▼  |  全表示65   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【SS】 サトシ(18)「同窓会?」【リメイク】

 ▼ 1 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 19:12:28 ID:Y1hEVGJk [1/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモンバトル――、それは、ポケモントレーナーの真剣勝負。


信頼するポケモンと息を合わせ、戦略を練り、臨機応変に指示を出し、全力で ぶつかり合う。

“目と目が合ったらポケモンバトル”、なんて言葉も存在し、ポケモンバトルは、トレーナーにとって挨拶のようなものだ。


そして、そんなポケモンバトルに“職業”として関わる人間が、この世界には存在する。

ポケモンバトルを教えるトレーナーズスクール講師。バトル大会を取り計らう運営会社社員。公式大会の審判員。などなど。

その中でも一目置かれ、ひときわ注目され、発言力の高い職種と言うものがある。



それは――。




 サトシ(18) 「これで終わりだ! ピカチュウ“10万ボルト”!」

 ピカチュウ 「ぴぃぃぃかぁぁぁちゅううぅぅぅぅぅ!」

 モブ子 「ぁぁっ……ベイリーフ……!?」


 審判 「ベイリーフ、戦闘不能。よって勝者、ジムリーダー、サトシ!」


審判が旗を上げて、サトシの勝利を宣言した。

まだ旅に出て数か月と言った感じの少女のポケモン――ベイリーフは、ピカチュウの電撃に あえなく敗れ去った。
 ▼ 26 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:14:56 ID:Y1hEVGJk [2/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



それからおよそ1時間後。

ポケモンたちと触れ合っていたサトシが戻って来ると――。



 サトシ 「いや〜みんな元気そうだったな」

 ピカチュウ 「ぴっか」



 タケシ 「やっと主役の登場か」

 カスミ 「待ちくたびれちゃったわよサトシ」


 サトシ 「みんな!」

 ピカチュウ 「ぴっかぁ!」



サトシとピカチュウを迎え入れる、懐かしい面子が、そこに集結していた。


 ▼ 27 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:16:00 ID:Y1hEVGJk [3/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 シゲル 「まったく変わらないねサトシは」


サトシの幼頃からのライバル、シゲル。


 トオル 「でもそのお陰で懐かしさ倍増だね」


ポケモンカメラマン、トオル。


 ヒロシ(18) 「久しぶり、サトシ。ピカチュウ」

 レオン 「ぴっか!」


セキエイリーグで共に戦った戦友、ヒロシと、ピカチュウのレオン。


 ナナコ(18) 「サトシはん相変わらずやな!」


阪神ファンの活発な女の子、ナナコ。


 ハルカ(18) 「久しぶりかも。ミクリカップ以来よね、ヒカリも!」


今やホウエンの舞姫と呼ばれる実力派コーディネーター、ハルカ。


 ヒカリ(18) 「えぇ。久しぶりに皆と会うの、すっごく楽しみだったんだから」

 ポッチャマ 「ぽちゃぁ!」


こちらもコーディネーター、シンオウを旅したヒカリ。


 デント 「Fantastic! 旅した仲間が一堂に会する……、芳醇なマリアージュだね」


各種ソムリエの異名を持つジムリーダー、デント。



 サトシ 「みんな久しぶりだなぁ!」

 ピカチュウ 「ぴかぴぃかぁ!」

 ▼ 28 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:16:40 ID:Y1hEVGJk [4/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

共に旅した仲間と、旅の途中で出会った仲間。

これだけの人数が集合するのは、サトシにとっても他の面子にとっても、初めてのことだった。



 タケシ 「あと、カロスからのメンバーが まだなんだ。飛行機が遅れてるらしくてな」

 サトシ 「そうなのか。誰が来るかサプライズって聞いてたけど……、これだけ揃うとは思わなかったぜ。流石タケシ!」

 タケシ 「長い付き合いなんだ。お前のためなら一肌脱ぐさ」

 サトシ 「けど、どうやって連絡取ったんだ? タケシはデントやシトロンとは会ったことないだろ?」

 デント 「実は面識あるんだけどね」

 サトシ 「そうなのか?」

 タケシ 「後になって分かったことなんだけどな。……連絡は、ジムリーダー協会を活用したのさ」

 サトシ 「えっ? ジムリーダー協会を?」

 タケシ 「あぁ。サトシが出場したリーグは分かってるから、ジムリーダーたちに聞いたんだ。“サトシと一緒に居た仲間を教えてくれ”ってな」

 サトシ 「なるほど」


タケシがデントとシトロンを呼べたのは、そのような理由だった。

サトシのジム戦は奇想天外な展開が多いから、ジムリ―ターたちにも印象に残っていたのだろう。
 ▼ 29 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:17:50 ID:Y1hEVGJk [5/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 タケシ 「まぁ、それはさておき、積もる話で盛り上がろうじゃないか。料理も出来てるしな」

 サトシ 「おお! 久しぶりのタケシの手料理!」

 デント 「僕の料理も忘れないでくれよ」

 サトシ 「勿論だぜ!」

 カスミ 「今日は私も頑張ったんだから」

 サトシ 「……えっ?」



  タケシのシチュー 『懐かしさに包まれる優しい味わいだよ』

  デントのピザ 『絶妙な焼き加減と具材のバランスは正にプロの仕事』

  カスミの何か 『見るな。まず喰え』



 サトシ 「……うん。変わらないな、カスミは!」

 タケシ 「オレは止めたからな」

 デント 「ノーコメント」

 カスミ 「遠慮しないで食べてね」


 タケシ 「……まぁ、まずは それぞれ近況報告と行こうじゃないか」

 サトシ 「そうだな! タケシ以外とは話すの久しぶりだし、みんなのこと色々聞きたかったんだ!」

 ▼ 30 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:19:17 ID:Y1hEVGJk [6/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 シゲル 「まったく。こまめに連絡くれれば いくらでも話すものを」

 サトシ 「へへっ。ジムリーダーって忙しくてさ。シゲルは確か、“オーキド博士”2代目になったんだよな」

 シゲル 「あぁ。……と言っても、今はまだ、研究の一部を引き継いだだけさ。これから博士号を取って、それからが本番だね」

 サトシ 「そうなのか」

 シゲル 「先は長いよ。春から おじいちゃん――オーキド博士と同じタマムシ大学に入学して、修士博士と、最低でも9年。本当の意味で“2代目オーキド博士”と言えるのは、それからさ」
 
 サトシ 「なんか……すげぇなシゲル」

 タケシ 「それくらい、研究職は大変ってことさ」

 カスミ 「そうよね。私だったら、9年も先のことなんて考えられないもん」

 シゲル 「それが自分で選んだ道だからね。だからサトシも、そんなすぐ一人前のジムリーダーになろうとは思わないことだね。始めから上手く行く人間なんて、滅多に居ないんだから」

