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SS

ボタン「ふふ、幸せ……」(大きくなったお腹をさすりながら)

 ▼ 1 ッコラー@あやしいおこう 25/09/06 14:20:35 ID:1Bdo7ZOQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「!?」

ハルトママ「!?」


それはとある家庭での夕食時の出来事だった

ここはパルデア地方の小さな町、コサジタウン

ハルトはそこで母親と二人で暮らしていた

共に食事をする少女は海外から留学をしており、アカデミーの寮で一人暮らしをしている

今日はそんな寂しい暮らしをするボタンを案じて、ハルト達は夕食へと招待していたのだった

そんな折にこの爆弾発言が飛び出し、一瞬にして食卓は凍りついたのだった……!
 ▼ 51 ムスター@ヤチェのみ 25/09/07 18:55:27 ID:I.yYipes NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
こんなのが教師しててええんか
 ▼ 52 ブルモ@パワーリスト 25/09/07 19:10:47 ID:M73QPviQ [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その夜───

ハルト(ふへへ……今日は久しぶりに楽しい一日だったな)


ハルトは久々の友人達との交流を振り返っていた


ハルト(僕は良くないことをしてしまった。男なら一人で責任を負うべきだ。それを忘れたわけじゃない。でも……)

ハルト(でも僕にも味方がいる。まだ一緒に歩いてくれる仲間がいる。みんなの為にも、そして何よりボタちゃんとネモの為にも、僕がここで折れるわけにはいかない)


小柄な少年の、今にも押しつぶされそうな小さな背中は……ここにはもう存在していなかった

今日の出来事を経て、少年は今、大人への一歩を踏み出した

一度犯してしまった過ちは、もう無かったことにはできない

だがだからこそ、そんな彼を支えてくれる仲間のためにも、折れそうになった時に支えてくれる仲間のためにも、これからも彼は自分の道を歩むだろう

その先にどんな波乱が待ち受けようとも……


ハルト(それにしても……みんなの明るさには助けられるなぁ。シュウメイなんて変なこと言ってたっけ……)

ハルト(…………)


思春期の少年は、いやでも変態忍者の発言を思い出してしまう


ハルト(ボタちゃんの……裸かぁ……そ、そうだよね。僕達恋人なんだもんね。お願いしたら……見せてくれるかな……?)


少年の脳裏に浮かぶのは……ピンクの花畑を背景にした彼女のシルエットだ


ハルト(……って!何を最低なことを考えているんだ僕は!!ボタちゃんだって大変な時期なのに……!!)


健全な男子なら誰もがしたことのあるこの妄想も、今の少年にとっては罪の意識を増幅させるだけだった


ハルト(…………っ)


だが、だからといって止められるものではない。考えてはいけない、そう心の中で唱えれば唱えるほど……妄想はハッキリと形を帯びてくる
 ▼ 53 ンパチ@レトルトカレー 25/09/07 19:17:55 ID:M73QPviQ [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「ぁ……なに、これ……」


少年はすぐに体の異変に気付く

股間のブツが盛り上がってきたのだ


ハルト「どうしたら戻るんだろ……」


なんとなく良くない状態な気がして、元に戻そうと触れている


ハルト「……うっ!ぅぁ……っ!」


その瞬間、少年の体は体感したことのない快楽に覆われていた

謎の罪悪感ととてつもない快楽に挟まれる少年

彼が選んだ道は……


ハルト「……っ、こ、これ……いい……っ!///」


快楽に身を任せてしまうことだった


ハルト「はぁ……くっ、ふぁぁ……っ!」


自分が自分ではないようだ

右手はまるで言うことを聞かない

しかし止める気にもなれなかった


ハルト「〜〜〜っ!……はぁ、はぁ………」


言葉に出来ない感情が、何かと共に溢れ出ていった



……今日の出来事を経て、少年は今、大人への一歩を踏み出した
 ▼ 54 シアン@あらしのせきばん 25/09/07 19:28:26 ID:M73QPviQ [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───翌日

今日は通常通りの授業がある日だ

逃げるわけにはいかないと、昨日決意したばかりのハルトだが……


ハルト「……」グッタリ


悪い夢でも見たのだろうか。やけに体は重く、謎の罪悪感のような感覚に襲われている

だがやけにスッキリしたような感覚もあり──

とにかく逃げるという選択肢だけは絶対に取ってはならないと、登校の準備を進めた


コンコン…

ハルト「!? は、はい!」

ボタン「ハルト、うちだよ。今日早起きしたから朝ご飯作ってみたん……た、食べてくれる?」

ハルト「ま……待って!まだ着替えてないから……ドアの前置いておいて!遅刻させちゃったら悪いからさ、君は先に行きなよ!」

ボタン「えっ……うん。分かった……」


直接感想を聞きたかったのだろう。彼女の残念がる声が聞こえた

それでもハルトは引き止めることができなかった

今は彼女と顔を合わせたくなかったのだ
 ▼ 55 ルビート@イーブイZ 25/09/07 19:56:08 ID:M73QPviQ [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「おはよー……」

ネモ「おはよ!時間ギリギリだよ!?寝坊しちゃった?」

ハルト「う、うん……まあそんなところ」


ハルトはあえて時間ギリギリになるように教室へ向かっていた

これで確実にボタンと会わなくて済むからだ

幸いにも彼女とは別のクラスである。これなら自分の集中を邪魔する出来事が起こることはないだろう……

真面目なハルトは授業をしっかりと聞けるようにと心を入れ替えようとしていた


隣子「……」スッ

ハルト「あ……ごめん」


隣の席の女子が自分の席と距離を離してくる。この光景ももはや日常である


ジニア「それでは生物学の授業を始めますねえ。こらー、隣子さん、ハルトさんと席を離さないでくださいよお」

隣子「……はい」


担任の教師であるジニア先生。彼もこの日常を良しとは思っていない

しかし繊細な問題でもある。こうして渋々言うことを聞かせるのが精一杯であった


ハルト「……」ジッ


ハルトにとって出来る先生への恩返しといえば、この状況に負けず真面目に授業を聞くことくらいだろう

先生の言葉を一文字たりとも聞き逃すまいと集中して黒板に目を向けていた

……が、その視線の中でどうしても目に入ってしまうものがある


ハルト(……うっ!み、見ちゃダメだ……!)


必死に目を逸らそうとする

しかしハルトの目はどうしてもそれを捉えて離さなかった


ネモ「……」カキカキ


ハルトの斜め前の席に座って授業を受ける、ネモの姿だ
 ▼ 56 ゲデマル@しっぽのくんせい 25/09/07 20:02:28 ID:rPPcLwsU NGネーム登録 NGID登録 報告
ネモの魅力はおっぱいと黒タイツの足
 ▼ 57 ヌギダマ@ネストボール 25/09/07 21:00:05 ID:M73QPviQ [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト(ネモの胸、揺れて……っ!)


ネモは何度大人と間違えられたか数えくらいほどに、同級生の中では圧倒的に発育がいい

そんなネモがノートに書き込むたびに、同時に胸も揺れていた

斜め後ろの席はその圧巻な景色を見るのには最高の特等席だろう


ハルト(み、見るな僕……そうだ、視線を下にすればなんとか……!)


しかし今度は彼女の黒いタイツにパツりと覆われた健康的な足が目に入ってしまう

ネモの魅力は豊満な胸だけではない。この足こそ彼女を支える第二の魅力なのだ (提供:>>56)


ハルト(はぁ、はぁ……ま、まただ。また昨日みたいに……っ///)


座っているおかげで周りにバレることはあるまいが、再びハルトのブツは隆起していた

今まではなんとも思っていなかったはずなのに、どうして急にこんな風に見えてしまうのだろう?

そんな疑問をもつ余裕もなく、ハルトは必死に股間を鎮めるよう神経を集中していた


「……トさん」

ハルト(くっ……!うぅ……鎮まれ僕の……っ!///」

ジニア「ハルトさんっ!!」

ハルト「は、はい!?///」

ジニア「顔が真っ赤ですよ。大丈夫ですか?」

ハルト「え……そ、そうですか?」

ネモ「ジニア先生!ハルトは今日寝坊して遅刻ギリギリに教室入ってきたんです。もしかしたら本当は体調悪かったんじゃないですか?」

ジニア「おやあ、それは珍しい。そうなんですか?ハルトさん」

ハルト「ど、どうだろう……自分でもよく……」

ジニア「んー……熱はあるような、ないような……ちゃんと医務室で診てもらった方が良さそうですねえ。保健委員さん、ハルトさんを医務室へ……」

保健委員の生徒「……」プイッ

ジニア「あ……やっぱり先生が連れて行きます。みなさんはしばらく自習をしていてくださいねえ。立てますか?ハルトさん」

ハルト「はい……」
 ▼ 58 チュー@ボチのろう 25/09/07 21:02:12 ID:dmDwAQU6 NGネーム登録 NGID登録 報告
たまに靴脱いじゃう子学校にいるけど、ネモがそれやったらハルト暴発しそ
 ▼ 59 ーユイ@チリソース 25/09/07 23:06:34 ID:M73QPviQ [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミモザ「うーん……」


ミモザは悩んでいた

自分だけが気付いてしまった真相。しかしそれは本当に真実なのだろうか?

これまでのことをじっくり思い出してみる


ミモザ「……やっぱり思い返せば思い返すほど、あの子達の口から直接“妊娠”というワードを聞いたことが……ないのよね。一度も……」


やはりどうしてもこれを真実と仮定した方が、全ての辻褄が合ってしまう

ならばどうすべきか?これを校長に報告すれば全ての騒動は収まるかもしれない

しかし本当に全てが元通りになるだろうか

生徒達のこじれてしまった関係性はどうなるのだろうか

このまま自然な流れに身を任せた方がいいのではないか……

まだ新人教師であまり大きなトラブルと縁がなかったミモザ先生は、どうしてもそう保守的な考えに至ってしまった


ミモザ「……決めた!やっぱり私知〜らないっと!」

ジニア「失礼しまあす」

ミモザ「ひゃえいっ!?じ、ジニア先生……き、聞いてた?」

ジニア「はい?何のことでしょうか」

ミモザ「ほっ。聞かれてないからいいや……」

ジニア「そんなことよりハルトさんが大変なんですよお!」

ハルト「……」フラフラ

ミモザ「あらやだフラフラじゃないの!もう少し我慢できる?すぐベッドの用意するから」

ハルト「はい……」
 ▼ 60 ルタリス@ユキノオナイト 25/09/07 23:07:30 ID:kJf6ic0I NGネーム登録 NGID登録 報告
ネモ 天然エロ
ミモザ 残念なエロ
 ▼ 61 ロアーク@エレキブースター 25/09/07 23:16:09 ID:M73QPviQ [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミモザ「よしっ、準備完了っと。ほら寝てな」

ハルト「……はい」

ジニア「ハルトさん。何か困ったことがあったらすぐに先生に相談してくださいね。一人で抱え込んではいけませんよお」

ハルト「……大丈夫です。僕には頼れる友達がいますから」

ミモザ「あんた真面目すぎるのよ。そういうの、強がりだってんのよ。そりゃ友達も信頼出来るだろうけどさ、もう少し大人も信用してみな」

ハルト「……」


どの口が言うんだ


ジニア「それとも僕よりもミモザ先生の方が話しやすいかなあ?」

ミモザ「え、なんで。歳が近いから?」

ジニア「ノリが軽いからです」

ミモザ「バカにされてる気がするわ……」


あんたはもっとバカにされた方がいい。もっと言ってやれジニア先生


ジニア「それじゃあ先生は授業に戻りますけど……」

ハルト「大丈夫です。僕一人に構いすぎない方が……」

ミモザ「だからそういうところ!まったく真面目くんなんだから。まあジニア先生、あとは私に任せて戻っちゃってよ」

ジニア「はあい。ハルトさん、お大事になさってくださいねえ」
 ▼ 62 ビゴン@アクZ 25/09/07 23:30:27 ID:M73QPviQ [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミモザ(……と格好つけたものの!渦中のハルトが来ちゃうとはね……ど、どうする?もういっそストレートに聞いちゃう!?)

ハルト「ミモザ先生……」

ミモザ「は、はい!?どうしたー?お水飲む?」

ハルト「僕……なんだか変なんです」

ミモザ「体調悪くなるくらい誰でもあるわよ。いいから休んでなさい」

ハルト「そうじゃなくって、その……」

ミモザ「……言いにくいこと?別に先生笑いやしないよ。なんでも正直に話してみな」

ミモザ(頼む……!例の件絡み以外であってくれええええええ!!)

ハルト「……やっぱり何でもないです」

ミモザ「ズコーッ!そ、そう……まあ、話したくなった時でいいから。私そんなに頼りないかな……」

ハルト「そういうわけでは……」


ある。そういうわけである

というのは冗談で、実際にハルトが相談したい内容は無論、自身の体の異変についてだ

となれば当然女性であるミモザ先生には話しづらい。ジニア先生に残ってほしかったというのが本音だった


ミモザ「てかさ、そんなに布団被ってたら暑くない?ちょっと通気性よくしなよ」

ハルト「わっ!ちょっと……!」


このままでは引き下がれないと、養護教諭のプライドにかけて何かしてやりたいミモザ

軽く布団を捲ってやっただけなのに、ハルトは過剰に嫌がる

それもそのはず。その先にあった光景は……


ミモザ「あらやだご立派」

ハルト「う……み、見ないでください……っ///」


現在季節は夏。ハルトの着用する夏用制服は、生地の薄いハーフパンツ状であった

これでは相当目立ってしまう。見事にイキリたったハルトのブツは
 ▼ 63 ーピッグ@とくせいカプセル 25/09/07 23:40:34 ID:M73QPviQ [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「へ、変ですよね……昨日からずっとこんな感じなんです……っ///」

ミモザ「そっかそっか。それで悩んでたのね」

ハルト「うぅ……」

ミモザ「いい?ハルト。それは別に恥ずかしいことじゃないの。むしろ健全な男子の証拠よ」

ハルト「ほ、本当ですか?みんなもこんな……こんな風になってるって……う、嘘だ!」

ミモザ「本当よ。特にシュウメイとかヤバいわよ」

ハルト「あぁ……」


知識こそないものの、最適な例を出してもらったことでなんとなく理解するハルトであった


ミモザ「てか習わなかった?保健の授業ちゃんと聞いてくれてないとかショック……あっ!?」


ここでミモザは思い出す。ハルトは転入生だったのだ

オレンジアカデミーでは、性教育は1年生の前期のうちに済ませていた

ハルトが転入してきたのは後期からである

もしや前の学校ではまだ扱っていなかったのでは……

それならハルトに知識がないことにも納得だ


ミモザ(ということはつまり……?)


