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ブースター「フレアドライブなんて出来ない……」

 ▼ 1 イドリップ 14/10/21 02:45:58 ID:Ijb8YYrQ [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【プロローグ】


僕はイーブイです。

生まれた時から、攻撃力が他の人より優れていたみたいで、僕は将来を期待されていました。

学校でも、成績は常にトップ3には入っていたし、何事にも真面目に取り組んできました。

だから、先生にも褒められていました。

けど、それが原因で妬まれてもいました。

でもでも、仲間はたくさんいました。

他の子より優れた所があると、ポケモンは誰しも、“一緒に付き合っていきたい”って思うか、“ウザったい、妬まし”と思うかのどちらかでした。

僕にはまだ、前者の方が多くいました。

あの日までは……。
 ▼ 100 ョンチー@ピンクのバンダナ 14/10/24 00:26:22 ID:uvUtVzb2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>99
ポケモン界はスピアーに
×親でも殺されたのか?
〇なんの恨みがあるんだ?
こっちのがいいな
 ▼ 101 クロム@ポイントマックス 14/10/24 00:31:49 ID:Uj5seIH. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今更だけど、スピ兄って
「すぴあに」なのか「すぴにぃ」なのかどっち?
 ▼ 102 ガミミロップ@ポイントマックス 14/10/24 00:36:28 ID:mxca1Tfs [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すぴにぃじゃない?
 ▼ 103 イドリップ 14/10/24 00:38:50 ID:0Z4D4KKw [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>101
「すぴにぃ」です。この先も基本的に「○○にぃ」と読んで下さい。
 ▼ 104 イドリップ 14/10/24 00:39:09 ID:0Z4D4KKw [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【特訓せよ】


 ブースター 「スピ兄ぃぃぃぃぃ!!!」

やっとのことで、スピ兄の住処に着いた。

僕が叫ぶと、スピ兄はすぐに出て来てくれた。その表情は、いつもの優しいスピ兄だ。

 スピアー 「おぉブースター、おはよ」

 ブースター 「スピ兄っ! なんで……なんであんな噂流したんだよぉ……悪いのは僕なのに……全部僕なのにぃ……」

 スピアー 「うぬぬ……もうバレタのか……」

 ブースター 「やっぱりスピ兄がウソの噂を流したんだね!? なんで……!?」

 スピアー 「なんでだろうな。……とりあえず、オレはお前がリングマに襲われていたのを見ちまったんだ。止めに入ろうとした瞬間、炎が立った」

 ブースター 「そうだよ。僕が知らずのうちに……あの炎を出したんだ……」

 スピアー 「そうだ。お前は悪くないんだよ。あの炎は、お前が危険を察知して、知らずのうちに出したものなんだ。だからお前は悪くない!」

 ブースター 「けど……なんでスピ兄は……」
 ▼ 105 イドリップ 14/10/24 01:05:40 ID:.KtgE3nE [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「そりゃお前……いくら わざとじゃないからって、森を燃やしたなんて知られたら、お前の立場が無いだろ? ただでさえブースターに進化して、周りからは大人に見られてんだ。お前が安心して生活するには、オレ達のせいでとっさに炎を出したって思われた方がいいだろ?」

 ブースター 「うぅっ……ありがとうスピ兄……。でも、僕のために、スピ兄たちがそこまで悪者扱いされることないのにっ!」

 スピアー 「元々オレ達は森の嫌われ者さ。……でもな、そんな嫌われ者でも、お前と言う1匹を守ることが出来るんだ」

 ブースター 「スピ兄っ……」

 スピアー 「たとえ大多数から嫌われてても、お前と言う1匹に慕われるのなら、オレ達はお前を取る。この群れ全会一致でな!」

スピ兄はまた……僕のために悪者になって……。なんでこんなに優しいんだよ、スピ兄は……いや、スピアーって言う種族は……。

罪を被ってまで、僕なんかのために……。

 スピアー 「言ったろ? 今のままでいても、ニンゲンに保護されても、オレはお前の味方だって。お前が今のままでいることを選んでも、問題ないようにしただけだぜ」

 ブースター 「スピ兄ぃぃぃうわあああぁぁぁぁぁんっ!!!」

僕はスピ兄に抱き付いて、大声で泣いた。

何匹かのスピアーが、僕たちの方を見て笑っている。見守ってくれている。

皆良いポケモンだよ。スピアーが嫌われ者なんて、それこそ悪い噂だよ。

僕は……それが何より悔しいよ!
 ▼ 106 メグマ@しんかいのウロコ 14/10/24 07:41:35 ID:.zJIYEk. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピアーかっけえ…!
 ▼ 107 クノシタ@まんまるいし 14/10/24 10:40:22 ID:uvUtVzb2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
昨日もレスしたが
ポケモン世界はスピアーになんの恨みがあるんだ?
危険なポケモンなんて腐るほどいるのに
 ▼ 108 リルリ@クイックボール 14/10/24 18:36:26 ID:HxneNwbM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>107
ヨノワールやシャンデラみたいな
ゴーストポケモンは危険な奴多いよな
 ▼ 109 ョボマキ@みどりのバンダナ 14/10/24 19:14:42 ID:wXbB/6LY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピアーさん・・・
 ▼ 110 ルビート@パワーバンド 14/10/24 20:37:12 ID:v7fkgP8c NGネーム登録 NGID登録 報告
支援

>>107
アニポケでさえ、スピアーは驚異の悪役率だからなぁ。
 ▼ 111 ツドン@ヒールボール 14/10/24 20:56:05 ID:GOrcazgM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もうスピアーはメガホーン習得確定だな(確信)
 ▼ 112 ビワラー@こうこうのしっぽ 14/10/24 21:19:22 ID:t9jQyCnQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 113 ノガッサ@ギャラドスナイト 14/10/24 21:25:21 ID:ibt31Iuk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>108
今すぐポケモンだいすきクラブのゴースト特集でアニメ見てこい。
ヨノワールは悪くないぞ。シャンデラ(ヒトモシ)は知らんが。。。
 ▼ 114 イドリップ 14/10/24 22:04:54 ID:Ijb8YYrQ [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>> ALL
ご支援感謝します。
スピアーの不遇っぷりは半端ないですが、それでも彼らは誰かから必要とされる存在であると、私は信じてます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 スピアー 「……さて。お前はブースターに進化したからには、ブースターがどういうものなのか、理解しなきゃいけないな」

さんざん泣いて、ようやく落ち着いた僕に、スピ兄は言った。

 ブースター 「うん……」

 スピアー 「強引に進化させられて、現実を受け入れたくないのは分かる。けどな、自分自身のことを分かってないと、お前のためにならない。よく考えなきゃダメなんだ」

 ブースター 「うん……」

 スピアー 「まず昨日の現象だ。なんで炎が広がったか、理由をお前は分かってないだろ?」

 ブースター 「うん……。炎ワザを使ったような感覚は無かったんだ。僕から炎が出たような形跡は無かったし……」

 スピアー 「なら……何か違和感があっただろ?」

 ブースター 「体が凄く熱くなって……思いっきり叫んだ途端に、あたりが火の海になってたんだ」

 スピアー 「そりゃ当然だな」

 ブースター 「えっ……なんで!?」
 ▼ 115 ムスター@はつでんしょキー 14/10/24 22:10:02 ID:P5HkvNtI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だからゲーフリは心優しいスピアーにメガシンカを与えたんだな・・・・・(感涙)
 ▼ 116 ノセクト@ふしぎなタマゴ 14/10/24 22:19:13 ID:KuC/iHvQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>115
ほんとにそうなら泣けるっ
 ▼ 117 イドリップ 14/10/24 23:04:56 ID:9yeO4Bak [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 スピアー 「ブースターってのはな、体内に炎を生成する器官を持ってるんだ。そのせいもあって、体温は最大で900度にもなる」

 ブースター 「900度!? 沸騰したお湯でも熱いのに……900度も!?」

 スピアー 「そうだ。それで、お前が空気を吸い込むと、空気はその器官で熱せられて、1700度にも上昇する……。つまり、お前は思いっきり叫んだのと同時に、1700度の息を吐いたんだ」

 ブースター 「それって……」

 スピアー 「お前は炎を吐いてないと思ってるようだけど、実際、1700度の息なんて炎と同じようなものだ。お前は知らず知らずのうちに、高温の蒸気を吹きだしてたんだよ。それが、まわりの木や草を自然発火させたんだ」

