▼  |  全表示170   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【旅SS】女「コータス達とぶらり旅〜!」

 ▼ 1 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:20:12 ID:qgGnG1kQ [1/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───ミアレシティ。

カロスの中心に位置する、技術と芸術のメトロポリス。


女「飛行機で来た」

女「……今まで旅してきた街で一番大都会かもしれません」

女「私がいるのはノースサイドストリートにある、ミアレ美術館です」


───フロア3階の中央。そこに展示されている壁画を、彼女は眺めていた。


音声ガイド『タイトルは王とポケモンそしてカギ。別れたはずのフラエッテがそばにいるなど、史実との相違が見られるものの、用いられた技術が歴史的に価値の高い作品。』

女(美術の学があるわけじゃないけど、なんだか、この絵を見てると落ち着かない感じがする)

女(大切なものがそばにあるのに、気付かずそれをこわしてしまいそうな、そんな感じ)

女「……美術鑑賞もそこそこにして、そろそろお買い物に行きましょうか」



 ▼ 2 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:20:30 ID:qgGnG1kQ [2/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「あ。あれだ」トコトコ


ッダオラァ!


女「」ビクッ


ッメテットックリコカスッゾアァ!?

ジョウトウダヤッテミロオラァ!!

ッケモンッシアガレッラァ!!

イケェピカチュウ!!


女(路地裏で喧嘩でもしているのか……びっくりしたぁ)

女「地図を見た限りだと、ミアレシティってけっこう裏路地が多いみたい」

女(表通りを歩いていこう)

店員「いらっしゃいませ!」

女(着いた)

店員「ミアレシティ名物ミアレガレットはいかがですか?」
 ▼ 3 アームド@かおるキノコ 16/08/09 14:20:56 ID:gHtRBwLY [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ついに続き来た!支援
 ▼ 4 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:21:40 ID:qgGnG1kQ [3/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「7個ください」



女「買い物にいく、というフラグを建ててよかった」

女「これが「名物のミアレガレットを買いにいく」なんて言い方をしていたらどうなっていたことか」

女「残念売り切れ〜、となって消沈のところをめんどうごとに巻き込まれて、決着したあとにちゃっかり入手、という展開になっていたに違いないんですから」

女「私はミアレシティ行楽に来たのであって、週一アニメ的起承転結ストーリーをやりにきたのではない」


───やめてください。



男性「しっかしミアレシティってカフェが多いよなぁ。ここ何だっけ」

女性「カフェかわいがり。あたしたちみたいな、ポケパルレでポケモンと遊ぶのが好きなひとが集まる場所でしょ?」

女性「ノースサイドストリートのガレット屋正面の通り、オトンヌアベニューに入って右手」

女性「いつも来てるじゃない。どうしたの?今日に限って」

男性「お、お前こそどうしたの……?」
 ▼ 5 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:22:41 ID:qgGnG1kQ [4/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「カプチーノでガレットをいただきます」

コータス「もぐもぐ」

ムクホーク「ばりばり」

ラプラス「はみはみ」

オノノクス「がぶがぶ」

ドリュウズ「ぽりぽり」

シザリガー「うめーうめー」


爺「大所帯じゃのぉ……」


女「すごーい」キラキラ

女「泡の上に何かの絵が描いてある!ラテアートってやつだ!」

女「何なのかまったくわからないけど、すごいなぁ!」

客1(あてつけだ)

客2(絶対あてつけだ)

客3(バイトのラテアート、絵心がなさすぎるんだよな)
 ▼ 6 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:23:42 ID:qgGnG1kQ [5/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「ガレット、んまい……」ポ〜

男の子「」タッタッタッ

男の子「なぁなぁ!」

女「?」

男の子「お前、ピカチュウのほっぺつついたことある?」

女「ううん」

男の子「チョー!!シビれるぜー!!」

男の子「いぇーい!」タッタッタッ

女(行ってしまった)

ミニスカ「びっくりした?」

女「えっ、はい」

ミニスカ「あの子、ああやってピカチュウのほっぺのことを話して、すぐ逃げてっちゃうの」

ミニスカ「不思議な子よねぇ……」

女(あなたは誰だ)
 ▼ 7 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:24:30 ID:qgGnG1kQ [6/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャスパー「きにゃーにゃ?」

女「はうあ!?」

女(かわいいい!!)

ミニスカ「あたしのニャスパー」

ミニスカ「かわいいでしょ?」

女「うん」ソワソワ

ミニスカ「特別にさわらせてあげるね」

ニャスパー「にあーん」モフッ

女「あぁっ……なんて抱き心地……!!」パァァア

ミニスカ「でしょー」

ミニスカ「ポケパルレはする?」

女「うん。しょっちゅうしてます」

ミニスカ「じゃあわかるかな……」

ミニスカ「このこがニコッて笑ったとき、あたしもニコッて笑ったげるの!」

ミニスカ「するとね!するとね!もうすーごく喜ぶの!」
 ▼ 8 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:25:37 ID:qgGnG1kQ [7/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミニスカ「だからね!だからね!あたしもすーごくうれしいの!!」

女「………」グッ

女「わかる」

ミニスカ「あなたのかわいいこはどなた?」

女「んー……」クル

ムクホーク「」ピクッ

女「このムクホ」


ムクホークのとんぼがえり!!


シザリガー「がたきりぶぇっ!」


こうかはばつぐんだ!!

ムクホークはトレーナーのもとへ戻っていく!


女「おわっ、ボールに戻っちゃった」

ミニスカ「シャイなのかしら?」
 ▼ 9 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:26:30 ID:qgGnG1kQ [8/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「いや、すっごくツラの皮が厚いんですけど……あれぇ?」

女(ボールが熱い)

ミニスカ「」ニヤァ

ミニスカ「ちゃんと見れなかったから、ムクホークちゃんの顔を見てもいいかしら!」

女「うん。ほら、ムクホーク出てきて」

女「あれ?ムクホーク?ムクホ……あれっ???」


───出たがらなくて一悶着した。


シザリガー「」死ーん



 ▼ 10 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:27:24 ID:qgGnG1kQ [9/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「こるァ!小娘!きのみはもむンじゃねぇ!もみしだくンだ!」

「えーいっ!ぎゅううッ!でぇーいっ!ぎゅうううッ!!!」

「なんだそのへっぴり腰はァ!違う違う違う!!もっといとおしむように!いつくしむように!!」

「そして少しもてあそぶように!!」

「いいか!ここでお前に問われるセンスはただひとつ!!」

「誠実さでも、折れない心でもねぇ!」

「飾り気のない、お前自身───心の体現……」

「スケベ心だ」キリッ


女(言っちゃった)

女「あ。しるやです」

店主「本日のジュースメニューはこちらでございます」

女「じゃあ……これ」

女(シザリガーがとばっちりでひどい目に遭ってしまったから)

女(ちょっとおいしい思いをさせてあげよう)
 ▼ 11 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:28:32 ID:qgGnG1kQ [10/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
店主「カラフルジュースですね」

店主「あざやかな彩りとは裏腹の、驚くほどにマイルドな味わい。飲んだポケモンは好感度アップ!」

店主「ンン!……なジュースにございます」

女「はいどうぞ」

シザリガー「??」チビ



シザリガー「ヴェアアアアアアア!!!(なんだコレぇ!!うンまいなァ!!!!!)」ゴキュゴキュゴキュ


シザリガーはメチャメチャ喜んだ!


店主「またお越しくださいませ」キラーン

女「お隣のたまやに行こうか」テクテク


───たまやへ行ったその足で、おむかいのレストランにも寄った。


女(プレミアボールまとめ買いしちゃったし、リストランテの料理もガッツリ食べちゃった)ケフ

女(あー……カロリー摂取の幸せよ……)
 ▼ 12 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:29:33 ID:qgGnG1kQ [11/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「太るよ」

女「」ビックゥ!!

女「」クルッ

コータス「こぉ?」

女「……旅人だから太らないもん」

女「ま、待ち時間でバトルするなんて新鮮だったなぁ」

女「プリズムタワー見に行こーっと」テクテクテク



───ミアレシティの中心部。

メディオプラザ。


女「これがプリズムタワーか……」

女(ミアレのナンバーワン観光スポットにして、リーグ公認ジムが併設されている場所)

女「おごそか……」

 ▼ 13 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:30:24 ID:qgGnG1kQ [12/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アスリート「ウオアアアア!」

りかけいのおとこ「ふぬううう!!」

坊主「ブアブアブアブアブアァ!!」


ギュン!!


女(いかついメンツが自転車で走り抜けてった)

女「立て札によれば……」

女「『メディオプラザでは近年、競輪の真似事をする人が増えています。荘厳なプリズムタワーの景観を損なう無神経な行為であり、大変危険です。管理者が見つけ次第通報します』ってのはわかるけど」

女「『ウルガモス、ファイアローを連れている人も同様です』?なんで??」

女「にしても、高いなぁ」

女「首疲れそ……はむっ!?」コロン

ガキンチョ「」ダーッ

女「??!!?!????」

女(アメ?)

女(タワー見上げてたら、開いていた口にのどアメ放り込まれた……?)
 ▼ 14 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:31:19 ID:qgGnG1kQ [13/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「これは……ハッカか」

女「観光名所の写真撮影してる人や高所を見上げている人にイタズラ……よくあることみたいです)カァア

コータス「こっふっふ」

女「」ムッ

女「IDくじ引きにいこ……」スタスタ



───メディオプラザを西南西に抜けて、エテアベニュー。



女(くじははずれた)ムスー

「〜」

「〜〜?!」

「〜〜」

女(なんだろ。かしましい声が)

女「行ってみよっか」

コータス「こぉーあ」コクン
 ▼ 15 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:32:12 ID:qgGnG1kQ [14/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女子高生1「はいはい、どーもどーもどーもー」

女子高生2「こんにちは。中村です」

女子高生1「中村どっから出てきた。アリ江でしょーもう、テンパりすぎだよぉ」

アリ江「そういうあなたはエヴァ美」

エヴァ美「ちがうわたしイツミだから。水泳部で肩幅あって、身長高いからってそういういじり方しないで」

アリ江「あっ、ごめん」

エヴァ美「刺さるぅーっ!下手に食い下がられるよりもよっぽどダメージある!」

アリ江「大丈夫、すべて台本通りよ」

エヴァ美「その台本書いてるのわたし」

エヴァ美&アリ江「………」

エヴァ美&アリ江「「放課後、路地裏倶楽部!」」パチンッ


女「」ポカン

エヴァ美「」

アリ江「」
 ▼ 16 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:32:49 ID:qgGnG1kQ [15/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「………」パチパチパチ…

女「」サッ

女(漫才の練習か、邪魔をした)



───カフェ・スラローム。


女(店員さんがみんなスケートを履いている───)

女(どころかヘルメットプロテクターフル装備で接客をしている)

女(接触とかする気配もなくスイーっと移動なさって、まぁ……)

女「私には無理だな(虚」

店員「おや?君、スケートをやっていないのかい?」

女「運動音痴なもので」

店員「惜しいなァ〜。スケートはいいよォ?うん、何がいいってさぁ」

店員「こう、心がシュワっとして風がキュインッてフワァー、となるのがたまらないのさ!」

女「あー、フィールでやってるタイプの人だ」
 ▼ 17 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:33:56 ID:qgGnG1kQ [16/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
店員「あ、わかるー?」

女「人に教えることができない」

店員「それ」ドッ

女「この店は奇抜ですね」

店員「ここは僕たちスケート乗りのいこいの場……しかし、スケートのよさを広めるためならば!」

くるるるん!ジャッ!

