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【SS】マッシブーンさん、やはりハードボイルド

 ▼ 1 1◆zBLfAqPIVA 25/09/27 15:33:52 ID:nC86CQtY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺の名前はマッシブーン。
知ってるだろ? あのマッシブーンさ。
もし知らないんだとしたら、さっさと回れ右してサンムーンを遊んでこいって話だな。

それにしてもよ、ルビサファリメイクだの、ダイパリメイクだの、ブラホワリメイクだのと、ポケモンプレゼンツがある度に何か発表があるんじゃないかと騒いできたけどさ。
そろそろサンムーンリメイクすら見えてきちゃったよな。
まったく年月の経過ってのは恐ろしい話だぜ。

ま、それについては本題じゃないから別にいいんだが。

俺はとにかくハァドボォイルド(かなりネイティブな発音)な男なんだが、こないだ俺があまりにもハァァァドボォゥイルド(余りにもネイティブな発音)すぎるせいで、妙な事件に巻き込まれちまってな。
そう、今日は皆に聞いてもらいたい話があるんだ。
ちょいと長いかもしれねぇが、我慢してくれ。



あれは1ヶ月前のこと。俺が鏡の前で、見る者を全てを魅了する最強のポージングを練習をしていた時のことだった。

マッシブーン「ふんっ……ふんっ!」

フェローチェ「何やってんの」

マッシブーン「あ?決まってるだろ、日課だよ」

説明しよう。俺の一日は、30分間のポーズ練習から始ま……

フェローチェ「あー待った待った。その説明割愛でヨロシク」

マッシブーン「チェッ」

俺は軽く舌打ちをしたが、フェローチェを批判するつもりはなかった。何故ならば、女の我儘は優しく抱きしめてやることこそが、ハードボイルドの規範ってやつだからな。
 ▼ 152 1◆lnEOBF5j7c 25/10/05 17:27:22 ID:grXgMSTA [1/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
すごいキズぐすりを使われたマッシブーンはほとんど全快し、そのままネクロズマたちと一緒に、最上階を目指した。
しばらくの間、沈黙が続く。
やがて、マッシブーンが気まずそうに頬を掻きながら、ゆっくりと話し始めた。

マッシブーン「あー、その…………すまねぇ、みんな。親父の手がかりがゲットできるかもと思って、焦ってた」

フェローチェ「……別にいいのよ。許してあげる。代わりにこの戦いが終わったら、私に何かプレゼントちょーだいね!」

カミツルギ「こっちにも欲しいッス! できれば高価なやつがイイっすね!」

マッシブーン「はは……代償は高くつきそうだな」



ネクロズマ「さて、そろそろ19階だ。……まったく、エレベーターでも付いてれば上に行くのも楽なんだがなぁ」

フェローチェ「えれべーたー?」

ネクロズマ「人間が作った乗り物の中で、最も偉大な発明のことさ」





〜ゴッドタワー19F〜

マッシブーン「……む、お前は」

アギルダー「やっと来たかや。おまんらにはホトホト待ちくたびれたぜよ」

ビーダル「おおマッシブーン……お初にお目にかかるでげす」

マッシブーン(……げす?)
 ▼ 153 1◆lnEOBF5j7c 25/10/05 18:04:04 ID:grXgMSTA [2/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ビーダル「オイラずぅっと楽しみだったでげす! マッシブーン! お前と戦うことが!」

マッシブーン「誰だか知らねーが、俺はさっさとカプ・コケコって野郎と話をしたいんだ。邪魔するんじゃねーよ」

ビーダル「んくくっ、だったらオイラとアギルダーを倒すことでげす。ちょうどこの上の階に、アイツがいるでげすからねぇ」

カミツルギ「……マッシブーンさん、ここは僕とフェローチェさんに任せるッス」

ビーダル「はぁ?」

マッシブーン「……すまないな、本当に助かるよ」

ビーダル「おいおいおい、待つでげすよ! オイラはマッシブーン、お前と戦いたいんでげす!! こーんなちっこい奴と戦いたい訳じゃ……」

マッシブーン「おいおい、そんなこと言っていいのか? カミツルギはな……」



カミツルギ「リーフブレード」ズバッ

ビーダル「……ッッ!?」

アギルダー「ボス!?」

ビーダル「心配するなでげす。スレスレでかわしたから大丈夫でげすよ」

ビーダル(だが……今の攻撃……当たっていたらヤバかった)ゾクゾクッ


マッシブーン「カミツルギは……コスモッグ商会で最も攻撃力の高い男だ」
 ▼ 154 1◆lnEOBF5j7c 25/10/05 18:27:20 ID:grXgMSTA [3/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ビーダル「……これは失礼なことをしたでげす、カミツルギ殿。貴殿のことを見た目だけで判断し、見くびっていた」

カミツルギ(雰囲気が変わった……)

ビーダル「最初から本気でいかせてもらうでげす」



アギルダー「……それで、俺の相手はアナタというわけか」

フェローチェ「よろしくね」

アギルダー「勝負は一瞬で終わらせるのが俺の信条ぜよ」

フェローチェ「奇遇ね、私もなの……よ!!」

フェローチェが空中に飛んだ瞬間、アギルダーも飛び上がり、突然の空中戦が始まった。
2匹の速度は、マッシブーンの目にも捉えられないほど素早く、鋭い。
数秒の間にいくつかの打撃音が響いたのち、2匹は息を切らしながら、地上へと降り立った。

