セレナ「アローラ! アローラ地方にやってきたぞー!」:ポケモンBBS(掲示板) セレナ「アローラ! アローラ地方にやってきたぞー!」:ポケモンBBS

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セレナ「アローラ! アローラ地方にやってきたぞー!」

 ▼ 1 ニョニョ@ミズZ 19/07/19 22:12:48 ID:/KdgbJS2 NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシたちとの旅を終えたセレナは、パフォーマーとしての技術を伸ばすべくホウエン地方に旅立っていた。
しかし、セレナたちは旅をしているはずのホウエン地方にはおらず、ほかの地方へと足を運んでいた。
その地方はと言うと…。



「ん〜、はぁ…やっと着いたぁ」
「ずーっと飛行機の中で座ってるんだもの、おしりが固くなっちゃうわ」

「え〜っと、パンフレットによればここの地方での挨拶はこう言うのよね」





「アローラ! アローラ地方にやってきたぞー!」




 ▼ 339 ギルダー@マグマのしるし 19/10/08 14:03:11 ID:O50wAk2U [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「なあ、セレナ」

「はひ!」

「俺さ、もうすぐでアローラリーグに出場するんだ。 カロス地方では優勝できなかったけど、今度こそ優勝したいって思って、ポケモン達と一緒に全力で頑張ったんだ。 特訓して、遊んで、食べて、走って、出会って……色んなことが一杯あった。 そんなポケモン達と俺は、いつもいつも笑顔で楽しんでたんだ! そんで、セレナが演技しているときって、セレナとポケモン達は同じように滅茶苦茶良い笑顔してたんだ!」

「サトシ……」

「俺は、ずっとセレナの大切な仲間だから! 遠く離れて立って、俺たちは繋がってる……セレナは、ポケモン達と一緒に、今よりも全力のとびっきり笑顔で、楽しんで来いよな! セレナのことを、ずーっと応援してるぜ!」

「……っ!!」

「おわっ!」

 震えて熱を帯び、勇気が出ていなかったはずの体から、サトシの言葉とともに、溢れ出てくるような気がしていた。気づいた時には、サトシの胸に、体を押し付けるように強く抱きしめていた。
 自分の思いとは裏腹に、その瞳からは涙が零れていく。泣きたくないのに、笑顔でお別れを済ませたかったのに。サトシが自分のことを大切に想ってくれていることが嬉しくて、涙が出てしまう。しかし、これ以上溢れないように、気持ちを強く保ち、涙を腕で拭い取ると、サトシに顔を合わせ、徐々に顔を近づけていく。
 ▼ 340 ミツルギ@みずのジュエル 19/10/08 14:07:21 ID:O50wAk2U [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「え!?」

「嘘!?」

「大胆……」

「うわ!」

「おぉ!?」

 生徒たちからは驚きの声が上がる。サトシの後ろ姿しか見えて居ないが、サトシとセレナが何をしているかは分かっていた。
 たった一秒の出来事。セレナはサトシに甘い口付けをしていた。どこにしているのかは分からなかったが、ただ、セレナはその柔らかく甘美な唇をたった一秒だけ触れさせていた。短い時間ではあるものの、その二人には一秒以上の長い時間を感じられてしまうほどの感覚だった。
 ▼ 341 ザリガー@パワーアンクル 19/10/08 14:08:07 ID:O50wAk2U [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「私頑張る! カロス地方で言った時よりも、もっともっと魅力的になるんだから! だから、サトシもアローラリーグ頑張って! 私も、サトシのことずーっと応援してるよ!」

 セレナはそう言い残し、涙で赤くはれている目元を物ともしない大きな笑顔が輝いていた。そして、挨拶とともに大きく手を振りながら受付口に走っていた。
 サトシはその場で固まっているものの、セレナの様子にハッとしながらその手をゆっくり空中に上げ、同じように大きく振りながら大声で叫んでいた。

