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【安価SS】RSオカルトマニア「後輩ばっかりモテて悔しい」

 ▼ 1 ポリゴン2@りゅうのプレート 15/02/17 18:31:36 ID:lvUUp7Ew NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 おくりびやまの北に小さな岩の洞窟があるのをご存知だろうか?
 そこを秘密基地にしているのは、一人のオカルトマニア。

 かのじょは ちがう…他のオカルトマニアとは。
 出で立ちからして、とんがり帽子とマントを羽織って瓶底眼鏡をかけている。
 一昔前は、オカルトマニアの服装といえばこれが定番だったのだが
 今となってはいわゆるカロス・スタイル…黒いカチューシャとワンピースの方が主流である。
 良く言えばレアな、悪く言えば時代遅れなファッションだ。

 秘密基地の中では、オカルトマニアが手持ちのジュペッタとヌケニンに愚痴をこぼしているようだ。
 のんきにサファリゾーンを訪れる人々の足音を聞きながら、本日何十度目かのため息をついた。

オカルト「はぁ…」

オカルト「合コンに行ってもオフ会に行っても、後輩ばっかりモテて悔しい」
 ▼ 167 カポエラー@やみのいし 15/03/04 20:25:07 ID:amxO7uKs NGネーム登録 NGID登録 報告
結束
 ▼ 168 メガデンリュウ@あついいわ 15/03/04 20:25:16 ID:3NRTiLd. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk=木次(きすき)

島根県の実在する地名
 ▼ 169 ゼクロム@ナモのみ 15/03/04 20:26:27 ID:3NRTiLd. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、ちなみにJR木次線(きすきせん)とか木次駅とかあります
 ▼ 170 ギアル@いでんしのくさび 15/03/04 20:39:30 ID:36j5Wpjs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エリート♂「知らないのか?きすきだよ」

ブリーダー♂「きすき…?」

エリート♂「シマネケン地方にあるキスキタウンっていう町のことさ」

 男性エリートトレーナーは、修学旅行でキスキタウンに行った時のことを話し始めた。
 どこを観光して回り、どんなものを見て、何をお土産に買って帰ったか…
 コウハイのオカルトマニアは嬉しそうに手を叩いて同意していた。

コウハイ「そうです、そうです!よく知っていますね!」

 kskのことよりも、男性陣と仲良く会話に花を咲かせるコウハイの方が記憶に鮮明に残っている。
 あの時の、悔しさを通り越してやるせない気持ちも、げんきのかけらを与えられたが如く蘇ってきた。
 この時点でセンパイのオカルトマニアのせいしんりょくは限界に達しつつあったが、
 心に持ったきあいのタスキで何とかこらえて、話の続きを思い出そうとした。

エリート♂「…そこから転じて、キスキタウンの特産物のこともkskと言われるようになったんだよ」

ブリーダー♂「へぇ、どんな特産物ですか?」

コウハイ「>>172ですよー」
 ▼ 171 ブイゼル@おおきなキノコ 15/03/04 20:56:37 ID:rczTYjsI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
密かに加速
 ▼ 172 ウルガモス@スーパーボール 15/03/04 20:57:05 ID:rczTYjsI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポリゴンZ
 ▼ 173 メガカイロス@でんきだま 15/03/05 00:16:08 ID:C/SDxAQM NGネーム登録 NGID登録 報告
地鶏
 ▼ 174 ニドキング@ウイのみ 15/03/05 17:22:44 ID:l6nMK4zQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポリゴンZw
 ▼ 175 パラセクト@あついいわ 15/03/05 22:22:41 ID:CxwrBK2. [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウハイ「ポリゴンZですよー」

―――

オカルト「…!」

 オカルトマニア(センパイ)は めを さました!
 合コンのあくむは目の前からテレポートしていき、入れ違いに「ksk」と書かれた看板が目の前に陣取っているのが見えてきた。

オカルト「そうだ。kskっていうのは町の名前でもあり、ポリゴンZという意味もある」

オカルト「つまり、ポリゴンZさえいれば道が開けるのかも!」

 1、2の…ポカン!で忘れたかった合コンの経験が、こういう形で役に立つとは思わなかった。
 だが、問題はここからだ。

オカルト「…あ。私、ゴーストタイプしか持ってない」

 ポリゴンZを出そうにも出せないオカルトマニアには、看板がだんだん橋を塞ぐカビゴンのように見えてきた。
 目の前でとおせんぼうを決め込んでいるその木の塊をどうにかしなければ、と策を巡らせる。

オカルト「…結局ヌケニンに頼るしかないや」

 オカルトマニアはヌケニンの背中に手を突っ込み、ポリゴンZが都合よく出てくる事を祈った。


今から10レス以内(>>185以内)の名前欄に
・ポリゴン系orアップグレードorあやしいパッチが出る→ポリゴンZ登場
・最初の文字がザ行(例:ジグザグマ、ゼルネアス)のポケモンが出る→そのポケモンが登場
・それ以外→残念!
 ▼ 176 ゴロンダ@マゴのみ 15/03/05 22:25:07 ID:D2Nllg7s [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
連投ありですか?
 ▼ 177 シシコ@モンスターボール 15/03/05 22:26:38 ID:CxwrBK2. [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>176
OK!次に進もうぜ
 ▼ 178 ホーホー@ロゼルのみ 15/03/05 22:29:44 ID:D2Nllg7s [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>177
よし!この調子で書き込もう!
 ▼ 179 ヘイガニ@チーゴのみ 15/03/05 22:30:55 ID:D2Nllg7s [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
以下ポリゴンZが出るようにポリゴンZと書き込みます。
 ▼ 180 イトマル@ディフェンダー 15/03/05 22:33:52 ID:D2Nllg7s [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポリゴンZ
 ▼ 181 マンムー@キーのみ 15/03/05 22:35:55 ID:D2Nllg7s [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポリゴンZ
 ▼ 182 チェリンボ@ハバンのみ 15/03/05 22:37:23 ID:CxwrBK2. [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 だが、ヌケニンの背中から出てくるのはポリゴンZと関係ない物ばかり。

オカルト「やっぱりそう簡単には出てこないわねー」

 指先に慣れない感触を覚え、ヌケニンの背中を探る手がぴたりと止まった。

オカルト「…あら?これは何かしら?」

オカルト「さては、パンプジンがまた変なものを拾ってきて入れたのね」

 恐る恐る引っ張りだしてみると、それは数日間野ざらしにされたような本だった。
 「悪霊退散!今昔マツバさん」というタイトルの同人誌に、オカルトマニアはメロメロになってしまった!

ヌケニン「……」

 ヌケニンにつつかれて我に返ると、腕時計の長針は90度ほど進んでいた。

オカルト「…はっ!今はこんなことしてる場合じゃなかった!」

オカルト「さて、次々!でんこうせっかで引っぱり出すわよ!」
 ▼ 183 ブルー@おだんごしんじゅ 15/03/05 22:41:55 ID:D2Nllg7s [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっと焦ってきました。
 ▼ 184 バタフリー@あついいわ 15/03/05 22:42:21 ID:D2Nllg7s [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>182
途中のネタも面白かったです。
 ▼ 185 ジグザグマ@あおいビードロ 15/03/05 22:42:44 ID:D2Nllg7s [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次でラスト!
ポリゴンZ!
 ▼ 186 サンダー@ネストボール 15/03/05 22:43:10 ID:D2Nllg7s [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>185
ジグザグマ・・・。
これで勘弁してください!
 ▼ 187 ペロッパフ@こだわりハチマキ 15/03/05 22:56:08 ID:ooP9s6XA NGネーム登録 NGID登録 報告
なんでザ行?
 ▼ 188 ユキカブリ@ちりょくのハネ 15/03/05 22:57:24 ID:D2Nllg7s [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>187
Zで始まるから。
 ▼ 189 ドンメル@カイスのみ 15/03/05 22:59:32 ID:CxwrBK2. [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「…おっ!ひいてる!ひいてる!」

 確かな手応えと共に、ヌケニンの背中から出てきたのはジグザグマだった。
 頭文字からしてZなのだが…ポリゴンZとは明らかに何かが違う。

オカルト「あれ?このジグザグマって…」

 何かに気付いたオカルトマニアはジグザグマを抱き上げ、ゴーストタイプと違って体温が高いことに驚きながら耳の先から尻尾の先まで眺めた。

オカルト「ジグザグマって、昔からこうだったっけ?」

オカルト「前はもっと平べったい姿だったような…」

オカルト「…あっ!分かった!」

 違和感の正体をみやぶり、思わず喜びの声を上げた。
 だが、耳元でばくおんぱを出されたジグザグマの側からするとがまんできるものではない。
 腕の中の哀れな小動物が怖がって体を縮こめたのに気付き、オカルトマニアは慌てて口を抑えた。

