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SS

ブースター「フレアドライブなんて出来ない……」

 ▼ 1 イドリップ 14/10/21 02:45:58 ID:Ijb8YYrQ [1/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【プロローグ】


僕はイーブイです。

生まれた時から、攻撃力が他の人より優れていたみたいで、僕は将来を期待されていました。

学校でも、成績は常にトップ3には入っていたし、何事にも真面目に取り組んできました。

だから、先生にも褒められていました。

けど、それが原因で妬まれてもいました。

でもでも、仲間はたくさんいました。

他の子より優れた所があると、ポケモンは誰しも、“一緒に付き合っていきたい”って思うか、“ウザったい、妬まし”と思うかのどちらかでした。

僕にはまだ、前者の方が多くいました。

あの日までは……。
 ▼ 2 イドリップ 14/10/21 02:47:10 ID:Ijb8YYrQ [2/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
去年の冬、僕のお父さんとお母さんは死にました。

3人で散歩の途中、落石事故に巻き込まれてしまったんです。

僕は何とか助かりました。

けど、その事故で、右足が動かなくなってしまいました。

お医者さんの話では、もう回復は望めないみたいです。

僕は泣きました。

お父さんとお母さんを失って、自分の体の自由までも失って……。
 ▼ 3 イドリップ 14/10/21 02:48:04 ID:Ijb8YYrQ [3/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから月日が経って、一人暮らしにも慣れました。

右足が動かなくても、走ることは出来ないけど、日常生活に大きな不自由はありません。

けど、学校生活には不自由があります。

僕の優れた所が無くなって、仲間が減っていきました。

僕のことを妬んでた奴らが、いじめて来るようになりました。

でも僕は右足が動かないから、抵抗しようにも、力負けしてしまいます。

今日もまた、クラスの奴に殴られて、やっと家に着きました。

もう僕の将来は、終わったようなものなのでしょうか……。
 ▼ 4 イドリップ 14/10/21 18:34:17 ID:wJyF33xU [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【突然の進化】

日曜日。今日も散歩に出かけた。

走れはしないけど、木漏れ日を全身に浴びながら、緑のトンネルをゆっくりと進むのは本当に気持ちが良い。

小さな清流で喉を潤して、原っぱに寝っ転がって四葉のクローバーを探すのが、僕のいつもの散歩コース。

けど、そこに奴等は居た。

 リングマ 「よぉ〜イーブイじゃん」

 ビーダル 「おやおや、これは奇遇ですね」

 コノハナ 「何してんのマヌケそうな顔して?」

こいつら3匹が、僕をいじめる代表格だ。

 イーブイ 「そんなの僕の勝手だろ。帰ってよ、空気がマズくなる」

いじめられてると言っても、何も無抵抗な訳じゃない。口では戦う。

 コノハナ 「まぁそう言うなよ。オレっちとバトルしようぜ!」

 イーブイ 「だからいつも言ってるでしょ。足が悪いからバトルはしないって!」

 ビーダル 「おやおや棄権ですか? 去年までは必ず受けて、ほとんど勝利していたと言うのに……。ご自分がバトルできなくなったからって勝ち逃げですか? いけませんねぇ〜」

 イーブイ 「なにをっ!」

本当、自称知識系のこのビーダルは鬱陶しい。言うことがいちいち癪に障る。
 ▼ 5 ヌギダマ@ルームキー 14/10/21 18:40:38 ID:TatUR3uk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
期待
 ▼ 6 プラス×かくちょうカード 14/10/21 18:52:47 ID:IXjf.jgw NGネーム登録 NGID登録 報告
神SSの予感...

支援
 ▼ 7 イドリップ 14/10/21 18:57:07 ID:wJyF33xU [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「バトルしろって言ってんだ。従え。それとも逃げるのか? その足で?」

リーダー格のリングマの言う通り、走れない僕は、こういう場面で逃げることすらできない。

 イーブイ 「そうやっていつもいつも……暇なの君たち? 弱者をいじめて楽しいの?」

 コノハナ 「関係ねーよーだ! 行くぜイーブイ!」

コノハナが走って接近してくる。僕に拒否権はないのか?

 コノハナ 「うぉらぁ! “ねこだまし”!」

 イーブイ 「くっ……」

 コノハナ 「続けて“だましうち”ぃ!」

 イーブイ 「痛っ……このぉ!」

 コノハナ 「トロイお前にオレっちの攻撃が耐えられるかぁ? もう1発“だましうち”!」

 イーブイ 「させるか“すなかけ”!」

 コノハナ 「うわっ!? 目が……目がぁ!」

 イーブイ 「喰らえ“かみつく”!

 コノハナ 「うわっ……ちょやめろ! 痛い痛い痛い痛い痛いっ!」

 イーブイ 「足がダメだからって……正々堂々ぶつかれば僕は負けないぞ!」
 ▼ 8 イドリップ 14/10/21 19:16:31 ID:lCCG/MIQ [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「テメェ……生意気だぞ!」

リングマが加勢してくる。僕は居たって普通にバトルしてるだけじゃないか。

 イーブイ 「2対1なんてやってられるかっ!」

 コノハナ 「うわぁ!?」

僕は噛みついていたコノハナを、顎の力で、リングマの顔面に向けて思いっきり投げつけた。

 リングマ 「ぐわっ!?」

やった、クリーンヒット!

 コノハナ 「すっすいませんリングマ先輩!」

 リングマ 「おいイーブイ。テメェ痛い目みねーと分からねぇみたいだな」

 イーブイ 「クッ!」

また殴られるか。少なくとも、逃げ切ることなんて出来ない。せっかく毎日特訓して、右足が動かなくてもそれなりにバトルできるようになったのに。
 ▼ 9 ーマンダ*きのみプランター 14/10/21 19:20:57 ID:ZR9kPTX2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 10 イドリップ 14/10/21 19:43:57 ID:lCCG/MIQ [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 **** 「おーい何やってるんだー?」

 リングマ 「……チッ!」

 ビーダル 「またあいつですか……」

 イーブイ 「スピ兄!」

やって来たのは、スピアーの青年。足が悪い僕のことを、陰ながら支えてくれるとっても良いポケモンだ。

 スピアー 「……なんだ? バトルでもやってたのか?」

 イーブイ 「そうだよ。コノハナとバトルして、僕が勝ったところ。ね?」

 リングマ 「……そうだな」

 コノハナ 「クッ……」

 スピアー 「ほぉ。その足で勝つとは流石だな。それよかイーブイ、仲間がオボンの実を沢山採って来たから、分けてやろうと思ってな。今から家に行っても良いか?」

 イーブイ 「ホント!? いつもありがとう、スピ兄」

 スピアー 「気にするな。採りすぎただけだ」

 イーブイ 「じゃあみんな、またね」

明らかにムカついた顔をしているリングマたちの返事を待たずに、僕はスピ兄と一緒にその場を後にした。
 ▼ 11 イコウオ@いかりまんじゅう 14/10/21 19:45:04 ID:qYGcIvlk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピ兄・・・
 ▼ 12 スペルゴン◆i52uus49Xg 14/10/21 19:53:59 ID:JhQWSXSw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムスカかよ
 ▼ 13 イドリップ 14/10/21 20:05:52 ID:0Z4D4KKw [1/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 コノハナ 「なんだよイーブイの奴! スピアーを仲間につけるとかセコ過ぎだろ!」

 ビーダル 「そうですね。何せスピアーを敵に回すと集団で仕返しに来る……。仲間意識の高いポケモンは厄介ですね」

 リングマ 「……どうだ。この際、イーブイに精神的ダメージを与えることに専念しないか?」

 コノハナ 「それすっごく良い! けど、何するの?」

 リングマ 「いいか、イーブイに危害を加えたら、恐らくスピアーが仕返しに来る。が、仕返しなんてたかが知れてる。どうせ同じ仕返しを受けるなら、奴に消えないダメージを与えるって寸法さ」

 ビーダル 「なるほど。リングマさんの意図は理解しました。しかし、何をもってイーブイに精神的ダメージを?」

 リングマ 「それはな………」
 ▼ 14 イドリップ 14/10/21 20:24:58 ID:0Z4D4KKw [2/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あくる日、僕はまた、いつものコースを散歩していた。甘い花の香りが心地良い草原に出向くと、……また奴等がいた。

 コノハナ 「おうおうイーブイ! この前のリベンジだ! オレっちとバトルしろよ!」

 イーブイ 「そうやって、また途中でリングマが加勢するんだろ? 不公平なバトルをする程、僕は暇じゃないんだ」

 リングマ 「今日はオレ加勢しないぜ? 誓ってやるよ」

 イーブイ 「信じられるか!」

 ビーダル 「他人を信じないと言うのも、ポケモンとしてどうかと思いますよ? それほどあなたの心は荒んでるんですか? 外見と同じ薄汚い茶色に?」

 イーブイ 「なっ……ビーダルもうしゃべるな! お前と話すと頭に来る!」

 ビーダル 「そのようなことは拒否します。あなたにそのような権利は無いですしね」

 コノハナ 「いいからバトルしろよ〜」

まったく……どうせ断り続けたって無駄なんだ。とりあえずやるだけやって、早く解放された方が早いかな。

 イーブイ 「……分かったやるよ」
 ▼ 15 リゴンZ@ゴーゴーゴーグル 14/10/21 20:30:34 ID:i6khOvh2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ボーマンダ「俺が味方するぜ。全員りゅうせいぐんでふっとばしてやる。」
 ▼ 16 ルッグ@エネコのシッポ 14/10/21 20:31:26 ID:i6khOvh2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
カイリュー「俺も味方するぜ。全員ハチマキげきりんでふっとばしてやる。」
 ▼ 17 イドリップ 14/10/21 21:17:08 ID:.KtgE3nE [1/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 コノハナ 「言ったな! よ〜し喰らえ“だましうち”!」

 イーブイ 「(同じことさ! 引きつけて……)“すなかけ”!」

 コノハナ 「おっと!」

コノハナは、“すなかけ”が直撃する瞬間に大きくジャンプした。

 イーブイ 「あっ!?」

 コノハナ 「これで終わりだ! 喰らえ“なげつける”攻撃ぃ!」

 イーブイ 「“なげつける”?」

何でそんなワザをコノハナが出したのか、僕には一瞬、理解できなかった。

しかし飛んでくる物体を見て、冷や汗では済まないような戦慄が、僕の身をよぎった。

 イーブイ 「あっバカやめろ! やめてくれよぉ!」

必死に右足を引きずって避けようとしたけど、もう遅かった。
 ▼ 18 ニョニョ@ずがいのカセキ 14/10/21 21:19:23 ID:snVM9Hmo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レックウザ「俺も味方するぜ。全員ガリョウテンセイでふっとばしてやる。」
 ▼ 19 マワリ@こだわりスカーフ 14/10/21 21:28:45 ID:01uAEEmQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリアス「俺も加勢するぜ。全員じしんでふきとばしてやる」
 ▼ 20 イドリップ 14/10/21 21:32:44 ID:.KtgE3nE [2/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
飛んできたのは“炎の石”。


それが僕の体にぶつかると、突然体の中が熱くなって、自分自身が光りだしたのが分かった。

 イーブイ 「やめろ! 嫌だ! 僕はまだ進化したくないんだあああぁぁぁぁぁ!!!」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

>>15 >>16 >>18 >>19
こうあからさまに妨害されると流石に萎える。本人は面白いと思ってやってるんだろうけど、全く面白くない。
今日は終了します。
 ▼ 21 マタナ@ミミロップナイト 14/10/21 21:33:15 ID:PyoxEN9Q [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリルリ「腹太アクジェで吹っ飛ばしたげる」
 ▼ 22 ワライド@サーナイトナイト 14/10/21 21:33:22 ID:Rf1P2qQM NGネーム登録 NGID登録 報告
アルセウス「私も加勢しよう。全員剣舞からのしんそくでふっとばそう。」
 ▼ 23 ャオブー@つめたいいわ 14/10/21 21:34:17 ID:PyoxEN9Q [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すいません・・・もうこんなことしません。
 ▼ 24 ニドリル@かみなりのいし 14/10/21 21:35:53 ID:58bRTwDs NGネーム登録 NGID登録 報告
あんまり面白くないのでもう二度と書かなくていいです
 ▼ 25 ナフィ@ぼうけんノート 14/10/21 21:42:15 ID:ibt31Iuk [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>20
これぐらいで妨害とか言いうなら、スレでSSとかやらずにブログにでも書けよ。
こんな場所のBBSでやるんだったらこれぐらい想定してスルーするぐらいじゃないと。
罵倒されたわけでもないに。
 ▼ 26 イドリップ 14/10/21 21:46:25 ID:.KtgE3nE [3/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>25
……確かにそうでしたね。申し訳ない。
ちょっとイライラしてましたわ。ご指摘ありがとうございました。
 ▼ 27 ーギラス@おおきなしんじゅ 14/10/21 21:52:16 ID:VReQ9eRg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>26
まあ気持ちは分からんでもないけどね、SSは面白いから支援
 ▼ 28 ラーチ@じめじめこやし 14/10/21 22:07:58 ID:EzGIu85I [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブースターに進化したら
リングマ達全員処理できるな!

支援
 ▼ 29 ース@じてんしゃ 14/10/21 23:44:54 ID:FOYkb6j. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 30 ッスグマ@プロテクター 14/10/21 23:52:42 ID:96WV1HTI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 31 ニャット@とうめいなスズ 14/10/22 09:27:40 ID:Z/MorT4w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
妨害じゃなくね?
 ▼ 32 ガガブリアス@デボンスコープ 14/10/22 11:27:12 ID:LG88z/zs NGネーム登録 NGID登録 報告
>>31
当人達にその気が無くてもそう受け取れることがあるから気をつけるべきなのかもな
 ▼ 33 ズマオウ@きんのいれば 14/10/22 12:12:00 ID:7/7dltew NGネーム登録 NGID登録 報告
>>31
普通に読んでて、何でいきなりボーマンダ? と一瞬思ってしまった。

読み手に誤解を与える以上、妨害と思われても仕方ないと思うけどな。


とりあえずイーブイ嫌がりすぎだろwww
支援
 ▼ 34 イドリップ 14/10/22 16:27:44 ID:tbG3F9Ws [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
昨日は私の発言で皆様に不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。
今後はもう少し寛容な気持ちで進めて行きたいと思います。
 ▼ 35 イドリップ 14/10/22 16:28:20 ID:tbG3F9Ws [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
体が落ち着いたと感じた時、僕は、僕の姿じゃなくなっていた。

オレンジ色の体に、ふっさふさの首回りと尻尾。それに、体の中から熱気を感じる。

 コノハナ 「わーすげー、イーブイがブースターに進化したー」

 リングマ 「おーやったじゃんイーブイ進化したのか。祝ってやるぜ!」

 ビーダル 「これはこれはおめでとうございます。ブースターと言えば、その頼もしい炎の体、癒し系のふさふさ、そして何より、“フレアドライブ”という強力ワザを覚えられるじゃないですか。……ま、その足で使えるかは分かりませんけどね」

 ブースター 「僕が……ブースターに……?」

嘘だ、嘘だ嘘だ! こんなの絶対嘘だ!

 ブースター 「うわあああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 コノハナ 「へへっ! またバトルしようぜー」

 リングマ 「あばよ」

 ビーダル 「是非ともあなたの“フレアドライブ”を見てみたいですね! クックックッ……」


僕はしばらく、その場で泣き崩れていた。
 ▼ 36 イドリップ 14/10/22 16:30:04 ID:tbG3F9Ws [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【生きる道は】


朝が来た。

僕は、これが全て夢であって、自分がまだイーブイのままであることを願った。

けど、自分の体の色を見て愕然とした。

ブースターのままじゃないか。

 ブースター 「くそっ!」

拳を地面に叩きつけてみても、悔しさは消えやしない。

 ブースター 「なんで……なんでっ!」

泣こうにも、涙が枯れて泣けもしない。

思いっきり暴れまわれば少しはスッキリするかもしれないけど、こんな足じゃ、暴れることもできない。

僕は不貞寝した。何もやる気が起きない。強いて言うなら、何回目かに目覚めた時、今までのことが全て夢で、イーブイの姿に戻っていることを期待した。

そんな気休めの不貞寝だ。
 ▼ 37 イドリップ 14/10/22 16:31:53 ID:tbG3F9Ws [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「おーいイーブイ、おるかー?」

どれくらい寝てただろうか。少なくとも、数日間は外に出ていなかった。

 スピアー 「入るぞー」

スピ兄が家に入って来た。けど、顔を上げるような気にはなれなかった。

 スピアー 「誰やお前!?」

スピ兄のその言葉が、僕がもうイーブイでないことを物語っていた。いつも僕を気にかけてくれる親切な者からの言葉が、これほどぐっさり、心に響くなんて、思っても居なかった。

 ブースター 「イーブイ、だったよ。前までは」

 スピアー 「お前……進化したのか!?」

 ブースター 「うん」

 スピアー 「そうかー。そりゃ良かったなぁ、えぇ? 立派になりやがって! 炎の体、逞しいじゃんか!」

 ブースター 「そんなことないよ……」

 スピアー 「なにしょげた顔してんだよ? いやぁ、ホント逞しくなった。オレも嬉しい。自分の進む道を決めたってことだろ?」

 ブースター 「そんなことないって言ってるでしょ! ほっといてよ僕のことなんてっ!!!」
 ▼ 38 イドリップ 14/10/22 16:32:49 ID:tbG3F9Ws [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「どっ……どうしたイーブイ……じゃなくてブースター。悩みでもあんのか?」

 ブースター 「悩みなんて……悩みだらけだよっ! 何で僕がブースターに……」

 スピアー 「……何があったんだ?」

スピ兄は、声色を変えて言った。それは、別に怒っているとかじゃなくて、本気で僕のことを心配しているような印象だった。

 ブースター 「うっ……うぅ……スピ兄ぃぃぃ……」

右足を引きずって、僕はスピ兄に泣きついた。

……なんだ、涙まだ出るじゃんか。泣けるじゃんか、僕。

 スピアー 「そうか、そうか。進化はお前の本意じゃなかったんだな……。まぁ泣け。泣いて泣いて、落ち着いたら、ゆっくり話してみな」

 ブースター 「うぐっ……ゔん……」
 ▼ 39 イドリップ 14/10/22 16:36:34 ID:tbG3F9Ws [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「……なるほど。で、そいつらに“炎の石”を投げつけられて、ブースターに進化しちゃったと言うことか」

 ブースター 「うん。僕……じっくり考えてから進化したかったのに……しかもブースターって……うぅ……」グスッ

 スピアー 「よし。とりあえず、そのリングマとビーダルとコノハナを絞めてくれた良いんだな。待ってなブースター。10分で終わらす」

 ブースター 「待って待って! スピ兄たちはただでさえ森の皆から怖がられてるんだから! 変に暴れたらまた評判下がっちゃうよ!」

 スピアー 「……地味に傷つくこと言うな、お前は。まぁいい。だが、お前はそれで良いのか? 自分の将来を勝手に奪われて、それで良いのか?」

 ブースター 「良くないよ。……けど、あいつらを殴ったって、僕の姿が戻る訳じゃないし。虚しいだけだよ……」

 スピアー 「そうか……。お前は大人だな。ところでお前、何かブースターに拒否反応あるような言い分だったけど……理由でもあるのか?」

 ブースター 「うん……まぁ進化して強くなることは嬉しいよ。ただね、進化するなら、もっとこぅ……月を背にしてイケメンなブラッキーとか、氷でクールなグレイシアとか……もっと、足のハンデを掻き消すような、カッコいいポケモンになりたかったんだ」

 スピアー 「オレはブースターも良いと思うけどなぁ。もふっとした尻尾とか可愛らしいぜ」

 ブースター 「それだよ! 可愛いって思われたらダメなんだよ! もっと、カッコ良く見せないと……モテないじゃん!」

 スピアー 「……そこに行きつくか」

 ブースター 「そりゃそうだよ……。1人で野生に生きるって決めて……病院から抜け出して来たのに……」

 スピアー 「……そう言えばそうだったなぁ」


僕の脳裏に、当時の記憶が鮮明に蘇った――。
 ▼ 40 ノズ@ミュウツナイトY 14/10/22 17:53:59 ID:RXQYZxso NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 41 アル@プラスパワー 14/10/22 17:57:17 ID:T2exvAAg NGネーム登録 NGID登録 報告
もうやめて!ブースター(別個体)のライフはとっくに(ry
 ▼ 42 ーシィ@タウンマップ 14/10/22 18:23:23 ID:HxneNwbM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピ兄かっけー
 ▼ 43 ックル@こわもてプレート 14/10/22 19:17:14 ID:Ml4WKvTs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 44 ンレム◆RAZWF4W1NQ 14/10/22 19:24:13 ID:AS8abaGo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いつかまとめられそう
 ▼ 45 イドリップ 14/10/22 22:04:49 ID:Ijb8YYrQ [4/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あの時、落石事故に遭った瞬間を、僕は覚えていない。



気が付いたら、落ち葉よりもフカフカしたものの上で、僕は眠っていた。

 「……気が付いたのね」

ここ……どこだろう。誰の声だろう。

 「あなた、落石事故に巻き込まれて、ずっと眠っていたのよ、10日間も……」

そっか……みんなで散歩してたら、急に岩が落ちて来て。……お父さんとお母さんは!?

僕はとっさに起き上がろうとしたけど、バランスを崩してその場に倒れ込んだ。右足が……動かない!?

 「ダメよまだ安静にしてないと」

顔を上げて、ようやくその越えぬ主が、ニンゲンだと分かった。ピンクと白の布を纏って、頭の上には変な帽子を被っている。

 「ごめんなさいね。私たち、必死にあなた達を治療したのよ。けど……」

そのニンゲンは、言葉を詰まらせた。
 ▼ 46 イドリップ 14/10/22 22:06:06 ID:Ijb8YYrQ [5/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 「あなたと一緒に居たエーフィとリーフィアは……助からなかったわ……」

えっ……。

 「お医者さん達ね、みんな必死だったの。でも……ダメだったの。私たちの力不足よ。本当にごめんなさい……」

そう言って、そのニンゲンは泣いた。

えっと……エーフィとリーフィアって、僕のお父さんとお母さんだよね? 助からなかったって……冗談だよね? ねぇ?

 「……だから、あなただけは、何としてでも助けようと思ったの。必死に治療して、そして今日、あなたは目覚めた」

そんな……本当にお父さんとお母さんが……。

 「でも……あなたの右足は……ダメだったの」

……そうだよ。僕の足……、なんで右足が動かないの!?

 「事故の後遺症でね、右足の麻痺が、どうしても取れなかったの。この先も……回復は見込めないわ。本当にごめんなさいね……まだ若いのにっ……」

ニンゲンはまた泣いた。コウイショウ? それがあると僕の右足は動かないの? って言うか、ずっと動かないの? 僕の右足……!?

 「でも安心して。ポケモン保護協会が、あなたを保護してくれるわ。それで、あなたをきちんと育ててくれる持ち主を探してくれるの。だから……だから安心してね、イーブイ……」
 ▼ 47 ンシャカ◆bj1ozjdmPg 14/10/22 23:07:41 ID:AgeTQzag [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おっ来ていたのか
支援
 ▼ 48 ナギラス@マッハじてんしゃ 14/10/22 23:10:06 ID:ct9ZGOo2 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
超絶支援
 ▼ 49 ンタイン@ポイントマックス 14/10/22 23:20:44 ID:Pvp0Y2yY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あの三人組イーブイに苦戦してる時点で
ブースターにはまず勝てないだろうな
 ▼ 50 ルセウス@たつじんのおび 14/10/22 23:21:30 ID:ct9ZGOo2 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>49
それは言えてるな。
 ▼ 51 ドシシ@とけないこおり 14/10/22 23:23:47 ID:/m8ikJn2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>49
コノハナ・・・・・フレドラ
リングマ・・・・・馬鹿力
ビーダル・・・・・馬鹿力

oh・・・・・
 ▼ 52 ンシャカ◆bj1ozjdmPg 14/10/22 23:24:47 ID:AgeTQzag [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>51
しかもイーブイに負けるほどの耐久力だから
全員、炎の牙でも倒せるな
 ▼ 53 ポエラー@かざんのおきいし 14/10/22 23:25:53 ID:ct9ZGOo2 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>51
いや
コノハナ・・・オバヒ
リングマ・・・フレドラ
ビーダル・・・馬鹿力だろ。
 ▼ 54 イドリップ 14/10/22 23:32:20 ID:9yeO4Bak [1/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「……そうだったな。お前はニンゲンの助けを拒んで、病院から抜け出したんだよな」

 ブースター 「そうさ。僕を治療してくれたのはありがたいけど、ニンゲンに飼われるなんて、まっぴらゴメンさ。けど……今回ばっかしは、そんなこと言ってられないかな……」

 スピアー 「どうしてだ?」

 ブースター 「ブースターとして生きるなら、バトルで有利になりように、“フレアドライブ”ってワザを覚えないと、野生じゃやっていけないよ。今まではイーブイだから可愛がられてたけど……」

 スピアー 「なるほど。見た目が大人なら、手加減してくれたり、助けてくれたりする奴は、確かに減るだろうな」

 ブースター 「うん。それにこの足じゃ……“フレアドライブ”なんて使えそうになししな……」

 スピアー 「それで……今度こそニンゲンに保護して貰おうと?」

 ブースター 「うん……。でも、正直ニンゲンに良いイメージが無いんだよなぁ。たまに森に入ってくるニンゲンを見るけど、僕たち野生を見るたびに、勝手にバトル仕掛けて来るし、僕たちが分け合って食べてる木の実を勝手に取ってくし……」

 スピアー 「分かるわ。オレだって、ニンゲンを見たら歓迎してやろうって、握手しようと腕を出しながら近付くんだけど、どういう訳か、みんな逃げちまうんだ。こう……人の好意を理解しない奴等だよ、ニンゲンは」

 ブースター 「……それ、見知らぬ相手なら僕でも逃げるよ」

 スピアー 「え?」

 ブースター 「何でもない」

 スピアー 「まぁアレだ。じっくり考えた方が良い。今のままでいるのか、ニンゲンに保護されるのか。どちらにせよ、オレはいつだってお前の味方だからな」

 ブースター 「スピ兄……ありがとう!」

 スピアー 「それじゃ、飯でも食いに行くか? 望まない姿ではあるだろうが、進化のお祝いだ。大人の味のパイルの実を喰わせてやるぜ?」

 ブースター 「うん! ホント、スピ兄がいてくれて良かったよ!」
 ▼ 55 ャタピー@ぎんいろのはね 14/10/22 23:36:02 ID:ct9ZGOo2 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
そして最終的には恩返しを覚えるのですね。(涙)
 ▼ 56 ラス・アテーナー◆sladmalL/I 14/10/22 23:42:34 ID:u3dD4uEc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援

攻撃力が優れているなら、ブースターに進化して

良かったと思うけどなぁ…。
 ▼ 57 イドリップ 14/10/22 23:50:28 ID:9yeO4Bak [2/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピ兄に連れられて、僕たちは森の奥へと出かけて行った。僕の歩調に合わせてゆっくり飛んでくれるスピ兄は、いつも優しい。スピ兄がみんなから怖がられていることが、僕には理解できなかった。

パイルが実っている木の傍には、他の野生ポケモンがたくさんいて、木の実を食べていた。

 オタチ 「……あっスピアーだ!」

 ルリリ 「逃げないと! みんな早く!」

 ポッポ 「わぁぁぁママぁぁぁぁぁ」


 ブースター 「……綺麗に掃けたね」

 スピアー 「……あぁ。まぁ、合法的に木の実を占領できるって割り切ってるわ」

 ブースター 「苦労が絶えないね、スピ兄も……」

 スピアー 「ったく。こんなに赤く澄んだ瞳をしてるってのに、何がそんなに怖いんだか」

 ブースター 「客観的に見て、血に飢えている色にしか見えないけどね」

 スピアー 「何か言ったか?」

 ブースター 「多分気のせいだと思うよ」
 ▼ 58 ニゴーリ@シルクのスカーフ 14/10/23 00:01:24 ID:mxca1Tfs [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 59 ーダイル@フエンせんべい 14/10/23 00:27:07 ID:MqAYz7Tg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リングマも森の中では嫌われているのかな(笑)
 ▼ 60 アームド@まんたんのくすり 14/10/23 00:47:51 ID:9v3X/AgY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
前にもスピアー嫌われててがリングマにはめられる話しあったよな

あとこのイーブイ(今はブースター)ちょっと口悪いな
 ▼ 61 イドリップ 14/10/23 00:49:48 ID:0Z4D4KKw [3/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「そうか。……じゃあ取るぞ。“ミサイルばり”!」

スピ兄は“ミサイルばり”を飛ばして、実っているパイルを5個ほど撃ち落とした。

 ブースター 「……うん。怖がられて当然だね」

 スピアー 「効率を考えたらこれが一番良いだろ。さぁ、食ってみろ」

 ブースター 「じゃあ……いただきますっ!」< ガブッ

黄色い実、口の中に ほとばしる酸味と ほのかな苦み……酸っぱい中にも舌を唸らせるコクがあって……。

 ブースター 「スピ兄! これイケるよ! すっごい美味しい!」

 スピアー 「だろ? ったってアレだ。こいつは食べ過ぎると舌に残るから、他の実も一緒に食べた方が良い。近くにモモンが実ってるから、持って来てやるよ!」

 ブースター 「そんな悪いよスピ兄……」

 スピアー 「気にすんな。お前の進化祝いさ」

そう言って、スピ兄は飛んで行った。

惚れるよスピ兄……僕がメスだったら、絶対惚れてるよ。
 ▼ 62 ガクチート@うしおのおこう 14/10/23 00:52:56 ID:9v3X/AgY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こいつはほかのブイズになったとしてまともにやれるのか?
エーフィやサンダースは足が悪いから無理だろうし
コイツが望んでたブラッキーは足が悪くて耐久型に不向きだろうし
グレイシアはそもそもあんまり使われないし
ブースターでもあんまり変わらないかもな
 ▼ 63 ッピ@やけどなおし 14/10/23 01:08:18 ID:c2/Ed.8o NGネーム登録 NGID登録 報告
足が悪いなら・・・
グレイシアになって、ミラーコートで反撃していくスタイルとかもあったんじゃない?
 ▼ 64 イドリップ 14/10/23 01:34:05 ID:.KtgE3nE [4/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>> ALL
皆様コメントご支援ありがとうございます!

