【SS企画】スワップSS祭2023 企画本スレ【エントリー締切:4/22】
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いつもの白い帽子、いつもの白い服、手にぶら下げた鞄には私であって私ではない私のための衣装が入っている
彼には知られたくなかった衣裳、けれど認めて受け入れて貰いたい衣裳、そして脱ぎ捨てたい衣裳、だけどずっと着ていたい衣裳
私、ルリはアイドルだ。 人々に希望を届け勇気を与え元気を沸かせ、色々な人を幸せにする素敵なお仕事、誇りを持って責任を持って自信を持って日々励んでいる
しかし現実は非情、この世界にはお金が必要、アイドルを続けるにはアイドルで居続けないといけないのだ
アイドルたるもの、常に客の求める理想像を演じなければいけない、それ故に心を抑え込みそのまま少しずつ殺していき、自分という存在を消しアイドルのルリを表に出し続けなければいけない
プライベートな時間なんてほとんど無い、あったとしても大抵は頼んでもいない護衛付き、心も身体も休める瞬間はほんの僅か、日夜削られる心身
私の体と心は存外、とっくの特に限界だったのかもしれない
だからだろうか? 偶然落とし物をして、それを拾ってくれた彼に心を惹かれていったのは
本当は落とし物を受け取ったらそこで終わりにするはずだった、けれど私は何故か彼と連絡先を交換してしまった、アイドルなのに無名の異性と関係を持つ、こんなのは本来許されない、私はやらない
だけど求めていたのは安らぎ、本音を話し合える友達、私をルッコではなくルリとして認識してくれる恋人、
最初は相談相手として好きになった、その次は友達として好きになった、いつのまにか異性として意識していて、愛を覚えた
最初は戸惑った、他人を好きになってはいけない、付き合いたいなんて思ってはいけない、アイドルのルッコが不安定な恋愛感情を全否定してきた
けれど私は、ルリは、彼のことが好きで好きで大好きでしょうがなかった
相手の気持ちを考えすぎながら、電話しようかしないかで悩んで、観覧車に誘おうか否かで悩んで、ポケモン交換を申し込もうか迷って、それら全てがとても楽しかった
こんなな恋じゃない、とアイドル活動しながら紛らわしていた、アイドルという事を隠しながら紛らわしていた、そのうち自分の心を紛らわす事は出来なくなった、いつの間にか答えは出ていた
今日、私は、彼に全てを告白する。 アイドルであること、彼のことを愛していること、それでもアイドルを続けたいこと
どんな結果になっても私は後悔しない、愛する彼の家のインターホンをゆっくりと、人差し指で押した