オカルト「このジグザグマって、偉大なるかがくのちからで3Dポリゴンになったのよね」

オカルト「つまり、この子こそポリゴンZ(ジグザグマ)!」
 ▼ 190 ビークイン@ねばりのかぎづめ 15/03/05 23:06:45 ID:9FinWAWo NGネーム登録 NGID登録 報告
その発想は無かった
 ▼ 191 ドラミドロ@クイックボール 15/03/05 23:09:15 ID:D2Nllg7s [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
作者さんさすがです。
 ▼ 192 アーケオス@クイックボール 15/03/05 23:17:45 ID:CxwrBK2. [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 こんな支離滅裂な理論、聞いた者はこんらん状態になりかねない。
 だが、オカルトマニアはやっとの思いでこの答えを導き出したのだから、当然それなりに意地もある。

オカルト「ksk…の本来の意味からはかなり離れてしまったけれど、これ以外方法はない!」

オカルト「もしこれで駄目なら、はなから私には縁がなかったと諦めるしかないわね」

 きんちょうかんのあまり、オカルトマニアの額には汗が浮かんできた。
 これまであまり触れたことのなかったジグザグマをぐっと抱きしめ、kskと書かれた看板に反応があるかどうかを注意深く観察する。
 …だが、特に目立った変化はない。

オカルト「やっぱり、不正解だったのかしら」

 ガッカリしてため息をついたその時、ジグザグマが背後に何者かの気配を感じてほえ始めた。
 振り返ったオカルトマニアの目に飛び込んできたのは、一匹の巨大なポケモンだった。

オカルト「あなたは…>>194?」
 ▼ 193 バクフーン@きれいなハネ 15/03/05 23:18:18 ID:D2Nllg7s [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk
 ▼ 194 ボスゴドラ@ダークボール 15/03/05 23:18:42 ID:D2Nllg7s [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジガルデ
 ▼ 195 アズマオウ@アクアカセット 15/03/05 23:40:44 ID:CxwrBK2. [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「あなたは…ジガルデ?」

 ジガルデと呼ばれたそのポケモンは静かに頷いた。
 その体は、心なしかアルファベットのZのようにも見える。

オカルト「(えーと、ジガルデってどんなポケモンだったっけ?ゴーストタイプじゃないことは分かるけど…)」

オカルト「(さっきヌケニンの背中から偶然出てきた本で調べてみよう)」

 オカルトマニアはヌケニンの背中に手を入れ、一度は収納した分厚い本を再び取り出した。
 まだ新しさを感じさせる「カロス図鑑 入門編」と書かれた表紙をめくり、最後の方にあるジガルデのページへと指先を急がせる。

オカルト「ジガルデのタイプは地面と、ドラゴン…」

オカルト「(ドラゴンタイプといえば…レックウザやギラティナと同じよね)」

 読んでいるうちに、午後に出会ったいせきマニア・ブレイカーの事が蘇ってきた。
 チルタリス達を呼び戻すため、そらのはしらとドラゴンタイプとの関連性を解き明かそうとしていた人物だ。

オカルト「生態系を破壊する者を、監視…」

オカルト「(そらのはしらからチルタリスがいなくなったのも生態系の破壊にあたるのかしら?)」

 もしそうなら、あの時見かけたチルタリスの群れがこの「大きな裂け目」に入っていったのも、
 ジガルデのもとに避難したからだと考えれば納得がいく。
 ▼ 196 ドレディア@あいいろのたま 15/03/06 00:01:52 ID:.7DxxPZU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 図鑑を読んでいる間にもジガルデは絶え間なくその巨体をうねらせていたが、不思議と恐ろしさは感じなかった。
 ただ、このホウエンのことを憂えているような、なんとも言えない悲しげな雰囲気を漂わせていた。

オカルト「もしかして、あなたもそらのはしらのチルタリスが心配なの?」

 ジガルデは何も言わずに頷き、それから「あれを見よ」と言わんばかりに首をもたげた。
 オカルトマニアがその視線の先を追いかけると、そこには「大きな裂け目」に入っていったと思われるチルタリスの群れがはねやすめをしていた。
 ジガルデに視線を戻すと、チルタリス達ののんきな雰囲気とは正反対の憂いを帯びたオーラをまだ放っていた。

オカルト「ジガルデ、チルタリスのことを心配しているのはあなただけじゃないわ」

オカルト「そらのはしらとドラゴンタイプの関係性を研究して、あの子達が戻ってこられるようにと願っている人間もいるの」

オカルト「だから、どうか悲しまないで」

 オカルトマニアはジグザグマを抱きかかえたままジガルデに近寄り、片手を差し出した。
 ジガルデは体の構造上握手できないが、彼女の気持ちを受け取ったのか、先程までの悲しげな雰囲気はにわかにオーラブレイクされた。
 それから、差し出されたオカルトマニアの手の上に何かを乗せた。どうやらプレゼントのようだ。

オカルト「この>>198(道具・物)…くれるの?」
 ▼ 197 プルリル@あくのジュエル 15/03/06 00:06:28 ID:2noaBXu6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デボンボンベ
 ▼ 198 テッカニン@かるいし 15/03/06 00:23:16 ID:AgbqIlf6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
名前欄
 ▼ 199 オオスバメ@クイックボール 15/03/06 01:11:27 ID:749Tm8LY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>198
何に使うんだ・・・?
 ▼ 200 メガピジョット@ずがいのカセキ 15/03/06 16:13:17 ID:Szhv8aMc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 201 ゲコガシラ@イトケのみ 15/03/07 11:20:01 ID:hrZc1EV6 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「このかるいし…くれるの?」

 ジガルデは黙って頷いた。
 再び首をもたげてほえると、そのままチルタリスの群れと共に姿を消してしまった。

―――

 気が付くと、オカルトマニアはどこかの島の大きな木の陰にいた。
 月は空の高いところで静かにたたずみ、かすかな星明かりの中で聞こえてくるのは波の音だけ。

オカルト「あれ?ここは…」

 マップで確認すると、どうやらここはひみつの小島という場所のようだ。
 空を飛んでいる最中にオカルトマニアが暑さでぐったりしてしまったので、フワライドがここまで運んでくれたらしい。

オカルト「あのジガルデは夢だったのかしら?」

 しかし、腕の中にはジグザグマがしっかりと抱えられており、もう片方の手にはかるいしが握られている。
 もしも夢だったとすれば、この両腕の重みは一体何だというのか。

オカルト「世の中、不思議なことがあるものね」

 「これだからオカルトマニアはやめられない」と呟いて、彼女は家路についた。
 帰ったらジグザグマの飼い方を調べたり、かるいしの使い方を研究したり…と
 するべきことは沢山あるが、ぐっすりねむったせいか疲れはさほど感じていなかった。
 ▼ 202 モノズ@カゴのみ 15/03/07 11:20:36 ID:hrZc1EV6 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【ここまでのまとめ】 []内は安価
 大きな裂け目の中にあったのは[ksk]と書かれた看板だけだった。
 オカルトマニアは、かつて合コンでコウハイがkskについて話していたことを思い出した…
 kskというのは[きすき]、つまりシマネケン地方にあるキスキタウンのことらしい。
 そこから転じて、キスキタウンの特産物である[ポリゴンZ]もkskと呼ばれているそうだ。
 オカルトマニアはポリゴンZが都合よく出てくることを祈ってヌケニンの背中を漁ったが、出てきたのは[ジグザグマ]だけ。
 だが、かがくのちからで3D「ポリゴン」となった「Z(ジグザグマ)」のおかげで[ジガルデ]に会うことができた。
 ジガルデはそらのはしらで生態系の破壊が起こり、同じドラゴンタイプであるチルタリスが追い出されたことを悲しんでいたが
 オカルトマニアがいせきマニア・ブレイカーの活動のことを告げると、お礼に[かるいし]をくれた。
 ▼ 203 ボルキングラー◆MjwQSo9n8c 15/03/07 11:28:39 ID:VRm3sPZI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>198
ジガルデ「重すぎ痩せろ」
 ▼ 204 コフキムシ@うつしかがみ 15/03/07 11:31:12 ID:hrZc1EV6 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 次の朝、オカルトマニアは珍しくはやおきしてあちこち動き回っていた。
 血眼になって何かを探しているようなのだが…