>>56 >>62 >>63
「足が悪い」というハンデがあると、どんなポケモンでも苦労しそうですよね。
このブースターは、バトル面には見切りをつけて、“見た目のカッコ良さ”を重視しているという設定です。
それでいいのか!? と突っ込みたくなりますけどね。
 ▼ 65 イドリップ 14/10/23 01:45:10 ID:.KtgE3nE [5/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「やっと一匹になったな」

聞きなれた声に振り向くと、そこには奴等がいた。

 ブースター 「……なんだお前たちかよ。どっか行ってくれ。顔も見たくないんだ」

 ビーダル 「まぁまぁそう言わずに。いかがですかブースターでの日常は?」

 ブースター 「寒さを感じないね、外でも夜でも」

 コノハナ 「じゃあオレっちに感謝しろよ〜。たまたま炎の石を拾って、“なげつける”攻撃してやったんだからよー」

 ブースター 「たまたまだと? 嘘つけ! 僕の将来を奪って、何がたまたまだよっ!?」

 コノハナ 「へへへっ。まーいーじゃん。強くなったんだし」

 ビーダル 「そうですねぇ。是非ともあなたの“フレアドライブ”を見せて貰いたいのですが、もう覚えましたか?」

 ブースター 「お前らっ……」

 リングマ 「おいビーダル可哀想だろ。こいつの右足は動かないんだから、“フレアドライブ”なんて出来る訳ねーだろうが」

 ビーダル 「おっとこれは失礼しました。ですが……“フレアドライブ”が出来ないブースターなんて、熟して腐り落ちたモモンの実のようなもの……。存在価値すら疑いたくなりますけどね」

 ブースター 「お前らっ……! いい加減にしろよ! 僕のことが気に入らないなら関わらなきゃいいじゃないか! なんでわざわざ……僕の未来をっ……お前らに僕の未来を奪う権利なんて無いじゃないか!!!」

 コノハナ 「ケー。威勢だけはいいな」

 リングマ 「おいブースター。あんまり調子乗った口きくと痛い目見るぞ」

 ビーダル 「逆に痛い目を見せた方が良いんじゃないですか? わざわざ進化させてあげたこちらの好意を踏みにじるなんて……少し教育してあげましょう」
 ▼ 66 イドリップ 14/10/23 18:28:50 ID:wJyF33xU [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 コノハナ 「“はっぱカッター”!」

 ブースター 「オイやめろって! 遠くから卑怯だぞ!」

 コノハナ 「知らねーよーだ!」

 ビーダル 「ならば接近戦ですね。“アクアテール”」

 ブースター 「うわ水ワザっ……」

 ビーダル 「おやおや痛かったですか。そう言えばイーブイから進化してたんでしたねぇ」

 リングマ 「オラ喰らえ!“アームハンマー”!」

 ブースター 「うっ……」

 リングマ 「お前相手に素早さ落ちたって関係ねーしな。オラもう1発!」

 ブースター 「ぐわぁっ……」

くそぉ……。進化したせいか、今まで通りに体が動かない。あいつら……それを分かって……。

 ビーダル 「“アクアテール”は痛かったですね。なら加減して“とっしん”をプレゼントしましょう」

 ブースター 「うわぁっ……」

ビーダルの“とっしん”で、僕は弾き飛ばされてしまった。

パイルの木にぶつかって止まったけど、あまりの痛さに、そこから動けなかった。

 ブースター 「うぅっ……」
 ▼ 67 ンシャカ◆bj1ozjdmPg 14/10/23 18:42:37 ID:nI40U6/. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピアーセンパイやっちゃってください!
 ▼ 68 イドリップ 14/10/23 19:56:46 ID:lCCG/MIQ [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ビーダル 「どうしました? 進化したんなら、これくらい耐えきれるでしょうに」

 コノハナ 「なんだよー。せっかく進化させてやったのに期待外れだなー」

 ブースター 「うっ……うるせぇ……っ……」

 リングマ 「ふん。お前の人生なんて、しょせんそんなもんだ。攻撃が優れて、学力もあって、真面目ぶってた奴が、今はどうだ? 全部失ってらぁ。因果応報自業自得。調子乗ってたツケが回って来たんだよ!」

くそっ……イーブイのままだったら、もっと小回りが効いて反撃しやすいってのに……。

体が大きくなった分……足を引きずるベストな体勢も変わったし……。

 ビーダル 「哀れですねぇ」

 コノハナ 「情けねぇなぁ」

 ブースター 「っ……うるせぇ! 結局は何一つ僕に勝らなかった逆恨みじゃないか! その仕返しで僕の将来を奪うとか……お前らこれからお天道様に顔向けて生活できないからな! 一生後悔するんだからなっ!」

 ビーダル 「……何か ほざいてますねぇ」

 リングマ 「教育が足りないようだな」

リングマが、のっしのっしと僕に近付いてきた。
 ▼ 69 ンバル@バンギラスナイト 14/10/23 21:27:22 ID:.KtgE3nE [6/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして、鋭いキバと爪を見せつけながら、言った。

 リングマ 「そのチャームポイント……ふっさふさ鬱陶しい首回りと尻尾……こいつで刈ってやろうかぁ?」

僕の顔のすぐ前で、リングマは目を光らせる。

 ブースター 「クッ……」

この距離なら……“すなかけ”で目を潰して“かみつく”で反撃できるのに……ダメだ。体が動かない。ダメージ受け過ぎだ……。

 リングマ 「謝れよ。今まで調子乗ってて申し訳なかった……ってな」

 ブースター 「誰がっ……お前らの逆恨みじゃないか! 僕が何をしたって言うんだよっ!?」

 リングマ 「チッ。素直じゃねーな。……首の毛から行くぜ」

リングマの奴……本気だ。目が狂気に満ちている。

 ブースター 「やめろ……やめろよ!」

リングマの爪が、僕の首根っこを掴む。このまま爪を立てられたら……僕の首のモフモフが切り裂かれてしまう。

ブースターのアイデンティティが……無くなってしまう。

 リングマ 「ふんっ。誰からも相手にされず……孤独に生きるんだな!」

リングマの腕に力が入った。

 ブースター 「やめろおおおぉぉぉぉぉ!!!」
 ▼ 70 クシー@げんきのかたまり 14/10/23 21:27:49 ID:Wm9z3M0o [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お、続きでてた
支援
 ▼ 71 ロア@れいかいのぬの 14/10/23 21:31:04 ID:9ak5u.XA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
マンダカイリューサザン「おい3人でやるなら俺達とやれ」
 ▼ 72 ンシャカ◆bj1ozjdmPg 14/10/23 21:31:32 ID:kxeBxD8E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
続きはよ
 ▼ 73 ーバーン@クチートナイト 14/10/23 21:32:31 ID:9ak5u.XA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
マンダカイリューサザン「そしてりゅうせいぐんで倒してやる」
 ▼ 74 クティニ@ヘラクロスナイト 14/10/23 21:49:14 ID:Wm9z3M0o [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピアーの大群でやっちゃえ
 ▼ 75 ガフーディン@メトロノーム 14/10/23 21:56:49 ID:.isvUMq6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 76 ザンドラ持ち物 ヘルガナイト 14/10/23 22:03:14 ID:7Fln85U6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピアー様あいつら倒しちゃえ(^_^)
 ▼ 77 ザンドラ持ち物 ヘルガナイト 14/10/23 22:08:47 ID:7Fln85U6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
3人だったらこっち来い
なんだよ
3にん(おわた(^_^))


オーロットとファイアローとオコリザルだよお
 ▼ 78 リージオ@リニアパス 14/10/23 22:11:41 ID:qXcg0wNE [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>73
あまり繰り返さないようにしたほうが良いかと
 ▼ 79 イドリップ 14/10/23 22:22:19 ID:Ijb8YYrQ [6/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その瞬間、体の中が堪らなく熱くなって、僕自身から湯気が発生しているのが分かった。

 リングマ 「だぁぁぁ熱っ……!」

リングマは僕から手を離したけど、なおも睨みつけてくる。

 リングマ 「この野郎っ!」

けど、僕にはその熱気の処理の仕方の方が問題だった。体から溢れだす熱い何か。どんどんシャッキリしてくる頭。

 リングマ 「無駄な抵抗なんだよ!」

リングマがそう叫ぶと、再び爪を僕の首に向けて、振り下ろして来た。

 ブースター 「やめろおおおぉぉぉぉぉ!!!」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

>>78
お気遣いありがとうございます。
 ▼ 80 クロッグ@こころのしずく 14/10/23 22:24:09 ID:aG5fmgNY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>78
すみません。
 ▼ 81 イドリップ 14/10/23 22:25:00 ID:Ijb8YYrQ [7/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その瞬間、リングマは吹き飛ばされた。

後ろにいたコノハナとビーダルが、焦って逃げて行く。

何が起こったんだ……。僕に何が起こったんだ……!?

辺りを見回すと、僕を中心とした半径20メートルくらいの草木が燃えていた。

背中にあったパイルの木も、まるで松明(たいまつ)のように、赤々と炎を上げている。


これは……僕がやったのか……!?

 ブースター 「誰かっ……誰かいませんかっ!? このままじゃ山火事になっちゃう! 燃え広がったらこの森が無くなっちゃう! 誰かっ!?」

周りから反応は無い。そりゃそうだ、みんなスピ兄を見て逃げたんだから。

くそっ……。このままじゃ本当に森がっ……。

僕は炎なんて吹いていないから、この炎は僕の炎ワザじゃない。断言できる。

けど、体の中は物凄い熱かった。その熱気が、周囲に漏れ出て発火させたって言うのか?

なんだってブースターなんかに……。“フレアドライブ”は使えない……けど森を燃やす危険がある?

なんなんだよ……僕がブースターになって、何のメリットがあるって言うんだよぉ!?
 ▼ 82 ガニウム@ひかりのねんど 14/10/23 22:26:39 ID:aG5fmgNY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
レシラムが現れてクロスフレイムを放ったとか?
 ▼ 83 ンシャカ◆bj1ozjdmPg 14/10/23 22:27:13 ID:EzGIu85I [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

支援。
貰い火発動したのか…
 ▼ 84 ャタピー@ねっこのカセキ 14/10/23 22:27:22 ID:KuC/iHvQ [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
続きはよー
 ▼ 85 イパム@ムーンボール 14/10/23 22:28:10 ID:/V71h/Y2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オーバーヒートかな
 ▼ 86 コロモリ@ダウジングマシン 14/10/23 22:37:31 ID:qXcg0wNE [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>84
催促もあまりよろしくないかと…
すみません、注意ばかりして。
頑張ってください
 ▼ 87 チュール@れいかいのぬの 14/10/23 22:40:40 ID:KuC/iHvQ [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すんません
 ▼ 88 イドリップ 14/10/23 23:00:11 ID:9yeO4Bak [3/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「オラ砂まけぇい!」

スピ兄の声が聞こえて、僕は我に返った。

 他スピアー群 「「「オォォォォ!!!」」」

 ブースター 「……スピ兄っ!」

 スピアー 「ブースター! お前は早く帰れ!」

 ブースター 「でもっ……」

 スピアー 「分からねぇのか!? お前がいると消火に手間取るんだ! 邪魔だからさっさと立ち去れ!」

 ブースター 「うっ……スピ兄……」

僕は重く痛む体を引きずりながら、燃える大地、燃える木々のエリアを後にした。



スピ兄の声、表情、とても怒っていた。今まで見て来たスピ兄の優しい顔の面影なんて、どこにもない。

……そうだよ。僕が森を燃やしたんだ。スピ兄が怒って当然だよ。

それよりも、森の皆の住処を奪うような……命の危険だって与えかねない状況を、僕が招いたんだ。怒られて当然だ。それに……恨まれて当然だ。

もう……この森にはいられない……。

僕は決心した。

ニンゲンに保護してもらうしか、僕の生きていく道は無い。
 ▼ 89 ガヤミラミ@ダイゴへのてがみ 14/10/23 23:03:28 ID:irPMCrR. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うっ…ブースター…これは辛いよ…
 ▼ 90 カタンク@キトサン 14/10/23 23:10:22 ID:Q9.4rKLo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リングマ許せぬ
 ▼ 91 イドリップ 14/10/23 23:18:37 ID:9yeO4Bak [4/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝、僕は家を発った。……家と言っても、枯れた大木の空洞を寝床にしていただけだから、身辺整理もクソもない。僕はただ、この森から消えるだけだ。

2つの意味で重い足を引きずりながら、僕は森を下りていく。

確か山を越えれば、シャラシティという大きな町があったはずだ。大きな町の、大きな病院へ行けば、きっと僕を保護してくれるはずだ。

僕はこれから、ニンゲンに飼われる人生を送ることになるんだ……。



 キノココ 「あの……ブースターさん?」

ふいに声をかけられた。そこにいたのは、キノココとキノガッサ。この森に住んでいるポケモンだろうけど、面識はない。

 ブースター 「……はい。なんですか?」

僕は恐る恐る答えた。森を燃やした張本人、他人から文句を言われても仕方がない。

 キノガッサ 「昨日は大変だったね……」

 キノココ 「大丈夫でしたか? その……襲われたキズとか?」

 ブースター 「えっ?」

誹謗中傷を覚悟していたけど、この2匹はそんな雰囲気ではない。と言うより、何のことかさっぱり分からなかった。
 ▼ 92 マヨール@ミックスオレ 14/10/23 23:32:23 ID:YHSCeCXE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
炎技は使われなかったしこんじょうが発動したんだろうな
 ▼ 93 イドリップ 14/10/23 23:36:31 ID:9yeO4Bak [5/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 キノガッサ 「風の噂で聞いたよ。昨日、スピアーの群れに襲われて……炎攻撃で反撃して追い返したとか」

 キノココ 「怖かったですよね……スピアーに襲われて。でも反撃するなんて凄いですよ!」

 ブースター 「えっと……何のこと……ですか?」

スピアーに襲われた? 僕が? どういうこと?

 キノガッサ 「謙遜しないで。きっとスピアーたち、驚いただろうね。君があんな炎を操れるなんて」

 キノココ 「でも良かったですよ。木を数本と草原を少し焼いた程度で自然鎮火してくれて。……あのまま燃え広がってたらスピアーのせいなんだから!」

 ブースター 「……その噂、ちょっと詳しく聞かせてくださいっ!」
 ▼ 94 イドリップ 14/10/23 23:37:35 ID:9yeO4Bak [6/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キノココとキノガッサに別れを告げて、僕は大急ぎで森のいつものエリアに戻った。

 ブースター 「スピ兄っ……」


噂はこうだ。

僕がスピアーの群れに襲われていて、あのパイルの木に追い詰められる。

とっさき何か強力な炎ワザを発動させて、スピアーの群れに反撃する。

スピアーが慌てふためいているうちに、僕はその場から逃げる。

混乱していたスピアーは、燃え広がっていく炎に驚いて、その場から立ち去る。

炎が森に燃え広がると思ったが、周辺に燃えるものが無くなったのか、自然鎮火した。


さらに噂は尾鰭がつく。

たった2匹のブースターを群れで襲うとは、スピアーは何を考えているのか。

もしブースターの炎が鎮火しなかったら、森が全て焼けていたかもしれない。

そうなったら、悪いのはスピアーだ。

ブースターが正当防衛せざるを得ない状況を作ったスピアーは、もし森が燃えていたら、どう責任を取るつもりだったのか。やっぱりスピアーは狂暴で酷い奴等だ。


そう広まっていたのだ。
 ▼ 95 シズマイ@チルタリスナイト 14/10/23 23:39:01 ID:rRXcXHko [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
2匹?
 ▼ 96 イドリップ 14/10/23 23:44:12 ID:9yeO4Bak [7/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>94 訂正です。

<誤> たった【2匹の】ブースターを〜

<正> たった【1匹の】ブースターを〜


大変失礼致しました。
>>95 様、ご指摘ありがとうございました。
 ▼ 97 イドリップ 14/10/24 00:05:19 ID:0Z4D4KKw [4/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でも違う!

それは全然違う!

これは間違いない……スピ兄が流したウソの噂だ。

だって、スピ兄たちは必死で炎を消していたし、第一、スピアーが僕を襲うなんて有り得ない。僕はスピアーが本当は良い種族だって知っているから。


きっとスピ兄は、僕が森に居づらくなることを心配して、自分から悪者になったんだ。

だって、スピ兄はそういう性格だもん。

自分の立場を利用して、いつも僕を助けてくれてるもん。

 ブースター 「スピ兄っ……!」

僕は泣いた。スピ兄の優しさに泣いた。

僕は足を引きずりながら、出来るだけ早く、スピ兄が暮らす木に向かった。
 ▼ 98 ャワーズ@きのみぶくろ 14/10/24 00:09:26 ID:FTQpNc/A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 99 ノワール@メガストーン 14/10/24 00:24:04 ID:uvUtVzb2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
前のヒメグマの話といい
ポケモン界はスピアーに親でも殺されたのか?
 ▼ 100 ョンチー@ピンクのバンダナ 14/10/24 00:26:22 ID:uvUtVzb2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>99
ポケモン界はスピアーに
×親でも殺されたのか?
〇なんの恨みがあるんだ?
こっちのがいいな
 ▼ 101 クロム@ポイントマックス 14/10/24 00:31:49 ID:Uj5seIH. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今更だけど、スピ兄って
「すぴあに」なのか「すぴにぃ」なのかどっち?
 ▼ 102 ガミミロップ@ポイントマックス 14/10/24 00:36:28 ID:mxca1Tfs [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すぴにぃじゃない?
 ▼ 103 イドリップ 14/10/24 00:38:50 ID:0Z4D4KKw [5/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>101
「すぴにぃ」です。この先も基本的に「○○にぃ」と読んで下さい。
 ▼ 104 イドリップ 14/10/24 00:39:09 ID:0Z4D4KKw [6/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【特訓せよ】


 ブースター 「スピ兄ぃぃぃぃぃ!!!」

やっとのことで、スピ兄の住処に着いた。

僕が叫ぶと、スピ兄はすぐに出て来てくれた。その表情は、いつもの優しいスピ兄だ。

 スピアー 「おぉブースター、おはよ」

 ブースター 「スピ兄っ! なんで……なんであんな噂流したんだよぉ……悪いのは僕なのに……全部僕なのにぃ……」

 スピアー 「うぬぬ……もうバレタのか……」

 ブースター 「やっぱりスピ兄がウソの噂を流したんだね!? なんで……!?」

 スピアー 「なんでだろうな。……とりあえず、オレはお前がリングマに襲われていたのを見ちまったんだ。止めに入ろうとした瞬間、炎が立った」

 ブースター 「そうだよ。僕が知らずのうちに……あの炎を出したんだ……」

 スピアー 「そうだ。お前は悪くないんだよ。あの炎は、お前が危険を察知して、知らずのうちに出したものなんだ。だからお前は悪くない!」

 ブースター 「けど……なんでスピ兄は……」
 ▼ 105 イドリップ 14/10/24 01:05:40 ID:.KtgE3nE [7/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「そりゃお前……いくら わざとじゃないからって、森を燃やしたなんて知られたら、お前の立場が無いだろ? ただでさえブースターに進化して、周りからは大人に見られてんだ。お前が安心して生活するには、オレ達のせいでとっさに炎を出したって思われた方がいいだろ?」

 ブースター 「うぅっ……ありがとうスピ兄……。でも、僕のために、スピ兄たちがそこまで悪者扱いされることないのにっ!」

 スピアー 「元々オレ達は森の嫌われ者さ。……でもな、そんな嫌われ者でも、お前と言う1匹を守ることが出来るんだ」

 ブースター 「スピ兄っ……」

 スピアー 「たとえ大多数から嫌われてても、お前と言う1匹に慕われるのなら、オレ達はお前を取る。この群れ全会一致でな!」

スピ兄はまた……僕のために悪者になって……。なんでこんなに優しいんだよ、スピ兄は……いや、スピアーって言う種族は……。

罪を被ってまで、僕なんかのために……。

 スピアー 「言ったろ? 今のままでいても、ニンゲンに保護されても、オレはお前の味方だって。お前が今のままでいることを選んでも、問題ないようにしただけだぜ」

 ブースター 「スピ兄ぃぃぃうわあああぁぁぁぁぁんっ!!!」

僕はスピ兄に抱き付いて、大声で泣いた。

何匹かのスピアーが、僕たちの方を見て笑っている。見守ってくれている。

皆良いポケモンだよ。スピアーが嫌われ者なんて、それこそ悪い噂だよ。

僕は……それが何より悔しいよ!
 ▼ 106 メグマ@しんかいのウロコ 14/10/24 07:41:35 ID:.zJIYEk. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピアーかっけえ…!
 ▼ 107 クノシタ@まんまるいし 14/10/24 10:40:22 ID:uvUtVzb2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
昨日もレスしたが
ポケモン世界はスピアーになんの恨みがあるんだ?
危険なポケモンなんて腐るほどいるのに
 ▼ 108 リルリ@クイックボール 14/10/24 18:36:26 ID:HxneNwbM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>107
ヨノワールやシャンデラみたいな
ゴーストポケモンは危険な奴多いよな
 ▼ 109 ョボマキ@みどりのバンダナ 14/10/24 19:14:42 ID:wXbB/6LY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピアーさん・・・
 ▼ 110 ルビート@パワーバンド 14/10/24 20:37:12 ID:v7fkgP8c NGネーム登録 NGID登録 報告
支援

>>107
アニポケでさえ、スピアーは驚異の悪役率だからなぁ。
 ▼ 111 ツドン@ヒールボール 14/10/24 20:56:05 ID:GOrcazgM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もうスピアーはメガホーン習得確定だな(確信)
 ▼ 112 ビワラー@こうこうのしっぽ 14/10/24 21:19:22 ID:t9jQyCnQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 113 ノガッサ@ギャラドスナイト 14/10/24 21:25:21 ID:ibt31Iuk [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>108
今すぐポケモンだいすきクラブのゴースト特集でアニメ見てこい。
ヨノワールは悪くないぞ。シャンデラ(ヒトモシ)は知らんが。。。
 ▼ 114 イドリップ 14/10/24 22:04:54 ID:Ijb8YYrQ [8/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>> ALL
ご支援感謝します。
スピアーの不遇っぷりは半端ないですが、それでも彼らは誰かから必要とされる存在であると、私は信じてます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 スピアー 「……さて。お前はブースターに進化したからには、ブースターがどういうものなのか、理解しなきゃいけないな」

さんざん泣いて、ようやく落ち着いた僕に、スピ兄は言った。

 ブースター 「うん……」

 スピアー 「強引に進化させられて、現実を受け入れたくないのは分かる。けどな、自分自身のことを分かってないと、お前のためにならない。よく考えなきゃダメなんだ」

 ブースター 「うん……」

 スピアー 「まず昨日の現象だ。なんで炎が広がったか、理由をお前は分かってないだろ?」

 ブースター 「うん……。炎ワザを使ったような感覚は無かったんだ。僕から炎が出たような形跡は無かったし……」

 スピアー 「なら……何か違和感があっただろ?」

 ブースター 「体が凄く熱くなって……思いっきり叫んだ途端に、あたりが火の海になってたんだ」

 スピアー 「そりゃ当然だな」

 ブースター 「えっ……なんで!?」
 ▼ 115 ムスター@はつでんしょキー 14/10/24 22:10:02 ID:P5HkvNtI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だからゲーフリは心優しいスピアーにメガシンカを与えたんだな・・・・・(感涙)
 ▼ 116 ノセクト@ふしぎなタマゴ 14/10/24 22:19:13 ID:KuC/iHvQ [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>115
ほんとにそうなら泣けるっ
 ▼ 117 イドリップ 14/10/24 23:04:56 ID:9yeO4Bak [8/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「ブースターってのはな、体内に炎を生成する器官を持ってるんだ。そのせいもあって、体温は最大で900度にもなる」

 ブースター 「900度!? 沸騰したお湯でも熱いのに……900度も!?」

 スピアー 「そうだ。それで、お前が空気を吸い込むと、空気はその器官で熱せられて、1700度にも上昇する……。つまり、お前は思いっきり叫んだのと同時に、1700度の息を吐いたんだ」

 ブースター 「それって……」

 スピアー 「お前は炎を吐いてないと思ってるようだけど、実際、1700度の息なんて炎と同じようなものだ。お前は知らず知らずのうちに、高温の蒸気を吹きだしてたんだよ。それが、まわりの木や草を自然発火させたんだ」

 ブースター 「そっか……僕の体……そんなに危ない存在なんだ……」

 スピアー 「あー待て待て。別にお前を責めてる訳じゃない」

 ブースター 「けど……僕の体のせいで森が……それにスピ兄にも迷惑を……」

 スピアー 「だー拗ねるな。……もう単刀直入に言う。炎を使いこなせるように特訓しろ!」

 ブースター 「え?」

 スピアー 「炎を自分の物にするんだ。ここに残って暮らすにせよ、ニンゲンに保護されるにせよ、ブースターである以上、炎を自分でコントロール出来なきゃ話にならんってことだ」

 ブースター 「そっか……」

確かに、スピ兄の言う通りだ。炎タイプのポケモンなら、炎を使いこなせないと話にならない。それこそ、保護するニンゲンに嫌がられる可能性だってある。

それに……炎をコントロールできないと、また森を燃やしちゃう危険もある。

……これは僕だけの問題じゃない。この森に暮らす、全てのポケモンにも関わってくることなんだ。
 ▼ 118 リゲイツ@つめたいいわ 14/10/24 23:37:26 ID:Q9.4rKLo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 119 ライゴン@ゴージャスボール 14/10/24 23:52:11 ID:zQYvoMi6 NGネーム登録 NGID登録 報告
ブースターに抱きしめられて、なんともないスピアーって…
 ▼ 120 イドリップ 14/10/24 23:57:00 ID:9yeO4Bak [9/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「スピ兄! 僕、やるよ! 炎を使いこなせるように努力する! ここで暮らすかニンゲンに保護されるか考えるのは、特訓が終わってからだ!」

 スピアー 「……うん、良く言ったな!」

 ブースター 「ありがとうスピ兄。僕、やっとブースターって言う姿と向きあおうと思えたよ。炎を使いこなせるようになって、ブースターとして生きていくんだ!」

 スピアー 「そのいきだぞブースター。お前はやれば出来る。右足が動かなくても一人で生きてこれたんだ。努力すれば叶うさ!」

スピ兄はニカッと笑った。

強くなるんだ、僕だって。足のハンデを打ち消すような、リングマたちにも立ち向かえるような、そんな強さを手に入れるんだ!

