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【バレンタインSS】カコノアトチ

 ▼ 1 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/11 20:46:12 ID:8V9k9V7I [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



――エネ……ギーの充……が…了…まし…た



とぎれとぎれに無機質に響く音声とともに、あなたはだんだんと、意識が明るくなっていくのを感じます


あなたが目覚めたその部屋は、古びた機械で覆われており、周りは薄暗く、他に生き物の気配は感じられません



ここはどこなのでしょうか


何故ここにいるのか考えますが、何も思い出すことができません


……いや、記憶が一切無く、自分自身が何者であるのかも分からないのです



後ろの方で、先ほどまで動いていた、あなたが眠っていた場所にあった機械が止まる音が聞こえます


状況が上手く呑み込めないあなたは、何か少しでも分かることはないかと、部屋を探索してみることにします


 ▼ 2 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/11 20:53:51 ID:8V9k9V7I [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



機械で覆われたその部屋は、難しそうなよく分からない機械ばかりでしたが、


どれも動いておらず、辺りはしんと静まり返っています


部屋を探索していると、あなたは部屋の一角に机と小さい棚があるのを見つけます


近寄ってみると、なにやら机の上に古びたノートらしきものが置いてあります





『日誌』



…月…日


身体を動かすのが好きな彼に対し、私は頭を使ってするこの仕事が好き


好きなことは反対だけど、でもそれが良い


研究成果の発表を間近に控え、色々な心配事で余裕がなかった私を、


彼は優しく励まし応援してくれた


これでまた頑張れそうだ


彼も近々大会があるらしい


身体作りのためにも、栄養バランスを考えた食事のレパートリーを増やしてあげたいと思う




 ▼ 3 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/11 20:54:41 ID:8V9k9V7I [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



…月…日


昔居たとされるポケモン
どれが好きかと聞いてみたら、

彼は1匹のポケモンを指さした

力強そう、というのが理由らしい
やはりそういうところは彼らしいなと思う





棚にある書類はどれも難しそうな内容のものばかりでしたが、この古びた日誌からは、かつて人が居たらしいことがうかがえます


記憶は失っているものの、どうやら文字の読み方などは問題無いようです


ひと通り部屋を探索し終えたあなたは、部屋を出てみることにします


 ▼ 4 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/11 22:16:19 ID:8V9k9V7I [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



部屋を出てみると、相変わらず暗いままでしたが、

長い廊下と幾つかの部屋の扉、地下への階段などがあることから、

どうやらこの建物は大きい類のものであることがわかります


壁などは辺り一面金属のようなもので出来ており、見る限り窓などは見当たりません


色々と探索できそうな場所はありますが、外がどのようになっているのか気になるあなたは、

まずは外に出てみるため、出口らしき扉の方へ向かってみます





出口らしき扉を開けると、少し小さな空間の先にもう一つ扉があるのが見えます


どうやら出入口は二重構造になっているようです


もう一つの扉を開けると、あなたは無事、外に出ることが出来ました


 ▼ 5 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/11 23:00:06 ID:8V9k9V7I [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



外に出て視界に入ってきたのは、

黒に近い黄土色の空と、崩れた建物の残骸のようなものがただ広がる光景でした

空気はどんよりとしたような感覚があり、やはり生き物の気配は感じられません



建物を一周してみますが、辺りを見回しても瓦礫と地平線がひたすら続いているのみで、

この建物以外に何かがあるようには見えません


ひたすら進んでいった先に何かある可能性もありますが、

まだ建物内を探索しきれていない以上、あてなく外を探索するのはあまり得策ではないでしょう



あなたは外の探索をいったんやめ、中へ戻ることにします


 ▼ 6 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/12 23:06:09 ID:EybwSu9. [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告



あなたはまた、先ほど出た二重構造の出入口から、建物内へと入ります


出入口が二重構造になっているのも、どうやら外界の空気などが入り込まないようにするためのようです


今のところ特に身体に異常はないものの、外界の空気はあまり身体に良くないものなのかもしれません



廊下に出たあなたは、幾つかある扉の内、目についた所へと入ってみます


 ▼ 7 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/12 23:07:19 ID:EybwSu9. [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告