店員「こうしてトリックを披露したり、パフォーマンスでお客さんを楽しませたりすることもやぶさかではないさ!」

女(何してるのかわかんねー)

女「試着はできないんですか?」

店員「ばwwwwwwできるわけないじゃないw初心者に屋内で履かせるわけないっしょーwそんな危ないことできませんよw」

女(せっかく興味わいた客をけおとすような店員だな……)

女(まぁ、そもそも自転車にすら乗れないレベルの運動音痴だしね)

女(どっちにも乗るつもりないし)

スケーター「ごゆっくりー」スイー

女「眺めるくらいがちょうどいい」ホオヅエ
 ▼ 18 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:34:40 ID:qgGnG1kQ [17/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「ん」


───ノースサイドストリートに向かおうとカフェ・スラロームから出た彼女は、しかし足を止めた。

ぷりぷりしながら周囲を見回す女の子の姿が目に留まったため、である。


女「迷子……って感じじゃないか」

女の子「!」

女(目が合ってしまった)

女の子「」テッテッテッテ

女の子「ねえねえ!おにいちゃん知らない?」

女の子「おさんぽしてたら迷子になっちゃったの」

女の子「こまったおにいちゃんなんだから」ぷりぷり

女(迷子になったのは保護者側だと思える屈強なメンタル)

女「おにいちゃんってどんな人?」

女の子「発明家だよ!エイパムアームのリュックをしょってるの!」

女の子「あとね、メガネが本体!」
 ▼ 19 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:36:48 ID:qgGnG1kQ [18/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ノースサイドストリートに向かおうと ×

サウスサイドストリートに向かおうと ○





女「どこでおぼえたのそんな言葉」

女「お兄さんに言ったらたぶん泣くからやめようね」ニガワライー

女(メガネをかけてて、リュックをしょってる。たぶんこの子と同じ金髪)

女「見てない……けど、見覚えがある?」

コータス「こぉ〜……」

女の子「コータスかわい〜ね」

女「かわいげはないよ」ニヒ

コータス「こぉあ?」ムッ

女の子「でもなかよしさんだね!」

女「残念だけどね」アハハ
 ▼ 20 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:37:56 ID:qgGnG1kQ [19/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女の子「へんなのっ」アハハ

女の子「あたしあっち行くね!おにいちゃん見かけたら教えてねー!」ターッ

女「はーい」

女「……うん。エネルギッシュ」


───エテ・アベニューを抜けた足で、彼女はプラターヌ研究所へ向かった。

ミーハー根性たくましい彼女にしては珍しく、途中のカフェ・ソレイユをスルーして。


女(そんな都合のいいタイミングでカロスチャンピオンの大女優さんなんているわけない)

カルネ「へくちっ」



プラターヌ「ようこそ!我が研究所へ!」

プラターヌ「君は新人トレーナーさんかな?」

女「いえ、見学希望です」

プラターヌ「そうか……まぁでも、どうせだからこの子達を覚えていってもらおうかな!」
 ▼ 21 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:39:12 ID:qgGnG1kQ [20/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケロマツ「ケロロロロ」

ハリマロン「まぁーろ」フワァ

フォッコ「」ツーン


女「ごさ……カロス地方の新人トレーナー向けポケモン、ですね」

プラターヌ「そうとも。ちなみに、君の最初のパートナーは誰だったんだい?」

女「このコータスです」

女「山中で出会って、そのまま旅の道連れに」

プラターヌ「では、ごさ……ポケモンはもらわなかったのかな?」

女「私の間が悪くて研究所にいなかったみたいです」

プラターヌ「ふむ?」

女「あ、でも、別に不満とかないです。平気です。手持ちも6体います」

プラターヌ「そういうこともあるか……それにずいぶん、旅馴れもしているようだね」

女「1年くらいですけどね」アハハ

プラターヌ「ならばこの子達には、君の見学に同伴してもらうとしよう」
 ▼ 22 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:40:00 ID:qgGnG1kQ [21/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プラターヌ「こちらへどうぞ」



プラターヌ「ここでは、ポケモンたちを放し飼いにしているんだ。ミアレシティは都会だけど、このスペースはできるだけ自然そのままの環境を再現しているのさ」

プラターヌ「……っと、ずいぶん好かれているね」

女「ツンツンしているくせにあまえんぼさんなんですね、この子」ダキッ

フォッコ「」ツンツーン

プラターヌ「その子はいじっぱりでね。とても人好きなんだ」

女「あはは。誰かさんにそっくり」

女「ここのポケモンたち、とてものびのびとしてますね。屋内とは思えないくらい」

プラターヌ「最初はわたしが至らないばかりに、ポケモンたちにストレスをかけてしまうことも多くてね。設備を整えるのには苦労したよ」

女「」ソワソワ

プラターヌ「……ポケモンたちと少し遊んでいくかい?」

女「ぜひ」フンス

プラターヌ「それなら、君のポケモンを彼らに会わせてもらってもいいかな」

プラターヌ「外から来たポケモンと接する機会は大事にしたいんだ」
 ▼ 23 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:40:42 ID:qgGnG1kQ [22/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「わかりました」

女「みんな、出ておいで!」



プラターヌ「旅立って1年、か……」

プラターヌ「ずいぶん立派なポケモンを連れているじゃないか」

女「はい、とても頼りになります」

プラターヌ「うん、いいことだ」

プラターヌ「ポケモンたちと相互に助け合いながら生きていく。それはトレーナーとしてあるべき姿だからね」

プラターヌ「君はポケモンに深い情愛を持って接し、彼らを頼もしい仲間としている」

プラターヌ「意外と、そういった素直な関係というのはなかなかいなくてね」

プラターヌ「ポケモンを自己顕示の道具としたり、目的を達成するための手段として使役したり、あるいは、限度を超えた甘やかしや過保護でダメにしてしまう、ということは多いんだ」

プラターヌ「そしてこれは比較的少数だが、信頼関係を築けず、トレーナーがポケモンを頼りにしない、ということもあるのさ」

女「頼りにしないって……ポケモンバトルで自分が出ていく、みたいなことですか?」

プラターヌ「そこまでアグレッシブな人はいないかな……」

プラターヌ「簡単な話さ。「お前なんか頼りにならないから、別のポケモンを使ってやる!」っていうこと」
 ▼ 24 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:41:45 ID:qgGnG1kQ [23/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「あっ、そういう……」

プラターヌ「得てして、こういうのは長く連れ添ったポケモンとの間に起きやすい、ともつけくわえさせてもらおうかな」

プラターヌ「幼少期からともに育ったポケモンがバトルが苦手だったりすると、こういうことが起こる。嘆かわしいことだ」

女「悲しいですね」

プラターヌ「だから、君のようなトレーナーには、そのままでいてほしいのさ」ウィンク

女「〜……っ」

女「博士……」

女「ホントにすみません」

ムクホーク「ケッ」

プラターヌ「大丈夫、そろそろ立てそうだ」ボロッ

プラターヌ「いいインファイトだったね」フルフル

ムクホーク「」ツーン

女「気に入らないからって殴りかかるのやめて!?それ悪癖だから!」

コータス「ヤキモチで不機嫌君はしかたないねぇ」フヒッ

ムクホーク「!!??!」クルッ
 ▼ 25 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:43:21 ID:qgGnG1kQ [24/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「こぉ?」

ムクホーク「///」カァァァァァ



女「ガブリアスだ」

プラターヌ「ここでは、メガシンカ研究をしているんだ」

プラターヌ「このガブリアスには、わたしたちの研究に協力してもらっているのさ」

女「ガブリアスもメガシンカするんですよね?」

プラターヌ「その通り!よく知っているね!」

女「中継ですけど、カロスリーグで見ました」

女「メガシンカ祭りでしたね」

プラターヌ「うん。カロス最高峰の舞台に恥じない、最高のトレーナー達が集まっていた」

プラターヌ「わたしも、おもしろいものをたくさん見られたよ」スチャ

プラターヌ「メガシンカには、2つの石が必要となる」

プラターヌ「トレーナーが持つキーストーンと、ポケモン自身が持つメガストーン」ヒョイッ

ガブリアス「がーぶ!」パシッ
 ▼ 26 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:44:15 ID:qgGnG1kQ [25/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プラターヌ「この2つが揃い、かつトレーナーとポケモンの絆が一定のレベルを越えると───」


きゅいぃぃぃぃん……


Mガブリアス「ガオォォォォォン!!!」バオォン

プラターヌ「こんな風にメガシンカできる」

女(私の人生初・生メガシンカをさらっとやられたー)

プラターヌ「この様子は終始モニタリングしていてね。後でデータを精査して、法則性や周囲への影響、ガブリアス自身の影響を記録するのさ」

プラターヌ「ちなみに、ここにはカロスでもっとも多くのメガストーンを保管している」

プラターヌ「メガストーンの数に余裕があって、適合するポケモンを連れているトレーナーにはたまにあげたりしてるんだ」

女「えっ!じゃあ、私のポケモンたちはどうなのでしょうか!」

女「メガシンカします!?」

プラターヌ「残念だけど、君のポケモンでメガシンカが確認されてる子はいないね」

女「サイデスカー」

プラターヌ「でも……そうだな」ポチッ

プラターヌ「君にはこれ──45番の石をあげよう」
 ▼ 27 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:44:54 ID:qgGnG1kQ [26/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「えっいいんですか」

女「私持ってないのに」

プラターヌ「この石と適合するポケモンを連れてきたトレーナーは見たことがなくてね。たくさんあるんだよね、これが」アハハ

プラターヌ「お守りがわりに差し上げるよ」

女「あ、ありがとうございます……」

女(これ、ていのいい在庫処分なんじゃ……)

プラターヌ「君が旅を続けていれば、その石と適合するポケモンにも出会えるかもしれない」

プラターヌ「どのポケモンのメガストーンかわかったら、ぜひ教えてくれたまえ!」

女「は、はいー(苦)」

女(私以外のトレーナーにもけっこうばらまいてるな)ジトー


───残念さにありがたみ半減でありました。



 ▼ 28 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:45:58 ID:qgGnG1kQ [27/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「プラターヌ研究所を後にした私は、メディオプラザを南に抜ける、プランタンアベニューへと向かった」

女「そこには進化の石をあつかういしや。漢方専門の薬局。トリミング専門店ポケサロン・グルーミング」


───薬局のところであからさまに顔を歪めた。


女「そして、カロスいちのブティックと名高いメゾン・ド・ポルテなど、ミアレシティを代表する名店が軒を連ねていた───しかし!」


メゾン・ド・ポルテ「あなたスタイリッシュじゃないわね」モンゼンバライ

いしや「基本四種のいししかおいてないよ。そこのおっさんはメガストーンを勝手に100万で売ってるけど」


女「トリミアンを持たない私はグルーミングではお呼びでなく、漢方薬局など視線を向ける気にもならなかった」

女「このクソみてえな通りはなんだ?(cv.玄田哲章)」


───消沈の※※※※※は、とぼとぼと東に移動。

ベール広場はカフェ・ツイスターに立ち寄ることにしたのだった。



 ▼ 29 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:47:13 ID:qgGnG1kQ [28/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おとなのおねえさん「あの日、ここで出会った彼は、ある日ここから消えていった……わたしの愛は路地裏に消えた」

おねえさん「残された悲しみがわかる?」

女(モンスターボールをかまえている……)

女「………いいえ」

おねえさん「彼は消えていった……そう、あなたのように………」スッ

女(モンスターボールをしまって去っていった)

女「なんだったんだろう……」

女(路地裏界隈はどうやら、ヒューマンドラマが繰り広げられる場のようです)

女(No.1ヒーローが言っていた……真に賢しい敵は闇に潜む)

女(ちょっと出入りしただけで敵と遭遇するようなことがなくてよかった)ホッ

女「"その敵の字、マー○ル的敵勢力な読み方しない?"とか言ってはいけません」

女「ヴィランちゃうよ」



───ツイスター、入店。
 ▼ 30 ルダック@ポケトレ 16/08/09 14:47:16 ID:gHtRBwLY [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミュウツーかな
 ▼ 31 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:48:16 ID:qgGnG1kQ [29/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「あなたは?」

ポエムおやじ3世「ぼくはポエムおやじ3世」

女(ポエマーザサード)

ポエムおやじ3世「ハート、曇ってないかい?キミのためにひとつ、ポエムをよんでもかまわないかな?」

女「おねがいします」

ポエムおやじ3世「」ポクポクポクポクチーン

ポエムおやじ3世「キミのひとみはれいせい」

「キミのこころはいじっぱり」


「さぁなやむのはやめよう」



「ラティアスだって、ほんとうのキミがマグマブースターみたいだって知ってるから───」






「───ポエムおやじ3世」
 ▼ 32 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:49:14 ID:qgGnG1kQ [30/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「」パチパチパチパチー

ポエムおやじ3世「ねぇどうだったかな?キミからインスピレーションを得て浮かんだポエムだよ」スッ

女(空き缶)

女「」チャリン

3世「ありがとう、助かったよ。これでまた、ポエムを読める……心しなびたときはおいで。また、キミのためによむから」

女「こんな風に、ツイスターはその名のとおりおひねり───チップを店内の芸人に払って小ネタを見るのがルールです」

女「チップを払うって、なんだか新鮮」

女性「Ya Hoo!有名人に一瞬で変身できるわたしです。どう?見てみない?」

女「おねがいしまーす」

女性「Yeah!それじゃ、レッツスタートウ!」シュバババックルルルルンッササササッポキポキッ

女「はやい……」

 ▼ 33 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:50:24 ID:qgGnG1kQ [31/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カルネ「Doかな!」