 サトシ 「あぁ。サンキューな」

 ヒカリ 「けど、川柳のお孫さんが春から大学ってことは……」

 シゲル 「いい加減その呼び方は止めてくれ。僕はシゲルだ」

 ヒカリ 「えへっ。シゲルが博士課程を取るまで、ここはオーキド博士が切り盛りするんでしょ? こんな広い研究所なのに大変そうで」

 シゲル 「そこは、助手のケンジさんに手伝って貰ってるから大丈夫かな」

 サトシ 「あ……そう言えばケンジは?」

 シゲル 「彼ならウチキド博士の所に行ってるよ」

 サトシ 「ウチキド博士……オレンジ諸島か!」

 カスミ 「懐かしいわね。そう言えばGSボールって、結局どうなったのかしらね」

 タケシ 「……聞かないでくれ」

 カスミ 「え、まだ引きずってんの?」

 サトシ 「ホント何があったんだよ。……で、ケンジは何かの研究で?」

 シゲル 「あぁ。向こうの環境下の生態の調査で、1か月の長期出張って感じだね。サトシが来てることも知らないはずだよ」

 サトシ 「そっか。なんだかケンジとは いつも会えてないんだよなぁ」

 シゲル 「だったら電話してみるかい?」

 サトシ 「お、そうだな。頼むぜシゲル」


シゲルは部屋のテレビ電話を起動させる。

呼び出し音は鳴っているものの、なかなか繋がらず、ようやく繋がったかと思えば、映像は乱れ気味。

 ▼ 31 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:20:08 ID:Y1hEVGJk [7/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ― ウチキド 『ザザッ……ザッ……はいっ、ウチキド研究……でっ……ザザッ……』

 シゲル 「こんにちは。オーキド研究所のシゲルです。感度が悪いみたいですが……」

 ― ウチキド 『ごめっ……ざいね……ザッ、台風が来ててっ……アンテナがダメっ……ザザッ、みたいでっ……』

 シゲル 「そうなんですか。すみません大変な時に。ケンジに代わって頂けませんか?」

 ― ウチキド 『ケンザザッ……君ね、ちょっと……ザッ、待って。 ザザッ……ンジく〜ん?』

   ― ミナミ 『 あーアンテナ折れっ……ザァァァァァァァァ』



 < ブツン! >





 シゲル 「……あれ? 切れた」

 サトシ 「えぇぇ……」

 カスミ 「オレンジ諸島は台風なのね」

 シゲル 「察するに、アンテナが やられたようだね」

 サトシ 「せっかく久々にケンジと話せると思ったんだけどなぁ」

 カスミ 「まぁ、そのうち会えるわよ」

 ▼ 32 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:20:46 ID:Y1hEVGJk [8/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 サトシ 「そう言えばカスミは、まだ水中ショーとか やってるのか?」

 カスミ 「えぇ。ジムリーダーしながら、水中ショーの脚本覚えるの、結構くたびれるんだから」

 サトシ 「そっか。すげぇな、ジムリーダーと両立できて」

 カスミ 「それは慣れよ。サトシだって、5年もすれば立派なジムリーダーになれるわよ」

 サトシ 「遠いなオイ……」

 カスミ 「ふふっ」

 ハルカ 「カスミの水中ショーの人気、ホウエンでも話題になってるのよ」

 サトシ 「そうなのか?」

 ハルカ 「うん。カスミの人魚姫、水ポケモンたちとの演技、すっごく綺麗なんだから。この前テレビでも やってたわよ」

 サトシ 「へぇ〜。流石、“御転婆人魚”はダテじゃないな」

 カスミ 「やめてよ恥ずかしい」

 タケシ 「そこは誇って良い所だぞカスミ」

 カスミ 「うん。……けど、長期的なハナダジムの運営のためにも、そろそろ後継を見つけてレッスンしないといけないのよね」

 サトシ 「うお……、そういうことも考えるのか」

 デント 「奥が深いんだよ、ジムリーダー職はね」
 ▼ 33 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:21:24 ID:Y1hEVGJk [9/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 サトシ 「サンヨウジムは、レストラン併設だったよな」

 デント 「そうさ。ポッドとコーンと一緒に、最高の味を提供できるように日々腕を磨いてるよ」

 タケシ 「確かイッシュだと、ほとんどのジムリーダーが副業してるんだったな」

 デント 「その通り。ジムリーダー協会からの運営費が十分とは言えないから、みんな副業の収入を充ててるのさ」

 サトシ 「へぇ〜」

 タケシ 「カントーやジョウト、それにトウエツは、協会からの運営費は問題ないけど、査察が厳しいんだ。ニビジムも監査対象になったしな」

 サトシ 「あぁ……、タケシのお父さんが書類忘れたせいでか……」

 タケシ 「まったく。親父のせいでオレとジロウが どれだけ迷惑被ったか」

 カスミ 「ハナダジムも前に監査入られちゃったわよ」

 デント 「なるほど。カントーは厳しいんだね」


 ヒロシ 「やっぱり大変だねジムリーダーは」

 レオン 「ぴか〜」

 ピカチュウ 「ぴっか」

 レオン 「ぴかぴっか」

 サトシ 「ピカチュウ、レオンと遊んできて良いぞ」

 ヒロシ 「そうだね。行っておいで」

 ピカチュウ 「ぴぃか!」

 レオン 「ぴかちゅぅ!」

 ▼ 34 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:21:57 ID:Y1hEVGJk [10/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ヒロシ 「けど驚いたよ。サトシがジムリーダーになったって聞いた時は」

 トオル 「そうかい? 僕は、サトシがリーグ優勝したって聞いて、いずれジムリーダーになるんじゃないかって思ってたよ。なんたってサトシの夢は、ポケモンマスターだからね」

 サトシ 「サンキュー。まだまだ未熟だけどな。……って言うか、ヒロシとトオルさっきから親しく見えるけど、2人って知り合いだったっけ?」

 ヒロシ 「知り合ってからは、2年くらいになるかな?」

 トオル 「そうだね。まさかサトシの話題が通じる相手とは、その時は思ってもみなかったよ」

 サトシ 「2年?」

 ヒロシ 「実は、僕とトオルの共同で、本を出したんだ」

 サトシ 「本を!?」

 シゲル 「知ってるよ。なかなか味のある内容で愉しめたな」

 タケシ 「オレも見たぞ。研究者顔負けの一冊だったな」

 ヒロシ 「ありがとう2人とも」

 サトシ 「なぁ、どんな本なんだ?」

 シゲル 「ジムリーダーたるもの、そういうこともチェックするべきじゃないのかい?」

 サトシ 「うぅ……」

 トオル 「ははっ」
 ▼ 35 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:23:04 ID:Y1hEVGJk [11/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ヒロシ 「僕たちが出したのは、ルギアの生態を調査した本なんだ」

 サトシ 「ルギアの?」

 ヒロシ 「うん。文献や現地調査を、ウツギ博士の助言を元に進めて……」
 
 トオル 「写真は僕が担当したんだ。ウツギ博士から、ルギア調査の写真撮影の依頼を受けてね」

 サトシ 「そっか……そうだったよな。ヒロシ、うずまき島でルギアの調査してたもんな」

 ヒロシ 「まさかあの時の経験が、こんな形で結びつくとは思わなかったよ」

 サトシ 「じゃあヒロシも、ポケモン研究者の道に進んだのか?」

 ヒロシ 「そんな大層な肩書は持ってないよ。言ってしまえば、フリーの研究者ってとこかな。自分の気になったことを調べて、それを学会で発表する――、大変だけど、すっごい 遣り甲斐のある日々を送ってるんだ」

 サトシ 「へぇ〜」


 トオル 「僕はフリーのカメラマンとして活動してるけど、最近はヒロシの研究に付き合うことが多いかな」

 サトシ 「そうなのか?」

 トオル 「ヒロシの研究内容は興味あるし、ポケモンの貴重な瞬間をカメラに納める達成感……、最高だよ」

 タケシ 「トオルのポケモン写真集は、かなり人気があるんだ。ドクター界でもポケモンの特徴の確認とかで使われてるし、トレーナーズスクールの教材になってるとも聞いたな」

