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SS

俺「目が覚めたらポケモンになってたんだが……」

 ▼ 1 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:09:35 ID:S.ZenHAU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プロローグ

俺、最低だ。

あいつは俺と、あんなに仲良くしてくれたのに……

あいつとポケモンを皆に隠れてこっそりプレイした廃屋の屋上。

見下ろすと、地面が遥か遠くに見える。

俺なんかが生きてちゃダメだよな……
 ▼ 510 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:33:38 ID:5Gn3ki8w [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
店員「お待たせしました……」

なんだかよくわからない説明の後に料理が出される。

ところどころカロスって単語が聞き取れたけど……

店員が配膳を終え去っていく。

で、伝票がない……

アルさん、ベベさん! ホントにありがとうございます!

心から感謝の念を送りつつボールを手に取る。

アカリ「みんな、ごはん出来たよ」

ルクシオ「る……く……」

ポッタイシ「ぽ……った……」

やっぱりさっきのバトルで瀕死の重傷を負った2匹は苦しそうね。

イーブイ「ぶい!」

イーブイだけは元気だけど。

アカリ「ほら。元気出るから食べな」
 ▼ 511 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:41:24 ID:5Gn3ki8w [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

正直、瀕死状態ってのがここまできついとは思いもしなかった。

昨日のあのジムではすぐ回復してもらったが、今日はやけに時間がかかったし。

だから、こんな料理出されても食べられる気がしてなかったんだけど。

無理して一口食べる。

あ……旨い。

体の奥底から力が湧き上がって来る。

ほのかな辛みを包み込む酸味が口いっぱいに広がる。

まさに至福と呼ぶべき味がそこにあった。
 ▼ 512 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:42:17 ID:5Gn3ki8w [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「これ……おいしい」

イーブイ「何これ?! おいしすぎでしょ! 信じらんない!」

ルクシオ「旨いなこれ」

アカリ「おいっし〜!」

皆が声をあげる。その大きさこそまちまちだけれども。

この後はもうおわかりの通りだと思う。

口が止まらない。

箸が使えないから口で直接食べるしかないんだけど、そんな事どうでもよくて、ただただ旨かった。
 ▼ 513 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:48:01 ID:5Gn3ki8w [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
気が付いたらもう目の前の皿は空っぽになっていた。

なんかひどくもったいない事をしたような気分になってくるけど……まあ食べ物と言うのはいずれなくなる物だし。

イーブイ「もっと食べたい!」

ルクシオ「いや無理があるだろ!」

イーブイ「なんで? ニンゲンの事だしどうせまだあるんでしょ?」

ルクシオ「ここの料理高いから、これ以上人の金使わせる訳にもいかんだろ」

イーブイ「金?」

ポッタイシ「あ、知らない? ……よね。お金……なんて言えばいいんだろ……」

ルクシオ「えっと……ある一定の価値をお金には認めて、あ、その価値って本来はないんだけど」

ルクシオ「人間同士の約束事として決まってて……」

イーブイの表情が歪んで行く。たぶん頭にクエスチョンマークが浮かんでいる事だろう。

ルクシオ「それと同じ価値を持つ物と交換出来る……でいいのかな?」

お金って何か上手く説明するのって、こんな難しい事なんだ、と気付いた。
 ▼ 514 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:48:29 ID:5Gn3ki8w [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 515 クラビス@つめたいいわ 15/09/13 22:50:30 ID:U0augxdM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 516 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:32:50 ID:SUPYJvDA [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
人間世界では当たり前でも、ふとその常識が通用しない所に行くと説明出来ない……かあ。

なんだか小難しい感じになっちまったな。

ポッタイシ「ま、要はおかわりは出来ないって事よ」

イーブイ「がーん……」

そう言えば、と思う。

こんな難しい話を平然と出来るぐらいには回復してるな。

アカリ「うーん、ごちそうさまでした!」
 ▼ 517 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:36:15 ID:SUPYJvDA [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ああ……幸せ……

こんなおいしい料理食べたの初めて……

アル「食べ終わったかね?」

アカリ「はい! こんなおいしい料理食べさせていただいて……ホントにありがとうございます!」

ベベ「ふふ、こちらこそ、楽しい勝負をありがとうございます」

特訓させてもらった上にこんな事まで……どれだけ感謝してもし足りないよ。

アル「なんだかあの少年を思い出すな……」

ベベ「ええ、あのドダイトスを連れた少年でしょう?」

ん? ドダイトスを連れた少年?

それってもしかして……
 ▼ 518 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:39:43 ID:SUPYJvDA [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あの……その少年ってもしかして……赤い帽子とマフラーの……」

アル「ああそうだが、それだけでは判別出来ないな」

うーん。

上手く見た目が説明出来ない自分がもどかしい。

あ。見た目が説明出来ないなら……

アカリ「名前わかります?」

ベベ「確か……コウタ? でしたっけ」

それ……たぶん……

アカリ「コウキ……だったりしません?」
 ▼ 519 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:45:08 ID:SUPYJvDA [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
危うくコウキ兄ちゃんって言いかけるとこだった。

危ない危ない。

アル「おお、そう言われればそんな名前だった気がするな」

アカリ「やっぱりですか!」

ベベ「歳とると物忘れがひどくてねえ。それはそうと、知り合いかい?」

アカリ「はい。お姉……じゃなかった、姉の友達で、あたしの尊敬してる人です」

アル「ほう。彼の知り合いかね」

アカリ「まあそうなりますね」

ベベ「なら、将来の目標はチャンピオンなの?」

アカリ「まあ、まだ決めてないんですけど……」

アル「目標は大事な物だ。今から考えても遅くはないと思うよ」

アル「さてと! それではこれでおいとまするとしよう」

ベベ「ついて来て」
 ▼ 520 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:49:56 ID:SUPYJvDA [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後会計を済ませ、あまりの値段の高さに思わず「ふえっ?!」と変な声をあげてしまった。

あー恥ずかし。

アル「では、また縁があればどこかで」

ベベ「その時はまた楽しい勝負をよろしくお願いしますね」

アカリ「こ、こちらこそ! ありがとうございました!」

そう言って別れた。

2人はホテルの方に。あたしはリッシ湖の方に。

振り返ると2人は腕を組み合っていた。

あたしもいつかはあんな風になるのかな……?

誰と?

……

ないない、さすがにアキラはねえ……

脳裏に浮かぶ考えを慌てて打ち消した。
 ▼ 521 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:52:39 ID:SUPYJvDA [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さあて、と。

ここに来たからには行っときたいなあと思ってたのがリッシ湖。


コウキ「エイチ湖とはそんな変わらないよ〜」


って言ってたけどさ。

やっぱこんだけ観光名所扱いされてたら気になるじゃん!

