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SS

【問題】151+100+135+107+156+72=?

 ▼ 1 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 13:54:04 ID:qUofJgUg NGネーム登録 NGID登録 報告
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ある穏やかな春の日


「彼」はどこにでもいるような、
ポケモンが大好きなそんな16歳。

「彼」の周りの友人は近頃、
次々と旅に出てしまったせいで「彼」には
同じくらいの歳の友達がおらず、
一人過ごす時間がかなり長い。

そんな日々を過ごす「彼」。

「彼」はその境遇につまらなさを感じてはいるものの、けして寂しさは感じてはいない。

なぜって?

答えは単純にして明快。

「彼」にはポケモンがいてくれるからだ。


爽やかな春風が吹き抜ける中、彼は今日も森
ーーーポケモンたちの集う楽園ーーー
へ、意気揚々と出かけていく。
 ▼ 256 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/04 23:22:54 ID:0X6j2yFM NGネーム登録 NGID登録 報告
「カメックス、ーーー」

セレナ「交代よ、ラプラス!
お願い、フシギバナ!

不一致の冷凍ビームくらい、
あなたなら十分耐えられるはずよ!」

「ーーー 交代読みで凍える風!」

セレナ「なっ……」


フシギバナは凍える風で全身の筋肉が
硬直させられてしまったものの、
ダメージとしては凍える風の威力の低さが幸いし
かなりゆとりをもって耐えている。

しかし、凍える風の真髄はその追加効果だ。

相手の素早さを一気に下げることで
耐久調整や素早さ調整を一瞬でひっくり返す、
そんな見えざる破壊力を秘めているのだ。


フシギバナは落ち着いて黒いヘドロでHPを回復。


カメックスの残りHP、60%。
フシギバナの残りHP、70%。
 ▼ 257 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/05 15:47:53 ID:wBpk8Im2 [1/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


ううっ…凍える風は予想外だったわ…。

ん?
ここまでカメックスが使ったのは欠伸、凍える風。

となればあとは水技一つと……
あの特殊耐久からして、ミラーコート!

ふふっ……手の内は読めたわよオーキド先生!


「フシギバナ ーーー」

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ユキナリ視点


凍える風で素早さを下げたが……ふむ。

ここは……"あえて"ミラーコートを見せて
特殊技を牽制するのがワシのスタイル。

ミラーコートはその存在自体が
そのまま脅威となる技じゃからな。

そして物理技しか打てなくなった相手には
熱湯を連発すれば火傷で機能停止!
 ▼ 258 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/05 20:55:56 ID:wBpk8Im2 [2/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
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序盤から壮絶な読み合いが繰り広げられる!


セレナ「フシギバナ ーーー」

「カメックス ーーー」

セレナ「ーーー 読まれるけどしょうがないわね!
交代! 頼むわよ、アブソル!」

「ーーー ミラーコート!

……ふむ、そう来たか!」


カメックスはすぐさま殻に閉じこもって
全身をピカピカに磨き上げ、すぐにでも攻撃を
反射できる構えに入ったが、
交代していくフシギバナの前には全くの無意味。

結果としてはアブソルの無償降臨を許してしまった。

が、それもユキナリの計略通りなのだ。

セレナは果たしてそれに気付けているのか……?


カメックスの残りHP、60%。
アブソルの残りHP、満タン。
 ▼ 259 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/05 22:55:19 ID:wBpk8Im2 [3/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
……なぜ、ここでミラーコートを?

まあ、多分失策……よね?

あれ、読み勝ってるのに、なんでこっちが
追い詰められてるような気分にさせられるの……?



セレナはユキナリの術中に
ドンピシャではまり込んでいた。

"あえて"最善手と失策を織り混ぜれば相手は
失策に対しても「意図」を見出そうとしてしまう。

オーキド・ユキナリというネームバリューもその
思考回路に入り込んで対戦相手をショートさせる。

まさに、ユキナリは"王者の戦"を地でいく
駆け引きを仕掛けていたのだ。
 ▼ 260 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/05 22:57:02 ID:wBpk8Im2 [4/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


はっはっは……
段々トレーナーの方が混乱してきたようじゃな?

ふむ、アブソル。

ミラーコートは反射技とはいえ
タイプ相性の影響を受ける攻撃技であるがゆえに
悪タイプを持つアブソルには完全に
無効化されてしまうのが難点じゃなあ。

したがってミラーコートは狙えない。

しかしその前に性格は意地っ張りで
メガシンカさせて物理技で殴っていく、のが
昨今のアブソルの最もメジャーなスタイルじゃから
ミラーコートはどのみち出る幕はない。

うーむ、メガシンカしてくるならあの特性が
あるから欠伸は打てなくなるのう。

いやはや難し……いや、まて。


それ以前にメガシンカさせない可能性は?
 ▼ 261 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/05 22:59:16 ID:wBpk8Im2 [5/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
通常はかなり低いんじゃが、
この場においては……ありうる。

だいたい、これほどのトレーナーが
メガシンカしても耐久指数がかなり低く
かつ耐性も少ないアブソルを起点作りもせずして
すぐさま繰り出すじゃろうか?

メガシンカ枠なら最低でも一体倒し、
加えて後続に負担をかける役割、
あわよくば全抜きを狙いに行くのが普通じゃろう。

そして全抜きを狙うには積むのが
前提条件………はっ、わかったぞ!

ミラーコート読みで繰り出して、襷を盾に確実に
積んでから不意打ちで圧力をかける算段じゃな?

はっはっは……さあネタバレしてしまえば
奇襲型はただの劣化型でしかない!


「さあカメックス ーーー」
 ▼ 262 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/05 23:09:51 ID:wBpk8Im2 [6/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


このタイミングで出せば
まず強運ピントレンズ型とは読まれない!

……強運ピントレンズ型自体
相当なことがない限り初見ではバレないけど。

ここはあちらが耐久型に変えてきても
タイプ受けで積みを狙って積みエースを
出してきても対応できるこの技よ!


ユキナリ「さあカメックス ーーー」

「うふふ、行くわよアブソル ーーー」

ユキナリ「ーーー 積み読みで欠伸!」

「ーーー 挑発!」

ユキナリ「………挑発?!」
 ▼ 263 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/05 23:10:13 ID:wBpk8Im2 [7/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
カメックスはミラーコートの構えを既に解いて
殻からのこのこと顔を出していた。

そこにアブソルが"こいよこいよ〜〜"と
顎を突き出して手招きしてくれば、
否応にも冷静さを失ってしまう。


カメックスは挑発されて欠伸が出せなかった!


このターン、互いの残りHPは変わらず。

カメックスの残りHP、60%。
アブソルの残りHP、満タン。

しかしカメックスは挑発されていて
補助技が一切出せなくなっている。
 ▼ 264 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/05 23:32:39 ID:wBpk8Im2 [8/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


………挑発?!

待て、これは完全に分からぬぞ……。

ただ、一つ言えることは。

相手はアブソルをメガシンカさせないこと。

メガシンカさせるなら特性マジックコートで
粗方の補助技を跳ね返せるわけじゃから
その時点で対戦相手は事実上、
補助技を封じられるに等しい。

そこに挑発を入れたところで
大した役割は持たせられないからのう。

襷型にしても挑発とは……解せぬ。


……ええい分からぬなら
この状況における最も安全な択を取るまでよ!
 ▼ 265 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/05 23:34:26 ID:wBpk8Im2 [9/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「カメックス、熱湯!」

セレナ「きっと来るわよ、不意打ち!」

「………いけるか?!」


カメックスが四つ足になって甲羅から突き出した
両の砲台から熱く煮え滾る熱湯を
アブソルに噴射しようとした刹那、ーーー


ヒュッ…………


ーーー アブソルがカメックスの
視界から急速に消え去り ーーー


ガシィッッッ!!!


