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【SS】ポケットモンスター外伝F

 ▼ 1 1◆v1GnTfaqxg 17/01/27 21:35:42 ID:pfFaVkAE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
長いこと続いてきたこのシリーズもとりあえずこの話で完結です。
更新ペースは多分遅めになってしまいますが……最後まで見ていただけたら……と、思っております。

↓過去作URL

外伝
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=425114
外伝2
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=430226
外伝3
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=435716
外伝3,5
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=437371
外伝4
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=441121
外伝4+
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=469635
おーちゃんと俺
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=475033
外伝R
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=510291

 ▼ 106 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 21:48:11 ID:OMrmC8QA [1/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ポケモン達はざわめいた……


なんだって!?

嫌よ! 私消えたくない!!

お前何様だよ!!


?「私は……神様よ……」


そのポケモンが手をかざすと……沢山のポケモン達が一瞬で消えた。


二匹「っ!!」


神「……ふぅ……なんとか片付いた……」


先程まで騒がしかった天国は……風の音一つしないほどに静かになった……







 ▼ 107 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 21:55:02 ID:OMrmC8QA [2/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
宙に浮いているそのポケモンにミミロップが叫んだ。


ミミロップ「あなた! なにしてるのよ!!」


ミミロップの声に気付いたそのポケモンは降りてきた……


神「!……あなたは……そう、ミミロップちゃんだったかな?」


そのポケモンの姿は……どこかで見た事がある……黄色い姿……特徴的な髭があり……スプーンを持っている……




ミミロップ「っ!! あ、あなた……フーディン!?」


フーディン「すごい……思い出せたんだ……」

ライチュウ「フーディン?……誰だ?」


ミミロップは得体の知れぬ恐怖を感じた……


ミミロップ「な、なんで!?……なんで私、フーディンの事を忘れていたの!? ライチュウ君も覚えてないの!? 思い出せないの!?」
 ▼ 108 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:03:48 ID:OMrmC8QA [3/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ライチュウ「お前何者だ!!」


フーディンは溜め息をついた……


フーディン「言ってるでしょ? 私は神様よ……ちなみに教えてあげると……君達の言うフーディン君は私の事を嗅ぎつけてこそこそしてたから消してあげたの……さっきみたいにね」

ミミロップ「!!」

フーディン「私が消したポケモンは……じきに世界中のポケモン達の記憶からも消えるんだ……だからフーディン君の事を知っているポケモンはもうこの世にはいないはずなのに……あなたは思い出してしまったようね……」

ミミロップ「……」


フーディンは見下す様な目で二匹を見た……


フーディン「なんで気づかなかったのかなー? あなた達に『神様が死んだ』って伝えに来たフーディン君は……実は私が化けた姿だったんだよ? あの時、既にフーディン君は消されていたもん」


まぁ、見破れなかったのなら……あなた達の絆なんて所詮……『その程度』のものだったって事よねー



ライチュウ「……ぐ……」

ライチュウは歯を食いしばった……
 ▼ 109 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:08:10 ID:OMrmC8QA [4/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ミミロップ「あんた……」


ミミロップはフーディンの姿をした神の胸ぐらを掴んだ。


ミミロップ「こんな事してまでみんなを消した世界を望むなんてどうかしてるわ!!」

フーディン「淘汰しているだけなのに何をそんなに怒っているの? 記憶からも消えるんだから誰も悲しまないわよ? だって悲しもうとしてもいったい誰の為に泣いてるのかすらわからないんだから!!」


ドゴォ!!


ミミロップはフーディンの姿をした神の腹に蹴りを入れた。


すかさずそこにライチュウが電撃を打ち出した。


バチィ!!








 ▼ 110 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:16:22 ID:OMrmC8QA [5/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
その頃……地上のライチュウ達は……



ミュウツーとライチュウは向かい合って互いを睨んでいた……


ミュウツー「……」


ミュウツーの右手は紫のオーラを帯びた……


ライチュウ「……」


ライチュウの右手はバチバチと強力な火花を放っている……


二匹は地面を一蹴りすると正面からぶつかり合った!





バキィ!!



 ▼ 111 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:19:08 ID:OMrmC8QA [6/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ミュウツー「……さすがだな」


ミュウツーは膝をついた。


ライチュウ「はぁ……はぁ……やっぱりお前……強いのな」


ライチュウも地面に座り込んで言った。


そばの岩陰から四匹はそんなやりとりを見ていた……


ガブリアス「す、すげぇな……」

バンギラス「こんなの目の前で見たら……いよいよ自信なくすぜ……」
 ▼ 112 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:22:10 ID:OMrmC8QA [7/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ミュウツー「ライチュウよ……今、見えたか?」

ライチュウ「これでいいのか?」


ガブリアス「何の話をしてるんだ? ミュウツーは……」

エルレイド「見えていなかったのか?……あいつの右手……微かだがボスと同じ紫のオーラを纏っていた……」

サーナイト「まぁ、あなた達二匹には見えてなくても仕方ないかもね」

バンギラス「ぐ……言い返せねぇな……」
 ▼ 113 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:27:18 ID:OMrmC8QA [8/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ミュウツー「そこまで引き出せたのなら……後は……」


ミュウツーはライチュウの額に右手をのせた。


ライチュウ「……わかった」

ミュウツー「……いくぞ」


次の瞬間、ライチュウの体は紫色の炎に包まれた!


ガブリアス&バンギラス「!?」

ライチュウ「うぐあぁぁぁあああ!!!」


ライチュウの悲痛な叫びが辺りに響き渡る……


ガブリアス「や、やめろ! ミュウツー!! そんな事したら……!!」


ミュウツーを止めようとするガブリアスをエルレイドが止めた。


エルレイド「わかっているだろ……命を与えられて地上に来たのなら……向こうに帰るなら……」
 ▼ 114 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:31:03 ID:OMrmC8QA [9/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
バンギラス「そ、そうか!……でも……」

ガブリアス「見てらんねぇよぉ!! 目の前で兄弟が苦しんでるのをよぉ!!」


その時……炎に包まれたライチュウが口を開いた……


ライチュウ「……お……おい……ガブリアスって言ったっけ?」

ガブリアス「っ! 兄弟! 大丈夫なのか!?」

ライチュウ「これに関しては……俺も……合意の上だ……心配……するな……もともと俺は……死んでんだから……」


ガブリアス「兄弟……」

 ▼ 115 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:34:38 ID:OMrmC8QA [10/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
バンギラス「絶対……その神様ってのになってくれよ!!」

エルレイド「お前ならできるさ……」

サーナイト「信じてるからね!」


ライチュウは手を挙げて笑ってみせると……そのままふらりと倒れた……


ドサッ……


ついでミュウツーも倒れた。

ドサッ


バンギラス「お、おい! ミュウツー! 大丈夫か!!」

ミュウツー「わ、私は大丈夫だ……後はあいつに任せるしかない……」


五匹は空を見上げた……


ミュウツー「この世界を……頼んだぞ」

 ▼ 116 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:41:41 ID:OMrmC8QA [11/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その頃……ドリ村のはずれ……地下室……