それに意志の神アグノム伝説だって気になるし!


ヒカリ「そう言うのはミオの図書館の方が勉強になるよ」


とは言ってたけどさ……
 ▼ 522 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:57:42 ID:SUPYJvDA [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でもまあ、景色綺麗らしいし。

エイチ湖でも充分綺麗なんて言わないの!

それに……

ギンガ団の一番の被害を受けた場所と言えばここになるし。

ヒカリお姉ちゃんの妹としてここは外せないよ!

なんてビックリマークつけて考えるような事でもないけどさ……

さてと、到着。

時間的にもここが折り返しかな。
 ▼ 523 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:58:49 ID:SUPYJvDA [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、しまった

エイチ湖じゃなくてシンジ湖だった

すいません、また妙な間違いしてしまいました

今日はここまでです
 ▼ 524 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:24:24 ID:nII7P62A [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

アカリ「みんな、出て来て」

そう言われるままにボールから飛び出した。

っつても俺自身はなんもしてないんだけどさ。

だから飛び出すって表現にはずっとなんか違和感を覚えてたんだけど……

いやそれはともかくここ、リッシ湖だよな、アグノムのいた。

ギンガ爆弾を落とされ水が干上がった場所。

そこに今自分が立っている……

その事になんか戸惑いを覚える。

イーブイ「綺麗……」

ポッタイシ「うん。シンジ湖で見慣れた感じはあるけどそれを差し引いても綺麗よね」

沈みゆく太陽が湖面に映り、その赤さは思わずため息を漏らすほどに美しかった。
 ▼ 525 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:29:14 ID:nII7P62A [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「この景色が見れただけでも来た価値あったなあ……」

見られた、だろう。

そんな事はどうでもいいのだが……

ルクシオ「なんかさ……」

そこで言葉を切った。

イーブイ「何?」

ルクシオ「なんでも」

イーブイ「はあ? そこまで来たなら言いなさいよ! そう言うのが一番気になるの!」

なんかふと思い付いた事を改めて口に出そうとするととてつもない羞恥心が襲って来て。

だからそれを口に出す気はない。

自然に比べて自分がちっぽけな存在だなんて、ありきたりすぎて。
 ▼ 526 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:32:27 ID:nII7P62A [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「ええ……そりゃないよ」

ルクシオ「誰にだって話したくない事の1つや2つあるだろ!」

ポッタイシ「あのさ、ルクシオ」

ルクシオ「あ」

そうだ。

こいつ、そんな秘密を持ってるんだ。

しかもたぶん、相当重い話。

なのに俺……

ルクシオ「すまんイーブイ」

ここは素直に謝るべきだ。どう考えても俺が悪い。
 ▼ 527 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:36:41 ID:nII7P62A [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイは軽く舌打ちした。

どうでもいいが、女子の舌打ちってあんまイメージが湧かない。

ってかポケモンの事を普通に女子と認識出来てる俺って……

なんて考えていたらイーブイが口を開いた。

イーブイ「ったく、謝らないでよ……」

ルクシオ「すま……あ」

くすりと笑いが漏れた。

イーブイ「言ってるそばからさ」

ポッタイシ「男子ってこういうとこ単純よね」

女子がこうって決めつけてたら男子ってこうだと決めつけられた。

これからはそう言う考えしないようにしようっと。

そう心から思った。
 ▼ 528 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:41:44 ID:nII7P62A [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「なんだよ男子ってひとくくりにしやがって」

と怒る俺には取り合わず2人顔を見合わせ笑う。

まあ初日の仲の悪さを思えばこれも格段の進歩なんだろうな……

なんてぼんやり思いながら所在なく湖畔をぶらぶらと歩いていた。

と、同じようにぶらぶらしていたアカリが独り言を呟いているのが耳に入る。

アカリ「シンジ湖……懐かしいなあ……」

まあこう旅を続けてたらホームシックになる事もあるだろうな。

アカリ「……っと! ルクシオ、いたんだ」

まあな、と答えはするがどうせその声は届かない。

でもまあ、変に誤解させても嫌だし。懐いてないって。

いや懐いてはないけどさ。

アカリ「よし、行くか! ポッタイシ! イーブイ! こっち来て!」
 ▼ 529 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:46:07 ID:nII7P62A [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

さてと。

自転車でぱぱっと行きたいんだけど無理があるしなあ……

よし、走ろう!

早いとこ帰って休まないと、明日はそろそろジム戦出来ると思うから、それに支障が出たら困るし。

ホテルを抜け、砂浜を急いで抜け、草むらを走り抜け、ゲートを潜り抜け。

アカリ「はあっ……はあっ……」

到着!

……疲れたあ。
 ▼ 530 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:51:46 ID:nII7P62A [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
って訳で。

昨日からチェックアウトこそしてないけど、ある時間を超えたら強制的に退室扱いになるからもう1回チェックインしないと。

ポケセンの自動ドアが開いた。

汗かいた身としては暖房が少し、いやかなり暑いんだけど……まあ仕方ないか。

アカリ「今日は疲れたでしょ」

そう3匹に声をかけ、そのままジョーイさんに声をかけた。

アカリ「すいません、ポケモン回復してください!」

ジョーイ「わかりました。ではしばらくお待ちください」
 ▼ 531 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:57:13 ID:nII7P62A [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソファにどんと腰を下ろし(もちろん他のお客さんには気を使ったよ?)昨日今日の事をぼんやり考えていた。

あたしのポケモン、どれだけ強くなったんだろ……

マキシさんのポケモンに対抗出来るかな?

これだけ頑張ったんだしなんとかなる! なあんて考えはしないよ。

昨日それが甘いって断罪されたばっかだし。

ジョーイ「アカリさあん」

アカリ「あ、はあい」

慌てて立ち上がった。その足でカウンターの方に向かう。

ジョーイ「お預かりした(ry」

アカリ「ありがとうございました! それと部屋まだ空いてます?」

ジョーイ「はい。トレーナーカードを見せていただけますか?」

アカリ「これです」

ジョーイ「わかりました。こちらが部屋のカギになります」

アカリ「ありがとうございます!」
 ▼ 532 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:02:47 ID:nII7P62A [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふうっ」

勢いよくソファに沈み込む。

誰かに気を使う必要なんてないしね、自分の部屋なんだから。

アカリ「みんな、出て来て!」

すっかり元気になった3匹が飛び出して来た。

アカリ「じゃ、ごはんまでもう少しだしレベルとか確認しとこっか」
 ▼ 533 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:12:03 ID:nII7P62A [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシはLV19。技はバブル光線、つつく、メタルクロー、泡ね。

ルクシオはLV21。技はスパーク、かみつく、充電に体当たり。

イーブイって捕まえた時そんなレベル高かったんだ……

LV25で、体当たり、電光石火、体当たり、しっぽを振るねえ。

ヌオーの突破がたぶん一番のカギだと思うけど……

イーブイに防御力をさげてもらって特攻するのが一番かな?

