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ポケダン 生命の探検隊

 ▼ 1 ◆J44kAZeDOM 15/05/31 18:41:23 ID:B2RPsFEs [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プロローグ1

???「やめろ、そんなことしたら、世界が終ってしまう!」

???「別にいいの。私を殺したこんな世界、壊してやるから」

???「まさかおま……やめろおおぉぉ」

何かが僕に触れるのを感じた。動きが止められる。視界が白い光に包まれた。
 ▼ 2 アームド@フィラのみ 15/05/31 18:42:17 ID:6wZmMAUI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 3 オル@ひかりのこな 15/05/31 18:42:22 ID:K4/LpIgc NGネーム登録 NGID登録 報告
ポケダンSS最近多いねぇ 支援するけど
 ▼ 4 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 18:48:25 ID:B2RPsFEs [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プロローグ2

???「探検隊かぁ。かっこいいなぁ」

彼がそんな風に話してくるのはいつものことだ。それに対して、

???「なれるよ、きっと」

と返すのも。それに

???「そうかな?」

と彼は答えて、また

???「うん」

と返す。
無理な願いだってことはたぶん、お互いわかってる。それでもそう口に出したりはしない。それも、いつものことだった。
 ▼ 5 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 18:59:11 ID:B2RPsFEs [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな日々にも終わりは訪れる。
彼が、ついに現実に目を向けだした。

???「探検隊かぁ。かっこいいよなぁ」

???「なれるよ、きっと」

???「なあ、お前まじで思ってるか?」

???「なに言ってんだよ」

???「俺はレイダースとかポケダンズみたいに強くない。それでもお前はなれるって言ってくれた。でも……ホントはお前、無理だって思ってるんだろ」

何か言葉を返さないとマズイ。頭ではわかっている。でも、口は全く動かなかった。

???「やっぱり。お前、そんなやつだったんだ」

???「違……」

???「いや、いいよ」

???「……ごめん」

???「気にすんな」

 ▼ 6 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 19:06:32 ID:B2RPsFEs [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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彼が死んでしまった。
その話を聞いて、私の心には深いひびが入った。

あのとき私がもっと強く言えてれば……
彼は死なずに済んだのかもしれないのに……

私は何日も、誰とも会わずに時を過ごした。
私は、泣きながら、ずっと考えていた。

強くなりたい
強くなりたい

この時、私は探検隊になろうと決意した。
 ▼ 7 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 19:16:38 ID:B2RPsFEs [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プロローグ3
皆が必死に逃げ惑う。突然に現れた、あの赤い化け物から。
それが放つ光に触れると、すべての生命はその輝きを失い、そのまま朽ちてゆく。

???「ねえ、怖いよ……」

???「大丈夫、お前は俺が守る」

???「ホント?」

???「ああ」

それでもそれは無慈悲に光を放つ。
殺される……
彼女はもう、諦めていた。

???「危ないっ!」

彼女を守ろうとする者は彼女を突き飛ばす。しかし彼女の意識はもう消えてしまっていた。
 ▼ 8 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 19:23:16 ID:B2RPsFEs [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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彼女は目を覚ました。

???「あれ……ここどこ……」

彼女は立ちあがる。そして、ふと違和感を覚える。あれ?私……

???「ポ、ポケモンになって……」

ふらふらとひざをつく彼女。太陽だけが、皮肉なぐらいにきれいだった。

???「ねえ、ねえ、リオ……助けて、私どうすればいいの……」
 ▼ 9 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 19:25:09 ID:B2RPsFEs [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
以上でプロローグ終了。今日はここまでです。
(書き溜めしてないとか初ssとか言えない)
 ▼ 10 ャンプーハット◆8w1Dkva65Y 15/05/31 19:27:06 ID:acHQYQhg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 11 ュプ◆3YeY3lpkZM 15/05/31 21:40:29 ID:IBv7fBH6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 12 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 22:09:59 ID:B2RPsFEs [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここまでと言ったな?あれは嘘だ。
てなわけで、ちょっと書く
 ▼ 13 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 22:19:13 ID:B2RPsFEs [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

???「ったく、あんな怒んなくてもいいのによ」

確かに俺も悪かった。楽なダンジョンだって舐めてた、完全に。だから、モンスターハウスでもなんとかなる、そう考えたんだ。

回想
???「穴抜けの玉使おうよ、ケロマツ。もしくは敵縛り玉とか」

ケロマツ「大丈夫、なんとかなるって」
回想終わり

で、このザマ。ポケも半分無くなって、道具も減った。あいつは怒って海岸に散歩しに行った。
ってか、俺謝った意味無くね?いくらなんでも言いすぎだろ……
 ▼ 14 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 22:21:29 ID:B2RPsFEs [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>13
トランプ記号は無理か……あれはクラブのつもりで……
まあ出揃ったら視点は名前で行く
 ▼ 15 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 22:32:21 ID:B2RPsFEs [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ハリマロン

ハリマロン「ここがあのポケダンズを育てたプクリンのギルドか」

いつ見ても足がすくむ。私、強くならないとダメなのに……

???「誰の足形?誰の足形?」

ハリマロン「うわっ」

……びっくりしたー。思わず後ろに飛び退く。
こんな所でくじけちゃダメなのに……

パッチールのカフェにて
パッチール「で、結局」

ハリマロン「はい……」

パッチール「まあ、しばらくここでバイトでもしながら覚悟を固めたらいいんじゃないですか?」

ハリマロン「あ、ありがとうございます」

ああー、なにやってんだろ私。こんなんじゃ強くなるなんて、夢のまた夢だよ……
 ▼ 16 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 22:43:07 ID:B2RPsFEs [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点フォッコ

フォッコ「全く、あんなに言ったのに、バカなの?ケロマツったら」

モンスターハウスは舐めちゃダメって基本中の基本なのに。
あーもうホント、やになる。こんな時は……

海岸
フォッコ「きれーい。やっぱここ、いいよね……」

ここの、特に夕暮れの景色は心を落ち着かせてくれる。
さすが、ドダイトスさん一押しの景色。
夕日にクラブのあわが重なり幻想的な風景を作り出している。

フォッコ「こんな所で出会ったのかーピカチュウさんと」

ポケダンズ結成の場所としても有名だ。それで行ってみたら、すっかり虜になってしまった。

異変が起きたのはそのときだった。
 ▼ 17 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 22:45:07 ID:B2RPsFEs [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、やべ、章題忘れてた。
Chapter1 夕暮れの海で

です
 ▼ 18 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 22:49:50 ID:B2RPsFEs [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フォッコ「あ、なんか倒れてる……まさか!」

フォッコ「やっぱり!えっと……リオルよね」

フォッコ「ひょっとしてもしかして!」

いや、ポケダンズさん的シチュエーションに喜んでる場合じゃなくて。

フォッコ「大丈夫?ねえ、ねえったら」
 ▼ 19 1◆J44kAZeDOM 15/05/31 22:53:00 ID:B2RPsFEs [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本気で今日はここまでです。
皆さん支援感謝です。
ポケダンss乱立はしかたないね、ポケダン超発表されたし。あー今から楽しみ。
本家のメガってどうなんだろ……
ではお休みなさい
 ▼ 20 ードラン@あさせのかいがら 15/05/31 22:55:22 ID:1f19WiCU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

同じポケダンSS書きとしても、どういうストーリーに行くのか気になるね!

支援
 ▼ 21 1◆J44kAZeDOM 15/06/01 21:28:18 ID:t4y5Wsxw [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>16
「異変が起きた」を「異変に気付いた」に訂正

再開します。
初日を終わらせるんだ……(フラグ)
 ▼ 22 1◆J44kAZeDOM 15/06/01 21:43:10 ID:t4y5Wsxw [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

リオル「う、うーん」

???「気が付いた?」

感覚が戻ってきた。まず戻ったのは聴覚。といってもこの時点ではこの言葉は無意味に耳を通り過ぎる。波の音が聞こえる。これが初めて正しく認識できた音だ。

???「大丈夫?」

ここまで来て、ようやく言葉の意味を認識した。
そして目をひらけるようになった。そしてようやく復活した視界にとびこんできたものは……

フォッコ「良かった、気が付いたみたいね」

 ……は?え、ちょ、ちょっと待って。

リオル「ポ、ポケモンがしゃべって、え、え?」

フォッコ「まさか、やっぱり?」

彼女の嬉々としたまなざしは、しかし僕の困惑を深めるばかり。
何気なく、というかどうしようもなくて、手を見てみた。

人間のものではなかった。
 ▼ 23 1◆J44kAZeDOM 15/06/01 21:56:02 ID:t4y5Wsxw [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後のことはもう言いたくもない。
だって、元は人間なのに、それがいきなり

フォッコ「リオルだけど、元ニンゲンなの?!」

なんだもの。しかも

フォッコ「しかもそれ以外の記憶無し……すごい!」

なんだぜ。ってか、なにがすg

フォッコ「ポケダンズさんと同じじゃないの!」

リオル「ポケダンズ?」

と聞いてしまったのが運の尽きだった。
そこから長々とポケダンズに関する講釈が始まり、十数分後、ダークライを倒したタイミングでさえぎった。

リオル「も、もういい。わかったから」

フォッコ「そう?」

そういう彼女は、しかしまだ不服そうだった。
1つ良かったのは目の前の話に手いっぱいで、少しとはいえ不安を和らげられた事だけど……
 ▼ 24 1◆J44kAZeDOM 15/06/01 22:19:17 ID:t4y5Wsxw [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それにしても、世界を救った、という言葉に違和感を覚えたのはなんでだろう。

フォッコ「まあ、これが基本データね」

リオル「め、めちゃくちゃ詳しいね……」

フォッコ「当たり前よ、ファンだもの」

リオル「そ、そう」

でも、とりあえず、同じ境遇にいる、ん、いた、かな、まあいいや、そのポケダンズのリーダーピカチュウさんに話を聞いてみたかった。自分の名前すら覚えていない現状、この状況を共有してくれる人、というか、ポケモン?だった。

そんな風に思っていると、なにを思ったのだろう、ゲン担ぎのつもりだったのだろうか。

フォッコ「そうだ、リオル。私と探検隊組んでくれない?」

と聞いてきた。え……少し考えてみる。まあ確かに一度同じ状況の人……ポケモンを育てたギルドに入る事は、この不可解な状況の中でかなり安心な居場所を作る事になる。でもこの申し出を受けると、ポケモンになった、という現実を受け入れることになる気がして、それで、少し、いや、かなり怖いのだ。
困惑していると、それが顔に出ていたのだろうか。

フォッコ「あ、いいのよ、別に。こんな事言ったって無理よね」

リオル「なんか、ごめん」

フォッコ「いいって。それはそうと、今日寝る所どうすんの?なんもわかんないでしょ?」

フォッコ「あ、そうだ。パッチールのカフェ、あそこなら泊めてもらえるんじゃない?」
 ▼ 25 1◆J44kAZeDOM 15/06/01 22:28:51 ID:t4y5Wsxw [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ハリマロン

ハリマロン「いらっしゃいませー」

元気よく声をあげる。店に入ってきたのはフォッコとリオルだった。

フォッコ「あ、いや、客というよりか……このリオル、今晩の寝床が無くて」

パッチール「つまりここで泊めてもらえるとありがたいって事ですか?」

へえ……私と同じ境遇か……

ソーナンス「ソーーナンス」

ソーナノ「ちょっと!」

リオル「その通りです」

パッチール「わかりました。でも、ここにいる間は働いてもらいますよ」

リオル「はい」

まあこの展開は予想できたけど、やっぱり同居人が増えたか……
 ▼ 26 1◆J44kAZeDOM 15/06/01 22:30:10 ID:t4y5Wsxw [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんかモチベでない。とりま1かい区切る。(ここまでとは言ってない)
 ▼ 27 ガヤミラミ@シルバースプレー 15/06/01 22:36:38 ID:x6xGgAGA NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 28 ュカイン@ポケトレ 15/06/02 08:02:58 ID:caAj85aw NGネーム登録 NGID登録 報告
なんか読みにくいな
 ▼ 29 1◆J44kAZeDOM 15/06/02 21:03:21 ID:le6G57D2 [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再開します。
>>28
読みにくいって、地の文のせいかな……
なんかないと落ち着かないからそのままいくけど
 ▼ 30 1◆J44kAZeDOM 15/06/02 21:09:35 ID:le6G57D2 [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ケロマツ

ようやくフォッコが帰ってきた。ったく、もう少しでメシなのに。

ケロマツ「遅い」

フォッコ「ふん」

ビッパ「どうしたんでゲスか〜」

ケロ・フォッコ「なんでもないです」

ビッパ「仲良くしないとダメでゲスよ〜」

普段おっとりしてて、そのくせ意外なときに頼りになる先輩ビッパさん。
でも、今日に限ってはその優しさもうっとうしいだけだった。
 ▼ 31 1◆J44kAZeDOM 15/06/02 21:17:26 ID:le6G57D2 [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オリキャラ出します
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チラーミィ「あーお腹すいた」

ニューラ「まったく、言わないでよ。言っちゃうと自覚しちゃうの!」

チラーミィ「ごめん、ごめん」

この二人は探検隊リアライズ。よく性別が逆なんじゃと思うけど、絶対禁句らしい。

チリーン「出来ましたよー」

みんな「やったー!」


ガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャ
 ▼ 32 1◆J44kAZeDOM 15/06/02 21:27:49 ID:le6G57D2 [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点フォッコ

寝室
今も私はケロマツを許す気になれない。向こうも向こうで諦めたのか、顔をあわせようともしない。仲直りしないといけないのはわかってるんだけど……
同室のリアライズの二人は心配そうに見ているけれど、声をかけないでくれる。その気遣いがむしろ快かった。

目の前の問題から目をそらすように、私はあのリオルの事を考え始めた。
ニンゲンがポケモンになる……そうそうある事ではない。
運命めいたものを感じ……る……

……zzzz
 ▼ 33 1◆J44kAZeDOM 15/06/02 21:45:45 ID:le6G57D2 [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フォッコとケロマツが眠りに就いた頃……

視点リオル

ハリマロン「そんな事……」

信じられないような顔をしている。そりゃそうだ。一度起きた事とはいえ、そうそう何度も起きる事じゃないだろう。人間がポケモンになるなんて。
僕としては話が通じるというだけで否応なしに現実を突き付けられるのだ。たまったもんじゃない。
僕の不安を読み取ったのか、パッチールさんが言う。

パッチール「大丈夫ですよ。一度あったことなんですし。きっとなぜこうなったのか、ちゃんとわかりますよ」

ソーナンス「ソーーナンス!」

リオル「だといいんですけど……」

ハリマロン「えっと……明日、ポケダンズさんに会ってみるとか……どうかな」

リオル「それはそのつもりなんだけど」

パッチール「とりあえずみんな、明日も早いし、今日はもう寝よう。何事も、健康な体あってこそだよ」

その一声で僕たちは眠りに就いた。

Chapter1 完
 ▼ 34 1◆J44kAZeDOM 15/06/02 21:49:32 ID:le6G57D2 [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


???「クレア、クレア、なんで……なんでだよおおぉぉ」

抑えようも無く涙が溢れ出る。クレアはもう、帰ってこない。

クレア、クレア……
 ▼ 35 1◆J44kAZeDOM 15/06/02 22:10:14 ID:le6G57D2 [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter2ギルド入門
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視点ケロマツ

ドゴーム「おきろぉぉおおおお!」

4人「う……」

フォッコ「うるさい……」

ニューラ「ったく、なんで朝からこんなに……」

それにしても、環境への適応力は特性関係なく誰にでもあるらしく、だいぶ耐えられるようになっていた。たぶんもう普通の声じゃ起きられないだろう。

チラーミィ「おっと、急がないと」
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ひとーつ、仕事は絶対サボらない!
ふたーつ、脱走したら、お仕置きだ!
みーっつ、みんな笑顔で明るいギルド!

ペラップ「それじゃみんな、今日も仕事にかかるよっ!」

みんな「おー!」

毎朝恒例の朝礼。まーた親方様、目開けたまま寝てるよ……

ペラップ「あー、エンドレスの二人、今日は依頼の仕事を頼むよ」
 ▼ 36 1◆J44kAZeDOM 15/06/02 22:10:48 ID:le6G57D2 [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
と、ここまでは順調だった。んだけど。

フォッコ「ふんっ」

まーだ怒ってる。こんな調子だったら、できる依頼も出来ないのに。
あっ、おい、勝手に準備しに行くな……はあ。
 ▼ 37 1◆J44kAZeDOM 15/06/02 22:12:17 ID:le6G57D2 [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
あとこの金土日更新できないです。
 ▼ 38 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 21:03:16 ID:qdqF15EY [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再開します
 ▼ 39 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 21:11:29 ID:qdqF15EY [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

リオル「うわあああっ」

夢を見ていた。なんだかひどい喪失感が胸にせまる。それでいて何かが心の奥から湧き上がってくるような……そんな夢だった。悪夢……何があったとも言えないけど、これを超える悪夢なんて無いような気がした。
それにしてもクレアって誰なんだ?僕の記憶に関係あるのか?自分の心に尋ねてみても、自分に関する記憶、クレアについての記憶、何もわからなかった。
 ▼ 40 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 21:18:59 ID:qdqF15EY [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ハリマロン

ハリマロン「挑戦状……ですか」

カブトプス「ああ。これをポケダンズに渡してほしい」

そう言って彼は走り去ってしまった。

リオル「え、なにそれ」

ハリマロン「挑戦状だって、ポケダンズさんに」

リオル「え、あの?」

ハリマロン「うん」

リオル「すごいな、世界を二度も救った探検隊に、挑戦状か……命知らずなのかな」

ハリマロン「そう……よね」
 ▼ 41 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 21:35:45 ID:qdqF15EY [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

命知らず、その言葉を口にしたとき、彼女の目は少し暗くなった……ような気がした。昨日見せる事の無かった部分を見た気がした。

リオル「ごめん、なんか気に障った?」

ハリマロン「え……いや、なんでもないよ?」

リオル「ならいいんだけど」

もう普段通りの彼女だった。まあ出会ってすぐで普段を語るのもおごがましいんだけど。
でも結局、違和感は僕に残り続けた。
その時カフェに入ってきた1つの影。

フォッコ「おはよ、リオルにハリマロン」

リオル「ああ、おはよう」

ハリマロン「おはよう」

フォッコ「で、リオル。何か思い出したりした?」

リオル「あっと……今朝夢で、クレアって名前が出たけど、でも結局なんも……」

フォッコ「そう、残念ね……」

ハリマロン「うなされてる感じだったけど、どんな夢だったの?」

リオル「ひたすら泣いてた」

マロン・フォッコ「へえ……」
 ▼ 42 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 21:49:35 ID:qdqF15EY [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんだか気恥ずかしくて、僕は話題を変えた。

リオル「そういや、フォッコってポケダンズのファンなんだよね?」

フォッコ「うん!」

ハリマロン「え、ちょっと待って、いいの?」

リオル「大丈夫だって。ちゃんと許可とるし。渡す時に」

フォッコ「何のk「いたああ、ここかよ」

フォッコ「ケロマ……ふん!」

リオル「え、誰?」

ケロマツ「あ、俺?俺はケロマツ。こいつとエンドレスって探検隊組んでんだ」

フォッコ「残念だけど、ね!」

この二匹、相当仲悪いな。こんなんで探検隊やってけるのだろうか。
 ▼ 43 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 22:06:32 ID:qdqF15EY [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この二匹の険悪なムードに巻き込まれ、ただ時間が過ぎるのを祈るのみ。
そんな状況でやってきた救世主。

ピカチュウ「……にしてもカクレオンさんの宣伝もさあ」

ゴウカザル「ダンジョンの道具で間に合ってるっつーの」

他にドダイトス、エンペルトの計四匹。メンツからして……

フォッコ「ポケダンズ……さん」

そんな中、ハリマロンは割と淡々としていて、あっさりと挑戦状を渡してしまった。そして、僕に向かって言う。

ハリマロン「ほら、聞かなくていいの?」

リオル「あ、そうだ。ポケダンズさん、その挑戦状のバトル、見に行ってもいいですか?」
 ▼ 44 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 22:06:57 ID:qdqF15EY [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハリマロン「えっ」

ピカチュウ「えっと……」

ドダイトス「いいんじゃない?」

ゴウカザル「俺はいいぜ」

エンペルト「いい」

ピカチュウ「わかった。じゃあ、いいよ。えっと……海岸の洞窟奥底で、だね」

ゴウカザル「急げよ。すぐ終わらせっから」

ドダイトス「じゃあ、いこうよ」

そう言ってポケダンズは走り去っていった。
 ▼ 45 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 22:20:33 ID:qdqF15EY [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フォッコ「え……ポケダンズさんのバトルが見られる、って事?!」

ケロマツ「まじかよ、そりゃすげぇ」

ハリマロン「ピカチュウさんに、事情話すんじゃ無いの?」

リオル「あ……」

ケロマツ「でも見たいのはやまやまだけど、依頼の仕事しないとまずいよな……」

フォッコ「あんたレイダースさん派なんでしょ」

ケロマツ「そうだけど、すごい事に変わり無いじゃん。ってかひさびさに口きいた。あとリオル。事情って何だ?」

フォッコ「あ……」

リオル「カクカクシカジカで」

ケロマツ「まじかよ。ピカチュウさんと同じじゃん」

リオル「そうなんだ。ところで、依頼って?」

フォッコ「困ってるポケモンを助けるの」

ケロマツ「仕事だから、サボれないし……」

リオル「なら大丈夫。ああ困った。ああ困った」

ケロマツ「は?」
 ▼ 46 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 22:28:02 ID:qdqF15EY [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「ポケダンズさんのバトル、みたいなぁ」

ハリマロン「え、まさか」

リオル「誰か連れてってくれないかなぁ」

フォッコ「あ、なるほど」

ケロマツ「お前が依頼主になる……って事か」

リオル「正解」

ハリマロン「あのさ、一応、私たちも仕事あるのよ」

パッチール「こほん」

リオル「あ……」

パッチール「なんてね。冗談です。行ってきていいですよ。記憶の謎は重要ですし、ね」

リオル「あ、ありがとうございます」

本当に、聖人か何かなのだろうか。もっとも、人じゃないけど。
 ▼ 47 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 22:32:30 ID:qdqF15EY [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
  依頼詳細
 ポケダンズがバトルするのを見たいんですが、自分だけではいけません。連れて行ってください。
 依頼主 リオル
 目的  リオルとハリマロンを連れて行く。
 場所  海岸の洞窟 奥底
 制限  なし
 難しさ E(20)
 お礼  ???
 ▼ 48 1◆J44kAZeDOM 15/06/03 22:35:25 ID:qdqF15EY [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
47にてようやくダンジョンフラグを立てる。
にしてもここなろう民いるんだな、なんか意外。
うらるはやめとくけど俺もなろうにミステリーのっけてるから、地味に嬉しかったわ
 ▼ 49 1◆J44kAZeDOM 15/06/04 22:21:13 ID:atpFF19g [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再開します。
ダンジョンとバトル、テキトーになるけど、許してくださいなんで(ry
ジョークです。
 ▼ 50 1◆J44kAZeDOM 15/06/04 22:25:57 ID:atpFF19g [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケロマツ「じゃあ準備してくる。フォッコも来い」

フォッコ「……わかったわよ!」

そう言って遠ざかっていく足音を聞きながら、ハリマロンはどこか物憂げに言う。

ハリマロン「ケンカするほど仲がいいって言うけど、大丈夫なのかな、あんな調子で」
 ▼ 51 マズン@ミミロップナイト 15/06/04 22:31:48 ID:hZ9GWf4g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おお支援
 ▼ 52 1◆J44kAZeDOM 15/06/04 22:42:02 ID:atpFF19g [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かにあの二人の仲の悪さは心配の種だ。だが帰って来たフォッコがさらに心配を増徴するような提案をしてきた。もう、信じられないぐらい。

フォッコ「あ、そうだリオル、リーダー頼める?」

ケロマツ「は?」

え、ちょ、ちょっと待とうか。僕今ワザすらちゃんと出せるか怪しいのに、リーダーとか無いでしょ。そもそも僕、依頼ぬs……

フォッコ「ケロマツよりましでしょ。むしろ変に慣れてない分安全かもよ?」

ケロマツ「確かにあん時は油断したけど、でも、お前でいいじゃん」
 ▼ 53 1◆J44kAZeDOM 15/06/04 22:42:24 ID:atpFF19g [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フォッコ「相性」

ケロマツ「あ」

なんか本人のあずかり知らぬ所で話が進んでんだけど。今ケロマツなんか察したっぽいけど。てかなんでこの二匹こんなに仲悪いんだよ。

ハリマロン「私は無理、ごめん」

リオル「いや、僕も無r……」

ケロマツ「お前どうせ俺だと納得しないだろ?フォッコ。だからリオル、お願い」

リオル「」

もう何も言わない。というか、言わせてもらえない。とどめは無事、フォッコがさした。

フォッコ「ポケダンズさんも最初からピカチュウさんがリーダーだったしね」

あーもうわかったよちくしょー。どうなっても知らないぞ……
 ▼ 54 1◆J44kAZeDOM 15/06/04 22:57:50 ID:atpFF19g [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海岸の洞窟
1F
リオル「これ何?」

ケロマツ「敵の目の前で食べてみろよ」

だがこの時気付くべきだったのだ。パーティーの最後部で、ケロマツが忍び笑いをもらしている事に。

そして、全く見知らぬポケモン(種族はカラナクシなのはわかるけど)が割と近くに見えた。

フォッコ「一応、そのカラナクシは、敵ね。ダンジョンにはかなり自我を無くして狂暴化してるポケモンがいるから」

そういう大事な事、もっと早く言えよ。
でも敵って事は……少しずつ距離を詰める。
さっきの種を口に含んだ。一口かんでみる。どんな味がs……

かっらああああ。
辛い辛い、え、口から火が……しかもなんかその火でカラナクシ倒れちゃったんですけど。
ってか、フォッコ、ハリマロンにケロマツ、お前ら笑ってんじゃねえよ。

ケロマツ「はい、ケロムース。口直しにいいぞ」

なぜか食べる気にもなれず、

リオル「モモンの実無い?」

フォッコ「トレジャーバッグの中」

おいしく食させていただきました。あーもう死ぬかと思った。甘ったるいモモンがちょうど良かった。
 ▼ 55 1◆J44kAZeDOM 15/06/04 23:04:00 ID:atpFF19g [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
2F
リオル「でんこうせっか!」

シェルダーは倒れた!

危惧していたワザも、案外簡単に出せた。きっとこのリオルの体は、本能的に覚えているんだろう。だが、そんな小さな事でもポケモンになったという、この現実が突き付けられて、辛くなった。
すぐ後ろを歩くフォッコが言う。

フォッコ「どうしたの?」

リオル「いや何でも無い」
 ▼ 56 1◆J44kAZeDOM 15/06/04 23:12:31 ID:atpFF19g [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海岸の洞窟、地下ダンジョンだった……アイテムのフロアも適当だし
--------------------------------------------------------------------------------
B3F
だがいつ何が襲って来るかわからないこの状況でいつまでもセンチメンタルな気分になっている訳にもいかない。
そんなこんなしているとまたタネを見つけた。

リオル「これは「食べちゃダメ!」

ハリマロン「それはすいみんのタネ。敵に当てると寝ちゃうんだけど、食べても寝るから」

いやさすがに今食べるバカはいないだろう。不用意に食べて、お腹壊したりしたらかなわない。
 ▼ 57 1◆J44kAZeDOM 15/06/04 23:17:10 ID:atpFF19g [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B4F
リオル「オレンの実はさすがにわかるけど、あれ何」

ケロマツ「ポケ。金だな」

なんで落ちてんだ?こんな所に金が。

リオル「拾っていいの?」

フォッコ「基本落ちてる物は自由に拾っていいわ」

なんか、絶対落し物はしない。
 ▼ 58 1◆J44kAZeDOM 15/06/04 23:20:02 ID:atpFF19g [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
よく考えると帰るの日曜だから、書けるわ、日曜。明日明後日は無理だけど。
さすがに次はリオルとハリマロンをギルドに入れたい。
最後に支援感謝です。
 ▼ 59 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 15:55:27 ID:olkoFI.Y [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再開します。
 ▼ 60 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 16:20:45 ID:olkoFI.Y [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海岸の洞窟 奥底
リオル「着いた、ここ?」

フォッコ「奥底だから、ここのはz……」

フォッコは息をのんだ。目の前に戦いを繰り広げるポケダンズの姿を認めて。

ピカチュウ「やっと来た」

ゴウカザル「ふう、手加減も疲れたぜ」

カブトプス「どういう事だ」

ドダイトス「そこのみんな気をつけてね」

みんな、というのが僕たちを指している事にはすぐに気が付いた。

ゴウカザル「さて問題です。ドダイトスのタイプはなんでしょう?」

カブトプス「草・地面だ。それがどうかs……」

ゴウカザル「次の問題です。今までこいつが使ったワザはなんでsy」

カブトプス「ごちゃごちゃごちゃごちゃうるせー!」

カブトプス「アクアジェット!」
 ▼ 61 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 16:32:14 ID:olkoFI.Y [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「いって」

ピカチュウはゴウカザルをかばっていた。だがたいしてダメージは無いようだった。

ゴウカザル「ああ、すまない。答えだがギガドレイン、エナジーボール、いわなだれだ」

オムスター「それがどうかしたのか?」

カブトプスのお供のオムスターは尋ねる。しかしカブトプスは気が付いたようだった。表情が驚きで満たされてゆく。

カブトプス「まさか……」

ゴウカザル「そのまさかだぜ」

エンペルト「真下ががら空き……」

ピカチュウ「お願いドダイトス」

そう言って3匹はドダイトスに乗る。

ドダイトス「地震!」

フォッコ「きゃ!」

僕らにまで被害が及ぶ。しかし近い位置にいた彼らにとって、その揺れは致命傷となったらしく、カブトプスたちは倒れた。

 ▼ 62 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 16:45:14 ID:olkoFI.Y [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「そこの君たち、もう出て来ていいよ」

フォッコ「は、はい!」

みんなが隠れていた岩陰から体を出す。フォッコなんか、歩き方もぎこちなかった。

ドダイトス「どうだった?」

ケロマツ「あっというますぎて、よくわかんないんですけど、とにかくすごいです」

ハリマロン「ところで、手加減とか言ってましたけど、ひょっとして私たちを……」

ゴウカザル「ああ。エンペルトが言い出してだな」

エンペルト「後進の育成」

なっていない。次元が違いすぎて。

リオル「ありがとうございます」

ピカチュウ「どういたしまして。ところで、君たちは?」

フォッコ「あ、自己紹介忘れて……わ、私フォッコです。このケロマツと探検隊エンドレス組んでます!」

ケロマツ「どうも」
 ▼ 63 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 16:50:18 ID:olkoFI.Y [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリマロン「ハリマロンです。ギルドに入りたいけどまだ入れてないんで、探検隊じゃないですけど」

ドダイトス「大丈夫だよ。きついけど、怖くはないよ?」

ハリマロン「ありがとうございます!」

ここからが本題だった。自分の事を伝える、そして共有する。それが目的だった。

リオル「あの、僕はリオルに……なっちゃったんです」

ゴウカザル「なっちゃった?」

リオル「はい。元は人間で」

ピカチュウ「うそ、人間?」

リオル「はい。気が付いたらそこの海岸で倒れてて、しかも記憶喪失に」

ピカチュウ「まじか……そうだ」
 ▼ 64 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 16:56:23 ID:olkoFI.Y [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「時空の叫びだ、それでなにかわかるかも」

リオル「時空の叫び?」

フォッコ「説明したでしょ」

たぶん聞いてなかった。だって話長いんだもん。

ピカチュウ「平たく言うと、触った物の過去か未来が見える」

リオル「なるほど。確かにわかりそう……お願いしてもいいですか?」

ピカチュウ「もちろん」

そう言って彼は僕に触れた。

ピカチュウ「う……」

リオル「大丈夫ですk……」

ドダイトス「いつもの事だよ、大丈夫」

なんか僕のために申し訳ない。
 ▼ 65 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 17:01:21 ID:olkoFI.Y [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「なんだったんだ、今の」

リオル「何が見えたんですか?」

ピカチュウ「男と女がなんかでっかい物の前で話してた……」

回想
???「やめろ、そんなことしたら、世界が終ってしまう!」

???「別にいいの。私を殺したこんな世界、壊してやるから」

???「まさかおま……やめろおおぉぉ」
回想終わり

ピカチュウ「で、なんか女の方がして、その機械から光が出て、で、おしまい」
 ▼ 66 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 17:11:57 ID:olkoFI.Y [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「そうですか……」

聞いたら何か思い出すかもと思ったが、全くだった。かけらも出てこない。

フォッコ「リオルは♂よね」

リオル「うん」

ハリマロン「って事は、リオルは止めたほうか……」

リオル「それ、人間だったんですね?」

ピカチュウ「うん。何かわかった?」

リオル「いいえ、何も……」

ピカチュウ「まあ、そうだよね。僕も真の意味では思い出してないからね」

ドダイトス「え、そうだっけ」

ピカチュウ「知らされただけだよ。まあ、それはいいとして、人間がポケモンになるなんて、そうそうある事じゃないから、かなり大きなことがあったんだよ。それこそ、世界が終わるぐらいの。だから、そんな事が自分を避けていくはずが無い。きっと、わかる」

おそらく他の誰が言ってもただの慰めにしかならなかっただろう。同じ経験を持つピカチュウさんが言うからこその説得力があった。
 ▼ 67 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 17:14:31 ID:olkoFI.Y [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「まあ、もう僕らにできる事はないから、おいとまさせてもらうよ」

4人「はい」

そのままポケダンズは去っていった。
 ▼ 68 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 17:29:05 ID:olkoFI.Y [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ハリマロン
ギルドB1F

あんなに怖かった門も、あっさりくぐれてしまった。それは喜ばしい事のはずなのに、どこか拍子抜けしたような、がっかりしたような気持ちもあった。

フォッコ「で、一応依頼な訳だけど、お礼、いるのよね」

リオル「え……」

知らなかったらしい。かくいう私も完全に忘れてたから、強くは言えないけど。
ばくれつのタネにもがき苦しむリオルを見てたら不意に思い出した。

そして、それを利用する事を思いついた。

ハリマロン「それなら……さ。私たちをエンドレスにいれてよ」

ケロマツ「え、いいけど……」

リオル「僕も入ってんの……」

ハリマロン「嫌?」

リオル「嫌じゃないけど」

ハリマロン「ならいいわよね。そもそもあなた、何ももって無いでしょ」

ケロマツ「探検も初めてにしては上手いし」

フォッコ「お願い、ね?」
 ▼ 69 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 17:31:15 ID:olkoFI.Y [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いつの間にか3対1の構図になっている。あのリーダー決めの流れからしてもこうなればもう説得は終わったも同然だった。お兄ちゃんもこういうの弱かったんだよね……
ダメダメ、そんな場合じゃなくて。

リオル「あーもういいよ!」

フォッコ「ホントに?ありがとう!」

リオル「強引に押し切ったくせに」

心の中でぺろりと舌をだす。ごめんね、リオル。
 ▼ 70 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 17:53:36 ID:olkoFI.Y [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル
ギルドB2F
フォッコ「と、いうわけで」

ペラップ「なるほど、入門希望者、という訳か。一応聞くが、ただのあこがれで入って、修行の厳しさに逃げ出す、みたいな事はないな」

ハリマロン「はい」

憧れどころか、上手く丸め込まれただけなんだが……まあ、このギルドに入れば何かわかる時が来るかもしれない。それだけでなく、くやしいことに、探検が楽しかったのも、また事実なのだ。いつまでもシリアスでいるわけにもいかないし、しかももうこれはただの夢じゃないとしか思えなかった。こうなった以上ポケモンライフをせいぜいエンジョイしよう、そうも思っていた。だから僕は、期待に応えた。

リオル「……はい」

ペラップ「よろしい。ではこっちに来なさい」
 ▼ 71 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 17:53:57 ID:olkoFI.Y [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
親方様の部屋
リオル(この人が親方か)

ペラップ「親方様」

…………

プクリン「やあっ」

リオル「うわっ」

プクリン「君たちが入門希望者かな?」

2人「はい」

ケロマツ「探検隊エンドレスのメンバーとして、ですけど」

プクリン「探検隊の仲間が増えるのはいいことだよ。ともだち!ともだち!」

リオル(なんか、つかみ所が無いな)

プクリン「じゃあ、メンバー登録のために、チリーンの所にいってね」
 ▼ 72 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 17:58:51 ID:olkoFI.Y [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チリーン「できましたよ」

ケロマツ「ありがとうございます」

チリーン「リオルさんにハリマロンさんでしたっけ。これから大変ですけど、頑張ってくださいねー」

リオル「はは……」

やっぱ、きついのか……ま、いいや。

ハリマロン「わかりました」


こうして僕とハリマロンは晴れてチームエンドレスの一員になった。

フォッコ「リーダーはこれからもリオル、よろしくね」

リオル「なんでだよぉ」
 ▼ 73 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 18:01:00 ID:olkoFI.Y [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter2 ギルド入門 完
 ▼ 74 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 18:05:06 ID:olkoFI.Y [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。(気が向いたら書くかも)
にしてもこの支援の数で入門まで72レスとか、頭おかしい俺。
あと、プロローグ1のヒントは出ましたね。リオルに関する事です。
Chapter-Finarが20章で上手く構成できそうで、嬉しい。
 ▼ 75 キノオー@タブンネナイト 15/06/07 18:09:24 ID:BTsjnV9Q NGネーム登録 NGID登録 報告
この作者独り言多いな
 ▼ 76 レディア@クラボのみ 15/06/07 18:40:44 ID:b1iOGGAE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここかあ!!!!!!ひっとりごとのくっせえ作者っつうのはよおおおお!!!!!
あひゃひゃひゃっhっyはっやああああああああああ!!!!荒瀬!
 ▼ 79 1◆J44kAZeDOM 15/06/07 18:43:05 ID:olkoFI.Y [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>76
ですよね。
読めてました。
これからは気を付けます。申し訳ありませんでした。
 ▼ 80 ガバンギラス@あかいウロコ 15/06/07 18:43:24 ID:b1iOGGAE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>78
ええぞおおおお!!!!
 ▼ 81 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 21:18:45 ID:RLNbdv9M [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再開します。
 ▼ 82 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 21:19:33 ID:RLNbdv9M [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter3 初仕事
 ▼ 83 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 21:34:24 ID:RLNbdv9M [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル
チリーン「ごはん出来ましたよー」
-------------------------------------------------------------------------------
ペラップ「あー、ごはんの前にみんなに話す事がある」

「それってあの新入り二人の事?」「そうじゃない?」ヒソヒソ

ペラップ「まあもうみんなの前にいるし、わかってると思うが、このギルドに二人新入りが入った」

リオル「よろしくお願いします。リオルです」

ハリマロン「ハリマロンです……」

ペラップ「いろいろ話したい事もあるだろうが、とりあえず、みんなも腹が減っているだろう。先に食べてしまう事」

ペラップ「と、いう訳で」

みんな「いただきまーす!」

ガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャ

ハリマロン「ごちそうさま」

ビッパ「あ、あっしより早いでゲス……」
 ▼ 84 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 21:49:12 ID:RLNbdv9M [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「すごーい。ハリマロン、食べるの早いね」

ハリマロン「よく言われます。お前は痩せの大食いだって」

チラーミィ「へえ」

なんかハリマロンがもう食べ終わっている。まあ僕は昨日一回見たけど。
人のペースを気にせず僕はゆっくり食べる。うん、旨い。特別おいしいという訳でも無いけど、探検で疲れた体の五臓六腑に沁みわたっていく感じがして、今まで食べたどんな料理よりもおいしいような気がした。もっとも僕自身食事の記憶はほぼ皆無なんだけど。

ビッパ「なんかくやしいでゲス〜」

そういうビッパさんも充分早い気がするのだが、いや、早いからこそか。

フォッコ「今まで早食い不変の一位だったんだけどね、ビッパさん。ハリマロン、早すぎよ」

そういうフォッコの皿はほとんど減っていない。もう他の人はほとんど食い終わっている。明らかにギルド1の遅食いだった。

ケロマツ「お前は遅すぎ」

そう言いながら完食していた。

フォッコ「うるさい」
 ▼ 85 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 22:02:54 ID:RLNbdv9M [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
食後。
ギルドの面々に自己紹介する事になった。といっても紹介する自己が無い。とりあえずハリマロンが自己紹介した。

ハリマロン「どうも。探検については初心者ですが、よろしくお願いします」

……そんなんでいいのかい。

リオル「僕もまだ右も左もわかりませんが、よろしくお願いします」

チラーミィ「わからない事があるならなんでも聞いてね」

ニューラ「あんまり迷惑かけないでね」

チラーミィ「ちょっと! ごめんね、この子、普段からこんなで。あ、僕はチラーミィ。こっちはニューラで、二人でリアライズって探検隊組んでるんだ」

僕?♀なのn

チラーミィ「言っとくけど、僕♀じゃないからね」

にっこりと笑った顔に殺意が垣間見えた気がした。たぶん、自分の男の娘属性になんかトラウマがあるのかな。行き過ぎ?

(本家既存キャラはカットします)
 ▼ 86 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 22:25:04 ID:RLNbdv9M [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「僕たち、部屋移動か」

リオル「すいません」

チラーミィ「いいって。まあ、せいぜい頑張れ、あの二人の仲裁」

あ……確かに、それは大問題だった。特になぜかリーダーにさせられた僕からすれば。まあ、せいぜい職権乱用するか。

ハリマロン「あ、それ」

ニューラ「あ、ごめん。特性わるいてぐせなの。返すね」

ハリマロン「ああ、ってええ! わるいてぐせって、珍しいんじゃ」

ニューラ「それ以上つっこまないで」

ハリマロン「何かあったんd」

ケロマツ「しっ。この二人、切れるとマジ怖いから」

チラーミィ「聞こえてるよ」

ケロマツ「うっ」

フォッコ「アハハ」
 ▼ 87 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 22:40:32 ID:RLNbdv9M [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
特性に、珍しい? どういう事だ?

チラーミィ「じゃあ、お休み。明日から頑張れ」

そう言って立ち去る二人。後にはエンドレス・メンバーだけが残された。
なぜか気まずい沈黙が部屋を包む。まあ、理由はこの二人なんだろうけど。

ハリマロン「どうしよう、仲直り、させるべきだよね」

リオル「というか、根本的に、なんでこいつらこんなに仲悪いんだ?」

ハリマロン「さあ……」

フォッコ「あ、言って無かったっけ」カクカクシカジカ

ケロマツ「だから謝ってんだろ」

リオル「とりあえず、リーダーとして言わせてもらう。探検にチームワークは必要不可欠なんだろ? もちろん意見を聞くのも大事だけど、仲直りはすべきだよ」

ハリマロン「たぶん、上からは逆効果なんじゃ……」

フォッコ「そうだけど、でも、ケロマツは危機感が無いのよ」

そう言って引き下がらない。確かに上からは悪手だった。このままじゃ、平行線だ。

ケロマツ「なんでそうなんだよ。あーもう、寝よ」

フォッコ「なによ、もう。寝る!」

二人とも寝てしまった。
 ▼ 88 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 22:43:46 ID:RLNbdv9M [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリマロン「この二人、似てるのかな」

リオル「なんじゃない? 僕たちも寝よ。明日から、修行な訳だし」

ハリマロン「うん。まあ、これから始まる訳だし、よろしくね、リオル」

リオル「よろしく。お休み」
 ▼ 89 バゴーラ@びっくりこやし 15/06/08 22:59:02 ID:v/Njm6D. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とりま支援&ブクマ
 ▼ 90 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 22:59:54 ID:RLNbdv9M [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「うわっ」

まただ。またクレアの夢だ。自分の大事な部分が失われたようにも、大事な何かが湧き上がってくるような、そんな悪夢。
二度寝する気にもなれず、僕はそのまま窓を眺めてぼんやりしながら悪夢や時空の叫びについて考えを巡らせる。
クレアは帰って来ない。夢の中で、脅迫観念のように頭を回る言葉。クレアとは、何者なのか。こうなった事にどう絡むのか。まさか無関係って事も無いだろうけど。二回も夢に出たんだから。
それにしても、私を殺した?生きてるじゃん。それとも深い意味なのか……
時空の叫びに出た男が僕だとするなら相手は……まさかクレア?ワンチャンはあるけど。
帰って来ないという語にもピッタリはまる。でもだとしたらあそこまで嘆き悲しむ理由は?