「セレナ! また会おうなー!!」

 サトシはそう言い残し、セレナの姿は空港にいる人ごみの中に消えていった。先ほどまでのセレナの姿は見かけることはなかった。ここには、空港を歩く人足の音がサトシの周りには響いていた。
 その場に静かに立ち止まっていると、後ろからククイがサトシの頭に優しく手を置き、話しかけていた。
 ▼ 342 ビゴン@ポケモンずかん 19/10/08 14:08:36 ID:O50wAk2U [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「良い子だったな……それに、生徒たちがもえつきるほどの熱いものも見せてもらったよ」

「へへ、ククイ博士だってバーネット博士と同じことしてたじゃん」

「な!……はは、そうだな。あれはとっても大切で、愛おしいものなんだ。だから、サトシもそれがどんなことなのか、分かる時が来るよ」

「うーん? そんなものなのかなぁ……って、みんなどうしたの?」

「どうしたの? じゃ、ありませんよサトシ!」

「本当だよ! まさか空港でこんなに大胆なことするなんて……」

「顔が熱い。凄いもの見た」

「あ、あわわわわ、サトシがキ、キススススス」

「落ち着けマーマネ! いや、慌てるのも分かるが!」

「変なの? それよりも皆、早く帰ろうぜ! 何だかおなか減ってきちゃったよ! な、ピカチュウ?」

「ピーカ? ピカチュ!」

 サトシはポケモンマスターの夢を目指し、歩き続けるだろう。それと同時に、セレナはこれからホウエン地方でコンテストに向けて足を進めていくだろう。お互いに大きな壁にぶつかることもあるだろう。だけど、サトシはポケモンとお互いに信じあい、その壁を乗り越えていく。そして、セレナとポケモン達も、サトシと同じようにどんな壁であろうと乗り越えられる。夢は違えど、お互いの思いは変わらない。二人はお互いに、違うようで似ている道を歩き続けていく。
 ▼ 343 ングース@せんせいのツメ 19/10/08 14:08:55 ID:O50wAk2U [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告


「またね、アローラ地方……またね、サトシ……私、もっと頑張るから……だから、ずっと……」

 暫くして、セレナが乗っているホウエン行きの飛行機は、アローラ地方から徐々に遠ざかり、手の平で包み込める大きさに小さく見えてしまう。来た時に見えていた景色とはまた違う印象に見えるのは、アローラ地方で出会えた皆のおかげなのだろう。
 初めて来たときには、何があるのか楽しみで心が躍っていた。目が痛くなるほどに輝く太陽。透き通るような海。南国の大地。楽しそうにしている人々。全てが真新しく見えていた。今は、何だか物寂しく感じてしまう。今まで出会えた人々や、見ていた景色が遠ざかってしまう。カロス地方でもあったはずなのに、何だか同じようで違った気持ちが湧いてきてしまっていた。

 出会いがあれば別れもある。それは、どこに旅をしていても同じことである。だけど、そこで出会えた思い出は、いつまでもその人の中で残り続け、時には他の人へと受け継がれていく。だからこそ、これで終わりだとは思わない。たった一回の別れで全てが無くなりはしない。

 思いふけながら飛行機窓から外を眺めていると、今までの疲れが体に現れて来たのか、瞼がいつも以上に重く感じてしまう。セレナは抗うこともなくその瞼を閉じていく。目をつむれば、今までの思い出が鮮明に蘇る。海でスイレンと奇跡的に出会い、そこからマオに出会い、マーマネやリーリエ。熱い炎とともに、Z技を見せてくれたカキ。手回しをしてくれたククイ博士。そして、自分を助けてくれたサトシ。大切な思い出が、セレナの中に眠っている。
 手首につけていた赤いミサンガはもう無くなっている。だけど、赤いミサンガがなくても、サトシたちとは必ず会える。そう強く思いながら、セレナはその意識を深く深く沈めていくのであった。