あなたが入った部屋は、古い書斎のようでした


色々と棚の本を漁るなかで、あるのは難しい本ばかりでしたが、『昔話』と書かれた本と、前の部屋で見つけた日誌と同じ種類のノートがあるのを見つけます


 ▼ 8 ニューラ@たいようのいし 23/02/12 23:08:52 ID:fntAxTrM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>3のお陰で生き残れるね
それがなかったら危ないよ
 ▼ 9 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/12 23:09:18 ID:EybwSu9. [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告



『昔話』


遥か昔 まだこの星が青かった頃


未来のエネルギーの枯渇を憂う者がいた


その者無限の力を生み出すポケモンを起こし、枯渇の心配は無くなり、さらに世界は発展した


だが 急激な発展は 人々を欲深くさせた


無限の力を求め奪い合い、そのポケモン暴れ、星を去っていった


人々は反省し 奪い合うことをやめた



無限のポケモンが居なくなった世界

エネルギーは足りなくなっていく


荒れた環境により多くのポケモンが姿を消した



無限のポケモンが暴れたことにより、星のエネルギーの消耗を速めたのだ



我々は気づくのが遅かったのだ



 ▼ 10 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/12 23:12:48 ID:EybwSu9. [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告




『日誌』


〜月〜日


人が住める地域も減ってきており、エネルギー不足も喫緊の課題だ


他の星への移住計画もまた出ているらしい


私は彼にどうしたいか聞くと、彼はここが好きだから残りたいと言った


ならば私も残ろう

彼と一緒に居たいから



〜月〜日


研究の成果が認められたためか、近々、国から環境悪化に対応するための研究チームに参加しないか呼び声がかかった


そのことを報告したら、彼は喜んでくれた


そして彼は、私の頭をポンポンと優しく撫でる


子供みたいだからやめて欲しいと言っているのに……




 ▼ 11 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/12 23:13:59 ID:EybwSu9. [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告



これらの本の内容から、どうやら外の光景は、かつてはあのような姿ではなかったらしいことがうかがえます


日誌に書かれている文字も、何か記憶に引っかかりそうではあるものの、まだ記憶が戻るには遠いようです


書斎の探索を終えたあなたは、一度地下への階段を降りてみることにしてみます


 ▼ 12 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/13 19:35:55 ID:DRlQ8xtg [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



地下へ降りると、そこは上の階よりも遥かに広い空間が広がっていました

地上を天井に下へ広い吹き抜けのような形になっており、手すりからは下の様子が見えそうです


手すりへ近寄り、視界を下の方へ向けてみると、真ん中には巨大な機械があり、その周りをポケモン達が居るらしいのが見えます

しかし、どのポケモンも一切動く気配が感じられず、本当にポケモンなのかもわかりません


あなたは下へ降りようとすると、階段近くに、小さな本棚と机があるのを見つけます

本棚にはほとんど本はありませんでしたが、これまた日誌と、この地下の全体図があるのを見つけます


 ▼ 13 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/13 19:39:24 ID:DRlQ8xtg [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





『日誌』



〜月〜日


……彼が事故に遭った

身体の損傷が激しく、辛うじて生きてはいるが、ほぼ植物状態となってしまっており、意識が回復するのは絶望的とのことだった


彼に会いたい

また優しく頭を撫でてほしい


私の研究で彼を助けられないだろうか

1人では資金も足りない

どうしたらよいか

長く思考を巡らせた結果、私はあることを思いつく





〜月〜日



プロジェクトが始動した

集められた研究者はどれも有能な人達ばかりではあるが、最強のエスパーポケモンを造ろうと研究していた者など、あまり倫理的とは言えないような者も多かった


……だけど、私がこれからやっていこうとすることを考えると、私も人のことは言えないだろう




 ▼ 14 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/13 19:41:38 ID:DRlQ8xtg [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



……日誌の内容を読んだあなたは、記憶は戻らないものの、なぜか胸の奥が痛むような感覚をうっすらと感じます


地下の全体図の方を見てみると、どうやらこの地下は人が居た頃の居住空間も兼ねており、まるで地下都市のような様相となっているみたいでした

そして、真ん中にある巨大な機械は、建物・地下全体の動力室も兼ねているみたいです



あなたは下へ続く階段を降りて、動力室へ向かってみることにします


 ▼ 15 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/13 19:47:56 ID:DRlQ8xtg [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