確かヌオーって特性が貯水の可能性もあるもんな……

今んとこ、特殊攻撃技がポッタイシの水技しかないし。

っと。そろそろ時間じゃん。行かないと。
 ▼ 534 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:16:06 ID:nII7P62A [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「いっただっきまあす」

一口食べる。

アカリ「なんか落ち着くな」

どうしてもあのレストランと比べてしまうけど、それでもなんだかあたしにはこっちの方があってる、そんな気がした。

アカリ「どう? やっぱこう……庶民的な感じがよくない?」

……イーブイ、首を横に振らないで……

確かに味はあっちの方が絶対いいけどさ……
 ▼ 535 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:21:06 ID:nII7P62A [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

イーブイ「ああんなおいしい物食べれるんならニンゲンの手持ちも悪くないなって思えたけどさ」

ポッタイシ「あんなのなかなか食べれないよ」

ルクシオ「食べられない、だろ?」

ポッタイシ「慣用としてもうさ、ら抜き言葉は話し言葉では使ってもよくなかったっけ?」

イーブイ「あたしを置いてかないでよ。何の話してんの?」

ルクシオ「いやでも気になんじゃん」

ポッタイシ「細かいね」

ルクシオ「悪かったな」

ポッタイシ「話を戻すとあそこまで高級な物はもう食べられないと思うよ」

よし。

ルクシオ「実際あんな贅沢めったにないだろ。たぶん俺が人間だった頃あんなすごいとこ行った事ないぞ」

イーブイ「なあんだ」

落胆を隠そうとしないなこいつ……
 ▼ 536 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:25:01 ID:nII7P62A [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ま、それはいいんだ。

人間仕様の料理をほぼ食べた事ない状態であんなもん食わされたら誰だって期待しちまうだろうし。

問題は食べないと力が出ないんだからさあ。

しっかり食べろよ……

そう声に出したら。

イーブイ「だってさ、正直ここのよか野生の時の方がごはんおいしかったしさ」

何を食べていたのか、それだけは絶対に追及しちゃダメだな。

そう判断し視線をもう半分ぐらいなくなっている皿に向けた。
 ▼ 537 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:25:20 ID:nII7P62A [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 538 スラオ@おいしいみず 15/09/15 22:18:17 ID:erxHRkD. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
体当たり✕2・・・
 ▼ 539 ゲボウズ@がんせきおこう 15/09/15 22:21:34 ID:nII7P62A [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>533
誤字です

イーブイの技構成は体当たり、かみつく、しっぽを振る、電光石火です

>>538さん指摘感謝です
 ▼ 540 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 20:52:03 ID:ilP8ywys [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんだかんだ食べてくれたからまあ一安心。

不満を口に出すのはやめて欲しいんだけどさ……

ポッタイシ「そんな不満ばっか言ってちゃダメよ。世の中には食べさせてすらもらえない人だっているんだからさ」

イーブイ「ああはいはい。わかったわかった。まあまずくはないしいいんだけどさ」

ルクシオ「ま、これが庶民の味ってか、なんかこういう方が落ち着かね?」

さっきアカリも言ってたけどな。

イーブイ「おいしければおいしいほどいいじゃん」

ルクシオ「ま、そうだけどよ……」

こればっかりは感覚の問題だからどうしようもない。

ま、いつか慣れてくれるだろ。

そう楽観的に結論付けた。
 ▼ 541 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 20:56:07 ID:ilP8ywys [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ま、なんだかんだイーブイも完食してくれたし、帰るか。

アカリ「うー」

1つ大きくのびをして立ち上がった。

アカリ「行こ、みんな。戻って!」

さてと。

今日も疲れたなあ……

なんてぼんやり考えながら部屋まで歩いた。

アカリ「到着っと」

カギを差し込み扉を開いた。
 ▼ 542 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:00:49 ID:ilP8ywys [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふうっ」

やっぱソファって楽だなあ……

ってダメダメ! お風呂入らなきゃ!

アカリ「ポッタイシ、イーブイ、お風呂入るよ! ルクシオは待っててね」

そう言いながらボールから3匹とも出す。

相変わらずルクシオは嫌なのかな……

ま、いいか。ルクシオが1人で入りたいならそれも仕方ないし。
 ▼ 543 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:07:09 ID:ilP8ywys [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

ルクシオ「ふう……」

今日一日の疲れが全て濃縮されたかのような深いため息がこぼれる。

ゲームでレベルが足りなくて特訓した事はあるけどまさか自分が鍛えられる事になるとはね……

改めて考えてもこの状況の特殊さには戸惑いを禁じ得ない。

だってさ。

人間がポケモンになるなんてポケダンぐらいの話じゃんか……

いや今更だけどさ。

なんかこう……1人になった時ふっと思い出すんだよなあ……

逆に普段はそんな重大な事を思い出すことが出来ないほどに充実してる、とも考えられるけど。

実際振り返っても、この数日の密度は異様に濃い。

それこそ、何の夢も見ないほどに。
 ▼ 544 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:14:43 ID:ilP8ywys [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夢がこの前みたいに自分の心の奥底の事実を映し出してくれるなら。

例え疲れが取れなくてもその夢を見たい。

だって、この旅の中で全く手掛かり無しっていくらなんでもひどいだろ!

ポケダンでももう少し伏線あったぞ!

……とは言え、今まだバッチはクロガネのコールバッジ、ヨスガのレリックバッジのみ。

たぶん明日あたりノモセの……フェンバッジだ、が手に入るとしてもまだ3つ目。

全体の37.5%しか進んでない計算になる。

一応テンガン山で会ったしギンガ団と一悶着起こすのならそれよりさらに少ない。

さすがにこんな状況で何か手掛かりっつってもどうしようもないか……

……ってか少なくとも俺にとってはこの世界は現実なのに、何ゲームプレイするみたいに考えてんだ?

あまりに突拍子もなさすぎるこの現実のせいか……
 ▼ 545 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:19:19 ID:ilP8ywys [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「はは……」

なぜか軽い笑いが漏れた。

理由はわからないけど、強いて考えるなら。

さっきの結論があまりにもどうしようもなさすぎて、かな?

そんな時、アカリたちが風呂から出て来た。

アカリ「ルクシオ! 空いたよ!」

ルクシオ「はいはい」

そう返事を返し、浴室に向かった。

アカリが濡れタオルで体を拭くのに任せぼーっとし、拭き終わったと見て浴槽にダイブした。
 ▼ 546 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:23:17 ID:ilP8ywys [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
思う存分体を伸ばす。

最近この4足歩行の体でも上手く伸ばせるようになって来たあたり、相当ポケモンに慣れたな、俺。

ってか、どうやったら戻れんだろ……

さすがに無理だとか言わないよな……?