 ▼ 344 イーガ@やすうりポン 19/10/09 01:16:40 ID:Q6PwlQV2 NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 345 ククラゲ@まがったスプーン 19/10/16 10:21:51 ID:dCEoEmPc NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 346 ンカラス@みずのジュエル 19/11/06 21:31:04 ID:/SmwgVkw NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
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 ▼ 347 ットレイ@Zパワーリング 19/11/18 10:29:48 ID:NFfYtvyg NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
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 ▼ 348 ディアン@げんきのかたまり 19/11/27 21:01:23 ID:RXV6vdm2 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
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 ▼ 349 ロベルト@ゴーゴーゴーグル 19/12/13 01:42:07 ID:Egw2eMQg NGネーム登録 NGID登録 報告
原作再現と地の文がすごいすき。支援
 ▼ 350 テラ@ひかりごけ 20/01/05 07:54:10 ID:C0c.gAF6 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
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 ▼ 351 キメノコ@トポのみ 20/01/30 17:22:37 ID:8QAIajfQ NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
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 ▼ 353 リン@パスタ 20/02/11 06:20:29 ID:HDCMJu1s [1/26] NGネーム登録 NGID登録 報告

「テールナー! かえんほうしゃ! ニンフィア! かげぶんしんの後にようせいのかぜ!」

「テナ!」

「フィア!」

 サトシたちに別れを告げ、アローラ地方からホウエンに戻ったセレナたちは、アローラ地方でその身に宿っていた熱量を余すことなく、新たに開催されていたコンテストにつぎ込んでいた。
 アローラ地方で開発した演技をホウエンでもそのまま使えば、コンテストリボンを取得することは難しいことではない。しかしその想いとは裏腹に、ホウエンで使うことは叶わずにいた。
 ▼ 354 ゴラス@おうえんポン 20/02/11 06:20:49 ID:HDCMJu1s [2/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ホウエン問わず、シンオウ地方という場所でも同じルールのコンテストが開催されるのだが、基本的なルールでは出場するポケモンは二匹までと制限されている。しかし、セレナが開発した炎の太陽は、ポケモンを三体使用しなければ再現することは現状で不可能に近い。つまりは、その演技をホウエンで使用することができないことを意味していた。
 ▼ 355 オー@ロックカプセル 20/02/11 06:21:45 ID:HDCMJu1s [3/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ホウエン地方では使えないからと言って、開発したことが全くの無駄になったわけではない。迷っている暇があればまず行動してみる。それで失敗したとしても何かが残る。無駄なんてことは何もない。サトシはセレナにそう声をかけたことがあったが、その言葉通り、炎の太陽を再現できなくとも、開発する過程で得た技術をコンテストに組み込むことができた。
 そもそも、炎の太陽を開発に至る過程で多くの特訓時間を費やしている。トライポカロンというトレーナー自身も演技に組み込む主観的視点からではなく、コンテストという客観的視点から演技を見ることで、ポケモンたちの技の特性や癖などを事細かく見ることができた。それにより、セレナのポケモン達に対しての指示能力も向上し、ポケモン達もそれに比例するように技のキレなどを伸ばしていた。
 ▼ 356 ジョッチ@ずがいのカセキ 20/02/11 06:22:03 ID:HDCMJu1s [4/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ありがとうございました!」

「素晴らしい演技をありがとうございます。 エントリーナンバー3番。セレナさんの演技でした!」

 セレナの演技が終わり、挨拶と共に会場は拍手で包まれていた。
 コンテストの司会を務めている、縦に長い帽子をかぶる人物は、スポットライトの光を浴びながら、マイクを片手に高らかに喋っている。
 セレナは舞台裏にいるコンテストのスタッフから、退場の合図を確認したのち、大きく会場に向けて手を振りながら小走りで退場していく。
 コンテストの演技を無事に終了したことに安堵の息を付きながらも、その表情に不安げになるような面影は全くなかった。
 ▼ 357 ガジュカイン@フリーズカセット 20/02/11 06:22:30 ID:HDCMJu1s [5/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
 アローラ地方にいく前までは、慣れていないコンテストの形式に戸惑いながら、焦りにより高いクオリティを目指すよりも、無事に終わらせることに重視していた。そのため、コンテストの演技を終了した後も不安で仕方がない表情をしていた。しかし今では、その表情は自信で満ち溢れ、前回のような無事に終わらせる演技ではなく、自分の技術を全力で表現したいと言う、クオリティを高めた演技を意識していた。
 ▼ 358 オタチ@ふといホネ 20/02/11 06:22:50 ID:HDCMJu1s [6/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「みんなの演技凄かったよ!」