カルネ「すっごく似てるでしょ!」

女「」チャリン

カルネ「Wow!ありがと!新しい服買えるよー!」

女(こっちで見られるとは思わなかったなー)


───あっちでも見れたんですけどねー。


女(あ、トリミアンだ)

女「? 首から札を下げている……」

トリミアン『貧しいトリミアンのわたしですが、きれいにカットされるのが夢……』

トリミアン『どうかわたしに、具体的な愛の手をお願いします』

女「」




 ▼ 34 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:51:23 ID:qgGnG1kQ [32/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





女「イヤ、これはズルいよ……」チャリンチャリン

トリミアン「きゃう〜ん♪」

女「あなたのご主人は策士だね」ナデナデ

女「……って、あれは」


メガネの少年「〜…」カチャカチャ


ぱちん、じゃーこーじゃーこー。


女(まるっこいシルエットの金髪。まんまるのメガネ。そしてカップを片手に何かの機械をいじっている)

女(たぶん、あの女の子のお兄さん。そして……)

女「あの、すみません」

少年「はい?」

女「ひょっとして、ジムリーダーのシトロンさんですか?」
 ▼ 35 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:52:46 ID:qgGnG1kQ [33/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シトロン「えぇ、そうですよ」ニコ

シトロン「僕になにかご用ですか?」

女「妹さんが探してました。ぷりぷりしながら」

シトロン「えっ、そうでしたか!ちなみに、どちらで?」

シトロン「って、あー……通りの名前とかわかりませんよね……」

女「大丈夫です。わかります」

シトロン「えっ」

女「妹さんと会ったのはエテ・アベニューです」

女「お兄さんとはぐれた、と言って、そのままローズ広場の方へ行っちゃいました」

シトロン「そうでしたか……わざわざ教えてくれてありがとうございます」

シトロン「はぐれたらベール広場に集まろうって、いつも言っているのに……」プリプリ

女(怒り方が似てる)フフフ

女「……あれ?合流に急がなくていいんですか?」

シトロン「妹───ユリーカというんですが───のことですから、はぐれても迷うようなことはないはずです」

シトロン「たぶん、ミアレシティを時計回りに移動するように僕のことを探しているとおもうので、僕はベール広場に留まることにします」
 ▼ 36 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:54:13 ID:qgGnG1kQ [34/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「なるほど。合理的」

女「ところで。それは何を作ってるんですか?」

シトロン「これですか?これは……っと」

シトロン「立ったままで、というのも何ですから、ぜひ座ってください」

女「では、お言葉に甘えて」カタッ

シトロン「これはその名もズバリ。スパトレです」

女「すぱとれ?」

シトロン「スーパートレーニング、略してスパトレ」

シトロン「手軽にポケモンを鍛えることのできる機械です」

女「ほほー」

シトロン「これのすごいところはですね!ポケモンをモンスターボール内でのデータ状態のままで読み込んで、トレーニングをさせることができる点なんです!」

女「なるほど。たしかに手軽」

シトロン「おわかりいただけましたか!?そう、これは究極的にお手軽なんです!ゲーム感覚で、ポケモンをしっかりと育て上げることができるのですから!」

女「は、はい」
 ▼ 37 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:55:10 ID:qgGnG1kQ [35/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「でも、まだ完成していないんですよね?」

シトロン「ぐふっ」

女「あわわっ、すみません!思わず」

シトロン「いえ、大丈夫」プルプル

シトロン「……僕がスパトレの着想を得たのは、友人と連れ立って旅をしていたときでした」

女「えっ」

シトロン「意外でした?」

女「す、すみません……」

シトロン「気にしないでください」

シトロン「言われなれてますから。体力ないのによく旅なんてできたな、って」

シトロン「結果としてカロスを一周するだけの旅でしたが、とてもいい経験になりました」

女「カロスを一周……」

シトロン「その時旅の連れだった友達が、エネルギッシュな人だったので多少なりとも苦労はしました」

シトロン「けど、やっぱりあの旅は僕にとって必要なものだったんだと思います」
 ▼ 38 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:57:27 ID:qgGnG1kQ [36/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シトロン「君も、旅をしているんですよね?」

女「はい、まぁ……」

女「そんなに立派な動機があるわけじゃないですけど」

シトロン「旅を続けるには色んな力が必要になります。続けているだけでもすごいことですよ」

シトロン「……彼は、ポケモンマスターになると公言していました」

女「旅の連れだったお友達が、ですか?」

シトロン「はい。強い人でした」

シトロン「夢に向かって、一直線に突き進んでいく、やじるしのような人」

シトロン「今時そうはいません。僕も、いろんな刺激を受けた。たくさんのことを学んだ」

シトロン「僕の夢はね、科学の力で全てのポケモンや人々を分け隔てなく幸せにすることです」

女「!」


───なんでもないことのようにあっさりと。

恥じることなどなにもない、というように堂々と、シトロンはそう言いきった。

会ったばかりの、見ず知らずの自分に。
 ▼ 39 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 14:59:24 ID:qgGnG1kQ [37/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シトロン「君は、追いかけている夢はありますか?」

女(眩しい)

女(心が痛くなる。視線に目が眩みそうだ)

女「私は───」



女「ポケモンたちと旅するだけで十分です」

女「それが幸せです」

シトロン「へぇ、そうなんですか」


───無邪気に首をかしげるシトロンに、ほっと息をついて。





シトロン「その割には、それで満たされているわけじゃなさそうですね」

女「ッ」


 ▼ 40 ラーチ@こだわりスカーフ 16/08/09 15:01:11 ID:gHtRBwLY [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アニメ時空なのかゲーム時空なのか分からなくなって来た

支援
 ▼ 41 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 15:01:17 ID:qgGnG1kQ [38/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




シトロン「僕はてっきり、君にも追いかけている夢があるのかと」アハハ

シトロン「失礼しました」ペコ

「あーっ!!おにいちゃんいたー!!」

シトロン「あっ、ユリーカ!」

ユリーカ「もう、おにいちゃんはそうやってすぐ迷子になるんだから!」

シトロン「えぇー……」

ユリーカ「迷ったらブルー広場に集合っていつもいってるじゃない」プクゥ

シトロン「ベール広場だよ!?」

ユリーカ「あ!さっきのおねえちゃんだ」

ユリーカ「おにいちゃんみつけてくれたんだ!ありがとー!」

ユリーカ「ほら!おにいちゃん行こ!」

シトロン「うわわっ!待ってユリーカ!!まだお代払ってない───」

ユリーカ「おねえちゃん、またねー!」
 ▼ 42 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 15:04:04 ID:qgGnG1kQ [39/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「……こぉー?」

女「別に。大丈夫だよ」

女「私はぜんぜんへーき」ニコッ

女「よし!なんか甘いものたべにいこう!そうしよう!」



他人というのは侮れない。

見ず知らずの相手だからとか、自分よりも年若そうだからとか、頭のキレる奴ではなさそうだからとか、深く物事を考えてそうだとか思って油断していると。

さらりと本心を見抜かれていたりする。

それが対人関係のアクセントになったりもするのだから、コミュニケーションはわからない。

旅は何が起きるかわからない。
 ▼ 43 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 15:06:15 ID:qgGnG1kQ [40/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミアレシティ編、おしまい。

次回、お天気ポケモンとまっくろくろすけ。のつもり



>>42
深く物事を考えてそうだ ×

深く物事を考えてなさそうだ ○

誤字ってすまない……
 ▼ 44 ジョッチ@たんけんセット 16/08/09 15:07:12 ID:gHtRBwLY [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 45 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/09 15:07:35 ID:qgGnG1kQ [41/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この物語は、コータス含むポケモン達と旅する少女のお話。

更新はゆるめ。展開はピンキリ。

基本は30〜60レスくらいの1話完結。

前スレ
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=144905

女「私達の旅はこれからだーっ!!」イェーイ

コータス「おーけーれっつごー」



「この街(町)行ってみれば?」に乗るかもしれない乗らないかもしれない。
 ▼ 46 ュウツー@こだいのおうかん 16/08/09 15:16:50 ID:gHtRBwLY [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カゴメタウンとか行ってほしいな
 ▼ 47 スマス@むしのジュエル 16/08/09 15:33:32 ID:9l0Z7CZk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いつのまにか2スレ目に…!
支援
 ▼ 48 ガヤミラミ@ダートじてんしゃ 16/08/09 20:09:52 ID:X1ZPzvu6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
待ってたよー! ムッくんかわいい!
 ▼ 49 ーデリア@いいキズぐすり 16/08/18 08:48:22 ID:rHV2RDIA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
10日くらいで落ちるとのことなので自上げ
 ▼ 50 ェリム@ズリのみ 16/08/22 15:18:25 ID:4i4cwY8E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 51 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/08/29 22:21:01 ID:6zsHORfg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
せ い ぞ ん ほ う こ く
 ▼ 52 リリ@ちかのカギ 16/08/29 22:34:03 ID:mSWGaY7I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>51
無事で何よりでございます。
あなたのことは応援しているよ。
 ▼ 53 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:08:42 ID:I8Ga4EZo [1/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメラおやじのゲンゾー「意外なところでコンニチワ!」

ゲンゾー「わし、カメラおやじのゲンゾーです」

ゲンゾー「フォトジェニックな君ィ!記念写真撮っていかなーい?」


「はい」


ゲンゾー「よしきた!それでは準備してちょーだい!」



ゲンゾー「───いいねいいね!良いのがとれましたよー!とった写真はパソコンで見られるからねー」ニッコリ



───旅をしていると、写真だとか缶の入れ物といったかさばるものはジャマになる。

だから私はそういった、ふところを圧迫するものの入手を極力さけるようにしている。

ただこのとき、めずらしく私は「1回くらいこういうことをするのもいいかな」と思ったので、ゲンゾーさんの呼び込みに応じた。

ポケモンたちみんなとより集まって撮ろうとしたのだけど、最後までじっとしたままでいてくれたのは、結局ラプラスとコータスだけだった。
 ▼ 54 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:09:25 ID:I8Ga4EZo [2/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムクホークはバタバタしっぱなしだし、

オノノクスはシザリガーにちょっかいかけているし、

シザリガーはそれに応戦して、

ドリュウズは恥ずかしがって地中に逃げようとしている───


───のを、黒い髪の女の子が必死になって止めている。

コータスとラプラスがおとなしくしているのが、かえって浮いている。

しっちゃかめっちゃかで、見るからにせわしない写真。


この写真を、今でも私はよくながめる。


そしてそのたびに、撮っておいてよかった、と安堵するのだ。

そしてまた、もっとお行儀よく撮っておけばなぁ、と。


少しだけ後悔もするのだった。
 ▼ 55 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:10:32 ID:I8Ga4EZo [3/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「雨に降られて」


───レインコートで完全武装。


女「きのうからずーっとこうだ……」

女「さっきなんかヒルが足首にくっついてた……気が滅入るよもう」ハァ

女「ん?」

女「……?」ジィ…




女「おわっ!!」ビクッ

少年「?」ピク

女(大木のほらに、人がいた!!!)


───やたら白く見える目が、ぐりっとこちらを向いたので、それに驚いてしまった。


女「こ、こんにちは」
 ▼ 56 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:11:38 ID:I8Ga4EZo [4/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「……こんちわ」

女「あの、私も雨宿りしていいですか?」

少年「ぁあ。せまいな、すまねぇ。みんな、こっち寄れ」

女「みんな?」

ニョロトノ「トッニョォロ」ノソノソ

チョロネコ「にぃ」トテトテ

ピチュー「ちゅう」

ピィ「」フワフワ

ユキカブリ「かぶかぶ」

ロコン「きゅうん」

モンメン「フワッフー」

ナックラー「あー」

フシギソウ「フッシソゥ」トテトテ

女「……めっちゃいる」

女「おじゃまします」
 ▼ 57 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:12:32 ID:I8Ga4EZo [5/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「お前、トレーナーか?」

少年「旅、してるのか?」

女「はい」

女「次の街までのんびりいこうと思ってたのにこの雨ですもん。参っちゃった」プハー

少年「雨だが、気温は高い」

少年「レインコートは、こたえたろ」

女「あなたもそんなにたくさんポケモンたちに囲まれて、大変そうです」

少年「しあわせてるからな、暑くないぜ」

女「なるほど。モフみは温度を越える、と」

女「ユキカブリと寄り添ってると説得力ないです」アハハ

女(……闇に目がなれてきたのに、この人の顔がよく見えない)

少年「それも、そうだな」

少年「お前も、こいつにさわるか?」

女「つめたさより風がほしいです。ムシムシするし……」

少年「そうか、ならばしかたねぇな」
 ▼ 58 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:13:24 ID:I8Ga4EZo [6/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女(ユキカブリのモフりを再開した)

少年「お前、どこに行こうとしているんだ?」

女「森を抜けた先にある町にサーカスが来るそうなので、それを見に行こうかと」

女「ダグトリオが空中ブランコをするみたい」

少年「サーカス、か。1度くらいなら、見てもいいかもな」

女「君は?」

女「どこに行くの?」

少年「だいたい方向は、同じだろう」

女(敬語やめてもよさそうだ)ホッ

少年「お前、なぜほっとしてんだ?」

女「ん」

女「君が悪い人じゃなさそうだな、って思っただけ」ニハ

少年「ふ、む」

女「その子たちみんな、君のポケモンなんだよね?」

少年「いや、ちがう」
 ▼ 59 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:14:03 ID:I8Ga4EZo [7/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「こいつらは、ついてきているだけだ」

少年「俺も、それがしあわせている」

女(しあわせるって、何のことなんだろ)


───〜し合っている、ということ?

