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【SS】魔法使いと王子様

 ▼ 1 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/17 14:06:54 ID:hCOswfGk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜とあるアイドル事務所

「所長、このアイドルプロダクションも設立当初から大きく成長しましたね」

「ああ。所属するメンバーも増えた上に、どれも優秀で一生懸命な子ばかりで、年々利益も増加している。君たちの絶え間ない努力のおかげだよ」

「はい、この事務所に勤める者として大変誇り高いです」

「これからもこの調子で頑張ってくれよな」

「はい。精進して努めて参ります。まあ、ただのアイドルプロダクションだけでここまで大きくなれたのかと訊かれれば、嘘を吐かざるを得ない状況に陥りますが」

「おっと、どうかそのことは絶対に口外するなよ。これはあまり公にしてはならないのだが、君が知っている通りこの事務所はただの事務所ではない。まあ、裏で少し危険な研究をしているだけだがな」

「所長。お言葉ですがあなたの謂うプロジェクトは少し過激です」

「まあ、そう言わずに考えてごらん。我々がなんのためにこのプロジェクトを決行したのかを。君は、この月国が3年ほど前に日本と友好関係を築いたのを覚えているかい?」

「魔法と技術を駆使することで、長年をかけて並行世界…いわばウルトラホールを繋ぐ装置が完成した。」

「懐かしいですね。当時はこの事務所の者たちも期待に胸を躍らせて歓声を上げておりました」

「そして世界中から研究者が集い、並行世界をしばらく観測したところ…なんと我々月国に人口も面積も類似している国が見つかったのだ」

「はい、存じ上げております。それが今の日本ですね。あの国はいわゆる並行世界のわが国だと考えられており、対等な関係で友好関係を築けると、天皇陛下もお考えになられたのでしょう」

「全くもってその通りだ。しかし、あの友好条約は果たして意味があったのか?私はそうは思わない。あの国はわが国と全く同じ人口と土地を持ちながら、産業、資源、技術、娯楽…なに一つこの国に優っていないんだ」

「その通りです。月国が何かを提供すればするほど、奴等は欲を張るばかりです」

「そう。奴等はいつだって他人に頼って生きている。だからペットを戦わせるポケモンバトルとかいうもんが連中の間で大人気なんだよ。自分がどれだけ弱くてもできるからな」

「そうですか。そんな腐りきった国…支配しても罪になりませんよね」

「仮にこれを決行する場合、邪魔になる人物がひとりいる。それは私の甥、…」
 ▼ 67 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 14:44:40 ID:wC5.Q04Y [1/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜翌日 日比谷公園にて


「こんな気持ちいい日は、歌い出したくなっちゃうねー」

「こぉん!」

「あったかい…気持ちいいなあ!」


ある日、桃太は女装してシルバとお散歩していた。

シルバは犬のような性格をしており、散歩が好きだ。

柴太自身も気になっているカフェがあったので、そのついでに2人で散歩することにした。

日光の温度が心地よく、蓮の浮かんだ水面がきらきらしている。

練習に疲れたときは、いつもここにくるのだ。

「さーて、ランチにしよっか。シルバ」

「こーん!…ご!?」

突然、柴太が後ろから何者かに肩を掴まれてしまった。

「あれだよ。一緒に遊ぼうよ」

「ハラハラさせますな!」

「フン!性欲が止まらないねぇ」

後ろにいたのは、肥満体型の中年男性3人組だった。

非常に汗臭く暑苦しい。性欲が強そうな目つき。

最近指名手配されている、性犯罪者の集団だ。

まさかこんなところで遭遇してしまうとは…


シルバは3人組の1人に張り手で吹っ飛ばされ、池に落ちてしまった。

小柄なシルバと桃太では、もはやまともにやり合って勝ち目がない。

逃げようにも男の一人に肩を掴まれて動けない。助けて…!

「あれだよあれ。俺は三度の飯よりレイプが好きなんだよ」ムフフ

「フン!美少女はごちそうですな!」ムラムラ

古いトイレに連行され、桃太は服を脱がされた。

「ちょ、やめてよ!」

「あれだよあれ。大人しくすれば許してやるよ」

「フン!女装かい!」「ほらあれだよ、あれ。尚更えっちだよ。」

さまざまな性行為をさせられて、自慢の顔が、髪が、体が精液まみれになり、柴太は倒れ込んだ。
 ▼ 68 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 14:53:02 ID:wC5.Q04Y [2/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
尻の穴に無理矢理挿れられたり。

精液を顔にかけられたり、飲まされたり。

重い体重で顔面騎乗されたり。

不幸なことに、柴太は尿意が溜まっていた。

股間を抑えて顔を真っ赤にしながら震える柴太をみて、男の一人が爆笑した。

柴太は尿で股間が重くなるのを感じたが、単純にめんどくさかった。

尿の波が陰茎の先まで押し寄せ、股間が痛い。

3人組の1人は柴太に近づき、いきなり柴太の制服を掴んで持ち上げた。

身長は156、体重は43.4kgほどしかない桃太は、肥満体型で大型の男に抗えない。

「あれだよ。言うことを聞かないやつはこうするんだよ。」

男は柴太の掴んで持ち上げた。

「やめろ!僕はお金持ちの御曹司なんだ!パパとママに言いつけたら、お前r…」

そしてもう1人の団員は桃太の服を引き剥がし、尻を叩いた。

「うわっ!」

尻を叩かれた衝撃で、完全に硬くなったちんちんがビクッとなる感覚を覚えた次の瞬間、股間から透明な黄色い水鉄砲が勢いよく噴射された。

出し始めると、尿道をむにゅむにゅと液体が通過する感覚が気持ちよくて止まらなかった。

下半身が公共の場で素っ裸になる時点で、耐えられないのに。

「お金持ちで、アイドルの高級な人間である僕が…お漏らし…」

柴太は顔を真っ赤にして、気絶して倒れた。

「あれだよ、惨めだよw」

「フン!漏らしたか…」

「高級な人間のお漏らしは性癖に刺さりますなw」

柴太はやがて抵抗を諦め、されるがままにされていた…

シルバもどこかに逃げ出してしまい、対抗する手段を失ってしまった。


そのとき…


「オレの親友に手を出しやがって!お前らまとめてボコボコちゃんだぜ!」

「許さないよレイパー爺!パーモット!お願い!」

「潮田!?禰󠄀毛!?」
 ▼ 69 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 15:00:57 ID:wC5.Q04Y [3/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シルバは逃げ出したわけではなかった。