アギルダー「はぁ、はぁ……この女……早い」

フェローチェ「あなたもね……。ふぅ、ふぅ……息切れなんていつぶりかしら」



ネクロズマ「おいマッシブーン、上へ行くぞ」

マッシブーン「あぁ……二匹とも、ここは任せたぞ! 頑張ってくれ!」

カミツルギ「へへ、マッシブーンさんこそハードボイルドを忘れないようにッス!」

フェローチェ「あなた本当は泣き虫なんだから! 無理だけは禁物よ!」


マッシブーン「ふ……余計なお世話だよ」

マッシブーン「だけど……ありがとう。気合いが入る」
 ▼ 155 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 19:22:00 ID:grXgMSTA [4/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
──
────
──────
────────

〜最上階、カプ・コケコの間〜

カプ・コケコ「────神とはよく矛盾を引き起こされてしまう存在だ。本来、神とは『知りえない・語りえない』超越的な存在でなければならない。しかし、民は神を知ろうとする。語ろうとする。あまつさえ、神に並ぼうと考える」

カプ・コケコ「儂は神と呼ばれるポケモンである。だからこそ、儂はそんな愚民を正さねばならない。修正しなければならない」

ネクロズマ「それで、あなたは結局何を言いたいんだ」

カプ・コケコ「愚民はよく過程を疎かにするよな。結論だけを求めては、生物が成長することはないというのに」

マッシブーン「はっ、ネクロズマさんは時間の無駄だって言いたいんだよ。どうせお前は俺たちを消したいんだろ? だったらそう言えばいいじゃねぇか」

カプ・コケコ「……愚民には、何を言っても、無駄か」


ネクロズマ「あなたを守る者はもういない。私とマッシブーンで、あなたを止めてみせよう。悪神、カプ・コケコよ」

カプ・コケコ「ふ……儂を守る者はいないか。ハハハハハ……ハーッハッハッハ!!」

マッシブーン「何がおかしい」

カプ・コケコ「そこのマッシブーンとやら。お前は父を探しに来たのだろう? 民の望みを叶えることも、神の責務の一つである。会わせてやろう、お前の父親に!!」

カプ・コケコはそう言うと、物陰から何かを取り出した。
ネクロズマの表情が一瞬にして、険しいものになる。

ネクロズマ「あれは……ウルトラボール!」



カプ・コケコ「出てこい、そして儂のために尽くせ、マッシブーン!!」

親父ブーン「…………」

マッシブーン「なっ────お、親父ィィ!!!!」
 ▼ 156 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 19:39:56 ID:grXgMSTA [5/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
カプ・コケコが放り出したウルトラボールから出てきたのは、マッシブーンの親父だった。
しかし、その表情はとても虚ろで、正気であるとは思えない。
まるで心を奪われてしまったかのようだった。

ネクロズマ「カプ・コケコォォ……お前、何をした!!」

カプ・コケコ「フフフ! 貴様から盗んだウルトラボールに閉じ込めただけでは、このマッシブーンは言うことを聞かなかったのでな! ムウマージに何度も何度も、呪いや幻覚をかけてもらって、洗脳したのだよ!」

親父ブーン「……」

カプ・コケコ「今やコイツは儂の操り人形! さぁ、奴らを殺せ! そして奴らが持っている道具も、モンスターボールも、ウルトラホールも、何もかもを奪うのだ!」

親父ブーン「……承知」

親父ブーンの動きは15年前の頃から衰えず、逞しく、激しく、そして強い。
繰り出された何発ものパンチが、ネクロズマの肉体を捉えた!

親父ブーン「罵苦辣犯魑(ばくれつパンチ)!!」

ネクロズマ「む、むぐぅっ……!」

マッシブーン「ネクロズマさん!?」

ネクロズマ「心配するな……ゲホ! まったく、厄介な奴が敵になったものだ。カプ・コケコだけならまだ何とかなったものの」


カプ・コケコ「強がるな。今のばくれつパンチで貴様は混乱状態に陥ったはず。視界も思考も歪んでどうしようもないだろう?」
 ▼ 157 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 19:54:17 ID:grXgMSTA [6/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ネクロズマ「だが、混乱状態などラムのみを食べればすぐに治せ──」

ラムのみを口に運ぼうとしたネクロズマだが、その手はピタリと止まってしまった。
手が、まったく動かせない。何者かの力によって、ラムのみを食べることをまるで封印されてしまったかのようだ。

カプ・コケコ「ククク……」

ネクロズマ「な、何が起きて……ハッ!」

何者かの気配に気づき、ネクロズマは天井を見上げた。
そこには、びっしりと張り付いた数十匹のデンチュラ。

ネクロズマ「まさか……きんちょうかん!」

カプ・コケコ「御名答……デンチュラの特性きんちょうかんによって、貴様はきのみを摂取することはできない!」

ネクロズマ「だったら、バッグの中にあるなんでもなおしで────」

カプ・コケコ「させるか! かみなり!」

数十匹のデンチュラ「エレキネット!」


────バチバチバチバチバチバチバチバチッッッッ!!