うーん、ちっともわからない。僕は、そして、クレアは、誰なんだ?
 ▼ 91 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 23:12:57 ID:RLNbdv9M [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドゴーム「おお、リオル。早いな」

リオル「ドゴームさん?」

ドゴーム「耳を塞ぐべきだぞ。なんせワシの声の大きさは天下一品だからな」

そう言って息を吸い込むドゴームさん。嫌な予感がする。言われた通り耳を塞いだ。
しかし、そんなもの役に立ったりしなかった。

ドゴーム「おきろぉぉおおおお」

う、うるさあああい。そう叫んだ声がもはや良く聞こえなかった。耳がいかれたんじゃないか。
三人がなにやら言っているが、ただの口パクにしか見えない。

ケロマツ「……と」

リオル「え? あ、聞こえた」

ケロマツ「早く朝礼行かないと」

ハリマロン「朝礼?」
 ▼ 92 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 23:17:19 ID:RLNbdv9M [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとーつ、仕事は絶対サボらない!
ふたーつ、脱走したら、お仕置きだ!
みーっつ、みんな笑顔で明るいギルド!

ペラップ「それじゃみんな、今日も仕事にかかるよっ!」

みんな「おー!」

リオル「こんなのあるんだ」

フォッコ「うん。なんかもうないと締まらなくなってきた」

ペラップ「今日は、リオルとハリマロンに依頼の仕方を説明しがてら、仕事も頼むよ」

ケロ・フォッコ「はい」
 ▼ 93 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 23:23:28 ID:RLNbdv9M [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
依頼掲示板前
フォッコ「まずは簡単なので……」

ケロマツ「これかな?」

フォッコ「あんたは敵を舐め過ぎって何回言えばいいの」

ケロマツ「ち」

フォッコ「あ、これなんか良さげ。湿った岩場だし」

ケロマツ「確かに」

リオル「どんなの?」

フォッコ「アイテムをとってくるんだけど……」

ハリマロン「ここなら行ける?」

ケロマツ「ああ」

フォッコ「大丈夫よ」

まあ、ここは任せるしかないな。でもリーダーだし一応……

リオル「なら、それでいいよ」

フォッコ「オッケー」
 ▼ 94 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 23:27:43 ID:RLNbdv9M [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 依頼詳細
 進化するために必要になるんです。よろしくお願いします!
 依頼主 ヌメラ
 目的  湿った岩をとってくる
 場所  湿った岩場
 制限  なし
 難しさ E(20)
 お礼  オレンジグミ その他 
 ▼ 95 1◆J44kAZeDOM 15/06/08 23:28:06 ID:RLNbdv9M [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 96 ei7get/zhs 15/06/08 23:28:52 ID:jOW2dJys NGネーム登録 NGID登録 報告
乙(≧∇≦)
 ▼ 97 1◆J44kAZeDOM 15/06/09 23:38:34 ID:QXUXt6ys [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっとだけ書く。
 ▼ 98 1◆J44kAZeDOM 15/06/09 23:47:33 ID:QXUXt6ys [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、場所は最奥部ね。
-------------------------------------------------------------------------------
湿った岩場B1F
リオル「と、いう訳でダンジョンに来たんだけど」

ケロマツ「あわ!」

カラナクシの呼び水で吸い寄せられた!

ケロマツ「あーうぜえ」

そう。このダンジョンでは水技は効果をなさない。海岸の洞窟?あわ無くても大丈夫だったんだよ、タブンネ。

フォッコ「炎も効かないし」

経験が豊富(?)な二人のワザがほぼ役立たずとなると、かなり難易度があがる。海岸の洞窟?レベル低かったから(ry
 ▼ 99 1◆J44kAZeDOM 15/06/09 23:54:19 ID:QXUXt6ys [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな訳で、リーダーにされた僕はともかく(で置いといて良いのかはともかく)ハリマロンも危険度の高い最後尾につけている。まあ相性も良さげだし。
というか、なんで僕格闘技無いの?格闘タイプなのに、電光石火、見破る、こらえるだけって。

B3F
リオル「あれは……リンゴ?」

フォッコ「うん。貴重な食料だから、大事だよー」

ケロマツ「まあ、腹減ってダメージなんて滅多に無いけど」

ハリマロン「簡単な所じゃ、そうよね」
 ▼ 100 1◆J44kAZeDOM 15/06/09 23:55:16 ID:QXUXt6ys [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここまでです。
 ▼ 101 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 21:21:53 ID:XejlpmlQ [1/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>94
×オレンジグミ
○だいだいグミ
再開します。
 ▼ 102 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 21:27:29 ID:XejlpmlQ [2/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B4F
リオル「あれ……ピーピーマックス?」

フォッコ「そうよ。知ってるの?」

リオル「うん」

B6F
リーシャンのまきつく!
リオルはまきつかれて動けない!

リオル「う……」

ケロマツ「フォッコどけ、電光石火!」

リーシャンは倒れた!

リオル「ふう、きついよ」

フォッコ「何もできなか……あ、階段!」
 ▼ 103 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 21:34:09 ID:XejlpmlQ [3/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
最奥部
リオル「えっと……ここ?」

ハリマロン「そうみたいだね」

フォッコ「とにかく、湿った岩を探そ」

ケロマツ「だな」

数分後
リオル「これなんかどう?」

ハリマロン「うん、いいんじゃない?」

フォッコ「……ってことは」

ケロマツ「依頼達成だ。二人は初依頼だよな。おめでとう」

リオル「ありがと」

フォッコ「感想は?」

ハリマロン「なんか実感湧かないな」

ケロマツ「まあ、俺も依頼主と会ってはじめて感じたからなー」

リオル「とにかく帰ろ」
 ▼ 104 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 21:40:20 ID:XejlpmlQ [4/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今回の冒険の所はカットします。
-------------------------------------------------------------------------------
ヌメラ「ありがとうございます。これお礼です」

だいだいグミをもらった!
わかくさグミをもらった!
あかいグミをもらった!
あおいグミをもらった!
2000ポケもらった!ギルドの分け前として200ポケをもらった。

リオル「ちょっと待て天引きしすぎだろ」

フォッコ「よね、そう思うよね!」
 ▼ 105 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 21:47:49 ID:XejlpmlQ [5/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヌメラ「これで最終進化形になれる……」

絶対に許さない……

リオル「え、何か言った?」

フォッコ「ううん、誰も何も言って無いよ?」

リオル「えー、そう?」

絶対に何か聞こえた。許さないって、なんだ?

ヌメラ「ありがとうございましたー」

そう言って歩き去るヌメラ。こうして僕とハリマロンの初仕事は不穏な気配を潜ませたまま幕を閉じた。
 ▼ 106 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 21:48:27 ID:XejlpmlQ [6/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter3 初仕事 完
 ▼ 107 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 21:50:48 ID:XejlpmlQ [7/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
手紙
あなたが強くなりたい、そう思うなら、お母さんもお父さんも応援します。
でも、辛くなったらいつでも帰っておいで。デデンネさんも気にして無いから。
 ▼ 108 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 21:51:29 ID:XejlpmlQ [8/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter4 卒業試験
 ▼ 109 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 21:59:01 ID:XejlpmlQ [9/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
番外編、トレジャータウン紹介を挟みます。
-------------------------------------------------------------------------------
フォッコ「ここがヨマワル銀行。ダンジョンで倒れるとポケが減るんだけど……」

ヨマワル「ここに預けていれば安心!私、見かけは怪しいですけど、実はすごく堅実なんです。あなたのお金をしっかり守りますよ」

ケロマツ「あっちにはガラガラ道場があるな」

ヤルキモノ「ポケも道具も、あそこで倒れても減らない! まあ、入る時に道具がなぜか無くなっちまうんだけどな。あ、俺はバイトで宣伝してるんだ」

フォッコ「ポケダンズ御用達って事で結構繁盛してるのに、まだ宣伝にバイト雇ってんの……」
 ▼ 110 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 22:03:37 ID:XejlpmlQ [10/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フォッコ「で、あっちがお世話屋ラッキー。依頼のお礼で貰えることがあるタマゴを預かって孵してくれるの」

ケロマツ「あれがエレキブル連結店。連結ってのは連結した技を連続して出せるんだ。500ポケかかるし、使うと腹も減るけどな」

リオル「え、じゃあ、他の店は無料なの?」

フォッコ「うん」

どうやって稼いでるんだ?
 ▼ 111 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 22:08:57 ID:XejlpmlQ [11/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリマロン「カクレオン商店よね」

フォッコ「うん。大事な道具を買えるの」

リオル「へえー」

ケロマツ「あれはネイティオ鑑定所。自力で開かない宝箱を開けてもらえる。有料で」

ハリマロン「へえ」

フォッコ「あれはがルーラおばちゃんの倉庫」

ケロマツ「銀行の道具版だな」

フォッコ「セリフとらないで」

ケロマツ「すまんすまん」
 ▼ 112 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 22:16:50 ID:XejlpmlQ [12/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんかガルーラが間抜けになってる。がじゃなくてガな
--------------------------------------------------------------------------------
ガルーラ「いらっしゃい、ガルーラおばちゃんの倉庫よ」

銀行と同じ、つまりタダ……

リオル「1ついいですか?」

ガルーラ「どうぞ」

リオル「どうやって稼いでるんですか?」

フォッコ「え、ちょ、ちょっと!」

ガルーラ「いいのよ。ところであなたたち、探検隊連盟に属してるのよね」

ケロマツ「はい、で、え?」

ガルーラ「そこから払われてるの。それでね、すべての探検隊はそこに一定額のお金を払わないといけないの」
 ▼ 113 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 22:23:49 ID:XejlpmlQ [13/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケロマツ「え、でもそんなの初耳ですよ」

ガルーラ「そりゃそうよ。ギルドが払っているんだもの」

フォッコ「え?」

ガルーラ「報酬からかなり天引きされてるらしいけど、プクリンのギルド所属の探検家が連盟に払うお金はすべてギルドから出ているらしいわ」

あの鬼畜な天引き率は、そんな事情が……
どう考えても取りすぎなのだが、なぜか納得がいってしまった。
 ▼ 114 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 22:24:19 ID:XejlpmlQ [14/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本編再開です。
 ▼ 115 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 22:30:48 ID:XejlpmlQ [15/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
特に変わった事も起きず、依頼をこなして、着々とレベルも上がり僕ははっけいを覚えた。
そんなある日の事だった。

ヘイガ二「もうすぐ卒業試験の時期だな、ヘイヘイ」

ビッパ「そうでゲスね。今回もドゴームなんでゲスかねえ」

ヘイガニ「いや、わからんぞ、親方様がキマワリに打診したってウワサもあるらしいぜ、ヘイヘイ」

ビッパ「へえー」

 ▼ 116 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 22:33:40 ID:XejlpmlQ [16/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「って話を聞いたんだけど」

ハリマロン「卒業試験かあ」

チラーミィ「どんなのだろうね」

ニューラ「あたしたちも初めてだからね」

リオル「うわっ」

ハリマロン「びっくりしたー」
 ▼ 117 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 22:35:49 ID:XejlpmlQ [17/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな話があろうと無かろうと、修行(という名の仕事)は続く。

ドゴーム「今日は見張り番を頼む」

なんてこともあった。
 ▼ 118 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 22:46:08 ID:XejlpmlQ [18/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして、ついに卒業試験について明かされる日がやって来た。

ペラップ「えー、今日はみんなに話がある」

朝礼の時だった。

ペラップ「もうかなりウワサになっていると思うが今回の卒業試験について発表したいと思う」

皆が息を飲む。

ペラップ「ドゴーム、そしてキマワリ、二人で神秘の森の最奥部にある宝物をとって来る事」

ドゴーム「また神秘の森か」

ビッパ「え、二人でゲスか?」

グレッグル「キマワリ、ついに受ける気になったんだなあ、グヘヘ」

ペラップ「あーあとそこには恐ろし「言わなくてもわかってるですわ!」

ペラップ「まあ、大丈夫だとは思うが一応気を付けて」
 ▼ 119 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 22:50:31 ID:XejlpmlQ [19/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キマワリ「楽しみですわ!きゃー!」

ドゴーム「前みたいなへまはしないようにしないとな」

なんて言いながら二人はトレジャータウンへ向かう。

リオル「あの、僕たちは何をすれば……」

チラーミィ「僕たちの試験じゃないし、まさか休みだとも思えないし」

ペラップ「あの二人の相手だ」

エンドレス・リアライズ「え?」
 ▼ 120 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 23:02:05 ID:XejlpmlQ [20/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
神秘の森1F
リオル「チリーンさんに、ビッパさん、よろしくお願いします」

親方様とペラップのチーム、の他に3チームに分かれた。この時新入りの僕たちには不安があるとの事で僕とハリマロン、ケロマツとフォッコに分かれそこに先輩たちを二人づつ加える、というスタイルで挑む事になった。

神秘の森2F
ハリマロン「敵が強すぎるよ……」

リオル「ホント、手も足も出ないんだけど」

5F
チリーン「神通力!」

ビッパ「ころがる!」

リオル「やっぱ強いですね」

ビッパ「て、照れるでゲスね」

チリーン「あなたたちも強くなれますよ、修行を頑張れば」
 ▼ 121 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 23:11:23 ID:XejlpmlQ [21/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
13F
チリーン「もうすぐですよ」

ビッパ「階段でゲス!」

奥地
リオル「ついたー!」

ハリマロン「っていうか、あの穴何? でかすぎ……」

チリーン「落とし穴ですよ」

ビッパ「あの中で二人を待つでゲス」

こ、古典的……

フォッコ「あ、リオル、ハリマロン」

ケロマツ「二人とも頑張れよ、俺たちは外でふたする役だけど」

リオル「え?」

この二人の方が経験も豊富なのに。なんで?
 ▼ 122 1◆J44kAZeDOM 15/06/10 23:11:45 ID:XejlpmlQ [22/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 123 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 22:56:12 ID:aDg2hMNA [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再開します。
 ▼ 124 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 22:59:42 ID:aDg2hMNA [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点フォッコ
ケロマツ「それにしても、どういう事だ? あの指示」

フォッコ「さあね」

やっぱり素直になれない。もう仲直りしたいのに、私のバカバカバカ。
……にしても確かに、一度ふたをしたものをまた開けろ、なんて普通じゃない。
親方様、どういうつもりなんだろう?
 ▼ 125 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 23:03:54 ID:aDg2hMNA [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケロマツ「あ、きたぞ」

息を潜める。視界に二人の姿を捉えた。

キマワリ「つきましたわ、きゃー!」

ドゴーム「しっ、前ポケダンズの時はあの辺に落とし穴を……」

キマワリ「懐かしいですわね」

ドゴーム「わしらもしっかりせんとな」

キマワリ「あそこを避け……きゃー!」

ドゴーム「うわあ!」
 ▼ 126 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 23:08:01 ID:aDg2hMNA [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホントに引っかかるんだ。にしても、ここポケダンズさんの時の使いまわしなの?!

ケロマツ「早くふたを」

フォッコ「わかってるわよ!」

指示通りに行くと、しばらくしたら開けないといけないふた。じゃあなんのためなの?わからずじまいのまま、消化不良になりながらふたを被せた。
 ▼ 127 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 23:14:57 ID:aDg2hMNA [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル
うわ暗っ。なんでふた被せたの?
突然奪われた視界に動揺しながらも、ポケモン独特の見えやすさも感じる。少なくとも人間だった時よりは夜目が効いているはずだ。

プクリン「僕は悪の大魔王」

(中略)←口上忘れた

バトルが始まる頃にはもう完全に視界は闇に慣れていた。いぶかる、というかネタを知っているキマワリさんたちにそのまま無理に押し通したのはすごいと思う。
 ▼ 128 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 23:27:41 ID:aDg2hMNA [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「先手必勝電光石火!」

ハリマロン「なきごえ!」

ニューラ「凍える風」

しかし、僕たちなんかの弱弱しい攻撃はあっという間にはじき返される。

ドゴーム「爆音波!」

追い打ちのように、(味方からの)強烈な攻撃が炸裂する。

ディグダ・ダグトリオ「地震!」

実はチラーミィの手助けで威力が増していたこんな強力な技を受けたら、ひとたまりも無い。もっともキマワリたちにはそこまでは効いて無さそうだった。しかし僕の意識はブラックアウトしていく。最後に見たのは頭上に射し込んでゆく光だった……
 ▼ 129 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 23:36:27 ID:aDg2hMNA [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ケロマツ
フォッコ「え、もう二人とも、え、リアライズさんも? はやっ」

確かにすごい。こんな短時間に、いくらまだ弱いとは言え四人も倒したのだから。
しかし、真に目を見張るべきは、その後の戦い方だった。

ペラップ「つつく!」

ドゴーム「危ない!」

キマワリさんには効果抜群なつつく。それをドゴームさんがかばう。逆にヘイガニさんの水技はキマワリさんがかばう。お互いの苦手を、補い合っているのだ。

フォッコ「まったく、こんなの見せつけられたら、私たちがバカみたいじゃない……」
 ▼ 130 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 23:43:15 ID:aDg2hMNA [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっと気づいた。ふたをとらせた訳。俺たちにこの二人のチームワークを見せて、仲直りをさせる……それが目的だったのだとしたら。

フォッコ「ケロマツ……ごめんね」

大成功だと言わざるを得ない。

ともだち!ともだち!

何も考えて無いように見えて、実はものすごく弟子の事を見てるんだな……

ケロマツ「いいよ、俺もあん時のへまは悪かったって思ってる。すまん」

フォッコ「いいよ、もう」

そう言う彼女の目には少し涙が浮かんでいた。

フォッコ「あれ、目にゴミが……」
 ▼ 131 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 23:50:16 ID:aDg2hMNA [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点フォッコ
ごめん。その一言で、胸のつかえが取れた。ずっと言いたかった事を吐き出したせいか、急に安心感に包まれて、気付いたらほほを熱い物が伝っていた。

フォッコ「あれ、目にゴミが……」

と言ったのは、最後のプライドからだったけど。というか、あの時もう一生分の涙は使ったと思ったのに、まだまだこぼれた。それが意外だった。

キマワリ「エナジーボール!」

ドゴーム「ハイパーボイス!」

プクリン「うわあー」
 ▼ 132 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 23:56:15 ID:aDg2hMNA [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プクリン「逃げろー」

そう言ってみんなが出て来た。

ケロマツ「隠れろ」

フォッコ「うん!」

今なら素直に応えられる。しかし、穴から出て来た面々の中に、リオルとハリマロンがいない。キマワリさんたちも出て来たのに……

ケロマツ「あいつら大丈夫か?」

フォッコ「……行こ」
 ▼ 133 1◆J44kAZeDOM 15/06/11 23:59:08 ID:aDg2hMNA [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
あと、オリダンジョンを出すんですが、名前に関してリクエストがあれば言ってください。必ず採用するとは限りませんが、いいのがあれば採用します。
安価にしないのは変なの来たら困るからです。
 ▼ 134 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 21:35:31 ID:QrYkymNk [1/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再開します。
 ▼ 135 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 21:41:03 ID:QrYkymNk [2/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル
呼ぶ声が聞こえた気がする。

リオル「う、うーん」

ドゴーム「……丈夫か? リオル、ハリマロン」

リオル「はっ」

ハリマロン「……あれ、みんなは……」

キマワリ「二人とも気づきましたわ」

リオル「あ、これ、まさか……」

ハリマロン「もう、終わったんですか?」
 ▼ 136 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 21:44:18 ID:QrYkymNk [3/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドゴーム「ああ。だいぶきつかったがな」

フォッコ「リオルにハリマローン!」

ケロマツ「大丈夫かー!」

リオル「二人とも!」

ハリマロン「うん大丈夫よ」
 ▼ 137 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 21:48:45 ID:QrYkymNk [4/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キマワリ「にしても、ディグダたちったら」

ドゴーム「また地震で味方倒してるな。まあおかげで楽だったけどな!」

また……常習犯なのか、あれ。

ドゴーム「おっと、まだ試験は終わってないぞ。早く宝物をとらないと」

キマワリ「そうですわね。じゃあ行きますわー!」
 ▼ 138 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 21:54:37 ID:QrYkymNk [5/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ありがとう

ふっと脳裏に浮かんだ声。まただ。あのヌメラの時の……

リオル「誰か、ありがとうって言った?」

ケロマツ「え、いや言ってねえし。な、フォッコ」

フォッコ「うん。思ってはいたけど」

素直にケロマツに同調するフォッコは、ものすごく不安感を煽る、それほどに奇妙に映った。
っていうか、思ってた?

リオル「じゃあ、僕は人の感情を読める……って事?」
 ▼ 139 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 21:58:57 ID:QrYkymNk [6/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリマロン「へえ、でもリオルルカリオならあり得ない話じゃ無いかも」

リオル「え?」

ハリマロン「ほら、波導が使えるって言うじゃん」

フォッコ「あ、なるほど」

波導……もし本当に感情が読めるとしたらすごい事だ。
あれ?じゃあヌメラの時の許さないって、なんだ? なぜか嫌な予感が感じられた。
 ▼ 140 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:05:24 ID:QrYkymNk [7/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フォッコ「それはそうとして、実はここの奥に、進化するための場所、光の泉があるの」

進化……
これをしてしまうとなんだか本当に人間に戻れないような、でそれでいてなんだか心惹かれるような、複雑な気分だ。

ケロマツ「そういやここだっけ」

ハリマロン「そうだよ! なんか神秘の森って名前に聞き覚えがあると思ってたの!」

フォッコ「やっぱりポケモンとしてはここはスルーできないわよね」

実は今、僕の心の過半数は好奇心が占めていた。

リオル「ポケモンじゃ無くても気になるよ」

フォッコ「よね!」
 ▼ 141 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:08:24 ID:QrYkymNk [8/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フォッコ「行こう今行こうすぐ行こう!」

ケロマツ「焦るなって」

リオル「うん。じゃあ行こう」

好奇心チョロネコを殺す、なんていうけれど、もうあとは野となれ山となれだ。
 ▼ 142 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:15:26 ID:QrYkymNk [9/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
光の泉
どうやらキマワリたちはもう帰っているらしく、すれ違う事は無かった。

フォッコ「きれーい、なんか神秘的ー」

ケロマツ「いかにもって感じだな」

ハリマロン「いいじゃん」

……どこかから声が聞こえる。

光の泉「汝は進化を求めるか」

四人「はい」

光の泉「では進化したい者はその光の中へ」

リオル「誰から行く?」

ケロマツ「行って来いリーダー」

フォッコ「押し付けちゃって悪いし」

リオル「そう思うなら変わってよ……」

なんてぼやきながら僕は光に足を踏み入れた。
 ▼ 143 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:19:11 ID:QrYkymNk [10/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
光の泉「……」

あれ、何も起きない。どうしたんだ?

光の泉「汝はまだ、進化の条件を満たしておらん」

リオル「……え?」

嘘だ、そんな事! ここまで来たのに! 覚悟を決めてたのに!

光の泉「覚悟で姿が変わるのはケルディオだけだ」

読まれた……

リオル「わかったよ、もう!」
 ▼ 144 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:23:13 ID:QrYkymNk [11/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フォッコ「ドンマイ」

ケロマツ「仕方ないよ。じゃあ次はハリマロンかな」

ハリマロン「いいの?」

ケロマツ「レディーファーストだしな」

フォッコ「私だってレディーなんだけど」

ケロマツ「一応後輩でもあるんだぞ」

フォッコ「はーい」

やっぱり仲がいい。なにがあったんだ? あれほど仲直りを狙っていたのにいざとなると不信感しか感じない。
 ▼ 145 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:29:31 ID:QrYkymNk [12/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
光の泉「汝はハリボーグに進化するが、それでも良いか」

ハリマロン「……はい」

眼前で奇跡が起きた。光がハリマロンの体を包み込み、彼女の姿が少しづつ変わっていく様は、自分の事でも無いのになにか神々しい物を感じさせる。

ハリボーグ「……終わった?」

リオル「うん……なんていうか、すごい」

同時になぜ自分は出来ないのだろうか、とも感じさせたのだが。

フォッコ「どう?」

ハリボーグ「なんか実感湧かないな」

デジャブを感じる? 気のせいだ。
 ▼ 146 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:33:35 ID:QrYkymNk [13/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フォッコ「次は私よね」

そう言って光に足を踏み入れた。
その神々しさは二度目だからと言って失せる事は無かった。

テールナー「すごい……」

僕は聞き返してやった。自分ができないから、まあ多少の皮肉は許されるだろう。

リオル「感想は?」

テールナー「二足歩行って、こんな感じなのね」
 ▼ 147 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:40:02 ID:QrYkymNk [14/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケロマツ「じゃあ最後は俺か」

(中略)

ゲコガシラ「はあー」

リオル「どうだった?」

ゲコガシラ「うーんなんだろう、力が入ってくるって言えば良いのかな」

とりあえず、一番解かりやすい回答が返って来た。
 ▼ 148 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:43:35 ID:QrYkymNk [15/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「進化してみたかった」

三人「ドンマイ」

リオル「まあいいや、帰ろう」

こうして卒業試験(の相手役)は無事に幕を閉ざす。

ギルド
ペラップ「遅いよ! どこほっつき歩いてたんだい!」

こってりしぼられるのはまた別の話だ。
 ▼ 149 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:43:58 ID:QrYkymNk [16/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter4 卒業試験 完
 ▼ 150 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:48:14 ID:QrYkymNk [17/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モノローグ
自分を鍛える特訓は厳しかった。それでもあいつらに復讐するという明確な目標をもった自分にはそんな苦しみも苦で無かった。
進化もしたし、遂に復讐の時だ。

絶対に許さない……
 ▼ 151 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:48:41 ID:QrYkymNk [18/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter5 因縁の果てに
 ▼ 152 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:51:32 ID:QrYkymNk [19/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人が進化して、よりいっそう仕事に精を出していた、そんなある日の事だった。

ひとーつ、仕事は絶対サボらない!
ふたーつ、脱走したら、お仕置きだ!
みーっつ、みんな笑顔で明るいギルド!

ペラップ「それじゃみんな、今日も仕事にかかるよっ!」

みんな「おー!」

ペラップ「あー、エンドレス、今日は依頼やお尋ね者の仕事を頼むよ」
 ▼ 153 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:53:38 ID:QrYkymNk [20/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
と言われ何気なくお尋ね者ポスターを見ていた、そんな時だ。
不意に目に入ったポスターに僕の目は吸い寄せられた。

テールナー「ねえ、ヌメルゴンってヌメラの……」
 ▼ 154 1◆J44kAZeDOM 15/06/12 22:53:58 ID:QrYkymNk [21/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 155 ゲボウズ@あおいビードロ 15/06/13 17:50:43 ID:i7PoCw7I [1/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再開します
 ▼ 156 クタン@マスターボール 15/06/13 17:54:36 ID:i7PoCw7I [2/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「ああ、最終進化形だ」

ハリボーグ「た、たまたまよね」

僕はあの時のことを思い出していた。

回想
ヌメラ「これで最終進化形になれる……」

絶対に許さない……

リオル「え、何か言った?」

フォッコ「ううん、誰も何も言って無いよ?」
回想終わり
 ▼ 157 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 17:58:49 ID:i7PoCw7I [3/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして目の前のポスター。

フクシュウニカラレツギツギポケモンヲオソッテイマス。

復讐……

僕は人の心が読める。

絶対に許さない……

この二つの言葉は僕の心を疑心暗鬼にするには充分すぎるほどの共通項をもっていた。

リオル「この依頼、受けるよ」
 ▼ 158 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:03:06 ID:i7PoCw7I [4/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「え、でも難しすぎ……」

リオル「思い過ごしならいい。でも、あの時僕は聞いたんだ」

ここで一呼吸はさんだ。重大な事を言う前にこうするのは、クセらしい。

リオル「絶対に許さないって」

ハリボーグ「あの、感情が読めるってやつ?」

リオル「うん。それにこれはみんな聞いただろ?」

リオル「最終進化形になれる……って」
 ▼ 159 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:07:08 ID:i7PoCw7I [5/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「言われてみれば言ってたけど……」

テールナー「わかった。行こう」

ゲコガシラ「テールナー……」

テールナー「私はリオルを信じる。責任感じるし」

ハリボーグ「絶対に許さない、復讐、最終進化」

ハリボーグ「リオルの力を信じるなら、これは限りなく黒に近いよ」

ゲコガシラ「わかった」
 ▼ 160 ンスター好き◆HZgRKHNphE 15/06/13 18:10:54 ID:.a7Erugg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夜の9時〜11時辺りに書き溜めを投下するのをお勧めする。
上記の時間帯が一番人多いからね。
 ▼ 161 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:11:51 ID:i7PoCw7I [6/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
暗い沼地1F

リオル「うーん、見通し悪いな」

3F

ゲコガシラ「なんか陰気なとこだな」

5F

ハリボーグ「ゴーストポケモン多くない?」

7F(奥地)

リオル「ここかな……」

???「助けてえええ」
 ▼ 162 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:17:18 ID:i7PoCw7I [7/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「あっちだ!」

進化してより俊敏になった動きでパーティーの最後部から一気に先陣へ躍り出る。割と身軽な僕はあっさりついて行くが、女性二人が問題だった。特にハリボーグはお世辞にも身軽とは呼べない体型なため、

ハリボーグ「みんな先行ってて」

となる。
そんな事よりも前を行く僕ら二人は、凄惨な光景を目撃していた。
 ▼ 163 obB9.5tNFU 15/06/13 18:17:57 ID:C9bt2Dmo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうめん食べたい
 ▼ 164 LLLLLLLLL. 15/06/13 18:19:27 ID:C9bt2Dmo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 165 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:23:52 ID:i7PoCw7I [8/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラベベ「お願い、許して、お願い、お願い」

ヌメルゴン「うるさい。今までお前らがしてきた事に比べれば、まだましだろ?」

そう言ってヌメルゴンはヘドロ爆弾を放つ。

フラベベ「許……し……」

ヌメルゴン「ふう」

足がすくんだ。ヌメルゴンの強さに、いや、殺戮をなんとも思っていなさそうな、その表情に。

テールナー「何があったの?」

事情を話す。
 ▼ 166 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:32:32 ID:i7PoCw7I [9/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「今までしてきた事?」

ハリボーグ「ごめん、で、どう?」

リオル「ヌメルゴンが行く。事情は走りながら」

しかし、ヌメルゴンはかなりの鈍足で、僕たちは走る必要も無かった。
ひどい殺戮を目にした後でも、意外なことにこの体は普段通りの力を発揮できている。
僕がポケモンになったせいかもしれない。

ヌメルゴン「いた」

タツベイ「誰だよ……まさかおま、あん時の……」

ヌメルゴン「ああ」

タツベイ「なんかでかくなって、進化したんか」

息を潜めて見ていた。しかし。

タツベイ「うわっ、やめろ」

拷問が始まる。この段に至って、あまりに非道な行為に耐え切れず、声を漏らした。
ハリボーグが。
 ▼ 167 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:36:01 ID:i7PoCw7I [10/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点テールナー

ハリボーグ「やめたげてよお!」

悲痛な叫びが響き渡った。

ヌメルゴン「誰だ? ああ、あの時の探検隊さんか」

タツベイ「探検隊? 助かった、このヌメルゴンを捕まえてよ」

急に顔に笑顔が戻った。それで、私は嫌悪感を覚えた。
 ▼ 168 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:38:46 ID:i7PoCw7I [11/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「なんでこんな事をしたんですか!」

ヌメルゴン「僕が弱いからって僕をいじめたからさ」

ほらやっぱり。調子が良くなるとすぐに喜びの表情を浮かべる、そして退治してと頼む。
こういう奴に限って、人をいじめるんだ。
 ▼ 169 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:39:28 ID:i7PoCw7I [12/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告












そしてそれは、私の逃れられないトラウマでもある。







 ▼ 170 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:43:10 ID:i7PoCw7I [13/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「だからってやりすぎだよ! もっと、やり直せ無かったの?」

ヌメルゴン「無理さ、僕の周りには味方はいない。話を聞いてくれる人もいない」

ヌメルゴン「もっとも弱いドラゴン、だから」

タツベイ「そうだ、お前は」

テールナー「黙れ」

虫唾が走る。この期に及んでまだ言うのか。
 ▼ 171 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:45:59 ID:i7PoCw7I [14/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「テールナー、どうした?」

テールナー「甘ったれるな!」

テールナー「復讐したところで、何も始まらないの!」

涙が滴り落ちる。

ヌメルゴン「何がわかるんだよ」

テールナー「わかるの。私も、あなたと同じだから」
 ▼ 172 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:46:35 ID:i7PoCw7I [15/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「私もいじめられてたから」
 ▼ 173 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:48:31 ID:i7PoCw7I [16/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル・ハリボーグ・ゲコガシラ「え?」

テールナー「言った通りよ」

私は話し始めた。たぶん今ここでヌメルゴンを止められるとしたら、私しかいない。
 ▼ 174 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:52:36 ID:i7PoCw7I [17/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
きっかけは些細な事だったわ。
むしろ理由なんて無いのかもしれない。
ただむかついたから。そんなもんよ。

いじめはどんどんひどくなった。最初は草、フェアリーとかのいまひとつな技ばっかりだった。でもしまいには、水技とかも来るようになって、それで私は誰とも話さなくなった。ううん、話せなかったの。

ある一人を除いてね。
 ▼ 175 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 18:57:43 ID:i7PoCw7I [18/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デデンネ「ねえフォッコ、大丈夫?」

デデンネだけは私の味方だったわ。でも、そういう正義のヒーローの末路って、だいたい決まっててね。

え、味方がいるだけで違う? バカ。一人ぐらい、心の中であんたを心配してたはず。探せば、声をあげれば、誰か反応してくれたはずよ。それに、私の、というかデデンネの場合、もっとひどい事になったけど。

???「自分だけいい子ぶって」

そう。ヒーローはいつでも、大多数という圧倒的な力の前に屈するものなの。
 ▼ 176 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 19:02:52 ID:i7PoCw7I [19/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼は自分から命を絶った。
そう。自殺よ? 私、自分のためにデデンネを盾にして。
私がもっと、強く嫌だって言えたら、死なずに済んだかもしれない。

何日も一人で、強くなりたい、そう思い続けた。
強くなって、復讐するんだってね。
でも、思ったの。私に復讐の資格なんてあるのかなって。
 ▼ 177 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 19:07:27 ID:i7PoCw7I [20/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな時よ。ポケダンズが世界を救った、って話を聞いたのは。
それで思った。こんな世界救う意味あるのかなって。

リオル、どうかした? なんか違和感? 自分の記憶か。また後でいい?

でもね、この世界には、デデンネみたいにいいポケモンもいる、そう思えたの。
だから私、強くなって、第二の私、第二のデデンネを守ろう、だから、守る強さのために、探検隊になろうってね。
 ▼ 178 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 19:11:04 ID:i7PoCw7I [21/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「だから復讐ってのは、この世界のいいところから目を背けるものなの」

テールナー「だから、絶対に許さないっ!」

思い出したら、もう涙はボロボロ流れ、最後の方は絞り出すように叫んでいた。

テールナー「だから、うぐっ、もう、やめてよ。えぐっ、お願い、お願い……」
 ▼ 179 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 19:11:43 ID:i7PoCw7I [22/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
飯食う。あと、明日は更新できないと思う
 ▼ 180 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 22:09:17 ID:i7PoCw7I [23/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クイズしたり、テレビ見てて遅れたけど、Chapter5は終わらす。
再開します
 ▼ 181 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 22:15:28 ID:i7PoCw7I [24/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

ゲコガシラ「そんな事が……」

ただただ涙を流し続けるテールナーに、何も言葉をかける事が出来ずにいる僕たち。
そんな中、一人の空気を読まないポケモンがいた。

タツベイ「こんな事しちゃダメだってわかったか?ヌメ……」

リオル「黙れっ!」

こいつ、煽りすぎだ。さすがにひどい。

リオル「さっきの話聞いて無いのか? こんな事すんなは、おまえだよ」

どうも相当殺気がこもっていたらしく、タツベイはひるんでしまっていた。
 ▼ 182 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 22:19:46 ID:i7PoCw7I [25/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヌメルゴン「この世界の、いい所……やり直せるのかな」

テールナー「ぶん」

テールナーは顔をぬぐう。それでも涙の跡は残っていた。

テールナー「あなたはやりすぎた。だから罪は償わないといけない」

テールナー「でも、やり直せるよ」

ヌメルゴンはもう何も話さなかった。でも、なんだか暖かい物を感じた。
たぶん、もう彼は大丈夫だろう。
 ▼ 183 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 22:26:58 ID:i7PoCw7I [26/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルド
ジバコイル「(かたかなだるいから略)」

お礼にワザマシン「エナジーボール」をもらった!

テールナーとヌメルゴンの間に視線が交わされた。
その顔は何かの共犯者のような、それでいてどこか吹っ切れたような顔だった。

こうしてヌメルゴンに関する物語は幕を閉ざした。しかしテールナーの、そして僕たちの戦いは続いて行く。

チームエンドレスはブロンズランクにランクアップした!
倉庫の上限が増えて96個入れられるようになった!
ご褒美としてオボンの実をもらった!
 ▼ 184 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 22:27:21 ID:i7PoCw7I [27/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter5 因縁の果てに 完
 ▼ 185 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 22:32:51 ID:i7PoCw7I [28/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
番外編 朝の出来事
私はペラップ。実は最近悩みがある。

ペラップ「おきろぉぉおおおお」

ドゴームが卒業して以来、皆を起こすのは私の役目なのだが、それで起きるのがハリボーグだけなのだ。リオルはなぜか毎朝起きているが、他の皆は全く起きないのだ。
つまるところ、私の声が小さいのだ。いや、決して小さくは無い。ドゴームが大きすぎるのだ。
だから私は毎朝叫ぶ。

ペラップ「モンスターハウスだ!」

これで起きないのは、ビッパだけだ。
まあビッパは皆で起こすのが恒例となったがな。
 ▼ 186 1◆J44kAZeDOM 15/06/13 22:33:13 ID:i7PoCw7I [29/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 187 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:23:58 ID:kJgbbP0w [1/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再開します。
 ▼ 188 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:24:19 ID:kJgbbP0w [2/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter6 悪夢の謎
 ▼ 189 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:26:18 ID:kJgbbP0w [3/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「またあの夢か……」

毎日のようにあの夢を見る。
そしてうなされながら目が覚める。
いいかげん、うっとうしかった。

それにしても、未来と過去、僕の過去はどっちなんだろう。
人間がここにはいない。つまり人間という種族が生まれる前か絶滅したと考えるのが自然だ。
テールナーの話によると、未来は時が止まっていたらしいが、ポケダンズが歴史を変えたとの事だ。
未来もポケモンばっかりだったらしいが、歴史が変わった事で人間が発達した、とも考えられる。その場合今人間はいないと思われる。
過去なら話は楽だ。人間はほぼ絶滅して今はポケモンの天下になっている。そう考えられる。
どちらにせよ、僕はタイムスリップをしたというのが今の僕の仮説だ。

ペラップ「モンスターハウスだ!」

テールナー・ゲコガシラ「うわあ!」

ハリボーグ「おはよ……」
 ▼ 190 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:27:14 ID:kJgbbP0w [4/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トレジャータウン
「スリープをみただって?」
「なんでもとげとげ山の方にいったらしいよ」

テールナー「うそ、スリープがとげとげ山に?」

リオル「みんなウワサしてるけど、スリープって?」

テールナー「ポケダンズさんが初めて捕まえたお尋ね者。今は改心してるけど。ダークライ事件で悪夢にポケダンズを送り込んだりしたわ」

ゲコガシラ「でも今更なんでとげとげ山に? 確かそこの宝物をとらせようと誘拐したんだよな」

テールナー「うん」

リオル「ちょっと待って、悪夢に送り込んだ?」

テールナー「うん、そうだけど」

ならひょっとして僕の悪夢も何かわかるかもしれない、って事?