 ブースター 「そっか……僕の体……そんなに危ない存在なんだ……」

 スピアー 「あー待て待て。別にお前を責めてる訳じゃない」

 ブースター 「けど……僕の体のせいで森が……それにスピ兄にも迷惑を……」

 スピアー 「だー拗ねるな。……もう単刀直入に言う。炎を使いこなせるように特訓しろ!」

 ブースター 「え?」

 スピアー 「炎を自分の物にするんだ。ここに残って暮らすにせよ、ニンゲンに保護されるにせよ、ブースターである以上、炎を自分でコントロール出来なきゃ話にならんってことだ」

 ブースター 「そっか……」

確かに、スピ兄の言う通りだ。炎タイプのポケモンなら、炎を使いこなせないと話にならない。それこそ、保護するニンゲンに嫌がられる可能性だってある。

それに……炎をコントロールできないと、また森を燃やしちゃう危険もある。

……これは僕だけの問題じゃない。この森に暮らす、全てのポケモンにも関わってくることなんだ。
 ▼ 118 リゲイツ@つめたいいわ 14/10/24 23:37:26 ID:Q9.4rKLo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 119 ライゴン@ゴージャスボール 14/10/24 23:52:11 ID:zQYvoMi6 NGネーム登録 NGID登録 報告
ブースターに抱きしめられて、なんともないスピアーって…
 ▼ 120 イドリップ 14/10/24 23:57:00 ID:9yeO4Bak [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「スピ兄! 僕、やるよ! 炎を使いこなせるように努力する! ここで暮らすかニンゲンに保護されるか考えるのは、特訓が終わってからだ!」

 スピアー 「……うん、良く言ったな!」

 ブースター 「ありがとうスピ兄。僕、やっとブースターって言う姿と向きあおうと思えたよ。炎を使いこなせるようになって、ブースターとして生きていくんだ!」

 スピアー 「そのいきだぞブースター。お前はやれば出来る。右足が動かなくても一人で生きてこれたんだ。努力すれば叶うさ!」

スピ兄はニカッと笑った。

強くなるんだ、僕だって。足のハンデを打ち消すような、リングマたちにも立ち向かえるような、そんな強さを手に入れるんだ!

ブースターとして、炎を自在に操れるようになるんだ! ……けど、どうやって?

 スピアー 「けど、どうやって? って顔してるな」

 ブースター 「……良く分かったね」

 スピアー 「まぁ心配するな。……バクさーん!」

 *** 「おぉ〜やっと出番かいなぁ!」
 ▼ 121 イドリップ 14/10/25 00:52:11 ID:0Z4D4KKw [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
“バクさん”と呼ばれた誰かの影が、木の後ろから姿を現した。

 *** 「ったく話長いわー。30分くらいスタンバってましたわ」

 ブースター 「えっと……」

 スピアー 「紹介しよう。オレの旧友、バクフーンのバクさんだ」

 バクフーン 「ようよう、ワイがバクフーンや。よろしゅうな!」

 ブースター 「あっ……えっと、よろしくお願いします!」

 バクフーン 「蜂の助とはビードルとヒノアラシ時代からの友達でな、炎の極意を教えてほしいっつーポケモンがいるって聞いて、退屈しのぎに出向いたって訳や」

 ブースター 「“蜂の助”……?」

 スピアー 「……気にするな。オレのことだ」

 バクフーン 「ったく蜂の助てめぇブースターの体温が900度にも達するーとか、吐息が1700度ななるーとか、まぁよくもワイが教えたことを自分の知識みたいに言いやがって。ナメとんのかい?」

 ブースター 「スピ兄……僕に炎を使いこなせるように、わざわざバクフーンさんを呼んでくれたの?」

 スピアー 「また森を燃やされたら困るからな」

 バクフーン 「そう言って……素直でねーべコイツ?」

 ブースター 「ありがとう……本当にありがとう、スピ兄。僕もう……スピ兄の優しさが嬉しすぎて泣きそうだよ……!」

 バクフーン 「はっは。お前は素直なやっちゃな!」
 ▼ 122 ガサメハダー@まんぷくおこう 14/10/25 01:14:30 ID:ibt31Iuk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクフーンだったのか。
普通にバクーダかと思ってたわ。
 ▼ 123 イドリップ 14/10/25 01:44:40 ID:.KtgE3nE [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「さてブー太郎」

 ブースター 「ブー太郎……?」

 バクフーン 「炎使いたるものどういうものか、みっちり叩き込んだるわ。ついでに炎技の使い方もな!」

 ブースター 「……はい! お願いします! バクフーンさん!」

 バクフーン 「あー堅苦しい堅苦しい。ワイのことも蜂の助みたいに“バク兄(にぃ)”で構わん。もっとフランクに行こうや!」

 ブースター 「あっ……それじゃあ、よろしくお願いします、バク兄!」

 バクフーン 「ほな行くで」

 ブースター 「え? どこに……?」

 バクフーン 「海岸や。流石にここだと森を燃やしてまうからな!」

確かにそうだな……。



スピ兄に別れを告げて、僕はバク兄に連れられて、森を下りて行った。

とてもフレンドリーなバク兄は、いったい僕にどんなことを教えてくれるんだろう。

僕がブースターとして生きていく術を、バク兄はどうやって教えてくれるんだろう。

期待と不安を抱きながら、僕はバク兄の後を追った。
 ▼ 124 ゲボウズ@ヘルガナイト 14/10/25 12:36:07 ID:qXcg0wNE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バクフーンは確かにアニキのイメージにピッタリだな
 ▼ 125 ンダース@デボンのにもつ 14/10/25 13:54:49 ID:d37n0S2Y NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 126 イドリップ 14/10/25 14:27:56 ID:FGCFEge. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
森を下りると、ふもとに街がある。ここに来たのも久しぶりだ。

道路には、汚い息を吐きながら走りまわる自動車がたくさん見える。もちろん、ニンゲンの姿もだ。

僕達は意図的に残されたような緑の道(※)を通って、海岸へと向かう。

 ブースター 「なんか、ニンゲンがいっぱいいますね」

 バクフーン 「そやな。なんでも遠い地方の祭りがあるとか聞いたで」

海岸沿いの公園には、ニンゲンが列を成して並んでいる。凄い数だ。

まったく、こんな狭い所にいっぱい集まって、息苦しくないのかな。少なくとも僕らの世界なら、縄張り争いが起こってもおかしくない。


その公園から少し離れた所に、小さな砂浜があった。ニンゲンの姿は無いし、ここなら思いっきり特訓できそうだ。


――――――――――――――――――――

※ スピ兄の雑学講座

【意図的に残された緑の道】
 “ビオトープ”と言って、開発によって生物の活動エリアが分断されないように、草木で自然のあるエリアを繋いだものを指すんだ。
 動物のみならず、小鳥や蝶々なんかも、これで生息エリアを行き来してるんだぜ。
 ▼ 127 ジュマル@ガブリアスナイト 14/10/25 14:44:34 ID:AaQrwq7s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スピ兄のコーナーできてるww
 ▼ 128 ークライ@ひかりのこな 14/10/25 14:57:25 ID:IYfQCnh. NGネーム登録 NGID登録 報告
バクフーン好きの俺歓喜の展開
 ▼ 129 イドリップ 14/10/25 15:03:18 ID:zr69htDo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ほなブー太郎。まずはちょいと海に入ってみぃ」

 ブースター 「あ、はい!」

まだまだ暖かい日が続いているから、海に入るのはそれほど苦じゃない。

海に入るのなんて何年ぶりだろう。お父さんとお母さんがまだ生きてた頃は……よく海に遊びに来たっけな……。



 ブースター 「あれ……」

そんなことを考えながら、僕は波打ち際に足を入れた。

……けど、その途端、何というか、うまく言い表せない、何とも言えない嫌な感じが、僕の体を走った。

まるで静電気に触れたような……銀紙を噛んだ時のような……何とも嫌な違和感だ。

 バクフーン 「どや?」

 ブースター 「バク兄……凄い嫌な感じ。出ても良いですか?」

 バクフーン 「おぅ、ええで」

砂浜に戻ると、あの違和感は消えた。なんだろう……海が何か別の物質のように思える。

 バクフーン 「それが炎タイプや」

 ブースター 「……え?」
 ▼ 130 イドリップ 14/10/25 15:41:40 ID:zr69htDo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「当たり前やけど、炎タイプは水に弱い……たとえ攻撃じゃのーても、体が拒否反応示すっちゅーことや」