ネクロズマ「ぐおおおおおおおおおっっっっ」

マッシブーン「ネクロズマさんっ!?」

親父ブーン「ヨソミを……するな!」

マッシブーン「ぐっ──────!?」
 ▼ 158 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 20:15:07 ID:grXgMSTA [7/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



 ◇


一方その頃、ゴッドタワーの足元では、テッカグヤとアクジキングが未だに暴れ続けていた。
それに相対するのは真闘衆のカイリキー。そして……。

ラグラージ「オラの身体は生まれつき丈夫なんだぁ。他のラグラージと比べても別格になぁ」

テッカグヤ(このラグラージ……何発も攻撃を打ち込んだのに倒れない)

カイリキー「鉄壁のラグラージ。こいつは俺たち真闘衆の中でもナンバーワンの体力を持っている」

テッカグヤ「う〜ん……厄介だなぁ〜。そろそろ倒れてくれないかな〜」

カイリキー「それはこっちの台詞だ。特にこのアクジキングとかいう奴! どんなタフネスをしてるんだ! もうこっちの拳がイカれそうなんだよ!!」

テッカグヤ「これじゃあ耐久戦……泥沼だねぇ〜」

アクジキング「ぶぉぉぉぉ!! 腹減ったぁぁぁぁ!!」

ラグラージ「う〜〜ん……そうだ、良い考えがあるだよ」

カイリキー・テッカグヤ「?」


ラグラージ「みんなで飯を食うんだ〜、そしたらみんな仲良くなれるよ〜」

カイリキー「ハァ!?」

アクジキング「飯!?!!?!?」

テッカグヤ「それ、良い案かも!」
 ▼ 159 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 20:44:03 ID:grXgMSTA [8/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ラグラージ「近所におすすめの定食屋さんがあんだ〜、ボリュームもたっぷりだからオススメなんだよ〜」

アクジキング「飯! 飯! ギャハハハハハ!」

テッカグヤ「すっごい楽しみ〜!」

カイリキー「おっ、
 ▼ 160 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 20:54:49 ID:grXgMSTA [9/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
カイリキー「俺は行かないからな! 敵と馴れ合うなんてそんな馬鹿なこと────」

ラグラージ「ほらほら面倒臭いこと言わないでついてくるだよ」

カイリキー「うおおおおおお、強引に引っ張るなああああ…………」



 ◇



〜ゴッドタワー1F〜

キリキザン「はぁ、はぁ、はぁ……」

ドドゲザン「つ、強くなったな、我が息子よ……。しかし、この程度で動けなくなるとは、俺様も歳か……」

キリキザン「はぁ、はぁ……息子じゃない。私はもう男らしくあることをやめた。私は女なんだ! お前の教育なんかには、もう縛られない!」

ドドゲザン「そうか、すまなかったな。お前を……お前を強くしたいがために俺様は……お前を辛い目にあわせてしまった」

キリキザン「はぁ、はぁ……」


ドドゲザン「謝らせてくれ……本当に、すまなかった」

キリキザン「おいおい今更土下座だなんて──」

ドドゲザン「……クククッ」
 ▼ 161 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 21:07:01 ID:grXgMSTA [10/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ドドゲザン「嘘だよヴァ〜〜カァ!!」

キリキザン「なっ────!?」

ドドゲザン「ドゲザン!!」

土下座して、相手を油断させておいて、切りかかる。
なんとも卑劣。なんとも非道。
ドドゲザンの繰り出したドゲザンは必中わざ。
効果は今ひとつとはいえ、キリキザンはモロにダメージを受けてしまった。

キリキザン「ぐはっ……テメェッ……なんて卑怯なことをッ……」

ドドゲザン「いいかクソ餓鬼!! この世は最後に勝ったやつこそが正義なんだよなぁ〜!! にゃははははは!! 気持ちがいいずぇ〜!!」


キリキザン「お前はっ……男らしさとかそんな次元じゃない……最低だ! 生き物として最低の存在だ!!」

ドドゲザン「何とでも言え。俺様は生き残る。お前はこれから死ぬ。その事実こそが全てなんだよ!!」


キリキザン「クソ野郎ッ……!!」


ドドゲザン「俺様がキリキザン一家を捨てた理由は一つ。あの組じゃ限界が見えたからだ。だから俺様は神頂会に入った。この組織なら世界の頂点を狙える! そしていずれ俺は、カプ・コケコをも討ち取り、神頂会の会長にだってなってやるのさ!!」
 ▼ 162 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 21:20:32 ID:grXgMSTA [11/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ドドゲザン「そうしたら俺様はこの世界の住民を意のままに操ってみせる! これがロマンだ! これが男の野望だぁぁぁ!!」

キリキザン「……っ」

ドドゲザン「キリキザン、お前は強くなったよ。この俺様より強くなった。だが足りねー。どんな手段を用いても勝利を掴み取る執念が足りねー!」


?????「────ドドゲザン……つまらん男に成り下がったな」

キリキザン「え……」

ドドゲザン「だ、誰だ!!」


レアコイル「私の名か。では僭越ながら、名乗りを上げさせていただきます。キリキザン一家相談役、レアコイル!」

コマタナ「キリキザン一家若頭、コマタナ!」

エアームド「キリキザン一家若頭補佐、エアームド!」

サーナイト「え、わ、私も名乗るの? えっと、児童養護施設『妖精の家』代表、サーナイト!」

リオル「自警団、ガーディアンズのリーダー、リオル!」



ドドゲザン「な、何だお前ら……」

キリキザン「みんな……」
 ▼ 163 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 21:35:40 ID:grXgMSTA [12/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レアコイル「ドドゲザン覚悟しろ! 組を抜けた者に我らは容赦せぬぞ!」