オカルト「…無い!」

オカルト「マツバの本が無いっ!」

オカルト「なくさないように、ヌケニンのたいせつなものポケットに入れたのにっ!」

 彼女が探しているのは、前の日にヌケニンの背中から偶然出てきたマツバの同人誌。
 ここにいるジグザグマとかるいしが証明している通り、あの出来事はおそらく夢ではなかったはずなのだが
 なぜかその本だけはどんなに探しても見つからないのだ。

オカルト「ダウジングマシンも、そうぐうパワーLv.3も使ったのに全然見つからない…」

 小一時間探したが全く出てこないので、オカルトマニアは疲れ果ててマットの上にごろんところがった。
 その拍子に、ジガルデから貰ったあのかるいしがポケットから飛び出してきた。

オカルト「そういえば、かるいしって持たせたポケモンの体重が半分になるのよね」

オカルト「…ということは!」
 ▼ 205 シャワーズ@ズリのみ 15/03/07 11:39:54 ID:hrZc1EV6 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 オカルトマニアは埃をかぶった体重計を引っ張りだし、かるいしを持ったまま乗ってみた。
 しかし、元の体重と何ら変化はない。

オカルト「むしろ前より太ったような気がする…」

オカルト「やっぱり人間には効果ないのね。すなおにお風呂でカカトをこするのに使おう」

 以前、かるいしを捨てた瞬間エリートトレーナーからやまおとこにへんしんした人がテレビナビに出ていたが
 あの人はプロのマジシャンであり、一般人がかるいしでやせたり太ったりすることは不可能なのだ。

オカルト「…それにしても、マツバの本はもったいなかったな」

オカルト「あの時最後まで読んでおけばよかった」

 そう言いかけてふと足元を見ると、ジグザグマがあまえながらすり寄ってきていた。
 今まではゴーストタイプ以外興味のなかったオカルトマニアだが、まんざらでもないと思ってしまった。

オカルト「…そうね、最後まで読んでいたらこの子に会えなかったかも」

オカルト「だから…マーイーカ!」

 オカルトマニアは代わりの本を探すために、>>207(ホウエン地方の町)のはずれにあるマニアックなお店へ向かった。
 ▼ 206 ヤナッキー@モンスターボール 15/03/07 16:47:18 ID:sWOFt96M [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk
 ▼ 207 ポッチャマ@アッキのみ 15/03/07 16:47:47 ID:sWOFt96M [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミナモシティ
 ▼ 208 スリープ@スペシャルアップ 15/03/07 21:34:01 ID:hrZc1EV6 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 オカルトマニアは代わりの本を探すために、ミナモシティのはずれにあるマニアックなお店へ向かった。
 知り合いに会わないように、一歩一歩おんみつパワー全開で進んでいく。

オカルト「(マップナビの情報が正しければこの辺で合ってるはず…)」

 一般の人にはよく知られていないが、大きくそびえ立つミナモデパートから路地裏へと入っていけば
 「レントラーのあな」「ぼーまんだらけ」「ヘイガニメイト」「ソフマッギョ」といったショップが数多く立ち並んでいる。
 とあるコンテストアイドルファンの男性がうっかりここに迷い込み、そうと知らずに手にした同人誌で
 めざめるパワーを習得してしまったというエピソードは有名だ。

オカルト「(何かこう、不思議なパワーがあるのかもね)」

 ページを一枚でも開けば、一般人でも直ちに洗脳されてなかまづくりされかねない。
 それゆえに同人誌は、その道の人々の間で「のろいの書」とも呼ばれているそうだ。

オカルト「(この呼び方、嫌いじゃないわ…)」
 ▼ 209 キレイハナ@リュガのみ 15/03/07 21:49:32 ID:hrZc1EV6 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 だが、店に入ったオカルトマニアを待ち受けていたのは非情な現実だった。
 昨日見たのと同じ同人誌はおろか、マツバ関連の本すら一冊も見つからない。

オカルト「えっ?マツバの本無いんですか?」

店員「はい…」

オカルト「一冊も?」

店員「…申し訳ありません」

 他の店も回ってみたが、しゅうかくはナッシー。
 最初はりきりまくっていたオカルトマニアの気持ちも徐々にマイナスになってきた。

オカルト「マツバの本はもう入荷しないんですか?」

店員「すみませんが、当分は入荷予定もありません」

オカルト「ど、どうして!?」

店員「言いにくいのですが…入荷しても売れ残ってしまうのです」

 マツバという人は名うてのトレーナーであり、その上ルックスの良さまで兼ね備えている人物なのだが
 あいにくここホウエンではあまりよく知られていない。
 やはり、ホウエンで活躍しているトレーナーの方が注目を浴びる運命にあるのだ。

店員「今の流行は>>211(ORASの登場人物)ですから、やはりそちらの方がよく売れるので…」
 ▼ 210 トリデプス@いでんしのくさび 15/03/07 21:59:57 ID:sWOFt96M [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk
 ▼ 211 バルビート@ヤチェのみ 15/03/07 22:00:22 ID:sWOFt96M [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミクリ
 ▼ 212 エイパム@ドリのみ 15/03/07 22:25:36 ID:hrZc1EV6 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
店員「今の流行はミクリですから、やはりそちらの方がよく売れるので…」

オカルト「あ、そうですか。私はちょっと…」

 顔に苦笑を浮かべながら、オカルトマニアは店の出口へと向かった。
 怖いもの見たさで何でも知りたがる彼女でも、流石に危ない空気を感じ取ったようだ。

オカルト「(悪い予感というか、むしのしらせってやつかしら)」

 かんがえごとのおおいオカルトマニアは、同人誌の内容をあれこれ想像しながら店のドアをくぐったので
 外に出た瞬間、ちょうどドアのところに立っていた人にたいあたりしてしまった。

オカルト「あ、ご、ごめんなさい!」

 ぶつかった相手は、オカルトマニアと同じような瓶底眼鏡をかけたこんちゅうマニア。
 彼もまた考え事をしていたようで、ドアが開くのに気付かなかったようだ。


 こんちゅうマニアの名前…>>213(ゲーム内NGワードは再安価)
 性格…>>215
 ▼ 213 オーウソ博士◆yPNZSrrh6s 15/03/07 22:26:22 ID:B6yOmSkM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エーミール
 ▼ 214 オーウソ博士◆yPNZSrrh6s 15/03/07 22:29:55 ID:B6yOmSkM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk
 ▼ 215 メガハガネール@はっきんだま 15/03/07 22:34:31 ID:NG03AffI NGネーム登録 NGID登録 報告
おだやか
 ▼ 216 ユキノオー@ナナシのみ 15/03/09 22:49:23 ID:XD3G1fjA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 こんちゅうマニアの名前…エーミール 性格…おだやか

エーミール「ああ、これは失礼しました」

 こんちゅうマニアはエーミールと名乗った。
 どうしようかと慌てふためくオカルトマニアとは対照的に、彼は終始落ち着き払った様子だ。

エーミール「少し考え事をしていたもので…」

 ひょっとすると、彼もミクリのことを気にしていたのだろうか?
 いや、まさか。
 エーミールの考え事が気になったオカルトマニアは、尋ねてみることにした。

エーミール「私のビビヨンがいなくなってしまったのです」

 エーミールの話を聞けば、斜向かいの古本屋で立ち読みをしているほんの10分ほどの間に彼のビビヨンが姿を消してしまったという。
 自分で逃げ出したのならば、まだそう遠くへは行っていないはずなのだが…

エーミール「…あまり考えたくありませんが、誰かに連れ去られたのかもしれません」

エーミール「私のは、少し珍しいビビヨンですから」

 ビビヨンというポケモンは、生まれた地域によって羽の模様が異なるのが最大の特徴であり
 模様の数は現在確認されているだけで20種類にものぼる。
 珍しい模様のビビヨンならば、コレクターが喉から手が出るほどほしがるのも無理はなく
 それ故過去には乱獲されたり、わるいてぐせを持つ者によってどろぼうされたりしたケースもある。
 美しくも、人間の心を惑わす恐ろしいポケモンなのだ。

