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【長編SS】サトシ「オレに妹ができた」

 ▼ 1 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/25 21:23:55 ID:cW1fxHtY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

あなたにとって、ポケモンとは何ですか?


ポケモンにとって、あなたとは何ですか?


家族?友達?仲間?



------------------------これは、不思議な魔法にかけられた、可愛い可愛いポケモンと、


そのポケモンとドタバタでハチャメチャな暮らしをするハメになった、可哀想な可哀想な少年の物語です。



物語の主人公、少年の名はマサラタウンのサトシ。サトシの夢はポケモンマスターになること!



「みんなもポケモン探しに、ゼンリョクでいこうぜ!!」
 ▼ 85 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 19:52:43 ID:3gAl/MKI [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「み……みんな、面白いな」

カキ「ゴラ゛――!!何ニヤニヤしてやがんだサトシ!」

サトシ「いや……ちょっと微笑ましくて」

カキ「みんなしてオレを笑いやがって!オレは珍獣か何かか!?」

ホシ「今のお兄ちゃんは珍獣以外のなにものでもないよ」

カキ「ガフッ(吐血)」

サトシ「と……トドメ刺しやがった……さーて、ムーマとスイレンのバトルはどうなってるのかなぁ〜と……」


スイレン「何やら向こうが騒がしい」

ムーマ「でもおかまいなし!モクロー、せんさまんべつ『このは』!」

スイレン「先手必勝って言いたかったのかな……アシマリ、『バブルこうせん』!」

モクロー「もっふぅぅ!」

アシマリ「アオォォォォン!」

スイレン(押されてる……相性もあるけど、サトシとの特訓でモクロー、強くなってる)

ムーマ「いっけー!おしこめー!」

モクロー「んもっふぉぉぉぉぉ!!」


スイレン「アシマリ!撃つのをやめて端に避けて!」


ムーマ「あっ!」

モクロー「も……もっふ……?」ヨケラレチッタ


サトシ(ふむ。ムーマのやつ、最初からモクローにきばらせてるな。確かに撃ち合いには勝てるだろうが……)
 ▼ 86 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 19:54:06 ID:3gAl/MKI [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「アシマリ、バルーン!」

ムーマ「また何か出してくるよ!モクロー避けて!」

モクロー「も……?」

ムーマ「は、早くして!」


サトシ「実力はあるがスタミナが無いんだよな、モクロー……あまり無茶させると反撃には滅法弱いんだ」


モクロー「もふー!」バサバサ

スイレン「逃がさない。アシマリ、バルーン発射!」

ポコン!

モクロー「……?」キョロキョロ

スイレン「モクロー確保。さぁアシマリ、反撃するよっ」


サトシ「あらら、バルーンの中にモクローが入っちゃったね。これはアシマリのペースかな?」


ムーマ「モクロー楽しそう……じゃなくて!モクロー!早いとこそこから出て!」

モクロー「んもぉ……」ジタバタ

スイレン「モクローサイズのバルーンは簡単には壊れない!モクローだけじゃなくてアシマリも特訓してる」

スイレン「アシマリ、ジャンプ!」

アシマリ「アォッ」

サトシ/ムーマ「「跳んだ!?」」

スイレン「からのー……アタック!」

アシマリ「サーッ!!」バシン!!


ズ ド ォ ォ ォ ォ ン ! !


ムーマ「あわわわわ……」

スイレン「アシマリ、とどめの『アクアジェット』!」

ムーマ「モクロー!起きて!早く!」

アシマリ「アオオン!!」ギュオッ


ズ ッ … … !
 ▼ 87 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 19:56:57 ID:3gAl/MKI [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モクロー「おぅ……」

スイレン「勝負あったね」

ムーマ「モクローぉ……」


モクロー「もっふぅ!」シャキッ


スイレン「!?」

ムーマ「モクロー!まだ戦ってくれるの?」

モクロー「もっふぅ」

ムーマ「『取っておきの方法を思いつきましたぜ』って?一体何?」

モクロー「もふぅ!もふぅ!」

ムーマ「『いいから指示だ。アンタはトレーナーだろう!』……わかった。モクロー!」

ムーマ「アシマリに『たいあたり』!」

モクロー「もっふぉぉぉ!!」

スイレン「来るよアシマリ!バルーンでガード!」

スイレン「またバルーンに閉じ込めてアタックしてあげる」


ムーマ(モクロー……)

モクロー「(‘ω‘ )b」

スイレン「バルーン、発射!」

モクロー「もふぅぅ!」


ポコン!           ポコン!


アシマリ「……?」

ムーマ「え……?」

スイレン「!! アシマリ!」


サトシ「おぉ!モクローが珍しく頭を使ったな?バルーンを蹴り返して自分ごとバルーンの中にアシマリを閉じ込めるなんて」


アシマリ「あう!あう!」ジタバタ

モクロー「もっふ♪もっふぅ♪」

スイレン「まずい!あのままじゃ回避できない!」

ムーマ「すごい!すごいモクロー!さぁて……」
 ▼ 88 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 19:58:46 ID:3gAl/MKI [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「アシマリ確保!青いお姉ちゃん、反撃するよっ!」

スイレン「っ……!」

ムーマ「モクロー!バルーンの中で『このは』ーっ!」

モクロー「もっふぉぉぉぉりゃアア!!」バババババ

--------------------------------------------

アシマリ「」

モクロー「も、もふぅ……」ガクッ


サトシ「結果は引き分けみたいだな。お疲れ様二人とも」

スイレン「サトシ!いつから見てた?」

サトシ「カキが珍獣になってから」

スイレン「……?」


モクロー「もふー」

サトシ「モクローもアシマリもお疲れ様。今日はゆっくり休んでくれよ」

アシマリ「あうっ」

サトシ「ムーマもよく頑張ったな!トレーナー姿、中々様になってたよ」ナデナデ

ムーマ「むふ〜♪ あっ、でも……バルーンの中にアシマリを入れるのはモクローが……」

サトシ「そんなのいいさ。オレだってポケモン達の機転を利かせた戦い方に何度救われたことか」

ピカチュウ「ぺか」エッヘン

サトシ「バトルに勝てば、ポケモンとトレーナーの両方の勝ちになるんだよ。おめでとうムーマ」

ムーマ「おにーちゃん……」

ムーマ「わたし引き分けだけど」

サトシ「あぁ……まぁそうなんだけど……」

スイレン(カッコ悪……)
 ▼ 89 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 20:12:55 ID:3gAl/MKI [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
------その夜 スイレン家 食卓にて------


サトシ「……うまっ!お母さん、これなんて料理ですか?」

スイレンママ「『アクアパッツァ』っていうの。スイレンのボーイフレンド君のお口に合ったようでうれしいわ♪」

スイレン「だーから違うってば!///サトシはボーイフレンドじゃない!」

サトシ「えっ、オレってボーイフレンドじゃなかったの?」

スイレン「何それ!?本気でそう思ってたの?」

サトシ「ボーイフレンドって『男の子の友達』って意味だろ?じゃあ……オレはスイレンの友達じゃなかったってことか……?」

ホウ「えっ、そうなの……?」

スイ「おねえちゃんにとってピカチュウのおにいちゃんっていったいなんなの……?」

スイレン「ち、違う違う!全然違う!そーいう意味じゃない!」

サトシ「じゃああれか。オレは……男の子じゃなかったのか?///」

スイレン「なんでそうなるの!!?」

スイ「あのね、ボーイフレンドっていうのは……」

スイレン「こらそこ!勝手に説明しない!」

スイレンママ「あら、この際本当になっちゃいなさいよ。サトシ君のガールフレンドに♪」


スイ「……っていうこと。わかった?」

サトシ「なるほどなぁ。そう考えるとボーイフレンドって簡単に使っちゃいけない言葉なんだ」

スイレン「そう。私達はただの友達。だからホウもスイも冷やかしで言うもんじゃ……」

サトシ「        てことは、カキはオレのボーイフレンドじゃないってことだな        」

カキ「ブハッ」

スイレン「言うもんじゃ……ないよ。本当に」

ホウ/スイ「「うむ」」


サトシ「いやぁ〜しっかし本当にうまいっすね。このアクアサーファー」

スイレン「アクアパッツァね。ウチではお客さんによく振る舞う」

サトシ「うまいなぁ〜、自分でも作れるようになりたいな」

ピカチュウ(やめておきなさい)
 ▼ 90 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 20:15:01 ID:3gAl/MKI [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「〜♪」アムアム

スイレンママ「ムーマちゃんにもお気に召したようで良かった♪」

スイレン「綺麗にトマトだけ避けてるけど」

サトシ「ムーマ、そのトマトもちゃんと食べないと」

カキ(そうだ。嫌いな食べ物を把握して、且つ克服するように促すのも、兄としての重要な務めだ)

ムーマ「む〜、人がせっかくおいしく食べてたのに」

サトシ「トマトも合わせて食べるともっとおいしいんだぞ?どこが嫌いか知らないけど食べろって!」

ムーマ「いやだ」

サトシ「食べろ!!」

ムーマ「いやだ!!」

スイレンママ「あらあら……」

カキ「怒鳴り、強制……こりゃ10点ずつ引いてマイナス20点だな。兄としてはまだまだだな」

ホシ(唐突に出てきた点数制度)


スイレンママ「じゃあそのトマトを冷凍庫で冷やしましょうか!」

スイレンママ「冷たいトマトは好きでも、スープに浸かった柔らかくて温かくなったのが苦手って子も多いらしいし」

サトシ「スミマセン。お願いします……」
 ▼ 91 シレーヌ@ボイスチェッカー 17/08/01 20:16:34 ID:lyaxdIqA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシは好き嫌いがないから仕方ないな
支援
 ▼ 92 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 20:16:43 ID:3gAl/MKI [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ホーラ、冷やしたぞ。キンキンだぞ。今度こそ食べろー」

ムーマ「……」

サトシ「おーい?ムーマちゃーん?聞こえますかー?」

スイレン「ひょっとしてトマト、根っから嫌い?」

カキ「仕方ない。サトシ、ここはあんまり無理強いせずにオレ達で食……」


ムーマ「あーん」アガー


カキ「……へ?」

スイレンママ「うふふ、ムーマちゃんたら。ここはお兄ちゃんの出番じゃない?」

サトシ「お、オレですか?」

ホウ「ユーやっちゃいなよ!」

スイ「レッツあーん!」

カキ「バ、ヴァカな!!兄妹の愛の儀式『あーん』をたった2週間の付き合いであるアイツらが……!?」


サトシ「……ほ、ほら」

ムーマ「」モグモグ

ムーマ「(*´▽`*)」

サトシ「おいしい?」

ムーマ「♪」コクリ

サトシ「……よかった」

スイレンママ「微笑ましいわね。放任主義もいいけどそういう共同作業は親からすると見てて癒されるわ♪」

スイレン「ウチは二人ともマセガキだから。ムーマちゃんのような純粋さが足りない」


カキ「……ホシ、お、オレ達も、だな……あ、あーん」

ホシ「しない。あとその余所余所しい演技がムダにリアルでキモい」

カキ「うわーーーーん!!」

ホウ「でたー!ちんじゅうだー!」


ムーマ「おにーちゃん、もっと」アーン

サトシ「あぁいいぞ。しっかしホントによく食べるなぁ」


スイレンママ「スイレン?何だか嬉しそうね」

スイレン「うん、お母さん。どうやら今日は私の役目、無いみたいだから」
 ▼ 93 ザードン@マトマのみ 17/08/02 16:31:04 ID:DakkOQzM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 94 コッチ@アロライZ 17/08/02 18:48:16 ID:vccNA1m2 NGネーム登録 NGID登録 報告
微笑ましい

支援
 ▼ 95 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:01:09 ID:pLnXY2e. [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------しばらくして-------


スイレン「カキ、サトシとムーマちゃんは?」

カキ「風呂だ」

スイレン「今日、どうだった?カキから見て」

カキ「サトシの兄としての出来か?……まぁ、自覚は以前よりあるようでなによりだが」

スイレン「だが?」

カキ「やっぱり不器用だな。アイツは。まだアイツは兄として妹に何をすればいいのかを戸惑っている所がある」

スイレン「サトシはそこのところうまくやってると思うけど」

カキ「そうか?サトシはただ、ムーマが求めていることをやっているだけな気がするんだ。オレはな」

カキ「遊びにしろ、バトルにしろ……『あーん』にしろだ」

スイレン「それで十分じゃない?」

カキ「甘いな。放任主義の考え方と思えば妥当だが。ただ与えているだけなら近所のおばちゃんでもできる」

スイレン「な、なんかゴメン」

カキ「スイレン、さっきはあんなことを言ってたが、お前にもアイツに教えてやらなきゃいけないことくらいたくさんあるぞ」

スイレン「そ、そうかな……」

カキ「そうとも。サトシもお前に似て面倒見がいいが、決定的に違うのは器用さだ」

スイレン「そ、そんなこと……///私は何も……」

カキ「この前も妹達に自分で選んだプレゼントを渡していたろう?そういう心がけのようなものをサトシで見たいんだ」

スイレン「あぁ、なるほど!」

カキ「ま、このへんの課題も1週間後のデートのプランに組み込んだ方が効率的か」

スイレン「あぁ……あったねそんなの」

カキ「折角だ。まだ未完成の計画だがここで教えてやろうか?」

スイレン「えっ……?いや、いいけど……」

カキ「『いいけど』じゃない。……お前にも知ってもらわないといけないからな」

スイレン「?」

カキ「まぁ、まずはさっき言ったことをサトシにアドバイスしてやれよ。オレじゃなくて、お前がサトシに頼まれたんだからな」

スイレン「うーん……」

カキ「さて、ホシを誘ってくるか。サトシ達が風呂から上がったら、次はオレ達の番だ」

スイレン「あぁ、死なない程度に殴られてきてね」
 ▼ 96 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:03:44 ID:pLnXY2e. [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ベッドルーム-------


サトシ「いやぁ〜、いい風呂だった。潮風に包まれた心地良い感じ」

ムーマ「おにーちゃん見てあれ!大きなベッドだね」

サトシ「あぁ、二段ベッドだね」

ガチャッ

スイレン「サトシ、お風呂上がった?……って、あーっ!」

サトシ「!? な、何だ?」

スイレン「しまった。ウチの子供用ベッドそれしかない」

サトシ/ムーマ「「えぇぇ!?」」

スイレン「二段しかないベッドで7人寝ることは明らかに無理……!」

ムーマ「ど、どうするの?」

スイレン「大丈夫。妹組はひとつのベッドで2人寝れるからあなた達4人で寝ればいい」

サトシ「お、オレ達『上の兄弟組』は……?」

スイレン「……床」

サトシ「だよなぁ……」
 ▼ 97 ェリム@きいろいかけら 17/08/02 22:04:03 ID:MiEg1CO. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>91
カスミ「虫、ピーマン、玉ねぎ、人間誰しも嫌いなものなんてあるでしょ!?」

サトシ「おあいにく様、それ全部好きなものなんだよー、好き嫌いはダメだってママに教わらなかったのか?」
 ▼ 98 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:05:01 ID:pLnXY2e. [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------深夜0時-------


スイレン「ZZZ……」

ホシ「ZZZ……」

ホウ「ZZZ……正解は……」

スイ「亀田製菓!……ZZZ……」

カキ「いやカキの種じゃねぇよ……ZZZ……」


ムーマ「おにーちゃん、起きて」

サトシ「ZZZ……」

ムーマ「起きてったら!」

サトシ「ZZZ……」

ムーマ「……」フーッ

サトシ「ひゃんっ!?む、ムーマ!いきなり耳に息吹きかけるなよ!」

ムーマ「シーッ!みんな起きちゃうよ」

サトシ「どうしたんだ?こんな夜中に起こして……ひょっとしてトイレか?」


ムーマ「     さんぽにいこうよっ♪     」
 ▼ 99 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:07:27 ID:pLnXY2e. [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何と、ムーマの突然の思いつきで深夜にも関わらず外出することになったサトシ。

辺りは真っ暗。夜空の星が気休め程度の明かりで散歩道を照らす。

果たしてサトシ達は、おまわりさんに補導されずに無事帰って来ることができるのだろうか?