ーーー カメックスがはっとした時には、
既にアブソルの鋭い爪がカメックスの首元を
掻っ捌きにかかっていた!
 ▼ 266 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/05 23:36:34 ID:wBpk8Im2 [10/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「そこじゃ、空中にいる時を狙え!」


アブソルがカメックスの甲羅を
踏み台にして跳躍するのと、
カメックスの目が鋭い光を宿し
全身が青いオーラに包まれるのが同時だった。


そう、カメックスの特性、激流だ。


無防備に宙に舞うアブソルに
荒ぶる水流が押し寄せ、アブソルを弾き飛ばす!


しかしセレナたちには幸運と言うべきか、
熱湯の元々の威力の低さゆえに
アブソルの耐久でも踏みとどまることができた。

アブソルに火傷を負った様子はない。


カメックスの残りHP、20%と少し。
アブソルの残りHP、15%。
 ▼ 267 ブライカ@きせきのタネ 16/10/05 23:45:35 ID:2CkezaX2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 268 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/06 19:44:19 ID:b3AqBIQI [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
互いに激しく削り合う攻防。
引くに引けない壮絶な打ち合いの様相を呈している。


どうするべきか……
ここで不意打ち読みで交代するのが一つ。

もしくはそのまま不意打ち覚悟で挑むべきか。

………どうする、どうすればよいのじゃ?


その時カメックスが振り返ってユキナリに吼えた。


まだやれる、俺はやれるんだ。


そんなカメックスの無言のメッセージ。

それが読み取れないユキナリではなかった。
 ▼ 269 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/06 19:45:39 ID:b3AqBIQI [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
その瞬間、ユキナリの揺らぎが消えた。


確かに、情に負けて逃してしまった
勝利は星の数ほどある、あるんじゃが……

しかし、それでもワシがポケモンを信じ、
最大限の鼓舞を持って送り出すのは。

ワシがポケモンを信じるのと同じくらいに、
いやそれ以上にポケモンが
ワシを信じてくれているからなのじゃよ!!


「………お前の気持ちはよおくわかった。
行くぞ、カメックス ーーー」
 ▼ 270 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/06 19:56:34 ID:b3AqBIQI [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


アブソル……ッ!

ふう、耐えてくれたのね。

こっちとしてはもうアブソルを下げても
次に繰り出せないわけだから、
このまま居座らせるのがセオリーよね。

じゃあ問題は向こうが引くか来るか?

………いえ、迷う必要はないわね。

向こうはスカーフじゃないんだから
アブソルが抜かれる心配はなしっ!

ここで格闘タイプを牽制するために………


ユキナリ「お前の気持ちはよおくわかった。
行くぞ、カメックス ーーー」

「シンプルに攻めるわよ、アブソル ーーー」

ユキナリ「ーーー 熱湯!
なんとか叩き込むのじゃ!」

「ーーー サイコカッター!」
 ▼ 271 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/06 19:58:54 ID:b3AqBIQI [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
カメックスが砲台の用意をする時に生じる一瞬、
ほんの僅かに一瞬の隙。

しかしそこを見逃すアブソルではない。

居合の要領で頭部の刃を鋭く振り抜き、
発生した斬撃が腹部を直撃し
カメックスを真っ逆さまにひっくり返した。

倒れたカメックスに青いオーラは戻らない。
……完全に気を失っていた。


カメックス、戦闘不能。0ー1。

アブソルの残りHP、15%。
 ▼ 272 ーピッグ@オボンのみ 16/10/06 20:02:13 ID:y0rN/.oY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 273 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/06 20:21:24 ID:b3AqBIQI [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


すまぬ、カメックス……よくやった。


「ウインディ、任せたぞ!」

セレナ「諦めないわよアブソル!
……不意打ちっ!!」

「問答無用、神速じゃ!」


神速と不意打ち。

現在確認されている中では
最高威力を誇る二つの先制技が指示された。

ウインディとアブソル。

両者はすぐには動き出さない……
いや動き出せないのだ。
 ▼ 274 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/06 20:22:31 ID:b3AqBIQI [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
下手に動けば、先制を許す。


そのことを両者ともわかっているからこそなのだ。

風が、吹き抜けた。


………………バシュッ、ガッ!


ユキナリが瞬きする間に両者が交錯する。

ユキナリが目を開けた時にあったのは ーーー


ドサアッ………


ーーー 瞬時にフィールドの反対側へと駆け抜けた
ウインディと目の前で倒れ伏すアブソルの姿だった。


アブソル、戦闘不能。1ー1。

ウインディの残りHP、満タン。
 ▼ 275 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/06 20:50:05 ID:b3AqBIQI [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


ウインディ……神速を入れてるなら物理型よね。

さっきアブソルがちょっとだけ怯んだように
見えたのはきっと特性、威嚇のせいよね。

………読めないわね。

だって神速の性能を考えればどんな型にだって
神速が搭載されてても別におかしくないもの。

こっちが見せた手の内はラプラス、フシギバナ、
アブソルだけ。

私の手持ちで炎物理を安定して止められるのは…


「受け止めて……チルタリス!」


両受けチルタリスの耐久に賭けるわよ!
 ▼ 276 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/06 23:31:36 ID:XH78snaE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


………これでよいのじゃ、うむ。

鉢巻ウインディはどうにも小回りがきかないのが
難点じゃが、この局面でほぼ削れた
不意打ちアブソルを確定で倒すには
ウインディの神速しかなかったわけじゃし、
そこはもう割り切るしかない ーーー


セレナ「受け止めて……チルタリス!」


ーーー ……!!

チルタリスじゃと……!

チルタリスを見た時に真っ先に警戒すべきは
ぶっ壊れ積み技、コットンガード!


しかしな ーーー


ユキナリの強気な姿勢は崩れない。
 ▼ 277 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/06 23:33:06 ID:XH78snaE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーー 積み技には一つ、致命的な弱点を
孕んでいる。それをわかっておるのかのう……!?


完璧なポケモン、完璧なコンビネーションなど
この世界に存在するはずがない。

その法則は無論ここにおいても
例外ではないのだ。

鉄壁の壁にほんのわずか穿たれた穴を広げんと
ユキナリが動き出す!



「ウインディ ーーー」

セレナ「チルタリス ーーー」

「ーーー 交代! 任せるぞケンタロス!」

セレナ「今よ! コットンガード!!」
 ▼ 278 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 15:30:12 ID:Og3FoFdw [1/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
チルタリスの鳴き声とともに
どこからともなく現れた綿の毛布が
チルタリスをすっぽりと包みこむ。

こうなってしまってはほとんどの攻撃は
粗方の衝撃を綿に吸収されてしまい、
ダメージがかなり減ってしまうだろう。

ウインディに変わって出てきたケンタロスは
その異様な光景に目を丸くする。


互いにHPは、満タン。
 ▼ 279 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 15:32:34 ID:Og3FoFdw [2/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


ケンタロス……?
理解し難いわね。

まあいいわ、まさかケンタロスに
冷凍ビームは入れてないだろうし、
羽休めで様子見してからで大丈夫なはずよ!


「チルタリス、ここは ーーー」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ユキナリ視点


ユキナリはチルタリスを今一度じっと見つめる。


………やはりな。

コットンガードは一見隙がないように見えるが、
唯一の弱点………それは顔面!