性知識のないハルトが、まさに昨日初めて精通したかのような様子のハルトが、一体どうやって二人も妊娠させるというのか

ついに最後の1ピースが埋まったような気分だった

これにて例の件は偽りであることが、確定してしまったのだ
 ▼ 64 コガシラ@キュウリスライス 25/09/07 23:52:23 ID:M73QPviQ [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミモザ「……ごめんハルト。大人しく寝ててくれる?私ちょっと仕事思い出したわ」

ハルト「え?今も仕事じゃ……」

ミモザ(こうしちゃいられないわ!!流石にここまで来たら校長に報告を……!)


ついにミモザ先生も決意した

凄いぞミモザ先生。立派だぞミモザ先生


ミモザ「校長先生っ!!」

クラベル「おやミモザ先生。廊下を走ってはいけませんよ」

ミモザ「それどころじゃなくて……!あ、あの……例の件って、出所はどこなんでしたっけ?」

クラベル「……教員といえど生徒の個人情報を簡単に伝えるわけにはいきませんね」

ミモザ「そうでしょうけど!一大事なんですってば!!」

クラベル「はぁ。そこまで言うなら……まあいいでしょう。最初はハルトさんのお母様から報告を受けましてね。息子がボタンさんを妊娠させてしまった、と」

ミモザ「じゃあネモの方は!?」

クラベル「……あれ?そういえば誰かから報告されたような覚えはないですね」

ミモザ「ならそっちは完全な噂ってわけですね……ハルトのお母さんと話をさせてもらえませんか!?」

クラベル「落ち着いてくださいミモザ先生。何かあったのでしょうか」

ミモザ「ぁ、それが……」
 ▼ 65 リゴンZ@やぶれたせきばん 25/09/08 00:04:58 ID:3i4.G0a2 [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミモザ「……というわけなんです」

クラベル「な、なんと!」


ミモザ先生は全てを洗いざらい話した

自身の犯した隠ぺいも含め、その全てを正直に話した


クラベル「つまりあなたは、昨日の時点でお二人が妊娠していない可能性に気付きつつも、それを報告しなかったということですね」

ミモザ「は、はい……!」

クラベル「はぁ……あなたへの説教はまた今度にしましょう。それよりも今は優先事項があります」

ミモザ「ふー、助かった」

クラベル「もしもし、ハルトさんのお母様でしょうか?」

ハルトママ『校長先生!この度は息子がご迷惑を……』

クラベル「そのことなのですがね……」

ハルトママ『ま、まさかまたさらなる問題を!?あのバカ息子ォ!!今すぐハルトに謝らせますから!!』

クラベル「あの、そうではなくて」

ハルトママ『今度はどちらのお嬢さんにご迷惑を!?それともお坊ちゃん!?』

クラベル「あの……」


何も言っていないのにヒートアップし続けるハルトの母親

これでは話が進まない


クラベル「……確かに話し辛いですねこれ」

ミモザ「でしょう?」
 ▼ 66 ホイップ@ヤングースのけ 25/09/08 00:19:39 ID:3i4.G0a2 [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトママ『私と息子の腹を切ってお詫びいたしますぅぅぅ!!』

クラベル「お、落ち着いてくださいお母様」

ミモザ「あの、ハルトのお母さん?当時の状況をよく思い出してほしいんですけど……」

ハルトママ『はい?あなたどちら様ですか?校長先生の不倫相手?』

ミモザ「……養護教諭のミモザです」

ハルトママ『あらやだ失礼しました』


校長先生の不倫相手の登場に、ハルトの母親は平静を取り戻したようだ


ミモザ「あなたがボタンの妊娠を知ったのって、どんな時でしたか?」

ハルトママ『あれは……そうね、今でもハッキリと記憶に残っているわ。ハルトが急にボタンちゃんを夕食に招きたいと言い出してね、私も張り切ってご飯の用意してたんです』

ミモザ「……!やっぱり……もう少し詳しく思い出せませんか!?」

ハルトママ『覚えてますってば。食べ終わって後、ボタンちゃんが報告してきたんです。こう大きくなったお腹をさすりながら、「幸せ……」と』

ミモザ「お夕食はどれくらいの量作りました?」

ハルトママ『張り切りすぎちゃってつい10人前くらい作っちゃったんです。知ってます?ボタンちゃんってああ見えて大食いなんですよ。でもそれもペロリですよ』

クラベル「お母様。以前校長室まで話し合いにお越しにいただいたことがありましたよね。その時のボタンのお腹の大きさは、その当時と比べてどうでしたか?」

ハルトママ『はい?そりゃあ萎むわけがないから……あれ?』

クラベル「も、もしや……」

ハルトママ『……そういえばその日どころか、夕食に招待した次の日にももう元の大きさに戻ってた気がします。ハルトへの怒りのあまり忘れてました……!』

クラベル「……決まりですね」

ミモザ「つまりねお母さん。ボタンはただ……食べ過ぎだっただけ、ってことですよね……?」

ハルトママ『そ……そうなります……ね……?』
 ▼ 67 ジョフー@ラムのみ 25/09/08 00:21:25 ID:TgA2yXeU NGネーム登録 NGID登録 報告
結論、今回の騒動の黒幕はハルトのママ。なんならハルトの父親が本当に不倫したのかどうかも怪しい
 ▼ 68 オル@メェークルのはっぱ 25/09/08 00:41:06 ID:3i4.G0a2 [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトママ『ど、どうしましょ……私ハルトのこと無実の罪でたくさん叱っちゃったわ……!あの人と同類だなんて最悪の罵声まで浴びせちゃって……!』

ミモザ「お母さん。とにかく大事は起こっていなかったということなんですから、まずはそれを喜びましょうよ」

ハルトママ『は、はい……そうよね。ハルトは何も悪いことはしてなかったんだものね。あっ!でもそれならネモちゃんの方は!?』

クラベル「それが、ネモさんの件も生徒達の間から広まった噂が始まりでして。我々も確かなことは分からないんです」

ミモザ「きっと大丈夫よ!ハルトはそんなことする男じゃないって、私は最初から分かってたもん」

クラベル「念の為お二人を病院に連れて詳しい検査をしてもらおうと思います。今までは期間がそんなに経過していなかったのもあってミモザ先生の簡単な検診だけで済ませていましたからね。一応結果が出るまでこの件については他言無用でお願いします」

ミモザ「そうそう。お母さんヒートアップしやすいタイプみたいですし」

ハルトママ『す、すみません。お恥ずかしいところ見せちゃって……それでは先生方、どうかよろしくお願いします。息子の冤罪を晴らさせてください……!』

クラベル「……ふぅ。ようやく解決出来そうですね」

ミモザ「そういえば校長先生、ハルトのお母さんが言ってたあの人って?」

クラベル「そこに首突っ込んでしまいますか……まあここまで関わってしまったのですからお話しましょう。ハルトさんのご両親は離婚しているんです。父親の不倫が原因でね」

ミモザ「はーなるほど。ハルトにはその父親の遺伝子が流れてると。それでお母さんも息子はやっただろうと決めつけて大暴れしてたわけですね」

クラベル「そのような言い方はよしなさい。それよりも病院の手配をお願いします」

ミモザ「はぁい。一秒でも早くハルトの身の潔白を証明してやんなきゃね」
 ▼ 69 ガメタグロス@ありふれたいし 25/09/08 00:47:28 ID:kfH.Ct46 NGネーム登録 NGID登録 報告
思うんだけど、ハルトの父親の不倫もハルトママの勝手な誤解なんじゃないかなと思う。何かを見たのを勝手に勘違いして勝手に離婚を切り出したみたいな
 ▼ 70 ジョン@こうかくレンズ 25/09/08 00:53:10 ID:3i4.G0a2 [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
1-A教室。まだ生物学の授業は続いていた

ミモザ先生はネモを迎えにここへ来たのだが……


ミモザ「授業中失礼しまーす。ネモ借りていいすか?」

ネモ「ほえ?私ですか?」

ジニア「どうかしましたかあ?」

ミモザ「えっ!?あー、えと……」

ミモザ(やっべ理由考えてなかった!ここで素直に産婦人科に連れて行く、なんて言ったらまた余計に噂立っちゃうよね!?)

ネモ「ミモザ先生?私元気ですよ!」

ミモザ「そ、そうよね。見れば分かるわ」

生徒達「……」


生徒達も怪しい目でこちらを見ている

ここで選択肢を間違えれば、せっかく収束へと動いていた騒動がより大きくなるかもしれない


ジニア「担任として僕には理由を知る権利がありますよお。理由もなく生徒を授業中に連れ出させるわけにはいきません」

ミモザ(ジニアの野郎余計なこと言いやがって!!えーっとええと……!)

ミモザ「い、医務室で寝てるハルトが、ネモに会いたいって言ってるんですぅ〜」


結果、考えうる限りでもっとも適当な理由が飛び出してしまった

しかしジニア先生、意外にもこれをスルー


ジニア「そうですかあ……行ってあげてください、ネモさん」

ネモ「え、そんな理由でいいんですか?」

ジニア「いいんですよ。ハルトさんのことをお願いしますね」

ネモ「はぁい。先生に任されちゃしょうがないなぁ」


ジニア先生は今のハルトのメンタル状況を考えて、送り出すことにしたのだ

ラッキーだったと呑気に考えるミモザ先生だが、やはり生徒達の反応はさまざまである


「つまり……ハルトくんはボタンちゃんよりもネモちゃんを選んだってこと!?」
「ついに正妻決定かぁ!」
「こうなるとめでたいもんだね!おめでとうハルトくん!ネモちゃん!!」
 ▼ 71 ニゴーリ@つららのプレート 25/09/08 19:15:27 ID:3i4.G0a2 [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方その頃、クラベル校長はボタンを迎えに来ていた


クラベル「授業中失礼します。ボタンさん、少しよろしいでしょうか?」

ボタン「はえ?う、うちなんかやっちゃいました……?」

クラベル「ご安心ください。お説教の類ではありませんよ」

ボタン「ほっ……」

タイム「校長先生、授業中に生徒を連れ出すなら理由くらい教えてくれませんか?私はボタンさんの担任です。理由くらい知る権利がありますよ」

クラベル「えっ!?あ、はい……そうですよね」

クラベル(私としたことが……!誤魔化しの手段を考えておくべきでしたね。素直に産婦人科に連れて行くなどと言ってしまっては余計に変な噂の原因になってしまいますよね……)

タイム「……」


タイム先生が厳しい目でこちらを見ている

クラベル校長は一時、研究職に就いていた時期がある

その為、教員歴でいえばタイム先生の方が上だった

年功序列で校長にこそ任命されているものの、その実態はタイム先生にはどうしても頭が上がらなかったのだ


クラベル(な、なんとか絞り出すのです、クラベルよ!!)

クラベル「い、医務室で寝ているハルトさんが、ボタンさんに会いたいと仰っているんですよ〜」


結果、考えうる限りでもっとも適当な理由が飛び出してしまった

しかしタイム先生、意外にもこれをスルー


タイム「そうですか……それなら仕方ないですね。行ってあげてください、ボタンさん」

ボタン「医務室て、ハルトどうしたん……?今すぐ行きますっ!」


タイム先生は今のハルトのメンタル状況を考えて、送り出すことにしたのだ

これでタイム先生にわけもタマゲタケもありませんされることを回避したと呑気に喜ぶクラベル校長であったが、やはり生徒達の反応はさまざまである


「つまり……ハルトくんはネモさんよりもボタンちゃんを選んだってこと!?」
「ついに正妻決定かぁ!」
「こうなるとめでたいもんだね!おめでとうボタンちゃん!ハルトくん!」
 ▼ 72 イオーガ@ドリのみ 25/09/08 19:17:35 ID:Zss.5UQA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 73 アコイル@みずたまリボン 25/09/08 19:18:55 ID:PWmgXNM6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 74 ャビー@うつしかがみ 25/09/08 19:33:47 ID:3i4.G0a2 [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミモザ「いやー、ごめんね授業中に」

ネモ「いえいえ、ハルト調子悪そうだったし。私も様子見に行きたいなーって思ってたんでちょうど良かったです」

ミモザ「あー……それなんだけどね」

クラベル「申し訳ありませんね、授業中だったというのに」

ボタン「いえ……数学なら聞かなくても分かるし……じゃなくて!ハルトはどうして医務室にっ!?」

クラベル「そのことなのですが……」

ネモ「あれ?ボタンも呼ばれたんだ!」

ボタン「あれ、ネモまで」

ミモザ「実は連れ出すために適当なこと言っちゃったんだ。今からあなた達には別の場所に向かってもらうのよ」

ネモ「別の場所って?」

ミモザ「まあ……平たく言うと、病院?」

ボタン「えっ、やだ。うち健康ですよ」

ミモザ「……詳しく言うなら産婦人科」

ネモ・ボタン「さ、産婦人科ぁ!?」

クラベル「この反応……やはり心当たりはないようですね」

ネモ「だ、だってそこって、妊婦さんが行く病院ですよね!?」

ボタン「うちまだ子供なんすけど!?」

ミモザ「もう連れてくまでもないじゃんよこれ!絶対確定ですよ校長!!」

クラベル「お二人とも、お恥ずかしいかもしれませんがどうかご同行お願いします。念の為証明書を作らないとこの騒ぎが収まることはないと思いますし……」

ネモ「騒ぎって……?」

ボタン「なんかあったっけ……?」

ミモザ「騒ぎを収めることがハルトのためになるのよ」

ネモ・ボタン「じゃあ行きます(即答)」
 ▼ 75 ルンゲル@やきベーコン 25/09/08 19:37:20 ID:46128j4Q NGネーム登録 NGID登録 報告
ネモにパイズリと黒タイツの足コキされたら最高だろうなぁ
 ▼ 76 ギギアル@じめじめこやし 25/09/08 19:51:53 ID:3i4.G0a2 [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうして二人は、いつか来る日があったとしてもまだまだ先だろうと思っていた初めての産婦人科に訪れることになった

結果はどうだったのか?