レアコイル「でんじは!」
コマタナ「アイアンヘッド!」
エアームド「ドリルくちばし!」
リオル「はっけい!」

ドドゲザン「ぐ……ゲボッ!?」


サーナイト「キリキザンさん、じっとしててください。いのちのしずくで回復します」

キリキザン「あ、ありがとう……」


ドドゲザン「ゲホッ、ガハッ、ふざけやがって……俺様は元組長だぞ! 俺様に逆らっていいわけが……」

キリキザン「おい、ドドゲザン」

ドドゲザン「なっ────」

キリキザン「身に沁みたよ。確かに私には足りなかったかもしれねぇ。勝利への執念がな」

ドドゲザン「お、おい俺様は父親だぞ。お前を育てた実の親で────」

キリキザン「喰らえっ……れんぞくぎり!!!!」

ドドゲザン「ぎっ、ぎゃああああああああああああああああああああああ………あ、あ、あ……!!!!」


キリキザン「……だけど、私には仲間がいる。私の足りない部分を支えてくれる、仲間が!!」


キリキザン vs. ドドゲザン

勝者────キリキザン。
 ▼ 164 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 21:52:04 ID:grXgMSTA [13/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



 ◇



〜ゴッドタワー15F〜


ムウマージ「さっきからなんなんだいアンタ! 敵に塩を送ってばっかりじゃないかい!」

ウツロイド「え? そうかしら。でもこれは実演販売よ。コスモッグ商会の商品を実際に試してもらわないと、効果を実感できないでしょう?」

ウツロイドは今、さまざまな商品をローブシンに与えまくっていた。
ディフェンダー、スピーダー、クリティカットにとつげきチョッキ、タウリン、キトサン、インドメタシンetc────

最初は無理やり飲ませてくるもんだから、ローブシンも毒物かと警戒した。
しかし違う。これらは本当に、ローブシンを強くするためのドーピングアイテムだったのである。

ローブシン「ぐ……げははははは……すげーパワーだ……このパワーがあれば、誰にも負けねぇぞぉ!!」


デンジュモク「おいおいどうすんだよ、ウツロイド。あのローブシン、ドーピングしすぎてバケモンになってんぞ」

ウツロイド「これでいいのよ」

デンジュモク「はぁ?」
 ▼ 165 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 21:57:38 ID:grXgMSTA [14/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウツロイド「ローブシン様、これで実感していただけたかしら。あなたは道具の力でとんでもなく強くなりました。そのパワーがあれば、神と呼ばれるポケモンにだって勝てちゃうかもね?」

ローブシン「あぁ……だまんねぇよこのパワー!! 今すぐ誰がを殴りだぐでじょーがねぇ!!」

ムウマージ「お、おいおい、殴るなら、あのウルトラビーストにしてくれよ!?」

ローブシン「当たり前だろ!! あのウルトラビーストをざっぞぐ殴るぞぉ!」

デンジュモク「おいおいアイツこっちに向かってくるぞ! どうすんだウツロイド!?」

ウツロイド「うふふ、ローブシン様……最後にお試しいただきたいものがあります」

ローブシン「あ?」


ウツロイド「私の神経毒です」


プスッ────
 ▼ 166 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 22:11:22 ID:grXgMSTA [15/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ローブシン「あ、あああ、あああああああ、ああああああああ……」

ムウマージ「ローブシン!?」


突然、様子がおかしくなったローブシン。
そんな彼の頭に、まるで帽子のように、ウツロイドが被さった。

ウツロイド「ウフフフフフ……これで寄生完了っと」

ウツロイド「これでローブシン様は、私が操作できるようになったの」


ムウマージ「はぁ!?!?」


ウツロイド「えー……今回、ローブシン様に使わせていただいた商品により、ローブシン様は全ての能力値が通常の4倍に跳ね上がりました。さらにクリティカット使用により、急所率も格段に上昇しております。また、タウリンやキトサンなどのアイテムにより、基本的な能力もさらに上がっていることでしょう」

ウツロイド「ここでさらに今回は、とつげきチョッキも付けておりますので、特防はさらに上昇。ムウマージ様の特殊攻撃にだって耐えられます」

ウツロイド「どうです? 私どもの揃える商品はなんとも魅力的でしょう?」

デンジュモク「……」

ウツロイド「ローブシン様の攻撃力はいまや未知数。どうでしょうか、これからその威力をムウマージ様にも実体験していただきましょうか」


ムウマージ「へ……へ……???」


ウツロイド「ローブシン様、ストーンエッジ」

ムウマージ「や……や……やめ…………て────────」
 ▼ 167 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 22:25:07 ID:grXgMSTA [16/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
──
────
──────
────────