オカルト「どんな模様ですか?」

エーミール「>>218」
 ▼ 217 パウワウ@おはなのおこう 15/03/09 22:52:03 ID:F74i.A1U [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk
 ▼ 218 タネボー@うしおのおこう 15/03/09 22:52:27 ID:F74i.A1U [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ファンシーな模様
 ▼ 219 フラージェス@アゴのカセキ 15/03/10 22:50:26 ID:wdaP.ots [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エーミール「ファンシーな模様です」

オカルト「なるほど、それは確かに珍しいですねー」

 以前雑誌で見たあのビビヨンのことか、とオカルトマニアは相槌を打った。
 ただ虫タイプに詳しいわけではないので、珍しさの度合いまではよく分からないのだが。

エーミール「それから、『てをつなぐ』という特別な技も覚えているんです」

エーミール「バトルでは特に効果はありませんが、コンテストではそれなりに有用な技ですよ」

エーミール「ビビヨンとてをつないで歩くのが私の夢、だったのですが…」

 そう言いかけて、エーミールは力なくうなだれる。

エーミール「一体、どこに行ってしまったんでしょうか」

 エーミールの溜息を聞きながら、オカルトマニアは脳みそをこうそくスピンさせた。
 人間の足でこの広いミナモシティとその周辺一帯を駆け回ってエーミールのビビヨンを探すことは
 フラッシュ無しでいしのどうくつの暗闇を抜けるのと同じくらい困難だ。

オカルト「(ここは>>221(ゴーストタイプのポケモン)の力が必要みたいね)」
 ▼ 220 ゼニガメ@アップグレード 15/03/10 22:51:55 ID:7Os1AJFk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk
 ▼ 221 ガルーラ@いいつりざお 15/03/10 22:52:20 ID:7Os1AJFk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パンプジン
 ▼ 222 モノズ@ジャポのみ 15/03/10 23:20:58 ID:wdaP.ots [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「(ここはパンプジンの力が必要みたいね)」

 オカルトマニアはボールからパンプジンを出し、こんちゅうマニアのエーミールに協力を申し出た。
 エーミールは「ありがとうございます」と繰り返し何度も頭を下げたが、どこかフシギソウな表情を隠しきれずにいた。

エーミール「それにしても行方不明になったビビヨンをパンプジンで探すなんて、かたやぶりなアイデアですね」

オカルト「この子が偶然何か拾ってこないかなと思いまして…」

エーミール「ああ、ものひろいでビビヨンの痕跡を探すのですね」

オカルト「それから、おにびが使えることも大きな理由です」

エーミール「おにび?」

オカルト「虫タイプのポケモンがおにびに引き寄せられてくるのを利用するんですよ!」

 虫タイプの専門家でもないのに、得意気に語るオカルトマニア。
 大量のヌケニンもこうして集めたのだのだが、どちらかというと彼らは「虫タイプだから」というより
 「ゴーストタイプだから」おにびに引き寄せられたような気もする。

エーミール「…ああ、モルフォンやドクケイルのことですね」

エーミール「確かにビビヨンはその仲間ではあるのですが、ちょっと…」

 調子に乗って半ばダーテングになっているオカルトマニアに対し、エーミールは少し残念そうだ。
 ▼ 223 コリンク@ちりょくのハネ 15/03/10 23:34:54 ID:wdaP.ots [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 オカルトマニアとパンプジン、そしてこんちゅうマニアのエーミールは行方不明のビビヨンを求めて、ミナモシティを探索し始めた。
 だが、これといった痕跡は見つからず捜索は難航するばかり。

エーミール「すみません、今日この辺りでファンシー模様のビビヨンを見かけませんでしたか?」

だいすきクラブ「私達は朝からずっとここにいたけれど、ビビヨンなんて見てないわよ」

だいすきクラブ「少なくともこのポケモンセンター中には入ってきていないなあ」

エーミール「そうですか、ご協力ありがとうございます」

 ポケモンセンターとコンテスト会場はエーミールが聞きこみをするということで、オカルトマニアはデパートに来ていた。
 こういう人混みはまだまだ苦手だが、がまんして受付へと足を急がせる。

オカルト「す、すみませんっ!こ、この辺りでビビ、ビビヨンは…」

店員「迷子でしょうか?でしたら店内放送をかけますので少々お待ちくださいませ」

――ピンポンパンポーン

 『迷子の迷子のビビヨンちゃん みんなはらはらはらはら〜』

 『迷子の迷子のビビヨンちゃん とても心配〜』

――ピンポンパンポーン

オカルト「そ、そうじゃなくて!」
 ▼ 224 ケイコウオ@リンドのみ 15/03/10 23:42:31 ID:wdaP.ots [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 結局、店内放送をかけてもビビヨンは見つからなかった。
 心身ともに疲れ、デパートを後にするオカルトマニアの足取りも自然とちどりあしになっていた。

オカルト「ああ、やっぱり人の多いところは疲れるわ…」

 そこへ、パンプジンがピョンピョンととびはねてやって来た。
 特大サイズとは思えないほどのすばやさで、まっすぐこちらへ向かってくる。

オカルト「(あの様子だと、なにか見つけたようね)」

 パンプジンの満面のばくはつスマイルたるや、オカルトマニアの疲労さえふきとばすほどだ。

オカルト「パンプジーン!何か見つかった?」

 オカルトマニアが駆け寄って手を差し出すと、パンプジンは嬉しそうにクルクルと回転した後
 すぐ近くで拾ったと思われる>>225を差し出した。
 ▼ 225 オムナイト@クリティカット 15/03/10 23:53:41 ID:j8p2xg2w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヨマワル
 ▼ 226 ソルロック@アゴのカセキ 15/03/12 21:24:44 ID:IkqhXZ0c [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 オカルトマニアが駆け寄って手を差し出すと、パンプジンは嬉しそうにクルクルと回転した後
 すぐ近くで拾ったと思われるヨマワルを差し出した。
 どうやら、パンプジンのおにびに寄ってきたようだ。
 同じ種類のポケモンはミナモシティ西の121番水道にも野生で生息しているが、このヨマワルはどうやらまだ生まれたばかりのようだ。

オカルト「あら…捨てポケモンかしらね」

 ビビヨンも気になるが、オカルトマニアとしてはゴーストタイプの捨てポケモンは放っておけない。
 すぐにヨマワルを抱き上げて状態をチェックした。

オカルト「ふむふむ、この子はどうやら相当優秀な能力を持っているようね」

オカルト「一番いい感じなのはとくこうとすばやさ。イタズラがすきで、ものおとにびんかんなのね」

オカルト「性格はまじめ、それはそれはもうこの世のものとは思えないほど生真面目な性格」

 こんなに優秀なのにどうして捨てられちゃったのかしら、とオカルトマニアは首を傾げた。
 ゴーストタイプのポケモンは放っておいても死なないが、オカルトマニアはこのヨマワルを保護することにした。

オカルト「そういえば、ヨマワルって分厚い壁でも通り抜けられるのよね」

 彼女のヨノワールもかつてはヨマワルだったが、進化してからこの芸当を失ってしまったのだ。
 進化前のほうが何かと便利なこともある。

オカルト「(壁抜けできるからって別に悪用するつもりはないわよ!)」
 ▼ 227 アチャモ@プレミアボール 15/03/12 21:37:56 ID:IkqhXZ0c [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 一方、こちらはこんちゅうマニアのエーミール。
 ファンシー模様のビビヨンとはぐれてしまった彼は、心配で心臓がにぎりつぶされんばかりだったが
 とっておきふくつのこころをもって、コンテスト会場で粘り強く聞きこみを続けていた。

エーミール「すみません、この辺りでビビヨンを見ませんでしたか?」

アロマなおねえさん「ビビヨン?」

エーミール「ファンシー模様のビビヨンです」

アロマなおねえさん「…そういえば121番水道の辺りで見たような気がするわね」

アロマなおねえさん「他の虫ポケモンとなかよくしているのかと思ったけど、あなたのポケモンだったの!?」

 アロマなおねえさんの話では、ビビヨンは121番水道のサファリゾーン横にある大木の辺りで
 他の虫タイプのポケモンと一緒にいたそうだ。
 それを聞いたエーミールの驚き様ときたら、全くおだやかではなかった。