誰に向かってかは知らない。ただ心の内で問いかけていた。

俺の記憶を。

俺の姿を。

取り戻せるのか? と。
 ▼ 547 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:25:32 ID:ilP8ywys [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 548 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:18:53 ID:ilP8ywys [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ルクシオもお風呂からあがった事だし……

もう寝ますか!

明日こそマキシさんに勝てたらいいなあ……

そういやコウキ兄ちゃんもあのレストラン行った事あるんだ。

コウキ兄ちゃんと楽しい勝負かあ……

そんな人に勝てたんだし、あたしもちょっとは追いつけてるのかな……?

まあでもあたしがこうしてる間にもコウキ兄ちゃんも強くなってるんだろうし、勝てはしないんだろうけどさ。

アカリ「ふああ……」

なんか……眠くなってきた……

……
 ▼ 549 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:23:56 ID:ilP8ywys [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
う……眩しっ……

アカリ「くっ……ふぁあ……」

窓から差し込む明かりが眩しく目を射て、為す術なくあたしの意識ははっきりとしていく。

正直もう少し眠ってたかったなあ……

アカリ「おはよ、みんな」

声だけかけて、時計を確認する。

もう朝ごはん食べようと思えば食べられるのか……

アカリ「ちょっと早いけど、朝ごはん行く?」

3匹とも頷いたし、行くか!
 ▼ 550 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:31:14 ID:ilP8ywys [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

とりあえず、アカリがちゃんと起きてくれてよかった……

昨日の心配が杞憂で済んで心の底から安堵する。

イーブイ「今日はたぶんまたジム戦でしょ?」

ルクシオ「だろうな」

ポッタイシ「昨日進化したはいいけど、たぶん私の出番はほぼないからさ」

ポッタイシ「その……2匹とも頑張ってね」

イーブイ「当たり前よ! 絶対あのマヌケ面のヌオー倒してやる……」

気迫の炎が熱いぐらいに燃え盛っている。

ルクシオ「どう考えても俺がキーなんだよな。ってかイーブイがヌオー倒してくれないと勝ち目ないぞ」

イーブイ「だから倒すっての! 心配しないでよ、これでもあんたたちよりレベル高いのよ?」

ポッタイシ「食べながら喋らないの。汚い」

イーブイ「あんたたちだって」

ポッタイシ「私は口に入ってる時は喋ってないよ」

ルクシオ「俺も」

はしごを外されたイーブイが愕然とした表情を見せた。
 ▼ 551 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:35:35 ID:ilP8ywys [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「わかったよ! わかった!」

そう叫び黙々と食事を始めた。

ポッタイシと顔を見合わせ苦笑した。

ルクシオ「さてと。食わないとどうしようもないからな」

まだかなり残っている皿に目を向け言った。

ルクシオ「腹が減っては戦は出来ぬ、だからな」

ポッタイシ「武士は食わねど高楊枝とも言うけどね」

ルクシオ「……」

ことわざってなんでこう……意味が正反対な物があるんだろ……


なあんてぼんやり考えながら気付けば完食していた。
 ▼ 552 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:40:11 ID:ilP8ywys [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「ごちそうさま」

軽く手を合わせる。

そしてそのまま立ち上がった。

よし! いざ、ジム戦へ!

今度は弱いなんて言わせない!

絶対勝ってみせる!

今まで出した事ないぐらいの気迫でジムへの歩みを進める。

その途中不意に思い至り薬だけ買い出ししたけど。

……気を取り直して。

アカリ「たのもー!」

うん。これじゃただの道場破りね……
 ▼ 553 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:43:15 ID:ilP8ywys [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
案内「お、一昨日の」

アカリ「はい。特訓してきました」

案内「へえ、それは楽しみだ。あ! そうそう、前回戦ったトレーナーは今回は戦わなくて大丈夫だぞ」

アカリ「え、ホントですか?」

案内「ああ」

それならだいぶ楽ね。

よし! 一気にマキシさんのとこまで行くぞ!

黄色、緑、黄色、は押しちゃダメじゃん! もっかい緑、今度は青、次は緑、黄色、青!

よし、ついた!
 ▼ 554 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:45:08 ID:ilP8ywys [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「こないだのお嬢ちゃんか」

アカリ「はい」

マキシ「はっはっはっ! そうかそうか! 自分を鍛えて来たんだな!」

アカリ「自分も……ポケモンたちもです」

マキシ「そりゃあいい! 今度こそ俺様を楽しませてくれよ!」

アカリ「楽しませるじゃなくて、勝ちます! 勝ってみせます!」

マキシ「その意気だ! じゃあ、バトルスタート!」
 ▼ 555 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:45:33 ID:ilP8ywys [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 556 ョボマキ@メカニカルメール 15/09/16 22:48:28 ID:JLkqAkwQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


支援
 ▼ 557 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:16:35 ID:xnYsse2Q [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

マキシ「頼んだぞ! タマンタ!」

アカリ「ルクシオ、よろしく!」

2匹のポケモンが威勢のいい声をあげてバトルフィールドに飛び出す。

マキシ「水の波動だあっ!」

アカリ「右にかわしてスパーク!」

タマンタが生成した水の塊がルクシオめがけて打ち出された。

しかしその刹那、ルクシオが横に飛び跳ねた。

その結果、水の波動はルクシオの左肩をすり抜けて行ってしまった。

そして。

瞬時に体に電気を溜めるとそれを身にまとったままルクシオはタマンタに突進した。
 ▼ 558 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:20:46 ID:xnYsse2Q [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「ほう……タマンタ、水の波動だッ!」

向かい来るルクシオにタマンタはあくまで冷静に水の波動を作りだす。

そしてその力をルクシオに向かって解き放った。

ルクシオがタマンタと激しくぶつかり合う。

水の波動をものともせず……と言うと言い過ぎだが、実際前回の勝負よりはかなりの余力を残して受けきっている。

そしてそのままタマンタは地に落ちた。
 ▼ 559 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:26:22 ID:xnYsse2Q [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
はっはっはっ! とマキシは豪快に笑った。

マキシ「なかなか鍛えて来たようじゃないか! 面白くなって来た!」

マキシ「ではこいつはどうかな? ヌオー!」

アカリの思考は一気に昨日の夜へと引き戻される。

昨日たてた作戦を脳裏に思い浮かべていたのだ。

前回は歯も立たなかった。

地面タイプだからルクシオのスパークは全然効かない。

その半端ない防御力のせいでイーブイの物理技も効かない。

特性貯水の可能性があるからうかつにポッタイシの攻撃も出せないし。

だから。

相手の防御力を下げる。これが一番の攻略法だと考えたのだ。

アカリ「交代します! ルクシオ、お疲れ。よろしく、イーブイ!」
 ▼ 560 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:32:32 ID:xnYsse2Q [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「さあ、どう攻める?」

