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SS

【SS】新たな出発 〜Brand new STARTING〜

 ▼ 1 イムラー◆eBf168T742 18/02/28 22:43:32 ID:ZDImCFTA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=664333&p=2
の続編です。
当初は前回で完結させるつもりだったのですがその後の展開とか続きが書きたくなったので勝手ながらこのような形で続編を書かせて頂きます。
相変わらずSS上手くないですが頑張ります。
つまらなかったり読みづらかったりしたらごめんなさい。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

朝〜

「それじゃドンさん!ヤミカラス!行ってくるぜ!」

ドンカラス「おう、行ってこい」

ヤミカラス「おいサボったりすんなよ!」

ヤミカラスが俺のことをからかった。

思わず俺もそれに乗っかる。

「ちょっとヤミカラス!そもそも俺仕事サボったことあるか?」

ヤミカラス「俺らのいないとこでサボったりしてねぇか?」

「してないよ!サボってたらお金入って来ないでしょ!」

ヤミカラス「さぁて、それはどうかな?」
 ▼ 761 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 00:51:02 ID:ZSEo4nxM [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員一同「はい」

「皆さんには愛する両親や家族がいますよね?」

研究員一同「はい」

研究員B「それはもちろんです」

研究員C「私にも年老いた両親がいます」

「ただ、皆さんが死んだらその家族が、両親が、どれだけ悲しむか・・・考えてみて下さい。突然大切な人を失った悲しみは一生癒えることはありません」

研究員一同「・・・・」

神妙な面持ちで俺の話に耳を傾ける研究員たち。
 ▼ 762 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 23:03:18 ID:ZSEo4nxM [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「実は私は幼い頃に母親を病気で亡くし、それ以降は故郷のアメリカで父と二人でポケモンセンターを経営していました。ただそんなある日、ポケモンセンターに二人の強盗がやってきたのです。そして父は目の前で強盗に銃で撃たれて殺されました。私は父を守ることができませんでした・・・」

研究員A「そんなことがあったのですね・・・」

研究員B「あまりにもひどい話ですね」

研究員C「強盗はどうなったんですか?」

「幸いすぐに逮捕されて裁判にかけられて終身刑が言い渡されました。幸いと言っていいのか分かりませんがこれがせめてもの救いです。殺された父は帰ってきませんが・・・・」

研究員一同「・・・」

「アメリカは銃社会であることは皆さんもご存知かと思います」

研究員一同「はい」
 ▼ 763 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 23:12:33 ID:ZSEo4nxM [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「全国民が1丁以上は拳銃を持っているとも言われているいますよね」

「まさしくです。私はその事件がきっかけで銃社会アメリカに住むのが嫌になり、ここに越してきました」

研究員B「そうだったんですか・・・」

研究員C「市長を通してルイ博士からナルディさんはアメリカから引っ越してきたというのは前もって聞いて降りましたが、そのような訳があったとは・・・・」

研究員D「私たちも思わず言葉を失ってしまいました・・・・」

「私は・・・大切な父を失ったという心の傷は完全に癒えることはありません。時折こうして思い出すだけで涙がこみ上げてきます」

こうしている間も涙がこみ上げてきそうだ。

だがそれを何とか抑えながら話す。
 ▼ 764 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 23:26:11 ID:ZSEo4nxM [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
見ると研究員たちの目にも涙がにじみ出ていた。

「私には大切な人を失った悲しみが痛いほど分かります。現に私がそうですから・・・ですから皆さん、簡単に自分の事を死んだ方がいいとか、生きてる価値がないとか、言わないで下さい!一番辛いのは残された家族です!」

研究員A「まったくその通りですね」

研究員B「自分たちがどんなに愚かなことを考えていたのか気づかされました」

研究員C「ナルディさんのお陰で目が覚めました!」

「いくら悔やんだところで過去を変えることはできません。ですから今私たちにできることを全力でやるのが私たちの使命ではないでしょうか!」

研究員一同「はい!」

「ですから皆さん!共に前を向きましょう!」
 ▼ 765 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 23:33:33 ID:ZSEo4nxM [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員一同「わかりました!」

俺は士気を高め、皆を一つにまとめることができた気がした。

まずモチベーションが下がっていては何もならない。

どの戦いだってそうだ。

みんなの士気が勝敗を分ける。

士気を高めることが勝利への一歩だ。

何だか俺がリーダーみたいになってる感じだが、決して俺は自分がリーダーだとかそんなことは思っていない。

誰が偉いとか、そんなことは関係ない。
 ▼ 766 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/12 23:43:06 ID:ZSEo4nxM [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ところで、皆さんは奴らの強さは体感していないですか?」

研究員B「体感だなんてとんでもないです。奴らの強さをまともに受けたら一巻の終わりですよ」

研究員C「命の保証などあるわけがありません」

研究員D「奴らの強さを数字とデータで見るだけでも恐ろしいくらいです・・・」

「やはりそうですか・・・」

研究員F「強いて言うなら檻を破壊して脱走したのを見た時ぐらいです。奴らの強さを体感したといえば」

「・・・分かりました。では敵情視察ということで私がこの目で奴らの様子を見てきます!奴らがどれほどの強さかよく目に焼き付けておきたいので!」

研究員C「まさかナルディさん一人でですか!?」
 ▼ 767 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/13 00:24:04 ID:Tyuk4x/Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「もちろんです!皆さんはここで待機していて下さい」

研究員C「そんなやめて下さい!」

研究員A「何を考えているのですか!無謀すぎますよ!」

研究員B「そうですよ!外は奴らの巣窟で完全に無法地帯です!死に行くようなものですよ!」

研究員D「ナルディさん本当は奴らの恐ろしさを分かっていないんじゃないですか?」

「私だって伊達に研究家をやっているわけではありません。奴らの恐ろしさくらい痛いほど分かっています!」

研究員C「でしたらこんなマネは!」

「大丈夫です!奴らには絶対見つからないようにしますので。それに弱点など何か奴らを倒すためのヒントが見つかるかもしれません」
 ▼ 768 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/14 01:14:43 ID:hUmA9vL6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「ですが・・・・」

「私に任せてください!お願いします!」

研究員A「そこまで仰るのであれば・・・分かりました!どうか本当に気を付けて下さい」

研究員B「間違っても奴らには見つからないで下さい」

研究員C「それから決して奴らを刺激するようなことはなさらないよう、お願いしますね」

「もちろん分かっています」

ドンカラス「おいキサマどこ行くんだ」

ヤミカラス「まさか一人で逃げる気か?」
 ▼ 769 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/14 01:27:09 ID:hUmA9vL6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「逃げるなんてとんでもないぜ。まず俺一人で奴らの様子を見てくるんだ」

ドンカラス「何だと!?キサマ一人で奴らの巣窟に飛びこむのか?」

「ああ」

ヤミカラス「お前本気かよ!」

「ああ、俺はいつだって本気だ」

ドンカラス「ワシらならともなく軟弱なキサマなんかが一人行ったところで死んで帰って来るだけだぞ」

「大丈夫だ。俺なりに万全は尽くす。それに奴らを観察すれば何か弱点とかが見つかるかもしれないからな」

ドンカラス「それならワシも行くぞ!奴らがどれほどの化け物が見てやるんだ」
 ▼ 770 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/14 01:37:53 ID:hUmA9vL6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「・・・ボスが行くなら俺も行くぜ」