 ブースター 「そんな……」

炎タイプって……そんなに水に弱いんだ。これじゃあ海遊びも、川遊びも、もう出来ない……。

 バクフーン 「それが炎タイプの宿命やな。ほな。次は心理テストや」

 ブースター 「心理テスト?」

バクフーンは僕の前に、木の実を5個置いた。クラボ、カゴ、モモン、チーゴ、ナナシ。

 バクフーン 「こん中で、ブー太郎の好きなのと、嫌いなのを取ってみ」

 バクフーン 「はい。えっと……」

昨日食べたパイルは美味しかったけど、酸っぱさの中にある辛みに惹かれたようなものだし……やっぱり辛いのが好きだな。嫌いな味は……渋みはやっぱり食べたくない。

僕は、好きな木の実に“クラボ”を、嫌いな木の実に“カゴ”を選んだ。
 ▼ 131 ェイミ@あいいろのたま 14/10/25 15:45:57 ID:IchWrHZo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私怨
 ▼ 132 グマラシ@ヘルガナイト 14/10/25 15:49:59 ID:IchWrHZo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カゴの実って渋いんか…
 ▼ 133 イドリップ 14/10/25 15:51:44 ID:zr69htDo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ほうほう……っちゅーことは、ブー太郎は割と“いじっぱり”な性格やろ?」

 ブースター 「えっ?」

いじっぱり……。

確かに、リングマたちにバカにされて、勝てない、逃げられないって分かっていても、ついつい口で反撃してしまう。これは……“いじっぱり”だな。“ゆうかん”とは言い難いし。

 ブースター 「その通りだよバク兄。なんで分かったんですか?」

 バクフーン 「言ったやろ? 心理テストや。……ま、統計に基づくんやけどな」

 ブースター 「統計……?」

のほほんとしてそうなバク兄の口から統計なんて言葉が出てきたことが、正直意外だった。

 バクフーン 「ポケモンはな、みぃんな性格があるんや。で、その性格によって、好みの味が変わってくるっちゅーことや」

 ブースター 「ふ〜ん……」

 バクフーン 「でな、その性格ごとに、得意不得意がおおよそ分類できるんや。攻撃が強い〜とか、素早さが得意〜とかな」

 ブースター 「そんなこと知らなかったなぁ」
 ▼ 134 クラビス@ひかりのいし 14/10/25 15:57:56 ID:Lkj/qhPM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いじっぱブースターか
実用的やな
 ▼ 135 イドリップ 14/10/25 16:00:01 ID:tbG3F9Ws [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「得意不得意の能力によって、体が欲する味覚が変わってくるぅ言われてんや。その味のものが、脳や体に良い刺激を与えてるっちゅー見解もあるんやで」

 ブースター 「なるほど……。それで、僕の性格だと、何が優れてるんですか?」

 バクフーン 「“いじっぱり”な性格……辛い物が好き……ずばり、“攻撃”や」

 ブースター 「そっか。やっぱり小さい頃から言われてきた通りだ」

 バクフーン 「けど、嫌いな味があるっちゅーことは、当然、その味を欲する能力が悲惨っちゅーことや」

 ブースター 「悲惨!? ですか……。じゃあ僕のダメな能力は……」

 バクフーン 「……“特攻”や」

 ブースター 「えっ……」
 ▼ 136 ガドダイトス 14/10/25 16:14:06 ID:zti/ME86 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 137 ビヨン@ボーマンダナイト 14/10/25 16:14:43 ID:.Zq2uxJY NGネーム登録 NGID登録 報告
ブースターはとくこう捨てても捨てなくてもいいイメージ
 ▼ 138 ガドダイトス 14/10/25 16:16:03 ID:zti/ME86 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
特攻ならいいじゃん
 ▼ 139 イドリップ 14/10/25 16:16:57 ID:tbG3F9Ws [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ワイはブー太郎を鍛えるように頼まれたさかい、バッシリ言うたるで。正直、炎タイプで、特にブー太郎みたいに足が動かん奴で特攻ダメっちゅーのは、正直アカン」

 ブースター 「えぇっ……!?」

 バクフーン 「足が動かんでも相手に発射できるワザ……“かえんほうしゃ”“ふんえん”“オーバーヒート”……もろもろ全部威力が期待できないっちゅーことや」

 ブースター 「そんなぁ……」

 バクフーン 「一般的なブースターが使いこなそう言うワザは、“ほのおのキバ”“フレアドライブ”。……けどブー太郎は足がダメさかい、“フレアドライブ”は厳しい。分かっとるか?」

 ブースター 「はい。これまでも、極力動かないワザでバトルしてきたから……。じゃあ、僕にできるのは“ほのおのキバ”しか無いってこと……ですか?」

 バクフーン 「そうなるわな。けど、それを鍛えれば良いんや! ブー太郎が出来る、最大限の努力を“ほのおのキバ”に注ぐんや! 誰にも負けへん“ほのおのキバ”を使いこなせれば、きっと力になるで!」

そうだ。絶望してる場合じゃない。僕がブースターとして生きていく道が“ほのおのキバ”にかかっているのなら、それを極める他は無い。

威力が弱くても“かえんほうしゃ”で良いなんて考えるのは逃げだ。

攻撃が優れてるんなら、それを伸ばしてこそ、僕の本当の姿じゃないか。

せっかく相性の良い“フレアドライブ”を使えないのは正直悲しいけど、僕は生きるために、“ほのおのキバ”をマスターするんだ!
 ▼ 140 ガドダイトス 14/10/25 16:17:40 ID:zti/ME86 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
頭の良いブースターなら解るはずブスーターは特攻あんま必要性ないって
 ▼ 141 ガドダイトス 14/10/25 16:29:54 ID:zti/ME86 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
足動かないこと忘れてた
 ▼ 142 イドリップ 14/10/25 16:40:39 ID:tbG3F9Ws [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ほなええか? ブー太郎、“かみつく”は覚えとるな?」

 ブースター 「はい。“かみつく”は、敵が僕に近付いて来れば出せるワザだから……」

 バクフーン 「なら話は早い。ブー太郎の体内には、炎を作る器官がある……そしてそれを使えば1700度の炎を出せるようになるんや」

 ブースター 「そうか……昨日僕が出したのは蒸気だったけど……炎でも1700度は変わらないんだ!」

 バクフーン 「そや。でな、“かみつく”タイミングで炎を作り出して、それを牙にまとわせる……理屈は簡単なこっちゃ」

 ブースター 「なるほど……」

 バクフーン 「ただし。作り出す炎の量は調節せなあかん。作り過ぎたら炎のエネルギーが貯まり過ぎて、自分にも衝撃が来てまうんや」

 ブースター 「……エネルギー超過ってことかぁ」

 バクフーン 「そや。けどな、“ほのおのキバ”を使いこなせるっちゅーことは、自分の炎をコントロール出来るっちゅーことに繋がるんや。一石二鳥やで!」

 ブースター 「そっか……。はい! 頑張ります!」

 バクフーン 「ええでブー太郎。ほな、あの岩に向かって特訓や!」

 ブースター 「はい! やるぞぉぉぉ!」
 ▼ 143 クタス@するどいツメ 14/10/25 16:43:53 ID:AZt7eirQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これは面白いwww
期待&支援

とりあえずブースターのステータスとか見てきたがこのブースターは何レベルの想定だ?
17レベ以上20レベ未満でOK?
 ▼ 144 ガドダイトス 14/10/25 16:55:27 ID:zti/ME86 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
神ss
 ▼ 145 トカゲ@おおきなしんじゅ 14/10/25 16:56:42 ID:toJLOmEU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
技構成が気になるの俺だけかな
 ▼ 146 ャオニクス@ドリームボール 14/10/25 17:32:21 ID:.zJIYEk. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
システムを上手く取り入れてるな、支援
 ▼ 147 イドリップ 14/10/25 17:35:34 ID:IW6Pui0w [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>> ALL
 ご支援コメントありがとうございます!

