度の行列……新作ゲームの発売日の行列に比べたらまだまだだな……それに)」


フライはヌメルゴンを見た……


フライゴン「(今はヌメルゴンちゃんがいるから……ゲームの行列より楽しいや)」


フライゴンは大きく伸びをした。


フライゴン「けど……食べ物の行列にしては長いな……」

ヌメルゴン「でももうすぐだよ! 楽しみだね!」


 ▼ 284 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 22:47:27 ID:T45YuLZQ [45/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


そんな話をしていると……ついに二匹の順番が回ってきた。


バイバニラ「お待たせしました! ヒウンアイスいくつにしましょうか?」

ヌメルゴン「2つ下さい!」

バイバニラ「はい! ありがとうございます!」


フライゴンとヌメルゴンは料金を払うとアイスを受け取った。


バイバニラ「ありがとうございました!」



ガブリアス「いいな……俺も食べたい……」



二匹が満足そうに屋台を後にしようとした……その時、二匹の背後から声がした……





 ▼ 285 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 22:52:00 ID:T45YuLZQ [46/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

バイバニラ「すいませんお客様……本日は完売してしまいまして……」

ピチュー「嫌だ嫌だ!! こんなに並んだのにぃ!!」

ライチュウ「こら! わがまま言うんじゃありません!!」


フライゴン「?」


フライゴンが振り返ると……アイスを買えなかった子どもが駄々をこねていた……


ライチュウ「ほら、行くよ。ピチュー」


母親のライチュウがピチューの手を無理やり引いて歩こうとすると、ピチューはライチュウの手をはたいた。


ピチュー「嫌だ!! お母さんのバカ!! お母さんなんて嫌いだぁ!!」

 ▼ 286 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 22:56:13 ID:T45YuLZQ [47/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
フライゴン「……」


フライゴンはピチューに向かって歩き出した……


ヌメルゴン「フライゴン君?」

ガブリアス「な、何を……?」


ピチュー「?」

フライゴンはピチューのそばで屈むとピチューの頭に手を置いた……


フライゴン「おい、これが食べたいのか?」

ピチュー「え? う、うん……」

フライゴン「ならお前にやるよ……」

ピチュー「いいの!? あ、ありがとう!」
 ▼ 287 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 22:59:19 ID:T45YuLZQ [48/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

しかし、ピチューがアイスを受け取ろうとすると、フライゴンはアイスを持つ手を高く上げた……

フライゴン「でも一つ約束しろ……」

ピチュー「……何?」


フライゴン「かーちゃんを……大切にしろよ……」


ピチューはしばらくフライゴンの目を見つめていたが……やがて静かに頷いた……


ピチュー「うん!」

フライゴン「それじゃ、かーちゃんと仲良く食べろよ」


フライゴンはピチューにアイスを渡すとヌメルゴンのもとに向かった。


ライチュウ「あ、ありがとうございます!!」

ピチュー「お兄ちゃんありがとー!!」

 
 ▼ 288 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:03:50 ID:T45YuLZQ [49/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンとヌメルゴンは公園に向かって歩き出した……


ヌメルゴン「フライゴン君って優しいんだね!」

フライゴン「///」


目をそらしたフライゴンの口元にヌメルゴンがアイスを差し出した……


ヌメルゴン「一緒に食べよっか!」


フライゴン「……うん」








ガブリアス「くっそ……あいつ……マジで羨ましいぞ……」
 ▼ 289 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:08:56 ID:T45YuLZQ [50/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

時間はもう五時半……

暗い公園の片隅、小さな明かりが照らすベンチに二匹は腰掛けていた……



ヌメルゴン「ねぇ、フライゴン君……」

フライゴン「な、なんだ?」


ヌメルゴン「今日は楽しかったね」

フライゴン「うん、俺も楽しかった……」


公園の草陰から二匹を見ていたガブリアスは二匹よりも緊張していた……


ガブリアス「す、すっげぇいい雰囲気……」



 ▼ 290 ラッキー@ふといホネ 17/02/27 23:11:17 ID:jlPjXJug [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 291 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:15:06 ID:T45YuLZQ [51/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ヌメルゴン「私、フライゴン君に会えて良かった……」

