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SS

【安価SS】フジ老人のシオンタウン改造計画

 ▼ 1 マクロー@シャラサブレ 15/08/14 12:27:11 ID:GtAPakDI NGネーム登録 NGID登録 報告
 『マサラタウン出身の若きトレーナー、チャンピオンの座に輝く』
 そんなニュースが、昼夜を問わずひっきりなしに報道されていた頃のこと。

 シオンタウンという閑静な町に住むフジ老人は、普段と変わりなくのんきに雑誌を読んでいた。
 毎月楽しみにしている懸賞のクイズを解き終わり、残りのページをパラパラとめくりながら目を通していたのだが…

フジ「何じゃ、このランキングは?」

 新企画ページでフジ老人は手を止め、まるで吸い寄せられたかのようにページに釘付けとなる。
 どうやら、読者の投票で選ばれた町を順位付けして紹介するコーナーのようだ。

フジ「若者に人気のある街は1位タマムシシティ、2位がミアレで3位ライモンか。まあそんな感じじゃろうな」

フジ「ポケモン厳選マニアに人気なのはズイタウンとコボクタウンが同票1位か。何となくそんな気がしておったわい」

フジ「おお!シオンタウンも1位にランクインしているようじゃの!」

 『住みたくない町No.1 シオンタウン』

フジ「…ありゃ、わしの見間違いかのう?」

 フジ老人は自分の目を疑ったが、何度まばたきしようともその素敵な文字の並びが変化することはない。
 現実は非情である。
 ▼ 212 メラルド 15/08/20 20:43:36 ID:2OM0sCMQ [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
うまく繋げたな
その、いろいろな意味で
 ▼ 213 ルロック@メトロノーム 15/08/20 20:44:31 ID:C8gjNMlM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ジムリーダーたるもの、手先がぶきようでは務まらない。
 ジムの仕掛けを作るのも、ジムの壁面にそうしょくを施すのも、全てジムリーダーのセンスと器用さにかかっている。
 だからこそ、候補者のテクニシャン度を試す『ちんちん切る』という競技が採用されたのだろう。
 タブンネ。

フジ「それでは、開始!」

 合図と同時に二人のジムリーダー候補は作業に取り掛かり始めた。
 ヤムチャはフィーリングを頼りに豪快にはさみを入れ、対するグリーンはチマチマとピンセットを駆使している。
 相反する二人の性格は、果たして作品にどのような影響を与えるのだろうか…?

………

フジ「はい、そこまでじゃ!」

 やすらぎのすすがちんちんと鳴り、二人の選手ははさみを机に置いた。
 額から流れる汗をタオルで拭いながら、完成した作品がスクリーンに映し出されるのを見送っていた。

フジ「では、両選手の力作のお披露目じゃ。スクリーンをご覧くだされ!」

 スクリーンに映し出されたのは、紙でできた2台のちんちん電車。
 一方は立体的で迫力あふれる車体が印象的な電車、そしてもう一方は細部にまでこだわった切り絵の電車。
 紙製でありながら、今にもスクリーンを突き破って走り出さんばかりの作品が競演している。
 どちらが勝ってもおかしくない、甲乙つけがたい出来だ。
 ▼ 214 ディアン@あいいろのたま 15/08/20 21:06:21 ID:C8gjNMlM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「あれどうやって作ったの?すごくない?」

 「やべーよ!もう芸術の領域だな」

 「あんなの俺でも作れるし…多分」

 「ママー!あのちんちん、ほしいー!」

 「それをいうなら電車でしょ。で・ん・しゃ」

 会場は再びわき上がり、目を閉じると四方八方から驚きの声が飛んでくる。
 はさみを握り続けて疲れた手の痛みなど、最早気にならない。
 ヤムチャとグリーンはおだやかな顔で、しかし心の中でははじけるほのおを燃やしながら
 ただ静かに判定の時を待っていた。

フジ「えー、どうやら集計が終わったようじゃな。これより結果発表に移るぞ」

フジ「観客総勢720人の投票の結果、勝者は…」

(安価先の名前欄に出たポケモンの全国図鑑ナンバーで勝者を判定します。
 図鑑ナンバーが大きい方が勝ちですが、けつばんが出た場合999として扱います。
 ヤムチャ…>>215 グリーン…>>217
 ▼ 215 メラルド 15/08/20 21:07:30 ID:2OM0sCMQ [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
シエンネ
 ▼ 216 ナギラス@ジュカインナイト 15/08/20 21:07:44 ID:Ll2A2wp6 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤムチャ勝て!
 ▼ 217 ゲハント@にじいろのはね 15/08/20 21:08:09 ID:2OM0sCMQ [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>215
すみません コテとり忘れました
 ▼ 218 ルビート@プレミアボール 15/08/20 21:08:18 ID:Ll2A2wp6 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
もう一回!
 ▼ 219 ーベム@スーパーボール 15/08/20 21:08:49 ID:Ll2A2wp6 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
どうするんだこれ・・・?
 ▼ 220 ンドロス@フーディナイト 15/08/20 21:29:05 ID:C8gjNMlM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「おっ!両者の点数が出揃ったようじゃな」

 会場中の視線がスクリーンにこのゆびとまれ。
 テレビの前の観衆含めて誰もが息を呑み、まばたき一つせずにただ見守っていた。

フジ「グリーン選手…267点!」

 ヒューヒューという口笛の音が会場のあちこちから飛び交う。
 何点満点中の267点なのかは誰も知らないが、グリーンを応援していたらしき観客達の反応を見るに、結構良い点数なのかもしれない。

グリーン「(…だが、まだ勝負はついたわけじゃない!)」

 もちろん、ここからが本当の勝負。
 ヤムチャの点数が分からない限り、喜ぶことも悲しむこともできない。

フジ「続いてヤムチャ選手の点数じゃが…ありゃ?」

フジ「…画面がバグっておるのう」

 重大発表を目前にしてバグにとおせんぼうされ、会場から湧き上がるのは困惑や不満の声ばかり。
 幸い観客の中にでんきやのおやじがいたらしく、休日を返上して修理に取り掛かってくれた。

フジ「すまんのう、助かったぞ」

でんきや「いいんですよ。僕だってこのジムリーダー決定戦をずっと楽しみにしていたんですから」

 どうやら修理が終わったようだ。
 今度こそ、泣いても笑っても結果発表だ!

(ヤムチャのみ>>222に再安価します。
 名前欄のポケモンの全国図鑑ナンバーが267より大きければ、ヤムチャの勝ちです。)
 ▼ 221 ガイドス@じゅうでんち 15/08/20 21:29:55 ID:1wSQJqic NGネーム登録 NGID登録 報告
こい!
 ▼ 222 ンドロス@こだいのおまもり 15/08/20 21:34:21 ID:Ll2A2wp6 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
頼む!
 ▼ 223 ガヤンマ@ひみつのカギ 15/08/20 21:45:07 ID:Ll2A2wp6 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>222
ヤムチャに豊穣の神のご加護が!
 ▼ 224 タチマル@ふっかつそう 15/08/21 00:45:43 ID:Wqw3iD5o NGネーム登録 NGID登録 報告
>>222
グリーンには申し訳ないがナイス
 ▼ 225 イリーフ@ふしぎのプレート 15/08/22 09:47:20 ID:rc2yioC. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 観客も選手もまばたき一つせず、かたずをのんでスクリーンを見つめる。

フジ「結果は…」

 やがて映しだされたヤムチャの点数に、会場中のエキサイトがマックスになる!

フジ「勝者 ヤムチャ選手!」

 どちらも甲乙つけがたい出来であったし、実際に点数としてはほんの僅差だった。
 それでも勝ちは勝ち、負けは負け。
 会場中から喜びの声、残念がる声、そして祝福の声…様々な声があふれだす。

 「ちょっと待った!」

 一人の観客がひときわ目立つばくおんぱを放ち、素早く立ち上がる。
 グリーンを応援していたエリートトレーナーだ。

エリート「こんなの納得できません!」

エリート「司会者のフジさん、あなたはシオン側の人ですよね。本当に不正はありませんか?」

 険しい顔でフジ老人をキッとにらみつけ、疑いのまなざしを向けている。

フジ「不正も何もわしはただの司会者じゃから投票はしてないし、票数を数える権限もわしには…」

エリート「だったら証拠を見せて下さい。話はそれからです」

 いかりに燃える彼の耳には、尊敬しているグリーンの声さえ最早届かない。

グリーン「ちょ、ちょっと待てよ。とりあえず落ち着…」
 ▼ 226 レセリア@するどいくちばし 15/08/22 10:00:23 ID:rc2yioC. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「(証拠と言われても…のう)」

 この義憤に燃えているエリートな若者を説得するには、自分が不正をしていない証拠を差し出さなければならない。
 だが、そのような証拠など一体どこにあるのだろうか?
 どんな証拠を示せば、彼は納得してくれるだろうか?