>>143
 レベルの概念は考えていません。アニメのように、“努力すればワザを習得できる!”みたいなノリで進めています。

>>145
 現在判明している時点で、「すなかけ」「かみつく」ですが、残りは今後の展開で明らかにします。
 ▼ 148 イドリップ 14/10/25 17:45:59 ID:IW6Pui0w [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あれから何時間経っただろうか。お日様はだんだん西に傾いて、少しずつオレンジ色に染まっていく。

この海岸には、相変わらずニンゲンは立ち寄らない。近くには、キャモメやクラブが数匹いる程度だ。


 ブースター 「“ほのおのキバ”!」

僕は体内で作り出した炎に神経を集中させて、自分の牙にそれをまとわせる。そのまま岩に噛みつけば、脆い岩は黒い焦げ跡を付けて崩れ落ちた。

 バクフーン 「ええでブー太郎。完璧や!」

 ブースター 「はいっ!」

 バクフーン 「ブー太郎は呑み込みがええのか、天性の知恵なのか知らんが、ワイから見ても完璧な“ほのおのキバ”や。正直、ここまで早ぉ完成させるとは、思ってへんかったで」

 ブースター 「ふふっ……そんなぁ!」

僕は嬉しかった。自分のワザでここまで褒められたのは、久しぶりだったから。それに、ブースターとして生きる、最低限の術を見に付けられた訳だから。

けど……。
 ▼ 149 イドリップ 14/10/25 18:14:31 ID:wJyF33xU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「……なんや浮かない顔して?」

 ブースター 「あっ……」

バク兄は、僕の一瞬の表情の曇りを見落とさなかった。

 バクフーン 「……“フレアドライブ”、使いたかったんか?」

 ブースター 「……はい。正直、“フレアドライブ”は使ってみたかった……です」

お見通しなんだな、バク兄。

右足が動かない僕に、相手に突っ込んでいく“フレアドライブ”を使いこなすことなんて出来ない。

けど、ブースターとして生きていくんなら、“フレアドライブ”みたいなカッコいいワザを、……使ってみたかった。

 バクフーン 「……同情するわ。同じ炎ポケモンとして、最強ワザを使えないっつーのは、居たたまれんもんやなぁ」

 ブースター 「でもっ……バク兄に教わった“ほのおのキバ”で、僕はこれからも生きていきます! “フレアドライブ”は出来ないけど……それは……受け入れなきゃいけない、僕の運命なのかなって……」

 バクフーン 「……気休め程度かも分からんが、やってみっか? “フレアドライブ”?」

 ブースター 「えっ!?」
 ▼ 150 ルホッグ@サーナイトナイト 14/10/25 18:15:24 ID:BUNKrXjQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 151 イドリップ 14/10/25 18:41:07 ID:wJyF33xU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「出来るんですか“フレアドライブ”!?」

 バクフーン 「気休めや。“フレアドライブ”の構えやけど、自分から攻撃するもんでない……それでもええなら、教えたるで」

構えは“フレアドライブ”だけど……自分からの攻撃じゃない……?

いったいどう言うことなんだろう。……けど、それが“フレアドライブ”であるのなら、習得するに越したことは無い!

 ブースター 「はい! それでも良いから……良いですから! 教えてくださいっ!」

 バクフーン 「よっしゃ。……ほな見とれ。これが“フレアドライブ”や!」

そう言うと、バク兄は走り出した。走り出してすぐ、炎が体を包み込んでいく……赤々と燃え上がる弾丸のような勢いで、バク兄は大きな岩の塊を、轟音を立てて粉砕した。

 ブースター 「凄ぃ……!」

岩の破片がパラパラと降り注ぐなか、バク兄は得意そうな顔をして戻って来た。

 バクフーン 「どや?」

 ブースター 「すっごいカッコ良かったです! それに、あんな……2メートルくらいあった岩を木端微塵に出来るなんて……凄いです! 凄すぎますよ!」

僕は興奮して言った。あぁ、あんなカッコいいワザを、僕も使ってみたい!
 ▼ 152 イドリップ 14/10/25 19:20:46 ID:lCCG/MIQ [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ただな、“フレアドライブ”には反動がある……。使いどころを選ぶワザなんや、“フレアドライブ”は」

 ブースター 「そうなんですか。……それで、僕がどうやって“フレアドライブ”を!?」

 バクフーン 「まぁ焦るな。……いまワイの“フレアドライブ”を見て分かったと思うが、要は、“炎を纏う”+“とっしん”や。反動が出る所以はそれや」

 ブースター 「はいっ」

 バクフーン 「でな、ブー太郎は走れないさかい、“とっしん”が出来へん……。なら、“炎を纏う”部分だけで、何とかしてしまおうっちゅーことや」

 ブースター 「はいっ……ん?」

 バクフーン 「まぁ分かりにくいやろうが……要するに、“とっしん”は、自分が相手にぶつかる勢いがダメージになる。運動エネルギーや」

 ブースター 「………?」

 バクフーン 「そこで、逆の場合を考える。もし相手から“とっしん”を受けたんなら、同じように運動エネルギーが発生する」

 ブースター 「……?」

 バクフーン 「そのエネルギーを逆手にとって、本来なら自分からぶつかって得る威力を、相手に出して貰うっちゅーことや」

 ブースター 「…?」

 バクフーン 「そんでブー太郎は“炎を纏う”ことに専念すれば、威力どうこうは別として、形だけ“フレアドライブ”になるっちゅーことや」

 ブースター 「?」

 バクフーン 「……難しかったか?」

 ブースター 「………」コクコク
 ▼ 153 イドリップ 14/10/25 19:21:44 ID:lCCG/MIQ [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バク兄が言ったことを簡単にまとめると……。

僕が炎を纏って“フレアドライブ”の構えを作り、バトル相手が僕に突っ込めば、威力は別として、“フレアドライブ”と同じようなことが出来るっていう考えだ。

 ブースター 「凄い解釈ですね」

 バクフーン 「成功するかっちゅーか……実用性があるかも分からんが、やるだけならオモロイやろ?」

……うん。

難しい話をされたと思ったら、実は他人の出方次第のワザってことか。これ実用性あるのかなぁ……。

 ブースター 「……はい。確かに“フレアドライブ”を使った気分にはなれますね!」

 バクフーン 「そう言うこっちゃ。ブー太郎には期待させて悪かったが、気分を味わえるっちゅーことや、“フレアドライブ”の。それに、炎を纏えば防御にも使える……やって損は無いと思うで」

 ブースター 「そっか……確かに炎を纏えば、直接攻撃は受けにくい……身を守るのに最適ですね!」

 バクフーン 「あぁ。ほな決まりや。“フレアドライブ”の構えの特訓、始めるで!」

 ブースター 「はいっ!」
 ▼ 154 イドリップ 14/10/25 19:38:24 ID:lCCG/MIQ [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【僕の持つ力】


実際、“フレアドライブ”の構えを作ることは簡単だった。

僕の体内で生成した炎を最大限活用して、自分の身を包み込む。

周りに飛び火しないように、僕の周囲にだけ炎が纏わるようにコントロールすれば、それで完成だった。

 バクフーン 「やっぱブー太郎は物覚えが良いっちゅーことやな」

 ブースター 「いやぁ……ありがとうございます!」

 バクフーン 「これは実際、ブー太郎の防御壁として使うんや。相手から見れば、足の悪いブー太郎が“フレアドライブ”使おうなんて思わへん。切り札っちゅーことや。大事に使うんやで!」

 バクフーン 「はいっ!」


お日様は完全にオレンジ色に染まって、地面には長い影が落ちる。夕暮れの時間だ。

 バクフーン 「ほな、教えることは教えた。ブー太郎は呑み込みがええ。ワイにできることは、これで全部や」

 ブースター 「バク兄、本当にありがとうございました! 僕、これからも自分で勉強して、もっともっと、炎をうまくコントロールできるように頑張るよ!」

 バクフーン 「そや。向上心を持つことは良い事やで。……さて、小腹も空いたし、飯でも食って帰ろうがな」

 ブースター 「え? こんなニンゲンの街で、僕らが食べれる場所なんて……」

 バクフーン 「あるんやで。……ほんなら、ワイからもう一つ、ブー太郎に良いこと教えたるわ! ついて来ぃな」

そう言うと、バク兄は歩き出した。森に行けば木の実やキノコを採れるけど……こんな場所で、何を食べるって言うんだろう……。
 ▼ 155 イドリップ 14/10/25 19:50:05 ID:lCCG/MIQ [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「着いたで」

 ブースター 「ここって……さっきの公園ですよね?」

そう、特訓前に見た、ニンゲンがたくさん集まっていた公園だった。何かのお祭りだってバク兄は言ってたけど……。

 バクフーン 「見てみぃ」

バク兄が指す方向には……確かに食べ物があった。けどそれは……

 ブースター 「あれって、ニンゲンが買い物する奴ですよね?」

 バクフーン 「そや。屋台っちゅーて、祭りがあると、ああやって食べ物を作ってるんや」

屋台って言うのか……。小さい小屋のような場所にニンゲンが入って、中で食べ物を作っている。美味しそうな匂いが、離れていても漂ってくる。

 ブースター 「けど……僕ら野生のポケモンは関係ないんじゃ……。まさか、屋台を襲撃して食べ物を奪うとか!?」

 バクフーン 「そない物騒なこと考えんなや! ……ええか、これは、ブー太郎だから出来るワザなんや」

 ブースター 「僕だから……?」

 バクフーン 「まぁ、実戦あるのみや。……あそこ、屋台の傍にニンゲンの子供が5人おるやろ?」

そこには、オスのニンゲンが2人、メスのニンゲンが3人いた。

 ブースター 「はい……」

 バクフーン 「そいつらの前行って、おもいっきし愛想振り撒くんや!」
 ▼ 156 イドリップ 14/10/25 20:07:44 ID:0Z4D4KKw [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「……はい!?」