言うまでもないが、何事もなかった

無事全ての検査が終わると、すっかり空は夕焼けが覆っていた


クラベル「全ての検査が終わったようですね。お疲れ様でした」

ボタン「はーっ、緊張したぁ……なんだか大人になったような気分」

ネモ「ふふふー、まあボタンはもしかしたら、そう遠くないうちにまた来ることになるかもしれないけどねー」

ボタン「んなっ!?そ、そんな……ハルトとはまだそんなとこまでは……///」

ネモ「きゃーっ!まだってことはいつかはその気なんだね!」

ボタン「や、やめろし!///もう……」

ミモザ「あら?聞いた感じ、もしかして例の噂とは関係なくボタンってガチでハルトと付き合ってる感じ?」

ボタン「そ、そうすけど……あの、あんまり言いふらさないでほしい……」

ネモ「ミモザ先生口軽そうだもんね」

ミモザ「失敬な!私だって約束くらいは守れるっての!そういえば知ってる?ハルトの親父さんってさぁ、不倫して離婚したんだってね!あんたも気を付けなよ」

ボタン「はっ!?」

ネモ「ほ、本当ですかそれ!?そういえばハルトのお父さん見かけたことないかも……」

ミモザ「ほんとほんと〜。なんたってお母さんのあの反応はさぁ……」

クラベル「ミ モ ザ 先 生 ?」

ミモザ「ひっ!?」

クラベル「……子供に話すようなことではありません。診断書も受け取ったことですし、帰りましょうか」

ミモザ「す、すみません……」

ボタン「ハルト……あなたは違う、よね……?」


説教されるべき内容がまた一つ増えたミモザであった

そんな口の軽いミモザのせいで、ボタンは衝撃の真実を知ってしまった

だが親がそうだからと子もそうだとは限らない。今はただ、彼氏を信じるのみだ……
 ▼ 77 ムパルド@モーモーミルク 25/09/08 20:50:01 ID:3i4.G0a2 [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「急に全校集会ってなんだろうな?」
「校長の不倫でもバレたんじゃね」
「さっきハッサク先生が号泣してたけど何か関係あるのかな」
「それはいつものことでしょ」

ワイワイガヤガヤ…

クラベル「……」

「あっやべっ」ピタッ

クラベル「みなさんが静かになるまで校長生徒のウェーニバルが6回、アクアステップを踊りました」

ウェーニバル「フォアアアアアアアアアアアア!!!!」シュバババババッッッ!(超高速で反復横跳びをする音)

クラベル「すばやさはこんなに要らないですね」


その日の放課後前。生徒達には緊急で集められていた

ウェーニバルがハイテンションなこともハッサク先生が号泣していたことも特に意味はない。ただの日常風景である

本題は当然、例の噂の件についてだ


クラベル「みなさん、最近校内で流行っている噂のことはご存知でしょうか」

「……!」ザワザワ…


想定外の話題にざわめく生徒達

校長の口からわざわざ噂について言及があるとは……

これで真実か偽りかハッキリすることだろう

クラベル校長は多感な時期の生徒達を刺激しないよう、慎重に言葉を選びながら続ける


クラベル「……ええそうです。ハルトさん、そしてネモさんとボタンさんの三人にまつわる噂話です」

クラベル「結論から申しましょう。その噂は真実ではありません!ハルトさんは無実なのです!!」

クラベル「ここに診断書があります。個人情報のためお見せすることは出来ませんが……これが証拠なのです!!」

「な、なんだってー!?」
「ハルトくん……!私は信じてたよ!!」
「つまり僕にもまだワンチャンありますか!?」


一気に盛り上がる生徒達

ハルトのことを避けていた彼らも、心の奥底では信じていたのかもしれない

これも全て、ハルトの積み上げてきた人徳のなせる業だった
 ▼ 78 ロカロス@ゴースのガス 25/09/08 21:01:47 ID:3i4.G0a2 [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クラベル「みなさん、ハルトさんは今まで非常に精神的に追い込まれていました」

「…………」


先ほどの盛り上がりはすぐに静まり、心当たりのある生徒達はただ俯くことしかできない


クラベル「しかし私はみなさんを責めたりはしません。それよりもこれからのハルトさんを、みなさんで協力して支えてあげてください」

「……はいっ!!」

クラベル「いい返事をありがとうございます!我が校は良き生徒達に恵まれました……!」

ネモ「……」

ボタン「……」

「大変だったね、ネモちゃん」
「ボタンちゃん、色々と勘違いしちゃってごめんね」

ネモ「う、うん……私は平気……」

ボタン「大変だったのはハルトだよ……」


渦中の人物である二人は当然、生徒達に囲まれる

だが二人は一秒でも早くここから立ち去りたい気分だった

なぜなら……


ネモ(私達にまつわる噂って……つまりそういうこと!?///)

ボタン(い、今までそんな風に思われてたん!?///)


今の今まで何も知らなかった二人

クラベル校長は言葉を濁していたが、一連の流れからついに二人も自分達の噂についての全貌を察していた

まさか自分達が妊娠していたと思われていたとは……

急に恥ずかしくなった二人であった
 ▼ 79 レユータン@おだんごしんじゅ 25/09/08 21:05:12 ID:3i4.G0a2 [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうして一連の騒動は幕を閉じた

終わってみれば案外、あっさり解決するものである

所詮噂話は噂話なのだ


まだ少し時間はかかるかもしれないが、これでハルト達には元通りの日常が戻ってくるだろう


……と思われていたが、ここで新たな問題点が二点ほど浮上していた
 ▼ 80 ーディン@たんけんセット 25/09/08 21:49:42 ID:3i4.G0a2 [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その前にもう一つ発生していたとある修羅場をご紹介しよう


ハルトママ「はぁぁぁ……あなをほるのわざマシンがあったら覚えたいわ……」


ハルトの母親。彼女もクラベル校長から結果報告を受け、ことの真相を知ったところだった

思えば全ての原因は自分である

どうしてあのような勘違いをしてしまったのだろうか……

もしこのことがママ友の間に広まってしまったら、自分はどんな顔をしてママ友会に参加すればいいのだろうか


ハルトママ「……なんて、そんなことどうでもいいわよね。あの子はもっと大変な目に遭っていたはずよ。まずはハルトのメンタルケアが第一ね」


我が子のために、と気持ちを切り替えようとする

……が、どうしても頭から切り離すことのできない疑問があった


ハルトママ「……元はと言えばあの人があんなことをするから。ハルトもあの人と同じなんじゃないか、なんて考えがよぎっちゃったのよ。……いえ、ま、まさか……あの人のことも私の勘違い……なんて可能性もあるんじゃ……?」


そう。今回これだけ大きな勘違いをしたのだ

以前にもとんでもない勘違いから大事になってしまった前例があったとしても、不思議ではないかもしれない

作者は全くそちらの方面までは考えていなかったが、言われてみれば読者諸君の言う通りである

ハルトの母親はどうしてもこの可能性に関して、真実を確かめなければ気が済まなかった
 ▼ 81 タージャ@かしらのしるし 25/09/08 22:02:07 ID:3i4.G0a2 [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトママ「……」

元夫の電話番号を入力したところで、指が止まる

少し冷静になる。真相を確かめたとしてそれがなんだというのか

事実だとすれば、ハルトにも同じ遺伝子が流れていると言う現実を再確認するだけだ

もし自分の勘違いだったとしても、彼は自分を恨んでいることだろう。今さら復縁など出来るはずもない


ハルトママ「……やっぱり確かめる意味なんてないわよね。はー、やめやめ!」ピッ


……しかし普通に指が滑って送信ボタンを押してしまった


ハルトママ「あぁっ!えぇとやめるにはどうすれば……!」


何も難しい操作などないはずだが、ついパニックに陥ってしまい、時は既に遅かった


ハルトパパ『はいもしもし』

ハルトママ「私よ。……元気してた?」

ハルトパパ『なんだ君か……今月の養育費なら振り込んだはずだ』

ハルトママ「ええ、確認済みよ」

ハルトパパ『なら用はないだろ?連絡なんかしてくるな』

ハルトママ「……仮にも元夫婦でしょ。理由がなかったら連絡取ってはいけないの?」

ハルトパパ『いけないね。不要な連絡はするなと念を押して言ってきたのはそっちの方だろう』

ハルトママ「……そうだったわね」

ハルトパパ『ったく、勝手なやつだ』
 ▼ 82 イケンキ@ノーマルジュエル 25/09/08 22:23:04 ID:3i4.G0a2 [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトママ「勝手なのはどっちよ!そもそもあなたが……」


そこまで言いかけて、言葉が出なくなる

そうだ。今日はあの日の真実を確かめたかったんだ

もうここまで来てしまったのだ。一度は不要だと判断したが、やはり確かめざるを得ない


ハルトパパ『あぁ?なんだよ』

ハルトママ「……」


聞く前に一度よく思い出してみる

元々数ヶ月前から怪しさはあった。そこで彼女は探偵に浮気調査を依頼したのだ

思い返せばその探偵も頼りない感じではあった

赤いジャケットをトレードマークとした青年で、年齢は大学生くらいに見えた

こんな若い青年に本当にちゃんとした調査が出来ていたのだろうか?

それに彼は相棒のポケモンにまるで会話が成立しているかのように話しかけていたような……変わったところがあった

そんな怪しい探偵の調査結果を鵜呑みにしていた自分は、本当に正しかったのだろうか


ハルトママ「あなた。本当は……」

若い女性の声『ねぇダーリン、早く戻ってきてよぉん♡』

ハルトパパ『ああハニー。すまないね。昔の女がうるさくってさ』

ハルトママ「!? あ、あなた……今誰といるの!?」

ハルトパパ『誰って、新しいハニーに決まってるだろ』

ハルトママ「……」


婚姻は解消されている以上、彼が誰と一緒にいても文句を言うのは筋違いである

しかしよりによって最悪なタイミングだった。文句の一つも言いたくなってしまう


ハルトパパ『それで?いい加減に話すなら話せよ。用はあるのか、ないのか』

ハルトママ「……っ、ふぅー……」


怒りをグッと抑える。ここでこちらが怒り出しては、あの日と同じだ
 ▼ 83 ンパチ@なぞのすいしょう 25/09/08 22:25:59 ID:8pgsdPaE NGネーム登録 NGID登録 報告
ハルトママよ、頼むから早まった真似はしないでくれよ…?
 ▼ 84 リージオ@ファイヤーのおやつ 25/09/08 22:31:51 ID:3i4.G0a2 [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
複数の若い女性の声『ダーリン、ねぇってばぁ〜♡』

ハルトパパ『慌てるなってハニー“達”!』

ハルトママ「なっ!た、達って……あなた今何人と関係を持っているの!?」

ハルトパパ『何人って、そりゃガラル人だよ』

ハルトママ「なにじん、じゃなくてなんにんか聞いてるの!!」

ハルトパパ『今日のところは……五人かな』

ハルトママ「今日は、って……!!」


聞くまでもなかった。やはりこの男は碌でもない存在だったのだ


ハルトパパ『しかし折れないな。電話越しでも怒りが伝わってくるぞ?それでも電話を続けるあたり、相当な用があるみたいだな。だが言い出しづらい話題でもあると』

ハルトママ「……っ!」


流石は仮にも元夫婦。元妻のことはおみとおしである


ハルトパパ『となると……息子に何かあったな?』

ハルトママ「…………」

ハルトパパ『もしやハルトのやつ、俺みたいに浮気でもして騒ぎになったんじゃないか?なーんて、あいつに限ってそれは……』

ハルトママ「っっ!!!」ガチャッ!ツーツー…


真相こそ判明しているものの、ほぼ図星を突かれてついに怒りが頂点に達した

思わず電話をぶつ切りしてしまう

しかしその無言こそが、逆に答えとなっていた


ハルトパパ「マジかよ……ハルトめ、なかなか男上げたみたいだな」

ハニー達「ダーリン、電話終わった?」

ハルトパパ「ま、俺にはもう関係ないか!ヒャッホーウ!今行くぜぃハニー達ぃ〜♡」


───男は今日も、欲望に忠実に生きていた
 ▼ 85 グカルゴ@コオリZ 25/09/08 22:35:19 ID:Hi8cMkcw NGネーム登録 NGID登録 報告
ハルトパパどこぞのガラルの男主人公と思考が同じやんけwww
 ▼ 86 ャローテ@せいなるはい 25/09/08 22:36:22 ID:Zss.5UQA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 87 つばん@シルシュルーのインク 25/09/09 18:44:16 ID:SP3kk202 [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さて、アカデミーの方へ話を戻すとしよう

ついに幕を下ろしたかのように見える今回の噂騒動

しかし彼だけは未だにその真実を知らないままでいた


ハルト「はぁ……これくらいで体調が悪くなっちゃうなんてだらしないな、僕。僕には背負わなきゃいけない責任があるんだ。また明日から頑張らなきゃ……!」


よりによって、あるいは毎度お馴染みというべきか、当の本人である

ハルトはこの日、謎の体調不良に襲われ医務室で眠っていた

そう。全校集会のまさにその時間にも、深い眠りについていたのだ



そしてもう一つの問題も発生しようとしている

こちらの場合は問題というほどではないかもしれないが……

学生というのは相も変わらず噂が好きな生き物である

その内容が色恋沙汰ともなればより大きな話題となる


「いやー、結局ハルトくんは冤罪だったんだね」
「そりゃそうだよ!彼ほどの優等生が純愛以外を好むわけがない」
「そうだ、聞いた?1-Aの子が言ってたんだけどさぁ、ハルトくんはネモちゃんが好きなんだって!」
「へぇ、つまり例の噂は間違いだったけどネモさんと付き合うことになるのは時間の問題ってわけか」
「は?ボタンちゃんの間違いだろ?」
「うむ。ハルト殿が好きなのはボタン殿で間違いないでござる」


「「「ハルネモこそ正義!!!」」」
「「「いいやハルボタこそが至高!!!」」」


こうしてオレンジアカデミーの次の大きな話題として、カップリング論争が勃発したのだった
 ▼ 88 ルップル@ダートじてんしゃ 25/09/09 18:47:20 ID:NILcdOak NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 89 ラーミィ@ハムスライス 25/09/09 19:02:30 ID:SP3kk202 [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
実際にはハルトは既にボタンと交際をしている

しかしその事実を知る者は二人と特別親しい仲のスター団やネモくらいだ。ちなみにペパーはまだ知らない

ハルトはアカデミーにおいて非常に有名な生徒である

転入してからわずか数ヶ月でポケモンリーグチャンピオンになり、みなが恐れていた不良集団に立ち向かって更生させ、ぬしポケモンも倒したという噂まである

ボタンも有名な方である

人見知りを自称している彼女だが、その実態は困っている人を見捨てられない性分である。さらにスター団を通じて多学年の知り合いも多いため、その叔父譲りの天才的な数学の頭脳を頼ってきた上級生も多い

だがネモはさらにその知名度を上回る。生徒会長でありポケモンリーグチャンピオンである彼女の名を知らない生徒は存在しないと断言できる

ゆえに、事実とは裏腹にハルネモを推す声が優勢である。チャンピオン同士のビッグカップルの誕生を期待する声は大きかった


そして翌日……


ハルト「おはよー」

「おはようハルトくん!」
「昨日は大丈夫だった?」
「また勉強教えてよ!!」

ハルト「うえぇっ!?」

「って、謝るのが先か……」
「あの……ごめんねハルトくん!最近ずっと避けてたよね……」
「またゼロから友達になってくれる?」

ハルト「……うん!もちろんだよ!!」


嫌われていたはずの自分が唐突に歓迎されたことに驚くハルトだったが、このフレーズを経験済みのハルトは快く謝罪を受け入れた

ひとまず彼の日常は戻ってきたのだ
 ▼ 90 ラルジグザグマ@ゴーストメモリ 25/09/09 19:35:47 ID:SP3kk202 [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネモ「おはようハルト!今日は体調大丈夫そ?」

ハルト「うん、もう平気だよ。心配かけさせちゃってごめんね」


ハルトはついネモの胸に目がいってしまうのを抑えようと、彼女の目を真っ直ぐ見ながら話す

その様子を見たクラスメイト達はこう勘違いしたようだ


(きゃーっ!ハルトくんったらあんなに情熱的にネモちゃんのこと見つめちゃって!)
(やっぱりネモちゃんのことが好きなのね!)