ブースターとして、炎を自在に操れるようになるんだ! ……けど、どうやって?

 スピアー 「けど、どうやって? って顔してるな」

 ブースター 「……良く分かったね」

 スピアー 「まぁ心配するな。……バクさーん!」

 *** 「おぉ〜やっと出番かいなぁ!」
 ▼ 121 イドリップ 14/10/25 00:52:11 ID:0Z4D4KKw [7/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
“バクさん”と呼ばれた誰かの影が、木の後ろから姿を現した。

 *** 「ったく話長いわー。30分くらいスタンバってましたわ」

 ブースター 「えっと……」

 スピアー 「紹介しよう。オレの旧友、バクフーンのバクさんだ」

 バクフーン 「ようよう、ワイがバクフーンや。よろしゅうな!」

 ブースター 「あっ……えっと、よろしくお願いします!」

 バクフーン 「蜂の助とはビードルとヒノアラシ時代からの友達でな、炎の極意を教えてほしいっつーポケモンがいるって聞いて、退屈しのぎに出向いたって訳や」

 ブースター 「“蜂の助”……?」

 スピアー 「……気にするな。オレのことだ」

 バクフーン 「ったく蜂の助てめぇブースターの体温が900度にも達するーとか、吐息が1700度ななるーとか、まぁよくもワイが教えたことを自分の知識みたいに言いやがって。ナメとんのかい?」

 ブースター 「スピ兄……僕に炎を使いこなせるように、わざわざバクフーンさんを呼んでくれたの?」

 スピアー 「また森を燃やされたら困るからな」

 バクフーン 「そう言って……素直でねーべコイツ?」

 ブースター 「ありがとう……本当にありがとう、スピ兄。僕もう……スピ兄の優しさが嬉しすぎて泣きそうだよ……!」

 バクフーン 「はっは。お前は素直なやっちゃな!」
 ▼ 122 ガサメハダー@まんぷくおこう 14/10/25 01:14:30 ID:ibt31Iuk [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクフーンだったのか。
普通にバクーダかと思ってたわ。
 ▼ 123 イドリップ 14/10/25 01:44:40 ID:.KtgE3nE [8/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「さてブー太郎」

 ブースター 「ブー太郎……?」

 バクフーン 「炎使いたるものどういうものか、みっちり叩き込んだるわ。ついでに炎技の使い方もな!」

 ブースター 「……はい! お願いします! バクフーンさん!」

 バクフーン 「あー堅苦しい堅苦しい。ワイのことも蜂の助みたいに“バク兄(にぃ)”で構わん。もっとフランクに行こうや!」

 ブースター 「あっ……それじゃあ、よろしくお願いします、バク兄!」

 バクフーン 「ほな行くで」

 ブースター 「え? どこに……?」

 バクフーン 「海岸や。流石にここだと森を燃やしてまうからな!」

確かにそうだな……。



スピ兄に別れを告げて、僕はバク兄に連れられて、森を下りて行った。

とてもフレンドリーなバク兄は、いったい僕にどんなことを教えてくれるんだろう。

僕がブースターとして生きていく術を、バク兄はどうやって教えてくれるんだろう。

期待と不安を抱きながら、僕はバク兄の後を追った。
 ▼ 124 ゲボウズ@ヘルガナイト 14/10/25 12:36:07 ID:qXcg0wNE [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクフーンは確かにアニキのイメージにピッタリだな
 ▼ 125 ンダース@デボンのにもつ 14/10/25 13:54:49 ID:d37n0S2Y NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 126 イドリップ 14/10/25 14:27:56 ID:FGCFEge. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
森を下りると、ふもとに街がある。ここに来たのも久しぶりだ。

道路には、汚い息を吐きながら走りまわる自動車がたくさん見える。もちろん、ニンゲンの姿もだ。

僕達は意図的に残されたような緑の道(※)を通って、海岸へと向かう。

 ブースター 「なんか、ニンゲンがいっぱいいますね」

 バクフーン 「そやな。なんでも遠い地方の祭りがあるとか聞いたで」

海岸沿いの公園には、ニンゲンが列を成して並んでいる。凄い数だ。

まったく、こんな狭い所にいっぱい集まって、息苦しくないのかな。少なくとも僕らの世界なら、縄張り争いが起こってもおかしくない。


その公園から少し離れた所に、小さな砂浜があった。ニンゲンの姿は無いし、ここなら思いっきり特訓できそうだ。


――――――――――――――――――――

※ スピ兄の雑学講座

【意図的に残された緑の道】
 “ビオトープ”と言って、開発によって生物の活動エリアが分断されないように、草木で自然のあるエリアを繋いだものを指すんだ。
 動物のみならず、小鳥や蝶々なんかも、これで生息エリアを行き来してるんだぜ。
 ▼ 127 ジュマル@ガブリアスナイト 14/10/25 14:44:34 ID:AaQrwq7s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピ兄のコーナーできてるww
 ▼ 128 ークライ@ひかりのこな 14/10/25 14:57:25 ID:IYfQCnh. NGネーム登録 NGID登録 報告
バクフーン好きの俺歓喜の展開
 ▼ 129 イドリップ 14/10/25 15:03:18 ID:zr69htDo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ほなブー太郎。まずはちょいと海に入ってみぃ」

 ブースター 「あ、はい!」

まだまだ暖かい日が続いているから、海に入るのはそれほど苦じゃない。

海に入るのなんて何年ぶりだろう。お父さんとお母さんがまだ生きてた頃は……よく海に遊びに来たっけな……。



 ブースター 「あれ……」

そんなことを考えながら、僕は波打ち際に足を入れた。

……けど、その途端、何というか、うまく言い表せない、何とも言えない嫌な感じが、僕の体を走った。

まるで静電気に触れたような……銀紙を噛んだ時のような……何とも嫌な違和感だ。

 バクフーン 「どや?」

 ブースター 「バク兄……凄い嫌な感じ。出ても良いですか?」

 バクフーン 「おぅ、ええで」

砂浜に戻ると、あの違和感は消えた。なんだろう……海が何か別の物質のように思える。

 バクフーン 「それが炎タイプや」

 ブースター 「……え?」
 ▼ 130 イドリップ 14/10/25 15:41:40 ID:zr69htDo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「当たり前やけど、炎タイプは水に弱い……たとえ攻撃じゃのーても、体が拒否反応示すっちゅーことや」

 ブースター 「そんな……」

炎タイプって……そんなに水に弱いんだ。これじゃあ海遊びも、川遊びも、もう出来ない……。

 バクフーン 「それが炎タイプの宿命やな。ほな。次は心理テストや」

 ブースター 「心理テスト?」

バクフーンは僕の前に、木の実を5個置いた。クラボ、カゴ、モモン、チーゴ、ナナシ。

 バクフーン 「こん中で、ブー太郎の好きなのと、嫌いなのを取ってみ」

 バクフーン 「はい。えっと……」

昨日食べたパイルは美味しかったけど、酸っぱさの中にある辛みに惹かれたようなものだし……やっぱり辛いのが好きだな。嫌いな味は……渋みはやっぱり食べたくない。

僕は、好きな木の実に“クラボ”を、嫌いな木の実に“カゴ”を選んだ。
 ▼ 131 ェイミ@あいいろのたま 14/10/25 15:45:57 ID:IchWrHZo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私怨
 ▼ 132 グマラシ@ヘルガナイト 14/10/25 15:49:59 ID:IchWrHZo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カゴの実って渋いんか…
 ▼ 133 イドリップ 14/10/25 15:51:44 ID:zr69htDo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ほうほう……っちゅーことは、ブー太郎は割と“いじっぱり”な性格やろ?」

 ブースター 「えっ?」

いじっぱり……。

確かに、リングマたちにバカにされて、勝てない、逃げられないって分かっていても、ついつい口で反撃してしまう。これは……“いじっぱり”だな。“ゆうかん”とは言い難いし。

 ブースター 「その通りだよバク兄。なんで分かったんですか?」

 バクフーン 「言ったやろ? 心理テストや。……ま、統計に基づくんやけどな」

 ブースター 「統計……?」

のほほんとしてそうなバク兄の口から統計なんて言葉が出てきたことが、正直意外だった。

 バクフーン 「ポケモンはな、みぃんな性格があるんや。で、その性格によって、好みの味が変わってくるっちゅーことや」

 ブースター 「ふ〜ん……」

 バクフーン 「でな、その性格ごとに、得意不得意がおおよそ分類できるんや。攻撃が強い〜とか、素早さが得意〜とかな」

 ブースター 「そんなこと知らなかったなぁ」
 ▼ 134 クラビス@ひかりのいし 14/10/25 15:57:56 ID:Lkj/qhPM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いじっぱブースターか
実用的やな
 ▼ 135 イドリップ 14/10/25 16:00:01 ID:tbG3F9Ws [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「得意不得意の能力によって、体が欲する味覚が変わってくるぅ言われてんや。その味のものが、脳や体に良い刺激を与えてるっちゅー見解もあるんやで」

 ブースター 「なるほど……。それで、僕の性格だと、何が優れてるんですか?」

 バクフーン 「“いじっぱり”な性格……辛い物が好き……ずばり、“攻撃”や」

 ブースター 「そっか。やっぱり小さい頃から言われてきた通りだ」

 バクフーン 「けど、嫌いな味があるっちゅーことは、当然、その味を欲する能力が悲惨っちゅーことや」

 ブースター 「悲惨!? ですか……。じゃあ僕のダメな能力は……」

 バクフーン 「……“特攻”や」

 ブースター 「えっ……」
 ▼ 136 ガドダイトス 14/10/25 16:14:06 ID:zti/ME86 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 137 ビヨン@ボーマンダナイト 14/10/25 16:14:43 ID:.Zq2uxJY NGネーム登録 NGID登録 報告
ブースターはとくこう捨てても捨てなくてもいいイメージ
 ▼ 138 ガドダイトス 14/10/25 16:16:03 ID:zti/ME86 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
特攻ならいいじゃん
 ▼ 139 イドリップ 14/10/25 16:16:57 ID:tbG3F9Ws [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ワイはブー太郎を鍛えるように頼まれたさかい、バッシリ言うたるで。正直、炎タイプで、特にブー太郎みたいに足が動かん奴で特攻ダメっちゅーのは、正直アカン」

 ブースター 「えぇっ……!?」

 バクフーン 「足が動かんでも相手に発射できるワザ……“かえんほうしゃ”“ふんえん”“オーバーヒート”……もろもろ全部威力が期待できないっちゅーことや」

 ブースター 「そんなぁ……」

 バクフーン 「一般的なブースターが使いこなそう言うワザは、“ほのおのキバ”“フレアドライブ”。……けどブー太郎は足がダメさかい、“フレアドライブ”は厳しい。分かっとるか?」

 ブースター 「はい。これまでも、極力動かないワザでバトルしてきたから……。じゃあ、僕にできるのは“ほのおのキバ”しか無いってこと……ですか?」

 バクフーン 「そうなるわな。けど、それを鍛えれば良いんや! ブー太郎が出来る、最大限の努力を“ほのおのキバ”に注ぐんや! 誰にも負けへん“ほのおのキバ”を使いこなせれば、きっと力になるで!」

そうだ。絶望してる場合じゃない。僕がブースターとして生きていく道が“ほのおのキバ”にかかっているのなら、それを極める他は無い。

威力が弱くても“かえんほうしゃ”で良いなんて考えるのは逃げだ。

攻撃が優れてるんなら、それを伸ばしてこそ、僕の本当の姿じゃないか。

せっかく相性の良い“フレアドライブ”を使えないのは正直悲しいけど、僕は生きるために、“ほのおのキバ”をマスターするんだ!
 ▼ 140 ガドダイトス 14/10/25 16:17:40 ID:zti/ME86 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
頭の良いブースターなら解るはずブスーターは特攻あんま必要性ないって
 ▼ 141 ガドダイトス 14/10/25 16:29:54 ID:zti/ME86 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
足動かないこと忘れてた
 ▼ 142 イドリップ 14/10/25 16:40:39 ID:tbG3F9Ws [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ほなええか? ブー太郎、“かみつく”は覚えとるな?」

 ブースター 「はい。“かみつく”は、敵が僕に近付いて来れば出せるワザだから……」

 バクフーン 「なら話は早い。ブー太郎の体内には、炎を作る器官がある……そしてそれを使えば1700度の炎を出せるようになるんや」

 ブースター 「そうか……昨日僕が出したのは蒸気だったけど……炎でも1700度は変わらないんだ!」

 バクフーン 「そや。でな、“かみつく”タイミングで炎を作り出して、それを牙にまとわせる……理屈は簡単なこっちゃ」

 ブースター 「なるほど……」

 バクフーン 「ただし。作り出す炎の量は調節せなあかん。作り過ぎたら炎のエネルギーが貯まり過ぎて、自分にも衝撃が来てまうんや」

 ブースター 「……エネルギー超過ってことかぁ」

 バクフーン 「そや。けどな、“ほのおのキバ”を使いこなせるっちゅーことは、自分の炎をコントロール出来るっちゅーことに繋がるんや。一石二鳥やで!」

 ブースター 「そっか……。はい! 頑張ります!」

 バクフーン 「ええでブー太郎。ほな、あの岩に向かって特訓や!」

 ブースター 「はい! やるぞぉぉぉ!」
 ▼ 143 クタス@するどいツメ 14/10/25 16:43:53 ID:AZt7eirQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これは面白いwww
期待&支援

とりあえずブースターのステータスとか見てきたがこのブースターは何レベルの想定だ?
17レベ以上20レベ未満でOK?
 ▼ 144 ガドダイトス 14/10/25 16:55:27 ID:zti/ME86 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
神ss
 ▼ 145 トカゲ@おおきなしんじゅ 14/10/25 16:56:42 ID:toJLOmEU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
技構成が気になるの俺だけかな
 ▼ 146 ャオニクス@ドリームボール 14/10/25 17:32:21 ID:.zJIYEk. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
システムを上手く取り入れてるな、支援
 ▼ 147 イドリップ 14/10/25 17:35:34 ID:IW6Pui0w [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>> ALL
 ご支援コメントありがとうございます!

>>143
 レベルの概念は考えていません。アニメのように、“努力すればワザを習得できる!”みたいなノリで進めています。

>>145
 現在判明している時点で、「すなかけ」「かみつく」ですが、残りは今後の展開で明らかにします。
 ▼ 148 イドリップ 14/10/25 17:45:59 ID:IW6Pui0w [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あれから何時間経っただろうか。お日様はだんだん西に傾いて、少しずつオレンジ色に染まっていく。

この海岸には、相変わらずニンゲンは立ち寄らない。近くには、キャモメやクラブが数匹いる程度だ。


 ブースター 「“ほのおのキバ”!」

僕は体内で作り出した炎に神経を集中させて、自分の牙にそれをまとわせる。そのまま岩に噛みつけば、脆い岩は黒い焦げ跡を付けて崩れ落ちた。

 バクフーン 「ええでブー太郎。完璧や!」

 ブースター 「はいっ!」

 バクフーン 「ブー太郎は呑み込みがええのか、天性の知恵なのか知らんが、ワイから見ても完璧な“ほのおのキバ”や。正直、ここまで早ぉ完成させるとは、思ってへんかったで」

 ブースター 「ふふっ……そんなぁ!」

僕は嬉しかった。自分のワザでここまで褒められたのは、久しぶりだったから。それに、ブースターとして生きる、最低限の術を見に付けられた訳だから。

けど……。
 ▼ 149 イドリップ 14/10/25 18:14:31 ID:wJyF33xU [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「……なんや浮かない顔して?」

 ブースター 「あっ……」

バク兄は、僕の一瞬の表情の曇りを見落とさなかった。

 バクフーン 「……“フレアドライブ”、使いたかったんか?」

 ブースター 「……はい。正直、“フレアドライブ”は使ってみたかった……です」

お見通しなんだな、バク兄。

右足が動かない僕に、相手に突っ込んでいく“フレアドライブ”を使いこなすことなんて出来ない。

けど、ブースターとして生きていくんなら、“フレアドライブ”みたいなカッコいいワザを、……使ってみたかった。

 バクフーン 「……同情するわ。同じ炎ポケモンとして、最強ワザを使えないっつーのは、居たたまれんもんやなぁ」

 ブースター 「でもっ……バク兄に教わった“ほのおのキバ”で、僕はこれからも生きていきます! “フレアドライブ”は出来ないけど……それは……受け入れなきゃいけない、僕の運命なのかなって……」

 バクフーン 「……気休め程度かも分からんが、やってみっか? “フレアドライブ”?」

 ブースター 「えっ!?」
 ▼ 150 ルホッグ@サーナイトナイト 14/10/25 18:15:24 ID:BUNKrXjQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 151 イドリップ 14/10/25 18:41:07 ID:wJyF33xU [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「出来るんですか“フレアドライブ”!?」

 バクフーン 「気休めや。“フレアドライブ”の構えやけど、自分から攻撃するもんでない……それでもええなら、教えたるで」

構えは“フレアドライブ”だけど……自分からの攻撃じゃない……?

いったいどう言うことなんだろう。……けど、それが“フレアドライブ”であるのなら、習得するに越したことは無い!

 ブースター 「はい! それでも良いから……良いですから! 教えてくださいっ!」

 バクフーン 「よっしゃ。……ほな見とれ。これが“フレアドライブ”や!」

そう言うと、バク兄は走り出した。走り出してすぐ、炎が体を包み込んでいく……赤々と燃え上がる弾丸のような勢いで、バク兄は大きな岩の塊を、轟音を立てて粉砕した。

 ブースター 「凄ぃ……!」

岩の破片がパラパラと降り注ぐなか、バク兄は得意そうな顔をして戻って来た。

 バクフーン 「どや?」

 ブースター 「すっごいカッコ良かったです! それに、あんな……2メートルくらいあった岩を木端微塵に出来るなんて……凄いです! 凄すぎますよ!」

僕は興奮して言った。あぁ、あんなカッコいいワザを、僕も使ってみたい!
 ▼ 152 イドリップ 14/10/25 19:20:46 ID:lCCG/MIQ [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ただな、“フレアドライブ”には反動がある……。使いどころを選ぶワザなんや、“フレアドライブ”は」

 ブースター 「そうなんですか。……それで、僕がどうやって“フレアドライブ”を!?」

 バクフーン 「まぁ焦るな。……いまワイの“フレアドライブ”を見て分かったと思うが、要は、“炎を纏う”+“とっしん”や。反動が出る所以はそれや」

 ブースター 「はいっ」

 バクフーン 「でな、ブー太郎は走れないさかい、“とっしん”が出来へん……。なら、“炎を纏う”部分だけで、何とかしてしまおうっちゅーことや」

 ブースター 「はいっ……ん?」

 バクフーン 「まぁ分かりにくいやろうが……要するに、“とっしん”は、自分が相手にぶつかる勢いがダメージになる。運動エネルギーや」

 ブースター 「………?」

 バクフーン 「そこで、逆の場合を考える。もし相手から“とっしん”を受けたんなら、同じように運動エネルギーが発生する」

 ブースター 「……?」

 バクフーン 「そのエネルギーを逆手にとって、本来なら自分からぶつかって得る威力を、相手に出して貰うっちゅーことや」

 ブースター 「…?」

 バクフーン 「そんでブー太郎は“炎を纏う”ことに専念すれば、威力どうこうは別として、形だけ“フレアドライブ”になるっちゅーことや」

 ブースター 「?」

 バクフーン 「……難しかったか?」

 ブースター 「………」コクコク
 ▼ 153 イドリップ 14/10/25 19:21:44 ID:lCCG/MIQ [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バク兄が言ったことを簡単にまとめると……。

僕が炎を纏って“フレアドライブ”の構えを作り、バトル相手が僕に突っ込めば、威力は別として、“フレアドライブ”と同じようなことが出来るっていう考えだ。

 ブースター 「凄い解釈ですね」

 バクフーン 「成功するかっちゅーか……実用性があるかも分からんが、やるだけならオモロイやろ?」

……うん。

難しい話をされたと思ったら、実は他人の出方次第のワザってことか。これ実用性あるのかなぁ……。

 ブースター 「……はい。確かに“フレアドライブ”を使った気分にはなれますね!」

 バクフーン 「そう言うこっちゃ。ブー太郎には期待させて悪かったが、気分を味わえるっちゅーことや、“フレアドライブ”の。それに、炎を纏えば防御にも使える……やって損は無いと思うで」

 ブースター 「そっか……確かに炎を纏えば、直接攻撃は受けにくい……身を守るのに最適ですね!」

 バクフーン 「あぁ。ほな決まりや。“フレアドライブ”の構えの特訓、始めるで!」

 ブースター 「はいっ!」
 ▼ 154 イドリップ 14/10/25 19:38:24 ID:lCCG/MIQ [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【僕の持つ力】


実際、“フレアドライブ”の構えを作ることは簡単だった。

僕の体内で生成した炎を最大限活用して、自分の身を包み込む。

周りに飛び火しないように、僕の周囲にだけ炎が纏わるようにコントロールすれば、それで完成だった。

 バクフーン 「やっぱブー太郎は物覚えが良いっちゅーことやな」

 ブースター 「いやぁ……ありがとうございます!」

 バクフーン 「これは実際、ブー太郎の防御壁として使うんや。相手から見れば、足の悪いブー太郎が“フレアドライブ”使おうなんて思わへん。切り札っちゅーことや。大事に使うんやで!」

 バクフーン 「はいっ!」


お日様は完全にオレンジ色に染まって、地面には長い影が落ちる。夕暮れの時間だ。

 バクフーン 「ほな、教えることは教えた。ブー太郎は呑み込みがええ。ワイにできることは、これで全部や」

 ブースター 「バク兄、本当にありがとうございました! 僕、これからも自分で勉強して、もっともっと、炎をうまくコントロールできるように頑張るよ!」

 バクフーン 「そや。向上心を持つことは良い事やで。……さて、小腹も空いたし、飯でも食って帰ろうがな」

 ブースター 「え? こんなニンゲンの街で、僕らが食べれる場所なんて……」

 バクフーン 「あるんやで。……ほんなら、ワイからもう一つ、ブー太郎に良いこと教えたるわ! ついて来ぃな」

そう言うと、バク兄は歩き出した。森に行けば木の実やキノコを採れるけど……こんな場所で、何を食べるって言うんだろう……。
 ▼ 155 イドリップ 14/10/25 19:50:05 ID:lCCG/MIQ [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「着いたで」

 ブースター 「ここって……さっきの公園ですよね?」

そう、特訓前に見た、ニンゲンがたくさん集まっていた公園だった。何かのお祭りだってバク兄は言ってたけど……。

 バクフーン 「見てみぃ」

バク兄が指す方向には……確かに食べ物があった。けどそれは……

 ブースター 「あれって、ニンゲンが買い物する奴ですよね?」

 バクフーン 「そや。屋台っちゅーて、祭りがあると、ああやって食べ物を作ってるんや」

屋台って言うのか……。小さい小屋のような場所にニンゲンが入って、中で食べ物を作っている。美味しそうな匂いが、離れていても漂ってくる。

 ブースター 「けど……僕ら野生のポケモンは関係ないんじゃ……。まさか、屋台を襲撃して食べ物を奪うとか!?」

 バクフーン 「そない物騒なこと考えんなや! ……ええか、これは、ブー太郎だから出来るワザなんや」

 ブースター 「僕だから……?」

 バクフーン 「まぁ、実戦あるのみや。……あそこ、屋台の傍にニンゲンの子供が5人おるやろ?」

そこには、オスのニンゲンが2人、メスのニンゲンが3人いた。

 ブースター 「はい……」

 バクフーン 「そいつらの前行って、おもいっきし愛想振り撒くんや!」
 ▼ 156 イドリップ 14/10/25 20:07:44 ID:0Z4D4KKw [8/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「……はい!?」

 バクフーン 「ええか。ニンゲンはな、敵意のないポケモンいは弱い……メスや子供は特にや。せやから、あのメスの傍へ行って、アピールするんや。笑うだけでえぇ。悪いようにはならへんで」

そう言うものなのかなぁ……。でも、バク兄が言うってことは、間違い無いだろうな。

 ブースター 「じゃあ……あの緑の服着たメスにアピールしてみます」

 バクフーン 「……いや、ここはその隣のちっこい金髪にせぃ。小さい子供ほど、ワイらにとって有利やで」



バク兄のことを疑ってる訳じゃないけど、僕は恐る恐る、そのニンゲンの集団に近付いて……一番小さい子供の足に、擦り寄ってみた。
 ▼ 157 サキント@ダイゴへのてがみ 14/10/25 20:47:14 ID:mxca1Tfs [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メガ支援
 ▼ 158 ガハッサム@ダークストーン 14/10/25 20:49:37 ID:tkwj2CFA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんかワロタ
 ▼ 159 イドリップ 14/10/25 21:05:27 ID:.KtgE3nE [9/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 小さい♀ 「わっ! なにこの子!? 可愛いぃぃぃ!」

 ♂子供1 「おっ、ブースターだ!」

 ♂子供2 「野生のようですね。人間慣れしてるのでしょうか?」

 ♀子供3 「へぇ〜この子がブースターって言うんだ〜。私はじめて見た!」

 ♀子供4 「可愛いわね。お祭りにつられて森から下りて来たのかしら」

 ♂子供2 「かもしれませんね。屋台もたくさん出ていますし」

 小さい♀ 「わはっ! もふもふ! すっごいもふもふしてる〜! 可愛い〜!」

小さい子供は、夢中になって僕の首回りに触れ、尻尾に顔を埋め、はしゃいでいる。

 小さい♀ 「ねっ! ねっ! お兄ちゃん、何か食べるものあげてもいぃ?」

 ♂子供2 「そうですね。せっかく懐いてくれているようですし……そこのフランクフルトでも買ってあげましょう」

 小さい♀ 「やった〜!」

まさかの食べ物ゲット!? バク兄……まさかこれを狙って……!?