ドンカラス「それにキサマ一人じゃ心もとないからな!ワシらがいた方がいいだろう」

「・・・悪いがそれはできないぜ!」

ドンカラス「何故だ!」

ヤミカラス「せっかく俺たちがついていってやるというのに」

「人数が増えるとその分奴らに見つかる危険が高くなる。一人の方が安全なんだ。だがらここは俺に任せてドンさんたちもここで待機していてくれ」

ヤミカラス「なるほど、お前の言うことも一理あるかもな」

ドンカラス「フン、もっともらしいこと並べてカッコつけおって!貴様一人ヒーロー気取りのつもりか?」
 ▼ 771 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/15 00:46:58 ID:DNE2aIhE [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ヒーロー気取りだなんて、そんなんじゃないぜ!」

ヤミカラス「ボス、今回ばかりはコイツの言うことも一理ありますよ。だからコイツに任せて」

ドンカラス「フン、キサマが行ったところで何が分かるんだ!」

「ドンさん、俺だって長いこと研究家やってきたんだ。だから」

ドンカラス「何だ?分からないことはないとでも言うのか!」

「いや、まだ多少の分からないことはあるぜ。だがな」

ヤミカラス「ボス。こいつもこう言ってますし、ここは任せて俺たちは待機していた方が。俺たちまで行くのは確かに危険ですよ」

ドンカラス「ヤミカラス!キサマもさっきから何なんだ!口をはさみおって!」

 ▼ 772 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/15 00:59:05 ID:DNE2aIhE [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「すいません!俺はただ」

ドンカラス「何だ?キサマ今度はコイツの肩を持つのか?」

ヤミカラス「いえ!決してそう言うわけではないですよ!ただ」

ドンカラス「まったくどいつもこいつも自分勝手なマネしおって!」

「ドンさん、なにもこんな時まで意地張ることないだろ」

ドンカラス「フン、大体研究家と言っても冴えない研究家のクセに何ができるんだ!」

「そう言わないでくれ。まずはここは俺に任せてくれ。より奴らの実態を知るために。頼むぜ・・・」

ヤミカラス「ボス・・・」
 ▼ 773 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/15 01:13:55 ID:DNE2aIhE [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると

ドンカラス「フン!勝手にしろ!」

ドンさんはそう言ってそっぽを向いてしまった。

「気持ちは分かるが、万が一ドンさんたちまでトラブルに巻き込まれたら・・・だから、すまない・・」

ドンカラス「・・・・」

そう言っても何も返事がない。

俺には一刻も早く奴らと対峙したというドンさんの気持ちはよく分かる。

だがこれはあくまで敵情視察。

 ▼ 774 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/16 01:21:44 ID:w9RYq.p2 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一人でないと奴らに見つかる危険もおのずと高まる。

それにドンさんのことだ。

たまらず奴らに手を出してしまうかもしれない。

よ足な武装もしていないのにそうなったら最後だ。

研究員A「あの、大丈夫ですか?」

研究員B「またドンカラスたちと揉めているようでしたが、何かあったのですか?」

研究員たちが心配そうにそう聞いてきた。

「一緒に行くと言って聞かないのです。一人でないと奴らに見つかる危険が高いからダメだといったのですが」
 ▼ 775 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/16 01:32:16 ID:w9RYq.p2 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員A「そうですか」

研究員B「でも彼らなりの正義感の強さゆえかもしれませんね」

研究員C「私も彼らの早く敵を倒したいという気持ちは分かる気がします」

「正義感が強いのはいいのですが、彼らの場合少し正義感が強すぎる一面がありまして、それにたびたび悩まされるところです」

研究員A「そうですか・・・」

研究員D「私は彼らと一緒に行ってもいいような気がします」

研究員E「そうですね。せっかくやる気になってくれてますし」

「そうですが、やはり人数が多いとその分目立ってしまって危険です」
 ▼ 776 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/16 01:43:10 ID:w9RYq.p2 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「なるべく目立たないように一緒に行動すれば大丈夫かと思いますが?」

研究員D「そうですよ。そうすれば少し人数が多くても問題ないかと思います」

「そのことですが、少し耳を貸して頂けますか?」

研究員一同「はい」

俺はドンさんたちに聞こえないようにより声のボリュームを落とす。

ドンさんは相変わらずそっぽを向いており、今までの会話も聞いてない様子だったが念には念の為だ。

研究員A「あの、何故小声で話すのですか?」

研究員B「普通に話されても良いと思うのですが」
 ▼ 777 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/16 01:52:11 ID:w9RYq.p2 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員C「小声でないと何かマズいのでしょうか?」

「はい。あまりドンカラスたちに聞かれたくありませんので」

研究員D「そうですか」

研究員A「聞かれたくないとはどのようなことですか?」

「それは、ドンカラスたちは正義感が強すぎる部分がある故に、奴らを見たときに抑えきれず奴らに手を出してしまう恐れがあるんです」

研究員A「そうだったんですか」

「そうなったら見つかったどころの話では済まされません」

研究員B「確かにそうですね」
 ▼ 778 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/18 00:34:02 ID:DdfcQT6E [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ドンカラスたちも一緒にと一瞬は考えたのですが、正直そのようなどうしても信用できない部分があるんです。それにやはり一人の方が目立たなくて確実に安全です。ですからまずは私一人で行きます」

研究員A「確かに、その方が確実ですね」

研究員B「致し方ありませんね」

「皆さんはこの基地で待機していて下さい。何かあった時は無線を送ります」

研究員C「分かりました」

研究員D「こちらも常に奴らの動向などを監視し、何かありましたら無線を送りますので」

「ありがとうございます」

しかし相変わらずそっぽを向いて機嫌悪そうなドンさん。
 ▼ 779 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/18 00:44:16 ID:DdfcQT6E [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・それじゃドンさん、ヤミカラス、すまないがちょっと行ってくるぜ」

少し気まずいが一応一声かける。

ヤミカラス「ああ」

いつものようにぶっきらぼうに返事するヤミカラス。

そしてドンさんは

ドンカラス「フン!勝手に行け!どうなっても知らんぞ!愚か者め!」

そんな捨て台詞を吐いた。

相変わらずだ。
 ▼ 780 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/18 00:52:26 ID:DdfcQT6E [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると

ヤミカラス「おいお前」

「何?」

ヤミカラスがそばにやってきた。

そして小声で

ヤミカラス「ボスは今機嫌悪いんだよ!」

「ああ、見れば分かるぜ。それが?」

ヤミカラス「だから下手に声かけたりしてボスを刺激するようなことはすんなよ!俺までとばっちり食らうんだからな!」

 ▼ 781 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/18 00:59:47 ID:DdfcQT6E [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「刺激も何も、俺はただ愛想のつもりで一声かけただけだぜ?」

ヤミカラス「だからそれが今のボスにとっては余計なんだよ!気を付けろ!」

「・・・そうか、なら悪かったぜ」

ヤミカラス「まったく、ボスの機嫌取るのも楽じゃないんだぜ。こっちの身にもなってみろってんだ」

まぁドンさんたちといればこんなのは日常茶飯事だ。

些細なことですぐに文句を言われる。

まぁ今更もう気にもとめないが。

「ただ、俺からもいいか?」
 ▼ 782 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/18 01:11:56 ID:DdfcQT6E [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤミカラス「何だよ?」

「俺がいない間、彼らと揉めたりしないでくれよ」

ヤミカラス「へっ、そんなこと誰がするかよ」

「本当か?」

ヤミカラス「お前も疑り深い奴だな。あいつらとは適当に仲良くしといてやるから大丈夫だ。安心しろ」

相変わらず偉そうなヤミカラス。

まぁこの際いいか。

「なら良かった。じゃ頼んたぜ」

ヤミカラス「ああ。さっさと行って来い」
 ▼ 783 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/19 00:39:57 ID:LpPcJ2XU [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(よし!それじゃ行く前に!)