ニンフィア「……ライチュウ遅いな……どこ行っちゃったんだろう……」

ブラッキー「私、やっぱり見てくる!!」


ブラッキーが扉に向かった瞬間、先程まで開かなかった扉がいきなり開いた。


二匹「!!」


ライチュウがのせた重石をどけて扉を開けたのは……オコリザルとシュバルゴだった。




 ▼ 117 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:46:10 ID:OMrmC8QA [12/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ブラッキー「あっ! オコリザルにシュバルゴ! 二匹とも無事だったんだ!! 良かった……」

ニンフィア「でも……なんでここにいるのがわかったの?」

オコリザル「……ライチュウさんに聞いて……」

ブラッキー「父さんに会ったの? どこで?」

オコリザル「その話なんだが……ブラッキー……ライチュウさんは……」


オコリザルは背負ってきた物を下ろした。


それは見覚えのあるオレンジ色と長い尻尾だった……

 ▼ 118 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:50:20 ID:OMrmC8QA [13/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ニンフィア「ら、ライチュウ!!」

ブラッキー「父さん!!!」


オコリザル「ライチュウさんは……俺なんかの事を助ける為に……」


ブラッキーは氷の様に冷たいライチュウの亡骸を抱きしめた。


ブラッキー「馬鹿! 父さんの馬鹿!! なんでまた私を置いていくの!?」


ライチュウの頬に涙が落ちる……


ブラッキー「ねぇ……起きてよ! いつもみたいに寝てるんでしょ?……ねぇ…………ねぇ……」


ニンフィア「……」

シュバルゴ「ブラッキー……」



 ▼ 119 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:52:25 ID:OMrmC8QA [14/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




その頃、天国では……



ライチュウ「はぁ……はぁ……」

ミミロップ「なんで……息一つ乱れないなんて……」


フーディンの姿をした神は高笑いした。


神「神の力を持つ私に勝てるとでも思っていたの?」


 ▼ 120 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:55:52 ID:OMrmC8QA [15/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
その時、ちょうど二匹の後ろにライチュウが現れた。


ライチュウ「帰ってきたか……って!? なんでミミロップが! それにお前は!!」



ミミロップ「ライチュウ!?」

ライチュウ「お、おっちゃん!?」

神「なに? 懲りずに帰って来たの? なら……今度は消してあげるわ!」


 ▼ 121 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:57:59 ID:OMrmC8QA [16/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
神は先程と同じように手のひらをライチュウに向けた……


ライチュウ&ミミロップ「危ない!!」


二匹がライチュウを突き飛ばした。


ドスっ…………


ライチュウ「え…………?」



二匹はライチュウの目の前から一瞬で消えた。



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 ▼ 122 1◆v1GnTfaqxg 17/01/29 22:59:19 ID:OMrmC8QA [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
5話おしまい。

明日からの更新が不安です……

とりあえず今日はここまで。

ではでは
 ▼ 123 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 09:31:26 ID:xJurE7xw [1/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
とりあえず今日は六話前編を書きます。

時間があれば後編も書きますが……多分無いかと……

では再開
 ▼ 124 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 09:36:16 ID:xJurE7xw [2/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


6頁 失われていく記憶達



ライチュウ「え……今、確かに俺の前で……何かが……」

神「ふん……命拾いしたわね」

ライチュウ「……っ!! そうだ! ミミロップが……あいつも! てめぇ二匹をどこにやったんだ!!」

神「はぁ……何度も説明させないでくれない? あいつらはこの世界から消えた……いなかったこ事になった……だから世界中のポケモンの記憶からも消えるんだ……君からもね」

ライチュウ「っ……てめぇ」

神「今謝るなら許してあげる。こんな力を前にして怖かったでしょ? 消えるのも嫌でしょ?」

 ▼ 125 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 09:41:20 ID:xJurE7xw [3/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その頃……地上では……



ブラッキー「あれ……?」


ブラッキーは泣きやむとライチュウの亡骸から離れた。


ニンフィア「誰だっけ……? このポケモン……」

オコリザル「ブラッキーさっき泣いてたよな?」

シュバルゴ「誰だか知らないけど……死んでる……よな」

ブラッキー「このポケモン……誰だっけ……知ってる気がするけど……えーっと……」


四匹はライチュウの亡骸を囲み不思議そうに見つめた……

 ▼ 126 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 09:45:07 ID:xJurE7xw [4/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時だった……いきなり地面から飛び出したポケモンがブラッキーを突き飛ばした


ドガァ!!


ドリュウズ「おらぁ!!」

三匹「!?」


吹き飛んだブラッキーは地面に強く叩きつけられた。


ドサッ!


ブラッキー「けほ……けほ……」


ブラッキーは咳き込み血を吐いた。


ニンフィア「ブラッキー!!」

 ▼ 127 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 09:49:52 ID:xJurE7xw [5/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ドリュウズは素早くブラッキーの首を掴んで盾のように構えた。


ドリュウズ「へへ……三匹……これで俺も生きられる! お前らを一匹ずつぶっ殺してやる!!」

ニンフィア「!!」


ドリュウズはジリジリと三匹に歩み寄ってくる……


ブラッキー「か、かぁさん……私ごと吹き飛ばして……あの技で!」

ニンフィア「そんな事出来ないよ!!」

オコリザル「卑怯だぞ!」


オコリザルがドリュウズに近づこうとすると、ドリュウズがもう一方の爪でブラッキーの首を引っ掻いた。


ブラッキー「っ!」


ブラッキーの首から血が流れた。


シュバルゴ「ぶ、ブラッキー!!」

 ▼ 128 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 09:55:21 ID:xJurE7xw [6/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ブラッキー「私はもう……助からないから……母さんたちは生き延びて……それが私の願いなの……」


ブラッキーはポロポロと涙をこぼしながらも笑って見せた。


ブラッキー「私、大好きなポケモン達のためならなんだってできちゃうんだからっ!」


ニンフィア「ブラッキー……やめて……」

ブラッキー「私は幸せだったよ……もし叶うなら……もう一度、カフェでお手伝いしたかった……母さんに……もっと親孝行したかった……」


ニンフィア「ブラッキー……」


ニンフィアの頭の中にブラッキーや今は亡き父母……沢山の仲間達との思い出が蘇った……

 ▼ 129 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 09:58:34 ID:xJurE7xw [7/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



私は……みんなに助けて貰って……


支えて貰って……


そして、沢山の笑顔を貰って……




貰ってばっかりで……




なのに……何も返せなくて……ごめんね……




最後まで……何も出来なくて……ごめんね……



 ▼ 130 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:00:31 ID:xJurE7xw [8/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




ニンフィアは息を大きく吸い込んだ……



オコリザル「っ!!」

シュバルゴ「そんな!!」


ドリュウズ「な、なんだぁ!?」


ブラッキー「やって!!」



どおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!


