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SS

「ブイズのパーティー」 【SS】

 ▼ 1 ッキング@かがやくいし 18/02/02 22:43:57 ID:RXwlpi1o NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「この度、カロス地方はアサメシティにてイーブイ族のための婚活パーティーを催すことになりました

是非ともご参加下さいますよう宜しく申し上げます」

ある日そんな手紙が各地方に届いた

主催者はとある大財閥で、パーティーは数日に渡って盛大にやるようだ

しかし奇妙な注意事項がいくつかあり、どうやらただのお見合いとはいかないらしい

それでも、招待された者たちは続々と参加を表明していった

“イーブイ族のための”というフレーズがとても魅力的だったのである

雌雄比が非常に偏ったイーブイ族の♂にとって、イーブイ族を伴侶とすることは憧れであり、同時に競争率の激しい夢である

そのような経緯から、大事にされるので♀の方もイーブイ族と結ばれることを望む傾向にある

怪しくもまたとないチャンスを求め、招待された十名が集まった

 ▼ 300 TOg35azcXc 18/05/23 10:52:48 ID:XbDlpEbc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――――――――――――――――――――――――――――――
>>296 >>297
そう言ってもらえると嬉しいな〜
別の話書こうと思ったけど その前に後日談書こうかな……

>>299
そだよー というか書き始めるときそのくらいしか決めてない……

『ブイズの』は10匹の性別性格どの『ひとり』かぐらいで

『“ひみつきち”』はキノココ、ゴクリン、ルリリ、エネコ、マイナンは出す
って決めてたくらいかな

『ひみつきち』の方は↑書いてる途中で考えた程度だよ?
童話調で、子どもに読み聞かせることを意識したんだ どうかな?
 ▼ 301 ラージェス@カプZ 18/05/23 14:52:48 ID:UNElwGC. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 302 リゴン@キズぐすり 18/05/23 23:09:57 ID:hJyoGZV. NGネーム登録 NGID登録 報告
>>300
童話調の方もいいと思った
 ▼ 303 TOg35azcXc 18/05/25 01:00:29 ID:Ew6xm6HY [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―――――――――――――――――――――――
>>302 なら よかった

好きなssを ってスレにあげられてるし 感動
感想を貰うスレではなんか褒められちゃったし 恐縮



後日談というか、追加エピソードを何となくだけ考えたのだけど

「ルリリが空気な話」

「異邦の依頼者の話」

「プラスルが強くなる話」

「童話についての話」

「ある夏の終わりの話」

の5本になるよ あれ? 割と多い……

でも多分ちゃんと書くよ 多分……
 ▼ 304 TOg35azcXc 18/05/25 01:01:02 ID:Ew6xm6HY [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
大昔、この地域を大規模な日照りと干ばつが襲い、皆が苦しんだことがあったそうな

川は流れを止めて、木々も枯れていき、ポケモン達は渇きと飢えに身を震わせた

そんな中、その場所に痩せ細った若者がふらりと立ち寄ったという



ひどく弱った様子のその若者を、その場所に棲むポケモン達は

自分たちが苦しいのにもかかわらず、献身的に介抱したそうな

若者は、ポケモン達の介抱の甲斐あってか、やがて元気を取り戻した

そして、元気になった若者はポケモン達に恩義を感じ、願いを一つ叶えることを約束した

ポケモン達は、半信半疑ながらも、若者に雨を願う

若者はその願いを快諾し、懐から綺麗な宝石を取り出すと窪地の真ん中にそれを置き

ポケモン達に高台まで登るよう告げた

ポケモン達が全員高台に辿り着いて暫くした後、何とも摩訶不思議なことが起こった

あれだけ日照りが続いた空に、黒雲が現れ、天から水が降り注いだ

同時に、地の底からも水が現れ、見る見るうちに窪地に溜まっていく

そのうちに日が暮れ、夜が明ける頃には、窪地は澄んだ水を湛える泉になっていたそうな

感謝の言葉を継げようと若者を探すが、若者の姿はすでになくなっていて

悪狐に抓られたように泉を眺めていると、中心に若者の置いた宝石が浮いていたという



その時の摩訶不思議のお蔭で泉が出来、回りの森も復活

皆はまた豊かに生きられるようになったという

ポケモン達はあの若者を神の化身と捉え、彼の残した宝石を

“水のフロート”と名付け、後生大事にした

この地域に伝わる、民話伝承である
 ▼ 305 デンネ@がくしゅうそうち 18/05/25 01:12:54 ID:.05Um2TE NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 306 イドン@メンタルハーブ 18/05/25 13:59:57 ID:UaQQs1S2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>303
それ自分も上げたけど
自分とは評価大違いでワロタ
支援します
コツってありますか?
参考にしたいです
 ▼ 307 TOg35azcXc 18/05/25 15:34:03 ID:Ew6xm6HY [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―――――――――――――――――――――――――――
>>306
コツって言われてもわからんよぅ……

「好きこそものの上手なれ」かな……
書くことだけじゃなく、読むこと、聞くこと、見ること、感覚全般?
「言葉」自体も好きだからなぁ そういう感じ?

兎に角「楽しい」が一番

物語の作り方については、参考にならんと思う
その日その日で流れのまま書いとうし ほぼアドリブ劇だよ

この書き方でいえば、「勝手に動くキャラ」ができるかどうかは大事

あと、「ワトソン君」も重要 読み物である以上は読者も意識するべき
かといって説明口調が多すぎるとくどいので、自然な説明を演出したいね
話についていけない「ワトソン君」がいるとその子に対して説明できる

どっかのスレで言った話だけど
「筆者と読者は目線が違う」し「作者と登場キャラは視点が違う」というのもあるかな

文章力は基本、傍目八目だから…… 見てもらうしかないかな……
私は自分の文にはそこまで自信ないよ……

あとこれは関係ない話なんだけど、何かしら文を読むときって、棒読みだと意味がない
朗読することを心がけるべきだね 特に学生は

持論の展開失礼

参考になるのかなこれ……
 ▼ 308 TOg35azcXc 18/05/25 15:34:48 ID:Ew6xm6HY [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
別に歴史学者でも民俗学者でもないルリリがその話を知っているのは

単に泉で生まれ育ち、大人たちに聞かされていたからというだけのこと

今となっては真実かどうかもわからないし、別に信じる気はない

ただ、“水のフロート”と呼ばれる宝石が実在することは知っていた

泉の畔に、まるで人目を忍ぶように開いた洞穴の奥深くに安置されていて

信心深い老ポケモンなんかはよく祈りに行っているみたい


その宝石が、近ごろ何者かに狙われていると噂になっていた

ルリリは、泉に棲むポケモンとして聞き過ごせまいと思った

しかし、ルリリは勿論、泉の仲間だって決してバトルが得意と言う訳ではない

自分たちで悪党と戦うのは無理があると思えた

泉の警備力を上げるため、ルリリは少し遠出してある宛てに接触した

かつては泉を襲ってきたが、ルリリの仲間たちによって改心し、今は頼れる味方となった

あの元荒くれ達である

『昨日の敵は、今日の友』という言葉の通り、彼らは泉の警備を快諾してくれた


ルリリ「まあ、その所為で誘拐騒動があったことに気付けなかったんだけどね……
    手助け出来なくてごめんね……」

エネコ「気にすることないわ こっちは何とかなったのだし そっちも大事だもの
    ……大変そうね 私たちもなにか手伝うわよ?」

ルリリは、自分が留守にしていた間のことを、エネコと話し合っていた

困っていた姉弟に何もしてあげられなかったことを申し訳なくも思うが

解決した今となっては考えても仕様がないのかもしれない

ルリリ「うん みんなが助けてくれるなら、『10万馬力』 悪党なんかには負けないよ!」

シザリガー達にも来てもらったが、やはり“ひみつきち”の仲間も手伝ってくれるのは
とても心強いとルリリは思った
 ▼ 309 ョンチー@ルナアーラZ 18/05/25 15:37:32 ID:UaQQs1S2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>307
スゲー

なんか一味違う感じがする
説教臭くないし。
読者に楽しく読んで貰えるように心がけてか...
ありがとうございます!
頑張ります!
 ▼ 310 イバニラ@ニニクのみ 18/05/25 21:14:08 ID:ACbpt9qU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 311 ワパレス@いんせき 18/05/26 22:52:28 ID:JJqBEh5Y [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコ「あ! この話、キノココには聞かれないようにね……?」

ルリリ「……? どうして?」

エネコ「キノココ、今絶対安静だから 聞いたら絶対じっとしてらんないでしょアイツ」

ルリリ「え!? だ、大丈夫なの!? え? 病気とか?」

エネコ「怪我よ 命には別状ないようだわ ……でも、また無茶してボロボロになって
    本当、全くよ 反省して欲しいわ……」

どうやらルリリ達が最も頼りにしている彼は、安静にしなくてはならない状況らしい

エネコ「……なんて顔してんのよ アイツは大丈夫 すぐ治るわ
    “チリーンの薬”もあるもの 致命傷と言う訳でもないしね」

そう言ってエネコは笑う

因みにこの“チリーンの薬”というのは、“ひみつきち”がまだチリーンのものだった頃

エネコが彼女に直伝で教えてもらった調合薬のことである

まるで魔法のように覿面に効くその薬に、ルリリ達は助けて貰ったこともある

それがあるなら、確かに彼は安心なのだろう


しかし、ルリリに顔色が優れないのはそうではないのだ

勿論彼のことは心配なのだが、それよりも

迫る危機に彼無しで対応できるのかとルリリは不安に思ってしまう

エネコ「まあ、心配する気持ちも判るけどね ずっと助けて貰ってきたし」

エネコは溜息を吐きつつそう言って

エネコ「――でも、私たちだけでもちゃんと危機に立ち向かえるって示すべきだわ
    キノココが『私たちのために』無茶するところなんて、もう見たくないもの」

しかし、すぐに目に強い意志を込めて宣言するのだ

ルリリは、彼女のその強さが羨ましくなる

ルリリ「そう、だね いつまでも頼ってばっかじゃ駄目だ 頑張らなきゃ!」

同時に、自分も強くなろうと決心するのであった


エネコ「あ、ごめん もうこんな時間だわ キノココに薬作ってやらないと」

ルリリ「うん 行ってらっしゃい お大事にって伝えといて」

キノココの元へ向かう彼女を、ルリリは見送った
 ▼ 312 ャモメ@たまむしプレート 18/05/26 22:53:03 ID:JJqBEh5Y [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから、ルリリ達は交代で泉を見張ることになった

ゴクリン「エネコに聞いたよ またなんか大変なんだって?」

プラスル「私達も微力ながら手伝わせていただきます」

マイナン「何やら貴重な宝石が狙われてるんだっけ?」

“ひみつきち”の仲間たちも泉を守るための警備を買って出てくれて感謝し切りである

エネコも手伝ってくれるとはいうが、薬が作れるのは彼女だけだし

キノココの世話など彼女が買って出てくれているためルリリとしては忍びなく

出来るだけ遠慮して欲しいところであるが

エネコ「私も泉にはお世話になって来たしね 恩返ししなきゃ」

と、当のエネコが張り切ってしまっていて、止めても無駄なようだ


ゴクリン「そういえば、思ったんだけど ここの宝石が狙われてるって、どこ情報?」

ヘイガニ「へ? そりゃ 噂っすよ、噂 あんなに綺麗な宝石、狙われてもおかしくねっす」

ゴクリン「いや、まだ見てないからどんなものかわかんないんだけど……」

マイナン「確かに噂とか不確かなものを信じ込んで無意味なことしてたら馬鹿みたいか
も」

エネコ「いえ、所詮噂と流さないで警戒することに越したことはないわ」

ナマズン「噂が間違っていても〜 笑い話で〜 済むもんね〜」

シザリガー「逆に、噂が正しくて警戒を怠ったら、笑い話じゃ済まねえよ」

ゴクリン「それもそうなんだよね…… それで? 噂ってどんなものなの?
     ぼくらはどこのだれを警戒すればいいの?」

シザリガー「そういえば俺らも聞いてなかったな どうなんだ、ルリリ?」

噂について、うっかり相談するのを忘れていた

確かに、その真偽の可能性を先に考えた方が建設的だったかもしれない

ルリリ「ん、と 知ってるかどうかは知らないけど、最近名前が上がって来た
    “怪盗ロゼリア”っていう奴が狙ってるって噂が――」

元荒くれ達「「「ロゼリア!?」」」

ルリリが説明の途中に出した名前に、彼らは何故か過剰な反応を見せた
 ▼ 313 クジキング@かなめいし 18/05/27 23:25:18 ID:IXRvHEWs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 314 TOg35azcXc 18/05/28 00:06:53 ID:3YhCYTUk [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコ「――!? 何よ、いきなり大声出さないで…… 知り合いなの?」

大声を出した彼らに対して、エネコは不満そうにしながら疑問をぶつけた

ナマズン「ん、ん〜? 知り合いというか、なんというか〜……」

ヘイガニ「いや、知らない仲じゃないっすけどね? なんというか……」

しかし、彼らの答えはどこか歯切れ悪い

ルリリ「何? 言いにくいことなの?」

エネコ「判断材料は多い方が良いわ 悪いけど、思い当たることはできるだけ言って」

彼らはしばらく顔を見合わせていたが、やがてシザリガーが代表して口を開いた

シザリガー「隠しても仕様がねえよな 俺等は最近、ロゼリアに会った」

ルリリ「やっぱり、近くに潜んでるのかんだね? じゃあ、噂の信憑性も……」

エネコ「話しにくい理由って何よ? 隠す意味は特にないかと思うんだけど?」

シザリガー「俺等がアイツに会ったのは、ここに来るほんの少し前なんだよ――」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

俺等がもともと棲んでいたのは、こことは違って小さな池だった

適度に汚れた水質で、俺等の種族には棲み易く、静かでいいとこだったよ

だが、ある日騒々しい事態が起こっちまった

どこの馬鹿だか知らねえが池のすぐそばで技の練習なんぞ始めやがった奴がいたらしい

とっ捕まえてやろうと出向いたところでもう既にいなくなってたから犯人は判らんがな

全く、逃げ足の速い奴だぜ……

更に悪いことに、そいつが使ってたのは炎技でよ

水温が上がるわ水量が減るわで散々だった

俺等は棲み処を荒らされたことに苛立ちながらも、これからどうするかを話し合った

正直、俺等が自分でやったわけでもないのに池を元に戻すために努力するってのが癪でよ

どっかいいとこに引っ越そうかと、ナマズンを担いで適当にうろついてたんだ

ロゼリアに会ったのは、その時だったな
 ▼ 315 TOg35azcXc 18/05/28 15:45:42 ID:3YhCYTUk [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺がナマズンを担いで、水場を探してはいたが宛てもなく歩いていると

偶然通りかかったロゼリアに声を掛けられた

まあ、普通水中に棲んでいるべきポケモンを担いで歩いてんだから不審に思うよな

ロゼリアはこっちを怪しむような口ぶりでよ 困っちまった

攻撃を仕掛けてくる素振りまで見せられたから、慌てて弁明したりしてよ

池に何者かが炎攻撃を撃ち込んだせいで引っ越しを余儀なくされたってな

ロゼリアは俺等の話を聞いて、涙ぐむほど憐れんでくれてな

近くに泉があることを教えてくれたんだ

「あなたたちには泉は澄みすぎていて暮らしにくいでしょうから」

と、ロゼリアは手土産もくれた

なんだっけな…… ああ、そう “持ち運び用濃縮型ヘドロ爆弾”とかだったかな?

