▼  |  全表示525   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【長編SS】サトシ「オレに妹ができた」

 ▼ 1 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/25 21:23:55 ID:cW1fxHtY [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

あなたにとって、ポケモンとは何ですか?


ポケモンにとって、あなたとは何ですか?


家族?友達?仲間?



------------------------これは、不思議な魔法にかけられた、可愛い可愛いポケモンと、


そのポケモンとドタバタでハチャメチャな暮らしをするハメになった、可哀想な可哀想な少年の物語です。



物語の主人公、少年の名はマサラタウンのサトシ。サトシの夢はポケモンマスターになること!



「みんなもポケモン探しに、ゼンリョクでいこうぜ!!」
 ▼ 2 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/25 21:24:31 ID:cW1fxHtY [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第1話(全15話)   「3日前のお昼に助けていただいたポケモンです」
 ▼ 3 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/25 21:26:35 ID:cW1fxHtY [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここは、アローラ地方・メレメレ島。サトシ達はこの日、町はずれの道路でいつものように特訓をしていた……


サトシ「よぉし!休憩だピカチュウ。みんなもお疲れ様!」

ピカチュウ「ピカチュ〜」グデー

ロトム「技の映像はバッチリ記録したロト!早速確認ロト!」

サトシ「おう!」

----------------------------------------

サトシ「んー、まだまだ全員伸びしろがあるなぁ。こりゃ将来楽しみだ……さてと、折角だしお昼にしようか」

ニャビー「んにゃ?」

サトシ「じゃじゃーん!コロッケサンド!」

ロトム「おっ、サトシの好物ロト」

サトシ「ニャビー、お前と初めて会った時はオレの手からこれをブン取っていったよな?」

ニャビー「にゃぶ……」

サトシ「いやいや、もう怒ってないよ!でも思い出すんだよ。オレがこうやって誇らしげにコロッケサンド持ってたらさ……」

ロトム「……やっぱ、根に持ってるロト?」


???「……」

???「……むぅ」ジュルリ


サトシの背後の茂みからひょっこり現れた可愛いらしいポケモン。

ポケモンはサトシ達が話に夢中なのをいいことに、ゆっくり近づいてくるぞ。


???「……」ジリジリ


サトシ「バクーーーって!ホラ!こうやってコロッケサン……」

ロトム「わかったから早くみんなに配るロト!」

サトシ「あはは、ごめん。でもあの出会いはこれからもずっと忘れないだろうし……」


パシッ!


サトシ「そうそう、こうやってオレの手からパシっと……」


ピカチュウ「…………」

ニャビー「…………」

ロトム「…………」
 ▼ 4 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/25 21:28:40 ID:cW1fxHtY [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「こうやってコロ……ッケ……サ……ン…………」


サトシ「ど ど ん が ど ー ー ー ー ー ー ん ! ? ! ?」ガビーン



???「!」シュタタタタ

サトシ「どぇーい!待たんかーーい!!」ダダダダダダ

ロトム「サトシ!コロッケサンドはまだあるロト!」

サトシ「今回は人数分用意してもらったんだ!一個でも欠けると誰かの食事が減るんだよ!」

ロトム「分け前を少し減らせばいいのでは……?それよりもあのポケモンは……」

サトシ「ムウマだろ!?知ってるよ!あれが真昼間に出るようなポケモンじゃないことぐらい!」

ムウマ「モグモグ」

ロトム「あ、アイツ、逃げながら食べてるロト」

サトシ「んなっ!?やめろー!ムウマー!」

ムウマ「ゴクン」

ロトム「あ、完食したロト」

サトシ「」プツン

サトシ「オレは怒ったぞーーーー!ムーーマーーーー!」

ド ゥ  オ  ッ ! 

ロトム「出た!サトシの必殺技、『こうそくいどう』!!」


サトシ「う゛おぉお゛ぉおぉ゛おぉお゛ぉおぉ゛!!」

--------------------------------------

ムウマ「」チーン

ロトム「……で、捕まえたはいいけどどうするロト?」

サトシ「えっ!?そ、それは……」

ピカチュウ「ピカピィ」

サトシ「んん……まぁ食べられちまったモンはしょうがないし、軽く叱ってから逃がしてやろうか」
 ▼ 5 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/25 21:31:00 ID:cW1fxHtY [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムウマ「ZZZ……」

ロトム「目を覚まさないロト」

サトシ「仕方ない。みんな、残りの分だけでも食べて午後も頑張ろうぜ!」

ニャビー「にゃう!」


オッサン「こりゃガキ共!こんなトコに屯しおってどういうつもりじゃ!」

サトシ「え?」

オッサン「ここは『ハウオリ霊園』。亡くなったポケモン達を悼む場所じゃ」

サトシ「えっ……うわホントだ!お墓がたくさん……」

ロトム「ムウマを追いかけてるウチにこんなところに来てたんだロト」

オッサン「さぁさぁ、墓参りにしにきたんでないのならとっとと帰れ!ポケモン達が安心して休めねぇだろうが!」

サトシ「あ、あぁ、すすすみません!すぐお暇しまー……」

オッサン「ん?……ちょっと待てガキ共!」

サトシ「ヒッ」

オッサン「そこで寝転がってるムウマ、お前のポケモンか?」

サトシ「いえ?」

オッサン「となると、墓荒らしのムウマか……お前達、コイツにエサをやったりはしてねぇだろうな」

サトシ「い、いえ(寧ろ取られたんだけど)」


ムウマ「ZZZ……」

オッサン「コイツはとにかく食い意地の張ったヤツでな、供え物の盗み食いを繰り返すウチにこの霊園に居ついちまったんだ」

オッサン「地元の連中とも組んでコイツを何度かドツいてやったんだが、未だ懲りる気配もねぇ」

ロトム「あっ、よく見るとムウマの体に小さなアザがたくさんあるロト」

サトシ「えっ……」

オッサン「ここにあるお供え物を取らないっていうのは、ここに住む野生ポケモンと、オレ達人間の間での約束なんだ」

オッサン「それなのにこの罰当たりは……」

サトシ「……」

オッサン「それよりもお前ら、ここに用が無いならとっとと帰ることだ」

オッサン「それとも何か?お前らもお供え物を盗み食いしに来たのか?」

サトシ「い、いえ、そんな!」

オッサン「だったらこんな所でほっつき歩いてねぇで家に帰って宿題でもしてやがれ!」

サトシ「す、スンマセンしたーー!!」ダダダダダダ
 ▼ 6 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/25 21:31:38 ID:cW1fxHtY [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「あー怖かった……」

ロトム「僕達よりもあのおじさんの方がよっぽど道端で屯してそうな顔だったロト」

ピカチュウ「ピカピ?」

サトシ「どうした?あぁ、コイツか」

ムウマ「ZZZ……」

サトシ「ほっとけなくて連れてきちゃった。ハハハ」

ロトム「でもそのムウマ、どうするロト?」

サトシ「ポケモンセンターに連れていこう。あのおじさんの言う通りなら、このままだとコイツが傷付くだけだよ」

サトシ「というわけで今日の練習は終了だ!みんな行くぞ!」

ピカチュウ「ピカチュウ♪」
 ▼ 7 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/25 21:33:52 ID:cW1fxHtY [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ポケモンセンター-------


サトシ「こんにちは!」

ジョーイ「あらサトシ君!……ニャビーも元気そうね。よかった」

-------------------------------------------------

ムウマ「ZZZ……」

ジョーイ「あぁこの子……ハウオリ霊園で悪さしてるって子でしょ。知ってるわ」

サトシ「でも放っておけないんです!オレも被害者なんですけど、その傷だらけの体を見てると……」

ジョーイ「放っておけないよね。えらいよサトシ君!ケガしたポケモンに善も悪もないものね」

サトシ「えへへ……///」


ジョーイ「とりあえずはこちらで預かっておくわね」

サトシ「あ!あとジョーイさん、これ……」

ロトム「!」

ジョーイ「これは……コロッケサンドかしら?」

サトシ「目が覚めたらアイツに食べさせてあげてください。きっとまだお腹が減ってると思うから……」

ジョーイ「了解!ムウマちゃんが元気になったら連絡するから、また引き取りにきてね!」

サトシ「ありがとうございました!」

---------------------------------------

ロトム「本当にいいロト?サトシが一番食べたかったんじゃ……」

サトシ「いいんだよアレで。ね?」

ピカチュウ「ペカァ♪」

ニャビー「んにゃ」

サトシ「さぁ、帰ったら博士に早めの夕ご飯にしてもらおうぜ!」


いたずら好きのムウマを救ったサトシの優しさは、守り神の眼にも、確かに止まっていた。

奇跡の物語はまだ、始まったばかり---------------------------------


カプ・コケコ「……」ジーッ


サトシ「!」

ロトム「サトシ?どうしたんロト?」

サトシ「何か……どこからか妙な視線を感じるんだよなぁ……」
 ▼ 8 ネコ@ラティアスナイト 17/07/25 21:34:41 ID:GIP5Lzm. NGネーム登録 NGID登録 報告
トヨタシエンタ
 ▼ 9 テラ@きゅうこん 17/07/25 21:37:00 ID:1pQezzfo NGネーム登録 NGID登録 報告
シエンネ、メガシンカだ!!
 ▼ 10 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/26 21:37:34 ID:I4yKmrz. [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------3日後-------


サトシ「うぁ〜終わんね〜」カリカリ

ククイ「まぁ、今週は多めに宿題を出したからな」

サトシ「他人事みたいに言わないでよ!ねぇ博士、先生なら解答付の教科書とか持ってるでしょ?貸してよ!」

ククイ「そんな『イカサマ』はダメだって言ってるだろ?オレは夕飯を作ってるから、出来たらまた見せにこいよ」

サトシ「とほほ……」


ロトム「サトシの現時点での宿題の正答率は41%ロト。30%を下回ればきっと再提出が待ってるロト……」

サトシ「マズイな……こんな量の宿題を再提出だなんて想像したくないよ……」

----------------------------------------------

サトシ「や、やっと終わった……」

ロトム「開始から2時間40分。お疲れ様ロト。さぁ、ご飯を食べに行くロト!」

サトシ「もう食欲なんてございません……」

ロトム「今日はサトシの好きなコロッケカレーだって言ってたロト」

サトシ「しゃあねぇなぁ……」ガタッ

ロトム「食うんかい」


ドン!  ドン!

サトシ「な、何だ!?」ビクッ

ロトム「どうやらお客様ロト」

ククイ「オレが出るよ。サトシ達は先にいただいててくれるか?」

サトシ「ほーい」
 ▼ 11 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/26 21:39:35 ID:I4yKmrz. [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「いやー、しっかしククイ博士も尖ってきたよね」モグモグ

ロトム「思春期の子供を抱えた親みたいなこと言うなロト。宿題が多いのは博士の気紛れじゃないロト」

サトシ「100%そう断言できるか?」

ロトム「機械に断言させないでほしいロト。何事にも確率はあるロト」

サトシ「ほれみろ……」モグモグ


ククイ「サトシ、お前にお客さんだ」

サトシ「えっ、オレに?」

ククイ「あぁ。何だか変わった子が玄関で待ってるから早く行ってやれ」


サトシが玄関に出ると、確かに変わった子が待っていた。

活発そうな性格を連想させるまるっとした瞳に、どこかで見たような紫のグラデーションがかかった黒髪。

育ちの良さそうな膝丈のワンピースと、それに明らかにミスマッチな赤い運動靴。

それに6、7歳くらいに見られるちょこんとした背丈。そんな少女は暇そうに、ドアの仕切りに靴底を擦り合わせていた。


サトシ「……子供?」

???「! こんばんわ」

サトシ「あっ、えーっと……誰かな?オレに何の用?」

???「だれに見える?」

サトシ「えーーー……」

???「ヒント、3日前のおひるにたすけてもらった」

サトシ「?」

ロトム「サトシ、見た目といい雰囲気といいひょっとしてこの子は……」ヒソヒソ

サトシ「! ……いやいや、そんなハズないだろ。確かに似てるけどこの子は人間だろ?オレが助けたのはポケモンの……」

サトシ「持ち主!そうだ持ち主だよ!絶対そうだ!」

サトシ「いやいやゴメンね!折角来てもらったところ悪いけどお礼とかは全然いらないよ!ただオレがあのムウマをほっ……」

???「わたし、だれのでもないよ?」

サトシ「は?でも三日前の昼って『それ』しか覚えが……君はムウマの何なの?」

???「ムウマの何でもなくて、そのものだよ」

サトシ「は……はは……いやぁスミマセンねお客さん、ワタクシ貴方の言ってることがサッパリ……」


???「あらためましてこんばんは。この間たすけていただいたムウマでございます」ペコリ

サトシ「確定したZ」
 ▼ 12 プ・テテフ@クイックボール 17/07/26 21:40:48 ID:TuHQ3amc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
wktk
 ▼ 13 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/26 21:42:23 ID:I4yKmrz. [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムウマ「わけあって人間になっちゃいました。どうぞよろしく」

サトシ「よろしくじゃなーーい!!なっちゃいましたじゃなーーーい!!」

ムウマ「不満ですか?」

サトシ「不満も何も……!まぁいいよ。ポケモンが人間に化けるなんて今に始まったことじゃないし」

ロトム「えぇ……近頃ポケモンが人間に変身するのは日常茶飯事……と。データアップデートロト」


ククイ「どうしたサトシ、大声なんか出して……あれ?誰だその子」

サトシ「博士、3日前に助けたムウマが女の子になってやってきた」

ククイ「はぁ?」

ムウマ「初めましてサトシくんのお父様、『ムウマ』が『ムウマのおんがえし』に参りました」

ククイ(何だ?絵本の真似事か……?)

ククイ「ま、まぁ詳しいことは飯を食いながら聞こう。よかったら食べてけよ」

ムウマ「あんがとござーますっ!」

サトシ(突然人ん家に押しかけるのを恩返しだなんて……まぁ、悪い子ではなさそうだな)

ムウマ「あっサトシくん、ちょいとおまちを。じつはわたしから一つだけたのみごとがございます」

サトシ「何?」


ムウマ「『おにーちゃん』って呼んでも……いいですか?///」


サトシ/ククイ/ロトム「「「ど ど ん が ど ー ー ー ー ん ! ? ! ?」」」ガビビーン
 ▼ 14 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/26 21:44:54 ID:I4yKmrz. [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「……と、とりあえず飯にしようか」

ムウマ「おぉ!ごはん!ごはん!」

サトシ「……」

ムウマ「おにーちゃん!今日のごはんはなに!?なに?」

サトシ「……その呼び方、何とかならないのか?」

ムウマ「ならない!」

サトシ「そっか、じゃあいいや」

ムウマ「今日からわたしはおにーちゃんの妹だよ!食べながらおにーちゃんのこといっぱい教えてよっ」

サトシ「今日『から』!?何日この家に居座るつもりだよ!?」

ムウマ「んーー、わかんない」

サトシ「おぉい!?」

ムウマ「でも大丈夫!ムウマはおんがえしに来たの!これから毎日おにーちゃんにステキなライフを提供するよ!」

サトシ「すてきなライフってな……」

ククイ「まぁ、色々と解せない所はあるがオレもポケモン博士だ」

ククイ「君がポケモンだって言うのなら喜んでこの家で保護してやろうじゃないか」

ムウマ「ホント!? あんがとござーますっ、お父様!」

ククイ「おとっ……!?」

ムウマ「さぁおにーちゃん遊ぼ!兄妹なかよく元気にくらさなきゃ!」

サトシ「今さっき飯だって騒いでたよな!?ちょっ、博士!助けて!」


ククイ「……こりゃ、生活がガラリと一変しそうだ」

ククイ「来て数分でこの騒ぎ様……オレ達じゃなきゃとっくに追い出してるぞ」
 ▼ 15 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/26 21:48:00 ID:I4yKmrz. [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------翌日 ポケモンスクール-------


ムウマ「……」ウトウト

ククイ「では校長、よろしくお願いします」

ナリヤ「おーおー任せなサイドン!授業中、この子の面倒は私がしっかり見ヨーギラス!」

ナリヤ「……で、この子の名前は?」

ククイ「それが……」
----------------------------------------------------------
-------------------------------------------

サトシ「あーこらこら、食べる時には机に肘付かないの」

ムウマ「むぅ……人間のルールややこしい」

ククイ「二人共、ちょっといいか?」

サトシ「何?」

ククイ「サトシ、ムウマに名前をつけてあげよう」

ククイ「何でか知らんが、確かにムウマは人間になった。何でか知らんが、これ大事だ」

ククイ「だからポケモンの名前じゃなくて、オレ達は別の名前で呼び合うべきだと思ってる」

サトシ「名前?急にそんなこと言われても……」

ククイ「この子はお前を慕ってるんだから、お前がつけてやるべきだ」

ロトム「サトシのネーミングセンスが問われるロト」

ムウマ「〜♪」スリスリ

サトシ「こらこら、引っ付くなって」

ピカチュウ「……」イラッ


サトシ「うーん……名前……ムウマ……うーん……」

-------------------------------------------
----------------------------------------------------------
ナリヤ「それで、名前は?」


ククイ「          命名 『ムーマ』 です          」


ナリヤ「全然変わってナッシーーーーーー!!!」ブシャー


ムーマ「お父様ー、このオッサンうるさい」

ククイ「放課後に迎えにくるから、今はこのおじさんで我慢しなさい」

ナリヤ「我慢!?」
 ▼ 16 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/26 21:50:32 ID:I4yKmrz. [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-----教室-----

マオ「それで?そのムーマちゃんって子とはうまくやってけそうなの?」

サトシ「どうだか……放し飼いのポケモン4匹に加えて小っちゃい女の子1人……今まで以上に疲れるかもなぁ」

マーマネ「まだ頭が追いついてないよ。ポケモンが人に化けて、しかも喋るなんて」

マーマネ「そんな非科学的なことってホントにあるものなんだね……」

スイレン「サトシ、嘘だって言うなら今のうちだよ?」

サトシ「嘘じゃねぇよ!嘘なら悩まないって!」

リーリエ「そういえばサトシは同い年の人達だけでなく、年下の子供さんとも旅をしたことがあるんですよね?」

サトシ「あぁ。でもマサトもユリーカもしっかり者だったから特に困りもしなかった。だけど……」

サトシ「あの子は違う。あんなベタベタしてくる子は初めてだ。必要以上に懐いてくるんだよ」

サトシ「甘えん坊というか……ちょっと鬱陶しいというか」


カキ「ベタベタ……だと……!? 鬱陶しい……だと……!!?」

カキ「サトシ貴様!仮のとはいえ、妹の愛を兄であるお前がマジメに受け取らないとはどーゆーことだ!おぉん!?」

サトシ「いだだだだだ!やめろカキ、首を掴むな!せめて襟元を……!」

カキ「オレなんかなぁ……!オレなんかなぁ……!」ポロポロ

マーマネ「あ、泣きだした」

スイレン「サトシ、カキは妹が絡むとスイッチが入る。気分次第で豹変することがあるから気をつけて」

マオ(あんたが言うか)


リーリエ「と、とにかく困ってることがあったら遠慮なく相談してくださいね!頼りになるかわかりませんけど……」

サトシ「そう言ってもらえると助かる」

マーマネ「にしてもムーマちゃんだなんて……もうちょっといい名前は無かったの?」

サトシ「いやぁ、ホントに思いつかなくて……名前って考えるの大変だもんな。リーリエが羨ましいよ」

リーリエ「わ、私はシロンって名前を考える時は一日中そのことばっかり考えてましたし……」

サトシ「もうオレが考えてもしょうがないからリーリエが決めてくれよ。ムーマよりもいい名前」

リーリエ「丸投げ!?」

マオ「サトシ、ちょっとはカキの方見た方がいいよ」


カキ「……」ゴゴゴゴ


スイレン「あ、カキが殺意の波動に目覚めてる」

マーマネ「逃―げよ」スタタタ
 ▼ 17 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/26 21:52:14 ID:I4yKmrz. [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「……サ〜……ト〜……」


シ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ッ ! ! !


サトシ「ウアアアアアアアアアア!!」

------------------------------------

カキ「二度と兄としての責任を放棄しようとするな」

サトシ「別に嫌ってワケじゃ……」

マオ「サトシ、諦めなさい」

ククイ「何か『だいばくはつ』が起こったようだが、構わず授業を始めるぞ。早く席につけ」

マオ「先生、ムーマちゃんは?」

ククイ「今は校長室で校長と一緒さ」

スイレン「校長室は雨戸の閉まった窓が一つだけ。他に出口は入り口のドアのみ、ここから導き出せる答えは……」

マーマネ「怖いこと言わないでよ」

リーリエ「校長ともあろう方がそんなことしませんよ」

マオ「何てったって校長だもん」




ナリヤ「何か良からぬ事態を期待しておるようじゃが、本当に何も起きないからそんな台詞を言っても無駄だゾロアーク」

ムーマ「何言ってんのこのオッサン」
 ▼ 18 ャスパー@プレシャスボール 17/07/26 21:56:15 ID:hKCYkwbw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援テイ。画像有ったらクレッフィ。
 ▼ 19 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/26 21:56:22 ID:I4yKmrz. [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネッコアラ「ふゎ〜」

キーン コーン……


ムーマ「初めまして。ムーマと申します。サトシくんの妹ですっ」ペコリ

マオ「かわぃぃ〜!ウチにもこんな妹がほしいなぁ……」

ムーマ「ムーマはみんなの妹ですっ」

マーマネ「うぁー早速媚びるねぇ〜」

カキ「……」

サトシ「じゃあみんなに自己紹介だ。ムーマの好きな食べ物は何だったか?」

ムーマ「コロッケです!」

マオ「あはは、サトシと一緒」

サトシ「じゃあ好きな色は?」

ムーマ「オーベルジーヌ(#37104B)です」

マーマネ「何色それ」

サトシ「じゃあ好きな絵本は?ほら、昨日言ってたやつ」

ムーマ「まだまだキャタピー」

サトシ「はい、おりこうさん」ナデナデ

ムーマ「えへへ///」

ピカチュウ「チッ」

マオ「えらいえらい!ちゃんと自己紹介できるんだね!」パチパチ

スイレン「ウチの妹たちも見習ってほしい。あぁ見えて上がり症」

スイレン「サトシ、良かったらムーマちゃんとまた家に来て訓練させてほしい」

マーマネ「おっ、アプローチかい?」

スイレン「死ね」

マオ「まだ信じられないけど……元ポケモンってことは、他のポケモンの言葉もわかっちゃったりするの?」

ムーマ「うん」

サトシ「ムーマはスゴイ子なんだぜ!野生のポケモンが何を考えてるのかもピッタリ当てちゃうんだ!」

サトシ「おかげで今日の学校までの道中もすごく楽しかったんだ!な、ムーマ?」

ムーマ「わたしはおにーちゃんと一緒にいるだけで楽しいよ///」

ピカチュウ「」ブチッ


マオ「じゃあ例えば今のピカチュウはどんなことを考……って怖っ!何あの顔!?」
 ▼ 20 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/26 21:59:15 ID:I4yKmrz. [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>18
申し訳ないが絵が描けないから画像はナッシー。ビジュアルは完全な想像で楽しんでくだサイドン。




サトシ「ピカチュウ……一体どうしたってんだ」

ピカチュウ「ピィカ」

ムーマ「えーっと、『大概にしろよクソアマ』だって」

スイレン「えっ」


ピカチュウ「ヂ ャ ア ア ア ア ア ア ! !」バリバリバリ

ムーマ「うぎぎぎゃぎゃん!!」


ムーマ「へ……へひ」ヒクヒク

リーリエ「だ、大丈夫ですか?」

マーマネ「あまりにもムーマちゃんがサトシとくっつきたがるから……」

スイレン「でも男の嫉妬は見苦しい」

サトシ「ほら、ちゃんと謝れよ」

ピカチュウ「ピッ」プイッ


リーリエ「た、立てますか?」

ムーマ「へーきへーき。痛いのにはなれてるから。それよりもわたし、もっといろんなポケモンが見たい!」

サトシ「じゃあムーマ、試しにみんなのポケモンのお悩み相談をやってみてくれよ」

ムーマ「りょーかーい!」
 ▼ 21 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/26 22:01:40 ID:I4yKmrz. [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「どうだった?」

ムーマ「マお姉ちゃんのアママイコは一度でいいからチューボーに立ってみたいって」

マオ「なるほど……危ないし練習が必要だから今はやめとけって言っとこうかな」

ムーマ「青いお姉ちゃんのアシマリはバルーンの朝練が最近つらくなってきたって」

スイレン「そっか……深夜のDVD鑑賞会、週4から週2に減らそうかな」

ムーマ「白いお姉ちゃんのシロンは新しく出たおやつに興味があるって」

リーリエ「そういえば、最近シンオウ地方で人気の『ポフィン』というお菓子がアローラでも発売しましたね」

ムーマ「マーくんのトゲデマルはトレーナーを替えたいって」

マーマネ「はぁん!?」

サトシ「ドンマイ。でもトレーナーを選ぶポケモンは将来強くなるっていうぜ」

マーマネ「お、おぅ……」


ククイ「カキ、お前は輪に入らないのか?」

カキ「仮の関係とはいえ、サトシからは責任というものがこれっぽちも感じられません。兄としての自覚がない」

ククイ「まぁ……自覚というかあれが妹に対する彼なりの態度なんじゃないかな」

カキ「そうすかね」

ククイ「逆にお前はホシちゃんが言うように過保護だと思うんだが?」

カキ「睡眠中の妹の部屋の入り口に一晩中仁王立ちして見張りをすることのどこが過保護なんですか」

ククイ「お、お前……まぁ、何をしようと勝手だが、だからこそサトシの接し方を受け入れてもいいんじゃないか?」

カキ「もっと妹がいることに幸せを感じてほしいんです。妹がいる者同士、サトシとも今まで以上に仲良くなりたい……」

ククイ「そうか。まぁオレも無理強いはしないよ。くれぐれもケンカだけはしないようにな」

カキ「……はい」
 ▼ 22 メノデス@ひかりのいし 17/07/26 22:08:32 ID:yJKDIIIs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんとなく作ってみたよ
 ▼ 23 ィ@あいいろのたま 17/07/26 22:11:44 ID:TuHQ3amc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なぜかアセロラでイメージしちゃってた
とにかく支援、1レスあたりが割と長いし地の文もいい感じ
 ▼ 24 ッキング@いんせき 17/07/26 22:57:15 ID:Yo5t5o.M NGネーム登録 NGID登録 報告
>>22
運動靴では無い、−1919810点
 ▼ 25 ガボスゴドラ@ゲンガナイト 17/07/26 23:38:05 ID:hKCYkwbw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すいません、我が儘言っちゃって。これからも応援してます。
 ▼ 26 ーボック@セシナのみ 17/07/27 00:08:49 ID:V0g00q.k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 27 ロモリ@たからぶくろ 17/07/27 00:10:31 ID:ryRYTybw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>24
サンダルのつもりなんだったけどなぁ……運動靴って書かれてたっけ、見落としかな
 ▼ 28 tQb4dKoPUA 17/07/27 00:31:44 ID:3GygXDR2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 29 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/27 21:50:16 ID:DfMGsNGc [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>22
かわいい(*´ω`*) 懐かれたい







サトシ「カキ!お前も来いよ!」

ムーマ「赤いお兄ちゃんのバクガメスはあなたが構ってくれないと暇だって」

カキ「……サトシ、一つだけいいか?」

サトシ「?」

カキ「お前はその子と一緒に暮らせて幸せか?」

サトシ「んー、っつってもまだ二日目だし……もちろんこんな生活も続けるのもいいなとは思ってるけど……」

カキ「その程度か」

サトシ「と言いますと?」

カキ「いいか?妹ができるっていうのは、お前に絶対に守らなきゃいけないものができるってことだ」

サトシ「ふむふむ」

カキ「お前はまだその認識が甘い。お前の今のムーマに対する関わり方はお前のポケモン達とほぼ一緒なんだよ」

カキ「さっきからこれからこいつをよろしく、こいつはすごいんだぜ、とか、扱い方がまんまポケモンのそれじゃないか」

サトシ「えっ、だってコイツは元はポケモ……」

カキ「屁理屈を垂れるな!」

サトシ「はい」

マオ「とどのつまり、カキは何を言いたいのさ」

カキ「サトシにもっと兄としての自覚を持ってもらいたいんだよ。兄としていつでも妹を想うような心掛けをしてもらいたい」

マーマネ「あのさ、どこのお兄ちゃんもカキみたいな人だとは……」

カキ「屁理屈を垂れるな!」

マーマネ「はい」
 ▼ 30 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/27 21:55:11 ID:DfMGsNGc [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「自覚を持つって、具体的には何をしてほしいんだよ」

カキ「ムーマにもっと積極的に関わらないとダメだと言ってるんだ。兄妹の距離を縮める方法といったら……もうわかるだろ?」

マオ「おままごと!」

マーマネ「実験ごっこ!」

リーリエ「肩車ですか?」

カキ「餓鬼かお前ら!!」

スイレン「じゃあ●●●?」

カキ「いや、餓鬼っぽくなきゃいいってもんじゃねぇよ何てこと口にするんだお前」

スイレン「でも、二人の距離が物理的に……」

カキ「あ゛ーーーーもう喋るな!!」

サトシ「結局オレ達何すればいいんだよ教えてくれよ!」

ムーマ「くれよくれよ!」


カキ「 デ  −  ト だ ! !」


サトシ「!?!?」

カキ「デートだ。これ以上のイベントは無いだろう」

マオ「で、デート……サトシとムーマちゃんが!?」

カキ「そうだ。サトシとムーマが距離を縮めるためには必要だとオレは考えてる。デートプランは考えておくから心配ない」

マーマネ「ほ、本気だね」

サトシ「もうそっとしといてほしいんだけど……」

ムーマ「デートっ♪デートっ♪」

サトシ(うわーめっちゃ乗り気だ)

ピカチュウ「チッ」

カキ「いいかサトシ。詳しいことについてはいずれ話す。それまでは自分でムーマとの関係を深めることだな」

サトシ「ちょ、ちょっと、話を進めないでくれよ」

カキ「3週間だ。3週間後までにデートのプランやその他諸々の決定をするからオレからの説明をしっかりと頭に入れておけ」

マーマネ「3週間ってどれだけ大掛かりなのにするつもりなの……」

サトシ「あぁもうわかったよ。って言うか、まるでオレとムーマが仲が悪いような言い様だなさっきから」

カキ「ムーマはともかくお前に問題があるからなぁサトシ。もっと妹に積極的になれ。これはお前のためのデートだ」

サトシ「有難迷惑……」

リーリエ「ご愁傷様です……」
 ▼ 31 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/27 21:57:47 ID:DfMGsNGc [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-----ククイ家-----


ムーマ「デートっ♪デートっ♪」

サトシ「というわけです博士」

ククイ「どういうわけだと言いたいが、どういうわけなのか容易に想像できるからやだな」

ククイ「カキの言う事も一理あるが……校則に反することだけはするなよと言っておくから安心しろ」

ロトム「ピカチュウは帰ってからもずっと拗ねてるロト」

サトシ「驚いたよ。あいつも嫉妬なんかするんだなぁって」

ムーマ「おにーちゃん、ひまー。あそぼ?」

サトシ「ん?何して遊びたい?」

ムーマ「『魔女っ子リリーちゃん』ごっこ!わたしリリーちゃんの役!」

サトシ「じゃあ……オレは何の役?」

ムーマ「リリーちゃんの魔法でピカチュウに変えられた哀れな少年役!」

サトシ「わおデジャヴ」

モクロー「ZZZ……」


ククイ「フフ、賑やかってのはいいもんだな」

イワンコ「わん!」

ピカチュウ「」ブスー

ククイ「ピカチュウ、お前も機嫌を直してあの中に入ってきたらどうだ?」

ピカチュウ「ピー」

ククイ「サトシは何もお前のことが嫌いになったわけじゃないんだぞ?」

ククイ「考えてみろ。今までの旅もサトシとピカチュウとポケモン達、みんなで思い出を作ってきたんだろ?」

ピカチュウ「ピカチュ……」

ククイ「カキの言う通り、サトシのムーマに対する接し方は今までサトシがポケモン達にしてきたのとほぼ一緒だ」

ククイ「だからこそ、お前が受け入れてやったらどうだ?お前が新しい仲間をドンドン受け入れたようにな」

ククイ「お前はサトシの大事なパートナーなんだろう?」

ピカチュウ「ピカ……」
 ▼ 32 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/27 22:02:17 ID:DfMGsNGc [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「くらえ、魔女っ子リリーちゃんの必殺ワザ、正拳突きー!」ボコォ

サトシ「ぐえー、鎖骨にヒビがー」


ククイ「はは、ホント楽しそうだ。よし、お前も混ざってこい!」

ピカチュウ「ピカ!」

ククイ「よしよし、それでいいんだ……さて、居候がまた一人増えた。オレも頑張るか」


ロトムの時も、モクローの時も、そしてニャビーの時も、新しい家族が増えることでサトシの人生は少しずつ変わった。

そして今度も。サトシにとって彼女は特別ではなく、ポケモン達と同じように家族として暮らしていくことになるのだから。

--------------------------------------------------

サトシ「ピカチュウ、『アイアンテール』!モクローは『つつく』だ!」

ピカチュウ「チャアアアッ!!」ガシィン!!

ムーマ「ほぇー、2匹に合図を出すなんて、おにーちゃんは器用なんだね」

サトシ「慣れてるからな」エヘン

--------------------------------------------------

ムーマ「ロトム、もう1まい!」

ロトム「はいよ」パシャ

サトシ「何作ってるんだ?」

ムーマ「セルフしゃしんしゅ〜」ペタペタ

サトシ「ハハ、ムーマはオシャレなんだな。女の子らしいや」

--------------------------------------------------

ムーマ「おにーちゃん!わたしサンタさんに会いたい!」

サトシ「どこでサンタさんを知ったのか知らんが季節外れで今は会えないぞ」

ムーマ「会いたい会いたい!サンタさんを想うほど遠く感じて」ブルブル

サトシ「震えんな。わかったサンタさん呼んでやるよ。まずは魔法陣を床に描いて召喚の儀式を……」

ククイ「サタンさんを呼んでどうする」

--------------------------------------------------

フィルムに残し損ねた一瞬をたくさん乗せて、楽しい時は流れ過ぎていく。


そして、カキのデート発言から1週間が過ぎたある日のこと……
 ▼ 33 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/27 22:03:49 ID:DfMGsNGc [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし


第2話(全15話)   「自由すぎる兄」

 ▼ 34 ガジュペッタ@だっしゅつボタン 17/07/27 22:04:59 ID:Jcjaa8Ew NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
床に魔法陣……召喚……グルグル……?
 ▼ 35 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/28 20:51:55 ID:77DHb42. [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネッコアラ「ふぉ〜」


キーン コーン……


サトシ「終わった〜」

ピカチュウ「ペカチュ」

サトシ「さてと……今日は宿題も無いし、このまま真っ直ぐ特訓に行くか!」

ナリヤ「サトシ君、放課後はワシと一緒に校長室まで来てもらう約束だったジャローダ」

サトシ「あっ忘れてた」


スイレン「!……この感じ、まさか今度こそ……」

マオ「もういい加減諦めなさいな」ペシッ

スイレン「うべっ」

----------------------------------------------------------

ムーマ「……」ウトウト

サトシ「それでオーキド校長、何の用事ですか?」

ナリヤ「サトシ君、ワシがリージョンフォームの研究をしている博士だということは知っているね?」

ナリヤ「そこで一つ、サトシ君から許可をもらいたいんじゃ」

サトシ「許可?」

ナリヤ「アローラとカントーで姿の違うポケモンの研究、そのためのサンプルとして君のポケモンを貸してほしいんじゃ……」

サトシ「ん?でもオレそんなポケモ……あっ!1匹だけいた!」

ナリヤ「おぉやハリテヤマ!ではさっそくユキナリと通信をするぞぃ!」
 ▼ 36 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/28 20:55:44 ID:77DHb42. [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オーキド「済まんのぅ、留守のケンジにはまたワシからよろしく言っておくぞ」

サトシ「もうあいつオレのこと嫌いになったんじゃないかな」

オーキド「と、とにかくそっちにボールは渡ったようじゃな。では引き続きスクールで頑張っておくれよ」

サトシ「ありがとうございました!」


ナリヤ「その子がアローラにはいないカントーのポケモンじゃな」

サトシ「はい。いやぁ懐かしいなぁ……」

ピカチュウ「ピカピィ」

サトシ「あ、そうだな。じゃあ久しぶりの再会と行こうか!」ポン!


ベトベトン「 う゛ ぇ 〜 あ ぁ゛ ぁ 〜」


ムーマ「」ビクッ

ベトベトン「う゛えぇぇ〜とぉぉぉ〜♪」ズシリ

サトシ「あはは、久しぶりだなぁ〜!ちょっと太ったか?」

ナリヤ「な、何じゃあのベトベトンの色!写真では見たことあるがやはり慣れんわ」

サトシ「見た目で判断しちゃダメですよ。コイツはとっても人懐っこくてかわいいんですから♪」

ピカチュウ「ピッカチュウ♪」

ベトベトン「う゛ぇぇぇ」チラッ

ムーマ「ヒッ」

サトシ「あぁ、紹介するよ。新しい仲m……じゃなかった。オレの妹のムーマだ。よろしく!」

ベトベトン「う゛ぇお?」

サトシ「ホラ、挨拶挨拶」

ムーマ「よ、よろしくおねがいします……」オドオド

ベトベトン「……」

ナリヤ「それじゃあサトシ君、しばらくベトベトンを貸してもらうぞ」

サトシ「はい……あ、そうだ」

サトシ「校長、さっきの転送マシンもう一回使っていいですか?」

ナリヤ「あぁ構わんが……次はどのポケモンを?」

サトシ「フフ、折角の機会だ。この際オレもちょっと本気になってみようかなって」

ムーマ「おにーちゃん?」

サトシ「まぁ、ホントはオレが会いたいだけなんですけどね。ハハハ」
 ▼ 37 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/28 20:57:32 ID:77DHb42. [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------通学路-------


ムーマ「わたし、おにーちゃんとシュミが合わないのかも」

サトシ「ん?」

ムーマ「だってさっきのポケモンすごく怖かったもん。わたしならあんなのゲットしたくないよ」

サトシ「まぁここだけの話、オレも内心アイツをゲットするのを躊躇ってたところもあったかな」

サトシ「アイツのカワイイところに気が付けたのは後になってからの話さ。ムーマもトレーナーになってみりゃわかるさ」

ムーマ「わたし、なれるかな?ポケモントレーナー」

サトシ「なれるよ!ムーマはポケモン達と仲良くやれてるじゃないか」

ムーマ「うん……」

ピカチュウ「ピカピカ」

ムーマ「アハハ、ありがとうね。なれるといいな……」

サトシ「ムーマ、今日は早く寝た方がいいぞ」

ムーマ「どうして?」

サトシ「夕べ、明日の休みにプールに行きたいって言ってたじゃないか」

ムーマ「えーっと……」

サトシ「だから今朝オレがリーリエに頼んだんじゃないか。明日はムーマの為に自家用プールを貸してあげてって」

ムーマ「そーいやそんな話してたようなしてなかったような」

サトシ「忘れてたのか?何だよぉオレも乗り気だったのに」

ムーマ「えっ?おにーちゃん、そんなに白いお姉ちゃんの水着が見たかったの?」

サトシ「違う違う、オレは別件だよ」


サトシ(何の為にコイツを研究所から連れてきたんだ。モデルチェンジしたコイツの力、試さずにはいられないんだから)

モンスターボール「…………」
 ▼ 38 クシオ@ツメのカセキ 17/07/28 21:12:27 ID:tHZwrqKA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンジwww
 ▼ 39 ブリアス@ヤドランナイト 17/07/28 21:13:33 ID:r3ioRU6U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここで言うことじゃないけど長編ssってショートじゃなくね
 ▼ 40 タチ@モモンのみ 17/07/28 21:14:04 ID:zNsNv50. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>39
サイドストーリー定期

支援
 ▼ 42 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/28 22:33:15 ID:77DHb42. [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブロロロロロロロ……


サトシ「〜♪」

マオ「サトシ、さっきからずっとそのモンスターボールを眺めてるけど……」

サトシ「あっと」

マオ「サトシの目的は大体察せるけど、ムーマちゃんにもっと構ってあげなきゃダメだよ?もっとお兄ちゃんとしての自覚を……」

サトシ「あぁもうみんなしてそう言う!じゃあ聞くけど、マオの思うお兄ちゃん像って何だよ?」

マオ「んー、まぁあたしも二人兄妹の妹だから言わせてもらうけど、やっぱり構ってほしい時に構ってくれるのがいいかな」

ムーマ「」コクコク

マオ「甘えたい時には頭を撫でてくれたり、寂しい時には同じベッドで添い寝してくれたり……」

ムーマ「おなかが空いたらおやつを作ってくれたり、わたしといる時はいつもニコニコしてくれたり」

サトシ「随分と都合が良くないかそれ」

運転手「要するに、いかなる時も妹さんのことを思って生活するのが兄としての務めということでございますサトシ様」

マオ/ムーマ「「あんがとござーますっ!」」

サトシ「いついかなる時も妹のことを……」モヤモヤ

--------------------------------------------------------

ホシ「よいせ、よいせ」

カキ「あ゛あ゛ーーーっ!ホシ、重いものはお兄ちゃんに任せろって言ったろ!?」


ホシ「お兄ちゃーん!いってらっしゃーい!」

カキ「はぁ〜い☆」

--------------------------------------------------------

サトシ「なるほど、俗に言う『依存症』ってやつだな」

マオ「張り倒すぞ」
 ▼ 43 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/28 22:34:35 ID:77DHb42. [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------リーリエ家-------


マオ「着いたぞ!リーリエハウス!」

ムーマ「リーリイェェェイ!」

マオ「サトシ、楽しみだね♪」

サトシ「どりあ゛えず生きてごごに来られ゛たことに゛はメレメレの゛守り神に感謝じなぐちゃな」ボッコボコ


※走行中の車内での暴行は交通事故の原因にもなりますので絶対にマネをしないでください。


サトシ「じゃあオレは早速……」

マオ「早速何?ムーマちゃんから離れるにはまだ早いんじゃないのん?」

ムーマ「はやいんじゃないのん?」

サトシ「うぅ……やっぱそうかな?」

マオ「取り敢えず、先にリーリエに挨拶に行くよ。ほらサトシも」

サトシ「ほいほい……」


ムーマ「マお姉ちゃんは白いお姉ちゃんのどこが好き?脚?胸?●●?」

マオ「まぁ、放っておけない所かなぁ。あたしはね、あたしを必要としてくれる人が好きなんだ」
 ▼ 44 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/28 22:36:36 ID:77DHb42. [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------リーリエの部屋-------


リーリエ「CDをセットして……再生っと」

ゼンンリョクッデッポォズヲキメルンダッ♪

リーリエ「よしきた。今日こそは覚えますよっ」

リーリエ「メラメラボーボーほっのっおがもっえあがるぅ〜♪」ズンチャズンチャ

リーリエ「ビリビリビリビリでっんっきっでっしびれっちゃう〜♪」キメポーズ


マオ「この先がリーリエの部屋だよ」

ムーマ「楽しみ〜♪」

サトシ「ガンガンに音楽流してるな。何かいい事でもあったのかな?」ガチャッ

サトシ「アローラ!リーリ……」


リーリエ「ヒュードロロンとゴォーストォがケッケッケのケ♪」ユラユラ

サトシ「」

マオ「何あれ幻?それとも現物?……あれ、ムーマちゃんは?」


リーリエ「世界一んの格闘家っ♪ビシバシビシバシ」

ムーマ「どーーーーん!!」

リーリエ「ギ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! !」
 ▼ 45 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/28 22:38:40 ID:77DHb42. [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「あ、あ、あ、あ、ああああ貴方達いつからそこににににぬねね////」ボォォォォ

ムーマ「おーもーいーでたーくさん♪」

リーリエ「ごぼぼぼぼぼぼぼ////」ボォォォォ

マオ「ムーマちゃん!悪いけどこれ以上リーリエを刺激しないであげて!リーリエが溶けちゃう!」

ムーマ「とける?白いお姉ちゃんはアイスなの?」

マオ「そういうことにしといて!さ、サトシ!取り敢えず音楽を止めて!」

サトシ「お、OK!」

マオ「アママイコ、『こうそくスピン』!」

アママイコ「むおーーー!」ブォォォォ

マオ「あ、あとそこにいるシロン!『こなゆき』!」

シロン「!?」

マオ「早よ!」

シロン「こ、こん!」ブォォォォ

リーリエ「ぼぼ……ぼぼ……」カチーン

マオ「ふぅ、収まった……いい?あたし達は何も見てない。いいね?」

サトシ「Yeah」

--------------------------------------

リーリエ「はっ、私は何を……」

マオ「思い出さなくていいよ」

リーリエ「あっ、みなさんこんにちは。すみません、全然片付いてない部屋で……」

サトシ/マオ((部屋よりヤバイもん見ちゃったけどな))

ムーマ「白いお姉ちゃん、なんでさっき部屋で踊……」

リーリエ「え?」

サトシ「リ、リリーエ!そんなことよりもジェイムズさん呼んできてくれよ!前回のリベンジしたくってさ」

マオ「こらサトシ!まだ早いってば!」

リーリエ「私はリーリエです。ジェイムズなら今は外ですよ。もうじき帰ってくるとは思いますが……」

サトシ「そっか……」

リーリエ「そういえばお二人にはプールをお貸しする約束でしたよね」

ムーマ「それで来たの!はやくつれてって!」
 ▼ 46 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/28 22:40:01 ID:77DHb42. [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジェイムズ「〜♪」


サトシ「あっ、玄関から鼻歌が聞こえる」

リーリエ「おや、丁度帰ってきたようですね」

リーリエ「ジェイムズ、お帰りなさ……」ガチャッ


ジェイムズ「でーあーえーてよーかぁった♪」


リーリエ「」

サトシ/マオ「「蒸し返すなァァァァァ!!」」

ジェイムズ「……は?」

----------------------------------------

ジェイムズ「なんと! そうでしたか。それはお嬢様に申し訳ないことを……」

リーリエ「いえいいんです。私がハメを外しすぎたんです……」

リーリエ「ただ……自分の部屋でくらい好きな様に過ごしたかったなぁ……」

サトシ(リーリエ、本当に済まなかった)
 ▼ 47 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/28 22:41:04 ID:77DHb42. [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「ではサトシ、しばらくしたらまた」

サトシ「あぁ!二人とも、ムーマのことよろしく頼むよ!」

ムーマ「あとでねー」バイバイ

マオ「結局自分優先かぁ……」

------------------------------------------------------

ジェイムズ「ウチのプールはすごいんですよ。冬場には温水にもなるのです」

サトシ「ほぇ〜」

ジェイムズ「最も、一番利用するのはお嬢様ではなく、専属の庭師のジジイなのですが……くっ」

サトシ「今『くっ』って言いませんでしたか?」


ジェイムズ「さぁ、それでは庭へ移動しましょう」

サトシ「はい!今度は敗けませんよ!」

ジェイムズ「ほぉ、結構なご自信。また楽しいバトルに致しましょう」


ピカチュウ「ピカカピ?」ヒソヒソ

サトシ「心配しなくても大丈夫だよ。言ったろ?「コイツ」は変わったんだ。いつの間にかね」

サトシ(オドリドリは電気/飛行タイプ。スピードやパワーはモクローと互角。でも厄介なのは……)

サトシ(トリッキーな状態異常攻撃。それにも耐えられるとしたら……「コイツ」の耐久力が必要なんだよな)
 ▼ 48 ラチーノ@ホロキャスター 17/07/28 22:57:35 ID:KywucIC2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 49 ーボック@おだんごしんじゅ 17/07/28 23:00:07 ID:k.Xfx4O. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白い!!
支援!
 ▼ 50 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/29 21:06:46 ID:4GI1M0b. [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------リーリエ家 裏庭プール------


ムーマ「うーみーはーひろいーなーおおーきーなー……♪」プカプカ

マオ「こーこーはープールーだーよー……♪」プカプカ

ムーマ「やぼなツッコミはーおよしーよー……♪」プカプカ

マオ「ごめんーなさーーいー……♪」プカプカ

リーリエ「な、何ですかこのユルすぎる空間は……」

マオ「あたしは疲れてるのー。バトル狂のおともだちをもったせいでー。ねぇムーマちゃーん」

ムーマ「うん。わたしもむかんしんなおにーちゃんをもったせいでー」

マオ「今ならカキの気持ちもわかるわー」

ムーマ「わー」

リーリエ「ぐ、愚痴でしたら遠慮なく私に言ってくださいね?」

マオ「むしろリーリエぐらいしか愚痴をきいてくれそうにないよー……同じ妹っていう立場だもんねー」

ムーマ「え!?白いお姉ちゃんもお兄ちゃんがいるの?」

リーリエ「え、えぇ。一応……今は別の場所で暮らしてるけど……」

マオ「どうも不愛想な印象なんだよねぇ」

リーリエ「そうそうムーマちゃん。マオにもお兄さんがいるんだよ」

マオ「今は修行の身とか言って勝手に家を出とるんですわ……」

ムーマ「たいへんなんだね。二人とも」

マオ「うん……」

リーリエ「えぇ……」

マオ「あぁもうどうして『兄』っていうのはどいつもこいつも好き勝手行動したがるのかねぇ!?」

マオ「ホシちゃんが羨ましいよ!過保護なほどに面倒見てもらえて!あたし達もう実質一人っ子みたいなモンじゃないのよ!」

マオ「もっと妹に妹たる権利を!兄からはもっと年上たる愛を!」

ムーマ「おー!」

リーリエ「……ハハハ。二人共苦労してるんですね」

マオ「一番苦労してるのはリーリエじゃん!」

ムーマ「アニキはみんなろくでなしーーー!」



男「……天国かここは……お嬢様目当てで来たが、今日は運がいい。エr……涼しげな恰好した美少女が他に2人も!」ジーッ

男「そんなに愛が欲しけりゃ、お兄さんからたぁっぷりくれてやろう……グヘヘ」
 ▼ 51 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/29 21:08:22 ID:4GI1M0b. [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------リーリエ家 バトルフィールド-------


ジェイムズ「準備はできましたかな?」

サトシ「えぇ。いつでもどうぞ」

ジェイムズ「では、手加減無しで臨ませていただきます!」

サトシ「……っし!久々のバトル、思いっきり暴れてこい!」

----------------------------------------------------------

サトシ「オドリドリは電気タイプだ。『めざめるダンス』を防ぎきるには地面タイプのポケモンが必要だな」

サトシ「やっぱりフカマルか?ワルビアルも……ダメだ。『フラフラダンス』で混乱にされた時のリスクが大きい……」

サトシ「グライオンやドンファンはどうだろう?ガマガルもいいな……」

オーキド「地面タイプならいいポケモンがいるぞ。お前もきっと驚くことじゃろうて」

サトシ「?」

オーキド「そのポケモンは今までと違う。果たしてお前に使いこなせるかな?」

-----------------------------------------------------------

サトシ「いくぜ。 またオレと戦ってくれ!ドダイトス!」



                        ズ     ン     !



ドダイトス「ド ォ ォ ダ ァ ァ ァ ァ ! !」
 ▼ 52 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/29 21:10:56 ID:4GI1M0b. [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジェイムズ「なっ……!?何だあのポケモンは……」

ピカチュウ「ピカピ〜!」

ドダイトス「グルルルルル……」

サトシ「オレがシンオウ地方でゲットした自慢のポケモンです!オドリドリに勝つために連れてきました!」

ジェイムズ「ふむ……他の地方のポケモンを連れてくるとは。サトシ様の本気が伺えます。しかし!」

ジェイムズ「サトシ様、私のオドリドリをよく見てごらんなさい」


オドリドリ「ボォボォドルルルィィ!!」メラメラ


サトシ「あ、赤っ!?」

ジェイムズ「どうです!これぞオドリドリ:めらめらスタイルです」

ジェイムズ「私は先程までウラウラ島に出張に出かけておりましてね。そこで彼は『くれないのミツ』を吸ったのです」

ジェイムズ「そのドダイトスというポケモン、地面タイプだけではなく草タイプと持っているとお見受けしますが……」

サトシ「!」

ジェイムズ「やはり……そう!炎タイプは草に強い!図らずも対策の対策になってしまいました!いやぁ私は運がいい!」

サトシ「……へへ、それで勝った気でいないでくださいよ。コイツは強いですから」

ジェイムズ「では、遠慮なくやらせていただきましょうっ」
 ▼ 53 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/29 21:12:19 ID:4GI1M0b. [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジェイムズ「オドリドリ、『めざめるダンス』!」

オドリドリ「オンドリャアアアア!!」ボォォォ


サトシ「炎!?……技のタイプまで変わってるのか。……そんなら」

サトシ「ドダイトス、『エナジーボール』だ!」

ドダイトス「ドォォォォン!」


バ ホ ォ ォ ォ ォ ン ! !


ジェイムズ「最初のぶつかり合いは相討ちのようですな」

サトシ「まだまだ!攻撃は終わりませんよ。『ロッククライム』!」


ドダイトス「……?」シーン

サトシ「ろ、『ロッククライム』!」

ドダイトス「ど」キョトン


ジェイムズ「隙あり!『エアスラッシュ』!」

ズサッ!

ドダイトス「っ……!」ガクッ

サトシ「ドダイトス……まさか、『ロッククライム』を忘れちゃったのぉ!?」

ピカチュウ「ピカチュゥ……」

ジェイムズ「何やらトラブルが起きたようですが、容赦は致しません!続けて『めざめるダンス』!」

オドリドリ「オォルェイ!!」ボォォ

ドダイトス「グホォ」

サトシ「あわわわ……」

ジェイムズ「オドリドリ、とどめの『エアスラッシュ』!」
 ▼ 54 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/29 21:13:48 ID:4GI1M0b. [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ドダイトス!背中の木でガードだ!」

ドダイトス「ドォォォォ!!」

バフッ!

オドリドリ「!?」

サトシ「あ、危ねぇ……」

ジェイムズ「ほう。やはりあの木にはダメージは通りませんか……間一髪、命拾いしましたねサトシ様」


サトシ(博士め……ドダイトスが新技を覚えたのは嬉しいけど、何を忘れたのか言ってほしかったぜ……)

ジェイムズ「オドリドリの猛攻を耐えられたのは流石です。しかし、そのドダイトスも弱ってきているのではありませんか?」

サトシ「コイツは色んなポケモンの色んな技を受けてきたんです。ちょっとやそっとでは倒れませんよ」

ジェイムズ「言ってくれますね。力押しが駄目なのであればこれでどうです!」

ジェイムズ「オドリドリ、『フラフラダンス』!」

サトシ(出た!)

サトシ「ドダイトス!アイツのダンスを見るな!」

ドダイトス「どっ!?……ドッ……ドッ……」フラフラ

サトシ「あぁやっぱりか!クソ!」


ジェイムズ「……もはやこれまで。オドリドリ、『めざめるダンス』・『エアスラッシュ』乱れ撃ちでフィニッシュです!」

オドリドリ「トァァタタタタタタタタタ……ホァタァ!!」


ボ ォ ォ ォ ォ … … ン ! !


サトシ「ドダイトスーーーーっ!!」

ジェイムズ「さて、今回は私の完勝のようですね。実に楽しい勝負でした。サトシ様」

サトシ「……ナイスガード」

ジェイムズ「え?」


ドダイトス「ドォォダァァァァ!!」
 ▼ 55 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/29 21:16:55 ID:4GI1M0b. [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジェイムズ「ば、バカな……!あれだけの技を食らって何故……」

サトシ「根性っすよ。昔を思い出して、ちょっとムチャさせてみました」

ジェイムズ「何と……!」

サトシ「……って言うのも考えたんですけど、折角コイツを使うからにはコイツに合った戦い方をしようと思って」

ジェイムズ「一体何をしたというのです?混乱したドダイトスにはトレーナーの指示など……」

サトシ「オレがドダイトスにいつも言っていたことを彼は本能的に行ったまでですよ」

ジェイムズ「何を指示したのですか?」

サトシ「オレはまだ新しくなったコイツの力を使いこなせていません。でもコイツは昔の戦い方を覚えててくれてたみたいだ」

サトシ『窮地に陥った時は……“エナジーボール”を“飲め”』ってね」


ジェイムズ「の……!?そんな戦法……」

サトシ「『エナジーボール』を飲んだドダイトスは強いですよ!耐久力だけでなく、パワー、そして……」


ドダイトス「ド ァ ァ ァ ァ ァ ァ っ ! !」ギュオン!!

サトシ「スピードも上がる!!」


ド ド ド ド ド ド ド ド … … ! !


サトシ「突っ込め!ドダイトス!」

ジェイムズ「マズイ!あんな巨体からのスピード攻撃を受けたらただでは済まない!オドリドリ、飛んで回避しなさい!」

オドリドリ「ド、ドルィィ〜〜!」バサバサ

サトシ「逃がすか!跳べぇぇ!!」

ジェイムズ「!?」

ドダイトス「ドォォォォォォ!!」


バ ァ ァ ァ ァ ァ ン ! !


ジェイムズ(上がったスピードを生かした跳躍……なんとも奇抜な戦法……)

ジェイムズ「しかし惜しかったですねサトシ様!その高度ではオドリドリに紙一重で届きませんぞ!」

ジェイムズ「そのままドダイトスは落下し、上空からの『めざめるダンス』の餌食になるのです!」

サトシ「まだ終わってませんよ!……ドダイトス!オドリドリを空から引きずり降ろせ!」



ガサッ……!
 ▼ 56 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/29 21:21:22 ID:4GI1M0b. [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジェイムズ「そ、そんな……!」


オドリドリ「ド〜〜〜ルィィィ〜〜〜!!」ヒュウウウウ

ジェイムズ「オドリドリが落ちていく!確かにドダイトスの突進から逃れたハズなのに……!」

サトシ「ドダイトスの背中をよく見て下さいよ!」

ジェイムズ「あ!あれは!背中の木にオドリドリの脚が引っかかっている!」

サトシ「オドリドリがドダイトスの突進をかわすのは何となく予想してました」

サトシ「だからドダイトスの一番背の高い部分である背中の木にオドリドリの脚を引っ掛けたんです!」

サトシ「しかもただ引きずり降ろしただけじゃない!」

オドリドリ「んーっ!んーっ!」バタバタ

ジェイムズ「しまった!木の枝が絡み合って動けない!」

サトシ「勝負ありですねジェイムズさん!」

サトシ「さぁドダイトス!生まれ変わったお前の技を使うにはこの上ない状況だ!いくぜ!」


サトシ「ドダイトス! 『   ストーンエッジ   』!!」


ドダイトス「ダ ア ア ア ア ァ ァ イ ! ! !」


ズ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ … … … … ! ! !

--------------------------------------

オドリドリ「お゛っ……お゛っ……」フラフラ

オドリドリ「」

ジェイムズ「み、見事ですサトシ様……」

サトシ「よっしゃあ!リベンジ達成だぜ!」

ピカチュウ「ピッカチュウ!」

ドダイトス「だふぅ……」

サトシ「よく頑張ったなぁ。見違えたぞ」ナデナデ

ジェイムズ「いやはや、サトシ様とのバトルは楽しいものですな。あの状況からあんな戦法を編み出すなんて」

サトシ「えへへ、コイツと一緒にいたころは、とにかく面白い戦法を考えるのにハマってたんです」

ドダイトス「どぅ」


ジェイムズ「では、私達もお嬢様方のところへ行きましょうか」

サトシ「ですね」
 ▼ 57 コガシラ@しんかいのウロコ 17/07/30 07:05:58 ID:02ehj.ZM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロックカットだと思ってた……
エナジーボール飲むの懐かしいな
クロツグ戦だったけな

支援
 ▼ 58 ノマダム@キラキラメール 17/07/30 07:32:06 ID:6QhhTAmk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
所々毒々しいキャラ達がいい感じ
支援
 ▼ 59 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/30 17:12:29 ID:MpskuvwM [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------リーリエ家 裏庭プール------


マオ「アママイコ!しっかりしてよ!ねぇ!」

リーリエ「シロン……起きてください!」

男「素直に言う事聞かねぇからそうなるんだよ。大人しくお兄さんと一緒についてきな」

マオ「誰が!」

男「まだ抵抗すんのかい?恨むならオレじゃなくてここにプールサイドがあることを恨むんだな」

男「人目もつかない裏庭にキミたちみたいな涼しい恰好の少女サン方がいたら黙って見てるわけにはいかねぇだろうがよ」

マオ「い゛っ……!」ゾクッ

ムーマ「マお姉ちゃん……」

マオ「大丈夫、大丈夫だからね……アンタ、今なら見逃してあげるから今スグ帰りなさい!」

リーリエ「一体何が目的なのですか!?」

男「さぁ……何だろうな?」

マオ「リーリエ、近くにお手伝いさんは?」

男「無駄だ。第3土曜日の午後1時半〜3時までの間はここの従業員は全員休憩・出張中であることは確認済みだ!」

マオ「気持ち悪!」

男「おっと口答えしたな?……さて、どうせ誰も助けに来ねぇんだ。一番はまずお前からにしてやろうか?」ジュルリ

マオ「……!」

男「……時間切れだ。本命ではねぇが、まずお前から頂くとしよう!エンニュート、『どくどく』だ」


エンニュート「ゴボボボボボ……」


マオ「あ゛……ぎ……」ガクガク

ムーマ「マお姉ちゃん!」

男「どうよ?この毒は痛みこそないが大の男でも固まっちまうほどの麻痺性がある」

男「すぐにでも解毒はできるが……どうだ?来る気になったか?」

マオ「い゛……!いあ゛……」ビリビリ
 ▼ 60 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/30 17:14:07 ID:MpskuvwM [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「もうこれ以上はやめてください!」

リーリエ「貴方が何をしたいのかはわかりませんが、話してくれない以上は私達もどうすることもできません!」

男「うるせぇなぁ……やれ」

エンニュート「シャアァァァー!」

リーリエ「……っ!」



サトシ「ピカチュウ!『アイアンテール』!!」

ピカチュウ「チャアア!!」


バ コ オ オ オ オ ン !!

エンニュート「ギャフ」



リーリエ「サトシ!」

ムーマ「おにーちゃん!」

サトシ「か、間一髪だった……皆、ケガはないか?」

ムーマ「マお姉ちゃんが!」

サトシ「え!?」

リーリエ「あの人に脅された私達を庇って抵抗したら、エンニュートの毒にやられてしまって……」

サトシ「……」チラッ

アママイコ「」

シロン「」

サトシ「成程、大体わかった。よく頑張ったなリーリエ。マオも……」

マオ「ぎ……ざ……ど……」

ジェイムズ「私がいながら何という事……!お前は何だ!?何をしに来た!?」

男「やれやれ……面倒臭いことになってきたな。しょうがないから緑の子だけお持ち帰りして帰りますかっと」

サトシ「マオに触るんじゃねえ!!」

ピカチュウ「ピッカァ!!」

ドスッ!

男「ぐふっ、野郎……わーったよ、じゃあテメエを倒してからゆっくり頂くことにするぜ!いけ、エンニュート!」
 ▼ 61 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/30 17:16:56 ID:MpskuvwM [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ジェイムズさん、マオを部屋に!毒を治してあげてください!」

ジェイムズ「……わかりました。まさか二度も貴方に救われるとは……どうかご無事で!」

男「チッ、本格的にお預けを食らっちまった。すぐにコイツをブッ倒し、追いかけてあのジジイから取り返すしかないか」

リーリエ「さ、サトシ……」

サトシ「リーリエはムーマを連れて安全な所に!」

リーリエ「気を付けてください!そのエンニュートは私達二人がかりでも……」

サトシ「あぁ。大丈夫さ」

リーリエ「ほら行くよ、ムーマちゃん」

ムーマ「……」

リーリエ「ムーマちゃん?」


サトシ「手加減無しだピカチュウ。何だかわからねぇがコイツ、胸糞悪い」

ピカチュウ「ピカッ」

サトシ「お前もだろ?ドダイトス」

ドダイトス「ドォ……」

リーリエ「ムーマちゃんったら!早く逃げないと……」

ムーマ「……おにーちゃんのバトル」

リーリエ「えっ?」


男「2対1なら勝てるって寸法か。だが甘いな。コイツはさっきもポケモンを2匹倒したところさ」

サトシ「見たことないポケモンだな。ヤトウモリの進化形か」

男「ほう、お前他の地方から来たのか。成程、道理で珍しいポケモンを連れてやがる」

男「なら教えてやろうかな。オレ達の強さを!島巡りで鍛え上げたコイツの強さを!」

サトシ「……強いのはオレ達も一緒さ。ピカチュウ、『アイアンテール』!ドダイトス、『ストーンエッジ』!」

男「へっ、力押しか。やっちまえエンニュート!まずは『どくどく』で相手の自由を奪……」



               ズ バ ン ッ !                ザ ク ッ !


エンニュート「」


男「……は?」

リーリエ「サトシ……?」

ムーマ「……すごい」
 ▼ 62 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/30 17:17:56 ID:MpskuvwM [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ふぅっ……」

ムーマ「おにーちゃん!」ダキッ

サトシ「うわっと」


男「くそっ、せめてあのガキ一人でも……」

リーリエ「……」ザッ

男「いっ!?」

リーリエ「帰ってください。私もマオもあの子も、あなたのものではありません!」

男「何をぉ!?」

サトシ「ピカチュウ、『アイアンテール』!」


バ キ ッ


男「あ・だ・も・す・てーーーーー!!!」キラーン

---------------------------------------

サトシ「……リーリエ、ごめん」

リーリエ「あっ……いえ私は……それよりもマオの所へ行きましょう」

ムーマ「マお姉ちゃん大丈夫かな……」
 ▼ 63 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/30 17:23:25 ID:MpskuvwM [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------リーリエの部屋-------


サトシ「ジェイムズさん、マオは……」

ジェイムズ「我が家の専属医のところで治療を受けております。エンニュートの毒は近代医療で解析済みですので大丈夫かと」

サトシ「……そうですか」

ジェイムズ「どうされました?」

サトシ「やっぱりマオの言う通り、オレはまだまだだったんだな、って」

リーリエ「マオの言う通りとは?」

サトシ「カキと同じことをマオからも言われたんだよ。兄としての自覚が無いって」

ムーマ「おにーちゃん……」

サトシ「もしムーマが先にやられていたら……マオなら多分、二度とオレの口を聞いてくれなくなってたと思う」

サトシ「ごめん……ムーマ」

ムーマ「…………」

リーリエ「サトシ、マオには私から言っておきます。だからそんなに落ち込まないでください」

リーリエ「ムーマちゃんは私達みんなの妹ですもの。みんなで協力して守らなければいけません!」

サトシ「リーリエ……」

ピカチュウ「ピカ?」

サトシ「オレ、ムーマと一緒にいる資格……あるのかな?」

ムーマ「!!」

リーリエ「サトシ!ムーマちゃんが一番大好きなのは貴方なんです!貴方だけは絶対に責任を放棄してはいけません!」

サトシ「リーリエ?」

リーリエ「大好きな人がいなくなるというのは、心に大きな穴が空くということです」

リーリエ「寂しいってスゴく怖いことなんです。……少し情けないことかもしれないですけど」

リーリエ「……でもこれだけは言わせてください」


リーリエ「絶対に、ムーマちゃんから離れないであげてください……!」


ジェイムズ「お嬢様……」

リーリエ「傷ついたムーマちゃんを拾ってくれた貴方は、彼女の心の拠り所なんですから」

サトシ「……」

ムーマ「おにーちゃん……」
 ▼ 64 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/30 17:25:30 ID:MpskuvwM [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……ムーマ」

サトシ「こんなお兄ちゃんでも……お前をポケモンみたいに扱っちゃうお兄ちゃんでも……いいか?」


ムーマ「……うん!」


ジェイムズ「おぉ!何と美しい兄妹の愛なのでしょう……!お嬢様もご立派でしたぞ!私、いたく感動致しましたっ!」

リーリエ「お、大袈裟な……」

サトシ「アハハ……」

ムーマ「えへへ///」


ジェイムズ「サトシ様、これは私からのほんのお気持ちでございます」ジャラッ

ムーマ「うわぁ!きれーな石……」

ジェイムズ「『モリオン』と呼ばれる水晶で作られたペンダントでございます。きっとお二人にお似合いかと」

サトシ「ありがとうございます!」

ジェイムズ「では帰り道、どうか笑顔でお帰りください」

---------------------------------------------------

ムーマ「じゃーねー!」

サトシ「ジェイムズさん、バトルしてくれてありがとうございました!」

サトシ「リーリエ、マオによろしくな!また明日!」

リーリエ「はい!」

リーリエ「……また明日」
 ▼ 65 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/30 17:27:54 ID:MpskuvwM [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエと別れ、帰りの車の中で顔を見合わせ微笑み合うサトシとムーマ。

二人は楽し気に、ククイ博士とロトムに今日の『楽しい』出来事を語るのだった。


翌日サトシはマオに謝ったが、リーリエの説得もあり彼女は快く許してくれた。 

サトシも改めて兄としての自覚を持つよう努めることとなる。

……そして、お揃いのモリオンのペンダント。


スイレン「こ、これは水晶!?」

ムーマ「えへへ……きれーでしょ?」

カキ「いいプレゼントを貰ったじゃないか。おにーちゃんとお揃いは嬉しいか?」

ムーマ「うん!」

カキ「……だそうだ。お前みたいなヤツを慕ってくれる子なんてそういないぞ。次はしくじるんじゃないぞサトシ」

サトシ「わ、わかったよ」

マーマネ「それにしても、ムーマちゃんはともかく、サトシにそんな高そうなアクセサリーは似合わないよねぇ」

ボ コ ッ !


そして数日後、

ナリヤ校長の研究のサンプルとしての役目をひと通り終えたベトベトンと共に、ドダイトスはマサラタウンへ帰っていった。


さて、次のサトシとムーマの物語の始まりは、カキのデート宣言から2週間が経った、ある日から……
 ▼ 66 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/30 17:29:05 ID:MpskuvwM [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第3話(全15話)   「スイレンの役目」
 ▼ 67 ソクムシャ@プテラナイト 17/07/30 18:17:11 ID:SBDsBqWo NGネーム登録 NGID登録 報告
期待期待
 ▼ 68 リアドス@ナナシのみ 17/07/31 02:01:38 ID:0.xszb6I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 69 ゲハント@かおるキノコ 17/07/31 08:36:31 ID:d9JqHTQ2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 70 メモ兄さん◆jql91k4VxI 17/07/31 13:38:01 ID:ddIEiVTU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
期待しています!支援
 ▼ 71 ッギョ@ぼんぐりケース 17/07/31 13:38:26 ID:ddIEiVTU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>70
ヤベェ。コテ外し忘れた
 ▼ 72 ウマージ@ていこうのハネ 17/07/31 19:49:23 ID:5MBnKj22 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 73 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/31 22:16:56 ID:F7O9DSCM [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「おにーちゃん!早くしてよー!」

サトシ「ゴメンゴメン。リュックどこに仕舞ったか忘れちゃってて……」

ムーマ「もう……青いお姉ちゃん達、待ちくたびれてるかもしれないよ?」

サトシ「大丈夫だって!約束の時間までまだあるよ。じゃあロトム、また留守番よろしくな!」

ロトム「お任せロト!……と言いたいところだが」

サトシ「?」

ロトム「スイレン達との約束、本当に今日じゃなきゃダメロト?」

サトシ「まぁ、数日前から決めてあったからね」

ロトム「明日からなら博士が家にいるロト」

サトシ「んだよぉ。一人で留守番はイヤか?」

ロトム「イヤではないと言えば嘘になるロト」

サトシ「わかったよ」

ロトム「えっ、じゃあ……」


サトシ「イワンコ、ロトムと一緒に留守番よろしく頼むよ」

イワンコ「わふ」

ロトム「ちくしょおおおおおおおお!!(CV.若本 規夫)」
 ▼ 74 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/31 22:18:14 ID:F7O9DSCM [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「結局ロトム置いてきちゃった……ムーマ、ホントにこれでいいのか?」

ムーマ「いいの!あのロボット、おにーちゃんといっつもペチャクチャ話してるから……」

サトシ「あれは新しいポケモンとか特訓のデータをだな……」

ムーマ「それより楽しみだよね!今日のおとまり会!」

サトシ「お泊り会という名の妹会だけどな……スイレンが企画してくれたのはありがたいけど……」

ムーマ「イヤなの?」

サトシ「イヤじゃないよ。ただ……何だか彼女に悪いんだよな。気を遣わせてるみたいで」

サトシ「もっとオレがムーマと仲良くなれるために色々教えてあげるって言ってくれたのは嬉しいんだけどな……」

ムーマ「それは青いお姉ちゃんが、おにーちゃんに立派なおにーちゃんになってほしいからだよ」

ムーマ「わたしだっておにーちゃんにはまだまだ甘え足りてないもん」

サトシ「と言われても、あんまり慕われるような器でもないぞ?オレ」

ピカチュウ(サトシには僕達がいるじゃないか)キリッ

ムーマ「スキあり!リリーちゃんの必殺ワザ、『正拳突き』―!」ポコポコ

サトシ「え?」

ムーマ「え?じゃないよおにーちゃん!ちゃんと倒れて!」

サトシ「あ、あぁそうだった。 ぐえ〜、鼻骨が曲がる〜」ドテッ


カキ「こんな道端でリリーちゃんごっことは微笑ましいなサトシ」

ホシ「アローラ、サトシさん!……と、あの子がお兄ちゃんの言ってた子?」


サトシ「み、見られてた……///」
 ▼ 75 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/31 22:19:01 ID:F7O9DSCM [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「兄がいつもおせわになってますっ、ムーマですっ」ペコッ

ホシ「こ、こちらこそ兄がお世話に……なってないよね多分」


カキ「この辺を歩いてるということは、お前もスイレンちに呼ばれたんだな」

サトシ「カキもか!そうだよ妹会だもんな。……オレ本当はZ技の特訓をしたかったんだけど」

カキ「何か言ったかな?」

サトシ「ナンデモゴザイマセン」


サトシ「それよりさ!デートの件まだ教えてくれないのかよ」

カキ「まだだな。教えてほしけりゃ後1週間待て。もちろんムーマと楽しく過ごしながらな」

カキ「今日だってチェックするぞ。お前がムーマのことをどれだけ見ているのかを」

サトシ「ふぇーい、わかりやしたー……」

 ▼ 76 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/31 22:20:36 ID:F7O9DSCM [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------スイレン家-------


ホウ「きたよきたよー」

スイ「ピカチュウのおにいちゃんほか、3めいさまごあんなーい」

スイレン「いらっしゃいみんな。お泊り会と言う名の妹会へようこそ」

ホシ「アローラ!」

サトシ「アローラ、スイレ……」

ムーマ「正拳突きー!」ボコッ

スイレン「ぐぇ〜、肋骨がはみ出る〜」ドテッ

サトシ「こらムーマ!いきなり殴るなんて行儀悪いぞ」

カキ「サトシ違うぞ。これはある種の礼儀だ。スイレンを見ろ。バッチリ怪人になりきってる」

ホシ「そうだよ。リリーちゃん見てる人なら常識だもん」

サトシ「えぇ……折角お兄ちゃんらしいことしたと思ったのに。っていうか……」


スイレン「ふははは、肩甲骨までグリルにされる程ワシは落ちぶれとらんわい」

ムーマ「おのれー!胸骨くらいは炙れたはずなのに!」


サトシ「うん。見れば見るほどおかしくなりそうだぜ……」

カキ「まぁ、頭をカラッポにして見れるのもリリーちゃんの魅力だからなぁ」

サトシ「にしたってオレにはやっぱ合わないかも……」

スイレン「あはは、サトシにはリリーちゃんよりグライガーマンの方が合ってるかもね30分後にやってるやつ」
 ▼ 77 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/31 22:23:47 ID:F7O9DSCM [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「サトシ、ムーマちゃんとの生活、順調?」

サトシ「あぁ。今のところ少なくとも、泣かせたりとかはしてないかな」

カキ「そんなことがあったら大問題だ。ダイフレ案件だ」

サトシ「スイレンはスゴいよなぁ。ただでさえウルサ……賑やかな妹を二人も相手にしてるんだから」

カキ「オレももしホシみたいな子がもう一人いたら、分け隔てなく愛してやれる自信がない」

スイレン「うーん、うちは親も含めて放任主義だから、あまり負担に思うことはないかな」

スイレン「それでもたまにやらかして結局苦労するんだけど」

サトシ「上の兄弟ってのはどこも大変なんだなぁ」

カキ「そうさ。大変なんだ。……大変なりの幸せもあるけどな」フッ


スイレン「サトシ、今日は色々教えてあげるね。ムーマちゃんともっと楽しく過ごせるように」

サトシ「本当助かるよ。カキに教わるとガミガミ言われたりとか色々難儀するだろうと内心思っててさ」

カキ「本人の前でそれを申すか」


サトシ「ぞれ゛で、今日の゛予定は?ただ部屋でじっどしでいる゛わけではな゛いんだろ゛う?」ボッコボコ

※車以外での暴行は交通事故にはなりませんが、人間関係にトラブルを引き起こしかねないのでやっぱりマネしないでください。

スイレン「うん。お昼の間はゲームして遊んだりとか公園へ出かけたりとか……」

サトシ「ふむふむ」

ホウ「夜のプランもー」ニュッ

スイ「あるよー」ニョキッ

サトシ「えっ」

スイレン「こらっ///紛らわしい言い方しない!あと私の股の間から顔出すのやめて!」

スイレン「……そ、そうなの。夜も楽しいお食事会や映画鑑賞会をやるよ」

ホウ「おねーちゃんのボーイフレンドがふたりー!」

スイ「ふたまただ!ふたまたー!」

スイレン「んぬうううううううう!!///」

カキ「ハハハ、相変わらずからかい上手な妹さんだな」

サトシ「ムーマは大人しくて可愛い子になろうな?」

ムーマ「ねぇねぇ!ふたまたって何?」キラキラ

サトシ「お前……」
 ▼ 78 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/31 22:25:02 ID:F7O9DSCM [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうして始まった、1泊2日のお泊り会・通称「妹会」。サトシは兄としてのスキルを身に着けることができるのだろうか。

同年代の子供達に囲まれてはしゃぐムーマを、サトシは微笑ましそうに見つめる。


ムーマ「それっ、ショートカット!」

ホシ「あっ!ムーマちゃんずるい!」

ホウ「ほい、トゲゾーこうら」

ムーマ「あ゛ーっ!せっかく1位だったのに!」

スイ「サンダーとったよ。みんなちっちゃくなれーっ!」

ムーマ「うわああ!!」

ホシ「やられた!」


スイレン「サトシもやる?このゲーム面白いよ」

サトシ「……」

カキ「何だ、緊張してるのか?」

サトシ「あぁ。誰かさんのお陰でカッチカチやで」

カキ「オレは別にお前の行動を制限したくてチェックしてるワケじゃないんだぞ。お前もムーマと一緒に楽しめばいい」

サトシ「そ、そう?じゃあ遠慮なく……」
 ▼ 79 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/31 22:27:56 ID:F7O9DSCM [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------1時間後-------


スイレン「じゃあみんな、次は公園に行くよ」

ホウ/スイ「「おー!」」

ホシ「ほら、お兄ちゃんたちも行くよ!」

カキ「はぁ〜い☆」


ムーマ「おにーちゃん、さっきのゲームずっと逆走してたよね」

サトシ「なぁ、ゲームってBボタンでダッシュするんじゃなかったのか?」

ムーマ「うふふ、ほらおにーちゃん、手」

サトシ「ん?」

ムーマ「つないで。青いお姉ちゃんも赤いお兄ちゃんもやってるよ」

サトシ「え、あぁ……」


スイレン(おっ、えらいえらい。サトシがポケモン以外の子にああいうことするのを見るのってちょっと新鮮)

スイレン(あれ?そういやあの子はポケモンだったっけ。まぁいいや)

カキ(その調子だサトシ。マオには悪いが、やはりあの一件がサトシの考えを改めさせてくれたようだ)
 ▼ 80 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/31 22:30:23 ID:F7O9DSCM [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------公園-------


ホウ「うーみーはーひろいーなーおーきーなー♪」バシャバシャ

スイ「これはーふんすいーだーよー♪」バシャバシャ

ホウ「やぼなツッコミはおよしーよーー♪」

スイ「ごめんーなーさいー♪」


サトシ「しっかし元気だなぁホウちゃんもスイちゃんも」

スイレン「あの元気さのお陰で夜9時までにはぐっすりなのが救い。私はDVD鑑賞に勤しめる」


ホシ「お兄ちゃん!もっと強く押してくれないとブランコが上がらないじゃん!」

カキ「ご、ごめんよ。でもお兄ちゃんそんなことできない……ホシが落ちたら危ないじゃないか」

ホシ「いいから押して!」

カキ「もう、どうなっても知らないぞ!えーい!」


スイレン「カキはカキで大変そうだね」

サトシ「なんか、お互いに苦労してるように見えるんだけど」

スイレン「ホシちゃんもホシちゃんなりにストレス溜まってるのかな」


ムーマ「おにーちゃんおにーちゃん。ガールフレンドとお話してるところわるいけど」ヒョコッ

スイレン「!?///」

ムーマ「あれやって!あれ!」

サトシ「あれ?」

スイレン「あ、そこそこ大きい公園に置いてある、丸くて回るやつ」

サトシ「本当だ。正式名称知らないけど丸くて回るやつだ」

ムーマ「おにーちゃん回して回してー!」

サトシ「よっしゃ。スイレンも来る?」

スイレン「あ、ううん。ここであの二人見てるから」

ムーマ「えー?お姉ちゃんも乗ろうよ!」
 ▼ 81 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/31 22:32:12 ID:F7O9DSCM [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホウ「のっちゃえのっちゃえ!」

スイ「ついでにおにいちゃんにものっちゃえ!」ハハハ


スイレン「あのマセガキ共……サトシごめんね」

サトシ「ははは、いいよ。じゃあ3人で行こうか!」

ムーマ「やったー!」

--------------------------------------------

ガラガラガラ……


サトシ「よいせ、よいせ」

ピカチュウ「ピカチュ〜♪」

アシマリ「あうっあうっ♪」

ムーマ「すごいねおにーちゃん。これだけ乗っててもこんなに速く回せるなんて」

サトシ「まぁね。割と力には自信がある方なんだ。そうれ!」ガラガラガラ

ムーマ「わおー♪」

スイレン「……」

サトシ「どうしたんだ?気分が悪くなったんなら降ろすけど」

スイレン「う、ううん。何でもない!……サトシ!」

サトシ「ん?」

スイレン「サトシはきっと……いいお兄さんになれると思うよ」

サトシ「アハハ、そう言ってもらえるだけで嬉しいよ。やっぱりスイレンに頼んでよかった!」

スイレン「……///」


ホウ「マセガキはどっちなんだろうね」

スイ「ねぇ」
 ▼ 82 オキシス@くっつきバリ 17/07/31 23:59:56 ID:pADRPY2A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このロトム図鑑には、泊まりたいという家がある…!(狼川ボイス)
 ▼ 83 ュシュプ@きいろいバンダナ 17/08/01 07:20:41 ID:RXq5jPGA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 84 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 19:51:27 ID:3gAl/MKI [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「むゎー楽しかったぁ♪」

スイレン「お疲れ様、サトシ」

サトシ「ははは、ちょっと休憩」

ムーマ「ねぇおにーちゃん、ポケモンかしてよ」

サトシ「えっ?」

ムーマ「わたしもやってみたいの!ポケモントレーナー!」

サトシ「はぁ……」

カキ「サトシ、妹に経験を積ませるのも兄の務めだ。させてやれ」

ホシ(過保護が言うセリフか……)


サトシ「じゃあ誰を使ってみたい?ピカチュウ?ニャビー?」

ムーマ「モクロー!ウチで一番なかよしの子!」

サトシ「あはは、今日は寝てないといいけどな。ほれ」つ◎

ムーマ「ありがとう!相手は……だれかいないかな?」キョロキョロ

スイレン「私で良ければ相手になるよ」

アシマリ「あう♪あう♪」


ホシ「いいなぁ〜ムーマちゃん。あたしも兄弟に恵まれていれば今頃トレーナーにだってなれてたのかなぁ」

カキ「ホシの兄はオレだ。お前が大きくなるまではお前をオレの傍から離すわけにはいかない」

ホシ「だからそういうのを過保護っていうんだってば!ちょっとはスイレンさんとサトシさんを見習いなよ!」

カキ「なっ……!?オレに二人を見習えだと!?」

ホシ「少なくとも、今のお兄ちゃんはホシのお兄ちゃんにふさわしくありません!」プイッ

カキ「うわーーーーん!!フラれたーーーー!!オレは一体これからどうしたらいいんだァあァあァあ!?!?」

ホシ「泣くな大の男が!」

ホウ「おねえちゃんのボーイフレンドその2、おもしろーい!」

スイ「おもしろーい!」

カキ「その2!?オレは二番手なのか!?」

ホウ「うん。おもしろいけどおにーちゃんとしては……」

スイ「うん。え ー え ん の に ば ん て」

カキ「うわーーーーん!!」

ホシ「もうお兄ちゃんうるさいったら!!」
 ▼ 85 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 19:52:43 ID:3gAl/MKI [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「み……みんな、面白いな」

カキ「ゴラ゛――!!何ニヤニヤしてやがんだサトシ!」

サトシ「いや……ちょっと微笑ましくて」

カキ「みんなしてオレを笑いやがって!オレは珍獣か何かか!?」

ホシ「今のお兄ちゃんは珍獣以外のなにものでもないよ」

カキ「ガフッ(吐血)」

サトシ「と……トドメ刺しやがった……さーて、ムーマとスイレンのバトルはどうなってるのかなぁ〜と……」


スイレン「何やら向こうが騒がしい」

ムーマ「でもおかまいなし!モクロー、せんさまんべつ『このは』!」

スイレン「先手必勝って言いたかったのかな……アシマリ、『バブルこうせん』!」

モクロー「もっふぅぅ!」

アシマリ「アオォォォォン!」

スイレン(押されてる……相性もあるけど、サトシとの特訓でモクロー、強くなってる)

ムーマ「いっけー!おしこめー!」

モクロー「んもっふぉぉぉぉぉ!!」


スイレン「アシマリ!撃つのをやめて端に避けて!」


ムーマ「あっ!」

モクロー「も……もっふ……?」ヨケラレチッタ


サトシ(ふむ。ムーマのやつ、最初からモクローにきばらせてるな。確かに撃ち合いには勝てるだろうが……)
 ▼ 86 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 19:54:06 ID:3gAl/MKI [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「アシマリ、バルーン!」

ムーマ「また何か出してくるよ!モクロー避けて!」

モクロー「も……?」

ムーマ「は、早くして!」


サトシ「実力はあるがスタミナが無いんだよな、モクロー……あまり無茶させると反撃には滅法弱いんだ」


モクロー「もふー!」バサバサ

スイレン「逃がさない。アシマリ、バルーン発射!」

ポコン!