そこだけが綿でガードできていない唯一の箇所。

つまり、顔面をピンポイントで
突くことができれば十分突破は可能!
 ▼ 280 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 15:37:51 ID:Og3FoFdw [3/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナ「チルタリス、ここは ーーー」

「ケンタロス、ーーー」

セレナ「ーーー 羽休めで様子見よ!」

「ーーー 顔面を狙え、ストーンエッジじゃあ!」


セレナ「………!! まさか!」


チルタリスが地面に降り立つモーションを
開始するか否かのタイミングで放たれた
ストーンエッジは地面から
チルタリスの顔面めがけて一直線に飛んでいく。

チルタリスは奇襲に動揺しながらも顔を振り、
ストーンエッジが急所に直撃する最悪の事態は
なんとか回避した。

そして突き上げる岩の刃が止むタイミングを
見計らって落ち着いて羽休めで回復。

一方のケンタロスは命の珠の代償を受けたが、
まだ余裕が見受けられる。


ケンタロスの残りHP、90%。
チルタリスの残りHP、満タン。
 ▼ 281 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 16:24:47 ID:Og3FoFdw [4/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


えーっと、どうしようかしら……。

私のチルタリスは穏やかHDコットンガード羽休め
搭載の両受け仕様、さらに龍星群で積みの起点に
されるのを防いでるわけなんだけど……
ここは龍星群でもケンタロスを落としきれない。

こっちからケンタロスへの決定打がない今、
向こうにストーンエッジの試行回数を稼がせれば
ピンチに陥るのはこっちだし。


交代、よね。
……この交代はまず読まれないはず。
だいたい思いついてもやらないわよね、普通。


「チルタリス ーーー」
 ▼ 282 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 16:25:25 ID:Og3FoFdw [5/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


さて、ここは……向こうがストーンエッジの
急所当たりを警戒して交代する、と読んだ。

少々リスクは伴うが……仕方ない。

ここで読み勝てば流れは引き寄せられるはずじゃ!


セレナ「チルタリス ーーー」

「ケンタロス ーーー」

「「ーーー 交代!」」


セレナ「まさか……?!」
 ▼ 283 ガギャラドス@しんぴのチケット 16/10/08 16:32:29 ID:qwUq1zLE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 284 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 16:35:44 ID:Og3FoFdw [6/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
両者がポケモンを同時に手持ちに戻し ーーー


「ギャラドス、この場は託すぞ!」

セレナ「ラプラス、お願い!」


ーーー 次のポケモンを繰り出した!

ギャラドスの残りHP、満タン。
ラプラスの残りHP、90%。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
セレナ視点


読まれた………なんで?!
っていうか交代読みができていながら
向こうが出し負けてるわけ?

えーと、落ち着いて、私。 とにかく状況整理よ。

一度フリーズドライを見せてるんだから
向こうは突っ張ってこないわね。
確実に交代してくるはず。





交代読みなら外しても大丈夫だし。
 ▼ 285 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 16:46:03 ID:Og3FoFdw [7/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


ラプラスか。
まあフリーズドライにせよ絶対零度にせよ、
これは揺さぶりの意味も込めてのこれでよかろ。


ユキナリの思考が徐々に加速する。

完全に戦闘モードに入っていた。


セレナ「ラプラス、絶対零度!」

「身代わりじゃ」


ギャラドスが身代わりを作り出している間に
ラプラスは目を閉じて全身の神経を集中させ、
絶対零度の冷気を生み出さんとする。
 ▼ 286 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 16:51:53 ID:Og3FoFdw [8/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
絶対零度。


それは摂氏マイナス273度の冷気を
ーーーすべての物体が原子レベルで活動を停止してしまう温度だーーー
ぶつけることで相手を一発で戦闘不能に追い込む
氷タイプの最終兵器。

当然、そんな冷気を放つわけだ、
放つポケモンはます自身の放つ絶対零度から
身を守らなくてはいけない。

だから目を閉じて、視覚を捨ててでも
冷気に耐えうるように精神を高めているのだ。

もちろん、目を閉じているがために
コントロールは皆無。放った本人すら、
どこに飛んでいくかわからない。

例えるなら目を閉じて投球する
超パワー型ピッチャーといったところか。


結果、ラプラスの渾身の攻撃は明後日の方向に。
ギャラドスは難を逃れた。


ギャラドスの残りHP、75%。
ラプラスの残りHP、90%。

ギャラドスには身代わりがある。
 ▼ 287 ルミル@ゴールドスプレー 16/10/08 16:55:14 ID:Db5mu79E NGネーム登録 NGID登録 報告
721
 ▼ 288 リトドン@こだわりメガネ 16/10/08 17:28:46 ID:7rxWefy2 NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
9
 ▼ 289 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 17:32:55 ID:Og3FoFdw [9/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


セレナは完全にペースを乱していた。


なぜ……なぜなの?!

ギャラドスに身代わり……見たこともない!

と、とりあえず身代わりを!


「フリーズドライッ!」

ユキナリ「滝登りじゃ」


荒ぶるギャラドスの一撃が
ラプラスを少々後退させるが崩すには至らない。

ラプラスの反撃のフリーズドライは
ギャラドスが絶妙なタイミングで
ラプラスの口にねじ込んだ身代わりと
滝登りで飛び散った水滴が防壁となって
ギャラドスへのダメージ無く止められた。


ギャラドスの残りHP、75%。
ラプラスの残りHP、75%。
 ▼ 290 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 17:46:55 ID:Og3FoFdw [10/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


余裕綽々といった表情を見せていながら、
ユキナリは心臓バクバクの状態だった。


ふう……。ここまでなんとか凌いだぞぃ。

交代読み交代、絶対零度読み身代わり。

リスクがかなり高かったが……
勝てばよかろうなのじゃ、今はぐちぐち言うまい。

さあて、これだけやれば向こうはもう
フリーズドライ連打しかできんじゃろ。

交代どきじゃな。


「ギャラドス ーーー」

セレナ「ラプラス ーーー」

「ーーー 交代! 仕留めに行け、ウインディ!」

セレナ「ーーー フリーズドライ!
なんとかギャラドスを止めてっ!!

………ああっ……」
 ▼ 291 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 17:59:24 ID:Og3FoFdw [11/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナの絶叫とともに放たれたフリーズドライは
ギャラドスの目と鼻の先にまで迫ったが、
ギャラドスの交代によって逃げられ、代わりの
ウインディによって楽々止められてしまった。


ウインディの残りHP、80%。
ラプラスの残りHP、75%。
 ▼ 292 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/08 18:02:46 ID:Og3FoFdw [12/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ずいぶん厄介な動きをしてくれたが……
これでなんとか確定圏内に捉えたわい。
終いじゃ、ラプラス!


「ゆけいっ、ワイルドボルト!」

セレナ「波乗り!」


ワイルドボルトは威力こそ微妙に低いものの、
発動する原理が「全身の筋肉を収縮させて
電気を起こし、纏って突撃する」という単純なもの
であるがゆえに、すぐに攻撃するのに有効なのだ。
攻撃の反動が少ないのも利点の一つ。


バチバチと音を立てながらウインディが
ラプラスの足元をすくい上げ、吹き飛ばす……!!

ラプラスの落下で砂埃が舞い上がり、
それが晴れてもウインディを襲うはずの大波は
一向に押し寄せる気配がなかった。


ラプラス、戦闘不能。 2ー1。
ウインディの残りHP、53.5%。
 ▼ 293 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 09:39:51 ID:rKTAok2A [1/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


1ー2、まだ序盤だし、たった1点差だし、
すぐに引っ繰り返せる、大丈夫大丈夫……!


「いくよっ、フシギバナ!」


さっき神速を撃っただけなのに
対面不利とは言い切れないチルタリス相手に
すぐに下がったんだから、持ち物は多分スカーフや
鉢巻あたりだと思うのよね。

ピジョット@???
カメックス@オボン
ウインディ@スカーフor鉢巻
ケンタロス@珠
ギャラドス@???