ガサガサガサ・・・

俺は自分の車からドローンとライフル銃を引っ張り出した。

研究員A「それも持っていくのですか?」

「はい。ドローンは奴らの姿を観察し記録する為に、ライフル銃は護身用です」

研究員B「ライフル銃ぐらいでは奴らには効きませんよ」

「分かっています。ただないよりはマシですので」

研究員C「それとドローンで観察するというのは?」
 ▼ 784 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/19 00:48:10 ID:LpPcJ2XU [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「このドローンはあらかじめこの基地のコンピューターと連動させています。このドローンが捉えた映像はここのパソコンに表示されますので、奴らの動向などを鮮明な映像で皆さんに伝えることができます。それと奴らの様子を映像に残すためです。ですのでドローンも持っていきます」

研究員B「なるほど、リアルタイムで映像が送られてくる方がいいですね」

研究員C「その方がより現場の詳細が分かりますね」

「ただこのドローンもバッテリーが限られています。何より安全のためにも、ここぞという時にのみ使用します」

研究員A「分かりました!」

「それでは!」

研究員B「はい!無理はなさらないで下さいね」
 ▼ 785 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/19 00:59:44 ID:LpPcJ2XU [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分かっています!」

タッ、タッ、タッ、タッ・・・・

こうして俺は無線機とライフル銃を片手にドローンが入ったカバンを背負って基地となる
地下駐車場を後にした。

外は変わらずあたり一帯瓦礫に埋め尽くされ、半壊したビル群が点在するだけだ。

それに似つかわしくない晴天と太陽・・・

腕時計に目をやると針は午後の2時過ぎを指し示している。

本来なら人々や車などの雑踏で賑やかだが、当然そんなものは今はあるはずもない。

不気味な静けさが広がるのみ・・・・
 ▼ 786 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 01:06:48 ID:VYoID5J2 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グォオオオオ・・・・

グギォオオオ・・・・

強いていうなら時折四方から地響きのごとく奴らの鳴き声が聞こえてくるだけだ。

バサッ・・・バササッ・・・

あとは奴らの飛ぶ姿とそれに伴う風を切る音といったとこか。

タッタッタッタッ・・・・タッタッタッタッ・・・・

半壊した建物の壁に身を隠しながら進む。

ある程度進んでは隠れ、少ししたら進むの繰り返しだ。
 ▼ 787 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 01:15:56 ID:VYoID5J2 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
タッタッタッ・・・

すると

キラーリザードン「グォオオオオオオ」バササッ!

突如一体の奴が前の半壊したビルの上に降り立った。

「ッ!!」

すかさずそばの物陰に身を隠す。

「はぁ・・・はぁ・・・」

一歩間違っていたら見つかっていたかもしれない。
 ▼ 788 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 01:24:13 ID:VYoID5J2 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
奴との距離は100メートルあるかないかだ。

とにかく今回は身を潜めてやり過ごす。

ここで懐に忍ばせていた双眼鏡を取り出し、奴に向けた。

双眼鏡はポケモンを観察上で欠かせない為、常に肌身離さず持ち歩いているのだ。

ちなみにこの双眼鏡はアメリカ軍も御用達の軍仕様の特注品だ。

当然値段も値段だがものは確かだ。

10倍、20倍と倍率のツマミを上げていく。

すると奴の姿がより鮮明に見て取れる。
 ▼ 789 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 01:35:26 ID:VYoID5J2 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
異様な筋肉質のゴツイ鋼のような体・・・

血管の浮き出た大きな翼・・・

長く鋭くとがった爪と牙と翼爪・・・

赤く充血したような鋭い目つき・・・・

大きさもリザードンの何倍もある。

「何と・・・・」

奴の詳細な姿を見るのはこれが初めてだ。

だがその姿に思わず息を飲んだ。
 ▼ 790 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 23:29:46 ID:VYoID5J2 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
改めて見てもその姿はポケモンとは程遠い。

完全にエイリアンとかその類だ。

「〜〜〜〜!・・・・」

時折文字には言い表せないような唸り声も上げる。

と、しばらく奴を観察しているとあることに気がつく。

キラーリザードン「グォオオオオ!」

「ガガ・・・ガガーッ・・・」

奴が鳴くと同時に無線機に雑音が入ったのだ。
 ▼ 791 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/20 23:38:53 ID:VYoID5J2 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(何だ?奴の鳴き声で電波が乱れてるのか?)

一瞬そう思ったのだが

「グォオオオオオオ」

「ザザザッ・・・・」

「ウォオオオオ」

「ザーッザッ・・・」

どうやらそうではないみたいだ。

この雑音は無線機が何かしらの電波を感知した時に出る特有のものだ。

 ▼ 792 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/21 00:02:54 ID:AIOYnaRI [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明らかに鳴き声に反応している。

「もしや」

そう思い無線機の電波の感度を上げてみる。

その頃

キラーリザードン2「オオオオオ!」バサッ、バサッ、バサッ

奴の近くにもう一体奴がやってきた。

何をするのかと見ていると

キラーリザードン1「グォオオオオオオ」
 ▼ 793 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/21 00:05:31 ID:AIOYnaRI [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キラーリザードン2「グギャアアアア」

キラーリザードン「ガアアアアア」

二体は交互に鳴き始めた。

コミュニケーションを取っているに違いない。

それに伴い。

キラーリザードン1「グォオオオオオオ」

「ガガガーーッ」

キラーリザードン2「ガアアアアアア」
 ▼ 794 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/21 00:15:46 ID:AIOYnaRI [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ザザザッ、ガザザザーッ」

無線機もより激しく反応する。

間違いない、奴は鳴き声と同時に特有の電波も発しているのだ。

つまり奴らは鳴き声だけでなく互いに電波も送ったり受け取ったりしてコミュニケーションを取ったり、方向感覚をになったりしているわけだ。

鳴き声と電波の両方を駆使している。

今までの経験からピンと来た。

それにしても驚くべきはこの電波の強さだ。

電波でコミュニケーションをとったり方向感覚をになったりするポケモンは確かにいる。
 ▼ 795 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/21 00:27:11 ID:AIOYnaRI [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だがそのほとんどは無線機ではとらえられないほど微弱なものだ。