ムーマ「〜♪」

サトシ「ムーマ、トイレの窓のカギが開いてるなんてよく気が付いたよな」

ムーマ「そりゃ、みんなにナイショでこうしてさんぽに行きたかったもんね」

サトシ「誰かが起きたら家は大騒ぎだぞ?」

ムーマ「いいの。それにおにーちゃんだって夜家を出たりしたことあったんでしょ?お父様からきいたよ」

サトシ「あれはニャビーのことがあってだな……」


ムーマ「わたしね。ポケモンだったころはこうして夜道をさんぽするのが好きだったんだ」

サトシ「あぁ。ムウマは夜行性のポケモンだもんな。ムーマもやっぱ例外じゃないか」

ムーマ「でもね。こうやって、好きな人と歩くのは初めてなんだ」

サトシ「えっ?前までは友達とかいなかったのか?」

ムーマ「うん……何もなかったよ。ともだちも、名前も」

ムーマ「気が付いた時にはなかったの。……何も」

サトシ「……あっ、えっと……」

ムーマ「でも今はしあわせ!おにーちゃんがいるもん!」

ムーマ「マお姉ちゃんも、白いお姉ちゃんも、青いお姉ちゃんも、赤いお兄ちゃんも、マーくんも……」

ムーマ「お父様もロトムもポケモン達も……みんな」

サトシ「アハハ。だね。昔が何であれ、ムーマもオレも今はメチャクチャ幸せだもんなっ」
 ▼ 100 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:12:06 ID:pLnXY2e. [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……綺麗だな。星」

ムーマ「うん」

サトシ「授業で習ったんだけどさ、ペンドラー座の真ん中にある赤い星。ほら、あれ」

サトシ「あれって、太陽よりもずっっっっと大きい星らしいぜ」

ムーマ「へぇ……」

サトシ「きょ、興味はないか。じゃあ……」

ムーマ「おにーちゃん、『ポケモンマスター』ってなに?」

サトシ「んっ?」

ムーマ「マお姉ちゃんが言ってたの。おにーちゃんの夢はポケモンマスターになることだって」

ムーマ「でもポケモンマスターってなに?って言ったら、『本人に直接聞かないとわからない』って」

サトシ「ほぉ……」

ムーマ「ねぇ、なんなの?ポケモンマスターって」

サトシ「考えたことないな」

ムーマ「はっ?」

サトシ「具体的に考えたことがないんだよ。前例も聞いた事無いしね」

ムーマ「えぇ……」

サトシ「でもな。あんまり考えてないから今日まで目標を変えず生きていられるんだと思思うぜ」

サトシ「昔オレのママが言ってたんだ。目標を決めるのはいいけど無理はするなって」

サトシ「それに本当に無理をしたヤツをオレも知ってるんだ。ムーマ、オレが前まで旅をしてた話はしたよな?」

サトシ「実はオレと同じ日に旅立ったトレーナーが3人いてね。旅を終えて、1人は今や立派な研究者。でももう二人は……」

ムーマ「?」

サトシ「旅を諦めてしまったんだ。今もどこにいるのかわからないらしい」

サトシ「オーキド博士が言うには、二人は何らかの無茶な目標を立てたために諦めざるを得なくなったそうなんだ」

サトシ「その時はオレもオーキド博士にママと同じことを言われたっけな。ハハハ」

ムーマ「おにーちゃん……」

サトシ「オレはその時から決めたんだよ。『ポケモンマスター』に深い意味を持たせちゃいけないって」

ムーマ「おにーちゃん……ほんとにそれでよかったの……?」

サトシ「さぁね。でも後悔はしてないよ。それからもまた旅を続けてたくさんの出会いがあったからね」

サトシ「お前もその一人さ、ムーマ」

ムーマ「わたしも?」

サトシ「オレがきっとポケモンマスターにしつこく意味を求めて無茶をしていたら、きっとムーマに逢うこともなかったもんな」
 ▼ 101 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:16:34 ID:pLnXY2e. [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「……」

サトシ「ムーマ、お前もいつか夢を持つと思う。でもそれが原因で自分を必要以上に追い詰めちゃいけないよ」

サトシ「夢は心の支え。ムーマ自身はいくつになってもムーマらしく生きていけばいいんだ」

サトシ「夢はムーマが忘れない限りは、ずっとムーマの傍にあるよ」

ムーマ「おにーちゃん……」

サトシ「……みたいなことをククイ博士が言ってた」

ムーマ「ギャフン」


ムーマ「……わたしにもできるかな?」

サトシ「できるよ。『おにーちゃん』が保証する!」

ムーマ「……///」ギュッ

サトシ「ムーマ? ……泣いてる……のか?」

ムーマ「わからない……でも、ヘンだな。すごくうれしいの」ポロポロ

サトシ「そ、そっか。嬉しいならいいの……かな?」

ムーマ「おにーちゃんが『おにーちゃん』って言ってくれたからかな?」

サトシ「……もうちょっと、ここにいようか」

ムーマ「うん!」


気休め程度の明かりは、二人を優しく照らす無数のディスプレイ。

そんな夜空の下で人とポケモンの兄妹は笑い合い、語り合った。二人っきりで……
 ▼ 102 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:20:08 ID:pLnXY2e. [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------スイレン家-------


ムーマ「た・だ・い・まー……」ソローリ

サトシ「やっぱりトイレの窓から帰るんだな」

ムーマ「えへへ。おさんぽ楽しかったね♪」

サトシ「あぁ。オレもあの話をしたのは二回目だ。一回目はピカチュウ」

ムーマ「むぅ……やっぱりあの子には先に話してたか」


ムーマ「じゃあおにーちゃん、明日もいっぱい遊ぼうね」

サトシ「あぁ。おやすみ」

-------------------------------------------

サトシ「ZZZ……」


ムーマ「……」

ムーマ(そう。今はおにーちゃんたちがいてくれてとてもしあわせ。だけど……)

ムーマ(わたしは……どうして一人ぼっちだったんだろう……?)

ムーマ(……まぁいいや)


ホウ「ZZZ……ブルーハワイ……」

カキ「いや、カキ氷でもねぇよ……ZZZ……」

スイ「ZZZ……水溶き片栗粉でとろみをつけて……」

カキ「いや、カキたま汁でもねぇよ……ZZZ……」


こうしてまた、一日が終わる。

ムーマは今宵良い夢が見れるようにと、静かに眠りについた。
 ▼ 103 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:21:52 ID:pLnXY2e. [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------翌日-------


カキ「まぁ……サトシ。昨日は色々見させてもらったが、お前は必要最低限のことはこなせていると思うぞ。今回は合格だ」

サトシ「お、おぉ……」

カキ「その調子でデート当日まで頑張るんだな。その日がお前の最終試験だ」

カキ「それじゃあみんな。オレ達はこれで」

ホシ「またねー!」

---------------------------------------------

ムーマ「ふゎ〜」ウトウト

サトシ「ほらムーマ、スイレン達に挨拶だぞ」

スイレンママ「? ムーマちゃんは寝不足かしら?昨日はみんなと寝たはずなのに」

サトシ「あぁっと、夜中トイレに行ったんですよ。ね?」

ホウ「なるほどー!それでトイレのまどがあいてたんだね」

スイ「でもどうしてドアじゃなくてまどがあいてたの?」

サトシ(しまったーッ!夕べ開けっ放しにしてた!閉めてないけどしまったーーー
ッ!!)


スイレン「サトシ、結局は私があなたに教わることの方が多かったみたい」

スイレン「ムーマちゃんと一緒にいるの、見てて穏やかになれた」

サトシ「いや、そんなことないさ……まだまだ教わることなんてたくさんあるよ」

スイレン「あ、そうだ。サトシ、私からひとつアドバイス」

サトシ「?」

スイレン「サトシ、あなたはムーマにとって、すごくいいお兄ちゃんだと思う。ムーマちゃんのことをよく見てる」

サトシ「あぁ、そりゃどうも///」

スイレン「でも、あなたからムーマちゃんにできること、自分で考えるともっといいと思う」

スイレン「私から言えるのはこのくらいだけど。どうか探してみて。サトシができること」

サトシ「……よくわかんないけど、とにかくオレももっとムーマのために行動しなくちゃってことだな!」

スイレン「ふふ、そうだね」


サトシ「ありがとうございましたー!さようならー!」

ムーマ「またねー!おにーちゃんのガールフレンドー!」

スイレン「な゛っ!!?///」

スイレンママ「うふふ……」
 ▼ 104 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:26:19 ID:pLnXY2e. [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ家での一件もあってか、サトシとムーマは兄妹としての仲を深めていた。

長い旅で培ったサトシの父性・思いやりがここに来て生きてきたことだろう。

ムーマにとっても、ポケモンか人間かを区別しないサトシは良い心の拠り所となっていた。


サトシ「そういやムーマってさ、技とか出せるの?」

ムーマ「うーん。人間になってから出せなくなっちゃったみたいなの」

サトシ「あらら……不便に思わないか?」

ムーマ「おにーちゃんがいるから不便に思ったことなんてないよっ♪」

サトシ「あっはは///媚びるなぁ」

ピカチュウ「……」イラッ


ロトム「博士、ネットで何見てるロト?」

ククイ「あぁ。ちょっとコレを見てくれ」

ロトム「これは?ニュース記事ロト?」

ククイ「あぁ。前々から何となく思ってたんだが……ほら、ここに貼ってある写真を見てくれないか」

ロトム「写真?   !!   こ、これは……!」

ククイ「あぁ。まさかとは思うが……な」

ククイ「ロトム。この記事は数年前にアローラで起きた事件のものだ。サトシが知ってるはずもない」

ククイ「悪いがこのことは黙っててくれるか?まだ確証を得たわけじゃないからな」

ロトム「でもこの写真の女の子……まるで……」

ククイ「ロトム!あくまでオレの推測……できることなら忘れてしまってもいい。だけど念の為だ」

ククイ「オレもあまり疑いたくないが……」

サトシ「博士ー!ムーマがお腹空いたって!」

ククイ「ハハ、そういうお前もだろ?よしわかった!野菜コロッケでも作ってやるか」

ムーマ「お父様ー、トマトは抜いてー」

ククイ「ははは、入れないよ。ほうれん草とコーンたっぷりのヤツを食わしてやる!」


ロトム「…………」

ロトム「丸い瞳に、紫のグラデーションがかかった黒髪、6歳の女の子……」

ロトム「……シロガネ・ヤシロ」




兄妹の物語はまだまだ続く。次の物語は、カキのデート発言から2週間と4日が経ったある日から……
 ▼ 105 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:27:28 ID:pLnXY2e. [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第4話(全15話)   「おとなの ちからって すげー!▼」
 ▼ 107 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:40:51 ID:nBwBsxNU [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロケット団「「「「……」」」」ジーッ


ムサシ「ジャリボーイのやつ、またあの妙な子を連れてるわね」

コジロウ「ムーマって子みたいだな。確かに見た目はポケモンのムウマに似てるな」

ニャース「ジャリボーイを随分慕ってる様子ニャ。でもその他にも……」

ニャース「あの子供、ポケモンの言葉を完璧に理解しているニャ。人間にしてはタダものじゃないスキルニャ」

ムサシ「フッ、きっと前世はポケモンだったとかじゃないのぉ?」

ソーナンス「ソーーーナンス」


ヤングース「ま゛う!ま゛う!」

ムーマ「おにーちゃん、『朝ごはんの残り持ってる?』だって」

サトシ「あーっ……ごめん、今日は無いや。また今度ね」

ヤングース「ま゛ぅ……」


ムサシ「あっ、ほらまた。野生ポケモンとコミュニケーションをとってる」

ニャース「ニャーのアイデンティティが奪われてる気がするニャ……」

ソーナンス「ソーーーナンス……」

コジロウ「ていうか、オレ達ここ3日連続で朝から何やってるんだ?」

ムサシ「何って。ジャリボーイのオフタイムの観察じゃない」

ムサシ「旅をしてた今までと違って、今のジャリボーイには毎日帰る家がある」

ムサシ「こうして彼の日常を見ることができる機会、今ぐらいしかないわ」

コジロウ「にしてもこんなの、ジャリボーイじゃなかったら犯罪な気がするんだが……」

ムサシ「だぁ!細かいことはいいの!さて、ジャリボーイも行ったことだし今日の監視は終わり!」

ムサシ「アローラでの新戦力、またまたゲットしに行くわよ」

コジロウ「お、おう!」

ニャース「…………」

ムサシ「ん?どうしたのよニャース。早く一旦基地に戻らないと、またあの熊が自力で回収に来るわよ」

コジロウ「そうだ。今までと違ってアローラでのオレ達の活動にはタイムリミットってもんが……」

ニャース「……やっぱり気に食わないニャ」

ムサシ「は?」

ニャース「……今日は二人で戦力をスカウトしに行ってほしいのニャ。ニャーは今から……」


ニャース「あのガキをと っ ち め てやるのニャ。そしてコテンパンにするのニャ。二度と喋れなくなるまで」ギヒヒ
 ▼ 108 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:42:02 ID:nBwBsxNU [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムサシ/コジロウ「「あ、マジだ」」

ムサシ「ど、どうすんのよ!何かとんでもないこと言いだしたけどあの化け猫」ヒソヒソ

コジロウ「と、止めよう!さすがに人間の、それもあんな小さな子に危害を加えるのはオレ達のプライドが許さん!」

ムサシ「ニャース!アンタは気に食わないかもしんないけどちょっとは倫理ってヤツを……」

ムサシ「?」


シーン……


ムサシ「いねぇーーーーーっ!!?」ガビーン

コジロウ「いや、でも時々忘れるがニャースもポケモンだ。人間とはまた違う倫理観を……」

ムサシ「バカ言ってないで追うのよ!?アタシ達はLovely Charmyな敵役なのよ!?」

コジロウ「お、おうわかった!これはチームの問題だもんな!待てーっ!ニャースーー!!」

ソーナンス「ソォォーーーナンス!!」
 ▼ 109 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:43:47 ID:nBwBsxNU [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ポケモンスクール-------


サトシ「よし、ポケモンスクール到着。今日も実に楽しい通学路だった。そして憂鬱な授業が始まる」

ムーマ「おにーちゃん、きのう宿題がんばってたもんね」

サトシ「ははは、じゃあ行ってくるよ。お前はこのまままっすぐ校長室へ行くんだぞ」

ロトム「また放課後ロト〜!」

ピカチュウ「ピカチュ〜!」バイバイ

ムーマ「いってらっしゃーい!」


ニャース「ニャフフ、通学路は家に帰るか教室に入るまでが通学路なのニャ」コソコソ

ニャース「さて、今後ニャーの居場所を奪いそうなヤツは、ここで排除しておくのニャ!」
 ▼ 110 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:45:40 ID:nBwBsxNU [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「はぁ〜ぁ。またあのうすらさむいオッサンのところにいくのかぁ〜やだな〜」

ムーマ「……ちょっとだけおにわであそんでこようっと」


ムーマ「いつ見てもひろいおにわ……でもひとりじゃたいくつだなー」

ネッコアラ「ZZZ……」ゴロゴロ

ムーマ「あっ!ポケモンだ!まって!」

ネッコアラ「ZZZ……」ゴロゴロ

ムーマ「まってったら!わたし今ひまなの!よかったらいっしょにあそんでくれない?」

ネッコアラ「ZZZ……」ピタッ

ムーマ「あっ、ねぇねぇ、今からわたしが考えたおもしろいあそび……」

ネッコアラ「ふゎ〜」

ムーマ「え、『業務妨害は刑法に反しますよ。以上、時報担当からでした』って?何のこと?」

ネッコアラ「ふゎ〜」ブォン

バ キ ッ !