 バクフーン 「ええか。ニンゲンはな、敵意のないポケモンいは弱い……メスや子供は特にや。せやから、あのメスの傍へ行って、アピールするんや。笑うだけでえぇ。悪いようにはならへんで」

そう言うものなのかなぁ……。でも、バク兄が言うってことは、間違い無いだろうな。

 ブースター 「じゃあ……あの緑の服着たメスにアピールしてみます」

 バクフーン 「……いや、ここはその隣のちっこい金髪にせぃ。小さい子供ほど、ワイらにとって有利やで」



バク兄のことを疑ってる訳じゃないけど、僕は恐る恐る、そのニンゲンの集団に近付いて……一番小さい子供の足に、擦り寄ってみた。
 ▼ 157 サキント@ダイゴへのてがみ 14/10/25 20:47:14 ID:mxca1Tfs [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メガ支援
 ▼ 158 ガハッサム@ダークストーン 14/10/25 20:49:37 ID:tkwj2CFA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんかワロタ
 ▼ 159 イドリップ 14/10/25 21:05:27 ID:.KtgE3nE [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 小さい♀ 「わっ! なにこの子!? 可愛いぃぃぃ!」

 ♂子供1 「おっ、ブースターだ!」

 ♂子供2 「野生のようですね。人間慣れしてるのでしょうか?」

 ♀子供3 「へぇ〜この子がブースターって言うんだ〜。私はじめて見た!」

 ♀子供4 「可愛いわね。お祭りにつられて森から下りて来たのかしら」

 ♂子供2 「かもしれませんね。屋台もたくさん出ていますし」

 小さい♀ 「わはっ! もふもふ! すっごいもふもふしてる〜! 可愛い〜!」

小さい子供は、夢中になって僕の首回りに触れ、尻尾に顔を埋め、はしゃいでいる。

 小さい♀ 「ねっ! ねっ! お兄ちゃん、何か食べるものあげてもいぃ?」

 ♂子供2 「そうですね。せっかく懐いてくれているようですし……そこのフランクフルトでも買ってあげましょう」

 小さい♀ 「やった〜!」

まさかの食べ物ゲット!? バク兄……まさかこれを狙って……!?

バク兄の方を振り向くと、いつのまにか、バク兄もこちらに近付いてきていた。
 ▼ 160 ンノーン@ドリームボール 14/10/25 21:12:08 ID:t9jQyCnQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>157
新しいな
 ▼ 161 イドリップ 14/10/25 21:17:46 ID:.KtgE3nE [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ♂子供1 「おっ! バクフーンもいるぞ!」

 ♀子供4 「本当だ。お友達なのかな?」

 ♂子供2 「それでは……すみません。フランクフルトを2本下さい」

 小さい♀ 「うわ〜バクフーンも可愛い〜! おっきぃ〜!」

その小さい子供は、バク兄のお腹にボフッ! と抱き付いた。


 バクフーン 「どやブー太郎、相手を選んで愛嬌振り撒けば、ニンゲンから食べ物をゲットできるんやで」

なるほど……。こんなこと出来るなんて、正直僕は困惑している……。


 ♂人間2 「はい、どうぞ食べて下さい。炎タイプ向けに、辛子を多めにトッピングしました」

 ♀人間3 「そうだ! 良かったらこれも食べて。炎タイプ向けのポフレよ」

ニンゲン2人に差し出された、フランクフルトと呼ばれる食べ物と、ポフレと呼ばれる食べ物……。どちらも初めて見る。

けど、このニンゲン達に敵意は無さそうだし、バク兄は遠慮無く食べははじめている。じゃあ僕も……。
 ▼ 162 ッポ@エルレイドナイト 14/10/25 21:32:29 ID:e166TdgQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
子供2♂の、喋り方が『青鬼』の、ひろしの喋り方に似ててワロス
 ▼ 163 イドリップ 14/10/25 21:42:30 ID:.KtgE3nE [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「おいしい!」

始めて食べたこれは、物凄く美味しかった。思わず顔を上げて、ニンゲンの方を見回す。

 小さい♀ 「わぁ食べた食べた! かっわいぃぃぃ!」

 ♀子供4 「ふふっ。初めて食べた、って顔してるわね」

僕は夢中で、そのフランクフルトとやらを平らげた。そしてもう一つ、ポフレとやらを、かじってみる。

 ブースター 「わっ! なにこれ!? 甘みの中にほとばしる辛さ……凄いおいしい!」

あまりの美味しさに、僕は口元が緩んでしまった。この味わい……多分、木の実を使った食べ物だと思う。

 ♀子供3 「ふふっ。気に入って貰えたかしら? マトマの実をトッピングしたのよ」

なるほど。マトマの辛みが出てたのか。道理で美味しい訳だ!

 ♂子供1 「喜んでるみたいだな、ブースターとバクフーン」

 ♀子供3 「うん!」
 ▼ 164 プリン@ユキノオナイト 14/10/25 21:44:31 ID:i.E0x3TA NGネーム登録 NGID登録 報告
>>162
ワロタ
 ▼ 165 イドリップ 14/10/25 22:10:08 ID:Ijb8YYrQ [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ピカチュウ 「こんにちは。君たち、野生なの?」

オスのニンゲンが連れていたピカチュウが、僕らに話しかけてきた。

 ブースター 「うん。そこの森に住んでるんだ」

 バクフーン 「ワイはちょこっと遠くにな」

 ピカチュウ 「ごめんね、僕の仲間が触りまくっちゃって……。あの子、ポケモンが大好きだから……」

 ブースター 「ううん、こんな美味しいもの食べさせてもらって、こっちの方が申し訳ないよ」

 ピカチュウ 「そっか。良かったぁ!」

 ブースター 「君は……そのニンゲンに飼われてるの?」

 ピカチュウ 「うん。ずっと一緒に旅してるんだ!」

 ブースター 「……辛くないの? 野生で自由に過ごせなくて」

 ピカチュウ 「全然。辛いなんて思ったこと無いよ! 僕のご主人は凄い良い人だし、ポケモンのことを第一に考えて行動する人だし……。今の生活で、僕は幸せさ!」

 ブースター 「ふーん。ニンゲンも、それぞれなんだなぁ……」

 ピカチュウ 「確かに、悪いニンゲンだっているさ。でも、全部がそうじゃない。良いニンゲンだって、いっぱいいるんだよ!」
 ▼ 166 イドリップ 14/10/25 22:19:59 ID:Ijb8YYrQ [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ♂人間2 「さて、バスの時間もありますし、そろそろ行きましょう」

 ♂人間1 「そうだな。行くぞピカチュウ!」

 ピカチュウ 「行かないと。それじゃあねブースター、バクフーン」

 ブースター 「うん。じゃあね!」

 バクフーン 「ごっそうさんな!」

 小さい♀ 「最後に……もふっ!」

小さい子は、別れ際に思いっきり僕の首に抱き付いた。

 小さい♀ 「ばいばーい!」

そしてニンゲンたちは、雑踏の中に消えて行った。



 バクフーン 「……どや? 上手く行ったやろ?」

 ブースター 「はい。美味しかったなぁ……あのフランクフルト……」

 バクフーン 「えぇかブー太郎。これがお前の“ワザ”や!」

 ブースター 「え?」
 ▼ 167 ティアス こころのしずく 14/10/25 22:34:01 ID:EjVvHDZo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>165
このピカチュウのトレーナーが
サトシに思えて仕方がない
 ▼ 168 レブー@もりのヨウカン 14/10/25 22:37:51 ID:EjVvHDZo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>162
シトロンかと思ったんだけどな
 ▼ 169 ザンドラ持ち物 ヘルガナイト 14/10/25 22:39:09 ID:7Fln85U6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まさかのピカチュウきてたわ
 ▼ 170 ガルカリオ@ともだちてちょう 14/10/25 22:39:56 ID:EjVvHDZo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
子供1 サトシ
子供2 シトロン
子供3 セレナ
子供4 ?
小さい ユリーカかな?
 ▼ 171 イドリップ 14/10/25 23:35:16 ID:9yeO4Bak [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>167 >>168 >>170
皆さん勘が鋭いようで。ご想像にお任せします(笑)
 ▼ 172 イドリップ 14/10/25 23:36:15 ID:9yeO4Bak [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「ブー太郎は、カッコええポケモンに進化したかったんやろうが、ブースターにしか出来ないこともあるんやで」