俺等はそれをありがたく頂戴して、一路この泉へやって来たんだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

シザリガー「要するに、俺等が一番いきってた時の話に繋がってくるわけだ」

ヘイガニ「あの時は、本当にすんませんっした!」

ルリリ「へえ、そういう事情があったんだ」

エネコ「……あたしたちが泉から追い出した後って、大丈夫だったの?」

そういえばそうだ 大丈夫だったのだろうか?

彼らは居場所を失って泉まで来たのに、泉から追い出してしまったのだから

ナマズン「それは心配ないよ〜? 僕らはあの後〜 ちゃんと池に戻ったから〜」

ゴクリン「え? 池に棲めなくなったんじゃなかったの?」

シザリガー「……俺等が汚した泉を、お前らが何とかするのを見ちまったからな
      負けてらんねえなって思ったんだよ」

ヘイガ二「オレらも自分たちの池ぐらい何とかしようと思ったっすよ」

エネコ「そう なら良かったわ」

ナマズン「今では〜 すっかり元通り〜 ぜひ遊びに来てね〜?」

マイナン「うん 考えてくおくよ」
 ▼ 316 ツドン@つららのプレート 18/05/28 15:46:48 ID:YW1xmfDY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 317 援感謝◆TOg35azcXc 18/05/28 22:32:58 ID:3YhCYTUk [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プラスル「しかし、そうなると“怪盗ロゼリア”の噂の信憑性は増しますよね……」

マイナン「まあ、実際ロゼリア種が近くにいるってなったらね」

ヘイガ二「へ? そっすか? 別個体かもしれないじゃないっすか」

ナマズン「涙もろくて親切そうなロゼリアだったけどな〜
     怪しい僕等にわざわざ声を掛けてきた辺り、正義って感じで〜」

エネコ「よく考えて見なさいな 本当に正義のポケモンが泉を汚すことを勧めるかしら?」

プラスル「それに、偶然近くを歩いていただけのポケモンが、
     そんな危険物持ち歩くでしょうか? しかも用途が限定的なものを」

泉を汚すのに最適で しかし明らかに持ち歩くには危険な“爆弾”

丁度そのタイミングで持っているなど、普通ありえないだろう

シザリガー「……こうして振り返ると、片棒担がされた感が否めないな」

ヘイガ二「な、何のためにっすか……?」

ルリリ「泉からポケ払いするためかな まあ、結果的にそれは失敗してるけどね」

エネコ「あれから時間結構立ってるのにまだ手を出してないってことは
    ポケモンがまだいて仕事に支障があるってことかしら」

ゴクリン「なんとも言えないね そうなのか、それとも気を狙っているのか……」


ナマズン「ちょっと待って〜……? 気づいちゃったんだけど〜
     僕等の池を襲ったのは〜 実はロゼリアだったりするのか〜な〜?」

シザリガー「……どういう意味だ?」

ナマズン「だって〜 僕等のことよく把握してたじゃな〜い?
     “爆弾”渡したのが偶然じゃないのなら〜
     僕等が池を抜けた原因もそうなんじゃ〜ないかな〜 って〜……」

ヘイガ二「そうかもっすけど…… だからって『草タイプ』が“炎技”って無理じゃ?」

マイナン「……いや、『草タイプ』だからこそ使える“炎技”があるよ」

プラスル「はい 私も知ってます ……見たことがあります」

ヘイガ二「無理じゃないんすか!? それって一体?」

エネコ「“自然の恵み”という技 あれなら出せるわ 炎だって、なんだって」

シザリガー「……つまり、なんだ 俺らは彼奴に最初から謀られてたってことかよ」
 ▼ 318 ガディアンシー@ウルトラネクロZ 18/05/29 01:58:53 ID:AvdrNKio NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 319 TOg35azcXc 18/05/29 23:25:00 ID:J/Vu/2PU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモン達の間に、少々の間重い沈黙が流れた

エネコ「じゃあ、私そろそろ行くわね キノココの面倒見てやらなきゃ」

それに耐えかねたのか単純に時間なのか、エネコが立ち上がる

エネコ「あんたらも暗くなる前に解散しなさいよ もうすぐ新月で夜道暗いんだから」

キノココは順調に良くなってはいるようだが、今回は無理させまいと
こちらのことについては何も聞かせず大人しくして貰っている

相手がロゼリアだとすると、彼は相性が悪すぎるというのもある


ルリリ「そっか 新月…… そろそろ真っ暗になっちゃうんだね」

プラスル「暗くなったら、悪いポケモンも動きやすいんじゃないですか?」

マイナン「奴が狙ってる期って、新月かもね 夜は特に厳重にしとくべき?」

ヘイガ二「そっすね 任せてくださいっす! 夜更かしはオレら得意なんで!」

ルリリ「それ、威張って言えることなの? ……でも、ありがたい 宜しくね」

ヘイガ二「うおお! やる気出て来たっすよ!」

シザリガー「草タイプ相手ってのはちょっときついな…… やるけどよ」

ナマズン「相性って〜 そうそう覆せないもんね〜……」

プラスル「そうですよね…… 私たちも『草タイプ』に強い訳じゃないですし……」

マイナン「相性いいのはゴクリンくらい? これは随分苦しいかもね……」

ルリリ「いや…… いるよ! 草に強いポケモン! 警備隊に加わってもらおうよ!」

シザリガー「……誰だ? そいつは泉の問題に関わってくれんのかよ?」

ルリリ「そこは大丈夫 意外に身近なポケモンで、みんなびっくりするかもね?」

ルリリがいたずらっこく笑って、みんなにそのポケモンのことを話した

みんな最初は驚いていたが、すぐに納得したような顔になり歓迎してくれたようだ


そしてその二日後 月の昇らない深夜に、泉に招かれざる客がやって来たのだった
 ▼ 320 ロスター@かおるキノコ 18/05/30 01:06:42 ID:rlpn.2vg NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 321 TOg35azcXc 18/05/30 23:56:24 ID:iXWdLCdU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そのポケモンは、夜闇に紛れて迅速に駆けていた

光源がなく漆黒が視界を覆う中、しかし確実に泉の洞穴へ足を進める

それを待ち構えていたシザリガーは、予め準備していた松明に火をつけ相手を照らし出す

シザリガー「よう こんな時間に奇遇だな “怪盗ロゼリア”」

いけしゃあしゃあと、気安いようにもとれる言い方で話しかける

ロゼリア「あら、本当 奇遇ですね あなたは、いつぞやの……」

それに対し、ロゼリアも優雅に返し

ロゼリア「おバカさんじゃないですか」

嘲笑った


シザリガー「――っ!!」

見事に煽り返されたシザリガーは頭に血を上らせてロゼリアに“突進”を仕掛ける

しかし楽々躱されてしまった

ロゼリア「あらあら、折角泉を紹介して“ヘドロ爆弾”まで持たせたというのに、
     恩を仇で返すというのです?」

シザリガー「何が恩だよ 全部てめえの所為でてめえの都合じゃねえか」

ロゼリア「気付かれちゃいましたか  だから待ってたんでしょうけどね」

ロゼリアは肩をすくめ、嘆息すると

ロゼリア「あなた一匹で、何ができると? “マジカルリーフ”」

自らが生み出した葉々を凶刃へと変え、シザリガーを仕留めにかかる

シザリガー「今だ、お前ら! 抑えてしまえ!」

ヘイガ二「へいっ!」

ナマズン「足を抑えるよ〜 “マッドショット”〜!」

攻撃を一点に集中させた隙に、仲間に指示を出しロゼリアを抑え込む

作戦通りに行き、シザリガーは攻撃を受けながらも笑みをこぼす


ロゼリア「囲まれてたのね これは失敗 でも、あなたたち程度、怖くないわ」

しかし相手には狼狽えた様子もなく、背筋に嫌な汗が走る

シザリガー「お前ら、離れろ! そいつ、なんか企んで――」

ロゼリア「舞いなさい “花吹雪”!」

離れる暇もなく、全員に対して、弱点かつ高威力の技を撃ち放った

ロゼリア「邪魔しないで頂戴 みんないい子でおねんねしていてね?」
 ▼ 322 TOg35azcXc 18/05/31 23:05:51 ID:TRsIVl6. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
倒れ伏したシザリガー達に一瞥もくれず、ロゼリアは洞穴へ向かう

全員を同時に襲った“花吹雪”の所為で俺らは動くことが出来そうにない

シザリガー「態々俺らを利用したのは…… そういうことかよ、畜生……!」

不甲斐ない姿を晒したことに歯噛みしながら、呟く 気付いた


俺らは汚れた水こそが棲み易いという生態を持つ

それ故、泉を汚せる“爆弾”を『親切』と受け取り起動した してしまった

汚染によって起こる先住のポケモンの弱体化、或いはポケ払い

それこそがロゼリアの目論見だと気付かずに


泉を狙ったロゼリアが、何故離れた池に棲む俺らを利用したのか

余り本人が目立たずに事を進めるために、自分以外のポケモンに仕事をさせるためだろう

親切を装って他者を動かし、自分の都合のいいようにする

成程、反吐が出るが確かに合理的だ

仮に俺らが利用されたことに気付き反旗を翻そうとも、相性の都合上奴には勝てない

今現在の状況のように、な


ヘイガ二「失敗しちまいやしたね……」

ナマズン「しょうがないよ〜 相性不利だし〜 ……あとは真打さんたちに任せよ〜」

シザリガー「ああ ……俺らで何とかしたかったんだがな ……力不足か」

泉のポケモン達に負担をかけずに終わらせられたら良かったのだが、高望みだったようだ

ナマズン「相性だってば〜 ……でも〜 なんか悔し〜ね〜」

ヘイガ二「役に立ちたかったっすもんね 罪滅ぼしの意味でも 感謝の意味でも」

シザリガー「それは言うな こっ恥ずかしい だが、なんだ…… 強くなるぞ!
      次は負けねえように 役に立てるように」

ナマガニ「「へいっ!」」
 ▼ 323 TOg35azcXc 18/06/01 00:23:37 ID:OCS5iyFc [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリルリ「夜分遅く、良くいらっしゃいましたね お茶でもいかが?」

ロゼリア「手荒い歓迎があったかと思えば、態々お出迎えまでありがとうございますわ
     “水のフロート”を頂戴しに来たものです 渡してくださいます?」

洞穴の奥深く、こんな状況なのにどこか和やかなやり取りをする二匹

マリルリ「あらまあ、貴女が怪盗さんなのね ルリリちゃんたちの言ってた通りね」

ロゼリア「ええ、まあ ところで、“水のフロート”はどこに? 見当たりませんが?」

しかしお互い予断なく相手のことを観察し合う

マリルリ「残念ながら、貴女が盗れない所ですよ 貴女自身もここで終わりです」

ロゼリア「あなたが私を捕まえる、と? 見たところ水タイプのようですが、敵うとでも?」

マリルリ「さあ? それはやってみないと解りません――」

ロゼリア「“リーフストーム”」

下らないやり取りにまどろっこしさを感じたのか、ロゼリアは急に両腕を突き出し

目の前の相手に強烈無比な草木入り混じる嵐を繰り出す

そして隠された宝石の在処をどう探すかと思案を始めたらしい

マリルリ「……もぅ いきなりなんてびっくりするじゃないですか」

そこへ、先程吹き飛ばした筈のマリルリが平然と声を掛けたため目を丸くした

ロゼリア「本気で吹っ飛ばしてやったと思ったのだけれど?」

ロゼリアは身構えながら、当然の疑問を口にする

それに対しマリルリは、軽く手を打ち鳴らしながら律義にも答えた

マリルリ「残念ながら、そういうの効かない体質なんですよ」

おっとりとしたその言葉に相手も何か気づいたらしく、言葉を紡ぐ

ロゼリア「“草食”ですか そういえばマリル種にはそんなのもいましたね
     しかし、マリル種は毒には耐性がないんじゃないですか?
     これでどうです? 苦しみなさい “ヘドロ爆弾”」

そして的確な分析の元、マリルリを倒すための技を宣言した
 ▼ 324 TOg35azcXc 18/06/01 01:38:03 ID:OCS5iyFc [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし、彼女の両腕から放たれたのはまたしても“リーフストーム”で

マリルリはどこ吹く風と余裕の表情だ 対してロゼリアは顔に焦燥を浮かべた

ロゼリア「な!? 何故“ヘドロ爆弾”が出ない!? ……何をしたのです?」

マリルリ「“アンコール〜” “アンコール〜”」

ロゼリアの疑問に、マリルリが呑気に技名を告げることによって答える

マリルリ「……もう止めません? 貴女の技は私には効きません
     それに、“リーフストーム”は反動の大きい技 負担も大きいでしょう?」

打つ手をなくしたように見える相手に、マリルリは気遣わし気な声を掛けた

マリルリ「大人しく足を洗うというなら、見逃しますよ?」

ロゼリア「……情けをかけようなんて甘いですね 諦められるわけないじゃないですか
     “リーフストーム”! “リーフストーム”!」

説得を無視したロゼリアは、技を重ねて打ち出し極大の嵐を巻き起こし

ロゼリア「ここは戦略的撤退とさせていただきます では」

それを目くらましとして即反転


相手の ロゼリアは 逃げ出した !

マリルリ「いいえ、逃がしませんよ “アクアジェット”」


しかし 回り込まれて しまった ようだ !