エーミール「あ、相手の虫ポケモンはどんなポケモンでしたかっ!?」

アロマなおねえさん「確か、>>229(虫タイプのポケモン)と一緒にいたわね」
 ▼ 228 ヤンチャム@ナゾのみ 15/03/12 22:59:46 ID:UNfRwhis [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk
 ▼ 229 ディアンシー@カシブのみ 15/03/12 23:00:09 ID:UNfRwhis [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アゲハント
 ▼ 230 クレッフィ@スターのみ 15/03/14 10:00:52 ID:MO94O5vE [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アロマなおねえさん「確か、アゲハントと一緒にいたわね」

エーミール「アゲハント!?」

 まだ朝夕は冷え込む時期とはいえ、暦の上ではれっきとした春。
 アゲハントの恋の季節も既に始まっているのだ。
 野生のアゲハントは通常アゲハント同士で結ばれるのだが、たまにバタフリーやビビヨンと恋に落ちるケースもある。

エーミール「あ、ああ、ありがとうございます!」

 エーミールはしんそくでコンテスト会場を後にし、目撃情報のあった121番水道へと向かった。

エーミール「(もしそのアゲハントがオスなら、私のビビヨンを結婚相手として連れて行った可能性もある)」

エーミール「(…けれども、なかよくしていたのが本当なら、ビビヨンもまた相手が好きだということ)」

 走りながら、エーミールの心に複雑な感情が沸き起こってきた。
 グルグルとうずしおのように渦巻くそれは、121番水道に雨が降った後のげきりゅうよりも激しくなっていった。

エーミール「(もしアゲハントからビビヨンを取り返せば、二匹の仲を引き裂くことになる)」

エーミール「(だが、大切にしてきたビビヨンを手放すのは惜しい!)」

 エーミールの脳裏に、いつか見たアニメの光景が繰り広げられる。
 とある少年が大事に育ててきたバタフリーに別れを告げるという、あの場面だ。
 ▼ 231 フワライド@おいしいみず 15/03/14 10:13:29 ID:MO94O5vE [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 その頃、オカルトマニアはまだミナモシティを捜索していた。
 ポケモンセンターの周辺で聞きこみをしながら探したのだが、ビビヨンに関係のありそうなものはいっこうに見つからない。

オカルト「パンプジン、ヨマワル、どう?何か見つかった?」

 パンプジンもヨマワルも疲れてきたようだ。
 ゴーストタイプである彼らは、太陽の光がさんさんと降り注ぐ白昼に活動することが苦手なのだ。

オカルト「エーミールさんとポケナビで連絡が取れたらいいんだけど…」

 この広いミナモシティでは、ビビヨンはおろかエーミールに再会することすら困難だ。
 来月のアップデートでポケナビにエントリーコール機能が追加されるのが待ち遠しい、オカルトマニアであった。

オカルト「…あれ?どうしたのパンプジン?」

 パンプジンが突然121番水道の方向へと走って行き、何かを拾い上げたようだ。
 すぐに追いかけて確認すると、丁寧な字でエーミールの名前が書いてあった。

オカルト「これ、エーミールさんのじゃない!」

 名前を書いたのは盗難防止のためだろうが、それにしても…とオカルトマニアは溜息をつく。

オカルト「>>232(道具)を落としていくなんて、うっかりやさんね」
 ▼ 232 ミノマダム@オッカのみ 15/03/14 10:14:17 ID:PxC9AXzs [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
はかいのいでんしX
 ▼ 233 ズルッグ@せいしんのハネ 15/03/14 10:37:20 ID:MO94O5vE [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「はかいのいでんしXを落としていくなんて、うっかりやさんね」

 持たせたポケモンの攻撃力を上げるが、同時に混乱させてしまうという恐ろしい効果を持つはかいのいでんし。
 最近はめっきり姿を見かけなくなった、珍しい道具なのだ。
 一体何に使うのかしら?とオカルトマニアは首を傾げたが、その危険な道具がこの場所に落ちていたことを考えれば
 エーミールはこの先の121番水道にいる可能性が高い。

オカルト「…行ってみましょうか。理由を聞くのは後でいいわね」

―――

 一方、こちらはエーミール。
 アロマなおねえさんに言われたとおり、サファリゾーン付近の大木の前まで来ていた。

エーミール「……」

 彼と睨み合っているのは、一匹のアゲハント。
 後ろに隠れたビビヨンをまもるように羽を広げて、全力でいかくしている。

エーミール「やはり、想像した通りでしたか」

エーミール「羽の模様、そして全身から溢れるとうそうしん。間違いなくオスのアゲハントですね」

 平常心を崩さずれいせいに分析するエーミールを、アゲハントは大樹のてっぺんからにらみつけていた。
 ▼ 234 メガヘラクロス@エフェクトガード 15/03/14 10:49:57 ID:MO94O5vE [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 エーミールはおだやかな口調でアゲハントに語り始めた。

エーミール「アゲハント、あなたはビビヨンが好きなのですね」

エーミール「見るからに強そうなあなたに、ビビヨンが惚れるのも無理はありません」

エーミール「ですが、せめて…」

 そう言いかけて近づいた時、アゲハントの起こした強風がエーミールをふきとばした。
 ひるまずに立ち上がると、アゲハントは木の頂から降りてエーミールの目の前にまで迫っていた。

エーミール「…くっ!」

 アゲハントというポケモンは普段はおとなしいが、一度いかりのつぼを刺激してしまえば攻撃的になるのが特徴。
 細長い口を相手に突き刺すことはもちろん、羽が少しかすっただけでも大人がよろけてしまうほどだ。

エーミール「……」

エーミール「そうか、そうか。つまり君はそういうポケモンなんだな」

 ならば、こちらもバトルでぶつかり合うしかない。
 こんちゅうマニアたるエーミールは、長年の経験の中で虫ポケモンの掟たるものを熟知していた。

エーミール「私のとっておきの虫ポケモンで相手しよう」

 エーミールはネットボールから>>235(むしタイプのポケモン)を繰り出し、アゲハントとの勝負に臨んだ。
 ▼ 235 ノクタス@ゴスのみ 15/03/14 10:50:22 ID:PxC9AXzs [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハイパーヘラクロス
 ▼ 236 稲荷寿司◆P7uCNqttgw 15/03/14 10:53:12 ID:oGXoANVM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デンチュラ
 ▼ 237 ユキカブリ@あくのジュエル 15/03/14 11:15:04 ID:MO94O5vE [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 エーミールはネットボールからハイパーヘラクロスを繰り出し、アゲハントとの勝負に臨んだ。
 やっと追いついたオカルトマニアは息を殺し、その様子を木陰からそっと眺めていた。
 虫タイプのことをよく知らない自分が出て行って勝手な行動を取れば、状況を更にこんらんさせかねないからだ。

オカルト「(見た感じ普通のヘラクロスだけど、一体どの辺がハイパーなのかしら?)」

オカルト「(ハイパーボールじゃなくてネットボールに入っていたし、ハイポーボイスは覚えないはずだし…)」

 疑問符を浮かべるオカルトマニアをよそに、バトルの火蓋はいあいぎりされた。
 開幕早々アゲハントのかぜおこしがヘラクロスに命中する。

オカルト「(ヘラクロスに飛行タイプの技はこうかばつぐん。大丈夫かしら?)」

 が、ヘラクロスは持ち前のこんじょうで持ちこたえた!
 硬い殻に守られているので守備力が強そうだとは思っていたが、どうやら見た目以上にがんじょうなようだ。

エーミール「ナイスだ、ヘラクロス!」

エーミール「今度はこっちの番、いつものハイパーなあれをするぞ!」

 ついに、この瞬間がやって来た。
 オカルトマニアはまばたき一つせず、このヘラクロスがハイパーな理由を突き止めようとした。

エーミール「ハイパー・ビーム(Hyper Beam)!」
 ▼ 238 メガガブリアス@あおいバンダナ 15/03/14 11:28:24 ID:MO94O5vE [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「(え?そんな技あったっけ?)」

 オカルトマニアはヌケニンの背中からこっそり英和辞典を取り出し、音を立てないように気をつけてページをめくった。

オカルト「(えーと、Hyper Beam…はかいこうせん?)」

 そう、ハイパービームとは「はかいこうせん」の英語での呼び名のことであった。
 同じ技でも、言語によって呼び方が異なるものもあれば同じものもある。

オカルト「(ちなみにシャドーボールはそのままShadow Ballなのよ)」

 そうしているうちに、時間はどんどん流れていく。
 アゲハントはヘラクロスのハイパーな一撃を何とか持ちこたえ、反撃に出ようとしていた。
 だが、ヘラクロスははかいこうせんを撃った反動で動くことができない。
 エーミールの表情にも徐々に焦りが露わになり始めた。