ネッコアラ「ZZZ……」ゴロゴロ

ムーマ「ぃ……ぃひゃぃ……」ピクピク


ニャース「またポケモンと会話をしたニャ。あの小娘……」


ムーマ「ねぇ、あそぼ?」

ケンタロス「ブルルッ ブルルッ」

ムーマ「『課外授業に向けて調整してるからダメ』って?……そっかぁ」


ムーマ「そこのきみ!あそんで!」

ホエルコ「う゛う゛ーん……」

ムーマ「『悪いけどぼくは食あたりで動けないんだ』?……おだいじに」


ムーマ「あそぼうよ!」

ナッシー「なっしー……」

ムーマ「『動くのがたるい』?もう意気地なし!」


ニャース「あ゛ぁ゛もう我慢ならんのニャ!!」

ムーマ「だれ?」

ニャース「!」
 ▼ 111 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:46:34 ID:nBwBsxNU [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャース(……落ち着け落ち着け。いくらとっちめるといえど、まず最初はソフトな対応から入るのニャ)

ニャース「やぁやぁこんにゃちわ。ブラックリトルジャリガール、略してBLJ」

ムーマ「あっ、ポケモン!ねぇ、今からわたしとちょっとだけあそぼうよ」

ニャース「そんなことよりもニャーと一緒に来るのニャ」

ムーマ「えっと、『そんなことよりもニャーと一緒に』……って、えぇ!?!?」

ニャース「やっぱり喋るポケモンは珍しいかニャ?」

ムーマ「ど、どうして!?」

ニャース「あぁ……これは命を削るような努力の末に……ってんなことはどうでもいいニャ」

ニャース「とりあえず、スクール裏の森までついてくるのニャ」

ムーマ「う、うん……あそんでくれるのね?」

-----------------------------------------------

ムサシ「ちょっと、放しなさいよ!アタシ達はニャースを探してたの!」

キテルグマ「…………」ドスドスドスドス

ムサシ「聞いてないし」

ソーナンス「ソーーーナンス……」

コジロウ「ニャースはどうせ無事であるにしろそうでないにしろ勝手に戻ってくるからいいとして……」

コジロウ「あのムーマって子が危険な目に遭わされないかだけが心配だぜ。頼むから変なことするなよニャース……」
 ▼ 112 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:57:35 ID:nBwBsxNU [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「……であるからして、『つばめがえし』や『マジカルリーフ』が他の技と違って絶対に外れない決定的な理由は……」


ナリヤ「ククイ博士!ハァ……ハァ……サト、サトシはここにいるカイオーガ!?」

サトシ「オーキド校長!」

ククイ「どうしたんです?今は授業中ですよ。それにそんなに息を切らして一体……」

サトシ「ひょっとして、ムーマが何か迷惑でも……」

ナリヤ「サトシ、ムーマちゃんとは今日も一緒にスクールへ来たのか?」

サトシ「え?えぇ」

カキ「……?」

マーマネ「ひょっとしてまだムーマちゃんが校長室に来てないとか」

ククイ「あぁ、そのこと……校長!この前も言ったじゃないですか。ムーマはしばらく校庭で遊んでから校長室に来るんです」

ククイ「だったよな?サトシ」

サトシ「はい。ムーマはあそこがお気に入りですから……一応言い聞かせてはいるんですけどね」ハハハ

ククイ「校長のところへはあの子の気紛れで来ると思うのでもう少し待ってみては?」

ナリヤ「待ったさ。だけど時間を見てみなさい!いつもなら遊び疲れたムーマちゃんがワシのところへ来るころじゃ」

ナリヤ「おかしいと思ったワシは午前中暇だったもんで自分から校庭へムーマちゃんを迎えに行ったんじゃが……」

サトシ「まさか……」


ナリヤ「見つからんのじゃどこにも!スクール中を探してもムーマちゃんがおらんのじゃ!」


サトシ「……!」

ククイ「何だって……!?サトシ、ムーマを最後に見たのは?」

サトシ「校門から入ってすぐです。そこでムーマと別れて……」

カキ「……」

マーマネ「スクールのどこにもいないってことは……」

リーリエ「一度お家に帰ったのでしょうか?」

スイレン「ひょっとして誘拐とか……」

マーマネ「いやいやスイレンやめてよ。そんな縁起でもない!」
 ▼ 113 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:59:48 ID:nBwBsxNU [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「いや。ありえるな」

サトシ「カキ?」

カキ「ムーマが見つからない以上、彼女が今どこで何をしてるのかわからない」

カキ「リーリエの言う通り家へ帰ったか、市場や公園辺りをほっつき歩いているかもしれない……」

サトシ「ど、どこに行ったんだろうな……」

カキ「サトシ、やっぱりお前はまだまだだったな。お前がアイツの兄であるなら、最悪の場合を考えてみろ!」

サトシ「最悪の……場合……?」

マオ「ちょっ……カキ!サトシにそんなこと想像させないでよ!サトシだってムーマちゃんのこと……」

カキ「想像したくないなら起こりうる可能性を出さないようにすればいい。コイツはそれをしなかった」

マオ「だからって!」

カキ「甘いんだよお前もサトシも!妹を守るってことを……兄の役目を何もわかっちゃいない!」

マーマネ「カキ!落ち着いて!」

カキ「うるせぇ!!」

ククイ「     カキ!!     」

カキ「……!」

ククイ「サトシ。一応警察には捜索依頼を出す。お前はどうする?」

サトシ「オレは……」

サトシ「オレも探しにいきます!一刻も早くムーマを見つけ出して戻ってきます!」

ククイ「そうか、『頼んだぞ』。……いや、『気をつけていけよ』」

サトシ「はい! いくぞ、ピカチュウ!ロトム!」

ピカチュウ「ピカァ!」

ロトム「了解ロト!」
 ▼ 114 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 23:00:56 ID:nBwBsxNU [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------スクール裏の森-------


ニャース「よし、ここまで来ればいいニャ」

ムーマ「だいぶ深いところまで来たね」

ニャース「まぁ、ニャーの用事は人目のつかないところじゃないとできニャいからニャ」

ムーマ「え?用事?」


ニャース「BLJ!ニャーはおミャーを消すためにここへ来たのニャ!」

ムーマ「……は?」

ニャース「理由は一つ!ニャーはおミャーが気に食わニャい!!」

ニャース「さっきからおミャーが人間のクセにポケモンとスムーズな会話をしているところを見るとムカついて仕方ニャい!」

ニャース「ポケモンと人間の通訳ポジションはニャーの特権ニャ!真似すんじゃニャー!このパクリ女ァ!」

ムーマ「な!?なにをそんなコドモみたいな!わたしはわたしのままに生きてるの!」

ムーマ「あなたがどんなポケモンか知らないけどそんなこと言われるのはわたしも心外だよ!」

ムーマ「ほんとはあなたの方がパクリなんじゃないの〜?」ジトメ

ニャース「……ん゛ニャ!?」

ニャース「やっぱり餓鬼には何を言っても無駄、無駄なのニャ」


ニャース「挽き肉にしてやるニャ!『みだれひっかき』!!」グァァ

ムーマ「!?」

スカッ

ムーマ「……」

ニャース「あ、あれ?おかしいニャ。今確かに顔面を捉えたハズ……」

ムーマ「……な、何するのいきなり!あたったらどうするのよ!」

ニャース「おミャー、今避けたのかニャ?」

ムーマ「よ、よけてなんかないよ。ビックリしたけど」

ニャース「だよニャ。ニャーにもそう見えたニャ。でも引っ掻いた感触は一切無かったニャ」

ムーマ「どうしてかな?」


ニャース/ムーマ「「うーーーん……」」
 ▼ 115 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 23:02:26 ID:nBwBsxNU [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャース「……って!おミャーとこんな馴れ合いをしてる場合じゃないニャ!とっととおさらばするのニャァァ!」

ムーマ「きゃあああ!」

スカッ      スカッ

ニャース「あっれれ〜……」

ニャース「何故ニャ。おミャーが確かにそこにいるのにどうして当たらないのニャ!?」

ムーマ「わたしに聞かれても……」

ニャース「あり得ないニャ。ニャーの引っ掻きが効かない相手なんてゴーストタイプのポケモンくらいで……」

ムーマ「あっ!」

ニャース「な、何ニャ」


ムーマ「わたしそういえば、ムウマだったわ」


ニャース「はぁ?どこにムウマがいるのニャ。おミャーは人間……」

ニャース(いや待て。ゴーストタイプのポケモンには確か幻覚を見せる力をもったポケモンがいたハズニャ)

ニャース(この子供がその幻覚だとしたら、その近くには……)

ニャース「」ガタガタガタ

ムーマ「どうしたの?」

ニャース「お、お、お、おおおおミャーは一体何者なのニャ!!」

ムーマ「んー……なにものって言われても……あっ」

ムーマ「フフフ……ばれてしまってはしかたあるまい」

ニャース「!?」

ムーマ「わたしはこの島でおそれられている大ようかい!500年のあいだひとけのないばしょでくらしていたのだ!」

ニャース「ニャ!?やっぱり普通じゃないのニャ!?」

ムーマ「10年に一度まちにあらわれてはポケモンを100ぴきくいあらすヤバイようかいなのだーー!」


ムーマ「おまえもくってやろうかーー!!」ガァァァ

ニャース「ニ゛ャ゛ーーーーーーーーっ!!」


ムーマ「ふははは、まてー!」ダダダダ

ニャース「ニャーッ!誘拐してゴメンナサイニャーーー!誰かーーー!」ダダダダ


ガシッ
 ▼ 116 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 23:03:52 ID:nBwBsxNU [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャース「……は?」

キテルグマ「くー」

ニャース「お、おミャー……助けにきてくれたのニャ!?あ゛あ゛あ゛!神はニャーを見放して無かったのニャーー!」

キテルグマ「??」

ムーマ「うわ、でっかいポケモン!」

ニャース「は、早くニャーを連れて帰るニャ!こんな気味の悪いヤツ二度と見たくないニャ!」

キテルグマ「くー」

ニャース「ニャッハハハ!大妖怪だか何だか知らんが今度こそおさらばニャ!バイニャラ!」


ドスドスドスドスドスドス……


ムーマ「……はぁ」

ムーマ「ポケモンのまましゃべるのも十分気味悪いと思うけどなぁ……さて、かーえろ」


シーン……


ムーマ「…………」

ムーマ「ここ、どこ?」

ムーマ「……おにーちゃん……」ポロポロ

------------------------------------------------------

ロトム「サトシ、メレメレ島は広いから勘だけではどうにもならないロト!」

サトシ「わかってる!……でも見つけなきゃ。……オレのせいなんだ。元はと言えば」

ピカチュウ「ピカ……」

サトシ「最悪の状況……ムーマがもし誰かに連れて行かれたとしたら……どこだ……!?くそっ!ムーマ……」
 ▼ 117 ビワラー@ぎんいろのはね 17/08/03 23:10:47 ID:KrJVCOTo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 118 ビビール@ミックスオレ 17/08/04 00:53:10 ID:EYJd5HLc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>116
こいつもう主ポケモンじゃねぇの?
そういやジャラランガのタイプは龍、格闘でクマモンのタイプは無、格闘…。あっ(察し)
 ▼ 119 イタラン@ボロのつりざお 17/08/06 20:43:54 ID:cwPUWUSg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 120 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 18:52:22 ID:kEhsvkJc [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ポケモンスクール-------


マオ「博士!あたしも探しに行きます!」

ククイ「ダメだ。サトシはムーマの兄として行かせただけだ。それに警察だって協力してくれる。後は彼らに任せるんだ」

マオ「ムーマちゃんはみんなの妹なんです!このまま黙って待ってるわけには……」

カキ「甘いんだよお前は。サトシにも自分にも」

マオ「そう言ってカキは何もしようとしない!あたし達の妹が心配で行動することの何が悪いの!?」

カキ「オレ達子供が行っても非力なだけだ。何かしでかせば大人の足手まといにもなるだろう」

カキ「サトシのやつも下手こいて大人達に迷惑の一つもかければ、それに懲りて兄の責任を重く感じるんじゃないか?」

カキ「もっとも、ムーマが無事でなければ意味はないがな。そうでなければサトシがいくら決意を固めたところで……」

パシンッ!

スイレン「!」

カキ「なんだ?息が荒いなマオ。オレが間違ったことでも言ったか?」

マオ「フー……っ フー……っ」

マーマネ「ま、マオ!とりあえず謝りなよ。カキだっていろいろ……」

マオ「一人っ子は黙ってて!!」


リーリエ「博士……」

ククイ「仕方ない……。マオ!まずは落ち着け。カキも。その言葉はお前の本心じゃないだろう?」

マオ/カキ「「…………」」

ククイ「今はサトシとムーマを信じるんだ。二人とも無事に帰ってくるさ」


マーマネ「か、カキ……」

カキ「すまないなマーマネ。お前にとってはとんだとばっちりだったな」

マーマネ「そ、そんなことない!ぼ、僕だってムーマちゃんのお兄ちゃんなんだから……」


スイレン「マオちゃん、もう平気?」

マオ「スイレン……傍で見守ることもできないって、こんなに辛いんだね」

スイレン「辛いのは私も一緒。だけどサトシは今からでも責任を果たそうとしてる。せめてここで祈っていようよ」


シロン「コーン……」

リーリエ「シロン……そうだよね。私もこんな空気、耐えられない。クラスの皆がバラバラになってしまう……」

リーリエ「けど私には何もできない……どうすればいいの?」
 ▼ 121 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 18:54:38 ID:kEhsvkJc [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「じゃあみんな。後はスクールに残ってオーキド校長の指示に従ってくれ」

マーマネ「え?ひょっとして博士も?」

ククイ「あぁ、オレもこれから探しに行く。ムーマの……いや、サトシとムーマ、二人の保護者としてな」

--------------------------------------------

ジュンサー「ククイ博士!」

ククイ「ジュンサーさん、ご存知の通り今日はこんなことになって……」

ジュンサー「何を言っているのです。迷子の子供の捜索は警察の立派な仕事です」

ジュンサー「現在市場と、博士のご自宅付近を捜索中です。このことはサトシ君にも言ってありますので……」

ククイ「となると、サトシは今頃スクール裏の森でも行ってるってのか……?」

ジュンサー「えぇ。サトシ君は我々の忠告を押しきって『最悪の場合を考えなきゃ』とだけ言って中へ……」

ククイ「付き添いは?」

ジュンサー「私の部下が一人」

ククイ「そうですか。では私は市場の方を」

ジュンサー「ご協力感謝します」

ククイ「お礼ならまだ早いですよジュンサーさん。一件落着したあとに改めてお受けしたいのでね」
 ▼ 122 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:03:47 ID:kEhsvkJc [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「イワンコ、ムーマの手掛かりは掴めそうか?」

