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悪のカリスマ〜積年の思い〜

 ▼ 1 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 02:25:50 ID:spYvUNt. [1/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
今度はサカキを主人公にしたストーリーです。

対戦環境、ダメージ計算は第6世代のものを使用。

赤き華と緑の炎 レッドvsグリーン

http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=387041


理想と真実の激突〜追憶の欠片〜

http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=387270#rescount40

↑過去二作がこちら。
見てくださると私が喜びます。

では、参ります。
 ▼ 60 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 15:36:39 ID:spYvUNt. [2/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ふん……小賢しい……」

どうやらレッドとこの……ヒビキと言ったか。

この両者はやはり似て非なる存在だ。

こやつは、レッドよりも経験が深いトレーナーのようだ。

このくらいの歳の子供はほとんどこのポイヒグライオンに手も足も出ず6タテされていくのが普通だ。

ヒビキ「ブレイブバード!」

「ちっ、グライオン、地震だ!」

クロバットのブレイブバードが身代わりを破壊した。

当然地震はクロバットには効かない。

クロバットの残りHP、90%、
グライオンの残りHP、ほぼ満タン。
 ▼ 61 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 15:37:52 ID:spYvUNt. [3/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
わかってはいたが……
これでこちらに決定打がないことが露呈した。

現状、こちらは身代わりと守るが使えない。

さらに言えばクロバットに
ダメージを与える手段がない。

しかしそれは向こうもほぼ同じだ。

ブレイブバードを連発すれば、
クロバットのHPが限界を迎える。

……いや、考えすぎるのは私らしくないな。

いかなる時も強気な姿勢を貫くのが私の、
ロケット団ボスのあるべき姿だ!


「グライオンーーー」

ヒビキ「クロバットーーー」

「交代読みで地震!」

ヒビキ「ブレイブバードだ!」
 ▼ 62 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 15:39:56 ID:spYvUNt. [4/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
いくら大地を揺るがそうと
空中のクロバットには無関係な話だ。

低空飛行で突撃するブレイブバードで
双方ダメージを負った。
しかし、ポイズンヒールがある分
こちらの方が長期的に見れば優位に立ち回れる。

グライオンの残りHP、半分と少し。
クロバットの残りHP、75%。


ヒビキ「硬えな! さすがだ」

「君の言葉を借りるなら……
『あまり年上を舐めてかかるな』
と言ったところかな?」

ヒビキ「へっ、言うじゃねえか!」


このターンが終われば挑発の効果は解ける。
恐らく向こうはこちらの居座り読みでくるはずだ。

ならばその上をいくのが私だ!
 ▼ 63 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 15:42:44 ID:spYvUNt. [5/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
「グライオンーーー」

ヒビキ「クロバットーーー」

「ーーー交代! いくぞワルビアル!」

ヒビキ「ーーーとんぼ返りだ!」

「!!!」


私はワルビアルを出した次の瞬間、
己のミスを恥じた。

クロバットのとんぼ返り。完全に失念していた。

交代で繰り出されたワルビアルは
クロバットのとんぼ返りを効果抜群で受けて
かなり削られてしまった。

威嚇がなければ終わっていた。

そしてクロバットは戻りーーー


ヒビキ「さあ……行くぜ相棒!
バクフーン、お前に決めた!」


ーーー向こうのエース、
バクフーンが登場した。
 ▼ 64 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 16:22:08 ID:spYvUNt. [6/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
繰り出されたバクフーンは長くこの少年と
旅をしてよく鍛え上げられているのがよくわかる。

大切に育てられたんだな。

「ふむ……
君もポケモンを大切に育てているようだな……」

ヒビキ「俺『も』?」

ヒビキが訝しげな表情を見せる。

「ふん…余計な言葉はいらんかったな。
トレーナーたるもの、勝負を通じて語らうのみ!」

ヒビキ「わかりやすくていいや!
バクフーン、噴火ァ!」

「ワルビアル、地震!」
 ▼ 65 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 16:54:19 ID:spYvUNt. [7/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワルビアルが地面に少し潜り、
地殻を揺るがして揺れを起こすがーーー