 ブースター 「僕にしか出来ないこと……?」

 バクフーン 「そのモフモフした首と尻尾……、暖色系……、暖かい体……。要するに、“可愛さ”や」

 ブースター 「可愛さ……」

 バクフーン 「カッコ良さにも勝る、可愛さや。ニンゲンはな、可愛いポケモンに対しては、悪いようにはせぇへんのや。現に今やって、愛嬌で飯にありつけた……ブー太郎の可愛さは、世渡りするのにドエライ武器なんやで!」

そっか……。

僕は将来進化するんなら、カッコいいポケモンになりたがっていた。……けど、足が動かないって言うハンデを考えると、カッコ良さなんて、見た目以外にメリットは無い。

むしろ、可愛さがあれば、今みたいに、ニンゲンと共生することもできる……。

ブースターになったことで、将来の選択肢が、広がったことになるんだ……。

 バクフーン 「思うことはあるやろうけど、それはゆっくり考えればえぇ。ブー太郎はまだ若いんや」

 ブースター 「……はい。バク兄、今日は本当にありがとう! 僕、改めて考えたくなったよ。これからのこととか、色んなことを!」

 バクフーン 「そりゃ良かったわ。……ほな、帰るで。蜂の助にも報告せんとな!」


お日様は水平線の向こうに沈みかけ、辺りは暗がりが多くなってきた。

僕はバク兄と一緒に、ゆっくりと、森への道を進んで行った。
 ▼ 173 ニューラ@ツメのカセキ 14/10/25 23:50:58 ID:Q9.4rKLo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こーゆーの見るとポケモンの救助隊思い出す
 ▼ 174 イドリップ 14/10/25 23:56:53 ID:9yeO4Bak [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すっかり辺りは暗くなったけど、スピ兄は笑顔で出迎えてくれた。

 スピアー 「お帰りブースター。その表情だと……炎を自分の物にできたようだな」

 ブースター 「うん!」

 スピアー 「そうか……。バクさん、ありがとな」

 バクフーン 「ええんやで蜂の助。炎タイプで困っとるっつったら、ワイの出番さかい。それよかブー太郎、蜂の助に感謝するんやで。昨日の夜、わざわざ山越えてワイを呼び出したんやからな」

 ブースター 「え?」

……そっか。

スピ兄はウソの噂を流しただけじゃなくて、僕が炎をコントロールできるようになるために、わざわざバク兄を呼んできてくれたんだ……。

夜も遅くに、山を越えてまで……。

 ブースター 「スピ兄……もう……お礼言うだけじゃすまないよ……本当にありがとう! こんなに僕のために一生懸命なのに、僕はスピ兄に何もできやしない……」

 スピアー 「なに固いこと言ってんだブースター。お前の成長を見れることが、オレにとっての楽しみさ」

 ブースター 「スピ兄っ……!」
 ▼ 175 イドリップ 14/10/26 00:21:15 ID:0Z4D4KKw [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 バクフーン 「はっはっはっ。ええコンビやなお前ら。ほな、ワイは帰るで」

 ブースター 「えっ……もう帰っちゃうんですか!?」

 バクフーン 「当たり前や。ブー太郎が炎を使いこなせるようになったんやから、ここに残る理由なんてあらへんからな」

 ブースター 「そっか……。バク兄、本当に、ありがとうございました! 僕、これからも頑張って、努力して、炎をもっと上手く扱えるようになります!」

 バクフーン 「良い意気込みやな。気が向いたら遊びに行くさかい、それまで元気に過ごすんやで」

 ブースター 「はい!」

 スピアー 「じゃあバクさん、体に気を付けてな」

 バクフーン 「蜂の助も、あんまり他のポケモンの恨みを買うようなことせんときぃや」

 スピアー 「オレがいつ恨みを買うようなことするって言うんだよ」

 バクフーン 「存在が怖がられとるやろ」

 スピアー 「……うるせぇ」

 バクフーン 「はっはっはっ。ほな、さいなら!」

 スピアー 「あぁ。またな!」

 ブースター 「ありがとうございましたー!」

バク兄は軽やかな身のこなしで、森の彼方へと姿を消して行った。
 ▼ 176 イドリップ 14/10/26 00:36:20 ID:0Z4D4KKw [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕はしばらくスピ兄と雑談して、帰路に就いた。



ブースター、か……。

僕ははじめ、ブースターへの進化は考えていなかった。可愛い系より、カッコいい系が良かったし、右足が動かないから、特殊ワザを使いこなすポケモンに進化したかったんだ。

けど、考えは変わった。

バク兄が教えてくれた性格の統計から、僕は攻撃が優れていて、反面、特殊ワザとは相性が悪い。

そして、自分ではあまり実感湧かないけど、ブースターの可愛さも、僕の持つ力なんだと知った。

僕の天性からの攻撃力と、ブースター特有の可愛さ……。

なんだ。実はブースターが、僕にとって一番都合の良い進化だったんじゃないか。

炎をコントロールできるようになった今、このまま森で暮らすことも、ニンゲンに保護されることも、選択肢としては、どちらも有り得る。

 ブースター 「結局は……僕の気持ち次第ってことかぁ……」

もう、森を燃やす可能性があるから〜とか、足が悪いから〜とかで悩む必要は無いんだ。

僕次第なんだ、本当に……。
 ▼ 177 イドリップ 14/10/26 01:08:22 ID:.KtgE3nE [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【ぶっつけ本番】


 リングマ 「探したぜ」

不意に後ろから声が投げられた。振り向かなくても分かる。あいつらだ。

 ブースター 「リングマにビーダルにコノハナ……。今日は見ないで済むと思ったのにな」

 コノハナ 「やいお前! 昨日はよくもオレっち達をコケにしてくれたな!?」

 ビーダル 「オマケに森を放火して……ま、そっちは変な噂で立ち消えになってしまいましたが、おおかたスピアーに泣きついたんでしょうね。まったく情けない……」

 リングマ 「とにかく、昨日の礼をしに来たぜ。たっぷり可愛がってやんねぇとなっ!」

 ブースター 「はぁ……」
 ▼ 178 イドリップ 14/10/26 01:27:05 ID:.KtgE3nE [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
正直、僕はうんざりした。

スピ兄とバク兄の優しさに触れて、今日1日で、ブースターとして生きる道を見つめ直したって言うのに。

 ブースター 「正直ね、僕はブースターに進化できて、良かったって思い始めてたんだ。無駄な体力は使いたくないんだ。僕が嫌いならそれでいいよ。お互い今後は無関係でいようよ。お互いその方が楽だよ」

 ビーダル 「何を言ってるんでしょうねぇ。新手の逃げですか? ブースターが嫌すぎて、頭がおかしくなりましたか?」

 コノハナ 「どーせ負け惜しみさっ! オレっちから行ってやるぜ! まだまともに炎も操れないくせに調子乗ってんじゃねーぞ!」

コノハナが駆けてくる。こうなっては、バトルは拒否できない。

 ビーダル 「生意気言うなら、また炎を出せばいい。ですが、コントロールできずにまた山火事では、今度こそウソの噂は通用しないでしょう。それでも、私たちの攻撃に太刀打ちできますかね!?」

ビーダルも続いて僕に向かってくる。2匹が相手……まだ特訓したばかりの状態で、どこまで戦えるんだろう。

僕は奴らをキッと睨みつけ、バトル体勢に入った。
 ▼ 179 マヨール@アップグレード 14/10/26 10:58:34 ID:h17W2/Ps NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 180 イドリップ 14/10/26 20:27:16 ID:0Z4D4KKw [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 コノハナ 「喰らえ“ねこだまし”!」

パンッ! と目の前で不意を突かれたかと思ったら、背中に衝撃が走る。ダメだ、“ねこだまし”はどうしても避けられない。

 ビーダル 「喰らわせてあげましょう……“アクアテール”」

そんな隙だらけの僕に、“アクアテール”が直撃した。

 ブースター 「クッ……!」

やっぱり水タイプのワザは痛い。海に入った時でさえ水に違和感を抱いたんだ。攻撃ワザの衝撃は、やっぱり相当なものだった。

 コノハナ 「オラどうした口だけか〜? “だましうち”!」

けど負けてなんていられない。こいつらに負けるようじゃ、この先この森で生きていくことは出来ないんだ!

 ブースター 「させるかっ! “ほのおのキバ”!」

コノハナが僕に攻撃を当たる、まさにその瞬間を見計らって、僕は体内で炎を作り出し、キバに神経を集中させて、思いっきり、コノハナに噛みついた。それが、“ほのおのキバ”だ!