なのよね、今わかってるのは。
でもギャラドスは身代わりを持ってたから
こだわり系や突撃チョッキ、襷が候補から外れる。

やっぱり、ウインディがこだわり系でも
何ら不思議じゃないわよね!


「いくよっ、フシギバナ ーーー」
 ▼ 294 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 09:47:36 ID:rKTAok2A [2/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


フシギバナか。

ふむ……これはめざ炎を持っているかが
唯一の争点じゃなあ。

いや、仮にあっても不一致威力60ならば
二倍程度で受ける分には問題ない。

よし、ここは簡単に。


セレナ「いくよっ、フシギバナ ーーー」

「ウインディ、交代!
待たせたのう、出番じゃナッシー!」

セレナ「ーーー 交代読みでめざめるパワー!」
 ▼ 295 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 09:49:51 ID:rKTAok2A [3/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
これでセレナの疑惑は確信へと昇華した。

ウインディがこだわり系アイテムでなければ
単純に炎技を撃つか交代読みの役割破壊技を
撃ち込むかの二択だったろう。

有利対面からの交代読み交代も無くはないが
それをやるくらいなら確実に相手に負担をかけに
行ったほうがこの局面では有利に働くからだ。

なんにせよ、ユキナリの交代は ーーー


キラーン…………シュボッ


めざめるパワーは直撃する寸前に炎を纏い、
ナッシーを襲った。

効果抜群の技をくらったとはいえ
やはり不一致低下力では高が知れている。

そしてフシギバナとナッシーは
それぞれのアイテムでHPを回復した。


ナッシーの残りHP、60%。
フシギバナの残りHP、80%。


ーーー 泥沼の耐久戦を仕掛ける形となった。
 ▼ 296 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 13:39:15 ID:rKTAok2A [4/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
セレナ視点


6体目はナッシーかあ。

素早さに振ってるかが問題ね……。



ナッシーの素早さ種族値は55、
フシギバナの素早さ種族値は80。

しかし、セレナのフシギバナは耐久力を
重視したため素早さをほとんど鍛えていない。

したがって、ナッシーが準速あたりまで
素早さを上げていれば抜かれてしまう。

その抜かれたところからサイコキネシスを
撃たれると落とされるのはセレナのフシギバナだ。

セレナがここでどう動くかが問われる、
そんな局面にあるのだ。
 ▼ 297 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 15:17:31 ID:rKTAok2A [5/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
えーっと、素早さで抜かれてて
かつサイコキネシスを向こうが持ってる、
それがこの局面では最悪のパターン。

じゃあそうなる可能性はどれくらいある?

ナッシーの強力な使い方はトリックルームや
日本晴れで素早さを補ってから
全抜きを狙っていくエース運用、
ワンウェポンに絞って痺れ粉や壁で後続に繋ぐ
サポート型。

弱点が多い複合タイプなわけだから
耐久型はやりづらいはず。

それにトリックルームにしても晴れにしても
その恩恵を受けられるポケモンが向こうには
ほとんどいないんだし、
これはサポート型とみていいでしょ!


「いくよっフシギバナ ーーー」
 ▼ 298 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 15:25:34 ID:rKTAok2A [6/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


うむ、めざ炎じゃったな。

しかしもう一発打ち込まれたところで
そんなに怖い攻撃ではない。

サイコキネシスを警戒した向こうが
引いてくるのならばそれもよし、
退かずにめざ炎で張ってくるでも問題なし。

決まりじゃ。


セレナ「いくよっフシギバナ ーーー」

「構えよ、ナッシー。光の壁じゃ」

セレナ「ーーー めざめるパワー!」
 ▼ 299 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 15:33:49 ID:rKTAok2A [7/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
同じ構図の繰り返し…とはさすがにならなかった。

フシギバナよりも少々先に動き出したナッシーが
光の壁を間に合わせ、めざめるパワーのダメージを
半分だけブロックする。

光の壁が維持されるのは5ターン。

短いようで長い魔の時間だ。

当然、双方回復は怠らない。


ナッシーの残りHP、40%。
フシギバナの残りHP、86%。
 ▼ 300 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 15:45:18 ID:rKTAok2A [8/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ほう! 居座ってきたか。

つまりサイコキネシスを
搭載していないことを読まれたらしい。

んでもって向こうがそれを読んだ上で
めざめるパワーを連打するということは
あのフシギバナはヘドロ爆弾を搭載しておらんな?

ふむ、面白いのう。

確か特殊型フシギバナの候補技はギガドレ、
ヘド爆、めざ炎、宿り木、光合成あたりじゃな。

ヘドロ爆弾がないならギガドレインとめざ炎が
確定して、残り二つは……
宿り木と光合成を想定しておけばよいかのう。

そして先ほどナッシーが先制できたことから
素早さを鍛えていないのも明らか。

ならばここは……!
 ▼ 301 チム@こだいのおまもり 16/10/09 16:10:29 ID:pjwD5QRo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!

 ▼ 302 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 17:16:37 ID:rKTAok2A [9/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


これでこっちから有効打がないのが
向こうにばれたわね……。

ナッシーの弱点を突ける物理アタッカー
なんてこっちにはいないし……

なら、いっそ思い切って!


「フシギバナ、 ーーー」

ユキナリ「ナッシー、 ーーー」

「「ーーー 交代!」」
 ▼ 303 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 17:17:15 ID:rKTAok2A [10/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
またしても双方が同時に交代を選択し、
次のモンスターボールに手をかける。

ボールを手にした二人の目に迷いはない。


「暴れておいで! マフォクシー!」

ユキナリ「今一度力を貸してくれ、ウインディ!」


今度は炎タイプ同士の対決だ。


ウインディの威嚇でマフォクシーの攻撃が下がった。


ウインディの残りHP、53.5%。
マフォクシーの残りHP、満タン。
 ▼ 304 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 17:18:11 ID:rKTAok2A [11/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ええっと……とにかく光の壁が厄介なのよね……。

これでこっちは五体目を見せたわ。

なんとか粘って追いついてみせる!


「サイコショック!」

ユキナリ「交代読みフレアドライブじゃ!
………なんじゃと?!」


マフォクシーの放った念動波は
捨て身の覚悟で飛び込んでくるウインディを
止めるまでには至らない。

燃え上がる炎の鎧がマフォクシーを襲った。


マフォクシーの残りHP、30%。
ウインディの残りHP、7%。
 ▼ 305 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 17:23:35 ID:rKTAok2A [12/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
「もう一度!」

ユキナリ「頼む、もう一発叩き込めばよいのじゃ、
フレアドライブ!」


しかし度重なる反動技の酷使もまた
着実にウインディの体力を蝕んでいた。

こうなってしまっては
いくら光の壁に護られていようと意味がない。

一体でセレナから2点を奪った伝説ポケモンも、
もはやこれまでだった。


ウインディ、戦闘不能。 2ー2。
マフォクシーの残りHP、30%。


スコアはまだ2ー2だが、ここまでの交代戦によって
双方のポケモンは少なからず消耗している。

読み一つでどちらに転ぶかわからないこの戦いも、
ついに勝負の後半戦に突入していく……!
 ▼ 306 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 17:38:35 ID:rKTAok2A [13/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


ふっ……交代読みフレアドライブを
さらに読んで居座りか……
さしずめ先ほどまでのやり返しじゃな?

面白い、どこまでも面白い!


「ここは任せる、ケンタロス!」


ここでまず一体倒してリードを得るとしようかのう!


