ゾロアーク「告らせ隊」エルフーン「あなたの恋を応援します!」:ポケモンBBS(掲示板) ゾロアーク「告らせ隊」エルフーン「あなたの恋を応援します!」:ポケモンBBS

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ゾロアーク「告らせ隊」エルフーン「あなたの恋を応援します!」

 ▼ 1 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/01 21:10:10 ID:gHMsrSQo NGネーム登録 NGID登録 報告
「俺の・・・恋人になってくれませんか」

「・・・はい、喜んで」

寒空の下、開けた公園で。

一世一代、漢の大勝負を行ったエースバーンと、彼の告白を受けたミミロップ。

お似合いの二人を祝福するのは、季節外れの桜。

ミミロップが好きだと言っていた、満開の桜であった。

「ほ、本当に!?嬉しいな、夢みたいだ!!俺、絶対に幸せにするから・・・グスッ」

「も、もう、泣かないでよ!!頼りなく見えるよ?」

「ご、ごめん・・・でも、嬉しくて」

「ふふ・・・私だって嬉しいよ。これからよろしくね?」

「うん、こちらこそ」

そうして二人は手をつなぎ、新たな生活へと舵を切っていく。

世界では今日もどこかで誰かが誰かと恋に落ち、彼らのように結ばれる者たちで溢れている。

時には恋に破れ涙を流す者もいるが、彼らもまたその悲しい経験を糧に成長し、またいつか恋をする。

この物語は、
 ▼ 37 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/04 20:45:48 ID:2E3cdeDo NGネーム登録 NGID登録 報告
「わぁ〜!凄いです!!」

「う〜ん、いい匂い!!食べちゃっていいの?」

「どうぞ、試作品ですから!」

フーディンと共に料理していたテールナーも自信ありげで試食を促す。

「多種多様のきのみで香りづけをしながら、主役はあくまでショコラ・・・味を邪魔してしまわない様に、かなりいい感じに仕上がったと思いますが」

「どう・・・ですか?」

「うーーーん美味しい!!たまりませんなぁ!!」

「ほんとですね!これ、私も教えてもらいたいです!!」

その味はやはり好評、フーディンはそっとやはりそうでしょうと言いながらそっと胸をなでおろす。

「それなら私が教えてあげるね!」

「ほんとに!?」

そしてテールナーも笑顔でニャスパーにそのレシピを教え始める。

「なるほど、テールナーちゃんとのスウィーツ作成にニャスパーちゃんも誘ったんだ」

「ええ、同年代の女子ですから、気が合うかもしれないと思いまして」

「流石マスター、気が利くねぇ!」

いつの間にか仲良くなっている依頼者二匹の様子を見て、エルフーンとフーディンは少し微笑ましい気分になるのだった。
 ▼ 38 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/05 20:11:04 ID:ZayYjFWY [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
日は流れ、ニャスパーとニューラのデート当日。

「こんな感じかな・・・どう思う?サーねぇ」

「そうですね〜、ちょっと分かりにくいので笑ってみてもらっていいですか?ニャスパーさん」

「は、はい!」

「笑えてないよ!!リラックスリラックス!」

待ち合わせの時間まで、ニャスパーはエルフーン達の協力の下メイクアップを行っていた。

「ほら、ニーーーって」

「に、にぃぃ・・・」

「まだまだ表情は堅いですけど、そうですね!メイクはそれぐらいナチュラルな感じのほうがいいと思います、可愛いですよ!」

「ほら男子勢も!どう思う?」

「お前の仕事なら間違いはないだろ」

「ああ、相手方も派手に遊び慣れてるタイプでもないし、それくらいが丁度いいだろうな」

「うしっ、これでオッケー!自信持っていこうニャスパーちゃん!今日は楽しむんでしょ?」

「今日は楽しむ・・・今日は楽しむ・・・」

既にバレンタインデーまでも日がなく、今日のデートが終われば後はチョコレートを作って当日に備えるくらいしかやることはない。

嫌が応にも緊張してしまうニャスパー。

だが、それ以上に、彼女はこの日を何よりも楽しみに生きてきた。

「行けそう?」

「・・・はい、行ってきます!」

「よっしゃ!頑張って!!」

パン、と頬を叩いて気持ちを入れなおし、力強く応えたニャスパーの背中をエルフーンは願をかけるように叩いてやる。

改めて隊員たちに頭を下げ、ニャスパーは待ち合わせ場所へと発っていった。
 ▼ 39 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/05 20:13:03 ID:ZayYjFWY [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「胸いっぱいに広がる緊張と、その中に暖かく漂う嬉しい、ワクワクの感情・・・まさしく恋の色です!ああ、どうかデートがうまくいきますよう・・・!」

「聞いてた時間までまだだいぶあるぞ・・・まあ無理もないか。居ても立っても居られないんだろうな」

「・・・うぅぅ大丈夫かな!?やっぱり心配だよぉ、誰もついてなくて大丈夫かな!?」

残された隊員たちは、やはりそのデートの行く末が気になって仕方がない。

「いけませんよ、エルフーンさん。今回のデートには我々は干渉しないと決めたではありませんか」

「分かってるよマスター!分かってるけど、心配なのは心配でしょ!?」

とりわけ本人のいないところで弱気な姿勢を見せるエルフーン。

一番不安なのは依頼者自身だと分かっているので彼女らの前では気丈に振舞いつづけるが、誰よりも親身となって依頼者に接する彼女はその心配も人一倍であった。

「もし最後の告白が成功したら、その瞬間告白は『最後』じゃなくなる。その後も彼女らの関係は続いていくんだ・・・とりわけこういう場面での過干渉はよくねぇ」

「うん・・・うん、依頼者のためにも、だよね」

ゾロアークがエルフーンを諭す。

隊長である彼は同時に告らせ隊の精神的支柱でもある。

他の隊員が不安に駆られた時などに、それを解消しようと真っ先に試みるのは彼であることが多く、それ故に隊員たちからも慕われているのだ。

「それに、今日は他にもやることがあるだろ」

「ああ・・・正直俺はそっちの方が気が重いよ・・・」

「そろそろいらっしゃる頃ですよね」

続くゾロアークの言葉にオオスバメが憂鬱そうに反応する。

直後、ドアが開き、告らせ隊への依頼者の一匹であるユキノオーが現れた。

「あ、噂をすれば!おっすノオーさん、いよいよ告白の日だね!」

「ほ、本日はどうぞよろしくおねがががが」

「落ち着け落ち着け、そんな調子じゃ告白のセリフまでたどり着かんだろ・・・まあ、今日は頑張ろうぜ」
 ▼ 40 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/05 20:14:46 ID:ZayYjFWY [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「お邪魔しまーす!聞いてくださいみな――」