フライゴン「?」


ヌメルゴンが不意に目を閉じて……フライゴンに顔を近づけた……


フライゴン「!?(こ、これって!? キス!?)」


草陰のガブリアスがガッツポーズをした。

ガブリアス「(これで今日のデートは成功だな!……でも、さっきから何か忘れてる気がするんだよな……なんだっけ……えっと……えっと……あっ!? マズい!!)」

ガブリアスは素早くスケッチブックに文字を書いて草陰からフライゴンに見えるようにそれを掲げた……


フライゴン「?」

フライゴンがスケッチブックに気づいた……そこには……



『お前って死んでるからヌメルゴンちゃんはお前に触れる事が出来ないだろ!! マズいぞ!! 幽霊ってバレる!!』

 ▼ 292 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:18:12 ID:T45YuLZQ [52/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「!!」


ヌメルゴンはゆっくりと近づいてくる……


フライゴン「(そうだった! で、でも……もう逃げられない!!)」

ヌメルゴンの顔がフライゴンのすぐ前に来ている……


ガブリアス「(こ、こんな所まで来て……くそっ! なんで早く気づかなかったんだよ!!)」


フライゴン「(もうだめだ……)」

そして……



ヌメルゴンとフライゴンの口が重なり……そして離れた……


ガブリアス「……え?」


 ▼ 293 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:21:10 ID:T45YuLZQ [53/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴンも何が起こったのかわからないでいた……


フライゴン「つ、冷たい……?」


その時、ヌメルゴンの体から白い光の玉がふわふわと現れて消えた……


フライゴン「!?」

ガブリアス「あ、あれって!!」



ヌメルゴン「ごめんね……フライゴン君……」


フライゴン「もしかして……ヌメルゴンちゃんも……」


ヌメルゴン「うん、私は幽霊なの」

 ▼ 294 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:26:46 ID:T45YuLZQ [54/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「なんで……」


ヌメルゴン「私、初めてのデートの日……待ち合わせの最中に車にひかれて……それからずっと幽霊としてこの街をさまよってたの……そんな時にフライゴン君に会ったんだ……」


ヌメルゴン「フライゴン君、初めて会った日の事覚えてる?」

フライゴン「え、えっと……ゲーセンで……」

ヌメルゴン「そう、あの時に私、フライゴン君からぬいぐるみを貰って嬉しくて……ついフライゴン君の手を握っちゃって……」


フライゴン「!!」


 ▼ 295 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:29:01 ID:T45YuLZQ [55/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
あの日、バンギランドのゲームセンターで……





ヌメルゴンはフライゴンの手を握るとぴょんぴょんと跳ねた。


フライゴン「え……あ、ああ」

ヌメルゴン「じゃあね!」


ヌメルゴンは何処かへ走っていった……




 ▼ 296 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:33:21 ID:T45YuLZQ [56/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「(そう言えば……あの時俺に触れる事が出来たのも……今日、何度も手を繋いで歩いたのも……ヌメルゴンちゃんが幽霊だったからか……)」


ヌメルゴン「フライゴン君の手はすっごく冷たかった……それで私は確信したの。フライゴン君も幽霊なんだって……」


ヌメルゴンの体から次々と光の玉が現れては消えていく……


ヌメルゴン「その後、合コンで会った時に……運命を感じた……私にはフライゴン君しかいないって……」


フライゴン「ヌメルゴンちゃん……」

 ▼ 297 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:39:02 ID:T45YuLZQ [57/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ヌメルゴン「フライゴン君、ありがと……私は先に天国に行っちゃうけど……天国でも私の事、好きでいてくれるかな……」


フライゴン「……当たり前だろ?」


ヌメルゴンはその答えに静かに笑うと……さらに強い光に包まれた……


ヌメルゴン「ありがと……じゃあ私、先に天国で待ってるからね……ずっと待ってるからね……」


フライゴン「ヌメルゴンちゃん!!」


フライゴンもガブリアスも眩しさのあまり目をつむり……再び目を開くと……そこにヌメルゴンの姿はなかった……



 ▼ 298 ギア@コイン 17/02/27 23:41:53 ID:jlPjXJug [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
泣ける
 ▼ 299 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:43:14 ID:T45YuLZQ [58/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


草陰から現れたガブリアスがフライゴンの隣に座った……


ガブリアス「まさか……ヌメルゴンちゃんまで幽霊だっあなんてな……」


フライゴン「……」


ガブリアス「それよりお前はまた、成仏出来なかったんだな……」


フライゴン「そうだな……でも」


ガブリアス「でも?」


フライゴン「俺、なんとなくわかったんだよ……俺が……遊園地や合コン……デートなんかよりもやりたかった事……」


ガブリアス「やりたかった……事……?」
 ▼ 300 ントラー@ダイゴへのてがみ 17/02/27 23:43:39 ID:jlPjXJug [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 301 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:47:39 ID:T45YuLZQ [59/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「ああ……いい加減に俺も向こうに行かないとな……かーちゃんやヌメルゴンちゃんを待たせる訳にもいかないし……」