相互補助的な?


少年「じゃあボールにポケモンを入れているお前は、そいつらを持っているのか?」

女「」

女(ニュアンス的には、ポケモンはお前にとって持ち物なのか?って感じっぽい)

女「物理的にはそうだし、"私のポケモン"って言い方もするけど……ちがう」

女「一緒に旅してる……ついてきてもらってるって感じ」

少年「そう、か」スック

女「もう行くの?まだ降ってるよ?」

少年「もう変わる」

少年「次は霧にするから、移動するなら晴れてからにするといい」
 ▼ 60 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:15:00 ID:I8Ga4EZo [8/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「どうせ、のんびりと行くんだろう?」

少年「」スタスタ

女(ポケモンたちがぞろぞろとついていく……って)

女「なんか、ホントに霧が出てきた」

女「あ、さよならー!」

少年「」ノシ













───というようなことがあった、その3日後。

雨に続いてきたうっとおしい霧が明けて、街に到着。

というイベントはとっくの昔に終わらせて、旅路を進んでいた。
 ▼ 61 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:16:04 ID:I8Ga4EZo [9/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「サーカスをひとしきり楽しんだのち、街を後にした私はそのまま道なりに進んでいき、農村にたどり着いたのでしたーっと」

女「名産品はカイスの実。過去に、カイス・ベスト・オブ・ザ・ベストに輝いたこともあるんだそうな」

女「……まぁ」


───人はあまり多くない。

よくある、過疎化の進んでいる村といった具合である。


女「木の実の名産地なんて、人が押し寄せるほど話のタネになるもんじゃないもんね……」

女(作り手は頑張ってるのに、むくわれないよなぁ)

女「ポケモンセンターがないらしいから、今日の宿を探さないと……」テテテッ



村長「若い人が来てくれるのはありがたいことだからねぇ。じゃんじゃん泊まっていき!」

農夫「若いのが二人も来てくれて村長もはしゃいどるのう!」ケタケタ

村長「このまま居着いて、若い人どうしでどんじゃか人口増加に貢献してくれれば万々歳なんだけんどねぇ!」

女「セクハラです」

村長「すまねぇ」
 ▼ 62 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:17:04 ID:I8Ga4EZo [10/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女(ていうか)

女(もうひとり、私と同じくらいの人がいるのか)

村長「彼は今、山の方に行っていてねぇ。そのうち戻ってくるんじゃないかなぁ」

女(んで男性、と)

村長「奥さんが夕飯作ってくれてるから、じゃんじゃん食べたって」

女「ご相伴にあずかります」

農夫「ポケモンたちも出してやるとええ」



少年「戻りました」

女「あ、君……」

村長「ごくろーさん。」

村長「疲れたっしょ?食べて食べて、てるてるくん」

女「てるてるくん?」

女(肌の色はまっくろだし、髪もミディアムくらいの長さ)
 ▼ 63 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:17:50 ID:I8Ga4EZo [11/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「とてもそんな感じじゃない、ってか?」

女「う」

少年「すまない、意地が悪かった」クスッ

農夫「てるてるくんは、雨が1ヶ月降り続いてた俺たちの村に、お天道様をつれてきてくれたんよ」

農夫「おかげで、カイスの実がダメにならずにすんだわい」

女「あぁ……それで、てるてるくん」

奥さん「てるてるくんを見たあとだと、お嬢ちゃんは雪の子のように見えるわねぇ」

少年「さしずめ、俺は泥団子ですか?」

奥さん「もう!皮肉やさんなんだから」


アッハッハッハッハ


女「そういえば、君の連れはどうしたの?」

少年「?」

女「ほら、ポケモンたち」

少年「!」ギョッ
 ▼ 64 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:18:52 ID:I8Ga4EZo [12/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「……ひょっとして、私のこと忘れてた?」

少年「……いや、大丈夫だ」

少年「そういや、ひさしぶりだな」

女「」

女「ていっても、先週初めて会って、ちょっとお話しした程度だもんね」

女「忘れててもしかたないよ」ニハ

少年「悪いな、すぐ思い出せないたちなもんで」

女「私も、また会うとは思ってなかったし」

奥さん「なぁに?お知り合い?」

農夫「付き合っちゃえよ」ケラケラ

村長「親戚のおじさんじゃないんだから……」ケラケラ

少年「ポケモンたちなら、納屋にいる」

女「納屋?」

少年「あいつらは、野生のポケモンだからな。俺についてきてはいる、が」

少年「人の多いところは、やはり落ち着かないらしい」
 ▼ 65 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:20:40 ID:I8Ga4EZo [13/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「俺もそこで、寝泊まりさせてもらっている」

少年「」チラ


コータス達「「「「「「」」」」」」メシウメー


少年「お前の、連れか」

女「今日はバトルもしなかったから、そんなに疲れてないみたいだけど」

女「なにしろごはんがおいしいです」

奥さん「あらお上手」テレテレ

村長「しっかし、旅のトレーナーさんともなると、連れてるポケモンが立派だねぇ。旅は長いのかい?」

女「1年も経ってません。まだまだです」

農夫「でもお嬢ちゃん、腕に自信があるんじゃぁないかい?」

女「ジムに挑むこともありますけど、そんなでもないです」アハハ…

女「私なんて、全然」

少年「……」
 ▼ 66 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:22:40 ID:I8Ga4EZo [14/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───そんな、なごやかなごちそうの時間も終わり、翌日。

納屋。


女「こんにちは」

少年「よく来たな、こんなところに」

女「泊まっておいてそれを言うのか……」

女「今日中には立とうと思ってるから、あいさつに来たの」

女「ポケモンたちも元気そうだね」

少年「ぁあ、いいことだ」

女「………」

女「」スー…

女「」ハー……

女「よし」キリッ

少年「?」

女「いくつか訊きたいことがあって」
 ▼ 67 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:24:21 ID:I8Ga4EZo [15/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「いい?」

少年「ぁあ、いいが」

女「君がこの村に来て、雨がやんだんだよね?」

少年「!」

少年「ぁあ、そうだ」

少年「村の人たちが困っていたようだったから、ロコンに頼んで晴れにしてもらった」

少年「そういうことは、よくあるんだ」

女「そっか、やっぱり」











女「じゃあそれは嘘だね」

少年「」ピクッ
 ▼ 68 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:25:28 ID:I8Ga4EZo [16/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「なんか、言いとがめるみたいになっちゃってごめんなさい」ペコ

女「あともうひとつ、ごめんなさい」

少年「???」

女「前に会ったとき、別れ際に君は言った」


少年『次は霧にするから、移動するなら晴れてからにするといい』


女「あの時、君は霧になる、じゃなくて"霧にする"と言った」

女「なぜそうしたのかはわからないけど、君は天気を霧にした」

女「でも、それはおかしい」

少年「何が、おかしいんだ?」

少年「ポケモンなら、天気を霧にすることくらい……」

女「できないよ」

女「少なくとも、きりばらいをしなきゃいけないような濃い霧を出せるわざもとくせいも、存在しないの」

女「君はバトルをしなさそうだから、知らなくても無理はないと思う」

少年「」
 ▼ 69 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:26:43 ID:I8Ga4EZo [17/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「だから、訊きたかった」

女「ひょっとして君は、自分の思い通りに天気を変えられるんじゃないの?」

少年「!!!!!!!!」ゾワッ

女「違うの。だったらどうするつもりだとかじゃない」

女「それに、私はこの村をもう出ていくつもりだし」

女「どうしようもない」

少年「」

少年「…………………………ぁあ」

少年「そう、だよ」

少年「だったら、どうだっていうんだ?」

女「君が、これからどうするつもりでいるのか、知りたい」

少年「知りたい、だ?」

少年「別に、変わらない」

少年「旅を、続ける」
 ▼ 70 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:28:18 ID:I8Ga4EZo [18/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「それだけだ」

女「もうひとつのごめんなさい」

少年「は、なんだよ?」

女「昨日は嘘をつきました」

女「君と前に会ったのは3日前です」

少年「…………は」

少年「はぁあ、あぁあああ!?」

女「やっぱり、覚えてないんだね」

女「ポケモン達のことを覚えてるし、昨日の会話も覚えてるみたいだから───2日〜3日くらい、か」

女「それ以上昔のことを、覚えていられない」

女「ちがう?」

少年「……ちが、わねぇ」ゲンナリ

少年「お前、探偵かよ」

女「いや、もっと浅ましい何かだよ」ドヨーン

少年「なんで人のこと問い詰めておいて、自分でがっかりしてんだ?」
 ▼ 71 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:29:54 ID:I8Ga4EZo [19/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「いや、ホントに自分の図々しさに嫌悪感が止まらない、といいますか」

少年「自己嫌悪で自己完結されたら、こっちの警戒心のの行き場がないんだが」

女「それで、その……」

女「たぶんそのポケモン達みたいに、ずっと一緒なら忘れることもないんじゃないか、って思ったの」

女「どこかに定住すれば、そんな……その、わすれんぼは……」

少年「障害と折り合いをつけていける、って言いたいのか?」

女「………そうです」ドヨーン

少年「俺のムカつきの方向性変わるんで、その自己嫌悪やめてくんないかな」

少年「……悪いが、そんなつもりはない」

女「どうして?」

女「過去の経験が無くなるのが、怖くないの?」

少年「お前みたいな奴に、とっちめられることもあったかもな」

少年「だけど、俺は旅を続ける」ガサゴソ

少年「」スッ

女(ものすごく年期の入った本だ)
 ▼ 72 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:32:16 ID:mS7buqj. [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「コレは、俺の両親との日記だ」

少年「両親のことはもう覚えていないが、ここにみんなの思い出がある」

少年「両親が、俺と同じように旅をしていたことも書かれている」

少年「人々の望む天気を届けて、そして少しずつ消えていく時間を生きていた」

少年「両親もやっていたことを俺もやってる、それだけのことだ」

女「じゃあ、君は」

女「自分の子どもにもそれをさせるつもりなの?」

女「そのあとの世代にもずっと?」

少年「……痛いな、その言い方」

少年「てかお前、ずいぶんお節介じゃないか?」

少年「図々しい自分に自己嫌悪していた割には、ずけずけと来やがる」

少年「お前、なんでそこまでお節介をやきたがるんだ?」

女「それは……ッ」

女「」グッ

女「………」フゥ
 ▼ 73 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:33:59 ID:mS7buqj. [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告



女「……私、これカラーコンタクトしてるんだけど」

少年「色つき、ってことか」

女「うん、黒いの」

女「目、赤いんだよね」

女「髪も、白いのを黒染めしてるの」

女「アルビノっていうんだって」

女「コンプレックスなんだ」

女「すごく嫌だ」フルフル

女「白い髪も、赤い目も、劣悪な運動神経も」

女「忘れたいことも忘れられない、バカみたいな記憶力も」

女「気づきたくもない他人の心の痛いところに、考えたくもないのに考えが及んじゃうのも」

女「そうやって気づいたことに、興味を持ってしまう自分も」

女「全部嫌い」
 ▼ 74 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:35:02 ID:mS7buqj. [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「……で、それがなんで俺にかまうのさ?」

女「ものすごく失礼な言い方になるけど」

女「君を同類だと思った」

女「肌の色、アルビノの逆でメラニズムっていうのがあるのを聞いた」

女「黒人さんよりも濃い黒の肌の人がいるって」

少年「へぇ、そういう呼び方するのか」

女「どうして、わざわざ苦しい方に行こうとしてるの?」

女「旅をやめて、力も使わないで、日々を暮らせば、それで幸せじゃない」

女「どうして、そこまでがんばって人を助ける旅を続けるの?」

少年「?」

少年「…………」ピコーン

少年「……ぁあ、わかった」

少年「なんだ、お前」

少年「俺のこと、心配してくれてるだけか」

女「」
 ▼ 75 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:36:02 ID:mS7buqj. [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「お前、優しいやつなんだな」