 ▼ 131 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:06:27 ID:xJurE7xw [9/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


天国……



ライチュウ「確かにな……消えるのは嫌だ……」

神「そうでしょ? なら、私のしもべとして生かしてあげ……」

ライチュウ「でも……俺が本当に怖いのは……みんなとの思い出をなくす事だ……」

神「!」


ライチュウは地を踏みしめ……拳を握り締めた……


ライチュウ「俺だけじゃねぇ……世界中のみんなが持ってる沢山の宝物を……てめぇの好き勝手にして良いはずがあるかよ!!!」


ライチュウの目が赤く光を放った!


神「!?」

ライチュウ「てめぇを引きずり下ろしてでも俺が神になる!! 消えるのはてめぇだ!!」

 ▼ 132 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:11:17 ID:xJurE7xw [10/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウは地面を一蹴りするとフーディンの姿をした神の懐に一瞬で飛び込んだ。


神「なっ!?」


ドゴォ!!


ライチュウの拳が神の腹に強くねじ込まれて神を吹き飛ばした!

神はすぐに空中で体制を整えると着地した。


神「な、何なの! その力!! そんな力が存在しえるの!?」

ライチュウ「……俺はニンゲンの作ったポケモンの血をひいているんだ」

神「ニンゲン?……あなたはそんな神話を信じているの!?」

ライチュウ「信じるか信じないかはてめぇ次第だ」




 ▼ 133 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:16:22 ID:xJurE7xw [11/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウの拳は紫のオーラを纏った……


ライチュウ「これで終わりだぁ!!!」


ライチュウは再び神の腹めがけて拳を突き出した!


ライチュウの拳は神の腹部を突き破った!



神「ぶはぁ!!」


ズサァァ!!


神は地面を転がった後、すぐに立ち上がるとライチュウを睨みつけた。

神の腹の傷は瞬時に消えた。


神「神に逆らうと後悔するわよ!!」



 ▼ 134 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:20:17 ID:xJurE7xw [12/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その時……神の姿がフーディンの姿から変わった……


神「え……?」




その姿は……黒い人型で……左足がなかった……




神は片足でバランスが取りきれずにその場に崩れ落ちた。


ライチュウは驚き、攻撃を止めた……


ライチュウ「っ! てめぇ……足が……」

 ▼ 135 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:24:28 ID:xJurE7xw [13/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

片足のそのポケモンは視線をそらした……



ゴチミル「……あなたもそうやって私を差別するのね……」

ライチュウ「……」


ゴチミル「生まれた時から片足がなかった私を……世間のポケモンは差別してきた……」


ゴチミル「私の前では『可哀想……』とか言ってる癖に……私がいない所では平気でバカにしたり悪口を言ったり……本当に私の事を可哀想なんて思ってくれてたポケモンなんて誰もいなかった!! この気持ち……あなたにはわからないでしょうね!!」

 ▼ 136 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:29:53 ID:xJurE7xw [14/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ゴチミル「……そして遂にそんな辛い生涯に幕をおろす日が来た……私は死んだの……森が大きな火事にあったあの日……みんなに見捨てられて……」



ゴチミル「そして、死んだ私はここ、天国に来た……」


ゴチミル「私はまず、こんな体を……私を苦しめた全ての根源であろう神様に会いに行った……」


ゴチミル「先代の神様は……私に哀れむような目を向けたの。私はこの神様ですらも私の事をバカにしてると思って……先代を殺した……先代は弱っていた……だからこんな私でも簡単に出来たのよ」

 ▼ 137 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:36:16 ID:xJurE7xw [15/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ゴチミル「先代を殺した後……私は気づいたの……私は新しい神様になっていた……体の底から力が湧いてくるのがわかったの」


ゴチミル「そんな時だった……物陰から私達のやり取りを隠れて見ていたポケモンがいたの……それが君の友達のフーディン君だった……」


ゴチミル「フーディン君は私なんかよりすごい力を持っていて……私を追い詰めようとした……私、もうダメかもって思ったその時気付いたの……神様ならなんでもできるはずって……」


ゴチミル「フーディン君に向かって手をかざすと……フーディン君は一瞬で消えた……最初は驚いていたけど……やっぱり神様ってなんでもできるんだって喜びを感じて……それで自分の望む世界を作ってみようと思ったの……」

 ▼ 138 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:45:02 ID:xJurE7xw [16/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ゴチミル「私の望む世界……それは……これ以上私みたいなポケモンが生まれない世界! それには弱い遺伝子は不必要なの! 強い遺伝子だけが残れば私みたいなポケモンは生まれなくてすむの!! 悲しまなくてすむの!! だから邪魔をしないで!!!」


ゴチミルは体を浮かび上がらせるとライチュウに向かって飛びかかってきた。


ライチュウ「……やめろ」


ライチュウはゴチミルをよけた。


ゴチミル「くっ! まだよ!!」


ゴチミルは空中で方向転換すると、またライチュウに向かって飛びかかってきた。


ライチュウ「やめろってんのが聞こえねぇのか!!」





 ▼ 139 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:52:45 ID:xJurE7xw [17/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウは飛びかかってきたゴチミルを抱きしめた。


ライチュウ「てめぇ……これ以上やったら消えちまうぞ!」

ゴチミル「そんな事言って油断させるつもり!? ふざけないで!!」


ゴチミルは大きくもがいたが、ライチュウはなんとか押さえつけた。


ライチュウ「俺はお前を助けたいんだ! わかってくれ!!」


ゴチミル「っ!!……た、助け……たい?」


ゴチミルの動きが止まった。


ライチュウ「ああ……俺はお前を助けたい……」

ゴチミル「どうして……私の事なんか……」


ライチュウはゴチミルを強く抱きしめた……


ライチュウ「理由なんていらねぇんだよ……助けたいから助ける……それだけだ……」
 ▼ 140 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 10:55:38 ID:xJurE7xw [18/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ゴチミルは目に涙を浮かべた……


ライチュウ「さっきも言ったろ……? この世界には無駄な物なんて、ただの一つもねぇんだよ……」


ライチュウの抱擁は強く……暖かく……心が安らいだ……


ゴチミル「……私……もっと早くあなたに会えたら良かった……私だってこんな事したくなかった……みんなを……消すなんて……」
 ▼ 141 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 11:01:10 ID:xJurE7xw [19/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、ゴチミルの足が透け始めた……


ライチュウ「……!」


ゴチミル「な!……なにこれ……」


ゴチミルの体がどんどん消え始めている……


ライチュウ「……お前は……神の座についてから世界中のポケモンの記憶を操作して、存在をも消し去った……それに俺との戦いで力を使いすぎたんだ……知らないみたいだから教えてやる……神様ってのは……力を使いすぎると消えちまうんだ……」