ガブリアス「お前が本当にやりたかった事って……なんだ?」


フライゴン「とりあえず帰ろうぜ、オス二匹でこんな所に座ってても気持ち悪いだけだからな……」


フライゴンは立ち上がった……


ガブリアス「な、なんだよ……悪かったな」



二匹は暗い公園を後にした……

二匹の座っていたベンチを公園の小さな明かりがいつまでも優しく照らしていた……


続く



 ▼ 302 1◆v1GnTfaqxg 17/02/27 23:49:23 ID:T45YuLZQ [60/60] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
第七話おしまい

明日完結させないとリアルにヤバい事になるので明日、出来れば完結まで持って行こうと思います……

急ぎ足ですみません……

では
 ▼ 303 リガロン@ちからのこな 17/02/28 00:17:11 ID:9JRPQ0wg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブはSSだと大抵ヒール役だからこういうの和むわ
楽しみにしてる
支援
 ▼ 304 ルフーン@たんちき 17/02/28 00:32:19 ID:EAbH7Nac NGネーム登録 NGID登録 報告
頑張ってください
支援
 ▼ 305 ガジュペッタ@2ごうしつのカギ 17/02/28 00:57:53 ID:7pAsYFEs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 306 ラッキー@グラスメモリ 17/02/28 07:09:34 ID:L8SwAH8M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>303
人(ポケモン)殺してるから悪役だぞ〜笑
 ▼ 307 ッシー@ふっかつそう 17/02/28 07:31:52 ID:CwxvT9w2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
神スレ
 ▼ 308 ルシェン@スチールメモリ 17/02/28 07:36:16 ID:MifV0Ruo NGネーム登録 NGID登録 報告
何処となく漂うあの花感

俺は好きだぞー
 ▼ 309 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 09:18:50 ID:dH4LsLRs [1/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


アパートの201号室……



二匹は帰ってくると部屋の明かりをつけて、いつも通りコタツに入った。


ガブリアス「で? お前の本当にやりたかった事ってなんだよ」



フライゴン「……」



ガブリアス「なんだよ、黙っててもわからないぞ?」


 ▼ 310 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 09:22:39 ID:dH4LsLRs [2/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴンは自分の手のひらを見つめて呟いた……


フライゴン「俺は……」


ガブリアス「……?」


フライゴン「俺は……この数日間でリア充みたいな事沢山した……正直自分でも驚いてる……」


ガブリアスはダンボール箱からオレンの実を2つ取り出すと1つフライゴンに投げて渡した。


ガブリアス「そうだな……正直俺なんかよりもお前の方がよっぽどリア充だ」

 ▼ 311 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 09:28:33 ID:dH4LsLRs [3/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

フライゴン「……でも、やっぱり俺にはこんなの似合わないなって……」


ガブリアスはオレンの皮をむいた……


ガブリアス「似合わない?」


フライゴン「ああ……」


ガブリアス「何を今更……」

 
フライゴン「何て言うか……リア充のしてる様な事って何だかむず痒くて恥ずかしい……そんな事より俺はやっぱりゲームが好きなんだ……それでさ、やっとわかったんだよ……」



フライゴン「俺は……別にリア充になりたかったんじゃなくて……ただ、一緒にゲームをしてくれる……一緒にバカ騒ぎ出来る友達が欲しかっただけなんだって……」



ガブリアス「!!」

 ▼ 312 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 09:31:04 ID:dH4LsLRs [4/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴンは立ち上がると……近くにあったダンボール箱を開けてコントローラーを取り出した……



フライゴン「お前と出会ったあの日……つけられなかった決着を今、お前とつけたい……どうだ?」



ガブリアスは少し照れくさそうに笑って立ち上がった。



ガブリアス「その勝負、のったぜ」


 ▼ 313 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 09:31:53 ID:dH4LsLRs [5/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告









第八話 俺×あいつ=……?