モクロー「……?」キョロキョロ

スイレン「モクロー確保。さぁアシマリ、反撃するよっ」


サトシ「あらら、バルーンの中にモクローが入っちゃったね。これはアシマリのペースかな?」


ムーマ「モクロー楽しそう……じゃなくて!モクロー!早いとこそこから出て!」

モクロー「んもぉ……」ジタバタ

スイレン「モクローサイズのバルーンは簡単には壊れない!モクローだけじゃなくてアシマリも特訓してる」

スイレン「アシマリ、ジャンプ!」

アシマリ「アォッ」

サトシ/ムーマ「「跳んだ!?」」

スイレン「からのー……アタック!」

アシマリ「サーッ!!」バシン!!


ズ ド ォ ォ ォ ォ ン ! !


ムーマ「あわわわわ……」

スイレン「アシマリ、とどめの『アクアジェット』!」

ムーマ「モクロー!起きて!早く!」

アシマリ「アオオン!!」ギュオッ


ズ ッ … … !
 ▼ 87 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 19:56:57 ID:3gAl/MKI [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モクロー「おぅ……」

スイレン「勝負あったね」

ムーマ「モクローぉ……」


モクロー「もっふぅ!」シャキッ


スイレン「!?」

ムーマ「モクロー!まだ戦ってくれるの?」

モクロー「もっふぅ」

ムーマ「『取っておきの方法を思いつきましたぜ』って?一体何?」

モクロー「もふぅ!もふぅ!」

ムーマ「『いいから指示だ。アンタはトレーナーだろう!』……わかった。モクロー!」

ムーマ「アシマリに『たいあたり』!」

モクロー「もっふぉぉぉ!!」

スイレン「来るよアシマリ!バルーンでガード!」

スイレン「またバルーンに閉じ込めてアタックしてあげる」


ムーマ(モクロー……)

モクロー「(‘ω‘ )b」

スイレン「バルーン、発射!」

モクロー「もふぅぅ!」


ポコン!           ポコン!


アシマリ「……?」

ムーマ「え……?」

スイレン「!! アシマリ!」


サトシ「おぉ!モクローが珍しく頭を使ったな?バルーンを蹴り返して自分ごとバルーンの中にアシマリを閉じ込めるなんて」


アシマリ「あう!あう!」ジタバタ

モクロー「もっふ♪もっふぅ♪」

スイレン「まずい!あのままじゃ回避できない!」

ムーマ「すごい!すごいモクロー!さぁて……」
 ▼ 88 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 19:58:46 ID:3gAl/MKI [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「アシマリ確保!青いお姉ちゃん、反撃するよっ!」

スイレン「っ……!」

ムーマ「モクロー!バルーンの中で『このは』ーっ!」

モクロー「もっふぉぉぉぉりゃアア!!」バババババ

--------------------------------------------

アシマリ「」

モクロー「も、もふぅ……」ガクッ


サトシ「結果は引き分けみたいだな。お疲れ様二人とも」

スイレン「サトシ!いつから見てた?」

サトシ「カキが珍獣になってから」

スイレン「……?」


モクロー「もふー」

サトシ「モクローもアシマリもお疲れ様。今日はゆっくり休んでくれよ」

アシマリ「あうっ」

サトシ「ムーマもよく頑張ったな!トレーナー姿、中々様になってたよ」ナデナデ

ムーマ「むふ〜♪ あっ、でも……バルーンの中にアシマリを入れるのはモクローが……」

サトシ「そんなのいいさ。オレだってポケモン達の機転を利かせた戦い方に何度救われたことか」

ピカチュウ「ぺか」エッヘン

サトシ「バトルに勝てば、ポケモンとトレーナーの両方の勝ちになるんだよ。おめでとうムーマ」

ムーマ「おにーちゃん……」

ムーマ「わたし引き分けだけど」

サトシ「あぁ……まぁそうなんだけど……」

スイレン(カッコ悪……)
 ▼ 89 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 20:12:55 ID:3gAl/MKI [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
------その夜 スイレン家 食卓にて------


サトシ「……うまっ!お母さん、これなんて料理ですか?」

スイレンママ「『アクアパッツァ』っていうの。スイレンのボーイフレンド君のお口に合ったようでうれしいわ♪」

スイレン「だーから違うってば!///サトシはボーイフレンドじゃない!」

サトシ「えっ、オレってボーイフレンドじゃなかったの?」

スイレン「何それ!?本気でそう思ってたの?」

サトシ「ボーイフレンドって『男の子の友達』って意味だろ?じゃあ……オレはスイレンの友達じゃなかったってことか……?」

ホウ「えっ、そうなの……?」

スイ「おねえちゃんにとってピカチュウのおにいちゃんっていったいなんなの……?」

スイレン「ち、違う違う!全然違う!そーいう意味じゃない!」

サトシ「じゃああれか。オレは……男の子じゃなかったのか?///」

スイレン「なんでそうなるの!!?」

スイ「あのね、ボーイフレンドっていうのは……」

スイレン「こらそこ!勝手に説明しない!」

スイレンママ「あら、この際本当になっちゃいなさいよ。サトシ君のガールフレンドに♪」


スイ「……っていうこと。わかった?」

サトシ「なるほどなぁ。そう考えるとボーイフレンドって簡単に使っちゃいけない言葉なんだ」

スイレン「そう。私達はただの友達。だからホウもスイも冷やかしで言うもんじゃ……」

サトシ「        てことは、カキはオレのボーイフレンドじゃないってことだな        」

カキ「ブハッ」

スイレン「言うもんじゃ……ないよ。本当に」

ホウ/スイ「「うむ」」


サトシ「いやぁ〜しっかし本当にうまいっすね。このアクアサーファー」

スイレン「アクアパッツァね。ウチではお客さんによく振る舞う」

サトシ「うまいなぁ〜、自分でも作れるようになりたいな」

ピカチュウ(やめておきなさい)
 ▼ 90 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 20:15:01 ID:3gAl/MKI [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「〜♪」アムアム

スイレンママ「ムーマちゃんにもお気に召したようで良かった♪」

スイレン「綺麗にトマトだけ避けてるけど」

サトシ「ムーマ、そのトマトもちゃんと食べないと」

カキ(そうだ。嫌いな食べ物を把握して、且つ克服するように促すのも、兄としての重要な務めだ)

ムーマ「む〜、人がせっかくおいしく食べてたのに」

サトシ「トマトも合わせて食べるともっとおいしいんだぞ?どこが嫌いか知らないけど食べろって!」

ムーマ「いやだ」

サトシ「食べろ!!」

ムーマ「いやだ!!」

スイレンママ「あらあら……」

カキ「怒鳴り、強制……こりゃ10点ずつ引いてマイナス20点だな。兄としてはまだまだだな」

ホシ(唐突に出てきた点数制度)


スイレンママ「じゃあそのトマトを冷凍庫で冷やしましょうか!」

スイレンママ「冷たいトマトは好きでも、スープに浸かった柔らかくて温かくなったのが苦手って子も多いらしいし」

サトシ「スミマセン。お願いします……」
 ▼ 91 シレーヌ@ボイスチェッカー 17/08/01 20:16:34 ID:lyaxdIqA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシは好き嫌いがないから仕方ないな
支援
 ▼ 92 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/01 20:16:43 ID:3gAl/MKI [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ホーラ、冷やしたぞ。キンキンだぞ。今度こそ食べろー」

ムーマ「……」

サトシ「おーい?ムーマちゃーん?聞こえますかー?」

スイレン「ひょっとしてトマト、根っから嫌い?」

カキ「仕方ない。サトシ、ここはあんまり無理強いせずにオレ達で食……」


ムーマ「あーん」アガー


カキ「……へ?」

スイレンママ「うふふ、ムーマちゃんたら。ここはお兄ちゃんの出番じゃない?」

サトシ「お、オレですか?」

ホウ「ユーやっちゃいなよ!」

スイ「レッツあーん!」

カキ「バ、ヴァカな!!兄妹の愛の儀式『あーん』をたった2週間の付き合いであるアイツらが……!?」


サトシ「……ほ、ほら」

ムーマ「」モグモグ

ムーマ「(*´▽`*)」

サトシ「おいしい?」

ムーマ「♪」コクリ

サトシ「……よかった」

スイレンママ「微笑ましいわね。放任主義もいいけどそういう共同作業は親からすると見てて癒されるわ♪」

スイレン「ウチは二人ともマセガキだから。ムーマちゃんのような純粋さが足りない」


カキ「……ホシ、お、オレ達も、だな……あ、あーん」

ホシ「しない。あとその余所余所しい演技がムダにリアルでキモい」

カキ「うわーーーーん!!」

ホウ「でたー!ちんじゅうだー!」


ムーマ「おにーちゃん、もっと」アーン

サトシ「あぁいいぞ。しっかしホントによく食べるなぁ」


スイレンママ「スイレン?何だか嬉しそうね」

スイレン「うん、お母さん。どうやら今日は私の役目、無いみたいだから」
 ▼ 93 ザードン@マトマのみ 17/08/02 16:31:04 ID:DakkOQzM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 94 コッチ@アロライZ 17/08/02 18:48:16 ID:vccNA1m2 NGネーム登録 NGID登録 報告
微笑ましい

支援
 ▼ 95 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:01:09 ID:pLnXY2e. [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------しばらくして-------


スイレン「カキ、サトシとムーマちゃんは?」

カキ「風呂だ」

スイレン「今日、どうだった?カキから見て」

カキ「サトシの兄としての出来か?……まぁ、自覚は以前よりあるようでなによりだが」

スイレン「だが?」

カキ「やっぱり不器用だな。アイツは。まだアイツは兄として妹に何をすればいいのかを戸惑っている所がある」

スイレン「サトシはそこのところうまくやってると思うけど」

カキ「そうか?サトシはただ、ムーマが求めていることをやっているだけな気がするんだ。オレはな」

カキ「遊びにしろ、バトルにしろ……『あーん』にしろだ」

スイレン「それで十分じゃない?」

カキ「甘いな。放任主義の考え方と思えば妥当だが。ただ与えているだけなら近所のおばちゃんでもできる」

スイレン「な、なんかゴメン」

カキ「スイレン、さっきはあんなことを言ってたが、お前にもアイツに教えてやらなきゃいけないことくらいたくさんあるぞ」

スイレン「そ、そうかな……」

カキ「そうとも。サトシもお前に似て面倒見がいいが、決定的に違うのは器用さだ」

スイレン「そ、そんなこと……///私は何も……」

カキ「この前も妹達に自分で選んだプレゼントを渡していたろう?そういう心がけのようなものをサトシで見たいんだ」

スイレン「あぁ、なるほど!」

カキ「ま、このへんの課題も1週間後のデートのプランに組み込んだ方が効率的か」

スイレン「あぁ……あったねそんなの」

カキ「折角だ。まだ未完成の計画だがここで教えてやろうか?」

スイレン「えっ……?いや、いいけど……」

カキ「『いいけど』じゃない。……お前にも知ってもらわないといけないからな」

スイレン「?」

カキ「まぁ、まずはさっき言ったことをサトシにアドバイスしてやれよ。オレじゃなくて、お前がサトシに頼まれたんだからな」

スイレン「うーん……」

カキ「さて、ホシを誘ってくるか。サトシ達が風呂から上がったら、次はオレ達の番だ」

スイレン「あぁ、死なない程度に殴られてきてね」
 ▼ 96 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:03:44 ID:pLnXY2e. [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ベッドルーム-------


サトシ「いやぁ〜、いい風呂だった。潮風に包まれた心地良い感じ」

ムーマ「おにーちゃん見てあれ!大きなベッドだね」

サトシ「あぁ、二段ベッドだね」

ガチャッ

スイレン「サトシ、お風呂上がった?……って、あーっ!」

サトシ「!? な、何だ?」

スイレン「しまった。ウチの子供用ベッドそれしかない」

サトシ/ムーマ「「えぇぇ!?」」

スイレン「二段しかないベッドで7人寝ることは明らかに無理……!」

ムーマ「ど、どうするの?」

スイレン「大丈夫。妹組はひとつのベッドで2人寝れるからあなた達4人で寝ればいい」

サトシ「お、オレ達『上の兄弟組』は……?」

スイレン「……床」

サトシ「だよなぁ……」
 ▼ 97 ェリム@きいろいかけら 17/08/02 22:04:03 ID:MiEg1CO. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>91
カスミ「虫、ピーマン、玉ねぎ、人間誰しも嫌いなものなんてあるでしょ!?」

サトシ「おあいにく様、それ全部好きなものなんだよー、好き嫌いはダメだってママに教わらなかったのか?」
 ▼ 98 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:05:01 ID:pLnXY2e. [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------深夜0時-------


スイレン「ZZZ……」

ホシ「ZZZ……」

ホウ「ZZZ……正解は……」

スイ「亀田製菓!……ZZZ……」

カキ「いやカキの種じゃねぇよ……ZZZ……」


ムーマ「おにーちゃん、起きて」

サトシ「ZZZ……」

ムーマ「起きてったら!」

サトシ「ZZZ……」

ムーマ「……」フーッ

サトシ「ひゃんっ!?む、ムーマ!いきなり耳に息吹きかけるなよ!」

ムーマ「シーッ!みんな起きちゃうよ」

サトシ「どうしたんだ?こんな夜中に起こして……ひょっとしてトイレか?」


ムーマ「     さんぽにいこうよっ♪     」
 ▼ 99 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:07:27 ID:pLnXY2e. [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何と、ムーマの突然の思いつきで深夜にも関わらず外出することになったサトシ。

辺りは真っ暗。夜空の星が気休め程度の明かりで散歩道を照らす。

果たしてサトシ達は、おまわりさんに補導されずに無事帰って来ることができるのだろうか?


ムーマ「〜♪」

サトシ「ムーマ、トイレの窓のカギが開いてるなんてよく気が付いたよな」

ムーマ「そりゃ、みんなにナイショでこうしてさんぽに行きたかったもんね」

サトシ「誰かが起きたら家は大騒ぎだぞ?」

ムーマ「いいの。それにおにーちゃんだって夜家を出たりしたことあったんでしょ?お父様からきいたよ」

サトシ「あれはニャビーのことがあってだな……」


ムーマ「わたしね。ポケモンだったころはこうして夜道をさんぽするのが好きだったんだ」

サトシ「あぁ。ムウマは夜行性のポケモンだもんな。ムーマもやっぱ例外じゃないか」

ムーマ「でもね。こうやって、好きな人と歩くのは初めてなんだ」

サトシ「えっ?前までは友達とかいなかったのか?」

ムーマ「うん……何もなかったよ。ともだちも、名前も」

ムーマ「気が付いた時にはなかったの。……何も」

サトシ「……あっ、えっと……」

ムーマ「でも今はしあわせ!おにーちゃんがいるもん!」

ムーマ「マお姉ちゃんも、白いお姉ちゃんも、青いお姉ちゃんも、赤いお兄ちゃんも、マーくんも……」

ムーマ「お父様もロトムもポケモン達も……みんな」

サトシ「アハハ。だね。昔が何であれ、ムーマもオレも今はメチャクチャ幸せだもんなっ」
 ▼ 100 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:12:06 ID:pLnXY2e. [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……綺麗だな。星」

ムーマ「うん」

サトシ「授業で習ったんだけどさ、ペンドラー座の真ん中にある赤い星。ほら、あれ」

サトシ「あれって、太陽よりもずっっっっと大きい星らしいぜ」

ムーマ「へぇ……」

サトシ「きょ、興味はないか。じゃあ……」

ムーマ「おにーちゃん、『ポケモンマスター』ってなに?」

サトシ「んっ?」

ムーマ「マお姉ちゃんが言ってたの。おにーちゃんの夢はポケモンマスターになることだって」

ムーマ「でもポケモンマスターってなに?って言ったら、『本人に直接聞かないとわからない』って」

サトシ「ほぉ……」

ムーマ「ねぇ、なんなの?ポケモンマスターって」

サトシ「考えたことないな」

ムーマ「はっ?」

サトシ「具体的に考えたことがないんだよ。前例も聞いた事無いしね」

ムーマ「えぇ……」

サトシ「でもな。あんまり考えてないから今日まで目標を変えず生きていられるんだと思思うぜ」

サトシ「昔オレのママが言ってたんだ。目標を決めるのはいいけど無理はするなって」

サトシ「それに本当に無理をしたヤツをオレも知ってるんだ。ムーマ、オレが前まで旅をしてた話はしたよな?」

サトシ「実はオレと同じ日に旅立ったトレーナーが3人いてね。旅を終えて、1人は今や立派な研究者。でももう二人は……」

ムーマ「?」

サトシ「旅を諦めてしまったんだ。今もどこにいるのかわからないらしい」

サトシ「オーキド博士が言うには、二人は何らかの無茶な目標を立てたために諦めざるを得なくなったそうなんだ」

サトシ「その時はオレもオーキド博士にママと同じことを言われたっけな。ハハハ」

ムーマ「おにーちゃん……」

サトシ「オレはその時から決めたんだよ。『ポケモンマスター』に深い意味を持たせちゃいけないって」

ムーマ「おにーちゃん……ほんとにそれでよかったの……?」

サトシ「さぁね。でも後悔はしてないよ。それからもまた旅を続けてたくさんの出会いがあったからね」

サトシ「お前もその一人さ、ムーマ」

ムーマ「わたしも?」

サトシ「オレがきっとポケモンマスターにしつこく意味を求めて無茶をしていたら、きっとムーマに逢うこともなかったもんな」
 ▼ 101 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:16:34 ID:pLnXY2e. [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「……」

サトシ「ムーマ、お前もいつか夢を持つと思う。でもそれが原因で自分を必要以上に追い詰めちゃいけないよ」

サトシ「夢は心の支え。ムーマ自身はいくつになってもムーマらしく生きていけばいいんだ」

サトシ「夢はムーマが忘れない限りは、ずっとムーマの傍にあるよ」

ムーマ「おにーちゃん……」

サトシ「……みたいなことをククイ博士が言ってた」

ムーマ「ギャフン」


ムーマ「……わたしにもできるかな?」

サトシ「できるよ。『おにーちゃん』が保証する!」

ムーマ「……///」ギュッ

サトシ「ムーマ? ……泣いてる……のか?」

ムーマ「わからない……でも、ヘンだな。すごくうれしいの」ポロポロ

サトシ「そ、そっか。嬉しいならいいの……かな?」

ムーマ「おにーちゃんが『おにーちゃん』って言ってくれたからかな?」

サトシ「……もうちょっと、ここにいようか」

ムーマ「うん!」


気休め程度の明かりは、二人を優しく照らす無数のディスプレイ。

そんな夜空の下で人とポケモンの兄妹は笑い合い、語り合った。二人っきりで……
 ▼ 102 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:20:08 ID:pLnXY2e. [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------スイレン家-------


ムーマ「た・だ・い・まー……」ソローリ

サトシ「やっぱりトイレの窓から帰るんだな」

ムーマ「えへへ。おさんぽ楽しかったね♪」

サトシ「あぁ。オレもあの話をしたのは二回目だ。一回目はピカチュウ」

ムーマ「むぅ……やっぱりあの子には先に話してたか」


ムーマ「じゃあおにーちゃん、明日もいっぱい遊ぼうね」

サトシ「あぁ。おやすみ」

-------------------------------------------

サトシ「ZZZ……」


ムーマ「……」

ムーマ(そう。今はおにーちゃんたちがいてくれてとてもしあわせ。だけど……)

ムーマ(わたしは……どうして一人ぼっちだったんだろう……?)

ムーマ(……まぁいいや)


ホウ「ZZZ……ブルーハワイ……」

カキ「いや、カキ氷でもねぇよ……ZZZ……」

スイ「ZZZ……水溶き片栗粉でとろみをつけて……」

カキ「いや、カキたま汁でもねぇよ……ZZZ……」


こうしてまた、一日が終わる。

ムーマは今宵良い夢が見れるようにと、静かに眠りについた。
 ▼ 103 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:21:52 ID:pLnXY2e. [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------翌日-------


カキ「まぁ……サトシ。昨日は色々見させてもらったが、お前は必要最低限のことはこなせていると思うぞ。今回は合格だ」

サトシ「お、おぉ……」

カキ「その調子でデート当日まで頑張るんだな。その日がお前の最終試験だ」

カキ「それじゃあみんな。オレ達はこれで」

ホシ「またねー!」

---------------------------------------------

ムーマ「ふゎ〜」ウトウト

サトシ「ほらムーマ、スイレン達に挨拶だぞ」

スイレンママ「? ムーマちゃんは寝不足かしら?昨日はみんなと寝たはずなのに」

サトシ「あぁっと、夜中トイレに行ったんですよ。ね?」

ホウ「なるほどー!それでトイレのまどがあいてたんだね」

スイ「でもどうしてドアじゃなくてまどがあいてたの?」

サトシ(しまったーッ!夕べ開けっ放しにしてた!閉めてないけどしまったーーー
ッ!!)


スイレン「サトシ、結局は私があなたに教わることの方が多かったみたい」

スイレン「ムーマちゃんと一緒にいるの、見てて穏やかになれた」

サトシ「いや、そんなことないさ……まだまだ教わることなんてたくさんあるよ」

スイレン「あ、そうだ。サトシ、私からひとつアドバイス」

サトシ「?」

スイレン「サトシ、あなたはムーマにとって、すごくいいお兄ちゃんだと思う。ムーマちゃんのことをよく見てる」

サトシ「あぁ、そりゃどうも///」

スイレン「でも、あなたからムーマちゃんにできること、自分で考えるともっといいと思う」

スイレン「私から言えるのはこのくらいだけど。どうか探してみて。サトシができること」

サトシ「……よくわかんないけど、とにかくオレももっとムーマのために行動しなくちゃってことだな!」

スイレン「ふふ、そうだね」


サトシ「ありがとうございましたー!さようならー!」

ムーマ「またねー!おにーちゃんのガールフレンドー!」

スイレン「な゛っ!!?///」

スイレンママ「うふふ……」
 ▼ 104 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:26:19 ID:pLnXY2e. [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ家での一件もあってか、サトシとムーマは兄妹としての仲を深めていた。

長い旅で培ったサトシの父性・思いやりがここに来て生きてきたことだろう。

ムーマにとっても、ポケモンか人間かを区別しないサトシは良い心の拠り所となっていた。


サトシ「そういやムーマってさ、技とか出せるの?」

ムーマ「うーん。人間になってから出せなくなっちゃったみたいなの」

サトシ「あらら……不便に思わないか?」

ムーマ「おにーちゃんがいるから不便に思ったことなんてないよっ♪」

サトシ「あっはは///媚びるなぁ」

ピカチュウ「……」イラッ


ロトム「博士、ネットで何見てるロト?」

ククイ「あぁ。ちょっとコレを見てくれ」

ロトム「これは?ニュース記事ロト?」

ククイ「あぁ。前々から何となく思ってたんだが……ほら、ここに貼ってある写真を見てくれないか」

ロトム「写真?   !!   こ、これは……!」

ククイ「あぁ。まさかとは思うが……な」

ククイ「ロトム。この記事は数年前にアローラで起きた事件のものだ。サトシが知ってるはずもない」

ククイ「悪いがこのことは黙っててくれるか?まだ確証を得たわけじゃないからな」

ロトム「でもこの写真の女の子……まるで……」

ククイ「ロトム!あくまでオレの推測……できることなら忘れてしまってもいい。だけど念の為だ」

ククイ「オレもあまり疑いたくないが……」

サトシ「博士ー!ムーマがお腹空いたって!」

ククイ「ハハ、そういうお前もだろ?よしわかった!野菜コロッケでも作ってやるか」

ムーマ「お父様ー、トマトは抜いてー」

ククイ「ははは、入れないよ。ほうれん草とコーンたっぷりのヤツを食わしてやる!」


ロトム「…………」

ロトム「丸い瞳に、紫のグラデーションがかかった黒髪、6歳の女の子……」

ロトム「……シロガネ・ヤシロ」




兄妹の物語はまだまだ続く。次の物語は、カキのデート発言から2週間と4日が経ったある日から……
 ▼ 105 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/02 22:27:28 ID:pLnXY2e. [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第4話(全15話)   「おとなの ちからって すげー!▼」
 ▼ 107 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:40:51 ID:nBwBsxNU [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロケット団「「「「……」」」」ジーッ


ムサシ「ジャリボーイのやつ、またあの妙な子を連れてるわね」

コジロウ「ムーマって子みたいだな。確かに見た目はポケモンのムウマに似てるな」

ニャース「ジャリボーイを随分慕ってる様子ニャ。でもその他にも……」

ニャース「あの子供、ポケモンの言葉を完璧に理解しているニャ。人間にしてはタダものじゃないスキルニャ」

ムサシ「フッ、きっと前世はポケモンだったとかじゃないのぉ?」

ソーナンス「ソーーーナンス」


ヤングース「ま゛う!ま゛う!」

ムーマ「おにーちゃん、『朝ごはんの残り持ってる?』だって」

サトシ「あーっ……ごめん、今日は無いや。また今度ね」

ヤングース「ま゛ぅ……」


ムサシ「あっ、ほらまた。野生ポケモンとコミュニケーションをとってる」

ニャース「ニャーのアイデンティティが奪われてる気がするニャ……」

ソーナンス「ソーーーナンス……」

コジロウ「ていうか、オレ達ここ3日連続で朝から何やってるんだ?」

ムサシ「何って。ジャリボーイのオフタイムの観察じゃない」

ムサシ「旅をしてた今までと違って、今のジャリボーイには毎日帰る家がある」

ムサシ「こうして彼の日常を見ることができる機会、今ぐらいしかないわ」

コジロウ「にしてもこんなの、ジャリボーイじゃなかったら犯罪な気がするんだが……」

ムサシ「だぁ!細かいことはいいの!さて、ジャリボーイも行ったことだし今日の監視は終わり!」

ムサシ「アローラでの新戦力、またまたゲットしに行くわよ」

コジロウ「お、おう!」

ニャース「…………」

ムサシ「ん?どうしたのよニャース。早く一旦基地に戻らないと、またあの熊が自力で回収に来るわよ」

コジロウ「そうだ。今までと違ってアローラでのオレ達の活動にはタイムリミットってもんが……」

ニャース「……やっぱり気に食わないニャ」

ムサシ「は?」

ニャース「……今日は二人で戦力をスカウトしに行ってほしいのニャ。ニャーは今から……」


ニャース「あのガキをと っ ち め てやるのニャ。そしてコテンパンにするのニャ。二度と喋れなくなるまで」ギヒヒ
 ▼ 108 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:42:02 ID:nBwBsxNU [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムサシ/コジロウ「「あ、マジだ」」

ムサシ「ど、どうすんのよ!何かとんでもないこと言いだしたけどあの化け猫」ヒソヒソ

コジロウ「と、止めよう!さすがに人間の、それもあんな小さな子に危害を加えるのはオレ達のプライドが許さん!」

ムサシ「ニャース!アンタは気に食わないかもしんないけどちょっとは倫理ってヤツを……」

ムサシ「?」


シーン……


ムサシ「いねぇーーーーーっ!!?」ガビーン

コジロウ「いや、でも時々忘れるがニャースもポケモンだ。人間とはまた違う倫理観を……」

ムサシ「バカ言ってないで追うのよ!?アタシ達はLovely Charmyな敵役なのよ!?」

コジロウ「お、おうわかった!これはチームの問題だもんな!待てーっ!ニャースーー!!」

ソーナンス「ソォォーーーナンス!!」
 ▼ 109 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:43:47 ID:nBwBsxNU [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ポケモンスクール-------


サトシ「よし、ポケモンスクール到着。今日も実に楽しい通学路だった。そして憂鬱な授業が始まる」

ムーマ「おにーちゃん、きのう宿題がんばってたもんね」

サトシ「ははは、じゃあ行ってくるよ。お前はこのまままっすぐ校長室へ行くんだぞ」

ロトム「また放課後ロト〜!」

ピカチュウ「ピカチュ〜!」バイバイ

ムーマ「いってらっしゃーい!」


ニャース「ニャフフ、通学路は家に帰るか教室に入るまでが通学路なのニャ」コソコソ

ニャース「さて、今後ニャーの居場所を奪いそうなヤツは、ここで排除しておくのニャ!」
 ▼ 110 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:45:40 ID:nBwBsxNU [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「はぁ〜ぁ。またあのうすらさむいオッサンのところにいくのかぁ〜やだな〜」

ムーマ「……ちょっとだけおにわであそんでこようっと」


ムーマ「いつ見てもひろいおにわ……でもひとりじゃたいくつだなー」

ネッコアラ「ZZZ……」ゴロゴロ

ムーマ「あっ!ポケモンだ!まって!」

ネッコアラ「ZZZ……」ゴロゴロ

ムーマ「まってったら!わたし今ひまなの!よかったらいっしょにあそんでくれない?」

ネッコアラ「ZZZ……」ピタッ

ムーマ「あっ、ねぇねぇ、今からわたしが考えたおもしろいあそび……」

ネッコアラ「ふゎ〜」

ムーマ「え、『業務妨害は刑法に反しますよ。以上、時報担当からでした』って?何のこと?」

ネッコアラ「ふゎ〜」ブォン

バ キ ッ !

ネッコアラ「ZZZ……」ゴロゴロ

ムーマ「ぃ……ぃひゃぃ……」ピクピク


ニャース「またポケモンと会話をしたニャ。あの小娘……」


ムーマ「ねぇ、あそぼ?」

ケンタロス「ブルルッ ブルルッ」

ムーマ「『課外授業に向けて調整してるからダメ』って?……そっかぁ」


ムーマ「そこのきみ!あそんで!」

ホエルコ「う゛う゛ーん……」

ムーマ「『悪いけどぼくは食あたりで動けないんだ』?……おだいじに」


ムーマ「あそぼうよ!」

ナッシー「なっしー……」

ムーマ「『動くのがたるい』?もう意気地なし!」


ニャース「あ゛ぁ゛もう我慢ならんのニャ!!」

ムーマ「だれ?」

ニャース「!」
 ▼ 111 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:46:34 ID:nBwBsxNU [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャース(……落ち着け落ち着け。いくらとっちめるといえど、まず最初はソフトな対応から入るのニャ)

ニャース「やぁやぁこんにゃちわ。ブラックリトルジャリガール、略してBLJ」

ムーマ「あっ、ポケモン!ねぇ、今からわたしとちょっとだけあそぼうよ」

ニャース「そんなことよりもニャーと一緒に来るのニャ」

ムーマ「えっと、『そんなことよりもニャーと一緒に』……って、えぇ!?!?」

ニャース「やっぱり喋るポケモンは珍しいかニャ?」

ムーマ「ど、どうして!?」

ニャース「あぁ……これは命を削るような努力の末に……ってんなことはどうでもいいニャ」

ニャース「とりあえず、スクール裏の森までついてくるのニャ」

ムーマ「う、うん……あそんでくれるのね?」

-----------------------------------------------

ムサシ「ちょっと、放しなさいよ!アタシ達はニャースを探してたの!」

キテルグマ「…………」ドスドスドスドス

ムサシ「聞いてないし」

ソーナンス「ソーーーナンス……」

コジロウ「ニャースはどうせ無事であるにしろそうでないにしろ勝手に戻ってくるからいいとして……」

コジロウ「あのムーマって子が危険な目に遭わされないかだけが心配だぜ。頼むから変なことするなよニャース……」
 ▼ 112 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:57:35 ID:nBwBsxNU [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「……であるからして、『つばめがえし』や『マジカルリーフ』が他の技と違って絶対に外れない決定的な理由は……」


ナリヤ「ククイ博士!ハァ……ハァ……サト、サトシはここにいるカイオーガ!?」

サトシ「オーキド校長!」

ククイ「どうしたんです?今は授業中ですよ。それにそんなに息を切らして一体……」

サトシ「ひょっとして、ムーマが何か迷惑でも……」

ナリヤ「サトシ、ムーマちゃんとは今日も一緒にスクールへ来たのか?」

サトシ「え?えぇ」

カキ「……?」

マーマネ「ひょっとしてまだムーマちゃんが校長室に来てないとか」

ククイ「あぁ、そのこと……校長!この前も言ったじゃないですか。ムーマはしばらく校庭で遊んでから校長室に来るんです」

ククイ「だったよな?サトシ」

サトシ「はい。ムーマはあそこがお気に入りですから……一応言い聞かせてはいるんですけどね」ハハハ

ククイ「校長のところへはあの子の気紛れで来ると思うのでもう少し待ってみては?」

ナリヤ「待ったさ。だけど時間を見てみなさい!いつもなら遊び疲れたムーマちゃんがワシのところへ来るころじゃ」

ナリヤ「おかしいと思ったワシは午前中暇だったもんで自分から校庭へムーマちゃんを迎えに行ったんじゃが……」

サトシ「まさか……」


ナリヤ「見つからんのじゃどこにも!スクール中を探してもムーマちゃんがおらんのじゃ!」


サトシ「……!」

ククイ「何だって……!?サトシ、ムーマを最後に見たのは?」

サトシ「校門から入ってすぐです。そこでムーマと別れて……」

カキ「……」

マーマネ「スクールのどこにもいないってことは……」

リーリエ「一度お家に帰ったのでしょうか?」

スイレン「ひょっとして誘拐とか……」

マーマネ「いやいやスイレンやめてよ。そんな縁起でもない!」
 ▼ 113 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 22:59:48 ID:nBwBsxNU [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「いや。ありえるな」

サトシ「カキ?」

カキ「ムーマが見つからない以上、彼女が今どこで何をしてるのかわからない」

カキ「リーリエの言う通り家へ帰ったか、市場や公園辺りをほっつき歩いているかもしれない……」

サトシ「ど、どこに行ったんだろうな……」

カキ「サトシ、やっぱりお前はまだまだだったな。お前がアイツの兄であるなら、最悪の場合を考えてみろ!」

サトシ「最悪の……場合……?」

マオ「ちょっ……カキ!サトシにそんなこと想像させないでよ!サトシだってムーマちゃんのこと……」

カキ「想像したくないなら起こりうる可能性を出さないようにすればいい。コイツはそれをしなかった」

マオ「だからって!」

カキ「甘いんだよお前もサトシも!妹を守るってことを……兄の役目を何もわかっちゃいない!」

マーマネ「カキ!落ち着いて!」

カキ「うるせぇ!!」

ククイ「     カキ!!     」

カキ「……!」

ククイ「サトシ。一応警察には捜索依頼を出す。お前はどうする?」

サトシ「オレは……」

サトシ「オレも探しにいきます!一刻も早くムーマを見つけ出して戻ってきます!」

ククイ「そうか、『頼んだぞ』。……いや、『気をつけていけよ』」

サトシ「はい! いくぞ、ピカチュウ!ロトム!」

ピカチュウ「ピカァ!」

ロトム「了解ロト!」
 ▼ 114 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 23:00:56 ID:nBwBsxNU [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------スクール裏の森-------


ニャース「よし、ここまで来ればいいニャ」

ムーマ「だいぶ深いところまで来たね」

ニャース「まぁ、ニャーの用事は人目のつかないところじゃないとできニャいからニャ」

ムーマ「え?用事?」


ニャース「BLJ!ニャーはおミャーを消すためにここへ来たのニャ!」

ムーマ「……は?」

ニャース「理由は一つ!ニャーはおミャーが気に食わニャい!!」

ニャース「さっきからおミャーが人間のクセにポケモンとスムーズな会話をしているところを見るとムカついて仕方ニャい!」

ニャース「ポケモンと人間の通訳ポジションはニャーの特権ニャ!真似すんじゃニャー!このパクリ女ァ!」

ムーマ「な!?なにをそんなコドモみたいな!わたしはわたしのままに生きてるの!」

ムーマ「あなたがどんなポケモンか知らないけどそんなこと言われるのはわたしも心外だよ!」

ムーマ「ほんとはあなたの方がパクリなんじゃないの〜?」ジトメ

ニャース「……ん゛ニャ!?」

ニャース「やっぱり餓鬼には何を言っても無駄、無駄なのニャ」


ニャース「挽き肉にしてやるニャ!『みだれひっかき』!!」グァァ

ムーマ「!?」

スカッ

ムーマ「……」

ニャース「あ、あれ?おかしいニャ。今確かに顔面を捉えたハズ……」

ムーマ「……な、何するのいきなり!あたったらどうするのよ!」

ニャース「おミャー、今避けたのかニャ?」

ムーマ「よ、よけてなんかないよ。ビックリしたけど」

ニャース「だよニャ。ニャーにもそう見えたニャ。でも引っ掻いた感触は一切無かったニャ」

ムーマ「どうしてかな?」


ニャース/ムーマ「「うーーーん……」」
 ▼ 115 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 23:02:26 ID:nBwBsxNU [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャース「……って!おミャーとこんな馴れ合いをしてる場合じゃないニャ!とっととおさらばするのニャァァ!」

ムーマ「きゃあああ!」

スカッ      スカッ

ニャース「あっれれ〜……」

ニャース「何故ニャ。おミャーが確かにそこにいるのにどうして当たらないのニャ!?」

ムーマ「わたしに聞かれても……」

ニャース「あり得ないニャ。ニャーの引っ掻きが効かない相手なんてゴーストタイプのポケモンくらいで……」

ムーマ「あっ!」

ニャース「な、何ニャ」


ムーマ「わたしそういえば、ムウマだったわ」


ニャース「はぁ?どこにムウマがいるのニャ。おミャーは人間……」

ニャース(いや待て。ゴーストタイプのポケモンには確か幻覚を見せる力をもったポケモンがいたハズニャ)

ニャース(この子供がその幻覚だとしたら、その近くには……)

ニャース「」ガタガタガタ

ムーマ「どうしたの?」

ニャース「お、お、お、おおおおミャーは一体何者なのニャ!!」

ムーマ「んー……なにものって言われても……あっ」

ムーマ「フフフ……ばれてしまってはしかたあるまい」

ニャース「!?」

ムーマ「わたしはこの島でおそれられている大ようかい!500年のあいだひとけのないばしょでくらしていたのだ!」

ニャース「ニャ!?やっぱり普通じゃないのニャ!?」

ムーマ「10年に一度まちにあらわれてはポケモンを100ぴきくいあらすヤバイようかいなのだーー!」


ムーマ「おまえもくってやろうかーー!!」ガァァァ

ニャース「ニ゛ャ゛ーーーーーーーーっ!!」


ムーマ「ふははは、まてー!」ダダダダ

ニャース「ニャーッ!誘拐してゴメンナサイニャーーー!誰かーーー!」ダダダダ


ガシッ
 ▼ 116 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/03 23:03:52 ID:nBwBsxNU [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャース「……は?」

キテルグマ「くー」

ニャース「お、おミャー……助けにきてくれたのニャ!?あ゛あ゛あ゛!神はニャーを見放して無かったのニャーー!」

キテルグマ「??」

ムーマ「うわ、でっかいポケモン!」

ニャース「は、早くニャーを連れて帰るニャ!こんな気味の悪いヤツ二度と見たくないニャ!」

キテルグマ「くー」

ニャース「ニャッハハハ!大妖怪だか何だか知らんが今度こそおさらばニャ!バイニャラ!」


ドスドスドスドスドスドス……


ムーマ「……はぁ」

ムーマ「ポケモンのまましゃべるのも十分気味悪いと思うけどなぁ……さて、かーえろ」


シーン……


ムーマ「…………」

ムーマ「ここ、どこ?」

ムーマ「……おにーちゃん……」ポロポロ

------------------------------------------------------

ロトム「サトシ、メレメレ島は広いから勘だけではどうにもならないロト!」

サトシ「わかってる!……でも見つけなきゃ。……オレのせいなんだ。元はと言えば」

ピカチュウ「ピカ……」

サトシ「最悪の状況……ムーマがもし誰かに連れて行かれたとしたら……どこだ……!?くそっ!ムーマ……」
 ▼ 117 ビワラー@ぎんいろのはね 17/08/03 23:10:47 ID:KrJVCOTo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 118 ビビール@ミックスオレ 17/08/04 00:53:10 ID:EYJd5HLc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>116
こいつもう主ポケモンじゃねぇの?
そういやジャラランガのタイプは龍、格闘でクマモンのタイプは無、格闘…。あっ(察し)
 ▼ 119 イタラン@ボロのつりざお 17/08/06 20:43:54 ID:cwPUWUSg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 120 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 18:52:22 ID:kEhsvkJc [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ポケモンスクール-------


マオ「博士!あたしも探しに行きます!」

ククイ「ダメだ。サトシはムーマの兄として行かせただけだ。それに警察だって協力してくれる。後は彼らに任せるんだ」

マオ「ムーマちゃんはみんなの妹なんです!このまま黙って待ってるわけには……」

カキ「甘いんだよお前は。サトシにも自分にも」

マオ「そう言ってカキは何もしようとしない!あたし達の妹が心配で行動することの何が悪いの!?」

カキ「オレ達子供が行っても非力なだけだ。何かしでかせば大人の足手まといにもなるだろう」

カキ「サトシのやつも下手こいて大人達に迷惑の一つもかければ、それに懲りて兄の責任を重く感じるんじゃないか?」

カキ「もっとも、ムーマが無事でなければ意味はないがな。そうでなければサトシがいくら決意を固めたところで……」

パシンッ!

スイレン「!」

カキ「なんだ?息が荒いなマオ。オレが間違ったことでも言ったか?」

マオ「フー……っ フー……っ」

マーマネ「ま、マオ!とりあえず謝りなよ。カキだっていろいろ……」

マオ「一人っ子は黙ってて!!」


リーリエ「博士……」

ククイ「仕方ない……。マオ!まずは落ち着け。カキも。その言葉はお前の本心じゃないだろう?」

マオ/カキ「「…………」」

ククイ「今はサトシとムーマを信じるんだ。二人とも無事に帰ってくるさ」


マーマネ「か、カキ……」

カキ「すまないなマーマネ。お前にとってはとんだとばっちりだったな」

マーマネ「そ、そんなことない!ぼ、僕だってムーマちゃんのお兄ちゃんなんだから……」


スイレン「マオちゃん、もう平気?」

マオ「スイレン……傍で見守ることもできないって、こんなに辛いんだね」

スイレン「辛いのは私も一緒。だけどサトシは今からでも責任を果たそうとしてる。せめてここで祈っていようよ」


シロン「コーン……」

リーリエ「シロン……そうだよね。私もこんな空気、耐えられない。クラスの皆がバラバラになってしまう……」

リーリエ「けど私には何もできない……どうすればいいの?」
 ▼ 121 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 18:54:38 ID:kEhsvkJc [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「じゃあみんな。後はスクールに残ってオーキド校長の指示に従ってくれ」

マーマネ「え?ひょっとして博士も?」

ククイ「あぁ、オレもこれから探しに行く。ムーマの……いや、サトシとムーマ、二人の保護者としてな」

--------------------------------------------

ジュンサー「ククイ博士!」

ククイ「ジュンサーさん、ご存知の通り今日はこんなことになって……」

ジュンサー「何を言っているのです。迷子の子供の捜索は警察の立派な仕事です」

ジュンサー「現在市場と、博士のご自宅付近を捜索中です。このことはサトシ君にも言ってありますので……」

ククイ「となると、サトシは今頃スクール裏の森でも行ってるってのか……?」

ジュンサー「えぇ。サトシ君は我々の忠告を押しきって『最悪の場合を考えなきゃ』とだけ言って中へ……」

ククイ「付き添いは?」

ジュンサー「私の部下が一人」

ククイ「そうですか。では私は市場の方を」

ジュンサー「ご協力感謝します」

ククイ「お礼ならまだ早いですよジュンサーさん。一件落着したあとに改めてお受けしたいのでね」
 ▼ 122 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:03:47 ID:kEhsvkJc [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「イワンコ、ムーマの手掛かりは掴めそうか?」

イワンコ「……」

サトシ「だめか……今モクローが空から探しに行ってくれてるけど、まだ戻ってこないな……」

サトシ「どこ行ったんだよ……ムーマ……」

サトシ「この森はスクール裏というよりはメレメレ島の町と町の境目だってククイ博士が言ってたぐらいには広いんだよな」

サトシ「それにこの森にムーマがいるのかどうかもわからないし……」

ピカチュウ「ピィカチュ……」

サトシ「大丈夫。オレが諦めたらムーマも諦めなきゃいけないからな。そんなことにはさせない」

ロトム「まだこの森の攻略度は5.4%ロト!まだまだ探していない箇所は沢山あるロト……」

サトシ「沢山あるなら全部探すさ!決して無理な話じゃないよ」


警官A「サトシ君!」

サトシ「あっ、お姉さん!そっちはどうですか?ムーマの手掛かりは?」

警官A「ダメ……何の手掛かりもない……足跡も重なりすぎてまともな形のものが残ってない」

警官A「何か眼に見える証拠があれば、私のハーデリアで何とかなりそうなんだけど……」

ハーデリア「わんっ」

警官A「やっぱりこの森は全く関係無いか……」

サトシ「ムーマは誘拐されたんじゃないんでしょうか……?」

警官A「多分ね。ムーマちゃんは、どっちかと言うと自由気ままな子なのかしら?」

サトシ「はい。でもムーマは校庭のポケモン達と遊ぶのが好きなので、自分からスクールを出て行くのは考えにくくて」

警官A「そっか。それでサトシ君はムーマちゃんが誘拐されたと考えてるのね」

サトシ「ムーマ……まだ無事でしょうか……」

警官A「サトシ君、あんまり一人で抱え込まないでね。辛かったら私達にどんどん頼ってもらっていいんだよ」

警官A「とにかく無理はしないで。迷子の子供達はもちろん、そうじゃない子供の心のケアも大事なんだから」

サトシ「でもそんなの警察の仕事じゃ……」

警官A「警察じゃなくて、大人の仕事よ。サトシ君」

サトシ「…………」
 ▼ 123 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:05:58 ID:kEhsvkJc [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------2時間後-------


バサバサバサバサ……


警官A「な、何?羽音?」

サトシ「あっ、モクローだ!」

ピカチュウ「ピカチュー!」

モクロー「もっふぅ〜……」バサバサ

サトシ「モクロー、ムーマは?」

モクロー「もっふぅ!もっふぅ!」

サトシ「! いたのか!?本当に!?」

モクロー「もふ」コクリ

ロトム「本当なら大手柄ロト!」

ピカチュウ「ピッピカチュウ!」

モクロー「もふぅ」エッヘン


警官A「もしもしジュンサーさん、こちらAです。どうやらサトシ君のポケモンがムーマちゃんを見つけたようで!」

警官A「……はい。……はいそうです!これからモクローちゃんの案内でムーマちゃんのいる場所に向かいます!」

サトシ「よし、すぐに行こうぜモクロー!」

モクロー「もふぅぅ!」


ムーマ捜索から2時間45分。ついにムーマの居場所をつきとめたサトシ。

実はモクローはサトシと別れてすぐに自分の古巣へ向かい、ドデカバシ達に協力を求めていたのだった。

その1時間半後、仲間のツツケラが宛もなく森を彷徨うムーマを発見。偶然近くにいたモクローはサトシのもとへ急行。

そしてサトシがモクローと合流した今、ムーマは発見した仲間の報告を受けたツツケラ達によって保護されている。

目的地の決まったサトシ達はモクローの案内でムーマのいる場所へと向かう。しかし……
 ▼ 124 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:08:28 ID:kEhsvkJc [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「あっ、ジュンサーさん!」

ジュンサー「どうやら居場所は特定できたようですね。……保護はまだのようですから私達もすぐに向かいましょう!」

ククイ(サトシめ、偶然が重なったとはいえ本当に兄としてのケジメをつけやがった!)

----------------------------------------------

サトシ「ハァ……ハァ……この辺なんだな?」

モクロー「もふぅ!……!?」

サトシ「どうした?モクロ……」


ツツケラA「ゲ……ア゛……」


モクロー「もふー!」

サトシ「あれはツツケラだ!それもモクローの仲間の……」

警官A「ヒドい怪我!羽根も毟られて……」

ロトム「ムーマを何者かが襲ったに違いないロト!……あっ」

ロトム「サトシ!こっちにも1匹倒れてるロト!」

ツツケラB「」

モクロー「もふ!もふ!……もふぅ……」

サトシ「ひどい……誰がこんなことを……」


ツツケラA「」

ハーデリア「……」クンクン

ハーデリア「!!」

警官A「ハーデリア、どうしたの?」

イワンコ「! わん!わん!」

サトシ「イワンコ、お前まさか……」

イワンコ「わん!」

サトシ「……お姉さん!これはひょっとして……」

警官A「えぇ。ハーデリアもイワンコちゃんもきっと、ツツケラの傷口と同じ臭いをこの先から感知してる!」

サトシ「ということはこの先にツツケラ達をやった犯人が……」

警官A「マズイわね……その犯人はきっと今頃ムーマちゃんと一緒にいるわ」

サトシ「その犯人はどこに!?」

警官A「それは……それは……」
 ▼ 125 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:10:42 ID:kEhsvkJc [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギャァ……ァァ……!!



サトシ「い、今の声は……」

警官A「行きましょう!」


ツツケラA「ア゛……ア゛……」

モクロー「もふぅ……」

サトシ「モクロー、お前はツツケラ達を見ててくれ。後はオレ達に任せろ!……ありがとうな。お前は大手柄だ」

モクロー「もふぅ!」

---------------------------------------------

サトシ「声がしたのはこの辺りだけど……」

警官A「サトシ君!後ろ!!」

サトシ「え……」


ドサッ……!


サトシ「なっ!?」

ケララッパ「ガ……ァ……」

サトシ「お前も……モクローの……」

警官A「!! ……そこのあなた!ツツケラ達を傷付けてムーマちゃんを攫ったのはあなたね?名乗りなさい!!」


スカル団員「名乗る?この恰好で見当がつかないか?最近の警察は随分新人育成がなってないじゃないか」

サトシ「スカル団だ!……でもいつもの奴らと違う」

スカル団員「それに見たところ捜査の協力をガキにさせてるのか?ハハ、警察も堕ちるところまで堕ちたもんだ」

警官A「スカル団!あなたを逮捕します!覚悟しなさい!」

サトシ「お前か……ムーマはどこにいる!?」

スカル団員「ムーマ? あぁ、あのガキの名前か。おいゴロンダ、マトマの木の下で寝かせたガキ持ってこい」

ゴロンダ「ごぉ〜……」ズシズシ

警官A「ムーマちゃんを攫ってどうするつもりだったの?」

スカル団員「さぁねぇ。オレにバトルで勝ったら教えてやってもいいかなぁ……?」
 ▼ 126 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:13:29 ID:kEhsvkJc [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
警官A「何を……」

サトシ「上等だ!いくぞピカチュウ、イワンコ」

ピカチュウ「ピカッ!」

イワンコ「わん!」

スカル団員「……で、改めて聞くが警官と一緒になんでガキがいるんだよ。お前は誰だ?」


サトシ「オレはマサラタウンのサトシ。ムーマの兄だ!!」


スカル団員「なっ……!!? ……そうかよ兄ちゃんかよ。こりゃまいったな」

サトシ「2対1で卑怯だなんて言わせないぞ」


ゴロンダ「ごぉ〜」ズシズシ

ドサッ


ムーマ「ZZZ……」


サトシ「ムーマ!!」

ピカチュウ「ピカァ!」

スカル団員「別に卑怯だなんて思ってないさ。オレはそうさせるだけのことをしたからな。『兄ちゃん』よぉ」ニヤッ

スカル団員「やっちまえ!ゴロンダ!」

ゴロンダ「ゴ ォ ア ア ア ア ア ! !」

警官A「き、急に眼つきが鋭くなった! サトシ君、勝てる!?」

サトシ「心配いりません!こんなヤツ、ぬしポケモンやハラさん達のポケモンに比べれば何てことない!」


スカル団員「ゴロンダ!『バレットパンチ』!」

サトシ「ピカチュウ!パンチを『アイアンテール』でいなせ!イワンコはゴロンダの背中に回りこんで『いわおとし』!」


怒りを面に出しつつも、何とかペースを保ちながら2匹のポケモンに指示するサトシ。

スカル団員のムーマを攫った目的は……?
 ▼ 127 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:15:00 ID:kEhsvkJc [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴロンダ「グルァァァァ……!」

スカル団員「ほう、中々のポケモンさばき。その腕にあるZリングはただの飾りじゃあねぇみたいだな」

サトシ「ピカチュウ!『エレキボール』!」

ピカチュウ「チャアアリャァァア!」バシュッ

スカル団員「弾け!」

バシィィィン!

サトシ「今だ!……隙が出来たぞイワンコ!後ろから『かみつく』!」

イワンコ「わんっ!」ガァァ

スカル団員「ゴロンダ!回れ右!」

サトシ「!!」


「エレキボール」を弾いたゴロンダはすぐさま半回転。イワンコの奇襲をスナップを利かせた裏拳で打ちのめす。


イワンコ「がっ……!」

サトシ「イワンコ!」

スカル団員「ゴロンダ!イワンコに『アームハンマー』!」

ゴロンダ「グルルルァァ!!」


バ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ … … ン ! !


イワンコ「あ゛……う゛……」ヨロヨロ

スカル団員「まだ立てるのか。根性のあるヤツ。やっちまえゴロンダ!もう一遍叩けば確実に落ちるだろう」

サトシ「ピカチュウ!イワンコを援護しろ!」

ピカチュウ「ピカァ!」

スカル団員「邪魔すんじゃねぇ! ゴロンダ、とっととイワンコを潰してしまえ!」

ゴロンダ「グルルル……」

サトシ「『10まんボルト』!!」


バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ … … ! !


ゴロンダ「ガァァァァ……!」
 ▼ 128 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:17:23 ID:kEhsvkJc [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スカル団員「うおっ!?ご、ゴロンダ!」


スカル団員「うおっ!?ご、ゴロンダ!」

サトシ「2対1だ。油断するんじゃねぇぞ」

スカル団員「おぉそうだったな。……だが、オレのポケモンはそんなチビポケモンの奮起だけでくたばる程ヤワじゃねぇ」

スカル団員「ゴロンダ!そんな電撃なんざ耐え切ってそいつにも『アームハンマー』を食らわしてやれ!」

サトシ「なっ……!?」

ピカチュウ「ピカ!?」


ゴロンダ「グルルルル……」ズシッ ズシッ


「10まんボルト」を受けながらも、まるで底なしの執念でゴロンダが一歩一歩とピカチュウに迫ってくる。

このままゴロンダが耐え切れば、放電中動くことができないピカチュウは攻撃を受けてしまう。

放電をやめれば動けるが、ゴロンダの執念深さなら動き回るピカチュウを捉えることは難しくないだろう。


サトシ「ゴロンダの攻撃を受けないためには、ゴロンダがピカチュウに辿り着く前に倒すしかない!」

サトシ「頑張れピカチュウ!」

ピカチュウ「ピ……ッ!」ババババババ

スカル団員「ゴロンダ、さっさとピカチュウをブッ叩け!無防備の今がチャンスだ!」


サトシ「無防備なのはピカチュウだけじゃない、ゴロンダの背中もだ!」


サトシ「イワンコ!『いわおとし』!」

スカル団員「なっ!?」

イワンコ「アオオオォォォォ……!」

ザクッ!   ザクッ!

スカル団員「ゴロンダ!そんな雑魚の攻撃なんぞに気を取られるな!立ち止まれば電撃のダメージがドンドン蓄積して……」

サトシ「もう遅い!圧し切れ!ピカチュウーーーー!!」


バ バ バ バ バ バ バ バ … … ! !


スカル団員「ご、ゴロンダ!」
 ▼ 129 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/07 19:21:33 ID:kEhsvkJc [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴロンダ「」ドサッ

サトシ「勝負あったな。片方に気を取られればもう一方から反撃を食らう」

サトシ「チームワークのとれた二匹のポケモンを相手にしてた時点でお前は敗けてたんだ!スカル団!」

イワンコ「ワゥ……」フラフラ

サトシ「お疲れ様イワンコ。ゆっくり休んでてくれ」

----------------------------------------------

警官A「さぁサトシ君の勝ちよ。ムーマちゃんを今すぐこちらに渡して、攫った理由を教えなさい!」

スカル団員「ん〜……」

サトシ「早くしろ!お前の負けだ!」

スカル団員「そのピカチュウ……随分頑張ってたなぁ。どうだ?その子にも休憩が必要なんじゃないか?」

サトシ「はぁ……?」



???「ホホホホホホホホ……」



眠れ 眠れ 母の胸に


ピカチュウ「ピ……カ……」パタッ

サトシ「ピカチュウ!?」


眠れ 眠れ 母の手に


ピカチュウ「ZZZ……」

サトシ「ピカチュウ!?……どうしたんだ!おい!」


スカル団員「お疲れ様ピカチュウ。ゆっくり休んでてくれ。……さて、もう降りてきていいぞ。マシェード」


マシェード「ホホホホホホホホ……」


森に生い茂る木の上から、何かが降りてきた。

パラシュートのように頭の笠を広げ、「二匹目のポケモン」がその姿を現す。
 ▼ 130 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:19:44 ID:Gcdax9gs [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロトム「あ、あれはマシェードロト!」

サトシ「マシェードか……」

ロトム「きっとアイツ、木の上から『キノコのほうし』をふり撒いてピカチュウを眠らせたんだロト!」

警官A「もう一匹ポケモンを持っていたのね。疲れたところを狙うなんてなんて卑怯な……」

スカル団員「2対1で戦っておいて何言ってやがる。ズルをするならその報いも受けなきゃダメだぜ」

スカル団員「さて、こいつがオレの取って置きなわけだが……自分のポケモンがその有様じゃあもう戦えないなぁ?」

ピカチュウ「ZZZ……」

サトシ「……!」

警官A「まだこの私がいる!アローラ警察メレメレ支部の名にかけて、あなたを逃がさない!」

スカル団員「お前がか?やめとけやめとけ。オレは今までお前のようなヒラ警官を何人もノしてきたんだ」

スカル団員「お前のその犬っコロ一匹じゃ、オレのマシェードを倒すことはできねぇ!」

ハーデリア「グルルルルル……」

警官A「バカにして……っ!」
 ▼ 131 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:21:24 ID:Gcdax9gs [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「オレのポケモンならまだいる!いけっ、ニャビー!」


ニャビー「ニャァァァ!」


サトシ「オレが倒さなきゃダメなんだ。お前はオレの妹を攫ったんだ。だからオレがケジメをつけてやるんだ」

スカル団員「ほぉ、炎タイプ!こいつは面白れぇ。これじゃ勝負はわからないかもな」

スカル団員「わかった!」

サトシ「?」

スカル団員「お前だってここまで粘ったんだ。せっかくだから教えてやるよ。オレの目的」

サトシ「ムーマを攫った理由か?」

スカル団員「あぁ。他のヤツらには言うんじゃねぇぞ。このことはボスだって知らねぇ。オレだけの計画だからな」

ムーマ「ZZZ……」

スカル団員「簡単に言う。コイツをオレのビジネスの道具にする!」

サトシ「……?」

警官A「どういうこと?」

スカル団員「ピンとこないか?だが新米警官でも聞いたことくらいあるだろ?」

スカル団員「昔流行ってた『島巡り屋』の名前くらいなぁ!?」

警官A「……!」ゾクッ

サトシ「お姉さん?島巡り屋って?」

警官A「サトシ君。このバトル、ハーデリアとニャビーのタッグで必ず勝つわよ」

警官A「……でないと、次はあなたが狙われる!」

サトシ「えっ……?何だかわかんないけど道具って言葉、良い予感はしないぜ!」


スカル団員「隙ありィ! マシェード、『ヘドロばくだん』!」

マシェード「う゛え゛え゛ぇっ!!」デロデロデロデロ

サトシ「! ニャビー!かわせ!」

警官A「ハーデリア!避けて!」


ボボボボボボボボ……
 ▼ 132 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:23:42 ID:Gcdax9gs [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ニャビー、避けきったら『ひのこ』!」

スカル団員「マシェード、頭の笠でガード!」

ハーデリア「わ゛ぉぉぉぉぉっ!!」ダダダダダ

スカル団員「!?」

警官A「ハーデリア!『とっしん』!」


マシェード「べへぇぇっ!?」ズシャー

スカル団員「『ひのこ』は囮だったか!頭を下げたマシェードの隙を突きやがった!」

スカル団員「だが接近戦に持ち込んだのが仇になったな!マシェード、ハーデリアを捕まえちまえ!」


ハーデリア「 わ゛ ん っ ! ! !」

マシェード「!」ビクッ


警官A「ハーデリア、マシェードの腕を咥えて一本背負い!」

ハーデリア「わおおおお!!」ブォン!

ズシャアアア……

スカル団員「ま、マシェ……」

警官A「そのまま抑えて!四足流縦四方固!!」


仰向けに倒れたマシェードの手足を、ハーデリアの四本の脚が圧し掛かるように抑え込む。

養成所で培った訓練の賜物だ。


サトシ「す、すげぇ……かっこいい!」

ニャビー「にゃあ……」ウットリ

警官A「観念しなさい!さぁハーデリア、トドメの……」


スカル団員「マシェード、『フラッシュ』!」
 ▼ 133 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:29:00 ID:Gcdax9gs [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マシェード「ギェェェェェェ!!」


サトシ「…………な、何だよアイツ。あんな強く光るのか……?」

ロトム「マシェードは夜の森の中、光り輝く笠で獲物を誘き寄せるロト」

警官A「! ハーデリア!後ろ!」

スカル団員「もう遅い!『ヘドロばくだん』だ!」

ボボボボボボ……

ハーデリア「あ゛……」フラフラ

警官A「ハーデリア!!」

スカル団員「抑え込め!」


マシェード「ホホホホホホ……」バキバキバキ

ハーデリア「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


スカル団員「四足歩行のハーデリアにいきなり固め技を使われて焦ったが、これでこっちのペースだ!」

スカル団員「ヒョロくて弱そうなコイツの腕は、実はそこいらの格闘タイプよりも強い絞め技を繰り出せるのさ!」

警官A「そんな……」

スカル団員「ははは!ナイスな表情だ!捕まえようとして逆に捕まる屈辱のヒロインの構図……たまんねぇな」


サトシ「ニャビー!『ほのおの……」

マシェード「ホホホホホホ……」シュルルル……

ガシッ!

ニャビー「にゃっ!?」

スカル団員「向かってくると思ったぜ。言い忘れたがコイツの腕はある程度の距離なら伸縮自在!」

スカル団員「二匹仲良くマシェードの腕の中で眠るんだな」

サトシ「ニャビーーーッ!!」

スカル団員「『キノコのほうし』!」


ニャビー「にゃ……」ウトウト

ハーデリア「う゛う゛……」

警官A「ハーデリア!眠っちゃダメ!何とか抜け出して!」

サトシ「……くそっ。このスカル団、いつもの奴らよりもずっと強い……」

サトシ「オレのポケモンがここまで追い詰められるなんて……いや考えろ。まだ策は……」
 ▼ 134 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:32:52 ID:Gcdax9gs [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「ZZZ……」


サトシ(ムーマ……オレの……妹……)

--------------------------------------------

ムーマ「『おにーちゃん』って呼んでもいいですか……?」


リーリエ「サトシ!ムーマちゃんが一番大好きなのは貴方なんです!貴方だけは絶対に責任を放棄してはいけません!」


カキ「いいかサトシ。デートについてはいずれ話す。それまでは自分でムーマとの関係を深めることだな」

カキ「二度と兄としての責任を放棄するな」

--------------------------------------------

サトシ「…………」

ムーマ「ZZZ……おにーちゃん……今日のデート楽しみだね♪……」

サトシ「! ……安全じゃないけど賭けるチャンスならある」

サトシ「いくっきゃない……やるっきゃない……」



サトシ「          ニャビー!空中に『ひのこ』だ!!          」

スカル団員「何っ!?」


ニャビー「にゃっ!……ニャアアアアアア!!」


スカル団員「バカか!そんなことをすれば……」

警官A「サトシ君……?」

サトシ(すみませんお姉さん。でもマシェードに攻撃を当てられない以上、二匹が抜け出すにはこれしかない!)

ニャビー「ニャブッ!」ボォッ



ボ ガ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ … … … … ン ! ! ! !



ムーマ「んっ……なに?今の大きな音……」
 ▼ 135 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/08 19:41:44 ID:Gcdax9gs [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ムーマ!今助けるぞ」

ムーマ「え……?」

ロトム「ばっ、爆発したロトォ!?!?」

警官A「ばら撒かれた胞子に引火させたのね……ナイスよサトシ君!いい判断だわ。お陰様で……」

サトシ「へへ、ちょっとニャビーの行動力をアテにしすぎてしまいましたが……うまくいってよかった」

スカル団員「なんで……何でだよ……何て無茶な作戦だ!?どうしてそこまでポケモンを信用できる!?」


煙が晴れると、ニャビーとハーデリアが牙を剥き出しにした顎でマシェードの両腕にしがみついていた。

形成逆転。迷子探しから始まったサトシの捜査劇も、いよいよクライマックスを迎える。


        ボォ……               ボォ……ッ

マシェード「ギィィィ!?!?」


スカル団員「な、何だ?マシェードの腕が燃え始めたぞ!?」

警官A「ハーデリア!アンタが昔こっそり養成所を抜け出して野良ポケモンと秘密の特訓してたって技、見せてやりましょ!」

サトシ「ニャビー!お前も特訓で編み出した技、今度こそ決めてやろうぜ!」


       ボボボボボ……             ボワアアア……


スカル団員「な、何言ってやがる……認めねぇぞ!オレがボス以外の人間に敗けることなんか……」


サトシ「 
            『 ほ の お の キ バ ! ! 』
警官A                                    」



ヴ   ァ   ァ   ァ   ァ   ァ   ァ   ッ   !   !   !



サトシ「……え?」

サトシ「『ほのおのキバ』……?お姉さん、ハーデリアの特訓相手の野良ポケモンって……」

警官A「?」
 ▼ 136 イクン@ていきけん 17/08/08 21:15:50 ID:qlko1S7o NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
oh......
 ▼ 137 ンペルト@スチールメモリ 17/08/08 21:18:38 ID:z4g1owfs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 138 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/09 00:17:08 ID:7.oGE68k [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スカル団員「やな感情……」チーン

警官A「やったわねサトシ君!よかったら私の後輩にならない?」

サトシ「いや、遠慮しときます……」

サトシ「でも驚きました。まさかお姉さんのハーデリアがニャビーの兄弟子だったなんて……」


ハーデリア「わんっ、わんわん。わんわわん?」

ニャビー「にゃ……にゃぶにゃ……」グスン

ハーデリア「……!」

ニャビー「にゃ、にゃう、うにゃぁ……」

ハーデリア「……わん。わわんっ、わう。わうわう?」

ニャビー「……んにゃ」

ハーデリア「わんわんっ、……わわん、わう」

ニャビー「にゃあ!」


ムーマ「おにーちゃん!」

サトシ「ムーマ……悪かったな……本当に……」

ムーマ「ううん。わたしがいけなかったの。しゃべるポケモンについていったから……」

サトシ「えっ?」
 ▼ 139 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/09 00:19:28 ID:7.oGE68k [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……そっか。そういうことか」

ムーマ「ホントにごめんなさい!」

サトシ「いいよ。オレももっとムーマの傍にいてあげるようにするからさ」


ククイ「おぉーいサトシーー!ムーマーー!」

ジュンサー「あれはスカル団!?あなた達がやったの?」

警官A「えぇ。手強い相手でしたがサトシ君のお陰で何とか……」

ジュンサー「ふーん?Zリングを持ってるほどの実力者とはいえ、子供に助けてもらっちゃったわけ」

警官A「えー……あははは、そうなりますかね///」

ジュンサー「このことは部長に報告しておくから、ある程度の処分は覚悟しておきなさい」

警官A「(´゚д゚`)え゛え゛ーーーっ!?」


ピカチュウ「ふゎ〜」

サトシ「あぁおはようピカチュウ。疲れは取れた?」

ピカチュウ「ピカァ……」ショボン

サトシ「気にするなって。また次頑張ろう。な?」

ククイ「サトシ、お前もお姉さんにお礼を済ませてこい。オレと一緒に帰るぞ」

ロトム「きっとスクールのみんなも心配してるロト」

サトシ「あぁ……博士!ちょっと待って!」

ククイ「ん?」


サトシ「さっきのスカル団が言ってたんですけど……『島巡り屋』って、一体何ですか?」

ククイ「!! ……そうか。それがアイツの狙いだったのか。サトシ、ムーマ。お前達が無事でよかった……本当に」

サトシ「?」
 ▼ 140 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/09 00:32:54 ID:7.oGE68k [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「島巡り屋」とは、今から20年以上前に流行したビジネスの一つで、アローラの歴史の闇に葬られたうちの一つ。

アローラの子供達は「島巡り」によって試練・大試練を制覇し、初めて一流のポケモントレーナーとして認められる。


「島巡り」で名を上げたトレーナーの卵達は世間から注目され、一躍時の人となる人物も多い。

そんな風潮を更に活発にさせたのが「島巡り屋」である。



アローラの家族からトレーナーとなる子供を預かり、立派な島巡りのチャレンジャーに育て上げるのが彼らの仕事だ。

彼らはトレーナーを指導するためのコーチ免許を取得しており、当然その実力・信頼性も高い。

彼らは初めにトレーナーの家族との契約を結び、子供を自分達の許へ置く期間を決定する。

つまり一時的にトレーナー達は彼らの子供も同然なのだ。そして彼らが育て上げた子供達が名を上げると、大きな金が動く。


「島巡り屋」はスポンサーとしての役割も担っており、育てたトレーナー達をメディアに大々的に売り出しては高額な収入を得る。

こうして契約期間中に得た収入の2割を契約金として受け取り、残りの8割を家族へ送り彼らの仕事はひと通り終了。

この後「島巡り屋」は次の客となる家族を見つけるのだ。



しかし同時に、「島巡り屋」を名乗る悪質な犯行もこの頃から蔓延し始めていた。

今回のスカル団員のような連中の仕業である。

免許も取得していない業者が子供達を誘拐し、誘拐した子供をすぐさま強制的に「島巡り」へと送り出すのだ。

家族には脅しなどの口封じをし、自分達は子供を保護しているという名目で世間を騙し、無理やり「島巡り」に参加させる。

キャプテンも「しまキング」も、誰も真実を知らないまま……


当然利益は全額自分達のもの。家族に渡すはずの8割は子供を人質にとり、身代金として自分の懐に入れてしまう。

そうして身代金を支払った家族の待つ家へと子供を帰し、一銭も渡さぬまま業者はそそくさと退散するのだ。

非道いものでは、帰した子供を親の眼の前で殺すケースもある。


家族と利益を分け合う「島巡り屋」を装った誘拐犯且つ詐欺師。

こうしたこともあってか善良な「島巡り屋」も信頼を無くしてゆき、このアローラのビジネスは崩壊を喫したのだ……



サトシがスカル団員に追いつくことがなければ、ムーマは彼らにとっての金の成る木になっていたことだろう。

サトシが団員との勝負に敗れていれば……


最悪の場合を考えることは恐ろしいことだが、起こりうる可能性がある限りそれは決して避けてはならないものなのだ。
 ▼ 141 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/09 00:33:43 ID:7.oGE68k [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「『島巡り』をそんな風に扱う奴らがいたなんて……カキもそれを知ってるのかな」

ククイ「知ってるさ。まぁ、ハッキリ言ってカプ・コケコをはじめとするアローラの守り神やお前達トレーナー対する冒涜だな」

ムーマ「おにーちゃん……」

サトシ「…………」

ククイ「あんまり抱え込むなよ!さっ、オレは校長に連絡しておくから、用が済んだらゆっくり帰ろうぜ」

サトシ「……はい」


スカル団のボス・グズマは島巡りの文化を嫌っていた。故に彼の下では島巡り屋を悪の手段にする団員はいない。

今回の団員はそれを知っていて、計画を完全な秘密事項にしていたのだという。

帰り道、スキップと小躍りをするムーマの右手を握るサトシの顔は、まだ曇っていた。
 ▼ 142 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/09 00:34:56 ID:7.oGE68k [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次のおはなし(来週更新予定)



第5話(全15話)   「ポケモンマスターとアローラの炎」
 ▼ 143 ルビル@アイスメモリ 17/08/10 23:52:11 ID:cWPciigA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お、どういう意味だ……?(ポケモンマスターが、サトシとどう関わるかだな…)
 ▼ 144 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:16:33 ID:CvY0uh2. [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ポケモンスクール-------


スイレン「ど、どうしよう……ムーマちゃんだってまだ戻って来ないのに……」

リーリエ「とりあえずサトシには話しましょう。すごく……嫌な予感はしますけど」


サトシ「ただいま!」

マーマネ「! 帰って来た!」

ククイ「心配かけたな。ムーマは無事にサトシの活躍で取り戻すことができた」

スイレン「よかった……」

サトシ「ごめんリーリエ。お前の言ってくれたこと、オレはなんにも理解できてなかったんだ……」

リーリエ「もういいんです。それよりも……」


サトシ「カキとマオが早退した!?」

リーリエ「えぇ。カキは随分サトシに怒っていました。また彼はあなたのことを責任を果たせない人だと……」

リーリエ「それで周りにも当たり散らしました。余りにも行き過ぎた言葉にマオも怒ってそこから喧嘩に……」

スイレン「その後校長が止めるのも聞かずに二人共出て行っちゃった」

ククイ「何てこった……」

サトシ「……」

ムーマ「おにーちゃん……わたしのせいだ。わたしが迷子になったからマお姉ちゃんたちはケンカしたんだよね!?」

スイレン「む、ムーマちゃんのせいじゃない!カキが頑固で不器用だから早まっちゃっただけで……」


ククイ「ふむ。ここは教師として、二人の家に行って事情を聞くしかないな」

リーリエ「でしたら先生、まずはマオのところへ行ってあげてください」

ククイ「何だ?カキではダメなのか?」

リーリエ「カキのところへは……サトシ、貴方が行ってください」

サトシ「お、オレ!?」

リーリエ「カキからの伝言です。ムーマちゃんを連れて、博士のペリッパーで牧場まで来い、と……」

サトシ「そっか……」

ククイ「カキの奴め、何を考えてるんだ……どうするサトシ?オレがちょっくら説教しに行ってやってもいいが……」

サトシ「……いえ、行かせてください!」

マーマネ「サトシ、大丈夫なの?」

サトシ「それはカキ次第だ。でもここで行かないとカキと合わせる顔が無くなる……」

ムーマ「…………」
 ▼ 145 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:17:49 ID:CvY0uh2. [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------校庭-------


ペリッパー「ぽっぺっぷっぱ〜♪」

ククイ「……本当にいいんだな?」

サトシ「はい!」

リーリエ「サトシ、どうかお願いします。またもう一度、楽しいポケモンスクールに戻ってほしいから……」

リーリエ「二人が喧嘩を始めた時の私達はただ見てることしかできなかった……もう貴方しか……」

サトシ「いいんだこれで。それにカキとは……いつかこうなるだろうとは思ってたし」

スイレン「今から思ってもカキは言い過ぎた。今の彼は何も大事にしていない」

サトシ「そんなことないよ。カキはオレの為に今でも怒ってくれてるんだ」

サトシ「博士、やっぱりこの一件はオレのせいです。オレがケジメをつけてきます!」

ククイ「何度も言うように無理はするな。オレ達はいつでもお前を助けに行ってやる!」

サトシ「ありがとうございます! 行こう。ピカチュウ、ムーマ」

ピカチュウ「ピカァ!」

ムーマ「……うん!」


サトシ「行くぞ!アーカラ島・ポケモン牧場のある丘へ!!」
 ▼ 146 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:18:58 ID:CvY0uh2. [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------カキ家-------


カキ「……」ゴシゴシ

ドロバンコ「ヒヒ〜ン、バヒ〜ン」ゴクラク♪

アマラ「カキ、仕事熱心なのは嬉しいけど、何か母さん達に隠してるんじゃないのかい?」

カキ「言ったろ。今日は4限目の先生が風邪で来れなくなって授業が休みになったって」

アマラ「そうだけども……何だか妙だね。この後もサトシ君と遊びに行くなんて言いだして」

アマラ「わざわざこんな遠い所まで呼び出して、二人で一体何をしようってんだい?」

カキ「何でもないから放っておいてくれよ」


シブ「カキ、サトシ君が来てくれたぞ」

カキ「あぁ……リビングに居るよう言っといてくれ」

----------------------------------------------

サトシ「…………」

ムーマ「おにーちゃんは悪くない。悪くないよ?」

サトシ「ありがとうなムーマ。オレは大丈夫さ」

ピカチュウ「ピカァ……」

ガラガラガラ……

ホシ「さ、サトシさん。アローラ……その……ムーマちゃんをこっちに……」

サトシ「あぁそれがいい。今からオレはたっぷり叱られるんだ。ムーマをここに居させるわけにはいかない」

ムーマ「おにーちゃん!」

サトシ「ホシちゃんと遊んでおいで。きっと長くなるから」

ホシ「し、失礼します!ムーマちゃん、行こう?」

ムーマ「……」
 ▼ 147 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:27:00 ID:CvY0uh2. [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガラッ

カキ「…………」

サトシ「カキ、その……」

カキ「言いたいことは色々あるが、ここでの話は手短に終わらせるぞ」

サトシ「えっ、どういう……」

カキ「サトシ、まずはお疲れ様だ。よくムーマを探し出してきたもんだ。その分迷惑もたくさんかけただろうがな」

カキ「……だがお前は甘かった。リーリエの忠告も、スイレンの助言も、お前にとってはドロバンコの耳に念仏」

カキ「兄としての責任を放棄するってのは、無意識にできることじゃない。わかるか?サトシ」

サトシ「な、何だよそれ。オレがそれを知ってて責任を投げたって言いたいのか?」

カキ「ムーマを安全でない場所に置いといたのはどこの誰だ?……結局お前は何もわかっちゃいなかったんだ」

サトシ「そ、そんなこと……今日はこんなことになったけど、オレはもう二度と……」

カキ「ほう、お前にはムーマの代わりがいくらでもいると」

サトシ「そんなこと言ってねえだろ!だから、今日の失敗を反省して、生かして、オレはまた……」

カキ「だからお前は甘いと言ってるんだ!!妹を守るのに失敗が許されるとでも思ってるのか!!」

カキ「妹に『次』なんか無いんだぞ!失敗したら取り返しのつかないことなんて山程あるんだ!」

サトシ「う……」


カキ「まぁ、失敗から学びやりなおすことに慣れてしまったお前には荷が重すぎたのかもな」

カキ「『ポケモンマスター』なんて曖昧な夢擬きで己のだらしなさをごまかしているお前にはな」

サトシ「!!!」


カキ「まったく……どこの誰がムーマをサトシの妹にしてしまったんだ……」

サトシ「おいカキ。何なんだよ今の言葉」

カキ「?……珍しいな。お前が怒るなんて」

サトシ「オレは……自分を騙すために『ポケモンマスター』の夢を掲げてきたわけじゃない!」

サトシ「今までの旅が失敗だなんて思ったこともない。ポケモンマスターってのは……」

カキ「じゃあ何だ!叶うハズのない夢を追いかけて、一生夢ごこちな世界に生きるためか!?」

サトシ「ち、違う!オレの夢は叶えなきゃいけないもの……」

カキ「サトシ、今のお前にはムーマがいる。今あるものを守る気も無しに、夢なんか掴めるものか!!」

サトシ「でも、オレはムーマを手放そうと思ったことはない!」

カキ「いや、いつかその時が来るさ。自分に甘々なお前にはいつの日かムーマが邪魔になる」

サトシ「……てめぇ……」
 ▼ 148 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:29:58 ID:CvY0uh2. [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夢、覚悟、プライド、信念……色々なものを傷つけられたサトシの拳が固まり、震える。

怖かったのだ。蕾がいつか花開くように叶うと信じていたサトシの夢

その夢を追う長い長い旅の中での度重なる敗北への慣れが、ムーマを守る自分の覚悟を弱めているかもしれないということが。

終わりのない挑戦が自分を堕落させてしまっているかもしれないということが。


カキ「続きは外でやろう。できるだけ遠くに、誰の目にもつかない場所で」

サトシ「……?」

カキ「オレの言った事に対してそこまで感情的になるのなら、せめてお前の『夢』に対する覚悟だけでも確かめさせてくれ」

サトシ「カキ……」

カキ「オレも『兄』だ。厳しくかつ寛大であるべき人間だ。お前がそれなりの答えを出してくれたらオレも考え直してやる」

-------------------------------------------

カキ「じゃあ父さん、行ってくる」

シブ「あ、あぁ。行ってらっしゃい」

サトシ「……」


ホシ「……出てったね。追いかける?」

ムーマ「うん」

ホシ「ゴメンね。折角ウチに来てもらったのに。お兄ちゃんは……お爺さんに似て頑固なところがあるらしいから」

ムーマ「わたしにできること……何かないかな」

ホシ「サトシさんには悪いけど、今はそっと見守ってあげて。ほら、気付かれないようにこっそりついていこう」

ムーマ「うん」
 ▼ 149 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:31:31 ID:CvY0uh2. [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホシ「……フフッ」

ムーマ「ホシちゃん?」

ホシ「私もサトシさんみたいな人がお兄ちゃんだったら、もっと……ムーマちゃんみたいにいっぱい甘えられるのかなって」

ホシ「妹ってのも気を遣うんだよ?特に過保護な兄を持つと……まぁ今のお兄ちゃんでも十分幸せだけど」

ムーマ「うん!わたしもしあわせ!」

ホシ/ムーマ「「うふふ……」」


ホシ「さぁて、じゃあ追いかけようか」

ムーマ「行こう!早くしないとおにーちゃんたち見失っちゃうよ!」ダッ

ホシ「あぁあぁ、そっちじゃないでしょムーマちゃん!そっちは町の方!」

ムーマ「はにゃ?」

ホシ「お兄ちゃん達は荒地の方に行ったよ。さっき出て行くの見たでしょ?」

ムーマ「あぁ……そうだった」

アマラ「何だ、アンタらも行くのかい?」

ホシ「ひぃっ!?あ、焦ったー……」

アマラ「アタシは止めないよ。ホシ、アンタはしっかり者だからね。どうかカキを止めてきてくれないかい?」

アマラ「あんのバカ息子はアンタの言う事だけは聞くからさ」

ホシ「う、うん!行ってきます!」

ムーマ「いってきまーす!」


アマラ「よしっ、じゃあアタシ達はご飯でも作ってあの子達を待つとしましょうかねぃ」

シブ「まったく、カキの頑固っぷりには手を焼いてばかりだ……」

アマラ「爺さんに似たんだろうね。あの人はカキに色々教えすぎたんだ……」
 ▼ 150 ノムッチ@バクーダナイト 17/08/14 19:33:51 ID:ESigLicw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
ちょくちょく貼られる画像が、なんていうか楽しい
 ▼ 151 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/14 19:37:34 ID:CvY0uh2. [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------アーカラ島 とある荒地-------


カキ「……さて、この辺でいいか」

サトシ「なぁカキ、今から何を……」

カキ「サトシ。お前は二度とムーマを危険な目に遭わせないと誓ったな」

カキ「……それは、『兄』としての責任を今後一切手放さないという覚悟の意味があるんだろう?」

サトシ「! わかってくれるのか!?」

カキ「だが……口だけなら容易い。口だけなら、いくらでも誤魔化しが効く」

カキ「そこで、オレ達の方法でお前の覚悟を試そうと思う」

サトシ「? オレ達の?」

カキ「お前の夢が自分の弱さを隠すものでないとしたら、その証拠をオレに見せてみろ」

サトシ「証拠?それって……」

カキ「お前が本気で『ポケモンマスター』を目指してるんなら……当然あるだろう?覚悟に見合う強さが」

サトシ「!! ……あぁ。あるぜ」

カキ「……そうか」










                       だったら見せてみろ!