階段を降りて動力室へ向かっていると、先程の場所から見えたポケモンたちが見え始めます


近づいてよく見てみると、どのポケモンも機械のような姿をしており、ポケモンなのか、機械なのかも分からなさそうです

そして、やはりどのポケモンも、動く気配が無いのです



そうやって動力室へ向かう途中、あなたはある一体の機械のポケモンを見て、思わず進むのを止めてしまいます


その機械のポケモンは、あなたと同じくらいの背丈なのはもちろん、あなたと同じ“手”の形をしていたのです


 ▼ 16 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/13 19:51:45 ID:DRlQ8xtg [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



あなたは自身がどのような姿をしているのか分からないものの、他の機械のポケモン達は多種多様な姿をしているのに対し、
視界から見えるあなたの手と、この機械のポケモンの手は、まったく同じものに見えるのです



この機械のポケモンは何なのか

あなた自身は何者なのか



そのようなことを考えながら、あなたは動力室へと向かいます


 ▼ 17 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 15:24:09 ID:MjwIrl7k [1/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



動力室に入ると、そこは比較的広い円状の空間となっており、
いくつかの書類が置かれた机と、中央部には巨大な機械がそびえたっています


そしてその周りには、三匹の大きなトカゲのような機械のポケモンが鎮座しており、
道中で見かけた他ポケモンと同様、動く気配は感じられません


机の書類の方を見てみると、日誌と『報告書』と書かれた書類があるのを見つけます


 ▼ 18 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 15:26:29 ID:MjwIrl7k [2/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



『日誌』



〜月〜日


過酷な環境下でも活動できるポケモンの研究

それが私たちの使命

かつて居たとされるポケモン達をモチーフに、機械と適合させたポケモンを創り出す

私は彼がかつて好きと言っていたポケモンを模して、機械のポケモンを生み出していく

そう、彼を素体として……


 ▼ 19 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 15:28:44 ID:MjwIrl7k [3/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



〜月〜日


彼が目覚めた

機械と身体の拒否反応などは見られず、上手く馴染んでいるようだった

言葉での会話は出来ないが、私の言葉に反応してくれている様子から、言葉などはわかるようだ


ただ、いくつかのテストを行ってみて、どうやら記憶を失っているらしいことがわかった

そのことに心が沈みつつも、身体を動かすことや、意識の回復が絶望的であった状態から
再び動けるようになってくれたことが嬉しかった

また、言葉などを理解している様子から、基本的な部分の記憶は問題なさそうに見え、
記憶も戻らないと決まったわけではない


焦らず記憶が戻るのを待ちたいと思う


 ▼ 20 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 15:30:02 ID:MjwIrl7k [4/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



〜月〜日


研究はどのチームも順調に進んでおり、
各プロトタイプを元に、さらに数が作られていくとのことだった


彼もまた、ポケモンと同じように技が使えるため、その部分を参考にし、同じ姿のポケモンが作られていくそうだ

作られたこの子たちには、そのうち地上の探索や任務などを担ってもらうことになるだろう


彼の記憶はまだ戻りそうにはないが、記憶が戻ったら、私のエゴでこのような姿にしてしまったことを謝りたい


 ▼ 21 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 15:31:06 ID:MjwIrl7k [5/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



日誌を読んだあなたは、自分が何者なのか、という問いに
おおよその予想がつきはじめます

続けて、報告書の方も読んでみることにします


 ▼ 22 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 18:05:04 ID:MjwIrl7k [6/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



『報告書�T』


エネルギー不足に対応するため、ハドロンエンジンの研究を進める


動力室への搭載だけでなく、いずれかのポケモンにも小型のものを搭載することで、
機械のポケモン達へのチャージ伝達役も兼ねたい

どのポケモンに搭載するかチームで検討を重ねた結果、
モトトカゲが適しているだろうと言う答えになった


ライドポケモンとしての側面も持つことから、
遠方探索時、エネルギー切れで動けなくなった機械のポケモン達を
再起動するのにも適しているだろう

数日後、大きく負傷し治療困難となったモトトカゲの個体数匹を対象に、
機械化の適合施術を行う予定


 ▼ 23 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 18:08:07 ID:MjwIrl7k [7/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