???「ちょっと待った!」

 その時、観客席の反対側からもう一つ声が上がった。
 ハイパーボイスを発して立ち上がったその人物の顔は…誰もが一度は見たことのある顔だ。
 観客は驚きの表情を隠せず、口々にないしょばなしを始める。

 「ねえ、あの人って…」

 「絶対、本人だよな。だってどう見ても…」

 「マジ、スッゲー、ヤッベーヨ!」

 「どうしよう?これ一大事じゃない?」

ヤムチャ「(えっ?あの人ってまさか…)」

グリーン「(何で今まで気付かなかったんだ…)」

 「まさか>>228(ポケモンの登場人物)さんが観戦に来ていたなんて…」
 ▼ 227 ガゴルダック◆KyUpmG9.1. 15/08/22 10:16:27 ID:b5ivkGt. NGネーム登録 NGID登録 報告
サカキ
 ▼ 228 ルフォン@ネットボール 15/08/22 10:18:43 ID:iwKkZgr6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
タケシ
 ▼ 229 ガルデ@ピントレンズ 15/08/22 11:51:52 ID:D/KA4Rg2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 230 なグラ◆bx30JbqxUc 15/08/22 11:59:35 ID:haCj7D82 NGネーム登録 NGID登録 報告
!?
 ▼ 231 チエナ@マックスアップ 15/08/23 21:05:11 ID:WYbK8KNo [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「まさかタケシさんが観戦に来ていたなんて…」

 会場中の全視線のねらいのまとになったのは、ニビシティのジムリーダーであるタケシ。
 一番人気のあるジムリーダーとしてカントーの若い女性を中心にメロメロにしている彼だが、ジムリーダーとしての実力も本物だ。
 会場スタッフからマイクを受け取ると、れいせいな声色で話し始めた。

タケシ「皆さん、落ち着いて聞いて下さい」

タケシ「ジムリーダー決定戦で不正があったとしたら、それは由々しきこと。困ったもんだの大問題です」

エリート「そうですよ!タケシさん含めて、ジムリーダー全体の威信がフリーフォールしかねません!」

 エリートトレーナーの若者が感情的にまくしたてる一方、タケシは淡々と、そしておだやかに対応する。

タケシ「『ちんちん切る』の説明をする時、この会場のスクリーンにフジさんの司会席が映し出されましたよね」

エリート「それが…何か?」

タケシ「実はあのカメラ、最初にフジさんが自己紹介した時からずーっと回っていたんです!」
 ▼ 232 テッコツ@しんぴのしずく 15/08/23 21:06:17 ID:WYbK8KNo [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「えっ?」

 自分の気付かぬ所でカメラが回っていたと知り、老人は驚きを隠せない。
 つまりそのカメラを調べれば、フジ老人がイカサマをしていたかどうかが明らかになるということだ。

タケシ「では、実際に録画された映像をこれからスクリーンで再生してみましょう」

タケシ「なに、恐れることはありません。やましいことをしていなければ、ね」

フジ「……」

 タケシは先程バグの修理に携わったでんきやのオヤジと共に、音響室へと入っていった。
 しばらくして、司会席での一部始終が会場の巨大スクリーンに映しだされる…!

フジ「…!」

 そこに映し出されたのは、睡魔とバトルしながら大あくびをするフジ老人。
 こらえきれずにコックリコックリとサントアンヌ号を漕ぐフジ老人。
 最終的には、机に突っ伏して居ねむりを始めてしまったフジ老人。

フジ「(これは…)」

 結果発表3分前になってスタッフに起こされるまで、気持ち良さそうにドリームワールドに入り浸っている様子が
 会場中に、そしてテレビの前のサポーターに向けて晒されてしまった。
 ▼ 233 テッコツ@4ごうしつのカギ 15/08/23 21:07:30 ID:WYbK8KNo [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
グリーン「(おいおい、何てこった…)」

ヤムチャ「(そういえば昨夜徹夜したとか言ってたなあ。ムチャしないでくださいよ、フジさん…)」

 「何あれ?チョーウケルんですけど!」

 「てか寝過ぎじゃね?」

 「ケーシィも裸足でテレポートして逃げるレベルだな、こりゃ」

 決戦の日だというのに、きんちょうかんの欠片もない老人の様子を見た観客がさわぎだす。
 その様子を見たタケシは、再びマイクを受け取って前に進み出る。

タケシ「…とにかく、これでフジさんが何をしていたかよく分かったと思います」

 今朝になって何の前触れもなく急に司会に抜擢されたとはいえ、まさかこのような場で居眠りをしてしまうとは何たる失態か。
 フジ老人は顔がオーバーヒートするのを感じながら、下を向いていた。
 …だが、顔面がクリムガンのように赤くなっているのは老人だけではなく、この若者とて同じ。

エリート「ということは、フジさんは…!」

タケシ「はい。あの状態で、票数を操作することなんてできませんでした」
 ▼ 234 ォーグル@きいろビードロ 15/08/23 21:09:44 ID:WYbK8KNo [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 恥ずかしいやらきまりが悪いやらで、エリートトレーナーの若者はその場に膝から崩れ落ちる。
 側にいた会場スタッフからマイクを受け取り、嗚咽混じりに話し始めた。

エリート「フジさん、疑ってごめんなさい」

エリート「あなたがシオンの人だから、という理由だけで疑ってしまいました。不正をしたという根拠も何もないのに…」

 ここでフジ老人も顔を上げ、マイクを受け取って返答する。

フジ「まあ、何はともあれ分かってもらえて良かった。わしが言うのも何じゃが、これからは気をつけるんじゃぞ」

エリート「…はい!」

フジ「それにしても…お前さんは本当にトキワシティが好きなんじゃな」

エリート「!?」

フジ「わしもな、昨晩まではシオンを応援する気満々じゃった。徹夜でシオン応援ハッピも作った…って、これは居眠りの言い訳にしかならんかのう?」

 会場中のあちこちで笑い声が発生し、しばらくしてあわのように消えていった。

フジ「じゃが、今日ここに来てみてトキワの魅力に気付かされた。グリーンがどれほど慕われているのかも知ることができた」

エリート「…!」

グリーン「…!」

フジ「今のわしには、どちらにも投票できん。トキワかシオンどちらかなんて選べんのじゃ」
 ▼ 235 ルディオ@ピントレンズ 15/08/23 21:12:44 ID:WYbK8KNo [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「今日は司会者という中立的な立場から観戦できて、わしは本当にラッキーじゃった」

 そこで会場中から盛大な拍手が起こる。
 先程の居眠り事案をふきとばさんばかりの、明るい空気に包まれた。

フジ「なんての。少しカッコつけすぎたかのう?」

 もしもトキワが勝っていたとしても同じことを言えたじゃろうか、と後にフジ老人は考えてみもしたが
 いくられいせいになっても答えは出てこないので、考えるのを諦めてしまった。
 今はただ、とにかくシオンとトキワの更なる発展を祈るばかりだ。
 シオンジム設立が決定したとなれば、明日からもっと忙しくなるだろう。

………

タケシ「ヤムチャ、ジムリーダー就任おめでとう」

ヤムチャ「ありがとう、兄さん!」

フジ「そうじゃ、タケシよ。お前さんのおかげで疑いが晴れて、今日は本当に助かったぞ」

タケシ「いえいえ、何も大したことはしていませんよ。ただちょっと…あれは意外でしたけどね」

フジ「そ、それは言わぬ約束じゃろう!?」

ヤムチャ「ふふふ、フジさんもお疲れ様ですからねえ」

 晴れてジムリーダーに就任したとはいえ、まだまだ右も左も分からないことばかり。
 これからは兄としてではなく、センパイとして相談することも沢山あるだろう。
 ニビシティの方角へと帰っていく兄の背中を、いつまでも見つめているヤムチャなのであった。
 ▼ 236 フキムシ@ヤチェのみ 15/08/23 21:41:32 ID:WYbK8KNo [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 次の日。
 ジムリーダー決定戦の生放送を見られなかった人のために、特集番組が放送された。
 編集技術という名のかがくのちからを駆使した分かりやすい解説付きで、非常に素晴らしい出来だった。
 一つだけ、納得いかない点がある以外は。

フジ「何故、わしの居眠り特集になっているんじゃ!?」

 ジムリーダー決定戦なのに、その主役たるべきジムリーダー候補よりも目立ってしまったフジ老人。
 選手達が戦いのスパークを散らす中、司会席でのんきにねむる老人という絵面のギガインパクトが凄まじかったのだろう。

フジ「ということは、こっちも…」

 フジ老人が手に取ったのは、買ったばかりでまだ使い慣れないホロキャスター。
 とびはねる心臓を押さえながら恐る恐る自分の名前で検索してみると、このような予測変換が飛び出してきた。

 『フジ老人がゲンガーにゆめくいされている画像下さい!』

 『フジ老人がカビゴンだった頃の画像下さい!』

 『フジ老人が酔っ払ってトキワシティで寝ている時の画像下さい!』

 昨日のジムリーダー決定戦で司会を中立的に務め、「トキワもシオンも魅力的」とコメントしたフジ老人。
 皮肉にも、このような形でトキワシティとの夢の共演が実現してしまった。
 そして極めつけに、この素敵な文字の並び。

 『フジ老人が>>238(動作や状態)画像下さい!』
 ▼ 237 ーディ@ディアンシナイト 15/08/23 21:48:58 ID:66TljZuc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ksk
 ▼ 238 ガヤドラン@たべのこし 15/08/23 21:49:22 ID:66TljZuc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
安いぞとバトルしてる
 ▼ 239 トモシ@むげんのふえ 15/08/23 21:50:48 ID:FjnRXklY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おはよウナギの花だった頃の
 ▼ 240 ンナ@ミクルのみ 15/08/24 09:27:46 ID:nlTIpK2A NGネーム登録 NGID登録 報告
っwwww
 ▼ 241 ャンデラ@こうらのカセキ 15/08/24 10:22:49 ID:ABwZRVNk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 242 ノムー@ジャポのみ 15/08/24 20:31:23 ID:51wI1jbY [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
 『フジ老人が安いぞとバトルしてる画像下さい!』