バク兄の方を振り向くと、いつのまにか、バク兄もこちらに近付いてきていた。
 ▼ 160 ンノーン@ドリームボール 14/10/25 21:12:08 ID:t9jQyCnQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>157
新しいな
 ▼ 161 イドリップ 14/10/25 21:17:46 ID:.KtgE3nE [10/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ♂子供1 「おっ! バクフーンもいるぞ!」

 ♀子供4 「本当だ。お友達なのかな?」

 ♂子供2 「それでは……すみません。フランクフルトを2本下さい」

 小さい♀ 「うわ〜バクフーンも可愛い〜! おっきぃ〜!」

その小さい子供は、バク兄のお腹にボフッ! と抱き付いた。


 バクフーン 「どやブー太郎、相手を選んで愛嬌振り撒けば、ニンゲンから食べ物をゲットできるんやで」

なるほど……。こんなこと出来るなんて、正直僕は困惑している……。


 ♂人間2 「はい、どうぞ食べて下さい。炎タイプ向けに、辛子を多めにトッピングしました」

 ♀人間3 「そうだ! 良かったらこれも食べて。炎タイプ向けのポフレよ」

ニンゲン2人に差し出された、フランクフルトと呼ばれる食べ物と、ポフレと呼ばれる食べ物……。どちらも初めて見る。

けど、このニンゲン達に敵意は無さそうだし、バク兄は遠慮無く食べははじめている。じゃあ僕も……。
 ▼ 162 ッポ@エルレイドナイト 14/10/25 21:32:29 ID:e166TdgQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
子供2♂の、喋り方が『青鬼』の、ひろしの喋り方に似ててワロス
 ▼ 163 イドリップ 14/10/25 21:42:30 ID:.KtgE3nE [11/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「おいしい!」

始めて食べたこれは、物凄く美味しかった。思わず顔を上げて、ニンゲンの方を見回す。

 小さい♀ 「わぁ食べた食べた! かっわいぃぃぃ!」

 ♀子供4 「ふふっ。初めて食べた、って顔してるわね」

僕は夢中で、そのフランクフルトとやらを平らげた。そしてもう一つ、ポフレとやらを、かじってみる。

 ブースター 「わっ! なにこれ!? 甘みの中にほとばしる辛さ……凄いおいしい!」

あまりの美味しさに、僕は口元が緩んでしまった。この味わい……多分、木の実を使った食べ物だと思う。

 ♀子供3 「ふふっ。気に入って貰えたかしら? マトマの実をトッピングしたのよ」

なるほど。マトマの辛みが出てたのか。道理で美味しい訳だ!

 ♂子供1 「喜んでるみたいだな、ブースターとバクフーン」

 ♀子供3 「うん!」
 ▼ 164 プリン@ユキノオナイト 14/10/25 21:44:31 ID:i.E0x3TA NGネーム登録 NGID登録 報告
>>162
ワロタ
 ▼ 165 イドリップ 14/10/25 22:10:08 ID:Ijb8YYrQ [9/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ピカチュウ 「こんにちは。君たち、野生なの?」

オスのニンゲンが連れていたピカチュウが、僕らに話しかけてきた。

 ブースター 「うん。そこの森に住んでるんだ」

 バクフーン 「ワイはちょこっと遠くにな」

 ピカチュウ 「ごめんね、僕の仲間が触りまくっちゃって……。あの子、ポケモンが大好きだから……」

 ブースター 「ううん、こんな美味しいもの食べさせてもらって、こっちの方が申し訳ないよ」

 ピカチュウ 「そっか。良かったぁ!」

 ブースター 「君は……そのニンゲンに飼われてるの?」

 ピカチュウ 「うん。ずっと一緒に旅してるんだ!」

 ブースター 「……辛くないの? 野生で自由に過ごせなくて」

 ピカチュウ 「全然。辛いなんて思ったこと無いよ! 僕のご主人は凄い良い人だし、ポケモンのことを第一に考えて行動する人だし……。今の生活で、僕は幸せさ!」

 ブースター 「ふーん。ニンゲンも、それぞれなんだなぁ……」

 ピカチュウ 「確かに、悪いニンゲンだっているさ。でも、全部がそうじゃない。良いニンゲンだって、いっぱいいるんだよ!」
 ▼ 166 イドリップ 14/10/25 22:19:59 ID:Ijb8YYrQ [10/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ♂人間2 「さて、バスの時間もありますし、そろそろ行きましょう」

 ♂人間1 「そうだな。行くぞピカチュウ!」

 ピカチュウ 「行かないと。それじゃあねブースター、バクフーン」

 ブースター 「うん。じゃあね!」

 バクフーン 「ごっそうさんな!」

 小さい♀ 「最後に……もふっ!」

小さい子は、別れ際に思いっきり僕の首に抱き付いた。

 小さい♀ 「ばいばーい!」

そしてニンゲンたちは、雑踏の中に消えて行った。



 バクフーン 「……どや? 上手く行ったやろ?」

 ブースター 「はい。美味しかったなぁ……あのフランクフルト……」

 バクフーン 「えぇかブー太郎。これがお前の“ワザ”や!」

 ブースター 「え?」
 ▼ 167 ティアス こころのしずく 14/10/25 22:34:01 ID:EjVvHDZo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>165
このピカチュウのトレーナーが
サトシに思えて仕方がない
 ▼ 168 レブー@もりのヨウカン 14/10/25 22:37:51 ID:EjVvHDZo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>162
シトロンかと思ったんだけどな
 ▼ 169 ザンドラ持ち物 ヘルガナイト 14/10/25 22:39:09 ID:7Fln85U6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まさかのピカチュウきてたわ
 ▼ 170 ガルカリオ@ともだちてちょう 14/10/25 22:39:56 ID:EjVvHDZo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
子供1 サトシ
子供2 シトロン
子供3 セレナ
子供4 ?
小さい ユリーカかな?
 ▼ 171 イドリップ 14/10/25 23:35:16 ID:9yeO4Bak [10/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>167 >>168 >>170
皆さん勘が鋭いようで。ご想像にお任せします(笑)
 ▼ 172 イドリップ 14/10/25 23:36:15 ID:9yeO4Bak [11/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ブー太郎は、カッコええポケモンに進化したかったんやろうが、ブースターにしか出来ないこともあるんやで」

 ブースター 「僕にしか出来ないこと……?」

 バクフーン 「そのモフモフした首と尻尾……、暖色系……、暖かい体……。要するに、“可愛さ”や」

 ブースター 「可愛さ……」

 バクフーン 「カッコ良さにも勝る、可愛さや。ニンゲンはな、可愛いポケモンに対しては、悪いようにはせぇへんのや。現に今やって、愛嬌で飯にありつけた……ブー太郎の可愛さは、世渡りするのにドエライ武器なんやで!」

そっか……。

僕は将来進化するんなら、カッコいいポケモンになりたがっていた。……けど、足が動かないって言うハンデを考えると、カッコ良さなんて、見た目以外にメリットは無い。

むしろ、可愛さがあれば、今みたいに、ニンゲンと共生することもできる……。

ブースターになったことで、将来の選択肢が、広がったことになるんだ……。

 バクフーン 「思うことはあるやろうけど、それはゆっくり考えればえぇ。ブー太郎はまだ若いんや」

 ブースター 「……はい。バク兄、今日は本当にありがとう! 僕、改めて考えたくなったよ。これからのこととか、色んなことを!」

 バクフーン 「そりゃ良かったわ。……ほな、帰るで。蜂の助にも報告せんとな!」


お日様は水平線の向こうに沈みかけ、辺りは暗がりが多くなってきた。

僕はバク兄と一緒に、ゆっくりと、森への道を進んで行った。
 ▼ 173 ニューラ@ツメのカセキ 14/10/25 23:50:58 ID:Q9.4rKLo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こーゆーの見るとポケモンの救助隊思い出す
 ▼ 174 イドリップ 14/10/25 23:56:53 ID:9yeO4Bak [12/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すっかり辺りは暗くなったけど、スピ兄は笑顔で出迎えてくれた。

 スピアー 「お帰りブースター。その表情だと……炎を自分の物にできたようだな」

 ブースター 「うん!」

 スピアー 「そうか……。バクさん、ありがとな」

 バクフーン 「ええんやで蜂の助。炎タイプで困っとるっつったら、ワイの出番さかい。それよかブー太郎、蜂の助に感謝するんやで。昨日の夜、わざわざ山越えてワイを呼び出したんやからな」

 ブースター 「え?」

……そっか。

スピ兄はウソの噂を流しただけじゃなくて、僕が炎をコントロールできるようになるために、わざわざバク兄を呼んできてくれたんだ……。

夜も遅くに、山を越えてまで……。

 ブースター 「スピ兄……もう……お礼言うだけじゃすまないよ……本当にありがとう! こんなに僕のために一生懸命なのに、僕はスピ兄に何もできやしない……」

 スピアー 「なに固いこと言ってんだブースター。お前の成長を見れることが、オレにとっての楽しみさ」

 ブースター 「スピ兄っ……!」
 ▼ 175 イドリップ 14/10/26 00:21:15 ID:0Z4D4KKw [9/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「はっはっはっ。ええコンビやなお前ら。ほな、ワイは帰るで」

 ブースター 「えっ……もう帰っちゃうんですか!?」

 バクフーン 「当たり前や。ブー太郎が炎を使いこなせるようになったんやから、ここに残る理由なんてあらへんからな」

 ブースター 「そっか……。バク兄、本当に、ありがとうございました! 僕、これからも頑張って、努力して、炎をもっと上手く扱えるようになります!」

 バクフーン 「良い意気込みやな。気が向いたら遊びに行くさかい、それまで元気に過ごすんやで」

 ブースター 「はい!」

 スピアー 「じゃあバクさん、体に気を付けてな」

 バクフーン 「蜂の助も、あんまり他のポケモンの恨みを買うようなことせんときぃや」

 スピアー 「オレがいつ恨みを買うようなことするって言うんだよ」

 バクフーン 「存在が怖がられとるやろ」

 スピアー 「……うるせぇ」

 バクフーン 「はっはっはっ。ほな、さいなら!」

 スピアー 「あぁ。またな!」

 ブースター 「ありがとうございましたー!」

バク兄は軽やかな身のこなしで、森の彼方へと姿を消して行った。
 ▼ 176 イドリップ 14/10/26 00:36:20 ID:0Z4D4KKw [10/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕はしばらくスピ兄と雑談して、帰路に就いた。



ブースター、か……。

僕ははじめ、ブースターへの進化は考えていなかった。可愛い系より、カッコいい系が良かったし、右足が動かないから、特殊ワザを使いこなすポケモンに進化したかったんだ。

けど、考えは変わった。

バク兄が教えてくれた性格の統計から、僕は攻撃が優れていて、反面、特殊ワザとは相性が悪い。

そして、自分ではあまり実感湧かないけど、ブースターの可愛さも、僕の持つ力なんだと知った。

僕の天性からの攻撃力と、ブースター特有の可愛さ……。

なんだ。実はブースターが、僕にとって一番都合の良い進化だったんじゃないか。

炎をコントロールできるようになった今、このまま森で暮らすことも、ニンゲンに保護されることも、選択肢としては、どちらも有り得る。

 ブースター 「結局は……僕の気持ち次第ってことかぁ……」

もう、森を燃やす可能性があるから〜とか、足が悪いから〜とかで悩む必要は無いんだ。

僕次第なんだ、本当に……。
 ▼ 177 イドリップ 14/10/26 01:08:22 ID:.KtgE3nE [12/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【ぶっつけ本番】


 リングマ 「探したぜ」

不意に後ろから声が投げられた。振り向かなくても分かる。あいつらだ。

 ブースター 「リングマにビーダルにコノハナ……。今日は見ないで済むと思ったのにな」

 コノハナ 「やいお前! 昨日はよくもオレっち達をコケにしてくれたな!?」

 ビーダル 「オマケに森を放火して……ま、そっちは変な噂で立ち消えになってしまいましたが、おおかたスピアーに泣きついたんでしょうね。まったく情けない……」

 リングマ 「とにかく、昨日の礼をしに来たぜ。たっぷり可愛がってやんねぇとなっ!」

 ブースター 「はぁ……」
 ▼ 178 イドリップ 14/10/26 01:27:05 ID:.KtgE3nE [13/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
正直、僕はうんざりした。

スピ兄とバク兄の優しさに触れて、今日1日で、ブースターとして生きる道を見つめ直したって言うのに。

 ブースター 「正直ね、僕はブースターに進化できて、良かったって思い始めてたんだ。無駄な体力は使いたくないんだ。僕が嫌いならそれでいいよ。お互い今後は無関係でいようよ。お互いその方が楽だよ」

 ビーダル 「何を言ってるんでしょうねぇ。新手の逃げですか? ブースターが嫌すぎて、頭がおかしくなりましたか?」

 コノハナ 「どーせ負け惜しみさっ! オレっちから行ってやるぜ! まだまともに炎も操れないくせに調子乗ってんじゃねーぞ!」

コノハナが駆けてくる。こうなっては、バトルは拒否できない。

 ビーダル 「生意気言うなら、また炎を出せばいい。ですが、コントロールできずにまた山火事では、今度こそウソの噂は通用しないでしょう。それでも、私たちの攻撃に太刀打ちできますかね!?」

ビーダルも続いて僕に向かってくる。2匹が相手……まだ特訓したばかりの状態で、どこまで戦えるんだろう。

僕は奴らをキッと睨みつけ、バトル体勢に入った。
 ▼ 179 マヨール@アップグレード 14/10/26 10:58:34 ID:h17W2/Ps NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 180 イドリップ 14/10/26 20:27:16 ID:0Z4D4KKw [11/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 コノハナ 「喰らえ“ねこだまし”!」

パンッ! と目の前で不意を突かれたかと思ったら、背中に衝撃が走る。ダメだ、“ねこだまし”はどうしても避けられない。

 ビーダル 「喰らわせてあげましょう……“アクアテール”」

そんな隙だらけの僕に、“アクアテール”が直撃した。

 ブースター 「クッ……!」

やっぱり水タイプのワザは痛い。海に入った時でさえ水に違和感を抱いたんだ。攻撃ワザの衝撃は、やっぱり相当なものだった。

 コノハナ 「オラどうした口だけか〜? “だましうち”!」

けど負けてなんていられない。こいつらに負けるようじゃ、この先この森で生きていくことは出来ないんだ!

 ブースター 「させるかっ! “ほのおのキバ”!」

コノハナが僕に攻撃を当たる、まさにその瞬間を見計らって、僕は体内で炎を作り出し、キバに神経を集中させて、思いっきり、コノハナに噛みついた。それが、“ほのおのキバ”だ!

 コノハナ 「ぐわっ……てっ……テメェ……っ」

まさか、コノハナがこの一撃で倒れるとは……。効果抜群ってのもあるけど、さんざん僕をバカにしてきたのに、いざ攻撃されたらこの有様。流石に笑ってしまう。
 ▼ 181 イドリップ 14/10/26 21:26:48 ID:.KtgE3nE [14/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ビーダル 「よくもコノハナを……喰らいなさい、“アクアテール”!」

ビーダルは再び“アクアテール”を放ってきた。水を纏わせた大きな尻尾を振りかざし、僕に向かってくる。

こんなの避けきれない。……けど、受け止めることなら、出来るかもしれない。

 ブースター 「“かみつく”!」

僕は振り下ろされるビーダルの尻尾に噛みついた。

 ビーダル 「なにをっ!?」

水しぶきが飛び散り、体に衝撃が走る。

ビーダルの尻尾を止めることが出来た。僕自身が弾き飛ばされること無く。

……けど、やっぱり水のダメージは受けてしまう。現に、このままの体勢は かなりキツイ。

 ビーダル 「クッ!」

ビーダルは尻尾を僕から振りほどき、距離を取る。

 ビーダル 「なら勢いで負かして差し上げましょう。“とっしん”!」

今度は“とっしん”で突っ込んでくるビーダル。確かに、その勢いを、“かみつく”あるいは“ほのおのキバ”で止めることは出来ないだろうな。

けど……。
 ▼ 182 イドリップ 14/10/26 21:47:50 ID:.KtgE3nE [15/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕はタイミングを待つ。

ビーダルが接近して、接近して、もう僕に衝突する瞬間が勝負だ。


……バク兄が教えてくれた。

体に炎を纏って、相手が突っ込んでくる運動エネルギーを、自分の物にするんだ、って。

そしてそれは、“フレアドライブ”のような効果を得られるかもしれない、って。

問題はそのタイミング。

ぶつかっただけでは、単なる炎の防御に過ぎない。相手がぶつかる正にその瞬間、体を反らして、勢い余って空振りした相手を、押し倒す。

そう、相手の力を利用したワザ……、それが僕に出来る“フレアドライブ”。

言うなれば、“フレアドライブ流し”。


 ビーダル 「喰らいなさいっ!」

今だ!

 ブースター 「“フレアドライブ”!」
 ▼ 183 イドリップ 14/10/26 22:17:37 ID:Ijb8YYrQ [11/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕は体内に貯めていた炎エネルギーを一気に解放して、自分のまわりに纏わせる。火の玉になるんだ。

 ビーダル 「なっ!?」

そして、最小限の動きで“とっしん”を回避する。

伏せるようなイメージでビーダルの下を取り、そのままビーダルの下半身……進行方向の後方に直撃するように、“フレアドライブ流し”を、頭突きのごとく決めた。

“とっしん”で突っ込む方向に、ビーダルを受け流す。炎の衝撃のオマケ付きでだ。

ビーダルは顔面から木に衝突し、動かなくなった。

 ビーダル 「クッ……有り得ませんっ……このわたくしがっ……こんなザコにっ!?」

 ブースター 「僕は……僕はザコなんかじゃない! 見つけたんだ! ブースターとして生きる道を! ブースターとして戦う方法を!」

僕は怒鳴ってやった。さんざんバカにしてきたくせに、簡単にダウンだ。それで僕がザコなんて、聞き捨てならない!
 ▼ 184 イドリップ 14/10/26 22:51:47 ID:Ijb8YYrQ [12/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「ザコ共が……。ブースター! オレが相手だ」

 ブースター 「望むところだ」

最後に残ったのは、2匹のボス、リングマだ。

これまで僕に嫌がらせをしてきた代表格。どうせ炎の石を投げつけたのも、こいつのアイデアだろう。


僕は神経を集中させる。


こっちを睨みつけるリングマ。僕も堂々と睨み返す。戦いは、もう始まっているんだ。


こいつを黙らせない限り、僕はこの森で安心して暮らすことはできない……。

僕は炎を作り出し、自分の体に纏わせた。僕は火の玉になる。


 リングマ 「……少しはやるようだな」

 ブースター 「お前に言われたって嬉しくない」

僕の炎で暗い森の仲が照らされ、リングマの表情がはっきりと浮かび上がった。

……笑ってやがる。余裕の笑みってことか。
 ▼ 185 イドリップ 14/10/26 23:36:37 ID:9yeO4Bak [13/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「覚悟しな!」

 ブースター 「こっちのセリフだ!」

リングマが動いた。大きく腕を振りながら、僕に向かって駆け寄ってくる。……パンチの構えだ。

 ブースター 「ここは防御だ。殴れるもんなら殴ってみろ!」

僕は炎を最大限に作り出し、自分の身を包み込む。1700度の炎が、周囲に熱気を発生させた。

 リングマ 「クッ……猪口才なっ! “アームハンマー”!」

熱気に一瞬腰を引いたリングマだけど、気合が勝ったのか、僕に“アームハンマー”を当てて来た。

 ブースター 「うぐっ……!」

 リングマ 「クッ! 熱ぃじゃねーか!」

僕もダメージを受けたけど、炎の鎧を素手で殴って無事な訳がない。リングマもそれなりのダメージを受けたようだ。

 リングマ 「オラ! 連続“アームハンマー”耐えてみやがれっ!」

間合いを取ったと思ったら、リングマはすぐさま攻撃にの体勢に戻った。炎のダメージを恐れずに突っ込むって言うのか……!

 ブースター 「なら“すなかけ”だ!」

 リングマ 「だっ……クソッ!」

僕はリングマの顔目がけて“すなかけ”を放った。初歩的なワザだけど、相手の攻撃を止めるのにこれほど使い勝手の良い手はない。
 ▼ 186 ンナ@がんせきおこう 14/10/26 23:43:22 ID:rRXcXHko [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
炎版のイカサマという感じだな
 ▼ 187 イドリップ 14/10/27 00:26:41 ID:0Z4D4KKw [12/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「喰らえっ! “ほのおのキバ”!」

間髪入れず、僕はキバに炎を集中させて、リングマに力一杯噛みついた。

“すなかけ”で一時的にだけど目を潰したことに加えて、リングマは“アームハンマー”で素早さが落ちている。いくら足が悪い僕でも、攻撃を当てるのに苦労はしなかった。

 リングマ 「ぐわっ……テメェなめんな! “きりさく”!」

噛みついた僕の体を、リングマの鋭い爪が襲った。

 ブースター 「痛っ……こいつ……炎を纏ってるのに!」

僕の体は、まだ炎に包まれている。にも関わらず、リングマは怯むことなく直接攻撃を仕掛けてくる。

これは思ったより厳しいバトルになりそうだ。

炎の鎧があるおかげで、直接攻撃をすれば、当然リングマはダメージを受ける。だから僕は、ある程度、リングマの攻撃を抑制出来るんじゃないかと踏んでいた。

けど、リングマは一切引こうとしない。奴のプライドなのか単なるゴリ押しなのかは分からないけど、とにかく、一切気を緩めないバトルなんだ、これは。

 ブースター 「負けるか! “ほのおのキバ”もう1発!」

 リングマ 「させねぇ! “アームハンマー”喰らいなっ!」
 ▼ 188 チュール@あやしいおこう 14/10/27 00:36:44 ID:ekcVdrXQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 189 イドリップ 14/10/27 00:37:36 ID:0Z4D4KKw [13/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 *** 「ストップ! やめて下さいっ!」

突然、横からの声で僕たちのバトルは中断させられた。

声の主は、この森に住んでいるバタフリーだった。

 リングマ 「なんだテメェ! 邪魔すんな!」

 ブースター 「危ないから近づかないで! これは真剣なバトルなんだ!」

 バタフリー 「そんなこと言ってる場合じゃないんです! いま北側の自然公園エリアで、ニンゲン同士がバトルしてるんです!」

 ブースター 「ニンゲン同士が?」

 バタフリー 「はい! それで、その片方のニンゲンが、ボーマンダのようなポケモンを使っていて……とにかく危険なんです!」

バタフリーのその言い回しに、僕は違和感を覚えた。

 リングマ 「んなのほっとけ! ニンゲンなんてそんなもんだろ!」

 ブースター 「……待って。ボーマンダの“ような”ってどういうこと?」

そう、ボーマンダでは無い。ボーマンダの“ような”ポケモンと、バタフリーは言ったんだ。

 バタフリー 「その……色とか雰囲気はボーマンダなんですけど、どうも体型が違って……けど、鳴き声は間違えなくボーマンダなんです! まるで……突然変異体のような……あぁもぉ……なんて説明したらいいんでしょう……」

どうも、バタフリーの言うことが理解できない。ボーマンダなんだけど、普通のボーマンダじゃ無いってことなのか……?
 ▼ 190 イドリップ 14/10/27 00:46:53 ID:0Z4D4KKw [14/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時、爆発音が響き渡った。

 リングマ 「何だ!?」

 ブースター 「……自然公園の方からだ!」

 バタフリー 「あぁ……ニンゲンのバトルが激しくなったんです! とにかく! ここ一帯は危険です! いま皆さんに避難するよう伝えていたんです! 私はこのエリアに危険を伝えますから、皆さんも早く逃げて下さいねっ!」

バタフリーは早口で言いきると、森の奥へと羽ばたいていった。

 リングマ 「ニンゲンどもめ……派手にやりやがって!」

 ブースター 「……見ろよ! 炎が上がってる!」

爆発のあった方を見ると、上空には黒煙が立ちこめていた。これ……相当な範囲に燃え広がってるぞ!

 コラッタ 「逃げろ! 早く逃げるんだー!」

 ウツドン 「マズいですマズいです!」

 ミミロル 「貴方たちも早く! ニンゲンのバトルが、こっちにも広がてくるかもしれないわよ!」

野生のポケモン達が、一目散に逃げていく。これは只事じゃない!

 ブースター 「リングマ! いまはバトルしてる場合じゃない!」

 リングマ 「テメェに言われんでも分かるわ! おい起きろ! コノハナ! ビーダル!」

この3人に今は構ってるヒマは無い。あれだけ黒煙が上がってるってことは、炎のまわりもきっと早い……。

僕は足を引きずりながら、爆発のあったエリアへと向かった。消火はできないけど、逃げ遅れているポケモンがいないかどうか確認するくらいなら出来るはずだ。
 ▼ 191 イドリップ 14/10/27 01:23:48 ID:.KtgE3nE [16/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
爆発のあったエリアに近付くにつれて、だんだん焦げ臭いにおいと、熱気が酷くなってくる。

そして、木々がメラメラと燃える音が、ハッキリと聞こえて来た。

 ブースター 「これはマズいぞ……!」

確かこのエリアは……ニンゲンも立ち入る自然公園エリアになっていたはずだ。森の中に遊歩道が通っていて、小さい広場もあったはず。

この分だと……広場でニンゲンがバトルして、爆発が起きたと見るのが正しいだろう。

けど、こんなに燃えるような爆発が起こるなんて……そんなに激しいバトルだったのか!?

 ブースター 「あれ……電気が消えてる……?」

遊歩道の近くには、ニンゲンが作った電灯が立っている。いつも夜になると勝手に点いてたけど、今日はそれが消えていた。

 ブースター 「……そうか! 電気をまとめる建物が爆発したんだ!」

そう、確か広場の脇には、電気を管理する小さな小屋があったはずだ。それが爆発したから、電気は消えてるし、激しい炎が上がってるんだ!