アカリ「イーブイ、しっぽを振る!」

マキシ「なるほど……ヌオー、熱湯!」

イーブイが敵に背を見せ可愛くしっぽを振る。

その仕草は相手の心に隙を生む。

アカリ「そのまま電光石火!」

ヌオーが口から熱湯を放つ直前。

イーブイが目にも留まらぬ速さでヌオーにぶつかる。

先程のしっぽを振るによって生まれた油断はそのまま受けるダメージの増加につながり、

ヌオー「ッ……」

アカリサイドとしては初めてヌオーにダメージらしいダメージを与える事に成功した。
 ▼ 561 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:38:45 ID:xnYsse2Q [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「やった! 効いてるよ!」

イーブイ「当然よ」

ツンと澄ました表情で応じるイーブイ。

しかし。バトルにおいて、そうした一瞬の油断が隙となるのだ。

マキシ「ヌオー、今度こそ熱湯だあッ!」

アカリ「なっ」

ヌオーの口から放出される高温の水がイーブイを襲った。

アカリ「電光石火でかわして!」

その指示空しくイーブイは直撃を食らってしまった。

イーブイ「熱……」

幸いにも、イーブイは火傷はせずに済んだようだった。

アカリ「行ける? イーブイ、体当たり!」

マキシ「ヌオー、泥爆弾だ!」
 ▼ 562 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:45:59 ID:xnYsse2Q [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヌオーが今度は泥の塊を生み出した。

その溜めの間にもイーブイはヌオーに体当たりを食らわせた。

ヌオー「ぐっ……」

かなりのダメージを受けたヌオーはしかし、そのまま生成した泥をイーブイめがけて放り投げた。

イーブイ「きゃっ」

短い悲鳴があがった。

お互いにこれが致命的なダメージとなっているようで……

今にも倒れそうなほどだった。

アカリ「決めるよ! 電光石火!」

マキシ「熱湯だあッ!」

お互いの全力を尽くした攻撃が発動する。

イーブイが熱湯を浴びながらも死力を振り絞って攻撃を続けた。

それがヌオーに命中する。

ヌオーがまず崩れ落ちる。

着地したイーブイもそのまま意識を失った。
 ▼ 563 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:51:09 ID:xnYsse2Q [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「ふはは! いいぞ、いいぞ!」

マキシ「お前はだいぶ強くなった! その証拠に俺様も今だいぶ追い詰められている!」

マキシ「だが、俺様の切り札に勝てるかな? フローゼル、頼むぞ!」

マキシが吼える。マスクに隠れたその表情には、楽しさがにじみ出ていた。

アカリ「ルクシオ、もっかいお願い!」

ルクシオとフローゼル。

この2匹が場に降り立った瞬間、戦いの火ぶたは切って落とされた。

マキシ「アクアジェットおおお!」

アカリ「え、早……」

指示を出すどころか状況を掴む事すら出来ないような一瞬。

そんなスピードでマキシは攻撃を仕掛けていたのだ。
 ▼ 564 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:55:44 ID:xnYsse2Q [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
状況が上手く整理出来なかったのは戦っているルクシオも同じ。

目の前をふっと横ぎった青が気付けば目の前に迫っていて。

そしてそのまま気付けば吹き飛ばされていた。

ルクシオ「うがあっ!」

アカリ「ルクシオッ!」

マキシ「これで決まるかと思ったんだがなあ……」

実はここに、アカリにとっては嬉しい、マキシにとっては大きな誤算があった。

ルクシオの特性は威嚇。

目の前の敵の攻撃力を下げる特性。

フローゼルの脳には知らず知らずのうちにルクシオに対する恐怖心が植え付けられていたのだ。

そしてその恐怖は、筋肉を委縮させ、与えるダメージが予想よりも減っていたのである。
 ▼ 565 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:59:05 ID:xnYsse2Q [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とは言え。

先程のタマンタ戦で食らった水の波動のダメージと合わせて、ルクシオ自身は限界だった。

正直、立っているのがやっと、と言うレベルで。

マキシ「まあいい。とどめだ! アクアジェットお!」

マキシの指示を受けてフローゼルが動き出す。

アカリの思考は急速に回転を始めた。

このスピードに翻弄されてちゃどうしようもない。

今から攻撃を仕掛けようにもあまりの速さに命中するとも思えない。

だから。

アカリはいつものあの作戦を利用する事にした。
 ▼ 566 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 21:01:53 ID:xnYsse2Q [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ルクシオ、電気を溜めて迎え撃って!」

そう。

自分より素早い相手と戦う時、相手が接近してくる所を狙って攻撃する、と言う物だ。

ルクシオもそれに感付き電気を一気に溜めて行く。

ルクシオは自分に言い聞かせていた。

まだだ……まだ引きつけて……

アカリ「今よ!」

ルクシオの眼前の青い壁。

そこに電気をまとったまま飛び込んだ。
 ▼ 567 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 21:05:05 ID:xnYsse2Q [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どごおん……と轟音があがる。

衝撃がトレーナーの所まで伝わって来る。

それぞれが身にまとっていた物を脱ぎ捨て、着地した。

沈黙が当たりを包む。

その場にいた全ての人間が、固唾を飲んでこの行方を見守った。

そして。

2匹のポケモンは。











同時に崩れた。
 ▼ 568 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 21:05:27 ID:xnYsse2Q [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 569 1◆J44kAZeDOM 15/09/18 16:17:27 ID:orKYBJ0g [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「これって……」

マキシ「はっはっはっ! 俺様の負けだ!」

マキシ「お前さんはまだ後1匹残っているのだろう? 俺様は全滅だ」

アカリ「いいいいやったあああああ!」

あたしってこんな大声出るんだ、ってぐらいの大声で叫んだ。

アカリ「やったよルクシオイーブイポッタイシ!」

マキシ「まさかこの1日でここまで強くなって来るとは思っていなかった。その油断もあったんだろうな」

マキシ「しかし俺様はこの勝負楽しかった。お前さんもそうなんじゃないか?」

アカリ「え……」

正直そんな事意識してるヒマなかったんだけど……

マキシ「勝負には勝ちも負けもある。その現実から目は背けられない」

マキシ「だが俺様はあ。勝っても負けても楽しかった! そう言える勝負ならそれは勝ち負けよりも大事な事だと思っている」

マキシ「まぎれもなくこの勝負は楽しかった。だからこれをお前さんにあげようと思う!」
 ▼ 570 1◆J44kAZeDOM 15/09/18 16:21:19 ID:orKYBJ0g [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「フェンバッジだ。これで3つ目のバッジになるのかな?」