ムウマージ「う、うーん……」ブクブクブク

デンジュモク「あーあ、ムウマージ気絶しちゃったよ」

ウツロイド「本当に攻撃させるわけないのにね。私たちは商会であって、殺し屋の集団じゃないんだから」

デンジュモク「ローブシンはどうなるんだ?」

ウツロイド「神経毒の効果でしばらく意識はないわよ。この間にまっさら餅を食べさせて能力リセットしないとね」


デンジュモク「うーん……ひとつ思ったんだがよ」

ウツロイド「なーに?」

デンジュモク「このタウリンとかスピーダーとか、俺らが使えばよかったんじゃねーの? なんでわざわざローブシンに与えてまどろっこしいことを……」

ウツロイド「それじゃ商売に繋がらないじゃない!」

デンジュモク「へ?」

ウツロイド「言ったでしょ、これは実演販売だって。この後、ローブシンとかムウマージが目覚めたら思いっきりふっかけてやるのよ! 効果だって実感したんだし、安いアイテムを超高値で買ってもらうわよ〜!!」

デンジュモク(おっそろしい女だぜ……こんな女とだけは付き合いたくねーよな……)


しかし、デンジュモクはここから数年後、なんだかんだあってウツロイドと結婚することになるのです。
この時は誰も、そんなことを予想していないのでありました。



ウツロイド vs. ローブシン&ムウマージ

ウツロイドの勝利。
 ▼ 168 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 22:44:51 ID:grXgMSTA [17/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告






〜ゴッドタワー19F〜

ビーダル「はぁ、はぁ、はぁ……」

カミツルギ「ぜぇ、ぜぇ……アンタ鬼強ぇッスねぇ」

ビーダル「キミも激強でげす……。オイラと互角の勝負ができるなんて……何年ぶりでげしょうか」

カミツルギ「チェッ……アンタは水タイプ、こっちは草タイプ……。相性はこっち有利のはずなんスけどねぇ……!」

ビーダル「オイラは史上最高の冒険家、ビッパの子孫でげす。かつては世界を救ったこともあると伝えられる伝説の存在──その名に泥を塗らぬよう、恥じぬように、一生懸命鍛え続けてきたでげす!」

カミツルギ「大層な信念があるってことスね……。僕には、そんなものはない」

カミツルギ「だけど! 大事な居場所である商会のためにも、親友であるマッシブーンさんのためにも、僕は負けられないんスよ!!」

ビーダル「良い気迫でげす……次の一撃が、最後になるでげしょう」



カミツルギ「リーフブレードォォォォォ!!!!」

ビーダル「ひっさつまえばァァァァ!!!!」



─────カッ!!!!

 ▼ 169 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 22:51:47 ID:grXgMSTA [18/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
カミツルギ「…………」

ビーダル「…………」




カミツルギ「僕には……友達がいなかった。ちっちゃいからって周りからは馬鹿にされて……悔しくて鍛えてみたけど、友達はなかなかできなかったッス」

ビーダル「……!」

カミツルギ「そんな時……はじめて……親友になってくれたのは……マッシブーンさんでした。あの方は、孤立している僕に……気さくに話しかけてくれたんス……」

カミツルギ「マッシブーンさん、ごめんなさい……僕……勝て、なかっ、た……」パサッ



ビーダル「……勝てなかったでげすか。そんなことないでげすよ」

ビーダル「オイラが……倒れるのは、初めてのことでげす」ドサッ




カミツルギ vs. ビーダル

引き分け──────
 ▼ 170 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 23:15:37 ID:grXgMSTA [19/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アギルダー「……っ、ビーダルさんの闘気が消えた。まさかっ、あの方が負けたのか!?」

アギルダーは、十数メートル先に倒れるビーダルとカミツルギの姿を見つけ、驚愕した。それと同時に、隠し持っていた量産品のウルトラボールを握り締め、考えた。

アギルダー(せめて、あの気絶しているペラペラのウルトラビーストだけでも捕獲せねば……!)

フェローチェ「あなた、何をするつもりなの────」


アギルダー「ふん……教えるわけ、ないじゃろうがっ!!」

アギルダーは動き出す。
量産型ウルトラボールを片手に、カミツルギへ急接近した。
その速さ、でんこうせっかに値する。

一歩出遅れたフェローチェは、通常なら追いつけるはずがなかった。

フェローチェ「カミツルギィィ!!!!」


しかしフェローチェは諦めなかった。
本来は攻撃技であるはずのにどげり。
それを彼女は床に向けて放ったのだ。

2度の蹴りによる床からの反発力により、フェローチェは擬似的な「しんそく」を行った。


フェローチェ「私の仲間に手を出すなぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アギルダー「……は、速いっ!?」
 ▼ 171 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 23:29:41 ID:grXgMSTA [20/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
だがこの擬似的な「しんそく」は、コントロールがまるで効かなかった。
ただただ直進することしかできなかったのだ。
速さこそアギルダーを超えるものの、このままの方向へ進むと壁に激突し、アギルダーに攻撃することができない。

どうにか、少しだけでも方向をアギルダーの方へずらす必要があった。
そこでフェローチェは閃いた。

フェローチェ「こうそくスピン!!」

直進する動きに回転を加えることで、多少ではあるがカーブすることが可能になったのである。
その様は、まさに弾丸。
アギルダーは目を見開いて、その白い弾を凝視するほかなかった。