                   本気のオレに勝って、夢への覚悟を示せ!

                  兄としての覚悟を示せ!『ポケモンマスター』!!





                        そうこなくっちゃ……

                  そこまで言われちゃ敗けるわけにはいかないな!

       今までの旅が無駄じゃないってことを証明する為にゼンリョクで戦うぞ!『アローラの炎』!!
 ▼ 152 ギアル@サメハダナイト 17/08/14 21:31:26 ID:QAGoADYg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 153 ンパン@でかいきんのたま 17/08/14 21:56:20 ID:u3d1GiuE NGネーム登録 NGID登録 報告
どうなる!?
支援
 ▼ 154 ガギャラドス@いわのジュエル 17/08/15 00:53:44 ID:.W0Bq41E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
熱いな
支援
 ▼ 155 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 18:51:15 ID:u8/sqsIc [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ピカチュウ!キミにきめた!」

ピカチュウ「ピッカァ!」


カキ「いけっ、バクガメス!」

バクガメス「……」

カキ「オレなら大丈夫だ。お前は思いっきり戦え。迷うな……お前達が応えてくれなかったら、オレは誰を信じればいい?」

バクガメス「ガメッ!」



サトシ「ピカチュウ!まずは『でんこうせっか』で突っ込んでけ!」

ピカチュウ「ピカピカピカ……!」

カキ「バクガメス!『かえんほうしゃ』で地面を焼き尽くせ!」

バクガメス「ガァァァァ……!!」


ピカチュウ「ピカッ!?」キキッ

サトシ「火の海をつくりやがった!これじゃ足場が殆ど無いぞ……」

カキ「オレは本気だ。『アローラの炎』になるには、勝つべきバトルには決して敗けてはならない」

サトシ「……上等だ。跳べ!ピカチュウ!」

ピカチュウ「チャアアアア!!」バッ


カキ「空も飛べないピカチュウが空中戦か!恰好の的だぜ。バクガメス、やれ!」

サトシ「単にジャンプしただけと思うなよ!ピカチュウはただ足場がほしいだけさ!」


ピタッ

バクガメス「?」キョロキョロ

ピカチュウ「ピカ……」コソコソ

カキ「……背中に跳び移ったのか。何をするのかわからんが攻撃が当たらないのは厄介だな。バクガメス、振り落と……」

サトシ「そのまま離れるなピカチュウ!『10まんボルト』!!」

カキ「!?」

ピカチュウ「ピー……カー……」


ピカチュウ「ヂ ュ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ! !」
 ▼ 156 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 18:55:37 ID:u8/sqsIc [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクガメス「ガァ……ァ!」ブォォン ブォォン

カキ「バクガメス!早く振り払え!」

サトシ「無駄だ!ピカチュウの根性は伝説のポケモンにだって簡単に折ることはできないんだ!」


ピカチュウ「ヂュウウウ……!!」

サトシ「そのまま圧し切れ!ピカチュウーー!!」

カキ「相変わらずバトルになると熱いな、サトシ。……ポケモンバトルはトレーナーの心をも繋ぐ」

カキ「だからこそポケモンバトルはお前にオレの心を伝えるのに最も適していると思ってた。だからこの方法を選んだんだ!」


サトシ「カキ!お前とバクガメスの実力はこんなもんじゃないだろ!?」

カキ「当たり前だ……バクガメス!甲羅に引っ込め!」

バクガメス「ガメーェス!」シュッ

サトシ「なっ……!? 振り払うのをやめた!?」

サトシ「どういうつもりだカキ!これじゃあ一方的に受け続けるだけだぞ!?」

カキ「バクガメス、背中から『かえんほうしゃ』だ!!」

サトシ/ピカチュウ「「!!?」」


ドバァァァァァァ……!!


ピカチュウ「ピカァーー……!」

サトシ「しまった!ピカチュウーーー!」

カキ「油断したなサトシ……さて、吹き飛ばされたピカチュウは甲羅から離れて宙を舞い、どこに落ちる?」


ジュッ……!


ピカチュウ「ギャァ……ァァ!!」

サトシ「あぁっ!!さっきの火の中に!」

カキ「火の海はこれまたバクガメスの『かえんほうしゃ』!今度はお前のピカチュウがオレ達の攻撃に耐える番だ!」
 ▼ 157 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 18:57:42 ID:u8/sqsIc [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
燃え盛る炎は絡み付く糸のようにピカチュウの体を包み、焦がそうとする。

己に厳しく、相手にも容赦をしないカキの心が具現化したかのような業火のフィールドにサトシ達は苦しめられる。


カキ「今更足場のある場所へ移っても無駄だ!ピカチュウに食らいついた炎は獲物を離さない猛獣の牙だ!」

ピカチュウ「ピ……ピカ……」メラメラ

サトシ「ピカチュウ!何とかして火を消すんだ!……くそっ、どうすればいい……?」

カキ「甲羅のないピカチュウには一度食らいついた炎を振り払う手段はない!バクガメス、畳みかけるぞ!」

バクガメス「ガメェ……」

カキ「ピカチュウに狙いを定めろ!『かえんほうしゃ』!!」


サトシ「ピカチュウ!バクガメスに向かって『でんこうせっか』だ!!」

ピカチュウ「!? ……ピカッ!」ダッ!


カキ「血迷ったかサトシ!今まさに攻撃をせんとする相手に向かって何の考えも無しに突っ込むなんて……」

サトシ「考えが無いわけじゃないさ!ピカチュウ、まだだ……まだ一直線に進めぇぇ!!」

カキ「突進しながら『かえんほうしゃ』を耐え抜いて突破するというのか?」

カキ「火の点いたままのピカチュウがどうやってこの攻撃を耐えられる!?」

バクガメス「バクァァァ……」ゴゴゴゴゴ

カキ「『かえんほうしゃ』、発射!!」

サトシ「今だピカチュウ!地面を蹴って右に急カーブ!」

カキ「!?」

ピカチュウ「ピカッ!!」カクンッ

ボォォォォォ……

カキ「スレスレで避けたか……少しピカチュウの反射神経と機動性を侮っていたか」

サトシ「まだだ!ピカチュウ、今度は左にカーブ!ある程度走ったらまた右へ!」

ピカチュウ「ピカァ!」ダダダダ

カキ「……またバクガメスの方に戻ってきた……一体何を考えてるんだ?」


サトシ「加速しろ!ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカァァァァ!」ギュオンッ!

カキ「! 来るぞバクガメス、受け止めろ!」

バクガメス「ガメェェェェ!!」
 ▼ 158 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 19:00:07 ID:u8/sqsIc [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ス カ ッ … …


バクガメス「……?」

カキ「素通りした……だと?」

サトシ「まだだ!まだ止まるなピカチュウ!動き続けろ!」

ピカチュウ「ピィカピカピカピカ!!」ダダダダダダ


その後もピカチュウはカーブと加速を繰り返し、バクガメスを囲むように複雑な軌道を描きながら縦横無尽に駆け巡る。

『でんこうせっか』の前に技も当てられず翻弄されるカキ達。しかし、これがサトシの作戦だったのだ……


ギ ュ オ オ オ オ オ オ オ … … … … !


カキ「何てスピードだ……!だが焦るなバクガメス。あれだけ動けばいずれ速度も落ちる!その隙を狙うんだ!」

サトシ「いや、落ちないさ。この一撃を決めるまではな!ピカチュウ、もっともっと加速だ!!」


風をも切り裂くピカチュウの加速エンジンはもはやレッドゾーン。

ピカチュウの一撃が炸裂する前に、カキはフィールドに起こり始めている異変に気付く。


カキ「!!」

カキ「加速の風圧で炎のフィールドが消えていく……!サトシ、まさかこれが狙いか!?」

サトシ「それもあるけど、オレの作戦はもう二つあるぜ!」

カキ「もう二つ……? そうか!火達磨になったピカチュウの火を消すために……」

サトシ「そう!そしてもう一つは……」

カキ「バクガメス!『からを……」

サトシ「遅い!ピカチュウ、バクガメスにゼンリョクの『エレキボール』だァァァァ!!」

サトシ「ピカチュウに火が点かなかったら思いつかなかった。この勝負もらったぜ!」

ピカチュウ「ピッカアアアアア!!」

カキ「バクガメス!受け止めろ!!」



ズ ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン ! ! !
 ▼ 159 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 19:04:30 ID:u8/sqsIc [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
爆音が地を揺らし、土煙を巻き上げる。

立ち込める煙からただ一匹抜け出てきたピカチュウはサトシのもとへ駆け寄ってきた。


サトシ「やったなピカチュウ!」

ピカチュウ「ピ……ピカ……」

サトシ「大分疲れてるみたいだな。でも残念……まだ終わらないみたいだぜ」


煙が晴れると、どっしりと構えた小さな火山が姿を現した。

バクガメスは甲羅で「エレキボール」のダメージを受け止めていたのだ。


カキ「『エレキボール』……相手よりも自分が速ければ速いほど強くなる特殊な技……」

カキ「加速を繰り返していたのは『エレキボール』の威力を高めるためだったのか」

サトシ「あぁ。それに速く動けば避けられないだろうと思ったんだけど……」

カキ「そこでオレはピカチュウの速さに追いつこうとした。だが咄嗟に防御しておいて正解だったぜ」

カキ「……だが、甲羅のあるバクガメスでなけりゃどうなっていたか……」

カキ「フィールドも元通り。これで振り出しに戻ったな」

サトシ「……へへ」

カキ「何がおかしい?」

サトシ「やっぱりだ。前から薄々感じてたんだ……カキはオレの、アローラでの最高のライバルになるだろうなって」

カキ「はぁ?」

サトシ「もしアローラにもポケモンリーグがあって、オレがまた旅に出るとすれば……きっとそれは……」

カキ「何を呑気なことを!」

カキ「これはお前の覚悟を確かめるためのバトルだ。オレはお前が越えるべき壁なんだぞ?」

カキ「お前が覚悟を示さない以上、オレはそうしてお前と馴れ合うつもりはない!」

サトシ「そうかよ。だったら……オレが勝ってやる!オレが勝って……」

サトシ「オレがお前の越えるべき壁になる!オレはお前みたいなことはしない。だからそれでライバル同士にもなれる!」

カキ「ふざけるな!『アローラの炎』になるために……オレも覚悟を背負ってやってんだ!!」

サトシ「もう終わりそうだけど、いいバトルにしようぜ!カキ!」

カキ「……!」

カキ「…………フフ」


カキ「……あぁ。いくぞ、サトシ!」

サトシ「! あぁ……そうこなくっちゃ!オレ達は絶対勝つぞ!カキ!」
 ▼ 160 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 19:07:35 ID:u8/sqsIc [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「バクガメス、『からをやぶる』!!」

バクガメス「ガァァァァァ!!」

カキ「終わりそうだと言ったな。それはつまりお前がオレ達『アローラの炎』に敗けるということか?」

サトシ「……言ってくれるじゃないか。今のオレは考えないぞ!敗けることなんて!」

ピカチュウ「ピィ……」

サトシ「いくぜ!!」



炎が燃えて 風が舞い 鳴き声轟くバトルは、ここに来てさらに激しさを増す。



サトシ「ピカチュウ、『アイアンテール』!」

ピカチュウ「チュァァァ……!」

カキ「バクガメス、甲羅で防げ!」


ガキィィィィ……ン!


カキ「バクガメスの甲羅は打撃に反応して爆発を起こす!『トラップ……」

サトシ「『エレキボール』! その勢いで甲羅から離れろ!」

ピカチュウ「ピカッ!」


ボ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … … ン ! !


カキ「くそっ、逃れたか……!」

サトシ「やっぱあの甲羅が厄介だな……正面から攻撃して、かつ防御する暇を与えないのは難しいぞ……」



サトシはカキとバクガメスの意表をつく戦法を次々と編み出しては、にっと口元を緩め、バトルに心躍らせる。

サトシに「ポケモンマスター」になる覚悟、ムーマと共にいる覚悟があるのかを見定めようとしていたカキも、

いつの間にか己のプライドを賭けてバトルに臨んでいた。

揺るがない、頑ななカキの心の火柱に風が吹き込み、大きく揺らす。
 ▼ 161 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:27:53 ID:u8/sqsIc [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ピカチュウ!『10まんボルト』!!」

カキ「バクガメス、『かえんほうしゃ』で押し込め!」


ガ ガ ガ ガ ガ ガ … … ! !
 ガ ガ ガ ガ ガ ガ … … ! !


サトシ「技の撃ち合い……オレ達が今まで何度やってきたと思ってんだ!圧し切れ!ピカチュウ!!」


ピカチュウ「ヂャアアアアアアアアア!!!」


カキ「な、何!?」

サトシ「いっけえええええ!!」



ポケモンもトレーナーも、既に満身創痍。アーカラ島を揺るがす二人の少年の戦いはついに限界を超える。



サトシ「ピカチュウ!『エレキボール』!!」


カキ「迎え撃て!『かえんほうしゃ』!!」



                    ボ
                     
                      ォ
                      
                        ォ
                       
                          ォ
                        
                        ォ
                       
                      ォ
                      
                    ォ
                     
                      !
                    
                        !
 ▼ 162 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:28:35 ID:u8/sqsIc [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ピカチュウ!『でんこうせっか』!」


カキ「今度は弾き返せ!バクガメス、『ドラゴンテール』!!」



                          ザ
       シャ
ア                                 ア
            ア                ア
                 ッ
       !                        !           !




サトシ「ピカチュウ! 『アイアンテール』!!」


カキ「……『トラップシェル』!!」



                 バ
       ガ                  ア

             ア      
 ア
           ア           
 ア
                         ア
 ア
ア      ア 
            ン        !  !
 ▼ 163 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:30:51 ID:u8/sqsIc [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
              『エレキボール』!!

『かえんほうしゃ』!!

               
    『アイアンテール』!! 


                             『ドラゴンテール』!!




「もう一度炎のフィールドを展開してやる!」

「させるか!『でんこうせっか』!」

「かわせ! ピカチュウの背後を取って『ドラゴンテール』!」

「……! 切り返せ!『エレキボール』だ!」

「避けろ!」

「逃がすな!『アイアンテール』!!」

「甲羅で防げ!!」

             ガ ッ … … !

                       「しまった!トゲが……」

「発動だ!『トラップ……」

                       「振り払え!」

「シ ェ ル 』 !!」



                        キ
            ャ
                                オ
               オ
                                       オ
                                                 ァ
                                    ァ
ア 
         ア
                               ア
                ア
                                      ア
                                       ァ
                        ァ
                                       ン
            !
                                                !
                                     !
 ▼ 164 ンドラー@ボーマンダナイト 17/08/15 22:31:40 ID:lAj0ENAY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カウンターシールド使うの期待してる……
 ▼ 165 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:34:24 ID:u8/sqsIc [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ピカチュウ!最後に『10まんボルト』!!」


「ピー……カー……   ヂ 
                ュ
                              ア 
                      ア 
                             ア 
                 ア 
                       ア 
            ア 
                              ! 
                ! 
                       !

「バクガメス!『かえんほうしゃ』!!」


「ガメェ……!  ヴ 
             ェ
          オ
           オ
              オ
                    オ
                             オ
                                 オ
                       オ
              !
            !
                      !
 ▼ 166 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:43:04 ID:u8/sqsIc [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-----------------------------
-----------------------------------------
-------------------------------------------------

サトシ「ハァ……ハァ……」

カキ「ハァ……サトシ、よくここまでついてこれたな。……お前のポケモンマスターを目指す覚悟、オレは認めるぜ」

サトシ「ほ、本当か!?」

カキ「だが!まだやらなければならないことが残ってるハズだ」

サトシ「あぁ……郷に入っては郷ひろみって言うしな」

カキ「それを言うなら郷に従えだ。……お前はカプ・コケコに選ばれた。守り神からの贈り物を使わないわけにはいくまい」

         …           …           …          …

サトシ「アレを使うってことはもう終わりでいいんだな?」

カキ「あぁ。お前なら大きなものも、小さなものも守ることができると確信したからな」

カキ「最も……それはお前自身が一番良くわかってる。だからさっきオレに怒ったんだろう?」

サトシ「へへ……まぁそうかな」


サトシ「ピカチュウ、まだ動けるな?最後の最後まで……そしてこれからもずっとついてきてくれよ!」

ピカチュウ「ピカッ!」


カキ「バクガメス、巻き込んでしまって悪かったな。だがお前じゃないとダメだったんだ。ここまで熱いバトルをするなら!」

バクガメス「ガメェェ!」


サトシ「さぁカキ……これがオレ達のゼンリョクだ!!」


「ポケモンマスター」と「アローラの炎」。二人の覚悟は……本物だった。




サトシ「『スパーキング……                           カキ「『ダイナミック……
 ▼ 167 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/15 22:44:39 ID:u8/sqsIc [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告






                   ギ                   フ



                   ガ                   ル



                   ボ                   フ



                   ル                   レ



                   ト                   ェ



                   ォ                   ェ



                   ォ                   ェ



                   ォ                   ェ



                   ォ                   ェ



                   ォ                   イ



                   ォ                   ム




                ! ! ! !             ! ! ! !







 ▼ 168 ルット@ひみつのコハク 17/08/15 22:45:36 ID:lAj0ENAY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スゲェ……
 ▼ 169 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:25:38 ID:A2l4KwSk [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





.






















 ▼ 170 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:27:07 ID:A2l4KwSk [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクガメス「ガォ゛……」

ピカチュウ「ピ……カ……」プルプル



                       ズ    ン   !



バクガメス「」


ピカチュウ「ハァ……ハァ……ピ、ピカーーーーーーーー!!」


サトシ「やった……ピカチュウ!勝ったぞ!ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカー!」

サトシ「よかった……!ホントによかった!さすがポケモンマスターのポケモンだぜ!」


バクガメス「ガメェ……」

カキ「すまないなバクガメス。オレがもっとお前に応えてやれば……」

バクガメス「ガメ!」

カキ「……バクガメス、何故だろうな。敗けたのにすごく清々しいよ」

カキ「この感じ……サトシが怒った理由、もう一つわかった気がする」


ムーマ「おにーちゃーーーん!!」

ホシ「もうお兄ちゃんたらまた勝手なことをして!」

サトシ「ムーマ!ホシちゃん!……まさか、ずっと見てたのか?」

ムーマ「うん……」ポロポロ

サトシ「えっ、何で泣い……」

ムーマ「いいの。よかった……わたしがここに来たとき、おにーちゃん笑ってたから……」
 ▼ 171 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:28:39 ID:A2l4KwSk [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホシ「お兄ちゃん、ちょっとお話」

カキ「え?」

ゴツッ!

カキ「いてっ!ホ、ホシ!?一体何を……まさか、お兄ちゃんのこと嫌いになっちゃったのか!?」

ホシ「違う!いいから聞け!」

ホシ「お兄ちゃんはさ、いっつもホシのこと考えてくれて、私が構ってほしい時はいつも相手してくれる。それはありがとう」

カキ「あ、あぁ……」

ホシ「でもね。いい?前々から思ってたけど、お兄ちゃんは『押しつけがましい』の!!」

カキ「なっ……!?それはサトシのことか?オレはな、サトシには責任を感じてほしくてだな……」

ホシ「だからって度を越したらそれは迷惑なの!め・い・わ・く!」

ホシ「聞けばマオさんとも喧嘩して、勝手な理由で早退して、サトシさんを呼び出して連れ出して……」

ホシ「サトシさんとムーマちゃんだけじゃなく、マオさん達にもスクールのみんなにもお父さんにもお母さんにも!」

ホシ「ピカチュウちゃんにもバクちゃんにも色んな人やポケモンに迷惑かけて!ちょっとは反省しなさい!」

カキ「ハイ……スンマセン」

ホシ「まずはその頑固な性格をどうにかしないとね。私がみっちり稽古をつけてやろうか?」

カキ「ホシが……稽古を? あぁ、それもなんか……いいな♪」ノホホーン

ホシ(救いようの無い兄貴め……)

ホシ「とにかく、明日にでもみんなに謝ってよね?大体お兄ちゃんは……」ガミガミ


サトシ「なんかカキ、すげぇ怒られてるな」

ムーマ「おにーちゃん、わたしは怒ってないよ」ニコニコ

サトシ「あぁ。巻き込んで悪かったな。可愛い可愛いオレの妹」スリスリ

ピカチュウ「チッ」

ムーマ「おにーちゃん、はじめにくらべてずいぶんわたしにかまってくれるようになったよね?」

サトシ「あぁ。カキの度重なるお説教のお陰でな」

サトシ「今日はさすがに反省したよ。兄貴になることってホント大変なんだな……」

ムーマ「そんなのいいよ。わたしはね、おにーちゃんがわたしを好きでいてくれるだけでいいの」

ムーマ「それで、わたしもずっとおにーちゃんを好きでいるよ。それがわたしたち妹のせきにんだもん!」

サトシ「ムーマ……」

ムーマ「おにーちゃん……」
 ▼ 172 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:31:24 ID:A2l4KwSk [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ピカピィ」ニッコリ

ムーマ「あっ、ピカチュウ!何か言いたいことあるの?」

サトシ「ピカチュウも今日は疲れただろう?帰ったらゆっくり休もうな」

ピカチュウ「ピカピカチュウ」ニコニコ

ムーマ「……ふむふむ。えっ?『もうキレていいかな?』って?」

サトシ「あっ」


ピカチュウ「ヂ ュ ウ ウ ウ ウ !!」バリバリバリ

ムーマ「うぎぎぎぎゃぎゃん!!」

サトシ「何だ元気じゃないか」

サトシ「コラ、やめろピカチュウ!男の嫉妬は見苦しいってスイレンも言ってたろ?」

ピカチュウ「ヂャアアアア!!」バリバリバリ

ムーマ「ちょっちょっ、もういいでしょ!?体がじんじんてきたよぉぉぉ!!」

ピカチュウ「ビガビガビガビガ!!」ババババババ

ムーマ「あ゛っあ゛っ/// いだい!でも゛もっど!!も゛っどぉぉぉぉ///」

サトシ「さてはこの2週間半ずっと耐えてやがったなコイツ」

----------------------------------------

ピカチュウ「ハァ……ハァ……」


サトシ「大丈夫かムーマ?」

ムーマ「ごめんな゛ざい……もうイチャイチャしない……」ビリビリ

サトシ「あはは、オレ達ももう少し場を弁えような!もうじきデートもあることだし」

サトシ「あっそうだ。カキー!デートの件だけど……」

カキ「あぁ、3日後の予定だったな。もちろん予定通りやるぞ」

ムーマ「3日後!?うわぁー!もうそんなに経ったんだね!」

サトシ「まだ何も教えてくれないのか?」

カキ「まだだ。心配しなくともお前は特別な準備をする必要がないから楽しみに待ってるんだな」

サトシ「ふーん……」
 ▼ 173 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:35:23 ID:A2l4KwSk [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホシ「さぁお兄さん組!一件落着したところで早く帰りましょう!」

カキ「あぁ」

サトシ「よーし、帰るぞムーマ」

ムーマ「うん!」テクテク

サトシ「おいおい、そっちは町の方だぞ?家は丘に向かって真っ直ぐだ」

ムーマ「えへへ、なんか自然と足が……」

カキ「よっぽどデートが待ち遠しいようだな」

サトシ「えっ?」

カキ「しまった……まぁ、今のはヒントとして受け取ってくれ」


シブ「あっ、帰って来た!」

ホシ「ただいまー!」

ムーマ「おなかすいたー」

サトシ「オレもー……」

ピカチュウ「ペカ〜……」

アマラ「よしよし、じゃあ今日はこっちでご飯食べて行きな」

サトシ/ムーマ「「あんがとござーますっ!」」

アマラ「カキ、アンタもう大概にしなよ?人にはそれぞれ自分の考えってモンがあるんだから」

カキ「ごめん母さん……オレは認めたく無かったんだ。オレが心がけてることと正反対のことをしているサトシが……」

アマラ「アンタの友達ならそのくらい受け入れてやりなさい。思想そのものには良しも悪しもない。大事なのはその使い様さ」

アマラ「最も、正反対とはいえお互い惹かれあうものがあった。だからお前達は友達になったんだろう?」

カキ「さぁな。わからない……」
 ▼ 174 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:37:18 ID:A2l4KwSk [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「カキ!」

カキ「?」

サトシ「今日は色々あったけど……カキとのバトルは物凄い楽しかった!今度は覚悟とかなしにもっとノビノビやろうぜ!」

カキ「…………」


ムーマ「今度もおにーちゃんが勝つよ!ね?おにーちゃん」

ホシ「そうはいかないよ!また敗けないようにお兄ちゃんはわたしがしごいてあげるんだから!」

ムーマ「しごくって?」

ホシ「まぁ、ビシバシっとね」


カキ「……フッ……あぁ。またやろう!今度はもっと楽しい勝負にできるといいな」

サトシ「あぁ!」

ピカチュウ「ピカァ!」

バクガメス「ガメェー」


アマラ「さぁみんな、食前のお祈りの時間だよ!ヴェラ火山に向かって目を閉じて……」

ムーマ「おいのり?」

ホシ「食べ物は命をいただくってことなの。だからアローラの自然にお礼を言うんだよ」

ムーマ「おれい……わかった!……この世の全ての食材に感謝を込めて……」

サトシ「ムーマ、そりゃオレがこの前読んでた漫画のセリフだろ」

ムーマ「いただきます!」ガバッ

サトシ「コラー!フライングすんなー!」


ポケモンマスターとアローラの炎。二人の少年の心で照り続ける、夢の光・覚悟の灯火は消えることはない。

ヴェラは祝福する。サトシの覚悟。     ヴェラは見守る。カキの意志。
 ▼ 175 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:38:16 ID:A2l4KwSk [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌日、いつものようにポケモンスクールへやって来たサトシ。ムーマから目を離さずに真っ直ぐ校長室へ送り届ける。


サトシ「校庭で遊びたかったら校長に連れてってもらうんだぞ?」

ムーマ「うん!」


一方のカキは昨日の大喧嘩から、同じく早退したマオと和解する。


カキ「昨日はその……悪かったな」

マオ「あ、あたしもさ……博士に言われて色々考えたんだよね……うん。あたしも言い過ぎたよ。ゴメン」

マーマネ「あわわ、まだ何かギクシャクしてない?」

スイレン「大丈夫。二人のことだしきっとまたすぐにヨリを戻す」

リーリエ「またいつものスクールに戻るようでよかったです……本当に」


また何気ない日常が始まり、物語は相も変わらず続く。……そして遂に、この日がやってくる。


カキ「さて……準備は整った。プラン良し、天候良し……人員良し」

スイレン「ヒッ」
 ▼ 176 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/16 19:39:37 ID:A2l4KwSk [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第6話(全15話)   「はっちゃけろ!ついに来たデート当日」
 ▼ 177 ユルド@ライボルトナイト 17/08/16 19:50:22 ID:HUAn7cJA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
楽しみ
 ▼ 178 ラカッチ@まひなおし 17/08/16 20:21:56 ID:aP3PlXSI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あんたのバトル描写凄いわやっぱ
支援
 ▼ 179 ダカ◆EFC.zmnhr2 17/08/16 22:32:19 ID:Jywxajns NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマちゃん快感に目覚めてて草
支援
 ▼ 180 ィアルガ@きゅうこん 17/08/17 05:59:53 ID:bCstLaKM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>179
それなw

楽しみだな!……ヘイガニ?
 ▼ 181 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/17 23:10:20 ID:c6syzWv2 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「じゃあ博士!そろそろ行くよ」

ククイ「まずはスクールでカキと集合だったな。二人とも、気を付けて行けよ」

サトシ「ロトム、博士と一緒に留守番頼むぞ?」

ロトム「もはや何も言うまい」

ムーマ「いってきまーす!」



ロトム「博士、その荷物は何ロト?」

ククイ「ロトムすまないな。実はオレも急な用事ができちまって」

ロトム「はぁ!?」

ククイ「今日は一人で留守番お願いできるか?連れて行きたいのは山々なんだが……」

ロトム「ふ、ふざけんじゃねぇ……」

ククイ「心配せずとも今日中に帰るさ」

ロトム「早めに帰るみたいな言い方しても騙されないぞ。今まで日帰りじゃなかったことなんて殆ど無いロト!」

ククイ「すまない!ホントすまない。だが……白いマットのジャングルに、今日も嵐が吹き荒れる」

ロトム「はァ!?」

----------------------------------------

-------ポケモンスクール-------


サトシ「カキーー!」

カキ「来たな。そんじゃ、早速アーカラ島へGOだ」

リザードン「ヴヴッ」

ムーマ「赤いお兄ちゃん、結局わたしたちはどこに行けばいいの?」

カキ「そうだな。じゃあ二人とも、これからリザードンに乗りながらプランを説明するぞ」

サトシ「もう出発するのか?」

カキ「デートの時間が惜しくないのか?」

サトシ「別にそんな慌てなくても……」

ムーマ「はいはいはい!一秒でも時間がおしーい!」

カキ「……だそうだ」

サトシ「ほいほい……」

カキ「リザードン!今朝言った場所まで飛んでくれ!」

リザードン「ヴォォォ!」
 ▼ 182 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/17 23:13:30 ID:c6syzWv2 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------メレメレ島→アーカラ島-------


ムーマ「うーみーはーひろいーなーおーきーーなー♪」

カキ「そのとおりー♪ここはうみのうえだーよー♪」

ムーマ「すてきーなーけしきーをーありがーとうー♪」

カキ「こーえーにございーますおじょうーさーまー♪」

サトシ「流行ってんのか?その歌というか、コントというか」

カキ「さて、これから二人に案内するのはアーカラ島の有名な『ロイヤルアベニュー』だ」

サトシ「ロイヤルアベニュー?それって楽しい所なのか?」

カキ「街と火山公園を結ぶ大通りになっているんだが、中央に聳える『ロイヤルドーム』には圧倒されること間違い無しだ」

サトシ「そんなデカい建物なのか?」

カキ「あぁ。周りの施設も寄り甲斐があってデートにはもってこいだ。ホラ、見えてきた」

サトシ「!?」

ムーマ「でかー!」

カキ「今からあそこで二人には楽しく過ごしてもらう。5時ごろになったら迎えにくるからな」

サトシ「あれホントに街じゃないのか!?すげぇ活気だ……」


カキ「サトシ、スイレンにもらったアドバイスは忘れてないよな?」ヒソヒソ

サトシ「あぁ、バッチリだ。オレだってもう立派な兄ちゃんだからな。オレからムーマのために……」ヒソヒソ

ムーマ「何話してるのー?聞こえなーい!」

カキ「期待してるぞ。ムーマを守るのはお前なんだから……って、もう言う必要もないか」

サトシ「へへっ」
 ▼ 183 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/17 23:18:32 ID:c6syzWv2 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「……ハッ!」ピキーン!

サトシ「な、何だ!?どうしたんだカキ?」

カキ「感じる……感じるぞ……オラすげぇ気を感じっぞ……」ガタガタ

サトシ「気!?気って何よ、ねぇ?」

カキ「サトシ、ムーマ……気をつけろよ。あの大通りには……ロイヤルアベニューには……」

カキ「今、 魔 王 が潜んでいる」

サトシ/ムーマ「「!?!?」」

カキ「オレには聞こえるんだ……闇の鼓動が……地獄の産声が……」

サトシ「ちょ、ちょっと待って急展開すぎるんだけど!?魔王って何さ!?」

カキ(真に受けてる!?アホなのか!?……いや、オレの演技がうまいのか?でも……面白いから続けよう)

カキ「すまない。結果的にお前達を危険な場所へ送り込むことになってしまった。許してくれ……」

サトシ「いや許すも何も……いや許さない!ぜーったい許さないぞ!何言ってっかわかんねぇからとりあえず説明しろコラ!」

ムーマ「ねぇ!どういうこと!?」

カキ「アーカラ島に伝わる伝説の魔王が仲間を引き連れてロイヤルアベニューを蹂躙しているんだ」

サトシ「魔王の話なんてライチさんこれっぽっちも教えてくれなかったぞ」

カキ「いるんだよ。アーカラ民のオレが保証する」

サトシ「そんな保証いらねぇ!嘘であってくれ!」

ムーマ「そんなトコ降りたくないよ!ねぇ帰ろうよ!」

サトシ「その魔王ってのは何だ……!?やっぱ悪いヤツなのか!?」

カキ「プッ」

サトシ「何笑ってんだ!!」

カキ「失礼……そうさ。極悪人だ。ソイツらは強そうなトレーナーを見つけてはいきなりバトルを仕掛けてくるらしい……」

サトシ「何だそりゃ!?……何か知らんが悪人ならオレがバトルでとっちめてやろうじゃないか。なぁ、ムーマ」

ムーマ「うん!!ちょっとこわいけど……がんばる!!」

カキ「プッ」

サトシ「何笑ってんだ!!」

カキ「失礼。……あぁ、もうすぐ着くぞ。魔王のいるロイヤルアベニューへ……覚悟はいいな?サトシ」

サトシ「あぁ……上等だぜ」
 ▼ 184 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/17 23:24:50 ID:c6syzWv2 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------その頃、ロイヤルアベニュー-------


リーリエ「サトシ達、遅いですね」

マーマネ「今カキが迎えに行ってるころだと思うんだけど……連絡がないってことは移動中なのは確かだね」

スイレン「それよりもこの恰好、何とかならなかったの?」

マーマネ「仕方ないよ。カキが僕らにこの衣装(※)を押しつけたんだ」

リーリエ「カキのデートプランに私達が協力するという提案には大賛成なのですが……」

スイレン「まさかサトシの兄貴度を試す為に、行く先々でムーマちゃんを襲おうとする怪人役をやれ、だなんて……」

スイレン「どうして私達もカキのプランを聞かなきゃいけないのかと思ってた。で、嫌な予感は的中した……」

マーマネ「にしたって衣装のチョイスなんなのよコレ」

リーリエ「私に言われましても……」

マーマネ「そういえばマオは?彼女がボス役でしょ?」

リーリエ「朝から公然堂々と台詞の練習してます」


マオウ「ふはははははー!我々は……いや、私達は……うーん、我が家は……いや違う!絶対違う!」

マオウ「わ、我らは古代よりアーカラ島の頂点に君臨する魔族なり!今日からこの面白そうな大通りは我らのものだぁぁ!」

マオウ「ほらそこの子供!貴様もパイルジュースにしてやろうかー!?それともエネココアの方がいいかー!?」

子供A「おかーさーん、あの変なカッコのお姉ちゃん達なにやってんの?」

母親A「関わっちゃいけません」




マーマネ→マチスの衣装

スイレン→イブキの衣装+仮面

リーリエ→モンジャラの着ぐるみ

マオ→ダークライ擬人化コス
 ▼ 185 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/17 23:26:56 ID:c6syzWv2 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「さぁ、そろそろ降りるぞ」

リザードン「ヴォォォー」

サトシ「……」

ムーマ「おにーちゃん……」

カキ「気にせずともいつも通りのお前達でいていいんだぞ。正直お前達がそこまでマジになるとは思ってなかったしな」

サトシ「えっ?」

カキ「いやいや何でもない。魔王のことなんか気に留めずに好きなところに行くといい」

サトシ「ほ、ホントかよ……?」

カキ「かまわないさ。今のお前にはいざという時にムーマを守れる覚悟くらいあるハズだぜ?」

サトシ「そ……そうだな!オレ頑張る!」

ムーマ「よっ、さすがですおにーちゃん!」

カキ(やっぱりコイツらはバカだ。オレ達に都合のいい、よくできたバカだ)

カキ「じゃあピカチュウはここで預かっておこうか。あくまでお前達のためのデートだからな」

ピカチュウ「ハァ!?」

サトシ「そっか……じゃあよろしく頼むよ。ムーマはオレがきっちり守る!」

ピカチュウ「(;´・ω・)」

サトシ「じゃあまた5時に頼むなー!」

ムーマ「いってきまーす!」


カキ「……行ったか」ピポパ


カキ「もしもし、マオウ他3名の怪人諸君。二人が動き出した。アベニューの要所で待ち伏せし、各自行動せよ」

------------------------------------------

マーマネ「……かかってきた。もう動いていいって」

リーリエ「バカバカしいってわかってるのに無駄に緊張しますね」

スイレン「これはサトシとムーマちゃんの為にカキが用意したアトラクション。二人の為と思って頑張ろう」

リーリエ「第一に、私達の変装が彼らにバレないようにしないといけないんでしたね」

マーマネ「うん。完璧に怪人になりきるんだ……もう既に向こうの世界に入っちゃってる人もいるけど」

マオウ「ふはははははー!貴様もアローラプレートのつけ合わせにしてやろうかー!」

マーマネ「……い、行こうか」
 ▼ 186 ェリム@ザロクのみ 17/08/17 23:57:06 ID:.vc/SRJk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ところどころ喋るピカチュウに草
 ▼ 187 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/18 18:47:39 ID:L6MLHALs [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
店員A「いらっしゃっせー!イッシュ地方から上陸!ヒウンアイス、ヒウンアイス半額、本日が最終日でーす!」

店員B「いらっしゃいませー!カロス地方名物シャラサブレはいかがでしょうかー!」

例のOYAJI「らっしゃいらっしゃい!世にも珍しいコイキング、1匹500円だよ!」


サトシ「ふぁ〜、こうもお店が多いと目移りしちゃうな。ムーマ、何かほしいものはない?」

ムーマ「じゃあ……あれ!」

店員C「あらあらそちらの可愛らしいお嬢さん!ザボンの砂糖漬けはいかがでしょうか?おひとつ250円ですよっ」

サトシ「おっ、じゃあ二つで」

店員C「お会計500円になります。ありがとうございましたー!」


ムーマ「♪」マグマグ

サトシ「おいしい?」

ムーマ「うん!」

サトシ「じゃあオレも一口……ふはぁ!懐かしい味!」

ムーマ「なつかしい?」

サトシ「旅をしてた時に食べたことあるんだよ。あの時と同じ味だ!……カビゴンがいたら財布が消し飛んでたな」

ムーマ「カビゴン?おにーちゃんカビゴンも持ってたの?」

サトシ「カビゴンは見たことある?」

ムーマ「わたしがまだポケモンだったころに近くの草むらでうろうろしてるのを見たよ」

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

ムーマ「……えへへ」

サトシ「どうした?やっぱりこんな賑やかな街……じゃなかった、道を歩くのは楽しい?」

ムーマ「うん。わたしがムウマの時は人がいっぱいいる場所はどうしても苦手だったの」

サトシ「今は平気なのか?」

ムーマ「うん!」ギュッ

サトシ「うおっ!?急に抱きつくなって!ホラ、みんな見てるから……」

ムーマ「おにーちゃん、はじめてのデート、楽しい一日にしようね!」

サトシ「オレは初めてじゃないけど」

ムーマ「え゛?」

サトシ「うん。オレは初めてじゃな……あっ」

ムーマ「くわしく話聞かせてくれる?」ゴゴゴゴゴ

サトシ「あっあ゛ーっ!ムムムーマ、あそこにくじ引きがあるぞ。GXポケモンのカード当ててきてやるよ!」ピューッ
 ▼ 188 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/18 18:49:04 ID:L6MLHALs [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
------------------------------------------

マオ「えーっ!?サトシってデート経験あるの!?」

サトシ「あぁ、そう……らしいよ」

スイレン「らしいってヴァナタ」

マーマネ「意外すぎる……」

サトシ「あはは、よく驚かれるよ……」

マオ「じゃあそのことはムーマちゃんには隠しておかないとね」

サトシ「どうして?」

マオ「どうしても!例え異世界から来た未確認生命体がアローラを乗っ取ろうとしても!」

-------------------------------------------

サトシ「……危ねぇ危ねぇ。皆から念を押されてたの忘れてた」

ムーマ「おにーちゃーん、わたしあのピンクの花がさいてるところ行ってくるね!」

サトシ「あぁ待て待て!一緒に行くから!」


コソコソ……

マーマネ(変装)「楽しそうだね。二人とも」

スイレン(変装)「うん。3日前は色々あったけど今日この日を迎えられて本当よかった。マオちゃんとカキも仲直りできたし……」

マーマネ「んじゃ!今日は怪人として、あのカップルに思いっきり襲いかかっちゃいましょうかねぃ」


ムーマ「♪」アムアム

サトシ「ザボンの砂糖漬けの次はマラサダドーナツかぁ。ホントよく食べるなぁ」

ムーマ「いっぱい食べて大きくならなくちゃ。早く大きくなったらおにーちゃんとけっこんもできるしね」

サトシ「!/// ……アッハハ、冗談うまいなぁもう」

マーマネ「まーてまてまてーい!そこのバカップルァァァイ!」
 ▼ 189 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/18 18:51:14 ID:L6MLHALs [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突如現れた謎の男は、某電気タイプジムリーダーよろしく迷彩柄のズボンにサングラスをかけていた。

低身長のせいか威圧感のないシュールな出で立ちで堂々とサトシとムーマの前に立ちはだかる。


サトシ「……?」ポカーン

マーマネ(あぁ、あれは驚嘆してる顔だ。バレてない。バレてないぞ。カキ、ナイス衣装チョイスっ!)

スイレン「彼氏さん。ハニーから目を離しちゃいけない」

サトシ「っ!?」


サトシが振り向くと、ムーマが背後から仮面をつけた青髪の女に口を塞がれていた。

さらに水色のボディースーツと邪魔そうなマント。先の男がそうでなくともこちらは絶対に変な人だ。

二人の正体に気付いていないサトシは状況が飲み込めないながらも変態もとい怪人達に食ってかかる。


ムーマ「む、むぅ〜!」ジタバタ

サトシ「な、何だお前ら!ロケット団の仲間か!?」

スイレン「惜しい。私はマオウに仕える三怪人の一人、『海神アクエリア・スイレン』!」

マーマネ「わ、私の名は『雷神イナズ・マーマネ』!ついでに言うがロケット団は一切関係無いから全然惜しくないぞ!」

サトシ「魔王?……そうかお前らが……おい、なんちゃらスイレンとなんちゃらマーマネ!ムーマを返せ!」

スイレン「ダメダメ。ムーマはマオウ様の生贄にするのだ。ふはははははー……はー……」

マーマネ「マオウ様は年下の子供の遊び相手をするのが大好きなのだ。わははははは……はー……」

マーマネ(ダメだ。あまりに変な役ゆえにモチベーションが保てない!)

スイレン(サトシじゃなければもうとっくにバレてる……でも何とか最後まで演じ切らないと……)


サトシ「返せって……言ってんだろうがーーー!!」ガバッ


マーマネ/スイレン「「!?」」

バシッ!

スイレン「……あ、あれ?」ヒリヒリ

サトシ「ムーマ、無事か?」

ムーマ「おにーちゃん!」

マーマネ「え゛え゛え゛え゛!?もう奪還されたーーー!!」

スイレン(初めてサトシから平手打ちをもらった……何だろうこの感じ)
 ▼ 190 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/18 18:54:22 ID:L6MLHALs [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「ふ……ふははははサトシとやら、ハニーを返してほしければ私達と勝負をしなさい」

マーマネ「取り返されてから言うセリフかそれ!?」

サトシ「勝負?」

スイレン「そう。そこのハニーを賭けての真剣勝負。私達に勝ったらデートの続きをするといい」

ムーマ「おにーちゃん!」

サトシ「あぁ……いいぜ。……やるよ」

マーマネ「やるんかい!?その場で逃げた方が二人の為なのに……」

ムーマ「そうこなくっちゃおにーちゃん!がんばれー!」

マーマネ「仮にも人質なのに何言ってんのこの子!やっぱおかしいよこの二人!」

スイレン「マーマネ、早速彼らにゲームの説明をするよ」

マーマネ「いきなり本名で呼ぶな!今の僕は雷神だよ雷神!」バシッ

スイレン「マーマネの平手打ち……シンプルに不快」

マーマネ「あぁもう!!」

サトシ(本名……?)

マーマネ「と、とにかくバトルだ!サトシとやらよ!」

サトシ「あぁいいぜ。ピカチュウ、キミにきめ……ってあ゛ぁ!カキに預けたんだった!」

ムーマ「えーっ!?」

マーマネ「おやおや、一番強いピカチュウが手元にいないとは。困ったねぇサトシ君?」

サトシ「……なんでオレのポケモンでピカチュウが一番強いって知ってんだ?」

スイレン(アホ……)

マーマネ「か、勘だ!君のリアクションから察するにピカチュウが使えないことは君にとって余程のdisadvantageと見える!」

サトシ「まぁ、ピカチュウがいなくともまだオレには頼もしい仲間が3匹もいるんだ。オレは勝負を受けるぜ!」

ムーマ「おにーちゃんかっこいいー!」

マーマネ「後悔するなよ?……さて、早速だがサトシよ、私とのバトルを始めようじゃないか」

サトシ「よし、まずはお前からだな。えーっと……なんちゃらマーマネ!」

スイレン(ホントにバレてないよね……?大体カキの考えたこのキャラクター自体何もかもおかしい!)

スイレン(企画もサトシじゃなきゃとっくに破綻してるレベルだし!えぇいカキの頭ヨワシ!シスコン!かりんとう!)

ムーマ「青いへんたいお姉ちゃん、おにーちゃんのバトルしっかり見ててよ。強いんだから!」

スイレン「へ、へんた……まぁ初戦は勝ってもらわなきゃダメ。あと貴方は人質ということを忘れないで。危機感持って」

ムーマ「はーい」
 ▼ 191 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/18 18:58:04 ID:L6MLHALs [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マーマネ「勝負は1対1!さぁ出てこい我が僕!」

サトシ「いっけぇぇ!」


デンヂムシ「……」ウネウネ

イワンコ「わんっ!」


サトシ「岩タイプは虫タイプに有利!速攻で片づけてやるぜ!」

マーマネ「ふふふ、甘いよ。デンヂムシの潜在能力を見くびってもらっちゃ困る」

サトシ「じゃあ見せてみろ!その底力!」

マーマネ「望むところだ!」

サトシ/マーマネ「「うぉぉぉぉぉ!!」」

--------------------------------------------

-------2分後-------


デンヂムシ「……」オキラレヘン

スイレン「デンヂムシ、戦闘不能。勝負あり」

マーマネ「ホントに速攻で片づけるヤツがあるか!!」

サトシ「だって敗けたらお前らムーマを攫って行くんだろ?」
マーマネ「そうだけども!」

スイレン「諦めようマーマネ。しまキングを倒せる実力のあるトレーナーに貴方ごときが敵うハズはない」

マーマネ「バッサリ言ってくれるね!」

ムーマ「いぇーい!おにーちゃん一勝目ー!」

マーマネ「ぐぬぬ……」


スイレン「さぁどいてオメガマユゲ。次は私の番」

マーマネ「オメ……!? 仕方ない。頼んだよ海神」

ムーマ「あのお姉ちゃん、ハデなかっこしてるけどあんまり強そうじゃないよ?」

サトシ「そうか?オレはちょっと警戒してるんだけど」

スイレン「サトシ、私達の実力で貴方に勝てないのは何となくわかってた。でも!」

スイレン「私は魔界の神殿から、貴方のことをよく知る強力な精鋭を手に入れた!」

サトシ「魔界の神殿!?どこだよそれ!」

スイレン「サトシ、破ってごらん。貴方の旅の軌跡!」
 ▼ 192 ウカザル@ハバンのみ 17/08/18 18:58:13 ID:mFfzcKw2 NGネーム登録 NGID登録 報告
ほんとのSMアニメになったな
 ▼ 193 ニドリル@パークボール 17/08/18 20:49:24 ID:H9ew3ghM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白い
支援
 ▼ 194 ンナ@かがやくいし 17/08/18 21:07:11 ID:BVHVCQUI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ、天然(鈍感?)すぎる…

ってあれ……
>>183で「ライチさん」言ってるから、修学旅行の後の筈なのに、イワンコのまま……?

まあ、いいや支援!
 ▼ 195 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 19:34:26 ID:euJsaJC6 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>194
最終話以外は実は書き溜め終わってる。この辺書いたのはネマシュ回放送辺りの頃だったかなぁ
原作(アニポケ)とできるだけ矛盾しないように投稿時に下書きを編集してる(バクガメスのからやぶとか)
けどSSの展開がガラッと変わっちゃいそうで書き直しが難しいなと思ったところはそのまんま流してマス(;´・ω・)
ルガルガンだとどうしても違和感の残る展開が近日更新予定の話であるんだ……






サトシ「! ……こ、こいつは!」


ヘイガニ「ヘイヘェーイ!」


サトシ「ヘイガニだ!それも気合い十分でやり甲斐ありそうだ」

ムーマ「『サトシ!久しぶりじゃのう!じゃがアローラに来て少々たるんどるんとちがうか!?』だって」

サトシ「へ?……こいつまさか、オレのヘイガニ!?」

スイレン「そう。貴方にとっての最大の敵は自分自身。そう判断した私は魔界の神殿から……」

サトシ「魔界の神殿ってオーキド研究所だろ!オレの許可なしに勝手に連れてくるなって!」

スイレン「マオウ様がバックにいる限り我々は何をしても許されるのだ!」

サトシ「えぇー……まぁ、でも久々にコイツに会えてちょっと嬉しいかな」

ムーマ「おにーちゃん、あのヘイガニも旅してた時にゲットしたの?」

サトシ「あぁ」

ムーマ「強い?」

サトシ「初めてアイツと出会った時にバトルしたけど、当時のピカチュウ相手に全く遅れをとらなかった」

サトシ「マズい……ピカチュウもいないし、仲間になってまだ日が浅い今のポケモン達で勝てるのかな……」

マーマネ(サトシがあんなに真剣な表情をするなんて。一緒に旅をしてきた仲間だからきっとその強さも理解してるんだろうな)

ヘイガニ「ヘイッヘイッ!」

ムーマ「『さぁ早うポケモンを出さんかい!バカンスボケで鈍った根性叩きなおしたるけん覚悟せい!』だって」

サトシ「経験の差は歴然。普通にやっても簡単には勝てない……でもやるぞ!いっけぇぇ!」


モクロー「もふぅ!」


スイレン「モクロー!確かに相性では有利だけど、それだけでは覆せないほどの実力差があるのは貴方もわかってるハズ」

サトシ「あぁ。だからその差もチームワークで埋めるんだよ!」

スイレン「チームワーク?」

サトシ「……やってみればわかるさ」
 ▼ 196 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 19:36:05 ID:euJsaJC6 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヘイガニ「ヒヒヒ……」ガチン!

モクロー「(;゚Д゚)」

サトシ「怯むな! モクロー、『このは』!」

モクロー「も、もふぅ!」バサバサ

スイレン「ヘイガニ、『バブルこうせん』!」

ヘイガニ「ヘッヘーーーーイ!!」

ババババババババ……!!

モクロー「!?」


サトシ「やっぱ撃ち合い勝負はダメか。モクロー、攻撃は諦めて回避だ!」

モクロー「も、もふぅ……」バッサバッサ

スイレン「逃がさない。ヘイガニ、よく狙って!」

ヘイガニ「ヘイっ」ババババババ

モクロー「もふぉーーー……!」

サトシ「あぁっ、モクロー!」

スイレン「泡が命中してモクローが落ちてきた。ヘイガニ、続けて『クラブハンマー』!」

サトシ「モクロー、避け……」

ヘイガニ「ガァァーーーーッ!!」

ガ ツ ン ッ !

モクロー「も゛っ……」


バトルが始まって早々、容赦なくモクローに追撃をしかけるヘイガニ。

しかしスイレンはこの後、思わぬ形でサトシとポケモンの絆の力を見せつけられることになる……
 ▼ 197 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 19:37:29 ID:euJsaJC6 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「どう?今の貴方にこの子に勝つ術はある?」

サトシ「だからやってみりゃわかるって言ってんだろ!……でもその為にはオレ達も根性見せないと……」


スイレン「ヘイガニ、モクローの翼を『はさむ』!」

ヘイガニ「ヘッヘーイ!」ガシッ

スイレン「そのまま振り回して……」

ヘイガニ「ヘイッ、ヘイッ……」ブォォォン

モクロー「もふーー!」

スイレン「投げる!」
ヘイガニ「チェリャアア!!」ビュッ

サトシ「モクローーッ!」

ムーマ「どーしよう……このままじゃモクローまけちゃうよ!?」

スイレン「さらに『バブルこうせん』!」

ババババババババ……!


モクロー「も、もぅ……」フラフラ

スイレン「もうモクローの体力も残り僅か。これでムーマちゃんはマオウ様の手に……」

サトシ「まだだ!……もう技は十分受けきった。これからこっちの番だ!」

スイレン「負け惜しみを……ヘイガニ、もう一度『バブルこうせん』!」

サトシ「モクロー!『このは』で撃ち返せ!」

モクロー「もっふ!もぉぉぉぉ!!」ヴァササササ

ヘイガニ「っ!?」

スイレン「無駄なことを。技の撃ち合い勝負はさっきついたハズ……って」

バ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ン ! !

スイレン「嘘!?相殺された……!?」

サトシ「よしっ、ナイスモクロー」

スイレン「どうして?さっきあれだけの威力の差があってどうして……」

マーマネ「わかった!モクローの特性『しんりょく』だ!」

マーマネ「ヘイガニの攻撃を受け続けたモクローの体力はもう殆ど無い。けど草タイプの技の威力が上がってるんだ」
 ▼ 198 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 19:39:50 ID:euJsaJC6 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「くっ、遠距離攻撃がダメなら接近戦に持ち込む!ヘイガニ!」

ヘイガニ「ヘイッ! ……?……?」キョロキョロ

スイレン「何してるのヘイガニ!モクローは眼の前に……いない!?」


サトシ「モクロー!『たいあたり』!」


モクロー「クルォォォッ!」ゲシッ!

ヘイガニ「ベッ……!?」

スイレン「背後から蹴りを!?」

サトシ「モクローは一瞬の隙をついて敵の背後に回りこむ戦法が得意なんだ。でもまだ攻撃は終わらないぞ!」

サトシ「モクロー!『たいあたり』、続けて『つつく』!」

スイレン「ヘイガニ!ガードで跳ね返して!」

ヘイガニ「ヘィ……!」


          ガッ!              

                         ギシッ!            ズブッ!

     ザクッ!            ジジジジ……   
          
                             ガシィィ!!


スイレン「モクローの攻撃が絶え間なく続いてる……どこにそんな体力が?」

ヘイガニ「ヘィ……」ニヤリ

ムーマ「ヘイガニ、何だかうれしそう!」

サトシ「いいぞモクロー!ヘイガニに負けない根性で圧し切れ!」

モクロー「もふーーーー!」

スイレン「そんな!経験値なら圧倒的に高いハズなのに!」
 ▼ 199 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 20:08:38 ID:euJsaJC6 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヘイガニ「ハァ……ハァ……」

モクロー「フー……フー……」

サトシ「お互い、疲れて攻防をやめたな」

スイレン「モクローがここまで食らいつくなんて……」

ヘイガニ「ヘ……ヘイヘイ!ヘェーイ!」

マーマネ「何か言ってるぞ?」

ムーマ「『新人のクセしてここまでやるとは恐れ入ったわい……ほんならここからワシの本領みせちゃるけんのお!!』だって」

スイレン「えっ」

サトシ(ヘイガニには悪いけど……オレはお前をずっと見てきたからな。弱点だって知ってるんだ)

サトシ「モクロー!『たいあたり』!」

スイレン「ヘイガニ、攻撃をガードし……」

ヘイガニ「ヘイヘーイ!」ダッ

スイレン「ちょっ……まだ指示が終わってない!」

サトシ「ヘイガニを手懐けるには苦労したんだぜ!勝負で熱くなった今のヘイガニにはお前の言葉が聞こえない!」

スイレン「そんな……」

サトシ「ヘイガニは無策で突っ込んでくる!モクロー、かわしてアレを決めるぞ!」

モクロー「クルルォッ!」バッ

ヘイガニ「?」

サトシ「ヘイガニ。今のオレ達は一味違うんだ。それを見せてやるよ」


ヘイガニの突進をジャンプで避け、サトシの前に降り立つモクロー。

サトシの腕のZリング、Zクリスタルがモクローの根性に応え、共鳴する。


サトシ「『 ウ ル ト ラ ダ ッ シ ュ ア タ ッ ク 』 ! !」


スイレン「よ、避けてヘイガニ!」

ヘイガニ「ヘイッ……ヘイッ……」

ムーマ「『上等じゃ……受けきったるわい……!』って……何てこんじょうなの……さすがおにーちゃんのポケモンだ!」

サトシ「いっけぇぇぇぇぇ!!」


ド ッ … … ! ! !
 ▼ 200 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 20:10:40 ID:euJsaJC6 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「いくら強いポケモンを持ってようが、手に負えなければ勝てるバトルも勝てなくなることだってある」

サトシ「それを何度教えられたことか……」


ヘイガニ「ヘヘ……」プルプル

モクロー「!?」

スイレン「耐えた!?」

サトシ「『かたくなる』か……これは参ったな」


ヘイガニ「ガ……」ドサッ


サトシ「けど……体力がもう限界だったようだな。お前もナイス根性だったぜヘイガニ」

モクロー「ZZZ……」

ムーマ「あらら、モクローも疲れてねちゃったよ」

スイレン「……サトシ。いい根性を見せてもらった。ムーマちゃんは諦めよう」

サトシ「えっ!いいのか?」

マーマネ「いい勝負が見れたもん。余は満足じゃ」

サトシ「はぁー……よかったな!ムーマ」

ムーマ「えへへ///」

スイレン「もしもし、マオウ様ですか?申し訳ございませんが少年サトシは私どもの手には負えませんでした」

マーマネ「僕もサトシのポケモンを使えばいい勝負できたのかな……?」


サトシ「オレが勝ったんだから、もうムーマを狙わないと誓うか?」

スイレン「はい。誓います……」

サトシ「後、ヘイガニも返してくれよ」


ムーマ「おにーちゃん!ハイタッチ!」

サトシ「おぅ!ヘイヘイヘーイ!」パチン!


スイレン・マーマネ扮する怪人に勝利したサトシ。その正体に気付かぬまま二人のもとを後にするのだった……
 ▼ 201 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 20:11:43 ID:euJsaJC6 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第7話(全15話)   「クク……ロイヤルマスクからの招待状」
 ▼ 202 アル@リザードナイトX 17/08/19 22:34:44 ID:mNGj4O7E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヘイガニは返されたの?
>>195
成程……

支援します!
 ▼ 203 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:44:38 ID:4EaDmPTY [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「さぁ、デートの続きだ。何か気になるものはあるか?」

ムーマ「おにーちゃん。返してもらったのはいいけど、そのヘイガニはどうするの?」

サトシ「うん。コイツはまた研究所に戻しておかないと」

ムーマ「確かに。『わしゃミジュマルやワニノコとプチ宴会ではっちゃけてたところを呼び出されたんじゃ』とか言ってたしね」

サトシ「で、何か気になるものはあるか?」

ムーマ「うーん……おにーちゃんは?」

サトシ「オレはいいよ。大きな声じゃ言えないけど、欲しい物目当ての買い物とかあんまり進んでやったことないし……」

ムーマ「むぅ?それは人生の半分ソンしてるよ!」

サトシ「えぇ!?半分も!?」

ムーマ「マお姉ちゃんが言ってたの。ショッピングは乙女のHappy☆Lifeを味付けする重要なスパイスだ、って」

サトシ「オレは乙女じゃないからいいの。まぁ、オレにとってはポケモンバトルがHappy☆Lifeのスパイスかな」

ムーマ「むぅ〜、おにーちゃんはそればっかり……もういっぺん赤いお兄ちゃんに怒られるといいよ」

サトシ「それは勘弁」
 ▼ 204 ヤハ 17/08/20 20:49:05 ID:RSpTOIDo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 205 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:52:38 ID:4EaDmPTY [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スタッフA「ドーブルのウォールアート広場へようこそ!ジョウトからやってきた3匹のドーブルが織り成す技をご賞味あれ!」

ドーブル主「そこの方、カメラはやめておくれよ。テレビや写真では真の芸術は残せんのだ。自分の眼で見なさい」

客A「160億ピクセルのカメラでもダメ、ですか……」


スタッフB「こちらでは元スーパーアイドルとの握手会を行っておりまーす!」

元アイドル「元をつけるな!……はぁ、昔は大会の優勝特典だった握手会も、今やフリーに……どうしてこうなった」

客B「あっ、ひな人形のオマケの人だ」


スタッフC「みなさん!ロイヤルアベニュー名物お笑いミニステージ、今回も盛り上がってますよーっ!」

ヒロキ「自分はそうは思いませんっ!!」

観客「「「ワッハッハッハッハ……!!」」」



サトシ「へぇー、人がいるのはお店だけじゃないんだな」

ムーマ「むぅ〜、なおさらまような〜……あっ!おにーちゃん、あれ!」


☆魔女っ子リリーちゃん スペシャルステージ2017 〜ボコれ! 酢豚のパイナップル〜★


サトシ「おぉ!『魔女っ子リリーちゃん』のショーがあるのか。じゃあちょっと見てくか」

ムーマ「うん!からの〜、正拳突きー!」ボコォ

サトシ「ぐぇ〜、肩甲骨にクレーターが〜」


???「ちょいとお待ちを、そこの二名様」


サトシ「んっ?」

ムーマ「あ、またヘンな人だ」


そう、ヘンな人だ。今度の変態もとい怪人は……
 ▼ 206 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:53:57 ID:4EaDmPTY [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「いや、人じゃないぞ。あれはモンジャラっていう列記としたポケモンだよ」

ムーマ「いやいやいや、どう見たって人でしょ!ほら、髪の毛みたいなのの間から人の手が見えてるよ」

???「!!」ササッ

ムーマ「あっ隠した」

サトシ「でも言われてみれば……そうだな。あれはモンジャラじゃない」

???「じぇるるる……そうさ私は人の姿をした怪物・怪 人さ」

サトシ「! ……ならお前もムーマを狙ってるのか!?」

???「その通り!さぁその娘をこちらへ渡したまえ」

サトシ「やるもんか!……お前は一体誰だ!?」

???→リーリエ(変装)「我が名は『森神モッサ・リーリエ』!貴様もこの触手であんなことやこんなことをしてやろうかぁ!!」


サトシ「…………」

ムーマ「…………」

リーリエ「…………」

リーリエ「何か反応してください!!」

サトシ「えっ?今の声……」

リーリエ「ゴ、ゴホン。いいや何でもない!どうしてもムーマを渡したくないというのなら」

サトシ「バトルするんだろ?いいぜ!」

リーリエ「ぐっ!?……そうか貴様、既にマオウ様の怪人を二人も破っているのだったな」

リーリエ「ならば話は早い!出てくるのだシロン!サトシのポケモンを血祭りに上げるのだ!」

シロン「コッ……!?」

サトシ「シロン?」

リーリエ「!!!……し、白いロコンをシロンと呼ぶのは悪いか!?」

サトシ「いやいいよ。オレの友達にも一人いるし」

リーリエ「わははは、シロンという名はアローラのトレンドだからなぁ」

サトシ「魔王や怪人でもトレンドに乗っかるんだな」

リーリエ「!! ……えぇい!とにかく貴方のポケモンを早く出しなさい!……じゃない、出しやがれぃ!」
 ▼ 207 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:55:37 ID:4EaDmPTY [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「白いロコンは氷タイプ!バッチリ頭にインプット済だぜ!いけっ、ニャビー!」


ニャビー「んにゃっ!」


リーリエ「相性が有利だからと言ってナメた真似はするでないぞ。さぁ行け!シロン!」

シロン「コォン……」

ムーマ「『ノリノリですねご主人様……』だって」

リーリエ(そうだ!ムーマちゃんはポケモンの言葉がわかるんでした!)ウッカリーリエ

サトシ「来るぞニャビー、得意の『ほのおのキバ』で応戦だ!」

ニャビー「にゃばぁ!」

リーリエ「シロン、『こなゆき』!」

シロン「ロォォォ……」

コ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … … ! !

ニャビー「にゃぎゃっ」ドテッ

ムーマ「あうう、さぶい……」ブルブル

リーリエ(押してる!……よし、せっかくの機会です。少しテンションを上げていきましょう!Let’s try! Ganba Lillie!)

リーリエ「ふははは、このまま心まで白く染められてしまうがいいわ!」

サトシ「ニャビー、体勢を立て直して『ひのこ』!」

ニャビー「にゃばっ!」ボォッ

リーリエ「シロン、避けて!」

シロン「!」ササッ

サトシ「えっ……!?シロン、そこで避けたら危な……」


ボ ォ ッ !
 ▼ 208 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:57:03 ID:4EaDmPTY [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャビー「!?!?」

サトシ/ムーマ「「あ゛あ゛!!」」

リーリエ「さぁシロン!ニャビーを抑え込んで!」メラメラ

シロン「(;゚Д゚)」

リーリエ「何ですその顔は!早くニャビーを……」ボーボー

サトシ「あ、あのなんちゃらリーリエさん、触手が……」

リーリエ「えっ」ホノオガ

ムーマ「へんたいさん、頭、頭」

リーリエ「えっ、頭?確かにさっきから少し熱いような……」モッエッアッガッルー


モンジャラの着ぐるみの素材は、可燃性の高い樹脂製だった。

リーリエは頭から流れ出る多量の汗で、初めて自分が置かれている状況を理解した。


リーリエ「あ゛ っ づ あ あ゛ あ あ あ゛ あ あ゛ あ ! ! !」


ムーマ「あわわわわ……」

サトシ「怪人!とにかくその触手を引きちぎれ!早くしないと全身に燃え広がってしまう!」

リーリエ「わ゛っわ゛っわ゛っわ゛っ」

シロン「……」

ニャビー「ニャー……」キマズイ

サトシ「何やってんだ!早くしろよ!」

リーリエ「うぅ……」メラメラ

-------------------------------------------------

リーリエ「第一に、私達の変装が彼らにバレないようにしないといけないんでしたね」

マーマネ「うん。完璧に怪人になりきるんだ……」

-------------------------------------------------

リーリエ「え゛え゛ぃ!もう辛抱たまりませぇぇぇん!!」バッ
 ▼ 209 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:58:39 ID:4EaDmPTY [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「は……?」

ムーマ「え……?」

リーリエ(素)「ゼェ……ゼェ……」

シロン(あーあー……)

ニャビー(これやっぱオレが悪いのか……?)

サトシ「あのモンジャラは着ぐるみ?っていうか、リーリエ!?」

ムーマ「どーして白いお姉ちゃんがここに!?」

リーリエ「うぅ……しくじってしまいました……」シクジリーリエ

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

サトシ「……なるほど!そういうことか!それでムーマを……」

ムーマ「あやしいとおもったんだよー……」

リーリエ「本当に申し訳ないです。少々おふざけが過ぎたようで……」

サトシ「リーリエは何も悪くないよ。それにちょっと面白かったしな!」

ムーマ「うん!」

リーリエ「い、良いのですか?」

サトシ「あぁ。こんな企画を考えてくれたカキにも感謝しないとな」

リーリエ「うぅ、救われます……」


リーリエ「マオはまだどこかでマオウになりきってると思います」

リーリエ「ダークライのような黒いローブを纏って高笑いしてる変な人がいたら間違いありません」

サトシ「あ、あぁ。情報ありがとうな」

ムーマ「マお姉ちゃんがただのあやしい人だよ……」

リーリエ「では、健闘を祈りますよ!」バイバイ
 ▼ 210 ョンチー@とうめいなスズ 17/08/20 20:58:48 ID:Y9gboSuQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
控えめに言って神だわ
支援
 ▼ 211 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 21:01:31 ID:4EaDmPTY [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……さて、リーリエの話の通りだと、マオもどこかに来てるんだよな……」

ムーマ「おにーちゃん!そんなことよりリリーちゃんショーを見に行こうよ!」

サトシ「ん?あぁそうだな。元はと言えばオレとムーマのデートだもんな。カキにも気に留めるなって言われたし……」

ムーマ「おにーちゃん、ショーの時はしっかりかたぐるましてよね?」

サトシ「あぁ。お安い御用さ」

ムーマ「ところでおにーちゃん、おにーちゃんは行きたいところはないの?」

サトシ「えっオレ?いや、いいよオレは……」

ムーマ「えんりょしないの!二人のデートなんだから、おにーちゃんの好きなところにも行かなきゃダメだよ!」

サトシ「えぇ……でも……」

ムーマ「じつはわたしも楽しみなんだ♪あの『ロイヤルドーム』!」

サトシ「なっ!?どうしてオレの行きたい場所がわかったんだ!?」

ムーマ「だっておにーちゃん、さっきから目をはなしたらずっとドームの方見てたもん」

サトシ「バレた?アハハ、何だか面白そうなことがやってそうでさ……」

ムーマ「じゃあショーがおわったらいっしょにいこっ♪」


♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪


ムーマ「むぁー!おもしろかったー!」

サトシ「うーん……」

ムーマ「おにーちゃん、ショーのさいちゅうずっとむずかしい顔してたよね?」

サトシ「いやさ、ショーってもっと怪獣とかキックとかがいっぱい出るイメージがあったからなんか違うなぁ……って」

ムーマ「むぅ〜、それは男の子むけのショーだよっ。魔女っ子リリーちゃんには怪獣は出てこないしキックもしない!」

サトシ「けど殴りはしてたよな」

ムーマ「うん。リリーちゃんは魔法初心者だから魔法をつかうよりもなぐってたおす方が早いの」

ムーマ「それより行こうよ、ロイヤルドーム!」

サトシ「おぅ!そんじゃこのまま肩車で行くぜー!」ドドドド

ムーマ「おー!」
 ▼ 212 ヤハ 17/08/20 21:04:11 ID:RSpTOIDo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援

バレたか……
シロンは、サトシが特訓したから強くなってるんだな
 ▼ 213 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 22:26:28 ID:4EaDmPTY [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「すいませーん通りまーーす!」ドドドドドド

通行人A「うおっ!?……ビックリしたな」

通行人B「肩車しながら走るなんて、随分仲のいい兄妹さんじゃないの」

通行人C「だな……あの子達、ロイヤルドームへ向かったっぽいけど確か……」

通行人A「あぁ。何か、変なマスクをつけた人がドームに入ってったな。あの子達も絡まれなきゃいいが……」

------------------------------------------

-------ロイヤルドーム-------


ムーマ「でかーーー!!」

サトシ「やっぱり近くで見ると迫力があるなぁ……」


スタッフD「ようこそロイヤルドームへ!」

サトシ「あぁ……すいません!ここって何をする所なんですか?」

スタッフD「はい。ここロイヤルドームではポケモンバトルの観戦及び、バトルに役立つアイテムが購入できますよ!」

サトシ「バトルの観戦か……面白そうだな!来てよかった!」

ムーマ「でしょ?ムーマはおにーちゃんのことをよーーーくみています!」

スタッフD「ムーマ……?」

スタッフD「失礼しますがお客様、お名前は?」

サトシ「あっ、マサラタウンのサトシといいます!」

ムーマ「ハウオリれいえんのムーマといいます!」

スタッフD「あぁ、やはり!そのモリオンのペンダント……間違いありませんね。では私についてきてください」

サトシ「? ?」
 ▼ 214 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 22:29:34 ID:4EaDmPTY [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ロイヤルドーム スタッフルーム-------


サトシ「あのー……ここって多分オレ達が入っちゃいけないトコですよね?」

ムーマ「いそがしそうな人がいっぱい……」

スタッフD「ご存知ないのですか?『ロイヤルマスク』という方が、あなた方二人をドームへ招待したいと……」

サトシ「招待?」

ムーマ「ロイヤルマスク?」

スタッフD「えぇ。確かにその方が書かれた予約書にはサトシ様とムーマ様の名前がありましたが……」

サトシ「予約って何の予約ですか?どうして見ず知らずの人がオレ達の名前なんか。一体何のために……」


????「決まっているだろう。ポケモンバトルの新しいスタイル、『バトルロイヤル』へ君達を引き込むためさ!」

サトシ「えっ、誰?」

????「君達がここへ来ることはわかっていた。だから予約書には勝手に君達の名前を書かせてもらったよ」

????「ここはバトルを観戦する場所だが、予めドームの受付に申請を出していれば自分達もここでバトルが行えるのだ」

????「そうだったね?」

スタッフD「は、はぁ」

サトシ「えっ、じゃあつまり……」

ロイヤルマスク「そう!君達!このロイヤルマスクとこれから『バトルロイヤル』で勝負をしようじゃないか!!」

サトシ「えぇーっ!?マジか!?このドームで!?」

ムーマ「はいはい!バトルロイヤルって何ですか?」

ロイヤルマスク「うむ。いい質問だ。いい質問だがそのことは係員に聞いてくれたまえ」

----------------------------------------

サトシ「バトルロイヤルかー……ポケモンを1匹ずつ出し合っての4人同時勝負……」

ムーマ「おにーちゃん、イワンコかしてよ」

サトシ「あぁ。じゃあオレはニャビーを出そうかな」

ロイヤルマスク「君達君達、私についてのリアクションはもう無いのかね?」

サトシ/ムーマ「「?」」

ロイヤルマスク「私はね。子供達にバトルロイヤルの楽しさを教えるためにアローラ中を回っているんだ」

ロイヤルマスク「だから、子供受けしそうな派手なマスクをわざわざ用意して存在感を放っているんだ」

ロイヤルマスク「何か感想はないのか?このままでは私はただの変なおじさんになってしまう!」
 ▼ 215 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 22:31:16 ID:4EaDmPTY [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「……といってもねぇ」

サトシ「あぁ。おかしな恰好の人なら今日も何人か見たし今更……」

ムーマ「ひょっとしたらこの人も誰かの変装かもよ?」

サトシ「あぁ、みんな知り合いだったから次は博士あたりかもな」

ロイヤルマスク「!!!(; ・`д・´)」

ロイヤルマスク「き、君達!!ならば恰好だけのハッタリではないことを今から教えてやろう!」ガシッ

スタッフD「えっ!?な、何を……」


ロイヤルマスク「見せてやろう!ロイヤルマスクの必殺奥義・『ウルトラロイヤルドローーーーップ』!!」

スタッフD「ぱっぴっぷっぺっぽぉぉぉぉぉ!!!」


ロイヤルマスク「ゼェ……ゼェ……私の自慢のプロレス技だ。どうだ?これで証明できただろう?」

サトシ「すげーーっ!マスクの力ってすげーーっ!」

ムーマ「さすがですマスクさま!」

ロイヤルマスク(乗り切ったか)

ロイヤルマスク「さて、メンバーも揃ったところでバトルフィールドへ移動するとしようか」

サトシ「え?あの、4人同時勝負なのにまだ3人しか……」

ロイヤルマスク「あぁそうだ。もう一人は別の場所で待機していたんだ。今から呼んでくるぞ」
 ▼ 216 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 22:34:32 ID:4EaDmPTY [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロイヤルマスク「紹介しよう。マオウさんだ」


マオウ「ふはははははー!缶コーンポタージュのコーンが振っても振っても底に溜まる呪いをかけてやろうかーーー!」


サトシ「えっ、マオ!?」

ムーマ「マお姉ちゃん!?」

マオウ「あんな気風の良い料理人のことなど、私は知らんぞ!私は魔界より蘇ったマオウなのだーーー!」

ムーマ「うわー痛い。マお姉ちゃんだとわかって見てるとつらいね」

サトシ「まぁ楽しそうでなりよりだけど……見てるこっちもちょっと恥ずかしいな」

マオウ(はひゃっ!?///もうバレてる……!?)