オカルト「(まずい!)」

 アゲハントが再びかぜおこしの構えに入る。
 エーミールはタイミングを見計らい、ヘラクロスへの叫びに全身の魂を集中させた。
 一縷の望みを託しながら、アゲハントの動きを見つめていた。

エーミール「…今だ、かわせ!」

(>>240の投稿時間の秒が奇数なら回避成功、偶数なら回避失敗
 例:2015/03/14 **:**:[25]→回避成功 2015/03/14 **:**:[14]→回避失敗)
 ▼ 239 稲荷寿司◆P7uCNqttgw 15/03/14 11:29:15 ID:oGXoANVM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk
 ▼ 240 ケンホロウ@チーゴのみ 15/03/14 11:57:54 ID:FpGGvelg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
回避!
 ▼ 241 メガチルタリス@こおりなおし 15/03/14 11:58:44 ID:FpGGvelg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
あっ…54……
 ▼ 242 エルレイド@シュカのみ 15/03/14 19:24:15 ID:MO94O5vE [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エーミール「…今だ、かわせ!」

 だが、一瞬遅かった。
 エーミールの応援もむなしく、ヘラクロスはアゲハントの一撃をかわしきれず地面に倒れこんでしまった。

エーミール「…私の、負けですね」

 エーミールはヘラクロスにねぎらいの言葉をかけ、ボールに戻した。
 虫ポケモン達に辛い表情を見せまいと無理に笑っている口元からは、彼のからげんきが感じられる。

エーミール「アゲハント、あなたは本当に強いポケモンですね」

エーミール「それほど強ければ、ビビヨンを任せても大丈夫でしょう」

 エーミールは下を向き、麦わら帽子で顔を隠しながら話し続ける。

エーミール「ビビヨン、私とはここでお別れです」

エーミール「どうかアゲハントと幸せに、元気で…」

 そう言って、うつむいたままのエーミールがビビヨンが入っていたボールの初期化ボタンを押そうとするのを
 オカルトマニアは黙って見ていることしかできなかった。

オカルト「(…切ないものね)」

オカルト「(ゴーストタイプは死なないけれど、いつか私にもこういう別れが来るのかしら)」
 ▼ 243 ペロリーム@ブリーのみ 15/03/14 19:49:44 ID:MO94O5vE [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 その時、ビビヨンのボールを握っていたエーミールの手に衝撃が走る。
 アゲハントが羽で叩いたのだ。
 初期化ボタンを押され損なったボールは地面に落ち、コロコロと2、3回ころがってからピタリと止まった。

エーミール「アゲハント、なぜ…?」

 アゲハントは自分が縄張りにしている大木の枝にひらりと止まり、木の葉の間をガサゴソとかき分けて何かを探し始めた。

オカルト「(一体どういうことかしら?)」

 しばらくして、アゲハントは探し当てた木のつるをエーミールに向かって投げた。
 大人が登っても切れなさそうな、がんじょうなつるだ。

エーミール「登ってこい、ってことでしょうか?」

 アゲハントが静かに頷くのを確認してから、エーミールはつるを登り始めた。
 登った先にあったのは、秘密基地を作れそうな空間。

エーミール「なるほど、ここを私の秘密基地にすればアゲハントとビビヨンは一緒にいられる…というわけか」

 アゲハントは嬉しそうに何度も頷いた。

エーミール「そして私も、ビビヨンと別れなくていい…」

 エーミールの目頭が再び熱くなってきたので、さりげなく眼鏡を直すふりをしてごまかした。

エーミール「そうか、そうか。つまり君はそんなポケモンだったんだな!」

 エーミールはアゲハントとビビヨン、そしてヘラクロスを抱きかかえ、いつまでも木の上の秘密基地で笑っていた。
 ▼ 244 イーブイ@レンブのみ 15/03/14 20:09:41 ID:MO94O5vE [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 こうして秘密基地ではしゃぐのは、何年ぶりだろうか。

エーミール「私もむしとりしょうねん時代はよく秘密基地を作ったもの」

エーミール「いわゆる少年の日の思い出、というものです」

 懐かしい気持ちに浸ることで、エーミールの心にもむじゃきさが戻ってきた。

エーミール「…そうだ、せっかく基地を作ったんだからハタを集めなければ!」

エーミール「他の人の基地を訪れてハタを集めると楽しいことがあるって…ん?」

 木の上から見渡していたエーミールは、早速誰かの基地を見つけたようだ。
 同じ121番水道のすぐ近くにある、サファリゾーン南の岩の基地だ。
 おや?あの場所は…

オカルト「(まずい!あれって私の基地じゃない!)」

 オカルトマニアは隠れたまま、かえんぐるまの如くかそくする心臓を押さえていた。
 もし何か聞かれたら他人のふりをしてしらばっくれよう、等と考えながら。
 ▼ 245 コフキムシ@ナゾのみ 15/03/14 20:12:06 ID:MO94O5vE [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 そうと知らないエーミールは、木を降りてのんきにオカルトマニアの基地へとまっしぐら。

エーミール「こういうことは大人も子供も関係なく、楽しんだ者勝ちですよ」

エーミール「お邪魔しまーす」

 だが、薄暗い基地の中には誰もいない。
 それもそのはず、基地の主はきんちょうかんとインファイトしながら木の影に隠れているのだから。

エーミール「あれ?お留守でしょうか」

エーミール「今日はハタだけ取って帰るので、ちょっと失礼しまーす」

 基地のハタを見つけて取ろうとしたエーミールだが、あと一歩というところで何かにつまづいて転んでしまった。
 何事かと驚いて座布団をめくると、そこにあったのは意外なものだった。

エーミール「>>247…どうしてこんなところに?」
 ▼ 246 コロボーシ@ピッピにんぎょう 15/03/14 20:19:28 ID:Qz0f4rmQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ksk
 ▼ 247 ミルタンク@パイルのみ 15/03/14 20:19:53 ID:Qz0f4rmQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うつしかがみ
 ▼ 248 コフーライ@おだんごしんじゅ 15/03/14 22:37:29 ID:MO94O5vE [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エーミール「うつしかがみ…どうしてこんなところに?」

 うつしかがみ、それはポケモンの真の姿を映しだすといわれる特別な鏡だ。

オカルト「(どうしてこんなところに、はこっちの台詞よ!)」

 ヨマワルの壁抜けモニターを通して様子を見ていたオカルトマニアは、思わず声を上げそうになって口を押さえた。

オカルト「(まさかあんなところにあったなんて…)」

 彼女は昔うつしかがみと、ゆうれいの正体をみやぶるシルフスコープとの関連性を研究しようとしていたのだが
 ものをよくちらかす性質が災いして大切なサンプルを紛失してしまっていた。
 それが今、通りすがりのこんちゅうマニアの手で座布団の下から発掘されるという決定的瞬間を目の当たりにして
 整理整頓の大切さをひしひしと感じたオカルトマニアであった。

エーミール「…おっと、人のものを取ったらどろぼう」

エーミール「このうつしかがみは元の場所に戻して、ハタだけ貰って帰りましょうか」

 台座からハタを引きぬき、エーミールははやあしで基地から出てきた。
 どうやら基地の持ち主が誰なのかモロバレルことだけは避けられたようだ。
 ほっと一息ついたオカルトマニアだが…

エーミール「ところで」

オカルト「何か忘れているような…」
 ▼ 249 セレビィ@ウブのみ 15/03/14 22:55:42 ID:MO94O5vE [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エーミール「…はかいのいでんしXがない!」

 ビビヨンとアゲハントの騒動にムチュールですっかりドわすれしていたが、ここに来る途中に落としていたのだ。

エーミール「大切な頂きものなのに!名前も書いておいたのに!一体どこで…」

 彼の探しものに心当たりのあるオカルトマニアは、ついさっき追いついたかのように装ってエーミールに近づいた。

オカルト「もしかして、これですか?」

エーミール「わっ!び、びっくりした…」

 オカルトマニアにおどろかされて一瞬ひるんだエーミールだが、すぐに差し出されたはかいのいでんしXに気付いて
 喜びのおたけびを121番水道の夕焼け空に響かせた。

エーミール「それです!ありがとうございます!」

エーミール「ビビヨンも見つかったし、新しい仲間も増えたし、落とし物も返ってきて今日はラッキーです!」

オカルト「ビビヨン見つかったんですか、おめでとうございます!」

 一部始終を知っているオカルトマニアだが、あえて知らない風を装った。
 そのオーバーリアクションな様子は少し不自然なほどだが、幸いエーミールは気付いていない。
 それは彼がどんかんなせいではなく、諦めかけた失せ物が再び戻ってきた喜びを噛みしめていたからだ。