リオル「会いに行きたい。僕も悪夢を見てるから」

ハリボーグ「あのクレアってやつ?」

リオル「うん。毎日あの夢を見てる」
 ▼ 191 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:27:45 ID:kJgbbP0w [5/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「何の事だ?」

リオル「>>34

ゲコガシラ「なるほど」

テールナー「ちょっと待って今なんて言った?」
 ▼ 192 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:28:55 ID:kJgbbP0w [6/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「ってな訳で、みんなとげとげ山の依頼をこなしつつスリープを探すってプランでいい?」

三人「いいよ・わかった・OK」

とげとげ山
1F

リオル「これ……木の枝?」

テールナー「ちょうだい」

そう言って僕の手から木の枝を奪い取ると、おいしそうに食べ始めた。

ゲコガシラ「飛び道具なのに……」

5F
リオル「このリンゴ、でかいな」

ゲコガシラ「大きなリンゴだな」

リオル「そのまんまなネーミングセンス……」

7F
リオル「ホルビーさん。もう大丈夫です」

ホルビー「ありがとう。後でギルドにお礼に行きますね」

リオルは探検隊バッヂをかざした。ホルビーには不思議な力が授けられた!
 ▼ 193 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:30:16 ID:kJgbbP0w [7/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
9F
ハリボーグ「ストップ、あっちに階段があるよ」

リオル「あ……」


とげとげ山 頂上

リオル「あっちに誰かいる」

テールナー「あれがスリープよ」

リオル「安全なんだよね」

ハリボーグ「な、はずよ」

今まで小声で話していた中、突然

リオル「スリープさん!」

と声を張り上げたものだから当然三人にうるさいと言われると思っていた。
だが反応が無い。ドゴームさんに慣れ過ぎたのだろうか。
 ▼ 194 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:30:59 ID:kJgbbP0w [8/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スリープ「なんだ?」

リオル「リオルです。こっちはテールナーとハリボーグとゲコガシラ」

ゲコガシラ「プクリンのギルド所属、チームエンドレスです」

スリープ「プクリンギルドか」

ハリボーグ「はい」

リオル「さっそくですが……」
 ▼ 195 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:32:15 ID:kJgbbP0w [9/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スリープ「なるほど。悪夢の謎を解いて欲しい、か」

スリープ「やるのはやぶさかでない。だが一つ頼みがある」

スリープ「俺を狂わせたあの穴の奥にある財宝」

スリープ「けじめをつけるために、一度見ておきたいんだ」

リオル「なるほど、取って来い、って訳ですか」

スリープ「ああ」

リオル「お安い御用です」

そう言って穴に歩み寄る。

リオル「はっけい!」

ハリボーグ「え、ちょっと!」
 ▼ 196 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:32:47 ID:kJgbbP0w [10/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
穴は成す術も無く崩れ、ポケモン一匹が余裕で入れる大きさになっていた。
中には、何か石が落ちていた。

ハリボーグ「崩れて取れなくなったらどうするつもりだったのよ!」

考えて無かった。すいません。ま、け、結果オーライだよな、うん。

スリープ「はははは……」

スリープ「俺はこんな石ころのためにルリリをあんな目にあわせたのかよ……」

スリープ「……わかった。悪夢について、協力する。だが一度トレジャータウンに戻ろう」

スリープ「こんな石、やるよ。俺には必要無いし、手にする資格も無いからな」
 ▼ 197 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 20:33:28 ID:kJgbbP0w [11/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いったん区切ります。
 ▼ 198 オル@プロテクター 15/06/15 21:20:06 ID:kJgbbP0w [12/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「いいんですか?」

スリープ「ああ」

テールナー「なんかきれい……ねえ、これお守りにしていい?」

リオル「え、いいけど」

ハリボーグ「石に興味は無いかな」

ゲコガシラ「俺はいらん」

テールナー「やった!」

そう言ってはしゃぐ姿はまるで子どものようで、あんな深刻な話を聞かされたあとでは妙に食い違うように見えた。
でもだからこそ、とも考えられるしポケモン心理は奥が深い。
 ▼ 199 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 21:24:42 ID:kJgbbP0w [13/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トレジャータウン

マリル「え、スリープさん?!」

ルリリ「久しぶりー」

スリープ「ああ、久しぶり」

マリル「戻って来たって事は……」

スリープ「ああ。俺なりのけじめはつけた」

マリル「良かったです。これからは、ずっとここに?」

スリープ「さあな。それはわからんが、ここにいたいとは思う」

スリープ「とりあえず、今日はここにいるリオルの悪夢について調べるから、ギルドにいるよ」
 ▼ 200 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 21:29:26 ID:kJgbbP0w [14/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルド

ペラップ「なるほど。やけに早起きだと思ったら、悪夢か……」

リオル「はい」

ペラップ「今は目立った問題は無いが、これから寝不足で支障をきたすかもしれない」

ペラップ「わかった。ではよろしく頼むぞ、スリープ」

スリープ「わかりました(もう少し丁寧に言えよ)」

ビッパ「わっ、スリープでゲスか?」

スリープ「ああ」

ビッパ「久しぶりでゲス!」
 ▼ 201 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 21:33:45 ID:kJgbbP0w [15/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その声をきっかけにして、ギルド中がスリープの所に向かった。
だが皆、明日も仕事がある。そのため早く寝なければならない。という訳であまり長話になる事は無く、割とすぐにちりじりになった。

ニューラ「誰あれ?」

チラーミィ「知らないの? ダークライ事件で……」
 ▼ 202 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 21:38:35 ID:kJgbbP0w [16/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点テールナー
寝室

スリープ「じゃあまずはリオル、ここに寝てくれ」

リオル「はい」

探検で疲れたから、寝転んだと思ったらすぐにすやすや寝息を立て始めた。

スリープ「じゃあそっちの三人はそこに立ってくれ」

言われた通りの場所に立つ。懐のお守りが力をくれるような気がした。

スリープ「よし。じゃあいくぞ!」
 ▼ 203 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 21:42:39 ID:kJgbbP0w [17/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
悪夢の中

ゲコガシラ「ここは……」

スリープ「おーい、聞こえるかあ」

ハリボーグ「スリープさん!」

スリープ「ダークライのせいじゃ無いからダンジョン化はして無い。落ち着いて行けよ」

テールナー「わかりましたー」
 ▼ 204 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 21:56:56 ID:kJgbbP0w [18/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私たちは今まで一度も見たことのない物、ニンゲンを目にしていた。

???「クレア……」

一人のニンゲンの体が横たわっている。その横で何かに書かれた文字を涙をながしながら読むニンゲン。
その文字は意外な事に読む事ができた。もっとも、「読める」事と、「理解する事」は違う。私の、そしてたぶん二人の目にも意味の分からない文字の羅列と映った事だろう。

テールナー「<子どもが産めない妻なんて、失格ですよね>……だって?」

ハリボーグ「どういう事だろ」

???「そんな事無いのに……クレア……」

私にはわからない。わかるのはこのニンゲンの強い喪失感のみ。
デデンネの時と同じ気配を感じた。おそらくこの横たわっている方のニンゲンは、死んでいる。訳も無く、そう確信した。
 ▼ 205 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 22:04:39 ID:kJgbbP0w [19/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
場面は何の前触れも無く、突然寝室へと移る。
窓の外へ目をやると、うすほのかな曙光が射し込んでいた。もう朝だった。

視点リオル

リオル「うーん、あ、そうだ、夢、どうだった?」

ゲコガシラ「なんか♂のニンゲンが倒れてるニンゲンの横で泣きながらなんか読んでた」

テールナー「<子どもが産めない妻なんて、失格ですよね>だって」

ハリボーグ「意味わかる?」

自分の記憶の奥底を必死でまさぐる。そうしたら案外簡単に意味はわかった。

リオル「子どもが産めない妻なんて、失格ですよね、だって」
 ▼ 206 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 22:09:50 ID:kJgbbP0w [20/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少し説明します。
このポケモンの世界では人間の世界と同じ言語を用いています。文字も同様です。
しかし、単語は食い違っているものもあります。<>でくくられた範囲はポケモン語では理解の範疇を超えている事になります。
リオルが何の苦も無くポケモン語を理解しているのは主人公補正です。追及してはいけません。
 ▼ 207 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 22:13:15 ID:kJgbbP0w [21/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「そんな事言ってたのか、僕」

はっきりいって、ショックだった。僕はそんな言い方を……この人でなし!
……もっともポケモンだけど。

テールナー「そんな事無いって♂のニンゲンは否定してたわ」

なんだ。たぶんその♂は僕だから、僕は人でなしじゃ無かったんだ。

スリープ「何かわかったか?」
 ▼ 208 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 22:21:38 ID:kJgbbP0w [22/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この夢と時空の叫びの情報。この二つを考え合わせ、推理を始める。
まず重要なのは、クレアはほぼ100パーセント死んでいる。
つまり、時空の叫びに出たと言う女性はクレアでは無いという事だ。
世界が終わると言われるほどのものが発した光に包まれて、無事なはず無い。恐らく僕がここに飛ばされたのもその光の所為だろう。
という訳で、悪夢→時空の叫びの順なはずだから、復活でもしない限りクレアが時空の叫びに出られるはずが無い。

リオル「でもそうなると……」

時空の叫びにでた女性って、誰だ?
そしてなんで僕はそんな事に巻き込まれる?
 ▼ 209 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 22:30:43 ID:kJgbbP0w [23/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
自分で妻は子どもが産めないととか言ったんじゃなく、でもそれを気にして自殺する……
誰かから圧力はあったんだろう。もしそれが世間の圧力だとしたら、そんな世間を恨んで僕が世界を破壊する、という展開もある。しかし実際に壊しているのは女性の方なのだ。
どこまでいっても堂々巡りで思考はどこにも行きつかない。謎は深まるばかりであった。

リオル「えっと、何も理解は進んでません。それどころかよけい迷宮入り……あれ?」

気付けば三人とも寝ていた。よくよく考えると僕のために徹夜だったんだよな。

リオル「ありがとう、三人とも」

スリープ「何も……か。ただ何かの手掛かりになってくれるといいがな」
 ▼ 210 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 22:38:31 ID:kJgbbP0w [24/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「今日は僕一人で簡単な依頼をこなすよ」

こうして悪夢をめぐる謎は、幕を閉ざすどころかよりいっそう深くなった。
そしてテールナーは謎の石を手に入れた。
この悪夢は、そして時空の叫びは、どのような意味を持つのか。それはまだ、誰にもわからない。

リオル「それにしても、なんか体の調子が変だな」

チラーミィ「大丈夫?」

リオル「はい。悪くは無いんですけど……」
 ▼ 211 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 22:38:57 ID:kJgbbP0w [25/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter6 悪夢の謎 完
 ▼ 212 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 22:43:28 ID:kJgbbP0w [26/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
手紙

ママとパパへ
ごめんなさい。私、まだデデンネには顔向けできないよ。
でも、大丈夫。こっちはこっちで元気にやってます。
償いになるとは思えないけど、それでもたくさんのポケモンを助けて、そんな感じでやっていくし、仲間もいるから、心配しないで。

進化したテールナーより
 ▼ 213 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 22:50:20 ID:kJgbbP0w [27/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
番外編 憧れの探検隊

リオル「って何?」

テールナー「もちろんポケ……」

リオル「テールナーはカット。ゲコガシラは?」

テールナー「むう」

ゲコガシラ「俺はレイダースかな。あの謎に包まれた感じで、でもめっちゃ強い」

ゲコガシラ「そこにしびれる、憧れるぅ」

リオル「ハリボーグは?」

ハリボーグ「チャームズかな。ほら、私ってお世辞にも体格がいいとは言えないでしょ」

ハリボーグ「だから、自分に無い物があって、うらやましいの」

リオル「へえ」

テールナー「ほら、ポケダンズって誰かを守る強さの最たるものじゃん。ねえ聞いて、寝ないで……」

彼女の語りは、いかんせん長すぎるのだ。
 ▼ 214 1◆J44kAZeDOM 15/06/15 22:50:44 ID:kJgbbP0w [28/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 215 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 20:47:11 ID:wa1WQUlw [1/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter7 夢の鍵
 ▼ 216 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 20:50:31 ID:wa1WQUlw [2/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとーつ、仕事は絶対サボらない!
ふたーつ、脱走したら、お仕置きだ!
みーっつ、みんな笑顔で明るいギルド!

ペラップ「それじゃみんな、今日も仕事にかかるよっ!」

みんな「おー!」

あの夢の体験の後もまだ悪夢は続いている。それ以上の変化が起こる訳も無く、つまるところ、情報は全く増えていない。
それはともかく、今日もまた仕事だ。

ペラップ「今日は依頼の仕事を頼むよ」


 ▼ 217 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 20:53:24 ID:wa1WQUlw [3/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな訳で気まぐれに依頼を選ぶ。

リオル「これなんかどう?」

ゲコガシラ「うーん、お礼がな……」

ハリボーグ「これは?」

テールナー「それいいんじゃない」

リオル「じゃ、それで行こ」

最近リーダーが板についてきた気がする。まあ自分で言うのもなんだけど。
 ▼ 218 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 20:56:47 ID:wa1WQUlw [4/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 依頼詳細
 クレッフィに鍵をうばわれました。誰か取り返して!
 依頼主 エネコ
 目的  犯人を捜して取り返す
 場所  リンゴの森
 制限  なし
 難しさ c(20)
 お礼  300ポケ その他
 ▼ 219 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:03:18 ID:wa1WQUlw [5/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リンゴの森
1F

リオル「はっけい!」

リオル「いまひとつか……」

ハリボーグ「草、虫、毒ポケモンが多いからね」

4F

カクレオン「いらっしゃーい」

リオル「なんでこんなところで?」

テールナー「強いから、襲われても返り討ちよ」

ゲコガシラ「泥棒なんてした日にゃ……うわああ!」

うん。よくわかった。で、持ち金は……

リオル「無い」

ハリボーグ「銀行だもんね」
 ▼ 220 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:07:50 ID:wa1WQUlw [6/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
12F

リオル「ここだよね」

一番奥では無いけど。依頼にはそうあった。(また忘れてたby作者)

クレッフィ「探検隊か。俺の害悪攻撃に勝てるかな?」

クレッフィ「威張る!」

なんかいきなり襲ってきたと思ったら、なんか自慢話始めた。

テールナー「うざい。死ね!」

ゲコガシラ「なんだってんだよー!」

急にとち狂い出した。
 ▼ 221 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:11:36 ID:wa1WQUlw [7/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「ニトロチャージ!」

リオル「うわ、あぶね」

ゲコガシラ「水の波動!」

ハリボーグ「きゃ」

クレッフィ「へえ。そっちの二人はきいてない、か」

ハリボーグ「こうなったら……」

ハリボーグ「ヤドリギの種!」
 ▼ 222 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:16:32 ID:wa1WQUlw [8/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クレッフィ「ざんねーん。射程距離外でーす」

ハリボーグ「なんで? 威張るは遠距離攻撃じゃないはず……」

テールナー「サイケ光線!」

ハリボーグ「きゃ!」

なんとかかわしている。でもこのままじゃジリ貧だ。突破口は……
覚えたてだけど、あれしか無いのかな。
 ▼ 223 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:21:09 ID:wa1WQUlw [9/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
息を吸い込む。

リオル「まねっこ!」

リオルの威張る!

クレッフィ「え……」

クレッフィは攻撃をかわした!

リオル「ちっ」

しょせんはまねっこ。本家に敵うはずは無い。でも攻撃が届いた。その事は気持ち的に有利に働く。

クレッフィ「なんで? 特性悪戯心のおかげで、遠くに届くだけなのに……」

リオル「特性悪戯心、ね」
 ▼ 224 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:25:18 ID:wa1WQUlw [10/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クレッフィ「身代わり!」

ハリボーグを身代わりにした!

リオル「まねっこ!」

クレッフィを身代わりにした!

クレッフィ(とにかく、どっちがどっちかわからないはず……)

心の中に、子どもっぽい残酷な感情が芽生える。
僕は心が読める。どっちにしても、意味が無いのにな。
僕は身代わり人形に歩み寄る。

リオル「はっけい!」

クレッフィ「なんで……」
 ▼ 225 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:26:50 ID:wa1WQUlw [11/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
にやりと笑みをもらす。

リオル「僕、感情が読めるんだよ」

クレッフィ「そ……そんな」

テールナー「あれ、私は何を……」
 ▼ 226 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:28:45 ID:wa1WQUlw [12/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルド

エネコ「鍵を取り返してくれてありがとう!」

お礼に300ポケもらった!
お礼にモモンスカーフをもらった!
 ▼ 227 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:33:01 ID:wa1WQUlw [13/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その夜。

チラーミィ「へえ、そんな事が」

ニューラ「珍しい特性、か」

リオル「たぶん僕、特性が悪戯心になってるんです」

リオル「ニューラさんなら何か知ってるんじゃ無いかと」

ニューラ「確かに、あたしは知ってる」

ニューラ「まず、この珍しい特性の事を、夢特性と言う」

ニューラ「元に戻すには、特性カプセル」

ニューラ「あたしが知ってるのはこれだけ」
 ▼ 228 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:37:15 ID:wa1WQUlw [14/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「なんで夢?」

ニューラ「昔の名残だって」

リオル「夢……」

思い当たるどころか、明らかにあれだろう。
スリープさんに、夢関連でなんやかんやした事。
夢特性と冠するからには夢に関わる何かなのだろう。

これを確認するにはダークライ事件で悪夢を覗かれたルリリに話を聞けばいい。
 ▼ 229 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:42:24 ID:wa1WQUlw [15/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝。

ルリリ「あの後変わった事?」

マリル「うーん、前よりも野菜好きになった、とか?」

マリル「それに成長も早くなった気がする」

ハリボーグ「もしかして……特性草食?」

ハリボーグ「だとしたら、ものすごく手加減するから、つるのむち当てていい?」

マリル「ええっ、ダメですよ」

ハリボーグ「そうよね……」
 ▼ 230 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:46:40 ID:wa1WQUlw [16/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スリープ「何の話してるんだ?」

ゲコガシラ「なんか、リオルが特性が変わったって」

テールナー「それが、夢にポケモンが入り込んだせいって考えてて」

スリープ「ああ。それなら確かに聞いた事がある」

スリープ「夢に入り込むと、入られたポケモンの特性が変わる事もあるってな」

拍子抜けした。初めからスリープさんに聞けば良かったんだ。

スリープ「だいたい強くなるらしいから、無視してたけどな」
 ▼ 231 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:48:55 ID:wa1WQUlw [17/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリル「えっ、強くなるんですか?」

スリープ「まあポケモンによる」

マリル「だったらそれを仕事にすればいいんじゃないですか?」

スリープ「えっ」

マリル「ここにはいろんな探検隊が来ます」

マリル「強くなりたいって人も多いはずです」

スリープ「なるほど、な」
 ▼ 232 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:51:44 ID:wa1WQUlw [18/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「それいい!」

確かにここで職を持つ事はすなわち定住を意味する。
ここにいたいのなら、確かにピッタリだ。
恐らく売り上げも見込める。

スリープ「なるほどな……よし決めた!」

スリープ「その案に乗るよ」

マリル「やったあ!」

 ▼ 233 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 21:53:14 ID:wa1WQUlw [19/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter7 夢の鍵 完
 ▼ 234 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 22:00:06 ID:wa1WQUlw [20/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
番外編 スリープの初仕事

ニューラ「あの」

スリープ「なんだ?」

ニューラ「あたしの夢特性、治るかな?」

スリープ「治す?」

ニューラ「ええ。わるいてぐせって、日常生活じゃ物凄く邪魔なの」

スリープ「なるほど。だが、夢特性の方が元に戻る、と言う話は聞いた事が無い」

スリープ「悪いな」

それでも彼女はそれほど落胆してはいなかった。

ニューラ「ま、そうよね。そんな虫のいい話、期待して無いから」

ニューラ「あたしは、まだまだ特性カプセルを探すよ」

ニューラ「母さんよりも先に、ね」

後にはスリープだけが残された。
 ▼ 235 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 22:04:34 ID:wa1WQUlw [21/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章

今日も俺はガルーラの子を狙う。
あの時、魂を食べて以来、はまっているのだ。

シャンデラ「トレジャータウンのガルーラ……」
 ▼ 236 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 22:11:37 ID:wa1WQUlw [22/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日もあたしの朝は早い。まあ、特性早起きだからね。
さてっと。開店準備しなくっちゃ。
そんな平穏は、いとも簡単に壊された。

シャンデラ「ふういん!」

ガルーラ「え?」

体が動かない。ダメ、この子だけは。そう言おうとしても、声すらでない。
子どもが連れて行かれるのをただ黙って見ている、それは苦痛以外の何物でも無かった。

ガルーラ「だめえええ!」

自分の声で封印が解けた。でも、時すでに遅く、もうシャンデラは去っていった。

シャンデラ「東の森ではみな……」

と言う言葉を残して。
 ▼ 237 1◆J44kAZeDOM 15/06/16 22:12:03 ID:wa1WQUlw [23/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 238 ンナ@とくせいカプセル 15/06/17 02:16:40 ID:TPW8HCj2 NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 239 ーナイト@がんせきプレート 15/06/17 20:45:54 ID:fnQdns/c [1/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再開します。
あとこれからしばらくリアルが忙しくなるので、更新量が減ります。
 ▼ 240 1◆J44kAZeDOM 15/06/17 20:46:26 ID:fnQdns/c [2/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter8 新たな進化
 ▼ 241 1◆J44kAZeDOM 15/06/17 20:49:51 ID:fnQdns/c [3/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

ギルドのメンバーで、一番初めに事件の事を知ったのは、ペラップだった。

ペラップ「な、なんだってー!」

エレキブル「ああ。ガルーラの悲鳴で目が覚めて」

エレキブル「どうしたんだって聞いたら子どもが誘拐されたって」
 ▼ 242 1◆J44kAZeDOM 15/06/17 20:54:55 ID:fnQdns/c [4/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

いつものようにうなされながら目を覚ます。
もう最近は深く考えるのをあきらめていた。だって、何もわからないんだもん。

ペラップ「……」

ペラップの叫び声が聞こえた。

リオル「どうしたんだろ」

ペラップさんは、ビッパさんいわく玄関で寝ているらしいから、ドゴームさんに匹敵するとまではいかなくても、かなりの大声なはずだ。

リオル「行ってみよ」
 ▼ 243 1◆J44kAZeDOM 15/06/17 21:00:01 ID:fnQdns/c [5/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「どうしたんですか?」

ペラップ「どうもこうもないよ! ガルーラの子どもがさらわれたんだよ」

リオル「……」

え、ちょっと待とうか。さらわれた? 誘拐って事?
あまりにも突拍子の無さ過ぎる単語に、理解が追い付かない。

リオル「えええええ!」

理解すると同時に口から悲鳴が漏れた。
 ▼ 244 1◆J44kAZeDOM 15/06/17 21:07:04 ID:fnQdns/c [6/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「大変じゃないですか! 僕たち、助けに行きます!」

そう言うと返事も聞かずにハシゴを駆け下りる。

リオル「テールナーハリボーグゲコガシラ、早く起きて!」

ハリボーグ「うーん、どうしたの?」

テールナーもゲコガシラもまだ眠っている。起こさないと。いつもペラップはどうやって起こしてたっけ。そうだ。

リオル「モンスターハウスだ!」

テールナー・ゲコガシラ「うわぁ」
 ▼ 245 1◆J44kAZeDOM 15/06/17 21:09:46 ID:fnQdns/c [7/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「で? どうしたのこんなに早く……」

リオル「倉庫のガルーラさんの子どもが誘拐されたんだ」

ゲコガシラ「え?」

リオル「助けに行くよ」

テールナー「う、うん」

半ば強引に、押し切るように僕は今日の仕事を決めた。
 ▼ 246 1◆J44kAZeDOM 15/06/17 21:17:06 ID:fnQdns/c [8/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「ペラップさん!」

テールナー「その誘拐事件、詳しく教えてください」

エレキブル「俺がするよ」

エレキブル「犯人はシャンデラ」

エレキブル「封印で動きを封じた後、子どもをさらう、かなり大胆な犯行だな」

エレキブル「あと、東の森、という言葉を残していったらしい」

ゲコガシラ「わかりました」

ハリボーグ「つまり、東の森にいる、という事ですか?」

ペラップ「断定はできない。だがその確率は高い。少なくとも何か関わりがあるはずだ」

ペラップ「とにかく、お前たちには東の森を探して欲しい」

ペラップ「罠の可能性もあるから、それは気を付けて」

ペラップ「我々もいろいろ探す」

リオル「わかりました。東の森ですね」
 ▼ 247 1◆J44kAZeDOM 15/06/17 21:22:03 ID:fnQdns/c [9/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「急いで準備して来よう」

効率のため、僕たちはバラバラになった。ゲコガシラとテールナーは買い物、僕ら二人は倉庫から、アイテムを手に入れる。

ガルーラ「うちの子を、よろしくお願い」

ガルーラ「何が御入用?」

涙をこらえている姿は、もはや痛々しかった。

リオル「絶対助けます!」

そう言って交差点の方に駆け出す。その時後ろから誰かに呼び止められた。
 ▼ 248 1◆J44kAZeDOM 15/06/17 21:26:48 ID:fnQdns/c [10/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
東の森1F

リオル「おーい、がルーラおばちゃんの子どもー!」

3F
テールナー「どこにいるのー!」

5F
ハリボーグ「見落としはして無いはずだから……」

7F
ゲコガシラ「まだ奥なのか?」

奥地
リオル「もうここが一番奥っぽいけど……」
 ▼ 249 1◆J44kAZeDOM 15/06/17 21:27:19 ID:fnQdns/c [11/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 250 ルレイド@しんかいのウロコ 15/06/18 22:43:58 ID:0.NW.OF2 [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点
ガルーラ「あら?」

トレジャータウンのとは別のガルーラである。
彼女は自分の子どもを失ったばかりである。だから、特別敏感に反応してしまった。

ガルーラ「どうしたの? こんなところで。お母さんは?」

子ガルーラ「なんか……連れて来られた」

子ガルーラは泣いていた。

子ガルーラ「ここ……どこ……お母さんはどこ……」
 ▼ 251 エトル@ムーンボール 15/06/18 22:48:45 ID:0.NW.OF2 [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼女はあやし続けた。この子がかわいそうだというのはもちろんある。
しかし、それ以上に、彼女の母性本能は、あやすべき赤子を求めていた。
こうする事によって、彼女は自分の苦しみを埋め合わせようとしていたのである。

そのかいあって、この子ガルーラは泣き止んだ。

子ガルーラ「おばちゃんありがとう」

ガルーラ「いいのよ」

子ガルーラ「そういや僕をここまで連れて来た人が、これを、だって」

そういって、彼は石ころを差し出した。

子ガルーラ「かたみって言ってたけど、形見って何?」
 ▼ 252 1◆J44kAZeDOM 15/06/18 22:51:16 ID:0.NW.OF2 [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

リオル「おーい、ガルーラおばちゃんの子どもー!」

???「呼んだー」

かすかな声。でもそれは確かに返事の声だった。

リオル「あっちだ!」
 ▼ 253 1◆J44kAZeDOM 15/06/18 22:56:33 ID:0.NW.OF2 [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕たちは急いで足を動かす。
たどり着いた僕たちを待っていたのは……

ガルーラ「あなたたち、この子の?」

子ガルーラ「あーエンドレスのみんなだー」

リオル「はい。知り合いです……けど」

なんで何も無かったかのように微笑んでいる? まさか、これが罠だったり……しないよな?

そんな心配をよそに子ガルーラは僕たちのほうにやってくる、その素振りをみせた。
 ▼ 254 1◆J44kAZeDOM 15/06/18 23:00:14 ID:0.NW.OF2 [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかしそのささやかな情景はあっという間に壊されてしまう。
暗がりからの、一つの黒い影によって。

ゲコガシラ「危ないっ!」

そう言って僕たちを突き飛ばしたゲコガシラ。

リオル「何す……」

ゲコガシラ「あっちだ。誰だ! 出て来い!」

???「ちっ、ばれちまったか」

そう言って姿を現したのは、一人のゲンガーだった。
 ▼ 255 1◆J44kAZeDOM 15/06/18 23:04:47 ID:0.NW.OF2 [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲンガー「まあ、この子ガルーラの魂はもらうぜ」

リオル「どういう事だ?」

怒りより、疑問が先に立つ。シャンデラじゃ無い? どういう事だよ。

ガルーラ「どういう事よ!」

ゲンガー「食わせてもらう、それだけさ」

ゲンガー「邪魔なやつらには消えてもらわないとな」

ゲンガー「ヘドロ爆弾!」

その攻撃は正確にハリボーグの方を襲って来た。

リオル「ダメだ!」
 ▼ 256 1◆J44kAZeDOM 15/06/18 23:08:48 ID:0.NW.OF2 [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「うぐっ」

ハリボーグをかばったせいで、自分がダメージを受けた。

ハリボーグ「お……リオル大丈夫?」

今の「お」は意味がわからないが。

リオル「ああ」

テールナー「火炎放射!」

しかしゲンガーのその速さの前に、彼女の攻撃はいともたやすくかわされる。

ゲコガシラ「水の波動!」

チーム一の俊足、ゲコガシラの攻撃すらその速さにはかなわない。
 ▼ 257 1◆J44kAZeDOM 15/06/18 23:18:29 ID:0.NW.OF2 [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「は、速い……」

その間に体調を整え、僕はあの時、正確にはさっき授けられた奥義をさっそく使う。

リオル「見破る+電光石火!」

回想
後ろから呼び止められた。

エレキブル「シャンデラって、ゴーストだろ?」

エレキブル「そしてリオルの技は、ノーマル、格闘だけだ」

エレキブル「まねっこでは不安定だし」

エレキブル「見破るもあるが、いちいち分けて出すのはめんどいだろ?」

エレキブル「今回は特別にただでしてやるよ」
回想終わり

そう。連結技である。
見破るには、本来ゴーストにノーマル、格闘で普通にダメージを加えられる技だ。
そして、このような場合、相手の行動を見破る事もできる。

ゲンガー「ちっ」

ゲンガーに初めて加わった有効打。
そして、この見破るは、思いがけない効果をもたらした。
 ▼ 258 1◆J44kAZeDOM 15/06/18 23:19:02 ID:0.NW.OF2 [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 259 ルリア@ヒレのカセキ 15/06/18 23:36:50 ID:djIYUwq. NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 260 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:05:18 ID:3V1iwtxE [1/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「わっ」

木の陰から、ある一匹のポケモンが姿を現した。
見破るのおかげであらわになったその姿に、僕たちは驚きを隠せない。

リオル「シャ、シャンデラ? ようやく?」

そう。誘拐して以来、いや、正確には僕たちの前には一度も姿を現す事の無かったそのポケモン。それが

ゲコガシラ「ようやくおでましかよ」

シャンデラ「ごめん!」

急に謝るその姿に、僕たちはさらに疑問を深める。

ゲンガー「なんだ、いたのか」
 ▼ 261 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:12:14 ID:3V1iwtxE [2/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャンデラ「魂を食うって、どういう事……」

ゲンガー「言った通りの意味だよ」

シャンデラ「このガルーラが子どもを亡くしてかわいそうだから、他のガルーラから借りて来いって……まさか」

ゲンガー「いまさらかよ。借りるなんて、許される訳ねーだろ」

リオル「は?」

頭の中で、思考を整理する。
ゲンガーは、とんでもない理屈でシャンデラを丸め込み、子ガルーラを誘拐させた、って事か。そしてゲンガーはその誘拐させた子ガルーラを……

理屈は通る。ただし、シャンデラは相当バカでないと成立しない。子どもを借りる、しかも許可無くなんて、普通しない。

シャンデラ「騙された……って事?」
 ▼ 262 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:17:52 ID:3V1iwtxE [3/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲンガー「いやー傑作だったな。こんな幼稚な理屈で行動してくれる君がね」

シャンデラ「そんな……」

ガルーラ「ど、どういう事よ!」

テールナー「その子ガルーラ、シャンデラに誘拐されたんです」

ハリボーグ「でも、ゲンガーがだましてたみたいですね」

ゲコガシラ「とにかく逃げて! その子を連れて!」

そう。今まで気にしていなかったが、狙いはガルーラなのだ。まずは逃がすべきだった。

ガルーラ「でも……」

リオル「いいから!」

ガルーラ「わかった」

そう言って木陰の方に走り去る。

 ▼ 263 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:24:52 ID:3V1iwtxE [4/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「まずはそのゲンガーを倒そう」

リオル「見破る+電光石火!」

ゲンガー「痛っ」

ゲンガー「くそっ、シャドーボール!」

空中にいる僕には、避ける術が無い。シャドーボールの直撃を受けて、先のヘドロ爆弾のダメージも相まって、僕は膝をついた。

テールナー「火炎放射!」

しかしゲンガーもまた攻撃に集中していてかわせなかった。

ゲンガー「眠っちまえよ、催眠術!」

ゲコガシラ「俺……か」

そう言って崩れ落ちる。

ハリボーグ「ゲコガシラっ!」

ゲンガー「甘いぜ。ヘドロ爆弾!」

ハリボーグ「きゃ!」

効果は抜群。あえなく崩れ落ちる。
 ▼ 264 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:32:28 ID:3V1iwtxE [5/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
許せない……

心の声が聞こえた。

シャンデラ「絶対に許さない!」

シャンデラ「鬼火!」

シャンデラの声だった。
鬼火はゲンガーの方に飛んで行く。
ありがたい。味方が増えるのは歓迎だ。しかし、彼の技は、いかんせん遅すぎた。

ゲンガー「遅い。止まって見えるぜ」

その隙はつかせてもらった。

リオル「見破る+電光石火!」

ゲンガー「痛っ」

テールナー「火炎放射!」

ゲンガー「あっつ」

ゲンガーの動きが鈍った。もしかして、火傷している?
 ▼ 265 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:36:22 ID:3V1iwtxE [6/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャンデラ「ガルーラの子どもを殺したんだろ」

シャンデラ「それなのに僕にはあたかも自然死のように……」

シャンデラ「同じゴーストとして、ううん、一人のポケモンとして」

シャンデラ「絶対に許さない!」

シャンデラ「祟り目!」

テールナー「だめえええ!」

テールナーは叫んだ。だが、その声は届かない。
シャンデラの攻撃はヒットして、ゲンガーは崩れ落ちる、はずだった。
現実はゲンガーは復活の種で復活し、それはいいのだがシャンデラのほうが倒れていた。

リオル「な、なんで……」

テールナーは苦々しげに言う。

テールナー「道連れよ」
 ▼ 266 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:49:12 ID:3V1iwtxE [7/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「ゲンガーは、倒される直前に……」

そう言ってテールナーはシャンデラに駆け寄った。

テールナー「もらい火よね。お願い!」

テールナー「火炎放射!」

テールナーはシャンデラに技を放つ。

ゲンガー「ああ、もらい火で助けようってか。見ず知らずのポケモンを」

リオル「悪いかよ」

彼女の気持ちは痛いほど理解できる。彼女は誰かを守りたい、そう思っているのだから。
だから、せめて、その間……動け、体。先ほどの攻撃で、力を出し尽くしていたのだ。

リオル「見破る+……電光石火!」

ゲンガー「遅い!」

見破った後、またさらに移動したのだ。
しかし、彼は一つ忘れていた。

ゲコガシラ「水の波動!」

ゲンガー「しまっ……」

攻撃は命中した。しかしこんなものでは倒れなかった。
 ▼ 267 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:50:43 ID:3V1iwtxE [8/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲンガー「ったく。シャドーボール!」

ゲコガシラにヒットする。

ゲコガシラ「水の波動!」

ゲンガー「この程度のスピードで勝てると思うなああ!」

ゲンガーはかわした。しかし、ゴースト技は、ゴーストタイプに効果抜群である。

リオル「ま、まねっこ……」

リオルのシャドーボール!
 ▼ 268 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:53:38 ID:3V1iwtxE [9/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし、攻撃は外れた!

ゲンガー「とどめだ! シャドーボール!」

もう、避ける事は出来なかった。

ゲコガシラ「リオル!」

攻撃が当たらない。そんな状況で、勝つ事など不可能だ。
ゲコガシラだけじゃ、もう……

 ▼ 269 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:57:31 ID:3V1iwtxE [10/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点テールナー
必死に火炎放射をし続ける。
しかし、もうPP切れだ。PPが切れると、技は出せない。
また、目の前で命が……
その事実は強く心を苛む。

テールナー「なんでよ! 復活してよ!」

涙がこぼれた。懐から、あのお守りが零れ落ちた。
その石がシャンデラに触れた時、奇跡が起きた。
 ▼ 270 1◆J44kAZeDOM 15/06/19 21:57:51 ID:3V1iwtxE [11/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 271 ックウザ@すごそうないし 15/06/20 21:22:12 ID:akQGew4k [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
木陰の方から光が漏れてくる。
お守りもまばゆい輝きを放つ。

テールナー「え、なにこれ?」

ゲンガー「いいのか、よそ見してて」

ゲンガー「シャドーボール!」

テールナー「きゃ!」

光に気を取られて、かわせなかった。

ゲンガー「あっちだな」

ゲンガーは木陰の方へと向かう。
必死に止めようとはするが、体が思うように動かない。

テールナー「待……って……」

その時、声が聞こえた。

子ガルーラ「みんな!」
 ▼ 272 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:22:57 ID:akQGew4k [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ゲコガシラ

攻撃をなんとか避け続けてはいる。しかし、もう限界が近づいていた。
そんな時、ゲンガーがテールナーに攻撃を仕掛けた。体の疲れのせいで、どうする事も出来なかった。
そんな時だった。ガルーラたちの声を聞いたのは。

ゲコガシラ「え……ガルーラさん?」

ガルーラ「よくわかんないけど、急にこの子が成長したの」

ゲンガー「ほう、自分から来るとはな」

ガルーラ「大丈夫、君は絶対守るから、今は私をお母さんだと思って」

子ガルーラ「うん!」

ゲンガー「ヘドロ爆弾!」

ガルーラ「うぐっ」

ガルーラ「だ、大丈夫?」

子ガルーラ「うん!」
 ▼ 273 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:23:53 ID:akQGew4k [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガルーラ「次はこっちから……」

ガルーラ「不意打ち!」

子ガルーラ「ふ……不意打ち!」

その技は、普通のポケモンでは到底出ないような、目にも留まらぬ素早さだった。

ゲンガー「な……」

ゲンガーは倒れた!

ゲコガシラ「すごい……」

圧倒的な強さだった。それと同時に膝から力が抜けた。

しかし、それでも心配なのは、あの三人だった。体を引きずりながら、テールナーの方へ向かう。

ガルーラ「ちょっと、だめよ。まずはこれを食べて」

彼女は、オレンの実を差し出した。
 ▼ 274 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:24:50 ID:akQGew4k [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

子ガルーラ「ねえ、ねえってば」

リオル「う、うーん」

視界が開ける。目に飛び込んできたのは、見た事の無い、でも、どこかガルーラの面影を感じさせる顔だった。

リオル「えっと……」

子ガルーラ「よかった! ねえおばちゃん、リオルが気付いたよー!」

あたりを見まわした。ゲコガシラがテールナーを、ハリボーグをあのガルーラが介抱していた。
シャンデラとゲンガーは、倒れたままである。

ガルーラ「落ち着いたら手伝ってねー、リオル君」


ガルーラの指示のもと、介抱が続けられる。
まずはハリボーグが、次にテールナーが目を覚ます。そのころには、僕はもう、ほぼ完璧に回復していた。

ゲコガシラ「よかった……」

テールナー「ねえ、シャンデラは……大丈夫なの?」
 ▼ 275 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:25:14 ID:akQGew4k [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「それなら、普通にオレンの実で大丈夫でしょ」

ハリボーグ「死んでる訳じゃ無くて、瀕死なだけだもの」

テールナー「え……わ、わかってたわ! あは、あはははは……」

悲痛な笑い声が響き渡った。しかもそこに涙まで加わっていた。

リオル「じゃあこれで、一件落着?」

ゲコガシラ「だな」
 ▼ 276 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:26:00 ID:akQGew4k [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルド
ゲンガー「離せ、この!」

コイル「オトナシクシロ!」

ジバコイル「エンドレスノミナサン、ゴキョウリョクカンシャシマス」

シャンデラ「あの、ガルーラさんは……なんて言ってた?」

ゲコガシラ「騙されたんだったら仕方ないけど、もう二度とするんじゃないよって」

ハリボーグ「東の森の方だったら、あの子の最後の言葉を教えて、だって」

ハリボーグ「なんでそんな事聞いたんだろ……」
 ▼ 277 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:27:30 ID:akQGew4k [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャンデラ「あの子、なんかきれいな石を見つけて、でも一人ではとれずに、それでゲンガーと取りに行った」

シャンデラ「それが運のつきだったみたい」

シャンデラ「で、ゲンガーはその石を持って形見だってくれた」

シャンデラ「形見だって渡したからかな、ガルーラに」

リオル「なんであなた、形見を渡したんだ」

ゲンガー「誘導のために決まってんだろ、くそ」

シャンデラ「それでも、嬉しかったよ。僕、あの人が好きだったから」

唐突な爆弾発言。みんな、返事をする事が出来ないまま、あっけに取られた顔をしていた。

ジバコイル「イ、イクゾ……」

恥ずかしげな顔(?)をしながら二人を連行していく。
 ▼ 278 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:27:53 ID:akQGew4k [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トレジャータウン
ガルーラ「本当に……ありがとうね」

それ以上の事は言わなかった。言ったところでその涙声では聞き取れなかっただろうが。
こちらも、何も言わなかった。
そんな中、一つの声が、やけに場違いに、元気よく響き渡った。

子ガルーラ「ママ、僕、バトルしたんだよ!」
 ▼ 279 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:28:14 ID:akQGew4k [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再びギルド
ペラップ「と、いう訳で、無事事件は解決した」

ペラップ「明日からは、またいつも通り、働いてもらうよっ!」

その後、てんでバラバラに散って行く……訳は無く、みんな僕たちの話を聞きたがった。

チリーン「どうだったんですか?」

ビッパ「やっぱり強かったでゲスか?」

リオル「あの、実際、僕たち何もして無い……」

チラーミィ「またまた、謙遜しちゃって〜」

ゲコガシラ「いや、向こうにいたガルーラと、あの子ガルーラの手柄なんですって」

みんな「え?」

テールナー「前なんかこんな石をもらったんですけど」

そう言って「お守り」をみせる。

テールナー「この石がシャンデラに触れた時……光が漏れて、そこから成長した子どもと向こうの……」

ニューラ「成長した?」

テールナー「はい。よくわかんないけど」
 ▼ 280 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:28:35 ID:akQGew4k [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビッパ「謎でゲスね」

ディグダ「そんな話、聞いた事無いですけど」

チリーン「そう言う事なら、ペラップが何か知ってるんじゃないでしょうか」
 ▼ 281 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:29:02 ID:akQGew4k [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「なるほど……」

ペラップ「確かに聞いた事がある」

ヘイガニ「ペラップ、はやく教えてくれよ」

ペラップ「まあ待て。これがそうと言う確証はないが、おそらくこれは、メガ進化、と呼ばれるものだ」

リオル「メガ進化?」

ペラップ「ただ、私もあまり詳しい事はしらないのだ」

ペラップ「ひょっとすると、コータス長老なら何か知ってるかもしれんが……」

ハリボーグ「コータス長老って誰ですか?」

ビッパ「温泉にいつもいる、とっても長生きな人でゲス」

リオル「へえ」

ペラップ「とにかく、明日も早いんだから、みんなもう寝る事!」

みんな「はあい」

少しテンションが下がり気味の声を出したが、それでもみんな、その指示に従った。
 ▼ 282 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:29:23 ID:akQGew4k [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter8 新たな進化 完
 ▼ 283 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:29:56 ID:akQGew4k [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章
???「大丈夫か?」

目の前で誰かが倒れている。さすがにそれをスルーできるほど冷酷なポケモンでも無いので介抱した。
彼女の目が、開かれる。

???「うーん、はっ」

???「大丈夫か?」

これしか言えて無いな、俺。

???「ええ、大丈夫ですわ」

???「探検に失敗してしまいまして、わたくし、倒れておりました」

なんとなく、向いて無いように思うのは、お嬢様口調のせいだろう。

???「そうだな」

???「あ、いけません、自己紹介がまだでしたわね」

タブンネ「わたくし、タブンネ、と申します」

タブンネ「メガ進化、という物に心惹かれまして、それを探る旅をしております」
 ▼ 284 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:30:21 ID:akQGew4k [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メガ進化、聞いた事が無い。だが、初対面のポケモンにそんな簡単に心を開いても、良い物なのか?

???「なあ、お前、もし俺が悪い奴だったらどうすんだよ」

タブンネ「え、そうなんですか」

???「違うよ!」

タブンネ「なら大丈夫です」

タブンネ「わたくしを助けて下さったんですもの」

タブンネ「ところで、名前を教えてくださいませんか?」

???「え、俺? 俺は……」
 ▼ 285 1◆J44kAZeDOM 15/06/20 21:31:01 ID:akQGew4k [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 286 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 16:02:11 ID:VP.pbNGM [1/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter9 キーストーン
 ▼ 287 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 16:02:35 ID:VP.pbNGM [2/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝
例によってあの悪夢に叩き起こされ、それに対するスルースキルの強化を実感する。

リオル「メガ進化、ねえ……」

昨日あの後、温泉に行くには滝壺の洞窟を突破すればいいとテールナーから聞いた。

リオル「気になるなー」

ハリボーグ「うわあっ!」

飛び起きざまに叫んだ彼女。僕も驚きを隠せず言う。

リオル「うわっ、ど、どうしたの?」

ハリボーグ「何でも無い」

絶対何でも無いはずが無い、そんな事すぐわかる。それでも、そう装うのなら無関心を貫いてあげるのも優しさだろう。
何より彼女には、記憶がある。無理して辛い記憶を探るのは、僕だけでいい。辛い……よな、僕の記憶。

リオル「無理すんなよ」

ハリボーグ「うん」
 ▼ 288 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 16:02:59 ID:VP.pbNGM [3/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
朝礼
ひとーつ、仕事は絶対サボらない!
ふたーつ、脱走したら、お仕置きだ!
みーっつ、みんな笑顔で明るいギルド!

ペラップ「それじゃみんな、今日も仕事にかかるよっ!」


みんな「おー!」

ってな訳で、今日も今日とて依頼の仕事をこなす……もちろん、滝壺の洞窟の。

チラーミィ「ずるいよ〜」

ニューラ「この子たちが見つけてきたんだから、当たり前でしょ。バカじゃ無いの?」

チラーミィ「そんなに言う? 普通」
 ▼ 289 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 16:03:21 ID:VP.pbNGM [4/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
滝壺の洞窟 入口

テールナー「うわ、知ってはいたけど、これに……」

リオル「これに、何?」

テールナー「この滝の中に洞窟があるの」

リオル「は?」

ゲコガシラ「ああ、これがウワサの滝の中のダンジョンか」

ハリボーグ「みたいね」

リオル「え、え?」

ついて行けないんですけど。普通、飛び込んだりしないよ?
こんな所に飛び込んで、滝壺に叩き付けられたら、たちまちお陀仏だよ?