それに引き換え奴らの場合、100メートルほど離れて居るにも関わらずこれだけ無線機を強く反応させている。

いかに強い電波を発しているか。

さすがコンピューターを内蔵し、サイボーグの要素も入っているだけある。

ここでひとつ気になった。

互いに電波を感知できるということは俺たちの無線など他の電波も感知できるのだろうか。

だとしたら大変だ。

無線などの電波を頼りに奴らに居場所を特定されてしまう。
 ▼ 796 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/22 00:21:31 ID:hrycQtX6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが本当に奴らは他の電波も探知することができるかどうか。

確かめたいところだが本当にそうだとしたらリスクは大きい。

だが今はそうは言ってられない。

これは何としても確かめねば。

今度は無線のツマミを回して電波の出力を最大にしてみる。

すると

キラーリザードン1「グゥ・・・ガガァガ、ググ・・・」

奴は苦しんでいるような混乱しているような素振りを見せた。
 ▼ 797 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/22 00:29:31 ID:hrycQtX6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どうやら他の電波も感知できるが、その電波が何か、どこから出ているかなどは認識することはできないみたいだ。

あくまで認識できるのは自分たちの特定の電波だけ。

要するにまとめると

・鳴き声と電波を使い分けてコミュニケーションを取っている。

・電波は方向感覚を担うのにもひと役買っている。

・ほかの電波も感知はできるが認識まではできない。他の強い電波を受けると方向感覚や認知部分が狂って混乱してしまう。認識できるのは自分たち電波のみ。

といったとこか。

これはなかなかの収穫でもあった。
 ▼ 798 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/22 00:38:05 ID:hrycQtX6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
奴らをおびき寄せたりするには奴らが出す電波に似た周波数、波長の電波を使えば良いし、混乱させるには強い妨害電波などを使えば良い。

その時、一本の無線が入る。

市長「ガガガ・・・・こちらロックです。ナルディさん、ご応答願います。ナルディさん」

博士「ナルディ君聞こえてるか?」

市長と博士からだ。

「はいこちらナルディです。どうぞ」

市長「ああ、ナルディさん。良かったです」

博士「心配したよ」

 ▼ 799 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/24 00:05:56 ID:l6C2rrZ2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・どうかなさったのですか?」

市長「どうしたも何も、ありません。お話は部下の研究員たちから全て無線で聞きました」

博士「コトブキ商業センターを拠点にしていることも、ナルディ君が一人で奴らの偵察に行ったこともね」

市長「最初ナルディさんがたった一人で行ったと聞いた時は心配でたまりませんでしたよ」

「これは、ご心配をおかけしてすみません。ただ私は大丈夫です。奴らにも見つかっていません」

市長「それを聞いてホッとしました」

博士「私もだよナルディ君」

「本当にすみません」
 ▼ 800 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/24 00:14:45 ID:l6C2rrZ2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「でも何故一人でなんて危険なことをなさったのですか?」

博士「そうだよ。行くならみんなと一緒の方が」

「仰りたいことは分かります。ただ、複数だとかえって目立ちやすく危険なのです。ですから私一人で行きました」

市長「なるほどそうですか」

博士「確かに人数が多いと奴らに見つかりやすいというのはあるかもしれないな」

「それにその方が最悪奴らに見つかっても私一人の犠牲で済みます」

博士「ちょっと何てことを言うんだいナルディ君!」

市長「そうですよ。犠牲だなんて、簡単にそのようなこと仰らないで下さい」
 ▼ 801 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/24 00:52:10 ID:l6C2rrZ2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「これは失礼しました。すみません」

市長「それで、奴らの様子はどうですか?」

「相変わらずです。街中を飛び回ったり時折建物を破壊したり」

市長「そうですか・・・」

博士「相変わらずやりたい放題か」

「ただ偵察して分かったことがあります」

市長「何ですかそれは」

博士「何が分かったんだい?」
 ▼ 802 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/26 00:30:56 ID:SGWQAsuI [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「奴らは鳴き声だけでなく互いに電波を出し合ってコミュニケーションを取っています」

博士「まさかそんなことが」

市長「そんな高度な知能があるとは、私も気づきませんでした」

「はい。それから電波を出して跳ね返ってくる電波の反響を感知したりして方向感覚をになったりもしています」

博士「そこまでとは・・・」

市長「ですが何故それが分かったのですか?」

「奴らが鳴き声を上げると同時に無線機に雑音が走るからです。無線機が何かしらの電波を捉えた時に鳴る特有の雑音です。そこから奴らが電波を出してコミュニケーションを取ったり方向感覚をになったりしていることが分かりました」

市長「なるほどそうだったんですか」
 ▼ 803 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/26 00:49:17 ID:SGWQAsuI [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「そこまで分かるとは、さすがナルディ君」

「恐れ入ります」

市長「でも驚きなのはその電波の強さですね」

「はい。確かに電波を出してコミュニケーションを取ったりするポケモンは他にもいます。ただそれらのポケモンの出す電波は無線機ではとらえきれないほどの微弱なものです」

博士「彼の言う通りです。これだけ強い電波を出せるポケモンはまずいませんよ」

市長「やはり奴らの場合体内にコンピューターが内蔵されていますからそれのせいとしか考えられませんね」

「サイボーグとのハイブリッド故ですね」

その時だ。
 ▼ 804 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/26 00:54:39 ID:SGWQAsuI [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キラーリザードン「グゥォオオオオオオ」

奴が地響きのような鳴き声を上げた。

市長「奴らですね・・・」

「はい」

博士「それにしても恐ろしい鳴き声だ・・・」

そしてその直後。

「ガガガ・・・ザザザザーー」

「市長!博士!」
 ▼ 805 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/26 01:01:11 ID:SGWQAsuI [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
雑音が入り、通信が途絶えた。

奴らの電波のせいだ。

だが間もなく雑音は止み

「ザザ・・・・ナルディ君!聞こえるか?ナルディ君!」

「ナルディさん!ナルディさん!一体何が!」

市長と博士の声が聞こえてくる。

「市長!博士!私です!ナルディです!」

博士「ナルディ君!ああ良かった」
 ▼ 806 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/26 01:10:33 ID:SGWQAsuI [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「いきなり通信が途絶えたので焦りましたよ」

博士「何かあったのかい?」

「奴らの鳴き声が聞こえた直後に通信が途絶えたのがお分かりですか?」

市長「そういえばそうですね」

博士「言われてみれば確かに」

「今の通信が切れたのは奴らの電波のせいです。奴が電波を出した証です」

市長「これがそうですか・・・」

博士「まさか私たちの無線通信を妨害するほどまでの強い電波を出すとは」
 ▼ 807 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/27 00:56:45 ID:9XrkN0tM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「これだけ強い電波を出すとインターネットやGPSなどの通信システムにも悪影響を及ばしかねないですね」

「今手元の無線機で奴らの電波の波長や周波数を割り出しました。それらを見るとこの電波はあまり遠くまでは届かないと思われます」

市長「それなら他の町までは電波の被害は及ばないですね」

博士「人工衛星とかまで及んだら大変なことになるからね」

「最もそばに電波塔などがあれば致命的ですが」

市長「ただ良くも悪くも、この街のライフラインなどの都市機能はもう失われていますので受ける影響は少ないです」

博士「悪影響を受けるとするならば私たちの無線通信だね」

「そこが問題でもあります。ただこの習性をうまく利用すればより確実に奴らを倒せるかもしれません」
 ▼ 808 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/27 01:05:59 ID:9XrkN0tM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「本当ですか!?」