ハルト「ネモこそ今日は調子どう?」

ネモ「私?全然元気だよー。でも今日も暑いね。またすぐバテちゃいそう」

ハルト「そりゃ大変だ!冷やすものを用意しとくね!」

ネモ「そこまでしなくてもいいのに。自分でやるよー」

ハルト「いいから待ってて!ね?」

ネモ「うーん?まあいいや。それならお願いね」

「ハルトくん、ネモちゃんのことになると過保護だね」
「それだけネモちゃんのことが大切なのよ」


クラスメイト達はやはりハルネモ推し派閥のようだ
 ▼ 91 ンベアー@スーパーボール 25/09/09 19:46:37 ID:SP3kk202 [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キーンコーンカーンコーン

ジニア「おっと、時間ですねえ。それではこれで一時間目の授業を終わりまあす」

生徒達「ありがとうございましたー」

ハルト「こうしちゃいられない!次はボタちゃんのとこ行かなきゃ……!」

ネモ「ねえハル……あれ?ハルトは?」

隣子「凄い勢いで走って行ったよ。あんなに急いでどこ行くんだろうね」


ネモというものがありながら、と言わんばかりのハルトの隣の席の女子。ちなみに読み方はリンコだ


ネモ「えーっ!昨日出来なかった分、ポケモン勝負したかったんだけどなー!」

隣子「いくらなんでも休み時間くらい我慢しなよ……」

ネモ「ねえねえ、代わりに誰かポケモン勝負しに行かない!?」

「いやぁ……」
「それは……ねぇ?」
「やっぱりハルトくんを待った方が……」


クラスメイト達は応じない

決してネモとポケモン勝負がしたくないわけでも、短い休み時間にまでポケモン勝負をしようとする戦闘狂っぷりに呆れているわけでもない

ただネモにとっての愛情表現と思われるポケモン勝負の相手は、ハルトしかいないだろうと思っているのだ
 ▼ 92 ィンルー@ベトベターのどくそ 25/09/09 19:57:58 ID:SP3kk202 [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「ボタちゃんいるー?」

「お!ハルトくんじゃあないか!」
「おーいボタンちゃん、ハルトくんが来たよ!」

ボタン「ん?おおハルト。どしたん急に」

ハルト「今日の調子はどうかなって」

ボタン「うちは平気。そっちこそどう?昨日医務室で寝てたって聞いたけど……こっちもいろいろ忙しくてお見舞い行けなかったん。ごめんね」

ハルト「僕は大したことないよ。君が元気ならそれが一番だよ」

(きゃーっ!かっこいいこと言っちゃってー!)
(やっぱり二人ってそういう関係なんじゃないの!?)


短い休み時間にわざわざ別のクラスにまで顔を出してくるハルトに、ボタンのクラスメイト達は大興奮だった

ネモのクラスメイト達がハルネモ派閥なら、当然こちらはハルボタ派閥である


ボタン「って、それだけ?もう次の授業始まっちゃうし」

ハルト「いいじゃないか、それだけの用で来たって。だって僕達……」

「えっ!?何!?」

ハルト「おっと……なんでもない!それじゃねっ!」

ボタン「……///」


だって僕達付き合ってるんだから、と言いかけてしまったハルトと顔を赤くするボタン

これはもう確定だろうと大盛り上がりの1-Dだった
 ▼ 93 ワッス@クラフトキット 25/09/09 20:41:32 ID:SP3kk202 [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「え、なになに?ハルトくん来てたの?」
「うん。ボタンちゃんに会いにね」
「へぇ〜!やっぱりそうなんだぁ!」

ボタン(うっ……!質問責めの刑に処されるぅぅ……っ!)

キーンコーンカーンコーン

「あ、時間だ」
「いっけね、準備してなかったわ」
「みんなー、席ついてー」

ボタン(……あれ?)


さっきハルトは何を言おうとしてたんだ!?と問い詰められるだろうと覚悟していたボタンだが、クラスメイト達は意外にもあっさりと退散していった

彼らはカプ推しをしているからこそ、それ以上踏み込むような野暮な真似はしないのだ

紳士的な一面と言えるかもしれないが……それが原因で前回のような「本人達の知らないところで勝手に噂が広まっていく」という奇妙な状況が生まれてしまったのかもしれない

どのような要素がどのような方面に作用するか分からない。それが噂話の恐ろしいところである
 ▼ 94 リコオル@みどりのプレート 25/09/09 20:57:59 ID:SP3kk202 [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
放課後。生徒達の自由な時間が始まる

ハルトはボタンに会いに教室の前まで来ていた


ハルト(ふぅ……やっと学校終わったよ。いや、僕の戦うべき時間はこれから始まるんだ)


扉を開く前に息を整える。なぜなら今彼女のことを見ると今までにない感情が湧いてくるからだ


ハルト(それにしても今朝会った時のボタちゃん、凄くかわいく見えたな。今までこんな感じだったっけ……///)


答えは×である

なぜならボタちゃんはいつでもかわいいからだ

性の悦びを知って以来、彼には今までとはまるで違う景色が見えていた

彼女の笑顔と一挙一動を見るたびに、自分の体が自分の体でなくなっていくかのようだった

昨日のようにならないようにと、こうして呼吸を整えなければどうにかなってしまいそうだった


ハルト(……よし!落ち着いた。これでボタちゃんを目の前にしてももう変な感じにはならないぞ!)

ネモ「ハルトオオオオオオオオオ!!!ここにいた!!」

ハルト「うわあっ!?ね、ネモ……」


意を決したところだったが、不意に大声で話しかけられた

急に叫ぶ兄さんは嫌いだ……


ネモ「ハルト!ポケモン勝負しようよ!!!!ねっ!!!」

ハルト「きょ、今日はちょっと……」

ネモ「やだ!聞こえなかった!!」

ハルト「は、はぁ……仕方ないなぁ」


ネモのことも無碍にするわけにはいかない。ハルトは渋々申し出を承諾する
 ▼ 95 バルドン@ていこうのもち 25/09/09 21:12:56 ID:SP3kk202 [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ボタンちゃん、いいの?」

ボタン「えっ?何が?」

「ハルトくん。ネモさんとどこか行っちゃったみたいよ」

ボタン「あー、じゃあポケモン勝負だ。いいのもないし。いつものことじゃん」

「それもそっか。心広いねー。ちょっとくらい嫉妬しちゃいなよ」

ボタン「……や!別にハルトとうちはなんともないから!!」


思わず頷いてしまいそうなところだったが、なんとか否定が間に合う

もうバレバレのような気がするがやはりまだ自ら公言するのは恥ずかしいようだ

それにハルトが他の女友達と二人きりでいることを嫉妬する気にならない何よりの理由がある

それは彼女自身も異性の友達は多いからだ


ボタン「疲れて帰ってくるだろうしな。料理でも作って待ってよっかな」


協力を要請するため、ボタンもまた料理好きな男友達のところへ会いに行くことにした
 ▼ 96 シカマス@スチールメモリ 25/09/09 21:24:41 ID:SP3kk202 [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボタン「うーすペパー。ちょいと付き合ってよ」

ペパー「よっボタン。今日もなんか作るのか?」

ボタン「ん。これ……作ってみたいんよ」


スマホロトムで見つけてきたレシピを表示する

このように手の混みそうな料理を作る際は、ペパーと協力して作ることにしていた


ペパー「こりゃなかなか手間がかかりそうだな。オレの部屋来いよ!調理器具貸してやる」

ボタン「ありがと。最近世話になりっぱだね」

ペパー「気にすんな!ダチだろ?」


最近料理の研究を始めたボタンは、ペパーの指導を受けていた

しかしペパーにはなぜ急に料理に目覚めたのか、その理由までは伝えていない

またペパーの学年にも、今回のカップリング論争の話題は既に押し寄せていた

ペパーはどちら派なのだろうか


ペパー(こいつ最近こうしてオレの部屋ばっか来たがるよな。ということはやっぱり……いや絶対!!オレのこと好きだよな!?///)


……ボタンは自分のことが好きなのだから、ハルトの相手はネモだろう

彼はハルネモ派、そしてペパボタ派のようだ
 ▼ 97 リトドン@パワーバンド 25/09/09 23:17:07 ID:SP3kk202 [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボタン「よっ、ほっ」

ペパー「おっ、包丁さばき上手くなったじゃねえか。もう一人前だな」

ボタン「えへ、そかな……」

ペパー「けどまだオレにも頼ってくれよ?料理仲間いなくて寂しいんだよ。ハルトの料理は……ああだしな」


親友がサンドイッチを作る姿を思い浮かべる。それは調理というより具材を落としているだけだった


ボタン「うん。だからこそうちが……」

ペパー「ん?」

ボタン「……や!なんでもない」


ハルトのために料理を勉強し出したんだ、と言いかけてしまう

しかしこの鈍感男、これくらいでは気付かないようだ


ペパー(それにしても楽しそうな顔してるな。……そんなにオレと一緒に料理するのが嬉しいのか。へへっ、こっちまでニヤニヤしちまうぜ///)


そしてこの解釈である


ペパー「それにしてもよ、こうして並んでキッチン立ってるとよ……」

ボタン「ん?」

ペパー「な……なんだか新婚夫婦みたいだな!///」

ボタン「……は?」

ペパー「……わ、わりい、なんでもない。忘れてくれ……」

ボタン「う、うん……忘れる」


そうだった。彼女はつい昨日まで生徒達から妊娠していたと勘違いされていたのだ

昨日の今日でこの話題は無神経だった……そう深く反省したペパー

もっと根っこの部分を勘違いしているという発想は、やはり出てくる気配がなかった
 ▼ 98 ャリタツ@スライスチーズ 25/09/09 23:30:58 ID:SP3kk202 [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方その頃ハルトとネモ


ハルト「いっけぇ!ラウドボーン!!」

ラウドボーン「ボォーン!!」

ネモ「負けないでマスカーニャ!!」

マスカーニャ「テジナーニャ!!」

観戦している生徒達「うおおおおおおおっっっ!どっちもがんばれー!!」


グラウンドでチャンピオン同士の熾烈な戦いが繰り広げられる

一見豪華な対戦に見えるが、生徒達にとってはただの日常的な風景である

……のはずだが、今日はいつも以上の盛り上がりを見せる


ネモ「マスカーニャはギャラリーが多ければ多いほど燃えるエンターテイナーなんだよ!!弱点狙えっ!必殺のつじぎりーっ!!」

ハルト「し、しまった!!テラスタルはもう……!!」

マスカーニャ「えいっ」ペチッ

ラウドボーン「ぎゃー」ドサッ


面倒なので戦闘描写はこれくらいでいいのだ


ネモ「やったあー!ハルトに勝ったー!!」

ハルト「くっ!今日は僕の負けか……みんな、お疲れさまでスター」

ネモ「それにしても今日はなんだか熱狂したねぇ!こんなの久しぶりじゃない?」

ハルト「見に来てくれた多かったね。どうしてだろう?」

ネモ「んー……まあ理由なんてないよ!みんなポケモン勝負が好きなんだよ!!」



「くぅー、凄い迫力だったな!」
「これが二人流の愛情表現かぁ」
「これからは夫婦ポケモン勝負師として応援したいね!」


……やはりみな期待していたことはそちらの方面だったようだ

ただの日常風景も、それがカップルだと思うと全く違った対決に見えるのだ
 ▼ 99 リキザン@ノノクラゲのヒラヒラ 25/09/09 23:34:21 ID:KZ2AD3Bw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おいたわしやペパ上……
 ▼ 100 ュカイン@こうてつプレート 25/09/09 23:40:36 ID:SP3kk202 [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネモ「ふー、疲れた!やっぱりハルトとの勝負はサイッコーだよ!!」

ハルト「それは嬉しいんだけど……あまり無理しないでね」

ネモ「へ?なんで?」

ハルト「だって……いや、なんでもない」

ネモ「?」


ここで言うようなことじゃないと、発言を控える

聞き返される前に話を変えたいところだ。そんなタイミングで、ちょうど次の話題が舞い降りてくる


ハルト「あ、ボタちゃんから連絡来た。気合い入れて料理作ったから終わったら来てってさ!」

ネモ「やったー!もうお腹ペコペコだよ」

ハルト「えへへ……今日もボタちゃんの料理楽しみだなぁ」


「これは……どっちだ?」
「ハルネモだ!」
「いいやハルボタだ!!」


先程までネモと白熱したカップルポケモン勝負を繰り広げていたと思ったら、今度はボタンの料理への期待から笑みが止まらないハルト

どちらが本命とも取れるハルトの様子に、生徒達の論争は続いていくのだった
 ▼ 101 エスパトラ@すくすくこやし 25/09/09 23:50:39 ID:SP3kk202 [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「来たよー」

ネモ「お腹空いたー!」

ペパー「おう!いらっしゃい」

ボタン「ナイスタイミング。ちょうど終わったとこなんよー」


ペパーの部屋に仲良しメンバーが集う

……そう、少し前までは仲良し四人組だったのだ

それが今となっては、ハルトとペパーは盛大な勘違いを抱えたまま接している

ボタンはハルトとの交際を隠しつつ、なるべくいつも通りでいようとしている

本当にいつも通りなのはネモくらいだろうか

気付けばあと一歩間違えればドロドロとした関係になりそうな危うい四人組になってしまっていた


ペパー「そんじゃ、全ての食材に感謝を込めて!」

一同「いただきますっ!」


お前はトリコ?