ゴチミル「いやよ! 私、消えたくない!!」


ゴチミルの体がどんどん消滅していく……


ライチュウの目から涙が落ちた……


ライチュウ「お前は……やり方こそ間違ってはいたが……その思いだけは……」


 ▼ 142 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 11:04:32 ID:xJurE7xw [20/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ライチュウの腕の中からゴチミルのぬくもりが消えてゆく……


ライチュウ「安心しろ……俺がお前の後を継ぐ……」


ゴチミル「いやぁぁぁ!!」


ゴチミルの体は完全に消滅した。



ゴチミルのいた場所に神々しい光を放つ宝石のような物が浮いている……


ライチュウ「これが……」


ライチュウがその宝石に触れると、宝石はライチュウの体の中に吸い込まれていった……


ライチュウ「これで……俺が……」




 ▼ 143 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 11:05:54 ID:xJurE7xw [21/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウはゴチミルのいた場所をしばらく見つめていた……


ライチュウ「……」



その時、背後から声がした。



?「ライチュウ……?」


振り返るとそこにブラッキーがいた。





 ▼ 144 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 11:06:54 ID:xJurE7xw [22/36] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
6話前編終わり。

後編は夜に上げられる……かな?

では
 ▼ 145 死人にクチナシ◆aGTSbfG8GE 17/01/30 19:06:04 ID:VJ5GvTSk NGネーム登録 NGID登録 報告
今回は犠牲者が多い…
支援
 ▼ 146 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:00:19 ID:xJurE7xw [23/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ライチュウ「お前……!」

ブラッキー「ライチュウ!!」 


ブラッキーがライチュウに飛びついた。


ライチュウ「うわっ! お前もう子どもじゃないだろ!!」

ブラッキー「いいじゃん!」

ライチュウ「それより……お前も死んじまったのか……?」

ブラッキー「うん……みんなのためにね……でも私、後悔してないよ? 大好きなみんなが私の代わりに生きてくれるから」


ブラッキーは笑った。


ライチュウ「……」


ベシィ!


ライチュウはブラッキーの頬をはたいた。


 ▼ 147 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:02:21 ID:xJurE7xw [24/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ブラッキー「!?」


ライチュウ「お前はそう言ってるけどよ……お前の大好きなみんなにはお前の代わりなんていねぇんだよ……」


ブラッキー「……」


ライチュウはブラッキーを背負うと地上に降りていった……





 ▼ 148 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:06:32 ID:xJurE7xw [25/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
地上では……


ブラッキーの亡骸に三匹が涙していた……


ニンフィア「ごめんね……ごめんね……」

シュバルゴ「俺、ブラッキーの事いじめてたのに……まともに謝る事も出来なかった……うぅ……」

オコリザル「なんで俺は……! せめて気持ちだけでも伝えたかったのに!! なんでいっちまったんだよ! ブラッキー!!」

 

そのやり取りを二匹は隣で見ていた……


ライチュウ「みんなもお前の事が大好きでお前の事が必要なんだよ……お前だってまだやりたい事、たっくさんあったんだろ?」

ブラッキー「……うん」


ブラッキーは涙を拭った。


ライチュウはまたブラッキーを背負うと天国に飛び立った……
 ▼ 149 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:10:04 ID:xJurE7xw [26/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


天国……


天国につくとライチュウはブラッキーをおろした。



ライチュウ「そもそも全部俺が悪いんだ……」


ブラッキー「いったい天国で何があったの?」


ライチュウ「少し長くなるが聞いてくれ……」
 ▼ 150 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:10:35 ID:xJurE7xw [27/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告







ライチュウはこれまで起こったことを全て話した……







 ▼ 151 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:13:33 ID:xJurE7xw [28/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ブラッキー「そんな事が……私も父さんの事、忘れてたんだ……」


しょげるブラッキーの頭にライチュウが手をおいて微笑んだ。


ライチュウ「でも、もう大丈夫だ……今は俺が神様だ」

ブラッキー「ライチュウが……?」


ライチュウの体が浮かび上がった……


ライチュウ「ちょっと待ってろよ、ブラッキー」
 ▼ 152 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:17:42 ID:xJurE7xw [29/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

宙に浮かび上がったライチュウが両腕を大きく広げると……一瞬、時間が止まった……


そして強い風が吹き荒れ始めた……


雲は先程とは逆の方向に流れている……


ブラッキー「ら、ライチュウ! なにしてるの!?」


ライチュウ「世界の時間を巻き戻してんだ! これでみんな生き返るだろ?」


ブラッキー「そっか! そしたら元通りになるね!」
 ▼ 153 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:22:30 ID:xJurE7xw [30/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
しばらく強風は続いたが……やがて風も弱まり始めた……


ライチュウ「……ここまで戻せば……大丈夫だろ……」


宙に浮いていたライチュウが頭から地面に落ちた。


ドサッ……


ブラッキー「!!」


ブラッキーがライチュウに駆け寄った。


ブラッキー「ライチュウ! 大丈夫!?」


ライチュウは苦笑いした。


ライチュウ「へへ……流石に俺の体ももたねぇみたいだな……」

ブラッキー「!!」


ライチュウの体が消え始めていた
 ▼ 154 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:28:03 ID:xJurE7xw [31/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ブラッキー「な、なんで!?」

ライチュウ「……神としての寿命みたい……だな……俺も力を使いすぎた……みたいだ……」

ブラッキー「そんな! せっかく元に戻るのに!!」

ライチュウ「へへ……これでまた……平和な世界に戻ったのなら……俺は満足だ……俺の記憶も世界から消えるから……寂しくはならねぇよ……」


ブラッキーは思いっきりライチュウの頬をはたいた。


バシィ!!


ブラッキー「バカバカバカバカぁ!! 私には代わりなんていないって言ったくせに!! ライチュウにも代わりなんていないのに!!」


ライチュウは目に涙を浮かべた……


ライチュウ「俺だって怖いんだ……覚悟は決めたってのに……いざって時に泣いちまうなんてよ……」
 ▼ 155 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:33:17 ID:xJurE7xw [32/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウはブラッキーの頬を撫でた…… 


ライチュウ「ブラッキー……俺から一つだけ……無理を承知で願いがある……聞いてくれるか?」


ブラッキー「……なに?」


ライチュウ「俺の事を忘れないで……いつか思い出してくれ……」


ブラッキー「当たり前だよ! 私がライチュウの事、忘れるわけないじゃん!!」


ブラッキーは泣きじゃくった……
 ▼ 156 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:38:22 ID:xJurE7xw [33/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウ「泣くなよブラッキー……二度と会えなくなる訳じゃねーんだからよ……」


ブラッキー「え?」


ライチュウ「生まれ変わりって知ってるか?」


ブラッキー「……?」


ライチュウ「天国で死んだポケモンってのは……少し時間を置いて……また、別のポケモンとして地上に生まれるらしい……だから、俺は生まれ変わるだけなんだ……また、きっと会えるから……ほら、これやるよ」