「テナテナー」

「フィー!」

 控室に設置されている長椅子に、一息を着くべくポケモン達とともに座りながら、先程の演技の成功を称えあっていた。しかし、自分たちの演技が完璧に終わったといえど、コンテストの演技が全て終了したわけではない。
 控室にあるモニターからは、今もなお他の参加者の演技が映し出されていた。だが、ほかの参加者の演技を見ているセレナの表情は、先ほどと同じように自信に満ち溢れている表情のままだった。
 決して慢心をしているわけではない。セレナの行った演技はセレナ自身が客観的に見てもこのコンテストで優勝を勝ち取れるものだと確信していたからだ。そして、それはセレナだけではなく、隣に座っているポケモン達も同じように思っていた。
 ▼ 359 ルマッカ@ぎんのこな 20/02/11 06:23:11 ID:HDCMJu1s [7/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナが控室に来てから暫くして、このコンテストに参加していた全ての演技が終了したのか、モニターには審査中という三文字のみが映し出されていた。
 セレナは全ての演技が終了したことを確認すると、ふと、控室にいる他の参加者の様子を見渡していた。他の参加者がセレナのように自信に満ち溢れているものではないし、完璧に演技をこなせれたわけではない。それを物語っているかのように、安心している表情のものや、不安げな表情をしている者。結果がまだ出ていないにもかかわらず、すでに涙を流している者。様々な表情をしている者がいた。
 ポケモンバトルとは形式が違えど、コンテストも勝負事の一つである。勝者が生まれる以上敗者も生まれてしまうのは仕方のないことなのは、セレナ自身も身に染みて理解している。そして、そんな彼女たちにかける言葉もないことも理解していた。

 モニターに映る審査中の表示が変わり、控室にいる参加者はコンテスト会場に集まるようにと表示されていた。それと同時に、控室のドアからは誰かがこんこんと、ノックをする音が響きドアは開かれた。
 ▼ 360 メイル@しんかいのキバ 20/02/11 06:23:28 ID:HDCMJu1s [8/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「皆様お疲れ様です。審査員の方々の結果が発表されますので、私たちスタッフがコンテストの舞台に誘導させていただきます」

「ふぅ……行きましょうみんな」

「テナ」

「フィ」

 控室にいた参加者は、そのスタッフの後に付いて行く。セレナも最後の演技に参加したテールナーとニンフィアと共に、遅れないように速足で付いて行く。最後の演技のみ参加できなかったヤンチャムを出すことは出来ないが、ヤンチャムが入っているモンスターボールから、セレナの気持ちを察したのか震えて意思表示をしていた。
 ▼ 361 ドレックス@なぞのすいしょう 20/02/11 06:23:49 ID:HDCMJu1s [9/26] NGネーム登録 NGID登録 報告

 長い廊下を歩き続ける。徐々に光が入り込み、演技をするときに通る気持ちとはまた違う緊張感が漂っていた。
 舞台には1番の参加者から顔を出していくと、会場からは声援が飛び始める。その声援に応えるように、参加者は笑顔で手を振りながら、スタッフに言われた指示の通りに舞台に並び終わっていた。
 
 明るい会場は徐々に暗くなっていき、声援はそれに比例するかのように止み始める。やがて、天井に設置されていたスポットライトがコンテストの司会者に向けられ、わざとらしい大きな身振り手振りしながらその口上と共に、コンテスト会場にいる観客の注目を集めていた。
 ▼ 362 リーパー@ブレイズカセット 20/02/11 06:24:06 ID:HDCMJu1s [10/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「さあ! 今回大盛り上がりを見せていただきましたこのコンテストにも、ついに終わりが近づいてまいりました。華麗な演技が多数。どれもこれも魅力的なものではありましたが、その中から特に強い魅力を感じられました演技には、このコンテストリボンが授与されます」

 右手を高らかに上げ、その先にはスポットライトの反射でキラキラと輝いている物がある。カメラがそれに注目し、会場に設置されている大きな液晶モニターが光るものを映し出していた。
 ▼ 363 クシー@タウリン 20/02/11 06:24:22 ID:HDCMJu1s [11/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「(コンテストリボン…)」

