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SS

【クロスSS-FINAL】劇場版ポケットモンスター ソード・シールド 天空大決戦

 ▼ 1 N9Xja27O2I 25/08/18 22:25:44 ID:0SRMkA8c [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※「ポケットモンスターソード・シールド」×「ひろがるスカイ!プリキュア」のクロスオーバー
※オリキャラあり
※ポケモン側キャラの手持ちに一部技変更、追加メンバーあり


 ここは、ガラル地方。田園や雪山、都市などの様々な風景、広大な大地に移り変わる気候が特徴の、様々な表情を持つ島国。
 人とポケモンが手を取り合い、時にはポケモン同士で競い合う。そうして、ポケモンと共に暮らす人々を「ポケモントレーナー」と呼ぶ。

 これは、そんな世界で起きた、もう一つの物語である。


― 劇場版ポケットモンスターソード・シールド 天空大決戦 ―




開幕
 ▼ 4 N9Xja27O2I 25/08/18 22:28:56 ID:0SRMkA8c [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビート「不気味極まりない…それに、行方も分からなければ、人的被害の痕跡すらないのでしょう?」

ホップ「ああ。これだけの数を一気に連れ去れる輩がいるとも思えないぞ」

 なぜポケモンが消えつつあるのか、そしてそのポケモン達はどこへ消えたのか…何もかもが謎であり、ただ個体数の減少と言う事実だけが不気味に残っている。

 結局、この日も何もまとまることなく、お茶会を終えた面々は解散。ホップ、そして自主的に手伝おうとしたユウリはソニアと共に夜まで議論を交わしていた。

翌日……
〜ハロンタウン〜
マサル「……昨日、君らがタウンマップ上につけてくれた目印、今日はここを重点的に調査する、ということか」

 故郷であるハロンタウンで、ホップ宅の庭の前に集合していたマサル、ユウリ、ホップ。そして昨日呼んでおいたのであろう、マリィとビートも朝早くから集合していた。
 ソニアとホップ、ユウリは人気の少ない場所や、ワイルドエリアでまだ細かく目を通していない箇所まで目を配らせることを決め、今回その調査にマサル、マリィ、ビートも同行することになったのだ。

ホップ「すまないな、今日もみんなに手伝ってもらって」

マサル「別に。流石に他人事じゃないし、何より友達が困ってるんだからさ」

マリィ「ん。そいじゃさ、手分けして探さない?」

 マリィの提案に、全員が頷いた。

ビート「その方が効率的でしょうね」

ユウリ「よーし決まり!じゃあ、またここに集合ね!」

ビート「何であなたが仕切ってるんですか」

ホップ「おう!そうしよう!」

ビート「そして彼は彼でユウリさんに甘いんですから…」
 ▼ 5 N9Xja27O2I 25/08/18 22:29:24 ID:0SRMkA8c [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 5人はガラル各地へと散り散りになり、怪しいところを探す。建物の隙間や、北方にある雪山、何気ない自然の風景の隅々、くまなく目を凝らしていく。
 マサルはワイルドエリアを駆け回り、調査していく。肌で感じられる程野生のポケモンは日に日に減っていくが、その分探しやすくはあった。

マサル「……ん?」

 見張り塔跡地にある巨大な塔から、奇妙な光を発見した。ダイマックスポケモンが潜む巣穴でも、一時期出現していたキョダイマックス・アーマーガアでもない。
 マサルはその場でスマホロトムを取り出し、他の4人にメッセージを送った。それからしばらくして、それぞれが気になる場所の調査を終えた順にマサルのもとに集まっていき、最後に到着したのはホップ……と、彼にべったりくっついていたユウリの2人であった。

ビート「結局、言い出しっぺが他の人にくっついていたら意味ないでしょうに」

ユウリ「でへへ〜」

ホップ「これがマサルが言っていた怪しい場所か…確かにこの光方は妙だぞ」

 ダイマックスのような赤色でもキョダイマックスのような紫色の光でもなく、淡いプリズムのような光。そもそもこの塔は過去に巣穴になったきり、一切の変化がなかったため、既にこの塔に異常事態が起きているのは確かだ。

ビート「…一度この様子はリーグに報告すべきでしょう」

ユウリ「えー、帰っちゃうのー?」
 ▼ 6 N9Xja27O2I 25/08/18 22:29:46 ID:0SRMkA8c [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「ビートの言う通りだ。入ってみる価値はあるとは思うが、何があるかわからないし危険だからな…」

ユウリ「むー…はーい…」

 ユウリを宥めつつ帰ろうとする一行。

ズルッ

マリィ「あっ―――」

 だがその時、偶然塔の穴に一番近いところにいたマリィが、振り向きざまに足を滑らせてしまった。

ビート「マリィさん!?ちっ!」

 ビートは危険を顧みずすぐにマリィの手を掴む。他3人を含めほっとし、ビートがマリィを引き上げようとした。
 だがその時だった。

ビート「ぐっ!?な、なんだ…これ…!」

マリィ「ビ、ビート!?ちょ、なんであんたまでこっちへ…きゃあっ!」

マサル「ひ、引っ張られてる!?みんな、2人を引き上げるぞ!」

ユウリ「う、うん!」
ホップ「おう!」
 ▼ 7 N9Xja27O2I 25/08/18 22:30:12 ID:0SRMkA8c [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ユウリ達3人も更にビートを掴む。だが、その瞬間わかったことがある。

 この穴周辺に、不思議な引力が発生し、ビートの意思とは裏腹に引きずり込まれていたのだ、

5人「うわぁーーーー!!」

恐らくマリィが足を滑らせたのも、この引力のせいではないか?そう考えを張り巡らせる間もなく、マサル達の奮闘も虚しく、結局5人とも塔の中へと吸い込まれてしまった。

     o .。
      。
     o O

      。
      o
 ▼ 8 ンシカイオーガ@オレンのみ 25/08/18 23:42:51 ID:H0IcGn8E NGネーム登録 NGID登録 報告
この手のssに出るマサルが不安でしょうがない
どっかで裏切りそう
 ▼ 9 ョジオーン@いいキズぐすり 25/08/18 23:43:13 ID:6auYHvRk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 10 N9Xja27O2I 25/08/19 06:31:57 ID:WNsYZkQw [1/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜???〜
ユウリ「ん……」

 見張り塔跡地に現れた不思議な光に吸い込まれ、辿り着いた…というより、落ちてきた場所にてユウリが一番い目を覚ます。周りには倒れている他の4人。

ユウリ「ここは…どこ?…って!ホップ!みんな!起きて起きて!しっかりして!」

 一番最初にホップを揺すり、ホップの身体がピクリと動く。程なくして起き上がり、ユウリはほっとした。

ホップ「ユウリ…無事か…ってか、オレも生きてるのか!?」

ユウリ「ホップ〜!よかったよ〜!」

 ホップに泣きつくユウリをよしよしと撫でる。すぐに2人は他3人を起こし、全員の無事を確認した。

マリィ「みんな、ごめん!あたしが気ぃ抜いちゃったばかりに!」

ビート「…起きてしまったことは仕方ありません。それに、引き上げられなかった僕にも落ち度はあります」

マサル「まさか吸い込まれるなんてな…早く元の場所に帰ろうぜ」

 そう言って辺りや空を見渡すが、帰れそうなところも、見張り塔の穴に生じていたような異空間もない。
 だがそれより、すぐにこの空間のとある違和感に気付いたことがある。

ユウリ「な、ななな…

何ここ!?大陸が!空に!浮いてるー!!」
 ▼ 11 N9Xja27O2I 25/08/19 06:32:35 ID:WNsYZkQw [2/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ユウリ達が落ちてきたその場所は、島の崖近くであった。1歩間違えば真っ逆さまに落ちてしまう。
 ユウリ達がいるこの大陸…もとい、島だけではない。その周囲や下にも、いくつかの島が浮いていた。まるで本の世界にて描写されるような、ファンタジーの世界の様である。

 全く常識外れなこの世界に困惑しつつ、とにかく早く元いたワイルドエリアに戻らねば、と5人は散策を開始する。すると、5人がいる島の恐らく中央だろうか、大きな塀、その塀越しに大きな城の屋根のようなものが見えた。

ユウリ「あれは…城?」

ビート「塀で囲われている…あの中にあの城…いや、恐らく町もあるのでしょうか」

マサル「ひとまずあそこを目指してみようぜ」

 5人が歩みを始めた、その時だった。

???「止まりなさい!」

 不意に横から聞こえた声。高く響いた声の主は、ダチョウのような生き物に乗った少女。その後ろには同じくダチョウのような生き物に乗った数人の人物。鎧を纏っている近衛兵のような姿であった。
 ▼ 12 N9Xja27O2I 25/08/19 06:32:53 ID:WNsYZkQw [3/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 声の主である少女は青い服を身に纏っており、青くぱっちりした目、青い髪をしており、見た目はユウリ達と同じくらいの年代だろうか。少女は乗っていた生き物から降り、ユウリ達に近づく。

???「あなた達、この辺では見かけない方ですが、旅の者ですか?」

ビート「いきなり失礼ですね。まずはあなたから名乗るべきでは?」

マリィ「ちょっとビート、いきなりそんな喧嘩腰、よくない」

???「む…確かにその通りですね。失礼しました」

マサル「いや、別にこっちこそ申し訳ない」

 ビートに邪険に扱われたことに目くじらを立てず、一礼したうえで名乗った。

ソラ・ハレワタール「私はソラ。ソラ・ハレワタールです。今はちょうどこの周辺の見回りをしておりました!」
 ▼ 13 N9Xja27O2I 25/08/19 06:33:11 ID:WNsYZkQw [4/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 明るくハキハキと答えるソラ。5人もそれに応じる。

ユウリ「あたしはユウリだよ!ここにいるみんな、友達同士なんだ!」

ホップ「オレはホップだぞ。よろしくな、ソラ!」

マサル「俺はマサル」

マリィ「あたしはマリィ。よろしく」

ビート「……ビートです」

 自己紹介が終わったところで、ソラはユウリ達から事情を聴取する。

ユウリ(と、言っても、そんなファンタジーみたいな話、信じてもらえるかなぁ?)

 話を聞いた後、ソラは少しだけ考え込んだ後、後ろの衛兵にも話す。少し話したかと思えば、またユウリ達の方に振り返る。

ソラ・ハレワタール「事情は分かりました!でしたら、あなた達を、あちらに見える王都へ案内します!」

ユウリ「えっ、いいの!?」

ソラ・ハレワタール「はい!……今、王都の外の見回りもまだ終わってないので、旅の方をそのまま置いて行くのは危ないですからね!」

ホップ「助かるぞ!サンキューな、ソラ!」

ソラ・ハレワタール「いえいえ!」

 お互い明るい笑顔で握手を交わし、ソラ達はユウリ達をこの島―――スカイランドの中央部にある王都へと案内する。
 ▼ 14 N9Xja27O2I 25/08/19 06:34:09 ID:WNsYZkQw [5/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド 王都〜
ホップ「ス……」

5人「スッゲーーーッ!!!」

 ソラ率いる青の護衛隊・三番隊に保護され、王都へ案内されたホップ達。彼らが目にした光景は目を疑うようなものばかりであった。自分達の元いた世界と同じような文化が確立されており、町の雰囲気は自分達がいたガラル地方でも似たような町があったが、それが当たり前のような世界。
 人――スカイランド人だけでなく鳥も共に暮らしており、人々が通貨として使っているのは青く立派な宝石。
 そして奥に見えるのは大きくて立派な城。今いる王都が、自分達のいた世界では考えられない、それこそ歴史の研究や物語などでしか見ない城下町であることを認識させられる。

 まるで小説などで描かれるような、ファンタジーの世界が目の前に現実として広がっているのだ。

ビート「これは夢か…?こんな世界が実在していたなんて…!?」

マリィ「こんなでっかい町が、空に浮かんでるってのも相当なもんだよね」

 王都へと案内しながら、この世界・スカイランドについて語るソラ。同時に、ホップ達の世界の事についても、興味津々に聞いていた。

ソラ・ハレワタール「なるほど…あなた達がいたという、『ポケモン』の世界も実に興味深いです!何だかスカイランドと似る部分もあるみたいですし!」

マサル「最初、この世界で見た鳥も新種のポケモンかと思ったけど、どうやら違うみたいだしね。この世界も興味があるよ」

ホップ「そういえば、その、スカイジュエルだっけか?ソラ達がぶら下げているそのペンダントもそうなのか?」

 ホップが指摘したのは、ソラや衛兵、そして国民たちが首からぶら下げているペンダント。そこに取り付けられている、紫色の石。スカイジュエルとは違うようにも見えるその石に、「ああ、これですか」とソラは取り出し、見せながら説明する。

ソラ・ハレワタール「実は、私達もまだこの石が何なのかわからないんです。ある日国民全員に配られたもので、綺麗な石なものですから、皆さん付けちゃってるんです!」

ユウリ「へえー…それでお城の人達もつけてるんだぁ」

ソラ・ハレワタール「はい!」

衛兵「ソラ隊長、そろそろ到着ですぞ」

ソラ・ハレワタール「わかりました。皆さん、ここまでの旅路、お疲れ様です!」
 ▼ 15 N9Xja27O2I 25/08/19 06:34:33 ID:WNsYZkQw [6/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 王城の門前に着き、門番に事情を話して門を開けてもらい、ソラはホップ達を城内へと案内する。

ソラ・ハレワタール「こちらです!」

 ソラに連れられ、廊下を歩いているホップ達。何度も兵士達や研究者達とすれ違う。しばらく歩いていると、目の前から歩いてきた人物を前に、ソラが足を止め、敬礼をした。

???「ソラ、見回りは終わったようだな」

ソラ・ハレワタール「はい!シャララ隊長!」

 ソラが敬意を表した相手は大人の女性。話の脈絡から、ソラより目上の者だと推測される。彼女もまた、ソラ達がぶら下げているものと同じペンダントを身につけていた。

ビート「ソラさん、この方はあなたの上司か何かですか?」

ソラ・ハレワタール「紹介しますね!私が所属する、『青の護衛隊』を統括している、シャララ隊長です!シャララ隊長、こちらの方達は…」

 ソラはシャララにホップ達を紹介し、一通り話を聞き終えたシャララ。一瞬、やや険しい表情をしたが、すぐに和らぎ、ホップ達に一礼する。

シャララ隊長「旅の者達、皆の事情は大体わかった。君達がいう元の世界へ帰る手段は、我々が誠意をもって探させてもらうよ」

マリィ「え、よかとですか?」

ユウリ「わーい!ありがとうございまーす!」

ホップ「ありがとうございます!」

ビート「……」

マサル(ビート…まさか君も気づいたのか…)