 ブースター 「誰も居ませんかぁ!? まだ残ってるポケモンはいませんかぁ!?」

原因は今はいい。まだこのエリアにポケモンが残っていないか、僕が確かめなきゃいけない。

へへっ。ブースターに進化したお陰で、この熱気にも耐えられる。本当、僕がブースターに進化したことが、運命みたいじゃないか。

 ブースター 「誰も居ませんかぁ!? 怪我してるポケモンとかいませんかぁ!?」

僕は必死で呼びかけた。……これが、僕の今の役目なんだ。
 ▼ 192 キワラシ@せいなるはい 14/10/27 01:54:29 ID:3KZI.kXo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
足が悪い事やブースターに進化した事が思い通りじゃなくても良い方に転がっていく…
案外気の持ちようで変わるもんなんだなぁと思わされて感動してる




支援!
 ▼ 193 イドリップ 14/10/27 02:16:38 ID:Ijb8YYrQ [13/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時、たくさんのスピアーが僕の前を横切った。

 ブースター 「うわっと……」

スピアー達は、爆発があった場所に向かっているようだ。列を成して、しかし、物凄い速度で。

 スピアー 「いいかお前ら! 第一部隊は砂巻いて延焼を防げ! 第二部隊は動けない繭ポケモンの救助だ! コクーン、トランセル、マユルド、カラサリスは見つけ次第安全な場所に連れて行け!」

 ブースター 「あっ! スピ兄!」

その中にいたスピ兄は、全体を指揮して、この状況に立ち向かっている。森を守るために、第一線に立って動いているんだ!

 スピアー 「おぉブースター! お前も早く逃げろ!」

 ブースター 「いや! 僕は炎タイプだからこれくらい大丈夫! 逃げ遅れたポケモンがいないか確認してるんだ!」

 スピアー 「そうか! そいつは頼もしい! じゃあくれぐれも気を付けろよ! 燃えた大木は倒れてくることがあるからな! 常に自分の位置を考えて行動するんだ!」

 ブースター 「はいっ!」

 スピアー 「よっしゃー第一舞台! 砂巻きは小屋のまわりの木々だ! 小屋はほっときゃ焼け落ちる! とにかく森への延焼を防ぐんだ!」

 スピアー達 「「「オォォォォォ!!!」」」

スピ兄たちは必死に森を守ろうとしている。……僕も頑張らないとっ!
 ▼ 194 ガジュカイン@ダイブボール 14/10/27 07:54:46 ID:.zJIYEk. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボーマンダ気になるな
 ▼ 195 イタラン@ギンガだんのカギ 14/10/27 14:55:00 ID:/YDOvXRE NGネーム登録 NGID登録 報告
支援

>>189
まさかメガボーマンダか?
 ▼ 196 ーマンダ@かわらずのいし 14/10/27 17:12:48 ID:UMWhQvOE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 197 ンホロウ@シルバースプレー 14/10/27 19:06:34 ID:VuCwqLVc NGネーム登録 NGID登録 報告
フレドラ使えないならVジェネ使ってくれ
耳Vっぽいやん
 ▼ 198 イドリップ 14/10/27 20:02:24 ID:0Z4D4KKw [15/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「誰かいませんかぁ!? 誰もいませんねぇ!?」

ふぅ……。

延焼が見込まれる西側のエリアをゆっくり見て回ったけど、どうやら逃げ遅れたポケモンはいないようだ。……まぁ、スピアーたちが迅速に救助してくれたお陰なんだけど。

そんなスピアーたちは、砂を撒いて必死に森を消火している。小河沿いに住む水系ポケモンも手伝っているけど、数が多くないから難航しているようだ。

 ブースター 「次は北側のエリアだ!」

風向きからして、北のエリアに延焼する可能性は低いだろうけど、万が一のこともある。僕は足を引きずりながら、なるべく急いで東のエリアに向かった。


 ブースター 「……消えそうにないな」

僕は空を見上げて呟いた。

黒煙はごうごうと空に立ち上り、空を隠す。……しかし、広場のちょうど上空だけは、どういう訳か、澄み渡っているのだ。月も、星空も見える。

 ブースター 「……あれは!?」

僕は見た。空を高速で駆け抜け、ワザを出し合う2匹のポケモンの影を。

満月を背にして、その2匹の羽ばたくシルエットが影絵のように焼きついた。

目を凝らして見てみると、その2匹は、僕の知った姿じゃなかった。
 ▼ 199 イドリップ 14/10/27 20:15:31 ID:0Z4D4KKw [16/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
1匹は、ボーマンダの“ような”ポケモン。さっきバタフリーが言っていた奴だ。

確かにボーマンダっぽいけど……、飛んでいるその姿は、流線形に近く、翼も三日月のような鋭利に婉曲した形になっている。

ボーマンダ亜種、って感じだ。


そしてもう1匹は、完全に見たことのないポケモンだった。

青いような、紫色のような……大きな翼と腕が一体化した、本当に、初めて見るポケモン……。何かに似ているかと聞かれても、思い当たる節が無い。

 ブースター 「ニンゲン同士のバトル……あの2匹がバトルしてるんだ!」

普通のポケモン同士であれば、きっと、ここまで被害は大きくなかったと思う。

けど、あんな見たことのないポケモン同士のバトルなら、それこそ、爆発があったのも理解できる。きっと、僕たちの知らないワザを使ってバトルしてるんだ!


きっとあのバトルを見た野生ポケモン達は、自分では止められないと、直感的に思ったんだろう。現に、僕だって止める自信は無い。

あの2匹の正体が気になるけど、今は北エリアに急ごう。逃げ遅れたポケモンがいないか、僕が確認しなきゃならないんだ。
 ▼ 200 イドリップ 14/10/27 20:33:59 ID:0Z4D4KKw [17/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「……ここから東エリアをわまって、ふもとの小河に進んで。そこなら安全だから!」

 ナゾノクサ 「分かった。どうもありがとう!」

 キレイハナ 「あなたも気を付けてね!」


北エリアは、やっぱり風向きの関係で安全と思われたのか、何匹かのポケモンがいた。

けど、別に安全そうで残っていた訳では無く、燃えているエリアからの一時避難的な意味で、ここに来ていたらしい。

そんなポケモン達を、僕は安全な経路で小河へと案内した。ひと通り回ったので、多分、この辺に残っているポケモンはいないと思う。



北エリアを歩き回るうちに、だんだん感じる熱気と焦げたにおい。いつのまにか、燃えているエリアに近付いていたようだ。


 スピアー 「次! そこからそこまで頼む!」

 ストライク 「任せな!」

 ハッサム 「オレは向こう側やるぜ!」

 ブースター 「あっ! スピ兄!」

そこにはスピ兄の姿があった。何匹かのストライクと、ハッサムに、カイロスもいる。
 ▼ 201 イドリップ 14/10/27 21:25:42 ID:.KtgE3nE [17/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「おぉブースター!」

 ブースター 「東と北エリアをまわったけど、もう残ってるポケモンはいないはずだよ!」

 スピアー 「そうか。ご苦労だったな! それよりお前はここから離れるんだ」

 ブースター 「うん……けど、皆は何を……?」

 ストライク 「燃え移りそうな木は最初から伐り倒しちまおうって寸法さ!」

 ハッサム 「ここで延焼を食い止めれば、奥まで炎が行くこたぁ無いからな!」

 スピアー 「そう言うことだ」

なるほど。燃え移るものが無ければ延焼は止まる……。最小限の被害で済まそうってことか。

 ストライク 「けど如何せんオレ達だけじゃ無理がある!」

 ブースター 「えっ!?」

 ハッサム 「延焼を食い止めるには、燃えてる周囲全部の木を切らなきゃならねぇんだ! この数でそれだと間に合うか分からねぇ!」

 ブースター 「そんな……よしっ! 避難してるポケモンで、木を切れる力があるポケモンを呼んでくるよ!」

そう言った瞬間だった。

 リングマ 「待ちな。オレも加勢するぜ。“きりさく”!」

不意に後ろから声がして、振り向くと、リングマが勢いよく木を切り倒す姿が飛び込んできた。

 ブースター 「リングマっ!」
 ▼ 202 イドリップ 14/10/27 21:40:38 ID:.KtgE3nE [18/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「コノハナとビーダルは!?」

 リングマ 「あいつらは小河に運んだ。時機にオレの仲間もここに来る。オレ達の住処を奪われる訳にはいかねーからな!」

 スピアー 「そいつは心強い……! よし! とにかく延焼だけは防げ! いま燃えてるヶ所から、半径20メートルは切り倒すぞ! 火の粉で燃え移る可能性もあるからな!」

 ストライク 「よっしゃやったるぜ!」

 カイロス 「オレはお前らより切るのが遅い……。釜がある奴は手前を頼む! 奥側はオレに任せろ!」

 リングマ 「カイロス! オレも奥側に加勢してやる!」

 ハッサム 「ストライクども! 熱に怯えるな! 森を守ることだけを考えろ!」

 スピアー 「いや熱には怯えろ! こっから燃えてる側は諦めて延焼させるんだ! 安全な場所から、確実に延焼を防ぐ方針を取る!」

 ハッサム 「オッケー! 聞いた通りだストライクども!」

 ストライク達 「「「 了解っ!!!! 」」」

皆が一つになった。僕らが住む、美しいこの森を守るために。

そうだよ。ポケモンって、本来こういう生き物なんだよ。いがみ合ってても、有事の時には協力し合う……。

迷惑考えずに勝手にバトル始めるニンゲンとは違うんだ!
 ▼ 203 イドリップ 14/10/27 22:05:05 ID:Ijb8YYrQ [14/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とそこに、別のスピアーが1匹、慌てた表情で飛んできた。

 別スピアー 「兄貴! ニンゲン共のバトル、決着ついたみたいでっせ!」

 スピアー 「本当か! で、どうなった!?」

 別スピアー 「へぃ! ボーマンダ亜種を連れたニンゲンが負けたんですが……話を聞いてると、どうやらそいつ、密漁者らしいでっせ!」

 スピアー 「なにぃ!?」

 別スピアー 「密漁者とバトルしてたニンゲンは2人いましたが、そっちは子供のオスとメスで、多分そっちは悪意無しでっせ!」

 スピアー 「分かった。で、密漁者はどうした!?」

 別スピアー 「それが、変なマシンで空に逃げやして……自分が対処していいもんかと思い、兄貴の指示を仰ぎに来た次第でっさ!」

 スピアー 「逃げやがったのか……分かったご苦労! お前は第一部隊に合流して砂を撒け!」

 別スピアー 「合点でっさ!」

 ブースター 「スピ兄……密漁者って!?」

 スピアー 「この大火事の原因が、馬鹿なニンゲンのせいだってことだ! オレはそいつを探す! また火事でも起こされたらたまんえぇからな!」

 ブースター 「あっ……スピ兄っ!」

僕が言い終わる前に、スピ兄は飛び立った。確かに密漁者をほっとく訳にはいかないけど……スピ兄だって危険だよ!
 ▼ 204 イドリップ 14/10/27 22:37:23 ID:Ijb8YYrQ [15/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このエリアに、逃げ遅れたポケモンはもういない。

僕はスピ兄が向かった方へと足を向けた。


密漁者に挑もうなんて、いくらスピ兄だって危険すぎる。

勝負の前に、捕獲されちゃったら太刀打ちできなくなってしまう。

足が悪い僕が行ったからって、状況がどうなるかなんて分からない。

けど、これまで僕を助けて来てくれたスピ兄を、ほっとく訳にはいかないんだ。

スピ兄たち……この火事だって、スピ兄たちが率先して状況を良くしようと頑張ってるんだ。

スピアー達は、確かに狂暴かもしれない、怖いかもしれない。

けど、森の一大事には先陣を切って行動するほど、頼りになる存在なんだ。責任感が強い存在なんだ。


だから多分……スピ兄は自分ひとりで密漁者に立ち向かうつもりなんだと思う。


そんなこと……それで怪我でもしたら、スピ兄の強い意志は誰が皆に伝えるって言うんだよ!?

僕は向かった。スピ兄の元へ。
 ▼ 205 ダンギル@しろいビードロ 14/10/27 22:53:02 ID:XlFfKI56 NGネーム登録 NGID登録 報告
ボーマンダ持ちの密漁者…Jかな?
 ▼ 206 ォーグル@かみなりのいし 14/10/27 22:59:50 ID:a2YgNflA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マンダの相手はリザX?
 ▼ 207 ルズキン@こうこうのしっぽ 14/10/27 23:00:53 ID:UG5aov1A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メガラティだろ
 ▼ 208 ォッコ@GBプレイヤー 14/10/27 23:17:47 ID:pC/.m2R. NGネーム登録 NGID登録 報告
アルトマーレ展の人?
 ▼ 209 イドリップ 14/10/28 00:01:40 ID:0Z4D4KKw [18/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>208
とうとうバレましたね(笑)
 ▼ 210 イドリップ 14/10/28 00:58:16 ID:0Z4D4KKw [19/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こういう時、右足が動かないのが本当に恨めしい。早くスピ兄の元へ行って、加勢したい、協力したい、無事な姿を見たい。

バトルが終わって密漁者が逃げたってことは、普通に考えれば、密漁者が負けたってことだ。

けど、ニンゲンは頭が良い。しかも密漁者が……丸腰で逃げ出す訳がないんだ。



スピ兄の無事を祈った僕だけど、そんな期待、簡単に裏切られてしまった。

 ブースター 「あっ……」

木の影から、スピ兄が倒れている姿が見えた。

その傍には、ドラピオンと、ニンゲンの姿が。あれが密漁者……やっぱりまだ戦えるポケモンがいたんだ!

 「馬鹿な奴だ。たった1匹で私に刃向おうなど、愚かすぎて失笑ものだ。だいたい、野生のザコが人間に立ち向かう時点で、お前の頭はどうかしている」

密漁者のニンゲンは、予想に反してメスだった。黒い服を着て、銀色の髪をしている。サングラスをかけているせいで、瞳からだいたい感じ取れるはずの表情は分からない。

 ブースター 「助けないと……今度は僕がスピ兄を助ける番だ!」


スピ兄!

そう叫んで飛び出そうとしたその時。僕の尻尾が、何者かに捕まれた。

 *** 「待て」
 ▼ 211 イドリップ 14/10/28 01:13:24 ID:.KtgE3nE [19/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しまった仲間がっ!?

 ブースター 「……って、リングマかよ驚かすな!」

後ろにいたのは、リングマだった。いつの間についてきたんだよ。

 リングマ 「あいつが密漁者って訳だな」

 ブースター 「間違いないね。スピ兄を酷い目に合わせて……許せない!」


僕はリングマの腕を振り切って、木の影から飛び出した。

 ブースター 「おい密漁者っ!」

 「……何だ。また私に刃向う野生か?」

 ブースター 「僕たちの森を荒らして! スピ兄にまで手を出して! お前ら絶対に許さないぞ!」

 ドラピオン 「お前もこの森の野生か」

 ブースター 「そうだ!」

 ドラピオン 「痛い目見たくねーなら帰れ。ニンゲンに育てられたポケモンに、野生が敵うはずがない」

そのドラピオンの、勝機に満ちた、完全に上から目線の態度が、僕には気に入らなかった。
 ▼ 212 イドリップ 14/10/28 02:05:45 ID:Ijb8YYrQ [16/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「そんなのやってみなくちゃ分からないだろ!」

 「ふん。威勢よく鳴いてるようだが……しょせん野生は野生。取るに足らん。ドラピオン、“ミサイルばり”」

 ドラピオン 「了解! オラ“ミサイルばり”だぜ!」

ニンゲンは、突然攻撃指示を出した。そして、ドラピオンの動きも早い。

 ブースター 「うわっ……!?」

“ミサイルばり”は、無防備な僕に直撃した。炎を体にまとわせて、防御に転じる隙も無かった。

 「ふん。その程度の攻撃も避けきれないとは……話にならんザコだな」

 ブースター 「くっそ……」

 ドラピオン 「お前……右足怪我してるんだな」

 ブースター 「それがどうした!?」

 ドラピオン 「そんな体でオレに立ち向かうとは……なめられたもんだな! テメェにはオレ達の怖さを教えてやるよ」

ドラピオンの目の色が変わった。こいつ……相当鍛えられてる!

 「ドラピオン、“クロスポイズン”だ」

 ドラピオン 「覚悟しな」

ドラピオンは、鋭い鋏を僕に向けて迫ってくる。……やっぱり早い!
 ▼ 213 イドリップ 14/10/28 02:23:52 ID:Ijb8YYrQ [17/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「甘く見るな! “フレアドライブ流し”!」

ドラピオンをギリギリまで引きつけて、僕は炎を生成し、体を包み込む。そして体を捻るようにして受け流した。

 ドラピオン 「なにっ!?」

 ブースター 「うぉらぁっ!」

そして、頭突きする要領でドラピオンの腹に突っ込んだ。ドラピオンのスピードを逆手に取った“フレアドライブ流し”、今度も成功した……と思ったが、甘かった。

 ドラピオン 「クッ!」

ドラピオンは即座に体勢を整えて、僕からの直撃を回避した。

 ドラピオン 「……なるほど。炎の鎧でオレに突っ込む算段ってのが、お前の自信に繋がってた訳か」

 「ドラピオン距離を置け!」

マズいぞ……。僕の手の内が今のでばれてしまった。

しかも、“フレアドライブ流し”は失敗。ドラピオンに全くダメージを与えていない状況でだ。

 ドラピオン 「お前、バトルに対応できる動き、出来ないんだろ?」

 ブースター 「クッ!」
 ▼ 214 クフーン@たんちき 14/10/28 02:43:19 ID:zcf2yQEw NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 215 イドリップ 14/10/28 02:46:50 ID:Ijb8YYrQ [18/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ドラピオン 「だったら……威力低いワザで少しず〜つ苦しませてやるよ。“ミサイルばり”!」

ドラピオンの尻尾から無数の針が打ち出されて、的確に僕の体にヒットさせる。

 ブースター 「うわっ……」

 ドラピオン 「オラどうしたどうした!?」

回避しようと動いても、ドラピオンは僕の動く方向に射程範囲をずらしてくる。……つまり、回避が封じられてしまった訳だ。

 ブースター 「クッ!」

だったら守りに転じるしかない。僕は炎を生成して、体に纏わせる。“ミサイルばり”の針は、僕に直撃する前に全て焼け落とせばいいんだ。

 ドラピオン 「防御か……けどいつまで持つかねぇ?」

不吉な笑みを浮かべるドラピオン。“ミサイルばり”を中断する気配はない。

 ブースター 「……ヤバい」

防御壁を作る程の炎を生成するには、そこそこ体力を消耗する。しかも、連続で出し続ければ、その疲労は相当なものだ。


 ブースター 「だっ……ダメだっ……!」

とうとう、僕の体力が負けてしまった。長時間連続での炎の生成は、これが初めてだ。まだ自分の限度を知らない僕にとって、体への負担は想像以上にキツかった。

 「ふん。“クロスポイズン”」

 ドラピオン 「落ちたな! 楽にしてやるぜ! “クロスポイズン”!」
 ▼ 216 イドリップ 14/10/28 02:54:47 ID:Ijb8YYrQ [19/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドラピオンの鋏が迫ってくる。

けど、炎を生成することは出来ない。休む時間が必要だ。しかし、そんな時間は与えてくれない。

 ブースター 「くっそぉ!」

そうだ……バク兄が言ってたっけ。炎の鎧、“フレアドライブ流し”は、本当にピンチの時に、切り札に使えって。

今回、始めから僕の切り札を見せてしまったのは、明らかに失敗だった。もっと他の方法が、きっとあったはずだ。

僕のミスだ……。



ガキーン! という鋭い音が響き、僕はハッとする。

 ブースター 「……リングマ!?」

見ると、リングマがドラピオンの攻撃を受け止めていた。あの爪で……“きりさく”の構えで防御したのか?

 ドラピオン 「なんだお前……野生の仲間か?」

 リングマ 「仲間じゃねーが、これ以上オレ達の森を荒らす奴は許さねぇ。密漁者なんぞ、もっての外なんだよっ!」

リングマは、僕の方なんて一瞬も見なかった。僕を助けた訳ではない。

けど、同じように森を守る想いがあることは明白だった。

普段はウザったいリングマが、これほど頼もしく見えるなんて……そうとう切羽詰ってたんだな、僕……。
 ▼ 217 クーダ@ルアーボール 14/10/28 07:46:27 ID:0hb9OMiA NGネーム登録 NGID登録 報告
リングマかっけー
 ▼ 218 イドリップ 14/10/28 17:14:13 ID:IW6Pui0w [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 「また邪魔者か……。とっとと片づけるぞドラピオン! “ミサイルばり”!」

いま、リングマの爪とドラピオンの鋏はぶつかって硬直状態。しかしドラピオンには尻尾がある。

尻尾から“ミサイルばり”を発射し、それは大きく放物線を描いてリングマに向かっていく。

 ドラピオン 「どうする? “ミサイルばり”に対処すればオレの“クロスポイズン”が動き出すぜ?」

 リングマ 「ふん。オレは欲張んねぇんだ」

 ドラピオン 「は?」

リングマの左拳に力が貯まっていくのが分かった。

 リングマ 「おら“アームハンマー”!」

 ドラピオン 「ぐはっ……」

リングマは、右手でドラピオンの鋏を抑えたまま、左手で“アームハンマー”を繰り出した。……申し分ない威力だ。

 リングマ 「チッ……!」

そして、“ミサイルばり”がリングマに降り注いだ。“ミサイルばり”を受けてでも、ドラピオンに一撃喰らわせたってことか。
 ▼ 219 イドリップ 14/10/28 17:45:45 ID:IW6Pui0w [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 「何をしている!? “ミサイルばり”だ!」

ニンゲンが怒鳴る。なんでこう、ニンゲンはポケモンに対して上から目線なんだろう。

 ドラピオン 「オラァ喰らいな!」

ドラピオンは尻尾から“ミサイルばり”を発射する。

 リングマ 「うおおおぉぉぉ!!!」

その攻撃を、リングマは両腕でガードしながら、ドラピオンも元へ駆け抜け、一気に間合いを詰めた。

 ドラピオン 「こいつ……!」

 リングマ 「“きりさく”!」

 「“つじぎり”で向かい打て!」

ダメージを顧みず、弾丸のように接近したリングマ。その鋭い爪と、ドラピオンの鋭い鋏が激突した。

まるで鉄と鉄がぶつかったような、鈍い音が響き渡る。

リングマは、力でニンゲンのドラピオンと互角に渡り合っているのだ。
 ▼ 220 イドリップ 14/10/28 18:02:53 ID:wJyF33xU [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 「“ミサイルばり”で距離を取れ」

ドラピオンは“ミサイルばり”をほぼゼロ距離で放ち、衝撃でリングマを遠ざける。

 リングマ 「糞がッ……!」

距離を開けられたリングマは、なおもドラピオンに迫る。今度は爪を鈍く光らせて……“きりさく”の構えで。

 「引きつけて“どくばり”だ!」

そして、リングマが爪を振り下ろすまさにその瞬間、“どくばり”が撃ち込まれてしまった。

 リングマ 「クッ……おらぁ!」

 ドラピオン 「うがっ……!」

けど、“きりさく”攻撃はドラピオンに直撃した。攻撃を受けても自分の手を緩めない、リングマらしい、当たって砕けろ的な攻撃スタイルだ。

 リングマ 「がはっ……はぁっ……はぁっ……」

 ドラピオン 「ふん。毒が回ったみたいだな」


 ブースター 「リングマっ……!?」

マズい予感が的中した。今の“どくばり”で、リングマは毒状態に陥ったのだ。

今まで普通の状態で互角だったのに、毒のダメージを受け続けてしまっては、圧倒的に不利になる。

 ドラピオン 「勝負はついたな」
 ▼ 221 イドリップ 14/10/28 18:10:07 ID:wJyF33xU [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「っ……黙れ!」

 「“クロスポイズン”だ」

リングマが必死の抵抗を見せようとしたとき、“クロスポイズン”がリングマに直撃した。

 リングマ 「グッ……っ!」

 ドラピオン 「楽にしてやるよ。すぐにな!」

 「連続で“つじぎり”」

 ドラピオン 「オラ“つじぎり”だ!」

 リングマ 「させるかっ……!」

リングマは大きく拳を振り上げて、“アームハンマー”の体勢に入る。

……しかし、やっぱり動きが鈍っていた。毒のせいだ。

 リングマ 「ぐはっ……かっ……」

ドラピオンの“つじぎり”が、容赦なくリングマに直撃した。

 ドラピオン 「終わらねぇぜ!」

しかも、1発だけじゃない。2発、3発、4発……動きが鈍いことをいいことに、ドラピオンは連続で“つじぎり”を繰り出し、リングマを苦しめる。

 リングマ 「てっ……テメェ……!」
 ▼ 222 イドリップ 14/10/28 18:20:00 ID:wJyF33xU [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ドラピオン 「終わりだ」

ドラピオンは一瞬攻撃を止めたが、それは、力を貯めている時間に過ぎなかった。

今までとは明らかに威力の違う“つじぎり”が放たれ、リングマは弾き飛ばされた。あのリングマの巨体がだ……。

 リングマ 「おぶっ……!」

そして、僕の横の木に衝突した。

 ブースター 「リングマっ!?」

リングマに反応は無い。苦痛の表情を浮かべて、木に もたれ掛っている。

 「ふん。私に刃向おうなど考えた罰だ」

 ドラピオン 「張り合いねーな。所詮、野生は野生。ザコが調子乗ってんじゃねーよ!」

 「ドラピオン。始末しろ」

 ドラピオン 「……自分らの無力さを恨むんだな!」

ドラピオンが、ゆっくりと近づいてくる。ニンゲンが言う“始末”が、何を意味するのか、考えなくても分かる。

ここで終わりなのか……僕たちは。
 ▼ 223 ノノクス@ヘルガナイト 14/10/28 18:27:46 ID:sy8vfrW. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リングマ、毒で動きが鈍ったってことは速足じゃないのか。
速足だったら攻撃避けられたのになー。
 ▼ 224 イドリップ 14/10/28 18:30:00 ID:wJyF33xU [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
けど、ニンゲンの密漁者に、そして、ニンゲンに飼われている生意気なドラピオン委、タダでやられるなんて冗談じゃない。

僕は最後の力を振り絞って、体内で出来る限りの炎を生成した。

 リングマ 「……おいブースター」

その時、息も切れ切れに、リングマが口を開いた。

 ブースター 「リングマ……」

リングマは、僕の方を見ずに話を続ける。

 リングマ 「オレはお前のことが嫌いだ」

 ブースター 「なっ……僕だって!」

 リングマ 「……だが、この森を荒らすニンゲンは、それ以上に嫌いだ。反吐が出る」

 ブースター 「……それは同感だね」

 リングマ 「お前……まだ炎を作れるのか?」

 ブースター 「あぁ。残ってる力を全部注ぎ込めばね」

 リングマ 「このまま くたばるくらいなら、お前を使ってニンゲンに一矢報ってやりたいんだが、どうだ?」

 ブースター 「拒否する理由が無いよ。けど……僕を使うって、何をする気なの?」

 リングマ 「いいか、お前を…………して、オレが…………」

 ブースター 「……なるほど。乗った! 僕の最後の ぶっつけ本番だ!」
 ▼ 225 イドリップ 14/10/28 18:40:01 ID:wJyF33xU [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「だあああぁぁぁぁぁらあああぁぁぁぁ!!!」

リングマは雄叫びを上げながら、最後の力を振り絞るかのように立ち上がった。

 リングマ 「行くぜブースター!」

 ブースター 「おぅ!」

僕はリングマの右腕に抱きかかえられる。そして、リングマは走り出した。


 ドラピオン 「……なんだ?」


リングマの考えた作戦は、まさに、目から鱗だった。

よくそんなことを考え付いたものだ。

お前のことは嫌いだけど、正直これは凄いと思った。


 「何の真似だ? ドラピオン! “ミサイルばり”で蹴散らせ!」


だって、お前はもう体力がほぼ無いって言うのに、そんな自殺行為、普通はしない。

……けど、森を守るためなら、自分の体力なんて庇ってる場合じゃないんだ。

現に僕もそう。僕にとっても、これは自殺行為なんだ。
 ▼ 226 イドリップ 14/10/28 18:50:00 ID:wJyF33xU [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ドラピオン 「無駄な足掻きなんだよ! “ミサイルばり”!」

ドラピオンが尻尾を僕らの方へ向けた。

“ミサイルばり”を直接喰らったら、僕かリングマか、あるいは2人とも、ダウンするかもしれない。

けど、ダウンすることより、あいつらに一撃喰らわせることを優先しよう。それが、僕とリングマの共通意識だ。


リングマに抱えられてドラピオンに迫る……その時間が、妙に長く感じられた。

走っているはずなのに、時間がゆっくり、そして、とても静かに感じられた。


僕は生まれつき攻撃が強かった。

けど、お父さんとお母さんは、僕を残して死んでしまった。

僕も、足に大きな怪我を負って、右足が動かなくなった。

それが原因で、いじめられるようにもなった。

勝手にブースターに進化させられて、僕は酷く落ち込んだ。

でも、その進化は、僕にとって最適なものだった。

最後に、燃える森からポケモンを助ける手伝いを出来たから。それだけで、僕がこの世に生まれ、生きて来た甲斐があったってものだ。


“ミサイルばり”が、直撃した。
 ▼ 227 ピナス@いいキズぐすり 14/10/28 18:55:09 ID:B4TUXd6E NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 228 イドリップ 14/10/28 18:59:59 ID:wJyF33xU [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ドラピオン 「クッ……テメェまだっ……!?」

 スピアー 「へへっ……黙ってやられてたまるかってんだよ……」

それは、倒れていたスピ兄が放った、渾身の“ミサイルばり”。

ドラピオンの動きを一瞬止めるのに、十分な威力だった。


スピ兄がくれたチャンス、無駄にはしない!