 コノハナ 「ぐわっ……てっ……テメェ……っ」

まさか、コノハナがこの一撃で倒れるとは……。効果抜群ってのもあるけど、さんざん僕をバカにしてきたのに、いざ攻撃されたらこの有様。流石に笑ってしまう。
 ▼ 181 イドリップ 14/10/26 21:26:48 ID:.KtgE3nE [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ビーダル 「よくもコノハナを……喰らいなさい、“アクアテール”!」

ビーダルは再び“アクアテール”を放ってきた。水を纏わせた大きな尻尾を振りかざし、僕に向かってくる。

こんなの避けきれない。……けど、受け止めることなら、出来るかもしれない。

 ブースター 「“かみつく”!」

僕は振り下ろされるビーダルの尻尾に噛みついた。

 ビーダル 「なにをっ!?」

水しぶきが飛び散り、体に衝撃が走る。

ビーダルの尻尾を止めることが出来た。僕自身が弾き飛ばされること無く。

……けど、やっぱり水のダメージは受けてしまう。現に、このままの体勢は かなりキツイ。

 ビーダル 「クッ!」

ビーダルは尻尾を僕から振りほどき、距離を取る。

 ビーダル 「なら勢いで負かして差し上げましょう。“とっしん”!」

今度は“とっしん”で突っ込んでくるビーダル。確かに、その勢いを、“かみつく”あるいは“ほのおのキバ”で止めることは出来ないだろうな。

けど……。
 ▼ 182 イドリップ 14/10/26 21:47:50 ID:.KtgE3nE [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕はタイミングを待つ。

ビーダルが接近して、接近して、もう僕に衝突する瞬間が勝負だ。


……バク兄が教えてくれた。

体に炎を纏って、相手が突っ込んでくる運動エネルギーを、自分の物にするんだ、って。

そしてそれは、“フレアドライブ”のような効果を得られるかもしれない、って。

問題はそのタイミング。

ぶつかっただけでは、単なる炎の防御に過ぎない。相手がぶつかる正にその瞬間、体を反らして、勢い余って空振りした相手を、押し倒す。

そう、相手の力を利用したワザ……、それが僕に出来る“フレアドライブ”。

言うなれば、“フレアドライブ流し”。


 ビーダル 「喰らいなさいっ!」

今だ!

 ブースター 「“フレアドライブ”!」
 ▼ 183 イドリップ 14/10/26 22:17:37 ID:Ijb8YYrQ [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕は体内に貯めていた炎エネルギーを一気に解放して、自分のまわりに纏わせる。火の玉になるんだ。

 ビーダル 「なっ!?」

そして、最小限の動きで“とっしん”を回避する。

伏せるようなイメージでビーダルの下を取り、そのままビーダルの下半身……進行方向の後方に直撃するように、“フレアドライブ流し”を、頭突きのごとく決めた。

“とっしん”で突っ込む方向に、ビーダルを受け流す。炎の衝撃のオマケ付きでだ。

ビーダルは顔面から木に衝突し、動かなくなった。

 ビーダル 「クッ……有り得ませんっ……このわたくしがっ……こんなザコにっ!?」

 ブースター 「僕は……僕はザコなんかじゃない! 見つけたんだ! ブースターとして生きる道を! ブースターとして戦う方法を!」

僕は怒鳴ってやった。さんざんバカにしてきたくせに、簡単にダウンだ。それで僕がザコなんて、聞き捨てならない!
 ▼ 184 イドリップ 14/10/26 22:51:47 ID:Ijb8YYrQ [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「ザコ共が……。ブースター! オレが相手だ」

 ブースター 「望むところだ」

最後に残ったのは、2匹のボス、リングマだ。

これまで僕に嫌がらせをしてきた代表格。どうせ炎の石を投げつけたのも、こいつのアイデアだろう。


僕は神経を集中させる。


こっちを睨みつけるリングマ。僕も堂々と睨み返す。戦いは、もう始まっているんだ。


こいつを黙らせない限り、僕はこの森で安心して暮らすことはできない……。

僕は炎を作り出し、自分の体に纏わせた。僕は火の玉になる。


 リングマ 「……少しはやるようだな」

 ブースター 「お前に言われたって嬉しくない」

僕の炎で暗い森の仲が照らされ、リングマの表情がはっきりと浮かび上がった。

……笑ってやがる。余裕の笑みってことか。
 ▼ 185 イドリップ 14/10/26 23:36:37 ID:9yeO4Bak [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リングマ 「覚悟しな!」

 ブースター 「こっちのセリフだ!」

リングマが動いた。大きく腕を振りながら、僕に向かって駆け寄ってくる。……パンチの構えだ。

 ブースター 「ここは防御だ。殴れるもんなら殴ってみろ!」

僕は炎を最大限に作り出し、自分の身を包み込む。1700度の炎が、周囲に熱気を発生させた。

 リングマ 「クッ……猪口才なっ! “アームハンマー”!」

熱気に一瞬腰を引いたリングマだけど、気合が勝ったのか、僕に“アームハンマー”を当てて来た。

 ブースター 「うぐっ……!」

 リングマ 「クッ! 熱ぃじゃねーか!」

僕もダメージを受けたけど、炎の鎧を素手で殴って無事な訳がない。リングマもそれなりのダメージを受けたようだ。

 リングマ 「オラ! 連続“アームハンマー”耐えてみやがれっ!」

間合いを取ったと思ったら、リングマはすぐさま攻撃にの体勢に戻った。炎のダメージを恐れずに突っ込むって言うのか……!

 ブースター 「なら“すなかけ”だ!」

 リングマ 「だっ……クソッ!」

僕はリングマの顔目がけて“すなかけ”を放った。初歩的なワザだけど、相手の攻撃を止めるのにこれほど使い勝手の良い手はない。
 ▼ 186 ンナ@がんせきおこう 14/10/26 23:43:22 ID:rRXcXHko NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
炎版のイカサマという感じだな
 ▼ 187 イドリップ 14/10/27 00:26:41 ID:0Z4D4KKw [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「喰らえっ! “ほのおのキバ”!」

間髪入れず、僕はキバに炎を集中させて、リングマに力一杯噛みついた。

“すなかけ”で一時的にだけど目を潰したことに加えて、リングマは“アームハンマー”で素早さが落ちている。いくら足が悪い僕でも、攻撃を当てるのに苦労はしなかった。

 リングマ 「ぐわっ……テメェなめんな! “きりさく”!」

噛みついた僕の体を、リングマの鋭い爪が襲った。

 ブースター 「痛っ……こいつ……炎を纏ってるのに!」

僕の体は、まだ炎に包まれている。にも関わらず、リングマは怯むことなく直接攻撃を仕掛けてくる。

これは思ったより厳しいバトルになりそうだ。

炎の鎧があるおかげで、直接攻撃をすれば、当然リングマはダメージを受ける。だから僕は、ある程度、リングマの攻撃を抑制出来るんじゃないかと踏んでいた。

けど、リングマは一切引こうとしない。奴のプライドなのか単なるゴリ押しなのかは分からないけど、とにかく、一切気を緩めないバトルなんだ、これは。

 ブースター 「負けるか! “ほのおのキバ”もう1発!」

 リングマ 「させねぇ! “アームハンマー”喰らいなっ!」
 ▼ 188 チュール@あやしいおこう 14/10/27 00:36:44 ID:ekcVdrXQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 189 イドリップ 14/10/27 00:37:36 ID:0Z4D4KKw [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 *** 「ストップ! やめて下さいっ!」

突然、横からの声で僕たちのバトルは中断させられた。

声の主は、この森に住んでいるバタフリーだった。

 リングマ 「なんだテメェ! 邪魔すんな!」

 ブースター 「危ないから近づかないで! これは真剣なバトルなんだ!」

 バタフリー 「そんなこと言ってる場合じゃないんです! いま北側の自然公園エリアで、ニンゲン同士がバトルしてるんです!」

 ブースター 「ニンゲン同士が?」

 バタフリー 「はい! それで、その片方のニンゲンが、ボーマンダのようなポケモンを使っていて……とにかく危険なんです!」

バタフリーのその言い回しに、僕は違和感を覚えた。

 リングマ 「んなのほっとけ! ニンゲンなんてそんなもんだろ!」

 ブースター 「……待って。ボーマンダの“ような”ってどういうこと?」

そう、ボーマンダでは無い。ボーマンダの“ような”ポケモンと、バタフリーは言ったんだ。

 バタフリー 「その……色とか雰囲気はボーマンダなんですけど、どうも体型が違って……けど、鳴き声は間違えなくボーマンダなんです! まるで……突然変異体のような……あぁもぉ……なんて説明したらいいんでしょう……」

どうも、バタフリーの言うことが理解できない。ボーマンダなんだけど、普通のボーマンダじゃ無いってことなのか……?
 ▼ 190 イドリップ 14/10/27 00:46:53 ID:0Z4D4KKw [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時、爆発音が響き渡った。

 リングマ 「何だ!?」

 ブースター 「……自然公園の方からだ!」

 バタフリー 「あぁ……ニンゲンのバトルが激しくなったんです! とにかく! ここ一帯は危険です! いま皆さんに避難するよう伝えていたんです! 私はこのエリアに危険を伝えますから、皆さんも早く逃げて下さいねっ!」

バタフリーは早口で言いきると、森の奥へと羽ばたいていった。

 リングマ 「ニンゲンどもめ……派手にやりやがって!」

 ブースター 「……見ろよ! 炎が上がってる!」

爆発のあった方を見ると、上空には黒煙が立ちこめていた。これ……相当な範囲に燃え広がってるぞ!