 和気あいあいとした雰囲気の中、ビートとマサルだけは平静を装いつつも、先程のシャララの一瞬の表情の変化を見逃さなかった。

 それから客室に案内される。男女別にはならず、5人同じ部屋だ。各々、荷物を置き、くつろいでいた。

ホップ「親切な人達でよかったぞ!」
 ▼ 16 N9Xja27O2I 25/08/19 06:34:54 ID:WNsYZkQw [7/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ベッドでごろごろするユウリ、「布団くしゃくしゃになるよ?」と宥めつつも微笑むマリィ、ここに来る前に調べていたポケモン現象の異変をまとめたレポートを振り返るホップ。
 そんな3人とは対照的に、部屋の隅でマサルとビートは何かを話していた。

ビート「……マサル君、どうせあなたも気づいていたんじゃないかい?」

マサル「まぁな。随分と手厚くもてなしてくれているみたいだが…一瞬でもあの表情になった理由が、どうも気になる」

ビート「ええ。確かあのシャララという人が表情を変えたのは…」

 どのタイミングかを言おうとしたタイミングで、ドアがノックされる。入ってきたのは、赤い髪をした、ソラと同じくらいの少女であった。

ベリィベリー「青の護衛隊のベリィベリーだ。客人たちと言うのは君達だね?」

ユウリ「はーい!そうでーす!」

 一番に返事したユウリに、ベリィベリーと名乗る少女は笑みを浮かべつつ、少し困った表情でその場の5人に伝える。

ベリィベリー「申し訳ない。夕飯の準備をしていたコックからだが、材料が少し不足していて、その買い出しで少し遅くなりそうなんだ。しばらく待っていただけると助かる」

ユウリ「えー!?うーん…」

マリィ「仕方なかよユウリ。えっと、ベリィベリーさん…ね。教えてくれてありがと」

 ユウリを宥めるマリィであったが、すかさずユウリは何かを思いついたようにベリィベリーに返事した。

ユウリ「はいはーい!じゃああたしも手伝う!」

ベリィベリー「えっ?」

ホップ「じゃあオレも行くぞ!」

ベリィベリー「ちょ、ちょっと!?」
 ▼ 17 N9Xja27O2I 25/08/19 06:35:11 ID:WNsYZkQw [8/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 突然の提案にベリィベリーが呆気にとられている間に、2人は颯爽と駆け出して行った。部屋の隅にいたビートはマサルと何かを目配せし、ため息を吐きながらベリィベリーに近づく。

ビート「すみませんね。少々やんちゃな旅人達で」

ベリィベリー「あはは…ま、まぁ…ご厚意はありがたいが、益々申し訳ないな」

ビート「…流石にお目付け役が必要でしょう。あの2人は僕が面倒見ますよ」

ベリィベリー「う〜ん…じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」

 こうして、駆け出して行った2人を追ってビートは部屋を出ていった。

〜スカイランド王都 商店街〜
ホップ「おっ、ビートじゃないか!」

ユウリ「ビートもお買い物の手伝い?えらいえらい!」

 ソラ、ホップ、ユウリの3人に追いついたビート。2人の呑気さに呆れつつ返事だけはする。

ビート「バカなことを。あなた達がやんちゃして人様に迷惑かけないか見張りに来ただけですよ」

ユウリ「何をー!迷惑なんてかけませんー!」

ホップ「ははは…手厳しいな…」

ビート「すみませんね、ソラさん。この2人が騒がしくて」

ソラ・ハレワタール「いえいえ!にぎやかな方が楽しいですから!むしろ、手伝ってもらっちゃってごめんなさいね」

ビート「2人の好意の押し売りですがね…この僕が2人の面倒を見ますので」

 苦笑いしつつも気を取り直したソラは、3人と共に材料の買い出しに向かう。実際に買い物ができるのはスカイジュエルを持たされたソラだけであり、ホップとユウリは荷物持ちのつもりである。最初の店に着き、ソラが品物を選び始める。
 ▼ 18 N9Xja27O2I 25/08/19 06:35:26 ID:WNsYZkQw [9/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ホップ達もついていこうとしたが、途中でビートに手を引かれ、ホップとユウリは止まった。

ユウリ「どうしたの?ビート」

ビート「僕がついてきたのには、もう1つ理由がある」

ホップ「そ、そうなのか?」

 ビート曰く、先程のシャララの表情が頭から離れず、町の様子を見に来たから、とのことだ。軽く説明したうえで、2人に、小声で釘を刺す。

ビート「…念のためですが、この世界の人が見慣れないポケモンを出して、目立つ行動は控えた方が良い」

ホップ「お、おう…」

ユウリ「ビートったら心配性ー」

ビート「…これが何事もなければ良い。だけど、僕にはとてもそうは思えなくてね。ちなみに、マサル君も同じ考えだよ」

ホップ「へぇ、そうなのか。まぁ何か考えがあるんだな。わかったぞ」

ユウリ「はーい」

 渋々と返事をするユウリに対し、ホップは理解を示すように了承する。「よろしい」と締め、ビートは2人と共にソラの元へ向かう。
 ▼ 19 N9Xja27O2I 25/08/19 06:35:41 ID:WNsYZkQw [10/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜王城 客室〜
 荷物持ちから帰った3人は、再び客室に戻り、休んでいた。ビートはマサルに町での出来事を話す。

マサル「…そんなことがあったのか」

ビート「まぁね。……これがどのぐらい、関連しているかは謎ですが」

 買い物の帰り道、ソラ、ホップ、ユウリは仲睦まじく会話をしていた。ビートは、時々話を振られた時は最低限の返事だけはし、帰りながら町の様子を見たり、聞こえてくる会話に耳を傾けていた。

マサル「うーん…さっきのシャララ隊長が怪訝な顔したのも、そのせいじゃないかな?」

ビート「まぁそうでしょうね。となると、次の問題はそれ、この町の人達の会話内容です」

 曰く、聞いた話では、多くの人達は「青の護衛隊は最近特に忙しい」「王都の外への見回りが増えた」といった内容で、何人かの民は「以前より規律や警備が厳しい。平和なのはいいけど、少し堅苦しい」「深夜でも電気がついていることが多い」とのことだった。

マサル「そういえば、ソラ達も出会った時は王都の外を見回りしていたもんな」

ビート「そして急ぐように僕らを王都の中へと誘導した…つまり、最近王都の外で何かがあったとか」

マサル「それに、ここに来たときは確か見張り塔跡地にできた不思議な光を通って来たしな…まさかあれがこの世界につながるトンネルか何かで、ポケモンが減った異変とも…?」

ビート「考えすぎ、とも言っていられないかもね」
 ▼ 20 N9Xja27O2I 25/08/19 06:38:11 ID:WNsYZkQw [11/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 やがて、客室のドアが再び叩かれる。現れたのはシャララ、ベリィベリー、そしてもう1人大柄な男性であった。

アリリ副隊長「青の護衛隊のアリリだ。食事の前に、このスカイランドを統べる王様にご挨拶へ向かうぞ」

ホップ「王様に挨拶か…緊張するぞ…!」

ベリィベリー「ないとは思うが、くれぐれも厳粛にな」

シャララ隊長「まぁまぁ、そこまで堅くすることもないだろう。準備ができたら、声をかけてくれ」

 5人はすぐに身だしなみを整え、シャララ達に連れられ、玉座の前まで案内される。

王「よく来てくれた。旅の者達よ」

王妃「今宵は是非ごゆっくりなさってくださいね」

 ▼ 21 N9Xja27O2I 25/08/19 06:38:51 ID:WNsYZkQw [12/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「こ、こちらこそこのようなもてなしをいただいてありがとうございます!」

 ホップが先陣を切ってお礼を返し、後の面々も続く。その後ろには、シャララ達がいる。
 ホップ達の一例が終わった後、後ろの扉が開く。入ってきたのは、ソラ、そして少年と少女であった。

王「おお、プリンセス。そして賢者ツバサ殿」

プリンセス・エル「パパ、ママ!お客さんって、この人達?」

夕凪ツバサ「初めまして」

ユウリ「また誰か来た!」

ソラ・ハレワタール「こちらは、私の友人のツバサ君、そして、この国のお姫様のエルちゃんです!」

マリィ「姫…!?こりゃまた大物が…」

マサル「それに、さっき、王はあっちの少年…ツバサのことを賢者と…?」

エル「ツバサは色々研究したり、私に色々…えっと…ていおーがく?とかも教えてくれるし、こーくーりきがくも勉強してるのよ!」

マリィ「頭よさそう…」

夕凪ツバサ「ソラさんから話は聞いてます。皆さんを元の世界に戻す方法探し、僕らも手伝いますからね!」

ユウリ「ありがとうー!」
 ▼ 22 N9Xja27O2I 25/08/19 06:39:34 ID:WNsYZkQw [13/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 その日は、先程の買い出しで購入した食材をふんだんに使った豪華な夕食で、優雅なひと時を過ごしたホップ達。ソラ、ツバサ、エルともすっかり打ち解け、談笑する。
 楽しい時間はあっという間に過ぎ、消灯時間。明日は、青の護衛隊やツバサ達に任せっきりというわけにもいかず、自分達でも、元の世界に戻るための手掛かりを探さねばらなないのだ。
 …もっとも、マサルとビートは、ガラルで起きているポケモン減少がこちらとも何か関係があるのではないか、と言う僅かな可能性も疑い、視野に入れての調査のつもりであるが。

 夜中、誰もが寝静まったと普通なら思うであろう時間。1人もぞもぞと布団から抜け出し、起きる人影。

ユウリ「ふわ〜あ…トイレどこかなぁ…」

 1人で広い城の中を歩き回り、トイレを探すユウリ。やがて無事に見つけ、外へ出て部屋へ戻ろうとした時、声が聞こえた。

ユウリ「ふぇ……?みんな、まだ起きてるのかなぁ…」

 半覚醒状態のまま、ふらふらと声のする方へ向かう。向かった先は会議室であり、扉越しに聞こえる声を聞く。

シャララ隊長「今日も遅くに集まってもらって済まない。此度は、我々が最近より追っているあの問題について、進展があったことによる召集だ」

ユウリ(あの問題…?)
 ▼ 23 N9Xja27O2I 25/08/19 06:39:54 ID:WNsYZkQw [14/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャララ隊長「このスカイランドで、我々はおろか王夫妻でさえその存在を知らなかった、古い伝記の下巻が見つかったのだ」

ソラ・ハレワタール「上巻の内容は、はるか古代、まだスカイランド人と鳥の融和が進んでおらず、文明も発展していなかった頃の話、ですよね」

シャララ隊長「そうだ。破壊の限りを尽くし、当時の人々を苦しめてきた怨霊の存在が描かれている。だが上巻だけでは、その怨霊が何なのか、そしてその怨霊は現在どうなっているのかが長らく不明であった」

ベリィベリー「では、下巻にはそれらが記されていると?」

夕凪ツバサ「ええ。あのお方が見つけてくださったんです」

 そう言いながらツバサが取り出したのは、1冊の文献。ベリィベリーが指していた、ある文献の下巻である。

シャララ隊長「その通りだ。そしてそれだけではなく、あの方が独自に調査した結果、恐るべき未来が推測される。そのことも踏まえて、この会議で決断を下す」

シャララ隊長「既に皆が知っている通り、あの方が先に発見していた上巻で記されていたその怨霊、現在、王都の外に跋扈し、現代のスカイランド人や、プニバード族をはじめとする鳥族にも恐怖を与えている」

ユウリ(へぇ〜…だから見回りしていたんだ〜…)

 ついつい聞き入ってしまう部外者のユウリ。だが、次に聞いた言葉には、耳を疑ってしまう。

シャララ隊長「…その種族の名は、『ポケモン』というそうだ」

ソラ・ハレワタール「ポケモンって…!?」

ユウリ(……えっ!?)
 ▼ 24 N9Xja27O2I 25/08/19 06:40:11 ID:WNsYZkQw [15/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エル「それって、今日城に招き入れた、ユウリ達が持ってるって言う…!」

夕凪ツバサ「不覚でしたね…あの人達は、そんなものを持ち込んできていたなんて…!」

ソラ・ハレワタール「シャララ隊長、皆さん、ごめんなさい。まさか例の怪物の正体がポケモンと知らず、そのポケモンを知っているであろう客人を招いてしまいました」

王「構わない。我々も、今の今まで知らなかった。無理もない」

王妃「あの人の文献こそが、真実だったのですね。だからこそ、今、王都の外に住んでいた方は、王都へと避難しているのですから…」

シャララ隊長「更に、ポケモンはスカイランドだけではない。ここと繋がっている、全く異なる時空の世界にも存在している。彼等は非常に危険な魔物だ。放っておけば、いずれこのスカイランドにいる以上の数のポケモンが、攻め込んでくる。あの方はそう予測している」

シャララ隊長「そこで、当方の進言、王の承認を得た今、近いうちに先手を打つ。我々の方からポケモンの存在する時空へ進軍し、討伐へ向かう。皆々、よろしいな?」

ユウリ(嘘…嘘だよね…?ポケモンが魔物で…駆除…!?)

 自分達の世界では、人々と共生している不思議な生き物・ポケモン。しかしこの世界では怨霊、魔物と呼ばれている。ユウリはただただ恐怖する。だが次に聞こえた声が、ユウリの心には刺さってしまう。

ソラ・ハレワタール「……ええ、そうですね。あの人達が持ち込んできた個体も含め、ポケモンは見つけ次第、倒しましょう!」

ユウリ(ソラちゃん…嘘だよね…!?違うよ、ポケモンは魔物なんかじゃないよ…!)

