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SS

俺「目が覚めたらポケモンになってたんだが……」

 ▼ 1 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:09:35 ID:S.ZenHAU [1/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プロローグ

俺、最低だ。

あいつは俺と、あんなに仲良くしてくれたのに……

あいつとポケモンを皆に隠れてこっそりプレイした廃屋の屋上。

見下ろすと、地面が遥か遠くに見える。

俺なんかが生きてちゃダメだよな……
 ▼ 2 ガゲンガー@トロピカルメール 15/08/11 19:10:06 ID:.NH0N7To NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デデーン!
 ▼ 3 バゴ@げんきのかたまり 15/08/11 19:10:38 ID:RW.Dc08Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グレゴールザムザ
 ▼ 4 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:11:31 ID:S.ZenHAU [2/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
1章

ママ「アカリー! ごはんできたわよー!」

アカリ「はーい!」

今日は私の10歳の誕生日! つまり明日は、ポケモンを貰って旅立つ日!

憧れのコウキ兄ちゃんやお姉ちゃんに、1歩でも追いつきたいな。
 ▼ 5 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:16:48 ID:S.ZenHAU [3/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒカリ「いよいよ明日かー」

アカリ「うん!」

ヒカリ「アカリは最初、博士からどのポケモン貰うの?」

アカリ「ポッチャマかな。お姉ちゃんもでしょ?」

ヒカリ「うん」

パパ「ははは、お前ホントにヒカリに憧れてるなあ」

アカリ「いいでしょ、別に」

目の前には、とんかつが並んでいる。

何に勝つのかはわからないけど、ママ曰くゲン担ぎ……らしい。

箸で掴み、一気に口へと運ぶ。

アカリ「おいしい!」

ママ「そりゃそうよ。ママ、気合入れて作ったからね! あ、お義父さんの分はピカタにしたから噛みきれると思いますよ」
 ▼ 6 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:18:00 ID:S.ZenHAU [4/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ごちそうさま!」

ヒカリ「ごちそうさま」

ママ「はーい。明日の準備しときなさいね!」
 ▼ 7 イル@こころのしずく 15/08/11 19:19:42 ID:m6GWchi2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シエンネ
 ▼ 8 ルトロス@こだいのきんか 15/08/11 19:21:48 ID:uu1i6giA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 9 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:22:38 ID:S.ZenHAU [5/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とは言え今まで一度も旅なんてした事無い訳であたし、何を準備すりゃいいのかね?

ヒカリ「まずはタウンマップかな。後ランニングシューズに、あ! そうそう! コウキ君がくれた自転車!」

コウキ兄ちゃんは明日は来られないようで、プレゼント、と自転車に手紙を添えてくれた。


手紙

アカリちゃんももうそろそろ旅立ちかあ。

旅にでたらいろんな所のおいしいもの食べたりとか、いろんな経験ができるし、すっごい楽しかった。

アカリちゃんも楽しんでね!


と書いていて、まず食べ物に話が行く当たりらしいなあ、とお姉ちゃんと爆笑したっけ。

ほんの一昨日の話なのに、なんだか懐かしいなあ。
 ▼ 10 蝣竜◆tLVuNBhIJA 15/08/11 19:22:55 ID:4cvceVzY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ガレオン
 ▼ 11 ギア@いのちのたま 15/08/11 19:23:22 ID:lg5UhrOc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 12 テマ◆oBJ8aC.qs6 15/08/11 19:24:24 ID:nQnjog/I NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 13 コドラ@ナナのみ 15/08/11 19:25:15 ID:.wX0t9Lk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 14 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:25:31 ID:S.ZenHAU [6/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後も着々と準備を進め……

アカリ「とりあえず今お姉ちゃんが言ってくれたのは全部入れたよ」

ヒカリ「とりあえずこれだけあれば足りるかな……あ!」

アカリ「今度は何?」

ヒカリ「楽しむ心……まあ陳腐だけど、これがないと始まらないよ?」

アカリ「わかってるよ! むしろ忘れられそうにないね」

ヒカリ「じゃあ、明日からの長旅に備えて、今日は早寝しなさい」

アカリ「はーい」
 ▼ 15 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:29:11 ID:S.ZenHAU [7/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝。

某密着ドキュメンタリーの主人公みたいに寝坊したり、なんて事ある訳ないよ。

あたしにはちゃんと起こしてくれる、心強ーい味方がいるんだもん!

でもアキラの奴、ちゃんと起きるかな?

あいつ、なーんか遅刻しそうなんだよね。

ヒカリ「じゃあお母さんたち、行ってきます!」

ママ「アカリ、気を付けてね!」

パパ「たまには連絡しろよ!」

おじいちゃん「達者での!」

私はにっこり微笑んで言った。

アカリ「わかってるよ。行ってきます」
 ▼ 16 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:33:27 ID:S.ZenHAU [8/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒカリ「あーもう、アカリたちももうそんな歳かあ」

アカリ「いつまでもおちびちゃんじゃないんだからね!」

ヒカリ「わかってるって。最後に忘れ物ない?」

アカリ「昨日あんなに確認したじゃん! 大丈夫大丈夫!」

ヒカリ「ホントかなあ」

アカリ「あ、なーんだ。ちゃんと来たんじゃん」

アキラ「その言い方はないだろ! 俺をなんだと思ってるんだよ!」

アカリ「ドジ? おっちょこちょいかも」

アキラ「ふざけんな」

アカリ「冗談だってば! さ、2人揃ったんだし、行こ、アキラ」

ヒカリ「ちゃんと仲良くしてよ? 博士の前でケンカなんて失礼よ」

アカリ・アキラ「はーい」
 ▼ 17 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:35:42 ID:S.ZenHAU [9/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒカリ「博士ー! 2人とも来ました!」

ナナカマド「おお! そうか!」

アカリ・アキラ「どうも」

ナナカマド「まあそう固くならなくてもいい。あながち知らない間柄でもないからな」

2人「はい!」

アキラ「で、ポケモンはどこですか?」

ヒカリ「こっちよ」
 ▼ 18 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:40:25 ID:S.ZenHAU [10/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒカリ「この箱の中に3つモンスターボールがあるわ。これがナエトルこれがヒコザル、そして……」

アカリ「この子がポッチャマね!」

ヒカリ「そういう事」

ナナカマド「さあ、選びなさい」

アカリ「アキラ、ここはレディーファーストよね?」

アキラ「はあ? まあいいけど、被ったらじゃんけんな」

アカリ「じゃああたしはポッチャマで!」

アキラ「よかった。俺はヒコザルに決めてたんだ」

ヒカリ(よかったあ。この2人、ケンカになったら手が付けられないからさ)

ナナカマド「なるほど。君たちはその子を選ぶのか」

ヒカリ「ごめんねナエトル」

ナナカマド「では君たちにこのモンスターボールを託そう!」

2人「ありがとうございます!」
 ▼ 19 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:42:36 ID:S.ZenHAU [11/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「おいで! ポッチャマ!」

アキラ「ヒコザル、ゴー!」

ポッチャマ「ポチャ?」

アカリ「よろしくお願いね、ポッチャマ」

ポッチャマ「ポチャ」

お辞儀を返すその仕草が……

アカリ「かわいい……」

アキラ「ヒコザルよろしくな」

ヒコザル「ヒッコ!」

ポッチャマとは違って、元気な子みたい。
 ▼ 20 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:45:38 ID:S.ZenHAU [12/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ナナカマド「では、君たち。このポケモン図鑑とモンスターボール5個を受け取れ」

ヒカリ「説明は……いらないよね?」

アカリ「大丈夫だって。お姉ちゃんたちをずっと見てたんだよ? 私たち」

アキラ「俺も大丈夫です」

ナナカマド「世界は広い。まだまだほんの一端しかわかっておらん」

ナナカマド「君たちなりの答えを見つけて欲しい」

2人「はい!」

ナナカマド「じゃあ頑張ってくれ」

2人「ありがとうございました!」
 ▼ 21 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:48:31 ID:S.ZenHAU [13/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふうー疲れた。でもついに、これであたしもトレーナーかあ」

アキラ「アカリはこれからどうすんだ?」

アカリ「どうするって?」

アキラ「ジム巡るとか、図鑑完成目指すとか。俺はゆくゆくはコウキさんを……」

アカリ「無理無理。だって今シンオウで一番強いんだよ? ああ見えて」

アキラ「あんなのんきそうで、俺でも勝てそうな気がするんだけどなあ」

ヒカリ「まあコウキ君のバトルセンスはホントすごいからね」
 ▼ 22 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:52:16 ID:S.ZenHAU [14/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
202番道路

ヒカリ「じゃあまずは、ポケモンの捕まえ方の見本見せる……あ」

アカリ「どうしたのお姉ちゃん?」

ヒカリ「私の手持ちじゃ、この辺のポケモン弱らせるなんて無理だ。絶対倒しちゃう……ちょっと待って!」


数分後。


ヒカリ「はあっ、はあっ、ナエトル借りて来た」

アカリ「なるほど……」

アキラ「いいの? 初心者用って経験値入っても?」

ヒカリ「大丈夫だって」

アキラ(この姉妹の大丈夫は信用できないんですけど……)

あ! 野生のビッパが飛び出してきた!

……
 ▼ 23 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:54:34 ID:S.ZenHAU [15/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

あれ? 俺はいったい……

確か……あれ? 何も覚えてない……まさか……記憶喪失?

まさかな……

ふっと頭上をよぎる影に頭をあげると、どこかで見た事のあるシルエット。

あれは……ポケモン?

え? ……は?
 ▼ 24 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 19:56:39 ID:S.ZenHAU [16/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっと待とう。ポケモンがいるはずなんてないじゃないか。

あれはフィクションだ。

まずは深呼吸だ。スー、ハー。

そして次は体を痛め……痛め……

コリンク「はああああ?!」

なんで、なんで人間じゃないんだよ!

ありえないって。フィクションだぜ?

いや、これは夢だ。これは夢、うん。
 ▼ 25 カタンク@ふたのカセキ 15/08/11 19:57:25 ID:UPa99fD. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
かわいい
支援
 ▼ 26 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 20:01:34 ID:S.ZenHAU [17/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
前足を噛んだ。前足というのがもうすでに人間ではありえないものだが、そんな事どうでもよかった。

だって痛めつければ覚める夢……

コリンク「いってえええええ!」

んなバカな。夢じゃない? ありえないだろ。

なんで? なんで俺、ポケモンに?

いや、決めつけるのは早い。ポケモンに見えただけで、あの影がただの動物の可能性もあるじゃないか!

……どっちにしろ、異常事態な事には変わりないか……

ん? あっちからなんか聞こえる。もしかしたら何かわかるかも……

冷静に考えると右も左もわからない状況でうろつくのは危険なのだが、パニックに陥った俺の思考はそんな正論を唱えてくれるはずもなく、気が付けば俺はそっちへと歩いていた。

慣れない4足歩行をしながら……
 ▼ 27 ロトック@ふしぎのプレート 15/08/11 20:05:04 ID:UPa99fD. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メスになってたりするのか?笑
 ▼ 28 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 20:06:39 ID:S.ZenHAU [18/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
茂みから顔を覗かせた。

???「この子……かわいい! ポッチャマ! あたしたちの初ゲット、͡この子に決めた!」

ポッチャマ「へえ。わかった」

……ポケモンですね、はい。

ポッチャマって事はシンオウかあ。

それにしてもなんでポケモンについてはこんなに覚えてるんだ? 俺。

なんて冷静に分析していた。そんな場合じゃないのに。

???「ポッチャマ! 叩く!」

ポッチャマ「わかった」

ポッチャマが俺めがけて手を振りかざして来る段に至ってようやくこれは俺のピンチだと言う事を理解した。

ってかそもそもなんの技使えばいいんだよ。俺が今なんなのかすらわかんねえんだぞ!
 ▼ 29 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 20:07:18 ID:S.ZenHAU [19/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>28
文字化けは気にしないで。作者自身覚えてない
 ▼ 30 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 20:13:57 ID:S.ZenHAU [20/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
訳もわかんないまま、俺はポッチャマに向かってぶつかって行った。

コリンク「うわあああ!」

意味不明な奇声をあげながら。

ポッチャマ「うわ、このコリンクどうしたの?」

そう言いながら、いとも容易く避けられてしまったが。

だが俺が今コリンクになっているってのがわかっただけでも収穫だ。
 ▼ 31 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 20:14:22 ID:S.ZenHAU [21/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「ポッチャマ! 叩く!」

ポッチャマ「よっと」

コリンク「うぐっ……」

???「体力が減ってきたかな……もう行けるかな?」

実際俺ももうかなりのダメージを負っていて、次くらったらまずい、そうポケモンとしての本能が告げていた。

俺、人間なんだよな?

???「行けっ、モンスターボール!」

体が思うように動かない。だから、そのボールを避ける事が出来なかった。

そしてそのまま、モンスターボールの中に吸い込まれる。

へえ、モンスターボールの中ってこんな風になってるんだ、なんて思いながら俺は彼女に捕獲された。

アカリ「あたしはアカリ、よろしくね! コリンク」
 ▼ 32 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 20:17:26 ID:S.ZenHAU [22/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とりあえずここまで

十中八九また深夜(?)に更新しますが……

後これは1の過去作と一部連動している部分があります

ポケダン 生命の探検隊(http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=105591

【鬱?】ユキメノコ事件【SS】(http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=139442


なるべく読んでなくてもわかる展開を心掛けて行きたいとは思っていますが……
 ▼ 33 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 22:22:38 ID:S.ZenHAU [23/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モンスターボールの中からでもどうやら外の景色は見えるらしい。

アカリ、と名乗った女子の顔がやけに大きく映った。

……って言うか、これ、大丈夫なのか? 俺、人間に戻れるんだろうか……

アカリ「ポッチャマありがとう! 戻って!」

ポッチャマもボールに吸い込まれる。

アカリ「取りあえずポケセン行かないと……」

それは思う。さっきから意識して意識を逸らしているけれど、体の節々が痛んでいる。

もう人間ポケモンどうでもいいからとっとと回復してくれ……
 ▼ 34 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 22:26:31 ID:S.ZenHAU [24/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッチャマ「はあ、疲れた。あ、コリンク?」

コリンク「うわあっ! ポ、ポッチャマ? どうやって……」

ポッチャマ「知らない? 同じニンゲンのモンスターボールの中にいる同士会話できるんだけど……」

コリンク「そうなの?!」

ポッチャマ「まあ、野生だと知らなくても無理はないわよね。あ、これからよろしく!」

コリンク「よ、よろしく……」

なんだかもう、自分がポケモンになった、という現実を受け入れてしまったような気がした。

はっきり言って、もうどうしようもない。

もう俺には、このアカリ、について行くしか残されていなかった。
 ▼ 35 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 22:28:53 ID:S.ZenHAU [25/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

コトブキシティ

アカリ「うわあ、すごい大都会だ!」

アキラ「よ、やっと着いたか」

アカリ「遅くて悪かったわね! で、ポケセンどこ?」

アキラ「あっちだぜ」

アカリ「サンキュ」

アキラ「あ、おい! ……行っちまった」

正直、今はアキラなんかよりポケモンたちだよ。

苦しんでるのに、ほっとけないからさ。
 ▼ 36 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 22:32:48 ID:S.ZenHAU [26/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモンセンター

ジョーイ「ではポケモンを預かります!」

アキラ「おーい! ふう、やっと追いついた」

アカリ「ああアキラ、どうしたの?」

アキラ「今日、ここで泊まるんだよな?」

アカリ「うん。そのつもりだけど……い、一緒に泊まるとかありえないからね!」

アキラ「わかってるよ! ただちょっと声ぐらいかけてもいいだろ! あ、それだけじゃなくてさ、明日の朝……バトルしないか?」

アカリ「え……うん、いいよ」

アキラ「じゃ、部屋の予約だな」
 ▼ 37 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 22:35:30 ID:S.ZenHAU [27/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここで1部屋しか空いてない……なんてラノベ的展開は、まああたしにとっては幸いな事になく、ちゃんと2部屋とれた。

ジョーイ「はい!お預かりしたポケモンはすっかり元気になりましたよ!」

アカリ「はっやいなあ」

部屋の予約にそこまで時間がかかったとは思えないのにその間に回復が終わるのだ。

まさしくこう言わざるを得ない。

化学の力ってすげー
 ▼ 38 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 22:39:50 ID:S.ZenHAU [28/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

回復マシン……すごいなこれ。

ボールごとここに入るだけで、あっという間に体中から力が湧き上がり、痛み苦しみの類が消えて行く。

ただ、肉体的な物だけで、俺の心内の疑問は消えて行ってはくれなかった。

ポッチャマ「ニンゲン……ねえ。どうみてもコリンクなんだけど」

コリンク「コリンクか……記憶が消えてるから、実は俺、もともとコリンクだったって言われても反論できないんだよなあ」

ポッチャマ「それで、あなたの記憶ではポケモンがフィクションだった……と」

コリンク「そうなんだ。だから、夢じゃないかと思ったけど……」

ポッチャマ「あいにく違う……かあ。わっかんないなあ」
 ▼ 39 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 22:44:50 ID:S.ZenHAU [29/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「おいで! 2匹とも!」

別にボールから出る時に鳴き声をあげる義務がある訳でもなく、俺は無言で飛び出した。

ポッチャマ「はーい」

あいにくこいつは声をあげたけれど。

アカリ「つれないなあ、コリンク」

知、り、ま、せ、ん!

ポッチャマ「まあまあ、友好関係築いて行こうよ」

コリンク「いいじゃんか別に……」

アカリ「このベッドで寝る訳だけど……2匹とも、お風呂入る? 一応、ジョーイさんから電気タイプ用ゴム手袋もらったけど……」

風呂! まがりなりとも女子と!

無理無理無理! そんな事、健全な男子なら憧れるだろうけど、あいにく俺はそういうのただただ恥ずかしいだけだから。

だから頼む。

コリンク「やめてくれ!」
 ▼ 40 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 22:49:23 ID:S.ZenHAU [30/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「どう? 気持ちいい?」

結局アカリにシャンプーをしてもらっている。

というか、されていると言うべきか。

どうにかしてアカリの方を見ないように目を固く閉ざしながら、体をこする彼女の手をやけに柔らかく感じていた。

ポッチャマ「ニンゲンと私たちじゃタマゴグループ違うんだよ? 気にしなくていいじゃない」

ポッチャマ「ってかむしろ、私に対して恥じらいを覚えて欲しいんだけど。陸上で被ってるんだよ?」

コリンク「うs……むぐぐ」

シャンプー中に無理に話そうとしたせいで口の中に入り込み、口中にやたら苦味を残した。

まっず。
 ▼ 41 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 22:55:14 ID:S.ZenHAU [31/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
天国とも地獄ともつかない入浴タイムが終わり、

アカリ「晩御飯食べにレッツゴー!」

食事タイムが始まる。思えばこうなってからろくに、いや一切メシ食ってないんだよなあ俺。


目の前に出されたポケモンフーズ? だったっけ、を見て驚きを隠せない。

だって、だって、どう見ても人間用の食べ物じゃないんだよ?

さすがに適応するのは無理があr……うまっ。

ポッチャマ「いっただっきまあす。うん! おいしいよこれ」

コリンク「ああ……信じられない」

どうもこうなった時、舌の感覚もポケモン仕様になったらしい。

しかしそれは、これが夢ではない、と言う事を俺に告げてもいた。

舌の上で広がる旨みと胸の中で広がる苦悩のブレンドは、しかし腹の中が空っぽという現象には敵わなかった。
 ▼ 42 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 22:57:22 ID:S.ZenHAU [32/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「じゃあ、明日はバトルよろしくな! アカリ」

アカリ「もちろんよ! 負けないんだから!」

コリンク「なあポッチャマ」

ポッチャマ「何?」

コリンク「こいつ誰?」

ポッチャマ「アキラだって。アカリの……ライバル、なのかな?」

コリンク「ふうん」

そういうところまでゲームと被るのか……
 ▼ 43 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 23:01:08 ID:S.ZenHAU [33/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「お休み、ポッチャマコリンク」

ポッチャマ「お休み」

コリンク「おう」

暗くなった部屋の中、記憶の手掛かりがないか必死に脳の引き出しを開けて行く。

だけど、でてくるのはポケモンの知識のみ。それも対戦の話になると、頭が思い出すのを拒むかのように苦しくなった。

そしてポケモン以外の記憶は一切ない。

だから、たぶん……ポケモンというワードが、こうなってしまった理由の手掛かりになる。

今わかるのはそこまでだと結論付けて、寝る事にした。
 ▼ 44 1◆J44kAZeDOM 15/08/11 23:01:38 ID:S.ZenHAU [34/34] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 45 マンタ@ねむけざまし 15/08/11 23:03:04 ID:C5Vzp.9A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なるほど、小型ポケモンになれば女の子と…
閃いた
 ▼ 46 EEVEE◆Y3W/A8GX8A 15/08/12 13:59:18 ID:IYRVk0ng NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 47 1◆J44kAZeDOM 15/08/12 15:18:33 ID:QrYkymNk [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「うわあっ!」

ポッチャマ「……ふあああ、どうした、コリンク」

コリンク「あ、なんでもない。ちょっと悪夢見て……」

とは言え、実際あれを悪夢と呼べるのか、と言われると首をひねらざるを得ない。

だって、人間の男2人が、人目を潜むように廃屋に入って、それで笑顔でゲームをし始めただけなのだ。

だが、その笑顔が、訳もなく苦しかった。いや、何か訳はあるんだろうけど……

今の俺には全くわからなかった。

ポッチャマ「ふうん。そういうのって、下手なドラマだと記憶の手掛かりになる物よね」

コリンク「なんでドラマなんて知ってんの……」

ポッチャマ「研究所で見てたの。それだけよ」
 ▼ 48 1◆J44kAZeDOM 15/08/12 15:22:17 ID:QrYkymNk [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ジリリリリ、ジリリリリ、ジリリ

頭上で鳴り響く目覚ましの音が止まる。

アカリ「あと5分……5分だけ……ふごっ!」

横っ腹に衝撃を感じて目が覚めた。

コリンク「リンク!」

ポッチャマ「ポッチャ……」

コリンク、体当たりで起こさないで……痛い……

ほら、ポッチャマもびっくりしてるじゃないの……
 ▼ 49 1◆J44kAZeDOM 15/08/12 15:26:33 ID:QrYkymNk [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
朝ごはんは力の源。

しっかり食べないと、体に悪い。

だけど……

アカリ「うー痛いよー」

アキラ「お前大丈夫かよ」

アカリ「コリンク、もうちょい手加減してよー」

コリンク「リンク」

アキラ「そっぽ向かれてやんの。何回起こしても起きなかったんだろ? どうせ」

アカリ「目覚まし止めてすぐだもん」

アキラ「じゃあそのコリンクはよっぽど賢いらしいな。一発でアカリの寝坊助わかるなんて」

アカリ「むー」

とにかく、少し、いやかなーり痛い。そのせいで、あんまりごはんが食べられそうにないんですけど……
 ▼ 50 1◆J44kAZeDOM 15/08/12 15:29:42 ID:QrYkymNk [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ごちそっさん。じゃ、アカリ、バトルフィールドで」

アカリ「ちょ、待って、痛てて……」

あーもう。無理矢理にでも食べる!

見るとポッチャマたちも食べ終わってたし、

アカリ「しばらくボールに戻ってて、2匹とも」

ボールに入れとこ。
 ▼ 51 1◆J44kAZeDOM 15/08/12 15:30:28 ID:QrYkymNk [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。

お盆クオリティでしばらく書けない可能性が高いです。

ご容赦ください。
 ▼ 52 1◆J44kAZeDOM 15/08/13 20:44:18 ID:i7PoCw7I [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

ポッチャマ「まったく、いきなり体当たりとか、バカじゃないの? もう少しやり方があるでしょうに」

コリンク「でもああいう目覚まし止めて後5分って言う奴だいたい起きないんだぞ」

ポッチャマ「まあ……ね」

どういう仕組みでボールの中同士で会話できるのかよくわからない。でも、現実にポッチャマと会話できているのだからそういう物だと割り切るしかない。

アカリ「ふう……ごちそうさま。痛っ」

コリンク「……そこまで強く当てたつもりもないんだけどなあ」

そもそもこの体での体当たりがどれほどの威力を発揮するのか、さっき初めて知ったのだ。

手加減の程度もわからないのに、ちょうどいい強さで起こすなんて不可能だっての。

ポッチャマ「ニンゲンが体当たりしても、痛くない訳じゃあるまいし……」

どうもポッチャマは受け入れてくれたらしい。なんて今更思う。
 ▼ 53 1◆J44kAZeDOM 15/08/13 20:51:51 ID:i7PoCw7I [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッチャマ「で、大丈夫なの? あなたの話信用するならコリンクになって初バトルが私」

ポッチャマ「そして今の所最後のバトルも私」

ポッチャマ「レベルは5みたいね。つまり……あなた今たぶん、睨み付けると体当たりしか覚えてないわよ」

コリンク「は? コリンクって電気タイプだよな?!」

ポッチャマ「私だって叩くと鳴き声だけだもの。よくある事よ」

コリンク「でも……あのアキラ? だっけ、とバトルするんだろ? ノーマル技だけで……」

ポッチャマ「そう。それが心配なの。やっぱやる以上、勝ちたいじゃない?」

正直勝つ負けるより、今の状況をどうにかしたいのだが、やる以上勝ちたいのも事実だ。

コリンク「でもこれからすぐで、特訓する時間もありゃしない。無理だろ」

ポッチャマ「さあ。それは相手にもよるわね。幸いあなた、威嚇だから攻撃力下げれるし」
 ▼ 54 1◆J44kAZeDOM 15/08/13 20:57:08 ID:i7PoCw7I [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうか。確かに序盤は物理技が多いから、攻撃を下げるってのは有用だ。

コリンク「まあ当たって砕けろの精神で行くかな」

正直もうあの痛みはカンベンなのだが……ポケモンになった以上もはやそれは避けようがない。

ポッチャマ「ま、頑張ろうね」

そうこう話しているうちにアカリはバトルフィールドについたらしい。

アキラ「腹、大丈夫か?」

アカリ「さすがにもう大丈夫よ。じゃ、バトル始めよっ!」

アキラ「おう……お前の大丈夫って、どう見ても大丈夫なのにこう信用できないんだ?」

アカリ「人をそう疑いの目で見ないの!」
 ▼ 55 1◆J44kAZeDOM 15/08/13 21:07:15 ID:i7PoCw7I [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ライバルのアキラが勝負を仕掛けて来た!

アカリ「コリンク、お願い!」

コリンク「はいはい」

アキラ「行けっ! ヒコザル!」

ヒコザル「やってやるぜ! 勝負だ!」

うわあ……無駄に暑いキャラ登場。

めんどくせえ。

コリンクの威嚇でヒコザルの攻撃は下がった!

ヒコザル「ちょっと怖いけど……負けるもんか!」

こういう2流熱血マンガの主人公は放置に限る。

アカリ「アンタゲットしてないの?」

アキラ「悪いかよ」

アカリ「ゲットしないとダメでしょうに……」

アキラ「うるさい!」

いや、ゲットはしないと、図鑑が完成しないはずじゃ……
 ▼ 56 1◆J44kAZeDOM 15/08/13 21:17:03 ID:i7PoCw7I [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ヒコザル! まずは攻撃と防御を釣りあわせる! 睨み付ける!」

アカリ「コリンク! 先手必勝体当たり!」

コリンク「う……うおりゃあああ!」

意味のわからない叫びはもう仕様だと割り切ろう。

それにしても威嚇と睨み付けるで湧き上がる感情は同じなのに、なぜ下がる能力が変わるのだろう。

ヒコザル「くっ……」

アキラ「至近距離からのひっかくだ!」

アカリ「ウソっ」

体当たりで勢いのついたままの体。その勢いに向かうようなヒコザルの攻撃は、カウンターの要領で通常以上のダメージを与える事に成功した。

コリンク「いってええええ」

アカリ「コリンク大丈夫?!」
 ▼ 57 1◆J44kAZeDOM 15/08/13 21:17:43 ID:i7PoCw7I [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「畳みかけろ! ひっかく!」

ヒコザル「うおりゃっ!」

コリンク「があっ」

痛い。痛みが脳の中で危険信号をならす。視界が揺れ、意識も薄れてきた。

本格的にまずいだろ、これ。痛い……

アカリ「戻って! コリンク!」

そう言われ、おとなしくボールに引っ込んだ。

ボールにはどうも、痛みを少しだけ和らげてくれる効能もあるらしい。

もっとも体力は変わらないけれど。

まあいいや。痛みも治まりつつあるし、おとなしくボールの中から鑑賞させてもらおう。
 ▼ 58 1◆J44kAZeDOM 15/08/13 21:24:09 ID:i7PoCw7I [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ポッチャマ、お願い!」

ポッチャマ「了解」

ヒコザル「久しぶりだな」

ポッチャマ「昨日の朝以来じゃないの。ってか昨日の晩御飯でも見かけたじゃない」

ヒコザル「ったく、ノリ悪いの」

アキラ「とりあえず睨み付ける!」

アカリ「今度は無暗に突っ込ませない! 鳴き声!」

ポッチャマ「あなたの睨み付ける、もう慣れた」

ヒコザル「それを言うならこっちだってもうお前の鳴き声聞き飽きたんだけど」

……明らかにさっきとテンションが違う。
 ▼ 59 1◆J44kAZeDOM 15/08/13 21:24:34 ID:i7PoCw7I [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ・アキラ「全然効いてない……仕方ない!」

アキラ「ヒコザル、ひっかく!」

アカリ「やられたらやり返す、倍返しだ! ポッチャマ、相手の勢い活かして叩く!」

アキラ「あ」

ポッチャマ「あなた、そのせっかち、なんとかならないの?」

ヒコザル「トレーナーの指示だから……仕方ないだろ……」

アキラ「くっ……ヒコザル、戻れ! くそっ、俺の負けだよ」

アカリ「って事は……やった! 勝った!」
 ▼ 60 1◆J44kAZeDOM 15/08/13 21:25:47 ID:i7PoCw7I [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリは賞金として250円貰った!

コリンクはLV6になった!

ポッチャマはLV6になった!
 ▼ 61 1◆J44kAZeDOM 15/08/13 21:26:37 ID:i7PoCw7I [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです。

明日から15日は確実に更新できません。16日は半々です。
 ▼ 62 ガリザードンX@ダイゴへのてがみ 15/08/15 05:52:09 ID:5QHsmKfY NGネーム登録 NGID登録 報告
面白いっすね!
支援
 ▼ 63 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 18:53:40 ID:UdKaX2bM [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「ありがと!」

アキラ「その笑顔なんとかならないのかよ。金取られた後言われると殺意がわくんだけど」

アカリ「気にしないの! 早くポケセン行こ!」

アキラ「そうだな」
 ▼ 64 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 19:02:28 ID:UdKaX2bM [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とは言ったけど、すぐなんだよね。

だってバトルしたのポケセンの敷地内なんだもん。

アカリ・アキラ「ポケモン回復してください!」

ジョーイ「わかりました」

機械に並べられていくモンスターボール(と言っても2人合わせて3個だけだけど)をヒマに任せてボーっと眺めてたら、隣からいきなり声をかけられた。

アカリ「きゃ! ちょっと、びっくりしたじゃんか! ん?」

アキラ「アカリ! ったく、コウキ兄ちゃんにそんなビビる事ないだろ」

コウキ「いいよいいよ。こっちが急に声かけたんだしね〜」

アカリ「なーんだ、コウキ兄ちゃんか。びっくりしたあ」

コウキ「昨日は行けなくてごめんね、リーグ挑戦者が来ちゃって」

アキラ「仕方ないですよ。でもいずれ俺がコウキさんに勝ってみせます!」

アカリ「アキラじゃ無理でしょーやっぱ」

アキラ「は?」
 ▼ 65 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 19:09:32 ID:UdKaX2bM [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「それはともかくおめでとうね。僕からもお祝いと後プレゼント」

アキラ「え?」

アカリ「自転車くれたじゃん!」

コウキ「いや、冒険にはさ、秘伝マシンってのがいるんだけどね」

アカリ「怪力とか岩砕きとかロッククライムとかの?」

コウキ「そうそう! で、もう僕が持っててもどうしようもないし居合切りのマシンあげよっかなって」

コウキ「正直バックも限界に近づいてるから中を減らしたいんだよ」

アキラ「それ言わなくてもいいのに……」
 ▼ 66 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 19:13:58 ID:UdKaX2bM [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「はい、これどうぞ。2つあるから心配しなくても大丈夫だよ〜」

アカリ「ありがとう!」

アキラ「ありがとうございます」

コウキ「じゃあこれで。ジュン、この2人が一日でどこまで行ったと思ってるんだろ……クロバット、空を飛ぶ!」

ボールから飛び出したクロバットはそのままコウキ兄ちゃんを連れて飛んで行ってしまった。

アカリ「はっやいなあ」

アキラ「ジュン兄ちゃんはせっかち、はっきりわかんだね」

アカリ「あはは、ジュン兄ちゃんじゃないんだからそんな遠くまで行けないのにね」
 ▼ 67 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 19:19:56 ID:UdKaX2bM [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジョーイ「お預かりした(ry」

アカリ・アキラ「ありがとうございます!」


アキラ「で、だ。これからどうする?」

アカリ「私はクロガネからテンガン山通って西に行くつもり。そういうアキラは?」

アキラ「俺はコウキ兄ちゃんとかジュン兄ちゃんとおんなじルート通って行くよ。その方が強くなれそうだし」

アカリ「じゃ、クロガネまでは一緒って訳だ」

アキラ「そうなるな」

アカリ「じゃあ、行こっか。クロガネ目指して、レッツ「ちょーっと待った!」

アキラ「ポケッチ貰わなくていいのか? またクイズキャンペーンやってるらしいぞ!」

アカリ「ウソ! それは貰ってかないと!」

そうしてクイズを探して歩き回る内に、太陽はもう頭の真上に上っていた。




アカリ「ポケッチ、ゲットだぜ!」

アキラ「マネすんなよ……」
 ▼ 68 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 19:21:25 ID:UdKaX2bM [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いったんここまで

また夜に再開します
 ▼ 69 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 21:16:00 ID:UdKaX2bM [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点コリンク

203番道路に到着……

アカリ「ひゃっほー! どかんかああああい!」

ポッチャマ「」

コリンク「」

アキラ「」

ちょっ、ちょっと待とうか。

自転車に乗るだけで、人が変わりすぎだろ。

どこの暴走族なんだよまったく。

アキラ「おーいアカリー。戻ってこーい」

アキラのセリフも心なしか棒読み感が否めない。

ポッチャマ「これからこんなのとずっと一緒とか……はあ」

全く同感だ。ふざけんな。
 ▼ 70 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 21:18:50 ID:UdKaX2bM [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「おーい! アキラー! 早く早くー!」

アキラ「」

コリンク「なあポッチャマ?」

ポッチャマ「何?」

コリンク「後であの自転車壊そうぜ」

ポッチャマ「そうしたいのはやまやまだけど自転車壊したら進めなくなるらしいよ」

コリンク「あ……そうだった」

俺、おかしいのかな。覚えてるはずの事すら忘れるなんて。

いやおかしいのは俺じゃない。

アカリの自転車捌きだ。
 ▼ 71 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 21:27:57 ID:UdKaX2bM [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クロガネゲート

山男「おう! そこの少年少女たち!」

アキラ「目と目があったら以下略ですか?」

山男「そうではない。ほら、そこの岩を見てみなさい」

アカリ「あー岩砕きで壊せる奴ですか」

山男「君は知っているのか。なら話は早いが……」

アキラ「あ、俺も知ってますよ」

山男「ならいい! これを君たちにあげよう!」

アカリ「えっと……秘伝マシン『岩砕き』? え、いいんですか?」

山男「ああ」

へえ、世の中には親切な人もいるんだな。それに比べて俺は……俺は……なんだ?

なんでいきなり俺と比べないといけないんだろう。

アキラ「ありがとうございます!」

山男「ただしそれを使うにはバッジが1つ必要だ。ここからならクロガネのコールバッジだな」

アカリ「わかりました! ありがとうございます!」

山男「頑張れよ!」
 ▼ 72 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 21:28:56 ID:UdKaX2bM [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しまった……>>69から2章だって言うの忘れてた……
 ▼ 73 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 21:33:41 ID:UdKaX2bM [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キャンプボーイ「目と目があったら……」

ピクニックガール「ポケモン勝負だよね!」

アキラ「ですね、やりますか、タッグバトル」

アカリ「え? タッグ? あたしとアキラで?」

アキラ「他に誰がいるんだ?」

アカリ「わかった。やるか!」

キャンプボーイのハジメとピクニックガールのサチコが勝負を仕掛けて来た!

(名前は調べましたが手持ちは調べていません)
 ▼ 74 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 21:38:49 ID:UdKaX2bM [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハジメ「行けっ、ズバット!」

サチコ「コダック、よろしく!」

ズバット「うーし、やるか」

コダック「こだっ?」

コダック……喋れ……

アカリ「行け! コリンク!」

アキラ「頼んだぞヒコザル!」

コリンク「コダック……」

ヒコザル「昨日の敵は今日の友。よろしくな! どうしたんだ?」

コリンク「喋ってくれよ……俺もポケモンなんだし……」

ヒコザル「?」

ズバット「どうしてそんな当然の事を?」

コダックだけはのんきそうに頭を抱えている。
 ▼ 75 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 21:58:45 ID:UdKaX2bM [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

アカリ「コリンク睨み付ける!」

アキラ「ヒコザル! コダックにひっかくだ!」

ハジメ「ズバット吸血! コリンクにだ!」

サチコ「コダック! ヒコザルに水鉄砲よ!」

その持ち前の素早さを活かし、一番初めに行動したのはヒコザルであった。

しかしコダックのそののんきな性格が邪魔をして、決定的な一打どころか有効打にすらなりはしなかった。

アカリ「こっちが防御さげるまで待ってよ!」

しかしこの中で一番素早さが低いのはコリンクであった。

もともとコリンクという種族の素早さは決して高くない。

さらにコリンクは人間の頃からの名残であろうか、冷静な性格をしていた。

コリンクよりヒコザルが先に動いた事は誰にも責められない。はずなのだが……

アカリ「まったくもう……」

アキラ「仕方ないだろ! こっちの方が速いんだから」
 ▼ 76 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 22:04:39 ID:UdKaX2bM [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハジメ「君たち仲悪いの?」

どうやら彼の辞書には「ケンカするほど仲が良い」のことわざは記載されていないらしい。

視点をバトルフィールドに戻す。

次に行動したのはズバット。睨み付けようと待機しているコリンクに噛みついた……のだが。

悲しいかな吸血の威力はたったの20。それに加えてコリンクの威嚇で攻撃力が下がってもいる。

これで大したダメージが与えられるはずもない。

本来この技は与えたダメージの半分を回復するのだがズバットはこの試合の間、一切の攻撃を受けていなかった。

つまりほぼ無意味、という訳である。
 ▼ 77 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 22:09:59 ID:UdKaX2bM [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてコダックが行動に移る。

何も考えていないような、いや実際に何も考えていないままにぽかーんと開いた口から勢いよく水鉄砲が発射される。

そしてその水流は過たずヒコザルの方へと向かう。

アキラ「ヒコザル、壁キックだ!」

ヒコザルにマ○オの奥義「壁キック」のなんたるやが伝わりはしない。

しかし本能的に危険を察知したのか壁を伝い上り始め、そのまま攻撃をかわした。

最後のコリンクの睨み付けるは相手2匹の防御力を下げる。

コリンクの威圧に一瞬怯んだようになるズバット。その隙を見逃さない者がいた。
 ▼ 78 無警察◆2aSRhNxM4g 15/08/16 22:10:13 ID:0K8P1SdQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 79 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 22:15:21 ID:UdKaX2bM [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ヒコザル! 落下の勢いを利用してズバットにひっかくだ!」

ズバットが怯んだ隙に持ち前の身軽さで壁伝いにズバットの頭上をとっていたヒコザルにアキラが指示を出す。

ハジメ「ウソっ」

サチコ「コダック水鉄砲! ズバットの頭上に!」

ヒコザルの体は重力に従ってどんどん加速していく。

サチコはその「加速」を読み間違えていた。

サチコ「ウソ、意外に速い……」

水鉄砲はヒコザルの上部をかすめ、あらぬ方向へと飛んで行く。

ヒコザルの攻撃が、ズバットに命中した。

しかし、ただで倒れてはくれなかった。
 ▼ 80 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 22:22:00 ID:UdKaX2bM [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「コリンク?! どうしたの!」

コリンク「はらほれひれほろ〜」

そう、超音波である。

超音波を聞くと、どういう原理かポケモンは混乱してしまう。

ポケモンが混乱に陥った時トレーナーがする行動は、正確には薬がなくて控えがいるトレーナーがする行動は1つに絞られる。

アカリ「戻って! コリンク! ポッチャマ、交代よ!」

ハジメはタイプ相性で電気タイプのコリンクにコダックを戦わせるのは不利と判断したのだろう。

しかしその判断は、はっきり言って、それほど賢いという訳ではなかった。

なぜならコリンクは、電気技を覚えていないからである。

 ▼ 81 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 22:26:23 ID:UdKaX2bM [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ひっかく!」

サチコ「ヒコザルに水鉄砲!」

アカリ「ポッチャマ、叩く!」

ヒコザルの攻撃は、いくらのんきなコダックとは言え防御力が下がっていたためかなり大きなダメージを与えた。

しかしこれはサチコの思惑通りだった。

ヒコザルの攻撃を誘って至近距離から水鉄砲を放つ。

激しい水流を浴びてヒコザルはたまらず倒れ込む。

しかし、遅れたポッチャマの攻撃がコダックを襲い、決着がついた。
 ▼ 82 1◆J44kAZeDOM 15/08/16 22:28:02 ID:UdKaX2bM [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

バトルシーンをこれから三人称で書いて行きたいと思うんですが、どうでしょうか?
 ▼ 83 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 16:34:37 ID:XBM5aUPU [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

サチコ「お疲れ様、コダック」

ハジメ「いやー強いですね!」

アカリ「そうかな……えへへ」

アキラ「ヒコザル、ありがとな」

ハジメ「これ、賞金です」
 ▼ 84 ールナー@クチートナイト 15/08/17 16:35:55 ID:e3z8Inj2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンクはメス
 ▼ 85 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 16:36:05 ID:XBM5aUPU [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリとアキラは賞金として470円貰った!

ポッチャマはLV7になった!

コリンクはLV7になった!

ヒコザルはLV7になった!

ヒコザルは火の粉を覚えた!
 ▼ 86 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 16:40:05 ID:XBM5aUPU [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ずるいよ、ヒコザルだけ」

アキラ「知らないよ! それよか早くこいつ回復させてやらないと!」

アカリ「そっか。急ご! 対戦ありがとう!」

ハジメ・サチコ「こちらこそ!」


野生ポケモンに驚かされる事もあったけど、無事クロガネシティに到着!

アキラ「ポケセンどっちですか?」

通行人「あっちですよ」

アキラ「ありがとうございます! 行くぞ!」

やっぱこいつポケモンの事好きだなあ。こんなに焦って。

アカリ「待ってよ!」
 ▼ 87 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 16:43:32 ID:XBM5aUPU [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモンセンター

ジョーイさんにポケモンたちを預け、しばらくくつろいでいた。

アカリ「にしてもすごいよね。あそこで壁キックって」

アキラ「まあかわしやすそうだって思っただけだよ。ヒコザルがズバットの上取ってくれてなかったら負けてたかもしんない」

アカリ「にしてもコダックってあんなのんきそうに見えて実は速いんだね」

アキラ「コリンクの方が速そうなのにな」

ジョーイ「アカリさーん、アキラさーん!」

アカリ「はーい!」

アキラ「はい」

ジョーイ「お預かりした(ry」

アカリ・アキラ「ありがとうございます!」
 ▼ 88 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 16:51:11 ID:XBM5aUPU [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「それで、今夜ここに泊まりたいんですけど、部屋開いてます?」

ジョーイ「はい。部屋数はどうします?」

アカリ「2部屋に決まってるでsy……決まってるじゃないですか!」

アキラ「もちろん2部屋で」

ジョーイ「わかりました」

なんだろ、やっぱ男と女で2人旅してたらカップルに思われるのかな?

ただの幼馴染みなのにさ。

まあ別に絶対1部屋が嫌! って訳でもないけど、周りからそう見られるってのがきついんだよなあ。
 ▼ 89 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 16:52:33 ID:XBM5aUPU [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
また夜に再開します
 ▼ 90 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 21:48:42 ID:XBM5aUPU [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

ポッチャマ「ははあ……」

コリンク「どうした?」

ポッチャマ「アカリ、アキラの事好きだな、これは」

コリンク「え? なんで?」

ポッチャマ「……ウソ」

コリンク「どうかしたのか?」

ポッチャマ「なんかあなた、純粋なんだね」

訳わからない。これだけの会話から何がわかるんだ?
 ▼ 91 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 21:53:12 ID:XBM5aUPU [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「確かここって岩タイプだよな?」

アカリ「え、何が?」

アキラ「ジム」

アカリ「ああ、確かそうらしいよ。ザ・ロックと呼ばれる男、だっけ、ヒョウタさんだね」

アキラ「うーん、だとするとそろそろポケモン捕まえないと、ヒコザルじゃ厳しいもんなあ」

確かに炎タイプは岩タイプに相性が悪い。

でもこっちは、2匹いても攻撃技がノーマルしかないんだから不利なのには変わりない。

ポッチャマが水技を覚えてくれたらいいんだけどさ……

ってかそれもこれもアカリが自転車で203番道路をスルーしたからなんだよ!
 ▼ 92 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 21:56:50 ID:XBM5aUPU [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「なあポッチャマ?」

ポッチャマ「何?」

コリンク「お前って後どのぐらいで水技覚えんの?」

ポッチャマ「えっと……もう少しかな」

コリンク「水技か草技があると有利だからさ」

あれ? でもなんで俺こんな真剣に考えてるんだ?

そもそも俺がアカリのために考えてやる義理なんてないのに……

ひょっとして俺、この状況を楽しんでる?

まさか……な。
 ▼ 93 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 22:02:56 ID:XBM5aUPU [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「とりあえず今のままじゃどっちも勝てそうにないね」

アキラ「ああ。岩タイプに有利なポケモンかあ……」

アカリ「私の場合は、ポッチャマの水技がポイントになるかな」

アキラ「よし決めた! 俺、明日は207番道路の方に行って新しいポケモンゲットする!」

アカリ「私はクロガネ炭鉱で特訓かな」

アキラとは別に変な関係じゃないんだし、周りから勘違いされたくないんだよね。

だからわざと行く場所を変えてみた。なんか気恥ずかしくってさ。
 ▼ 94 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 22:04:59 ID:XBM5aUPU [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
と言うのが食事中の会話。

アカリ「じゃ、お休みアキラ。明日はお互い頑張ろうね!」

アキラ「ああ。そっちこそへますんなよ?」

アカリ「だーいじょうぶだって、安心しなさい」

アキラ「だからお前の大丈夫の価値、安いぞアカリ……」
 ▼ 95 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 22:08:17 ID:XBM5aUPU [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふー。

なんか最後言われた気がするけど、気にしない気にしない。

アカリ「えっとカギは……あった」

部屋はまあそれほど豪華って訳じゃない。この辺はコトブキと一緒みたい。

他もこんな部屋なのかな?

アカリ「おいで、ポッチャマにコリンク」

ポッチャマ「ぽちゃ」

相変わらずコリンクは無言だ。なんだろう、あたしにまだ心を開いてくれてないって言うかなんと言うか……

ま、ゆっくり仲良くなってこ!
 ▼ 96 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 22:11:54 ID:XBM5aUPU [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そのためにはまず、スキンシップを取らなきゃ。ってな訳で……

アカリ「お風呂入ろっか!」

ポッチャマ「ぽーちゃ」

コリンク「リ?! リンクリンク!」

うーん、お風呂ってなると露骨に反応する……ひょっとしてこいつ、変態?

にしては普段の態度とかもあれだしそれに昨日ずっと目を閉じてたし……ま、いっか!

アカリ「ゴム手袋を装着して、と」

それにしてもこの手袋、まるでつけてないみたいに軽い。しかも手にダイレクトに触った感触が伝わって来る。

技術って進歩するんだなあ。
 ▼ 97 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 22:15:59 ID:XBM5aUPU [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「じゃ、まずはポッチャマ! 体洗うよ!」

ポッチャマ「ぽちゃー」

ボディーソープを手に取り、泡立てる。

その泡を丁寧にポッチャマにこすりつける。

その時のポッチャマの幸せそうな顔と言ったら! 洗いがいがあるってもんだよ!

それに比べて……

コリンク「」

必死にあたしから目をそらして……やっぱり恥ずかしいのかな?

でもポケモンって裸が基本で、でも裸のポケモンから目を背けるって訳じゃないもんな……

コリンク、あなたひょっとして、人間の事が好きになるの?
 ▼ 98 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 22:19:37 ID:XBM5aUPU [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

ポッチャマ「ああー気持ちいいー」

何も言えなかった。

だって、だって。

女子の裸から目を背けるのに必死なんだもん。

俺が人間だって気付けとは言わない。せめて俺が恥ずかしがってるって気付け!

アカリ「ねえ、コリンク」

コリンク「……なんだよ」

返す言葉が聞こえる訳ないと知りながら、それでも答えてしまうのは人間としてのクセだ。

アカリ「……やっぱりなんでもない。体洗うよ!」

コリンク「……はあ……」

ため息をつく。正直いろんな意味で厳しい。
 ▼ 99 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 22:21:59 ID:XBM5aUPU [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
体を振って水を飛ばす。

誰かから教わった訳でもないのに、ごく自然にその動作を行う。

そんな自分が辛かった。

俺、もう完全にポケモンじゃんか……

アカリ「ふうー気持ちよかった。ね、ポッチャマにコリンク?」

ポッチャマ「まあね」

俺は返事をしなかった。
 ▼ 100 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 22:25:10 ID:XBM5aUPU [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

コリンク……そんなに気にしてるのかな、あたしの事。

人間とポケモンだから気にする事もないのに……

あたしは気にしないよ? だって仲間じゃん!


そう思いはするけど、

アカリ「言えないよ……」

だって、それこそ恥ずかしすぎるんだもん。

ポッチャマが心配そうにのぞき込んで来る。

アカリ「大丈夫だよ、ポッチャマ。明日は特訓頑張ろうね!」
 ▼ 101 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 22:26:07 ID:XBM5aUPU [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

後コリンクが女体化だのいろいろ言われてますが、アカリの性別から察してあげてください
 ▼ 102 1◆J44kAZeDOM 15/08/17 22:28:15 ID:XBM5aUPU [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
後木曜からしばらく更新頻度が下がります

詳しくは後日
 ▼ 103 EEVEE◆Y3W/A8GX8A 15/08/18 18:40:56 ID:Q9d288Bs [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
コリンクは個人としてはオスで大丈夫
 ▼ 104 ガジュカイン@ヨロギのみ 15/08/18 18:57:38 ID:JDcna4OE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 105 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 20:17:10 ID:/4Fvh7jI [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

切り替え早っ。

アカリ、もう寝てんだけど。

いやまあシリアスな雰囲気だってだけで、実際考えてる事まで深刻だったのかはわかんないよ?

でもさ……

ポッチャマ「すぐ寝ちゃったね。明日は私が起こすから。あなたが起こしたら大惨事になるしさ」

コリンク「ま、そうだな。お休み」

はっきり言うと、今はもう何もできない。

いつまでもポケモンになった自分を悲しんで、話が進む訳でもないし。

でも……戻れるのかな……

コリンク「ふああ、寝よ」
 ▼ 106 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 20:25:09 ID:/4Fvh7jI [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さりげなく今日は俺のポケモンとしての初バトル。

リラックスすると、その疲れが一気に襲い掛かってくる。

回復マシンで回復したとはいえ、そもそもが慣れない状況にあって、気疲れも多く疲労は限界に達していたらしい。

コリンク「ふああ……あ、もう朝か」

夢も見ず、熟睡してしまったらしい。

ポッチャマ「おはよ、今日は遅かったね。と言ってもまだ大丈夫だけど」

コリンク「疲れてたんだな、初バトル」

ポッチャマ「ああ! そうか、私は研究所でした事あったけど、あなたはないのか」

コリンク「なあ、そのあなたっての、やめない? なんか違和感半端ないんだけど」

ポッチャマ「あ、そう? でも私のクセなのよね……まあ、やめるように努力はする」

ポッチャマ「でも、なんて呼べばいいの? 名前は忘れてるんでしょ?」

コリンク「コリンクでいいよ、よいしょ……」

4足歩行でカーテンを開けられるか試してみたけど、さすがに無理か……

ポッチャマ「開けよっか? カーテン」

コリンク「頼む」
 ▼ 107 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 20:28:10 ID:/4Fvh7jI [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッチャマが両の翼を器用に使ってカーテンを開ける。

ポッチャマ「まぶしっ」

窓から差し込む陽光が、眩しく目を射る。

太陽の光と言うのは全ての人やポケモンに降り注ぐ。

当然、ぐーすか寝ている寝坊助女子にも……

アカリ「う、うーん……ふああ、まぶしっ!」

勝った! 計画通り!

何に勝ったんだろ……まあいいか。
 ▼ 108 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 20:32:57 ID:/4Fvh7jI [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あんたたち、カーテン開けないでよ! 眩しいじゃんもう。後5分ぐらい寝かせてよ!」

どうせ起きないだろ、その言葉はどうせ伝わらないんだし。

何も言うまい。

まあ、この旅の中で改善してくれよ。

ってか、どこの親だよ俺。

アカリ「まあいいか。えっと、今何j」

その言葉はけたたましく鳴り響いた目覚ましの音によって遮られた。

アカリ「うわあっ! ちょ、目覚ましより早いんだ……」

ポッチャマ「早起きは三文の徳ってなんでわかんないんだろうね?」

コリンク「……なんかよくわからんが耳が痛い」

ポッチャマ「……ポケセン行く?」

コリンク「ここだよ」

人間の頃俺もなかなか起きなかったたちなのだろうな。そう結論付けた。
 ▼ 109 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 20:39:32 ID:/4Fvh7jI [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「おはよ」

アキラ「今日は叩き起こされなかったみたいだな」

アカリ「いつも寝坊助なんて思わないで!」

ったく、どの口が言ってんだか。

アキラ「冗談はともかく、早く食おうぜ」

アカリ「そうね」

この2人、どういう関係なんだろ。

昨日ポッチャマはああ言ってたけど、どうも違うような気がする。

あくまでも友達以上恋人未満の関係と言うか……好き! ってのは違うような気がするんだよなあ。

本人も違うって感じだし。

ぐーっとなった腹にちょっと赤面しながら正気に戻る。

ポッチャマは、特に何も言わなかった。

なあ、変な目で見るぐらいならツッコんでくれよ、どうすりゃいいんだ俺は。
 ▼ 110 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 20:44:26 ID:/4Fvh7jI [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「ごちそうさま」

特に何の会話もなかった。

アキラってこう……話す事が無い時に無理矢理にでも作ろうって気概がないのよねえ。

そんなんじゃ、将来の彼女から飽きられるぞ! それは私じゃないけどね。

アカリ「じゃあアキラ、今日はある程度特訓したらジムに行くんだよね」

アキラ「特訓っつーか、有利なポケモン捕まえて来るって感じかな。その後はそうだけど」

アカリ「一緒にジムにチャレンジする?」

アキラ「OKならな。ダメかも知らねえぞ?」

アカリ「まあね。集合はどこに何時?」

アキラ「ポケセン前に、昼1時でどうだ?」

アカリ「オッケー。頑張ろうね!」

アキラ「たりめーだ」
 ▼ 111 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 20:45:00 ID:/4Fvh7jI [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
安価

ジムでタッグバトルは認められるかどうか

>>112
 ▼ 112 ルタンク@ねばりのかぎづめ 15/08/18 21:07:16 ID:/4Fvh7jI [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とりあえず45分まで待って来なかったら再開しますね

安価下
 ▼ 113 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 21:47:01 ID:/4Fvh7jI [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次タッグについての意見が来たら先着で採用します
 ▼ 114 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 21:51:26 ID:/4Fvh7jI [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クロガネ炭鉱

アカリ「ポッチャマ、叩く!」

ポッチャマ「ぽちゃ!」

ズバット「ずばあっ!」


アカリ「コリンク、体当たり!」

ズバット「ずばあっ!」


そして時間は過ぎ……

アカリ「ああやばいよやばいよ、もう12時20分って、ごはん食べる時間があ……」

とりあえず急がなきゃ。2匹とも強くなったしね!
 ▼ 115 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 21:56:46 ID:/4Fvh7jI [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「お待たせ!」

アキラ「時間忘れてファストフードって感じか?」

アカリ「まさしくそうよ、とりあえず回復もさせたs……あんた大丈夫?」

アキラ「大丈夫じゃねえなこれ」

なんでも流れる砂の坂を上手く登れず、気が付いたらこんなボロボロだったらしい。

自転車も見せてもらったけど……

アカリ「ああ……派手にやっちゃったね……」

正直もう使用に耐えるとは言えなかった。

アキラ「お前はまあ大丈夫だろうけどな」

アカリ「どういう事よー」

アキラ「自覚しろ。とりあえず薬買って来る」

アカリ「お大事に」

アキラ「……ポケモンのな」
 ▼ 116 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 21:59:47 ID:/4Fvh7jI [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今の2匹の技とレベルを確認しとこ。

コリンクは今LV1で1、体当たり、睨み付ける、充電につぶらな瞳

ポッチャマはLV12で、叩く、鳴き声、泡、水遊び……

うん。ちょっと、ってかかなーりきついかな……

そういやアキラの奴、何捕まえて来たんだろ……
 ▼ 117 1◆J44kAZeDOM 15/08/18 22:02:38 ID:/4Fvh7jI [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

更新頻度ですが、20日は昼に、21、25、27日は夜に更新したいのと、24と26は更新できない可能性が高いです……

クロガネジムのタッグバトルの是非、安価を>>119にします。
 ▼ 118 EEVEE◆Y3W/A8GX8A 15/08/18 22:17:42 ID:Q9d288Bs [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>116
コリンクがLV1になってる
 ▼ 119 ルーグ@ヒメリのみ 15/08/18 22:18:28 ID:/4Fvh7jI [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>118
あ、しまった
LV11で

安価下
 ▼ 120 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 07:29:00 ID:XIa6rp.k [1/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ安価下

誰か頼む
 ▼ 121 EEVEE◆Y3W/A8GX8A 15/08/19 09:44:31 ID:ovj41Mu2 NGネーム登録 NGID登録 報告
タッグバトル無しで
 ▼ 122 ラスル@ノーマルジュエル 15/08/19 10:33:21 ID:2v7Uupig [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>121
うん
 ▼ 123 ソハチ@サメハダナイト 15/08/19 19:41:40 ID:XIa6rp.k [2/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「お前の分も買って来てやったから、金くれ」

アカリ「何円?」

言われた分だけ払った。まあ当然よね。

ここでおごれ、なんて言うような関係じゃないし。

アキラ「はい、傷薬3個。こんだけありゃ足りるだろ」

アカリ「ありがと。じゃ、クロガネジムへ、しゅっぱーつ!」
 ▼ 124 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 19:45:04 ID:XIa6rp.k [3/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クロガネジム

アカリ「ええ! ダメなんですか!」

案内の人「ああ。基本的に、ジムでは1VS1で戦わないといけないんだ」

案内「そうじゃないと、実力が計れないだろ?」

アキラ「まあ、そうですね……よしアカリ。さーいしょーはグー!」

じゃんけんで決めるの?! ……まあ、そうするしかないか。

アカリ・アキラ「ほい!」
 ▼ 125 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 19:49:32 ID:XIa6rp.k [4/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「じゃあアキラ、ガンバ」

アキラ「当たり前だろ! 当然頑張るし、勝ってやるよ」

まあアキラなら大丈夫かな? コウキ兄ちゃん見て勉強してたんだし。

アカリ「応援したいんですけど」

案内「助言はしない?」

アカリ「ダメならしませんよ」

案内「わかった。じゃあこっちに来なさい」

案内「そっちの少年! ジムにはリーダーだけでなく、普通のトレーナーもいるから、気を付けろよ!」

アキラ「わかりました」

そう言ってアキラは、人生初のジム戦に向けて歩き始めた。
 ▼ 126 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 19:52:43 ID:XIa6rp.k [5/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふええ、はっやいなあ」

ジムの普通のトレーナーを避け、あっという間にジムリーダー、ヒョウタさんのところまでたどり着いてしまった。

アキラ「ヒョウタさん! 来ましたよ!」

ヒョウタ「やあ、よく来たね! 君の名前は?」

アキラ「マサゴタウンのアキラです!」

ヒョウタ「じゃ、始めようか」
 ▼ 127 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 19:57:21 ID:XIa6rp.k [6/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラVSヒョウタ

ヒョウタ「イシツブテ、よろしく!」

アキラ「頼んだぞ、ドーミラー!」

ドーミラー? アキラ、ドーミラー捕まえて来てたんだ。

ヒョウタ「鋼タイプ……でもどうやら、特性は浮遊みたいだね」

アキラ「はい。こっちはこいつがやられたらほぼ負けなんで。ドーミラー! 念力!」

ヒョウタ「イシツブテ、ロックカット!」
 ▼ 128 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:03:56 ID:XIa6rp.k [7/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

ドーミラーが意識を集中させ、その力はイシツブテを襲う物に変化する。

イシツブテはその鈍さゆえ、かわす事などできない。

しかし、ヒョウタの指示で体の無駄な部分をそぎ落としたイシツブテは、直前までとは比べ物にならない素早さを手に入れる事になる。

ヒョウタ「素早さは逆転したみたいだね。イシツブテ、岩落とし!」

ドーミラーの頭上に巨大な岩が現れる。

アキラ「ドーミラー! 耐えて催眠術だ!」

その巨大な岩はしかし、ドーミラーの頑丈な体に大きなダメージを与える事はなかった。

ヒョウタ「イシツブテ、かわして!」

軽くなった体で、イシツブテは動き回る。

もちろん催眠術がかかるところに長時間立ち止まったりはしない。
 ▼ 129 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:10:16 ID:XIa6rp.k [8/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「アキラ大丈夫かなあ」

アカリが心配するのも無理はない。

ドーミラーとの素早さの差がありすぎて、攻撃が当たる見込みがないのだ。

アキラ「くそっ、速い……交代だドーミラー! ヒコザル、頼んだ!」

アキラも早々に素早さの差を見極め、交代を宣告した。

ジム戦では、チャレンジャーにのみ交代が認められている。

ヒョウタ「へえ。確かに攻撃が当たらないと勝ちにはならないけど、相性、一気にこっちが有利になったよ!」

アキラ「わかってますよ!」

だがアキラには、ある秘策があった。
 ▼ 130 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:15:47 ID:XIa6rp.k [9/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒョウタ「イシツブテ、岩落とし!」

アキラ「ヒコザル右だ!」

イシツブテが落とす岩の位置を見極め、アキラはヒコザルに指示を出す。

アキラ「そのまま岩砕き!」

アカリ「岩砕きか……なるほどねえ」

そう。アキラの秘策とは、格闘タイプの技、岩砕きである。

格闘タイプの技は岩タイプには効果抜群。命中すれば大打撃を加えられる。

そしていくら体の無駄な部分をそぎ落としスピードが上がっていたとは言え、種族そのものの素早さが違い過ぎる。

先程の念力のダメージも相まって、イシツブテは地に崩れ落ちた。
 ▼ 131 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:22:18 ID:XIa6rp.k [10/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒョウタ「なかなかやるね。君のポケモン、ほぼ無傷だもん」

アキラ「こいつらが頑張ってくれたおかげですよ」

ヒョウタ「その姿勢もいいよ。じゃあ僕の2番手、イワーク!」

アカリ「イワークか……おっきいな……」

恐らくその場にいた他の誰もが心の中でツッコんだであろう。

そんな場合じゃないだろ、と。

アキラ「とにかく、始めましょう。俺はこのままヒコザルで行きます!」

ヒョウタ「わかった。じゃあイワーク、手始めに岩落とし!」

アキラ「睨み付けて防御力を下げろ!」
 ▼ 132 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:28:13 ID:XIa6rp.k [11/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒコザルごときの体格で睨み付けたところで8.8mの巨体に何の感情を抱かせるのか定かではないが、それでもしっかり防御力は下がる。

アキラ「ヒコザル、今度は左!」

これがただの「かわせ!」ならポケモンも混乱して、自分に傷を負わせ……たりはしないがどうかわすのかわからないままに攻撃を受ける事があるだろう。

しっかり方向を示す事でポケモンもそれに応えてかわす事ができるのだ。

某密着ドキュメンタリーの主人公、サトシとは違うのである。

(ちなみに今更ですが、アニポケはこの世界ではドキュメンタリーとして扱われている物とします)

ヒョウタ「なるほどね。じゃあ、これはどうかな? 締め付ける!」
 ▼ 133 イホーン@ザロクのみ 15/08/19 20:32:21 ID:2v7Uupig [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 134 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:32:43 ID:XIa6rp.k [12/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イワークの全長は8.8m。その巨体がたった0.5mのヒコザルをめがけ巻き付こうとする。

下手な鉄砲なんとやらで、狙いをあまり定めず、部屋中をさらうように行動している。

つまりどういう事か。

アキラ「ヒコザル……どっちにかわせば……くそっ」

そう。かわすべき方向が見付からないのだ。

ヒョウタ「そこだよ! イワーク!」

為す術なく、ヒコザルはイワークに捕らえられてしまう。
 ▼ 135 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:37:45 ID:XIa6rp.k [13/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒコザル「うぐっ……きついな……でも負けない!」

1人熱血マンガの主人公していても、それはイワークにしか届かない。

アキラ「くそっ、ヒコザル、岩砕きは出来るか!」

ヒコザル「出来る! う、うおおおお!」

もちろん、アキラにとって、この茶番はただもがいているだけなのだが、ヒコザルはそんな事お構いなしだ。

アキラ「ヒコザル、火の粉だ!」

アキラも無理そうだと結論付けたのか、特殊攻撃にシフトした。

ヒョウタ「残念、効かないよ、そのぐらいじゃ」
 ▼ 136 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:42:47 ID:XIa6rp.k [14/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かに岩の体に、炎の攻撃はあまり効かない。

アキラ「くそっ……どうすれば……」

アキラ(ヒコザルの技は火の粉、睨み付ける、岩砕き……あ、もしかしたらいけるかも)

ヒョウタ「フィニッシュだよイワーク、岩落とし!」

アキラ「一か八か! ヒコザル、挑発だ!」

ヒコザル「お前そんな体で俺の素早い動きについて来られるかな?」

イワーク(むかっ)

イワーク「出来るに決まってるだろう。ちびが」

ヒョウタ「イワーク! 岩落としだ!」

アキラ(行ける!)