『報告書�U』


治療困難状態にあったモトトカゲの個体数匹に対し、機械化の適合に成功

姿などを参考とした古い文献にならい、成功個体を『ミライドン』と呼ぶこととする

ハドロンエンジンはまだ研究中であるため、完了次第搭載予定である


動力室のエンジンは、ミライドンのハドロンエンジンが作動した状態での
『イナズマドライブ』により起動させる予定である

ミライドンがエネルギー不足による休眠状態に入っている場合、
技『エレキフィールド』を使用できる別ポケモンを用い、
床に電気を張り巡らせ機関を稼働させる必要があると思われる


以下に使用可能ポケモンの名と姿を記しておく


…………
……


 ▼ 24 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 18:16:52 ID:MjwIrl7k [8/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



『報告書�U』に載っていた『ミライドン』の姿を見たあなたは、
動力室前に居る大きいトカゲの機械のポケモンが、同じ姿をしていることに気づきます

どうやらあのポケモンによって動力室の機械を作動させるようです


また、資料の技使用可能ポケモンを見てみると、
たくさんのポケモンが載っている中、あなたは道中で見た、
あなたと同じ手をしたポケモンがその一節に載っているのを見つけます


それを見たあなたは、日誌でついた予想を確かめるべく、あることを試してみます


 ▼ 25 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 19:50:46 ID:MjwIrl7k [9/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



あなたは中央の大きな機械とミライドンの近くに来ると、身体の一点に力を溜め始めました

すると、だんだんとその一点が次第にバチバチと音を立て始め、
それを一気に足元へ送ると、部屋一体の床にみるみるうちに電気が張り巡っていきます


目覚めてから技を使うのは初めてでしたが、
あなたの身体はどうやって技を使うのか覚えていたみたいです


 ▼ 26 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 19:51:29 ID:MjwIrl7k [10/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



床に電気が張り巡らされると同時に、3匹のミライドンが目を覚ましていきます

目覚めたミライドン達は、周りを見回した後、とたんに姿を変え、真ん中の巨大な機械に向かい電気を纏いながら高速で回転していきました


すると、真ん中の巨大な機械が光り動き出し、この部屋だけでなく、地下全体の床にビリビリとした感覚が張り巡らされていきます


薄暗かった地下全体が明るくなり、動力室の外の方でガシャン、ガシャンと音が聞こえ始めます


 ▼ 27 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 19:57:36 ID:MjwIrl7k [11/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



機械が動き出すと、ミライドン達は動力室の外へと出ていきます


外の様子をちらりと見ると、道中に居た機械のポケモン達が目覚め動き始めたようで、地下のあちこちへと散らばっていくのが見えます


明るくなった動力室に目を向けると、あなたは部屋の一角に扉があるのを見つけます

どうやら、先ほどまでミライドンに隠れて見えていなかったようです



あなたは床のビリビリとした感覚を感じながら、その部屋へ入ってみます


 ▼ 28 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 20:08:54 ID:MjwIrl7k [12/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



あなたが入ったその部屋は、トロフィーや賞状などが壁側にずらりと並べて飾られており、その近くには、白衣の女性と金メダルを下げた男性が、ピースサインをしている写真が入った写真立てが置かれてありました


おそらく、あの日誌を書いた女性の部屋であることがうかがえます


そして机の上には、日誌が数冊と、小さな小型の機械のようなものが置いてありました
あなたは小さな機械が気になりつつも、まずは日誌を読んでみることにします


 ▼ 29 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 21:02:14 ID:MjwIrl7k [13/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



『日誌』


〜月〜日


エネルギーが足りない

先日火山の大規模噴火があり、エネルギー収集の施設の多くが駄目になってしまったこと、今回の噴火を最後に火山の活動が数十万年単位で停止すると考えられることから、枯渇問題が一気に加速してしまった


皆はエネルギーがまだ残っているうちに、他の星へ移るようだ

私は彼達も連れて行けないか打診したが、限られたエネルギーの中での惑星移動であり、彼らは連れて行けないとのことだった

また、機械の彼らにはまだ探索の任が残っており、この星で再び住めるようにする道を模索するためにも必要だった


ならば私も残ろう

彼達をそのままには出来ないから

彼はここが好きだと言っていたから


 ▼ 30 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 21:04:19 ID:MjwIrl7k [14/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