シャララ隊長「よく言ったぞ、ソラ!皆もそれで良いな!」

 ユウリは、恐ろしい会議の内容を聞き、急いで部屋に戻る。仲間達に、ここにいるのは危険だと伝えるために。

 一方、会議室では、シャララより下された決断に、誰一人として異を唱える者はいなかった。全員の首にぶら下がっているペンダントからは、淡く、深い紫色の光が輝いていた。
 ▼ 25 N9Xja27O2I 25/08/19 06:45:21 ID:WNsYZkQw [16/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜王城 客室〜
ユウリ「みんな!起きて起きて!」

 ユウリは部屋に戻るや否や、熟睡していたメンバー達を起こす。眠い目をこすり、重い瞼を開けていたメンバーだったが、血相を変えたユウリの話を聞き、すぐに覚醒した。

ホップ「ウソだろ…あんなに優しくしてくれた、あの人たちが…!?」

ビート「やはりきな臭いのは気のせいじゃなかったか…!」

マリィ「あたし達がポケモントレーナーなのは、もうみんな知っている…ということは…!」

マサル「ああ…間違いなく俺達が狙われる。急いで出よう!」

 だが既に遅かった。ノックもなく客室の扉がバァン!と開かれる。既に寝る前までの和やかな雰囲気は消え失せ、一触即発だ。

シャララ隊長「客人諸君。大変残念だが、君達が持っているというポケモンを我々に引き渡してもらう」

ホップ「遅かったか…!おい、どういうことだ!」

マリィ「そうだよ!ポケモンが怨霊だなんて、何かの誤解やけん!」

ソラ・ハレワタール「そこまで聞かれていましたか…」

 ソラが前に出て、ペンのようなアイテム・ミラージュペンを構えた。
 ▼ 26 N9Xja27O2I 25/08/19 06:46:06 ID:WNsYZkQw [17/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「なら、その魔物を連れているというあなた達の身柄も拘束させていただきます!ひろがるチェンジ・スカイ!」

 ソラの全身が青い光に包まれ、姿を変える。戦士然としたその姿はキュアスカイ。スカイランドに伝わる英雄『プリキュア』の1人である。
 もっとも、今この状況において、その『英雄』は著しい誤解のもと、自分達に牙を剥く『敵』と言う他なかった。

キュアスカイ「残念ですが、ご覚悟を!」

ホップ「な、なんだ!?姿が変わった!?」
マリィ「何がどうなっとるね!?」
ビート「…何が何だかわかりませんが、考えるのは後です!」
マサル「来るぞ!」
ユウリ「お願い、リザードン!」
リザードン「ばぎゅあ!」

ベリィベリー「あれは何だ!?」

シャララ隊長「『モンスターボール』…ポケモンを連れている人間を『ポケモントレーナー』と呼ぶが、そのポケモントレーナーがポケモンを携行する為のカプセル。そう聞いている」

アリリ副隊長「そこまで準備していたとはな!やはりお前たちの狙いはスカイランドの破壊か!」

ユウリ「いい加減にして!そんなわけないでしょ!?」

マリィ「ユウリから全部聞いたよ!その文献自体でたらめやけん!ポケモンはあんたらの世界と関係なか!」

キュアスカイ「あの方の教えが、間違う訳がありません!ヒーローとして、真実を教えてくださったのです!否定するならば許しませんよ!」

ビート「何を言っても平行線か…ユウリさん!」

ユウリ「ソラちゃん…くっ…!リザードン、羽ばたいて!」
 ▼ 27 N9Xja27O2I 25/08/19 06:46:29 ID:WNsYZkQw [18/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ユウリの指示を受け、リザードンは一対の大きな翼を羽ばたかせ、強風でキュアスカイを押し返し、更にその後ろのシャララ達の進撃も阻む。
 風が止んだ頃、既にホップ達はユウリのリザードンに乗り、窓から抜け出していた。

シャララ隊長「町全体に厳戒態勢を!」

夕凪ツバサ「僕らはソラさんと連携し、あの者達を追い詰めます!」

エル「私も、スカイランドの為に戦うわ!」

王「皆…どうかお気をつけて…!」

〜スカイランド王都 上空〜
ユウリ「ソラちゃん…どうして…」

ホップ「せっかく友達になれたと思ったのに、こんなことってあるかよ…!」

 王城から逃げ出した5人を乗せ、空を飛ぶリザードン。ユウリは、受け入れがたい現実に泣いていた。

ビート「この世界…初めて来た時からポケモンがいない…どう見ても無関係な世界なのに、何故奴らはポケモンを知っていて、あまつさえ怨霊などと戯言を…!?」
 ▼ 28 N9Xja27O2I 25/08/19 06:47:32 ID:WNsYZkQw [19/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリィ「…!?みんな!後ろ見て!」

 何かに気付いたマリィの声に合わせ、全員が振り向く。先程襲ってきたキュアスカイのような、それでいて橙色のコスチュームを身に纏った少年が、ポケモンの力なしに空を飛び、ユウリ達を追跡して来ていた。

キュアウィング「逃がしません!」

マサル「その声に姿…ツバサか!?お前まで…!」

 変身していた夕凪ツバサ―――キュアウィングは空中飛行が可能なプリキュア。彼もまた、キュアスカイや青の護衛隊と共に、ポケモンと、ポケモントレーナーを襲う。

キュアウィング「スカイランドを守るために、お前達は討伐する!」

 速度を上げ、背後からリザードンとの距離を詰めてくる。

ユウリ「避けて!リザードン!」

 指示を受け、旋回してキュアウィングの拳を回避するリザードン。正面を切って、キュアウィングと対峙した。

ユウリ「やめて!ツバサ君!あたし達はスカイランドから元の世界に帰りたいの!」

キュアウィング「残念ですよ、ユウリさん。あなた達が怨霊を連れ込んでくるような人でなければ、その言葉を信じたかった。だが今はもう、話は別だ!はああっ!」

マサル「何を言っても無駄なようだな…いけっ、ファイアロー!」

ファイアロー「ふぃぃぃぃああぁぁっ!」

キュアウィング「またポケモンを…!」
 ▼ 29 N9Xja27O2I 25/08/19 06:48:19 ID:WNsYZkQw [20/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 マサルはリザードンの上からモンスターボールを展開、ファイアローを繰り出す。高速飛行と炎の攻撃を得意とするポケモンで、キュアウィングの空中戦に対抗するためだ。

ユウリ「マサル!?まさかツバサ君を攻撃するの!?」

マサル「お前の気持ちもわからなくもない…だが今はそれどころじゃない!ファイアロー、だいもんじだ!」

 ファイアローの口元に炎が集まり、キュアウィングに向けて放つ。放たれた火球は大の字を展開し、キュアウィングを包み込む。

キュアウィング「炎の攻撃!?うわああああ!!」

 咄嗟の反撃を回避できず、キュアウィングは墜落していく。

ビート「やむを得ない攻撃でしたね…そもそも向こうは既に僕らを侵略者とみなしている。どちらにしても狙われるのは変わらない」

ユウリ「ツバサ君…!」

 だが安心するのはまだ早い。奥の方から、ウォーグルよりも一回り大きい鳥と、それに乗っているシャララの姿が見える。

シャララ隊長「おとなしく投降してもらう、と言いたいところだったが、まだ他にもポケモンを持っていたならば、容赦はしない!いくぞワシオーン!」
ワシオーン「任せろ!」

マリィ「鳥が喋った…!?」

 シャララが駆る従者の鳥・ワシオーンが、ユウリ達を追跡してきた。その身体の上にはシャララだけでなく、先程撃ち落としたキュアウィングの姿もあった。
 ▼ 30 N9Xja27O2I 25/08/19 06:48:45 ID:WNsYZkQw [21/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャララ隊長「ツバサ君、大丈夫か?」

キュアウィング「ええ、ありがとうございます。シャララ隊長」

マサル「くっ…空も駄目か…」

シャララ隊長「突撃!」

 シャララの合図と共に、護衛隊の空中部隊が一斉に突撃。

ホップ「やるしかない…アーマーガア!アイアンヘッドだ!」

アーマーガア「クワァァァーー!」

 ホップもポケモンを繰り出す。アーマーガアは頭をより硬質化させ、ワシオーンと撃ち合う。その硬さは強靭な武器も強固な守りにもなり、ワシオーンの強襲に対応する。

ホップ「よし!」

シャララ隊長「よくも…はあっ!」

ホップ「!?」

 咄嗟にワシオーンの上から抜刀、剣を突き出す。反射的に避けたホップは直撃はしなかったが、左頬に浅い切り傷を負う。

ユウリ「いやああ!ホップーー!!」

ホップ「痛って〜…!オイ!いきなり人に刃物を向けやがったな!?」
 ▼ 31 N9Xja27O2I 25/08/19 06:49:09 ID:WNsYZkQw [22/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 すぐにアーマーガアは後退、シャララとワシオーンと距離を取る。

シャララ隊長「侵略者が相手ならば容赦はしない」

ホップ「さっきから侵略者っていい加減にしろよ!オマエらは人殺しすら厭わない悪党じゃないか!」

シャララ隊長「我々の正義を愚弄するか…やれ!」

キュアウィング「覚悟っ!」

 ワシオーンが再度突撃する。先程のようにシャララ本人と合わせた二段攻撃、更にワシオーンの背中から飛び立ったキュアウィングが迫る。

ホップ「くそっ…!」

 だがその攻撃は、横から阻まれた。

シャララ隊長「うわっ…!?」

ワシオーン「ぐあああっ…!」

 飛んできたのはマサルのファイアローだった。

マサル「ギリギリセーフだな」

ホップ「マサル!」

マリィ「隙ができたよ、今のうちに逃げんと!」

マサル「そうだな」
 ▼ 32 N9Xja27O2I 25/08/19 06:49:26 ID:WNsYZkQw [23/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャララ隊長「おのれ…!」

キュアウィング「僕だけでも追いかけます!」

 敵前逃亡するユウリ達を追跡しようと、キュアウィングは力を振り絞り再度突撃しようとするが、シャララに止められる。

シャララ隊長「いや…既に我々も負傷している。無念だが、一度退いて体勢を立て直すぞ」

キュアウィング「しかし…いえ…わかりました…」

〜王都の空の上→スカイランド市街地〜
 敵の追跡を振り切り、飛びっぱなしのリザードンを休ませるべく、人の少ないところに降り立ったユウリ達一行。ポケモンの回復や、ホップの頬の傷の手当てをする。

ユウリ「ホップ、大丈夫!?」

ホップ「平気さ。結構危なかったけどな…」

マリィ「このまま元の姿に戻る手段が見つからなかったら…!」

ビート「ここは相手からすれば庭。そして僕らは鳥かごの中に閉じ込められた鳥ということか…訳もわからぬままここに骨を埋めるなどあってなるものか…!」
 ▼ 33 N9Xja27O2I 25/08/19 06:50:13 ID:WNsYZkQw [24/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 少しずつ休息は取れているものの、精神的な不安は拭えない。そして、それを嘲笑うかのように、再び敵襲が来た。

エル「見つけたよ!ポケモン達!」

ソラ・ハレワタール「今度は逃がしません!」

ホップ「もう追いついた!?」

ソラ・ハレワタール「ひろがるチェンジ!キュアスカイ!」
エル「ひろがるチェンジ!キュアマジェスティ!」

マリィ「しつこ!流石のマリィももう怒ったけん!あんたらこそ魔物ばい!いくよオーロンゲ、ドクロッグ!」
オーロンゲ「オーロン!」
ドクロッグ「キシシ!」

ホップ「いくぞ!エースバーン、ザマゼンタ!」
エースバーン「ふぁいにー!」
ザマゼンタ「ウルォード!」

ビート「悪いが僕らも元の世界に帰るためだ!ブリムオン、ギャロップ!」
ブリムオン「むぅぅん!」
ガラルギャロップ「ヒヒーン!」

マサル「ゴリランダー、ヨクバリス、いけ!」
ゴリランダー「ぐらりらー!」
ヨクバリス「バリ!」
 ▼ 34 N9Xja27O2I 25/08/19 06:50:33 ID:WNsYZkQw [25/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「みんな……」

 ホップ達も臨戦態勢に入る中、ユウリだけは、この現状を前に戦意を出せず、ただ泣いていた。

ユウリ(ソラちゃん…どうして…)

キュアスカイ「いきますよ!マジェスティ!」
キュアマジェスティ「ええ!スカイ!」

 現在出ているホップ達のポケモンの数は合計8匹。残らず殲滅せんとキュアスカイ、キュアマジェスティは動く。
 変身前からぶら下げているペンダントが、その紫色の光を強めながら。
 ▼ 35 N9Xja27O2I 25/08/19 18:56:44 ID:WNsYZkQw [26/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜地上の世界 ソラシド市〜
虹ヶ丘ましろ「ソラちゃん…遅いなあ」

 ユウリ達がスカイランドでキュアスカイ達に追われている頃、そのスカイランドと隣の時空でつながっている地上の世界・ソラシド市。
 この町に住む少女、虹ヶ丘ましろは、ソラの事を待っていた。元々はプリキュアとして共に戦っていた彼女達。今は別々の世界に暮らしながらも、時々ソラ達はソラシド市にも訪れている。今日はソラが来る約束をしていたのだが、いまだに来ないことに少し不安を覚えている。

聖あげは「青の護衛隊、忙しいもんねぇ」

 ましろの家の庭で洗濯物を一緒に取り込んでいた女性・聖あげは。彼女もまたプリキュアとして共に戦った仲間である。ちなみに彼女だけ成人だ。
 ソラ達が青の護衛隊の仕事で立て込んでいることは2人とも理解しており、遅れることは珍しくない。とは言え、ソラ本人も大切な親友・ましろに会うことは毎回楽しみにしている為、約束がある日に仕事がぶつかっても大急ぎで終わらせて飛んでくることが殆どであった。

 だが、今日に限らずここ最近は、来れない日が続いている。今日久し振りに来てくれると思っていたが、今日もまだ来ない。そのことに、2人はいつもと違うような妙な胸騒ぎがしていた。

虹ヶ丘ましろ「最近、すごく忙しいってソラちゃんからも聞いてるけど…こんなに続くのは不安だよぉ。私も何か手伝えないかな?」

聖あげは「すごくわかるなぁ、その気持ち。あーあ、私も行きたいなぁ。少年やエルちゃんさえ、ここ最近ご無沙汰だしね」
 ▼ 36 N9Xja27O2I 25/08/19 18:57:25 ID:WNsYZkQw [27/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 2人がそうぼやいていると、庭に光が出現。スカイランドとソラシド市を行き来する光のトンネルやワームホールのような、『ポータル』である。

虹ヶ丘ましろ「ソラちゃんっ!?」

 待ち人がようやく来たのか、ましろは先程まで沈みかけていた気持ちが再び踊る。だが目の前に現れた人物は、2人の予想とは全く異なる見知らぬ人物であった。

???「初めまして。虹ヶ丘ましろさん、聖あげはさん」

虹ヶ丘ましろ「えっ?だ、誰!?」

聖あげは「初対面なのに、どうして私達のこと知ってるの?てかここ、人ん家ですけど!?」

 不審に思う2人。対面するのは黒いローブを纏った人物。声質からして女性だろうか。

???「突然の訪問、失礼しました。私はMs.ダスピアと申します。この度、何卒あなた達の助けを借りたく存じます」

虹ヶ丘ましろ「ダスピアさん…?」
 ▼ 37 N9Xja27O2I 25/08/19 18:57:49 ID:WNsYZkQw [28/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「ちょっとちょっと!突然押しかけて何を助けろっての?」