 ▼ 314 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 09:37:13 ID:dH4LsLRs [6/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


二匹はケーブルなどのセットを済ませると、肩を並べてコントローラーを手に取った……


あの日以来、触っていなかったWiiの電源を入れてスマブラXを起動する……



フライゴン「絶対負けない……!」


ガブリアス「俺だって負けたくない……!」


二匹は顔を見合わせ笑った。



 ▼ 315 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 09:42:39 ID:dH4LsLRs [7/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

気が付くと、キャラクター選択の画面になっていた……


ガブリアス「お前はスネーク使いだったっけ?」


そう言いながらガブリアスはランダムにカーソルを合わせた。


フライゴン「あんな強キャラ使って勝っても嬉しくねーよ」


フライゴンもランダムにカーソルを合わせた……


ガブリアス「なんだよ、お前もランダムかよ」


フライゴン「この方がフェアだろ?」

 ▼ 316 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 09:45:14 ID:dH4LsLRs [8/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴンはルール設定のメニューを開くと……ストックを3……そして、アイテムを全部オンにした……



ガブリアス「えっ!?」


フライゴン「なんだよ? アイテム無しがいいか?」


ガブリアス「いや、それでいいけど……(出会った日のお前とは大違いだな……)」

 ▼ 317 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 09:47:56 ID:dH4LsLRs [9/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


そして、フライゴンはステージセレクトのカーソルをランダムに合わせた……












ガブリアス「……早くボタン押せよ」


フライゴン「泣いても笑っても、これが最後の勝負だぞ? 覚悟しろよ?」


ガブリアス「何をもったいぶって……ってええ!?」



ガブリアスがフライゴンを見ると……フライゴンの体から白い光の玉が次々と現れて……そして消えていた……

 ▼ 318 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 09:54:59 ID:dH4LsLRs [10/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「お、お前……」


フライゴン「やっぱり俺が本当にやりたかった事はこれみたいだな……それより早くやるぞ。俺が消えちまう前に……」


ガブリアス「……おう」


フライゴンがボタンを押すと……ステージは終点に決まった……


ガブリアス「なんだよ、ランダム使っても結局終点か……ま、仕方ないな……」

フライゴン「アイテムがあるだけましだろ? 始まるぞ……」


画面が切り替わり、キャラクターが現れる……

ガブリアスのキャラクターはドンキーコング……そして、フライゴンのキャラクターはカービィに決まった……


ガブリアス「げ……ドンキーとかあんまり使った事ないぞ……」


フライゴン「俺だってカービィなんて普段使わないから大丈夫だ」


 ▼ 319 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:00:20 ID:dH4LsLRs [11/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

そして試合が始まる……


試合が始まると共に、ドンキーがアピールをした。


フライゴン「おい! ふざけてるのか!」

ガブリアス「いやいや……ドンキー使ったらこれは絶対するだろ……」


ガブリアスは連続でアピールを続ける……


フライゴン「なら俺もアピールを……」


フライゴンのカービィが踊りだした瞬間、ドンキーが走ってきてカービィを殴った。


フライゴン「おい! ずるいぞ!」

ガブリアス「これも作戦だぞ!」

フライゴン「なんだそれ!」


 ▼ 320 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:05:05 ID:dH4LsLRs [12/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


二匹は笑いながらゲームを続ける……


技術でダメージを稼ぐフライゴンとアイテム頼みのガブリアス……

アイテムと言うハンデが彼等の実力をほぼ同じにしていた……







そして、楽しい時間と言うのはあっという間に過ぎ去って行くものである……



ついに、二匹のキャラクターのストックは残り1となり、ダメージも100%を超えた……

 ▼ 321 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:09:48 ID:dH4LsLRs [13/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


突然ガブリアスの操るドンキーの動きがピタリと止まった……


フライゴン「ん? どうした?」


フライゴンが手を止めてガブリアスを見ると……ガブリアスは目からボロボロと涙を流していた……


ガブリアス「嫌だ……いかないでくれ……」


フライゴンは少し悲しげな顔をすると、スタートボタンを押してゲームを止めた……


フライゴン「なんだよ……今更……お前、最初は俺の事……嫌がってたじゃん……」


フライゴンもつられて泣き出した……


 ▼ 322 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:14:58 ID:dH4LsLRs [14/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「でも……俺、今はお前と過ごせる毎日が楽しくて……すごく楽しくて……」


フライゴンは涙を拭った……


フライゴン「俺だってお前と別れるのは辛い……だけど……だけどな?」


ガブリアス「?」


フライゴン「いつかまた、こんな風にお前と遊べる日がきっと来る……約束するから……」


ガブリアス「絶対だぞ……お前、言ったからな?」


フライゴン「ああ……」



フライゴンはスタートボタンを押してポーズを解除した……

 ▼ 323 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:19:15 ID:dH4LsLRs [15/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