アカリ「はい! あ、ありがとうございます」

マキシ「そうかそうか! なら空を飛ぶの秘伝技が使えるようになる!」

アカリ「へえ……」

マキシ「それとお前さん、この技マシンをあげよう!」

マキシ「技マシン熱湯だ。その名の通りホットな技でな、相手を火傷させる事もある」

アカリ「ありがとうございます!」

マキシ「シンオウは広い。まだ他に5人のジムリーダーがいる」

マキシ「だがお前さんならその全員と最高の勝負が出来ると思う」

マキシ「だからよ、これから頑張ってくれや!」

アカリ「はい!」

腹の底から返事した。なぜか自然とそうなっていた。

アカリ「対戦ありがとうございました!」
 ▼ 571 1◆J44kAZeDOM 15/09/18 16:24:02 ID:orKYBJ0g [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
踵を返すとその勢いでポケセンに向かった。

早く回復してあげないと……

ルクシオもイーブイも瀕死状態だし。

アカリ「はあっ、はあっ」

あがる息を必死に抑えながら走る。

アカリ「ついた!」

待っててね、2匹とも。

すぐ回復してあげるから。
 ▼ 572 1◆J44kAZeDOM 15/09/18 16:24:44 ID:orKYBJ0g [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

ポケダン買ったので更新量が下がる可能性があります

ご容赦ください
 ▼ 573 1◆J44kAZeDOM 15/09/19 20:24:15 ID:PDYbM.Aw [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

う……

ポッタイシ「ルクシオ起きた?」

ルクシオ「……ああ」

そうか、終わったんだな、勝負が。

ルクシオ「で、結局どうなった?」

しかしその答えはすぐには聞けなかった。

イーブイ「う、うーん……」

ポッタイシ「イーブイお疲れ様」

イーブイが目を覚ましたのだ。
 ▼ 574 1◆J44kAZeDOM 15/09/19 20:27:20 ID:PDYbM.Aw [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「2匹とも気が付いた事だし結論から言うわね」

ポッタイシ「私たち、勝ったよ。まあ、正確には私は何もしてないけどさ」

ボールの中で2匹、顔を見合わせる。

ルクシオ「ほうっ」

安堵のため息を漏らした。

あれでフローゼルがどうなったのか、混濁した意識に飲まれほとんど記憶にないから。

イーブイ「と、当然よ。ってかあんたも何かしなさいよ!」

ポッタイシ「仕方ないでしょ。あなたたち2匹が強かった、って事なんだからさ」
 ▼ 575 1◆J44kAZeDOM 15/09/19 20:31:45 ID:PDYbM.Aw [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まあそう言われて嫌な気はしないが。

イーブイ「あ、当たり前じゃない!」

イーブイは強気に出てはいる物の照れを隠しきれていない様子だ。

こいつは完全に乗せられてる。

まあ乗せた所で何が出る訳でもないし問題ないんだけどさ。

イーブイ「ポッタイシもいつかはあたしみたいに強くなるんじゃない?」

そもそもが勝負に参戦しなかったってとこが問題だったからか、イーブイがポッタイシを煽る。

お姉さん面しようとしてるのはわかるんだけどさ……

さりげなくポッタイシが漏らしたため息には気付いていないらしい。
 ▼ 576 ニガメ@エネコのしっぽ 15/09/19 20:32:23 ID:PDYbM.Aw [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 577 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 21:52:29 ID:rT6/5EAE [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

さてと。

部屋も借りた事だし。

アカリ「みんな、出て来て!」

3匹が勢い出て来た。

アカリ「今日はまだ時間あるけどさ、どうする? ……なあんて、聞いても答えられないか」

でもホントにこれからどうしよ。

今はまだお昼。

ごはんは食べるとして……その後。

大湿原は泥沼だから行きたくないし……

って言うか前観光はしなくていっか、って結論出してたよなあたし。
 ▼ 578 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 21:56:50 ID:rT6/5EAE [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うーん……

あ、そういやあたし、博士から図鑑貰ってたんだよね。

つまり。

アカリ「もっとポケモン捕まえなきゃ……」

それに、今回は2匹で攻略出来たけど、これから先どうなるかはわからないし。

バッジの数でジムリーダーが強さを変えるなら、相手のポケモンの数も増えるかもしれないよね。

アカリ「よし」

もう1匹ぐらい、ポケモンゲットしよう!
 ▼ 579 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 22:03:04 ID:rT6/5EAE [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
と、なると。

雨降ってる212番道路にはあんま行きたくないし……

大湿原もさっきアウトって結論付けたとこ。

だから……結局213番道路に行く以外あり得ないんだよなあ……

ま、嫌な訳じゃないんだけどさ。

ふうっ、と息を吐き出す。

アカリ「行くよ、213番道路! 出たばっかで悪いけど、みんな戻って!」
 ▼ 580 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 22:06:58 ID:rT6/5EAE [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カギは持ったな。

えっと……念のために後でボールは買っとこう。

3匹とも元気だし……

一応あたしも元気だし……

よし。

準備完了。

……まだなんだけどね。
 ▼ 581 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 22:15:16 ID:rT6/5EAE [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

213番道路

アカリ「うーん、なんでポケモン出て来ないんだろ?」

お前がうるさいからだよ!

ボールの中で盛大にツッコミを入れる。

ポッタイシ「どうすれば気付くの……」

イーブイ「あたし捕まえたくせにこんなとこで詰んでるんじゃないの! まったくもう……」

ルクシオ「でもさ、若干沈んでるし、静かになるかもよ?」
 ▼ 582 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 22:20:11 ID:rT6/5EAE [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
実際、めげたのかうるささはだいぶん軽減された。

アカリ「誰もいないのかな……?」

うーん、もうそろそろ誰か来るんじゃね?

そんな時の事だった。

がさっと草むらが揺れる音が聞こえたのだ。

アカリ「もしかして……?」

アカリはその場所に歩みを進めた。

そこにはうずくまっている、1匹のペラップがいた。

見ると体にはいくつかの傷が付いている。

まあ野生の中では日常茶飯事と言えなくもないようなささいな傷だったけれども。
 ▼ 583 ルキモノ@しんぴのしずく 15/09/20 22:20:31 ID:rT6/5EAE [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 584 ラエナ@リーフのいし 15/09/23 00:16:34 ID:Kb.rgZ/2 [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更新さぼって申し訳ありません

明日(もう今日)から再開出来ます
 ▼ 585 ャーレム@ネコブのみ 15/09/23 00:31:42 ID:7LzJN1uw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 586 ガイドス@サファリボール 15/09/23 14:31:35 ID:OvRpgGmA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 587 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 20:53:12 ID:Kb.rgZ/2 [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

あ! えっと確か……ペラップよね!