 サトシ 「そうなのか。やっぱトオルの写真は凄いんだな」

 トオル 「へへっ。けど、今の僕があるのは、実はサトシのお陰なんだ」

 サトシ 「オレの?」

 トオル 「あぁ。僕がピカチュウの写真を撮ろうとした時、すっごく嫌がってたよね?」

 サトシ 「そうだったな。今は大丈夫だけど、あの時のピカチュウ、カメラ嫌いだったっけ」

 トオル 「それでも僕、なんとかピカチュウの良い写真を撮ろうって、盗撮しようとしたとき……」

 サトシ 「おいサラッと盗撮とか言うなよ知らなかったぞ」

 トオル 「まぁまぁ。けどその時、サトシの言葉にハッとしたんだよ。“撮られるポケモンの気持ちを考える”ってことをね」

 サトシ 「う〜ん……、言ったような、言わなかったような……」

 トオル 「確かにサトシは言ったよ。それから僕は、ポケモンを撮る心構えが変わったんだ。写真集が あれだけ売れて、プロカメラマンとして有名になれたのは、他でもない、サトシの お陰だよ。今さらになっちゃったけど、本当にありがとう」

 サトシ 「そっか。そりゃ良かったよ」

 カスミ 「ふふっ。あの時の写真、まだ飾ってるわよ」

 タケシ 「オレもだ」

 ヒロシ 「写真って、思い出を ずっと残してくれるからね」

 トオル 「あぁ。最高だよ、カメラマンって」
 ▼ 36 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:28:34 ID:Y1hEVGJk [12/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ナナコ 「ええなぁええなぁ、そういう関係って」

 サトシ 「ナナコは今日もエレブーズカラーだな」

 ナナコ 「当ったり前や。ウチはコガネエレブーズに人生かけてるんや。このカラーは譲れんで!」

 ハルカ 「わぁ。こんなに野球熱心な女の子、初めて見たかも」

 ヒカリ 「私も」

 ナナコ 「エレブーズファンに男も女も関係あらへん。ところで、皆はんは何処のチーム応援してまっか?」

 サトシ 「オレはGTSスターミーズだな」

 シゲル 「僕はミックスオレスバメーズかな」

 タケシ 「オレはゴールドウォーグルス」

 ヒロシ 「僕はプロ野球は あんまり……」

 トオル 「強いて言うならカナズミムクホークス」

 ナナコ 「なんやねんエレブーズファンおらんのかい!?」

 サトシ 「ははっ。相変わらずエレブーズ推しだな。ナナコは今なにしてるんだ?」

 ナナコ 「ウチは学生や。正直まだ、将来のこととか決まってへん。せやから大学で勉強して、やりたいこと見つけよう思ってな」

 サトシ 「そうなのか」

 ナナコ 「だからウチ、サトシはんがジムリーダーになった聞いて、凄いなー思ったんや。同い年なのに、もう将来のこと見つけて。流石サトシはんだなって」

 サトシ 「へへっ。オレだってまだまだ未熟だし、そんな大したことないよ」

 ナナコ 「あーあ。ウチも早いとこ将来決めへんとな〜」

 サトシ 「焦ることないさ。って言うかオレ、てっきりエレブーズ関係の何かしてると思ったんだけど」
 
 ナナコ 「あぁ、エレブーズの応援団にはバリバリ入っとるで」

 サトシ 「お、そうなのか」

 ナナコ 「当然や。勉強しながら応援も全力でやる! 応援歌とコールは おっさん共にも負けへんで! スリバチ山のー♪」

 サトシ 「流石ナナコ。……歌わなくていいからな」

 ナナコ 「いやぁ、にしても皆はんがエレブーズファンあらへんのはショックやな〜。熱い試合と諦めない根性、キレのある投球に力強い打線! こない強いチーム、他にあらへんで!」


 シゲル 「そう言えば今、エレブーズ試合してるんじゃないか?」

 トオル 「あぁ、キャモメオーシャンズとの交流戦だね」

 ナナコ 「そやで」

 シゲル 「デーゲームだから、早ければ そろそろ終わってるかもね」

 ナナコ 「ま、当然エレブーズの勝利やで。ほなちょっくらネットで確認してみましょか」 スマホトリダシ

 ▼ 37 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:29:21 ID:Y1hEVGJk [13/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


 ナナコ 「なんでや!?」



 ヒカリ 「まぁまぁ、そんな時もあるって」

 ハルカ 「明日は勝つから大丈夫かも」

 ナナコ 「野球興味あらへん子に言われても説得力ゼロや。しかも明日は試合ないで……」

 シゲル 「エレブーズは最近調子よくないからねぇ」

 トオル 「また最下位争いに食い込むんじゃないかな〜はははっ」

 サトシ 「オイあんまり言うと……」


 ナナコ 「うぅ……」


 トオル 「えっ?」

 ナナコ 「気合いが足りないんやエレブーズ! ここは一発、ウチが気合い注入しちゃる! 歌うで!」

 サトシ 「おいナナコ……」
 ▼ 38 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:29:46 ID:Y1hEVGJk [14/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ナナコ 『♪ スリバチ山のー風に乗りー!』


 ヒカリ 「ホントに歌うの!?」


 ナナコ 『♪ 電光石火ーやって来るー!』


 ハルカ 「凄い気合いかも……」


 ナナコ 『♪ 光の壁だー雷パンチー!』


 シゲル 「……上手い」


 ナナコ 『♪ 睨みーつけるぞエレブーズー!』


 デント 「なんとも特異的なフレーバーだね」


 ナナコ 『♪ フレー! フレー! フレッ、フレッ、フレー! エ、レ、ブ、ゥ、ズー!』


 タケシ 「……そう言えば初めて会った時も歌ってたな」

 カスミ 「うん。そうだったわね」


 ナナコ 「は〜すっきりしたわ〜」

 サトシ 「歌い切ったな」

 ナナコ 「こっから大逆転や! 目指せ首位奪還! ウチらも応援引き締めて行くでー!」

 トオル 「……こんなに野球熱心な女の子、僕はじめて見たかも」

 シゲル 「同じく」
 ▼ 39 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:30:49 ID:Y1hEVGJk [15/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ハルカ 「ナナコって凄い元気なのね」

