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【安価SS】RSオカルトマニア「後輩ばっかりモテて悔しい」

 ▼ 1 ポリゴン2@りゅうのプレート 15/02/17 18:31:36 ID:lvUUp7Ew [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 おくりびやまの北に小さな岩の洞窟があるのをご存知だろうか?
 そこを秘密基地にしているのは、一人のオカルトマニア。

 かのじょは ちがう…他のオカルトマニアとは。
 出で立ちからして、とんがり帽子とマントを羽織って瓶底眼鏡をかけている。
 一昔前は、オカルトマニアの服装といえばこれが定番だったのだが
 今となってはいわゆるカロス・スタイル…黒いカチューシャとワンピースの方が主流である。
 良く言えばレアな、悪く言えば時代遅れなファッションだ。

 秘密基地の中では、オカルトマニアが手持ちのジュペッタとヌケニンに愚痴をこぼしているようだ。
 のんきにサファリゾーンを訪れる人々の足音を聞きながら、本日何十度目かのため息をついた。

オカルト「はぁ…」

オカルト「合コンに行ってもオフ会に行っても、後輩ばっかりモテて悔しい」
 ▼ 2 ママンボウ@ウッディメール 15/02/17 18:33:43 ID:lvUUp7Ew [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 その後輩というのは、カロス・スタイルをバッチリ着こなす今どきのオカルトマニア。
 つい最近までミニスカートだったらしく、オカルトマニアになったのもただのきまぐれだという。
 そのせいかオカルトマニアらしからぬ、むじゃきな言動も時々見受けられるのだが
 そういうギャップが男性陣をメロメロにしたらしく、先の合コンやオフ会でも
 先輩を差し置いてひっぱりオクタンだった。

オカルト「そりゃ、自分がただの数合わせで呼ばれたことくらいは分かっているんだけどさ」

オカルト「何よあんな子。ゴーストタイプのこともまともに知らない、なんちゃってオカルトのくせに」

 後輩のことを考え出せば、自然と気持ちが荒んでしまう先輩。
 大人げないことは分かっているのだが、心の中にうずまくくろいきりが次から次へと口から飛び出してくる。

オカルト「…グスッ」

 ジュペッタはヌケニンの背中からティッシュを取り出し、オカルトマニアに手渡した。
 ▼ 3 メガハッサム@ベリブのみ 15/02/17 18:35:59 ID:lvUUp7Ew [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 彼女のヌケニンの背中には、他にも雑多なものが色々詰まっている。
 このかわりものオカルトマニアに捕まったのがきょううんの尽き、私物を勝手に入れられてしまったのだ。
 「覗いたら魂を吸われる」というおどろおどろしい噂も、好奇心旺盛な人間の前にはこうかはいまひとつ。
 もっともカバン代わりにされること自体は気にしておらず、むしろ半分楽しんでいるのだが
 最近仲間に加わったパンプジンが時々変なものを拾ってきて入れてくることだけが悩みだ。

 その隣にいるジュペッタは、オカルトマニアが物心付く前から一緒に過ごしてきたポケモン。
 元々は彼女の祖母が飼っていたのだが、亡くなると同時に孫娘へと譲り渡されて今に至る。
 世話好きな性格で、トレーナーであるオカルトマニアのわがままに呆れながらも
 一生懸命なだめたり励ましたりしている。
 そんなジュペッタの願いは、オカルトマニアを素敵なレディにすること。
 外見だけではなく、心も魅力的な女性に…

オカルト「…ま、相手の男もイマイチだったから別にいいか」

オカルト「だいたい、男なんてジムリーダーのマツバ以外みんな同じ顔に見えるし」

 …ジュペッタの願いが叶うのはまだまだ先のようだ。
 ▼ 4 スバメ@ロゼルのみ 15/02/17 18:38:06 ID:lvUUp7Ew [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【ここまでのまとめ】
後輩の人気に嫉妬して秘密基地で愚痴ってばかりのオカルトマニアがいる。
安価で色々な事を経験し、様々な人と交流して、彼女を素敵なレディに進化させよう!

オカルトマニア(主人公)
 三角帽子をかぶりマントを羽織っている(リメイク前のオカルトマニアと同じ姿)
 おくりびやまの北にある秘密基地を拠点としている。
 好きな男性のタイプはジムリーダーのマツバ。彼以外の男は皆同じ顔に見えるらしい。
 合コンでもオフ会でも後輩ばかりモテるのでイライラしている。

ジュペッタ
 世話好きな性格のポケモン。
 かつては祖母のペットだったため、オカルトマニアとは昔から一緒に過ごしてきた。
 自分のトレーナーを素敵なレディにすることを願っている。

ヌケニン
 背中の穴に雑多な物が収納されている。
 仲間のパンプジンが時々変なものを拾ってきては入れてくるのが最近の悩み。
 ▼ 5 ツンベアー@あくのジュエル 15/02/17 18:40:00 ID:lvUUp7Ew [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「…っていうか、ありえないよね」

オカルト「大体オカルトマニアがユルフワモテガールとか、空気読めないにも程があるし」

オカルト「こちとら12年以上オカルトマニアやってるけど、新参者に伝統ぶち壊しされて黙っているほどおだやかじゃないんだよ」

 一見まともそうな主張だが、実際はただの言いがかり。
 そもそも自由気ままに単独行動を好むオカルトマニア達に、伝統と呼べるようなものは存在しない。

オカルト「ああもう、イライラする!」

 いかりのボルテージに比例してオカルトマニアの声もだんだん大きく、そして荒くなっていく。
 サファリゾーンを訪れた人々の足音がやかましいと評されるこの基地だが、彼女のばくおんぱに比べたら
 まるでメガギャラドスを前にしたコイキングみたいなものだ。