 息を飲む音がする。暗闇の中に並んでいるパフォーマーは、緊張の表情で固まっていた。しかし、その表情の中にある視線は、コンテストリボンに目を奪われていた。
 
 ドラムロールが鳴り響く。今この瞬間で、自分たちが作り出した成果が問われてしまう。パフォーマー達にとってこの瞬間は、心臓は激しく鼓動を打ち、額には冷や汗が流れる状況だった。しかし、セレナは落ち着いていた。何故ならば、自分たちが作り出した演技や技術は、他の誰にも負けていないものと信じていたから。
 ▼ 364 バルドン@クリティカッター 20/02/11 06:24:40 ID:HDCMJu1s [12/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「今回のコンテストでリボンを納めたのは……エントリーナンバー3番! セレナさんです!」

 コンテストの司会者が高らかにセレナの名前を挙げ、スポットライトがセレナに向けて照らされた。観客は歓声を上げ、セレナはそれに応えるように観客に向けて、満面の笑みを浮かべながら両手を上げて振っていた。両隣にいたポケモン達も、コンテストに優勝できたことを嬉しそうにしているのか、セレナと同じように満面の笑みで答えていた。
 ▼ 365 ルジーナ@ミストシード 20/02/11 06:25:01 ID:HDCMJu1s [13/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ありがとうございます! …ふぅ、良かったね皆んな!」

「テナ!」

「フィア!」

「それでは、審査員の方々にコメントをいただきます」

 審査員として参加していたのは、この会場がある街のジョーイさん。ポケモン大好きクラブの会長。そして、ホウエン地方でポケモンコーディネーターとして最前線で活躍している人物の三人だった。
 ▼ 366 シアン@あおぼんぐり 20/02/11 06:25:23 ID:HDCMJu1s [14/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「それではまず初めに、ジョーイさんからお願いします」

「皆さんの演技はどれも素晴らしいものでした。ですが、その中でも特に素晴らしいと感じたのは、セレナさんの演技でした。彼女の演技は非常に洗練されていると感じ、目を奪われました」

「ありがとうございます。それでは、ポケモン大好きクラブ会長のスキゾーさん、お願いします」

「テールナー、ニンフィア、好きですねぇ」

「ありがとうございます。それでは、ホウエン地方のポケモンコーディネーターとして最前線でご活躍しているこの方からコメントをいただきましょう」

「んん…コーディネーター、またはパフォーマーとして様々な演技を観たり、研究したり、開発したりしてきましたが、セレナさんが作り出した演技は全く観たことのない、非常に新しい演技であり、それでありながらクオリティの高いものでした。ここまでレベルの高い人物であれば、私の耳にも入ってくるはずですが、セレナさんはポケモンコーディネーターとしてまだまだ新人の域だと、ホウエン地方での大会の参加履歴を見て驚きを隠せません。今後の活躍に、非常に楽しみだと思います」
 ▼ 367 オルブ@あらびきヴルスト 20/02/11 06:25:38 ID:HDCMJu1s [15/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「審査員の皆さま、非常に素晴らしいコメントをありがとうございます。それでは、コンテストリボンの授賞式に移りたいと思います」

 審査員から様々なコメントを受け取ったセレナは、スタッフの指示に従い表彰台へと移動する。

「おめでとうございます、セレナ様。こちらが、今回お受け取りいただくコンテストリボンです」

「ありがとうございます!」

「それでは最後に、素晴らしい演技をしていただきましたセレナ様を初め、パフォーマーの皆様に大きな拍手をお願いいたします!」

 こうして、会場の大きな拍手とともに、セレナの二度目のコンテストが無事に終了した。
 ▼ 368 ャラコ@ノワキのみ 20/02/11 06:25:54 ID:HDCMJu1s [16/26] NGネーム登録 NGID登録 報告

「はー…疲れた…」

 コンテストが無事に終了した後、宿泊しているポケモンセンターへ早足に帰宅したセレナは、吸い込まれるようにベッドに飛び込んでいた。フカフカのベッドは、セレナの身体吸い込むかのように受け止めてくれるので、シャワーを浴びなくてはならないと思う反面、このまま寝てしまえばいいじゃないかと囁く声が聞こえてしまう。もちろん幻聴であり、セレナが勝手に作り出している声ではあるが、疲労で体が動いてくれないのは確かであったので、ベッドの上で唸り声を上げることしか出来ずにいた。