マオウ(そうだ。さっき連絡もらったの忘れてた!リーリエがしくじリーリエしたんだった!)

サトシ「マオ、オレ達色々あって……もう無理しなくていいから」

ロイヤルマスク「こらっ、サトシ君!ちょっとこっちへ来て耳を貸しなさい!」

サトシ「?」

ロイヤルマスク「最後まで付き合ってあげなさい」ヒソヒソ

サトシ「は、はぁ……」

サトシ(でもロイヤルマスクがマオと一緒に待ってたってことは、これもカキの用意したプランの一つなのかな?)

サトシ(となるとロイヤルマスクはカキの知り合いってことになるし、そうなればロイヤルマスクはやっぱり博……)

ロイヤルマスク「ウルトラロイヤルブリーカーーー!!」ズダァァァン

サトシ「う わ ら ば」

ロイヤルマスク「貴様、今良からぬことを考えていたな?」

サトシ「い゛……いや゛……な゛いでず」

ロイヤルマスク「これに懲りたら二度と妙な真似はするんじゃない」

マオウ「ではロイヤルマスク、そしてそこの兄妹。いよいよ開戦といこうじゃないかね」

ロイヤルマスク「ふふ、果たして私の秘密兵器に勝つことはできるかな?」


正体がバレながらもノリノリで演じ切るマオもといマオウと、謎のプロレスラー・ロイヤルマスク。

今日は変な人によく絡まれる一日だと思いながらも、バトルロイヤルに心踊るサトシであった。
 ▼ 217 ジギガス@サーナイトナイト 17/08/20 22:45:40 ID:RSpTOIDo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
色々カオスだな
支援
 ▼ 218 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 20:55:02 ID:YxK4eGuQ [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワ ァ ァ ァ ァ ァ ァ … … ! !


司会「やってまいりました!ロイヤルドーム名物・バトルロイヤル!満員となったスタジアムは熱気に包まれております!」


司会「では早速選手の紹介といきましょう!まずは緑コーナー!異国カントーからやってきた終わりなきチャレンジャー」

司会「サトシ選手!」

サトシ「っしゃー!バトルバトルー!」

観客A「あっ、アイツ数ヶ月前にあったどこかのポケモンリーグの上位入賞者じゃなかったか!?」


司会「続いて黄色コーナー、そんなサトシ選手を慕うカワイイ系妖女・ムーマ選手!」

ムーマ「うわぁ……めっちゃ人がいる……」ドキドキ

観客B「あんな小さな子までバトルロイヤルに……ロイヤルマスクも出るんだ。ケガしなきゃいいが……」


司会「さらにさらに青コーナーは、アーカラ島の禁断の封印が遂に解かれた!すべてを恐怖に陥れる魔界の王」

司会「マオウ選手!」

マオウ「ふはははははー!アローラ中のマラサダドーナツをカレーパンにすり替えてやろうかー!?」

観客C「何だそりゃ」

観客D「魔王ならマラサダの中に爆弾入れるぐらいの悪行はしろっていうな」


司会「そして赤コーナー、最後はこの人!バトルロイヤルの英雄、そしてあのアローラを代表する研究者・ククイ博士」

サトシ「えっ、じゃあやっぱりロイヤルマスクの正体は……」

司会「……の学生時代の同級生が務めている会社の社長含む4人兄弟の一番下の弟」

サトシ「!?」

司会「……が学生時代にお世話になった食堂の栄養士さんの息子が通っている学校の校長先生」

ムーマ「え?え?」

司会「……が以前飼っていたポッポが産んだ8匹の子供を譲り受けた保育士の従兄弟の従兄弟が憧れているという名アスリート」

マオウ「(゚∀。)」

司会「……の兄弟と10年前から知り合いだった農家の方の奥様の弟を」

司会「前回のバトルロイヤルで打ち負かし優勝を勝ち取った男・ロイヤルマスク選手ーーー!!」


サトシ/マオ「「 真 っ 赤 な 他 人 や ん け ー ー ー ー ー ー ! ! !」」


「「「GO!!」」」      「「「GO!!」」」        「「「MUSCLE!!」」」


ロイヤルマスク「今日もリングに稲妻を走らせるぜ!!」
 ▼ 219 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 20:56:23 ID:YxK4eGuQ [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「それでは出場者の皆さん、ポケモンを出してバトルを開始してください!」


サトシ「何か調子狂うけど、バトルは本気でいくぜ!いっけぇニャビー!」

ムーマ「イワンコ!がんばれー!」

マオウ「魔王軍大幹部アママイコ、出撃じゃ!」

ロイヤルマスク「それなら私はコイツだ!いけっ、レアコイル!」


司会「バトルスタート!」

サトシ(バトルロイヤルといえど、ムーマは初めての公式戦で緊張してる……なら!)

サトシ「ムーマ、共同戦線だ!」

ムーマ「う、うん!」

サトシ「ニャビー、レアコイルに『ひのこ』!」

ムーマ「イワンコ、レアコイルに『いわおとし』!」

ロイヤルマスク「ふむ、兄弟仲良く私を狙い撃ちときたか。面白い……」

ロイヤルマスク「私は子供のヒーローだが、バトルとなると容赦はせんぞ!レアコイル、『10まんボルト』!」

ダ ァ ァ ァ ァ ァ ァ … … ン !

サトシ「いぃっ!?かき消された!」

ロイヤルマスク「バトルロイヤルに集中攻撃はつきもの。中途半端な育て方をしたポケモンで通用するほど甘くないのだ!」

サトシ「中途半端だと……!?」

ムーマ「おにーちゃん、おこっちゃダメ!」

マオウ「貴様も余所見をしないことだ!アママイコ、イワンコに『こうそくスピン』!」


アママイコ「マァァァァ!」バババババ

イワンコ「っ!」


ムーマ「イワンコ!」

サトシ「ニャビー、アママイコに『ほのおのキバ』!」

ニャビー「! んに゛ゃああああ!!」

マオウ「アママイコ、かわせ!」


ニャビー「……」

サトシ「チッ、外したか……」
 ▼ 220 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 20:59:16 ID:YxK4eGuQ [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオウ「私は油断をしないのだよ少年。こう見えても私はバトルロイヤルの経験が豊富(という設定)なのだ!」

サトシ「本当なのか!マオ」

マオウ「マオではなぁい!マ・オ・ウ!あんなムチムチサロペット娘のことなど知らぁん!」

マオウ「アママイコ、さっさと蹴散らしてしまうのだ!」

アママイコ「……」

サトシ「ニャビー、イワンコを全力でサポートしろ!」

ムーマ「イワンコもがんばれー!」


ワー          ワー          ワー


ロイヤルマスク「どうやら私達以外の3組が団子になって戦っているようだな。レアコイル、あの固まりに一発ブチ込んでやれ」

ロイヤルマスク「『ラスターカノン』!!」

ズ ア ッ ! !


サトシ/ムーマ/マオウ「「「!?」」」

司会「出たー!大技!銀色の光線が乱闘中の3匹のポケモンに向かって一直線――!」

ロイヤルマスク「これでフィニッシュだ!」


ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … …


司会「そして直撃!3匹の運命やいかに!?」

ロイヤルマスク(フフ……オレとしたことが、子供相手に本気を出しすぎてしまったか……?)

サトシ「食らうかぁ!」

ロイヤルマスク「!?」

司会「何と!サトシ選手のニャビー、攻撃を避けていた!無防備のレアコイルに向かって全力突進!」

サトシ「ニャビー、『ほのおの……」


ロイヤルマスク「レアコイル、解散!」


レアコイル「!」バラバラバラ

サトシ「え゛え゛え゛!?」

司会「レ、レアコイルが3匹のコイルになったーーっ!?ニャビーの決死の突撃をかわしたぞ!」
 ▼ 221 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:00:56 ID:YxK4eGuQ [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「3匹のコイルが宙を舞う!一体どんな攻撃を仕掛けようというのか?一方残る2組は……」


ムーマ「イワンコ、だいじょうぶ!?」

イワンコ「わおんっ!」

ムーマ「『かすっただけだよ。このくらい何の支し障りもない』って?……でも、ムリしちゃだめだよイワンコ!」

マオウ「アママイコ、貴様はどうだ!」

アママイコ「ア……アマァ……」ズキズキ

マオウ「脚に直撃している……何ということ!」

ムーマ「マお姉ちゃん気をつけて!コイルがまだ空をとんでる!」

マオウ「マオウだと言っておろうが!ジャガイモ生で食わすぞ!」

サトシ「ムーマ!相手のことはいい、イワンコから目を離すな!」

ロイヤルマスク「フフ……さぁ見せてやろう!レアコイルのフィニッシュ・ホールド!!」


レアコイル「コイル・コイル・コイル」  「コイル・コイル・コイル」  「コイル・コイル・コイル」


マオウ「い、一体何を仕掛ける気なのだ……?」


ロイヤルマスク「          レアコイル、集合!!          」


サトシ「!?」

レアコイル「コイル!」「コイル!」「コイル!」

ギュオオオオ……!

司会「ここでレアコイルが動いた!3匹のコイルが互いの磁力で引き合う!ものスゴいスピードだーーー!!」

サトシ「まずい!コイルが集まる場所は……ムーマ!近くにいちゃ危ない!逃げろ!」

ムーマ「う、うん!イワンコ、走って!」

マオウ「ま、まさか……3匹のコイルが引き合う先にいるのは……」


アママイコ「ア……ア……」

マオウ「アママイコ!早く動け!動くのだ!」

ロイヤルマスク「無駄だ!互いを引き寄せ合う磁力の力を生かしたスピードの前にアママイコは成す術がない!」
 ▼ 222 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:03:48 ID:YxK4eGuQ [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「何と!引き合うコイル達が集合せんとする場所にアママイコがーー!連結する勢いを利用してK.Oするつもりだ!」

マオウ「逃げろーー!!」


ロイヤルマスク「レアコイル……『マグネットボム』!!」


ガチャアアン!!


アママイコ「」バタッ

ムーマ「び、びっくりした……すごい音」

司会「3方向からの強烈なタックルに挟まれ、アママイコダウーン!青コーナーマオウ選手、ここで脱落!」

マオウ「そんな……敗けちゃった……」

サトシ「マオ、後はオレ達に任せろ!」

ムーマ「絶対にカタキはとるよ!マお姉ちゃん!」

マオウ→マオ「あぁもうマオだよ!マオですよ!正体知ってただろうけど少しくらいノってくれたっていいじゃんもう!!」

司会「マオ選手、ついに折れました!」


ロイヤルマスク「残りは2組。悪いが決めさせてもらうぞ。レアコイル、もう一度『マグネットボム』だ!」

レアコイル「カイサン!」バラバラバラ

サトシ「くそっ、またか……」

ロイヤルマスク「言っておくが避けることはできんぞ。狙いを定めたポケモンに『マグネットボム』は必ず当たる!」

サトシ「ニャビー、気をつけろ!お前が狙われればオレがすぐに指示を出すから構えてくれ!」

ニャビー「にゃっ」

ムーマ「イワンコ、わたし……どうしたらいい?」

イワンコ「わっ!わっ!」

ムーマ(「僕のことは心配しないで!それよりもどうしたらアイツに勝てるのか君が考えるんだ!」……って言われても……)


ロイヤルマスク「ふふ……さて、いくぞ兄妹諸君!『マグネットボム』!!」


ギュオオオ……!

サトシ「来たぞ!」

司会「またもや迫る!3匹のコイルの流星のようなタックル!次の標的は……」
 ▼ 223 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:05:16 ID:YxK4eGuQ [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イワンコ「!!」


ムーマ「イワンコ!!」

サトシ「ニャビー、コイルにブチ当たれ!」

ニャビー「ニャアアアア!!」

ス カ ッ … …

ニャビー「!?」

サトシ「すり抜けた!?」

ロイヤルマスク「コイルが狙うのはあくまでイワンコだ!それ以外の相手など眼中にない!」

ムーマ「逃げて!イワンコ!」

イワンコ「……っ!」ダッ

ロイヤルマスク「無駄だ! レアコイル、軌道を変えろ!」

レアコイル「コイル」 「コイル」 「コイル」

ムーマ「そんな……!」


司会「イワンコ走る走る!それを執拗に追うコイル!一度狙いを定めればターゲットに当たるまで止まらない」

司会「それが『マグネットボム』!何という恐ろしさ……!」

司会「イワンコがいくら逃げ回っても、他のポケモンが妨害しようとも、決して、決して目標を見失わない……!」


イワンコ「ハァ……ハァ……」

レアコイル「コイル」 「コイル」 「コイル」

ロイヤルマスク「いくら逃げても同じだ。さぁ観念しろ!」

ムーマ「いやだ……いやだ……」

サトシ「ムーマ……」

サトシ「…………」

サトシ「ムーマ!技がダメなら別の作戦を考えろ!このままだとお前は敗けるぞ!」

ムーマ「おにーちゃん……?で、でも!どうしたらいいかわかんないの!」

サトシ「お前の味方はイワンコだけじゃない!時間・フィールド・運……何でもいいから使えるものは使えるだけ使え!」

ムーマ「使えるだけ……?」

サトシ「モノでも何でも、自分に有利なのが多ければ多いほど勝ちに近づける!相手が自分より強かろうが諦めちゃダメだ!」

サトシ「それがダメなら相手のポケモンや状況を考えろ!必ずどこかに『穴』はある!」

ムーマ「穴……?レアコイルの……今の……」
 ▼ 224 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:06:55 ID:YxK4eGuQ [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イワンコ「ゼェ……ゼェ……」

ロイヤルマスク「もういい加減逃げ疲れたんじゃないのか?そろそろ終わりにするぞ!レアコイル!」

司会「イワンコの体力も限界!遂に2組目の脱落かーー!?」


サトシ「ムーマ!!」

マオ「ムーマちゃん!」


ムーマ「……」

------------------------------------------

ロイヤルマスク「言っておくが避けることはできんぞ。狙いを定めたポケモンに『マグネットボム』は必ず当たる!」


司会「イワンコがいくら逃げ回っても、他のポケモンが妨害しようとも、決して、決して目標を見失わない……!」

-----------------------------------------

ムーマ「……!」

ムーマ「イワンコ!壁に向かって走って!」

イワンコ「わおんっ!」ダッ


司会「おぉぉーっと!イワンコ、最後の力を振り絞って全力疾走!その先にあるのは……」

司会「壁だ!フィールドと客席を仕切る壁がある!!」


ロイヤルマスク「ぬぅ……どこまでも追い続ける『マグネットボム』の能力を逆手に取ったか!」

サトシ「あのままコイルを壁に激突させる気だ!」

マオ「でもそしたらイワンコまで……サトシ、いいの?」

サトシ「イワンコはわかってくれてるさ。アイツもムーマの自分なりの答えが聞けて嬉しいのさ」


ムーマ「いっけーーー!!」

イワンコ「ウォォォォォ!!」


ダガァアァアァアァ…………ン!!ガラガラガラ……
 ▼ 225 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:09:23 ID:YxK4eGuQ [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
観客E「うぉぉ!?」

観客F「すげぇ揺れたぞ今」

司会「か、壁ごといったァーーッ!イワンコ、レアコイル共に戦闘不能かーー!?」


レアコイル「ゴ……ゴイ……」

司会「レアコイル、再び起き上がった!!一方のイワンコは……」

ムーマ「……」


イワンコ「ウゥ……」バタッ

司会「イワンコ、倒れたーー!捨て身の作戦虚しく、ここで黄色コーナー・ムーマ選手、脱落です!」

司会「しかし、文字通り客席を揺るがすバトルの展開に称賛せざるを得ません!拍手!」パチパチ

マオ「ムーマちゃん……」

ムーマ「えへへ。イワンコはすごくがんばってくれたんだよ!ね?」

マオ「……うふふ。そうだね、ムーマちゃんも立派なトレーナーの仲間入りだね」

ムーマ「……よし」

マオ「ムーマちゃん?」

ムーマ「わたし、きめた!」


ロイヤルマスク「レアコイル、随分ダメージを負ったようだが残るはニャビーただ1匹……」

サトシ「『ほのおのキバ』!!」

ロイヤルマスク「!?」

ニャビー「に゛ゃアアア……」ガブッ……

司会「サ、サトシ選手の奇襲だァーッ!体勢を立て直して間もないレアコイルに背後から食らいつくーー!」


ロイヤルマスク「フッ……容赦なしか。サトシ君」

サトシ「あったり前だ!ムーマ達が作ってくれたチャンスをムダにできるか!」

サトシ「ニャビー、もっと食い込め!」

ギチチチチ……

レアコイル「イタイ」「イタイ」「イタイ」

サトシ「これでオレの……オレ達の勝ちだ……!」
 ▼ 226 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:13:13 ID:YxK4eGuQ [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロイヤルマスク「フフ……私は子供達の憧れだぞ?そんな存在が簡単に敗けるわけにはいかないさ」

ロイヤルマスク「レアコイル!『エレキフィールド』!!」

サトシ「!?」


司会「バトルロイヤルもいよいよ大詰め!最後までロイヤルマスクは魅せるファイト!」

司会「『エレキフィールド』を展開したということは……来るぞ、大技」


ロイヤルマスク「最大威力・『10まんボルト』!!」


ヴァァ ァ … … ッ !  !


サトシ「ニャビーー!!」

ニャビー「ア……ア……」


司会「決まったーーッ!大ダメージ!体力をゴッソリ奪われたニャビー、万事休す!」


ロイヤルマスク「さぁ、とどめだ!『マグネットボム』!!」

サトシ「……まずい」

ロイヤルマスク「避けようと思うなよ、何度も言うが『マグネットボム』はレアコイルの引き合う磁力を生かした必中技!」

ロイヤルマスク「相手の体の血に含まれる鉄分にも反応するほどの強力な磁力故に決して相手を逃がさない!」

ロイヤルマスク「先週授業で教えたよな!?」

サトシ「はっ?授業?」

ロイヤルマスク「いやいや何でもない!さぁ、レアコイルの最後の攻撃がニャビーに牙を剥くぞ!」


レアコイル「コイル!」「コイル!」「コイル!」


司会「ニャビー目掛けてレアコイルが突撃――!逃げ場などなし、ついに決着……」


サトシ「……!」
 ▼ 227 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:15:47 ID:YxK4eGuQ [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ニャビー、『ほのおのキバ』だ!」

ニャビー「にゃば!」ボォ

ロイヤルマスク「抵抗するつもりかね?本来ならばそのニャビーはもう動けんほどのダメージを受けているのだ!」

ロイヤルマスク「このままレアコイルに潰され、そこでK.Oだ!」

サトシ「……そうだろうが、現に今動いてんだろうが」


ムーマ「おにーちゃんっ!?」


サトシ「          廻れ!ニャビーーーッ!!          」


ニャビー「ウニャァァァァ!!」


司会「ニャビー、大ダメージを受けた体を引き摺り回転を始めたぞ!?どういうつもりだ!?」


レアコイル「コイル!」   「コイル!」   「コイル!」

ロイヤルマスク「……何だあれは」


ニャビー「ニ゛ャアア゛アアアア゛!!」


ロイヤルマスク「牙に点火した炎がニャビーの尻尾、頭……足にも燃え広がっていく!」

サトシ「我慢しろよニャビー、熱いのは一瞬だけだ。これで決めるぞ!」

ロイヤルマスク「まるで炎を纏った独楽のようだ!いや、炎の隙間から見えるニャビーのあの手の向きは……」


ロイヤルマスク「間違いない!あれは廻る『ラリアット』だ!!」


サトシ「いっけぇぇぇえぇぇぇぇえ!!」




          「コイル」                    「コイル」


                     「コイル」



          ザクッ!            ザクッ!               ベキャッ!



          「」                    「」


                     「」
 ▼ 228 ンメル@リュガのみ 17/08/22 01:38:41 ID:lc6FI032 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 229 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 20:19:04 ID:gAgCP.nE [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「しょ……」

司会「勝負あり!!赤コーナーロイヤルマスク、まさかの敗北!!優勝は緑コーナー・サトシ選手です!」


ウ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … … … … ! !


サトシ「……え?」

ニャビー「うにゃ……」

サトシ「……勝った!?優勝!?やtt」

ムーマ「おにーちゃん!!」ガバッ

サトシ「なまはむっ」

ムーマ「おめでとうおにーちゃん!やっぱりおにーちゃんが一番強くてすごいんだ!」


観客E「……控えのポケモンとはいえ、ホントにロイヤルマスクに勝っちゃうなんてなー……」

観客F「あの子ももう少し鍛錬すれば本気の彼にも勝てる……のかな」


ロイヤルマスク「サトシ君」

サトシ「!」

ロイヤルマスク「バトルロイヤルを極めたこの私に勝利するとは。次会う時は君との1対1の勝負を希望する」

サトシ「あ、ありがとうございます!」

ロイヤルマスク「フフ、やはり君は友人から聞いた通りのトレーナーだ。いい眼をしている」

ロイヤルマスク「それに君もだ」

ムーマ「わ、わたし……?」

ロイヤルマスク「君はバトルの経験はほとんどなかったらしいがどうだ?楽しいだろう?」

ムーマ「うん!わたし、おにーちゃんと同じシュミができてうれしーですっ!」

ロイヤルマスク「フフ……」


ロイヤルマスク「ではさらばだ諸君!また私に会いたければ友人を通してお願いしてくれ!いつでもすぐに駆け付けるぞ!」
 ▼ 230 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 20:20:37 ID:gAgCP.nE [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
---------------------------------------
---------------------------

サトシ「いやー、おもしろかったー♪」

ムーマ「ウルトラロイヤルドローップ!」ゲシゲシ

マオ「いたたた!……まさかあの人があんなにウケるとは思ってなかったよ」

サトシ「カキの奴、よくあんな大物を呼べたな。アイツってそんなに人脈広いの?」

マオ「ホントはククイ博士に企画を頼んだんだけど、博士が今日は用事で来られないってことが後でわかって」

マオ「それで急遽博士が代わりにってロイヤルマスクを呼んでくれたの」

サトシ「博士の代理?そうか!ロイヤルマスクの言ってた友人って博士だったのか!」

ムーマ「またお父様にたのんで来てもらおうね!」

サトシ「あぁ!でも……」

サトシ「今日家出る時、博士いなかったっけ?どこかに行くようなことは何も言ってなかったけど……」

マオ「きっと家で用事があったんでしょ?今頃パソコンであたし達の宿題作ってるかもね」

サトシ「ゲェー……」


ムーマ「マお姉ちゃん、いま何時?」

マオ「4時だね。カキが二人を迎えに来るのってもうすぐだっけ?」

サトシ「あぁ、確か5時だったな」

ムーマ「えー!?おにーちゃん、まだわたし行きたいところあるのに!」

サトシ「よっしゃ、じゃあ行くか!それじゃあなマ……マオウ!」

ムーマ「マオウ!」

マオ「うっせー!生焼けのパンケーキぶつけんぞー!」

サトシ「どわっほぃ!逃げるぞムーマ!!」

ムーマ「にっげろーーー!!」ズラカリーリエ


マオ「まったく……」

マオ「…………」

マオ「……ふはははははー!」

マオ「…………///」

リーリエ「マオ、お疲れ様で」

マオ「ギャアアアアアア!!!いつからそこに!?」

リーリエ「ウオオアアアアア!!!つい今しがたですっ!!」
 ▼ 231 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 20:22:34 ID:gAgCP.nE [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------しばらくして-------


店員D「スーパーメガやす、只今よりタイムセールです!もやし1袋20円!玉ネギ詰め放題!」

店員E「新しく入荷したきのみもセールの対象となっております!どうかお早めに!」


店員F「アローラサンライズ出張版!新商品・ゴローンのいしやサボネアのハリが登場です!」

店員G「そこのお客さん、投げるんじゃないよ!アクセサリーとして使ってください!」

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

ムーマ「キーラキラキラキラひーかる♪ピカピーカポケェットにちゅっちゅっちゅ♪」

サトシ「最高の時間♪大切な仲間♪ぜーーんぶ抱ーきーしーーめてっ♪」

ムーマ「えへへ///」

サトシ「いいのかよ?ついさっき『ゴーゴー4兄弟』だかのミニライブをちらっと覗いたっきりで20分歩きっぱなしだぞ?」

ムーマ「いいの。あと行きたいところは一つだけ!それまでもうちょっとだけ歩くから……」

サトシ「ふーん……」

ムーマ「と、言ったけど……ちょっと歩くのつかれちゃったよおにーちゃん」ヨタヨタ

サトシ「えっ、もう?じゃあまた肩車を……」

ムーマ「チッチッチッ、ムーマはそんな浅いものは求めておりませんの」

ムーマ「もっとディープに♪お姫様抱っこしてくださいまし♪」ピョン

サトシ「うおっ!?」ズシッ

ムーマ「えへへ/// やっぱりデートはこうでなくっちゃ♪カップルっていうのはみんなこうするんでしょ?」

サトシ「周り見ろ周り!いないよこんなカップル!重いし何か恥ずかしいから降ろしてもいいか?」

ムーマ「ダメです」

サトシ「そうかい……やっぱ参っちゃうなぁ、ムーマみたいな子って」

ムーマ「むぅ?どういう意味?」

サトシ「前にも言っただろ?お前みたいな小さい子を相手にしたことは何度かあるけど」

サトシ「こんなにベタベタしてくる子はムーマが初めてだって」

ムーマ「あぁ!それで赤いお兄ちゃんにド叱られてたね」
 ▼ 232 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 20:23:58 ID:gAgCP.nE [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「正直ムーマはオレの苦手なタイプの子供だったのかな……って最初は思ってた」

サトシ「けど今は違うよ。こうして付き合ってみるとすっごく楽しいし、いつまでも一緒にいたくなる」

ムーマ「…………」

サトシ「ハハ、今ならカキの気持ちがバッチリわかるよ。大事な仲間……家族とはずっとくっついていたいもんな」

ムーマ「……///」


ムーマ「おにーちゃん」

サトシ「ん?」

ムーマ「わたしがあの日お腹が空いてて、コロッケサンドをおにーちゃんから取らなかったら」

ムーマ「わたしたちはおたがいずっと知らないままだったんだよね?」

サトシ「あぁ。それがどういうわけかお前がこうして人間になって……本当になんでなんだろうな?」

ムーマ「んー、わかんない」

サトシ「じゃあムーマはどうしてオレ達と一緒に暮らそうと思ったんだ?」

ムーマ「むぅー!?今更すぎない?」

サトシ「ずっと聞くの忘れてたんだよ。それだけこの3週間が楽しかったんだ」

ムーマ「んーと……だれかに、おにーちゃんのところへ行って恩返しをしてきなさいって言われたのは覚えてるけど」

サトシ「! それは誰なんだ!?」

ムーマ「わすれた」

サトシ「何じゃい」

サトシ「まぁいいや。行くぞムーマ、その行きたいところとやらに」ヒョイッ

ムーマ「あぁ!勝手に肩車にトランスフォームしないでよ!」

サトシ「疲れてるんだろ?乗せてもらえるだけありがたいと思え!」ダダダダ
 ▼ 233 マシュ@どくバリ 17/08/22 21:44:44 ID:XU7/pino NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援
 ▼ 234 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 22:25:05 ID:gAgCP.nE [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「あっ!おにーちゃん、ストップ!」

サトシ「んっ?」


和菓子屋「あら可愛らしいお嬢ちゃんいらっしゃい。何か見て行く?」

サトシ「和菓子?」

ムーマ「うん。今日のきねんに、みんなにおみやげ買っていくの」

和菓子屋「お土産ならいいのがあるよ。シンオウ地方で古くから愛されてる羊羹とか……」

サトシ「これなんかどうだ?」

和菓子屋「お、お客さんお目が高い。それはジョウト産の『いかりまんじゅう』だね」

ムーマ「なんか今日はいろんなところの食べ物をよく見かけるなーっ。じゃあそれをまず一つ!」

サトシ「10個入りで1080円か……これをまず一箱だな。誰にあげるんだ?」

ムーマ「んーー、それは……どうしよう。1匹1個として……あげる子が多すぎて決められないよ」

サトシ「?」

ムーマ「わたしね、わたしね、おわびがしたいの!人間っておわびをする時におかしをあげるんでしょ?」

サトシ「お詫び!?誰に?」

ムーマ「ハウオリれいえんのおはかでお休みしてるポケモン達!今までお供えものをいっぱい取っちゃったから……」

サトシ「おぉ!いいアイディアだな!お墓のポケモン達のことも考えててくれたんだな。えらいぞ」ナデナデ

ムーマ「えへへ/// みんなもきっとお腹がすくと思って……」

和菓子屋「??? ……と、とにかく『いかりまんじゅう』一箱だね。お会計は……」

ムーマ「あっ!まだもうちょっと買います!えーっと……」
 ▼ 235 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 22:28:23 ID:gAgCP.nE [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「〜♪」

サトシ「結構買っちゃったな。でもきっとみんな喜ぶぜ」

ムーマ「うん!久しぶりにみんなに会うのが楽しみだよ!」

サトシ「久しぶり……そうだな。ウチに来てから一回もあそこに行かなかったからな……」
ムーマ「きっとまたいるよ、あのおじさん」

サトシ「うわっ、勘弁してけれ……さっ、集合場所に急ごう!もう5時だ。カキが待ってる」


ムーマ「……ねぇ、おにーちゃん」

サトシ「ん?」

ムーマ「わたし、きめたよ!わたしの心のささえ!」

サトシ「え?」

ムーマ「…………」

ムーマ「おにーちゃん言ってたよね?わたしにも夢ができるって。わたしの夢、今日きめたの!」

サトシ「えっ、今日!?早くない!?」

ムーマ「早くない!ぜったい後悔なんかしないもん!わたしがきめたことだもん!」

サトシ「……で、それって何だよ」

ムーマ「わたしの夢は……」


ムーマ「もっと、おにーちゃんを知ること!いろんな場所を回って、おにーちゃんが見た世界をこの眼で見に行くの!」


サトシ「オレが今まで見た世界……?」

ムーマ「おにーちゃんはわたしに旅の話をいっぱいしてくれた!これからも……もっともっと面白い話を聞くよ!」

ムーマ「それでね。大人になったらその話で聞いた場所に行って、あいさつに行くの!」

サトシ「挨拶?」

ムーマ「おにーちゃんといっしょに旅をしたお友達に……おにーちゃんがお世話になった人達に……」

ムーマ「とにかくいっぱいいるの!会いたい人!」

サトシ「ムーマ……」

ムーマ「ねぇねぇ、おにーちゃんにはお医者さんのお友達がいるんでしょ?」

サトシ「あぁ、そんな話もいつぞやにしたっけな……でもいいのか?そんなのまるでオレのために……」

ムーマ「もちろんわたしにだって目標があるよ!おにーちゃんの世界だけじゃなく、ポケモン達のこともたくさん知って」

ムーマ「それですっごく強いポケモントレーナーになるの!」
 ▼ 236 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 22:39:03 ID:gAgCP.nE [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「その時にはバトルしてよね?おにーちゃん」

サトシ「あはは、楽しみにしてるよ。……オレもよかった。ムーマがポケモンバトルを好きになってくれて」

ムーマ「えへへ、おにーちゃん……」

サトシ「?」


ムーマ「これからもずっと一緒だよ!わたしが旅に出るまで、まだまだいっぱい思い出を作ろうね!」

サトシ「……あぁ!」
 ▼ 237 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 22:39:42 ID:gAgCP.nE [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第8話(全15話)   「シロガネさんちの一人娘」
 ▼ 238 ンベアー@がくしゅうそうち 17/08/23 17:47:58 ID:7grWynX2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 239 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:02:42 ID:iyratXiA [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「カキー!待たせてごめん!」

カキ「おっ、来たな……いいよ。楽しかっただろう?デート」

サトシ「あぁ。また行きたいぜ!」

ムーマ「わたしも!」

カキ「……フフ、文句なしで合格だな。今更だが、お前はやっぱりムーマの兄だ」


ピカチュウ「ピカチュ〜!!」

サトシ「おぉピカチュウ!今日はごめんなぁ〜!」

カキ「そいつを宥めるのには苦労したよ。十分育てられてるからといって扱い方が簡単になるわけじゃないんだな」

グ ゥ 〜 … …

カキ「!? さ、サトシ、緊張がほぐれたのかしらんがいきなりデカい屁をこくな!」

サトシ「こいてねぇよ!」

ムーマ「わ、わたしのお腹です……/// お腹が空いちゃって……」

カキ「はは……よしわかった。スクールに帰る前に町へ行って何か食べにいこう」

リザードン「ヴヴ?」

カキ「リザードン!とりあえずオハナタウンまで飛んでくれ!」

--------------------------------------------------

サトシ「ムーマ、今日は何が一番面白かった?」

ムーマ「むぅ〜、きめなきゃダメ?」

サトシ「あはは、どれも楽しかったもんな」

カキ「次はオレもホシと一緒にデートしたいもんだぜ」

ムーマ「赤いお兄ちゃんの場合はデートじゃなくて監禁になりそうだね」

カキ「えっ……」

サトシ「ははは!カキはホシちゃんに対して過保護だもんな!」

カキ「サトシ」


サトシ「だ、だっで本人がそう言っでだん゛だもの゛」ボッコボコ

ムーマ「ゲンジツトーヒはよくないよ?」

カキ「ぐすん、わかってます」
 ▼ 240 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:05:30 ID:iyratXiA [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……ろ


ムーマ「!」

ムーマ「……お、お」

サトシ「ムーマ?どうしたんだ?」

ムーマ「ううん、何でもない。ねぇ赤いお兄ちゃん、町まであとどのくらい?」

カキ「もう3分もあれば町の大きいところに着陸できるぞ」

ムーマ「ねぇ、今おりることってできる?」

カキ「構わないが……この辺は住宅街だ。食べ物の店なんて殆どないぞ?」

ムーマ「いいの!……だれかが……わたしをよんでるの」

サトシ「誰か? それって誰?」

ムーマ「わからない。だれかがわたしの名前を……あれ?」

ムーマ「わたしの……名前……?」


オハナタウン。牧場と牧草地帯に囲まれた小さな町。

西部劇の舞台のような街並みは、賑やかで近代的なロイヤルアベニューとは違った情趣がある。

この町は中心部を除いて公共施設はほぼ何もなく、ポケモンセンター含む僅かな数の施設を住宅街が取り囲んでいる。


カキ「中心部に行けばうまいレストランが少ないがあるぞ?オススメの店だって……」

サトシ「まぁムーマが行きたいって言ってるしいいじゃん!オレは構わないぜ!」

ムーマ「ごめん、ちょっとよるだけだから……」

----------------------------------------

ムーマ「……」テクテク

サトシ「これ……どこに向かって歩いてるんだ?」

ムーマ「わからない……わからないけどこのあたりから聞こえたの」

カキ「どんな声だ?」

ムーマ「わからない。わからないけどわたしを呼んでた。だれだろう……」

サトシ/カキ「「??」」
 ▼ 241 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:07:47 ID:iyratXiA [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……しろ……          ね……しろ


ムーマ「!!」

ムーマ「っ!」ダダッ

サトシ「あっ、ムーマ!どこ行くんだ!?」

カキ「……何かを確信したのかもしれない。追いかけるぞ!」


……らっ!また……か!?            これ……チの子……

                    今度……らな

またか!?         い……減に……              オ……親だ……


ムーマ「はぁっ、はぁっ……」

サトシ「ムーマ!」

カキ「サトシ……何だか嫌な予感がする。お前は何か心当たりはないのか?」

サトシ「わからない……この町の近くに来てから急に……っ!」

カキ「何か思い出したのか?」

サトシ「いや、何でもない……」

カキ「とりあえず話してみろ。何かの手掛かりになるかもしれない」

サトシ「……わかった。その前にムーマをとっ捕まえてくる!」ダッ

カキ「頼んだぞ!」


サトシ「ムーマッ!」

ガシッ!

ムーマ「!?」

サトシ「大丈夫!オレだよ!……いきなり走り出したらビックリするじゃないか。行くならオレ達と行こうぜ」

ムーマ「……うん」


カキ「それで?サトシ、お前に心当たりがあるようだが」

サトシ「あぁ、何となくだけど……ほら、3日前にオレとカキがバトルした後の帰り……」
 ▼ 242 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:10:31 ID:iyratXiA [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>173

--------------------------------------

ホシ「さぁお兄さん組!一件落着したところで早く帰りましょう!」

カキ「あぁ」

サトシ「よーし、帰るぞムーマ」

ムーマ「うん!」テクテク

サトシ「おいおい、そっちは町の方だぞ?家は丘に向かって真っ直ぐだ」

ムーマ「えへへ、なんか自然と足が……」

カキ「よっぽどデートが待ち遠しいようだな」

--------------------------------------

サトシ「ムーマが無意識に町の方へ歩き出したことがあっただろ?」

カキ「あ?あぁ……オレはムーマがデートに待ちきれなくなった故のことだと軽く見ていたが……」

サトシ「なぁ、もしあの時もムーマにその『声』ってのが聞こえてたとしたら……」

カキ「まさか!ムーマ、どうなんだ?」

ムーマ「……うん、実は……だれだかわからないけど……」

カキ「これはムーマの後をついていった方がよさそうだな。案内してくれるか?」

ムーマ「うん」


何かに引き寄せられるように、ムーマは怯えながらもぐっとサトシの手を握り、再び歩き出す。

不穏な空気が漂う中、3人は静かな町を見渡しながら『声』の方へと向かう。
 ▼ 243 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:13:37 ID:iyratXiA [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------オハナタウン住宅街 とある一軒家-------


ムーマ「……あった」

カキ「ここでいいのか?」

サトシ「ここから声が聞こえるんだな?この……何ともない家から……」

カキ「ムーマ、この家はお前にとってどんな場所なんだ?」

ムーマ「わからない……でもここ、何だかすごく見覚えがあるの!」

サトシ「カキ、門に看板があるぞ」

カキ「これは表札だ。……『シ、ロ、ガ、ネ』?……とにかく、ただの民家なのは間違いなさそうだな」

サトシ「ムーマ、やっぱり気のせいじゃないのか?」

ムーマ「気のせいじゃないもん!たしかに聞こえたの!わたしの名前をだれかが呼んでるの!」

サトシ「ムーマー……ムーマー……ってか?」

ムーマ「いや、ちがう。ちがうけどわたしの名前……あれ?」

サトシ「何言ってんだ?お前はムーマ以外の何者でもないだろ?強いて言うなら……元ポケモンだけど」

ムーマ「でもたしかに呼んでたの!わたしを!!」

ガチャッ!

サトシ/ムーマ/カキ「「「!!」」」ビクッ

男性「何なんだ君達はさっきから!人の家の前で騒いで常識のない!」

サトシ「あっ、えーっと……オレ……僕はマサラタウンのサトシって言います」

カキ「カキです」

サトシ「ごめんなさい。すぐに場所を変えますので……」

男性「場所を変えてまた騒ぐのか?って……」

男性「ま、待ってくれ君達!!」

サトシ「?」

男性「ねぇ、そこのお嬢ちゃん、顔をよく見せてくれないか……?」

ムーマ「わたし?」
 ▼ 244 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:18:38 ID:iyratXiA [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男性「あ…………そんな……うそだ……」

男性「ヤシロちゃん!!」


                丸い瞳 紫のグラデーションがかかった黒髪 6歳の女の子

                         シロガネ・ヤシロ


ムーマ「……!」

サトシ「ヤシロ?あの、この子はムーマって言ってオレのいもう……」

男性「いいや、間違いない!ヤシロちゃんが帰って来てくれたんだ!そうだろ?な?」

ムーマ「???ヤシロ……?」

カキ「あの、すみませんが人違いじゃないですか?この子の名前は……」

男性「人違いなら自分からこの家にくるハズないだろう!ヤシロちゃん、覚えているかい?」


男性「ここは……僕らの家さ!」


ムーマ「……おじさん、だあれ?」

男性「ん?あぁ、わからなくても無理はないよね。まずは家に入りなよ!本当によく帰ってきてくれた……!!」

カキ「待ってください!貴方は一体、ムーマの何なんです!?」

男性「そういう君達こそ、一体何者なんだ?」

サトシ「オレはムーマの兄なんです!まだ日は浅いけど……ムーマのことは誰よりも知ってるつもりです!」

男性「……悪いな。そのムーマという名前といい、君の言うことはどうも嘘くさい」

ムーマ「本当だよ!おにーちゃんはわたしのおにーちゃんなの!」

男性「!?」

男性「……ヤシロちゃん、それは確かなのか?この二人は、本当に君と親しい人なのか?」

ムーマ「ヤシロじゃない!ムーマだよ!!……たぶん」

カキ「嘘くさいのはアンタも同じだが」

男性「何!?」

カキ「とにかく諦めてください。そのヤシロちゃんという子が今どうなっているのかは知りませんが」

カキ「とりあえず、オレ達にはもう関わらないでください」
 ▼ 245 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:19:58 ID:iyratXiA [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男性「……じゃ、じゃあ」

男性「わかった。君達も我が家に入ってきたまえ。僕がここまでしつこく迫る証拠を見せてやろうじゃないか」

サトシ「証拠?」

男性「ヤシロちゃん。君は4年前まで、確かにこの家でお母さんと一緒に暮らしてたんだよ」

男性「何も思い出せないというのなら、僕が君の記憶を呼び覚ましてやる」

ムーマ「…………」
 ▼ 246 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:39:33 ID:iyratXiA [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------男性の家(ムーマの家?)-------


サトシ「おじゃましまーす……」

ムーマ「……」

男性「どうだいヤシロちゃん、いろいろ思い出しただろう?……簡単には無理か?子供にとっての4年って長いだろうからね」

男性「きっと色々忘れてると思うが……ほら、そこのテーブルもテレビも4年前のままさ」

ムーマ「思い出せない……なんにも……」

男性「そんな……それじゃあもうお母さんに直接会うしかないか。もうじき帰って来るハズなんだが……」

カキ「それで、証拠ってのは何です」

男性「タンスの上に飾ってある写真さ」

サトシ「あそこにあるヤツですね」

男性「そうだ。そこに写っている二人をよく見てほしい」

サトシ「写真の二人……?」

サトシ「!!」


サトシは眼を疑った。写真には丸い瞳に、紫のグラデーションがかかった黒髪の女の子……ムーマとそっくり、

いや、ムーマそのものとしか思えない容貌の少女が映っていた。少女は母親らしき女性の腕に抱かれて微笑んでいた。

サトシ「そんな……これは、ムーマ!?」

ムーマ「おにーちゃん、どうしたの?」

カキ「み、見るなムーマ!」

男性「なぜ止める?それは明らかにヤシロちゃんとその母親の写真だ!それさえ見ればヤシロちゃんもきっと……」

カキ「言い掛かりだ!!」

サトシ「待ってくれカキ!……あの、おじさん。確かにこの写真に写っているのはムーマかもしれません」

カキ「サトシ、何を……」

サトシ「オレは誰よりもムーマのことを知ってるハズだ。そう思いたい……けれど、さすがにムーマの『全て』は知らない」

サトシ「この写真にいる子がムーマだったとして、この頃の彼女がどんな子だったのかはオレは知りません。だから……」


サトシ「貴方が昔の彼女を知ってるのなら、そのヤシロちゃんという子のこと……オレ達に教えてくれませんか?」
 ▼ 247 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:41:47 ID:iyratXiA [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男性「いいだろう。ヤシロちゃんの元気な姿、そしてヤシロちゃんが君から離れようとしない所を見る限り」

男性「君達は少なくとも悪いヤツじゃない。むしろ僕らの恩人かもしれない。君達にも彼女の過去を知る権利がある」

カキ「サトシ、まだヤシロちゃんがムーマだと決まったワケじゃないぞ?」

サトシ「それでもいいよ。……詳しく聞かせてください」

サトシ「ムーマ、お前はしばらく向こうの部屋で遊んでおいで」

ムーマ「は、はーい」



今から4年前……アーカラ島・オハナタウンで事件が起きた。


----------------------殺人事件だ。殺されたのは6歳の女の子、シロガネ・ヤシロちゃん。


彼女を知る人達によれば、やんちゃで、明るい子供だったそうだ。

ヤシロちゃんはカンタイシティの会社に勤めていた父と、近所の食堂で調理師として働いていた母との3人暮らし。

決して裕福ではないが、不自由のない暮らしを送っていた。


……しかしある日を境に、日常は壊された。
 ▼ 248 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:45:11 ID:iyratXiA [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明るくやんちゃなヤシロちゃんは、ただ元気なだけでなく、幼い子供ゆえ、周りの人達に何度も何度も迷惑をかけた。

来る日も来る日も誰彼構わずイタズラばかり。保育園にいけば何人もの男の子を泣かせるほどのいじめっ子。

もう6歳だというのに毎日のように夜泣きをしては、近所の住民の怒りが家族に飛び火することもあった。

ヤシロちゃんの被害を受けた人々に平謝りする父親の姿に、母親は持ち前の精神力で必死にこらえていた。

そんな両親の気も知らず、ヤシロちゃんはワンパクっぷりを抑えようとしない。

だが両親はヤシロちゃんをいつでも笑顔で受け入れた。子供のすることだからと何も言わずに笑って済ませたのだ。


ある日のこと、ヤシロちゃんがいつものように散歩をしていると、小太りのスーツ姿の男が目に入った。

イタズラ好きのヤシロちゃんは彼の後ろ髪に噛みついた。

顔を真っ赤にした男はヤシロちゃんを連れ、彼女の家へ向かった。

男はヤシロちゃんの父親が務めている会社の得意先の要人だった。

家族共々こっぴどく叱られたあげく父親は、ヤシロちゃんの一件の報告を受けた社長から解雇処分が下された。

ただの娘のイタズラにこの仕打ち。父親は周りの人間に恵まれなかったのだ。

安定した生活を崩された父親はとうとう耐えきれず、以前と打って変わってヤシロちゃんを目の敵にした。


そして父親による……ヤシロちゃんへの虐待が始まった。

事あるごとに殴る、蹴るなどの暴力。暴言。生活と共に父親の性格も歪み荒れていった。

父親が怖かった母親はただじっと、毎日のように繰り返されるその光景を見ていることしかできなかった。

荒んだ生活でも母親は、なけなしの愛を娘に与えたかった。しかし父親の暴力の前にそれは叶わなかった。


そして数ヶ月後……

オハナタウンの南側の道路で、ヤシロちゃんの遺体が発見された。怒りが爆発した父親に殺されたのだ。

父親は逮捕され、無期懲役の判決が下された。

このニュースはアローラ中を駆け巡り、やがて時と共に膨大なメディアの情報の中に埋もれていった。

今現在このニュースが記憶にある人は、アローラでもごく僅かだろう。


娘と夫を失った母親は一人家に残り、幼い頃から知り合いだった男性と結婚した。


ムーマそっくりの少女・ヤシロちゃんは純粋で元気な女の子だった。しかし、運命が彼女を狂わせたと人は言う……
 ▼ 249 トーリーメーカー◆NMqkj01Nbo 17/08/23 22:36:03 ID:T50p8c/A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 250 スカーン@れいかいのぬの 17/08/24 05:59:36 ID:E/3PpjNE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんか凄いな……支援
 ▼ 251 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:06:44 ID:2s.lcxUQ [1/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……!」

ムーマ「おにーちゃん、もうおはなしおわった?」ガチャッ

男性「ヤシロちゃん。今、僕は君のお母さんと暮らしてるんだ。……いきなりでなんだが、お父さん、って言ってくれるかい?」

男性→ムーマ父「ね?いいだろ?」

カキ「ちょっと待て!……ヤシロちゃんのことについてはよくわかった。だが、それとムーマとの関係は?」

ムーマ父「関係?」

カキ「考えてもみろ!殺されたはずの……遺体がすでに発見されているはずの子がどうして今生きている!?」

カキ「そもそも事件は4年前だ。仮に生きていたとしても当時6歳のヤシロちゃんはもう10歳」

カキ「見た目が全く同じのままなんてこと、まず在り得ない!!」

サトシ「か、カキ……」

カキ「お前も何か言ってやれよサトシ」

サトシ「あぁ、えぇっと……」

ムーマ父「じゃあどうして……どうしてあの子はこの家がわかったんだ!彼女はこの家に何の思い入れも無いのなら……」

サトシ「あぁっと……それは……とりあえずオレの話を聞いてください!」

サトシ「二人とも一旦落ち着いて!ヤシロちゃんのことはわからないけど、オレがムーマの知ってる限りのことを話します!」

ムーマ「なんだかむずかしい話してるんだねおにーちゃん達……もうちょっと遊んでよ」バタン


サトシは話した。ムーマとの出逢い、ムーマの正体、ムーマとの思い出を。


ムーマ父「ヤシロちゃんがポ……ポケモンだと?」

サトシ「はい。……この子は、オレがメレメレ島で助けたムウマが人間になって恩返しにきた姿なんです!」

ムーマ父「バカバカしい!ならその証拠はあるのか?証拠は!」

サトシ「えっ……それは……」

ムーマ父「ほらみろ。大体ポケモンが人間に化ける話なんて聞いたことがない」

カキ「死んだ人間が生き返る話も聞いたことはないがな」

ムーマ父「あの子はまだ思い出していないだけだ!妻の顔さえ見れば……」

サトシ「ストップ!ストップ!……ヤシロちゃんのお父さん、要はムーマをそちらの家に迎え入れたいんですね」

ムーマ父「当たり前だ。ウチの子なんだから」

サトシ「なぁカキ、オレ思うんだけどさ……これはムーマの今後にも関わってくる問題だろ?」

カキ「だったらどうするんだ?……お前、まさか!」
 ▼ 252 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:09:40 ID:2s.lcxUQ [2/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ムーマがヤシロちゃんかどうかわからない現状……どっちの家で暮らすか、ムーマに決めさせないか?」

ムーマ父「!」

サトシ「それでいいでしょう?ムーマが本当にヤシロちゃんなら、お母さんの顔を思い出してここに居たくなるはずです」

カキ「お、お前はそれでいいのかよ!?」

サトシ「ムーマがそっちの方が幸せだと思うのなら、それでいい」

カキ「ムーマを手放すのか!!」

サトシ「……」

カキ「答えろサトシ!お前は一体どうしたいんだ!!」


カチャン! ギギィ……



サトシ/カキ「「!」」

ムーマ父「どうやら帰ってきたようだね。さて、あの子を連れてこよう」

ムーマ父「妻の顔できっとヤシロちゃんの記憶も蘇り、僕と妻と、ヤシロちゃんの3人での生活が始まるんだ……」

カキ「サトシ……!早くこの現実逃避野郎の目を覚まさせてくれ!」

サトシ「……やっぱりムーマが自力でこの家まで来られたことが引っかかるんだ」

サトシ「なぁカキ、オレ……思ったんだけど……」


サトシ「ひょっとしたらムーマは……ヤシロちゃんの生まれ変わりなんじゃないかな……?」


サトシ「死んだヤシロちゃんは、幽霊に……ムウマになったんじゃないのかな……?」



カキ「生まれ変わりだと……?」

サトシ「オレなりに考えただけさ。何だかヘンテコだけど、そうでもしないと説明がつかなくてさ……」


ムーマ母「ただいまあなた。どうしたの?そんなに嬉しそうな顔をして」

サトシ(写真の人と同じだ……)

ムーマ母「あらお客さん?こんにちは」

ムーマ父「聞いてくれよマイハニー……いや、ママ!帰って来たんだよ!あの子が!」

ムーマ母「あの子?」

ムーマ父「ほらおいで、ヤシロちゃん。君のお母さんだよ」

ムーマ母「!? ……あなた、今なんて……」
 ▼ 253 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:11:32 ID:2s.lcxUQ [3/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「おか……あさん?」


ムーマ母「……!! や、ヤシロ……ヤシロなの?」

ムーマ「わたしの……おかあさん……」

ムーマ「…………」

ムーマ「……………………」





ムーマ「              ママ?              」





サトシ「!!」

ムーマ父「思い出した!思い出したんだね!?ヤシロちゃん!そうだよ、君のママだよ!」

ムーマ父「そうさ……君はお母さんのことを『ママ』って呼んでたんだ!」

ムーマ「ママ……わたしの?」

ムーマ母「ヤシロ!!」

ムーマ「ママ……ほんとに……ママ……?」

ムーマ母「……そうよ!貴方のママよ!貴方が世界で一番好きだったママよ!」

ムーマ母「貴方がお父さんにいじめられていても何もできなかったママよ……本当に……ごめんなさい……」

ムーマ「わたし……やっぱりヤシロなの?」

ムーマ母「え?」

ムーマ父「この子は長いこと、自分の記憶を忘れてしまっていたんだよ。そして今思い出したんだ」

ムーマ母「そうなの……辛かったでしょう……本当に……」


カキ「何だよこれ……あの女も正気か!?ヤシロちゃんは死んだはずなのに!!」

サトシ「…………」

カキ「サトシ?」
 ▼ 254 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:13:24 ID:2s.lcxUQ [4/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ母「ねぇあなた、あの子達は?」

サトシ「あ、あの、マサラタウンのサトシっていいます。ムー……ヤシロちゃんをずっと預かってました」

サトシ「ヤシロちゃん、どういうワケかずっと家に帰りたがらなくて、その間オレが兄として面倒を見ていました」

カキ(あいつ……わざとそんなウソを!)

ムーマ母「あらそうなの……迷惑をかけなかったかしら?」

サトシ「全然!……なぁ、『ヤシロちゃん』」

ムーマ「?」

サトシ「やっぱり君はヤシロちゃんだったんだ。よかったね、お母さんとまた会えて」

ムーマ「……?」

サトシ「ねぇ、一つだけ聞くよ。君はお母さんに会うことができた。でもオレだってまだまだ君のおにーちゃんでいたい」

ムーマ「え……」

サトシ「だから君が決めてくれ。これからもオレ達と一緒に暮らすか、この家でお母さんと、新しいお父さんと暮らすか……」

サトシ「一緒にいて、幸せだと思う方を選んでくれ」

ムーマ「……おにーちゃん?」


カキ「おい、何を言って……」

ムーマ父「愚問だよサトシ君。子供は……ましてやヤシロちゃんくらいの小さな子はいつだって親の傍にいたいのさ」

ムーマ「わ、わたしは……」
 ▼ 255 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:14:51 ID:2s.lcxUQ [5/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
---------------------------------------------

ムウマ「ZZZ……」

サトシ「ほっとけなくて連れてきちゃった。ハハハ」

ロトム「でもそのムウマ、どうするロト?」

サトシ「ポケモンセンターに連れていこう。あのおじさんの言う通りなら、このままだとコイツが傷付くだけだよ」

-----------------------------------------------
-----------------------------------------------

ムーマ「わたし、なれるかな?ポケモントレーナー」

サトシ「なれるよ!ムーマはポケモン達と仲良くやれてるじゃないか」

-------------------------------------------
-------------------------------------------

ムーマ「スキあり!リリーちゃんの必殺ワザ、『正拳突き』―!」ボコボコ

サトシ「え?」

ムーマ「え?じゃないよおにーちゃん!ちゃんと倒れて!」

サトシ「あ、あぁそうだった。 ぐえ〜、鼻骨が曲がる〜」ドテッ

-------------------------------------------
-------------------------------------------

サトシ「……ほ、ほら、冷やしトマトだぞ。あーん」

ムーマ「」モグモグ

ムーマ「(*´▽`*)」

------------------------------------------
------------------------------------------

サトシ「よし、ポケモンスクール到着。今日も実に楽しい通学路だった。そして憂鬱な授業へと……」

ムーマ「おにーちゃん、昨日宿題がんばってたもんね」

サトシ「ははは、じゃあ行ってくるよ。お前はこのまままっすぐ校長室へ行くんだぞ」

-------------------------------------------
-------------------------------------------

サトシ「どうした?やっぱりこんな賑やかな街……じゃなかった、道を歩くのは楽しい?」

ムーマ「うん。わたしがムウマの時は人がいっぱいいる場所はどうしても苦手だったの」

サトシ「今は平気なのか?」

ムーマ「うん!」ギュッ

サトシ「うおっ!?急に抱きつくなって!ホラ、みんな見てるから……」

--------------------------------------------
 ▼ 256 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:16:30 ID:2s.lcxUQ [6/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
------------------------------------------

ムーマ「いっぱい食べて大きくならなくちゃ。早く大きくなったらおにーちゃんとけっこんもできるしね」

サトシ「!/// ……アッハハ、冗談うまいなぁもう」

-----------------------------------------
-----------------------------------------

ムーマ「早く行こうよ、おにーちゃんの行きたがってるロイヤルドーム!」

サトシ「おぅ!そんじゃこのまま肩車で行くぜー!」ドドドド

-----------------------------------------
-----------------------------------------

サトシ「正直ムーマはオレの苦手なタイプの子供だったのかな……って最初は思ってた」

サトシ「けど今は違うよ。こうして付き合ってみるとすっごく楽しいし、いつまでも一緒にいたくなる」

サトシ「ハハ、今ならカキの気持ちがバッチリわかるよ。大事な仲間……家族とはずっとくっついていたいもんな」

------------------------------------------
------------------------------------------

ムーマ「わたしの夢は……」

ムーマ「もっと、おにーちゃんを知ること!いろんな場所を回って、おにーちゃんが見た世界をこの眼で見に行くの!」

------------------------------------------


ムーマ「……ねぇママ」

ムーマ母「なぁに?ヤシロ」

ムーマ「ママにまた会えたのはうれしい。世界で一番大好きなママとまたいっしょにくらしたい。でも……」

ムーマ母「もう一人できたのよね?世界で一番大好きな人が」

ムーマ「うん!」

サトシ「ムーマ……」


ムーマ「おにーちゃんとであってまだ長くないけど……おにーちゃんとはいっぱい思い出ができたの!」

ムーマ「それにおにーちゃんは自分の名前を忘れてたわたしに名前をくれたの!」

ムーマ「わたし、ムーマって名前すごく気に入った!みんなにムーマってよばれるととっても気分がいいの!」

ムーマ父「ヤシロちゃん、確かに君がこの家に居た頃は碌な思い出がなかったろう。だけど君のママがくれた名前は大事な」

ムーマ母「いいのよあなた。……わたしのせいよ。わたしがこの子のことをもっと愛していれば……」

ムーマ母「シロガネ・ヤシロという名前を嫌わずに済んだのにね」

ムーマ「嫌いじゃないよ!だって大好きなママがつけてくれた名前だもん!」

ムーマ「……だけど……だけど……」
 ▼ 257 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:18:50 ID:2s.lcxUQ [7/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「何だ?ハッキリ言いなさい!」

ムーマ母「ヤシロ。貴方が今なぜ迷っているのかはわかるわ」

ムーマ「え?」

ムーマ母「貴方がヤシロとしてこの家でもう一度暮らし始めれば、貴方はこれからヤシロとして生きていくから」

ムーマ母「おにーちゃんのくれた名前や思い出を……断ち切ることになるのを恐れているのね?」

ムーマ「わたしはママとも……おにーちゃんとも、はなれたくない……」


ムーマ母「いいわ。なら時間をあげる」


サトシ「時間?」

ムーマ母「サトシ君だったかしら?貴方がさっきヤシロにした質問の答え、少し待ってあげてはいかが?」

サトシ「……と言うと?」

ムーマ母「ヤシロとして生きるか、ムーマとして生きるか、どちらが彼女にとって幸せなのかを」

ムーマ母「彼女自身で答えを出せるまで、もう少し時間をあげてはどう?と言ったの」

ムーマ母「答えは明日でも、1か月先でも、1年先でもいいわ」

ムーマ母「つまりケジメをつけるまでは、この子は私の娘であり、貴方の妹なのよ」

サトシ「じゃ、じゃあその間どうすれば……」

ムーマ母「うふっ、折角再会できて何だけど……しばらく貴方に任せていいかしら?」

サトシ「!!」

ムーマ母「虐待を受けていた時と違って、今のこの子は昔のような明るさを取り戻してる」

ムーマ母「それもこれも、貴方がヤシロを……いえ、ムーマを妹として大事にしてくれたお陰よ」

サトシ「あぁ……いえそんな」

ムーマ父「おいママ、まさかヤシロちゃんを突き放すんじゃないだろうな?」

ムーマ母「違うわよ。ヤシロに幸せでいてほしいからよ」

ムーマ父「親が傍にいるのが子供にとっての一番の幸せだろうが!」

ムーマ母「子供を持ったことのない貴方が何を言ってるの?……それに私だって、今はまだこの子と暮らせる自信がないわ」

サトシ「あ、あの……いいんですか?本当に」

ムーマ母「えぇ。もうしばらく、よろしくお願いできるかしら?」

サトシ「……はい!!」
 ▼ 258 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:20:44 ID:2s.lcxUQ [8/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ムーマ、おいで!」

ムーマ「……おにーちゃん?」

サトシ「お前の幸せはいつか自分で決めるんだ。だからそれまでさ……またオレ達と一緒にいようぜ!」

ムーマ「……」ポロポロ


ムーマ「うわぁぁぁぁん!!」

サトシ「よしよし。……ちょっとでも辛い思いさせて悪かったな」


ムーマ父「ママ、本当にいいんだな?」

ムーマ母「えぇ。……さて、久しぶりに娘の顔も見たことだし、今日のディナーは気合い入れて作っちゃいましょうか!」

ムーマ「! ママ、今日のごはんは!?」

ムーマ母「ビーフコロッケよ。貴方の大好物!」

サトシ「ビ……!?マジっすか!?あざーーっす!」

ムーマ「おにーちゃんもコロッケがだいこうぶつなんだよ!」

ムーマ母「あらあら似た者同士ね。ますます安心できるわ」

サトシ「カキ!お前もごちそうしてもらえよ!」

カキ「ん?あぁ……」

サトシ「どうしたんだよ?」

カキ「何でもない。……とりあえずはよかったんじゃないか?またムーマと一緒にいられることになって」

サトシ「あぁ!……本当によかった」

ムーマ母「うふふ、ご飯できたら呼ぶから、ムーマと一緒に奥の部屋で遊んで待っててくれるかしら?」
 ▼ 259 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:27:45 ID:2s.lcxUQ [9/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------しばらくして-------


サトシ「ハァ……モーモーミルク……」

ムーマ「……モーモーミルク」

カキ「モーモーミルク、と」



ムーマ父「ママ、ヤシロはあの子達と楽しく遊んでるよ」

ムーマ母「あら?そんなことわざわざ報告するためにキッチンを覗きにきたの?」

ムーマ父「まぁ、もう彼女を彼らにしばらく任せることに不安はないんだよ。ただ……」

ムーマ母「言ったでしょ?私も時間がほしいの」

ムーマ母「あの子が満足するまで彼らと一緒にいれば、私も親としての自覚を取り戻す余裕ができる」

ムーマ父「だ、だけど時間が経つにつれヤシロちゃんの気持ちがあの子達の方に傾いてしまえば、ヤシロちゃんはどうなる?」

ムーマ母「それは私が母親として、その程度だったってだけのことよ」

ムーマ父「いいのか、それで?」

ムーマ母「あの子がそれでいいなら、ね」

ムーマ母「さ、あなたは子供達のところにいるか、大人しくダイニングで待ってて」
 ▼ 260 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:28:53 ID:2s.lcxUQ [10/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------数分後-------


サトシ「モーモーミルク!」

ムーマ「モーモーミーールクっ!!」

カキ「モー!モー!ミェェェルク!!」



ムーマ母「また来たの?」

ムーマ父「あはは、ちょっと気が気でなくて。君の気持ちもヤシロちゃんのことも」

ムーマ母「さっきあなた不安はないって言ってたでしょ?」

ムーマ母「それに、あなたが彼女のことをそんなふうに思うのはちょっと違うんじゃない?」

ムーマ父「違くないさ。僕はヤシロちゃんとは今日で初対面だけど、それでも彼女の父親であるべき人間なんだ!」

ムーマ母「ふーん……まぁいいわ。ちょっと嬉しいしね。あなたがそこまで私のことを気にかけてくれるの」

ムーマ父「本当に。どうしちゃったんだろうな。出会ったころは君の片思いだったってのに」

ムーマ母「ちょっ!?///」

ムーマ父「今はそんなことないものね」

ムーマ母「う、うるさいわね!いいからキッチンから出てって!」
 ▼ 261 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:30:10 ID:2s.lcxUQ [11/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------さらに数分後-------


サトシ「モォォォォ!モォォォォ!ミャアアアアルカァ!!」

ムーマ「モァァァァァーーッ!!モーーーモーーーミャァァルクゥゥゥ!」

カキ「ギャアアアアア!!ホワァァァァァ!!ズエリャアアアアアア!!!」



ムーマ母「何だか騒がしいわね」

ムーマ父「『モーモーミルクゲーム』だってさ。最近の子供の遊びはよくわからないね」

ムーマ父「そうだ。あのサトシ君とかいう子のニュースを一つ本人から仕入れてきたよ」

ムーマ母「どうせならちょくちょく来ないで一括で話してくれない?さすがに鬱陶しいわ」

ムーマ父「あぁ。実はサトシ君、色んな理由があってあのククイ博士の家に居候してるらしいんだ」

ムーマ母「まぁ!……となるとヤシロは今ククイ博士とも一緒に住んでるのね?」

ムーマ父「僕もやっと胸のつかえが下りたよ。僕はあの人をよく知らないが、安定した生活を送れているようで何よりだ」

ムーマ母「ふふ……さぁ、そろそろ本格的に作るから今度こそダイニングで待っててちょうだい」

ムーマ父「あぁ、そうする」


ムーマ母「さぁて、作るわよ!ヤシロには他のが食べられなくなるくらいおいしいコロッケを作らなきゃ!」
 ▼ 262 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:31:58 ID:2s.lcxUQ [12/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------数十分後-------


サトシ「こ、これが御宅のビーフコロッケですか……?」ジュルリ

ムーマ母「うふふ、大袈裟ね。別にどこのとも変わらないただのコロッケよ」

サトシ「いんやーオレにはわかりますよお母さん!この香りといいパン粉の細やかさといい……」

カキ「わかった。わかったからちゃんと席につけ」

ムーマ「ねぇ!もう食べていい?」

ムーマ父「先にいただきますだ。それから食べていいよ」

ムーマ「じゃ、じゃあ早く食べよ?ねぇ!」

ムーマ父「ハハ、噂通りのやんちゃで元気な子だこと」


「「「「「いただきます!!」」」」」


サトシ「じゃあいただこうぜ!」

ムーマ「おー!」

ムーマ母「ふふ、似た者同士っていいわね」

カキ「…………」

ピカチュウ「ピカピー……」チョイチョイ

バクガメス「ガメェー……」

ムーマ母「はい、ポケモンちゃん達にもご飯は用意してあるわ」

ピカチュウ「(≧▽≦)」


サトシ「うまい……うまい……こんなうまいコロッケ10個は固いぜ!」ガツガツ

サトシ「な?ムーマ?」

ムーマ「……」ムグムグ
 ▼ 263 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:33:22 ID:2s.lcxUQ [13/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「まずい」

ムーマ母「!」

サトシ「ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛!?!?」

カキ「サトシ、もうちょっと静かに食えねぇのか」

サトシ「だ、だってこんなお前……これを……なぁ!?」

カキ「語彙力0かお前。ムーマ、コロッケはお前の好物だったんじゃないのか?」

ムーマ「うーん……何かこのコロッケ、変に甘い味がするの」

サトシ「甘い?そんなハズないさ。オレにはわかるぞ、肉の素材本来の風味が……」

ムーマ母「あらら、よりによってその子の分だけ失敗しちゃったかしら?」

サトシ「いーえ滅相もございません!こちとら策がありますので」

ムーマ母「策?」

ムーマ「ねぇおにーちゃん、わたしいらないから食べて」

サトシ「もったいないこと言うな!……ほら、『あーん』してやるから」

カキ「!!!」

ムーマ父「なっ!?もうそんなところまで距離が縮まっているのか?」

ムーマ母「あなた、落ち着いて。何ら不思議じゃないわ。二人は兄妹だもの」

ムーマ「そ、そこまでいうなら……」アーン

サトシ「よしよし、いい子だ……うまいか?」

ムーマ「( `―´)」

サトシ「何だその微妙な顔は……」

ムーマ母「うふふ、いいのよサトシ君。新しいの作り直すわね」

カキ「くっそ……思わぬ所で劣等感を味わうことになってしまうとは……あぁ……コロッケがしょっぱいぜ……」


ピカチュウ「チッ……」バチバチ

バクガメス「(;゚Д゚)」
 ▼ 264 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:34:49 ID:2s.lcxUQ [14/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「(*´▽`*)おいしー!」

ムーマ母「よかった。今度はうまくいったみたいね」

ムーマ「10個は固いよママ!」

ムーマ母「うふふ……ねぇヤシロ」

ムーマ「むぅ?」モグモグ

ムーマ母「……ママはいつでも待ってるからね。またこのコロッケを食べたくなったら、いつでもいらっしゃい」

ムーマ「……うん!」

サトシ「ハハ、よかったなムーマ」

--------------------------------------------

サトシ「あぁー食った食った」

ムーマ「おなかいっぱいー……」

カキ「まさか二人とも本当に10個平らげるとはな。人ん家なんだからムーマはともかくササトシ、お前は自重しろ」

サトシ「好きなものを好きなだけ食べることの何が悪いの?」キョトン

カキ「お前……」

サトシ「……じゃあムーマ、帰ろうか。博士の家に!」

ムーマ「……」


ムーマ母「ヤシロ、次に会う時までにママはもっと、貴方に好きになってもらえる母親になるよう頑張るから」

ムーマ母「それまでいい子にしてるのよ?約束できる?」

ムーマ「うん……」

ムーマ母「……よし、いい子ね」

サトシ「ではお母さん、オレ達は行きます」

ムーマ母「よろしくね。ムーマとしてウチの子を、どうか」

サトシ「はい!……行こう」

ムーマ「うん!……ママ、わたし、絶対また会いにくるからね!!」

ムーマ母「ふふ、そう言うと思ったわ」

サトシ「さようならー!」


ムーマ「ママ!いってきまーす!」

ムーマ母「えぇ、いってらっしゃい」
 ▼ 265 ンギラス@のんきのおこう 17/08/24 23:35:01 ID:hUezsWpg NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
だからリザードンなのか
弱いリザードンなんていらないをネタにしている奴らに見せたいな
 ▼ 266 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:35:23 ID:2s.lcxUQ [15/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「……行ってしまったね。でもあの子は必ず、また君に会いに戻ってくるさ」

ムーマ母「えぇ。わかってる。あのやんちゃで明るい子がね。だからこそ……」


ムーマ母「だからこそ……」
 ▼ 267 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:36:14 ID:2s.lcxUQ [16/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
,


































 ▼ 268 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:36:54 ID:2s.lcxUQ [17/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



                         ダ


                         カ


                         ラ


                         コ


                         ソ





                         ワ


                         タ


                         シ


                         ハ





 ▼ 269 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:38:42 ID:2s.lcxUQ [18/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次のおはなし(明後日以降更新予定)



第9話(全15話)   「ムーマの夢」※ホラー描写有
 ▼ 270 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:46:33 ID:aB1fgJK. [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リザードン「ヴオォー」バサバサ

ムーマ「うーみーはーひろいーなーおーきーーなーー♪」

サトシ「ムーマーちゃんはー海はすーきーーかなー?♪」

ムーマ「だいすーきーでーすー♪いつかーはーおふねーをーうかばーせーてー♪」

サトシ「いーーってーみたいーのー?よそのーくーにー♪」

カキ「……」

サトシ「カキ、さっきから無表情だけどどうかしたのか?」

カキ「あぁいや、今日は不思議な体験をした日だなと思ってさ」

カキ「サトシ、お前はあんなことを言っていたが、本当に生まれ変わりなんてものを信じられるのか?」

サトシ「……あぁ。だって実際、コイツはポケモンだったんだ。だけどヤシロちゃんの記憶もあった」

サトシ「だからオレはヤシロちゃんがこうしてムーマとして今を生きてるんじゃないかな、って思っただけさ」

カキ「……まぁ真実はどうあれ、あれこれ理屈を並べて話をややこしくするよりはいくらかマシか」

ムーマ「おにーちゃん、今日はたのしかったね!デート」

サトシ「あぁ。そうだな」

ムーマ「赤いお兄ちゃんも!こんなおもしろいデートを考えてくれてありがとう!」

カキ「……フフ、気に入ってもらえたようでよかった。また時間があれば企画したいものだな」


ムーマ「ねぇねぇおにーちゃん、明日は何する?」

サトシ「明日?うーん……まずは朝からスクールだろ?放課後は……帰ったら決めるか」

ムーマ「ねぇ!わたし、またホシちゃん達とあそびたい!」

サトシ「そうだな……カキ、いいか?」

カキ「勿論だ。仲のいい友達ができて、ホシも以前に増して明るくなった気がするんだ」

ムーマ「やったー!わたし、やりたいことがまだいっぱいあるの!」

ムーマ「ポケモンバトルもいっぱいして……ひみつきち作ったり、かくれんぼしたり……」


サトシ「あはは、遊び盛りの子って感じだな」

ムーマ「あとね、あとね、野生のポケモン達とももっとお友達になったりとか……」

ムーマ「それから……」タラー



                         ポ ト ッ
 ▼ 271 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:48:06 ID:aB1fgJK. [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リザードン「?」

サトシ「ムーマ、口から何か出てるぞ。ヨダレか?汚いな……」


サトシ「……」


ムーマ「おにーひゃん……?」


カキ「サトシどうした?ムーマの顔を見て固まってるが」

サトシ「ムーマ……!」


サトシ「ムーマ……これ……          『血』じゃないか!          」


ムーマ「え?」


サトシはムーマの下顎に垂れていた液を指でそっと拭き取ると、サトシの指は鮮やかな赤色に染まっていた。


カキ「血だと?そんなバカな!」

サトシ「本当なんだ!ムーマの口から……」

ムーマ「そんな!わたし、今は体のどこも悪くな……」


ビチャビチャッ……!


サトシ/カキ「「!!」」

ムーマ「う゛……ガフっ!……ヴエェェっ!!」ビチャビチャ

サトシ「ムーマ!!」


堪えていたものをぶちまけるように、ムーマの口から食物混じりの紅い血が噴き出す。

サトシは何度もムーマの名前を呼び続けるが、ムーマは激しく咳込むばかりで状況は変わらない。


サトシ「カキ!どうすれば……」

カキ「ポケモンセンターに急ぐぞ!ここからならメレメレの方が近い!……リザードン!飛ばしてくれ!」

リザードン「グルルルルルォォ!!」
 ▼ 272 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:52:53 ID:aB1fgJK. [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……」

カキ「……そのまま安静にさせておけ。もう少しの辛抱だ」

ムーマ「ZZZ……」

カキ「咳と血は取り敢えず止まったようだな。このまま持ち堪えてくれればいいが……」

サトシ「どうしちまったんだ一体……?」

カキ「サトシ、今は考えるな。とにかくお前はムーマから眼を離すな。お前の妹だろう!?」

サトシ「わかってる。……ムーマ、大丈夫か?大丈夫だよな!?」

ムーマ「ZZZ…………」

ピカチュウ「ピ、ピカ……」

サトシ「こんな時……オレは……」

-----------------------------------------------

カキ「サトシ、やっぱりお前はまだまだだったな。お前がアイツの兄であるなら、最悪の場合を考えてみろ!」

-----------------------------------------------

サトシ「最悪の場合……?」

サトシ「っ!」ズキッ!

ピカチュウ「ピカッ!?」

カキ「サトシ!お前までどうした!?」

サトシ「あ……あぁ……ぅ゛……」ガタガタ

サトシ「何で……何でこんな時に思い出してしまうんだよ!ムーマが……ムーマがもし……」ガタガタ

カキ「サトシ、落ち着け。お前はムーマの兄だろう?」

サトシ「そうだよ!だから思い浮かんだんだ!最悪の場合を!何もかもうまくいかなかったら!ムーマは!!」

カキ(……オレのせいか)

カキ「サトシ、あの時のオレは気が立っていたんだ。サトシ、もう一度言うが今は何も考えるな」

カキ「ただ信じろ。いいな?」

ムーマ「……スー……スー……オニーチャン……」

カキ「……可愛い寝息を立ててるじゃないか。ムーマはきっとまた元気になる」

サトシ「でも、そんな根拠がどこにも……」

カキ「お前はいちいち理由を求めるような人間だったか?いつものお前でいろ。ただ信じて戦うだけの、お前でいろ」

サトシ「カキ……」
 ▼ 273 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:55:09 ID:aB1fgJK. [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ達を乗せたリザードンは全速力でメレメレ島へ向かった。

そのお陰かムーマは直にポケモンセンター・救急処置室に送られ、一命を取り留めた。


-------ポケモンセンター-------


ククイ「ハァ……ハァ……」ガチャッ

ククイ「ジョーイさん!ムーマは!」

ジョーイ「奥の部屋にいます。こちらへ……」


サトシ「…………」

ククイ「サトシ、お疲れ様。お前だけでも無事に帰ってきてよかった」

サトシ「……よくないよ」

ククイ「……ムーマが血を吐いた原因は今調べてもらっているところらしいな。一体何だってんだ?」

サトシ「……ムーマは大丈夫だよ」

ククイ「……」チラッ

カキ「博士、それがサトシです」

ククイ「だな。ならオレもそうする」

ククイ「マオ達は今頃アイナ食堂で打ち上げをやっている頃だろうが……」

カキ「していませんよ。ムーマのことはもう皆に伝えてあります。もうすぐこっちに来るかと」

ククイ「そうか。仕事が早いなカキ」


サトシ「ムーマ、大分きれいな顔になってたな」

カキ「あぁ。血は全部拭き取ってもらったからな」

サトシ「…………」

ククイ「サトシ、外の空気を吸ってきたらどうだ?ムーマのことも心配だが、保護者としてお前のそんな顔は見るに堪えない」

サトシ「……離れちゃダメなんです。オレはムーマのおにーちゃんだから」

ククイ「ふぅ……ここはポケモンセンター、病院だぞ?彼女を助けてくれる人がたくさんいる」

ククイ「オレも辛いんだ。ムーマにもサトシにも、嫌な事は起きてほしくない……」

カキ「サトシ、博士の言う通りだ。あまり博士を困らせるような真似はするな」

カキ「抱え込みすぎるな。お前が落ち込めば次は誰が悲しむ?」

サトシ「ムーマ……」

カキ「そうだ。ムーマが世界で一番大好きなお前がそんな顔をしてちゃ、ムーマも元気になり甲斐がないだろうぜ」
 ▼ 274 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:57:51 ID:aB1fgJK. [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマチャンハココデスカ?         ハイ、コノオクニ……


サトシ「!」

マーマネ「サトシ!ムーマちゃんは?」

サトシ「寝てる」

スイレン「容体は?何も変わりない?」

カキ「今のところはな。帰る途中の発作が一番の峠だった」

ククイ「ん?マーマネ、スイレン、お前ら二人だけか?」

マーマネ「来ます。リーリエは、多分……」

スイレン「マオちゃんは来ないかと。大分ショックを受けてました」

スイレン「彼女、カキからの電話を最初に受け取ったのだけど、受話器に怒鳴ったり叫んだりえらく取り乱して……」

ククイ「カキ、またお前達は喧嘩したのか?」

カキ「……未だに嘘だと思っているのか、彼女はこの一件にまだ向き合おうとしていません。本当に甘いヤツだ」

マーマネ「まぁまぁ……そ、それで今、リーリエが食堂に残ってマオを説得してるんです」

ククイ「そうか。うまく連れて来れるといいな」

スイレン「どうせ嘘だと思っているなら……このままムーマちゃんが元気になって何事もなくなればいいのに……」

サトシ「…………」
 ▼ 275 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:59:28 ID:aB1fgJK. [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ククイ家-------


ロトム「当然のように置いていかれたロト。博士……帰ってくるなりまた出て行くだなんて」

ロトム「えらく焦った様子だったけど結局用件を聞けなかったロト!何故出て行ったんだ博士ェ!」

ロトム「……はぁ、外は曇り空ロト。雨でも降りそう……」


ド シ ャ ア ア ア ア ア ン ! !