 ヒカリ 「そうねっ」


 サトシ 「ハルカとヒカリは、トップコーディネーターになったんだよな」

 ハルカ 「えぇ」

 ヒカリ 「ハルカは“ホウエンの舞姫”って呼ばれてるくらい有名だもんね」

 ハルカ 「ヒカリだって、“いま注目のシンオウトップコーディネーター”ってテレビで紹介されてたわよ」

 ヒカリ 「そんなの大袈裟だよ〜。プロになれて もうすぐ1年だけど、ようやく慣れてきたって感じだもん」

 サトシ 「2人とも頑張ってるんだな」

 ハルカ 「勿論。実力派の後輩が いっぱい育ってるから、うかうかしてられないもん」

 ヒカリ 「うん。これからコーディネーターを目指そうって子のためにも、私たちが頑張らないとね!」

 サトシ 「そっか。お手本にならなきゃいけないもんな、プロって」

 ハルカ 「良いこと言うわねヒカリ!」

 ヒカリ 「えへへっ。……でもこれ、ノゾミからの受け売りなんだ」

 サトシ 「ノゾミか……懐かしいな」

 ヒカリ 「サトシが全然 連絡取ろうとしないからよ。電話の1本でもくれれば、いろいろ情報交換できるのに」

 ハルカ 「ホントそうかも。気付いたらジムリーダーになってて、本当ビックリしたんだから」

 サトシ 「ごめんごめん。タケシとは連絡取ってたんだけどな」

 ハルカ 「うん。タケシはね」

 ヒカリ 「私たちの保護者みたいな存在だもんね」

 タケシ 「頼りにされるのは嬉しいが、頼られ過ぎても困るぞ」

 シゲル 「まぁ、サトシの連絡の少なさは今に始まったことじゃないからね」

 サトシ 「う〜ん。考えてみると、トウエツ地方を一人旅して、そのあとすぐジムリーダーに勧誘されて……、今までタケシ以外とは話さなかったからなぁ」

 カスミ 「まったくもぉ。ホント、ポケモンのことで頭がいっぱいなんだから」

 サトシ 「ははっ。せっかくだから、他のみんなのことも教えてくれよ」

 タケシ 「そうだな。カントーで特に濃かった面子だと……、イミテが順調にモノマネ芸人の道を進んでるらしいな」

 サトシ 「イミテ……、懐かしいなオイ。オレのフシギダネ、メタモンに負けちまったんだよなぁ」

 カスミ 「あったわね、そんなこと」


 タケシ 「あとそうだ。ロケット団のムサシとコジロウが結婚したらしいな」

 ▼ 40 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:31:28 ID:Y1hEVGJk [16/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
 カスミ 「は!?」

 ハルカ 「えぇっ!?」

 ヒカリ 「うそっ!?」

 デント 「あの2人が!?」

 サトシ 「あぁ、“結婚しました〜”って手紙きたっけ」

 カスミ 「手紙きたの!?」

 タケシ 「オレにもきたぞ。敵ながら案外マメな奴らだよな」

 ハルカ 「言われてみれば、少なくともコジロウは良い人だったわよね。ポケモン想いで」

 ヒロシ 「えっと……、ムサシとコジロウってあの……、セキエイ大会でポケモン奪おうとした連中だよね」

 サトシ 「あぁ」

 トオル 「用水路から落ちそうだった僕とサトシに、爆弾投げつけた奴らだよね」

 サトシ 「あったなぁそんなこと」

 シゲル 「何度か研究所を襲撃した奴らだったよな。喋るニャースが居た」

 サトシ 「そうそう」

 ナナコ 「ウチを騙した奴らやん!」

 サトシ 「あぁ、そう言えばそうだったな」
 ▼ 41 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:32:21 ID:Y1hEVGJk [17/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 シゲル 「そいつらが何でサトシに結婚報告してるんだよ」

 ナナコ 「そや! 敵なのに訳わからん!」

 タケシ 「まぁ、そこが あいつらの良い所でもあるよな」

 サトシ 「何だかんだで長い付き合いだし、たまに協力してた仲だしな」

 トオル 「そういうものなのかい……?」

 ヒロシ 「しかもロケット団って……、マフィアだよね? そんなユルい感じで良いの?」

 サトシ 「良いんじゃないか。もうピカチュウ狙われてないし」

 ヒカリ 「え……そうなの?」

 サトシ 「なんか部署移動があったらしくて、これからは広報に携わるんだとさ」

 シゲル 「ロケット団の何を広報するんだよ」

 トオル 「と言うより、何でサトシがそれを知ってるんだい?」

 サトシ 「オレがジムリーダーになった時、祝電くれてさ。そこで知った」

 デント 「祝電とは。また律儀なことするんだね……」

 シゲル 「そこで自分たちの部署移動を伝えるのも凄いな」

 トオル 「サトシとロケット団って、実は仲良いでしょ?」

 サトシ 「う〜ん、良いとは言えないけど、何だかんだで知り合いみたいな感覚かなぁ」

 ハルカ 「でも良かったわね。もうピカチュウ奪われるゴタゴタに巻き込まれないってことでしょ?」

 サトシ 「まぁな。ちょっと寂しい気もするけど」

 シゲル 「それは何か違うと思うぞ」

 タケシ 「まぁ、カントーだと目立った変化は それくらいか」

 ▼ 42 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:32:51 ID:Y1hEVGJk [18/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ハルカ 「じゃあ私からは……まずマサトよね」

 サトシ 「そうだマサト! もうトレーナーになってるんだよな。旅してるのか?」

 ハルカ 「えぇ。でも、10歳になってすぐ、って訳じゃなかったの」

 サトシ 「そうなのか?」

 ハルカ 「あの子、わりと完璧主義でしょ? だから色々勉強して、知識を付けてから旅立ったの。最初はホウエンを巡ったわ」

 サトシ 「マサトらしいな。それで、最初のポケモンは何を貰ったんだ?」

 ハルカ 「ふふっ、やっぱり知りたい?」

 サトシ 「あぁ! キモリかアチャモ、ミズゴロウ。やっぱハルカと同じアチャモか?」

 ハルカ 「ぶー。キモリでしたー」

 サトシ 「おぉキモリか!」

 ハルカ 「“サトシのジュカインを超えるんだー”って、マサト、張り切ってたんだから」

 サトシ 「そっか。マサトの奴、オレなんかを目標にしてくれて……。じゃあ そのうち、オレにも挑戦しに来るんだろうな」

 ハルカ 「えぇ。その時は よろしくね」

 サトシ 「あぁ! 楽しみにしてるぜ!」

 ハルカ 「ふふっ」
 ▼ 43 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:33:41 ID:Y1hEVGJk [19/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 サトシ 「それで、他の面子の話は何か聞いてるか?」

 ハルカ 「う〜ん……、コンテスト以外のことは、ちょっと分からないかも」

 サトシ 「あぁ、そうだよな。マサムネとか元気してるかな〜」

 ハルカ 「サイユウ大会、懐かしいわねっ」

 サトシ 「シュウやハーリーさんは変わらずか?」

 ハルカ 「えぇ。シュウもトップコーディネーターになって、ロズレイドとのコンビネーションに磨きをかけてるわ」

 サトシ 「そっか。ハルカのライバルだったもんな。で、ハーリーさんは?」

 ハルカ 「えっと……」

 サトシ 「ん?」

 ハルカ 「ハーリーさんね、後輩の子が何か気に入らなかったみたいで、私みたいにチョッカイ出し始めて……」

 サトシ 「オイまだそんなこと……。その後輩の子、大丈夫なのか?」

 ハルカ 「うん。大丈夫と言うか……、“ハーリーさんに いじめられてる! パワハラ!”って、コンテスト協会に訴えちゃって……」

 サトシ 「お、おう……」

 ハルカ 「事実関係 調べられちゃって、私への ちょっかいも知られて……」

 サトシ 「それで……?」

 ハルカ 「コンテスト協会から除名処分になったの」

 サトシ 「わお」
 ▼ 44 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:35:26 ID:Y1hEVGJk [20/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ヒカリ 「除名処分って……、もうコンテストの舞台に立てないってこと……だよね?」

 ハルカ 「うん。……あ、公式大会はダメだけど、非公式大会なら出れるらしいわよ」

 タケシ 「まぁ、ある意味で自業自得だな」

 ハルカ 「ちょっと可哀想だけどね」

 サトシ 「そっか。じゃあハルカのライバルは、今んとこシュウくらいか?」

 ハルカ 「そんなことないよ。サオリさんとか、グレースさんとか。ホウエンのトップコーディネーター、実力派揃いなんだから」

 サトシ 「へぇ〜」

 ハルカ 「あと、私と1歳年上のトップコーディネーターで、ラピートさんって人が居るの」

 サトシ 「ラピートさん?」

 デント 「狙ったかのような名前だね。ハルカとラピートって」

 ハルカ 「狙った?」

 デント 「あぁゴメン。気にしないでいいよ」

 ハルカ 「ラピートさんのポケモンはね、バクフーンにビビヨン、リーフィアにエネコロロ、あとアリゲイツで、凄い良いコンビネーションなの」

 サトシ 「……その面子、そっか。ハルカの手持ちと似てるな!」

 ハルカ 「そうなの。ラピートさんも気にしてるみたいなんだ」

 サトシ 「セキエイリーグのオレとヒロシみたいだな」

 ヒロシ 「確かに。手持ちが似てると、どうしてもライバル意識を持っちゃうよね」

 サトシ 「じゃあハルカ、そのラピートって人に負けないように頑張れよ!」

 ハルカ 「えぇ!」 
 ▼ 45 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:36:09 ID:Y1hEVGJk [21/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ヒカリ 「次はシンオウの話題かな?」