Ms.ダスピア「今、スカイランドで大変な事態が起きています」

2人「!?」

Ms.ダスピア「…来て、いただけますでしょうか」

虹ヶ丘ましろ「スカイランドが…ということはソラちゃん達にも何かあるんじゃないか心配だよぉ、あげはちゃん!」

聖あげは「正直この人の事は胡散臭いけど、スカイランドに行こ!私も皆が心配だし!」

Ms.ダスピア「感謝しますよ。本当に…」

 Ms.ダスピアはポータルから2人を送り込み、自身もその後を追う。そして2人は、ダスピアから今のスカイランドで起きている出来事を聞かされるのであった…。
 ▼ 38 N9Xja27O2I 25/08/19 18:58:11 ID:WNsYZkQw [29/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 市街地〜
キュアマジェスティ「はああっ!」

オーロンゲ「オロッ…!」
ドグロッグ「ドクク…!」

マリィ「オーロンゲ!ドグロッグ!」

ビート「明らかに力が人間離れしている…お前達は一体何者だ!」

キュアスカイ「私達は、ヒーローです!たああっ!!」

ビート「ギャロップ、サイコカッター!」
ガラルギャロップ「ブルルッ!」

 多数のポケモン達を相手に、強靭な腕力、脚力による徒手空拳と驚異的な身体能力で襲い掛かるキュアスカイ、キュアマジェスティ。

マサル「これだけの数を持っても抑えるのが精いっぱいだなんて…ホップ!油断するなよ!」

ホップ「マサルこそ!いけっ、エースバーン!」

マサル「ゴリランダー!」

 ホップ達も、それぞれの相棒や切り札で応戦。人間離れした戦闘力で直接ポケモンに襲い掛かる2人に対し、数で抑え込む。

 …ただ1人を除いては、だが。
 ▼ 39 N9Xja27O2I 25/08/19 18:59:10 ID:WNsYZkQw [30/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「ソラちゃん…ツバサ君…エルちゃん…みんな…どうしてこんなことに…!」

 いまだに受け入れがたい現実に、戦いに参加できないユウリ。彼女だけでなく他のメンバーも、このことへのショックこそあれど、彼女だけはまだ立ち直れていない。

キュアスカイ「ヒーローガールスカイパンチ!」

 キュアスカイが右手に力を集中。その場から動けないユウリを狙う。

マサル「何っ…!?」

 その凶拳がユウリを捉える。だが、その攻撃は彼女には届かなかった。

ザマゼンタ「ウルル…!」

キュアスカイ「硬い…このポケモンの硬さ…まるで強固な盾です!」

 不屈の盾を構える英雄のポケモン・ザマゼンタ。その強固な守りで、ユウリをキュアスカイの拳から守り抜く。
 そこに、その主であるホップが駆け付ける。

ホップ「間一髪だったぞ…ユウリ、大丈夫か!?」

ユウリ「ホ、ホップ……」

マサル「くそっ、ダメだ。ユウリのヤツ、ここまでされてまだ戦えないのか…!」

 ガラルポケモンリーグで、無敵のダンデを下し、最強のチャンピオンとなったユウリ。ポケモンバトルは積極的に参加し、何より心から楽しんでいた彼女。
 一時期、ガラル地方がブラックナイトの危機にさらされても、臆することなく立ち向かっていた。しかし、新しくできた友達、そう思っていた人物からの突然の裏切りや、ポケモンに対するあらぬ罵詈雑言。彼女が負った心の傷はそれだけ深いのだろう。

 4人は、そんなユウリの実力も、そして心情も理解し、無理に戦わせないよう自分達だけで奮戦している。だがプリキュアがとうとうポケモントレーナーを直接攻撃するようになったことで、綻びが出始める。
 ▼ 40 N9Xja27O2I 25/08/19 18:59:55 ID:WNsYZkQw [31/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ザマゼンタ「ウルォード!」

キュアスカイ「くっ…!」

 咆哮と共に、ザマゼンタはキュアスカイを押し返す。キュアスカイは跳躍、後退してザマゼンタとの距離を取った。

ホップ「……」

 再び交戦するポケモンとプリキュア。だがホップは、ある思考を張り巡らせていた。

ホップ(アイツら…ソラやエルが変身した姿…。その顔以外、髪も、衣装も、全部が別人のように変わった…けど)

ホップ(あの、時々光っているペンダント…あれはそのまま身についている…?)

エースバーン「ふぁいにー!」
ゴリランダー「ぐらりらー!」

キュアスカイ「があっ…!」

キュアマジェスティ「スカイ!大丈夫!?」

キュアスカイ「はい…大丈夫です…このポケモン達…強い!」

キュアマジェスティ「今度は私が行くよ!ひろがる・マジックアワーズエンド!!」

ホップ「!」
 ▼ 41 N9Xja27O2I 25/08/19 19:00:20 ID:WNsYZkQw [32/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 キュアマジェスティが右手に光剣を宿し、ポケモンに向かって斬りかかる。
 プリキュアの戦いを見て、その観察力からある点に気が付いたホップは、マジェスティが必殺技を繰り出すその瞬間にも、ある変化が生じていたのを見逃さなかった。

ホップ(まただ…!)

キュアマジェスティ「たああああっ!!!」

ユウリ「ホップ!!」

ビート「そうは…!」
マリィ「いかんとよ!」

キュアマジェスティ「!?」

 間一髪、ブリムオンのあくのはどうでマジェスティの光剣は阻まれ、その横からオーロンゲのDDラリアットによる追撃。

キュアマジェスティ「ああっ…!」

 不意の攻撃に反応できず、マジェスティも距離を取る。

キュアスカイ「マジェスティ、大丈夫ですか!?」

キュアマジェスティ「ええ、平気よ」

マリィ「ドクロッグ、いやなおと!」

ドクロッグ「ドクキシャアー!」

キュアスカイ「きゃああ…!何なんです、この音は…!」

キュアマジェスティ「頭が…痛い…!」
 ▼ 42 N9Xja27O2I 25/08/19 19:01:06 ID:WNsYZkQw [33/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 聴覚を突き刺すような嫌な音に思わず耳を塞ぐ2人。音が止んだ頃にやっと顔を上げるが、標的のポケモン達とポケモントレーナー達は既に姿を消していた。今の攻撃の隙を突いて撤退したのだろう。

 スカイは、ポケモンを仕留め損なうばかりか見失ったことに歯を食いしばる。そこに、青の護衛隊の内、ソラ・ハレワタール―――キュアスカイが指揮を執っている三番隊が遅れて駆け付けた。

隊員「ソラ隊長!プリンセス!ご無事でしたか!」

キュアスカイ「はい、こちらは無事です。しかし、ポケモン達は取り逃がしてしまいました…」

隊員「くそっ、あのポケモントレーナー達め…隊長やツバサ殿だけでなくお二方までも…!」

キュアマジェスティ「えっ!?ツバサとシャララが!?」

隊員「ええ、上空から追跡されていたのですが、反撃されてしまい、現在城に一時撤退中です!」

キュアスカイ「許せない…あの二人まで傷つけるだなんて!」

 キュアスカイはそのまま背を向け、告げた。

キュアスカイ「…エルちゃん、大事をとって回復、そしてツバサ君達のことを頼みます」

 プリキュアの名ではなくいつもの呼び方に戻るキュアスカイ。

キュアマジェスティ「ソラは!?」

キュアスカイ「私はまだダメージもあまりないです。私だけでも、あの者達を追います。そちらは任せましたよ!」

キュアマジェスティ「あっ!?待って、ソラ!」

隊員「ソラ隊長!」
 ▼ 43 N9Xja27O2I 25/08/20 23:18:11 ID:JN6krevI [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 市街地〜
 先程の戦地から離れたホップ一行。キュアスカイとキュアマジェスティをまいたは良いものの、王都の脱出、またはガラル地方へ帰る手段のアテもない中、彷徨うことしかできていない。

ホップ(……あのペンダント)

『実は、私達もまだこの石が何なのかわからないんです。ある日国民全員に配られたもので、綺麗な石なものですから、皆さん付けちゃってるんです!』

ホップ(ただのペンダントって最初はそんなに気に留めなかったけど…ある日に配られたとして、それがなぜ配られたのかがよくわかってないのも考えてみれば不思議だ…それに)

『ヒーローガールスカイパンチ!』
『今度は私が行くよ!ひろがる・マジックアワーズエンド!!』

ホップ(あれは多分、当たったらヤバいなんかじゃ済まされないような技…あれを使う時、確かにあのペンダントは光った……けど、だとしたらあのペンダントは何だ?ただ力を増幅するだけなのか?)

ホップ(だとしたら、変身していないときも身につけているのには、何の意味が…?)

 今はまた、青の護衛隊並びにプリキュアがいないことを確認し、静かな場所で消耗したポケモンの回復を行なっている。
 当然この世界にポケモンセンターもなければ、フレンドリィショップもない。つまり、彼等はこの世界に来る前の時点で持っている限られた物資だけでやりくりするしかないのだ。

 ホップは、戦闘中に見られた、プリキュアおよびスカイランド勢力が漏れなく身につけていたペンダントについて思案する。しかし、確証にはまだ早いのか、何も言えずにいる。
 ▼ 44 N9Xja27O2I 25/08/20 23:19:00 ID:JN6krevI [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「ソラちゃん……みんな……」

 ユウリはまだ傷心しており、いまだにキュアスカイ達と戦う決心がつかない。また、積極的に反撃しているマサル、マリィ、ビートはともかく、戦闘に参加しているホップも、基本的に防戦一方であった。

ビート「…ホップ君」

ホップ「何だ?」

ビート「君も、そろそろ本気を出してもらいたいのですが」

ホップ「何だと?」

ビート「ここにいるのは、皆、ガラルではチャンピオンの座を賭けて、しのぎを削り合ってきたトレーナー達。君もその1人の筈だ」

ホップ「…何が言いたい」

ビート「君の立ち回りを見ていると、ただ戦いに参加しているかしていないかの違いこそあれど、まだ彼女達に反撃する決意が固まっていないようにしか見えなくてね」

ホップ「……気づいていたか」

ビート「だから君は甘いんですよ。最早今はためらう理由なんてない筈だ」

 ホップは、言い返さなかった。とは言え、かつてジムチャレンジの頃に心を折られた時とは違い、「やっぱお見通しか」といった様子であった。

ユウリ「ちょっとやめてよ、そういう言い方!」
 ▼ 45 N9Xja27O2I 25/08/20 23:19:58 ID:JN6krevI [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「まぁまぁ落ち着け。ビートの言い分は俺もわかる…だがな、ホップが考えなしに防いでるだけな訳はない。俺はそう信じてる」

マリィ「信じてるって…けど一体何を」

「おーい!」

 言い合いの最中、遠くから聞き慣れない、女性の声が聞こえる。周囲に自分達以外に人はおらず、呼ばれているのは自分達だと認識したホップ一行は声のする方へ振り向く。声の主の女性が走ってきた。

???「こんちゃ☆」

 狐の影絵をするように指を向け、ウインクしながら気さくに挨拶してきたその女性は聖あげは。突然の来訪に戸惑いつつも、ホップが口を開く。

ホップ「えっと…どちら様なんだ?」

聖あげは「はいはーい!私は聖あげは、18歳☆初めましての少年達に少女達!お困りのようだね?」

ユウリ「う、うーん…困ってると言えば困ってるけど…」

 現在の状況を話して、呑み込んでもらえるだろうか、迷いつつも話そうとした一行だったが、それより先にあげはが続ける。
 ▼ 46 N9Xja27O2I 25/08/20 23:20:21 ID:JN6krevI [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「うんうん、そっかぁ。いやね、実は知り合いからさ、ここの国が今ピンチって聞いててね?私もよくは知らないんだけど、ちょーっと前に君達を見かけたのよ」

マリィ「この国が…危ない…?」

マサル(何者だ…この女……それに、この国が危ない…?)

聖あげは「こっちなら人通り少ないし、こっちから逃げながら話聞くよ☆」

 そう言ってあげはが指を指した場所は、いわゆる裏路地のようなところ。ビル風も吹いており、通路が続いている様だ。

マリィ「わぁお…ここなら何とかなりそう…?」

ホップ「けど信じて良いのか…?」

マサル「さぁな…」

ビート「ちっ……いつまでも開けた場所にいても、また追手が来るだけか…」

ユウリ「ありがとう!」

 あげはは5人を連れて裏路地に入り、奥へと進む。青の護衛隊やプリキュアの声が外から聞こえており、躱せているのだろう。
 ▼ 47 N9Xja27O2I 25/08/20 23:21:21 ID:JN6krevI [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「なるほどねぇ、君達のいた世界で、そのポケモンっていう生き物が減ってて、それの原因を調べたらこっちに落ちてきちゃったと」

聖あげは「で、突然無実の罪で追われる身に、ねぇ…」

聖あげは「ということは、まずはこの王都から抜け出せれば良いってことだ☆」

ユウリ「抜け道とか、知ってるの?」

聖あげは「まぁね。それじゃ、目的地も決まったし、あげはさんについてきなさい☆」

 「アゲてこアゲてこ〜!」と小声ながらもハイテンションなあげは。一行は誘われるがままについていく。

ビート「……」

 初めて会う相手にしては、随分と話がスムーズに進む。疑問を抱くビートは、あげはに話しかけた。

ビート「一ついいですか」

聖あげは「おっ、何かな何かな?」
 ▼ 48 N9Xja27O2I 25/08/21 21:16:26 ID:gdxI5ako [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビート「僕らを迎えてきた人の殆どは、紫色の石のペンダントを首からぶら下げていました。しかし、身につけている当人達でさえ知らないそうです」

聖あげは「…ほほーう」

ビート「あなたも、ここに来る途中で、見かけませんでしたか?」

聖あげは「あー……うんうん、知ってる知ってる」

ホップ「ほ、本当か!?」

 何か有益な情報が聞けるか?と期待した一同。
 ▼ 49 N9Xja27O2I 25/08/21 21:16:59 ID:gdxI5ako [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
聖あげは「ほんとほんと。それってさ……

こーゆーヤツ?」

5人「!?」

 あげはは、自分の懐からあるものを取り出す。それは、紛れもなくキュアスカイやシャララなどが身につけていたペンダントそのものであった。

ホップ「なっ……!?」

ビート「…ちっ!」

聖あげは「ふふ、ちょーーーっと、気が付くのが遅かったかな?