主人のピンチを知り、急いで助けを求めて走り出したのだ。

たまたまそのとき、柴太の知り合いである禰󠄀毛と塩田がいた。

二人は柴太の状況を知り、助けに来てくれたのだ。

「ほらあれだよあれ。誰だよお前さんら」

「オレの友達がレイプされてるって聞いて駆けつけたんだぜ!」

「もう許さないよ!」

「フン!君たちまとめてぶっ飛ばしますな」

「お前らまとめてボコボコちゃんだぜ!マフィティフ、じゃれつく!」

「アガァ!」ボコボコボコボコ

「アアアアレダアレダアアア」

「フン!何やってんだ!役立たず!」

「ハイ!パーモットさんあの太った中年男性watch!」

「でんこうそうげき!!」

「パモパモパモパモ…」

ズトッ!!

「フン!やられたか…」

「しっかりするんですぞ!今度はワシが相手ですな!」

「シルバ!氷漬けにして!」

「こぉー…!!」

「フン!こんなもの余裕で砕けますな」

「お前ら美味しく料理してやるぜ!ピリッと辛い一撃だ!」

「マフィティフ!バークアウト!」
 ▼ 70 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 15:04:51 ID:wC5.Q04Y [4/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「イテテ…よくもやってくれましたな。この勝敗に物言いをつけさせていただき…」

「10まんボルト!」

「パモパモパモパモ…ビリッ!!」

「アワアワアワアワイテテテテ…」ズドッズドッズドッ‼︎

ドッカーン!!!


「今度こそレイプしてやりますぞ」

「あれだよあれ、地面が遠ざかっていくよ」

「フン!オレらがぶっ飛ばされてんだ!」

「ということはワシらは負けたということですかな〜?」


ヤナカンジー!! キラーン


「お前のロコンがもっと早く連絡してくれなかったら、大変ちゃんだったぜ!」

「そうだよ!本当に危なかったんだから」

「ごめんなさい…あと助けてくれてありがとう」
 ▼ 71 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 15:27:17 ID:wC5.Q04Y [5/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜回想シーン〜

中学時代の伊勢崎柴太

柴太「あのさ、掃除の仕方が雑。やり直し」

  「は?なんでテメェに命令されなきゃいけないんだよ」

柴太「ここでは俺がルール。俺が一番偉いんだよゴミカス庶民」

  「なんだお前…」

柴太「お前じゃないよね?貴方様だよね?」

  「おい柴太!人に暴言を吐くんじゃない!」

柴太「ちっ。なんで俺が怒られるんだよ」

〜〜〜〜〜〜

柴太「俺より先に食べるな、ゴミ」

  「は?お前に何の権限があるんだよ」

柴太「俺様より先に食事を取るのは、俺様に失礼だろ」

  「てめぇあんま調子乗ってっと…」


家が金持ちで、顔がよくて、絵も歌も料理も得意で…


生まれつきあらゆることに秀でていた俺は、周りの人間がゴミカスにしか見えなかった。


パパとママは、俺を花よ蝶よと甘やかした。


俺はわがまま放題に育ったから、我慢や忍耐なんてできなかった。


ゴミカスとの上手な関わり方が分からなくて、俺は仲間がいなくなった。


二人組をつくるときにはいつも余ったし、いじめられたときも誰も助けてくれなかった。


そんな俺を、いつまでも友達として認めてくれたのが、禰󠄀毛と塩田だった。


だけど俺はいつしか、そいつらとも関わらなくなってしまった…
 ▼ 72 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 15:29:36 ID:wC5.Q04Y [6/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
??「私の部下たち…柴太をレイプさせてやると言ったら喜んで計画に参戦してくれたな」

??「性欲に忠実で助かりました」

??「さあ、これでも図々しくアイドル活動を続けるか、柴太…」

??「そろそろアイドルが嫌いになったのではないでしょうか」

??「年貢の納め時だぜ、伊勢崎柴太…」
 ▼ 73 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 15:49:15 ID:wC5.Q04Y [7/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「所長。お言葉ですが最近の所長の柴太に対する態度は少々過激です。彼が一生懸命努力して、オーディション合格を勝ち取ったのは事実です」

「やはり、そろそろ君もそう考えるようになってきたか…ではこれを見てくれ」



「さあ、脱ぎなさい…」

 はるか
「春 佳ちゃんの陰毛はツルツルで確定★」グイッグイッ

「あそこも丸見えだよ🖤もう少し下を移しても…」グイッグイッ

「シルバが起きちゃうから、静かにね」チュパチュパ

「おませさんですなぁ」グイッグイッ



「これはとあるアダルトサイトに投稿された動画だ」

「顔は完全には分からないが、顔と声が完全に伊勢崎柴太だろう?」

「はい。水色の髪に紫色の瞳、可愛らしい顔、おまけに犬耳と尻尾まで、完全に伊勢崎柴太の特徴と一致します」

「彼のアイドルに対する態度は、(表向きは一生懸命でも)少々過激だと思わないかい?」

「はい。思います…」

「彼の合格を認めたのは私だが、はっきり言って彼のことはクビにしたい。派手な遊びが激しいからね。だが、彼はあまりにも稼ぎすぎてしまってね…」

「柴太は事務所の財布ではありません」

「分かっているよ。ただ、うちでアイドルをするなら、財布扱いされる覚悟もしてほしいものだがね」
 ▼ 74 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 15:55:38 ID:wC5.Q04Y [8/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
??「所長。練習部屋に柴太が」

??「なんだと!まさか聞かれたか…」

??「いえ、練習部屋には防音装備があるのでおそらく大丈夫かと」

??「そうか…しかしあいつ、いつまで練習してるんだ…?」



柴太「歌がうまかったら、誰でもアイドルになれるのかよ…」

柴太「金持ちだったら、誰でもアイドルになれるのかよ……」

柴太「容姿が優れていたら、誰でもアイドルになれるのかよ…」


柴太「ふざけんなよ。俺は本気でやらない奴は嫌いなんだよ」

柴太「そんな奴、救わなくても…いい」


シルバ「こーん(早く帰ろうよ)」


柴太「…! ごめんねシルバ。さあ、帰ろうか」ヒョイッナデナデ

シルバ「こぉーん!」

??「ほっ」
 ▼ 75 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 16:07:15 ID:wC5.Q04Y [9/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メンバーA「なんか最近の柴太、様子がおかしいよな」