ライチュウは尻尾に巻いていたスカーフをほどいてブラッキーの首に巻いた。

ライチュウは笑った。


ライチュウ「へへ……なかなか似合ってるぜ……それつけときゃ生まれ変わった俺もお前の事、わかるだろうから……」
 ▼ 157 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:42:25 ID:xJurE7xw [34/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

そんな事をしているうちにもライチュウの体はどんどん消えていく……


ブラッキー「絶対! 絶対また会おうね! 約束だから!! 約束破ったら承知しないんだからねっ!!!」

ライチュウ「おう、わかってる……でも、もう時間だ……早く家に帰りな……送ってやるから……」


ライチュウは微笑んだ。


ライチュウ「またな……」


ブラッキー「そ、そんな! ライ……」


ライチュウが手をかざすと……ブラッキーの姿がなくなった……
 ▼ 158 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:46:42 ID:xJurE7xw [35/36] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

自分以外のポケモンがいなくなった天国の静けさの中……ライチュウは消えゆく自分の体を見つめた……


ライチュウ「長かったな……でも、楽しかった……俺は世界で一番充実した『じんせい』ってのを送ったんだろうな……」


ライチュウは真っ青な美しい空を見上げた……





ライチュウ「じゃあな……元気でな…………頑張れよ…………」








ありがとな……






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 ▼ 159 1◆v1GnTfaqxg 17/01/30 21:49:53 ID:xJurE7xw [36/36] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第六話終了。

次の話が最後になります。

ここまで読んでくださった方々には本当、感謝してもしきれません……ありがとうございます。

次の更新が明日になるか明後日になるか……まだ予定が組めていませんが……よろしくお願いします。

では
 ▼ 160 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 13:40:41 ID:E3GYuK1E [1/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

7頁 終わらない物語



ドリ村、ニンフィアカフェ……


カフェはいつも通り客で溢れていた……


カウンターにいるニンフィアは伸びをした。


ニンフィア「今日も大変だねー」


そこにブラッキーが走ってきた。


ブラッキー「母さん! なにのんびりしてるのよ! ほら、注文とってきたよ!!」


ブラッキーが注文を書いたメモをニンフィアに乱暴に渡した。


ニンフィア「そんなに怒らなくてもいいじゃん……」


ニンフィアは色々と準備をしながら呟いた。
 ▼ 161 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 13:47:04 ID:E3GYuK1E [2/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ブラッキー「今働けるポケモン二匹しかいないんだから……はやくアルバイト雇わないとやってられないよ……ほんと……」


ブラッキーは店内を走り回ったせいもあって息をきらせている。


ニンフィア「ライチュウは救助隊再開しちゃったからねー……あの体で大丈夫かなぁ……」


心配するニンフィアと違い、ブラッキーは目を輝かせていた。


ブラッキー「でも私、やっぱり救助隊として働いてる父さん大好き!! すっごいかっこいいよねっ!!」

ニンフィア「そう言う事はライチュウの前で言ってあげたら?」


ニンフィアはカフェラテを入れながら言った。


ブラッキー「……そ、そんなの恥ずかしくて今更言えないよぉ……」


ブラッキーは顔を赤くした。


ニンフィア「ふふ……ブラッキーかーわいー!」

ブラッキー「か、母さんうるさい!!」
 ▼ 162 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 13:57:30 ID:E3GYuK1E [3/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

カフェの窓際の席では三匹のポケモンが話していた……


ニドキング「あいつに村長の座を断られてだいぶたつが……いい加減に次の村長を決めんとな……」


ニドキングは砂糖多めのコーヒーを啜った。


パチリス「糖分の過剰摂取が村長の寿命を縮めてるって事、気づいてます?」

バシャーモ「昔っから変わらないな……ニドキングは……糖分が足りないと頭が回らないって奴なんだろ?」


ニドキングが二匹を睨んだ。


ニドキング「いちいちうるさいのも変わらんな、二匹とも……私の体の事など私の好きにさせろ」

パチリス「酷いっ! 私はニドちゃんの事を思って言ってるのにっ!!」

バシャーモ「そうだぞ? パチリスはお前の事を心配してくれてるのに……」

ニドキング「なら言わせて貰うが……パチリスだってここに毎日ケーキを食べに来るのはどうかと思うが……」

パチリス「女の子はいいのっ!」
 ▼ 163 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 14:03:11 ID:E3GYuK1E [4/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ニドキング「もう女の子って年でもないだろ」


パチリス「うるさいっ!」


バシャーモ「そうだなぁ……俺達もだいぶ年をとってしまったからな……」


パチリス「いいじゃん、シャモ君はかっこいいんだし……どこかの意地悪村長と違って……」


ニドキング「……」









 ▼ 164 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 14:16:31 ID:E3GYuK1E [5/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
その時、パチリスが手を叩いて立ち上がった。


パチリス「あっ! 忘れてたっ! こんな話よりもシャモ君! 私との結婚の話はどうなってるの!?」


バシャーモは無言で立ち上がると走って店を出た。


パチリス「あっ! ちょっと! 待ちなさいよぉ!!」


パチリスもバシャーモを追って店を出て行ってしまった。



テーブルにはニドキングだけが残された……


ニドキング「……あいつら……金も払わずに……」



ニドキングは溜め息をつくと財布を取り出した。
 ▼ 165 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 15:49:10 ID:HPUoKyjQ [1/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
所変わって若草村……

ある家の前に一組の家族がいた……


ジャローダ「今日もいい天気ね」

フシギバナ「そうだな」


二匹の前を小さなポケモン達が走り回っている。


ジャノビー「イエーイ!」

ツタージャ「待ってよぉ! お兄ちゃん!」


子ども達を見てフシギバナは笑った。


フシギバナ「平和だな……」

ジャローダ「本当にね……」

フシギバナ「こんな日がずっと続けばいいな」

ジャローダ「そうね!」

二匹は顔を見合わせ笑った。
 ▼ 166 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 15:52:18 ID:HPUoKyjQ [2/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


世界のどこか……



とある森を五匹のポケモンが歩いていた……



ガブリアス「ぐへへ! 今日はすっげぇいい天気だな!」

バンギラス「そうだな! なんだか眠くなるぜ……ふあぁ……」


あくびをしたバンギラスの腰にエルレイドが蹴りを入れた。


バスっ!!