 サトシ 「おう!」

 タケシ 「シンオウは濃い面子が多かった記憶があるぞ」

 ヒカリ 「ふふっ、そうよね。じゃあサトシが気になってると思うシンジ」

 サトシ 「シンジ……。あいつとは色々あったよなぁ」

 タケシ 「シロナさんにも注目される関係だったもんな」

 シゲル 「ポケモンリーグ、テレビで見てたよ。サトシとシンジのバトルは、あの大会で一番と言っても過言では無かったね」

 ヒロシ 「確かにね。ゴウカザルとエレキブルの……、宿命のライバルみたいなバトル、思わず熱くなったよ」

 サトシ 「オレのゴウカザル、元はシンジのポケモンだったんだ」

 ヒロシ 「そうなの?」

 サトシ 「あぁ。シンジが手放したのを、オレが仲間に迎えてさ」

 シゲル 「なるほど。ならゴウカザル、嬉しかっただろうね。シンジに勝利して」

 サトシ 「あぁ」

 ヒカリ 「ふふっ。そのシンジ、いま何してると思う?」

 サトシ 「あれだけバトルに力入れてる奴だから、まだジム巡りしてるのか?」

 ヒカリ 「えっとね、シンジのお兄さん、レイジさん覚えてる?」

 サトシ 「あぁ。良い人だったよな。育て屋の……って、もしかしてシンジ、育て屋を継いだのか!?」

 ヒカリ 「ううん。流石にシンジの育て屋さんは想像できないな」

 タケシ 「確かにな」

 サトシ 「じゃあ何してるんだ? あれだけポケモンを強くしようって意思を持ってるシンジが……」

 ヒカリ 「私塾を開いちゃったの」

 サトシ 「私塾?」

 ヒカリ 「うん。ポケモンを強く育てるための」

 サトシ 「トレーナーズスクール……とは別物だよな?」

 ヒカリ 「うん。シンジが独自の育成術を伝授するって感じの……」

 タケシ 「ははっ。シンジらしいじゃないか」

 ヒカリ 「しかも、レイジさんの育て屋に併設したんだって」

 タケシ 「効率的と言えば効率的だな」
 ▼ 46 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:36:47 ID:Y1hEVGJk [22/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 サトシ 「シンジ、自分のバトルスタイルを他人に伝授しようって、考えるようになったんだな」

 ヒカリ 「えぇ。あの時のシンジからは考えられないわよね」

 サトシ 「シンジも丸くなったのか。で、その私塾の人気は どうなんだ?」

 ヒカリ 「それが凄いのよ」

 タケシ 「大盛況なのか」

 ヒカリ 「うん。最初は少人数だったらしいけど、口コミで凄さが広がって、今は来季の予約も埋まってるんだって」

 サトシ 「流石だなシンジ。オレと考え方は違うかもしれないけど、ポケモンを強く育てることに関して、あいつは妥協を許さないからな」

 タケシ 「そういう姿勢を好むトレーナーに、シンジはターゲットを絞ったんだろうな」

 サトシ 「その辺も計算してたってことか」

 ヒカリ 「凄いわよね」

 シゲル 「私塾を開いて成功したって話は なかなか聞かないからね。相当な手腕を持ってるんだろうね、そのシンジって人は」

 サトシ 「成功した話を聞かないって……ホントなのか?」

 シゲル 「サートシ君、ジムリーダーなんだから そういう話題にもアンテナ張るべきだよ?」

 サトシ 「うぅ……」
 ▼ 47 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:37:25 ID:Y1hEVGJk [23/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ヒカリ 「まぁまぁ。でも、私塾を成功させるのは、ホントに難しいのよ」

 サトシ 「そうなのか」

 ヒカリ 「コウヘイって覚えてる?」

 サトシ 「えっと……」

 ヒカリ 「ほら、メガネかけて、変な笑い方する人」

 サトシ 「……あぁ! 幽霊に連れて行かれそうになった奴か!」

 ヒカリ 「そうそう!」

 トオル 「いまサラッと凄いこと言ったよね」

 ヒカリ 「実はコウヘイもね、私塾を開いたの」

 サトシ 「コウヘイもか」

 ヒカリ 「うん。多分、シンジに触発されて」

 タケシ 「確かコウヘイは、攻めだけじゃない、計算されたバトルスタイルだったな」

 サトシ 「懐かしいな。あいつの“トリックルーム”には苦労したっけ」

 ヒカリ 「そうだったわね」

 サトシ 「でもアレがあったから、クノエジムで勝てたんだよな」

 タケシ 「何事も経験は大切だからな」

 サトシ 「あぁ。そっか〜じゃあコウヘイもシンジみたいに……」

 ヒカリ 「……なれなかったの」
 ▼ 48 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:38:00 ID:Y1hEVGJk [24/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 サトシ 「え?」

 ヒカリ 「シンジの私塾は成功したみたいだけど、コウヘイの方は……」

 タケシ 「閑古鳥って訳か」

 ヒカリ 「うん。一応、何人か生徒は居るみたいだけどね」

 サトシ 「そうなのか……」

 タケシ 「まぁ、コウヘイのバトルスタイルは、大衆受けするかと聞かれれば必ずしも そうでは無いからな」

 サトシ 「考えられてるとは思うけど……、でも確かに、オレだったら やらないな」

 シゲル 「そもそも、私塾と言うのは あまり流行らないからね。ポケモンバトルは自分でバトルスタイルを確立するものだから、他人から教わろうって人は、そう多くないんだよ」

 ヒロシ 「これがサトシみたいなシムリーダーだったり、業界でも有名な人が講師だったら違うんだろうけどね」

 サトシ 「う〜ん……」

 シゲル 「私塾が悪いとは言わないよ。色々なバトルスタイルを取り入れて、その上で自分のモノにすることも大切だからね」

 サトシ 「難しいな、その辺のことは」

 ヒカリ 「でもコウヘイ、案外楽しんでるみたいよ。少なくても生徒が居て、やりがい感じてるんじゃないかな」

 サトシ 「そっか。なら良かった……って言って良いのかな?」
 ▼ 49 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:38:42 ID:Y1hEVGJk [25/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ヒカリ 「ふふっ。 あー、あとジュンがね、クロツグさんに弟子入りしたみたいよ」