女「いや、私なんて……」

少年「俺、別にがんばってないよ」

少年「人を助けるのは、俺が助けたいって思ったときだけだし」

少年「旅は、両親がやっていたみたいだから俺もやりたかっただけだ」

少年「ひとりぼっちじゃない、だからさびしくないしな」

ニョロトノ「にょっろほっほ」ポンポン

少年「俺は、好きでこれをやってるんだよ」

少年「誰かにやらされてることじゃ、ない」

少年「俺は、全然平気だよ」

少年「しあわせてるよ」

女「!!」

女(しあわせてる……って)
 ▼ 76 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:37:00 ID:mS7buqj. [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
───助け合いながらなんとかしてる、とかそんなことだと思っていた。

しかし、何のことはなかった。

しあわせにやってる。

それだけのことだったのだ。


女「……はは」

女「考え違い……勘違いしてた」

女「恥ずかしい」

少年「恥ずかしがんなくていいよ、お前」

少年「ちょっと警戒したけど、なんだいい奴じゃん」ケラケラ

女「なお恥ずかしいよ……」カァア

女「私なんかが勘違いしてずけずけずけずけ……馴れないことなんてするもんじゃないね」モジモジ

少年「"なんか"、か……」

少年「お前、そこまで他人に踏み込むタイプでもなさそうだよな」

少年「俺が同類だと思ったから、か……」
 ▼ 77 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:39:19 ID:I8Ga4EZo [20/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「それだけ、なのか?」

少年「他に、なんかあったんじゃないのか?」

女「………」



『そんな風に、自分を諦めないで』



女「////////////////」カァァァァァァァ

少年(さっきの羞恥の比じゃないな)

女「あのっ、あのあのあの」

女「ににに日記、見せてもらっていいかな」

少年「ぁあ、テンパってるな」ドーゾ

少年(顔隠してら)

ロコン「こぉん?」

フシギソウ「ソウダネ。コイダネ」


 ▼ 78 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:40:55 ID:I8Ga4EZo [21/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───そのあとすぐに別れて、村を出た。

いささか早足で。

それから、半日ほどして。

女(顔を隠したくて日記を借りたけど)

女(日付が軽く何十年も前だった)ゾクッ

女「……コータス」

コータス「こぉ?」

女「あの子、何歳くらい?」

コータス「」フワァ……

女「コータス!」

女「人いないんだから、すっとぼけなくていいよ!」

コータス「わかんない」

女「わかんない?」

女「前、人の年齢とかわかってたじゃん」
 ▼ 79 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:41:59 ID:I8Ga4EZo [22/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「」

コータス「わかんない」

女「今の間は何だ」


───寿命が見えるだけで、そいつがどれくらい生きてきたかわかるわけじゃない。

そうではないか、と気づいたのは、夜になってからだった。


女(でも、それなら)


───それならば、さっさとそれを言えばよかったのに。

不自然な間をはさんで、コータスが言った「わからない」という言葉は。

彼女の胸にほんの少し───黄色いかけら程度の小さなしこりを残した。

そしてそれは、彼女自身のささやかな後悔へとつながることになるのだった。
 ▼ 80 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 22:43:44 ID:I8Ga4EZo [23/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お天気ポケモンとまっくろくろすけ、おわり。

次回、未定

 ▼ 81 ロボーシ@きあいのタスキ 16/09/01 22:55:53 ID:nx3audEQ NGネーム登録 NGID登録 報告
大好き(*,,°^°,,)です
 ▼ 82 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 23:54:10 ID:I8Ga4EZo [24/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───とあるトレーナーはこう考える。


男「ポケモンなんて、勝つための道具だ」

男「俺は合理主義だ。愛だの絆だの友情だの」

男「そんなもんは無駄なだけだ。考える必要もない」

男「俺は無駄なことが嫌いだ」

男「俺の思い通りの手となり足となる、そんなポケモンがいれば最良だった」

男「サーナイトっつうポケモンを選んだ理由は、せいぜいそんくらいだ」



 ▼ 83 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 23:55:30 ID:I8Ga4EZo [25/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───とあるサーナイトはこう考える。


サーナイト「あたしたちサーナイト族は人間を慕い、主人のためなら命を捨てることも省みない、と一般的に思われています」

サーナイト「はっきりいって、人間本位のキモい思想ですわ」

サーナイト「忠誠?情愛?くだらない」

サーナイト「トレーナーなんてのは、勝利への筋道だけを考えてればいいんですの」

サーナイト「ちゃんとプランニングができれば、あたしが勝ってあげるんですもの」

サーナイト「あとはそうね……清潔にしてるならそれでいいですわ」



 ▼ 84 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 23:56:25 ID:I8Ga4EZo [26/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
審判「ワルビアル戦闘不能!」

審判「サーナイトの勝ち!」

「おぉ……」

「すっげぇ、あんな戦い方するサーナイトなんて初めて見たぜ」

「トレーナーの指示も的確だったな」

「あいつら、いったい何者なんだ?」

男(今日もちゃんと指示通り動いたな、本当使える駒だぜ)

男(さて、俺は合理主義だ)

男(パーティで場の雰囲気を盛り下げるような真似をしても、ひんしゅくを買うだけで、何の意味もないことを知っているタイプの人間)

男(周囲の人間といさかいを起こさないことは、自分自身の動きやすさにつながる)

男(世界の真理を理解しているにも等しい人間だが、もちろんそんなことを周囲に吹聴したりするようなおろかな真似はしない)

男(波風を立てない。他者を自分の手足として使うには、これが基本にして最良の手である)
 ▼ 85 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 23:57:14 ID:I8Ga4EZo [27/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーナイト「さーな」フゥ

サーナイト(悪くない采配だった)

サーナイト(おかげで少しは楽に戦えましたわ)

サーナイト(一応付き従ってやっているだけのことはありますわね)

サーナイト(声や態度、身だしなみもキモくない程度に気を使うタイプの人間)

サーナイト(つるみやすい人間で結構結構)
 ▼ 86 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 23:58:04 ID:I8Ga4EZo [28/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男(このサーナイトに限った話じゃないが、ポケモンってのは、なんやかんや主人に愛されているという実感というものがあると、パフォーマンスもだいぶ良くなる)

男(そう、円滑な関係というのは、何も人間に限った話じゃない)

男(こいつらは所詮道具だが、扱いに注意の要る電子機器みたいなもんだ)

男(こうやって、俺のおかげで勝てたようなときでも、モチベーションを高められるような対応をしてやる必要があるのだ)

男(言うほど大した苦労じゃない、がな)

サーナイト(人間は、ちょっとした調子のよしあしで思考の鋭さや反応の良さが上下する)

サーナイト(コンディションを調節しなければならない、ナイーブな生き物)

サーナイト(指示の的確さは、あたしがどれだけ楽をできるか、ということにもつながりますわ)

サーナイト(さて、ぶっきらぼうに対応してへそを曲げられるのもシャクですし)

サーナイト(愛想よく馴れ合ってさしあげるとしましょう)
 ▼ 87 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 23:59:01 ID:I8Ga4EZo [29/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男(たとえパフォーマンスが下降気味になったとして、こいつを捨ててもまた使える駒が手に入るとは限らない)

男(また手に入れ直すという手段は非合理的だ)

サーナイト(調子が悪くなってなかなか好調にならなかったとして、見切りをつけるのは簡単ですが、この優良物件を手放すのは惜しい)

サーナイト(さわるのもはばかられるようなキモいトレーナーなんて、死んでもごめんですもの)



女「すごい」

女「あのペア、100連勝だって」

女「バトルを見ても、相当の手練れって感じです。見入っちゃう」



男「サーナイト〜!よくやったな、さすがだ!」

男「お前は最高のパートナーだぜ!」ダキッ

サーナイト「さぁ〜な!さっなさな♪」ギュッ
 ▼ 88 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/01 23:59:47 ID:I8Ga4EZo [30/30] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「仲良さそ」

女「きっと、切っても切れない、かけがえのないパートナーなんだね」フフ

女「見てるこっちが幸せな気分になるなぁ」

女「ああいう人達が、もっと増えるといいのにね」

コータス「こぉー」
 ▼ 89 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/09/02 00:00:10 ID:68AtjWuA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
短編、おわり。
 ▼ 90 ドキング@おまもりこばん 16/09/02 00:02:29 ID:6O43a6Bg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
身につまされる……
 ▼ 91 ガフーディン@たいりょくのハネ 16/09/02 01:43:19 ID:ejOD5qns NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
短編も好きっス
 ▼ 92 メテテ@トライパス 16/09/10 08:13:58 ID:j7xGEKjM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 93 ガガルーラ@ふたのカセキ 16/09/16 18:54:25 ID:zhcM3oyg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 94 ーピッグ@するどいくちばし 16/09/22 10:23:44 ID:cbEe4o52 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守!!
 ▼ 95 ガヘラクロス@さらさらいわ 16/09/30 20:51:24 ID:IyWdYkRE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 96 ガサメハダー@ダイブボール 16/10/08 08:51:01 ID:2QgwuXuc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守
 ▼ 97 ルミル@カイロスナイト 16/10/08 10:43:19 ID:klPMsQKY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更新きたかと思ったのに…
まだかなぁー( ・ω・)
 ▼ 98 ラードン@いでんしのくさび 16/10/17 01:16:22 ID:0GBY0HrY NGネーム登録 NGID登録 報告
保守上げ
 ▼ 99 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/10/21 01:23:10 ID:yvW4PYPs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
生存報告

保守してくださっている方々、ありがとうございます

現在、次の話を組み立てて、少しずつ肉付けしながら書いている状態です

モチベーションやここ最近の私事も絡み、なかなか手をつけられていないのが現状ですが、終わりまで書ききろうという意思は維持しています。

もう少し、どころかかなり時間がかかってしまう可能性が高いですが、気長に付き合っていただければ幸いです
 ▼ 100 クーダ@リバティチケット 16/10/21 01:33:00 ID:u.uxr/a. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このSSいちばん好きなんです!
最後まで応援させていただきますね(*,,°^°,,)
 ▼ 101 イロス@かえんだま 16/10/21 09:20:38 ID:HPa9WNbk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>99
楽しみに待ってるよ。
 ▼ 102 ガルガン@みどりのかけら 16/10/30 14:57:48 ID:eMl2QTd. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ほしゅー!
 ▼ 103 ネブー@レインボーパス 16/11/08 20:16:31 ID:TMIqvKN6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 104 ブンネ@カメックスナイト 16/11/18 22:10:34 ID:XMEl.oRk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 105 ガジュペッタ@ひみつのコハク 16/11/25 23:09:50 ID:b67HE2lg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
たのしみー!
 ▼ 106 ガミミロップ@スピアナイト 16/11/30 18:07:26 ID:sV18W1Hc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援あげ
 ▼ 107 イケンキ@デボンボンベ 16/12/07 20:32:51 ID:M3Q6OURg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守
 ▼ 108 ードラン@トウガのみ 16/12/11 16:10:00 ID:7tgA77GA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守
 ▼ 109 ッシード@ヤタピのみ 16/12/19 01:23:46 ID:IE2c.Z/s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守だよっ!
 ▼ 110 ニラン@リニアパス 16/12/19 17:27:56 ID:E9r26Z5U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守
 ▼ 111 ーパーパンプ人◆kIHk8l4MgY 16/12/19 17:30:25 ID:T3ysl0e6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この作品は楽しみにしているのだけれど……。
 ▼ 112 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:40:24 ID:oLRA5Cio [1/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守ありがとうございます

遅くなりましたが、更新します
 ▼ 113 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:41:04 ID:oLRA5Cio [2/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「ナナカマド博士の研究所に2ヶ月ほどお世話になりました」

女「一般教養だとか、ポケモンの基礎知識といった勉強をすることが、このところの日課でした」

女「研究所に来る子どもと遊んだり、博士が将棋やオセロといった盤ゲームを持ち出して、直接遊んでくれるようなこともありました」

女「なんかアニメもいっぱい見た」

女「博士の研究について話を聞いたり、議論することなんてことはしょっちゅうでした」


───10代の女の子が?研究者のおじいさんと?研究のおはなし?

議論?

はい?