ヒコザル「そんなに言うなら試してみろや!」

イワーク「んだと!」

ヒョウタ「緩めるな!」

アキラ「今だヒコザル、岩砕き!」
 ▼ 137 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:44:39 ID:XIa6rp.k [15/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イワーク「しまっ……」

ヒョウタ「あっちゃー」

ヒコザル「引っかかったな。こっちもこんなせこい作戦嫌なんだけど、トレーナーの指示だからな」

ヒコザルの渾身の拳は、イワークの体に命中した。
















しかし、イワークは倒れてなどいなかった。
 ▼ 138 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:47:08 ID:XIa6rp.k [16/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ウソだ! 防御力も下げて、効果も抜群なのに!」

ヒョウタ「イワーク、岩落としでフィニッシュだ!」

イワーク「さっきの事、許さないからな」

ヒコザル「いや、あはは、ごめんなさい……」

イワークは特大の岩をヒコザルめがけて落下させる。

ヒコザルは怒りの岩の直撃をくらいあえなくダウンした。
 ▼ 139 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:50:47 ID:XIa6rp.k [17/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒョウタ「岩タイプの防御力、なめないで欲しいな。まあ僕の戦い方じゃないんだけど」

アキラ「すごいですね。でも、防御力なら鋼の方が固いですよ!」

ヒョウタ「父さんと同じこと言うね……」

ヒョウタの顔に苦笑が浮かぶ。

自分とは正反対な父の顔が脳裏に浮かんだせいであろう。

アキラ「頼んだぞ、ドーミラー!」
 ▼ 140 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 20:51:19 ID:XIa6rp.k [18/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
中断します

夜遅くにたぶんまた更新します
 ▼ 141 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 23:03:11 ID:XIa6rp.k [19/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ドーミラー、念力だ!」

ヒョウタ「イワーク、岩落とし!」

イワークから放たれた岩はしかし、ドーミラーの鋼の体にはさしてダメージを与えない。

そのまま念力により、あっけなくダウンした。

ヒョウタ「お疲れ」

アキラ「ドーミラー、よくやった!」

ヒョウタ「さあ! 僕の最後のポケモンだよ! ズガイドス、よろしく!」

アキラ「ドーミラー、最後まで頼むぞ!」
 ▼ 142 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 23:11:03 ID:XIa6rp.k [20/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒョウタ「ズガイドス、頭突き!」

ズガイドスがドーミラーめがけて走り寄る。

アキラ「ドーミラー、念力だ!」

ヒョウタ「ズガイドス、飛んで!」

念力を上手くかわし、ズガイドスは飛び上がる。

ヒョウタ「落下の勢いで頭突きだ!」

アキラ「ウソだ!」

もともとズガイドスと言うのは攻撃力の高い種族。

それに重力の勢いまで加わって圧倒的な破壊力を生み出すのだ。

さしものドーミラーもさすがにこの威力にはかなりのダメージを受けてしまう。
 ▼ 143 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 23:11:33 ID:XIa6rp.k [21/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ドーミラー! 大丈夫か!」

ドーミラー「ダイジョ……ウブ……!」

ヒョウタ「これで決めるよ、ズガイドス、頭突き!」

アキラ「ドーミラー、引きつけろ! まだ、まだだ……今だ、催眠術!」

ヒョウタ「な!」

ほぼゼロ距離から繰り出される催眠術は、いくら命中60とは言えさすがにかわすのが難しい。

ズガイドス「うぐっ……zzz……」

ヒョウタ「ズガイドス!」

アキラ「決めるぞ、念力!」
 ▼ 144 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 23:14:45 ID:XIa6rp.k [22/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ヒョウタ「お疲れ様、ズガイドス」

ヒョウタ「おめでとう、君の勝ちだ」

アキラ「ありがとうございます!」

ヒョウタ「はい、これが僕に勝った証、コールバッジだ」

ヒョウタ「バッジを1つ持っていると、岩砕きがバトル以外でも使えるようになるよ」

アキラ「なるほど」

ヒョウタ「で、そこの君!」

アカリ「は、はい!」

ヒョウタ「ちょっと待っててね、ポケモン回復させて来るから!」

アカリ「わかりました!」
 ▼ 145 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 23:16:49 ID:XIa6rp.k [23/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いやー、すごかった。

あたしなんかよりよっぽど強いよたぶん。アキラって。

アカリ「おめでとう! コウキ兄ちゃんで勉強してただけあるね」

アキラ「サンキュ。俺もポケモン回復させて来るから」

アカリ「あ、そっか。あたしも頑張るからね!」

アキラ「脈絡なく話を変えるな。ま、頑張れよ」

アカリ「ありがと」
 ▼ 146 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 23:21:05 ID:XIa6rp.k [24/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

コリンク「ポッチャマ、頑張れよ」

ポッチャマ「まあ私がメインになるのは仕方ないよね。コリンク電気タイプだし、攻撃はノーマルのみだもん」

コリンク「にしてもあんな激しいんだな、バトルって」

ポッチャマ「普通あそこまで激しくはならないよ? ジムリーダーは相手に合わせて強さを変えるとは言うけど……」

ポッチャマ「実力が相当拮抗してる証ね」

コリンク「ふうん」

アカリ「2匹とも、頑張ろうね!」

大きく覗き込む顔に見えるはずも無いのに頷き返した。

なんだか、自分の中で何かが燃えているような、変な感じがする。
 ▼ 147 1◆J44kAZeDOM 15/08/19 23:21:32 ID:XIa6rp.k [25/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

三人称きつすぎる……
 ▼ 148 ンブレオン◆Y3W/A8GX8A 15/08/20 07:08:45 ID:v17Y66rg NGネーム登録 NGID登録 報告

どうでもいいけどコテ変えた
 ▼ 149 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 13:57:14 ID:1wSQJqic [1/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ヒョウタ「ただいま」

アカリ「あ、お帰りなさーい」

アキラ「応援してやっから」

アカリ「当たり前でしょ!」

ヒョウタ「ははは、じゃあアカリちゃんだっけ?」

アカリ「はい」

ヒョウタ「入口まで戻ってくれるかな」

あ、そうか。ジムトレーナーとのバトルとかも重要だもんね。

よし。頑張るぞ!
 ▼ 150 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:00:59 ID:1wSQJqic [2/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あそこトレーナーがいるけど……」

でもあの階段を昇れば避けられそう。正直無駄に体力を消耗させるのはまずいしね。

アカリ「うん。あっち行ったらまた……あの階段だ」

ってかトレーナー、全員避けられるってどういう事?

なんの意味があるんだろ……

よし、あれがヒョウタさんだ。もうちょっと。トレーナーは……いないな。

よし。

アカリ「とうちゃーく!」
 ▼ 151 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:04:51 ID:1wSQJqic [3/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒョウタ「自己紹介は……もういいね。始めるよ!」

アカリ「対戦、よろしくお願いします!」


ジムリーダーのヒョウタが勝負を仕掛けて来た!

ヒョウタ「行け、イシツブテ!」

アカリ「コリンク、お願い!」

コリンク「リ?!」

少しはコリンクも活躍させてあげないと……

なんか、表情、びっくりしてるっぽいけど、大丈夫、大丈夫!
 ▼ 152 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:14:11 ID:1wSQJqic [4/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

コリンクがイシツブテを威嚇する。

その小さな体躯に込められた大きな威圧感は、イシツブテの攻撃力を下げる。

ヒョウタ「なるほどね。でも、相性はこっちが有利だよ!」

アカリ「わかってます! コリンク、つぶらな瞳!」

ヒョウタ「イシツブテ、ロックカットだ!」
 ▼ 153 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:14:40 ID:1wSQJqic [5/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
技、つぶらな瞳には素早さなど関係ない。

可愛い瞳で見つめるだけなのだから。

コリンク「なんで……はあ……」

1匹、もとい1人のため息は、しかし誰にも届かない。

コリンク「つぶらな瞳……恥ずかしいんですけど……ってか俺を出すな!」

迫力のこもった声を、可愛らしい瞳とともに。こんな調子で、どうやって相手の攻撃力を下げるのか。

しかしどこの世界にもギャップ萌えと言うのはあるらしく……

イシツブテ(なんか……可愛い……)

違う方向性に目覚めているような気もするが、気にしてはいけない。

イシツブテ「っと、そんな場合じゃなく」

イシツブテは体から再び無駄な部分をそぎ落とした。
 ▼ 154 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:22:27 ID:1wSQJqic [6/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「コリンク! またつぶらな瞳!」

アカリの作戦は、相手の攻撃力を下げて、ジリ貧に持ち込む、と言う物だ。

相性も悪い上にレベルでも負けている格上との戦いにおいて、この作戦を卑怯と呼ぶ者はいないだろう。

アキラ「なるほどな。確かにそうでもしないと勝ち目ないか……でもなんでわざわざコリンク?」

これに関しては、特に深い考えはない。

ヒョウタ「岩落としだ!」

アカリ「待ってました! コリンク、体当たりよ!」

つぶらな瞳をやめ、安堵の表情でイシツブテへと向かっていくコリンク。

ヒョウタ「そういう事か……」

アキラ「接近戦に持ち込めば岩を当てる事は難しい、か」

アカリ(よかったあ。やっぱり上手く避けられた)

コリンク「うおりゃ!」

イシツブテ「ちっ」

しかし、攻撃をかわす、それだけであった。

固い岩の体に体当たりをかましたところで、それほどのダメージを与えられるわけではない。
 ▼ 155 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:31:56 ID:1wSQJqic [7/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ストップ! 交代します! よろしく、ポッチャマ!」

コリンクはボールに吸い込まれ、代わりに場にでたのはポッチャマ。

アカリも、コリンクで有効打を与えるのは厳しいと読んだのだろう。

ヒョウタ「水タイプか……なるほどね。今度はこっちに不利、か」

アカリ「行きますよ。ポッチャマ、泡!」

ヒョウタ「飛び上がって、そのまま体当たり!」

先程アキラとの戦いでズガイドスが見せた戦いをそのまま使って下がった火力を補っている。

アカリ「ポッチャマ、右!」

しかし、ロックカットにより素早さが引き上げられている状態でこの技を避けるのは厳しいようで、ポッチャマはかわしきれなかった。

アカリ「ポッチャマ大丈夫?!」

ポッチャマ「なんとかね……コリンクのおかげだよ」

アカリ「よかった。もういっちょ泡!」

イシツブテは落下の衝撃を受けてあまり機敏には動けない。

そのまま4倍弱点である水技を受け、一気に瀕死まで持っていかれた。
 ▼ 156 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:36:10 ID:1wSQJqic [8/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒョウタ「お疲れ様。イワーク、よろしく!」

アカリ「じゃあさっそく……ポッチャマ、泡!」

ヒョウタが指示する前に技を放つ。

その巨体に避ける術はない。

そのまま倒れた……

アカリ「ウソ、ポッチャマ、避けて!」

そう。倒れたのだ。

浮いているドーミラーならかわす事も容易だろうが、地べたを歩くポケモンであるポッチャマには部屋を埋め尽くすほどの巨体が倒れて来るのをかわす事などできない。

ポッチャマ「う……もう無理……」

ヒョウタ「ごめんね。これも作戦の内なんだ。お疲れ、イワーク」

アカリ「ごめんね、ポッチャマ。お疲れ」
 ▼ 157 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:38:22 ID:1wSQJqic [9/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ひどいですよ!」

ヒョウタ「トレーナーなら全ての状況を見極め、的確に指示を出さないといけないんだ」

ヒョウタ「このジムも、周りを見渡すって意味でこんな仕掛けなんだよ」

アカリ「むう……わかりました。コリンク、お願い!」

ヒョウタ「ズガイドス、よろしく!」

2匹のポケモンが戦場に飛び込んだ。
 ▼ 158 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:42:21 ID:1wSQJqic [10/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンクは再び威嚇する。

ズガイドスもそれに多少の怯えは抱くのだろうか、攻撃力がさがる。

アカリ「コリンク、まずはつぶらな瞳!」

暗澹たる表情で、それでも瞳だけは可愛く。

もうそれはつぶらな瞳と言うよりはうつろな瞳、なのだがそれでも攻撃力は下がる。

ヒョウタ「ズガイドス、やられる前に決めるよ! 頭突き!」

ズガイドスがコリンクに向かって走る。

アカリ「コリンク、もういっちょ!」

コリンク「」

もう思考停止である。

人間だった彼は、断じてそういうキャラではなかったのだろう。
 ▼ 159 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:45:13 ID:1wSQJqic [11/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ズガイドスの頭突きが炸裂する。

コリンク「いってー!」

アカリ「大丈夫ね! コリンク、そろそろ行くよ」

コリンク「ふう……」

ヒョウタ「こっちも行くよ、頭突き!」

アカリ「コリンク、体当たり!」

お互いがお互いめがけて走り寄る。

しかしコリンクは、自分自身の考えで、ある行動をとった。

走りながら、技「充電」を使用したのだ。

少しでも相手にダメージを与えようとした結果である。
 ▼ 160 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:48:07 ID:1wSQJqic [12/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「うおおお! スパーク!」

体に電気をまとった体当たりは、そのままスパークへと昇華する。

スパークは電気タイプの技。電気タイプの技は、岩タイプには相性は関係ない。


そして2つの技がぶつかり合い、炸裂音が響く……

もうもうと巻き上がる土煙の中……











コリンクだけが立っていた。
 ▼ 161 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 14:48:38 ID:1wSQJqic [13/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 162 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 17:51:00 ID:1wSQJqic [14/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ヒョウタ「お疲れ様、ズガイドス」

ヒョウタ「君の勝ちだよ」

そのどこか悔しげな笑顔を見てようやく、自分が勝ったんだなあ、なんて思う。

アカリ「あたし……勝ったの?」

アキラ「お前の勝ちだぞ。おめでと。俺に勝っただけあるわ」

うん。なんか釈然としない言い方だけど、ま、いっか。

って言うか……

アカリ「コリンク、お疲れ様。ありがとうね」

早いとこボールに戻してあげないと。
 ▼ 163 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 17:53:14 ID:1wSQJqic [15/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒョウタ「はい、コールバッジ」

アカリ「ありがとうございます!」

ヒョウタ「それと、君たち2人にはこれもあげるよ」

ヒョウタ「技マシン岩石封じだ」

アキラ「え、いいんですか?」

ヒョウタ「いいも何も、そういうシステムだからね」

アカリ「ありがとうございます!」
 ▼ 164 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 17:56:06 ID:1wSQJqic [16/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒョウタ「このシンオウ地方には後7人のジムリーダーがいる」

ヒョウタ「みんな僕よりも手強いポケモントレーナーばかりだよ!」

アカリ「なるほど……じゃあ、対戦ありがとうございました!」

アキラ「あ、俺からもありがとうございました」

ヒョウタ「頑張ってね、これからの冒険」

アカリ・アキラ「はい!」
 ▼ 165 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 17:57:58 ID:1wSQJqic [17/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモンセンター

ジョーイ「お預かり(ry」

アカリ「ありがとうございます! 後部屋の予約を……」

アキラ「2部屋お願いします」

ジョーイ「わかりました。えっと……では、部屋のカギになります」

「「ありがとうございます」」
 ▼ 166 1◆J44kAZeDOM 15/08/20 17:58:27 ID:1wSQJqic [18/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本当にここまでです
 ▼ 167 ンブレオン◆Y3W/A8GX8A 15/08/21 09:12:41 ID:yfE53wKE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>149
ヒョウタがただいまって言ってる
 ▼ 168 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 18:26:29 ID:yUjrIDgo [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>167
回復させて帰って来たからただいまであってます

今日の夜、更新します
 ▼ 169 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 19:54:41 ID:yUjrIDgo [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
昨日と全く同じ間取り。

だから何にも迷わず布団にダイブした。

アカリ「く〜疲れた。でもまだまだ旅は始まったばっかり、か」

そこで2匹をボールから出した。

アカリ「ポッチャマ、ごめんね、あたしがもっと上手かったら、瀕死にさせずにすんだのに……」

ポッチャマ「ぽちゃま」

気にする事ないよ、とでも言いたげに首を横に振ってくれた。

アカリ「ポッチャマありがと。コリンク、あそこでスパーク覚えるなんて、びっくりしたよ」

コリンクは無表情だった。

アカリ「頑張ってくれて、ありがとうね」
 ▼ 170 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 19:57:27 ID:yUjrIDgo [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
よし、レベルでも確認するか。

ポッチャマはLV14。覚えた技に変化なしか。

コリンクはLV13になったのか。睨み付けるを忘れてスパーク習得ね。

アカリ「うーん。風呂入るか」
 ▼ 171 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 19:59:04 ID:yUjrIDgo [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 172 ンブレオン◆Y3W/A8GX8A 15/08/21 20:56:05 ID:yfE53wKE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

あげ
 ▼ 173 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 22:17:17 ID:yUjrIDgo [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

ポッチャマ「コリンク、すごいね」

コリンク「まあ……な……」

相手に色目使うとか、生まれて初めてだ。たぶん、だけど。

ってか、俺からしたらそういうの、苦痛でしかない。

ふざけんな。

ポッチャマ「どうかした?」

コリンク「なんでも」

不機嫌に言い返す。
 ▼ 174 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 22:20:03 ID:yUjrIDgo [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリがありがとうとか言って来たけど、無視した。

マシンで体は回復しても、精神面までは回復してもらえない。

今日の俺は、気疲れなんだよ!

風呂もろくにくつろげないし!

はあ……どうしてこうなったんだろ……

アカリ「うーん。風呂入るか」

あーあもういいよ。どうにでもなれ!


いわゆる自暴自棄、と言う奴である。
 ▼ 175 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 22:22:29 ID:yUjrIDgo [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もちろん、だからと言ってアカリを正視したりはしない。

俺はそんな変態じゃない。

アカリがどう思おうが知ったこっちゃない。

むしろ、アカリも嫌だろ。実は人間だったポケモンに裸見られてたなんて。

ああもう……
 ▼ 176 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 22:25:27 ID:yUjrIDgo [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふう、さっぱりしたあ」

ここでアカリは備え付けの時計をじっと見た。

アカリ「ごはんまではまだ時間あるみたいね」

だろうな。いくらジム戦×2の時間を消費したとは言え、太陽の位置からして、まだ夕方だ。

アカリ「よし。ルートの確認でもしよう」
 ▼ 177 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 22:31:43 ID:yUjrIDgo [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
各部屋に備え付けられているであろう旅人のお供「タウンマップ」を手に、アカリは俺たちに歩み寄る。

アカリ「まずはここを見て。ここがクロガネシティ。今いる所よ」

コリンク「わかってる」

ポッチャマ「うん。で?」

アカリ「次の目的地はここ。ヨスガシティよ」

へえ、クロガネからいきなりヨスガ。

まあ自転車さえあれば行けるんだけどさ。

自転車と言えば、コウキ……ゲーム本編の主人公から貰ったらしいけど、どう言う関係なんだろ?

コウキ兄ちゃん、ジュン兄ちゃんって呼んでるし、あの2人とは何かしら関係してるはずだ。

アキラの口振りからして、チャンピョンはコウキで間違いない。

でもアカリたちはマサゴ出身……ヒカリの関係者?
 ▼ 178 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 22:35:52 ID:yUjrIDgo [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ヨスガからは……今ロストタワーが工事中で、行けないんだよなあ」

アカリ「ったく、誰よ爆発なんてさせたの。まあ犯人わかってるしもう……」

は?

いや待ていくら俺が気になったらそのまま突き進むタイプだからってさすがにこれは放置できないぞ?

ヒカリについては後回しでいい。それよりも、ロストタワー爆破?

さすがにやばいだろそれ……

ポッチャマ「あ、コリンク知らないんだっけ」

コリンク「うん」

ポッチャマ「http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=139442を読めばだいたいの詳細はわかるよ。メインテーマは別の所にあるけど」

コリンク「」

さりげなく宣伝をぶち込んでいくスタイルですね、わかります。
 ▼ 179 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 22:39:55 ID:yUjrIDgo [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ってな訳で、ヨスガから先、ノモセ方面にしか向かえないんだよなあ。ああもう、罰当たりめ!」

キレるのもわかる。

でも、確かにだいたいはわかったけど、掘り下げてないっつーか……

まあいいか。取りあえずロストタワー方面……209番道路からズイタウンにかけて通り抜けできないんだな。

だとすると確かにそうするしかない。

アカリ「で、シンオウ最強のリーダーに挑むのは無理があるからナギサシティはスルーでトバリシティに」

アカリ「ギンガ団の本拠地もそこにあるんだよなあ。まあ今残ってるのは改心したみたいだけど……」
 ▼ 180 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 22:44:25 ID:yUjrIDgo [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「っと。結構時間たったな。ごはん食べよ!」

そう聞いた瞬間、盛大な音を立てて腹が鳴った。

アカリ「あはは! コリンク、お腹空いてるんだ! 今日頑張ったもんなあ」

とりあえず、穴があったら入りたいって言うのはまさしくこういう時のための言葉なんだってわかった。


コリンク「ところでさ」

ポッチャマ「食べながら喋らないでよ汚いなあ」

ヒコザル「で、なんだ?」

ドーミラー「ア、ミナサンドウモ。ドーミラーデス」

ドーミラーの発声器官も謎だが……

コリンク「アカリたちとヒカリってどういう関係なんだ?」

ヒコザル「ああ! 知らないんだ!」

無駄に熱くならなければこいつも普通なんだな。
 ▼ 181 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 22:47:35 ID:yUjrIDgo [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッチャマ「簡単よ。アカリは、ヒカリの妹」

コリンク「え?」

はい? いや……確かに妹はいたけれど……

ヒコザル「ってかなんでヒカリの事知ってんの?」

あ、やべ。無暗に広げない方がいいよな、この事。

ポッチャマと視線を交錯させる。

ポッチャマ「あ、いやこっちで話が出てね」

ドーミラー「ナルホド。ベツコウドウシテタトキデスネ」

コリンク「ああ」
 ▼ 182 1◆J44kAZeDOM 15/08/21 22:48:17 ID:yUjrIDgo [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 183 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 11:34:17 ID:OILn1.Lc [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリが、ヒカリの妹……

確か、大量発生について教えてくれたキャラだっけ。

あの当時5歳ぐらいだとすると、旅に出るのは10歳なはずだからあの5年後って事か。

コリンク「とにかくありがとうな。ごちそっさん」

ふう。悔しいけど、やっぱり旨いんだよなあ。ポケモンフーズ。

はあ……
 ▼ 184 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 11:39:07 ID:OILn1.Lc [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「アキラ、なんだかんだでやっぱ強いね」

アキラ「なんだかんだってどういう事だよ……」

アカリ「細かい事はいいの! これでも誉めてるんだよ?」

アキラ「負けた身からすると皮肉にしか聞こえないんですけど……」

アカリ「あんたに勝ったあたしはそれ以上って事かな」

アキラ「はあ……ところでお前、明日からはヨスガの方だって?」

アカリ「そう。でもアキラ、自転車壊れたし206番道路通れないじゃない」

アカリ「コウキ兄ちゃんたちと同じルートはたどれないけど、どうするの?」

アキラ「うーん……ハクタイからテンガントンネル抜けて、キッサキ経由でハクタイからトバリ周りかな……」

アカリ「じゃああたしと逆回りね、ほぼ完全に」
 ▼ 185 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 11:42:29 ID:OILn1.Lc [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ごちそうさま。どっちにしても明日からしばらくお別れだな」

アカリ「なんか……寂しくなるなあ」

アキラ「ま、寂しがっても始まらないし。ごちそうさま」

アカリ「あ、速い! まだ半分しか……」

でもコリンクももう食べ終わってるのか……

ふっと視線を落として気付いたんだけど。

アカリ「コリンク、ちょっと待っててね」

コリンク「リン」

軽く頷いた。お風呂以外ではそんなに不愛想にならないのよね……
 ▼ 186 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 11:44:34 ID:OILn1.Lc [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ヒコザル、ドーミラー。食い終わったな? じゃ、行こうぜ」

皿が空っぽになった事を確認してアキラが声をかけた。

でもさすがにあたしも食べ終わったし。ポッチャマも食べ終わってる。

アカリ「あたしたちも行こっか」

そう言って2匹をボールの中に入れた。

アカリ「また明日」

アキラ「おう」
 ▼ 187 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 11:46:38 ID:OILn1.Lc [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます

今日はいろんな時間に更新するのでいちいち落ちる宣言はしません
 ▼ 188 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 15:08:30 ID:OILn1.Lc [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

部屋にて。

アカリ「ふう……」

アカリは手にしたコールバッジを眺めながら、くつろいでいる。

アカリ「これからいろんな事があるんだよなあ。よし。とりあえず楽しもう! ね、2人とも」

バッジを見つめる瞳は、これからの冒険に想いを馳せるように輝いていた。

ポッチャマ「ま、アカリの言う通り……って言いたいんだけど、コリンクの場合そうもいかないよね」

コリンク「ああ。この旅の中でせめて記憶だけでも取り戻したい」

ポッチャマ「応援してる。でも今日は疲れたでしょ。もう寝よ」

コリンク「だな」

アカリ「お休み」

俺たちの話が聞こえるはずもないのに、完璧なタイミングでアカリがそう言った。
 ▼ 190 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 15:30:02 ID:OILn1.Lc [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「うわあああ!」

ポッチャマ「ふああ、どうしたの、また夢?」

コリンク「ああ……」

あれはいじめだろう。どう見ても。

あの友人の名前は刈谷ってのか。

でも、それがどうやって関係するんだろう。


ポッチャマ「なるほど……いじめか。言っちゃ悪いけどあるあるね」

コリンク「……なあ、真剣に悩んでるし、そう言う言い方はどうかと思うんだけど」

ポッチャマ「冷静になるの。それが一番よ。そのためには客観視が重要なの」
 ▼ 191 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 15:33:11 ID:OILn1.Lc [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッチャマ「コリンクから見れば、これは異世界転生って言うジャンルに区分される物語の中にいる、みたいな物よね」

コリンク「ん、まあ……」

ポッチャマ「イメージだけど、だいたいそう言うのって最初に主人公が元の世界で死んでるじゃない?」

コリンク「読んだ事ないからわかんないんだけど……」

ポッチャマ「それはともかくそう仮定するといじめを苦にして自殺、って言うのがその導入部分にあたるんじゃないかしら」

悔しいけど、筋は通っている。

ただ、もう少し言葉に気を付けられはしないのか……
 ▼ 192 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 15:35:29 ID:OILn1.Lc [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「いや……」

でもそうだとすると1つおかしな事がある。

コリンク「いじめられてたのは、俺じゃなくて……」

ポッチャマ「わからない? コリンクとその……カリヤ? 仲はいいんでしょ?」

ポッチャマ「ここまで言えばもうわかるわよね?」

確かに。そう言われればわかる。

コリンク「かばったせいで……か」

ポッチャマは静かに微笑んだ。

ポッチャマ「その通り」
 ▼ 193 ソハチ@メタグロスナイト 15/08/22 17:21:34 ID:OILn1.Lc [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「なんか朝から湿っぽくなっちゃったな。うん。ごめんな」

ポッチャマ「私も協力は惜しまないつもりだから」

コリンク「ありがと」

ポッチャマ「カーテン開けて来る」
 ▼ 194 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 17:25:44 ID:OILn1.Lc [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「うーん、眩し……ふあっ、おはよ、ポッチャマにコリンク」

頷き返す。早起きは良い事だ。


アカリ「荷物もまとめたし……忘れ物ないかな……ないな。OK。じゃ、朝ごはん食べて、行きますか!」


アキラ「早起きだな。いつまで続くかな?」

アカリ「この旅の間中続けてみせます!」

若干怒ったような物言い。でもその実、俺たち、と言うよりポッチャマがカーテンを開けてるだけで……

まあ、いいか。

ポッチャマ「アカリ、強がるところもやっぱらしいよね」

コリンク「何が?」

ポッチャマ「なんでも。ごはんまだかな」
 ▼ 195 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 20:03:15 ID:OILn1.Lc [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
話す事がないからか、皆黙々と食事をしている。

その分、食べ終わるのが速くなるのは当然の事だろう。

「「「ごちそうさま」」」


アカリ「じゃあ、もう行くか」

そう一言呟いて、アカリは席を立つ。

アカリ「2人とも、戻って」

ボールから放たれる赤い光に触れて、ボールの中に入り込む。

どういう原理なんだろうな、これ。
 ▼ 196 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 20:07:18 ID:OILn1.Lc [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

んんー。

太陽の日差しに大きく伸びをする。

アカリ「はあっ。もうこことはお別れかあ」

アキラ「2日しかいないのになんだその感慨深げな顔」

アカリ「だってさ……アキラとのお別れでもあるんだよ。あたしたち、ずっと一緒だったじゃん」

アキラ「まあ……な」

そう。小さな頃から、ずっと。

お姉ちゃんたちがギンガ団に立ち向かっているような時も。

コウキ兄ちゃんがPWTと言う物に出場しに行ったのをみんなで応援しに行った時も。

あたしは、アキラと一緒だった。


……そのせいで、恋愛感情は持てないんだけどね。
 ▼ 197 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 20:09:58 ID:OILn1.Lc [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「そう湿っぽい顔すんなって。永遠の別れじゃないんだから」

アカリ「わかってるよ。でもむぐっ」

アキラが、いきなりあたしの顔を触った。

たぶん、無理矢理口角をあげようとしたんだろうけど……

アカリ「はあっ! 何すんのよ!」

アキラ「ははっ、そうやって怒ってる方が、お前らしいや」

!!

……なるほどね。これは一本取られた。
 ▼ 198 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 20:12:03 ID:OILn1.Lc [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あたし、もう行くね」

アキラ「次会った時は絶対お前に勝つからな!」

アカリ「あたしだって! じゃあ、またね!」

そう言って歩き始めた。

それぞれ別の道を。

振り返る事もなく。

降り注ぐ朝の陽ざしが、私たちの行く末を明るく照らし出していた。
 ▼ 199 1◆J44kAZeDOM 15/08/22 20:14:46 ID:OILn1.Lc [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もう少し細かい所を詰めたいので、今日はここまでにします
 ▼ 200 ーナンス@つららのプレート 15/08/22 22:04:17 ID:bP315a5A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 201 1◆J44kAZeDOM 15/08/23 20:24:10 ID:KR2q/ICo [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
3章

視点 コリンク

207番道路

サイクリング「4速に変えれば流れる砂n「邪魔だおらあああ!」

サイクリング「」

ポッチャマ「」

コリンク「」

ああもう、なんとかならないのかこの暴走族気質。

手持ちポケモンとして、恥ずかしい事この上ないんですけど。

口が聞けたらなんとか言ってやれるのになあ……
 ▼ 202 1◆J44kAZeDOM 15/08/23 20:28:23 ID:KR2q/ICo [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
看板「http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=137992

トレーナーもビビってバトルが始まらないんですけど。

レベルアップしないんですけど。

もうテンガン山着いちゃったし……

ポッチャマ「もう少しなんとかならないのかなあ……」

全く同感だ。

コリンク「もう自転車必須な所は過ぎたし、壊そうぜ」

もちろん冗談。だけどその内、冗談じゃなくなりそうな気がする。

それほどまでにアカリの自転車捌きは異常だ。

アカリ「テンガン山か……よし、下りよう」

無い肩をなでおろした。
 ▼ 203 1◆J44kAZeDOM 15/08/23 20:31:25 ID:KR2q/ICo [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ふー。やっぱ自転車って気分爽快だなあ。

それはともかく、ここがテンガン山か……

お姉ちゃんたちにとってはギンガ団との対決の場所なんだよね。

世界を、完璧に戻そうとリセットするなんて過激な事言うよなあ。

完璧なんて、面白くないのに。あたしだって、みんなだって。

どこか抜けてるからこそ面白いのに……


あれ? 誰か……あの服……ギンガ団?
 ▼ 204 1◆J44kAZeDOM 15/08/23 20:34:16 ID:KR2q/ICo [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
え、ウソ。解散したはずじゃ……

あ、いや。

何も悪い事してるって決まった訳じゃないし……

今残ってるギンガ団は改心したはず……

幹部とか、誰も逮捕はされてないらしいけど……でもサターンって幹部がギンガ団を表向きの発言通りにしていくって宣言したらしいし……


なんでだろ。怖くないはずなのに、膝が震える。

悪い奴なはず無いのに、怖い。
 ▼ 205 1◆J44kAZeDOM 15/08/23 20:37:50 ID:KR2q/ICo [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でも……悪い事してないならそれでいいし、

それに……

悪い事してるならやめさせないと!

2つのボールから勇気をもらって、あたしは声を発した。

いざと言う時でも、あたしには2匹がついてる! あたしだってトレーナーだもん!

アカリ「あの……ギンガ団……ですよね?」

したっぱ「あ……そうだが」

アカリ「こんなところで何してるんですか!」

のどの奥から声を絞り出していく。

どっちかのボールをぎゅっと握りしめていた。

そうしないと、恐怖に負けてしまいそうだったから。
 ▼ 206 1◆J44kAZeDOM 15/08/23 20:43:19 ID:KR2q/ICo [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
したっぱ「いや……ある幹部からここを調査するように言われて……」

アカリ「それは、良い事なんですか!」

したっぱ「さあ……俺にはわからないけど……」

アカリ「あなたの目的は!」

したっぱ「さあ……また神話について調べろとしか聞いていないから……」

神話? 宇宙エネルギーに、何か関係あるの?

新生ギンガ団は、宇宙エネルギーをみんなのために使おう、なんでしょ?

したっぱ「とんだ邪魔が入ったなあ……バトルしないとダメか?」

え? いや、ムダな争いをしたくないのはあたしもなんだけど……

言おうとするのに、声がでない。

なんだか、のまれてる。あたし、精神力で負けてる?
 ▼ 207 1◆J44kAZeDOM 15/08/23 20:45:59 ID:KR2q/ICo [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
したっぱ「仕方ない。行けっ! ズバット!」

どうしよう。やるしかないの?

あたし……あたし。

ううん。これはただのバトルよ。目と目があったらポケモン勝負。

トレーナーの基本よ。

そう。だから、何も怖がらなくていい。

アカリ「コリンクお願い!」

そう。これでいいんだ。

コリンク「リンク?!」
 ▼ 208 1◆J44kAZeDOM 15/08/23 20:52:06 ID:KR2q/ICo [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

ボールの中でボーっとしてたら、いきなりバトルだって呼び出されてまずびっくり。

アカリの自転車は精神的に疲れるから、ボーっとするのも仕方ないと思うんだ。

それはともかく、いきなり目の前に現れたトレーナーがギンガ団ってので二重にびっくり。

思わず「はっ?!」と声をあげてしまった。

でも、目の前にいるのはズバット。これは勝ちゲーだ。

アカリ「コリンク、スパーク!」

そう。それで正解。

したっぱ「ズバットかみつくだ!」

速い。これは避けられない。

でも、避けなくていい。

体はどうやるのかはともかく電気を作り出す。

それを体にまとう。

迫る顔に若干恐怖を覚えつつ、そのまま体当たりを食らわせた。

これがスパークなんだなあ、なんてぼんやり考えながら、ズバットが地に落ちるのを見ていた。
 ▼ 209 1◆J44kAZeDOM 15/08/23 20:54:40 ID:KR2q/ICo [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
したっぱ「負けだ……怒られるかなあ……」

アカリ「対戦、ありがとうございました。お金ください!」

それ、にっこり笑顔で言うセリフじゃないと思うんだが、俺だけか?

ってかギンガ団相手にどういう境地に達したんだこいつ。

したっぱ「仕方ない。はい」

アカリ「ありがとうございます! 悪い事はしないでくださいね」

したっぱ「さあ、どうなる事やら……しがないしたっぱの俺にはどうもできないからなあ……」

そう言って彼は背を向けた。
 ▼ 210 1◆J44kAZeDOM 15/08/23 20:55:06 ID:KR2q/ICo [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 211 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 19:38:32 ID:kHQDKDQ6 [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
って言うか、ヒカリの妹が旅に出るような歳になってるのに、まだギンガ団が?

確かに解散はしてなかった。

サターンがまたギンガ団をいい方向に再建するとか言ってたような気がするんだけど……

アカリ「お疲れ様、コリンク」

コリンク「ん」

ボールに吸い込まれる。

これ、当たり前だけど特に何も感じないんだよな。

気が付いたらボールの中にいる、そんな感じだ。
 ▼ 212 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 19:44:03 ID:kHQDKDQ6 [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それにしても。

テンガン山と言えばやりのはしら、つまりディアルガとパルキアのいる場所がある山。

そんなところにギンガ団がいるってのは、はっきり言って、なんか怪しい。

でも……なんでだろ?

コリンク「なあポッチャマ。ギンガ団って、コウキたちが壊滅に追い込んだ後どうなったんだ?」

ポッチャマ「さあ……私も詳しくは知らないわ。ボスは消息不明で、幹部の内2人はやめたらしいけど」

コリンク「逮捕者は?」

ポッチャマ「さあ……でもテレビで何も言ってなかったし、いないんじゃない?」
 ▼ 213 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 19:48:03 ID:kHQDKDQ6 [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「はあ?」

いや、おかしい。

プルートは?

あいつはハンサムに逮捕されたはずだぞ?

ポッチャマ「どうかしたの?」

いや、まだそうと決まった訳じゃない。プラチナじゃなく、ダイヤモンドパール準拠なのかも……

コリンク「バトルフロンティアってファイトエリアにある?」

ポッチャマ「出来たって聞いた事あるわ。ヒカリたちが旅してる頃ね」

コリンク「」

プラチナか。

じゃあ……若干ずれがある?

パラレルワールド……って事か?
 ▼ 214 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 19:50:10 ID:kHQDKDQ6 [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「わかった。ありがとう」

じゃあ今、プルートは何を考えているのか……

嫌な予感がする。

訳も無く身震いした。
 ▼ 215 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 19:55:11 ID:kHQDKDQ6 [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

看板「ここは208番道路。http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=137992

看板「→ヨスガシティ」

アカリ「なるほどね」

旅に出た時から、ずっと楽しみにしてたんだ……

コンテストの町、ヨスガシティ!

コウキ兄ちゃんのママ、アヤコさんだっけ? がコンテストで有名なんだよね。

あたしが敵うなんてこれっぽっちも思ってないけど、女の子としてはちょっとやってみたいじゃん?

アカリ「よし。かっとばすか!」


その頃、彼女のポケットでは哀れな2匹が震えていると言う事に、彼女は一切気付いていない。
 ▼ 216 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 20:00:14 ID:kHQDKDQ6 [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヨスガシティ

アカリ「ふう。気持ちよかったあ「誰か止めてええええ!」

アカリ「え? きゃ!」

ゲートから抜けたとたんにミミロルと激突なんて、あたし、運なさすぎ……

せっかく気持ちよかったのにい……

???「あ、そこのあなた! ミミロルを止めてくれてありがとうございます!」

アカリ「あ……はい」

ミミィ「あたしはミミィ。お礼がしたいから後でコンテスト会場まで来て!」

そう早口で話すと、ミミロルを抱え、走り去って行った。

思わず呟きが漏れる。

アカリ「なんだったんだろ、今の……」
 ▼ 217 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 20:04:32 ID:kHQDKDQ6 [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ま、いっか。コンテスト会場にはどうせ行くし。今は観光観光♪」

あれは服屋かな。キッサキ用の冬服、買っといて損はないし、見てみよっと。

うーん。お金の都合があれだな……1つしか買えん。

アカリ「どれがいいかなあ……」

こういう時、だいたいお姉ちゃんが手伝ってくれたんだよなあ。

あ、これなんかいいかも!

アカリ「これ、試着していいですか?」

店員「こちらになります」
 ▼ 218 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 20:09:06 ID:kHQDKDQ6 [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

なあ頼むから試着の時俺に見えないようにしてくれよ頼むから一生のお願いお願いします……

ポッチャマ「ぶつぶつうるさい」

コリンク「なんで女子の着替え見なくちゃならねえんだよ!」

ポッチャマ「ああ。だからコリンクとニンゲンじゃタマゴグループが違うのよ?」

コリンク「そう言う問題じゃなくてああもう……」

ポッチャマ「そう言う問題でしょ? もうあなたニンゲンじゃないんだから」

コリンク「気分の問題だよ!」

ポッチャマ「子孫を残せるかでしょうに……」

コリンク「しっ……」

絶句する。ありえないからありえないありえない……
 ▼ 219 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 20:11:40 ID:kHQDKDQ6 [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こんな茶番が繰り広げられているのを知ってか知らずか、アカリは着替えを始める。

と言っても、羽織るだけだ。

冬服……と言うより上着だったのだ。

コリンク「ああ……よかった……」

アカリ「うん。これいい! 買おう!」

ポッチャマ「よかったじゃん、コリンク」

コリンク「ホントだよ……」

心の底から安堵のため息をこぼした。
 ▼ 220 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 20:12:08 ID:kHQDKDQ6 [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 221 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 21:51:48 ID:kHQDKDQ6 [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

冬服買ったけど……今着ると暑いな……

よし。この4次元ポケット的バッグに収納だ!

にしてもこのバッグ便利だなあ。

どんだけ詰めても重くならない。

どうやってるんだろ……?

アカリ「ま、いっか! 次は触れ合い広場ね」
 ▼ 222 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 21:55:01 ID:kHQDKDQ6 [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
触れ合い広場

アカリ「え?! コリンクはダメなんですか?!」

係員「申し訳ありませんが……」

アカリ「じゃあポッチャマは……?」

係員「ポッチャマなら大丈夫です」

アカリ「わかりました。残念……コリンクごめんね」


ちなみにボールの中でコリンクが安堵のため息を漏らしている事なんて、彼女は気付かない。
 ▼ 223 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 21:57:45 ID:kHQDKDQ6 [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふー、楽しかった! なんかポッチャマとも前より仲良くなった気がするし」

ポッチャマ「ぽちゃ」

軽く頷いてる。

かわいい……

アカリ「コリンク。ごめんね」

アカリ「さあ! 次はコンテスト!」
 ▼ 224 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 22:01:28 ID:kHQDKDQ6 [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あ、コウキ兄ちゃんのママじゃん!」

アヤコ「あら! アカリちゃんじゃないの!」

アカリ「お久しぶりです!」

アヤコ「そっか。アカリちゃんたちももうそんな歳かあ」

アカリ「あはは「あ! さっきの女の子!」

アヤコ「え?」

アカリ「ミ、ミミィさん?」
 ▼ 225 1◆J44kAZeDOM 15/08/24 22:02:07 ID:kHQDKDQ6 [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 226 リマンジャロガモス◆AAN427H5Po 15/08/24 22:14:47 ID:U/eHt0jI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おつ
コリンクはなんでダメなんだろ
 ▼ 227 ヌギダマ@ウッディメール 15/08/24 22:17:17 ID:kHQDKDQ6 [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>226
プラチナでダメだからです

アチャモがOKらしいのに、謎ですよね

ちなシンオウ御三家系列、コダック、ミミロル、フワンテ、ピカチュウ、ピッピ、パチリス
ピンプク、プリン、アチャモ、エネコ、キノココ

がOkと、攻略本にあります
 ▼ 228 ュウコン@ひみつのコハク 15/08/24 22:19:42 ID:CSthHOgk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 229 ンブレオン◆Y3W/A8GX8A 15/08/25 08:02:11 ID:6hfMV30U NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 230 1◆J44kAZeDOM 15/08/25 22:35:19 ID:WXyZtmgU [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミィ「さっきはミミロル止めてくれてありがとうございます!」

アヤコ「ミミロル……まさか、またですか?」

ミミィ「はい、ははは……」

てへぺろ、とでも言わんばかりに舌を出す。

アカリ「また?」

アヤコ「ミミィさんのミミロル、逃げるのが速いせいか、よくいなくなっちゃって……」

アヤコ「そうそう! コウキもヨスガに来た瞬間にミミロルとぶつかって……」

ミミィ「あれ? アヤコさん、知り合いですか?」

アヤコ「ええ。息子の友達の妹なんです」
 ▼ 231 1◆J44kAZeDOM 15/08/25 22:41:50 ID:WXyZtmgU [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミィ「コウキ君の友達の妹かあ」

うーん。他人から言われるとそんな近しい関係じゃないような気がするなあ……

アカリ「ところで、ミミィさんはなんでコウキ兄ちゃ……じゃなくて、アヤコさんを知ってるんですか?」

コウキ兄ちゃんのママ、なんて言い方は、他人にはしちゃダメなんだよね……

危ない危ない。お姉ちゃんに怒られちゃうよ……

アヤコ「ミミィさん、コンテストの審査員なのよ」

アカリ「えっ」

ウソ。こんななんか天然入ってそうな人が?!

ミミィ「そうよ。あたし、コンテストの審査員なの」

まあコウキ兄ちゃんのママ、コンテスト業界では名が知れた人らしいし、審査員なら納得だけど……

そもそもその審査員って所に納得がいかないんだよなあ……
 ▼ 232 1◆J44kAZeDOM 15/08/25 22:42:31 ID:WXyZtmgU [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ごめんなさい

いろいろ疲れたから短いけどここまでです

明日は確実に更新できません
 ▼ 233 1◆J44kAZeDOM 15/08/27 21:49:40 ID:KRs13OMk [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミィ「信じてないでしょ」

アカリ「あ……えっと……」

図星を指されて、目を逸らした。

だって、決まり悪いじゃん。

アヤコ「そりゃ、いきなりミミロル捕まえて〜、なんて出会いしたら誰でもびっくりしますよ」

ミミィ「まあそうですけど〜」

ミミィ「あ! そういやまだお礼してなかった! アカリちゃん、コンテスト出るの?」
 ▼ 234 1◆J44kAZeDOM 15/08/27 21:51:47 ID:KRs13OMk [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「えっと……」

正直、出ようとは思ってなかった。

見学だけして、それでコンテストは終わりにしようと思ってたんだよなあ。

でも……

辺りを見回した。

ドレスアップしたトレーナーやポケモン。

きらびやかなその空気。

アカリ「あたし、やってみたいです」
 ▼ 235 1◆J44kAZeDOM 15/08/27 21:56:33 ID:KRs13OMk [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミィ「OK! じゃあこの、キラキラパウダーをあげるよ!」

アカリ「ありがとうございます!」

アカリ「さあて、どこにしまおう……」

アヤコ「あら、アカリちゃん。アクセサリー入れは持ってないの?」

アカリ「はい……ないですけど」

アヤコ「じゃあこれあげるわ」

アカリ「いいんですか?!」

アヤコ「ええ。服装に関しては、アカリちゃん、センスあるからそのままでもいいかな?」

なんだか少しあたしをじっと見つめて考え込んじゃったコウキ兄ちゃんのママ。

あげた顔はすっきりした表情で、穏やかな笑みをたたえていた。

アヤコ「うん。そのファッションなら遜色はなさそうね」
 ▼ 236 1◆J44kAZeDOM 15/08/27 22:03:43 ID:KRs13OMk [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

アヤコ「で、気になるのはアカリちゃんのポケモンだけど……」

コンテストに出場?! ないない。俺そんな事絶対しない。

だって嫌なんだよ! すんごく恥ずかしいんだよ!

バトルでつぶらな瞳使うのにも恥ずかしいのにコンテストとか……

考えただけで体中の毛が逆立つ。

アカリ「ポッチャマとコリンクです」

アヤコ「じゃあちょっとボールから出してみて」

ミミィ「あ! 私はそろそろ審査があるので、この辺で!」

めんどくさい奴が1人減ったのは喜ばしい事だ。

もちろん俺は、聞こえないからと言ってそれを声に出すクズじゃないけれど。
 ▼ 237 1◆J44kAZeDOM 15/08/27 22:09:26 ID:KRs13OMk [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「おいで、ポッチャマにコリンク!」

ポッチャマ「はーい」

コリンク「……」

アヤコ「あら? このコリンク……懐いてないの?」

アカリ「みたいなんですよねえ……まだまだ未熟って事かなあ……」

黙ってただけでここまで自信喪失すんの?

これは懐きうんぬんと言うよりか、単なる自己主張なんだが……

まあ、いいか。
 ▼ 238 1◆J44kAZeDOM 15/08/27 22:17:43 ID:KRs13OMk [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アヤコ「覚えてる技は……と言うより、まずはポケモンそのものの見た目を引き出してあげないと……」

アヤコ「ポフィンはわかるわよね?」

アカリ「はい……ああああ!」

1人の少女の悲鳴が響き渡る。

うるさっ!

なんか周りからじろじろ見られてるし……近所迷惑だよ!

アカリ「あ、どーもすいません……たはは」

人間と言う物は、困った時に苦笑する動物なんだなあと、改めて思う。

アヤコ「近所迷惑よ」

アカリ「ごめんなさあい」

アヤコ「で? どうしたの?」

アカリ「あたし、木の実ちっとも集めてないんです」
 ▼ 239 1◆J44kAZeDOM 15/08/27 22:24:15 ID:KRs13OMk [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アヤコ「あ」

アカリ「ポフィンの材料は木の実。つまり木の実が無かったら……」

アヤコ「ポフィンも作れない……か」

アカリ「ああ……やってみたかったんだけどなあ……」

ポッチャマ「コンテストかあ……どう? コリンクやりたい?」

いきなり話しかけられ、「うわっ!」と悲鳴をあげる。

コリンク「いきなり話しかけて来んなよ! で、質問の答えは、もちろんNOだ」

ポッチャマ「やっぱりか……」

コリンク「ポッチャマは?」

ポッチャマ「私は……興味はないかな」
 ▼ 240 1◆J44kAZeDOM 15/08/27 22:24:48 ID:KRs13OMk [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 241 タグロス@くろおび 15/08/28 18:43:00 ID:P2T1l96E NGネーム登録 NGID登録 報告
支援です‼
 ▼ 242 1◆J44kAZeDOM 15/08/28 20:25:23 ID:rT1idZ1E [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「うう……仕方ないか……」

アヤコ「1個もらえる所に心当たりはあるけど……1個じゃ無理があるか……」

よかった。これで50%の外れを引く心配は無くなった。

俺とポッチャマの50%だ。

アカリ「仕方ない。見学だけで我慢します」

しかしコウキの母親は、心の底からほっとしていた俺に特大の爆弾を投下する。

アヤコ「そうだ! 練習ならできるんじゃないかしら!」
 ▼ 243 1◆J44kAZeDOM 15/08/28 20:31:39 ID:rT1idZ1E [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「いやだいやだいやだいやだ」

アカリ「どうしたの? コリンク?」

言葉が通じないってのに質問すんな!

ああやだよあんなアクセサリー付けたくないよ……

ポッチャマ「大丈夫?」

大丈夫じゃなさそうです……

アヤコ「うーん。このコリンク、コンテストが嫌みたいね」

わかってくれた! よかったあ……

アカリ「やっぱりかあ。コリンク、こういうの嫌いそうだもんなあ」

アヤコ「まあいいわ。練習はあそこ。ところでアカリちゃん」

アカリ「なんですか?」

アヤコ「私、今からコンテストに出場しようと思ってるの。よければ見て行って」

アカリ「はい!」

アヤコ「ジムリーダーも出るかもよ?」

アカリ「え? 誰ですか?」

アヤコ「内緒」
 ▼ 244 1◆J44kAZeDOM 15/08/28 20:43:59 ID:rT1idZ1E [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コンテスト会場

司会「さあ! やってきました! シンオウコンテストマスターランク、可愛さ部門!」

司会「今回の参加者は……」

司会「エントリーナンバー1番! ミニスカートのミカ! 使用ポケモンはエイパムです!」

歓声があがる。

正直、少しうるさい。

司会「エントリーナンバー2番! バトルガールのミサキ! 使用ポケモンはアサナンです!」

歓声は先程と負けず劣らずだ。

司会「そしてエントリーナンバー3番! 魅惑のソウルフルダンサー、メリッサ! 使用ポケモンはムウマージです!」

うわっ、うるさっ!

先程までとは比べ物にならないぐらいの歓声。

これだけでメリッサの人気の程がうかがえるという物だ。

司会「最後はエントリーナンバー4番! コンテストスター、アヤコ! 使用ポケモンはニャルマーです!」

わあああああうるさあああああい!

ってかいつの間にコンテストスターなんか……そこまで行ってなかっただろ!

5年の歳月って長いなあ……
 ▼ 245 1◆J44kAZeDOM 15/08/28 20:51:40 ID:rT1idZ1E [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「では、出場者の紹介も終わった所で、1次審査、ビジュアル審査を始めます!」

司会「観客の皆さん、しばらくお待ちください」

なるほどね、着替えタイムか。でも初めから何も着てないのに着替えとはこれいかに。

いや、俺が勝手に言ってるだけか。

じゃあなんて言おう……とかいうしょーもない事を延々と考えていたら着替え(?)タイム終了。

改めて俺って、考え事すると没頭しちゃうよなあ……

司会「それでは出場者の皆さん、舞台へどうぞ!」
 ▼ 246 1◆J44kAZeDOM 15/08/28 20:59:17 ID:rT1idZ1E [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲームの方ではどうだったかいまいち覚えてないけど、今回は全員同時におでましした。

これだけで、壮絶な歓声があがる。

前足で耳を抑えた。

司会「では審査を始めます」

観客「やっぱアヤコさんのファッションセンスは抜群だよな!」

観客「いやいや俺はメリッサさんの方が好きだわ」

観客もこの着替えもどきについて雑談している。

それが普通だろうし、それは別にいい。でもなんか、世に言うオタク? ってのが

オタク「ミニスカートとバトルガールの足……」

とか言ってるのはちょっと、いやだいぶキモイ。

俺は見て見ぬ振りをした。
 ▼ 247 1◆J44kAZeDOM 15/08/28 20:59:59 ID:rT1idZ1E [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます

コンテスト、あんま覚えてないから辛い……
 ▼ 248 1◆J44kAZeDOM 15/08/28 22:23:22 ID:rT1idZ1E [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「では審査も終わりましたので、2次審査、ダンス審査に移って行きます!」

ワーワー!

喧噪にもだいぶ耐性が付いて来たな……早い話、慣れって怖い。

ポッチャマの声すらろくに聞こえない歓声なのに。
 ▼ 249 1◆J44kAZeDOM 15/08/28 22:33:48 ID:rT1idZ1E [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「ミュージック、スタート!」

観客も心得た物で、その時を境に一気に静まった。

その中で少しのんきとも言える、穏やかなBGMが鳴り始める。
 ▼ 250 1◆J44kAZeDOM 15/08/28 22:34:16 ID:rT1idZ1E [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「すごいな……」

コウキの母親、そしてメリッサはもちろんだが、マスターランクに出場するだけあって他2人も相当な実力を兼ね備えているようだ。

ミカ「エイパム、飛び跳ねてそのままスピードスター!」

エイパム「えぱ」

特にそんな指示がある訳ではないから、これは練習の賜物だろう。

回転しながら飛び出す数多の星は会場にはじけた。

でもこれマネできなくない?

ゲームだと確か右左前ジャンプのみだったような……

コリンク「ポッチャマ、技って出していいの?」

ポッチャマ「ああ、何年か前に単調でつまらないって変更されたらしいよ」

コリンク「なるほどねえ」

プレイヤーから見てみればタッチに必死になったあのゲーム、確かに観客視点だとちょっと何度も見ようと思うと飽きるかも……

実際、最後のスピードスターはいいアクセントとして会場を興奮の渦に捉えたもんな。

バック3匹は飛び跳ねだけだったところを見るに、メインダンサーが交代直前の1回だけ技を出すってルールかな?

交代されたし。
 ▼ 251 1◆J44kAZeDOM 15/08/28 22:34:42 ID:rT1idZ1E [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 252 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 13:39:14 ID:8u6KmZmE [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次はアサナンがメインダンサーを務める。

さすが格闘タイプだけあって右に左に華麗な動きだ。

そしてフィニッシュの技は……

ミサキ「目覚めるパワー!」

アサナン「サナ!」

あれ? なんで話さないんだろ?