ハリボーグ「でも、行かないと」

リオル「ちょっと待てよ……」

ゲコガシラ「怖いのか?」

むしろ怖く無いのかよ。まあ相性いいもんな、お前ら。

テールナー「濡れ……るよね。ああやだ」

そうはいっても怖いとは思って無さそう。濡れる事、問題はそれだけらしい。
ああもうわかったよ。この体はもうポケモンなんだ。人間基準で考えてもらちがあかない。そう思おう。信じよう。
 ▼ 290 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 16:03:46 ID:VP.pbNGM [5/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「わかった。でもとりあえず、勢いつけないとどうしようも無いよ」

テールナー「わかってる」

リオル「じゃあ行こう。1、2、3、ドン、で、あれ?」

説明のつもりが、行ってしまった。なんのコントだよ、全くもう。
仕方ない。1、2、3、ドン!
 ▼ 291 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 16:04:09 ID:VP.pbNGM [6/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「なんで一人遅いの?」

ゲコガシラ「流されたかと思って一瞬マジびびったぞ」

テールナー「ああ、濡れてる、濡れてる……」

うん。コントだ。今日はそういう日らしい。まあ、たまには笑いも必要……

リオル「笑えねえよっ!」

ハリボーグ「どうしたの?」

リオル「セルフ脳内ノリツッコミ」

まったく、もう……
 ▼ 292 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 16:04:51 ID:VP.pbNGM [7/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とりあえず今日の昼書いた奴投稿しきった
たぶん夜もする
 ▼ 293 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 20:10:25 ID:VP.pbNGM [8/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「とにかく先に進もう」

この妙な空気を変えるため、慌てて話題を変えた。

テールナー「ふう、だいぶ乾いたし、もう大丈夫よ」
 ▼ 294 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 20:11:25 ID:VP.pbNGM [9/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B1F
ゲコガシラ「水の波動!」

ウパーは貯水で回復した!

ゲコガシラ「まじか……」

B4F
ベトベターの悪臭!
リオルは怯えてしまった!

リオル「臭い臭い臭い! こんな奴と戦えるか!」

テールナー「ちょっとリオル! もう。火炎放射!」

ベトベターは倒れた!

B5F
ハリボーグ「エナジーボール!」

ハリボーグ「ここ、割と私向けね」
 ▼ 295 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 20:11:45 ID:VP.pbNGM [10/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B7F
モブ「探検隊か。勝負!」

リオル「睡眠の種!」

モブ「うわっ……ZZZ」

リオル「後はリンチするだけだよね」

自覚はある。悪戯心覚醒以降、若干ゲスい所が出て来た事は。
 ▼ 296 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 20:12:39 ID:VP.pbNGM [11/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
奥底
リオル「ここが一番奥、どうやって温泉に行くの?」

テールナー「あの宝石よ」

ハリボーグ「え?」

リオル「どういう事?」

テールナー「押すらしいよ」

リオル「押す?」

宝石を押してみた。
ガコン
 ▼ 297 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 20:13:04 ID:VP.pbNGM [12/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

リオル「え?」

ゲコガシラ「わ、バカ心の準備が……」

地鳴りが響く。

ハリボーグ「何これ……」

テールナー「水流よ、間欠泉が……来た!」

リオル「え、うそなんで」

ゲコガシラ「テールナー危ない!」

そう言ってかばう。相性の問題だろうけど……

ハリボーグ「きゃあああ!」
 ▼ 298 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 20:13:29 ID:VP.pbNGM [13/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「なんだってんだよおおお!」

テールナー「そういうシステムなの! これ、温泉に吹っ飛ばされるの!」

リオル「先言えよ!」

テールナー「説明の前に押したのリオルでしょ!」

リオル「そうだけど!」

ハリボーグ「ねえ! 落ちて来てるよ!」

ゲコガシラ「ホントに温泉につくのか!?」

テールナー「大丈夫よ!」

リオル「うわ、落ちるうううう!」

バッシャーン
 ▼ 299 1◆J44kAZeDOM 15/06/21 20:13:54 ID:VP.pbNGM [14/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 300 オー@まんまるいし 15/06/22 20:04:38 ID:Bh/Mqgl. [1/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
温泉
マンキー「うわっ、また落ちて来たよ」

テールナー「濡れる濡れる!」

ハリボーグ「いたた……」

ゲコガシラ「あっつ」

リオル「……」

うん。確かに温泉だ。だが朝からの恐怖体験のせいで、声を出す気になれなかった。

オコリザル「滝壺の洞窟から来たのか?」

ゲコガシラ「はい」

奥に岩盤浴しているポケモンが見える。この人がコータス長老だろうか。
テールナーが温泉からあがった。

テールナー「ふう。あ、あったかくて気持ちいい」

コータス「ほっほっほっ、ここは岩盤浴もできるんじゃよ」
 ▼ 301 1◆J44kAZeDOM 15/06/22 20:12:15 ID:Bh/Mqgl. [2/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
と、ここまでやって来た目的を思い出し、頭を振って恐怖体験を思考の片隅に追いやり尋ねた。

リオル「あの、聞きたい事があるんですコータスさん」

コータス「なんじゃ?」

リオル「メガ進化、って知ってますか?」

コータス「メガ進化、はて……」

知ら無さそう。そう思ったのが顔に出ていたのだろうか。

コータス「おおそうじゃ! そうがっかりせずとも、聞いた事がある」

テールナー「ホントですか?」

コータス「ああ。えっと……そうじゃ、探検家アブソルがその力を使いこなしておった」

ゲコガシラ「探検家アブソル?」

コータス「知らないのも無理は無い。なんせおぬしたちが生まれるずっと前の話じゃからの」
 ▼ 302 1◆J44kAZeDOM 15/06/22 20:13:48 ID:Bh/Mqgl. [3/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
あとテストが迫りつつあるので更新量ガク落ちします。金曜までは今日ぐらい更新するつもりです。
 ▼ 303 1◆J44kAZeDOM 15/06/23 21:02:50 ID:tMUwo/bk [1/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「みんな、知らないよね」

三人「うん」

コータス「そうじゃのう……彼とは何度か話をしたが、メガ進化……そうじゃ!」

リオル「何か思い出したんですか?」

コータス「どこかのダンジョンの先でレックウザ、というポケモンに出会ったのが鍵じゃったそうだが……」

テールナー「どこかって、どこですか?」

コータス「……忘れた」

リオル「えっ」

コータス「……おおそうじゃ。思い出したぞ」
 ▼ 304 1◆J44kAZeDOM 15/06/23 21:06:11 ID:tMUwo/bk [2/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「どこですか?」

コータス「萌黄色の塔、だったはずじゃ」

リオル「そこはどの辺にある……」

コータス「すまん。それは聞いた覚えが無い。なんせワシは、ここでのんびりするのが好きでの。おぬしたちのように、探検する趣味は無かったもんだからの」

ゲコガシラ「忘れたんじゃ無く?」

コータス「すまんの」

 ▼ 305 1◆J44kAZeDOM 15/06/23 21:13:17 ID:tMUwo/bk [3/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「まあ、しばらくここでゆっくりしていきなさい。たまには休息も必要じゃからの。ほっほっほっ」

その言葉に従って、僕たちは日頃の疲れを癒すべく、温泉を楽しむ事にした。

暖かいお湯は、心地よく体の疲れをほどき、遠くに山を望む雄大な景色は様々な疑問で埋もれた僕の心をほどいてゆく。
温泉から出る頃にはすっかり体も心も軽く……という訳にもいかず、温泉というものは入り過ぎると疲れが表層化するのだ。しかし決して不快な疲れでは無い。むしろその気怠さが、ずっと張りつめていた心にはじんわりと心地よかった。
 ▼ 306 1◆J44kAZeDOM 15/06/23 21:13:45 ID:tMUwo/bk [4/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 307 1◆J44kAZeDOM 15/06/24 20:49:23 ID:7qnjjIps [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
帰り道。僕たちはこの話を整理していた。

テールナー「萌黄色の塔にレックウザ、っていうポケモンがいて」

ゲコガシラ「そいつがメガ進化の鍵を握っている」

ハリボーグ「たぶんアブソルさんは今は無視していいと思う」

リオル「でも、どこにあるんだろ、その塔」

結局三人とも知らなかった。
 ▼ 308 1◆J44kAZeDOM 15/06/24 20:52:24 ID:7qnjjIps [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「確か、それ、石がシャンデラに触れた瞬間に起きたんだよね」

テールナー「うん」

ハリボーグ「なんか関係あるのかな?」

テールナー「触るのが関係あったとしても、なんで私じゃ駄目だったのか」

ゲコガシラ「それも謎だよなー」

そんなこんな言っている内にギルドにたどり着いていた。
 ▼ 309 1◆J44kAZeDOM 15/06/24 20:55:38 ID:7qnjjIps [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「で、調べて来た、ってわけかい」

リオル「仕事はしました!」

ペラップ「まあ文句は無いが……」

テールナー「聞きたい事があります」

ペラップ「え、なんだ?」

ハリボーグ「萌黄色の塔って知っていますか?」

ゲコガシラ「メガ進化に関係してるらしいんで」

ペラップ「お前たち、本業がおろそかになってないか?」
 ▼ 310 1◆J44kAZeDOM 15/06/24 21:05:29 ID:7qnjjIps [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんとなく、ペラップはそう言うだろうと思っていた。
三人は言葉に詰まる。しかし、僕はそれをひっくり返す作戦があった。

リオル「でも、情報通のペラップさんが聞いた事があるレベルの話、一般には知られてないでしょう?」

リオル「そこで家のギルドがそれについて調べ、それを世間に発表したらどうなります?」

リオル「一大センセーションですよ? ポケダンズ並とは言いませんけど」

リオル「これはかなりの業績にカウントできます」

ペラップ「あっと……」

露骨に悩んでいる。悪く言えばがめつい、よく言えばギルドのために一生懸命。そんなペラップならこの話に乗って来る、そう判断して切り出したが、効果はてきめんだった。
 ▼ 311 1◆J44kAZeDOM 15/06/24 21:10:56 ID:7qnjjIps [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「わかった。萌黄色の塔。紅色平原、藍色海岸の先にあると言われるダンジョンらしい」

ペラップ「だがたどり着けた者はほぼいない、とも言われている」

リオル「たどり着けた……」

ハリボーグ「者はいない?」

ペラップ「そうだ」

ゲコガシラ「うーん、俺たちには厳しいかな……」

ペラップ「えっ……いや、何でもない。だが、ギルドとしては色々バックアップさせてもらうよ!」

極端だ。しかし、この発言に嘘は無かった。いや、極端にホントだった。まさか、ギルドが総出で動く事になるなんて、想像する事など出来なかった。
 ▼ 312 1◆J44kAZeDOM 15/06/24 21:11:20 ID:7qnjjIps [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 313 1◆J44kAZeDOM 15/06/24 21:12:48 ID:7qnjjIps [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
追記
テストに危機感を感じたため、7月中旬まで更新休みます
有言不実行になるかもですが……
だからけろさんロックしないでください
 ▼ 314 ボネア@いかずちプレート 15/07/01 21:49:02 ID:XS2Us3kE [1/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その数日後。特に情報を得る事もかなわず(しいて言えばテールナーのこのお守りがキーストーンだとわかったぐらい)、萌黄色の塔に挑もうとしてもペラップにまだ早いと止められ、消化不良のまま過ごしていた僕たちは、ギルドの中である話を聞いた。

ビッパ「そういやそろそろ遠征に行くらしいでゲスけど、行けるでゲスかねえ」

チリーン「でもビッパさんももうここではかなりの古株じゃないですか。実力は確実にアップしてますし、大丈夫ですよ」

ビッパ「だといいでゲスけど……」

リオル「あの、ちょっといいですか」

チリーン「なんですか?」

リオル「遠征ってなんですか?」

テールナー「ギルドをあげて遠いところに探検に行くの。前回の濃霧の森遠征以外たくさんの宝物をゲットしてるのよ」

リオル「へえ、ってなんでテールナーが……」

ビッパ(そういや言っちゃダメなんでゲスね)

チリーン(むやみには言わない方がいいですよね)

ゲコガシラ「どうしたんですか?」

ビッパ「な、何でも無いでゲス〜」
 ▼ 315 ガラティアス@たいようのいし 15/07/01 21:49:30 ID:XS2Us3kE [2/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
生存報告にかえて
ああやらかした……
 ▼ 316 1◆J44kAZeDOM 15/07/01 21:50:12 ID:XS2Us3kE [3/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、作者です
今日はここまで
 ▼ 317 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:32:36 ID:gqRlqp.A [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「で、行けるかも、ってどういう事ですか?」

チリーン「いや、必ずしも全員が行けるとは限らないんですよ」

リオル「えっ」

ビッパ「前回は結局全員で言ったけど、今回もそうだって保障はどこにもないでゲス」

ビッパ「でも遠征に行けるように、本気出して行くでゲス!」

遠征、かあ。まあ確かに行ってみたいよな。
なんてぼんやり考えてるうちにやる気に燃えたビッパさんは行ってしまったらしく、後にはチリーンさんが残されていた。

ハリボーグ「そういやチリーンさんってここで何してるんですか?」

チリーン「あ、言ってませんでしたね。私はここで、編成所を担当してます」

チリーン「エンドレスはもう四人揃ってるので、あなたたち二人には説明しなかったんです」

テールナー「ダンジョンで倒した敵はたまに仲間になるのよ」

ゲコガシラ「その仲間を待機させて、ここでパーティーを編成するんだ」

テールナー「ま、私たちはもう使わないけどね」
 ▼ 318 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:33:42 ID:gqRlqp.A [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
遠征と言うのを一つの目標に、メガ進化についての情報も調べつつ(成果は無かったけど)全力で仕事をこなしていた。
そんなある日の朝礼で、ペラップが言った。

ペラップ「今朝はみんなに重要なお知らせがある」

ペラップ「遠征のメンバーと目的地を発表する!」

みんなが息を飲んだ。ペラップの言葉によって、みんなに鋭い緊張が走る。

ペラップ「まずメンバーは……えっと……ヘイガニ、グレッグル、チリーン!」

ヘイガニ「やったぜ、ヘイヘイ!」

グレッグル「ぐへへ」

チリーン「よかったあ」

ペラップ「ディグダ、ダグトリオ、ビッパ!」

ダグトリオ「まあ私たちなら当然だな(あーよかったー)」

ディグダ「ちょっと父さん!」

ビッパ「やったでゲス!」
 ▼ 319 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:34:10 ID:gqRlqp.A [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「以上!」

エンドレス・チラーミィ「えっ」

ペラップ「いや、ちょっと待ってくれ(前みたいな事が無いとも限らないしな)」

ペラップ「いや、あった! リアライズ、エンドレスもだ! (字がちっちゃいし汚いし、読めないよ、こんなの)」

ニューラ「……なんだ」

リオル「よかったー」

テールナー「心臓に悪いよ……」

チラーミィ「良かったね、ニューラ!」

ニューラ「ああ」
 ▼ 320 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:35:51 ID:gqRlqp.A [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし、ペラップの次の発言は、先程の発言よりもさらに凄い驚きを呼ぶ事になる。

ペラップ「で、遠征の場所だが、萌黄色の塔を目指す」

は? え、ちょっと待って。バックアップするって言ったけど、ギルドをあげて、メガ進化について調べるの?

ペラップ「エンドレスがそこにメガ進化について知っているポケモンがいるとの情報を持ってきた」

ペラップ「今回はそれについて調べていきたいと思っている」

ペラップ「という訳で親方様も一言……」

プクリン「……ぐう」

(間違いない。親方様、寝てる)

(しかも目を開けたまま)

(でもそんな親方様もお茶目で素敵。きゃ)

ペラップ「(まずい、はやく起こさないと)親方様ー」
 ▼ 321 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:36:11 ID:gqRlqp.A [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プクリン「……たあっ!」

プクリン「みんな、頑張ろうね!」

ペラップ「わっ」

みんな「おー!」

ペラップ「え、遠征までまだ何日かある。それまではいつも通り仕事を頼むよ……」

気の毒なペラップは置いといて、僕たちはなおいっそう士気を高め、仕事に取り掛かる。
来たるべき遠征に向けて。
 ▼ 322 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:36:35 ID:gqRlqp.A [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter9 キーストーン 完
 ▼ 323 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:37:48 ID:gqRlqp.A [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章
タブンネ「メガ進化、それは」

???「それは?」

タブンネ「進化の限界を超えて進化する、という物です」

???「進化の限界を超える……どういう事だ?」

タブンネ「例えば、わたくしは一般にはもう進化しないと言われています」

???「だよな、タブンネが進化したなんて聞いた事無い」

タブンネ「ですが、わたくしの家系に関しましては、過去にさらに姿が変わる、という事例がありました」

???「え?」

タブンネ「それはこの石と関係ある、と言われています」

そう言って彼女は石ころを取り出す。

タブンネ「これはタブンネナイト、と呼ばれるものです」
 ▼ 324 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:38:43 ID:gqRlqp.A [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タブンネ「実はもう一つ、キーストーン、と呼ばれる石があったのですが、紛失してしまったらしく……」

???「ふーん」

タブンネ「お恥ずかしい限りです」

タブンネ「ところで、その耳の傷……」

???「ああ、ちっさな頃にけがしてな」

タブンネ「なら、わたくしが治してあげましょうか?」

???「無駄だよ。何年も消えなかったんだし」

タブンネ「そうでもございませんわ」

タブンネ「癒しの波動!」

彼女が放った光はどこか温かく、疲れた体は完全に癒えていた。

タブンネ「治りましたわ」

???「え、マジで!?」

タブンネ「わたくし、回復が得意ですの」

驚きを隠せない。ずっと消えなかった傷が、消えただって?
しかし彼女はそんな事は意にも介さず話を続けた。
 ▼ 325 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:40:10 ID:gqRlqp.A [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タブンネ「それはそうと、わたくし、メガ進化という物の秘密を探ってまして、それで、萌黄色の塔、というダンジョンを探しているのですが」

???「萌黄色の塔……」

聞き覚えがある。なんでもたどり着いた者がいないとかって……
場所もだいたい聞いた事がある。
しかし、ここからはかなり遠いはずじゃ……

タブンネ「そこでメガ進化について情報を得られると言われているのですが」

タブンネ「まだ藍色海岸どころか紅色平原にすらたどり着けず……」

タブンネ「こんな所で気を失っておりました」

???「はあ?」

ここはそんなに厳しいダンジョンじゃ無いはず。

タブンネ「わたくし、技がサポート向きでして、一人ではうまく戦えないのです」

???「ああ、なるほど」

タブンネ「そこであのー、大変厚かましいのですが、わたくしと一緒に探検してくださいませんか?」

メガ進化。一探検家として、こういう未知のものに心惹かれなければ、うそだ。
あいつに言ったら笑われるんだろうけどな……
いや、駄目だ。こんな所であいつを思い出しても何も進まない。

頭を振ってあいつの幻影を追い出す。
 ▼ 326 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:40:30 ID:gqRlqp.A [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「わかった。協力するよ。傷治してくれたお礼もしたいしな。即席のチーム結成だ」

タブンネ「いいのですか?!」

???「ああ」

タブンネ「ありがとうございます!」

こうして俺たちは即席のチームを結成した。
まさかこれがあの再開を生み出すきっかけになるなんて、今の俺には全く予想できなかった。
 ▼ 327 1◆J44kAZeDOM 15/07/05 20:41:04 ID:gqRlqp.A [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
もう区切りつけました
 ▼ 328 ワーク@むげんのふえ 15/07/09 18:35:27 ID:Mvw48t76 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
番外編 チーム名
リオル「の由来ってなんなの?」

ハリボーグ「確かに気になる!」

テールナー「えっと、ゲコガシラ、なんで?」

ゲコガシラ「その……陳腐過ぎて言いたくないが……」

リオル「気にしないよ。ってか自分で恥ずかしい名前つけるなよ」

ゲコガシラ「……探検は終わらない」ボソッ

ハリボーグ「え、なんて?」

ゲコガシラ「探検は終わらないって意味だよ!」

リオル「うわっ……」

テールナー「確かに陳腐……」

ゲコガシラ「悪いかよ」

ハリボーグ「普通にいいと思うけど、二人ともどうしたの?」
 ▼ 329 ャタピー@ねばねばこやし 15/07/09 18:36:21 ID:Mvw48t76 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニューラ「うるさい」

ゲコガシラ「あ、すんません」

ニューラ「で、何の話してたんだ?」

テールナー・ゲコガシラ「!!」

テールナー(ニューラさんが反応を示した)ヒソヒソ

ゲコガシラ(能面のようにクールなニューラさんが)ヒソヒソ

ニューラ「聞こえてる」

テールナー・ゲコガシラ「え……」

リオル「いや、なんでエンドレスって名前なのかなって」

リオル「そういやなんでリアライズっていうんですか?」

ニューラ「ああ。実は」

そう言って声を潜めた。
 ▼ 330 1◆J44kAZeDOM 15/07/09 18:36:45 ID:Mvw48t76 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニューラ「二人ともよく性別を間違えられるの。それで、ウソ、ホントのリアル、ライ、でリアライズ」

ニューラ「気付く、とかいう意味らしいけど……」

そこで息を飲んだ。おそらく背後に殺気を感じたんだろう。

チラーミィ「ニューラ」

ニューラ「あ」

番外編、終わりでいいよね……?
 ▼ 331 1◆J44kAZeDOM 15/07/09 18:37:26 ID:Mvw48t76 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
長らくお待たせしました
明日から本格的に再開します
 ▼ 332 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:47:24 ID:f5D4UQQ. [1/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter10 ギルド遠征
 ▼ 333 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:47:47 ID:f5D4UQQ. [2/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「ここか……」

紅色平原。その入口にあたる丘に、今僕らは立っている。
このルートをたどるのは僕らだけで、皆はまた別のルートをとるらしい。

ゲコガシラ「まずは今回のルートを確認するぞ」

テールナー「まずは紅色平原、藍色海岸を抜けて……」

ハリボーグ「その先にあるベースキャンプで合流する、か」

リオル「目的はその先の萌黄色の塔。そしてそこにあるメガ進化についての情報」

ゲコガシラ「よっしゃ行くぞ!」

リオル「その前にさ、あれ、何?」

テールナー「ああ、リオルは初めてだったっけ。ガルーラ像よ」

ゲコガシラ「倉庫が使えるんだ」

テールナー「中継地点の目印にもなるわ」

リオル「へえ、あ、ごめん腰折って」

ハリボーグ「ま、いいでしょ。じゃ、行こ」
 ▼ 334 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:49:21 ID:f5D4UQQ. [3/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
紅色平原1F
日差しが強い

ゲコガシラ「暑い……」

テールナー「ああもう、速く行こ」

3F
日差しが強い

リオル「ねえ、本格的に暑くない?」

ハリボーグ「むしろ気持ちいいぐらいだけど……」
 ▼ 335 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:49:57 ID:f5D4UQQ. [4/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
7F
日差しが強い

ハリボーグ「前言撤回。あっつ」

ゲコガシラ「もう……限界……」

テールナー「しっかりしてよ!」

リオル「でも、マジできつい」

12F
日差しが強い

テールナー「みんな頑張って!」

ゲコガシラ「」

リオル「あ……階……段」

ハリボーグ「頑張ろう……」
 ▼ 336 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:50:23 ID:f5D4UQQ. [5/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふっと流れ込んだ冷気に、嬉々として駆け出す……体力はすでに無く、ゆっくり這いずって行く。
体に絡みつく冷たさは暑さにもうろうとした意識に入り込み、まだ死ぬ定めでは無いと活を入れてくれる。

ゲコガシラ「助かった……」

ハリボーグ「ホント、なんであんな暑いのよ」

テールナー「そういう土地なのよ」

???「誰か……助けて……」

ふと弱弱しい声が聞こえた。
そちらに目を向けると、そこには傷つき弱った(ように見える)ニンフィアがいた。

リオル「わわっ、大丈夫?」

あわててそっちに走るが、近くで見るととても大丈夫とは思え無い。

ニンフィア「お願い……オレンの実を……」

リオル「わかった」

もちろん三人から異論が出るはずも無く、オレンの実は彼の胃袋に収まった。
 ▼ 337 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:51:04 ID:f5D4UQQ. [6/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ゲコガシラ
ニンフィア……でも左耳になんもないから違うな。

ニンフィア「ふう、あ、ありがとう」

ゲコガシラ「何があってああなってたんだ?」

ニンフィア「ブラッキーに襲われて……あー悔しい」

ブラッキー? ニンフィアがブラッキーに負けるって……

ニンフィア「そうだ、あいつがいない!」

そう言って走ろうとするも、まだ体が治りきって無いからだろう、派手にすっころんだ。

テールナー「あいつ?」

ニンフィア「きっと今頃……頼む! 俺とブラッキーを倒してくれ!」

リオル「えっと……場所によるけど……」

ニンフィア「藍色海岸の奥だ。頼む!」

藍色海岸。おあつらえ向きのように俺たちが進む方だ。
 ▼ 338 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:52:18 ID:f5D4UQQ. [7/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「そこなら行けるな」

テールナー「まあかわいそうだし、私は大丈夫だよ」

ハリボーグ「うん。行こう!」

ニンフィア「ありがとう!」

そうしてこの旅にニンフィアが加わった。
 ▼ 339 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:52:45 ID:f5D4UQQ. [8/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル
藍色海岸
1F
雨が降っている。

テールナー「う……濡れる……」

ゲコガシラ「頑張れ!」

4F
雨が降っている。

リオル「はっくしょん!」

ニンフィア「大丈夫? はっくしゅ」

ハリボーグ「大丈夫? 私は雨も好きだけど」
 ▼ 340 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:53:46 ID:f5D4UQQ. [9/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
7F
雨が降っている。

ハリボーグ「くしゅん!」

ゲコガシラ「ハリボーグまで……」

テールナー「あーもう駄目……」

リオル「頑張れ、みんな」

12F
雨が降っている。

リオル「寒い……」

テールナー「」

ニンフィア「も、もう少し……」

ハリボーグ「あ……階段……」

ゲコガシラ「みんな頑張れ!」

雨があがった。照り込む日差しに凍えそうな体が溶けてゆく。

テールナー「助かった……」

ゲコガシラ「なんかこれ、前も見たような……」
 ▼ 341 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:54:10 ID:f5D4UQQ. [10/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「なんであそこまで雨が降るのよお」

ニンフィア「そう言う土地だからです」

リオル「この辺って異常気象すぎでしょ」

ゲコガシラ「あ……ベースキャンプだ!」
 ▼ 342 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:54:32 ID:f5D4UQQ. [11/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「なんであそこまで雨が降るのよお」

ニンフィア「そう言う土地だからです」

リオル「この辺って異常気象すぎでしょ」

ゲコガシラ「あ……ベースキャンプだ!」

ペラップ「やっと来たか。早かったな♪」

そうは言っても僕ら以外はみんな来ている。

テールナー「新入りにしてはって事でしょ」

ペラップ「ところで……このポケモンは?」

ニンフィア「あの、ちょっと襲われまして、仲間とはぐれたんです。それで、まずは海岸を抜けて……」

ペラップ「そうか……とりあえずお前たちはキャンプ作りを手伝って来なさい」

エンドレス「はい」
 ▼ 343 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 16:54:59 ID:f5D4UQQ. [12/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いったんここまで
また夜に再開します
 ▼ 344 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 21:15:02 ID:f5D4UQQ. [13/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビッパ「これは……こうでゲスか?」

ヘイガニ「そうじゃ無くて、こっちだぜ、ヘイヘイ!」

チリーン「リアライズの二人、ちょっとこっちに来てください!」

さまざまな声が飛び交う。そんな中、僕たちは何をすべきかわからず、戸惑っていた。

グレッグル「お前たちはこれをこうしてくれ。グへへ」

リオル「はい!」

ディグダ「二人ぐらい来てください!」

テールナー・ゲコガシラ「行きまーす!」
 ▼ 345 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 21:15:26 ID:f5D4UQQ. [14/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビッパ「これをこうして……完成でゲス!」

グレッグル「ここがまだだぜ、グヘヘ」

ビッパ「あ……」

ニューラ「こうですか?」

チリーン「OKです!」

チラーミィ「って事は……」

「完成だああ!」
 ▼ 346 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 21:15:50 ID:f5D4UQQ. [15/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「みんなごくろうだった」

ペラップ「じゃあ今後の計画を説明するよ♪」

ペラップ「この付近にあると言われる萌黄色の塔、まずはそれを見つけ出す」

ペラップ「何か情報を見つけたらベースキャンプに伝える事」

ペラップ「親方様と私がここで待機している」

ペラップ「後ここにいるニンフィアだが、ブラッキーに襲われたそうだ」

ペラップ「見つけ次第、ここに報告する事。いいね!」

みんな「はい!」

プクリン「いってらっしゃーい」

ニンフィア「みなさん、よろしくお願いします」
 ▼ 347 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 21:16:15 ID:f5D4UQQ. [16/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter10 ギルド遠征 完
 ▼ 348 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 21:16:39 ID:f5D4UQQ. [17/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章
???「そんなにうまくいく?」

???「なんか文句ある?」

???「いや……」

???「これでうまい具合に食い合ってくれれば、俺たちは……ふっふっふ」
 ▼ 349 1◆J44kAZeDOM 15/07/10 21:17:01 ID:f5D4UQQ. [18/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 350 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 14:57:14 ID:S.ZenHAU [1/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter11 ライバル登場
 ▼ 351 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 14:57:37 ID:S.ZenHAU [2/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ゲコガシラ
よく考えると、いろいろおかしい。
まず、藍色海岸の奥で襲われたなんて、ありえないのだ。
次に、相性的にニンフィアがブラッキーに負けるなんてほぼありえない。
でもだからといって何もできないよなあ。

ニンフィア「どうかしました?」

ゲコガシラ「いや」

テールナー「いろいろ探してはいるけど、結局何の手掛かりも無しか……」

ハリボーグ「ブラッキーもいないしね」
 ▼ 352 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 14:58:10 ID:S.ZenHAU [3/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんなこんなでいろいろ探していた。
その苦労の末、不思議な石像を発見した。

リオル「なんだろ、これ……」

ハリボーグ「えっと、なになに……石の光を我に示せ、だって……」

???「あっ、あれじゃねえか?」

???「本当ですわ!」

リオル「誰だ!」

聞き覚えの無いような、あるような、そんな声だ……って、ブラッキーじゃん!
その後ろにいるのは……タブンネにサザンドラか。

ニンフィア「あいつらです!」
 ▼ 353 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 14:58:31 ID:S.ZenHAU [4/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「おい!」

ブラッキー「え、あっ、あいつらじゃ」

サザンドラ「はい……」

リオル「なんでニンフィアを襲った!」

ブラッキー「そっちこそなんでサザンドラを……は?」

テールナー「いいからニンフィアの仲間を返しなさい!」

タブンネ「ちょ、ちょっとお待ちください、話がかみ合ってません」

ハリボーグ「そうみたいね」

リオル「え?」

タブンネ「このまま争っても何にもなりませんわ。一度話し合いをしましょう」

ニンフィア「ちっ」
 ▼ 354 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 14:58:52 ID:S.ZenHAU [5/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明らかな舌打ち。それはあたりに盛大に響いた。

ニンフィア「おとなしくバトルして消耗してくれればよかったのによお」

サザンドラ「だからうまくいかないって……」

ニンフィア「黙ってろ!」

なるほど。なんかおかしいと思ったら、そういう訳か。

リオル「え、どうして……」

ニンフィア「ムーンフォース!」

ゲコガシラ「うわっ!」

四人とも吹っ飛ばされた。特にリオルは大ダメージを受けている。

ニンフィア「お前らが互いに疲れた所を狙ってお前らの持ち物を奪う予定だったんだがなあ」

タブンネ「大丈夫ですか? 癒しの波動!」

リオル「あれ、なんか元気でてきた……」
 ▼ 355 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 14:59:42 ID:S.ZenHAU [6/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブラッキー「とにかく、あいつらを倒そう」

ゲコガシラ「ああ」

そう言うこいつの左耳を見てしまうのは、感傷が過ぎるな。

サザンドラ「龍の波動!」

リオル「まねっこ!」
リオルの龍の波導!

サザンドラ「うぐっ」

テールナー「火炎放射!」

ニンフィア「ムーンフォース!」

炸裂音が響き、技と技が打ち消し合う。
 ▼ 356 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 15:00:07 ID:S.ZenHAU [7/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「水の波動!」

ブラッキー「手助け!」

サザンドラ「悪の波動!」

手助けで強化された俺の技は、相手の技を貫通し、敵にダメージを与える。

ハリボーグ「ミサイル針!」

サザンドラ「だめっ……」

サザンドラは倒れた!

ニンフィア「形勢不利なようだな……逃げるか」

ニンフィア「マジカルシャイン!」
 ▼ 357 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 15:00:39 ID:S.ZenHAU [8/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼の体から放たれる光に、目を眩まされる。

リオル「まぶしっ」

気が付いた時には、ニンフィアと、そしてテールナーがいなかった。

ゲコガシラ「おいっ、テールナー! テールナーどこだ!」
 ▼ 358 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 15:01:14 ID:S.ZenHAU [9/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点テールナー

光で弾幕を作ろうとしたのだろう。しかしその光は、炎タイプの私にはあまり効果が無く、こそこそ逃げ出そうとする彼をこっそり追いかける事ができた。

ニンフィア「ここまで来れば大丈夫か……」

テールナー「火炎放射!」

ニンフィア「うわっ!」

技が命中した。彼の体が黒くなっている。

テールナー「私たちをなめないで。絶対許さない!」

ニンフィア「ふん、お前ひとりで何ができるってんだよ」

テールナー「さあね。でも、相性なら私が有利よ」

ニンフィア「確かにそうかもな。だが」

ニンフィア「光の壁!」
 ▼ 359 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 15:01:43 ID:S.ZenHAU [10/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
え、特殊(タイプ依存)に対して強くなる……今の私の技は炎、エスパーと……これしかない!

テールナー「ひっかく!」

ニンフィア「遅い! 遠距離技に頼りすぎじゃねえの」

いとも簡単に避けられてしまう。

ニンフィア「電光石火!」

テールナー「うぐっ」

ニンフィア「形勢逆転、っと」

テールナー「火炎放射!」

ニンフィア「だから効かないんだってば」

ニンフィア「ドレインキッス!」

彼の口が近づけられる。
いやだ。いやだいやだいやだいやだ!
 ▼ 360 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 15:02:05 ID:S.ZenHAU [11/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「打ち落とす!」

ニンフィア「うぐう、誰だ!」

ゲコガシラ「なんだかんだと聞かれたら」

リオル「それどころじゃ無くて」

ハリボーグ「たね爆弾!」

ニンフィア「そんな……」

ニンフィアは倒れた!
 ▼ 361 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 15:02:35 ID:S.ZenHAU [12/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いったんここまでです
 ▼ 362 レビィ@スペシャルガード 15/07/11 20:57:26 ID:S.ZenHAU [13/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ゲコガシラ
タブンネ「あっちですわ、たぶん」

ゲコガシラ「なんでそう言えるんだよ!」

タブンネ「ヒヤリングポケモンですから、向こうに走って行った音が聞こえましたの」

リオル「なるほど。じゃあ信じるよ。行こう!」
 ▼ 363 ュバルゴ@あまいミツ 15/07/11 20:57:50 ID:S.ZenHAU [14/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「と、いう訳で来てみたら、こうなってた、っつー訳だ」

テールナー「助かった。ありがとうございます!」

タブンネ「いいのです。こういった場所では助け合わなければなりませんもの」

ブラッキー「そういや自己紹介がまだだったな。俺はブラッキー」

タブンネ「わたくしはタブンネです」

ブラッキー「二人でベストウィッシュって探検隊組んで、メガ進化の謎を追ってる」

リオル「じゃあこっちも……僕はリオルです」

テールナー「私はテールナー」

ハリボーグ「ハリボーグです」

ゲコガシラ「ゲコガシラだ」

リオル「四人で探検隊エンドレスを組んでます」
 ▼ 364 ビルドン@ガルーラナイト 15/07/11 20:58:11 ID:S.ZenHAU [15/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブラッキー「ところでゲコガシラ、お前ってケロマツの進化形だよな」

ゲコガシラ「ああそうだが……」

ブラッキー「探検隊かぁ。かっこいいなぁ」

……!

ゲコガシラ「お前、まさか……」

ブラッキー「うそお、マジか」

テールナー「どうしたの?」

ゲコガシラ「左耳、治ったんだ」

ブラッキー「こいつのおかげでな。にしても、お前まさか探検隊になってるとは。こりゃ明日は大雪かあ?」
 ▼ 365 ウカザル@たからぶくろ 15/07/11 20:58:31 ID:S.ZenHAU [16/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「ちょっと待って、全然ついて行けないんだけど」

ゲコガシラ「あ、そっか、すまん」

ブラッキー「こいつ、俺の小さな頃の親友なんだわ」

ゲコガシラ「俺が説明するよ」

思い出せばいつでもよみがえるあの記憶。それは苦々しくも、俺の記憶の中で一番を占めているものだった。
 ▼ 366 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 20:59:47 ID:S.ZenHAU [17/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は語る。過去のその記憶を。

イーブイ「探検ってかっこいいよなあ」

ケロマツ「じゃあ行ってみようか? あの森の奥まで」

子どもらしい無邪気な心でそう提案した。それがしてはいけない事だとわかっていながら、それでも禁止されるには禁止されるだけの理由があるなんて、知らなかった。

イーブイ「うん!」

目をキラキラさせるこいつに、同い年ながらおにいちゃんみたいな気持ちになった。
え、そんな風に思ってたのかって? ああ、思ってたさ。お前子どもっぽいんだもん。
ハリボーグ、どうした? 何でも無い、そうか。続けるぞ。

もちろんまだ子どもの俺たちじゃすぐに限界が来るよな。

イーブイ「怖い……」

ケロマツ「しっかりしろ!」

え、立場逆? 聞こえないなあ。続けるぞ。

まあそんなこんなで夜になった。まだ子どもだぜ? そりゃビビるよ、二人とも。しかもこいつが左耳に大ケガを負って、動くに動けなくなってた。
暗闇の中、自我の無いポケモンにいつ襲われるかもわからない状況で、ある探検隊が助けに来てくれたんだ。

それ以来、こいつは完全に探検隊っていう職業に魅せられた。でも逆に俺は俺みたいな奴じゃ無理だ、という現実をその探検隊に見たんだ。

そうだ。結局俺はそういう奴だよ、そんな目で見んなブラッキー。


でだ。その数年後、こいつは俺がそう考えてる事を知って、旅に出たんだ。誰にも話さず、たった一人で。
 ▼ 367 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 21:00:13 ID:S.ZenHAU [18/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「それからこいつが何をしてたのか、それはわからない。でも、こいつとまた会えるような気がして、俺は探検隊になった」

リオル「なるほどねえ」

ブラッキー「そういう事か。っつーか恥ずかしいわ。あ、でも俺はたいした事はして無いけどな」

テールナー「あんたはそういう目的だったのね」

タブンネ「そうだったのですか。つまりこれは、感動の再開、というわけですね」

ゲコガシラ「まあな」

なんつーか、気恥ずかしい。話したい事はいろいろあるけど、なぜか言葉にならないのは、そのせいだ。

ハリボーグ「なんかそういうの……いいね……」

ハリボーグはなんか泣いている。やめろって。
 ▼ 368 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 21:00:32 ID:S.ZenHAU [19/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter11 ライバル登場 完
 ▼ 369 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 21:00:53 ID:S.ZenHAU [20/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章
はやく来てよ。あなたが来ないと、始まらないの……

行きたくない。終わりたく無い……

はやく会いに来てくれないと、全てが終わるのよ

わかってるけど、それでも……
 ▼ 370 1◆J44kAZeDOM 15/07/11 21:01:13 ID:S.ZenHAU [21/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 371 タッコ@イナズマカセット 15/07/12 17:52:48 ID:QrYkymNk [22/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter12 メガ進化の秘密
 ▼ 372 ヒダルマ@きんりょくのハネ 15/07/12 17:53:38 ID:QrYkymNk [23/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

リオル「それはそうと、メガ進化について調べてるの?」

こういう空気が妙にむずがゆく、僕は話題を変えた。

タブンネ「はい。で、あなた方は、何をしにここまで?」

リオル「僕たちも、なんだ」

ともにニンフィアとサザンドラを打ち破り、絆を感じ始めたのか知らないが、敬称をつける気になれなかった。

テールナー「この、キーストーンってのを見つけてね」

タブンネ「キーストーン! それです! メガストーンの対の石!」

ハリボーグ「対?」

タブンネ「メガ進化には二つの石が必要と言われています」

タブンネ「キーストーンとメガストーン」

タブンネ「なぜ二ついるのか、などはわかりませんが」
 ▼ 373 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:54:01 ID:QrYkymNk [24/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「二つの石……そういやガルーラさんも形見に石をもらったって」

ハリボーグ「それとこのキーストーンが反応して……」

ゲコガシラ「メガ進化、ねえ」

ブラッキー「ガルーラ?」

ゲコガシラ「ああ。こっちで見つけた初のメガ進化をした人」
 ▼ 374 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:54:26 ID:QrYkymNk [25/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タブンネ「おそらく、その石がメガストーンなのでしょうね」

テールナー「ところで、なんでそんなに詳しいの?」

タブンネ「わたくしの家系が、メガ進化できる家系だったようで、このメガストーンも、代々家宝として残されたものです」

ハリボーグ「家宝……なんかすごいね」

タブンネ「わたくし、気になっています。この石の事も、メガ進化の事も」

リオル「とにかく、萌黄色の塔だよ。答えはそこにある」
 ▼ 375 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:54:50 ID:QrYkymNk [26/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
という訳で石像の前に戻って来た。

ハリボーグ「石の光を我に示せ……これ、メガ進化しろって事なのかな」

テールナー「まあ、光は出るね」

リオル「試してみる?」

タブンネ「駄目でも損はありませんものね。テールナーさん、やりましょう」

テールナー「OK、行くよ!」

テールナー・タブンネ「メガ進化!」

しかし何も起こらない!

タブンネ「あれ? なんで反応しないのですか?」

テールナー「さあ?」

リオル「まあ……あの時もテールナーじゃ無くてシャンデラに触れて初めて発動したし……」

テールナー「私じゃ駄目なのかなあ」

ハリボーグ「そんな事無いって!」
 ▼ 376 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:55:17 ID:QrYkymNk [27/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブラッキー「何か二つの石を持つ人の相性とか……」

しかし、彼はそれ以上言う事はできなかった。

テールナー「見て! 石像が!」

リオル「え、うわっ!」

石像が眩しく六人の目を射る。あまりに眩しく、目をそらしてしまった。

ハリボーグ「石の……光……」
 ▼ 377 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:55:38 ID:QrYkymNk [28/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「ふう、ふわああ」

???
せ、石像がしゃべった?
……

その桃色に透けた宝石で作られた体。とても先ほどまでのただの石像とは思えない……
って

ブラッキー「せ、石像が……」

リオル「しゃべったあああ!」

???「よしっ、あ、どうも、ディアンシーよ」

タブンネ「よろしくお願いします、タブンネです」

ゲコガシラ「ど、どうも……」

ディアンシー「私、萌黄色の塔の番人やってるの。面倒だからとっととやろう」

テールナー「面倒って……」
 ▼ 378 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:56:01 ID:QrYkymNk [29/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
みな少しずつ状況が呑み込めてきたようで、徐々に会話が成立しつつある。

タブンネ「やるって何をですか?」

ディアンシー「一応やらないといけない事だから、説明するね」

ディアンシー「キーストーン、それを私に示すのが鍵なの」

ブラッキー「なるほどねえ」

ディアンシー「それでメガ進化を知る資格を得られるの。キーストーンを持つ者のみがふさわしいのよ」

ディアンシー「ただしそれにふさわしい力を持ってるか、私に見せて」

リオル「え?」

ディアンシー「私とバトルするの。面倒だから、手短にね」

テールナー「バトル……」

ディアンシー「ただし、私は今、メガ進化してる。そこは気を付けてね」

ディアンシー「じゃあ、いざ勝負!」
 ▼ 379 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:56:20 ID:QrYkymNk [30/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メガディアンシー「ダイヤストーム!」

ハリボーグ「痛っ!」

リオル「まねっこ!」
リオルのダイヤストーム!