女「研究所にいたポケモン達も人懐っこくて、毎日引っ付かれっぱなしでした」

女「正直、いっぱいいっぱいで幸せで」

女「このままマサゴタウンに身を置くのも良いかと思っていたのですが」

女「研究所にこもるよりも、旅に出て見識を広めた方がいいだろう、とのことで」

女「旅をするにあたっての指南を受けた上で、私は送り出されました」

女「初心者トレーナー用のポケモンはもらっていません」
 ▼ 114 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:42:00 ID:oLRA5Cio [3/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「一匹だけ選ぶなんてできなかったし、旅は大変なこともいっぱいあるだろうから、付き合わせるのも………なんか嫌で」


───どのみち他のトレーナーのパートナーになるのだから変わらない気もするが。

嫌なものは嫌だった。


コータス「僕はいいのかよ」ムスッ

女「何が起きても涼しい顔してるし、大丈夫かなって」

コータス「ちぇ」

女「ひとまずの目的は」



ナナカマド『ひこうタイプのポケモンを捕まえるといい』

ナナカマド『空を飛べる仲間がいるだけで、旅の大きな助けになるだろう』



女「仲間……と」

女「もらったモンスターボールは5つ」

女「このあたりで捕まえられるのは、ムックルか」パシュン
 ▼ 115 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:43:17 ID:oLRA5Cio [4/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモン図鑑『ムックル。むくどりポケモン。たくさんの群れで行動する。体は小さいが、はばたく力は非常に強い』

女「ふむ」チラ

ムックル「ぴぃ」

女「あれだ」

女「コータス、捕まえよう」

コータス「こぉーあ」ノソノソ

女(かったるそう)

女「ストーンエッジして」

コータス「こっ」

がきんっ!!


───コータスのストーンエッジは、ムックルのくちばしをかすめて地面に突き刺さった。


ムックル「ヒィエエエエエエ!!!!!!」ガンメンソウハク

ムックル「ぴぴっぴぴぴぴぴっっ!!ぴぃーーーーッ!!!」バサバサバサ



 ▼ 116 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:45:39 ID:oLRA5Cio [5/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「近くにいたムックルまで逃げてった」

女「人間みたいな悲鳴あげてたな……どうしよう」


───地面に突き刺さったまま、直立不動のストーンエッジを眺めながら呟く。

こんなん直撃したら死んでしまう。


コータス「ほはぁ」フワァ

女「そうだ、あくびで眠らせればいいんだ」



───ムックル再発見。


女「さぁあくび!どうぞ!!」

コータス「」フワァ

ムックル「???」フワァ

女「よし、眠ったらボールだ」

女「」ジッ

コータス「」ボー
 ▼ 117 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:46:27 ID:oLRA5Cio [6/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムックル「??」エッ、バトルセエヘンノ?

ムックル「ぴぴぴ」ジャアオレラ、オウチカエルデ

ムックル「ぴい」パタパタパタ

女「………」

女「………普通に逃げられた」

女「超ナチュラルに飛んでかれた」

コータス「こぉ……」


───もう一度同じ作戦をしてみた。

今度も逃げられそうになったので、走って追いかけた。

仲間と飛んでいくムックルが眠る前に、彼女の方がバテた。


女「しかも……ハァ……コータス、と……ゼェ…………はぐれかけ、へぇ………た……ひぃ」

コータス「僕に足の速さを期待すんなよ」



 ▼ 118 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:47:29 ID:oLRA5Cio [7/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「開きなおって攻撃したら、ムックルが事切れ……はしなかったけど」

女「地面に転がってるところを仲間にピックアップされて、そのままどっかに逃げてった」

女「脅せば逃げられ、あくびでねむり待ちしたら逃げられ、ノックアウトしても逃げられる」

女「ポケモンを捕まえるって難しいね……」ゲンナリ

コータス「なんでだろうねぇ」

女「………バトルして、技当てて、弱らせて、ボール投げつけて、でいいはずなのに。弱らせて捕まえるってだけのを、普通のトレーナーはどうやってるんだろう。みんな、説明もらってそのあと実践してみてるんだろうけど……指南してる動画とか探してから出た方がよかったかな。実際、逃げられを連続してるあたりやっぱり何か問題があるはずなんだ……他の初心者トレーナーと私の違う点」ブツブツブツブツ

コータス「出た〜……」ウヘェ

女「最初のパートナーがコータス、旅立ちが11歳……そういえば、研究所に来てた男の子に「お前天然なとこあるよな」って言われたことあったな」ムカッ

女「……いや、関係ない。私てんねんじゃないし」


───思い出してちょいキレするとか余裕ありますね。


女「あ」

ムックル「ぴぃ?」


 ▼ 119 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:48:09 ID:oLRA5Cio [8/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───今日何羽目かのムックル。

しかしそのムックルは、それまでに出会った個体とは何かが違っていた。

"彼"を見た瞬間に感じたものが、いままでとは全く違っていたのだ。

ここまでピンと来ていなかった感情がピタリと、まるで詰まっていたパズルの最後の数枚がパチパチと流れるようにはまっていくかのような。

そんな快感にも似た感情を覚えたほどだった。


女「」

コータス「……どうしたの?」

女「え?いや、ううん。何でもない」

女「今はとにかく、当たっていくしかないよね」スチャ

女「……そういえばここまで、ボール投げてない」

女「そりゃ捕まるわけないじゃん!」ガーン

コータス「投げるヒマがなかったじゃん」

ムックル「」ジロッ

女「……超にらまれてる」
 ▼ 120 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:49:04 ID:oLRA5Cio [9/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムックル「」ビキビキビキ

女&コータス「「こっわ」」

女「何何何??なんであんな敵意剥き出しなの?視線合っただけだよ?」

ムックル「ぴぃ……ッ」ザッ

コータス「はぁ?」ムカッ

女「え、なんて?」

コータス「「ケッ、またトレーナーか……潰しても潰しても出てきやがんな。シラミかっつうの。見るからに軟弱な初心者トレーナーって感じじゃねえか」」

コータス「「てかなんだお前、あんま見かけねぇ顔だが、わざわざそんなガキについて回ってンのか」」

コータス「「ひょっとして、「ボク人間大好き〜」って口か?気持ちわりぃな」」イライラ

女「君の怒るポイントが実にわかりやすい」

女「てか、ぴぃ、としか言ってないよね。どんな情報量?」

ムックル「ぴぃ(ただ者じゃねえことは見ればわかるが……やっぱり物好きとしか思えねぇ)」

コータス「こぉ(へぇ、口と頭の悪いだけのヒヨッコじゃないんだね。少しくらいは目が利くらしい)」

ムックル「ぴぴるぴ(見下してんじゃねえぞこの異常性癖ヤロー)」

コータス「こぉーたす(眼は良いけど短慮で浅慮だねぇ)」
 ▼ 121 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:49:41 ID:oLRA5Cio [10/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムックル「」ギンッ

コータス「」ニヤァ

女「何この間」

女「こぉ、とぴぃ、で何を会話してるっていうの……?」

女「て、ハッ!」

女(今、話ができる状態なんだから、コータスに交渉してもらってゲットすればいいのでは!?)

女「……ねぇ、コータス。このムックル説得できないかな」ボソッ

コータス「はぁ?」

女「うまく交渉した上でゲットできれば、無意味にバトルしなくてすむと思うの」

コータス「こー、たすたす(……とか言ってるけど?)」

ムックル「ぴぃ(NO!だ)」

ムックル「ぴぴぴ(人間なんてのは、ろくでもない連中ばっかだからな)」

ムックル「ぴっぴっ(日和る、怖じ気づく、裏切る、口だけで本気じゃない。そんな奴らについていく理由がねえよ)」

ムックル「ぴー(おうち帰ってママと花嫁修行でもしとけ、クソガキ)」

女「どんな煽りだよ」
 ▼ 122 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:50:28 ID:oLRA5Cio [11/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「かわいいからそっちの方がいいって意味じゃない?ほめてるんだよ」

女「や、やめてよ。そういうからかいかたするの///」

ムックル「ぴぃぴぴぴるぴ!(ほめてねえよプラス思考か!)」

ムックル「ぴぃーぴ」ケッ

ムックル「」パタパタ

女「あ、ちょっと!」

コータス「「くだらねー。相手してるのがバカらしくなってきたぜ、じゃーなマヌケ」って」

女「はぁ……」シュン

コータス「罵られたくらいで何へこんでんのさ」

女「いや、そうじゃなくて」

女「なんか……仲間にするならあの子がいいな、って思ったというか」

コータス「えぇ?趣味悪ぅ」ウゲェ

女「違うよ、そうじゃなくて、初めてなんだこの感じ……うまく表現できない」

女「なんかこう……ビビビーッと来て、「この子だ」って思ったの」

コータス「………いや、何言ってんの?」
 ▼ 123 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:51:14 ID:oLRA5Cio [12/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



───気づけば、日が暮れ始めていた。


女「こりゃ、次の町のポケセン目指してたら、真夜中になっちゃうな……」

女「かといって、戻るのももう無理だ」

女「まさか出立して初日で、この選択をすることになろうとは」

女「……野宿しよう」



女「大体のキャンプ用品は折り畳みが利く。実にコンパクト」カチャカチャカキン

女「そして安い」キラーン

コータス「貧乏性は人間性を狭めるよ」

女「」クルッ

コータス「こぉ」

女「……倹約家と言ってほしいものです」テキパキ

女(……なぜ、ナナカマド博士は私を旅立たせたんだろう)
 ▼ 124 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:52:07 ID:oLRA5Cio [13/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女(金食い虫だからかな)

女(あんまりものを消費しないようにしていたし、お金を入れようと思ってアルバイトを探し始めたりもしていた)

女「もうちょっと早く始めればよかったか」キュルキュル

女(このランタン、推奨してる分よりも少しバルブをゆるくした方が火がもつって言ってたな)

女(おふるだと、何かと工夫がいるらしい)

女「そういえば、野良で使える道具を色々もらってたんだった。使い方を確認しとこう」

コータス「てかさぁ」

女「ん?」ナゲツケルトニゲラレルー

コータス「このペースじゃいつまで経っても進めないよ」

コータス「いつまで202番道路にいるつもりぃ?」

女「あのムックルをゲットするまで」ツカウトムシコナイー

コータス「はぁあ?」ゲンナリ

女「各地を転々としてるってわけでもなさそうだし、明日いっぱい使ってもう一度会う」

女「必ずゲットする」フンス

コータス「なんでそんな執着してるのさ……」
 ▼ 125 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:52:56 ID:oLRA5Cio [14/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「ビビビーッときたんだもん」

コータス「」

コータス(この子がこんなムキになってんの、初めて見たなぁ)

女「よし、把握した」

女「それじゃ、おやすみ」



















───夢を見た。
 ▼ 126 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:53:47 ID:oLRA5Cio [15/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
最近見るようになった夢。

荒野にぽつん、と枯れそうになっている雑草があった。

普段なら気にもしなかった。ひょっとしたら知らぬうちに踏んづけて、とどめを刺していたかもしれない。

だがその時、その雑草を見つけたとき、なぜだか目について、なぜだかしかたないなぁ、と思ってしまって。

気付いたら、自分の手に傷をつけて、その雑草に血を落としていた。

見る見るうちに雑草は元気になっていくが、反対に自分はどんどん力を失っていく。

やめればいいのに、やめることができるはずなのに、そうやって、気まぐれな献身を意固地に続けて。

雑草が持ち直した頃には、自分はすっかり血を出しきっていた。

あーあやっちゃったよ、と思いつつも、元気になった様子の草を見て、しかたないな、とため息をつく。

わけてやった血が要らなくなるくらいにこの草が大きくなったら、返してもらえばいいや。

そう思ったところで、目がさめる。



 ▼ 127 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:54:39 ID:oLRA5Cio [16/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムックル「」ツイバミ

ムックル「」モッチャモッチャ


───お昼です。


ムックル「?」

ムックル2「」パタパタパタ

ムックル3「」パタパタパタ

ムックル4「」ボトッ

ムックル「」フイッ

ムックル4「オイテメー顔背けんじゃねえ笑ってるんだろ」

ムックル4「見なくてもわかるんだからな」

ムックル「んん?ん?」

ムックル「大所帯でやって来たと思ったら、なんだ?デブのままじゃねえか」プッ

ムックル「そんなだから飛ぶのヘタクソなんだろ」プヒッ

ムックル「また負けたくなかったらダイエットしてこいっつったのに」ククククッ
 ▼ 128 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:55:46 ID:oLRA5Cio [17/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムックル「向上心ないのな」アハハハハハハ

ムックル「そのわがままボディ見てるだけで腹筋割れるわ」アッハッハッハッハー

ムックル4「」ビキビキビキ

ムックル4「わかってるようで全然わかってないみたいだから教えてやるけどなぁ」

ムックル4「お前の味方はここにはいないんだよ。な?」

ムックル2「まぁな、なんかムカつくしな」

ムックル3「だよね。くさいし」

ムックル4「いい加減、俺たちみんなお前にはうんざりしてんだよ」

ムックル「一人じゃ勝てないからってしたっぱ集めるあたり、実にみっともなくてよろしい」

ムックル「別にいいぜ。3対1なんて大したハンデにもならねえからな」

ムックル「食後の運動にのしてやる」

ムックル4「は?何言ってるんだお前」

ばさばさばさばさばさばさっ!!!