再びゲームが始まる……


フライゴン「悪いけど……これで決めさせて貰うからな……」


フライゴン操るカービィがドンキー目掛けて走ってきたかと思うと……小さくジャンプしてドンキーを吸い込んだ。


ガブリアス「!!」


カービィはそのままゆっくりと場外へと落ちて行く……


 ▼ 324 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:23:30 ID:dH4LsLRs [16/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「なぁ……そう言えば俺達ってさ……ずっとお互いの事を名前で呼んだ事ってなかったよな」


ガブリアス「っ!……そう言えば……」


ガブリアスはそう言いながら必死にもがいている……


フライゴン「最後くらいは名前で呼んでくれよ……俺はフライゴンって言うんだ」


カービィの口からドンキーが吐き出された……


ガブリアス「俺は……ガブリアスだ……」


ドンキーは必死にジャンプするが……カービィのホバリングには遠く及ばない……


 ▼ 325 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:25:57 ID:dH4LsLRs [17/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


フライゴン「……ガブリアス」


ガブリアス「なんだ? フライゴン」


フライゴン「……ありがとう……全部お前のお陰だ……」


ガブリアス「なんだよ……今更……」



ガブリアスは諦めてコントローラーを床に置くと笑った。



 ▼ 326 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:28:22 ID:dH4LsLRs [18/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ゲームセットの声が響くと共に、フライゴンは眩しく光輝いた……







フライゴン「じゃあな……楽しかったぜ……」








ガブリアス「……」









ガブリアスが目を閉じて……再び目を開くと……フライゴンの姿はそこには無かった……
 ▼ 327 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:31:28 ID:dH4LsLRs [19/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

テレビからはカービィの勝利を告げるファンファーレが流れている……


ガブリアスは涙を拭って微笑むと……その場に寝転がった……





ガブリアス「フライゴン……ありがとな……俺もすっげー楽しかった……」








お前は俺の……最高の親友だ……







 ▼ 328 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:38:18 ID:dH4LsLRs [20/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



その頃、街の外れ……



ビルの外壁にもたれてワンカップ酒を啜る赤いポケモンがいた……


そのポケモンがふと顔をあげると……遠くの星空に、上へ上へとゆっくり昇っていく小さな光を見つけた……



ハッサム「あんちゃん……成仏できたんだな……」



そのポケモンは微笑むとその場に腰を下ろした……


ハッサム「良かったな……あんちゃん……願いが叶って……」


その時、ハッサムの体から白い光の玉がふわりと現れて消えた……


ハッサム「……これで俺も……成仏できる……」
 ▼ 329 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:41:28 ID:dH4LsLRs [21/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ハッサムは空を見上げた……


真っ暗な夜空に綺麗な月と星がきらめいている……


ハッサムの体から次々と現れる光の玉が星と重なり合って……美しく輝いた……


ハッサム「ずっと心配していたんだ……生き別れたあんちゃんの事を……俺のせいであんちゃんや母さんには沢山迷惑をかけてしまった……」


ハッサムはカップ酒を地面に置いた……
 ▼ 330 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:43:20 ID:dH4LsLRs [22/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ハッサム「許して貰えなくたっていい……ただ一言……謝らせてくれ……母さん……あんちゃん……」





ごめんな……






その言葉と共に、ハッサムの体は白い光に包まれて……そして消えた……




続く



 ▼ 331 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 10:44:20 ID:dH4LsLRs [23/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第八話おしまい

今日中に完結させますのでしばしお待ちを……
 ▼ 332 コガシラ@エスパージュエル 17/02/28 11:19:51 ID:VWoNQx9s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 333 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:16:52 ID:dH4LsLRs [24/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


カーテンの隙間から差した日の光がガブリアスの顔を照らす……



ガブリアス「……うぅ……」


ガブリアスはあまりの眩しさに目を覚ました……



どうやら昨日、あのまま寝てしまったらしい……

 ▼ 334 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:17:58 ID:dH4LsLRs [25/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告










最終話 俺−お前=その後








 ▼ 335 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:21:54 ID:dH4LsLRs [26/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは体を起こすとつけっぱなしのテレビとWiiの電源を落とした……



そして、Wiiをダンボール箱にしまっていく……



ガブリアス「……」


ガブリアスはフライゴンの使っていたコントローラーを見つめた……


ガブリアス「まだ……なんとなく、あいつのぬくもりを感じるな……」


ガブリアスはそっと目を閉じてフライゴンの事を思い出し……そして、ダンボール箱にコントローラーをしまった……


 ▼ 336 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:27:30 ID:dH4LsLRs [27/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ふと時計を見ると……もう十一時になっている……