ロトム「ひぃぃ!雷ロト!充電中なら僕は終わってたロト!」

ロトム「博士もサトシもムーマちゃんも、みんな無事に帰って来れるロト?」


ド シ ャ ア ア ア ア ア ア ア ン ! !


ロトム「!? い、今、近くの浜辺に雷が落ちたロト!危なっかしくて留守番どころじゃないロト!」

ロトム「ん?雷が落ちた所に何かいるロト。あれは……」

???「!」

ロトム「め、目が合ったロト!間違いないロト!あの姿は……」

ロトム「!?こ、こっちに向かって来……」
 ▼ 276 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 19:01:51 ID:aB1fgJK. [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ポケモンセンター-------


スイレン「サトシ、どこに行くの?」

サトシ「外の空気を吸いに行ってくる。ちょっとは落ち着きたいから」

ククイ「それがいい。検査の結果が出たら呼ぶから、今は何も考えずにいろよ」

サトシ「はい……行くよ、ピカチュウ」

ピカチュウ「ピィ……」

サトシ「どうしたんだ?久しぶりに二人っきりになるのがイヤか?」

ピカチュウ「ピカ!ピカカピ!」

サトシ「……今は何も考えたくないんだ。ましてや同情なんて……」

ピカチュウ「ピカチュ……」


サトシ「スー……ハー……」

ピカチュウ「チャァァ--……」

サトシ「さっきまで晴れてたのにやけに曇ってるな。これはこれから一雨くるよな……」

ピカチュウ「ピィ……ピカッ?」

サトシ「どうした?ピカチュウ」


ビ シ ャ ア ア ア ア ア ア ア ン ! !


サトシ「!! か、雷か……今の見たか?随分近くに落ちたぞ」


サトシ「……ん?なぁ、あそこに何か変なのがいないか?」

ピカチュウ「?」


???「……」


サトシ「小さくてよく見えないけど、何となくこっちを見てるような気がしなくもないような……」

ピカチュウ「ピカピィ」


???「……」


???「コ ケ ェ ェ ェ ェ ー ー ー ッ ! ! !」

ド シ ャ ア ア ア ア ア ア ア ン ! !


サトシ「また同じ所に雷が落ちた!それにさっきの声……『こっちに来い』って……ことなのか?」
 ▼ 277 ュウコン@ふねのチケット 17/08/26 19:21:41 ID:y72fT51U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
自分だけだと思うけど
なんかこのSSのカキが怖い
 ▼ 278 ゴーム@トウガのみ 17/08/27 01:22:51 ID:i8tk0GyE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カプ・コケコ……?
 ▼ 279 ゴーム@ジメンZ 17/08/27 01:23:41 ID:b3sK0UIU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援
 ▼ 280 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 20:40:12 ID:i/NXjoZo [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ピカッ!」

サトシ「あぁ、行ってみよう」

---------------------------------------------

サトシ「……やっぱり、お前だったか」


カプ・コケコ「コォー……」


ロトム「サトシー!助けてロトー!」プラプラ

サトシ「はっ!?ロトム!?何でお前がカプ・コケコと一緒にいるんだよ!?」

ロトム「突然家に押しかけてきて連れ去られたんだロト!」

サトシ「お前……博士の家に行ったのか?よく場所がわかったな」

カプ・コケコ「コケーーッ!」

サトシ「それで?一体何の用だ?」

カプ・コケコ「…………」

プスッ

ロトム「はんっ///」

サトシ「!? お前、ロトムに何して……」

カプ・コケコ「カプォー……」ブブブブ

ロトム「ア゛ア゛ア゛ア゛……ロトム・システムイジョウハッセイ……エラーコード4796-1526……『ポケリンガル』モードキドウ……」

サトシ「な……何が起きてるんだ?」

ピカチュウ「ピィ……」バチバチ


『ちょっと貸してもらうだけさ。いつもお前との掛け合いは気紛れだが、今回ばかりはちょっと大事な用なんでね』


サトシ「!? だ、誰だ!」

『正面正面。さっきからずっとここにいるじゃないのよ』

サトシ「正面? ……!」

『はい気付いたね。どうも、改めて守り神やってますカプ・コケコですよ』

サトシ「ロトム!?お前、どうしたんだその声!?」

『だからカプ・コケコだって言ってんじゃんもう!この機械は今、オレの意思を人間語にする媒体に過ぎないのっ!』

サトシ「えっ、じゃあ……」

カプ・コケコ『んーまぁ……そういうわけだわ。さっきも言ったように大事な用なんで』

カプ・コケコ『ちゃんとした言葉で用件を伝えたかったから借りてるよ、ごめんね』
 ▼ 281 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 20:45:15 ID:i/NXjoZo [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「よ、用件って何だよ?」


カプ・コケコ『今お前が“妹”として可愛がってる、元ポケモンの少女のことについてだ』


サトシ「!? 何でお前がムーマのことを知ってるんだ!?」

カプ・コケコ『守り神は何でも見えるんだよ。ましてや自分が送り込んだ存在くらいはねぇ』

サトシ「な、何だその言い方……まるでお前が……」

カプ・コケコ『あぁ。だってムウマをお前ん家に行かせたのはオレだし。それに……』


カプ・コケコ『ムウマを人間にしたのもオレだ』


サトシ「……!」

ピカチュウ「ピ、ピカァ!?」

カプ・コケコ『ムウマはあの日お前に助けられた。だから恩返しをするべきだと彼女に忠告したんだよ』

カプ・コケコ『最も、ムウマもそれを望んでたワケだから話はスムーズに運んだがな』

サトシ「い、一体どうやってそんなこと」

カプ・コケコ『あぁあぁダメダメ。聞くと思ったわもう。ムウマがどうやって人間になったか知りたいんだろ?』

カプ・コケコ『残念ながらそれは守り神だけの秘密なの。どうしてもというなら“魔法”って便利な言葉で納得しちゃって』

サトシ「はぁ……」

カプ・コケコ『それで?あの娘とは仲良くやれてるの?』

サトシ「それが……」

カプ・コケコ『皆まで言うな。知ってる。だからわざわざお前にこうして話に来てんじゃん』

カプ・コケコ『本当なら今頃ハウオリ霊園のお供え物をガッツきたいところなんだが……』

ピカチュウ「ピィ」ジトー

カプ・コケコ『何!?幻滅したの!?守り神は盗み食いしちゃダメなの!?』

ピカチュウ(ダメに決まってんだろ)

カプ・コケコ『ぁーイラッつく!そういう固定観念とか大っ嫌いなの!ここらの守り神はね、気紛れなの!わかる!?』

ピカチュウ(だからダメに決まってんだろって)

サトシ「カプ・コケコ!」

カプ・コケコ『あー、こりゃ失敬。取り乱したね。えーとまぁその……何だ。ムーマに身の危険が迫ってることは知ってる』

カプ・コケコ『オレはムーマを送り込んだ張本人だからよ。責任を持って、兄として彼女と居てくれるお前と』

カプ・コケコ『こうして話しておきたいと思ったんだよ。真実を』

サトシ「真実?」
 ▼ 282 バルドン@ゴスのみ 17/08/27 20:46:35 ID:i8tk0GyE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>280
デオキシス回懐かしい!
マサトとニャースの好感度が上がったんだよなぁ…

コケコの喋り方に驚いてるよ……
 ▼ 283 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 20:49:51 ID:i/NXjoZo [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カプ・コケコ『お前ももう薄々感づいてるとは思うが……彼女は、あのムウマは……人間の生まれ変わりだ』


サトシ「……そうか」

カプ・コケコ『リアクション薄っ。やっぱりそう思っていたのか。そしてその前世の人間は……』

サトシ「シロガネ・ヤシロ。4年前に父親からの虐待を受けて死んだ女の子」

カプ・コケコ『うむ、ビンゴ。驚いたな……もうそこまで深く干渉してたのか……』


サトシ「じゃあ……ヤシロちゃんをムウマとして生まれ変わらせたのもお前なのか?」

カプ・コケコ『いやいや、それは偶然だよ』

カプ・コケコ『オレは守り神だからね。アローラに生きる魂の軌跡を知ることはできても組み替えることはできない』

サトシ「なぁ、カプ・コケコ。お前はそれをオレに話すためだけに来たのか?」

カプ・コケコ『何を言うか。お前はオレが認めた人間だ』

カプ・コケコ『お前の力になりたいんだよ。この厄介なピンチに何としてもおまえを救いたい……』

サトシ「そうか、ありがとう。……けど、今のオレには何をすればいいのかわからない……」

カプ・コケコ『じゃ、必要な時に呼んでくれるといいさ』

サトシ「……いいのかよ?」

カプ・コケコ『遠慮すんな。お前の信念・闘志・そして強者の素質……オレは認めてんだ』


カプ・コケコ『認めてないのはそれら相応の実力。器は最高級なんだがなぁ……』

サトシ「ほっとけ」

カプ・コケコ『とにかくお前、自分のやるべきことがわかったら呼んでくれ。オレはいつでもお前を、いや……』

カプ・コケコ『お前“達”を見てる。じゃあな、機械はもうちょっと借りるぞ』

サトシ「あ、あぁ!」


サトシ「さぁ、戻ろうかピカチュウ。何だかちょっとだけ胸が軽くなった気がする」

ピカチュウ「ピカ……」
 ▼ 284 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 20:54:57 ID:i/NXjoZo [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ククイ博士!」

ククイ「サトシ、随分長いこと外に行ってたんだな」

サトシ「中々気分が晴れなくて……」

ククイ「ジョーイさんから、ムーマの発作の原因が伝えられた」

サトシ「! い、一体それは……」

ククイ「オピラドン452とカンタスク435……どちらも強力な毒物の名前だ」

サトシ「毒!?」

ククイ「ジョーイさんによれば、その二種は大抵混ぜて一つの毒薬として用いられるらしい」

ククイ「強力な毒素が体に入ると瞬く間に体を蝕み、ある程度の浸食が完了すると大抵の人は多量の血を吐いて即死だそうだ」

サトシ「そっ……!?」

ククイ「服用者が死ぬと役目を終えた毒素は体内から消え、解剖されても検出されることはない」

ククイ「完全犯罪にはこれ以上ない代物なんだそうだ」

サトシ「……!!」

ククイ「だがムーマは生きている。どういうわけか、恐ろしい生命力で持ち堪えたそうだ。彼女は毒に勝ったんだ」

サトシ「そ、そうか……よかった……」

ククイ「何故だろうな……ジョーイさんも不思議に思っていたが、奇跡に近い何かだろうな」

サトシ「博士!オレ、ムーマに会ってきます!」

ククイ「あぁ。病室では静かにな」
 ▼ 285 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 21:00:01 ID:i/NXjoZo [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ムーマ、いるか?」ガラガラ

マーマネ「……サトシ」

スイレン「ムーマちゃんは寝てるよ。……ククイ博士から毒のことは聞いた?」

サトシ「あぁ。でもムーマは毒に勝った。奇跡か何か知らないけど、また元気になったら一緒に遊べるんだ!」

ムーマ「ZZZ……」

サトシ「はは、いい顔で寝てるなぁ……今日も色々あったから疲れてこっちも眠くなっちゃいそうだ……」

カキ「…………」

スイレン「……ぅぅ……」

サトシ「? どうしたんだよみんな?」

マーマネ「サトシ、実はね……」

ガラガラガラ……

ジョーイ「来たわね、サトシ君。ムーマちゃんのことについてなんだけど……」

サトシ「あ、ありがとうございましたジョーイさん。お陰でムーマとまた……」

ジョーイ「サトシ君、話を聞いて!」

ジョーイ「確かに毒は、ムーマちゃんが持ち堪えてくれたお陰で解毒することができたわ。だけど……」

サトシ「……な、何ですか?まだ何か……」


ジョーイ「後遺症までは消すことはできなかったの……」

サトシ「え?」

ジョーイ「サトシ君、もし勇気があるのなら、ムーマちゃんの足を見てちょうだい」

サトシ「?」

カキ「……っ」


サトシはすやすやと寝息を立てるムーマを覆う布団を捲り、彼女の足元を見た。

そこには白いシーツとは対照的に、黒くて細い何かが二本並んで横たわっていた。


サトシ「な、何ですかこれ!?」


ジョーイ「……ムーマちゃんの『足』よ」



                     ムーマちゃんの足は毒でやられて



                       黒ずんでしまったのよ!
 ▼ 286 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 21:02:56 ID:i/NXjoZo [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……え」

カキ「原因は明白だ。オピラドンとカンタスクの服用から発作までの時間は約1時間」

カキ「サトシ、ムーマが血を吐く1時間前、オレ達は何をしていた?言ってみろ」

サトシ「で、でも……そんなのあり得ないぞ!?」

カキ「あり得ないさ。でももうそれしか考えられないだろ!?毒物を口に入れるようなタイミングなんか!」


マーマネ「な、何か心当たりでもあるの?」

カキ「あぁ。信じたくもないことが確信に変わったよ」

サトシ「……でも……でもあの人達はムーマを待ってるって!」

カキ「それも嘘だろうな」

サトシ「そんな……!」


サトシはもう一度変わり果てたムーマの足を見直した。

……見るに堪えなかった。ムーマはもう、歩けそうにもない。


サトシ「ムーマは……ムーマの夢は……オレの見た世界を見に行くことだったんだぞ……」

サトシ「自分のこの足で世界を旅することだったんだぞ!?こんな……こんなことが……」

マーマネ「サトシ?」

サトシ「ムーマが一体何をしたって言うんだよ!!一体どこの誰にムーマの夢を奪っていい権利なんかあるんだよ!!」


ムーマ「ZZZ……おにー……ちゃん……」

サトシ「……許さない」

マーマネ「ちょ、ちょっと待って!さっきから二人の話について行けてないよ!」

マーマネ「そのムーマちゃんに毒を盛った夫婦って、一体誰なの?」

カキ「シロガネ・ヤシロちゃんの母親と、その夫だ」

マーマネ「ヤシロちゃん?」

カキ「4年前に父親からの虐待が原因で亡くなった、ムーマそっくりの女の子さ」

マーマネ「そっくりの……」

スイレン「……まだわからない。虐待したということはきっと親がそのヤシロちゃんって子を憎んでいたから」

スイレン「ムーマちゃんがこんな目に遭う理由がない!」


サトシ「ムーマは……ヤシロちゃんの生まれ変わりなんだ」
 ▼ 287 ルケニオン@カメックスナイト 17/08/27 21:03:14 ID:op2bVj.M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>283
こけこの目ってよく見ると
ドラゴンタイプの技マシンに似てるな
 ▼ 288 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 21:05:15 ID:i/NXjoZo [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「!」

サトシ「嘘みたいな話だろ?」

カキ「おいサトシ、それは単なる推測じゃ……」

サトシ「さっき聞いたんだ。カプ・コケコから」

マーマネ「カプ・コケコ!?サトシ、また会ったの!?」

カキ「……詳しく聞かせてくれ」

-------------------------------------

マーマネ「……そんなことが……ダメだ。やっぱり頭がついていけない……」

カキ「生まれ変わって閉じ込められていたムーマの前世の記憶が、ヤシロちゃんの家のある町に近づくことで呼び覚まされた」

カキ「……ということか」

サトシ「あぁ。やっぱりムーマはヤシロちゃんだったんだ」

スイレン「じゃあその夫婦はそのことを知ってて?」

カキ「……ムーマの記憶がヤシロちゃんのそれと一致したことで確信したんだろうな」

カキ「そして今度こそ、自分達が憎んでいたムーマ……ヤシロちゃんを殺そうと……」

サトシ「ムーマの全てをカプ・コケコから聞いた。でも……それでも……理由がわからない」

サトシ「どうしてあの両親はムーマを殺したかったんだ!?わからない!オレには!」


ムーマ「ZZZ……おにーちゃん……またおさんぽいこ……?」


サトシ「ぐっ……」

カキ「サトシ、お前の話、もう博士には?」

サトシ「まだしてない」

カキ「オレから話しても問題無いか?」

サトシ「好きにしてくれ。オレはもう行くから」

カキ「行く?」

サトシ「……」ガタッ

スイレン「サトシ、どこに行くの?」

サトシ「          もう一度両親に会ってくる          」
 ▼ 289 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 21:07:03 ID:i/NXjoZo [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マーマネ「今から!?気持ちはわかるけどサトシはまだムーマちゃんの傍にいてあげた方が……」

サトシ「いや、今行く」

カキ「……見たくないんだろう?想像したくもないんだろ?この足をムーマ自身が見た時に、どれだけ悲しむかなんて」

サトシ「……あぁ」

カキ「ムーマの……ヤシロちゃんの両親がどうしてこんなことをしたのかはわからない」

サトシ「だから理由を聞きに行くんじゃないか」

カキ「ムーマの悲しみをお前が受け止めてからでも遅くないだろう?……逃げるな」

スイレン「カ、カキ……確かにムーマちゃんにとってはその方がいいかもしれないけど……」

カキ「けど、何だ?」

スイレン「そ、それは……」

カキ「サトシ、何もこの現実をお前一人で受け止めろとは言ってない。オレ達もここに残るさ」

カキ「オレ達も……ムーマの兄ちゃんなんだからな」
 ▼ 290 アームド@アクセサリーいれ 17/08/27 22:49:08 ID:FUNkN2Tc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コロッケか…
 ▼ 291 ニョニョ@ジメンZ 17/08/28 03:56:22 ID:XFvfqf1k [1/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
他のが食べられなくなるくらいおいしいコロッケって死んで食べられなくなるかな?パピーが入れたと思ったけどこれは母が言ったから母率あるかもムーマが甘いって言ってたコロッケは毒入ってた?つまりサトシはムーマに毒入りコロッケを食べさせたこれ母か父がサトシが殺したって言い訳で言いそう
 ▼ 292 マザラシ@ありふれたいし 17/08/28 03:56:58 ID:XFvfqf1k [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
外れてたら恥ずかしいなぁ
 ▼ 293 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 19:31:01 ID:2sJKbQaw [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>291
ヒント:毒に関してはコロッケを一口食べた時点でアウトなので実際はサトシのせいではない
両親それぞれの主張は後々あるのでお楽しみに……





-------深夜1時-------


ムーマの目覚めを待つだけの病室での数時間。

サトシはムーマの足をもう一度布団の下へ戻し、時々彼女の胸を軽く叩きながら枕元を離れなかった。


スイレン「……ん」ウトウト

カキ「眠いか?」

スイレン「大丈夫。もう少しだけ……」

カキ「今日は疲れただろうからな。無理するな。ムーマが起きたら教えてやる」

マーマネ「ぬぬ……」ウトウト


サトシ「結局、マオ達来なかったな」

ククイ「一応パパさんと連絡は取ってみたが……マオの奴、頑なに家を出ようとしないそうだ」

カキ「皆こうして待ってるってのに……ムーマが皆の妹だと言い出したのを最初に受け入れたのはマオだってのに……」

カキ「結局はその言葉に振り回されて、自分は逃げて……あいつ自身が一番、ムーマのことを想っちゃいなかったんだ」

ククイ「おいカキ、何も彼女はそんなつもりで……まぁいい。もしもの時はまたオレが何とかするよ」

ガラガラガラ……

ジョーイ「ククイ博士!……お電話です。アイナ食堂さんから……」

ククイ「えっ……」

---------------------------------------

カキ「何の電話だったんです?」

ククイ「リーリエがこっちに来たいそうだ。それで彼女と合流してくれ、と」

カキ「これでとうとう残るはマオ一人になったわけだ」

サトシ「博士……」

ククイ「オレが行く。サトシとカキは引き続きムーマを見ていてくれ」

サトシ「……はい」
 ▼ 294 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 19:33:04 ID:2sJKbQaw [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「ZZZ……」

スイレン「ZZZ……」

マーマネ「ZZZ……」

カキ「どうしたサトシ。難しい顔をしてるが考え事か?」

サトシ「ん?いや……何でもない。ただ、ムーマにかけてあげる言葉が見つからなくて」

カキ「……まだ信じられないよな」

サトシ「あぁ。今からでも会いに行って問い詰めたい……けどやっぱりそれじゃダメだよな」

サトシ「一番辛いのはムーマなんだ。どうせ聞くなら彼女自身の耳元で吐かせてやりたいよ」

カキ「悲しむだろうな。どんな答えであれ」

サトシ「…………」


ムーマ「ZZZ……んむ」

サトシ/カキ「「!」」


ムーマ「おにーちゃん……?」

サトシ「……お、おはようムーマ」

ムーマ「まだ夜だけどね」

サトシ「あはは……何か、欲しいものはない?」

ムーマ「うん!わたし今おなかペコペコなの!」グイッ


ムーマ「……あれ、起き上がれない」


ムーマ「よいしょっ、よいしょっ、……あれれ?」

サトシ「…………」

ムーマ「おにーちゃん……泣いてるの?」


ムーマが目覚めた。彼女の悲しみをもう、正面から受け止めるしかない。


サトシ「ムーマ、驚かないでくれ。……いや、驚いてもいい。オ、オレが……うけ、受け受け止めてや……」


口元が震えすぎてまともに声も出ない。それでもサトシはムーマの布団を躊躇わずにサッとどけた。


ムーマ「何これ?……炭?」

サトシ「お前の……あ、足だ。お前が血を吐いてから毒が回って、それで……」
 ▼ 295 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 19:34:08 ID:2sJKbQaw [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それだけ言うと同時にサトシもムーマから眼を逸らした。

しかし、もう逃げられない。顔を背けるとすぐに、悲痛な声が耳に入ってくる。

ムーマの涙は枯れるまで止まらず、泣き声は近くの病室にも響き渡った。

真夜中の病室に響き渡る泣き声はきっと、ヤシロちゃんの両親の耳を痛めていた夜泣きと同じもの……


ムーマ「うわあああああん!!」

サトシ「……ムーマ!……大丈夫、いっぱい泣いて! おにーちゃんがついてる!」

ピカチュウ「……」

サトシ「ムーマ……ごめん……ごめんね……」


サトシはただ黙って泣き叫ぶムーマの顔を胸板に押しつけるようにして抱きしめる。それしかできなかった。

サトシが説明するまでもなくムーマは理解していた。だからムーマは泣き続けた。

ムーマは知ってしまった。自分の足はもう動かないことも。自分の夢を……叶えられなくなってしまったことも。

サトシはムーマの悲しみを受け止め続けた。シャツが涙でビシャビシャに濡れていく。
 ▼ 296 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 19:36:15 ID:2sJKbQaw [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガラガラガラッ!

トレーナーA「ちょっと!誰だよここの病室に元気なガキを連れ込んでるのは!ここはポケモンセンター、病院だぞ!」

トレーナーB「隣で休んでるウチのポケモンも休めやしねぇ。公共の場で迷惑をかけるくらいなら出てってくれ!」

カキ「元気なものか!ムーマは苦しんでるんだ。それもわからないで……」

サトシ「カキ! ……ご、ごめんなさい。すぐに大人しくなるので……」

トレーナーA「すぐに大人しくならねぇからこうして出てきてんだろうが!何とかしやがれ!」


子供「あっ、お母さん!あの子の足、真っ黒だよ!どうして?」

サトシ「っ!?」

トレーナーA「本当だ。何かの病気か?炭みたいにゴツゴツしてやがる」

母親「まぁ……!きっと何か悪いことをしたんでしょうね。あなたも大人に嫌がらせをしたらあぁなるのよ」

ムーマ「……?」ピタッ

子供「そうなの?お母さん」

カキ「おいそこのババァ!根拠のない言い掛かりはやめろ!」

母親「バッ……!?子供のくせになんて口を聞くの、このクロンボ!」

トレーナーB「よしなよ奥さん。……おいそこのお兄ちゃん、……君だよ君。ガキを抱っこしてる兄ちゃんだよ」

サトシ「な、何ですか?」

トレーナーB「……お前さぁ、その黒い足のガキの兄貴か?」

サトシ「そ、そうですけど……」

トレーナーB「親は?」

サトシ「はか……お父さんならまだこっちに帰って来そうにはありませんが」

トレーナーB「帰って来たら言ってくれるか?『他の病室の患者やポケモン、その家族に土下座して回れ』って」

サトシ「!」

トレーナーB「子の責任は親の責任って言うだろ?こんな碌でもないガキを育ててしまったことを詫びるんだよ」

スイレン「そ、そんなことできない!」

トレーナーA「お前にゃ聞いてねぇよブス!……おい兄貴、もちろんお前も謝りに行けよ」

トレーナーA「迷惑を掛けるってのはそういうことだ。誠意を見せない限りはオレ達は許す気はねぇ」

マーマネ「ムーマちゃんが貴方達に何したって言うんですか!」

母親「まだわからないの!?……ダメだわ。ここにいる子供達、みんな頭がおかしいわ!」
 ▼ 297 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 19:38:21 ID:2sJKbQaw [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジョーイ「皆様ど、どうされましたか!?」ガラッ

トレーナーA「おい看護婦!今すぐこのガキ共を摘み出せ!」

トレーナーB「その前に土下座をさせろ!コイツらに恥をかかせなきゃ気が済まねぇ」

ジョーイ「い、一体何が……」

------------------------------------------

ジョーイ「そうでしたか……ですがこの女の子はしばらく入院が必要で」

トレーナーA「あの足を見てまだ入院が必要だってのか!?治しようもねぇ、とっくに壊死しちまってんだろ!」

サトシ「……!」

ムーマ「……」

トレーナーA「病院ならあんな足さっさと切り落とすぐらいのことはできるだろ!?」

トレーナーB「ここにはどんなに重くても、辛くても、治るかもしれない病気やケガと戦ってる人やポケモンが大勢いる」

トレーナーB「他人の迷惑も省みないようなヤツはさっさと出てってほしいんだよ!」

カキ「今のムーマにだって必要だ!」

母親「治る可能性の無い半死人には病院なんていらないのよ!」

ムーマ「!」

サトシ「ムーマ!……何も聞くな」


こうしてしばらく、サトシ達は降り注ぐ罵倒雑言に必死で耐えた。

サトシはムーマの耳を塞ぎながらただただ黙って文句が止むのを待った。


……騒ぎはククイ博士が戻って来る前に院長の仲裁により収まり、博士がリーリエを連れて病室に戻って来ると

心がボロボロになり項垂れているサトシ達の姿があった。ムーマは泣き止み、代わりにスイレンとマーマネが泣き出していた。
 ▼ 298 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 22:05:08 ID:2sJKbQaw [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「こ、これはどうしたことだ?」

カキ「安心してください。ククイ博士の名前は出しませんでした」

スイレン「だけど……この病室を出なければいけなくなりました」

ククイ「な、何だと!?」

マーマネ「ムーマちゃんを車椅子に乗せて朝までに退院しろって……」

リーリエ「そんな……でもそれではムーマちゃんは」

サトシ「問題ないってさ。足以外、今のムーマは至って元気だから」


ムーマ「……白いお姉ちゃん、これ、わたしの足」バサッ

リーリエ「……!」

サトシ「おいっ!」

ムーマ「これでいいのおにーちゃん。だってこの足、わたしが悪いせいなんでしょ?」

サトシ「な、何を……」

ムーマ「わたし、ずっとずっとみんなに迷惑かけてばっかりだから、だからこうなったんでしょ?」

サトシ「お前が誰に迷惑を掛けたって言うんだよ!」

ムーマ「パパとママに」

サトシ「違う!!」

ムーマ「わたし、あのおじさんのお話こっそり聞いてたの。わたしがやんちゃばかりしてたからわたし、パパに殺された」

サトシ「違う!ヤシロちゃんは……ううん、お前は自分らしく生きてただけだ!それなのにお前のお父さんは勝手に殺した!」

ムーマ「きっとママだってまだわたしをうらんでる。ママはわたしの大好きな人だけど、きっと……」

サトシ「!? ムーマ……お前……」
 ▼ 299 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 22:07:16 ID:2sJKbQaw [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
----------------------------------------

数時間前-------


カキ「サトシ、ムーマに毒を仕込んだのはムーマの母親かその旦那で間違いないことは、彼女には秘密にしておこう」

サトシ「……あぁ。ムーマが世界で一番大好きな人だもんな。アイツだってきっとそんなの信じない……」

----------------------------------------

サトシ「…………」

サトシ「そ、そんなことはないよ。だってムーマのお母さんは優し……」


ムーマ「わたし何となくだけどわかってるよ。わたしの足がこうなったの、今日のごはんのせいだって」

サトシ「!!」

カキ「気付いていたのか……?」

ムーマ「おにーちゃん、わたしもう足のことはあきらめる」

リーリエ「ムーマちゃん!?……一体何を言って……」


ムーマ「だから動けないわたしのかわりにあやまってきて!わたしのママに!」


サトシ「謝る?」


ムーマ「迷惑かけてごめんなさい。だからもうこれ以上イジワルしないでって」

ムーマ「わたしの大好きなおにーちゃんをもうこれ以上悲しませないでってあやまってきて!」


カキ「ムーマ、何でお前が謝らなきゃいけないんだよ!?悪いのは……ムーマの足をそんなにしたのは全部……」

サトシ「……わかった」

カキ「サトシ、お前!もうあの母親の家に行くつもりか!?」

サトシ「ムーマの気持ちを伝えなきゃいけないんだ」

カキ「お前……ムーマがそれで報われるはずがないことぐらい知ってるハズ……」

サトシ「カキ……」ヒソヒソ

カキ「! ……そういうことか」

マーマネ「?」

カキ「その代わりムーマが納得できるような結果を出してこい。いいな?」

サトシ「あぁ」
 ▼ 300 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 22:08:55 ID:2sJKbQaw [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「おにーちゃん!」

サトシ「ムーマ、いってきます」

ピカチュウ「ピカッ!」

ムーマ「……いってらっしゃい!」

-------------------------------------------

リーリエ「行っちゃった……でも、サトシがムーマちゃんを殺しかけた人達に謝りに行くなんて到底思えません」

カキ「……博士」

ククイ「あぁ。オレはちょっとサトシを追いかけてくるよ。皆、オレが戻ってきたら準備をするようにな」

リーリエ「準備とは?」

カキ「決まってるだろ。ムーマを連れてこの病室を出るんだ」

リーリエ「ほ、本当に出るんですか!?ムーマちゃんの足のことは何も解決できてないのに!」

カキ「解決のしようが無いじゃないか!……もうムーマは自分の足で歩くことはできないんだ」

ムーマ「?? 青いお姉ちゃーん、耳から手どけてよ、聞こえないよー」

スイレン「カキ、これ以上言わないであげて。一番辛いのはムーマちゃんだから」

カキ「……あぁそうだな。悪い」

マーマネ「でも、病室を出たら次はどこに行けば?」

カキ「アイナ食堂に行こう。そろそろアイツにも現実を見せてやらなきゃな」

マーマネ「や、やっぱり……?でもこれからマオもムーマちゃんと付き合っていく上じゃ避けては通れないもんね……」

カキ「そうさ。 ムーマ、マお姉ちゃんにも早く会いたいだろ?」

ムーマ「うん。……だけどこの足を見たら、何て思うかな……」

スイレン「カキ、ムーマちゃんを幼く見すぎ。彼女だってマオちゃんのこと心配してる」

カキ「……ハァ、そうかい。どうも過保護が染みついちまってな」

マーマネ「博士はサトシを追いかけに行ったけど、あのままサトシについていくのかな?」

カキ「それもいいかもしれないな。博士もまた、ムーマを一番近くで見てきた人のうちの一人だ」
 ▼ 301 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 22:12:54 ID:2sJKbQaw [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……」


ククイ「サトシ!待ってくれ!」

サトシ「! 博士!」

ククイ「お前、ムーマのお母さんに謝りに行くなんてのは嘘なんだろ?」
サトシ「えっ?」

ククイ「お前はカキだけに言ったつもりだろうが、オレにもわかる」

ククイ「その眼、その眉、その握り拳……どこからどう見ても謝りに行く人の姿ではないだろ」

サトシ「うん……バレてたか」

ククイ「お前はムーマを殺そうとした両親を絶対に許さない。だがそれはオレも一緒さ」

ククイ「オレも力になろう。大人の話には大人のオレが関わるべきだ」

サトシ「いいよ博士。オレ一人で行くんだ」

ククイ「な、何を勝手な!迷子探しの時とはワケが違うんだぞ」

サトシ「わかってる。けどオレはもう決めたんだよ!あの人達に謝る以外の方法でムーマも納得がいく結果を出してくるって!」

サトシ「ムーマはそれを求めてないけど……けどムーマにとって必要なことなんだ!」

サトシ「オレはムーマに欲しいものを与えてるだけじゃダメなんだよ!オレはムーマのおにーちゃんだから!」

>>103

ククイ「……! だ、だがオレにもムーマの保護者としての責任が……」

サトシ「博士!責任ならオレも感じてる。スイレンに言われたあの日から、オレはムーマにしてやれることをずっと考えてた」

サトシ「できるなら今日、その答えを出したいんだ!オレはムーマのためにやれるべきことをやりたい!」

ククイ「……熱いな。さすがはポケモンマスターなんて大層で大胆な夢を掲げるだけのことはある」

ククイ「いいよ。これ以上の口論はお互いにとって面倒なことになりそうだもんな」

サトシ「博士! ありがとう!……オレ、絶対に答えを見つけて帰って来るから!」


ククイ「だが待て!オレからも一つ言わせてくれ」

サトシ「?」

ククイ「サトシ、お前は冒険の旅に慣れてるせいか、他人に頼ることに消極的になっていないか?」

サトシ「え?……いや、そんなこと」

ククイ「サトシ、こいつを持っていけ」ポイッ

サトシ「お、おおっと!」パシッ

ククイ「通信機だ。オレがマーマネからプレゼントに貰ったんだが使い時が無くてな。ボタンを押せば簡単に繋がる」
 ▼ 302 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 22:14:32 ID:2sJKbQaw [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「一人で戦うんだと思うな。大人の力ってのはスゴイんだぞ」

ククイ「『サトシの事はどうぞよろしく』ってママさんからも頼まれてることだしな」


サトシ「博士……」

ククイ「(^_-)-☆」

サトシ「オレは一人で戦うなんて思ったことはないよ。旅の中だっていつも仲間が……」

ククイ「わかって無さそうだったから言ってやったんだろうが。素直に受け取れぃ」ワシャワシャ

サトシ「いでででででで!!」



ククイ「……行ってこい。サトシ」

サトシ「……はい!」



ポケモンセンターを後にするサトシ。その小さく、だけど大きな背中をククイ博士は誇らしげに見守る。

外へ出たサトシは真っ直ぐに、『彼』との約束の場所に向かった。


空は曇り。風はやや激しい。妹のために、やるべきことをやるために、兄は天を仰いで叫ぶ。




サトシ「……来たぜ」




サトシ「          カ プ ・ コ ケ コ ー ー ー ー ー ッ ! !          」







ド  シ  ャ  ア  ア  ア  ア  ア  ア  ア  ア  ン  !  !
 ▼ 303 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/28 22:16:09 ID:2sJKbQaw [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第10話(全15話)   「DECISION」
 ▼ 304 マクロー@だいちのプレート 17/08/29 00:23:07 ID:IxljP7Ak NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 305 ノガッサ@ノーマルZ 17/08/29 00:24:02 ID:0rq0WOMY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!!
 ▼ 306 ャオニクス@カビゴンZ 17/08/29 00:50:42 ID:VveeIFz2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一気にここまで読んでしまった
すごく引き込まれる
支援
 ▼ 307 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 22:53:26 ID:hpOG.OQw [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……くっ、また派手な登場しやがって」

カプ・コケコ『遅ぇよ!どんだけ待ったと思ってんの!』

サトシ「……2時間くらい?」

カプ・コケコ『違ぇよ!お前の体内時計は百均製か!』

サトシ「じゃあ5時間半くらいか」

カプ・コケコ『あぁもう正解……とにかく準備はできたんだな?』

サトシ「未だに信じられないよ。守り神であるお前がオレに力を貸してくれるなんて」

カプ・コケコ『まぁー、気紛れだかんね。一人間に肩入れするくらいわけないさ』

サトシ「じゃあ頼む!アーカラ島のオハナタウンまで!」

カプ・コケコ『まぁ気紛れってことはアレだ。お前を輸送中に海へ突き落すことも理論上ありえるわけで……』

サトシ「急いでるんだ!早くしなくちゃ!」

カプ・コケコ『あぁもうこの子は……わかった。じゃあ右肩にお乗りよ。左は今日調子悪いの』

サトシ「ロトム持ってるからでしょーが。 ピカチュウ、準備はいい?」

ピカチュウ「ピカァ!」
 ▼ 308 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 22:54:18 ID:hpOG.OQw [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キーーーン……


カキ「あれは……カプ・コケコ……!?」

ククイ「サトシめ。メレメレ島の守り神をすっかり手懐けてやがる」

カキ「神聖な守り神をタクシー代わりに……」

ククイ「サトシにとってポケモンはみんな友達であり家族。公の常識なんか通用しないさ」

ククイ「カキ、ムーマはまだサトシが母親達に謝りに行ったと思っているようだな」

カキ「はい」

ククイ「まぁ、それでいいんだがな。ムーマにとってあの母親はサトシと同じ、『世界で一番大好きな人』だ」

ククイ「そんな彼女をムーマは悪く思いたくない。ムーマは自分が母親を嫌いになるのを恐れてる」

ククイ「きっとサトシもそれをわかってるんだろうな」

カキ「あのサトシがそんな難しいこと考えますかね」

ククイ「不器用だが誰よりも優しいのがサトシだ」

カキ「まぁ……それもそうか」

ククイ「さぁカキ、マオに会いに行く準備をしよう」

カキ「えぇ。ムーマも会いたがっていますし、早いとこ行きましょう」
 ▼ 309 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 22:55:34 ID:hpOG.OQw [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------メレメレ島→アーカラ島-------


カプ・コケコ『いぃいぃいぃやっほぉぉぉぉ!!』

サトシ「何でお前MAXハイテンションなんだよ!?」

カプ・コケコ『気紛れとはいえ、他の島に足を運ぶのは久しぶりなんでな』

カプ・コケコ『……で、どこに降ろせばいい?』

サトシ「その時言うよ。オハナタウンの風景は覚えてるから」


カプ・コケコ『…………』

サトシ「な、何だよ?」

カプ・コケコ『……いや、今はいい。どちらにしろ、まだお前の気が済まないだろうからな』

サトシ「?」

カプ・コケコ『お前の気が済むまで、その母親をコテンパンにすりゃいいさ』

-----------------------------------------

サトシ「あっ、あそこだ!あの辺りの住宅街がそうだ!」

カプ・コケコ『もう!?我ながら随分速い移動だったのね。……んじゃ、ちょっと荒っぽくいくぞ』

サトシ「OK!」
 ▼ 310 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 22:58:20 ID:hpOG.OQw [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------オハナタウン-------


通行人A「なぁ、昨日この辺に出た幽霊の話、知ってるか?」

通行人B「知ってるぞ。数年前この町で起きた虐待事件の女の子の霊が昨日の夕方に出たってヤツだろ?」

通行人A「何で夕方に出るんだろうな?幽霊なら今みたいな真夜中に出そうなものを」

通行人B「変わり者の幽霊だったんじゃないの?間違いなく普通ではないよね」

通行人A「ま、そうなんだけどもさ…… ん?おい、あれ……何だ?」

通行人B「ん?」

通行人A「ほら、あの空に浮いてる変なヤツだよ」

通行人B「ホントだ!何だあれ!? ……UFO……なわけないよな」

通行人A「やべぇよ、とりあえず撮って拡散しようぜ」

通行人B「あぁ。……ってあの物体、何かバチバチしてないか?」

通行人A「そういえば、今日は雷がよく鳴る日だから気を付けろって予報が出てたっけ」

通行人B「お、おい!それよりあれ、何かこっちに向かって来……」


少年の怒りは閃光となって空を裂き、叫びは轟音となって地を揺らす。

決して許してはいけない存在に、天罰を与えにきたことを知らせるように。






                                 ズ


                                 ド


                                 ォ


                                 ォ


                                 ォ

                                 ・

                                 ・

                                 ・

                                 ン
 ▼ 311 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 23:00:12 ID:hpOG.OQw [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
午前3時25分 サトシ、アーカラ島上陸。


サトシ「……着いた」

カプ・コケコ『じゃあ、オレはしばらくどこかに籠ってる。あまり人目につきたくないものでね』

サトシ「あぁ。ありがとう……じゃあ行こうかピカチュウ」

ピカチュウ「ピィ……」

サトシ「お前もありがとう。ゴメンね、こんなに難しいことに付き合わせて」

ピカチュウ「ピカッ!ピカァ!」

サトシ「……今更か。お前はいつでもオレの隣にいてくれたからね……今度も同じだね」


通行人A「な、何が起こったんだ?っていうか、オレ達は何を見たんだ……?」

通行人B「雷が落ちたところから急に子供が現れて……しかも一緒に降りてきたポケモンは……」

通行人A「メレメレ島の守り神のはずのカプ・コケコ。どうしてこのアーカラ島に?アイツらの間にどんな繋がりが?」

通行人B「わからない……守り神はいつも気紛れだから」

通行人A「おい、あの子供、住宅街の方に向かっていくぞ」


通行人B「とにかくこれ以上関わるのはヤバそうだぜ。さっさとずらかるぞ」



---------------------------------------------
----------------------------

サトシ「……ここだ。この家だ」

ピカチュウ「……」

サトシ「ごめんくださーい!ムー……ヤシロちゃんを預からせていただいてます、サトシって言います!」ドンドン

ガチャッ!

ムーマ父「君か!今何時だと思ってる!挨拶に来てくれたのだろうが少しは常識を弁えたらどうだい?」


サトシ「……それがムーマをあんな目に遭わせた人の言葉ですか?」

ムーマ父「えっ?」

サトシ「知ってるんだ!アンタ達がムーマを殺そうとしたって!答えろ!どうしてムーマを……」
 ▼ 312 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 23:03:29 ID:hpOG.OQw [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「……おいおい、これは」

ムーマ父「何かのドッキリか?だとしたら縁起でもない事を言うんじゃない。君がそんなに常識の無い奴だとは思わなかった」

ムーマ父「ヤシロちゃんは大事な僕らの家族だ。僕は彼女をあまり知らないけど、実の親のように大切にしたいと思ってる!」

サトシ「知らばっくれるな!全部わかってるんだよ!いいからムーマの母さんを出せ!話がしたいんだ!」

ムーマ父「帰れ!僕も妻も、君のような常識の無い餓鬼の口をまともに聞けるほどの腐った耳は持っちゃいないんだ!」

サトシ「夕べの食事に、ムーマの分だけ毒を盛った。オピラドンとカンタスクって毒を!違うか!」

ムーマ父「帰れと言ってるんだ!……ついでにヤシロちゃんを返しにこい」

ムーマ父「君のようなヤツと一緒にいると、彼女の将来に関わるからな」

サトシ「!」

ムーマ父「これは決定事項だ。親である僕が決めたんだからな」

サトシ「……お前なんか」

ムーマ父「?」

サトシ「お前なんか親じゃない!ムーマから夢も笑顔も奪ってしまうお前なんか!!」

ムーマ父「……君はさっきから一体何を……」

サトシ「いいからムーマの母さんに会わせろ!アンタらは一体何の為に……」

ムーマ父「冗談はその馬鹿みたいに腑抜けた顔だけにしてくれないか」

サトシ「……っ!?」

ムーマ父「もういい加減にしろ。僕の前に二度と姿を見せるな!」


バタンッ!


サトシ「待て!!ムーマから……ムーマから何もかも返せーーーーっ!!」ドンドンドン!

ピカチュウ「ピ、ピカチューーー!」

サトシ「っ! ……ごめん、取り乱した」

サトシ「結果を急ぎ過ぎたよ。頭に血が上って、何も考えることができなかった」

ピカチュウ「ピカ……」
 ▼ 313 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 23:05:23 ID:hpOG.OQw [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤシロちゃんの両親の住む家を離れ、宛もなく町を彷徨う。

しばらく歩くと小雨がぽつぽつと降り始める。サトシは通りかかった公園の遊具に腰かけ、俯く。


サトシ「ピカチュウ……オレってダメな兄ちゃんだよな。何もムーマにしてやれない」

ピカチュウ「ピ、ピカピカ!」

サトシ「ムーマには謝ってくれって言われたのに、オレのせいで逆に怒らせちゃった」

ピカチュウ「ピカ、ピカチュウ!」

サトシ「違う!オレは何もしていない!焦ってただけなんだよ!ムーマが求めること以外のことをしてやろうって!」

サトシ「……その結果がこれだ。このままじゃムーマはもうオレと一緒にいられなくなる」

サトシ「あの家にムーマが暮らすことになれば、今度こそムーマは……」

ピカチュウ「……」

サトシ「何で……何であの二人はムーマを……」

ピカチュウ「……!」

ゴソゴソゴソ……

サトシ「? ピカチュウ、いきなりリュックを漁り出してどうしたんだ?」

ピカチュウ「ピカッ!」⊃◎◎◎⊂

サトシ「それはオレの……モンスターボール……」

ピカチュウ「ピッカァ!」バッ!


モクロー「もっふぅ!」

イワンコ「わんっ!」

ニャビー「にゃう!」


サトシ「……モクロー、イワンコ、ニャビー……」

ピカチュウ「ピカッ!」

サトシ「……気持ちは嬉しいけど、今回ばかりはお前達にできることなんて……」
 ▼ 314 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 23:07:02 ID:hpOG.OQw [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ヂャアアアア!!」バリバリバリ

サトシ「熱っ゛!危ねぇな!何すんだ!」

ピカチュウ「ピカ、ピカチュウ!」

サトシ「……そりゃ、お前達もあの両親を許せないだろうさ。でも……」

モクロー「もふ!もふぅ!」

サトシ「大好きな人のために何もできないなんて嫌だ。オレ達も一緒だ……そう言いたいのか?」

イワンコ「わん!」

サトシ「へへ、そうか……忘れてたよ。ムーマの家族は、オレと博士だけじゃないよな」

ニャビー「に゛ゃっ!」ヒノコ

サトシ「熱っつ゛あぁあぁあぁ!忘れててすんませんでしたァーーーっ!!」

ピカチュウ「……」


サトシ「こんなとこで立ち止まってるわけにはいかない!」

サトシ「もう一度行こうみんな!今度はしくじったりしない!もう一人で突っ走ったりしないよ!」

ピカチュウ「ピカァ!」

サトシ「そうと決まれば……」

-------------------------------------

ククイ「一人で戦うんだと思うな。大人の力ってのはスゴイんだぞ」

--------------------------------------

サトシ「オレは一人じゃない……できることは全部やってやる!」ピポパ

サトシ「えーっと連絡先は……これだ!」

○マーマネ家
○ククイ博士宅
○ポケモンスクール
○アイナ食堂
○マラサダショップ
●ポケモンセンター・メレメレ支部
 ▼ 315 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 23:08:29 ID:hpOG.OQw [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「もしもし?」

ジョーイ『あらサトシ君? ククイ博士ならたった今病院を出たわよ』

サトシ「えっ!?……しまった。入れ違いか……」

ジョーイ『ムーマちゃんの足は切りたくないって、すぐに車椅子を受け取って出て行ったわ』

ジョーイ『これからみんなでアイナ食堂へ行くらしいわね。それで?博士にご用なら私が伝えておくけど』

サトシ「あぁいえ!いいんです」

ジョーイ『そう。自分で伝えるならそれでいいけど。……ねぇサトシ君』

サトシ「はい?」

ジョーイ『ククイ博士から貴方のことは聞いたわ。全部大人に任せればいいものの、ホント無茶するのね』

サトシ「オレはムーマの兄なんです。じっと見てるだけなんて耐えられません」

ジョーイ『……そう。頼もしいのね。貴方のようなお兄さんを持って、ムーマちゃんも幸せね』

サトシ「……///」

ジョーイ『だけど同時にハラハラするでしょうね』

ジョーイ『サトシ君。貴方のムーマちゃんを想うその気持ち、空回りしてはいないかしら?』

サトシ「はは……ついさっき思い知らされました」

ジョーイ『貴方がするべきことは理由を聞く以外にもあるハズよ。よく探してみて』


-----------------------------------------
-------------------------------

サトシ「オレがやるべきこと、か……」

ピカチュウ「ピカピィ?」

サトシ「まぁ、とにかく今は冷静になってもう一度あの家に行けるようにしよう」

サトシ「手段ならある。……大人には大人の力で対抗するんだ」ピポパ
 ▼ 316 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 23:13:50 ID:hpOG.OQw [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオパパ『ハイ、アイナ食堂です……って、こんな時間に掛けてくるのは一人しかいないね』

サトシ「マオのパパさんですか?マオのクラスメイトのサトシです」

マオパパ『……ムーマちゃんの事はお気の毒だったね』

サトシ「あの、マオはまだ……」

マオパパ『まだだねぇ……僕が博士から聞いた事実は全て話してあるものの、その度に嘘だ嘘だと泣き喚くばかり。でも本当は』

マオパパ『あの子ももう気付いてるらしい。ムーマちゃんの身に起きた事は本当だって。だから余計に立ち直れないのか……』

サトシ「そうですか。けど、きっと博士達が何とかしてくれますよね?」

マオパパ『そうだね。それよりも……』


マオパパ『何やら雨音がするが、今どこにいるんだい?博士から聞いたが、君は確かムーマちゃんの両親の家に……』

サトシ「アハハ、一度追い返されました。何も考えられずにちょっと熱くなってしまって……」

マオパパ『そうか……ということは、また家に行くんだね?』

サトシ「えぇ。でも少しだけ、力をお借りしたいんですが……」

マオパパ『ふむ。マオが世話になってるからね。君にはできるだけのことはするよ』

サトシ「ククイ博士に、オハナタウンから一番近い交番に連絡をしてほしいんです。だから博士がそちらに来たら伝言をと」

マオパパ『そんなことか!それなら僕からその交番に連絡をしてあげよう!』

サトシ「えっ?でも……」

マオパパ『気にするな!この一件の大方のことは博士からバッチリ聞いているのでね』

マオパパ『すぐにでも通報して、両親をとっ捕まえるように頼んでおいてやるさ』

サトシ「あ、ありがとうございます。ただ……警察には、交番にオレが来るまで待ってくれるようにしてもらえませんか?」

マオパパ『何故だ?家宅捜索なり何なりして毒物が見つかれば手っ取り早いじゃないか』


サトシ「……オレ、もう一度あの両親に会いたいんです」

マオパパ『ムーマちゃんに毒を盛った理由を直接聞く為か?』

サトシ「それもあるけれど……聞きたいんです。あの人達にとって、ムーマ……いや、ヤシロちゃんが何なのか」

マオパパ『ふむー……それじゃあ君は警察と一緒に両親の家へ押しかけるというのかね?』

サトシ「……はい」

マオパパ『まぁ、警察の人達が一緒なら心配はあるまい。わかった。君の言う通りにしよう』
 ▼ 317 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 23:16:53 ID:hpOG.OQw [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオパパ『君は交番に向かってくれ。場所は町角の地図でわかるね』

サトシ「はい。ありがとうござ……」

マオパパ『!? マオ……一体どこから聞いてたんだ?』

サトシ「! パパさん、そこにマオがいるんですか!?」

マオパパ『あぁ、泣き疲れたのかもう随分眼を真っ赤にし……あっ、おい!』

マオ『電話代わったよサトシ!今どこにいるの!?』

サトシ「マオ……辛い話だけど、パパさんがお前に話してくれたことは全部本当で……」

マオ『そんなの知ってるよ!どこにいるのかって聞いてるの!』

マオ『さっきのお父さんの話からして、やっぱりその両親の家に行こうとしてるの!?』

サトシ「……うん」


マオ『うんって、その人達はムーマちゃんを殺そうとしたんでしょ?』

サトシ「あぁ。そうだ」

マオ『あぁそうだって……サトシ、まだわからないの!?』

サトシ「?」

マオ『その人達はムーマちゃんを傷つけた……だけど、次に狙われるのはサトシかもしれないんだよ!!?』

サトシ「……そうか。そう考えてみれば結構危なっかしいことやってたんだな」

マオ『……っ』

サトシ「でも大丈夫。次は警察の人達と一緒に行くんだ。オレには大人の味方がたくさん……」

マオ『            そういう問題じゃない!!!            』

サトシ「マオ……?」

マオ『さっきから聞いてりゃ、サトシが行く理由がどこにもない。大人達に頼めば済む話』

マオ『どうして自分の身に何が起こるかを考えようとしないの!?どうして自分を大事にしないの!!?』

サトシ「そ、それは……オレがあの人達の……」

マオ『博士も博士だよ。どうして自分のことも大切にできない、こんなバカを放っておくのよ……』

サトシ「博士はオレの気持ちを汲んでくれたんだ。それにオレは何も考えてないわけじゃないさ」

サトシ「オレは一人で戦ってるんじゃないんだもの。今も、今までも」

マオ『…………』

マオ『……あたしはただ……サトシが心配で……』
 ▼ 318 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/29 23:18:50 ID:hpOG.OQw [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「心配してくれてありがとう。マオは優しいんだね」

マオ『な!?何よ他人事みたいに!』

サトシ「マオの優しさは博士やカキとは違う優しさだ。……大丈夫だよ。オレは」

マオ『……保証は?』

サトシ「……どこにもないけど」


サトシ「もうすぐそっちにムーマがやってくる。どうか彼女には『両親に謝りに行った』って嘘をつき通してくれないか?」

マオ『そんな……サトシはこれからどうするの?』

サトシ「ムーマのためになるように、決着をつけてくる!」

マオ『どうやって?』

サトシ「これから考える。……でも、絶対にムーマを悲しませない方法を考えるんだ」

マオ『ハハ……これ以上何を言っても無駄みたいだね。あたし、またサトシのことを知っちゃったかも』

サトシ「おっ!?今ちょっと笑ったか?」

マオ『笑うしかないじゃん……ホント、サトシと話してると悩みとか心配事とか色々どうでもよくなっちゃうよね』

マオ『まるで太陽みたい。サトシはあたし達にとっての太陽だね』

サトシ「太陽か……うむ、悪い気はしないよ///」

マオ『ホント不思議だよ。サトシと一緒なら自然と笑顔になれるもの。大体は根本的な解決にはならないのに』

サトシ「黙らっしゃい」

マオ『じゃあ、頑張ってね。サトシらしく、何事もなかったかのように無事に帰ってきてね』



サトシ「あぁ、いってきます、『マお姉ちゃん』!」

マオ『いってらっしゃい、“おにーちゃん”!』



----------------------------------------------

ピカチュウ「ピカ?ピカチュ」

サトシ「もう大丈夫。さぁ、交番に行こう!」


近くの交番は町の南。サトシはリュックから傘を取り出し、ただ真っ直ぐに歩き出す。

4匹のポケモンを傘の下に集め、オハナの町を背中を濡らしながら歩く。

時刻は4時50分。空は明るみ、灰色になった空からは未だ雨が降り続いている。
 ▼ 319 トデマン@タウンマップ 17/08/29 23:36:57 ID:0rq0WOMY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です!
 ▼ 320 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 09:59:31 ID:A4HeHmoc [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ここだ……到着!」


-------アーカラ島 4番道路交番-------


サトシ「ごめんください!」

ジュンサー「あら、アローラ。サトシ君……だっけ。メレメレ島のアイナ食堂ってお店のご主人から話は聞いてるよ」

ジュンサー「それにこの間の貴方の活躍もメレメレ島のジュンサーから聞いてる。大したものね」

サトシ「そ、それよりもこれからのことを……」

ジュンサー「焦らない。ここまで来るのに疲れたでしょう。少し休んだら?」

サトシ「そういうわけには!」

ジュンサー「ちょっと新入り、この子にコーヒーを……あ、パイルジュースの方がいいよね」

警官B「では、両方のビンをお持ちしますので少々……」

---------------------------------------

サトシ「グビグビグビグビ」

ジュンサー「よっぽどノド渇いてたのね。やっぱり疲れてるんじゃないの?」

サトシ「急がなきゃいけないんです!だってこの場であの夫婦の家を知ってるのはオレだけなんですから」

ジュンサー「あら。家なら既に特定してあるわ。オハナタウン住宅街のシロガネさんとこところでしょ?」

ジュンサー「ついさっき私の部下が張り込みのために近所へ向かったわ。すれ違わなかったかしら?」

サトシ(そっか、博士……ムーマのことをカキから聞いたんだ)

ジュンサー「それにしても……こうもうまく重なるものなのね。悲劇も偶然も」

サトシ「……」

ジュンサー「俄かには信じ難いような話ばかり聞かされたわ」

サトシ「ありがとうございますジュンサーさん……嘘みたいな話を信じてくれて」

ジュンサー「ムーマちゃんが被害を受けたのは事実だしね。それに犯人もほとんど割れてるということは……」

ジュンサー「警察としては、やることは一つよ」

サトシ「ですよね……じゃあジュンサーさん!そろそろ……」

ジュンサー「その疲れた体じゃダーメ!急に倒れて迷惑掛けたくないでしょ?今は大人に任せてゆっくり休みなさい」

ピカチュウ「ピカピカ」

サトシ「えぇ……はい。わかりました」
 ▼ 321 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 10:04:28 ID:A4HeHmoc [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------2時間後-------


サトシ「んむ……」

ジュンサー「あら、ずいぶんと早いお目覚めね。貴方のお友達はまだぐっすりだって言うのに」

モクロー「ZZZ……」

ジュンサー「あの夫婦に何かしらの動きがあれば部下からの連絡が来るはずよ」

サトシ「オレはもう大丈夫です!早く行きましょう!」

ジュンサー「やれやれ。ネマシュの胞子で無理矢理寝かしつけただけだってのになんて回復力なの?」

ネマシュ「むゅ……」

ジュンサー「OK。じゃあ張り込みチームと合流しましょうか」

サトシ「はい!」

ジュンサー「というわけで向こうに行くわ」

警官B「やはりその子供は連れて行くんですね」

ジュンサー「あの腕のZリング……あの子はきっともしもの時でも何とかできる力を持っているハズよ」

警官B「もしもの時……ですか」ゴクリ

ジュンサー「えぇ。何でもあの夫婦、旦那さんの方は昔……」
 ▼ 322 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 10:06:40 ID:A4HeHmoc [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------夫婦の家 付近-------


ジュンサー「待たせたわね。みんな」

サトシ「よ、よろしくお願いします」

警官C「今の状況ですが……時刻は7時を回ってなお、二人とも家から出る気配はありません」

警官D「家の中でも特に変わった行動は無し」

警官E「……しかしやはり全貌を見ることはできないので……やはり乗り込みましょうか?」

ジュンサー「いいえ。どちらかが外に出るまで待って」

警官C「台所が見えないのが痛いなぁ……毒物があるとすればそこだろうに」

サトシ「あ、あの、オレは早く両親にムーマのことについて聞きたいんですが」

警官D「オレだってそうしたいが上司の命令は絶対だ。君も捜査に協力するなら今はあのおばさんの言うことを聞いてな」

ジュンサー「」

ドカッ!         ボゴッ!

警官D「あ、あの゛お姉ざんは優゛しい人だから不安なら゛話じ相手に゛な゛っでもらうといい゛」ボッコボコ

サトシ「もう十分ですよ……いつでも準備はできてます」

警官E「その気概はいいがもう少し忍耐を……あっ!」

ジュンサー「どうしたの?」

警官E「二人が玄関に移動しました!おそらく外出かと……」

サトシ「ジュンサーさん!」

ジュンサー「えぇ行きましょう!張り込みチーム、あんた達も1人だけ残してついてきて!」

----------------------------------------

ムーマ父「じゃあ行ってくるからね。はぁ……雨の出勤は憂鬱だよ」

ムーマ母「大丈夫?さっきはあんなことあったけど」

ムーマ父「どうかな……全く、乱暴なガキだったよ。でもそのお陰で今すぐヤシロちゃんと暮らせるようになったんだ」

ムーマ母「フフ……そうね」
 ▼ 323 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 10:14:01 ID:A4HeHmoc [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュンサー「おはようございます。シロガネさんですね?」


ムーマ父「えぇそうですが……」

ジュンサー「警察です。午前4時14分頃の通報により、家宅捜索させていただきます」

ムーマ母「はっ……?」

ジュンサー「6歳の女の子が毒を盛られた事件について、貴方達に傷害及び殺人未遂の疑いがかかっています」

ムーマ母「ど、毒ですか!?ひょっとしてヤシロが!?」

ムーマ父「チッ、あのガキか……」

ジュンサー「その『ガキ』も、今回の捜査で同行していただいています」

サトシ「……」

ムーマ父「な、何!?」

警官C「おい、行くぞ!」

ムーマ母「い、一体何故!?ちょっとやめてください!訴えますよ!?」

警官D「あなた方のお仕事に差支えのないようすぐに終わらせます。あなた方が犯人じゃなかったらね」

ムーマ父「こ、これはどういうことだ……?」

ジュンサー「どういうことも何も、これは貴方達が起こした事件。貴方達が一番状況を理解しているハズでは?」

ムーマ父「な、何だよ毒って!確かに昨日の夕食にはそこのガキと6歳の子供がいたが……」

ジュンサー「……一度私達も家に入りましょう」

サトシ「えぇ」

ムーマ父(違うんだ!本当に……何が何だかわからないんだよ!)

---------------------------------------

警官C「毒薬の名前は『ランペード545S112C55』で間違いないな」

警官D「オピラドン452とカンタスク435を同時配合している薬品はその一種だけらしいからな」

ムーマ母「あの、証拠はあるんですか?私が彼女に毒を盛ったなんて証拠が!」

警官C「その証拠を今探してるんじゃないすか。あまり狼狽えると余計怪しく見えますよ」

ムーマ母「……!わ、私は何も知りません!あったとしても私はそんなの覚えが……」

警官C「おい、台所は引き出しだけじゃなくて床下の収納庫も探せよ」

警官D「あぁ」

ムーマ母「話を聞いてください!!」
 ▼ 324 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 10:18:15 ID:A4HeHmoc [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「…………」

ジュンサー「本当に……何もご存知無いというのですか?」

ジュンサー「ランペードという毒薬は、ウラウラ島の無法地帯で密売されていた毒薬」

ジュンサー「『毒薬と知らずに間違って買った』なんて冗談は通用しませんのでご理解を」

ムーマ父「だから知らねぇっつってんだろ!!」


サトシ「ならせめて……あなたにとってヤシロちゃんとは何かを聞かせてもらえませんか?」ポチッ

ムーマ父「……血は繋がっていなくとも、彼女は守るべき大事な家族だと思ってる」

ムーマ父「だから今朝のように冗談を言いにきたお前の顔なんか見たくないと言ったんだ!」

ジュンサー「ただの冗談に警察がここまで協力すると思いますか?」

ムーマ父「……」

ジュンサー「警察と……アローラに暮らす住民の皆様との団結力、舐めてもらってはこまります」

ムーマ父「ほ、本当に……知らない……わからない……理解できないっつってんだよ……」

ムーマ父「……ヤシロちゃんがそんな目に遭う意味も……何もかも……!」ポロポロ

サトシ「ジュンサーさん……」ヒソヒソ

ジュンサー「えぇ。彼はひょっとして……本当に何も知らない可能性があるわ。だとしたら……」ヒソヒソ
 ▼ 325 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 10:19:09 ID:A4HeHmoc [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ母「か、返してください!!」


サトシ/ジュンサー「「!?」」

警官C「部長!ランペードが床下の収納庫の奥から発見されました!それもフタの栓が開いている。間違いありません!!」

ムーマ父「そ……んな……」

サトシ「ということは……」

ムーマ父「違う!本当に僕は知らない!僕はそんな毒薬を買うほど恨んでいる人なんかいないよ!」

ジュンサー「二人とも、旦那の方を取り押さえて!サトシ君、今度はムーマちゃんの母親に聞くわよ!」

ムーマ母「うわァァァァァ!返して!返してください!!それは知人から何も知らされず譲り受けたもので……」

ジュンサー「お母さん、まずは一度私どものお話を……」

ムーマ母「返せぇぇぇぇ!!」

ジュンサー「わっ!?」


サトシ「ピカチュウ、『10まんボルト』!」

ピカチュウ「チャアアアア!!」ババババ


ムーマ母「あ゛う゛っ!?」

ジュンサー「……さぁ、部屋を移動しましょう」

ムーマ母「……ぐぅ」
 ▼ 326 カブ@むしのジュエル 17/08/31 21:26:49 ID:rtuDctQI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
母さん(笑)……
 ▼ 327 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 22:21:22 ID:A4HeHmoc [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ヤシロちゃんの部屋-------


ムーマ母「ここは……ヤシロの部屋です」

ジュンサー「子供部屋にしては随分殺風景ですね」

サトシ「ねぇお母さん、やっぱりアンタはムーマを……」

ムーマ母「ヤシロがいた頃は貧しかったの!だから欲しいものも碌に買ってあげられなくて……」

サトシ「? でも男の人は言ってました。家族は不自由なく暮らしていたって……」

ジュンサー「サトシ君、その話を詳しく聞かせて!」

ムーマ母「やめてサトシ君!今更昔の話をしてどうなるの!」

ジュンサー「お母さん……もう諦めてください。毒薬は既に使用済み。毒薬とムーマちゃんの発作の特徴の一致」

ジュンサー「及びムーマちゃんからの毒物の検出。さらに通報した方の証言、重なる偶然……」

ジュンサー「そして何より……貴方達のその狼狽えよう」

ムーマ母「だから私はそれを毒薬と知らず……」

ジュンサー「知らず、何かもわからないビンに入った薬を大事な子供に与えますか?」


ジュンサー「それも……貴方のことが『世界で一番大好きな』子供に」


ムーマ母「……フフッ」

ムーマ母「サトシ君だっけ?貴方、ムーマのことは好き?」

サトシ「当たり前だ!だからこんなことをしたお前達を……」




ムーマ母「私は          大 っ 嫌 い よ          」




サトシ「……そうか」

ムーマ母「驚かないのね。余程私を疑ってたのね。失礼な子だわ」

ムーマ母「でも私がやったのは事実。大嫌いなあの子がいつかまた我が家に来るのを止めさせる為にね」

ムーマ母「でもまさか生きてたなんて……運の良いこと。いや、楽に死ねなくなって寧ろ悪いのかしら?」

サトシ「ムーマはアンタのことが好きで好きで仕方無かったんだぞ!いつも優しかったハズのアンタがどうして!」

ムーマ母「好きになるのはあの子の勝手でしょ!?それに私は、あの子に優しくしてあげたことなんて一度も無いから!」
 ▼ 328 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 22:28:31 ID:A4HeHmoc [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
----------------------------------------

ムーマ「ママ……ほんとに……ママ……?」

ムーマ母「……そうよ!貴方のママよ!貴方が世界で一番好きだったママよ!」

ムーマ母「貴方がお父さんにいじめられていても何もできなかったママよ……本当に……ごめんなさい……」

----------------------------------------

ムーマ母「何も『できなかった』んじゃなくて『しなかった』だけよ。あのバカ娘は最後まで勘違いしてたけど」

サトシ「何もしないフリして、ムーマの親父と組んでたってことかよ」

ムーマ母「あら、私はあの夫も嫌いだったわよ」

ムーマ母「一応プロポーズは必死な所もあって私も根負けしてそれを受けたけど、誰に好かれるのよあんな冴えない男」

ムーマ母「それに私は後悔してたのよ。だって、あの人と結婚する前から私が想っていた人がいたんですもの」

ムーマ母「それが今の夫。幼馴染の彼はとっても優しくて、誠実で……今の生活はとても幸せなのよ」

サトシ「何が言いたい?」

ムーマ母「その幸せを手に入れるために私は耐えていたのよ!」

ムーマ母「私の中では所詮『2番目』の夫と、ハタ迷惑なでき損ないの娘から抜け出して」

ムーマ母「今のように新しい夫と幸せな生活を送りたかった!その為に必死で我慢したのよ!」

サトシ「な……!」

ムーマ母「そしたら私の思い通り、ヤシロは死に、二番目男も捕まって私一人になった!自由になった!」

ムーマ母「何もかも取っ払って、今の夫と幸せに暮らしていたのに……アンタ達の邪魔が入った!私達を引き裂こうと!」

サトシ「ふざけんな!それじゃ……お前は自分の幸せだけの為に虐待を受けてたムーマを見殺しにしたのか!?」

ムーマ母「もうあんな暮らしはウンザリだったのよ!私の幸せはあそこには無かった!」

サトシ「子供の事を考えない親なんかどこにいるんだ!!」

ムーマ母「あんなのは私の子じゃない!私の手に負えない子供なんか私が知るもんか!」

サトシ「それも受け入れるのがアンタら母親だろ!」


ムーマ母「          黙     れ     !!!          」


サトシ「!」
 ▼ 329 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 22:31:56 ID:A4HeHmoc [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>328の画像  生みの親×  生みの父◎





ムーマ母「……アンタ、まだ子供を持ったことがないからそんなことが言えるのよ」

ムーマ母「子供が問題を起こせば、周りの人間は口を揃えてこう言うわ。『子供の責任は親の責任』」

ムーマ母「……冗談じゃないわよ。私も人間よ?痛みも、苦しみも、憂鬱も、色々背負わなくちゃいけない人間よ?」

ムーマ母「それなのに……どうして当たり前のように他人の肩代わりをしなくちゃいけないの……?」

サトシ「他人じゃないだろ!ヤシロちゃんはアンタの子供だろ!」

ムーマ母「他人よ!私はどうして私以外の人間の過ちの後始末を毎日のようにしなきゃならないのよ!?」

ジュンサー「親になるというのはそういったことを覚悟の上でだと思いますが」

ムーマ母「何?子供のしたことは全部親のせいになるの?それって理不尽じゃない?」

ジュンサー「そ、そういうことでは……」

ムーマ母「そういうことじゃないのよ!」

ジュンサー「なら何故貴方は親になったのです!」

ムーマ母「あんなでき損ないの問題児は望んでなかった!私は『普通の子』が欲しかったのよ!」


サトシ「望んだ子が生まれてくることなんてあるもんか!」

ムーマ母「私だってできることはしたわ!ヤシロがまともな子になれるような教育をした!」

ムーマ母「けどダメだった!あの子は変わらなかった!手が付けられないほどのバカ娘になってしまった!」

ムーマ母「私も夫もただただ『普通の子』が欲しかっただけなのに!彼女は何もわかってくれなかった!!」

ムーマ母「あの子が普通に育って、普通に友達を作って、そんな未来を望んでいたのに……」

サトシ「……んか」

ムーマ母「え?」



サトシ「          『普通の子』なんてこの世にいるもんか!!          」



サトシ「人もポケモンも、『普通』に生きてる命なんてこの世界にはただの一つもない!!」

サトシ「良いものも悪いものも、みんな違ったものを持ってる。自分が自分らしく生きるためにさ」

ムーマ母「何ですって……?」

ジュンサー「シロガネさん。ヤシロちゃんの未来を奪ったのは貴方達です……ムーマちゃんの夢も」

ジュンサー「もう諦めてください。そして心を入れ替え、貴方以外の幸せの為にも生きる人に、どうかなってください」
 ▼ 330 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 22:35:45 ID:A4HeHmoc [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュンサー「貴方の幸せを犠牲にしろとは言っていません。他の人が幸せになることで、貴方にもきっと……」


ムーマ母「納得いかない」

サトシ「!?」

ムーマ母「確かにこの世は『普通』の命なんて無いかもしれない。だけどそれがこの世に害のあるものなら排除されるべき」

ムーマ母「私達に対するあの日々の世間の目は冷たかった。あの子のせいで誰も私達なんていなけりゃいいと思ってた」

ムーマ母「ジュンサーさん。警察もその害ある命を排除する役目を担う機関の一つでしょう?」

ジュンサー「警察は殺し屋ではありません。住民の生活を守るためにあるのです」

ムーマ母「そう……まぁ、貴方達の言う通り子の責任は親の責任と言うのなら」

ムーマ母「この世の害になりかねないあの子を、親である私達が責任持って処分したってことで分かってもらえるかしら?」


サトシ「……そうやって命の価値を勝手に決める奴らをオレは見たことがある」

ムーマ母「?」

サトシ「お前は、ムーマがまた迷惑をかけると思ったからあんな目に遭わせたんだろ?」

サトシ「ムーマがまたお前を苦しませる原因になると思ったからあんな目に遭わせたんだろ?」

ムーマ母「そうね。けどあの子はそれだけの事をしたわ」

サトシ「してない!アンタが今も変わらずヤシロちゃんを愛してやれば違ったハズだ!」

ムーマ母「根拠は!?何も知らない奴がそんなことを言わないで!」

サトシ「知ってるさ!どんな荒くれ者でも、気の難しいヤツでも、真正面からぶつかればいつかは変わるんだよ!」

ムーマ母「変わらない子だっているわ!そんな子供達の為にどうして自分の人生を賭ける必要があるの!?」

サトシ「自分の為だ!!自分が愛してもらう為だ!!」

ムーマ母「いらない!私はあんな子はもういらない!!これからもずっと私の邪魔にしかならないヤツなんか!!」

サトシ「でもムーマには未来があるんだよ!!」

サトシ「一生懸命生きていたのに、大好きだったお前に愛してもらえずに殺されたヤシロちゃんの思いを受け継いだ!」

サトシ「それにムーマはオレに夢を教えてくれたんだ。オレの世界を見るって夢だ。……嬉しかった」

ムーマ母「何が言いたいの……?」
 ▼ 331 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 22:37:58 ID:A4HeHmoc [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……それをお前は奪った!ムーマの夢を、オレの幸せとムーマの明日ごと奪ったんだ!」


ムーマ母「あんな子に明日なんて必要ないわ!誰かを苦しませることしかできない命の明日なんて!」


サトシ「だから命の価値を決めるなって言ってんだろ!お前が見放そうが、ムーマはオレ達の大事な妹なんだ!」




サトシ「……やっぱりお前は、奴らにそっくりだ」


サトシ「ムーマは今は悲しんでるけど、きっと明日からまた新しい夢について考え始めるかもしれない」


サトシ「明日にはまた皆と一緒に笑って過ごせるかもしれない。明日にはまたオレと色々な所へ行きたくなるかもしれない」


サトシ「……明日にはお前を許してくれるかもしれない。生きてる限りムーマはムーマにしかできないことをたくさんするんだよ」




サトシ「          お前にムーマの『明日』を奪っていい理由がどこにあるんだよ!!!          」
 ▼ 332 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 23:47:19 ID:A4HeHmoc [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ母「……フフ、そうね。無いわね。だけど私だって下手をすればあの子に明日を奪われていたかもしれない」

ムーマ母「『私はアンタを絶対に許さない』……そうあの子に伝えてくれるかしら?」
サトシ「…………」

ジュンサー「サトシ君……」



サトシ「          ……だそうだぜ。ムーマ          」



ムーマ母「!?」

ムーマ『ママ!今の話、ホントなの!?』

ムーマ母「!!? ど、どうして!?どうしてヤシロの声がするのよ!?」

ジュンサー「サトシ君、その通信機は!」

サトシ「ククイ博士から借りたものです。ムーマにはあの母親の本心を伝えたくて」

ジュンサー「いつから通話のスイッチを?」

サトシ「旦那さんの話を聞いてる最中です」>>324

サトシ「ムーマには謝って来いとだけ言われたんですけど……やっぱり我慢できませんでした」

サトシ「こんなヤツにオレもムーマも、どうして謝る必要があるんです!」

ムーマ母「……なるほど。誰も私の気持ちを汲もうとしないってのね。なら私にも考えがあるわ」ダッ

ジュンサー「ま、待ちなさい!どこにいくの!」

ムーマ母「西の、池がある広場!サトシ君、ジュンサーさん!こうなったら力づくで潰してやる!」

ジュンサー「サトシ君、私があの女を追うわ。警察は絶対に逃走者を逃がさない!」

サトシ「は、はい!」
 ▼ 333 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 23:49:12 ID:A4HeHmoc [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ『サトシ!まだそこにいるのか?』

サトシ「えっ、あぁ……うん。今ジュンサーさんが母親を追いかけてったよ」

ククイ『そうか……お前が無事でよかった』

サトシ「博士ごめん、急に巻き込んで……」

ククイ『お前からいきなり着信が入って、出たらお前が誰かと話してる最中だったから何だと思えば……』

マーマネ『サトシ!聞こえる?サトシと母親の話の一部始終、聞かせてもらったよ!』

マーマネ『いやぁ〜、決まってたねサトシ!カッコよかったよ』

スイレン『通信機を盗聴器代わりにするなんて、良い意味でサトシらしくない発想』

サトシ「あはは……ありがとう」

ククイ『サトシ、よく頑張ったな。後の事は警察に任せてお前は早く帰ってくるんだ。ムーマも心配してるぞ』

ムーマ『…………』

マーマネ『ムーマちゃん?どうしたの?君もサトシに言葉を送ってあげなくちゃ』

ムーマ『          おにーちゃんのバカ!!           』

サトシ「!? ……ムーマ」

ムーマ『どうして……わたしはママに謝りに行ってって言ったよね?』

ムーマ『どうしておにーちゃんは怒ってばかりだったの?どうしてごめんなさいが言えなかったの!?』

リーリエ『ムーマちゃん……もうわかったでしょう?あれが貴方のママの本音』

リーリエ『辛いけど子供の事を考えない親だっているの。おにーちゃんはね、それを貴方に聞かせたくて通信機を……』

サトシ「……ムーマ、まだだよ」

ムーマ『えっ?』

サトシ「……ムーマ、それにみんなも聞いてくれ!」

サトシ「     まだオレの仕事は終わってないんだ!     」

ククイ『なっ……!?サトシ、一体どういうことだ!?』

サトシ「さっきあの母親は、オレ達を力づくで潰すと言ってたんだ」

サトシ「追い詰められたアイツはきっと焦ってる。強いポケモンを使ってオレ達だけでも力でねじ伏せるつもりだ」

ククイ『……あの母親とバトルをするのか?』

サトシ「あぁ。ムーマの為でもあるから」
 ▼ 334 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 23:50:13 ID:A4HeHmoc [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ『まったくお前と言うヤツは……』

スイレン『サトシ、みんなあなたのことを心配してる。お願いだから博士の言う通りに……』

カキ『サトシ、行くならなるべく早く決着をつけてこい』

スイレン『カキ!?』

カキ『心配せずとも勝負は見えてる。サトシはポケモンマスターになる男なんだ』

マーマネ『んな根拠のないこと……』

カキ『サトシの覚悟の強さはオレも知ってる』

カキ『思い通りにならないだけで守るべきものを切り捨てるようなヤツが、サトシに敵うわけがないだろう』

サトシ「カキ……」

カキ『サトシ、オレから言うことはもう何もない。この後どうするべきか、もう考えてあるんだろ?』

サトシ「……あぁ。実はちょっとな」

カキ『そうか……なら頼んだぞ』

サトシ「うん。……じゃあみんな、また後で!」

マオ『ま、待って!』

サトシ「! マオ、ムーマの足……もう見たんだな」

マオ『うん。でももう逃げないよ。あれだけサトシに言われたもん』

サトシ「そっか。それがいいよ。それよりもみんなにはちゃんと謝ったのか?」

マオ『う、うん……何とか』

マーマネ『マオってば、カキがあんまりしつこく迫るから言いたくても言いにくかったんだよね』

カキ『ふんっ』ボコォ

マーマネ『ひでぶ』

サトシ「アハハ……じゃあ、もう行くね」


マオ『ね、ねぇ!あの……』

サトシ「?」

マオ『か、帰ったらサトシの好きな物用意して待ってるからさ!何かリクエストとか……ない?』

サトシ「ん?あぁ……何でもいいよ……コロッケ以外なら」

マオ『そ、そう……だよね。わかった!じゃあおまかせで……』

ムーマ『はいはい!マお姉ちゃん!わたしはコロッケが食べたい!』
 ▼ 335 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 23:53:01 ID:A4HeHmoc [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ『!?』

サトシ「ムーマ?」

ムーマ『おにーちゃんも食べたいよね?ね?』

サトシ「いや……その……」

ムーマ『……おにーちゃん、コロッケきらいになっちゃったの?わたしのせいで……』

サトシ「! い、いや、ムーマのせいじゃないよ。でも……」

ムーマ『食べようよ!おにーちゃん!』

サトシ「…………」

ククイ『サトシ、ムーマはお前と同じがいいんだよ。ムーマの夢はお前の世界を見ること、だったよな』

サトシ「博士?」

ククイ『お前が気に入ったもの、お前の大好きなものを同じように好きになること』

ククイ『それがムーマにとってどれだけ大事なものか知らないわけじゃないだろう?』

サトシ「大好きなもの……コロッケと……ポケモンバトルと……」

ククイ『あるな。色々』

サトシ「博士、ムーマ……オレ……」

グ ォ ォ ォ ォ ォ … … !