荒ぶる闘牛がフィールドに降り立つ。

ユキナリの狙いは明白。
速攻アタッカーで一気に蹴ちらすつもりなのだ。


さて、ここで現在の互いのポケモンの状況を
一度整理しておこう。
 ▼ 307 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 17:43:43 ID:rKTAok2A [14/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
ユキナリ
ピジョット@???→HP満タン
カメックス@オボンの実→戦闘不能
ウインディ@拘り鉢巻→戦闘不能
ケンタロス@命の珠→HP90%
ギャラドス@???→HP75%
ナッシー@食べ残し→HP40%

セレナ
ラプラス@突撃チョッキ→戦闘不能
フシギバナ@黒いヘドロ→HP86%
アブソル@???→戦闘不能
チルタリス@???→HP満タン
マフォクシー@???→HP30%
???@???→残り一体不明

それぞれHPが満タン近いのが二体、
少々削れたのが一体、
ほぼ削れているのが一体という状況。

数字的には全く互角の状態だ。

しかし、セレナの6体目が未だにわからない、
というのが今後どう効いてくるのかが目を引く。
 ▼ 308 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 17:59:06 ID:rKTAok2A [15/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


ここでケンタロス……
確実にマフォクシーを倒しに来たのね?

でも、今マフォクシーを倒されるのは
ちょっと都合が悪いの。

うーん、ちょっとリスキーだけど……

ここは大胆に!


「マフォクシー、 ーーー」

ユキナリ「ケンタロス、 ーーー」

「ーーー 交代! いくわよフシギバナ!」

ユキナリ「ーーー 読まなくていいところは
敢えて読まん! 恩返しじゃ!」
 ▼ 309 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 18:01:30 ID:rKTAok2A [16/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
ケンタロスが本気になれば、
その渾身の突進は誰にも止められない……
というのはもはや過去の話
ーーーそれこそ20年近く昔のことーーー
だが、だからといってケンタロスが完全に
落ちぶれたと一体誰が言い切れるだろうか……?


フシギバナは四つ足を踏ん張って
ケンタロスの双角を受け止めた。

そして極限まで追い込まれた
フシギバナの全身が翠のオーラを纏う………


ユキナリ「よし、そこからストーンエッジじゃ」


………がユキナリの無情な、残酷な采配によって
フシギバナは下から突き上げる岩の刃に屈し
無様に腹を天に向けた。


フシギバナ、戦闘不能。3ー2。
ケンタロスの残りHP、70%。
 ▼ 310 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 18:26:39 ID:rKTAok2A [17/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


よし、これで3ー2。

さて、そろそろ「終盤の鬼」の出番かのう……。


「終盤の鬼」。

オーキド家に代々伝わる最強と謳われし戦術。

前半のうちに交代や読みを強要する場面を
大量に発生させて相手の出方、考え方を読み取り、
後半は強引に相手の残りを押し込んでいく戦術だ。

オーキド家が目指すのは6ー0の勝利でも
6ー5の勝利でもないし、またそうでもあるのだ。

最終的に勝利すること、それのみを
追求し続けた結果生まれた思想。

従ってスコアには全く執着しない。
 ▼ 311 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 18:33:01 ID:rKTAok2A [18/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナ「取り返しに行く! お願い、チルタリス!」


しばらく前とほとんど同じ
シチュエーションが展開される。

しかしケンタロスの持ち物が命の珠とわかった今、
セレナとしてはストーンエッジの残りPP
ーーーあと3ーーー さえ切らせてしまえば
後は羽休めと攻撃技を織り交ぜて完封してしまえる。


粘りたいセレナと突き放したいユキナリ。


真逆の方向を望む二人の頭脳が唸りをあげる。
 ▼ 312 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 18:37:42 ID:rKTAok2A [19/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
向こうはおそらくコットンガードによるハメと
龍星群のフィニッシュに持ち込むのがそちらの
狙いと読み取らせてもらったぞ。


ならばこちらは ーーー


セレナ「チルタリス ーーー」

「ケンタロス、交代!」


ーーー さっさと引き上げるとしよう!


セレナ「ーーー ストーンエッジ読みで羽休め!
………!!」


ユキナリがケンタロスに代えて
フィールドに送り出したのはギャラドス。

威嚇でチルタリスの攻撃が下がった。

そして羽休めはHPが満タンの時には意味がない。
セレナは1ターン無駄にしてしまった。


ギャラドスの残りHP、75%。
チルタリスの残りHP、満タン。
 ▼ 313 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 18:39:34 ID:rKTAok2A [20/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
そしてユキナリが畳み掛ける……!


「電磁波!」

セレナ「吹き飛ばすわよ、龍星群!」


しかし、セレナに取っては不運なことに。

僅かに……ほんの僅かに先制したギャラドスの
電磁波がチルタリスの集中を切らせたばかりか
痺れで行動を阻害してしまった。


セレナ「……そんなっ……」


ギャラドスの残りHP、75%。
チルタリスの残りHP、満タン。

チルタリスは麻痺状態だ。
 ▼ 314 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 18:57:58 ID:rKTAok2A [21/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


やばっ……これは、まずいんじゃない?!

勝ち筋は………あれっ、どこ?!

ギャラドスの氷の牙はまずくるのよ、なのに……


マフォクシーじゃもう受け止めきれないっ!!


「チルタリス……龍星群!」

ユキナリ「………氷の牙じゃ」


ギャラドスがチルタリスの首元めがけて
飛翔するコンマ数秒の僅かな間に
その牙は凍りつき、冷気を放っていた。

その牙が、痺れて動きが完全に鈍っている
チルタリスを狙い誤ることなく的確に捉える………!
 ▼ 315 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 18:59:12 ID:rKTAok2A [22/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
獲物を捉える瞬間のギャラドスの表情ほど
恐ろしいものはない。

なぜならその恐怖は、肉食動物が本来持つ、
野生の本能に基づく威圧だからだ。


チルタリスは怯んで動けない……!


ユキナリ「とどめじゃ」


四倍弱点の攻撃を二回受けて立っていられるほど
チルタリスはタフではなかった。


チルタリスの落下した衝撃で
数枚の綿のような羽と砂埃が舞い上がり、
そして登ったばかりの月の光を反射して
キラキラと輝きながらゆっくりと地面に落ちた。


チルタリス、戦闘不能。4ー2。
ギャラドスの残りHP、変わらず75%。

セレナの残り二体のうち一体は残りHPが少ない。
これでスコア以上に彼女は追い込まれた。
 ▼ 316 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 19:51:04 ID:rKTAok2A [23/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


………よし。

ここで奪ったリードは数字以上に大きい。

さて……ここまでセレナ君が六体目を
ひた隠していたのは何故じゃろうか。

仮定としては……

1.サイクルに参加できないほどの紙耐久

2.温存しておきたい積みエース

3.こちらの手持ちに致命的にささらないポケモン

4.出しどころを失って腐っている起点作り要員


こんなもんかのう。

さあ、マフォクシーか、まだ見ぬ六体目か。

どちらでくる、セレナ君。
 ▼ 317 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 19:52:58 ID:rKTAok2A [24/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
ふあさっ。


その時、ユキナリの頭上に何かが
ひらりと舞い降りた。


む? ……ああ、チルタリスの羽が
まだ残っていたのじゃな? やれやれ……


何の気もなしにユキナリは頭に
右手をやって羽を手に取り、
そして……一瞥した。


刹那。


ユキナリの背筋に電流が走った。


「なっ……?!」


ユキナリの右手に握られていたのは……



なんと、"緑色"の羽毛だったのだ!
 ▼ 318 ドリドリ@カメックスナイト 16/10/09 20:06:29 ID:YOpg2ABk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
るなーんかな?
支援
 ▼ 319 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 20:09:30 ID:rKTAok2A [25/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


「ごめんなさい、チルタリス……」


はあ。


ため息とともにくたびれきったポケモンを
またボールへと戻す。


……もう戦術も何もない。

一途に、ただ仕掛けるだけ。

"最後の切り札"に繋ぐために、
マフォクシーに頑張ってもらうしかないわよね!