おばかさん」

ザッ!
 ▼ 50 N9Xja27O2I 25/08/21 21:18:27 ID:gdxI5ako [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 手がかりを聞けるかという期待は無慈悲にも打ち砕かれ、突然裏切られた、否、嵌められた事実に衝撃を受ける一同。状況は一変して再び危機に陥った。
 気が付いた時にはもう既に遅し。細い路地裏故に逃げ道は狭く、更にその上、建物の屋根には、既に弓を構えた青の護衛隊、そして…。

虹ヶ丘ましろ「誘い込みありがとう、あげはちゃん!」

青の護衛隊「見つけたぞ!ポケモントレーナー!」

マサル「まんまとしてやられたってことか…」

マリィ「あんたら!ほんっとに悪どいヤツ!」

聖あげは「アッハハハハ!ポケモンなんて連れてくるヤツが悪いのよ。ましろん、皆、やっちゃうよ!」

虹ヶ丘ましろ「ひろがるチェンジ・プリズム!」
聖あげは「ひろがるチェンジ・バタフライ!」

 屋根の上のましろ、路地裏のあげははそれぞれキュアプリズム、キュアバタフライへと変身する。

ユウリ「そ、そんな、こんなのってないよぉ!」

ホップ「コイツらも変身するのか…!」

キュアプリズム「さぁ、今度こそ追い詰めるよ!」

キュアバタフライ「おっけー☆アゲアゲで倒しちゃうよ!」

 キュアバタフライは跳躍、屋根の上に上がる。護衛隊は一斉にホップ達に弓を構え、プリズムはペンダントを光らせながら、掌に光の球を生成する。
 ▼ 51 N9Xja27O2I 25/08/21 21:19:11 ID:gdxI5ako [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアプリズム「撃てぇーー!!」

 合図と共に、矢、そして光弾がホップ達に降り注いだ。

ホップ「!」

 ありったけの数の弾幕がシャワーのように浴びせられ、路地裏は煙に包まれる。

キュアプリズム「これで…どう!?」

キュアバタフライ「……!?いや、まだみたいね」

 煙が晴れそこには、バリアのようなものに守られていたホップ達であった。
 ホップのアーマーガアがひかりのかべを、ビートのサーナイトがリフレクターを展開しており、それぞれキュアプリズムの光弾と護衛隊の弓矢から全員を守っていた。

青の護衛隊「防がれただと!?」

キュアバタフライ「でもまだまだ!これだけ狭いところなら逃げられないよ!」

 キュアバタフライは跳躍、ペンダントが光りだし、同時に空中にいる彼女の足元に、蝶の形をした巨大な光が現れる。

キュアバタフライ「これで潰れちゃえ!ひろがる・バタフライプレス!」

 バタフライは光の蝶を踏みつける様に急降下キックを繰り出し、リフレクターに打撃を与える。上からの圧力で強引に潰すつもりのようだ。
 ▼ 52 カドッグ@アマカジのあせ 25/08/21 21:19:16 ID:Z0lcqPWg NGネーム登録 NGID登録 報告
結局こいつも敵じゃねーか!
 ▼ 53 N9Xja27O2I 25/08/21 21:21:06 ID:gdxI5ako [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「きゃあああ!」

ビート「迎撃するまでだ!サーナイト、マジカルシャイン!」

サーナイト「サーナッ!」

キュアバタフライ「うっ!」

キュアプリズム「ま、眩しい…!」

 眩い光の範囲攻撃。だがまだバタフライプレスを押し返すには足りなかった。

ビート「今だ!」

キュアプリズム「!?」
キュアバタフライ「うっそ!?」

 光の中、ミミッキュを乗せたレパルダスが、身のこなしを活かして跳んでおり、そこから更にミミッキュが跳んだ。
 ▼ 54 N9Xja27O2I 25/08/21 21:21:47 ID:gdxI5ako [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリィ「マサル!」

マサル「ああ!ミミッキュ、でんじはだ!」

ミミッキュ「みっきゅー!!」

キュアバタフライ「ああああっ!!」バチバチ

キュアプリズム「バタフライ!」

 バタフライプレスは対地火力が高く、そのまま圧し潰す技だが、発動中は隙だらけであった。元々どうにかして上にいる敵の動きを封じようと考えた彼等だったが、違う形で一矢報いることに成功する。

ドサッ!

キュアバタフライ「くう……!身体が痺れる…!」

キュアプリズム「よくもバタフライを!」

 プリズムが屋根から飛び降り、体術で襲い掛かる。

マリィ「レパルダス、バークアウト!」

マサル「ミミッキュ、でんじは!」

 2人がそれぞれ攻撃指示。マサルは屋根の上に残っている護衛隊が矢を装填している隙を突きでんじはで動きを拘束。レパルダスは既に路地裏に着地しており、プリズムの死角から騒音を飛ばして怯ませる。

キュアプリズム「くっ…!これしき…!」
 ▼ 55 N9Xja27O2I 25/08/21 21:22:26 ID:gdxI5ako [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 再びプリズムのペンダントが光り、今度は両手にエネルギーを集中し、大きな光球を生み出していた。

キュアプリズム「この力で、ポケモン達を倒すよ!ヒーローガール・プリズムショット!」

 しかし、チャージしている間にホップ達は既にフリーになっていた為、すぐに次の手を打っていた。

ビート「ニンフィア、ひかりのかべです!」
ホップ「アーマーガアも頼む!」

 サーナイトに続き新たにニンフィアを繰り出したビート。ホップのアーマーガアと連携し、二重にひかりのかべを展開。強力なプリズムショットをギリギリ防ぎ切る。

キュアプリズム「まだまだぁーー!!」

 しかしその壁を強引に破ろうと、今度は小型の光弾を連射する。

パキパキ…!

ホップ「まずい…!」
 ▼ 56 N9Xja27O2I 25/08/21 21:23:59 ID:gdxI5ako [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビート「マサル君!」

マサル「ストリンダー!」

キュアプリズム「しまった…!」

マサル「オーバードライブ!」

 電気を纏った大音量の音波。ストリンダーの特性『パンクロック』で、その音響、威力は更にブーストされ、プリズムの光弾を掻き消した。

キュアプリズム「ぐうう……きゃああっ!」

 プリズムは吹っ飛ばされ、その隙にホップ達の逃走をまたしても許した。

青の護衛隊「おのれ…ポケモン共め…!」ビリビリ

キュアバタフライ「こんなに強いなんて…見くびったね。せっかく誘い込んだのに、逃げられちゃうなんて」

キュアプリズム「こんなに強い相手…ソラちゃんやみんなは大丈夫かな…」

キュアバタフライ「確かに心配だねぇ…護衛隊の皆さん、ツバサ君達のところに一度案内してくれる?」

 2人は青の護衛隊と共に、治療を兼ねて王城へと向かった。
 ▼ 57 ケニン@あおいバンダナ 25/08/22 18:28:18 ID:ePAwyyTM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここのホップは観察力、マサルはその場の判断が特に優れてて、ビートはどちらかといえばマサル寄りっぽいな
 ▼ 58 N9Xja27O2I 25/08/22 19:32:17 ID:Zw/gUATI [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 広場〜
ホップ「はぁ…はぁ…クソッ、オレ達みたく迷い込んだ一般人かと思ったら、アイツも敵だったなんて…!」

マサル「しかも、変身する人間が、これで5人も…もうあいつらの方が悪魔や怪人の類いじゃないか!」

 聖あげはの騙し討ちに遭い、袋のネズミにされていたホップ達。しかしポケモン達との協力で辛くも抜け出すことに成功。

ユウリ「やだよ…怖い…怖いよ…」

ホップ「ユウリ……」

 ただでさえ友好的だった人物の豹変から始まり、ここまで追われ続けてる中、また更に裏切り。ユウリも、皆も、少しずつ精神を削がれていく。

ビート「チャンピオンとあろう者が機能不全…」

ホップ「そりゃな。オレがこんなこと言うのもなんだけど、チャンピオンって、万能なんかじゃない。極端な話、ただポケモンバトルが強いだけ、なんだよ」

ビート「チャンピオンという肩書をそう呼ぶなんて、珍しいですね。まぁその通りではありますが」

マリィ「ホップは、何が言いたか?」

マサル「……ユウリは、チャンピオンであることを除けば、ただの女の子に過ぎない、ということさ。そうだろ?ホップ」

マリィ「?」
 ▼ 59 N9Xja27O2I 25/08/22 19:34:14 ID:Zw/gUATI [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 マサルの補足に、ホップは無言で、力強く頷く。マサルは続けた。

マサル「チャンピオンとか、そういう称号を得たからって、その人の性格がいきなり変わるなんて、そんな魔法みたいなこと、ある訳ないだろ?まぁ、中には力に溺れて傲慢になっちまう奴もいるかもだけどよ…」

ホップ「ユウリは、競争とかそういうのは嫌いじゃないし、むしろ楽しんでやるようなヤツだけど、戦争だとか、楽しくない勝負は本当に嫌いなんだ。ましてや、こんな裏切りにあっちゃあなぁ…」

マリィ「うわ……その話聞いたらさ、たとえこの世界を抜け出せても、ユウリは…」

ホップ「…当分は、ゆっくり休んだ方が良いかもな」

マサル「何にせよ、まずは生きてここを出ないとな」

「見つけましたよ!」

 キュアスカイが現れる。たった1人でホップ達を倒さんと、市街地の屋根の上を、そして地上を疾走してきたのだ。

キュアスカイ「今度こそ、ここでポケモン達を倒す!はあああっ!!」

マリィ「しつこい…!いけっ、レパルダス!」
ビート「なら僕らも、今度こそあなたを倒させてもらう!クチート、頼みます!」
マサル「…やるしかないな。行くぞジャラランガ!」

レパルダス「ニャーオ!」
クチート「ちーと」
ジャラランガ「ジャランジャランラ!」
 ▼ 60 N9Xja27O2I 25/08/22 19:34:54 ID:Zw/gUATI [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「また違うポケモンを…ならばポケモントレーナーのあなた達から倒せば良い!」

 キュアスカイは先程までと打って変わり、ポケモンを掻い潜りながらマサル達を直接狙う。

マサル「卑怯もらっきょうもないって奴か…だが俺達は屈しない!ジャラランガ、がんせきふうじだ!」

ジャラランガ「ジャララ!」

 駆け抜けてくるキュアスカイの行く手を阻むよう岩を投げるジャラランガ。だが…。

キュアスカイ「こんなものごときでは止まりません!」

マサル「ダメか…!」

 キュアスカイの拳は岩をも容易く砕き、更に距離を詰める。

ビート「クチート、ほのおのキバ!」
マリィ「レパルダス、くさむすび!」

キュアスカイ「きゃああっ、熱いっ…!」

 岩を砕いた直後、炎を纏ったクチートの牙が拳に喰らいつく。そこを更に足元の草が絡みつき、動きを封じた。

キュアスカイ「くっ…!」

マリィ「バークアウト!」

レパルダス「フシャッ!」

キュアスカイ「ぐあっ…!」

 直撃。吹っ飛んで地面に転がされるがすぐ立ち上がる。
 ▼ 61 N9Xja27O2I 25/08/22 19:40:10 ID:Zw/gUATI [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「タフな奴だ…けど負けない!インファイト!」

 追撃指示を出すマサル。高速の拳の連打を叩きこまんと、ジャラランガはキュアスカイの懐に突撃する。

キュアスカイ「はっ!」

 スカイは素早く回し蹴り。人間離れした脚力で、体格の大きいジャラランガをマサルの方へと蹴り飛ばす。

マサル「ぐあっ!?」

ホップ「マサル!?」

マサル「くそっ…ほんとになんて力だよ…」

キュアスカイ「まずは、あなたからです!」

 キュアスカイは、マサルが後ろへ吹っ飛んだことで、正面にホップを捉える。彼はまだポケモンを出していない。高速で突っ込む。

ビート「クチート、アイアンヘッド!」
マリィ「レパルダス、バークアウト!」

 だが2匹の攻撃は急加速しているキュアスカイには当たらず虚空を切る。

ビート「ホップ君!」
マリィ「ホップ!」
マサル「まずい…!」
 ▼ 62 N9Xja27O2I 25/08/22 19:44:58 ID:Zw/gUATI [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「………

今だ、ザマゼンタ!」

4人「!?」

 咄嗟にボールからザマゼンタを繰り出す。その盾でキュアスカイの拳を防ぐ。

ザマゼンタ「ウルォ…!」

ホップ「………ソラ、ごめんな」

キュアスカイ「何を今更……、…!?」

ホップ「ザマゼンタ、メタルバーストだ!!」

キュアスカイ「なっ……」

 距離を取ろうとするキュアスカイ。だがもう遅い。

キュアスカイ「がはっ……!」

 ポケモンを殺めようと迫ってくる程の力。それを反射されれば、当然大きなダメージとなる。
 ホップは、最初から引き付けてザマゼンタのメタルバーストで、受けた力を反射することを狙っていたのだ。

 吹き飛ばされたキュアスカイは壁に打ち付けられ、気を失う。変身が解け、ソラ・ハレワタールの姿に戻ったのだ。

マリィ「まさか、今の『ごめん』って、ソラに攻撃するつもりで…!?」

ビート「どういう風の吹き回しかな……ちょっと、ホップ君?」
 ▼ 63 N9Xja27O2I 25/08/22 19:47:05 ID:Zw/gUATI [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ホップは、倒れているソラに駆け寄り、何かを確認していた。そして、持ち前の人間用の救急用具で応急手当のみ行う。元々彼はガラルでよくフィールドワークに出ていた分、怪我をすることは珍しくない。こうした道具も備えていたのだ。

マサル「おいホップ、一体何をしている」

マリィ「ちょっと!?なしてそげな貴重品を敵に使っとー!?」

ホップ「これでよし、と…スマンみんな!遅くなった!」

ユウリ「それって、普段ホップが持ち歩いているガーゼとか消毒薬!?ソラちゃんに使ってあげたの!?」

 この状況下、敵に塩を送るにも等しく見せるその行為。誰もが困惑していた。

マサル「…とりあえずここを離れよう。話はその途中で聞くよ」
 ▼ 64 N9Xja27O2I 25/08/22 19:47:21 ID:Zw/gUATI [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド 王城〜
虹ヶ丘ましろ「ソラちゃん!みんな!」