 タケシ 「ジュンか。罰金が口癖の賑やかな奴だったな」

 サトシ 「クロツグさんって、ジュンの父親だよな。タワータイクーンの」

 ヒカリ 「えぇ。きっとクロツグさんの後を継いで、タワータイクーンに なるんじゃないかしら」

 サトシ 「そっか。なんか良いよな、親から受け継ぐって」

 タケシ 「簡単なことじゃ無いと思うけどな」

 ヒカリ 「えぇ。毎日必死で特訓してるみたいよ」

 サトシ 「ジュンなら大丈夫だよ。あいつも熱いトレーナーだからな!」

 ヒカリ 「あ、ユモミも親の仕事を継いで、温泉を切り盛りしてるみたいよ」

 サトシ 「ユモミ……」

 ヒカリ 「ほら、温泉の……」

 サトシ 「あぁ。ヒカリの幼馴染だっけ」

 ヒカリ 「そうそう。またユモミの温泉行きたいなーって」


 サトシ 「幼馴染と言えば、ケンゴは どうなったんだ?」

 ヒカリ 「ケンゴの話は別にいいの」

 サトシ 「おぉ、そうか……」

 タケシ 「何があったんだよ」

 ▼ 50 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:39:43 ID:Y1hEVGJk [26/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 ヒカリ 「あと私たちの知り合いで言うと……、ノゾミは変わらずトップコーディネーターだし、スズナさんたちジムリーダーも、みんな元気よ」

 サトシ 「そっか。オレもジムリーダー同士で横のつながりは あるけど、就任した挨拶を電話でした くらいだったな」

 ヒカリ 「忙しそうだもんね、サトシ」

 サトシ 「あぁ。色々大変だよ、ジムリーダーって」

 ヒカリ 「ふふっ。ウチのママもサトシがジムリーダーになって喜んでたわよ。“娘の友達がジムリーダーなんて鼻が高いわー”ってね」

 サトシ 「大袈裟だなぁ。それだったら、親子でトップコーディネーターになったヒカリの方が凄いと思うぜ」

 ヒカリ 「ありがとう。でも、トップコーディネーターは、優勝さえすれば名乗れるもん。地方に8人しか居ない、本当に狭い問を潜り抜けてジムリーダーになったサトシの方が、私は凄いと思うけどな」

 サトシ 「サンキュー、ヒカリ」

 ヒカリ 「えへへっ」

 ハルカ 「うんうん。サトシは私たちとは格が違うんだから。もっと誇って良いんじゃない?」

 タケシ 「2人の言う通りだな。ジムリーダーってのは、本当に選ばれたトレーナーしか なれないんだ」

 カスミ 「そうね。試験や審査も厳しいし、それをパスしたんだから、もっと自信を持つべきよ」

 デント 「そうだね。慢心は良くないけど、ジムリーダーたるもの、堂々と構えることも、時に必要だよ」

 サトシ 「……あぁ。ありがとな、みんな」
 ▼ 51 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:40:33 ID:Y1hEVGJk [27/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


 デント 「それじゃあそろそろ、イッシュの話題に入ろうか」

 サトシ 「あぁ。イッシュはライバルが多かったからな〜」

 デント 「主にドンバトルの影響だね」

 カスミ 「ドンバトル?」

 デント 「ドン・ジョージって言うマネージャーが開くバトル大会のことだよ。場所によって大会の名前は違うけどね」

 カスミ 「ふーん」

 サトシ 「気になるのはアイリスだけど……やっぱり忙しいよな」

 デント 「うん。誘ったんだけど、どうしても都合が付かないようだったね」

 カスミ 「その子がイッシュでサトシと旅した女の子?」

 サトシ 「あぁ」

 ハルカ 「どの地方でも女の子が一緒なのね」

 ヒカリ 「って言っても、私たちの方から同行してるんだけどね」

 カスミ 「……まって。アイリスって、まさかイッシュ地方チャンピオンの!?」

 デント 「そうさ」

 サトシ 「いやぁ、WCSで再会したらチャンピオンになってたんだから、驚いたぜ」

 ハルカ 「凄いかも……!」

 ヒカリ 「サトシと旅したメンバーの中では、一番の出世よね」

 サトシ 「あぁ。すげぇ努力したんだろうな、アイリスも」

 ヒカリ 「あーあ。せっかく久々にアイリスと会えると思ったのに」

 サトシ 「ヒカリもアイリスとは あのとき以来だもんな」

 ヒカリ 「うん」

 デント 「でもほら、アイリスのことだから、ポッと連絡よこすと思うよ。今回こうして同窓会を開いたのは知ってる訳だからね」

 サトシ 「そうだな」
 ▼ 52 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:41:18 ID:Y1hEVGJk [28/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 デント 「サトシのライバルで言うと、ケニヤン、コテツ、シューティーだね」

 サトシ 「懐かしいな」

 デント 「まずケニヤンだけど、ドン・ジョージのバトルクラブに就職したそうだよ」

 サトシ 「おぉ! ケニヤンにピッタリじゃん!」

 デント 「だね。筋肉質だし、熱いバトルが好きだし」

 サトシ 「ケニヤンか〜。ホント熱いバトルで……、よく名前間違えられてたっけ」

 デント 「アクセントだったね」

 サトシ 「あれ結局、どこが正しいんだ?」

 デント 「ケニヤ“ン”は違うらしいよね」

 サトシ 「それは普通に分かるけどな。“ケ”で合ってたっけ?」

 デント 「いや、多くの人は“ニ”をアクセントにしてたね」

 サトシ 「けど、間違えられまくったから、あれだけ“アクセントが違う〜”って言ってたんだろ?」

 デント 「そうすると“ニ”は間違いってことかい?」

 サトシ 「あぁ。でも“ケ”の時も違うって言ってた記憶があるし……」

 デント 「そうなると“ヤ”になるね」

 サトシ 「ケニ“ヤ”ンか。う〜ん……、なんだかんだで、あいつと会うのはバトル関係の時だけだったし、正直記憶が……」

 デント 「まぁ、ケニ“ヤ”ンってことにしておこうよ。ここであんまり悩んでも、他の皆には謎だからね」

 タケシ 「まったくだ」

 サトシ 「そうだな」
 ▼ 53 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:41:54 ID:Y1hEVGJk [29/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 デント 「続いてコテツ」

 サトシ 「あいつは おっちょこちょいだったよな〜」

 デント 「ホントにね。リーグの3日前からテントで忍んでたのに、エントリーを忘れてたって言うんだから、相当な おっちょこちょいだったね」

 シゲル 「酷いなそれ」

 カスミ 「それ おっちょこちょいのレベル越えてるわよ」

 サトシ 「ははっ、そういう奴だよ、コテツは」

 デント 「そうだね。真っ直ぐの正直者だったし、何かと憎めない存在だよ」

 サトシ 「しかもオレ、イッシュリーグでコテツに負けたからな」

 タケシ 「なるほど。実力は本物って訳か」

 サトシ 「あぁ。それでコテツは……」

 デント 「何処かを旅してるみたいだよ。世界一のポケモンチャンピオンを目指してね」

 サトシ 「そっか。コテツらしいな」

 カスミ 「世界一のポケモンチャンピオン……、サトシと似てるわね」

 サトシ 「あぁ!」


 デント 「それとシューティーだけど、彼は大学に通ってるみたいだね」

 サトシ 「大学か。確かにシューティー、色々細かく分析とかしそうだもんな」
 ▼ 54 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:43:10 ID:Y1hEVGJk [30/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 デント 「あーあと、イッシュリーグ繋がりでバージルさん」