セレナは手にしたモンスターボールに向かって
小声で話しかける。


「もう少しだけ、あなたの……」


ユキナリ「なっ……?!」
 ▼ 320 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 20:10:47 ID:rKTAok2A [26/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナを感傷の世界から一気に引き戻したのは
ユキナリの奇声だった。

弾かれたように前方に視線を走らせると、
そこには右手に持った何かを見てわなんなと
震えるユキナリの姿があった。

しかし、それはほんの数秒のことで、
ユキナリはセレナの視線に気がつくと
すぐにいつもの表情、声色に戻った。


ユキナリ「やあやあ、取り乱してしまってすまない。

………続けようじゃないか」



ちょっと腑に落ちないけど、まあいっか。

さあ仕切り直し。いくわよ!


「もう少しだけあなたの力、私に貸して!
行くわよ……マフォクシー!!」


セレナがプラターヌ博士から貰った
最初のポケモンがセレナの求めに応じ、
再びフィールドに舞い戻ってきた。
 ▼ 321 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 20:17:41 ID:rKTAok2A [27/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ユキナリ視点


………嘘、じゃろう……?


震えが止まらない。

目をこする。

ペチペチと頬を軽く叩く。

鼻をちょっとつねってみる。


それでも、目の前の、右手の中にある
"緑色の羽"は変わらずそこにあった。
 ▼ 322 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 20:18:43 ID:rKTAok2A [28/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
その時、「これは夢だ」と断じていた
ユキナリの心が揺らぐ。


………本当に?


ユキナリは思わず羽を持った手を握りしめた。

そしてまた、拳を開いた。


それでも、羽は無くならない。


辺りを見回しても、セレナと自分、
そしてギャラドス以外には当然のことながら
誰もいないし何も見当たらない。

しかし、ユキナリの疑惑は確信に変わった。


これは夢でも幻でもない、現実……!

一体、どこから……?

答えておくれ、頼むから……!


ユキナリの震えは激しくなっていく一方だった。
 ▼ 323 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 20:29:57 ID:rKTAok2A [29/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
そんな異常な状態のユキナリを
セレナが見逃すはずがない。

セレナは呆気に取られた表情でユキナリを見ていた。

その視線が、ユキナリをはっと現実に引き戻す。


「やあやあ、取り乱してしまってすまない。

………続けようじゃないか」


慌てて平常を装いながら
右手の羽を白衣の胸ポケットに丁寧にしまい、
ユキナリはバトルに戻った。

スコアと互いのHPを表示している
電光掲示板に今一度目をやる。


4ー2。

ギャラドスの残りHP、75%。
マフォクシーの残りHP、30%。

無機質な表示だが、それがかえって
ユキナリを戦闘モードに入らせる。
 ▼ 324 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 20:38:49 ID:rKTAok2A [30/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
そしてフィールドに向き直る。

睨み合うのは互いの最初のパートナー。

対峙するは非公式とはいえ
世界最強の座を賭けて争う二人のトレーナー。


よし、戻ってきた。

いやはやどこまでも六体目を隠し通すつもりか。

マフォクシー。

相性有利とはいえ素早さで負けているのが問題じゃ。

かといってゴツゴツメットによる削りも期待できん。

それからここまで来ると警戒すべきは
最後の一体が積みエースであること。

その起点を作るためにここでマフォクシーを
出してきたと考えるのが最も安全だろう。

となればここは無償降臨のチャンス。

………ちょうど、そろそろメガシンカする
タイミングが欲しかったところじゃしのう。
 ▼ 325 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 20:59:35 ID:rKTAok2A [31/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ギャラドス ーーー」

セレナ「マフォクシー、ーーー」

「ーーー 交代! 行くぞピジョット!!」

セレナ「ーーー 光の壁っ!!」


ギャラドスが交代している間に
マフォクシーは猛火のオーラに加えて
金色に輝く光の壁で自身を覆う。

そして……ピジョットが繰り出された。


ピジョットの残りHP、満タン。
マフォクシーの残りHP、30%。



セレナ「マフォクシー、オーバーヒート!」

「行くぞ……ピジョット!!」
 ▼ 326 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 21:02:10 ID:rKTAok2A [32/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
ユキナリは先ほど羽をしまい込んだ
ポケットに手を入れ、今度は小さな
ロケットペンダントを取り出す。


セレナ「………!」


その威厳さえ感じさせるゆったりとした
モーションは見るものを圧倒した。

マフォクシーさえも技の準備を忘れて
ユキナリの一挙一投足に見入る。

二人だけのフィールドに響き渡るのは、
ユキナリの独白だけ。

ユキナリはロケットペンダントに向かって
静かに語りかける。


「ウィロー博士……貴方は悪魔だったのか、
それとも天使だったのか……
ワシにはどちらなのかわかりません……が。

博士と初めてお会いしたあの日……
ははは、懐かしいですねぇ……
とても寒くて……凍えていて……
ワシには行くあてもなく……」
 ▼ 327 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 21:07:22 ID:rKTAok2A [33/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
ユキナリの手にしているロケットペンダントに
入っているのは友人の、家族の、博士の写真。

そして………キーストーン……!!


「そんなあの日のワシに優しく
手を差し伸べてくださった博士は……
紛れもなくワシの恩人です……」


その時ギャラドスのモンスターボールが
少しだけカタッと揺れた。


「共に同じ夢を追いかけて……
博士が旅立ってしまわれたあの日も……」


それだけ言って、ユキナリは目を閉じる。

指は間違いなく、キーストーンに触れている。

ピジョットが優雅に羽ばたき続ける……!


「ウィロー博士……
あなたの残した思いは
必ずや受け継いでいきますよ………

ピジョット、メガシンカッッ!!!」
 ▼ 328 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 21:21:50 ID:rKTAok2A [34/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
最後の言葉を言い終えると同時にユキナリは
目をカッと見開き、しっかりと前を見据える。

次の瞬間……ピジョットが七色の光に包まれ……
光の殻を破って"メガピジョット"が姿を現した!

「ゆけいっ、とんぼ返り!!」

ピジョットは翼を広げてさらに高く高く飛んでいく。

煌めきを放つその羽ばたきに、
セレナとマフォクシーは目を奪われた。

そして、ピジョットが急降下して
マフォクシーに襲いかかる……!!

セレナ「………はっ! マフォクシ……」

油断、とは違うだろう。 怯んだ、それも違う。

ただ、一つだけわかるのは。

彼女たちはピジョットの見えざる力に
圧倒されてしまった、ということだ。


マフォクシー、戦闘不能。 5ー3。


そしてピジョットは悠々と
ユキナリの元へ戻っていく。
 ▼ 329 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/09 21:22:56 ID:rKTAok2A [35/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>328
ミス。
5ー3ではなく5ー2です。
 ▼ 330 ロベルト@ひのたまプレート 16/10/09 21:41:16 ID:vjY.RlHc NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤバい支援!!!!
 ▼ 331 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 00:08:58 ID:5WYVJvE2 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
セレナ視点


あはは、とうとう追い詰められちゃった、かな?

でも、もうそれは覚悟してたことだし。

今更うじうじ言ったってしょうがないよね。

向こうの残りはナッシー、ケンタロス、
ギャラドス、メガピジョット。

……この子なら、きっと、ワンチャンス掴めるはず!