そう疑問に思いポッチャマ大先生に聞いてみた所。

ポッチャマ「ニンゲンだって意味のない事ぶつぶつつぶやいたりするでしょ? それと同じよ」

との事らしい。
 ▼ 253 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 13:45:32 ID:8u6KmZmE [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムウマージが先頭に躍り出る。

比喩とかそういうのじゃなく、言葉通り「踊り」出た。

どうもアレンジを加えているらしく、宙に浮いている事を活かして回りながら。

さすがにこれを真似るのは無理があるだろうに、これ、大丈夫なのか?

まあ、観客を楽しませるのが本来の目的なんだろうけど……

プレイヤーとしたら優勝目指すのが一番になっちまうんだよなあ。

メリッサ「ムウマージ、シャドーボールデス!」

漆黒の玉が会場を回りながら飛び、華麗にはじけた。
 ▼ 254 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 13:50:04 ID:8u6KmZmE [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「綺麗……」

思わずため息を漏らすほどの美しさ。

ただ、可愛とは少し違うのではないだろうか。

可愛さでの美しさって、あの……なんだ、ボルテージだ! が下がるっけ?

頭の中にあの5角形を浮かべ、微笑む。

大丈夫だ。可愛さと美しさは隣同士。悪影響はしないはずだ。
 ▼ 255 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 13:56:05 ID:8u6KmZmE [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さて、コウキの母親とニャルマーだ。

物凄い実力があるらしいけど、いまいちわからないってのが正直な所。

コーディネーターとしてのアヤコは、一体どれぐらいの実力なんだろうか。


さすがにコンテストスターとか言われるだけあるわ。

俊敏な動きの中にも1つ1つの動作に優雅さ、そして愛くるしさを感じさせる。

最後の決め技メロメロが一体どれほどのオスをメロメロ状態に叩き込んだことか。

俺じゃなかったらアウトだった気がする。

アヤコ「フィニッシュ!」

鳴りやまない拍手喝采の嵐の中、出場者4人と4匹が、深々と頭を下げていた。
 ▼ 256 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 13:57:03 ID:8u6KmZmE [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 257 ックル@リーフのいし 15/08/29 16:26:15 ID:8u6KmZmE [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
場合によりますが今日の夜は更新できない可能性があります

ご容赦ください
 ▼ 258 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 20:30:11 ID:8u6KmZmE [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふええ、凄すぎるよ……ダンス!」

これはアカリに完全同意だ。

圧巻の一言に尽きる。

人間、心から感情を揺さぶられると、何も言葉が出てこないらしい。

もっとも、人じゃないけれど……

司会「集計の間に3次審査、演技審査に行きましょう!」

どっと歓声があがった。
 ▼ 259 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 20:42:26 ID:8u6KmZmE [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「最初の順番はミサキさん、ミカさん、メリッサさん、アヤコさんの順です!」

これ、実はもうすでに現実を突き付けられてるんだよなあ……

点数が低い順なはず。

でもまあ、ボルテージのボーナスによっては充分逆転の可能性はあるし、大丈夫か。

ミサキ「アサナン、サスケさんにねこだまし!」

アサナン「とう!」

あ、言葉に意味が……ないな、うん。

一番最初の演技だからか、このねこだましは普段より高得点……らしい。

正直普通の時と何が違うのかはわからないけど。

それでもそのモーションは、可愛らしさを演出していた。

サスケのボルテージがあがった!
 ▼ 260 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 20:47:28 ID:8u6KmZmE [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミカ「エイパム、ビッグさんに悪巧み!」

エイパム「りょーかい」

しっかり意味がある。

まあある意味ダンスよりは集中は無くてもいい……な、うん。

可愛げな仕草に、しかし得点は入らない。

コリンク「え? なんで?」

ポッチャマ「技の効果でしょ。たぶん次得点が倍になるとかだっけ」

コリンク「研究所の……?」

ポッチャマ「そ、テレビよ」
 ▼ 261 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 20:58:06 ID:8u6KmZmE [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メリッサ「ミミィにおまじないデス!」

ムウマージ「はーい」

何かを願うその動作が、可愛いという感情を呼び起こす。

その動作にミミィのボルテージがあがる。

さっきはスルーしてたけど、これで全員のボルテージがあがった。

ってか、ダブったらダメな奴だったような気がするんだけど……

でもあったよな。前3人がそれぞれ別の人にして、誰選んでも被るって現象。

さあて。コウキの母親はどうするのか……
 ▼ 262 プリン@リザードナイトX 15/08/29 21:04:28 ID:8u6KmZmE [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アヤコ「ニャルマー、ビッグさんにねこのて!」

ニャルマー「わかったわ」

きっと集中はいらないんだ、うん。

ねこのては確か……順番をランダムにする、だっけ?

その動作は可愛い物のはずだが、先程のおまじないの効果か、ボルテージはあがらない。

これなら、誰にアピールしても完全に同じだったな。
 ▼ 263 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 21:07:29 ID:8u6KmZmE [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
息を飲むような激戦を繰り広げ……

5回目の最後である。

アヤコ「ニャルマー、ビッグさんにメロメロ!」

ビッグのボルテージが5つ溜まった!

司会「アヤコさんにはボーナスポイントが入ります!」

とどめの宣告だった。

司会「3次審査はこれにて終了です」
 ▼ 264 1◆J44kAZeDOM 15/08/29 21:08:16 ID:8u6KmZmE [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本SSも今日はここで終了です

ダイジェストにしちゃって申し訳ありません

さすがに冗長すぎるなあと思いまして……
 ▼ 265 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 13:19:26 ID:jMBaCNh. [1/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「それでは、結果発表に移りたいと思います!」

司会「あちらの画面をご覧下さい!」

まず1次審査の得点が加算される。

コウキの母親、メリッサ、バトルガールにミニスカートの順番か。

ここからどうなるのか。

司会「続いて2次審査!」

ゲージが左に移る。

増えた量はメリッサが最大だったが、コウキの母親が依然1位をキープしている。

まあ、当然と言えば当然か。3次審査の始めの順番からしてな。

司会「最後に3次審査の得点です!」

会場中が息を飲んだ。

画面はある者にとっては幸福な、ある者にとっては残酷な結果を映し出す。

司会「優勝はアヤコさんです!」

観客から盛大な歓声があがる。

ちなみに2位がメリッサ、次いでミニスカート、バトルガールだった。
 ▼ 266 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 13:24:59 ID:jMBaCNh. [2/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

うーん。凄いってかなんと言うか、次元が違うなあ。

あんなの絶対あたしには無理だよ。

アカリ「すごかったね、ポッチャマ、コリンク」

なーんて。何か答えが返って来る訳ないんだけどさ。

でも、なんだか声をかけたくて。

アカリ「あたしもポケモンとの信頼、深めて行きたいなあ」

自分に言い聞かせるつもりで言った。

ん? あれ、コウキ兄ちゃんのママと……メリッサさんだっけ。

あれ? メリッサ、メリッサ……

アカリ「あああ!」

メリッサって確か、ここ、ヨスガのジムリーダーじゃん!

アヤコ「あら? アカリちゃんじゃない! 大声出したら周りに迷惑だって!」

アカリ「あ、たはは……」

メリッサ「アヤコさん、知り合いデスか?」

アヤコ「ええ。私の息子の友達の妹なんです」
 ▼ 267 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 13:31:39 ID:jMBaCNh. [3/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メリッサ「コウキ君の……友達の妹」

アカリ「あらためて言葉にするとだいぶ関係薄いですけどね」

アカリ「そういやメリッサさん、ジムリーダーですよね?」

アヤコ「そうそう! メリッサさん、この子、今シンオウのジムを巡ってるんです」

メリッサ「ジム! わかりマシタ。あなたの挑戦、待ってマース!」

アヤコ「明日、よろしくお願いします!」

メリッサ「こちらこそ! よろしくお願いしマース!」

よし。明日はジム戦だ! 頑張るぞ!
 ▼ 268 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 13:36:03 ID:jMBaCNh. [4/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「それと、コンテスト凄かったです!」

アヤコ「やっぱり? 私も今回は結構自信あったの!」

メリッサ「今日のアヤコさん、アタシ敵いまセーン!」

アヤコ「でもメリッサさんの演技も素晴らしかったですよ」

メリッサ「アタシ、次は絶対負けまセーン!」

ええ……いつも以上とか、そんなのわかるんだ……

あたし、わかる気がしないんだけど……

アヤコ「それじゃあ、私もそろそろ帰らないと。アカリちゃん、旅、頑張ってね!」

アカリ「はい!」
 ▼ 269 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 13:40:25 ID:jMBaCNh. [5/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メリッサ「アタシも帰りマス」

アカリ「あ、はい! 明日は負けません!」

メリッサさんは何も言わずに微笑んだ。


さてと。2人ともいなくなっちゃったし、ポケセン行きますか。

今日はいろいろ濃かったなあ。

アキラと別れて、ギンガ団とバトルして、ポッチャマと散歩して、コンテストか。

ははは、今日はよく眠れそう。
 ▼ 270 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 13:41:02 ID:jMBaCNh. [6/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 271 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 16:01:03 ID:jMBaCNh. [7/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモンセンター

一応、観光ついでに回復も済ましてたし、ここついてからはバトル一回もしてないから回復は大丈夫かな。

アカリ「すいません」

ジョーイ「はい!」

アカリ「1部屋開いてますか?」

ジョーイ「はい! トレーナーカードを見せていただけますか?」

アカリ「あ、はいこれです」

ジョーイ「わかりました。ではこちらが部屋のカギになります」

アカリ「ありがとうございます!」
 ▼ 272 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 16:04:21 ID:jMBaCNh. [8/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
部屋に入ったらくつろぐ、そのつもりだったけど……

アカリ「ウソ、もうこんな時間?! ……当たり前か」

そう。夕食を食べられる時間がもうすぐ終わりだったの。

こんないろいろやってたらそりゃ時間も過ぎてるだろうけどさ……

アカリ「ま、いっか。お腹もすいたしさ」

自分に言い聞かせてみる。

ホントは疲れて動きたくないんだけどさ。

アカリ「おいで、ポッチャマにコリンク」
 ▼ 273 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 16:08:50 ID:jMBaCNh. [9/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「そっか……アキラいないんだっけ」

振り切って来たはずなのに、それでもやっぱりいないとなると悲しいもんだなあ。

ま、いつかまた会える訳だしね。少なくても2回。

すれ違う時が絶対あるからさ。

アカリ「どう? 2匹とも、おいしい?」

コリンク「りんく」

ポッチャマ「ぽちゃ」

うーん。この子たち、ちょっとクールな所があるんだよな。

そろそろ次の仲間をゲットしてもいいかもしれないなあ。

アカリ「ごちそうさま」

ま、別にこの子たちだけでも問題はないけど、やっぱりたくさんいた方が旅って楽しいもんね!
 ▼ 274 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 16:15:49 ID:jMBaCNh. [10/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

さあ問題だ。

俺の、目下の最大の問題と言っても過言ではない。

入浴である。

この体にも慣れてきたが、いまだにこれだけは慣れない。

慣れる気がしない。

むしろ慣れたくない。

ポッチャマ「コリンクもいい加減覚悟決めたら?」

コリンク「やだよ! はあ……なんで俺なんだよ……このシチュエーション、世の健全な男には需要あるだろ……」

ポッチャマ「自分は異常だって?」

コリンク「ああ。女子の裸に惹かれない男なんて傍からみたら異常だろ」

ポッチャマ「抵抗なく私の裸見てるのはなんでよ」

軽く冗談めかして言ってるけど、目が笑ってない……気がする。

コリンク「だから、俺は人間、お前はポケモンだからで」

ポッチャマ「私から見たらコリンクもポケモンよ」

そういう事じゃないんだけどさあ……
 ▼ 275 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 16:23:59 ID:jMBaCNh. [11/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ねえコリンク」

コリンク「なんだよ」

アカリ「もしかして、あたしとお風呂に入るの、嫌?」

やっと気付いてくれた!

コリンク「うん! うん!」

ポッチャマ「首が取れそうで怖いんだけど」

気が付いたら全力で首を縦に振っていた。

目に涙も浮かんでいるっぽいな。
 ▼ 276 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 16:24:25 ID:jMBaCNh. [12/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「そっか……あたしの事……嫌い?」

首を止める。うっ……目が……目が回る……

アカリ「あたし、ダメなのかな」

コリンク「あ、いや、そう言う訳じゃ……」

アカリじゃなくても、どんな女だったとしても、俺は平等に嫌がってたはずだ。

あ、そっか。声に出しても聞き取れないんだっけ。

首を横に振った。その後、じっとアカリの目を見つめた。

ウソはついてない。わかってくれるはずだ。

アカリ「うふふ、ありがと。やっぱりあたしに問題があるんじゃなくて、あたしとお風呂ってとこが問題なんだよね」

コリンク「そういう事」

頷いた。
 ▼ 277 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 16:24:53 ID:jMBaCNh. [13/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 278 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 20:27:09 ID:jMBaCNh. [14/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふう……なーんでなんだろ? コリンク、お風呂だけが嫌なんだよね」

コリンク「ああ」

アカリ「つまりそこだけどうにかすればいい……でもなあ」

アカリ「あたしが入れないと、お風呂入れないでしょ?」

それもそうなのだ。コリンクの体格だと湯船につかれば溺れてしまう。

ポッチャマ「コリンク、水タイプじゃないから溺れたらしゃれにならないもんね」

コリンク「うん」

アカリ「とりあえず、体拭こっか」

そう。それでいいのだ。

湿らせたタオルで体を拭く。

湯船につかって体をほぐしたいのももちろんあるが、アカリと入ったのではむしろ疲れる。

最悪汚れが落ちればいいんだから。
 ▼ 279 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 20:29:57 ID:jMBaCNh. [15/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

まあ、コリンクがあたしを嫌いじゃないってのがわかってよかった。

でもなんで、なんでお風呂だけがダメなんだろう……

でもこういう難しい事で、でも重要じゃない事はスルー出来るのがあたしの長所。

テストでも、わからない所に時間かけて、点が取れないなんて事もなかったしね!

あ……思い出したくない事思い出しちゃった……

アカリ「ま、いっか。ポッチャマ、お風呂入ろ」
 ▼ 280 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 20:35:16 ID:jMBaCNh. [16/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふう……」

アカリ「ああ〜気持ちいい〜」

漏れ出す吐息が10歳の女子にあるまじき声で、ちょっとびっくり。

相当疲れが溜まってたんだなあ……

アカリ「コリンクも入ればいいのに……」

ってか、早とちりしてたけど、単にお風呂嫌いって可能性もあるのか……

ポッチャマ「ぽちゃ」

ポッチャマが翼を添えてくれる。

まるで励ましてくれるように。

アカリ「ふふ、ありがと」
 ▼ 281 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 20:40:03 ID:jMBaCNh. [17/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふう、さっぱりさっぱり」

アカリ「あれ?」

もうコリンクは寝息を立てていた。

アカリ「うふふ、やっぱかわいいなあ」

ポッチャマ「ぽーちゃ」

アカリ「ごめんごめん。ポッチャマも好きよ」

アカリ「ふああ、眠いや。もう寝ちゃおっと。お休み、ポッチャマ」

ポッチャマは静かに笑った。
 ▼ 282 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 20:45:27 ID:jMBaCNh. [18/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 コリンク

じりりりり……

目覚ましの音が高らかに鳴り響く。

コリンク「ん……くああ……」

もうこんな時間か。

まあ確かに昨日1日密度が濃かったもんなあ。

コリンク「っと。起こさないと」

にしてもポッチャマまで寝てるのか……まあかく言う俺も夢見なかったしな。

疲れが溜まってるのは仕方ない。

でも朝飯は待ってくれない。

コリンク「っと、うよっと! はあ……ダメか……」

俺じゃカーテンは開けられない。

ポッチャマ「ふああっ、おはよ、コリンク」
 ▼ 283 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 20:47:36 ID:jMBaCNh. [19/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「んんー、ふああ。あ、またカーテン」

まあな。でもそろそろこいつ、開けても効かなくなりそう。

なんたってこういう人種はそうなのだ。

その証拠に目覚まし止めて後5分。

なんのための目覚ましだっての。

アカリ「って、もうこんな時間! 急ごう!」

余裕を持って目覚ましをセットするって発想はないのか、アカリよ……
 ▼ 284 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 20:48:09 ID:jMBaCNh. [20/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 285 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 22:40:51 ID:jMBaCNh. [21/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「いただきまあす」

コリンク・ポッチャマ「いただきます」

アカリ「今日はジム戦かあ」

一昨日もジムだったような……ペース早すぎない?

まあ主にあの気違いじみた自転車のせいだろうけど。

それはともかくメリッサはゴーストタイプの使い手。

バッジ2個目だし多分手加減はあるんだろうけど……

ヒョウタが3匹使って来たし、多分3匹使って来るはず。

フワライド、ムウマージのどっちかを、もう片方は未進化で。

ヨマワルとゴースのどっちかを3匹目……先発だけど……に出してくるって予想。

多分……ヨマワル、フワンテ、ムウマージの3匹かな?
 ▼ 286 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 22:45:53 ID:jMBaCNh. [22/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「ごちそうさま」

ポッチャマ「ちゃんと噛んでるの?」

コリンク「大丈夫だって噛んでるから」

仮にそうだとして話を進めると、どう考えても俺はフワンテとはバトルする事になる。

相性的にな。

だからヨマワルはポッチャマに倒してもらって、2匹がかりでムウマージを仕留めるってのが流れ?

さすがに催眠術無双とかはしないだろうし……アニメであった気がするけど、まだアカリは初心者だからな。

ポケスペの幻覚攻撃は使うのか?

ムウマージが出るとしたら、可能性は否定出来ないよな……

あれはむしろ初心者の方が対応しやすそうだ。

でも……対応出来るかなんて言われたら俺に出来るはずが無いのも事実。

ここはアカリに頑張ってもらうしかない。
 ▼ 287 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 22:48:18 ID:jMBaCNh. [23/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ってか俺が戦略立てても意味無いけどな。今、俺はポケモンだし。

戦う側だ。指示する側じゃない。

ポッチャマ「ごちそうさま。さっきから何考えてんの?」

コリンク「ジムの対策」

ポッチャマ「あのさあ……元ニンゲンだからって、今しても意味ないでしょ」

コリンク「それを俺も気にしてたんだ」

ポッチャマ「まあ、悪くはないんだけどさ」

アカリ「ごちそうさま。2匹とも、行こ!」
 ▼ 288 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 22:53:01 ID:jMBaCNh. [24/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
朝一でジムに来て、開いてるのか?

そんな心配は杞憂に終わった。

ジムの扉は抵抗なく開く。

案内「おーっす未来のチャンピョン!」

アカリ「どうも」

案内「まず始めにこれを受け取れ!」

アカリ「え、はい。これ……懐中電灯?」

案内「そうだ。この扉の中は一寸先も見えない暗闇だからな」

アカリ「他に何かルールは?」

案内「ジムトレーナーの明かりに当たるとバトルスタートって事だ」

案内「後……いや、これは自分の目で確かめて来い!」

案内「一度外に出るのもありだからな!」

アカリ「わかりました。ありがとうございます!」
 ▼ 289 1◆J44kAZeDOM 15/08/30 22:53:37 ID:jMBaCNh. [25/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 290 ンゲラー@しんじゅ 15/08/30 23:03:29 ID:CAwFcKFA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とても面白いです!
支援
 ▼ 291 ガヤンマ@エルレイドナイト 15/08/30 23:04:07 ID:CAwFcKFA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、お疲れ様です
 ▼ 292 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 17:03:19 ID:MZ6C98YY [1/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

恐る恐る扉を開く。

きしんだ音が鳴る。

アカリ「うわっ、まっくら!」

何も見えないな……

これは確かに懐中電灯がいるなあ。

アカリ「これでよし、っと」

懐中電灯が道を照らし出してくれる。

アカリ「なるべくジムトレーナーは避けたいなあ」

とりあえず、右に行こ。
 ▼ 293 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 17:06:58 ID:MZ6C98YY [2/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ん?」

なんか、前が少し明るくなってる。

もしかして、トレーナー?

懐中電灯の明かりを落とした。

それでもまだ前は明るく照らされている。

アカリ「あ、危なかったあ……」

相手に聞こえないように、小さな声で。

でも、どうしよう……

暗いままじゃ進めないし……

レントラーには透視能力があるはずだけど、まだコリンクだもんなあ……

ダメ元で試してみる?

いや、それは反則か。ジムの仕掛けは自分の力で解かないと……
 ▼ 294 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 17:12:27 ID:MZ6C98YY [3/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
よし。後ろに戻ろう。

これなら明かりをつけても問題ない。

そうとなったらトレーナーが来る前に、急げ!

アカリ「きゃっ!」

び、びっくりしたあ……

ってか、ダメじゃん。トレーナーに見付かってるし。

ミニスカート「挑戦者さんね。あたしはナミエ。よろしく」

アカリ「よ、よろしくお願いします」
 ▼ 295 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 17:17:26 ID:MZ6C98YY [4/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ナミエ「ゴース、お願い!」

アカリ「ポッチャマ、お願い!」

ゴース……ゴースト毒タイプか……

普通ね。よし。

アカリ「ポッチャマ、突っ張って! 泡!」

ナミエ「ゴース、舌でなめる!」

ゴースの方が素早いのは仕方ないか……でも大丈夫!
 ▼ 296 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 17:18:06 ID:MZ6C98YY [5/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あたしの作戦はいつも通り、引きつけて打つ! だからさ!

アカリ「今よ!」

ポッチャマ「ぽちゃ!」

至近距離からの攻撃の方が効果的にダメージを与えられるもん。

ゴースって耐久無さそうだし。

ナミエ「あ、ゴース!」

やっぱり! あたしの勝ち!

アカリ「ポッチャマ、ありがと!」

ボールに戻した。

アカリ「お疲れ」

にっこり微笑んで言った。
 ▼ 297 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 17:20:09 ID:MZ6C98YY [6/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッチャマに経験値は溜まったけど、レベルアップはまだか……ま、仕方ない。

ナミエ「強いですね。はい賞金」

アカリ「ありがとうございます!」

ナミエ「うーん、もっと勉強しないとダメかなあ……」

アカリ「頑張ってください!」

さすがにここで否定するのはむしろ皮肉だもんね。

それぐらいあたしにもわかるよ。
 ▼ 298 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 17:25:26 ID:MZ6C98YY [7/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「対戦ありがとうございました。それじゃあ、あたし、行きますね!」

ナミエ「あ、ちょっと待って! 負けちゃったし1つヒントあげないと」

アカリ「え?」

ナミエ「あそこ見てみて」

ナミエがライトで照らした先に、青いマークが見えた。
 ▼ 299 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 17:25:51 ID:MZ6C98YY [8/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あれなんですか?」

ナミエ「それは私の口からは言えないなあ」

そのにやにやした顔がなんかむかつく。

アカリ「むー」

ナミエ「まあ、あのマークは覚えてて損はないよ」

アカリ「えっと……三角か」

ナミエ「今回はね……」

アカリ「え? 今なんて?」

声ちっちゃいよお。聞こえないじゃんか。

ナミエ「ううん、なんでも。頑張って!」

アカリ「あ、はい」

なんか肩すかしくらったみたい。ま、いっか。
 ▼ 300 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 17:26:18 ID:MZ6C98YY [9/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 301 ンブレオン◆Y3W/A8GX8A 15/08/31 18:07:52 ID:If1luMaM NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れ様です
 ▼ 302 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 21:16:15 ID:MZ6C98YY [10/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
えっと……あっちにトレーナーがいるから……

だから避けないと……って事はあっちか!

明かりが照らす道筋を必死に辿る。

アカリ「あれ……ドアかな?」

うん。絶対ドア!

やった!

ん? マルマークが書いてるけど……ま、いっか。

次の部屋へゴー!

の、はずだった。
 ▼ 303 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 21:19:07 ID:MZ6C98YY [11/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あ、あれ?」

光に満ち溢れた部屋。

案内の人も立っている。

そう。案内の人が立っている。

アカリ「え? え……ええええ!」

案内「あっちゃー、やっちまったか」

振り返るとドアは閉じられていた。

アカリ「ど、どういう事ですか?」

案内「途中青いマークがあったろ?」

アカリ「はい。でもそれが……それが……ああああ!」

案内「そう。それと同じマークのドアを探さないとここに戻されちゃうぞ!」

アカリ「そんなあ……」
 ▼ 304 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 21:21:35 ID:MZ6C98YY [12/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でも、いつまでもくよくよしてても仕方ないよね。

うん。まだほとんどダメージは受けてないから回復もしなくていいか。

アカリ「じゃあ、もう1回、レッツゴー!」

正直、大声で自分を奮い立てないとやってけないって感じなんだけどさ。

今度こそ。今度はちゃんと三角マークのドアをくぐるぞ!
 ▼ 305 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 21:25:50 ID:MZ6C98YY [13/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「うわ、やっぱり暗いなあ……」

とりあえず、さっき右のトレーナーとは戦って無いから左に行こ。

今度はドアをしっかり見ないと……

ナミエ「あら。やっぱり失敗しちゃった?」

アカリ「むー」

ナミエ「うふふ。次は気を付けて」

アカリ「わかってます! ちゃんと三角のドア選びます!」

ナミエ「え、ちょ……」

後ろからなんか声かけて来てるけど、知らないもんね!


あったあった。これが三角のドア。

よし。次の部屋へ……
 ▼ 306 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 21:33:07 ID:MZ6C98YY [14/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「まぶしっ……ってはああああ?!」

案内「え……」

なんか絶句してるんですけど。

アカリ「どういう事ですか? ちゃんと三角通りましたよ!」

案内「え? もしかして……チャレンジャー、青いマークは毎回変わるんだぞ」

アカリ「え?」

ウソ。ウソウソウソウソ。

アカリ「うそおおおお!」

ダメ。これは本気でへこむ。

案内「まさかこうなるとは……チャレンジャー、気を取り直して行って来い!」

アカリ「……はあい」
 ▼ 307 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 21:40:09 ID:MZ6C98YY [15/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とは言われたものの……さすがにすぐには立ち直れないよ……

ナミエ「ほら。人の話はちゃんと聞きなさいよ。今回はほら、あそこ」

アカリ「四角ね。わかった」

もうすっかり顔なじみだな……


よし。

入る前に3回確認。四角、四角、四角。うんオッケー!

アカリ「今度こそ!」

ドアを開けた。

今までと変わらない漆黒が広がっている。

アカリ「やった! 勝った!」

思わずガッツポーズ。

ついに次の部屋についた!
 ▼ 308 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 21:47:17 ID:MZ6C98YY [16/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どうせこの部屋でもさっきとルールは同じなんでしょ?

トレーナーを避けながら青いマークを探して、同じマークのドアをくぐる。

これで間違えたらもうあたし世界中から笑われたっていい。

アカリ「よし」

表情を引き締め、1歩踏み出した。
 ▼ 309 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 21:51:02 ID:MZ6C98YY [17/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ! あっちが明るい……避けて避けて。

きゃ! ……ふう。ぎりぎりばれて無さそう。

アカリ「青いマークはどこにあるの?」

どこ?

見付からないなあ……

うーん。

アカリ「あ、あった!」
 ▼ 310 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 21:53:49 ID:MZ6C98YY [18/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
二重丸か……よし。

ドアを探すだけだな後は。

アカリ「でもさっきの部屋から考えて、どうせ奥なんでしょ?」

一応、あたし方向感覚にはかなり自信あるからさ。

ここから左方面が奥なはず!

明かりには気を付けて……

さっきから明かり明かりって、あたしの名前の由来でもあるんだけど、なんか恥ずかしいな……

ま、いっか!

アカリ「発見! これは三角だから……あった。二重丸!」

アカリ「次は……」
 ▼ 311 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:00:40 ID:MZ6C98YY [19/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
目に飛び込んで来たのは、明るい光。

それこそ、眩いほどの。

アカリ「うっ……って、ウソ……でしょ?」

しかし。

目が明かりに慣れて来るにつれて。

あたしは正しい道を選んだ事に気付いた。

アカリ「メリッサさん!」

メリッサ「やっと来マシタね! 待ちくたびれマシタ」

アカリ「……どうせ2回もミスしましたよ」

メリッサ「うふふ」

アカリ「笑わないでください」

メリッサ「ごめんナサイ。じゃあ、始めマショウ!」

アカリ「……対戦、よろしくお願いします!」
 ▼ 312 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:08:40 ID:MZ6C98YY [20/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

VSメリッサ

メリッサ「ヨマワル! お願いしマス!」

アカリ「ポッチャマ、お願い!」

ヨマワル「わかりましたよ」

ポッチャマ「はあい」

メリッサ「ヨマワル、驚かすデス!」

アカリ「ポッチャマ、泡!」

指示を受け、2匹のポケモンが行動に移る。

先に行動したのはポッチャマ。

泡がヨマワルに当たって、弾ける。

アカリ「ポッチャマより遅いんだ……」

彼女が驚くの無理はない。

岩タイプの見るからに遅そうな見た目ならともかく、それほど鈍重な見た目をしていないのだから。
 ▼ 313 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:14:20 ID:MZ6C98YY [21/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヨマワルが行動を起こした。

ポッチャマ「あれ? どこに行った?」

ヨマワル「こんにちは」

ポッチャマの背後から、暗い声を出した。

ポッチャマ「きゃ!」

条件反射的に叩くを繰り出したが、ゴーストタイプには効果がない。

ポッチャマ「びっくりしたあ……」

ヨマワル「いきなり殴るなんて反則よ! 私だからいいけどさ」

さりげなくこんな会話が交わされているなど思いもよらないトレーナーたちは、自らのポケモンに新たな指示を出す。

メリッサ「もう一度、驚かすデス!」

アカリ「ポッチャマ、泡!」
 ▼ 314 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:21:37 ID:MZ6C98YY [22/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
互いが使う技が同じ。

このような場合、何も変化が無いと考えるかもしれない。

しかしそれは違う。

お互い、少し学習するからだ。

ヨマワル(この泡は……高く飛んで避ける!)

ポッチャマ(さっきと同じ手は食わない。どうせ驚かされるんだし、心の準備しとこ)

そして。学習するのはトレーナーも同じだ。

アカリ(驚かすはポッチャマにかな近づく技。つまり……)

メリッサ「今デス!」

上空からの驚かす。しかし精神に訴えかける技なのに心の準備をされてしまえば効果は薄いと言わざるを得ない。

アカリ「ポッチャマ上に泡!」

ヨマワル「あっ!」

泡攻撃の直撃を受け、ヨマワルはその体を大地に横たえた。
 ▼ 315 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:30:39 ID:MZ6C98YY [23/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メリッサ「お疲れヨマワル。さあ次はこの子デス! フワンテ!」

アカリ(フワンテ……お姉ちゃんも使ってたけど、飛行タイプが混ざってるんだよね。つまり……)

アカリ「ポッチャマ、1回休んでて。コリンク、よろしく!」

フワンテ「わかった!」

コリンク「ほらやっぱり」

コリンクは自らの読みが当たって少し得意顔。

フワンテ「どうしたのさ」

コリンク「なんでもない」
 ▼ 316 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:31:06 ID:MZ6C98YY [24/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモン同士の会話は、人間にはわからない。

アカリ「コリンク、スパーク!」

メリッサ「フワンテ、驚かすデス!」

メリッサ(風起こしだと相性が悪いデスからね)

コリンクは体に電気をまとわせる。その力を溜めて、相手の接近を待つ。

フワンテが行動を起こした。

一気に空気を吸い込んで、物凄く膨らんだ……と思いきや、急激に空気を吐き出しコリンクの方に押し出す。

驚かす……驚かし方はポケモンそれぞれなのだ。

コリンク(そろそろ……いいかな!)

コリンク「うおおおりゃあああ!」

全力の叫び声とともに技を食らわせた。

フワンテ「電気はダメなんだって……」

フワンテは地に墜落した。
 ▼ 317 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:35:12 ID:MZ6C98YY [25/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メリッサ「やりマスネ。じゃあ、私の切り札デス! ムウマージ!」

ムウマージ「やっとバトル出来る……」

アカリ(どうしよう……大丈夫よね)

アカリ「コリンク、そのままお願い!」

コリンク「りょーかい」

しかし、彼の余裕はすぐに打ち砕かれる事になる。

もっとも、コリンクはこの事すらも読んでいたのだが。
 ▼ 318 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:40:59 ID:MZ6C98YY [26/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「うっ……」

アカリ(なんか……くらって来た……)

アカリ「コリンク、スパーク!」

メリッサ「マジカルリーフデス!」

ムウマージの魔法で飛ばす葉は、どうあがいてもかわせない。

コリンク(これは……突っ込むしかない!)

例によって叫び声をあげながら突進していくコリンク。

ムウマージはその直撃を受けた。

しかし。

ジムリーダーの切り札だけあって相性が普通の技一撃で倒れたりはしない。

そして。

コリンクが想定していた、最悪の事態が発生する。
 ▼ 319 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:45:08 ID:MZ6C98YY [27/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「これ……なんだ……」

コリンク(いや……多分これが……)

アカリ「何? ……これ」

アカリ「もしかして……」

トレーナーとポケモン。

彼らの脳裏には今、同じ言葉が浮かんでいる。

これは幻覚なのではないか、と。

メリッサ「ようやく効いてきマシタね!」

アカリ「これ……幻覚ですよね……」

メリッサ「その通りデース!」
 ▼ 320 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:47:08 ID:MZ6C98YY [28/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク(これは幻覚だ……でも……)

コリンク「くそっ。足がとられてる……」

今見ているのは沼地の幻覚。

コリンクは今、偽りの沼の深みに囚われている。

アカリ「どうしよ、どうしよ……」

アカリ(トレーナーとして、あたしがコリンクに指示を出さなきゃ……でもどうすればいいの?)

メリッサ「マジカルリーフ!」
 ▼ 321 1◆J44kAZeDOM 15/08/31 22:47:54 ID:MZ6C98YY [29/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

明日から少しペースダウンの恐れがあります

ご容赦ください
 ▼ 322 ルット@キズぐすり 15/08/31 23:02:01 ID:NalplpWI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れ様です、続きも期待して待ってますね
 ▼ 323 1◆J44kAZeDOM 15/09/01 20:07:06 ID:Oe95azLo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
BBS重すぎ

今日は更新できませんねこれじゃ

治れば再開します
 ▼ 324 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 19:33:19 ID:nE2Sqah. [1/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コリンク「うがあっ!」

魔法の葉っぱがコリンクめがけて襲い掛かった。

アカリ「どうしよ……ダメ。あたしが落ち着かなくちゃ……」

そうは言っても内心の動揺が隠し切れないアカリ。

その苦々しげな顔が何よりもその証拠だった。

メリッサ「これでフィニッシュデスね! サイコウェーブ!」

この時、コリンクの頭に、1つだけ解決策が下りて来ていた。

1筋の、希望の光。

それは弱弱しい物だったが、今コリンクがすがれるのはそのアイデアだけだった。

コリンク(いちかばちか……)

コリンク「充電!」
 ▼ 325 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 19:35:45 ID:nE2Sqah. [2/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ど、どうしたのコリンク!」

メリッサ「へえ」

困惑気味のアカリを後目に、メリッサは少し興味深げにコリンクを見つめた。

その様子を感じ取ったのか、ムウマージも攻撃を中断した。

そんな中、1人、いや1匹だけが、必死の形相だ。

コリンク「もっと、もっとだ!」

コリンクのアイデアはこんな物だ。
 ▼ 326 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 19:38:16 ID:nE2Sqah. [3/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺はまずこの世界に来た時、これが夢だって前足を噛んだ。

手じゃなくて、足。ポケモンなんだなって感慨は置いといて。

結局痛みに襲われる事になったけど、夢なら痛みで覚めるはず。

そしてそれは、幻覚にも言える事じゃないのか?

それなら俺自身の電気で俺に苦痛を与えれば、幻覚は晴れる!

コリンク「うおりゃああ!」


その時の事だった。
 ▼ 327 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 19:41:52 ID:nE2Sqah. [4/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「何……これ……」

コリンクの体が白い光に包まれた。

メリッサ「進化……デスか」

コリンク(何だこれ……なんか、気持ちいい……)

コリンク(雪山で死ぬ直前、みたいな物……ちょっと違うか……)

朦朧とする意識を必死で抑え込むコリンク。

いや、その肉体は既に……

ルクシオ(ダメか……自分が疲れて……)

溢れ出る力が元人間だったコリンク……もといルクシオには制御出来ないのだ。
 ▼ 328 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 19:45:59 ID:nE2Sqah. [5/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオの耳に聞こえたアカリの声。

アカリ「すごいよコリンク……じゃなくて、ルクシオ!」

ルクシオ(ルクシオ……? つまり俺……進化したんか……)

それなのに体がむしろ重いって、冗談じゃねえな……

メリッサ「戦いの最中に進化デスか。面白くなってきマシタよ!」

メリッサ「ムウマージ、サイコウェーブ!」

アカリ「ルクシオ……まだ幻覚か……」

トレーナーであるアカリはルクシオの状況を正しく理解出来ていない。

ルクシオ「とりあえず、幻覚は晴れた!」

ルクシオ「スパーク!」
 ▼ 329 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 19:51:51 ID:nE2Sqah. [6/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「ッ……」

攻撃のために飛びかかったルクシオをサイコウェーブが襲う。

ルクシオ(でも……行ける!)

進化する事でコリンクの時よりも肉体的な強さを手に入れたルクシオは、しかしその攻撃を耐えた。

ルクシオ(さっきまで充電しまくってた。その分電気技の威力はあがるはず!)

ルクシオ「うううおおおおりゃあああ!」

魂の叫びがムウマージを貫く。















ムウマージ「ここまで……か」

ムウマージが地に落ちた。
 ▼ 330 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 19:56:57 ID:nE2Sqah. [7/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ウソ。

こり……じゃなかった、ルクシオが勝っちゃった……

あたし、何も出来なかったのに。

アカリ「ルクシオ?」

ルクシオ「ク……ルク……」

かなり苦しそう!

アカリ「ありがとう。戻って、ルクシオ」

メリッサ「私の負けデース。でも、なーんか釈然としマセンね」

片言な割りに釈然としないなんてどこで覚えたんだろ……

メリッサ「私に勝ったのでバッジはあげマスが……なんか、ルクシオの意志で行動してると言うか……」

メリッサ「ポケモンの力を引き出すのがトレーナーの役目だと思うんデスよね」

アカリ「それに関してはあたしももっとしっかりしないとダメですよね」
 ▼ 331 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 20:00:56 ID:nE2Sqah. [8/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メリッサ「まあ、それでも他の地方にはポケモンに一切指示を出さないでバトルする施設もありマスからネ」

メリッサ「それも信頼の形ってコトでしょう!」

メリッサ「このヨスガジム突破をたたえて、このレリックバッジをあげマス!」

アカリ「ありがとうございます!」

よかった……トレーナーとしてのあたしの実力が認められないからバッジあげないなんて言われたらどうしようって……怖かったあ……

メリッサ「ジムバッジ2個目デスよね?」

アカリ「はい」

メリッサ「なら居合切りのワザも使えるようになりマス!」
 ▼ 332 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 20:08:05 ID:nE2Sqah. [9/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メリッサ「それとこの、技マシンシャドーボールをあげマス!」

アカリ「ありがとうございます!」

メリッサ「それと……あんな事があったから、次のジムはノモセになるのデショウ?」

アカリ「はい」

メリッサ「なら、雨具を持って行く事をおススメしマス」

アカリ「え? なんでですか?」

メリッサ「ノモセの直前のところで、よく雨が降るんデス」

アカリ「なるほど。貴重な情報ありがとうございます! それと、対戦ありがとうございました!」
 ▼ 333 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 20:08:32 ID:nE2Sqah. [10/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
って帰りもあの真っ暗闇を……

メリッサ「あ、そっちのワープパネルから帰れマスよ!」

アカリ「え、そうなんですか?」

なあんだ。よかったあ。

じゃ、遠慮なく使わせてもらいます!

アカリ「えいっと!」

その瞬間、目の前の景色が一気に変わる。

案内の人も見えた。

攻略中はあんなに憎らしかった部屋も今ではいい思い出。

なあんてね。ちょっとカッコつけてみた。
 ▼ 334 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 20:14:55 ID:nE2Sqah. [11/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふう……とりあえず早く回復させてあげないと」

ポケセンポケセン……

アカリ「きゃ!!」

???「いってえ……なんだってんだよー! 痛いな! 罰金100万円だ!」

ん? このフレーズ……もしかして……

アカリ「ジュン……兄ちゃん?」

ジュン「って、お前アカリか?」
 ▼ 335 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 20:15:23 ID:nE2Sqah. [12/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます

深夜(?)に再開します
 ▼ 336 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 22:46:03 ID:nE2Sqah. [13/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
びっくりしたあ。

だっていきなりぶつかったのが……

アカリ「やっぱりジュン兄ちゃんだ!」

ジュン「久しぶりだなアカリ!」

アカリ「っと。それどころじゃなくて、あたし、ポケモン回復させないとダメなの」

アカリ「急ぐから、また後で!」

でも正直ルクシオの方が心配。

ジュン兄ちゃんは待ってくれるけど、待ってくれる……よね? 自信なくなって来た……

いやそれはともかくジュン兄ちゃんは今すぐじゃなくても大丈夫だし。ルクシオの方がピンチだもん。

ジュン「ああ、それは仕方ない。俺もポケセン行くわ」
 ▼ 337 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 22:50:43 ID:nE2Sqah. [14/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジョーイ「お預かりしたポケモンはすっかり元気になりましたよ!」

アカリ「ありがとうございます!」


アカリ「で、ジュン兄ちゃん。ホント久しぶり!」

ジュン「ってかお前ら進み方が遅すぎんだよ。罰金100万円だー!」

アカリ「ふふ、変わらないね」

ジュン「ソノオでずっと待ってたんだぞ!」

ジュン「しかもアキラの奴、アカリは別ルートだってよ。ホントにもう、なんだってんだよー!」

アカリ「しーっ! 迷惑よ!」

ジュン「おっと、すまんすまん」

アカリ「えっと……旅に出る何日か前に会って以来かあ」

ジュン「ああ。ちょっと野暮用でな。送り出せなかったのは悪いと思ってるよ俺も」
 ▼ 338 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 22:54:16 ID:nE2Sqah. [15/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュン「で、お詫びってのもあれだが……」

ジュン「お前ら2人にこれ、秘伝マシン霧払いをやる」

2人ってのはもちろんあたしとアキラの事だろうけど……

アカリ「霧……払い?」

ジュン「まあ使うのは210番道路ピンポなんだけどな。でもあそこ、これが無いとガチで死ねる」

アカリ「え……?」

ジュン「渓谷の道路なのに霧で見にくいんだぜ?」

アカリ「うわ……それやばい奴じゃない」

ジュン「ああ。やばい奴だ」
 ▼ 339 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 22:57:24 ID:nE2Sqah. [16/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュン「じゃあプレゼントも渡したし、俺はこれで! 待ってろよダディ。今度こそ絶対倒す!」

そう言ってドアから出たと思ったらムクホークに乗って飛び去るジュン兄ちゃん。

そのあまりの素早さに目をむくしか無かった。

アカリ「やっぱりせっかちだなあ……」

アカリ「まあでも、らしいっちゃらしいかな」

軽い笑いが込み上げて来る。
 ▼ 340 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 23:01:21 ID:nE2Sqah. [17/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さてと。

それはともかく今日の予定を建てよう。

今からノモセに行ってもいいけど、この距離だと今までみたいに1日で着ける気が……するにはするけどもう無理。

ジム戦の時間でだいぶ削られたからなあ……

それに、また新しい子ゲットしたいしなあ。

少しゆっくり進むと考えると今から行くのは得策じゃないか。

野宿の準備はあるけど雨が降りやすいとこでそんなのしたくないしなあ。

よし。今日の残りはヨスガでゆっくりしよう。

ぐーっとお腹が鳴った。

は、恥ずかしい……

でももうそんな時間か。ランチタイム、早いよ。
 ▼ 341 1◆J44kAZeDOM 15/09/02 23:01:50 ID:nE2Sqah. [18/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 342 1◆J44kAZeDOM 15/09/03 17:47:21 ID:S9TxrozE [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

ん……くあ……

ルクシオ「ふああ……」

ポッチャマ「あ、起きた?」

ルクシオ「あれ? ここは……」

確か俺、ムウマージにフルパワーでスパークをぶちかました後、気を失って……

そうだ。

ルクシオ「ジム、どうなった?」

ポッチャマ「ルクシオが決めたわ」

つまり俺のあれがとどめの一撃になった……

ルクシオ「って事は勝てたんだな?」

ポッチャマ「ええ」

ルクシオ「よし」

元人間としてこれで喜んでいいのかはともかく、やっぱり勝負事は勝つに越したことはない。
 ▼ 343 1◆J44kAZeDOM 15/09/03 17:50:18 ID:S9TxrozE [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ってか俺……

ルクシオ「進化……したのか?」

ポッチャマ「うん。最後あそこで進化するなんて反則よ」

ルクシオ「何が?」

ポッチャマ「……別に」

改めて前足を見てみる。

一番変わったのは足の黄色い線の数。

1本から2本に増えた。

体格も変わってるはずだけど、それはボールから出た時のお楽しみってか。

さっきはそれどころじゃなかったしなあ。
 ▼ 344 1◆J44kAZeDOM 15/09/03 17:55:04 ID:S9TxrozE [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「やっとか……」

店員「お待たせしました! キンセツチャンポンです!」

長い間行列を待ち続けて、何食べようとしてるのかと思ったら、キンセツ?

あれ、ホウエンじゃなかったのか?

アカリ「ホウエンからチェーン展開して初のシンオウ上陸」

アカリ「これは絶対逃せない!」

……なるほど。確かにそりゃこっちの普通の人にも生活はあるもんな。

でもキンセツにチャンポンなんてあったっけ?

ゲーセンとジムの町だったのはわかるけど……
 ▼ 345 1◆J44kAZeDOM 15/09/03 18:52:23 ID:S9TxrozE [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
店員「ポケモン用キンセツチャンポンはこちらになります!」

アカリ「ありがとうございます!」

アカリ「おいで、ポッチャマにルクシオ!」

ようやくボールから解放される。

うわ……俺、一気にでっかくなったなあ……

アカリもそこまで高くないしポッチャマに至っては小さくなってる。

もちろん縮んだなんて思って無いけどさ。

アカリ「では……いただきまあす!」

名前の通り明るい声でアカリは言った。
 ▼ 346 1◆J44kAZeDOM 15/09/03 18:53:28 ID:S9TxrozE [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます

昨日の深夜に建て逃げSSを乗っ取って超短編を書かせていただきました

よければお読みください

http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=154088
 ▼ 347 1◆J44kAZeDOM 15/09/03 21:27:30 ID:S9TxrozE [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チャンポン……か。

ルクシオ「なあポッチャマ」

ポッチャマ「何?」

ルクシオ「これ、そんな有名なの?」

ポッチャマ「ええ。よくCMでやってたわ」

ルクシオ「へえ。サンキュ」

有名な物……

俺が知ってるキンセツにこんなのなかったけど……

ルクシオ「まあ、いいか」

ポッチャマ「どうしたの?」

ルクシオ「なんでも。いただきまあす」

1口頬張る。麺類なはずだけど今の俺みたいな4足歩行のポケモンでも食べやすいようにか細い麺と言うより黄色い白玉? みたいに丸めた物になっていた。
 ▼ 348 1◆J44kAZeDOM 15/09/03 21:32:33 ID:S9TxrozE [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……!

え……何これ……

ルクシオ「うまっ」

この麺の素材で出来た物に濃厚なスープが絡みつき、スープの強い味の中でも控えめに、でもしっかりと自己主張する。

噛めば噛むほどにその味わいが口いっぱいに広がり、心の中にも幸福な感情が広がる。

ポッチャマ「さすが……あんなに人気なだけあるわ」

アカリ「おいしい〜!」

3人とも皆心行くまで堪能した。
 ▼ 349 1◆J44kAZeDOM 15/09/03 21:40:54 ID:S9TxrozE [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

あーおいしかったあ。

みんなおいしいおいしい言ってたのにウソは無かったって事かあ。

やっぱりみんなから好かれるには好かれるだけの理由があるんだなあ。

さあて。今日残り後何しよう。

コンテストは無理だし。

ポフィン作り……が出来ないせいでコンテスト出来ないんだから、却下。

触れ合い広場も昨日行ったし……

そうだ。ここで泊るのが重要なのであって、別にヨスガから出ちゃダメなんて事無いじゃん!

そうだよ、それに決定!
 ▼ 350 1◆J44kAZeDOM 15/09/03 21:46:16 ID:S9TxrozE [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうと決まれば行くっきゃない……けどどっちに行こうか……

209番道路ズイ方面は無理。

208番道路は……自転車でパッと見だけどなんか可愛い子がいなかったし却下。

212番道路かなあ、やっぱ。

なんかお屋敷もあるらしいしね。

そういやそこに可愛いポケモンがいるってウワサもよく聞くし……

よし。そこに決定!

アカリ「行こ! ポッチャマにルクシオ!」

ボールの中の2匹に笑いかけた。
 ▼ 351 1◆J44kAZeDOM 15/09/03 21:47:00 ID:S9TxrozE [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 352 サイハナ@きせきのタネ 15/09/03 21:47:46 ID:caAZ/DWE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>351
この小説寒いね
 ▼ 353 ジュマル@こだわりメガネ 15/09/03 23:16:36 ID:p3gJDot2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とても面白いです

続き待ってます
 ▼ 355 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:15:17 ID:Lju4Ba1E [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
212番道路

立ち並ぶ木立。

小さな池。

植え込み。

なんか人間が手入れしてる感じだなあ。

アカリ「あ、お巡りさんお疲れ様です」

お巡りさん「あ、どうも」

警備も厳重だし。

これもウラヤマ屋敷の影響なのかなあ……
 ▼ 356 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:17:24 ID:Lju4Ba1E [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ここかな」

すっごいお屋敷だなあ。

あたしには一生住めないような大豪邸。

アカリ「まあ、住んでる人が楽しくなきゃ意味ないけどね!」

そう信じよ、あたし。

お金がある=幸せじゃないんだから……

アカリ「おじゃましまあす」
 ▼ 357 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:20:17 ID:Lju4Ba1E [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
えっと……裏庭があっちか。

でも、勝手にポケモン捕まえちゃっていいのかな?

一応確認しとこ。ダメならダメであきらめればいいし。

アカリ「あのすみません」

メイド「はい、なんでしょう?」

アカリ「この屋敷のウラヤマさんの部屋はどこにありますか?」

メイド「何の御用でしょう?」

アカリ「裏庭でポケモンを捕まえていいかって事です」

メイド「ああ、なるほど。あちらになります」

アカリ「ありがとうございます!」

右に曲がったあの部屋ね。OK。
 ▼ 358 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:22:44 ID:Lju4Ba1E [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「失礼しまあす」

ウラヤマ「むおっほん。なんだね?」

アカリ「あの、裏庭のポケモンって、捕まえてもいいですか?」

ウラヤマ「構わんよ。なんたってわしの自慢じゃからな!」

ウラヤマ「わざわざ遠くへ出かけんでもこの裏庭の素晴らしさにポケモンが集まり放題じゃ!」

ウラヤマ「どうじゃ! うらやましいじゃろ? うらやましいじゃろ?」

アカリ「あ……はあ」

ウラヤマ「ムホホホ……そうじゃろっそうじゃろっ!」

なんだろ、自慢話が始まっちゃったな……

嫌な予感がする……このままだと延々と話聞かされそう……

ウラヤマ「もっと聞いてくれ!」

あ……やっぱり……

めんどくさいなあ……
 ▼ 359 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:23:11 ID:Lju4Ba1E [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウラヤマ「それでな! わしが自慢の裏庭に行くとな、ポケモンが嬉しそうにそばにすりよるんじゃ!」

それ、エサに釣られてるだけじゃ……たぶんエサはしっかりあげてそうだし……

ウラヤマ「どうじゃ! うらやましいじゃろ? うらやましいじゃろ?」

アカリ「あ……はあ」

しまった! また流れでつい拒絶出来なかったああ……

ウラヤマ「ムッホホホホホ……そうかそうか、そうじゃろっ!」

ウラヤマ「もっと聞いてくれ!」

あーもう……うざい。
 ▼ 360 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:23:33 ID:Lju4Ba1E [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウラヤマ「えーっとな、それでな、今朝なんかはわしが裏庭に入って行ったら可愛い目をしたイーブイがわしのほっぺに……」

執事「だっ、だんなさま! そのようなポケモンは……裏庭にはいないのでは……」

ウラヤマ「え……な……なっ、何を言うか! わしはウソなどつかん!」

そう言ってウラヤマさん、執事の人に何か言ってるんだけど……何? どうしたの?

執事「はっ、かしこまりました。ただちに!」

そう言って執事は歩き去った。

なんだったの? 今の……

ウラヤマ「……ホントじゃよ。わしの自慢の裏庭にはイーブイがおるんじゃ! ホントじゃもーん!」

あ、ウソだこれ。

それとたぶん……見得張ってイーブイを裏庭に連れて来てるんじゃ。

今頃あの執事さんがイーブイを……

ま、いっか。それよりそれがホントならイーブイゲットしよう!
 ▼ 361 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:28:04 ID:Lju4Ba1E [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

自慢の裏庭

あのおっさん、確実にウソだなあれ。

確か普段は出ないはずのポケモンがあの話の後追加される。

とすると、今ここにはイーブイがいるはず。

それ以外に……ピカチュウとかコロトック当たりがいたな確か。

ピカチュウかイーブイ。アカリの今までの行動から考えて次捕まえるのはたぶんこのどっちかになると思う。

アカリ「可愛い!」

ってのが目に見えてるから……ん? もう?
 ▼ 362 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:32:17 ID:Lju4Ba1E [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あれがイーブイかあ。よし。ゲットするぞ!」

アカリ「ポッチャマ、よろしく!」

ポッチャマ「はいはい」

今回は俺じゃないみたいだな。よし。観戦させてもらおう。

何気に捕獲シーンを見るのは初めてだし。

イーブイ「何よあんた」

アカリ「ポッチャマ、泡!」

ポッチャマ「てい」

ポッチャマの口から出された泡がイーブイに当たって弾ける。

イーブイ「痛いっ! 何するんだよテメー!」

このイーブイ、♀だよな? 口悪くないか?
 ▼ 363 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:36:15 ID:Lju4Ba1E [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「電光石火!」

ポッチャマ「ッ……」

苦痛に顔を歪める。

アカリ「ポッチャマ大丈夫?! もういっちょ泡!」

そして再び泡が弾ける。

イーブイ「ぐっ……きつい……」

アカリ「そろそろ大丈夫かな……」

アカリが今持ってる空のボールは4個。

チャンスはそれだけだ。

アカリ「行け、モンスターボール!」
 ▼ 364 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:38:34 ID:Lju4Ba1E [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボールが揺れ動く。

それは中のポケモンの抵抗だ。

それを俺は、こうなってから気付いた。

1つ揺れる。

2つ揺れる。

3つ揺れた。

カチッ、と小気味のいい音が鳴る。それは抵抗を諦めた合図。

つまりアカリは……

アカリ「やった! イーブイゲット!」

捕獲に成功した訳だ。
 ▼ 365 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:41:24 ID:Lju4Ba1E [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「よし。急いでポケセンに行ってあげないと」

それはそうだ。

速く行ってやれ。

俺自身その辛さは痛いほど……実際に痛みを伴って知っている。

ポッチャマ「ふう……強いや」

ルクシオ「お疲れ」

イーブイ「何? あたし、捕まったの? ニンゲンごときに? ふざけんじゃないわよ……」

イーブイ「ああもう、あたし、最悪だ……ふざけんな!」

うん。こいつ、口悪い。

これから上手くやってけるのか?

それだけが心配だ。
 ▼ 366 1◆J44kAZeDOM 15/09/04 22:41:45 ID:Lju4Ba1E [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 367 バゴーラ@ひかりごけ 15/09/05 12:11:09 ID:M.NOuRAk [1/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ポケモンセンター

ジョーイ「お預かり(ry」

アカリ「ありがとうございます! 後今日も部屋の予約したいんですけど」

ジョーイ「わかりました。念のためにトレーナーカードを確認させて頂けますか?」

アカリ「わかりました。えっと……あったあった。これですね」

ジョーイ「わかりました。それではこちらが部屋のカギになります!」

アカリ「ありがとうございます!」
 ▼ 368 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 12:11:37 ID:M.NOuRAk [2/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふう……」

捕まえて来たイーブイのボールとレリックバッジを眺めながらベッドに倒れ込んだ。

今日も疲れたあ。

でもこれからもっと楽しくなるのかな、仲間も増えた訳だし。

アカリ「3匹とも、おいで!」

ポッチャマ、ルクシオ、イーブイ。

これからのあたしの旅はこの3匹と一緒。

アカリ「あたしはアカリ。イーブイ、これからよろしくね!」

アカリ「よおし、頑張るぞ!」

改めて気合いを入れなおした。

よし。ちょっと買い出ししてこよ。薬、あっても損はないし。
 ▼ 369 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 12:12:19 ID:M.NOuRAk [3/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

イーブイ「あんた誰?」

ルクシオ「俺? ああ、そっか、ルクシオに進化したんだ」

イーブイ「ふうん」

イーブイ「にしても、なんでこんな事に……」

イーブイ「だいたいあたし、別にあんたたちと一緒に冒険なんかしたくなかったのよ!」

イーブイ「それをアカリがいきなり……」

ポッチャマ「その気持ちはずっと研究所暮らしだった私にはわかんないな」

イーブイ「別にあんたなんかに同情して欲しいなんて思ってない。ルクシオにもどうせ無理でしょ」

う……記憶がないってのに……そんな質問答えらんねえよ……

ってかどうする? こいつに言うべきか? 俺の素性の事……

ポッチャマ「ま、これからは一応仲間になる訳だから言っとくけど、このルクシオ、記憶喪失で元ニンゲンなのよ」

怒りが溜まってるのか、かなり突き放したような言い方で言い切った。

ってか言っちゃうんだ……
 ▼ 370 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 12:12:41 ID:M.NOuRAk [4/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「……はあ?」

そりゃこんなまぬけな声が漏れても仕方ないと思う。

いきなり信じろって方が無理があるような突拍子もない話だもんな。

イーブイ「んなアホな話あるか! ルクシオ、ないよな?」

ポッチャマも言っちゃった事だし、もう隠す事もないか。

ルクシオ「いや、マジで俺は元人間。記憶がないのも事実」

イーブイ「……はあ?」

まぬけな声本日第2弾。

イーブイ「……は?」

第3弾。

イーブイ「ちょ、ちょっと待て。それ……どう言う事だ?」

ルクシオ「それがわかれば苦労しないよ。今の所たまに見る悪夢以外の手掛かりなし」

ポッチャマ「いじめ被害をかばってその対象が移ったから自殺、それで転生って仮説は建てたけどね」
 ▼ 371 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 12:13:04 ID:M.NOuRAk [5/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「……」

何も言えないらしい。そりゃそうだ。いきなりのシリアスだもんな。

こんな訳の分からん話いきなり聞かされて動揺するなって方が無理だろう。

イーブイ「ああもう!」

そう一声叫ぶと、そのまま眠り込んでしまった。

アカリ「ただいま…………あら? もう寝ちゃったの?」

買い出しに行っていたアカリが帰って来たのはその時だった。
 ▼ 372 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 12:13:24 ID:M.NOuRAk [6/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「まあ、ごはんまで時間あるし大丈夫だけど……そうだ!」

アカリ「進化したし、ルクシオ、お風呂入っても溺れないよねもう」

どう言う思考を辿ってその言葉に行きついたのか。

たぶんごはんまだ→お風呂済ませよの流れだとは思うけど……

いずれにせよそういきなりは話の流れ、正確には話に対する心構えを変えられない。

ポッチャマ「このイーブイ、私、馬が合わない」

ルクシオ「まあまあ。口が悪いのは事実だけどその内慣れるって」

ルクシオ「ポッチャマも、イーブイも」

ポッチャマ「私が慣れるのはともかく、イーブイ?」

ルクシオ「このメンツでの旅だよ」

ポッチャマ「どうだろうねえ……」

そんな中空気を読まずにアカリは話しかけて来る。もっとも空気を読むなんてこの場合不可能なんだけどさ。

アカリ「ルクシオ、先にお風呂入っちゃえば?」
 ▼ 373 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 12:13:50 ID:M.NOuRAk [7/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
湯船。それは人間が最も安らげる場所の1つだ。布団と並ぶレベル。

そしてそれは、人間だけでなく、全ての動物、全てのポケモンに当てはまる。

今まではアカリのせいで出来なかった入浴。

それを今、ついに解禁する。

アカリ「体も拭いたし、これでいいか」

アカリ「あたしは邪魔だろうから先出とくね」

服を着たまま、湿らせたタオルにゴム手袋というスタイルで俺の体を湯船に浸かっても問題がないように拭き上げたアカリはそのまま浴室から出て行ってくれた。

ありがたい。これで気兼ねなく体を伸ばせると言う物。

へりを軽く飛び越えお湯の溜まった浴槽にダイブした。
 ▼ 374 スマス@うみなりのスズ 15/09/05 12:14:13 ID:M.NOuRAk [8/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 375 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 17:23:40 ID:M.NOuRAk [9/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
く〜

やっぱり風呂って最高だなあ……

凝り固まった筋肉が少しずつ弛緩していく。

こんなにありがたいものだなんて全く気付かなかった。

やっぱり人間何かをなくして気付くって事もあるんだなあ。

もっとも、人間じゃないんだけどさ……

4足歩行の宿命として、寝っ転がるような体勢になれないのだけが残念だ。
 ▼ 376 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 17:26:14 ID:M.NOuRAk [10/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
体も心も軽く浴槽から脱出。

体を振り水気を飛ばすとドアを体で押し開ける。

ううん、やっぱ不便である事に変わりはないな。

アカリ「あ、出て来た? じゃ、体拭いちゃうよ」

タオルでしっかりと水分を吸い取るとアカリは言った。

アカリ「そろそろごはんの時間だから、行くよ!」

そしてそのまま俺をモンスターボールにしまった。
 ▼ 377 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 17:32:41 ID:M.NOuRAk [11/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「ああ、気持ちよかったあ」

ポッチャマ「ニンゲンだった時以来って事になるの?」

ルクシオ「たぶんそうだな」

イーブイ「ふああ……」

1つあくびをかました後イーブイは言った。

イーブイ「あんたたちおかしいでしょ。何そんなバカみたいな話信じてんの? ありえないでしょ」

イーブイ「記憶なくしてそう思い込んでるだけ。いじめなんて無かった。そうよね?」

ルクシオ「かもな。それは俺には否定出来ない」

イーブイ「えっ……」
 ▼ 378 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 17:34:20 ID:M.NOuRAk [12/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「ポケモンがフィクションの世界って知識が無ければ、だけど」

ルクシオ「まあ、それだって思い込みだって言われたら反論出来ない」

イーブイ「……あっさり批判しないで。自分を強く持ってよ」

声色が陰鬱だ。

どうかしたんだろうか?