オカルト「なんで私が…グスッ、あんな子に!」

 こうなったらもう、頼れるのはジュペッタ以外いない。
 ジュペッタは片手でオカルトマニアの頭を撫でながら反対の手をヌケニンの背中に突っ込み、>>7を取り出した。
 ▼ 6 ボルキングラー◆MjwQSo9n8c 15/02/17 18:40:10 ID:otbQ/iCY [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ぬけがらが たましいを やどした。 せなかの すきまから のぞきこむと たましいを すわれてしまうらしい。

た ま し い を す わ れ て し ま う ら し い
 ▼ 7 ボルキングラー◆MjwQSo9n8c 15/02/17 18:41:05 ID:otbQ/iCY [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヌケニン
 ▼ 8 オニドリル@みどりのプレート 15/02/17 18:44:33 ID:X7YC0hVg NGネーム登録 NGID登録 報告
>>7
マトリョーシカわろた
 ▼ 9 ニドラン♂@オボンのみ 15/02/17 18:53:45 ID:lvUUp7Ew [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ジュペッタは片手でオカルトマニアの頭を撫でながら反対の手をヌケニンの背中に突っ込み、ヌケニンを取り出した。
 マトリョーシカのように、次から次へとヌケニンが出てくる。
 ごきげんななめのオカルトマニアも、こらえきれずに大笑い。

オカルト「ぶふっ!あっはは!何これー!」

 その様子を見たジュペッタもつい嬉しくなってきて、ヌケニンを取り出す手をかそくさせた。
 取り出されたヌケニンの中からもう一匹ヌケニンが出て来て、そしてそのヌケニンの中からもう一匹…
 あっという間に、秘密基地はヌケニンだらけになってしまった。

 結局、ヌケニンは全部で90匹出てきた。ボックス3個分だ。
 オカルトマニアの機嫌がすっかり回復したが、ちょっと調子に乗りすぎたかな?とジュペッタは頭をかく。

オカルト「あー、面白かった!」

オカルト「さて、このヌケニン達をボックスに戻しに行かないと」

オカルト「ここにいても気分がシャドーダイブしていくだけだし、たまにはこうやって出かけるのも悪くないかもね」

 オカルトマニアは90個のボールをまたヌケニンの背中に押し込み、>>11(ホウエン地方の町)のポケモンセンターを目指した。
 ▼ 10 キマワリ@ちからのこな 15/02/17 19:02:01 ID:98G04.56 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
キンセツ
 ▼ 11 ボルキングラー◆MjwQSo9n8c 15/02/17 19:13:23 ID:otbQ/iCY [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バトルリゾート
 ▼ 12 アーボ@おうじゃのしるし 15/02/17 19:48:20 ID:lvUUp7Ew [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 オカルトマニアは90個のボールをまたヌケニンの背中に押し込み、バトルリゾートのポケモンセンターを目指した。
 おくりびやまから近いミナモやヒワマキに行けば知り合いに遭遇しそうな気がして、出来る限り遠くのポケモンセンターを選んだのだ。
 遠いことには遠いのだが、フワライドに乗って飛んでいけば一時間もかからない。

オカルト「…なんか暑くなってきた」

 フワライドはバトルリゾートの砂浜に音も立てず着地した。
 大空も海原も微妙に異なる青をたたえ、一面に美しい景色を繰り広げている
 が、暑さとインファイト中のオカルトマニアはそれどころではない。

オカルト「暑い…」

オカルト「でも、この帽子とマントを脱ぐわけにはいかない」

オカルト「だってこれは私のアイデンティティだもの…」

 しんそくでポケモンセンターに駆け込み、慣れた手つきでパソコンを立ち上げてボックスに大量のボールを押し込んだ。
 ボックスの中にはまだまだ大量のポケモンがいるが、一匹残らず全てゴーストタイプだ。
 ▼ 13 コリンク@ミクルのみ 15/02/17 19:55:01 ID:wmduhT0Y NGネーム登録 NGID登録 報告
ワロた
 ▼ 14 ユンゲラー@プラスパワー 15/02/17 19:58:08 ID:lvUUp7Ew [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「やっぱりポケモンセンターの中は最高ね」

オカルト「おいしいみずはタダで飲めるし、クーラーも効いているし…」

 そこまで言いかけて、オカルトマニアはポケモンセンターの中をぐるりと見渡した。
 彼女の他にも数人のトレーナーがポケモンの回復を待ったり、旅支度をしたりしている。
 「バトルリゾート」というだけあり、どのトレーナーもなかなか強そうだ。

オカルト「でも、人が多いのだけが難点だわ」

オカルト「知り合いがいないのが救いだけど、こういうのってなんか苦手…」

 その時、一人のトレーナーがオカルトマニアの方をちらりと見てきた。
 かいじゅうマニアだ。

オカルト「(まずい!さっきの独り言を聞かれたかも…)」

 かいじゅうマニアは一歩、また一歩と近づいてくる。

オカルト「(何?何なのこの人?ちょっと、どうしよう…)」

 人と話すのが苦手なオカルトマニアは瓶底眼鏡の奥で目を白黒させた。


 かいじゅうマニアの名前…>>15(NGワードは最安価)
 性格…>>17
 ▼ 15 ボルキングラー◆unFkh.8I1c 15/02/17 20:01:41 ID:otbQ/iCY [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネジキ
 ▼ 16 玖吼理◆pRCHPQARpU 15/02/17 20:03:50 ID:fDBxp7fg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ようき
 ▼ 17 ディアンシー@バンジのみ 15/02/17 20:04:55 ID:VktKzIc2 NGネーム登録 NGID登録 報告
無邪気
 ▼ 18 ギガイアス@リンドのみ 15/02/17 21:00:05 ID:lvUUp7Ew [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 かいじゅうマニアの名前…ネジキ 性格…無邪気