ロゼリア「逃げることもできないですか…… ふふ、でも私には奥の手がありますのよ?」

逃げられなかったというのにロゼリアは不敵に笑い、懐から何かを取り出した

マリルリ「……なんですか、それ?」

ロゼリア「これは“白いハーブ” 下がった能力値をリセットするものですよ
     使い捨てですが、一度きりでも十分ですわ」

相手は取り出したハーブを自身に使い、今までの反動をなかったことに

ロゼリア「そして、気付いてます? “アンコール”の効果時間はもう終わってますのよ?
     さあ、今度こそ苦しみ果てなさい “ヘドロ爆弾” ! !」

勝利宣言と共に腕をマリルリへ向け、今度こそ“ヘドロ爆弾”を撃ち放つ
 ▼ 325 TOg35azcXc 18/06/01 22:54:59 ID:OCS5iyFc [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
起死回生の一手とばかりに、マリルリへ向けて猛毒のヘドロが飛んだ

彼女にとって弱点を突かれるこの攻撃は、当たれば致命傷になる

……当たれば、の話であるが

ゴクリン「頂きます! “蓄える”! “飲み込む”!」

ロゼリア「……は?」

マリルリの前へ大口を開けて飛び出したゴクリンが、相手のヘドロを口に含み無効化する

ロゼリアの呆気にとられたような声が耳に心地いい

ゴクリン「君の作るヘドロは散々消化した ぼくには効かないよ 彼女にも当てさせない」

見得を切るように思い切りキメ顔で言った

ロゼリア「いえ、効かなかった理由は大体想像つきますが……
     あなた、いつの間に現れました? あれ?」

……ずっといたんだけどなぁ

道理で二匹だけで話が進んでるわけだ気付かれていなかったらしい

ちょっと寂しい

等と感傷に耽っている間に、ロゼリアはこちらを観察しそれに気付いたらしい

ロゼリア「あなた、その手に持っているの、“水のフロート”じゃありませんこと?」

ゴクリン「え? うん そうだよ 綺麗だね、これ みんなが大事にするのも判る」

美しく輝く宝石を、ゴクリンは見せつけるようにかざす

ロゼリア「泥棒の前で宝石を見せびらかすとかおバカさんなんですか?
     よこしなさい! “欲しがる”!」

呑気に構えていたゴクリンに、ロゼリアは“強制的に持ち物を奪う技”を当て

すぐさま逃げに入ろうとした が

ゴクリン「痛いなあ 攻撃してくるなんて酷い そんなにこれが欲しいの?」

まだゴクリンの手の中に収まっている宝石を見て、硬直してしまった

 ▼ 326 TOg35azcXc 18/06/01 22:55:41 ID:OCS5iyFc [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴクリン「残念ながら、ぼくは“粘着”で ぼくから持ち物は奪えない」

マリルリ「だから言ったじゃないですか 『貴女が盗れないところにある』って」

ゴクリン「さっきマリルリさんの言う通りにしていればよかったのに
     ぼくはもう君を許す気はないよ 警察に突き出してやる」

ロゼリア「嘗めるな! まだやれる! “自然の――”」

ゴクリン「――“ダストシュート”」

ロゼリアが往生際悪く行動することはもはやわかり切っていたため

ゴクリンは機先を制し技で抑え込む 効果はまずまずのようだ



日が昇った翌朝、拘束されたロゼリアは警察に送られることになった

泉からはここ数日の緊迫感は消え去り、いつもの穏やかな調子に

結局、ゴクリンとお姉ちゃんの活躍で事件は解決

唯一被害らしい被害を受けたシザリガー達は、今はもう傷も治ったみたい

今回の事件でも思うことがあったのか、奮起して修行に励んでいるようだ

世は全てことも無し ただ一つ思うことは

ルリリ「……あれ? 私、今回もあまり活躍できてない?」

……まあ、いいか

こうして平和に過ごせるのなら、些細なことなのだ きっと


                           ――――fin.
 ▼ 327 バット@きちょうなホネ 18/06/02 00:03:23 ID:5f7RNxmg NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 328 邦の依頼者の話◆TOg35azcXc 18/06/05 21:20:32 ID:Y0PgE/iQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キノココ「お邪魔するよー」

“ひみつきち”に元気な声が響く

絶対安静命令を解除するや否や朝早くから来るなんてどれだけここが好きなのやら

それよりも先に“ひみつきち”にいるエネコには言えたことではないのかも知れないが

とにかく、元気になって本当によかった

出迎えてやろうと立ち上がる と

「お、お邪魔シマス……?」

キノココの後ろから知らない♀ポケモンが入ってきて

エネコ「いらっ……しゃ、い? えーと、どちら様?」

エネコは戸惑ってしまう 何せ、ここらの地方では見かけないポケモンなのだ

キノココとはいったいどういった関係性なのか?

キノココ「うん、困ってるようだから連れてきた モンメンっていうんだって
     珍しいよね なんか、遠い地方からやって来たそうだよ」

モンメン「初メマシテ アナタも“ひみつきち”の方なのデスネ」

エネコ「ええ、まあ そうね、初めまして どうしたのかしら?」

困っているというなら、手を延ばしたいとは思う

しかし、安静命令が解除されるや否やで厄介ごとに首を突っ込むとは

エネコはキノココにほとほと呆れてしまう


モンメン「実は、デスネ…… ワタシが棲んでいた地域であるヤマイが流行りマシテ
     しかしながら、それを治せるお医者サマがいなかったんデス
     アチラでは余りメジャーなヤマイでなく、薬が出来ないようデシタ
     なので、薬か、それを作る手段を求めて、父とコノ地方にやって来たのデス」

エネコ「お父さんと……?」

話しに割り込むのはどうかと思いながらも、エネコは疑問を投げた

彼女の父らしきポケモンの姿が見受けられなかったからである

モンメン「コノ地方に来た当初は精力的に活動していた父デシタガ、
     数日前、体調を崩しだし、寝込んでしまいマシタ……
     ミンナと同じ症状デス 父はミンナのために無理してたのデス」
 ▼ 329 TOg35azcXc 18/06/05 22:28:56 ID:Y0PgE/iQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコ「成る程、それで、一匹だけで動いてるのね」

遠い地方で流行り病 それを何とかするために態々別地方まで来るとは立派なことだ

モンメン「ハイ…… でも、そういうのの専門は父で、ワタシには……
     父が倒れた今どうすればいいか判らず、願いの叶う“ひみつきち”の噂を聞き
     藁にもスガル思いで探していたところ、キノココに出会ったところで……」

泣きそうな表情で話す彼女は、本当に切羽詰まっているのだろう

確かに、そんな時に願いが叶うなんて枕詞を聞いたら縋ってしまうのも判る

しかしエネコには気がかりもあり、キノココに対し呆れの溜息をつく

エネコ「それで連れてきちゃったわけ?」

キノココ「え? うん…… そうだけど あれ? なんかいけなかった……?」

エネコの様子にしどろもどろになるキノココ それに対しエネコは

エネコ「あのね…… その病が私たちの手に負えないものだったらどうすんのよ
    更には、その子も今は元気そうだけど、キャリアである可能性もあるのよ?
    “ひみつきち”の皆に感染すつもりだったの? 幸い、今私しかいないけど」

あくまで現実的なリスクについて説明する

モンメン「あ……! そうデスヨネ…… もしかして、感染しちゃいマシタ……?」

当のモンメンも考えが足らなかったようで 今更慌てだすし

エネコは呆れて物も言えなくなりかけてしまう

エネコ「……まあ、それは今は良いわ というかどうしようもないわ
    一先ず置いておいて、モンメン、あなた達のねぐらに案内して貰うわよ?」

モンメン「へ? ねぐらに? ヤマイの父が寝てるだけデスガ……」

モンメンは考えることが多いと話についてこれなくなるタイプなのだろう

エネコの発言の意図を上手く掴めず呆けている

エネコ「そのお父さんを診るのよ これでも私、薬師よ なりたてだけどね」

だからエネコは、彼女に解り易いようにそう言う

モンメン「え…… あ! ハイ! 宜しくお願いシマス! お医者サマ!」

すると、途端に顔を輝かせて彼女は言って来た

……だから、医者じゃないって ……まあ、いいか
 ▼ 330 ンギラス@あやしいカード 18/06/06 21:28:55 ID:DqEMzZ4w NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 331 TOg35azcXc 18/06/06 22:51:24 ID:OCK3jb6k [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコ達は、抗菌効果のある木の実の果汁を使って一応の予防措置を取り

モンメンに案内されるまま、木の洞を利用したねぐらへとやって来た

モンメン「タダイマ! お父さん、大丈夫!? お医者サマを連れてキタよ!」

彼女は洞の中に入るや否やそこに寝込んだポケモンの元へ飛んでいく

多分モンメンの進化系なのだろう見慣れないポケモンは、息も荒く苦しそうにしている

エネコ「はい、ちょっと失礼 診させてもらうわよ」

この場所に来るまでに、大体の病状はモンメンから聞いていた

その上で彼を聴診、触診などして彼らのかかっている病気にあたりを付け考える

どういう薬を処方すればいいのか しかし、これは……

エネコ「……言い難いのだけど、今の私では手に負えないかもしれないわ」

絶望的とも捉えられかねないことを、エネコは苦渋の表情で口に出す

しかし、事実は事実と認識してもらわなくてはならない 何よりも患者のために

モンメン「エ…… そ、そんな……」

エネコ「残念だけど、重症化し過ぎているわ 症状を和らげる程度の薬なら作れるけど
    完治させるのは、すぐには無理ね」

悔しい気持ちは隠して、あくまで淡々とした口調になるよう言葉を紡ぐ

エネコ「ただ、症状の出始めだったら抑えることはできそうだわ
    私やキノココ、ついでにモンメンに対する懸念は杞憂で済むわね」

モンメンはそれを聞き、安堵の息を吐きかけるが、すぐ苦し気な顔になる

モンメン「父と、ミンナと…… 何か、助ける方法はないのデスカ……?」

エネコ「手は、ないことはないわ でも、言ったでしょう? すぐには無理なのよ
    でも、重症の彼の前で悠長にしてられないじゃない どうしたものかしら……」

時間が限られているのに時間が必要という二律背反 悩みどころである

キノココ「とりあえず、できることをやろう その手って奴を教えてよ
     何か手伝えるかもしれない みんなで考えれば何とかなるかもしれない」

……彼の言う通り 苦しんでいるポケモンの前で“スプーンを投げる”訳にはいかない

大丈夫 きっと何とかなる

エネコ達は今までだって“メタグロスの知恵”に頼って来たのだから
 ▼ 332 TOg35azcXc 18/06/06 23:40:45 ID:OCK3jb6k [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコ「そうね じゃあまず、絶対必要な復活草の採集に向かうことにしましょう
    道中で話すわ すぐ出来ない理由とか、これからのこととかね」

キノココ「復活草ね 案内するよ あ…… でもどうやって採ろう?」

エネコ「そこはほら、ふわふわ飛べるモンメンに任せようじゃない」

モンメン「ハイ! ワタシにできることなら、なんでも!」

キノココ「ああ、モンメンなら大丈夫……かな?」

そんな会話をしている内に、復活草が生えている場所である崖に到着する

モンメン「この下デスカ…… 確かに、アナタたちでは大変デスネ
     では、イッテキマス! 頑張りマス!」

復活草を採るため、モンメンは崖下へ向かう

しっかり宣誓までするのだから気合が入っているといえよう

キノココ「……それで? さっき言ってた、薬を作るのが難しいっていうのは?」

モンメンをしっかり見送ってから、キノココは尋ねてくる

エネコ「……薬自体は、多分作れるわ 勉強したもの
    ただ、今の私ではそれに十分な効力を付与することが出来ない」

キノココ「……えっと、どういうこと?」

作れるのに出来ないという言い方が少々判り辛かったらしく、キノココは首をかしげる

エネコ「えっとね、私がチリーンに習った薬は、基本的に特殊な作り方をするのよ
    あの症状に効く薬もあるにはあるのだけど、重症化してるのがネックね
    多分、今の私じゃ完治にはとても届かない」

キノココ「……その、製法って奴が問題なの?」

エネコ「“願い事”や“癒しの鈴”を込めるの」

それこそがこの特殊な薬の最も重要な部分なのだ

エネコ「勿論、力量が上がれば届かせることもできるでしょうね
    でも、そんなの一朝一夕じゃどうにもできないでしょう?」

これをどうにかする手段は、何かないものだろうか……
 ▼ 333 ディアン@グラウンドメモリ 18/06/07 22:07:43 ID:l18p7N0g NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 334 TOg35azcXc 18/06/07 23:29:57 ID:LxtKJalE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モンメン「取ってきマシタ! ……どうシマシタ?」

二匹で悩んでいると、思いの外早くモンメンが上がってきて

エネコ達の様子を見て戸惑ったような声を上げた

エネコ「お帰りなさい 随分採って来たのね…… ありがとう
    ――あ、でも復活草じゃない草も結構入っているわね……」

モンメン「ふぇ!? す、すみません、間違ってマシタ!?」

エネコ「大丈夫よ 十分な量の復活草はあるみたいだしね
    それに、こっちの草もいらない訳じゃないもの」

使えない雑草があることも否定はできないが、薬の材料になる種類もある

それらはあって困るようなものではないのだ

エネコ「ただ、材料だけあっても、私に力量がない以上、完璧な薬はできないのよね……」

力量を上げるには、沢山のバトルを超える必要がある そう とても沢山の

キノココ「一先ず和らげる薬だけでゆっくりやる ……って訳にもいかないもんね
     海の向こうでは同じ症状で苦しんでいるポケモンがいっぱいいるんだもんね」

……悠長に構えていたら、助けられる命も助けられない 八方塞がりだ

考えて、しかし出ない答えに諦めの溜息をついてしまう

モンメン「力量が足リナイ…… 太陽の石があれば、いいのデショウカ……?」

そんなところに、モンメンが何やら思いついたように発言した

が、意味はよく分からなかった 何故太陽の石……?