マオ『な、何今の音!?サトシ、そっちで何があったの!?』


サトシ「          腹……減ってきた          」


ド ン ガ ラ ガ ッ シ ャ ー ー ー … … ン ! !


サトシ「ど、どうしたんだ今の音!?そっちで何が!?」

カキ『うるせぇ!一斉にズッコケただけだ!』

マーマネ『やっぱコロッケ諦めきれてないんじゃん!』

スイレン『状況が状況なだけに紛らわしい!』

リーリエ『あははは!!よかった!!いつものサトシですね!!あはははは!!』

マオ『あははは!!わさびシュー食わすぞ!!あははは!!』

サトシ「そ、そういや夕べから碌に食べてなかったっけ……」

ククイ『……決まりだな。じゃあサトシ、改めて頑張ってこい!』


ムーマ『おにーちゃん!いってらっしゃい!』

サトシ「あぁ。……いってきます」
 ▼ 336 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/31 23:54:30 ID:A4HeHmoc [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第11話(全15話)   「これがオレ達『だけ』のゼンリョクだ!!」
 ▼ 337 レユータン@アイスメモリ 17/09/01 03:41:20 ID:K7Igkn8U NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーマ母が糞なのは勿論だけど病院でのトレーナー達の
言動を見るとこのssでのアローラ住民は糞野郎が多いように思えるな
 ▼ 338 ノアラシ@ピンクのバンダナ 17/09/01 03:56:49 ID:L1fue5aM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なぜか、ムーマの母親を見てルザミーネを思い出した…

今日からの話も楽しみだ!
 ▼ 339 グロコ@エドマのみ 17/09/01 10:00:12 ID:ZILB8fKg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>337一応トレーナーの言ってることは正論な訳だし現実的っちゃあ現実的じゃね?他ssが平和過ぎるんだよ
 ▼ 340 ダツボミ@サイキックメモリ 17/09/02 19:33:17 ID:FauEhMJk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>339
いや普通は仮に思っても本人がいる前で口に出さないと思う
まあ変わり者で一人ぐらい口に出す奴がいるかもしれないが
他は止めにはいるか関わらないように黙ってるかだと思うよ
 ▼ 341 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 20:17:56 ID:twSIUKnM [1/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
2日間PC使えませんでした!スミマセン

>>337
ムーマ母もトレーナー達も、元を辿れば後ろ髪噛まれて社長にチクった例の男も一応は全員ムーマちゃんの被害者
彼らの印象が糞野郎なのは、加害者であるムーマちゃんへの対処がヒドすぎたからですね
病院の件りは、被害者と呼ばれる人達は悪い目に遭えばその大元に好き勝手して許されるほど偉い奴なのか?というお話でした
長文失礼m(__)m








-------オハナタウン 西の広場-------


ジュンサー「……嘘」

ムーマ母「あら、もう降参かしら?部長さんがこんなんじゃここいらの警察のレベルも高が知れてるわね」

ムーマ母「まぁ、貴方が敵わないのはシンオウ地方のポケモンリーグでベスト4の経験をもつ」

ムーマ母「旦那のポケモンが強すぎるってこともあるんだけど」

ジュンサー「……黙りなさい!警察は絶対に容疑者……いや、犯人を逃しはしません!」ダッ!

ムーマ母「!?」

ジュンサー「シロガネ・カエラ、貴方を逮捕します!」

ムーマ母「……ドンカラス!『ふいうち』!」

バ シ ッ !

ジュンサー「あ゛ぅっ……」

ムーマ母「全く……勝てないからってトレーナーに直接攻撃を仕掛けるのはルール違反でしょ?」

ムーマ母「それとも、次は貴方が自分でこのドンカラスの相手になるっていうのかしら?」

ドンカラス「ガラガラガラ……」

ジュンサー「貴方を逃すくらいなら……!」

ムーマ母「そう?じゃあ好きにさせてもらうわ。ねぇ、ドンカラス」

ドンカラス「ゴァァァァァ!」

ムーマ母「そうねぇ……それじゃあまずはお腹から壊していきましょうか。子供も産めない体にしてやりましょ」

ジュンサー「!」

ムーマ母「あら、まともじゃない『でき損ない』を産むよりはよっぽどマシでしょ?……ちょっと痛いけどね!!」

ジュンサー「や、やめ……」
 ▼ 342 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 20:20:06 ID:twSIUKnM [2/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュンサー「ゼェ……ゼェ……」

ムーマ母「哀れ!でも根性だけは褒めてあげるわ!こうまでしないと貴方は折れないものね!」

ジュンサー「まだ……まだ……」

ムーマ母「前座としてはいい役割を持てたわよ、貴方」

ムーマ母「さて、次はサトシ君ね。Zリングを持ってるくらいだから少しは警戒した方がいいかしら?」

ジュンサー「私は警察です!貴方を捕まえるのが私のしご……と……」

ムーマ母「無理しなくたっていいのに。一交番の部長さんにだって休暇は必要よ?」

ムーマ母「黙って待ちなさいな。ヒーローが来るのを」

ジュンサー「私はそんなものは当てにしない!」

ムーマ母「そう……じゃあ待たなくていいのね?ヒーローを」

ジュンサー「……っ!」

ムーマ母「ドンカラス、『あくのはどう』!」

ドンカラス「ゴァァァァァ……」

ムーマ母「発射!!」

ジュンサー(体が動かない……避けられない……でもいい、このまま生き恥を晒すくらいなら……)



サトシ「          『アイアンテール』! ! !          」


ガ  ッ  !  !  !



ドンカラス「!?」

ムーマ母「ふぅん……煽れば来るものね」

サトシ「……来ないわけがないだろ!」
 ▼ 343 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 20:21:38 ID:twSIUKnM [3/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュンサー「サトシ君ごめんなさい……私は何もできなかった……」

サトシ「いえ。大人の貴方達がいないと今頃オレはここまで来れてなかったから」

サトシ「ありがとうございます!……後は『バトル』するだけなんだ。ここからはオレ達に任せてください!」

ピカチュウ「ピカッ!」

ジュンサー「……そう」


ムーマ母「ドンカラス、『あくのはどう』!」

ドンカラス「ガァァァ……!」

サトシ「! いくぞピカチュウ、『エレキボール』!」

ピカチュウ「チャアアア!!」

バ シ ャ ッ … … !


ムーマ母「いい反応ね。貴方もピカチュウも」

サトシ「ピカチュウ、『でんこうせっか』!」

ピカチュウ「ピカァッ!」ダダッ

ムーマ母「返事くらいしてくれたっていいじゃない……さて、貴方はどこまで楽しませてくれるのかしらね?」

ムーマ母「ドンカラス、飛んで避けなさい!」


ドンカラス「ゴァァァァァ……」バサバサ

ピカチュウ「チッ……」ズザザザ


サトシ「ピカチュウ、真上に『エレキボール』!」

ムーマ母「ドンカラス!かわして急降下、そして『ふいうち』!」

サトシ「来るぞ!『アイアンテール』で防御だ!」

ガ シ ィ ィ ィ … … !

ムーマ母「怯まないでドンカラス!『はがねのつばさ』!」


バシッ!


ピカチュウ「ピカァーー……!」

サトシ「! ピカチュウ!」

ムーマ母「吹き飛んだわ!宙に浮いたピカチュウは何もできない!ドンカラス、『あくのはどう』で撃ち落として!」

ドンカラス「ゴァァァァァ!」ボッ
 ▼ 344 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 20:23:41 ID:twSIUKnM [4/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「『10まんボルト』!!」

ムーマ母「!? 嘘っ……空中で体勢を立て直せるの!?」

ピカチュウ「ヂャアアアアア!!」ババババババ!!


ジュンサー「互角だわ……あのドンカラスと張り合えるなんて。あれがサトシ君の実力……」


サトシ「よしっ、いいぞピカチュウ!」

ムーマ母「ドンカラス立ちなさい!次の攻撃を仕掛けるのよ!」

ドンカラス「ゴァァ……」

ムーマ母「立って!早く!!」

サトシ「ダウンを取った。今がチャンスだピカチュウ、『エレキボール』!」

ムーマ母「まだ勝ったと思わないでよ!ドンカラス、避けて!」


ドンカラス「ガァァァ!」バシュッ

サトシ「!? 避けながら突っ込んできた!」

ムーマ母「『ふいうち』!」

サトシ「しまった!『アイアン……」


ド  ス  ッ  !  !


ピカチュウ「ビッ……!?」


防ぐ間もなく、斧のような翼の重い一撃がピカチュウの腹に打ち込まれる。

軽いピカチュウの体は吹き飛ばされ放物線を描く。行きつく先は……



ド ボ ン ! !
 ▼ 345 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 20:26:04 ID:twSIUKnM [5/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ピカチュウーーー!!」

ムーマ母「あらら、今の威力で飛ばされちゃ得意のリカバリーもできなかったようね」

サトシ「聞こえるか!?すぐに上がってこい!」

ムーマ母「無駄よ。この池は水深約30m。あんな小さなポケモンが上がってこれる深さじゃないわ」

サトシ「……っ」ダッ

ムーマ母「あら、飛び込むつもり?一緒に死にたいの?」

サトシ「死ぬか!今まで何度もこうやって助けてきたんだよ!」

ムーマ母「そう……でも、仮に助けたところでトレーナーがバトルに介入したことになって勝負は貴方の敗け」

ムーマ母「あの警官のようにボコボコに……いや、貴方にはそれ以上のことをするつもりだけど、いいの?」

サトシ「ピカチュウが無事ならいい」

ムーマ母「だから皆纏めて殺るってのよ!助ければ敗け、助けなければ敗け!……さぁこの状況、どうするの?」

サトシ「……っ!」

ムーマ母「……ピカチュウに賭けるのね?じゃあやることは一つ……ねぇ、ドンカラス」


ドンカラス「ガァァァァァ……」


サトシ「! おい!何するつもりだ!?やめろ!」

ムーマ母「貴方がどう動いても敗けるのなら、唯一の勝ち目はピカチュウの気力次第」

ムーマ母「今からその唯一の希望を潰してあげるのよ!ドンカラス、池に『あくのはどう』!!」

サトシ「や、やめろ!!」


ボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ … … … … ! !


相も変わらず降り続ける雨よりもずっと強く、黒い波動は続けざまに水面を叩き波打たせる。

水が黒くなっていく。ピカチュウはおろか、池を住家にしているポケモン達も無事では済まない。

サトシは一度は黒い池の中に飛び込もうと試みるも、降り注ぐ黒に圧倒され踏みとどまってしまう。

次にサトシは必死で呼びかけるも、サトシのピカチュウを呼ぶ声も激しい音にかき消されてしまう。

憎たらしいことに、母親の甲高い笑い声だけが轟音に紛れてサトシの耳に入ってくる。

ピカチュウの声はまだ聞こえてこない。

ピカチュウの姿はまだ見えてこない。
 ▼ 346 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 20:28:43 ID:twSIUKnM [6/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ母「あ゛っはっはっは!!もうおしまいね!」

ムーマ母「覚えときなさい。子供にとって大人は頼りになる反面とっても怖いのよ!大人に逆らうとこういうことになるの!」

ムーマ母「ドンカラス急ぎなさい!まだこの一件を知る人が少ないうちに皆殺しにしておかなくちゃ」

ムーマ母「そしたら夫と……私を一番愛してくれる人とどこか遠くで幸せに暮らすのよ!」

サトシ「ピカチュウーーー!聞こえたら答えてくれーーー!!」

ムーマ母「貴方も根性だけは一人前だけど、結局哀れな子ね。……貴方も少しは休んだらどう?」

ムーマ母「親の私を死ぬほど悩ませたあの子を子供の貴方が保護するなんて、余程のことだと思うわぁ……」

サトシ「……それ以上ムーマのことを悪く言うな」

ムーマ母「……あら、震えてる?」

ジュンサー(もう……おしまいだわ……)


警官C「部長!一体どうしたんですそのケガ!」

ジュンサー「!? 貴方、犯人夫婦の夫の取り調べはどうしたの!?」

警官C「あっ!?えぇと……犯人と思われていたシロガネ・ダンガについてですが、実は……――――」



ジュンサー「!? ……そ、それで、彼は今どこに?」

警官C「ウチの仲間と一緒にこちらへ向かっています。……あっ、来た!」


警官D「ぶ、部長!こんなお怪我を!」

ジュンサー「私は大丈夫。それよりも本当なの!?その男が今回の事件に何も関わりがないって!」

ムーマ父「…………」

警官D「いくら聞いても『何も知らない』の一点張りでタダの頑なな男だと思っていたのですが……」

警官D「この一件について本当に何も聞いていなかったらしく、現に毒薬の容器からも彼の指紋だけが検出されませんでした」

ジュンサー「薬に触っていないとしても、女に言われて事実を黙秘していた可能性は?」

警官D「どうやらそれも無いようでして……それに、真実は彼のあの姿が証明しています」


ムーマ父「……何だよ……何だよこれ……どうなってるんだ!?」ガタガタ


ジュンサー「顔は青ざめて眼は大きく見開いて、口元が震えてる……成程。彼はシロというわけ……」
 ▼ 347 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 20:30:34 ID:twSIUKnM [7/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「おいカエラ!これはどういうことだよ!?……君は本当に……ヤシロちゃんを殺そうとしたっていうのか!?」

ムーマ母「! ……あなた……いつからそこに!?」

ムーマ父「答えてくれ!どうしてこんなことを……!」


サトシ「アイツはさっきの……何か、変な空気だな」

サトシ(……どうする?今ならピカチュウを助けにいけるか……?)


ムーマ母「……ち、違うのあなた。これは……」

ムーマ父「どう違うんだよ!警察の人達の言う通りなら、全ての元凶は君なんじゃないか!」

ムーマ父「……いや、それよりずっと前から!君が前の夫とヤシロちゃんとの3人で暮らしていた時から!」

ムーマ父「全て君の思い通りのシナリオだった!君は壊れていく家族の運命を自分の世界から切り離して」

ムーマ父「それで僕のところへ来た!そうなんだろう!?」

ムーマ母「そうよ!あそこに私の幸せは無かった!だから私はあなたと一からやり直そうと……」

ムーマ父「だったらもう……その幸せも今日限りだ」

ムーマ母「!?」

ムーマ父「僕のほしかった幸せは君と、そして僕と同じように君を愛してくれる子供と3人で暮らすことだった」

ムーマ父「死んだハズのヤシロちゃんが帰って来てくれた時、その子はきっと僕達の幸せを満たしてくれる子供になると思った」

ムーマ父「だから僕は彼女を必死に引き止めようとした。僕だけじゃなく、君も同じ幸せを求めていると思ったからだ」

ムーマ父「……けど違ったんだね。ヤシロちゃんは君を愛していたが、君はヤシロちゃんを何とも思っていなかった!」

ムーマ母「あの子が一緒にいると、あなたと二人っきりでずっと一緒にいるって私の幸せが壊れてしまうと思ったんですもの」

ムーマ母「そうねぇ……もっとマシな子供なら私とあなたの間に入れてやってもいいかしら?」

ムーマ父「……ふざけるな。何が幸せだ。自分の子供も大事にできないようなヤツといるなんて」

ムーマ父「そんなのやってられるか!もうお終いだ。さっさと捕まって、二度と僕の前に現れるな!」

ムーマ母「……え?何……言ってんの?別れるの?私と……?」

ムーマ母「じゃあ私の幸せはどうなるの?夫も子も捨てて、あなたを選んで手に入れた私の幸せは……?」

ムーマ母「どうなるの……?   どうなるの……?」
 ▼ 348 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 20:32:20 ID:twSIUKnM [8/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「やめろドンカラス!僕だ!君のトレーナーだ!攻撃をやめろ!……今お前は、とんでもない事に手を貸してるんだ!」

ドンカラス「ドッ……!?」ピタッ


サトシ「! 今だ!」ドボン!


ジュンサー「サトシ君!池は深いわ!貴方一人でどうやって探すの!?」

警官C「それにまだ水は真っ黒だ!長い時間浸かれば……」


ムーマ母「ねぇ……どうなるのったら……」

ムーマ父「知るか。君は自分勝手な理想のために捨ててはいけないものを捨ててしまった。それだけだ」

ムーマ父「自分の大切なものが何かを見失うほど周りが見えないようなヤツは、しばらく僕から離れて反省してろと言ったんだ」

ムーマ母「……何それ」

ムーマ母「……そんなの…… ……ア゛ア゛ア゛……」




                                ア゛
                       ア゛
             ア゛
                                      ア゛
      ア゛
                             ア゛
                     ア゛
            ア゛
                                      ア゛
 ア゛
                         ア゛
                   ア゛
 
                                    ア゛
                            ア゛
              ア゛
         ア゛
                                ア゛
                                     ア゛
                      ア゛
        ア゛
                              ア゛
                  ア゛
                  ア゛
    ア゛
                              ア゛
                 ア゛
                                   ア゛
              ア゛
                            ア゛

ア゛
                         ア゛
                   ア゛
 ▼ 349 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 20:34:05 ID:twSIUKnM [9/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴポポポポポ……


サトシ(真っ黒だ……ポケモンの技一つでここまで視界が悪くなるなんて……)

サトシ(早くピカチュウを探さないと。でもここまで濁ってちゃ眼を瞑ってるのと全然変わらない……)

サトシ(それにもう池に落ちてから数分だ。もしかしたら……いや、考えないでおこう)

サトシ(今までも何度も助かってきたじゃないか。絶対見つけ出してやる)

サトシ(……しかしホントによく見えないな。ピカチュウどころか他のポケモンも見かけないぞ)

サトシ(それに濁ってるからかここの水、えらく焦げ臭くて……口に入ると死ぬほどマズくて……)

サトシ(…………)

---------------------------------------

ムーマ母「ア゛ッ、ア゛ッ、ア゛ッ、ア゛ッ……」ガクガク

ムーマ父「こうなったら僕も行かないと……」

ジュンサー「待ってください!ここは警察の私が……」


ムーマ父「その体で何ができるんだ!僕はあの子にとんでもないことをしてしまったんだ。僕がケジメをつけにいく!」

警官C「二人とも落ち着いてください!あなた方まで犠牲になるつもりですか!?」

ジュンサー「子供が命を懸けてるのよ!?大人の私が行かないでどうするの!」

警官D「しかしですね……」



???「ーーーーーーーー」



ジュンサー「! ちょ、ちょっと待って!」

警官C「どうしました?」

ムーマ父「もういい!やっぱり僕が行く!」

ジュンサー「待って!貴方には聞こえないの!?」

ムーマ父「何が!?」



???「ーーーーーーーー」



ジュンサー「この声……どこかで聞いたことがある。私の記憶が間違ってなければ、今のは……」

警官D「僕も今ハッキリ聞こえました。まさかとは思うのですが……」
 ▼ 350 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 20:37:33 ID:twSIUKnM [10/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
警官C「おい、空を見てみろ!……奇跡だ。この窮地にあのポケモンが現れるなんて!」

ジュンサー「やっぱり……けどどうして?『彼女』はいつも気紛れ、偶然にしては、あまりにも出来すぎてる……」

---------------------------------------

サトシ(…………)


???「ーーーーーーーーーー」


サトシ「……?誰だ?聞いたことがあるような声……って」

サトシ「……?」

サトシ「み、水が!水が元に戻ってる!それに息もできる!……え、息?」

サトシ「どういうことだ……? いや、それよりもこれでピカチュウを探せるハズだ!」

サトシ「細かいことは後になってから考えよう!」



ピカチュウ「ピカァーーー!」

サトシ「……いた!!」

サトシ「ピカチュウ!お前も息ができるのか!?それに傷も治ってる……ピカチュウ、お前誰に治してもらったんだ?」

ピカチュウ「??」

サトシ「わからないか。……それより外に出よう!今度こそ敗けないようにしようぜ!」

ピカチュウ「ピカッ!」


ザバッ!


サトシ「……よし、上がるぞピカチュウ」

ジュンサー「サトシ君!やっぱり生きてたのね!?」

サトシ「は、はい……何か不思議な事が続けざまに……」

ジュンサー「上を見て!上!」

サトシ「? ……あぁ!お前だったのか!『カプ・テテフ』!」


カプ・テテフ「……」ペコリ
 ▼ 351 ラエナ@こううんのおこう 17/09/03 22:43:31 ID:AgbxLUUM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 352 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:06:40 ID:twSIUKnM [11/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「奇跡だ……守り神が彼らを救ってくれるなんて……」

サトシ(カプ・コケコだ。きっとアイツが呼んでくれたんだな)

サトシ「おい!今度はもうお前に敗けない!もう一度勝負をしろ。決着をつけてやる!」

ムーマ母「へ、フフ……守り神を味方につけて、随分強気になったわねサトシ君」

サトシ「もう守り神の力は借りない。それにお前の味方は、もう誰もいないぞ」

ムーマ母「ドンカラス!もう一度あの子を池に沈めてやりなさい!」

ドンカラス「……」プイッ

ムーマ父「サトシ君の言う通りだ。もう十分だろう」

サトシ「ピカチュウ、やれるな?」

ピカチュウ「ピカッ!」

ムーマ母「何よ、どいつもこいつも使えない……いいわ。私の思い通りにならないヤツなんか、いない方がマシよ」

ムーマ母「私にだってこのポケモン達がいるのよ!さぁ出ておいで!」


ドラピオン「グラァァァァ!」

スカタンク「ブピュ、ブリュリュリュ……」

ペンドラー「ぎ ゃ あ あ あ あ あ あ ! !」


サトシ「……全部毒タイプのポケモンか」

ムーマ母「わかってるわね。勝負の最中に手を出した貴方は私に何をされても文句は言えないのを」

サトシ「いいさ。勝つんだからな!」

ムーマ母「呆れた。……じゃ、そのピカチュウには私の毒ポケモンちゃん達の餌食になってもらいましょうか」

ムーマ母「赤いほっぺも黄色のシャツも、ドロッドロに溶かしてあげる!!」

サトシ「時間なんてかけさせない。一撃で終わらせてやる!」


「一撃で終わらせる」----------------サトシの腕のZリング、Zクリスタルがピカチュウの闘志に応え、共鳴する。


ピカチュウ「ヂ ャ ア ア ア ア ア … …」バチバチバチ
 ▼ 353 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:08:48 ID:twSIUKnM [12/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「まさかあれはZ技……『スパーキングギガボルト』!?」

ムーマ母「抑え込むのよ!」


毒3匹「「「ウォォォォーー!!」」」


サトシ「邪魔させるか!出てこい!モクロー・ニャビー・イワンコ!!」


ガ シ ィ ィ … … ! !



ドラピオン「がっ……!?」

                              モクロー「もふぅ!」

スカタンク「ブブ……」


                              ニャビー「フシャーッ……」


ペンドラー「か ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! !」

                              イワンコ「グルルル……」



ムーマ母「何をしてるの!?早く振り払いなさい!」

サトシ「三匹とも、そのままピカチュウから遠ざけろ!『たいあたり』、『ひのこ』、『いわおとし』!!」

ムーマ母「そんな……!?私のポケモン達が!」
 ▼ 354 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:10:33 ID:twSIUKnM [13/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「まだだ!まだ溜めろ!」

ピカチュウ「ピカピカピカピカ……!」バチバチバチ

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ … … ! !


警官C「で、でけぇ……何だあの雷の球!?」

警官D「まるでちょっとした太陽みたいだ……あんなのを撃ち込まれたら並のポケモンはタダじゃ済まないぞ」


サトシ「オレ達のゼンリョク、まだまだこんなもんじゃない!ピカチュウ!球を空に突き上げろ!!」

ムーマ母「っ!?」

ムーマ父「空!?」



ピカチュウ「ヂ ャ ア ア ア ア ! !」




                     バ

                 

                      コ

                   ォ

                      ォ

                         ォ

                     ォ 

                      ン

                    ! !
 ▼ 355 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:11:42 ID:twSIUKnM [14/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……」

警官C「雷の球が空まで上ってった……雲も突き抜けて、もう見えなくなったぞ?」

警官D「一体何のつもりだ?あの子は一体何を考えてるんだ……?」


ゴロゴロ……           ゴロゴロ……


サトシ「ピカチュウ……久しぶりに無茶するぞ」

ピカチュウ「ピカ……」ゴクリ


サトシ「もう終わりにするぞ。これがオレ達『だけ』の……ゼ ン リ ョ クだぁぁぁぁぁ!!!」




                                 ズ



                                 ド



                                 ォ


                                 ォ


                                 ォ


                                 ォ


                                 ・

                                 ・

                                 ・

                                 ・

                                 ・


                                 !
 ▼ 356 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:16:07 ID:twSIUKnM [15/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビ シ ャ ア ア ア ア ア ア ン ! ! !


警官C「うぉァァァァ!!」

警官D「かか、雷が落ちてきたーーー!?」

ジュンサー「……まさかサトシ君、ピカチュウのエネルギーで空から本物の雷を?」

ムーマ父「な、何だあのピカチュウの姿は!」


ピカチュウ「ヂィ……」バチバチ

サトシ「よし……成功だ!」



嘗てサトシが編み出した奇策。それはピカチュウのパワーアップを図った掟破りの作戦だった。

その方法はピカチュウの大技・『かみなり』を天空に打ち上げ、自然発生した雷をピカチュウの体に纏わせること。

余りにも負担が大きいことと『かみなり』ほど膨大な電気を一度に消費する技をピカチュウが使わなくなったことが原因で

この作戦は長く封印されていたが、膨大なエネルギーを一気に放出するZ技『スパーキンスパーキングギガボルト』なら……

そう判断したサトシは一か八かの賭けに出たのだ。

金色の体に迸る雷。この状態で活動が可能なのは耐久力が自慢のサトシのポケモン達の中でもほんの一握り。

ピカチュウもそのうちの一匹。サトシの「作戦」という名の我儘をずっと聞いてきた、我慢強いポケモンなのだ。



サトシ「いくぞピカチュウ!突っ込めーーー!!」

ピカチュウ「チャァァァァーーーーーーーッ……!!」


ド シ ュ ン ! !


ムーマ母「と、止めなさいみんな!Z技にも必ず穴はある!」

ムーマ母「ドラピオン、『クロスポイズン』!スカタンク、『つじきり』!ペンドラー、『ハードローラー』!」



サトシ「いくぞピカチュウ!オレ達だけのZ技だ!」


ピカチュウ「ヂ ャ ア ア ア ア ! !」
 ▼ 357 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:17:33 ID:twSIUKnM [16/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




                           ス



                           パ



                           |



                           キ



                           ン



                           グ



                           ・



                           ギ



                           ガ



                           ・


 ▼ 358 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:19:40 ID:twSIUKnM [17/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




                           “



                           ボ



                           ル



                           テ



                           ッ



                           カ



                           |



                           ”



                           ァ



                           ァ



                           ァ



                           !



                           !



                           !


 ▼ 359 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:20:11 ID:twSIUKnM [18/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


















                        .






























 ▼ 360 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:22:29 ID:twSIUKnM [19/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>356
謎 の Z 技 登 場

誤字です。スミマセン……
 ▼ 361 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:24:13 ID:twSIUKnM [20/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------------------------------------------------------
----------------------------------------------
-----------------------------------


サトシ「ありがとうカプ・テテフ!また会おうぜ!」

カプ・テテフ「てぷてぷ〜」バイバイ


警官C「驚いた。アーカラの守り神をこんな近くで見れるなんて……サトシ君、君はこの後どうするんだ?」

サトシ「さっきの雷にカプ・コケコが気付いたと思います。これからやってくると思うので後は彼次第……ですかね」

警官C「はっ!?カプ・コケコ!?このアーカラ島に来ているのか!?」

警官D「さ、サトシ君、君は一体何者なんだ……?」


ジュンサー「午前8時55分。シロガネ・カエラ、違法薬物所有及び子供に服用させた罪で貴方を逮捕します」

ムーマ母「えぇ。……ねぇジュンサーさん、私の幸せは……過去のどこに忘れてきてしまったのでしょうか?」

ジュンサー「さぁ……ひょっとしたら、未来の方かもしれませんよ」

ジュンサー「サトシ君、捜査に協力してくれてありがとうね。後で感謝状を贈るから」

サトシ「い、いやいいですよ。それよりも……」

ジュンサー「あっ、そうね。そうだったわね。交番を出る時に約束しといたんだっけ。喜んで準備するわ!」

サトシ「ありがとうございます」

ジュンサー「さぁ、行きましょう」

ムーマ母「はい……」

--------------------------------------

ムーマ父「……これで一件落着だね。本当にありがとうサトシ君。それに君には本当に申し訳ないことをしてしまった」

サトシ「アハハ、もういいんです」

ムーマ父「サトシ君、すごいね君は。やっぱりヤシロちゃんはそんな君といるのが一番の幸せなんだって思った」

ムーマ父「両親は自分勝手、それに僕だってそんな不幸なヤシロちゃんに何もしてやれなかったし」

サトシ「……」

サトシ「お、オレ、もっと頑張ります!ムーマともっと仲良くなるんです!」

ムーマ父「……ムーマ、か。……ヤシロちゃんは素敵な名前を貰ったんだね」

ムーマ父「…………」

サトシ「パパさん?……どうかしましたか?」

ムーマ父「カエラ……碌でもない母親だったけど……彼女は僕を愛してくれてた。これっぽちの魅力もない僕を」

ムーマ父「僕はただ……彼女の傍にいることに喜びを感じてて、いつも彼女の前で笑顔を絶やさなかっただけなのに」
 ▼ 362 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/03 23:26:01 ID:twSIUKnM [21/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「貴方は、あの母親とムーマと3人で暮らしたかったんでしたよね」

ムーマ父「あぁ……けどヤシロちゃんはおろか、僕の大好きな人がたった今僕から離れてしまった……」

ムーマ父「やっと手に入れた幸せなのに……彼女と共に暮らせることをどれだけ喜んだと思ってるんだ」

ムーマ父「彼女はやり方を間違えていただけなんだ。僕だって彼女と一緒にいたくて仕方なかったんだ!」

ムーマ父「ハハ……サトシ君、僕はこれからどうすればいいんだろうね。何を生き甲斐にすれば……」

ムーマ父「またどこかに旅にでも出ようかな」

サトシ「パパさん……」


カプ・コケコ「コ ケ ー ー ッ ! !  コッコッコ……」


サトシ「あっ、来た!」

ムーマ父「なっ!? メレメレ島の守り神がどうしてここに!?」

サトシ「カプ・コケコはオレをここまで連れてきてくれたんです」

ムーマ父「お、おぉ……」


サトシ「……ではパパさん、また会いましょう」

ムーマ父「あぁ。君にはちゃんとしたお詫びもしたいからね。もう少し時期を置いて……」

サトシ「そんなのいいです。それよりも見つけてください!また新しい生き甲斐」

ムーマ父「ハハ、君には敵わないな」

サトシ「敵わなくたっていいんです!オレはポケモンマスターになる男ですから!」ビシッ

ムーマ父「……?」

ピカチュウ「…………」

ドンカラス「アホー」

サトシ「……え、何この空気」

------------------------------------

サトシ「ではお元気で!今度会ったらポケモンバトルしましょう!」

ムーマ父「あぁ!さようなら!ヤシロちゃんをよろしくね」
 ▼ 363 イチュウ@あかいくさり 17/09/04 06:20:00 ID:3suygflY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
流石ポケモンホイホイ……
 ▼ 364 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/04 22:27:39 ID:SBt9gmCE [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------アーカラ島→メレメレ島-------


サトシ「…………」

カプ・コケコ『嬉しそうな顔をしてるな。いい事でもあったのか?』

サトシ「いい事?……ないよ。でもいいんだ。これでこの一件は終わったんだ」

カプ・コケコ『一件落着しても、ムーマの足は動かないままだぞ』

サトシ「わかってるよ!そんなのわかってる。残った爪痕は大きい。だけどオレはまたムーマと楽しく暮らせる方法を……」

カプ・コケコ『あるぞ、方法』

サトシ「え?」

カプ・コケコ『お前を町に降ろす前に言ったろ?もうお前の気が済んだ今なら言ってもいいだろう』

サトシ「そうだ!その話って結局……」

カプ・コケコ『決まってんだろ』


カプ・コケコ『          ムーマを、もとの元気な体に戻す方法だ          』


サトシ「……え」

サトシ「あ、あるのかよそんなの!何で初めっから教えてくんなかったんだよ!」グイグイ

カプ・コケコ『いだだだだ!トサカを引っ張りなさんな!最初に教えたところでお前の気は済まなかったろ!?』

サトシ「まぁ……そうか……それで、その方法って何だよ!?」

カプ・コケコ『―――――――――――』


サトシ「……!」

サトシ「……あぁ。仕方ないよ。……それが一番だ。それでムーマの夢がまた戻ってくるのなら……」

サトシ「でも後少しだけ……時間をくれないか?」

---------------------------------------

ブロロロロロ……

ムーマ母「……」

ジュンサー「そう、そこの角を右に曲がってちょうだい」

警官C「右?右には港しかありませんよ」

ジュンサー「港に行くの。……疲れてるトコ悪いけど真っ直ぐ署には行かないわ。ちょっと、サトシ君と約束をね」

ムーマ母「……?」
 ▼ 365 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/04 22:29:00 ID:SBt9gmCE [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------メレメレ島 アイナ食堂前-------


マーマネ「……っし、完成!『車椅子用急ブレーキセンサー』!」

マーマネ「これを車椅子に付ければどれだけ腕白な子がガンガン漕いでもセンサーが反応して障害物にぶつからないんだ!」

ムーマ「うゎー!ありがとうマーくん!」

マーマネ「……思うんだけどさ。皆は『お兄ちゃん』だとか『お姉ちゃん』とか呼んでるのに」

マーマネ「どうして僕だけ『くん』付けのみなのよ」

ムーマ「だってマーくん小っちゃいじゃん。わたしとそんなに変わらないよ」

マーマネ「えぇ……」

カキ(思いっきり舐められてるな)

リーリエ(ドチャクソ舐められてますね)

スイレン(とりあえずドンマイ、マーくん)


マオパパ「サトシ君はどんな顔で帰ってくるでしょうか」

ククイ「さっき警察から連絡がありました。彼には感謝してもしきれないと……ほら、あそこ」



サトシ「          お − − − − い ! !          」



マオパパ「おぉ! 帰って来た!」

スイレン「マーマネ!お店の中にいるマオちゃん呼んできて!」

マーマネ「了解!」


サトシ「ハァ……ハハ、ただいま!みんな!」

カキ「サトシ。お前、カプ・コケコと一緒に……」

サトシ「さっき別れてきた。アイツのお陰で色々とうまくいったよ」

ロトム「何で僕はここにいるロト?何かずーっと悪い夢を見させられてた気がするロト……」

リーリエ「ロトム図鑑は守り神の夢を見るか……と」
 ▼ 366 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/04 23:04:14 ID:SBt9gmCE [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「おにーちゃん!」

サトシ「ムーマ! ……ただいま」ニコッ


ムーマ「おにーちゃ……」ガタッ

スイレン「あっ、ムーマちゃん!急に立ったら……」

ズデッ

ムーマ「いててて……」

サトシ「あはは……ほら、手を出して。車椅子ではじっとしてないと。包帯も巻いてもらったんだね。よかった」


サトシ「よっこらせ」ヒョイ

サトシ「さぁ、今度は動かずにちゃんと座ってろよ」

ムーマ「……」ギュッ

サトシ「こらこら離れろって。おにーちゃん動けないよ。早く腰かけて」

ムーマ「抱っこのほうがいい」

カキ「なっ……」

リーリエ「Oh my god…」

マオパパ「へぇ、ホント仲良しなんだね二人は」

サトシ「な、仲が悪いよりはいいから……えへへ///」


ククイ「サトシ、よく頑張ったな。お前にできること……ムーマにしてやれることを自分で考えて、よく闘った」

サトシ「でも最初は頭が空回りして……オレ一人じゃできなかった。皆がいなければ今頃……」

ククイ「一人で何もできないことは恥じることじゃないさ。それはお前もよくわかってるだろう?」

サトシ「ハハ……それもそうだ」

ピカチュウ「ピカチュ!」

ククイ「フッ……オレは幸せだよ。大好きな二人と暮らすことができて。できればずっと続いてほしいがそうはいかないだろう」

サトシ「……博士?」

ムーマ「お父様?」

ククイ「お前達にも夢があるからな。その夢を潰してまで、オレはお前達を留めておくような真似はしないさ」

ククイ「大事な人の幸せを蔑ろにする幸せなんか、そんなものは幸せとは呼ばない」
 ▼ 367 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/04 23:08:28 ID:SBt9gmCE [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「あ、あのさ、ムーマは……」

ククイ「サトシ、おいで」

ガバッ!

ムーマ「むぎゅ」

サトシ「!?/// はか……」

ククイ「……お疲れ様」

スイレン「ワオ大胆」

ククイ「ジュンサーさんから何もかも聞いたよ。……本当に無事でいてくれてよかった」

サトシ「ちょっ……/// 離れてよ。恥ずかしいよ博士///」

ククイ「お前達はオレの大事な宝物だ。サトシ、ムーマ……出会えてよかった。オレと出会ってくれて本当にありがとう……」

サトシ「……へへ」

ムーマ「胸板サンドなう」ギュウウウ


全てを終え、肩の荷が下りたサトシ。どっと疲れがあふれ出て27時間ぶりの眠りに落ちようとしたその時……


マオ「お帰りサトシ!コロッケいっぱい作ったから召し上がれーーー!」
 ▼ 368 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/04 23:11:01 ID:SBt9gmCE [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テーブルに並んだ花柄の丸皿には、細やかな千切りキャベツを添えた、兄妹の大好物。

サトシは椅子取りゲームのように勢いよく席に着いた反動を生かしてコロッケを手に取り、試しに一つできたてを頬張った。


サトシ「うまーーーーい!!」ガッガッ

マオ「行儀悪すぎ!何の競技よ!?」

サトシ「何だそれ、新しいダジャレか?」

マオ「はぁー……豪快にガッつくのはいいけど、ムーマちゃんの分も残してあげなよ?」

サトシ「わかってる。ほらムーマ、おいで」

ムーマ「むぅ〜」キュルキュル

マオ「ふふ……」


カキ「おぉ、ウマそうに食べてるじゃないか」

スイレン「帰って早々食事なんてサトシらしい」

ククイ「やれやれ、またコロッケか……サトシめ、この1週間だけで12食目なのに全く飽きる気配が無いな」

リーリエ「ほぼ1日に2食!」

マーマネ「ぼ、僕も一ついいかな……」

カキ「オレはいいよ。昨日から眠れなかったんだ。マオ、悪いがここで休ませてもらっていいか?」

マオ「うん。今日は定休日だし、少しは寝ないとだよね」

カキ「あぁ、助かる……」フラーッ

サトシ「?」


カキ「」ドサッ

スイレン「」ゴツッ

リーリエ「」パタッ

マーマネ「」ドデーン


サトシ「!? ど、どうしたんだ!?何が起きた!?」

ムーマ「ど、どうしようおにーちゃん!急にみんな倒れちゃった!」

マオ「二人とも、Listen.」

サトシ/ムーマ「「え?」」


「「「「ZZZ……」」」」


サトシ「あっ……あぁー……ハハハ」
 ▼ 369 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/04 23:13:44 ID:SBt9gmCE [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カキ「ZZZ……おいホシ、危ないからヴェラ火山でロードオブザリングごっこはやめなさい……ZZZ」

リーリエ「ZZZ……久しぶりのお兄様との時間、至福の一時です……あっやだお兄様//そんなトコロ……ZZZ」

マーマネ「ZZZ……こ、このマラサダ、全部僕にですか!?……ZZZ」

スイレン「ZZZ……味噌煮込みうどん……ZZZ」


ムーマ「えらい寝言だね」ムシャムシャ

サトシ「みんな疲れてるんだ。そっとしといてあげようよ」モグモグ

マオ「一番疲れてるであろう人は今あたしの眼の前でコロッケ貪ってるけどね」

サトシ「何?オレの事?」

マオ「そうだね。二人ともだね……じゃああたしも休んでくるよ。お皿を片づける時は言ってね」

サトシ「あぁいいよ!自分でやる」

ムーマ「おやすみマお姉ちゃん!」


サトシ「……ムーマ」

ムーマ「んむ?何?」ムシャムシャ

サトシ「何でもない。また、あーんしよっか?」

ムーマ「うん!」アガー

---------------------------------------------
-----------------------------

ムーマ「ごちそーさまー!」

サトシ「よろしお上がり。……じゃあムーマ、休んどいで」

ムーマ「おにーちゃんは?」

サトシ「じきに休むからゆっくり寝といで。疲れたろう?」

サトシ(10時50分か……約束の時間までまだあるな。オレも流石に疲れたから、片づけたらひと眠りするか)

ムーマ「じゃあわたしもお皿あらい手伝う!」

サトシ「立てないのに無理するなって!オレが一人でやるよ」カチャカチャ

ムーマ「むぅ〜……」
 ▼ 370 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/04 23:15:50 ID:SBt9gmCE [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……むむ」コクコク

サトシ「ZZZ……あっ、しまった皿が!」ツルッ

ガシッ!

サトシ「!?」

マオ「疲れてるのに無理するなって!いいから休んどいで」

サトシ「あ……お早いお目覚めで……」

--------------------------------------

サトシ「……」ガチャッ

ムーマ「ZZZ……むぅ……ZZZ」

サトシ「この寝顔も随分見慣れた気がする……信じられないな。出会ってまだ3週間余りだなんて」


サトシ「カプ・コケコから聞いたよ。お前の夢、もう一度叶えられるようになる方法」

サトシ「オレはそれに賛成したよ。お前の為だもん。……お前の為」


---------------------------------------

サトシ「その方法って何だよ!?」


カプ・コケコ『          ムーマが、人間から元のポケモンの姿に戻ることだ          』


カプ・コケコ『動かなくなったのはムーマの足だそうだな。なら足の無いムウマの姿に戻れば何の不自由も無くなる』

カプ・コケコ『オレはいつでも彼女を元に戻すことはできるが……お前はどうする?』

カプ・コケコ『お前が決めろ。アイツを管理している“だけ”のオレには選択権はない。だがお前は……立派なムーマの兄だ』

---------------------------------------


サトシ「……オレは後悔してないよ。絶対」

サトシ「ハハ……後悔してないなら……何でまだ言いだせないんだろうな……」
 ▼ 371 ュリネ@キラキラメール 17/09/05 07:13:02 ID:P3DbUOKc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 372 クレオン@モコシのみ 17/09/06 20:12:41 ID:H9AHzACE [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------数時間後-------


サトシ「ふぉ〜ぁ……」

ククイ「サトシ、おはよう」

ムーマ「おはよー!」

サトシ「……みんなは?」

ククイ「帰ったよ。家族に心配をかけただろうしな」

ククイ「さぁオレ達も帰ろう。たった一日だってのに、家に帰るのも何か久しぶりな気がするな」

サトシ「あっ、待って博士!オレもう少しここにいるよ!」

ククイ「どうしてだ?」

サトシ「実はさ……」ヒソヒソ

ムーマ「?」

ククイ「フッ……そういうことか」


サトシ「もうすぐジュンサーさんとの約束の時間だ。オレ表で待ってるよ!」ダッ

ムーマ「おにーちゃん……?」

ククイ「ムーマ、オレ達も行こう。そして一言、君の『ママ』に謝ってもらおう」

ムーマ「えっ!?えっ? どういうこと?」

--------------------------------------------------

サトシ「そろそろ来るころだと思うけど……」ドタドタ

マオ「あっ、サトシ!ちょっと外出てみてよ!」

マオ「数分前からパトカーが止まってるの……今、お父さんと警察の人が話してるみたいだけど……」

サトシ「しまった!もう来てたのか!」
 ▼ 373 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/06 20:14:56 ID:H9AHzACE [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュンサー「あら、来たわねサトシ君」

サトシ「あれ?あの、オレと一緒にいたジュンサーさんは?」

ジュンサー「アーカラ島西部担当のジュンサー部長から連絡があって、ちゃんと『彼女』を引き渡してもらったわ」

サトシ「そうですか……じゃああの母親はそのパトカーの中にいるんですね」

ジュンサー「サトシ君、募る感情もあると思うけど今の彼女は大分打たれ弱くなってる。どうかあまり強く当たらないで」

サトシ「もういいんですオレは。それよりもあの母親にはやらなければいけないことがありますから」

ジュンサー「そうね……それを彼女もわかってるみたい」


ムーマ母「…………」


警官A「よっ、サトシ君!また会ったね!」

ハーデリア「わんっ!」

サトシ「あっ、誘拐犯スカル団の時のお姉さん!」

警官A「この前のお礼ちゃんとできてなかったから……はいコレ!世にも珍しい『虹色ポケマメ』!」

サトシ「わぁ……ありがとうございます!」

警官A「ポケモン達に食べさせるとスーーーパーーー仲良しになれるよ!Let’s share happy!」

サトシ「アハハ……」

ジュンサー「……不自然。明るすぎるわ。ムーマちゃんの件の連絡取った時アンタ、よっぽどショック受けてたのに」

警官A「……だって、ついこの間はあんなに元気だったのに……」

サトシ「ムーマは今も元気ですよ。この間のこと、オレからもありがとうございました!」

警官A「サトシ君……エヘヘ、こちらこそ」


ジュンサー「フフ、出来る子ね」

サトシ「伊達におにーちゃんやってませんから」キリッ
 ▼ 374 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/06 20:18:55 ID:H9AHzACE [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュンサー「さぁ……そろそろ彼女を出しましょうかね」

サトシ「お願いします。……ムーマ、おいで」

ムーマ「おにーちゃん、本当なの?ママがこっちに来てるって……」

サトシ「オレが呼んだんだ」

ムーマ「ホント?じゃあ、今すぐママにあやまれるんだね!?」

サトシ「……」

ククイ「ムーマ、よく聞きなさい。今日はママがムーマに謝りにきたんだ。君にヒドいことをしてしまったからね」

ムーマ「えっ!?でも……ママは悪くない……ママはわたしが一番大好きな人だもん……」

ククイ「そうだね。君はママを悪く思うことができない。だから彼女はその気持ちにつけ込んで好き勝手をした」

ククイ「ムーマ、そんなママと同じ君の保護者として、オレは彼女を許すことはできない」

ククイ「君の眼の前で、形だけでも……」

ムーマ「あっママだ!ママー!」ダッ


ククイ「……本当に純粋でいい子だ。だからこそ、一度死んで尚大好きな人をまだ好きでいられるんだな」


ムーマ母「……ヤシロ」

ムーマ「ママ、わたしは何をされても、ずっとママが大好きだよ?」

ムーマ母「……ううん。わたしはもう、貴方の親なんかじゃない」


ガ バ ッ … … !


ムーマ「!」

ムーマ母「ごめんなさい……こんな母親で……本当にごめんなさい……!」


もう許してもらおうとは思わない。十分抵抗はした。でも無意味な抵抗だった。最愛の人にも見放された。

娘の眼の前で雨上がりのドロドロの地面に膝をつき、頭を打ち、静かに震える。


ムーマ「もういいよ」

ムーマ「わたしもごめんなさい。わたしがいい子じゃなかったから、ママは楽になりたかったんだよね?」

ムーマ母「……ヤシロ?」

ムーマ「だからわたし、おにーちゃんの前でずっといい子にしてたよ!少しはおとなしくなれるようにがんばったよ!」

ムーマ「だからもう一回いっしょにくらそうよ!」
 ▼ 375 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/06 20:23:20 ID:H9AHzACE [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ母「……それはできないわ。もうわたしには貴方を育てる資格はない。それに貴方にはもう大事な人が他にもいる」

ムーマ「いやだ!ママもおにーちゃんも二人とも大事なの!どっちか一人でもいなくなるのはいやだ!」

サトシ「ムーマ……」

ジュンサー「シロガネさん、そろそろ行きましょう。サトシ君のお願いがなければ貴方は今頃署にいるべき人なのですから」

サトシ「ま、待ってください!」

ジュンサー「……まだ何か話したいことがあるの?」

ジュンサー「貴方が私達警察に頼んだことは、この母親をムーマちゃんの前で謝らせることだけだったはずよ」

ジュンサー「サトシ君が兄としてできることを必死に考えて……そう頼んでくれたんじゃない」

サトシ「そうです。前までのオレはただムーマに与えることしかできなくて……」

----------------------------------------------

スイレン「サトシ、あなたはムーマにとって、すごくいいお兄ちゃんだと思う。ムーマちゃんのことをよく見てる」

スイレン「でも、あなたからムーマちゃんにできること、自分で考えるともっといいと思う」

スイレン「私から言えるのはこのくらいだけど。どうか探してみて。サトシができること」

サトシ「……よくわかんないけど、とにかくオレももっとムーマのために行動しなくちゃってことだな!」

----------------------------------------------

ジュンサー「まだ母親と話したいことがあるの?」

サトシ「えぇ、ちょっとだけ……」

ムーマ母「…………」


サトシ「アンタはまだムーマのママなんだ。だから捕まるのを理由に、ムーマを突き放そうとするな!」

ムーマ母「!」


サトシ「アンタはもう二度もムーマを自分から遠ざけようとしたんだぞ!でもそれでもムーマはアンタが好きだ!」


サトシ「もしまたいつか出てこれるようになったら……その時はムーマを責任持って好きになってやれ!」


サトシ「でないとムーマもアンタもずっと苦しいまんまじゃないか!!」


ムーマ「……おにーちゃん……」

ムーマ母「……そうね。いつかまたあの子に会える日まで、私も変わらないと……でなきゃ私は一生幸せになんかなれない」

ムーマ母「サトシ君、こんなことをしてまで何だけど、一つお願いしていいかしら?」
 ▼ 376 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/06 20:25:12 ID:H9AHzACE [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ母「私の幸せは、私の最愛の人と二人で暮らすことだった。私がこうなった今、あの人は行き場を失ってる」

ムーマ母「……どうか彼を救ってあげられないかしら?あの人を幸せにすること、それが今私ができるせめてもの償い」

サトシ「でもどうやって…………まさか」

ムーマ母「彼は私の気も知らず、本気でヤシロちゃんを家族にしたがってた。彼が愛した私の子だから」

ムーマ母「だから……」


ムーマ母「貴方と私が世界で一番大好きなヤシロをどうか……彼に任せてあげて」


ムーマ母「そして彼も、ヤシロにとっての大事な人にしてあげて」


警官A「!?」

ジュンサー「な、何をバカな事……」


サトシ「なら少し時間をください!今すぐには無理です!」


警官A「サトシ君!何を……」

ムーマ「おにーちゃん、まだ怒ってるの?」

サトシ「あの人は確かに信頼できる人です。あの人はムーマの一件が冗談だと思っていた時にオレを本気で怒ってくれた」

サトシ「でもオレ一人で出せる答えではありません!ムーマにも同じ事を聞いてください!」

ムーマ「……え」


ムーマ母「ヤシロ、貴方は昨日私と一緒にいたおじさんを覚えてるかしら?」

ムーマ母「あの人はね、私がこの世で一番大好きな人。私の生き甲斐なの」

ムーマ「知ってる。そのおじさん自分で言ってたよ」

ムーマ母「ヤシロ、じゃあ私からお願いね。これからは、あのおじさんの傍にいてあげられないかしら?」

ムーマ「あのおじさんの家でくらすってこと?」

ムーマ母「そう。貴方の生まれた家で、二人でね」

ムーマ「じゃあ……おにーちゃんはどうなるの!?」


ムーマ母「…………」

ムーマ母「……サトシ君は私のように貴方を突き放したりしない。貴方がどこに居ようと……そうよね?サトシ君」

サトシ「オレはムーマと別れたくない。でもムーマの意思には従う」
 ▼ 377 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/06 20:29:12 ID:H9AHzACE [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「……わたしもおにーちゃんと別れたくない!!」

ムーマ母「そう……でも心には留めておいて。私は彼を放ってはおけないの。何も悪くない彼を巻き込んでしまった……」

ムーマ母「さようならヤシロ。世界で一番大好きな貴方のママはいつ帰って来れるかわからないけど」

ムーマ母「それまで貴方の幸せを犠牲にしないように、たくさんの人を笑顔にしてあげて」

ムーマ「…………」


-----------------------------------------


走り去るパトカーが曲がり角に消えていくまで、兄妹はただその場に立ち尽くしていた。

ムーマは母親に贈った最後の言葉で、強く当たったことを少し後悔していた。

---------------今になって迷い始めていたのだ。


ムーマ「わたしが大好きなママが大好きな人と……わたしが大好きなおにーちゃん……どっちもわたしが大好きで……」


ムーマ「どっちも……わたしの大事な人」
 ▼ 378 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/06 20:30:50 ID:H9AHzACE [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次のおはなし



第12話(全15話)   「夢の時間」
 ▼ 379 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/08 20:03:22 ID:LYdxbpZ6 [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------その夜 ククイ家-------


ロトム「博士、こっちに帰ってきてからサトシとムーマちゃんの様子がおかしいロト」

ククイ「知ってるさ。特にムーマは、大好きだったママと離れてしまって落ち込んでいるようだしな」

ロトム「大好きな人と別れる割にはあまりにも後味の悪い結末だったロト」

ククイ「あぁ。だからそろそろ気づく頃なんじゃないかと思ってな」

ロトム「どゆことロト?リカイフノウリカイフノウ」

ククイ「ムーマは今考えてる最中さ。自分の幸せと一緒に、人の幸せもじっくり考えてる。彼女は優しいからね」

ロトム「博士はムーマちゃんにどうしてほしいロト?」

ククイ「さぁな。できれば離れてほしくはないが……まぁ、最後はムーマの優しさに委ねるかな」

ロトム「優しさ?」


サトシ「博士!お風呂先に上がったよ!」

ククイ「おぉ。……そうだサトシ、ムーマを見てきてくれないか?」

サトシ「うん。そのつもりだけど」

ククイ「それなら、ムーマの本心を聞いてきてくれないか?」

サトシ「本心? ……あぁ、わかった」



ガチャッ


サトシ「ムーマ」

ムーマ「ZZZ……」

サトシ「起きてる?」

ムーマ「ZZZ……むぅ……ZZZ」

サトシ「…………」
 ▼ 380 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/08 20:05:37 ID:LYdxbpZ6 [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……」

ムーマ「ZZZ……」

サトシ「……」

ムーマ「……」チラッ

サトシ「…………」


サトシ「ピカチュウ『ピ』がつく」

ムーマ「ピン左衛門」

サトシ「ピんから峠を」

ムーマ「ピロリと越えりゃ」

サトシ「ピ枯らしピーピーピッぷくれもするが」

ムーマ「ピーンときましたピンときた!あぁ〜♪」

サトシ「起きてんじゃねぇか」

ムーマ「起きてました」


サトシ「ムーマ……本当はまだ悩んでるんだろ?お母さんに言われた事で。あれからずっと難しい顔してるぞ」

ムーマ「し、してないよ」

サトシ「嘘だ。これのどこが難しくない顔なんだ。うりうり」ビヨーン

ムーマ「おぬぃーひゃん、いひゃい。ひっはらにゃいれ」

サトシ「……とまぁこんなおふざけは抜きでだ」バチン!

ムーマ「えひゃい!」

サトシ「……正直に言ってみ。ここにはオレしかいないんだから」

ピカチュウ「ピカァ」

モクロー「もふ」

イワンコ「わんっ」

ニャビー「うにゃ」

ムーマ「…………」

サトシ「に、人間はオレしかいないから!オレが黙ってればどうせ誰も喋らないし!ね?言ってみ?」

ムーマ「……いやだ。今は」

サトシ「はぁ!? じれったいなもぅ……じゃ、いつならいいんだよ?」

ムーマ「お父様が寝てから」

サトシ「……また二人で散歩に行くのか。わかった。じゃあそれまで待とう」
 ▼ 381 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/08 20:07:34 ID:LYdxbpZ6 [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------深夜-------


ククイ「ZZZ……」

ムーマ「寝てるね」

サトシ「じゃあ行こうか。みんな」

4匹「「「「…………」」」」

ムーマ「どうしてこの子達も連れてっちゃうの?」

サトシ「コイツらだってお前の本心が聞きたいんだよ。いいだろ?」

ムーマ「うぅ……これじゃ出て行く意味ないし……お父様にだけ秘密にしてても仕方ないよ……」

サトシ「まぁいいじゃないか。みんなで夜の散歩に行こうぜ。エイ、エイ、オー(小声)」

ムーマ「まぁ……ポケモンならいっか。人に聞かれるより気にならないし」

サトシ「忘れてるようだがお前もポケモンだぞ」


サトシ/ムーマ「「いってきまー……す」」パタン


ククイ「…………」

ククイ(フフ……いってらっしゃい)
 ▼ 382 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/08 23:31:40 ID:LYdxbpZ6 [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒュオオオオ……


ムーマ「あぅ……ちょっと肌寒い」

サトシ「でも見てみろよ。すっかり晴れてスッゴイ綺麗な星空、それにメノクラゲが光る海!」

ムーマ「ほんとだ。わたし達だけでこんな景色が見れるなんて、ちょっとぜいたくだね」

サトシ「贅沢は好きだぜ」キリッ

ムーマ「わたしも!」

サトシ/ムーマ「「えへへ……///」」

ピカチュウ「ハァ……」

サトシ「っしゃ!じゃあオープニングパレードと行きますか!」

イワンコ「わんっ!」


イワンコが見つけた木の枝に、ニャビーが火を灯し先導する。

その後ろには、膝にモクローをちょこんと乗っけたムーマが座る車椅子を引くサトシ……と、その肩に乗るピカチュウ。

さぁ、皆が寝静まった砂浜を独り占め。今宵は2人と4匹のご一行様のパレードから始まるのだ。

真っ暗闇の空で光る星は、彼らを取り巻くギャラリーだ。


ムーマ「うーみーはーひろいーなーおおきーいなー♪」

サトシ「つーきーはーのぼるーし♪ひものーぼーるー♪」

ムーマ「つまりーにっしょくー♪」
 ▼ 383 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/08 23:34:13 ID:LYdxbpZ6 [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
轍のラインと足跡のスタンプが砂浜に続いていく。

二人は何度も顔を見合わせては微笑み、気が付けばパレードは次のエリアへと差し掛かる。


モクロー「もふぅ!」

サトシ「おっ、ここはいつもの市場だな」

ムーマ「きのみ屋のおばさんがいるところだよね。わたしとおにーちゃんはここで買い物もした!」

サトシ「ハハ、おばさんもムーマの事可愛がっててくれたよなぁ」

ムーマ「夜中だからどこのお店も閉まってるね」

サトシ「おばさん曰く、最近はラッタの被害が市場にも広がってるみたいだしな」

ムーマ「アローラでは人とポケモンはおともだち。だけどともだちだからって取りすぎはよくないよね」

サトシ「そうそう、親しき仲にも……」

ムーマ「れい……れい……『れいとうビーム』!」

サトシ「何でじゃ。『礼儀あり』ね」

サトシ「……って言うか、お前とオレの仲だってお前の礼儀知らずから始まったんだろ?」

ムーマ「むぅ〜……それはそうだけど……」

ニャビー「うにゃにゃ」

ムーマ「『サトシは割と根に持つタイプだから勝手に言わせておけ。ムーマは悪くないよ』って?ニャビー」

サトシ「おぉい!勝手な事を言うな!」

ニャビー「にゃぶぅ」

ムーマ「『コロッケサンドの件、オレにも非はあるが散々追いかけまわしてくれたお前からの謝罪もまだ聞いてないぞ』って」

サトシ「ぬぅ……お前も根に持つタイプなのね……」
 ▼ 384 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/08 23:35:44 ID:LYdxbpZ6 [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「さてさて、次はどこに行こうかな?」

ムーマ「『テンカラットヒル』!」

イワンコ「わんっ!」

サトシ「おぉ、いいな!……あそこから見える星は絶景だって町の人から聞いたっけ」

ムーマ「おにーちゃんも行ったことあるんじゃないの?きれいな星いっぱい見たんでしょ?」

サトシ「あんまり空は意識してなかったから……じゃあ改めてそこ行きましょうか」

ムーマ「おー!レッツゴー!」

ピカチュウ(サトシサトシ、そろそろムーマの本心をよぉ)


本来の目的を忘れたバカ二人のパレードはまだまだ続く。

次の目的地はテンカラットヒル。その名の通り、宝石のように煌めく星々が旅人や野生ポケモン達を虜にしているのだという。


サトシ「この辺は危ないから裏から上るぞ」

ムーマ「何で?」

サトシ「ポケモン達の道場があるんだ。博士が言うには人が下手に立ち入ることは許されないんだと」

ムーマ「ふーん……」

ピカチュウ「ピカ!ピカァ!」

サトシ「ピカチュウ、お前市場を抜けたあたりからヤケに機嫌悪いアピールしてないか?帰りたくなったか?」

ムーマ「えぇえ!もっとお散歩したいよ。ねぇ?」

サトシ「もちろん!旅をしてた頃の感覚を思い出すよ」

モクロー「もふぅ」

イワンコ「わふぅ」

ニャビー「んにゃ」

サトシ「だからさピカチュウ、もっとこの時間をエンジョイしようぜ!」

ピカチュウ(救い様がねぇ!)

ピカチュウ「ピ、ピカピチュ?ピカピィ……」

ムーマ「『ま、まぁこの中じゃ僕が君とは一番長い付き合いだから?僕が君のそういう身勝手さを理解してあげなきゃ』」

ピカチュウ「ピカピカーー?」

ムーマ「『何遍も旅してきた相棒としてやってらんないよねぇ?そうでしょサトシ』だって」

サトシ「機嫌悪いのか良いのかどっちなんだよお前」

ムーマ「ツンデレだね」

ピカチュウ「」ブチッ
 ▼ 385 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/08 23:37:03 ID:LYdxbpZ6 [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ヂャアアアアアア!!」バリバリバリ

サトシ/ムーマ「「うぎぎぎゃぎゃん!!」」


ピカチュウ「ピカッ!」プンスカ

サトシ「やっぱり連れてくるんじゃなかったかな……」ビリビリ

ムーマ「言ったよ?はじめにわたしはそう言ったよ……?」ビリビリ

ニャビー(お気の毒に。でもやることはやらなきゃだZ)

イワンコ(早く丘行きたい。早く星見たい)

モクロー(あぁー麦チョコ食べたい)



-------テンカラットヒル 中腹-------


サトシ「よいしょ、よいしょ、もう少し上ろう」

ムーマ「むぅ〜……」キュルキュル

サトシ「どした?」

ムーマ「やっぱり足がおしくなっちゃった。自分で動けないってつらいよぉ……」

サトシ「……ムーマ、あのね……」

ピカチュウ「ピーカーチュ〜……」

サトシ「ん?何だ今度は?」

ピカチュウ「ピカピカ……ピカチュゥ」

ムーマ「『もう十分でしょ?頂上まで行ってちゃ朝までに帰れないよ?』だって」

サトシ「んん、それもそうか。じゃあ……この辺でいいか?ムーマ」

ムーマ「うん」
 ▼ 386 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/08 23:40:54 ID:LYdxbpZ6 [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
真っ暗闇の中煌めく星々は、パレードのギャラリーからお悩み相談のリスナーに。

サトシは今後の事をムーマの決断に任せようと決めていた。

ムーマの答え次第では、もうすぐ彼女との別れが来ることを意味すると知っていながら。



サトシ「…………」

ムーマ「…………」

サトシ「えっと……ムーマ」

ムーマ「はい」

サトシ「……星……綺麗だな。この前よりも綺麗じゃないかな?」

ムーマ「……そうだね」

サトシ「なぁムーマ。お前は放っておけないんだろ?あのおじさんのこと」

ムーマ「……うん。だってあの人は、ママが大好きな人だから。あの人を困らせたら、ママまで困らせる気がして……」

サトシ「ママには、あの人を幸せにしてやってくれって頼まれたよな」

ムーマ「だけどそれじゃあおにーちゃんと暮らせなくなる!!」

サトシ「そうだ。それはオレもいやだ」

ムーマ「だから断ったの。あのおじさんのところに行くの」

サトシ「……じゃあ、もう心はスッキリしたよね。ムーマはオレ達とこれからも一緒にいるって決めたんだから」

ムーマ「うん。おにーちゃんともお父様とも……マお姉ちゃん達ともまだまだ遊びたりないよ。でも……どうしてだろう……」

ムーマ「わたし……ママに、何だかとてもさみしいこと言っちゃった気がするの。ママもさみしい顔してた……」

サトシ「そう思うのはムーマがまだ迷ってる証拠だね。心のどこかでママの願いを聞いてあげようとしてるんだ」

ムーマ「な、何それ?おにーちゃんはわたしと一緒にいたくないの?」

サトシ「違うよ。いたいさ。ただ最後にはムーマに任せる。それだけだ」

サトシ「ムーマの夢を台無しにした……ムーマの足をそんなにしたママの願いにも応えようとしてるんだ」

サトシ「そんな優しい子を手放したいわけないじゃないか!」

ムーマ「…………」

サトシ「どうするんだ?」
 ▼ 387 ゲキッス@ミストシード 17/09/09 15:53:28 ID:8BI024fs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
読んでるぞ
支援
 ▼ 388 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/09 22:03:43 ID:/UkBOieA [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマは一度空を見上げて、再び目線を地面に落とす。

視界には赤茶色の土と車椅子のフットレスト、それに包帯に巻かれた自分の足が。


ムーマ「……わたし、どっちみち迷惑かけちゃう。おにーちゃんにもおじさんにも」

サトシ「足のことか?それともまた周りを困らせないかって不安になってるのか?」

ムーマ「……どっちも」

サトシ「心配するなって!オレは勿論、あのおじさんだってムーマが大好きなんだ」

ムーマ「うぅ……でもこの足……ママは大好きだからせめたくないけど……でも……足は……」

サトシ「そんなのどうだっていい!オレ達は何とも思わない!……まぁでも、お前は違うよな」

ムーマ「え?」

サトシ「自分の足で旅をしたいって夢を潰されたんだ。本当ならその足を一番気にするべきなのはお前だった」

サトシ「だからさ……治してやるよ。足」

ムーマ「え?」


サトシ「ピカチュウ、アイツを呼ぶぞ」

ピカチュウ「ピカッ!」


サトシ「天まで上がれ。星まで届け。オレ達のゼンリョク……」バチバチ

ピカチュウ「ピカ……ピカ……」バチバチ

ムーマ「え?おにーちゃん、ピカチュウ!何をする気なの?」


サトシ「いくぞ!空に突き上げろピカチュウ!」


サトシ「 『 ス パ ー キ ン グ ギ ガ ボ ル ト 』 ! ! !」




ドパァァァ ァ  ァ   ァ    …     …       …       … ン ! ! !
 ▼ 389 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/09 22:07:27 ID:/UkBOieA [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「はぁ……はぁ……」ドテッ

ムーマ「い、今のは何?」

サトシ「ハハ、サトピカ式ゼンリョク信号弾ってとこかな」

サトシ「これだけのパワーで、あれだけ高く上がればアイツも気付いてくれるはず」

ムーマ「アイツ?」


キーーーーーーーーン


サトシ「早っ!もう来た!」

ムーマ「えっ、えぇっ!?」



カプ・コケコ「コ ケ ェ ェ ェ ェ ー ー ー ッ ! ! !」



ピカチュウ「ピカァー!」ピョンピョン

サトシ「ハハ、大成功だ!」

ムーマ「はわぁ……本物だ……ひさしぶりだ」


サトシ「カプ・コケコ。今更嘘とは言わせないぞ。本当にムーマの足は治るんだよな?」

カプ・コケコ「……」コクリ

サトシ「じゃあ早速治してくれ」

カプ・コケコ「……コケ?」

サトシ「え?」

ムーマ「『本当にいいんだな?』……って言ってるよ。おにーちゃんどういうこと?」

サトシ「あっ……」

--------------------------------------------

カプ・コケコ『ムーマがまた自力で動けるようになる方法は一つ。ムーマが人間から元のポケモンの姿に戻ることだ』

カプ・コケコ『動かなくなったのはムーマの足だそうだな。なら足の無いムウマの姿に戻れば何の不自由も無くなる』

カプ・コケコ『まぁ、治すというよりも無くすって言った方がいいな。だがそうすればムーマは人間じゃ無くなる』

カプ・コケコ『つまりお前と言葉を交わすことができなくなるってことだ。ただのポケモンに戻るんだ』

カプ・コケコ『オレはいつでも彼女を元に戻すことはできるが……お前はどうする?』

--------------------------------------------

サトシ「……そうだった。決めるのはオレなんだ」
 ▼ 390 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/09 22:16:51 ID:/UkBOieA [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「ねぇおにーちゃんったら!」

サトシ「ムーマ、実は……」

---------------------------------------------

ムーマ「……!」

サトシ「そういうことだ。お前はムウマに戻るけど、それでお前の夢をまた叶えられるようになる」

ムーマ「そんなの……」

サトシ「ムーマ、お前が笑っていられるなら、例えお前がどこにいようが何であろうがオレは構わない」

サトシ「お前はオレの世界を旅してみたいんだろ?だったらこの道しかないんだ。受け入れてくれるか?」

ムーマ「……いやだ」

サトシ「ムーマ!」

ムーマ「そんなことしたらもうおにーちゃんとお話できなくなっちゃう!わたしの言葉が通じなくなっちゃう!」

ムーマ「そんなのさみしすぎるよ!そんなことになるなら夢なんかいらない!わたしは世界で一番おにーちゃんが大好きなの!」


サトシ「          バカなことを言うな!!!          」


ムーマ「!」ビクッ

サトシ「お前がポケモンに戻ってもオレの言葉はお前に通じる。それに……」

サトシ「オレだって言葉はわからなくともポケモンの心はわかるんだ!オレをバカにするな!!」


サトシ「ピカチュウを見てみろ。コイツの言葉はよくわからないけど、オレにとってコイツは友達以上の存在なんだ」

サトシ「家族……いや、ひょっとしたらそれ以上かもしれない……」

サトシ「モクローもニャビーもイワンコもそうだ」

サトシ「オレが家族や友達や仲間と呼んでるコイツらとの縁はみんなお前が思うほど小さなことで切れたりしないんだ!」

ムーマ「じゃあわたしも……ただのムウマになってもおにーちゃんの妹なの……?」

サトシ「当たり前だ!気にするなそんなこと」

ムーマ「……じゃあそれがわかっててどうして……今まで言いだせなかったの?」

サトシ「」ギクッ

カプ・コケコ「……ズボシ」

サトシ「そ、それはムーマがどんな思いをするかと思って中々言えなかっただけだよ。ゴメンね」
 ▼ 391 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/09 22:19:33 ID:/UkBOieA [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「むぅ〜……でも、ありがとう。わたしがムウマになっても、おにーちゃんとの愛は変わらないんだね」

サトシ「愛か……そうだな」

ムーマ「えへへ///」

ピカチュウ「チッ」



サトシ「それじゃあ残る問題はあと一つ!ムーマ、オレとおじさん、どっちがいいかお前が決めるんだ!」

ムーマ「むぅ〜、でも……」

サトシ「オレが一番大事にしたいのはお前の未来だよ。……お前の未来にとって都合のいい方を選ぶんだ」


ムーマ「…………」

ムーマ「……今、きめなきゃダメ?」

サトシ「おじさんはもうすぐ別の地方へ旅立つそうなんだ。彼についていくなら今決めなきゃいけないね」

サトシ「それに、早く見切りをつけないと一番苦しくなるのはムーマだとオレは思う」

ムーマ「……そう、じゃあ」

サトシ「どうする?」


ムーマ「……」ウルッ

モクロー「!」

ピカチュウ「ピ……」





わたしが大好きなママが大好きな人と……わたしが大好きなおにーちゃん……どっちもわたしが大好きで……


どっちも……わたしの大事な人




 ▼ 392 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/09 22:20:33 ID:/UkBOieA [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
                          おにーちゃん



























































                          ごめんなさい
 ▼ 393 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/09 22:50:10 ID:/UkBOieA [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……そっか。まぁ、おじさんと一緒にいてあげることは大好きなママのお願いだもんな」

サトシ「それにおじさんだってきっと、ムーマが世界で一番大好きな人になってくれると思うぜ」

ムーマ「……でも、でもおにーちゃんも、世界で一番大好きな……」

サトシ「わかってる。……でも止めない。ムーマが決めたことなんだ」

サトシ「望んだ別れなんて何一つなかったよ……今までも」


---------------------------------------------

-----------------弱いお前なんかいらない。     お前の行き先はこっちじゃない……!


-----------------ポケモンマスター、ゲットだぞ!


-----------------後はお前がどうしたいかだ。    ……そうだ。これでいい


-----------------次に会うまでに、もっともっと魅力的な女性になるから!

---------------------------------------------


サトシ「えらいねムーマは。まだこんなに小さいのに、よく決めてくれた」ナデナデ

ムーマ「……うん」グスグス


サトシ「カプ・コケコ。悪いけどムーマを元の姿に戻すの、もう少し待ってくれないか?」

カプ・コケコ「……コケ」コクッ

サトシ「『言われなくても』ってとこか。さすが守り神、話がわかる」

カプ・コケコ「コケェー」

サトシ「もう帰るのか? あぁ……ありがとう!またよろしく頼むよ!」

カプ・コケコ「コケーッ!」バイバイ


サトシ「さて、オレ達も帰ろうか」

ムーマ「わたし、まだここにいたい。お星さまがしずむまでここにいたいよ」

サトシ「……そっか。じゃあそうしよう!これから観測会といこうか」

ピカチュウ「ピィカチュゥ……」ヤレヤレ


ムーマの意思を讃えるように、星空はより一層明るく輝く。

ムーマの決意は彼女を導くための、彼女だけの星になる。

星は彼女に不幸を招かない。せっかくの強い意思を間違ったものにはしない。

星空の輝きを映して光る、モリオンのペンダントに誓って。
 ▼ 394 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:09:16 ID:ZoMKJzIY [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------翌朝-------


ロトム「博士、夕べ結局我慢できずにサトシから話は聞いたらしいけど、本当にムーマちゃんのことはあれでいいロト?」

ククイ「あぁ。ムーマもいい決断をしたが、それに動じないサトシも立派だった」

サトシ「ZZZ……」

ムーマ「ZZZ……むぅ」

ロトム「最後もきっちり、サトシはお兄さんとしてカッコよくやり遂げたロトね」

ククイ「最後なんてないさ。サトシとムーマはこれからもずっと兄妹。そしてオレも……そんな二人の父親さ」

ロトム「僕は?」

ククイ「ただの動くポケモン図鑑かな」

ロトム「は ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー」

ククイ「冗談だ冗談!お前もよくムーマのことを見てくれてたな」

ククイ「おら起きろ二人とも!今日からまたスクールだ!」

サトシ「んぁ……眠い……今日は休みでいいでしょ博士……」

ククイ「お前の稼ぎ所は出席日数だろ?これ以上休むと成績はどうなるかな。課題はどうなる」

サトシ「おはようございますティーチャー」シャキッ

----------------------------------------

サトシ「うぉおぉお〜……眠い……」ボケー

ククイ「さっき(↑)の目覚めはどうした。まったく……用が済んだらすぐに帰って寝りゃよかったんだ」

ロトム「二人とも遅くまで観測会を開いてた挙句、帰って来たのは夜明けだったロト」

ムーマ「むぅ〜……おとーさまー……おきがえ手伝ってー……」ボケー

ククイ「ほいほい」

ククイ(名残惜しいが二人が決めたことだ。もうオレからは何も言わない……)

ククイ(長いようで短いような、いい夢を見させてもらった。カプ・コケコには感謝しなくちゃな)
 ▼ 395 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:10:53 ID:ZoMKJzIY [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ポケモンスクール-------


ククイ「では校長、またお願いします」

ムーマ「おことわりします」

ナリヤ「ククイ博士。どうやらワシはこの子に嫌われてしまったようじゃ」

ククイ「えぇ。ですがお願いします」


ナリヤ「警察から話は聞きました。お気の毒に……」

ククイ「ここにムーマがいてくれること。それだけでもオレにとっては幸せです」

ナリヤ「じゃがそのムーマちゃんももう……」

ククイ「もういいんです。では、その子をどうか」

ナリヤ「おぉ!アンタがそこまで言うのなら任せなサイドン・ドンメル・メルルルルィィィプ!」

ククイ「ハハッ、あまりムーマを白けさせないでくださいよ」

ムーマ「……」ジトー

ククイ「あぁ、手遅れですね」

ナリヤ「最近の若い子にはどうもワシのギャグは受けが悪い。悲シードラ」
 ▼ 396 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:12:41 ID:ZoMKJzIY [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ZZZ……」

マーマネ「教室に着くやいなや死んだように眠っちゃったね」

スイレン「当たり前。サトシの頑張りの疲れは一日程度で取れるもんじゃない」

マオ「体だけじゃなくて心もグッタリしてるだろうからね。タオルでもかけてあげようかな」パサッ

リーリエ「で、では私は氷枕を」

マオ「おっ、準備いいねリーリエ!」

リーリエ「じょ、常備してるんです。熱中症対策にと……」

カキ「この前町で買ったハーブが偶然にも手元にあるんだが……少しでもサトシの快眠に貢献するように置いておこう」コトッ

スイレン「じゃあ私はアイマスクをつけてあげる」

マーマネ「おいしい夢が見られるようにマラサダを咥えさせて、と」

マオ「お!いいね!じゃあ私はそこにチョコスプレーでトッピングだ♪」パラパラ

リーリエ「顔の近くに癒しのピッピ人形を置きます!」

カキ「机周りには花の飾りつけ」オッハナ♪ オッハナ♪

スイレン「足元に釣り竿のレプリカ」ガサッ

マーマネ「ついでにトゲデマルも乗っけてまえ!」

トゲデマル「!?」


ガラッ

ククイ「おーし、みんなアロー……


サトシ「ZZZ……」ゴチャゴチャ


ククイ「えー、サトシの机に要塞を築き上げた者、正直に申し出なさい」

「「「「「ほんの出来心です、ごめんなさいティーチャー」」」」」
 ▼ 397 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:15:49 ID:ZoMKJzIY [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「……まぁサトシが起きたら片づけるとしてだ。今日は授業の前に大事なお知らせがある」

マーマネ「博士、サトシが起きてません」

ククイ「いやいいんだ。彼はもう知ってる」

スイレン「ひょっとしてムーマちゃんのことですか?」

ククイ「あぁ。 ……初めに言っておくが、これはムーマが自分で決めたことだ」

ククイ「止めてくれるな。ムーマは自分が掲げた星を自分の決めた道に沿って追いかけようとしてる」

カキ「……」

リーリエ「け、結論を言ってください!まさかとは思いますが……ムーマちゃんは……」

ククイ「ムーマは旅に出る!一週間後、オハナの男性と一緒にな」

-----------------------------------------
-----------------------------

サトシ「……うにゃ」パチ

スイレン「あっ、おはようサトシ。博士から話は聞いたよ」

マーマネ「お別れなんだね。……僕の時と違って今度は、本当の」

サトシ「ごめん……みんなにも相談した方がよかったかな?」

マオ「そんなのいいよ!……あたしがサトシの立場でも、ムーマちゃんはきっと同じことを言ってただろうし」

カキ「ほぅ、今回は逃げないんだな。お前も成長したな」

マオ「まぁね。サトシがムーマの選択を受け入れたんだもん」

マオ「あたしもそうしなくちゃ。あたしもムーマのお姉ちゃん、『マお姉ちゃん』だからね」

リーリエ「マオも立派です!……それでも、やっぱり少し寂しいですけど」

カキ「オレも正直今の話をホシにするのは辛い」

カキ「短い付き合いだったが、アイツにとってムーマは同じ目の高さで向き合える大事な親友だったからな」

リーリエ「……そうですね。ホシちゃんの友達」

スイレン「ホウとスイの友達でもある。そんなムーマちゃん……私達みんなの妹とのお別れ」


リーリエ「また私、見送るのですね。掛け替えのない人を……」
 ▼ 398 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:18:06 ID:ZoMKJzIY [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「「「「…………」」」」


サトシ「あっ、えっ、えぇっと……その……」

ククイ「こんな雨模様のようなしんみりした時こそ、太陽の出番じゃないか?」

サトシ「あっ……と、ムーマはまだ一週間ここにいるから……何か最後に思い出に残るようなことをしたいかな……」

マオ「はいはい!じゃあ来週ウチの食堂でムーマちゃんのおわ……出発記念のパーティーでもやろうよ!」

マオ「できるだけ知り合いの人を呼んで、出し物も入念に考えて、もちろん兄妹の大好きなコロッケも作るの!」

マオ「ね!いいでしょ博士!」

サトシ「マオ……!」

ククイ「ハハ、このクラスにはどうやら太陽が二つあるみたいだ」

ククイ「記念パーティーに関しては大賛成だ!オハナの彼も招待しよう」

ククイ「だがどうだ?パァーッと騒ぐなら会場はできるだけ広い方がいいと思わないか?」

サトシ「?」

マオ「まさか……」

ククイ「……校長にオレから、掛け合ってやろう」

サトシ/マオ「「博士ーーー\(ToT)/ーーー!!」」

ピカチュウ「ピカピ……」

アママイコ「マォ……」


かくして------------

ムーマの旅立ちを祝福すべく、各々行動を始めた。

ククイ博士は広い人脈を使いパーティーの参加者を募り、カキ達は毎日パーティーの作戦会議を開いた。

そしてサトシも残り少ない時間の中で、ゼンリョクでムーマと向き合った。
 ▼ 399 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:23:57 ID:ZoMKJzIY [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------当日まで、あと6日-------


ククイ「……というわけなんだ。パーティーに来てくれないか?何か一曲でもやってくれたら盛り上がると思うんだ」

レオ「うぅ……悪いけどその日はスケジュールが合わないんだ。他を当たってくれるか?」

ククイ「仕方ない……またロイヤルマスクにでも頼むか……」

レオ「? それはキミが子供の時に考えた『救いのヒーロー』だったんじゃないのか?」

ククイ「ぶりぶりざえもんじゃねぇよ」

ククイ「……そうだ!折角だからメッセージだけでも撮るか?彼女にも君の話はいくらか聞かせてあるんだ」

レオ「OK! ビデオレターだね。出だしはそうだな……僕を応援してくれる親愛なるファンへ」

ククイ「彼女はまだお前の曲を一度も聞いてないぞ。今回誘ったのは君ほどの有名人ならいい客寄せになるかと思ってだな」

レオ「ダグトリオ、『トライアタック』」



-------当日まで、あと5日-------


カキ「パーティーの出し物だが……まぁ、どうせならクオリティの高いものにしたいな」

スイレン「じゃあ例えば、隣のクラスのヒロキ君のお笑いステージとかどうかな」

カキ「ステージか……思い切ったことをしたいが……ムーマが注目してくれそうなジャンルを選びたいかな」

マオ「ムーマちゃんは歌が好きだったね」

マーマネ「よし!シンガーソングライターのオカ・アキトシさんを呼ぼう!きっと盛り上がるよ」

カキ「いや、できればゲストは身内の範囲で楽しみたい。あくまでスクールの行事だということを忘れるな」

リーリエ「うぅむ、やはり低予算でも暖かみのある素材で出し物を考えた方がいいでしょうか」

カキ「リーリエ、お前からそんな言葉を聞けるとはな」

マオ「失敬だねかりんとう。リーリエは色々考えてモノ言ってんの。ねぇ?」

リーリエ「ア、アハハ……」

カキ「よしわかった。皆の意見を踏まえてステージの発表はオレの、ファイヤーダンスを交えてのコブシの効いた歌唱ショーに」

スイレン/マオ「「却下」」

マーマネ「意見踏まえるの下手か」

リーリエ「で、でもカキの歌は聞いたことないしウケが悪いかどうかはまだわかりませんよ……?たぶん」
 ▼ 400 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:25:42 ID:ZoMKJzIY [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------当日まで、あと4日-------


ムーマ「おにーちゃん。わたしもうすぐ旅に出るんだよね?おじさんの旅についていくんだよね?ポケモンとして」

サトシ「まぁ、そういうことだな……おじさんがどこに行くつもりかは知らないけど」

ムーマ「おにーちゃんが旅した場所だったらいいな」

サトシ「ハハ、だなぁ……色々な場所を旅して、経験して……今みたいな生活も良いけど、またオレも旅に出たいなぁ」

ムーマ「おにーちゃん。わたし、一つだけ不安があるの」

サトシ「ん?」

ムーマ「おじさんのポケモン、とっても強いんでしょ?」

サトシ「強いな。オレはドンカラスしか見てないけど本気のピカチュウをあそこまで追い詰められるポケモンはそういないよ」

ピカチュウ「ピカッ」

サトシ「だから今度はちゃんと勝負がしたいんだ……それで?何が不安なんだよ?」

ムーマ「わたし、ポケモンとしては弱かったからみんなについていけるかどうか……」

サトシ「初めはみんなそんなもんさ!心配しなくたっておじさんを信じてみろ!」

ムーマ「うん……そうだね。わたし、ピカチュウよりも強くなりたい!」

サトシ「よっしゃ!その意気だ」

ピカチュウ「は?」

バ バ バ バ バ バ バ … … ! !