「はい。今までの経験から自信はあります」

博士「ただ一つ気になったんだが」

「何ですか博士」

博士「奴らは電波でコミュニケーションを取ったりしているということは自分たちの電波は認識することができるということだろう?」

「はい」

博士「ということは自分たち以外の他の電波も認識することができるのか?例えばこの無線の電波とか」

市長「そうだとしたら奴らに電波を辿ってナルディさんたちの居場所を特定されてしまう危険もありますよ」
 ▼ 809 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/27 01:16:18 ID:9XrkN0tM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「実は私もそれが気になりましたので、市長たちから無線が来る前に確かめてみたのです」

市長「どのような方法で確かめたのですか?」

「手元の無線機の電波の出力を最大にしました」

博士「そんな危険なことを・・・」

市長「もし奴らに電波の発信元を特定されたら一大事ですよ」

「そうですが、時には危険を顧みずやらなければいけないときもあります」

市長「ナルディさん街の為にそこまで」

「今自分にできる限りのことをやるのが私の使命ですので」
 ▼ 810 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/28 00:46:46 ID:es4.1z9I [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「やっぱり君はさすがだよ」

「恐れ入ります」

市長「それで奴らはどうでしたか?」

「出力を大きくした途端うめき声のような鳴き声で苦しんでいるような混乱しているような素振りを見せました。このことから他の電波は感じることはできても認識することはできないことが分かりました。むしろ自分たち以外の電波を感じると混乱してしまう模様です」

市長「そうでしたか。それを聞いて少し安心しました」

「と言いますと?」

市長「他の電波まで認識する能力があったら本当に手の施しようがありませんので」

「そうですね。それは私も思いました」

 ▼ 811 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/28 00:55:16 ID:es4.1z9I [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「それにしてもこの弱点が分かっただけでも大きな収穫だね」

「はい」

博士「待てよ、ということはさっき君はこの習性を利用すればより確実に倒せるかもしれないと言ったね?」

「はい。そうですが」

博士「それは妨害電波でも使うのかい?」

「もちろん奴らの動きを少しでも封じる為に妨害電波は使いますが、他にも方法は考えています」

博士「う〜ん、妨害電波は少し考えようだな」

「何故ですか?」
 ▼ 812 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/28 01:09:47 ID:es4.1z9I [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「妨害電波を使うと他の街のインターネットなどの通信システムまで悪影響を与えてしまう」

市長「それにその電波を出している間は私たちとの無線通信も奴らから出る発信機の信号を捉えることもできなくなります」

博士「それに最悪は軍や空港などの主要な通信システムまで破壊してしまうかもしれないぞ」

「その点は大丈夫です。このコトブキシティ内だけに行き渡るように出力や波長は調整します」

博士「分かった。それなら他の地域へは大丈夫そうだな」

市長「ただ電波を出している間は無線といった機器が使えないのが問題ですね」

「そればかりは仕方ありません。状況に応じて電波を止めたりするしかないです」

市長「分かりました」


 ▼ 813 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/28 01:16:23 ID:es4.1z9I [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時。

キラーリザードン「グゥオオオオオ!!」

「ガガガガ、ザザーーー」

まただ。

奴らは主に鳴き声と同時に電波を出す。

その度にこっちは電波妨害を受ける。

奴の出す電波は妨害電波そのものだ。

市長「ザザ・・・・・ナルディさん聞こえますか?」
 ▼ 814 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 00:48:23 ID:tNcgcx22 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。何とか聞こえます」

博士「今のも奴らの電波のせいだね」

「そうです。早いところかたをつけたいところです」

市長「それからいくつか気になったことがあるのですが」

「何でしょうか?」

市長「ナルディさんが現場に向かっているあの時に通信した時よりも全体的に電波の入りが良くなっているように感じるのですがこれは一体何故でしょうか?」

博士「それは私も思ったんだ。ノイズなんかも入りにくくなっている」

「実は基地に組み立て式の高性能なアンテナを設置したのです。そのアンテナを通していますので前よりも通信がしやすくなったのです」
 ▼ 815 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 01:00:07 ID:tNcgcx22 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「なるほどそうでしたか」

博士「しかし組み立て式のアンテナがあるとはな」

「携帯性にも優れていますので普段から持ち歩いていたものです」

博士「しかし基地は電波が入らない地下駐車場だろう。そこにアンテナを設置しても意味ないんじゃないのか?」

「電波が入りにくいからこそアンテナを設置しました」

博士「ん?というと?」

市長「地下駐車場の中にアンテナを設置しても電波を捉えられないと思うのですが?」

「実はこのアンテナは地下などの遮られた場所でも電波を送受信できる特殊なアンテナなのです。これを設置すれば今回の基地でも電波が使えます」
 ▼ 816 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 01:11:24 ID:tNcgcx22 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「ほう、それはすごいな」

市長「それから今回は電波の入りは良いですが前より通信が途絶えやすくなった気もします」

博士「確かに前回はこんなに途切れなかったな」

「それは前回移動中の際は奴らから離れていて奴らの電波の影響をあまり受けなかったからです。ただ今回は奴らとさほど離れていませんので電波の影響を受けやすいからです」

博士「なるほどそういうわけか」

「先ほどもお話しましたが奴らの電波は遠くまでは飛びませんのである程度の距離を保てば電波の影響は皆無です」

市長「ただひとたび近づくと電波の影響を強く受けてしまうわけですね」

「はい」
 ▼ 817 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 01:22:07 ID:tNcgcx22 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「その高性能アンテナをもってしても妨害電波までは防げないか・・・」

「このアンテナにも限界があります。もっとも軍事施設などの巨大なアンテナであれば話は別かもしれませんが」

博士「まぁそうだろうな」

「それから今手元にドローンがあります」

市長「ドローンというのは最初に研究室で見せて頂いたあのラジコン飛行機ですね」

博士「あのカメラやらいろいろなセンサーが付いているものだね?確か特注の」

「そうです。そのドローンのカメラを使って今の様子をリアルタイム映像でそちらに送りますのでセッティングをして頂けますか?」

市長「どうすればよろしいですか?」
 ▼ 818 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 01:55:54 ID:tNcgcx22 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「コンピューターの外部受信の設定をONにして下さい」

市長「それでONにしましたら?」

「それだけで大丈夫です」

市長「え?これだけでよろしいのですか?」

「はい。最初研究室を訪れた際にあらかじめ根本的な設定は済ませていますので」

市長「分かりました」

博士「あの時だね?」

「何のことでしょうか?」
 ▼ 819 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/30 23:55:47 ID:tNcgcx22 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「ほら、最初市長の研究室を訪れた時に奴らキラーリザードンに関するデータを皆で消したじゃないか」

「そういえばそうでしたね」

博士「確かその際にドローンの映像を受信できるように設定もしたんだね?」

「はい。そうです」

市長「ONにしました」

「ではあとはコンピューターがドローンの電波を受信すれば映像がモニターに表示されますので」

市長「分かりました」

博士「ちょっと待ってくれ」
 ▼ 820 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/31 00:05:06 ID:z9AwBtnM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何でしょうか博士」