 サトシ 「おぉチーム・イーブイ!」

 デント 「彼も変わらずレスキュー隊を続けているよ。たまにテレビに映って、彼の活躍が称賛されてるね」

 サトシ 「バージルさん凄いよな〜。レスキューやってる傍ら、手持ちイーブイズだけでイッシュリーグ優勝しちゃうんだもんな〜」

 デント 「うん。レスキューと言う仕事柄、ポケモンを強く逞しく育ててるんだろうね」

 サトシ 「特にイーブイ。甘えん坊な♀なのに、クリムガンを倒しちまったもんな」

 デント 「そうだね。イーブイのまま強く生きていくって言う、バージルさんとイーブイの決意を感じるバトルだったよ」

 サトシ 「イーブイは努力屋が多いのかもしれないな」



 デント 「それと忘れてた、ルーク!」

 サトシ 「居たなぁ! ルークもドンバトルに出たんだっけ」

 デント 「ドキュメンタリー映像のためにね」

 サトシ 「そうそう。映画の撮影も手伝ったっけ」

 デント 「ゾロアのイリュージョンは、まさに映画ピッタリだったね」

 サトシ 「あぁ。何故か よくラングレーに化けてたけどな」

 デント 「あー、そう言えばラングレーとも連絡が取れなかったなぁ」

 サトシ 「そうなのか。まぁ、ラングレーはアイリスが主に関わってたからな」

 デント 「そうだね。 で、話を戻してルークだけど、ポケウッドの映画コンクールで優勝したの、覚えてるかい?」

 サトシ 「覚えてる覚えてる。ポケウッドの映画監督になったんだっけ」

 デント 「そう言うとちょっと語弊があるけど、結果的には変わらないかな」

 サトシ 「結果的?」

 デント 「ルークの作品、ポケウッドでも高い評価を受けて、“ポケウッドの”映画監督としてデビューを果たしたんだよ」

 サトシ 「凄いじゃん!」

 デント 「ゾロアとゴビット、ハハコモリとメラルバの役割も注目されたみたいでね、彼のこれまでの映画作りを、ポケウッドが認めた形さ」

 サトシ 「へぇ〜。じゃあもうルークの映画って見れるのか?」

 デント 「うん。シリーズものを何作も担当していて、それなりの興収を上げてるようだよ」

 サトシ 「知らなかったな。シリーズ作品って、どれくらいあるんだ?」

 デント 「最新のが28本目のはずだよ」

 サトシ 「そんなにあるのか」
 ▼ 55 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:45:45 ID:Y1hEVGJk [31/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 デント 「このまえ最新作が公開されて……、カントーでも上映されたんじゃないかな? “隻眼の影分身”って映画」

 ハルカ 「それ私みたかも!」

 ナナコ 「ウチも! 長野の天文台が舞台のやつやな!」

 デント 「そうそう。ルークの映画、実在の都市をモデルにすることもあるからね」

 トオル 「そうか、あのシリーズものの監督、そのルークって人だったのか」

 サトシ 「そんなに有名なのか?」

 トオル 「それなりに有名だよ。確か前作が“100万ドルのアンヘルタワー”、前々作が“黒鉄のカマスジョー”だったね」

 サトシ 「へぇ〜。オレ映画なんて滅多に見ないからなぁ」

 タケシ 「ジムリーダーは忙しいからな」

 カスミ 「でも、たまには息抜きも必要よ」

 サトシ 「だよな。じゃあ今度見てみるかな、そのルークの映画。オススメとかあるか?」

 トオル 「いま言った中では、“黒鉄のカマスジョー”が評価が高いけど……」

 ハルカ 「ふふっ。サトシに恋愛絡みの映画なんて似合わないけどな〜」

 ヒカリ 「ホント〜」

 サトシ 「なんだよ。オレだって いつまでも鈍感じゃないからな!」

 ▼ 56 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:46:25 ID:Y1hEVGJk [32/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 デント 「ははっ。……あと、ベルがアララギ博士の助手になったよ」

 サトシ 「ベルが助手か。……大丈夫なのか?」

 デント 「何がだい?」

 サトシ 「あの おっちょこちょいなベルが助手って……」

 カスミ 「イッシュは おっちょこちょいが多いわね」

 タケシ 「何をしたんだよ……」

 サトシ 「ベルと会うたびに突き飛ばされて びしょ濡れにされる羽目になる」

 タケシ 「……何があったんだよ」

 デント 「まぁ確かに頼りないところもあるけど、助手として しっかり働いてるようだよ」

 サトシ 「そうなのか」

 デント 「あれからみんな成長してるってことさ」

 サトシ 「なるほどな」



 デント 「あとは……、カベルネが、ポケモンソムリエAクラスに合格したよ」

 サトシ 「あぁ、デントのライバル的な」

 デント 「彼女のソムリエとしての実力、なかなか目を見張るものがあったよ。ポケモンソムリエとして お店を開くって言ってたし、今後に期待だね」

 サトシ 「店を……そっか。Aクラスになると、自分の店を持てるんだっけ」

 デント 「そうさ。それで僕の所に報告がてら相談しに来て、色々アドバイスしてあげたんだよ」

 サトシ 「へぇ〜。カベルネ、最初はデントのこと恨んでたのにな」

 デント 「彼女も成長したね」

 サトシ 「……ん? カベルネがAクラスってことは、デント追いつかれちゃったのか?」

 デント 「いいや。僕たち3兄弟、揃ってSクラスに合格してるよ」

 サトシ 「そうなのか。おめでとうデント!」

 デント 「ありがとう。3年ほど前の話だけどね」

 サトシ 「……へへっ。カベルネのやつ、これからもデントを目標に成長するんだろうな」

 デント 「そうだね。ライバルとして、僕も楽しみだよ」
 ▼ 57 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:47:21 ID:Y1hEVGJk [33/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


 タケシ 「……さて。じゃあ地方ごとの近況報告は終わりかな?」

 サトシ 「あぁ。カロスの話は、シトロンたちが着いてからだな。あとは、ゴウとコハルにも会いたかったけど……」

 シゲル 「サクラギ研究所に連絡してみたけど、2人とも、研究の一環でナナシマに行ってるらしいね」

 サトシ 「コハル、今やサクラギ博士の立派な助手だもんな〜」

 ヒカリ 「将来はサクラギ博士の名前を継ぐのかしらね? シゲルみたいに」

 シゲル 「そう考えると、彼女は努力家だね」

 サトシ 「あぁ。将来が決まってないって悩んでたけど、しっかり自分の目標、見つけられたんだな」

 シゲル 「いずれ学会とかで会えるのが楽しみだね」

 サトシ 「ゴウは相変わらず、ミュウを追いかけてるんだよな?」

 シゲル 「らしいね。今回ナナシマに行ってるのも、ミュウの痕跡を調査するためらしいよ」

 サトシ 「へへっ。変わらないなゴウは」

 

 タケシ 「それじゃあ後は自由時間とするか。サトシの顔、バトルしたいって書いてあるもんな」

 サトシ 「やべ、バレた」

 カスミ 「まったくもぉ」

 シゲル 「サトシらしいね」

 タケシ 「……そうだ。料理を外に出して、サトシのバトルを見ながら歓談と いかないか?」

 ナナコ 「ええなええな! サトシはんと言ったらバトルやもん。ウチ賛成やで!」

 ヒカリ 「そうね。バトル中は、久々に会えた仲間同士、お喋りしたいし。ねっ?」

 ハルカ 「ねー♪」

 サトシ 「よし! じゃあ手始めにヒロシ、バトルしようぜ!」

 ヒロシ 「来ると思ったよ。セキエイリーグ以来だね!」

 サトシ 「あぁ!」
 ▼ 58 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:48:13 ID:Y1hEVGJk [34/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