ムックル「───」
 ▼ 129 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:56:20 ID:oLRA5Cio [18/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ムックル4「俺たち"みんな"、お前にはもううんざりしてんだよ」

 ▼ 130 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:58:22 ID:oLRA5Cio [19/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───まんまるなムックルの背後から飛び出してきた、そのおびただしい数のムックルの群れ。

その1羽1羽が、こちらに対して明確な敵意を向けているのをピリピリと感じて、自然と彼はほくそ笑んでいた。


ムックル「少しは歯応えありそうじゃねぇか」ニヤァ

ムックル4「抜かせよバカが」


───何の合図もかけ声もなく、ムックルの群れはたった1羽に一斉に襲いかかった。

まるで、灰色の毒ガスがおおいかぶさったかのようだった。

しかし、ムックルは怯まない。

群がる同種達をつつき、はたき、蹴り飛ばしながら、少しずつその数を削っていく。

そうやって善戦しながらも、そのペースに見合わない傷を負っていく。

およそ、全員返り討ちなどほど遠い、しかし、尋常でないほどの大暴れをしながら、体力も、スタミナも敵もどんどん減らしていく。

数に任せて襲いかかったものの、反撃されてそのままノックアウトまで押し込まれてしまった個体からしたらたまったものではなかった。

この数で攻撃して、それでもまだ倒せないのかよ、と。

どこまでも気に入らない、いけすかない、にくたらしい、くさい、目障りで鬱陶しいこのはぐれものを、一刻も早く視界から消し去りたいのに、と。

そんな敗者を産み落としながら、独りぼっちのムックルは無数の同種達に牙をむく。
 ▼ 131 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 17:59:48 ID:oLRA5Cio [20/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
めちゃめちゃに暴れて、めちゃくちゃに傷つきながら1羽1羽を叩きのめしていき、そして。

総数の4分の1も倒しきらぬ前に、力尽きて倒れた。



ムックル(こいつらとこんな風になったのはいつからだったかな)

ムックル(顔を合わせればにらみあいになって、けたたましく鳴きやがるからぶっとばした)

ムックル(気付いたら、どいつとも顔を合わせればケンカになるのが当たり前になっていた)

ムックル(なるほど、そうやって過ごしてきた果てがこれか)

ムックル(まぁいいや、最期くらいいさぎよく迎えてやらぁ)


ムックルズ「「「「「「「「「「「「ヒャッハァ死にさらせこのダボがァーッ!!!」」」」」」」」」」」」ポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカ

ピッピにんぎょう「イタイヨーイタイヨー」

ムックルズ「「「「「「「「「「「「えっ」」」」」」」」」」」」

ピッピにんぎょう「イタスギワロエンガオガエンウッヒョーwwwwww」




女「いきなり使うとは思わなかった……」ゼェゼェ
 ▼ 132 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:00:50 ID:oLRA5Cio [21/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「ここから最寄りのポケセンまでだいたい半日しないくらいだから、残りのむしよけスプレーとピッピにんぎょうでだいたい……」

ムックル「……ぴぃ」

女「あ、目、覚めた?」

ムックル「ぴぃッ?ぴ、ぴる……ぴぴ???」

女「よかった……暴れるかも、と思って縛ったんだけど、そんな元気ないみたいだね。急ぐね」スタスタスタ

ムックル「……ぴぴぴぃぴ、ぴぴ、ぴぴぃ?」

女「ごめん、コータスしまってるから何言ってるのか全然わかんない」

ムックル「」

女「でも、ありがたがってないのはわかる」ハァ、ハァ……


───たかが早歩きでも息の上がってしまう自分の体力に、ほとほと呆れながらも、しかし歩みは止めない。

むしよけスプレーの時間は有限だ。


女「私もビックリしてはいるんだ」

女「探し回ってもムックルが全然いないから、どこに行ったんだろうって思った」

女「そしたら、あわてふためいて走っていくコロボーシがたくさんいるのに気づいたんだ」
 ▼ 133 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:01:46 ID:oLRA5Cio [22/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「だからもしかして、と思って」ヒィ、フゥ

女「ほら、タイプ相性的に考えて、ひこうタイプのいるところから逃げてるのかなって」ザッザッ

女「これだけ探しても見つからないのなら、どこかに集まってるはず。だから、コロボーシがそこから離れるのでは?って考えたら」

女「そこにいくしかないって思った」

女「そしたら君がいるかもしれないでしょ?」

女「はぁ……ふぅ……」ニコ

女「で、あんなことになってるんだもんね……ッ」ヨイセッ

女「間に合ってよかった」

ムックル「」ウツラウツラ

女「においとか嫌かもしれないけど、まだまだ我慢してね」プシュー



女「ッ……ッ……!」ヒョコッ、ヒョコッ


───逃走を初めて数時間が経った。

足を踏み出すたびに顔が一瞬歪む。
 ▼ 134 ーパーパンプ人◆kIHk8l4MgY 16/12/20 18:01:48 ID:F0k3OfEI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
待ってた!更新ご苦労様
 ▼ 135 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:03:23 ID:oLRA5Cio [23/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
早足の行軍に慣れていないことくらい、ムックルでもわかった。

靴擦れでもしてしまったか、力むような息づかいになるときがある。


「ピィーッ!!」

女「ぐっ!!」


───いつの間に追い付かれていたのか、背中から突き飛ばされた。

踏ん張ろうとした瞬間、ここ数十回の波で一番の痛みが、かかとから脳天を突き抜けた。

背中の鈍痛とかかとのするどい痛みに涙目になりながら、思わず膝をついた瞬間。

ぶわっと、灰色の群体が彼女におおいかぶさった。


「ピィーーーーーーーーーーーーーーーッぴ!!」「ぴぴるぴぴぴぴるぴぴぴぴるぴぴ!!!」「ぴぴぴぴぃいいいいいい!!!」「ぴぴ!ぴぴ!!ぴぴ!!!ぴぴ!!」「ぴぴぴぴぴぴぴ!!!」「ピィャアーッ!!!ピピピピルルピピルル!!!!!」「ピィピピィピピィピピィピ!!!!!!」「ピッピッピ!!ぴぴぴぴぴぴるるるりぃ!!ぴぴぴぴるぴぃぃぴぴぃ!!!」「ぴぃーーーーーーーーー!!!!!!」「ぴぃぴぃぴぃぴぃぴぃぴぃぴぃぴぃぴぃぴぃぴぃ!!!!」「ぴるるぴるるぴるるぴぴるるるるるる!!!!!」「ぴ」「ぴぴいぴいいるるぴるるぴ!!ぴいぴいぴいるるぴぴぴぴるるぴ!!!」「ピィーーピルピーーー!!!」「ぴるるぴっ!!ぴいぴるぴいぴるぴいぴぴるる!!」「ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴっぴ にんぎょう に むちゅうだ!!
 ▼ 136 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:05:09 ID:oLRA5Cio [24/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「」ヨロッ

女「むしよけスプレーの効果が切れてるのに……気付かなかった」フラッ

女「ピッピにんぎょうはもうないから……スプレーの効果に注意しなきゃ」

女「身体中痛い……」

女「!」

コリンク「」ジイッ……

女「……」ヒョコッ、ヒョコッ


───再びむしよけスプレーを使ったから、もうしばらく野生のポケモンに絡まれずに済むはずだ。

ピッピにんぎょうのおかげで逃げられたとはいえ、それを取り出すまでの間に、つつかれ引っ掻かれ噛まれを何度となく食らった。

泣きっ面に蜂とはこの事だ。

旅立ってまだ次の町にたどり着いてすらいないのに、こんなにボロボロになるなんて、想像以上だった。

でも、こんな目に遭っているのに、なぜだろう。


女(この子を見捨てて逃げるなんて、思い付いても全然実行する気にならない)

女(ふくろだたきにされてるムックルを見た瞬間、ピッピにんぎょうを投げてた)
 ▼ 137 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:06:00 ID:oLRA5Cio [25/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女(なんでだろう)

女(研究所でなかよくなったナエトルとヒコザルとポッチャマは、旅に付き合わせたくないって思ってたのに)

女(なんでだろう、どう考えたって矛盾してる……けれ)

女(私はこのムックルと旅がしたい)


───弱々しい足取りで、彼女は進む。


















女「……見えたッ」
 ▼ 138 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:07:09 ID:oLRA5Cio [26/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───町の入り口と、その向こうにはポケモンセンターの看板が見える。


女「もう少しだからね」

「───ッ!」

女「!!」クルッ


───群れが迫ってきている。

むしよけスプレーはもうない。


女「もう少し……なのにッ」

女「──────」フー……

女「ぐっ……ん゛んッ!!!」ダッ


───ラストスパート。


たかが数百メートルだ。ここまでの道のりに比べればあと少し。
 ▼ 139 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:09:22 ID:oLRA5Cio [27/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
よろけながら、ずきん!と痛みを発する足に涙目になりながら、早歩きともいえないようなスピードで、背後の迫り来る声を振りきるように、必死に走る。



ばさばさと無数の何かが空を叩く音が聞こえた。

町の入り口だ。
 ▼ 140 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:10:00 ID:oLRA5Cio [28/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
人口の多い場所に入って数が減ったからか、ほんの少し静かになった。

あと15メートル。



 ▼ 141 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:10:37 ID:oLRA5Cio [29/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかしまだ、けたたましく追いすがる声が続く。

あと10メートル。



 ▼ 142 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:11:20 ID:oLRA5Cio [30/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
後ろに引っ張られるような感触を覚えた。

あと8メートル。



 ▼ 143 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:12:09 ID:oLRA5Cio [31/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
身体中を、爪を立てて掴まれたようなチクチクとした感触がおおう。

残り6メートル。



 ▼ 144 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:12:43 ID:oLRA5Cio [32/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
引っ掻かれながらも、腕の中の彼に届かすまい、と背を丸めた。

残り4メートル。



 ▼ 145 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:13:22 ID:oLRA5Cio [33/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
立ちふさがるように灰色の影が目の前に降りてきた。

3メートル。



 ▼ 146 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:14:21 ID:oLRA5Cio [34/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少しでも"走る"以外のことをしたら脚はもう動かなくなるに違いなかった。

目の前の灰色はよけられない、2メートル。




こちらをにらむ、するどいめが語っている。




そいつを俺たちによこせ、と。




そいつの命は俺たちのものだ。




体が持ち上げられるような感覚がした、1メートル。
 ▼ 147 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:15:19 ID:oLRA5Cio [35/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告















女「この子は───私のだッ!!」












 ▼ 148 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:17:00 ID:oLRA5Cio [36/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もふっ、という感触を顔面いっぱいに食らいながら、後先考えずまっすぐつっこんでいた。


タイル張りの床に倒れ込みながら、少しけものくさい、と思った。



──なにこのむっくるのむれ!──

──おんなのこにむらがってるぞはらえはらえ──

──むくばーど、かぜおこし!──

──あなた!あなた!いしきはありますか!もしもし!もし!──


ゆめうつつの中にいるような気分で、声だけが遠くから、混濁した意識を指の先でかすめるように聞こえた。

疲労から言葉の意味を認識できないまま、身体中が痛みでしびれるような感覚の中、ただ、腕の中の温もりだけが彼女に安堵をもたらした。

辿り着いた、と。

混沌と化したポケモンセンター内で、少女はムックルを抱きしめながら意識を手放した。





「「「「「「「「この子いったい何したん!!??」」」」」」」」アビキョウカン
 ▼ 149 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:18:17 ID:oLRA5Cio [37/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




女「はっ」

女「白い天井、やわらかいふとん……」

女「夢だった……のか」

ジョーイ「夢じゃありませんよー?」ビキビキ

女「おわっ」



ジョーイ「見た目がひどいだけで大きな怪我はないですけれど……あんな無茶をして!」バリバリダー!