メンバーB「急にロコンを捕まえたとか自慢しだしたり、やたら遅くまで残って練習したり」

メンバーC「なんで俺らを差し置いて日本でライブなんかやるんだよ」

メンバーB「犬耳と尻尾なんか生やして、変なの」

メンバーC「それは元からだろ」

メンバーA「なんか…あいつ女性リスナーとアンなことをしてるとかネットで噂されてるぞ」

メンバーB「うーん、やりそうw」

メンバーC「なんでメンバーを信じないんだよ!」

メンバーB「だって、あいつなんかちょろいじゃん」

メンバーC「あいつはいいよ。それより俺、昨日部屋の掃除してたらよ…」



     「床に見知らぬ扉があったんだよ」


メンバーA「うわマジかよ。こわ…」

メンバーD「どうせなんかの点検するやつじゃないの?」

メンバーB「何を点検するんだよ」

メンバーC「鍵がついてて、多分鍵は事務所長が持ってる」

メンバーA「…」
 ▼ 76 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 16:20:39 ID:wC5.Q04Y [10/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜翌日〜

柴太「シルバ。今日は僕の握手会。ファンのみんなと直産会って触れ合う会なんだ。お行儀よくしないと連れて行かないよ?」

シルバ「こん」


〜握手会会場

今日は柴太のはじめての握手会。

ちょっと柴太も緊張しているようで、ずっと尻尾が震えている。

柴太はパステルカラーのハートや星形の髪飾りを大量に頭につけ、おしゃれに力を入れている。

柴太は用意された椅子に腰掛け、机にシルバを座らせる。

(シルバ…お願いだから大人しくしててくれ!)

「それでは人気アイドル伊勢崎柴太による握手会が始まります!」

「ではスタッフさん、よろしくね!」





ファンA「これからもずっと推していいですか!?」

柴太「いいよ!ずっと推してね!」


ファンB「好きです!付き合って下さい」

柴太「それはちょっと難しいかな…でも僕も君のこと大好きだから、相思相愛だよ!」


ファンC「アルバム予約しました!」

柴太「そっか!楽しみにしててね〜」
 ▼ 77 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 16:28:52 ID:wC5.Q04Y [11/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
握手会は、思ったほど苦ではなかった。

そもそも柴太は見られることやちやほやされることが大好きなので、いつかはやりたいと思っていた。

犬耳をピンと立て、興奮をアピールする。

こうして会ってみると、10代を中心にファンが多いが、予想以上に幅広い層の人に支持されているのが分かる。

男性のファンも多く、なんだか嬉しい。

たまに気持ち悪い告白をしてくる奴にも、大人の対応を。

握手会のやり方なんて、何回も教わってきたからね。

ただ、人々を歌で救うアイドルなのに、ファンの言葉に救われてしまうのはなんだか情け無い。

シルバはもう飽きたのか、大人しく眠っている。

そのとき…



柴太とシルバの耳が、突然ビクッと立った。

シルバが飛び起きて、急に吠えはじめる。

「あらシルバちゃん、可愛いねぇ」

「どうしちゃったのかな」

「お腹空いてんのかな」


周りがざわめきはじめた。

もう、あれほど注意したのに!

そう思ってシルバを叱ろうとした、そのとき。

「あれだよあれ。おれと握手しろよ」
 ▼ 78 ップリュー@こだいのツボ 23/02/18 18:50:04 ID:wC5.Q04Y [12/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
柴太は、事前に執事に言われたことを思い出す。

〜柴太様。どんなときも寛大でなければなりませんぞ。〜

そうだよね。ちょっと見た目の汚いおっさんが握手を仕掛けてきたからって、断るなんてだめだよね。

でも…
 ▼ 79 ローラディグダ@このはのおてがみ 23/02/18 20:19:04 ID:wC5.Q04Y [13/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ほらあれだよあれ。おれのちんぽと握手してくれよ」ポロン

「キャァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」


うわなんだなんだ
ちょっとあれ!露出狂よ!
逃げろ!!
うわきっしょ!!


「ほらあれだよあれ。握手。お前さんアイドルだろ?」

「あ…の…握手会というのは…手と手で行うもので…」

「あれだよ。ケチ臭いこと言うなよ」

「ファンの要望を…大切にはしたいけど…」

「あれだよ。ファンに対する態度がなってないよ」


柴太の握手会に現れた男は…ただのファンではない。

変態な露出狂であった。

自分の番になった露出狂は柴太を掴んだあとズボンを下ろし、太い陰茎を差し出す。

清潔感がなく肥満体型で、ただでさえ握手だけでも内心嫌だったのに。

アイドルってこんなに大変なんだ…

東京ってこんなに民度が低いんだ…

「シルバ…だから警戒して吠え始めたのか」

男は柴太に陰茎を差し出し「握手」を急かしてくる。

他のお客は、すでに逃げ出してしまった。

どうしよう…

塩田と禰󠄀毛が都合良く自分のファンになって、チケットを買って、当選して、ここに来ている可能性は非常に低い。

もう前のように助けはこない。


「シルバ…!?」

「ぐるるる…(鳴き声訳 ご主人に迷惑かけんなデブ)」

「シルバ…戦ってくれるの?」

「あれだよ、やる気かよ」
 ▼ 80 リマロン@ゆきだま 23/02/18 20:27:20 ID:wC5.Q04Y [14/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「シルバ!お願い!」

「ゴォォォオオオオ!!」

「あれだよ。効かないよ」

「あれだよ。反撃だよ」ガツッ!!