 かいじゅうマニアは、オカルトマニアが座っているイスの前まで歩いて来ると
 ネジキと名乗り、むじゃきに笑ってあいさつした。

オカルト「(…あら?)」

オカルト「(マツバほどじゃないけど、笑うと結構可愛いかも)」

オカルト「(な、何考えているのよ私!どうせそんな都合のいい漫画みたいな展開、あるわけが…)」

 彼氏いない歴■■年のオカルトマニアは男性への耐性が皆無だった。
 普通にポケモンバトルするには問題ないのだが、面と向かって話そうものなら
 たちまち、きんちょうかんがたきのぼりのごとく押し寄せてくるのだ。
 そんな彼女の妄想をよそに、ネジキが再び口を開く。

ネジキ「えーと、突然で悪いんですけど…」

オカルト「(え、何?もしかしてナンパ?)」

ネジキ「ちょっとお願いがあって…」

オカルト「(何?愛の告白?それともデートのお誘い?)」

オカルト「(…ダメよ私、れいせいになりなさい。そんなゲームみたいな展開…)」

ネジキ「さっき砂浜で落し物したみたいなんです。探すの手伝ってもらえませんか?」
 ▼ 19 ズガイドス@いんせき 15/02/17 21:12:32 ID:lvUUp7Ew [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 オカルトマニアは内心残念に思ったが、なるべく顔に出さないようにがまんした。

オカルト「(まあ、どうせ私にそんな話があるわけないって最初から分かってたし…)」

オカルト「(あったとしても、どうせ詐欺か怪しい勧誘だろうし…)」

 その様子はさながら高い木になったブドウをすっぱいと思い込むフォッコなのだが、
 そう考えているうちに不思議とオカルトマニアの気持ちは落ち着いてきた。

ネジキ「あのー、探すのを手伝って欲しいのですが…」

オカルト「あ、はい。か、構わないですよー」

 少しかんでしまったが、気持ちが落ち着いたおかげで返事をすることができた。
 この暑い中砂浜に出て行って探しものをするのは少々億劫だが、断ったら断ったで
 後で自己嫌悪に陥るであろうことを、彼女は過去の経験から学んでいた。

オカルト「そ、それで、な、何を探せばいいんですか?」

ネジキ「>>21(道具)です」
 ▼ 20 天才的な馬鹿 ◆B/WBfd3Z1U 15/02/17 21:24:18 ID:G.w1Fkjc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アニメだアニメに出ろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 ▼ 21 コンパン@コンテストパス 15/02/17 21:35:20 ID:I5BQeU5Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
名前欄
 ▼ 22 コクーン@イトケのみ 15/02/17 22:18:04 ID:lvUUp7Ew [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネジキ「コンテストパスです」

 かいじゅうマニアとコンテストというのは意外な組み合わせだが、彼らが愛する怪獣系ポケモンと
 かっこよさ部門・たくましさ部門との相性は決して悪くはない。

オカルト「わ、わかりました」

オカルト「あ、見つけたら声、かけますね」

 相変わらず噛みまくりだが、これでも以前に比べたら滞り無く話せている方だ。

ネジキ「はい、ありがとうございます!」

 二人はポケモンセンターの自動ドアをくぐり、猛暑の中へと足を踏み出していった。
 息をするだけで、ねっぷうが体の中に入ってくるように感じる。
 オカルトマニアはもちろん、下半身に怪獣の着ぐるみを着用したネジキもなかなか暑そうだ。

ネジキ「あの辺りの砂浜でポケモンとライブアピールの練習をしていて、気がついたら無くなっていたんです」

ネジキ「コンテストに夢中になるあまり、コーディネーターの命であるコンテストパスをなくすなんて…」

オカルト「(…うっかりやさんね)」
 ▼ 23 カイオーガ@フィラのみ 15/02/17 22:29:53 ID:lvUUp7Ew [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 オカルトマニアは、かいじゅうマニアのネジキが無くしたコンテストパスを探すべく
 辺り一面に広がる白い砂浜にするどいめを光らせた。
 暗い部屋で過ごすことが多いため視力は悪いのだが、瓶底眼鏡のおかげでよく見える。

ネジキ「見つかりましたかー?」

オカルト「い、いいえ。まだですー!」

 手分けして探しているのだが、なかなか見つからない。

オカルト「こんな広い砂浜、私たちだけじゃ絶対探しきれないって…」

 探しているうちに、オカルトマニアは暑さでクラクラとしてきた。
 黒い服は太陽の光を吸収しやすいのだ。

オカルト「ユキメノコを出して涼みたいけれど、この暑さには耐えられないでしょうね」

オカルト「ジュペッタも体が黒いから、すぐにオーバーヒートしてしまいそう」

オカルト「…そうだ!こういう時こそヌケニンの出番」

オカルト「背中に何か便利なものが入っていなかったかしら…」

 オカルトマニアはボールからヌケニンを出し、背中の穴に手を入れて探った。
 出てきたのは>>25。
 ▼ 24 マッスグマ@ホエルコじょうろ 15/02/17 22:37:49 ID:VgZPDNsY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とけないこおり
 ▼ 25 クサイハナ@リピートボール 15/02/17 22:38:15 ID:US9JRQRw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゼクロム
 ▼ 26 ポニータ@ヒメリのみ 15/02/17 22:52:31 ID:lvUUp7Ew [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 出てきたのはゼクロム。

オカルト「あのポケモンってまさかイッシュの神話に出てくる…」

 ヌケニンの背中から生き物が出てくるのは今回が初めてではないのだが、
 まさかゼクロムが出てくるとは誰が想像できただろうか。
 巨大な伝説のポケモンを目の前にしたオカルトマニアは思わず砂浜に尻餅をついてしまった。