フジ「はて、安いぞとは…?」

 フジ老人が興味津々で画面をスクロールさせると、そこにはどこかで見たような顔があった。
 その「安いぞ」なる人物は以前シオンに来ていたかもしれないし、あるいはジムリーダー決定戦の会場で出会ったかもしれない。
 どこで遭遇したかはあいにくドわすれしてしまったが、確かに見覚えがある顔だった。

フジ「じゃが…」

 それ以上にめのまえでそんざいかんをはなっているのは、フジ老人の寝顔の方。
 だがそこには、大事な大会の司会を任されながらねむり状態になってしまったフジ老人を責めるような空気はなく
 むしろこのマイペースな老人に親しみをもって画像を加工しているようにも見えた。
 この歳にして良くも悪くも一躍有名人となってしまった老人は、やれやれと溜息をつくのであった。
 ▼ 243 ガヤミラミ@ふるびたかいず 15/08/24 20:39:52 ID:51wI1jbY [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤムチャ「フジさん!」

 そこへ飛び込んできたのは、タケシの双子の弟であり改めてシオンのジムリーダーとなったヤムチャ。

フジ「なんだ、ヤムチャか。おどろかすでないぞ…」

ヤムチャ「聞いて下さい。今、ジムの内装を考えているところなんです」

フジ「ほう。そういえばそんな仕事も残っていたのう」

ヤムチャ「内装だけに、リーダー自らが一から考えて設計しないといけナイソウです」

 冬はまだ先だというのに、シオンタウンをこごえるかぜが吹き抜けていく。
 だが、持ち前の情熱とシオン愛をねっぷうを如く渦巻かせているフジ老人にはこうかがない。

ヤムチャ「他のジムのパクりではいけない。百歩譲って一部参考にするとしても、ただのまねっこではなく適度に手を加えて別物にする…」

ヤムチャ「って、以前マーシュさんがインタビューで答えていました」

 クノエジムの構造がヤマブキジムと似通っている、というのはよく言われることだ。
 ワープパネルという同じツールを用いれば、嫌でも似たような仕掛けになってしまうのだ。
 だが、クノエジムは和洋折衷のドールハウスという今までにないモチーフを全面に押し出すことにより
エスパータイプのテレポートをイメージしたヤマブキジムとの差別化に成功したという。
 タブンネ。

フジ「さて、お前さんのジムはフェアリータイプじゃったな。どんな内装にするかもう決めたのかい?」

ヤムチャ「もちろん、>>245をイメージした内装にしたいです!」
 ▼ 244 ッポウオ@おおきなしんじゅ 15/08/24 20:50:06 ID:badXrddM [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ksk
 ▼ 245 ブトプス@ジュカインナイト 15/08/24 20:50:32 ID:badXrddM [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
プラズマフリゲート
 ▼ 246 ソハチ@GBプレイヤー 15/08/24 23:16:25 ID:51wI1jbY [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤムチャ「もちろん、プラズマフリゲートをイメージした内装にしたいです!」

フジ「…なに?」

ヤムチャ「いやー、あれはかっこいいですよね。一目見てメロメロになりました!」

 渡された設計図を一読したフジ老人は、まるでカゴのみを食べたかのように渋い顔になる。
 ヤムチャの提案にフェアリーっぽさがないのはいつものことなので最早どうでもいいが
 近未来的な帆船をイメージしたその内装は、どこからどう見てもプラズマフリゲートそのものにしか見えない。

フジ「これ、訴えられたら相当プラズマズイんじゃないのかい?」

 パク…まねっこ元の相手は怪しい組織とはいえ、訴訟大国イッシュの一員。
 万一みやぶられて訴えられでもしたら、プラズマフリゲートそのまんまの今のデザインではまず勝ち目がない。

ヤムチャ「大丈夫ですよ。そう言われるだろうと思ってきりふだを考えてきました」

フジ「きりふだ…かい?」

ヤムチャ「内装のここにちょっと手を加えて、>>248っぽくするんです」
 ▼ 247 グザグマ@いわのジュエル 15/08/24 23:21:55 ID:badXrddM [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ksk
 ▼ 248 オル@スピードパウダー 15/08/24 23:22:30 ID:badXrddM [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
デセルシティ
 ▼ 249 マルス@てんかいのふえ 15/08/25 17:12:49 ID:HG2wkeJo [1/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤムチャ「内装のここにちょっと手を加えて、デセルシティっぽくするんです」

 なるほど、内装の至る所に砂漠の雰囲気を醸し出す小物がちりばめられている。
 海を連想させる帆船でありながら、海とは無縁な砂漠のモチーフを取り入れたかたやぶりなデザインだ。

ヤムチャ「どうです?フーパが出てきそうでしょう?」

フジ「出てきそうも何も、お前さんはフーパを持っていたじゃないか」

ヤムチャ「持っているにはいるんですが…あいつはフェアリータイプの技を覚えないんでジム戦では使えないんですよ」

 それ以前に、中堅トレーナーを相手にすることの多い4番目のジムで幻のポケモンを使うこと自体が大問題なのだが。
 もっとも過去には最初のジムでフリーザーと戦ったなどという事例も発生しているそうだが、物証に乏しく信憑性はいまひとつのようだ。

ヤムチャ「ま、フーパはこのジムのマスコットキャラみたいなものですね」

フジ「ふむ。それだけ悪タイプにこだわるなら、いっそこのジムも…」

ヤムチャ「嫌です!どうしてもフェアリーがいいんです!」

フジ「じゃが、悪…と時々格闘ではそのフェアリーに蹂躙される未来しか見えんぞ」

ヤムチャ「マーシュさんになら蹂躙されてもいい!というかむしろして下さい!」

フジ「……」

 顔をねつぼうそうさせながら何やらねごとを言い始めたヤムチャを見て、老人は溜息をつくのであった。
 もうかのごとき彼の恋心がシオンジムの、ひいてはシオンタウン全体の発展をかそくさせることを祈るばかりだ。
 ▼ 250 ッスグマ@メガストーン 15/08/25 17:28:44 ID:HG2wkeJo [2/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
【ここまでのまとめ】 []内は安価で決定しました

 ついにジムリーダー決定戦の日がやってきた。
 強敵グリーンとの決戦を控え、ヤムチャのきんちょうかんはマックスタギるばかり。
 [フジ老人]は大会の司会に抜擢され、飽くまでも中立的な立場からコメントをすることに。

 いよいよポケモンバトルかと身構えるジムリーダー候補達だったが、委員会の判断で今回からはバトル以外の競技で競うことに。
 バトルの強さだけを重視した結果、ロケット団のボスをジムリーダーに任命してしまったことへの反省からである。
 ルーレットを回して、競技種目は[ちんちん切る]に決定。

 湧き上がる会場のどまんなか、紙をはさみで切ってちんちん電車を作るヤムチャとグリーン。
 観客による投票の結果、勝者は[ヤムチャ]に決定した。
 だが、グリーンを応援していたエリートトレーナーが「フジ老人がシオン側について票数をいじったのでは?」と異議を申し立てる。
 この危機を救ったのは[タケシ]。
 司会席のカメラに映っていた映像を確認した所、フジ老人は不正などしていない…代わりに居眠りをしていた!
 大会の最後にかっこつけて良さげな事を言ったのもむなしく、暇な若者達のおもちゃにされてしまい
 「フジ老人が[安いぞとバトルしてる]画像ください!」とまで言われる始末。

 同じ頃、晴れてシオンのジムリーダーとなったヤムチャはジムの内装を考えていた。
 帆船[プラズマフリゲート]をイメージし、かつ砂漠の[デセルシティ]っぽい内装をデザインしたが
 やれフェアリーっぽくないだの、やれ剽窃で訴えられそうだのとフジ老人からダメ出しされる。
 それでもめげずに前へとっしんし続けるヤムチャの心には、マーシュへの恋心がもうかの如く燃えているのであった。
 ▼ 251 ーボック@シルバースプレー 15/08/25 17:46:23 ID:HG2wkeJo [3/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「…まあ、シオンジムはヤムチャ一人で何とかなるじゃろう」

 シオンの未来を想うからこそ、若者の一挙手一投足についつい口が出すぎてしまうフジ老人。
 だが、いつまでも古臭い価値観を押し付けていてはシオンタウンに進化はない。
 時には若者を信じ、そして時代の流れに身を委ねてみるのも悪くはないだろう。
 そう自分に言い聞かせながら、老人はのんきに散歩に出かけるのであった。

フジ「たまにはこうして町をぶらぶらしてみるのも悪くはないのう」

 ここ数ヶ月の間に、シオンの空気は目まぐるしく変化した。
 雰囲気は以前と比べ物にならないほど明るくなり、通りに店が増えてにぎわいは日ごとに増し、
 それから…他の町から訪れる観光客も増えたような気がする。

フジ「おや、あの人は…?」

 老人の視線の先にいるのは、ツアーきゃくらしき一人の若者。
 困ったような顔で、辺りをせわしなくキョロキョロと見回している。

フジ「何かお困りかい?」

 気が付けば、フジ老人の足は困っているツアーきゃくの元へと向かっていた。
 相手は一瞬おどろかされたような顔をしたが、しばらくしてこう答えた。

ツアーきゃく「>>253
 ▼ 252 ャロップ@しあわせタマゴ 15/08/25 17:56:07 ID:K42b0RO6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ksk
 ▼ 253 ベルタル@かたいいし 15/08/25 17:58:00 ID:RWSSBVsY NGネーム登録 NGID登録 報告
「ワタクシだけが ポケモンを 使えれば いいんです!」
 ▼ 254 ネブー@タンガのみ 15/08/25 18:18:57 ID:HG2wkeJo [4/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
ツアーきゃく「ワタクシだけが ポケモンを 使えれば いいんです!」