ブラッキー「手助けする!」

力が湧き上がって来る。そのままディアンシーに向けて技を発射した。

メガディアンシー「った、ふう、ムーンフォース!」

ゲコガシラ「させるか!水の波動!」

炸裂音が響きわたる。
その隙をついて、ハリボーグが攻撃していた。

ハリボーグ「エナジーボール!」

メガディアンシー「うっ、ダイヤストーム!」
 ▼ 380 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:56:47 ID:QrYkymNk [31/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その技はテールナーの方を狙う。

テールナー「きゃっ」

ゲコガシラ「危ない! うぐっ」

ゲコガシラがかばっていた。

テールナー「ゲコガシラ……」

タブンネ「ゲコガシラさん回復します!」

そうしている内に残りのメンバーで攻撃を仕掛ける。

ブラッキー「あやしい光!」
 ▼ 381 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:57:07 ID:QrYkymNk [32/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メガディアンシーはマジックミラーで跳ね返した!

ブラッキー「あれ、ここは……」

ブラッキーは混乱した!

リオル「ちょ、なんだよそれ! 仕方ない、はっけい!」

ブラッキー「なあリオルぅ」

ブラッキーが寄って来たせいで狙いを定められず、はっけいは不発に終わった。

リオル「やめろよ!」

メガディアンシー「私の特性で変化技は跳ね返すのよ」

ハリボーグ「なら攻撃あるのみ! エナジーボール!」

メガディアンシー「ダイヤストーム!」

技と技がぶつかり合い激しい爆発が起こる。

その隙を突いて行動した者がいた。

テールナー「火炎放射!」

ゲコガシラ「水の波動!」

黒煙を切り裂いて二つの技があやまたずメガディアンシーの方へと向かう。

メガディアンシーは倒れた!
 ▼ 382 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:57:33 ID:QrYkymNk [33/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ディアンシーの体が一瞬光に包まれたかと思うと元の石像の形の、ただピンクだけは残った姿になった。

ディアンシー「さすがね。じゃあとっととやるから、気を付けて」

リオル「するって何をさ」

ディアンシー「答えなくていいから答えない。面倒だし」

テールナー「だから面倒って何よ」

ゲコガシラ「っつーか報告しないと!」

ハリボーグ「ああ! 忘れてた!」

ディアンシー「何? 行かないの?」

ブラッキー「報告って?」

テールナー「あ、言って無かったっけ。私たち、ギルド総出でここに来てて」

ブラッキー「なるほど。でも俺たちはそのまま行くぜ。報告して遅れても知らねえぞ」

ゲコガシラの方からなんか怒気が伝わってくるんですけど……大丈夫?

ゲコガシラ「わーったよ、行くぞ」

リオル「ええ、でも!」

ゲコガシラ「い、く、ぞ」

リオル「わ、わかった」
 ▼ 383 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:57:58 ID:QrYkymNk [34/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ディアンシー「結局どうするのよ」

ゲコガシラ「行く!」

ディアンシー「わかった」

そう言って何やら始めた。と思ったら空から光が降ってきて、しかも彼女(?)の言う事には

ディアンシー「その先にあるから。じゃ、頑張ってね」

だって。うん。冗談だよね。光を歩くなんて、どんな3流ファンタジー?

タブンネ「思ったよりしっかりしてますわね」

ゲコガシラ「行こうぜ」

はい。普通に歩けるらしいです。
 ▼ 384 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:58:51 ID:QrYkymNk [35/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「ゲコガシラ大丈夫?」

ゲコガシラ「お、おう」

ブラッキー「こいつ、高所恐怖症なんだぜ」

ハリボーグ「うそ、なんかいがーい」

タブンネ「なんともかわいらしいです」

ゲコガシラ「う、うるさい、そんな目で見んなリオル」

だってあんな自信満々に行こうと言っておきながら、高所恐怖症って……

ゲコガシラ「あーもう! こんな登るとは思ってなかった……」
 ▼ 385 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:59:32 ID:QrYkymNk [36/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
遂に萌黄色の塔と思しきものの前についた。

ゲコガシラ「はあっ、はあっ」

ブラッキー「落ち着け」

テールナー「してよ! しっかりしなさいよ!」

ゲコガシラ「すううううう、はああああ、うん、落ち着いた」

深呼吸で落ち着くのはどんな種族でも変わらないらしい。
 ▼ 386 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 17:59:53 ID:QrYkymNk [37/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いったんここまでです
 ▼ 387 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 20:32:01 ID:QrYkymNk [38/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タブンネ「ゲコガシラさんさえよければ出発しましょう」

ハリボーグ「そうね」

ゲコガシラ「OK、行こう」

リオル「うん!」

そうして僕たちは萌黄色の塔に足を踏み入れた。
その瞬間、何か違和感を感じた。

リオル「ん?」

タブンネ「どうかしましたか?」

リオル「いや……なんか変だなっt」

テールナー「あれ? ゲコガシラは?」

タブンネ「あ! ブラッキーもいません!」

リオル「ハリボーグもだ!」
 ▼ 388 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 20:37:20 ID:QrYkymNk [39/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「おーい、みんなー!」

タブンネ「いないならいないと返事してくださーい!」

テールナー「いや無理でしょ!」

リオル「返事が無いな」

タブンネ「どうしましょう……」

テールナー「……先に進もう。どういう事かはわからないけど、何か法則があるんだよ」
 ▼ 389 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 20:39:37 ID:QrYkymNk [40/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「でも気になるな……メガ進化は関係あるのかな?」

リオル「タブンネはメガストーン、テールナーはキーストーンを持ってる」

リオル「でもだとすると僕は一体……」

テールナー「リオルもメガ進化の可能性があるって事でいいじゃん」

テールナー「カンだけど、このままここで話しててもどうにもならない気がする」

タブンネ「とにかく上を目指しましょう。答えはレックウザが知っているはずです」

リオル「そう……だな」

いつまでもうじうじ考えててもらちがあかない、そう判断して先に進む事にした。
 ▼ 390 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 20:48:12 ID:QrYkymNk [41/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ハリボーグ

ハリボーグ「リオルー!」

ゲコガシラ「テールナー!」

ブラッキー「タブンネどこだあ!」

ハリボーグ「いないね……」

ふと気付いたら私たち三人と向こうの三人で分かれていた。

ゲコガシラ「でもなんでこうなったんだろ」

ブラッキー「俺たちを分断したとして、目的は……」

ハリボーグ「……メガ進化の守護、でしかありえないよね」

ハリボーグ「重要なのは、なぜ分断したか、じゃ無くて」

ハリボーグ「何をもって分断したかだと思う」
 ▼ 391 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 20:53:02 ID:QrYkymNk [42/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブラッキー「何をもって?」

ハリボーグ「早い話が、私たちにあって向こうの三人に無い物」

ハリボーグ「もしくは向こうにしか無い物」

ハリボーグ「そういうのがあると思う。そしてそれはメガ進化になにかしら関わる物だと思う」

ゲコガシラ「なるほど……でも今それを考えた所でどうにもならなさそう」

ブラッキー「レックウザに聞くのが一番早いよ、たぶん」

ハリボーグ「それもそうね……」

ゲコガシラ「とりあえず、行こうぜ」
 ▼ 392 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 20:56:44 ID:QrYkymNk [43/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
1F
リオルサイド

リオル「はっけい!」

テールナー「飛行タイプ多いよねここ」

リオル「辛いよ……」

タブンネ「何かあったら回復しますから、大丈夫です」



ハリボーグサイド

ブラッキー「イカサマ!」

ゲコガシラ「なんかあらためてお前成長したよな」

ハリボーグ「感傷に浸ってる場合じゃないよ」

ゲコガシラ「お前さっき泣いてたじゃん……」
 ▼ 393 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 21:01:10 ID:QrYkymNk [44/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
3F
リオルサイド

リオル「弱点辛いんだけど、テールナーリーダー変わってよ……」

テールナー「そんな事よりやっぱりまだ三人とは合流できないね」

タブンネ「とにかく先に進みましょう」


ハリボーグサイド

ハリボーグ(なんか私、居づらい)

ハリボーグ(二人が思い出話に花を咲かしてるからね……)
 ▼ 394 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 21:09:44 ID:QrYkymNk [45/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
8F
リオルサイド

リオル「それにしても、僕、メガ進化できるのかな……」

タブンネ「さあ? それはわたくしにはわかりません」

テールナー「ま、気にしても始まらないから早く行こ」


ハリボーグサイド

ゲコガシラ「なんでこの三人なのか、やっぱり気にならね?」

ハリボーグ「一応あなたたちが思い出話に花咲かせてる間に」

ハリボーグ「キーストーンを持ってるか、メガ進化の可能性がある、とは考えたけど……」

ブラッキー「さりげなく皮肉を入れて行くスタイル……すまん」

ハリボーグ「リオル、というかルカリオってメガ進化するっけ」

ゲコガシラ「えっと……伝説の救助隊ルカリオにそういう話はきかないけど……」
 ▼ 395 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 21:13:39 ID:QrYkymNk [46/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
10F……もとい中継地点
視点リオル

リオル「ついた……ん?」

テールナー「へえ、ここがウワサの中継地点か」

タブンネ「ガルーラ像がありますけど、倉庫は使えないらしいですね」

え? じゃあなんのための像なんだ、これ」

ブラッキー「あー! いたー!」

ゲコガシラ「テールナー!」

ハリボーグ「よかった……みんな無事で」
 ▼ 396 1◆J44kAZeDOM 15/07/12 21:13:59 ID:QrYkymNk [47/47] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 397 ビビール@モーモーミルク 15/07/13 20:59:15 ID:i7PoCw7I [30/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「でも結局合流させるなら、なんで別れないといけなかったんだろ」

ハリボーグ「さあ……」

テールナー「まあ、みんなそろったんだし、気にしなくていいんじゃない?」

テールナー「少なくとも今は」

ゲコガシラ「レックウザと会った時、って事か?」

テールナー「うん」

ブラッキー「まあ考えてもわかりそうにないもんな」
 ▼ 398 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:05:53 ID:i7PoCw7I [31/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タブンネ「じゃあ、とりあえず先に進みましょう」

萌黄色の塔 最上部
1F

リオル「こんなにいるのになんで僕がリーダーなの?」

テールナー「もう慣れちゃった」

リオル「はあ……」

5F

ブラッキー「なあ、なんか息が苦しくないか?」

ハリボーグ「標高が高いんだもん。当然じゃない」

ゲコガシラ「思い出させんなよ……」

タブンネ「高所恐怖症ですね」

ゲコガシラ「うるさい!」
 ▼ 399 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:09:33 ID:i7PoCw7I [32/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
頂上

リオル「ここが……頂上?」

ゲコガシラ「ひっ、た、高い……」

テールナー「大丈夫?」

タブンネ「心の問題はわたくしには治せません」

ゲコガシラ「そんな目で見んなブラッキー」

ブラッキー「いや、面白いじゃん」

そんな風にのんきにしゃべっていた。そこにいきなり声が聞こえた。

ハリボーグ「見て! あれ!」
 ▼ 400 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:13:29 ID:i7PoCw7I [33/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その巨体に、ただただボーゼンとする僕たち。

テールナー「あれが……レックウザ」

タブンネ「おそらくは」

レックウザ「やあ。よく来たね」

親しみのこもった軽い口調にあっけにとられる。

リオル「あなたが……レックウザですか?」

レックウザ「うん。こんな所でメガ進化の秘密を守ってます」

テールナー「なんかイメージと違う……」

レックウザ「伝説がみんな荘厳な雰囲気って訳じゃないんだけど」
 ▼ 401 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:14:39 ID:i7PoCw7I [34/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブラッキー「ところで、メガ進化、について教えてくれよ」

レックウザ「いいよ。といってもそこまでわからないけどね」

そう言って語り始めた。
 ▼ 402 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:18:59 ID:i7PoCw7I [35/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まず、君たちはここに来る時に二組に分かれたと思う。

それはキーストーンを持つ者、あるいはメガ進化の可能性を持つ者とそうでは無い者で分けられてるんだ。

ハリボーグ「やっぱり!」

レックウザ「気付いたんだ。すごいね」

続けるね。だからキーストーンを持つ者と同じ方に分けられたポケモンにはメガ進化の可能性が秘められてるって事だ。

リオル「つまり僕にも……」

レックウザ「かもね」
 ▼ 403 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:23:25 ID:i7PoCw7I [36/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次に発動条件だ。

これは、キーストーンを持つ者とメガ進化するもの、双方の間に確かな絆が必要なんだ。

テールナー「じゃああのガルーラさんとシャンデラには絆があったって事? おかしくない?」

ハリボーグ「もしかしたら、恋愛感情も絆のうちなのかも」

ブラッキー「俺たちにわからない話すんなよ」

テールナー「あ、ごめん」

レックウザ「まあ、そこらへんはよくわからないんだけど」

リオル「それで秘密を守る者なの……」

レックウザ「うん」
 ▼ 404 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:27:29 ID:i7PoCw7I [37/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
で、最後にメガ進化の意義。

これはここに来たポケモンがそれぞれ見つける物なんだ。

ブラッキー「は?」

レックウザ「あくまで僕はデータベース。データベースは結論を出せないんだよ」

タブンネ「でも、いくらなんでも……私、気になります!」

レックウザ「メガ進化の意義を探る事、これは全ポケモンのありかたを考える問題なんだ」

レックウザ「軽々しく教える訳にはいかない」

レックウザ「まあ、僕自身も知らされてないんだけどね」
 ▼ 405 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:33:00 ID:i7PoCw7I [38/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「そういうもんなのか……」

リオル「あれ? 知らされる?」

レックウザ「あ、いや……そうだ。ルカリオナイトがどこにあるか、教えようか?」

露骨に話題を変えた……ま、いいか。

テールナー「お願いします」

レックウザ「北の砂漠の奥地、ジガルデが持ってるよ」

ゲコガシラ「北の砂漠の……」

ハリボーグ「奥地?」

レックウザ「うん。過去に誰かから貰ったらしいけど」

リオル「へえ……」
 ▼ 406 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:34:27 ID:i7PoCw7I [39/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブラッキー「キーストーンの場所は知らないのか?」

レックウザ「だってキーストーン無しにここまで来られないし」

タブンネ「あ、そうでした!」

ブラッキー「まじかよ……」

レックウザ「ごめんね」
 ▼ 407 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:38:26 ID:i7PoCw7I [40/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふっと思いついた事がある。これは絶対聞かないといけない。

リオル「あの……ここの事、世間に広めてもいいですか?」

レックウザ「うん。みんながメガ進化について考えるようになるポケモンが増えればそれだけメガ進化の意義に近づく事になるからね」

リオル「よかったあ……」

ペラップの落とし文句はここの事を公表する前提で成り立っている。

もしここでダメと言われてたら……と思うと背筋が寒くなる。
 ▼ 408 1◆J44kAZeDOM 15/07/13 21:38:49 ID:i7PoCw7I [41/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 409 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 20:40:04 ID:LGVHYo4g [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レックウザ「僕が言えるのはここまで。ゆっくりしてってって言いたいけど……」

レックウザ「でもまあ、仲間も待ってるんでしょ」

リオル「はい」

ブラッキー「別に俺たちは待ってないけど……」

レックウザ「だから、バイバイ。久々に誰かと話せて楽しかったよ」

タブンネ「こちらこそ、ありがとうございました」
 ▼ 410 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 20:43:04 ID:LGVHYo4g [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
萌黄色の塔を下りてゆく。

ゲコガシラ「まさか……またあの道を……しかも下り……」

ブラッキー「ククク……」

ゲコガシラ「笑うな」

ブラッキー「だってよ……ククク」

こんなどうでもいいコントを聞きながら、僕たちは下にたどり着いた。
 ▼ 411 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 20:49:25 ID:LGVHYo4g [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「どこ行ってたんだい! ワタシたちに黙って!」

第一声は罵声だった。当然だ。命令を無視して単独行動(?)したんだから。

リオル「すみません……」

ビッパ「って、ブラッキーでゲス!」

ゲコガシラ「あ、いやこれは違う……」

ディグダ「ニンフィアをなぜ!」

ゲコガシラ「いやだから違う……」

ヘイガニ「許さないぜ! ヘイヘイ!」

ゲコガシラ「だから違うんだって!」

ブラッキー「どういう事だ? ってかそもそも誰……ってプクリン?!」

タブンネ「あ、ひょっとして、ニンフィアに騙されたままそれを伝えたのではないでしょうか」

ギルドのみんなの頭にハテナマークが浮かぶ。

ニューラ「ニンフィアに……」

チラーミィ「……騙された?」
 ▼ 412 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 20:52:34 ID:LGVHYo4g [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「かくかくしかじかこういう訳で……」

ペラップ「つまり……騙されたって事かい?」

テールナー「まあ、そうなりますね」

ペラップ「そいつら、許さないよ! どこにいるんだい!」

リオル「あっち……あ!」

ペラップ「どうしたんだい?」

それには答えず、ニンフィアを倒した場所へ向かった。

ペラップ「どこに行くんだい!」

リオル「やっぱり……」

頭に手をやった。
 ▼ 413 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 20:53:14 ID:LGVHYo4g [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そこには、誰もいなかった。
 ▼ 414 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 20:56:04 ID:LGVHYo4g [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブラッキー「しまった! 逃げられた!」

皆どうする事もできず、ただじっとしていた。

プクリン「でも、こうしてみんな無事なんだし、それでいいんじゃない?」

トモダチ! トモダチ! なんて言いながら言った。
特に考えて言ったとは思えなかったがそれでもみんなの心を慰めた。
 ▼ 415 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 21:01:34 ID:LGVHYo4g [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「ところで、肝心の探検の成果はどうだい?」

ペラップ「単独行動したからには、ちゃんと持って帰って来たんだろうね?」

半ば脅迫ともとれるような笑顔に、もしあの時口止めされてたらと思うとぞっとした。

ちゃんと情報は得て来たので問題はないけど。

メガ進化にはキーストーンとメガストーン、2つの石が必要な事。

そしてそれぞれを持つ者の間に絆必要な事。

これだけ? と思うかもしれないがメガ進化そのものが珍しいこの世界では、こういう些細な情報でも結構大きな物となる。

ペラップ「まあ情報は手に入れた事だし、よしとするか」

もちろんギルドの手柄になるらしい。ブラッキーたちもいい災難だ。

ペラップ「ゲコガシラを煽ったんだろう? お互い様さ」

ブラッキー「」
 ▼ 416 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 21:09:23 ID:LGVHYo4g [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうして遠征は終了した。

プクリンのギルドが発表した情報は物凄いセンセーションを起こした。

読み通りだ。

トレジャータウンにもメガ進化について探る探検隊やらなんやらがたくさん来てポケダンズがダークライを倒した時の賑わいを見せている……らしい。僕は知らないけど。

まあ、商売繁盛は良い事だ。

そんな中僕たちはチームベストウィッシュと話していた。

ゲコガシラ「ここに残るって?」

ブラッキー「ああ。たぶんメガ進化に関する情報が今一番集まって来る町はここだ」

タブンネ「だからここに残る方が効率がいいかと思いまして」

ブラッキー「今日からよろしくな」

リオル「よろしく」
 ▼ 417 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 21:16:37 ID:LGVHYo4g [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブラッキー「ところでお前たちはジガルデに会いに行くんだろ」

テールナー「うん。そのつもり」

ブラッキー「あそこ、流砂にすぐ呑み込まれるから、奥地に行くのは至難の技だぜ」

ハリボーグ「そうなの?」

タブンネ「わたくしも知りません」

ブラッキー「お前と会う前だしな、そこ行ったの」

リオル「とにかく、情報提供ありがとう」
 ▼ 418 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 21:16:58 ID:LGVHYo4g [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブラッキー「かわりにと言ったらなんだが、キーストーンかしてくれよ」

テールナー「わかった。でもなんで?」

ブラッキー「行くぞタブンネ」

タブンネ「わかりました」

ブラッキー・タブンネ「メガ進化!」

タブンネの体が光を放つ。その光が消えた時、全く違うポケモンがいた。

真っ白な体はなんともかわいらしいというか……

タブンネ「メガ進化、成功です!」

テールナー「すごい……」


こうしてメガ進化にまつわる僕たちの遠征は終了した。
 ▼ 419 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 21:17:29 ID:LGVHYo4g [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter12 メガ進化の秘密 完
 ▼ 420 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 21:23:40 ID:LGVHYo4g [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章

レックウザ「これでよかった?」

???「うん! ありがとう!」

レックウザ「でもなんであいつがルカリオナイトなんて持ってるんだ?」

???「それは企業秘密。ディアルガに怒られちゃうし」

レックウザ「ははは……」

???「あの4人には、頑張ってもらわないとね」

レックウザ「ところで、あいつが暴れてるらしいけど……」

???「それも大丈夫。変に止めるとディアルガに怒られるよ? 君も」

レックウザ「はいはい……」
 ▼ 421 1◆J44kAZeDOM 15/07/14 21:24:04 ID:LGVHYo4g [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 422 ロッパフ@ひかりのこな 15/07/14 21:25:48 ID:DnASRVPs NGネーム登録 NGID登録 報告
白い光ってマジックミラーで跳ね返せるんだねー♪( ̄∇ ̄*)ゞ
 ▼ 423 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 20:37:48 ID:kJgbbP0w [29/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter13 記憶の手掛かり
 ▼ 424 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 20:44:59 ID:kJgbbP0w [30/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふっと思いついた考えがあった。

なんで「ポケモン」なんだ?

確か……思い出した! ボールに入れるとポケットにはいっちゃうモンスターでポケモンだ!

だとすると……そのポケモンを入れるボールが無いとポケモンという呼称は成立しない。

つまり……モンスターボールがあった、と言う事を示している。

だから僕は、過去から来たのではないだろうか。人間のいた過去から。

でも……だとすると……
 ▼ 425 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 20:46:43 ID:kJgbbP0w [31/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
世界が終わるというほどのアレ。あれが発動した事によって人類が衰退したとするならば……

僕がもしあそこで止めたら、みんなは存在しない、と言う事だ。

まあでも、実際に止められる訳でも無いし、考えても無駄かな。
 ▼ 426 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 20:50:00 ID:kJgbbP0w [32/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少し補足説明。

記憶喪失とは言っても、普通なら言葉とか、お金みたいな日常的なものでは覚えてますよね?
ポケモン世界ではモンボはそのぐらいメジャーな物です。記憶に残ってもおかしくはないんです

まあ、あくまで普通の、であって本家ポケダンみたいなのだったら何も覚えて無くても不思議はないですけど
 ▼ 427 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 20:53:38 ID:kJgbbP0w [33/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「じゃあ今日は依頼をこなしつつ北の砂漠を目指すよ」

テールナー「うん!」

北の砂漠での依頼を探して実行にする。

保留のままだと依頼がこなせないんだよね、なんでだろ。

ゲコガシラ「これだけか……」

ハリボーグ「じゃあ次は準備ね。ちょっと別行動させてくれない?」

リオル「いいけど、なんで?」

それには答えず彼女は微笑む。

ハリボーグ「交差点で待ってて、準備終わったら」
 ▼ 428 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 21:00:07 ID:kJgbbP0w [34/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「ごめん待った?」

リオル「大丈夫だけど……何したの?」

ハリボーグ「秘密。でもたぶん役に立つよ」


北の砂漠
1F

リオル「あっついな……」

ゲコガシラ「まああそこほどじゃないけどな」

3F

ハリボーグ「あぶない!」

ハリボーグ「エナジーボール!」

テールナー「ありがと。岩タイプとか聞いて無いよ……」
 ▼ 429 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 21:00:32 ID:kJgbbP0w [35/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
6F
天気:砂嵐

リオル「いたいいたいいたい!」

テールナー「なによこれ!」

ゲコガシラ「砂嵐だ」

テールナー「わかってるわよ!」

ハリボーグ「視界も悪いし……早く抜けるのが吉かな」
 ▼ 430 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 21:08:02 ID:kJgbbP0w [36/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
8F

リオル「うわった!」

サボネアのミサイル針!

リオル「くっそ、まねっこ!」

リオルのミサイル針!
サボネアに効果は抜群だ!

サボネアは倒れた!

リオル「あーもう死ぬかと思った。連続技強すぎんよ……」

10F
天気:砂嵐

リオル「またか……」

11F
天気:砂嵐

テールナー「2フロア連続?!」

ゲコガシラ「ひでえな」
 ▼ 431 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 21:08:28 ID:kJgbbP0w [37/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
15F

ハリボーグ「エナジーボール!」

サイホーンは倒れた!

リオル「そういやまだ3つしか技使って無くない?」

ハリボーグ「エナジーボールギガドレインミサイル針でしょ」

リオル「うん。あ、階段だ!」
 ▼ 432 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 21:12:22 ID:kJgbbP0w [38/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
流砂の地

リオル「ここがブラッキーの言ってた……」

ゲコガシラ「そうらしいな。確かにこれは奥には行けなさそうだ」

テールナー「そういやここポケダンズさんが時の歯車を探しに来たんだよね!」

テールナー「すごい!」

リオル「それはともかくホントどうやって進む?」

テールナー「この流砂の下には流砂の洞窟ってダンジョンがあるけど……」

テールナー「でもジガルデなんて聞いた事もないしそもそも流砂の洞窟じゃない」

ゲコガシラ「あの、流砂の向こうって線が濃厚だよな」
 ▼ 433 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 21:16:02 ID:kJgbbP0w [39/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「よかった。こんな状況を想定して技を思い出してきたの!」

ハリボーグ「つるのむち!」

彼女の体からつるが伸びる。

テールナー「なるほど! それで向こうに運ぶって訳ね!」

ゲコガシラ「今朝別行動したのは思い出してたから、か」

ハリボーグ「そゆこと」

リオル「そういう事だったのか」

ハリボーグ「じゃあまずはリオル、運ぶね」

リオル「お願い」
 ▼ 434 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 21:20:38 ID:kJgbbP0w [40/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
上から見下ろす流砂は圧巻だった。そしてどこか神秘的な物を感じさせた。

そして普通に歩いて行ったのでは到底向こう側まで到達出来なかっただろう、と言う事もはっきりと悟った。

着陸した、と思ったらつるはあっという間に戻って行って、すぐにテールナーを運ぶ。

そして次に、憔悴したゲコガシラがやって来た。

ゲコガシラ「高いし……草技……はあっ、はあっ」

今度はつるは戻って行かない。疲れ切ったゲコガシラはともかく、僕ら2人でつるを抑えた。

そのままハリボーグが飛んできた。
 ▼ 435 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 21:24:23 ID:kJgbbP0w [41/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「みんな無事に渡れたね?」

テールナー「うん。あ! ガルーラ像発見!」

ゲコガシラ「俺は無事じゃない……」

リオル「吸ってえ、吐いてえ」

ゲコガシラ「すうっ、はあっ。サンキュ」

テールナー「とにかく、ガルーラ像があるって事は、この奥はダンジョンになってるって事よね」

ハリボーグ「おそらくね」

ゲコガシラ「ああ。行こう!」

リオル「復活はやっ」
 ▼ 436 1◆J44kAZeDOM 15/07/15 21:25:10 ID:kJgbbP0w [42/42] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。

ってか依頼解決描写忘れてた……脳内補完してください。
 ▼ 437 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 20:47:00 ID:wa1WQUlw [24/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
北の砂漠 奥地
B1F

リオル「さっきまで上りだったのに今度は下りか」

テールナー「珍しいよね」

B2F

ゲコガシラ「水の波動!」

ハリボーグ「敵の傾向はあんま変わってなさそうね」

B4F

リオル「うわっ……これ何……」

ゲコガシラ「ベトベタフードだな。食べられるけど体壊すから注意な」
 ▼ 438 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 20:47:21 ID:wa1WQUlw [25/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B6F

テールナー「きゃ!」

モンスターハウスだ!

リオル「うわっ、何これ!」

ハリボーグ「モンスターハウスよ!」

ゲコガシラ「とりあえず「不思議玉よ!」

テールナー「敵縛り玉使ってリオル!」

リオル「えっと……これか。敵縛り玉!」

フロア中の敵が硬直した!

リオル「すごい……何これ」

テールナー「不思議玉の効果よ。いろんなのがあって、それぞれ効果も違うの」

ハリボーグ「硬直……って事は攻撃すると動き出すんだよね?」

ゲコガシラ「ああ。だからリンチかスルーだな」

リオル「さらっと怖い事言うね……」
 ▼ 439 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 20:49:51 ID:wa1WQUlw [26/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B7F
天気:砂嵐

リオル「またか……」

テールナー「はやく抜けよう!」

ゲコガシラ「あっちだ!」

ハリボーグ「あの、違うんだけど……」

ゲコガシラ「あ、そんな近くにあったのかよ。見えねえよ!」

リオル「行こう!」
 ▼ 440 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 20:53:13 ID:wa1WQUlw [27/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
砂漠の洞穴(北の砂漠最奥部)

リオル「一番奥に来たかな……」

テールナー「そんな感じね」

ハリボーグ「ジガルデさーん」

ゲコガシラ「いませんかあ!」

その時

何かが動いた。

そっちを振り向いたら……

???「呼んだかの?」
 ▼ 441 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 20:59:32 ID:wa1WQUlw [28/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「……ジガルデさん?」

ジガルデ「いかにも。ワシが生態系を監視する者、ジガルデじゃ」

ジガルデ「それにしてもここまで来るとは……やはりこのリオルやりおる」

……え?

テールナー「ぷっ、あはははは、あは、あはは」

え……

ジガルデ「まさかこんなに受けるとは、ワシ今びっくりしてーるなー」

テールナー「ダメ……笑い死ぬ……」

ゲコガシラ「……大丈夫か?」

ゲコガシラ(お前のセンス)ボソッ

ハリボーグ「何? どうして笑ってるの?」

リオル「気付いてないんだ……」

ジガルデ「気付かれもしないなんて、ワシ、悲しんでーるなー」

テールナー「お願いもうやめて……」

ハリボーグ「どうしたの? なんで? ねえ」
 ▼ 442 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 21:03:03 ID:wa1WQUlw [29/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジガルデ「うむ、すまんふざけすぎた」

ジガルデ「ここまで乗ってくれる子は珍しいからの。ワシのダジャレに」

ハリボーグ「ダジャレだったんだ……」

リオル「まじで気付いて無かったんかい」

ジガルデ「ワシ、悲し……」

リオル・ゲコガシラ「ストップ」

ジガルデ「すまんすまん。で、君たちの用件は?」

リオル「あ、そうそう。レックウザからここにルカリオナイトがあるって聞いて」

ジガルデ「ああ。あるぞ」
 ▼ 443 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 21:06:58 ID:wa1WQUlw [30/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「はあっ、はあっ」

リオル「吸ってえ、吐いてえ」

テールナー「すー、はー。うん、ありがと」

ジガルデ「これじゃ」つルカリオナイト

リオル「ありがとうございまs「まあ待て」

ジガルデ「せっかくじゃし、年寄りの昔話を聞いていきなさい」

リオル「いいですけど……」

ゲコガシラ「ダジャレは勘弁ですよ」

ジガルデ「わかっとる」

そう言って語り始めた。
 ▼ 444 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 21:11:10 ID:wa1WQUlw [31/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
昔々、あるところに生態系を乱す者を監視する者がいた。

まあワシの事じゃな。

ハリボーグ「そこ言うんだ……」

ジガルデ「気にしたら負けじゃ。続けるぞ」

ある時、世界を終わらせてしまうほどの力を持つ兵器を使おうとする者がいた。

リオル「えっ」

ジガルデ「ストップじゃ」

もちろんワシはそいつを止めようとした。

しかし、それは何者かに妨害される。

メガルカリオ、マフォクシー、ゲッコウガ、ブリガロンの4匹によってな。
 ▼ 445 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 21:12:43 ID:wa1WQUlw [32/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「はあ?」

その兵器のせいで人類はほぼ滅亡した。しかしそれがこの世界を生み出した。

ジガルデ「と、いう話じゃ」
 ▼ 446 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 21:17:29 ID:wa1WQUlw [33/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっと待ってくれ、世界を終わらせるほどの兵器、人類滅亡……

全て推理のキーポイントの……

小声で尋ねた。

リオル「ねえ、過去の話なんだよね」

ジガルデ「そういやぬしら、あの時の面影があるな」

リオル「」

ちょっと待ってくれ、いくらなんでもそれ……

リオル「ひどすぎないか?」

テールナー「どうしたの?」

リオル「なんでもない」

ジガルデ「そうじゃ。危うく忘れよった。どうぞ」つルカリオナイト

ゲコガシラ「ありがとうございます!」

ジガルデ「じゃあ、達者での」

ハリボーグ「はい!」
 ▼ 447 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 21:21:25 ID:wa1WQUlw [34/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トレジャータウン

ブラッキー「どうだった?」

ゲコガシラ「無事、ルカリオナイト、ゲットだぜ!」

タブンネ「おめでとうございます」

テールナー「ありがとう。でも、進化しないと意味無いのよね……」

ハリボーグ「とりあえず、倉庫に預けとこ」


倉庫

ガルーラ「いらっしゃい。おばちゃんの倉庫よ」

リオル「これ預かってください」

ガルーラ「これ、まさかメガストーンかい?」

リオル「はい」

ガルーラ「おめでとう! すごいじゃないか」

ハリボーグ「ありがとうございます!」
 ▼ 448 1◆J44kAZeDOM 15/07/16 21:21:47 ID:wa1WQUlw [35/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 449 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:05:41 ID:fnQdns/c [12/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その夜。僕は悩んでいた。

だって、人間の世界を救うと、この世界が消えてなくなる、なんて聞かされたら誰だって悩むだろう。

しかもジガルデ曰く僕たちは彼と戦う事になる……と考えられる。

それもその兵器の破壊を食い止めるため、にだ。

それが僕たちであるという保証はないが、過去から人間がポケモンになって飛ばされるなんて事が起きるのだ。過去にさかのぼって戦ってもなんらおかしくはない。

ハリボーグ「リオルどうかした?」

ゲコガシラ「なんか変だぞ」

リオル「なんでもないよ」

テールナー「ウソ。絶対おかしいよ」

リオル「なんでもないって!」

リオル「あ……ごめん。でも今は話したくない」

ゲコガシラ「そうか……」

ハリボーグ「話せるようになったら話してね」

リオル「うん」

絶対言えるはずがないよ。こんな悩み。
 ▼ 450 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:06:17 ID:fnQdns/c [13/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter13 記憶の手掛かり 完
 ▼ 451 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:06:38 ID:fnQdns/c [14/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter14 今と過去
 ▼ 452 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:09:59 ID:fnQdns/c [15/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その夜はいつも以上にひどい悪夢にうなされた。

置き手紙を淡々と読み、話す、というものだった。

僕?「クレア……なんでお前が死なないといけなかったんだよ……」

僕?「わかってるよ……俺がはっきりおふくろに言えなかったせいだって……」

僕?「それとも、こんな世の中のせいか?」

そこで目が覚めた。

リオル「あああっ!」

という悲鳴とともに。
 ▼ 453 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:11:52 ID:fnQdns/c [16/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとーつ、仕事は絶対サボらない!
ふたーつ、脱走したら、お仕置きだ!
みーっつ、みんな笑顔で明るいギルド!

ペラップ「それじゃみんな、今日も仕事にかかるよっ!」

みんな「おー!」


ペラップ「あーエンドレス、今日も依頼やお尋ね者の仕事を頼むよ♪」

リオル「はい」

テールナー「やっぱ元気ないよね」

ゲコガシラ「そっとしてやれ」

テールナー「そうだけど……」
 ▼ 454 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:16:57 ID:fnQdns/c [17/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
淡々と依頼をこなす。

はっきり言って、最近依頼を難しいと思う事は無くなって来ている。

それが自分の力の上昇だと捉えるといいのだが、自分がポケモンになってそれほど時間が経ったと言う事でもある。

リオル「ダメだ」

ハリボーグ「どうしたの?」

リオル「なんでもない」

完全に悪循環だ。人間世界を意識しだしてから、すぐに思考がネガティブな方向に向かってしまう。

楽しい事を考えよう。

ギルドの面々との会話。ブラッキーたちとの出会い、もちろん後ろの3人の記憶が一番多い。

そしてふと気付く。

ポケモン世界の事しかないじゃないか、と。当たり前だけどね。

なんてぼんやり考えながら依頼をこなせるのだから相当強くなってるんだろう。
 ▼ 455 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:18:52 ID:fnQdns/c [18/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルドにて。

依頼主「助けてくれてありがとう!」

依頼主「お礼に太陽のリボンをあげます!」

太陽のリボンを貰った!
 ▼ 456 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:22:09 ID:fnQdns/c [19/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャ……

テールナー「みんな食べるの早すぎ」

ゲコガシラ「だからお前が遅いんだって」

こんな何気ない日常が、やけに目に付く。

何しろ、人間世界の犠牲のもとに成り立っているのだから……

それにジガルデと戦う事になるとすれば……僕はその時、どうするのだろう。
 ▼ 457 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:23:04 ID:fnQdns/c [20/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すいません、>>450>>451の間の幕章飛ばしてたんで、挿入します
 ▼ 458 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:27:27 ID:fnQdns/c [21/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章

ジガルデ「ふう、これでよかったのかの」

???「うん! ありがとう!」

ジガルデ「レックウザにもこうして指示したそうじゃの」

???「まあね。でも僕がこの世界に干渉するのはもう終わり」

???「後は自然とわかるよ」

ジガルデ「でもなぜ真実を言わんのじゃ」

???「考えて欲しいんだ。ここに飛ばされて、なんもなしじゃかわいそうだしね」

???「リオル君、彼にこの世界の美しさ、というものをね」

ジガルデ「言葉の順序がおかしいぞ」

???「ギクッ」

ジガルデ「秩序を守る者としてそこを見逃す訳には……こら待て!」
 ▼ 459 1◆J44kAZeDOM 15/07/17 18:27:57 ID:fnQdns/c [22/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
そして幕章も終了です
明日は多分更新できません
 ▼ 460 1◆J44kAZeDOM 15/07/18 22:37:04 ID:0.NW.OF2 [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>456から続きます
 ▼ 461 1◆J44kAZeDOM 15/07/18 22:40:32 ID:0.NW.OF2 [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「はあ……」

体はだるいのに頭だけは冴えわたり、全く眠れそうにない。

疲れはあるのに眠気はいつまでたってもやって来なかった。

ゲコガシラ「もう寝ろ」

全力でいつも通りにしてくれてるんだろう。その気遣いがありがたかった。

リオル「無理矢理にでも、寝ないと……」

トレジャーバッグから睡眠の種を取り出し、その苦い味を噛みしめた。
 ▼ 462 1◆J44kAZeDOM 15/07/18 22:43:31 ID:0.NW.OF2 [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
気が付いたら朝だった。

気分は最悪だった。

正体の見えない何かと必死に戦ってるような、よくわからない夢。

よくわからない抽象的な夢は普通の夢なのだが、それでも、いやむしろだからこそ余計にストレスだった。

ペラップが今日も起こしに来る。

今日も変わらない日常が始まる。
 ▼ 463 1◆J44kAZeDOM 15/07/18 22:45:14 ID:0.NW.OF2 [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「今日は掲示板を見て(ry」

リオル「はい」

そんな日常。今日も依頼をこなし、お礼を搾取され、食べて、寝る。

そんな日常。

その夜だった。
 ▼ 464 1◆J44kAZeDOM 15/07/18 22:50:47 ID:0.NW.OF2 [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「いくらなんでもおかしいよ!」

ハリボーグ「なんか、もう限界って顔してるよ」

ゲコガシラ「もう吐き出した方が楽なんじゃねえの?」

この3人になら話してもいいような気がした。それほどまでに追い詰められていた。

おそらく世界を終わらせるほどの兵器を自分が止めようとしていた事。それは時空の叫びからの情報。

そしておそらく僕たち4人は過去に行ってその兵器を止めようとしているジガルデを止めなくてはいけないであろう事。

つまり僕は人間世界とポケモン世界、どちらかを選ばないといけない、と言う事。

リオル「正直今決めろって言われたら絶対ポケモン世界を助ける!」

リオル「でもそんな記憶があるってだけで決めていいのか、わからないんだ!」
 ▼ 465 1◆J44kAZeDOM 15/07/18 22:51:07 ID:0.NW.OF2 [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
短くてすいません。
 ▼ 466 ルガー@どくバリ 15/07/19 19:58:47 ID:3V1iwtxE [12/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラ「おま……」

リオル「僕は人間世界も救いたい。でもこっちのみんなも救いたいんだよ……」

テールナー「過去を変えると未来の物は全て消える……」

ハリボーグ「え?」

テールナー「ポケダンズのファンとしては常識なんだけど、まさか私たちに牙を向く事になるとは……」

ゲコガシラ「どういう事だ、それ」

テールナー「私たちが過去にさかのぼってジガルデを止める」

テールナー「これが過去に起きた事だとするともしこれが起きなければ……」

テールナー「私たち、全員消えるの」

リオル「考えれば当然だけどね。あの兵器が使われない限りこの世界にはまだたくさんの人間がいるだろうし」
 ▼ 467 キジカ@まんまるいし 15/07/19 20:00:51 ID:3V1iwtxE [13/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「どうすれば……」

リオル「どうもしなくていい。正直何もできないだろ」

リオル「僕が一人で考えないといけない」

リオル「でも聞いてくれてありがとう」

沈黙が部屋を包む。僕は横になった。この重たい空気から逃れたくて。
 ▼ 468 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:03:56 ID:3V1iwtxE [14/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それでも朝は元気にやってくる。まるで僕の心情を逆撫でするような快晴だった。

僕はいらいらしながら朝礼を終えて、また仕事に向かう。

テールナー「リオル、元気出して」

リオル「無理」

ハリボーグ「そっとしといてあげなよ」

リオル「すまん」

依頼をこなしている間もほとんど会話が無かった。

重苦しい沈黙はいつまでも僕たちにまとわりついていた。
 ▼ 469 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:07:56 ID:3V1iwtxE [15/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その夕方。

たいして空腹を感じている訳でもないのにむりやりに食事を押し込む。

いつもと変わらないはずなのにどことなく味気なかった。

チラーミィ「どうしたの?」

リオル「なんでもないです」

ビッパ「なんかエンドレスのみんな変でゲスよ。大丈夫でゲスか?」

テールナー「はい」

ダグトリオ「食事は元気の源だぞ」

ハリボーグ「ごちそうさまでした」

そう言って早々とハリボーグは席を立った。

チリーン「病気か何かにかかったんですか?」

ゲコガシラ「大丈夫です」
 ▼ 470 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:11:26 ID:3V1iwtxE [16/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夜、寝室にて。

リオル(僕は、どうすればいいんだ……人間世界とポケモン世界、どちらを選べば……)

テールナー(私は消えたくない……でもそれだと、ヨノワールたちと同じになっちゃう……)