「ウォォォォォォォォォ!!ちくしょぉぉぉぉぉ!!!」

「・・・さ・・・ん・・・」

「あ、あー・・・いらっしゃい、ニャスパーちゃん。今日はお疲れ様〜」

ニューラとのデートを終え上機嫌で帰ってきたニャスパーが「SPoooooN」のドアを開くと、そこには大号泣の大男がいた。

「え、えっと・・・」

「ほら、告らせ隊への依頼者は同時に複数であることもあって、そして告白は絶対に成功するわけでもなくて・・・つまり」

「察してくれ・・・」

「ああ・・・」

エルフーンとゾロアークの言葉と顔色で状況を察知したニャスパー。

一度引き返した方がいいかなと考えていると、再び店内に轟音が響いた。

「ウォォォォォォォォォォ!!」

「どうどう、ユキノオーさん。今日は残念でしたけど、ほら、気を落とさないで。またいいご縁がありますから」

数か月に及ぶ計画の末に遂に告白へと踏み切ったユキノオー、それだけにフラれたショックは大きい。

恋に破れた依頼者のメンタルケアも告らせ隊の仕事の一つ、サーナイトが懸命に慰める。

「あんなにあがり屋で臆病だったユキノオーさんが、勇気を振り絞り告白までたどり着くことができた、それはとても素晴らしいことです。産まれて初めての告白だったのでしょう?」

「うぅ・・・ああ、そうだよ・・・」

「本当に頑張りましたね、きっと、いや絶対にこの経験はいつか活きますから!」

「うぅ、サーナイトさんは優しいなぁ・・・」

サーナイトの必死の献身もあってようやくユキノオーの涙も落ち着く。

「でも、本当においらにいいご縁なんてくるのかなぁ・・・」

「大丈夫ですよ、ユキノオーさんは優しくて大らかな、素敵な男性ですから」

「本当に?」

「嘘は言いません」

そこで少し沈黙がながれ、ユキノオーとサーナイトの目が合った。

どうかしましたか?というようにサーナイトが首をかしげる。

「・・・サーナイトさん、良ければおらと付き合――」
 ▼ 41 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/05 20:16:24 ID:ZayYjFWY [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「はいはい酒なら俺が付き合うから、あんま他の隊員困らせるようなこと言うなよな〜」

とここで二匹のやり取りを眺めていたオオスバメが割って入り、ユキノオーを店の外へ連れ出してしまった。

「いたた、ちょ、冗談!冗談だよオオスバメ君離しておくれ〜!」

「冗談言える元気あんなら大丈夫だろ。ほら行くぞ」



「あはは、余裕ないね〜スバっちも。相手は失恋明けで弱ってるのに」

「オオスバメさん、外連れっちゃいましたけどいいんですか?」

「問題ねぇよ、あの二匹も随分仲いいし」

困惑するニャスパーを他所に、一連の流れを見ていたエルフーンとゾロアークは笑いあう。

「そもそもスバっちの気持ちって結局のところサーねぇにバレてるの?バレないわけがないと思うんだけど、サーねぇ心読めるんだし」

「サーナイト曰く、誰が誰を好きだとかまで見えるってわけないらしいがな」

「にしてもだよ。気づきやすいのは気づきやすいはずでしょ?」

「さぁ・・・結局のところ本人にしか分からんな」

「あれ、皆さん私の話されてます?」

「サ、サーねぇ!!」

二匹がコソコソと話しているところへ、ユキノオーが座っていた席の周りの片づけを終えたサーナイトがやってきて、エルフーンは少し慌てる。

「いやぁ、スバっちも手厳しいな〜って。強引にノオーさん連れてっちゃったでしょ?」

急いでてきとうに理由を繕い誤魔化すと、サーナイトはきょとんとした顔でそれに答える。

「あれはオオスバメさんの気遣いですよ。やっぱりお酒を入れて同性同士での方が話しやすいことも多いでしょうし・・・それにどうしても失恋したばかりの方の前ではニャスパーさんも話がしづらいでしょう?」
 ▼ 42 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/05 20:17:46 ID:ZayYjFWY [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「えっ、あ、私・・・」

言われてニャスパーは、ウキウキで今日のデートの話をしにきていたことを思い出す。

「デートは成功したのか?入ってきたときはご機嫌な風に見えたが・・・」

「そうだよ!聞かせてよ!あたしもうずっと心配だったんだから!!」

「ご、ごめんなさい・・・」

「謝らなくていいよぉ!どうだったの?ちゃんと楽しかった?」

「楽しかったです!幸せでした!!エルフーンさんにしてもらったメイクも、ニューラ君『なんか雰囲気違うな』って気づいてくれて。『いい感じだ』って褒めてくれたんですよ!!」

「くぅ〜〜〜!報われる〜!!色々と報われなかった直後だから余計報われるよ〜!!」

「観終わった後はそのまま一緒にご飯食べて、映画の感想とか言いあって盛り上がったんです!なんだか昔に戻れたみたいで・・・」

「楽しかったんなら、よかった。今日は君にとってそれ以上に大事なことは無かったからな」

その後もニャスパーは嬉しそうに今日のデートであった些細なあれこれを話してみせた。

初めて出会った時から最も活き活きしている彼女を見て、ゾロアークたちもまた満たされた気持ちになる。

彼女たちの会話は、数時間後オオスバメがべろべろに酔っ払ったユキノオーを連れ帰ってくるまで続いた。
 ▼ 43 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/05 20:19:40 ID:ZayYjFWY [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「さて、あとはバレンタインデーを待つだけですね。プレゼントするチョコレートは・・・」

「はい、テールナーちゃんから教えてもらったショコラケーキに決めました!マスターさんにも味見してもらって、合格を貰っています!」

「え、味見とか聞いてないよ!?マスター独り占めはずるくない!?」

「前エルフーンさんにも食べていただいたものと同じものですよ。来月には正式にメニューに入れようと思いますから、またいつでも食べられますよ」

「ニャスパーちゃんが作ったものはまた特別でしょ〜?」

「えっと・・・秘密だったんですけど、14日に皆さんの分も作って持ってきますから、それでお許しください・・・」

「ほんと!?やった、ニャスパーちゃん大好き!!」

そうして、いよいよ告白の瞬間が現実味を帯びてくる。

自分から頼んでおいて、「SPoooooN」の扉を開いた当初はまるで想像できなかったその情景も、ニャスパーは今容易に脳内に描くことができた。

「・・・当然ですけど、フラれる可能性もあるんですよね」

告白に失敗し、涙を流すユキノオーを見て、改めてニャスパーに強く意識付けられた、現実。

告らせ隊と出会ってから、全てがうまく行って毎日がより楽しくなったけれど、この恋の終わりがハッピーエンドの保証などどこにもないのだ。

「怖い?」

「はい・・・」

エルフーンの問いに、ニャスパーはうなずく。

「・・・こればっかりは、やっぱり絶対に大丈夫なんて言えません。私でも、心を操ることまではできませんし、そんなことができてしまったら、この世から恋が消えてしまいますから」