「こん!」

「シルバ!…まあなんて酷いことを」

「あれだよ。人にいきなり氷を吹きかけるなんて育ちが悪いんだよ」

「どうしよう…」


〜回想シーン〜


風呂場で柴太の体を洗いながら、冬弥は言った。

暖かいシャワーで、べとべとした臭い精液が洗い流されていく。

『この件に関しては、お前は悪くないからな』ゴシゴシ

「あっ、ありがとう…」

「お前は童顔ちゃんだから、ああいうやつには狙われやすいんだぜ」

「うん、気をつけるね…」

股間や尻を洗われて、かなり恥ずかしい気持ちになり顔を赤くする。

塩田はそれを見て、顔がダルマッカみたいだと笑う。

塩田は今思えばアイドルの有名税を知っており、忠告してくれたのだ。




シルバは顔を思い切り殴られ気絶してしまった。

小柄で痩せ型な自分が、まともに喧嘩して勝てる相手ではない。

今度こそピンチだと思った。そのとき…

「〇〇◀︎◀︎!!公的わいせつ罪で逮捕する!!」

「あれだよ、逃げるよ」

しかし、露出狂は逃げられなかった。

誰かが警察に通報してくれたおかげで、柴太は助かった。

握手会は中止になってしまったけれど。

「立ち向かってくれてありがとう。シルバ」

「こぉーん!」
 ▼ 81 ブソル@サファイア 23/02/18 20:40:44 ID:wC5.Q04Y [15/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後、露出狂は逮捕され、柴太は警察に話をした。

「シルバ…勝てないと分かっていながら立ち向かってくれたんです」

「そうですか…とても勇敢な相棒がいるのですね。今回の件はとても大変でしたが、どうかこれからも芸能活動を頑張ってくださいね」

「はい!ありがとうございました」

今日はせっかくファンと触れ合える日が台無しにされてしまった。

けれど、シルバがとても成長したことに気がついた。

だから、次の握手会こそは…!



??「はぁ…私の部下がまた逮捕されてしまいましたね」

??「まあ、あんなやつは捨て駒さ。」

??「しかし、一つわかったことがあります」

??「と、いうと?」


??「シルバは並大抵の相手なら…怯えて逃げることはありません」

??「分かった。覚えておくよ。」


〜行方不明のシルバ


本場のアイドルは、やっぱり格が違う。

歌もダンスもプロポーションも、一流のものしかいない。

一切辛い表情を見せず、パフォーマンスに精を出す。

両親からはやがて当主となる責任を負わされ、事務所は新人の僕にいきなりプロの仕事をさせてくる。

それなのに伊勢崎家の当主にも、プロのアイドルにもなれない。

あーあ。僕の人生って、なんの価値があるんだろう。

アイドルとしても中途半端で、友達もいないし、ポケモン勝負も強くない。体力も運動神経もない。

なんだか、ご先祖様からもらった命を無駄にしてる感じ。

こんな人生なら、いっそコフキムシにでも転生したい。

コフキムシになったらどう生きようか。

新鮮な葉っぱをたくさん食べて、眠いときに寝て、たまにお友達のアゴジムシと遊んでさ。

気ままに生きたいな。

「こーん?」

「ごめんね。シルバ。そろそろ帰ろっか」
 ▼ 82 ツノブジン@バクーダナイト 23/02/18 20:46:44 ID:wC5.Q04Y [16/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なりゆきでオーディションに受かって、事務所ではプロとの差を見せつけられて、学園ではいじめられて、家に帰ったら生配信あと当主になるための勉強…

気持ち悪い恋愛弱者に媚び売って尻尾振って、学園では常に周りの機嫌をうかがい、伊勢崎家の長として相応しい人になるためのお勉強…


「…だる」

「…クソキメぇ弱者男性に尻尾振って、愛想振りまいて、尻尾振って、顧客様を気持ち良くさせて…」

「ツラが良ければ無条件で崇拝する、頭のおかしな連中」

「きめぇ赤スパも隈なく読んで、常に明るく振る舞う…」

「はあ〜、これ穴空いてる。最悪〜明日新しいの買お」



「…今夜は満月か。」パシャッ

「…盛れた。Twitterにあげちゃお」



「あっ、いいねついてる。ふふっ」

「今日も生配信、しなきゃ…」
 ▼ 83 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 20:52:55 ID:wC5.Q04Y [17/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
柴太はシルバを再生回数のために利用していた。

シルバと戯れる動画は、一定以上の再生回数が見込める。

桃太に、ある悪い考えが浮かんだ。

シルバを上手いこと利用して、フォロワーを増やせないだろうか?

「今から帰るつもりだったけど、やっぱやめよう」

桃太はシルバを都心の繁華街に連れて行った。

桃太が今までもSNSに載せる画像を投稿するために、通ってきた場所だ。


まず、柴太はシルバを新作クレープ店に連れて行った。

柴太のお気に入りの店。インスタのスポット。

90年代のアンティークな雰囲気が人気で、SNSでの口コミも最高だった。

柴太は、いちごとバナナ、蜂蜜が乗ったクレープを買った。

自分が食べるためではなく、シルバに食べさせてその様子をSNSに投稿し、いいねを稼ぐためだ。

シルバは初めてのスイーツに戸惑いながらも、甘い匂いに負けてクレープにかぶりつく。

シルバは口元をクリームだらけにしながら、クレープにうっとりする。
その様子を、桃太はスマホで激写する。

『Twitterにあげちゃお♡』


続いて、柴太はファッションショップに赴いた。

眺めるだけで楽しいお店。

ポケモン用のグッズだってある。

シックな印象のニット帽や、白い温かみのあるマフラー、水色のパステルカラーなリボンをシルバに試着させ、写真を撮りまくる。

「可愛い〜シルバちゃん天使!」

「シルバちゃんくだs)」

「シルバ…愛くるしさで死にそう」


「うわ、めっちゃコメントきてる…!」
 ▼ 84 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 21:13:22 ID:a7HA8WuU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
シルバはとても甘えん坊な性格で、構ってくれないと機嫌を損ねてしまう。

「ちょ、くすぐったいよシルバ!」

「こぉーん!」

尻尾を大きく振りながら、遊んでとアピールする。

時には柴太の尻尾に噛みついたり、柴太にジャンプからの体当たりで襲撃してくることもある。

わざわざボールを持ってきてまで遊んでアピールをされたら、さすがに断れない。

柴太はそんな生活が大好きだし、いつまでもシルバと仲良しでいたかった。


柴田(――たしかに、今は毎日がとっても楽しい。こうやって、シルバと――大好きなポケモンたちと触れ合いながら、そして……)ナデナデ

柴太(ポケモンスクール)

柴太(……そこで、日々ポケモンについて学び、放課後は禰󠄀毛と遊んだり、ゲームしたりアニメ観たり、シルバと特訓やライブの練習もしたり……)