ゲコガシラ(リオルがそう思うのもわかるけど……やっぱり俺は消えたくない)

ハリボーグ「みんな、元気出せとは言わないけど、もう寝よ? 明日もあるんだよ?」

リオル「そう……だよな。うん。寝よう」

自分に言い聞かせるように大きな声で言った。
 ▼ 471 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:11:52 ID:3V1iwtxE [17/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter14 今と過去 完
 ▼ 472 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:12:16 ID:3V1iwtxE [18/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter15 終わりの始まり
 ▼ 473 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:16:40 ID:3V1iwtxE [19/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
重苦しい雰囲気の中、不意にその事件は起きた。

テールナー「ポ、ポケダンズさん?」

ピカチュウ「はあっ、はあっ」

エンペルト「お願い……チリーンを……」

リオル「わかりました!」

交差点に出てみると、傷だらけのポケダンズさんが倒れていたのである。

先程までの重苦しい雰囲気は吹っ飛び、代わりに緊迫感が支配していた。

あのポケダンズをここまでボロボロにするなんて、いったい相手は誰だ?
 ▼ 474 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:21:05 ID:3V1iwtxE [20/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チリーン「ポケダンズのみなさんが傷だらけ?! それは大変です!」

そう言ってかけて行った。反応が早すぎてこちらが困るほどだった。

ようやく追いついたところ、すでにチリーンさんは回復に当たっていた。

リオル「何か手伝える事は?」

チリーン「睡眠の種を。一度落ち着けます」

リオル「わかりました」つ睡眠の種

チリーン「ありがとうございます」

重くて移動させられないため、その場で治療に及んだ。追いかけて来たビッパさんたちも治療を手伝った。
 ▼ 475 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:29:45 ID:3V1iwtxE [21/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「う、うーん……はっ、ドダイトスとゴウカザルは……」

チリーン「安心してください。ぐっすりです」

エンペルト「よかった……」

ペラップ「何があったんだ? ポケダンズがここまでやられるなんて……」

ピカチュウ「ああ、ペラップ。生命を吸い取る化けもんが……」

ハリボーグ「生命を吸い取る?!」

ピカチュウ「ああ。あいつが放つ光に触れたとたん、全ての生きとし生けるものの生命が奪われてな」

ハリボーグ「そんな……」

ピカチュウ「割と戦ったんだけど、あの光線は特にドダイトスとゴウカザルに影響が大きくてな」

ビッパ「つまり飛行タイプの技って事でゲスか?」

ピカチュウ「恐らく。さっきは全てって言ったけど、僕とエンペルトに関しては体力をごそっと持ってかれただけだった」

ピカチュウ「まあその時点でも充分バケモノだけどな」
 ▼ 476 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:32:21 ID:3V1iwtxE [22/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「そいつの特徴は?」

ピカチュウ「えっと……赤くて、飛んでて……」

エンペルト「こんな体だった」

そう言って両手(?)を高く上げた彼女。それはちょうどYの字のようだった。

ハリボーグ「やっぱり……」

リオル「やっぱり?」

ハリボーグ「あ、なんでもない」

テールナー「ホントに?」

ハリボーグ「なんでもないってば」
 ▼ 477 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:35:02 ID:3V1iwtxE [23/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「とにかくあいつを放置してると、必ずまたどこかで被害が出る」

ピカチュウ「はやく退治しないと」

ペラップ「わかった。みんな! ギルドの仕事は今からそのバケモノに関する調査に移行する!」

ペラップ「これ以上被害を広げないためにも、全力で食い止めるよ!」

みんな「おー!」
 ▼ 478 1◆J44kAZeDOM 15/07/19 20:36:35 ID:3V1iwtxE [24/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

あと

ラティアス「安価でお兄ちゃんを立ち直らせる!」
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=124144

が完結したのでよかったら読んでやって下さい
 ▼ 479 1◆J44kAZeDOM 15/07/20 22:08:39 ID:akQGew4k [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でも……ハリボーグはやっぱり何か知ってるんじゃないだろうか。

というか間違いなく何か隠してる。

彼女から流れ込んで来る感情が、激しい怒り、憎しみのようなものを示しているのも、疑いに拍車をかけている。

リオル「ねえハリボーグ」

ハリボーグ「何?」

リオル「やっぱりお前、あのバケモノに関して何か知ってるんじゃないか?」

ハリボーグ「……そりゃばれるよね」

ゲコガシラ「どういう事だ?」

ハリボーグ「私、そいつを見た事があるの」

ハリボーグ「それだけよ」

嘘だ。それだけならここまでの激情は説明が付かない。

でもハリボーグが隠したいのなら……僕は追及をやめるべきだ。今までしてくれたように。
 ▼ 480 1◆J44kAZeDOM 15/07/20 22:21:28 ID:akQGew4k [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「ホントにそれだけ?」

ハリボーグ「しつこいな、ホントだってば」

テールナー「そうなんだ」

リオル「じゃあその見た情報を教えて? そいつの正体に迫るには些細な情報でも集めなきゃ」

ハリボーグ「私が知ってる事はみんな、ポケダンズさんが説明してくれた」

ハリボーグ「いろいろ調べたけど、何もわからなくて……」

ただ見ただけなのにいろいろ調べる、ねえ。

そんな意地の悪い考えを胸中に、何もないように続きを促す。

リオル「どんな細かい事でも!」

ハリボーグ「……ダメ。記憶がぼやけてる」

ゲコガシラ「そんなに……」

テールナー「……きつかったんだ」

ハリボーグ「ごめん」

どうも2人とも完全に信じているようだ。もっともハリボーグの感情ありきだから、無理もないけど。
 ▼ 481 1◆J44kAZeDOM 15/07/20 22:24:59 ID:akQGew4k [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「そうだ! こういうのなら、コータス長老が詳しいんじゃない?」

コータス長老。メガ進化に関してもいろいろ教えてくれたとっても物知りな人。

確かに彼なら何か情報を持っていてもおかしくはない。

ゲコガシラ「なるほど。確かに」

リオル「うん、採用! じゃあ温泉にレッツゴー!」
 ▼ 482 1◆J44kAZeDOM 15/07/20 22:25:20 ID:akQGew4k [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 483 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 19:55:33 ID:VP.pbNGM [15/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
滝壺の洞窟を余裕で突破し、(滝はやっぱ怖いし飛ばされるのもきついけど)温泉にたどり着いた。

コータス「また来たのかね」

リオル「はい。また教えてほしい事があって……」

ハリボーグ「生命を吸い取るポケモン、って知ってますか?」

コータス「生命を吸い取る……なんじゃったかのお……」

テールナー「どこかで聞いた事あるんですね!」

コータス「忘れた」

ゲコガシラ「でも本当は?」

コータス「……そうじゃ! 思い出したぞ!」

リオル「何この茶番」
 ▼ 484 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:00:42 ID:VP.pbNGM [16/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「そのポケモンは、赤くて、飛んでおるじゃろう?」

ハリボーグ「はい」

コータス「間違いない。それはイベルタルじゃ」

リオル「イベルタル……なんだろ、どっかで聞いた気がする」

ハリボーグ「ホント?!」

リオル「いや、記憶は無いよ?」

ハリボーグ「なんだ……」

コータス「して、そのイベルタルがどうかしたのかの?」

テールナー「今、暴れているらしいんです」

コータス「暴れている? それは一大事じゃ!」

リオル「単刀直入に聞きます。イベルタルを止める方法、何か知ってませんか?」
 ▼ 485 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:05:50 ID:VP.pbNGM [17/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「そうじゃのう……どこかで聞いた気がするんじゃが……」

またあの茶番か、と内心溜息をついていたら。

コータス「そうじゃ!」

しっかり忘れたと言う前に思い出してくれた。

コータス「ゼルネアス、と呼ばれるポケモンと出会う事で落ち着くはずじゃ!」

ハリボーグ「ゼルネアス?」

コータス「そうじゃ。ただ、イベルタルが目覚めると本来このゼルネアスも目覚めるはずなんじゃがのお」

コータス「そもそもがそういう物なのじゃ。だから案ずるでない。じき終わる」

ハリボーグ「嘘。もうずっとイベルタルが目覚めているんですよ!」

ハリボーグ「少なくとも、1つの季節は終わってます!」
 ▼ 486 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:11:37 ID:VP.pbNGM [18/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「なんじゃと……それはまずい」

リオル「やっぱり、異常なんだ」

リオル「コータスさん。ゼルネアスはどこに?」

コータス「すまんのう、覚えておらん」

ゲコガシラ「でも本当は?」

コータス「そもそも定まった場所におらんのじゃ」

コータス「ワシも覚えきれん」

テールナー「そんなあ。それなら、どうしようもないじゃないですかあ」

コータス「だが、ゼルネアスのいる場所にはフェアリータイプのポケモンが多く集まる、と言われておる」

コータス「何か手掛かりになればよいのだが……」

リオル「わかりました。ありがとうございます! 絶対これ以上の殺戮は食い止めます!」

コータス「ほっほっほっ、頼もしいのう」

コータス「だが休息も必要じゃろう。またここで休んでいきなさい」

ゲコガシラ「じゃあ、お言葉に甘えて」
 ▼ 487 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:16:10 ID:VP.pbNGM [19/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
実際、こんな風に休むのも久しぶりだ。

こんな大きな事件が起きてようやく、3人と今まで通り接する事ができる、なんだか皮肉だ。

でもこの温泉の湯気に頭まで平和ボケしたのか、

リオル「みんな……ありがとう」

なんて口走った物だから、

テールナー「お礼言うのは早いよ」

ハリボーグ「イベルタルを止めてからよ」

ゲコガシラ「ってか急にどうしたよ? 変だぞ」

などと三方から一気にまくし立てられた。

ああ、やっぱりこの世界が好きだ。でも、人間世界も……

いや。やめよう。今はゆっくり休もう。こんな事考えずに。
 ▼ 488 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:24:21 ID:VP.pbNGM [20/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
帰り道。

ハリボーグ「フェアリータイプが集まる……ギルドにフェアリータイプの人っていたっけ」

リオル「親方様」

ゲコガシラ「一応タブンネがメガ進化したらフェアリータイプ付くらしいけど……」

テールナー「さすがに除外するべき? だとすると……親方様しかいないのかなあ」

ハリボーグ「一応トレジャータウンのマリルたちもフェアリータイプよ」

ハリボーグ「今いないけどチャームズのサーナイトさんもね」

リオル「ハッピーズのトゲピーは……考えなくていいか。マトモな答えが返ってくる気がしない」

テールナー「まずはマリルたちに話を聞こうよ」

リオル「そうだな」

一番聞きやすそう。親方様もなんだか答えてくれ無さそうだし。
 ▼ 489 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:27:13 ID:VP.pbNGM [21/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トレジャータウン

マリル「え? フェアリータイプが集まる場所ですか?」

マリル「ごめんなさい、わからないです。ルリリは何か知らない?」

ルリリ「わかんない」

マリル「だ、そうです。すいません」

ハリボーグ「いいのよ、別に」

リオル「ハ、ハリボーグ、行こう!」

落胆の感情がひしひしと伝わってくる。

テールナー「気にして無いから、大丈夫よ」
 ▼ 490 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:30:27 ID:VP.pbNGM [22/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「とは言ったものの……やっぱりマリルたちから聞ければ楽だったんだけどなあ」

ギルドにて、そうつぶやいた彼女。全く持って同感である。
 ▼ 491 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:39:50 ID:VP.pbNGM [23/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルドにて。ペラップが集会を宣言して。

ペラップ「何か情報はあったか?」

ビッパ「それよりポケダンズは大丈夫でゲスか?」

チリーン「はい。ドダイトスさん、ゴウカザルさんには大事をとって今日は休養をとってもらっています」

ピカチュウ「僕らはもう平気そうだから参加させてもらうよ」

ピカチュウ「って言っても大した情報はないけどね。僕たちもこの事件には全力で関わります」

ペラップ「との事だ。では、みんな何か情報は?」

しかし、皆イベルタルという名前や被害については調べて来ていたが、ゼルネアスに行きついたのは僕たちだけだった。

ただ、被害状況を確認するという考えが一切湧かなかったのは反省しないといけないかな。

ペラップ「それで、エンドレスはどうだ?」
 ▼ 492 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:46:03 ID:VP.pbNGM [24/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「僕たちはコータス長老に話を聞きに行きました」

ゲコガシラ「あのバケモノはイベルタルという名前な事。そして……」

テールナー「ハリボーグ大丈夫?」

ハリボーグ「なんでもない。ちょっと思い出して……」

小声で会話が繰り広げられた。

リオル「ゼルネアス、というポケモンがイベルタルを止めるカギになる事、を調べて来ました」

ペラップ「なんだって! エンドレス、お手柄だよ♪ それで、そのイベルタルはどこにいるんだい?」

テールナー「それが……」

リオル「わからない、という事でした。たd「それじゃ意味無いじゃないか!」

ゲコガシラ「ペラップ待ってくr……ださい」

もはや敬語が消えた。いや、消えかけた。ははは。

テールナー「ゼルネアスの周りにはフェアリータイプが集まるらしいんです」

ペラップ「ほう……」

リオル「何か情報はありませんか?」
 ▼ 493 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:48:57 ID:VP.pbNGM [25/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「いや、残念ながらワタシにはわからない」

リオル「そうですか……誰か心当たりは?」

しかし反応は芳しくなかった。

ゲコガシラ「そうですか……」

リオル「とりあえず今僕たちが言えるのはここまでです」

ペラップ「わかった。とりあえず、今はエンドレスの発言通り、フェアリータイプが多く集まる所を探すよ!」

みんな「おー!」
 ▼ 494 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:54:28 ID:VP.pbNGM [26/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ぐー。

ハリボーグ「あ、あはは」

リオル「お腹空いたよね」

チリーン「大丈夫です。すぐできますよ」

ハリボーグ「どんなに辛くても、お腹って空くよね」

リオル「ああ」

僕の声には実感がこもっている。僕も同じ考えになった事があるから。
 ▼ 495 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 20:55:57 ID:VP.pbNGM [27/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「リオルは感情が読めるのよね」

唐突に話題が変わり、少々驚いた。

リオル「あ、うん。でも、なんで……あ」

その時悟った。彼女は僕に打ち明けようとしているのだと。

ハリボーグ「私、見ただけなんかじゃない。もうばれてるだろうけどね」

リオル「……うん。気付いてた」

ハリボーグ「隠し事みたいだけど、今はまだ説明したくない。思い出すだけで辛いから」

ハリボーグ「怒りは私、直接ぶつける。その時まで待ってて」

リオル「わかった」

ゲコガシラ「どうしたんだ?」

ハリボーグ「なんでもなーい」

チリーン「できましたよー」

間延びした声に皆の歓声が響く。

結局打ち明ける事はなかった。
 ▼ 496 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 21:06:24 ID:VP.pbNGM [28/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「でもコータス長老に話聞くって考えはなかったなあ」

ニューラ「尊敬する」

リオル「いや、普通は被害とか確かめに行きますよ。そういう基本ができてないんです。まだ見習いですし」

ディグダ「でも一番有益な情報を持ってきたじゃないですか」

チラーミィ「そういうのは結果オーライなんだよ」

ゲコガシラ「おいテールナー食うの遅すぎ」

テールナー「だってポケダンズさんが……」

ハリボーグ「ごちそうさまです」

ビッパ「悔しいでゲス〜」

チリーン「そういやエンドレスは初めてですね、ポケダンズと食べるの」

リオル「え? リアライズさんはあるんですか?」

ピカチュウ「なんたってここのメシ、旨いじゃん。たまーにごちそうになってるの」

ゴウカザル「ってかあんな金納めてんだから当然の権利だろ」

ゴウカザルさんたちもちゃっかり食事には参加していた。
 ▼ 497 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 21:09:59 ID:VP.pbNGM [29/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
寝室。

テールナー「ああ……緊張したあ」

テールナー「冷静になって考えたらこれって凄い事よね!」

ゲコガシラ「まあな。落ち着け」

リオル「明日から大変だよ。もう寝るべきだ」

テールナー「わかってるわよ!」

ハリボーグはすでに寝息を立てている。

彼女は思い出すのも辛いという。一体何があったのか。

それを語る時、僕たちは彼女を支えられるのか。

若干不安を覚えた。

リオル「ま、大丈夫、大丈夫。お休み!」

そうやって無理に自分を鼓舞した。
 ▼ 498 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 21:10:20 ID:VP.pbNGM [30/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter15 終わりの始まり 完
 ▼ 499 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 21:10:50 ID:VP.pbNGM [31/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章を前忘れたので今二つ書きます。
 ▼ 500 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 21:15:14 ID:VP.pbNGM [32/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章

目の前が真っ暗だった。

永遠とも思える深淵の中をひたすら泳ぐ。

こうすれば何かから逃れられると信じて。

強い浮遊感を覚え、胸は苦しくなり、何かから逃れようと必死にもがく。しかし抵抗空しく彼女は放り出された。

???「はあっ! はあっ、はあっ」

???「私……死んじゃったのかな……」

???「いや、生きてる。じゃないと、この苦しさはおかしいよ……」

でも、と周りを見渡して思う。

こんな世界に生きていて、いいのかな……
 ▼ 501 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 21:18:27 ID:VP.pbNGM [33/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章

ニンフィア「ふう。イベルタルにゼルネアスか……」

サザンドラ「でも、どうするの?」

ニンフィア「おそらくゼルネアスはあそこにいる。だからそこで待ち伏せして、襲おうって訳だ」

サザンドラ「ねえ、もうやめない?」

ニンフィア「うるさい! ムンフォ食らいたいのか?」

サザンドラ「わかったよ! ああもう……」
 ▼ 502 1◆J44kAZeDOM 15/07/21 21:18:48 ID:VP.pbNGM [34/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 503 っふもふのレシラムさん 15/07/21 21:48:21 ID:ZjHp/lIc NGネーム登録 NGID登録 報告
見てるよ!(やっと追いついた…)
 ▼ 504 コロモリ@2ごうしつのカギ 15/07/22 19:32:06 ID:Bh/Mqgl. [4/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter16 イベルタルとゼルネアス
 ▼ 505 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 19:34:54 ID:Bh/Mqgl. [5/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝。

ペラップ「昨日も言った通りだが、フェアリータイプが集まる場所を探すよっ!」

みんな「おー!」
 ▼ 506 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 19:39:24 ID:Bh/Mqgl. [6/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルド中のポケモンが各地をあたる。

フェアリータイプが集まる場所を探すために。

しかし……

リオル「何か心当たりありませんか?」

モブA「いや……ごめんなさいねえ」


ハリボーグ「フェアリータイプが集まるって言う話……」

モブB「聞いた事ねえなあ。そんな事より姉ちゃん……」

ハリボーグ「ダメだって」

モブB「ちっ、仲間連れかよ」


この通り、全くアタリがない。というか変な発言が聞こえた気がするんですけど……
 ▼ 507 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 19:45:40 ID:Bh/Mqgl. [7/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルドにて。

集会を開いたはいいが、集まった皆の顔は一様に暗く沈んでいる。

その顔でだいぶ察したが、一応ペラップが

ペラップ「どうだった」

と尋ねたが、果たして答えは皆ノーだった。

ドダイトス「親方様はなんか心当たりないのー?」

プクリン「……」

ゴウカザル「親方フェアリータイプだろ?」

プクリン「……ぐぅ」

ピカチュウ「あ(察し)」

ペラップ「親方、さ、ま、だと何度言ってるゴウカザル!」

ゴウカザル「すまんすまん」

ペラップ「はあ……それはそうと親方様あ」

プクリン「はっ」

プクリン「ごめんだけど、ボクにも心当たりはないよ」

ピカチュウ「そうですか……」
 ▼ 508 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 19:51:37 ID:Bh/Mqgl. [8/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「どうすればいいんでしょう……」

暗く沈んだ表情の彼女に、かけるべき言葉が見つからない。

ビッパ「このまま闇雲に調べてもどうにもならなさそうでゲスしね」

グレッグル「同感だぜ、ぐへへ」

チラーミィ「八方塞がりですね」

ピカチュウ「あー、敵ながらこんな時ヨノワールの推理はありがたかったなあ」

リオル「ヨノワール?」

小声でテールナーに尋ねた。

テールナー「ピカチュウさんが未来から来たって事は話したわよね」

リオル「あー聞いた気がする……」

最初の長ーい講釈で言ってたような……

テールナー「で……」

(以下略)
 ▼ 509 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 19:58:53 ID:Bh/Mqgl. [9/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「なるほど、ってあれ?」

いつの間にか話が進んでいたらしい。もう人影はまばらになっている。

ゲコガシラ「とりあえずは今のスタンスを続けるらしいぜ」

テールナー「ありがと」

チリーン「ごはんできましたよー」
 ▼ 510 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 19:59:30 ID:Bh/Mqgl. [10/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「」

ゲコガシラ「食え。いくら憧れのポケダンズさんが一緒だからって」

テールナー「わかってるけど、こういう緩んだところだと、やっぱり……」

テールナー「あーもう絶対特性緊張感だって」

ハリボーグ「ごちそうさま」

ピカチュウ「はやっ」

ビッパ「いつにもまして……」

ゴウカザル「は? ビッパの皿に半分以上残ってるだと!」

彼女の顔は暗くはなかった。しかし色眼鏡で見るせいかどこか無理しているように感じた。

こんなに早く食べ終わったのも誰とも会話しなかったせいだろう。

ちなみにテールナーはまだ一口ぐらいしか食べていない。
 ▼ 511 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:00:43 ID:Bh/Mqgl. [11/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
寝室。

テールナー「明日に備えて、早く寝よ」

ゲコガシラ「そうだな」

リオル「お休みー」

ハリボーグ「……」
 ▼ 512 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:05:29 ID:Bh/Mqgl. [12/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「ねえちょっと。リオル起きてる?」

リオル「……何? 寝ようよ」

ハリボーグ「夢見るの。怖い」

リオル「え?」

ハリボーグ「あ、原因はわかってるからスリープさんに見せる必要はないの」

ハリボーグ「でも、それでも、むしろだからこそ……」

ハリボーグ「どうすればいい?」

リオル「確かにきついよ、悪夢は。それは僕が一番わかる」

リオル「でも寝ない訳にもいかないよ」

リオル「どうしても無理ならメリープの数でも数えたら?」

リオル「おまじないみたいなものだよ」

ハリボーグ「……ありがとう。試してみる」
 ▼ 513 ムリット@タイマーボール 15/07/22 20:06:15 ID:g457tdzU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ラティの人か
支援
 ▼ 514 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:06:40 ID:Bh/Mqgl. [13/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝。

リオル「眠れた?」

ハリボーグ「数えるのやめたら案外すぐだった」

リオル「」

テールナー「どうしたの?」

ハリボーグ「なんでもないよ。行こ」
 ▼ 515 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:08:45 ID:Bh/Mqgl. [14/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
朝礼は昨日と同じような事が繰り返されただけだった。

ハリボーグ「今日こそ何か情報を手に入れなきゃ!」

リオル「絶対見つけ出そうな」

ゲコガシラ「当然だ、とは言い切れないけどな……」

テールナー「そういう事言わないの!」
 ▼ 516 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:15:15 ID:Bh/Mqgl. [15/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トレジャータウン

ハリボーグ「ねえ、ひょっとして、あれって……」

エンペルト「チャームズ……」

チャーレム「ああ! ポケダンズじゃないか!」

ミミロップ「久しぶりね」

エンペルト「ええ」

テールナー「あのエンペルトさんが饒舌……」

……うそお。

サーナイト「お久しぶりね、プクリンのギルドのみんな」

ビッパ「……ぽっ」

ギルドのみんながなんだか照れたように押し黙っている。

リオル「チャームズって、ハリボーグの憧れのだっけ」

ハリボーグ「うん。一生に一回は会いたかったんだ」

チャーレム「嬉しいねえ、アタイたちに憧れてくれてるんだ」
 ▼ 517 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:19:51 ID:Bh/Mqgl. [16/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そのままギルドに戻った。

プクリン「それで、みんななんでここに来たの?」

ミミロップ「最近このギルドがメガ進化について調べてるらしいじゃない?」

チャーレム「それで、アタイたちもメガ進化について興味があってね」

サーナイト「主にチャーレムがね」

チャーレム「ああ。前に一緒に探検した仲間がメガ進化をしてね」

チャーレム「実はアタイもした事があるんだよ」

詳しくは>>478を参照ください。

リオル「なんか言った?」

ゲコガシラ「いや?」
 ▼ 518 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:23:07 ID:Bh/Mqgl. [17/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プクリン「へえ。でも今は、メガ進化じゃないよ?」

チャーレム「え? じゃあなんだい?」

ペラップ「イベルタルを知っていますか?」

サーナイト「えっと……どこかで聞いた気がするんだけど……」

ミミロップ「サーナイトあるの?」

サーナイト「ごめんなさい、覚えてないわ」

ハリボーグ「あ、あの!」

ミミロップ「なあに?」

ハリボーグ「フェアリータイプがたくさんいるダンジョン……こ、心当たりありませんか?」
 ▼ 519 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:26:31 ID:Bh/Mqgl. [18/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チャーレム「フェアリータイプが……」

サーナイト「集まる?」

ピカチュウ「詳しい事情を話すね」カクカクシカジカ

ミミロップ「なるほど……それならあそこじゃない?」

チャーレム「なるほど、あそこだね?」

サーナイト「あそこぐらいしか思いつかないわ」

エンペルト「あそこって……どこ」

ミミロップ「えっと……妖精の谷ね」
 ▼ 520 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:32:12 ID:Bh/Mqgl. [19/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キャー!

外から悲鳴が聞こえた。

チャーレム「なんだい?」

チリーン「トレジャータウンの方からです!」

みんな、急いで外に向かった。

ハリボーグ「そんな……」

リオル「あいつが……」

ドダイトス「うん。あいつだよ」

ゴウカザル「あいつが……」

イベルタルだ。

その言葉は、終わりの始まりを意味していた。
 ▼ 521 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:35:43 ID:Bh/Mqgl. [20/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんだこの急展開。

ペラップ「リアライズは町のみんなを避難させろ!」

ペラップ「エンドレス! ゼルネアスを呼びに行け!」

ペラップ「他の皆はイベルタルを食い止めるよ!」

ハリボーグ「私も残りたいです!」

ペラップ「ダメだ、新入りには荷が重すぎる」

チラーミィ「でもボクたちがゼルネアスに……」

ペラップ「誘導もそれなりの技術がいるんだ。早く!」

みんな「わかりました!」
 ▼ 522 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:37:06 ID:Bh/Mqgl. [21/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
急いで交差点の東へと向かう。

ゼルネアスを呼ぶために。

リオル「責任重大だね」

ゲコガシラ「急ぐぞ」
 ▼ 523 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:41:35 ID:Bh/Mqgl. [22/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
妖精の谷
B1F

リオル「急いで!」

ハリボーグ「絶対、敵はとるよ……」

テールナー「みんな、死なないよ」

ゲコガシラ「なんて不吉な事言ってんだ」

B3F

リオル「電光石火!」

リオル「フェアリーきつい……」

B6F

テールナー「火炎放射!」

テールナー「誰も抜群つけないのよねえ」
 ▼ 524 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:42:56 ID:Bh/Mqgl. [23/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B8F

ゲコガシラ「水の波動!」

ゲコガシラ「みんな、大丈夫かなあ」

B9F

ハリボーグ「私……うん。絶対いけるよ。この時のために、私は……」

テールナー「うん、頑張ろう!」

B12F

リオル「みんな、無事だといいけど……うわっ」

リオル「いったー……」
 ▼ 525 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:45:44 ID:Bh/Mqgl. [24/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
B15F

ゲコガシラ「そういや今回はゼルネアスが起きなくて異常だって言ってたよな」

テールナー「どういう事だろうね」

B17F

みんな無言になっていた。攻略に集中して。

B20F

リオル「もうそろそろじゃない?」

ゲコガシラ「敵のフェアリー技がレベルだけじゃなく強くなってるよな」

テールナー「階段発見!」

ハリボーグ「急ごう!」
 ▼ 526 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:49:04 ID:Bh/Mqgl. [25/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
妖精の谷 最奥部

リオル「ここが一番奥……」

テールナー「真ん中に大きな木があるけど……」

ゲコガシラ「それがすごいオーラを放ってるんだよな」

???「ムーンフォース!」

リオル「ぐわっ!」

テールナー「リオル大丈夫?! 誰!」

ニンフィア「ぐふふ、俺だよ、おーれ」

ゲコガシラ「ニンフィア!」

ハリボーグ「邪魔」

ニンフィア「そう邪見にすんなって。なあ」

サザンドラ「うん」
 ▼ 527 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:51:45 ID:Bh/Mqgl. [26/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テールナー「リオル、リオル!」

リオル「強いよ……明らかに」

ニンフィア「だろ? ゼルネアスさまさまだよ」

ニンフィア「ゼルネアスの特性フェアリーオーラで強化されてるんだ」

サザンドラ(フェアリー怖いよお……)

ハリボーグ「ゼルネアスに用があるの。とっとと消えてくんない?」

ニンフィア「やーだ。俺たちがお前らに用があるんだからな」
 ▼ 528 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:55:31 ID:Bh/Mqgl. [27/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「ゼルネアスを早く呼ばないと、世界が大変な事になっっちゃうんだ!」

ニンフィア「ふうん。でも俺たちには関係ないね」

リオル「この人でなし!」

おっと、人ではないな。

ニンフィア「通して欲しければ腕づくで来いよ」

ニンフィア「フェアリーは強化されてるぞ、言っとくけど」

テールナー「ここは私とゲコガシラに任せて、二人はゼルネアスを!」

リオル「わかった!」
 ▼ 529 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 20:58:24 ID:Bh/Mqgl. [28/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラサイド

ゲコガシラ「冷凍ビーム!」

サザンドラ「あぶな「火炎放射!」

テールナー「どうよ!」

ニンフィア「ちっ、マジカルシャイン!」

ゲコガシラ「ぐわっ」

テールナー「だから効かな……っつ」

ニンフィア「すごいねえ、フェアリーオーラ」

サザンドラ「」

ニンフィア「巻き込んじまったか、すまん」
 ▼ 530 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 21:01:17 ID:Bh/Mqgl. [29/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオルサイド

リオル「ゼルネアス! どこにいるんだ!」

ハリボーグ「この意味ありげな木が怪しいよね」

リオル「試しに……はっけい!」

ハリボーグ「はあ?」

リオル「ダメk「誰だよ、僕を起こす奴」

ハリボーグ「う、嘘……」

リオル「どうしたの?」

ハリボーグ「後ろ、後ろに……」

リオル「後ろ? え?」

???「痛いじゃないか!」

リオル「ええええ!」
 ▼ 531 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 21:04:39 ID:Bh/Mqgl. [30/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「あなたが……ゼルネアスですか?」

ゼルネアス「うん。なんでこんな事したんだ!」

リオル「ごめんなさい、でも早くしないとイベルタルが……」

ゼルネアス「う……」

ハリボーグ「取りあえずあそこのニンフィアとサザンドラを倒してください!」

ゼルネアス「なんで?」

ハリボーグ「侵入者ですよ?!」

ゼルネアス「それを言うなら君たちもなんだけど……でも確かに心が汚いね、ニンフィア」

リオル「だけ?」

ゼルネアス「うん」

ゼルネアス「取りあえずニンフィアだけ倒すよ」

ゼルネアス「ムーンフォース! あ」
 ▼ 532 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 21:06:33 ID:Bh/Mqgl. [31/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲコガシラサイド

ゼルネアス「ムーンフォース!」

その攻撃は、狙いをそれて……

サザンドラ「」

ニンフィア「ちっ、逃げよ……」

ゼルネアス「こんどこそ、ムーンフォース!」

ニンフィア「」

ゲコガシラ「つ、強い……」

ゼルネアス「サザンドラ、ごめん」
 ▼ 533 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 21:07:49 ID:Bh/Mqgl. [32/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

リオル「とにかく、イベルタルだよ。急いで、お願い!」

ゼルネアス「むー……よし。行こう!」

ハリボーグ「急いでお願い!」

ゼルネアス「わかったよ!」
 ▼ 534 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 21:08:17 ID:Bh/Mqgl. [33/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter16 イベルタルとゼルネアス 完
 ▼ 535 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 21:13:29 ID:Bh/Mqgl. [34/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章

ニンフィア「はあ……結局負けるのか……納得いかない」

ニンフィア「また復讐を狙うぞ、サザンドラ」

サザンドラ「……嫌だ」

ニンフィア「あ? ムンフォぶっ放すz」

サザンドラ「いいわよ、別に」

ニンフィア「はあ?」

サザンドラ「もうこんな事ウンザリだって言ってるの」

ニンフィア「お前、俺がいないとなんもできねえじゃねえか」

サザンドラ「そうね。でも変わらないと。とにかくもうこんな事はたくさん」

ニンフィア「ちっ、ムーンフォース!」

サザンドラ「」

ニンフィア「強がりやがって。じゃあな」

サザンドラ「……ありがとう」

ニンフィア「知らねえよ!」
 ▼ 536 1◆J44kAZeDOM 15/07/22 21:14:34 ID:Bh/Mqgl. [35/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
25日から27日、場合によっては明日から28日まで更新できません。
ご容赦ください。
 ▼ 537 ガフシギバナ@タラブのみ 15/07/23 21:55:48 ID:tMUwo/bk [5/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter17 悲しみの戦い

今回視点変更がかなり多いです。
 ▼ 538 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:03:43 ID:tMUwo/bk [6/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点チラーミィ

ニューラ「みなさーん! こっちへ避難してくださーい!」

チラーミィ「どこに誘導する?」

ガルーラ「ギルドのみんなは大丈夫かい?」

チラーミィ「そこは安心してください!」

はっきり言うとボクにも自信は無い。みんなの生命が吸われてたらどうしようと思うと、集中もできない。

でもそれを口に出すとホントになってしまうような気がして、だからボクはこう言った。

ニューラ「滝壺の洞窟なら安全じゃない?」

チラーミィ「……確かに!」

入口が滝で塞がれたダンジョン。確かにそこなら安全だ。

チラーミィ「みなさん! 滝壺の洞窟に向かいます!」

エレキブル「そういや、スリープはどこだ?」

チラーミィ「え?」

ニューラ「残ったらしい。せっかくの修行を活かさない訳にはいかないだって」

ガラガラ「大丈夫か? オラ、心配だあ」

ネイティオ「大丈夫だ。彼の実力なら心配はいらない」
 ▼ 539 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:06:36 ID:tMUwo/bk [7/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
滝壺の洞窟

ルリリ「怖いよ……」

目の前に流れる滝に子どもらしく怯えるルリリ。かわい……じゃなくて。

チラーミィ「大丈夫だよ。進化したら水タイプなんだし」

ルリリ「でも……」

エレキブル「そんなに怖いなら俺が抱えてやろうか?」

マリル「お願いします!」

エレキブル「わかった。とりゃあああ!」

滝に飛び込むエレキブル。

ルリリ「うわあああ!」

悲鳴も聞こえた。
 ▼ 540 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:09:55 ID:tMUwo/bk [8/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「みんな、大丈夫ですか?」

そこかしこから肯定を示す声が聞こえる。

ニューラ「カクレオンさん」

カクレオン兄「何ですか?」

ニューラ「あなたたち、強いんですよね」

カクレオン弟「はい。泥棒対策でね」

ニューラ「みんなを任せていいですか?」

チラーミィ「え? どういう事?」

ニューラ「あたしたちもみんなを手伝いに行きたいんです」
 ▼ 541 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:20:48 ID:tMUwo/bk [9/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「ダメだよ! ボクたち、タウンのみんなを助けるようにって指示なんだよ?」

ニューラ「あたしはそんなのやだ。みんなが……もし負けたら……」

!!

それを……言わないで欲しかった。それだけは、絶対言ってはいけなかった。

チラーミィ「わかったよ。ボクだって、怖いよ……怖いよ……」

声が震えた。どうしようもなかった。体が頭の支配下を抜けだしたようだった。

カクレオン兄「え? そんなに強いんですか? そのイベルタルって」

ニューラ「少なくとも、ポケダンズに致命傷を負わせるほどには」

周りを見渡す。気を使って小声で話したかいあって、聞きとがめる者はいなかった。
 ▼ 542 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:21:45 ID:tMUwo/bk [10/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カクレオン弟「ポケダンズに……」

カクレオン兄「……致命傷? そりゃひどい。わかった。確かに手は多い方がいいからね」

ニューラ「ありがとうございます!」

カクレオン兄「でもまずは自分の安全を第一に考える事! ギルドの他の面々と比べるとまだ経験が浅いんだから」

チラーミィ「わかりました。行こ! ニューラ」

そう言って手を高く差し出す。ニューラも手を掲げた。

ニューラ「リア!」

チラーミィ「ライズ!」

ニューラ・チラーミィ「ゴー!」

合わさった手に、乾いた音が鳴り響いた。いつも通りの掛け声が、ここまで安心させてくれるなんて思ってもみなかった。
 ▼ 543 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:27:45 ID:tMUwo/bk [11/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ピカチュウ

ピカチュウ「十万ボルト!」

当たりはする。当たりはするのだ。だが。

イベルタルが光を放つ。その光線が触れた先から生命は枯れ果て、それと反比例するようにイベルタルは力を取り戻すのだ。

ドダイトス「強すぎるよう、岩雪崩!」

しかしその攻撃は全て避けられる。

プクリン「チャームボイス!」

親方様のチャームボイス、ホントにチャームボイスなんだろうか?

ハイパーボイスじゃないのか? 本当は。

そう思わせるほどにすごいものだった。どうやって勝ったんだろ、僕たち。
 ▼ 544 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:32:34 ID:tMUwo/bk [12/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それはともかく、さしものイベルタルもこれにはさすがに怯んだと見える。

サーナイト「ムーンフォース!」

???「手助けします!」

隙をついて、サーナイトが放った技は、効果抜群だったのだろう、相当効いている。

ところで。

チャーレム「誰だい? アンタ」

ブラッキー「俺はブラッキーです。なんかすごい事になってますけど、サポートします!」

タブンネ「わたくしも、微力ながら回復技でサポート致します」

ビッパ「ありがとうでゲス!」

チリーン「タブンネさん、また一緒に回復頑張りましょう!」

タブンネ「もちろんです!」
 ▼ 545 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:36:48 ID:tMUwo/bk [13/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミロップ「と、まあ味方が増えたのは良い事だけど、あんなバケモノ、どうやったら勝てるのよ!」

ブラッキー「バークアウト! ホントですよ、攻撃しても回復されるなんて、勝ち筋無いですよ?」

ペラップ「それに関してはゼルネアスの協力が必要だが、エンドレスが今呼びに行っている」

ペラップ「だから、それまでの時間稼ぎd「危ないペラップ!」

ペラップ「え?」

スリープ「いいからそこをどけ!」

言われるがままペラップはそこをどいた。するとそこに光線が直撃した。
 ▼ 546 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:39:47 ID:tMUwo/bk [14/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「……」

絶句している。

ピカチュウ「スリープ避難したはずじゃ……」

スリープ「今までさんざん迷惑かけて来て、今更償いなんてできるか知らないけど……」

スリープ「俺には攻撃の軌道を読む力がある」

スリープ「特性予知夢だ」

!!

なるほど、確かにあれはホントにうざかった。

スリープ「俺が戦えなかろうと、そうやってサポートさせてもらう!」

ピカチュウ「ありがとう」
 ▼ 547 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:44:39 ID:tMUwo/bk [15/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グレッグル「さてと。どうにかしないと、みんなお陀仏だぜ、グヘヘ」

ゴウカザル「わかってんだよ! 火炎放射!」

皆がそれぞれの遠距離技を繰り出す。持たない者は飛び道具を投げつける。

スリープ「そこだ! かわせ!」

その指示は的確で、明らかに皆の回避精度が上がっていた。

勝てるんじゃないか? そう、甘い期待が胸の中に広がり始めた。

しかし。スリープのこの力は、必ず発動する物ではないという、大事な事を忘れていた。
 ▼ 548 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:50:39 ID:tMUwo/bk [16/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イベルタルが放つ光は、一瞬でこちらに迫ってきて、かわす事が出来なかった。

スリープ「しまった!」

ピカチュウ「……そうだ。予知夢は完璧じゃないって、わかってたはずなのに……」

光は、あやまたず命中した。

ドダイトス「ビッパ! 大丈夫?!」

ビッパ「きつい……でゲス……」

ビッパの体に。

タブンネ「こちらです! 回復を!」

エンペルト「許さない。吹雪」

普段冷静沈着な彼女が怒りに燃えている。おそらく僕たち三人にしかわからないだろうけど。

イベルタル「……」

ピカチュウ「効いてる! 今だ、放電!」

畳みかけるように攻撃を仕掛けた。

その時だった。
 ▼ 549 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:53:32 ID:tMUwo/bk [17/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「大丈夫ですか!」

ニューラ「カクレオンさんに任せたので、みんなは大丈夫です」

ペラップ「リ、リアライズ! 町のみんなは……」

ニューラ「ペラップさん、あたしを乗せて下さい。イベルタルの所まで」

チラーミィ「他のみんなは落下に備えて。あの高さからの」

サーナイト「え? どういう事?」

ニューラ「早く!」

ペラップ「わ、わかった!」
 ▼ 550 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:56:18 ID:tMUwo/bk [18/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ニューラ

ここまで来れば、直接技もあたるかな。

チラーミィが説明してくれたし、みんな高火力の物理技をぶつけてくれるだろう。

ニューラ「ペラップさん、ハイパーボイスをお願いします!」

ペラップ「わかったよ、ハイパーボイス!」

ニューラ「行くよ……」











ニューラ「袋叩き!」
 ▼ 551 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 22:59:19 ID:tMUwo/bk [19/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ボルテッカー!」

ドダイトス「ウッドハンマー!」

ゴウカザル「フレアドライブ!」

エンペルト「メタルクロー」

始めにワープしてきたのは、ポケダンズの4人。

さすがに物凄いダメージを与えられたようだ。

次はディグダ親子が来たような気がするんだけど……

ニューラ「はーくしゅん!」

タイミング悪くくしゃみが出たせいでその体の全貌を見る事は無かった。
 ▼ 552 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 23:04:37 ID:tMUwo/bk [20/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グレッグル「毒づき」

ヘイガニ「クラブハンマー!」

この二人も、安定したダメージ、いや。

ブラッキー「手助け!」

チラーミィ「手助け!」

この技のおかげで物凄く大きなダメージへと変貌していた。


プクリン「チャームボイス!」

サーナイト「ムーンフォース!」

この二つは効果抜群でイベルタルにもかなりのダメージが入っている。

ひょっとしたら、倒せるんじゃないか? エンドレスがゼルネアスを連れてくる前に。
 ▼ 553 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 23:07:21 ID:tMUwo/bk [21/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミロップ・チャーレム「ダブルとび膝蹴り!」

わざわざ合体技風に言う必要はどこにもないが、きちんと技を当ててくれた。

もしこれをはずしてたら、しゃれにならない。

ニューラ「ペラップ下りるよ!」

ペラップ「わかって、うわったった!」

ニューラ「ちょ、待ってよ……」

ペラップ「こっち見ないで……」

ニューラ・ペラップ「うわああ!」

あたしたちの悲鳴が空にこだました。
 ▼ 554 1◆J44kAZeDOM 15/07/23 23:08:01 ID:tMUwo/bk [22/22] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。
 ▼ 555 1◆J44kAZeDOM 15/07/24 09:43:26 ID:7qnjjIps [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニューラ「ペラップ危ない!」

ペラップ「わかっている!」

イベルタルの技があたしたちを狙う。

ペラップ「っつ!」

ニューラ「ペラップ!」

ペラップに攻撃がかすり、少しよろめきだす。

ニューラ「氷の礫! え? うわああ!」

ペラップがバランスを崩し、あたしは頭から落ちてゆく。

ペラップ「ニュ、ニューラ! ぐっ」

ニューラ「うわあああああ!」

その時、何者かがあたしを支えた。

ニューラ「え……お、お母さん?」
 ▼ 556 1◆J44kAZeDOM 15/07/24 09:46:22 ID:7qnjjIps [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マニューラ「ふん、しっかりしな!」

ニューラ「やっぱりお母さんだ……」

あたしたちは地面に降り立つ。

サーナイト「あ、あなた……」

チャーレム「MADの……」

ミミロップ「マニューラ?」

マニューラ「お前らもいたのか。まさかこんな状況で再開する事になるとはな」

チラーミィ「え? お、お母さん?」
 ▼ 557 1◆J44kAZeDOM 15/07/24 09:48:55 ID:7qnjjIps [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「ニューラどういう事「それは後で」

ニューラ「今はイベルタルだよ」

チラーミィ「そうだけど……」

マニューラ「その通りだよ! 今はそれどころじゃない」

ドラピオン「ボス!」

アーボック「速いですよ」

マニューラ「あんたたちが遅いんだよ! 全く……」
 ▼ 558 1◆J44kAZeDOM 15/07/24 09:53:06 ID:7qnjjIps [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マニューラ「ともかく、あれは飛行タイプだろ、どう見ても」

ニューラ「うん」

マニューラ「行くよ、氷柱落とし!」

ニューラ「オッケー、氷柱落とし!」

空に大きな氷が形成されてゆく。

タブンネ「ペラップさんもこちらへ。回復します!」

完全に存在を忘れられていたペラップを回復させようとタブンネは引っ張った。

ペラップ「頼む……」
 ▼ 559 1◆J44kAZeDOM 15/07/24 09:57:29 ID:7qnjjIps [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ピカチュウ

ピカチュウ「今だ! みんな、覚えてる人はあれに向かって水技を!」

ミミロップ「手助けを覚えてる人は全力で二人を手助けしてね」

あの氷柱が、希望に見えた。あの氷柱を全力で強化する、それが勝ち筋だと感じた。

それよりなにより、親子の情、というものに賭けていた。

エンペルト「ハイドロポンプ!」

ヘイガニ「バブル光線!」

ブラッキー「手助け!」

チラーミィ「ニューラ、頑張って! 手助け!」
 ▼ 560 1◆J44kAZeDOM 15/07/24 09:58:20 ID:7qnjjIps [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

予定が午後からだったので更新しました。
 ▼ 561 っふもふのレシラムさん 15/07/25 20:41:39 ID:Z1EUy66w NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 562 っふもふのレシラムさん 15/07/27 20:41:20 ID:h48M2He. NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ!!
 ▼ 563 1◆J44kAZeDOM 15/07/28 22:54:59 ID:r4wxT2i6 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イベルタルは、例の死の光線をあの大きな氷の塊に向かって放つ。しかし。

氷は無機物、生命無き者にあの技は効かないのである。

ピカチュウ「イベルタルを牽制するよ! 十万ボルト!」

イベルタルが攻撃を避ける。

サーナイト「ムーンフォース!」

攻撃は命中しない。しかし、その攻撃は、確実にイベルタルを追い詰めていた。


氷柱落としの射程圏内まで。



その時だった。
 ▼ 564 1◆J44kAZeDOM 15/07/28 22:57:50 ID:r4wxT2i6 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

リオル「すごい! あれに当たれば、さすがのイベルタルでも……」

テールナー「勝てる……よね!」

ハリボーグの表情はあの氷のように冷たかった。

ゼルネアス「やばい……」

ゲコガシラ「え? 何が?」

ゼルネアス「ムーンフォース!」
 ▼ 565 1◆J44kAZeDOM 15/07/28 23:00:39 ID:r4wxT2i6 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その攻撃はあやまたずあの氷柱に向かって飛んで行き、粉々に粉砕するに至った。

…………???