フジ「…!?」

ツアーきゃく「いやー、すみませんね」

ツアーきゃく「ワタクシ、セキチクでもうじゅうつかいをやってまして…」

フジ「(…何じゃ。イッシュ地方在住のあの人が、プラズマフリゲート風のシオンジムを訴えに来たのかと思ったぞ)」

 もうじゅうつかいというのは、ポケモンを手懐けて「使う」必要がある。
 つまり、ポケモンを友達やパートナーとして扱うのではなく、厳格な主従関係を結ばなければならない。
 そして彼らが「使う」ポケモンのパワーは人間のそれを上回る。
 下手をすればポケモンに「使われ」てしまいかねない、そんなハイリスクな職業なのだ。

ツアーきゃく「先輩に言われたんですけど、ワタクシはどうも威厳が足りないようでして」

ツアーきゃく「ハの字型の眉毛を全部剃り落として上がり眉に描き直したのですが、それでもまだまだ足りないようです」

 彼らは最終的には知恵でポケモンを「使う」のだが、そもそも見た目が弱そうなら即したでなめられてしまう。
 もうじゅうつかいの道はチャンピオンロードにも劣らぬほど険しいのだ。
 ▼ 255 ザードン@マグマのしるし 15/08/25 18:27:54 ID:HG2wkeJo [5/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
ツアーきゃく「そこで、ワタクシだけが強そうになれるお店、あるいはグッズを求めてシオンまでやって来たのでして」

フジ「ふむ、お前さんの言いたいことは大体分かった」

 フジ老人は脳みそをこうそくスピンさせて考えた。
 最近シオンにオープンした店舗の中に、彼が強そうになれるものを扱っている所はなかっただろうか?

フジ「そうじゃな、>>257(店の種類、グッズ等)なんてどうじゃろうか?」
 ▼ 256 ールナー@タブンネナイト 15/08/25 18:38:56 ID:Vpww1JhY NGネーム登録 NGID登録 報告
くろいメガネ
 ▼ 257 サキント@トレジャーメール 15/08/25 18:40:18 ID:yypA7crE NGネーム登録 NGID登録 報告
あかいくさり
 ▼ 258 クケイル@ちりょくのハネ 15/08/25 22:12:01 ID:HG2wkeJo [6/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「そうじゃな、あかいくさりなんてどうじゃろうか?」

 あかいくさり、それはかつてシンオウ地方の神話に登場する人知を超えた道具…のレプリカ。
 これがシオンで売られるようになったきっかけは、つい先月の出来事。

フジ「(思い返せば奇妙な出来事じゃったのう…)」

 知っての通り、スカイツリー風観光タワー(旧ポケモンタワー)には伝説ポケモンが大量におでましすると言われている。
 以前トキワに大雨洪水警報が出た時には、タワーから突如ノクタスが現れ、特技のにほんばれで
 カイオーガのいかりを鎮めたことは記憶に新しい。

フジ「(じゃが、スカイツリー風観光タワーの伝説はこれだけでは終わらなかった!)」

 そして先週、運命の時は突如やって来た。
 誰もが寝静まる真夜中、スカイツリー風観光タワーの頂上が激しくはっこうしたかと思うと
 ユクシー・エムリット・アグノムという3体の伝説ポケモンが一挙におでましした。

フジ「(…らしい)」

 目撃者はシオンの若者たった1人。
 話を聞く限りでは胡散臭いことこの上なく、当初は彼が寝ぼけていて何かと見間違えただけだと思われていたが
 シオンを少しでも宣伝したいフジ老人がこの話を逃すわけがない。

フジ「(まあ、実際にこれで宣伝効果があったのじゃからな。伝説のちからってすげーのう)」

 それをきっかけに、「あかいくさり」なるものがシオンのおみやげ屋で売られるようになった。
 言ってしまえばただのアクセサリーだが、見た目に反して意外に重い。
 ▼ 259 ズレイド@りゅうのキバ 15/08/25 22:22:33 ID:hwLx6aEo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 260 ガサーナイト@ザロクのみ 15/08/25 22:27:08 ID:U4AHpbKg [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギンガ団襲来の危機はなさそうなので安心しました。
 ▼ 261 ルダック@ヘラクロスナイト 15/08/25 22:33:17 ID:HG2wkeJo [7/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
 レプリカとはいえ、あかいくさりとそれにまつわる伝説を聞いたツアーきゃくは大興奮。
 待っていましたとばかりに、フジ老人はその若者をおみやげ屋に案内するのであった。

フジ「ほれ、これがあかいくさりじゃ」

 あかいくさりを手に取り、しんちょうに眺めるツアーきゃく。
 ずしりとしたじゅうりょくが彼の両手にのしかかり、程よい負荷を与える。

ツアーきゃく「ふむふむ。手に程よく馴染み、値段も悪くありませんね」

フジ「そうじゃろう!」

ツアーきゃく「…で、これを使うとどうなるんですか?」

 そう聞かれて、フジ老人はコマタナという顔になってしまった。
 シオンに今流れている噂の通り「ユクシー、エムリット、アグノムに会える」とでも言いたいところだが
 この道具自体はただのレプリカに過ぎず、これを持っていたからといって伝説ポケモンに会える保証はどこにもないけど…

フジ「(そりゃそうじゃ)」

 にも関わらず「伝説ポケモンに会える」という触れ込みで売れば、それはウソハチということになる。
 万一詐欺罪で訴えられでもしたら、シオンに勝ち目はない。

フジ「(どうする?無難に筋トレの道具とでも言うべきか?)」

ツアーきゃく「あっ、分かりました!>>262に使えばいいんですね」
 ▼ 262 ルチャイ@おしえテレビ 15/08/25 22:36:17 ID:U4AHpbKg [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ディアルガになる
 ▼ 263 ラピオン@はねのカセキ 15/08/25 22:49:03 ID:HG2wkeJo [8/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
ツアーきゃく「あっ、分かりました!ディアルガになるのに使えばいいんですね」

フジ「…はい?」

ツアーきゃく「伝説ポケモンであるディアルガに扮して、さらにこの鎖を付ければ、きっとワタクシもポケモンから敬われるはず!」

 ツアーきゃくは鎖の隣に置いてあったディアルガの着ぐるみも一緒に購入し、その場で装着し始めた。
 そして着ぐるみの上から、仕上げにあかいくさりをぐるりと巻きつける。
 あかいくさりは本来ディアルガを縛り付けるためのものだが、シンオウ神話をよく知らないツアーきゃくはそんな事などお構いなしに
 何となくかっこいいからという理由で、あかいくさりをジャラジャラと響かせてご機嫌だ。

ツアーきゃく「形から入ればよかったんですね。どうしてこんな簡単なことに気付かなかったんでしょう?」

 これでポケモンを服従させられるのかどうかは謎だが、少なくとも通行人の視線を独占するには十分すぎるほど衝撃的だ。
 恐れ多いと感じているのか、この若者の進路を妨げる者は誰もいない。

ツアーきゃく「グギュグバァ!グギュグバァ!」

 ディアルガになりきったまま、ツアーきゃくは満足気な足取りでどこかへと去っていった。
 この若者はもうじゅうつかいよりも、かいじゅうマニアになるべきだと密かに思うフジ老人であった。
 ▼ 264 サイドン@デボンスコープ 15/08/25 23:11:53 ID:HG2wkeJo [9/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「行ってしもうたか…」

 さて、お次の観光客はアロマなおねえさん。
 シオンタウン周辺ではあまり見かけないタイプの服を着ているので、恐らくナナシマか他の地方からやって来たのだろう。
 ガイドブックをにらみつけ、首を横に振り、またにらみつけ…その一連の動作を延々と繰り返している。

フジ「さて、何かお困りですかな?」

アロマ「最近疲れ気味で、何もやるきが起きないの」

アロマ「何かこう、この近くにゆったりリラックスできる場所ってないかしら?」

フジ「(そんな事言われても、のう…)」

 この数カ月の間に、シオンタウンは急激にせいちょうした。
 だが、それは同時にシオンが本来持っていた心安らぐ要素ががくっと下がったことを意味する。
 今となってはすっかり忙しなくなってしまったこの町の周辺に、果たしてそのような場所があっただろうか?