〜月〜日


機械のポケモン達を動かすだけのエネルギーが無くなり、エネルギーが尽きたポケモンたちが、一体一体と動作を停止していく

それは彼も例外では無かった


残された時間で、彼が人間であった頃の、たくさんの思い出話をした

彼が長い眠りにつく間際、彼は私の頭をポンポンと、事故の前までと同じように優しく撫でてくれた

偶然か、それとも記憶が一瞬戻ったのかはわからないけれど、それでも嬉しかった


彼が、この子達が、また元気に動けるようにしなくては

ハドロンエンジンの研究をひとりででも進めていこう


 ▼ 31 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 21:09:11 ID:MjwIrl7k [15/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



〜月〜日


あれから長い年月が経った


休眠状態となったミライドン達にハドロンエンジンを搭載し、動力室も対応する大規模のハドロンエンジンが完成した

機械のポケモンを目覚めさせるため、地上にわずかに残るエネルギーを収集する装置もつくり、後はミライドン達を目覚めさせ、地面に電気を張るだけだった


だが、一体分だけ目覚めさせるエネルギーを集めるのに、途方もない年月がかかることがわかってしまった

ミライドンは必要エネルギー量が多いため、さらに年月がかかるだろう

私は他のエレキフィールドが使えるポケモン一体を目覚めさせる道を選んだ


そして、その一体を、彼に選んだ


彼に重荷を背負わせてしまうことに心が苦しくなるけれど

彼が目覚めた後、どのような選択をしたとしても

私は彼が選んだ未来なら受け入れられる


そして、願わくば……


 ▼ 32 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 21:20:14 ID:MjwIrl7k [16/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



日誌とこの部屋を見て、だんだんと人間であった頃の記憶が戻っていくのを感じます


他に日誌は見つからないか探しますが、その続きとなりそうなものは見当たりません

日誌の古びれ具合からも、相当な年月が経っているのでしょう

当然、人間は生きられるはずもなく、彼女と再び会える可能性はとても無さそうに思えます


そのことに心が重くなっていくのを感じつつも、机の上に置かれた小さな機械の方も調べてみようとします


すると、その小さな機械に手を近づけようとしたその時、

あなたの手と機械が、ビリビリとした電気の床と反応し青く光を放ち、その小さな機械から声が聞こえ始めます


 ▼ 33 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 21:42:46 ID:MjwIrl7k [17/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



「貴…方は……ああ……また会うことが――」


その機械から聴こえてきた声は、とても懐かしい声でした

その声を聴いて、彼女との記憶が次々と、頭の中から呼び起こされていきます



「会いたかった……この日をずっと、夢に見てた」


それを聞き、その手のひらほどの機械を優しく、ぽんぽんと撫でてあげます


「……昔は子供みたいだからやめてって言ってたけど、今は嬉しい」


「……記憶が、戻ったのね」


その言葉に、しっかりと頷き返します


”彼女”はその動きを確認すると、言葉を続けます


 ▼ 34 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 21:53:48 ID:MjwIrl7k [18/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



「私のエゴでそのような姿にしてしまったこと、本当にごめんなさい」


「貴方が目覚めなくなってから、愛してるって、もっとちゃんと言葉で伝えておけば良かったって、何度後悔したかわからない」


「どんな形でもいいから、また貴方に目を覚まして欲しかった。また元気に動く姿を見たかった」



「貴方とまた会うために尽くしてきたけれど、貴方が目覚めるのに必要な年月は、人間の身体にはあまりに途方のないものだった」


「それでもまた一緒に過ごしたかった」


「どうしても諦めきれなかった」


「だから私は、この小さな機械に記憶と意志を託したの」



「またこうして、貴方のそばに居られること、本当に奇跡のように思う」



そう紡がれる彼女の想いを、しっかり優しく、受け止めてあげるのでした


 ▼ 35 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 21:55:13 ID:MjwIrl7k [19/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



かたや機械のようなポケモンに

かたや手のひらほどしかない小さな機械と

お互い人の形では無くなってしまったものの

その二人の愛は、確かに過去と変わらないままでした



このカコノアトチで止まっていた二人の時間が

また再び、進み始める音が聞こえてきます


The・END


 ▼ 36 メガミュウ◆HBrGAiOWWA 23/02/14 21:56:16 ID:MjwIrl7k [20/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



【SS企画】バレンタインSS企画2023

本スレ

【SS企画】バレンタインSS企画2023【投稿期間1/13〜2/14】

https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=1864461
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