ポッチャマ「あなたなんなの? 自分で言っといて否定して欲しいってさ」

イーブイ「関係ないでしょ! ふざけないで!」

ポッチャマ「いや別にふざけてない……」

イーブイ「知らない! あたしは……」

ルクシオ「いやあのさ……ケンカしないで?」

こういう時、男は無力である。

話に加わる事さえ拒まれ、愕然とした。

そんな中でも空気を読まないアカリがのんきな声をあげた。

アカリ「ついた!」
 ▼ 379 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 17:38:11 ID:M.NOuRAk [13/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「みんな、ごはんだよ!」

あわわわわ……

今はボールと言う壁があるからなんとかなってるけど、それが無くなったら……

どうなっちゃうんだ?

嫌な予感しかしないんですけど……


予想に反して何も起こらなかった。

何も。本当に「何も」

食事だけはしていたが、会話その他一切なし。

険悪なムードだけは漂っている。それが俺の食欲を奪うのだけれど。

ジム戦で疲れた体を湯船で癒した俺の体は猛烈に食事を求めていた。

相互に打ち消し合って普段通りの量って感じ。

その雰囲気は消えないままに食事の時間は終わった。
 ▼ 380 ンブレオン◆Y3W/A8GX8A 15/09/05 17:39:34 ID:kDE05Kpo NGネーム登録 NGID登録 報告
イーブイ出てきた!
何進化するかなwktk
 ▼ 381 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 17:42:25 ID:M.NOuRAk [14/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ああもう……最悪だ……

ルクシオ「なあ2人とも……一応仲間なんだし……さ?」

イーブイ「何よ日和見主義者」

ポッチャマ「自分だけ進化して」

ルクシオ「進化は関係ないだろ! それとイーブイ! 俺が否定して何がまずかったんだよ!」

イーブイ「……別に。ああもう疲れた。寝る」

ポッチャマ「私も寝る」

ああもう……辛い。

アカリ「さあ、お風呂入っちゃお、2匹とも」

アカリ「ルクシオも出て来て」

アカリ「あれ? もう寝てる……疲れてるのかな? ま、いっか。そっとしといてあげよ」

こいつもこいつで気付かないしさあ。
 ▼ 382 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 17:43:07 ID:M.NOuRAk [15/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 383 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 20:45:52 ID:M.NOuRAk [16/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ああもう……どうすりゃいいんだ……

ジムに勝って、気分が高まってもおかしくないような日。

それを俺は、なぜこうも憂鬱な気分で過ごさないといけないんだろうか。

最悪だよ……

俺の何がイーブイを怒らせたんだ?

否定出来ない発言から明らかに調子がおかしくなってる。

あれが何か堪忍袋の緒だったのだろうか。それを俺がぶっちぎった。

でもその怒りが向いた先はポッチャマ。まあこれはそもそも火がついていたムードに俺が油を注いだだけで……

ルクシオ「ふああ……」

朝は肉体的に、夜は精神的に。2重に疲れたんだし、眠いのは当然か。

俺も寝よ。正直どうしようもない。
 ▼ 384 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 20:48:48 ID:M.NOuRAk [17/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「やっぱ気もちいいなあ」

アカリ「あれ?」

ルクシオまで寝ちゃった? まあ今回のジム戦で一番疲れたのは間違いなくルクシオだもんね。

アカリ「うーん、寝るか……」

買い出しついでに買って来た雨具をバッグのそばに置く。

よし。明日の準備は完璧ね。

アカリ「お休み」

小さな声でそう言って、眠りに就いた。
 ▼ 385 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 20:53:05 ID:M.NOuRAk [18/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「うーん……」

またカーテンが開けられたのか……

正直慣れたかも……

アカリ「後5分……」

ルクシオ「ルク!」

アカリ「あーはいはい……ん……くああ……よし、起きた。サンキュ、ルクシオ」

あれ? ポッチャマまだ寝てる。

いつもはポッチャマがカーテン開けてたっぽいのに。

まあ、進化して体も大きくなったし、それぐらい出来るのかも。

アカリ「ポッチャマイーブイ起きて! 朝ごはんもうそろそろよ!」

ポッチャマ「ぽちゃ……」

イーブイ「ブイ……」

アカリ「3匹とも、戻って!」

ボールに入ってもらう。うん。入ってもらうだよ!

入れるとか納めるとか、ポケモンをモノみたいに扱ってる感じがして嫌だったんだ。

アカリ「いい言葉を思いついた所で、ごはん食べに行きますか!」
 ▼ 386 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 20:57:45 ID:M.NOuRAk [19/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

行きますか! じゃない。

気付けとは言わない。せめてもう少しポケモンの様子に気を配れ。

静かな対立ってのが一番面倒なんだよ!

はあ……なんで俺こんな事になってんだろ……


アカリ「3匹とも、出て来て!」

食事会場にてボールから出た俺たち。

そしてそのまま、無言のまま食事を始める。

気まずい。ただただ気まずい。

何とかして仲直りさせたい物だけど……これ、無理だろ。
 ▼ 387 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 21:02:01 ID:M.NOuRAk [20/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ごちそうさま。みんなも終わってるね。ボールに入って!」

長くてめんどそう。

これ絶対しばらくしたら変わる。賭けてもいい。

もっとも、今の俺に賭ける物なんてないけどさ。

それはともかく。

もうどうしようもない物に自分から突っ込んで行く事もない。

アカリが気付くまで俺は我関せずを貫く。

時間が解決してくれる……と言うよりそれを願うしか方法がない。

幸いシンオウは時間の神ディアルガがいる。関係ないけど。

だからさ……会話してくれ。こう言う沈黙は苦手だ。
 ▼ 388 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 21:06:13 ID:M.NOuRAk [21/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「よし。行くか」

ポケセンをチェックアウトしたアカリは、

アカリは……うわああああ!

イーブイ「これが自転車か」

イーブイ「ポッチャマはともかくルクシオ、どうかした?」

恐怖で口が上手く動かない。

さっきまでの険悪ムードは、どこかへと飛び去り、2匹の表情は青ざめ、体は震える。

ただ1匹、この恐ろしさを知らない者を除いて。

イーブイ「返事してよ! どうかしたの?」

アカリ「レッツゴー!」

わーい! 地獄の始まりだー!

ダメだ俺、おかしくなってる。
 ▼ 389 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 21:11:15 ID:M.NOuRAk [22/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「邪魔だ虫けらどもおおおお!」

ルクシオ「」

ポッチャマ「」

イーブイ「ちょ、何これ先言ってよ! 頭悪い絶対バカだってこのスピード!」

イーブイ「いくらなんでもありえないっての! ふざけんな!」

虚勢を張ってはいるが、声が震えてる。

すまないイーブイ。俺たちには伝えるってのが酷すぎた……

イーブイ「なんでこうなってんのよお……」

全く同感だ。

でも声が出ない。

いや、希望はある。

沼エリアだ。あそこで自転車はこげないだろう。
 ▼ 390 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 21:14:17 ID:M.NOuRAk [23/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「うーん、無理かなあ」

よし、勝った!

これであの恐怖に怯えなくてs

アカリ「あの丸田橋なら渡れそうね」

……でも確かこっちからは行けなかったはz

アカリ「あそこの段差、普通の坂もあるんだ」

段差で区切られてノモセからの一方通行だった丸田橋。

それが……それが……段差を昇れるだとおお?

5年の歳月って長い……じゃなくて、ああ……
 ▼ 391 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 21:17:24 ID:M.NOuRAk [24/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「レインコート着てっと……」

アカリ「よし、行くぞ!」

やめて許してくださいなんでもしますから!

その声は外に漏れない。

アカリ「こんなもんどうって事ない! おりゃああああ!」

どうって事ないのはお前だけ!

俺らはどうって事あるの!

細い道だからさすがにスピード落ちると思ったらむしろあがってるしさ。

ただただ恐怖しかない。

いつのまにかイーブイのボールからも声が聞こえなくなっている。

アカリ「飛ばせ飛ばせ飛ばせえええ!」

その内俺は、考えるのをやめた。
 ▼ 392 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 21:20:26 ID:M.NOuRAk [25/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ノモセシティ

アカリ「ふう……気持ちよかった」

アカリ「ほら、ついたよ!」

やっと……やっと……

ルクシオ「なあ、俺、生きてるよな?」

ポッチャマ「……たぶん」

イーブイ「はあっ……はあっ……」

ルクシオ「警告出来なくてごめん。もうすでに震えてて……」

イーブイ「怖いんだよクソ野郎! びびったじゃんか……体当たり!」

ルクシオ「あ」

ポッチャマ「あ」

アカリ「イーブイどうしt……え、ちょ、やめ……」

静止も聞かず、イーブイは

自転車に体当たりをぶちかました。
 ▼ 393 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 21:22:27 ID:M.NOuRAk [26/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ああああ! イーブイ、何してるの!」

ルクシオ「グッジョブ!」

ポッチャマ「ありがと。私たちじゃ最後の踏ん切りがつかなくて」

イーブイ「自転車がこんな怖い物だったら無くていいよね!」

ルクシオ・ポッチャマ「うん」

あはははは!

笑い声が弾ける。

アカリ「え、ちょっと……ま、いっか。3匹ともこんな楽しそうだし!」
 ▼ 394 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 21:26:33 ID:M.NOuRAk [27/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「あの……昨日は強く当たり過ぎた」

ポッチャマ「こっちこそ、ろくに話も聞かないで」

イーブイ「それはあたしの方。ルクシオがあたしにとってのヒーローじゃなかったのが残念で、耳を塞いだの」

イーブイ「だから……」

ポッチャマ「その……」

ポッチャマ・イーブイ「ごめん!」

ルクシオ「よかった。仲直り成功」

ポッチャマ「ルクシオ何もしてないでしょ」

ルクシオ「させてくれなかったのそっちだろ!」

イーブイ「もう少し強く言ってくれれば、ねえ」

顔を見合わせて笑った2匹。

まあこんなもんでいいか!

災い転じて福となす。アカリの自転車は仲直りの犠牲になりましたとさ。

アカリ「もうお昼ね。ポケセン、行くか!」
 ▼ 395 1◆J44kAZeDOM 15/09/05 21:27:01 ID:M.NOuRAk [28/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 396 1◆J44kAZeDOM 15/09/06 13:19:26 ID:FZBcG6j6 [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ただ……1つ気になる事がある。

イーブイ『ルクシオがあたしにとってのヒーローじゃなかった……』

どういう事だ? これ。

俺がヒーローな要素ちっともなかった……よな?

いや待て。これは冷静に考えれば……わかる。かもしれない。

まず、今までの話の流れから考えて、俺がいじめに立ち向かったかどうかわからないってのがヒーローじゃないって事になるのはほぼ間違いない。

つまり……ヒーローってのは、いじめが関係してる?

いじめられてたのか? このイーブイ。

にしては気が強すぎるけど……なんかきっかけがあればこう変わるのかもしれない。

とにかく、何かいじめがイーブイの過去に影を落としてるのは確実だ……と思う。

まあゆっくりt「ねえイーブイ」
 ▼ 397 1◆J44kAZeDOM 15/09/06 13:23:40 ID:FZBcG6j6 [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「何? ポッチャマ」

ポッチャマ「イーブイさ……昔いじめられたりしてない?」

イーブイ「え……」

ルクシオ「」

イーブイ「な、何言ってんの! ないない! あり得ないから! ふざけないで!」

ポッチャマ「……私は大まじめなんだけど」

ルクシオ「いきなり何聞いてんだよ」

イーブイ「ホントにないって。あたしがいじめられた事は」

ポッチャマ「ふうん。まあ私、考える事は出来るけど、結論は出せないから」

ポッチャマ「話せると思ったらその時は話して」

イーブイ「何にもないから!」

これはウソだ。でも仲直りしたばかりでまた関係を悪化させる必要もない。

何も聞かないのが正解だろう。
 ▼ 398 1◆J44kAZeDOM 15/09/06 13:25:51 ID:FZBcG6j6 [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「ふう……ついた」

まずはお昼ごはんかなあ。

バトルしてないからダメージも受けてないし。

……なんで自転車壊したんだろ?

まあ、いつまでもうじうじしてても仕方ないもんね!

食堂は……こっちか。
 ▼ 399 1◆J44kAZeDOM 15/09/06 13:27:39 ID:FZBcG6j6 [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
食堂

アカリ「出て来て! 3匹とも!」

ポッチャマもルクシオも、イーブイも無言のまま。

なあんか昨日から雰囲気が重いんだよね……

どうかしたのかな?

さっきの自転車壊れた時は楽しそうだったのに……

アカリ「あ、これとこれと……あとこれをお願いします」

店員「わかりました。しばらくお待ちください」

アカリ「はあい」
 ▼ 400 1◆J44kAZeDOM 15/09/06 13:28:03 ID:FZBcG6j6 [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 401 1◆J44kAZeDOM 15/09/06 20:49:11 ID:FZBcG6j6 [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うーん。やっぱりごはんっておいしい。

自転車でカロリー消費したしなあ。

あたし、結構進んで来たよね。

だって、もうノモセ。

マサゴから、結構離れてるし。

あー、アキラとかお姉ちゃんとか元気かな……

ま、バカは風邪ひかないって言うしアキラは大丈夫でしょ!

ポッチャマたちを見ると、そこそこ話してる感じ。

昨日は全くだったから、ちょっと安心。
 ▼ 402 1◆J44kAZeDOM 15/09/06 20:51:39 ID:FZBcG6j6 [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ごちそうさまでした」

やっぱりポッチャマたちの方が食べるのは速いか……

ま、いいけどね!

さてと。これからどうしよう……

ジムはあるけど……今から行って大丈夫かなあ。

アカリ「あ、戻ってみんな」

ジムって案外時間かかったりするもんなあ。

まあ大湿原ぐらいしか観光名所もないし、大湿原は汚れそうだから行きたくないし……

ノモセの観光はスルーでいっか!
 ▼ 403 1◆J44kAZeDOM 15/09/06 20:58:02 ID:FZBcG6j6 [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

ほら。さっそく戻ってる。

やっぱ面倒だもん。ボールに入って、なんて。

まあ、別に俺は気にしないけどな。

さて、これからどこに行くのか。

なあんて思っていた。
 ▼ 404 1◆J44kAZeDOM 15/09/06 20:58:23 ID:FZBcG6j6 [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「え、もうジム行くのかよ」

ポッチャマ「らしいね」

イーブイ「ジム? 何それ」

昨日は出来なかった自己紹介とかもして(イーブイは過去を隠したままだけど)親交を深めた。

だからまあ、こんな風に普通に聞いたりしている。

ルクシオ「人間がポケモンバトルの強さを見るための施設」

イーブイ「ポケモンバトル……ニンゲンってホントジコチュー!」

ポッチャマ「まあまあ。ニンゲンってそういうもんだから」

イーブイ「やっぱあたし捕まりたくなかった……」

ポッチャマ「それ以上言うとキレるよ」

イーブイ「ポッチャマってホントニンゲンの肩持つよね。なんなの?」

ポッチャマ「生まれた時からニンゲンと一緒だったもの」

ルクシオ「俺なんて生まれた時は人間なんだぞ!」

そんなボールの中の会話なんて知る由のないアカリはジムの扉を開いた。
 ▼ 405 1◆J44kAZeDOM 15/09/06 20:58:49 ID:FZBcG6j6 [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 406 ガチャーレム@たいようのいし 15/09/06 21:00:55 ID:8j45iuz. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 407 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 19:40:53 ID:qDJGcn66 [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

さて。3つ目のジムだ。

アカリ「えっと……なんだろこれ」

水が貼ったプール?

案内「おーっす未来のチャンピョン!」

アカリ「あ、案内さん!」

アカリ「今日はジム戦をしに来ました!」

案内「そうか。なら、その先を進めばいい」

アカリ「それで……どんな仕掛けなんですか? ここ」

案内「ここはボタンで水位を調整しながら進むんだ。黄色で下がる。青で増える」

案内「緑は今と同じ高さになる。それであの黄色いのあるだろ?」

アカリ「はい。で、それが?」
 ▼ 408 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 19:50:24 ID:qDJGcn66 [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
案内「水位の推移に応じてあの黄色いのの高さも変わるんだ」

えっと……こういうのは無視するのが一番だよね。

アカリ「わかりました。ありがとうございます!」

案内「」

なんかすごいがっくりしてるけど、気にしないで大丈夫よね。

だってわざわざあんな寒いダジャレ言っちゃうんだもん。

仕方ないよ。

アカリ「えっと……この先を進んで……階段登って……あ」

アカリ「あれが黄色いボタンかな? えい!」

ざあっと音をたてて水面が下がっていく。

アカリ「わあ……すごい……」

思わずため息がこぼれた。
 ▼ 409 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 19:50:48 ID:qDJGcn66 [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さて。あの階段を降りる事になるのかな?

うきわボーイ「あ、お姉ちゃん! バトルしよ!」

げ。見付かっちゃったよ……

クウタ「僕、クウタ! よろしく!」

アカリ「よろしく」

クウタ「行け! マリル!」

水、フェアリータイプか。

なら!

アカリ「ルクシオ! お願い!」
 ▼ 410 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 19:57:44 ID:qDJGcn66 [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「先手必勝! ルクシオ、スパーク!」

クウタ「マリル! 甘える!」

ルクシオ「るく……」

アカリ「か、かわいい……」

傍から見てもこんなにかわいいって……

やっぱルクシオも手加減しちゃうよね……うう……

マリルも普通に耐えちゃってるし……

クウタ「今だマリル! 水鉄砲!」

マリル「りる!」

マリルの口から飛ばされる水がルクシオに直撃した。

アカリ「ルクシオ! 大丈夫?!」

ルクシオ「る……く……」

アカリ「よし! 後一発! スパーク!」
 ▼ 411 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:01:09 ID:qDJGcn66 [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「るく!」

その後、いつものごとく壮絶な叫び声をあげながらのスパークはマリルに直撃して、マリルの体力を全て奪った。

クウタ「お疲れ、マリル。負けちゃった。はい、お金」

アカリ(す、少ない……)

いやでもさすがにそれを顔に出したら大人気ないな。笑顔笑顔!

アカリ「どう? お姉ちゃん強かったでしょ?」

クウタ「うーん、たぶんお姉ちゃん、マキシさn……おっと! マキシマム仮面には勝てないと思うよ」

え?

アカリ「ど、どういう事?」

自分でもわかる。笑顔がひきつってる事ぐらい。

いやでも仕方ないでしょこれは!
 ▼ 412 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:03:44 ID:qDJGcn66 [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クウタ「だって……レベルが低いんだもん」

アカリ「え?」

クウタ「マリルの水鉄砲でルクシオがこんなダメージ受けてるし」

アカリ「……」

確かに、相性に関わらない攻撃であそこまでダメージを受けるってのも相当おかしいとは思った。

でも……

アカリ「今までも大丈夫だったし、今回もきっと大丈夫!」

クウタ「まあ、応援してるよ〜」

きっと子供心に悔しかったのね。うん。
 ▼ 413 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:10:13 ID:qDJGcn66 [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

アカリ「っと。まずはルクシオを回復させてあげないと」

それはそうだ。結構きつい。

ルクシオ「ッ……」

沁みる……

にしてもあいつ、本質をついてくるなあ。

自転車でいろいろパスして実際バトルと言えばクロガネゲートのあれとアキラを除けばジム戦ぐらいだし。

ひょっとしたらこれ、今回負けあるかも知らんな。

だってバッジ3つ目なのにまだポッチャマがポッチャマのままなのは明らかにレベルがおかしい。

低すぎる。そんなのわかってるけどさ。

ま、一回ぐらい痛い目見た方がいいんじゃないか?

ってか痛い目見るの、結局俺たちなんだよなあ……
 ▼ 414 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:15:44 ID:qDJGcn66 [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ああもう、こう考えるとポケモンって理不尽だよな。

実際に戦うのはポケモンなのにそれがさも自分の実力のように扱われて。

いやまあポケモンが強いんだとは言ってるよ? 言ってるけどさ……

結局人間本位な事に変わりはないし……

なんか今ならイーブイが言ってた事の意味が分かる気がする。

自分で戦わないと意味がない。

こんなフレーズが浮かんで、なぜだかぞっとした。
 ▼ 415 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:20:45 ID:qDJGcn66 [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんでこんな事急に思い付いたんだろ?

別にイーブイがそんな事言ってた訳でもないのに……

まあいいや。それよか今は集中しないと!

ノモセは水ジム。俺が一番頑張らないといけない。

それにしても……

自分で戦わないと意味がない。

このフレーズは俺にとって、どんな意味があるんだろう?

おっと。また気取られてるし俺。

イーブイ「はあ……」

うわっ! ちょ、びっくりした……

ポッチャマ「きゅ、急にどうしたの?」

イーブイ「いやさ、何とかさっきのガキに怒らないようにこらえてた」

ポッチャマ「別にいいのに」

イーブイ「いやさ。あたしも変わらないとなあ、なあんて?」

ぺろっとベロを出してるのが目に浮かんだ。

言い方が冗談めかしてるし、大丈夫だろ。
 ▼ 416 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:25:15 ID:qDJGcn66 [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「まあ、お前が過去の何と決別しようとしてるか、無理には聞かないからさ」

イーブイ「……ありがと」

今は、こいつも過去に囚われすぎる事もなさそうだし。

こういうのがネタに出来るぐらいなら大丈夫、そう考えた。


アカリ「あ……これ避けられない奴だ」

確かに、今まではほとんど避けてたけども、確定で戦う事になるジムトレーナーもいるしなあ。

ま、俺ごり押ししてたらなんとかなるとは思うけど。レベル差が相当ひどくない限り。

アカリ「そこの船乗りさん! 対戦よろしくお願いします!」
 ▼ 417 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:30:46 ID:qDJGcn66 [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウゾウ「おう! 俺はユウゾウだ! よろしくな!」

ユウゾウ「頼んだぞ! キャモメ!」

アカリ「ルクシオ、よろしく!」

ルクシオ「おう」

キャモメ「よっしゃやるぞ!」

ユウゾウ「水の波動!」

アカリ「ルクシオ、スパーク!」

水の波動を頭からかぶっても、電気まとってるし大丈夫だろ……

と、思っていた。
 ▼ 418 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:31:59 ID:qDJGcn66 [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「う……揺れる……」

あれ? なんだこれ? ここどこだ?

俺、どうした?

ダメだ。

アカリ「ウソ……」

ユウゾウ「よし! 混乱引いた!」

アカリ「……うう……戻って! ルクシオ!」

アカリ「イーブイ、よろしく!」

あれ? いやマジで俺今さっきまで何してた?

ポッチャマ「どう? 初めての混乱状態の気分は?」

こ、混乱?

あ……

なるほど。そういう事か……だから引っ込んだら元に戻ったってか。
 ▼ 419 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:37:11 ID:qDJGcn66 [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ったく、恥ずかしいったらありゃしない。

ルクシオ「俺、なんか変な事してないよな?」

ポッチャマ「さあ〜どうだろうねえ?」

う……

ルクシオ「そ、そんな事よりイーブイの初バトルだ!」

話題逸らすのぐらい、許して欲しい。

アカリ「イーブイ、体当たり!」

ユウゾウ「キャモメ! 水の波動だ!」

イーブイ「ったく、いったいなあ……絶対許さないから!」

イーブイは攻撃を食らいながらもそのままキャモメへと体当たりをかました。

その火力にはすざましい物があり、あっという間にキャモメをノックアウトした。
 ▼ 420 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:41:09 ID:qDJGcn66 [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ほら。勝てるじゃん。

やっぱさっきのは負け惜しみだよね。

ユウゾウ「強いなあ、そのイーブイ」

ユウゾウ「はい、お金」

アカリ「ルクシオだって強いですよ! ありがとうございます」

ユウゾウ「いやあ、そうかな?」

アカリ「え?」

ユウゾウ「君、自分のポケモンの実力を正確に見極めるのもトレーナーの仕事の内だよ?」

アカリ「はい……え?」

ユウゾウ「さあ、もうだいたい半分だ! 来たからには全力でぶつかって行けよ!」

アカリ「は、はあ……」

なんなの? このジム!

あたしのポケモンが弱いとか、何言ってんのよホントに!

ふざけるのもいい加減にして!
 ▼ 421 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:43:37 ID:qDJGcn66 [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後も薬で回復させながらジムの奥を目指して進んだ。

アカリ「はあ? このスイッチなんなの? 地雷?」

アカリ「このスイッチもダメなの?」

アカリ「レベルが足りてない? 負け惜しみでしょどうせ!」

いらいらも最高潮だった。

アキラに煽られた時よりも悔しい。

悔しがる要素なんて何もないのに。

あたし、勝ってるのに。

なんか、悔しい。
 ▼ 422 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:46:22 ID:qDJGcn66 [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして。

マキシ「ほう。君がチャレンジャーか」

アカリ「はい。マサゴタウンのアカリです! よろしくお願いします!」

マキシ「なるほどな。自分のポケモンを信じている。そんな面構えだな」

アカリ「はい。信頼です」

マキシ「ここまで来たからにはチャレンジャー、全力で俺様を楽しませてくれよ!」

アカリ「勝ってみせます! よろしくお願いします!」
 ▼ 423 1◆J44kAZeDOM 15/09/07 20:46:44 ID:qDJGcn66 [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 424 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 19:35:09 ID:A0UEpofw [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

マキシ「頼んだぞタマンタ!」

アカリ「ルクシオよろしく!」

マキシ「電気タイプか! 面白くなりそうだな!」

アカリ「行きますよ、スパーク!」

マキシ「タマンタ、怪しい光だ!」

今回先に動いたのはタマンタだった。

その触手に灯ったゆらめく光がルクシオの精神を蝕む。
 ▼ 425 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 19:39:30 ID:A0UEpofw [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「あ、え……ダメだ。しっかりしろ!」

混乱する思考の中、なんとか冷静に敵を見定めた。

ルクシオは体に電気をまとったままに体当たりを食らわす。

アカリ「ルクシオナイス!」

タマンタは水飛行タイプ。

さすがにジムリーダーの手持ちと言えど、4倍弱点の攻撃をつかれて無事でいられるはずがない。

マキシ「ほう。面白くなってきたな! 頼んだぞ、ヌオー!」

アカリ「さすがにまずいな……混乱させたままも辛いし、ここは交代します!」
 ▼ 426 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 19:47:55 ID:A0UEpofw [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「よろしく、イーブイ!」

彼女の中で、水タイプに水タイプをぶつけてはいけない、そう判断しての事だった。

イーブイ「あたしね。ってかまたこのパターン?」

ヌオー「……」

寡黙なのか、ただぼんやりしているだけなのか。

ヌオーは何も語る事はなかった。

アカリ「イーブイ、体当たり!」

自信の特性も相まってノーマルタイプの技の威力が飛躍的に向上している。

だからヌオーにも決定打を与えられる。



そのはずだった。
 ▼ 427 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 19:48:57 ID:A0UEpofw [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「耐えろ! 気合い出せえええ!」

ヌオー「痛いなあ」

そんな事を言いつつまるで何事もなかったかのようなヌオーの姿がそこにはあった。

イーブイ「ウソ……でしょ……? あたしの体当たりが、受けられるなんて……」

アカリ「全然効いてない……」

マキシ「ヌオー、そのまま熱湯だ!」

直接攻撃を食らわせるべくヌオーのすぐそばにいたイーブイは、その直撃を受けた。

イーブイ「熱い! 熱い!」
 ▼ 428 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 19:51:13 ID:A0UEpofw [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「熱いし……痛い」

アカリ「イーブイ大丈夫?! やけどしてる……」

マキシ「ヌオー、とどめだ、泥爆弾!」

やけどの苦痛に必死に耐えているイーブイを容赦なく狙うヌオー。

そしてこの勝負の決着はあっという間についた。

アカリ「イーブイ、戻って!」

アカリ「ごめんね、イーブイ」

アカリ「ポッチャマ、よろしく!」
 ▼ 429 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 19:59:27 ID:A0UEpofw [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「……」

アカリ「行きますよ! ポッチャマ、つつく!」

マキシ「ヌオー、泥爆弾だ!」

ヌオーの口から放出される泥の塊は、あやまたずポッチャマを襲った。

その力はポッチャマの体力をほぼ全て奪った。

アカリ「頑張って、ポッチャマ!」

ポッチャマ「ダメ……強すぎる……」

アカリ「ポッチャマ!」

マキシ「……チャレンジャー」

アカリ「なんですか」

マキシ「そのポッチャマではもう俺様には勝てない。棄権した方がいい」
 ▼ 430 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 19:59:51 ID:A0UEpofw [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「なんで……なんでそんな事!」

マキシ「この大バカ者がッ!」

マキシ「自分のポケモンを信頼するのは大事だ。だが、自分のポケモンの声に耳を貸すのはもっと大事だ!」

アカリ「え……」

マキシ「もうそのポッチャマは限界だろう。見てみろ」

アカリ「それはそうですけど……でも……」

アカリはポッチャマを見る。

ポッチャマはまだ立ち上がろうとしていた。

でもその姿は、アカリには物凄く苦しそうに映った。

でも。でも。

ポケモンが諦めるより前にあたしが諦めちゃダメ!

アカリ「ポッチャマ、泡!」
 ▼ 431 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 20:02:04 ID:A0UEpofw [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「ヌオー、熱湯!」

それはマキシの死刑執行宣告。

体力の尽きかけたポッチャマにその技が避けられるはずもなく、ポッチャマは倒れた。

マキシ「チャレンジャー、早くポケモンセンターに連れて行ってやれ」

アカリ「負け……です。そうします」

マキシの助言に従う事にした。

これが、アカリの初めての敗北だった。
 ▼ 432 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 20:06:46 ID:A0UEpofw [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あああ!

ルクシオまだ生きてんじゃん!

>>431は無視して

>>430の棄権うんぬんもポッチャマ個人の事って解釈でお願いします

ああ……やらかした……

すいません
 ▼ 433 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 20:09:41 ID:A0UEpofw [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「ヌオー、熱湯!」

それはマキシの死刑執行宣告。

体力の尽きかけたポッチャマにその技が避けられるはずもなく、ポッチャマは倒れた。

アカリ「地面タイプ……でも……ルクシオ!」

マキシ「もうそのルクシオで最後の1匹なのか?」

アカリ「はい」

マキシ「そうか。ヌオー、泥爆弾!」

アカリ「ルクシオ、体当たり!」

ルクシオの攻撃は確かに命中する。

だが、それだけだ。

ヌオーはほとんどダメージを受けていない。

そのまま泥爆弾の直撃を受けてあえなくダウンした。
 ▼ 434 1◆J44kAZeDOM 15/09/08 20:10:14 ID:A0UEpofw [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ああもう……疲れてんのかな俺……

今日はここまでにします
 ▼ 435 サキント@クイックボール 15/09/08 21:09:03 ID:rN7L4Nn. NGネーム登録 NGID登録 報告
しえーん
 ▼ 436 ゲハント@リピートボール 15/09/08 21:56:20 ID:i/3ZvZZY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
キノさんではないですよね?
 ▼ 437 1◆J44kAZeDOM 15/09/09 22:55:24 ID:JtTP2SK2 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「あたしの……負けです」

マキシ「急いで手持ちたちをポケモンセンターに連れて行ってあげた方がいい」

アカリ「わかりました」

ああもう! 勝てないって言われて、そのまま挑んでむざむざ負けるって何?

あたし、そんな弱いかなあ?

確かにマキシさんは強かった。

でも、あたしが……ううん、あたしのポケモンたちが弱いみたいに言わないでよ!

アカリ「あーあ、やんなっちゃう!」

声に出して言ってはみたけど、それで特に何かが変わる訳でも無くて。

考えるのがバカらしくて、ポケセンに急いだ。
 ▼ 438 イコウ@くさのジュエル 15/09/09 23:00:02 ID:JtTP2SK2 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジョーイ「お預かりした(ry」

アカリ「ありがとうございます。そのまま部屋の予約を……」

ジョーイ「トレーナーカードを確認させていただきます!」

アカリ「これです」

ジョーイ「わかりました。こちらが部屋のカギになります」

暗い表情、陰鬱な声。

それなのにそこを無視してくれるジョーイさんの優しさが骨身に沁みた。
 ▼ 439 1◆J44kAZeDOM 15/09/09 23:03:59 ID:JtTP2SK2 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お風呂に入るのも鬱陶しくて、そのまま体をベッドに投げ出した。

そりゃ、あたしが弱いって言われるのはまだ我慢出来るよ?

でもさ。ポッチャマが。ルクシオが。イーブイが。

みんなが弱いって思われてるのが納得いかない。

あたしが弱くても、この子たちはみんな強いのに。

あたし自身がけなされるよりも腹立つ!

アカリ「あ〜あ、もうヤダ!」

……ダメ。口に出したら余計悲しくなる。

なんでこうなるの?
 ▼ 440 1◆J44kAZeDOM 15/09/09 23:13:20 ID:JtTP2SK2 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

ルクシオ「……負けたな」

ポッチャマ「……うん」

イーブイ「ったく、あたし使ってそのうえで負けるってどういう根性してんのよ!」

ルクシオ「まあまあ」

でも、と思う。

イーブイはともかく、俺とポッチャマのレベルが、3つ目のジムにしては低すぎるのは事実。

だからそもそもこの状態で無理矢理ジムに突っ込んだ事がアカリの大ポカなんだろう。

ジムトレーナーも揃いも揃ってその事を言ってたんだ。

それをアカリは額面通り俺たちが弱い、それだけだと誤解してる。

……もっとも、ポケモン視点からそれを考えた所で、ただの都合のいい主張になっちまうんだけど。
 ▼ 441 1◆J44kAZeDOM 15/09/09 23:13:44 ID:JtTP2SK2 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「たぶんさあ、あんたたち、レベルが足りてないよ」

ポッチャマ「わかってる」

イーブイ「あのヌオーはホント耐久力が高い。あたしの体当たりがあそこまで効かないの初めてだもん」

ルクシオ「そもそも地面混ざってるから俺じゃどうしようもないしな」

ポッチャマ「とりあえず……」

ベッドの上で拗ねたように眠っているアカリを見やって言った。

ポッチャマ「私たちのレベルが足りてないって事、どうにかして気付いてもらわないと」

ポッチャマ「こんな風に拗ねてばっかじゃ何も変わらないのに」

ポッチャマ「トレーナーの精神状態ってダイレクトにバトルに影響するし、私たちにとってもいい事ないわ」
 ▼ 442 1◆J44kAZeDOM 15/09/09 23:14:05 ID:JtTP2SK2 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
短いですが今日はここまでです
 ▼ 443 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 20:26:54 ID:7lOnm3uw [1/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あーもう! お風呂入るよ!」

いらいらした口調でそう言い放つと俺たち3人を全員外に出す。

ルクシオ「行って来いよ。俺はさすがに一緒には入れないし」

ポッチャマ「ええ、そうするわ」

イーブイ「お先」

浴槽へと向かう3人を眺めながらぼんやり考えていた。

あのヌオー、防御力が異常に高い。

それに地面タイプだから俺からの打点はほぼなしと言っても過言ではない。

俺が睨み付けるを使えればまだ勝機はあったかもしれないけど、あいにく忘れてしまった。

体当たり、充電、スパーク、噛みつくだ、確か。

このジムの間に実は習得してたっぽい。
 ▼ 444 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 20:32:09 ID:7lOnm3uw [2/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
技の習得ってここまで地味に出来るんだ、とちょっと驚いてみたり。

それはともかく、ポッチャマの技も相手の防御を下げる技はなかったはず。

はたく、泡、つつくに鳴き声だから、確かにないな。

後はイーブイなんだけど……

技がわからない。

体当たりと電光石火は確定してるけど……

確かしっぽを振るあたりは覚えるけど……今も覚えてるのか?

覚えてたらいいんだけど……
 ▼ 445 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 20:36:44 ID:7lOnm3uw [3/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そもそも、覚えてたところで俺たちの今の実力じゃとてもじゃないが太刀打ち出来るとは思えないんだけど。

ルクシオ「まあ、ゲームの主人公じゃないんだからそんな勝ち続けるって訳にもいかんしな」

チャレンジャーに勝利出来る実力があってのジムリーダーだ。

そんな何人にも負けてたらとてもチャレンジャーの実力は計れない。

実際主人公とライバル、ホウエンだとライバルじゃなくてミツルだっけ? の名前ぐらいしか書かれてないしな……

あのジムの石像に。
 ▼ 446 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 20:42:19 ID:7lOnm3uw [4/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「まあそう考えると勝てなくても全くおかしくはない、かあ」

自分を納得させようと声に出して言う。

でも、生来の俺は負けず嫌いだったのか、そう声に出すと余計悔しさが込み上げて来る。

ルクシオ「……ったく」

なんとしても勝つ。

今の自分の不可解な状況よりも(ポケモンになるなんてどう考えても一番の問題なはずなのに)この目標が俺の頭に憑りついて離れない。

アカリが出て来た。今日ばかりはさっぱりした気分にもなれないらしく、むっとした顔。

こりゃ相当ストレス溜まってんな。

面倒な事にならなきゃいいけど。

いや普通に特訓とかならする。でも、こういう時の女子ってどうするかよくわからないから。

その気持ちがわからないのが、ちょっと怖い。
 ▼ 447 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 20:48:58 ID:7lOnm3uw [5/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

なんでこの子たちの事を悪く言うの?

ずっとそればっか考えて。

こんなかわいいのに。

何? それとも、あたしにとってこの子たちが、かわいいだけって事?

ううん、違うよ。大切な仲間で、一緒に旅する友達で。

だから……

アカリ「ああもう! やんなっちゃう」

思考も言葉も堂々巡り。

さっきからずっとこう言ってる。

それはわかってるけどさあ。

嫌な物は嫌なんだもん。
 ▼ 448 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 20:54:28 ID:7lOnm3uw [6/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
はあ……

でも……

こうやってずっと怒ってるだけじゃどうにもならないよね……

ベッドに倒れ込む。

アカリ「ルクシオ、もうあたしたち入っちゃったから今日はもう体拭かないまま入っても大丈夫よ」

一言そう言っておいて、布団に潜りこむ。

よし。

絶対あのジムの全員を見返してやる!


……と、すると1回あのジムで言われた事を振り返る必要があるな。

えっと……確か……

「レベルが低い」

「ポケモンの強さを見極めるのもトレーナーの実力の内」

こんなんだったよね。
 ▼ 449 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 20:56:49 ID:7lOnm3uw [7/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……

…………

………………

これ、冷静に考えるとさ。

あたしがちゃんと実力を見極められてないから負けた。

つまりあたしが無茶させた、って事にならない?
 ▼ 450 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:02:56 ID:7lOnm3uw [8/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
がばっと身を起こす。

そんな訳ない……そう思いながら、どこかで否定しきれない自分がいた。

あたし、あたしがダメだったの?

実力不足だって言われるようなレベルで突っ込んだ、あたしがダメだったの?

アカリ「ねえ、ポッチャマ、イーブイ」

アカリ「あなたたち……相手と比べて、実力が足りないって自分で思う?」

軽く鳴き声をあげながら2匹は

しっかりとうなずいていた。
 ▼ 451 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:05:54 ID:7lOnm3uw [9/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうか……

あたし、無茶させてたんだ……

ポケモンが自分で気付けるぐらいの実力の差があったのに

それを認めなかったのはあたしだけ……か。

アカリ「そっか……ごめんね。無理させて」

確かに相手は強かった。

あたしのポケモンたちよりも。

だったらあたしは……あたしとみんなは……

もっと強くなるしかない!
 ▼ 452 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:13:24 ID:7lOnm3uw [10/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

ふう……やっぱ風呂はいい。

どれだけ精神的に疲れていようと湯船と言うのは分け隔てなく浸かる者に温もりを与える。

そんな当たり前の事を最近やけにありがたく思う。

理由はわかっているけれど。


さて……体をほぐして浴室から出ようとしたのだが。

確かに体から水分は飛ばせる。

ただ、それでも完全に飛ばしきれる訳ではなく、足の裏とかの結構重要な場所の水気は飛ばせない。

だから、床が濡れるのを避けるためにはアカリに来てもらわなくちゃいけないんだけど……

ルクシオ「おーい! 来てくれ!」

とは言ったけど、正直来てもらえるか、自信はなかった。
 ▼ 453 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:16:38 ID:7lOnm3uw [11/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だから。

アカリ「はーい」

と返事が返って来た時には、正直ちょっとびっくりした。

入って来たアカリの顔がどことなくすっきりしていたのも想定外。

アカリ「ねえルクシオ」

ルクシオ「ん?」

アカリ「明日から特訓するよ! いいよね?」

ああ、なるほど。やっと俺たちが弱いって当たり前の結論に行きついたんだな。

ルクシオ「ああ」

俺は笑みを浮かべた。
 ▼ 454 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:21:45 ID:7lOnm3uw [12/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝。

その日の悩みをその日のうちに解決出来たのがよかったのだろう、眠りは快かった。

もっとも今、夢から何か手掛かりを得たい俺にしては正直ここまで深い眠りは余計だったりする。

そう頭では思っていても、心はこの眠りを喜んでいる事は間違いない。

ルクシオ「ふああ……」

背中を逸らすと、起きだしたポッチャマが言った。

ポッチャマ「盛大にあくびするね」

ルクシオ「まあ……な」

ポッチャマ「さあて、アカリ起こすか」

カーテンを開ける。

開けた。

日光がアカリの顔に降り注いだ。

それだけだった。

いや、イーブイは起きたからそれだけではなかったのだけれど。
 ▼ 455 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:26:19 ID:7lOnm3uw [13/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「くああ……あ、おはよ……」

ルクシオ「ああ、おはよう……アカリ、起きないんだけど……」

ポッチャマ「……慣れちゃったみたいね」

アカリは幸せそうな寝顔を無防備に晒している。

ぶっちゃけ今なら誰か危ない男がアカリの事を襲っても気付かれないような気がする。

俺は絶対しないし、そんな事する奴がいよう物なら全力でスパークをお見舞いする。

だって、キモ過ぎるから。

もちろんアカリに対する同情だってあるけどさ。

いやまあそんな仮定の話は置いといて。

これ、どうすんだ?
 ▼ 456 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:31:40 ID:7lOnm3uw [14/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いや確かに昨日は疲れたと思う。

アカリなりにいろいろ考えてただろうし。

でもそろそろ起きなきゃいけない時間なのは事実。

なんて思っていたら目覚ましの音が鳴り響いた。

それを本能のままに止めるアカリ。

イーブイ「ねえ……今の何?」

野生で暮らしていたら目覚ましを知らないのも無理はないか。

昨日はそれどころじゃなかったし。

ルクシオ「ああ、目覚まし時計って言って……」

俺が説明している間にも、ポッチャマは考えているようだった。

ポッチャマ「これが一番ダメージが少ないか……泡!」
 ▼ 457 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:36:35 ID:7lOnm3uw [15/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かに泡程度じゃ大したダメージにもならないだろう。

ただ……それだけだと……

アカリ「うーん……」

そのまま寝返りを打つ。

ですよねー。

イーブイ「ねえ、起きないけど……」

ポッチャマ「手加減し過ぎた」

イーブイ「もう起きないとダメなんだよね?」

ルクシオ「うん、え、ちょま……」

イーブイ「電光石火!」
 ▼ 458 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:43:07 ID:7lOnm3uw [16/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「うぐえっ!」

自分の物とは思えない汚い声で目が覚めた。

アカリ「うう……いったあい……」

半べそかいてるな、これ。

ってか目が覚めたら痛みにもだえ苦しんでたなんてホント笑い話にならないよ……

この旅でもう2回目だよ!

ああもう……
 ▼ 459 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:48:39 ID:7lOnm3uw [17/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふう……落ち着いた。

まだちょっと痛いけど……

って言うか、ごはんの時間もうすぐ終わるじゃん!

アカリ「急いで!」


慌ててごはんを食べた。

正直焦り過ぎて味がよくわからなかったけど……

まあなんとなくおいしいし、痛みもだいぶ治まって来たし、それでいっか!
 ▼ 460 1◆J44kAZeDOM 15/09/10 21:51:56 ID:7lOnm3uw [18/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

超絶今更ですが、>>355から4章が始まっています

また忘れてました、すいません
 ▼ 461 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:03:25 ID:P8.E/vfw [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ごちそうさま……いてて」

うう……やっぱりまだちょっと痛い……

アカリ「もう……これからやめてね」

イーブイは拗ねたみたいにそっぽを向いてるけど……

いや、あたしが起きないのが悪いのはわかってるよ? わかってるけどさあ……

痛い物は痛いんだもん。

それはともかく。

アカリ「気を取り直して、今日は特訓頑張るよ!」
 ▼ 462 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:10:07 ID:P8.E/vfw [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

さて……これからアカリをどうやって起こそうか。

ただいつも以上に疲れてただけだったらそれでいい。

でもいつか、実際に慣れた時、起きなかったら困るのは俺たちだ。

さすがに俺の電撃で起こしてたらいつか永遠に起きなくなるような気がするし……

なんて考えながらアカリが朝の準備を終えるのを待っていた。

イーブイ「少なくともあたし、あんたたちよりは強いみたいだから……」

唐突にイーブイが話し出す。たぶん、退屈を持て余したのだろう。

イーブイ「なんなら見本とか見せてもいいんだけど……」

ポッチャマ「たぶん参考にはならないだろうね。私とイーブイじゃ戦い方が違うもの」

ルクシオ「俺は体当たりに関して参考に出来なくはないよ。でもさ」

ルクシオ「参考にしたところで、意味ないと思うんだよね」

だって、ただの体当たりなんだし。
 ▼ 463 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:13:39 ID:P8.E/vfw [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「ここでたかが体当たり、されど体当たり! なあんて言えたらかっこいいんだけど……」

イーブイ「あいにくコツも何もないしなあ……」

ここで俺は、ゲームだろうとアニメだろうと変わらない不変の法則を思い出す。

ルクシオ「とりあえずポケモン倒して経験積むのが一番だろ」

ポッチャマ「まあね」

アカリ「よし、完了!」

朝の準備が終わったらしい。

アカリ「行くよ! みんな!」
 ▼ 464 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:20:07 ID:P8.E/vfw [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
213番道路

アカリ「よし。ここで野生のポケモンとかトレーナーとかを倒してレベルアップ」

アカリ「単純だけど、たぶんこれが一番の早道だと思うの」

そう言うとアカリは辺りを見回した。

アカリ「……っと! ただ見てるだけじゃどうしようもないな」

アカリ「草むら草むら……あそこにいっぱいあるな」

アカリ「誰かいないかなあ……」

草むらに足を踏み入れたはいいが、そんなうるさくしてたら逃げて行くと思う。

ゲームだとなんか走ってるとポケモンが出やすく感じるけど、実際はおかしいもんな。

普通野生の動物もといポケモンが人間に気安く近付いてくるとはなかなか思えない。
 ▼ 465 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:30:35 ID:P8.E/vfw [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
実際、誰も、1匹たりともよりついて来なかった。

イーブイ「ああもう、がさつ! もっとあたし捕まえた時みたいにゆっくり歩きなさいよ!」

ポッチャマ「やっぱニンゲンが来たら逃げるもんなの?」

イーブイ「当たり前でしょ! 誰が好き好んでニンゲンなんかとパートナーになるっての?」

人間とパートナーになるってとこでポケダンを思い出した。

そういやイーブイ、すぐ逃げて面倒だったな……

……ってかなんで今まで思い浮かべなかったんだろ。

ポケダンって、今の俺にぴったりじゃねえか。

目が覚めたらポケモンになっちゃった……

まさしく俺だな。

いやそんな事はどうでもよくて、このままじゃ特訓にならない。

そう思っていた時だった。
 ▼ 466 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:31:04 ID:P8.E/vfw [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「うーん、ダメか……」

大人のお姉さん「ねえ、そんな大声出してたらポケモン逃げちゃうと思うんだけど」

アカリ「え?」

唐突に声をかけられたのだ。

大人のお姉さん「声が聞こえたから来てみたの。あなた、トレーナーよね?」

アカリ「はい。あ、もしかして!」

大人のお姉さん「ええ。目と目が合ったらポケモンバトル、よ」

ルミコ「あたしはルミコ。あなたは?」

アカリ「あたしはアカリです! そういう事なら、対戦よろしくお願いします!」
 ▼ 467 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:40:38 ID:P8.E/vfw [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

ルミコ「キリンリキ、よろしく」

アカリ「ポッチャマ! お願い!」

気合いを入れるかのように鳴き声をあげて、2匹がバトル場に姿を現す。

ルミコ「キリンリキ、サイケ光線!」

アカリ「ポッチャマ、泡!」

指示を受け、先制したのはキリンリキだった。

見る者の心を惑わす不思議な光がポッチャマを照らし出す。

ポッチャマ「うっ……」

思わず目を覆ったポッチャマに、ルミコはさらに追い打ちをかける。

ルミコ「ダメ押し!」
 ▼ 468 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:45:46 ID:P8.E/vfw [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダメ押し。

一度ダメージを受けた直後にそお攻撃を受けるとダメージの量が2倍になると言う技だ。

アカリ「迎え撃って! 泡!」

ポッチャマを狙い近付いて来たキリンリキに泡の一撃を浴びせる。

はじける泡がキリンリキの視界を奪い、ポッチャマは攻撃を上手くかわした。

ルミコ「へえ、なかなかやるじゃない」

アカリ「今は特訓中ですけどね」

ルミコ「でも、あなたの場合、近距離に近付いたらそこを狙い撃つ、そんな戦い方ね」

ルミコ「なら、近距離に近付かなきゃいいのよ」

ルミコ「サイケ光線!」
 ▼ 469 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:51:36 ID:P8.E/vfw [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリの頭には戸惑いが浮かんでいた。

相手が接近して来た勢いを利用してある種のカウンターのように技の威力を上げていたのは事実。

それを読まれるとかなりやり辛いのだ。

さあて、どうやって対処しようか……

戸惑いとは言っても、そんな前向きな戸惑いだったのだが。

アカリ「ポッチャマ! 右に飛んで!」

相手の攻撃をかわす、それがアカリの出した結論だった。

当たらなければ意味がない。

三十六計逃げるに如かず、である。
 ▼ 470 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:58:38 ID:P8.E/vfw [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルミコ「へえ、でも、いつまでもつかな?」

煽るような口調で言う。

確かに当たらなければ意味がないのは事実。

だが、逃げてばかりでは勝てないのもまた事実。

アカリ「そんなのわかってるけどさ……」

アカリの脳は必死で作戦を組み立てる。

遠距離から攻撃されるのなら、こっちも遠距離から攻撃すればいい。

その威力が低いのが問題なのだが。
 ▼ 471 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 21:59:01 ID:P8.E/vfw [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「でも、塵も積もれば山となる! ポッチャマ、泡!」

ルミコ「キリンリキ、サイケ光線!」

2つの技がぶつかり合う……などと言う事はない。

なぜなら。

泡を光が通る事によって反射や屈折などが起こり、光そのものは……

ルミコ「え……散らばって、相手に届いてない……」

アカリ「今よ! ポッチャマ、つつく!」

動揺しているルミコとキリンリキの隙をついてポッチャマは一気に距離を詰める。

その勢いのままにくちばしをキリンリキに突き刺した。

キリンリキはその衝撃に耐え切れず、地に崩れ落ちた。
 ▼ 472 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 22:02:22 ID:P8.E/vfw [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ルミコ「ふう……負けちゃったか」

アカリ「対戦、ありがとうございました」

ルミコ「これ、賞金ね」

アカリ「ありがとうございます!」

ルミコ「ホント、憎たらしいくらいはじける笑顔ね……あら?」

アカリ「え?」

ルミコ「後ろ……」

アカリ「うわあ、綺麗……」

先程の泡とサイケ光線の力か、虹がかかっていた。

アカリ「虹かあ……」

空にかかった7色の光。

そして、その下で。

また別の光を。

ポッチャマが放っていた。
 ▼ 473 1◆J44kAZeDOM 15/09/11 22:02:46 ID:P8.E/vfw [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 474 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 16:22:08 ID:ubmcHzYg [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「え、これってもしかして!」

ルミコ「へえ、進化の瞬間に立ち会えるのか」

アカリ「やっぱり! 進化よね! すごいよポッチャマ!」

ポッチャマの体が少しずつ変わって行って、体格的にも大きくなる。

その神秘的な光景に思わずため息がこぼれた。

アカリ「やっぱ綺麗……」

そして。

その光は影を潜め、えっと……確かポッタイシだったよね。

ポッタイシ「ぽった」

アカリ「やった! やったよポッチャ……じゃなくてポッタイシ!」

ルミコ「おめでと。私も進化の瞬間を見たのは初めてね」

実はあたしこれで2回目なんだけど……
 ▼ 475 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 16:22:30 ID:ubmcHzYg [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まあでも、特訓の成果としてはこれ以上ないぐらいに大成功かな?

アカリ「対戦ありがとうございました! おかげでポッチャマもポッタイシに進化出来ましたし!」

ルミコ「こっちもめったに見られない物見せてくれてありがとう。回復させに行かなきゃ……」

ルミコさんはそう言ってノモセの方角へ歩き去った。

いやあ、大人って感じでかっこいいなあ。
 ▼ 476 ゲチック@ライブキャスター 15/09/12 16:27:45 ID:CuBnadJo NGネーム登録 NGID登録 報告
イーブイは進化どうなるんだ?
 ▼ 477 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 16:27:46 ID:ubmcHzYg [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

ルクシオ「進化したんか」

ポッタイシ「ええ。まあ、もうそろそろだとは思ってたけどこんなすぐだとはね」

イーブイ「……おめでと」

ルクシオ「そういやイーブイって誰に進化したいんだ?」

ポケモン世界においてイーブイほど多様な進化の可能性を秘めたポケモンはいないと思う。

今わかってるだけでも7種類いるし。

シャワーズサンダースブースター、エーフィにブラッキー、リーフィアグレイシアの7匹。

こいつの事だからブラッキーとかありそうだけど……

イーブイ「さあね。そう言うのって、あたしたちイーブイにとってはそう簡単に決められる物じゃないもん」

ポッタイシ「そう考えると分岐進化って面倒ね」

イーブイ「ただ、ブースターだけはやだ」

ルクシオ「え、なんで?」
 ▼ 478 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 16:28:12 ID:ubmcHzYg [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



イーブイ「あたしのお父さん、ブースターだったんだけど、そのせいでニンゲンから捨てられたの」

イーブイ「そう聞いた時からあたし、ニンゲンを信用してない」



ブースターだから……捨てられる?

なんでそうなるんだ?

イーブイ「ホント理不尽よね。なんでブースターがダメなのかはあたしも知らない」

ポッタイシ「ああ、つまりあんたはニンゲンの黒い部分だけを見て育って来たのか」

イーブイ「さあね。他のニンゲンがまともなのかどうかはまだわからないしね」

人間と言う物はすごい種族だと思う。

いろいろ技術を発達させ、その上で動物の……こっちではポケモンの保護にも力を入れて。

でもそう言った光の面が強ければ強いほど闇と言うのは色濃くその存在感を示す。

その面だけ見て育ったのならこの人間嫌いもうなずける。
 ▼ 479 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 16:31:36 ID:ubmcHzYg [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「まあでもさ……」

イーブイ「何?」

ルクシオ「人間、そんなに悪い物でもないしさ」

ルクシオ「これから何かわかるかもしれないじゃん」

イーブイ「……まあね。あたしもこうなっちゃったからにはせめてニンゲンの事信じられないとやってけないし」

ポッタイシ「ま、価値観の違いって、ある意味面白かったりするしね」

イーブイ「なあんか辛気臭くなっちゃったな。この話は終了! あたしたちも特訓頑張らないと!」
 ▼ 480 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 16:35:22 ID:ubmcHzYg [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

その後、浮き輪の子たちを倒し(やっぱお金少ないなあ)。

アカリ「ちょっと疲れたね……休もっか」

えっと……確か……

あった! ホテルグランドレイク!

宿泊客以外にも休憩所を無料で使えるらしいし……

アカリ「みんな、休憩するよ!」
 ▼ 481 ライオン@ルアーボール 15/09/12 16:35:37 ID:8E2D5uck [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このSS本当嫌いBSSで時々タイトル見ただけで吐き気する
 ▼ 482 ククラゲ@たからぶくろ 15/09/12 16:36:02 ID:8E2D5uck [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>481
BBSの間違い
 ▼ 483 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 16:36:06 ID:ubmcHzYg [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます

>>478の前半の行が開いてるのは書き溜めの写しのミスです

慣れない事はするもんじゃありませんね
 ▼ 484 ンブレオン◆Y3W/A8GX8A 15/09/12 19:07:57 ID:.fCR4VX2 NGネーム登録 NGID登録 報告
>>481
そういうのは心の中に留めてください
 ▼ 485 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 20:57:16 ID:ubmcHzYg [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホテル グランドレイク

アカリ「あの、すいません」

フロント「なんでしょう?」

アカリ「無料休憩所ってどっちにありますか?」

フロント「それならこちらにございます」

アカリ「ありがとうございます!」

すごい……丁寧だなあ、言葉遣い。

さすが有名ホテルの店員? なんか違う気もするけど、まあ店員ね。
 ▼ 486 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 20:59:36 ID:ubmcHzYg [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「えっと……あった!」

ここが休憩スペースか。

すごいな。

シンオウ1有名なホテルって言うだけあるなあ。

アカリ「みんな、出て来て!」

ボールから飛び出して来た3匹はめいめいな方向に散らばるのかと思ったら3匹で何か話し始めた。

何話してるんだろ?

気になるなあ。
 ▼ 487 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 21:05:38 ID:ubmcHzYg [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ま、でも仕方ないか。

ポケモンの言葉はわからないものだし。

アカリ「さあて。これからどうしよ……」

とりあえずこの辺の観光地も巡ってみたいなあ……

……っと! あたし今、特訓しに来てるのに、観光気分じゃダメよね。

まあでも、これからのためにちょっと見とくか……パンフレット。

棚にたくさん刺さっている内の一冊を手に取った。

アカリ「えっと……何々?」

レストランななつ星……おいしい料理とダブルバトルが自慢の店?

ダブルバトル……

アカリ「そうだよ! あ、すいません……」

たはは、と笑いながら再び視線をパンフレットに戻す。

周りからの視線を感じながら……

ああ、恥ずかしい……
 ▼ 488 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 21:10:42 ID:ubmcHzYg [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でも……特訓にも、観光にも最高じゃん!

問題は値段だけど……げ、たっか。

こりゃあたしのお小遣いの範囲外ね……

ああ残念!

でも特訓に向いてるのは確かよね。

よし。

今からそこ行くぞ!

アカリ「みんな、戻って!」
 ▼ 489 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 21:16:35 ID:ubmcHzYg [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

とりとめもない雑談をして時間を過ごしているとアカリが唐突に叫び、周りから冷たい視線を浴びせられた。

ポッタイシ「ったく、学ばないね」

ルクシオ「コンテスト会場でもあったよな?」

イーブイ「コンテスト? 何それ?」

ルクシオ「ポケモンの見た目とか技の美しさとかダンスの上手さを競う競技」

イーブイ「ふうん」

ポッタイシ「え? 嫌がると思ったんだけど」

イーブイ「いや、あたしが出るのは嫌だけど誰かしたいポケモンが出るのは勝手じゃん?」

ポッタイシ「……そうよね」

ルクシオ「いい事言うじゃん!」

イーブイ「でしょ?」

そんな時、唐突にアカリが立ち上がる。

アカリ「みんな、戻って!」
 ▼ 490 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 21:20:28 ID:ubmcHzYg [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さて、どこに行くのやら。

そんな事を考えながらボールの中で揺られていた。

アカリ「なんだ、めっちゃ近いじゃん」

へえ、あのホテルからめっちゃ近い施設って事は……

アカリ「よし、行くぞ!」

あのダブルバトルのレストランだな。

大方おいしい料理と特訓が同時に出来て一石二鳥! って感じで突っ込んだんだろうな……

なんとなくアカリの思考が読めている自分に気付き、愕然とする。

アカリの思考が単純なのを差し引いても俺はそこまでアカリといた、という事実に。
 ▼ 491 1◆J44kAZeDOM 15/09/12 21:20:52 ID:ubmcHzYg [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 492 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 13:55:58 ID:5Gn3ki8w [1/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

店員「こちらのレストランではお食事だけでなくポケモン勝負もお楽しみいただいております」

店員「存分にお楽しみくださいませ」

アカリ「ありがとうございます」

店員「席はこちらになりま「あ、すいません」

アカリ「お金が足りなさそうなんですけど、バトルだけでも大丈夫でしょうか……?」

追い出されたらどうしよ……

店員「なるほど。大丈夫でございます」

アカリ「よかったあ……」

店員「お客様はみな勝負も楽しみにしていらっしゃいます。お声をかけていただけばほぼ確実に勝負出来ると思います」

アカリ「わかりました」
 ▼ 493 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 14:01:09 ID:5Gn3ki8w [2/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さてと……誰とバトルしようか……

さっきの休憩で体力は万全だし……

マダム「おや。あなた、初めて見かける顔ですが……」

ジェントルマン「ここは初めてですか?」

アカリ「あ、はい」

ジェントルマン「そうか。では、私たちと勝負しないかね?」

アカリ「はい! 喜んで!」

マダム「うふふ、かわいいわね」

相手の方から声かけて来るんだ。

ちょっとびっくり。
 ▼ 494 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 14:04:30 ID:5Gn3ki8w [3/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジェントルマン「私はアルだ」

マダム「わたくしはベベと申します」

アカリ「あ、アカリです。対戦よろしくお願いします!」

って言うかこれあたしからしたら初めてのダブルバトルじゃないの!