キノココ「どういう意味……?」

モンメン「エ? ダッテ、太陽の石があればエルフーンになって、力量も上がるデスヨネ?」

……素っ頓狂な返答が返って来た モンメンの常識の話をされても、こちらには通じない

エネコ「あのね、太陽の石で進化できるのは限られたポケモンだけで、私たちは違うのよ」

モンメン「そうなんデスカ!? チュリネ、ドレディアさんもそうナノデ、ワタシてっきり……」

うん よく判らない単語が頻出して話についていけない

キノココ「でも、それはありかも エネコって確か月の石で進化だよね」

エネコ「そ、そうだけど でも、月の石なんて貴重品、持ってないわ
    どこにあるのかもわからないし、宛てなく探すなんて無理よ……」

月の石は、とても希少な物品である

地道に力量上げする方が現実的 そう思ってしまう程に
 ▼ 335 TOg35azcXc 18/06/08 23:57:38 ID:SZ.s459I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キノココ「でも、可能性があるんだったら…… できることがあるなら、探したい
     成功しない確率は一旦考えないで、やれるだけやってみようよ」

モンメン「そうデス! やらない後悔ヨリ、やった後悔デスヨ!」

難しいということは解っているのに、楽観とも取れる調子で彼らは言う

キノココを頼もしく感じると共に、エネコは恥ずかしくなる

先程、“スプーンを投げる”訳にはいかないと自戒したばかりだというのに……

エネコ「そうね 悲観ばっかりしてもしょうがないものね
    試せることは全部やらなくちゃ 頑張るわ」

早急には、症状を抑える薬を作る必要がある

それと同時に、今の力量のままでも十分な効力を出す改良法の開発だ


エネコがエルフーンの介抱、薬の製作をしている間

キノココたちには月の石の入手情報を得るため駆けまわってもらうことに

症状を抑えるまでは上手く行った エルフーンの調子は落ち着いている

しかし開発の方はと言えば、手詰まりだ ただでさえ手探りである

経験の足りなさ故か、上手くいくビジョンはなかなか見えない


キノココ「月の石自体はまだ手に入ってはいないけど、有力な情報は手に入れた
     滝のある洞穴 月の石はそこで採れることが多いそうだよ」

そして時間は流れ日が傾き始める頃、キノココ達が朗報を引っ提げ戻って来た

キノココ「僕らはこれから採りに行ってくるよ 君は――」

エネコ「私も行くわ」

――待っていてくれ とでも言おうとしたのだろうか その前にエネコは口を挟んだ

エネコ「希少な月の石だもの 一筋縄じゃ手に入らないわよね 手伝うわよ」

薬は作り置きもしたし、効果は暫く続く で、今の薬以上のものは、エネコには出来ない

つまり、この場に残ったとてできることなどないに等しい

それよりも進化するための道具が見つかる可能性に賭けた方が合理的というものだ
 ▼ 336 ヤコマ@ライブスーツ 18/06/09 00:44:09 ID:6JHhK5ns NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 337 ミカラス@タウンマップ 18/06/09 15:22:00 ID:l4uo8aEk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 338 TOg35azcXc 18/06/11 00:01:51 ID:Hfkwv2hg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少し準備を整えてから、エネコ達は洞穴へと向かい、神秘的な光景に息を呑んだ

壁や鍾乳石がキラキラと光っていて、洞穴内は松明が不必要なほど明るい

外はすっかり日が落ちて闇に包まれているというのに、である

エネコ「綺麗…… 不思議な光景ね……」

「うむ、この洞穴にはヒカリゴケが多く自生していて光源には事欠かず
 加えて壁に含まれる鉱石は光を反射するときに少量増幅させるという不思議なもの
 よってこの洞窟は夜でも明るいのだよな」

エネコが感嘆していると、聞きなれない野太い声が応える

エネコ「……ええっと 誰?」

キノココ「ああ、ごめん 紹介してないね こちら、トレジャーハンターの方
     月の石の情報を提供してくれたポケモンで、今回手伝ってくれるらしい」

ダーテング「うむ ダーテングである 短い間だがよろしく頼む」

モンメン「トレジャーハンター!? すごいデス! 格好いいデス!」

彼女は目を輝かせてはしゃぐ 

希少な物品や未踏の地の情報などを求めて世界中を駆け巡る仕事

それがトレジャーハンターという仕事らしい

エネコは正直知らなくて、凄さはよく分からなかったが

エネコ「頼りにしていいってことかしら」

そう解釈することにした

ダーテング「任せるのである ……と、言いたいところだが、誠に情けないことに
      この洞穴は自分の力だけで攻略したことはないのである
      少しだけ先輩のポケモンがチームに加わった、程度に考えてほしいのである」

しかし返って来たのは歯切れの悪い返答 ……大丈夫だろうか?

キノココ「まあ、僕等は探検初心者なんだし、頼りにしてもいいんじゃないかな」

モンメン「そうデスヨ! ダーテングサン 宜しくお願いシマス!」

苦笑混じりのキノココ、相変わらず能天気なモンメン

……大丈夫、なのだろうか
 ▼ 339 イガニ@ユキノオナイト 18/06/11 23:12:38 ID:DTIUVCWQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 340 TOg35azcXc 18/06/12 22:42:29 ID:RtNkNsNg [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
洞穴攻略において、どうやらエネコのしていた心配は不要のものであったらしい

成程、トレジャーハンターというだけあって、ダーテングは道の選択が的確だ

エネコとキノココは既に迷路山を攻略したという実績がある

凸凹道を踏破するぐらい苦にはならなかった

モンメンは元々ふわふわと浮いているからより問題が少ない

進んでいるうち、余裕が出てきたのか雑談も始まる始末

キノココ「ダーテングは、この洞穴には何度か来ているの?」

ダーテング「うむ 進化の石は需要があるからな
      採集依頼というのも多く出されるものなのである」

モンメン「チームで探索! なんか格好いいデス! 憧れます!」

ダーテング「最も、毎回上手く入手できるかと言ったらそうでもないのである
      希少であるが故、見つからなかったり他のハンターと取り合いになったり」

エネコ「それは困るわね 絶対に手に入れたいのに……」

ダーテング「ふむぅ 事情は知らんが、必要というなら絶対に見つけてみせよう
      それが我らトレジャーハンターの―― うおぉっ!?」

油断していたのが災いか、ダーテングが地面に開いてた穴に気付かず落ちた

前言撤回 やっぱり心配だ……


モンメン「ダーテングサン 大丈夫デスカ? ケガとかしてマセンカ?」

ダーテングが落ちた穴を覗き込みながら声を掛ける

ダーテング「……ケガはないのである が、これはまずいことになったのである」

エネコ「まずいことって――」

穴の中から不穏な言葉が返ってきて、直後爆発音が響いた

エネコ「――な、何!? どうしたっていうのよ!?」

つい、予想外の事態に足が竦んだ しかしキノココは音を聞くなり穴へと飛び込んでいく

キノココ「解らない!! でも、彼が危ない!」

エネコ「ちょ! 危ないわ―― ああ、もう私も行く!」

一匹が助けに行ったって何とかなるかは分からないっていうのに……

また無茶させることにならないといいけど
 ▼ 341 メックス@せんせいのツメ 18/06/12 22:43:33 ID:RtNkNsNg [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコ達が下に降りると、ダーテングの前に奇妙なポケモンが二匹浮いていた

どうやら先程攻撃を仕掛けてきたのは彼奴らのようだ

「いい加減懲りぬか『悪』よ 下らない事ばかりしよってからに」

「今度の連れはそこの小さいのらか 難儀なことだ」

二匹はエネコ達に視線を向け、憐れむような声を出す

『悪』? それはタイプのことだろうか それとも――

モンメン「あの! ワタシたち、月の石が必要なんデス! 貰えませんデショウカ!」

異様な雰囲気を放っている相手に、モンメンは気後れせず要求を伝えた

「何やら事情があるようだな、童 しかしながら今この洞穴にある月の石は一つのみ」

「無駄にされるのは我らとして看過できん まして『悪』などに渡せぬ」

浮かぶ二匹は、その威圧感を増して凄んでくる

無駄になんかしないと言っても聞いてくれなさそうだ ……何故だろう?

キノココ「一個はあるってことか 良かった」
     どうすれば渡してもらえる? 戦って、実力を示せばいい?」

エネコが考えを巡らせていると、キノココが前に出て笑った

「ほっほ 我らに勝てるつもりかえ? 無駄なことはせんことだ」

「しかし確かに機会を与える程度は必要か 見抜けぬ愚鈍では無駄になるからな」

モンメン「ど、どういうことデス? 月の石は手に入りマスカ?」

「童らの頑張り次第と言ったところかの」

「一つ頓智を出すとしよう 実力勝負ではお前らには荷が勝ち過ぎているからな」

キノココ「それはありがたいね バトルは苦手だから」

話はどんどんと進んでいく エネコは正直ついて行けていなかった

ソルロック「我は太陽の番人 ソルロック」

ルナトーン「我は月の番人 ルナトーン では、出題させて貰おうか」
 ▼ 342 リジオン@ナゾのみ 18/06/12 23:33:49 ID:RtNkNsNg [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソルロック「この洞穴の奥は東西に二股に分かれた作りになっておる」

ルナトーン「生成された月の石はその突き当りに現在保管されているのだ」

ソルロック「片方だけ通行許可を出してやる もう片方を通ることは許さぬ」

ルナトーン「どうしても通るというなら、本気の我らを退けてからになるな」

番人たちの実力は未知数だが、威圧感や雰囲気から察するに相当の実力だろう

戦っても退けることが出来るとはとても思えない

キノココ「つまり、一発で正解を当てないといけないってことか」

ダーテング「確率は半分であるか ……俺の所為でこんなことになって済まないのである」

ソルロック「これこれ 慌てるでない まだ話は終わってないぞよ」

ルナトーン「出題と言っただろう 完全な運勝負をさせる気はない」

ソルロック「月の石に辿り着くため一つだけ質問することを許そうぞ」

ルナトーン「ただし、我らはその質問に、完全なる嘘と完全なる真実で返答する」

ソルロック「よく考えて質問するがよいぞ 気長に待つのは苦ではないからな」

ルナトーン「勿論、質問しないで行くという選択もよかろう 運に自信があるのならな」

完全なる嘘と、完全なる真実 どういう意味なのだろうか

ダーテング「普通に質問するだけではだめということであるか?」

モンメン「月の石はどこにあるの? って聞いちゃダメなの?」

キノココ「それだと『東側』と答える奴と『西側』と答える奴に分かれてしまう
     そして、どちらが真実を言ったのか判らないまま質問権は尽きる」

モンメン「え、ジャア、嘘を吐いているのはどちらデスカ? と聞くのは?」

キノココ「その質問じゃ解らないよ そして月の石の場所が解らないままだ」

一つの質問でどちらが嘘つきか見極めつつ月の石の場所を確定させろということか

……ううむ、難しい
 ▼ 343 TOg35azcXc 18/06/14 00:22:56 ID:Isd2Z5xE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
嘘と真実 どう見極めればよいのやら エネコ達はああでもないこうでもないと頭を捻る

キノココ「……じゃあ、質問させてもらおうかな」

そんな中、何かを閃いたのか、キノココが口を開いた

ダーテング「大丈夫なのであるか?」

キノココ「うん ソルロック、ルナトーン、質問だ
     『月の石は西にあるかと訊いたら、YESと答えるか?』」

キノココが口にしたのは、予想外に短く、回りくどい質問 はてさて……

ソルロック「ほう…… では答えよう NOじゃ」

ルナトーン「NO だな その質問にYESとは答えない」

キノココ「だってさ 東を目指そう 月の石はそっちだ」

答えを聞くなり、キノココは先に進もうとする

エネコ「いやいや、ちょっと待ってよ どういうことなの?
    何で答えが一緒? そして東が真実である根拠は?」

奴らは正反対のことを言うと宣言していたのではなかったのだろうか?

キノココ「ええと…… あの質問では嘘吐きも正直者も同じ答えにならざるを得ないんだ
     少しややこしいんだけどね」

モンメン「どういうことデス? 解りまセン……」

キノココ「月の石が東にあるのに、『西にあるか?』と訊かれたら
     真実を言う方はNOと答え、嘘を吐く方はYESと言う ここまではいいよね?」

ダーテング「当然であるな」

キノココ「そこで質問に『YESと答えるか?』を付ける
     真実はNOなのだから、そのままNOと答える
     嘘はYESと答えるところを嘘に変えNOと言ってしまう」

……結果、答えは真実だけになる 反対の反対は正面、ということか

ソルロック「正解じゃ 良く見抜いたな では行くがよい」

ルナトーン「有益に活用することを期待するぞ 我らには関係ないがな」

エネコ達は二匹に見送られ、洞穴の東奥へと足を進めた
 ▼ 344 TOg35azcXc 18/06/15 23:41:18 ID:eGFwBsvg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコ「……ようやっと、突き当りみたいね ――わあ……!」

モンメン「なんというか、良いところデスネ…… 美しヤ……」

狭い場所、天井の低い場所、極端な上り下りなど困難な道程を抜け、

エネコ達は番人らの言っていた場所へと辿り着いた

とても澄んだ水が湛えられていて、ヒカリゴケの放つ淡い光のお蔭でとても神秘的

当初の目的を一時忘れて、見惚れてしまう

ダーテング「ここに月の石があるのであるな」

キノココ「洞穴だから仕方ないけど、石がゴロゴロ転がってるね……
     この中から特定のものを見つけ出すのは中々、骨かな……」

モンメン「頑張りマス!」

意気込んで探し始めたものの、なかなか見つからず水中をさらうところまでやって

最終的には天井近くのくぼみにはまっていたのを、モンメンが見つけ出してくれた

皆、徒労感があってぐったりしてしまう

ダーテング「ここにある、というのが事前に判って無ければ諦めるところであるな……」

エネコ「本当、キノココに感謝ね…… あれに正解してなかったらと思うと気が滅入るわ
    モンメンもありがとうね あんたがいなきゃ見つからなかったわ」

モンメン「光栄デス これでミンナ助かるのデスヨネ! ソノ…… 早速――」

ダーテング「ここで進化するのはやめておくがよいのである
      進化すると体長や体格が変わり、慣れるのが大変故
      このような安定しない帰り道が控える中では危険である」

モンメンがエネコに月の石を差し出そうとすると、ダーテングが言葉で遮って来た

流石探検に慣れてるだけあって一理ある話である

エネコ「まあ、そうね 進化するのは洞穴を抜けてからにしましょうか」

ダーテング「うむ それまで月の石は俺が預かっておこうか」

エネコ「いえ ここは浮いてるモンメンに任せましょう 落とさないでね?」

モンメン「任されマシタ 大事に持ってマス」

ダーテング「成る程 それも良いな 俺が持つより確実そうだ」
 ▼ 345 ガハッサム@ノメルのみ 18/06/15 23:41:48 ID:IBlEgc7I NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 346 TOg35azcXc 18/06/15 23:41:48 ID:eGFwBsvg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
通って来た道を帰るだけでも結構過酷ではあったが、目的を終えた達成感と
外へ向かっているという安堵感から、来る時よりは気持ちが楽だったように思える

といっても疲労感はやっぱりあって、ヒカリゴケのそれとは違う眩しい光を見たときは
思わず歓声を上げてしまったのだけれど

エネコ「やっと、外が見えてきたわ! いつの間にか、夜が明けてる!」

キノココ「はは 大冒険って感じだったね もう、僕もくたくただよ」

モンメン「本当デス…… ワタシたち、徹夜しちゃってたんデスネ」

エネコ「まあ、一休みしたらもう一仕事あるんだけどね ダーテングも、お疲れ様」

朝焼けの空の下、開放感に満たされながら成功を讃えあおうと声を掛ける


ダーテング「ああ、お疲れ様だ よく俺様のために月の石を採ってくれた」

突然、ダーテングの声色が変わった 傲岸不遜に 尊大に


エネコ達はそれを聞き、モンメンを背中に隠すように身構えた

ダーテング「大人しくよこせ 月の石」

モンメン「ど、どういうことデス……?」

突然に向けられた悪意に、彼女はついて行けていないようだ

エネコ「……そっちが本性? 『悪』とやらの」

ダーテング「くっそ、番人どもめ 余計なこと言いやがって
      お前、途中から俺のこと警戒してたろ 面倒臭え」

エネコ「そりゃあれだけ言われたらね と言っても、洞穴内では何も言えなかったけど」

狭い空間ではお互い逃げ場もなく、下手に糾弾しても何ができるわけでもない

月の石を預けなかった程度か ともかく、刺激しないのが吉と見ただけ

モンメン「わ、渡しマセン……! コレは、必要なのデス!」
 ▼ 347 TOg35azcXc 18/06/16 00:27:07 ID:XtH2Cgu. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キノココ「何故? 何のために僕らを?」