エーミール「よかった。このはかいのいでんし、>>250から頂いた大切なものなんです」
 ▼ 250 ドガース@アクアカセット 15/03/15 12:11:58 ID:6GYs75eg [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エーミール「…誰でしたっけ、あの人?」

 名前をドわすれしてしまい、特防の代わりにエーミールの脈拍数がぐーんとあがった!
 はかいのいでんしXをくれたその人の顔ははっきりと思い浮かべられるのだが、肝心の名前が出てこないのだ。

エーミール「シマネケン地方、キスキタウンのジムリーダーって誰でしたっけ?」

オカルト「そんなこと聞かれても…」

 キスキタウンはおろか、シマネケン地方にすら行ったことのないオカルトマニア。
 その町がポリゴンZで有名なことは知っているが、それも人づてに聞いただけに過ぎない。

エーミール「ほら、虫タイプ使いのあの人ですよ!」

エーミール「ジム戦の切り札にゲノセクトを出してきたので、はっきり覚えているんです」

エーミール「何より、このはかいのいでんしXをくれました。厳重に保管せよ、と忠告をして…」

 鋼タイプのイメージが強いが、ゲノセクトは同時に虫タイプでもある。
 また、人工的に改造された過去を持つという点ではミュウツーに類似している。
 そして、ミュウツーに関係があるといわれるはかいのいでんしXをそのゲノセクト使いのジムリーダーが持っていた…
 ミュウツー、ゲノセクト、そしてはかいのいでんしXに何らかの関係があることはエーミールも気付いているようだ。
 …が、一番重要なことをまだ思い出せていない。

エーミール「だのに!肝心の名前を思い出せないなんて!」

 悔しげにはかいのいでんしXを握りしめたエーミールだが、自分の名前の横に何かが書かれているのに気がついた。
 かすれていてよく読めないが、彼にとってその文字は開かずの扉を開くクレッフィに等しかった。

エーミール「…そうだ、思い出したぞ!>>251さんだ!」
 ▼ 251 稲荷寿司◆P7uCNqttgw 15/03/15 13:27:23 ID:P9rjszJY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バタフライ
 ▼ 252 ココドラ@あさせのかいがら 15/03/15 14:12:26 ID:6GYs75eg [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エーミール「…そうだ、思い出したぞ!バタフライさんだ!」

エーミール「名前の通り無類の蝶好きなんだけど、手持ちの中では結局ゲノセクトが一番強くて凄かったんですよね」

 エーミールの話を聞きながら、オカルトマニアは足りない想像力を絞ってまだ見ぬ人物を思い浮かべた。
 ホウエンでトレーナーになって十数年が経つとはいえ、他の地方に関してはまだまだアンノーン(未知)なことばかり。
 世の中は広いものだ。

エーミール「…もうこんな時間でしたか」

 ふと山際から登り始めたばかりの月を見て、エーミールがつぶやく。

エーミール「明日ははやおきしてあまいミツを取りに行くので、私はこれで失礼します」

エーミール「ビビヨンを探してくれた上に落し物まで拾ってくれて、ありがとうございました」

 エーミールは丁寧にお辞儀をし、サファリゾーンの大木にある秘密基地へと帰っていった。
 偶然にもお隣さんになってしまったこんちゅうマニアの後ろ姿を見送ってから、オカルトマニアも家路につこうとしたが…

オカルト「(今ここで基地に戻れば、そこの基地が私のものだとエーミールさんにバレてしまうかもしれない)」

オカルト「(そうなると気まずいから、少しその辺りをぶらぶらしてこよう)」

 丑三つ刻までまだ時間はたっぷり残っている。
 オカルトマニアはまだ真新しい大木の秘密基地をチラーミィしながら、おくりびやまの南へと向かった。
 ▼ 253 キノココ@ネストボール 15/03/15 14:26:58 ID:6GYs75eg [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【ここまでのまとめ】
 ヌケニンの背中に入れておいたマツバの本がない!
 代わりの本を探しに[ミナモシティ]を訪れたオカルトマニアだが、そこに彼女の望むものはなかった。
 悲しいかな、世間の流行は[ミクリ]なのだ。

 店を出た彼女は、[おだやか]な性格のこんちゅうマニア・[エーミール]にぶつかってしまった。
 彼が大切にしている[ファンシー]模様のビビヨンが行方不明になったというので、[パンプジン]の力を借りて一緒に探した。
 パンプジンが拾ってきた[ヨマワル]とも協力して捜索するも、ビビヨンはいっこうに見つからない。
 一方でエーミールは、ビビヨンが[アゲハント]となかよくしていたという情報を聞いて121番水道の大木へと向かったが
 途中でうっかり[はかいのいでんしX]を落としてしまった。

エーミールが121番水道で見たのは、とうそうしんを燃やすオスのアゲハントだった。
[ハイパーヘラクロス]のハイパービーム(はかいこうせん)で応戦するも、アゲハントの攻撃を[かわしきれず]負けてしまった。
だが、エーミールはどうやらアゲハントに認められた様子。サファリゾーン前の木に秘密基地を作ることになった。

ハタを集めるため、タマタマ隣にあったオカルトマニアの基地に入ったエーミールは[うつしかがみ]を発見。
自分もはかいのいでんしXをなくしたことに気付いてこんらん状態になりかけたが、様子を見ていたオカルトマニアが落し物を返却。
エーミールの話によると、はかいのいでんしXはキスキタウンのジムリーダーでゲノセクト使いの[バタフライ]に貰ったものらしい。

お隣さんになってしまったエーミールに秘密基地がバレないように、オカルトマニアは少しぶらぶらしてくることにした。
 ▼ 254 ゲンガー@あついいわ 15/03/15 14:31:23 ID:6GYs75eg [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【オカルトマニアのともだちてちょう】

・いせきマニアの ブレイカー
 なまいきなせいかく。そらのはしらで出会った。
 改装工事によって生態系が崩れたそらのはしらを元に戻し、「可愛い可愛いチルタリス」を呼び戻すのが夢。

・こんちゅうマニアの エーミール
 おだやかなせいかく。ミナモシティで出会った。
 ファンシー模様のビビヨンを大切にしている。丁寧なデスマス調で話すが、気持ちが高ぶると言い切り口調になる。
 ▼ 255 ペロッパフ@イナズマカセット 15/03/15 15:30:49 ID:6GYs75eg [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「ちょっとした散歩のはずが、ずいぶん遠くまで来てしまったわね…」

 現在地、きのみ名人の畑。
 昼間の気候こそ春めいてきたとはいえ、夜はこごえるかぜが容赦なく吹き付ける時期だ。
 オカルトマニアも思わずマントを羽織り直したが、それでも寒さは誤魔化せない。

オカルト「シャンデラ、いつもの頼むわよ」

 ボールを開くと、シャンデラがつきのひかりを浴びながら優雅に飛び出してきた。
 魂が吸い取られると噂されるあおいほのおを見ていると、オカルトマニアでなくともうっとり夢心地。

オカルト「ふふ、いつかあなたのうつくしさをコンテストで皆にアピールしたいものね」

オカルト「魂を吸われるなんて所詮はただの迷信だけど、吸われたってかまわないわ。だってこんなに美しいんだもの…」

 オカルトマニアはシャンデラの魅力にメロメロだ。
 ある意味、既に魂を吸われているのかもしれない。

 恍惚の表情を浮かべながらシャンデラで暖をとっていると、向こうからヒトカゲ…否、人影がふらふらと近づいてきた。
 シャンデラの焚き火に近づくにつれて、その影はだんだんミニスカートをはいた少女の姿になってきた。