ムーマ「ふ、ふみまへん、ちょうしのりまひた」ビリビリ

サトシ「お前、ムーマが来てから随分とまぁ拗ね気味になったよな」

ピカチュウ「ピカチュ〜」プイッ


ムーマ「ねぇ、おにーちゃんのポケモンの中で一番強いポケモンってだれ?」

サトシ「どうだろう、格付けみたいなのはあんまり好きじゃないけど、強いて言うならピカチュウかな」

ピカチュウ「エッヘン」

ムーマ「ホント?おにーちゃんのポケモン、全部の中でピカチュウが一番強いの?」

サトシ「全部? あぁ……!それならやっぱり……」

ピカチュウ「(`・ω・´)」バリバリバリ

サトシ「うぎぎぎゃぎゃん!!」

ピカチュウ「ピカッ、ピカッチュウ」

ムーマ「『過去に捕われるな。できるなら奴らのことなど忘れろ』だって」

サトシ「やだコイツ恐い」
 ▼ 401 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:29:43 ID:ZoMKJzIY [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------当日まで、あと3日-------


ライチ「はぁ!?妹!?サトシに妹なんていたの!?」

ククイ「まぁ話せば長くなるんですが……どうですクイーン、パーティーは好きでしょう?」

ライチ「むむぅ、サトシの妹……興味あるけど仕事もあるし……有給使っちゃおーかなぁ……」

ククイ「ゆ、有給」

ライチ「考えとくわ。アタシのかわいい生徒たちが必死こいてプログラムを考えてくれてるんでしょ?」

ククイ「なっ!?アイツらはオレの生徒ですよ!アンタは臨時教員じゃないか!」

ライチ「臨時でも何でもカワイイもんはカワイイの!あの子達の理解ならアタシの方が上よ!」

ククイ「ならスイレンが一番好きな色違いのポケモンは何か、答えてください!」

ライチ「サニーゴよ!課外授業の3、4日目だかにそう言ってたわ!」

ククイ「ぬぅ……そうさ。彼女はあの色を海の本来の色と言っていた。ならマオが最近ハマってる包丁の入れ方は!?」

ライチ「『拍子木切り』!やってると笑いがこみ上げてくると言ってたわ!」

ククイ「そうだ。じゃあカキが自分の妹に彼氏が出来たら手始めに何をすると言っていた!?」

ライチ「彼氏の頭にかじりついて妹と付き合うのに相応しい男かどうか見定める!」

ククイ「ぐっ……見事だ。よく覚えていたな」

ライチ「伊達に子供の相手しとらんわい」
 ▼ 402 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:32:26 ID:ZoMKJzIY [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------当日まで、あと2日-------


マオ「やっぱりちょっとしたバトル大会なんかは開いた方がいいよね!ムーマちゃんはサトシの影響をしっかり受けてたし」

スイレン「おぉいい考え。優勝したムーマちゃんには何かいいものをあげよう」

マオ「そうだね!盛大に祝ってあげよう!」

カキ「ちょっと待て。何を甘っちょろいことを言ってる」

カキ「ムーマが優勝前提なんて、そんな接待バトルでムーマを持ち上げるんじゃあ彼女も納得いかんだろう。なぁ?」

マーマネ「うぉぉ、こっちに同意求めてきた」

リーリエ「ムーマちゃんはサトシとそっくりな部分を誇りに思っていました。好きな食べ物だってそうでしたよね」

マーマネ「つまり何が言いたいのさ?」

リーリエ「もしサトシがムーマちゃんの立場なら、不当に持ち上げられることを良く思わないと思います」

カキ「その通りだ。バトル大会をするなら、博士に腕利きのトレーナーでも呼び出してもらうか」

カキ「それともオレがトレーナーとして出てやってもいいぞ」

マオ「ごめん、やっぱやめた方がいいかな」

リーリエ「勿体無いですよ!やりましょやりましょ!」

マーマネ「予定を決める時間ももう無いしねぇ。明日から会場の用意もしなきゃ。しかしよくスクールの貸切なんて出来たよねぇ」
 ▼ 403 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:37:54 ID:ZoMKJzIY [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------パーティー前日-------


ムーマ「〜♪」ガサガサ

サトシ「何してるんだ?」

ムーマ「旅のじゅんびだよ。旅にはたくさんのにもつがいるからね」

サトシ「お前はポケモンになるからそんなのいらんだろ」

ムーマ「あっ、そうか。でもせめてこれだけは持ってく!」

サトシ「モリオンのペンダントか。確かにそれなら首に下げてもっていけるな」

ムーマ「おにーちゃんとおそろいのペンダント。わたしたちがはなれててもわたしがおにーちゃんの妹だって印になる」

サトシ「ジェイムズさんも粋なことしてくれるよなぁ。明日会えたら改めて礼を言っとこうな」


ムーマ「おにーちゃん。わたしがおにーちゃんの家に来たときのこと、おぼえてる?」

サトシ「あぁ。身に覚えのない子が来たと思ったらオレが助けたムウマだと知った時はビックラこいたな」

ムーマ「そう。わたしはカプ・コケコにその時の恩を返すように言われたの。それでおにーちゃんのところへ来た」

サトシ「恩返しだったかー。そういやそうだったな」

ムーマ「わたしの恩返し……恩返しになってたかな?すごく楽しかったけど、いっぱい迷惑もかけたし……」

サトシ「オレも楽しかったよ。だからあの日ムーマを助けて本当によかったと思った」

サトシ「ムーマがオレにしてくれたことはいっぱいあるよ。胸張って旅に行っといで」

ムーマ「……」

サトシ「返事は」

ムーマ「はい!」

サトシ「よしよし、またどこかで会った時は一緒に遊ぼうな」ナデナデ

ムーマ「むぅ……/// おにーちゃん、またピカチュウに怒られちゃうよ」

サトシ「いいんだ。その時はオレが全部受け止めてやる」

サトシ「大体、ポケモントレーナーってのは自分が守るべきものに分け隔てなく接しなきゃならないんだ」

サトシ「性格が丸いヤツにも、尖ったヤツにも、説明が難しいヤツにも同じように向き合うよう心がけてる」

サトシ「ピカチュウだけが特別なんじゃないよ。本人がそう思ってるなら、それはアイツの勘違いだ」

ピカチュウ「ほう」

サトシ「( Д ) ゚ ゚」

ムーマ「ピカチュウ、いつからそこn」

ピカチュウ「ヂ ャ ア ア ア ア ア ! !」

サトシ/ムーマ「「うべべべべべべべ」」
 ▼ 404 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/10 23:39:33 ID:ZoMKJzIY [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次のおはなし



第13話(全15話)   「それがサトシです」
 ▼ 405 ーマルド@ヘラクロスナイト 17/09/10 23:44:47 ID:sYbinxcY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このSSのメンバー好きだわ
支援
 ▼ 406 ランセル@ブロムヘキシン 17/09/11 19:33:17 ID:.Ojx1mi6 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっぱりいいね
支援

あれ。次含めて、あと三話あるのか……
 ▼ 407 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/11 21:11:54 ID:OIM7E9jI [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------○月×日 正午 ポケモンスクール-------


------------------当日。

パーティーの準備もいよいよ大詰め。せかせかと動くスクール関係者達を、校庭のポケモン達がボンヤリ見つめる。

スクール裏の倉庫から次々に運ばれて並ぶテント・テーブル・パイプ椅子。

スピーカー・マイクの調子はOK。ステージの設備も異常なし。進行係の体調も万全。

後は主役と開場時間を待つのみ。会場には既に、待ちきれずにフライング入場したゲスト達も。


ホウ「うぉぉー!きょうのスクールはおまつりムード!」

スイ「テントがいっぱいならんでるよ!どこからいこう?」

ホウ「でもどこもしずかだね。まだやってないのかな?」

スイ「じゃあおてつだいしにいこう!ボランティアボランティア!」

スイレンママ「はいはい、もう少し大きくなったらね」

マオ「あっ、スイレンママさん!アローラ!」

スイレン「お母さん!まだ開場まで時間あるよ」

スイレンママ「二人がどうしても先に入りたいっていうから……受付の人に頼んで入れてもらっちゃった」

スイレン「ハァ……そう」
 ▼ 408 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/11 21:18:55 ID:OIM7E9jI [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マーマネ父「ほう、随分と大規模なお別れ会をやるんだね。ムーマちゃんって子は余程皆から好かれてたんだなぁ」

マーマネ母「マーマネも最近は家に帰るとよくその子の話をしていたものね。今日初めて会うから楽しみだわ」

マーマネ父「ほぼ準備も終わってるようだが、さすが我が息子。機械が絡むとやることが早いなぁ」

マーマネ母「家の手伝いも早いといいんだけどね。ウフフ」


マーマネ「バ ッ フ ロ ン !」

リーリエ「マーマネ、風邪ですか?」

マーマネ「いや、どこかで誰かが僕の噂をしてるみたいなんだ……」

カキ「ほう、モテ期の到来か?」

マーマネ「ハッ、そんなわけないよ。それよりも、頼んでおいたBGM用のCD持ってきてくれた?」

カキ「あぁ。アローラに伝わる民族音楽。ひと通り揃えてあるぞ」

マーマネ「んなシブいので盛り上がれないよ」

カキ「案ずるな。別のもちゃんと用意してある。『ポケモン サン・ムーン スーパーミュージック コンプリート』!」

マーマネ「宣伝どうも。……にしてもムーマちゃんと一緒にいるサトシはともかく、博士はまだスクールに着かないの?」

リーリエ「今朝、始発のアーカラ行の船に乗って『彼』を迎えに行ったっきりですものね……」

カキ「慌てずとも博士なら時間通りに来るさ。それよりも練習だ。司会進行張り切ってやらなきゃだぞ」
 ▼ 409 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/11 21:20:24 ID:OIM7E9jI [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ハウオリシティ-------


ムーマ「…………」

サトシ「ムーマ。もうすぐ来るな。お前の新しいお父さん」

ムーマ「うん」

サトシ「優しそうな人だし、旅にもついて行きやすいだろ?」

ムーマ「きっとね」

サトシ「もうすぐククイ博士とおじさんを乗せた船が来る。そしたらこの二人っきりの時間もしばらくはお預けだな」

ムーマ「むぅ〜……何年おあずけくらうんだろ」

サトシ「まぁまぁ……二人よりもたくさんでいた方が賑やかでいいと思うけどな。オレは」

ムーマ「そぉ?」

サトシ「お前が言わなきゃ今日だってピカチュウ達を博士に同行させたりしないよ。今は無理やり二人っきりの状況を作ってんだ」

ムーマ「何それ!?わたしと二人っきりはイヤ!?」

サトシ「ムーマがその方がいいならオレは何も言わない。それだけだ」

ムーマ「むぅぁ〜!!最後の最後でみもふたもないことを言う!!」

サトシ「ハハハ、オレはそうやって色んな仲間と過ごしてきたんだ。ピカチュウも一緒」

ムーマ「……やっぱそんだけ仲がいいんだね。ピカチュウと」

サトシ「そうさ。特別扱いは好きじゃないけど、アイツは最初から今までオレにずっとついてきてくれてるんだ」

サトシ「少しは他と違う向き合い方をしたくなるよ。時の流れは不思議だね」

ムーマ「むぅ」
 ▼ 410 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/11 21:22:21 ID:OIM7E9jI [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポーーーッ    ポーーーッ


サトシ「来た!行こうムーマ!」

ムーマ「う、うん」

---------------------------------------------

ピカチュウ「ピカチュゥ〜!!」

サトシ「あぁよしよし。勝手なこと言ってゴメンなぁ!ホント」

ククイ「全く、最近のピカチュウはどうも手が付けられないんだよな。しかめっ面な時が妙に多いというか」

ルガルガン「わんっ」

ニャビー「うにぃ」

モクロー「ZZZ……」



ムーマ父「ヤシロちゃん!」

ムーマ「あ……おじさん」

ムーマ父「……うん。さすがにまだパパとは呼んでくれないか。君は随分辛い思いをしただろうからね」

サトシ「ムーマは強い子です。だから自分の夢を叶えてくれる貴方について行くことにしたんです」

ムーマ父「そうだね……ヤシロちゃん、僕のために決心してくれて本当にありがとう」

ムーマ「おじさんのためじゃないもん。自分のためにきめたんだもん」

ムーマ父「……そうか。ねぇ、ヤシロちゃん」

ムーマ父「君は僕のことを気に入らないかもしれないけど、僕はどんな時でも君を手放したりしないって約束するよ」

ムーマ父「だって君は僕の愛した人が生んでくれた子供なんだ。彼女が君を気に入らなくたってそれは事実だ」

ムーマ父「だからね……」

ムーマ「もういい。わたしがおじさんのこと好きになれるようにがんばるから」

ムーマ「だからおじさんも昔のことなんか気にしないで、わたしを好きになって。……『パパ』」

ムーマ父「……!」

ククイ「パパさん、ムーマはアンタが思ってるほど子供じゃないんだ。心配無用さ」

ククイ「それよりポケモンスクールに行きましょう!皆が待ってます」

ククイ「さぁサトシ、ムーマ!今日はお前達が主役だ。ゼンリョクで盛り上げてこい!」
 ▼ 411 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/11 21:25:56 ID:OIM7E9jI [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------午後2時 開場-------


マオ「Ladies and Gentlemen! Welcome to “Pokemon school”!! Yeahhhhhhhhhh!!!」


「「「「「Yeahhhhhhhhhh!!!」」」」」


スイレン「……はい、盛り上がってますね。さてさて始まりましたスクールの宴。司会進行は私達」

リーリエ「えーっと、ククイ学級5名でお送り致しますっ」カタカタ

リーリエ(うぅ……大勢の前で喋るのって緊張します)

マーマネ「うーむ、見ての通り今日は忙しい中たくさんの人が集まってくれてるね」

スイレン「それに綺麗なお客様もたくさん。えー、別嬪さん、別嬪さん、5人飛ばして別嬪さん」


        「飛ばしすぎだろ!」               「ワハハハハハ……」


スイレン「ではリーリエ、今日はどうして皆集まってくれたのかな?」

リーリエ「えっと……今日は、私達の妹・ムーマちゃんの旅立ちの日だからです!」

スイレン「そう。私達が彼女と出会ってから早一ヶ月。色々なことがあったけどしばしのお別れをしなきゃいけなくなった」

リーリエ「……ええ」

リーリエ「旅に出るって、一体どんな感じなんでしょうか。よくサトシから旅の話を聞きますが……」

リーリエ「いざ自分が冒険に出ようってなった時、不安・期待・好奇心……」

リーリエ「色々なものが入り混ざって複雑な感情になると思います。ムーマちゃんもきっとそうだと……」

スイレン「ふむ。では突然ですがここでリーリエに旅にまつわるシミュレーションクイズ」デデン
 ▼ 412 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/11 22:16:20 ID:OIM7E9jI [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「はっ?そんなの台本に無かったですよ?」

スイレン「今、リーリエは何も無いだだっ広い草原に立っています。周りにいるのはシロンただ一匹」

リーリエ「ちょっと!聞いてます!?」

スイレン「ちなみにその草原は地平の果てまで続いていて、町までの距離はおおよそ数百キロ」

リーリエ「数百キロ!?」

スイレン「リーリエはそんな草原のド真ん中にいます。でも疲労からか眠くて歩く力も起きません」

スイレン「おまけに夕日が沈めばたちまち無法地帯。迫りくる痴漢暴漢キテルグマ。無防備のリーリエの命は保証されません」

リーリエ「い゛っ……!?」

スイレン「では問題!この状況でリーリエはどうやって一晩を過ごすでしょうか?」

リーリエ「あぁもう! 何も無いってことは……ホテルもベッドも……あとキャンピングカーも無いってことですよね」

スイレン「甘ったれんなお嬢様。勿論バッグも無いからテントも枕も虫よけスプレーも無いよ」

マオ「えっ?手ブラ!?スイレンのシュミレーションツアーめっちゃハードモード!」

スイレン「さぁどうする?リーリエの答えがムーマちゃんの未来を救うかもしれない」

リーリエ「果たしてそんな非現実的なシチュエーションに出くわすでしょうか……」

リーリエ「えっ、えーっと……シロンがいるから暑さはしのげる。だけど野生ポケモンからの護衛は少し心許ないでしょうか」

リーリエ「寧ろシロンの安全を第一に考えなければいけないでしょうか。あぁでも私も手ブラで野宿なんか……」

マーマネ「3、2、1……答え、どうぞ!」

リーリエ「えーっと……夢の中で大きなベッドで寝る!」ムリヤリーリエ

カキ「解決してねぇじゃねぇかよ」

マーマネ「何という富と快楽への執着心」

スイレン「将来お先真っ暗」

マオ「でもムーマちゃんならどんなピンチでも切り抜けられるよね!体はどうあれ心が強いし!」

マーマネ「何か旅の中でも色々と無茶しそうだよね。サトシの影響を受けてさ」

カキ「だが彼女はそれを誇りに思うだろう。まったく、そこまで妹に慕われる兄ってのは羨ましいぜ」

マオ「さぁ、気を取り直して今日はムーマちゃんをたっぷり祝ってあげよう!」

「「「「おーーーーー!!」」」」


リーリエ「…………」

リーリエ「私 は 一 体 何 を さ せ ら れ た ん で す か ! ?」オイテキボリーリエ

シロン「コーン……」
 ▼ 413 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/11 22:18:03 ID:OIM7E9jI [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「それでは登場していただきましょう!本日の主役・ムーマちゃんと、兄のサトシ君です!ステージオン!」


ワ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ … … !


ムーマ「……」カタカタ

サトシ「いやいや!どーもどーも!ほら、ムーマも」

ムーマ「……///」ギュッ

サトシ「何だよ、ロイヤルド−ムの時より人少ないぞ?人混みにはもう慣れたんじゃないのか?」

マオ「誰もが一回こっきりですぐ慣れるほどメンタルってのはよく出来てません」パシッ

サトシ「いだっ」

カキ「お前は緊張感が無さすぎなんだ。今日の主役はムーマ、そしてお前でもある。もっと凛とした振る舞いをしろ」

サトシ「凛と……?咲いて咲いて月にお願い?」

マオ「要するにショリッとしろってこと。パーティーだからって浮かれすぎないでよ?」

サトシ「むぅ……」

マオ「まぁ、どーせサトシの頭ん中はプログラム最後のバトル大会のことでいっぱいなんだろうけど」

サトシ「そ、そんなことないよ!他のもすごく楽しみだよ!」

マーマネ「まぁね、主役に気に入ってもらえるように僕らが必死に考えたプログラムなんだ。楽しんでもらわなくちゃ困る」


ムーマ父「か、開幕早々ボケますねサトシ君……」

ククイ「アイツは台本なんかじゃなく、自分の言葉で話を回す方がうまいんです」

ムーマ父「台本がいらない……自分の言葉でねぇ……」

ククイ「だからアイツにはあえて司会進行から外れてもらったんだ。彼を見てください、楽しそうでしょう?」
 ▼ 414 イル@キズぐすり 17/09/11 22:26:03 ID:.Ojx1mi6 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルガルガン……いつ進化したんだ……?
 ▼ 415 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 20:08:57 ID:Efj9rGSQ [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「えぇ、とても」

モクロー「もっふもふ♪」

ニャビー「むにぃ」

ククイ「サトシの影響を受けると、どうも人やポケモンが自分から彼のもとへ寄り添うようで」

ククイ「彼は何か持ってますね。……コイツの件といい」

ルガルガン「ばふ」

ムーマ父「そういえば……その変わった姿のルガルガン、一体いつどうやって進化を?」

ククイ「昨日のことだったか。サトシがムーマを連れてイワンコと特訓をしていた時」

ククイ「偶然にも見れたらしいんですよ。滅多に見れない自然現象『グリーンフラッシュ』がね」

ムーマ父「? それが進化とどういう関係が?」

ククイ「以前イワンコがアーカラ島でカプ・テテフから貰ったエネルギー……」

ククイ「『グリーンフラッシュ』はイワンコの中に秘められていたそのエネルギーを覚醒させる力があったのだとわかりました」

ルガルガン「わん」

ムーマ父「へ、へぇ……成程、サトシ君は持ってますね(もう彼に驚いてたらキリが無いかも……)」

-------------------------------------------------------------------

マーマネ「サトシ、プログラム1番はカラオケ大会だよ」

サトシ「いいのか!?よっしゃそれじゃあ1番、サトシで『めざ……」

カキ「ショリッとしろって言ったろ!司会用のマイクで歌おうとするな!」ベシッ

サトシ「なまはむっ」


ムーマ父「た、楽しそうっすね……」

ククイ「一見勝手なヤツにも見えるが、サトシは決して自分だけが楽しもうとはしない」

ククイ「こんな機会だからこそ、皆で笑っていたい。じゃれ合っていたい。だからサトシは積極的に、ゼンリョクで楽しむんだ」


サトシ「ムーマ!じゃあまずはお前から歌えよ!な?」

ムーマ「……うん!」ニコッ


ムーマ父「フフ、なるほど……それがサトシ君なんですね」
 ▼ 416 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 20:13:07 ID:Efj9rGSQ [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「ドリドリドリームパーワー♪ドリドリパワー♪わたしたちーきーせーきのちーから♪」

ホシ「ドリームパーワー♪ドリドリパーワー♪ゆめー見たー時かーら始ーまるの♪」

カキ「笑顔だって♪」

マオ「こらー、麗しい花園に土足で踏み入らないの」

カキ「うわーーーん!」

ホウ「やっぱちんじゅうだねあのおにいちゃん」

スイ「くうきをよまないちんじゅうだね」



スイレンママ「君の♪声を♪聞かせーてー♪雲をー避ーけ世界照らすような♪」

マーマネ父「娘は13にーなぁーって♪盗みのあーじーおーぼえてー♪黒いリスートに名前を残ーーしたー♪」

マーマネ「サン&ムーンってか……」



マオ「いくっきゃない♪やるっきゃない♪負けっこない♪」

スイレン「やめられない♪止まらない♪カルビーーかーっぱえびせん♪」

マオ「スイレン!しょーもない妨害しないでよ!」

スイレン「えへ!」
 ▼ 417 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 20:15:38 ID:Efj9rGSQ [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「いつ↑もいつで↑もうま↓くゆくな↓ん↓て♪ほしょ↑うはどこ↑にも↑ない↓け↑ど♪」

サトシ「音程が壊滅的だよ博士」

ククイ「どうですパパさん?貴方も歌います?」

ムーマ父「い、いえ、ヤシロちゃんが楽しければそれで……」

ムーマ「キャッキャッ」

ムーマ父「……それにしてもこんなに人が集まるなんて……アローラ地方というのは、人情溢れる良い場所なんですね」

ククイ「まぁ、アローラの住民達は陽気な宴好きが多いですからね。何かとこういう催しの噂を聞きつければやって来るんです」

ククイ「それに何より一番の理由はムーマと、彼女を囲む素敵なお兄さん・お姉さん達が輝いていること」

ムーマ父「サトシ君と……あの子供達……」

ククイ「アローラの太陽は一つではない」

ククイ「太陽は、こんなに素晴らしい子供達の数だけあるんだなって、改めて気付かされました」

サトシ「博士……えへへ」

ククイ「まぁ、オレの人脈と行動力のおかげでもあるんですけどね」

サトシ「おい」


ムーマ「おにーちゃん、マお姉ちゃんが呼んでたよ?いっしょに行こう!」キュルキュル

マオ「あぁいたいた。サトシ、またステージに上がるよ!次のプログラムが始まるから!」

サトシ「あぁ!じゃあ博士、パパさん!行ってきます!」

ククイ「おぅ!まだまだ楽しませてもらうぞ!」

ロトム「ヒィ……録画時間90分経過……パーティーは終いまで撮るから後の編集作業がどえらい大変ロト……」


ムーマが笑えば、サトシが笑う。サトシが笑えば、皆が笑う。
 ▼ 418 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 20:18:29 ID:Efj9rGSQ [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------プログラム2番 ○×クイズ-------


リーリエ「えーっと……皆さん、これからポケモンや地理・歴史のクイズをたくさん出しますので○か×かで答えてください」

マーマネ「○と答える人はステージの右側へ、×と答える人はステージの左側に移動してください」


マオ「第一問!ハウオリ霊園に建てられているお墓の数は40基よりも少ない!○か×か」

カキ「それ、クイズにして大丈夫なのか……?」

スイレン「第二問!ではその中で『山』の字がつく家族のお墓は」

カキ「アウトーーーーーーー!!!」

-------------------------------------------

マオ「えー、第十三問!メレメレ島のパンケーキショップのテイクアウトコーナーで売られているチョコソースの種類は?」

スイレン「11種類である。○か×か」

カキ「ふむ。これは引っ掛け問題だな。11というその中途半端な数は正確な種類数を指していると信用していいか悪いか……」

スイレン「はい、正解は×で10種類でした!」

ノア「あ、あの!3日前から発売の期間限定チョコミントソースはカウントしましたか?」

マオ「○の方、正解です!」

カキ「おーーーーーーい!!」
 ▼ 419 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 20:21:02 ID:Efj9rGSQ [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「最後の問題・第二十問!ムウマの色違いは緑色である。○か×か?」

スイレン「ムーマちゃん!チャンス問題だよ!」

ムーマ「???」

カキ「わからないっぽいぞ……」

サトシ「博士、わかる?」

ククイ「フフ、実は去年だったか、ハウオリ霊園で見たことがあるんだ。正解は○だ!」

マオ「正解はオゥエシーズ(#889139)で答えは×でしたーー!」

カキ「ピャーーーーーーーーーー!!!」

ホシ(もう珍獣であることを一切否定できない領域に立ちつつあるね……カッコイイよお兄ちゃん)


マオ「優勝は16問正解のライチさんでした!スゴイ!カッコイイです!天才!」

ライチ「あぁ……運ね。ほぼ100%」

スイレン「優勝したライチさんには来年から使える2018年カレンダー1年分を差し上げます」

サトシ「あれ?そういえばカキは?」

マーマネ「20問中18問もゼンリョクでツッコミを入れたから今熱中症でブッ倒れてるよ。しばらく進行はできなさそう」

サトシ「優勝だな」
 ▼ 420 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 20:26:17 ID:Efj9rGSQ [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------プログラム3番 おやつタイム-------


マオ「はいはーいみなさん!お昼はちゃんと抜いてきましたか?お待ちかねのおやつの時間でーす!」

アママイコ「あむぁー!」

スイレン「マオちゃん、今日はどんなスイーツを作ってきたのかな?」

マオ「ハイハイ、開場までトップシークレットだったアイナ食堂自慢のスイーツ、ご覧に入れましょうっ」


マオ「まずはアローラ名物・パイルジュースを応用して作りました、『ゼリードリンク』!」

マオ「炭酸入りで口の中が楽しくなる一品でっす!ご賞味あれ!」

マオ「さらにさらに、アローラでは珍しいノメルのみで作った『チーズケーキ』もございますよぃ」

マオ「人数分用意してあるとは限りません!欲しい方はお早めにどぅぞっ!」


      「おぉぉー!」                 「この為にオレは朝も抜いてきたぜ」

            「おい、他にも色々あるぞ」             「うまそーっ……」


ムーマ「おにーちゃん!早くいこうよ!」

サトシ「ほいほい」

マオ「ストップ!司会進行ともあろう者が、主役のお二人の分を取っておかないハズがあありましょうか!」

サトシ/ムーマ「「ありがてぇ!」」


ピカチュウ「ピ……ピカァ……」ワシノブンハ?

アママイコ「アマァ!」ココニアルデ

ピカチュウ「ピカァ!」
 ▼ 421 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 20:28:13 ID:Efj9rGSQ [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ほいムーマ、あーん」

ムーマ「あがー」

マオ「もうナチュラルだね。でも微笑ましいな」

ピカチュウ「……」

マオ「どうお?」

サトシ「おいしい?」

ムーマ「うん!さすがマお姉ちゃん!」

サトシ「めざせ料理マスター!ってな」

マオ「えへへ……///」


ムーマ「はい、じゃあ次はおにーちゃん!あーん」

ピカチュウ「!?」

サトシ「おっ、いいのか?じゃあお言葉に甘えて……」

マオ「……」チラッ


ピカチュウ「(@益@)」


サトシ「うん!うまい!クセになりそうだ!」

ムーマ「じゃあ次は口からいっちゃう?///」

サトシ「えっ?」

マオ「お二人、雷神様が御怒りじゃ」

サトシ「はっ!?」


ピカチュウ「(゜゜)」


サトシ(ま、真顔!これはマズイ!嫉妬心が最大限に達してる!)

ムーマ「はわわわ……ぴ、ピカチュウ、いっしょに食べる?」

サトシ「おいっ、変に刺激するな!!」

ピカチュウ「……ピカピ」


サトシ「……へ?」

ムーマ「『ごゆっくり』だって。た、助かった……」
 ▼ 422 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 20:35:43 ID:Efj9rGSQ [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マーマネ「うまいっ!余は大満足じゃ!」ガツガツ

スイレン「ガッつくな司会進行」

リーリエ「そうですよ。特にこのチーズケーキ、お口が癒されるような甘さと食感はゆっくり食べてこそで……」


ピカチュウ「ピカチュウ」

スイレン「ん、ピカチュウ。貴方はサトシと一緒に食べないの?」

マーマネ「こっちに来てもお菓子はやれないよ」

リーリエ「ムーマちゃんにも分けてもらったらどうです?ホント仲良しですよね、貴方達」

ピカチュウ「」グサッ


サトシ「あっ、マオ!ゼリー食べてたらハートが出てきたぞ!」

ムーマ「わたしも!わたしも!」

アママイコ「マジカ!?」

マオ「おぉ!それはこっそり入れたハートの寒天!ラッキーだね二人共!」

ムーマ「じゃあおにーちゃん、これも一緒に食べようよ!」

サトシ「あぁ。せーの……」


ピカチュウ「ヂャアアアアア!!チクショアアアアア!!」バリバリバリバリ

スイレン「あばばばばば!理不尽だよピカチュウう゛う゛え゛あ゛!」

リーリエ「や、やめ゛てぐださい゛!か、体が痺れあ゛あ゛あ゛あ゛!!」

マーマネ「うぎぎぎゃぎゃん!!(本家)」


マオ「……召されたね。3人程」

サトシ「やっぱ謝って来るわオレ」

ムーマ「わたしも……」
 ▼ 423 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 23:05:07 ID:Efj9rGSQ [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
--------------------------------------
--------------------------

マーマネ「ふぃ〜、パーティーもいよいよ最後のプログラムだね」

サトシ「ソダネ」

リーリエ「ムーマちゃん、とても楽しんでますね。頑張って計画を練った甲斐がありました!」

サトシ「ソダネ、ガンバタネミンナ」

カキ「復活したぞ。これでオレも司会進行に復帰できる。盛り上げ役は任せろ!」

サトシ「オツカレ」

スイレン「サトシ、さっきから返事が早口な上に適当」

マオ「どんだけ楽しみにしてんのよバトル大会……いい?くれぐれも大人げないマネだけはしないようにね?」

サトシ「何だよー、ムーマとやる時は手加減しろってことかー?」ブーブー

マオ「あぁもう……いいよ。あなたも一応主役なワケだしね。好きにすればいいよ」

サトシ「ヨィッサァァァァァ!!」

リーリエ「よいっさー、って……」

マーマネ「そういえばムーマちゃんは今何してるの?」

サトシ「パパさんのところにいるよ。バトル大会で使うポケモンを借りたいんだってさ」

マオ「サトシがポケモンを貸してあげてもよかったのに」

サトシ「それも勧めたんだけどさ、ムーマにとってパパさんのポケモン達はこれから旅の仲間になるワケだしなぁ」

スイレン「なるほど、納得」

カキ「いよいよ本格的にサトシに依存していた自分にケジメをつけようとしているのか。立派なもんだ」

マオ「そうだね……ちょっと寂しいけど」
 ▼ 424 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 23:08:31 ID:Efj9rGSQ [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「〜♪」キュルキュル

リーリエ「あっ、ムーマちゃん!」

サトシ「もう皆への挨拶は済んだのか?」

ムーマ「うん!スゴイんだよみんな!強そうな子がいっぱい!」

サトシ「ハハ、じゃあ約束通り手加減無しでいいな?」

ムーマ「もちろん!」


カキ「さぁ時間だ。今回のメインイベント、二人とも思いっきり楽しむといい」

サトシ/ムーマ「「ヨィッサァァァァァ!!」」

リーリエ「ホント……似てますね、二人とも」



ククイ「えっ、パパさんは出ないんです!?」

ムーマ父「ヤシロちゃんが楽しむのを見ているだけでいいんです」

ムーマ父「僕の正体をサトシ君が知ってしまえば、彼はきっと僕に興味を持ってしまう」

ムーマ父「サトシ君の思い出に、ヤシロちゃんが強く残っていてほしいんです。僕はポケモンを使ってもらえるだけで十分だ」

ククイ「正体とは、シンオウリーグベスト4という貴方自身の実績のことですか?」

ムーマ父「えぇ。僕が出しゃばればサトシ君とヤシロちゃんのバトルに大きな意味が無くなりそうで……」

ククイ「さっきからアンタは子供達を子供っぽく見すぎだぜ。サトシは今更そんなこと気にしませんよ」

ムーマ父「あぁいえ、それでもいいんです。今日のパーティーの主役は、あの二人なんでしょ?」

ククイ「フン……うまいこと逃げる」

---------------------------------------

マオ「スイレン、バトル大会の参加者の集計は終わった?」

スイレン「うん。手を挙げたのはサトシとムーマちゃん含めて8人」

カキ「少なすぎないか?やっぱりオレも出ようか」

マオ「カキ、パーティーの主旨をよく考えて」

カキ「ハッ、ギャグのつもりで言っただけだ」
 ▼ 425 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 23:33:00 ID:Efj9rGSQ [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------プログラム4番 バトル大会-------


サトシ「キタアァアァアァアァ!!!」

ククイ「MAXハイテンションだなサトシ」

サトシ「そりゃもう!な?ムーマ」

ムーマ「イエス!」

ムーマ父「バトル大会の参加者は8人。丁度余りなしでトーナメント戦ができる人数だよね」

ククイ「あぁそう、マオ達進行係からトーナメント表が発表されていましたよ。うまくいけば二人は決勝でぶつかります」

ムーマ父「フフ、楽しみですね」


マオ「さぁさぁパーティーにご出席いただいている皆さん!ていうかサトシ!お待たせいたしました!」

リーリエ「いよいよバトル大会の開幕です!楽しんでいってくださいね!」

カキ「試合は1対1、敗ければ終わりのトーナメント戦だ。トレーナーの直接的なバトルへの介入は禁止だ」

サトシ「」ビクッ

スイレン「参加しない皆さんは誰が優勝するのか予想してください。予想が当たった人には優勝者と同じ賞品を差し上げます!」

マーマネ「それでは、バトル大会……スタート!」
 ▼ 426 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 23:37:25 ID:Efj9rGSQ [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------1回戦-------


サトシ「『ワ ー ル ズ エ ン ド フ ォ ー ル』!!」

ルガルガン「バルルルルルァァァ!!」


ズ ド ン ! !


参加者A「ま、参りました……」

ロトム「早っ!対戦時間55秒で決着がついたロト!」



ムーマ「『あくのはどう』!」

ドンカラス「ゴァァァァァ!」


ボ ッ !


ムーマ「おにーちゃん!わたしも勝てたよ!」

サトシ「ナイスコンビネーション、ムーマ!」

ロトム「対戦時間2分と5秒ロト。……ムーマちゃんのトレーナーとしての素質、ポケモンに戻るのが惜しいくらいロトね」
 ▼ 427 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 23:41:34 ID:Efj9rGSQ [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------2回戦-------


サトシ「『このは』!」

モクロー「もっふぉぉぉぉ!!」バサバサバサ


サトシ「ふぅ……まぁこんなもんか」

ロトム「対戦時間1分8秒……また圧勝してしまったロト」

マオ「おめでとうサトシ!決勝進出だよ!」

スイレン「サトシのバトル、ほとんど試合になってなかった」

カキ「まぁ、このくらいしてもらわなきゃお前らと互角に戦ったオレ達のメンツも立たねぇってもんさ」

バクガメス「ガメー」

マオ「次はムーマちゃんの番だ!これに勝てばサトシと決勝で戦えるよ!」

マーマネ「次のバトルに勝てればいいけどね……だってムーマちゃんの次の相手は……」


リーリエ「で……では次のバトルを行います!2回戦第2試合はムーマちゃんと……」

リーリエ「我が家の執事・ジェイムズとのポケモンバトルです!」

シロン「……」ゴクリ

カキ「……サトシと戦う前に手強い相手と当たってしまったな」

マーマネ「か、勝てるよね?ムーマちゃん」

スイレン「不安」


ムーマ「この前は、わたしにおにーちゃんとおそろいのペンダントをありがとうございます!」ペコリ

ジェイムズ「いえいえ、こちらこそ。サトシ様には大変お世話になりました……が、本当に良いのですね?」

ムーマ「むぁ?」

ジェイムズ「サトシ様が仰っていたのです。『妹には手加減をしないでくれ』と」

ムーマ「もちろん!本気でバトルしてよ!?」

ジェイムズ「フフ……そうですか。ならば私も出し惜しみは致しません」
 ▼ 428 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/13 23:44:19 ID:Efj9rGSQ [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「がんばれー!ムーマー!」

サトシ(ジェイムズさんのポケモンはきっとオドリドリだ。姿によってタイプが違うポケモン……)

サトシ(1対1の勝負ならムーマがどんなポケモンを出すか、そのへんの運も関わってくる)


ジェイムズ「では参りますぞ!ゆけっ、オドリドリ!」

ムーマ「これからいっしょに旅するトモダチ、次はあなたの番だよ!」


オドリドリ「ドリリリ……」

ミミロップ「みみぃーーーぁ!!」


ムーマ「うわぁー……きれーなポケモン」

サトシ「また姿が違う!今度は何タイプなんだ?」

ロトム「あれは『まいまいスタイル』ロト!『むらさきのミツ』を吸ったオドリドリがあの姿に変化するロト」

ロトム「タイプはゴーストタイプ。ミミロップが戦うには不利な相手ロト」

サトシ「やべぇな……」

ムーマ父「だが僕のミミロップも侮ってもらっちゃ困る。アイツは僕がシンオウ地方で捕まえた主力ポケモンの一匹だからね」

サトシ「ど、ドンカラスとどっちが強いんですか?」

ムーマ父「フフ、さぁね……」


ジェイムズ「おやおや、前回に引き続き私は運がいい!」

リーリエ「そういえばジェイムズはこの間までポニ島へ出張に行ってましたね」

ジェイムズ「この対戦カード、貴方にとって都合が悪いのはご理解していますかな?」

ムーマ「知ってるよ!ゴーストタイプにノーマルタイプの技はきかないもん!でもまけないよ!」

ミミロップ「……」シュッシュッ


マーマネ「バトル始めっ!」
 ▼ 429 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 00:02:14 ID:mh4wNbII [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「ノーマルタイプだっていろんな攻撃ができるんだ!ミミロップ、『ほのおのパンチ』!」

ジェイムズ「来ますよオドリドリ、『エアスラッシュ』で体勢を崩しなさい!」


オドリドリ「ドリーッ!」ザッ!

ミミロップ「ミァーーーーッ!!」ヒョイッ


ムーマ「当たらない当たらない!ミミロップの足は軽いんだよ!」

ジェイムズ「誰も一発だけとは言っていませんぞ、『エアスラシュ』乱れ撃ちです!」


ミミロップ「!?」

オドリドリ「ドスエドスエドスエドスエドスエドスエ」

バチッ!   バチッ!

ミミロップ「キャッ……」


ムーマ「あっ、ミミロップ!」

ジェイムズ「パンチは回避した。しかしそれで終わらないのがオドリドリの乱舞!」


バ バ バ バ バ バ バ バ … … !


ジェイムズ「ムーマ様、これが手加減しないということです!バトルはトレーナーとポケモンの強さをアピールするもの!」


リーリエ「あぁ、ジェイムズったら大人気ない……」

カキ「ミミロップのヤツ、ボコボコだな。ここからどう逆転させるかはムーマの腕にかかってるな」

サトシ「オレのドダイトスでもガードしなければ耐えられなかったオドリドリの猛攻を正面から……」

サトシ「ムーマー!何か指示だ!ミミロップがやられちまうぞ!」

ムーマ「! ……う、うん!」

ミミロップ「ぐっ……ぅ……」ザクザクザク

ムーマ「ガードガード……そうだ!ミミロップ、耳を盾代わりに!」


ミミロップ「!」

ボフッ        ボフッ

オドリドリ「?」

ミミロップ「……」


ムーマ「いいよ!そのまま耐えて!」
 ▼ 430 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 00:06:29 ID:mh4wNbII [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オドリドリ「ドリィ〜……?」ピタッ

ジェイムズ「しまった!弾切れ……」

ムーマ「止まったよ!ミミロップ、ジャンプ!」


ミミロップ「ミミッ!」バァァ…ン


サトシ「やった!オドリドリの真上を取った!」

ムーマ父「敵はスキだらけだ!大抵の技なら当てられるぞ!」


ミミロップ「ミィ〜……」ゴゴゴゴ

ジェイムズ「来るぞ!構えなさいオドリドリ!」

ムーマ「ぜっこーのチャンス!ずいぶん痛めつけられたけどこれでぎゃくてんだ!」

ムーマ「ミミロップ、きゅーこーかからの……」

サトシ「ムーマ、いけーー!!」


ムーマ「『と び ひ ざ げ り』!!」


ジェイムズ「はっ?」

サトシ「あっ!待て!ムー……」


ズドォォォォーーン!!


ミミロップ「いっ……!」ズキズキ

オドリドリ「ドリリ?」

ムーマ「えぇえぇ!?どうしてミミロップが痛がってるの!?さっきの技、どう見ても当たってたたってたのに!」


ムーマ父「サトシ君、彼女はタイプの相性を知ってたんじゃなかったのかい!?」

サトシ「ノーマルタイプがゴーストに効かないのは知ってたみたいッスけど……格闘タイプも同じだとは思わなかったみたい」

ムーマ父「あれま。でも駆け出しトレーナーあるあるだよね」

サトシ「あるある〜」

ロトム「くっちゃべってる場合じゃないロト!ミミロップにまた大きなダメージが入ったロト!」
 ▼ 431 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 00:09:50 ID:mh4wNbII [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミロップ「……」フラフラ

ジェイムズ「手加減はしないという約束でしたねぇ、それ!『エアスラッシュ』乱れ撃ち!」


ズ バ ッ … … !


ムーマ「はわわわ……」


サトシ「ヤバイ!このままじゃホントに敗けるぞ!」

ムーマ父「いやまだだ。ヤシロちゃんにはミミロップのもつ技をすべて教えておいた」

ムーマ父「その中にはこの状況を覆せる切り札がある。ピンチの時にはそれを使うように言っておいた」

サトシ「その切り札って……」


ダガァァァァァァァァン!!


サトシ「!?」

ムーマ父「……さすが」


ミミロップ「ゼェ……ゼェ……」

ジェイムズ「み、『ミラーコート』ですと……!?」

ムーマ「すっごい!これがパパの言ってた切りふだ……」

ジェイムズ「時間を置かない連撃が仇になったか、ものすごいダメージだ……」

スイレン「両者ともにもうダウン寸前!」

マオ「多分、先に技を仕掛けた方の勝ち……だよね」


ミミロップ「ぎっ……」グググ

ムーマ「ミミロップ立って!がんばって!ねぇ!」

オドリドリ「ど……り゛……」グググ

ジェイムズ「この分では……まさか……」


バタッ!

ミミロップ/オドリドリ「「」」


サトシ「引き……分け……?」
 ▼ 432 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 00:12:10 ID:mh4wNbII [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「むぁぁ……」

マーマネ「ねぇ、この場合はどうなるの?トーナメントは?」

マオ「…………」

リーリエ「! 待ってください!何か聞こえます!」


ぐ ぉ ぉ … …


カキ「何だ……?」

スイレン「鼾?でもどこから……」


ムーマ「あっ!」


ミミロップ「ぐぉぉぉ……ZZZ……」


ジェイムズ「ね、寝てるっ……!?」

ムーマ父「まさか!」


ミミロップ「みぃーーーっ!」シャキン


リーリエ「た、立ち上がりました!体力がもう限界のはずのミミロップが!」

ムーマ父「ミミロップの『ねむる』だ!ミミロップはダウンしたんじゃなくて立ち上がるだけの体力を回復してたんだ!」

サトシ「じゃあアイツはまだギリギリ技を使う元気を残してたってことなのか!?ってことは……」

マオ「この勝負、ムーマちゃんの勝ちーー!」

ムーマ「いぇーーーい!!」

カキ「ポケモンが勝手に自分で行動するとは、ムーマのトレーナーとしての腕もまだ未熟ってことか」

スイレン「でも結果オーライ。次はサトシとのバトルだよ」


ジェイムズ「おぉ、何と……私の運も尽きてしまったようですね」

オドリドリ「モーシワケオマヘン……」

ジェイムズ「良いのです。貴方もよく頑張りました」
 ▼ 433 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 00:14:49 ID:mh4wNbII [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次のおはなし



サトシ「よっしゃムーマ、いよいよだな」

ムーマ「……うん」

サトシ「そんな顔するなって。……また会える日まで忘れられないようなスゴイバトルにしようぜ。な?」

ムーマ「また……?」

サトシ「あぁ。だからオレ達も手加減はしないよ、ムーマ」

ピカチュウ「ピカッ!」




第14話(全15話)   「海は広いな 大きいな」
 ▼ 434 ギギアル@アッキのみ 17/09/14 14:03:27 ID:gbhsL9v2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ…パパさんたちは、知らないのね。サトシもシンオウリーグベスト4のこと…
 ▼ 435 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 18:39:55 ID:mh4wNbII [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>434
知ったら知ったで厄介な事になりそうですよね
ちなみにムーマパパはシンオウリーグといっても某ダークライの人がいない大会でのベスト4なので
実力はサトシよりも若干下という設定です。シンジにも勝てるかな?くらいのレベル





マオ「それでは!ムーマちゃん出発記念パーティーも、残るイベントは一つになりました!」

マオ「バトル大会決勝戦!ムーマちゃんVSサトシ!最後まで盛り上がっていきましょうっ!!」


「「「「「ウォォォォォォォォォ…………!!」」」」」


ムーマ「……」

サトシ「……」

ムーマ「……おにーちゃん。ホントにわたしもうじき、こうしてみんなといっしょにいられなくなっちゃうんだね」

サトシ「だからそんな悲しいこと言うなって!また気が向いたらいつでも会いにくればいいさ!」

サトシ「あっ……でもオレに会いたい時は一旦マサラタウンに連絡して……」

ムーマ「おにーちゃん!!」

サトシ「?」

ムーマ「わたし、忘れないよ!」

サトシ「そうか……オレもムーマのこと……」

ムーマ「悲しいときにいっぱい頭なでてもらったり、トマトやコロッケを『あーん』してもらったり、いっしょにおふろ入ったり」

サトシ「ムーマ!?」

ムーマ「それからデートもしたり、夜のおさんぽもしたり、おやすみ前にいろんなことしてもらったり……」

サトシ「ムーマ!?おぉい!?」


リーリエ「な、何てこと……二人の関係は一体……」

マーマネ「夜のお散歩って何さ……?」

マオ「うんうん、ムーマちゃんはサトシにいっぱい甘えたもんね。いつでも旅立てるようにたくさん……」

カキ「だからと言ってひけらかすのは良くないな。特にオレのような人間には……うぉぉーー!ホシーーーッ!!」

ホシ「うるさいよ珍獣」

スイレン「ゲロゲロゲロゲロゲロゲロ」

ホウ「きたないよちんじゅう」
 ▼ 436 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 18:42:22 ID:mh4wNbII [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マーマネ父「いやぁ、今日初めて見ましたがホントに元気で素直な子ですな」

スイレン母「あの子がいるだけで何もかも面白くなっちゃう。ねぇお父さん、いつかまたあの子を連れてウチにいらっしゃいね」

ムーマ父「ハハ……どうも」

ククイ「……さぁ、始まりますよ。二人の大好きなバトル」

ククイ「ムーマの……ヤシロちゃんの旅立ちの儀式、ぜひオレ達で盛り上げましょう」

ムーマ父「……えぇ」


サトシ「よ、用意はいいな?」

ムーマ「うん。わたしはもうこの子をバトルさせるって決めた」

サトシ「……よし、じゃあいくぜ!」

ムーマ「うん!」


ピカチュウ「ピッカァ ァ ァ ッ!!」

ドンカラス「ゴァ ア ァ ア ァ ア ァ!!」


サトシ「……へへ、丁度よかった。ソイツとの決着はまだついてないからな」

ムーマ「こしきんちゃく?」

サトシ「決 着 ! ……なぁドンカラス、お前もあの勝負は納得できなかったよな?」

ドンカラス「グァ」

ムーマ「『納得できない』だって」


マオ「それではサトシのピカチュウとムーマちゃんのドンカラス、1対1の勝負を始めます!」

マーマネ「よーい……始め!」
 ▼ 437 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 18:46:38 ID:mh4wNbII [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「来るぞ!ピカチュウ!」

ムーマ「ドンカラス、『ふいうち』!」

ドンカラス「……」

ムーマ「あ、あれ?」

サトシ「かかったな!いけっ、ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカァー!」


カキ「ムーマめ、またやらかしたな。『ふいうち』は相手が攻撃の挙動を取らなければ失敗する技」

マーマネ「技が失敗した隙をついてピカチュウが攻撃を仕掛けにいったね。サトシがやっぱり一枚上手だね」

カキ「当たり前だ。アイツがどれだけ経験を積んでいると思ってるんだ」



サトシ「『10まんボルト』!!」

ピカチュウ「ヂャアアアアアアアア!!」ババババババ

ドンカラス「ゲベェ……!」

ムーマ「あわわわ……えっと、えっと、……そうだ。ドンカラス、何でもいいから技出して!」

サトシ「おぉい開き直るな!お前は今ドンカラスのトレーナーだぞ!」

ククイ「ムーマ、お前がいなきゃドンカラスは棒立ちのままだ!」

ムーマ「むぅ……そんなこと言ったって……」

サトシ「何もしないなら約束通り手加減せずガンガンいくぜ!ピカチュウ、『アイアンテール』!」

ムーマ「ドンカラス、受け止めて!『はがねのつばさ』!」

ドンカラス「ゴァァァ!」


ギ ィ ィ ィ ィ ィ … … ン ! !


ピカチュウ「ピ……カ……」グググ

ドンカラス「ガラララララ……」ギギギ


サトシ「やっぱ動けば強いなあのドンカラス。パパさんによく育てられてる……だけど」

ムーマ「ふぎぎ……!負けるな〜……!」

サトシ「『エレキボール』!」

ムーマ「!?」
 ▼ 438 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 18:51:11 ID:mh4wNbII [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「ガハッ……」


サトシ「あまりにも競り合いが長引きそうだったんで切り上げた!油断するなよムーマ!」

ムーマ「! うるさい!てかげんしてたの!そこまで言うならもうわたしだって本気でいくよ!」


マオ「怒らせちゃった……サトシはバトルのこととなると人格変わるよねぇ、悪い意味で」



ムーマ「ドンカラス!『あくのはどう』!」

                            サトシ「『10まんボルト』で打ち消せ!」


ムーマ「『はがねのつばさ』!」

                            サトシ「『エレキボール』で阻止だ!」


ムーマ「つ、『つばめがえし』!」

                            サトシ「『アイアンテール』で跳ね返せ!」



ムーマ「むぅぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」ウガーッ!

スイレン「もうカンカン……」

マオ「サトシ!あんまりムーマちゃんを刺激しないであげてよ!」

サトシ「何言ってんだ!オレは本気でやるって約束してんだ!約束を破ったらムーマに悪い」

マオ「だからって……」

カキ「なら早くケリをつけたらどうだ?そう言うお前だって、わざと勝負を長引かせてるだろう?」

カキ「わかるぞ。こんなバトル、いつまでも続けていたい気持ちくらい」

サトシ「う゛……」

カキ「いっぺん大技をぶつけてやったらどうだ?ムーマの起爆剤になるかもしれん」

サトシ「……わかった」

ムーマ「!?」

サトシ「ムーマ、悪かったな!実はオレもちょっと手加減してた」

ムーマ「えぇ!?じゃあおたがいさまじゃん!!」

サトシ「そうだ。バカ二人、お互い約束を破ってたんだ。……ムーマ」
 ▼ 439 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 21:16:54 ID:mh4wNbII [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
----------------サトシの腕のZリング、Zクリスタルがピカチュウと、ムーマと、自分の闘志に応え、共鳴する。

サトシ達のゼンリョクはムーマの起爆剤になるのか、このバトルの望まぬフィナーレを飾るのか。


ピカチュウ「ピカピカピカ……」ゴゴゴゴゴ

サトシ「ムーマ!これを受けてお前の本気を呼び醒ませ!オレ達のゼンリョク……!」

ムーマ父「Z技!あんなものをまともに受けたら!」

ククイ「まともに受けなきゃいいんじゃないんです?パパさん」

ムーマ「……っ!」




ス  パ  ー  キ  ン  グ   ギ  ガ  ボ  ル  ト ! ! ! 




ドンカラス「……!」

ムーマ「……何か……何か……!」

--------------------------------------

サトシ「ムーマ!技がダメなら別の作戦を考えろ!このままだとお前は敗けるぞ!」

ムーマ「おにーちゃん……?で、でも!どうしたらいいかわかんないの!」

サトシ「お前の味方はイワンコだけじゃない!時間・フィールド・運……何でもいいから使えるものは使えるだけ使え!」

ムーマ「使えるだけ……?」

--------------------------------------

ムーマ「……そうだ」


ムーマ「       ドンカラス!地面に『はがねのつばさ』!       」


ドンカラス「!」

ザクッ!

ムーマ「…………」



ゴ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … … … … … … ! ! ! 
 ▼ 440 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 21:20:38 ID:mh4wNbII [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「……ど、どうなった?」

カキ「……」

マーマネ「避けられなかった……いや、避けようともしなかったよね!?ホントにサトシの言う通りにするなんて……」

スイレン「バトル、終わっちゃったのかな……」


ピカチュウ「ピカ!」

サトシ「……やっぱり、これで終わるわけないよな!」

ムーマ「うん!」

ドンカラス「ゴァァァ……」プルプル


リーリエ「立ってる……?ドンカラスはまだ立ってます!」

マーマネ「それどころか殆ど無傷だよ!あんなに真正面から攻撃を受けたのに!」

カキ「電撃を地面に逃がしたな……『はがねのつばさ』を地面に突き刺して受け流したんだろう」

マーマネ「そんなジムリーダーみたいな高等戦術……ホントにムーマちゃんが考えたの?それともドンカラスが本能的に?」

スイレン「サトシの影響で無茶な賭けをしたのかも……それで賭けは成功した……のかな?」

カキ「フフ、さぁな……」
 ▼ 441 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 21:25:04 ID:mh4wNbII [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「! 見てください!ムーマちゃんが攻撃を仕掛けますよ!」

カキ「やっと始まったか……目覚めたなムーマ、それにサトシも」


ムーマ「ドンカラス、GO!!」

ドンカラス「グァッ!」

サトシ「ピカチュウ、ドンカラスにしがみつけ!」

ピカチュウ「ピチャァァァ!!」バッ

ムーマ「ドンカラス!宙返りしてはね返せ!」

サトシ「おっ!?……動きが早いと乗り込めないか……なら撃ち落とす!『エレキボール』連射!」

ピカチュウ「チャァァッ!」

ムーマ「ドンカラス!フィールド命だよ!木に池に校舎……いろんなところにかくれちゃえ!」

ドンカラス「ゴァァ!」


ズ ド ォ ォ ン !                   
   
                       バ シ ャ ァ ァ ッ !
                  
             ビ カ ッ !
             
                                ズ ァ ァ ッ ン !          

                                           ド シ ュ ッ !


               バ ギ ャ ッ !       


                        ゴ     ボ   ォ ォ … … ン !



ナリヤ「た、頼むから校舎だけは壊さんでクレッフィ……」


サトシ「へぇ……うまいこと避けるじゃん!」

ムーマ「おにーちゃん!やっぱりバトルはこうでなくちゃね!」


マーマネ「まったく!ステージにもバトルの余波が飛び火してきたよ」

カキ「おーい、怪我人はいないかー?」

リーリエ「ゲストの皆さんは大丈夫みたいです!」

スイレン「私、一発食らった」グフッ

マオ「はぁ……もう突っ込む気力もないよ。二人とも……スッゴく楽しそうで」

カキ「フフ、バトルはこうでなくてはな。カプ・コケコもどこかでこの勝負、見入っていることだろう」
 ▼ 442 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 21:27:41 ID:mh4wNbII [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……くそっ、見失った」

サトシ「ピカチュウ、上下左右に気を付けろ!ドンカラスはどこかで攻撃のチャンスを伺ってるかもしれない!」

ムーマ「ドンカラス!“いがいなところでコンニチハ!”『あくのはどう』!」


ボ ッ !


ピカチュウ「ピッ?」

サトシ「ピカチュウ、後ろだ!弾き返せ!」


バ チ ッ … … !


ムーマ「しまった!」

サトシ「まさか死角から攻撃してくるなんてな。恐れ入ったぜ」

ムーマ「でもザンネン!そっちはおとりだよ!ドンカラス、ピカチュウの後ろの後ろから『あくのはどう』!」

サトシ「なっ……!?」


ド パ ァ ァ ァ ァ … … ! !


ピカチュウ「ピッ……カ……」

ムーマ「トドメだドンカラス!『つばめがえし』!」

ドンカラス「ゴァァァァァァ!!」キーン

サトシ「……へへ、突っ込んできたなムーマ!いくぜピカチュウ、今度こそドンカラスに乗り込め!」

ムーマ「あっ」


ピカチュウ「ピッカァ!!」シュタッ

ドンカラス「っ!ゴァ!ゴァァァー!」ユサユサ

サトシ「無駄だ!一度捕らえたらピカチュウはしつこいぞ!さぁやれ!『10まんボルト』!!」

ピカチュウ「ヂャアアアアア!!」

バ バ バ バ バ バ バ … … … … ! !

ドンカラス「グアァァァァ……!!」

ムーマ「負けないでドンカラス!何とか振り落として!」

ドンカラス「ゴァァァ!!」ブォンブォン

ピカチュウ「ピッ……」

サトシ「そんなんじゃピカチュウからは逃げられないぜ!……さぁトドメだ!!」
 ▼ 443 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 23:34:18 ID:mh4wNbII [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「使えるものは使うだけ使う、使えるものは使うだけ使う……そうだ!」

ムーマ「ドンカラス!校舎に背中から体当たり!」

ピカチュウ「っ!?」

ゴツッ……!

ピカチュウ「ビガッ……!」

ガツン!        ゴツン!           ガチン!

サトシ「ムーマ……」


マオ「えっ、えーーーーっ!?ムーマちゃんとうとうヒール路線に!?」

スイレン「むごい……」

カキ「いや、あぁやってピカチュウの体力を減らすのもムーマなりのいい作戦だ」

マーマネ「だからって、もう少しやり方ってもんが……」

カキ「サトシの顔を見てみろ。アイツはそんな甘っちょろいこと全然思ってなさそうだぞ」


サトシ「……へへ。やるなムーマ」ニッ


マーマネ「うわ、マジだ」

マオ「えぇ……ちょっと見損なった」

カキ「サトシとピカチュウはただのトレーナーとポケモンじゃない。幾多もの困難を乗り越えてきた」

カキ「あの笑顔はその余裕の表れだろう。サトシ達は最後の最後までバトルをゼンリョクで楽しむつもりだ!」


ガツン!       ガキン!         ゴシャッ!


リーリエ「それにしてもムーマちゃんのあの戦術、やっぱり今までの明るくて無邪気な性格からして違和感があります……」

カキ「まぁ確かに勝ちへの執念はサトシ似だが、手段を選ばないのはやはりトレーナーとしてまだまだ未熟と言ったところか」


ムーマ「このっ!このっ!わたしとおにーちゃんが仲良くしてるといつも怒って電撃ばっかり!」

ムーマ「おにーちゃんと長い付き合いならちょっとはカンヨウになってよ!この!この!」

ピカチュウ「ビガーーッ……」


マーマネ「……って言ってるけど、カキ」

スイレン「THE 憂さ晴らし」

カキ「み、未熟だな……」
 ▼ 444 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/14 23:36:30 ID:mh4wNbII [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ピカチュウ!ドンカラスから離れろ!」

ピカチュウ「ピカ〜ッ」パッ

ムーマ「えへ、もうフラフラだね!ドンカラス、『あくのはどう』!」

サトシ「弾き返せ!『エレキボール』!」


パ シ    ァ    ァ     ァ
     ャ   ァ     ァ  ァ … …!


ムーマ「うそっ!?」

サトシ「ピカチュウを見縊るなよ?スタミナ・スピード・パワー……どれを取っても一級品だ!」

ムーマ「ならこれでどう?ドンカラス、『はがねのつばさ』!」

サトシ「へへ、また競り合いか?じゃあこっちも『アイアンテール』!」


ムーマ「ドンカラス!回りながらきゅーこーか!」


サトシ「!!?」


ドンカラス「ゴォ!」


ギ ュ ィ ィ ィ ィ ィ ィ … …


サトシ「ヤバイ……それは予想外だぜムーマ……」


マーマネ「わお……またムーマちゃんが妙な技を出してきたよ」

カキ「硬化させた翼に回転を加えてドリルのように突っ込ませるとは……果たしてピカチュウのヤツは受けきれるかな?」

マオ「うぅ、どっちも頑張れーー!」


サトシ「やれそうか?ピカチュウ」

ピカチュウ「ピッカァ!」

ドンカラス「ガァァァァァ!!」


ギ ギ ギギ ギ ギ ギギ … … ガリッ! ギ ギ ギ ギギ … … ! !


ピカチュウ「ピ……カァ……!」

ムーマ「よしっ、これで勝てる!いっけーー!!」

サトシ「……フッ」
 ▼ 445 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/15 20:39:07 ID:TWLBKPFc [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ピカチュウ、回転の力を逆利用して飛び上がれ!」

ピカチュウ「ピッカァ……チャアアアアア!!」



              ビュ
                 ォ
              ォ
              ォ
            ォ
               ン
             !
               !
            !



ムーマ「はぁん!?」

サトシ「競り合いに拘れば隙ができるってさっき学んだハズだぜ?……いくぜ、『10まんボルト』!!」

ムーマ「なーんて!おにーちゃんがそうしかけてくることくらいわかってたよ!」

ムーマ「ドンカラス!回転しながら『あくのはどう』!」


バ バ バ バ バ バ バ バ … … ! !
 デ デ デ デ デ デ デ デ デ デ … … ! !


マーマネ「結局競り合ってるし」

マオ「お互いの残り体力も僅か。この撃ち合いに勝った方が勝ちだね」

カキ「いや……まだだ」


サトシ「中々決着をつけさせてくれないな!ムーマ!」

ムーマ「えへへ!だって楽しいんだもん!それにおにーちゃんが強すぎてなかなかまけてくれないから!」

サトシ「そりゃあオレは敗ける気は無いからな。なぁムーマ」

ムーマ「……気合いだけじゃ勝てないよ」

サトシ「んっ?」



ムーマ「今だ!ドンカラス!回転しながら『つばめがえし』!」


ドンカラス「ガ ァ ァ ァ ァ ァ ! ! !」



サトシ「ピカチュウ!迎え撃……いや、そのままだ!ゼンリョクの電撃でドンカラスを止めろぉぉぉ!!」


ピカチュウ「ヂャ ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! !」
 ▼ 446 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/15 20:40:59 ID:TWLBKPFc [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

      ゥ

    ゥ

   ゥ

    ゥ

      ゥ

    ゥ



 ド  サ  ッ



ドンカラス「ゴ……ゴフッ……」

ドンカラス「」


ククイ「……!」

ムーマ父「……」

カキ「……はっ」

マオ「しょ、勝負あり!ドンカラス戦闘不能!ピカチュウの勝ち!……よって優勝はムーマ……のおにーちゃん、サトシ!」


サトシ「いぃいぃいぃいぃよっしゃぁあぁあぁ!!」

ピカチュウ「ピカピ!!ピカピ!!」


ムーマ「むぅ〜……やっぱりおにーちゃんは強いなぁ。ドンカラス……ごめんね。わたしまけちゃった」

ドンカラス「カァ……」

ムーマ「うん……ありがとうね。ホントに」


ククイ「パパさん。行って励ましてあげてください」

ムーマ父「えぇ。では博士も一緒に……」

ククイ「何を。これからは貴方がムーマの父親です。暖かく彼女を抱きしめてでもしてやりなさい」
 ▼ 447 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/15 20:44:07 ID:TWLBKPFc [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ムーマ!はいこれ、オレからのプレゼント!」ドスッ

ムーマ「箱?」

サトシ「カキん家の牧場で採れたモーモーミルク1ヶ月分。さっき優勝賞品に貰ったんだ」

ムーマ「いいの?」

サトシ「あぁ!オレはまたカキから貰えばいいし」

ピカチュウ「ピカ……」

ロトム「そういう問題じゃないロト……あ、そうだ」

ロトム「二人のバトル、対戦時間13分45秒の大ボリュームでしっかり記録したロト!これで僕がいればいつでも見れるロト!」

サトシ「おぉ!サンキュー……ムーマとの大事な思い出。写真やペンダントと一緒に取っておかないとな」

サトシ「ムーマもそのペンダント、大事にしろよ?」

ムーマ「うん!」


マオ「えー……では!そろそろムーマちゃんの旅立ち記念パーティーをお開きにしたいと思います!」

リーリエ「最後まで楽しんでいただき、ありがとうございました!」

スイレン「では、また来週……ウソです。また来年〜」

マオ「来年もないって」
 ▼ 448 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/15 21:04:37 ID:TWLBKPFc [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パーティーに参加したゲスト達を見送った後、スクールに残り後片付けをする一同。

夜も作業は続き、東の空から大きな月が皆を見下ろすようになった。……今夜は満月だ。


マオ「どっせーーーい!!」ガシャン

ナリヤ「おぉマオ、倉庫にしまうテントの骨組みはこれで全部かナックラー!?」

マオ「えぇ。やっとこさ片付けが終わりました……」

ナリヤ「うむ。では皆のいる教室に行ってきなさい」



-------教室-------


マオ「みんな、お待……」


サトシ「ギャアアアアアウオァアァアァ!!!」

ムーマ「ムバババババビャァァァァァオ!!!」

スイレン「ヴィーッ!!ヴィーーッ!ヴェヴァヴィヴァァァァァ!!!」

カキ「シェーーーーーーーールダーーーーーー!!!」


マオ「な……何やってんの」

「「「「モーモーミルクゲーム」」」」

リーリエ「助けてください。MAXハイテンション4人組のお陰で耳がキンキンして仕方ないのです……」

マーマネ「折角の夜の学校。片付けも終わってノンビリ過ごそうと思ったらこれだよ。まるで修学旅行だ」

マオ「似たようなモンでしょ!だってムーマちゃん達が乗る始発の船の出航時間まで」

マオ「一晩スクールで待機するのを校長が許可してくれたんだもん。気分も上がるよ」

マーマネ「ま、まぁねぇ……」
 ▼ 449 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/15 21:06:21 ID:TWLBKPFc [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「さて皆、今日はお疲れ様。皆のお陰でムーマとの楽しい思い出をまた一つ作ることができた」

ククイ「これで心置きなくムーマを送り出せることだろう」

サトシ「その前にやることが一つあるけどね」

リーリエ「えっ?まだ何か……」

サトシ「ムーマをもとのポケモンの姿に戻すように、カプ・コケコに頼まないと」

マーマネ「あっ……そうか。サトシ言ってたっけ。ムーマちゃんを人間にしたのはカプ・コケコだって……」

カキ「それで……お前はどうやってカプ・コケコに会うつもりだ?もう時間はないぞ」

サトシ「へへ、向こうから来てくれるんだ!オレ達の『サトピカ式ゼンリョク信号弾』で!そういう約束をしてるんだ」

ピカチュウ「ピカピカ!」

カキ「お前……ホントに守り神を一体何だと思って……」


ククイ「……というわけだ。明日は早いぞ!今のうちにしっかり睡眠をとっておくように」

スイレン「えぇ!?せっかくの夜の学校です。例えばホラ、アレとかソレとか枕投げとか……」

ククイ「司会進行で疲れてるんだろ?クッタクタの状態でムーマを港まで見送りにいくつもりか?」

マーマネ「べ、別にそれでも……」

ククイ「甘いなお前達は。……大事な人を見送る時、どんな表情で、どんな気持ちで見送らなければいけないか」

ククイ「その大切さをわかっちゃいない。いいな?今日は早いトコ寝ろ」

スイレン「んん……やっぱり解せない」

ククイ「サトシとムーマを見ろ。もう準備は万端だぞ」


サトシ/ムーマ「「ぐぉぉぉ〜……ZZZ」」


マオ「嘘やん」

カキ「ホントにもう……二人の間に未練は無いようだな。さぁ、オレ達も寝よう」
 ▼ 450 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/15 21:09:36 ID:TWLBKPFc [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------深夜-------


サトシ「ZZZ……」

ムーマ「むぅ……ZZZ」

ムーマ父「…………」

ククイ「まだ、お休みにならないので?」

ムーマ父「貴方こそ。僕はただ眠れないだけです。明日からの旅に胸躍らせているだけです」

ククイ「嘘が下手ですね。……眺めていたいんでしょ?子供達の寝顔」

ムーマ父「……えぇ。とても純粋で、綺麗で……まるでアローラの平和な雰囲気そのものだ」

ククイ「言ってくれますね。まるで大人が平和でないような言い方だ」

ムーマ父「実際、ヤシロちゃんから笑顔を奪ったのは……ヤシロちゃんの平和を壊しかけたのは僕達大人でしょう?」

ククイ「まだ貴方はそんなことを。ムーマが折角貴方に寄り添おうとしているのに」

ムーマ父「僕がヤシロちゃんを放っておいた罪は消えることはありません。ずっと深く、彼女の心に残ることでしょう」

ムーマ父「だからこそ僕は責任を感じています。自分の立場に」

ムーマ父「僕はサトシ君達とヤシロちゃんを引き裂く存在なんかじゃない」

ムーマ父「これからヤシロちゃんにとって大事な人になるべき存在なんだって」

ククイ「フフ、成程。分かっているようですね。皆貴方に期待していますよ。パパさん」

ククイ「いつかムーマがオレ達のもとに帰ってきた時に、また彼女の元気な笑顔を見せてください」

ムーマ父「……はい」

ククイ「さ、貴方ももう休みなさい。旅立ちの朝日を見るのに寝ぼけたままでは勿体無い」

ムーマ父「あの、最後に一つだけ」

ククイ「?」

ムーマ父「ヤシロちゃんを……僕の愛した人が産んでくれた子の……その生まれ変わりを今まで傍で見てきてくれた……」


ムーマ父「サトシ君について教えてください」


ムーマ父「とてもじゃないけど普通の子供とは思えない。あの子は一体何者なんですか……?」

ククイ「確かに……守り神に目をつけられたのもそうだが、あの子が来てから、何だか周りも少しだけ変わった気がする……」

ククイ「ハハ、何者と言われれば返答に困るな。強いて言うなら、未来のポケモンマスターといったところか」

ムーマ父「サトシ君も言ってましたね。『ポケモンマスター』って一体……?」

ククイ「何、特にこれといった意味は無いですよ。とにかくアイツの夢は大きく、広く、そして険しいものだということです」

ムーマ父「はぁ……やっぱりわからないもんだなぁ……大きな人の考えることって」
 ▼ 451 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/15 21:15:17 ID:TWLBKPFc [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------翌朝-------


朝日で赤紫に染まる今日の空。この空が水色になるころには、ムーマはもう旅立っている。

ポケモンスクールの面々が校庭に立っているその中央を、ムーマの乗る車椅子を押しながら横切る。

腕のZリングを赤紫の空にかざした。黄色のクリスタルが空を映して不思議な色をしている。

いっぱい遊んだ。 いっぱい笑った。 いっぱい喋った。 大騒ぎした。

またこんな日がやってくることを祈りながら、サトシは叫ぶ。



サトシ「ス パ ー キ ン グ  ギ ガ ボ ル ト ! ! !」



キ イ ィ ィ ィ ィ … … ン


カキ「! 来たぞ!」

ククイ「カプ・コケコ……」


ムーマ「……」

サトシ「お待たせ。それじゃあ、戻してやってくれないか?」

カプ・コケコ「……コケ」

サトシ「どうした?……ムーマからはもう聞いてある」

サトシ「『ありがとう、おにーちゃん』って」

カプ・コケコ「……ソウカ」

ムーマ父(さようなら……「ヤシロちゃん」としての「君」よ。君がその姿でいてくれたから、僕は救われた……)


カプ・コケコがムーマの頭にそっと手をかざす。

その後ムーマに何をしたのか……その一瞬の出来事は、どういうわけかサトシも、他の誰も見ることができなかった。

守り神は気紛れで謎の多い存在だ。ただ、一つだけわかることは……




                           ムーマが     

                   元のポケモンの姿に戻ったということだ。
 ▼ 452 ゴーム@たつじんのおび 17/09/15 22:26:00 ID:xL539dX2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 453 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/17 00:03:33 ID:0I/BfjP2 [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カプ・コケコ「……」

サトシ「ありがとうカプ・コケコ……また、よろしく」

カプ・コケコ「…………」バイバイ


ムーマ(ムウマ)「むぅ……」

サトシ「ムーマ、お前の足はもうこれで自由だ。体が軽いだろう?」

ムーマ「むぅ!むぅ!」

サトシ「アハハ、よかった。……言葉が通じなくても、お前の顔を見ればよくわかるよ」

ムーマ「むぅ〜///」スリスリ

サトシ「よしよし、変わらず元気なようで何よりだ」


スイレン「ポケモンと一緒に戯れてるサトシ、やっぱり幸せそう」

カキ「さて、これでムーマも旅を思う存分楽しむことができるだろうぜ」

マーマネ「めでたしめでたし、だね」

リーリエ「マオ、私達も感謝をしましょう。とってもいい夢の時間を過ごせたことに……」

マオ「夢だなんて。……そんなの勿体無いよ。あたし達は今までムーマちゃんと楽しい時間を過ごせた。それだけのことだよ」

ククイ「フフ……だな。その通りだ」


サトシ「……そうだムーマ、これ」ジャラッ

ムーマ「むっ」

サトシ「モリオンのペンダント。お前のだ」

ムーマ「むぅ〜!」ササッ

サトシ「おっ、今でも似合ってるぞ。旅で無くしたりするなよ?」

ムーマ「むぅー!」


ムウマは嬉しそうに跳ねながら、首元のペンダントを揺らす。

黒い水晶が何度もムーマの体に触れる。そして……







むぅ……?
 ▼ 454 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/17 00:06:13 ID:0I/BfjP2 [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
                          !?