フジ「(そうじゃな。こういう時は目を閉じて、若者達との会話を思い出すのじゃ…)」

 フジ老人は目を閉じ、めいそうに耽った。
 町で出会った多くの若者達の話が頭の中をしんそくで通り抜けては、あわとなって消えていく。
 その中で一際目立つものがチカチカと光を放ちながら、フジ老人の記憶の片隅に留まった。

フジ「(そうじゃ、あれがあったぞ!)」

フジ「(このシオン周辺で心安らぐ場所、それは>>266じゃ!)」
 ▼ 265 ドラ@あさせのかいがら 15/08/25 23:13:03 ID:U4AHpbKg [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ksk
 ▼ 266 ンペルト@リュガのみ 15/08/25 23:13:28 ID:U4AHpbKg [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ジェフザキラーの家
 ▼ 267 なグラ◆bx30JbqxUc 15/08/25 23:16:13 ID:s7qqp.RE NGネーム登録 NGID登録 報告
オカルトの悪夢
 ▼ 268 ヒダルマ@チャーレムナイト 15/08/26 21:50:03 ID:v0amJFPo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 269 ンバル@はつでんしょキー 15/08/26 22:22:36 ID:HZOSbqM6 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「(このシオン周辺で心安らぐ場所、それはジェフザキラーの家じゃ!)」

 ジェフザキラーの家というのは、いわばお化け屋敷のようなもの。
 オカルトマニア達にとってシオンはホラースポットとして一定の需要があり、彼女らの要望に応える形で爆誕した。
 一歩足を踏み入れたが最後、白塗り風メイクをしたスタッフが丁重におもてなししてくれる。
 つい先日も一組のきんこんしきがこの家に入っていったが、叫びすぎて疲れたのかその晩はぐっすり安眠できたそうだ。

フジ「(おかげで次の日は二人ともしゃっきりした顔つきじゃった。まるで若返ったかのようにな)」

 一見、安らぎとは正反対のスリリングなイメージがまとわりついているジェフザキラーの家。
 しかしフジ老人の理論では、ジェフザキラーの家に入って怖い思いをし、肉体的にも精神的にも疲れ果てれば
 よく眠れて次の日の目覚めはすっきり、おまけにストレス解消効果もあるということだ。

アロマ「なんかこういうのは私のキャラじゃないんだけど…」

フジ「まあまあ。若いうちはチャレンジャー!!になるもんじゃぞ」

アロマ「…やってみようかしら」

 フジ老人の説得が通じたのか、アロマなおねえさんの足はジェフザキラーの家へと向かっていく。
 勧められたからには行くっきゃない、やるっきゃない。
 そんなかくごのすがたが、真新しいハイヒールを履いた彼女の足取りから感じられた。
 ▼ 270 ランセル@ポイントマックス 15/08/26 22:39:16 ID:HZOSbqM6 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
アロマ「…うーん、入ってみたはいいけれどやっぱり暗いわね」

 疲労とやるき不足に悩み、安らぎを求めてシオンタウンに辿り着いたアロマなおねえさん。
 意を決してジェフザキラーの家に入ってみたはいいが、開始早々不安で足がすくむ。

アロマ「…!?」

 おや、何か物音が聞こえたようだ。
 暗闇の中、彼女が恐る恐る顔を上げると…そこには白い顔と大きく見開かれた目、そして耳元まで裂けた真っ赤な口があった。

アロマ「きゃああ!」

 にげあしをとっさに踏もうとするが、恐怖と履き慣れないハイヒールのせいで立っているのもやっとだ。
 その間にも白い顔の男は一歩、また一歩と近づいてくる。

アロマ「…ひっ、ひい!」

 アロマなおねえさんは小さく悲鳴を上げ、ヒールをカンカンと響かせて逃げ出した。
 その歩調たるやまるで生まれたてのシキジカのようだが、彼女はこうそくいどうで逃げているつもりだった。

アロマ「(…?)」

 ヒールの鳴る音と一緒に、不思議な感覚が耳を通って彼女の脳内に流れ込んでくる。
 この上なく恐ろしいはずなのに、どこか懐かしいような…

アロマ「(そうか、これは…)」
 ▼ 271 ガガルーラ@ガブリアスナイト 15/08/26 22:52:38 ID:HZOSbqM6 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
アロマ「(…思い出した!)」

 このアロマのおねえさんは以前、オカルトマニアだった。
 ほんの数カ月前までのことなので忘れるはずもないのだが、今日までの彼女にとって過去は永久にふういんすべき歴史であった。

アロマ「(そう、私は…)」

 この春の大学デビューを機に、地味な自分を捨てて生まれ変わろうと決意した彼女。
 アロマなおねえさん風の服を着て、アロマなおねえさん風のメイクを研究して、物腰もアロマなおねえさんっぽく優雅になれるように努力を重ねた。
 だが、それらがもたらしたのは異性からの憧れなどではなく、苦難の日々だけだった。

アロマ「(この数カ月間、私は無理してきたのかもしれない)」

 慣れないことをコツコツと続けるのは容易いことではない。
 それが大好きならばどんな努力も苦にならないが、そうでない場合は余程のがんばりやでなければ耐えられない。
 疲れ果てた彼女の顔色は悪くなり、目の下には濃いくまができ、当初目指していたアロマなおねえさん像からかけ離れていき
 鏡でその現実を確認する度に、くろいきりのように渦巻く負の感情とのバトルを強いられてきた。

アロマ「(よし、決めた。明日から私は…)」
 ▼ 272 ンバル@そうこのカギ 15/08/26 23:24:13 ID:HZOSbqM6 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「…遅いのう」

 お化け屋敷・ジェフザキラーの家の前で、首をキリンリキのようにして若者の帰還を待っていたフジ老人。
 ホラー耐性が低すぎて中で気絶していたらどうしよう、等と考えながら…

 「キャーッ!」

フジ「…!?」

 家の中からとびきり大きな悲鳴が聞こえたかと思うと、そのハイパーボイスの主…アロマなおねえさんが
 出会った当初とはうってかわって清々しい表情で飛び出してきた。

アロマ「シオンのおじいちゃん、素敵な場所を紹介してくれてありがとう!」

フジ「お、お前さん。一体どうしたんじゃ?」

アロマ「あのね、私…やっぱりひ・み・つ!」

 アロマなおねえさんの胸につかえていたなやみのタネは、このジェフザキラーの家で弾けてどこかへ飛んでいった。
 だが、何があったか知らないフジ老人はあまりのイリュージョンぶりにこんらん状態。
 叫んでストレスを解消したにしても、不自然なほどプラス思考になっているのだから。

フジ「一体、この家の中で何が…」

 フジ老人が何度尋ねても、アロマなおねえさんは微笑むばかりで語ろうとしない。
 まるで「自分探しモードおしまいっと」とでも言いたげに、ばくはつスマイルを輝かせている。

フジ「(よく分からんが、満足してもらえたようで良かったぞ)」

 ストリートの石畳でハイヒールのかかとを小気味よく鳴らしながら、アロマなおねえさんは帰っていった。
 オカルトマニアにゲンシカイキした彼女がこのシオンに戻ってくるのは、そう遠い未来のことではないかもしれない。
 ▼ 273 ガハガネール@あおいバンダナ 15/08/26 23:46:15 ID:HZOSbqM6 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 次にシオンを訪れたのは、青白い顔の若者。
 ヤマブキジムによく入り浸っているサイキッカーのような格好をしているが、この辺りでは見たことのない顔だ。

サイキッカー「実は僕、みらいよちが出来るんです」

フジ「そうかい、そうかい」

 唐突に謎の告白をされたが、フジ老人はかげぶんしんの如くかわした。
 実際、自称超能力者はこのカントー中にスターミーの数ほどいる。
 多くはウソッキーで、飽くまでもマジシャンとして何らかのトリックを使っているだけに過ぎない。
 だが、ヤマブキジムのナツメを始めとしてごく小数「本物」がいるというのもまた事実。

フジ「本当に予知能力があるなら、テストで常に満点をとるのも夢ではないのじゃろう?羨ましいことじゃ」

サイキッカー「それが、そんなに都合のいいものではないんですよ」

 彼が言うには、超能力も万能ではない。
 みらいよちの能力を持っていたとしても、本当に知りたいことはどんなにほしがっても予言できず
 逆に知りたくないことばかり分かってしまうのだという。
 ▼ 274 ルッグ@こだいのおうかん 15/08/26 23:51:59 ID:HZOSbqM6 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
サイキッカー「ペットを飼い始めた瞬間いつ死ぬのかが分かり、彼女が出来た途端いつ別れるのかを知る」

フジ「それは…嫌じゃのう」

サイキッカー「そうですよ!出来ることならこの能力を捨てたいです!」

 彼の話によると、何らかの修行によって新しい超能力を身に付ければ、現在の能力に上書きされるのだという。
 だが、超能力のプロであるナツメですら対処法に困ってまがったスプーンを投げたほどの事例。
 このシオンに、彼に適した修行などあるだろうか?

サイキッカー「どんなに厳しい修行でも構いません。たとえこの肉体が滅んでも、せいしんりょくで絶対耐えてみせます!」

フジ「(本当に大丈夫かのう?)」

 いつも通り、目を閉じて若者達の会話を思い出すフジ老人。
 このサイキッカーの青年はマダツボミのようにヒョロヒョロとしていてひ弱そうだが、果たして彼にもできそうな修行とは…

フジ「>>275なんてどうじゃろうか?」
 ▼ 275 イオーガ@ホズのみ 15/08/27 00:06:33 ID:HBxqJoTA NGネーム登録 NGID登録 報告
けん玉
 ▼ 276 リムガン@ミュウツナイトY 15/08/27 21:35:03 ID:PRxnC6Js [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「けん玉なんてどうじゃろうか?」

 フジ老人が提案したのは、修行と呼べるのかどうかも怪しい昔の遊び。
 これで新たな超能力に目覚めるのかどうかは不明だが、はねやすめ…ならぬ気休め程度にはなりそうだ。

フジ「わしらの世代にとっては懐かしい遊びでな、白黒のゲームボーイがまだ無かった頃は皆これで遊んでいたのじゃよ」

サイキッカー「えっ、そうなんですか?」

フジ「『ケン』ホロウもアー『ケン』も、けん玉のケンが名前の由来。なぜなら、どちらも頭が赤いじゃろう?」

 …事の真偽はさておき、フジ老人には別の意図があった。
 もしこの若者が本当に超能力者でみらいよちが可能だったとすれば、彼の能力はシオンの経済活性化のおいかぜとなるだろう。
 例えば今シオンで流行しているものがいつ頃廃れるのかが分かれば、間違いなく経済的ダゲキを減らすことができる。
 何事も引き際が肝心なのだ。