柴太(それでお休みの日には、シルバとショッピングにいったりなんかして)


柴太(――だけど)ナデナ…

 ピタッ

シルバ「!」

シルバ「……?」チラッ

柴太「シルバ。」

柴太「シルバ。これから僕がお話しすることは、少し“ひかえめ”なところがある きみにとっては、不安に感じたり、怖いと思うことかもしれない」


柴太「それでも、聞いてくれるー?」

シルバ「こん!」


柴太「これは氷の石。ロコンがこの石に触ると…キュウコンに進化するんだ」

柴太「ちなみに、ウインディもムウマージもドレディアもハラバリーも、こうやって進化したんだよ」

柴太「進化をするということは、体がとても大きく、強く、重くなるということ。そうしたら、もう僕と戯れあって遊ぶことはできないかもしれないんだよ。」

シルバ「こ!?」

柴太「選択権は全て君にある。ウインディたちは進化を選んだけど、君だけ進化しないまま強くなることもできるよ」

シルバ「こん…」

柴太「でもやっぱり、美しく立派で、誰もが憧れるキュウコン…なりたいよね」

シルバ「こーん。こん」

柴太「進化…したくないの?」

シルバ「こん!」
 ▼ 85 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 21:17:13 ID:a7HA8WuU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜この風は、どこからきたのと〜

うたってるの、シバタ。

〜追いかけても空は何も、言わない。

きれいなこえ…いやされる…

〜この風は、どこへたどり着くのと。

かなしいのに、げんきがでてくる…

〜見つけたいよ自分だけの 答えを。

〜まだ知らない海の果てへと、漕ぎ出そう…

『僕は…歌でみんなを幸せにする魔法使いなんだ!』


〜たった一つの夢〜

〜決して譲れない〜

〜心に帆を上げて、願いのまますすめ〜

〜わたしが消え去っても、歌は響き続ける〜

〜いつだってあなたへ、とどくように歌うわ〜

〜大海原を駆ける、新しい風になれ〜



泣いてるの、シルバ?

ないてない…

別に泣いてもいいんだよ?

ねぇ、僕って立派なアイドルになれると思う?

なれるよ!でもそのまえに、ボクがりっぱにしんかしてやる!

えへへ、負けないから!

…でもお腹空いちゃった。クレープ食べたいな…
 ▼ 86 クティニ@こうかくレンズ 23/02/18 21:45:59 ID:n39gRR8A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更新の滞るSSが多い中でこの速度で書き続けられる熱意は凄いんだけどな…
 ▼ 87 マケロ@あおいビードロ 23/02/18 21:51:35 ID:11t2NpKI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こいつが更新してる時はSS界隈に活気が戻る()からありがたいよ
 ▼ 88 ンバーン@キリンリキのけ 23/02/18 22:05:49 ID:56AkNjIM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
安価しても何も来ないの笑ってしまった
 ▼ 89 ンパッパ@メガアンクレット 23/02/18 22:18:55 ID:wC5.Q04Y [18/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜アイドルプロダクション

??「さいキんの ガきは アマやかサれすぎル」

??「ショうわのオやは キョうしは きびシかっタ」

??「そノおカゲでこどモたちは しゃカイにでルたクマしさをみニつけラレていたノに」

??「いまハじんケンだ たいバつだとこドもをあまヤカしすぎる」

??「しょうワの ヤセいの きびシサヲ たくマシさヲ すこシハ みなラエ…」
 ▼ 90 コガシラ@アクアカセット 23/02/18 22:37:12 ID:wC5.Q04Y [19/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌日 アイドルプロダクション 練習部屋

アイドルA「やっほ〜!わんだほーい!」

アイドルB「朝っぱらからうるせぇよ、草食動物が」

アイドルA「うぅ…アイドルBはいつも意地悪ばかり言う…」


アイドルC「よおよおお前たち!今日、柴太を見なかったかのう?」

アイドルB「あ?柴太ってあの水色頭に犬耳生やしたガキか?見てねぇな」

アイドルC「情報に感謝するぞ。はて、柴太はどこに行ったのかのう…」

所長「おーい、みんな。実は伊勢崎柴太だけがまだ来ていないんだ」

アイドルA「えー!!柴太くんって練習さぼったりするの!?」

アイドルB「知らねぇよ。あんな草食動物の一人や二人」

所長「B。そういうことを言うな」


所長「昨日までは確かにいた。現に、柴太の相棒のロコンの毛がこの辺に残っている」
 ▼ 91 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 22:37:37 ID:wC5.Q04Y [20/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(安価テスト)
 ▼ 92 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 23:01:59 ID:wC5.Q04Y [21/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜伊勢崎桃太宅

伊勢崎桃太「はぁ…」

一方、伊勢崎桃太は楽園のことを忘れられずにいた。


飴細工でできたような電灯。

クッキーを敷き詰めたような床。

なんだかんだ言って楽しかったアトラクション。

「なんで俺…あのとき…あんなにもあっさり帰っちゃったんだ…」

帰り間際、柴太は俺が完全に見えなくなるまで見送ってくれた。

あいつの悲しい、優しい顔が忘れられない。

あいつのおかけでいじめっ子たちに怯えることなく、学園生活ができるようになったのに。

まだちゃんとお礼もしてないな…


気がつくとバッグについていた、シルバの毛。

それを瓶に入れて保管する。

あの日を忘れないために。

「楽しませてくれてありがとう。また来るね」

どうして言えなかったんだ。

つまらない意地張って、つまらないフリをしつづけた。

あんなアタオカでおバカなやつでも、俺を楽しませようとしてくれたんだな…

柴太は俺のこと嫌いになって、もう遊園地に招待してくれないかも…



「マキマさんに言われたこと…ゴロー大将に言われたこと…轟くんに言われたこと…」

「こーん?」

「僕は、ちゃんとシルバの親としての責務を全うできているだろうか」

「こーん」

「シルバはまだ小さく幼い…俺が目を離した隙に、もし車に轢かれるようなことがあったら…」

「こーん?」

「大丈夫だよシルバ。いっぱい甘えていいから」

「こーん🎵」スリスリ


「桃太くん。またエンターテックにご招待しようかな…」
 ▼ 93 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 23:26:35 ID:wC5.Q04Y [22/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ショッピングセンター