 デント 「それじゃあ僕は、Sクラスソムリエとして、みんなのポケモンを見てあげるよ」

 カスミ 「へ〜面白そう!」

 ナナコ 「ウチのメガニウム見たってや!」

 トオル 「それじゃあ僕は、サトシの迫力あるバトルを写真におさめようかな」

 シゲル 「良かったら、研究所のポケモンも撮って行きなよ」

 トオル 「ホントかい!? じゃあお言葉に甘えるよ」





こうしてオレたちは、思い思いの一時を過ごした。



ヒロシと、シゲルと、タケシと、ナナコとバトルして。


ハルカとヒカリには、コンテストやトップコーディネーターとしての話を聞いて。


トオルには、ポケモンたちの写真を撮って貰って。


タケシ、カスミ、デントから、ジムリーダーとしての心がけ、運営のコツなどを教えて貰って。





気が付けば、あっという間に時間は過ぎ去って行った。




 ▼ 59 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:48:49 ID:Y1hEVGJk [35/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



18時――。


空はオレンジ色に染まり、空を飛ぶ鳥ポケモンたちのシルエットが、ひときわ目立つ。



 タケシ 「……それじゃあ、そろそろ お開きだな。ハルカとヒカリは飛行機の時間もあるし」

 ハルカ 「うん。あっという間だったなぁ」

 ヒカリ 「本当ね。明日も お休みなら良かったのに」

 カスミ 「仕事が優先よ。ハルカもヒカリも、ホウエンとシンオウの代表的なトップコーディネーターなんだから」

 ヒカリ 「うん。ありがとうカスミ」

 カスミ 「私も今日は早めに帰って、明日の水中ショーの確認しないとな〜」

 ヒロシ 「僕たちも、明日は朝一でウツギ博士の所だから、ジョウトに向かうとするよ」

 トオル 「そうだね」

 ナナコ 「ウチも明日は大学やからな」

 サトシ 「そっか。みんなありがとな、オレのために集まってくれて」
 ▼ 60 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:49:34 ID:Y1hEVGJk [36/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

改めてサトシは、ここに集結した仲間たちに感謝の気持ちを伝えた。


ジョウト、ホウエン、シンオウ、そしてイッシュ。

遠く離れた地から わざわざマサラタウンと言う田舎町に出向いてくれたことは、サトシにとって、本当に有難いことだった。



 デント 「僕は一泊予定だったから、もう少し残るよ」

 サトシ 「そっか。イッシュじゃ日帰りは無理だもんな」

 タケシ 「オレも最後まで付き合うぞ」

 シゲル 「まぁ必然的に僕も そうなるね」

 カスミ 「そう言えば、カロスでサトシと旅したメンバー、結局来なかったわね」

 タケシ 「飛行機の遅れ、けっこうデカかったみたいだな。もうカントーの空港には着いたってメール入ったから、今頃リムジンバスだろうけど……」

 ハルカ 「ちょっともう無理そうね」

 ヒカリ 「カロスの人たちとも会いたかったな〜」

 タケシ 「なぁに、また機会はあるさ。当然また集まるだろ、サトシ?」

 サトシ 「あぁ。今度は皆で温泉でも行きたいな」

 ヒロシ 「良いね、泊まりがけの同窓会」

 ナナコ 「ほはエンジュの良い旅館、紹介するで!」

 ハルカ 「フエン温泉も良いわよ?」

 ヒカリ 「ふふっ。今から次回が楽しみねっ」
 ▼ 61 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:50:33 ID:Y1hEVGJk [37/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

みんな、自分のために集まってくれる――。

そして、それを楽しみにしてくれている――。


サトシにとって、これほど嬉しいことは無いだろう。

そしてそれは、ジムリーダーの立場に思い悩むサトシにとって、前向きになれる特効薬でもあった。


 サトシ 「みんな、今日は本当にありがとう。オレ、ジムリーダーとして まだまだで、けっこう思い詰めてたけどさ、みんなに元気を貰ったよ」

 ハルカ 「ふふっ。思い詰めるなんてサトシらしくないもん。頑張ってね、これからも」

 ヒカリ 「サトシなら大丈夫っ。応援してるからね!」

 カスミ 「まぁ、最初のうちは みんな悩むわよ。しっかり悩んで、自分の答えを見つけなさいよね」

 ヒロシ 「そうだよサトシ。真実は、いつも一つ、とは限らないんだし、自分の方向性を確立するのも大事だよ」

 トオル 「そうだね。サトシなら出来るさ。なんたって夢はポケモンマスターだからね!」

 ナナコ 「そやで。一般トレーナーからジムリーダーになったサトシはん、ウチらにとって希望の星やからな!」

 デント 「うん。サトシの諦めない心、まさにいま、発揮すべきじゃないかな」

 シゲル 「まぁ、相談くらい乗るよ。僕とサトシが、マサラの出世頭なんだからね」


 タケシ 「みんながサトシを応援してるんだ。悩んでも良い。迷っても良い。その先にあるものを掴めれば、お前も立派なジムリーダーになれるさ」

 サトシ 「みんな……、ありがとう。本当にありがとな。オレ、もう少し もがいてみるよ。みんなに恥じないジムリーダーになるために!」

 タケシ 「あぁ。その意気だぞ!」





・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



・ ・ ・ ・ ・ ・



・ ・ ・



 ▼ 62 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:54:00 ID:Y1hEVGJk [38/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



サトシは、自分の街へと帰って行く皆の背中を、最後まで見送った。



そして とても暖かな気持ちになって、空を見上げ、一息ついた。



 タケシ 「……良い気分転換になったみたいだな」

 サトシ 「あぁ」

 デント 「ジムリーダーは誰しも、プレッシャーに押し潰されそうになるものだよ。誰だって思い悩むし、誰だって弱気になる。サトシだけじゃないのさ」

 タケシ 「そうだな」

 サトシ 「ありがとな、タケシ。デント。こうやって相談できる仲の知り合いが居て、本当に良かったよ」

 タケシ 「それは お前の人柄にも表れてるんじゃないのか?」

 デント 「そうだね。僕もタケシも、サトシに興味を持って、旅に同行したんだもんね」

 サトシ 「へへっ、サンキュー」

 シゲル 「まぁ、サトシの お人好し具合は僕も凄いと思うよ」

 サトシ 「それ褒めてるのかよ」

 シゲル 「褒めてるよ」

 サトシ 「ホントかよ〜」

 シゲル 「ほらほら。ひとまず少し片付けよう。カロスからの客人を もてなすんだろ?」

 タケシ 「そうだな。料理も温め直すか」

 デント 「少し追加しても良いね」



 サトシ (……ふぅ。カロスのみんなと会うのも楽しみだなぁ)



カロスからの仲間が到着したのは、それから更に1時間経った後だった。





     ― 続く ―


 ▼ 63 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/24 20:54:35 ID:Y1hEVGJk [39/39] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



当SSは、ここまでです。

続きは別スレへと移行します。



なお、このSSは、2017年に執筆したSSを加筆修正したリメイク版となります。



また、下記SSの5年後をイメージしていますが、同作を読まなくても特に問題ありません。

http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=504910

 ▼ 64 シュシュプ@コイン 25/09/24 21:43:27 ID:JgOUYtdc NGネーム登録 NGID登録 報告
甲州街道‥‥おまえさん随分久しぶりじゃないか?
 ▼ 65 甲州街道◆Np5ysP3gOE 25/09/27 02:11:46 ID:2lUcag5E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

こちらに続く

【SS】 カロスの誓い、はじまりの日

https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=2395149
  ▲  |  全表示65   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。
書込エラーが毎回起きる方はこちらからID発行申請をお願いします。(リンク先は初回訪問云々ありますがこの部分は無視して下さい)

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!
(消えた画像の復旧依頼は、問い合わせフォームからお願いします。)
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