フジ「(じゃから、彼の予知能力をレポートのごとく上書きするのはあまりにもったいない!)」

 そんなわけで、フジ老人は「ウシオ祭」を始めとして数ある修行の中から敢えてけん玉を選択したのだ。
 けん玉で遊ぶ程度なら能力の上書きはされないだろう、そんなわるだくみを笑顔の裏に秘めながら、おだやかな表情で見守っていた。
 ▼ 277 ロスター@きゅうこん 15/08/27 22:07:00 ID:PRxnC6Js [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 それから半刻ばかりが過ぎた。
 これまでの人生をほとんど予知能力に頼ってきたせいで、運動能力は低く手先もぶきようだったサイキッカーだが
 けん玉を1時間近く集中して続ければ否が応でも上達するというもの。
 ポケモンが戦闘を繰り返すことによって経験を積み、強くなっていくのと同じ原理だ。

フジ「おお、何だか上手くなってきたようじゃな」

サイキッカー「あ、はい。ありがとうございま…って、ああー!」

フジ「ほらほら、油断するでないぞ」

 そうしているうちに光陰はファイアローの如く通り過ぎていく。
 2分、2分、また2分…
 レジアイスが鎮座するおふれのせきしつのふういんが30回ほど解けた頃、サイキッカーはついにあの大技に挑み始める。

フジ「…おお、『とめけん』か!」

 とめけんというのは、けん玉の先端にある針に玉を通す技。
 玉の穴の位置が下側に来るように考慮しながら動かさねばならず、この技をマスターするのは至難の業だ。
 ▼ 278 トム@クラボのみ 15/08/27 22:10:51 ID:PRxnC6Js [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
サイキッカー「では、いきますよ…」

 フジ老人は息を呑み、若者が握りしめているけん玉をじっと見つめる。
 空中に投げ出された赤い玉はじゅうりょくに逆らってゆっくりと上へ動き、やがて…けん玉の針に収まった。

サイキッカー「…できた!」

 とめけんが見事成功し、サイキッカーは小さく歓喜の声を上げる。
 それと同時に、遠くの方で何やら奇妙な音がした。

フジ「おや?今の音は…?」

 彼が最初に言っていた通り、けん玉修行によって何らかの新しい能力を得てしまったのか、それとも…
 フジ老人の胸はむしのさざめきのように騒がしくなり、昔の遊びをやり込んだこの若者においわいの言葉をかけるどころではなくなった。

サイキッカー「何てこった!どうやら>>280ようです」
 ▼ 279 ボネア@サーナイトナイト 15/08/27 22:16:46 ID:u.KCpa9U [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
デデンネが大量発生した
 ▼ 280 マシュン@インドメタシン 15/08/27 22:20:40 ID:jSIeYDW6 NGネーム登録 NGID登録 報告
プラズマフリゲートをパクったのがバレた
 ▼ 281 ドリーノ@ひみつのカギ 15/08/27 22:47:24 ID:PRxnC6Js [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
サイキッカー「何てこった!どうやらプラズマフリゲートをパクったのがバレたようです」

フジ「…はて?」

サイキッカー「決まっているでしょう、このシオンにあるジムのことですよ!」
 
 フジ老人はしらばっくれてみたが、焼け石にみずでっぽう。
 ここに来る観光客でシオンジムの内装を知らないものは誰もいないほど、色んな意味で有名になってしまったのだから。

フジ「(やはりあの時、ヤムチャを止めるべきじゃったか…)」

 このサイキッカーの若者が1・2のポカン!で新しく習得した能力は、どうやら秘密をばらすことだったようだ。
 だが彼の反応を見るに、誰の秘密を誰にばらすのかは完全に運次第。
 もちろん本人に悪気はないのだが、とめけんを成功させる度にあのようなことが起こるのは勘弁して欲しい。

サイキッカー「もっとも、あれだけすなおにまねっこしていれば遅かれ早かれモロバレルだったでしょうけれど。僕が能力を使わなくてもね」

フジ「むう。そこまで言われるとぐうの音も出ん…」

サイキッカー「そして…これは飽くまでも予感なのですが、もうすぐプラズマ団の人達がここに来るでしょう」

フジ「わ、わしらシオン市民は一体どうすれば…!?」

 シオンジムの内装をヤムチャの独断に任せた以上、ヤムチャ一人をスケープゴーゴートとして差し出すこともできなくはない。
 だが、ジムリーダーになる前から弟子のように見守ってきた彼を、ジムリーダーとしてシオンタウンを愛している彼を切り捨てるのは心が痛む。
 ヤムチャをみがわりにして逃げるか、それとも彼らと一緒に対策を練るか…フジ老人は板挟みになりながら考えを巡らせた。
 ▼ 282 ッポウオ@イナズマカセット 15/08/27 23:06:29 ID:PRxnC6Js [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
サイキッカー「まあ、僕も出来る限りの協力はしますよ。もう予知能力は使えませんが、頭の回転は悪くない方だと思います」

フジ「ほ、本当かい!?」

サイキッカー「ここで会ったのも何かの縁。それに元はといえば僕のめざめるパワーの暴発が原因ですし…」

 果たしてこの若者がどれほどの知恵者かは分からないが、それでもフジ老人にとっては
 シオンの味方が一人でも増えるのは心強いことこの上ない。
 すぐにシオン中に町内放送をかけ、ジムリーダーのヤムチャをはじめとする若者達を招集して作戦会議を始めるのであった。

………

 数十分後、黒い服を着た集団がシオンタウンの入り口に押し寄せる。
 彼らがイッシュのプラズマ団だということは一目瞭然だ。
 プラズマ団はフジ老人達の前まで歩いてきて、何やら紙のようなものを差し出した。

フジ「(何じゃ、これは?)」

 だが、イッシュ語で書かれていて読めない。
 文書の意味が分からずまごまごしている老人を見て、団員達は徐々にいらだちを募らせる。
 ▼ 283 リンク@キトサン 15/08/27 23:26:35 ID:PRxnC6Js [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 その時、一人の若者がフジ老人に近づいて紙をよこどりする。
 驚いて若者の方を見ると、そこには以前タマムシで開催されたジムリーダー決定戦で見かけた顔があった。

エリート「これはイッシュ語ですね。訳しましょうか?」

フジ「お、お前さんは…」

エリート「タマタマ観光に来ていただけですよ」

 このエリートトレーナーはグリーンを尊敬し、トキワシティに惜しみない愛を注ぐ若者。
 時にその情熱がオーバーヒートしてしまうこともあるのだが、それも若さゆえのこと。

エリート「よく見たらあなたがイッシュ語をにらみつけながら、コマタナという顔をしていた」

フジ「それで、わざわざてだすけに来てくれたのかい?年寄り思いの若者じゃな」

エリート「まあ、イッシュ語を現在進行形で学んでいる以上、語学力を試したいと思うのは当然のことですから」

フジ「(すなおじゃないのう…)」

 今のシオンに文書を辞書無しで訳せそうな者は彼以外いない。
 フジ老人は意を決して、このエリートな若者にプラズマ団の文書を、そしてシオンの未来を委ねてみることにした。

エリート「…ふむふむ」

フジ「何と書いてあるのじゃ?」

エリート「彼らの要求はデザイン料の支払い、もしくは>>285のようです」
 ▼ 284 マケロ@レンブのみ 15/08/27 23:28:08 ID:KRs13OMk NGネーム登録 NGID登録 報告
ポケモンの解放
 ▼ 285 ッチール@じめじめこやし 15/08/27 23:30:49 ID:u.KCpa9U [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
フジ老人がプラズマ団員だった頃の画像
 ▼ 286 ャノビー@ダイブボール 15/08/28 23:53:03 ID:eMgMSeDQ NGネーム登録 NGID登録 報告
エリート「彼らの要求はデザイン料の支払い、もしくはフジ老人がプラズマ団員だった頃の画像のようです」

フジ「はい?」

 突如飛び出した謎の要求に、老人はコダックのごとく首をかしげる。
 デザイン料はまだ分かるのだが、彼らは一体何故どこにでもいそうな老人の画像など要求するのだろうか?

エリート「それについては、全文くまなく読んでみた僕から大まかに説明させて頂きます」

フジ「おお、助かるのう」

エリート「全文訳が面倒だとか、途中分からない単語があったから端折るとかそういうのじゃないですよ。分かりやすいようにかみくだいて説明するだけですよ!」

 エリートトレーナーはプラズマ団員に向かって、ジェスチャーをしながら何かを伝える。
 恐らく「彼らはイッシュ語が分からないからちょっと待って」というような事を言っているのだろう。
 それから紙を持ち上げて、プラズマ団の要求を簡潔に要約し始めた。

エリート「シオンジム内装の件については、無理に変更しろとは言わない」

エリート「一目見れば、ヤムチャ氏がプラズマフリゲートを深くリスペクトしていることがよく分かるからだ」

フジ「ふむふむ」

エリート「だからデザイン料さえ払ってもらえれば問題ない。要求額はいちおく…円ではなくてドルで、だ」

フジ「…何と!」
 ▼ 287 グマラシ@しめつけバンド 15/08/29 00:14:15 ID:vaynsvwM [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
エリート「…もしくはフジ氏の画像」

フジ「そうじゃ、問題はここからじゃ!彼らは何故わしの画像なんか…」

エリート「世界的に有名なフジ氏が我々プラズマ団の衣装を着ているとなれば、これは大きな宣伝効果がある」

 「世界的に有名」というのは、恐らく以前のジムリーダー決定戦での出来事が発端だろう。
 あの後大量の編集画像が作られ、フジ老人の姿はカントーという枠を超えて世界に広がってしまった。
 その影響が、まさかこのような形でシオンに返ってくるとは…