イワンコ「……」

サトシ「だめか……今モクローが空から探しに行ってくれてるけど、まだ戻ってこないな……」

サトシ「どこ行ったんだよ……ムーマ……」

サトシ「この森はスクール裏というよりはメレメレ島の町と町の境目だってククイ博士が言ってたぐらいには広いんだよな」

サトシ「それにこの森にムーマがいるのかどうかもわからないし……」

ピカチュウ「ピィカチュ……」

サトシ「大丈夫。オレが諦めたらムーマも諦めなきゃいけないからな。そんなことにはさせない」

ロトム「まだこの森の攻略度は5.4%ロト!まだまだ探していない箇所は沢山あるロト……」

サトシ「沢山あるなら全部探すさ!決して無理な話じゃないよ」


警官A「サトシ君!」

サトシ「あっ、お姉さん!そっちはどうですか?ムーマの手掛かりは?」

警官A「ダメ……何の手掛かりもない……足跡も重なりすぎてまともな形のものが残ってない」

警官A「何か眼に見える証拠があれば、私のハーデリアで何とかなりそうなんだけど……」

ハーデリア「わんっ」

警官A「やっぱりこの森は全く関係無いか……」

サトシ「ムーマは誘拐されたんじゃないんでしょうか……?」

警官A「多分ね。ムーマちゃんは、どっちかと言うと自由気ままな子なのかしら?」

サトシ「はい。でもムーマは校庭のポケモン達と遊ぶのが好きなので、自分からスクールを出て行くのは考えにくくて」

警官A「そっか。それでサトシ君はムーマちゃんが誘拐されたと考えてるのね」

サトシ「ムーマ……まだ無事でしょうか……」

警官A「サトシ君、あんまり一人で抱え込まないでね。辛かったら私達にどんどん頼ってもらっていいんだよ」

警官A「とにかく無理はしないで。迷子の子供達はもちろん、そうじゃない子供の心のケアも大事なんだから」

サトシ「でもそんなの警察の仕事じゃ……」

警官A「警察じゃなくて、大人の仕事よ。サトシ君」

サトシ「…………」
 ▼ 123 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:05:58 ID:kEhsvkJc [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------2時間後-------


バサバサバサバサ……


警官A「な、何?羽音?」

サトシ「あっ、モクローだ!」

ピカチュウ「ピカチュー!」

モクロー「もっふぅ〜……」バサバサ

サトシ「モクロー、ムーマは?」

モクロー「もっふぅ!もっふぅ!」

サトシ「! いたのか!?本当に!?」

モクロー「もふ」コクリ

ロトム「本当なら大手柄ロト!」

ピカチュウ「ピッピカチュウ!」

モクロー「もふぅ」エッヘン


警官A「もしもしジュンサーさん、こちらAです。どうやらサトシ君のポケモンがムーマちゃんを見つけたようで!」

警官A「……はい。……はいそうです!これからモクローちゃんの案内でムーマちゃんのいる場所に向かいます!」

サトシ「よし、すぐに行こうぜモクロー!」

モクロー「もふぅぅ!」


ムーマ捜索から2時間45分。ついにムーマの居場所をつきとめたサトシ。

実はモクローはサトシと別れてすぐに自分の古巣へ向かい、ドデカバシ達に協力を求めていたのだった。

その1時間半後、仲間のツツケラが宛もなく森を彷徨うムーマを発見。偶然近くにいたモクローはサトシのもとへ急行。

そしてサトシがモクローと合流した今、ムーマは発見した仲間の報告を受けたツツケラ達によって保護されている。

目的地の決まったサトシ達はモクローの案内でムーマのいる場所へと向かう。しかし……
 ▼ 124 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:08:28 ID:kEhsvkJc [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「あっ、ジュンサーさん!」

ジュンサー「どうやら居場所は特定できたようですね。……保護はまだのようですから私達もすぐに向かいましょう!」

ククイ(サトシめ、偶然が重なったとはいえ本当に兄としてのケジメをつけやがった!)

----------------------------------------------

サトシ「ハァ……ハァ……この辺なんだな?」

モクロー「もふぅ!……!?」

サトシ「どうした?モクロ……」


ツツケラA「ゲ……ア゛……」


モクロー「もふー!」

サトシ「あれはツツケラだ!それもモクローの仲間の……」

警官A「ヒドい怪我!羽根も毟られて……」

ロトム「ムーマを何者かが襲ったに違いないロト!……あっ」

ロトム「サトシ!こっちにも1匹倒れてるロト!」

ツツケラB「」

モクロー「もふ!もふ!……もふぅ……」

サトシ「ひどい……誰がこんなことを……」


ツツケラA「」

ハーデリア「……」クンクン

ハーデリア「!!」

警官A「ハーデリア、どうしたの?」

イワンコ「! わん!わん!」

サトシ「イワンコ、お前まさか……」

イワンコ「わん!」

サトシ「……お姉さん!これはひょっとして……」

警官A「えぇ。ハーデリアもイワンコちゃんもきっと、ツツケラの傷口と同じ臭いをこの先から感知してる!」

サトシ「ということはこの先にツツケラ達をやった犯人が……」

警官A「マズイわね……その犯人はきっと今頃ムーマちゃんと一緒にいるわ」

サトシ「その犯人はどこに!?」

警官A「それは……それは……」
 ▼ 125 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:10:42 ID:kEhsvkJc [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギャァ……ァァ……!!



サトシ「い、今の声は……」

警官A「行きましょう!」


ツツケラA「ア゛……ア゛……」

モクロー「もふぅ……」

サトシ「モクロー、お前はツツケラ達を見ててくれ。後はオレ達に任せろ!……ありがとうな。お前は大手柄だ」

モクロー「もふぅ!」

---------------------------------------------

サトシ「声がしたのはこの辺りだけど……」

警官A「サトシ君!後ろ!!」

サトシ「え……」


ドサッ……!


サトシ「なっ!?」

ケララッパ「ガ……ァ……」

サトシ「お前も……モクローの……」

警官A「!! ……そこのあなた!ツツケラ達を傷付けてムーマちゃんを攫ったのはあなたね?名乗りなさい!!」


スカル団員「名乗る?この恰好で見当がつかないか?最近の警察は随分新人育成がなってないじゃないか」

サトシ「スカル団だ!……でもいつもの奴らと違う」

スカル団員「それに見たところ捜査の協力をガキにさせてるのか?ハハ、警察も堕ちるところまで堕ちたもんだ」

警官A「スカル団!あなたを逮捕します!覚悟しなさい!」

サトシ「お前か……ムーマはどこにいる!?」

スカル団員「ムーマ? あぁ、あのガキの名前か。おいゴロンダ、マトマの木の下で寝かせたガキ持ってこい」

ゴロンダ「ごぉ〜……」ズシズシ

警官A「ムーマちゃんを攫ってどうするつもりだったの?」

スカル団員「さぁねぇ。オレにバトルで勝ったら教えてやってもいいかなぁ……?」
 ▼ 126 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:13:29 ID:kEhsvkJc [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
警官A「何を……」

サトシ「上等だ!いくぞピカチュウ、イワンコ」

ピカチュウ「ピカッ!」

イワンコ「わん!」

スカル団員「……で、改めて聞くが警官と一緒になんでガキがいるんだよ。お前は誰だ?」


サトシ「オレはマサラタウンのサトシ。ムーマの兄だ!!」


スカル団員「なっ……!!? ……そうかよ兄ちゃんかよ。こりゃまいったな」

サトシ「2対1で卑怯だなんて言わせないぞ」


ゴロンダ「ごぉ〜」ズシズシ

ドサッ


ムーマ「ZZZ……」


サトシ「ムーマ!!」

ピカチュウ「ピカァ!」

スカル団員「別に卑怯だなんて思ってないさ。オレはそうさせるだけのことをしたからな。『兄ちゃん』よぉ」ニヤッ

スカル団員「やっちまえ!ゴロンダ!」

ゴロンダ「ゴ ォ ア ア ア ア ア ! !」

警官A「き、急に眼つきが鋭くなった! サトシ君、勝てる!?」

サトシ「心配いりません!こんなヤツ、ぬしポケモンやハラさん達のポケモンに比べれば何てことない!」


スカル団員「ゴロンダ!『バレットパンチ』!」

サトシ「ピカチュウ!パンチを『アイアンテール』でいなせ!イワンコはゴロンダの背中に回りこんで『いわおとし』!」


怒りを面に出しつつも、何とかペースを保ちながら2匹のポケモンに指示するサトシ。

スカル団員のムーマを攫った目的は……?
 ▼ 127 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:15:00 ID:kEhsvkJc [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴロンダ「グルァァァァ……!」

スカル団員「ほう、中々のポケモンさばき。その腕にあるZリングはただの飾りじゃあねぇみたいだな」

サトシ「ピカチュウ!『エレキボール』!」

ピカチュウ「チャアアリャァァア!」バシュッ

スカル団員「弾け!」

バシィィィン!

サトシ「今だ!……隙が出来たぞイワンコ!後ろから『かみつく』!」

イワンコ「わんっ!」ガァァ

スカル団員「ゴロンダ!回れ右!」

サトシ「!!」


「エレキボール」を弾いたゴロンダはすぐさま半回転。イワンコの奇襲をスナップを利かせた裏拳で打ちのめす。


イワンコ「がっ……!」

サトシ「イワンコ!」

スカル団員「ゴロンダ!イワンコに『アームハンマー』!」

ゴロンダ「グルルルァァ!!」


バ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ … … ン ! !


イワンコ「あ゛……う゛……」ヨロヨロ

スカル団員「まだ立てるのか。根性のあるヤツ。やっちまえゴロンダ!もう一遍叩けば確実に落ちるだろう」

サトシ「ピカチュウ!イワンコを援護しろ!」

ピカチュウ「ピカァ!」

スカル団員「邪魔すんじゃねぇ! ゴロンダ、とっととイワンコを潰してしまえ!」

ゴロンダ「グルルル……」

サトシ「『10まんボルト』!!」


バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ … … ! !


ゴロンダ「ガァァァァ……!」
 ▼ 128 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:17:23 ID:kEhsvkJc [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スカル団員「うおっ!?ご、ゴロンダ!」


スカル団員「うおっ!?ご、ゴロンダ!」

サトシ「2対1だ。油断するんじゃねぇぞ」

スカル団員「おぉそうだったな。……だが、オレのポケモンはそんなチビポケモンの奮起だけでくたばる程ヤワじゃねぇ」

スカル団員「ゴロンダ!そんな電撃なんざ耐え切ってそいつにも『アームハンマー』を食らわしてやれ!」

サトシ「なっ……!?」

ピカチュウ「ピカ!?」


ゴロンダ「グルルルル……」ズシッ ズシッ


「10まんボルト」を受けながらも、まるで底なしの執念でゴロンダが一歩一歩とピカチュウに迫ってくる。

このままゴロンダが耐え切れば、放電中動くことができないピカチュウは攻撃を受けてしまう。

放電をやめれば動けるが、ゴロンダの執念深さなら動き回るピカチュウを捉えることは難しくないだろう。


サトシ「ゴロンダの攻撃を受けないためには、ゴロンダがピカチュウに辿り着く前に倒すしかない!」

サトシ「頑張れピカチュウ!」

ピカチュウ「ピ……ッ!」ババババババ

スカル団員「ゴロンダ、さっさとピカチュウをブッ叩け!無防備の今がチャンスだ!」


サトシ「無防備なのはピカチュウだけじゃない、ゴロンダの背中もだ!」


サトシ「イワンコ!『いわおとし』!」

スカル団員「なっ!?」

イワンコ「アオオオォォォォ……!」

ザクッ!   ザクッ!

スカル団員「ゴロンダ!そんな雑魚の攻撃なんぞに気を取られるな!立ち止まれば電撃のダメージがドンドン蓄積して……」

サトシ「もう遅い!圧し切れ!ピカチュウーーーー!!」


バ バ バ バ バ バ バ バ … … ! !


スカル団員「ご、ゴロンダ!」
 ▼ 129 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:21:33 ID:kEhsvkJc [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴロンダ「」ドサッ

サトシ「勝負あったな。片方に気を取られればもう一方から反撃を食らう」

サトシ「チームワークのとれた二匹のポケモンを相手にしてた時点でお前は敗けてたんだ!スカル団!」

イワンコ「ワゥ……」フラフラ

サトシ「お疲れ様イワンコ。ゆっくり休んでてくれ」

----------------------------------------------

警官A「さぁサトシ君の勝ちよ。ムーマちゃんを今すぐこちらに渡して、攫った理由を教えなさい!」

スカル団員「ん〜……」

サトシ「早くしろ!お前の負けだ!」

スカル団員「そのピカチュウ……随分頑張ってたなぁ。どうだ?その子にも休憩が必要なんじゃないか?」

サトシ「はぁ……?」



???「ホホホホホホホホ……」



眠れ 眠れ 母の胸に


ピカチュウ「ピ……カ……」パタッ

サトシ「ピカチュウ!?」


眠れ 眠れ 母の手に


ピカチュウ「ZZZ……」

サトシ「ピカチュウ!?……どうしたんだ!おい!」


スカル団員「お疲れ様ピカチュウ。ゆっくり休んでてくれ。……さて、もう降りてきていいぞ。マシェード」


マシェード「ホホホホホホホホ……」


森に生い茂る木の上から、何かが降りてきた。

パラシュートのように頭の笠を広げ、「二匹目のポケモン」がその姿を現す。
 ▼ 130 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:19:44 ID:Gcdax9gs [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロトム「あ、あれはマシェードロト!」

サトシ「マシェードか……」

ロトム「きっとアイツ、木の上から『キノコのほうし』をふり撒いてピカチュウを眠らせたんだロト!」

警官A「もう一匹ポケモンを持っていたのね。疲れたところを狙うなんてなんて卑怯な……」

スカル団員「2対1で戦っておいて何言ってやがる。ズルをするならその報いも受けなきゃダメだぜ」

スカル団員「さて、こいつがオレの取って置きなわけだが……自分のポケモンがその有様じゃあもう戦えないなぁ?」

ピカチュウ「ZZZ……」

サトシ「……!」

警官A「まだこの私がいる!アローラ警察メレメレ支部の名にかけて、あなたを逃がさない!」

スカル団員「お前がか?やめとけやめとけ。オレは今までお前のようなヒラ警官を何人もノしてきたんだ」

スカル団員「お前のその犬っコロ一匹じゃ、オレのマシェードを倒すことはできねぇ!」

ハーデリア「グルルルルル……」

警官A「バカにして……っ!」
 ▼ 131 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:21:24 ID:Gcdax9gs [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「オレのポケモンならまだいる!いけっ、ニャビー!」


ニャビー「ニャァァァ!」


サトシ「オレが倒さなきゃダメなんだ。お前はオレの妹を攫ったんだ。だからオレがケジメをつけてやるんだ」

スカル団員「ほぉ、炎タイプ!こいつは面白れぇ。これじゃ勝負はわからないかもな」

スカル団員「わかった!」

サトシ「?」

スカル団員「お前だってここまで粘ったんだ。せっかくだから教えてやるよ。オレの目的」

サトシ「ムーマを攫った理由か?」

スカル団員「あぁ。他のヤツらには言うんじゃねぇぞ。このことはボスだって知らねぇ。オレだけの計画だからな」

ムーマ「ZZZ……」

スカル団員「簡単に言う。コイツをオレのビジネスの道具にする!」

サトシ「……?」

警官A「どういうこと?」

スカル団員「ピンとこないか?だが新米警官でも聞いたことくらいあるだろ?」

スカル団員「昔流行ってた『島巡り屋』の名前くらいなぁ!?」

警官A「……!」ゾクッ

サトシ「お姉さん?島巡り屋って?」

警官A「サトシ君。このバトル、ハーデリアとニャビーのタッグで必ず勝つわよ」

警官A「……でないと、次はあなたが狙われる!」

サトシ「えっ……?何だかわかんないけど道具って言葉、良い予感はしないぜ!」


スカル団員「隙ありィ! マシェード、『ヘドロばくだん』!」

マシェード「う゛え゛え゛ぇっ!!」デロデロデロデロ

サトシ「! ニャビー!かわせ!」

警官A「ハーデリア!避けて!」


ボボボボボボボボ……
 ▼ 132 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:23:42 ID:Gcdax9gs [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ニャビー、避けきったら『ひのこ』!」

スカル団員「マシェード、頭の笠でガード!」

ハーデリア「わ゛ぉぉぉぉぉっ!!」ダダダダダ

スカル団員「!?」

警官A「ハーデリア!『とっしん』!」


マシェード「べへぇぇっ!?」ズシャー

スカル団員「『ひのこ』は囮だったか!頭を下げたマシェードの隙を突きやがった!」

スカル団員「だが接近戦に持ち込んだのが仇になったな!マシェード、ハーデリアを捕まえちまえ!」


ハーデリア「 わ゛ ん っ ! ! !」

マシェード「!」ビクッ


警官A「ハーデリア、マシェードの腕を咥えて一本背負い!」

ハーデリア「わおおおお!!」ブォン!