タッグバトルならアキラとしたけど、ダブルバトルは初めてだなあ。

アル「頼んだぞ、ムックル」

ベベ「ニャルマー、よろしくお願いしますね」

アカリ「ルクシオ、イーブイ! よろしく!」
 ▼ 495 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 14:15:14 ID:5Gn3ki8w [4/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

アル「ルクシオか……」

そう彼が呟く。

彼の手持ちであるムックルにとって、電気タイプは脅威的な存在であるからだ。

アカリ「ルクシオムックルにスパーク! イーブイはニャルマーに電光石火!」

アル「ムックル、影分身だ」

ベベ「ニャルマー、イーブイに催眠術です」

イーブイの俊足は問答無用で誰よりも速く行動する。

そしてその技はニャルマーに大きなダメージを与える。

ニャルマー「くっ……」

だが、攻撃した後と言うのは誰しも隙を見せてしまう物である。

ニャルマー「これでもくらいなさい!」

本来命中率の低い技である催眠術はしかし、その隙を華麗に突いてしっかり命中した。

アカリ「ああ! イーブイ!」
 ▼ 496 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 14:24:39 ID:5Gn3ki8w [5/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その技の効果を受け、イーブイは深い眠りへといざなわれた。

ベベ「ふふ、これで実質2対1ですわね」

そんな事が進んでいる間に。

ムックル「さあて、これでどうだ」

数多の分身がムックルから生み出され、ルクシオの視界を惑わせていた。

ルクシオ(どれだ? どれが本物なんだ?)

手あたり次第に攻撃を仕掛けてはいるけれど、どれもただの分身で。

ルクシオは結局本物を見分けられなかった。
 ▼ 497 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 14:25:04 ID:5Gn3ki8w [6/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「イーブイ交代! ルクシオはニャルマーにスパーク!」

アル「ルクシオに電光石火だ」

ベベ「ルクシオに騙し討ちです」

イーブイがボールに戻され、ポッタイシが戦場に飛び出す。

ムックルが分身とともにルクシオに襲い掛かった。

しかし、ルクシオにはある1つの案があった。

と言っても過去の物の使いまわしと言えばそう言えなくもないような物なのだが。

ルクシオ(飛行タイプ……電気に触れるだけでも体力は削られるはず)

ルクシオ(だからヨスガジムの時みたいに体に電流を流せば……)

ルクシオは充電を始める。それはスパークまでの布石であると同時に攻撃してくるムックルを傷つける刃のような物でもあるのだ。
 ▼ 498 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 14:29:01 ID:5Gn3ki8w [7/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ(フルパワーだ!)

そう自分に言い聞かせ、限界に近い量の電気を体に溜めて行く苦しみを耐え忍ぶ。

ムックル「おりゃ!」

目に映るのは大量のムックル。

しかし実際攻撃を繰り出してくるのは1匹だけだ。

そしてそれを気にせず。

ルクシオ「スパーク!」

ニャルマーへと突進する。

気付かれないように近付いていたニャルマーにとってその不意の行動はとても対応しきれる物ではなくニャルマーは地に崩れ落ちる。

そして電気を溜め切ったルクシオに触れたムックルは。

ムックル「うう……痺れる……」

体に電気が流れ、マヒ状態に近い物になっていた。
 ▼ 499 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 14:38:23 ID:5Gn3ki8w [8/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それだけでなく、電流に不意を突かれたせいか、分身が消えていたのだ。

アカリ「よし! これならいけるかも!」

ベベ「舐めていただいては困ります。ミミロップ、よろしく頼みますよ」

アル「ルクシオにがむしゃらだ」

アカリ「ルクシオムックルにスパーク、ポッタイシはミミロップにメタルクロー!」

ベベ「ポッタイシに飛び蹴りです」

ミミロップがその自慢の脚力を活かし高く跳躍する。

その体は重力の法則に従って落ちて行き、その先には……

翼を鋼のように硬くしたポッタイシがいた。

それを振りかざす。

どごおん、と炸裂音が響いた。

その横では。

ルクシオとムックルが全力衝突を起こし、こちらも轟音を巻き起こす。
 ▼ 500 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 14:45:20 ID:5Gn3ki8w [9/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
2つの音はレストラン中の注目を一身に集める。

そんな中、地に崩れ落ちたのはムックルのみだった。

ルクシオはかなりダメージを受けてはいる物のまだ戦えるレベルである。

ポッタイシとミミロップは互いににやりと笑った。

まだまだ余裕の笑みである。

アル「ムックル、お疲れ様。頼みますよ、ホーホー」

アルの2番手はホーホーである。こちらも電気を弱点とする飛行タイプが含まれたポケモンだ。

アル「ルクシオに念力だ」

ベベ「ルクシオに恩返しです」

アカリ「ルクシオはホーホーにスパーク! ポッタイシはミミロップに泡!」
 ▼ 501 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 14:53:34 ID:5Gn3ki8w [10/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここでルクシオを倒してしまえば後は眠っているイーブイしかアカリの手持ちがいない事を知ってか知らずか今にも倒れそうなルクシオに集中攻撃する2人。

ルクシオはさっきと同じように電気を身にまとい、攻撃に備えつつ自らの攻撃の準備を始める。

ミミロップがルクシオに攻撃しようと迫った

ところにポッタイシの泡攻撃が襲う。

ミミロップ「きゃっ」

短く悲鳴をあげたが、そのまま攻撃をやめない。

ルクシオ「ぐああっ!」

こちらは短く、とはいかないようで、ほぼ瀕死寸前だ。

最後の力を振り絞りホーホーに突撃する。

ホーホーは念力で防ごうとするがルクシオの方が速かった。

ただ、攻撃をくらってから意識が飛ぶまでにはわずかなタイムロスがあった。

念力を発動するにはそんな短い時間で事足りるほどに準備は進んでいたのだ。

結果として、両者が同時に倒れた。
 ▼ 502 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 14:59:33 ID:5Gn3ki8w [11/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アル「ほう。これで私の手持ちはもう1匹もいませんな」

アカリ「ルクシオお疲れ。イーブイ、早く起きてね」

ベベ「あなた、その3匹だけですか」

アカリ「はい……実質1対1ですね」

ベベ「ええ。これは速く決着をつけないとまずいですわね……恩返し!」

アカリ「メタルクロー!」

2つの攻撃がぶつかり合い、はじき返す。

お互いにほとんどダメージを受けていない。

しかし。

アカリ(このまま行けばあたしの勝ちね)

そう。今は眠っているイーブイが目覚めれば2VS1。

こうなると、圧倒的にアカリが有利である。

だからこそベベは焦っているのだ。

ベベ「ではここは趣向を変えて……つぶらな瞳!」
 ▼ 503 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 15:02:39 ID:5Gn3ki8w [12/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミロップが媚びるような目つきをする。

それはポッタイシの心に困惑しか生まなかったのだが……

その一瞬の心の迷いが隙になる。

ベベ「今です! 飛び蹴り!」

高く飛び跳ねる。その落下の勢いに、ポッタイシは対応しきれない。

慌てて泡を繰り出すが、全て砕かれる。

ポッタイシに鋭い蹴りが命中した。
 ▼ 504 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 15:05:24 ID:5Gn3ki8w [13/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ポッタイシ!」

ベベ「ふふ、さすがにこれには……」

彼女はそこで言葉を切らざるを得なかった。

ミミロップが倒れたのだ。

ベベ「なぜ……」

ポッタイシも崩れ落ちる。だからその攻撃によるものではない事は明らかだった。

ではなぜか。

答えは簡単だった。

アカリ「イーブイ……」

イーブイ「最後ぐらい活躍させなさいよ全く」

ベベ「なるほど……わたくし負けましたわ」
 ▼ 505 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 15:11:42 ID:5Gn3ki8w [14/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

さあて、勝負にも無事勝てた事だし、回復してあげないと……

アカリ「対戦ありがとうございます。ではあたしポケモン回復させて来るんで……」

アル「え? ここの料理でポケモンの体力は回復するんじゃが……」

アカリ「お金が足りなくて……」

ベベ「……ねえアル」

アル「なんだいベベ」

ベベ「このお嬢さんに食事をごちそうしてあげたらどうかしら」

え? いきなり何言ってるの?

そりゃ嬉しいけど……
 ▼ 506 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 15:12:06 ID:5Gn3ki8w [15/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「え、いいですよそんな」

アル「だがどちらにせよ賞金は受け取るんではないかね?」

アカリ「そうですけど、でも値段が……」

ベベ「いいのよ。わたくしたち、お金はもう使い切れないほど持ってますし、久方ぶりに楽しいと呼べる勝負をさせていただいたお礼の意味も込めて、ぜひごちそうさせて」

そ、そこまで言われちゃうと断るのも申し訳ない……かな?

アカリ「えっと……じゃあ、お言葉に甘えさせてもらってもいいですか?」

アル「構わんよ」

アカリ「ありがとうございます!」
 ▼ 507 イクン@ツメのカセキ 15/09/13 15:23:28 ID:5Gn3ki8w [16/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
下げたのになぜあがる……

落ちます(これ言いたくないがために下げてたのに……)
 ▼ 508 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:26:02 ID:5Gn3ki8w [17/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
みんな疲れてるだろうけど……

アカリ「ごはん食べるよみんな。食べたら回復するみたい」

そう言いつつ、まだボールからは出さない。

ごはんが出来るまではボールの中にいさせてあげたいし。

アル「すまないが……」

すっと右手をあげる。

それを見た店員がこっちにやって来た。

店員「なんでしょう」

アル「この子にこのメニューを」

店員「かしこまりました」

事情を聞かずに注文を受けるあたり、さっすがプロだなあ。

アルさんの注文の仕方も堂に入ってるし。

なんかすっごい場違いな気がしてきた……
 ▼ 509 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:29:16 ID:5Gn3ki8w [18/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
で、でもあたしだってお客さんなんだし、堂々としないと。

なんて言うか、こういうとこで物怖じしてる方が恥ずかしいもん。

ベベ「あなたはあちらの席につけばいいんじゃないかしら」

確かに、2人席なのだ。

あたしがどくしかない。

アカリ「あ、そうですね。わかりました」

座席に座る。

クッションがふかふかで、でも沈み込みが激し過ぎず、ものすっごく快適。

なんかこう……一生分の贅沢を使い果たした気がする……
 ▼ 510 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:33:38 ID:5Gn3ki8w [19/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
店員「お待たせしました……」

なんだかよくわからない説明の後に料理が出される。

ところどころカロスって単語が聞き取れたけど……

店員が配膳を終え去っていく。

で、伝票がない……

アルさん、ベベさん! ホントにありがとうございます!

心から感謝の念を送りつつボールを手に取る。

アカリ「みんな、ごはん出来たよ」

ルクシオ「る……く……」

ポッタイシ「ぽ……った……」

やっぱりさっきのバトルで瀕死の重傷を負った2匹は苦しそうね。

イーブイ「ぶい!」

イーブイだけは元気だけど。

アカリ「ほら。元気出るから食べな」
 ▼ 511 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:41:24 ID:5Gn3ki8w [20/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

正直、瀕死状態ってのがここまできついとは思いもしなかった。

昨日のあのジムではすぐ回復してもらったが、今日はやけに時間がかかったし。

だから、こんな料理出されても食べられる気がしてなかったんだけど。

無理して一口食べる。

あ……旨い。

体の奥底から力が湧き上がって来る。

ほのかな辛みを包み込む酸味が口いっぱいに広がる。

まさに至福と呼ぶべき味がそこにあった。
 ▼ 512 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:42:17 ID:5Gn3ki8w [21/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「これ……おいしい」

イーブイ「何これ?! おいしすぎでしょ! 信じらんない!」

ルクシオ「旨いなこれ」

アカリ「おいっし〜!」

皆が声をあげる。その大きさこそまちまちだけれども。

この後はもうおわかりの通りだと思う。

口が止まらない。

箸が使えないから口で直接食べるしかないんだけど、そんな事どうでもよくて、ただただ旨かった。
 ▼ 513 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:48:01 ID:5Gn3ki8w [22/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
気が付いたらもう目の前の皿は空っぽになっていた。

なんかひどくもったいない事をしたような気分になってくるけど……まあ食べ物と言うのはいずれなくなる物だし。

イーブイ「もっと食べたい!」

ルクシオ「いや無理があるだろ!」

イーブイ「なんで? ニンゲンの事だしどうせまだあるんでしょ?」

ルクシオ「ここの料理高いから、これ以上人の金使わせる訳にもいかんだろ」

イーブイ「金?」

ポッタイシ「あ、知らない? ……よね。お金……なんて言えばいいんだろ……」

ルクシオ「えっと……ある一定の価値をお金には認めて、あ、その価値って本来はないんだけど」

ルクシオ「人間同士の約束事として決まってて……」

イーブイの表情が歪んで行く。たぶん頭にクエスチョンマークが浮かんでいる事だろう。

ルクシオ「それと同じ価値を持つ物と交換出来る……でいいのかな?」

お金って何か上手く説明するのって、こんな難しい事なんだ、と気付いた。
 ▼ 514 1◆J44kAZeDOM 15/09/13 20:48:29 ID:5Gn3ki8w [23/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 515 クラビス@つめたいいわ 15/09/13 22:50:30 ID:U0augxdM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 516 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:32:50 ID:SUPYJvDA [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
人間世界では当たり前でも、ふとその常識が通用しない所に行くと説明出来ない……かあ。

なんだか小難しい感じになっちまったな。

ポッタイシ「ま、要はおかわりは出来ないって事よ」

イーブイ「がーん……」

そう言えば、と思う。

こんな難しい話を平然と出来るぐらいには回復してるな。

アカリ「うーん、ごちそうさまでした!」
 ▼ 517 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:36:15 ID:SUPYJvDA [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ああ……幸せ……

こんなおいしい料理食べたの初めて……

アル「食べ終わったかね?」

アカリ「はい! こんなおいしい料理食べさせていただいて……ホントにありがとうございます!」

ベベ「ふふ、こちらこそ、楽しい勝負をありがとうございます」

特訓させてもらった上にこんな事まで……どれだけ感謝してもし足りないよ。

アル「なんだかあの少年を思い出すな……」

ベベ「ええ、あのドダイトスを連れた少年でしょう?」

ん? ドダイトスを連れた少年?

それってもしかして……
 ▼ 518 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:39:43 ID:SUPYJvDA [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あの……その少年ってもしかして……赤い帽子とマフラーの……」

アル「ああそうだが、それだけでは判別出来ないな」

うーん。

上手く見た目が説明出来ない自分がもどかしい。

あ。見た目が説明出来ないなら……

アカリ「名前わかります?」

ベベ「確か……コウタ? でしたっけ」

それ……たぶん……

アカリ「コウキ……だったりしません?」
 ▼ 519 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:45:08 ID:SUPYJvDA [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
危うくコウキ兄ちゃんって言いかけるとこだった。

危ない危ない。

アル「おお、そう言われればそんな名前だった気がするな」

アカリ「やっぱりですか!」

ベベ「歳とると物忘れがひどくてねえ。それはそうと、知り合いかい?」

アカリ「はい。お姉……じゃなかった、姉の友達で、あたしの尊敬してる人です」

アル「ほう。彼の知り合いかね」

アカリ「まあそうなりますね」

ベベ「なら、将来の目標はチャンピオンなの?」

アカリ「まあ、まだ決めてないんですけど……」

アル「目標は大事な物だ。今から考えても遅くはないと思うよ」

アル「さてと! それではこれでおいとまするとしよう」

ベベ「ついて来て」
 ▼ 520 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:49:56 ID:SUPYJvDA [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後会計を済ませ、あまりの値段の高さに思わず「ふえっ?!」と変な声をあげてしまった。

あー恥ずかし。

アル「では、また縁があればどこかで」

ベベ「その時はまた楽しい勝負をよろしくお願いしますね」

アカリ「こ、こちらこそ! ありがとうございました!」

そう言って別れた。

2人はホテルの方に。あたしはリッシ湖の方に。

振り返ると2人は腕を組み合っていた。

あたしもいつかはあんな風になるのかな……?

誰と?

……

ないない、さすがにアキラはねえ……

脳裏に浮かぶ考えを慌てて打ち消した。
 ▼ 521 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:52:39 ID:SUPYJvDA [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さあて、と。

ここに来たからには行っときたいなあと思ってたのがリッシ湖。


コウキ「エイチ湖とはそんな変わらないよ〜」


って言ってたけどさ。

やっぱこんだけ観光名所扱いされてたら気になるじゃん!

それに意志の神アグノム伝説だって気になるし!


ヒカリ「そう言うのはミオの図書館の方が勉強になるよ」


とは言ってたけどさ……
 ▼ 522 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:57:42 ID:SUPYJvDA [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でもまあ、景色綺麗らしいし。

エイチ湖でも充分綺麗なんて言わないの!

それに……

ギンガ団の一番の被害を受けた場所と言えばここになるし。

ヒカリお姉ちゃんの妹としてここは外せないよ!

なんてビックリマークつけて考えるような事でもないけどさ……

さてと、到着。

時間的にもここが折り返しかな。
 ▼ 523 1◆J44kAZeDOM 15/09/14 20:58:49 ID:SUPYJvDA [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、しまった

エイチ湖じゃなくてシンジ湖だった

すいません、また妙な間違いしてしまいました

今日はここまでです
 ▼ 524 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:24:24 ID:nII7P62A [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

アカリ「みんな、出て来て」

そう言われるままにボールから飛び出した。

っつても俺自身はなんもしてないんだけどさ。

だから飛び出すって表現にはずっとなんか違和感を覚えてたんだけど……

いやそれはともかくここ、リッシ湖だよな、アグノムのいた。

ギンガ爆弾を落とされ水が干上がった場所。

そこに今自分が立っている……

その事になんか戸惑いを覚える。

イーブイ「綺麗……」

ポッタイシ「うん。シンジ湖で見慣れた感じはあるけどそれを差し引いても綺麗よね」

沈みゆく太陽が湖面に映り、その赤さは思わずため息を漏らすほどに美しかった。
 ▼ 525 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:29:14 ID:nII7P62A [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「この景色が見れただけでも来た価値あったなあ……」

見られた、だろう。

そんな事はどうでもいいのだが……

ルクシオ「なんかさ……」

そこで言葉を切った。

イーブイ「何?」

ルクシオ「なんでも」

イーブイ「はあ? そこまで来たなら言いなさいよ! そう言うのが一番気になるの!」

なんかふと思い付いた事を改めて口に出そうとするととてつもない羞恥心が襲って来て。

だからそれを口に出す気はない。

自然に比べて自分がちっぽけな存在だなんて、ありきたりすぎて。
 ▼ 526 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:32:27 ID:nII7P62A [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「ええ……そりゃないよ」

ルクシオ「誰にだって話したくない事の1つや2つあるだろ!」

ポッタイシ「あのさ、ルクシオ」

ルクシオ「あ」

そうだ。

こいつ、そんな秘密を持ってるんだ。

しかもたぶん、相当重い話。

なのに俺……

ルクシオ「すまんイーブイ」

ここは素直に謝るべきだ。どう考えても俺が悪い。
 ▼ 527 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:36:41 ID:nII7P62A [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイは軽く舌打ちした。

どうでもいいが、女子の舌打ちってあんまイメージが湧かない。

ってかポケモンの事を普通に女子と認識出来てる俺って……

なんて考えていたらイーブイが口を開いた。

イーブイ「ったく、謝らないでよ……」

ルクシオ「すま……あ」

くすりと笑いが漏れた。

イーブイ「言ってるそばからさ」

ポッタイシ「男子ってこういうとこ単純よね」

女子がこうって決めつけてたら男子ってこうだと決めつけられた。

これからはそう言う考えしないようにしようっと。

そう心から思った。
 ▼ 528 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:41:44 ID:nII7P62A [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「なんだよ男子ってひとくくりにしやがって」

と怒る俺には取り合わず2人顔を見合わせ笑う。

まあ初日の仲の悪さを思えばこれも格段の進歩なんだろうな……

なんてぼんやり思いながら所在なく湖畔をぶらぶらと歩いていた。

と、同じようにぶらぶらしていたアカリが独り言を呟いているのが耳に入る。

アカリ「シンジ湖……懐かしいなあ……」

まあこう旅を続けてたらホームシックになる事もあるだろうな。

アカリ「……っと! ルクシオ、いたんだ」

まあな、と答えはするがどうせその声は届かない。

でもまあ、変に誤解させても嫌だし。懐いてないって。

いや懐いてはないけどさ。

アカリ「よし、行くか! ポッタイシ! イーブイ! こっち来て!」
 ▼ 529 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:46:07 ID:nII7P62A [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

さてと。

自転車でぱぱっと行きたいんだけど無理があるしなあ……

よし、走ろう!

早いとこ帰って休まないと、明日はそろそろジム戦出来ると思うから、それに支障が出たら困るし。

ホテルを抜け、砂浜を急いで抜け、草むらを走り抜け、ゲートを潜り抜け。

アカリ「はあっ……はあっ……」

到着!

……疲れたあ。
 ▼ 530 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:51:46 ID:nII7P62A [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
って訳で。

昨日からチェックアウトこそしてないけど、ある時間を超えたら強制的に退室扱いになるからもう1回チェックインしないと。

ポケセンの自動ドアが開いた。

汗かいた身としては暖房が少し、いやかなり暑いんだけど……まあ仕方ないか。

アカリ「今日は疲れたでしょ」

そう3匹に声をかけ、そのままジョーイさんに声をかけた。

アカリ「すいません、ポケモン回復してください!」

ジョーイ「わかりました。ではしばらくお待ちください」
 ▼ 531 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 20:57:13 ID:nII7P62A [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソファにどんと腰を下ろし(もちろん他のお客さんには気を使ったよ?)昨日今日の事をぼんやり考えていた。

あたしのポケモン、どれだけ強くなったんだろ……

マキシさんのポケモンに対抗出来るかな?

これだけ頑張ったんだしなんとかなる! なあんて考えはしないよ。

昨日それが甘いって断罪されたばっかだし。

ジョーイ「アカリさあん」

アカリ「あ、はあい」

慌てて立ち上がった。その足でカウンターの方に向かう。

ジョーイ「お預かりした(ry」

アカリ「ありがとうございました! それと部屋まだ空いてます?」

ジョーイ「はい。トレーナーカードを見せていただけますか?」

アカリ「これです」

ジョーイ「わかりました。こちらが部屋のカギになります」

アカリ「ありがとうございます!」
 ▼ 532 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:02:47 ID:nII7P62A [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふうっ」

勢いよくソファに沈み込む。

誰かに気を使う必要なんてないしね、自分の部屋なんだから。

アカリ「みんな、出て来て!」

すっかり元気になった3匹が飛び出して来た。

アカリ「じゃ、ごはんまでもう少しだしレベルとか確認しとこっか」
 ▼ 533 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:12:03 ID:nII7P62A [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシはLV19。技はバブル光線、つつく、メタルクロー、泡ね。

ルクシオはLV21。技はスパーク、かみつく、充電に体当たり。

イーブイって捕まえた時そんなレベル高かったんだ……

LV25で、体当たり、電光石火、体当たり、しっぽを振るねえ。

ヌオーの突破がたぶん一番のカギだと思うけど……

イーブイに防御力をさげてもらって特攻するのが一番かな?

確かヌオーって特性が貯水の可能性もあるもんな……

今んとこ、特殊攻撃技がポッタイシの水技しかないし。

っと。そろそろ時間じゃん。行かないと。
 ▼ 534 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:16:06 ID:nII7P62A [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「いっただっきまあす」

一口食べる。

アカリ「なんか落ち着くな」

どうしてもあのレストランと比べてしまうけど、それでもなんだかあたしにはこっちの方があってる、そんな気がした。

アカリ「どう? やっぱこう……庶民的な感じがよくない?」

……イーブイ、首を横に振らないで……

確かに味はあっちの方が絶対いいけどさ……
 ▼ 535 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:21:06 ID:nII7P62A [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

イーブイ「ああんなおいしい物食べれるんならニンゲンの手持ちも悪くないなって思えたけどさ」

ポッタイシ「あんなのなかなか食べれないよ」

ルクシオ「食べられない、だろ?」

ポッタイシ「慣用としてもうさ、ら抜き言葉は話し言葉では使ってもよくなかったっけ?」

イーブイ「あたしを置いてかないでよ。何の話してんの?」

ルクシオ「いやでも気になんじゃん」

ポッタイシ「細かいね」

ルクシオ「悪かったな」

ポッタイシ「話を戻すとあそこまで高級な物はもう食べられないと思うよ」

よし。

ルクシオ「実際あんな贅沢めったにないだろ。たぶん俺が人間だった頃あんなすごいとこ行った事ないぞ」

イーブイ「なあんだ」

落胆を隠そうとしないなこいつ……
 ▼ 536 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:25:01 ID:nII7P62A [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ま、それはいいんだ。

人間仕様の料理をほぼ食べた事ない状態であんなもん食わされたら誰だって期待しちまうだろうし。

問題は食べないと力が出ないんだからさあ。

しっかり食べろよ……

そう声に出したら。

イーブイ「だってさ、正直ここのよか野生の時の方がごはんおいしかったしさ」

何を食べていたのか、それだけは絶対に追及しちゃダメだな。

そう判断し視線をもう半分ぐらいなくなっている皿に向けた。
 ▼ 537 1◆J44kAZeDOM 15/09/15 21:25:20 ID:nII7P62A [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 538 スラオ@おいしいみず 15/09/15 22:18:17 ID:erxHRkD. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
体当たり✕2・・・
 ▼ 539 ゲボウズ@がんせきおこう 15/09/15 22:21:34 ID:nII7P62A [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>533
誤字です

イーブイの技構成は体当たり、かみつく、しっぽを振る、電光石火です

>>538さん指摘感謝です
 ▼ 540 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 20:52:03 ID:ilP8ywys [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんだかんだ食べてくれたからまあ一安心。

不満を口に出すのはやめて欲しいんだけどさ……

ポッタイシ「そんな不満ばっか言ってちゃダメよ。世の中には食べさせてすらもらえない人だっているんだからさ」

イーブイ「ああはいはい。わかったわかった。まあまずくはないしいいんだけどさ」

ルクシオ「ま、これが庶民の味ってか、なんかこういう方が落ち着かね?」

さっきアカリも言ってたけどな。

イーブイ「おいしければおいしいほどいいじゃん」

ルクシオ「ま、そうだけどよ……」

こればっかりは感覚の問題だからどうしようもない。

ま、いつか慣れてくれるだろ。

そう楽観的に結論付けた。
 ▼ 541 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 20:56:07 ID:ilP8ywys [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ま、なんだかんだイーブイも完食してくれたし、帰るか。

アカリ「うー」

1つ大きくのびをして立ち上がった。

アカリ「行こ、みんな。戻って!」

さてと。

今日も疲れたなあ……

なんてぼんやり考えながら部屋まで歩いた。

アカリ「到着っと」

カギを差し込み扉を開いた。
 ▼ 542 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:00:49 ID:ilP8ywys [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ふうっ」

やっぱソファって楽だなあ……

ってダメダメ! お風呂入らなきゃ!

アカリ「ポッタイシ、イーブイ、お風呂入るよ! ルクシオは待っててね」

そう言いながらボールから3匹とも出す。

相変わらずルクシオは嫌なのかな……

ま、いいか。ルクシオが1人で入りたいならそれも仕方ないし。
 ▼ 543 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:07:09 ID:ilP8ywys [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

ルクシオ「ふう……」

今日一日の疲れが全て濃縮されたかのような深いため息がこぼれる。

ゲームでレベルが足りなくて特訓した事はあるけどまさか自分が鍛えられる事になるとはね……

改めて考えてもこの状況の特殊さには戸惑いを禁じ得ない。

だってさ。

人間がポケモンになるなんてポケダンぐらいの話じゃんか……

いや今更だけどさ。

なんかこう……1人になった時ふっと思い出すんだよなあ……

逆に普段はそんな重大な事を思い出すことが出来ないほどに充実してる、とも考えられるけど。

実際振り返っても、この数日の密度は異様に濃い。

それこそ、何の夢も見ないほどに。
 ▼ 544 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:14:43 ID:ilP8ywys [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夢がこの前みたいに自分の心の奥底の事実を映し出してくれるなら。

例え疲れが取れなくてもその夢を見たい。

だって、この旅の中で全く手掛かり無しっていくらなんでもひどいだろ!

ポケダンでももう少し伏線あったぞ!

……とは言え、今まだバッチはクロガネのコールバッジ、ヨスガのレリックバッジのみ。

たぶん明日あたりノモセの……フェンバッジだ、が手に入るとしてもまだ3つ目。

全体の37.5%しか進んでない計算になる。

一応テンガン山で会ったしギンガ団と一悶着起こすのならそれよりさらに少ない。

さすがにこんな状況で何か手掛かりっつってもどうしようもないか……

……ってか少なくとも俺にとってはこの世界は現実なのに、何ゲームプレイするみたいに考えてんだ?

あまりに突拍子もなさすぎるこの現実のせいか……
 ▼ 545 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:19:19 ID:ilP8ywys [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「はは……」

なぜか軽い笑いが漏れた。

理由はわからないけど、強いて考えるなら。

さっきの結論があまりにもどうしようもなさすぎて、かな?

そんな時、アカリたちが風呂から出て来た。

アカリ「ルクシオ! 空いたよ!」

ルクシオ「はいはい」

そう返事を返し、浴室に向かった。

アカリが濡れタオルで体を拭くのに任せぼーっとし、拭き終わったと見て浴槽にダイブした。
 ▼ 546 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:23:17 ID:ilP8ywys [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
思う存分体を伸ばす。

最近この4足歩行の体でも上手く伸ばせるようになって来たあたり、相当ポケモンに慣れたな、俺。

ってか、どうやったら戻れんだろ……

さすがに無理だとか言わないよな……?

誰に向かってかは知らない。ただ心の内で問いかけていた。

俺の記憶を。

俺の姿を。

取り戻せるのか? と。
 ▼ 547 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 21:25:32 ID:ilP8ywys [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 548 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:18:53 ID:ilP8ywys [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ルクシオもお風呂からあがった事だし……

もう寝ますか!

明日こそマキシさんに勝てたらいいなあ……

そういやコウキ兄ちゃんもあのレストラン行った事あるんだ。

コウキ兄ちゃんと楽しい勝負かあ……

そんな人に勝てたんだし、あたしもちょっとは追いつけてるのかな……?

まあでもあたしがこうしてる間にもコウキ兄ちゃんも強くなってるんだろうし、勝てはしないんだろうけどさ。

アカリ「ふああ……」

なんか……眠くなってきた……

……
 ▼ 549 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:23:56 ID:ilP8ywys [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
う……眩しっ……

アカリ「くっ……ふぁあ……」

窓から差し込む明かりが眩しく目を射て、為す術なくあたしの意識ははっきりとしていく。

正直もう少し眠ってたかったなあ……

アカリ「おはよ、みんな」

声だけかけて、時計を確認する。

もう朝ごはん食べようと思えば食べられるのか……

アカリ「ちょっと早いけど、朝ごはん行く?」

3匹とも頷いたし、行くか!
 ▼ 550 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:31:14 ID:ilP8ywys [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

とりあえず、アカリがちゃんと起きてくれてよかった……

昨日の心配が杞憂で済んで心の底から安堵する。

イーブイ「今日はたぶんまたジム戦でしょ?」

ルクシオ「だろうな」

ポッタイシ「昨日進化したはいいけど、たぶん私の出番はほぼないからさ」

ポッタイシ「その……2匹とも頑張ってね」

イーブイ「当たり前よ! 絶対あのマヌケ面のヌオー倒してやる……」

気迫の炎が熱いぐらいに燃え盛っている。

ルクシオ「どう考えても俺がキーなんだよな。ってかイーブイがヌオー倒してくれないと勝ち目ないぞ」

イーブイ「だから倒すっての! 心配しないでよ、これでもあんたたちよりレベル高いのよ?」

ポッタイシ「食べながら喋らないの。汚い」

イーブイ「あんたたちだって」

ポッタイシ「私は口に入ってる時は喋ってないよ」

ルクシオ「俺も」

はしごを外されたイーブイが愕然とした表情を見せた。
 ▼ 551 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:35:35 ID:ilP8ywys [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「わかったよ! わかった!」

そう叫び黙々と食事を始めた。

ポッタイシと顔を見合わせ苦笑した。

ルクシオ「さてと。食わないとどうしようもないからな」

まだかなり残っている皿に目を向け言った。

ルクシオ「腹が減っては戦は出来ぬ、だからな」

ポッタイシ「武士は食わねど高楊枝とも言うけどね」

ルクシオ「……」

ことわざってなんでこう……意味が正反対な物があるんだろ……


なあんてぼんやり考えながら気付けば完食していた。
 ▼ 552 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:40:11 ID:ilP8ywys [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「ごちそうさま」

軽く手を合わせる。

そしてそのまま立ち上がった。

よし! いざ、ジム戦へ!

今度は弱いなんて言わせない!

絶対勝ってみせる!

今まで出した事ないぐらいの気迫でジムへの歩みを進める。

その途中不意に思い至り薬だけ買い出ししたけど。

……気を取り直して。

アカリ「たのもー!」

うん。これじゃただの道場破りね……
 ▼ 553 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:43:15 ID:ilP8ywys [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
案内「お、一昨日の」

アカリ「はい。特訓してきました」

案内「へえ、それは楽しみだ。あ! そうそう、前回戦ったトレーナーは今回は戦わなくて大丈夫だぞ」

アカリ「え、ホントですか?」

案内「ああ」

それならだいぶ楽ね。

よし! 一気にマキシさんのとこまで行くぞ!

黄色、緑、黄色、は押しちゃダメじゃん! もっかい緑、今度は青、次は緑、黄色、青!

よし、ついた!
 ▼ 554 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:45:08 ID:ilP8ywys [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「こないだのお嬢ちゃんか」

アカリ「はい」

マキシ「はっはっはっ! そうかそうか! 自分を鍛えて来たんだな!」

アカリ「自分も……ポケモンたちもです」

マキシ「そりゃあいい! 今度こそ俺様を楽しませてくれよ!」

アカリ「楽しませるじゃなくて、勝ちます! 勝ってみせます!」

マキシ「その意気だ! じゃあ、バトルスタート!」
 ▼ 555 1◆J44kAZeDOM 15/09/16 22:45:33 ID:ilP8ywys [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 556 ョボマキ@メカニカルメール 15/09/16 22:48:28 ID:JLkqAkwQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


支援
 ▼ 557 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:16:35 ID:xnYsse2Q [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

マキシ「頼んだぞ! タマンタ!」

アカリ「ルクシオ、よろしく!」

2匹のポケモンが威勢のいい声をあげてバトルフィールドに飛び出す。

マキシ「水の波動だあっ!」

アカリ「右にかわしてスパーク!」

タマンタが生成した水の塊がルクシオめがけて打ち出された。

しかしその刹那、ルクシオが横に飛び跳ねた。

その結果、水の波動はルクシオの左肩をすり抜けて行ってしまった。

そして。

瞬時に体に電気を溜めるとそれを身にまとったままルクシオはタマンタに突進した。
 ▼ 558 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:20:46 ID:xnYsse2Q [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「ほう……タマンタ、水の波動だッ!」

向かい来るルクシオにタマンタはあくまで冷静に水の波動を作りだす。

そしてその力をルクシオに向かって解き放った。

ルクシオがタマンタと激しくぶつかり合う。

水の波動をものともせず……と言うと言い過ぎだが、実際前回の勝負よりはかなりの余力を残して受けきっている。

そしてそのままタマンタは地に落ちた。
 ▼ 559 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:26:22 ID:xnYsse2Q [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
はっはっはっ! とマキシは豪快に笑った。

マキシ「なかなか鍛えて来たようじゃないか! 面白くなって来た!」

マキシ「ではこいつはどうかな? ヌオー!」

アカリの思考は一気に昨日の夜へと引き戻される。

昨日たてた作戦を脳裏に思い浮かべていたのだ。

前回は歯も立たなかった。

地面タイプだからルクシオのスパークは全然効かない。

その半端ない防御力のせいでイーブイの物理技も効かない。

特性貯水の可能性があるからうかつにポッタイシの攻撃も出せないし。

だから。

相手の防御力を下げる。これが一番の攻略法だと考えたのだ。

アカリ「交代します! ルクシオ、お疲れ。よろしく、イーブイ!」
 ▼ 560 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:32:32 ID:xnYsse2Q [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「さあ、どう攻める?」

アカリ「イーブイ、しっぽを振る!」

マキシ「なるほど……ヌオー、熱湯!」

イーブイが敵に背を見せ可愛くしっぽを振る。

その仕草は相手の心に隙を生む。

アカリ「そのまま電光石火!」

ヌオーが口から熱湯を放つ直前。

イーブイが目にも留まらぬ速さでヌオーにぶつかる。

先程のしっぽを振るによって生まれた油断はそのまま受けるダメージの増加につながり、

ヌオー「ッ……」

アカリサイドとしては初めてヌオーにダメージらしいダメージを与える事に成功した。
 ▼ 561 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:38:45 ID:xnYsse2Q [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「やった! 効いてるよ!」

イーブイ「当然よ」

ツンと澄ました表情で応じるイーブイ。

しかし。バトルにおいて、そうした一瞬の油断が隙となるのだ。

マキシ「ヌオー、今度こそ熱湯だあッ!」

アカリ「なっ」

ヌオーの口から放出される高温の水がイーブイを襲った。

アカリ「電光石火でかわして!」

その指示空しくイーブイは直撃を食らってしまった。

イーブイ「熱……」

幸いにも、イーブイは火傷はせずに済んだようだった。

アカリ「行ける? イーブイ、体当たり!」

マキシ「ヌオー、泥爆弾だ!」
 ▼ 562 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:45:59 ID:xnYsse2Q [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヌオーが今度は泥の塊を生み出した。

その溜めの間にもイーブイはヌオーに体当たりを食らわせた。

ヌオー「ぐっ……」

かなりのダメージを受けたヌオーはしかし、そのまま生成した泥をイーブイめがけて放り投げた。

イーブイ「きゃっ」

短い悲鳴があがった。

お互いにこれが致命的なダメージとなっているようで……

今にも倒れそうなほどだった。

アカリ「決めるよ! 電光石火!」

マキシ「熱湯だあッ!」

お互いの全力を尽くした攻撃が発動する。

イーブイが熱湯を浴びながらも死力を振り絞って攻撃を続けた。

それがヌオーに命中する。

ヌオーがまず崩れ落ちる。

着地したイーブイもそのまま意識を失った。
 ▼ 563 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:51:09 ID:xnYsse2Q [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「ふはは! いいぞ、いいぞ!」

マキシ「お前はだいぶ強くなった! その証拠に俺様も今だいぶ追い詰められている!」

マキシ「だが、俺様の切り札に勝てるかな? フローゼル、頼むぞ!」

マキシが吼える。マスクに隠れたその表情には、楽しさがにじみ出ていた。

アカリ「ルクシオ、もっかいお願い!」

ルクシオとフローゼル。

この2匹が場に降り立った瞬間、戦いの火ぶたは切って落とされた。

マキシ「アクアジェットおおお!」

アカリ「え、早……」

指示を出すどころか状況を掴む事すら出来ないような一瞬。

そんなスピードでマキシは攻撃を仕掛けていたのだ。
 ▼ 564 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:55:44 ID:xnYsse2Q [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
状況が上手く整理出来なかったのは戦っているルクシオも同じ。

目の前をふっと横ぎった青が気付けば目の前に迫っていて。

そしてそのまま気付けば吹き飛ばされていた。

ルクシオ「うがあっ!」

アカリ「ルクシオッ!」

マキシ「これで決まるかと思ったんだがなあ……」

実はここに、アカリにとっては嬉しい、マキシにとっては大きな誤算があった。

ルクシオの特性は威嚇。

目の前の敵の攻撃力を下げる特性。

フローゼルの脳には知らず知らずのうちにルクシオに対する恐怖心が植え付けられていたのだ。

そしてその恐怖は、筋肉を委縮させ、与えるダメージが予想よりも減っていたのである。
 ▼ 565 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 20:59:05 ID:xnYsse2Q [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とは言え。

先程のタマンタ戦で食らった水の波動のダメージと合わせて、ルクシオ自身は限界だった。

正直、立っているのがやっと、と言うレベルで。

マキシ「まあいい。とどめだ! アクアジェットお!」

マキシの指示を受けてフローゼルが動き出す。

アカリの思考は急速に回転を始めた。

このスピードに翻弄されてちゃどうしようもない。

今から攻撃を仕掛けようにもあまりの速さに命中するとも思えない。

だから。

アカリはいつものあの作戦を利用する事にした。
 ▼ 566 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 21:01:53 ID:xnYsse2Q [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ルクシオ、電気を溜めて迎え撃って!」

そう。

自分より素早い相手と戦う時、相手が接近してくる所を狙って攻撃する、と言う物だ。

ルクシオもそれに感付き電気を一気に溜めて行く。

ルクシオは自分に言い聞かせていた。

まだだ……まだ引きつけて……

アカリ「今よ!」

ルクシオの眼前の青い壁。

そこに電気をまとったまま飛び込んだ。
 ▼ 567 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 21:05:05 ID:xnYsse2Q [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どごおん……と轟音があがる。

衝撃がトレーナーの所まで伝わって来る。

それぞれが身にまとっていた物を脱ぎ捨て、着地した。

沈黙が当たりを包む。

その場にいた全ての人間が、固唾を飲んでこの行方を見守った。

そして。

2匹のポケモンは。











同時に崩れた。
 ▼ 568 1◆J44kAZeDOM 15/09/17 21:05:27 ID:xnYsse2Q [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 569 1◆J44kAZeDOM 15/09/18 16:17:27 ID:orKYBJ0g [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「これって……」

マキシ「はっはっはっ! 俺様の負けだ!」

マキシ「お前さんはまだ後1匹残っているのだろう? 俺様は全滅だ」

アカリ「いいいいやったあああああ!」

あたしってこんな大声出るんだ、ってぐらいの大声で叫んだ。

アカリ「やったよルクシオイーブイポッタイシ!」

マキシ「まさかこの1日でここまで強くなって来るとは思っていなかった。その油断もあったんだろうな」

マキシ「しかし俺様はこの勝負楽しかった。お前さんもそうなんじゃないか?」

アカリ「え……」

正直そんな事意識してるヒマなかったんだけど……

マキシ「勝負には勝ちも負けもある。その現実から目は背けられない」

マキシ「だが俺様はあ。勝っても負けても楽しかった! そう言える勝負ならそれは勝ち負けよりも大事な事だと思っている」

マキシ「まぎれもなくこの勝負は楽しかった。だからこれをお前さんにあげようと思う!」
 ▼ 570 1◆J44kAZeDOM 15/09/18 16:21:19 ID:orKYBJ0g [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マキシ「フェンバッジだ。これで3つ目のバッジになるのかな?」

アカリ「はい! あ、ありがとうございます」

マキシ「そうかそうか! なら空を飛ぶの秘伝技が使えるようになる!」

アカリ「へえ……」

マキシ「それとお前さん、この技マシンをあげよう!」

マキシ「技マシン熱湯だ。その名の通りホットな技でな、相手を火傷させる事もある」

アカリ「ありがとうございます!」

マキシ「シンオウは広い。まだ他に5人のジムリーダーがいる」

マキシ「だがお前さんならその全員と最高の勝負が出来ると思う」

マキシ「だからよ、これから頑張ってくれや!」

アカリ「はい!」

腹の底から返事した。なぜか自然とそうなっていた。

アカリ「対戦ありがとうございました!」
 ▼ 571 1◆J44kAZeDOM 15/09/18 16:24:02 ID:orKYBJ0g [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
踵を返すとその勢いでポケセンに向かった。

早く回復してあげないと……

ルクシオもイーブイも瀕死状態だし。

アカリ「はあっ、はあっ」

あがる息を必死に抑えながら走る。

アカリ「ついた!」

待っててね、2匹とも。

すぐ回復してあげるから。
 ▼ 572 1◆J44kAZeDOM 15/09/18 16:24:44 ID:orKYBJ0g [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

ポケダン買ったので更新量が下がる可能性があります

ご容赦ください
 ▼ 573 1◆J44kAZeDOM 15/09/19 20:24:15 ID:PDYbM.Aw [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

う……

ポッタイシ「ルクシオ起きた?」

ルクシオ「……ああ」

そうか、終わったんだな、勝負が。

ルクシオ「で、結局どうなった?」

しかしその答えはすぐには聞けなかった。

イーブイ「う、うーん……」

ポッタイシ「イーブイお疲れ様」

イーブイが目を覚ましたのだ。
 ▼ 574 1◆J44kAZeDOM 15/09/19 20:27:20 ID:PDYbM.Aw [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「2匹とも気が付いた事だし結論から言うわね」

ポッタイシ「私たち、勝ったよ。まあ、正確には私は何もしてないけどさ」

ボールの中で2匹、顔を見合わせる。

ルクシオ「ほうっ」

安堵のため息を漏らした。

あれでフローゼルがどうなったのか、混濁した意識に飲まれほとんど記憶にないから。

イーブイ「と、当然よ。ってかあんたも何かしなさいよ!」

ポッタイシ「仕方ないでしょ。あなたたち2匹が強かった、って事なんだからさ」
 ▼ 575 1◆J44kAZeDOM 15/09/19 20:31:45 ID:PDYbM.Aw [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まあそう言われて嫌な気はしないが。

イーブイ「あ、当たり前じゃない!」

イーブイは強気に出てはいる物の照れを隠しきれていない様子だ。

こいつは完全に乗せられてる。

まあ乗せた所で何が出る訳でもないし問題ないんだけどさ。

イーブイ「ポッタイシもいつかはあたしみたいに強くなるんじゃない?」

そもそもが勝負に参戦しなかったってとこが問題だったからか、イーブイがポッタイシを煽る。

お姉さん面しようとしてるのはわかるんだけどさ……

さりげなくポッタイシが漏らしたため息には気付いていないらしい。
 ▼ 576 ニガメ@エネコのしっぽ 15/09/19 20:32:23 ID:PDYbM.Aw [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 577 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 21:52:29 ID:rT6/5EAE [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

さてと。

部屋も借りた事だし。

アカリ「みんな、出て来て!」

3匹が勢い出て来た。

アカリ「今日はまだ時間あるけどさ、どうする? ……なあんて、聞いても答えられないか」

でもホントにこれからどうしよ。

今はまだお昼。

ごはんは食べるとして……その後。

大湿原は泥沼だから行きたくないし……

って言うか前観光はしなくていっか、って結論出してたよなあたし。
 ▼ 578 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 21:56:50 ID:rT6/5EAE [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うーん……

あ、そういやあたし、博士から図鑑貰ってたんだよね。

つまり。

アカリ「もっとポケモン捕まえなきゃ……」

それに、今回は2匹で攻略出来たけど、これから先どうなるかはわからないし。

バッジの数でジムリーダーが強さを変えるなら、相手のポケモンの数も増えるかもしれないよね。

アカリ「よし」

もう1匹ぐらい、ポケモンゲットしよう!
 ▼ 579 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 22:03:04 ID:rT6/5EAE [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
と、なると。

雨降ってる212番道路にはあんま行きたくないし……

大湿原もさっきアウトって結論付けたとこ。

だから……結局213番道路に行く以外あり得ないんだよなあ……

ま、嫌な訳じゃないんだけどさ。

ふうっ、と息を吐き出す。

アカリ「行くよ、213番道路! 出たばっかで悪いけど、みんな戻って!」
 ▼ 580 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 22:06:58 ID:rT6/5EAE [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カギは持ったな。

えっと……念のために後でボールは買っとこう。

3匹とも元気だし……

一応あたしも元気だし……

よし。

準備完了。

……まだなんだけどね。
 ▼ 581 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 22:15:16 ID:rT6/5EAE [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

213番道路

アカリ「うーん、なんでポケモン出て来ないんだろ?」

お前がうるさいからだよ!

ボールの中で盛大にツッコミを入れる。

ポッタイシ「どうすれば気付くの……」

イーブイ「あたし捕まえたくせにこんなとこで詰んでるんじゃないの! まったくもう……」

ルクシオ「でもさ、若干沈んでるし、静かになるかもよ?」
 ▼ 582 1◆J44kAZeDOM 15/09/20 22:20:11 ID:rT6/5EAE [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
実際、めげたのかうるささはだいぶん軽減された。

アカリ「誰もいないのかな……?」

うーん、もうそろそろ誰か来るんじゃね?

そんな時の事だった。

がさっと草むらが揺れる音が聞こえたのだ。

アカリ「もしかして……?」

アカリはその場所に歩みを進めた。

そこにはうずくまっている、1匹のペラップがいた。

見ると体にはいくつかの傷が付いている。

まあ野生の中では日常茶飯事と言えなくもないようなささいな傷だったけれども。
 ▼ 583 ルキモノ@しんぴのしずく 15/09/20 22:20:31 ID:rT6/5EAE [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 584 ラエナ@リーフのいし 15/09/23 00:16:34 ID:Kb.rgZ/2 [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更新さぼって申し訳ありません

明日(もう今日)から再開出来ます
 ▼ 585 ャーレム@ネコブのみ 15/09/23 00:31:42 ID:7LzJN1uw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 586 ガイドス@サファリボール 15/09/23 14:31:35 ID:OvRpgGmA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 587 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 20:53:12 ID:Kb.rgZ/2 [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

あ! えっと確か……ペラップよね!

よし。

捕まえるぞ!

アカリ「よろしく! ルクシオ!」

ルクシオは無言で飛び出した。

その瞳はどこか心配そうにペラップを見つめていて。

ペラップが警戒するように顔をあげた。

……ん? ケガ……かな?
 ▼ 588 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 20:55:25 ID:Kb.rgZ/2 [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
大丈夫なのかな……

よし、確認しとこう。

割と普通に歩いて近付いて行く。

ペラップ「え……」

その時はまだ、この現象に一切違和感を感じていなかった。

アカリ「ケガしてるよね? 大丈夫?」

ペラップ「う……うん……」

そっか、大丈夫か……ってええええ?!
 ▼ 589 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 20:58:03 ID:Kb.rgZ/2 [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何? 今このペラップ、人間の言葉話さなかった?

うんって、普通ポケモンは言わないよ?

いやペラップってのは人の言葉をマネるので有名だけどさ……

ええええ?

いやあれはマネじゃないもん。

おかしいおかしい絶対おかしい。

……ただの偶然よ、うん。

そうに決まってる。ただたまたま「うん」って言っただけ。

アカリ「人間の言葉、話せたりしないよね? ペラップ?」

自分を信じ込ませようと尋ねた。

どうせ言葉をマネる、それだけなはず……
 ▼ 590 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:00:58 ID:Kb.rgZ/2 [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

アカリもケガに気付いたか。

ペラップも大丈夫とは言ってるし、まあそれほど重要でもないけどさ。

なんて考えていた。

今この瞬間、とんでもない真実が暴露されている事なんて、全く考えていなかった。

それに気が付いたのはアカリがペラップに尋ねたからだ。

アカリ「人間の言葉、話せたりしないよね? ペラップ?」

ん? 今なんて言った?

人間の言葉……ああああ!
 ▼ 591 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:03:10 ID:Kb.rgZ/2 [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かに!

人間だった時と同じように平然と会話が通じる物だから

今の俺には人間の言葉とポケモンのを区別する必要はない。

だから全く気にも留めなかったけど……

よくよく考えたら「うん」って相槌は人間仕様……

いや、落ち着け、ペラップは言葉を喋るのが共通仕様なはずだ。

それだけだ、うん。
 ▼ 592 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:05:00 ID:Kb.rgZ/2 [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし

そんな淡い期待はあっさり打ち砕かれる。

ペラップ「それ聞いて……どうする気?」

おどおどとした、それでいて一本筋が入ったようなかすかな強さが見え隠れするきっぱりとした物言いで。

ペラップは自分の……人間の言葉で語った。
 ▼ 593 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:10:53 ID:Kb.rgZ/2 [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「いやなんでもないよ! ただ……一緒に旅がしたいだけで……」

あまりの驚きに慌てて否定した声がすぼんで行く。

ルクシオ「ああ、こいつトレーナーでよ……ってかお前人間の言葉喋れるんだ」

ペラップ「うん……そのせいで私……」

最後の方は声が聞き取れないぐらいに小さくなっていた。

ルクシオ「一応言っとくがアカリは喋れるから捕まえて売りさばくとか妙な事は考えてない」

ルクシオ「むしろそんな事考えられないと思うわ。取りあえずポケモンが好きだから」

ペラップ「そんな事言ってるんじゃなくて! あ……いや……」

アカリ「えっと……ゲット……するんだよね……あ……たし……」

衝撃が強すぎたのであろう、アカリが倒れた。

幸い草むらがクッションとなってケガはしなくても済んだっぽいが。
 ▼ 594 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:15:07 ID:Kb.rgZ/2 [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「あ……そうよね……いきなりびっくりするもん……」

ともすれば聞き取れないような声で語る。

ペラップ「ごめん……私消えるね」

ルクシオ「ちょ、待てよ」

慌てて止める。

ペラップ「だって……ニンゲンの言葉を話せるポケモンなんて……気持ち悪い、でしょ」

ルクシオ「そんな事ない……かどうか、俺にはポケモンの常識がわからんから答えられない」

あれ? 何話してんだ? 俺。

あんまりやたらと話していい事じゃないのはわかってるけど、言葉が勝手に口から溢れ出るのだ。

ルクシオ「俺……元人間だから、言葉どころじゃなくて」
 ▼ 595 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:20:17 ID:Kb.rgZ/2 [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
倒れているアカリを後目に会話を続ける。

いや、会話と言うには一方的過ぎるか。

なんせ俺が自分の過去を……ほぼないに等しい過去を暴露していっただけなのだから。

ルクシオ「目が覚めたらポケモンになってたんだけど……」

記憶喪失、夢とそれに関する仮説、今までの冒険……

なぜかわからないけど、こんな俺でも上手くやって行けるって事を伝えないと、取返しのつかない事が起きる……そんな気がした。

ペラップ「元……ニンゲむぐっ」

ルクシオ「しー! お前の声人間仕様なんだからあんま大声で話すな!」

前足でペラップのくちばしを押さえつけた。

ペラップ「……ごめん、後ありがとう……」

何がどうありがとうなのかイマイチわからないんだけど……
 ▼ 596 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:24:24 ID:Kb.rgZ/2 [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ただ1つ、心当たりがあるとすれば。


ペラップ「ごめん……私消えるね」


この言葉に、あまり想像したくない裏がある、って事だ。

そうだ!

不意に今までの発言が繋がる。

推理と呼ぶにはあまりにガバガバ過ぎるとは思うけど……

ペラップは、人間の言葉が話せるせいで、周囲からあまりよく見られてないんじゃないか?
 ▼ 597 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:29:23 ID:Kb.rgZ/2 [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「ああ、こいつトレーナーでよ……ってかお前人間の言葉喋れるんだ」

ペラップ「うん……そのせいで私……」


ペラップ「だって……ニンゲンの言葉を話せるポケモンなんて……気持ち悪い、でしょ」


そこにはうずくまっている、1匹のペラップがいた。

見ると体にはいくつかの傷が付いている。


推測でしかないけど、「そのせいで私……」の後には傷つけられた、の意味の言葉が繋がるのではないか?

そしてそのと言う指示語が示しているのは「ニンゲン語が話せて気持ち悪い」だろう。

それで周りのポケモンからいじめられてる、って事だ。

いや、もしかするとこれは人間のせいかもしれない。と考え直した。

喋れるポケモンを狙う悪い人間が傷つけない保証はどこにもない。

俺が考え付くのはこの2通り。
 ▼ 598 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:33:16 ID:Kb.rgZ/2 [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「なあ、お前、どちらにせよ今この場にとどまっていい事ないよな?」

ペラップ「うん……あ」

ルクシオ「迷惑とかなら心配しなくていい。信頼出来ないかもしらんがアカリは大丈夫」

軽く息を吸い込み力強く言い切った。

ルクシオ「俺が保証するから」

ペラップ「でも……いや、ニンゲンが信じられないんじゃなくて……」

あ、そう。

って事はいじめ説か。

よくよく考えると


ルクシオ「一応言っとくがアカリは喋れるから捕まえて売りさばくとか妙な事は考えてない」

ルクシオ「むしろそんな事考えられないと思うわ。取りあえずポケモンが好きだから」

ペラップ「そんな事言ってるんじゃなくて! あ……いや……」


この発言が根拠になるよな、何切り捨ててんだ俺。
 ▼ 599 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:38:32 ID:Kb.rgZ/2 [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「だとすると周りのポケモンからいじめられてるんだ、違うか?」

ペラップ「……よくわかったね」

その声は波の音にかき消されかねない小ささだった。

ルクシオ「だったら逃げるのが得策だ。お前気が弱そうだし、立ち向かってもどうしようもない」

自分自身は知らないが、人間だった時に関わっていたからか、言葉がすらすら出て来る。

ルクシオ「いじめなんてどれだけ抗ってもそう簡単には終わるもんじゃない」

ルクシオ「だったら迷わず逃げろ。つぶされる前に」

ペラップ「う……ひっく……」

ペラップの目に涙が浮かぶ。

下心は無かったがこんな態度取られると反応に困る……

ペラップ「私……私……」

ルクシオ「あのさ……頼むから泣き止んでくれ……」

ああもう……どうしろと……
 ▼ 600 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:42:36 ID:Kb.rgZ/2 [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「う、うーん……」

その声は、無神論者な俺にとっても救いの声に聞こえた。

目の前で女子に泣かれた経験なんて俺にはないもんだから……

アカリ「ふああ……」

アカリがこちらを見た。

アカリ「え、泣いてる……どうしたの?」

ペラップ「私……あなたに付いて行く」

アカリ「……え?」

なんだろ、無理に説得したみたいで、後味が悪いんですけど……

アカリ「あ、ってかもう、喋れるのは確定……かあ……」

アカリ「で、いいの? あたしの手持ちになって」

ペラップ「うん」

アカリ「じゃあ、行けっ、モンスターボール!」
 ▼ 601 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:44:22 ID:Kb.rgZ/2 [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
抵抗しない者を捕まえる事など訳ないだろう。

いとも簡単に捕獲した。

アカリ「よし、ペラップゲット……喋るの? やっぱり」

それはそうだ。

そこが気になるのは当然だ。

アカリ「いや、ケガしてたんだっけ……回復してあげなきゃ」

アカリは俺をボールに戻すと走り出した。
 ▼ 602 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:48:45 ID:Kb.rgZ/2 [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「なんか壮絶ね……」

イーブイ「よく言うよ、ルクシオよりも前にいじめだって気付いてたクセに」

ペラップ「私……そんなにわかりやすかったですか……?」

イーブイ「ううん、あたしなんかさっっっぱり!」

イーブイ「ってかあんたなんでニンゲンの言葉……?」

ペラップ「さあ……気付いた頃には……」

ポッタイシ「これも仮説があるわ」

ポッタイシ「確かもともとペラップって舌の構造がニンゲンそっくりなんでしょ?」

ポッタイシ「前研究所で見て」

ルクシオ「ああ、そんなせって……おっと、そんなのあったな」

ペラップにはこの世界がフィクションの賜物だとは話していなかった。
 ▼ 603 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:52:23 ID:Kb.rgZ/2 [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「だとすると、話す言葉がニンゲンっぽいのは共通仕様な訳」

ポッタイシ「だから、後はニンゲンの言葉を理解出来る頭、これだけよ」

なるほど……

思わず舌を巻く。

鳴き声は意味を持ち始めて言葉へと昇華する。

その鳴き声が人間に近いんだからそれが意味を持てば言葉となる……か・

イーブイ「何? つまりあんたはこのペラップが天才だって言いたいの?」

ポッタイシ「たぶん」

ペラップ「いや、そんな事……」

ルクシオ「いや、ポッタイシの説明は割と納得出来るわ、俺」

ペラップ「えっと……」

気まずい沈黙がボールの中に下りた。
 ▼ 604 1◆J44kAZeDOM 15/09/23 21:52:49 ID:Kb.rgZ/2 [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 605 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/09/23 22:30:40 ID:7LzJN1uw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 606 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 19:54:00 ID:1Z1Zy38w [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「ま、自分で天才って言う奴よかよっぽどマシよね」

イーブイ「そんな奴見た事ないけど」

ペラップ「いや……ちが……」

声がしぼむ。

改めてこんな気弱ならいじめの標的にされるのも無理はないと思う。

それが許される事かどうかは別として。

ペラップ「あの……こ、これからよろしくお願いします!」

最後は声が裏返っていた。

イーブイ「よろしく」

ポッタイシ「こちらこそ」

ルクシオ「ああ」

三者三様に返事を返した。
 ▼ 607 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 19:59:05 ID:1Z1Zy38w [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

まだ落ち着かない。

なんで?