リオル・テールナー・ゲコガシラ「はあ?」

ゼルネアス「急ぐよ! 落ちないように気を付けて!」

リオル「待って、なんでそんな……」

ゼルネアス「話は後。急ぐから!」

どれだけ聞いても反応は無し。そんな中、ハリボーグだけは能面のように表情が変化していなかった。
 ▼ 566 1◆J44kAZeDOM 15/07/28 23:05:28 ID:r4wxT2i6 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ピカチュウ
トレジャータウン

あさっての方向から飛んできたムーンフォース。それが粉々に粉砕されて、タウンの皆、口をあんぐりあけてボーゼンとするだけだった。

その直後、追いかけるようにやってきた青いポケモン。その背には、エンドレスの皆が乗っていて、こいつがゼルネアスだと悟った。

しかし、当然の事ながら、開口一番の声は文句である。

ゴウカザル「なんであれを粉砕してんだよ!」

ゼルネアス「イベルタル……はあっ、はあっ……イベルタル!」

ゼルネアスは皆を無視するようにイベルタルに語り掛ける。

イベルタルが口を開いた。

イベルタル「やっと来てくれたのね、ゼルネアス……」

そう言って、寂しそうに微笑みながら……
 ▼ 567 1◆J44kAZeDOM 15/07/28 23:09:54 ID:r4wxT2i6 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点リオル

リオル「ゼルネアス、なんであの氷柱を?」

チャーレム「せっかく倒せると思ってたんだよ!」

イベルタル「遅いよ、待ちくたびれたよ、私」

ゼルネアス「ごめん」

イベルタル「あんたが来てくれないから、私、ずっと、ずっと生命を奪わなきゃいけなかったのよ」

ゼルネアス「ホントごm……」

イベルタル「なんでここまで遅れたのよ」

ピカチュウ「ちょっと待ってよ! ぜんっぜん話がつかめないんだけど? どういう事か、ちゃんと説明してよ!」

ゼルネアス「あ……ごめん」
 ▼ 568 1◆J44kAZeDOM 15/07/28 23:10:22 ID:r4wxT2i6 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 569 っふもふのレシラムさん 15/07/29 17:55:59 ID:lxuDcAeM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
期待
 ▼ 570 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 19:51:02 ID:9V1dX0TE [1/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゼルネアス「ここは僕が「私に説明させて」

ゼルネアス「」

そう言ってイベルタルは一呼吸つく。

心なしか周囲が静寂に包まれたような気がした。

イベルタル「まずは、なんで私がこんな事してたかだけど……」
 ▼ 571 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 19:58:31 ID:9V1dX0TE [2/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私ってね、生命を吸い取るポケモンなのよね。

もちろんそれが吸い取られた側からしたらひどい事だってわかってるし、許してもらえるとも思わない。

でも、増えすぎた種族は、その後どうなるかわかる?

ブラッキー「そのまま繁栄するんじゃないの?」

イベルタル「不正解。正解はね……」

増えすぎた種族は食料や水、資源などを取り合って争い、その結果衰退するの。

もし争わなかったとしても、いずれ不足して、世界中が飢餓になって、やっぱり衰退する。

ちょうどニンゲンもそんな感じね。世界中に溢れたニンゲンは、やっぱり衰退……もう絶滅かな?

ゼルネアス「1人、時の歯車守ってんだっけ」

イベルタル「そ。永遠の生命を与えられてね」


その時、下では二匹のポケモンが驚愕の表情を浮かべていた。
 ▼ 572 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:03:40 ID:9V1dX0TE [3/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミロップ「ピカチュウどうかした?」

ピカチュウ「いや……ちょっとね……構わず続けて」

リオル「ちょっと待ってイベルタル! 人間って、増えすぎて衰退したの? 自然の摂理に従って?!」

イベルタル「そうよ」

なんてこった……まさかここでイベルタルとゼルネアスが共同して嘘ついてるとは考え辛いから、おそらく信じていい。

だとすると……僕がずっと考えてた、人間世界かポケモン世界か、という答えのでない問いは、意味をなさなくなる!

抑えきれない笑みがこぼれる。体が嬉しさに震える。

テールナー「……リオル?」

リオル「あ、ごめん。続けて下さいイベルタルさん」

イベルタル「わかった」
 ▼ 573 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:08:51 ID:9V1dX0TE [4/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私はね、それを防ぐために、生命の間引きをしているの。

もちろん私だってこんな事したくない。でも誰かがやらないと、この星に生命が溢れかえって、最終的に生命は尽きてしまう。

で、よ。そういうちゃんとした理由はあるけど、もちろん奪いすぎたらそれはそれで途絶えるわ。

それを最適量に抑えるのがあなたの仕事よ、ゼルネアス。

あなたがもっと早く来てくれればこんなたくさんの生命を終わらせる必要はなかった。

あなたと出会う事が私のこの活動の終わりを意味する。わかってるよね、ゼルネアス。
 ▼ 574 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:13:20 ID:9V1dX0TE [5/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゼルネアス「も、もちろんだよ……」

イベルタル「じゃあなんでこんなに長い事私に会いに来てくれなかったの?」

ゼルネアス「それは……」

イベルタル「どういう事よ。あなたのせいで、私、したくもない殺しを延々と繰り返さなきゃいけなかったのよ!」

ゼルネアス「ホントごめん……実は……その……」
 ▼ 575 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:13:49 ID:9V1dX0TE [6/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告















好きだっ! イベルタルっ!














 ▼ 576 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:15:25 ID:9V1dX0TE [7/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
皆が口をあんぐり開けている。

ゲコガシラ「えっと……」

ディグダ「みんなどうしたの?」

ダグトリオ「息子よ、お前にはまだ早い」

マニューラ「なんだい、そりゃ」
 ▼ 577 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:21:13 ID:9V1dX0TE [8/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イベルタル「な、何言ってんのよ!」

ゼルネアス「僕、本気だよ。ずっと言えなかったけど……やっぱり「バカ!!」

イベルタル「私が好きなら……私が大事なら、それこそ早く会いに来てよ!」

ゼルネアス「だって、僕と会ったら、また永い眠りについてしまうだろ。それが嫌だったんだ」

イベルタル「でも……でも……」

ゼルネアス「イベルタルといられる時間を、終わらせたくなかったんだ!」

イベルタル「バカっ……うぐっ……バカ、バカ、バカ! あああああん!」

彼女(?)の目から大粒の涙が零れ落ちる。

ゼルネアス「ホントごめん」

イベルタル「うわあああん!」


だが、それで終わりにできない者がいる。
 ▼ 578 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:26:32 ID:9V1dX0TE [9/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「……ふざけないで」

今までずっと口を開かなかったハリボーグが、ついに口を開いた。

ゼルネアス「え?」

ハリボーグ「ふざけないでって言ってるの!」

ハリボーグ「あんたのそんな勝手な身勝手のおかげで、お母さんは、みんなは……お兄ちゃんは!」

ハリボーグ「イベルタルに……殺されたのよ!!!」

イベルタル「それは……本当に……」

まだ涙の気配を感じさせる声で言った。

ハリボーグ「仕方ないよ、自然の摂理なんでしょ」

テールナー「ハリボーグどういう事? 見た事あるだけなんじゃないの?!」

ハリボーグ「黙っててごめん。話すのも辛くって」
 ▼ 579 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:29:14 ID:9V1dX0TE [10/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ 回想

皆が必死に逃げ惑う。突然に現れた、あの赤い化け物から。
それが放つ光に触れると、すべての生命はその輝きを失い、そのまま朽ちてゆく。

ハリマロン(現ハリボーグ)「ねえ、怖いよ……」

兄「大丈夫、お前は俺が守る」

ハリマロン「ホント?」

兄「ああ」

それでもイベルタルは無慈悲に光を放つ。

殺される……

私はもう、諦めていた。

兄「危ないっ!」

お兄ちゃんは私を突き飛ばした。そこで記憶は途切れている。
 ▼ 580 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:32:15 ID:9V1dX0TE [11/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
目の前が真っ暗だった。

永遠とも思える深淵の中をひたすら泳ぐ。

こうすれば何かから逃れられると信じて。

強い浮遊感を覚え、胸は苦しくなり、何かから逃れようと必死にもがく。しかし抵抗空しく私は放り出された。夢の外へ。

ハリマロン「はあっ! はあっ、はあっ」

ハリマロン「私……死んじゃったのかな……」

ハリマロン「いや、生きてる。じゃないと、この苦しさはおかしいよ……」

でも、と周りを見渡して思う。

こんな世界に生きていて、いいのかな……

回想終わり


それ以来、私はある1つの考えに囚われてた。馬鹿げた考えだってわかってる。

でもそうしないと納得できないの。
 ▼ 581 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:37:27 ID:9V1dX0TE [12/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「お願い、私を殺して、イベルタル」

!!!!!

ゲコガシラ「おま、何言って……」

ハリボーグ「みんな苦しみながら死んでいった。私以外ね」

ハリボーグ「それなのに、私、みんなと……リオル、テールナー、ゲコガシラと」

ハリボーグ「こんな楽しい時間を過ごしてきて……不平等だよ、私、生きてちゃダメなんだよ……」

あまりの衝撃に言葉もでない。

テールナー「何言ってるのよ……そんなにイベルタルが嫌なら、復讐でも、なんでもすればいいじゃない!」

ハリボーグ「復讐しても何も始まらない、そう言ってくれたの、確かテールナーよね」

テールナー「あっ……それは……」

ゲコガシラ「だからって、そんな……」

ハリボーグ「ゲコガシラはいいよね、また会えるんだし、現にこうやって、ブラッキーと出会ってる」

ハリボーグ「でも私は、もう二度と会えない」
 ▼ 582 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:42:04 ID:9V1dX0TE [13/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イベルタル「悪い……のかな、でも、もう私は生命を吸い取ったりしないわ」

ハリボーグ「え……」

イベルタル「ゼルネアスと出会えば、私の活動は本来すぐ終わる。今回が特別過ぎただけ」

イベルタル「私……もう寝るね」

ゼルネアス「うん」

イベルタル「お休み」

イベルタルの体が繭に包まれてゆく。

それをゼルネアスは愛おしむように眺めている。

そんな中、ただ1つ、悲痛な声が響き渡る。

ハリボーグ「何よ……奪うだけ奪って、はいサヨナラ? ふざけないで! 殺してよ!」

ハリボーグ「私を殺してよっ!」

衝動的に体が動いた。
 ▼ 583 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:49:49 ID:9V1dX0TE [14/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
気付けば、思いっきり彼女の頬をビンタしていた。

リオル「いったあああ!」

彼女の体が思いのほか固く、叩いたこっちの手がダメージを負っていた。

ハリボーグ「リオル……」

リオル「バカな事言うなよ、っ、生きてちゃダメなんて、いつっ、そんな事ある訳ないだろ!」

すごくかっこいい事言おうとしてるのに、こんなザマじゃもはやお笑い種だ。

でもそんな事気にも留めずに言い続ける。そうしないと彼女がおかしくなってしまいそうだから。

リオル「この世にはな、生まれて来たかったのに生まれる事のない生命があるんだよ!」

リオル「いてっ、くそっ、それがなんだ? 生きてちゃダメ? ふざけんな!」

リオル「何があっても、死んでもこの世に食らいつく、それが残された者の覚悟じゃないのかよ!」

言葉が体のから勝手に湧き上がって来る。まるでどこかでこの言葉を口にした事があるかのように。

自分の封じられた記憶の中で、だろうか。

その相手は……クレアかな。
 ▼ 584 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:55:11 ID:9V1dX0TE [15/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「絶対死ぬな、ハリボーグ、この世界は確かにおかしい所もあるかもしれないけど、それでも、生きろ!」

イベルタルはもう完全に繭に包まれている。

ハリボーグ「……」

ゼルネアス「ごめん」

ハリボーグ「あああああ! もおおおおおお! ゼルネアス、死ねっ!」

唐突の過激な発言に、一同再びあんぐり。

ハリボーグ「エナジーボール!」

ゼルネアスは無言で攻撃を受ける。その義務があるかのように。

ハリボーグ「ミサイル針! エナジーボール! うわあああ!」

全ての恨みを吐き出そうとしているのだろうか。技は泣いているが、繰り出すたびにハリボーグの顔は徐々にすっきりしていく。
 ▼ 585 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 20:58:31 ID:9V1dX0TE [16/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「お見事だよ、リオル。たぶんもう、彼女は大丈夫だよ」

リオル「ありがとうございます!」

ピカチュウは手を高く掲げた。

ピカチュウ「うまくいったら?」

リオル「ハイタッチ!」

お互い元人間どうし、という気安さのせいで、いとも簡単にハイタッチをしていた。

テールナー「あー!ずるいよお!」

ハリボーグは攻撃を続ける。次第に、顔には笑みまで浮かんできた。

もうやめとけー、違う物になってるぞー。
 ▼ 586 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 21:01:18 ID:9V1dX0TE [17/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「うっ……」

ドダイトス「大丈夫? 時空の叫び?」

ピカチュウ「ああ……うぐっ」

ピカチュウ「はあっ……リオル、後で話をしようか」

リオル「いいですけど……なんでですか?」

ピカチュウ「出来れば、エンドレスとポケダンズだけで話したい。ハリボーグが落ち着いたらサメハダ岩まで来てくれ」

結局何が見えたのかわからず仕舞いだった。

ハリボーグはまだ攻撃を続けている……
 ▼ 587 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 21:01:54 ID:9V1dX0TE [18/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter17 悲しみの戦い 完
 ▼ 588 1◆J44kAZeDOM 15/07/29 21:02:24 ID:9V1dX0TE [19/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 589 ギアル@あくのジュエル 15/07/29 21:17:50 ID:9V1dX0TE [20/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
追記

このSSでは、生命と書いて命と読みます。
それはスレタイについても同様です。

まあ、今更ですけどね。
 ▼ 590 っふもふのレシラムさん 15/07/29 21:22:04 ID:lxuDcAeM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 591 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 07:41:41 ID:xC9ydaLw [1/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>174 テールナー
>>366 ゲコガシラ
>>578 ハリボーグ

パートナー三人の過去を踏まえた上でもう一度プロローグを読む事をお勧めします
 ▼ 592 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 13:57:57 ID:xC9ydaLw [2/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章

そうだ。僕は時の歯車を護ってた。

ずっと、ずっと。

人間が滅ぶ時、ある交換条件の下で僕は生き延びた。

それが時の歯車の守護。

永遠の生命でもってひたすら護り続ける事がその条件だった。


人間……男と女の区別すら、もう見た目だけじゃできなくなっている。

それほどに1人時を過ごしていたんだ。


記憶が呼び戻される。

なんでもない、と気丈に振る舞いはしたけど、本当は泣きそうだった。

激しい孤独の発作に襲われて。
 ▼ 593 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 13:58:31 ID:xC9ydaLw [3/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter18 過去の世界へ
 ▼ 594 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:02:04 ID:xC9ydaLw [4/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「とりあえず、ハリボーグが落ち着くまで僕たちで待ってますから、みなさんは大丈夫です」

ヘイガニ「でもよう、やっぱり心配だぜ、ヘイヘイ」

マニューラ「あたしたちは帰らせてもらうよ」

ニューラ「お母さん……うん。元気で。あんまり悪い事はしないでね」

マニューラ「ちっ……ほらよ、特性カプセルだ」

ニューラ「え……嘘」

マニューラ「じゃあな」

ニューラ「わかった」

そう言ってチームMADは去った。
 ▼ 595 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:05:58 ID:xC9ydaLw [5/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミロップ「あたしたちはメガ進化について調べに来たからしばらくここに滞在するわ」

ピカチュウ「なんでこっち見るんだ」

ミミロップ「いいじゃないの、別に」

エンペルト「……」

ピカチュウ「いや、だからさあ……」

ゴウカザル「エンペルト、ほっとこうぜ。お前のが俺は好きだからな」

ドダイトス「懲りないねえ」

ゴウカザル「ほっとけ」
 ▼ 596 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:09:53 ID:xC9ydaLw [6/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「ああ、すっきりした。うん、あはは……うっ、うわああああん!」

攻撃をやめたと思ったら唐突に泣き始めたハリボー。やはりまだ感情の整理はつかないらしい。

ゼルネアス「ああ痛かったあ。もう終わり?」

ハリボーグ「ぶん」

ゼルネアス「わかった。もう帰るね」

ハリボーグ「ぶん」

ゼルネアス「ホントにごめん。じゃあ」

そう言ってゼルネアスも帰ってゆく。

ゼルネアス「あ、イベルタルがここにいたら邪魔でしょ。運んどくね」
 ▼ 597 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:18:00 ID:xC9ydaLw [7/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
後にはギルドメンバーとベストウィッシュの2人、チャームズの3人にポケダンズの4人が残った。

ひたすら泣きじゃくるハリボーグをボーゼンとして見ている事しかできず、全員がただただその場に佇んでいた。

テールナー「ハリボーグ。大丈夫?」

ゲコガシラ「どう見たら大丈夫に見えんだよ。元気出せ、お前、兄貴の分まで生きんだろ」

ハリボーグ「ぶん」

ゲコガシラ「それなら、こんなとこで泣きじゃくってても始まんねえぞ」

ハリボーグ「わかってるよう……」

ビッパ「復活でゲス! あれ、みんなどうしたでゲスか?」

空気を読まないビッパさんがやってきた。

ハリボーグ「ううん、なんでもない」

涙は顔に残っていても、顔は笑っている。声ももう、普段通りだった。
 ▼ 598 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:22:09 ID:xC9ydaLw [8/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「ハリボーグ、収まったみたいだね。ってな訳でニューラ、1ついい?」

ニューラ「何?」

チラーミィ「マニューラがお母さんってどういう事?」

ニューラ「いや、そのままだ。あの人が私の生みの親。もちろん育ててもくれたよ」

チラーミィ「そうじゃなくて、MADのリーダーよ! そんな人の子どもって……」

ニューラ「嫌?」

チラーミィ「そうじゃないけど……でも、なんでプクリンのギルドに?」

ニューラ「話せば長くなるよ、いい?」

チラーミィ「うん」

ニューラ「わかった。じゃあ話すよ。でもみんなの前では言いたくないから、ちょっと待って」

チラーミィ「……わかった」
 ▼ 599 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:26:41 ID:xC9ydaLw [9/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チャーレム「にしてもあのマニューラに子どもがいたなんてねえ」

サーナイト「あの時は泣く子も黙る盗賊団って感じだったのに……」

ミミロップ「まあ、そこらへんもいろいろあるのよ」

チャーレム「だね」

ピカチュウ「とりあえず事件は解決したし、みんな帰ろう!」

誰からも異論は出なかった。

そのまま全員が帰っていく。

ダグトリオ「私たちが耕してなかったらみんな大ケガじゃすまなかっただろうな」

ディグダ「お父さん調子に乗らないで!」
 ▼ 600 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:28:50 ID:xC9ydaLw [10/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「ふう……落ち着いたかな」

テールナー「よかったあ。よし、帰ろう!」

リオル「待って! ポケダンズが呼んでたよ」

テールナー「嘘! 何言われるんだろう。褒められたりしたら……キャアア!」

リオル「サメハダ岩だって」

ゲコガシラ「わかった。行こう」
 ▼ 601 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:38:58 ID:xC9ydaLw [11/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「お邪魔しまーす」

ピカチュウ「よく来たね。とりあえず、ここに座って」

テールナー「は、ひゃい!」

ゲコガシラ「緊張しすぎ」

ハリボーグ「どうしたんですか?」

ピカチュウ「さっきハイタッチして、時空の叫び、見たんだ」

リオル「はい。一体何を見たんですか?」

ピカチュウ「ジガルデと話している所だよ。(>>444からの所)」

リオル「あ……そう言えばジガルデがあの兵器のせいでって断言してた……嘘……ついてたって事?」

テールナー「ジガルデだけが本当の事を言ってる可能性は?」

ゲコガシラ「ゼルネアスとイベルタルは、その性質上口裏合わせはできないはず」

リオル「それに競合して嘘つくのは1人でつくより難しいし」

それに、と心の中で付け足す。

そうあって欲しいんだ、僕が。
 ▼ 602 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:49:22 ID:xC9ydaLw [12/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「うん。あ、一応みんな(ポケダンズメンバー)にも説明しとくけど……」

ドダイトス「へえ」

ゴウカザル「つまり……その話を信じるならこっち救うには過去のニンゲン世界を壊さなきゃいけないって事か」

エンペルト「イベルタルの話と矛盾」

リオル「ですよね」

ピカチュウ「とにかく、だ。これは絶対、君たちが進化後に過去にさかのぼってジガルデと戦い、兵器の破壊を食い止める、という事だろう」

ピカチュウ「ジガルデの話しか知らされてなかった時、本当に辛かっただろう? リオル」

リオル「……はい」

今思い出しても苦痛に顔が歪む。

ピカチュウ「わかるよ。歴史を変えると僕たちみんな消えてしまう。でも変えないと過去に甚大な被害ってね」

ゴウカザル「おま、もしかして、記憶戻った?」

ピカチュウ「うん。でもそれは今はどうでもいいから、話続けるよ」
 ▼ 603 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:56:37 ID:xC9ydaLw [13/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリボーグ「でも、どうやって過去に?」

ピカチュウ「ディアルガに頼むよ。にしても皮肉だなあ」

リオル「何がです?」

ピカチュウ「歴史を変えようとやってきたのに、今度は歴史を変えないように、だもんな」

なるほどね。

ピカチュウ「ディアルガなら真相はどっちか、人間が絶滅した理由ね、もわかるだろうし、それからかな」
 ▼ 604 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 14:57:05 ID:xC9ydaLw [14/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドダイトス「さっきの話だと、みんな進化してるし、リオルに至ってはメガ進化までしてるよね」

ハリボーグ「はい」

リオル「僕、どうやって進化できるんだろ……」

エンペルト「太陽のリボン」

リオル「え?」

ゴウカザル「太陽のリボンで進化できるぞ」

ゲコガシラ「それ、こないだもらったよな」

テールナー「うん……」

ピカチュウ「すごい偶然だね」

リオル「はい」

進化……か。
 ▼ 605 スボー@ピーピーマックス 15/07/30 15:02:17 ID:xC9ydaLw [15/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更新中断します。

また夜に再開します。
 ▼ 606 っふもふのレシラムさん 15/07/30 18:50:16 ID:xCldgupo NGネーム登録 NGID登録 報告
さぁ、もう夜だよね!?
更新たのもぉー!
 ▼ 607 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 19:43:12 ID:xC9ydaLw [16/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「とにかく、これで進化の心配はしなくていいな」

ピカチュウ「ところで……ギルドのみんなには話した?」

リオル「え? 話してないですけど……」

ピカチュウ「話すべきだよ。みんなが何かできる訳でもないかもしれないけど」

ピカチュウ「はっきり言って、ディアルガ連れて来ようと思うとどうしても隠し切れないんだ」

リオル「ディアルガってそんなに大きいんですか?」

ドダイトス「あれはおっきいよー」

リオル「わかりました。話します」

ピカチュウ「明日はみんな進化しに行ってね、光の泉まで」

ゲコガシラ「はい!」

ハリボーグ「帰ろ!」

テールナー「えーもったいn……わかった」

リオル「ありがとうございます」

ゴウカザル「お安い御用だ!」

ピカチュウ「なんでお前……時限の塔いけないくせに」
 ▼ 608 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 19:49:11 ID:xC9ydaLw [17/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルド

ピカチュウさんが言ったように、全てを包み隠さず話した。

結局話す機会のないまま放置していた、自分が元人間である事。

世界を終わらせるほどの兵器が発動するのを食い止めきれず、その衝撃が原因でポケモンになった事。

そしてそれが発動しなければこの世界が終わる事。

それをジガルデという伝説のポケモンが発動を食い止めようとしている事。

その食い止めるのを僕たち4人が食い止める運命にある事。

僕たちを過去に送るためにポケダンズがディアルガを連れて来る事。
 ▼ 609 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 19:58:36 ID:xC9ydaLw [18/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
みんなから流れ込んで来る感情は、元人間のところで驚きを。

兵器のところでは疑いも多かったが、話している内に徐々に困惑に変わってゆく。

そしてポケダンズが絡み始めると少しずつ信用が見えて来た。

ポケダンズって、すごい。

全員が例外なく信用するんだよ? 信じられない。

ビッパ「ちょっといいでゲスか?」

テールナー「どうぞ」

ビッパ「その……ジガルデを止めたら、ニンゲンは滅ぶでゲスよね?」

リオル「いや……それがそうでもないってイベルタルが言ってたんです」

ビッパ「そんな事言ってたんでゲスか」

どうも彼は傷を負って、寝込んでいたらしい。
 ▼ 610 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 19:59:11 ID:xC9ydaLw [19/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
沈黙がギルドを包む。それを破ったのはペラップだった。

ペラップ「とりあえず、それが本当だとしよう。だが、お前たちじゃないといけないのか?」

ハリボーグ「どうもジガルデ曰く、私たち4人だけみたいです」

ペラップ「そうか……」

プクリン「みんな、大変な事に巻き込まれちゃったね」

プクリン「でも大丈夫だよ。トモダチ! トモダチ!」

ペラップ「だ、そうだ。エンドレス、よろしく頼むよ! この世界を守ってくれ!」

エンドレス「はい!」
 ▼ 611 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:04:50 ID:xC9ydaLw [20/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チリーン「みなさんが頑張れるように、明日は全力で料理します!」

ビッパ「いつもは本気じゃないんでゲスか……」

チリーン「い、いつも以上って事です!」

これ、たまに手抜きしてるな。焦りが見える。

チラーミィ「イベルタル事件に、ニューラの過去、それにこんな話まで……もう頭パンパン……」

テールナー「ニューラさんの過去ってなんですか?」

ニューラ「ごめん、ちょっとまだ言いたくない」

テールナー「そうですか……なら仕方ないです」

ダグトリオ「私たちが行けば一発なのにな」

ディグダ「お父さん、考えてもどうしようもないよ」

ヘイガニ「失敗したら承知しないぜ、ヘイヘイ!」

ゲコガシラ「わかってる」
 ▼ 612 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:09:17 ID:xC9ydaLw [21/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「ハリボーグ」

ハリボーグ「何?」

リオル「この世界も、捨てたもんじゃ無いだろう?」

ハリボーグ「……うん!」

でも、と考える。

ジガルデを食い止めて、事件を解決した後、僕はどうするんだろう。

もう記憶の謎はほぼとけたも同然。クレアだけが謎だけど、それはこのままここにいても何もわかりそうにない。

事件が解決したその時、戻って来るのか、残るのか。

周りを見渡して、肩の力を抜く。

それはその時考えよう。

グーッ、と鳴った腹にそんな楽観的な事を考えて思考を戻した。
 ▼ 613 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:13:59 ID:xC9ydaLw [22/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


テールナー「ハリボーグ、全然気付かなかった。あんな過去があるなんて」

テールナー「それなのに、私は世界一不幸なんて考えて、バカみたいね」

ハリボーグ「気にしないで。ゲコガシラも、あんな煽るような事言ってごめん」

ゲコガシラ「いいよ、別に」

ハリボーグ「リオル……ありがとう」

リオル「どういたしまして。お前体固すぎるよ」

ハリボーグ「あはは。じゃあみんな、お休み」

お休みー、おうお休み。

どんな事があっても、一日の最後はこの言葉。

そんな日常も、もうすぐ終わり? それは……辛い。

僕の心は、確実にポケモン世界に傾いていた。
 ▼ 614 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:18:03 ID:xC9ydaLw [23/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝

ひとーつ、仕事は絶対サボらない!
ふたーつ、脱走したら、お仕置きだ!
みーっつ、みんな笑顔で明るいギルド!

ペラップ「それじゃみんな、今日も仕事にかかるよっ!」

みんな「おー!」


ペラップ「エンドレス! 今日はみんな、光の泉へ行って、進化して来る事!」

エンドレス「はい!」


ガルーラさんからアイテムを引き出す。特に太陽のリボンは忘れられない。

カクレオンさんからリンゴやグミを買う。

残りのお金は全てヨマワルさんに。

リオル「よし、行くぞ!」

3人「おー!」
 ▼ 615 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:22:10 ID:xC9ydaLw [24/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
神秘の森

1F

テールナー「懐かしいなあ」

ゲコガシラ「まだ俺たち進化してなかったっけ」

リオル「あの時は僕たちだけじゃ不安だって……」

ハリボーグ「チームわけられたっけ」

テールナー「ケンカしてたんだよね」

ゲコガシラ「そういやそうだな、忘れてたわ」


3F

リオル「はっけい!」

リオル「わりと手は出るね」

テールナー「成長したよね、私たち」

ゲコガシラ「たりめーだ」
 ▼ 616 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:26:16 ID:xC9ydaLw [25/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
6F

ハリボーグ「あの時はまだ、誰の事情もわかってなかったっけ」

テールナー「事情?」

ハリボーグ「ギルドに入った理由」

テールナー「なるほどね。でも私はあのすぐ後だったんだけどね」


9F

ゲコガシラ「ピカチュウさんたち、大丈夫かな?」

テールナー「当たり前でしょ! 誰だと思ってるの!」

ゲコガシラ「わーったわーった」


13F

リオル「確かここが最終フロアだったよね」

ハリボーグ「の、はずだよ」

テールナー「階段!」

ゲコガシラ「行くぞ!」
 ▼ 617 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:28:51 ID:xC9ydaLw [26/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
光の泉

……どこかから声が聞こえる。

光の泉「汝は進化を求めるか」

四人「はい」

光の泉「では進化したい者はその光の中へ」

リオル「僕からでいいよね、未体験だし」

3人から異論が出なかったし、一番乗りさせてもらう事にした。

いよいよ進化……ずっと楽しみにしていたんだ、実は。
 ▼ 618 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:32:31 ID:xC9ydaLw [27/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
光の中に足を踏み入れる。

リオル「……」

力が湧き上がってくる。自分の内から。

そしてなんだか、むずがゆくもある。

溢れる力が体からこぼれだし、少しずつ自分の姿を変えてゆく。

皆が口を揃えてすごいと言うだけの事はあって、それはどこか懐かしいような心地よさだった。

気付いた時、僕はもう、リオルではなくなっていた。

 ▼ 619 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:35:20 ID:xC9ydaLw [28/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルカリオ「なるほど……確かにすごい」

テールナー「でしょ! じゃ、次は誰?」

ゲコガシラ「ハリボーグ、どうぞ……ハリボーグ?」

ルカリオ「どうしたの? こっち見て」

ハリボーグ「いや、なんでも……ありがと、じゃ行くよ!」

光に足を踏み入れ、彼女はブリガロンに進化した。

ブリガロン「手、動きやすいな。次はテールナー?」

テールナー「いい?」

ゲコガシラ「ああ」
 ▼ 620 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:38:49 ID:xC9ydaLw [29/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マフォクシー「はあ……やっぱりすごいとしか言えないよ。最後はゲコガシラだね」

ゲコガシラ「ああ。行くぞ」

そして最後の進化を遂げる。

ゲッコウガ「ふう……ベロが乾くな」

確かにベロ出してるけど、生態じゃないのかよ。

ゲッコウガ「首回りがなんかスースーする」

ルカリオ「それは……ご愁傷様」

ゲッコウガ「ま、慣れるだろ。それより帰ろうぜ」

マフォクシー「そうね」
 ▼ 621 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:42:06 ID:xC9ydaLw [30/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トレジャータウン

ピカチュウ「ただいま」

ドダイトス「連れて来たよー!」

ディアルガ「事情は聞いた。エンドレスというのはどの探検隊だ?」

ルカリオ「はい、僕たちです」

ディアルガ「わかった。明日、過去に送る。準備は今日中に済ませてくれ」

ディアルガ「あと安心してくれ。ニンゲンが滅ぶのは兵器のせいではない」

ルカリオ「……よかったあ……」

一気に肩の力が抜けた。
 ▼ 622 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:44:59 ID:xC9ydaLw [31/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルド

ビッパ「お帰りでゲス! 進化したんでゲスね」

ルカリオ「はい」

チラーミィ「ルカリオ」

……

チラーミィ「ルカリオってば!」

ルカリオ「ああ、僕だ」

チラーミィ「やっぱり、元ニンゲンだと、呼び名が変わるの上手く慣れないでしょ」

ルカリオ「はい……ははは」

チラーミィ「ま、じき慣れるよ」
 ▼ 623 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:52:04 ID:xC9ydaLw [32/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チリーン「ごはん出来ましたよー!」

わーわーわー!

やったでゲス!
 ▼ 624 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:52:29 ID:xC9ydaLw [33/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その料理は、確かに今まで見た事のないほどの豪勢な物だった。

口へと運ぶ。

!!!

う、旨い! 口に入れた瞬間、するっとほどけ、絶妙な味が広がる。

ルカリオ「こんなに美味しいの、食った事ない……」

マフォクシー「味わって食べなきゃ」

ゲッコウガ「お前が味わったら明日に間に合わねえって」

マフォクシー「ぷう」

ブリガロン「あれ? もうないんだけど……」

ビッパ「あっしもでゲス……」

ヘイガニ「お前らもう全部食ったろ、ヘイヘイ!」

ブリガロン・ビッパ「あ」

チリーン「喜んでもらえて嬉しいです!」

至福の時は過ぎてゆく。
 ▼ 625 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:56:50 ID:xC9ydaLw [34/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


マフォクシー「いよいよだね」

ブリガロン「うん……」

ゲッコウガ「ルカリオ、何か思い出したりしてないか?」

ルカリオ「残念ながら」

ブリガロン「一応持ち物確認。復活の種」

ルカリオ「えっと……あるな」

ブリガロン「リンゴ」

ルカリオ「4個」

ブリガロン「ピーピーマックス」

ルカリオ「5個ありゃ充分だろ」

ブリガロン「キーストーンメガストーン」

ルカリオ「これ」

マフォクシー「あるよ」

ブリガロン「一応不思議玉はあるよね。もういいか。じゃ、お休み!」
 ▼ 626 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 20:59:22 ID:xC9ydaLw [35/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝

ニューラ「頑張れ」

チラーミィ「絶対帰ってきてね!」

みんな口ぐちに励まし、激励の言葉を口にする。

ブラッキー「ゲコ……ゲッコウガ、お前とんでもない事になってんな」

ゲッコウガ「ああ。でも大丈夫、心配すんな」

ブラッキー「してない。お前ならどうせ無事帰って来るさ」

ゲッコウガ「ああ」
 ▼ 627 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 21:01:43 ID:xC9ydaLw [36/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ディアルガ「準備はいいか?」

エンドレス「はい」

ディアルガ「では行くぞ!」

中空になんか変なものが浮かんだ。

ディアルガ「時空ホールだ。狙いの場所に行ける」

ルカリオ「わかりました。よし、行くぞ!」

3人「おー!」

僕たちは、時空ホールへと足を踏み入れた。

4人「うわあああああ!」
 ▼ 628 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 21:02:30 ID:xC9ydaLw [37/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter18 過去の世界へ 完
 ▼ 629 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 21:06:04 ID:xC9ydaLw [38/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
幕章

???「遂にジガルデと4人がご対面かあ」

???「みんな過去は乗り越えただろうし、ルカリオも、きっと大丈夫なはず」

???「ただ利用するだけじゃ申し訳ないしね」

???「ったく、あのカルムってニンゲン、なんで止めるんだよ」

???「あそこで発動しなかったから歴史が変わってこんな事……」

???「はあ……もう、想像力が足りないよ」

???「ま、いっか。頑張ってくれよ、ルカリオ」
 ▼ 630 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 21:06:32 ID:xC9ydaLw [39/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter19 記憶の真実
 ▼ 631 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 21:14:22 ID:xC9ydaLw [40/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
気が付いたら、僕たちは倒れていた。

ルカリオ「……大丈夫? みんな」

ゲッコウガ「いってえな……」

マフォクシー「私は大丈夫」

ブリガロン「平気よ」

ルカリオ「で、ここは……兵器は向こうか……」

マフォクシー「ジガルデはまだ来てないみたいね」
 ▼ 632 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 21:14:42 ID:xC9ydaLw [41/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時、ふっと目の前を何かが横切った。

強い負の感情を撒き散らしながら。

しかし、それにどこか懐かしさも感じた。

突如として、電撃に打たれたように、全てが繋がった。

論理とか、思考とか。そういうの、超えたところで。

何かが弾けた。

ルカリオ「うがあっ!」

マフォクシー「ルカリオ大丈夫?!」

ルカリオ「先……兵器の前に行ってくれ。すぐ行く……」

マフォクシー「でも……」

ルカリオ「いいから!」

ブリガロン「ルカリオの言う通りだよ。私たちの目的はジガルデを止める事なんだから」

マフォクシー「……わかった」

ゲッコウガ「行くぞ!」

ブリガロン・マフォクシー「わかった!」

そう言って3人は兵器の方へと走る。
 ▼ 633 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 21:18:27 ID:xC9ydaLw [42/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
頭の中で、ぐるぐると渦を巻く過去。

なるほど……クレアについても、そう考えれば全てがはっきりする。

突如、笑いの発作が襲う。

そういう事か。そういう事か。ははははは……

なんだ、そういう事か。初めから悩む必要なんてなかったんだ。

発作的に笑う姿は、どこからどう見てもただの狂人だろうな、なんて少し残った理性で考える。

もっとも、人じゃないけれど……
 ▼ 634 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 21:19:00 ID:xC9ydaLw [43/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はたぶんここまで。

ただ気が向いたら書くかもしれません。
 ▼ 635 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 22:47:43 ID:xC9ydaLw [44/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ゲッコウガ

あいつ……大丈夫かな?

急に苦しみだして、あいつは大丈夫って言ってるけど……

マフォクシー「ルカリオ、大丈夫かな……」

ブリガロン「大丈夫よ。ルカリオだもん」

ゲッコウガ「なんだよそのあってないような根拠」

ブリガロン「いいじゃん別に」

マフォクシー「あ! なんか来た!」

その巨体は、大地を揺らしながらやって来る。

ジガルデだ。
 ▼ 636 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 22:56:59 ID:xC9ydaLw [45/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲッコウガ「ジガルデ! 待ってくれ! 話を聞いてくれ!」

ジガルデのグランドフォース!

ゲッコウガ「うおっ、危ねっ!」

ブリガロン「ニ、ニードルガード!」

マフォクシー「きゃ!」

攻撃はどうも、マフォクシーに直撃したらしい。

ゲッコウガ「ジガルデ! くそっ、話は通じないか……冷凍ビーム!」

ジガルデに効果は抜群だ!
 ▼ 637 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 22:57:22 ID:xC9ydaLw [46/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジガルデの龍の波動!

ブリガロン「エナジーボール!」

龍の波動とエナジーボールがぶつかり合い、激しい衝撃があたりを襲う。

ブリガロン「ダメ、押し負ける……」

ゲッコウガ「水の波動!」

波動には波動だ。

幸いにも2人の攻撃は相手の技に押し勝てるぐらいの強さはあった。

攻撃が当たって怯んでいる隙に、マフォクシーの方に駆け寄る。

ゲッコウガ「大丈夫か!」

マフォクシー「うん……いたた……」

ジガルデのグランドフォース!

ゲッコウガ「危ない!」
 ▼ 638 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 23:02:51 ID:xC9ydaLw [47/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブリガロン「ニードルガード!」

ブリガロン「無茶しないで、もうこれ以上失いたくないもん」

大地を揺るがす技をいかにして受け止めているのかは謎だがとにかく助かった。

ゲッコウガ「サンキュ」

マフォクシー「ありがと……危ないサイコキネシス!」

振り返ると、ジガルデが動きを止められていた。

ゲッコウガ「近っ!」

マフォクシー「今よ……」

ゲッコウガ「OK、冷凍ビーム!」

ブリガロン「エナジーボール!」

2人の渾身の攻撃がジガルデに命中する。
 ▼ 639 1◆J44kAZeDOM 15/07/30 23:03:14 ID:xC9ydaLw [48/48] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 640 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 14:19:43 ID:HF.97W.6 [1/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジガルデが咆哮をあげる。

そのまま発動した龍の波動は俺たちを襲った。

ゲッコウガ「マフォクシー危ない! うがあ!」

ブリガロン「ゲッコウガ!」

マフォクシー「……ゲッコウガ!」

ゲッコウガ「くっそ……うぐっ」

上手く立てない。本格的にやばいぞこれ……

ジガルデのグランドフォース!