ズシャアアア……

スカル団員「ま、マシェ……」

警官A「そのまま抑えて!四足流縦四方固!!」


仰向けに倒れたマシェードの手足を、ハーデリアの四本の脚が圧し掛かるように抑え込む。

養成所で培った訓練の賜物だ。


サトシ「す、すげぇ……かっこいい!」

ニャビー「にゃあ……」ウットリ

警官A「観念しなさい!さぁハーデリア、トドメの……」


スカル団員「マシェード、『フラッシュ』!」
 ▼ 133 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:29:00 ID:Gcdax9gs [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マシェード「ギェェェェェェ!!」


サトシ「…………な、何だよアイツ。あんな強く光るのか……?」

ロトム「マシェードは夜の森の中、光り輝く笠で獲物を誘き寄せるロト」

警官A「! ハーデリア!後ろ!」

スカル団員「もう遅い!『ヘドロばくだん』だ!」

ボボボボボボ……

ハーデリア「あ゛……」フラフラ

警官A「ハーデリア!!」

スカル団員「抑え込め!」


マシェード「ホホホホホホ……」バキバキバキ

ハーデリア「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


スカル団員「四足歩行のハーデリアにいきなり固め技を使われて焦ったが、これでこっちのペースだ!」

スカル団員「ヒョロくて弱そうなコイツの腕は、実はそこいらの格闘タイプよりも強い絞め技を繰り出せるのさ!」

警官A「そんな……」

スカル団員「ははは!ナイスな表情だ!捕まえようとして逆に捕まる屈辱のヒロインの構図……たまんねぇな」


サトシ「ニャビー!『ほのおの……」

マシェード「ホホホホホホ……」シュルルル……

ガシッ!

ニャビー「にゃっ!?」

スカル団員「向かってくると思ったぜ。言い忘れたがコイツの腕はある程度の距離なら伸縮自在!」

スカル団員「二匹仲良くマシェードの腕の中で眠るんだな」

サトシ「ニャビーーーッ!!」

スカル団員「『キノコのほうし』!」


ニャビー「にゃ……」ウトウト

ハーデリア「う゛う゛……」

警官A「ハーデリア!眠っちゃダメ!何とか抜け出して!」

サトシ「……くそっ。このスカル団、いつもの奴らよりもずっと強い……」

サトシ「オレのポケモンがここまで追い詰められるなんて……いや考えろ。まだ策は……」
 ▼ 134 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:32:52 ID:Gcdax9gs [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「ZZZ……」


サトシ(ムーマ……オレの……妹……)

--------------------------------------------

ムーマ「『おにーちゃん』って呼んでもいいですか……?」


リーリエ「サトシ!ムーマちゃんが一番大好きなのは貴方なんです!貴方だけは絶対に責任を放棄してはいけません!」


カキ「いいかサトシ。デートについてはいずれ話す。それまでは自分でムーマとの関係を深めることだな」

カキ「二度と兄としての責任を放棄するな」

--------------------------------------------

サトシ「…………」

ムーマ「ZZZ……おにーちゃん……今日のデート楽しみだね♪……」

サトシ「! ……安全じゃないけど賭けるチャンスならある」

サトシ「いくっきゃない……やるっきゃない……」



サトシ「          ニャビー!空中に『ひのこ』だ!!          」

スカル団員「何っ!?」


ニャビー「にゃっ!……ニャアアアアアア!!」


スカル団員「バカか!そんなことをすれば……」

警官A「サトシ君……?」

サトシ(すみませんお姉さん。でもマシェードに攻撃を当てられない以上、二匹が抜け出すにはこれしかない!)

ニャビー「ニャブッ!」ボォッ



ボ ガ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ … … … … ン ! ! ! !



ムーマ「んっ……なに?今の大きな音……」
 ▼ 135 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:41:44 ID:Gcdax9gs [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ムーマ!今助けるぞ」

ムーマ「え……?」

ロトム「ばっ、爆発したロトォ!?!?」

警官A「ばら撒かれた胞子に引火させたのね……ナイスよサトシ君!いい判断だわ。お陰様で……」

サトシ「へへ、ちょっとニャビーの行動力をアテにしすぎてしまいましたが……うまくいってよかった」

スカル団員「なんで……何でだよ……何て無茶な作戦だ!?どうしてそこまでポケモンを信用できる!?」


煙が晴れると、ニャビーとハーデリアが牙を剥き出しにした顎でマシェードの両腕にしがみついていた。

形成逆転。迷子探しから始まったサトシの捜査劇も、いよいよクライマックスを迎える。


        ボォ……               ボォ……ッ

マシェード「ギィィィ!?!?」


スカル団員「な、何だ?マシェードの腕が燃え始めたぞ!?」

警官A「ハーデリア!アンタが昔こっそり養成所を抜け出して野良ポケモンと秘密の特訓してたって技、見せてやりましょ!」

サトシ「ニャビー!お前も特訓で編み出した技、今度こそ決めてやろうぜ!」


       ボボボボボ……             ボワアアア……


スカル団員「な、何言ってやがる……認めねぇぞ!オレがボス以外の人間に敗けることなんか……」


サトシ「 
            『 ほ の お の キ バ ! ! 』
警官A                                    」



ヴ   ァ   ァ   ァ   ァ   ァ   ァ   ッ   !   !   !



サトシ「……え?」

サトシ「『ほのおのキバ』……?お姉さん、ハーデリアの特訓相手の野良ポケモンって……」

警官A「?」
 ▼ 136 イクン@ていきけん 17/08/08 21:15:50 ID:qlko1S7o NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
oh......
 ▼ 137 ンペルト@スチールメモリ 17/08/08 21:18:38 ID:z4g1owfs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 138 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/09 00:17:08 ID:7.oGE68k [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スカル団員「やな感情……」チーン

警官A「やったわねサトシ君!よかったら私の後輩にならない?」

サトシ「いや、遠慮しときます……」

サトシ「でも驚きました。まさかお姉さんのハーデリアがニャビーの兄弟子だったなんて……」


ハーデリア「わんっ、わんわん。わんわわん?」

ニャビー「にゃ……にゃぶにゃ……」グスン

ハーデリア「……!」

ニャビー「にゃ、にゃう、うにゃぁ……」

ハーデリア「……わん。わわんっ、わう。わうわう?」

ニャビー「……んにゃ」

ハーデリア「わんわんっ、……わわん、わう」

ニャビー「にゃあ!」


ムーマ「おにーちゃん!」

サトシ「ムーマ……悪かったな……本当に……」

ムーマ「ううん。わたしがいけなかったの。しゃべるポケモンについていったから……」

サトシ「えっ?」
 ▼ 139 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/09 00:19:28 ID:7.oGE68k [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……そっか。そういうことか」

ムーマ「ホントにごめんなさい!」

サトシ「いいよ。オレももっとムーマの傍にいてあげるようにするからさ」


ククイ「おぉーいサトシーー!ムーマーー!」

ジュンサー「あれはスカル団!?あなた達がやったの?」

警官A「えぇ。手強い相手でしたがサトシ君のお陰で何とか……」

ジュンサー「ふーん?Zリングを持ってるほどの実力者とはいえ、子供に助けてもらっちゃったわけ」

警官A「えー……あははは、そうなりますかね///」

ジュンサー「このことは部長に報告しておくから、ある程度の処分は覚悟しておきなさい」

警官A「(´゚д゚`)え゛え゛ーーーっ!?」


ピカチュウ「ふゎ〜」

サトシ「あぁおはようピカチュウ。疲れは取れた?」

ピカチュウ「ピカァ……」ショボン

サトシ「気にするなって。また次頑張ろう。な?」

ククイ「サトシ、お前もお姉さんにお礼を済ませてこい。オレと一緒に帰るぞ」

ロトム「きっとスクールのみんなも心配してるロト」

サトシ「あぁ……博士!ちょっと待って!」

ククイ「ん?」


サトシ「さっきのスカル団が言ってたんですけど……『島巡り屋』って、一体何ですか?」

ククイ「!! ……そうか。それがアイツの狙いだったのか。サトシ、ムーマ。お前達が無事でよかった……本当に」

サトシ「?」
 ▼ 140 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/09 00:32:54 ID:7.oGE68k [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「島巡り屋」とは、今から20年以上前に流行したビジネスの一つで、アローラの歴史の闇に葬られたうちの一つ。

アローラの子供達は「島巡り」によって試練・大試練を制覇し、初めて一流のポケモントレーナーとして認められる。


「島巡り」で名を上げたトレーナーの卵達は世間から注目され、一躍時の人となる人物も多い。

そんな風潮を更に活発にさせたのが「島巡り屋」である。



アローラの家族からトレーナーとなる子供を預かり、立派な島巡りのチャレンジャーに育て上げるのが彼らの仕事だ。

彼らはトレーナーを指導するためのコーチ免許を取得しており、当然その実力・信頼性も高い。

彼らは初めにトレーナーの家族との契約を結び、子供を自分達の許へ置く期間を決定する。

つまり一時的にトレーナー達は彼らの子供も同然なのだ。そして彼らが育て上げた子供達が名を上げると、大きな金が動く。


「島巡り屋」はスポンサーとしての役割も担っており、育てたトレーナー達をメディアに大々的に売り出しては高額な収入を得る。

こうして契約期間中に得た収入の2割を契約金として受け取り、残りの8割を家族へ送り彼らの仕事はひと通り終了。

この後「島巡り屋」は次の客となる家族を見つけるのだ。



しかし同時に、「島巡り屋」を名乗る悪質な犯行もこの頃から蔓延し始めていた。

今回のスカル団員のような連中の仕業である。

免許も取得していない業者が子供達を誘拐し、誘拐した子供をすぐさま強制的に「島巡り」へと送り出すのだ。

家族には脅しなどの口封じをし、自分達は子供を保護しているという名目で世間を騙し、無理やり「島巡り」に参加させる。

キャプテンも「しまキング」も、誰も真実を知らないまま……


当然利益は全額自分達のもの。家族に渡すはずの8割は子供を人質にとり、身代金として自分の懐に入れてしまう。

そうして身代金を支払った家族の待つ家へと子供を帰し、一銭も渡さぬまま業者はそそくさと退散するのだ。

非道いものでは、帰した子供を親の眼の前で殺すケースもある。


家族と利益を分け合う「島巡り屋」を装った誘拐犯且つ詐欺師。

こうしたこともあってか善良な「島巡り屋」も信頼を無くしてゆき、このアローラのビジネスは崩壊を喫したのだ……



サトシがスカル団員に追いつくことがなければ、ムーマは彼らにとっての金の成る木になっていたことだろう。

サトシが団員との勝負に敗れていれば……


最悪の場合を考えることは恐ろしいことだが、起こりうる可能性がある限りそれは決して避けてはならないものなのだ。
 ▼ 141 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/09 00:33:43 ID:7.oGE68k [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「『島巡り』をそんな風に扱う奴らがいたなんて……カキもそれを知ってるのかな」

ククイ「知ってるさ。まぁ、ハッキリ言ってカプ・コケコをはじめとするアローラの守り神やお前達トレーナー対する冒涜だな」

ムーマ「おにーちゃん……」

サトシ「…………」

ククイ「あんまり抱え込むなよ!さっ、オレは校長に連絡しておくから、用が済んだらゆっくり帰ろうぜ」

サトシ「……はい」


スカル団のボス・グズマは島巡りの文化を嫌っていた。故に彼の下では島巡り屋を悪の手段にする団員はいない。

今回の団員はそれを知っていて、計画を完全な秘密事項にしていたのだという。

帰り道、スキップと小躍りをするムーマの右手を握るサトシの顔は、まだ曇っていた。
 ▼ 142 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/09 00:34:56 ID:7.oGE68k [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次のおはなし(来週更新予定)



第5話(全15話)   「ポケモンマスターとアローラの炎」
 ▼ 143 ルビル@アイスメモリ 17/08/10 23:52:11 ID:cWPciigA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お、どういう意味だ……?(ポケモンマスターが、サトシとどう関わるかだな…)
 ▼ 144 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:16:33 ID:CvY0uh2. [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ポケモンスクール-------


スイレン「ど、どうしよう……ムーマちゃんだってまだ戻って来ないのに……」

リーリエ「とりあえずサトシには話しましょう。すごく……嫌な予感はしますけど」


サトシ「ただいま!」

マーマネ「! 帰って来た!」

ククイ「心配かけたな。ムーマは無事にサトシの活躍で取り戻すことができた」

スイレン「よかった……」

サトシ「ごめんリーリエ。お前の言ってくれたこと、オレはなんにも理解できてなかったんだ……」

リーリエ「もういいんです。それよりも……」


サトシ「カキとマオが早退した!?」

リーリエ「えぇ。カキは随分サトシに怒っていました。また彼はあなたのことを責任を果たせない人だと……」

リーリエ「それで周りにも当たり散らしました。余りにも行き過ぎた言葉にマオも怒ってそこから喧嘩に……」

スイレン「その後校長が止めるのも聞かずに二人共出て行っちゃった」

ククイ「何てこった……」

サトシ「……」

ムーマ「おにーちゃん……わたしのせいだ。わたしが迷子になったからマお姉ちゃんたちはケンカしたんだよね!?」

スイレン「む、ムーマちゃんのせいじゃない!カキが頑固で不器用だから早まっちゃっただけで……」


ククイ「ふむ。ここは教師として、二人の家に行って事情を聞くしかないな」

リーリエ「でしたら先生、まずはマオのところへ行ってあげてください」

ククイ「何だ?カキではダメなのか?」

リーリエ「カキのところへは……サトシ、貴方が行ってください」

サトシ「お、オレ!?」

リーリエ「カキからの伝言です。ムーマちゃんを連れて、博士のペリッパーで牧場まで来い、と……」

サトシ「そっか……」

ククイ「カキの奴め、何を考えてるんだ……どうするサトシ?オレがちょっくら説教しに行ってやってもいいが……」

サトシ「……いえ、行かせてください!」

マーマネ「サトシ、大丈夫なの?」

サトシ「それはカキ次第だ。でもここで行かないとカキと合わせる顔が無くなる……」

ムーマ「…………」
 ▼ 145 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:17:49 ID:CvY0uh2. [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------校庭-------