どういう事?

ポケセンで回復して部屋に戻って。

その間中ずっと、この疑問はあたしの思考をまるでカイロスみたいに掴んで離さなかった。

アカリ「みんな、出て来て」

驚いたように振り向く4匹。たぶんボールの中で会話してたのかな。

それはそうと……

アカリ「みんな、適応してるの……?」
 ▼ 608 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 20:04:10 ID:1Z1Zy38w [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いやさ。

やっぱポケモンの中でも人間の言葉を喋るポケモンなんて異端扱いされるような気がして……

でもまあ上手くやってけるならそれが一番なんだけどね。

いやでも。

そこはもう少し驚いてしかるべきと言うか……

いや、ボールの中で充分驚く時間はあったって事かな……?

いやそんな事はどうでもよくて。

アカリ「ペラップ、なんか喋ってみてよ」

ペラップ「……なんで?」

なんだろ、距離を感じる……

いや今はそれより。

アカリ「やっぱり喋るんだ……」

どうも、もうこれはあたし、現実を直視せざるを得ない所まで来てるみたい。

このペラップは人間の言葉を話す。

その現実に。
 ▼ 609 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 20:08:22 ID:1Z1Zy38w [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「すううう、はああああ」

取りあえず深呼吸。

落ち着くにはこれが一番! ……なんだけど。

さすがにこれだけじゃ足りないかあ。

アカリ「わかった。ペラップ、あなたは人間の言葉を話す。それはもう認める」

アカリ「慣れるのには時間がかかるだろうけど、それでも受け入れたい」

アカリ「だから、これからよろしく!」

笑顔はまだ残ってる驚きのせいでひきつってるけど、この言葉は本心だった。

ま、ゆっくり仲良くなって行こ!
 ▼ 610 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 20:16:12 ID:1Z1Zy38w [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さてと。

そう決めたからには、なんとかコミュニケーションを取らなきゃいけないんだけど……

ペラップ、どうにも弱気って言うか……

引っ込み思案? あ、いやこう言うのは内気って言うのか。あれ? 引っ込み思案もおかしくはない……

いやどうでもよくて。

あの態度、声のすぼみ方。

アカリ「うーん……」

コミュニケーション取りにくいタイプの人……じゃなくてポケモンなのよね……

何か薄くて透明な、けど頑丈な壁を1枚周りとの間に挟んでる、そんな感じ。

話しかければ会話は成立するけど本心をさらけ出してはくれない。ような気がする。

あたしもまだまだ修行が足りないのかなあ……
 ▼ 611 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 20:21:20 ID:1Z1Zy38w [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ん?

そういや人間の言葉が話せるポケモンってさ……ポケモンの言葉を翻訳出来たりするんじゃ?

アカリ「ねえペラップ」

返事はない。ポッタイシたちと話し込んでるみたい。

うーん、ま、邪魔しちゃ悪いか。

ルクシオ「るく、るくるく」

ペラップ「え……? あ、何か……」

話の流れからしてルクシオが、あたしがペラップに話しかけてるのを伝えた感じか。

アカリ「ねえペラップ、あなたさ。ポケモンの言葉を翻訳出来たりしない?」
 ▼ 612 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 20:25:08 ID:1Z1Zy38w [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

ああ! 正直その発想はなかった!

そうか、俺たちの言葉を翻訳してもらえるのか……

ペラップ「出来る……と思う……」

尻すぼみに声が小さくなっていくが、これは自信を持って断言出来る。

こいつは翻訳出来る。確か向こうでもアニメのポケモンでニャースがやってたし。

アカリ「ホント?!」

アカリの目が期待に輝きを帯びる。

ペラップ「う、うん……」
 ▼ 613 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 20:32:18 ID:1Z1Zy38w [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして。

アカリは最も対処に困る爆弾を投下してきた。

アカリ「ルクシオはなんであたしとお風呂入りたくないの?」

素直な疑問。

だからこそ、余計答えるのが難しい。

ルクシオ「え……っと……」

しどろもどろになる。

自分自身で答える必要がないのが幸いだったけど、はっきり言ってそんな程度じゃなんの慰めにもならない。

まさか俺が元人間の男だからなんて言えないし……

水を打ったように静まりかえった部屋。

俺の思考はどんどん加速して行く。

ここで暴露してしまってもいいのか?

いやダメだ。ここで暴露したらアカリがショックで倒れてしまう。

なんせ、ペラップの事があった直後なのだ。

連続でそんな大事聞いたら正直俺でも持たないと思う。
 ▼ 614 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/09/24 20:34:48 ID:axpx2MFE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 615 1◆J44kAZeDOM 15/09/24 20:38:28 ID:1Z1Zy38w [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「やっぱあたしの事……」

露骨に気落ちした表情を見せるアカリに慌てて訂正に走ったが、通訳が気弱な物だからその込められた意志がはっきり伝わったかどうかは怪しい。

ポッタイシ「なんとなく、でいいのよ」

小声でそうアドバイスされた。アカリが下を向いている内に。

ルクシオ「そう、なんとなく! なんとなく風呂だけが嫌なのであって、アカリの事は別に嫌いじゃない!」

ペラップがそれを人間の言葉に翻訳して行く。

アカリ「ホント……? あたしの事嫌いじゃないの?」

頷き返した。

アカリ「よかったあ……ずっと不安だったの」

アカリが思いっきりため息を漏らしている傍ら、俺も内心肩をなでおろしていた。
 ▼ 616 クオング@ウッディメール 15/09/24 20:38:55 ID:1Z1Zy38w [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 617 コリザル@こだいのツボ 15/09/24 21:38:14 ID:rVLDOFUQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 618 1◆J44kAZeDOM 15/09/25 21:51:49 ID:5Zn1PDuk [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「じゃ、誤解も解けた事だし……そろそろご飯ね」

誤解が解けた……よね、うん。

アカリ「みんな、戻って!」

でもそれにしてはルクシオの態度がおかしいのよね……

慌てたみたいで。

何か聞かれたらまずい事でもある、そんな感じ。

まあいっか。もしまだ距離があったとしてももっと仲良くなって行ければさ。

それに、聞かれたくない事をあんまり無理に聞かない方がいいに決まってる。
 ▼ 619 ンペルト@デボンのにもつ 15/09/25 21:54:57 ID:pZ0HVjjk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 620 1◆J44kAZeDOM 15/09/25 21:57:28 ID:5Zn1PDuk [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
別にあたしに何か秘密がある訳じゃないけどさ。

でも秘密ね、って言われてそれをばらされるのが嫌な事ぐらい、誰だってわかるし

秘密を聞き出そうとする人を不快に思うのも当然の事。

そこまで打ち解けてくれてないって事なのは悲しいけど、それもゆっくりと。

慌てたっていい事ないってのはジュン兄ちゃんが教えてくれてるしね。

アカリ「あ、これとこれを……」

考え込んでいる内に食事会場に着いていて、気が付くとメニューを注文していた。

あたしもずいぶん旅慣れて来たな、と軽く笑う。

アカリ「みんな、出て来て!」
 ▼ 621 1◆J44kAZeDOM 15/09/25 22:01:44 ID:5Zn1PDuk [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、そうだ!

まずはペラップにこれだけは言っとかないと!

アカリ「絶対喋らないでね、ペラップ。みんなびっくりしちゃうから」

誰にも聞こえないように、小声で。

自由を縛るのはあんまり好きじゃないけど、これに関してはホントにどうしようもないし。

ペラップは頷いた。

アカリ「ポッタイシたちにも迷惑かけちゃうかもだけど、ごめんね」

割と3匹は食事中いろんな会話をしてる感じだったから、なんかかわいそうな気もするけどね……
 ▼ 622 1◆J44kAZeDOM 15/09/25 22:09:26 ID:5Zn1PDuk [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ま、でもみんなちゃんと納得してくれてる……よね? まあそんな表情してるから、たぶん大丈夫かな。

そんな事考えてる間に食事が運ばれてきた。

アカリ「じゃ、いっただっきまあす!」

にしても今日は濃い1日だったなあ……

朝一番でジム戦して、その後でなんと喋るペラップ!

いやあ、あの衝撃はたぶん一生忘れられないな。

それとも、これにも慣れて行くのかな……?

いやいやでも、それでもあの驚きの記憶は色あせないような気もするし……

ま、どっちでもいいや。
 ▼ 623 1◆J44kAZeDOM 15/09/25 22:14:36 ID:5Zn1PDuk [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ごちそうさま」

ふうっ、おいしかった。

ごはんってやっぱり心の栄養でもあるんだなあ。

いろいろ疲れたけど、なんだかんだごはんって疲れを取り除いてくれる。

アカリ「みんなは……っと、ペラップがまだか」

まだお皿にちょっと残ってる。

でもペラップは。

いやいやをするように首を横に振った。

イーブイ「ぶい?」

何かを問いかけるような口調でイーブイが言うとペラップが頷く。

それを見てイーブイがさらに何かを問いかけるとペラップがまた頷いた。

と、イーブイがペラップの分のごはんを食べた。
 ▼ 624 1◆J44kAZeDOM 15/09/25 22:17:44 ID:5Zn1PDuk [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ちょ、イーブイ!」

慌てて怒ったはいいけど。

これもしかして……

アカリ「ペラップ、小食なの?」

ペラップが頷いた。

ちゃんと喋らずに会話してくれるのがありがたいと言うかなんと言うか……

アカリ「なるほど……でもちゃんと食べなきゃダメよ?」

ペラップが羽で頭をかいた。
 ▼ 625 チエナ@こだいのどうか 15/09/25 22:18:06 ID:5Zn1PDuk [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 626 ドラ@カムラのみ 15/09/25 22:59:57 ID:M.dSjYgA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ可愛い
 ▼ 627 1◆J44kAZeDOM 15/09/26 19:46:16 ID:6Mg9jTSc [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
結局満足気な顔してるイーブイとそれを引きかけの目で見つめるポッタイシとルクシオを見て怒る気も失せちゃったし。

後、無理に食べさせるのもよくない事だとは思うし。

アカリ「みんな食べ終わったね? 帰るよ! 戻って」

ボールを取り出してみんなに中に入ってもらう。

さてと。

これからお風呂入って、後はもう寝るだけかな。

そう思うと、一気に疲れが押し寄せて来た。
 ▼ 628 1◆J44kAZeDOM 15/09/26 19:51:22 ID:6Mg9jTSc [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

ポッタイシ「ペラップが小食なのはいいよ、でもさ」

ポッタイシ「イーブイ、食べ過ぎよ」

イーブイ「今日はいろいろ頑張ったからいいの!」

ポッタイシ「ほっとんどルクシオなんだけど」

ルクシオ「まあまあ落ち着けって」

イーブイ「知らないよ! あのヌオー強かったのよ? 疲れたのよ? あたし」

ペラップ「何の話してるの……?」
 ▼ 629 1◆J44kAZeDOM 15/09/26 19:56:22 ID:6Mg9jTSc [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、そうか。

こいつはジム戦の後だもんな、仲間になったの。

……うわ、改めて言うと仲間になるって恥ずかしいな。

ルクシオ「ジムって知ってる?」

ペラップ「ジム……?」

ルクシオ「知らないか。ジムってのは……」

2つの会話がめいめいに繰り広げられ収拾がつかなくなっている。

だが、ポッタイシたちの会話はこの一言で終わりを迎えた。

ポッタイシ「太るよ? そんな食べたら」

イーブイ「」

そんな間にも俺はジムについて、そして今日のジム戦について説明した。

ペラップ「そんなのあるんだ……もしかして、私もしないとダメなの……?」

ルクシオ「さあ?」

とは言ったけど、たぶん次になるトバリでは一番活躍する事になりそうだな……

まさかデンジに挑むとは思えないし。仮にもシンオウ最強リーダーなんだから。
 ▼ 630 1◆J44kAZeDOM 15/09/26 20:02:13 ID:6Mg9jTSc [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あれ? でも相手に合わせてポケモン変えるのに最強?

……いや、同じポケモン使っても上手い人と下手な人がいるのは当たり前か。

ゲームなら相性考えてけばいいけどこう言う感じだとトレーナーの力量もダイレクトに勝負に関わって来る。

ポケスペで確かサカキがレッド戦でそんな事言ってたな。

いやまあそれはいいんだけど。

イーブイ「わかりました! これからは食事の量を減らします!」

いや、減らせとは言ってなくて。

ちゃんと1皿分は食ってくれよ? なんとなくだけどこいつらの残りは俺の胃袋に収まりそうな気がするから……

一応今、俺ただ1人の男だし。ってか♂だし。

……俺の周り、女が多いな。いわゆるハーレムって奴?

俺じゃなかったら、普通の男なら大喜びするんだろうな……
 ▼ 631 1◆J44kAZeDOM 15/09/26 20:07:27 ID:6Mg9jTSc [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今更ながら、こんな事になった自分の境遇を嘆く。

俺である必要性ってないじゃんか……

ポケダンシリーズだと世界を救うとか言う大役があるけどさ、まさかそんな事になるはずないし……

いくらトレーナーがヒカリの妹だとは言えさ。

ギンガ団もなんか動いてるとは言えさ。

アカリが図鑑持ってるとは言えさ。

ポケスペだと図鑑所有者は巻き込まれるみたいな設定あったけどさ……

……なんか巻き込まれそうな気がしてきた。
 ▼ 632 1◆J44kAZeDOM 15/09/26 20:16:00 ID:6Mg9jTSc [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんてぼんやりと考えている間にもアカリは部屋に戻り、俺たちをボールから出して、風呂を沸かしていた。

イーブイ「なあにぼんやりしてんのよ」

その声でふと正気に戻って、その事に気が付いた。

ルクシオ「ああ、いやいや、なんでもないよ」

ポッタイシ「ふうん」

イーブイ「いや絶対なんかあるでしょ」

ルクシオ「なんでもねえよ」

まさかハーレムとか言う単語が出て来た上に、ほとんど妄想に近いギンガ団とのバトルまで話が行きついているなんて言えず、取りあえず冷たく言い切った。

ペラップ「自分の記憶について……だったりしま……せんよね」

いやペラップ、確かに違うけど助け舟ありがとう!

一応アカリがいないか見回して、ほっとため息をつく。

ルクシオ「いや、そうだよ、ペラップ。だけど結局なんもわからないからさ」

ポッタイシ「でも結局結論出て無かった?」

ルクシオ「いやまあそうだけど、まだ違う可能性も否定は出来てないじゃん」

ポッタイシ「……まあね」
 ▼ 633 1◆J44kAZeDOM 15/09/26 20:20:48 ID:6Mg9jTSc [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシは不服そうに呟く。

なんだろ、ポッタイシって、推理マニアだったりするのか?

俺もこっちに来てからいろいろ推理(とは言えないような陳腐な物)をして来たけど、だいたいこいつは俺よりも先に真相に行きついてる。

俺の記憶、ペラップの過去についてもイーブイいわく俺より早かったらしい。

イーブイの過去も俺がいじめを推測した時には確実にこいつも理解してたし。

……もっともそれに関しては手掛かり不足でこれ以上どうしようもないけど。
 ▼ 634 1◆J44kAZeDOM 15/09/26 20:31:13 ID:6Mg9jTSc [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「みんな……ルクシオ以外だけど、お風呂入るよ」

そう言って3匹を連れて行った物だから、さらに俺の思考は深みへと落ちて行く。

ポッタイシが推理好き……ねえ。

いやまあどこの世界にもそう言う人がいて、そう言うのが名探偵と呼ばれるんだろうけどさ。

身近にそんなのがいるってのは、ちょっと斬新。

そして思考は他の旅仲間へと移って行く。

イーブイは、なんか複雑な過去がありそうなんだよな。

親がブースターだから捨てられたとか訳わかんないし。

それに。ただいじめられたって訳でもなさそうだし。

ペラップはペラップで、いじめられてたらしい。

……ちょっとこのチーム、いじめの関係者が多すぎやしませんかね? 俺を含めて。
 ▼ 635 1◆J44kAZeDOM 15/09/26 20:31:34 ID:6Mg9jTSc [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 636 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/09/26 20:34:47 ID:3yLYh63k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 637 1◆J44kAZeDOM 15/09/27 14:48:40 ID:z0g0bn.I [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こういうのをご都合主義と言うのか。

そう考えると妙に納得が行った。

ま、どっちみち現実にあり得ない話なんだし、そんな小さな奇跡ぐらい起こっても問題はないか。

ルクシオ「でもなあ」

ふっと呟いた。

ポケモンって、正確にはポケモン本編って、こんなシリアスな、社会派な話だっけ?

まあシリアスではあるんだけど、方向性が違うと言うか……

なんかこう、もっとポケモンってぶっ飛んでる話がほとんどなんだよな。

カントージョウトは除くけど。

まあギンガ団は広義ではそんな問題も内包してる……って言えなくもないけどさ
 ▼ 638 1◆J44kAZeDOM 15/09/27 14:54:50 ID:z0g0bn.I [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まあ、考えても仕方ない事はどうしようもない。

これからギンガ団がどう動くのか、それとも動かないのかなんて情報が足りなさ過ぎて推理どころじゃないし。

俺たちがいじめとか言う問題をどう乗り越えるのかなんて、予測すら出来ない。

アカリ「気持ちよかったあ。ルクシオ! お風呂空いたよ!」

その声を聞き、思考を断ち切った。

考えてもムダだから考えない。

シンプルだけど、変に先入観を持って考えるよかよっぽどましだと思うのだ。
 ▼ 639 1◆J44kAZeDOM 15/09/27 15:04:18 ID:z0g0bn.I [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

さあて、お風呂も入った事だし、明日以降の予定でも建てるか!

アカリ「えっと……あった!」

タウンマップが無いと始まらないからね。

さてと。

アカリ「やっぱナギサは最後かな……」

たぶんコウキ兄ちゃんから聞いた話だと、デンジさんはそうとうあたしたちが強くならないとバトルすらしてくれ無さそうだし。
 ▼ 640 1◆J44kAZeDOM 15/09/27 15:04:41 ID:z0g0bn.I [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「だとすると……」

次の町はトバリシティ、になるな。

まさか今更あの雨の中をヨスガまで戻ってまでクロガネからコトブキ経由でハクタイまで行く訳にもいかないし。

アカリ「と、なると……」

ノモセトバリ間はシンオウでもトップクラスに長い道路(群)だしなあ。

相当早起きしないと明日中にトバリには着けないよね。

空飛べたら便利なんだけど、肝心の秘伝マシンが無いし……

ちらりとペラップの方を見る。

うーん、なんか頼りないんだよなあ……

あたしを乗せて空を飛べるのか、その小さな体で。

そんな不安がどうしても消えてくれない。
 ▼ 641 1◆J44kAZeDOM 15/09/27 15:05:06 ID:z0g0bn.I [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 642 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/09/27 15:42:52 ID:cHobv0vI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 643 グマラシ@ねらいのまと 15/09/27 18:53:16 ID:pbXrAeng NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 644 1◆J44kAZeDOM 15/09/27 22:28:04 ID:z0g0bn.I [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もうこれは野宿覚悟しとかないとダメかなあ……

アカリ「ああもう! イーブイったら! なんで自転車壊しちゃったのよ! 罰金よ罰金!」

っと、これじゃジュン兄ちゃんじゃん。

イーブイはなあんにも無かったみたいにそっぽを向いたまま話し続けてるし。

なんか今更怒りが再燃して来た。

だからと言って何か出来る訳でもないしなあ……

1人寂しくため息をついた。

と、ルクシオの声が聞こえた。

お風呂からあがって来たみたい。
 ▼ 645 1◆J44kAZeDOM 15/09/27 22:33:56 ID:z0g0bn.I [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

アカリが体を拭いてくれてる間中、ずっと不機嫌な表情をしてるもんだから、

ルクシオ「なんかあったのか?」

と聞いてみたところ。

ポッタイシ「ああ、今更自転車が壊れた事を怒ってたの」

ルクシオ「なんで? あ、いいややっぱ」

机の上に置いてあるタウンマップを見て、だいたい察した。

ノモセトバリ間は相当長い。

カンナギハクタイからキッサキに行くのと並んでトップクラスと言っても過言ではない。

最も、ハクタイの森で迷う事を考えたらかかる時間はそっちのが長いだろうけど。

で、結局、自転車があれば早く着けてたのに、とまあそんなとこだろ。
 ▼ 646 1◆J44kAZeDOM 15/09/27 22:39:56 ID:z0g0bn.I [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ああもう! お休み!」

明日早起きする事を考えたのか、それとも単にいらいらしてるだけなのか。

まだ早いのにもうアカリが布団に潜る。

イーブイ「もう寝ちゃうんだ。ってか自転車壊されても仕方ないの、気付いてないの?!」

ペラップ「えっと……」

ルクシオ「あ、そっか。アカリの自転車、異常に速いから、ガチで怖いんだわ」

内気な彼女に質問させるのもなんか酷に感じて、思考を先取りして答えた。

ポッタイシ「うん。まあもうないと思うとあれも結構楽しかったかな? なんて」

……は?

2対の瞳が驚愕を湛えながらポッタイシを見つめた。

イーブイ「い、いやあたしは別に怖くなんて……」

ルクシオ「ウソつけ」

ペラップ「そう……なんだ」
 ▼ 647 1◆J44kAZeDOM 15/09/27 22:46:22 ID:z0g0bn.I [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「私たちも、もう寝よ」

その提案に、どうしても疑問を感じてしまう。

ルクシオ「いくらなんでも早すぎない?」

イーブイ「そうよ。まだ全然眠くないもん」

ペラップ「わ、私は……眠いかな……」

イーブイ「ウソ?! まあでも、ニンゲンと一緒に過ごすの初めてなんでしょ? なら仕方ないか」

それを無視してポッタイシはその真意を語る。

ポッタイシ「いやさ、どうせ明日は早起きして早くここ出発する事になるじゃん?」

ルクシオ「アカリにそれが出来ると思うか?」

ポッタイシ「それをさせてあげるのよ。私も出来れば野宿は避けたいもの」

イーブイ「はあ? いや、研究所暮らしじゃ外で寝るとか無いのか」

そうか。俺とポッタイシはともかく元が野生なこいつら2匹は野宿に普通に耐性があるのか。

ペラップ「わ、私も……別に嫌じゃ……」

ポッタイシ「そうね、よく考えれば野宿が嫌なのは私とルクシオだけか」

ポッタイシ「と言っても、半分じゃだけとは言えないか。ま、でも私は寝るよ。お休み」
 ▼ 648 1◆J44kAZeDOM 15/09/27 22:46:46 ID:z0g0bn.I [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 649 1◆J44kAZeDOM 15/09/28 20:45:18 ID:WW.9RglI [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「で、どうすんの? ルクシオは。ペラップは野宿うんぬん抜きで疲れてるだろうし寝たらいいと思うけど」

既に軽い寝息をたてているアカリとポッタイシを気にして小声で話す。

ルクシオ「さあ。眠くなったら寝るけどさ、まだ全然眠くないんだわ」

ペラップ「あ、じゃあ私も……おやすみなさい……」

イーブイ「お休みー」

ルクシオ「おう」

ペラップも眠りの世界に片足を突っ込む。

もっとも全身がそちら側に引き込まれていくのは時間の問題だろう。
 ▼ 650 1◆J44kAZeDOM 15/09/28 20:51:31 ID:WW.9RglI [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「……」

イーブイ「……」

ルクシオ「……」

イーブイ「……」

こう言うのを気まずい沈黙って言うんだなあ……

ルクシオ「なんか話題ないの?」

イーブイ「いや、特には……」

ルクシオ「ペラップの事とか……」

イーブイ「正直ニンゲンの言葉喋れるぐらいじゃもう驚かないし。主にあんたのせいでね!」

ルクシオ「う……」

1人なら何か考え事して過ごすんだが、1対1の状況で考え事するのもどうかとは思うしなあ……

イーブイ「……あのさ」

その声にほっとしながら尋ね返す。

ルクシオ「なんだ?」
 ▼ 651 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/09/28 20:54:40 ID:5XIWrj7U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 652 1◆J44kAZeDOM 15/09/28 20:58:34 ID:WW.9RglI [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「いや……さ。あたしも、あんたも、ペラップも」

イーブイ「なんでこんなにいじめに関わってたポケモンばっか仲間になるのかなあ、って」



確かに、それはさっき俺も考えていた。

ルクシオ「さあ……まあそもそも俺のこんな事がある時点で、俺からしたら現実の物事じゃないからそう言うのもありなのかとは思ったけどさ……」

イーブイ「例えあんたからしたらそうでも、あたしからしたられっきとした現実なんだよ?」

イーブイ「正直あたしが架空の存在って言われるだけで腹立つんだけど」

冷たい視線が痛い。

ルクシオ「すまんすまん。でも、確かにいくらなんでもなんかの力が干渉してるとしか思えない偶然続きなんだよなあ」

思えば、まず俺だってアカリと出会ったのは全くの偶然。

こっちに来たのは必然だとしても。

その後アカリではなくアキラに捕まっていた可能性だって、そもそも全く関係ないトレーナーに捕まっていた可能性すら否定出来ない。

イーブイ「ま、あたしはあんたやポッタイシみたいに頭良くないからわかんないよ?」

イーブイ「でもさ……いくらなんでも偶然が続きすぎ。こんなの絶対おかしいよ」
 ▼ 653 1◆J44kAZeDOM 15/09/28 21:04:05 ID:WW.9RglI [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんかこいつ、キャラぶれてるな……

妙に場違いな感覚が一瞬俺の頭に憑りついた。

イーブイ「ふああ……考え事してたら眠くなって来た。もう寝るか」

ルクシオ「あ、そうか」

正直俺は、まだ眠くないんだけど……

まあ、今日はいろいろあったし、寝とくに越した事はないか。

ルクシオ「俺も寝るわ」

イーブイ「ん。お休み」

ルクシオ「お休み」

布団に潜り、目を閉じた。

しかし、眠りの魔物はどうやら俺がお嫌いらしい。

やたら目が冴えている。
 ▼ 654 1◆J44kAZeDOM 15/09/28 21:10:23 ID:WW.9RglI [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どうしようもなく俺の思考は行ったり来たり。

このご都合主義とも呼べる偶然が万が一何者かによる作為だとすれば、案外話がまとまるんだけどなあ……

現実に干渉出来る最強の神。

俺は神仏の類は一切信じてないけど、ここはポケモンの世界。

そしてここは神話が息づく地方、シンオウだ。

現に時間を司る神ディアルガ、空間を司る神パルキアに反転世界の……いや、あれは神じゃないか。

感情のエムリット、意志のアグノム、知識のユクシーもいる。

そして何より。

ゼウスが元ネタなんだろう、創造神アルセウスもここ出身のポケモンなはずだ。

と、なると。

誰か1人の現実にぐらい、干渉出来てもなんにもおかしくはないよなあ……

まあ、そんな設定はなかったけど。

不意に眠気が俺を襲う。

抗う意志もないままに、俺は眠りに落ちた。
 ▼ 655 1◆J44kAZeDOM 15/09/28 21:12:06 ID:WW.9RglI [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 656 エルオー@ダークストーン 15/09/29 06:52:21 ID:nNeMa8go NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 657 1◆J44kAZeDOM 15/09/29 21:50:08 ID:Td6TtmUI [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夢を見ていた。

俺の失われた記憶に起因する物じゃないんだろうけど……

それに、目が覚めてみても、まるで雲を掴むように俺の手から情報がすり抜けて行く。

要は、何も思い出せない。

ただ、なんか荘厳で、でも威厳のかけらも感じられないとか言う妙な相手と対面してた気がする。

荘厳なのに威厳がないのはこれいかに。

ま、いいんだけど。所詮夢だし。

ルクシオ「ふう」

ま、考えてもらちがあかないしな。

ポッタイシ「あ、おはよ」

ルクシオ「あ、おう。おはよう」
 ▼ 658 1◆J44kAZeDOM 15/09/29 21:56:35 ID:Td6TtmUI [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「さてと。みんな起こそ」

ポッタイシ「……ってか結局アカリは遅いのね」

ルクシオ「言ってやるな。人間の一番の体力回復法が睡眠なんだから」

ルクシオ「ポケモンはあのマシンで回復出来るけどな」

ポッタイシ「そうね。まあでも起こさなきゃダメな事に変わりはないでしょう?」

何も言い返せなかった。まあ、かばうつもりもなかったけど。

その無言を納得と受け取ったのか、ポッタイシはカーテンを開いた。

その光に照らされて、みな(ちゃんとアカリも含め)が起きだした。
 ▼ 659 1◆J44kAZeDOM 15/09/29 21:59:13 ID:Td6TtmUI [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「ん、ふぁあ……」

あ、もうそんな時間か。

いやまだ充分早いけど。

ま、昨日あんな早寝したしね。

アカリ「あれ?」

そういやこの時間から朝ごはん食べられたっけ……?
 ▼ 660 1◆J44kAZeDOM 15/09/29 22:04:29 ID:Td6TtmUI [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「なあんだ、大丈夫か」

言っても結局そこまで早起きじゃなかったし。

……ってこれ、野宿ルート一直線じゃん。

アカリ「と……とりあえず! みんな戻って!」

出来るだけ急いで朝食会場へと向かう。

出来れば今日中にトバリに着きたい。

だから急がなきゃ!
 ▼ 661 1◆J44kAZeDOM 15/09/29 22:08:19 ID:Td6TtmUI [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「これとこれをお願いします!」

即断即決。

急いでるからね。

まあ焦っても良くないのはわかるけど、それでもはやる気持ちを抑えきれない。

だってあたし……出来れば野宿は回避したいし。

幸いまだ朝早めな事もあってか割と空いていて、注文はすぐに届けられた。

アカリ「出来るだけ急いで食べちゃって!」

みんなに声をかけると、あたしも食事をかき込んだ。
 ▼ 662 1◆J44kAZeDOM 15/09/29 22:12:21 ID:Td6TtmUI [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ごちそうさま!」

急いでと言ったおかげか、それとも誰かが早めにペラップがいらない分を食べていたのか、

もうみんな食べ終わっていた。

アカリ「じゃあみんな戻って!」

なんか気ぜわしいなあ、なんて他人事みたいにどこかで思いながら、部屋へ急いだ。


準備完了ね。

忘れ物はないし。

ちゃんと確認したから間違いない。

よし。

アカリ「じゃあ出発!」
 ▼ 663 1◆J44kAZeDOM 15/09/29 22:13:05 ID:Td6TtmUI [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 664 チコール@あさせのしお 15/09/29 22:34:31 ID:sbDbPPwY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 665 1◆J44kAZeDOM 15/09/30 20:23:23 ID:RHuOJhvE [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
取りあえずリッシ湖までのルートは昨日まででわかってる。

そんなに複雑でもないし、前はゆっくり行ったけど今回は急いでるから、どう下手に行ってもお昼までには着けるよね。

と、なると。

そこからが問題なのよねえ。

あたしの歩くスピードがイマイチ把握出来てない。

だから、どんなペースで歩けば今日中に着けるのかわからない。

あんまり速すぎてもムダに体力を消耗してばてて立ち止まる事になっちゃうし……

それと一番の問題は。

たぶんトレーナーとバトルしなきゃいけない事。

今までは自転車のおかげでほとんど目と目が合わなかったからよかったけど、今回からはそうもいかないし。

だからそれで余分に時間を取られかねなくて、それが心配。
 ▼ 666 1◆J44kAZeDOM 15/09/30 20:27:44 ID:RHuOJhvE [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ま、でもその時はその時か!

バトル上等! 受けてたとうじゃないの!

……でも野宿はやだなあ……

……と、取りあえずこの辺のトレーナーはこないだみいんなバトルしてるから、そこは安心して大丈夫かな。

アカリ「さて、と」

自分を鼓舞するように声を出し、砂浜を駆け出した。

行きますか!
 ▼ 667 1◆J44kAZeDOM 15/09/30 20:34:55 ID:RHuOJhvE [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

イーブイ「ヒマ」

いや、どうしようもないだろ。

まあ確かにヒマだけれども。

ポッタイシ「ううん、確かに」

ポッタイシもうなりながら答える。

正直道路をただただ進んで行くのが、こんなにヒマな事だとは思わなかった。

だからと言ってあのムダに刺激的過ぎるあの自転車と比べればどう考えてもこっちの方がマシではあるけれど。

ルクシオ「俺も同感だ」

ペラップ「わ、私も……」

だからと言って何が出来る訳でもないし。会話以外は。

ルクシオ「だからさあ、なんか話そうぜ」

と、言いはしたものの、そう簡単に話題なんて出るはずもなかった。
 ▼ 668 1◆J44kAZeDOM 15/09/30 20:43:47 ID:RHuOJhvE [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「そうだ。ルクシオ」

話題が思い付いたのか、不意にポッタイシが口を開く。

ルクシオ「うん?」

続きを促すと彼女はこう言った。

ポッタイシ「次のジムってどんなの?」

なるほどね、そう言う事か。

イーブイ「え? ジムって1つじゃないの?」

ペラップ「知らないんですか?! あ、いや……」

イーブイ「逆にあんたはなんで知ってんのよ」

ルクシオ「あ、俺が説明しといたんだ。お前に説明する時は言い忘れてたけど」

イーブイ「い、いつの間に……」

ルクシオ「ポッタイシと食い過ぎうんぬんでケンカしてた時」

ポッタイシ「あなたたちそんな事話してたのね」

ルクシオ「う、すまん……」

謎の迫力に気圧され、悪くもないのになぜか謝ってしまった。
 ▼ 669 1◆J44kAZeDOM 15/09/30 20:49:18 ID:RHuOJhvE [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「……話を戻すよ。次のジムは何タイプのジムなの?」

ルクシオ「ああ、それは……」

格闘タイプ、と答えようとして言い淀む。

だって。

イーブイには相性が悪いし、バトルが苦手そうなペラップが大得意なタイプなんだから。

最後に出て来るであろうルカリオを除き、だけど。

イーブイ「何タイプなのよ、はっきりして!」

ルクシオ「……格闘だ」

ペラップが息を飲んだ。

その音が伝わって来た。

ルクシオ「そう……ペラップが攻略のカギを握るのは間違いない」
 ▼ 670 1◆J44kAZeDOM 15/09/30 20:49:52 ID:RHuOJhvE [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

最近投稿量が下がってますね、申し訳ありません
 ▼ 671 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/09/30 20:55:52 ID:eGSLn2w6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 672 1◆J44kAZeDOM 15/10/01 22:59:26 ID:Vr3CIh4w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日は無理そうです

すいません
 ▼ 673 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/01 23:02:51 ID:DoXzynOE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>672
自分のペースで頑張って
 ▼ 674 ウマ@たてのカセキ 15/10/02 07:28:03 ID:8U5.gdrw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
都合がつかないならしょうがない
 ▼ 675 1◆J44kAZeDOM 15/10/02 20:36:00 ID:D77klDsc [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「わ、私が……」

ルクシオ「戦略としてはポッタイシのつつくも有効打ではあるな」

ポッタイシ「逆にイーブイには不利ね」

イーブイ「相性だけはどうしようもないもん。あーもう! 変われるならあたしがペラップと変わってあげたいけどさあ」

不満気に口をとがらせるイーブイ。

そしてその傍ら、どんどん意気消沈していくペラップ。

ペラップ「で、でも……私……」

ルクシオ「あーたぶんアカリもさ、お前が嫌なら無理強いはしねえよ。俺たちもカバーする」

ペラップ「私……出るよ、その試合」

へえ。

驚いた表情を浮かべている事を知ってか知らずか、彼女はこう続けた。

ペラップ「私も、変わらなきゃダメかな……と思って……」

竜頭蛇尾にすぼんで行ったが、それは彼女の決意表明だった。
 ▼ 676 1◆J44kAZeDOM 15/10/02 20:41:59 ID:D77klDsc [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「よく言った!」

不意に声をあげるイーブイ。

ポッタイシ「ちょっと、びっくりしたじゃない」

見られないが、たぶんペラップも驚いた顔をしているだろう。

彼女の事だから、縮こまっているかもしれない。

かく言う俺もだいぶビビった。

イーブイ「ごめんごめん。たださ、その……あたしも頑張らないと!」

明らかに話題を逸らしたように感じた。

たぶん未だ話していない彼女の過去に起因する叫びだったんだな、と割り切って気にしない事にした。

ペラップ「う……びっくりした……びっくりした……」

声が震えている。少し涙声になってるな。

イーブイ「わ、ペラップ?! そんな驚かせちゃった? ホントごめん! あたし、あんたの事応援してるから! だからしっかりしてよ!」
 ▼ 677 1◆J44kAZeDOM 15/10/02 20:49:42 ID:D77klDsc [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイの慌て方は正直、見ててこっけいな程。

ただ、複雑な過去を……同じ「いじめ」に絡む過去を持っている同士、どこか通じ合う物があるのかもしれない。

ま、とは言え俺もそうなんだけど……いかんせん俺、記憶がない。

……まあ、俺の過去(と俺たちが推測している何か)にはイーブイも何か感じる所があるらしいけど。

さてと。

思考を不意に断ち切り周りを見回す。

正直会話出来る上に外は見えるのならボールの中からお互いの顔ぐらい見えてもいいと思うんだが……

まあそんな事はどうでもよくて今だいたいリッシ湖のほとりか?

だとするとだいたい半分。ただしそれはあくまでも距離の上で。

この間行った経験からトレーナーバトルをする必要はなしな前半。

未踏の地で、トレーナーとバトルする事は避けられない後半。

どっちが時間がかかるかなんて明々白々だった。
 ▼ 678 1◆J44kAZeDOM 15/10/02 20:58:17 ID:D77klDsc [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

さてと。

リッシ湖のほとりはもう抜けたかな……?

うん、この柵だらけの道路は214番道路だ。間違いない。

さあて。

トレーナーとバトル……はもう避けられないよね。

取りあえずあたしもみんなを鍛えなきゃダメだし……

避けなくてもいいんだけど。

空を見上げる。太陽はもうすでに空高く、気候的にじりじりと照りつけるようななんて比喩は使い辛いけど、

そのほのかな暖かさが心地よかった。

いやそうじゃなくて。

もうお昼。この調子だとトバリに着くのは良くて夜遅く。

……大丈夫かなあ?
 ▼ 679 ルガモス@しらたま 15/10/02 20:58:46 ID:D77klDsc [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 680 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/02 21:04:12 ID:y52Z3lMQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 681 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 16:20:30 ID:yqmhIaag [1/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ううん、迷ってるヒマがあるなら進んだ方が早いよね!

アカリ「よし行くぞ!」

自分を叱咤し、足を再び動かし始めた。

さあて、と。

まずはあのトレーナーを避ける事から始めないと。

うーん……

まず視界に入らないようにするにも隠れる場所がない。

柵越しにはバトルが始まらないかもだけど、そもそも柵の向こうに行く術がない。

だから、あの人がよそ見してる隙に行くか、それとも諦めて普通にバトルするか……
 ▼ 682 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 16:26:37 ID:yqmhIaag [2/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、今あの人草むらに行った。

今なら行けるかも!


と、まあその言葉は単純にフラグでしかない訳で。

そんな都合よくスルー出来るなんて思ったら大間違いで。

ポケモンコレクター「お、トレーナーじゃないですか」

アカリ「げ」

思わず声が漏れる。

コレクター「そんな露骨に嫌そうな顔しなくていいじゃないですかー」

ヨシミ「僕の名前はヨシミです。君のポケモン、一目でいいから見せてください!」
 ▼ 683 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 16:28:52 ID:yqmhIaag [3/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、これもうダメな奴だ。

絶対バトルじゃん。

まあいいけどさあ……

アカリ「わかりましたよ! よろしくお願いします!」

不機嫌に言ってやった。

出来ればバトルしたくない、そんなオーラを前面に出して。

でもそんな事、彼の視界には映らないらしく……

ヨシミ「こちらこそ、よろしくお願いします!」

ニコリと笑って言って来た。

あーもう!
 ▼ 684 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 16:33:05 ID:yqmhIaag [4/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
で、バトルした訳だけど……

弱っ!

正直全然強くない。

強いて言うならブースターシャワーズサンダースのイーブイの進化形の3匹を使って来てびっくりしたぐらい。

あたしもだけど、イーブイが。

でも進化なのに、どう見てもイーブイの方が強かった。

ヨシミ「まあ僕、捕まえたポケモンをあんまし鍛えないですし。こちらとしては、ポッタイシが見られたので満足です」

アカリ「そうですか」

ヨシミ「お礼の意味も込めて……賞金です」

あ、まあこれは素直に嬉しい。

アカリ「ありがとうございます」

ヨシミ「こちらこそ、ありがとうございました」
 ▼ 685 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 16:39:05 ID:yqmhIaag [5/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてあたしは第2の問題に直面していた。

柵の迷路を進むか。

それとも遺跡に通じた事がきっかけで一躍有名になった(人気はそこまでだけど)山道を進むのか。

どちらを通ったとしても、たぶんバトルは避けられない気がする。

どっちの方が早く着けるか。

だからルートはただその1点で決まると言っても過言ではなかった。

でも、そんな事わかるはずもなくて。

だから。

アカリ「ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な」

山道ね、よーし!
 ▼ 686 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 16:44:14 ID:yqmhIaag [6/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
遺跡マニア「マニアトンネルはどこか、お嬢ちゃん知らないかい?」

アカリ「いえ……」

その辺らしいけど、あたしもよくわからない。

ってかあたしが旅の最中だって見たらわからない?

遺跡マニア「あーもう! こうなったらバトルだ!」

アカリ「え、はあ?」

道を聞かれただけだよね? あたし。

なんでこうなるのよー!

ナガアキ「俺はナガアキ。いっちょ勝負じゃ!」

アカリ「えー」

もう隠さなくてもいいや。

あたしは嫌です。

無用なバトルは避けたいです。

だから察してください。

もちろんそんな願いは叶うはずもなかった。
 ▼ 687 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 16:48:42 ID:yqmhIaag [7/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
で、またしても。

弱っ!

なんなのこの道路、バトル以外に全力を注いでる人の集まりなの?

ポッタイシが活躍してくれて楽勝でした。ありがとうございました。

ナガアキ「ああもうバトルでも負けるし……とっとけ、賞金だ!」

アカリ「あ、ありがとうございます」

そっちからバトル挑んでおいて、全くどういうつもりよ……
 ▼ 688 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 16:52:45 ID:yqmhIaag [8/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まあ楽勝とは言え時間はとられる訳で……

出て欲しくない時に限って出て来る野生ポケモンや空気を読んでくれないトレーナーとのバトルに散々煩わされて。

気が付けばもう夕方だった。

でも、もうすぐそこよ。

あそこのトレーナーにさえ勝てばゲートは目の前!

アカリ「よし行くぞ!」

自分を奮い立たせた。

ま、でもどうせ相手もそんな強くないんでしょ。
 ▼ 689 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 16:57:24 ID:yqmhIaag [9/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サイキッカー「あ、トレーナーさんか。なんだろ、すごく強いオーラが見える」

サイキッカー「こりゃあたしの負けかなあ……」

サイキッカー「まあ、でもなんとかなる……かも」

なんかぶつぶつ言ってる。

せっかく覚悟を決めて姿を現したのに。

アカリ「バトルしないんですか? なら先に……」

サイキッカー「待って! しない訳じゃない。あなたの「気」を読ませてもらっただけ」

カナミ「あたしはカナミ。サイキッカーよ」

アカリ「やっぱり避けられない、か……」

そこは残念。でもまあなんとかなるでしょ!

アカリ「対戦よろしくお願いします」
 ▼ 690 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 17:04:17 ID:yqmhIaag [10/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

カナミ「ユンゲラー、よろしく」

アカリ「イーブイ、お願い!」

イーブイがおたけびをあげながら戦場に降り立つ。

一方ユンゲラーは無言だ。精神統一でもしているのだろうか。

戦いの火ぶたが切って落とされる。

アカリ「先手必勝! 電光石火!」

カナミ「ユンゲラー、リフレクター」

ユンゲラーが念じると、薄い壁が形成される。

衝撃を吸収してくれる薄い壁。

それはイーブイの電光石火のダメージを減らす役割を果たす。

アカリ「ウソ、全然効いてない!」

カナミ「サイケ光線」

そのわずかな隙に、ユンゲラーは光を打ち出す。

それはあやまたずイーブイを射抜き、ダメージを与える。

アカリ「イーブイ!」
 ▼ 691 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 17:15:22 ID:yqmhIaag [11/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
油断、慢心。

この道路の弱いトレーナーとばかり戦っていたアカリの心にはそう言った類の感情が宿っていた。

だから、目の前に無残に倒れているイーブイを見た時の衝撃は、いつも以上であった。

事ここに至って、彼女は自分の認識を改めざるを得なかった。

彼女は……強い。

他のトレーナーとは違って。

カナミ「正直あなた、あたしをなめてたでしょう。あたしにはそれがわかるの」

カナミ「でも今ので本気になったみたいね。だから、どうなるのかあたしにはわからないけど……」

アカリは底知れぬ恐怖を味わっていた。

自分が全て見透かされているかのような、そんな気がして。

その事は、思った以上に精神的にきつかった。
 ▼ 692 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 17:18:28 ID:yqmhIaag [12/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「イ、イーブイ! 電光石火!」

素早さで翻弄してしまおう、そう考えたのだ。

しかし。

体力がないのに素早い行動など出来るはずも無く。

カナミ「ユンゲラー、サイケ光線」

その一言でユンゲラーが動く。

そして飛び跳ねまわるイーブイにとどめをさした。

アカリ「……イーブイ、お疲れ」

アカリ「正直あたし……あなたが怖いです」

アカリ「あなた、なんでもお見通しなんですね」

アカリ「でも、おかげで目が覚めましたよ。やっぱりバトルは……」

アカリ「いつだって全力で!」

カナミはニコリと微笑み、言った。

カナミ「そう来なくっちゃ」
 ▼ 693 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 17:33:35 ID:yqmhIaag [13/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リフレクター。

物理技の衝撃を減らす技。

だったら、特殊技で攻めれば問題ない。

そんな単純な事実に気が付き、アカリはポッタイシを繰り出す。

アカリ「遠距離から特殊技で! ポッタイシ、バブル光線!」

カナミ「サイケ光線」

どこかで見覚えのある光景が繰り広げられる。

ちょうど大人のお姉さんのキリンリキとの戦いと同じ状況。

ただし、アカリの心理面はよっぽど切羽詰まっているが。
 ▼ 694 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 17:33:54 ID:yqmhIaag [14/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それはともかく、液体をくぐり抜けた光は、散乱し虹を形作る。

そして、バブル光線はそのままユンゲラーへと向かって飛んで行く。

そして、ユンゲラーは崩れ落ちた。

カナミ「お疲れユンゲラー。さすがね」

アカリ「打たれ弱いんですね」

カナミ「ええ。それが問題なのよ。さてと」

そう呟くと、カナミは新たなモンスターボールを放り投げる。

カナミ「キルリア、よろしく」
 ▼ 695 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 20:39:55 ID:yqmhIaag [15/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キルリア「わかったよー」

とても今から戦うとは思えないようなのんきな声。

カナミ「マジカルリーフ」

キルリア「りょーかい!」

アカリ「ポッタイシ、バブル光線!」

ポッタイシ「よし……あれ?」

アカリ「ポッタイシ、早く!」

ポッタイシ「で……出来ない……」

アカリの表情に焦りが浮かぶ。

アカリ「ポッタイシ! 急いで!」

しかし無情にも草の嵐はポッタイシに降り注ぐ。

アカリ「ポッタイシ!」

かろうじてまだ立っていた。

しかし、どう見ても後一撃も耐えられないだろう。
 ▼ 696 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 20:45:09 ID:yqmhIaag [16/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「なんでバブル光線を……」

カナミ「責めないであげて。こっちのユンゲラーのおかげなんだから」

え? とアカリは困惑顔。

アカリ「どういう事?」

カナミ「金縛りよ。倒れる直前、あたし、指示してたの。心に直接……ね」

エスパーの力のすごさを改めて感じたアカリ。

アカリ「心に直接……」

カナミ「ええ。超能力の力よ。テレパシーって奴」
 ▼ 697 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 20:49:04 ID:yqmhIaag [17/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリは考える。

この超能力にはどうやったって敵わない。

だから、それを崩壊させるしかない。

ふっと思い出す。

ペラップの存在を。

もっと言うなら、ペラップの技「おしゃべり」の存在を。

相手を確実に混乱状態にする攻撃。

それならば、相手の思考をかき乱せるのではないか?

カナミ「よそ見しないで。マジカルリーフ」

アカリ「ポッタイシ! 泡!」

バブル光線が使えないのなら泡。そんな単純な思考。

しかし、こんな弱い攻撃では、マジカルリーフの勢いには勝てない。

打ち消し合い、それでも残った魔法の葉っぱは、寸分違わずポッタイシを貫く。

ポッタイシ「ふふ……私の負けね……」

最後の気力を振り絞ってそう言った後、地に崩れ落ちる。
 ▼ 698 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 20:54:45 ID:yqmhIaag [18/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリはモンスターボールを手に考えた。

ペラップが戦いにあまり向いていない性格をしているのは、いくらアカリが鈍くたってわかる。

それを無理矢理出していい物か。

カナミ「うーん……あなたのそのボールの中の子、あなたがそうするのならやるつもりらしいよ」

アカリ「えっ」

カナミの超能力の力は相手のポケモンにまで及ぶ。

その事実に、アカリは冷や汗をかく。

アカリ「行ける? ペラップ」

ただ、カナミの超能力はもうアカリにとって疑う事の出来ない物。

アカリはもう、ペラップが戦う決意をしたと信じて疑わなかった。

アカリ「初バトル、行くよ! ペラップ!」
 ▼ 699 ピアー@ラブタのみ 15/10/03 20:56:45 ID:Y3mYDR2A [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 700 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 21:03:03 ID:yqmhIaag [19/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップは無言で飛び出す。

ここでも、律儀に「外で人間の言葉を話すな」と言う言いつけを守っているのだ。

キルリア「よろしくー」

ペラップは不安気に頷いた。

アカリ「ペラップ! おしゃべり!」

カナミ「キルリア、瞑想!」

キルリアはそのゆるい表情を一転、真剣な顔つきになる。

精神を集中し、自らの特攻、特防を引き上げる。

しかし。

ペラップ「えっと……わああああ!」

覚悟を決めたように言葉を大声で話すペラップ。

その音に集中を阻まれ、上手く瞑想出来ないのだ。

そして、この技の効果はそれだけではない。

キルリア「あれー? なんかいっぱいいるよー?」
 ▼ 701 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 21:05:23 ID:yqmhIaag [20/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カナミ「混乱か……」

何かを悟ったように呟くカナミ。そして、願うように声を発した。

カナミ「頼む! チャームボイス!」

超能力でも状態異常はどうしようもない。

しかし、そんな中でも、キルリアは混乱も押し切りしっかりとペラップを狙う。

しかし、相手が悪かった。
 ▼ 702 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 21:08:36 ID:yqmhIaag [21/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ペラップ、押し切るよ! ハイパーボイス!」

相手は音技使いのペラップ。

そのペラップに対して音技で挑むと言うのは、単純に相手の土俵で挑むのと同じ事だった。

チャームボイスは相手の精神を蝕む技。

しかし、まず耳に届かなければ何も出来ないと言うのは音技の悲しい性である。

キルリアの放つ声はしかし、ペラップが放つ爆音にかき消される。

そして、そのまま相手を吹き飛ばした。
 ▼ 703 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 21:12:10 ID:yqmhIaag [22/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

カナミ「戻って、キルリア」

カナミは1つ息を吸うと、こう言った。

カナミ「あたしの負けね」

アカリ「ウソ……よかった……」

アカリはその場にへたり込む。

実際に超能力を見せつけられて、かなり苦しい試合だったんだろう。

ってか俺はなあんにもしてないんだけど。

アカリ「やったよペラップ……あたしたち……勝ったよ……」

今までにないぐらい疲弊している。

アカリ「戻って、ペラップ……」
 ▼ 704 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 21:18:40 ID:yqmhIaag [23/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「お疲れ」

ペラップ「私……勝ったの?」

ルクシオ「ああ。お前の勝ちだ」

ペラップ「ホントに?」

ルクシオ「ああ。ホントだ」

ペラップ「やった……!」

今は、こいつを喜びに浸らせといてやろう。

やっぱり初勝利の感慨は深い。

俺は確かクロガネジム戦前の特訓だっけ。

まあ俺の場合はどうでもいいんだけど。

それどころじゃないし。
 ▼ 705 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 21:24:46 ID:yqmhIaag [24/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
外に目を向けた。

カナミ「もう夜ですね。ではあたしはポケモンを回復した後はまた修行を再開しようかと」

カナミ「夜の方が超能力を鍛えるのには都合がいいから……まあ個人差があるみたいで昼の方が好きな人もいるんだけど」

アカリ「は、はあ……頑張ってください」

へたり込んだままアカリが言う。

どっちが勝ったかわかんねえな、これ。

カナミの後ろ姿が見えなくなった頃、アカリがへたり込むのをやめた。

倒れ込んだのだ。

アカリ「あー怖かったあ……疲れたあ……」

星空を見上げ呟く。

カナミの無意識なプレッシャーに飲まれないように必死だったのだ。

見ると頬を涙が伝っていた。
 ▼ 706 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 21:27:20 ID:yqmhIaag [25/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
はっきり言って、ボールの中からじゃ何も出来ない。

だから、ただ待つしかない。

俺はいいよ? 無傷だし。

でもさ……

早くみんなを回復させてやってくれよ……


やがて自分の頬を叩き、アカリは立ち上がった。

アカリ「よし……トバリに行きますか!」

アカリのいい所って、引きずり過ぎない所だと思う。
 ▼ 707 1◆J44kAZeDOM 15/10/03 21:28:39 ID:yqmhIaag [26/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

後そろそろテストが近付いているので更新頻度が落ちる可能性が大です

ご了承ください
 ▼ 708 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/03 22:15:08 ID:bv4/SeSs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 709 エルオー@ねっこのカセキ 15/10/03 23:15:50 ID:Y3mYDR2A [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>707
テント前なのにこっちで頑張るんかいw
でも支援
 ▼ 710 日は1レス◆J44kAZeDOM 15/10/04 21:11:23 ID:rnUb5ZrE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ジョーイ「お預かりしたポケモンは(ry」

アカリ「ありがとうございます。それと部屋を借りたいんですが」

ジョーイ「トレーナーカードを確認させていただけますか?」

アカリ「はい」

ジョーイ「わかりました。では、こちらが部屋のカギとなります!」

アカリ「ありがとうございます!」

ふう……今日はほんっと疲れた……

ゆっくりお風呂入って、ゆっくり寝るのが一番かな、やっぱり。

って言うか本物の超能力者がいるなんて聞いてないよ。

あの道路の他のトレーナーみいんな弱かったのに!
 ▼ 711 ーナンス@パワーウエイト 15/10/06 07:40:38 ID:QhvjQVgM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんか急に止まったな
 ▼ 712 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/06 10:06:38 ID:pKHy4B4U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 713 1◆J44kAZeDOM 15/10/06 20:24:24 ID:dfeyvT0o [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソファにだらしなく身を投げ出した。

部屋に入った瞬間、安心したせいかな? 一気に睡魔が襲って来て。

そのまま寝ちゃわなかったのは、単純にお腹が空いてたから。

アカリ「ふああ……取りあえずみんな! ごはん食べに行くよ!」

ボールの中に聞こえるかは知らないけどそう声をかけた。


アカリ「ごちそうさま」

静かに食べるとほんっと早く終わるなあ、みんな。

あたしが食べ終わるまでにみんなのお皿空っぽになってるもん。

アカリ「みんな、戻って!」

もうすっかり食べ慣れちゃったけど、それでも普通においしかった。

ま、そんなもんよね。お母さんの料理だって毎日食べても普通においしいんだし。

なんて考えながら部屋へ向かった。
 ▼ 714 1◆J44kAZeDOM 15/10/06 20:28:35 ID:dfeyvT0o [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お風呂を沸かして、面倒だったから沸ききるのを待たずにそのまま入っちゃった。

なんだかもう、今日は早く寝たい。

あそこまで疲れるバトル、初めて。

ジム戦よりも疲れたもん……

アカリ「みんな、体洗っちゃうからちょっと待っててね」

シャンプーを手になじませ、泡立たせる。

それを少し強めにこすりつけて行く。

一日の疲れはマシンで回復しても、汚れは取れないもんね。
 ▼ 715 1◆J44kAZeDOM 15/10/06 20:34:01 ID:dfeyvT0o [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

アカリ「お風呂空いたよー」

お、もうか。

風呂場へと足を向ける。

アカリ「取りあえず今日はもう体拭くの省略していい? もう眠たくて」

ん? まあ風呂の水が汚れるだけだし俺は問題ないけど。

ペラップ「あの……通訳……する?」

ルクシオ「ん、ああ。頼む。問題ないよ」

ペラップ「大丈夫……らしいです……」

イーブイ「もっと自分に自信持ちなよ! あんたが何言おうとそこまで厳しく否定する奴なんてここには……」

ポッタイシ「ここには?」

イーブイ「なんかあんた信用出来ないけど……」

ポッタイシ「失礼ね」

ルクシオ「論理的に攻められると反応出来ないじゃん。そゆこと。気遣えよ?」

ポッタイシ「わかってるよ!」
 ▼ 716 1◆J44kAZeDOM 15/10/06 20:40:58 ID:dfeyvT0o [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「わかった。じゃあもう寝ちゃうね」

そう言ってアカリは浴室を出て行った。

ルクシオ「んじゃ、俺ももう入るから」

それだけ言うといきおい浴槽に飛び込んだ。

豪快な音と水しぶきが飛び跳ねた。

ポッタイシたちが出て行ったのを横目に思う存分体を伸ばす。

……もっとも今日、大した事はしてないんだけど。

ってかそういやあのサイキッカーならもしかして俺の正体に気付いたんじゃないか?

だとすると割と大事になるし、俺が出なくてよかったって事だが……

いやむしろ何かわかったかもしれないのか……

一瞬後悔が胸をよぎったが、あえて無視した。

過ぎた事をくよくよしてもしょうがない。

俺は俺で自分がどうやったら戻れるのか、それとも戻れないのかとかいろいろ考えるだけだ。

ってかホントどうやったら戻れるんだろ? それとも戻れない?