ガブリアス「……昼飯でも買ってくるか……」


ガブリアスが近くに転がっていたカバンを持ち上げると……中からフライゴンの3DSが出てきた……


ガブリアス「!……そう言えばデートの時に没収して……」


ガブリアスは何となくその3DSを開いた……

3DSの電源はつけっぱなしで……ゲームメモの画面が開かれていた……


ガブリアス「こ、これって……」


そのゲームメモには……何ページかに渡ってフライゴンからのメッセージが書かれていた……


 ▼ 337 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:29:58 ID:dH4LsLRs [28/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
お前のおかげでこのデートまでこぎつけた……

このデートが終わる頃、もしかすると俺は成仏してしまうかもしれないから……このメモにメッセージを書いておく……
 ▼ 338 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:32:57 ID:dH4LsLRs [29/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


思い出せば……お前とぶつかって、このnew3DSLLに傷がついたのが全ての始まりだった……


今更だけど、あの時は俺も悪かったよ……ごめんな
 ▼ 339 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:34:35 ID:dH4LsLRs [30/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





もうあの事については怒ってはないから……




 ▼ 340 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:36:41 ID:dH4LsLRs [31/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





もし、俺が成仏していなくなったら……このnew3DSLLを俺だと思って使ってくれたら嬉しい



 ▼ 341 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:39:35 ID:dH4LsLRs [32/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





できれば修理には出すなよ? 

この傷があるnew3DSLLは世界に一台しかないんだからな?



 ▼ 342 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:41:24 ID:dH4LsLRs [33/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告






言葉で言うと恥ずかしいけど、文字でなら正直になれる気がするからここで言っておく……




 ▼ 343 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:43:01 ID:dH4LsLRs [34/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告






ありがとう



フライゴンより
 ▼ 344 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:46:51 ID:dH4LsLRs [35/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





ガブリアス「なんだよ……変にサプライズなんかしやがって……」



ガブリアスはぐっと涙を堪えると、カバンにnew3DSLLを詰め込んで、少し暖かくなり始めた春の街へと向かった……







 ▼ 345 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:48:27 ID:dH4LsLRs [36/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告










あれから……もう、五年もたつ……








 ▼ 346 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:51:12 ID:dH4LsLRs [37/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





夕焼け空の照らす街を、ガブリアスは黒いカバンを持ち、ポケモンの波をかき分けて歩いていた……


少し開けた場所に出ると……ガブリアスはベンチに腰掛けた……


ガブリアス「今日も1日頑張ったな……」

 ▼ 347 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:54:22 ID:dH4LsLRs [38/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告







フライゴン、そっちはどうだ? ヌメルゴンちゃんや母さんとは仲良くやってるか?


こっちは……まぁ、ボチボチかな……


お前と過ごしたあの日から……もう、五年もたつんだな……


今でもお前がすぐそばにいるんじゃないかって思う時があるよ……





 ▼ 348 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:57:34 ID:dH4LsLRs [39/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ガブリアス「(それにしても……お前に会うまでは幽霊なんて全然信じてなかったけど……幽霊って本当にいたんだな……)」



その時、ガブリアスのスマホが鳴った……



ガブリアス「(そう言えば……幽霊の件程じゃないけど……ありえない様な事がもう一つある……)」



ガブリアスがスマホを見ると……一通のメールが来ていた……




 
 ▼ 349 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 14:59:35 ID:dH4LsLRs [40/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





ガブ君へ


もう帰ってくる?


今日のご飯はハンバーグだから早く帰って来てね!


ガン子より



追伸

そろそろガブ君と出会って五年になるね!




 ▼ 350 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:05:37 ID:dH4LsLRs [41/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアス「(そう、あの合コンがきっかけで……今ではクリムガンが俺の嫁だ……笑うなよ、見た目はそんなだけど……優しいし……料理もすっごいうまいんだぜ? 今日のご飯も楽しみだな……)」




ガブリアスはふと辺りを見渡した……



夕方と言う時間のせいもあり、街には沢山の仕事帰りのポケモン達が歩き回っている……



ガブリアス「(もしかすると……気がついてないだけで、この沢山のポケモン達の中にも幽霊がいるんだろうか……? もし、いるのなら……頑張って成仏して欲しいって願ってる)」


ガブリアスはベンチから立ち上がると、自宅に向かって歩き出した……


ガブリアス「さぁ! 帰るか!!」



 ▼ 351 ンメン@すごそうないし 17/02/28 15:06:02 ID:Yh.lCRnc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 352 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:09:52 ID:dH4LsLRs [42/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアス「ただいまー」