オカルト「(ミニスカートなんて珍しいわね。こんな時間に何してるのかしら?)」


 ミニスカートの名前…>>257(ゲーム内NGワードは再安価)
 性格…>>259
 ▼ 256 サボネア@クラボのみ 15/03/15 16:03:38 ID:bkHQZjcw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
kskst
 ▼ 257 ボルキングラー◆MjwQSo9n8c 15/03/15 16:04:42 ID:vfM1TY9I [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ナツミ
 ▼ 258 ムチュール@スーパーボール 15/03/15 16:18:41 ID:P5Wuab2o NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おとなしい
 ▼ 259 ケイコウオ@あおいビードロ 15/03/15 16:19:14 ID:bkHQZjcw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
陰気で性悪で邪悪
 ▼ 260 シンボラー@ヨロギのみ 15/03/15 17:50:59 ID:6GYs75eg [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ミニスカートの名前…ナツミ 性格…陰気で性悪で邪悪


 彼女はナツミと名乗り、有無を言わさずシャンデラ焚き火の側に陣取った。
 ミニスカートの姿をしているにはしているのだが、目の下は隈だらけで視線もうつろ、呂律も回っていない。

オカルト「(それになんだかお酒臭い…)」

オカルト「(この子未成年だよね?大丈夫かしら?)」

 頭で考えただけの言霊がうっかり独り言になって飛び出してしまい、オカルトマニアは慌てて口を押さえたが後の祭り。

ナツミ「いいんだよ、私はこう見えても大人なんだから」

オカルト「…え?」

ナツミ「ああ、もうすぐミソジで悪かったね」

オカルト「本当に?そんな風には見えないけれど」

ナツミ「キルリアだったらLv.30でサーナイトになれるが、どうせ私には無理なんだよ」

 一見可憐な見た目と、そこから際限なく湧き出るダークオーラのギャップに戸惑うオカルトマニア。
 彼女が恐れオノノクスがたを見てナツミは大きくため息をつき、強烈な酒のにおいと共に愚痴をはきだし始めた。
 ▼ 261 ダイケンキ@アゴのカセキ 15/03/15 18:04:58 ID:6GYs75eg [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ナツミ「私、これでもコンテストアイドルなんだよ」

オカルト「…え?」

 マメパトがタネマシンガンを食らったかのようなオカルトマニアの表情を見るなり、ナツミは顔を背けてどくどくを吐く。

ナツミ「ま、どうせ私の事なんて誰も知らないよな」

オカルト「そ、そういう訳じゃなくて、わ、私そもそもコンテストに詳しくなくて…」

 じたばたと必死に取り繕うオカルトマニアの様子を、ナツミは哀れむような目で眺めていた。

ナツミ「いいんだよ、コンテストに詳しい奴でも私の名前すら知らないから」

ナツミ「売れないコンテストアイドルってのは、そういうもんなんだよ」

 ルチア、ミクリ、そしてカズラ…
 コンテストでスポットライトを浴びて輝く者がいる一方、日の目を見ずに消えていく者も五万といる。
 いつの時代も前者ばかりがメディアに取り上げられ、後者の存在が知られることはほとんどない。

ナツミ「才能がなくても努力次第で輝ける…とかいうけれど、現実は残酷なんだよ」

ナツミ「結局私らがどんなにがんばったって、天才肌で努力家な奴には勝てないのさ」

ナツミ「…ルチア、お前のことだよ」

 いかりのボルテージを上げていくナツミを前に、オカルトマニアは黙って聞いていることしかできなかった。
 ▼ 262 ボルキングラー◆MjwQSo9n8c 15/03/15 18:11:40 ID:vfM1TY9I [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
http://dic.nicovideo.jp/a/やまおとこのナツミ
 ▼ 263 ポッチャマ@リピートボール 15/03/15 18:48:54 ID:6GYs75eg [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「(ルチア、ねえ…)」

 世間の流行に疎いオカルトマニアでも、流石にルチアは知っている。
 コンテスト関連の番組には必ずと言っていいほど登場し、最近はバラエティにもゲストとして頻繁に呼ばれるので知らないほうが不自然だ。

ナツミ「ねえ、相談なんだけど…」

オカルト「な、何でしょうか?」

 さっきまでどくづきばかりしていたナツミにいきなり話しかけられ、オカルトマニアはびくっとした。

ナツミ「のろいの得意なゴーストポケモンが欲しいんだけど、どこで捕まえたらいい?」

オカルト「(の、のろいって?この人本気なの!?)」

 ルチアの人気をを妬むナツミ同様、コウハイが憎いと感じていたオカルトマニア。
 だが、流石に相手をのろいたいと思ったことまではなかった。
 第一、愛するゴーストポケモンを悪用するなんてオカルトマニアとしては万死に値するタブーだ。

ナツミ「ねえ、どんなポケモンがおすすめかしら?」
 ▼ 264 ドータクン@タンガのみ 15/03/15 19:14:51 ID:6GYs75eg [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オカルト「あ、あのね…」

オカルト「ゴーストポケモンに呪えと命令しても、まず言うことを聞かないのよ」

ナツミ「えっ、どうして?」

オカルト「バトルで使う技の『のろい』だって、発動させるのに体力をかなり使うでしょう?」

オカルト「まして、本物の呪いならその比じゃない。ポケモンへの負担が大きすぎて、その上トレーナーまで巻き添えになるほど」

オカルト「…だから、そう簡単にできる事じゃないのよ」

 …というのは建前であり、ただ大好きなゴーストタイプを守りたい一心で口に出した出任せなのだ。
 実際どうなのかは、実はオカルトマニアにも分からない。
 しかし「ウソッキーも方便」と割り切り、彼女は本物の呪いがどれほど恐ろしいかをいのちがけで説明し続けた。

オカルト「まあ、心から信頼したトレーナーの命令なら…本当に呪っちゃうかもしれないけれどね」

オカルト「まずはゴーストタイプと仲良くなってみて、それから考えるってのも悪くないわよ」

ナツミ「…ソーナノね」
 ▼ 265 ボスゴドラ@いのちのたま 15/03/15 19:41:09 ID:6GYs75eg [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 それを聞いて、ナツミの表情がパッとへんしょくするのを見逃さなかったオカルトマニア。
 今度はこちらからなかまづくりをしかけてみた。

オカルト「さっきお勧めのゴーストタイプを聞いてくれたわね」

オカルト「ヒトツキ、じゃなくて一口にゴーストといっても色々いるけれど、初心者でも育てやすいのは…」

 オカルトマニアはヌケニンの背中から取り出したゴースト図鑑のページをめくりながら、ナツミにも勧めてみた。

オカルト「まずはカゲボウズ。うらみや妬みといった人間の負の感情を食べてくれるの」

オカルト「だから、カゲボウズを飼い始めてから頭痛や肩こりが軽減されたという声もあがっているのよ」

ナツミ「へー」

オカルト「ムウマの首の玉にも同じような働きがあってね。こっちは胃もたれと腰痛解消の効果が期待されていて、現在世界各国の医療機関で…」

ナツミ「凄いですねー」

オカルト「それからフワンテ。見てよ、このお口とハート型のお手々!プクーっと膨れた時の表情も愛くるしいのよ!かわいさ部門ならマスターランク優勝間違いなしの…」

ナツミ「……」

オカルト「可愛さならボクレーやバケッチャだって負けてはいない…って、あれ?」

 すっかりおしゃべりになってしまったオカルトマニアがふとナツミの方を見ると、
 ナツミは ぐうぐう ねむっている…

オカルト「もしもーし?」

ナツミ「…はっ!ど、ど、どの子も可愛いですねー」
 ▼ 266 ドジョッチ@ネットボール 15/03/15 19:49:34 ID:6GYs75eg [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ナツミ「ゴーストタイプって怖いと思っていたけれど、よく見ると可愛いのね」

オカルト「でしょう?」

ナツミ「こんな子たちに人を呪えだなんて…とても言えないよ」

オカルト「でしょう!?でしょう!?」

 どうやら、なかまづくりは成功したようだ。
 この人にならゴーストタイプを任せても大丈夫だろう、そうオカルトマニアは感じ始めていた。

オカルト「(それに、負の感情がたっぷりあったほうがゴーストタイプは育つものね。うふふ…)」

 彼女はナツミに、ゴーストタイプのタマゴを一つあげることに決めた。
 ヌケニンの背中から一つ一つ取り出して一列に並べてみたが、ナツミは迷っているようだ。

オカルト「どのポケモンを育ててみたくなった?」

ナツミ「…そうね。他の子も捨てがたいけれど、>>267(タマゴから産まれるゴーストタイプのポケモン)がいいな」
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