ヒビキ「やれ、相棒!」

ーーーバクフーンが放った
桁外れのパワーを誇る噴火で
地震の震動は逆に跳ね返され、
溶岩と自ら放った地震が
渾然一体となってワルビアルを襲う。


「!!」

遂に均衡が破られた。

ワルビアル、戦闘不能。


「くっ、戻れワルビアル」

向こうの手持ちで判明したのは
クロバット、ツボツボ、サワムラー、
バクフーン。

こちらが明かした手持ちは
ニドキング、ワルビアル、グライオン。
うちグライオンは完全に型がばれた。
 ▼ 66 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:00:12 ID:spYvUNt. [8/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
さて、ここで打つべき一手は……

「行くぞ、ニドキング」

クロバットを倒すまで
グライオンの無限戦術は使えない。
ここはニドキングで削る。


ヒビキ「さあ、行くぜーーー」

「ニドキングーーー」

ヒビキ「ーーーもっぱぁつ! 噴火ァ!」

「行くぞ、大地の奥義! 大地の力だ!」


一見似ているようで異なる、二つの
「大地の奥義」、それが地震と大地の力だ。
これは余談だが……

一見して同じ技のように見えるが、
直接地面に振動を与えて広範囲に攻撃する地震に対し、
大地の力は地中のマグマを操ることでよりピンポイントに狙いを定めることができる。
 ▼ 67 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:02:06 ID:spYvUNt. [9/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ニドキングが精神を研ぎ澄ませ、
地中のマグマを操っている最中ーーー

ズドォォオ!!

ーーー大噴火が起こった。


「なっ、なぜだ?!」

ヒビキ「簡単なことさ。
俺のバクフーンの方がそっちのニドキングよりも
強いパワーとスピードを持ってるんだ。
そっちに勝ち目があるとでも?」

火砕流と溶岩がニドキングをゆっくり、
しかし回避を許さず無残に押し流した。

ニドキング、戦闘不能。

「これはどういうことだ!
どう見ても私より未熟なトレーナーが
こんなに強いとは!
すまない、ニドキング……」
 ▼ 68 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:09:11 ID:spYvUNt. [10/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
私が昔、大学を卒業した際に
亡き父が卒業祝いに、と
私をロケット団後継者と心から認め、
譲ってくれたニドキング。

そう、レッド戦でも使用したあのニドキングだ。

そうだ。父の威光に縋って生きるわけにはいかない。

私は、私の力で生き、勝利する!

「………さあ、対策はしてあるのか?
行くぞ、カバルドン!」


カバルドンが登場し、洞窟内に砂嵐が巻き起こった。

ヒビキ「くそっ……厄介だな……」

「ふはは……幼少の頃より
地面タイプに慣れ親しんだこの私にとって、
砂嵐なぞ空気のようなものだ!
カバルドン、欠伸!」

ヒビキ「一旦引くぞ、相棒! 行くぜ、ツボツボ!」

「わはは…さあ苦しめ!」
 ▼ 69 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:10:31 ID:spYvUNt. [11/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
カバルドンは欠伸でツボツボの眠気を誘った。

しかしヒビキはそれに気づかない。

カバルドン、ツボツボ共にHP満タン。


「ステルスロックだ」

ヒビキ「パワーシェア!」


カバルドンが洞窟内に岩を撒き散らす傍ら、
ツボツボはパワーを操作して
カバルドンの攻撃力を下げ、
自らの攻撃力を高めた。

そしてーーー

ヒビキ「どうしたツボツボ?!」

ーーーツボツボが眠った。
 ▼ 70 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:11:48 ID:spYvUNt. [12/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
見事に掛かったな!