フェローチェ「いっけぇぇぇぇぇぇ!!!!」

アギルダー「ば、馬鹿な……」


ミシッ、ミシミシミシッ─────


フェローチェの頭が、アギルダーの身体に直撃する。

アギルダー「ぐおおおおおおおおっっっっ……!」

勢いよく弾き飛ばされたアギルダーは、そのまま壁にめり込んで動かなくなった。
フェローチェもまた、無理な動きをしすぎたせいか、身体を思うように動かせなくなってしまった。

フェローチェ「はぁ、はぁ……わ、私、か、勝ったわよぉぉぉぉ!!」

全身が悲鳴を上げる。もう一歩だって歩けない状態だ。
しかしフェローチェは叫んだ。
すぐ上の階にいるマッシブーンに届くように。
彼が勝負に勝てるように────。
 ▼ 172 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 23:30:27 ID:grXgMSTA [21/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
フェローチェ vs. アギルダー

フェローチェの勝利。(なお、両者共に行動不能)
 ▼ 173 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 23:48:48 ID:grXgMSTA [22/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
〜ゴッドタワー最上階〜

親父ブーン「ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふん!!!!!!」

マッシブーン「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!」

まさにノーガードの対決。
親父ブーンとマッシブーンはお互い、ボロボロになりながら拳をぶつけ合った。
弾ける肉体。飛び散る血潮。これぞまさにハードボイルド。

親父ブーン「うおおおおおおお!! 罵苦辣犯魑(ばくれつパンチ)!!」

マッシブーン「うおりゃあああああ愚弄犯魑(グロウパンチ)ィィィィ!!!!」

拳と拳が激しくぶつかりあう。
風圧により、周囲の窓ガラスが一斉に割れた。

その激しい戦闘に、デンチュラたちや、カプ・コケコも思わず目を奪われた。
闘いそのものが、とてつもない輝きを放っていたと言える。

いつまでも続くのではないかと思われた殴り合いだったが、10分もの時間が経過したのち、親父ブーンが突然、膝をついて倒れた。


親父ブーン「うぐ……!!」

マッシブーン「はぁ、はぁ、はぁ……」

親父ブーン「ま、ま、まだダ……」

マッシブーン「流石だぜ親父……とんでもねぇハードボイルドだ」
 ▼ 174 1◆zBLfAqPIVA 25/10/05 23:58:37 ID:grXgMSTA [23/23] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
マッシブーン「だが……この勝負ッ、俺が勝つ!!」

マッシブーン「愚弄……犯魑ィィィィィィィィィィィィ!!!!」


マッシブーンが放った拳が、思い切り親父ブーンの顎をぶち抜いた。
何度も放ったグロウパンチにより、マッシブーンの攻撃力は限界まで上昇している。
親父ブーンとの殴り合いを制したのも、この攻撃力上昇のおかげだと言えるだろう。

しかし、両者の間にはそれ以上の大きな差があった。


ハードボイルドパワーの差である。


カプ・コケコによって洗脳されてしまった親父ブーン。
片や、一度はハードボイルドを捨てたものの、仲間の言葉によって復活したマッシブーン。


両者の間にある思いの差は、比ぶべくもない!!


マッシブーン「親父……目を覚ますんだ!! 親父ィィ!!!!」

親父ブーン「…………っ、っ!!!!」
 ▼ 175 1◆zBLfAqPIVA 25/10/06 00:14:11 ID:FJbkDhIU [1/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
マッシブーンの思いの乗った拳が、親父ブーンの心に響きわたる。



────15年間、親父に会えなくて寂しかった。

最初は毎日泣いていたんだ。

俺はとっても泣き虫で、弱虫で、どうしようもない奴だった。

だけど、商会の仲間に支えられた。


ネクロズマさんはずっと俺の面倒を見てくれた。俺にとっての、もう一匹の親父だ。

アクジキングとは何回も大食い競争をやったな。何回チャレンジしてもあいつに勝てたことはなかった。

ウツロイドはとっても怖い女だ。絶対に逆らっちゃいけない。だけどとっても物知りで、色んな知識を教えてくれた。

テッカグヤはのほほんとしてるけど抜け目ないやつだ。いわゆる悪友ってやつで、一緒にネクロズマさんにいたずらとかもしたことがある。

デンジュモクはなぜか俺を目の敵にしてくるが、実はとっても良い奴なんだ。面倒見がいいんだよな。

カミツルギとは何回もくだらない話をした。アイツと俺は大親友なんだ。ものすごくウマが合うんだよな。

フェローチェは何度も何度も俺を励ましてくれた。とっても大切な幼馴染だし、一番大好きな女性だ。


マッシブーン「俺は……この15年間でいろいろあったんだよ……親父」


親父ブーン「……む、む、息子、よ」

マッシブーン「親父……!!」
 ▼ 176 1◆zBLfAqPIVA 25/10/06 00:28:37 ID:FJbkDhIU [2/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
親父ブーン「お前本当に……大きく、強く、なったんだな……」