柴太とシルバは、ショッピングセンターに来ていた。

「いろんなのがあるね、シルバ」

「コーン!」

ショッピングセンターを見て回っているとあるポスターを目にした。

「わぁ…、氷の結晶の髪飾りだってシルバ。素敵だね。」

「コォーン…」

「えっと…あ、売り切れみたいですね…。」

「クゥーン…」

「いらっしゃいませ。この髪飾り、人気商品で…明日には入荷になってると思うわ。また見にいらして?」

「明日は、ポケモンスクールがあるので…次の休みまでにおいてあればいいのですが…、

すごく綺麗な髪飾り…シロンとお揃いのだったらもっと可愛いかもしれませんね。」

「あら、この子シルバちゃんっていうのね。可愛いわね。素敵な名前つけてもらってよかったね、シルバちゃん^ - ^。またトレーナーさんといらっしゃい。」

「コォーン!」

店員さんは、シルバ。頭を撫でて笑った。

「ありがとうございます。また来ますね」

「いつでもお待ちしています。」

「今日は残念だったけど、また来よっかシルバ。」

「コォン」

また入荷されるのを待って、シルバとともに柴太は、家へと戻っていった。

〜翌日 柴太の魔法学園にて

「ねぇ柴太。耳が垂れてるよ。どうしたの?」

「いや、大したことじゃないんだけどさ…」

〜🎶〜🎶〜🎶〜🎶〜🎶

「へぇー。そんなことが」

「そうなんだよ。とっても綺麗なアクセサリーでさ、ぜひシルバに似合うと思うんだ」

「そうなんだ。手に入るといいね」

翌日、柴太と禰󠄀毛は学園で会話をしていた。

もちろん、例のアクセサリーの話だ。

柴太と禰󠄀毛が話している中、シルバはどうにかして(あの髪飾りを柴太にプレゼントしたい)と考えていた。

そしてシルバは、ある行動に出る…
 ▼ 94 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 23:28:32 ID:wC5.Q04Y [23/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜柴太の部屋 夜

シルバの作戦は始まった。

リーリエが寝静まったのを確認したシルバは、窓に飛びつき、器用に鍵を開けた。

「コォーン…」

シバタは、そっーと、窓から飛び降りたのだった。

そして、シバタは、リーリエ宅を抜けだして昼間行ったショッピングセンターを目指して走るのであった。

「コォーン!(シバタのために頑張るもん)」

遠くても、大好きな柴太のために…

シルバは頑張って走るのであった。
 ▼ 95 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 23:39:07 ID:wC5.Q04Y [24/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次の日…
「シルバ!シルバ!?どこにいるの?」
ガチャリ
「柴太!どうしたの?」

「ママ!シルバを見なかった?どこにもいないの…朝起きたらいなくて…窓が開いていて…もしかしてっなにか…」

シルバを心配して涙ぐむ柴太。その耳は垂れており、尻尾も下を向いている。

「柴太。私も探してあげるから。まだ、何者かにさらわれたとは限らないでしょ?柴太は今は魔法学園の準備をして。なにかわかったら連絡するから」

柴太は、魔法学園に行く準備をして、母に後のことを頼み、とぼとぼと魔法学園へと向かっていった。

「シルバちゃんー!」

柴太の母も、シルバを探しに行くのであった。


いつも抱いているものを抱いていないせいで、なんだか体が軽く、そのまま倒れてしまいそうだ。

「シルバ…シルバ…」

思い出す、シルバとの思い出。泣いてしまいそうだ。




『シルバ、もしかしてアップルパイ好きなの?』

『ふぉーん!』

『シルバのために頑張って作ったんだ。喜んでくれてうれしいな』

『こんこーん!!』

『よかった。また作ってあげるね』



『シルバ、食べるのが早くなったね』

『こん!』

『だんだん僕との生活に慣れてきた感じ?』

『こーゆ!』

『ふふっ。ありがとう』



『うわ、このアスレチック楽しいね…!』

『こーーん!!』

『あそこまでひといきでジャンプできるの?』

『こんっ!こーーん!!』

『はぁ…シルバは元気だなぁ』
 ▼ 96 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 23:44:53 ID:wC5.Q04Y [25/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
🎶〜🎶〜🎶〜🎶〜🎶

君のようなひとになりたいな
「僕らしいひと」になりたいな
望むならそうすりゃいいけどさ
でもそれってほんとにぼくなのかい

子供騙しな夢ひとつ
こんな僕なら死ねばいいのに

こんな僕が生きてるだけで
何万人のひとが悲しんで
誰も僕を望まない
そんな世界だったらいいのにな

こんな僕が消えちゃうだけで
何億人のひとが喜んで
誰も何も憎まないなら
そんなうれしいことはないな

🎶〜🎶〜🎶〜🎶〜🎶

魔法学園についたリーリエ。

柴太の耳が垂れているのと、シルバが腕の中いないのに気がついたクラスの人達。

「こんにちわんわんおむらいちゅー🎶…柴太!?どしたの?」

「えっ!シルバが!?」

「実は…、」



「…そっか。よし、今日はみんなでシルバを探しに行こう。」

「えっ!いいの」

「いいに決まってるだろ?柴太の大事なパートナーだよ。みんなで手分けして探そうよ」

「みんな…ありがとう!」
 ▼ 97 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/18 23:54:16 ID:wC5.Q04Y [26/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
友達の一人の提案で、みんなでシルバを探すことにした。

「ありがとう…みんな…頑張って探そう!」

柴太の耳もいつも通りピンとたち、柴太は数人の友達と教室を飛び出した。



「シルバーー!!」

「シルバちゃーん!!」

「どこにいるのー?」

近所は調べ尽くした。

公園も。校庭も。

可能性のある場所は全て探した…

「シルバ…まさか!」

「何!?何か思い出した!?」

「実は昨日ね…」



「そっか…じゃあそこにいるかも!」

「制服で行ったら目立っちゃうよ」

「まあ、放課後まで待ってくれるかな?」



〜ショッピングセンター 夕方

夕方に近い時間帯であった。

ショッピングセンターについたシルバは一目散に昨日の売り場へ、目当てのものを探しにいった。

(首飾り…首飾り…)