ペリッパー「ぽっぺっぷっぱ〜♪」

ククイ「……本当にいいんだな?」

サトシ「はい!」

リーリエ「サトシ、どうかお願いします。またもう一度、楽しいポケモンスクールに戻ってほしいから……」

リーリエ「二人が喧嘩を始めた時の私達はただ見てることしかできなかった……もう貴方しか……」

サトシ「いいんだこれで。それにカキとは……いつかこうなるだろうとは思ってたし」

スイレン「今から思ってもカキは言い過ぎた。今の彼は何も大事にしていない」

サトシ「そんなことないよ。カキはオレの為に今でも怒ってくれてるんだ」

サトシ「博士、やっぱりこの一件はオレのせいです。オレがケジメをつけてきます!」

ククイ「何度も言うように無理はするな。オレ達はいつでもお前を助けに行ってやる!」

サトシ「ありがとうございます! 行こう。ピカチュウ、ムーマ」

ピカチュウ「ピカァ!」

ムーマ「……うん!」


サトシ「行くぞ!アーカラ島・ポケモン牧場のある丘へ!!」
 ▼ 146 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:18:58 ID:CvY0uh2. [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------カキ家-------


カキ「……」ゴシゴシ

ドロバンコ「ヒヒ〜ン、バヒ〜ン」ゴクラク♪

アマラ「カキ、仕事熱心なのは嬉しいけど、何か母さん達に隠してるんじゃないのかい?」

カキ「言ったろ。今日は4限目の先生が風邪で来れなくなって授業が休みになったって」

アマラ「そうだけども……何だか妙だね。この後もサトシ君と遊びに行くなんて言いだして」

アマラ「わざわざこんな遠い所まで呼び出して、二人で一体何をしようってんだい?」

カキ「何でもないから放っておいてくれよ」


シブ「カキ、サトシ君が来てくれたぞ」

カキ「あぁ……リビングに居るよう言っといてくれ」

----------------------------------------------

サトシ「…………」

ムーマ「おにーちゃんは悪くない。悪くないよ?」

サトシ「ありがとうなムーマ。オレは大丈夫さ」

ピカチュウ「ピカァ……」

ガラガラガラ……

ホシ「さ、サトシさん。アローラ……その……ムーマちゃんをこっちに……」

サトシ「あぁそれがいい。今からオレはたっぷり叱られるんだ。ムーマをここに居させるわけにはいかない」

ムーマ「おにーちゃん!」

サトシ「ホシちゃんと遊んでおいで。きっと長くなるから」

ホシ「し、失礼します!ムーマちゃん、行こう?」

ムーマ「……」
 ▼ 147 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:27:00 ID:CvY0uh2. [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガラッ

カキ「…………」

サトシ「カキ、その……」

カキ「言いたいことは色々あるが、ここでの話は手短に終わらせるぞ」

サトシ「えっ、どういう……」

カキ「サトシ、まずはお疲れ様だ。よくムーマを探し出してきたもんだ。その分迷惑もたくさんかけただろうがな」

カキ「……だがお前は甘かった。リーリエの忠告も、スイレンの助言も、お前にとってはドロバンコの耳に念仏」

カキ「兄としての責任を放棄するってのは、無意識にできることじゃない。わかるか?サトシ」

サトシ「な、何だよそれ。オレがそれを知ってて責任を投げたって言いたいのか?」

カキ「ムーマを安全でない場所に置いといたのはどこの誰だ?……結局お前は何もわかっちゃいなかったんだ」

サトシ「そ、そんなこと……今日はこんなことになったけど、オレはもう二度と……」

カキ「ほう、お前にはムーマの代わりがいくらでもいると」

サトシ「そんなこと言ってねえだろ!だから、今日の失敗を反省して、生かして、オレはまた……」

カキ「だからお前は甘いと言ってるんだ!!妹を守るのに失敗が許されるとでも思ってるのか!!」

カキ「妹に『次』なんか無いんだぞ!失敗したら取り返しのつかないことなんて山程あるんだ!」

サトシ「う……」


カキ「まぁ、失敗から学びやりなおすことに慣れてしまったお前には荷が重すぎたのかもな」

カキ「『ポケモンマスター』なんて曖昧な夢擬きで己のだらしなさをごまかしているお前にはな」

サトシ「!!!」


カキ「まったく……どこの誰がムーマをサトシの妹にしてしまったんだ……」

サトシ「おいカキ。何なんだよ今の言葉」

カキ「?……珍しいな。お前が怒るなんて」

サトシ「オレは……自分を騙すために『ポケモンマスター』の夢を掲げてきたわけじゃない!」

サトシ「今までの旅が失敗だなんて思ったこともない。ポケモンマスターってのは……」

カキ「じゃあ何だ!叶うハズのない夢を追いかけて、一生夢ごこちな世界に生きるためか!?」

サトシ「ち、違う!オレの夢は叶えなきゃいけないもの……」

カキ「サトシ、今のお前にはムーマがいる。今あるものを守る気も無しに、夢なんか掴めるものか!!」

サトシ「でも、オレはムーマを手放そうと思ったことはない!」

カキ「いや、いつかその時が来るさ。自分に甘々なお前にはいつの日かムーマが邪魔になる」

サトシ「……てめぇ……」
 ▼ 148 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:29:58 ID:CvY0uh2. [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夢、覚悟、プライド、信念……色々なものを傷つけられたサトシの拳が固まり、震える。

怖かったのだ。蕾がいつか花開くように叶うと信じていたサトシの夢

その夢を追う長い長い旅の中での度重なる敗北への慣れが、ムーマを守る自分の覚悟を弱めているかもしれないということが。

終わりのない挑戦が自分を堕落させてしまっているかもしれないということが。


カキ「続きは外でやろう。できるだけ遠くに、誰の目にもつかない場所で」

サトシ「……?」

カキ「オレの言った事に対してそこまで感情的になるのなら、せめてお前の『夢』に対する覚悟だけでも確かめさせてくれ」

サトシ「カキ……」

カキ「オレも『兄』だ。厳しくかつ寛大であるべき人間だ。お前がそれなりの答えを出してくれたらオレも考え直してやる」

-------------------------------------------

カキ「じゃあ父さん、行ってくる」

シブ「あ、あぁ。行ってらっしゃい」

サトシ「……」


ホシ「……出てったね。追いかける?」

ムーマ「うん」

ホシ「ゴメンね。折角ウチに来てもらったのに。お兄ちゃんは……お爺さんに似て頑固なところがあるらしいから」

ムーマ「わたしにできること……何かないかな」

ホシ「サトシさんには悪いけど、今はそっと見守ってあげて。ほら、気付かれないようにこっそりついていこう」

ムーマ「うん」
 ▼ 149 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:31:31 ID:CvY0uh2. [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホシ「……フフッ」

ムーマ「ホシちゃん?」

ホシ「私もサトシさんみたいな人がお兄ちゃんだったら、もっと……ムーマちゃんみたいにいっぱい甘えられるのかなって」

ホシ「妹ってのも気を遣うんだよ?特に過保護な兄を持つと……まぁ今のお兄ちゃんでも十分幸せだけど」

ムーマ「うん!わたしもしあわせ!」

ホシ/ムーマ「「うふふ……」」


ホシ「さぁて、じゃあ追いかけようか」

ムーマ「行こう!早くしないとおにーちゃんたち見失っちゃうよ!」ダッ

ホシ「あぁあぁ、そっちじゃないでしょムーマちゃん!そっちは町の方!」

ムーマ「はにゃ?」

ホシ「お兄ちゃん達は荒地の方に行ったよ。さっき出て行くの見たでしょ?」

ムーマ「あぁ……そうだった」

アマラ「何だ、アンタらも行くのかい?」

ホシ「ひぃっ!?あ、焦ったー……」

アマラ「アタシは止めないよ。ホシ、アンタはしっかり者だからね。どうかカキを止めてきてくれないかい?」

アマラ「あんのバカ息子はアンタの言う事だけは聞くからさ」

ホシ「う、うん!行ってきます!」

ムーマ「いってきまーす!」


アマラ「よしっ、じゃあアタシ達はご飯でも作ってあの子達を待つとしましょうかねぃ」

シブ「まったく、カキの頑固っぷりには手を焼いてばかりだ……」

アマラ「爺さんに似たんだろうね。あの人はカキに色々教えすぎたんだ……」
 ▼ 150 ノムッチ@バクーダナイト 17/08/14 19:33:51 ID:ESigLicw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
ちょくちょく貼られる画像が、なんていうか楽しい
 ▼ 151 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:37:34 ID:CvY0uh2. [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------アーカラ島 とある荒地-------


カキ「……さて、この辺でいいか」

サトシ「なぁカキ、今から何を……」

カキ「サトシ。お前は二度とムーマを危険な目に遭わせないと誓ったな」

カキ「……それは、『兄』としての責任を今後一切手放さないという覚悟の意味があるんだろう?」

サトシ「! わかってくれるのか!?」

カキ「だが……口だけなら容易い。口だけなら、いくらでも誤魔化しが効く」

カキ「そこで、オレ達の方法でお前の覚悟を試そうと思う」

サトシ「? オレ達の?」

カキ「お前の夢が自分の弱さを隠すものでないとしたら、その証拠をオレに見せてみろ」

サトシ「証拠?それって……」

カキ「お前が本気で『ポケモンマスター』を目指してるんなら……当然あるだろう?覚悟に見合う強さが」

サトシ「!! ……あぁ。あるぜ」

カキ「……そうか」










                       だったら見せてみろ!

                   本気のオレに勝って、夢への覚悟を示せ!

                  兄としての覚悟を示せ!『ポケモンマスター』!!





                        そうこなくっちゃ……

                  そこまで言われちゃ敗けるわけにはいかないな!

       今までの旅が無駄じゃないってことを証明する為にゼンリョクで戦うぞ!『アローラの炎』!!
 ▼ 152 ギアル@サメハダナイト 17/08/14 21:31:26 ID:QAGoADYg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 153 ンパン@でかいきんのたま 17/08/14 21:56:20 ID:u3d1GiuE NGネーム登録 NGID登録 報告
どうなる!?
支援
 ▼ 154 ガギャラドス@いわのジュエル 17/08/15 00:53:44 ID:.W0Bq41E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
熱いな
支援
 ▼ 155 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 18:51:15 ID:u8/sqsIc [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ピカチュウ!キミにきめた!」

ピカチュウ「ピッカァ!」


カキ「いけっ、バクガメス!」

バクガメス「……」

カキ「オレなら大丈夫だ。お前は思いっきり戦え。迷うな……お前達が応えてくれなかったら、オレは誰を信じればいい?」

バクガメス「ガメッ!」



サトシ「ピカチュウ!まずは『でんこうせっか』で突っ込んでけ!」

ピカチュウ「ピカピカピカ……!」

カキ「バクガメス!『かえんほうしゃ』で地面を焼き尽くせ!」

バクガメス「ガァァァァ……!!」


ピカチュウ「ピカッ!?」キキッ

サトシ「火の海をつくりやがった!これじゃ足場が殆ど無いぞ……」

カキ「オレは本気だ。『アローラの炎』になるには、勝つべきバトルには決して敗けてはならない」

サトシ「……上等だ。跳べ!ピカチュウ!」

ピカチュウ「チャアアアア!!」バッ


カキ「空も飛べないピカチュウが空中戦か!恰好の的だぜ。バクガメス、やれ!」

サトシ「単にジャンプしただけと思うなよ!ピカチュウはただ足場がほしいだけさ!」


ピタッ

バクガメス「?」キョロキョロ

ピカチュウ「ピカ……」コソコソ

カキ「……背中に跳び移ったのか。何をするのかわからんが攻撃が当たらないのは厄介だな。バクガメス、振り落と……」

サトシ「そのまま離れるなピカチュウ!『10まんボルト』!!」

カキ「!?」

ピカチュウ「ピー……カー……」


ピカチュウ「ヂ ュ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ! !」
 ▼ 156 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 18:55:37 ID:u8/sqsIc [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクガメス「ガァ……ァ!」ブォォン ブォォン

カキ「バクガメス!早く振り払え!」

サトシ「無駄だ!ピカチュウの根性は伝説のポケモンにだって簡単に折ることはできないんだ!」


ピカチュウ「ヂュウウウ……!!」

サトシ「そのまま圧し切れ!ピカチュウーー!!」

カキ「相変わらずバトルになると熱いな、サトシ。……ポケモンバトルはトレーナーの心をも繋ぐ」

カキ「だからこそポケモンバトルはお前にオレの心を伝えるのに最も適していると思ってた。だからこの方法を選んだんだ!」


サトシ「カキ!お前とバクガメスの実力はこんなもんじゃないだろ!?」

カキ「当たり前だ……バクガメス!甲羅に引っ込め!」

バクガメス「ガメーェス!」シュッ

サトシ「なっ……!? 振り払うのをやめた!?」

サトシ「どういうつもりだカキ!これじゃあ一方的に受け続けるだけだぞ!?」

カキ「バクガメス、背中から『かえんほうしゃ』だ!!」

サトシ/ピカチュウ「「!!?」」


ドバァァァァァァ……!!


ピカチュウ「ピカァーー……!」

サトシ「しまった!ピカチュウーーー!」

カキ「油断したなサトシ……さて、吹き飛ばされたピカチュウは甲羅から離れて宙を舞い、どこに落ちる?」


ジュッ……!


ピカチュウ「ギャァ……ァァ!!」

サトシ「あぁっ!!さっきの火の中に!」

カキ「火の海はこれまたバクガメスの『かえんほうしゃ』!今度はお前のピカチュウがオレ達の攻撃に耐える番だ!」
 ▼ 157 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 18:57:42 ID:u8/sqsIc [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
燃え盛る炎は絡み付く糸のようにピカチュウの体を包み、焦がそうとする。

己に厳しく、相手にも容赦をしないカキの心が具現化したかのような業火のフィールドにサトシ達は苦しめられる。


カキ「今更足場のある場所へ移っても無駄だ!ピカチュウに食らいついた炎は獲物を離さない猛獣の牙だ!」

ピカチュウ「ピ……ピカ……」メラメラ

サトシ「ピカチュウ!何とかして火を消すんだ!……くそっ、どうすればいい……?」

カキ「甲羅のないピカチュウには一度食らいついた炎を振り払う手段はない!バクガメス、畳みかけるぞ!」

バクガメス「ガメェ……」

カキ「ピカチュウに狙いを定めろ!『かえんほうしゃ』!!」


サトシ「ピカチュウ!バクガメスに向かって『でんこうせっか』だ!!」

ピカチュウ「!? ……ピカッ!」ダッ!


カキ「血迷ったかサトシ!今まさに攻撃をせんとする相手に向かって何の考えも無しに突っ込むなんて……」

サトシ「考えが無いわけじゃないさ!ピカチュウ、まだだ……まだ一直線に進めぇぇ!!」

カキ「突進しながら『かえんほうしゃ』を耐え抜いて突破するというのか?」

カキ「火の点いたままのピカチュウがどうやってこの攻撃を耐えられる!?」

バクガメス「バクァァァ……」ゴゴゴゴゴ

カキ「『かえんほうしゃ』、発射!!」

サトシ「今だピカチュウ!地面を蹴って右に急カーブ!」

カキ「!?」

ピカチュウ「ピカッ!!」カクンッ

ボォォォォォ……

カキ「スレスレで避けたか……少しピカチュウの反射神経と機動性を侮っていたか」

サトシ「まだだ!ピカチュウ、今度は左にカーブ!ある程度走ったらまた右へ!」

ピカチュウ「ピカァ!」ダダダダ

カキ「……またバクガメスの方に戻ってきた……一体何を考えてるんだ?」


サトシ「加速しろ!ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカァァァァ!」ギュオンッ!