バンギラス「いでぇ!! なにすんだよ!!」

エルレイド「こんな所で寝たら置いていくぞ」
 ▼ 167 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 16:01:29 ID:HPUoKyjQ [3/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

バンギラス「なんだよ! たまには昼寝くらいいいだろ!?」

サーナイト「まぁ……たまにはいいかもねー……ミュウツーはどう思う?」

ミュウツー「いいんじゃないか? 休憩も大事だ」

エルレイド「……ボスがそう言うなら……」


ガブリアス「じゃ、寝るか!」

バンギラス「おう!」


二匹は近くの木にもたれた……


ガブリアス「ぐぉぉぉ……」

バンギラス「ふごぉぉ……」

サーナイト「寝るの早っ!!」

エルレイド「相変わらず汚いいびきだ……これがいやだったんだ……」


エルレイドは不機嫌そうな顔をした。
 ▼ 168 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 16:04:57 ID:HPUoKyjQ [4/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ミュウツー「いいじゃないか……たまには私も昼寝をしよう」


ミュウツーも木にもたれると目を閉じた……


ミュウツー「……」

サーナイト「このいびきの中寝れるミュウツーもミュウツーね……」

エルレイド「仕方ない……僕は起きて見張りでもしてるから姉さんも昼寝すればいい……」

サーナイト「私はいいわよ。大丈夫!」

エルレイド「そうか……」


 ▼ 169 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 16:26:39 ID:HPUoKyjQ [5/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
サーナイト「エルレイドこそたまには休んだらいいのに……」


その時、彼らの前を『何か』がものすごい速さで駆け抜けていった。


サーナイト「きやっ!!……なに?」

エルレイド「……おい、待てよ」


通り過ぎていったポケモンが走って帰ってきた。


フライゴン「お、お前達は!!

サーナイト「うわっ! 懐かしー! フラちゃんじゃん!」

フライゴン「う……その呼び方はやめてくれ……ってそんな事よりこんな所でどうしたんだ?」

 ▼ 170 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 16:31:42 ID:HPUoKyjQ [6/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

エルレイド「僕達はここで休憩していただけだ……お前こそ何をそんなに急いでいたんだ?」


フライゴン「いや……向こうの村でなにやら揉め事が起きてるらしいから……急いでたんだ」


サーナイト「そっかー……フラちゃん救助隊やってるんだったっけ?」


エルレイド「その……なんだ……あまり無理はするなよ」


サーナイト「へぇ、エルレイドにしちゃ珍しい事言うわね」

エルレイド「なっ!? べ、別に僕は!!」


フライゴンは二匹のやり取りを見て微笑んだ。


フライゴン「わかってるさ……それじゃ、急いでるから……そこの三匹とも話をしたかったけど起こすわけにもいかないからな……よろしく言っておいてくれ」
 ▼ 171 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 16:36:16 ID:HPUoKyjQ [7/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サーナイト「うん、それじゃ頑張ってね!」

エルレイド「またな」

フライゴン「ああ」


フライゴンが走り出そうとすると……ミュウツーの声が聞こえた……


ミュウツー「元気そうで良かった……またいつか会えるといいな……フライゴン……」


フライゴンは振り返らずに手を振った。


フライゴン「あんたも元気でな」

ミュウツー「何かあったら私達を呼んでくれ……いつでも力になる。お前も私の大切な兄弟だからな……」

フライゴン「……ありがとう」


フライゴンは走っていった……


 ▼ 172 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 16:39:25 ID:HPUoKyjQ [8/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
フライゴンはあっという間に見えなくなった……



サーナイト「久しぶりに会えたのに……忙しいなんて残念ね」


ミュウツーは体を起こした。


ミュウツー「また、いつかあいつとも旅をしたいものだ……」

エルレイド「……そろそろこいつらを起こそうか……」

サーナイト「早くない?」


二匹は気持ちよさそうに眠っている……


ガブリアス「ぐおぉぁ……ぐへへ……」

バンギラス「もう食えねぇって……ぶほぉぉ……」


 ▼ 173 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 16:41:18 ID:HPUoKyjQ [9/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

エルレイドは二匹の前に立った……


エルレイド「峰打ち……いくぞ……」



エルレイドは両腕の剣を構えた……





ザシュっ! ザシュっ!








いっでええええええええぇぇええ!!!


 ▼ 174 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 16:52:30 ID:HPUoKyjQ [10/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

あの花畑では……



晴れ渡った美しい空の下……リザードンとシェイミは花畑を二匹で見渡していた……


リザードン「花畑……今年も去年より大きくなったな……」


爽やかな風が花畑を吹き抜けた……


シェイミ「リザードンさんのおかげですよ」

リザードン「いや、シェイミのおかげだ……俺なんかまだまだだ……」

シェイミ「そんな事ないですよ! もっと自分に自信をもってください!」


リザードンは微笑んだ。


リザードン「ずっと思ってたけど……シェイミっておーちゃんにどこか似てるんだよな……」

シェイミ「そうなんですか?」

 ▼ 175 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 16:56:31 ID:HPUoKyjQ [11/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リザードン「……おーちゃんは……後ろ向きな事を言うとすぐに前向きな言葉を返してきてさ……シェイミも一緒だ……だから俺、おーちゃんに会えなくてもここまで頑張れたんだ……」


リザードンは花畑を眺めながら言った。


リザードン「なぁ、シェイミ」

シェイミ「なんですか?」

リザードン「今までありがとな……」

シェイミ「!」

リザードン「なんだか……すごく眠いんだ……」


シェイミは少し寂しげな顔をした……


シェイミ「そうですか……もう行ってしまうんですね……」

 ▼ 176 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 16:59:49 ID:HPUoKyjQ [12/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

リザードンは側の木の根もとにゆっくりともたれかかった。


リザードン「不思議だな……怖くないや……あったかくて……幸せだ」


シェイミ「リザードンさん、ありがとう……おーちゃんに会えるといいですね……」


リザードン「ああ……」


リザードンは微笑みながらゆっくりと目を閉じた……



 ▼ 177 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:01:54 ID:HPUoKyjQ [13/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告







おーちゃん? おーちゃん!!



リザ君!!



おーちゃん、沢山話したい事があるんだ……



うん、たっくさん……ぜーんぶ聞いてあげるから……ゆっくり話して?