トレーナーのいないロコンが走り回っているものだから、それはとても目立った。

キョロキョロと辺りを見回して、ようやく目当ての髪飾りがあるのを確認したシルバ。



「あそこはシルバが好きな遊具もあるし…一番可能性が高い!」タッタッタッ


「でも…遠いよ…」

そのとき、親友からの電話が鳴った。

プルル…プルル…プルル…

「はいもしもし…シルバ!?いたの!?」
 ▼ 98 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/19 00:04:45 ID:.mdAjfx2 [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ショッピングセンターにて

シルバ「こぉーん!こぉーん!」ゴロゴロ

ショッピングセンターには、ちいさなプレイルームがあった。

そこでは小さなポケモンたちが、遊びながら主人の帰りを待っている。

ビニールでできた滑り台やアスレチック。

ボールプール。

シルバも、ここがお気に入りであった。

柴太が買い物をするとき、いつもシルバはここで柴太の帰りを待っていた。

柴太はじっくり選んで買い物をするタイプなので、シルバは長く遊ぶことができた。

まあ。

『お待たせシルバ!はい、帰ろっか』

『こーん…』

どんなに楽しくても、お迎えはすぐにきてしまう。

シルバはここで永く遊びたいと考えていた。

主人と正反対で、自分の意思を云うのが苦手なシルバ。

「あれがしたい」とか「これがほしい」を言うことができなかったのだ。

いくら柴太がなんでも許してくれる寛大な人でも、これはシルバの性格的な問題故に難しかった。

「あら、あなたは、シロンちゃん?」

「コォーン…?」

「やっぱり!昨日の店員さんよ。覚えてる?」

「…コォン!」

「ふふ。すごく疲れてるわね。はい、これを食べて」

店員はシルバに木の実を与え、元気を取り戻してもらった。

「コォーン!」

「元気になってよかった。トレーナーさんは、一緒じゃないの?」

「…コォーン…」

「もしかして…、トレーナーさんに黙ってきちゃったの?」

「…クゥーん…」

柴太が心配するだろうとはわかっていたシルバ空を見て心配かけてしまっているとわかっているからか、落ち込んだ様子で返事をした。

「あらあら…きっと心配してるわ…。」
 ▼ 99 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/19 00:11:41 ID:.mdAjfx2 [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「シロン?」

「コォーン!」

「あら、お客様。どうなされましたか…」

「この子のトレーナーの友達です。この子のトレーナーの名前は、伊勢崎柴太、ですよね?」

「はい、確かにその名前でした…」

「居なくなってたって聞いたけど、こんなところにいたのね、シロン。みんな心配してるわよ」

柴太の友達の一人がシロンを見つけて抱き上げた。

「コーン…」

「柴太が待ってるわ、帰りましょう」

「コーン!コーン!」

柴太の友達の言葉に、シロンは首を振った。

「シルバ?」

「シルバちゃん、こうこうこういうことがあって…」



「そうですか…ではその髪飾り、プレゼント用に下さい」

「コォーン…?」

シルバは不思議そうに柴太の友達を見上げた。

柴太の友達はにっこり笑って、

「柴太にプレゼント、したいんでしょ?手伝ってあげるわ」

「…コォーン!」

「かしこまりました。少しお待ちくださいね」

「ちゃんと、柴太に謝るのよ?心配かけてごめんなさいって」

「コォーン…」

シルバはうなづいた。

包装ができるまでのあいだ、友達は柴太に電話をした。

「うん、じゃあ魔法学園で」

「コーン…」

「柴太待ってるって。」

「おまたせしました。はい、シルバちゃん。どうぞ。」
 ▼ 100 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/19 00:23:55 ID:.mdAjfx2 [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
友達はスタッフにお礼を言ったあと、シルバを抱いてショッピングセンターをあとにした。

「シルバ!いまから君が大好きな人に会わせてあげる!」



🎶〜🎶〜🎶〜🎶〜🎶

この生活の虜になっちゃうよLady

「よく似合ってる」ってさ 「おあつらえ向き」ってさ

その後のことは見向きもしないくせに

生活の虜になっちゃうよLady Lady

痛みだってさ 癒えぬ傷だってさ

すべて生きてくため 乗り越える試練

他愛もないことでしょう

🎶〜🎶〜🎶〜🎶〜🎶



待ち合わせの校門が近づいてくると、聞き慣れた歌声が力強く、そして優しく透き通るように響いてきた。

同時に、シルバの耳が下がってきていた。

「(怒られると思ってるのね)」

そして…

「絵名、ありがとう。シルバ!良かった!」

「コォーン…」

シルバは、柴太を見た途端、柴太の胸に顔を隠し震えていた。

「シロン?」

「きっと、心配かけたから柴太に怒られると思ってるんだと思うわ。ほら、シルバ。柴太になにかいうことあるんでしょう?」

バーネットは、シルバを柴太に渡した。

「シルバ」

「コーン…」

柴太は叱り方を知らないし、親から叱られたことも滅多にないが、精一杯自分の気持ちを表した。

そしてシルバを想い、滅多に見せない厳しい表情でいった。

「シルバ、どれだけ心配したと思っているの」

柴太は厳しい表情でシルバをみつめた。

「こぉーん(ごめんなさい…)」
 ▼ 101 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/19 00:35:50 ID:.mdAjfx2 [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「本当に許されないことをしたんだよ、シルバ」

「君を探すために僕の友達はみんな、学園を飛び出してずっと君を探したんだ」

「なぜか分かる?それは君のことを友達の友達…大切な仲間だと思っているのさ」

柴太は淡々と説教を続けた。

「友情ってのは繋がっているのさ。自分が信じた人が信じる者は、悪い人だと思わない」

「それぐらい、みんな君のことが大好きなんだよ。」

「そんな仲間に、心配と迷惑をかけた。これがどういうことか分かる?」

「ほら、みんなに謝りなさい」

柴太は厳しい表情でシルバをみつめた。

「コォーン…(ごめんなさい…)」

シロンは本当に反省した様子で頭を下げた。

ぎゅー…

「無事でよかった。」

「こ…ん」

「もう一人でどこかに行ったりしたらだめ。いい?シルバ」
「コォーン…」

「わかったなら許すよ。おかえりシルバ」

「こ…ん」

男性である自分の、ありったけの母性を振り絞り、柴太はシルバを抱きしめた。

「僕はとても怖かった。君を永遠に失うと思ったからね」

柴太のことを尊敬し、恐怖の概念のない勇敢な人物だと思っていたシルバ。

そんな柴太でも、何かを怖がることはあるのだ。


「みんな、シルバを探してくれてありがとう。あと、シルバはもう反省しているから、あまり責めないであげてほしいな…」

「もちろん!」

「もうこれっきりにしてくれよな」

「シルバが無事なら、ほかに求めるものはありませんよ」

柴太は優しく笑ってシルバの頭を撫でた。

柴太の笑顔を見てシルバも安心したようにすり寄った。

「ふふ。シルバ。柴太に渡すものが、あるんでしょ?」
 ▼ 102 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/19 00:52:27 ID:.mdAjfx2 [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ふふ。シルバ。柴太に渡すものが、あるんでしょ?」