微笑ましそうに眺めていたサトシ達が、目を醒ましたように表情を変える。

サトシ達の眼の前で、ペンダントを下げていたムーマの体が朝日の光に反射し、輝きはじめたのだ。

ムーマを包んだ光が形を変えて大きくなっていく。


サトシ「……まさか」

リーリエ「そうか……ペンダントにあったモリオンの水晶は……」



ムーマ(ムウマージ)「……?」



サトシ「ムウマージだ!ムーマが進化した!」

ムーマ「??」

ククイ「成程な。二人がもらったモリオンのペンダント。モリオンの水晶は『やみのいし』だったのか」

サトシ「その手を見てみろ!あと体も!大きくなってるぞ!なぁ!」

ムーマ「……」

ムーマ「むぇ……」ポロポロ

サトシ「あれっ?」


ムーマ「むああああああん!!」ビェー


カキ「お、おい、泣き出したぞ」

ムーマ父「一体どうしたってんだ?ねぇ!」

リーリエ「ひょっとして……ほら皆さん、あれ。ムーマちゃんの首元」

マオ「あっ!ペンダントが無くなってる!」

ムーマ「むぅぁ〜……」

マーマネ「進化した時に無くなっちゃったんだね……」

サトシ「そっか……じゃあ仕方ないな。オレのをやるよ」ジャラッ

ムーマ「……む?」

サトシ「気にしなくていいよ。それをオレだと思って旅に連れてってくれ」

ムーマ「……むぅ♪」

サトシ「よしよし、おりこうさん」ナデナデ
 ▼ 455 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/17 00:08:21 ID:0I/BfjP2 [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……で、改めてどうだ?新しいお前の姿。オレは強そうでカッコイイと思うぜ」

ムーマ「むぅ?」

サトシ「あっ、不満?じゃあカワイイ……かな?」

スイレン「その頭の帽子、魔女っ子リリーちゃんみたいで羨ましい」

ムーマ「! むぅ〜♪」キャッキャッ

ククイ「ほう、スイレンは褒め上手だな。成程、ムーマはリリーちゃんのような魔法使いになれたわけだ」


ムーマ父「博士!……そろそろ」

ククイ「おっ、そうか。じゃあ皆、港へ移動するぞ。そこで今度こそ、しばしのお別れの時間だ」




-------ハウオリシティ-------


ドンカラス「ゴァァァ///」スリスリ

ムーマ「む、むぅ〜……」ウゲー

マーマネ「パパさんのドンカラス、進化したムーマちゃんがどストライクみたいだね」

スイレン「でも当の本人は迷惑そう……」


サトシ「パパさん、次の旅の行き先はもう決まってるんですよね?」

ムーマ父「あぁ。次はイッシュ地方に行こうと思ってる。そこでまた挑戦するんだ。ポケモンリーグ」

サトシ「イッシュ地方!?それならオレも行ったことあります!」

ムーマ父「ホント!?じゃあ何か、先輩としてのアドバイスとか無いかな?」

サトシ「んむ……ルカリオを連れたトレーナーには十分気を付けろ、ですかね」

ムーマ父「ほぅ、頭に入れておくよ。君がそこまで言うなら随分な実力のあるトレーナーなんだろうな」

サトシ「あと、サンヨウシティでジムリーダーをやってる人がいたら、オレは元気でやってるって伝えてください」

ムーマ父「知り合い?」

サトシ「それ以上の存在です。一緒に旅をした大事な仲間」

ムーマ父「……あぁ、わかったよ」
 ▼ 456 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/17 00:12:06 ID:0I/BfjP2 [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
時は無常。

時計の振り子はいつだって止まることなく左右に振れ、幾千幾万もの命の始まりと終わり、出会いと別れを見届ける。


時は無情。

無意識のままに運命を操り、心と心を出会わせる。そしてまた無意識のまま運命を操り、心と心を引き裂く。



命は有情。

その無情な運命を時には受け入れ、時には抗う。悲しむ心・悲しみたくない心を持っているから。


命は友情。

命が心を持つのは、他の誰かがこの世界にいてくれるから。誰かがいてこそ、初めて命は生きていると実感できるから。



無常ゆえに無情な時が織り成す運命はきっとまた、有情の命を、友情を結んだもの同士を向き合わせる。
 ▼ 457 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/17 00:13:57 ID:0I/BfjP2 [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「ではパパさん、ムーマ。 イッシュ地方は遠いからね、時差ボケには気を付けて」

ククイ「マオもよく来てくれたな。お前なら『寂しいから見送らない』って無理して引き籠ると思っていたが」

マオ「何を!最後までしっかりムーマちゃんを見届けないと」

ムーマ父「……サトシ君。僕が向かうイッシュ地方が君の旅した場所でよかった」

ムーマ父「だってヤシロちゃんが君に語った夢は、君の世界を自分の眼で見ることだったんだろう?」

サトシ「えへへ……ぜひ、色んなものを見せてやってください」

ムーマ「むぅ……」

ムーマ父「今でこそこんな顔してるけどヤシロちゃんならきっと大丈夫!サトシ君や皆の笑顔をたくさんもらったから」

ククイ「これからは、ヤシロちゃんを笑顔にするのは貴方の役目だ。頼みましたよ」

ムーマ父「はい、必ず。僕はヤシロちゃんにとっての大事な人になるんだから」



ムーマ「むぅ……」

リーリエ「……こういうとき、『さよなら』と言うのですね」

リーリエ「アハハ、心配しなくてもまた会えます!いつでも我が家のプールは開けていますので、使ってくださいね!」

リーリエ「欲しいもの、何でもあげますから……またヒョコっと戻ってきてください」



ムーマ「まぁむ……」

マーマネ「あーっと……皆と比べると僕とはあんまりこれと言った思い出は無かったね、うん」

マーマネ「え、そんなことない?そっか……お別れする時ってさ、こうやって改まって話ができる機会があるのっていいよね」

マーマネ「君は僕に思い入れはあまり無いかもしれないけど、どうか心の片隅にでも仕舞っておいて。以上!」



ムーマ「むむぅ……」

スイレン「大丈夫。今は思いっきり旅を楽しんで。旅が終わったら、また色々お話を聞かせて」

スイレン「サトシも旅の話をしては私達をいつも楽しませてくれる。……あなたもサトシとの共通点、また増えるね」

スイレン「……フフ、旅ってワクワクするよね。この海の向こうには、どんな世界があるんだろう。また聞かせてね」
 ▼ 458 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/17 00:15:48 ID:0I/BfjP2 [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「むぅ?」

カキ「……お前に謝っとかないといけないな。オレは最初サトシといることがお前にとって本当に幸せなのかと疑ってしまった」

カキ「でもサトシは証明してみせた。オレが試さずとも、サトシはお前との接し方を知っていた」

サトシ「……だけどオレが甘かったのも確かだし、カキには感謝してるよ」

カキ「……フッ。 なぁムーマ、気が向いたらまたオレん家に来い。ホシとも遊んでやってほしい」

ムーマ「むぅ!」

サトシ「それでいつかは、ホシちゃんとお前の二人で一緒に旅に出るのも悪くないな」

カキ「なっ……!それはオレが許さん!妹は誰にもやらんぞ!」

マーマネ「別に取りはしないでしょ」

ムーマ「ムヒヒヒ……」



ムーマ「!」

マオ「…………」

ククイ「ほら、次は君の番だ」

マオ「あっ……うん」

マオ「な、治ってよかったね、足。もう自由に動けるんだよね」

ムーマ「むぅま♪」

マオ「……何から話せばいいのかな。短い間だったけど、ムーマちゃんとは色々あったし……」

ムーマ「まおう!まおう!」

マオ「あっ、そうか! ふ、ふはははははー!アローラカレーの肉とタマネギの比率を入れ替えてやろうかー!」

マオ「……ははは、気に入ったんだねコレ……はは …………」

マオ「…………」

ムーマ「まお?」

マオ「! ご、ごめん!うん!泣かない!元気!マお姉ちゃん元気!無敵!要塞!八宝菜!」

スイレン(八宝菜?)

マオ「でも欲を言うなら……最後に一回だけ抱っこさせてもらっていい?」

ムーマ「むぅ!」


マオ「…………」


マオ「……うん、ありがとう。旅、楽しんできてね」

ムーマ「むぅー!」
 ▼ 459 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/17 00:18:05 ID:0I/BfjP2 [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「……さて、もう船が出る時間だ。ククイ博士、皆……それにサトシ君も、本当に迷惑をかけました」ペコッ

ククイ「ムーマを大事にしてやりなさい」

ムーマ父「はい。……行くよ、ヤシロちゃん」


ムーマ「むぅ……」

サトシ「淋しいけど、旅ってそういうモンだよムーマ」


サトシ「でもそれ以上に楽しいこととか、嬉しくなることとか、いっぱいあると思う」

サトシ「オレは旅をそんな風に思ってる。お前がオレと同じようになることが幸せだっていうのなら……」

サトシ「もうわかるよな? 頑張ってこい!」

ムーマ「……オニー……チャン」

サトシ「……ムーマ」


サトシ「またいつでもコロッケサンドを奪いにこい!」


ムーマ「……」

サトシ「その時はまたオレが追いかけ回してやるから。そんでもってまた一緒にいろんな場所に行こう!」

サトシ「          『ベストウィッシュ! よい旅を』          」

ムーマ「……?」

サトシ「あっと……向こうに行ったらわかるから、きっと」

ムーマ「むぅ……」

サトシ「いってらっしゃい。ムーマ」


ムーマ「むぅ!」





いってらっしゃい!





オレの……妹
 ▼ 460 ェルダー@やけたきのみ 17/09/17 17:15:45 ID:drOmxq5o NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 461 ードラン@ダイブボール 17/09/17 17:57:42 ID:/PqjwOCY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここ最近で最上レベルのお話
 ▼ 462 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/17 23:35:23 ID:0I/BfjP2 [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
汽笛と共に、いよいよ船が出る。船のモーター音と波の音を聞くのはこれで何度目だろう。

サトシにとってそれらの音は、大事な人と別れるのを実感させるのに十分な要素だった。

甲板ではムーマと父親が手を振っている。対して皆も笑顔で手を振り返す。



                        海は広いな 大きいな


ムーマ「むぅ……?」

ムーマ父「まいったな……サトシ君だけ振り返してくれないぞ。どうしたことだ?」


                        月は上るし 日は沈む


サトシ「……」

ククイ「サトシ、お前らしくないぞ。……大事な人を見送る時、どんな表情をするんだっけか?」


                         海は大波 青い波


サトシ「……」

ククイ「物思いにふけるのは後からにしよう。後でオレがいくらでも相手になってやる」

サトシ「……うん!」


                       ゆれてどこまで 続くやら


サトシ「ムーーーマーーーーー!!!」


ムーマ「!」

ムーマ父「……よかった。サトシ君!ヤシロちゃん……ムーマちゃんのことは任せてくれ!!」

ムーマ父「君の妹だ!しっかり僕が責任持って面倒見るからね!!」



                        海にお舟を 浮かばせて



サトシ「          また会おうぜ! ムーマーーー!!          」


ムーマ「            むぅ〜!!            」




                       行ってみたいな 他所の国
 ▼ 464 チルゼル@ねばりのかぎづめ 17/09/18 06:40:51 ID:rfECWYng NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケ牧の時なんか言い辛かった分も含めて言うわ
今凄い震えてる
 ▼ 465 ュペッタ@メカニカルメール 17/09/18 09:05:56 ID:NZ0l/3WI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>464
右手が?
 ▼ 466 ルセウスもどき 17/09/19 03:30:39 ID:MfHB82IU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
>>284
今更だけど毒物の名前いれかえると「ドラピオン」「スカタンク」になってるよ!(気づいた人いるかもしれないけど)支援
 ▼ 467 ルセウスもどき 17/09/19 04:31:30 ID:MfHB82IU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
↑てゆーかペンドラーもいるんかーい!気付いてすぐに書き込んだから後から分かった!テヘッ 後、僕は涙もろいからこういうの苦手−!でも最高!再び支援
 ▼ 468 コザル@ドラゴンメモリ 17/09/23 05:26:53 ID:8xxHyb6. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 469 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/23 18:38:11 ID:ELzG4zdw [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お待たせしました〜 ではもう数日お付き合いを……






サトシとムーマ、種族をこえた兄妹の愛と絆の物語。第一部は一ヶ月の時を経て、ここに完結する。

二人の仲睦まじい様を暖かく眺めてくれたすべての人・ポケモンにはもう少しだけ彼らの物語を見ていてほしい。


-------イッシュ地方-------


旅立ちから一ヶ月。

サトシからムーマを預かり、ムーマにサトシの世界を見せてあげることを約束したムーマの父、シロガネ・ダンガ。

彼はイッシュ地方を巡りながら、近々開かれるイッシュリーグ・ヒガキ大会の参加権を得るべく日々奮闘している。


デント「ヤナップ!『ソーラービーム』!」

ムーマ父「構うな!回転して突撃だ!」


ドンカラス「ガラララララララ……!!」

ヤナップ「!?」


デント「はっ!?なんて辛みの利いたテイストなんだ!ビーム相手に真正面から突っ込むなんて!!」

ムーマ父「突破しろ!!ドンカラーース!!」


ド パ ァ ァ ァ ァ … … ! !


ムーマ父「『はがねのつばさ』!!」


                          バ キ ャ ッ ! !



ヤナップ「ガハッ」

コーン「……勝負あり。デントのポケモンが全滅しましたので、挑戦者シロガネ・ダンガさんの勝利です」

ムーマ父「よしっ!」
 ▼ 470 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/23 18:40:28 ID:ELzG4zdw [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デント「Congratulations! 素晴らしい勝負をどうもありがとうございます」

デント「貴方達にはサンヨウジム攻略の証、トライバッジを進呈します!」

ポッド「ちなみに、ジムバッジはこれでいくつなんで?」

ムーマ父「3つ目です」

コーン「ふむ。ジム巡りを始めて一ヶ月足らずでそのペースであればリーグ開催までには問題無さそうですね」


ムーマ「むぅ〜♪」スリスリ

ムーマ父「よしよしヤシロちゃん。この調子で次のバッジもゲットしようね」

デント「……ふむ」

デント「つかぬ事をお伺いしますが……貴方のそのムウマージ、ヤシロちゃんというお名前で?」

ムーマ父「えぇ」

ポッド「はは、ポケモンならもっとシャレた名前をつけていいんだぜ。何なら私共が考えて差し上げましょうか?」

コーン「こら失礼ですよ。ウチでは姓名判断はやっていません。だから貴方は先日も、その先日もストレート負けを……」

ポッド「! そりゃ関係ねぇだろ!!」

デント「二人とも静かに! ……ヤシロちゃん。いい名前ですね。……その名前には何か思い入れが?」

ムーマ父「……えぇ。話せば長くなりますが」

デント「いえいえ! ……それよりも」

デント「先程のバトル、御見逸れ致しました。無茶というか根性というか……とにかく荒ぶるほどに特濃テイスト!」

デント「それが貴方のバトルスタイルで?」

ムーマ父「あはは、子供の頃から割とそんな感じで……」

デント「旅をしていた頃を思い出します。貴方の戦い方、『彼』に似ていてね」

ムーマ父「『彼』?」

デント「あはは、こちらも話せば長くなるのでね……では、バトルの後は美味しい紅茶でもいかがです?」

ポッド「お互い長い話もあるようだし、お茶でも飲みながらゆっくり語り合いましょうや」

ムーマ父「あっ!ぜひ」

ムーマ「まむぅ♪」
 ▼ 471 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/23 18:42:45 ID:ELzG4zdw [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デント「〜〜〜〜」ペチャクチャ

ムーマ父「〜〜〜〜」ペチャクチャ

デント「〜〜〜〜」

ムーマ父「? ……〜〜〜〜」

デント「! 〜〜〜!?」

ムーマ父「?? 〜〜〜〜?」

デント/ムーマパパ「「…………」」


デント/ムーマパパ「「ブ ハ ッ ! !」」

ポッド「うわ汚ねぇ!揃って噴き出してんじゃねぇよ!」

コーン「しかし偶然とはいえ……いや、これも運命なのか?」

デント「まぁ、サトシは色々な所を旅してるからね。いつ彼の知り合いに会ってもおかしくないと思っていたけど」

ポッド「じゃ噴き出すなっての。後始末する身にもなってみろ」

コーン「ひょっとしたらデント、ちょっとした散歩の中でも気付かぬうちに沢山の彼の知り合いに会っているのでは?」

デント「ハハ、かもね」

デント「そのうち世界中の人達がサトシという人間を知るかもね。単なる有名人としてじゃなく、掛け替えのない人として」

ポッド「ゾンビ並の感染力だな」


デント「アローラか……そこでもサトシは元気にやってますか?」

ムーマ父「えぇ。……でも詳しいことなら、僕に聞くよりも彼女に聞いてください」

ムーマ「むふ〜」キリッ

デント「へぇ……そのムウマージとサトシにどういう関係が?」

ムーマ父「ヤシロちゃんは……いや、ムーマちゃんはサトシ君の妹です」

ポッド「(゚Д゚)??」

デント「……フフ、サトシには驚かされてばかりでしょう?」

ムーマ父「えぇホントに。今日もどこかで、アローラの人々を驚かせているかも……」

----------------------------------------------------

サトシ「バ ッ フ ロ ン ! !」

リーリエ「サトシ、風邪ですか?」

カキ「それともモテ期到来か?」

マーマネ「サトシに限ってそんなワケないよ」

スイレン「何となく、怪しい女の人にウソ告白とかで騙されてホイホイついていきそうな印象」
 ▼ 472 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/23 18:45:45 ID:ELzG4zdw [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デント「貴方とは気が合いますね!どうです?明日カナワタウンへお出かけしますけどご一緒に?」

ポッド「またかよ!飽きねぇな鉄ちゃん!」

デント「メトロソムリエと呼んでくれたまえ」

コーン「デントはよく外出をしてはジムを留守にしているというのに三人とも同じ給料なのは納得がいきません」

ポッド「三人の給料をまとめて生計を立ててるってのに。デントよ、お前の旅費はどこから出てると思ってんの?」

デント「えっ、どこからなんだい?」

ポッド「マジで知らなかったコイツ!」

デント「いや、たまに気が付いたらサイフのお金が急に増えてることもあるけどさ」

ポッド「だからプライベートで使う財布も共同……あぁもう何なんだよお前!!」

コーン「ではシロガネさん、折角のところ申し訳ございませんがデントのお誘い、こちらからセルフで断らせてくださいませ」

ムーマ父「は、はぁ……」

コーン「でも、どうせならばお一人でどうです?」

コーン「カナワタウンは良い所ですよ。デント程ではありませんが、実は私も気に入っております」

コーン「ほら、ここに特別車両の乗車券があります。これでライモンシティから臨時列車でカナワまで行くことができますよ」

デント「あっ、ソレは!おい返せ!ソイツは各地方の限定品のスイーツが並ぶビュッフェがある車両の」

ポッド「ダメだ。昨日ホウエンから帰ってきたばかりなんだから少しは家で大人しくしてろい」

コーン「ではどうか、素敵な電車の旅を」

デント「か゛え゛せ゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!ふ゛さ゛け゛る゛な゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」

ポッド「ホラ、次の客が来るから!営業スマイル営業スマイル!」

コーン「すみませんお客様、しばしお待ちを……」


ムーマ父「……い、行こうか、ヤシロちゃん」

ムーマ「ふわぁ〜……」

ムーマ父「ライモンシティか……ジム戦はもう済んだけど、気分転換に寄っていこうか」

ムーマ「ZZZ……」

ムーマ父「……フフッ」
 ▼ 473 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/23 18:49:28 ID:ELzG4zdw [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------翌日  カナワタウン行臨時列車-------


ガタゴト……         ゴトゴト……


店員「いらっしゃいませ」

ムーマ父「へぇ。デントさんが言ってた通り、ホントにビュッフェがあるや」

ムーマ「むぅ〜」

ムーマ父「えーっと、ヒウンアイスのバニラが一つ、チョコが一つ、それから……」

ムーマ「! むぅま!むぅま!」

ムーマ父「あぁ、じゃあこれも。ズイ産ケンタロスのコロッケサンド」

店員「お会計550円になります」

---------------------------------------------------------

ムーマ「あむあむ」

ムーマ父「ヤシロちゃん、窓を見てごらんよ。アナウンスによるともうじき地下を出てイッシュの景色が見られるそうだよ」

ムーマ「むぐむぐ」

ムーマ父「……はは、花より団子ってか。いや、景色よりコロッケサンドか」

ムーマ「あがー」

ムーマ父「ん?何?」

ムーマ「むまぁ」チョイチョイ

ムーマ父「あぁハイハイ、『あーん』ね」

ムーマ「むぅ♪」

ムーマ父「ヤシロちゃんったら、本当にコロッケが好きなんだね。確か、サトシ君の影響だよね?」

ムーマ「むーむー!」


ムーマ父「それにしても……」

ムーマ「?」

ムーマ父「嬉しいなぁ。ヤシロちゃんがこうして僕に向かって笑ってくれると」

ムーマ父「サトシ君も、同じ目線で君と向かい合っていたのかなって思っちゃうよ」

ムーマ父「ヤシロちゃん、僕はこれからも君にとっての大事な人……」

ムーマ父「サトシ君や君のママと同じ、『世界で一番大好きな人』になれるよう頑張るからね」

ムーマ「むぅ!」
 ▼ 474 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/23 18:52:13 ID:ELzG4zdw [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「それにしても、一ヶ月前に比べて君は随分僕に懐いてくれるようになったね」

ムーマ父「覚えてる?イッシュに着いた日のこと」

ムーマ「むぅ〜?」


学生A「ねぇ、あのオッサン一人で随分ベラベラ喋ってない?」

学生B「独り言にしてはヤケに明るいし絶対変な人だって」

学生A「しかもオッサンのクセにムウマージって」プププ

学生B「可哀想に……結婚できないもんだからポケモンとイチャついてるのね」ピピピ

学生A「ああいうオッサンにはローブシンとかガマゲロゲがお似合いだよね」

学生B「それな!」


ムーマ父「……こ、この話はやめにしようか」

ムーマ「むぃ」

ムーマ父「? ……コロッケサンド、あと一つ余ってるよ?それ食べないの?」

ムーマ「むぅ……」

ムーマ父「着く直前までとっとくつもり?」

ムーマ「まぅ♪」

ムーマ父「そっか。まぁゆっくり食べるといいよ」

ムーマ「むうま♪」

-----------------------------------------

ムーマ「♪♪」ソロソロカナ?

ムーマ「あがー」


パシッ!


ムーマ「?」

ムーマ父「ほらほら!外を見てみなよ!いい景色だよヤシロちゃん! ……ヤシロちゃん?」

ムーマ「(´゚д゚`)」

ムーマ父「……なんて顔してんの。 あれ、コロッケサンドは?」

ムーマ「(´pдq`)」

ムーマ父「あぁあ泣かないで!ね? ……落としたワケでもないみたいだね。どこにいったのかな?」

ムーマ父「……ん?」
 ▼ 475 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/23 18:55:47 ID:ELzG4zdw [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤナップ「あむあむ」

少女「あぁこら!そのサンドイッチどこから取ってきたの!早く返してきなさい!」

ヤナップ「なぷ」ヤダネ

少女「あぁもう……どうしよう。怒られるのはイヤだけど、持ち主の人に謝るしかないよね。どこだろう」


ムーマ「( <<●>皿<●>>)」


少女「 絶 対 あ れ だ 」

少女「ほら、早く返してあげて」

ヤナップ「もぐもぐ」


ムーマ「(<<◎>益<◎>>)」ギリギリ


少女「うわっ、歯軋りで威嚇してる。相当頭にキテるみたい」


ムーマ父「こら、うるさいから静かにしてなさい。コロッケサンドならまた食べさせてあげるから!」

ムーマ「(<<◎>益<◎>>)」ギリギリ

ムーマ「( <<●>皿<●>>)」……

ムーマ「(´゚ペ`)」シュン


少女(……あ、謝ってこよう)

----------------------------------------------

少女「ごめんなさい、私のヤナップがムウマージちゃんのご飯食べちゃって」

ムーマ父「いいよ。ヤシロちゃんもわかってくれてるし。ちゃんと謝りに来てくれて偉いね、君は」

少女「えへへ……///」

ムーマ「むぅ……」ムスッ


学生A「ウワッとうとうあのオッサン子供を口説き始めたわよ」

学生B「結婚できないうえにロリコンとかもう救い様がなくね?」

学生A「今日からあの人のあだ名マジのロリコンでマジコンおじさんね」

学生B「それな!」


ムーマ父「……は、早くお母さんのところに帰りなさい?」

少女「今日は私とヤナップだけで来たの。券が1枚しかないからお父さんが使っていいって」
 ▼ 476 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/23 18:57:58 ID:ELzG4zdw [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------カナワタウン-------


ムーマ父「着いたー!」

ムーマ「むーまー!」

少女「ではおじさん、私はこれで。いろいろお話聞いてくれてありがとうございました」ペコリ

ムーマ父「いやいや!君のヤナップも車掌さんになれるといいね」

少女「私はヤナップの言葉がわからないけど……髪の毛が緑色の人がそういうふうに教えてくれたの!」

ムーマ父「へぇ……緑色の」

少女「ではまた!どこかでお会いしましょう!」

ヤナップ「うきー!」バイバイ

ムーマ「むぅ〜!」バイバイ


ムーマ父「髪が緑の人ねぇ……きっとその人はポケモンの気持ちをよく理解できる人なんだろうなぁ……サトシ君のように」

ムーマ父「いつか会えるかな。緑の髪の……」


ゴジョーシャアリガトーゴザイマシター

デント「いやぁ〜、実にナイスな列車だったね」


ムーマ父「って、 お 前 か よ ! !」

デント「え?」

ムーマ父「あ、スイマセン。つい突っ込んでしまいました」


デント「あはは……貴方がたまたま話題にしていた人と僕が重なってしまったと」

ムーマ父「あははは……」

デント「よくありますねそういうの」

ムーマ父「あるあるですね」

デント「あっこの水筒、中は家で淹れてきたコーヒーですけどよかったら少しどうです?お近づきの印に」

ムーマ父「あっ、いいんですか?それでは……」

デント「さてと、それじゃ僕も一口……」
 ▼ 477 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/23 18:59:20 ID:ELzG4zdw [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デント/ムーマパパ「「…………」」


デント/ムーマパパ「「ブ ハ ッ ! ! ?」」


デント「し、し、シロガネさんじゃないですか!サトシと知り合いの!」

ムーマ父「デデ、ダヂヅデデントさん!?どうしてここに!?貴方の乗車券は僕が確かに……」

デント「メトロソムリエたるもの、一度乗ると決めた車両を諦めるわけにはいかんのですよ」

デント「ライモンシティからここに来るまでに、車両点検のために一駅だけ止まったホームがありましたよね?」

ムーマ父「ま、まさか……」

デント「駅員さんや作業員さんの視線を掻い潜り、僕は辿りつけたのさ旅の臨時列

ムーマ父「駅長さーーーん!!この人ーーー!!」

デント「イワパレス、『がんせきほう』」

-----------------------------------------------------

ムーマ父「……あぅ、ここは?」

ムーマ「むぅ!むぅま!」

マッギョ「ぎょぎょ」

デント「気が付きましたか?」

ムーマ父「……あれ、僕は何をしてたんだ?列車の中で女の子と話してたところまでは覚えてるんだけど……」

ムーマ(ちょっとだけ記憶削れてる!)

ムーマ父「……って、デントさん!どうしてここに?貴方の乗車券は確かに僕が……」

ムーマ(デジャヴ!)

デント「細かいことはお気になさらず。ここで会ったのも何かの縁。さぁ、カナワ名物『転車台』でも観にいきましょう!」

ムーマ父「は、はい」


ムーマ「むむ〜、むぅま」

マッギョ「ぎょぎょ」

ムーマ「むむぅ!むーむーま?」

マッギョ「……まっぎょ」

ムーマ「」イラッ
 ▼ 478 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/23 19:01:01 ID:ELzG4zdw [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デント「ほらほら、スゴイでしょ!あれがカナワの転車台!」

ムーマ父「おぉ……円い台にレールが敷いてあって、その上を列車が通る仕組みになってるんですね。初めてみました」

デント「ほう、鉄道に興味がおありで?」キラキラ

ムーマ父「小さい頃によくオモチャを買ってもらってたくらいには……」

デント「では突然ですがここでメトロソムリエクーイズ!」デデン

ムーマ父「はっ?」

デント「今僕らが見ているのは何でしょう?」

ムーマ父「て、転車台……ですよね?」

デント「そう!では問題。その転車台の最重要用途、即ち一番大きな役目とは、なーんだ?」

ムーマ父「えっ、それは奥にある横並びになっている車庫に列車を一台ずつ入れるため……」

デント「違いますねぇ、それならレールの切り替えをすればいい。あんな台なんか必要ありませんよ」

デント「正解はズバリ、列車の進行方向の変更、つまり来た道を逆戻りするため!」

デント「そもそも転車台とは昨今の列車によく見られるような前後対称ではない」

デント「大昔蒸気機関車等が最前線で活躍していた時代からあるものでありまして」

デント「そうそう他の例は逆機即ちバック運転では機能上の制限がかけられている機関車の進路変更にも役立っており……」


ムーマ父「ついていけないね」

ムーマ「むーまぁ……」

マッギョ「まっぎょ」

ムーマ父「き、君もそう思うの……?」


ズンチャ♪      ズンチャ♪


ムーマ父「ん?音楽?それに何だあの人だかり……あの、すみません。ここで一体何が?」

通行人A「いやね、いつもこの辺で少女が奏でる美しいフルートの音色がカナワタウンの癒しとされているんですがね」

通行人B「今日はいないらしくて……でも代わりにあの少年とポケモンのダンスパフォーマンスが行われているんです」

通行人A「それがもうキレッキレで!」

ムーマ父「どれどれ……?」
 ▼ 479 ルヴァディ@レッドカード 17/09/23 22:06:34 ID:YPq2Wl96 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援支援支援支援!!
 ▼ 480 クーダ@ファイトメモリ 17/09/24 02:47:17 ID:gczEQ5N. NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
デントはやっぱり面倒くさい 支援
 ▼ 481 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/24 21:21:27 ID:7XAiROUM [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コテツ「ヒャッハーーーーー!!みんな、盛り上がっとるかーーーーーー!?」

ルカリオ「カルオォォォォーーーーーーーー!!」


通行人C「おい見ろ、ブレイクダンスだ!何なんだあの子は!?」

通行人D「フルートの子が休みと聞いてショックだったけど、コイツはすげぇ!」

ウ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … … ! !


デッ♪ デッ♪ デッ♪ デッ♪

コテツ「うぉんちゅーしーまいへー♪あーのにぬねー♪そーちゅーなーぉごろなっしぃなーらぉうぇー♪」

ルカリオ「わうっ♪わうっ♪」

コテツ「おーーーごーーたぃ♪べりとぅぎゃざとぅ♪よーーーぜーーんまぃ♪ふぉえべうぃんざまーーってぇぇぇい♪」


                      ダ ダ ダ ダ ン ! !


ワ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ … … ! !


ムーマ父「す、すげぇ……」

通行人A「応援してます!」チャリン

通行人B「今度のリーグ頑張ってください!」ジャララ

コテツ「あざっす!また明日も来るので今後ともよろしくです!」

通行人E「また来てね。お姉さんもよくここに来るから♪」ナデナデ

ルカリオ「わふぅわふぅ///」


デント「ちょっとちょっとシロガネさん!人が解説してる時に黙って出て行くもんじゃありませんよ!」

ムーマ父「あぁ、すみません。でも……」

デント「あれ、あの子たしか……」

コテツ「あーっ!アンタは!!」

デント「コテツ!!」

コテツ「誰だっけ!?」

ムーマ父「おいおい……」
 ▼ 482 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/24 21:23:10 ID:7XAiROUM [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デント「それにしても……どうしてダンスパフォーマンスなんてやってるの?」

コテツ「オレの夢は世界一のポケモンチャンピオンになること!でもその為にはまず世界へ行くための旅費が必要と思ってね」

コテツ「色々な場所でダンスパフォーマンスの依頼を受けてイッシュ中を回ってるのさ。で、今日はたまたまここに来てた」

デント「なるほど、旅費稼ぎ……でもコテツの場合、まだイッシュリーグの優勝もできてないワケだし」

デント「お金よりも実力を磨く方が先決じゃないのかい?」

コテツ「フフ、オレが訓練をサボっているとでも?心配せずとも次のリーグは優勝するさ」

ルカリオ「あおぉ」

デント「ま、まぁ一応応援してるけど……」

ムーマ父(何だろう……心の中で何かが引っかかってる……)

------------------------------------------------------


サトシ「パパさん、次の旅の行き先はもう決まってるんですよね?」

ムーマ父「あぁ。次はイッシュ地方に行こうと思ってる。そこでまた挑戦するんだ。ポケモンリーグ」

サトシ「イッシュ地方!?それならオレも行ったことあります!」

ムーマ父「ホント!?じゃあ何か、先輩としてのアドバイスとか無いかな?」

サトシ「んむ……ルカリオを連れたトレーナーには十分気を付けろ、ですかね」

ムーマ父「ほぅ、頭に入れておくよ。君がそこまで言うなら随分な実力のあるトレーナーなんだろうな」

------------------------------------------------------

ムーマ父「イッシュ地方……ルカリオ……はっ」


ムーマ父「キミか!!」


コテツ「……え?」

ムーマ父「サトシ君が言ってたトレーナーは君だったのか」

コテツ「……サトシ?」

ムーマ父(サトシ君がそこまで言うならかなりの強者……それにリーグ出場者ときた)

ムーマ父(ライバルになるであろうトレーナーとしてバトルを申し込みたいが……彼には十分気を付けろと言われたっけな)

ムーマ父(どうするシロガネ・ダンガ。これは相手の戦い方を知るチャンスであるが……)

コテツ「もしもーし!おっさーん!」
 ▼ 483 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/24 21:25:18 ID:7XAiROUM [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
------------------------------------------
--------------------------------

コテツ「……! へぇ。サトシと知り合いねぇ」

デント「この人は昨日ウチのジムを突破して3個目のジムバッジを手に入れてる。コテツ、キミは?」

コテツ「……まだ」

デント「Oh…」

ムーマ父「ねぇ、よかったら僕とバトルしてくれないか?実力者を前にして……僕は退くことはできない」

ムーマ父「目と目が合ったらポケモンバトル!……受けてくれるかい?」

コテツ「ほぇー……アンタもオレやサトシと同じだ。いいぜ!丁度、今日の宿に着いたら特訓しようと思ってたところなんだ!」

ムーマ父「……お願いね」


コテツ「勝負はフルバトル!互いのトレーナーの全力を見るにはそれっきゃないだろ!」

ルカリオ「わおんっ!」

ムーマ父「……よし、乗った!」

ムーマ「むぅ〜!!」


デント「ここに来てまさかの展開だね。さてさて、どちらが勝つだろうか……」

マッギョ「まっぎょ」

デント「それでは両者、一体目を!」


ムーマ父「ミミロップ!まずはお前からだ!」

コテツ「いくぜオレの秘密兵器!闇の炎に抱かれて消えろっ!」


ミミロップ「みぃみぃーー!」

サザンドラ「ギャォォォ!! ギャオー ギャオー」


ムーマ父「……ルカリオは後回しってことか。最初から秘密兵器を出してくるなんて随分サービスがいいね」

コテツ「アンタのムウマージもまだ温存ってところか。とにかく全力のフルバトル、楽しみましょうや!」


ムーマ「むぅ〜……」

ムーマ父「わかってるよ。まだ不安なんだろ?自分の力……でも大丈夫。君はこの一ヶ月で十分強くなった」

ムーマ父「ドンカラス達やサトシ君のポケモン達にも遅れを取らないほどにね」
 ▼ 484 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/24 21:27:16 ID:7XAiROUM [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------------------------------------------
-------------------------------

コテツ「サザンドラ、『トライアタック』!!」

ムーマ父「まずい!これ以上食らったらミミロップの身が持たない! かわして『とびひざげり』!」

コテツ「逃がすかよ!!」


ボ フ ァ ッ … …     バ リ ィ ィ … …     ザ ク ン ッ ! !


ムーマ父「ミミロップ!!」

ミミロップ「み゛……ぁ……」

ミミロップ「」



                      ミミロップ●―○サザンドラ



コテツ「見たかオレの秘密兵器の力!オラオラ、まだまだコイツの体力は有り余ってるぜ!」

ムーマ父「言ってくれるじゃないか。たかが一匹倒したくらいでいい気になるんじゃない」

ムーマ父「だがされど一匹。ミミロップの戦いを経て、僕と次のポケモンが確実にサザンドラを討つ!」

コテツ「おもしれぇ……やってみなよオッサン!」




                      フローゼル●―○サザンドラ



ムーマ父「……!」

コテル「よっしゃぁぁぁ!!」

ルカリオ「わおんぬ!!わおん!!」

ムーマ父「……タダものじゃないな。どういう育て方をすればそうなるんだい?」

コテツ「そりゃもう愛情よ。アンタもコイツに勝ちたきゃポケモンと一心同体になったつもりで戦ってみな」

ムーマ父「……愛情」チラッ

ムーマ「むぅ?」

ムーマ父「……わかった。そうする」

ムーマ父「もうポケモンを戦わせるバトルはやめだ。僕もポケモンと戦う!」

コテツ「へぇ……やっぱサトシみたいだなアンタ」
 ▼ 485 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/24 21:29:13 ID:7XAiROUM [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「いくぞ!ドンカラス!!」

ドンカラス「ゴ ア ァ ァ ァ ァ ! !」

デント「出た!サトシのバトルスタイルを思い出させてくれたポケモン……あのドンカラスなら、きっとやってくれる」


ムーマ父「ドンカラス、『はがねのつばさ』!!」

コテツ「『りゅうのはどう』!!向かってくるヤツは全部撃ち落とせぇぇぇぇ!!」



                       ドンカラス○―●サザンドラ



コテツ「な、何だと!?」

ムーマ父「ハァ……ハァ……よし。一旦休んでくれ、ドンカラス」

コテツ「? ドンカラスは戻すのか?」

ムーマ父「あぁ。君のサザンドラは強かった。あれほどのポケモンがもう一体控えてるとしたら、倒せる自信がないからね」

コテツ「へぇー、謙虚なんだな」

デント「それでは、次のポケモンも両者同時に!」

ムーマ父「よし……この調子で反撃だ!」



                       バシャーモ○―●スワンナ



コテツ「ちょ、ちょっと待て!聞いてねぇぞ『かみなりパンチ』だなんて!」

ムーマ父「タイプ相性で有利だからと油断しちゃったね」

ムーマ父「ポケモンのタイプとは違うタイプの技を覚えさせれば苦手な相手でも返り討ちにすることができるんだ」

コテツ「し、知っとるわ!そんなの基本だろ?」

コテツ「さぁ続きだ続き!お互い二匹ずつ手持ちを失って振り出しに戻ったと思ってねぇだろうな?」

ムーマ父「こちらはドンカラスとバシャーモが手負い、そちらの残りポケモンは全員無傷……」

コテツ「そうさ!まだ戦況は変わってねぇ!こっからさらにテンポを上げてガンガンいくぞ!」

ムーマ父「よしっ!」
 ▼ 486 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/24 21:32:24 ID:7XAiROUM [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
                      バシャーモ●―○ダイケンキ



デント「コテツの言う通り……一番手のサザンドラのせいで戦況はシロガネさんが押され気味だ」

デント「何か手を打たなければこのまま敗けてしまう……」



                      レントラー○―●ダイケンキ



デント「互角の勝負をしているように見えても……どうしてもあのルカリオが目について仕方がない」

デント「まだアレを倒さなければと思ってしまうと……」



                      レントラー▲―▲ナットレイ



ルカリオ「グルルル……」

コテツ「! ……っしゃ。じゃあそろそろいくか」


ムーマ父「出たな……ルカリオ」

コテツ「オレが育てた最強のポケモンさ!コイツのお陰で、オレはサトシにも勝つことができた」

ムーマ父「なっ!? サトシ君を、た、倒したのか!?」

ムーマ「むむむぅ!?!?」

コテツ「……アンタのサトシの話を聞いてりゃ、アンタは随分サトシに対して驚きと尊敬を感じているようだが……」

コテツ「オレはそのサトシに勝ってるんだ!オレはアンタが尊敬してるアイツよりも強いんだよ!!」

コテツ「……と言いたいところだが、ここだけの話。オレはバトルで勝っても勝負でアイツに敗けてんだ」

ムーマ父「?」

コテツ「さっき言ったろ?愛情云々。……サトシと戦った時のオレにはそれがなかった」

コテツ「サトシには勝ったものの、アイツから学ぶことは色々あった」

コテツ「アイツと出会ってなかったらそもそもイッシュリーグにも出られたかどうか怪しいよ」

コテツ「会場・出場資格・大会のルール……色々教わった」

ムーマ父「あっ、そういう問題?戦い方とかじゃなくて?」

コテツ「もちろん愛情もな」
 ▼ 487 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/24 21:33:54 ID:7XAiROUM [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コテツ「つまりオレもアンタと同じさ!オレが日頃からしてる訓練は、次にサトシとバトルする時の為でもある!」

コテツ「さぁ来いよ!そこにいるムウマージとさっきのドンカラス、どっちを出す?」

ムーマ父「……こっちだ!」


ドンカラス「ガ ァ ァ ァ ァ ァ ! !」

ルカリオ「……っ!」


コテツ「成程、エース対決ってところか。いいぜ!やってやろうじゃん!」

----------------------------------------------------

コテツ「ルカリオ、『はっけい』!」

バ シ ャ ッ … … ! !

ドンカラス「カハッ……」

ムーマ父「ドンカラス、『あくのはどう』だ!とにかく攻撃を当てろ!」

ドンカラス「ガァァァ……」

コテツ「無駄だ!体力も限界に近いそのドンカラスの攻撃じゃ……」


ドンカラス「ガッ ァ ァ ァ ! !」

ボ シ ュ ッ ! !


コテツ「このルカリオの『はどうだん』を圧しきることはできねぇだろうよ!」

ムーマ父(ぐっ……ここまでか……)


ルカリオ「カルルォォォーーーー!!」



                      バ

                 ァ            ァ

                      ァ                          ァ

                              ァ           ァ

                      ァ          ン

                  !  !  !




                      ドンカラス●―○ルカリオ
 ▼ 488 ミツルギ@ピカチュウZ 17/09/24 23:55:32 ID:.B.rgTqo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援!!
 ▼ 489 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:28:18 ID:ppEhahJ. [1/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「む、むぅ……」

ドンカラス「ガラガラ……ゴロ……」

ムーマ父「ヤシロちゃん……後は君だけだ」

ムーマ「むむぅ……」ドキドキ

ムーマ父「心配しなくたっていい。いつも通り、この一ヶ月やってきたことと同じようにすればいいだけさ」

デント「シロガネさん、先程から貴方の話を聞いてるとそのムウマージ……ヤシロちゃんはまだバトルに慣れていないので?」

ムーマ父「そんなことはありません。この子は皆と同じように訓練させてる。今や彼女は昔の彼女ではありません」

ムーマ父「ただ……僕も心の中で不安があったのでしょうか」

ムーマ父「今まで三つのジムに挑戦しましたが、いずれのバトルもヤシロちゃんを戦わせることはありませんでした」

ムーマ父「実質、このバトルがヤシロちゃんの一つのターニングポイントになるでしょう……」

ムーマ父「サトシ君をも倒した、『本当に強いトレーナー』との勝負……ヤシロちゃんにとってはいい経験だ」

ムーマ「むぅ!むぅ!」

デント「どうやら彼女に迷いはないようですね」

ムーマ父「ありがとうヤシロちゃん。……さぁ勇気出していこうか。昨日の君に勝つため!」


ムーマ「む ま ぁ ぁ ぁ ! !」

ルカリオ「…………」


コテツ「バトルに慣れてないだと!?そんな奴がこのルカリオの相手になると思っているのか!」

コテツ「……と凡人なら言うだろうが、世の中には『奇跡』ってもんがあるよな。オレは好きだぜ、『奇跡』」

コテツ「意表をついた戦略で一発逆転!そんなこともあるからポケモンバトルってのは面白いんだ!」

ムーマ父「奇跡なんか待たないさ!僕とヤシロちゃん自身の力で君を倒す!」

ムーマ「むーま!むーま!」


コテツ「……んむむ」ビョーン

バ チ ン !

コテツ「閃いた!ムウマージに絶対勝てる方法がなぁ!」

ルカリオ「ガルルルォ!!」
 ▼ 490 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:30:10 ID:ppEhahJ. [2/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「来るぞ……ヤシロちゃん」

コテツ「ルカリオ、まずはムウマージの方へ突っ込んでけ!」

ルカリオ「わうっ!」

              ド ゥ オ ッ ! !

ムーマ「!」

ムーマ父「ヤシロちゃん、じっとしてろ!ただの格闘技なら君には通じない」

ムーマ「むむ……」

ルカリオ「ウ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ! !」

スカッ……

ムーマ「……?」

ムーマ父「なっ、素通り?どういうつもりだ?」


コテツ「ルカリオ、その木でいい!その今にも折れそうな大木に『はっけい』!」

デント「!?」

ルカリオ「ヴォォォォーー!!」

ムーマ父「! まずい!逃げろヤシロちゃん!」

ムーマ「むぅ!」


メキキキ……        ズ ダ ァ ァ ァ ァ ン ン ! !


デント「あ……あ……」

ムーマ父「危なかった……ヤシロちゃんじゃなくてその後ろの木を狙ってたのか」

ムーマ父「ヤシロちゃんが避けられなければ一発アウトだったかもな……さぁヤシロちゃん、今度こそ攻撃が来るぞ!」

コテツ「ルカリオ、今度は倒れた木に『はどうだん』!!」

ムーマ父「はぁ!?」

ルカリオ「わおんっ!」

バ ハ ァ ァ ァ ァ … … ン 

ムーマ父「倒木が一瞬でバラバラになった……スゴイ威力だ、けど……何が目的なんだ?」

ムーマ父「……ハッ、スキだらけだぞ!ヤシロちゃん、『シャドーボール』だ!」

ムーマ「むぅ〜……まぁ〜〜!!」ボッ!
 ▼ 491 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:33:20 ID:ppEhahJ. [3/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴ ォ ォ ォ ォ … … !


ルカリオ「…………」

ムーマ父(ルカリオの奴、「シャドーボール」が迫ってるってのに微動だにしないぞ?)

ムーマ父(さっきからコテツ君とルカリオの行動が読めない……一体何をするってんだ?)

コテツ「そろそろやるか。ルカリオ」

ムーマ父「?」


コテツ「一刀流……居合」

ルカリオ「ガルルル……」スチャ

     ル カ  リ オ
コテツ「『流 華 李 王』! !」



ズ   パ  ァ  ァ  ァ  ァ  ン  !  !


ボコォォン                            ボコォォン


ムーマ「……!」

ムーマ父「『シャドーボール』がただの木片で真っ二つに……木を切り崩したのは木片を刀代わりにするためだったのか!」

コテツ「その通りさ。その子、対戦経験が無くともやっぱりムウマージなんだろ?」

コテツ「ムウマージはゴーストタイプ。残念ながらオレのルカリオの技は殆ど通用しない」

ムーマ父「なるほど、だから攻撃手段になりうる武器が必要だったわけか」

コテツ「その通り!」

ルカリオ「…………」ボロッ

コテツ「刀と言っても所詮木片。簡単に砕けちまうが、倒木一本から作られた木片はまだまだたくさんある!」

ムーマ父「……くっ、実質制限無しってわけか」

コテツ「木片が切れればまた木を倒して補充する!また切れればそりゃまた切り倒す!」

デント「…………」プルプル

コテツ「この町にある自然すべてがオレ達の武器だと思いな!ワッハッハッハ!」

ムーマ父「くっ、何とかしないと……」


デント「ち゛ょ゛っ゛と゛待゛て゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! !」


ムーマパパ/コテツ「「!?」」
 ▼ 492 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:35:29 ID:ppEhahJ. [4/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デント「どういう神経してんだこのバンダナパッチンマン!!」グイッ

コテツ「はぁ?」

デント「はぁじゃねぇよ……ここがメトロソムリエの聖地・カナワタウンと知っての狼藉か!」

コテツ「だから何だってんだよ」

デント「ここは鉄道という人間が生みだした素晴らしい技術と、自然という地球が生みだした素晴らしい景色が交差する場所」

デント「つまりこの星の奇跡を一纏めに凝縮した場所なんだよォ!」

デント「鉄道だけじゃなく、この木々も立派なオブジェクトの一つなんだよォ!!」

デント「……その有難味も知らないでこの聖地をギッタンバッコン踏みにじるようなヤツァ」

デント「メトロソムリエ失格なんだよぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぃぃ!?!?」

コテツ「いや、別にオレソムリエじゃねぇし」

デント「じゃなくても人として失格なんだよぁぁぁぃぃ!?!?このクソゲロバッドテイスト野郎がぁぁぁぁ!!」

ムーマ父「…………」

コテツ「……わ、わかったよ。もう木は切り崩さねぇ。刀はさっきの木一本分だけでいい」

デント「ゼェ……ハァ……」


コテツ「邪魔が入ったが続けるよオッサン!オレとルカリオの戦闘術、とくと見よ!」

ムーマ父(反省してないな……)


ムーマ父「だが、それなら刀を切らしてしまえばいい。ヤシロちゃん、あの木片だまりに『シャドーボール』!」

コテツ「させるか!『シャドーボール』に『はどうだん』!!」


バ ホ ッ ! !


ムーマ父「チッ」

コテツ「さーて今度は二刀流だ!受けきってみろ!」

ルカリオ「カルルルォォーー!!」ダダダダ

ムーマ「むぅ!?」

ムーマ父「ヤシロちゃん、『マジカルフレイム』!」

                  オルドラン
コテツ「かわして食らわせ、二刀流・『折 弩 乱』!!」

ムーマ父「しまった!」



                  ザクッ!!            ザクッ……!!
 ▼ 493 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:37:30 ID:ppEhahJ. [5/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムウマージ「むぐ……」

コテツ「浴びせろ!仕上げの一太刀!」

                          ザ ン ッ !

ムーマ父「ヤシロちゃん!!」

ムーマ「……む……ぅ」

コテツ「また刀が折れちまったな。ルカリオ、また補充だ!」

ルカリオ「わおっ!」

コテツ「さて、一、二と来たら次は三刀流!これっきゃねぇだろ!」

ルカリオ「グルル……」カプッ

ムーマ父「ヤシロちゃん!攻撃を防げないなら相手のスタミナを奪え!連発で『シャドーボール』だ!!」

コテツ「オレのルカリオのフットワークを舐めんじゃねぇよ!」


           ドシャッ!!             バコォォ!

                       ベキキキ……

              ズドォォ!!                       ブシャァァン!!

                ゴォッ!                  ポシャン!


ルカリオ「カルルルォーーー!!」

ムーマ父(当たらなくたっていい。とにかく相手の体力が尽きるまで……)

コテツ「しゃらくせぇ!『シャドーボール』ごと突破しちまえ!ルカリオ、三刀流……奥義!」


     メ  ガ   ル カ  リ  オ
コテツ「『六 乗 ・ 流 華 李 王』!!!」



                            ズ


                            ド


                            ォ


                            ォ


                            ォ


                            ォ
 ▼ 494 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:40:07 ID:ppEhahJ. [6/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
                            ォ

                            ォ

                            ・

                            ・

                            ・

                            ン

                            !



パラパラ……      パラパラ……


ムーマ父「……!」

デント「ピャーーーーーー!!また何本か折れたぁぁぁぁぁぁぃゃぁぁぁぁぁ!!?」

コテツ「…………」

コテツ「          外したか          」


ムーマ「む、むぅ……」ゼェゼェ

コテツ「だがまだ攻撃は終わらないぜ!この木片や枝が尽きない限りはな!」

コテツ「幸いにも使える木が増えたし、まだまだ無限に刀が作れるぜ!」

ムーマ父「まずい……どうしたら……」

ムーマ父(あの木片は斬りつけるのは勿論、ヤシロちゃんの攻撃を防いだりできる。自然が生んだ厄介なアイテムだ)

ムーマ父(あれを利用しようと思えるコテツ君はバトルの天才だ……いや、感心してる場合じゃない)


ルカリオ「ガルォォ! ブルォォ!」 ブォン! ブォン!

ムーマ「む、むぅ〜!」ヒョイ   ヒョイ


ムーマ父(僕らにも……あれが使えたら……ダメだ。ヤシロちゃんの体じゃ、ルカリオとやり合っても打ち負かされるだけだ)

ムーマ父(考えろ……時間・フィールド・運。使えるものは何でも使え……)

ムーマ父(無数に散らばる木片。それを刀代わりに戦うルカリオ。ヤシロちゃんが勝つ術は……)


コテツ「今日は冴えてるぜオレの頭!今日のバトルはオレの発想の大勝利だぜ!さぁルカリオ、トドメだーーー!!」

ルカリオ「バルルルルァァァァ!!」


ムーマ父「今だヤシロちゃん!『シャドーボール』!!」
 ▼ 495 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:46:36 ID:ppEhahJ. [7/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「むぅー……!」


ド ゥ ヴ ォ ッ ! !


ルカリオ「!?」バラバラ

コテツ「しまった、刀が……ルカリオ!一旦離れろ!」

ルカリオ「わ゛おっ!」バッ


ムーマ父「コテツ君、もう君達の思うようにはいかないぞ。今度は僕達の剣技を見てもらおう!」

コテツ「アンタわかってないな。この戦法はルカリオが屈強かつ俊敏な体育会系体型だからできるのさ!」

コテツ「ムウマージのような文科系体型のポケモンじゃあたかが木片といえど剣は操れないぜ!」

ムーマ父「……どうだか」

コテツ「さぁもう一度いくぜ!一刀流……」

ムーマ父「ヤシロちゃん!新技・『サイコキネシス』だ!」


ムーマ「んむむむむむ……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……


ルカリオ「!?」

コテツ「な、何だ!?何が起きてる!?」

デント「散らばった木片が一つ残らず浮き始めた!……まるで無重力の空間にいるようだ」

デント「! ムウマージの剣技ってまさか……」



ジャキン! ジャキン! ジャキン! ジャキン! ジャキン!  ジャキン! ジャキン! ジャキン! ジャキン! ジャキン!

ジャキン! ジャキン! ジャキン! ジャキン! ジャキン!  ジャキン! ジャキン! ジャキン! ジャキン! ジャキン!



ルカリオ「(;゚Д゚)」

コテツ「えっ、これひょっとして全部……」

ムーマ父「そうさ。君の切り崩した木片の刀全て、今まさに君達に牙を剥こうとしている!」

ムーマ「むぅ〜!」

ムーマ父「さぁヤシロちゃん、見せてやろうよ。これが僕達の剣技……」


ムーマ父「『 も く へ ん の ま い 』!!」

コテツ「ダセェ!!」
 ▼ 496 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:47:49 ID:ppEhahJ. [8/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「言ってる場合かい!?……さぁ、今日の勝負は、僕の発想の大勝利だ!さぁいくぞ!」

コテツ「くるぞ、ルカリオ!」

ルカリオ「!!」


ムーマ「むぅぅぅりゃぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」



    ダ      ダ          ダ         ダ      ダ
     ダ             ダ      ダ          ダ          ダ
  ダ               ダ            ダ   ダ   ダ      ダ      ダ
  ダ            ダ    ダ      ダ      ダ      ダ     ダ
    ダ             ダ      ダ          ダ          ダ
  ダ             ダ         ダ   ダ   ダ    ダ      ダ
ダ          ダ          ダ
  ダ          ダ            ダ   ダ   ダ  ダ        ダ
  ダ            ダ    ダ      ダ      ダ      ダ     ダ
                   ダ           ダ



コテツ「ひ、ひぇ〜!」

ルカリオ「カル……ルォォーーーー!!」

---------------------------------------------
---------------------------------


ルカリオ「あ……が……」ガクッ

ムーマ「む、むぅ〜」ヘトヘト


コテツ「くそっ、敗けるかよ……」

コテツ「立てルカリオ!ムウマージはもう疲れ果ててる!もう一撃……もう一撃だけ食らわせばオレ達の勝ちだ!」

ムーマ父「ヤシロちゃん気をしっかり!もうひと踏ん張りだ!」


ムーマ(強い……強かった……これがおにーちゃんと戦ったトレーナー……)

ムーマ(おにーちゃんの見た、世界の一部……すごい)

ムーマ(おにーちゃん、わたしは頑張ってるよ。おにーちゃんの世界、もっと見たいから!)


ムーマ父「ヤシロちゃん!『マジカルフレイム』だ!!」

コテツ「最後だルカリオ!こうなったら『まねっこ』だ! ルカリオ、『マジカルフレイム』!!」
 ▼ 497 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:52:47 ID:ppEhahJ. [9/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボ ォ ァ ァ ァ ァ … … ! !


コテツ「ぐぎぎ……!」

ムーマ父「文化系体型で悪かったね。でもね、体育会系体型のルカリオには扱えないんだよ!」

ムーマ父「夢ごこちで限りない可能性の広がった、誰もが憧れる…… フ ァ ン タ ジー をなぁぁぁぁ!!」

ムーマ「む が ぁ ぁ ぁ ぁ 〜 〜 〜 〜 ! !」


               ヴ
              ォ
               ォ
                ァ
               ア
              ァ
             ア
            ア
              ァ
                ア
                  ァ
                ア
                 ァ
               ア
             ァ
                ア
               !

                 !
              !


ルカリオ「……カハッ」

コテツ「ルカリオーーー!!」

ムーマ父「じゃあ決めてやろうか!ヤシロちゃん!」

ムーマ「むぅ!」


ムーマ父「これが僕達のゼンリョクだ!!……ヤシロちゃん、『10まんボルト』!!」

ムーマ「んむむむむむ……」バチバチ

ムーマ「ヂ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! !」


ルカリオ「!!」

コテツ「くそっ……」



                    ズ ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ … …



                        ムーマ○―●ルカリオ
 ▼ 498 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:55:30 ID:ppEhahJ. [10/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「ハァ……ハァ……」ヘタッ

ムーマ父「お疲れ様、ヤシロちゃん。……正直、僕もちょっと疲れた」

コテツ「まさかルカリオまで倒されちまうとはな……ハッキリ言ってオレが今まで戦った中で“3番目”に強いぜ。アンタ」

ムーマ父「……そりゃ光栄だね」

コテツ「アンタとそのムウマージの絆、普通じゃない何かで出来てるってのはわかった。スゲェことだよ」

コテツ「だがこれはフルバトル!……わかってるな?オレにはまだ6体目がいるってこと!」

ムーマ父「……ハハ、僕らもまだまだ修行が足りないってことか」

コテツ「またバトルしようぜ!オッサン!!」



                       ムーマ●―○ミルホッグ



コテツ「ふぅ、自然豊かなカナワタウンで仕事した後はノンビリ食事でもしようかと思ってたが」

コテツ「こんなスゲェトレーナーに会えるとは思ってなかった!今日は運がいいぜ!」

ルカリオ「わんわん!」

ムーマ父「……フフ」


デント「お い」


コテツ「」ゾクッ

デント「わかってるだろうな?お前のしたコト。お前にはメトロソムリエの三原則を教えねばなるまい」

デント「一つ、メトロソムリエたるもの、線路に屯して撮影を行うなどの鉄道の運営に差支えると判断される行為を慎むコト」

デント「二つ、メトロソムリエたるもの、駅員・乗客・そして他のメトロソムリエに対する気遣いを忘れぬこと」

デント「三つ、メトロソムリエたるもの、ゴミの不法投棄や設備の破壊などの周りの環境に害を及ぼす行為を慎むコト」

コテツ「えーっと……つまり」

デント「イワパレス、『がんせきほう』」

コテツ「えっ、ちょっ……」


ムーマ父「バトルは楽しいけど、周りを省みない行為はいけないね」

ムーマ「むぅ」

ムーマ父「……ハハ、僕らはたまたま何も壊さなかったけど、以後気を付けなきゃね」
 ▼ 499 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 00:58:21 ID:ppEhahJ. [11/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コテツ「妹!?サトシの!?」

ムーマ「むぃ」エッヘン

ムーマ父「そう。訳あって今僕がサトシ君から彼女を預かってるんだ」

コテツ「ははぁ……人間とポケモンが兄妹ねぇ」

デント「でも、コテツだって似たようなモンじゃないのかい?ルカリオとはいつも一緒じゃないか」

コテツ「言われてみればそうか!ルカリオはオレの弟だ!」

ルカリオ「ワウ!(*´▽`*)」

------------------------------------------------

コテツ「じゃあオレはこの辺で!早く宿に行って訓練始めたいからな!」

ムーマ父「あぁ、元気でね」

デント「次会う時までに、もっとマナーを身に着けておくように」

コテツ「へいへーい」


デント「……さて、それじゃあシロガネさん。折角カナワに来たのにもう昼過ぎだ。これから車両基地でも見に行きますか?」

ムーマ父「えぇ!ぜひ」

ムーマ「〜♪」

デント「ヤシロちゃん、バトルに敗けたのにご機嫌ですね」

ムーマ父「サトシ君と戦ったトレーナーといいバトルをすることができましたからね」


ムーマ父「この一ヶ月、サトシ君の見た世界に出会う度に、ヤシロちゃんは嬉しそうに笑うのです」

ムーマ父「ヤシロちゃんが世界で一番大好きな人……サトシ君は、ヤシロちゃんに色々なことを教えてくれました」

ムーマ父「それだけじゃない。彼は本気で彼女を愛していたんだ。あの時も……」

---------------------------------------------

ムーマ父「君か!今何時だと思ってる!挨拶に来てくれたのだろうが少しは常識を弁えたらどうだい?」

サトシ「……それがムーマをあんな目に遭わせた人の言葉ですか?」

サトシ「知ってるんだ!アンタ達がムーマを殺そうとしたって!答えろ!どうしてムーマを……」

---------------------------------------------

ムーマ父「誤解していたとはいえ、僕を本気で怒ってくれた……でもそんな彼を一度は追い返してしまった」

ムーマ父「僕は自惚れていたんだ。生みの親以外じゃ、僕が一番彼女を愛せると思っていたから……」

デント「でも、ヤシロちゃんは今貴方に懐いていますよね?」

ムーマ父「えぇ。これも全てサトシ君のおかげです」
 ▼ 500 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 01:00:51 ID:ppEhahJ. [12/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デント「……フフ、仲間のことを褒められると自分のことのように嬉しいですね」

デント「サトシも変わりないようでよかった。サトシの夢はざっくりだけど、だからこそ確実に前に進んでいける」

デント「僕も彼から学んだことはたくさんありました。僕からもサトシについて話したいことは山ほどあるんです」

デント「それにその子にも、僕がサトシと一緒に見た世界を見せてあげたい」

ムーマ「むぅ!むぅま!」ピョンピョン

デント「決めた!また来週にでも二人でどこかに行きましょうか?」

ムーマ父「えぇっ!?」

デント「あ、あぁそうか……ジム巡りの旅、邪魔しちゃマズイですよね」

ムーマ父「それは全然構わないのですが……いいのですか?またジムを留守にしてしまって」

ムーマ父「コーンさんが言ってましたよ?ジムリーダーが三人揃って初めて、サンヨウジムが誇る最高のお茶が完成するって」

デント「何、僕がいなくとも『最高のお湯』をお出しできるので問題ありません!当店はインスタントも充実しております!」

ムーマ父「え、えぇ……」

ぐ ぉ ぉ 〜 〜 〜 … …

デント/ムーマパパ「「?」」

ムーマ「む、むぅー///」

デント「……フフッ」

ムーマ父「昼間のコロッケサンドだけじゃ満足できないよね。……よし!それじゃあ先に何か食べにいこうか!」

デント「あっ、僕いい店知ってますんでそこに行きましょう!」

デント「そこでは僕の友人が一流のソムリエになる為に修行をしてるんです。彼女に会いに行きがてら昔の話でも」

ムーマ父「いいですね! ヤシロちゃん、何が食べたい?」

ムーマ「むぅ〜……むむむ……」

デント「どんな料理でも気に入ると思いますよ!万が一気に入らなければ彼女に文句を言ってやればいいんです」

ムーマ父「え、えぇ……」

ムーマ「ムヒヒ……」



おにーちゃん、元気にしてますか?おじさんとの毎日、最初は不安だったけどあんがいいい人で今は楽しくやってます。

でも正直、おにーちゃんに早く会いたい。お父様にも、ピカチュウにも、マお姉ちゃん達にも、アローラのポケモン達にも。

……だけどガマンするんだ。今ガマンすれば、おにーちゃんの大切なものにもっと出会うことができるから。

いっぱいおにーちゃんの世界を見るんだ。いっぱいおにーちゃんの話を聞くんだ。

……それでみんなにいっぱい自慢するんだ。わたしが、おにーちゃんの妹だってこと。

おにーちゃんが、他のポケモン達と同じように、「一匹の家族として」わたしを好きでいてくれたってこと。
 ▼ 501 デンネ@ゴーストメモリ 17/09/27 08:16:39 ID:z4iojR9c NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
なんかエンディングに入ってません?
 ▼ 502 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 23:14:26 ID:ppEhahJ. [13/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------最後に、アローラ地方-------


サトシ「う、うおぁーー!!」

園児A「おにいちゃん、まってよ!こんどはボクとバトルしてよ!」

園児B「おにいちゃん、そんなのいいからアタシとおままごとしようよ!ね?」

園児C「おにいちゃん、このモクローもらっていい?」

園児D「おにいちゃん、ぼうしこうかんしようよ!」

サトシ「ま、待っ……」

                  「オニーチャン!」          「オニーチャン!」        「オニーチャン!」

サトシ「ウ ワ ァ ァ ァ ァ … …」


ククイ「……と、いうわけで、今日はスクール主催のボランティア活動の一環としてメレメレの保育園にお邪魔してるぞ」

リーリエ「博士、誰に解説をなさっているのです?」

ククイ「うんうん、皆キチンと保育園の手伝いや子供達の世話ができているようだな」

リーリエ「無視!?」


園児E「このおにいちゃんプヨプヨー!」

園児F「みてみて!トランポリン!」ビョンビョン

マーマネ「ぶへぇ゛!!がほ゛ぇ゛!!……ちょ、ちょっと、出る!!あんまり跳ねたら色々出ゴボ ォ ォ゛ォ ォ゛」

園児E「うわー!」キャッキャッ


園児G「え?ちがうの?」

スイレン「だから違うって!/// ウチの男子共とはそういう仲じゃない!」

園児H「でもいまどき、ほいくえんじでもふくざつなれんあいかんじょうをかかえるこのごじせ、こいぐらいするでしょ?」

スイレン「しないったらしない!」


園児I「わーい!」ダダダダ

カキ「おい、ちょっと、ズボンを返しなさい!お兄ちゃん今公共の場にいるから!ねぇ!」

園児J「シャツもきてないヒトがなにいってるのさ」

カキ「ちょ、ホント勘弁して……あ、先生!その子を捕まえて!」

保育士A「ろ、露出狂!!?」
 ▼ 503 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 23:20:08 ID:ppEhahJ. [14/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「はぁ、はぁ……」

ピカチュウ「ペカ……」

マオ「よっす!苦労してますねぇサトシ君」

サトシ「はは、順調そうで何よりです……」

----------------------------------------------------

サトシ「いやー参った。軽い気持ちで参加したけど、子供のお世話って大変ねぇ」

マオ「フフ、大変ゆえに今回の行事は志願制。それでも皆がこの活動に参加してるってことは」

マオ「……思い出すんだろうね。この間までのこと」

サトシ「ムーマのことか?それならもう一ヶ月前だぜ」

マオ「ホンット、信じられないよね……あたし達皆の妹だったムーマちゃんが、今や立派な旅人……旅ポケモンだなんて」

マオ「あたしね、今でも時々ムーマちゃんの夢を見るの。あたしに向かっていつも笑顔で『マお姉ちゃん』って呼んでくれる」

サトシ「マオには助けられたなぁ。よくムーマの面倒を見てくれてたし」

マオ「そういうサトシはさ、ムーマちゃんの夢は見ないの?」

サトシ「見ないな」

マオ「嘘やん」

サトシ「……見ないけどムーマいた日のことは忘れてないよ。それにムーマと別れてから、オレの日常もちょっと変わった」

サトシ「時々ハウオリ霊園にお菓子を持っていくようになったり、カキやスイレンの兄弟事情に耳を傾けるようになったり」

サトシ「ハハ、こうなると何かムーマよりオレの方が色々教えてもらった気がするな」

マオ「そうだね。サトシも成長した。エライエライ」ナデナデ

サトシ「えへへ……///」

サトシ「……ムーマのことといい、アローラ地方での生活にはオレの足りないものを今まで以上に教わってる気がする」

サトシ「ノンビリしてるように見えて、実はもう見つけてるのかも。ポケモンマスターになるための、一番大事なこと」

マオ「一番大事なことって?」

サトシ「それはわからんけど」

マオ「うぉい!!いい加減だねサトシらしいけど!」

サトシ「でもそんな気がするんだ!今こうしてオレがアローラにいる時間は絶対無駄じゃない!それは断言できる!」

マオ「……今こうして。か」

サトシ「ん?」

マオ「……ねぇ、サトシ」
 ▼ 504 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 23:21:50 ID:ppEhahJ. [15/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「サトシもいつかは……あたし達と一緒にいられなくなるんだよね」

サトシ「!」

マオ「サトシ、アローラには後どのくらいいるの?」

サトシ「そ……そんなこと聞いてどうするんだ?」

マオ「噛み締めたいの。サトシと一緒にいられる幸せを」

マオ「あたし達6人、アローラで過ごす毎日を一秒ごとにもっと深く感じられるようになりたいの!」

マオ「別れの時間が迫る感じは辛いけど……」

マオ「だけどその終わりが見えたら、サトシにより沢山思い出を作ってあげたいって思えるようになると思うの!」

マオ「サトシとムーマちゃんの最後の一週間だってそうでしょ?別れることがわかってたから初めの頃と感情も違ったハズ」

マオ「ねぇ、どのくらい?」

サトシ「え、えぇっと……」


ククイ「マオ、それは違うぞ。サトシに余計な事を聞くんじゃない」


サトシ「博士!」

ククイ「サトシに聞こうが聞くまいが、いつかは別れの日が来るのは変わらない事。そのくらいわかるハズだ」

ククイ「……だから、わざわざそんな悲しい事を聞くな。いつも通り、お前達皆仲良くしてりゃいいだけの話だ」

マオ「で、でも……」

ククイ「それにサトシだって、別れの時間を気にしてムーマと最後の一週間を過ごしてたワケじゃないだろう?」

サトシ「ど、どうだろう」

ククイ「そうさ。オレには分かる」

ククイ「とにかく、別れまでの時間の心配なんてしんみりしたこと、お前達のような未来ある子供のすることじゃない」

ククイ「そういうのはオーキド校長くらいの歳になってからで十分だ」

サトシ/マオ「「プハッ」」

ククイ「フフ、笑ったな。……そうだ。それでいい」

ククイ「さぁ仕事に戻るぞ!ムーマと過ごした日々の経験。それを生かす為にボランティアに志願したんだろ?」

マオ「は、はい!……よしやるぞ、もうひと頑張り!」

アママイコ「あむぁー!」


ククイ「さぁサトシ、お前も」

サトシ「うん!……行こ、ピカチュウ」

ピカチュウ「ピカッチュウ!」
 ▼ 505 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 23:23:33 ID:ppEhahJ. [16/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
                   あなたにとって、ポケモンとは何ですか?



園長「いやいや、今日はありがとうございました。またぜひいらっしゃってくださいね」

ククイ「今日の経験は、必ずウチの生徒達の将来を助けてくれることでしょう。また次回もよろしくお願いします」

リーリエ「今日の活動はとても楽しかったです!たくさん褒められたし……今日の成果を早く活用したい!」

リーリエ「……お兄様で実戦しましょうか」

マオ「保育園での経験を年上にやるのは……」

リーリエ「では、ジェイムズに!」ドドン!



                   ポケモンにとって、あなたとは何ですか?



園児A「またね!おねえちゃんたち!」

園児H「れんあいのことならわたしにそうだんしてね!」

スイレン「だから違うってば!」

マーマネ「コホン、僕でよければ相談に乗

スイレン「オメガマユゲに私の心は理解できない」ボコォ

マーマネ「たわば」



                      家族?友達?仲間?それとも……



サトシ「カキ、随分なホクホク顔だけど何かいいことあったのか?」

カキ「帰ってから今日の活動で学んだことをホシに実戦しようと思うと楽しみで仕方ないんだ♪」

サトシ「……でもあれだろ?ホシちゃんは着々と兄離れを進めてるって」

カキ「何、ただの反抗期さ。反抗期に怯まず、優しく接すれば妹もすぐにまた振り向いてくれるさ」

カキ「お前もきっとあのままムーマと一緒にいれば、反抗期は必ず思わぬところでブチ当たる壁になっただろうぜ」

サトシ「……そういうもんかね」



                       あなただけの理想? 幻?



                     それとも……奇跡の巡りあわせ?
 ▼ 506 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 23:25:32 ID:ppEhahJ. [17/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
                  不思議な魔法にかけられた、可愛い可愛いポケモンと



ジリリリリリ……!

サトシ「どふぁーーーっ!寝坊したーーーーっ!」

ロトム「時刻は午前8時30分。スクールまでの距離を考えると、遅刻は確定的ロト」

サトシ「…………」

サトシ「……」パサッ

ロトム「お゛ぉぉぉぉい!!寝るんじゃねぇ!!」



                 少年・サトシの物語は一旦幕を閉じる……けれども



ロトム「急げ急げロトーーーーー!!」

サトシ「う゛おぉおぉおぉおぉ!!」ダダダダ

警官A「おっすサトシ君!しばらくだね!どうしてそんな走ってるの?」ダダダダダ

サトシ「スクールに遅刻してて!出席日数が足りないとヤバイんですよ!あとお姉さんも何で走ってんの!?」ダダダダダダ

警官A「ジュンサーさんの命令で数量限定のパンケーキを買いに行く途中!午前中には売り切れるらしいの!」ダダダダダダダ

サトシ「それって警察の仕事!?」ダダダダダダダダ

警官A「新人ってそんなもんよ!あっしも早く後輩がほしいでゲス!」ダダダダダダダダダ



                   サトシの夢はポケモンマスターになること!



ククイ「遅い!連絡を受けてからもう随分立つぞ!」

サトシ「すみません。お詫びにパンケーキ買ってきました。数量限定の」

ククイ「ほほぅ、パンケーキで機嫌を取ろうというのか……」

サトシ「へへ……///」

ククイ「まぁ、今回はパンケーキに免じて許……」

サトシ「ホッ」

ククイ「……すわけがなかろう!『ウルトラロイヤルドローーーーップ』!!」

サトシ「う わ ら ば」



      ポケモンマスターになるための次の物語が、間もなく始まるのだ。サトシ自身も気付かぬうちに……
 ▼ 507 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 23:26:44 ID:ppEhahJ. [18/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





リーリエ「〜♪」

サトシ「嬉しそうな顔してるな。何かいいことあった?」

リーリエ「えぇ。……今日は会えるのです。私の家族に」

サトシ「おぉ!グラジオがまたこの辺に来るのか!?じゃあもう一度彼とバトルを……」

リーリエ「フフ、いいえ」


ピカチュウ「ピカピカ!」キャッキャッ

モクロー「もふぅ♪もふぅ♪」

ほしぐも「0(*^o^*)0」


リーリエ「私、その人に話したいコト、たくさんあります!ポケモンに触れるように頑張ってるコトとか」

リーリエ「たくさん友達ができたコトとか、色々」

サトシ「リーリエは初めと随分変わったよなぁ」

リーリエ「そういうサトシはあんまり変わりませんね♪」


リーリエ「……サトシ、『再会』ってワクワクしますよね」

サトシ「うん。……前にタケシとカスミに会った時は、その瞬間、昔の旅の記憶が頭の奥からヴァッと飛び出す感じがしたよ」

リーリエ「私もです。あの人と過ごした日の記憶が、ぽぉ……っと蘇ってくるのを感じました」

リーリエ「別れは辛いですけど、再会の楽しみが後で待ってるんだと思うとまた毎日頑張れる気がしますよね!」ガンバリーリエ

サトシ「あぁ!オレもそういうのが心の支えになってる所があるな。また会いたい人やポケモン達はまだまだたくさんいる!」

リーリエ「フフ……」


サトシ「……ムーマの話、早く聞きたいなぁ」

リーリエ「ムーマちゃん、か……今頃何をしてるのでしょうか」

マオ「もうお昼だし、大好きなコロッケでも食べてるんじゃない?」

カキ「バトルの特訓に励んでるんじゃないか?」

マーマネ「きっとパパさんと観光しながら旅を満喫してるよ」

スイレン「新しい趣味を見つけてるかも……」

サトシ「うぉっ!?」

リーリエ「み、皆さん!一体どこから……」
 ▼ 508 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 23:53:42 ID:ppEhahJ. [19/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ「知りたいか?今のムーマ。……サトシ、お前宛にパパさんから手紙が来てる」


「「「「「「えっ……!?」」」」」」


ククイ「綺麗な筆遣いで書かれていたよ。ただ隅っこの方にだけ、やけに大きくて汚めの文字があったんだが」

ククイ「何て書いてあったと思う?」

サトシ「えっ、そんなこと急に言われても……」

ククイ「まぁ、自分の眼で確かめるんだな」


サトシ「えーっと、『拝啓、サトシ君。 元気?こちらは特に何の変わりも……』」

カキ「いや、あるんだろそのデカイ文字。そこを読んでくれよ」

マーマネ「綺麗な方の文は後でじっくり読もうよ」

マオ「それで、何て書いてあるの?……同じ人が書いたようには見えないね」

サトシ「えーっと……」



サトシ「…………」



スイレン「サトシ?」


サトシ「……ハハ、こちらこそ」


リーリエ「こちらこそ……?何に対しての返事ですか?その大きい文字には何と?」













サトシ「          『アローラ!  おにーちゃん』   だってさ!          」








                        -------fin-------
 ▼ 509 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/27 23:54:31 ID:ppEhahJ. [20/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここまで読んでくださってありがとうございました。と同時に、お疲れ様でした。

サトシみたいなお兄ちゃんがほしくなったとか、ムーマちゃんみたいな妹がほしくなったとか、
カキに叱られたくなったとかマオに心配されたくなったとか博士に説得されたくなったとか、
ゲームでムウマを厳選しようと思ったとか、
もしこのSSが皆さんの印象に残ってくれるなら私は感無量です(´▽`*)

改めて、ありがとうございました……
 ▼ 510 マクロー@ライブスーツ 17/09/28 01:08:07 ID:k/MSoumo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すばらしいSSをありがとう (^o^)/
 ▼ 511 ィアルガ@バグメモリ 17/09/28 02:22:42 ID:jwi1HP4E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!
最高でした!ずっと楽しみにしていて!

(続編の予定とかってあるんですか?)
 ▼ 512 リミアン@だっしゅつボタン 17/09/28 03:26:19 ID:1WiZSPbk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
大作だった、素晴らしいものをありがとう!
 ▼ 513 レザード@ハーバーメール 17/09/28 05:50:41 ID:K7IlhaJM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マジで今ちょっと泣いてる
 ▼ 514 ガボスゴドラ@ふしぎなアメ 17/09/28 11:53:44 ID:/CqXT33c NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
最高でした! 続きお願いします!(その後とか、再会とか)
 ▼ 515 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/09/28 21:00:27 ID:ay1LjxQM NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
早速たくさんの返信ありがとうございます!

>>511
>>514
むぅ〜……(ムーマちゃん風)
結論から言うと続編の予定は無いです。申し訳ない
理由はダラダラ続けると今度こそエタる可能性があるのと、
次回作を書く時はまた新しい設定・世界観でやりたいと思ってるからです。
心配せずともムーマちゃんはおにーちゃんにいつか会えます!最後の最後で約束したもの!
コメントありがとうございました
 ▼ 516 バゴ@たんけんこころえ 17/09/29 09:33:14 ID:q3WR1V1U NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
>>515
続きが無いのは残念ですが、新作待ってます!
 ▼ 517 ンヂムシ@こんごうだま 17/09/29 14:00:25 ID:PPnRGn.o NGネーム登録 NGID登録 報告
俺の妹がこんな可愛いければなあ……
なんであんなうざいんだろう
 ▼ 518 ミツルギ@かいがらのすず 17/10/06 16:56:09 ID:P03phows NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
>>517
その気持ちわかるよ。ムーマは可愛いのにウチの妹ときたら・・・。
 ▼ 519 ガラグラージ@ポイズンメモリ 17/10/09 23:54:42 ID:4n3iwZH2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 520 ママイコ@ミクルのみ 17/10/12 01:14:24 ID:KFyEZGZw NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
新作まだか
 ▼ 521 ジロン@かいのカセキ 17/10/12 06:24:43 ID:WsbsXWjM NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ついつい一気に読んでしまった
ちょこちょこ歌詞が入ってるのよかったなあ
 ▼ 522 ュナー◆mEq.Fp/iL. 17/10/12 13:54:46 ID:q/9gqKEs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>515
続きはないのか…でも、新作も待ってるぜ
 ▼ 523 リンク@あいいろのたま 17/10/12 15:58:51 ID:YU5ft2qI NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
新作の予告してくれ
 ▼ 524 ットレイ@タマゴけん 17/10/15 15:47:08 ID:OYEiO6yo NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 525 リヤード@あくのジュエル 17/10/15 18:32:53 ID:JcXwkjqI NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
しーんさく
  ▲  |  全表示525   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。
書込エラーが毎回起きる方はこちらからID発行申請をお願いします。(リンク先は初回訪問云々ありますがこの部分は無視して下さい)

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!
(消えた画像の復旧依頼は、問い合わせフォームからお願いします。)
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