「必ずうまくいく恋なら、恐れも楽しみも何もない、我らも、いらない。すっかり私たち皆の口癖になってしまいましたね」

サーナイトが、フーディンが、彼女の気持ちを痛いほどに分かりながらも、その恐れに対し自分は無力だと言葉を紡ぐ。
 ▼ 44 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/05 20:21:10 ID:ZayYjFWY [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「・・・告白の前からフラれた時のことを考えるのは、ほんとはよくなくてあたしも嫌いなんだけど」

それでもエルフーンはニャスパーを勇気づけるために、彼女の目を見て言い聞かせた。

「失恋の経験もいつか自分のために活きるっていうのは、何もサーねぇがノオーさんを元気づけるために言ったでまかせじゃないんだよ。君があたしたちと一緒に踏み出した、一歩一歩の勇気は無駄になるはずがない」

「・・・」

「そんでもって、うまくいかなくたって死ぬわけじゃない!!じゃあもう砕けるのも覚悟で当たるしかないよね!!ダメならあたしたちが一緒に泣いてあげるし、話も聞くし、成功したならみんなでパーティだよ!!」

「・・・えへへ、ありがとうございます。私、皆さんの力を借りて本当によかった。それは、告白がうまくいってもいかなくても同じですから!」

「嬉しいこと言ってくれるな〜このこの〜!たいちょーにも言ってあげてね、きっと喜ぶからさ」

「はい!!」

何度心に弱さがつけいっても、その都度エルフーン達が強い言葉でその弱さを打ち直して自信に、力に変えてくれる。

そうしてニャスパーは遂に覚悟完了し、あとは2月14日の日を待つだけ。
 ▼ 45 日ゴロゴロンダ◆XTk1MeLTks 20/02/06 15:25:15 ID:e6DUK0NY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 46 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/06 23:34:39 ID:WZIwi3zs [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
そのはずだった。

「あれ?ニャスパーちゃん」

バレンタインデーの3日前となったこの日、隊員たちはニャスパーがこの日、本部へ姿を見せるとは聞かされていなかった。

それ故彼女の来訪にエルフーンは驚き、要件を伺おうと彼女に近づいた。

「今日はいったいなん・・・の・・・」

「・・・エルフーンさん・・・」

そこで彼女の表情を見て、更に驚く。

その瞳から、涙が流れていたから。

「・・・本当に、どうしたの?」

「・・・ニューラ君が、女性に抱き着かれているのを見たんです」

「え・・・」

「きっと、彼女です・・・」
 ▼ 47 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/06 23:35:21 ID:WZIwi3zs [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「あれが、そうか?」

「間違いないだろ?告白対象のニューラと、その隣で親しそうなマニューラだ。全く我ながらよく見つけられたもんだぜ・・・」

「そもそも今日も二匹一緒にいる保証なんてなかったからな、限りなく望み薄だと思っていたが・・・」

翌日、オオスバメの必死の偵察によって告白対象のニューラと、その隣で楽し気に話すマニューラが発見された。

ニャスパーの話では昨日下校していた所、偶然ニューラを見つけ、

少し距離があったが声をかけようと駆け寄ろうとしたところ、彼の元に見知らぬマニューラが現れ出会いざまに彼に抱き着いたのだという。

昨日のニューラは珍しくクラブに参加することなく、放課後早々に急ぎ足で帰っていたとのことで、ニャスパーはそれを「彼女との待ち合わせのためではないか」と回想していた。

その現場に直面した瞬間ニャスパーは頭が真っ白になり「SPoooooN」へと駆けこんだ為、隊員一同は「まだ恋仲だと決まったわけではない」と励まし、それを証明するために今日の計画を行っているのだが・・・

「状況証拠的には限りなくクロだよな・・・そもそも、寧ろ今日も一緒にいるのが余計恋仲臭い」

「ニューラとマニューラだろ?姉弟の線もある」

「思春期の姉弟が往来で抱き合ったりするかね」

「・・・どうせ、あとではっきりさせるんだ。どうこう言う必要ねぇだろ」

オオスバメは内心諦めムード。

ゾロアークも口ではそう言うが、手でも繋がれようものなら終わりだと、祈るような思いでニューラ達の様子を見ていた。
 ▼ 48 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/06 23:35:51 ID:WZIwi3zs [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「何話してるか聞こえるか?」

「いや・・・さっぱりだ」

会話の内容までは暴くことはできないまま二匹の尾行は続き、遂にはどちらかの家と思わしき場所に到着。

「マニューラの方に中に入られたら、張り込みか?いよいよ犯罪臭いよなぁ」

「法律を守るより若人の恋を守れの精神だ。なんならお前はもう帰ってくれてもいいが?」

「お言葉に甘えたいところだが・・・いや、入るのはニューラの方だけっぽいか?」

家の扉を開けながらなにやら会話をするニューラとマニューラ。

その後マニューラをその場に残したまま扉が閉じた。

「さて、どうする?またナンパか?」

「それ以外に手はないだろ」

マニューラ相手に適した姿にイリュージョンを行おうと準備するゾロアーク。

そこへ、

「!?伏せろゾロアーク!!」

「なにっ!?」

氷の礫が飛来した。

「なんだっ、攻撃か!?」

「ああ・・・マニューラに気づかれてたらしいぞ!!」

かわしきれずダメージを負うゾロアークを庇うように前に出るオオスバメ、それを睨みつけるマニューラ。

彼女の眼光の鋭さにオオスバメは冷や汗を流す。

「さっきからコソコソコソコソつけてたみたいだけど、一体何が目的なんだい?」

臨戦態勢を維持したまま、マニューラはオオスバメに向かって吠えた。

「何者かは知らんが、あたしの息子には手を出させないよ!!」

「む、むすこぉ!?」
 ▼ 49 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/06 23:36:21 ID:WZIwi3zs [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「あははははは!まさかあたしとあの子が恋人に見えてたとは、傑作だね!」

「いや、ほんと、お騒がせしました・・・」

マニューラの正体がニューラの母親であると判明するや否や、ゾロアークとオオスバメは
自分達の正体を明かし必死で弁解、ひとまずニューラに話を聞かれぬよう場所を変えてもらった。

「それにしても、うちの息子に片思いしている女の子かぁ。あの子も角に置けないね。あたしが話を聞く限りだと、女っけなんて全くない子だったのに」

彼女はプロのポケモンバトルのファイターで、海外で単身赴任で暮らしていた。

そのためニューラは父親と二匹で暮らしており、彼女が帰ってくるのは極まれであったため、幼馴染のニャスパーも彼女の存在を知らなかったようだ。

有力なファイター故にゾロアークたちの高度な尾行にも気づいたが、彼女の暮している地域の大らかな風土に馴染んだ故にゾロアークたちの話を聞くと簡単に心を許してしまった。