オカルト「熱っ!」

 白砂に触れてしまった手をとっさに引っ込めたのだが、その様子を見たゼクロムは必死に笑いをこらえている。
 第一印象こそ威圧感とプレッシャーを放っていたが、思いの外とっつきやすい相手だと感じたオカルトマニアは
 通じることを願いながら話しかけてみることにした。

オカルト「あ、あの…ゼクロムさん」

オカルト「あなたも黒いですが、暑くはないのですか?」

 ゼクロムはオカルトマニアをしばらく見つめていたが、何かを思いついたようにこくりと頷くと
 天に向かって吠え始めた。

オカルト「え?あ、あの何でしょうか?」

オカルト「(私、なんか機嫌を損なうようなことした?)」
 ▼ 27 ビクティニ@ザロクのみ 15/02/17 22:56:35 ID:98G04.56 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
4次元ヌケニンに吹くwww
 ▼ 28 メェークル@イバンのみ 15/02/17 22:59:16 ID:EWRImh3E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヌケニンは生き物にカウントされないのかな…
 ▼ 29 ソーナンス@ズリのみ 15/02/17 23:03:48 ID:lvUUp7Ew [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ゼクロムのおたけびが天に届いたのか、さっきまで熱いほどのにほんばれだった空が黒雲で覆われ始めた。
 ビーチで水泳やバレーを楽しんでいた人々が不思議に思って空を見上げた瞬間、
 あめが ふりはじめた!

オカルト「(あれは…あまごいだったのね!)」

オカルト「(もしかして涼しくしようと雨を降らせてくれたのかしら?)」

オカルト「(私が、暑いなんて言ったから…)」

 さっきまでビーチで遊んでいた人々がこうそくいどうで建物に駆け込むのをよそに、ゼクロムはどこかへ飛び去ってしまった。
 残されたオカルトマニアは雨に濡れるのも気にせず、その後ろ姿が黒い点になるまでずっと見つめていたのだが
 雷の音とネジキの声で我に返り、急いでポケモンセンターの中に避難した。

ネジキ「結局、コンテストパスは見つかりませんでしたね…」

ネジキ「せっかく手伝ってくれたのに、雨にまで遭わせてしまって何だか申し訳ないです」

オカルト「(雨は半分私の責任なんだけどね)」

ネジキ「雨が止むまで、>>31(ポケモンに関するものなら何でも可)の話でもしませんか?」
 ▼ 30 モンジャラ@かみなりのいし 15/02/17 23:05:45 ID:zKLctg3I NGネーム登録 NGID登録 報告
ギラティナ
 ▼ 31 ダブラン@パワーリスト 15/02/17 23:16:04 ID:98G04.56 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
クレセリア
 ▼ 32 ゴチルゼル@アクアカセット 15/02/18 17:35:15 ID:jiCsoAmc [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネジキ「雨が止むまで、クレセリアの話でもしませんか?」

オカルト「(なるほど、悪くないチョイスね)」



 クレセリア、それはは悪夢を払うという伝説のポケモンだ。
 「三日月の化身」とも呼ばれるほど美しい姿をしているそうだが、目撃例は非常に少ない。
 そのため、ゴーストタイプではないが一部のオカルトマニア達の間では憧れの対象となっている。

ネジキ「クレセリアって綺麗ですよねえ。遭遇出来たらラッキーですよね」

オカルト「そうですね」

オカルト「(かいじゅうマニアだから怪獣の話しかしたがらないと思っていたけれど、結構空気の読める人なのかも)」

ネジキ「あの、本物のクレセリアって見たことあります?」

オカルト「うーん、ありませんね」

ネジキ「聞いて下さい、俺見たことあるんですよ!」

 ネジキはむじゃきな笑顔を再び浮かべ、クレセリアがどれほど凄かったかを詳しく話し始めた。
 結局はただの自慢かよ…と思いながらも、オカルトマニアは無難にうなずきながら聞いていた。

ネジキ「…で、クレセリアはやっぱり凄かった!とにかく美しかった!」

オカルト「ところで、どこで見かけたんですか?」

ネジキ「そ、それはえーと、つまり…>>34(ホウエンのどこか)ですよ!」
 ▼ 33 ダイノーズ@アップグレード 15/02/18 17:36:40 ID:0bZOEkaA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミナモデパートのぬいぐるみ売り場
 ▼ 34 ドーブル@めざめいし 15/02/18 17:43:53 ID:ga30Hl3E [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
おくりびやま
 ▼ 35 ヒードラン@きれいなハネ 15/02/18 19:19:35 ID:jiCsoAmc [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネジキ「そ、それはえーと、つまり…おくりびやまですよ!」

オカルト「おくりび山!?」

 かれこれ12年以上おくりび山に入り浸っているが、そのような話は聞いたことがない。
 思いがけなくゼクロムを呼び出してしまったから、とうそうしんを燃やしてホラを吹いたのだろうか?
 …などと考えるオカルトマニアの疑り深い眼差しに気付き、ネジキは慌てて付け加えた。