ああ……

 ▼ 178 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:06:09 ID:HPUoKyjQ [14/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その頃、天国では……




神の間……



靄のかかった神の間に声が響きわたる……


神「じゃあ、今日もたのんだよ……ミミロップ、デンリュウ」


デンリュウ「おう!」

ミミロップ「……」


ミミロップはぼーっとしている……


 ▼ 179 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:10:07 ID:HPUoKyjQ [15/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

デンリュウ「どした? ミミロップ……」


ミミロップ「なんて言うか……やっぱりフーディンが神様の後を継ぐって……いまいちピンとこないって言うか……」


デンリュウ「そうか?」


靄が晴れてフーディンが姿を現した……


フーディン「僕だってまだ自分が神様になった実感が無いくらいだから……仕方ないんじゃないかな……」
 ▼ 180 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:14:00 ID:HPUoKyjQ [16/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ミミロップ「いや、別にフーディンが神様になるのが似合わないって訳じゃなくて……誰か他にもっと神様になるべき知り合いがいた気がするんだけど……」


フーディン「そうなんだ……奇遇だね……実は僕もそう思っていたんだ」

ミミロップ「誰だったかな……思い出せない……」

フーディン「まぁ、それは置いといて……早く地上に向かったら?」

デンリュウ「だな!」

ミミロップ「ま、いっか!」


ミミロップとデンリュウは地上へ飛び立った……



一匹残されたフーディンは空を見上げた……


フーディン「なんだろうな……この感じ……」

 ▼ 181 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:20:26 ID:HPUoKyjQ [17/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

地上のどこか……



ミミロップとデンリュウは並んで歩いていた……




ミミロップ「さっきもそうだけど……最近何か大事な事、忘れてる気がするんだけどさ……なんだろうね」


デンリュウ「実は俺もなんだよなー……」


ミミロップ「え? そうなの?」
 ▼ 182 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:25:35 ID:HPUoKyjQ [18/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

デンリュウ「大切な何かを……失った……みたいな」

ミミロップ「うん……私も」


しばらくデンリュウは俯いていたが……


デンリュウ「でも俺はミミの事が一番大事だからまぁいいかってな!!」


ミミロップ「なに言ってんのよ! お兄ちゃんったら!!」

ミミロップはデンリュウを小突いた。


 ▼ 183 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:34:10 ID:HPUoKyjQ [19/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

天国  どこかの草原……



コリンク達家族は草原に遊びに来ていた……


コリンク弟「はぁ……はぁ……まだだ! もっとだ! もっと強くなるっ!!」


コリンクの弟は広い草原を走り回っている……

走り回っている弟をコリンク達は眺めていた……


コリンク「たまには家族でお出かけもいいね! 父さん!母さん!」


レントラー「そうだな」


レントラーは笑った

 ▼ 184 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:43:18 ID:HPUoKyjQ [20/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

コリンク母「こんなにいい天気なんだからどこかに遊びに行かなきゃ勿体ないわよね!」


コリンクの妹だけは不機嫌な顔をしてそっぽを向いていた……


コリンク妹「……バッカじゃないの」

レントラー「なんだ? 今日も機嫌が悪いのか?」

コリンク妹「なんで私まで……」


そこにワニノコがやってきた。


コリンク妹「!!」

ワニノコ「おう! コリンクと仲間達じゃねぇか!」
 ▼ 185 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:50:29 ID:HPUoKyjQ [21/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
コリンク「あっ! ワニノコ!」

レントラー「久しぶりだな」

コリンク弟「ワニノコさん! ワニノコさんもランニングしませんか?」


コリンクの弟はまだ走り回っている……


ワニノコ「んー……今日は遠慮しとく」

コリンク妹「……」


コリンクの妹はワニノコを見つめてモジモジしている……


ワニノコ「なんだ? 妹ちゃん、どうかしたか?」


コリンク妹「!?」

 ▼ 186 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:53:37 ID:HPUoKyjQ [22/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

コリンクの妹は走って逃げ出した。

ワニノコ「おいおい! 妹ちゃんまでランニングか? じゃあやっぱり俺も走るかな!」


ワニノコも走って妹を追いかけた。


コリンク妹「!!!」


コリンクの妹はスピードをあげる……


ワニノコ「おー! やるじゃん!!」


ワニノコもスピードを上げた!


コリンク妹「!!!!!」




 ▼ 187 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 17:56:47 ID:HPUoKyjQ [23/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

そんな二匹のやり取りを見たコリンクの母は微笑んだ。


コリンク母「賑やかね!」


レントラー「そうだな……それより……最近何か忘れてる気がして仕方ないのだが……母さんやコリンクはそんな事ないか?」

コリンク「あ……僕もだよ、父さん」

コリンク母「私はそんな事ないけど……?」


レントラー「いったい何を忘れているんだろうな……まぁいいか……」




 ▼ 188 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 18:07:58 ID:HPUoKyjQ [24/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その頃、天国のライチュウの家では……



家の中には美味しそうな料理の匂いがたちこめている……


ライチュウの母がキッチンでフライパン片手に料理をしていた……


ライチュウ母「もう少しでできるからね!」

ライチュウ父「ああ……」


父は椅子に腰掛けてぼーっとしている……

妹は紅茶を啜った。


ライチュウ妹「そう言えばお母さんに聞きたい事があるんだけどさ……」

ライチュウ母「なに?」


ライチュウ妹「私の部屋の隣の部屋って……何の部屋だったっけ?」

 ▼ 189 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 18:11:58 ID:HPUoKyjQ [25/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ライチュウ父「……部屋?……あぁ、あそこか」


ライチュウ母「あそこは前から物置……だったと思うけど……あれ? 違ったっけ?」


妹「何かあったと思うんだけど……ま、いっか……」


妹はクッキーをかじった。

 ▼ 190 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 18:18:08 ID:HPUoKyjQ [26/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

同時刻……地上のとある森にて……



森から沢山のポケモン達が逃げていく……


マッスグマ「走り続けろ! 止まるな!!」


ハブネーク「や、やべぇよ! 死にたくない!!」


彼らが逃げ出す森はごうごうと音をたてて燃えている……そう、大規模な火事が森を襲っていたのだ……



 ▼ 191 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 18:28:09 ID:HPUoKyjQ [27/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

しかし、火事から逃げる大勢のポケモン達の波の中、片足を引きずりながら流れに逆らい歩く、一匹のポケモンがいた……


火事から逃げようと走っていたストライクがそのポケモンにぶつかりそうになった。


ストライク「うぉっ!? おい! あんた危ないぞ!! 火事だってわかってるのか!」

?「わかってるさ……」

ストライク「……あんた見た所、足を怪我してるみたいだな! 仕方ない、俺がおぶってやる! 一緒に逃げるぞ!!」

?「ありがとな……でも、俺にはやる事があるんだ……」


ストライク「え?」

?「その優しさを……忘れるなよ」


そのポケモンは燃え盛る森の中に消えた……


ストライク「な、なんだったんだ?……今のは……」
 ▼ 192 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 18:37:43 ID:HPUoKyjQ [28/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

燃え盛る森の奥……一軒の家が火に包まれていた……



パチパチと音をたててだんだんと崩れ落ちていく家の中、一匹のポケモンが逃げ遅れていた……



ゴチミル「私、死ぬんだ……最後の最後までこの足が……こんな事なら生まれなきゃ良かった……」


ゴチミルの目から涙が落ちる……


ゴチミル「苦しいよ……怖いよ……」


部屋に煙が充満し……だんだんとゴチミルの意識が薄れていこうとしていたその時、部屋の扉が開いた。



?「またせたな……助けに来たぜ」

 ▼ 193 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 18:42:50 ID:HPUoKyjQ [29/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ゴチミル「え……?」