夕凪ツバサ「あっ、ましろさん!?それに、あげはさんも!?」

エル「ましろー!あげはー!久しぶりー!」

聖あげは「少年!エルちゃん!無事だったのね!?それに、シャララさんも!」

シャララ隊長「ましろ殿にあげは殿…来てくれたのか。だがせっかくご足労いただいて申し訳ないが、ソラだけはまだ…」

虹ヶ丘ましろ「えっ…う、うそ…そんな…」

「ええ、残念ながらまだここには戻ってきていません」

 仲間の身を案じ、ましろとあげはは王城で、医療室に案内された。そこには、治療中の隊員や、ツバサ、エル、シャララの姿こそあれど、単身ポケモンを追跡しているソラはいない。
 2人の後ろから、彼女達をスカイランドに連れてきたダスピアが姿を現す。
 ▼ 65 N9Xja27O2I 25/08/22 19:48:10 ID:Zw/gUATI [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Ms.ダスピア「報告によれば、ポケモン達との戦闘でツバサ君とシャララ隊長は負傷、エルちゃんも軽傷を負いました。ソラさんは、エルちゃんをツバサ君達のお見舞いへと向かわせ、1人でポケモントレーナー達の追撃に向かった…これが最後に聞いた情報です」

虹ヶ丘ましろ「そんな…あんなに強い相手を1人で!?無茶だよ…!」

聖あげは「こうしちゃいられないわね…けど、ぶっちゃけ私達もちょーっとやられたっつーか…すぐに動きたくても動けないわね」

虹ヶ丘ましろ「私は行くよ!このぐらいの怪我ならまだ…!」

シャララ隊長「奴らを甘く見ない方が良い…万全の状態でないまま行けば、私達の二の舞になる」

Ms.ダスピア「その通りです。あなたの気持ちもわかりますが、今動ける隊員たちがソラさんを捜索してくださっています。彼等に任せましょう」

虹ヶ丘ましろ「うう…でも…」

エル「ましろ、ソラの事が心配なのは、私達も同じだよ」

夕凪ツバサ「大丈夫です。ソラさんは、そんな簡単にやられません。ヒーローですから」

虹ヶ丘ましろ「……うん」

 ましろ、あげはは戦闘で負ったダメージの回復に努めつつ、城の下の方では、既に回復を終えた部隊が再び出撃していた。
 ▼ 66 N9Xja27O2I 25/08/22 19:51:51 ID:Zw/gUATI [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 商店街〜
 キュアスカイを撃破した一行は商店街に出る。昼間は賑わっていたここも、夜は静まっている。

マサル「ホップ、説明してもらうぞ。なぜあの時、倒したソラをわざわざ手当てしたのか」

ホップ「……アイツらが言っていた、ポケモンが悪霊なんて主張は勿論あり得ない。ポケモンの事は、ずっと過ごしてきたオレ達の方が知っているからな。ただそれより、主張そのものは置いといて、アイツ自身は、本来悪いヤツじゃない。そんな気がしたんだ」

ビート「気がした、って…そんな曖昧な理由で!?」

ホップ「もちろん、ただ気がしただけじゃないんだ。みんな、このスカイランドに来て、みんなが身につけていたっていうあのペンダントを覚えているか?」

ユウリ「ソラちゃんも言ってたけど、ある日配られて、みんなつけてるっていう、あの紫の石?」

マリィ「それがどうかしたん?」

ホップ「あれが、変身した後もずっとついていたのと、『あるタイミング』で光りだしたんだ。最初は気のせいかと思ったんだけど…ソラやエルだけでなく、さっきオレ達を騙したあの女とその仲間もそうだったのを見て確信した」

マサル「…そんなところまで見ていたなんてな。まさかただ防いでいただけじゃなくて、それを見極めるために…?」

ホップ「いやぁ、最初はほんとにまだ戦うのに躊躇いはあったさ。でも、ふと目に留まって、怪しいと思ってさ。それからは、戦わなきゃって思ったんだ」
 ▼ 67 N9Xja27O2I 25/08/22 19:52:41 ID:Zw/gUATI [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「…ははっ、お前って昔から、観察力すごいよな」

ユウリ「そっかぁ…ね、ねぇ!それじゃあもしかしてソラちゃん達は!」

ホップ「ああ。もしかしたらだが、正気じゃない可能性もある」

ビート「なるほどね。君の言い分は分かった。だけど、さっき僕らはあの女達に騙し討ちに遭った。察するにあいつらも、ソラ達の仲間。信用できるかな?」

ホップ「それは……確かにビートの言うこともわかる。だから、それも確かめないとな」

「いたぞ!ポケモントレーナーだ!」

マサル「…また追手が来たな。みんな、いけるか?」

ホップ「…ああ!」

 次に現れたのは青の護衛隊。その中でも強力な隊員であるベリィベリーと、副隊長のアリリ。その後ろには武装した数人の護衛隊員もいる。

マリィ「やっぱりあいつらもあのペンダントをしとーね」

ビート「なんだって良い。迎え撃つべき敵なのは変わりません!」

ホップ「ユウリ、オマエは無理しなくて良いからな」
 ▼ 68 N9Xja27O2I 25/08/22 19:53:19 ID:Zw/gUATI [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アリリ副隊長「お前達の事だ。ポケモンによる国家転覆を狙っているのだろうが、そうはさせんぞ!」

ベリィベリー「よくも数々の仲間を傷つけてくれたな!」

マサル「ふん!お前らから一方的に決めつけて攻撃して来ておいてよく言うぜ」

ビート「それに、君達はこの後僕らの世界を侵略しに来るのでしょう。国家転覆だの侵略だのなんて、どの口が言えたことかな!」

アリリ副隊長「黙れ!蛮族共!お前らを倒すことこそが平和と正義につながるのだ!皆、やれ!」

 アリリ副隊長の号令に応じ、護衛隊員が進軍。続けてアリリとベリィベリーも動く。

ホップ「みんな、行くぞ!」

マサル「おう!」
マリィ「やったるけん!」
ビート「言われるまでもない!」

 ホップに続き、マサル達も動く。ユウリを守りながら、青の護衛隊の強襲を迎え撃つべく、各々カビゴン、ミミッキュ、ガラルギャロップ、ズルズキンを繰り出した。

「んん…?なんだぁ……え、ええぇ!?」「何!?何なの!?」
 ▼ 69 N9Xja27O2I 25/08/22 19:53:56 ID:Zw/gUATI [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 商店街付近に住んでいた住民が目を覚ます。とうとう居住地付近での戦闘となったことで、流石にスカイランドの国民も事態に気が付いたようだ。

青の護衛隊「この一帯は、ポケモンの襲撃により危険地帯となっております!住民の皆様は速やかに避難してください!」

 突然の呼びかけに、何が何だか分らぬまま、住民達は飛び起き、一斉に逃げ出す。

マリィ「しぇからしか…!騒ぎを大きくしとるのはどっちなのさ!」

ビート「どこまでも卑劣な輩め…!」

アリリ副隊長「黙れ!侵略者共!我々を欺き、ポケモンを持ち込むお前達の戯言など信用ならん!」

ベリィベリー「お前達が手段を択ばないのなら、こちらも手段は選ばない!お前達を倒す為ならな!」

 一部の護衛隊員が住民達を誘導。当然ホップ達は彼等を狙わない。あくまでも、自分達に襲い来る不条理のみを相手しているのだから。
 ▼ 70 N9Xja27O2I 25/08/23 16:40:28 ID:CMjs6w3g [1/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 広場〜
ソラ・ハレワタール「……ぅ」パチッ

 先程まで、キュアスカイ―――現在のソラ・ハレワタールがホップ達相手に1人で戦っていた広場。彼等を相手に敗北し、プリキュアの変身も解け、気を失っていた彼女は、1人目を覚ます。

ソラ・ハレワタール「ここは……広場…痛っ…!そうだ…私、ホップさん達と戦って…!あ、あれ………何で、戦ってたんでしたっけ…」

 頭が痛む。ゆっくり、ゆっくりと思い出すソラ。

ソラ・ハレワタール「……そう言えば…私は、皆さんと一緒に、ホップさん達を追いかけていた…でもなんで、いや、そもそもどうしてこんなことに…?」

 困惑しつつもその場から足を引きずって離れるソラ。ひとまずどこかに隠れ、ホップによって巻かれた包帯、いつの間にか手に握っていた人間用の傷薬を使い、自らの傷を手当てする。




 彼女のいた場所には、先程まで身につけていたペンダントの残骸が地に散乱していた。紐は千切れ、紫色の石は砕け散り、光を失い黒ずんでいたが、ソラは気づくことなく、その場を後にしたのだった。
 ▼ 71 N9Xja27O2I 25/08/23 16:42:55 ID:CMjs6w3g [2/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 商店街〜
隊員「申し訳ありません…副隊長…!」

アリリ副隊長「この蛮族共め、なんて強さだ…!」

ベリィベリー「我が隊の精鋭達が…くっ、うおおおお!!」

 ベリィベリーが嵌めているグローブは、この世界のエネルギー源・スカイジュエルを応用した武器であり、打撃に電撃を乗せることができる他、放電攻撃も可能である。

ホップ「おっと危ない!」

 流石にスカイランドの勢力が人間を直接狙ってくることにも慣れたのか、ポケモンへの回避指示だけでなく自分達も避ける。

ホップ「カビゴン、ヘビーボンバー!」

カビゴン「カァ〜〜ビィィ〜〜…」

 指示と共に巨体を起こして飛び上がり、電撃を躱しながらベリィベリー目掛けて急降下するカビゴン。

ベリィベリー「ふっ、そんなノロマの攻撃など!」
 ▼ 72 N9Xja27O2I 25/08/23 16:45:25 ID:CMjs6w3g [3/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「ミミッキュ、でんじはだ!」

ベリィベリー「何ぃっ!?ぐあああっ!」

アリリ副隊長「ベリィベリー!」

マリィ「ズルズキン、れいとうパンチ!」

アリリ副隊長「しまったっ…!無念…!」

 ベリィベリーは身体が麻痺して動きを封じられ、アリリは自身の得物を凍らされる。
 刹那、ズシィィン…と鈍い音が響く。

ベリィベリー「があああああ!?」

アリリ副隊長「ベリィベリーーーッ!」

ビート「ギャロップ、スマートホーン!」

アリリ副隊長「ぐはっ…」

 カビゴンの巨体にのしかかられ、隙を突いてアリリはギャロップの角に突かれ、吹き飛ぶ。
 2人は、そのまま気を失った。

ホップ「……一応、手加減するようには指示しておいたからな」

ビート「彼のような人でなきゃ、今頃あなた達は本当に倒されていた。感謝するんですね。…って、言ってももう聞こえていないだろうけど」
 ▼ 73 N9Xja27O2I 25/08/23 16:46:05 ID:CMjs6w3g [4/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ホップ達は追っ手を撃破し、再びこの場を去る。

 いつ終わるかわからないこの逃避行。それでも、生きるためには走るしかないのだ。

〜スカイランド王都 商店街の外れ〜
「ソラ三番隊隊長はいたか!?」

「いや、こっちにもいない!」

「城の上からの目撃情報を頼りにしても、既に隊長はおられなかった!今頃どこへ…」

「急げ!あのポケモントレーナー共に捕虜にされていたら最悪だ!」

ザッザッザッザッ…



「……」
 ▼ 74 N9Xja27O2I 25/08/23 16:46:58 ID:CMjs6w3g [5/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「ふう……もう行きましたか」

ソラ・ハレワタール「ごめんなさい、皆さん。でも、何だかスカイランドの様子がおかしいんです」

ソラ・ハレワタール「…私にもわかりませんが、今は、何となく、出て行かない方が、良い気がしていて…」

 自分を捜索する青の護衛隊の足音と声が遠ざかるのを確認し、ソラは物陰からひょこっと顔を出す。既に隠れながら自分で手当てをある程度済ませているが、それでもまだ万全とは言えない。

ソラ・ハレワタール「ん……?あれは……あの人達は…!」
 ▼ 75 N9Xja27O2I 25/08/23 16:49:33 ID:CMjs6w3g [6/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 住宅街〜
ホップ「よし、これでポケモン達の回復も終わったな」

 持ち合わせの回復道具で、連戦を戦い抜いたポケモン達を一旦回復させるホップ達。またいつ敵襲が来るかわからない中、次の脅威に備えていた。
 昼間は賑わっていた住宅街も、先程の商店街での護衛隊の呼びかけが響き、もう人の気配もなく静寂に包まれている。

ビート「しかしどうするんです。いつまでも鬼ごっこをしている訳にもいかないでしょうに」

マサル「ああ……急なことで逃げ出しちまったあの城…もしかしたら戻らないといけないかもな」

 一方で回復しつつも、この逃避行を終わらせようと話を進める者も現れる。実際のところ、現状逃げているだけで解決の糸口もつかめる気配がないのも事実である。

マリィ「あのソラって奴を倒すのにもあんなに手こずったし、結局あたしら、逃げてばっかだしね」

ユウリ「……あたしも行く!」

ホップ「ユウリ?」
 ▼ 76 N9Xja27O2I 25/08/23 16:52:25 ID:CMjs6w3g [7/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「ホップだって言ってた!ソラちゃんが本当は悪い人じゃないのかもしれないって!だったら、怖いけどあの城に戻れば、助ける手がかりもあるかも!」

ホップ「……そうだな!」

マサル「決まりだな」

 一転攻勢に転じ、逃げていた今までと違い、今度は突入を決したホップ達は奮起した。

 そこに…。

ザッ!

マサル「!」

ビート「また追手か!?」

ホップ「オ、オマエは…!」

 再び敵襲かと身構え、足音の方へ振り向く5人。そこにいたのは…。

ソラ・ハレワタール「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

 腕や足に包帯を巻きながらも、息を切らしながらここまで走ってきた、ソラ・ハレワタールであった。

ビート「ソラ…!」

マリィ「またあんた…!」
 ▼ 77 N9Xja27O2I 25/08/23 16:52:51 ID:CMjs6w3g [8/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 先程の仕返しに来たのかと、2人はすぐにソラを睨みつけ、それに応えるかのように回復を終えたばかりのモルペコが前に出た。

モルペコ「うらら!」

ソラ・ハレワタール「っ…!」

ホップ「お、おい!」

 モルペコは主人であるマリィを守ろうと、先制でタネマシンガンを放つ。ソラは抵抗することもなくよろけた。

ソラ・ハレワタール「くっ……」

ビート「…なぜ反撃してこない」

ソラ・ハレワタール「うう……!」

マリィ「どうせ、さっきのピンクの女みたいに、騙し討ちでもする気ばい!」

ソラ・ハレワタール「!? い、今……なんて……!?」

マリィ「はっ、白々しい!」

ビート「あのピンクの女…確か聖あげはと言いましたか。どうせあなたの仲間なのでしょう」
 ▼ 78 N9Xja27O2I 25/08/23 16:56:21 ID:CMjs6w3g [9/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「あげはさんが…来てるんですか…!?それに、騙し討ち!?どうして……!」

 その表情は、先程までの敵対的なものと打って変わって、ホップ達への敵意はなく、それどころか自分の仲間が卑劣な手段を講じたことに対する衝撃と悲しみであった。

ビート「イライラしてくる…そろそろトドメを…!」

ホップ「待てビート、マリィ!」

 2人を制止したのはホップであった。2人の間を縫ってソラへと歩み寄る。

マリィ「ちょ、ホップ!?」

ビート「あなた、あまりにも不用心ですよ!」

 止めようとするビートの肩をマサルがつかみ、首を横に振る。

マサル「ホップを信じよう。最悪、もしもの時は俺が引き金を引く」

 マサルの制止に、ビートとマリィは退く。

モルペコ「うら!?」ヒョイッ

マリィ「…ちょいと待ってみよ。モルペコ」

モルペコ「うらら…」

 威嚇していたモルペコを抱き上げ、ホップを見守る。

マサル(頼むぞ…お前が観察したという、あれが正しいのなら、きっと…!)