「ははは! さあ行け、吼える!」

ヒビキ「起きろ、起きるんだツボツボ!」


ヒビキの願いむなしくツボツボは眠ったまま。
そしてーーー

ヒビキ「くぅ……ダメか、ってうわっ?!」

ーーーツボツボはヒビキの手持ちに
強制的に戻され、クロバットが引きずり出される。

クロバットは一瞬困惑した後、
ステルスロックと砂嵐のダブルパンチで
HPを一気に削られた。

カバルドンの残りHP、満タン。
クロバットの残りHP、半分を切ったところ。
 ▼ 71 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:13:32 ID:spYvUNt. [13/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒビキ「何が何だか!
クロバット、ブレイブバード!」

「もう一度吼えるだ」


ここでもう一度クロバットを戻させ、
繰り出し不可能にまで追い詰めてやる……!
全く、ずいぶん掻き回してくれたじゃあないか。


クロバットは低空飛行でカバルドンに肉薄し
会心の一撃を食らわせたが、
カバルドンのHPは35%削られた程度。

クロバットは吼えられてまたしても
ヒビキの手持ちに戻されてしまった。

今度引きずり出されたのはサワムラー。

サワムラーもまたステルスロックと砂嵐の洗礼を受けた。

そして、それと同時に砂嵐が収まった。

カバルドンの残りHP、65%。
サワムラーの残りHP、9割弱。
 ▼ 72 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:14:51 ID:spYvUNt. [14/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
そろそろだな。
カバルドンに役割を遂行してもらおう。
彼奴の残り二体がわからなかったのが
悔やまれるが……仕方がない。


「欠伸!」

ヒビキ「ぶっとばせ! 飛び膝蹴り!」


カバルドンはリーチの長いあの独特な蹴りを
的確に見極め、ギリギリまで引きつけてから
至近距離で欠伸を当てる。

サワムラーは眠気で一瞬集中を切らしてしまい、
それが災いして膝から地面に墜落し、
大ダメージを負った。

カバルドンの残りHP、65%。
サワムラーの残りHP、4割弱。
 ▼ 73 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:16:20 ID:spYvUNt. [15/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒビキ「大丈夫、お前ならやれる!
もう一度飛び膝蹴りだ!」

「カバルドン……よくやった」


私はあえてもうカバルドンには指示を出さない。

カバルドンは不敵にニヤリと笑い、
真正面からサワムラーの必殺技を受けとめた。

カバルドン、戦闘不能。

そしてーーー

ヒビキ「………またか……!」

ーーーサワムラーは眠ってしまった。

サワムラーの残りHP、4割弱。
そして眠り状態。


ヒビキ「おっさん……口ほどにもないんだな」

「ほう……なぜそう言える?」

ヒビキ「現実見ろって。
今6ー3で俺がリードしてんだぜ?
こっから逆転できるとか考えてたら
おっさんちょっと頭大丈夫かって話だよ」
 ▼ 74 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:18:22 ID:spYvUNt. [16/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
「なんとでも。ゆけっ、ガブリアス!」

私が五体目に繰り出したのは、
陸駆ける翼を捨てたドラゴン。

飛行能力を放棄して陸上戦に特化した結果、
俊敏な脚力を獲得、
さらには今まで飛ぶ必要があったために
制限されがちだった骨格や筋力が大幅に強化され、
生半可な攻撃なら楽々耐えきる。

ヒビキ「へえ、ガブリアスか……!」

「これを狙っていたんだ。剣の舞」

ヒビキ「! まずい、起きろサワムラー!」


しかしヒビキの願いむなしくサワムラーは起きない。
当たり前だ、眠りは1ターンは確実に
行動不能にするんだからな。
 ▼ 75 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:19:55 ID:spYvUNt. [17/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
さあここからがガブリアスの真骨頂だ!


「続けて地震!」


ガブリアスはジャンプし、
その着地による衝撃で地震を起こす。

剣の舞で破壊力を増した地震は洞窟全体を揺るがす。


サワムラー、戦闘不能。

ヒビキ「止めてみせる! ブラッキー!」


ヒビキの五体目はブラッキーか。
恐らくイカサマ、不意打ち、月の光はあるだろう。
あと一つはなんだ?