「ここまで追い詰められたの、いつ以来かしら!
最後は託したよ……ルカリオ!!」

ユキナリ「相手が誰であれ
対応できるのは……こやつじゃ!
ゆけいっ、ナッシー!」


セレナの命運を全て背負って
フィールドに降り立つ波導の勇者。

対するは歩く熱帯雨林、ナッシー。

セレナの一世一代の大博打が始まる。
 ▼ 332 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 00:10:17 ID:5WYVJvE2 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


ルカリオか……これまた厄介な。

ルカリオを見たらまず積みエースで間違いない。

ただ、問題は物理型か特殊型かという
二択を強いられるところにある。

……まて、落ち着くんじゃ。
こういう時は大抵パーティ全体を見ればよいのじゃ。

セレナ君のパーティは……

ラプラス→特殊
フシギバナ→特殊
アブソル→物理
チルタリス→特殊
マフォクシー→特殊

……うむ、何のことはない。
落ち着いて考えればすぐに分かることじゃったな。

これだけ特殊型で周囲を固めているのじゃから
ルカリオは物理型でまず間違いはない!

……となれば!
 ▼ 333 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 00:11:28 ID:5WYVJvE2 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
セレナ視点


もう読みはいらない。

私の賭けは二分の一。

向こうがリフレクターを貼るか交代するか
はたまた攻撃してくれば私の勝ち。

でも、光の壁を貼られたら私の負け。

単純な二者択一。

神様……いるのかどうか知らないけど。

できれば、私にもう少しだけ、
戦う時間を下さい……。




運命の時が、訪れた。
 ▼ 334 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 00:24:45 ID:5WYVJvE2 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ユキナリ「ナッシー、お前の仕事はわかっとるな?」


ナッシーの三つある顔の一つが
ユキナリを振り返って"わかってる"と目で合図する。


「ルカリオ、賭けるよ……」


ルカリオは何も言わない。

ただ黙って頷くだけ。


ユキナリ「行くぞ、ナッシー、ーーー」

「ルカリオ、ーーー」

ユキナリ「ーーー リフレクター!!」

「ーーー お願い、どうか成功してっ

………悪巧み!!」


ユキナリ「!!!!」
 ▼ 335 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 00:25:43 ID:5WYVJvE2 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ナッシーは念力を操って
白銀のドームを作り出し、
自らをそのドームで覆う。

その一方でルカリオは脳内を活性化させて
特攻を一気に二倍にまで引き上げた。



賭けは、セレナの勝ちだ。



白銀のドームに覆われたナッシー。

黄金のベールに包まれたルカリオ。



試合がまた、大きく動こうとしていた。
 ▼ 336 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 00:46:10 ID:5WYVJvE2 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ユキナリ視点


ま、まずい………



というとでも?

はっは、舐めるでないわ。

悪巧みということは特殊型で決まり。

特殊型ならラスターカノンは確定。

果たしてセレナ君が
真空波の存在を知っているか……?

あれは確かシンオウのどこか特定の場所の職人しか
教えることのできない技だったはずじゃが……。

いずれにせよ、ここは……


セレナ「ラスターカノン!!」

「……サイコキネシスじゃ」


………何も出来ぬのがつらいところよ。
 ▼ 337 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 00:59:25 ID:5WYVJvE2 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ナッシーの必死の抵抗虚しく、サイコキネシスは
超火力と化したラスターカノンを前にあえなく
粉砕され、念力を出し切ったナッシーは膝を屈して
迫り来るラスターカノンをただ待ち受けること
しかできない。


「すまぬ……ナッシー……」


ナッシーはラスターカノンが直撃する寸前に
ユキナリを振り返って、ニヤリと笑った。


ドオオオオンンンッッ!!!


そしてラスターカノンが白銀のドームをすり抜けて
炸裂し、ナッシーはばったりと地に伏した。


ナッシー、戦闘不能。5ー3。
 ▼ 338 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 11:13:09 ID:T.QgMUh. [1/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


ドオオオオンンンッッ!!!


ラスターカノンが炸裂した瞬間、
周囲は眩い光に包まれた。

その光の中、セレナは左腕のメガリングに
手を添え、目を閉じた。


ねえ、ルカリオ。

あなたと初めて出会った日のこと、覚えてる?

あの時はまだあなたはコルニさんの
ポケモンだったわね……。

私が初めてメガシンカしたのは
あなたとだったな……懐かしいね、ルカリオ。

あれから、ずっと一緒に。

カロスリーグ優勝の時も。
他の地方に初めて踏み出した時も。
あなたとマフォクシーは
ずっと私のそばにい続けてくれたから。
だから私は強くなれたんだよ。
 ▼ 339 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 11:17:25 ID:T.QgMUh. [2/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
「いくよ、ルカリオ ーーー」


ユキナリは呆然と崩れゆくナッシーを見ている。


「ーーー 私と未来を紡いで……メガシンカ」


静かにセレナが呟いたのと同時に
メガストーンとキーストーンが反応。


ラスターカノンで銀色の光に包まれたフィールドに
ひときわ輝く金色のベールとその中にいるルカリオ。

そこから七色の光が溢れ出して………!


………シュタッ。


"メガルカリオ"が静かに姿を現した。


その瞬間と、ラスターカノンが収束して
ナッシーがばったり倒れたのが同時だった。


ナッシー、戦闘不能。3ー5。
 ▼ 340 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 11:24:43 ID:T.QgMUh. [3/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


「ありがとう……ナッシー……」


いくらスコアにこだわらないとはいえ、
やはりポケモンたちが苦しみ倒れる様は
百戦錬磨のユキナリといえども
出来ることなら見たくはないものだ。

なのに、多くの人はポケモンを戦わせ、競わせる。

矛盾しているように見えるが、
少なからぬ矛盾と共に生きていくのが
人間という生き物なのだ、と
ユキナリはとうに悟っていた。


「次は……お前だ。

行くぞ、ケンタロス!」


真空波は多分持っていないはず。
気合玉が外れる30%にチャンスを見出す!
 ▼ 341 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 11:31:46 ID:T.QgMUh. [4/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
いつの間にやらルカリオは既にメガシンカしていた。


ほう、お前さんもやはりメガシンカを。

自分でも使っていながら
こんなことを言うのはあれじゃが……

確かに、間違いなくメガシンカは
強力な武器となりうるんじゃ。

しかし、かといってそれが強さへの
最短ルートであるかは全く別の話。

メガシンカのタイミングを誤ったが故に
敗北を喫するトレーナーも少なくないからのう。


さあゆくぞ!


「ケンタロス ーーー」

セレナ「ルカリオ ーーー」

「ーーー 地震!」

セレナ「ーーー 飛び膝蹴り!」
 ▼ 342 ンダー@ジュペッタナイト 16/10/10 11:47:20 ID:ihPzITpI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 343 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 12:10:32 ID:T.QgMUh. [5/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
フィールドの中央でケンタロスが
前脚を振り上げてから勢いをつけて
地面に叩きつけて地震を起こすが、
僅かにスピードで上回ったルカリオが
ジャンプで地震をかわしつつケンタロスの顔面に
強烈な飛び膝蹴りを見舞う。


そのまま二体はユキナリの目の前まで
吹っ飛んでいく……!


ルカリオはケンタロスを
クッションにして着地の衝撃を回避し、
自身は無傷のままフィールドに舞い戻る。


しかし一方のケンタロスに
もう立ち上がる力は残されていなかった……。


ケンタロス、戦闘不能。5ー4。
 ▼ 344 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 12:29:31 ID:T.QgMUh. [6/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
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うーむ、わかってはいたが……
やはりルカリオに積ませてしまったのは痛いな…

それに万が一積めなかった時のために
飛び膝蹴りを用意していたわけか。

さらにその後隙あらば積む用意も込めて
耐久を下げるインファイトは嫌ったのじゃな?

ふむ、なるほど、なるほど。

シングルバトルではあまり守るは多用されないから
ゴーストタイプにさえ気をつければ
飛び膝蹴りのリスクは少ない。

今思い返せば、セレナ君がここまでルカリオを
温存していたのには飛び膝蹴りをゴーストタイプに
すかされる可能性があるか推し量る狙いも
おそらくはあったのじゃろうな。

うむ、まあ考えたところでせんなきことよ。
あとは……お前たちに託すのみじゃ!