カキ「! 来るぞバクガメス、受け止めろ!」

バクガメス「ガメェェェェ!!」
 ▼ 158 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 19:00:07 ID:u8/sqsIc [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ス カ ッ … …


バクガメス「……?」

カキ「素通りした……だと?」

サトシ「まだだ!まだ止まるなピカチュウ!動き続けろ!」

ピカチュウ「ピィカピカピカピカ!!」ダダダダダダ


その後もピカチュウはカーブと加速を繰り返し、バクガメスを囲むように複雑な軌道を描きながら縦横無尽に駆け巡る。

『でんこうせっか』の前に技も当てられず翻弄されるカキ達。しかし、これがサトシの作戦だったのだ……


ギ ュ オ オ オ オ オ オ オ … … … … !


カキ「何てスピードだ……!だが焦るなバクガメス。あれだけ動けばいずれ速度も落ちる!その隙を狙うんだ!」

サトシ「いや、落ちないさ。この一撃を決めるまではな!ピカチュウ、もっともっと加速だ!!」


風をも切り裂くピカチュウの加速エンジンはもはやレッドゾーン。

ピカチュウの一撃が炸裂する前に、カキはフィールドに起こり始めている異変に気付く。


カキ「!!」

カキ「加速の風圧で炎のフィールドが消えていく……!サトシ、まさかこれが狙いか!?」

サトシ「それもあるけど、オレの作戦はもう二つあるぜ!」

カキ「もう二つ……? そうか!火達磨になったピカチュウの火を消すために……」

サトシ「そう!そしてもう一つは……」

カキ「バクガメス!『からを……」

サトシ「遅い!ピカチュウ、バクガメスにゼンリョクの『エレキボール』だァァァァ!!」

サトシ「ピカチュウに火が点かなかったら思いつかなかった。この勝負もらったぜ!」

ピカチュウ「ピッカアアアアア!!」

カキ「バクガメス!受け止めろ!!」



ズ ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン ! ! !
 ▼ 159 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 19:04:30 ID:u8/sqsIc [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
爆音が地を揺らし、土煙を巻き上げる。

立ち込める煙からただ一匹抜け出てきたピカチュウはサトシのもとへ駆け寄ってきた。


サトシ「やったなピカチュウ!」

ピカチュウ「ピ……ピカ……」

サトシ「大分疲れてるみたいだな。でも残念……まだ終わらないみたいだぜ」


煙が晴れると、どっしりと構えた小さな火山が姿を現した。

バクガメスは甲羅で「エレキボール」のダメージを受け止めていたのだ。


カキ「『エレキボール』……相手よりも自分が速ければ速いほど強くなる特殊な技……」

カキ「加速を繰り返していたのは『エレキボール』の威力を高めるためだったのか」

サトシ「あぁ。それに速く動けば避けられないだろうと思ったんだけど……」

カキ「そこでオレはピカチュウの速さに追いつこうとした。だが咄嗟に防御しておいて正解だったぜ」

カキ「……だが、甲羅のあるバクガメスでなけりゃどうなっていたか……」

カキ「フィールドも元通り。これで振り出しに戻ったな」

サトシ「……へへ」

カキ「何がおかしい?」

サトシ「やっぱりだ。前から薄々感じてたんだ……カキはオレの、アローラでの最高のライバルになるだろうなって」

カキ「はぁ?」

サトシ「もしアローラにもポケモンリーグがあって、オレがまた旅に出るとすれば……きっとそれは……」

カキ「何を呑気なことを!」

カキ「これはお前の覚悟を確かめるためのバトルだ。オレはお前が越えるべき壁なんだぞ?」

カキ「お前が覚悟を示さない以上、オレはそうしてお前と馴れ合うつもりはない!」

サトシ「そうかよ。だったら……オレが勝ってやる!オレが勝って……」

サトシ「オレがお前の越えるべき壁になる!オレはお前みたいなことはしない。だからそれでライバル同士にもなれる!」

カキ「ふざけるな!『アローラの炎』になるために……オレも覚悟を背負ってやってんだ!!」

サトシ「もう終わりそうだけど、いいバトルにしようぜ!カキ!」

カキ「……!」

カキ「…………フフ」


カキ「……あぁ。いくぞ、サトシ!」

サトシ「! あぁ……そうこなくっちゃ!オレ達は絶対勝つぞ!カキ!」
 ▼ 160 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 19:07:35 ID:u8/sqsIc [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「バクガメス、『からをやぶる』!!」

バクガメス「ガァァァァァ!!」

カキ「終わりそうだと言ったな。それはつまりお前がオレ達『アローラの炎』に敗けるということか?」

サトシ「……言ってくれるじゃないか。今のオレは考えないぞ!敗けることなんて!」

ピカチュウ「ピィ……」

サトシ「いくぜ!!」



炎が燃えて 風が舞い 鳴き声轟くバトルは、ここに来てさらに激しさを増す。



サトシ「ピカチュウ、『アイアンテール』!」

ピカチュウ「チュァァァ……!」

カキ「バクガメス、甲羅で防げ!」


ガキィィィィ……ン!


カキ「バクガメスの甲羅は打撃に反応して爆発を起こす!『トラップ……」

サトシ「『エレキボール』! その勢いで甲羅から離れろ!」

ピカチュウ「ピカッ!」


ボ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … … ン ! !


カキ「くそっ、逃れたか……!」

サトシ「やっぱあの甲羅が厄介だな……正面から攻撃して、かつ防御する暇を与えないのは難しいぞ……」



サトシはカキとバクガメスの意表をつく戦法を次々と編み出しては、にっと口元を緩め、バトルに心躍らせる。

サトシに「ポケモンマスター」になる覚悟、ムーマと共にいる覚悟があるのかを見定めようとしていたカキも、

いつの間にか己のプライドを賭けてバトルに臨んでいた。

揺るがない、頑ななカキの心の火柱に風が吹き込み、大きく揺らす。
 ▼ 161 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:27:53 ID:u8/sqsIc [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ピカチュウ!『10まんボルト』!!」

カキ「バクガメス、『かえんほうしゃ』で押し込め!」


ガ ガ ガ ガ ガ ガ … … ! !
 ガ ガ ガ ガ ガ ガ … … ! !


サトシ「技の撃ち合い……オレ達が今まで何度やってきたと思ってんだ!圧し切れ!ピカチュウ!!」


ピカチュウ「ヂャアアアアアアアアア!!!」


カキ「な、何!?」

サトシ「いっけえええええ!!」



ポケモンもトレーナーも、既に満身創痍。アーカラ島を揺るがす二人の少年の戦いはついに限界を超える。



サトシ「ピカチュウ!『エレキボール』!!」


カキ「迎え撃て!『かえんほうしゃ』!!」



                    ボ
                     
                      ォ
                      
                        ォ
                       
                          ォ
                        
                        ォ
                       
                      ォ
                      
                    ォ
                     
                      !
                    
                        !
 ▼ 162 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:28:35 ID:u8/sqsIc [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ピカチュウ!『でんこうせっか』!」


カキ「今度は弾き返せ!バクガメス、『ドラゴンテール』!!」



                          ザ
       シャ
ア                                 ア
            ア                ア
                 ッ
       !                        !           !




サトシ「ピカチュウ! 『アイアンテール』!!」


カキ「……『トラップシェル』!!」



                 バ
       ガ                  ア

             ア      
 ア
           ア           
 ア
                         ア
 ア
ア      ア 
            ン        !  !
 ▼ 163 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:30:51 ID:u8/sqsIc [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
              『エレキボール』!!

『かえんほうしゃ』!!

               
    『アイアンテール』!! 


                             『ドラゴンテール』!!




「もう一度炎のフィールドを展開してやる!」

「させるか!『でんこうせっか』!」

「かわせ! ピカチュウの背後を取って『ドラゴンテール』!」

「……! 切り返せ!『エレキボール』だ!」

「避けろ!」

「逃がすな!『アイアンテール』!!」

「甲羅で防げ!!」

             ガ ッ … … !

                       「しまった!トゲが……」

「発動だ!『トラップ……」

                       「振り払え!」

「シ ェ ル 』 !!」



                        キ
            ャ
                                オ
               オ
                                       オ
                                                 ァ
                                    ァ
ア 
         ア
                               ア
                ア
                                      ア
                                       ァ
                        ァ
                                       ン
            !
                                                !
                                     !
 ▼ 164 ンドラー@ボーマンダナイト 17/08/15 22:31:40 ID:lAj0ENAY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カウンターシールド使うの期待してる……
 ▼ 165 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:34:24 ID:u8/sqsIc [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ピカチュウ!最後に『10まんボルト』!!」


「ピー……カー……   ヂ 
                ュ
                              ア 
                      ア 
                             ア 
                 ア 
                       ア 
            ア 
                              ! 
                ! 
                       !

「バクガメス!『かえんほうしゃ』!!」


「ガメェ……!  ヴ 
             ェ
          オ
           オ
              オ
                    オ
                             オ
                                 オ
                       オ
              !
            !
                      !
 ▼ 166 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:43:04 ID:u8/sqsIc [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-----------------------------
-----------------------------------------
-------------------------------------------------

サトシ「ハァ……ハァ……」

カキ「ハァ……サトシ、よくここまでついてこれたな。……お前のポケモンマスターを目指す覚悟、オレは認めるぜ」

サトシ「ほ、本当か!?」

カキ「だが!まだやらなければならないことが残ってるハズだ」

サトシ「あぁ……郷に入っては郷ひろみって言うしな」

カキ「それを言うなら郷に従えだ。……お前はカプ・コケコに選ばれた。守り神からの贈り物を使わないわけにはいくまい」

         …           …           …          …

サトシ「アレを使うってことはもう終わりでいいんだな?」

カキ「あぁ。お前なら大きなものも、小さなものも守ることができると確信したからな」

カキ「最も……それはお前自身が一番良くわかってる。だからさっきオレに怒ったんだろう?」

サトシ「へへ……まぁそうかな」


サトシ「ピカチュウ、まだ動けるな?最後の最後まで……そしてこれからもずっとついてきてくれよ!」

ピカチュウ「ピカッ!」


カキ「バクガメス、巻き込んでしまって悪かったな。だがお前じゃないとダメだったんだ。ここまで熱いバトルをするなら!」

バクガメス「ガメェェ!」


サトシ「さぁカキ……これがオレ達のゼンリョクだ!!」


「ポケモンマスター」と「アローラの炎」。二人の覚悟は……本物だった。




サトシ「『スパーキング……                           カキ「『ダイナミック……
 ▼ 167 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:44:39 ID:u8/sqsIc [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告






                   ギ                   フ



                   ガ                   ル



                   ボ                   フ



                   ル                   レ



                   ト                   ェ



                   ォ                   ェ



                   ォ                   ェ



                   ォ                   ェ



                   ォ                   ェ



                   ォ                   イ



                   ォ                   ム




                ! ! ! !             ! ! ! !







 ▼ 168 ルット@ひみつのコハク 17/08/15 22:45:36 ID:lAj0ENAY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スゲェ……
 ▼ 169 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:25:38 ID:A2l4KwSk [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





.






















 ▼ 170 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:27:07 ID:A2l4KwSk [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクガメス「ガォ゛……」

ピカチュウ「ピ……カ……」プルプル



                       ズ    ン   !



バクガメス「」


ピカチュウ「ハァ……ハァ……ピ、ピカーーーーーーーー!!」


サトシ「やった……ピカチュウ!勝ったぞ!ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカー!」

サトシ「よかった……!ホントによかった!さすがポケモンマスターのポケモンだぜ!」


バクガメス「ガメェ……」

カキ「すまないなバクガメス。オレがもっとお前に応えてやれば……」

バクガメス「ガメ!」

カキ「……バクガメス、何故だろうな。敗けたのにすごく清々しいよ」

カキ「この感じ……サトシが怒った理由、もう一つわかった気がする」


ムーマ「おにーちゃーーーん!!」

ホシ「もうお兄ちゃんたらまた勝手なことをして!」

サトシ「ムーマ!ホシちゃん!……まさか、ずっと見てたのか?」

ムーマ「うん……」ポロポロ

サトシ「えっ、何で泣い……」

ムーマ「いいの。よかった……わたしがここに来たとき、おにーちゃん笑ってたから……」
 ▼ 171 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:28:39 ID:A2l4KwSk [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホシ「お兄ちゃん、ちょっとお話」

カキ「え?」

ゴツッ!

カキ「いてっ!ホ、ホシ!?一体何を……まさか、お兄ちゃんのこと嫌いになっちゃったのか!?」

ホシ「違う!いいから聞け!」

ホシ「お兄ちゃんはさ、いっつもホシのこと考えてくれて、私が構ってほしい時はいつも相手してくれる。それはありがとう」

カキ「あ、あぁ……」

ホシ「でもね。いい?前々から思ってたけど、お兄ちゃんは『押しつけがましい』の!!」

カキ「なっ……!?それはサトシのことか?オレはな、サトシには責任を感じてほしくてだな……」

ホシ「だからって度を越したらそれは迷惑なの!め・い・わ・く!」

ホシ「聞けばマオさんとも喧嘩して、勝手な理由で早退して、サトシさんを呼び出して連れ出して……」

ホシ「サトシさんとムーマちゃんだけじゃなく、マオさん達にもスクールのみんなにもお父さんにもお母さんにも!」

ホシ「ピカチュウちゃんにもバクちゃんにも色んな人やポケモンに迷惑かけて!ちょっとは反省しなさい!」

カキ「ハイ……スンマセン」

ホシ「まずはその頑固な性格をどうにかしないとね。私がみっちり稽古をつけてやろうか?」

カキ「ホシが……稽古を? あぁ、それもなんか……いいな♪」ノホホーン

ホシ(救いようの無い兄貴め……)

ホシ「とにかく、明日にでもみんなに謝ってよね?大体お兄ちゃんは……」ガミガミ


サトシ「なんかカキ、すげぇ怒られてるな」

ムーマ「おにーちゃん、わたしは怒ってないよ」ニコニコ

サトシ「あぁ。巻き込んで悪かったな。可愛い可愛いオレの妹」スリスリ

ピカチュウ「チッ」

ムーマ「おにーちゃん、はじめにくらべてずいぶんわたしにかまってくれるようになったよね?」

サトシ「あぁ。カキの度重なるお説教のお陰でな」

サトシ「今日はさすがに反省したよ。兄貴になることってホント大変なんだな……」

ムーマ「そんなのいいよ。わたしはね、おにーちゃんがわたしを好きでいてくれるだけでいいの」

ムーマ「それで、わたしもずっとおにーちゃんを好きでいるよ。それがわたしたち妹のせきにんだもん!」

サトシ「ムーマ……」

ムーマ「おにーちゃん……」
 ▼ 172 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:31:24 ID:A2l4KwSk [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ピカピィ」ニッコリ