ダーテング「そりゃ、月の石は需要があるからさ かなり値を張っても買い手がつく
      一個でも取れればぼろ儲けっつう寸法よ」

相手は下卑た笑いを浮かべて力説する 毒タイプじゃないのに反吐が出そうだ

ダーテング「だが、俺が一匹で行っても番人とやらが出張ってきて上手くねえ
      損が増えるばっかりだ そんで思いついたのよ
      他のポケモンに採らせてきて、あとから横取りするっつうビジネスをよ」

キノココ「清々しい程の『悪』だね 態々ついて来たのは?
     そのビジネスなら待っていても良かったように思うけど?」

ダーテング「それはあれだ お前らのチームにエネコがいるからだよ
      進化石は使い捨て 勝手に使ってゴミにされんのを妨害するためだ」

キノココはダーテングから情報を引き出しながら、こちらにアイコンタクトを送って来る

……そうだ キノココが気を引いている内に、使ってしまえば――

ダーテング「させるかよ “差し押さえ”」

――封じられた 道具を思うように使えない

ダーテング「邪魔者が、俺の前を塞ぐんじゃねえよ “吹き飛”べ」

相手が両手の扇を器用に振ると、キノココとエネコだけ押しやられてしまう

そして、残って震えているモンメンへ手を伸ばし

ダーテング「“泥棒” さて、確かに頂きましたよ ご協力感謝 ってか」

あっさりと石だけ奪って、皮肉気に呟きながらこちらに背を向けた

エネコ「待ちなさい! “欲しがる”!!」

ダーテング「おっと、危ない危ない もう戻ってきやがった」

くぅ、不意打ち気味に技を放ったというのに、余裕綽々と躱されてしまった

ダーテング「盗るもん盗ったし、もうズラからせてもらうぜ じゃあな」


相手の ダーテングは 空高く 跳びあがった !
 ▼ 348 ルマイン@むしよけスプレー 18/06/17 17:33:37 ID:FrP26XBo [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
“飛び跳ねる”

その名の通り強靭な筋力や体の一部の弾力、反発力で空高く跳び上がり、

落下の勢いに乗せて強力な攻撃を仕掛ける技だ

そしてその特性上、降りてくるまで地上からの干渉は断たれる

ある意味では、一時避難の技ともいえよう


勿論、鳥や龍でもなければ重力に逆らうことが出来ずいずれ降りてくるはずである

エネコ達はその時を、相手を見上げながら虎視眈々と待つが

エネコ「移動、してる? ……嘘 飛んで逃げるなんて!!」

いくら待てども、相手は降りてこない

それどころか、まるで羽でも生えているかのように軽やかに移動していく

どうやら、両手の扇で風邪を巻き起こし、それを推進力としているらしい

……そういえば、そんな伝承を持つ生物がどこかで語られていたっけ

それを“技”を使って再現するとは

 ▼ 349 行ni◆TOg35azcXc 18/06/17 17:35:02 ID:FrP26XBo [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコ「くっ! 待ちなさい! 月の石、返せぇぇぇ!!」

慌てて駆けだす 必死になって追いかける

しかし、地上を走るのと空中を移動するのでは明らかに速度が違って

……駄目だ 引き離される

キノココ「ハァッ ハッ 諦め、られるか! あれがあれば、皆助けられる!
     絶対、追いついて、取り返してやる! うおぉぉぉ!!」


突然、キノココの身体が光り出す まるで彼の気合に、願いに応えるように

光はどんどん強くなり、彼の身体を一回り大きくして、ぐんぐん加速していく


キノガッサ「届けぇぇぇ!! “スカイ、アッパー”ァァァ!!」


そして天高く打ち上げた“拳”は見事相手を捕らえ、撃ち落とした
 ▼ 350 0行に戻ってる◆TOg35azcXc 18/06/17 17:36:58 ID:FrP26XBo [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モンメン「凄いデス! キノココサン! いえ、進化したから、アレ? なんていうのデス?」

エネコ「キノガッサ、よ それにしてもこのタイミングで進化なんて 凄いわね」

すっかり置いていかれる形になったエネコ達は、彼の元へ駆けていく

キノガッサ「取り返したよ、月の石 それと、コイツは警察、かな」

キノガッサは、落下の衝撃で目を回していたダーテングを縛っているところだった

エネコ「お疲れ様 じゃあ、早速使わせてもらうわね」

モンメン「お願いシマス そして、ミンナを……」

月の石に含まれる月光線を自らの体に当てる

次の瞬間、何とも言えない感覚と激しい光がエネコを包み――


おめでとう !

エネコは エネコロロに 進化した !




ダーテングを、もはや馴染みとなった警察に引き渡した後

エネコロロたちはエルフーンの待つ木の洞まで戻り、薬を処方する

進化したてで上手くできるか不安もあったが、幸いよく効いてくれた

しっかり効くことが解ると、エネコロロは奮起し特効薬を沢山生産した

この病に苦しむポケモンは沢山いるのだという 全員に行き渡るようにと

そうして処方した薬を動いても大丈夫なほどまで回復したエルフーンに持たせた

エネコロロ「足りなかったらまた言ってね すぐ作るわ」

エルフーン「本当に、こんなに良くして貰って忝い 本当に感謝する」

エネコロロ「お大事にね 感謝はちゃんと皆治ってからにして頂戴」

モンメン「本当に本当に、ありがとうゴザイマシタ! このご恩は忘れマセン!」

そして自分たちの地方へと帰っていく彼らを見送る

これで、この騒動は終わり、かな
 ▼ 351 TOg35azcXc 18/06/17 18:24:40 ID:FrP26XBo [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キノガッサ「お疲れ様、ロロ」

一仕事終わったと息を吐くと、隣から労いの声が掛かった

エネコロロ「そうね 今回はちょっと疲れたかも あんたこそお疲れ様
      ……ところでその呼び方は?」

キノガッサ「んー…… なんとなく」

エネコロロ「そう じゃあ、私はキノとでも呼ぼうかしら」

キノガッサ「ガッサじゃなくて? まあ、いいけど」

どことなく気怠い雰囲気でなんともない話を始めてしまった

何とはなしにしばらく言葉を交わす 中身がなくてすぐ忘れてしまうようなことを

しかし、こんな話を切り上げもせず続ける辺り

エネコロロ「キノ、なんか話したいことでもあるの?」

キノガッサ「うん、まあね ロロは今回のこと、どう思った?」

エネコロロ「抽象的ね…… そうね 大変だったけど……」

キノガッサ「楽しかった? 誰かのために何かできることが、嬉しかった?」

こちらの考えを先取りして言葉にされ、少し目を見開いてしまう

キノガッサ「うん 僕もそういう気持ちなんだ」

エネコロロ「ふうん…… それで?」

キノガッサ「だから、自分から積極的に活動できる場所がほしいな、って
      自分でギルドを作ってしまうのはどうだろうかって、ね」

エネコロロ「偉い人の誘い、蹴ったじゃない あんた」

キノガッサ「公が向かないって考えは変わらないからね……
      だから、『私営ギルド“ひみつきち”』 なんて ……どうかな?」

公営ではなく、私営 成る程 らしいかもしれない

エネコロロ「……いいんじゃない?」

彼には合っているだろうし、なかなか面白そうだ
 ▼ 352 TOg35azcXc 18/06/17 18:25:13 ID:FrP26XBo [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キノガッサ「それで、良かったら、なんだけど」

キノガッサ「君も、そこのメンバーになってくれないか」

キノガッサ「その、ロロとは、これからも一緒に行動していきたいから」

勇気を絞り出す、という感じで、つっかえつっかえ彼は言う

彼の顔が赤く染まって見えるのは、決して日差しの所為だけではない筈だ

それに対するこちらの答えは、勿論

エネコロロ「馬鹿」

キノガッサ「――ええっ!?」


エネコロロ「訊くまでもないじゃない 私たちの仲でしょ」

エネコロロの返答に、彼は嬉しそうに頬を緩ませる

断られると思っていたのだろうか この馬鹿は

エネコロロ「まあ、これからもよろしくね」

キノガッサ「ああ 宜しく!」

二匹で顔を見合わせて笑い合う




キノガッサ「よし! 次はゴクリンを誘うぞ! 皆もね!」

エネコロロ「……馬鹿!」

まあ、そんなことだろうとは思ったけどね……

ともかく、これからも騒がしくなりそうだ

きっと楽しくなってくれることだろう 期待してしまうね

                                    ――fin.

 ▼ 353 ノココ@シールぶくろ 18/06/17 21:59:58 ID:ox.gQy.c NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
 ▼ 354 ラスルが強くなる話◆TOg35azcXc 18/06/23 00:45:23 ID:1fxsPCrA NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
私営ギルドを立ち上げることになったようです

困っているポケモン達から依頼を受けて、こちらで解決を図るという組織です

勿論、公平のため解決時には報酬を払ってもらうのです

難しい案件ほど必要な報酬は多く、或いは貴重になるため依頼解決にもやりがいが出ます

誰かを助けることが出来て、自分たちにも利することもあって

とても素敵なことであると思うのです


マイナン「でも、あんまり依頼来ないね……」

目下の問題は、そこなのです

ギルドが新設であまり知名度がない所為なのか、余り依頼が来ないのです

全く、と言う訳ではないのですが……

プラスル「キノガッサさんかエネコロロさんだけで手に負える依頼ばかりで、
     あの二匹が片付けちゃうのですよね……」

ルリリ「なんか、張り切っちゃってるよね まあキノガッサが言い出したことなんだけど」

プラスル「私たち、あんまりやることないですもんね」

ゴクリン「いいんじゃない? それだけ平和ってことでしょ」

ゴクリンの言うことも一理あって、確かに、喜ぶべきなのかもしれませんが

プラスル「なんというか、手持無沙汰といいますか……
     できることがあるなら、していたいといいますか……」

ルリリ「だよねー 私たちに仕事残してくれてもいいのに……」

ゴクリン「まあまあ、キノコ ……ガッサもなり立てで張り切ってるだけだから
     あんまり責めないであげてよ」

マイナン「ちょ 呼び間違い……」

ゴクリン「だって急に変わんだもんさ あんまり責めないであげてよ
     もう『所長』って呼ぼうかな ギルドの言い出しっぺだし」

マイナン「ああ、確かに リーダーは誰かって言われたらキノ――ガッサだし
     いいんじゃないかな」

ルリリ「マイナンも間違いそうになってるし まあ、賛成」
 ▼ 355 ンボラー@つきのいし 18/06/23 19:38:34 ID:.Saw2TOI NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 356 クレー@カムラのみ 18/06/23 23:47:03 ID:e1OcPLUQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 357 TOg35azcXc 18/06/24 00:07:30 ID:U3RAs3qY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キノガッサ「お邪魔するよっと 新しい依頼とか来たかい?」

噂をすれば影、といいましょうか キノガッサが“ひみつきち”へと丁度入ってきました

ゴクリン「いらっしゃい おめでとう 君はたった今所長に任命されたよ」

キノガッサ「へ? 僕が? 長だなんて、そんなそんな」

突然の宣告に、彼は目を丸くします

エネコロロ「妥当じゃないの キノが立ち上げたいと言ったのだし ……お邪魔するわ」

キノガッサ「向いてないと思うけどなぁ じゃあ、副長はロロね」

エネコロロ「……巻き込まれたわ まあいいけど」

ルリリ「エネコロロが副長ね なんかしっくりくるよ」


マイナン「それはそうと、依頼が少ないねって話をしてたんだよ」

ルリリ「そうそう 所長と副長だけで片付けないで、私たちも何かしたいんだよって話」

先程話していた内容を、後から来た二匹にも話します

というか、彼らにこそ言いたい不満なのです

キノガッサ「う…… 確かに、ギルドを立ち上げておいて独りで先走るのは良くなかった
      ごめん でも、設備投資してくれた貴族様のためにも頑張らなきゃと思って」

依頼掲示板やカウンターなどギルドとして必要な器具等を態々用意して下さったのは

いつぞや所長と決闘をした有力な貴族であるブーピッグでした

これから広告周知も行ってくださるとか 本当に感謝してもしきれない方です

エネコロロさんは思うところがあるらしく複雑そうな顔をしていましたが

そういう事情もあって頑張ってしまうのは判りますけれど……

プラスル「それでも、私達にも仕事残しておいてくださいよ……」

マイナン「ボクらだってやる気はあるんだぞ!」

やることがない、戦力外であるというのも辛いものがあるのです
 ▼ 358 ャース@しずくプレート 18/06/24 00:08:19 ID:RJ7EbtrA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 359 TOg35azcXc 18/06/28 23:59:06 ID:YaikuqM2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリリ「何かない? 何でもやるよ?」

マイナン「依頼じゃなくてもいいから」

キノガッサ「ううん…… やること、ねえ」

やる気満々の二匹に対して、キノガッサさんは腕を組み悩んだような顔をしました

エネコロロ「あの調査は? その内ちゃんとやんなきゃって話してたじゃない?」

プラスル「調査 ……ですか?」

エネコロロ「迷路山の、なんだけどね ……やる?」

色々な意味で気遣いが込められた複雑な声でした

いつぞやシンジケートが占拠した場所であり、

プラスルたち兄妹にとっては複雑な感情を抱かざるを得ない場所です

ルリリ「私はいなかったんだよね…… どういうことを調べるの?」

エネコロロ「前回乗り込んだ時、地図を奪ったのよ
      で、その地図が未完成、というか 書かれてない場所があるみたいなの」

ルリリ「未開の地の開拓ってこと? なんていうか、冒険だね!」

キノガッサ「うん 冒険だ つまり危険だよ 何があるかなんて解らないし
      迷ったら帰って来れるかもわからない 洞窟だから閉塞的で暗いだろうしね」

マイナン「……暗いなら、電気で明るくすればいい ボクらのボンボンで」

キノガッサさんの心配そうな声に、マイナンが言葉を返しました

その瞳にはやる気が満ち溢れています

エネコロロ「ええ まあ それを期待してたところはあるのだけど…… 大丈夫?」

マイナン「大丈夫さ シンジケートはもういないのだし
     そもそもボクがやりたいと言い出したのだから」

エネコロロ「まあ、あんたは大丈夫そうね でもプラスルはどうなのかしら?
      勝手に一纏まりにされてるようだけど?」

プラスル「ふぇ!? わ、私は……」

話題を振られて困ってしまいました ……自分が情けなくなります

あの時のことを考えて身を竦ませてしまっているのを見抜かれてしまったようです
 ▼ 360 ンターン@フォーカスレンズ 18/06/29 00:01:48 ID:Hkjsn4wI NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 361 TOg35azcXc 18/06/29 23:13:22 ID:WcYoinio NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコロロ「あとね、折角のやる気にまた水を差すようだけど、話はまだあるのよ」