そのポケモンは片足を引きずりながらゴチミルに歩み寄った。


ゴチミル「あなたは……? なんでこんな所に来たの?」


ライチュウ「俺はライチュウ……たまたまこの森の近くを通りかかった救助隊だ。お前みたいな逃げ遅れたポケモンを助けに来たんだ」


ゴチミル「でも……もうだめだよ……意識も……うぅ」


ゴチミルは意識を失った……


ライチュウ「……ちぃ……いそがねぇと……」


ライチュウはなんとかゴチミルを背負うと片足を引きずりながら歩き出した……

 ▼ 194 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 18:47:32 ID:HPUoKyjQ [30/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

家の外……



ライチュウ「はぁ……はぁ……なかなかキツくなってきたな……」


ライチュウはなんとかゴチミルを安全な場所まで連れて来た……


しかし辺り一帯は既に火の海……逃げ道は断たれている……


ライチュウ「……またあれの出番か」


ライチュウが意識を集中させると……空を黒雲が覆い……やがて雨が降ってきた……

 ▼ 195 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 18:53:39 ID:HPUoKyjQ [31/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
冷たい雨の粒がゴチミルの頬に落ちて……彼女は目を覚ました。


ゴチミル「うぅ……ここは?」

ライチュウ「もう大丈夫だ……この雨が火を消してくれる」


ゴチミルはライチュウの背から降りた。


ゴチミル「た、助かった……の?」


ライチュウは笑った。


ライチュウ「あぁ……」


その言葉を聞いた瞬間、ゴチミルの目から涙が落ちた……


ゴチミル「私、もうだめだと思ってたよ……家族もいないし足も無いから逃げ遅れて……森のみんなからも見捨てられて……」

 ▼ 196 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 19:02:14 ID:HPUoKyjQ [32/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウ「そんな事で諦めてたらだめだぜ……? 俺も足……って言うか左半身がほとんど動かねぇけど、こうして頑張ってんだから」

ゴチミル「え?」


ライチュウ「二年くらい前……子どもの上に大木が倒れてきてよ……それをかばってやったんだけど、打ち所が悪くて……結果このザマだ……」


ゴチミル「どうして……誰かのためにそんなに頑張るの?」


ライチュウ「なんでだろうな……でも、誰かのために何かをするって……すごく気持ちがいいんだ」


ライチュウ「怪我して一度は救助隊を引退したんだけど……なんにもしないとさ……いよいよ自分の無力さを思い知る事になっちまうし退屈だったんだ……」


ライチュウ「だから俺は再開した……実は俺が救助隊を再開して今日が初めての仕事だったんだ……」


ゴチミル「そうだったんだ……」
 ▼ 197 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 19:07:10 ID:HPUoKyjQ [33/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

メキメキ……


ライチュウ「!」


ライチュウが音のした方を見ると……ゴチミルに向かって大木が倒れようとしていた……


ライチュウ「あぶないっ!!」


ドス!!


ゴチミル「!!」


ライチュウはゴチミルを突き飛ばした……


ゴチミル「そ、そんな!」

ライチュウ「またか……仕方ねぇな……」


ライチュウにむかって大木が倒れてきた……
 ▼ 198 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 19:08:40 ID:HPUoKyjQ [34/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告






うおおぉぉ!!







ザシュッ!! ザシュッ!!






 ▼ 199 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 19:14:14 ID:HPUoKyjQ [35/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ライチュウの前に先程のストライクが飛び出し、大木を切り捨てた。


ストライク「危ない所だったな……」

ライチュウ「お前はさっきの……ありがとな」


ストライクはゴチミルに歩み寄った……


ストライク「悪いがさっきの話、聞かせてもらったんだが……良かったらうちに来ないか?」


ゴチミル「え?」


ストライク「俺の家はここから少し離れた所だが、住みやすい村で俺も一匹暮らしだから……お前、家族いないって言ってただろ?」

ゴチミル「いいの?」

ストライク「お前がいいのなら俺は歓迎するぞ」

ライチュウ「よかったな!」

ゴチミル「……ありがとう」


ゴチミルの目から涙が落ちた……
 ▼ 200 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 19:19:35 ID:HPUoKyjQ [36/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウ「なぁ、一つ約束しねぇか?」


ライチュウはゴチミルの手をとった。


ゴチミル「……なに?」


ライチュウ「俺もお前のために頑張ったんだからさ、これからはお前も片足が無いことをめげずに生きて欲しいんだ……」


ゴチミル「うん! 約束する!」

ライチュウ「おう! お互い頑張ろうなっ!」

ストライク「あんたもあまり無理するなよ? 見た所、結構年いってるようだが……」

ライチュウ「わかってるって……って年いってるは余計だろ」

ゴチミル「ぷふ……」

ライチュウ「って! なに笑ってんだよ!!」



そんなうちにも優しい雨が森の火事をどんどん消していった……
 ▼ 201 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 19:23:52 ID:HPUoKyjQ [37/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


夕方、森の外……


ストライク「じゃあ、この娘の事は俺に任せてくれ」


ライチュウ「おう! 頼んだぜ!」


ゴチミル「あ、ありがとう!」


ライチュウ「おうよ! お互いがんばろうなっ!」


ライチュウは手を振ると片足を引きずりながらヨタヨタと歩いていった……


 ▼ 202 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 19:25:24 ID:HPUoKyjQ [38/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ストライク「……じゃあ行こうか」

ゴチミル「うん!」



二匹はストライクの住む村に向かって歩いていった……














ライチュウ「さーてっ! 一仕事終えたし今日は帰るか!」

 ▼ 203 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 20:03:27 ID:HPUoKyjQ [39/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

夕方、ニンフィアカフェ……


カフェは閉店準備をしていた……



ニンフィア「今日もお疲れ様、ブラッキー!」


ニンフィアはブラッキーにマシュマロ入りココアを渡した。


ブラッキー「ありがと!」


ブラッキーはココアを啜ると窓の外を見た……


ブラッキー「そろそろ父さん帰ってくるかな……心配だよ」
 ▼ 204 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 20:08:13 ID:HPUoKyjQ [40/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ニンフィア「どうだろ?……ライチュウはいっつもなんの連絡も無しに勝手に野宿とかするし……仕事再開してもあの体じゃ……心配だよね」

ブラッキー「無事だといいけど……」


ブラッキーは首に巻いたスカーフを弄りながら呟いた……その時



ガチャ



カフェの扉が開いてライチュウが入ってきた。

ライチュウ「たっだいまーっ!」
 ▼ 205 1◆v1GnTfaqxg 17/01/31 20:11:54 ID:HPUoKyjQ [41/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ブラッキー「父さんっ!!」


ブラッキーがライチュウに抱きついた。


ライチュウ「なっなんだぁ!?」


ブラッキー「バカバカバカバカぁ! 心配してたんだからっ!!」


ニンフィア「ライチュウもあんまり無理しないでね?」


ライチュウ「……わかってるって」


ライチュウはブラッキーを撫でながら呟いた……
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