マッシブーン「ああ、そうなんだ……みんなのおかげで強くなれたんだ!」

親父ブーン「ふ……誇らしいぜ。お前、とんでもねーハードボイルドだな」




カプ・コケコ「ははは…………感動的な再会、おめでとう」

マッシブーン「!」

カプ・コケコ「だが危機的な状況は変わらんぞ。天井には大量のデンチュラがいる。儂が指示を出せば、こいつらが一斉にエレキネットをお前らに放つ」

カプ・コケコ「そして儂自身もこれまでまったくダメージを受けておらん。一方でお前らは全員がボロボロ……。これはつまり……」


カプ・コケコ「絶望────というやつだな」





ネクロズマ「それはどうかな?」

カプ・コケコ「……!?」

カプ・コケコは思わず仰天した。
彼の背後にいつの間にか、ネクロズマが移動していたのである。

カプ・コケコ「そんな馬鹿な……さっき貴様はワシのかみなりと、大量のエレキネットを喰らったはずでは」
 ▼ 177 1◆zBLfAqPIVA 25/10/06 00:38:13 ID:FJbkDhIU [3/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ネクロズマ「ああ、メチャクチャ痛かったよ。エレキネットのせいで動きもめっぽう遅くなってしまってな。10分もかけて数メートルしか動けなかった」

ネクロズマ「だが、デンチュラどももお前も、マッシブーンの戦いに目を奪われすぎだ。私の方を見もしなかっただろう」

カプ・コケコ「……う、ぐ」


親父ブーン「ハードボイルドの輝きは時に、あらゆる生物の注目を集めてしまうものなのさ」

マッシブーン「つまりお前は、ハードボイルドの持つ魅力に負けたんだ」



カプ・コケコ「ふ、ふふ、だがネクロズマよ。貴様は儂の背後を取ったに過ぎんぞ。ここからどうするというのだ。プリズムレーザーのような大技でも放つか? だが、一撃くらいなら耐えられるぞ。儂は神だからな!」

ネクロズマ「いいや、プリズムレーザーは撃たんさ。リスクの方が大きいからな」

カプ・コケコ「ではどうするというのだ!! 打つ手などあるわけが──」

ネクロズマ「あるさ。ここに一個、マスターボールがあるんだ」

カプ・コケコ「……なっ」

ネクロズマ「実物を見るのは初めてか? では実演といこうじゃないか」

カプ・コケコ「や、やめろ!! やめろぉぉぉぉぉおおおおお!!!!」








ネクロズマ「カプ・コケコ、つーかまえた!!」






 ▼ 178 1◆zBLfAqPIVA 25/10/06 00:54:21 ID:FJbkDhIU [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうして、カプ・コケコの捕獲と同時に、神頂会は崩壊した。

あまりにも大規模な事件であったため、その後、警察も総動員で、神頂会メンバーの確保に動いたらしい。


俺たちコスモッグ商会は、警察に事情聴取こそされたものの、無罪放免ということで無事に解放されることになった。(噂だと無罪になるよう、ネクロズマさんが裏で色々工作していたらしい。ホントにすげーよな、あの方)


とはいえ、その事情聴取期間のせいで、この世界にいられる残り時間をほとんど費やしてしまったのだ。


最後は慌ててこの世界から離れることになってしまった。
寂しいやら、切ないやら、だな。
あの世界の住民との別れもあっさりしてたし、あっけなさすぎる。






マッシブーン「……と、ここまでが今回の旅のお話だ。長くかかってすまなかったな。ようやっと……ようやっと話し終えることができた」

ツンデツンデ「マッシ兄ちゃん、例えばキリキザンさんたちはどーなったの?」

ベベノム「これで話が終わっちゃうの寂しいよ」

ズガドーン「うん、アタシも知りたーい!」

マッシブーン「ああ、それはだな──────」

フェローチェ「手紙が来てたのよ」

ベベノム「手紙?」
 ▼ 179 1◆zBLfAqPIVA 25/10/06 01:01:30 ID:FJbkDhIU [5/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ネクロズマ「もともと、異世界にいられる期間を限定してたのは、コスモッグ様がウルトラホールを開くのに、大量のエネルギーを必要とするからでな」

コスモッグ「うんうん」

ネクロズマ「私たちのような大きな生き物が通る穴を維持するのは、とても大変なことなんだ」

コスモッグ「本当に大変なの」

ネクロズマ「だが、手紙くらい小さなものであれば、小さなウルトラホールを開けておけばいいだけだから、そこまでエネルギーを必要としない」



ネクロズマ「これは、サーナイトから来ていた手紙だ」
 ▼ 180 1◆zBLfAqPIVA 25/10/06 01:26:26 ID:FJbkDhIU [6/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
拝啓────

春風が肌に心地よく感じられる頃になりました。

コスモッグ商会の皆さま。このたびは、マシャラタウンをお救いいただきまして、まことに有り難うございました。

おかげさまで、マシャラはとても平和な街になりました。

ダスト金融、ガチゴラス組、神頂会、こうした組織がなくなったことにより、行き場をなくした悪党が暴走を始める事態も考えられましたが、キリキザン一家の皆さまや、真闘衆の皆さまが、自警団という立場になることで、特に混乱もなく平穏な日々が続いております。

キリキザンさんは父親の呪縛から解放され、伸び伸びと暮らしています。最近は私とブティックに出かけ、オシャレをたくさん楽しみました。

リオルは今、真闘衆のカイリキーさんと修行をしています。どうやら、マッシブーンさんのように強くなり、マシャラを守る自警団の一員になりたいそうです。

真闘衆といえば、ラグラージさんからアクジキングさんに伝言がありました。『こないだの大食い勝負は互角だったけども、次は負けねぇからな』だそうです。

ビーダルさんからカミツルギさんへの伝言もありますよ。
『次は組織とか関係なしの純粋な戦いをしよう』ですって。
本当に戦いが好きなお方なんですねぇ。

私の施設の運営も楽しく平和に続いています。そうそう、最近になって、何人か新しい子が増えたんです。どうかこの子達が、コスモッグ商会の皆さまのように、強く、優しい子になるよう、私、精一杯頑張ろうと思います。