そしてこのタイミングで来たということは
当然物理受け仕様と考えられる。

………甘いな。
 ▼ 76 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:22:11 ID:spYvUNt. [18/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒビキ「ピンチをチャンスに変えろ!
ブラッキー、イカサマ!」


私はスーツの中に右手を差し込み、
密かに首から下げていた
小さなロケットに手を添えた。

ずっと肌身離さず持ち歩いていたのだ。

ロケットに入っているのは、
家族で撮影した写真、そしてーーー


「魅せろ、戦場の申し子!
ガブリアス、メガシンカ!!」


ーーーキーストーンだ!!
 ▼ 77 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:24:59 ID:spYvUNt. [19/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガブリアスが眩い光に包まれ、
その光が洞窟中を真っ白に照らし出す。

ヒビキ「なんだ、これ?!」

「決めろ、大地の奥義! 地震!!」

メガシンカした最初のターンだけは
メガシンカする前のスピードで行動できる。

つまり、最初のターンに限って言えば
ガブリアスの合計種族値は710。

その暴力的なまでの種族値の壁がブラッキーを襲う。


ヒビキ「ブ、ブラッキー!」


トレーナーの不安をポケモンは鋭く感知する。
そのためブラッキーの攻撃と回避は遅れ、
跳ね飛ばされて洞窟の壁に叩きつけられた。

ブラッキーは慌てて立て直しイカサマを仕掛ける。
高い攻撃力を誇るガブリアスにとって
中々痛い一撃が入った。

ブラッキーの残りHP、30%。
ガブリアスの残りHP、25%。
 ▼ 78 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:27:07 ID:spYvUNt. [20/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
「もう一度だ」

ガブリアスは三たび飛び上がって地震を起こし、
ブラッキーをまた跳ね飛ばす。

今度は打ち所が悪かったか、
ブラッキーは立ち上がれなかった。


ブラッキー、戦闘不能。


ヒビキ「すげぇ揺れだ……どうすりゃ止めれるんだ、
あんなのっ……!」

「さあ、これで3ー4だ……
が、君はスコア以上に厳しい状態だぞ……?」


これはハッタリではない。

現にツボツボは眠っており、
クロバットは繰り出せばステルスロックで
ほとんどHPは残らない。

実質こちらが3ー2で逆転したと言えよう。

さあ、どう出てくる……!
 ▼ 79 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:29:42 ID:spYvUNt. [21/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒビキ(まずはクロバットで撹乱させる!)
「頼む、あいつを止めろクロバット!」


血迷ったか。 クロバットは出てきた瞬間、
ステルスロックが突き刺さり、
残りHP5%までに追い詰められてしまった。

クロバットはもはやふらふらで、
真っ直ぐ飛ぶのもおぼつかなげだ。


「クロバット、怒りの前歯!」

しかし、その表情はヒビキの指示を受けた瞬間
またキリッと引き締まり、
ガブリアスに向かって迷いなく滑空する。

バカな、ヤツのどこにそんな力が?!

「うろたえるな、ストーンエッジだ!」

ガブリアスは腹に怒りの前歯を喰らいつつも、
相手を逃さずにストーンエッジを確実に
当てることだけに集中する。

クロバットは最後の糸が切れた操り人形のように
へなへなと崩れ落ちた。


クロバット、戦闘不能。
 ▼ 80 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:31:20 ID:spYvUNt. [22/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒビキ「ありがとう、クロバット。
お前の闘志、絶対に繋ぐ…!」

「威勢がいいのは良いことだが、
具体的にどうするおつもりかな?」

ヒビキ「とにかくこれ以上の居座らせない!
行くよ、ツボツボ!」


ヒビキが繰り出したのはツボツボ。
しかし当然ながら眠ったままだ。


「ヤケでも起こしたか? 地震だ」

ヒビキ「頼む……起きろ!」


ガブリアスはまたも宙に体を踊らせるーーー

ヒビキ(ん? あれっ……?)

ーーーそしてまた大地を割らんばかりの
強烈な衝撃波を巻き起こす!!