よし。

捕まえるぞ!

アカリ「よろしく! ルクシオ!」

ルクシオは無言で飛び出した。

その瞳はどこか心配そうにペラップを見つめていて。

ペラップが警戒するように顔をあげた。

……ん? ケガ……かな?
 ▼ 588 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 20:55:25 ID:Kb.rgZ/2 [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
大丈夫なのかな……

よし、確認しとこう。

割と普通に歩いて近付いて行く。

ペラップ「え……」

その時はまだ、この現象に一切違和感を感じていなかった。

アカリ「ケガしてるよね? 大丈夫?」

ペラップ「う……うん……」

そっか、大丈夫か……ってええええ?!
 ▼ 589 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 20:58:03 ID:Kb.rgZ/2 [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何? 今このペラップ、人間の言葉話さなかった?

うんって、普通ポケモンは言わないよ?

いやペラップってのは人の言葉をマネるので有名だけどさ……

ええええ?

いやあれはマネじゃないもん。

おかしいおかしい絶対おかしい。

……ただの偶然よ、うん。

そうに決まってる。ただたまたま「うん」って言っただけ。

アカリ「人間の言葉、話せたりしないよね? ペラップ?」

自分を信じ込ませようと尋ねた。

どうせ言葉をマネる、それだけなはず……
 ▼ 590 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:00:58 ID:Kb.rgZ/2 [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

アカリもケガに気付いたか。

ペラップも大丈夫とは言ってるし、まあそれほど重要でもないけどさ。

なんて考えていた。

今この瞬間、とんでもない真実が暴露されている事なんて、全く考えていなかった。

それに気が付いたのはアカリがペラップに尋ねたからだ。

アカリ「人間の言葉、話せたりしないよね? ペラップ?」

ん? 今なんて言った?

人間の言葉……ああああ!
 ▼ 591 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:03:10 ID:Kb.rgZ/2 [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かに!

人間だった時と同じように平然と会話が通じる物だから

今の俺には人間の言葉とポケモンのを区別する必要はない。

だから全く気にも留めなかったけど……

よくよく考えたら「うん」って相槌は人間仕様……

いや、落ち着け、ペラップは言葉を喋るのが共通仕様なはずだ。

それだけだ、うん。
 ▼ 592 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:05:00 ID:Kb.rgZ/2 [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし

そんな淡い期待はあっさり打ち砕かれる。

ペラップ「それ聞いて……どうする気?」

おどおどとした、それでいて一本筋が入ったようなかすかな強さが見え隠れするきっぱりとした物言いで。

ペラップは自分の……人間の言葉で語った。
 ▼ 593 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:10:53 ID:Kb.rgZ/2 [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「いやなんでもないよ! ただ……一緒に旅がしたいだけで……」

あまりの驚きに慌てて否定した声がすぼんで行く。

ルクシオ「ああ、こいつトレーナーでよ……ってかお前人間の言葉喋れるんだ」

ペラップ「うん……そのせいで私……」

最後の方は声が聞き取れないぐらいに小さくなっていた。

ルクシオ「一応言っとくがアカリは喋れるから捕まえて売りさばくとか妙な事は考えてない」

ルクシオ「むしろそんな事考えられないと思うわ。取りあえずポケモンが好きだから」

ペラップ「そんな事言ってるんじゃなくて! あ……いや……」

アカリ「えっと……ゲット……するんだよね……あ……たし……」

衝撃が強すぎたのであろう、アカリが倒れた。

幸い草むらがクッションとなってケガはしなくても済んだっぽいが。
 ▼ 594 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:15:07 ID:Kb.rgZ/2 [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「あ……そうよね……いきなりびっくりするもん……」

ともすれば聞き取れないような声で語る。

ペラップ「ごめん……私消えるね」

ルクシオ「ちょ、待てよ」

慌てて止める。

ペラップ「だって……ニンゲンの言葉を話せるポケモンなんて……気持ち悪い、でしょ」

ルクシオ「そんな事ない……かどうか、俺にはポケモンの常識がわからんから答えられない」

あれ? 何話してんだ? 俺。

あんまりやたらと話していい事じゃないのはわかってるけど、言葉が勝手に口から溢れ出るのだ。

ルクシオ「俺……元人間だから、言葉どころじゃなくて」
 ▼ 595 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:20:17 ID:Kb.rgZ/2 [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
倒れているアカリを後目に会話を続ける。

いや、会話と言うには一方的過ぎるか。

なんせ俺が自分の過去を……ほぼないに等しい過去を暴露していっただけなのだから。

ルクシオ「目が覚めたらポケモンになってたんだけど……」

記憶喪失、夢とそれに関する仮説、今までの冒険……

なぜかわからないけど、こんな俺でも上手くやって行けるって事を伝えないと、取返しのつかない事が起きる……そんな気がした。

ペラップ「元……ニンゲむぐっ」

ルクシオ「しー! お前の声人間仕様なんだからあんま大声で話すな!」

前足でペラップのくちばしを押さえつけた。

ペラップ「……ごめん、後ありがとう……」

何がどうありがとうなのかイマイチわからないんだけど……
 ▼ 596 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:24:24 ID:Kb.rgZ/2 [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ただ1つ、心当たりがあるとすれば。


ペラップ「ごめん……私消えるね」


この言葉に、あまり想像したくない裏がある、って事だ。

そうだ!

不意に今までの発言が繋がる。

推理と呼ぶにはあまりにガバガバ過ぎるとは思うけど……

ペラップは、人間の言葉が話せるせいで、周囲からあまりよく見られてないんじゃないか?
 ▼ 597 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:29:23 ID:Kb.rgZ/2 [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「ああ、こいつトレーナーでよ……ってかお前人間の言葉喋れるんだ」

ペラップ「うん……そのせいで私……」


ペラップ「だって……ニンゲンの言葉を話せるポケモンなんて……気持ち悪い、でしょ」


そこにはうずくまっている、1匹のペラップがいた。

見ると体にはいくつかの傷が付いている。


推測でしかないけど、「そのせいで私……」の後には傷つけられた、の意味の言葉が繋がるのではないか?