息子へのハグも数年ぶりの再会の喜び余ってのことだとか、海の向こうではそういった行動も珍しいことではないと説明された。

「いやぁ、いいことじゃないか。人様の恋のために全力を尽くす!あたしはそういうの嫌いじゃないよ」

「そう言ってもらえると助かります・・・」

大っぴらには明かせない告らせ隊の行動の数々は大体が当事者にバレることなく遂行されるが、その一方でいざバレると言い訳のしようがない。

マニューラからの攻撃を受けた時は相当に焦りを覚えたゾロアークたちであったが、彼女の呆れるほどのおおらかさにひとまずは命拾いをしたとほっと息をついた。

なにはともあれ、ニャスパーにいい報告ができそうだという意味でも。
 ▼ 50 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/06 23:36:39 ID:WZIwi3zs [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「でも、悪いね・・・その子には申し訳ないんだけどさ、その恋の行く先は苦いものかもしれないよ」

そう油断したところで、マニューラの言葉が彼らの安堵を打ち砕いた。

「4月から、あたしの家の方で家族そろって暮らすことになってんだ。今あたしがこっちに来てんのも、その手続きとか調整とかのためでさ」

「そ、それって・・・」

「ニューラ君は、4月には海外の方に行ってしまうということですか?」

「ニューラも将来、あたしみたいにプロの世界でバトルをやりたいと言っててね。あたしのコネもあって、よりレベルの高いジュニアクラブで練習を見てもらえることになって・・・そのまま、向こうでずっと暮らすことになるかもしれない」

「向こうで・・・ずっと・・・」

「前々から話は出てて、あの子も楽しみにしてたんだけど、先日ようやく話がまとまったんだ。まだ友達には、話してないって言ってたよ」
 ▼ 51 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/07 19:58:04 ID:LwxwQ1g6 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「・・・以上が、今回の調査で得られた結果だ・・・」

「・・・・・・」

「ニャスパーちゃん・・・」

本部へ帰還後、ゾロアークたちは誠実に、正確にマニューラの正体とニューラの海外移住の予定について話した。

ニャスパーは話を聞いて暫くは口を閉じたままであったが、

「・・・あはは、お母さんだったんですね。ごめんなさい、私ったら・・・そそっかしくて臆病で、こんな勘違いばっかり・・・」

やがて自嘲気味に笑いながら隊員たちに謝罪をした。

「でも、随分若いお母さんですよね。そう言えばお父さんも若い方だったかなぁ」

「大丈夫ですか、ニャスパーさん・・・」

「そっか、バトルのために海外に・・・凄いことですよね、夢に向かってそんな大きな決断を。スクールのクラブも頑張ってたし、応援してあげないと」

「ねぇ、ニャスパーちゃん?声も身体も震えてるよ、一回・・・」

「なんだか、幼馴染として誇らしいな。今のうちにサインとかもらっておいた方がいいのかな?」

そして気丈に振舞い続け、でも限界が近いと自分でも分かって、

「・・・今日は、ほんとご迷惑をおかけしました。私はこれで・・・」

皆の前から逃げるように帰ろうとドアに手をかけた。
 ▼ 52 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/07 19:58:43 ID:LwxwQ1g6 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「待て、待つんだ」

そんな彼女にゾロアークが声をかける。

「・・・でも」

「一人になりたいっていうなら止めないが、君はそういうタイプの子ではないだろ?悲しくて泣きたいんなら、ここにいればいい」

「あたし、昨日も勘違いで泣いちゃったのに、皆さんに迷惑かけちゃったのに・・・」

「迷惑なわけあるか。今の君を、一人にはできないだろう。皆も同じ気持ちだ」

「今、今泣いちゃったら、ニューラ君に申し訳なくて・・・彼の夢を、応援してあげないといけないのに!!」

「ひとしきり泣いてから、応援してやればいい」

「・・・うう、うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

人前で、声をあげて泣いたのは、ニャスパーにとって初めてのことであった。

彼女が泣き止むまで幾十分の時を要したが、告らせ隊の一同は皆が温かくニャスパーをずっと見守り続けていた。


「落ち着いた?ニャスパーちゃん」

「は、はい、おかげさまで」

「そのようですね、泣くことは大事なんですよ?涙は心のストレスを流してくれるものですから」

ようやくニャスパーが泣き止んで、少しスッキリした彼女の表情に一同はひとまず安心する。

「でも、こんな形で終わっちゃうなんて、ちょっと予想してなかったから・・・やっぱりショックですね。何年も動き出さなかった私が悪いんですけど。会えなくなるってことですもんね・・・まだ彼女がいて諦めるしかないってなったほうがよかったかも」

かといって、悲しい出来事は悲しいまま変わらない。

切なさを表情に残したまま、ニャスパーは呟く。
 ▼ 53 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/07 20:00:40 ID:LwxwQ1g6 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「遠くに離れちゃうんじゃ、告白しても意味ないですもんね」

「そんなことないだろ」

直後、ゾロアークは思わず零したように反論した。

「え・・・」

「・・・まだ君の恋は、終わっちゃいないだろ」

「お、おい、ゾロアーク」

即座にオオスバメがゾロアークを制す。

「そりゃ、遠距離恋愛だってないわけじゃないんだろうけど、それは各々の価値観によるところが多いだろ?事情が事情だし、告白を強要するのは俺たちの趣旨からは外れる」

「ニャ、ニャスパーさん自身がそれでも告白したいというのなら話は変わりますが・・・仮に告白が成功しても一月ちょっとでさよならは辛いですよ?離れ離れになっても相手に思われ続けるには、時間が少し短すぎます!」

サーナイトもオオスバメに賛同しながら、同時にニャスパーの意思を確認する。

この状態で告白するという考えが彼女には元々なかったようで、少し考えてニャスパーは自分の考えを述べた。

「・・・これから向こうにいって、本気で頑張ろうとしてる彼の負担になるようなことは避けたいって思いが強いです。私の告白が、思いが、彼にとって重荷になるのは本意じゃないですから」

「・・・お気持ちは重々理解できます。負担になってしまうと恐れるのは、当然のこと。ゾロアーク、貴方も彼女の考えは痛いほど理解できるのでは?」

「フーディン・・・」

フーディンからの鋭い指摘。

「・・・だからこそ言ってるんだ」

ゾロアークは自分の心の奥を掘り返すように、ニャスパーにそれでも思いを伝えるべきだと説く。
 ▼ 54 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/07 20:01:48 ID:LwxwQ1g6 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
『見送りなんていらないと言ってあったのに。ほら見ろ、わざわざここまで来てくれるお人好しなんてお前だけだぞ?』

「・・・彼を応援したいという、君の気持ちは決して嘘じゃないだろうさ」

『うるせぇ、こういう時はただありがとって言っときゃいいんだよ』

「でも、俺たちの心ってのは、案外弱くできてるもんなんだ」

『ははは・・・ありがとう、ゾロアーク・・・じゃあ』

「あいつのために、これでよかった・・・そう思っても、伝えられなかったものってのはずっと、ずっと自分の心の中に居座り続ける」

『・・・っ、ルカリオ!!』

「言えなかった後悔は年を経るごとにずっとずっと大きくなっていくんだ」

『・・・なんだ?』

「俺は、君にそんな思いをしてほしくない。こんだけ頑張ってきたんだ、君の中に『せめて気持ちだけでも伝えたい』という思いが少しでもあるなら、君自身のために、君は告白をするべきだ」