ガブリアスが家の扉を開けると、クリムガンがとんで来た。


クリムガン「おかえりー! ガブ君! ご飯にする? お風呂にする? それともあた……」

ガブリアス「ちょっと今日はやる事があるから……」


ガブリアスはタンスの上に置いてあった埃まみれのダンボール箱を持ってリビングへ向かった……



クリムガン「……ガブ君いじわるぅ……」


 ▼ 353 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:13:11 ID:dH4LsLRs [43/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ダンボール箱を開けると……あの日以来起動していなかったWiiが出てきた……


ガブリアスはうろ覚えでWiiをテレビに接続すると、電源を入れた……


ガブリアス「懐かしいな……」


しばらくしてスマブラXが始まった……


ガブリアスはコントローラーを2つ繋いで1つを自分の隣に置いた……
 ▼ 354 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:16:32 ID:dH4LsLRs [44/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

クリムガンが寄ってきた……


クリムガン「なに? ゲームするの?」


ガブリアス「いや、俺の親友とちょっとやるだけだから……」


クリムガン「ふーん、珍しい……ま、ご飯の準備はすぐに出来るから、食べる時は呼んでね!」


ガブリアス「わかった」


クリムガンは二階へと続く階段を上がっていった……

 ▼ 355 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:20:39 ID:dH4LsLRs [45/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ルールもアイテムもキャラクターもステージも……全部あの日と同じ設定にして、ガブリアスはゲームを始めた……



ランダムの結果……ガブリアスのキャラはカービィ……もう一つの誰も触っていない方のコントローラーのキャラはドンキーコングになった……


ガブリアス「なんだよ……あの時と逆かよ……」



ガブリアスはコントローラーを握りしめた……


 ▼ 356 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:25:28 ID:dH4LsLRs [46/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ゲームが始まって……わかってはいたが、誰も触っていない方のキャラは動かない……


ガブリアス「……当たり前だよな……でも……」


ガブリアスは触っていない方のコントローラーを見つめた……


ガブリアス「こうしているだけで……お前がそばにいる様に感じるんだ……」


ガブリアスがテレビ画面に視線を戻した……その時


誰も触っていない筈のドンキーがアピールをした……


ガブリアス「え……?」

 ▼ 357 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:29:07 ID:dH4LsLRs [47/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは再び触っていない方のコントローラーを見たが……やはり、誰も触ってはいなかった……


ガブリアス「……帰ってきたのか? フライゴン……」


その時、ガブリアス操るカービィの足元でボム兵が大爆発を起こして……気がついた時にはカービィは場外に吹き飛ばされていた……


ガブリアス「なんだよ……卑怯な戦い方しやがって……」


ガブリアスはそう呟くと微笑んだ……

 ▼ 358 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:31:40 ID:dH4LsLRs [48/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




俺の親友は……見えないけれど、きっといつもそばにいる……



世界一のリア充なんだ……



ゲームが大好きで……少し、自分勝手な所もあったけど……どこか憎めない……



そんな奴だ……







 ▼ 359 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:35:16 ID:dH4LsLRs [49/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアスはWiiをダンボール箱にしまった……


ガブリアス「また来年やろうな……」


ガブリアスはダンボール箱をタンスの上に戻すと、二階に向かって叫んだ……


ガブリアス「おーい! クリムガン! 飯にしようぜ!!」

クリムガン「ゲーム終わったのー? じゃあ、準備するねー!」


二階からクリムガンがバタバタと降りてきた……


 ▼ 360 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:36:23 ID:dH4LsLRs [50/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告








俺もリア充になれたかな……?



いや、お前に追いつくにはまだまだだよな……








 ▼ 361 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:39:12 ID:dH4LsLRs [51/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ガブリアスは近くの棚の上に目をやった……


そこにはnew3DSLLと写真たてが置いてある……

写真たてにはあの日、バンギランドで撮った写真が入れてある……


キッチンからクリムガンの声がした……


クリムガン「ガブ君! 料理運ぶの手伝ってー!」


ガブリアス「おう!」

 ▼ 362 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:41:58 ID:dH4LsLRs [52/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ガブリアスは大きく伸びをすると、キッチンへと歩き出した……








ガブリアス「いつかお前を超えるリア充になってやるからな……見てろよ? フライゴン!」







end
 ▼ 363 イコグマ@くろおび 17/02/28 15:44:47 ID:Yh.lCRnc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白かった
 ▼ 364 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 15:47:33 ID:dH4LsLRs [53/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これにておしまいです。