 リングマ 「行きやがれブースターっ!」

 ブースター 「あぁ! ちゃんと我慢しろよリングマっ!」


リングマは僕の首根っこを掴みなおして、その腕を大きく振り上げる。

苦しい。苦しいけど、僕はやるんだ。

スピ兄の想いも、リングマの想いも、この森の全てのポケモンの想いも、踏みにじる訳には行かないんだ。

僕は、限界に近い体内で作り出した炎を、自分の体に纏わせた。

 ドラピオン 「なにっ……!?」

行くぞっ!
 ▼ 229 イドリップ 14/10/28 19:10:00 ID:lCCG/MIQ [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ブースター 「フレアドライブ……!!!」


 リングマ 「……シューーーーート!!!」


 ▼ 230 イドリップ 14/10/28 19:20:00 ID:lCCG/MIQ [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何をしたかって?

“フレアドライブ”さ。


リングマは言った。

この状況を打開するには、大技で一撃で決めるしかない。しかし、今の自分にそこまで力は残っていない。

だからお前に賭けてやる。もしお前がまだ炎を作れるなら、オレがお前をドラピオンの元まで連れて行く。そこで炎を爆発させろ。


そう。リングマの考えは、2匹で行う捨て身の攻撃。きっと僕の“フレアドライブ流し”を見て、思いついたんだと思う。

“フレアドライブ”を構成する、“炎の鎧”と“とっしん”の要素。

その後者を、リングマが買って出たのだ。

炎を纏った僕をリングマが抱えて、ドラピオンに叩きこむ……名前を付けるならそう……“フレアドライブ・シュート”。

1700度にも達する僕を掴むリングマには、相当な負担がかかるはずだ。

そして僕だって、叩きつけられるダメージは大きいはずだ。

2匹で作り出すそれは、本当に捨て身の“フレアドライブ”なんだ。
 ▼ 231 イドリップ 14/10/28 19:30:00 ID:lCCG/MIQ [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「叩き……込むぞぉぉぉ!!!」

 ブースター 「行っけぇぇぇ!!!」


僕はさらに炎を強めて、ドラピオンの脳天を狙った。

リングマも力を込めて、僕をドラピオンに叩きこんだ。


 ドラピオン 「ぐはっ……くっ……がっ……」


ドラピオンの断末魔が聞こえた。

しかし、叩きつけられた衝撃と、炎を無理矢理作り出した疲労、負担。それらが同時に僕を襲い、急激に意識が遠のいて行った。

多分リングマも……毒状態で無理矢理動いて、しかも僕の炎をモロに受けている。リングマの体力も限界だろう。


 「馬鹿な……私のポケモンが……ガキに続いて野生ポケモンにやられた……だと!? バカなっ!?」


薄れゆく意識の中、ニンゲンの悔しそうな叫び声が聞こえた。


勝ったんだ……僕たち。ニンゲンの密漁者に、この森を荒らした犯人に……勝ったんだ。
 ▼ 232 イドリップ 14/10/28 19:40:00 ID:lCCG/MIQ [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

僕は目を閉じた。

体が動かない。

息をするのも苦しい。

本当なら、スピ兄の元に駆け寄って、スピ兄の無事を確認したい。

リングマに向き合って、素直に、一緒に戦ったお礼を言いたい。

でもダメだ。しゃべる気力も残っていない。



 「……あなたたち、大丈夫!?」

不意に声をかけられた。

けど、目を開けないし、体も動かせない。耳だけが、その声から判断できる情報を僕に伝えた。

 「酷い怪我……こちら第4班! 負傷した野生ポケモンを発見、至急、救助準備の願います!」

その声の主はニンゲンで、どうやら僕たちを助けてくれるようだ。

 「大丈夫、すぐに助けが来るわ!」

まったく……ニンゲンにボロボロにされたのに、今度はニンゲンに助けられるのか。皮肉なもんだな……。


ここで、僕の意識はプッツリと切れた。
 ▼ 233 トベター@ふるびたかいず 14/10/28 20:04:59 ID:Uj5seIH. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おい、嫌な予感がするのは俺だけか・・・?
 ▼ 234 イドリップ 14/10/28 21:20:00 ID:.KtgE3nE [20/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【ポケモンとニンゲン】


……ここはどこだろう。

暖かいし……足元がフワフワしている。

そう、それはまるで……雲の上にいるみたいだ。

雲の上……そうか。僕、雲の上にいるんだ。


あぁ……もっと生きていたかったな。

だって、ブースターに進化したことを、素直に喜び、誇れるように思えて来たから。

嫌だなんて言ってたブースターの進化を、受け入れる決心がついたから……。

それに、憧れの“フレアドライブ”が放てたんだから……。

そうだ。

リングマにお礼も言えていない。

スピ兄にも、今までお世話になった感謝の気持ちを伝えていない。

何だってこんなに早くに……せめて、皆にもう一度会いたかった……。


 *** 「気が付いたみたいだね?」
 ▼ 235 イドリップ 14/10/28 21:30:00 ID:.KtgE3nE [21/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「君は……こんな雲の上にも、ポケモンがいるんだね」

 *** 「違うよ。ここは雲の上じゃないよ。ベッドの上さ。……確かに、雲みたいにフカフカだけどね」

僕はゆっくりと目を開けた。

カーテンの間から細く降り注ぐ、暖かな朝日。

フカフカの足元は、真っ白なベッド。

 ブースター 「病院……なんだね」

 *** 「そうさ。君たち、昨日の夜に運ばれてきたんだよ」

どうやら僕は、助かったみたいだ。まだ少し体は痛むけど、辛いほどでもないし、炎も、作ろうと思えば作れそうだった。

 *** 「また会ったね、ブースター」

 ブースター 「君は昨日の……」

そこにいたのは、昨日、ニンゲンからフランクフルトを貰った時に一緒に居た、ピカチュウだった。

 ピカチュウ 「心配しちゃったよ。凄い怪我だったから」

周りを見回してみると、広い部屋の中に、ベッドはまだいくつか並んでいた。

僕の向かいにピカチュウがいて、その列のベッドには、フォッコ、ケロマツ、ルチャブル、ヒノヤコマ、デデンネが。

僕の列のベッドには、スピ兄、リングマ、ヤミカラスが2匹。

 ブースター 「そうか……みんな助かったんだ……良かった……」
 ▼ 236 ネブー@ラティアスナイト 14/10/28 21:58:24 ID:VReQ9eRg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アニメ勢勢揃いだな、ハリマロンェ…
 ▼ 237 イドリップ 14/10/28 22:00:00 ID:Ijb8YYrQ [20/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ピカチュウ 「何があったの?」

 ブースター 「うん……。昨日、僕たちの住んでた森で、大火事があったんだ。その犯人が、密漁者だったんだ」

 ピカチュウ 「えっ……」

 ブースター 「その密漁者、ニンゲン同士でバトルしてて、そのせいで火事が起きたんだ」

 ピカチュウ 「うん……」

 ブースター 「その密漁者を絶対に許せなくて……僕とスピ兄とリングマで、そいつに立ち向かったんだ。そいつのポケモンは倒したけど……僕たちも気を失っちゃって、気付いたら、ここに運び込まれてたって訳さ」

 ピカチュウ 「あの……」

 ブースター 「どうしたの?」

 ピカチュウ 「ごめんなさい……その密漁者のバトルの相手、僕たちなんだ」

 ブースター 「え!?」

 ピカチュウ 「僕たちの仲間が密漁者に捕まって……それを助けるために……本当にごめんなさい! そのせいで、君たちまで巻きこんじゃって……!」

 ブースター 「そうだったんだ。いいよ、だったら悪いのは、全部密漁者じゃん。君たちは関係ないよ!」

 ピカチュウ 「そう言って貰えると嬉しいよ。ここにいる僕たちもね、その密漁者とバトルして、負けちゃったんだ」

 ブースター 「そうなの!? 密漁者がバトル相手から逃げ出したって聞いたから、てっきり勝ったんだと……」

 ピカチュウ 「うん。勝ったには勝ったけど、それは別のポケモンのお陰さ。僕らだけだったらどうなってたか」

 ブースター 「そっかぁ」
 ▼ 238 イドリップ 14/10/28 23:30:12 ID:9yeO4Bak [14/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕たちは、お互い笑い合った。同じ経験をしたってことだもんね。俄然、親近感が湧いてきた。

 ブースター 「ねぇピカチュウ、聞いてもいい?」

 ピカチュウ 「なに?」

 ブースター 「君はニンゲンと一緒で、辛い事なんて無いって、昨日言ったよね?」

 ピカチュウ 「うん」

 ブースター 「だけど、何でニンゲンには、言い奴と悪い奴がいるんだろう。悪い奴に捕まったら……僕がバトルした密漁者のドラピオンだけど、辛そうには見えなかったんだ。ニンゲンに捕まったら、そのニンゲンの意識に洗脳されちゃうの?」

 ピカチュウ 「う〜ん……難しい質問だね。確かに、ニンゲンには良い人と悪い人がいるよ。でも、きっとそれは“良い心”を忘れてるだけで、大元は、みんな良い人のはずなんだ」

 ブースター 「うん……」

 ピカチュウ 「それはポケモンだって同じさ。悪いポケモンなんていない……。きっと悪い人にゲットされたポケモンは……待ってるんだと思うよ。ご主人が、“良い心”を取り戻すことをね」

 ブースター 「そっかぁ……」

 ピカチュウ 「だからブースター、ニンゲンのこと、嫌いにならないでね。絶対にニンゲンは良い人なんだから」

 ブースター 「……実は僕、迷ってるんだ。ニンゲンにゲットされるかどうか」

 ピカチュウ 「……え?」
 ▼ 239 113 14/10/28 23:33:09 ID:FdmGOMyw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リングマ毒でパワーアップしないってことは根性でも早足でもないのか

てっきり リングマ毒喰らう→根性で大逆転かと思ったのに
 ▼ 240 ロリーム@じてんしゃ 14/10/29 00:01:41 ID:oa/cul2I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
てことはリングマは緊張感か
 ▼ 241 イドリップ 14/10/29 00:15:00 ID:0Z4D4KKw [20/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「僕ね、事故で、右足が動かないんだ。野生として生きていくのも、そろそろ限界かなって思い始めてて」

 ピカチュウ 「そうなんだ……」

 ブースター 「それで、大きな町の病院に行けば、僕を保護してくれる人がいるみたいでさ。……けど、密漁者のこともあるし、正直迷ってるんだ。ニンゲンを信じて、保護されていいのかって」

 ピカチュウ 「うん……なるほどね」

 ブースター 「ピカチュウはどう? 今までニンゲンと一緒に暮らしてて、どんな感じだったの?」

 ピカチュウ 「サト……僕のご主人はね、ポケモンのことを、本当に大切に想ってくれてるんだ。一緒に色んな地方を冒険して、ジムを巡って、ポケモンリーグに出て。仲間もたくさん出来たし、野生のままだったらできないような経験を、ご主人として来たんだ」

 ブースター 「冒険かぁ……」

 ピカチュウ 「そりゃぁ、辛い事だってあったさ。強い敵にぶつかったり、……極論を言うと、死にそうなことだってあったよ。イベルタルってポケモンに石化されちゃってね」

 ブースター 「うわぉ……」

 ピカチュウ 「けどね、ご主人は本当、いつも僕たちのために一生懸命だったんだ。危ないことを差し引いたって、ご主人と過ごした毎日は、とっても楽しかったよ」

 ブースター 「そうなんだ……。僕はピカチュウが羨ましいよ。ニンゲンにゲットされて、そんなに素晴らしい生活を送れて……」

 ピカチュウ 「もちろん、僕がご主人のポケモンになったのは、運が良かったと思うよ。……けど、ニンゲンのことを、もっと信用して良いと思うよ。ポケモンが嫌いなニンゲンなんて、いないはずだもん」

 ブースター 「そっか……ありがとうピカチュウ。参考になったよ」

 ピカチュウ 「どういたしまして!」
 ▼ 242 イドリップ 14/10/29 00:37:14 ID:0Z4D4KKw [21/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「本当に良いニンゲンに巡り合えるかは運だと思うけど、……もう少し、ニンゲンを信用してみようかな」

 ピカチュウ 「うん。是非そうしてよ。それに、保護したいってニンゲンなら、きっとブースターのこと、可愛がってくれると思うよ!」

 ブースター 「……うん」

 ピカチュウ 「ポケモンとニンゲンの関係ってさ、野生のポケモンが思ってるほど、悪いものじゃないんだよ。それだけは、僕が断言する」

 ブースター 「うん。信じるよ」

自分の経験を語ってくれたピカチュウは、本当に活き活きとしていた。その表情が、ニンゲンといて楽しいことを、何より物語っていた。

僕はあの火事から、ポケモンを安全なところに誘導したし、密漁者にも勝つことができた。

僕はあの森で、自分の役目を果たしたんだ。

……それで十分じゃないかな。



 「失礼します。あら、ピカチュウとブースター、起きてたのね」

ニンゲンが入って来た。白とピンクの服を着て……確かこの服は、医者だったと思う。

 「ピカチュウ達、お迎えが来たわよ」
 ▼ 243 イドリップ 14/10/29 00:46:23 ID:0Z4D4KKw [22/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ピカチュウ 「じゃあブースター、僕たちもう行くね」

 ブースター 「うん。いろいろとありがとう。決心がついたよ!」

 ピカチュウ 「うん。ニンゲンのこと、信じて貰えて嬉しいよ」

 プクリン 「皆さん移動するよ〜」

病院の助手のプクリンが、ピカチュウ達のベッドを外に運び出した。……動くんだ、ベッドって。

 ピカチュウ 「じゃあねブースター! 君のこれからの素晴らしい人生を祈ってるよ!」

 ブースター 「ありがとう! ピカチュウもこれから頑張って! またいつか会おうね!」



 「ピカチュウ! 良かったぁ元気になったんだな!」

 「フォッコ! ごめんねフォッコ……怖い目に合わせちゃって……」

 「ジョーイさん……あの子は?」

 「えぇ、あの子は上の病室よ。誰にも見られないように、ね」

 「そうですか……ありがとうございますジョーイさん」

 「いいえ」

 「それじゃあ早く行こうぜ。シトロンとユリーカ、病院で待ちくたびれてぞ」

 「そうね。おいでフォッコ!」
 ▼ 244 イドリップ 14/10/29 00:53:43 ID:0Z4D4KKw [23/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ達のベッドが運び出されて、部屋の中は途端に寂しくなってしまった。

部屋の外からは、再会を喜ぶニンゲンの嬉しそうな声が聞こえる。

あんなにポケモンのことを想ってくれるニンゲンが……世の中には いるんだな。


 ブースター 「……いつから起きてたんだよ」

 リングマ 「……何のことかな」

気が付くと、リングマの腕が微妙に動いていた。案の定、リングマはずっと起きてたんだ。

 ブースター 「僕は……お前のことが嫌いだ。勝手に僕を進化させて、今まで散々いじめてきて。正直うんざりだったんだ」

 リングマ 「……ふん」

 ブースター 「でも……ありがとう。僕を信じてくれて。僕に“フレアドライブ”を撃たせてくれて、本当にありがとう。今となっては、ブースターに進化したこと、後悔なんてしてないからさ」

 リングマ 「勘違いするな。密漁者を倒すためだ。消去法でお前の力を借りただけだからな」

 ブースター 「それでもいいよ。……正直さ、吹っ切れたよ。密漁者を倒して、森の皆を助けることができたんだ。それに、もう諦めてた“フレアドライブ”を撃つことが出来て。もう、あの森に未練は無いかな……」

 リングマ 「ニンゲンに飼われる……ってことか」

 ブースター 「何だよ。やっぱり聞いてたのかよ」

 リングマ 「密漁者と やり合った後に飼われるたぁ……つくづくおめでたい奴だな」

 ブースター 「ほっとけよ!」
 ▼ 245 イドリップ 14/10/29 01:33:26 ID:.KtgE3nE [22/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「さっきのピカチュウどもは特別だろ。あんな生活望んでニンゲンに飼われようなんざ、後悔するに決まってるぜ」

 ブースター 「……いや、僕はピカチュウの言ったことを信じるつもりさ。それに、保護したいってニンゲンの所に行くんだ。きっと大丈夫さ」

 リングマ 「ったく。お前は つくづくバカだな。はじめはいいだろうが、時機にお前みたいな足が悪いポケモンなんざ、飼うのも面倒になるだろ。自分の立場を考えろ」

 ブースター 「さっきから言わせておけば……そんなに僕の人生の邪魔をしたいのかよ!?」

 リングマ 「分からねぇ奴だな……森に残れって言ってんだよ!」

 ブースター 「……えっ?」

 リングマ 「はぁ……。正直、お前のあの“フレアドライブ”のパワーは、認めざるを得ねぇ。お前なんかに賭けたオレもバカらしかったが、お前はその賭けに勝ったんだ。そのパワーは誇れるもんだぜ」

 ブースター 「リングマ……」

 リングマ 「お前はオレと森を守ったんだ。それだけでお役御免でニンゲンに飼われるなんざ、森の他の奴らが聞いたらどうだ? お前の役目は、むしろこれからなんじゃないか?」

 ブースター 「これから……」

 リングマ 「お前をブースターに進化させたことは……謝ってやる。だが、オレはお前のことが嫌いだ。これは変わらねぇ」

 ブースター 「これから、ねぇ……。もう少し、考えさせて貰うよ」

 リングマ 「勝手にしろ」
 ▼ 246 イドリップ 14/10/29 01:35:06 ID:.KtgE3nE [23/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「……で、スピ兄の方はいつから起きてたの?」

 スピアー 「うぐっ……うぅ……森を守った2匹がっ……互いを思い遣って……泣けるじゃねぇかっ……グスッ」

 ブースター 「スピ兄……」

 スピアー 「ブースターの攻撃力と、“フレアドライブ”を撃つって言う強い意識と……リングマは炎に恐れずブースターを撃ち込んで……しかも特性“こんじょう”でパワーアップした状態でだ。お前ら2匹の強い結束で、森は守られたんだぜ……


 リングマ 「……ふん。オレの“こんじょう”を見抜いてやがったか」

 ブースター 「お互い、最大の攻撃を密漁者に撃ち込んだって訳だね」

 リングマ 「……そうだな」

 ブースター 「あとスピ兄、森を守ったのは、僕たち2人じゃないよ。スピ兄を入れた、3匹だよ!」

 スピアー 「ブースター……へへっ。嬉しいじゃねーか!」

 ブースター 「帰ろうよ、みんなで森へ! 自信を持って! 誇りを持ってさ!」


そうだよ。僕たちは、もっと自信を持って良いんだ。

僕たちは、ニンゲンの密漁者に打ち勝ったんだ!
 ▼ 247 イドリップ 14/10/29 01:39:03 ID:.KtgE3nE [24/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>223 >>239 >>240
リングマの特性は“こんじょう”でした。
毒状態の現実的な影響を考えると、「攻撃が上がる=一気に大逆転」とは成り得ませんからね。
 ▼ 248 ッポウオ@ライブキャスター 14/10/29 13:52:53 ID:96WV1HTI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>247
確かに「こんじょう」は攻撃が上がっても毒ダメは受けるからな。
毒が苦しいのに変わりはないんだろう。


リングマ、カッコよかったぜ
 ▼ 249 ヤコマ@おちゃ 14/10/29 17:42:53 ID:clSLbDns NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 250 ガヘルガー@たからぶくろ 14/10/29 21:09:20 ID:SYFfxMJE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 251 ナギラス@おまもりこばん 14/10/29 22:20:31 ID:cM.K8Gpw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 252 イドリップ 14/10/30 01:43:14 ID:.KtgE3nE [25/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
病院からの帰り道。僕は色々なことを考えた。

ニンゲンに保護されることも悪くは無い。あのピカチュウの話を聞いて、ニンゲンにも、ちゃんと良い人がいるって分かったから。

けど、リングマの言葉も引っ掛かる。

僕は密漁者と戦い、勝ったことで、僕があの森でするべき役目を果たしたんだと考えた。

けど、リングマは「これからだ」って言う。これ以上のこと、僕に何が出来るって言うんだろうか。



昨日の大火事の現場に戻って来た。

まだ燻った匂いが充満していて、あまり良い気分では無い。

けど、被害は最小限に食い留めたようだ。爆発した火元の小屋を中心に木々が燃え尽きているけど、その距離は半径25メートルって言ったところか。

そこから外側にだいたい10メートル、木が伐り倒されて、延焼はそこで止まっていた。

ストライク達とハッサム、カイロス、それに、リングマの仲間たちが、延焼を防ぐ目的で大伐採したからだ。

つまり、小屋を中心にだいたい35メートルくらいは被害に遭ったけど、その外側の森は、ほとんど無傷と言う訳だ。

あんなに激しく燃えて、激しく黒煙を吹いていたのに、これだけの被害で収まったのは、ほとんど奇跡と言っていいだろう。

重要なのは、その“奇跡”を、僕たち森に住む野生ポケモン達が引き起こしたと言うことだ。

普段は縄張りを気遣いながら生きている僕たちだけど、ピンチの時はお互い助け合って、本気で問題解決に撃ち込む……。

それが、僕たち野生ポケモンの本性なんだ。
 ▼ 253 イドリップ 14/10/30 02:01:11 ID:Ijb8YYrQ [21/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ハッサム 「おっ! 主役共が帰って来たぞ!」

 バタフリー 「良かった! 皆さん無事だったんですね!」

 キノガッサ 「聞いたよ聞いたよ! みんなが密漁者からこの森を守ったんだってね!」

 ホルビー 「正直凄いと思ったよ。ニンゲンに立ち向かうなんて!」

 コンパン 「そうそう。僕たちだったら、一目散に逃げ出してるよ!」


 ブースター 「みんな……」

小屋のそばの広場には、この森に住むポケモン達が集まっていた。

そして、僕たちは熱烈な歓迎を受けた。いじめっこのリングマも、狂暴だと怖がられていたスピ兄も。

 バタフリー 「みなさん、この森を密漁者から守ってくれて、本当にありがとうございました。代表して、私からお礼申し上げます!」

拍手と歓声が沸き起こった。種族関係なく、ここに集まった野生ポケモンたちみんなから。

 バタフリー 「スピアーさん、リングマさん、ブースターさん。みなさんがいれば、この先ずっと、この森も安全でしょうね!」


僕はハッとした。

そうか。リングマが言ってた「これから」ってのは、このことだったんだ。

僕が生まれてきた役目……、それは、この森を守ること。ずっと守り続けることだったんだ……。
 ▼ 254 イドリップ 14/10/30 02:36:09 ID:Ijb8YYrQ [22/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「なに言ってんだ。火事を消すのに、多くのポケモンが、種族、縄張り関係なく、協力し合った。そして、火事から避難する時も、みんなきちんと指示に従った。オレ達だけじゃねぇ。この森全てのポケモンが協力し合ったからこそ、この森の平和は守られたんだ!」

 リングマ 「ま、自分の住処がニンゲンのせいで無くなるのは気に入らねぇからな。仕方なく戦ってやったんだ」

 スピアー 「お前も素直じゃねーな、リングマ」

 リングマ 「……ふん」

 スピアー 「……ブースター。お前ももっと誇って良いんだぜ?」

 ブースター 「いやぁ。森の皆が無事だったのは、ホント、お互いに協力し合えた結果だよ。それに密漁者と戦ったって言っても、その……リングマのお陰で勝てたんだ。僕が出しゃばる場面じゃないよ」

 スピアー 「お前はそう思ってるかもしれないがな。皆は違うみたいだぜ? お前もいたからこそ、この森は救われたんだ。もっと自信を持て!」

 リングマ 「ま、お前も少しは役に立ったんじゃねーのか?」

 ブースター 「スピ兄……リングマ……」

 スピアー 「ニンゲンに保護されるかどうかは、お前の自由だ。だがな、この森で居場所が無いなんてこと、有り得ないぜ? 大人の姿になって、この森で生きにくいなんてこと、絶対に無いんだぜ?」

 ブースター 「うん……うん……っ!」 グスッ

あれ? おかしいな……?

なんで涙が出て来るんだろう。なんで嬉しいのに……涙が出て来るんだろう。

僕は、この森で必要とされている……。足が動かないなんて関係ない。皆が僕を、受け入れてくれてるんだ……!