ネジキ「ほ、ほら。おくりび山から見た三日月がどうのこうの…っていう有名な詩があるじゃないですか」

オカルト「(確かに、あるにはあるけれど…)」

ネジキ「だからきっと、不思議な力に引き寄せられたんだと思いますよ」

 聞くからに怪しい話なのだが、嘘だという証拠があるわけでもない。
 そうかもしれませんね、とオカルトマニアは無難に返事をした。

ネジキ「いやー、びっくりしましたよ。まさかあんなところにクレセリアがいたなんて…」

ネジキ「あ!もう雨が上がったみたいですよ!」

 晴れ渡った空を見て、ネジキは他の客とぶつかりそうになりながらポケモンセンターを飛び出していった。
 見事に話をそらされてしまったが、クレセリアの話がたとえ嘘だったとしても別に構わない。
 オカルトマニアの興味はゴーストタイプとマツバ、そしてこの憎めないかいじゅうマニアへと向けられていたのだから。
 ▼ 36 ハスボー@おだんごしんじゅ 15/02/18 19:27:40 ID:jiCsoAmc [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 激しい雨のおかげで、空気の湿っぽさはぐぐーんとあがっていた。
 だが、最初にこのバトルリゾートにやって来た時と比べれば暑さはいくらかましになっていた。

オカルト「私の髪の毛ってとんでもない猫毛だから、湿度にめっぽう弱いのよね」

オカルト「さて、さっさとコンテストパスを探さないと…」

 オカルトマニアは湿った砂浜を掘り始めたが、間もなく効率の悪さに気付いてギブアップ。
 ネジキが「この辺りでなくした」とある程度絞ってくれたとはいえ、その範囲はおくりび山の頂上よりもずっと広いのだ。

オカルト「やっぱり一人で探すのは無理!」

オカルト「>>38(ゴーストタイプのポケモン)に手伝ってもらおう」
 ▼ 37 フシギダネ@ふしぎなアメ 15/02/18 19:28:43 ID:ga30Hl3E [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
フワライド
 ▼ 38 ガメノデス@チルタリスナイト 15/02/18 19:32:52 ID:T2Hpwh4g NGネーム登録 NGID登録 報告
ヨノワール
 ▼ 39 ウパー@うしおのおこう 15/02/18 19:55:17 ID:jiCsoAmc [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「ヨノワールに手伝ってもらおう」

 オカルトマニアはダークボールからヨノワールを出した。
 「てづかみポケモン」と呼ばれるだけあって、大きな手が自慢だ。

オカルト「さあ、お願い!」

 指示を聞き届けると、ヨノワールはその大きな手で砂を掘り始めた。
 広げれば1m近くある手の平で地表を削るようにすれば、広範囲の砂を一気に掘れる。
 これには理想の高いオカルトマニアも惚れる。

オカルト「…あっ!」

 砂の中から何か光るものが出てきた。
 裏面にネジキの名前が書かれたコンテストパスだった。

オカルト「…え?」

 まだまだ、砂の中から出てくる出てくる。
 使用済みのとくせいカプセル、空になったインドメタシンの瓶、パンクした自転車のタイヤ、
 賞味期限切れのフエンせんべい、変な雑誌、そして極めつけに>>40…と、色んな物が出てきた。
 ▼ 40 グライガー@ラブタのみ 15/02/18 20:03:38 ID:wJve17WY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アクロマ
 ▼ 41 ドッコラー@セシナのみ 15/02/18 20:15:43 ID:jiCsoAmc [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 使用済みのとくせいカプセル、空になったインドメタシンの瓶、パンクした自転車のタイヤ、
 賞味期限切れのフエンせんべい、変な雑誌、そして極めつけにアクロマ…と、色んな物が出てきた。

オカルト「げっ!まさかこれって…」

 話しかけても、返事はない。
 ゴーストタイプ愛好家とはいえ、いざこういう現場に居合わせるとどうしていいか分からない。
 そこへ何も知らないかいじゅうマニアのネジキがのうてんきに戻ってきた。

ネジキ「おっ!見つけてくれたんですね!ありがとうござい…」

ネジキ「うげっ!まさか…アレですか?」

 砂浜に横たわるアクロマを見つけて卒倒しかけるネジキ。
 オカルトマニアは無言でうなずくのが精一杯だった。

オカルト「…あれ?」

 だが、何もせずただ突っ立っているヨノワールを見てすぐに違和感を覚えた。
 「人を霊界に連れて行く」と言われるヨノワールが全く反応しないということは、この人はまだ死んでいない。
 ネジキが恐る恐る調べてみると、どうやら息はあるようだ。
 ▼ 42 ポワルン@ダイブボール 15/02/18 20:51:20 ID:jiCsoAmc [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 二人は大急ぎでアクロマをポケモンセンターに運んだ。
 ここでは人間の治療はできないことになっているが、救急車到着までの応急処置程度なら可能だ。

ネジキ「どこかで見たことあると思ったら、あの人イッシュのアクロマさんじゃないですか」

オカルト「えっ、ええ!?有名人なんですか?」

ネジキ「有名ですよ。主にあの前衛的な髪型で」

ネジキ「それにニュースにもなっていましたし…」

 「ご自由にお使い下さい」と古新聞が積まれたコーナーから、ネジキが1週間前の新聞を発掘して持って来た。

ネジキ「…ほら、ここに記事があるでしょう?」

 オカルトマニアはネジキが差し出した古新聞を読んでみた。
 自分が合コンやオフ会に挑戦しては落胆していた間に、世界はこんなにも目まぐるしく動いていたのか…と
 彼女は自分がいかに世間知らずであるかを改めて実感した。

ネジキ「アクロマさん、海洋調査中に波に飲まれて行方不明になっていたんですよ」

ネジキ「あの時カイナの海洋博物館は大慌てだったけれど、アクロマさんが生還したと知ったら皆大喜びでしょうね」
 ▼ 43 エネコ@イナズマカセット 15/02/18 21:03:58 ID:jiCsoAmc [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 アクロマは無事病院へと運ばれていった。
 しばらくは絶対安静だろうし、回復したらしたで記者との群れバトルで大忙しになるだろうとは予想できるが
 それでも彼の生存はイッシュやホウエンの人々にとって何らかの希望となるだろう。