『・・・なんでもない。向こうでも頑張れよ』

「君は、思いを伝えるべきなんだ」


熱のこもったゾロアークの言葉に、ニャスパーは思わず呑まれる。

オオスバメは頭を抱え呆れながら、サーナイトは困ったように笑いながら、フーディンは彼らしいと目を瞑りながら彼の話を聞いていた。
 ▼ 55 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/07 20:02:43 ID:LwxwQ1g6 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「は〜〜言うと思った!ほんともう、たいちょーはしょうがないよね、そういうとこ」

彼が話を終えたのを確認して、エルフーンは悪態をつきながらゾロアークを小突く。

そしてニャスパーの方に向き直り、彼をフォローした。

「でもね、たいちょーがニャスパーちゃんのことを思って言ってくれたのはほんとだよ、あたしが保証する。成功のメリットも分からないような告白に意味を見いだすか見いださないかは君次第だけど、どう思うかな?」

「私は・・・そんな、私の自己満足の告白を、してもいいんでしょうか?」

許しを請うように問うニャスパーに、エルフーンは答える。

「当たり前じゃん!恋に落ちたら、それが実るまで自分のことだけ考えて動けばいいんだから。相手のことを考えるのは、実ってからでも遅くないと思わない?なんて、ほんとにそんな風に動けたら楽なんだけど」

「・・・そう、ですね。それなら、私は・・・」

エルフーンの答えを受けて、もう一度ニャスパーは考え込む。

長く、深く、自分がどうしたいか、自分に何ができるのかを考えて、そして、

「・・・ごめんなさい、ゾロアークさん」

ゾロアークの方へ向き直り言った。

「もう一個、もう一個だけ、我儘を聞いてくれませんか」
 ▼ 56 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/07 20:03:09 ID:LwxwQ1g6 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
バレンタインデーの前日。

「おっ、ニャスパー。どうしたんだ、こんな時間まで」

クラブ活動を終え下校しようとしていたニューラは、校門の傍で誰かを待っているようなニャスパーを見つけた。

「・・・ニャスパー?」

声をかけても、ニャスパーは一切言葉を話さない。

「おっ!?」

代わりに一枚の手紙を強引に彼に手渡すと、そのまますぐに逃げてしまった。

「な、なんだったんだ?いったい・・・」

ニューラがもらった手紙を見ると、そこにはこう書かれていた。

『明日のお昼に、昔一緒によく遊んだオボンの実の成る大木の公園で待っています。渡したいものがあるので、どうか来てください』
 ▼ 57 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/07 20:04:23 ID:LwxwQ1g6 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「お疲れ、たいちょー」

「ああ・・・」

「地味に、女の子の真似しても違和感なく振舞えるの、凄いよね」

ニャスパーの姿をイリュージョンで真似たゾロアークが役目を終え校門から出ると、外で彼の帰りを待っていたエルフーンがゾロアークを労った。

『やっぱり私は、思いを伝えたい。ずっと抱えた思いだから・・・でも、今のまま彼と顔を合わせると、逃げてしまうかもしれません・・・逃げ場を無くしたくて、この手紙を私のフリして彼に渡してほしいんです』

「逃げてしまうかもしれない・・・か」

ニャスパーから頼まれる際に、彼女が発していた言葉をゾロアークは口に出す。

「俺の、エゴだっただろうか」

「エゴだよ、ほんとに!ニャスパーちゃんに過去のたいちょー自身を重ねたんでしょう?」

『私は、心理学問をもっと勉強していきたいと思っているんだ。だから卒業したら、海外のネクストスクールに通おうと思ってる』

『海外の・・・』

『心理学問の最前線を走るアカデミーなんだ。そこで私はきっと・・・』

エルフーンに鋭く指摘され、ゾロアークは何の言い訳もできない。

共にスクールに通い、共に学んだルカリオに。

長年恋をしながら、遂に伝えることができず。

今なお拗らせ続けている、そんな自分の失敗体験を、ゾロアークは確かにニャスパーに重ねていたのだ。

「でも、まあ、悪くはないんじゃない?」

複雑な心境ながらも、エルフーンはそれ以上に彼を批判しない。

「たいちょーが、そうやって拗らせてモヤモヤしてたの、あたしもずっと見てたし。そうまでして同じ子をしか思い続けられないのも、ずーっと見てたし。ニャスパーちゃんに同じ目に遭ってほしくはないし」

「・・・あとは、本人が後悔しない結末になってくれたら」

「そうだね・・・」
 ▼ 58 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/10 18:36:32 ID:LdvUuLCk [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ニャスパー、待ったか」

「ううん、ごめんね!わざわざ」

そして、2月14日当日。

約束の時間の通りにニューラはやってきた。

この日に呼ばれることの意味を、分からない男子などそうはいない。

「あの・・・これ。バレンタインだから・・・」

「ああ、ありがとな」

可愛らしい袋に入れられたとびきりのショコラケーキが、ニャスパーからニューラの手へと渡る。

その後、少しの沈黙が流れて。

いよいよ、伝えなきゃ。今言わなきゃ。

ニャスパーの様子から何かを察して、その場を去ろうとしないニューラに、長年抱えた思いを、ここで。

『言えなかった後悔は年を経るごとにずっとずっと大きくなっていくんだ』

頭の中、鮮明に流れるのはゾロアークの言葉。

『君は、思いを伝えるべきなんだ』

「あのね!!」
 ▼ 59 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/10 18:37:54 ID:LdvUuLCk [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「私、ニューラ君のことが好き、ずっと好きだったの!いつからそうだったのか、思い出せないくらい昔から・・・」

「・・・そう、だったんか。ありがとな、嬉しい」

後悔だけはしたくないと、叫ぶように語られ始めたその思いは次第にしりすぼみになっていったが、それでもニューラには確かに届いた。

告白をした、彼に好きだと言えたのだ。

目の前でニューラは少し照れたような表情をしている、自分の言葉の指すところは確実に伝わっているのだと察する。

「・・・ニューラ、君・・・」

いや、照れだけではなくて。

言いにくいことがあるとか、申し訳ないと思うとか、バツが悪い、困っている、悲しい、そんな感情を示すような淡い色の表情だからこそニャスパーはそう察することができたのだ。