気まずい空気になりかけたところで、エネコロロさんが言葉を重ねました

エネコロロ「未踏エリアの開拓も目的の一つではあるけれど
      それよりも、今回調査しようとなったのは最近聞いた噂の方が原因なの」

プラスル「……噂、ですか?」

こちらの質問に彼女は少し躊躇ったような表情を見せた後、急に声を潜めました

エネコロロ「……出る、らしいわよ」

ルリリ「…… ……で、出るって ……何が?」

その様子から、嫌な予感は察していても聞かずにはいれないというようで

こちらも構えてしまう中、彼女は続く一単語を口に出しました

エネコロロ「お化け」

ルリ+−「「「ひゃあああぁぁ!!?」」」

三匹は、遂には身を寄せ合って震えてしまいます


エネコロロ「兎に角そういう話が出たからこれは調査しなきゃなあってなったんだけど」

さっき迄の口調はどこへやら、エネコロロさんはいつも通り淡々と話し始めます

マイナン「待て待て待て! 何でそんな冷静なんだよ!?」

エネコロロ「よくある噂だもの これから調べようっていうのに及び腰でどうするの
      私が調査してもいいんだけど、どうする? やめとく?」

どこか気遣いの色を見せる彼女の前で、プラスルたちは少々顔を見合わせてしまいました

ゴクリン「ぼくはパスねー おばけなんかと関わり合いになりたくないし」

そんな中、まず真っ先に辞退の意を示したのは先程悲鳴を上げなかったゴクリンさんで

キノガッサ「……本音は?」

ゴクリン「動きたくないでござる!」

エネコロロ「あんたね……」

キノガッサ「だったら、リンは依頼受付とかやってくれないかな
      僕らが出払ってても“ひみつきち”に残る人員がいてくれると嬉しい」

ゴクリン「かしこまり! 任せてよ!」
 ▼ 362 TOg35azcXc 18/07/01 00:14:08 ID:/wkgmDTE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコロロ「……で? あんたたちはどうするの?」

別に自分でやってしまっても構わないけど、とやはり気遣いが籠る声で彼女は言います

何かしたいという気持ちは変わらずありますが、迷路山というのがどうにも……

それに、お化けの話にも尻込みしてしまっています しかし……

ルリリ「じょ、上等じゃん! おおお化けがなんだっていうのさ!」

マイナン「そそそうだよ! 全ぜん然大丈夫だよ! う、噂でしょどうせ!」

ルリリ達は一度言った手前、引くに引けなくなっているところもありました

ゴクリン「嫌なら嫌って言っても誰も怒らないのに…… そう思うでしょ?」

そんな彼女らを横目に、ゴクリンさんはこちらに話しかけてきました

プラスル「え? あ、はい ……そう、ですよね」

どうやら、気を遣われたみたいです

プラスル「申し訳ありませんが、私も留守番させてもらいたいと思います
     迷路山の調査は、私には荷が重そうです……」

エネコロロ「そう まあ、無理はしない方が良いわ じゃあ、迷路山はそっちに任せて
      プラスルは木の実採集に付き合ってもらおうかしら」

マイナン「…………マジ?」

ルリリ「……マイナンと二匹だけ?」

エネコロロ「あら あんたたちが言ったことでしょう? 頑張ってね
      判ってはいると思うけど、十分気を付けるのよ? 地図はなくさないようにね」

蒼褪めた二匹の様子は少々気の毒でした…… 口は禍の元、ですね


そんな二匹が更に蒼褪めて戻って来たのはその日の夕暮れのことで

マイナン「ほほ本当にでたぁぁぁぁ!!」

ルリリ「何あれ!? 何あれ!?」

はてさて、どうやら恐ろしい目に遭ったようで混乱しているみたいです
 ▼ 363 TOg35azcXc 18/07/02 00:05:12 ID:cIpw66bU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エネコロロ「お帰りなさい で、出たって、何が?」

ルリリ「お化け! お化けだよ! 暗くてはっきりとは判んなかったけど!」

マイナン「ぼうっと浮いてて! がらんどうな目でこっちを見たかと思うと、
     すーって平行移動してきて! あんなん見たことないよ!」

エネコロロ「それで逃げてきたの…… 無理しないでって言った手前責め辛いのだけど、
      それを調べるのがあなたたちの役目だったって判ってる?」

ルリリ「う…… それは面目ない ……けど、あれは無理!」

マイナン「そうそう! この世のものとも思えない! あれに立ち向かおうなんて無理!」

得体の知れない『何か』の存在を語る彼女らは本当に怯えていました

……情けないことに、自分が行かなくてよかったなんて思ってしまいます

エネコロロ「まあ、無事でよかったわ じゃあ、地図の方は?」

マイナン「それは一応やったよ ちゃんと」

ルリリ「まああいつに出くわすところまでで、書けてない所もあるんだけどね……」

そういって取り出した地図は、確かに以前に見た時よりは書き込まれていました

ただ、依然未完成であることは事実で、エネコロロさんは溜息を吐きます

エネコロロ「得体の知れない『何か』がいることは解ったのだし、よしとしましょう
      次に調査に行くまであまり立ち入らないように周知しておかなくちゃね」

マイナン「大きなこと言っといて、すぐには行かないの? ……副長も怖いんじゃ」

エネコロロ「馬鹿言わないで 泉の方で病気の方がいて、薬を作らなきゃいけないのよ」

プラスル「あ、それで木の実採集だったんですか?」

エネコロロさんは異邦から来た病気に関する依頼を解決した実績があり

このギルドには薬についての依頼が結構入ってきたりもしているようです

しかし、薬を作れるのは現状彼女だけで こちらとしてはもどかしいのですが

図らずも今回、依頼完遂の一助が出来ていたと知れて、嬉しくなります

マイナン「エネコロロも結構忙しくしてるよね…… んー、なんか悔しい!」

ルリリ「私も薬について勉強しようかなぁ……」

エネコロロ「別に教えても構わないけど まずはお知らせ宜しくね?」
 ▼ 364 クリュー@デボンスコープ 18/07/02 23:44:13 ID:qVegsDjg NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 365 TOg35azcXc 18/07/05 16:44:55 ID:vHgclZbQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
迷路山の立ち入り制限について勧告して
その日の内にそれは多くのポケモン達の間に広まりました

さて、その翌日キノガッサさんもエネコロロさんも出払っている中
とある一匹のポケモンが“ひみつきち”へとやって来たのです


依頼者「スみません 最近できたギルドってここナンスか?」

ゴクリン「いらっしゃい どちら様? 依頼でも持ち込まれたのかな?」

依頼者「ソ、ソーッスね まず名乗るべきスか あっしはソーナンスっス
    相談というのは妹のことナンス…… あ、妹ってのはソーナノナンスけど」

マイナン「依頼? なになに? 今なら手の空いた人員がいるからすぐ解決しちゃうよ?」

依頼者さんが来るなりそわそわしていたマイナンは、遂に話に割り込みます

依頼者「ソーナンスか! 有難いっス 最近妹は勝手にどっかいくことが多くなってスね
    問い詰めてみたら、なんと迷路山だっていうじゃないスか!
    危ないからあまり行かないように何度か注意したスけど聞かなくて……」

ゴクリン「ふむふむ」

依頼者「そんな時に、迷路山の立ち入り制限の話スよ 昨日散々言って聞かせたのに
    また勝手に出かけたみたいで 多分迷路山ス あっしもう心配で心配で……」

マイナン「えぇ…… め、迷路山、スか……」

しかしその内容を聞くなり顔を引きつらせ始め、及び腰になってしまいました

依頼者「勧告出したのもここだし調査するのもここスよね? どうか妹を助けて欲しいっス」

ゴクリン「成る程 妹さんの捜索と保護を依頼したいわけだね」

依頼者「ソーナンス! 勿論報酬は弾みまス どうかよろしくお願いしまっス!」

ゴクリン「まいどありがとうございましたー」

そんなやり取りを残して依頼者さんは“ひみつきち”を去って行きました
 ▼ 366 度支援どうも◆TOg35azcXc 18/07/05 16:45:29 ID:vHgclZbQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴクリン「で、どうするのさマイナン ルリリも聞いてたよね?」

ルリリ「え!? う、うん…… 迷路山、だよね……」

ゴクリン「そう すぐ解決するとか言っちゃったけど? この馬鹿が」

マイナン「う…… そんなに言うんならゴクリンが行けばいいじゃないか」

ゴクリン「ぼくは所長直々に受付担当を任されてるからね」

ルリリ「そんなの、私たちがやるから! 行ってきてよ!」

ゴクリン「いやいや、任された仕事を投げ出すなんてぼくにはできないな」

マイナン「ズルっ! どうせ本音は『動きたくないでござる』だろうに……!」

ゴクリン「だから何だ! ぼくが任された事実は変わらない 暇なら行ってきなよ!」

ルリリ「そ、そうだ 所長が帰ってきたら事情説明してそれで……」

得体の知れない存在を直接見た二匹も、聞いただけのゴクリンもすっかり怯んでしまって

しばらく醜い押し付け合いが続きます 続いて、仕舞います

プラスル「……何、やってるんですか 皆さん」

情けなくなります 三匹のやり取りも それを眺めていただけの自分自身も

プラスル「一番に考えるべきはソーナノさんのことじゃないですか?
     確かに、今迷路山には不穏な影は有りますよ 正直、私も恐ろしいです
     でも、いえだからこそソーナノさんを早く捜索して、安全を確認しなくては」

こちらの言葉に、三匹は黙り込み、しかしだったらどうするのかと目配せをし合います

プラスル「私が、行きます ソーナノさんの捜索に 迷路山へ」

マイナン「な、なにを!? 本気か!? あそこにはお化けがいるんだぞ!!?」

ルリリ「プラスル、本当に大丈夫? 震えて、るよ? やっぱり……」

……駄目ですね あの場所を思うとどうにも体は震えてしまいます

けど、それじゃ駄目なんです しっかりしないと

プラスル「いえ、行きます ソーナノさんのために 私が依頼を受けても大丈夫ですよね?」

ゴクリン「ギルドのシステム的には問題ないよ ……でも、気を付けてね?」

プラスル「はい 頑張ります」
 ▼ 367 TOg35azcXc 18/07/06 00:26:35 ID:OzgU1gvk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マイナン「参ったな…… これじゃなんかすごく格好悪いじゃないか……
     ――ボクも、行くよ やってやろうじゃん 捜索依頼」

ルリリ「……本気? だって、迷路山には、あなたたちは…… それにあいつが……
    ああ、もう! 私も行く! 二匹に全部任せるわけにはいかない!」

先ほどまで山にはいくまいと依頼を押し付け合っていた二匹は

それでも、プラスルと共にその場所へと向かってくれると言います

プラスル「お兄ちゃん…… ルリリ…… ありがとう」

気付いたら、素直に感謝の言葉が出ていました

迷路山のお化けを直接見て、まだ恐怖から立ち直れていないでしょうに……

本当は一匹で挑むことは、怖くて仕方なかったのです

ルリリ「みんなで行けば、怖くないし! そもそも、お化けを退治しろってんじゃないしね」

マイナン「それもそうだ! 危険な奴に態々近づくこともない ソーナノさえ保護できれば」

……強気なのか弱気なのか判りません

しかし、考えてみれば合理的な選択です

依頼解決に向けて少し希望も見えてきたでしょうか


ゴクリン「皆も行くんだ? まあ、その方が良いよね 行ってらっしゃい」

マイナン「君は相変わらずなんだね……」

ルリリ「もっとこう、自分も行くーみたいなことはないの?」

ゴクリン「そりゃもう 受付離れるわけにはいきませんから ……頑張って」

プラスル「はい 行ってきます」


 ▼ 368 ルミル@ディフェンダー 18/07/06 01:54:22 ID:KDNAMNZA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 369 TOg35azcXc 18/07/07 22:27:50 ID:svMoIjAU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリリ「さて、迷路山入り口についたのは良いけど……」

マイナン「この中を捜索、か 気が遠くなりそうだ アイツもいるし……
     前は“プラス”“マイナス”の引力で目標の位置を何となく把握してたけど
     それもないし 本当、どうしよう……?」

迷路山は地図があっても迷ってしまう程広大です

宛てもなくうろついても目標に会えるとは思えません

更には、地図にはまだ描かれていない場所があり、その先にはお化けもいるそうで

その中でソーナノさんを助けるために動くというのなら……

プラスル「……いっそ、そのお化けとやらの元へ向かうのがいいのでしょうか」

ルリリ「へ!? え? な、なんでそんな考えに至るの!? あんなに怖いのに!?」

マイナン「そうそう! 退治する必要なんてないんだって! 近づかない方が……」

あんなに、と言われましても聞いただけでは測り切れませんし それに

プラスル「だからこそ、じゃないですか? お化けが危険だというなら、
     そのもとにソーナノさんがいるなら助けなくては」

依頼者さんの話からするに、彼女は何度も迷路山に来ていて、ここに慣れていますから

お化けの元にいないとなれば、無事である可能性も高くなります

寧ろお化けをプラスルたちが引き受けることで、彼女への危険を減らせるかもしれません

ルリリ「それもそうだけど…… ううん……」

マイナン「判った 行こう 気は進まないけど、調査は元々ボクらの仕事だったわけだし」

ルリリ「……そうだった うう…… でもなぁ……」

マイナンもルリリも足が震えています プラスルだって、怖くないといえば嘘になります

しかし、今度は逃げるわけにもいかないのです

助けなくてはいけない相手が、居るのですから

無事を保証して、安心させなくてはいけないのですから
 ▼ 370 TOg35azcXc 18/07/08 00:18:07 ID:XBwUXHhY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
地図を見ながら、前回彼女らがお化けに出会ったという未踏地帯を目指します

勿論、耳を澄ましてソーナノさんやそのほかの気配を探ることも怠りません

しかし、自分たち以外の気配は感じられなくて 不気味なほどに静かなものでした

マイナン「……この先から未踏地帯、だね 迷わないように地図を描きながら行こう」

ルリリ「ソーナノ、大丈夫かな…… もしこっちにいたら……」

この先は、正に未知です どんな危険があるか解りません

それでも、進むしかないのです できることは、やりたいですから


ルリリ「しっ! ストップ……! いた……!」

しばし進んでいると、突然ルリリが立ち止まるよう制してきました

マイナン「いた、って ……ど、どっちが?」

背筋に冷たいものを感じながらも尋ねずにはおれないというように声を出します

ルリリの後ろから曲がり角の向こうを覗きますと、浮遊している存在がありました

翅はあるように見えるのに、全く動かす気配のないそれはまるで生気の感じられず

洞窟の暗さと相まってか、とても不気味に見えて仕方がありません

そしてそれは、がらんどうの目でこちらを見たかと思うと、ゆっくり近づいてくるのです

マイナン「ひ…… ど、どうする? どうしよう?」

ルリリ「ちょ、マイナン! 明かり付けっぱ! そりゃバレルって! ああ……」

マイナン「うぇ! ご、ごめん に、逃げなきゃ? でも、あれ?」

怪しい光もないままに、二匹は混乱しているようです

訳も分からなくなっていたところに、とうとう相手は目の前まで来てしまいました

お化け「珍シイナ コンナトコロニコンナニポケモンガ来ルナンテ」

プラスル「……こんにちは お尋ねしたいのですが、ソーナノさんを見てませんか?」

見つかってしまったものはしょうがありません 気さくに見えるよう、挨拶します

さて、吉と出るでしょうか、凶と出るでしょうか……
 ▼ 371 ンテイ@あなぬけのヒモ 18/07/08 00:55:50 ID:aRsMLGg2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 372 ンバドロ@クロスメール 18/07/08 00:57:58 ID:HW428ieo NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 373 ズマオウ@ボーマンダナイト 18/07/10 00:29:25 ID:lzPEQSdU NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 374 ブンネ@アップグレード 18/07/10 02:41:39 ID:UZyszK1k NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 375 ルマッカ@あおぼんぐり 18/07/10 03:23:27 ID:oS.Mwa3I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 376 TOg35azcXc 18/07/12 18:14:35 ID:4R3gOQmU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この相手が、もし危険だとしたら戦うことも覚悟しなくてはいけません

その時にプラスルたちが敵う相手であるとは限らないわけでして 果たして

相手の感情を映さない瞳を見ながら、内心戦々恐々として答えを待ちます

お化け「オ前タチ、そーなのノ知リ合イカ?」

プラスル「! 知っていますか? この山にいるのでしょうか?」

お化け「アア、コッチダ ツイテ来イ」

相手はそう答えるなり洞窟の奥へ移動していきます

やはり翅を動かさない平行移動で、どうにも不気味です

マイナン「ど、どうしよう アイツについていくべき? 危なくない?」

ルリリ「それに、前回は判らなかったけど、アレ、ヌケニンだよ? ヌケニン」

見たことのないポケモンでしたが、ルリリには相手の種類の見当がついているようです

プラスル「ヌケニン……ですか? それってどういうポケモンなのです?」

ルリリ「私もよく知らないんだけど…… テッカニンに関係した種類だった気が……」

マイナン「テッカニンに……!?」

それを聞いて、マイナンが顔を歪ませます プラスルも足が震えてしまいました

テッカニン そして迷路山

これらの単語が揃うと、どうしても思い出してしまうのです

プラスルたちを襲った、悪党の集団を 恐ろしい目に遭ったことを

……ヌケニンというポケモンがここにいるというのはどういう意味になるのでしょう

もしかしたら、また何か危険な目にさらされるというのでしょうか?