ハルト「ん〜っ!美味しい!!」

ボタン「ほっ。良かった……」

ハルト「もっと自信持ちなよ!ボタちゃんの料理は最高だよ!!」

ボタン「……///」

ネモ「ふぅ〜ん」ニヤニヤ

ペパー「なんたってオレと一緒に作ったからな!!」


今までより距離の近い二人にはまるで気付かず、オレ達二人の愛の成果だと言わんばかりのペパー

普通に可哀想になってきた
 ▼ 102 ピカ@ピーピーエイド 25/09/10 00:02:27 ID:TPvU4Vgc [1/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「ふぅー、美味しかった」

ネモ「持つべきものは料理上手の友達だね!それにしても今日はいつも以上に良かった気がするよ」

ペパー「そりゃあ……なあ?///」

ボタン「ぁ……ァィガイチバンノスパイス……的な?」

ハルト「え?なんだって?」

ボタン「な、なんでもないし!!」

ペパー(オレ達二人の愛により最高のスパイスが出来たってか?へへ……照れるぜ///)

ネモ「ほうほう」ニヤニヤ

ペパー(……!?ネモ……まさか気付いてるのか!?)


違います


ハルト「さてと!片付けは僕がするよ。二人は休んでて」

ボタン「はーい。ありがと」

ペパー「わりぃな。頼むぜ」

ハルト「え?ごめん。二人って、ボタちゃんとネモのことだよ」

ペパー「オレも作ったんだけど!?」

ハルト「そ、それは……ほら、レディーファーストだよ」

ネモ「なんか悪いなぁ。いいよいいよ!私がやるからペパーも休んでなって!」

ペパー「そうか?じゃあ……」

ハルト「いいから!ネモは座ってて!!」

ネモ「わ、分かったよ……そんなに大きな声出さなくてもいいじゃん」

ペパー「……いいよ。元からオレがやるつもりだったし。オレの部屋だし……」


……今はまだ、四人の関係は良好のようだ
 ▼ 103 ロンダ@フワンテのガス 25/09/10 00:07:49 ID:gYSwVi9. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 104 チート@ダイゴへのてがみ 25/09/10 00:11:43 ID:TPvU4Vgc [2/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
数日後。とある休日の日

オレンジアカデミーは全寮制の学校ではあるが、遠くない場所に自宅がある生徒の大半は土日には帰宅する

ハルトもその例に漏れず、毎週末は必ず家に帰っていた

冒頭の出来事も日曜日の夜のことである

しかしその一件以降、母親と顔を会わせづらくなったハルトはあまり家に帰っていなかった


ハルト「はぁ……今日はどうしようかな。そろそろ……いや、でも……」


母親からは次にいつ帰るのか、と催促の連絡が何度か来ていた

母親の視点でいえば既に勘違いは解けている。しかしハルトの視点ではまだ誤解が継続したままだ

よってハルトが一方的に帰りたがらないだけだった


ハルト「ん?電話だ。誰だろう……えっ!?こ、この番号は……!」


そんな時、思わぬ人物からの連絡を受ける
 ▼ 105 ゲキ@やきチョリソー 25/09/10 00:23:22 ID:TPvU4Vgc [3/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「……」ソワソワ


緊張した表情のハルト。彼は今、件の人物からの連絡を受けて空港に来ていた

その人物とは、会いたいとも会いたくないとも、どちらとも言える人物だった

だが今ハルトは様々な悩みを抱えた時期である

あんな奴でも会えば気が楽になるかもしれない……

そう僅かな期待を胸に、思い切って行ってみよう。そう決断したハルトなのだった


ハルト「まだかな……いやでもいっそ来なくてもいい……」ソワソワ

ハルトパパ「だーれのこと言ってるんだ?来なくてもいいだなんて泣いちゃうよ」

ハルト「わぁっ!?パ……パパっ!!」


突然後ろから抱き抱えられる

この感覚は実に久しぶりだった

そう、連絡してきた人物とは、ロクデナシ親父だったのだ


ハルトパパ「ちょっと見ない間にでっかくなったなぁ〜。ズバリ……3センチ!!」

ハルト「へへへ……正解。久しぶりだね、パパっ!!」ギューッ

ハルトパパ「おっと!さてはパパがいなくて寂しかったんだな?いいぜ、好きなだけ甘えな」


頭を撫でられ、細かい情報を言い当てられ、思わず笑みがこぼれてしまう

先程まで本当に会うべきかと悩んでいたのが嘘のようだ。こんな男でもやはり父親なのだ

気付けばハルトは、年相応の少年として父親に抱きついていた
 ▼ 106 ラカラ@ブリザポスのおやつ 25/09/10 00:31:20 ID:TPvU4Vgc [4/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトパパ「ところでハルト、ちゃんとママには内緒にしてくれたか?」

ハルト「う、うん。話してないよ」

ハルトパパ「ふぅ、良かった。あいつにバレたら即刻帰国させられるだろうからな」

ハルト「……本当にいいの?ママに会わなくて」

ハルトパパ「いいって。だって俺のいない間、ママはパパのことなんて言ってた?」

ハルト「ボロカス言ってた」

ハルトパパ「だろうな」


実際にボロボロのカスなのだから仕方ない


ハルトパパ「さーてと!パルデア地方ってのは初めてでな。案内頼めるか?」

ハルト「うんっ!任せて!!課外授業でいっぱい冒険したから僕詳しくんだ〜」

ハルトパパ「ほう、そんな授業があるのか。学校楽しいか?」

ハルト「……楽しいよ!!友達も沢山いるし」

ハルトパパ「そっか……」

ハルトパパ(やっぱりこいつ、何かあったな)


僅かな間を、父親は見逃さなかった

ボロカスロクデナシ親父とはいえ、父親という生き物はやはりどこまでも父親なのかもしれない

彼は今日、その為に来たのだ
 ▼ 107 ルップル@バター 25/09/10 00:45:10 ID:TPvU4Vgc [5/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトパパ「……よし!遊園地でも行くか!」

ハルト「え?パルデア観光はいいの?」

ハルトパパ「遊園地が一番の観光地だろ?」

ハルト「子供みたいな考えだね……」

ハルトパパ「子供が言うな!それにな、悩んでる時はパーッと遊んで忘れるのが一番ってもんだ!」

ハルト「なっ!べ、別に悩んでなんか……」

ハルトパパ「それでいいさ。無理に話せとは言わねえよ」

ハルト「……」

ハルトパパ「ほら!いいから行くぞ!」

ハルト「う……うんっ!」


無理矢理手を引かれていくハルト

しかし全く悪い気はしなかった

久々に握る父親の手は、いつもより暖かい気がした
 ▼ 108 クオング@きんのナナのみ 25/09/10 00:57:58 ID:TPvU4Vgc [6/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルデア地方を代表する遊園地に到着する。実はハルトもここへ来るのは初めてだった


ハルトパパ「よっしゃー!ガンガン乗ろうぜ!どれがいい!?」

ハルト「じゃあまずは……ジェットコースター!!」

ハルトパパ「えっ……う、うん。いいよ?」アセダク


ハルト「ヒャッハー!!!」

ハルトパパ「アバババババババババ」


この男、格好つけた割に絶叫系が苦手のようだ


ハルト「だらしないねパパ」

ハルトパパ「は、ハルト……お前よく平気だな……」

ハルト「コライドンのおかげかなぁ〜」


ハルトパパ「お、ネズ公がいるじゃねえか。ハルト、写真撮ってやろうか?」

ハルト「うんっ!」

イッカネズミ(父)「ハハッ!」

ハルトパパ「父だろ」パシャッ


ハルト「パパ見て!ポップコーン!買って!!」

ハルトパパ「どれどれ。ひでんスパイス味?……高っ!!」

ハルト「遊園地価格だもんしょうがないよ」

ハルトパパ「そ、それにしたってこれは……ええい分かった!買ってやるよ!!」


ハルト「パパー!!」

ハルトパパ「楽しいなぁハルト!!」



……ハルトは全てを忘れてめいいっぱい楽しんだ

彼は母子家庭ゆえか、人一倍しっかりしなくてはならないという意識が強かった

大人びているね、しっかりしているね、と大人たちは口々に褒める

しかしそれは本当に褒め言葉なのだろうか?

今日の姿こそが彼の本来の姿と言っても過言ではないはずだ

彼はこの日だけは、年相応の少年に戻っていた
 ▼ 109 チ@ホイップポップ 25/09/10 01:05:30 ID:TPvU4Vgc [7/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……美しい夕焼けが見えてきた時間帯

二人は観覧車に乗っていた


ハルト「わぁ〜!綺麗だなぁ」

ハルトパパ「ふぅー、ふぅーっ……」

ハルト「……もしかしてパパ、高いところダメなの?」

ハルトパパ「あぁ……気付いちゃった?」

ハルト「言ってくれれば僕一人で乗ったのに」

ハルトパパ「それじゃあ意味ないだろ。せっかくここまで来たんだから。どうだ?楽しいだろ、パパと二人の遊園地」

ハルト「うん!」

ハルトパパ「女の子と一緒に来るのとどっちが楽しい?」

ハルト「そんなのパパに決まってるじゃん!」

ハルトパパ「そうか?俺は女の子と一緒の方がいいけどなぁ」

ハルト「えぇー……」

ハルトパパ「……そんでハルト。何かあったのか?」

ハルト「……っ!」

ハルトパパ「言いたくないなら言わなきゃいい。けどここは、せっかくの二人だけの空間だ。今じゃなきゃ話せない本音ってのも、あるんじゃないかい?」

ハルト「それは……そう、かもね……」

ハルトパパ「なんでも受け止めてやる。思い切って言ってみな」

ハルト「……うん」
 ▼ 110 ソッキー@テラピースむし 25/09/10 01:11:28 ID:TPvU4Vgc [8/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方、時は少し遡りハルト宅前


ボタン「……」ウロウロ


ボタンは入ろうか入らまいかと迷っていた

彼女はハルトの母親にとある相談をしに来たのだ

しかし内容が内容だけに、やはりやめておくべきかと躊躇してしまう


ハルトママ「さてと、そろそろ洗濯物を……」

ボタン「あっ」

ハルトママ「あら?ボタンちゃん!どうしたの?ハルトなら帰ってないわよ」

ボタン「えと……お母さんに話が……やっぱないような……」

ハルトママ「まあいいわ。立ち話もなんだしとりあえず入りなさい」

ボタン「はい……」


強制入場トラップが発動してしまった
 ▼ 111 ャヒート@ミネラルよせだま 25/09/10 01:17:30 ID:TPvU4Vgc [9/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトママ「それで、私に話って?」

ボタン「……」

ハルトママ「……話し辛いことみたいね?」

ボタン「うん……」

ハルトママ「大丈夫。無理はしなくてもいいからね。話したくなったらでいいのよ」


ハルトの母親は判断しかねていた

ここに来るということは、相談の内容はハルトのことについてだろう

否、もう一つの可能性もあるかもしれない。ボタンは海外留学中であり、簡単に親に会える立場ではない

その為母親代わりの存在として自分を頼ってくれているのかもしれない

出来れば後者であってほしいと願いながら、ハルトの母親はボタンが口を開くのをゆっくり見守っていた


ボタン「……ハルトのことで相談が……」

ハルトママ「あちゃー……やっぱりそうなのね……」


残念ながらハルトのことだった

バカ息子は今度は何をやらかしたのか。いや、悪い話とは限らない

いい意味での相談であってくれと願いながら、次の言葉を待つ


ボタン「……悪い意味の相談で……」

ハルトママ「あちゃー……」


悪い意味の相談だった
 ▼ 112 ブネーク@ダークメモリ 25/09/10 01:25:53 ID:TPvU4Vgc [10/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボタンにはこの数日、気になっていることがあった


ハルト「ネモ、僕の手を握って。ゆっくりでいいからね」

ネモ「ありがとー。ふぅー、助かるよ。相変わらず地獄の階段きっついなぁ」


ハルト「荷物重くない?僕が持つよ」

ネモ「これくらい平気だよー」

ハルト「いいから」

ネモ「わっ!……まあ持ってくれるならありがたいけどさ」


ハルト「ポケモン勝負の最中は流れ弾に気を付けてね!そうだ、ひかりのかべを覚えたポケモンを常にネモの隣に出しておけば……!」

ネモ「そ、そこまでする?」


……とこのように、ハルトは過剰にネモのことを気遣っていた

とはいえ、ボタン自身もまた同じようにハルトに気を遣われていた

本来ならこれくらいのことを気にすることはなかったはずだ

しかしボタンはハルトの父親の話を聞いてしまっている。よって一つの可能性が思い浮かんでしまっていた


ボタン「ハルト、浮気してる……かも……」

ハルトママ「!!」
 ▼ 113 ジオ@ダークボール 25/09/10 01:34:34 ID:TPvU4Vgc [11/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトママ「そう……ハルト……ウワキシテル……」クワッ