「ゆくぞっ、ギャラドス!」


ユキナリの思いを背負って、
逆襲の龍王が三たびフィールドに降臨した。
 ▼ 345 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 13:54:31 ID:T.QgMUh. [7/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


威嚇でルカリオの攻撃が下がったから……
飛び膝蹴りはもう出せないわね。

ってまあリフレクターある時点で
元々打ちにくくされてたんだけど。

さっきは地震をかわすためにもラスターカノンじゃ
間に合わない可能性あったからねー。

こっちはもう必殺のラスターカノンに賭けるだけ。

ギャラドスが相手だから半減とはいえ
一回積んだから実質等倍。

相手の残りHPは75%………

ワンチャン、あるかな?
 ▼ 346 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 15:21:11 ID:T.QgMUh. [8/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


ギャラドス……すまないのぅ。

メガピジョットでは一回積んだメガルカリオの
ラスターカノンによって
確定一発で沈められてしまうからな。

かといってお前はHBゴツメの耐久型。

地震を搭載していないから
まずメガルカリオは倒せない。

お前に出来るのは……壁となることだけじゃ。
ああ、恨め、不甲斐ないワシを。


自嘲気味に笑いながらユキナリは冷酷に指示を出す。


「ギャラドス ーーー」

セレナ「ルカリオ、ラスターカノン!」

「ーーー 電磁波じゃっ!」
 ▼ 347 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 15:41:53 ID:T.QgMUh. [9/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
ルカリオのラスターカノン。

ギャラドスの電磁波。

二つの閃光が交錯して
それぞれ狙った相手を直撃する ーーー


キラッ………


ーーー ギャラドスは持ち前の耐久力でなんとか
持ち堪え、ルカリオは痺れに顔を歪ませる。

ラスターカノンと電磁波がそれぞれ炸裂した瞬間に
緑の閃光がフィールドを横切ったのは、
たぶん気のせいだろう。

……緑色の羽がまた一枚、またユキナリのそばに
ひらひらと落ちたのも、きっと気のせいなのだ。


ギャラドスの残りHP、20%。
ルカリオの残りHP、満タン。

ルカリオは麻痺状態だ。
 ▼ 348 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 15:43:35 ID:T.QgMUh. [10/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


うっ……麻痺かあ……

とりあえずここは凌げるけど……

麻痺した状態でメガピジョットまでぶち抜けるかと
言われたら自信がないわね……。

いえ、私が挫けたらダメ。

まだルカリオは少しも諦めてないもの!


「まずはギャラドスを倒す! ルカリオ ーーー」

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ユキナリ視点


電磁波は入れた。
あとはピジョットに繋ぐため、少しでも粘る!


セレナ「まずはギャラドスを倒す!ルカリオ ーーー」

「ゆくぞギャラドス、滝登りじゃあ!」

セレナ「ーーー 真空波ぁっ!!」
 ▼ 349 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 15:46:14 ID:T.QgMUh. [11/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
痺れて出足の遅れたルカリオめがけて
襲いかかるはギャラドス。

目は鋭くルカリオを睨みつけ、
尾は水を纏ってさらに生き生きと輝きを放つ。

しかし ーーー


セレナ「そこよ、ルカリオ!」


ーーー セレナの指示と同時にルカリオの
渾身の拳が空を切った、その刹那。

ものすごい衝撃波が襲い、ギャラドスの纏った
水のベールごと吹き飛ばしてしまった。


「くっ、真空波を覚えておったか……」


ギャラドスはあと一歩のところまで肉薄したが、
そのあと一歩が僅かに及ばず。


ギャラドス、戦闘不能。5ー5。
ルカリオの残りHP、満タン。 麻痺状態。

光の壁の効果が切れ、ルカリオを包んでいた
金色のベールが解けていく。
 ▼ 350 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 15:46:54 ID:T.QgMUh. [12/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナ視点


これで、同点よ……!

2ー5まで追い込まれた時は
どうなるかと思ったけど、
悪巧みのところで読み勝ったのが全てだったわね。

怒濤の三タテでここまで来た。

ここまでくればもう
三タテも四タテも大して変わんないわ!


「ルカリオ、あとちょっとよ!」


くわんぬ!


ルカリオがここにきて力強く吠えた。
 ▼ 351 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 15:48:13 ID:T.QgMUh. [13/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
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ユキナリ視点


「本当にすまない……」


ユキナリは責任を感じていた。

それもそうだろう。

あそこでナッシーにリフレクターを指示せずに
光の壁にしておけばナッシーで削ってから
ギャラドスで攻撃をがっちり受け止めつつ
じりじりと削り切ってフィニッシュ。

ケンタロスやギャラドス、ピジョットに
無駄な負担を掛けずして勝てていたのだから。


「それから……ありがとう。ゆっくり休んでくれ」


ユキナリはギャラドスのモンスターボールに
話しかけ、ベルトのボールホルダーに戻した。
 ▼ 352 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 15:49:26 ID:T.QgMUh. [14/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
そして、別の……最後のボールを取り出し、
ボール中央のボタンを押す。


「皆でここまで繋いだ。後はお前に託すぞ。

ゆけいっ、ピジョット!!」


メガピジョット対メガルカリオ。

互いの切り札、
メガシンカポケモン同士が遂に対峙した。

スコアは5ー5の同点。

ここを制したものがすなわち勝者。

どちらも耐久力を売りにして
相手を追い詰めるタイプではなく、
速攻高火力で一気に仕留めるスタイルだ。

1ターン、長く見積もっても
2ターンで雌雄は決するだろう。


この試合も、ついに最終章に突入した!
 ▼ 353 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 16:03:41 ID:T.QgMUh. [15/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナはルカリオに檄を飛ばし、
それから穏やかに微笑んでユキナリに話し始めた。


セレナ「オーキド先生」

「む、どうした?」

セレナ「あの日のこと……
覚えていらっしゃいますか?」

「……あの日?」


はて、いつのことじゃろうか。


セレナは悪戯っぽく笑う。


セレナ「あら……忘れてしまわれたんですか?
…クチバ港で…あの時、私は別れが辛くて……」


ああ、そんなこともあったのう。

確か、あの別れ際に、ワシは………
 ▼ 354 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 16:04:27 ID:T.QgMUh. [16/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナ「思い出してくださいました?

あの日の、問題。

私なりに、あれからずーっと、
答えを探し続けていたんです」


ああ。そんなこともあったっけか。

確か……


セレナ「【問題】151+100+135+107+156+72=?

でしたよね。

無機的に答えてしまうなら721。

少し気を利かせていうならこの世界で
現在発見されているポケモンの総数。

そうですよね?」

「ああ、その通りじゃ。
……覚えていてくれたとはなぁ」
 ▼ 355 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/10 16:05:43 ID:T.QgMUh. [17/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナ「でも、あの時先生は……
『答えは…もしかしたらすぐには出ないと思うぞ?

簡単かもしれないし、
すごく難しい問題かもしれない。

じゃが……時間をかけて、じっくりと、
君だけの答えを見つけてほしい』

……ともおっしゃってましたよね。

旅の中で……わかった気がするんです」

「おお……そうか、そうか。
できれば、老い先短いジジイに
是非とも聞かせて欲しいものじゃのう」


セレナは一呼吸おいて、堂々と答えた。


セレナ「はい。答えは……『仲間』です!
一つでも欠けていたら私は私じゃなくなる……
そんな、かけがえのない数字!
それが、私の答えですっ!!」


うむ……そうか。
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