そしてそのと言う指示語が示しているのは「ニンゲン語が話せて気持ち悪い」だろう。

それで周りのポケモンからいじめられてる、って事だ。

いや、もしかするとこれは人間のせいかもしれない。と考え直した。

喋れるポケモンを狙う悪い人間が傷つけない保証はどこにもない。

俺が考え付くのはこの2通り。
 ▼ 598 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:33:16 ID:Kb.rgZ/2 [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「なあ、お前、どちらにせよ今この場にとどまっていい事ないよな?」

ペラップ「うん……あ」

ルクシオ「迷惑とかなら心配しなくていい。信頼出来ないかもしらんがアカリは大丈夫」

軽く息を吸い込み力強く言い切った。

ルクシオ「俺が保証するから」

ペラップ「でも……いや、ニンゲンが信じられないんじゃなくて……」

あ、そう。

って事はいじめ説か。

よくよく考えると


ルクシオ「一応言っとくがアカリは喋れるから捕まえて売りさばくとか妙な事は考えてない」

ルクシオ「むしろそんな事考えられないと思うわ。取りあえずポケモンが好きだから」

ペラップ「そんな事言ってるんじゃなくて! あ……いや……」


この発言が根拠になるよな、何切り捨ててんだ俺。
 ▼ 599 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:38:32 ID:Kb.rgZ/2 [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「だとすると周りのポケモンからいじめられてるんだ、違うか?」

ペラップ「……よくわかったね」

その声は波の音にかき消されかねない小ささだった。

ルクシオ「だったら逃げるのが得策だ。お前気が弱そうだし、立ち向かってもどうしようもない」

自分自身は知らないが、人間だった時に関わっていたからか、言葉がすらすら出て来る。

ルクシオ「いじめなんてどれだけ抗ってもそう簡単には終わるもんじゃない」

ルクシオ「だったら迷わず逃げろ。つぶされる前に」

ペラップ「う……ひっく……」

ペラップの目に涙が浮かぶ。

下心は無かったがこんな態度取られると反応に困る……

ペラップ「私……私……」

ルクシオ「あのさ……頼むから泣き止んでくれ……」

ああもう……どうしろと……
 ▼ 600 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:42:36 ID:Kb.rgZ/2 [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「う、うーん……」

その声は、無神論者な俺にとっても救いの声に聞こえた。

目の前で女子に泣かれた経験なんて俺にはないもんだから……

アカリ「ふああ……」

アカリがこちらを見た。

アカリ「え、泣いてる……どうしたの?」

ペラップ「私……あなたに付いて行く」

アカリ「……え?」

なんだろ、無理に説得したみたいで、後味が悪いんですけど……

アカリ「あ、ってかもう、喋れるのは確定……かあ……」

アカリ「で、いいの? あたしの手持ちになって」

ペラップ「うん」

アカリ「じゃあ、行けっ、モンスターボール!」
 ▼ 601 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:44:22 ID:Kb.rgZ/2 [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
抵抗しない者を捕まえる事など訳ないだろう。

いとも簡単に捕獲した。

アカリ「よし、ペラップゲット……喋るの? やっぱり」

それはそうだ。

そこが気になるのは当然だ。

アカリ「いや、ケガしてたんだっけ……回復してあげなきゃ」

アカリは俺をボールに戻すと走り出した。
 ▼ 602 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:48:45 ID:Kb.rgZ/2 [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「なんか壮絶ね……」

イーブイ「よく言うよ、ルクシオよりも前にいじめだって気付いてたクセに」

ペラップ「私……そんなにわかりやすかったですか……?」

イーブイ「ううん、あたしなんかさっっっぱり!」

イーブイ「ってかあんたなんでニンゲンの言葉……?」

ペラップ「さあ……気付いた頃には……」

ポッタイシ「これも仮説があるわ」

ポッタイシ「確かもともとペラップって舌の構造がニンゲンそっくりなんでしょ?」

ポッタイシ「前研究所で見て」

ルクシオ「ああ、そんなせって……おっと、そんなのあったな」

ペラップにはこの世界がフィクションの賜物だとは話していなかった。
 ▼ 603 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:52:23 ID:Kb.rgZ/2 [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「だとすると、話す言葉がニンゲンっぽいのは共通仕様な訳」

ポッタイシ「だから、後はニンゲンの言葉を理解出来る頭、これだけよ」

なるほど……

思わず舌を巻く。

鳴き声は意味を持ち始めて言葉へと昇華する。

その鳴き声が人間に近いんだからそれが意味を持てば言葉となる……か・

イーブイ「何? つまりあんたはこのペラップが天才だって言いたいの?」

ポッタイシ「たぶん」

ペラップ「いや、そんな事……」

ルクシオ「いや、ポッタイシの説明は割と納得出来るわ、俺」

ペラップ「えっと……」

気まずい沈黙がボールの中に下りた。
 ▼ 604 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:52:49 ID:Kb.rgZ/2 [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 605 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/09/23 22:30:40 ID:7LzJN1uw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 606 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 19:54:00 ID:1Z1Zy38w [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「ま、自分で天才って言う奴よかよっぽどマシよね」

イーブイ「そんな奴見た事ないけど」

ペラップ「いや……ちが……」

声がしぼむ。

改めてこんな気弱ならいじめの標的にされるのも無理はないと思う。

それが許される事かどうかは別として。

ペラップ「あの……こ、これからよろしくお願いします!」

最後は声が裏返っていた。

イーブイ「よろしく」

ポッタイシ「こちらこそ」

ルクシオ「ああ」

三者三様に返事を返した。
 ▼ 607 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 19:59:05 ID:1Z1Zy38w [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

まだ落ち着かない。

なんで?

どういう事?

ポケセンで回復して部屋に戻って。

その間中ずっと、この疑問はあたしの思考をまるでカイロスみたいに掴んで離さなかった。

アカリ「みんな、出て来て」

驚いたように振り向く4匹。たぶんボールの中で会話してたのかな。

それはそうと……

アカリ「みんな、適応してるの……?」
 ▼ 608 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 20:04:10 ID:1Z1Zy38w [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いやさ。

やっぱポケモンの中でも人間の言葉を喋るポケモンなんて異端扱いされるような気がして……

でもまあ上手くやってけるならそれが一番なんだけどね。

いやでも。

そこはもう少し驚いてしかるべきと言うか……

いや、ボールの中で充分驚く時間はあったって事かな……?

いやそんな事はどうでもよくて。

アカリ「ペラップ、なんか喋ってみてよ」

ペラップ「……なんで?」

なんだろ、距離を感じる……

いや今はそれより。

アカリ「やっぱり喋るんだ……」

どうも、もうこれはあたし、現実を直視せざるを得ない所まで来てるみたい。

このペラップは人間の言葉を話す。

その現実に。
 ▼ 609 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 20:08:22 ID:1Z1Zy38w [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「すううう、はああああ」

取りあえず深呼吸。

落ち着くにはこれが一番! ……なんだけど。

さすがにこれだけじゃ足りないかあ。

アカリ「わかった。ペラップ、あなたは人間の言葉を話す。それはもう認める」

アカリ「慣れるのには時間がかかるだろうけど、それでも受け入れたい」

アカリ「だから、これからよろしく!」

笑顔はまだ残ってる驚きのせいでひきつってるけど、この言葉は本心だった。

ま、ゆっくり仲良くなって行こ!
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