博士「そのドローンは飛ばすのかい?」

「もちろんです。飛ばして空中から撮影します。その為のドローンですので」

博士「飛ばすってどこに飛ばす気かい?まさか奴らの近くにか?」

「はい。今100メートル足らずの所に奴が2体います。ドローンでギリギリまで近づいて奴の姿を鮮明に捉えてみせます」

博士「ナルディ君いくら何でも危ないぞ」

市長「そうですよ。もし気づかれたら」

博士「それにそのドローンだって電波を出すだろ?」
 ▼ 821 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/31 00:56:17 ID:z9AwBtnM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。ラジコン以外にもカメラの信号やGPS信号などいくつかの電波は出しています」

博士「その電波の影響で奴が混乱して想定外の動きでも取ったりしたら」

「そこは大丈夫です。ドローンから出る電波は微弱なものですので奴らに感づかれる心配はないはずです」

博士「それにしたって近づくのは」

「大丈夫です。絶対に気づかれないように細心の注意は払います。任せて下さい」

博士「そこまで言うなら、気を付けるんだよ」

市長「それでは映像が届きましたらまた報告します」

「分かりました」
 ▼ 822 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/01/31 23:49:46 ID:z9AwBtnM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「ナルディさん、本当に気づかれないで下さいね」

「大丈夫です。それでは」

市長「はい」

「ザザッ・・・・」

一旦ここで無線を切る。

そしてカバンからドローンとタブレット端末機を取り出し、ドローンを飛ばした。

プルルルルル・・・・

タブレットの画面にはドローンのカメラの映像が表示されている。
 ▼ 823 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/01 00:04:51 ID:.2nghZsw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
肉眼とその映像の両方を頼りにドローンを操作する。

ドローン自体が見えない場所にある時はこの映像だけが頼りだ。

だがやはりそれだけではどうしても心もとない時もある。

でも今はドローンの位置も肉眼ではっきり確認できる。

肉眼ではまかなえない部分をカメラ映像で補う。

この二刀流のほうがより細かで巧みな操縦ができるのだ。

プルルルル・・・・

しばらく上昇すると荒廃した街の光景全体が表示され、その中に二体の奴も小さく写っている。
 ▼ 824 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/01 00:18:34 ID:.2nghZsw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
気温26.3℃・・・

湿度57.6%・・・

ドローンのセンサーが温湿度のデータをリアルタイムで捉える。

暑くも寒くもなく、湿っぽくも乾燥もしていない。

可もなく不可もなく至って普通の気候ってとこか。

その他にもドローンに搭載された様々なセンサーによって風速、位置情報、気圧、経緯度、方角などの多彩なデータが常時送られてくる。

正直今はあまり必要ないデータだがまぁいいか。

だがまだカメラの電波出力をONにしていない為映像は届いていない。

 ▼ 825 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/01 00:30:06 ID:.2nghZsw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
映像を送るのはもう少し近づいてからだ。

「何も近づかなくてもズームすればいいじゃないか」

そう感じる人もいるだろう。

確かにこのカメラは4Kで110倍光学ズームを搭載しており、ズームだけでも遠くのものを十分に捉えることができる。

だが実際に近づいた方がより鮮明に確実に捉えられるのは確かだ。

ズームと実際に近づくとでは同フレーム上でも得られる情報量は全く違う。

ズームレンズと実体とをうまく使い分けるのがカギだ。

プルルルルルル・・・・・
 ▼ 826 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/02 00:23:46 ID:s2oIrk3Y [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
高度や速度を微調整しながら少しずつ接近する。

「ゴク・・・・・」

ドローンを操作する手にもおのずと力が入る。

ドッ・・・ドッ・・・ドッ・・・

自分の中で鼓動がいつも以上に反響する。

一瞬のミスが命取り・・・気づかれたら終わりだ。

仮に俺の存在に気づかなくてもこの高価なドローンはひとたまりもないだろう。

画面に映る奴の姿が少しづつ大きくなっていく。

 ▼ 827 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/02 00:39:07 ID:s2oIrk3Y [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが当然それに比例してドローンの姿は小さく見えなくなっていく。

もうすでに自分とドローンとの距離は100メートル近くある。

ただでさえドローンはこの小ささだ。

視界は良好でもこの距離ではドローンはほぼ点にしか見えない。

それに加え地味な色あいのこのドローンは周りの殺伐とした風景に溶け込みやすい。

「あれ?どこいった・・・・・・・あれか」

これでは視力に自信のある俺でも瞬時にドローンの位置を把握するのは簡単ではない。

確実に数秒はロスが生じる。
 ▼ 828 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/02 00:50:38 ID:s2oIrk3Y [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いや下手したら見失う恐れもある。

最悪はカメラ映像だけで賄えなくもないが、今はそれだけじゃ心もとない。

(仕方ない・・・・)

そこで俺は時折双眼鏡を覗いてドローンの位置を確認することにした。

(よしあの位置なら大丈夫だ。後は高度を少し上げて・・・)

その都度カメラ映像を片目に操作したり双眼鏡を覗いたりするのは正直面倒だ。

だが決してどちらもおろそかにするわけにいかない。

とにかくやるしかない。
 ▼ 829 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/03 00:58:06 ID:oHGk01Fo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だがその時だ。

キラーリザードン「グゥオオオオオオ」

またしても奴が鳴き声を発した。

すると

「ザザザザ〜!」

「Hey!What the hell?」(おい!どうした?)カチッ、カチッ

カメラ映像が乱れ、ドローンが操作不能になった。

キラーリザードン「オオォ・・・・・・・・」
 ▼ 830 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/04 00:09:28 ID:IrKEsI7E [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが鳴き声が止むと間もなく

「ザザ・・・・・・」

プルルルルルルル

何事もなかったかのようにカメラ映像は回復しドローンも操作できるようになった。

「・・・やはりな・・・・」

ドローンも奴らの電波の影響をまともに受けた。

だが幸いドローンには特に不具合はなくカメラ映像の他に様々なデータも送信し続ける。

プルルルルルル・・・・
 ▼ 831 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/04 00:21:28 ID:IrKEsI7E [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして何とか建物の上にいる奴らの20メートル圏内まで近づいた。

ビルと同じ高さだけあって少し風は強いが問題ない。

それに奴らの死角になるような位置にいる為今のところ気づかれる様子もない。

だがこれ以上近づくのは危険だ。

完全に”生物凶器”と化した奴らの姿を4Kのカメラが鮮明にとらえる。

ズームするとさらに強靭な皮膚や浮き出た血管などが詳細に伺える。

「よしこの辺でいいな」

余分な時間はない。
 ▼ 832 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/04 00:45:28 ID:IrKEsI7E [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここでタブレット端末機を操作してカメラの電波出力をONにし、映像を市長たちに送る。

すると数秒後、

「ザザ・・・ナルディさん!こちら私ロックとルイ博士です!聞こえますか?」

市長たちから無線が入る。

「はいこちらナルディですどうぞ!」

市長「ナルディさん今映像が来ましたよ!」

「本当ですか」

市長「はい。映像の乱れなどもなく奴らのようすがはっきり映っていますよ!」
 ▼ 833 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/04 00:55:17 ID:IrKEsI7E [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「ああ、さすが4Kだ。細部まで鮮明に見える」