ツボツボの残りHP、15%。
 ▼ 81 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:33:55 ID:spYvUNt. [23/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
たとえ相手が弱っていようと容赦はしない。

「もう一度。地震だ」

ヒビキ「わりぃ、ツボツボ……
でも、ありがとよ……」

さすがのツボツボと言えども
二度目の地震は耐えられなかった。


ツボツボ、戦闘不能。

ガブリアスが勝ち誇ったように咆哮した。


「メガガブリアスによる怒涛の4タテ劇場、
如何かな?」

ヒビキはこの状況にも関わらず、したり顔で
不敵にニヤリと笑った。

ヒビキ「はんっ、三文芝居はそこまでだ!」
 ▼ 82 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:35:35 ID:spYvUNt. [24/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……なんの話かな?」

ヒビキ「お前のガブリアス……
ブラッキーを倒した時より、明らかに遅い!!」

私は戦慄した。

何?! こんな小僧に……!
なぜ見破られた!

だが落ち着け、焦っては負けだ。

「……ほほう、見事だ。
君の推理どおり、メガガブリアスは
メガシンカする前に比べて素早さが落ちる」

ヒビキはやはりか、といった表情だ。
 ▼ 83 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:37:06 ID:spYvUNt. [25/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
なお私は続ける。


「しかし…それがどうしたというんだ。
君のパーティにガブリアスを止められるような
ポケモンは、 もういないんじゃないのか?」

ヒビキ「タネがわかりゃあもう怖くねぇぞ!
キングドラ、決めてこい!」


ほほう、ここでドラゴン対決か!


「さあこい、総力を挙げて受けて立つ!」

ヒビキ「行くぜ、キングドラーーー」

「行くぞ、ガブリアスーーー」

ヒビキ「ーーー冷凍ビーム!」

「龍星群だ!」
 ▼ 84 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:42:54 ID:spYvUNt. [26/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
キィーン………

遠くから甲高い音が聞こえる。

「何か」によって空気が押されて
洞窟の壁に反響しているせいだ。

そう、馬鹿でかく高速で迫る、
隕石などの物体の仕業だ。


……来たか。龍の奥義、龍星群。

ヒビキ「なんだ、何の……うわぁ?!」


隕石が洞窟を突き破り、キングドラに降り注ぐ!!


ヒビキ「怯むなキングドラ!」

しかしヒビキとキングドラは強気な姿勢を崩さない。

負けじと冷凍ビームで龍星群の隙間を縫うように
ガブリアスを狙撃した。

それはまさに戦場で雨あられと降り注ぐ
敵の銃弾をかいくぐり、敵将を射抜く
"スナイパー"。
 ▼ 85 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:47:00 ID:spYvUNt. [27/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
そして隕石の爆撃が、唐突に止んだ。

つまり、それはーーー


「くっ、とうとう止められたか!」

ヒビキ「相手が悪かったみてーだな!」


ーーーガブリアスが戦闘不能になったことを意味する。

ヒビキ「ハバンの実持たせといてよかったぜ……」

「ゆけっ、グライオン!」


キングドラの素早さはいかほどだったか?!
いずれにせよ噴火バクフーンが後ろにいる以上
無駄に最後の切り札を消耗させるわけにはいかない。


「みがわ……」

ヒビキ「遅ぇな。 冷凍ビーム!」


グライオンは身代わりを出す暇さえなく
冷凍ビームで撃墜された。

グライオン、戦闘不能。
 ▼ 86 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:51:49 ID:spYvUNt. [28/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒビキ「さぁーてこれで2ー1だ。
追い詰めたぜ。
あんたの切り札、見せてくれよ」


私は最後のボールに手をかける。

……その瞬間。

指先が、手のひらが、腕が、肩が、全身が!

燃え上がるようなアツさに包まれる!!

この……レッドとの戦いですら、
いや未だかつて味わったことのないこのアツさよ!

さあ、我が思いに応えてくれ、
迷彩色のカラーリングを施された、
自分にとって世界で一つだけの特別なボールよ!

「さあお目にかけよう!
最後の切り札にして我が半身!
私はどんな時もこいつと苦楽を共にしてきた!!