 ブースター 「みんな……ありがとうっ!」
 ▼ 255 ノズ@すくすくこやし 14/10/30 17:11:59 ID:ph6OZafc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 256 ルマユ@ていきけん 14/10/30 17:23:55 ID:UMWhQvOE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 257 ラミドロ@ピーピーリカバー 14/10/30 19:31:39 ID:bptOypRs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援age
 ▼ 258 イドリップ 14/10/30 20:12:08 ID:0Z4D4KKw [24/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【エピローグ】


あの事件から、森は少し変わった。

ある程度の縄張り意識は残っているけど、それが少し、寛容になったと思う。

そして、ポケモン達の、スピ兄たちへの恐怖心が和らいだ。少なくとも、見た瞬間に逃げるといったことは無くなった。

これにはスピ兄は喜んでいたけど、ニンゲンは相変わらず、スピ兄を見つけると逃げ出してしまう。果たして、スピ兄がニンゲンと握手できる日は訪れるのだろうか。


僕はと言うと、ニンゲンに保護される道は、ひとまずお預けにした。

相変わらず右足は引きずったままだけど、この森で生きていくうえで、そのハンデは、ほとんど気にしなくていいものになったから。


例のコノハナとビーダルが、僕に絡んでくることは無くなった。と言うより、話しかけることさえ無くなった。

嫌いな相手には無関係でいようといったところかな。僕もその方が気が楽だし、何も困ることは無い。ただ、リングマみたいに一言謝って欲しかった。

そのリングマとも、今となっては会話することなんてほとんどない。けど、会釈くらいはしてくれるし、僕も会釈で返している。

何だかんだで、僕とリングマは、お互いのことを分かり合えたんだと思う。

また何か大変なことが起きたら、自然と、僕はリングマと協力して対処に向かうだろうな。
 ▼ 259 イドリップ 14/10/30 20:12:48 ID:0Z4D4KKw [25/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモン同士の関係は、今の状況が一番良いんだと思う。

関わりたければ関わって、嫌なら互いに無視すればいい。それなら無益な戦いは生まれない。


ポケモンとニンゲンはどうだろう。

少なくとも僕は、ニンゲンをもっと信用しても良いんじゃないかと感じている。

あのピカチュウの言葉もあるけれど、この前、ある出来事が起こった。

街の子供たちが、燃えた森に植林をしに来たのだ。

クスノキや、サカキ、イロハモミジ、それに、貴重な食料となるザロクの木やモモンの木を。

苗木の状態だったから、元の森のようになるまで、20年、30年とかかってしまう。

けど、森を大切に想ってくれているニンゲンが、たくさん居ることを知った。


ニンゲンと野生ポケモンが共生することは、思ったほど、難しいことじゃ無いみたいだ。

種族は違えど、同じ地球に生きているんだ。

確かに悪いニンゲンだっているけど、きっといつか、分かり合える日が来るんだと、僕は信じている。



僕は空を見上げた。
 ▼ 260 イドリップ 14/10/30 20:13:28 ID:0Z4D4KKw [26/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お父さん、お母さん、見てるかな。

僕、成長したんだよ。足が悪くたって、この森の皆に必要とされる存在に、成長できたんだよ。



あの苗木が立派な木になる頃には、野生ポケモンとニンゲンとの関係は、きっと、素晴らしいものになっていると思う。


僕がニンゲンに保護されるのは、それからでもいいんじゃないかな?



僕は前を向いた。

今日は久々に、バク兄が遊びに来るんだ。

僕は集合場所のスピ兄の家へ向けて、ゆっくり歩き始めた。



――― 完 ―――

 ▼ 261 ュゴン@プロテクター 14/10/30 21:00:59 ID:fY3WxUBA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!面白かった!
 ▼ 262 ラチーノ@フレンドボール 14/10/30 22:02:53 ID:5DqKu5u. NGネーム登録 NGID登録 報告
管理人まとめてくれ
頼むぞ
 ▼ 263 ランセル@こうこうのしっぽ 14/10/30 22:08:39 ID:2mw4TKuI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!
 ▼ 264 ッタイシ@さらさらいわ 14/10/30 22:08:49 ID:/V71h/Y2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れ様です!
 ▼ 265 ジョット◆bEJIG/AxsE 14/10/30 23:53:40 ID:ZwZZUdH. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
涙出てきた・・・・
 ▼ 266 ルリル@こうこうのしっぽ 14/10/30 23:58:56 ID:MFO4t3Ic NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いい話だった乙!
結局マンダと戦ってたのは負けそうになったサトシ御一行に加勢したユウキ君のメガラティオスってことでいいのかな?
 ▼ 267 イドリップ 14/10/31 01:44:16 ID:.KtgE3nE [26/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>266
それはカノンのメガラティアスでした。
詳細は以下からどうぞ!
 ▼ 268 イドリップ 14/10/31 01:44:59 ID:.KtgE3nE [27/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【 あとがき @ 】

ブースター「フレアドライブなんてできない……」(副題:僕の生きる道)

――――――――――――――――――――――――

 この度は多くの皆様に当SSを読んでいただき、ありがとうございました。
 これまで支援して下さった皆様、ご意見・ご感想を書き込んで下さった皆様に、心より感謝致します。

 まず、お気付きになった方もいらっしゃるかと思われますが、このSSは、別のSSの別視点作品、いわゆるサイドストーリーとなっています。
 当初は極力それを隠していましたが、>>208 で気付かれてしまいましたね。


 サトシ「アルトマーレ展?」(副題:アルトマーレの護神)
 http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=25338


 上記SSを、周辺に住んでいる野生ポケモン視点で描いたのが、当SSです。

 異なる2視点からのSSを執筆することは当初から考えていたため、2作品がうまくリンクするように、展開を調整しました。

 なので当SSには、「アルトマーレ展」のSSに通ずる、いくつかの伏線を忍ばせておきました。
 せっかくなので、ここで おさらいしてみたいと思います。
 ▼ 269 イドリップ 14/10/31 01:45:50 ID:.KtgE3nE [28/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【 あとがき A 】

 まずは >>91 で、“シャラシティ”が登場します。
 「アルトマーレ展」では、サトシ達のシャラシティ出発後を描いていましたが、さすがにこれだけでピンときた方は、いらっしゃらなかったと思います。

 次に >>126>>155 から、“海沿いの公園で開かれているお祭り”が登場します。
 これこそ「アルトマーレ展」そのものです。

 続いて >>159 から >>166 にかけて、子供たちとピカチュウが登場します。
 これは皆さん気付かれたようで、ピカチュウ連れはサトシ、ポフレをあげたのはセレナ、可愛い可愛い言ってたのがユリーカ、お兄ちゃんと呼ばれていたのがシトロンです。“緑色の服を着た女の子”はカノンで、子供の数が1人多かったのは、彼女が含まれていたからです。

 また >>166 でシトロン役が“バスの時間”と発しています。
 これは「アルトマーレ展」の方でもシトロンが気にしていた会話で、ここでピンときた方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

 その後、 >>189 で登場した、“ニンゲン同士のバトル。”
 これはまさしく、サトシ達がJと戦っている場面で、電気小屋の爆発と、それに伴う火事、黒煙は、当SS内にも登場しています。

 >>198 >>199 でブースターが見た、全く知らないポケモン同士のバトル。
 これは、メガボーマンダとメガラティアスのバトルです。当SSで消火活動、救助活動中に、「アルトマーレ展」の方では、バトルが一気に佳境に突入しています。

 >>203 で密漁者の存在が明らかになり、 >>210 から密漁者が登場しています。
 これはJです。彼女の描写も「アルトマーレ展」で、まだ手持ちに残っていたドラピオンが、当SSで登場しています。

 ラストに、>>235 から >>243 で登場した、ピカチュウをはじめとするポケモン達は、「アルトマーレ展」内でJとバトルした、サトシのポケモンです。

 また、>>243 のニンゲンの会話の中で、“ユリーカとシトロンが病院にいる”ことを示唆しましたが、この時「アルトマーレ展」の方では、実際に2人は病院にいました。

 以上が、「アルトマーレ展」のSSに関連する伏線です。
 皆さんはいくつ気付かれましたか?
 ▼ 270 イドリップ 14/10/31 01:46:31 ID:.KtgE3nE [29/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【 あとがき B 】

 このSSの目的は、“2視点から見るSS”という新しい挑戦をしたかったことが根底にありますが、語りたかった内容は、次の事柄です。

 ・誰しも生まれながら役目を持っている。
 ・ニンゲンとポケモンは、必ず共存できる。
 ・悪役に見られがちなスピアーとリングマを、良い感じのキャラに見せる。

 これらが皆様に伝わったのであれば、このSSを執筆した甲斐があったというものです。


 最後になりますが、>>20 では皆様が不快になるような発言をしてしまい、申し訳ございませんでした。
 今後またSSを書くようなことがあれば、寛容な心を持って進めていきたいと思います。

 その時は……まだ私がやったことのない、【安価SS】に挑戦してみたいと思っています。
 が、それは明日かもしれませんし、当分やらないかもしれません。忙しさと気分次第です。


 それではまたどこかで。
 完結はしましたが、感想やご意見、もし質問などがございましたら、この先もお答えしていきたいと思います。


 ――― おわり ―――
 ▼ 271 ドラン♂@もりのヨウカン 14/10/31 02:02:02 ID:k0Kj8mRU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!
 ▼ 272 ィ@おうじゃのしるし 14/10/31 12:32:52 ID:N8z78qUw NGネーム登録 NGID登録 報告
乙です!スピアーもリングマもいいキャラだったと思います。ブースターもハンデを背負っていながら頑張って生きようとしていて元気づけられました。
 ▼ 273 リルリの人 14/10/31 19:41:45 ID:3tBHgSFE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です!

リングマ、スピアーがア二ポケで活躍する時が来るといいなぁ・・・
 ▼ 274 レセリア@ルームキー 14/10/31 20:43:47 ID:0C9VD1lk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れさまでした
いつも楽しみに読んでました!
スピ兄いいやつやなぁ
 ▼ 275 リーセン@ポイントカード 14/11/01 13:37:14 ID:LorZeYxE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
植えたサカキたちも森になるのかー
 ▼ 276 ヒダルマ@あおいバンダナ 14/11/02 08:08:49 ID:6ILMBmJw NGネーム登録 NGID登録 報告
age
 ▼ 277 ガドダイトス 14/11/02 14:13:31 ID:B8PogYm. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 278 ーナイト@メタグロスナイト 14/11/05 08:58:35 ID:2NE75LlA NGネーム登録 NGID登録 報告
age
 ▼ 279 イキング@エネコのシッポ 14/11/05 19:09:16 ID:wXbB/6LY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まとめあくー
 ▼ 280 ドラ@スピードボール 14/11/10 19:12:42 ID:3tBHgSFE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
age 
 ▼ 281 ロバット@フーディナイト 14/11/14 04:32:31 ID:2Lfqqu1g NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 282 クーン@やみのいし 14/11/14 07:10:20 ID:VFcKn9l2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何故ドラピオンはSSでは悪役にされるのか
 ▼ 283 ガナ大好き◆B3yArQfdHk 14/11/29 23:18:51 ID:yVLlt7dM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白い
 ▼ 284 イドリップ 14/12/03 00:48:02 ID:0Z4D4KKw [27/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【後日談】


朝夕が少し冷え込んできた。

そんな時、僕はブースターに進化して良かったと思える。

首回りのふっさふさな毛と、体から溢れだす熱気。寒さなんて感じることは、まずない。断言する。

そしてそのことが、僕がこの森で生きていく上での新たな役割になるとは、思ってもみなかった。


 オタチ 「ふぁ〜生き返る〜」

 ジグザグマ 「ホント……ブースター君の傍にいると……ホント暖かくて良い……」

 ブースター 「ってジグザグマ、寝ちゃダメだよ! もうすぐ陽が落ちるから!」

 ジグザグマ 「ふぇ〜い……」


そう。寒がりのポケモン達を、こうして温める役割だ。

僕のもふもふは、熱気を帯びて、羽毛布団より暖かい。そんな暖を求めて、いつしか、ポケモン達が僕の家に遊びに来るようになったのだ。

右足が動かない僕にとって、ただここに居るだけで誰かの役に立てるって言うのは、これ以上ない喜びだ。
 ▼ 285 イドリップ 14/12/03 01:15:21 ID:.KtgE3nE [30/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 オタチ 「暖まった〜。ブースター、いつもありがとう!」

 ブースター 「どういたしまして。またいつでもおいでよ!」

 ジグザグマ 「そうさせて貰うよ〜。ここは極楽だよ〜ジグザグマ君」

 ブースター 「へへっ。お役に立てて嬉しいよ」

 オタチ 「じゃあブースター、おやすみ」

 ジグザグマ 「おやすみなさーい。ありがとねー」

 ブースター 「うん。おやすみ」


今日はオタチとジグザグマだけだったけど、多い日には、10匹くらい集まることもある。

枯れた大木の空洞に落ち葉を敷き詰めた僕の家では、10匹ともなると、おしくらまんじゅう状態なんだけどね。
 ▼ 286 イドリップ 14/12/03 01:16:30 ID:.KtgE3nE [31/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「ブースター! おるかー!?」

 ブースター 「その声は……スピ兄! いるよー! どうしたのー!?」


もう夜も近い時間に、スピ兄がやって来た。この時間に来るのは珍しい。

 スピアー 「おぉブースター、ちょいと力を貸してくれ!」

 ブースター 「えっ!? どうしたのその子!?」


家の中に入って来たスピ兄は、とあるポケモンを抱えていた。

長いリボンのような器官を持ち、クリーム色とピンク色が綺麗なそのポケモンは……ニンフィアだ。

何故だか酷くぐったりとしている。


 ブースター 「この子……まさかスピ兄に驚いて気絶しちゃったんじゃ……」

 スピアー 「強ち有り得そうなこと言うな。断じて違う。森の奥で倒れてたんだ。見た感じ怪我とかは無いが、体が冷えてる。ブースター、この子を暖めてやってくれ!」

 ブースター 「分かった。もう少し近くに寝かせて!」

 スピアー 「……この辺で良いな」

 ブースター 「うん!」
 ▼ 287 イドリップ 14/12/03 01:17:59 ID:.KtgE3nE [32/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕はニンフィアに寄り添って、首のもふもふを密着させて、体内で炎を生成させる。

そうすると、もふもふが暖かくなるだけでなく、まわりの空気も暖かくなる。


 スピアー 「はぁ〜。ホント、お前と一緒に居ると暖かくて生き返るわ」

 ブースター 「ふふっ。僕の新たな役割……季節限定だけど、みんなに喜ばれてるよっ」

 スピアー 「良い事だ。つくづく、お前がブースターの姿を受け入れて良かったと思ってる」

 ブースター 「ほとんどスピ兄のお陰だよ」

 スピアー 「へへっ」


 ブースター 「……けど、この子、なんで森で倒れてたんだろう?」

 スピアー 「さぁな。この辺の顔じゃないことは確かだ。……オレが見つけた時は、まだ微かに意識があったんだ」

 ブースター 「そうだったの?」

 スピアー 「あぁ。でもこいつ、オレの姿を見るなり、急に怯えだして、そのまま気絶しやがったんだ。この辺のポケモンなら、少なくともこんな反応しないだろ?」


……確かに。例の密猟者から森を守ったってことで、スピ兄たちも実は良い奴だって、この森のポケモン達は知っている。少なくとも、見ただけで怯えるポケモンはいないだろう。


 ブースター 「えっと……あながちスピ兄がトドメ刺したって言ってもおかしくないよね、それ?」

 スピアー 「ほっとけ」
 ▼ 288 イドリップ 14/12/03 01:19:05 ID:.KtgE3nE [33/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「……うぅぅ……ん……」

 スピアー 「お、気が付きそうだな。じゃあオレは帰る。説明はお前に任せた」

 ブースター 「えっ!? スピ兄が助けたんだから! スピ兄が一緒に居てくれないと……」

 スピアー 「なに言ってんだ。オレの顔見て気絶したんだぞそいつは」

 ブースター 「……確かに」

 スピアー 「ま、同じ種族同士、仲良くやれば良いさ。お前ももう子供じゃないんだ。交尾くらいしたってバチ当たらねーぜ?」

 ブースター 「ここここうび……って! しないよもぉ!」

 スピアー 「ははは! またなブースター! 明日にでも感想聞かせろよ〜」


ケラケラ笑いながら、スピ兄は帰って行った。

 ブースター 「もぉ……スピ兄め……」


 ニンフィア 「う〜ん……あれ……わたし……」

 ブースター 「気が付いたみたいだね」
 ▼ 289 イドリップ 14/12/03 01:20:00 ID:.KtgE3nE [34/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「……ふぇっ!? ここは……あなた誰ですか……? なっ……なんでそんなに私に寄り添ってるんですかっ!? ///」

 ブースター 「僕はこの森に住んでるブースターだよ。きみ、この森で倒れてたんだよ?」

 ニンフィア 「……そっか。私、倒れちゃってたんだ……」

 ブースター 「それで、知り合いのスピアーがここに運んできたんだ。君の体が冷えてたから、僕に暖めてあげて欲しいって」

 ニンフィア 「そうだったんだ……。てっきり襲われるかと思って……死んだふりして……そしたらいつの間にか……」

 ブースター 「ホントに気を失ってたんだね」

 ニンフィア 「悪いことしちゃったかな……私……」

 ブースター 「大丈夫。僕からお礼、言っとくよ」

 ニンフィア 「あっ……ありがとう。……と、それとっ……ブースター君、すっごく暖かいね」

 ブースター 「へへっ。みんなを暖めてあげるのが、僕の役割さ♪ ……それより、君はどうして倒れてたの?」

 ニンフィア 「実は私……捨てられちゃったんだ……」
 ▼ 290 イドリップ 14/12/03 01:44:00 ID:.KtgE3nE [35/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「えっ!? 捨てられたって……ニンゲンにっ!?」

 ニンフィア 「うん……」

 ブースター 「そんなっ! ニンゲンは……みんな良い人だって思ってたのに。悪い人も、良い心を持ってるって信じてたのにっ……!」

 ニンフィア 「あっ……もちろん! 私もニンゲンはみんな良い人だって思ってるよ。 でも……私は、運が悪かったんだな……」

 ブースター 「運、かぁ……」

 ニンフィア 「なんかね、私のご主人様、ドリョクチ? を間違えた〜とか叫んで、急に私のこと、いらないって言いだしたの。そしたらそのまま、空を飛んでっ……どこかへ……グスッ……行っちゃって……グスッ……うわぁぁぁぁん!!!」

 ブースター 「ちょっ……ニンフィア……」

 ニンフィア 「あああぁぁぁぁぁぁんっ……うっ……グズッ……ごめっ……ごめんねブースター君……めいっ……わくっだよね……でもっ……ぅえええぇぇぇぇぇん!!!」

 ブースター 「……ううん。辛い時は、泣くのが一番だよ。涙が枯れるまで泣けば、少しは落ち着くさ」

 ニンフィア 「うっ……グスッ……ありがとっ……ありがとぅブースター君っ……うぅっ……うわぁぁぁぁぁん……!!!」


ニンフィアはしばらく、大声で泣いていた。

僕と同じだね、ニンフィア。現実を受け入れたくなくて、自分じゃどうしょも出来ないんだよね。

安心してニンフィア。スピ兄が僕を助けてくれたみたいに、僕がニンフィアを助けてあげるからね。
 ▼ 291 イドリップ 14/12/03 01:53:00 ID:.KtgE3nE [36/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕はニンフィアに、これまでの僕の人生を語った。


親が事故に巻き込まれて死んでしまったこと。

その事故で、右足が動かなくなってしまったこと。

いじめられていたこと。

炎の石を投げつけられて、望まない、ブースターに進化させられたこと。

スピ兄やバク兄に助けられたこと。

ニンゲンに保護されようか悩んだこと。

密猟者と戦ったこと。

いじめられていたリングマと和解したこと。

ブースターの姿を受け入れたこと。

この森で、僕の役割を見つけたこと。


ニンフィアは僕の話を、大きな瞳をもっとキラキラ輝かせながら、夢中で聞いてくれた。
 ▼ 292 イドリップ 14/12/03 01:54:00 ID:.KtgE3nE [37/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「凄いよブースター君。ハンデを背負ってるのに、それに負けないで……自分の役割を見つけて……逞しく生きているなんてっ」

 ブースター 「うん。けど、それはみんなが協力してくれたからさ。僕一人じゃ、きっと何も出来なかったよ。色んなポケモンの力があって、僕の今があるのさ」

 ニンフィア 「カッコいいな、ブースター君」

 ブースター 「そっ……そんなこと、無いよっ ///」

 ニンフィア 「ふふっ。……ありがとうブースター君。私、落ち着いたよ。いっぱい泣いて。ブースター君に話を聞かせて貰って」

 ブースター 「そっか。良かった。……ニンフィアは、これからどうするつもりなの?」

 ニンフィア 「分からない。生まれた時からご主人様と一緒だったから……野生の世界とかも、ちっとも分からないもん」

 ブースター 「そっか……」

 ニンフィア 「でも……ブースター君の話を聞いて、私も逞しく生きなきゃって思ったの。体も休まったし、しばらく冒険してみようかな〜、って」

 ブースター 「ニンフィアがそう決めたんなら、僕はそれを応援するだけだよ。辛いことがあるかもしれないけど、頑張ってね!」

 ニンフィア 「うん! ありがと、ブースター君っ」
 ▼ 293 アーマン◆ktqECsssk. 14/12/03 01:55:52 ID:7N8A/V8. NGネーム登録 NGID登録 報告
スピアーとバクフーンっていったら
ケンタ思い出すな
 ▼ 294 イドリップ 14/12/03 02:04:30 ID:Ijb8YYrQ [23/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう言うと、ニンフィアは、僕に頬を摺り寄せた。


 ブースター 「あっ……うん……」


暖かい……この感じ……。

メスポケモンに こんなことされたのは、僕にとって初めてだった。

だから、僕は妙にドキドキしてしまった。こんな時、いったいどういう反応をすればいいのか……その反応が見当違いなことで、ニンフィアに嫌がられちゃわないか……とか。いくら考えても、僕には分からないことだった。


 ニンフィア 「おやすみなさい、ブースター君」

 ブースター 「あぁ。おやすみなさい、ニンフィア」


だから、と言うか。

その日は、もう眠ることにした。ニンフィアにとっても、早く眠って、体力を回復した方が良いに決まってる。

スピ兄が言ってた、こっ……交尾なんて論外だ。

そもそも、右足が動かないハンデを持った僕と交尾だなんて、ニンフィアにも申し訳ない。

オスとしての責任を考えれば、当たり前の判断だった。


……まぁ前提として、交尾のやり方、知らないんだけどね。
 ▼ 295 イドリップ 14/12/03 02:06:00 ID:Ijb8YYrQ [24/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝。目が覚めると、ニンフィアは、僕の顔をまじましと覗き込んでいた。


 ブースター 「……ん!?」

 ニンフィア 「あっ……おはようブースター君……」

 ブースター 「お、おはよう……えっと……どうしたの……? ///」

 ニンフィア 「ふぇっ……えっと……その……起こした方が良いのかなぁ……って考えてて……///」

 ブースター 「……あっ! お腹空いたよね? 待ってて。近くにオレンの木があるんだ」


予想外の目覚めに、とてつもなく恥ずかしい感覚が僕を襲う。ニンフィアにそれを悟られないよう、僕は右足を引きずりながら、外へ出た。


 ニンフィア 「あ、待ってブースター君!」

 ブースター 「どうしたの?」

 ニンフィア 「悪いよ。助けて貰ったのに、朝ごはんまで取りに行かせちゃうなんて。私が行ってくる! あ、あそこに見えるオレンだね!」

 ブースター 「あ、いいってニンフィア!」

 ニンフィア 「いいの〜。これくらい私にやらせて。ねっ!」


そう言うと、ニンフィアはオレンの木に向かって走って行った。

今から追いかけても間に合う訳がないし(って言うか走れないし)、ここはニンフィアの好意に甘えることにした。
 ▼ 296 イドリップ 14/12/03 02:07:30 ID:Ijb8YYrQ [25/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ― コツン!