ネジキ「そういえば、コンテストパス見つけてくれてありがとうございました!」

オカルト「いえいえ、お礼ならこのヨノワールに…」

 …などとひかえめに言いながらも、どこか誇らしげなオカルトマニア。

オカルト「(ってか、私人助けしたんだよね!それも2人も!)」

オカルト「(おばあちゃん、見てる?)」

 未だかつて経験したことがないほどのじしんを胸に、オカルトマニアは
 かいじゅうマニアのネジキと別れ、フワライドに乗っておくりび山の方角へ飛んでいった。
 ▼ 44 メガジュカイン@ズアのみ 15/02/18 21:59:50 ID:jiCsoAmc [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【ここまでのまとめ】
オカルトマニアはヌケニンが入った大量のボールをボックスに戻すためバトルリゾートに行き
そこで、むじゃきな笑顔のかいじゅうマニア、ネジキと出会った。
砂浜でコンテストパスを無くしたというので、猛暑の中探すのを手伝ってあげた。
しかしなかなか見つからない。便利な道具がないかとヌケニンの背中を探ったが、出てきたのは伝説のポケモン、ゼクロム。
「暑い」と言ったら、あまごいで雨を降らせてどこかに行ってしまった。
その後ネジキから「おくりびやまでクレセリアを見た」と自慢される。真偽のほどは不明。
雨がやんでから再び浜辺でネジキの落し物探し。
ヨノワールの協力で見事発見できたけれど、海洋調査中に行方不明になっていたアクロマも一緒に見つけてしまった!

ヌケニンの背中から出てきたもの…ヌケニン、ゼクロム
 ▼ 45 マイナン@いでんしのくさび 15/02/18 22:17:16 ID:jiCsoAmc [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 次の朝、ホウエン全土はアクロマ生還のニュースで大騒ぎ。
 記者達は特ダネを求めて、争うようにバトルリゾートへと押しかけた。
 ポケモンセンターの職員やかいじゅうマニアのネジキも、アクロマ発見当時の状況について色々聞かれたのだが
 肝心の第一発見者にインタビューすることは叶わなかった。

 …そんな事などつゆ知らず、オカルトマニアは夢の中。
 はやおきは昔から苦手なのだ。
 ジュペッタに起こされて目を開けると、時計はもう正午を回っていた。

オカルト「…もうこんな時間なのね」

 いつものとんがり帽子とマントに着替え、出かける支度をする。

オカルト「お昼ご飯食べなきゃ」

オカルト「通販でまとめ買いしたもりのヨウカン生活も悪くないけれど、たまにはバランスのとれたランチを食べたいな」

オカルト「そういえば、>>46(ホウエン地方の町)に美味しい店があるって聞いたことがあるわね」
 ▼ 46 パラス@あくのジュエル 15/02/18 22:30:50 ID:wJve17WY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キンセツシティ
 ▼ 47 ガーメイル@イバンのみ 15/02/18 22:54:17 ID:jiCsoAmc [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「そういえば、キンセツシティに美味しい店があるって聞いたことがあるわね」

 美味しいお店というのはもちろんキンセツキッチンのこと。
 今日もトレーナー達が、店内の数少ない席をめぐってバトルを繰り広げている。

オカルト「(やっぱり人が多いな…)」

オカルト「(でもがまんして並ばなきゃ、美味しいご飯にはありつけないよね。仕方ない)」

 以前の彼女なら間違いなくランチを諦めて、コンビニかスーパーのお惣菜で済ませていたことだろう。
 昨日の出来事が、少しではあるが確実にオカルトマニアの背中を押していた。

オカルト「とりあえず、ビレッジサンドの列に並ぼう」

 ここでコイル焼きやキンセツチャンポンを選ばないところに、びびりな彼女のおくびょうな性格が表れている。
 だが、バトルで負けて気分が沈んでしまえば美味しいご飯も台無し。
 手持ちは決して弱いわけではないのだが、ゴーストタイプが苦手とする相手が出てくればレベル差を覆されかねない。
 ある意味、妥当な選択だとも考えられる。
 ▼ 48 ケイコウオ@ミクルのみ 15/02/18 22:58:02 ID:jiCsoAmc [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 席を求めて四方八方から迫り来る子供達を、シャンデラとギルガルドで大人げなく蹴散らしていくオカルトマニア。
 あまりに強いので、対戦相手のたんパンこぞうは思わず驚嘆の声を上げた。

たんパン「こんなに強い人、初めて見た!」

オカルト「…はぁ、それはどうも」

 褒められているのだが、試合はあまりに一方的すぎて戦っているうちに何だか申し訳なくなってきた。
 ここはコイル焼きを選ぶべきだったかな、とオカルトマニアは後悔したが時既に遅し。
 そこへ、たんパンこぞうの連れらしきじゅくがえりがやって来た。

じゅくがえり「あっ、パンタ君!どう?席取れそう?」

たんパン「ダメだったよ、だってこのおねえさん強すぎるもん」

 「おねえさん」と呼ばれ、不覚にもどきりとしてしまう。
 見知らぬ子供に「おばさん」呼ばわりされるのには慣れているのだが…意外なふいうちだった。
 ▼ 49 ダストダス@リュガのみ 15/02/18 23:00:09 ID:jiCsoAmc [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
たんパン「せっかくエリちゃんを誘ったのに、ごめんね」

 たんパンこぞうは、きまり悪そうに話し続ける。
 会話の内容から察するに、じゅくがえりの娘とのはじめてのデートだったのにバトルで負けて席も取れず
 かっこ悪いところを見られてしまった…といったところだろうか。