行くぞ…………ドサイドン!!!」
 ▼ 87 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 17:57:36 ID:spYvUNt. [29/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ボールから姿を現したのは大地の覇者、ドサイドン。

その磨き上げられた岩の体は
洞窟の天井に穿たれた穴から
差し込んだ日差しを浴びてキラリと輝く。

その姿はあたかも生ける宝石。


なあ、ドサイドン。

私たちが出会ってから、何年経ったろう。
何度共に戦ったっけか。
何度共に汗を流した?
何度共に涙を流した?

ずっとお前と歩み続けてきた……!

お前と勝たない勝利に意義などない。
私はお前とこのヒビキという名の壁を突破し、
仲間の元に凱旋する義務があるのだ!!


ヒビキ「強そうだな…」


その言葉に偽りはないのだろう。
こいつは、このドサイドンが今までの手持ち
ーーーあまつさえガブリアスさえもーーー
しのぐ強さを誇っていることを
トレーナーの直感で感じ取ったに違いない。
 ▼ 88 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:00:24 ID:spYvUNt. [30/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
「さあ行くぞ、ドサイドンーーー」

私の全身の血が滾る、沸騰する!

ヒビキ「先手必勝、波乗りだ!」

「ーーー大地を切り裂け岩の刃!
ストーンエッジだ!!」


キングドラは地下水脈から汲み上げた水で
大波を起こし、それに乗り、
自身はドサイドンの頭上を通過するコースを狙う。

ヒビキ「いけぇ!」
 ▼ 89 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:02:41 ID:spYvUNt. [31/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
しかし私とドサイドンは慌てない。

「そのような技、我々は飽きるほど見てきた!
いつも通りだ、ドサイドン!」

そしてキングドラがドサイドンの真上を
通過しようとしたちょうどその瞬間ーーー

「………今だ、行け!」

ーーー私とドサイドンの心は一つになり、
真下からキングドラに岩の刃を突き刺す。

波乗りは起こすポケモン自身が
相手に突撃するのではなく、
あくまでぶつけるのは波だ。

そこに目をつけた私たちは、
波乗りのフィニッシュに入った相手の真下から
ストーンエッジを突き刺すという
戦法を確立したのだった。

キングドラの悲鳴が洞窟の壁に変に反響して響く。


キングドラ、戦闘不能。
ドサイドンの残りHP、6割と少し。
 ▼ 90 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:05:05 ID:spYvUNt. [32/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒビキ「……強い! なんか、こう、
格の違いってやつを感じるよ!」

「ほほう、お前もわかるか?!」

もはや今、この瞬間、私とヒビキの間には
なんの隔たりもない。

ここにいるのは、ポケモンを愛し、
強きを求め、純粋に勝負に燃える二人だけだ。

ヒビキ「だけど最後に笑うのは僕たちだ!
行くぜ、相棒! 決めるぞ!」

ボールから飛び出したバクフーンは
ステルスロックさえも意に介さず、
己を鼓舞するがごとく咆哮した。

「我々も負ける気など毛頭ないわ!」

ドサイドンがそれに同意するように地面を鳴らす。


さあ、決着をつけよう!!
 ▼ 91 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:12:15 ID:spYvUNt. [33/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒビキ「行くぜ、バクフーンーーー」

「決めるぞ、ドサイドンーーー」

ヒビキ「ーーー噴火ぁぁあ!!!」

「ーーー決めろ、大地の奥義! 地震!!!」


バクフーンの雄叫びと同時に
ドサイドンの足元が爆発し、
溶岩が四方八方に溢れ出す。

しかしドサイドンは全く怯まない。

唸り声を挙げて右腕を全力で地面に叩きつけ、
洞窟を揺るがす。


その時、洞窟が遂に限界を迎えた。


噴火によるガス、炎が引火して爆発、
そして火砕流も流れ込み洞窟の天井が崩落した。

さらに地震で揺さぶられ続けていた洞窟の壁が
とうとう耐えきれなくなり、瓦解した。

地面はひび割れ、窪み、盛り上がる。
 ▼ 92 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:14:55 ID:spYvUNt. [34/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
猛る両者のパワーは
洞窟を完全に崩壊させるーーー


端から見れば地獄絵図のような光景を目前にして、
私の心は未だかつてないほど凪いでいた。

右手は無意識のうちにあのロケットに置かれている。

ああ、この時間が終わるのか。

嬉しいような、寂しいような。

かくもこの世は無情なものだな。

なあ父さん、母さん、妻よ。

おい、息子よ。今お前はどこでどうしている?