エリート「…こんなところです」

 エリートトレーナーが話し終えるのとほぼ同時に、シオンの小さな広場に若者達の議論が響き始める。
 普段は政治や経済に無関心だというのに、こういう事があって初めて真剣になれるというのは何と皮肉なことか。

りかけい「いちおくドル、約120億円だって?そんなの払えるわけがありませんぞ!」

おねえさん「ヒット曲『みかんの皮』のブームも長くは続かない。やっぱり画像を差し出すしかないの?」

ぼうそうぞく「でもここで画像を出せば、プラズマ団の宣伝効果…つまり活動資金や団員の増加をかそくさせることになるぞ」

ミニスカート「友達の友達から聞いたんだけどプラズマ団って怪しい組織なんでしょ。大丈夫なの?」

ボーイ「ポケモンの開放が目的っていうし、悪い人ばかりじゃないと思うけど…」

きとうし「スカイツリー風観光タワーからいちおくドルがお出ましすればいいのじゃがのう」

 長きにわたる話し合いの結果、多数決で>>288(デザイン料を払う/フジ老人の画像を差し出す)ことが選ばれた。
 ▼ 288 プラス@あおいバンダナ 15/08/29 00:48:19 ID:3wU3LbKI NGネーム登録 NGID登録 報告
払う
 ▼ 289 メラ@あかいいと 15/08/29 07:39:48 ID:vaynsvwM [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 長きにわたる話し合いの結果、多数決で払うことが選ばれた。
 やはり、フジ老人の画像が公にプラズマ団の手に渡るのはプラズマズイと考えたのだろう。

フジ「じゃが、いちおくドルなんて大金はどうやって工面すれば…」

 …おや?
 若者達が議論に燃えるかたわら、サイキッカーはのうてんきにけん玉を振り回しているようだ。

サイキッカー「うー、またダメだった…」

フジ「お、お前さん。何してるんじゃ?」

サイキッカー「さっきから『とめけん』を10回くらい成功させているんですが…」

フジ「そうか!お前さんには秘密をばらす能力があったのう!」
 
 だが傍受できたのは「どこかのじゅくがえりが24点のテストを捨てた」だの「物好きなおじさんが座布団の下にへそくりを隠している」だの
 一般人の取るに足りない秘密しかない。
 セレブか有名人の秘密でも分かれば、それなりの口止め料をせしめられそうなのだが…

フジ「(ちょっとブラッキーな方法じゃが、シオンのためにもがまんするしかないのじゃ)」

 その時、サイキッカーが小さく声を上げてフジ老人に手招きした。
 何か重大な秘密を傍受したのかもしれない…そんな期待をほのかに抱きながら、老人は若者に歩み寄るのであった。

サイキッカー「ついに来ましたよ!>>291(ポケモンの登場人物)の秘密です!」
 ▼ 290 ガアブソル@ゴールドスプレー 15/08/29 07:58:03 ID:8u6KmZmE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ウラヤマ
 ▼ 292 オー@たまむしプレート 15/08/29 08:56:03 ID:vaynsvwM [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
サイキッカー「ついに来ましたよ!アクロマさんの秘密です!」

フジ「…ほう」

 何やら凄そうな名前が、サイキッカーの若者からフジ老人へとないしょばなしで伝わる。
 このアクロマという人物はプラズマ団が抱える凄腕の研究者であり、現在論争の渦中にあるプラズマフリゲートの責任者ともいわれている。
 海洋調査にも携わっているらしく、最近ではホウエンの博物館に彼の映像が展示されているとかいないとか。

サイキッカー「アクロマさんの秘密を握っているとなれば、プラズマ団との交渉で有利になるかもしれません」

フジ「ほう!で、それはどんな秘密なのじゃ?」

サイキッカー「あのですね…アクロマさんって実は>>294なんですって」
 ▼ 293 ガゴルダック◆KyUpmG9.1. 15/08/29 09:00:10 ID:Y5AN..5o [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ゲイ
 ▼ 294 ョロトノ@ゴージャスボール 15/08/29 09:01:00 ID:8u6KmZmE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 295 ウマージ@ナゾのみ 15/08/29 09:20:17 ID:vaynsvwM [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
サイキッカー「あのですね…アクロマさんって実は女なんですって」

フジ「な、何じゃと…!」

サイキッカー「詳しいことは僕にも分かりませんが、どうやら本当のようです。ただ…」

フジ「ただ…?」

 ここでよく思い出してみて欲しい。
 この若者の新しい能力は秘密を傍受することだけではなく、誰かの秘密を他の誰かにばらしてしまうことだと。
 つまりアクロマの秘密は、今この瞬間他の誰かの手にも渡ってしまったということだ。

サイキッカー「今シオンにいるプラズマ団員達も、このことを知ってしまいました」

フジ「何と!それじゃ口止め料は意味が…」

 そう言いかけた時、プラズマ団員達がフジ老人に向かって一斉にとっしんしてきた。
 老人は抵抗する間もなく捕獲され、そのままどこかへ連れて行かれそうになる!
 何をするのか尋ねようにも、フジ老人はイッシュ語が分からない。

エリート「フジさーん!『ちょっとイッシュまで来てアクロマさんと話をして欲しい』ってことだそうでーす!」

フジ「通訳はありがたいが、いきなり『ちょっとイッシュまで』と言われても困るのじゃー!」

 なすすべもなく、イッシュへと連れて行かれるフジ老人。
 果たして、彼は再びシオンの土を踏むことができるのだろうか?
 ▼ 296 ーリキー@こうかくレンズ 15/08/29 09:45:46 ID:vaynsvwM [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
【ここまでのまとめ】 []内は安価で決定しました

 シオンジムのことはリーダーであるヤムチャの一存に任せ、フジ老人は観光客の案内をすることになった。

 まずやってきたのはツアーきゃく。
 「[ワタクシだけが ポケモンを 使えれば いいんです!]」と述べた彼の仕事はもうじゅうつかい。
 ポケモンを使うために威厳が欲しいと言われたので、フジ老人はおみやげ屋にある[あかいくさり]をおすすめした。
 当初は何に使うか分からず戸惑っていた彼だが、[ディアルガ]になるのに使えばいいと納得したらしく
 ディアルガの着ぐるみをまとってあかいくさりを巻き、伝説ポケモンになりきって町を後にした。

 次にやってきたのはアロマなおねえさん。
 最近疲れ気味でやるきもでない、安らぎが欲しいと言われたので[ジェフザキラーの家]を紹介する。
 そんな彼女は元オカルトマニア。無理をしてアロマなおねえさんを演じ、疲れ切っている自分に気付いた彼女は
 ありのままの自分にゲンシカイキすることを誓い、清々しい顔つきでシオンタウンを去っていった。

 その次にやってきたのはサイキッカー。
 みらいよちができるために知りたくないことを知ってしまい、能力を上書きするために新しい修行をしたいと言う。
 そこでフジ老人は[けん玉]を提案。こんな事でどうせ上書きされるわけがないと高をくくっていたが
 この若者が「とめけん」を成功させた途端、シオンジムの内装が[プラズマフリゲートをパクったのがバレた]!
 ▼ 297 チュル@ひかりのねんど 15/08/29 09:50:35 ID:vaynsvwM [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 (続き)

 大勢のプラズマ団員達がシオンに押し寄せ、デザイン料の支払いか[フジ老人がプラズマ団員だった頃の画像]を要求。
 ジムリーダー決定戦での一件で世界的に有名になったフジ老人を、プラズマ団の宣伝に使おうとしているようだ。
 シオンの若者達が相談した結果、多数決でデザイン料を[払う]ことに決定。
 だが、いちおくドルという大金をどうやって工面すればいいのか?

 その時、シオンの若者達が議論しているすぐ横で孤独な戦いに明け暮れる者がいた。
 あのサイキッカーである。
 彼は自分の能力で「運良く有名人の秘密を傍受できれば口止め料をゲットできる」と考え、けん玉を振り回す。
 その結果、[アクロマ]が実は[女]だという重大情報を入手する。
 だが、そのことは同時にシオンに来ているプラズマ団員達にも伝わってしまった!
 プラズマ団員に連れて行かれるフジ老人の運命やいかに…!?
 ▼ 298 なグラ◆bx30JbqxUc 15/08/29 09:52:31 ID:HAXYfXYc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 299 ンギラス@アクアスーツ 15/08/29 10:07:43 ID:vaynsvwM [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ………

 フジ老人が目を覚ますと、そこは研究所のような場所だった。
 ぐるりと見回せば、壁のポスターや本の背表紙にはもれなくイッシュ語らしき文字が並んでいる。
 ここはイッシュ地方…のどこなのか。一体どのくらいの距離を移動しただろうか。
 もしもシオンから一万光年も離れているような場所だったら、どうやって帰ればいいのか。

????「…気が付きましたか」

フジ「お、お前さんは!」

 フジ老人が顔を上げると、不思議な髪型の若者と視線が合う。
 その人こそ、噂のアクロマに間違いない。

アクロマ「シオンタウンでは失礼しました。どうしてもあなたとお話したかったのですが、私は立場上ここを離れるわけにはいかず…」

フジ「ということは、カントー語が分かるのかい?」

アクロマ「主人公がメスのベイリーフになるアニメがあるでしょう、あれで勉強したんですよ」

フジ「ああ、『人類メスポケ化装置』のことか」

アクロマ「そう、それです!毎週楽しみにしているんですよ!」

 シオンタウンで生まれたアニメの話題に、まさかイッシュで遭遇するとは。
 運命とは実にフシギダネ。
 ▼ 300 シズマイ@ふしぎなアメ 15/08/29 10:36:35 ID:vaynsvwM [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
フジ「ところで、お前さんが女だというのは本当かい?」