ジョーイ「あそこで居合わせたトレーナー達はいきなりの事態に面食らって、それでもあなたを助けようとしてくれたのよ?」

ジョーイ「ポケモンセンターに野生のポケモンの群れを連れてくるなんて前代未聞です!」

ジョーイ「ポケモンセンターはメチャクチャ!あなた達を助けようと奮闘してくれた人達にも少なからず怪我人が出ました」

ジョーイ「みんな、あなたほど大事ではありませんけどね」

女「すみません」

ジョーイ「羽毛やらフンやらが散らかって、インテリアや設備もかなり汚されました。掃除が大変でした。まだ終わってません」ゲンナリ
 ▼ 150 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:19:33 ID:oLRA5Cio [38/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「ごめんなさい」


ジョーイ「だいたい、あんなに怒ったムックルの群れなんて、わたしは初めて見ました!何をしたらあそこまで怒るのか、興味深……じゃない、好奇心を……じゃない!!!!」ウガー


女「」ビクッ


ジョーイ「ともかく、あなたのとった行動はたくさんの人やポケモンに迷惑をかけました」


ジョーイ「ポケモントレーナーを志すなら、重々反省しておくこと」


女「はい……」シュン


ジョーイ「でも、それだけの迷惑や被害を差し引いてもなお、あなたの勇気は称賛に値するものです」


ジョーイ「ムックルはすっかり元気になりましたよ」
 ▼ 151 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:20:40 ID:oLRA5Cio [39/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「ほんとにすっかり元気だね」ボロッ

ムックル「」ツーン

ジョーイ「その子、あなたのポケモンではないわよね」

女「はい」

ジョーイ「なのにどうして、そこまでして助けようとしたの?」

女「これから仲間にする予定だったので」

ジョーイ「」

ジョーイ「え、それだけ?」

女「はい」

ジョーイ「……」キョトン

ジョーイ(普通、そこまでする前に、他のポケモンにしようって思うものなのだけれど……)

ジョーイ(なりふりかまわないって、凄まじいわね)


───2日前。

ポケモンセンターがムックルの群れによってカオスゾーンと化したのは、もう一昨日のことだそうだ。
 ▼ 152 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:21:37 ID:oLRA5Cio [40/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時群れを追い払うのに助力してくれたトレーナー達は、ほとんどがもういなくなってしまっていた。

それでも、残っていた人達にお礼と謝罪をして回って、残っていた掃除にも参加した。


女「驚きだったのは、誰も私に対して怒らなかったことでした」

女「むしろ誉めてくれた」





『あんな群れに襲われたら、新人トレーナーなんかひとたまりもないものよ?君、ガッツあるじゃないの』

『ポケモンセンターに駆け込んだのはいい判断だったよ。怪我はしたけど、君たちを守れてよかった』

『そのムックルを助けるために頑張ったんだろ?揃って大事にならなくてよかったよ』

『……よくやったな』ポン





女「……よかった」
 ▼ 153 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:23:29 ID:oLRA5Cio [41/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───ひとやすみ。


ムックル「……ぴぃ(助けられた礼は言っておくぜ。借りも返そう)」

コータス「ありがとう、この借りは返す、ってさ」

女「」クルッ

コータス「周りに人、いないよ」

女「……やっと、ちゃんとお話しできそうだね」

ムックル「ぴいっ(義理があるからな、話くらいはしてやる)」

女「───図鑑説明で、ムックルは群れるポケモンってあった。実際、ほとんどのムックルは群れで行動してた」

女「でも君は昨日一匹だった」

女「加えて、異常なまでに人間を嫌ってる……考えられる理由はそんなに多くない」

女「君が、他のムックルからリンチされていたのを見て、本に書いてあった一文を思い出したよ」

女「ポケモンセンターに向かう道すがら、いろんなポケモンから白い目で見られて、確信した」

女「人間にひどい目に遭わされたのは間違いない。且つ、202番道路のポケモンまるごとから敵視されていたという事実からして」

「それが現在の君のぼっち状態に起因するものであるなら」
 ▼ 154 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:24:13 ID:oLRA5Cio [42/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───『野生のポケモンは、人間の飼うポケモンに強い敵意を向けることがあります。』


女「捨てられたんだよね、人間に」

ムックル「」ムスッ

 ▼ 155 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:25:23 ID:oLRA5Cio [43/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ほんの少し前まで、俺は人間に飼われていた。

頼りないトレーナーだったが、待遇はよかったからな。こいつについていくのも悪くない、そう思っていた。

だが、ある時バトルで負けて、そいつは本性をあらわした。

相手は図体のでかい強気なやつでよ。

いるだけで肩が凝るような威圧感があった。

ソイツは、俺のトレーナーにこうもちかけた。

「お前のムックル俺にくれよ」

大事そうにしているのに目をつけてそう言ったんだろう。

断じて、欲しくなったわけじゃない。

ただの嫌がらせだったにちがいないんだ。

バカだった俺は、それくらいわかるはずだ、って思ってた。

それはできない、と言うことくらいできるだろうって。



 ▼ 156 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:26:25 ID:oLRA5Cio [44/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何にも抵抗せず、俺は差し出された。

「いいよ。あげる」ってよ。

ボールを持つ手が恐怖で震えていたのは覚えている。

あいつの顔はもう覚えてねぇ。



新しいトレーナーは、勝負にこだわるやつだった。

バトルに関しちゃ入念に準備するタイプだったし、強さにも執着があった。

いくらかマシだったな、最初の方は。

だかそいつは、自分より強そうなトレーナーに挑む、ということは決してしなかった。

「今の俺じゃかなわないからな。努力してりゃいつかは倒せるようになるさ」

いつまで経ってもそうはならなかった。

そいつはいくぶんか強いばっかりに、守りに入っていた。

手の届く範囲でしか腕を磨かず、自分の勝てる相手としか勝負をしない。

「俺はいつかチャンピオンになるのさ」

そう言いながらなーなーで日々を過ごしてやがった。
 ▼ 157 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:27:32 ID:oLRA5Cio [45/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな毎日が繰り返されてた。

そんなある日、何の前触れもなく、突然のことだった。

たぶん、いつかそうなるってだけの話だった。

むしろちょっと遅かったくらいだ。

「なんか飽きたわ」

俺だってとうの昔に飽きれ果ててたよ。

俺は捨てられた。
















女「そっか」
 ▼ 158 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:28:29 ID:oLRA5Cio [46/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「じゃあ、君がそうなのもしかたないね」

ムックル「」フン

女「───君は、このあとどうしたい?」

女「202番道路に帰る?」

女「それとも、他のところに行く?」

ムックル「」ケッ

ムックル(見るからに、「それでもいいよ」って言いたげだ)

ムックル(よくなんかねぇくせに、そう言う)

ムックル(だから人間は嫌いだ)

ムックル(本音を隠して、そのくせプライドはありやがるから体裁を整えて)

ムックル(自分に都合のいい空気をつくって、遠回しにことを運ぼうとしやがる)

ムックル(こちとらもううんざりなんだよそういうのは)

ムックル(これだから人間はろくでもねぇ)

女「私は───」
 ▼ 159 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:29:15 ID:oLRA5Cio [47/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムックル(さぁ、俺が後ろ髪引かれそうな態度を少しでもとってみろ)

ムックル(その瞬間目ンタマくりぬいてやる)ギッ























女「私は、そうしてほしくないんだけど」

ムックル「」
 ▼ 160 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:30:15 ID:oLRA5Cio [48/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「私は君が欲しい」

女「私は、この借りを利用してでも君をゲットしたいって思ってる」

女「義理とか貸し借りとか、超気にするタイプっぽいし」

女「しめた、と思ってる」

ムックル「」ポカーン

女(前にナナカマド博士に言われた)



ナナカマド『君は、どうも自分の主張や希望、考えや願いを口にするのをためらうきらいがある』

ナナカマド『へりくだったり、にごしたりする必要はない。君の真心をそのまま口にすれば、相手にはきっと伝わる。だから……』



女(勇気をもって言葉にする)

女「私の仲間になって」
 ▼ 161 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:31:20 ID:oLRA5Cio [49/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「〜♪」フカフカ

ムックル「」

女「羽毛柔っわぁ……」デレデレ


───ボールに入れときゃいいのに、なんでわざわざ抱きかかえてんだ?

と、ムックルは思っていたが、甘んじて受け入れてやっていた。

自分はこいつにことごとく負けてしまったのだから、多少勝手にされるのは仕方ないことなのだ、と思って。

断じて、 だっこされるのも撫でられるのもひさしぶりで案外心地よい、とか、そんなことは思っていない。

つもり。


女「私は君をゲットできて嬉しいよ」ギュッ

ムックル「ぴっ!!!!」ズキュゥゥン

ムックル「カァァァァァァァ」

女「?? ヤミカラスでもあるまいに……」ナデナデ

コータス「………………!」ピコーン

コータス「」ニタァ
 ▼ 162 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:32:52 ID:oLRA5Cio [50/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「なんか悪い顔してるし……」

ムックル「」チチチチッ

女「ん、どっかかゆいの?」

ムックル「ぴぃ」

女「なんて?」

コータス「「最近シラミがついててうぜぇんだよ。別にかゆくはねぇんだが目につく。ケンカに勝ったときとか妙にスッとするようになったんだが……」」

女「別に、何にもないけど……」ハテ

女「するどいめでよく見えるんだろうか」

女「てか、「スッとする」ってのは?」

コータス「「ケンカ1回あたり気持ち2倍強くなってる気がする」って」

女「何それ怖い」


───どのみち、しばらくはここで安静にしていろと言われている。

明日ちゃんと診てもらおう、と思った彼女だったが。

その頃には、その"シラミのような何か"はただのニコちゃんマークと成り果てていたのであった。
 ▼ 163 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:35:36 ID:oLRA5Cio [51/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
初ゲットの話、終わり
 ▼ 164 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:36:09 ID:oLRA5Cio [52/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



───旅に出るちょっと前。


ナナカマド「む。アルバイトをさがしているのか?」

女「はい」

女「居候でお金も納めないのは、ご迷惑かと思って」

ナナカマド「……君、ほかにやりたいことはないのかね?」

女「やりたい?」

女「………ここを出ては行く宛もありませんから、ここにいたいです」

女「ご厚意でお世話になってますけど、これ以上ここにいるなら家賃は納めないと、とは思っています」

ナナカマド「……君は、同じくらいの歳の子どもが旅立っていくのを見て、どう思う?」

女(そういえば、よくそんな子どもも来てるか)

女「これから大変だろうな、と思います」

女「でも、彼らには追いかける夢があるのですから、その険しい道に挑むことは彼らにとって幸せなことなんだろうな、って」

女「ヒコザル、ポッチャマ、ナエトルを連れていく子達は、みんな笑顔ですから」
 ▼ 165 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:37:05 ID:oLRA5Cio [53/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ナナカマド「無縁なことのように話すのだな」

女「実際無縁ですし、やる意味がないと思います……私では」

ナナカマド「……トラブルが多く、イレギュラーも頻発し、何が起こるかわからない、そんな旅をすることは、君にとっては無意味かね?」

女「目的もありませんし……はい。意味が見出だせません」

ナナカマド「……」ウーン

女「私がここにいるのは、駄目でしょうか」

ナナカマド「……いかんな」

ナナカマド「君は、旅に出た方がいい」

女「」

女「え」



 ▼ 166 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:37:45 ID:oLRA5Cio [54/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───ナナカマド博士。

ポケモンの進化研究の第一人者であり、ポケモン研究家としてはオーキド博士の先輩にあたる。

メガシンカ研究でおなじみのプラターヌ博士は教え子である。

無愛想で言葉数が少ないため、見る人によってはいつも怒っているようだが、その実世話焼きで。

彼と交遊の深い人々には、無類の子ども好きであることも知られている。
 ▼ 167 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/12/20 18:38:30 ID:oLRA5Cio [55/55] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まだつづく!
 ▼ 168 ドグラー@サイコシード 16/12/20 18:45:00 ID:F0k3OfEI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更新乙でした
また楽しみにしてるから無理せず頑張ってね
 ▼ 169 ネコ@こうこうのしっぽ 16/12/21 18:06:55 ID:qDnZbVEk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こころあったまる
支援
 ▼ 170 ニスズメ@かえんだま 16/12/22 00:41:28 ID:SfyW0DsA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更新きてたぁ!!やばい、うれしい(*:ヮ:)
ムッくんかわい過ぎる!!

ポケセンにたどり着いたときのセリフ、グッときた!!
このページは検索エンジン向けの機能制限版の旧ページです。
下URLから閲覧下さい。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=367023
  ▲  |  全表示170   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。
書込エラーが毎回起きる方はこちらからID発行申請をお願いします。(リンク先は初回訪問云々ありますがこの部分は無視して下さい)

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!

(消えた画像の復旧依頼は、お問い合わせからお願いします。)
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