ボタン「ひぃっ!?」


自分が怒られているわけではないのに思わず退いてしまう

何かの悪魔が誕生しそうな景色が広がっていた


ハルトママ「……確かなの?それは」

ボタン「わ、分かんない……違うって思いたい……けど……」

ハルトママ「ハッキリなさい!!」

ボタン「ひゃいっ!!ご、ごめんなさいいい!!」

ハルトママ「あらやだごめんなさいね。ボタンちゃんのことを怒っているわけじゃないのよ。落ち着いて、そう思った経緯を話してくれる?」

ボタン「じ、実は……うち聞いちゃったんよ。ハルトのお父さんのことを……」

ハルトママ「……!そう……あの人のことを、ねぇ……」


ボタンはハルトのことを信じたかった

自分自身、父親に似てないことはよく言われてきた

子が親に似るとは限らないことはよく知っているつもりだ

だから、父親のことは全く関係ない……

いくらそう信じても、やはりどうしてもこの事実が頭を離れることはなかった
 ▼ 114 テッコツ@タツベイのウロコ 25/09/10 01:40:30 ID:aAfgVzDs NGネーム登録 NGID登録 報告
やな予感…
 ▼ 115 タシラガ@だれかのおとしもの 25/09/10 01:45:23 ID:TPvU4Vgc [12/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボタン「……というわけなんです」

ハルトママ「……」


ここ数日のことを洗いざらい話した

確かに話を聞く限りでは、ハルトのネモへの接し方はまるで伴侶を守らんとするそれに近い

せっかく疑惑は晴れたはずなのに再び同じ疑惑に直面するとは……

しかし実際にただの勘違いだったという前例がある

一度ネガティブな考えに陥ってしまっては、その先もずっと悪い景色に見えるはずだ

一方の視点の言い分だけで判別を行うわけにはいかない。そう考えたハルトの母親は思い切った提案をする


ハルトママ「じゃあハルトに真相を聞いちゃいましょう」

ボタン「えぇっ!?」

ハルトママ「だってそれが一番早いでしょ?」

ボタン「そ、それはそうだけど……」

ハルトママ「はい決まりね。もしもしハルトー?」
 ▼ 116 ルノリ@でんせつのメモ3 25/09/10 01:48:02 ID:TPvU4Vgc [13/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方その頃、観覧車に乗っている親子二人


ハルトパパ「なんでも受け止めてやる。思い切って言ってみな」

ハルト「うん……あ、電話だ」

ハルトパパ「ズコーッ!今かよ!なんてタイミングの悪いやつだ。どこのどいつだぁ?」

ハルト「ママだけど」

ハルトパパ「!?……下手に出ないと逆に怪しまれるな。よし、出ろ。ただしパパのことは言うなよ」

ハルト「うん。もしもしママ?」

ハルトママ『ちょっと話があるんだけど、今良かったかしら。あなた今どこにいるの?誰かと一緒?』

ハルト「……」チラッ

ハルトパパ「しー!しーっ!!」

ハルト「ひ、一人だよ。ちょっと散歩してただけ」

ハルトママ『そう。じゃあ今すぐ帰って来れるわね?』

ハルト「そ、それはちょっと……」

ハルトママ『どうしてよ。あなた最近全然帰ってないじゃないのよ』

ハルト「えっと、それは……だって……おっと電波が悪いみたいだぁー(棒読み)」ピッ

ツーツー…

ハルト「やべ……雑な言い訳で切っちゃった」

ハルトパパ「ふぅ……何は脱したな」

ハルト「脱したかなぁ!?」
 ▼ 117 スイバクフーン@でかいきんのたま 25/09/10 01:53:55 ID:TPvU4Vgc [14/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ツーツー…

ハルトママ「……」

ボタン「……」

ハルトママ「……聞いてた?」

ボタン「うん……」

ハルトママ「電波が悪いって言いながら実際に切れるだなんて、随分とタイミングが良いことね」

ボタン「やっぱり怪しいんじゃ……」

ハルトママ「そうだわ!GPS機能があるじゃないの。少なくとも居場所は分かるはずよね」

ボタン「あ、確かに」

ハルトママ「どれどれ、ハルトが今いる場所は……」

ボタン「えっ、ここって……遊園地……!?」

ハルトママ「…………」クワッ


自分の居場所も、誰と一緒にいるかも言えない理由

そして以前までは毎週帰っていたのにここ数週ほど帰っていない理由……

これらの観点から二人が導き出した結論は同じだった


ボタン「デートじゃん……絶対……」

ハルトママ「浮気確定……ね……」
 ▼ 118 ゲボウズ@ドリームボール 25/09/10 17:36:03 ID:TPvU4Vgc [15/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
遊園地といえばデートスポットの花形である

遊園地デートをすることはカップルとしての段階を大きく進んだと言っても過言ではない

ボタンはまだ、彼とはその段階までいけていなかった

つまり自分は本命ではなかったのか?浮気相手なのは自分の方なのではないか?

ただでさえ受け入れられない事実に、さらなる恐ろしい現実を知ってしまった


ボタン「う……ぅぅ……っ!」

ハルトママ「ボタンちゃん……あのバカ、こんないい子を泣かせて……っ!許さない……絶対に許さないわハルト、それにネモちゃん!!」

ネモ「呼びましたー?」

ハルトママ「!?」


……ハルトが現在浮気デートをしている相手はネモだろう

そう決めつけていたが、その当人が姿を現した


ネモ「空いてたんで勝手に入っちゃってすみません!これ、父が海外出張から帰ってきたのでそのお土産です!」

ハルトママ「あ……ありがとう……」

ボタン「……??」

ネモ「ボタンも遊びに来てたんだ!ってなんで泣いてるの!?」

ボタン「や……もうだいじょぶ……」


思いがけぬ人物の登場に、思わず涙も一瞬で枯れてしまう


ボタン「ネモ、遊園地にいるはずじゃ……?」

ネモ「遊園地?なんのこと?」

ハルトママ「3人……少なくとも、いるということね」

ボタン「!!」

ネモ「え、何が?」
 ▼ 119 バニー@まんぷくおこう 25/09/10 17:44:50 ID:TPvU4Vgc [16/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネモ「それにしても懐かしいなー、遊園地!もう何年行ってないかな?ねえボタン、今度一緒に行こうよ!ハルトやペパーも誘ってさ!」

ボタン「……考えとく」


今はそれよりも考えなければならないことがある

ネモも何年も行っていないということは、少なくとも知り合って半年ほどであるハルトと一緒に行ったことも、当然ないはずだ

現在ハルトと一緒にいるであろう第三の女は、二人よりも進んだ関係ということになる

つまり真の本命はその女だ。自分達は二人とも浮気相手であり、被害者という同じ立場なのだ


ハルトママ「ネモちゃん。また今度と言わず今から一緒に行かない?」

ネモ「え!?今からって……もうすぐ終わっちゃう時間ですよー」

ハルトママ「いいのよ。目的は遊びに行くことじゃないんだから」

ネモ「遊園地行って遊ばないってどういうこと!?」

ボタン「戦いに……戦いに行くんよ。女のプライドを賭けて……!!」

ネモ「意味が分からないよ!!」

ハルトママ「そうと決まれば急ぐわよ!!逃げられない内にっ!!」

ボタン「うんっ!!」

ネモ「あぁちょっと……待ってってばー!!」


状況はまるで分かっていないが、今の二人が暴走に近い状態であることは間違いない

このまま放っておくわけにも行かないと、とりあえず追いかけるネモなのだった
 ▼ 120 インディ@ぎんのパイルのみ 25/09/10 17:46:26 ID:lnPgecMo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 121 ラルマッスグマ@コマタナのやいば 25/09/10 18:11:55 ID:TPvU4Vgc [17/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人は遊園地の出口に到着する

パルデア歴の浅いハルトの母親とボタンは、ここへ来るのは初めてだった

まさかこんな形で来ることになるとは……などと考えている余裕もないのだが


ハルトママ「ここで待ち伏せしていれば必ず通るはずよね」

ボタン「ハルト……絶対に逃さない……っ!」

ネモ(あぁ、今ハルトを探してるんだ)


二人のあまりの気迫により今さらどんな状況なのかを聞けずにいたネモは、会話の節々からなんとか情報を読み取る

母親と恋人をこんなに怒らせるとは、並大抵のやらかしではないはず

そして遊園地という場所も相まって、なんとかハルトのやらかしに関して推察する


ネモ「……それは確かに許せないなぁ」


ようやく状況を理解するネモ

まあ結局それも勘違いなんですけどね


ハルトママ「そうだわ、もう既に逃げてる可能性もあるじゃないの。もう一度GPSを確認して……なっ!オフにされてる!?」

ボタン「そ、そんな……やっぱりやましいことがあるんだ……っ!!」

ネモ「えーっ!?じゃあまだ中にいるか分からないじゃないですか!」

ハルトママ「あ、あの係員さん!!この子達くらいの歳の子供、出ていきましたか!?」

遊園地出口にいるスタッフ「は、はぁ……沢山いましたけど」

ハルトママ「なんですって!?ハーレム状態だったってこと!?」

ボタン「ハルママ落ち着いて、今の聞き方だと何も分かんないし」
 ▼ 122 クロズマ@やきチョリソー 25/09/10 18:14:27 ID:tOPYhd7A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だんだんハルトが可哀想になってきた。女好きのクズの父親とヒステリックキ○○イの母親の間に生まれてしまったんだから、親ガチャ大失敗しちゃったな
 ▼ 123 つばん@PPかいふくポン 25/09/10 18:17:40 ID:VmHoH76c NGネーム登録 NGID登録 報告
意外とクズな父親がハルトに親身になってはくれてるから、母親よりは幾分かはマシかもしれない
 ▼ 124 ドロクツキ@ネコブのみ 25/09/10 18:21:31 ID:TPvU4Vgc [18/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトママ「えぇとじゃあ……背は低めで、可愛い感じの顔立ちで、髪の毛がアンテナみたいに立ってる男の子が、女の子と一緒にいませんでしたか!?」

スタッフ「うーん……どうでしょう……」

ハルトママ「くっ!これじゃあ絞れないか……」

ネモ「唯一目立つアンテナも帽子かぶってたら分からないですし」


我が子ながら平凡な顔をしてる。なんとか容姿の特徴を上げるも、これではやはり決定打にはならない


スタッフ(アンテナみたいな髪型の男の子ならさっき通ったわね。まあ一緒にいたのはお父さんらしきおじさんだったから違うと思うけど)


と思ったら案外絞れていた

一緒にいたのがよりによって女の子の対義語だったため、結局手掛かりを得ることは出来なかった


ハルトママ「はぁ……これ以上ノーヒントで探し出すのは不可能に近いわね。ごめんなさいね二人共。今日は解散しましょう」

ボタン「うん……」

ネモ「ボタン……辛かったね。明日こそ絶対捕まえようね!!」
 ▼ 125 ルジーナ@あかいくさり 25/09/10 18:37:25 ID:TPvU4Vgc [19/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方少し時を遡りハルトサイド


ハルト「ママ、何の用だったのかな?」

ハルトパパ「ま、まさか既に俺のことを気付いてるなんてないよな!?」

ハルト「大丈夫だよ。言ってないってば」

ハルトパパ「だといいんだが……ハルト、一応スマホのGPS切っとけ」

ハルト「そこまでする?ママそんなに束縛してこないよ」

ハルトパパ「分からないだろ。しようとしていた話の内容によっては追いかけてくるかもしれん。念には念をだ。別に切って困ることもないだろ?」

ハルト「ミニマップ見えなくなっちゃうけどまあパルデアの地形は全部頭入ってるしいっか。パパがそこまで言うならそうするね」

ハルトパパ「さらっと天才発言しやがったな。流石は俺の息子だ、全然俺に似てない」

ハルト「けど……もう帰っちゃうってこと?もしパパの懸念通りママが探してるとしたら、既にGPS確認済みで今まさにこっち向かってるかもだし……」

ハルトパパ「そうだな。ちと早いが退園するとしよう」

ハルト「……分かった」

ハルトパパ「そんな残念がるなって!まだパパはこっちにいるつもりだからよ。そうだ、今からパパが泊まる予定のホテル一緒に来いよ!中断されちまった話の続きもしたいしな。なんだったらお前も一緒に泊まってくか?」

ハルト「うんっ!!それがいいよ!!」
 ▼ 126 ゲキ@はいぶくろ 25/09/10 18:42:10 ID:mjjIrROk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホテル…泊まり……ヤバい
 ▼ 127 トーボー@キラキラメール 25/09/10 18:51:04 ID:UJ/gdRYA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
言えない人と朝帰りだなんて
 ▼ 128 クマ@ポロックケース 25/09/10 18:55:53 ID:TPvU4Vgc [20/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
二人は宿泊予定のホテルに到着した

そこはおおよそバツイチ独身男性泊まる宿としてはあまりに不相応な、想像よりも遥かに豪華な旅館だった


ハルト「パパ、こんなとこ泊まるの!?」

ハルトパパ「いいだろ?たまの海外旅行の時くらい背伸びしたいんだよ」

ハルト「もしかしてパパって結構稼いでる……?」

ハルトパパ「おうおう、ガキが親の収入の話は早えぜ。無理して背伸びしてるだけって言ってるだろ」


そう誤魔化す父親だったが、実際のところは懐には余裕がある

そもそも離婚後のハルト母子があれほどの立派な家に住めているのだ。元夫が払っている慰謝料も収入に見合ったかなりの高額である

流石はハイスペック主人公であるハルトの父親。女癖の悪さを除けばこの男も大概ハイスペックなのだ

流石のハルトもこの豪華なホテルを誰かに自慢したくなった


ハルト「ねえパパ、写真撮ってよ!」

ハルトパパ「おう、いいぞ。って……いいけどな、何度でも年を押すが絶対にママにはその写真見せるんじゃないぞ?誰と来たのか問い詰められるに決まってる」

ハルト「分かってるよ。友達に見せたいだけ」

ハルトパパ「それならいっか」


こうして今自身が追われている身だとは夢にも思っていないハルトは、恋人であるボタンにこの写真にこう文言を添えて送信しようとする


ハルト「めっちゃ豪華なホテル来た!っと……」ポチポチ

ハルトパパ「おいおいおい待て待てぃ!それ誰に送ろうとしてる!?」

ハルト「え?彼女だけど」

ハルトパパ「やめておけ。誤解されるかもしれないぞ」

ハルト「誤解?何が?」

ハルトパパ「いいからやめろォ!!」

ハルト「う、うん……分かった」


危ないところでした
 ▼ 129 ュゴン@あらしのせきばん 25/09/10 21:06:11 ID:TPvU4Vgc [21/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトパパ「ふぅ、やっと落ち着けるな」