「・・・悪い、ごめんな」

続いた彼の言葉は、容易に予想の出来た内容のもの。

それでも、ここまで刺さる物なのか。

驚きを伴う悲しみがニャスパーの胸を引き裂く。

「俺は、今はバトルのことしか頭に無くて。恋愛とか、そういうのはよくわかんねぇや」

「うん・・・」

「それに、4月には俺、海外のスクールに転校するんだよ。だから、思いには応えられない」

「・・・うん・・・」

本人の口から改めて告げられた、近くに居られる期限。

あれだけ散々泣き腫らしたのに、まだまだ泣けてきそうだと。

そんな姿を彼に見られたくなくて、ニャスパーは必死で耐える。

「・・・一緒に遊びに行ったりとか、久しぶりに仲良くできてさ、俺は嬉しかった。ニャスパーがよければ、残りの時間も友達としていてくれたらって、思うんだけど・・・」

「・・・うん、これからも、ニューラ君が向こうにいっても、友達でいるよ。ずっと、ずっと」

「・・・ありがと」
 ▼ 60 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/10 18:38:37 ID:LdvUuLCk [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ニューラがその場から去り、しばらくしてオオスバメが飛んできた。

それは、告白対象者が公園から出た合図。

「ニャスパーちゃん!!」

「エルフーンさん・・・あっ」

エルフーンがニャスパーの元へと駆けていき、そのまま彼女を抱きしめる。

サーナイトも、オオスバメも、ゾロアークも。

皆が彼女のことを心配するように駆けてくる。

「皆さん・・・大丈夫ですよ、分かってたことですから」

エルフーンの腕の中でニャスパーはそう強がってみるが、

「大丈夫でも、こうしてていいでしょ?」

彼女の震えをその身に感じるエルフーンはそのまま、決して暫くニャスパーの体を離さなかった。

「・・・今はもう、月並みのことしか言えねぇけど・・・きっと、これでよかった、これでよかったって思える日が来る。本当に頑張ったな、ニャスパー」

「はい・・・」

「本当に、お疲れ様でした。最後まで頑張ったあなたを、私は誇りに思いますよ」

「そんな、誇りだなんて・・・」

「マスターが、ニャスパーのために気合い入れて色々と作ってたからさ。落ち着いたら、みんなで帰ろう」

「わぁ、それは楽しみですね・・・」

「ニャスパーちゃん・・・」

「・・・もう、どうしてエルフーンさんが泣いてるんですか・・・あなたのせいで、私も、泣いちゃう・・・」

そうして、やはり数十分の間一同はそこを動かなかった。
 ▼ 61 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/10 18:39:06 ID:LdvUuLCk [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「・・・今まで、本当にありがとうございました」

その後ニャスパーと告らせ隊は「SPoooooN」で外が暗くなるまでパーティの様に仲良く沢山の料理を囲んだ。

恋の終わりは、依頼の終わり。

ここ最近の様に彼らが頻繁に会うことはなくなるのだ。

「うう〜、やっぱり最後は寂しいよ!またおいでよ、いつでもおいでよ!普通にお茶とか飲みに来てね!」

「勿論です!!」

エルフーンにウリウリと撫でられるのにも慣れたニャスパーがそう答えると、一同も彼女に釣られて笑顔になる。

「よかったです、今この時に、そうやって笑ってくれていて」

「本当にな。笑えてさえいたら、次に向かうこともできるからな」

「次・・・ですか・・・」

オオスバメの何気ない言葉の一節に触れて、ニャスパーは少し考え込む。

「他の誰かを好きになることなんて、あるのかなぁ。想像つかないです」

「そうすぐに想像しなさいと言われても難しいでしょう。暫くは彼を思ったままでも、案外コロっと別の誰かに惚れてしまっても、そのどちらも間違いや悪ではないですから難しく考えることはありませんよ」

「マスターの言う通りだ。理屈で恋なんてできないだろう?」

「それもそうですね!」

フーディンとゾロアークの言葉を受けて、それはそうだとまた笑うニャスパー。

もう一度ゾロアークたちに深く深く頭を下げて、満足そうに「SPoooooN」を後にした。

「もう一度恋に悩むことがあったら、また皆さんのお世話になりますね」

「あはは!次は一人でも大丈夫だと思うけど〜?」

「まあ、いつでも歓迎する。俺たちはいつでも、君の幸せを願っているよ」
 ▼ 62 レビィ@ドラゴンジュエル 20/02/11 01:16:38 ID:gyWESgOU NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
これはいいss
 ▼ 63 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/11 21:06:43 ID:3DDAOAy2 [1/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「・・・で、あれで本当によかったのか?」

「どういう意味だ?」

「ほぼほぼフラれると分かった上で、告白させたことだよ」

バレンタインデーが終わるまであと4時間程。

所用で席を外しているサーナイト以外の隊員たちは店内の片づけ等をしながら今年のバレンタインシーズンを回想していた。

「最後は本人の意思に任せた・・・って言っていいのか、正直微妙なところだぞ」

「まあまあ、たいちょー自身もニャスパーちゃんの考えを誘導させちゃった自覚はあるみたいだし、ニャスパーちゃんも最後笑って帰ったじゃん?あたしはあれでよかったと思うよ?」

未だにゾロアークのエゴのようなもので決行されたニャスパーの告白がしっくりきていない、といった様子を見せるオオスバメ。

エルフーンはどうどうとオオスバメをなだめるが、

「その方が彼女にとってもいいと、そう思ったのは本当だ。言えなかったことの辛さは、俺が一番知っている」

「そこがおかしいって言うんだよ」

ゾロアークの弁明に更にオオスバメは噛みついた。

「お前は、正に自分が今回みたいなケースの当事者だったって口ぶりで物を語るけどよ、お前自身は今回の依頼者のように告白を行ったほうの経験はないだろう。いったい何をもって告白をするべきだなんて言えたんだ?」

「えーーーそんな鋭利な正論ぶつけちゃうの!?」

恋をする幸せの裏には、恋に破れる悲しみ、辛さがいつだってついてくる。

思いを告げられず恋をこじらせることは辛くとも、自身の思いを拒絶される機会から逃れられるその選択は全ての恋する者にとって、時には魅力的に映るだろう。

面と向かって「NO」と告げられる、死にたくなるほどの悲哀、喪失感、虚無。

その憂き目にあって壊れてしまう者だって、時にはいる。

「それは・・・その通りかもしれんが」

いつになく厳しい口調のオオスバメにゾロアークは圧せられながらも、理屈もない反論を行う。

「それでも俺は、告白という行為は尊いものだと思いたい。失敗したなら俺たちがフォローに回る、俺たちを頼ってくれた依頼者の恋に決着をつけれやるのが俺たちの役目だ!」

「・・・ああ、俺も同じ思いだ」

「え?」
 ▼ 64 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/11 21:07:47 ID:3DDAOAy2 [2/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
オオスバメの呟きにゾロアークが呆気にとられると、次の瞬間に勢いよく「SPoooooN」のドアが開いた。

「マスター!お客様捕まえてきましたよ!」

「やぁマスター、二人なんだけど大丈夫かな?」

「ええ、大丈夫ですよ。ゆっくりしていってください」

「お帰り、サーねぇ・・・ってウォーグル!?どうしたの、こんな時間に・・・」

やたらご機嫌なサーナイトと共に入ってきたのは告らせ隊にとっても馴染みあるウォーグル。

最近来ることが多かったとはいえ、突然の来店にエルフーンは少し驚くが、その隣で比較にならない程の驚愕の表情を浮かべる者が一匹。

「・・・は?なん、で・・・」

「・・・やぁ、久しぶりだな、ゾロアーク」

ウォーグルの後ろから、少し間を取って入ってきたのは、ゾロアークが長年拗らせてきた恋の相手、ルカリオそのものであった。
 ▼ 65 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/11 21:08:38 ID:3DDAOAy2 [3/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「え、え!?彼女が例の!?」