アクロマ「本当ですよ。証拠もありますが確認してみますか?」

フジ「い、いや。証拠は別にいい」

アクロマ「まあ、折角だからそう遠慮せずに」

 アクロマは慌てふためくフジ老人の手首を掴み、そっと自分の方へと引き寄せた。
 年甲斐もなく顔からひのこが出そうになる老人に対し、彼…いや彼女は平然とした顔のままで。

アクロマ「ほら、ここ触ってみて下さい…」

 言われるままに、フジ老人は顔を下に向けたまま震える手で撫でてみる。
 すると、そこには確かに男にはあるはずのものが無かった。

アクロマ「ね、無いでしょう…喉仏が」

 クリムガン色だったフジ老人の顔は、みるみるうちに元通り。
 急にれいせいな顔つきになって突っ立っている様子を見ながら、アクロマはいたずらごころ丸出しでおかしそうに笑う。

アクロマ「…という茶番はさておき、私が女であるという事実はそこまで重大ではありません」

アクロマ「最初は、団員達がこの秘密を知ればマズいと考えていました。けれど実際、私が女だからといって誰も態度を変えなかった」

フジ「うむ。いい部下に恵まれているのう!」

アクロマ「そう、問題はここではなく>>302(イッシュ地方の町やダンジョン)にあります!」
 ▼ 301 ーフィア@ギャラドスナイト 15/08/29 12:13:24 ID:UdhjPtbE NGネーム登録 NGID登録 報告
イッシュの難関
 ▼ 302 ガゴルダック◆KyUpmG9.1. 15/08/29 12:14:30 ID:Y5AN..5o [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒウンシティ
 ▼ 303 ーデリア@じてんしゃ 15/08/31 10:14:33 ID:JomKUeRY [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
アクロマ「そう、問題はここではなくヒウンシティにあります!」

 ヒウンシティ、それはイッシュ地方で一、二を争う規模の大都会。
 ストリートではビジネスマンが昼夜を問わず行き来し、ふみんの街とも呼ばれているが
 一歩路地裏に入ればそこは別世界、懐かしい気持ちを呼び起こす音楽が自慢のカフェもある。
 また名物ヒウンアイスは絶品で、これを味わうために遠方からも観光客が訪れている。

フジ「それで、ヒウンシティの問題とは一体?」

アクロマ「丸いやつ細いやつ尖ったやつ毛深いやつ…説明難しいやつなので、とにかくこれをご覧ください」

 アクロマが機器のボタンを「ポチッとな」と押せば、研究室はきんぞくおんを立ててへんしんし始めた。
 研究室の電気がフェードアウトするのと同時に天井から大型のモニターが下りてきて、問題の映像を写し出す。
 そこにあったのは…一見、至って普通のヒウンシティ。

フジ「はて?何も変わったところはないが…」

アクロマ「ここです。ここに>>304が映り込んでいるでしょう?」
 ▼ 304 マシュン@タポルのみ 15/08/31 10:52:28 ID:XEPqnSrY NGネーム登録 NGID登録 報告
レシラム
 ▼ 305 ンシグラードン@オーキドのてがみ 15/08/31 12:55:01 ID:JomKUeRY [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
アクロマ「ここです。ここにレシラムが映り込んでいるでしょう?」

 アクロマが指さした先を視線で追いかけると、そこには確かにレシラムが。
 ヒウンシティで一番高いビルの頂上に堂々と居座り、地上を歩く人々の足取りを目で追っている。

アクロマ「このレシラムは人間によって『開放』されたものと思われます」

フジ「開放?」

アクロマ「プラズマ団の以前のスローガンですよ。こんな事をするのは元プラズマ団員、あるいはそれに感化された者でしょう」

 つまり、アクロマの推測では何者かがヒウンにレシラムを逃がしたということだ。
 それを聞いて、日頃からシオンで捨てポケモンを保護しているフジ老人は心配になってきたようだ。

フジ「そんな。むやみにポケモンを逃がせば生態系が崩れるじゃろう!」

アクロマ「ええ、ですがレシラムは伝説のポケモン。むやみに生態系を破壊するような真似はしませんよ」

フジ「そうかい。賢いポケモンで良かったぞ」

アクロマ「まあ、そんなことをしたとなれば伝説仲間のジガルデが黙っていないでしょうけれどね」

 相性の面を考えると、炎タイプのレシラムは地面タイプのジガルデに不利。
 賢い伝説のポケモンなら、相性関係なくモラルはわきまえていると信じたいものだが。
 ▼ 306 ロアーク@ディフェンダー 15/08/31 13:16:00 ID:JomKUeRY [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
アクロマ「話が脱線しましたが、問題は生態系とは別のところにあります」

フジ「…というと?」

アクロマ「とにかく次の映像を見て下さい」

 アクロマはフジ老人の方を向いたまま、器用に片手で機器を操作して映像を切り替えた。
 今回画面に映し出されたのは、ヒウンシティに暮らす人々の様子のようだ。

………

じゅくがえり「ヒト模試の結果はDハンテールだった。どうせ受からないだろうから、志望校のレベルをがくっと落とそう」

ビジネスマン「この前おじょうさまとお見合いしたけど、どうせ俺には高嶺のキレイハナ。釣り合わないだろうから諦めよう」

ドクター「現代のいがくのちからをもってしてもあの病気の治療は難しい。患者さんには悪いが、手術に挑戦する気にはなれないな」

………

アクロマ「そう!真実を司るレシラムが現れたことによって、ヒウンの人々はいつも以上に『真実』に目を向けざるを得なくなった!」

フジ「真実というか…現実じゃのう」

 現実をわきまえて身の丈にあった幸せを享受できればいいが、知ることによってヒウンの人々はどんどんマイナス思考になっていく。
 これは何たる悲運だろうか。

アクロマ「私が思うに、この状況を打開するには>>308が不可欠なのです」
 ▼ 307 イリキー@タウリン 15/08/31 13:28:18 ID:MZ6C98YY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
理想
 ▼ 308 メラルド◆tPSKNxdevg 15/08/31 13:29:58 ID:TFGDJAEw NGネーム登録 NGID登録 報告
空気を読んでゼクロム
 ▼ 309 ビルドン@くろいてっきゅう 15/08/31 13:51:00 ID:JomKUeRY [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
アクロマ「私が思うに、この状況を打開するには空気を読んでゼクロムが不可欠なのです」

フジ「おお!『理想』の力を持つゼクロムを呼んで、真実…というか『現実』の強くなりすぎた世界を中和するんじゃな!」

アクロマ「理解が早いですね。ただ…」

フジ「ただ?」

アクロマ「問題はゼクロムが空気を読んでくれるかどうかです」

 知っての通り、伝説のポケモンは非常にきまぐれな存在。
 人間の都合などどこ吹く風で、自由気ままに飛び回ったり洞窟の奥深くに引きこもったりしているのが普通だ。

フジ「伝説のポケモンじゃからの。こればかりは…」

アクロマ「もしゼクロムを呼ぶことができたら、シオンジムのデザイン料もあなたがプラズマ団だった頃の画像も必要ありません」

 アクロマが放ったこの一言は、いとも簡単にフジ老人の心を揺さぶる。
 だが、よく考えてみるとシオンジムがプラズマフリゲートをまねっこしたのは事実だし、活動のためにも資金が必要ではなかったのか?

アクロマ「お金さえあればゼクロムを呼べる、今まではそう考えていました」

アクロマ「だからシオンジムの内装にかこつけて資金を調達しようとしたのですが、調査を進めてみるとゼクロムは金品には興味がないようで…」

 そりゃそうじゃ、とフジ老人は密かに納得した。
 金を使うのは人間だけで、ポケモンにとっては文字通り「ネコにこばん」あるいは「バネブーにしんじゅ」なのだから。
 ▼ 310 リムー@しめったいわ 15/08/31 14:05:52 ID:JomKUeRY [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
アクロマ「ただ一言『プラズマフリゲートを参考にしました』の一文さえあれば、シオンジムは今のままで結構です」

フジ「う、うむ…」

アクロマ「だからお願いです、ゼクロムをヒウンに連れてきて下さい!」

 とは言われたもののフジ老人はゼクロムを見たことすらなく、まして呼び方など分かるはずもない。
 シオンのスカイツリー風観光タワー(元ポケモンタワー)にお出ましするのを待つという手も考えてはみたが
 それこそ何十年、何百年かかるか分からず、その間にヒウンが文字通りゴーストタウンと化してしまいかねない。

フジ「(一体どうすれば…)」

 脳みそをギアソーサーの如く高速回転させ、フジ老人はシオンにいる若者達の会話を思い出す。
 色んな人々に支えられて発展してきたシオンを守るため、そしてヒウンで困っている人々を助けるため
 老人は考えを巡らせ、ついに一つの可能性に辿り着いた。

フジ「(こうなったら、いちかばちか>>311を試してみるか…)」
 ▼ 311 ザードン@でんきのジュエル 15/08/31 14:10:24 ID:MZ6C98YY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
おでまし
 ▼ 312 ェドゥパ ◆9wYw8MRZMM 15/08/31 14:10:43 ID:1wEANkd2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
塾帰りを生け贄に捧げる
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