 アローラ地方での体験は、セレナにとって非常に良い刺激になっていたことは、大会を通して明らかになり、セレナも安堵の息を漏らさずにはいられなかった。あの数週間があったからこそ、セレナの右手にはこうしてリボンが握られている。
 ▼ 369 ドグラー@メカニカルメール 20/02/11 06:26:30 ID:HDCMJu1s [17/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
アローラ地方に行く直前であったあの時のベッドの上で、セレナが今とは真逆の意見を頭に浮かべていたことは忘れるはずもなかった。コンテスト経験の浅い自分に、旅行に行く暇なんてない。コンテストを確実に優勝するために、練習する時間を増やしていくしかないと、そう考えていた。
 もし仮に、アローラ地方に行かずに練習を続けたとしても、コンテストで優勝する景色が見られただろうか。いや、たとえ優勝できたとしても、その時の景色は今のように充実したと感じられるものになっていただろうか。ポケモン達に、自分に無理をし続けて、いずれ破綻していたのではないだろうか。そんな事を考えても無駄だと分かっていても、考えずにはいられなかった。

「私がこうしているのは、いろんな人やポケモン達が助けてくれるから……ふふ、遠く離れたって、俺たちは繋がってる、か……」
 ▼ 370 ギアナ@たいりょくのハネ 20/02/11 06:26:56 ID:HDCMJu1s [18/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
 あの空港、厳密に言えば、カロス地方でサトシが育てていたポケモンと別れる時に聞いた言葉だったが、サトシの言ったその言葉が頭の中に流れていた。様々な人がセレナと関わり、そして、その時の思いや言葉や行動が、こうして今の自分になっている。 それは、アローラ地方での体験が言葉になるならば、ピッタリなんじゃないかと思うほどに。




 ▼ 371 ニプッチ@ほしのすな 20/02/11 06:27:13 ID:HDCMJu1s [19/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
 結局あのままベッドに委ねて寝てしまったセレナは、早朝にシャワーを浴び、眠気と一緒に身体に着いていた汚れや疲れを洗い流していた。
 アローラ地方に行く前。つまり、一人で旅をし始めたときは、慣れない事が多く疲れを残したまま朝を迎えることが多かったが、最近は体の調子も良いのか、鼻歌まじりに荷物の整理をしていた。

「ふんふんふ〜ん……ん?」

 入り口からコンコンとドアを叩く音がする。何だかこの動作に既視感を感じずにはいられないが、荷物の整理を中断し、ドアノブをひねり扉を開けていた。
 ▼ 372 ーランス@ゴージャスボール 20/02/11 06:27:29 ID:HDCMJu1s [20/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「おはようございますセレナさん。先程こちらのポケモンセンターにヤシオ様からお電話をいただいておりますが、いかがいたしますか?」

「ヤシオさんからですか!? 今すぐ出ますのでちょっと待ってください!」

 何となく誰から電話がかかってきたのか予想はしていたが、それでもかけてきた人物が人物なので慌ててしまい、急いで身なりを整えジョーイさんにぶつからないように扉を開ける。

 廊下などは走らないように言われているので小走りで来たが、ジョーイさんに声をかけられてからそこまで時間は経っていない。待たせた事はないだろうと思いながら息を整え、保留中になっている画面を解除する。
 ▼ 373 ロッパフ@しんちょうミント 20/02/11 06:27:50 ID:HDCMJu1s [21/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「おはようセレナ、元気かしら?」

「おはようございますヤシオさん! 元気にしています!」

 画面の向こうからは、歳をとっているものの整った顔つきをしている見知った人物が現れる。数週間ぶりに連絡を取るので少し緊張してしまうのか、セレナの表情には現れなくとも、手の平にはじんわりと汗がにじみ出てくる。
 ▼ 374 ズモー@メガブレス 20/02/11 06:28:10 ID:HDCMJu1s [22/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ふふ、表情を見てわかるわ。アローラ地方はいい刺激になったようね」