「こん!」

「?これは…!昨日の…」

「こーん!」

「もしかして…ぼくにこれを?ありがとう😊シルバ!大事にするね!」

「コォーン!」

「あの、お金払ってくれたんだよね…あの。いくらでしょうか」

「いいのいいの!気にしないで!私はシルバのプレゼントのサポートをしただけよ。」

「ありがとう!」

「良かったね!柴太!」

「はい!」

無事、柴太にプレゼントを渡すことができたシルバなのであった。

優しくて、かっこよくて。

自分に居場所をくれて、闇から救ってくれた。

シルバは決して悪気などなく、柴太にお礼がしたかっただけなのだ。

しかし、柴太に「無理にお礼とかいらないから、みんなに迷惑をかけないで」と諭されてしまった。

〜柴太の部屋

柴太はまだ、シルバが自分を怖がっていると考えた。

そこで、シルバの話を聞いてやることにした。


シルバは、柴太と遊びに行くことが大好きであった。

柴太とアスレチックで遊んだり、カフェでスイーツを食べたり、

柴太のほうも、シルバを遊びに連れて行くのが好きだった。

しかし、最近柴太は仕事を重視するがあまり、遊びに行きたがるシルバを邪魔だと思うようになってしまった。

それは柴太がまさに、幼少期に両親にされたことであった。

社長の父と、その会社の重役である母。

仕事と睡眠を繰り返す生活の狭間に、柴太との思い出を入れるのは難易度が高かった。

「現実逃避しようよ!もっと楽しいことして遊ぼうよ!僕がみんなを救ってあげる!」

まさか自分が、いつのまにか救いを必要とする立場になるとは思わなかった。

現代人は頑張ってばかりと言いながら、自分も気がつけば頑張ってばかりで、それがパートナーを悲しませ、今回の行動に至らせたのだ。

遊びに行きたい気持ちと、柴太にプレゼントをしたい気持ちが混ざった結果、今回の失敗につながってしまった。
 ▼ 103 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/19 01:04:25 ID:.mdAjfx2 [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そっか…遊びたかったんだね…シルバ…」

「こぉん」

「気持ちは分かるよ。だけど、自分の欲望が、あらぬ形で人を傷つけることがあるのを、どうか忘れないでほしい」

「こ…ん」

「これからは、遊びに行きたいとかそういうのは、ちゃんと言おうね」

残念ながら、今日は週末から遠い日だ。

だがシルバは柴太が自分の意志を真摯に聞いてくれて、安心したようだ。

柴太は精一杯の気持ちを込めて、シルバに謝罪した。

シルバも納得してくれたようで、「こんっ!」と鳴いた。

やっと、仲直りできた。

シルバの希望を叶えてあげられないお詫びに、桃太はシルバを学園の大きな木の前に連れて行った。

そしてこれは願いを叶える魔法の木だ、お願い事を言ってごらんと言った。

シルバは柴太の腕の中を出て、木に歩み寄り、頭を下げた。

シルバは心に秘めた願い事を吐き出すように鳴いた。


(ももたと…あそびに…いきたいっ!)


「お願い事…できた?」

「こんっ!」

失敗はしてしまったが、そのおかげで柴太に愛されていることを改めて実感できたシルバなのであった。


柴太は夢の中で、鳳えむと宵崎奏に出会った。

「遊びに行きたい気持ち!すっごく分かるよ!わんだほーい!な楽しいこと、したいよね!」

「分からない…休日はだらだらしたい…」

「奏ちゃん!そういうこと言わないで!」

「えむちゃん、僕、パートナーのシルバにひどいことを…」

「柴太くん、大丈夫!楽しいことをするために遊びに行くことができないなら、今この瞬間を楽しいものに変えちゃえばいいんだよ!」


夢の中の鳳えむは、自分の味方をしてくれた。

そして精一杯励ましてくれた。

ありがとう、鳳えむ。
 ▼ 104 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/19 01:23:16 ID:.mdAjfx2 [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
??「今回は柴太とシルバが離れるという絶好の機会を完全に逃してしまいました」

??「気にするな。計画はもう完成も同然さ」

??「柴太とシルバがそれぞれ100体いようと、消し炭にできる」

??「さすがわが社の科学力。これで無駄な人間を抹殺できますね」

??「そうだな。その日が楽しみだ…」
 ▼ 105 ネコ@ポフのみ 23/02/19 04:26:07 ID:mchcafVw NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アロコンアンチをBBSから多く輩出させた男はさすが妄想力がちげーな がはは
 ▼ 106 オしのひめ◆tsGpSwX8mo 23/02/19 10:35:46 ID:.mdAjfx2 [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌日 アイドルプロダクション地下

??「ワタシの ケイカクは カンセイした」

??「サア ワタシをトメてみよ イセサキシバタ…」

??「とうとう完成しましたね。」

??「このプロジェクトはワタシがショユウするどんなアイドルよりもほこりだかい」

??「全くです。所長の技術力には恐れ入ります。」



??は、ついに自分の計画に必要な装置を完成させたのだ。

??は、完成された装置を誇らしげに眺めた。

その無機質で禍々しく、壮大なことこの上なし。

「オワリノハジマリ だ…」

??は、装置の中心にある光るスイッチを押した。

ボチッ

装置は、大きな音を立てて動き出した。

やがてカメラのようなものが上に伸び、「日本と月国を繋ぐ穴」に標準を定めた。

「さようなら。伊勢崎柴太。まあせいぜい抗うがいい、お前の自慢のポケモンと、その歌声でな…」

??は高笑いしながら、部屋に戻っていった。
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