じゅくがえり「それなら、外で食べようよ!」

じゅくがえり「天気もいいし、中庭から街を眺めるのって素敵じゃない?」

じゅくがえり「それに、パンくずを投げると可愛いスバメが寄ってくるんだよ!」

 落ち込んでいるたんパンこぞうを、じゅくがえりが明るく励ます。
 その笑顔たるや、いしのどうくつの暗闇を照らすフラッシュの輝きのようだ。

たんパン「本当にいいの?ごめんね!」

たんパン「エリちゃんを誘ってよかった!」

 足早に中庭へと走り去ってしまった若い二人を見送り、オカルトマニアは溜息をついた。

オカルト「…」

オカルト「(なんていうか、試合で勝って勝負で負けた気分)」
 ▼ 50 ウパー@あおぞらプレート 15/02/18 23:08:46 ID:jiCsoAmc [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 あの後ビレッジサンドをやけ食いしたのだが、子供向けのサイズということもあり満腹感はあまり得られなかった。
 オカルトマニアのモヤモヤ気分も、まだきりばらいできていない。

オカルト「(あんな子供でもデートしてるのに、私ときたら…)」

 この食堂では、混雑時は食べ終わったらすぐに立ち退くのが暗黙のルールだ。
 席でいつまでも考え事にふけるわけにもいかないので、オカルトマニアは中庭へと出た。

オカルト「な、何なのこの人混みは…!」

 中庭は大勢の人で溢れかえっていた。
 あの若いラブラブカップルが本当にここで食べられたのかどうか、心配になってくるほどだ。
 とても通り抜けできそうにないので屋上に登って見渡すと、食べ物を売る屋台と並んでいる人々の姿を確認できた。

オカルト「(なるほど、お祭りの屋台が出ているからこんなに人が多いのね)」

オカルト「(何か美味しいものを食べて、さっさとおくりび山に帰ろう)」

 吹き抜けから流れてくるあまいかおりが、オカルトマニアのくいしんぼう魂を刺激する。
 何か口に入れたい彼女は、とりあえず一番短そうな行列の最後尾につくことにした。
 ▼ 51 ジュゴン@ヨロギのみ 15/02/18 23:26:43 ID:jiCsoAmc [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 30分ほどの待ち時間を、オカルトマニアは周囲の人間観察にあてて過ごしたのだが
 お祭りということもあってか、同年代とおぼしき女性はほぼ全員メイクをバッチリしている。

オカルト「(皆おしゃれだな…)」

 ぼんやりと見ているうちに、自分の番がやってきた。
 テントの中から「次の方どうぞ」と呼ばれたのに気付き、慌てて駆け込んだ。

 そこでオカルトマニアは一種の違和感に気付く。

オカルト「(もしかして、この屋台って食べ物屋じゃないの?)」

 奥に進むと、待っていたのはこわいおねえさん。
 オカルトマニアは きけんよちで みぶるいした!

オカルト「(どうしよう!こういうタイプの人ってどう対応したらいいか分からない)」


 こわいおねえさんの名前…>>53(NGワードは最安価)
 性格…>>55
 ▼ 52 サーナイト@かいふくのくすり 15/02/18 23:28:01 ID:tHlGdClk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
名前なら カメリア
性格なら 意地っ張り
 ▼ 53 パラス@ピジョットナイト 15/02/18 23:28:59 ID:paSbmxKI NGネーム登録 NGID登録 報告
メアリー
 ▼ 54 カイロス@ぐんぐんこやし 15/02/18 23:45:40 ID:UJQWOabY NGネーム登録 NGID登録 報告
陽気
 ▼ 55 ネオラント@バンジのみ 15/02/19 00:40:59 ID:RYrxkjgo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おくびょう
 ▼ 56 ギギアル@ベリブのみ 15/02/19 21:46:12 ID:U9ZpU3cE [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 こわいおねえさんの名前…メアリー 性格…おくびょう

メアリー「よくぞ ここまで きた ものだな!」

メアリー「…じゃなくて ようこそ」

 メアリーと名乗ったこわいおねえさんは見るからに緊張している。
 固く握りしめたてつのこぶしは震え、額にはアメタマのような汗を浮かべている。
 オカルトマニアもそれなりに緊張していたのだが、上には上がいた。

メアリー「あたしは本日メイクを任された…じゃなくて、務めさせていただく」

メアリー「メアリーだ…いえ、メアリーと申します」

オカルト「あ、どうも…」

 不安を拭えないまま、オカルトマニアはテントに貼られたポスターをチラーミィした。
   「…キンセツ・ビューティカレッジの学生が無料でメイクします!
    衣装の貸し出し・販売もありますので、おしゃれ好きなあなたは中庭へGO!」
 さっきメアリーが口にした「メイク」という単語の意味を理解するのに時間はそうかからなかった。

オカルト「(なるほど、要はメイクの練習台ってことね)」

オカルト「(でもこの人ガチガチに緊張してるし、この状態でメイクなんて本当にできるのかしら?)」

オカルト「(とはいえ、どうせこのすっぴんじゃお祭りも楽しめないし…いちかばちか実験台になってあげよう)」

 すごい上から目線だが、オカルトマニアとしてはあなぬけのヒモにもすがる思いでメアリーに賭けようとしていた。
 ▼ 57 ニドキング@ノメルのみ 15/02/19 21:48:10 ID:U9ZpU3cE [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メアリー「それじゃ…それでは、こっちの…こちらの椅子に」