ちゃんと生活してるか?

ちゃんとメシ食ってるか……?


ーーーそして噴火と揺れは収まった。
 ▼ 93 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:16:48 ID:spYvUNt. [35/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
我に返った私の視界に飛び込んできたのは、
決死の攻防を経てなお燦然と輝く岩の体。

どうだ、と言わんばかりにこちらを見て
威風堂々と誇るその姿。

あっぱれ、さすがだドサイドン。

だが……もういいんだ。

私はドサイドンが自身を極限まで研ぎ澄ませて、
体力の限界の淵で戦っていたことをわかっていた。

よくやった。だから、もう、休め。

そんな思いを乗せた俺の微笑みを見た
ドサイドンは、満足そうに体を大地に預けた。


ドサイドン、戦闘不能。

勝者、ヒビキ。
 ▼ 94 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:19:44 ID:spYvUNt. [36/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

終わった。

「………君は、何者なんだ?」

思わず口から零れ出した問い。

ヒビキ「俺はヒビキ。世界最強の男だ」

私は自身の言葉と彼の返答で我に返った。

様々な思いが心に渦巻く。

それはまさしくカオス……

そして私はまた現実に引き戻された。

「なっなぜだ……!
私の三年間は無駄だったのか……!

またしてもこのような子供に
我が野望が打ち砕かれるとは……

ロケット団再興の夢が幻となって消えていく……」

『……おーい! サカキ様は
一体どこに行っちゃったんだろう?

……どこかでこの放送聞いてくれてるかなあ……』
 ▼ 95 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:21:11 ID:spYvUNt. [37/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
あれだけの勝負ーー
もはや災害と言っても差し支えなかろうーー
を潜り抜けて奇跡的に残っていたラジオから
仲間たちの声がまだ聞こえていた。

これで、完全にロケット団の夢は
潰えてしまった……
私はこれからどうしたものだろうか。

ただ、願わくは。
あの若き日のように強きを求めること。
許されるならば、追い求めたい。

在りし日の夢を。

私は三年間根城にしていた洞窟
ーーもはやただの更地だがーー
に一礼して、立ち去った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして今度はイッシュ地方に降り立った
サカキがPWTに参戦するのはまた別の話だ。

 ▼ 96 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:26:08 ID:spYvUNt. [38/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
はい、「悪のカリスマ〜積年の思い〜」
これにて完結です。

ここまでご覧下さった方々に
心からお礼申し上げます。

ただ気になるのは…
私のSSに魅力がないのかなぁ、と。

内容的に需要がないのか、
見づらくて読む気がしないのか、
文章や表現が下手なのか、
それともダメージ計算をしたバトル物自体
需要がないのか………

ご意見、感想、アドバイス等お待ちしております。
 ▼ 97 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:27:43 ID:spYvUNt. [39/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
では、最後は恒例のパーティ晒しです。

ヒビキの手持ちはHGSSの道中で
人からもらえるポケモンを優先的に組み込みました。

 ▼ 98 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/09/04 18:33:54 ID:spYvUNt. [40/40] NGネーム登録 NGID登録 報告
そしてサカキの手持ち。

では最後はサカキ様の名言を借りて。


このようなSSを書いては皆に示しがつかない!

このSSは……本日をもって完結する!

私はSSの修行を一からし直すつもりだ!

いつの日か………また会おう! さらばだ!
 ▼ 99 ドン@こだわりスカーフ 16/09/04 19:19:10 ID:tOVCeZ.o NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です

私はこういう感じ好きですよ。魅力がないなんてことないです!
BWのやつもこれも、しっかり考えられてるのがわかる文章でしたし。
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