ハルト「最後はゴタゴタしちゃったけど、楽しかったね!」

ハルトパパ「おう、楽しかったな。あとは若いおねーちゃんがいれば完璧だったなぁ」

ハルト「またそういうこと言ってぇ。でも僕分かってるもん!パパは口ではそんな風に誤魔化すけど、ちゃんと僕のことも大好きだよね!」

ハルトパパ「や、やめろ恥ずかしい。お前はどうなんだ?さっきサラッと言ってなかったろ。今彼女いるんだって〜?」

ハルト「あっ……!ま、まあね……///」

ハルトパパ「やるじゃねえか。流石は俺の息子だ」

ハルト「……そ、そんなことよりパパはいつまでこっちにいるの?」

ハルトパパ「誤魔化すなよ。聞かせてくれよ〜ん。あ、明日までにな」

ハルト「えっ!?そうなんだ……じゃあやっぱり聞いてもらいたい……かな」

ハルトパパ「お、彼女ちゃんの話しか?」

ハルト「いや……観覧車でしかけた話の方」

ハルトパパ「なんだそっちか……」

ハルト「……だけど彼女のことでもある」

ハルトパパ「よし聞こう」
 ▼ 130 ローラニャース@かたっぽピアス 25/09/10 21:07:58 ID:s84k0gUc NGネーム登録 NGID登録 報告
パパの方が若干まともなような
 ▼ 131 ンパッパ@おじぞうバッヂ 25/09/10 21:34:10 ID:TPvU4Vgc [22/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
相変わらずおちゃらけた態度の男である

本当にこの男が相談相手でいいのか迷い兼ねるが、もう一緒にいられる時間も長くないことを知ってしまう

男同士の方が話しやすいのか、どうせ明日にはいなくなる男だからどうでもいいのか、あるいはやはり父親というのは頼りになるのか……

理由は分からないが、ついにハルトは今の心境を語る


ハルト「実は……今付き合ってる女の子とは別の子のことも気になっちゃって……」

ハルトパパ「お、おう……そうだったのか」


流石に妊娠させてしまった(と思い込んでいる)ことは伏せながら、自身の不貞を告白する

言葉を選ぶ父親。本気で悩んでいそうな、解決策を探していそうな息子に対して、やはり俺の遺伝子かとでも言ってしまっては余計に悲しませるだけだろう


ハルトパパ「……その子達のどんなところが好きなんだ?」

ハルト「彼女は……ボタンちゃんっていうんだけど、あの子は凄く優しくてかわいくて、それに趣味も合うし人の為に尽くせる子で……」

ハルトパパ「めっちゃいい子じゃないか」


その後も次々と恋人の好きなところが出てくるハルト。結論から言ってしまえば、彼はボタンにベタ惚れである

最初のきっかけこそ、勘違いを原因として母親に強制的に交際をスタートさせられた、さらにその頃ハルトはまだ恋というものを理解していなかった、というところから初まっている

しかし、そういえばこのSSではあまり描写していなかったがこれまでの間にもデートを重ね、共に様々な経験をし、自分のために努力してくれる姿を見ていたり……とにかく彼女の良いところを沢山発見していた

もちろん人間には欠点というものもある。だがそれすらも守ってあげたくなる一因として愛おしく見えていた

自覚はあまりなかったが、彼はちゃんと彼女のことが好きなのだ


ハルト「……って感じかな」

ハルトパパ「ベタ惚れじゃないか。聞いてるだけでパパの頭の中お花畑状態だったぞ。何を迷うことがあるんだ?もう一人の方はどうなんだ」

ハルト「もう一人は……ネモっていう子で、その子は……同じクラスで、ライバルで、お向かいさんで……」

ハルトパパ「ん?他には?」

ハルト「えぇと……」


思っていたように好きなところが出てこない。結局彼の抱くネモへの好きは、友達としての好きだったのだ

なんだ、これなら迷う理由はないじゃないか。とボタンの方へ戻るようアドバイスしようとする父親だったが……

だがそう簡単に行かないのが思春期の男子というものである


ハルト「あとネモは……む、胸が大きい」

ハルトパパ「そうか……ハルト。ネモにしておけ」


やはり相談相手が間違っているようだ
 ▼ 132 イティオ@ズアのみ 25/09/10 21:36:52 ID:tj.Y0VAE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おいパパン
 ▼ 133 レユータン@つきのいし 25/09/10 21:58:38 ID:TPvU4Vgc [23/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルトパパ「まあ聞け。そうだ、知ってるか?なぜパパとママが結婚したか」

ハルト「え、なんだろ。聞いたことない」

ハルトパパ「当時俺はな、三人の女性に言い寄られていたんだ」

ハルト「ママもその一人ってこと?まさかママの方から行ってたなんて……意外だ」

ハルトパパ「今でこそこうなっちまったけどよ、俺の浮気がバレなければ結構ラブラブだったんだぜ」

ハルト「浮気してる時点でラブラブじゃないじゃん」

ハルトパパ「いいから聞けって。そんでな、三人のうち誰を選ぶか迷っていた俺は、それぞれに大金を渡してそれをどう使うか見てみることにしたんだ」

ハルト「……やっぱりパパって凄いお金持ち?」

ハルトパパ「一人目は美容の為に使った。俺の為にいつまでも美しい妻でいるためにお金を使ってくれたってわけだ」

ハルト「それがママかな?」

ハルトパパ「ママも美人だよな。まあ続きを聞け。二人目は投資に使った。俺を楽させる為にお金を増やしてくれたんだ」

ハルト「これはママじゃなさそう」

ハルトパパ「その通りだ。あいつはそんな不安定な択は取らないもんな。そして三人目は、家具を揃えたり美味しい料理を作るための道具を買ったり……家庭の為に使ってくれた」

ハルト「そっか、それがママだ!」

ハルトパパ「……そして俺は、三人目の女性を選んだ」

ハルト「やっぱり!パパはママの料理上手で家庭的な一面に惚れたんだね」

ハルトパパ「いいや、ママが一番おっぱいが大きかったからだ」

ハルト「んなっ!!じゃあ今のお金の使い方の話はなんだったんだよ!!」

ハルトパパ「おっぱいが正義っていう話だ。お前もおっぱいで選べば絶対に後悔しないぞ」


確かに───


ハルト「ナレーションまで!?あんたもボタちゃん派のはずじゃ!?」
 ▼ 134 クリュー@レイスポスのおやつ 25/09/10 23:19:27 ID:TPvU4Vgc [24/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「ぐぅぅ……!もう!パパの相談したのが間違いだった!」

ハルトパパ「そうか?俺はただ男として一般的な論理をだな」

ハルト「もう寝るっ!!」

ハルトパパ「そんなに怒らないでくれよ〜。そうだ、パパと一緒のベッドで寝ようぜ。なっ!」

ハルト「いい。来ないで」

ハルトパパ「今日しかないんだぞ?昼間はあんなに甘えてきたってのに」

ハルト「……」

ハルトパパ「まあいいや。パパはシャワー浴びてくる。気が変わったら教えてくれよー」

ハルト「……ふんっ。ずっと変わらないんだから。パパのバカ……」


久しぶりに再会した父親は昔とまるで変わっていなかった

怒っているように見えるハルトだが、内心では安心感のようなものも覚えていた

思春期の少年とは迷いと悩みを重ねる時期である。本格的な堅いアドバイスを出してくれるであろう母親よりも、こんな父親だからこそ話す気になれたのかもしれない


ハルト(ネモの胸……やっぱり同級生ではダントツで大きいもんなぁ……)


さっさと眠ろうとするハルトだったが、ベッドの中ではつい父親の言葉を思い出し、このようなことを考えてしまう

やはりこれは思春期の少年には避けられない運命なのだ


ハルト(ぁ……!ま、また股間が変な感じになってきた……っ///)

ハルトパパ「ハ〜ルトっ!上がったぞー」ガバッ

ハルト「わっ!?ちょ、ちょっと勝手に入ってこないでよ!!」

ハルトパパ「おんやぁ?なんだぁこの硬いものは」

ハルト「あっ……あぁっ!」

ハルトパパ「おやおや、ご立派な息子さんじゃあないですか。そうかそうか、お前ももうこんな歳か!」

ハルト「や、やめてよ……こんなの、変だよね……」

ハルトパパ「変?恥ずかしがることじゃないだろ。健全な男子の証拠じゃないか」

ハルト「……っ!?」


かつてミモザ先生にも同じことを言われたことを思い出すハルト

あの時はいまいち信じることが出来なかった。それをまさか二人の大人に同じことを言われるとは
 ▼ 135 チゴラス@トマトスライス 25/09/10 23:35:24 ID:TPvU4Vgc [25/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「ほ……本当にこれ、普通のことなの……?」

ハルトパパ「なんだ、まだ知らないのか。そいつはな、お前の体が大人に近付いている証拠だ。親になる準備は出来つつあるってことだ」

ハルト「はぁ?何の関係が……」

ハルトパパ「……本当に知らない?パパの前で下ネタトークするの恥ずかしいだけ?」

ハルト「し、知らないよ。だからさっきから何の話なの?」

ハルトパパ「そりゃお前、赤ちゃんがどうやってやってくるのか知ってるのかって話だよ」

ハルト「それは……愛し合う男女が一緒に過ごしていればお母さんのお腹の中に自然に出来るものじゃないの?」

ハルトパパ「おっほぉ、そう来たか。我が息子とは思えないほど純粋な子に育ってくれて嬉しいよ!けど流石にいつまでもそうってわけにはいかないな。いいかハルト。子供が出来るメカニズムってのはな……」

ハルト「……!?」

ハルトパパ「……というわけだ」

ハルト「え……何それ……気持ち悪ぃ……」

ハルトパパ「初めて知った時はそう思ったよな〜。俺にもそういう時期があった。けど本当だぜ?お前はパパのきんのたまからやってきたんだ」

ハルト「はぁぁぁぁっ!?」


その内容は、無垢なハルトにとってはあまりにも衝撃的すぎる内容だった

いつもおちゃらけている変態親父の言葉だ。到底信じられなかった

だがそんな父親のはずが、性教育を語っている時の彼の顔は真剣そのものだ

流石の彼も息子には万が一の間違いを起こしてほしくない。真剣にならないはずがなかった

これによりハルトも、父の言葉を信じる気になっていた


ハルト(ってことは、つまり……ボタちゃんとネモを妊娠させてしまったって話は、全部僕の勘違いなんじゃ……!?)


───苦節100レス越え。彼はついに真実に辿り着いた
 ▼ 136 カブ@ダイマックスアメ 25/09/11 01:05:31 ID:.eCYoC.s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やったぜ
 ▼ 137 ツノコウベ@ヨロギのみ 25/09/11 18:08:00 ID:IfkUVsng [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「あぁ……そうか。僕は無実だったんだ……!」

ハルトパパ「無実?どういうことだ?」

ハルト「ありがとう……ありがとうパパ……っ!!僕はもう……重圧を背負わなくて良いんだ……っ!」

ハルトパパ「お、おい何の話だ?まるで意味が分からんぞ!」

ハルト「はぁ……なんだか急に眠くなってきた。おやすみ……」

ハルトパパ「ったく……まあいっか。ようやく本物のお前に会った気がするよ。おやすみ、ハルト……」



この小さな少年が背負うにはあまりに大きな責任、それをずっと抱え込んでいたハルトは、ようやく全てから解放されたかのように力が抜ける

心なしかずっと険しい顔をしていた息子が、ようやく本物の顔を見せてくれた

話は見えてこないが、息子がいいならそれでいい。父親も深く聞くことはなく、ただ力なく眠りにつく息子の寝顔を見守っていた
 ▼ 138 ャオハ@マメかん 25/09/11 18:31:35 ID:IfkUVsng [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌日……

久しい父との時間も終わりを告げる。二人は空港に来ていた


ハルトパパ「そんじゃあな、ハルト」

ハルト「もう……帰っちゃうの?」

ハルトパパ「これ以上長居するとママに見つかっちゃうかもしれないだろ。一日中バレなかっただけでも幸運だった方だ」

ハルト「でも……」

ハルトパパ「そんな顔するなって!また困ったらいつでも呼べ。いつでも飛んでくるぜ!パパは何があってもお前の味方だ」

ハルト「……!う、うん!!」

ハルトパパ「ははっ、ようやくいい顔になったな」

ハルト「そういえば、どうして急に会いに来てくれたの?」

ハルトパパ「んー……ママから急に電話があってな。あいつが用もなくかけてくるわけないし、お前に何あったんだろうと思ってな。けどその顔を見るにもう大丈夫なんだろ?来て良かった」

ハルト「うん……ありがとう、パパ」

ハルトパパ「おっと、もう時間だ!パパはもう行かなきゃ。じゃあな!お前ももう立派な男だ!ママを守ってやるんだぞー!」

ハルト「ま、待って!最後に、ぎゅーってしてほしい……」

ハルトパパ「いやだねーっ!俺は若いおねーちゃんしかぎゅーってしないんだよーだ!じゃあなっ!!」

ハルト「あぁちょっとパパ!!」


こうして父親は嵐のように去っていった

最後にハグに応じなかった判断は、これから自分のいない間は母を守りながら一人で生きていくハルトが、立派に男として立っていられるようにと、敢えてだろう

……なんて細かいことを考えているかは分からない。本当に言葉通りかもしれないし、そう考えていたかもしれない

結局立派な父親なのかただのチャンポランなのか、よく分からない親父だったが、ハルトにとって大きな助けになったことだけは確かだ
 ▼ 139 トモシ@まんたんのくすり 25/09/11 18:45:22 ID:IfkUVsng [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
父親を見送ったハルトはアカデミーへ戻っていた

もう帰ったことだし父親と会ったことを報告していいだろう、という考えとやはり伝えるべきではない、という両方の考えがあった為、一旦寮の方の部屋へ帰って考えをまとめようとしていたとしていた


ハルト「やっぱり怒るかなぁ……でももう帰ったんだし……とりあえず一旦帰るだけ帰ってはみる?うーん、でもママなら匂いだけでさっきまでパパがいたことを察知しかねない……いや流石にそれはないか」