なんとか今日中に出来て良かったです……

長編SSばっかり書こうとする自分をぶん殴ってやりたいです……

そろそろネタも尽きてきましたし……少しここでSS書くのもお休みしようと思っています。

またいつか、ここでSSを書ける日が来たらいいなー……と、思っています。

では皆様、沢山の支援コメなど、ありがとうございました!!
 ▼ 365 ルビル@ヤゴのみ 17/02/28 16:50:49 ID:uzV36rhs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 366 イホーン@どくのジュエル 17/02/28 17:00:35 ID:hC5o2j5M NGネーム登録 NGID登録 報告
良いssだった
これはぽけりん行き決定!
 ▼ 367 ラチーノ@きぼんぐり 17/02/28 17:02:01 ID:DqtxNpGk NGネーム登録 NGID登録 報告
面白かった 乙!
 ▼ 368 ンクルス@メガストーン 17/02/28 17:52:11 ID:ffpRkHLI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
素晴らしかったです
 ▼ 369 フレシア@おはなのおこう 17/02/28 18:00:48 ID:nhXSW0tI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 370 びぐろす◆m4VTgVW/Po 17/02/28 18:04:32 ID:QnLL6ze2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れ様...!
すごく面白かった
 ▼ 371 グトリオ@ウォーターメモリ 17/02/28 18:09:38 ID:KVpETWBQ NGネーム登録 NGID登録 報告
まとめろください
 ▼ 372 レッグル@まんぷくおこう 17/02/28 18:16:24 ID:zVPobk/E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
結局ハッサムは何者だったのか?
 ▼ 373 ヤシガメ@れいかいのぬの 17/02/28 18:18:35 ID:1beKi7TU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白かったがフライゴン殺しの罪を償えってのは無粋なツッコミかw

本当に乙 いいSSだった
 ▼ 374 ガガブリアス@ゴツゴツメット 17/02/28 18:28:06 ID:vHR011WA NGネーム登録 NGID登録 報告
素晴らしすぎる…
是非まとめて下さい!
乙です!
ありがとう
 ▼ 375 ッチャマ@ナナシのみ 17/02/28 18:37:29 ID:Qjd6Djrg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
殺したのは本人なのに訳わかんないこと言ってて臭
ガブリアスキモすぎ内
 ▼ 376 オップ@ヤミラミナイト 17/02/28 18:45:23 ID:7J42K.Jk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この画風どこかで見たことある
前にどこかのスレでガブとシロナさん描いた?


フライゴンがふりゃふりゃ言ってガブがヒールなSSが多いから新鮮で楽しかったよ
 ▼ 377 1◆v1GnTfaqxg 17/02/28 19:22:45 ID:dH4LsLRs [54/54] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
うわっ……少し目を離した隙にこんなに乙コメが……皆様ありがとうございます!

>>372
ハッサムはフライゴンが生まれてすぐに家を出て行った父親です。フライゴンの母と離婚した後に死んで、生き別れたフライゴンの事が気掛かりでこの街を幽霊としてさまよってたって設定です。
出来るだけドラゴンで話を固めたかったんですけど……フライゴンのタマゴグループって虫なんで仕方なくこうなりました。

>>376
人違いですよ。自分はこの間から鉛筆で絵を書く練習始めたばっかりですし……ここの板では基本SSを書く事しかしてないです。


長文失礼しました。
 ▼ 378 ーブシン@フォトアルバム 17/02/28 19:39:25 ID:7J42K.Jk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>377 そうか、イラっとしてるフライゴンかわいいよwww
おつかれさまでした!
 ▼ 379 ゲキ@はかいのいでんし 17/02/28 19:40:49 ID:VVQppPjQ NGネーム登録 NGID登録 報告
>>375
フライゴン別に恨んでなかっただろうが
ちゃんと読んでからコメントしようね
 ▼ 380 ーギラス@ふたのカセキ 17/02/28 19:59:04 ID:R2V.pe3M NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
わざわざゲームメモでメッセージ自分で書くとかwwwww












感動したわ
 ▼ 381 ルッグ@エフェクトガード 17/02/28 20:15:25 ID:6NRUBbfw NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
御疲れ
良かった
 ▼ 382 ーバー@ともだちてちょう 17/03/04 16:16:02 ID:BhpT2CIM NGネーム登録 NGID登録 報告
完結してた!
今更だけどとても面白かったし泣けた!
ありがとうございます!
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