ポケダンだと戻らなかったんだよな、確か。

まあこれが現実に起こってる事だとすれば、そんな風に考えるのも邪道なんだけどな。
 ▼ 717 1◆J44kAZeDOM 15/10/06 20:41:18 ID:dfeyvT0o [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 718 バット@ヘルガナイト 15/10/06 20:56:22 ID:5qluTUJ2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 719 1◆J44kAZeDOM 15/10/08 20:04:54 ID:0C0ClhvU [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
思考を断ち切り湯船から出る。

出た。

出たはいいんだけど。

ルクシオ「体拭けねえ……」

今更ながら重大過ぎる事実に気が付いた。

ある程度の水気は飛ばせる。

だが、完全に乾燥させようと思うと体を振り回すだけじゃ絶対足りない。

タオルさえあれば体をこすりつけてなんとかなるだろうが……
 ▼ 720 1◆J44kAZeDOM 15/10/08 20:08:12 ID:0C0ClhvU [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
辺りを見回す。

4足歩行の自分の手にも届く高さのタオルを探して。

……手はないんだけど。

お、あれならジャンプでなんとかなるかも。

身をかがめると、その反動を活かして高く飛び跳ねる。

人間なら到底出来ないような跳躍だと、我ながら苦笑する。

上手い事タオルをくわえる事に成功し、床に無秩序に広がった白に体をあて、転がるように毛に付いた水分を拭き取った。
 ▼ 721 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/08 20:10:59 ID:6kp4ujzU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 722 1◆J44kAZeDOM 15/10/08 20:15:12 ID:0C0ClhvU [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さてと。

タオルを洗濯かごに突っ込むと、部屋に戻る。

ポッタイシ「あ、もう出て来たのね」

ルクシオ「ああ。何の話してたんだ?」

なんかこういう時にやけにもどかしさを感じる。

よくよく考えると、今この部屋に、男は俺1人だ。

そのせいなのかもしれないな。

イーブイ「うーん……ガールズトーク? してたの」

えっと。

なんて反応すればいいんだろ。

ポッタイシ「ガールズトークと言うより、はっきり言ってイーブイがずっとしゃべってたじゃないの」

イーブイ「え、そう?」

本人はそう思うかもしれないがペラップのキャラやポッタイシの性格的に、さもありなんと思う。
 ▼ 723 1◆J44kAZeDOM 15/10/08 20:21:45 ID:0C0ClhvU [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「まあ、女子トークなら俺が首突っ込むのも変だよな」

ポッタイシ「でもルクシオ、ヒマでしょ?」

それもそうなのだ。

ヒマつぶしと言えばもっぱら会話が中心になってしまう。

ルクシオ「まあ……な」

イーブイ「じゃ、トバリジム攻略法教えてよ!」

ルクシオ「俺たちが考えた所で意味ないじゃん。まあいいけd「意味、無くないよ」

唐突に会話に割り込んで来たポッタイシ。

正直、少しびびった。

ポッタイシ「今、私たちのチームには、私たちポケモンとニンゲンの言葉を繋げられる人がいるじゃない」

あ、そう言えば。

2対の視線がある1匹のポケモンを貫く。

ペラップ「え、わ、私?!」
 ▼ 724 レシー@いかりまんじゅう 15/10/08 20:22:05 ID:0C0ClhvU [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 725 ャローダ@するどいキバ 15/10/09 00:33:59 ID:AvUhl4M2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 726 1◆J44kAZeDOM 15/10/10 19:52:05 ID:/iJjK/Bo [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「もちろん。私たちが何か作戦を考えても、今まではどうにもならなかったでしょ?」

ポッタイシ「でもね。ニンゲンの言葉を話せるポケモンがいればその考えをアカリに話せるの」

ペラップ「そ、それはそうだけど……」

そういやニャースがえっと……ニャゴシエーター、だっけ? ポケモンと人間の通訳する回もあったし、それ以外にも……

ペラップ「そりゃ、ニンゲンの言葉を話せるの、私だけだけどさ……」

イーブイ「何そうもじもじしてんのよ! 何にも恥ずかしがる事ないじゃん!」

ペラップ「でも……」

イーブイ「なんのために逃げて来たの? これじゃなんにも変わらないよ!」

イーブイ「いじめて来てた奴らを見返してやる! みたいにさ、あんたも変わらないとダメなの!」

ペラップが衝撃に打たれたように驚きを顔に浮かべる。

そしてその表情は徐々に決意で満たされていったかに見えた。
 ▼ 727 1◆J44kAZeDOM 15/10/10 19:56:11 ID:/iJjK/Bo [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「……わかった。私……やってみる」

まあそもそもそんな決意が必要な程の事でもないんだが……

ただあまりに過酷ないじめは被害者の自信を喪失させてく事もありそうだし。

そのせいでこんな簡単な事にも躊躇してしまうのかもしれない。

さっきもイーブイが言ってたみたいに、この旅で何か変わるだろうか。

……人の心配じゃなくてまず自分の心配しなきゃダメなんだがな。

ま、それはともかく、せっかく覚悟決めてくれたんだし、作戦建てない訳にもいかなくなったな。

ルクシオ「んじゃ、ペラップもそう言ってくれた事だし、作戦会議始めるぞ」
 ▼ 728 1◆J44kAZeDOM 15/10/10 20:04:33 ID:/iJjK/Bo [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「まず、前言ったと思うけどここは格闘タイプのジム」

必死に記憶を探る。

手持ちは確か……アサナン、ゴーリキー、ルカリオ。

プラチナでも今この旅でもバッジ4個目だからそれは変わらないはず。

ルクシオ「だから必然的にイーブイは出し辛い。そしてペラップが有利になるんだが……」

ポッタイシ「なるべく戦いたくない、か」

ルクシオ「そういう事。だから基本は俺とポッタイシで攻める事になる。そこまでは前確認したよな?」

確認の意味を込めて尋ねたが、結局みんな同意した。

ルクシオ「だからこれから、具体的な作戦を建ててく」
 ▼ 729 1◆J44kAZeDOM 15/10/10 20:15:00 ID:/iJjK/Bo [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「確か手持ちはアサナン、ゴーリキー、ルカリオだったと思う」

ルクシオ「で、俺たちが覚えてる技は……」

ポッタイシがLV23で、泡、つつく、メタルクローにバブル光線。

俺ことルクシオがLV24、スパーク、かみつく、充電に体当たり。

出るかどうかはともかくイーブイはLV27、体当たり、かみつく、電光石火としっぽを振るか。

ペラップがLV25、おしゃべりにハイパーボイスと……あれ? ハイパーボイスってこんな早く覚えたっけ?

ま、いいとして……

後は歌うとオウム返しか。
 ▼ 730 1◆J44kAZeDOM 15/10/10 20:15:37 ID:/iJjK/Bo [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 731 1◆J44kAZeDOM 15/10/11 19:06:13 ID:hKJWCfig [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「ルカリオって鋼格闘でしょ? だとすると誰も抜群取れないわね」

ルクシオ「うん。まあそれはいいんだ。イーブイ以外は全員普通にダメージ与えられるから」

イーブイ「うーん……格闘もあるからかみつくもいまひとつなんだよな」

まあ、そうだな。

ルクシオ「だから出来るだけ少ないダメージでアサナンとゴーリキーを突破したいんだが……」

ルクシオ「まずは俺の特性、威嚇で攻撃力を下げるとこから始めるのが一番安全かな?」

でも確かアサナンってレベルで目覚めるパワーも覚えたような……

何タイプかわかんないけど特殊技なんだから単純に威嚇してればいいって訳でもなさそうだしな……
 ▼ 732 1◆J44kAZeDOM 15/10/11 19:12:38 ID:hKJWCfig [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
逆にゴーリキーは物理技しか覚えなかった気がする。

……となると、俺はゴーリキーが出て来た時に出るのが得策か。

アサナン……ぐらいならポッタイシで倒せるだろうけど。

イーブイ「何考えてんのか教えてよ」

ルクシオ「ああ、ごめんごめん」

話すと言うのは不思議な物で、人に話しているうちに自分の考えも整理されていく。

ルクシオ「まずポッタイシがアサナンを倒す。つつくが有利だしよっぽどのヘマをしなけりゃ勝てると思う」

ルクシオ「次に出て来たゴーリキーを俺の威嚇で攻撃を下げつつ突破」

ルクシオ「最後のルカリオを俺とポッタイシで出来るだけ削ってペラップがとどめ」

ルクシオ「だいたいこんな感じかな」
 ▼ 733 1◆J44kAZeDOM 15/10/11 19:19:23 ID:hKJWCfig [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「まあ、若干楽観的なきらいはあるけどまあそんな感じかな?」

ルクシオ「1つ心配があるとすれば……俺たちのレベルが足りてない気がする」

ポッタイシ「あーまたそれ?」

イーブイ「もう少し強くなってもおかしくないのにね」

ルクシオ「214番道路のトレーナーが弱かったからね」

イーブイ「最後の1人以外ね」

ルクシオ「話を戻すと、それを察して戦闘用アイテムをアカリが使ってくれたらいいんだが……」

イーブイ「戦闘用? 何それ」

ポッタイシ「バトルの最中だけ強くなれる、使い切りアイテムよ」

イーブイ「そんなのあるんだ」

ルクシオ「確かデパートもあるし……買おうと思えば絶対買えると思うけど」

あのアカリの事だし、どうなるかはホントわからない。

まあそのための作戦会議なんだけどな。
 ▼ 734 1◆J44kAZeDOM 15/10/11 19:19:48 ID:hKJWCfig [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 735 ルフーン@フィラのみ 15/10/12 02:01:01 ID:jOozdH8c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 736 1◆J44kAZeDOM 15/10/13 21:47:55 ID:yhVtEck. [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「まあ……時間も時間だし、もう寝ようぜ」

正直まだそんな眠くないけど、3匹とも最後のあのバトルがこたえてるだろうし、明日はたぶんジム戦だ。

少しでも体を休めないと。

ポッタイシ「そうね」

イーブイ「お休みー」

ペラップ「お、お休み……」

布団に潜り込む。

眠気は後からついて来て、少しずつ俺を蝕み、いつの間にか意識は途切れていた。
 ▼ 737 1◆J44kAZeDOM 15/10/13 21:52:37 ID:yhVtEck. [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ふああ……

アカリ「……あれ? もう朝? ってか今……ええっ!」

ウソ。あたし至上最も……は言い過ぎだけど、そのぐらい早いよ?

まあ、昨日は早寝したけど……

どうしよ、変に早起きしちゃうとそれはそれでヒマなんだよね……

うーん……寝るか。

だってする事ないんだもん。二度寝するしかないじゃん!
 ▼ 738 1◆J44kAZeDOM 15/10/13 21:55:13 ID:yhVtEck. [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
で、結局。

ペラップ「あの……起きて……」

イーブイ「ぶい! ぶいぶい!」

ペラップ「えっと……起きて!」

アカリ「ん……ふああ……あれ? えっと今……」

二度寝は寝坊の元。

はっきりわかるのね。

アカリ「みんな、急いで。朝ごはん行くよ」
 ▼ 739 1◆J44kAZeDOM 15/10/13 21:58:57 ID:yhVtEck. [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ああもう……

せっかく早起きしたのに……

ま、仕方ないか。

アカリ「これとこれと……あとこれお願いします」

注文を済ませ、席に着いた。


アカリ「いただきまあす」

うん。

なんかもう慣れっこになってきちゃったな、ポケセンのごはんの味。

あたしも旅慣れて来たって事かなあ。
 ▼ 740 1◆J44kAZeDOM 15/10/13 21:59:18 ID:yhVtEck. [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 741 1◆J44kAZeDOM 15/10/14 23:07:23 ID:NhS8Ha9Y [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ごちそうさま」

さてと。

取りあえずは部屋に帰りますか。

アカリ「みんな食べ終わった? 大丈夫そうね。戻って!」


アカリ「ふうっ」

ソファに座って考える。

確かトバリってジムがあるのよね。

じゃあまずはジム戦かな……

でもデパートとかも行きたいし……ああ迷う!

アカリ「取りあえずみんな出て来て!」
 ▼ 742 1◆J44kAZeDOM 15/10/14 23:11:12 ID:NhS8Ha9Y [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あたし1人じゃ決められないもん。

……まあ相談して答えが返って来るとも思ってないけどね。

言葉が通じたとしても、そんな事知るはずないし。

アカリ「今日はどうする? まずジム戦かそれともデパートとか観光するか」

ペラップ「あの……デパートに戦闘用アイテムを買った方がいいって……ルクシオが……」

……ん?

えっと……ちょっと待とうか。

ルクシオは元は野生なのよね。

ペラップと会話出来るのはいいとして……

アカリ「ルクシオが提案主なのよね」

ルクシオ「るく」

アカリ「ちょっと気になったんだけどさ……」
 ▼ 743 1◆J44kAZeDOM 15/10/14 23:11:41 ID:NhS8Ha9Y [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





















アカリ「なんでそんな事知ってるの? デパートとか戦闘用アイテムとか」
 ▼ 744 1◆J44kAZeDOM 15/10/14 23:12:05 ID:NhS8Ha9Y [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 745 テボース@すごいキズぐすり 15/10/15 00:11:34 ID:K9U18xzA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 746 スト終わった◆J44kAZeDOM 15/10/15 20:28:27 ID:e6q.Ct4. [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

え?

え?

目の前で無邪気に尋ねるアカリの顔に、俺の頭は真っ白になって行く。

ルクシオ「あ……それは……それは……」

まさか元人間だから、なんて答えられるはずないし。

アカリ「ねえなんて言ってるの? ペラップ」

ペラップ「え?! わ、私?」

アカリ「うん。通訳出来るのあなただけじゃない」

ルクシオ「あっと……えっと……」

言い訳が頭を巡る。

ただそのどれも実際使えるとは言えなくて。

口をつくのはただただ無意味な言葉の羅列。

アカリ「……どうかしたの?」
 ▼ 747 1◆J44kAZeDOM 15/10/15 20:33:48 ID:e6q.Ct4. [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「えっと……野生の頃、ニンゲンに飼われてるポケモンから聞いたらしいです」

ペラップナイス!

絶妙な切り返しだ。人間の俺には思い付かなかった。

これならさすがにごまかせる……

アカリ「ふうん……絶対ウソよね」

マジかよ。

アカリ「だってそれならそこまで悩む必要ないじゃん」

……それもそうだ。一回どもった時点でそんな簡単な言い訳で通用しなくなるのに。

ポッタイシ「はあ……考えてみたけど、もうごまかせなさそうよ?」

ルクシオ「だな。すぐ切り返せなかったのが敗因かな」

どれほど考えても、もうどうしようもないと言う結論しか出てこないのだ。

ポッタイシ「そもそも人間事情にムダに詳しいって事がばれるのがアウトだって気付けなかった私も悪いけど」
 ▼ 748 1◆J44kAZeDOM 15/10/15 20:37:59 ID:e6q.Ct4. [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
はあ……もう覚悟決めるしかない……かあ。

ルクシオ「ペラップ、通訳頼む」

ペラップ「わ、わかった……」

ルクシオ「アカリ、聞いても驚くなとは言えない。それほどの話だけど……それでも本気で聞くか?」

ペラップが言葉を人間の物に変えて行く。

アカリ「もちろん! どんな真実でもどーんと来いだよ! 気になったままの方がヤだもん」

ルクシオ「じゃあ……言うぞ」
 ▼ 749 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/15 20:44:32 ID:/G/wHYFw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 750 1◆J44kAZeDOM 15/10/15 20:47:47 ID:e6q.Ct4. [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は全て……この世界がフィクションの産物だと言う事を除いた全てだが……をアカリに話した。

ペラップの声を聞くたびに最初は笑い飛ばしていたアカリも徐々に表情を真剣な物に変え、最後には自信無さげに尋ねて来た。

アカリ「ウソ……だよね? 人間がポケモンになるなんて、ゲームとかマンガとかだけの話だもん」

ルクシオ「俺だってそう思ってたけど……でも残念ながらこれは事実なんだ」

ルクシオ「実際そう考えるといろいろ辻褄も合うだろ? 風呂の事とか……まあそのぐらいなんだが」

アカリ「なるほど……だから一緒にお風呂に入りたがらなかったのか……」

頭痛でもしてきたのか、アカリはこめかみを押さえた。

アカリ「うん……そうみたいね、認めるよ……」

アカリ「でもごめん……なんかもう今日はなんにも出来なさそう……ごめん」

そりゃまあ無理もないだろう。

いきなりポケモンになった人間の話なんて信じるだけでも難しいのに。

そんなのとずっと一緒にいたなんて、相当な衝撃だろう。

はあ……だから言いたくなかったのに……
 ▼ 751 1◆J44kAZeDOM 15/10/15 20:53:40 ID:e6q.Ct4. [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「ちょっと整理したいから……」

そう謝ってから、布団に潜る。

何にも見えない状況の方が考えるのには向いてるから。

えっと……確かに言ってる事全部間違っては無い。

そう考えるのが一番正解なのもわかる。

でも頭ではわかっても……そんな事納得いかない。

だって……そんな事が現実に起こるなんて、あり得ないでしょ?

ずっと一緒にいたルクシオが……実は人間だったなんて、そんなバカな話……

笑い飛ばせてしまえたらどんなに楽になるんだろう。

でも……ずっと一緒にいたルクシオだから……ウソをついてるなんて事、元人間って事よりもっと信じられない。

だいたいそんなウソついて意味ないし……
 ▼ 752 1◆J44kAZeDOM 15/10/15 20:58:38 ID:e6q.Ct4. [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふう……

結局、あたしの常識を信じるかそれともルクシオの事を信じるか、って話なのよね……

それで迷わずルクシオを選べない自分がもどかしい。

あたしとルクシオって、そんな関係だったの?

……違うよね。一緒に旅してきて、もっとお互いに信用してると言うか。

ううん。今のあたしはルクシオを信じきれてない。

でも……

別に何も無理して今すぐ受け入れる必要もないんだ。

布団から顔を出す。

ごめん、さっきはウソついちゃった。

今日何もしないって事は……たぶんない。
 ▼ 753 タチマル@ネコブのみ 15/10/15 20:59:01 ID:e6q.Ct4. [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 754 ッシード@アップグレード 15/10/15 23:17:52 ID:wBDZw0S2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うぽつです!!
テスト終わりお疲れ様です
 ▼ 755 ズレイド@ズアのみ 15/10/15 23:45:57 ID:K9U18xzA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 756 ジアイス@イバンのみ 15/10/16 01:16:04 ID:0gUIDbmE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
頑張れよー
 ▼ 757 1◆J44kAZeDOM 15/10/16 20:51:50 ID:PezzA/Tg [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふうっと息を吸い込んだ。

よし。

アカリ「ルクシオ、ごめんだけど、あたしまだやっぱり元人間だなんて信じきれない」

アカリ「でも……少しずつ受け入れていけたらなって思った」

アカリ「だから……さ」

アカリ「これからも、よろしくね!」

ルクシオが驚いたような表情を見せる。

なんで驚いてるのかはわからないけど。

ペラップを挟まないとコミュニケーションがとれないって不便だよね……ま、仕方ないか!

ルクシオも静かに頷いた。
 ▼ 758 1◆J44kAZeDOM 15/10/16 20:59:44 ID:PezzA/Tg [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

立ち直り早いな……

俺だったらもっとショック受けて寝込んでもおかしくないと思うんだが……

それはそうと、まあ、信じられないのも当然だわな。

それでも向き合ってくれるってんだから、アカリのポケモンへの態度ってホント尊敬レベルだ。

ポッタイシ「ま、なんだかんだちゃんと互いに理解しとくってのは一緒に旅する仲間としては重要だしね」

イーブイ「何あたし見てんのよ」

ポッタイシ「ううん、そろそろ話してくれてもいいんじゃないかなあってだけ」

イーブイ「全然だけじゃないよねそれ」

ペラップ「ケ、ケンカしないで……」

ルクシオ「諦めろ。こいつらの仲裁は無理だ」
 ▼ 759 1◆J44kAZeDOM 15/10/16 21:00:09 ID:PezzA/Tg [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「さあて! ってな訳でジム戦行こっか! ……その前に、戦闘用アイテムだっけ?」

ルクシオ「ああ」

言葉が通じないからペラップの通訳を除くと首を振る事でしかコミュニケーションをとれなくて、それがどうしようもなく不便だが……

ま、困った時は通訳してもらえばいい話だしな。

アカリ「あたしたちそのまま行っても大丈夫だと思うんだけどなあ」

ルクシオ「そう油断してるとまたノモセの二の舞になるって伝えて」

ペラップ「わ、わかった……」

イーブイ「ごめんだけど、ホント私話したくないの。勘弁して」

ポッタイシ「うん、ごめん。つい好奇心が暴走しちゃって……」

こっちも解決したっぽいな。
 ▼ 760 1◆J44kAZeDOM 15/10/16 21:03:28 ID:PezzA/Tg [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あっと……そうよね」

アカリ「自分たちの実力を過信し過ぎない。でもね……」

アカリ「あたしはあなたたちならやってくれるって信じてるから。それだけは言っとく」

アカリ「じゃ、お言葉に従ってまずは買い物かな」

そう言って止める間もなく俺たちはボールに入れられた。

ちくしょう、まだ作戦伝えてないのに……
 ▼ 761 マゾウ@イバンのみ 15/10/16 21:03:48 ID:PezzA/Tg [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 762 1◆J44kAZeDOM 15/10/17 23:12:41 ID:D7eRppxQ [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

でも戦闘用アイテムかあ……

その発想はなかったなあ。

確かにあたしたちはレベルが足りてないのはたぶん事実。

だったら強くしてしまおう! ってな単純な発想だけど、シンプルイズベストとも言うしね。

アカリ「ここね」

シンオウ最大級のショッピングセンター、トバリデパート。

トバリに来たからにはどうせ観光するつもりだったけど……ま、それが早くなっただけよね。

よーし!

アカリ「買い物買い物!」
 ▼ 763 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/17 23:18:11 ID:qTZhBT6c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 764 1◆J44kAZeDOM 15/10/17 23:20:33 ID:D7eRppxQ [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まずは戦闘用アイテムを買わなくちゃ。

えっと……2階ね、フロア案内図によると。

じゃあまあ下から順に見て行くとするか!


トバリデパート 2階

まず相手は格闘タイプがメインで、とすると必要なのは防御力?

でもスモモさんってルカリオ使って来るとか聞いた気がするし、波導技は防御じゃなくて特防なのよね……

相手の攻撃はルクシオの威嚇で下げられるし……だとすると先手必勝で行っちゃう?

戦闘用アイテムって強くはなるけど1ターン相手に自由に行動する自由を与える事になっちゃうし。

正直ルクシオって割と鈍足な方だから……といってスピーダー使っても2回耐えなきゃ意味ないか……

そう考えるとルクシオに使うのはただのバカ?

普通にごり押した方が賢いよね絶対。
 ▼ 765 1◆J44kAZeDOM 15/10/17 23:29:23 ID:D7eRppxQ [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まあルクシオをバトルに出すとも限らないんだけど。

次はポッタイシね。

ルクシオとは違って遠くから攻撃出来るから間合いを取って相手の攻撃をかわしながら攻撃出来る……はず。

となると、相手の攻撃を避けやすくするために……スピーダー?

相手を素早さでかく乱して、隙を見て攻撃! みたいな。

うん。それでいいかな。

イーブイは出来るだけ出さない方向で行くとして、最後はペラップか。

相手を混乱させてる間に能力を強化出来る……かもしれない。

だったら運にかけて特攻をあげるのがいいかな。

正直飛行は格闘に相性いいしね。
 ▼ 766 1◆J44kAZeDOM 15/10/17 23:29:52 ID:D7eRppxQ [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ってな訳で……

アカリ「あの! スピーダーとスペシャルアップ1つずつください!」

店員「700円になりますがよろしいですか?」

アカリ「はいどうぞ」

店員「ちょうどお預かりします」

アカリ「ありがとうございました」

店員「またお越しください」

もうこのフロアで買い物する事はないんだろうけどな……なんか申し訳ないような……

ま、いっか!
 ▼ 767 シギバナ@きょうせいギプス 15/10/17 23:30:11 ID:D7eRppxQ [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 768 ガサメハダー@エレキブースター 15/10/18 08:59:15 ID:J30QXPVQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオぉ…w
支援
 ▼ 769 1◆J44kAZeDOM 15/10/18 21:32:26 ID:R6nJ.ORU [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
よーし!

じゃあ、ショッピングショッピング!


3階

アカリ「……はワザマシンか。高すぎるや。パス」

4階

アカリ「かわいい〜!」

よりどりみどりの人形。

秘密基地用の家具のフロアみたい。

アカリ「見て、ペラップ。ペラップのぬいぐるみよ!」

ボールの中でどんな反応してるのかわかんないけど、喜んでくれるといいなあ。

……なんでこんな高いの。

かさばるからどっちみち買えないけどさあ……

はあ……
 ▼ 770 1◆J44kAZeDOM 15/10/18 21:36:05 ID:R6nJ.ORU [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
5階(屋上)

ふうっ。

結局戦闘用アイテム以外何にも買えなかったなあ……

いやまだ地下があるか。

でもまだ何か食べるには早いし。

それにさっきの衝撃が後を引いてるのかな、食欲自体が湧いてこない。

風……気持ちいいなあ。

うわっ、景色もすっごい綺麗!

やっぱり高い所っていいよね。

……値段が高いのは勘弁だけど。

アカリ「さあて! じゃ、ジム戦行きますか!」
 ▼ 771 1◆J44kAZeDOM 15/10/18 21:39:36 ID:R6nJ.ORU [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ん?

あれゲーセン?

でもなんかめっちゃさびれてるってか……潰れてるよね、絶対。

気になるな……見てみよ。

アカリ「えーっと、何々?」

張り紙「今までご愛好くださりありがとうございました。当店は……」

アカリ「3年前に潰れた……と。理由は書いて無いな……なんでだろ? 繁盛してるって聞いたのに……」

うーん……ま、いっか!
 ▼ 772 1◆J44kAZeDOM 15/10/18 21:46:45 ID:R6nJ.ORU [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「たのもー!」

なんとなく道場破り風に。

案内「おーっす! 未来のチャンピオン!」

案内「チャレンジャーかい?」

アカリ「はい。このジムの仕掛けはどんなのですか?」

案内「あそこにサンドバックがあるだろ?」

アカリ「ありますね。それで?」

案内「あれを試しにあっちから殴ってみてくれ」

アカリ「わかりました」
 ▼ 773 1◆J44kAZeDOM 15/10/18 21:47:04 ID:R6nJ.ORU [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すうっ、はあっ。

アカリ「うおりゃあああああ!」

全力で叩き付ける。

ふうっ、なんかすっきり!

あれ? サンドバックが動いた……

案内「あ、あっちを見てくれ」

どごぉん! と音を立ててタイヤが崩れ落ちる。

案内「こ、こんな風にタイヤの山を壊しながら進んでくれ!」

どうかしたのかな? なんかちょっとこの案内さん変よね……

まあ別に関係ないけど。

アカリ「なるほど。ありがとうございます!」

案内「よし! じゃあ、気張っていこー!」
 ▼ 774 1◆J44kAZeDOM 15/10/18 21:52:03 ID:R6nJ.ORU [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

うん。

なんとなーく予想はしてた。

ペラップ「こ、怖いよ……」

イーブイ「みんな怖いから落ち着いて」

ペラップ「う、うん……」

何バトルの前から一番重要なポケモンびびらせてんだよ!

ポッタイシ「なんかもうこんな感じのテンション慣れちゃった」

ペラップ「慣れる? ウソ……」

ってかあまりの気迫にジムトレーナー引いてるじゃん。

バトル発生しないのはいい事だけどさ……

さすがにこれはダメだろ……

ってな間にもう着いてるよこいつ。

なんかすっきりした顔してるけどさあ……
 ▼ 775 イケンキ@ふといホネ 15/10/18 21:52:28 ID:R6nJ.ORU [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 776 ガスピアー@ガブリアスナイト 15/10/19 00:07:36 ID:D5sYXbkw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 777 チート@ジーエスボール 15/10/19 00:08:38 ID:u2niMO6w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です
 ▼ 778 ンブレオン◆ucNFALi.bo 15/10/19 07:35:35 ID:HDUlECbs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援!
 ▼ 779 1◆J44kAZeDOM 15/10/19 22:05:24 ID:OvOmSkGw [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「到着っと! なんでトレーナーみんなバトルして来なかったんだろ」

スモモ「完全にあなたのせいですそれ……」

アカリ「にしてもその服かわいいですね!」

いやバトルの前に何言って……ってかスモモってそんなかわいい服着るキャラだっけ?

貧乏で大した服も買えないイメージがあるんだが……

もしかして、ゲーセンが潰れてスモモのが散財しなくなった……とか?

確かポケスペだとスモモのお父さんがゲーセンに入り浸ってる描写があったけど。

それがもしかして……

うん、たぶんそうだ。その分ファッションに回すお金が出来たんだろう。

そうすると結果的にスモモにとってはゲーセンが潰れたのはよかった事になるな。

スモモ「わかります? これは……」

アカリ「へえ」

スモモ「それはともかく、チャレンジャーさん。私、全力で行きますからね!」

アカリ「こちらこそ! よろしくお願いします!」

戦いの火ぶたが切って落とされた。
 ▼ 780 1◆J44kAZeDOM 15/10/19 22:14:40 ID:OvOmSkGw [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

アカリ「ルクシオ、よろしく!」

スモモ「アサナン! お願いします!」

2匹のポケモンが勢いよく飛び出した。

地面に足を付け、しばしの沈黙の間に互いににらみ合う。

ルクシオの特性威嚇はここで効力を発揮し、アサナンの攻撃力を低下させた。

アカリ「ルクシオ、スパーク!」

スモモ「アサナン、心の目です!」

ルクシオがその身に電気をまとい、アサナンへと突進していく。

しかし、アサナンは一切動こうとしない。

その事がアカリの心に不信感を植え付ける。

何か策略があるのではないか? と。

当のルクシオは、さらに具体的な想像をしていた。

外したら怖い大技とび膝蹴り、それをこの後に確定で当ててくるための布石だと理解していたのだ。

とにかく今はそれどころではないと読み全身全霊をかけて相手にスパークを食らわせた。
 ▼ 781 1◆J44kAZeDOM 15/10/19 22:21:18 ID:OvOmSkGw [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモ「なるほど。結構ダメージを受けてますね」

アサナン「ふうっ……いったいなあもう」

この時、アカリはふっと場違いな思考に囚われた。

予想に反しこのターン、アサナンは何もしてこなかった。

だったらこのターンを使って強化出来たじゃないの、と。

スモモ「もう見切ったよね! アサナン、とび膝蹴りです!」

アカリ「右にかわして!」

ルクシオ「だから無理なんだって……この……うおりゃあああ!」

アカリの指示に抗い、スパークを繰り出すルクシオ。

アカリ「ちょっと! 危ないっ!」
 ▼ 782 1◆J44kAZeDOM 15/10/19 22:27:42 ID:OvOmSkGw [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリが悲鳴に近い叫びをあげたのも無理はない。

自分の体重に重力の勢いを加算した攻撃なのだ。

それだけでも威力が高いのは目に見えているのにさらにルクシオは自分からそれにぶつかっていったのだから。

もちろん、ダメージを受けるのはルクシオだけではない。

自らの膝を勢いにのせて相手の攻撃にぶつけるのだから、そのダメージはとび膝蹴りを外した時と何ら変わりないどころか、それ以上になるだろう。

はたして2つの力がぶつかり合い、激しい爆音が鳴り響いた。

アカリ「ルクシオッ!」

スモモ「アサナン! 大丈夫ですか?!」

しかしトレーナーの願いも空しく、2匹のポケモンはともに戦闘不能状態に陥っていた。
 ▼ 783 ドクイン@だいちのプレート 15/10/19 22:28:02 ID:OvOmSkGw [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 784 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/19 22:32:05 ID:9NTQk2Tc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 785 ティオス@きよめのおこう 15/10/20 00:38:28 ID:fWKNuqKc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援・
 ▼ 786 1◆J44kAZeDOM 15/10/20 21:03:07 ID:6DRbaL0w [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「お疲れ、ルクシオ」

スモモ「戻ってください、アサナン」

アカリはふうっと息を吐き出す。

アカリ「すごいですね。威嚇で攻撃力が下がってたはずなのに」

スモモ「まあ、アサナンの特性ヨガパワーで物理技の威力が跳ね上がってますしね」

アカリ「なるほど……じゃあ、次行きますよ! ポッタイシ、よろしく!」

スモモ「ゴーリキー、よろしくお願いします!」
 ▼ 787 1◆J44kAZeDOM 15/10/20 21:11:12 ID:6DRbaL0w [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
2匹のポケモンがにらみ合う。

沈黙の刹那に2人の声が響き渡り、第2ラウンドが開始された。

アカリ「とりあえずこれ! スピーダー!」

スモモ「リベンジです!」

声に出した瞬間、スモモは自らの選択ミスを悟った。

リベンジは相手の攻撃を受けてからでないと本来の威力を発揮出来ない。

しかしアカリは攻撃を指示せず、アイテムを使用したのだ。

アカリ「よし、スピードアップ! 行けるね、ポッタイシ!」

ポッタイシ「ええ、まだまだよ」

スモモは考える。

これはむしろチャンスだと。

相手の素早さが上がる事で、確実に自分が後攻を取れるようになり、リベンジの威力を最大限に引き出せるからだ。

そんな思惑を知ってか知らずか、アカリはポッタイシに指示を出した。

アカリ「バブル光線!」
 ▼ 788 1◆J44kAZeDOM 15/10/20 21:16:19 ID:6DRbaL0w [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴーリキーが苦しげな声をあげる。

スモモ「さあて、行きますよ、ゴーリキー! リベンジ!」

アカリ「避けて、ポッタイシ!」

素早さを増強したポッタイシならその攻撃を避けられる……アカリはそう判断していた。



しかし、現実は非情である。

アカリ「えっ、なんで?!」

攻撃をかわした……かに見えたポッタイシはしかし、かわしきれていなかったのである。

素早さが足りない、と言う訳ではない。むしろゴーリキーを速度では上回っているのだから。

ではなぜか……

アカリ「もしかして……特性ノーガード!」
 ▼ 789 1◆J44kAZeDOM 15/10/20 21:20:49 ID:6DRbaL0w [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
大ダメージを受け苦しむポッタイシ。

その姿にアカリの焦燥心は増すばかり。

スモモ「その通りです。どれだけスピードが速かろうと、ゴーリキーの攻撃から逃れるのは不可能ですよ!」

スモモ「とどめです! 空手チョップ!」

アカリ「メタルクローで受け止めてっ!」

アカリの必死の叫びは、スピーダーの効力を受けて迅速にポッタイシの行動へと変化した。

がきぃん! と小気味良い音をたて技と技がぶつかりあった。
 ▼ 790 1◆J44kAZeDOM 15/10/20 21:25:20 ID:6DRbaL0w [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし、体力の尽きつつあるポッタイシと、まだまだ余力を残しているゴーリキー。

そもそもの攻撃力も相まってこの衝突は圧倒的にポッタイシに不利だった。

スモモ「そのまま押し切ってください!」

アカリの思考は急速に回転を始めた。

このままでは突破されるのも時間の問題。

だからこそ、対策を急いで見付けなければならないのだ。

アカリ「どうすれば……そうだ」
 ▼ 791 1◆J44kAZeDOM 15/10/20 21:29:36 ID:6DRbaL0w [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かにこのまま物理技と物理技をぶつけ合って勝てる相手ではない。

しかし、それはあくまで真っ向勝負をした場合の事だ。

ポッタイシには、物理技以外の攻撃が残されている。

いやむしろ、そちらの方が得意なのだが……

そしてそれは、このように翼を別の事に使っていても使用する事が可能な技でもある。

アカリ「ポッタイシ! そのままバブル光線っ!」

スモモ「なっ……ガードしてください!」

アカリ「ノーガードなのはどっちですか?」

もうろうとする意識の中で、至近距離でも上手く狙いが定まらないような現状のポッタイシ。

しかし、こと相手がゴーリキーの場合、狙いを定める必要性など一切ないのだ。
 ▼ 792 1◆J44kAZeDOM 15/10/20 21:33:18 ID:6DRbaL0w [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
口から吐き出される数多の泡の連なりは、体力の消耗とともにその威力を増している。

特性激流の効果だ。

アカリ「行っけええええ!」

ゴーリキーの体をバブル光線が貫き、その威力にゴーリキーが思わず怯んだその瞬間。

アカリ「つつく!」

空手チョップを解除したゴーリキーに対し、メタルクローを続ける必要などなく。

素早さが補強されていたのも幸いし、相手が行動を起こす前にその攻撃は命中する。

効果抜群の一撃に耐え切れなかったのか、ゴーリキーは倒れた。
 ▼ 793 メテテ@しめったいわ 15/10/20 21:33:38 ID:6DRbaL0w [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 794 モンガ@メタグロスナイト 15/10/20 23:12:10 ID:fWKNuqKc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 795 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 20:57:50 ID:QH8XN00g [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>792
最後の行を訂正

バブル光線はゴーリキーには抜群でもなんでもありませんね


ポッタイシの自らの限界を超えた一撃に耐え切れなかったのか、ゴーリキーは倒れた。


に脳内補完してください
 ▼ 796 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:03:58 ID:QH8XN00g [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモ「うっそ……」

完全に勝てると踏んでいた相手からの思わぬ一撃に、動揺を隠しきれないスモモ。

スモモ「とりあえず……お疲れ様です」

アカリ「ポッタイシ、大丈夫?」

心配そうに声をかけるアカリの声に反応する余裕なんて、満身創痍のポッタイシには既に残されていなかった。

アカリ「交代します! ポッタイシ、お疲れさま」

一応交代の形こそ取っているが、これ以上ポッタイシが戦うのは不可能だとアカリは理解していた。

アカリ「なるべく負担を減らしてあげたかったんだけどな……」

ペラップが気弱だと言う事は、見ているだけでもわかる。

だから出来るだけルクシオとポッタイシでかたを付けたい、そうアカリは考えていたのだが。

あいにくジムリーダーはそれほど甘くはなかった、と言う訳だ。
 ▼ 797 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:08:48 ID:QH8XN00g [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「イーブイもいるにはいるけど……」

散々言って来た。イーブイとこのトバリ……格闘タイプのジムの相性は最悪だと。

そのぐらい、トレーナーを志す者なら一般常識として知っている事だった。

アカリ「だからまあ、仕方ないか! よろしく、ペラップ!」

スモモ「よろしくお願いします、ルカリオ!」

2匹が場に現れ立つ。

もっとも、1匹は立っていないけれど。

どちらのポケモンも、トレーナーも声を出さなかった。

その一瞬の沈黙の最中に、アカリは作戦をまとめた。
 ▼ 798 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:15:36 ID:QH8XN00g [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ペラップ、おしゃべり!」

まずは相手を混乱させて、行動を制限する。

レベル差で不利な彼女たちが戦いに勝つには、この戦法しかない。

スモモ「波導弾!」

スモモも攻撃を指示した。

ペラップ「なんで私こんな事に……」

ペラップのおしゃべりに明らかな違和感を覚え反応した人が1人。

スモモ「ず、ずいぶん変わった言葉覚えさせてますね……」

アカリ「あ、いやあはははは? 避けて!」

波導弾は自らの波導に実態を持たせて攻撃する技。

空を飛ぶペラップには回避は余裕……アカリはそう判断していたのだが。
 ▼ 799 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:23:56 ID:QH8XN00g [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモ「まあた回避ですか? 波導弾を避けるなんて不可能ですよ?」

そう。

波導弾は回避する事の出来ない、いわゆる必中技なのだ。

アカリ「えっ」

飛び上がったペラップを追尾するように軌道を変じた波導弾。

その光景はアカリを動揺させるには充分だった。

炸裂音が響き、ペラップは大地に叩き付けられる。

しかし、攻撃だけ受けてやられるペラップではなく、しっかりとおしゃべりのダメージ、そして追加効果は発動させていた。

それだけではない。

ペラップ「まだ……まだ……」

ここで逃げたらいつまでたっても逃げるばかりの人……もといポケ生だと感じたから。

だから彼女は、消え行く意識に鞭打って、耐え抜く事に成功したのだ。

アカリ「ペラップ、行ける?」

スモモ「耐えられましたか……こっちは最後の1匹、しかも混乱状態」

スモモ「ここで決めないとまずかったんですが……仕方ないです。ルカリオ、しっかり頼みますよ! 波導弾!」
 ▼ 800 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:27:32 ID:QH8XN00g [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリの必死の願いも空しく、ルカリオは再び波導弾を生成する。

しかし、アカリには、いやペラップには、その状況をひっくり返すある技があった。

ルカリオは格闘だけではなく、鋼タイプも持ち合わせている。

その弱点には、だから格闘タイプも入っているのだ。

そして波導弾は格闘タイプの技。

もしそれを打つ事が出来れば一気に戦局が動く事だろう。

そんな事は不可能かと思うかもしれない。

しかし、その不可能を可能にする数少ない技をペラップは持っていた。

アカリ「ペラップ、オウム返し!」
 ▼ 801 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:31:18 ID:QH8XN00g [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモ「なっ」

ペラップはルカリオの見よう見まねで攻撃を繰り出す。

そして2つの波導と波動はぶつかり合った。

2人のトレーナーは息を飲んでこの情景を見つめている。

押し勝った方がこの対面の勝ちだとはっきり悟ったからこそだ。

固く握りしめた掌にじんわりと汗がにじんでいるのを感じていた。

と、ここで事態が大きく動く。

スモモ「ルカリオ、何やってるんですか?!」
 ▼ 802 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:35:50 ID:QH8XN00g [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まともな精神構造ではまずしないであろう行為。

恐らくは混乱状態の為せる業だろう。

ぶつかり合う波導弾の中に、自ら飛び込んで行ったのだ。

アカリ「えっ!」

ペラップ「ちょ……何を……」

スモモ「ルカリオやめて、正気に戻ってください!」

必死の叫びも混乱したルカリオの耳には届かない。

手には骨。敵とでも認識したのだろうか。

その一撃で波導弾の衝突に切り込むルカリオ。

爆音とともに煙があがり、ルカリオの姿はアカリからは全く見えなかった。
 ▼ 803 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:40:23 ID:QH8XN00g [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どうにもこれでバトルがただ終わったとも思えなかったアカリは、今のうちにとある行動を起こす。

アカリ「ペラップこれ! スペシャルアップ!」

あのまま衝突を続けていたら確実に負けていた、そう判断していたのだ。

煙が晴れた時、アカリの目が捉えていたのは完全に正気に戻ったルカリオの姿だった。

スモモ「ルカリオ、よかった……じゃあ、こっちも行きますよ!」

アカリ「こちらこそ!」

波導弾!

オウム返し!

再び2つの技がぶつかり合う。
 ▼ 804 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:50:24 ID:QH8XN00g [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
直接ぶつかり合ったらまず勝ち目はない戦い。

それでも、戦闘用アイテムを使って強化されていたとしたら。

そこにアカリは賭けていた。

互いに押し合い、一進一退。

それでも、アカリは勝利を確信していた。

行ける! 行く!

アカリ「ペラップ! 行っけええええ!」

先程もそう叫んでいたが、彼女は思わず同じ声をあげていた。

スモモ「負けないでくださいルカリオ!」

スモモも声を張り上げる。

ふっとアカリの頭にある作戦が下りて来た。

アカリ「ペラップ! 出来るだけ急いで飛んで! 追いつかれないように!」
 ▼ 805 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:55:06 ID:QH8XN00g [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップが飛び上がる。

そしてルカリオの波導弾は。


ペラップを追尾しようと高く、高く軌道を変えたのだ。

スモモ「あっ」

波導弾の自動追尾が仇となっていた。

ペラップが繰り出した波動弾は最短距離をルカリオ目がけて突っ走る。

しかし、ルカリオの波導弾を折れ曲がる事で必要な移動距離が増える。

もちろん、軌道修正のおかげでぶつかり合いは解消される。

そうなれば、結果は自明の理だろう。

ペラップの波動弾がルカリオに先に直撃し、先にルカリオを倒す事に成功したのだ。

そして、ルカリオの波導弾はそれと同時に消滅した。

決着がついた。

アカリの勝ちだ。
 ▼ 806 1◆J44kAZeDOM 15/10/21 21:55:29 ID:QH8XN00g [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 807 ルセウス@こおりのジュエル 15/10/21 23:25:16 ID:nXKeomQU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 808 ッシード@こううんのおこう 15/10/21 23:29:48 ID:K8j5EuEc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!
この仲間にペラップ欲しい
 ▼ 809 ルード@しんかいのキバ 15/10/21 23:30:36 ID:K8j5EuEc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>808
日本語が変だ
正しくは、仲間にこのペラップ欲しい
 ▼ 810 1◆J44kAZeDOM 15/10/22 21:20:07 ID:z3lU8IgM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「やったあ! ペラップ、お疲れ様!」

スモモ「負けちゃいましたか……最後、波導弾の追尾を逆用されるだなんて思いもしてませんでした」

アカリ「急に思い付いただけですし。でもよかったあ……ルカリオの波導弾が消えてくれて」

正直指示を出すまでルカリオの波導弾が倒れた後までもペラップに襲い掛かる可能性に全く思い当たらなくって。

スモモ「ルカリオの場合、自身の波導の力によるものですからね……それはともかく、対戦ありがとうございました」

アカリ「こ、こちらこそ」

スモモ「あの展開は正直予想出来てませんでしたよ。波導弾同士のぶつかりあいだなんて」

スモモ「そんな事より、ジムバッジを渡さないとダメですよね」
 ▼ 811 1◆J44kAZeDOM 15/10/22 21:28:39 ID:z3lU8IgM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモ「これが私に勝利した証、コボルバッジです」

スモモ「4つ目らしいですが、だとすると使えるようになる秘伝技は霧払いですね」

アカリ「霧払いかあ……」

ヨスガでジュン兄ちゃんがくれた秘伝マシンよね、確か。

カンナギ方面に行くのに必須みたい。

スモモ「はい。それとこれ……使うかどうかはわかりませんけど、ワザマシングロウパンチです」

アカリ「ありがとうございます!」

スモモ「この技を使うたびに攻撃力が上がっていくっていう技です。ところで……」

スモモ「さっきのペラップ、しゃべりませんでした?」

アカリ「え?! い、いや、そんな事ないですよ?」

スモモ「変だなあ……まあいいか。それでは帰りはこっちからです!」

アカリ「ありがとうございました!」

その後ジムにうら若き乙女の物とは到底思えないほどの気迫に満ちた声がジムに轟いた。
 ▼ 812 コザル@ディフェンダー 15/10/22 21:29:00 ID:z3lU8IgM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

短くてすいません
 ▼ 813 ポッコ@こおりのジュエル 15/10/22 22:00:42 ID:GuR0F7ao NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 814 メハダー@こだいのぎんか 15/10/22 22:26:28 ID:FpbR7z8c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモそこ追求すんかいw
支援
 ▼ 815 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/22 22:28:19 ID:aXWHqy.. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 816 1◆J44kAZeDOM 15/10/23 20:30:47 ID:TrcP.t5g [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふう……疲れた。

でもすっきりしたなあ。

いや、とにかく今は回復してあげないと。


ジョーイ「お預かりした(ry」

アカリ「ありがとうございました! それで、今日も泊まりたいんですが……」

ジョーイ「トレーナーカードを確認させていただけますか?」

アカリ「はい」

ジョーイ「わかりました! では、カギはこちらになります!」

アカリ「ありがとうございます!」

さあて、行きますか!

と、そう振り返った、その瞬間だった。

???「おま……アカリか?」
 ▼ 817 1◆J44kAZeDOM 15/10/23 20:36:34 ID:TrcP.t5g [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

アカリ「え……アキラ?!」

その大きな声で意識が引き戻される。

ってか……アキラ?

アキラって確かあの……アカリの幼馴染だよな?

アキラ「やっぱり! 久しぶりだなあ」

しみじみとしたように言うアキラ。

でも、よく考えるとコトブキクロガネから見てちょうど対極に位置しているのがここ、トバリ。

むしろこの近辺で出会うのは必然だよな。

アカリ「久しぶり! ホントに……」

アカリの声に涙がにじんだような気もするけど、早いとこそこをどいてやってくれ。

完全に回復させたい人の邪魔になってるからさ。

アキラ「っと! 話すより前に、まずは回復しないと。アカリ、ちょっと向こうのソファで待っててくれ」

アカリ「わかった。確かにここ邪魔だもんね」
 ▼ 818 1◆J44kAZeDOM 15/10/23 20:46:26 ID:TrcP.t5g [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
で、アカリは深々とソファに沈み込んだ訳だけど……

イーブイ「あいつだれ?」

そう。俺とポッタイシしかアキラの事は知らないんだ。

半分で「しか」と言うのもどうかとは思うけどな。

ポッタイシ「アキラって、アカリの幼馴染で、ライバルでもあるのかな? 一緒に旅立った友達とも言えるし……」

イーブイ「アカリ……あの男に恋してるの?」

ポッタイシ「たぶんね」

まずその話になるのか。

こう言う所はやっぱり女子だなあと言わざるを得ない。

ってかさ。

ルクシオ「俺は恋じゃないと思うんだけど……」

イーブイ「まあだわかんないな。ちょっと詳しく見てみよっと! ペラップも気になるでしょ?」

ペラップ「え……私別に……」
 ▼ 819 1◆J44kAZeDOM 15/10/23 20:51:01 ID:TrcP.t5g [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
で、ボールの中から野次馬根性丸出しの2対の目とそれをなんだかなあと思う2対の目が眺めているなんて露知らず、アカリは幼馴染と会話を始める。

アキラ「お前も今来たとこ?」

アカリ「と、思うでしょ? じゃーん!」

アキラ「コボルバッジ! って事はもうお前……」

アカリ「うん! ついさっき突破したとこ!」

アキラ「すげえな」

アカリ「みんなのおかげだよ」

不意に俺たちの方に視線を移して言った。

イーブイ「ケンカ売ってんの?」

バトルに出られなかった恨みをぶつけるかのようにイーブイは呟いた。
 ▼ 820 1◆J44kAZeDOM 15/10/23 20:58:26 ID:TrcP.t5g [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「で、どんなポケモン捕まえて来たの?」

アキラ「それはバトルまで秘密にしとこうぜ。そっちのが楽しいじゃん」

アカリ「それもそっか!」

それを聞いたイーブイは深読みする。

イーブイ「ちゃっかりバトルデートの約束を取り付けて……これは脈あり?」

ルクシオ「これは自然の流れだと思うけど……」

イーブイ「夢を壊すような事言わないの」
 ▼ 821 1◆J44kAZeDOM 15/10/23 20:58:47 ID:TrcP.t5g [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再び視線を戻す。

アカリ「で、今のバッジは3個?」

アキラ「ああ。トバリで4個目になるな」

アカリ「って事はあたしと一緒ね」

イーブイ「おそろいアピールね」

ルクシオ「だからそれも自然の」

イーブイ「だーかーらー!」

ポッタイシ「こういう時ぐらいロマンに溺れさせてあげて。たぶんそれが女心って物よ」

イーブイ「出会いはあります!」

苛立ったような声。

ポッタイシ「そういう事じゃなくってさ……」

ペラップ「私は……別にそういうの……興味ないけど……」
 ▼ 822 1◆J44kAZeDOM 15/10/23 21:02:32 ID:TrcP.t5g [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「アドバイスいる?」

アキラ「いや、いい。アカリは無しで勝ったんだろ?」

正直全く無しって訳でもないんだが……まあ特に訂正する必要もない。

アカリははっきりと答えるのを避けたのか、曖昧に笑った。

アキラ「とりあえず今すぐ行こうと思ってるんだけど……ついて来てくれない?」

アカリ「いいけど……」

イーブイ「またナチュラルにデート……」

もう何も言うまい。
 ▼ 823 ルシェン@カイロスナイト 15/10/23 21:02:55 ID:TrcP.t5g [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 824 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/23 21:06:25 ID:5IYbpADo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 825 リープ@ナナシのみ 15/10/24 10:15:43 ID:qKI2HoXE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なぜルクシオはそこまで否定するのか…
支援
 ▼ 826 1◆J44kAZeDOM 15/10/24 22:20:22 ID:/P2Jom9c [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どうしよう……妹がやらかしたせいでネット接続が非常に不自由になった……

ってな訳でだいぶん更新頻度が下がる事が予想されます。ご容赦ください

一応今日は書きますが、どうなる事やら……
 ▼ 827 1◆J44kAZeDOM 15/10/24 22:22:50 ID:/P2Jom9c [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
で、そのままジムにリターン、と。

さっきクリアしたばっかなんだがなあ。

まあ、自分が戦う訳でもないし、そこは気楽だ。

アキラ「見てろよ、俺も絶対攻略してやるからな!」

アカリ「大丈夫かなあ?」

いたずらっぽく笑う。

アカリ「あ、ここここ。アキラ、頑張ってね」

アキラ「サンキュ」

2人はドアをくぐり抜けた。
 ▼ 828 1◆J44kAZeDOM 15/10/24 22:28:47 ID:/P2Jom9c [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
案内「おーっす……ん? さっきの……」

アカリ「はい。幼馴染とたまたま会って、それでこれもジムに挑むみたいだったので」

案内「ほーほー。青春だねえ」

アキラ「ち、ちげえよ」

アカリ「違いますって!」

ルクシオ「ほら、違うって言ってるじゃん」

イーブイ「わかってないなあ。照れ隠しでしょあれは」

案内「で、あれか。彼氏の雄姿を見たくて一緒に来た、って訳か」

アカリ「だから彼氏じゃないって……まあ、そこを除けば間違っては無いですけど」

案内「なら君はそっちに行ってくれ。観客席がある。それと助言、飲食は禁止だからな!」

アカリ「はあい。アキラ、ファイト!」

そう言ってアキラの元から去るアカリ。

その表情に、恋愛感情なんて見えない気がするんだが……
 ▼ 829 1◆J44kAZeDOM 15/10/24 22:35:55 ID:/P2Jom9c [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「少なくともアキラの方は確定ね」

はいはい、そう言う事にしときましょう。

イーブイ「面白くなって来たね、こりゃ」

ルクシオ「ってかお前そう言う事には興味あるんだな」

イーブイ「当たり前でしょ? 恋バナってホント盛り上がるんだから」

ポッタイシ「野生だろうと、ずっとニンゲンと暮らしてようと、本質は変わらないって事ね」

ルクシオ「ふーん」

ペラップ「私は興味ない……」

ルクシオ「人……おっと、ポケモンそれぞれだろ。気にすんなよ」

アカリ「ふうっ、とうちゃーく! さあて、アキラはどんなバトルをするのか……」

既に自分は勝利している余裕からか、その顔には微笑みが浮かんでいた。
 ▼ 830 ラーチ@こだいのぎんか 15/10/24 22:36:20 ID:/P2Jom9c [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 831 線回復◆J44kAZeDOM 15/10/25 20:16:00 ID:8uWupt5c [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんやかんやと話している女子たちを後目に、ぼーっとしていた。

どうにも恋愛談義は俺には向いてないらしい。

……アキラ、はよ突破してくれ。

アカリ「やっと着いたか」

その声を聞いて、急に静寂が訪れた。

やっぱり気になるんだな、みんな。

俺とポッタイシはともかくイーブイとペラップはアキラの勝負は初見だしな。
 ▼ 832 1◆J44kAZeDOM 15/10/25 20:22:28 ID:8uWupt5c [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アキラ「では、対戦よろしくお願いします」

スモモ「こちらこそ。行きますよ! アサナン!」

アキラ「頼んだぞ、ドーミラー!」

2匹のポケモンが戦いの場へ。

少しの間の静けさ。

そしてすぐに2人はそれぞれのポケモンに指示を出した。

アキラ「鉄壁!」

スモモ「アサナン! 心の目です!」

スモモさんは相手が誰でも同じ戦法を使うのか。

で、アキラは鉄壁。ダメージを最小限に食い止めようって事ね。

これなら、ゴーリキーまでは楽に突破出来そうね。
 ▼ 833 1◆J44kAZeDOM 15/10/25 20:27:20 ID:8uWupt5c [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でもなあ……

これじゃあルカリオは突破出来ないよね。

だって鉄壁は防御アップの技。特殊メインのルカリオには関係ない話だもん。

スモモ「なるほど。でも負けませんよ! とび膝蹴り!」

アキラ「未来予知!」

アサナンがドーミラーに飛びかかる。はいいんだけど……

スモモ「アサナン大丈夫ですか?!」

すごいなあ。攻撃した方がむしろダメージ受けてるし。

いやもともとそう言う要素がある技だけどさ……

ドーミラーは平然としてる。耐久力の勝利かな。

それで未来予知……なんだけど、何がどうなったんだろ、なんもわかんないや。

まあすぐに何かが起こる技でもないんだけど。
 ▼ 834 1◆J44kAZeDOM 15/10/25 20:35:29 ID:8uWupt5c [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモ「やりますね」

そう言ってにこりと笑う。

スモモ「2人続けて強いです」

アキラ「よかったなあ! お前も褒められてんぞ!」

アカリ「当たり前でしょ!」

アキラ「気を取り直してっと。ドーミラー、念力!」

スモモ「はっけい!」

ドーミラーの体が青く光ったと思うと、アサナンの体が縛り付けられたように動きを止めた。

エスパーってホントすごいよね。ってかあたし、あれと戦わなきゃダメなのか……

まあでも、ジムリーダーのポケモンがそんな簡単にやられる訳もないよね。

アサナンはそれを解き放ったと思うと、俊敏にその手をドーミラーの鋼鉄の体にぶつける。

それがどれだけのダメージを与えたかは知らない。ただ、全くの無意味じゃなかったのだけは確かみたいだった。
 ▼ 835 1◆J44kAZeDOM 15/10/25 20:40:56 ID:8uWupt5c [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「な……マヒ?!」

スモモ「よし」

スモモさんが小さくガッツポーズ。

はっけいの追加効果ってマヒなんだ……

もともとドーミラーって遅いからあんまり意味がないような気もするけど、いやでも攻撃出来ない可能性があるって相当有利か。

スモモ「押し切ってください! 念力!」

アキラ「な……特殊だと!」

スモモ「格闘だからと言って物理だけだと思わないでください」

さっきのアサナンと全く同じ状況ね、今のドーミラー。

行動が縛られてる。

さあて、アキラ。どう突破する?

……なあんて、あたしが考えるまでもなかった。

アキラ「ちぇ。2匹目に攻撃するつもりだったんだけど……仕方ないか」
 ▼ 836 1◆J44kAZeDOM 15/10/25 20:44:14 ID:8uWupt5c [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その瞬間、ドーミラーへの攻撃は解かれた。

だって、アサナンが攻撃を受けてるんだもん。

そりゃ念も途切れるよ。

スモモ「あ! 未来予知!」

アキラ「まさかこんな風に役立つとはね……ドーミラーとどめだ! 念力!」

もうさっきのとび膝蹴りの反動と未来予知のダメージでへろへろなアサナンじゃ、さすがに耐えるのも無理ね。

ほら。アサナン、倒れた。
 ▼ 837 1◆J44kAZeDOM 15/10/25 20:48:46 ID:8uWupt5c [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモ「お疲れ様、アサナン。さすがですね! 行きますよ! ゴーリキー!」

アキラ「ドーミラー、行けるか?」

ってな訳で2回戦が始まった。

スモモ「ダメージを与え辛いなら……地球投げ!」

アキラ「もういっちょ未来予知!」

もともと遅いドーミラーがマヒでさらに遅くなったせいよね。

ドーミラーが何かする前にゴーリキーが攻撃出来たの。

正直特殊技より物理技の方が先に出るなんて相当なんだけど。

まあ、仕方ないか。

アキラ「ドーミラー! 大丈夫か?」
 ▼ 838 1◆J44kAZeDOM 15/10/25 20:54:34 ID:8uWupt5c [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まあでも、相手の攻撃を耐えながら戦うってスタイルなんだし、耐えてなんぼよね。

アキラ「よし。今度は念力だ!」

スモモ「叩き落とす!」

行動を縛る……その前にゴーリキーが攻撃してるんだから、ドーミラーって改めて遅いよね。

でも効果抜群の技を打たれて平然としてるのもやっぱりドーミラーって言うか……

で、ドーミラーの攻撃は効果抜群。ゴーリキーには結構な痛手になってるはず。

で、そんな事を繰り返して、数回目。

大きく戦局が動く。

また未来予知なんだけどね。
 ▼ 839 1◆J44kAZeDOM 15/10/25 20:59:26 ID:8uWupt5c [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモ「ゴーリキー、お疲れ様です。ルカリオ、よろしくお願いします!」

結局そのまま有効打を与えられないままにゴーリキーが負けた。

こりゃ物理で戦うのは無理ね。あたしのポケモンで勝てるのは……相性考えてもポッタイシぐらいね。

まあでも、さすがのドーミラーもかなりバテバテ。これは交代かな?

アキラ「最後まで頼んだぞ! ドーミラー!」

……まだ行くんだ。

大変だなあ、ドーミラー。

アキラ「未来y」

スモモ「させませんっ! 波導弾!」

そう。物理でダメなら特殊。

ルカリオの波導弾ならこの状況も変えられる。
 ▼ 840 1◆J44kAZeDOM 15/10/25 21:07:31 ID:8uWupt5c [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
結局ドーミラーが未来予知を成功させたのかはわかんないけど……

ドーミラーが戦闘不能になったのは間違いないか。

アキラ「お疲れ様。頼んだぞ、モウカザル!」

モウカザル……ヒコザルの進化形ね。

炎タイプだから鋼も入ってるルカリオには有利……

たぶんこれ、アキラの勝ちね。
 ▼ 841 1◆J44kAZeDOM 15/10/25 21:07:53 ID:8uWupt5c [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモ「波導弾!」

アキラ「マッハパンチ!」

モウカザルが拳を突き出して……はやっ! え、ってか、格闘技?

どごぉん! と音を立ててぶつかり合ったと思ったら……

アキラ「そのまま火炎車ぁ!」

ルカリオが波導弾を撃つ前に、それだけの指示を出す。

ドーミラーとは対極の、先手必勝タイプの攻撃だった。

で、懐で効果抜群の一撃を食らわされて、普通立ってられるはずない。

それがまだ耐えてるんだから、ホントすごいよね。

スモモ「今です!」

ゼロ距離からの波導弾にモウカザルはぶっ飛ばされた。
 ▼ 842 ガラティアス@フエンせんべい 15/10/25 21:08:17 ID:8uWupt5c [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 843 ラエッテ@サメハダナイト 15/10/25 21:13:27 ID:d7irLedY NGネーム登録 NGID登録 報告
>>842

>>831
回線回復したのか
 ▼ 844 ンゲラー@メンバーズカード 15/10/25 21:14:12 ID:8uWupt5c [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>843
はい

つなぎ直しました
 ▼ 845 ノアラシ@あおぞらプレート 15/10/25 22:41:16 ID:lL4mIYs2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
飛び膝蹴り はっけい 念力 地球投げ はたきおとす
ドーミラー固すぎワロタ
支援
 ▼ 846 1◆J44kAZeDOM 15/10/26 20:42:27 ID:fM39wt1w [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それでも、やっぱり一撃だけじゃ倒しきれないのも無理ないよね。

ってか、ある程度ダメージを受けると確か炎技が強くなるんだっけ。

そこまで体力が減ってるかはわかんないけど。

アキラ「大丈夫か?」

笑顔で答えるモウカザル。まだ余裕って感じ。

スモモ「ルカリオ、行きますよ! 波導弾!」

アキラ「もういっちょ! マッハパンチ!」

スモモ「右です!」

その声に応じて、ルカリオが右に攻撃を打ち出す。

アキラ「な!」

ちょうどその方向に、迫って来たモウカザルがいた。

黙っていても必ず当たる技だけど、狙いをつける事で相手の攻撃も止める。

まさしく攻撃は最大の防御って事ね。
 ▼ 847 1◆J44kAZeDOM 15/10/26 20:50:16 ID:fM39wt1w [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モウカザルがまた飛ばされて、地面に転がる。

スモモ「そう簡単におんなじ戦法が通用すると思わないでください」

スモモ「マッハパンチで勢いよく飛び込んで、火炎車の強力な一撃をかます」

スモモ「でも見切ってしまえば対策は簡単です」

スモモ「こっちに来る前に攻撃をする。それだけですから」

アキラ「ちっ……」

もうモウカザルはずたぼろ。もうあと一回攻撃を食らったら倒れそう。

アキラ「でも……」

そう。特性猛火が発動するには、絶妙な体力。

アキラ「行くぞ! 火の粉!」

スモモ「波導弾で打ち消して!」
 ▼ 848 1◆J44kAZeDOM 15/10/26 20:56:00 ID:fM39wt1w [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
猛火で強化された火の粉と、元が強い波導弾。

単純に考えて、さすがに火の粉ごときじゃ波導弾には打ち勝てないよね……

アキラ「今だ! マッハパンチ!」

なるほど! 相手の攻撃を弾幕として使ってこっちの攻撃を隠す作戦ね。

でも……そんな単純に行かないわよ、波導弾は。

まだアキラは、波導弾の自動追尾を知らない。

アキラ「な……向きが変わった?!」
 ▼ 849 1◆J44kAZeDOM 15/10/26 21:03:08 ID:fM39wt1w [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そのおかげで、ルカリオからもモウカザルの動きが丸見えになった。

スモモ「挟み撃ちにします! 波導弾!」

アキラ「やっべ……そうだ」

アキラ「モウカザル、飛べるか? いや、飛んでくれ」

アキラ、なんか考え付いたみたいだけど……何すんだろ?