ペパー「お?ハルトじゃねえか。何ブツブツ言ってんだ?」

ハルト「あ、ペパー。おはよ」

ペパー「今日は日曜だぜ?学校にいるなんて珍しいな」

ハルト「最近はそうでもないよ。あんまり帰れてないんだ。今も迷ってて……」

ペパー「母ちゃんは大事にしろよ。一緒に居られる時に居た方がいいって」

ハルト「う、うん……そうだよね」


ペパーは複雑な家庭の事情を抱えており、家に帰っても家族など待っていない

ゆえに彼は休日でもアカデミーの寮で過ごしていた

あまりにも説得力のある言葉に、やはり帰って正直に伝えるべきかという方向に考えが傾く


ペパー「……それとも喧嘩でもしたのか?」

ハルト「そういうわけでもなくって……勘違いは解消されたし。でもまた別の帰るべきではない理由が生えてきちゃったっていうか……」

ペパー「ふーん……ま、とりあえずオレの部屋来いよ!せっかくの休日ちゃんだぜ、立ち話で考え事なんて時間の無駄だろ!」

ハルト「そうだね。じゃあお邪魔させてもらおうかな」
 ▼ 140 リゴン2@コライドンのボール 25/09/11 18:52:57 ID:IfkUVsng [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペパー「適当に座れよ。今お茶出してやる」

ハルト「ありがとー」

ペパー「それにしても最近帰ってないってことは、昨日も寮に居たのか。言ってくれれば遊びに行ったのによ」

ハルト「あ、昨日は出掛けてたよ」

ペパー「だとしても夜とかさぁ!枕投げ大会とか出来るだろ?」

ハルト「ごめん夜もいなかった」

ペパー「えっ」

ハルト「昨日は遊園地行ってて、夜はホテルに泊まったんだぁ」

ペパー「遊園地に、ホテルだとぉ!?」


ペパーは考えを巡らせる

遊園地に一緒にいく相手といえば?家族か友達か恋人、この三択だろう

最近帰ってないというのだから家族ではないはず。友達なら自分が誘われないわけがない。つまりハルトが昨日一緒に居た相手とは、恋人なのではないだろうか

そしてそのままその者と……夜はホテルにいたということになる


ペパー「お、オマエ……進んでるんだな///」

ハルト「え?何が?」
 ▼ 141 ジッチュ@あついいわ 25/09/11 19:29:33 ID:IfkUVsng [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペパーは未だ、ハルトとボタンが交際しているという事実に気付いていない

それどころかボタンは自分に気がある、と勘違いしている

昨日ハルトが一緒に居た相手は一体誰なのか、しかし親友なら向こうから教えてくれるはず。交際相手がいることを報告してこなかったということはまだ誰が相手なのかは知られたくないのだろう

だが少なくともボタンではないはず

そう思い込んでいる男は、自分より先へ進んでいる親友へある相談を持ち掛けることにした


ペパー「そうだったのか……まあそれならちょうどいいや。ちょっとな……相談したいことがあるんだ」

ハルト「なになに?遠慮なく言ってよ!」

ペパー「あ、ああ……えぇと、それがな……///」モジモジ

ハルト「ほうほう、この感じはあれかな?あれなんだね?」ニヤニヤ

ペパー「そ、そうだよ!恋の相談だよ!!笑わないでくれよ……」

ハルト「笑ってなんかないさ。いいことだと思うよ!僕は彼女いるしいいアドバイス出来ると思うよ!」

ペパー「やっぱりそうだったのか!なんだよ教えてくれたっていいのに」

ハルト「あれ?言ってなかったっけ。まあいいや、今は君の話だよ!」

ペパー「お、おう。実は、な……ボタンに、告白しようと思ってる」

ハルト「!?」
 ▼ 142 マコブシ@バチンウニのトゲ 25/09/11 19:42:13 ID:IfkUVsng [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
想定外の名前が出たことに驚くハルト

そういえば今まさに、ペパーは自分達の交際の事実を知らないような反応をしていた

それなら彼がボタンのことを好きになろうが、それは彼の勝手である


ハルト(ど、どうしよう……!僕の彼女はボタちゃんだって今すぐ言うべきかな?けど……)

ペパー「うお……っ!ボタン、どうしてオマエはこんなにかわいこちゃんなんだよ……っ!」パァァァ…!(ペパーの表情が輝く音)

ハルト(こんな幸せそうな顔してるペパーにこんな残酷な事実言えないよ!!けど放っておいてもどうせフラれることが確定してるわけだし、それなら告白する前に止めるのが友情かなぁ!?)

ペパー「よしっ!!ハルト、オマエに話してみたら改めて決心ついたぜ。オレは今から告るぜッ!!」

ハルト「す、ストーップ!!待ちなさい!!」

ペパー「止めるな親友!!」

ハルト「さ、作戦!作戦会議が必要だと思うんだ!!一旦ステイ!!」

ペパー「そんなもん要らねえぜ!!」

ハルト「要るよ!!」

ペパー「要らねえ!!何故ならな、あいつもオレのことが好きだからだ!!」

ハルト「……えっ?」


さらなる衝撃の事実を知ってしまう

自分という彼氏が居ながら、ボタンもペパーのことが好き?


ハルト(それってつまり……浮気……!?)


自分自身もそれを疑われていることなど全く想像だにしていないハルト

時を同じくして、こちらも同じ勘違いに発展していた
 ▼ 143 ラバリー@かけたポット 25/09/11 19:45:13 ID:iczIY..c NGネーム登録 NGID登録 報告
アンジャッシュにも程があるwww
 ▼ 144 イホーン@スキルコール 25/09/11 19:58:20 ID:IfkUVsng [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペパー「お互いに好きならフラれるわけがないだろ?つまり作戦なんて必要ないってことだ!」

ハルト「そ……そうだね……」


ショックのあまりペパーの言葉はあまり入ってこない。ありきたりな返事で会話を続けてしまう


ペパー「そうだ、せっかくだし聞いてくれよ!あいつがどれだけオレのこと好きか、そのエピソードをよ!」

ハルト「う、うん……聞きたいなぁ」

ペパー「あれがオレとボタンで一緒に料理をしていた時のことだ。ふと隣にいるあいつを見るとな、顔真っ赤にしちゃってよぉ!それに手を添えてくれるし、オレの料理を食べる時の顔はすんげー幸せそうだし……てかオレの部屋めっちゃ来たがるしな!!こんなん絶対オレのこと好きだろ!!」

ハルト「うん……うん……そうなんだぁ………」


次々とポジティブ勘違いトークを広げていくペパー

実際には顔を赤くしていたのはタマネギが目に沁みていただけ、手を添えるのは包丁を使う際の安全のため、食べるのが好きなボタンが幸せそうな表情で食べているのはいつものこと。そして部屋の来たがるのは調理器具を借りるためだ

どれも大したエピソードではないが、恋するポジティブ男にとってはどれも幸せは光景に見えるのだ。恋とは盲目である


ハルト(そんな……話を聞いた限り間違いなさそうだ……ボタちゃんが、浮気……)


そしてただでさえショックのあまり判断が出来ていないハルトは、ペパーがあまりにも自信満々に語るのも相まって、この話を鵜呑みしてしまう

そこまでは仕方ないが、そこからこのような考えに発展してしまうのは……あの男の遺伝子だろうか


ハルト(彼女が浮気してるならさ、僕も浮気していいよね?)
 ▼ 145 ローラベトベトン@ゼロの秘宝 25/09/11 20:00:45 ID:acaoHQdk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカン
 ▼ 146 クバード@ねむけざまし 25/09/11 20:49:12 ID:IfkUVsng [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペパー「いやー、聞いてもらえてスッキリした気分だぜ。今までずっと一人で溜め込んでたからな」

ハルト「お、お役に立てて嬉しいよ……」

ペパー「けどオマエの言う通りだな。やっぱりこういうのはシチュエーションが大事だもんな。絶対に成功することが分かってるからこそ、逆にじっくり時間をかけて理想的なシチュとタイミングになるように準備しておくべきだな!」


語るだけ語って賢者タイムになったのか、唐突に冷静になるペパー

とりあえずこれで彼がボタンのところへ行くのは一旦保留となった


ペパー「アドバイスサンキュな!オレが無事カップル成立したらダブルデートとか行きてえなぁ」

ハルト「ははは……いいねそれ」

ペパー「って、オレの話は終わったんだからそろそろ教えろよ!オマエの彼女って誰なんだ!?」

ハルト「…………ネモ」

ペパー「うおっ!やっぱりそうだったのか!!」

ハルト(ネモに……会いたい……!僕もネモと浮気しちゃえばいいんだ!!)

ハルト「ごめんペパー。急用が出来た!」

ペパー「そっか、行ってらっしゃい!オレのことは心配ないちゃんだぜ!」
 ▼ 147 スイダイケンキ@ねばりだま 25/09/11 21:01:34 ID:IfkUVsng [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方その頃、ハルトの寮部屋にはハルトの母、ボタン、ネモの三人が集まっていた

ペパーが部屋に誘って来なければ、待ち構えた三人に捕まってしまうところだったようだ



ハルトママ「結局昨日はハルトはうちに帰って来なかったわ。この部屋はどうだった?」

ボタン「うちのブラッキーが見張っててくれたんだけど、こっちにも帰ってないって」

ハルトママ「あら、ブラッキーちゃんには苦労かけちゃったわね」

ボタン「だいじょぶです。ブラッキーは夜行性だし。今は他のブイブイ達と一緒にうちの部屋で休んでる」

ハルトママ「そうだ!じゃあクッキーでも焼いて持っていってあげましょうか」

ボタン「わぁい!ハルママのクッキー大好き!!」

ネモ「ポケモンを労うのも大事ですけど、浮気したハルトを捕まえたいんじゃないんですか?急がないと逃げられちゃいますよ!」

ハルトママ「大丈夫よ。あの子はまさか私がここにいるとは思っていないでしょうしね、ここで待っていれば必ずいつかは帰ってくるはずよ」

ボタン「昨日の夜はどこにいたのか知らないけど……逃亡生活を続けるにも限界もあるだろうしね」

ネモ「それもそっかぁ。ん?LINEだ……えっ!?」

LINEハルト『突然の連絡、どうかお許しいただきたい。私はハルト。大切なお話をさせていただきたく筆を取らせていただきました。あなたの寮部屋で待っています』


突然のFEネタ、どうかお許しいただきたい


ネモ(相変わらずハルトのLINEは堅っ苦しいなぁ。ってハルト!?なんで私に!?ど、どうしよう……二人に伝えるべきかな?)

ネモ(うーん……まあでも、大事な話ってやつの内容次第かぁ。報告はいつでも出来るし、とりあえず行ってみよっかな)

ネモ「お母様、ボタン、私一旦部屋に戻りますね」

ハルトママ「はーい。クッキー焼き終わる頃には戻ってきてね」

ボタン「こっちの見張りは任せて。休んでていいよ」

ネモ「多分すぐ戻ってくると思います。じゃあいってくるねー」
 ▼ 148 トマル@エレズンのでんき 25/09/11 22:51:44 ID:IfkUVsng [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネモ「ただいまーっと」

ハルト「待ってたよ、ネモ」

ネモ「あれ!もう来てたんだ。もしかしてずっと学校にいた?」

ハルト「まあね。そっちこそちょうど居たみたいで良かった。もう会いたくて会いたくて胸が張り裂けそうだったよ……」

ネモ「……!?」


ハルトの様子がおかしい。ネモは瞬時にそう察する

ネモは普段はああだが、年相応に性への興味はある

自分の発育がいい胸が男子達に邪な目で見られていることも把握している

しかしハルトは、そういった目で見てくることのない数少ない男子の内の一人だった

……そのはずだった。そんなハルトが、今は一般的な男子生徒と同じ目で自分の胸を凝視している


ネモ「ど……どうしたのハルト?あ、あなたにはボタンがいるじゃん……!」

ハルト「……そうだね。でも彼女には、こんなに大きな胸はないよ……!」ハァハァ

ネモ「っ!!」

ハルト「ネモ……っ!ネモ!!その大きな胸を触らせておくれよ!!」

ネモ「ダメだよハルト!ハルトっ!!どうしちゃったの!?気をしっかり持って!!」

ハルト「断るって言うんだな!?なら無理矢理揉んでやるッ!!」

ネモ「きゃっ!?」


小柄な体型からは想像出来ないほどに力強く、ハルトはネモを押し倒す

ネモが見かけよりも力がないのもあるが、それを差し引いても暴走した思春期の男子の力は女子に止められるものではない

Yシャツの中にハルトの手が入ってくる

ネモは必死に抵抗した。ハルトの顔に爪を立て、胸を叩いた

だが、突然体から力が抜けていくのをネモは感じた


ハルト「助けてくれ、ネモ」


そういうハルトの囁きが、ネモの体から力を奪った

大きく服が裂かれ、ハルトの手はついにネモの胸に到達していた
 ▼ 149 ロボーシ@バンギラスナイト 25/09/11 22:58:22 ID:tn0oYLmw NGネーム登録 NGID登録 報告
パイズリと足コキがネモの得意技
 ▼ 150 ギアル@ぼうごパット 25/09/11 23:01:31 ID:IfkUVsng [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルト「うお……!す、すげえ……っ!!」

ネモ「ぅ……くぅ……っ///」


なぜ突然力が抜けたのか。なぜ突然抵抗する気が起きなくなったのか

この状況になってからようやくネモは理解してしまった

ネモは全く悪い気がしなかった。相手が友達の彼氏でさえなければ、こうなることを心のどこかで望んでいたのだと

そうか、自分はもしかしたら……ずっとハルトのことが好きだったのかもしれない

ハルトに恋人が出来たことで、ずっと封印してきた己の本当の気持ちが、胸の内から溢れてくる

もはやネモの体はハルトに全てを委ねていた


ハルト「ふひひ……っ!ボタちゃんとしか付き合ってなかったらこんな体験できなかったなぁ……っ!!」

ネモ「……!!」


だがボタンの名前が出たことで、ようやく我に帰る

それでも体は言うことを聞いてくれないが、声だけは出せそうだ

今ならまだ気の迷いとして間に合うかもしれない。なんとかしてやめさせなければならない

ネモは友と、自分自身を救うために叫ぶ


ネモ「ハルト……っ!やめてぇぇぇェェェえええエエエヱヱヱ工工工江江江!!!!!!!」



ネモの声は、クッソデカかった───
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