ユウリ「ホップ……」
 ▼ 79 N9Xja27O2I 25/08/23 16:57:09 ID:CMjs6w3g [10/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ザッ

ホップ「……」

ソラ・ハレワタール「ホップ…さん……」

 片膝をつきながら、ホップを見上げるソラ。そのソラの眼前で止まり、真剣な表情で見下ろすホップ。

ソラ・ハレワタール(先程まで、私は彼等に危害を加え続けていた…攻撃されるのも無理もない…きっと、ホップさんも…)

 ソラは、きっとホップからも責められるだろうと考えていた。だが次の瞬間、その予想を裏切り、ホップはソラの目線の高さまでかがんだのだ。

ホップ「………何があったか、覚えている限りで良い。話してもらえるか、ソラ」

ソラ・ハレワタール「……!」

 今のソラから敵意を感じないホップは、彼女との対話を試みた。

ソラ・ハレワタール「……わかりました。お話しします」
 ▼ 80 N9Xja27O2I 25/08/23 16:58:36 ID:CMjs6w3g [11/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜語り手:ソラ・ハレワタール〜
 ここから先の話ですが、ごめんなさい。実を言うと、私も記憶が朧気なのです。

 かつて私達は、このスカイランドに伝わるヒーロー『プリキュア』として、ある時はここで、またある時は、地上のソラシド市で、そしてまたある時は、地底のアンダーグ帝国で、人々の為に戦ってきました。

 ヒーローとして、泣いている子供や困っている人々を守るために、他に4人のプリキュアの皆さんや、シャララ隊長率いる青の護衛隊をはじめ、関わるすべての方々と共に勤めていました。

 やがて、アンダーグ帝国を牛耳っていた支配者に勝ち、国同士が和解して、平和に過ごしていました。

 …そんなある日のことだったんです。スカイランドに、とある人がやってきました。名前は、Ms.ダスピアさん。

 その人は何者で、どこから、何故スカイランドに来たのか、今でもわかりません。
 そして彼女は、とある文献と、ペンダントを持ってきました。私達に、『友好の証』として送ってきたそのペンダントをぶら下げて……。

 …それからというものの、ダスピアさんが読み上げた文献の内容は、うまく言えませんが、不思議と頭に入っていき、私達はそれを受け入れていました。
 正しいとは何か、常に考え続けなければならないヒーローが、皆、誰も、何も疑うことなく…。

 それから程なくして、1週間前、ポケモンと呼ばれる生物がスカイランドに現れました。そして、気が付けば私達は、ダスピアさんの言葉を何も疑うことなく信じ、王都の外へとポケモンを追い出していました。
 ▼ 81 N9Xja27O2I 25/08/23 17:18:51 ID:CMjs6w3g [12/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜スカイランド王都 住宅街〜
ソラ・ハレワタール「……あの日を境に、護衛隊はより訓練がより激しく、規律も厳しくなりました。スカイランドには、ここ王都以外にも住宅はあるのですが、王都の外に住まうことを許さなくなったり、夜遅くの会議も増えたりしました」

マサル「なるほど……昨夜、ホップ達がお前と食材の買い出しに行ったときに聞こえていた住民の会話と一致しているな」

ビート「フン、どうせそんなの、また騙し討ちに…」

マサル「気持ちはわかるが今はよせ、ビート」

ホップ「受け入れていた…にわかには信じがたいが……ん?ペンダント……?お、おい、ソラ」

ソラ・ハレワタール「どうしましたか?」

ホップ「オマエ…ずっとつけていた、その、ペンダントはどうした?」

ソラ・ハレワタール「えっ……?……ああっ!?」

 今になってペンダントを失っていることに慌てるソラ。

ホップ「落ち着け!…ペンダントを持っている時と持っていない時で、オマエの精神状態…っていうの?何か違う気がするな」

マサル「なら、ホップが見たって言う、戦いの最中に要所要所で光るというあのペンダント、ただのアクセサリーなんかじゃない、厄介な代物かもしれないな」

ホップ「そして今の話を信じるなら、ソラ達がいきなり襲ってきて、ポケモンを殺そうとしているのは、そのダスピアって人が怪しいのかもな」

ソラ・ハレワタール「そんな!あの人は…友好の証だってあのペンダントを送ってくださったのに…!」

マリィ「けど状況的に、そいつも十分怪しいよ。まだ決まった訳じゃないかもしれんけど」
 ▼ 82 N9Xja27O2I 25/08/23 17:19:42 ID:CMjs6w3g [13/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビート「仮に、今回ソラさん達が襲ってきたことについてダスピアという人物が1枚嚙んでいるとして、その目的は何でしょうね?」

マサル「そうだな。そこがわからん…なぜそこまで恨む程ポケモンに執着しているのかもわからない…少なくとも俺の知る限り、あいつと縁がありそうな人なんていないしな」

ユウリ「あたしも、聞いたことない人だなぁ…」

 ユウリ達に、誰もダスピアという人物を知る者はおらず、頭を抱えていた。

ホップ「…猶更、行く必要がありそうだな」

ソラ・ハレワタール「どちらへ?」

ホップ「決まってんだろ。スカイランドの…あの城だ」

ソラ・ハレワタール「えっ!?」

 ソラが来る前まで話していた本題に戻す。

ホップ「ソラの話を聞く限り、もしかしたらソラ、それどころかこの国の人は本来あんな性格じゃなかったのかもしれない!あのペンダント…そしてそれを送ってソラ達をそそのかしたあのダスピアってヤツも怪しい。手がかりを得る為にも、一転攻勢でいくべきだ!」

ソラ・ハレワタール「なんて無茶な…私以外のプリキュアに、スカイランド最強のヒーロー集団である青の護衛隊全てと戦うってことですか!?」
 ▼ 83 N9Xja27O2I 25/08/23 17:20:31 ID:CMjs6w3g [14/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ「ああ!どっちにしろやらなきゃいつかはオレ達がやられちまうしな」

マサル「ホップの言うことには一理あるな。ソラ達が俺達を襲ってきたのが、ダスピアのせいなのかどうかはともかく、このまま帰れたとしてもいつかは俺達の世界も危ない」

ユウリ「ホップ!みんな!やっぱり、あたしも戦う!」

ホップ「ユウリ、オマエもう怖くないのか!?」

ユウリ「怖いよ、今でも。でも…このままでいるのはもっと怖いし、ソラちゃんみたいに、他の人達もペンダントのせいでおかしくなってるかもしれないなら、助けたい!」

ビート「…覚悟は決まったようですね」

マリィ「決まりね」

ソラ・ハレワタール「皆さん……」

 意気消沈していたソラは、先程まで自分達が追い回していた相手が、今度は反撃に出ようと奮起している姿を見て、自分の胸に手を当てる。

ソラ・ハレワタール(相手がどんなに強くても、正しいことを最後までやり抜く……でも、今の自分達はどうなんだ。

本当に、彼等を倒すのは正しいのでしょうか…あっ)

 そこで、ソラはようやくハッとする。ペンダントを身につけていた時には、封じられていた感情がよみがえったことに。

ソラ・ハレワタール(……そうだ。普段なら常に意識していたのに、さっきまでは一切考えなていなかった…正しいとは何か、ヒーローは常に考え続けなければいけない……今は、考えられる…!)
 ▼ 84 N9Xja27O2I 25/08/23 17:22:17 ID:CMjs6w3g [15/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「見つけましたよ、ポケモントレーナー達」

ソラ・ハレワタール「その声は…!」

 ホップ達5人、そしてソラは声のする方へ振り向くと、空から回復したキュアウィングとが舞い降りた。

「今度こそ追い詰めたわ!」

 更に別の方角からは、青の護衛隊を率いたキュアマジェスティが疾走してきた。

キュアウィング「まさかソラさんを倒し、それどころか捕虜にまでするとは、どこまでも卑劣な輩だ…!許しておけない!」

ソラ・ハレワタール「ま、待ってください!私は別に捕虜になってされてな」

キュアマジェスティ「全軍、突撃ー!」

 ソラの話を聞くこともなく、マジェスティの号令と共に青の護衛隊が突撃する。

ホップ「懲りないヤツらだ。みんな、準備はいいか!?」

 ホップの声に応じ、全員がモンスターボールを構える。今度は、覚悟を決めたユウリも立っていた。

ユウリ「これ以上、ソラちゃんやその友達に、ひどいことをさせたくない!いくよ!インテレオン!」
インテレオン「うぉれん!」

 一斉に相棒のポケモン達を繰り出し、護衛隊、そしてマジェスティと交戦を開始した。その頃、ソラはキュアウィングの前に立ち塞がっていた。
 ▼ 85 N9Xja27O2I 25/08/23 17:23:12 ID:CMjs6w3g [16/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「ツバサ君!待ってください!もう一度よく考えて!私達がしようとしてきたことは、正しいのかどうか!」

キュアウィング「ソラさん…捕虜にされている間に、何をそそのかされたかは知りませんが、僕らの正義は揺るぎません!」

ソラ・ハレワタール(やっぱりダメです…考えようとしてくれない…!やっぱりあのペンダントが…!)

ソラ・ハレワタール「お願いです、ツバサ君!そのペンダントは、きっとただのペンダントではありません!何か変です!今すぐ取り外してください!」

 ソラは仲間であるツバサに必死に訴えかけるが、ツバサ―――もといキュアウィングから放たれた言葉は衝撃的な内容であった。

キュアウィング「それはなりません」

 拒否の意思を表明するとともに、そのペンダントを持ち上げて目の前に掲げてながらキュアウィングは続けた。
 ▼ 86 N9Xja27O2I 25/08/23 17:24:05 ID:CMjs6w3g [17/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「僕らプリキュアの力は、本来、かつての戦いでアンダーグ・エナジーに取りつかれたものを浄化する力。だが、新たな敵・ポケモンにはその力が通じるかは未知数。いえ、ここまで強い敵ですし、恐らく通じない。ですが…」

キュアウィング「このペンダントは、ダスピアさんから与えられた、新たな力なのです。たとえアンダーグ・エナジーではない敵であっても、立ち向かい、倒せるようなヒーローの更なる力…!」

ソラ・ハレワタール「そんな……じゃあ、やっぱりあのペンダントは…!」

ホップ「やっぱり、あのペンダントが原因か…!」

 戦いの最中、ウィングの声が聞こえていたホップ達。これで彼等の仮説は、限りなく真実に近づいた。
 ソラは、かつて友好的に接し、その証としてペンダントを贈呈してきたダスピアに対し、悲しみに包まれた。自分達は騙されていたのだと。そして、そうまでして自分達にさせようとしていた、「ポケモンの掃討」、これがどれ程ヒーローとしてあるまじき行為であったかを思い知らされた。
 ホップ達は侵略者などと決めつけていた。だが実際はこの世界の事を何も知らず、不慮の事故で落ちてきた。初めて出会った時に彼等から聞いた言葉が正しかった。
 ▼ 87 N9Xja27O2I 25/08/23 17:25:20 ID:CMjs6w3g [18/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※画像はとある作品に出て来たアイテムです。今回のSSに出てくるペンダントはこちらをイメージしています(当該作品は、ポケモンともプリキュアともまた別の作品です)
 ▼ 88 N9Xja27O2I 25/08/23 17:27:34 ID:CMjs6w3g [19/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「ソラさん、あなたはあのペンダントをなくしたようですね。でも心配ありません。城に戻れば、またダスピアさんが施してくださいます」

 キュアウィングはソラの下へゆっくり歩きながら近づき、手を差し出す。

キュアウィング「さぁ、手を取って、僕らと共に戦いましょう」

 ソラの目の前に差し出された、友の手。しかしその友は、再び凶行へと自信を誘おうとしていた。
 そんな友の手に、ソラは自身の手を伸ばし…。

キュアウィング「…ふふっ。さぁ、行きましょう、ソラさん」

ソラ・ハレワタール「………っ!!」

パシンッ!!

キュアウィング「……なっ…?」

 その手を、力いっぱい振り払った。
 ▼ 89 N9Xja27O2I 25/08/23 17:28:14 ID:CMjs6w3g [20/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソラ・ハレワタール「……ツバサ君、いえ、キュアウィング。私達は、ヒーローの筈です。どんなに強い敵が相手でも、正しいことをするために、人々を守るために…

でも今の皆さんは違う!!!」

ソラ・ハレワタール「今の皆さんは、正しいことは何か考えることをやめ、そのペンダント一つなんかで、心を支配されている!私だって、そうだったけど!」

ソラ・ハレワタール「私はもう、そんなものに負けない!本当に正しいことは何か、その真実を確かめなければいけません!」

キュアウィング「……残念です。ソラさん、いえ、キュアスカイ。血迷ってしまったなんて、友として僕は悲しいですよ」

ソラ・ハレワタール「これでもまだ、話を聞いて下さらないのならば…本当にホップさん達やポケモン達が無実かどうか見極めようとしないのがヒーローだというのならば…!

そんなヒーローになんて、私はなりたくない!」
 ▼ 90 N9Xja27O2I 25/08/23 17:29:23 ID:CMjs6w3g [21/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ソラは立ち上がり、ミラージュペンを手に取る。

ソラ・ハレワタール「私達は確かめなければならない!本当に正しいことは何か!だからここで、立ち止まっていられない!たとえ、力に魅入られてしまった、友達が相手でも!」

ソラ・ハレワタール「ひろがるチェンジ・スカイ!」

 ソラは、キュアウィングと正面を切り、キュアスカイに変身する。先程までホップ達の大きな脅威として振るわれていたその力、今度は友を助けるために使われる。

キュアウィング「ポケモン達に絆され、あまつさえ彼等を守ろうとするとは……スカイ。あなたの意思はよくわかった。だから…!