「例のって・・・私のこと変に噂したりしてたのか?」

「し、してねぇよ、別に!ウォーグルがよくうちに来るからその流れで話題に出したりしてただけで・・・」

目に見えて慌てるゾロアークにオオスバメやウォーグルは笑いをこらえることができない。

サーナイトやフーディンは、ゾロアークにとってのキーパーソンの突然の登場にさして混乱する様子もなく、その辺りでエルフーンはようやく合点がいったとオオスバメに耳打ちする。

「もしかして最近忙しくしてたりウォーグルと会ってたのって、このため?」

「ああ、そういうことだ」

「なるほどね・・・どうりで、さっきも様子がおかしいと思ったんだ。サーねぇのテレパシーを使って店内に招く合図を出したんでしょ」

「ああ、本当に便利な能力だよな」

ルカリオを呼ぶ計画が自分にだけ伏せられていた理由も、エルフーンはなんとなく理解できる。

だから、自分が蚊帳の外であったことに対する不満も呑み込んで、エルフーンはそのままゾロアークとルカリオの再会を黙って眺めることに決めた。
 ▼ 66 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/11 21:10:37 ID:3DDAOAy2 [4/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「これ、今日がバレンタインだって聞いて買ってきたんだ。向こうでも人気の焼き菓子、世話になってるみんなと一緒に食べてくれ」

「ああ・・・」

「ウォーグルから聞いてるぞ。『告らせ隊』だったか、お節介なお前にピッタリの居場所だと思うよ。きっと今も昔も、ゾロアークはそう変わってないんだろうな」

数年ぶりの会話は、ルカリオを知らない隊員たちに昔の距離感そのままなのだろうと思わせるが、その実どこかぎこちないものであった。

ガチガチに緊張しているゾロアーク、どこか後ろめたさを抱いているルカリオ、その双方に原因はあると、サーナイトとウォーグルには分かっていた。

「私は・・・変わってしまったよ」

「俺も随分変わったように思えるがな」

「そうなのか?まあ、あれから何年も経つのだから無理もないか」

そこで少しの、じれったい間が空いて、我慢できずにゾロアークがルカリオへ問う。

「どうして帰ってきたんだ?今まで、たったの一度も帰ったことなかったろ」

「ああ・・・」

一呼吸置いて、ルカリオがその訳を話し始めた。

「別に、大した理由もないんだ。帰ってきた理由も、帰らなかった理由も。心理学問を極めようとしてネクストスクールに入ったはいいものの、私程度の学力や精神力じゃあてんでついていけず、スクール自体は一年ちょっとで辞めたんだよ」

「マジか!?そんなの全然聞いてなかったぞ?ウォーグルとは会ってたんだろ?」

「ああ、でもそれを知られるのが恥ずかしくて、情けなくて。最初はウォーグルにも隠していたし、それが厳しくなっても、今度は『他のやつらには言わないでくれ』って口止めしてた。おんなじ理由で帰ることもできず、そのまま何年も向こうで流されるままに生活してたんだ」

意気揚々とたった一匹で地元を出て、徐々に自分の限界を知って周りとの差に悩んで。

心が折れて、夢を諦め、それでかっこがつかなくて。

ルカリオが辿ってきた今までの道は、きっとどうしようもなく辛く、やりきれない毎日だったろう。

ゾロアークの語るキラキラしたルカリオのイメージしかなかった告らせ隊の面々は、今の等身大の彼女を見て少し意外に思っていた。
 ▼ 67 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/11 21:12:32 ID:3DDAOAy2 [5/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「・・・前から、ウォーグルには帰ってきたらどうだと説得されていたんだ。始めは私も聞く耳を持たなくて、でもある日『ゾロアークがお前に会いたがっている』とウォーグルから聞いて、次に会った時には『ゾロアークを慕う仲間達が私をゾロアークに会わせたがっている』と」

「なんだ、それ」

「私も訳が分からなくてさ。でも何年も頼り一つ寄越さない私のことをずっと覚えていてくれる君に、また会いたいと思う気持ちは日に日に増していったよ」

荷物の中から、ルカリオが一枚の手紙を取り出した。

「やっぱり君は、私の知ってるお節介で優しい君と変わらないと思った。類は友を呼ぶと言うし、だからこんな暖かい仲間達が今も君の傍にいるんだろう?」

そこにはゾロアークと共に告らせ隊の面々が写った写真と、ルカリオの帰国を願うサーナイトらのメッセージ、ゾロアークに対するサプライズの計画。

面識も何もない相手に送るにはあまりにもめちゃくちゃな内容の手紙。

なるほど、確かに、これはお節介極まりない、ゾロアークは思わず笑ってしまった。

「・・・俺は、お前に心理学問の才能なんざあるわけないとずっと思ってたぜ」

「ひどいこと言うなぁ、事実ではあると思うけども」

そうして、お節介な仲間たちの意図を重々理解してようやく、数年越しの覚悟を決める。

「ずっと近くにいた奴の気持ちにさえ、気づかないでいたんだからよ」

「えっ?」

仲間達のあたたかな視線に晒されて。

今まで自分達が出会ったいくつもの恋模様を思い出して。

あの時言えなかったその言葉を・・・

「・・・なあ、ルカリオ」

しばらくぶりに感じるその、胸を締め付けるような緊張感。

やはり応援する立場と、当事者とでは話にならないほどに別物だ。

それでも、一度燃え上がった恋の炎はいつまでもいつまでも消えることなく燻り続けたのだ。

あの時の熱量のまま、他の誰にもなびくことなく、一度失った炎の行先をまた見つけることができた。

「・・・なんだ?」

ゾロアークはルカリオの目をまっすぐと見つめる。

ルカリオもその視線に応える。

そのまま数秒の間が、まるで永遠と思われるほどのたった数秒の間が空いて、

そしてゾロアークが言葉を紡いだ。
 ▼ 68 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/11 21:12:59 ID:3DDAOAy2 [6/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「お前も、『告らせ隊』の隊員にならないか?」
 ▼ 69 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/11 21:13:59 ID:3DDAOAy2 [7/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ふざっけるなよお前よくもヘタレてくれたなおい!!!」

「うるせぇ!!そもそもあれで告白出来てたらもっと前に告白してるんだよ!!余計な事すんじゃねぇバーーーーカ!!!」

「はぁ・・・まあこうなる気はしていましたが・・・」

翌日、結局のところヘタれて告白にありつけなかったゾロアークに対しオオスバメがブチ切れ、ゾロアークもゾロアークで逆切れ、フーディンはそんな様子を呆れながら眺めていた。