 ブースター 「痛っ……誰だ!?」

何かが、僕の頭にぶつかった。上から落ちてきた物じゃない。水平方向に飛んできたってことは、誰かが僕に、何かを投げつけたことになる。


 ブースター 「……リングマ」


振り向くと、そこにいたのはリングマだった。

偶然会えば会釈くらいはしているが、リングマの方から僕の家の近くに現れるのは、今回が初めてだった。


 ブースター 「これ……モモンの実?」

落ちていた物、すなわち投げられた物の正体は、モモンの実だった。

濃くて綺麗なピンク色をしている。自然界では珍しく、形が崩れていない……完璧なハート形をした、モモンの実。


 リングマ 「……ふんっ」 ニヤッ


リングマは鼻を鳴らし、意味深な笑みを残して、立ち去って行った。


 ブースター 「……違うぞリングマ! 僕たち、そういう関係とかじゃないからな! 何にもしてないからな! おーいリングマぁぁぁ!!!」
 ▼ 297 イドリップ 14/12/03 02:08:30 ID:Ijb8YYrQ [26/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「お待たせブースター君。……どうしたの?」

 ブースター 「あっ……いや、何でもない」

 ニンフィア 「そう? じゃあ、一緒に食べよ?」


ニンフィアは、リボンいっぱいにオレンの実を抱えていた。

彼女の笑顔も相まって、とても可愛らしく見えた。

……思わす顔を反らしてしまうほど。


こんな可愛い子と一緒に食べる朝ごはんは、今まで食べたどの朝ごはんよりも、ずっと美味しかった。
 ▼ 298 イドリップ 14/12/03 02:09:30 ID:Ijb8YYrQ [27/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
楽しい朝食の時間はあっという間に過ぎてしまった。

ニンフィアは、もう出発するらしい。


 ニンフィア 「それじゃあブースター君。色々とありがとうございましたっ」

 ブースター 「そんな。なにって大したことしてないよ。……それより、くれぐれも気を付けて、冒険してね」

 ニンフィア 「うん。冒険なんて大袈裟だけど……この冒険を通じて、私のこれからの未来を考えるんだっ」

 ブースター 「良い事だと思うよ、すっごく。応援してるからね!」

 ニンフィア 「ありがとうブースター君っ! それと……」


ニンフィアは、長いリボンを、僕の右足に優しく巻き付けて、言った。


 ニンフィア 「ブースター君の右足が、動くようになりまうようにっ……」


 ブースター 「ニンフィア……」

 ニンフィア 「ふふっ。私からの おまじない。ブースター君の健康と幸せを、陰ながらお祈りしています……ってね!」

 ブースター 「っ……/// ありがとう、ニンフィア!」

 ニンフィア 「えへへっ ///」
 ▼ 299 イドリップ 14/12/03 02:11:00 ID:Ijb8YYrQ [28/28] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニンフィアは、元気よく去って行った。

昨日、大泣きする前とでは、表情が大分変っていた。吹っ切れたのかな、ニンフィア。


……あんなに可愛い子を捨てるトレーナーがいるなんて、正直、驚きだ。

前に会ったピカチュウのように、本当に大切にしてくれるニンゲンもいれば、ニンフィアのご主人みたいに、信じられないニンゲンもいる。

正直、ニンゲンの本当の姿がどういうものなのか、分からなくなって来た。


でも、ある意味ニンフィアは、良かったと思う。そんな酷いニンゲンの元を離れることができて。

そして、見知らぬ世界へと冒険して、新たな自分を見つけようとしている。

……うん。前向きに生きて行けば、きっと良い事があるさっ。


僕は大きく深呼吸して、スピ兄の家へと向かった。ニンフィアからのお礼を、きちんと伝えないと。

なんだかとっても気分が良い。心なしか、右足が軽くなったような気がする。


けど、あぁ……交尾のネタを出されるのかと思うと、足取りは重いや。

リングマも絶対に何か誤解してるはずだし……しばらくは穏やかな生活は出来ないかもな。


はははっ……。
 ▼ 300 ジョット使い◆bEJIG/AxsE 14/12/03 02:15:07 ID:JD1fVrpI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援
何て言ったらいいのかわからんほど嬉しい!!
 ▼ 301 トベター@ダウジングマシン 14/12/03 02:32:54 ID:2mw4TKuI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 302 ラーチβインクロシア◆bofbP1QQ9k 14/12/03 02:33:25 ID:TJFMP6oc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 303 テトプス@ものしりメガネ 14/12/03 19:32:41 ID:RK3fLi6s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 304 ンレム◆RAZWF4W1NQ 14/12/03 21:40:07 ID:PTVzyaME NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>44
これ訂正する
まとめなさい
 ▼ 305 イマーボール◇ディアルガ 14/12/14 11:59:39 ID:mntp4Qsg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
素晴らしかった
後日談に廃人のことが書いてあって
www
 ▼ 306 ァイアロー@ポイントアップ 14/12/15 21:23:36 ID:uhUj19PM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
多くの人に読んで欲しいから

age
 ▼ 307 タグロス@とけないこおり 14/12/15 23:55:54 ID:xbnpgKHE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 308 ーテング@おおきなしんじゅ 14/12/16 00:27:58 ID:3bGX.6so NGネーム登録 NGID登録 報告
あげあげ
 ▼ 309 イドリップ 14/12/16 03:05:00 ID:9yeO4Bak [15/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>> ALL

久々に覗いてみたら、多くのご支援、ありがとうございます!
少しだけ、続きを書こうと思います。
 ▼ 310 イドリップ 14/12/16 03:06:00 ID:9yeO4Bak [16/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから1か月が経って、朝晩の冷え込みは日に日に厳しくなっていく。

そうなると、ますます僕の役割は重要になってくる。

寒さが苦手なポケモンを暖めてあげるという、僕の役割。今日は8匹が、僕の家で暖をとっていた。


 オタチ 「暖かい……帰りたくない……」

 ジグザグマ 「極楽……帰りたくない……」

 ミネズミ 「生き返る……帰りたくない……」

 ナゾノクサ 「気持ち良い……帰りたくない……」

 マダツボミ 「細身に暖が沁みる……帰りたくない……」

 ツチニン 「土より良い……帰りたくない……」

 テッカニン 「羽の癒し……帰りたくない……」

 ヤヤコマ 「熱気が堪らん……帰りたくない……」


 ブースター 「寒さから現実逃避してるところ悪いけど、もうすぐ日が暮れるよ」
 ▼ 311 イドリップ 14/12/16 03:06:30 ID:9yeO4Bak [17/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕の傍にいてくれるのは全然かまわないけど、家に帰らないと、家族が心配してしまう。

……家族がいなくなってしまった僕だからこそ分かる。


 ブースター 「ほら、みんな……」


みんなの家族に心配をかけるようなことはしたくない。

みんなを帰路に着かせようと声を上げた、その時だった。


 *** 「あの……えっと……失礼します……」


僕の家の前で、透き通るような声が響いた。

 ブースター 「えっ……?」


聞き覚えのあるその声に、僕は右足を引きずりながら、家の外に出る。

そこにいたのは……やっぱり、先月会ったニンフィアだった。
 ▼ 312 イドリップ 14/12/16 03:07:30 ID:9yeO4Bak [18/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「ニンフィア!?」

 ニンフィア 「えへへっ……ブースター君、お久しぶりですっ」

 ブースター 「ホント久しぶりだね! 冒険はもう終わったの?」

 ニンフィア 「うん。終わったんだ」

 ブースター 「ってことは、ニンフィアが生きていく道、見つかったんだねっ」


あの時、ニンフィアは言った。冒険を通じて、自分の未来を考える、って。

要するにニンフィアは、自分の生きる道を見つけたと言うことだ。良かった。本当に良かった。


 ブースター 「おめでとうニンフィア! それと、ありがとう。わざわざ報告しに来てくれて。ニンフィア、これからどうすることにしたの?」

 ニンフィア 「うん。えっとね……私……そのっ……」

 ブースター 「?」


ニンフィアは少し俯き加減でモジモジしている。どうしたんだろう。ニンフィアがこれから生きる道……恥ずかしい事なんてないのに。
 ▼ 313 イドリップ 14/12/16 03:08:31 ID:9yeO4Bak [19/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「わたし……ブースター君の傍にいたいのっ ///」


意を決したかのように、ニンフィアは ハッキリと言った。

……けど、一瞬僕は、ニンフィアの言った意味が分からなかった。


 ブースター 「……え?」

 ニンフィア 「んっとね、私、1か月冒険している間、ずっとブースター君のことが頭から離れなくて……でもでも、野生として生きていくって決めて……その……あぅぅ ///」


ニンフィアの顔が、どんどん赤くなっていき、言葉を詰まらせた。


 ブースター 「ニンフィア……」

 ニンフィア 「わたしっ……ブースター君に助けて貰って……そのっ……頑張ってるブースター君に勇気を貰って……貰って……わたしねっ! ブースター君のことが……好き……です……」


どんどん声のトーンが落ちていくニンフィアだけど、僕は彼女の最後の言葉を、しっかりと耳にした。

少し遅れて、とんでもない恥ずかしさが、僕の体の中から溢れ出てきた。


 ブースター 「ふゎっ……にっ……ニンフィア……?」
 ▼ 314 イドリップ 14/12/16 03:09:30 ID:9yeO4Bak [20/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕とニンフィアは、しばらく無言で見つめ合っていた。

たった数秒かもしれなかったし、数分経っていたかもしれない。とにかく、僕はニンフィアの言葉を聞いて、頭の回転が止まってしまっていた。



 オタチ 「それじゃあ……」

 ジグザグマ 「僕たちは……」

 ミネズミ 「このへんで……」

 ナゾノクサ 「失礼するよ!」

 マダツボミ 「おふたりさんっ……」

 ツチニン 「どうぞお幸せに……」

 テッカニン 「お邪魔な私たちは……」

 ヤヤコマ 「さっさと帰るよ! それじゃあね!」



……そうだ忘れてた。みんながまだ居たんだ!

みんなは機敏な動きで僕の家から立ち去った。さっきまで ぬくぬくしてたのに、どこからそんな力が湧いて出たって言うんだよ!?
 ▼ 315 イドリップ 14/12/16 03:11:00 ID:9yeO4Bak [21/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「ちょっ……みんなっ!」


僕が呼んでも、誰も振り返らなかった。

いまここにいるのは、僕とニンフィアだけだ。


 ニンフィア 「えっと……」


ニンフィアも困惑してしまっている。こんな恥かしい所を見られてしまっては当然か。


少し間を置いて、僕はニンフィアをしっかり見つめて、言った。とても恥ずかしいけど、勇気を出して言った。


 ブースター 「ニンフィア、その……いいの? 僕なんかで? 右足が動かない僕なんかじゃ、ぜったいニンフィアに迷惑かけちゃうよ?」

 ニンフィア 「あっ……うん! いいの! ブースター君が良いのっ! ///」

 ブースター 「えっ?」

 ニンフィア 「私ね、足が動かなくても、一生懸命なブースター君が凄いって思って……私を助けてくれて……暖めてくれて……色んな話を聞かせてくれて……うまく言えないんだけど、そのっ、すっごく助かったの! だから今度は……私がブースター君を助けたいの」

 ブースター 「そんな大げさだよっ。僕はそんなたいしたこと……」
 ▼ 316 イドリップ 14/12/16 03:12:30 ID:9yeO4Bak [22/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「ううん。そんなことない。……私ね、心のどこかで、まだご主人のこと、諦めきれてなかったんだ」

 ブースター 「ニンフィアを捨てたトレーナーを?」

 ニンフィア 「……うん。一緒に生活して、特訓して、バトルした日のこと……今でも思いだすんだ」

 ブースター 「そっか。辛いよね、そんな経験……」

 ニンフィア 「うん。……でもね、この前、すっごく優しいニンゲンと出会ったの」

 ブースター 「優しいニンゲンに?」

 ニンフィア 「うん。男の子だったんだけどね、悪い人に襲われてたみたいで、私と一緒に、その悪者とバトルしたんだ」

 ブースター 「悪者って……大丈夫だったの?」

 ニンフィア 「うん。その子ね、すっごくバトルが上手くて、……思いだしちゃったんだ。ご主人とのバトルを」

 ブースター 「うん……」

 ニンフィア 「まるで、ご主人とバトルしてたみたいで……。でもね、私ハッとしたんだ。この子はご主人じゃないって。私は捨てられたんだって……」

 ブースター 「ニンフィア……」

 ニンフィア 「それで、けじめを付けたんだ。そのバトルが、私がニンゲンと協力する、最後のバトルだって。もうこれから、私は野生なんだって」

 ブースター 「そっか。……覚悟を決めたんだね、ニンフィア。凄いことだよ」

 ニンフィア 「ふふっ。……それとね、もう一つ、覚悟を決めたんだ。自分の気持ちに素直になろうって」
 ▼ 317 イドリップ 14/12/16 03:16:30 ID:9yeO4Bak [23/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「自分の気持ちに……?」

 ニンフィア 「うん……」

 ブースター 「それって……」

 ニンフィア 「もぉ /// 何度も言うと恥ずかしいよぉ」

 ブースター 「あっ……ゴメン。でも、本当に僕なんかで……」

 ニンフィア 「ブースター君!」

 ブースター 「あっ……はい?」

 ニンフィア 「えっとね……私は、ブースター君のことが、……好きです。ずっと一緒にいたいです。ブースター君の傍にいて、ブースター君を支えてあげていですっ!」


ニンフィアは真っ赤になりながら、はっきりと、けど、ちょっと ぎこちなく言った。片言の敬語が、それを物語っていた。


……これは、夢なんだろうか。

こんなに可愛い子が、僕のことを好きだって。足が悪いこんな僕を、支えてくれるって……。


 ブースター 「夢じゃ……ないんだよねっ……」 グスッ

 ニンフィア 「えっ?」

 ブースター 「本当にっ……良いんだねっ……グスッ……僕なんかでっ?」
 ▼ 318 イドリップ 14/12/16 03:17:00 ID:9yeO4Bak [24/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何故だろう。涙が止まらない。

ニンフィアの前だって言うのに、男が女の子の前で泣き出すなんてっ……おかしいじゃないかっ……!


その時、ニンフィアのリボンが、僕の体を優しく包み込んだ。

それと同時に、ニンフィアが僕の傍に近付いて、彼女の額が、静かに、僕の額と触れ合った。

 ニンフィア 「ブースター君。夢じゃないんだよ。私、本当に、本当にブースター君ことが好き。初めて会った時から、たぶん、もう好きになってたと思うの」

 ブースター 「ニンフィアっ……」

 ニンフィア 「一生懸命生きているブースター君が、すっごく眩しく見えて。私を暖めてくれたブースター君が、すっごく頼もしく見えて。初めてだよ? こんなこと感じたの。ブースター君だけなんだよ?」

 ブースター 「グスッ……ごめっ……ごめんニンフィア……みっともなくてっ。僕っ……お父さんとお母さんがっ死んじゃってから……ずっと一人で暮らしてて……スピ兄とか優しくしてくれるけどっ……ホントはっ寂しくてっ……」

 ニンフィア 「うん。でももう大丈夫だよ。私がずっと一緒。これからは、ずっと一緒だよ?」

 ブースター 「うぅっ……ありがっ……グスッ……ありがとっ……ニンフィアっ!」
 ▼ 319 イドリップ 14/12/16 03:18:00 ID:9yeO4Bak [25/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
情けないよ、僕。

ニンフィアのリボンに包まれながら、僕は泣いた。声を上げて、泣いた。

この森での役目を見つけて、この森で一人で生きていくことを決めたのは自分だけど、本当は寂しかったんだ。

いくらみんなが遊びに来てくれるからって、僕の家族はもういない。本当は一人ぼっちだったんだ。


……でも、もう違うんだよね? 僕はもう、一人じゃ無いんだよね?

体の中から込み上げてくる、よく分からないもの。それが涙と泣き声になって、僕の中から飛び出していく。

……あぁ。こんなに貯め込んでたんだな、僕。

自分でも分からなかった。こんなに寂しかったんだな、僕……。


 ニンフィア 「ブースター君っ。辛い時は、いっぱい泣いた方が良いんだよね?」


ニンフィアは、笑顔で言った。

それ、僕の言葉じゃないか。……あの時と立場が逆転しちゃったな。

ありがとう、ニンフィア。僕、いま、すっごい幸せだよ。
 ▼ 320 イドリップ 14/12/16 03:20:00 ID:9yeO4Bak [26/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「グスッ……ッ……ニンフィア?」

 ニンフィア 「ん? なぁに?」

 ブースター 「みっともないとこ見せちゃったけど、僕も、ちゃんと言わなくちゃいけないよね?」

 ニンフィア 「えっ?」

 ブースター 「僕も、ニンフィアのことが好き。1か月前に別れた時、ニンフィアには幸せになって欲しいって願ってた。……足が動かない僕だけど、ニンフィアのこと、絶対に幸せにして見せる! 迷惑かけちゃうかもしれないけど、ニンフィアのこと、絶対に幸せにするからっ! だからっ! 僕と一緒にいて欲しい!」

 ニンフィア 「えへへっ……はいっ! ///」



僕とニンフィアは、静かに、キスをした。

自分でも驚くほど、体が自然と動いて、……ニンフィアも、受け入れてくれた。


僕は、本当の意味で、一人ぼっちじゃ なくなったんだ。

ニンフィアと言う、心境が似ている可愛い子が、僕の全てを受け入れてくれたんだ。

本当に……夢じゃないんだよね、これ?


その夜、僕とニンフィアは、以前よりももっと寄り添って、一緒に眠った。
 ▼ 321 イドリップ 14/12/16 23:30:58 ID:9yeO4Bak [27/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝。


目を開けると、ニンフィアが静かに寝息を立てていた。

良かった。夢じゃなかったんだ。

こんなに可愛い子が、僕のことを想ってくれているなんて、今でも信じられない。

トレーナーに捨てられて、心に傷を負っているのに、僕の傍にいることを選んでくれたニンフィアが、愛おしくて、有難くて、嬉しくて堪らない。

……僕はニンフィアを、幸せにする義務が生まれたんだ。絶対にこの子を、幸せにしてみせるんだ!


 ニンフィア 「……おはよ、ブースター君っ」

 ブースター 「あ、おはようニンフィア」

 ニンフィア 「えへへっ……一緒に寝たの2回目だけど、なんだか恥ずかしいねっ ///」

 ブースター 「あっ……うん ///」


確かに恥ずかしいよ。慣れるまで……少し時間がかかるかもな。
 ▼ 322 イドリップ 14/12/16 23:40:00 ID:9yeO4Bak [28/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「朝ごはん……この前みたいに一緒にオレンの実を食べよっ。私が採ってくるから!」

 ブースター 「あっ……悪いよ! 今回は僕が……」

 ニンフィア 「いいのっ。私、ブースター君の役に立ちたいんだもん。私が行くから、ブースター君は待っててね!」


そう言うと、ニンフィアは外に飛び出していった。当然、僕の体では追いかけることは出来ない。

 ブースター 「ふふっ。嬉しいよ……本当に嬉しいよ、ニンフィア……」


――――――――――――――――――――――――――――――


 ニンフィア 「あなたたち……誰ですか?」


……と、ニンフィアの声が聞こえた。

誰かいるのか? ニンフィアの声の感じから、切迫した状況じゃないってことは分かる。


 ブースター 「どうしたのニンフィア?」


右足を引きずりながら外に出てみると……そこには、何のことはないメンバーが、顔をそろえていた。
 ▼ 323 ティアス こころのしずく 14/12/16 23:43:47 ID:FT2o.9zY NGネーム登録 NGID登録 報告
アルトマーレ展

これ

DVD

ポスター

これ
かな?
 ▼ 324 イドリップ 14/12/16 23:52:01 ID:9yeO4Bak [29/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「スピ兄! それにバク兄! ついでにリングマも?」


 リングマ 「ついで扱いとは舐められたもんだな」

 スピアー 「まぁまぁリングマ。そう言うなって」

 バクフーン 「ほぉ。お嬢ちゃんがブー太郎の……別品さんに気に入られたんやなぁ〜」


 ニンフィア 「お知り合い?」

 ブースター 「うん!」


僕はニンフィアに、この3人のことを説明した。

いつも僕を支えてくれているスピ兄。

僕に炎技の極意を教えてくれたバク兄。

会話こそないけれど、僕のことを認めてくれたリングマ。


みんな、僕がブースターとしてこの森で生きていく道を作ってくれたメンバーだ。
 ▼ 325 イドリップ 14/12/17 00:02:00 ID:0Z4D4KKw [28/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「……でも、何でみんなここに? 特にリングマも来るなんて、相当珍しいと思うんだけど」


スピ兄はいつものことだけど、リングマが僕の家に来るのは、本当にレアケース。バク兄だって、住んでいる森が違う訳で、わざわざ来てくれたってことは、何か重要なことがあるのだろうか。


 スピアー 「なに言ってんだよ。お前らのお祝いに来たんだぜ!」

 ブースター 「えっ!?」

 ニンフィア 「あっ…… ///」

 バクフーン 「そやでブー太郎! ワイの教え子が結婚する言うたら、祝いに来るんは当たり前やないかぁ!」

 ブースター 「けっ……結婚!?」

 バクフーン 「蜂の助が文字通り飛んで来たんやで。ブー太郎が結婚するから祝ってやろぉ、っちゅーてな」

 ブースター 「スピ兄! 結婚なんて……そんな気が早いと言うか……」

 スピアー 「ん? 違うのか? そのニンフィア、これからお前の傍にいるんだろ? なら結婚同然じゃないかぁ」

 バクフーン 「そやそや」

 ブースター 「けっ……けど! まぁそれは置いといて、何で知ってるの!? ニンフィアが来たこと……」

 スピアー 「ストライクから聞いたんだ。そのストライクは、テッカニンから聞いたみたいだけどな」

 リングマ 「オレはオタチとミミロップの立ち話を小耳にはさんでな」

 ブースター 「(はっ! 昨日僕で暖まってた皆だ……)」
 ▼ 326 イドリップ 14/12/17 00:30:00 ID:0Z4D4KKw [29/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……そう。どうやら、昨日ニンフィアとの会話をニヤニヤしながら聞いていたジグザグマたち8匹が、僕とニンフィアの噂を広めているらしい。


 ニンフィア 「ブースター君……」

 ブースター 「うぅっ……これ、今頃もう森中に知れ渡ってるんだろうなぁ……」


僕は頭を抱えた。静かにニンフィアと暮らせるのかと思った矢先にコレだよ……。


 スピアー 「まぁそう嘆くなよ、ブースター」

 ブースター 「スピ兄……」

 スピアー 「お前はブースターとして、この森で生きていく道を掴んだ。森の連中も、お前を必要としている。それは間違いない。そんなお前のことを、そのニンフィアは気に入ったんだ。恥じることは無いぜ。堂々とイチャつけば良いじゃないか。からかったり、妬んだりする奴はいないと思うぜ?」

 ブースター 「スピ兄……」

 バクフーン 「そやで。そのお嬢ちゃんがブー太郎に惹かれたっちゅーのも、ある意味自然な流れや。足が悪ぅても一生懸命なブー太郎を良い奴ゆうてるポケモン、けっこうおるんやで。ブー太郎はもっと自信を持ってえぇ。断言しちゃる!」

 ブースター 「バク兄……」

 リングマ 「オレはお前のことが嫌いだ。話すのも面倒くせぇ。……けど、おめでた は おめでた だ。祝ってやるぜ」

 ブースター 「リングマも……」
 ▼ 327 イドリップ 14/12/17 00:40:00 ID:0Z4D4KKw [30/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「あのっ……みなさん、ありがとう。私も嬉しいっ。私が好きになったブースター君が、こんなに沢山のポケモンに認められてて。本当に……本当にっ……グスッ……」

 スピアー 「おいおい泣くとこじゃないぞニンフィア。ここは笑う所さ。ブースターと家族になれたことを!」

 ブースター 「家族……!」

 バクフーン 「結婚っちゅーたら家族も同然やろ?」


スピ兄とバク兄の言葉が、僕の心にしっとりと響いた。もう一人ぼっちじゃないという実感が、改めて、僕の心を満たしていく。

そして何より、思った以上に多くの皆が、僕のことを認めてくれていたと言う事実に気付かされた。

それがたまらなく嬉しくて、涙が零れ落ちそうになったけど、ぐっと堪えた。もうニンフィアの前で涙を見せるのは みっともないし、スピ兄の言う通り、今は泣く場面じゃ無い。……笑う場面なんだ。


 リングマ 「ふんっ。せいぜい子作りは計画的にな! それだけ言いに来た。あばよ!」


そう言うと、リングマはゆっくりと、森の奥へと歩いて行った。


 ブースター 「あっ……ありがとうリングマ! 僕だってお前のこと嫌いだけどっ……ありがとう!」


リングマは振り返らずに、右手を大きく振った……と思ったら、背伸びのポーズを取った。

ははっ……誤魔化したつもりなのかな、リングマ。きっと本心では、僕のこと本当に祝ってくれてるんだろうな。

ありがとうリングマ。僕がお前のこと本当は嫌いじゃないって、気付いてくれてるよね?
 ▼ 328 イドリップ 14/12/17 00:50:00 ID:0Z4D4KKw [31/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ほな蜂の助。これ以上、若い奴の邪魔すんのは野暮っちゅーもんや。ワイらも帰るで」

 スピアー 「そうだな」

 ブースター 「そんな……大丈夫だよ2人とも!」

 ニンフィア 「そうですよっ。せっかく来て貰ったのに……」

 バクフーン 「ええんやええんや。若いもん同士、甘い時間を過ごすんやな!」

 スピアー 「ブースター。オレは嬉しい。弱々しいイーブイだったお前が、こんなに立派に成長して、こんなに可愛らしいお嫁さんを貰って。絶対にニンフィアを幸せにするんだぞ! たまに覗きに行くから、その時ニンフィアが悲しんでたら承知しねーからな!」

 ブースター 「バク兄……スピ兄……はいっ! ありがとう! 本当にありがとう!」

 ニンフィア 「ありがとうございますっ! ブースター君のこと しっかりサポートするので、安心して下さいねっ!」

 スピアー 「はははっ。……じゃあな! 落ち着いたらオレの家にも遊びに来いよな!」

 バクフーン 「ほな、さいなら!」


バク兄とスピ兄も、ゆっくりと森の奥へと消えて行った。


あの2人には、感謝してもしきれない。なんだって、こんなに僕の心を癒してくれるんだろう。僕が何を思って、何に悩んでいるのか、2人にはお見通しなんだろうな。

僕は、姿が見えなくなるまで、2人の背中を見送った。
 ▼ 329 イドリップ 14/12/17 01:05:30 ID:.KtgE3nE [38/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ニンフィア 「ブースター君っ」

 ブースター 「ん?」

 ニンフィア 「ブースター君、本当に良い知り合いがいるんだね。羨ましいよ」

 ブースター 「へへっ。ありがとニンフィア。ホント、僕なんかには勿体ないくらいだよ、スピ兄もバク兄も」

 ニンフィア 「リングマも……でしょ?」

 ブースター 「……お見通しだねっ」

 ニンフィア 「えへへっ。分かるよそれくらい!」

ニンフィアは、子供みたいな眩しい笑顔を見せてくれた。


 ブースター 「……ニンフィア」

 ニンフィア 「ふぇ?」

 ブースター 「改めて、ありがとう。僕の傍を選んでくれて、ありがとう。……これからよろしくね! ずっと、ずっとずっと!」

 ニンフィア 「ふふっ。私の方こそっ。ブースター君の傍から絶対に離れないもん。絶対に。覚悟してねっ ///」

 ブースター 「ははっ……勿論さっ!」


ニンフィアには、確実に、これから迷惑をかけてしまうと思う。右足が動かない僕にとって、それはどうしても避けられない事実だ。

だからこそ、僕はそれ以上に、ニンフィアのことを幸せにしてみせる。こんな僕を好きになってくれたニンフィアに、感謝の気持ちを込めて。それが僕の、新しい役目だ。
 ▼ 330 イドリップ 14/12/17 01:10:00 ID:.KtgE3nE [39/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニンフィアが居てくれて、スピ兄やバク兄が僕のことを評価してくれて、リングマが僕のことを本当に認めてくれて。


……なんだよ。一人ぼっちって思ってたのは、僕の勘違いだったのかもしれない。

こんなに沢山の仲間が、僕を支えてくれてるんだ。

こんなに沢山の仲間が、僕を評価してくれてるんだ。


足が動かなくなった時の絶望感、ブースターに進化した時の絶望感が、今となっては嘘のように、消えてなくなっていた。

もしかするとこれが、生まれながらにして定められた、僕の人生だったのかもしれない。

お父さんとお母さんの事故死と、右足の怪我と、ブースターへの進化。それらをしっかり受け入れたことが、僕の本当の人生のスタートなのかもしれない。


 ブースター 「ニンフィアっ」

 ニンフィア 「ん? なぁに?」

 ブースター 「僕、すっごい幸せだよっ!」


そうさ。

幸せな僕の本当の人生は、まだまだ始まったばかりだ。



   ― 後日談、完 ―
 ▼ 331 ジョット使い◆No3gqeFKsg 14/12/17 01:10:53 ID:ECIGKGtM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れ!!!
 ▼ 332 イドリップ 14/12/17 01:11:11 ID:.KtgE3nE [40/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
長くなりましたが、ここで本当に完結です。


ブースターが幸せな人生を歩んでいくことを伝えたく、この【後日談】を執筆しました。

ここまでのご支援、本当にありがとうございました。


なお、ニンフィアの冒険中の一コマを、以下のSSで描いてみました。よろしければご覧ください。

http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=39344


それでは。
 ▼ 333 クタン@ジュペッタナイト 14/12/17 01:13:04 ID:X1KWOuY2 NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れ様です。(*´∀`)
凄く感動しました。( TДT)
 ▼ 334 ジョット使い◆No3gqeFKsg 14/12/17 01:13:50 ID:ECIGKGtM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
全部の物語が繋がってるからすごいよなー
 ▼ 335 クホーク@ポケモンのふえ 14/12/17 01:26:08 ID:xxAY4vAo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れ様!
気分良く寝れるわ
 ▼ 336 ウカザル@あかいバンダナ 14/12/17 03:45:12 ID:Dd7GEaAY NGネーム登録 NGID登録 報告
おつかれ!
 ▼ 337 アーマン◆vWHlvCIUnU 14/12/17 03:51:17 ID:dHbMCq3I NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れ様!
 ▼ 338 ャロップ@ヒールボール 14/12/19 16:11:35 ID:fCyMJIS2 NGネーム登録 NGID登録 報告
乙でした!

ブースターとニンフィアが幸せになって良かった。
 ▼ 339 ンダース@マグマブースター 14/12/24 20:27:50 ID:GgEKR5I. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ!
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