市長「この映像もあの基地のアンテナを介しているんですか?」

「もちろんです」

市長「やはりそうですか。映像の入りも良好ですよ」

博士「それにしてもよくここまで接近できたね」

「はい。奴らの死角になるような位置から慎重に近づきました」

市長「さすがですナルディさん」

博士「まさか君にラジコン操縦の才能もあったとはね」
 ▼ 834 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/05 00:16:18 ID:T4SQCq16 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「いえ。改めてご覧になってみていかがですか?」

市長「まさか自分たちがこのような化け物を作ってしまったとは、未だに信じられません」

博士「まったく恐ろしいよ」

「この姿を見て他に弱点などはありそうですか?」

ダメもとで聞いてみる。

市長「そうですね・・・・・」

博士「う〜〜む・・・・」

考え込む市長と博士。
 ▼ 835 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/05 00:24:36 ID:T4SQCq16 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「もう少しズームしてくれるか?」

「はい」

市長「次は少しズームアウトして下さい」

「分かりました」

言われるとおりにカメラを操作する。

市長「博士、何か分かりそうですか?」

博士「そうですね・・・う〜ん」

だが依然手がかりは見つからないようだ。
 ▼ 836 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 01:04:11 ID:Q4iEV2qs [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「・・・見つかりそうにありませんか?」

市長「見てもこれだけの強靭な皮膚です。まず下手な外部からの攻撃は効かないのは明らかです」

博士「確か皮膚は特殊合金よりも頑丈なんですよね?」

市長「はい。全身鎧をまとっているようなものです」

「それでは普通の拳銃の銃弾ではビクともしないですね」

市長「はい。まずピストルの弾ぐらいじゃ無理でしょう」

「他の属性の攻撃はどうですか?」

市長「例えばどのようなものですか?」
 ▼ 837 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 01:13:40 ID:Q4iEV2qs [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「高温、低温、高圧、高電圧、真空などです」

市長「実は奴らを創る段階でそれらを用いて確かめてみたのですが全く効きませんでした」

「それでは毒や放射線に対しては?」

市長「同じでした。奴らは人間だったら致死量にあたる毒や放射線に対しても強い耐性を持っています」

博士「何と・・・・」

「だとすると決定的な弱点は電波くらいですね」

市長「そういうことになるかもしれませんね」

博士「だがどうも分かりませんなぁ・・・」
 ▼ 838 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 01:22:01 ID:Q4iEV2qs [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「どうかなさいましたか博士」

博士「ありとあらゆる耐性を持っているのに、何故自分たち以外の電波には弱いのか、そこか気になりますよ」

「私もそれは気になりました」

市長「確かにそうですね・・・ただ、何故そうなのかは開発した私たちでも分かりません」

博士「謎ですな・・・」

「あの市長、博士、あくまでこれは推測なのですが」

市長「何でしょうか?」

博士「何だね?」
 ▼ 839 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 01:39:43 ID:Q4iEV2qs [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「確か奴らの体内には様々なコンピューターが埋め込まれていて奴らは半分は脳みそ、もう半分はそのコンピューターによって制御されているんですよね?」

市長「そうです」

「それでそのコンピューター制御に伴って電波を送受信し合って互いに通信し合ったりもしている。こういうことになりますね?」

市長「そういうことになります」

博士「それで一つ気になったのですが、いいですか市長」

市長「何でしょうか博士」

博士「今更ですが奴らが電波で通信するのは想定していたのですか?」

市長「いえ全くもって想定外です。まさか奴らがこんなことをするなんて思ってもいませんでした」
 ▼ 840 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 01:54:23 ID:Q4iEV2qs [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「そうなんですか!?」

驚いた様子の博士。

「あの博士、私が最初奴らが電波を使うことを話したとき市長も一緒に驚かれていたじゃないですか」

市長「はい」

博士「ああ、そういえば・・・」

「あらかじめ想定していたならばあんなに驚かないです。市長にとっても想定外のことでしたからあんなに驚かれたのですよ」

博士「そういえば確かにそうだな・・・市長、失礼しました」

市長「いえ、大丈夫ですよ」
 ▼ 841 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:06:40 ID:Q4iEV2qs [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「博士、お願いしますよ」

博士「いやすまない」

またこうして忘れた頃に博士の忘れっぽさが出たりする。

その時だ。

キラーリザードン「グギャアアアアアア!!」

「ザザザザザ〜〜!!!」

またもや奴らが鳴き声を上げ、それによりカメラの映像がノイズで激しく乱れる。

同時にドローンも操縦が効かなくなる。
 ▼ 842 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:14:55 ID:Q4iEV2qs [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「ナルディさ・・ガガガ〜!カメラが!ザザ〜!一体何が!・ザザ」

博士「市長!落ちつい、ガガピーーー!!」

「市長!博士!」

案の定無線もノイズが酷く通信がままならない。

だが数秒後〜

キラーリザードン「アアァ・・・・」

奴らの鳴き声が収まるとやはりカメラ映像、無線も回復し、ドローンも操作できるようになる。

「市長、博士、聞こえますか?」

 ▼ 843 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:22:43 ID:Q4iEV2qs [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
市長「はい大丈夫です。今何が起きたのですか?無線だけでなくカメラ映像も乱れましたが」

博士「これも全て奴らの出した電波のせいです。そうだよねナルディ君」

「はい」

市長「ドローンのカメラまで影響を受けてしまうとは・・・」

「通信機器は全て悪影響を受けます。実は先ほどドローンも操縦不能に陥りました」

市長「そうだったんですか!」

博士「でもよく墜落しなかったね」

「いえ一歩間違えたら墜落していましたよ」
 ▼ 844 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:36:24 ID:Q4iEV2qs [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「それじゃ墜落しなかったのが奇跡だね」

「はい。それにしても何故奴らは電波を使いこなせるようになったのでしょうか?」

市長「サイボーグとのハイブリッド故というのは分かりますが、それも私たちでも詳しいことは分かりません」

「通信用に使われるコンピューターなんかも埋め込みましたか?」

市長「はい。確か奴らから随時様々なデータが送られてくるようにとそんなコンピューターも埋め込みました」

「おそらくそれも原因の一ですね」

市長「かもしれません」

博士「あとは奴らが独自の進化を遂げた、としか考えられませんな」
 ▼ 845 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:50:01 ID:Q4iEV2qs [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そんなことってあるんですか」

市長「これだけの短期間でですか?」

博士「可能性はゼロとは言えませんよ。何しろ奴らは普通の生き物ではありませんので」

「そうですね・・・・」

市長「確かに生物兵器の奴らならあり得ない話ではないですね・・・」

「そういえば何故奴らが自分たち以外の電波を受けると混乱したり苦しんだりするか話しかけでしたのでよろしいですか?」

市長「そういえばそうでしたね」

博士「確かそれは君の推測だね」
 ▼ 846 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/07 23:57:44 ID:Q4iEV2qs [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そうです」

博士「たしかどこまで話していたんだっけ?」

市長「奴らは半分コンピューターで制御されており、そのコンピューター制御により電波での通信もできる、というところまでです。・・・とこれで合っているでしょうかナルディさん」

「バッチリです市長」

博士「ああ!そうでしたね!ありがとうございます市長」

市長「いえいえ」

「博士、頼みますよ・・・」

博士「いや、度々すまない」
 ▼ 847 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/08 00:07:16 ID:ydUk2.Vc [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
相変わらずの博士。