メアリー「どうぞお座られ頂きになられまして、じゃなくて…座って下さい」

オカルト「あ、はい」

 言われるままに椅子に座ったが、お互いどう話を切り出していいか分からない。

メアリー「……」

オカルト「……」

 気まずい沈黙が続く中、テントの入口からおじょうさま風の女性が入ってきた。
 彼女に会えて安心したのか、メアリーの顔色も一瞬でボルトチェンジする。

メアリー「せ、センパイ!どうしてここに?」

センパイ「メアリーが上手くやっているかどうか気になって、ちょっと見に来ただけ…」

 センパイはメアリーのことを気づかっている様子で、どこか心配そうでもあったのだが
 椅子に腰掛けたままのオカルトマニアが目に入るや否やくるりと踵を返した。

センパイ「…なのだけど、大切なお客様がいらっしゃるからまた後にするわね」
 ▼ 58 アノプス@タイマーボール 15/02/19 21:51:13 ID:U9ZpU3cE [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メアリー「ちょ、ちょっと待って下さいよ!」

センパイ「あら、どうしたの?」

 急によわきになってセンパイを追いかけようとしたメアリーだが、途中で思い留まる。

メアリー「…いえ、何でもないです。一人でできます!」

 メアリーのかちきな表情を見て安心したのか、センパイは優しく微笑んだ。

センパイ「そうよね、ここはあなたの店なんだから他人のてだすけは要らないよね」

センパイ「だから応援歌の代わりに、あなたの大好きな音楽を流しておくわ。頑張ってね」

 おじょうさま風のセンパイはテントの端に設置されていた古いラジカセにCDを入れ、メアリーのテントから出て行ってしまった。
 彼女の足音はだんだん遠のいていき、祭りの雑踏に紛れて聞こえなくなるのと同時に
 ラジカセから>>60(ポケモンの主題歌)が流れ始めた。
 ▼ 59 ズガイドス@つめたいいわ 15/02/19 21:53:45 ID:njRaGGs2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
アドバンスアドベンチャー
 ▼ 60 ミズゴロウ@ふといホネ 15/02/19 21:53:49 ID:wvOzbk5I NGネーム登録 NGID登録 報告
どないやねん ヤドン
 ▼ 61 ボルキングラー◆aJNy1RiYEY 15/02/19 21:56:14 ID:CoobIcsU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>60
おい
 ▼ 62 プロトーガ@リリバのみ 15/02/19 22:17:55 ID:U9ZpU3cE [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ラジカセから「どないやねん ヤドン」が流れ始めた。
 一見こわいおねえさんと無縁そうなチョイスにオカルトマニアも「どないやねん」とツッコミを入れたくなったが
 リズムに乗ってメイクの支度を始めたメアリーの心底楽しそうな笑顔を見ているうちにどうでもよくなってきた。

メアリー「それじゃ、始めますよー」

 「うたう」で相手を眠らせたり、「ほろびのうた」でひんし状態にしたりできることは有名だが
 それ以外の歌にもまた、人の心を動かす不思議な力があるのかもしれない。

メアリー「♪ どないやねん ヤドン ♪」

 歌に合わせてテンポよく顔に化粧下地が塗られていく。
 その手際の良さにオカルトマニアも感動し、驚きの声を上げそうになった。

メアリー「…お客さん、今日はどんな感じにしたいっすか?」

オカルト「と、いいますと?」

メアリー「メイクでどんな雰囲気になりたいか、ってことっす」

メアリー「例えばミニスカート風ならこんな感じで、アロマなおねえさん風だとこうなって…」

 オカルトマニアはメアリーが差し出したカタログを受け取って一通り眺め、しばらく悩んだ末に
 >>64(ORASに登場する女性の一般トレーナー)風を希望した。
 ▼ 63 ベイリーフ@エスパージュエル 15/02/19 22:38:10 ID:RYrxkjgo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビキニのおねえさん
 ▼ 64 ガーメイル@おおきなねっこ 15/02/19 23:03:34 ID:njRaGGs2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
お嬢様
 ▼ 65 メガフーディン@リュガのみ 15/02/20 22:41:41 ID:to7yLZ7I [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 オカルトマニアはメアリーが差し出したカタログを受け取って一通り眺め、しばらく悩んだ末にお嬢様風を希望した。

メアリー「か、かしこまりる…かしこまりるり…」

メアリー「…了解っす!」

 慣れない敬語に苦戦し何度か噛んだが、最終的にうまく にげきれた!
 エコーボイスの如く何度でもリピート再生される「どないやねん ヤドン」を聞いているうちに
 オカルトマニアも楽しい気分になってきて、気が付くと体がメトロノームのように揺れていた。

メアリー「ふふっ」

 歌が3、4回ほどリピートされた頃、メイクも完了した。
 差し出された鏡を見れば、さっきまで野暮ったいオカルトマニアだった人はどこへやら
 どう見てもおじょうさまにしか見えない美女が映っていた。
 醜いコアルヒーの童話を彷彿とさせるような突然のへんしんに、言葉も出てこない。
 ▼ 66 ニンフィア@ノメルのみ 15/02/20 23:01:20 ID:to7yLZ7I [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「こんなに変わるなんて…まさにイリュージョン!」

 コミュニケーション面では少々ぶきようだがメイクではテクニシャンなメアリーの実力を目の当たりにして
 オカルトマニアはただ感動し、地味で内向的な自分からだっぴできた喜びをかみしめていた。
 対するメアリーは、おくびょうで人見知りする性格が災いし他の客には逃げられてきたが
 今日このオカルトマニアと出会えて、ようやくじしんと達成感を味わうことができた。
 双方にとって、しゅうかくは大きかった。

メアリー「…せっかくだから、この服を着て外を歩いてみないっすか?」

 次にメアリーが取り出したのは、おじょうさま風の衣装。
 普段のオカルトマニアならまず着たがらないタイプの服だが、今のメイクになら合いそうだ。

メアリー「試しに着てみて、それでもし気に入ったら…買ってもらえると嬉しいっす」

メアリー「見ての通り、あたし貧乏学生なんで」

 オカルトマニアはおじょうさまの服に着替えて意気揚々とテントを飛び出し、>>68(キンセツシティのどこか)に行ってみた。
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