「はい、アローラ地方での体験は、私にとってもの凄く力になりました。ヤシオさんの後押しがなかったら行っていませんでした。感謝してもしきれません」

 アローラ地方のチケットは持っていても、行くか行かないかの最後の踏ん切りを付けてくれたのは、誰でもない目の前にいるヤシオだった。
 ヤシオが見たホウエン地方での演技からは、自分の力を出しきれていないと感じた。そして、セレナと対話し、焦りで目の前のことしか見えていないと画面越しからでも感じ取ったヤシオは、新しい刺激を与えるためにアローラ地方への旅行を強く進めた。その結果は良好のようで、セレナの表情は分かりやすいほど生き生きとしていた。
 ▼ 375 ーマーガア@おはなアメざいく 20/02/11 06:28:25 ID:HDCMJu1s [23/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「2回目のコンテスト観させてもらったわ。1回目とは全然違う、本当に同じ人が演技をしているとは思えないほどに素晴らしいものだった。本当、若い子って凄いわね……短期間でここまで成長するなんて、一体アローラ地方で何を体験してきたの?」

「本当に色んなことです。様々な人と出会い、様々なポケモンと出会い、その数だけ様々な感性を知って…アローラ地方の、他の地方以上にポケモンとの共存を意識していた環境は、私とポケモン達との関係を見直す……いえ、私が蔑ろにしてしまったことを改める機会になりました。もっといっぱい喋りたい事がありますけど、あの島で培った事を全力で表現してみました」
 ▼ 376 マケロ@するどいキバ 20/02/11 06:28:44 ID:HDCMJu1s [24/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「全力ね……確かに、あの演技にはあなたの全力が感じられた……ふふ、朝早くからありがとう。次のコンテスト、楽しみにしてるわ」

「はい! 全力で頑張ります!」

 セレンは単純に、今の自分とポケモン達で全力で演技をしたに過ぎない。ただ、その全力という言葉の中には、様々な経験と出会いと別れ、今までに起きた出来事を全て注ぎ込み作り上げていた演技だった。他の誰でも真似が出来ない、セレナとそのポケモン達でしか表現することが出来ない全力の演技だからこそ、あの会場で一番の魅力を放っていたのかもしれない。

 ヤシオの激励を受け取り、セレナは次のコンテストへ目指し街を移動する。ホウエン地方でも、アローラ地方とはまた違う出会いがあり、別れがあり、それでもその足を止めずに歩み続けるだろう。しかし、その時の思い出はいつまでもセレナの中に存在し続け、見えないはずの想いが形となり、セレナの演技へと生まれ変わる。
 ▼ 377 カチュウ@キョダイパウダー 20/02/11 06:29:02 ID:HDCMJu1s [25/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
「遠く離れていても、私たちは繋がっている……だよね、サトシ?」

 これからもセレナはコーディネーターとして、パフォーマーとして、自分の全力を表現し続けるだろう。その表現される演技の中には、どれだけの思いがつぎ込まれているのかは、セレナ自身にも想像がつかない。自分自身が想像もつかないほどの魅力的な演技を作り出すのか、それとも、数多くの想いを背負いきれずに潰れてしまうのかは分からない。ただ、不思議と最初のころに抱いていた不安や焦りはなかった。

 今の自分は自分だけの物語ではない。たった一人の旅に見えるかもしれない。しかし、少し目線を下げれば、いつも自分のそばにいてくれるポケモン達がいる。道を歩き出せば、様々な思い出が背中を押してくれるように風が吹いてくれる。遠く離れていても、私たちは繋がっている。そう、勇気づけるように。






                              終わり。
 ▼ 378 ギアナ@リンドのみ 20/02/11 06:38:39 ID:HDCMJu1s [26/26] NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れ様です。

これにて セレナ「アローラ! アローラ地方にやってきたぞー!」は、終了になります。

活動サイト
Twitter   https://twitter.com/ss24sousaku
pixiv    https://www.pixiv.net/users/6189144
ハーメルン  https://syosetu.org/?mode=user_novel_list&uid=181318

長くなりましたが、最後まで見ていただいた方がいたら、本当にありがとうございました
 ▼ 379 ドリーナ@ニビあられ 20/02/11 06:44:30 ID:UZZgvOmY NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れ様でした
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