「なーにーがー告白できなかった辛さは云々だ!!偉そうに他人に物言える立場か!!隊長降りろコラ!!」

確かにそれまでのゾロアークの振る舞いから、散々お膳立てしてもらって結果告白できないというのはニャスパーら依頼者が知るとブチ切れ案件になり得るレベル。

これから一体どの面下げて依頼者に接するのか甚だ疑問なところである。

とはいえゾロアークとて頼んだことではないため、こうも攻め立てられるのは彼にとっても納得しがたい。

「別にいいだろ今度は会えなくなるわけでもないし、これからいくらでもチャンスは・・・」

「無理だお前みたいなやつは!!一生片思い拗らせろ!!今まで依頼者に言ったことを逐一思い出して恥ずかしくなれ!!」

「うるせぇそもそもお前だってずっと告白できずに―」

「馬鹿やろう声がでけぇ!!」

「お二方とも騒がしいですよ」
 ▼ 70 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/11 21:15:18 ID:3DDAOAy2 [8/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
男子面子がやいのやいの騒がしいところから離れて、サーナイトとエルフーンは店内の掃除に勤しんでいた。

「ごめんなさい、エルフーンさん」

「なに?ルカリオさん呼ぶ計画に混ぜてくれなかったこと?」

「それもそうですが・・・もっというと、あなたを応援できないことです」

「告らせ隊」の起源は、ゾロアークがルカリオに対する恋を拗らせたこと。

行き場を失くした恋のエネルギーが形を変えて、「恋に後悔する者が少しでも減るように」という理念を得て出来上がった。

サーナイトも、オオスバメも、彼の理念に共感して、彼と縁あって告らせ隊に参加している。

故に、ある日ゾロアークの青春の淡い1ページを知った時から「彼の恋が報われる時が来ればいい」とずっと思っていた。

それは、エルフーンもまた同じであったが・・・

「応援って、なんのこと?あたしよくわかんないんだけど、サーねぇ何か勘違いしてない?」

「勘違い・・・それならそれでいいのですけど」

エルフーンの心は、「嘘」の色を示していたが、彼女がそう言うのであればとサーナイトはそれを指摘しない。

「だって、たいちょーが幸せになるのはいいことだよ。あたしもそれを、本気で願ってる」

「それは、そうですね」

「ま、結局告白できてなかったけどさ」

「あの時のゾロアークさんの心の色からしても、嫌な予感はしてたんですけど・・・まさかほんとに告白しないとは・・・」

やはりこちらもゾロアークのヘタレには呆れ気味。

エルフーンはオオスバメとチャンバラ状態のゾロアークを一瞥して、サーナイトにこっそりと言う。

「でも、気持ちは分かるよ。やっぱりあたしたち、そういうのの集まりなんじゃないかな。あたしたちみんな臆病者で、告白が怖くて、だからこそ誰かの告白の力になりたいって思う・・・サーねぇだって、そうだったりしない?」

「さぁ、どうでしょう?」

「もー、ずるいな〜サーねぇは」
 ▼ 71 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/11 21:17:24 ID:3DDAOAy2 [9/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「すまない、遅くな・・・た・・・」

「ルカリオさん!おはようございます!」

「・・・あいつは何やってるんだ?」

「あはは、ちょっとしたじゃれあいみたいなものです」

数分後、ルカリオが「SPoooooN」へやってきた。

昨夜のゾロアークの勧誘を受けて、今日から晴れて彼女も告らせ隊の一員。

ゾロアーク曰く「一年ちょっとの知識でも、役立てられることもあるだろう」とのこと、帰ってきたはいいもののやはり行く当てもないルカリオにとってその誘い自体は嬉しい物だった。

「ねぇ、ルカリオさん。ちょっといい?」

「なんだ?」


「もう、告白してあげたら?たいちょーにさ」

「告白?」

「流石に気づいてるんでしょ?たいちょーの気持ち。あんなところでヘタレたのは擁護できないけどさ」

ルカリオを店の外へ連れ出して、エルフーンがルカリオにそう詰め寄る訳は、善意と嫉妬とさっさと諦めたい気持ちと、複雑な心の結露。

「それに、あなたもその気が合ったから、帰ってきたんじゃないの?」

ゾロアークと見つめあい、告白を待っていたルカリオの表情。

結局ゾロアークが告白できず、少しがっかりしたようなルカリオの表情。

たったそれだけで、彼女の気持ちを察するのには十分すぎるほどだったから。

彼女が動いてくれたなら、きっと彼も、自分も楽になる。

そんな心境の表れであった。

「私は、心理学問の才能がないから、はっきり言ってもらわないと分からないんだ」

だがルカリオの方はまだ自ら決着をつけるつもりはないらしい。

「・・・他の誰かに取られちゃってもしらないよ?」

思わず零した嫌味も、言ってて自分で虚しいとさえ思う。

出会ってから今まで彼女のことしかみてこなかった人だから、ゾロアークが他の誰かを見ることなんてきっと今後もないと、エルフーンが一番自信を持って言えたのだ。
 ▼ 72 ンドゾウ◆g6J1qUR0XI 20/02/11 21:18:30 ID:3DDAOAy2 [10/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ルカリオ、もう来てたのか。エルフーンも、こんな寒い中何してんだ?」

「ううん?なんでも。それよりルカリオさんも隊員になるんならあだ名考えないとね!何がいいかな?」

「好きに呼べばいいだろ、別にお前しかそういう風に呼ばないんだし」

「ああ、好きに呼んでくれ」

ゾロアークが呼びに来たのを機会に再び店内に戻ろうとするエルフーンたち。

そこへ・・・

「すみません、皆さんって・・・『告らせ隊』の方々ですか?」


世界では今日もどこかで誰かが誰かと恋に落ち、恋心を抱えて生きている。

その思いを相手に伝えることは、時に困難を極めその結果に恐れ眠れぬ日々を過ごす者もたくさんいる。

彼らは今日も、そんな者たちの助けとなるべく活動を続けている。

彼らもまた、誰かに話せぬ思いを抱えながら、複雑な事情を抱えながら。

「みんな、新しい依頼者だよ!」

この物語は、全ての恋を応援する、彼らの物語。

「今日も気合い入れていくぞ」

「「おー!!」」

恋に恋する、告らせ隊の物語である。

【END】
 ▼ 73 ロカロス@チャーレムナイト 20/02/12 03:21:31 ID:79RkuU5k NGネーム登録 NGID登録 報告
面白かった、乙
 ▼ 74 ダンギル@きんのおうかん 20/02/12 13:08:04 ID:PXKUQTv. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
乙!!!
 ▼ 75 ジリガメ@ハガネールナイト 20/02/12 14:11:37 ID:qPLo646I NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
乙です!すき
 ▼ 76 ツケラ@しろぼんぐり 20/02/19 18:56:47 ID:GjNkerCc NGネーム登録 NGID登録 報告

このSSはいいSSだ
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