また……お会いできる時を楽しみにしています。
皆さん、会いたがっていますから。

その時が来るまでに、何事もないよう、お身体にご自愛ください。

かしこ


サーナイト
 ▼ 181 1◆zBLfAqPIVA 25/10/06 01:39:45 ID:FJbkDhIU [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フェローチェ「あら、カミツルギったらビーダルにお誘い受けてるじゃない」

カミツルギ「いやいやいや! 僕はもう戦いたくないっすよ!」



デンジュモク「ってかこのラグラージってやつ、アクジキングと互角に食うとかどういうことだよ」

テッカグヤ「あれは……すごい対決だったねぇ」

アクジキング「ぶわはははは! あのラグラージ! とても楽しいやつ! また会いたい! 会いたい!」



ウツロイド「えぇ〜私には誰かから伝言ないの〜」

デンジュモク「お前やってたことって、ムウマージとローブシンからほぼ全財産搾り取ってたことくらいじゃねぇか。伝言あるわきゃねーだろ」



マッシブーン「……ふふ」

親父ブーン「どうしたマッシ、ニコニコ笑いやがって」

マッシブーン「いや、良い旅だったと思ってな。争い事ばっかりだったかもしれねーが、素晴らしいハードボイルドとの出会いがたくさんあった」


ネクロズマ「おいおい、旅はまだ終わったわけじゃないぞ。これから行かなきゃいけない場所、行きたい場所はまだまだあるんだから」

マッシブーン「例えば?」

ネクロズマ「まずはこの捕まえたカプ・コケコを、最高神アルセウスに引き渡さなきゃならんだろ? それが終わったら、ある異世界を訪れてみたいんだよな」

カミツルギ「ある異世界ってどこすかー?」

ネクロズマ「その世界のある街では、ZAロワイヤルとやらが開かれているらしい。夜な夜な、人間のトレーナーが街中でバトルに興じているんだとさ。一回こっそり見てみたいと思わないか?」


マッシブーン「そりゃ面白そうだ。見たことのないハードボイルドに出会えるかもしれねーな」
 ▼ 182 1◆zBLfAqPIVA 25/10/06 01:42:40 ID:FJbkDhIU [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハードボイルドにとって、別れは憂うべきものではない。

むしろ祝福すべきものである。少なくとも、俺はそう思っている。
旅の出会いは一期一会と言うが、俺からすりゃ、クソッタレの一言でしかねぇ。
出会いがあれば別れがある。

別れがあるから──また何時か再会出来る瞬間が楽しみになる。





マッシブーン「さぁ、次の旅に出ようじゃねーの!!」





そうやって、ハードボイルドは、永遠に続いていくんだ──────。
 ▼ 183 1◆zBLfAqPIVA 25/10/06 01:43:52 ID:FJbkDhIU [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





【SS】マッシブーンさん、やはりハードボイルド



  ─────おしまい──────




 ▼ 184 1◆zBLfAqPIVA 25/10/06 01:52:41 ID:FJbkDhIU [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本当はもっと早く終わらせる予定でしたが、
スケジュールにも狂いがあり、大変に遅れてしまいました。
ですが、なんとか終わりました。

こちらの作品、もともとは8年前に途中まで書き、失踪してしまった作品です。
あの時は、読者の皆さまに大変申し訳ないことをしてしまいました。

なんせ8年前の作品。
あの時の読者はもう読んでくれない可能性が非常に高いのですが、
BBSが終わるというので、ひとつのケジメとして書くことにしました。

これで少しでも贖罪になれば幸いです。
 ▼ 185 ツノワダチ@ソルガレオZ 25/10/06 07:28:00 ID:KIUAIxF2 NGネーム登録 NGID登録 報告
乙です
ずっと待ってました
 ▼ 186 ドグラー@ひかりごけ 25/10/06 09:54:09 ID:udzYuMdg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
完結乙です
まさか8年前(読んだのは7年前)の作品が帰ってくるなんて夢みたいです
完結させてくださりありがとうございます。
 ▼ 187 ワンテ@ローラースケート 25/10/06 12:35:45 ID:PhHs1fRo NGネーム登録 NGID登録 報告
キノさんありがとう
BBSフォーエバー
 ▼ 188 バット@ネクロズマのおやつ 25/10/06 12:43:12 ID:BgqEGyH6 NGネーム登録 NGID登録 報告

面白かった!
 ▼ 189 レクレー@シーヤのみ 25/10/06 14:13:23 ID:wlMgOOcQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

よかった…
 ▼ 190 シツブテ@ヤシのミルク 25/10/08 16:38:54 ID:zc8o63OQ NGネーム登録 NGID登録 報告
懐かしいな
結構ずっと保守されてたやつだよね
 ▼ 191 ティオス@おおきいマラサダ 25/10/08 18:15:32 ID:PoogeW/c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です
詳しい事情は知らなかったけどめちゃめちゃ楽しめました!
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