プラスル「……しかし、行くしかないでしょう 元々そういう予定だったはずです」

ソーナノさんを助けるために 逃げるわけにもいかないのですから

マイナン「それもそうか ……解った 行こう」

ルリリ「了解 こうなったらもうなるようになるってことで」
 ▼ 377 ジャンボ@そうこのかぎ 18/07/13 02:26:21 ID:h5XQcYdg NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 378 ニータ@フレンドボール 18/07/13 06:21:52 ID:WtaM77xY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 379 TOg35azcXc 18/07/13 23:54:51 ID:n.vo6vyQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少し構えながらもついていくと、まるで入り口のような穴がぽっかりと開いていました

お化け「そーなの 機嫌ハ治ッタカ? オ前ニオ客人ダゾ」

穴に入りながら、それは声を掛けます 中でポケモンが動く気配がしました

ソーナノ「誰? もしかして――」

声に気付いた様子でこちらを見る彼女は、続いて入ったプラスルたちを見て

ソーナノ「って、本当に誰よ…… 何? 何の用?」

不機嫌そうに言いました ……あれ? 今、いきなり顔が曇ったような?

お化け「何ダ 知リ合イジャナイノカ?」

ソーナノ「知らないよ 誰?」

プラスル「は、初めまして 最近できたギルドの者です ソーナノさんですよね?」

ルリリ「私たち、貴女を探しに来たの お兄さんのソーナンスに――」

ソーナノ「知らないっ! 帰れっ!!」

プラスルたちが自己紹介をしますと、何が気に障ってしまったのか

ソーナノさんは壁を向いて拒絶の意思を示します

お化け「済マンナ 今日ハココニ来タトキカラコンナ調子ダ」

プラスル「い、いえ 大丈夫です ……何があったのですか?」

お化け「分カラン ズットダンマリダ マア、ユックリシテイクトイイ」

そういうと、ヌケニンはプラスルたちを残して奥の部屋らしき場所へと消えていきます

ルリリ「……はあ 一先ずの危険はないとみていいのかな? どうする?」

マイナン「ゆっくりしていけって言われたけど、あまり長居はしたくないよね
     ねえ、ソーナノ ボクらは君を連れ戻しに来たんだ 帰ろう」

ソーナノ「…………」

マイナンが声を掛けても、頑としてこちらを向いてくれません。

……状況把握、出来ないことばかりですね
 ▼ 380 ベルタル@ゴスのみ 18/07/14 05:47:47 ID:a4/IpGD2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 381 TOg35azcXc 18/07/14 23:42:45 ID:X9CoKmv2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリリ「ソーナノっ ねえ 帰ろうよ みんな心配してるよ?」

マイナン「そうだよ! 迷路山は暗いし迷いやすいし、危険だよ!」

ソーナノ「うるさい! うちは何度も来てるもん! 一匹でも危ないことなんてない!」

二匹が説得を仕掛けますが、ソーナノさんは聞く耳を持ちません

マイナン「でも! 今ここは何があるか判らないからしばらく立ち入り制限だし!」

ルリリ「そうそう! 恐ろしいポケモンも確認されてるっていうし!」

それ故マイナン達はさらに言葉を重ねますが効果は薄いようで

というよりもむしろ彼女を頑なにさせているように見えます

プラスル「……お兄ちゃん、ルリリ、ちょっと落ち着いて」

マイナン「そうも言ってらんないじゃん 早くしないとアレが戻ってくる!」

彼らが必要以上に焦っていたのは、ヌケニンに対する恐怖心で

あれが戻ってくる前にソーナノさんを連れ出したいという魂胆にあったようです

しかし、どうやら何か不用意な発言だったらしく、ソーナノさんはこちらを睨み

ソーナノ「――あんたらなんか信用できない! ギルドも兄貴も大っ嫌いだ!」

そう叫んで、あとはもう何も聞きたくないとばかりにヌケニンのいる部屋らしき場所へ
駆け込んでいってしまいました

それと入れ替わりにヌケニンがプラスルたちの方へ戻ってきて

ついつい身を固くしてつばを飲み込んでしまいますが

お化け「ナニガアッタ? そーなのガ急ニ飛ビ込ンデ来タガ……
    ア、全員おれんじゅーすデヨカッタカ?」

いくつかの陶器を運んできたその姿に、プラスルたちは毒気を抜かれ構えを解くのでした
 ▼ 382 ゲキ@ガルーラナイト 18/07/15 04:33:40 ID:YbJ.xxRo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 383 TOg35azcXc 18/07/16 02:09:23 ID:ZSfUxNmw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プラスル「なにがあった、と言われましても 私たちも状況が掴めませんで……」

判らないことがいくつもあって、少し処理が追いつきません

……判らないといえば、このヌケニンにしてもそうです

見た目の恐ろしさから警戒していましたが、意外に友好的というか

お化け「オ前タチモ判ラナイカ 困ッタナ……
    そーなの、今日ハドウモ不機嫌トイウカ アマリ話シテクレン」

そう呟きながら陶器の一つに口を付ける姿は、とても悪意のあるようには感じられません

プラスル「あ、私も頂きますね 好きなんです オレンジュース」

ルリリ「ちょ! 飲んで大丈夫なの!? 毒とかじゃ……!」

お化け「気ニナッテイタノダガ、何ヲソンナニ警戒シテイル?
    顔ノ所為カ? ソレトモワタシガ『ヌケニン』ナノト関係ガアルカ?」

ルリリ「あ…… いや…… その……」

語調が変わらないので判り辛いのですが、どうやら傷つけてしまったようです

プラスル「こ、これは失礼しました 実は私たち、テッカニンに因縁がありまして……」


この山でプラスルたちが体験した大体のあらましを話すと相手は納得したように頷きます

お化け「一時期騒ガシカッタノヲ解決シテクレタノハオ前タチダッタノカ 感謝スル
    災難ダッタナ 同族ノ不始末、謝罪シヨウ」

そして丁寧に首を垂れてくるので、こちらとしては困ってしまいます

プラスル「い、いえ 関係ないならいいのです こちらこそ失礼しました」

マイナン「……あのテッカニンとは無関係ってことなのか?」

お化け「アア、ワタシハ十何年モココニ棲ンデイルノダ
    対シテ奴ラガココニ居ツイタノハホンノ数ヵ月前程度ダ 関係アル筈ガナイ」

プラスル「成る程 それを聞いて安心しました」

迷路山に巣くう危険は、どうやらマイナン達の早とちりだったようです
 ▼ 384 TOg35azcXc 18/07/21 18:06:11 ID:mleQ5lwk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マイナン「そうだったのか…… ボクたち、てっきり……」

つい決めつけてしまっていたことに気付いて、マイナンたちは罰が悪そうにしました

お化け「気ニスルナ ソウイウ事情ガアルノナラ仕方ナイ」

それに対し、ヌケニンはゆったりした口調で答えます

表情や語調が変わらなくて判り辛いですが、こうしてみるとちゃんと感情がありますね

ルリリ「いえ、本当に済みませんでした
    “坊主憎んでマダツボミまで憎む”なんてしてはいけなかったのに……」

お化け「ウム 今後嫌ワナイデイテクレルナラ充分ダ 良イ付キ合イヲシタイモノダナ」

マイナン「判った 懐の深さに感謝する」

お化け「……懐ガ深イワケデハナイ」

マイナンの素直な言葉を受け、ヌケニンは否定を返します

少し俯いてしまいました これは…… 恥ずかしがっているのでしょうか?

プラスル「……?」

お化け「イヤ、ワタシハコンナ成リデハアルガ、“寂シガリ”ナノダ……」

続いて言われたことに一瞬呆けてしまった後、悪いと思いながらも笑ってしまいます

お化け「似合ワナイダロウ?」

プラスル「い、いえ そんなことはないのですが なんか、安心しちゃいまして」

ルリリ「うん なんていうか ちゃんとポケモンなんだなって」

マイナン「ごめん 化け物と勘違いした自分を本当に殴ってやりたい」

ヌケニンに対しては、大分和やかに接せられるようになりました

最初にここへ来るとなった時には想像もしていませんでしたね

迷路山の調査に対する障害はなくなりました

というよりも調査する必要性自体がなくなったと言いましょうか

これも一つの前進です しかし……

プラスル「ソーナノさん…… どうすればよいのでしょう?」

今回の依頼は、彼女を無事に連れ戻すこと、なのでした
 ▼ 385 チム@こんごうだま 18/07/21 21:08:46 ID:WMJUTF.g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 386 TOg35azcXc 18/07/23 01:11:41 ID:V7SgqMRU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マイナン「……そうだった どうしよう?」

プラスル「え? 忘れてたんですか?」

マイナン「い、いや そういう訳じゃないけど…… ヌケニンのことが大きすぎて」

非難の目を向けると、マイナンは慌てたように言います

ルリリ「ソーナノ、奥の部屋に引っ込んじゃって、出てこないね……」

お化け「話シテル間ニ家具デばりけーどヲ作ッテシマッタミタイダナ
    コチラカラ入ルコトガデキナイ 籠城サレテシマッタ……」

ヌケニンの言う通り、いつの間にか箪笥などが動かされていて奥へ行けなくなっています

こちらからはとても動かせそうにありません

マイナン「声は届くでしょ ねえ、ソーナノ! ソーナンスが待ってる! 戻ろうよ!」

バリケード越しにソーナノさんへ声を掛けます しかし

ソーナノ「うるさい、うるさい! 帰れ! お前らとは話したくもない!!」

相手の方はこちらに不信感があるらしく素直には出てきてくれません

マイナン「確かに、不機嫌というか癇癪起こしてるね 引きずり出すのは大変かも」

ルリリ「そもそもなんでこんな意固地なのかな……?
    私たち今までソーナノと関わりなかったよね?」

ルリリが自分の認識に間違いはないかとこちらを伺ってきました

プラスルたちも身に覚えはないと首を振ります

キノガッサさん達はどうなのでしょう?

彼らがソーナノさんに対して何か害を及ぼしたとは考えにくいですし……

やはり、ギルドが嫌われる理由は思いつきません

お化け「今日ハ来タトキカラ不機嫌デハアッタガ、確カニ変カモナ
    イツモハ偏見デ誰カヲ嫌ッタリシナイ優シイ娘ナノダガ」

……『ギルドも兄貴も大っ嫌いだ』 彼女はなぜそんなことを言ったのでしょうか
 ▼ 387 ルシェン@ガブリアスナイト 18/07/23 03:24:26 ID:LBMUXDX6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 388 TOg35azcXc 18/07/23 23:34:21 ID:V7SgqMRU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プラスル「ヌケニンさんってソーナノさんとはどのような関係なのでしょうか?」

疑問を解く取っ掛かりになるのではないかと思い、ふと質問を投げかけます

お化け「ン? ドノヨウナ、トハマタ曖昧ナ質問ダナ」

少し抽象的過ぎましたかね もう一度問い直します

プラスル「ええと、例えば知り合った切っ掛けですとか、どれぐらいの付き合いですとか
     そういうことを聞いてみたいな、と」

お化け「フム 初メテ合ッタノハ結構最近ダッタナ 騒ガシカッタノガ収マッタ頃ダロウ
    そーなのガワタシノ“ヒミツキチ”マデヤッテ来タノダヨ」

ルリリ「シンジケートがいなくなった後は普通に入れたんだっけ、ここ」

マイナン「そりゃ、誰かの私有地って訳でもなさそうだし、自由なんじゃ?」

お化け「ワタシモ勝手ニ居ルダケデヨクハ知ラナイガ、勝手デキル時点デソウナノダロウ
    トモカクそーなのハ唐突ニヤッテキテ、ワタシガ居ルコトニ気付クト言ッタノダ」

マイナン「何て?」

お化け「『迷ッタ 助ケテ下サイ』」

マイナン「本気で?」

色々と衝撃的な出会いをしていたようで、こちらは少々唖然としてしまいます

お化け「ヨクモマアコンナ奥マデ来タモノダト思ッタモノダ 尋常ナ迷イ方デハナイト」

プラスル「そ、そうですね こんなに奥まで…… 何ででしょう?」

お化け「そーなの曰ク、『悪党ノ根城ダッタトコニハオ宝ガアルモノ』ダトカデ
    ソレヲ求メテ勘デ進ンデイルウチ帰リ道ガ解ラナクナッタラシイ」

ルリリ「なんと破天荒な…… それで偶然会ったヌケニンに助けを求める辺りも……」

お化け「ソウダナ ナニセコノ見テクレダ ナノニ物怖ジセズ声ヲカケテクレタ」

ルリリ「あ、ごめん なんていうか……」

お化け「イヤ、誤解サレヤスイノハ事実ダ ワタシハ喜ンデ出口マデ案内シタシ
    話スナド久シブリダッタカラナ 案内スル間そーなのトオ喋リヲ続ケタモノダ」

ヌケニンは本当に嬉しそうに語ります

ソーナノさんが、ヌケニンに対して何の気負いもなく接したことが嬉しかったようです

『久しぶり』という言葉と“寂しがり”だと言っていたのも併せて考えると、一入

プラスル「それで、ソーナノさんと仲良くなられたのですね」

ヌケニンはどうやら、本当に善良なポケモンであるみたいです
 ▼ 389 TOg35azcXc 18/07/24 23:53:55 ID:CYloboOs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お化け「外マデ送ッテ別レテ、ソレデ終ワリダト思ッテイタノダガ 翌日マタヤッテ来テ
    『宝探シニ付キ合ッテ』ト ドウヤラワタシガ案内役ニ適役ト判断シタラシイ」