まぁいい。

「では続けてもよろしいですか?」

市長「はい」

博士「頼むよ」

「ただこのように通信をするコンピューターは特定以外の電波を強く受けるとシステムに異常をきたすことも少なくありません」

博士「確かに」

市長「そうですね」
 ▼ 848 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/08 00:13:34 ID:ydUk2.Vc [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ですので奴らが自分たち以外の電波に弱いのはそれが強く影響しているからだと思います」

市長「なるほど。言われてみますとその可能性は高いですね」

博士「私もそこまでは分からなかったよ。さすがだよ」

「いえ、恐れ入ります」

博士「あとそうだ、ナルディ君」

「何でしょうか?」

博士「その奴らが自分たち以外の電波を受けて混乱しているところを少し見せてくれないか?」

「今ですか?」
 ▼ 849 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/08 00:22:20 ID:ydUk2.Vc [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「ああ、せっかくドローンのカメラもあるからね」

市長「博士、少しそれは危険では」

博士「そうかもしれませんが、何かより弱点などの手がかりが得られるかもしれません」

「分かりました。無線機の電波の出力を最大にしてやってみます」

市長「ナルディさん本当に大丈夫ですか?」

「大丈夫です。どうかご心配なさらないで下さい」

博士「ナルディ君、君なら大丈夫だ。頼むよ」

「任せて下さい」
 ▼ 850 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/08 00:38:15 ID:ydUk2.Vc [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「だが本当に無線機の電波なんか効くのかい?」

市長「確かにいくら出力を最大にしたところで無線機の電波自体はさほど大きいものではありませんからね」

「そこは見ていて下さい」

市長「分かりました」

博士「分かった。それじゃ一旦切るよ」

「はい」

市長「ではまた後程無線を入れますね」

「分かりました。それでは」
 ▼ 851 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/08 00:43:46 ID:ydUk2.Vc [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガガッ

一旦ここで無線通信を終わらせる。

今ドローンは定位置でホバリングさせており、カメラ映像も市長たちの元に常時送っている。

俺は手元の無線機のダイヤルを回し、電波の出力を最大にした。

無線機の電波出力を示す針は完全に振り切っている。

すると間もなく

キラーリザードン1「ググ・・・グガガァ・・・・」

キラーリザードン2「グギャアアアアァ・・・・・」
 ▼ 852 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/09 00:01:27 ID:SRcEtUAg [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再び奴らは混乱しているような苦しんでいるような素振りを見せ始める。

ここで市長たちから無線が入る。

博士「ザザ・・・ナルディ君聞こえるか?」

「はい博士、聞こえます」

博士「今映像を見ているよ。確かに混乱してもがき苦しんでいるようだね」

市長「致命的とまではいきませんがそれなりにダメージは受けていますね」

博士「無線機の電波でこれほどだから、より強い電波ならより大ダメージを与えられるな」

「間違いありませんね」
 ▼ 853 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/09 00:06:15 ID:SRcEtUAg [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「それにしてもまさか手元の無線機の電波でこれほどとは思いませんでしたな」

市長「はい。私も少し驚いています」

「奴らは電波に関しては繊細な一面があるのかもしれませんね」

博士「そうかもな」

市長「今も電波の出力は最大にしていますか?」

「はい」

市長「電波の出力を下げてみて下さい」

「分かりました」
 ▼ 854 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/09 00:14:00 ID:SRcEtUAg [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ツマミを回して無線機の電波の出力を下げる。

キラーリザードン「オオォ・・・・・・」

すると奴らは何事もなかったかのように平静を取り戻す。

市長「やはりこれだけの差ですね」

「はい。電波の影響はかなりのものです」

博士「それにしてもカメラは無線機の電波の悪影響は受けないんだね」

市長「そうですね。無線の電波を最大にしていた際もカメラの映像は全く乱れていませんでしたね」

博士「やはり無線機の電波は強くないからか?」
 ▼ 855 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/09 00:37:04 ID:SRcEtUAg [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はい。それもありますし、あとは電波の波長や周波数自体もまた異なりますから」

博士「なるほど」

市長「いずれもこの弱点は大きな突破口になりそうですね」

「はい。この弱点を上手く活用して綿密に作戦を練り、早ければ明日にでも戦いを決行したいところです」

市長「分かりました!」

博士「ところでまだ偵察は続けるのかい?」

「はい。もう少し続けてみます」

博士「そうか。くれぐれも油断するんじゃないぞ」
 ▼ 856 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/10 01:14:13 ID:NsEQr8kE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「分かっています」

博士「くどいようだが何かあったら遠慮なく無線を入れてくれ」

市長「言葉での手助けしかできませんが全力でサポートしますので」

「ありがとうございます!」

改めて市長と博士の気遣いには感謝の言葉しかない。

博士「私たちの方からも何かあった時はすぐに無線を送るよ」

「分かりました!

市長「それではどうかお気を付けて下さいね」
 ▼ 857 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/10 01:29:27 ID:NsEQr8kE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
博士「みんなの為にも頑張ってくれ。頼んだぞ」

「はい!分かりました!」

博士「最後に。頼りにしているぞ!」

市長「健闘を祈っていますよ!」

「ありがとうございます!それでは」

ザザッ・・・・・・・

ここで通信は終わった。

俺たちにとってもこうした気遣いや応援の一言が強力な武器になるのだ。
 ▼ 858 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 00:10:35 ID:1ZVkiHeM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてパワーの源でもある。

それにしてもやや通信が長引いてしまった。

こうしてる今もドローンを操作し、カメラは奴らの様子を克明に捉え続けている。

だが慎重にドローンを飛ばしていることもあり、未だに奴らはドローンの存在に気づく気配はない。

(・・・もう少し大丈夫だな)

そこで俺はもう少し旋回やホバリングをしながら奴らの様子を撮影することにした。

当初は危機感や恐怖から焦りもあったが今は少し余裕だ。

この分ならよっぽどでもない限り気づかれることはないだろう。
 ▼ 859 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 00:19:56 ID:1ZVkiHeM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁ何事も油断は禁物だが。

それから実はドローンのカメラの映像は全て手元のタブレット端末のメモリーに記録している。

本当はあまりこのような出来事は後から思い返すなどしたくないが

このような出来事は風化させてはいけない__

後世とまではいかなくても残しておかなくては__

そんな思いからあえて映像に記録する。

間違っても動画サイトに乗せて広告料で稼ぐなどやましいつもりは微塵もない。

逆にそんなことができる奴がいたら神経を疑う。
 ▼ 860 イムラー◆zcCRlWbLiA 19/02/11 00:47:35 ID:1ZVkiHeM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だがこの広いインターネットの世界にはそんな心無い奴もいたりする。

非情だがそれが現実だ。

プルルルルルル・・・・

ドローンを片手に偵察を続けるがここで気になることが浮上する。

それは未だに2体とも建物の上から動こうとしないことだ。

(・・・・眠っているのか?・・・・・)

そう思いドローンを少し接近させ、カメラをズームしてみる。

だが表情や瞳孔の具合などを見ると特に眠っている様子はなく、かと言って活動的でもない。
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