この手で、あなたを倒し、無理やりにでも連れ戻す!」

 ホップ達がキュアマジェスティ、青の護衛隊と戦う一方で、キュアスカイとキュアウィングの一騎打ちが始まった。
 お互いの「正義」を賭けて…。

―――
 ▼ 91 ッソン@とつげきチョッキ 25/08/23 23:05:44 ID:FgPIaz9s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これホップいなかったら気付かずソラにトドメ刺してたか、そもそもあの戦闘も勝てなかっただろうしいずれ全滅してたまである
 ▼ 92 パルダス@みかづきのはね 25/08/23 23:12:18 ID:VpLg7G8Q [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>87
イナズマイレブンのエイリア石じゃねーか!
やっぱ全員正気じゃなかったやんけ!
 ▼ 93 ニリッチ@ハンサムチケット 25/08/23 23:14:20 ID:VpLg7G8Q [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
流石だぞ!ホップはあれだけの猛攻を搔い潜りながらこれを見抜いたってわけか!
実質的な主役!
 ▼ 94 N9Xja27O2I 25/08/24 10:41:53 ID:4N2UtrQU [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「インテレオン、アクアジェット!」

青の護衛隊「この小娘もポケモンを!?」
青の護衛隊「くそっ、さっきまでと、動きが違う!」

 ユウリの指示を受け、高速で駆け抜けたインテレオンは、青の護衛隊の頭上にまで達していた。

ユウリ「シャドーボール!」

 空中から、インテレオンは両手の指先を銃のように構え、黒い影の球を生成、護衛隊の頭上から二丁拳銃のように乱射した。

青の護衛隊「ぐあああっ!」

ホップ「流石ユウリだぞ!エースバーン、オレ達も負けてられないな!」
エースバーン「ふぁいにー!」

ホップ「かえんボール!」

 小石をサッカーのリフティングのように蹴り上げ、炎のボールへと変え、強烈なボレーシュートを叩きこむ。

ホップ「いくぞユウリ!」
ユウリ「うん!」

 ホップとユウリは、キュアマジェスティと対峙する。その後ろから、護衛隊の残党が襲ってくる。

青の護衛隊「プリンセスには手を出させん!」

ホップ「くっ…!」
 ▼ 95 N9Xja27O2I 25/08/24 10:44:19 ID:4N2UtrQU [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「させるかよ!ゴリランダー、ドラムアタック!」
ゴリランダー「ぐらりらー!」

 ゴリランダーのドラミングと共に現れる蔦が護衛隊の行く手を阻む。更にマリィ、ビートも加わった。

マリィ「モルペコ、オーラぐるま!」
ビート「ブリムオン、マジカルシャイン!」

 追撃に怯んだ青の護衛隊、マジェスティと睨み合うホップ、ユウリの間に割って入るマサル、マリィ、ビート、そのポケモン達。これで戦力は分断された。

マリィ「こいつらはあたし達が止める!」
ビート「このエリートがあなた達が戦いに集中できるようお膳立てするのです。無様に負けたら許しませんよ」
マサル「こっちは任せておきな。行け、ホップ!ユウリ!」

ホップ「マサル…オマエら…!」
ユウリ「みんなも気を付けてね!」

キュアマジェスティ「ソラは、返してもらうわ!そして、スカイランドの為に、あなた達を倒す!」

ホップ「負けてたまるか!オレ達は元の世界に帰る!でもその前に、オマエ達がいつかオレ達の世界へと攻め込んでくるというなら!」
ユウリ「そんなことはさせない!そして、あなた達も元に戻してみせる!最初に出会った時みたいな、優しいあなた達へ!」

 ユウリとホップは、インテレオン、エースバーンと共にキュアマジェスティへと向かっていった。

―――
 ▼ 96 N9Xja27O2I 25/08/24 10:44:48 ID:4N2UtrQU [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「はああっ!」

キュアウィング「…フッ!」

 キュアスカイは、キュアウィングと格闘戦を繰り広げていた。空中戦が可能と言うアドバンテージを活かし、空からも地上からも攻めるキュアウィングに対し、キュアスカイは地上の機動力と高い跳躍力で応戦し、互角に戦う。

キュアスカイ「思い出してください!ウィング!私達プリキュアの使命を!ソラシド市で、お友達になってくださったあの日の事を!!」

キュアウィング「僕らプリキュアの使命は、ヒーローです!それを教えてくれたのはあなただ!」
キュアウィング「そして僕とあなたがましろさんの家で初めて会った日、あなたは僕のかつての夢をかっこいいと褒めてくれて、友達になってくださいとまで言ってきた!僕は、友としてあなたを目覚めさせる!」

キュアスカイ「今のあなたは、ヒーローなんかじゃない!考えることをやめ、一方的に相手を否定するなんて、いつものあなたらしくありません!……あなただけじゃないですけど!」

キュアウィング「ヒーローであることを忘れ、あまつさえ僕らのなそうとしていることも否定し、『なりたくない』なんて言い出すとは…あなたこそ、いつものあなたはどこへ行ったんですか!」

 お互いが、お互いの信じる正義、あるいは思わされている正義をぶつけ合いながら拳を交える。
 やがて、変化が表れ始める。先程まで互角の戦闘だったが、少しずつキュアスカイが押され始める。

キュアスカイ「くうっ…!」

キュアウィング「ダスピアさんから与えられたこの力、それを今もあなたがなくしていなければ、まだ僕とは張り合えたでしょうね…!」

キュアスカイ(あのペンダント…恐ろしい力です…!それを、こんなことに使っているなんて…!)

キュアウィング「はあっ!」

キュアスカイ「きゃっ…!」

 ウィングの回し蹴りがスカイを吹き飛ばす。スカイは両腕を交差させて凌ぐが、後退してしまい、怯む。
 ▼ 97 N9Xja27O2I 25/08/24 10:46:44 ID:4N2UtrQU [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「決めさせてもらう!」

キュアスカイ「くっ…」

 回避が間に合わない。その時だった。

マリィ「モルペコ、エレキネット!」
モルペコ「うららー!」

キュアウィング「何!?」

 突如、横から網目状の電撃が飛び、キュアウィングは咄嗟に後退して回避。更に…。

ビート「クチート、アイアンヘッド!」
クチート「くちーとっ!」

キュアウィング「ぐあっ…!」

 立て続けにクチート渾身のアイアンヘッドで怯んだ。キュアスカイの近くには、マリィとビートが駆け付けた。

ビート「勘違いしないでくださいね。あの兵隊達をおとなしくさせて、暇を持て余していたのでね」

マリィ「あんた、大丈夫?こっからはあたし達も加勢するよ」

キュアスカイ「ビートさん…マリィさん…!ありがとうございます!」

キュアウィング「まさか、護衛隊が倒されただと…!?」

 ウィングが見渡すと、3人のポケモントレーナーを相手していた青の護衛隊は全員倒されていた。現在、ビートとマリィの他の手持ちポケモンが出てきており、倒れた兵士からペンダントを取り上げ、破壊している最中である。

キュアウィング「よくも…!」

 ウィングはビートとマリィ、それぞれのポケモンを睨みつけ再び攻勢に移る。
 ▼ 98 N9Xja27O2I 25/08/24 10:47:13 ID:4N2UtrQU [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「やはりお前達は危険だ!お前達から先に倒し、スカイを連れて帰らせてもらう!」

キュアスカイ「そうは、させません!」

 今度はスカイが2人と2匹より前に出て、ウィングと1対1になった。

キュアスカイ「一度やると心に決めたことは絶対にあきらめない!だから、私は戦う!たとえ友達が相手でも、その友達を助ける為なら!」


―――

ユウリ「くぅ…強い…インテレオン、大丈夫!?」
インテレオン「うぉれ…」

ホップ「エースバーン、まだ戦えそうか!?」
エースバーン「ふぁい…!」

 マジェスティはインテレオン、エースバーンの2匹を相手していた。水流の弾丸も、火のボールも、体術も捌き、カウンターを叩き込み続ける。少しずつ息が上がっているものの、まだ体力を残していた。

キュアマジェスティ「まずは、あなた達からよ!」

 手刀から光剣を生成し、対象を切り裂く技である、ひろがる・マジックアワーズエンド。かつて300年前の伝説のプリキュアから時空を超えて継承した浄化の技も、今となってはペンダントの影響で、対象の生命を奪う凶刃となっている。

キュアマジェスティ「はあああっ!」

 光剣を構え、2匹と2人に突撃していくマジェスティ。
 ▼ 99 N9Xja27O2I 25/08/24 10:48:20 ID:4N2UtrQU [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マサル「ドラムアタック!」

キュアマジェスティ「くっ!?」

 地面から蔦が現れ、マジェスティの行く手を阻んだ。急停止したマジェスティだが、回避が遅れ、蔦に叩き付けられる。

キュアマジェスティ「ああっ…!このぉ!」

 だが少し怯んだマジェスティは、すぐに剣を振るい、蔦を斬る。斬られた蔦は紫色の粒子となって消滅していった。

ホップ&ユウリ「マサル!」

マサル「あっちは片付いたぜ…あとはそれぞれの中ボスだけか」

キュアマジェスティ「邪魔をしないで!」

 マジェスティは徒手空拳でマサルとゴリランダーに襲い掛かる。だがそこに隙が生まれた。

マサル「今だ!」

 マサルの合図に、ホップとユウリはお互いを見て頷く。そして次の指示を相棒達に繰り出した。

ユウリ「インテレオン、ねらいうち!」
ホップ「エースバーン、インテレオンに続くぞ!かえんボールだ!」

インテレオン「うぉれ……」スチャッ

 片目で狙いを定め、かがんで指先を銃口のように構える。標的は、光剣と共に突っ込んでくるキュアマジェスティだ。

ユウリ「エルちゃん、ごめんね…今助けるから!」
ユウリ「発射ぁっ!」
 ▼ 100 N9Xja27O2I 25/08/24 10:50:57 ID:4N2UtrQU [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 刹那、インテレオンの指先から水の弾丸が飛ぶ。だがキュアマジェスティの反応は早かった。

キュアマジェスティ「おばかさんね!そんなものに反応できないと思った!?」

 キュアマジェスティはマジックアワーズエンドを振りかぶり、水の弾丸を斬ろうとした。しかしユウリの表情は曇らなかった。

ユウリ「ううん!むしろ絶対に見切ると思ったわ!そして…!」

キンッ!

キュアマジェスティ「なっ!?」

ユウリあたしのインテレオンのスピードなら、回避じゃ間に合わないから、ねらいうちを斬ろうとしていたこともね!」

 水の弾丸を斬ろうとマジックアワーズエンドを振るったマジェスティだったが、結果高水圧に勝てず光剣だけが弾け飛び、マジェスティは停止させられ大きくのけぞった。そして…。
 ▼ 101 N9Xja27O2I 25/08/24 10:52:40 ID:4N2UtrQU [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エースバーン「ニッ」

キュアマジェスティ「…!」

 眼前には、インテレオンの攻撃の後ろから走り込み、火のボールを生成していたエースバーンだ。

ホップ「決めろエースバーン!かえんボールだ!」

エースバーン「ふぁいにっ…にばーー!!」

キュアマジェスティ「ぐはぁっ……!?」

 かえんボールはマジェスティの胸部―――にあるペンダントに直撃。石は焼け焦げて砕け散り、マジェスティの変身も解ける。

エル「うっ…」ドサッ

ホップ「ペンダントは壊れた!サンキューだぞ!ユウリ、マサル!」
ユウリ「ホップこそありがとう!それに、マサルもね!」
マサル「お前達2人の勝利だ。ありがとう」

 ハロンタウンの3人組は勝利を讃え合い、その後すぐに気を失っているエルを抱えて安全な場所に移す。

ホップ「そっちも頼んだぞ…ソラ」

―――
 ▼ 102 N9Xja27O2I 25/08/24 10:53:51 ID:4N2UtrQU [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアウィング「はぁ…はぁ…あり得ない、石をなくしたあなたのどこにそんな力が…!」

 マリィとビートから先に始末しようと考えたキュアウィングは、割って入ったキュアスカイに防がれていた。先程は自身が押していたのと打って変わり、今度はスカイ単身に押されていたことに彼は困惑していた。

キュアスカイ「正しいことを最後までやり切る、それがヒーローです!確かに、ダスピアさんから与えられた力は強力です。私自身も、知らなかったとはいえ使っていたからわかります。でも!」

 キュアスカイの鉄拳に、キュアウィングは後ずさった。

キュアスカイ「プリキュアの力も、その使い方も、使命も大きく外れるような、与えられた力なんかじゃ意味がありません!大事なのは…正しい心なのですから!」

 キュアスカイの右手に、青い光となってエネルギーが集中する。それを見たキュアウィングも力を溜め始めた。彼のコスチュームの色を象徴する橙色の光、そして呼応するようにペンダントは紫色に光輝く。

キュアスカイ「ヒーローガール・スカイパンチ!」
キュアウィング「ひろがる・ウィングアタック!」

 それぞれの持ち技の撃ち合い。ストレートパンチに、拳上の青い光を纏わせるキュアスカイと、低空飛行からエネルギーを纏って突撃するキュアウィング。
 そして、2人が交差した。
 ▼ 103 N9Xja27O2I 25/08/24 10:56:07 ID:4N2UtrQU [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュアスカイ「……」

キュアウィング「……」

 技発動が完了し、お互い通過した2人は黙って立っていた。
 少しして、音が響く。結晶のようなものが割れる音だ。

キュアウィング「………うっ」

 倒れたのはキュアウィング―――変身が解けた夕凪ツバサだ。その付近には、たった今のキュアスカイの攻撃で破壊されたペンダントの残骸が散っていた。

キュアスカイ「ツバサ君!」

 キュアスカイはすぐに倒れたツバサの元に駆け寄り、抱える。それから、起きるまで声をかけ続けた。

キュアスカイ「ツバサ君!目を覚ましてください!ツバサ君!」

 揺すりながら、涙声で訴えるソラ。近くに、ビートとマリィも寄る。

ビート「ホップ君の話が本当なら…ソラさんと同じく彼も…」

マリィ「これで元に戻るはずばい」

夕凪ツバサ「………


……ん………?」

ビート「目を覚ましましたね」
キュアスカイ「ツバサ君!」

夕凪ツバサ「ソラ………さん………僕は……」

キュアスカイ「わかりますか!?私のことが!!」
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