ムーマ「あっ、ピカチュウ!何か言いたいことあるの?」

サトシ「ピカチュウも今日は疲れただろう?帰ったらゆっくり休もうな」

ピカチュウ「ピカピカチュウ」ニコニコ

ムーマ「……ふむふむ。えっ?『もうキレていいかな?』って?」

サトシ「あっ」


ピカチュウ「ヂ ュ ウ ウ ウ ウ !!」バリバリバリ

ムーマ「うぎぎぎぎゃぎゃん!!」

サトシ「何だ元気じゃないか」

サトシ「コラ、やめろピカチュウ!男の嫉妬は見苦しいってスイレンも言ってたろ?」

ピカチュウ「ヂャアアアア!!」バリバリバリ

ムーマ「ちょっちょっ、もういいでしょ!?体がじんじんてきたよぉぉぉ!!」

ピカチュウ「ビガビガビガビガ!!」ババババババ

ムーマ「あ゛っあ゛っ/// いだい!でも゛もっど!!も゛っどぉぉぉぉ///」

サトシ「さてはこの2週間半ずっと耐えてやがったなコイツ」

----------------------------------------

ピカチュウ「ハァ……ハァ……」


サトシ「大丈夫かムーマ?」

ムーマ「ごめんな゛ざい……もうイチャイチャしない……」ビリビリ

サトシ「あはは、オレ達ももう少し場を弁えような!もうじきデートもあることだし」

サトシ「あっそうだ。カキー!デートの件だけど……」

カキ「あぁ、3日後の予定だったな。もちろん予定通りやるぞ」

ムーマ「3日後!?うわぁー!もうそんなに経ったんだね!」

サトシ「まだ何も教えてくれないのか?」

カキ「まだだ。心配しなくともお前は特別な準備をする必要がないから楽しみに待ってるんだな」

サトシ「ふーん……」
 ▼ 173 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:35:23 ID:A2l4KwSk [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホシ「さぁお兄さん組!一件落着したところで早く帰りましょう!」

カキ「あぁ」

サトシ「よーし、帰るぞムーマ」

ムーマ「うん!」テクテク

サトシ「おいおい、そっちは町の方だぞ?家は丘に向かって真っ直ぐだ」

ムーマ「えへへ、なんか自然と足が……」

カキ「よっぽどデートが待ち遠しいようだな」

サトシ「えっ?」

カキ「しまった……まぁ、今のはヒントとして受け取ってくれ」


シブ「あっ、帰って来た!」

ホシ「ただいまー!」

ムーマ「おなかすいたー」

サトシ「オレもー……」

ピカチュウ「ペカ〜……」

アマラ「よしよし、じゃあ今日はこっちでご飯食べて行きな」

サトシ/ムーマ「「あんがとござーますっ!」」

アマラ「カキ、アンタもう大概にしなよ?人にはそれぞれ自分の考えってモンがあるんだから」

カキ「ごめん母さん……オレは認めたく無かったんだ。オレが心がけてることと正反対のことをしているサトシが……」

アマラ「アンタの友達ならそのくらい受け入れてやりなさい。思想そのものには良しも悪しもない。大事なのはその使い様さ」

アマラ「最も、正反対とはいえお互い惹かれあうものがあった。だからお前達は友達になったんだろう?」

カキ「さぁな。わからない……」
 ▼ 174 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:37:18 ID:A2l4KwSk [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「カキ!」

カキ「?」

サトシ「今日は色々あったけど……カキとのバトルは物凄い楽しかった!今度は覚悟とかなしにもっとノビノビやろうぜ!」

カキ「…………」


ムーマ「今度もおにーちゃんが勝つよ!ね?おにーちゃん」

ホシ「そうはいかないよ!また敗けないようにお兄ちゃんはわたしがしごいてあげるんだから!」

ムーマ「しごくって?」

ホシ「まぁ、ビシバシっとね」


カキ「……フッ……あぁ。またやろう!今度はもっと楽しい勝負にできるといいな」

サトシ「あぁ!」

ピカチュウ「ピカァ!」

バクガメス「ガメェー」


アマラ「さぁみんな、食前のお祈りの時間だよ!ヴェラ火山に向かって目を閉じて……」

ムーマ「おいのり?」

ホシ「食べ物は命をいただくってことなの。だからアローラの自然にお礼を言うんだよ」

ムーマ「おれい……わかった!……この世の全ての食材に感謝を込めて……」

サトシ「ムーマ、そりゃオレがこの前読んでた漫画のセリフだろ」

ムーマ「いただきます!」ガバッ

サトシ「コラー!フライングすんなー!」


ポケモンマスターとアローラの炎。二人の少年の心で照り続ける、夢の光・覚悟の灯火は消えることはない。

ヴェラは祝福する。サトシの覚悟。     ヴェラは見守る。カキの意志。
 ▼ 175 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:38:16 ID:A2l4KwSk [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌日、いつものようにポケモンスクールへやって来たサトシ。ムーマから目を離さずに真っ直ぐ校長室へ送り届ける。


サトシ「校庭で遊びたかったら校長に連れてってもらうんだぞ?」

ムーマ「うん!」


一方のカキは昨日の大喧嘩から、同じく早退したマオと和解する。


カキ「昨日はその……悪かったな」

マオ「あ、あたしもさ……博士に言われて色々考えたんだよね……うん。あたしも言い過ぎたよ。ゴメン」

マーマネ「あわわ、まだ何かギクシャクしてない?」

スイレン「大丈夫。二人のことだしきっとまたすぐにヨリを戻す」

リーリエ「またいつものスクールに戻るようでよかったです……本当に」


また何気ない日常が始まり、物語は相も変わらず続く。……そして遂に、この日がやってくる。


カキ「さて……準備は整った。プラン良し、天候良し……人員良し」

スイレン「ヒッ」
 ▼ 176 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:39:37 ID:A2l4KwSk [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第6話(全15話)   「はっちゃけろ!ついに来たデート当日」
 ▼ 177 ユルド@ライボルトナイト 17/08/16 19:50:22 ID:HUAn7cJA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
楽しみ
 ▼ 178 ラカッチ@まひなおし 17/08/16 20:21:56 ID:aP3PlXSI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あんたのバトル描写凄いわやっぱ
支援
 ▼ 179 ダカ◆EFC.zmnhr2 17/08/16 22:32:19 ID:Jywxajns NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマちゃん快感に目覚めてて草
支援
 ▼ 180 ィアルガ@きゅうこん 17/08/17 05:59:53 ID:bCstLaKM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>179
それなw

楽しみだな!……ヘイガニ?
 ▼ 181 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/17 23:10:20 ID:c6syzWv2 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「じゃあ博士!そろそろ行くよ」

ククイ「まずはスクールでカキと集合だったな。二人とも、気を付けて行けよ」

サトシ「ロトム、博士と一緒に留守番頼むぞ?」

ロトム「もはや何も言うまい」

ムーマ「いってきまーす!」



ロトム「博士、その荷物は何ロト?」

ククイ「ロトムすまないな。実はオレも急な用事ができちまって」

ロトム「はぁ!?」

ククイ「今日は一人で留守番お願いできるか?連れて行きたいのは山々なんだが……」

ロトム「ふ、ふざけんじゃねぇ……」

ククイ「心配せずとも今日中に帰るさ」

ロトム「早めに帰るみたいな言い方しても騙されないぞ。今まで日帰りじゃなかったことなんて殆ど無いロト!」

ククイ「すまない!ホントすまない。だが……白いマットのジャングルに、今日も嵐が吹き荒れる」

ロトム「はァ!?」

----------------------------------------

-------ポケモンスクール-------


サトシ「カキーー!」

カキ「来たな。そんじゃ、早速アーカラ島へGOだ」

リザードン「ヴヴッ」

ムーマ「赤いお兄ちゃん、結局わたしたちはどこに行けばいいの?」

カキ「そうだな。じゃあ二人とも、これからリザードンに乗りながらプランを説明するぞ」

サトシ「もう出発するのか?」

カキ「デートの時間が惜しくないのか?」

サトシ「別にそんな慌てなくても……」

ムーマ「はいはいはい!一秒でも時間がおしーい!」

カキ「……だそうだ」

サトシ「ほいほい……」

カキ「リザードン!今朝言った場所まで飛んでくれ!」

リザードン「ヴォォォ!」
 ▼ 182 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/17 23:13:30 ID:c6syzWv2 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------メレメレ島→アーカラ島-------


ムーマ「うーみーはーひろいーなーおーきーーなー♪」

カキ「そのとおりー♪ここはうみのうえだーよー♪」

ムーマ「すてきーなーけしきーをーありがーとうー♪」

カキ「こーえーにございーますおじょうーさーまー♪」

サトシ「流行ってんのか?その歌というか、コントというか」

カキ「さて、これから二人に案内するのはアーカラ島の有名な『ロイヤルアベニュー』だ」

サトシ「ロイヤルアベニュー?それって楽しい所なのか?」

カキ「街と火山公園を結ぶ大通りになっているんだが、中央に聳える『ロイヤルドーム』には圧倒されること間違い無しだ」

サトシ「そんなデカい建物なのか?」

カキ「あぁ。周りの施設も寄り甲斐があってデートにはもってこいだ。ホラ、見えてきた」

サトシ「!?」

ムーマ「でかー!」

カキ「今からあそこで二人には楽しく過ごしてもらう。5時ごろになったら迎えにくるからな」

サトシ「あれホントに街じゃないのか!?すげぇ活気だ……」


カキ「サトシ、スイレンにもらったアドバイスは忘れてないよな?」ヒソヒソ

サトシ「あぁ、バッチリだ。オレだってもう立派な兄ちゃんだからな。オレからムーマのために……」ヒソヒソ

ムーマ「何話してるのー?聞こえなーい!」

カキ「期待してるぞ。ムーマを守るのはお前なんだから……って、もう言う必要もないか」

サトシ「へへっ」
 ▼ 183 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/17 23:18:32 ID:c6syzWv2 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「……ハッ!」ピキーン!

サトシ「な、何だ!?どうしたんだカキ?」

カキ「感じる……感じるぞ……オラすげぇ気を感じっぞ……」ガタガタ

サトシ「気!?気って何よ、ねぇ?」

カキ「サトシ、ムーマ……気をつけろよ。あの大通りには……ロイヤルアベニューには……」

カキ「今、 魔 王 が潜んでいる」

サトシ/ムーマ「「!?!?」」

カキ「オレには聞こえるんだ……闇の鼓動が……地獄の産声が……」

サトシ「ちょ、ちょっと待って急展開すぎるんだけど!?魔王って何さ!?」

カキ(真に受けてる!?アホなのか!?……いや、オレの演技がうまいのか?でも……面白いから続けよう)

カキ「すまない。結果的にお前達を危険な場所へ送り込むことになってしまった。許してくれ……」

サトシ「いや許すも何も……いや許さない!ぜーったい許さないぞ!何言ってっかわかんねぇからとりあえず説明しろコラ!」

ムーマ「ねぇ!どういうこと!?」

カキ「アーカラ島に伝わる伝説の魔王が仲間を引き連れてロイヤルアベニューを蹂躙しているんだ」

サトシ「魔王の話なんてライチさんこれっぽっちも教えてくれなかったぞ」

カキ「いるんだよ。アーカラ民のオレが保証する」

サトシ「そんな保証いらねぇ!嘘であってくれ!」

ムーマ「そんなトコ降りたくないよ!ねぇ帰ろうよ!」

サトシ「その魔王ってのは何だ……!?やっぱ悪いヤツなのか!?」

カキ「プッ」

サトシ「何笑ってんだ!!」

カキ「失礼……そうさ。極悪人だ。ソイツらは強そうなトレーナーを見つけてはいきなりバトルを仕掛けてくるらしい……」

サトシ「何だそりゃ!?……何か知らんが悪人ならオレがバトルでとっちめてやろうじゃないか。なぁ、ムーマ」

ムーマ「うん!!ちょっとこわいけど……がんばる!!」

カキ「プッ」

サトシ「何笑ってんだ!!」

カキ「失礼。……あぁ、もうすぐ着くぞ。魔王のいるロイヤルアベニューへ……覚悟はいいな?サトシ」

サトシ「あぁ……上等だぜ」
 ▼ 184 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/17 23:24:50 ID:c6syzWv2 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------その頃、ロイヤルアベニュー-------


リーリエ「サトシ達、遅いですね」

マーマネ「今カキが迎えに行ってるころだと思うんだけど……連絡がないってことは移動中なのは確かだね」

スイレン「それよりもこの恰好、何とかならなかったの?」

マーマネ「仕方ないよ。カキが僕らにこの衣装(※)を押しつけたんだ」

リーリエ「カキのデートプランに私達が協力するという提案には大賛成なのですが……」

スイレン「まさかサトシの兄貴度を試す為に、行く先々でムーマちゃんを襲おうとする怪人役をやれ、だなんて……」

スイレン「どうして私達もカキのプランを聞かなきゃいけないのかと思ってた。で、嫌な予感は的中した……」

マーマネ「にしたって衣装のチョイスなんなのよコレ」

リーリエ「私に言われましても……」

マーマネ「そういえばマオは?彼女がボス役でしょ?」

リーリエ「朝から公然堂々と台詞の練習してます」


マオウ「ふはははははー!我々は……いや、私達は……うーん、我が家は……いや違う!絶対違う!」

マオウ「わ、我らは古代よりアーカラ島の頂点に君臨する魔族なり!今日からこの面白そうな大通りは我らのものだぁぁ!」

マオウ「ほらそこの子供!貴様もパイルジュースにしてやろうかー!?それともエネココアの方がいいかー!?」

子供A「おかーさーん、あの変なカッコのお姉ちゃん達なにやってんの?」

母親A「関わっちゃいけません」




マーマネ→マチスの衣装

スイレン→イブキの衣装+仮面

リーリエ→モンジャラの着ぐるみ

マオ→ダークライ擬人化コス
 ▼ 185 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/17 23:26:56 ID:c6syzWv2 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「さぁ、そろそろ降りるぞ」

リザードン「ヴォォォー」

サトシ「……」

ムーマ「おにーちゃん……」

カキ「気にせずともいつも通りのお前達でいていいんだぞ。正直お前達がそこまでマジになるとは思ってなかったしな」

サトシ「えっ?」

カキ「いやいや何でもない。魔王のことなんか気に留めずに好きなところに行くといい」

サトシ「ほ、ホントかよ……?」

カキ「かまわないさ。今のお前にはいざという時にムーマを守れる覚悟くらいあるハズだぜ?」

サトシ「そ……そうだな!オレ頑張る!」

ムーマ「よっ、さすがですおにーちゃん!」

カキ(やっぱりコイツらはバカだ。オレ達に都合のいい、よくできたバカだ)

カキ「じゃあピカチュウはここで預かっておこうか。あくまでお前達のためのデートだからな」

ピカチュウ「ハァ!?」

サトシ「そっか……じゃあよろしく頼むよ。ムーマはオレがきっちり守る!」

ピカチュウ「(;´・ω・)」

サトシ「じゃあまた5時に頼むなー!」

ムーマ「いってきまーす!」


カキ「……行ったか」ピポパ


カキ「もしもし、マオウ他3名の怪人諸君。二人が動き出した。アベニューの要所で待ち伏せし、各自行動せよ」

------------------------------------------

マーマネ「……かかってきた。もう動いていいって」

リーリエ「バカバカしいってわかってるのに無駄に緊張しますね」

スイレン「これはサトシとムーマちゃんの為にカキが用意したアトラクション。二人の為と思って頑張ろう」

リーリエ「第一に、私達の変装が彼らにバレないようにしないといけないんでしたね」

マーマネ「うん。完璧に怪人になりきるんだ……もう既に向こうの世界に入っちゃってる人もいるけど」

マオウ「ふはははははー!貴様もアローラプレートのつけ合わせにしてやろうかー!」

マーマネ「……い、行こうか」
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