ブリガロン「ニードルガード!」

こいつが攻撃を防いでくれなかったら、今頃どうなっていただろうか、なんてぼんやり思いながら、俺は意識が薄れゆくのを感じた……
 ▼ 641 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 14:28:01 ID:HF.97W.6 [2/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ブリガロン

ブリガロン「う……」

ニードルガードで攻撃は完全に防げる、そのはずなのに、押し負けそうになる。

マフォクシー「ゲッコウガ!」

ふっと振り返るとゲッコウガが倒れていて……

ブリガロン「嘘……そんな……」

あまりの衝撃に力を弱めてしまった。

その隙をついて、龍の波動は守りを打ち破り……

ブリガロン「うわああ!」

マフォクシー「うぐっ」

ブリガロン「ダメっ!」

私はまだ大丈夫。でも2人は……さっきまでのダメージが……
 ▼ 642 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 14:29:13 ID:HF.97W.6 [3/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
また、いなくなっちゃうの? 私のまわりから、また、大事な誰かが……

ブリガロン「嫌。そんなの……絶対に嫌だよ!」

気付けば頬を涙が伝っていた。

ルカリオ、ねえ、早く来てよ。ルカリオ、ルカリオ……

???「癒しの波導!」

ふっとそっちを振り向く。涙に霞んだ目に、その姿こそ見えなかったけど、声がルカリオだった。

ブリガロン「ルカリオ!」

ルカリオ「ごめん、遅れて」
 ▼ 643 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 14:32:28 ID:HF.97W.6 [4/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲッコウガ「う……」

マフォクシー「あれ? えっと……」

ブリガロン「2人とも!」

ルカリオ「よかった。後ろ! 気を付けろ!」

ブリガロン「ニードルガード!」

ルカリオ「マフォクシー、今だ!」つルカリオナイト

マフォクシー「わかった!」つキーストーン

ルカリオ・マフォクシー「メガ進化!」
 ▼ 644 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 14:36:43 ID:HF.97W.6 [5/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私が攻撃を受けとめている間、メガ進化か。

ゲッコウガ「サポートする! 冷凍ビーム!」

ジガルデに確実にダメージは与えている。

ジガルデのグランドフォース!

ブリガロン「しまっ……連続で使えないのに! きゃああ!」

ゲッコウガ「マフォクシー!」

ゲッコウガはマフォクシーを抱えて飛び上がる。確かに飛んでしまえば地面技は効果が無い。

私より、マフォクシーの方がきついしね。
 ▼ 645 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 14:41:47 ID:HF.97W.6 [6/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メガルカリオ「ジガルデ! こっちだ! 龍の波導!」

ジガルデに命中したその攻撃は、明らかにさっきまで私たちが与えたのと比べ物にならない威力だった。

メガルカリオ「とどめだ、波導弾!」

最後の決め技は、ジガルデのその巨体を倒すのに、充分過ぎる威力だった。

メガルカリオ「大丈夫だ。もうこれで、止められはしない!」

あれ? でもじゃあ……どうやってこの装置の起動を止められるんだろう?

そんな疑問が一瞬浮かんだが、こうして無事消えてない所を見るに、私たちは正しい行動をとれているんだろう。

気にしたら負けか、そうやって無理に自分を納得させた。
 ▼ 646 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 14:45:39 ID:HF.97W.6 [7/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点マフォクシー

ゲッコウガ「よし、帰ろう!」

マフォクシー「そうね」

ブリガロン「ほら行くよルカリオ!」

ルカリオ「ん、ああ……」

メガ進化の解けたルカリオを見るブリガロンは、どう見ても恋していた。

マフォクシー「恋かあ……」

ゲッコウガ「は? え?」

マフォクシー「ほら、ブリガロンの事」

ゲッコウガ「な、なんだ、そうか」

私も……ゲッコウガが好きだけどな。なーんちゃって。

ゲッコウガ「あったぞ、時空ホール」
 ▼ 647 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 14:48:36 ID:HF.97W.6 [8/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブリガロン「よし、帰るか!」

ゲッコウガ「だな」

2人が飛び込んだ。

マフォクシー「ルカリオ、行こ?」

ルカリオ「ごめん……もう二度と会えないかも……」

マフォクシー「え?」

ルカリオ「2人によろしく言っといて。今までありがとう」

マフォクシー「何言ってるの? 帰ろうよ……」

ルカリオ「ごめん」

そう言って彼は私を突き飛ばす。









マフォクシー「ルカリオおおおおお!」
 ▼ 648 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 14:54:12 ID:HF.97W.6 [9/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
時空ホールに1人、もみくちゃになりながら、顔から涙やらなんやらが溢れ出て、口からも嗚咽が漏れ、それでも意識だけは消えてはくれなかった。

マフォクシー「ルカリオ、ルカリオ、ルカリオおおおお!」

無情にも時空ホールは私を吐き出す。

折しもそこは、リオルと初めて出会った海岸だった。

ブリガロン「うーん……」

ゲッコウガ「みんな無事か?」

マフォクシー「ルカリオが、ルカリオが!」

ブリガロン「え?」

マフォクシー「ルカリオが、向こうに残って……う……うあああああん!」

ゲッコウガ「嘘……だろ、な。嘘だよな?」

ブリガロン「嘘って言って。お願い。お願いよ!」

マフォクシー「嘘じゃ……ない……ホントに……ルカリオは……」

時空ホールが消えてゆく。それは私たちとルカリオの、永遠の別れを意味していた……
 ▼ 649 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 14:54:51 ID:HF.97W.6 [10/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一旦ここまで。

9時ごろ再開しますが、ぽかんむ注意です。
 ▼ 650 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 20:58:28 ID:HF.97W.6 [11/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点ルカリオ

ルカリオ「はあっ、はあっ」

必死に走る。この体は疲れを覚え辛いとはいえ、やはり息はあがる。

……

記憶が頭の中を暴走する。

頬を涙が伝う。

ルカリオ「クレア……俺……待ってくれ……」

気を緩めると、頭の中の彼女が表層に浮かび上がって来る。

俺は止めたいのか、終わらせたいのか。

わからない。どうすれば……クレア、クレア……
 ▼ 651 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:08:43 ID:HF.97W.6 [12/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルカリオ……もといリオ 回想

リオ「……どうしようもないんですか?」

医者「はい。このまま子宮を放置していれば、彼女はそう長くはないでしょう」

がん。その単語は、どこか遠い国の言葉のように聞こえた。

リオ「そう……ですか……わかりました。クレアは、そうしないと……」

医者「はい」

子宮を摘出すると、子どもを産む事はできなくなる。

本音を言うと子どもは欲しい。でもそれ以上にクレアの事が大事だった。

幸いにも最終兵器の研究という職は給料もよく、手術に必要なお金も問題にはならなかった。
 ▼ 652 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:11:22 ID:HF.97W.6 [13/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
最終兵器……フレア団のボスフラダリが世界の人類を減らすとかバカげた事言って起動させようとしたのを、現チャンピョンカルムが間一髪で食い止めた物だ。

しかしその来歴は謎に包まれていて、その危険性からカロス地方の支援をうけて研究する事になった。

そのプロジェクトに俺も参加していたのだ。
 ▼ 653 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:17:26 ID:HF.97W.6 [14/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
手術の数か月後。

クレアはすっかり元気になり……とまではいかないものの、だいぶ以前の状況に戻りつつあった。

あくまでも、表面上は。

本当は、彼女だって子どもが欲しかったのだ。

いや違う。それだけならあんな事にはならなかったはずだ。

クレア「やっぱり……子ども欲しいよね」

リオ「そりゃいるに越したことはないけど、クレアが元気ならそれでいいんだ」

クレア「ホント?」

リオ「ああ」

クレア「ううん、強がらないで。お義母さん、あなたは昔から子どもを欲しがってたって」

リオ「そうだけど、今は今。昔とは違うよ」

しかしその数か月後。彼女は自ら生命を絶った。
 ▼ 654 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:21:53 ID:HF.97W.6 [15/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その知らせは職場で聞いた。

なんでも乳酸菌飲料を売る人が返事がないのを不審に思い、覗いた(1回返事がないからって覗くのもどうかと思うが)らしい。

そして開いた窓から倒れたクレアを見つけて……らしい。

何かの冗談としか思えなかった。

がんよりも、遠い国の、いや、別次元の言葉のように感じた。

そんなはずない、そう思いながら言われた病院へ向かい、指定された部屋に入った。

後は、覚えていない。気が付いたら自宅にいた、そんな感じだった。
 ▼ 655 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:24:31 ID:HF.97W.6 [16/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後の事もいまいち覚えていない。

葬式では用意された言葉を読み、仕事もせず、ずっと部屋にこもっていた。

自殺の動機は病院で知らされた。

子ども、気にしていたのか……

なんで……なんで……
 ▼ 656 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:28:50 ID:HF.97W.6 [17/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ある日、自堕落に眠って起きてを繰り返している時、1つの置手紙を見付けた。

「リオ、私、お義母さんに言われたの」

クレアの文字だった。

あまりの衝撃に俺はしばらく立ち……立ってはいなかったが立ち尽くした。

あいにく俺は、幽霊を信じないタチだった。

だから、誰かが……

しかし、冷静に考えると、自分でしかないのだ。

この事から、ある1つの結論を導き出した。
 ▼ 657 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:29:19 ID:HF.97W.6 [18/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告














俺は、二重人格になった。













 ▼ 658 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:33:49 ID:HF.97W.6 [19/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
二重人格は、心に深い傷を負ったものが、現実逃避に近い目的で発症する……と聞いた事がある。

幼少期の話な事がほとんどだと言うのだが……俺のショックはそれほどだったのだろう。

そして自分の中に、無意識にクレアの人格を創りあげてしまったのだ。
 ▼ 659 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:37:33 ID:HF.97W.6 [20/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それにしても、この「お義母さんに言われた」と言うのが気になる。

どういう事だ?

もしかして、母さんが、子どもを産めない事を追い詰めた?

そう考えると居ても立っても居られなくなって、母さんに電話をかけた。

本当にクレアの言葉と言う証拠はないが、その事に思考は回らなかった。

リオ「もしもし母さん」

母「なあに、リオ」

リオ「クレアになんか言ったろ」

母「なんかって何?」

リオ「子ども産めないって、追い詰めたりしたろ!」

母「ええ」

いとも簡単に認めた。

リオ「ふざけるな!」
 ▼ 660 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:40:47 ID:HF.97W.6 [21/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオ「なんでだよ、俺は気にしてないのに!」

母「嘘おっしゃい。あなたは昔から……」

リオ「昔と今は違うんだよ!」

母「あなたのためを思って「嘘だ」

リオ「ホントに俺を思ってるなら、絶対そんな事言わない。なんでだ?」

母「……息子が子どもを産めないなんて、恥ずかしいじゃない」

リオ「世間体、か……わかった。さ、よ、う、な、ら!」

いっそ冷静になった。ような気がしたがそんな事はなかった。

電話を切る。
 ▼ 661 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:42:14 ID:HF.97W.6 [22/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオ「世間体か……世間体か……ははははは……世間がクレアを殺した……」

笑いがこぼれた。

狂った笑い。

世間が殺した。

世間が殺した。

セケンガコロシタセケンガコロシタ……
 ▼ 662 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:42:41 ID:HF.97W.6 [23/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告














コンナセケン、コワシテヤル















 ▼ 663 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:44:16 ID:HF.97W.6 [24/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そこまで行けば、もう簡単だった。

世界を破壊するほどの最終兵器。

それのすぐそばに、俺はいる。

なら、壊してしまおう、世界を。

こんな世界、無い方がいい。

家から足を踏み出した。
 ▼ 664 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:49:39 ID:HF.97W.6 [25/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セキタイタウン 最終兵器研究所(元フレア団秘密基地)

同僚A「リオ、お前、久しぶりだな」

リオ「どけ」

同僚A「どうしたんだよ!」

リオ「いいから」

同僚B「どうかしたのか?」

リオ「オンバーン、爆音波」

モンスターボールから子どもの頃からずっと一緒だったオンバーンを繰り出す。

同僚たち「うわああ!」

意にも介さず進む。

オンバーン「バーオ……」

オンバーンの表情も、全く気にしなかった。
 ▼ 665 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:52:45 ID:HF.97W.6 [26/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして、そこからの記憶はない。

恐らく、クレアが出て来たのだろう。

つまり……


同僚Z「やめろ、そんなことしたら、世界が終ってしまう!」

クレア(リオ)「別にいいの。私を殺したこんな世界、壊してやるから」

同僚Z「まさかおま……やめろおおぉぉ」


と言う事だ。

ピカチュウが女と言ったが、人間の記憶をなくしている彼は見た目で性別の区別がつかなかったのだろう。
 ▼ 666 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 21:57:30 ID:HF.97W.6 [27/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その衝撃でリオルになったとすれば……


クレアは目を覚ました。

クレア「あれ……ここどこ……」

彼女は立ちあがる。そして、ふと違和感を覚える。あれ?私……

クレア「ポ、ポケモンになって……」

ふらふらとひざをつく彼女。太陽だけが、皮肉なぐらいにきれいだった。

クレア改めリオル「ねえ、ねえ、リオ……助けて、私どうすればいいの……」


こうなったと考えられる。

そして彼女の呼ぶ声に応えて俺は飛び出した。記憶にカギをかけたまま。

これが俺の記憶の真実だろう。

回想終わり
 ▼ 667 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 22:03:09 ID:HF.97W.6 [28/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 リオ

だからって、今世界を終わらせる気は……ない。ないはずだ。

だって、


テールナー「復讐したところで、何も始まらないの!」

リオル「何があっても、死んでもこの世に食らいつく、それが残された者の覚悟じゃないのかよ!」


自分でも、テールナーも言っている。

言った記憶があった理由は、誰かが廃人同然の俺にかけた言葉だったのだろう。

とにかく、世界を滅ぼすなんて、バカげた事だ。

それが今はよくわかる。

止める! 絶対に俺を、クレアを!
 ▼ 668 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 22:04:51 ID:HF.97W.6 [29/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオ「ジガルデ……ルカリオナイトは置いて行く」

絆の証を置いて行くことで、覚悟を決めた。

そして恐らくこれは未来で、俺の手に渡る事だろう。

リオ「行くぞ!」
 ▼ 669 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 22:11:28 ID:HF.97W.6 [30/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
最終兵器研究所


上を下への大騒ぎだった。

俺の行動が相当やばいのだろう。当然だ。

騒動に乗じて奥へと進む。

案外簡単に侵入できた。

セキュリティーの心配はあるが、今はありがたい。


ただただ走る。気を抜くとクレアが出て来そうだった。

クレア、今はダメだ。世界は終わらせない!
 ▼ 670 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 22:12:16 ID:HF.97W.6 [31/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオ「うううおおおおおおりゃあああああ!」

固く閉ざされたドアを全身全霊をこめた波導弾でぶち抜いた。

中で同僚Zが俺を止めようとしている。

間に合った……

その安心からか気が緩み、自分が自分のコントロールから外れた。

俺がZに手を伸ばし、その行動を封じている。

は?

俺は俺が最終兵器を起動するのを、どこか他人事のように見つめていた。

視界が白い光に包まれる……
 ▼ 671 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 22:14:55 ID:HF.97W.6 [32/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオ「あれ……ここは?」

何もない場所。

目を覚ますと、俺はそこにいた。

???「やあ、やっと気づいたね」

リオ「……誰?」

アルセウス「僕はアルセウスだよ。世界を創ったんだ」

リオ「は?」

アルセウス「ありがとうね、あれを起動してくれて」

リオ「はあ?」
 ▼ 672 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 22:18:20 ID:HF.97W.6 [33/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「ここまで巻き込んだんだし、説明しないとダメだよね!」

世界創生の神とは到底思えない子どもっぽさ。

その彼が、一体何をした?

リオ「そもそもなんで俺はここにいるんだ?」

アルセウス「しかるべき時への準備だよー。とにかく事情を話してからでいい?」

頭の上に大きなクエスチョンマークが浮かんでいる事だろう。

でもとりあえず、話を聞くしかなさそうだ。

リオ「わかった」
 ▼ 673 1◆J44kAZeDOM 15/07/31 22:18:47 ID:HF.97W.6 [34/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

恐らく明日完結できます
 ▼ 674 っふもふのレシラムさん 15/07/31 22:39:23 ID:TERC1rPc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援あげ
 ▼ 675 ルキア@ブレイズカセット 15/08/01 08:51:17 ID:UrmH1J8I NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 676 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:04:56 ID:XS2Us3kE [4/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「最終兵器……わかるよね?」

リオ「はい」

アルセウス「あれは本来、あそこで破壊されるべき物だったんだ。」

アルセウス「あ、あそこってカルムってニンゲンがフラダリって奴と対峙したとこね。」

リオ「え? でも……どこに破壊の要素が?」

アルセウス「あれが発動したら、その力を受け止めて、あの最終兵器にぶつけるはずだったんだ」

アルセウス「実際、本来ならそうなるはずだった」

リオ「って事は……カルムさんが止めたってのがイレギュラー……って事か?」

アルセウス「そーそー! そういう事!」

リオ「それでそれが今回の件とどう関係するんだ?」

アルセウス「最終兵器ってのはね、世界のがん細胞みたいな物なんだ」

アルセウス「あれが発動しちゃうと、僕が気付かない限り止められない」

アルセウス「僕が止めなかったら、全世界が滅びるって事。それはさすがに困るでしょ?」
 ▼ 677 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:08:46 ID:XS2Us3kE [5/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオ「そりゃさすがに困るが……俺が発動するって気付いてたのか?」

アルセウス「うん。でもさ、どうしてもジガルデはやってきてしまう」

アルセウス「あんなの発動しちゃったら生態系壊れるどころじゃないしね」

アルセウス「発動したら止められなくても、発動前に叩き壊せるんだ、ジガルデなら」

リオ「あの……絶対壊せないはずの最終兵器を?」

アルセウス「うん。でも、発動しないと困るんだ。気付いてる間に動かしたいから」

アルセウス「だから、君たちを利用させてもらう事にした」
 ▼ 678 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:14:55 ID:XS2Us3kE [6/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオ「え?」

アルセウス「同じ時にギルドに集まる3人。そこに君を混ぜて、ジガルデを食い止めてもらおう、ってね」

リオ「な……」

アルセウス「そこで君をリオルの姿に変え、ニンゲンが消えた遥か未来の世界に飛ばしたんだ」

アルセウス「レックウザにジガルデの所に誘導してもらったり、ジガルデには君を悩ませるため嘘ついてもらったり……」

リオ「は? なんで? 悩ませるようなって……俺、本気で!」

アルセウス「だからいいんだよ。君がニンゲンに戻る時にニンゲンの世界の事考えないようなニンゲンになったら……」

アルセウス「君の人生、絶対損だよ。だから、ニンゲンの世界の事も考えて欲しかった」

アルセウス「ただ利用するだけじゃ申し訳ないからね」

リオ「……」

あれ? 今人間に戻るって言ったよね?

どういう事だ?
 ▼ 679 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:18:52 ID:XS2Us3kE [7/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「もう話は終わり。今から君を元の世界に戻すよ」

リオ「待ってくれ! 確かにもう会えないとは言った。でも……」

リオ「クレアのいない人間世界に意味はない!」

リオ「人間の、ニンゲンの世界じゃなく、ポケモンの世界に戻してくれ!」

アルセウス「それは出来ない。でも戻ったら、日付と時間をすぐに確認する事をお勧めするよ」

リオ「待って!」

アルセウス「行くよ!」

ふっと意識が途切れた。

……
 ▼ 680 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:20:56 ID:XS2Us3kE [8/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「リオ、リオ!」

リオ「……ん?」

???「今テスト中だろ、あれの固さの。寝ちゃダメだって。ふわああ……」

大あくびをする同僚。

あれ?

慌てて手を確認する。

ポケモンの物ではなかった。
 ▼ 681 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:25:16 ID:XS2Us3kE [9/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「日付と時間をすぐに確認する事をお勧めするよ」


リオ「すまんすまん」

同僚「ま、あれだよ。俺も眠いな」

そう言って再び前を向く彼。

俺はアルセウスの助言に従ってスマホで日付と時間を……

はあ?

クレアの命日だ。しかも死亡推定時刻から逆算して、今から帰るとぎりぎり間に合う時間。

リオ「あああああ!」

同僚「どうした?」

リオ「ちょっと……トイレに……」

同僚「いや待ておかしいだろ」

リオ「すまん。時間かかる方!」

同僚「いや待……行っちまった。あいつ、どうしたんだ? ってか仕事仕事!」
 ▼ 682 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:28:28 ID:XS2Us3kE [10/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
慌てて外に出る。

言い訳が幼稚過ぎたとは自分でも思う。でも仕方ないだろう、考えているヒマはない。

リオ「行け! オンバーン!」

オンバーン「おう!」

体力の衰えを感じながら、こう指示を出す。

リオ「家まで。マックススピードで!」

オンバーン「了解! でもどうした?」

リオ「いいから早く! クレアが死んじまう!」

オンバーン「クレアが? そりゃ大変だ。乗れ!」

リオ「もう乗ってる!」

オンバーン「行くぞ!」
 ▼ 683 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:31:05 ID:XS2Us3kE [11/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しばらく空中を無言で進んでいる。

それにしても、改めて考えると俺が今オンバーンの言葉をわかるのって、おかしいんだよな。

あまりに違和感がなさすぎて全く気付かなかった。

オンバーン「着いたぜ。急げ! はあっ、はあっ」

リオ「サンキューオンバーン!」

リオ「カギ、カギ……あった!」

リオ「クレア! 早まるな! クレア! クレア!」

そこにナイフを持ったクレアが座っていた。
 ▼ 684 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:35:38 ID:XS2Us3kE [12/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クレア「なんで……なんで今帰って来るの……」

リオ「深ーい事情がある。だからそのナイフをおろせ!」

クレア「私……子どもが産めないのよ。それで……あなたは……」

リオ「どうでもいいんだ! 言ってるだろう? クレアがいればそれでいいって」

クレア「でも……でも……」

リオ「俺、もしお前が今死んだら、たぶん世界を滅ぼす。そのぐらい、愛しているんだ」

クレア「……ホント? ねえ、ホント?」

リオ「当たり前だろ。母さんが何言ったって、俺はお前が好きだ!」

クレア「ホント? ……うっ、うっ、ああああ……」

クレアの両目から涙が滴り落ちる。

ナイフが転がり落ち、カラン、と小気味のいい音をたてた。
 ▼ 685 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:36:06 ID:XS2Us3kE [13/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter19 記憶の真実 完
 ▼ 686 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 15:36:38 ID:XS2Us3kE [14/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一旦ここまで
また夜に(ry
 ▼ 687 ンバル@なんでもなおし 15/08/01 19:02:34 ID:XS2Us3kE [15/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Chapter-Finar 探検は終わらない
 ▼ 688 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 19:06:50 ID:XS2Us3kE [16/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 マフォクシー

自分の世界に戻ってきて、ルカリオがいないという現実を受け止めきれず、茫然自失としたままギルドに戻った。

ビッパ「お帰りでゲス!」

チラーミィ「さ、今日も仕事終わり!」

え……?

マフォクシー「ど、どういう事……」

ヘイガニ「どういう事ってどういう事だ? ヘイヘイ!」

ゲッコウガ「嘘……だろ?」

ブリガロン「ひょっとして……ルカリオ、わかります?」

ニューラ「ルカリオ? 誰?」

信じられない。信じたくない。

マフォクシー「みんな……忘れてる?」
 ▼ 689 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 19:09:58 ID:XS2Us3kE [17/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビッパ「忘れてるってどういう事でゲスか?」

ブリガロン「何でもないです! そ、そうですよね。すいません!」

マフォクシー(ちょっとブリガロン!)ヒソヒソ

ブリガロン(ここは話を合わせるべきよ……でも……なんで?)ヒソヒソ

チリーン「ごはん出来ましたよー!」

チリーンののんきな声に、今まで感じた事がないほどの、それこそデデンネを失った時よりもひどいショックを感じた。

みんな……ルカリオを忘れてる?

どうして? どうしてよ?

こんなの……あんまりだよ……
 ▼ 690 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 19:15:24 ID:XS2Us3kE [18/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ゲッコウガ

夜、布団に体をうずめ、思う。

みんなルカリオを忘れている。

初めからこの世界にいなかったような。

どうしてこうなったんだ?

ゲッコウガ「うあああああ!」

訳も無くわめきながら、俺は外へと走り出した。

マフォクシー「ちょ、ゲッコウガ! ああもう……待って!」

なんだよそれ。もう会えないってか? しかも2人を除いて誰とも共有できない?

そんなの、ありえない。絶対おかしい。
 ▼ 691 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 19:15:48 ID:XS2Us3kE [19/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「おい! 脱走か?」

ゲッコウガ「違う! あ……その、夜の散歩に……」

マフォクシー「ゲッコウガ」

ゲッコウガ「マフォクシー……」

マフォクシー「戻ろう。今わめいても、どうしようもないよ……」

ペラップ「どうしたんだ?」

マフォクシー「なんでもないです! こんなとこで寝てるんですね! それじゃ!」
 ▼ 692 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 19:21:35 ID:XS2Us3kE [20/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ブリガロン

ブリガロン「月……」

窓に映る景色を眺め、涙をこらえる。

なんで? なんでよ?

私が好きな人は、みんないなくなってしまう。

家族も……友達も……

お兄ちゃん……ルカリオ……お兄ちゃん……ルカリオ……

ブリガロン「ルカリオ……ルカリオ……あああああ……」

こらえきれなくなった涙が床にこぼれ落ちる。

ブリガロン「なんで……なんでよう……なんで、なんで!」

ゲッコウガ「ブリガロン」

ブリガロン「ねえ……帰ってきてよ、ルカリオ。ねえ、お願い。お願い……」

 ▼ 693 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 19:22:00 ID:XS2Us3kE [21/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
飯食う
 ▼ 694 っふもふのレシラムさん 15/08/01 20:05:16 ID:i0XqlsWY NGネーム登録 NGID登録 報告
ルカリオ…
海岸に倒れててくれ!!
 ▼ 695 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:08:18 ID:XS2Us3kE [22/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲッコウガ「もう寝ろ」

ブリガロン「でも、でも、うわあああ!」

ゲッコウガ「今は寝ろ。泣いても、あいつは喜ばない」

ブリガロン「だって……」

マフォクシー「死んでもこの世に食らいつく、だっけ。ちょっと違うけど、私たちは私たちにできる事をするの」

マフォクシー「ルカリオの分まで頑張らないと……ね?」

みんな、声は泣いている。でも、私のために無理に笑ってくれてるんだ……

だから私も、無理にでも……

ブリガロン「うん……ありがとう。もう……寝るね」

ゲッコウガ「ああ」

マフォクシー「お休み」
 ▼ 696 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:12:09 ID:XS2Us3kE [23/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ブリガロン「あれ?」

マフォクシー「寝た……はずだよね?」

ゲッコウガ「夢だろ。ほら」

マフォクシー「ちょ、いきなり叩かないで! でも、痛くはないか」

ゲッコウガ「ほら」

ブリガロン「でもなんかリアルよね」

ゲッコウガ「そうか? 確かにお前らはリアルだけど、周り見てみろ」

何もない、そんな形容がピッタリな空間。いや、空間ともちょっと違う。

本当に何もないのだ。

???「君たち3人? ルカリオと一緒にジガルデを止めてくれたの?」

 ▼ 697 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:16:28 ID:XS2Us3kE [24/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マフォクシー「そうだけど、誰?」

アルセウス「僕はアルセウスだよ! 世界を創ったんだ」

ゲッコウガ「は? んなバカな話……」

アルセウス「でもホントだから仕方ないじゃん」

ブリガロン「へえ。で、その世界創生の神様が何の用? ルカリオの事知ってるみたいだけど」

アルセウス「それについてもおいおい話すよ。君たちに話さないといけない事があるから夢に入り込んだんだ」

マフォクシー「それは何?」

ゲッコウガ「お前ら信じんのかよ」

ブリガロン「仕方ないよ。そう言うなら別に、どうでもいいんだし。ルカリオについて知るのが先決だよ」

ゲッコウガ「ううむ……わかった。そういう事にしとこう」
 ▼ 698 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:20:21 ID:XS2Us3kE [25/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「じゃ、話すよ。まず、ルカリオの夢に出て来たクレアは今回の件については関係ないんだ」

マフォクシー「あんな思わせぶりなのに?!」

アルセウス「うん。ショックが強すぎて、ニンゲンの時の記憶が浮き上がって来たんだろうね」

ブリガロン「そういうもんなの?」

アルセウス「うん。だからスルーするよ」

マフォクシー「……ぷっ、あは、あはははは!」

ゲッコウガ「はあ……」

ブリガロン「どうしたの?」

アルセウス「まさか……スルーするに?」

マフォクシー「ちょ、やめ、あはははは!」

ゲッコウガ「こいつ寒いダジャレに謎に弱いんで。気にしないで」

アルセウス「いや、ちょっと待つよ」
 ▼ 699 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:22:46 ID:XS2Us3kE [26/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マフォクシー「ごめん。笑ってなんか、すっきりしたよ」

ゲッコウガ(こっちは気疲れしたっつーの!)

ブリガロン「スルーすむぐぐ」

ゲッコウガ「ダジャレになってんだよだから黙れ」

ブリガロン「ダジャレ……なるほど!」

アルセウス「続けていい? さっきのはワザとじゃないからね?」

ゲッコウガ「続けて」

アルセウス「わかった」
 ▼ 700 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:30:01 ID:XS2Us3kE [27/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「ルカリオがニンゲンだった時、面倒だから次からリオで行くね、ニンゲンの時は」

アルセウス「リオは最終兵器の発動を止めようとしてた」

アルセウス「でも、そこで止められると不都合だったんだよね」

(中略・>>677参照)

アルセウス「ってな訳で、君たち3人とリオを利用させてもらったんだ」

マフォクシー「ぷ……ふう。リオを利用、危うく笑いかけた。それどころじゃないのにね」

ゲコガシラ(笑いの沸点低すぎんだろ)

ブリガロン「利用って……ひどいじゃないですか!」

アルセウス「うん。フラダリ、あ、本来発動させるニンゲンが発動させようとしてるタイミングにぶち込んだから……」

アルセウス「それで最終兵器は壊れて、リオをリオルとして飛ばす必要がなくなって……」

ゲッコウガ「で、みんなの記憶にはルカリオがいない。酷過ぎんよ」

アルセウス「ごめん。お詫びに、プレゼント。海岸に行ってみな!」

3人「え?」

しかしそのまま意識は途切れた……
 ▼ 701 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:31:47 ID:XS2Us3kE [28/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「モンスターハウスだ!」

マフォクシー・ゲッコウガ「うわああ!」

ブリガロン「おはよ」

ペラップ「朝礼だよ!」


ひとーつ、仕事は絶対サボらない!
ふたーつ、脱走したら、お仕置きだ!
みーっつ、みんな笑顔で明るいギルド!

ペラップ「それじゃみんな、今日も仕事にかかるよっ!」

みんな「おー!」
 ▼ 702 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:33:48 ID:XS2Us3kE [29/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「今日も依頼の仕事をこなしてくれ」

3人「はい」


ゲッコウガ「今日、妙な夢見てよ」

マフォクシー「私も!」

ブリガロン「え? 2人も?」

ゲッコウガ「アルセウスって」

2人「出て来た出て来た!」

ゲッコウガ「まさか……」

マフォクシー「海岸……行ってみよ」
 ▼ 703 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:35:40 ID:XS2Us3kE [30/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海岸

ブリガロン「ルカリオ! いるの!」

ゲッコウガ「いるなら返事しろ!」

マフォクシー「いないならいないって返事して!」

ゲッコウガ「バカ」

マフォクシー「ジョークでしょ!」

ブリガロン「あ……ルカリオ!」

ゲッコウガ「嘘……マジだ」

マフォクシー「ルカリオ!」
 ▼ 704 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:38:56 ID:XS2Us3kE [31/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルカリオ

ルカリオ「う、うーん」

マフォクシー「気が付いた?」

感覚が戻ってきた。まず戻ったのは聴覚。といってもこの時点ではこの言葉は無意味に耳を通り過ぎる。波の音が聞こえる。これが初めて正しく認識できた音だ。

ブリガロン「よかった。よかった……う、えぐっ、うあああ……」

ここまで来て、ようやく言葉の意味を認識した。とはいえ、なんで泣いているのかはさっぱりだ。

そして目をひらけるようになった。そしてようやく復活した視界にとびこんできたものは……

ゲッコウガ「良かった、気が付いた」

……は? え、ちょ、ちょっと待って。

ルカリオ「ポ、ポケモンがしゃべって、え、え?」

ルカリオ「ポケモンが喋ってるうううう!」
 ▼ 705 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:41:43 ID:XS2Us3kE [32/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マフォクシー「どうしたの? 当たり前じゃないもう」

ルカリオ「当たり前な訳あるか! 僕は人間……嘘……」

ゲッコウガ「なあ、お前、俺たちわかる?」

ルカリオ「わからない……っていうか、僕、誰?」

ブリガロン「記憶喪失……」

記憶喪失。確かにそう考えるとつじつまはあう。

でも……

ルカリオ「なんで? なんでルカリオになってんの?」

マフォクシー「仕方ない。事情を説明するよ」
 ▼ 706 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:44:16 ID:XS2Us3kE [33/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルカリオ「僕、世界を救おうとしてたのか……」

ブリガロン「らしいよ。でもよかった。記憶は無くても、ルカリオには間違いないんだもん!」

マフォクシー「もちろん、また一緒に探検隊、組んでくれるよね?」

僕はどうやら、この3匹と一緒に探検隊をしていたらしい。

まあそれならいいか。

いずれ記憶も取り戻すかもしれないし!

ルカリオ「わかった。いいよ!」
 ▼ 707 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:49:13 ID:XS2Us3kE [34/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 リオ

リオ「世間体気にして、クレアに何言ったんだ? 母さん」

母「子どもが欲しいって言っただけよ」

リオ「責め立てるように、か」

母「あなたのためを思ってよ」

リオ「嘘付け。お前は世間体を……」

母「実の母親相手にお前呼ばわりとは何事……」

リオ「お前なんて、もう俺の母親じゃねえよ」

母「……わかりました。そんなに言うなら、もうリオとは縁を切ります!」

リオ「こっちこそ、笑顔でそれを受け取りますね」

クレア「いいの?」

リオ「ああ」

父「ちょっと待て、早まるな!」

リオ「ごめん父さん。俺、ずっと考えた上で、もう母さんとはいられないって結論に至ったんだ」

父「そうか……寂しくなるな……」

リオ「ごめん。じゃ、母さん。さ、よ、う、な、ら!」
 ▼ 708 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:53:58 ID:XS2Us3kE [35/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒャッコクシティ

クレア「ここが、新しい家かあ」

リオ「ああ。職場も近いしな」

最終兵器は消えてなくなっていた。そして俺は、ヒャッコクの日時計と最終兵器の関係性を調査していた。

クレア「私たちの新しい生活が始まるんだね」

リオ「ああ」

確かにこの世界には理不尽な事、どうにもならない事、たくさんある。

でも俺は、クレアの事を守り続ける。

もちろん守るだけじゃなく守ってもらう事だってあるだろう。

助け助けられ、この現実というダンジョンを攻略していく。

永遠に。

隣で微笑む笑顔に笑いかけ、言う。

リオ「じゃ、行こうか」

ドアのカギを開けた。

扉が開かれる……
 ▼ 709 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:54:21 ID:XS2Us3kE [36/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケダン 生命の探検隊 完
 ▼ 710 1◆J44kAZeDOM 15/08/01 21:56:42 ID:XS2Us3kE [37/37] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このSSはこれにて完結です。

ニューラの過去については、ポケダン超攻略後、スペシャルエピソードとしてかけたらいいなと思っています。

途中支援無くてあきらめそうにもなったけど、なんとか完結まで持っていけました。

途中で形式が変わったりしたのは反省しています。

それではみなさん、支援ありがとうございました!
 ▼ 711 ティオス@ジュペッタナイト 15/08/01 22:28:19 ID:S63ZPctU NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れさま〜
 ▼ 712 1◆J44kAZeDOM 15/08/02 07:00:34 ID:24wOrjZ6 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アルセウス「そうそう、昨日言い忘れた事があったんだ」

アルセウス「最後、リオとルカリオが同時……じゃないけどまあ1つの世界に2人のリオがいるって事になるよね?」

アルセウス「あれちょっと説明しないとダメだよね? だから説明しとくよー」

アルセウス「僕がルカリオと話している時、傍らでニンゲンの方のリオが倒れてたんだ」

アルセウス「それで、2人の中身を入れ替えて、それぞれの肉体がいた世界に戻した、って訳」

アルセウス「そのぐらいお安い御用だよー中身の入れ替えなんて。まあ普段は絶対やらないけどね」

アルセウス「誰に向かって喋ってるんだって? そりゃこのSSの読者だよ」

アルセウス「なんでわかるかって? 世界創生の神だから……かな?」

アルセウス「またいつかどこかで会えるといいね! じゃあまた!」
 ▼ 713 1◆J44kAZeDOM 15/08/02 07:02:54 ID:24wOrjZ6 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
素で説明忘れてた……

すいません。これにて終了です。
 ▼ 714 っふもふのレシラムさん 15/08/02 16:23:11 ID:ibVvqF2w NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れ様!
 ▼ 715 っふもふのレシラムさん 15/08/03 10:48:56 ID:x9kHP26M NGネーム登録 NGID登録 報告
そういえば、次作は作るつもりでしょうか…?
教えてください!
 ▼ 716 1◆J44kAZeDOM 15/08/03 20:55:37 ID:levRP2/. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>715
とりあえず宙ぶらりんなニューラの過去はスペシャルエピソードとして書きます。

後カロスをユウハルが旅するってのを考えてるんですがまとまればそれにリオがでるかもしれません。(そもそもそのSS書ける気がしてないですけど)

次は鬱注意なユキメノコのSS書くつもりですがとりあえず夏の宿題とかいうモンスターハウス並の大敵を処理しないと駄目なので……
 ▼ 718 っふもふのレシラムさん 15/08/04 18:31:58 ID:YfvNph3o NGネーム登録 NGID登録 報告
>>716
なるほど…
ありがとうございます♪
宿題多いですよね、同じです。お互い頑張りましょう
 ▼ 719 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 17:33:46 ID:S.ZenHAU [22/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スペシャルエピソード ニューラの親子愛
 ▼ 720 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 17:36:59 ID:S.ZenHAU [23/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「ねえニューラ」

ニューラ「うん。わかってるよ。お母さんの事……でしょ?」

チラーミィ「うん。なんでMADのボスの娘がここに?」

ニューラ「はあ……このまま隠し通せればよかったんだけど……でも仕方ない、か」

ニューラ「あれは、私が子どもの頃の話……」
 ▼ 721 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 17:39:21 ID:S.ZenHAU [24/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
きゃー! 泥棒!

ニューラ「あ、いや、違っ……」

オレンの実返して!

ニューラ「ホントにすいません!」

私の特性は悪い手癖。

でもこんなの、日常生活では何の役にもたたない。

それどころか、暮らしていく中で、ただの邪魔だった。
 ▼ 722 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 17:42:33 ID:S.ZenHAU [25/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このせいでね、私、全く友達がいなかったの。

むしろ。

「泥棒は犯罪だからお前何したって文句言えねえよな!」

「やっちまえ!」

ひどい暴力にまでさらされて。どう考えてもただのいじめだったんだけど、あの時の私はバカ……というか純粋だったのかな。

無言で、ずっと耐えてた。

自分自身罪悪感があったのかな。
 ▼ 723 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 17:47:16 ID:S.ZenHAU [26/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「ひどい……」

ニューラ「うん。私ももっと、助けを求めればよかった。そうしたら、あそこまでの事にはならなかったのかも……」

チラーミィ「まだなんかあるの?! もう充分じゃん!」

ニューラ「聞くのやめる?」

チラーミィ「あ……ううん。チームとして、話してくれるんだったらボクもそれを受け入れないと」

少し微笑みが漏れた。これだから彼の事が私は……

ニューラ「ありがと。でも1つお願い。この話を聞いても、私とお母さんに失望しないで」

チラーミィ「そんな事絶対ないよ! ……少なくとも、ニューラには」

ニューラ「まあもともとお母さんそんな尊敬できる生き方じゃないけどさ。続けるよ」
 ▼ 724 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 17:50:53 ID:S.ZenHAU [27/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マニューラ「どうしたんだい、そのケガ」

私を産んで、お母さんはMADを解散させた。

足を洗う……ってのがまさにピッタリね。

ニューラ「ううん、なんでもない。転んじゃってさ、あはは」

マニューラ「そうかい。ごはん作ってるよ」

ニューラ「何々?」

マニューラ「アンタの大好物の……」

そんな感じで、最初の方はごまかしてた。

でも、その言い訳が、そう何度も通用するはずないよね。

考えれば、すぐわかるはずだったのに、バカだから、何回も転んだ転んだ言い続けて……

さすがにお母さんも、信用してくれなくなった。
 ▼ 725 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 17:52:56 ID:S.ZenHAU [28/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マニューラ「いい加減にしな! そう何回も転んでそこまで派手なケガをするはずがあるかい!」

ニューラ「だって……だって……」

マニューラ「いいから話してみな」

ニューラ「う……うわああああん!」

私は事情をすっかり話した。

そして次の日。

















瀕死のいじめっ子たちが見付かった。
 ▼ 726 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 17:57:21 ID:S.ZenHAU [29/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「ウソ……」

ニューラ「ホント」

チラーミィ「でもそんな事したら、警察に……」

ニューラ「捕まらないんだな、これが。お母さん、殺しはしてないし、瀕死にして物奪うのはいつもの事だって」

チラーミィ「うわ……(ドン引き)」

ニューラ「今、失望したでしょ」

チラーミィ「あ、いや……あはははは……」

チラーミィ「だとしても、ニューラは関係ないよ!」

ニューラ「まあね」

チラーミィ「そ、それでさ。なんでこのギルドに?」

あ、今話題逸らした。ま、いっか。
 ▼ 727 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 18:02:56 ID:S.ZenHAU [30/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お母さんさ……私のこの特性について、実はずっと調べてたみたいなの。

マニューラ「アンタがいじめられる原因、悪い手癖。これは昔の名残で夢特性と呼ばれる物らしい」

マニューラ「アタイたちニューラマニューラ一族の夢特性が悪い手癖なんだが……物凄く珍しいらしい」

ニューラ「わかったけど……それとみんなとはどう関係あるの!」

私の悲痛な問いかけは、しかしお母さんには届かなかったわ。

マニューラ「それは特性カプセルと呼ばれるアイテムで普通の特性に戻るらしいんだが……」

マニューラ「どうもそれは、ゼロの島と呼ばれる場所にあるらしい。ただ、どうやってそこに行くのかはわからない」

ニューラ「質問に答えてよ!」

マニューラ「アタイも探すけど、アンタも自分で探して」

ニューラ「お母さん!」

マニューラ「いいから!」
 ▼ 728 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 18:04:56 ID:S.ZenHAU [31/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
結局お母さんの口から事件の真相が語られる事はなかった。

無理矢理追い出されるように私は旅に出たわ。

その頃からMAD復活のウワサも聞いた。

その時からゼロの島を探し始めたらしい……ってね。
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