ルリリ「一日二日で!? 随分不躾な……」

お化け「ワタシモ驚イタガ、嬉シイ方ガ勝ッテイタカラ二ツ返事デ了承シタ
    迷路山中ヲ探索シ回ッテ日暮レニハ出口ヘ送ルトイウノガ昨日マデノ流レダッタ
    シカシ今日ハ“ヒミツキチ”ニ来テカラむっつりシタママダ」

ヌケニンはソーナノさんのいる部屋へ目を向け、少し俯きます 心配なのでしょう


ルリリ「迷路山の探索って、迷ったりしないの? 大丈夫?」

お化け「慣レテイルカラナ 危険ナドナイ そーなのガ求メル様ナ宝モナカッタガナ」

マイナン「あ、じゃあ、地理とか教えてもらえないかな この地図なんだけど」

お化け「ム? 未完成ナ地図ダナ 貸シテクレ 知ッテル範囲デ埋メヨウ」

マイナンから地図を受け取ったヌケニンは、嬉々としてどんどん加筆します

あっという間に地図が完成しました この“ひみつきち”の場所まで示されていました

こうして見ると見掛けに寄らず感情豊かでいて、優しい方です

迷路山に一匹で棲んでいるけれど、“寂しがり”で、気さくな…… と、なりますと

プラスル「これは、嫌われてしまっても仕方ありませんね……」

ルリリ「え? なにか判ったの?」

プラスル「はい ギルドを嫌っている原因は想像がつきました
     迷路山の立ち入り制限をしたことです 彼女には許せなかったのでしょう」

間違った理由で今まで遊び場だった場所を封鎖しようとしたこと

更には、いいポケモンであるヌケニンに対する偏見から来たものだとするなら

マイナン「確かに、『大っ嫌い』って言われもするか……」
 ▼ 390 テラ@コスメポーチ 18/07/25 01:45:41 ID:.2YY53Fw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 391 TOg35azcXc 18/07/26 00:13:54 ID:/DjIIZ9s [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリリ「でも待って、『兄貴も』っていうのはどう繋がるんだろう?」

プラスル「……想像するしかありませんが、喧嘩してしまったのではないでしょうか」

ルリリ「喧嘩? ソーナンスと? 何で? よく判らない……
   だって、ソーナンスはソーナノを心配するようないいお兄ちゃんじゃない」

ルリリは頭を捻り疑問符を浮かべます

喧嘩と心配の両立という事態に得心が行っていないようですね

こういう、感情的なことの説明って結構難しいです そうですね……

プラスル「……ねえ、お兄ちゃん 私がさっき迷路山へ行くって言ったとき止めたよね?」

マイナン「当たり前だ! 危険な場所になんて行かせらんないさ! 勘違いだったけど……」

プラスル「うん そうだよね それは、なんで?」

マイナン「そりゃ勿論心配だから 危ない目に遭って欲しくないから、全力で止めるよ」

ルリリ「……そっか 頭ごなしに否定しちゃったのか で、喧嘩と」

プラスル「はい 当たらずとも遠からずだと思います」

きっと、それぞれの想いがすれ違いを起こしてしまっているのでしょう

本当に嫌っているのではなく、少し意固地になっているということだと推測されます

お化け「不機嫌ダッタノハ、ソウイッタ理由カラダッタノカ 少シ安心シタ
    タダノ行キ違イナラ、深刻ナ問題トイウワケデモナイダロウ?」

ルリリ「でもこうして籠られてしまったら、解決するものも解決しないよ……」

ソーナノさんはバリケードを作って奥の部屋です

こちらからは視認できないため様子は伺えません

しかし、声は届きそうです 反応を返してくれるかは判りませんが

プラスル「私が、説得します 彼女と同じ、妹という立場の私が」
 ▼ 392 TOg35azcXc 18/07/26 22:18:40 ID:/DjIIZ9s [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あまり大勢での説得は返って拗れてしまいかねないと皆には下がってもらい
プラスル一匹でバリケードの近くに立ちます

プラスル「ソーナノさん 聞こえますか? 私、ギルドのプラスルという者です」

ソーナノ「…………」

呼びかけに対して、返事は返ってきません

しかし、奥でポケモンが動く気配はしました 聞いてくれていると信じましょう

プラスル「私たちはソーナンスさんの依頼で貴女を探しに来たのです
     迷路山に行っているのではないか、と
     ギルドが立ち入り制限を出したような場所にいるのなら連れ戻して欲しい、と」

ソーナノ「…………! うちは大丈夫! 放っといて!!」

プラスル「はい 迷路山に危険などありませんでした ヌケニンと話してよく解りました」

ソーナノ「……?」

『ギルドの者』が彼女の言葉を、そしてヌケニンを肯定したことで

彼女は拍子抜けたというように言葉を止め怪訝そうにします

プラスル「ごめんなさい 私たちの所為で事態がこんがらがってしまったようですね
     きちんとした調査もせずに規制しようとして申し訳ありませんでした」

きっと彼女は、ヌケニンが寂しがらないようにとここに通っていたのでしょう

だというのにまるでいけないことのように押さえつけられたら、反発もしますよね

プラスル「でも、もう帰りませんと日も暮れてしまいます
     ソーナンスさんも心配してますから戻りましょう?」

ソーナノ「……そんなの、嘘だ 兄貴は、言いつけ破ったから怒ってる
     全然、うちの言うことも聞いてくれなかったし だから 帰らないもん」

やはり、喧嘩をしてしまったという予想は合っていたようです

プラスル「はい 怒っているでしょうね
     でも、それはソーナノさんを嫌ってるわけでは決してありませんよ」

ソーナノ「なんでお前が断言するんだよ? 兄貴じゃないじゃん」

プラスル「判りますよ 私も『妹』ですから
     私のお兄ちゃんは、お節介で、たまに疎ましくて、喧嘩することもあります
     でも、とっても優しくていつも私を心配してくれるんです」

多分、どこも同じです ソーナンスさんだって

そういった想いを込めて告げた後、返事を待つために少し待ちました

やがて、バリケードにされていた家具たちが動き始め、ソーナノさんが顔を出しました

ソーナノ「……兄貴も、そういう奴だった しょうがない 帰ってやろう!
     心配かけっぱにはできないもんね!」
 ▼ 393 TOg35azcXc 18/07/28 00:08:17 ID:kZTAzMYk [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お化け「マタ、遊ビニ来ルトイイ トイウカ、是非来テクレナ」

プラスル「はい ありがとうございます お邪魔しました」

マイナン「勘違いしてごめん 立ち入り制限はなくしていくよ」

ルリリ「また会いに来るよ! バイバイ!」

暮れなずむ中、迷路山の麓でヌケニンに再開の約束と別れを告げます

そしてソーナンスさんへ連絡を送り、プラスルたちは“ひみつきち”へ移動しました


依頼者「ソーナノ!! お前! なにしてるンスか! 迷路山に行くなんて! 全く!!」

ソーナノ「…… ……!」

ソーナンスさんの第一声は、ソーナノさんに対する叱声でした

ソーナノさんは顔を顰めますが、次の瞬間目を見開きました

ソーナンスさんが思い切り彼女を抱きしめたからです

依頼者「本当に…… 心配したンスよ? 無事でよかったス」

ソーナノ「兄貴…… ごめん……」

怒られた後に抱きしめられて、最初目を白黒させていたソーナノさんでしたが
やがてその身をソーナンスさんに預けて、素直な言葉を口にしました

どうやら和解できたようで何よりです

依頼者「プラスルさん、ルリリさん、マイナンさん 本当にありがとうございまス!
    依頼達成スね これ、約束の報酬ナンスが」

ソーナンスさんがポケといくつかの品物をこちらに差出してきました でも

プラスル「これは受け取れません 取っておいてください」

報酬の受け取りは、拒否します これは、皆で決めたことでした
 ▼ 394 TOg35azcXc 18/07/28 01:21:38 ID:kZTAzMYk [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
依頼者「ど、どういうことナンスか? だって、依頼は達成されたじゃないスか
    それに対して報酬を払うのは当然で…… ええ……?」

事情をよく知らないソーナンスさんは、当然戸惑います

そんな依頼者に対し、プラスルたちは深く腰を折って謝罪の意を示しました

プラスル「そもそもが私たちの不手際から始まったことだったんです 申し訳ありません」

“マメパトが水鉄砲喰らった”ような顔をしたソーナンスさんに事情を話します

ソーナノさんのこと ヌケニンのこと 迷路山のこと

立ち入り制限のこと ギルド側の勘違いのこと ソーナンスの依頼のこと

そして、思いやりから生まれてしまったすれ違いのことなどです

プラスル「だから、貴方たちが喧嘩をしてしまった理由なども私たちなのです」

こちらが余計なことをしなければ、依頼を出すこともなかったでしょうから

それを聞いたソーナンスさんは腕を組んで唸ります

依頼者「ソーナノを助けてくれたのは確かナンスから受け取ってくれてもと思うンスが」

プラスル「私たちは彼女に会っただけで、ソーナノさんは『自分で戻って』きました
     それに、そもそも危険がなかったのですから『助けようがなかった』のです」

決してプラスルたちが助けた訳ではなく、つまりは依頼失敗であるのだと
少し強引な論理で主張をします

何故ならここで報酬を受け取っては、所謂マッチポンプというもので
いけないことだと思いますから

そういった話をすると、相手は納得したように苦笑しました

依頼者「そこまで言うのなら、お言葉に甘えて」

プラスル「また困ったことがありましたらどうぞご相談ください」

 ▼ 395 TOg35azcXc 18/07/28 02:30:38 ID:kZTAzMYk [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソーナノさん達が帰られた後、“ひみつきち”に何とも言えない暖かな空気が満ちました

マイナン「はあ〜 これでボクらの初依頼は失敗か〜」

ルリリ「まあ、しょうがないよね 今回のは」

報酬を受け取らないという選択をしたため、そうなるのでしょうか でもきっと

プラスル「失敗としたことは正解だったと思います」

成功とするよりもずっと気持ちは晴れやかです

この度の冒険は、大変なことも沢山でしたが、素敵なものでした

ルリリ「依頼は失敗だったけど収穫はあったよね これ以上報酬なんて貰えないよ」

マイナン「そうだよね ヌケニンやソーナノたちと知り合えたこともそうだし
     迷路山が安全な場所であることも判った 地図も完成した
     ボクらが調査しなきゃいけなかったことなんだけどね」

ルリリ「失敗だけど、大成功! かな? 早とちりが駄目だってことも身に染みたし」

マイナン「それは言わないで! てか誰だって勘違いするっしょ! あれは!!」


二匹が下らない事を言って笑い合うのを聞きながら、この度の冒険を振り返ります

大変なこともありましたし、恐怖に竦むこともありましたが、とても素敵な経験でした

それに、こういってはなんですが『報酬』は十分に受け取らせて貰っちゃいましたから

ソーナノさんが、“ひみつきち”を去る時に

ソーナノ「なんていうか…… ありがと またね!」

そう言ってくれたことが嬉しくて 胸がいっぱいになったのです



……私、少しは強くなれたでしょうか?



                                 ――――fin.
 ▼ 396 TOg35azcXc 18/08/04 22:31:21 ID:pF6.vdMM NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ずっと憧れていたんだ

誰かを守れる強さに 誰かを守ろうと思える優しさに

その 勇気に


かつて自分を助けてくれた彼らのようなポケモンになりたかった

弱虫な自分にはなれっこないと諦め欠けたこともあったけど

それでも、少しでも近づきたくて 少しだけ勇気を振り絞ってみたんだ



キノガッサ「弟子入り志願?」

ポチエナ「はい! おれ、皆さんのようになりたくて!」

依頼を受け、困っているポケモン達を助ける仕事 ギルド“ひみつきち”

かつて世話になり憧れた場所へ、おれは是非入りたいと思い、やってきた

ゴクリン「へえ、見る目あるんじゃん ねえ、所長?」

キノガッサ「同意を求められてもね…… 僕はそんな大した存在じゃない
      だから、弟子を取るとかは考えてないし……」

ポチエナ「そ、そうですか……」

しかし、返ってきた反応は思わしくないもので、落胆してしまった

ゴクリン「えー 断っちゃうの? 折角来てくれたのにそれはないんじゃない?
     ほら 彼もがっかりしちゃってるよ?」

キノガッサ「リン、茶々入れないで 君もちょっと早合点が過ぎるかな」

ポチエナ「え? ど、どういう?」

キノガッサ「弟子になるとかじゃなくて、一緒に働く仲間になろうよ
      依頼が増えてきて人手不足だからさ そうしてくれると嬉しい」

そう提案してくれた彼に、おれは当然、二つ返事で了承した

憧れを胸に頑張っていこうと、そう思った
 ▼ 397 話についての話◆TOg35azcXc 18/08/08 00:21:45 ID:PSa63AHs NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ここのギルドは設立したのは結構最近なのだけど、かなりの実績があるらしい

例えば迷惑行為をしていた輩を退治したりとか

環境汚染に悩まされた土地の問題を解決したりとか

指名手配されている悪の組織を捕まえてしまったりとか

遠くの地方で流行っていた疫病を治すことに貢献したりとか

逸話には事欠かない

やっぱり凄いポケモン達なんだなと委縮してしまう


そんな彼らがいる場所だから、依頼は引っ切り無しに来る

「泥棒退治」や「薬求ム」、「落とし物探し」に「未開探索」などなど

大から小まで千差万別の依頼があり、人手不足というのも納得の忙しさだ

ポチエナもまた所長や先輩たちといくつか依頼をこなし少しずつギルドに慣れていった

持ち前の良く利く鼻が幸いし、捜索系の依頼を上手くこなせることが判ると
一匹で受けられる依頼が増えて大分自信も付いた気がする

といっても、やっぱり所長たちに比べたらまだまだなのだけども

いつか凄いことを成し遂げて彼らに認められるようになりたい

ポチエナ「まあ、そうそう大きな事件なんて起きないし、
     起きたとしておれの手に負えるかって言ったら微妙なんだけどさ」

つい独り言ちて、今日も依頼に励むのだ

出来ることをやるしかないのだから
 ▼ 398 トム@むらさきはなびら 18/08/08 10:11:02 ID:aC4ENS52 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 399 ガチルタリス@キトサン 18/08/08 10:52:41 ID:4dBwOO9. NGネーム登録 NGID登録 報告
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