アキラ「まだだぞ……まだだ……今だ! 空にマッハパンチ!」

空に?

モウカザルが技の力を借りて勢いよく飛び上がる。

で、それを追いかけて来た波導弾は……見事、正面衝突。

ぶつかり合って、互いに威力を弱めた。

スモモ「……まずいですね」

アキラ「そのまま落下の勢い使って火炎車だ!」

弱まった波導弾がそれを追いかける。

燃え盛る体がルカリオ目がけて落ちて行って……

そこに波導弾もぶつかった。
 ▼ 850 1◆J44kAZeDOM 15/10/26 21:08:42 ID:fM39wt1w [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
煙が立ち込める。

静か。

誰も何にも言わなかった。

煙が晴れた時、そこには、案の定と言うか何と言うか、2匹の戦闘不能状態のポケモンが倒れていた。

さすがにアキラもポケモン捕まえて来てるだろうからこれでアキラの勝ちね。

ってか、2匹で倒しちゃったよ、スモモさんを。

どうしよ……あたし、アキラに勝てるかな。

アカリ「アキラ! おめでと! あんたの勝ちよ!」

アキラ「え、マジ?! やった!」
 ▼ 851 ース@チイラのみ 15/10/26 21:09:17 ID:fM39wt1w [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 852 トデマン@あやしいパッチ 15/10/26 22:29:36 ID:3uMbu2JI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 853 1◆J44kAZeDOM 15/10/27 21:19:29 ID:qeRyo7Co [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
えっと……こっちから降りられるのね、バトル場に。

スモモ「……れがトバリジムに勝利した証、コボルバッジです」

アキラ「ありがとうございます」

もうバッジもらったんだ。

スモモ「うーん……こんな短い間に2回も負けたのなんて、何年ぶりかな……」

アカリ「たぶんそれ、コウキに……ジュンとコウキの2人続けてじゃないですか?」

スモモ「そうそう! 今シンオウで1、2を争うトレーナーの!」

アキラ「やっぱすげえよな。この旅でも思ったけど」

アカリ「ホントよ。あたしたち、あの2人と仲良かったのってラッキーよね」

スモモ「知り合いなんですか? 2人とも」
 ▼ 854 1◆J44kAZeDOM 15/10/27 21:26:44 ID:qeRyo7Co [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「はい。2人の友達のヒカリ……うーん、違和感あるな……の妹なんですあたしが」

アキラ「で、俺はこいつの幼馴染だからその関係で」

スモモ「へえ。ならその強さも納得って言うか何と言うか……とにかくすごかったです」

アカリ・アキラ「ありがとうございます!」

スモモ「あ、それと、このワザマシン渡すの忘れてました。グロウパンチです」

アカリ「攻撃するたびに強くなっていく技でしたよね?」

スモモ「はい」

アキラ「おお! モウカザルと相性よさそうだな」

スモモ「格闘タイプですからね。私は使いませんけど、結構活躍しますよ」

アキラ「ありがとうございます」

スモモ「それでは、あ! 霧払いが使えるようになるって説明忘れてました!」

アキラ「……それ、もっと早く使いたかった……もう手遅れなんだよなあ……」
 ▼ 855 1◆J44kAZeDOM 15/10/27 21:30:05 ID:qeRyo7Co [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スモモ「あ、もしかしてもうあの道路……」

アキラ「はい。あそこはマジで怖かった……」

アカリ「どんまい」

スモモ「じゃあこれで。帰りはこっちからです!」

アキラ「対戦ありがとうございました!」


その後少年は、幼馴染の気迫満点な声にドン引きする事になった。
 ▼ 856 1◆J44kAZeDOM 15/10/27 21:33:15 ID:qeRyo7Co [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「お前……なんか妙なとこでスイッチ入るよな……」

アカリ「え、そう?」

アキラ「どこの世界にあそこまでガチでジムの仕掛けぶんなぐる奴がいるんだよ……」

アカリ「なんかおかしいかな……?」

アキラ「はあ……もういいよ。で、これからどうする?」

アカリ「まずはあんたのポケモン回復させたげなよ」

アキラ「それもそうだな。じゃあ取りあえずポケセン行くか」
 ▼ 857 1◆J44kAZeDOM 15/10/27 21:40:39 ID:qeRyo7Co [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ありがとうございました!」

ポケモンを回復させて、アキラが部屋を取って(も、もちろん別々だから!)、で。

アキラ「回復させたはいいんだけどさ……早速だけど、バトルするか? ほら、まだ夕方だし……」

でもなあ……今しちゃうと明日にはもうここ出て行く感じになりそうなんだよね……

せっかくだし、もう少し一緒にいたい。

恋とかじゃないんだけど、いると安心するって言うか……

よし。

アカリ「デパートとか、いろいろ観光しようよ。バトルは明日でも出来るよ」

アキラ「そうすると明日中にカンナギに着けないだろお前……いや、自転車と霧払いがあるのか」

アカリ「あ、あたしも自転車壊れたから」

アキラ「おい事故ったとかやめろよ、ガチでしゃれになんねえ」

アカリ「そんな事ないって! ちょっといろいろあってね……」

アキラ「いやまあいいんだけどさ、それならなおさらまずいじゃん」

アカリ「……まあね」
 ▼ 858 1◆J44kAZeDOM 15/10/27 21:44:49 ID:qeRyo7Co [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「いろいろ見るのもそれこそ明日ぱぱっと出来るしな」

それを言われちゃうとあたしには反論出来ない。

だってあたしも野宿は嫌だし。

トバリとカンナギの間には町がないから一日で行かなきゃダメだもんね……

アカリ「わかった。じゃあ今やろう。トバリでバトル出来そうな場所って……」

さあて、あのドーミラーをどうやって突破しようか……

……あたしって切り替え早いなあ。

アキラ「うーん……ギンガトバリビルの高台……かな? あそこが一番だと思う……けど」
 ▼ 859 1◆J44kAZeDOM 15/10/27 21:51:04 ID:qeRyo7Co [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう言うのをためらうのもわかる。

世間一般には一部の過激派の暴走と捉えられてるあの事件。

でもあたしたちは知っている。その裏に秘められた、アカギって人の大きな野望を。

アキラ「まあ……もう悪い奴らじゃないのはわかんだけどさ……」

アカリ「やっぱり怖いよね。あたしも、テンガン山でギンガ団見かけた時、すっごい怖かったもん」

アキラ「見かけた?」

アカリ「うん。神話について再調査しろって言われたんだって」

アキラ「なあんかヤな予感するな……ま、それはともかく、あの高台がバトルするのにちょうどいいスペースが開いてるのは確かだ」

アキラ「コウキ兄ちゃんもあそこでしたっぱと戦ったとか言ってたしな」

アカリ「そうね。いつまでも怖がっててもどうしようもないし、なんせコウキ兄ちゃんたち、勝ってるんだもんね」

アカリ「あたしたちが怖がる必要なんてないよ! じゃ、行こ!」
 ▼ 860 チャブル@とんでもこやし 15/10/27 21:51:25 ID:qeRyo7Co [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 861 ラーミィ@ボイスチェッカー 15/10/27 22:10:33 ID:mnCE6W/Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援

 ▼ 862 つ葉のra+◆OnH1Awa67Y 15/10/27 22:29:25 ID:k57YXlmY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 863 ードー@おちゃ 15/10/27 23:00:58 ID:NkZte2YU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 864 マズン@せいなるはい 15/10/28 00:18:13 ID:D0K48EtQ NGネーム登録 NGID登録 報告
追い付いた支援
 ▼ 865 1◆J44kAZeDOM 15/10/28 21:54:23 ID:YyxvaNto [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「到着っと!」

なんかいかにも電波飛ばしてます! って感じの物に挟まれたスペースが、結構広い。

で、あたしたちはそこでバトルするって訳。

アキラ「一応俺たちはあれから3匹捕まえて、今手持ち5匹とは言っとく」

アカリ「ウソ?! あたし、まだ4匹なんだけど……」

アキラ「OKわかった。じゃあ、対戦、よろしくなアカリ!」

アカリ「こっちこそ!」
 ▼ 866 1◆J44kAZeDOM 15/10/28 22:00:04 ID:YyxvaNto [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三人称視点

アカリ「ルクシオ、よろしく!」

アキラ「ヤミカラス、頼むぞ!」

互いのポケモンが場に飛び出る。

アキラ「ちっ、不利だな……」

アカリ「行くよルクシオ! スパーク!」

アキラ「驚かす!」

ヤミカラスがルクシオを驚かす。

その驚愕が、ルクシオに一瞬の隙を生む。

アキラ「今だ! ナイトヘッド!」

その技で生み出された影は、ルクシオの精神に直接打撃を加える。

もっとも、そのダメージは微々たる物ではあったが。
 ▼ 867 1◆J44kAZeDOM 15/10/28 22:05:42 ID:YyxvaNto [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「え……レベル低くない?」

アキラ「捕まえたはいいんだけどこいつ鍛えるチャンスがなくってよ……まあいいや」

軽くため息をついたアキラはしかし、その逡巡などなかったかのように顔をあげる。

アキラ「行けるだけ行くぞ! 追い打ち!」

アカリ「そうとわかれば迎え撃つだけ! スパークよ!」

2つの技がぶつかり合う。

ルクシオの効果抜群の一撃は、ヤミカラスを地に叩き付けた。

ルクシオ「やったな、これは」

少し苦しげな表情のルクシオは、それでも戦闘不能に陥っているヤミカラスを見下ろしていた。
 ▼ 868 1◆J44kAZeDOM 15/10/28 22:11:37 ID:YyxvaNto [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「ふう……お疲れヤミカラス」

アキラ「やっぱまだきついか」

吐き出すように言い切るアキラ。

それに対し、アカリが笑いかけた。

アカリ「自分のポケモンを過信するのはよくない事だからね。信じるのはいいんだけど」

アカリ「ま、あたしもこれ知ったの最近だけど」

アキラ「まあな。じゃあ行くぞ! ユキカブリ!」

アカリ「レントラー、もっかいお願いね!」
 ▼ 869 1◆J44kAZeDOM 15/10/28 22:13:02 ID:YyxvaNto [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>868
訂正

レントラーじゃなくてルクシオです

進化はまだです

すいませんでした


後今日はここまでです
 ▼ 870 ンプラー@せんせいのツメ 15/10/28 22:17:56 ID:fNJxrZ6c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 871 ンリキー@きのみぶくろ 15/10/28 22:19:48 ID:1hxm8zkA NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 872 1◆J44kAZeDOM 15/10/29 20:49:57 ID:VLmzw9oo [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
場に現れたユキカブリ。その特性は雪降らし。

アカリ「え? なんか急に天気が……」

さっきまで夕焼けの赤に染まっていた空に、暗雲が立ち込める。

アキラ「やあっぱなんか違和感あんだよなあ……」

にわかにあられが降り始めた。

アカリ「何これ……」

アキラ「特性雪降らし。こいつが場に出ると天気があられになるんだよ」

アキラ「バトルの時だけなんだけどな。たぶん身の危険? を感じてこんな事が出来るんだろうけど……」

アカリ「すご……」
 ▼ 873 1◆J44kAZeDOM 15/10/29 20:56:09 ID:VLmzw9oo [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方それと対峙しているルクシオは、全く別の感想を抱いていた。

ルクシオ「いってえなあ」

外からゲームをプレイしているだけでは、この痛みはわからない。

正直な所、ルクシオ自身それほど痛い物だとは思っていなかったのだが……

現実には、あられはかなりの痛みを伴って襲い掛かる。

ルクシオ(こりゃあ毎ターンダメージ受けるのも納得だな)

アキラ「まずは氷の礫!」

その声を聞いて、アカリは動揺を振り切り指示を出す。

アカリ「ルクシオ! スパーク!」
 ▼ 874 1◆J44kAZeDOM 15/10/29 21:04:54 ID:VLmzw9oo [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ(電気はいまひとつなんだがなあ……)

そうは思いつつも、技タイプと自分のタイプが一致している分威力が上がる事も知っていたルクシオはそのまま指示を遂行しようと電気を生み出す。

しかし、そんな事を考えている間に、氷の礫はルクシオに襲い掛かった。

ルクシオ「っ!」

痛みは軽い。それが幸いだったと言うべきか。

ルクシオはあっという間に立ち直り、生み出した電気を身にまとう。

そしてそのままユキカブリに向けて突進した。
 ▼ 875 1◆J44kAZeDOM 15/10/29 21:08:26 ID:VLmzw9oo [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あれ? あんま効いてない……」

アキラ「草タイプでもあるんだから当然だっての」

アカリ「え、ウソ?!」

ルクシオ「知らなかったのかよ……」

ユキカブリ「なんだよお前のトレーナー。ザコじゃん。相性も知らねえとか」

ルクシオ「否定出来ねえ……」

アカリ「えっと……戻って! ルクシオ! それで……イーブイよろしく!」
 ▼ 876 1◆J44kAZeDOM 15/10/29 21:15:35 ID:VLmzw9oo [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「バトルね。よし」

スモモ戦でバトル出来なかったフラストレーションが溜まっていたイーブイは、内に燃え上がる闘士を秘めつつ戦場へ。

イーブイ「って何この天気?! 痛いんだけど!」

ユキカブリ「そっかあ痛いんだ。俺はまあったく痛くないけどな!」

その煽るような言い方にイーブイが怒る。

イーブイ「はあ? それがどうしたってのよ!」

アキラ「はあ……指示する前から威張るなよ……」

威張る。ユキカブリはこの技をレベルで習得する。

相手を怒らせる事で我を失わせ、混乱状態へと導く技だ。ただし、威張られた相手の攻撃力は急増する。

イーブイ「それで! あんたがどうかした? 痛くないから何がえらいの?」
 ▼ 877 1◆J44kAZeDOM 15/10/29 21:19:39 ID:VLmzw9oo [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ちょ、イーブイ落ち着いて!」

アキラ「しゃーねえか! ユキカブリ、葉っぱカッター!」

ユキカブリ「隙あり……今だ!」

アカリ「イーブイしっかり!」

イーブイの目には今や、ユキカブリしか映っていない。

イーブイ「体当たり!」

指示を聞く前から暴走するのだが……

相手の攻撃をかわす、と言う発想が頭から追いやられていたのだ。
 ▼ 878 ライゴン@ソクノのみ 15/10/29 21:20:55 ID:VLmzw9oo [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 879 レキッド@メンタルハーブ 15/10/29 21:53:48 ID:yT7FS7rc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 880 タッコ@カシブのみ 15/10/30 11:47:00 ID:.c3rzKPQ NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 881 1◆J44kAZeDOM 15/10/30 20:34:46 ID:lkHN43uQ [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
襲い掛かる葉っぱの数々。

それは確実にイーブイにダメージを与えている……はずなのだが。

怒りのあまり感覚がマヒしているイーブイにとって、その痛みはしかし、行動を阻む物ではなかった。

ユキカブリ「な……!」

イーブイ「食らえッ!」

アカリ「……イーブイ! もうそのまま行っちゃえ!」

アキラ「まっず……」

体当たりとは思えないほどの炸裂音が響き渡った。
 ▼ 882 1◆J44kAZeDOM 15/10/30 20:43:48 ID:lkHN43uQ [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「マジかよ……」

怒りの体当たりは、ユキカブリの体力を一撃で奪った。

アカリ「やった! イーブイもど……ううん、そのままお願い!」

イーブイ「あれ? あたし一体……」

アカリはこう考えた。

ドーミラーのバケモノじみた耐久力を突破するには、相手が攻撃を上げてくれた、この機会を活かすしかない。

アキラ「ドーミラー、頼む! まずは鉄壁だ!」

ボールから繰り出されたドーミラーはそのまま鉄壁を繰り出そうとする。

しかし、その動作は、果てしなく遅い。
 ▼ 883 1◆J44kAZeDOM 15/10/30 20:53:11 ID:lkHN43uQ [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
怒りを向ける対象を失ったイーブイは、その有り余る攻撃力を向ける相手を失い戸惑っていた。

その空虚な思考はしかし、アカリの指示で一気に埋まる。

アカリ「まずは電光石火! そのままかみつく!」

先程、スモモ戦でアキラも使用した戦術。

先制技で突っ込み、そのまま相手にダイレクトに攻撃を食らわせると言う物だ。

その自慢の脚力で一気に距離を詰めると、ドーミラーが防御力を高める前にぶつかる。

そしてそのままかみつこうとしたのだが……

アキラ「催眠術!」
 ▼ 884 1◆J44kAZeDOM 15/10/30 21:00:40 ID:lkHN43uQ [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さっきの指示を即座に撤回し、相手を眠らせる事で勝機を見出そうとするアキラ。

イーブイは……かみつきながら、眠りへといざなわれて行く。

アカリ「イーブイ! 起きて!」

アキラ「未来予知だ!」

イーブイを振り払うと、ドーミラーは未来へと攻撃を予知する。

アカリ「イーブイ!」

アキラ「念力だ!」

少しずつ、少しずつ。

弱いながらもその一撃は、確実にイーブイの体力を奪って行く。

アカリ「起きてよっ!」

アキラ「ドーミラー! 念力!」
 ▼ 885 1◆J44kAZeDOM 15/10/30 21:05:00 ID:lkHN43uQ [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「イーブイっ!」

しかし、必死の叫びも深い眠りの中にいるイーブイには届かない。

アキラ「そろそろだな……フィニッシュ!」

未来予知がイーブイに牙を向く。

何が起きているのか、イーブイは苦痛に顔を歪める。

もっとも、目覚めはしないが。

そして、そのまま力尽きたように崩れ落ちた。
 ▼ 886 レイシア@グラシデアのはな 15/10/30 21:06:30 ID:lkHN43uQ [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 887 ロマツ@むしよけスプレー 15/10/30 22:30:01 ID:Z5VySFJw NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 888 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 16:52:29 ID:9DGvHrV2 [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「お疲れ、イーブイ」

アカリ「あんたのドーミラー、耐久力ありすぎでしょ! ホントに」

アキラ「だよな。俺も驚いてんだよ」

とは言え鉄壁を繰り出す前に2回も、高火力の技を食らってしまってはさしものドーミラーも体力をかなり削られてしまっている。

アカリ「はあ……ルクシオ! よろしく!」

ルクシオが場にその姿を現す。

アカリ「とどめを刺して! スパーク!」

アキラ「未来予知だ!」

最後のあがきとばかりにドーミラーは未来予知を繰り出した。

その様が、ルクシオにははっきり見えていた。

少しの後に、ルクシオの体は鋼鉄の体にぶつかる。

ドーミラーは力なく地に落ちた。
 ▼ 889 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 17:08:51 ID:9DGvHrV2 [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「さすがに無理か……頼むぞ、トリトドン!」

ルクシオ「げ」

その名前にうめき声をあげるルクシオ。

何しろ、トリトドンには地面タイプが付いている。

自慢の電気技は……残念ながら、一切効かない。

有効打は、かみつく、体当たりのみだ。

アカリ「地面タイプか……きついな……」

アキラ「行くぞ! 泥かけ!」

アカリ「っと! かみつく!」

指示を受け、2匹は行動を起こす。

ルクシオがトリトドンに走り寄り、その間トリトドンは泥を創りだす。

ルクシオ(こいつにかみつくのか……)

どことなく嫌悪感を感じながらもそれを実行するのだが……

ルクシオ「あうぐっ!」

顔に泥を吹きかけられる。
 ▼ 890 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 17:14:42 ID:9DGvHrV2 [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「ぺっ、ぺっ」

口に溜まった泥を吐き出す。

ルクシオ(当然だけど目に入ってんな……いてて)

しかし、その思考をしている間にも、相手は行動を起こしていた。

アキラ「泥爆弾!」

アカリ「左に避けて!」

慌ててアカリは指示を出すが、時既に遅し。

視界を奪われたルクシオが、そんな至近距離からの攻撃をかわせるはずがない。

泥の塊が無慈悲にぶつかり、音を立てた。
 ▼ 891 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 17:19:34 ID:9DGvHrV2 [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
泥にまみれ視界も奪われ、ルクシオは衰弱していた。

効果抜群の一撃を真っ向から受けたのだから、当然だ。

アカリ「ルクシオっ!」

アキラ「フィニッシュだ! 泥爆弾!」

アカリ「ジャンプしてっ!」

その叫びは、しかしルクシオには届かない。

ルクシオは、為す術なく最後の体力を奪われてしまった。
 ▼ 892 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 18:32:08 ID:9DGvHrV2 [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「やっぱ相性悪いときついか……」

アカリ「お疲れルクシオ。でもあたしにもまだ無傷な2匹がいるからね!」

アキラ「わーってるよ。トリトドンもほぼほぼ無傷みたいなもんだし2対2って感じだな」

アカリ「よし、行くよ! ペラップ!」

ペラップは無言で飛び出す。

アカリ「先手必勝! おしゃべり!」

ペラップ(何しゃべればいいんだろ……)「うわああああ!」

戸惑いとともに大音量でがなり立てるペラップ。

アキラ「どんな言葉覚えさせてんだよ……」

アキラは考える。

飛行タイプのペラップに地面技は効かない。

だから、水技で攻めるしかない。

けれど、今の一撃で混乱状態に陥ったトリトドンがしっかり攻撃してくれるかは、また別の問題だった。
 ▼ 893 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 18:59:17 ID:9DGvHrV2 [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「頼むぞ……! 水の波動!」

混乱した思考の最中、トリトドンは確かにその指示を聞いた。

アカリ「押し切れ! ハイパーボイス!」

水の波は、音の波とぶつかり合う。

そして、互いに打ち消し合った。

アキラ「マジか……」

アキラ(トリトドンの地面以外の攻撃技は水の波動だけ……それが効かないとなると……)

アカリ(攻撃するだけじゃジリ貧か……どこかで混乱で変な事するか……それか……そうだ)
 ▼ 894 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 20:23:24 ID:9DGvHrV2 [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ペラップ! 歌うよ!」

しかし、その指示は中断される事となる。

なぜなら……

アキラ「でもそろそろ来るぞ! だからトリトドン、雨乞いだ!」

ドーミラーの散り際の一撃が、今ここに放たれる。そのタイミングこそが今だった。

ペラップ「あいたっ!」

アカリ「あ……忘れてた……未来予知……」

攻撃を受けて出来る、わずかな時間。

その瞬間にトリトドンは技を繰り出す。

アキラ「……ん? 今しゃべ……」

アカリ「あーあーあー! ペラップ! 今度こそ歌う!」

その指示をペラップが理解するまでに、ぽつりぽつりと、雨音が鳴り始める。
 ▼ 895 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 20:29:14 ID:9DGvHrV2 [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップが奏でる歌がトリトドンを眠りへといざなう。

その間にも、雨音は勢力を増して行く。

アキラ「やっべえなあ……」

アカリ「ペラップナイス! 行くよ! ハイパーボイス!」

雨音がうるさく鳴り響いている。

ハイパーボイスは、うるさく響く大きな振動を相手に与えて攻撃する技だ。

つまり。

雨に振動が吸収され、雨音によりハイパーボイスの大音量は相当までに静まるのだ。

アカリ「ウソ……あんま効いてない……」
 ▼ 896 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 20:36:28 ID:9DGvHrV2 [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「よし。とりあえずはこれで耐えて……」

目が覚めたら、雨で火力のあがった水の波動をぶつけ、勝つ。

眠らされるのは想定外だったが、これがアキラの作戦だった。

アカリ「だったら……至近距離だ! ペラップ! トリトドンの傍でハイパーボイス!」

アカリの戦法は至極単純。

緩和される時間はつまり、相手に音が届くまでの時間。

それを限りなく縮める事で、そのままの威力で攻撃しようとしているのだ。

降りしきる雨の中、それを突き抜けるようにペラップが進む。

それを見たアキラは、思わず喜びの表情を浮かべる。

しかしアカリには、雨に遮られ、その微笑みが見えていなかった。
 ▼ 897 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 20:42:32 ID:9DGvHrV2 [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
眠っている相手の耳元で、大声で叫べばどうなるか。

そんな事は自明だろう。

その対象は目を覚ます。そんな事、少し考えれば誰でもわかるだろう。

そして、その時がやって来る。

アカリ「今よっ!」

ペラップが大声を出す。

トリトドンはその振動の直撃を受ける。

アキラ「起きたよなトリトドン! 水の波動だっ!」
 ▼ 898 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 20:48:59 ID:9DGvHrV2 [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トリトドンのその両の目は、しっかりと見開かれていた。

水の波動が雨の力を巻き込み、その威力を増してペラップを襲った。

ペラップは思わずある思考を辿っていた。

これに対処するには……少しでも相手の技の威力を弱めるのが一番だ。

だから、さっきもしたように、相手の技を打ち消すしかない。

ペラップの自己防衛本能が為せる業か、知らずハイパーボイスを再び繰り出していた。

音は波。波動も波。

波と波が重なり合い、その力は……増幅していた。

どちらの技も、その威力を増していた。
 ▼ 899 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 20:52:33 ID:9DGvHrV2 [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どごおおおおおん!

爆音が辺りに鳴り響く。

アカリは思わず耳を塞いだ。

それでもその音は耳を押さえる手を通って振動は伝わる。

雨も揺らめく。

それほどの振動が辺りに起こっていた。

それだけの大音量を間近で受けた2匹のポケモンは、双方ともに体力を全て奪われていた。
 ▼ 900 モンガ@パワーベルト 15/10/31 20:53:22 ID:9DGvHrV2 [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ちます
 ▼ 901 メグマ@たんちき 15/10/31 20:53:43 ID:CgcovJec [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 902 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 21:58:24 ID:9DGvHrV2 [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
降りしきる雨に洗われた体をボールに戻す2人。

アカリ「お疲れペラップ。すごいよ、あんな大きな音」

アキラ「お疲れ様。2匹も倒してくれてありがとう」

これでお互いに残ったポケモンは1匹ずつ。

それも、両者ともに研究所のポケモンだ。

雨音が沈黙に鳴り響く。

その沈黙を切り裂いて、アカリが声をあげた。

アカリ「お互いラスト1匹同士ね!」

アキラ「だな!」

アカリ「行くよ! ポッタイシ!」

アキラ「モウカザル、頼んだ!」
 ▼ 903 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 22:04:51 ID:9DGvHrV2 [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
雨が少しずつその勢力を弱めて行く。

モウカザル「久しぶりだな! 今度こそ、俺負けない!」

ポッタイシ「あ、そう……」

モウカザル「行くぞ!」

ポッタイシ「わかった」

沈黙が辺りに下りた。

アキラ「マッハパンチ!」

アカリ「メタルクローで受け止めて!」

モウカザルがポッタイシに飛びかかる。

突き出された拳がポッタイシの翼とぶつかり合い、小気味のいい音を立てる。

アキラ「火炎車っ!」

アカリ「バブル光線で鎮火!」

雨が降り止んだ。

モウカザルが身にまとった炎はポッタイシが繰り出す水技にその勢いを弱められ、先程までの雨も相まって攻撃力はものすごく低い物に抑えられていた。
 ▼ 904 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 22:11:10 ID:9DGvHrV2 [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「やるな」

アカリ「そっちこそ」

その表情には、笑みが浮かぶ。

アカリ「今度はこっちから! バブル光線!」

アキラ「行けるな! マッハパンチで突き抜けろ!」

技を撃った直後の一瞬の間にモウカザルは一気に、ダメージを受けつつポッタイシとの距離を詰める。

ポッタイシ「はや……」

アキラ「そのまま火炎車だ!」

バブル光線を生身で受けたその体は、激しいダメージを受けていた。

特性、猛火が発動するには充分な程に。
 ▼ 905 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 22:19:40 ID:9DGvHrV2 [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「うぐっ……」

モウカザル「ど、どうだ……」

アカリ「ポッタイシ大丈夫?!」

アキラ「モウカザル! まだ行けるか?」

モウカザル「へへ……もちろん」

ポッタイシ「この程度でやられる程私やわじゃないわ」

ポケモンの言葉は、ごくごく一部の例外を除き人間には伝わらない。

それでも2人のトレーナーは、それぞれの意志を理解したのだろう。

だが、同時にお互いこれが最後の一撃になりそうだとも理解していた。

アカリ「バブル光線!」

アキラ「火炎車!」

2つの技がぶつかり合った。
 ▼ 906 1◆J44kAZeDOM 15/10/31 22:24:39 ID:9DGvHrV2 [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
勝者の息遣いだけがやけに荒く響いていた。

アカリ「終わった……疲れたあ……戻ってポッタイシ。お疲れ様」

アカリ「やっぱあんた強いわ」

アキラ「ふう……戻れ、モウカザル。お前だって充分強いわ」

アキラ「はあ……」

そうため息をついてアキラは、力なく笑った。











アキラ「俺の負けだ」
 ▼ 907 カマル@フレンドボール 15/10/31 22:25:16 ID:9DGvHrV2 [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです

トバリ編が終わったら次スレに行きます
 ▼ 908 ンチュラ@ライトストーン 15/10/31 22:53:01 ID:CgcovJec [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 909 ャスパー@ヨプのみ 15/11/01 01:31:15 ID:siZeAEks NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 910 1◆J44kAZeDOM 15/11/01 22:15:42 ID:e499VnAU [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

アカリ「ありがと」

アキラ「ったくよお。なんでお前にはこんな勝てねえんだろ……」

???「単純に運の問題だと思う」

アカリ・アキラ「えっ」

誰? 聞いた事ない声だけど……

???「唐突に声をかけてすまなかったね」

サターン「私はサターン。現ギンガ団の実質的なトップだ」

アカリ「ふぇ?! ギ、ギンガ団?!」

アキラ「そのギンガ団の幹部様が俺らに何の用ですか?」

サターン「そんなに敵意を向けないでくれよ」

アカリ「だって……だって……」

ギンガ団。その行動は、世界を一度滅ぼしかけた。

アキラ「あんな事して、許されるはずがないだろ? 知ってるんだぞ。ギンガ団の全てがあの計画に絡んでいた事」

サターン「そうか……知っているのか。なら仕方ないな」

自虐的にふふっと笑うと、こう言った。

サターン「で、何の用かと言われたら」

アカリ「答えてあげるが世の情け」

アキラ「冗談はいいから」

サターン「敷地内であんな爆音鳴らされたら確認するのは当然の事だ」

アカリ「あ……それはすいません」

アキラ「確かにありゃ予想外だったもんなあ……」
 ▼ 911 1◆J44kAZeDOM 15/11/01 22:23:47 ID:e499VnAU [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「でも……ギンガ団、テンガン山で見かけたんだけど、何か企んでるんじゃないですか……?」

アキラ「えっ? それマジで?!」

アカリ「うん。撃退は簡単だったけど」

サターン「その話……詳しく聞かせてくれないか?」

え? 知らないの?

いやでも演技の可能性もある。

だって、今目の前にいる人は、あのギンガ団の幹部なのだから。

でも取りあえず……

アカリ「わかりました」

回想

したっぱ「いや……ある幹部からここを調査するように言われて……」

アカリ「それは、良い事なんですか!」

したっぱ「さあ……俺にはわからないけど……」

アカリ「あなたの目的は!」

したっぱ「さあ……また神話について調べろとしか聞いていないから……」

回想終わり
 ▼ 912 1◆J44kAZeDOM 15/11/01 22:31:05 ID:e499VnAU [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サターン「神話か……何が目的だ? プルートの奴……」

アカリ「プルート?」

アキラ「表に出て来なかった幹部の名前」

サターン「その通りだ。まあ幹部と言うよりは研究者と言う感じだったがな」

サターン「アカギの目的のためではなく自分のために動く……そんな感じだった」

アカリ「そんな奴がいたんだ」

正直アカギの目的と違う所に目的があったなら、その人だけはまともだったって事だと思うんだけど……

アキラ「ってかまずはポケモン回復させないと」

アカリ「あっ……ごめんね、みんな」

急展開に飲まれて、完全に忘れてた。

サターン「ならビルに入ったらどうだ? 回復装置も完備してるぞ」

アカリ・アキラ「結構です」

さすがに信じきれと言う方が無理がある。

サターン「そうか……取りあえず、私の方でも何をしでかそうとしているのか調べておくよ」
 ▼ 913 1◆J44kAZeDOM 15/11/01 22:33:02 ID:e499VnAU [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サターン「君たちはその事を誰かには?」

アカリ「いえ……」

アキラ「おい。そればれたら何かされるかわかんねえじゃんか」

アカリ「あ……」

サターン「そんな事はしないよ。誰か信頼出来る人に報告すべきだ」

サターン「コウキじゃないんだから、こんな子どもには抱え込むには荷が重すぎる」

アカリ「わかりました。行こ、アキラ」

アキラ「そうだな」

逃げるように走った。
 ▼ 914 1◆J44kAZeDOM 15/11/01 22:39:42 ID:e499VnAU [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

う……うん?

そうか、終わったのか。

ポッタイシ「なんとか勝ったよ、アキラには」

ルクシオ「アキラ……には?」

ポッタイシ「いや誰かに負けた訳じゃないけどさ、バトルの後サターンってニンゲンが話しかけて来て……」

ルクシオ「サターン?!」

サターンって確か、男か女かよくわかんないあの青い幹部だよな?

いやまあ場所が場所だけに出て来ても何にもおかしくはないけどさ……」

ペラップ「どうしたの……?」

イーブイ「うーん。うるさいんだけど」

ルクシオ「ああ、すまんすまん……ペラップならわからねえか? ギンガ爆弾……リッシ湖に爆弾が落とされた事件」

ペラップ「ああ……あれね。ママから聞かされたな……」

ルクシオ「あれの犯人グループが話しかけて来たんだ」

ペラップ「えっ」

イーブイ「わかんないんだけど」

ルクシオ「お前に言ってもわかんないだろうから後でゆっくり話す。で、どんな話してたんだ? ポッタイシ」

ポッタイシ「えっと……」

なるほど。テンガン山の一件は少なくともサターンにはあずかり知らぬ事だってか。

ウソついてなきゃだがな。
 ▼ 915 1◆J44kAZeDOM 15/11/01 22:46:55 ID:e499VnAU [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あれの主犯はプルートか。その話を信じるとするなら。

まあプルートだとすると、らしいとは思う。

幹部の中に逮捕者がいないって話も前あったし、だとするとそうなってもおかしくはない。

だけどなぜ?

全くわからなかった。

不意に妙な考えが俺を襲う。

ようやく事件に巻き込まれだしたか。そう言うのがないと元に戻るきっかけがつかめなさそうだしな。

……順序が逆だとは思うけど、実際こんな事になったからには何か事件に巻き込まれるはず。

ポケダンで巻き込まれるポケモンになった人間。ポケスペでは図鑑をもらったトレーナーはみんな事件に巻き込まれる。

だとすると、アカリが巻き込まれないはずがないだろう。

まあ妙な考えだとは思うけどな。

そもそもこれが現実なのかすらも実はまだ定かじゃないし。

実は自殺した俺の空想の中の物語でした〜なんて可能性すら、まだ否定は出来ない。
 ▼ 916 ラピオン@ひみつのコハク 15/11/01 22:47:17 ID:e499VnAU [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまでです
 ▼ 917 コン@むしのジュエル 15/11/02 00:23:05 ID:oNawiaoc NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 918 メール@メタルパウダー 15/11/02 16:18:11 ID:R8nYyNV. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 919 1◆J44kAZeDOM 15/11/02 20:03:52 ID:Kb2XJ8ac [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうこうしてる内にアカリたちはテレビ電話の前に座った。

ポッタイシ「まあサターンさん間違った事言ってないしね」

ルクシオ「大人に報告する事か」

ポケモン世界ではむしろ大人より図鑑もらった子どもの方が強いイメージがあるんだけど。

まあでも、実際に子どもだけで世界変えかねない野望に立ち向かうなんて危険でしかないもんな。

ポッタイシ「うん」

イーブイ「ぜんっぜんわかんないんだけどさ」

イーブイ「昔悪い事してたグループの一部がまた悪い事しようとしてるのを止めたいって認識でいい?」

ルクシオ「合ってるよ」

アカリ「じゃあ、博士に連絡しよ」

アキラ「だな……番号知ってるか?」

アカリ「知らないの?」

アキラ「覚えてない」

アカリ「ウソだ……」

なんか茶番が繰り広げられてる気がするけど、まあ気にしない。

ってかアカリの場合実家に連絡を取れば済む話じゃ……?
 ▼ 920 1◆J44kAZeDOM 15/11/02 20:09:06 ID:Kb2XJ8ac [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「どうしよ……」

アキラ「さあ……」

詰んでる。完全に詰んでる。

今すぐにそれを伝えられればどんなにいいか。

でも現実は、ボールと言う壁に阻まれ、どうにもならない。

まあ、部屋で伝えられればいいか……

アカリ「待てよ……お姉ちゃん!」

アキラ「え? ああ!」

お、気付いた気付いた!

アカリ「お姉ちゃんに伝えたら博士に連絡取れる!」

ルクシオ「よし」

あ、思わず声が出てた。

アカリ「確か家の電話番号は……」
 ▼ 921 1◆J44kAZeDOM 15/11/02 20:15:08 ID:Kb2XJ8ac [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

まだかな……

あ、通じた!

アカリ「もしもし、あたし」

ママ「あたしあたし詐欺?」

アカリ「そうじゃなくてアカリよ!」

まあそれを警戒してくれる内は安心か……声変えてないけど。

ママ「ああ! 久しぶりね! どうしたの? 寂しくなっちゃった?」

アカリ「そうじゃなくて!」

ママ「つれないわね」

アカリ「緊急事態なの! お姉ちゃんに代わって!」

ママ「はいはい。ヒカリー!」

ヒカリ「……誰? 今の相手」

ママ「アカリよ」

受話器越しに会話が聞こえてくるんだけど……

ヒカリ「えっ!」

ママ「緊急事態だって」

ヒカリ「えっ! もしもしあたし。代わった。何? 緊急事態って」

アカリ「お姉ちゃん。聞いてね。ギンガ団が……また動いてるみたい」
 ▼ 922 1◆J44kAZeDOM 15/11/02 20:22:10 ID:Kb2XJ8ac [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒカリ「……え?」

アカリ「だーかーらー! ギンガ団がまた動き始めてるみたい。今度こそ全部じゃないけど」

ヒカリ「え、ちょっと待って。ギンガ団って改心したはずよね?」

アカリ「のはずなんだけど、一部がまたなんかしようとしてるみたい。サターンさんも調べてくれるらしいけど、どこまで本当なのかな」

ヒカリ「サターンさんは大丈夫だと思うけどなあ……もしかして、アカギが帰って来たとか?」

アカリ「サターンいわく、主犯はプルートらしいよ」

ヒカリ「ああなるほどね。あの人ならやらかしそうだな……わかった。コウキ君たちとかシロナさん、博士にも伝えとくね」

ヒカリ「後この事は誰にも言わない事」

アカリ「もうアキラは知ってるけど」

ヒカリ「まあアキラは大丈夫かな。でも言いふらさないようにとは言っといてね。じゃあ、旅、楽しんでね!」

あ、切れた。

なんか最後、あたしたちは関わらなくていいって言われた気がしないでもないけど……ま、いっか。
 ▼ 923 1◆J44kAZeDOM 15/11/02 20:29:09 ID:Kb2XJ8ac [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「どうだった?」

アカリ「報告完了! あたしたちは取りあえずこの事を言いふらさないようにとだけ」

アキラ「え……それだけ?」

アカリ「それだけでいいよ。あたしたちには荷が重すぎるって」

アキラ「だけどなあ……」

アカリ「さ、そろそろご飯の時間だから、行こ!」

アキラ「ま、それもそうだな」

あれ? アキラっていつの間に部屋取ってたんだ? まあ俺たちが気絶してる間か。
 ▼ 924 1◆J44kAZeDOM 15/11/02 20:44:24 ID:Kb2XJ8ac [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>923
視点ルクシオに移ってます


アカリ「みんな、ごはんよ!」

アキラ「メシだぞ!」

不意にボールの外の空気が肌に触れた。

イーブイ「うわ、多いな……」

ルクシオ「そりゃアキラの手持ち全員に俺たち4人だからな」

合計9人。そら多いわ。

アカリ「あのすいません。これとこれ、あとこれをお願いします」

アキラ「じゃあ俺はこれとこれとこれで」

店員「かしこまりました」

そう言って店員は歩き去った。

で、始まる事と言えば……

もちろんお互いのポケモン同士のあいさつそして雑談だ。

交友関係を深めておくのもいいライバルの法則だと思うし。


ポッタイシ「にしても何日ぶりかしらね。あんたとこうやって普通に話すの」

モウカザル「そんな日は経ってないんだよな」

ルクシオ「ドーミラーって固すぎない?」

ドーミラー「ソレホドデモナイデスヨ」

ヤミカラス「ペラップさんどうしたんすか? 全然しゃべんないすけど」

トリトドン「無口だと仲良くなれるのも仲良くなれないわよ」

ルクシオ「ああっと……どうするペラップ。言う?」

ペラップは少し思案を巡らせた後、頷いた。

ルクシオ「こいつな……人間の言葉を話せる。ってか人間の言葉しか話せないんだ」

沈黙。当然だ。

少しの後、大声が響く。これも予想通り。
 ▼ 925 1◆J44kAZeDOM 15/11/02 20:49:46 ID:Kb2XJ8ac [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペラップ「静かにしてください……目立ちます」

ヤミカラス「え……は、はあ……」

トリトドン「信じらんない……」

モウカザル「どうしたんだ?」

ドーミラー「マアデモ、メズラシイケドアリエナイハナシジャナイデスヨネ」

ルクシオ「えらく簡単に受け入れたなおい」

この感じなら俺の事すら受け入れてくれそうな気がする……まあ、言わないけど。

ペラップ「私、それでいじめられて……」

ルクシオ「お前はあんましゃべんない方がいい。見られたらまずいから」

アキラ「どうしたんだ?」

皆首を横に振る。

ルクシオ「まあ、なんやかんやあって俺たちと旅する事になった訳」

トリトドン「そう……大変だったね」

ペラップは頷いた。

ヤミカラス「それならしゃべらないのも仕方ないっすね」
 ▼ 926 日はここまで◆J44kAZeDOM 15/11/02 20:54:36 ID:Kb2XJ8ac [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ああ! イーブイケンカしないで!」

アキラ「ユキカブリ! 威張るのはバトルの時だけにしろ!」

トリトドン「まったく……どうすればいいんだろ。男子の気持ちってわかんないな」

ルクシオ「なんかわかる気がする。俺の場合女子だけど、周りに女子ばっかだから」

トリトドン「そう! 周りに異性しかいないって大変よね!」

ルクシオ「だよな!」

さっき見た目だけでなんか気持ち悪いとか思ったさっきの俺に全力でかみつきたかった。

なんかトリトドンとは仲良くなれそう。そんな気がした。
 ▼ 927 シボン@ジュペッタナイト 15/11/02 22:44:17 ID:R8nYyNV. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そういやツクシオ絶賛ハーレム中だった…うらやま(
支援
 ▼ 928 ボツボ@パワーウエイト 15/11/02 22:45:14 ID:R8nYyNV. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>927
間違えた
×ツクシオ
◯ルクシオ
 ▼ 929 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 11:09:03 ID:195iDoys [1/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「で、まあガールズトークしてても入っていけないからボールの中で退屈だし……」

トリトドン「あの子可愛いとか、わからないのよねえ」

アカリ「すっかり仲良くなってるね。イーブイとユキカブリを除いて」

アキラ「あいつは誰に対してもああなんだけど……」

アカリ「イーブイって気が強いからね。苛立つのも仕方ないと思うよ。あ、ごはん来たよみんな!」

モウカザル「お、やった!」

飯を見て急に空腹が襲って来た。

まあ今日はきつめのバトル2連戦だったしな。

ルクシオ「じゃ、食おうぜ」

トリトドン「そうね」

そう言って各々のトレーナーの方に固まる。

ポッタイシ「なんかすごく馴染んでたね」

ルクシオ「そうか? まあ盛り上がったのは確かだな」

イーブイ「ったくあのユキカブリ……気に食わない……」

ペラップ「落ち着いて……」

ルクシオ「んじゃ、いただきまあす」
 ▼ 930 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 11:15:20 ID:195iDoys [2/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あっという間に皿は空っぽになった。

少食のペラップも、今日はさすがに腹減ってたのか、ちゃんと1人分食べてる。

イーブイ「やっぱりお腹減ってるとどんなごはんでもおいしいわ」

ポッタイシ「そうよね。今日は疲れたし。もちろんイーブイだってアキラ戦で疲れたでしょうし」

イーブイ「ホントよ」

アカリ「はっや。もう食べ終わってるんだけど……」

アキラ「こんなもんじゃねえの?」

男ばっかだと食事の量も増えるって事か。

ルクシオ「ごちそうさま。今日はもう眠いな……」

ふああとあくびをしながら言った。

アカリ「ごちそーさま。おいしかったあ。じゃあ、戻ろっか」

アキラ「だな。いつまでも一緒にいる訳にもいかないし」

アカリ「じゃ、また明日ね」

アキラ「おう」
 ▼ 931 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 11:27:45 ID:195iDoys [3/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「じゃ、お風呂わかしちゃうね」

部屋に戻ってアカリは、俺たちをボールからまた出すとそのまま言った。

で、そのまま浴室に行った。

ルクシオ「ふうっ……疲れた」

イーブイ「で、さ。気になるんだけど……ぎんがだん? って何したの?」

そうか。こいつらは知らないんだ。

ルクシオ「説明すると複雑になるんだけど……」

ギンガ団。不完全な世界を完全に塗り替えようと、ディアルガもしくはパルキア、あるいはその両方を呼び出した組織。

新たな宇宙とか言ってたな。

イーブイ「ふうん……訳わかんないけど、争いがなくなるならそれもありなんじゃないの?」

イーブイ「だって現にペラップをいじめてた奴はいるんだし」

そうか……確かにそう言う考え方も出来るな。でも。

ルクシオ「だからと言って他人のポケモン奪ったり湖に爆弾落としたりが許されると思うか?」

発電所をジャックしたりもしてたし。

イーブイ「そりゃ確かにダメね……」

ペラップ「うん。私も……この世界がなくなるべきだなんて思わない」

珍しくはっきりした口調で言い切ったペラップ。

ペラップ「だって……みんながみんなああって訳でもない……って思ったから……」

イーブイ「いい事言ったんだから最後までしっかりしなよ!」

ポッタイシ「まあ犯罪行為をしたんだし断罪されてしかるべきだとは思うんだけどね。今は残ってる人は改心したはずだったし」

ポッタイシ「今じゃ怪しいけどね」
 ▼ 932 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 13:33:30 ID:195iDoys [4/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「お風呂沸いたよー! みんな来て!」

ルクシオ「ん、行ってら」

さあて、と。

ソファに座って1人、ギンガ団について考えてみる。

とは言っても、考えてもまだ情報が足りなくて何もわからないのは目に見えてるんだよなあ……

もしプルートだったとして、その目的は……やっぱポケスペみたく伝説幻を捕まえたいってだけ?

それとも何かもっと深い理由があるのか……

神話について調べてたのもアルセウスに関してだとすると納得は行く。

アルセウスが俺をこっちに連れて来たなんて考えてもそれはそれであり得る話な気もするし……

したっぱの一部はプルートの指示を受けて何か調べている、と言う事実がある以上何か名目があるんだろうけど。

トップはサターンらしいし。

それでその名目がアルセウス……としか考えられないんだよなあ。

神話に出て来る伝説なんてディアルガパルキアダークr……おっと、ギラティナだった、後ユクシーアグノムエムリット、それとアルセウスぐらいだし……
 ▼ 933 ギルダー@ヨプのみ 15/11/03 14:01:24 ID:195iDoys [5/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
で、テンガン山の件がアルセウス絡みだとすると、シェイミはあれ、チャンピオンロードの右のあの道路で、ダークライは……新月島だっけ。

謎の場所とかあったけど、あれは確かデマだったはず……

※作者注
これはルクシオの思い込みです。

まあでも、ガセだったとしてもそれに踊らされた可能性もあるし、もしかしたら本当なのかもしれないし。

いや……さすがにそこを使う事もないだろ……

うん。この世界線的に絶対どっかで普通にゲット出来るはずだよな。

じゃないと存在が認識されない訳で。

映画でダークライもシェイミもアルセウスも出て来たんだからどっかに会う手段はあるはずだ。

ってか新月島ぐらい普通に船で行けそうだよな……

アルセウスのあれは笛がいるらしいけど。
 ▼ 934 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 20:15:49 ID:195iDoys [6/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「わっかんないなあ……」

軽く呟く声は、しかし誰にも届かない。

まあバッジ4個の進行具合でわかる事なんてせいぜいこんなもんだろうし。

DPだとマキシ、プラチナだとスモモ。

はっきり言って大きな事件が起こって話が動き出すのは6番目、ミオジムの直後だったから……

まだまだなんだよな。

アカリ「ルクシオー、お風呂空いたよー」

ルクシオ「おお」

ま、わからないのも仕方ないか。

取りあえず、風呂でさっぱりとするか。
 ▼ 935 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 20:19:57 ID:195iDoys [7/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

ふう……さっぱりさっぱり。

今日もホントいろいろ疲れたもんなあ。

まあ何と言ってもアキラとまた会えたってのがすっごいびっくりだし、

アキラが予想以上に強くてまたびっくり。

しかもギンガ団のサターンと話するってのもあれだし……

もちろんジム戦もきつかった。

アカリ「今日はもう早寝しちゃおっと! お休み、みんな」

そう言うとさっと布団に潜る。

それから数秒間の記憶を残して意識がなかった。
 ▼ 936 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 20:24:06 ID:195iDoys [8/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 ルクシオ

ルクシオ「あがったぞー! アカリ、体拭いてくれー!」

イーブイ「ああ! アカリはもう寝てるぞー!」

ルクシオ「はあ?!」

体を拭けないと困るってこれ、前も思った事あるような気がするんだけど。

仕方ない……

ルクシオ「じゃあペラップ! すまんがタオル取ってもらえないかー!」

ペラップ「……」

何か言ったよな、聞こえなかったけど。

イーブイ「オッケーだってー!」

ルクシオ「サンキュー!」

タオルの位置が高すぎるよなこれ絶対。

だから俺に取るのはきついけど……飛行タイプなら簡単に取れるだろ。
 ▼ 937 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 20:28:25 ID:195iDoys [9/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「あーそこのそこの!」

ペラップ「これ……?」

ルクシオ「そうそれ! サンキュー!」

なんか雑用みたいで申し訳ないけど……

ペラップ「じゃあ私……戻るね」

ルクシオ「ホントにありがとう」

さて、ペラップも戻った事だし、体を拭くとするか。

タオルに体をこすりつける。

濡れてるなあと思うとこを重点的に転がりながら拭いて行く。

水気が完全になくなったと思う所でタオルを洗濯かごにぶち込んだ。
 ▼ 938 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 20:38:00 ID:195iDoys [10/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルクシオ「ったくアカリ寝るなっての。仮にもトレーナーなんだから最後までしっかり面倒見ろっての!」

ポッタイシ「まあまあ」

ルクシオ「俺はいいけどペラップに申し訳ないじゃん」

ペラップ「私は……別に……」

イーブイ「ペラップがそう言ってんだから、問題ないじゃん」

ルクシオ「まあそうなんだけどさ」

ポッタイシ「それよりも、私はギンガ団の事が気になるんだけど」

ルクシオ「あーたぶんそれ、考えてもムダだぞ」

プルートと言う人間の事を少しでも知ってる俺にわからなくて、ポッタイシにわかるはずがないし。
 ▼ 939 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 20:42:23 ID:195iDoys [11/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「取りあえず、たぶんあのサターンさんは間違ってないとは思う」

ルクシオ「え? なんで?」

いきなりの発言にマヌケな声が出た。
ポッタイシ「考えても見てよ。実質トップの人が指示したのに、ある幹部なんて言い方する?」

ポッタイシ「ギンガ団は傍から見たら普通の――前一部が暴走したとは言え――集団なんでしょ?」

ルクシオ「らしいな」

ポッタイシ「だとすると、ある幹部なんてぼやかさなくても普通にサターンさんの名前をあげれば済む話よ」

ポッタイシ「あのしたっぱは、アカリが事件の全貌を知ってるだなんて思いもしないだろうし」

ポッタイシ「だからいい事かあのしたっぱにわからないって事はすなわち、サターンの指示による物じゃない……って思うんだけど」

ルクシオ「……でもさ……それって、サターンがいい事してるって前提で考えてね?」

ポッタイシ「え?」

ルクシオ「サターンが悪い事企んでて、それをしたっぱも知ってたらぼやかすと思うんだけど」

ポッタイシ「あ……」

正直そこはある程度ギンガ団の負の一面を見ている俺に分があったと言わざるを得ない。

ポッタイシが見切れなかった事を俺が客観視出来たのもその立場の問題なのかも。

ポッタイシ「確かに自分の考えに引っ張られ過ぎた。でもね」

ポッタイシ「それでも現在トップなんだから、幹部って言い方に違和感があるのは変わりないわ」

ルクシオ「それもそうか……」
 ▼ 940 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 20:49:20 ID:195iDoys [12/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイ「ちょっと訳わかんないんだけど?」

あ、そう言えばあの対決ってこいつら加入の前だっけ……?

ルクシオ「だからギンガ団と前対決してその時のセリフが……」


イーブイ「それはわかったけどあんたらの会話が難しすぎてそれでもわかんない」

ルクシオ「それはもう知らない」

ペラップ「要約すると……たぶんサターンさんは……真実を語ってるって事……よね?」

ポッタイシ「少なくとも私はそう思う」

そう言う横顔は、まだ少し悔しそうだった。

ルクシオ「まあな」

まあでも、真実を語ってくれてるって信じたい。

じゃないとホントにとっかかりがない。

イーブイ「なあんかごちゃごちゃしてて、眠くなって来た。もう寝る」

ポッタイシ「そう」

ルクシオ「お休み」

ペラップ「お休み……なさい」

イーブイ「お休みー」
 ▼ 941 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 20:53:27 ID:195iDoys [13/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッタイシ「ところで……ペラップは話について来れてる?」

ルクシオ「来られてるな」

ポッタイシ「だから会話でら抜き言葉はセーフだって。で、どうなの?」

ペラップ「私は……一応……」

ルクシオ「そうか。でもな、俺の考えだとこれ以上推理を進めるのはたぶん無理だ」

ルクシオ「いかんせん情報が無さ過ぎる」

ルクシオ「動機すら確定的じゃないし」

ポッタイシ「それもそうなのよね……」

ルクシオ「で、考えても仕方ないなら明日に備えてもう寝るのが一番得策だと思うんだが」

ポッタイシ「確かにね。わかった。じゃ、私たちも寝よ。お休み」

布団に潜り込む。すぐに意識は途切れた。
 ▼ 942 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 20:56:57 ID:195iDoys [14/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視点 アカリ

翌朝

うるさっ!

いや朝からハイパーボイスぶっ放すのはいくらなんでも反則でしょ……

アカリ「もう少し……優しく起こしてよ……」

ペラップ「だって……おしゃべりしても起きなかった……」

アカリ「あーはいはい。ごめんあたしのせいね」

まあ確かにこれは起きないあたしが悪い。

でもなあ……もう少しソフトに出来ない物かねえ……

アカリ「っと! ごはん食べに行かなきゃ!」
 ▼ 943 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 21:02:40 ID:195iDoys [15/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「あ……おはよ、アキラ」

アキラ「おう。遅かったな」

アカリ「待っててくれてもいいじゃんか」

アキラ「お前待ってたら日が暮れるっての」

アカリ「むぐぐ……」

でももう食べ終わってるってどうなの?

せっかくの幼馴染との再開なんだから、そのぐらい待っててもいいじゃん!

アキラ「ほら、早く注文しろよ。ポケモンたちも腹減ってんだろ」

アカリ「そうね。すいませーん!」


その後食べ終わるまで、なんだかんだアキラは待ってくれた。

アキラ「それでお前はカンナギ、キッサキ、ハクタイのルートだろ?」

アカリ「うん。アキラはノモセ、ヨスガよね」

アキラ「ああ。正直ここまでの厳しさを思うと道路は楽そうだな」

アカリ「そんなきついの?」

アキラ「霧払いと上着は必須」

アカリ「へえ」
 ▼ 944 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 21:07:29 ID:195iDoys [16/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカリ「ごちそうさま……で、今日はもうお別れかな?」

アキラ「なんならデパートとか行ってもいいけど」

アカリ「いや、いいや。あたしも、いつまでもあんたとばっか一緒にいるのもどうかと思ってたし、今回の旅がそのいい機会なのかなあなんて」

アキラ「そっか……」

悲しそうな顔。

でもそりゃそうよね。あたしだって悲しくないって言ったらウソになるもん。

アカリ「あーでも……デパートかあ……」

2人で行ったら買える物の幅も広がったりして。

主にワザマシン。

あれ使い切りじゃなくなったから1個買えばあたしたちのどっちにも使えるって事よね。

アカリ「ワザマシンなら一緒に買えるよ。ってか一緒じゃないととてもじゃないけど買えないし」

アキラ「え、マジ?」

アカリ「正直あれは1人で買うのはバカ」

アキラ「なるほどな……よしじゃあ行くか!」
 ▼ 945 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 21:18:02 ID:195iDoys [17/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
で、デパート3階。

アキラ「うーん……2人で1個しか買えないとなると……どっちも有効に使える技じゃないとな……」

アカリ「うーん……吹雪とか?」

ってか吹雪ぐらいしかないよね。

大文字とかあたしの手持ち誰も覚えなさそうだし、ソーラービームだって。気合玉とかも。

吹雪ならポッタイシが覚えられる。

アキラにもユキカブリがいるし。

アキラ「ぐらいしか見当たらねえな……よし、割り勘だぞ」

アカリ「わかってる。あのすいませーん! 吹雪を買いたいんですけど」

店員「吹雪ですか……でしたら、30000円になります」

アキラ「うわ……」

アカリ「15000円ずつで」

店員「ではこちら、商品になります」

アカリ「ありがとうございます」
 ▼ 946 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 21:23:53 ID:195iDoys [18/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「確かにこりゃ1人じゃとても手が出ねえわ」

アカリ「でしょ?」

アキラ「じゃあまずは俺が覚えさせるわ。ユキカブリ!」

ユキカブリ「ゆき?」

アキラ「まずはこれを見てくれ。こいつでお前に吹雪を教えるから」

技マシンの効果はあっという間。

一瞬でユキカブリは吹雪を覚えた。

アカリ「すごいなあ……」

何気にあたし、ジムリーダーからもらっても使ってなかったからなあ。

アキラ「んじゃ、これはお前にあげる。俺はたぶんもう使わないし」

アカリ「いいの?」

アキラ「ああ。これでも俺男だし」

アカリ「……ありがと」

これがおごりならかっこよかったんだろうけど、あいにく割り勘。

かっこよさも半減よね。
 ▼ 947 1◆J44kAZeDOM 15/11/03 21:27:36 ID:195iDoys [19/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アキラ「さあて、と。そろそろ行かないと、お前も俺も本格的に野宿ルート一直線だからな」

アカリ「そっか……」

いざお別れとなると、やっぱきついな。

アカリ「でもまあ、また旅してたらどっかで会えるよね!」

アキラ「だな。その前向きさ、お前らしいや」

アカリ「そうでしょ」

アキラ「なんだよそれー」

笑い声が弾けた。

アカリ「じゃあ待たねー!」

アキラ「おう!」

そうして2人は歩き出す。

振り返る事もなく。

少し上った太陽が、2人を明るく照らしていた。
 ▼ 948 日はここまで◆J44kAZeDOM 15/11/03 21:29:10 ID:195iDoys [20/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
当スレでの更新はこれにておしまいとなります。

次スレは

ルクシオ「気が付いたらシンオウ半周してたんだが……」

になります。

それではみなさん、ここまでお読みくださりありがとうございました。
 ▼ 949 バット@かおるキノコ 15/11/03 21:57:12 ID:czts0I/k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!
ポケモンになって捕まるとか斬新で面白かった
残りもがんばれ下さい
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