 コラッタ 「逃げろ! 早く逃げるんだー!」

 ウツドン 「マズいですマズいです!」

 ミミロル 「貴方たちも早く! ニンゲンのバトルが、こっちにも広がてくるかもしれないわよ!」

野生のポケモン達が、一目散に逃げていく。これは只事じゃない!

 ブースター 「リングマ! いまはバトルしてる場合じゃない!」

 リングマ 「テメェに言われんでも分かるわ! おい起きろ! コノハナ! ビーダル!」

この3人に今は構ってるヒマは無い。あれだけ黒煙が上がってるってことは、炎のまわりもきっと早い……。

僕は足を引きずりながら、爆発のあったエリアへと向かった。消火はできないけど、逃げ遅れているポケモンがいないかどうか確認するくらいなら出来るはずだ。
 ▼ 191 イドリップ 14/10/27 01:23:48 ID:.KtgE3nE [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
爆発のあったエリアに近付くにつれて、だんだん焦げ臭いにおいと、熱気が酷くなってくる。

そして、木々がメラメラと燃える音が、ハッキリと聞こえて来た。

 ブースター 「これはマズいぞ……!」

確かこのエリアは……ニンゲンも立ち入る自然公園エリアになっていたはずだ。森の中に遊歩道が通っていて、小さい広場もあったはず。

この分だと……広場でニンゲンがバトルして、爆発が起きたと見るのが正しいだろう。

けど、こんなに燃えるような爆発が起こるなんて……そんなに激しいバトルだったのか!?

 ブースター 「あれ……電気が消えてる……?」

遊歩道の近くには、ニンゲンが作った電灯が立っている。いつも夜になると勝手に点いてたけど、今日はそれが消えていた。

 ブースター 「……そうか! 電気をまとめる建物が爆発したんだ!」

そう、確か広場の脇には、電気を管理する小さな小屋があったはずだ。それが爆発したから、電気は消えてるし、激しい炎が上がってるんだ!


 ブースター 「誰も居ませんかぁ!? まだ残ってるポケモンはいませんかぁ!?」

原因は今はいい。まだこのエリアにポケモンが残っていないか、僕が確かめなきゃいけない。

へへっ。ブースターに進化したお陰で、この熱気にも耐えられる。本当、僕がブースターに進化したことが、運命みたいじゃないか。

 ブースター 「誰も居ませんかぁ!? 怪我してるポケモンとかいませんかぁ!?」

僕は必死で呼びかけた。……これが、僕の今の役目なんだ。
 ▼ 192 キワラシ@せいなるはい 14/10/27 01:54:29 ID:3KZI.kXo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
足が悪い事やブースターに進化した事が思い通りじゃなくても良い方に転がっていく…
案外気の持ちようで変わるもんなんだなぁと思わされて感動してる




支援!
 ▼ 193 イドリップ 14/10/27 02:16:38 ID:Ijb8YYrQ [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時、たくさんのスピアーが僕の前を横切った。

 ブースター 「うわっと……」

スピアー達は、爆発があった場所に向かっているようだ。列を成して、しかし、物凄い速度で。

 スピアー 「いいかお前ら! 第一部隊は砂巻いて延焼を防げ! 第二部隊は動けない繭ポケモンの救助だ! コクーン、トランセル、マユルド、カラサリスは見つけ次第安全な場所に連れて行け!」

 ブースター 「あっ! スピ兄!」

その中にいたスピ兄は、全体を指揮して、この状況に立ち向かっている。森を守るために、第一線に立って動いているんだ!

 スピアー 「おぉブースター! お前も早く逃げろ!」

 ブースター 「いや! 僕は炎タイプだからこれくらい大丈夫! 逃げ遅れたポケモンがいないか確認してるんだ!」

 スピアー 「そうか! そいつは頼もしい! じゃあくれぐれも気を付けろよ! 燃えた大木は倒れてくることがあるからな! 常に自分の位置を考えて行動するんだ!」

 ブースター 「はいっ!」

 スピアー 「よっしゃー第一舞台! 砂巻きは小屋のまわりの木々だ! 小屋はほっときゃ焼け落ちる! とにかく森への延焼を防ぐんだ!」

 スピアー達 「「「オォォォォォ!!!」」」

スピ兄たちは必死に森を守ろうとしている。……僕も頑張らないとっ!
 ▼ 194 ガジュカイン@ダイブボール 14/10/27 07:54:46 ID:.zJIYEk. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボーマンダ気になるな
 ▼ 195 イタラン@ギンガだんのカギ 14/10/27 14:55:00 ID:/YDOvXRE NGネーム登録 NGID登録 報告
支援

>>189
まさかメガボーマンダか?
 ▼ 196 ーマンダ@かわらずのいし 14/10/27 17:12:48 ID:UMWhQvOE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 197 ンホロウ@シルバースプレー 14/10/27 19:06:34 ID:VuCwqLVc NGネーム登録 NGID登録 報告
フレドラ使えないならVジェネ使ってくれ
耳Vっぽいやん
 ▼ 198 イドリップ 14/10/27 20:02:24 ID:0Z4D4KKw [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ブースター 「誰かいませんかぁ!? 誰もいませんねぇ!?」

ふぅ……。

延焼が見込まれる西側のエリアをゆっくり見て回ったけど、どうやら逃げ遅れたポケモンはいないようだ。……まぁ、スピアーたちが迅速に救助してくれたお陰なんだけど。

そんなスピアーたちは、砂を撒いて必死に森を消火している。小河沿いに住む水系ポケモンも手伝っているけど、数が多くないから難航しているようだ。

 ブースター 「次は北側のエリアだ!」

風向きからして、北のエリアに延焼する可能性は低いだろうけど、万が一のこともある。僕は足を引きずりながら、なるべく急いで東のエリアに向かった。


 ブースター 「……消えそうにないな」

僕は空を見上げて呟いた。

黒煙はごうごうと空に立ち上り、空を隠す。……しかし、広場のちょうど上空だけは、どういう訳か、澄み渡っているのだ。月も、星空も見える。

 ブースター 「……あれは!?」

僕は見た。空を高速で駆け抜け、ワザを出し合う2匹のポケモンの影を。

満月を背にして、その2匹の羽ばたくシルエットが影絵のように焼きついた。

目を凝らして見てみると、その2匹は、僕の知った姿じゃなかった。
 ▼ 199 イドリップ 14/10/27 20:15:31 ID:0Z4D4KKw [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
1匹は、ボーマンダの“ような”ポケモン。さっきバタフリーが言っていた奴だ。

確かにボーマンダっぽいけど……、飛んでいるその姿は、流線形に近く、翼も三日月のような鋭利に婉曲した形になっている。

ボーマンダ亜種、って感じだ。


そしてもう1匹は、完全に見たことのないポケモンだった。

青いような、紫色のような……大きな翼と腕が一体化した、本当に、初めて見るポケモン……。何かに似ているかと聞かれても、思い当たる節が無い。

 ブースター 「ニンゲン同士のバトル……あの2匹がバトルしてるんだ!」

普通のポケモン同士であれば、きっと、ここまで被害は大きくなかったと思う。

けど、あんな見たことのないポケモン同士のバトルなら、それこそ、爆発があったのも理解できる。きっと、僕たちの知らないワザを使ってバトルしてるんだ!


きっとあのバトルを見た野生ポケモン達は、自分では止められないと、直感的に思ったんだろう。現に、僕だって止める自信は無い。

あの2匹の正体が気になるけど、今は北エリアに急ごう。逃げ遅れたポケモンがいないか、僕が確認しなきゃならないんだ。
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